第001回国会 文教委員会 第3号
  付託事件
○教員養成の諸學校に宗教講座を設置
 することに關する請願(第一號)
○新制中學校の經費を全額國庫負擔に
 することに關する陳情(第十一號)
○日本國起上會設立に關する陳情(第
 十六號)
○岐阜農林專門學校を農林大學に昇格
 することに關する陳情(第二十號)
○新制中學校の經費を全額國庫負擔に
 することに關する陳情(第二十五
 號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔にすることに關する陳情(第四十
 一號)
○勤勞青年教育の定時制高等學校設置
 に關する請願(第十二號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第四十
 二號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第四十三號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔にすることに關する陳情(第五十
 五號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第五十六號)
○公立學校人件費を全額國庫負擔にす
 ることに關する陳情(第六十五號)
○岐阜農林專門學校を農林大學に昇格
 することに關する請願(第十四號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第十六
 號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第七十
 八號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第八十
 二號)
○學用品に關する陳情(第八十七號)
○六・三教育制度完全實施に關する陳
 情(第九十號)
○新制中學校舎建築費國庫補助に關す
 る陳情(第九十二號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第九十
 四號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第九十五號)
○私立中等學校に對し國庫補助金下附
 に關する陳情(第百號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 一號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 二號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 三號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 四號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 五號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 六號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 七號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 八號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 九號)
○金澤市に官立北陸總合大學を設置す
 ることに關する請願(第三十三號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第三十
 七號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第三十
 八號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百六號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百八號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百十
 二號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百十
 七號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百二十號)
○小委員會設置に關する件
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昭和二十二年八月十三日(水曜日)
   午後一時三十一分開會
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  本日の會議に付した事件
○岐阜農林專門學校を農林大學に昇格
 することに關する請願
○小委員會設置に關する件
○動勞青年教育の定時制高等學校設置
 に關する請願
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○委員長(田中耕太郎君) では開會いたします。今日は前囘問題になりました請願第一號の教員養成機關に宗教教育を採入れるや否やという問題につきまして、小委員會を設けることに關しまして御相談を願いたいのでございますが、それに先立ちまして、便宜上請願文書表第十四號の岐阜農林專門學校を農林大學に昇格する件につきましての請願を便宜上紹介議員の下條康麿氏から御説明を伺つて、そうしてその前から懸案になつている問題につきましてお諮りいたしたいと思いますが、いかがでございましよう。
○委員長(田中耕太郎君) それではさよう取計らいます。紹介議員の下條さんに御説明をお願いたします。
○委員外議員(下條康麿君) 私岐阜農林大學建設の陳情に關する紹介議員の下條康麿でございます。私はこの農林學校の所在地のすぐそばに住所を持つておる者でございます。即ち岐阜縣稻葉郡の鏡島村に住所を持つておりまして、この學校のことにつきましては詳細承知をいたしております。岐阜農林專門學校は大正十三年に設置せられましてから、約二十四年經つておりまして、その内容は段々と充實いたしまして、現在では農科、林科、農藝化學科、獸醫畜産科、農業土木科、農産製造科の六つの本科から構成せられておりまして、その外に尚實科を持つております。既に卒業者は三千名に上りまして、その内容は文部當局の方の御批評によりましても、日本内地においては第一であるというように聞いております。私自身見ましてもさように感ずるのであります。御承知の如く農業の基礎である主食の生産につきましては、學校の所在地が濃美の大平野に所在しておりまして、その各般の問題の研究に最も好いコンデイシヨンにあるのであります。又飛彈の方面から越中の方に行きますと、まだ人跡のないような大森林がありまして、林業に關する各般の研究資材も提供しております。かような點に現状の學校の内容と學校が存在する地域の好條件とを絡み合わせまして、この際農林大學を建設したいというのが、學校當局竝びに卒業生及び父兄校友一同の熱心なる希望であり、又所在地方におきましても、官民共に擧げてこの問題に對して非常な熱意を持つておるのであります。それで學校の組織が今申し上げたようにさように充實いたしておりますから、この際大學になりましても、格段の經費を要するわけではないのです。ただ實はこの内容を全部ぶちまけて申しますると、名古屋の大學からその一翼として、農學部として設置したいという希望もあるやに聞いておりまするが、やはり綜合大學としては、所在地域の關係等から見ましても、相當離れておりますし、それから岐阜縣としては大學が何も今までないので、かような大學程度の學校の分散というような見地から考えましても、是非共岐阜縣にこの農林大學の設置をお願いしたい。こういうように考えております。どうぞよろしく御詮議を願いたいと思います。
○矢野酉雄君 私は大正の終りに朝鮮、滿洲を旅行して、そのときに一番胸に痛く感じたのは、朝鮮の山々でした。昭和十六年、私は十七年振りかに再び朝鮮、滿洲の旅をしたのですが、そのとき僕の胸に爽やかなるものがあつた。それは朝鮮の山々が緑樹に蔽われているという事實でした。朝鮮總督の巧罪は、或いは半ばするか、或いは罪の方が多いかも知れないが、少くとも朝鮮の山林政策については實に偉大なる業績を擧げ得ているということを、事實の上で立證することができたのです。現在の日本の實情は矢野が大正の末期に朝鮮を旅したときに感ずる以上に、胸の疼くような、實に濫伐、禿山が汽車の窓から見ただけでも、實に眼を射つている。東北の今度の水害のごときも、結局は計畫的な伐採ということが行われなかつたためでありましようし、四國の如きも亦殆ど頂きにいたるまで開墾されていて食糧が不足する。開墾はしなければならんという、ここに日本の非常な矛盾の二つの相がむしろ相剋しているのである。現在の農林當局の言明によるというと、机上のプランはできているけれども、さて植林行政の實績は、どれだけ擧つているかというと、殆どこれは寒心せざるを得ない實情である。それから考えて見ても、あの地域は今下條紹介議員が説明せられたごとくに、最も農林大學を設置するに相應しい一つの大自然の環境に惠まれ、而も縣民諸君が、この實現に對して擧縣一致でこれに當つている。日本の現状においては、特に山林行政について百年の大計を立てなければならんときであり、而もその先驅者となつて計畫し、實踐に當るところの者は、こうした若き學徒であらねばならん。そういう立場から岐阜農林專門學校が農林大學に昇格することに對して、滿腔の贊意を表する者であります。是非その請願は、この文教委員會において欣然として採擇せられるように私は希望して止みません。終り。
○委員長(田中耕太郎君) この農林行政なり、農林教育の問題が非常に重要であるということは、今矢野委員から縷々お述べになつた通りでありまして、これは專門學校が大學に昇格するという一般的の問題の一つといたしまして、本委員會で以て愼重審議を要することと思いますので、これは審議の方法にも關係いたします。あとでお諮りいたそうと思つておりまする小委員會に付託をいたしまして、愼重審議いたしたいと思います。いかがでございましよう。
○藤井新一君 小委員會を作る前に日高さんがおいでであるから、農林行政に對して所見を承りたいと思いますがいかがでしようか。例えば私らの聽かんとするものは、農林學校が全國に幾つあつて現在大學に昇格すべき學校が幾つぐらいあるものであるか。又大學にするためにいくらいくらの金を要するかということをちよつと承つておくことが必要と考えますから、幸に日高さんがおいでであるから承りたいと思います。
○委員長(田中耕太郎君) その前に委員長といたしましてお斷りを申し上げておきたいのは、實は請願の審議は請願の順序に從つてなさるということになつておりまして、それで今下條さんから御説明になつた請願は、委員會といたしましては第三番目の請願でございまして、實は下條さんは決算委員長をしておられて、非常に忙がしくいらつしやられるものですから、順序を特に繰上げまして、第二番目に該當しております紹介議員鈴木憲一氏の謹勞青年教育の定時制高等學校設置に關する請願よりも先に説明を願つたようなわけでありますから、その點どうぞ御了解をお願いしたいのであります。若し御異議がありませんければ日高學校局長のこの點に對する御意見を承りたい。
○松野喜内君 ちよつと御説明を伺う前に一言お願いできませんか。今日高局長から伺う前に下條紹介議員から伺つたごとくに、私も最近これが議案に上ることを思うて、實地に調査に參つた一人であります。今下條議員のおつしやつた通り確かにその施設といい、面積といい、生徒數、卒業生、殊に私の申し上げたいのは内容の方面です。研究室等を覗いて見ましたが、學位を貰つた者も七人からに上つておる。そういつたふうで内容の方も非常に宜い。是非これが昇格するということを望む一人でありますが、私は日高さんにお伺いしたいのはこれと、盛岡或いは宇都宮等、それらと比較してどういう状態にあるかということを一つ伺つておきたいのであります。一つお願い申し上げます。
○小野光洋君 ちよつと紹介議員に伺いたいのですが、昇格大學の對象は大體現在の制度の大學にしようというのか、六・三・三・四の新らしい制度の大學にしようというのか、どちらですか、その點をちよつと……。
○委員外議員(下條康麿君) 新らしい制度にお願いしたいと思います。
○小野光洋君 そうしますと新らしい制度とすれば、文部省の方針としては現在の官立專門學校、或いは公立專門學校は大學にするのか、專門學校としてそのまま置くのかという根本方針によつてこれは決せられると思います。その點について特に日高教育局長さんの御答辯お伺いたいと思います。
○政府委員(日高第四郎君) 現在の高等專門學校を、新らしい四年制の大學に轉換いたします方針を初めに申し上げたいと思います。それは大體文部省といたしましては、二十四年度から高等專門學校を大學に切り換えて行きたいと思つておるのでありますけれども、御承知のような財政經濟状態でありまして、これを一々の學校を十分充實して、大學に轉換するということは、財政及び資材、教授陣等において非常に困難を伴います。私どもの現在の状態といたしましては、一時三年制の大學というようなものを考えまして、暫定的に、數年若しくはまあ十年以内の計畫を立てまして、そうして基準に當嵌つたものから順次轉換して行きたいという、大體の方針をそういうふうに決めております。これには無論今日の學校教育法では、三年制の大學というものが、制度上ございませんので、先ず學校教育法をその點において改正して參らなければなりません。それから第二に、どういう手續や順序を經てやるかと申しますと、今度の高等學校及び專門學校を全般的に轉換させます問題につきましては、事情が非常に複雜いたしておりますし、對象が非常に數が多いものでもありますから、從來のように單純に文部省の計畫を以てやることは、公正妥當な結論が得にくいという見解を持つております。御承知の方も多いと思いますが、大學設立の基準というものを只今作つておりまして、大體成案は得ております。それは昨年の十一月の初から、初には既存の大學の内容を充實させるための基準を作つておりましたのですが、昨年の暮に六・三・三・四の學制改革の方針が大體決まりましたので、途中からそれを轉換しまして、新らしい四年制の大學に對する設立の基準を研究中であります。先ず一般的に大學の求めなければならない必要な最小限度の基準を設定いたしまして、それから次に、文科系の大學と理科系の大學と女子の大學に關する基準を設定しまして、大體七月中を以つてそれ等のものも成案を得たわけであります。で、それを完成した上で公表をいたしまして、その基準によつて、新らしい大學の設立の認可の基準にいたしたいと思つております。それにはその基準を文部省自身が適用するのではなくして、學校法に定められました大學設置委員會というものを官制によつて決めまして、その設置委員會に文部大臣が各方面からの希望する學校を設置委員會に諮問をいたしまして、審査をした上で、それに基いて文部大臣が認可を決定するようにいたしてございます。現在のところは、先ず二十四年度を目標にいたしておりますので、設立委員會の官制の準備と、それに必要な豫算等を、この秋の議會に間に合いますれば、出して、そうしてその委員會を先ず決定いたして、恐らく來年の二十三年の初からその活動によつて、一々の學校の適否を決定いたしたいと思つております。これにつきましてはその委員會では、内閣にもございますし、又國會の方にもそういう計畫があると思いますが、國土計畫の方とも十分連絡を取りまして、各地の人口だとか、交通事情、産業状態、文化の開發状態、そういつたようなものを十分睨み合せて、この際必要な配置をできる限り公正にやりたいというふうに考えております。これが一般的のお答えでございます。
 それから先程御質問のございました宇都宮、盛岡、それから岐阜の學校の内容をどういうふうに考えるかというお話でございますが、實はまだそのどれも視てございませんので、私は一々の學校の内容については詳しいことは存じておりません。ただ視學官その他が連絡のために始終行つておりますし、その評判等も聞いておりますけれども、三重だとか、盛岡とか、宇都宮とか、岐阜とかいうのは、現在の高等農林學校の中の第一流の學校に屬しておるということは間違いないことだと存じております。
○藤井新一君 それから專門學校が大學になる費用はいくらでありますか。
○政府委員(日高第四郎君) 費用でございますか。これは若し日本の財政状態というものを非常に樂觀的に考えまして、我々の初に計畫したようなことを實行したとすれば、どのくらい掛かるかというようなことを、比較的樂觀的な考えで見積つてみたこともあるのでありますが、今丁度その材料を持合せておりませんが、私の記憶が間違いでなければ、教務教育の徹底には大體幾ら少く見積つても百五、六十億は掛かるだろうと思うのですが、大學のその昇格に關しましては、官立のものは思つたよりも少なかつたのでありますが、むしろ臨時費が少くて、經營費が非常に殖えまして、大體年に十二億ぐらいになつたかと思つております。その十二億の經營費を年々續けて行くということは、國力の囘復を俟たなければ到底相話に乘れないような状態だというような判斷から、先程申しましたように、一時的には三年制の大學というものを置いて内容を若干改善して、大學という名稱を許す。但し學士號は與えない。併しそれは卒業したものは、四年制の大學に連絡し得るような途は作つております。こういう意圖を持つておりまして、これで教育刷新委員會の方の承認も得られるだろうと思いますし、司令部側にも十分現在の實情をお話をすれば了解は得られるだろうと思いまするが、具體案を作製の上で、御批判、御叱正を得たいと思つております。まだそこまでの段取りに到達いたしておりません。
○小野光洋君 簡單ですが、三年制の暫定的な大學というのは、現在の專門學校或いは高等學校を、大體そのまま現状維持ということなんですか。先徒と名前だけ變えて……。
○政府委員(日高第四郎君) 多少は資格の及ばないものが隨分粗製濫造でもつてひどい學校もありますから、そういうものは止むを得ないと思ひます。中等程度の、普通の程度の高等學校、專門學校は三年制の大學には成るべく一應させて、そうして除々に内容の改善をして行きたいと思つております。御承知のように現在の大學の中に大學基準協會といふものがありまして、學校と學校との間の自治的な切磋琢磨の機關として内容を充實させて行くというような方法を取つておりますので、同じような方法で内容の改善をさして行きたいと、こういうふうに思つております。それからただ名前だけ變えて行くということは餘り世間をごまかすといつたような、名稱だけでもつて制度の切り替をしたというようなことも、無意味な點もあるかと思いますので、できれば教授陣營というようなものを強化するとか、教授の研究費といつたようなものにもう少し大學にふさわしいような待遇をするという、そういつたような點で多少の改善はしなければ、どうも名前だけでは相濟まないと思つております。唯結果としては今まで五年の中學校を經て專門學校に入つたものが六年の教育を受けて三年制の大學に入るということになりますから、梯子段が一段高くなつたというようなそういう結果になると思つております。
○堀越儀郎君 日高局長に今の問題に關連してお伺いしたいと思いますが、四年制の大學の必要を認めておられるが、國家財政の上から一時的の措置として三年制の大學を設けたいというお話のようでありますが、そういたしますと、私立などの基礎が確實であり、財政的に國に御迷惑を掛けないようなところはどうなるのでしようか。これは畫一的に四年制の新らしい大學はそのときには設けられないというお考えですか。
○政府委員(日高第四郎君) その點は一擧に學制の改革を實施することがむずかしいものでありますから、文部省といたしましては二十四年度から大學は出發するという、こういう方針でございますが、そういう方針で先程申しました大學設置委員會というようなものを作りまして、そうして若し私立の學校で十分用意が整うておつて、早く大學になりたいというようなお申し出があれば、それに對しては成るべく優先的に早く審議に掛けまして、審議が終われば官立に先立つてでも四年制の大學にする方針でおります。但し新制の高等學校と大學との關係もありまして、私立の學校で下の方から上の方まで連續的にあるものは、その學校のシステムの上から少し早くなつても弊害や混亂が少いと思いますけれども、外の學校、まだ高等學校が完成しない内に、或いは高等學校と同時に大學を作りますると、大學に入學するときに相當の混亂と矛盾が起ります。その點は官立については二十四年度、併し私立のものの急いで準備が既に整つているようなものについては、余り無理をしないで、できることならば先立つてでも許す方針でおりますのですが、これはまだ文部省として全體として決定したわけでございませんので、局長個人としての意見でございますので、多少の修正があるかる知れませんけれども、私はそういうふうに考えております。
○鈴木憲一君 ついでにお伺いしたいのですけれども、師範學校ばどういうふうなお考でおいでになるのでしようか。學藝大學云々のことなどがありますが、師範學校のことは……
○政府委員(日高第四郎君) 師範學校も大體ほかの大學と同じような時期に出發する積りでおりますけれども、これについては實は教育刷新委員會と司令部側との問に相當意見の食い違いもありまして、文部省としてはその間に入りまして、できるだけ合理的な、實行可能なところで成案を得たいと思つておりますのですが、その食い違いの點と申しますのは、教育刷新委員會の意見は教育養成を主とする學藝大學において、教育養成をしろというような、そういうことになつておりますが、その學藝大學案といふものの出ます背後には、從來の師範學校の歴史的使命は十分認めておつたけれども、そのうちにあつた弊害というようなことに、非常に弊害を矯正することに急でありまして、それの積極的な建設面というものは刷新居員會の答申の中には十分出ておらないのであります。その點に司令部の方では滿足いたしませんので、ほかの專門のところに專門の教育が必要であり、教師には教師たる資格を得るための教職的教養というものが十分強調されなければいけない。ところが刷新委員會においてはそれが非常に輕んぜられておる。その點は甚だ遺憾であるというような意見を申しておるわけでありまして、私共も從來の師範學校の缺陷を指摘された點においては、刷新委員會の意見のうちに尤もな點を十分認めるのでありますけれども、教員の養成に限つて專門的な教職的教養が要らないかのごとき印象を與えるような案はこれは十分檢討し直さなくちやいけない。そういう意味においてこれは新らしい先入主のない立場でもつて、教員に必要な教職的教養を十分持つた學校を作らなければ、今後の日本の教育のために憂うべき點を殘しはしないかということを考えております。そういう心持で假に學藝大學案というものを考えます場合に、學藝大學においてはほかの大學の案に盛られてありますように、一般的な人間的な教養が必要なのと同時に、專門的な教育、教養というようなものも必要である。いかなる程度にそれをするかということについては、その道の專門家等の智惠を借りまして、委員會を作つて具體案を作成いたしたいと思つております。まだそこまで話が進んでおりませんですけれども、近いうちにそういう委員會の助力を得て具體案を作つて行きたいと思つております。
○堀越儀郎君 今の提案に現れました例の高等農林學校の岐阜の問題でございますが、六・三・三制のこの問題から、高等學校が後の三年の制度で拵えられて、文科理科と分れますが、萬一この高等農林の岐阜の問題が採用されないことは、又實現されないことになると、この運命はどうなるのですか、既存の高等專門學校として殘り得る餘地があるのですか、それとも廢校ということになるのでありますか、當然大學に昇格するか、廢校ということになるのでありますか、その點一つお伺いしたいと思います。
○政府委員(日高第四郎君) 專門學校が大學になれないような場合には、高等學校として存續する途も考えられております。それは高等學校は原則として三年でありますけれども、四年若しくは五年といつたようなそういうコースも置くこともできます。それから一般には三年であるけれども、その上に一年とか二年とかの專攻科を置くという、そういう途も考えられておる。ですから一つの專門學校が大學に轉換できなかつたような場合には、例えば實業の高等學校ですね、農業高等學校とか、或いは商業高等學校、そういうような途も開けておるわけであります。私の個人的の見積りで言いますと、先程申し上げましたような、現在の日本における高等農林學校のうちの、最も充實したようなものは、順序から言えば早く大學になる可能性はあると思う。併しこのことは先程申しましたような、大學設置委員會の決定すべき事項でありまして、文部省の一局長がそういうことについて申し上げるのは甚だ不穩當だと思います。ただ全く個人的の推測を申し上げますと、そういうものは比較的早い機會に大學になるのではないかというような豫測をいたしております。私の只今の立場ではどれがなれるかというようなことについては、權限を冒さなければ申し上げられないような状態であります。
○堀越儀郎君 それでは重ねてお伺いいたしますが、萬一この農林、岐阜の問題ですが、昇格しないということになると、設備その他の點について、その他教授陣容いろいろな點から考えまして、十分に大學になり得るような設備がありながら、若しなれないとなると普通の農業高等學校というような、謂わば格下げをしたような學校として殘るより外に仕方がないということになるのですか。
○政府委員(日高第四郎君) ちよつと申し上げますが、格下げというのはどうかと思いますが、教育の年限から言いますとほぼ同じになる。從來の專門學校は五年の中等教育を受けた上で、三年の專門教育を授けることになつております。新らしい高等學校は三年制の中學校を濟んだ上に、假に五年の高等普通教育と專門教育を授けるということになります。全體として八年で同じ年限の教育をすることになるのであります。必ずしも格下げということにはならなくとも濟むと思います。
○堀越儀郎君 形においては格下げにならないのでありましようけれども、實際の方面から考えて大學となれるものを、その以下の程度に置くということになれば、實際の面からみて格下げになるように考えられるのでありますが……。
○政府委員(日高第四郎君) それは現在大學であるものをそういう高等學校にすれば格下げでありますが、現在專門學校でありますから、その專門學校が別の意味の高等學校になるのでありますから、必ずしも格下げと私どもは考えておりません。先達て專門學校校長會議でもつてそういう途のあることをお話をいたしました。いわゆる昇格運動だけでなしに現實に日本の社會的要求というようなもの、國民の希望というようなものに副うように、内容の充實した教育をして欲しいということを私から希望いたしました。すべての專門學校が徒らに大學に昇格するというような方向でなしに、もつと社會の實情に適したような、そうして學生の希望を滿たせるような、魅力のある教育を、新らしい高等學校の專攻科等においてして貰うことを希望するということを申しました。澤山の專門學校長の中には、それを聞いて非常に安心した。無理をして昇格運動をしたり、不可能なような寄附金の募金をしたりするようなことをしないでも、眞面目にやつて行けば我々の立場はあるのだ。又將來の問題としては、無理をしないで大學になる途もあるのだというような點で安心をしたというようなことを答辯された方もありました。そういう點では私は新制の高等學校に對する認識が深まりますならば、必ずしも格下げというような意味でなしに行くこともできると思います。岐阜の場合は、或いは大學になれるのだという自信を持つておるものが、大學になり損なつて、農業高等學校になつたというようなことは、一種の格下げのような感情を持つかも知れませんが、それは今後の問題でありまして、私共としては必ずしもそういうことを格下げとは考えておらないのであります。
○松野喜内君 學校教育局長に、關連してお尋ねしたいと思います。今誠にぴんとした、宜いことを承つたので、ついでにお伺いいたします。今の專門學校長會議におつしやつた國民、學生、社會の要望に、希望に實情が副うようにしたいという、私は乏しいながらもそれぞれ拜見した學校の状態を見ると、いわゆる學生のためにその學校教育というものがあることが多いように思う。即ち學校を開放してその邊の農民に、農林學校の施設、研究を活かして行くということは餘り見受けんようであります。今の言葉のごとくならしめようと念願しておるが、今日の日本の教育の實情は、必ずしもそういつていないことを多くの場合に見るのでありますが、そういつておるところがあるかないかを伺いたいのであります。
○政府委員(日高第四郎君) 私も經驗が淺いのでありまして、一方面のことしか存じませんのですから、各方面でそういう社會、若しくは父兄等との間に有機的ないい連關がありまして、學校が社會の一つのエレメントとして、有機的な連關の上でうまく運用されておる例があるかどうか、實は私承知いたしておりませんけれども、私としてはできるだけ、名ばかしでなくて内容の充實した、良い教育を今の條件の下でも、良い教育を熱心にして參りたい。そうしてその社會的の連關を忘れないでいて貰いたいということを、機會あるごとに希望いたしておる次第でございます。
○藤井新一君 堀越委員の發言ですが、それと關連いたしますが、昇格運動に關することでありますが、請願をして大學になるということは甚だ面白くないから、中央に請願委員會でも作つて、いかなる運動でも駄目にするというような方法は取れんものでしようか。盛んに運動して、旅費を使つて來て、宿賃を使い、汽車賃を拂つて、そうして文部省へ來て運動する。甚だ怪しからん、これを防遏するような、どういう運動も利かない。この委員會でこれはいかんという確乎たる委員會が、文部省にできませんか。
○政府委員(日高第四郎君) お答え申し上げますが、實は御趣旨のようなことを私は請願に來られる方々、並びに學校長、學生等に常に申しております。昔であれば或いは七つ八つの學校が昇格するかしないかという意味で、いわゆる昇格運動というものが效を奏したかも知れませんけれども、今日の日本の状態においては、國民がすべて窮乏のどん底にある中で、而も高等専門學校の全國的な大學へ轉換の問題の時であるからして、それを運動したものに優先權を與え、正直た運動をしないで地道にやつていたものが損をするようなことはいたしたくない。その意味において、文部省の職にある若干のものが好意を持つたから大學になれた。それを掴み損つたものは大學になれないというようなことはいたしたくないので、いわゆる昇格運動のきかないような方法を現在考えつつあるのであります。その意味で文部省自身が昇格の基準というものを公表する、斯く斯くの條件が備われば、外の條件さへ備わつておれば、學校として昇格できるというような、そういう物差を初めから文部省の中に置いておかずに、公表してしまうのだということが一つ、その公表された物差を使うのは文部督の役人でなく、この委員會がそれを運用する。今のところ委員會は大體四十名くらいの委員會にする積りでありまして、その四十人くらいの委員會で決定されるのであるし、そうして決定されるときにはこういう大變革の時期でありますから、國土計畫といつたようなものも睨み合せなければならん條件になつておるから、個人的の好悪によつて左右のできないような構成にして、妥當な判斷をして貰うための委員會を作る。それであるからして昇格運動は無意味であるし、無駄であつて、學校にとつても學生にとつても、父兄にとつても、文部省の役人にとつても、それは無駄であるということを承知して、できるだけそういうことをしてくれるな。唯一の途は學校に歸つて、學校の内容を充實することだ。それが將來昇格の問題の起つた時に、資格の審査を受けるときの有力な條件になります。良い教育をしてくれるということ、學校の内容を充實するということが、むしろ一番近路で、昇格運動は無駄なようにしたいと思つておるから、その積りで學生にも父兄にもそう言つてくれということを機會あるごとに申しておる次第であります。若しも國會等の御援助を得て、そういうよな無駄なことをしないで、地道にやつて行く者が決して損をしない。そういう途が付きますならば、文部省としては非常に幸であります。
○河野正夫君 今のことに關連してちよつと文部當局にお伺いしたい。確かに基準の設定や、諮問委員會が公正に運用されればいいでせうけれども、國家としては私學の方の昇格ならばそれでいいでしようが、國としては例えば新制大學を地域的には別として、全國で豫算としてはどれくらいということを勘考して置かなければならない。その面から結局早いもの勝で、何とか今の内に寄附を集めて、何とかして基準に合うようなものにして、早く委員會に持つて行こうと一種の運動が行われる可能性があるわけであります。そういう意味で、只今お決めにならんかも知れないけれども、先程お話のような暫定的な案も、國家財政の現状からそういうことも考えるのですが、今明らかにはできますまいけれども、國として新制大學は幾つぐらい設置することが適當であるという方針は、矢張り明らかにされなければならんものじやないかと思います。その點如何ですか。
○政府委員(日高第四郎君) お話は御尤もだと思いますので、先程申しましたような全般的な問題で、而も國家の財政經濟の實力との均衡を考えなければなりませんものですから、現在は義務教育の徹底にも躓いておるような状況でありますから、大學をおよそどのくらい作れるか、どのくらいにこれを經營して行けるかということについては、相當複雜な條件があります。まだそこまで研究が進んでおりませんので具體的に御返事申し上げる段階までに至つておりませんけれども、お話の點は御尤もでございます。私共も一應は先程の暫定の措置を採つておいて、その中で四年制の大學にするものを順次に計畫的に立てまして、そうしてそれを諮問の委員會等に掛けて、成るべく公平に順序を經て實現して行きたいというような意圖を持つております。御趣旨は尊重して考えたいと思つております。
○委員長(田中耕太郎君) 岐阜農林専門學校を農林大學に昇格することに關する件、竝びにこれに關聯する事項につきまして、御質問外にございませんか。若しございませんければ、この前からの懸案の問題に移りたいと思います。つまり請願を全體としてどういうふうに處理して行くかという方法の問題でございます。この前矢野君が動議を出されまして、御贊成もありまして、請願文書表第一號の宗教教育を師範教育に入れるかという件につきまして、小委員會を設置して審議すべしとしう動議でございました。贊成の方も多くありました。この問題につきましては、單にその請題の案件のみに止まらず、今問題になつております請願につきましても、又これから審議されようとしております案件につきましても、同じように取り計らつたらいいのじやないかと思います。その取扱の方法について御協議願いたいと思う次第であります。問題は二つのやり方がありはしないかと思いますが、又別のいろいろ御意見もあろうかと思いますから、御参考に申し上げます。一々の案件が出て参りました場合に、その案件毎に小委員會を設けて處理いたしますか、それとも委員會を三つなり或いは四つなり作りまして、そうしてその案件を各委員會の審査に、ここで總括的の質疑應答がありました後に付託して行くというようなことにいたしますか、二つの方法があると思います。それらの點について御意見がありませんか。
○小野光洋君 他の常任委員會の例を見ましても、一々の問題について特殊な委員會を、その度毎に設けるということでなく、大體意見の性質を大別しまして、そうしてその方面に關聯した委員會というものを三つ或いは四つ作つておいて、そうして決議によつてどの委員會にこれを付託するかというようなふうにした方が一番議事の進行上宜しいのではないかと思います。委員長の先程の御説明の中の第二案の方法を採ることを私は贊成いたします。
○河崎ナツ君 私はそれに贊成いたします。
○委員長(田中耕太郎君) いかがでございましよう。その都度請願が出て來るその順序に從つて、委員會に掛けて、この請願について小委員會を設置するということではなく、初め小委員會を作つておいて、そうしてその事柄の性質によりますか、或いは別の標準かによつて小委員會に付託して行くという方法を採るかということでございます。今お二人の方から後の方が宜かろうという御意見でございます。
○松野喜内君 只今御贊成もあり、私もその説に贊成いたしたいと思いますが、一つの方法でやりますと、煩わしさもあれば、又意のごとく進まない嫌いもあると思いますから、初めから三つなり四つなり分けておいて、それをば順にやつて行く、つまり後の方が宜いと思います。
○委員長(田中耕太郎君) それでは個個の原案につきまして一々小委員會を設置しないで、豫め委員會を三つなり四つなり作つておいて、それに付託するというような方法に御異議ありませんか。
○委員長(田中耕太郎君) それでは左様に決定いたします。
 ところで、委員會の設置の方法でございますが、二つの考え方がありはしないかと思います。これは事柄によりまして、委員の各位の御經歴その他を考慮しまして專門的の委員會を設けるか、それともそうではなく、どの委員會にもいろいろの方が入つておられるというような同じ性質の幾つかの委員會を設けるということがいいかというようなことになりはしないかと思います。その點いかがでございましよう。
○河野正夫君 第二案贊成。
○委員長(田中耕太郎君) 他に御異議ございませんか。
○小野光洋君 成るべく深く掘り下げて研究することが小委員會の目的ですから、その點で同種類の問題について專門的な人を集めるということを中心にした委員會の方が適當じやないかと思います。あらゆる方面からの檢討は全體の常任委員會で或程度までできるわけであります。小委員會はもう少しそれを据り下げてみようというわけでありますから、專門家だけでなくても宜しいですが、專門家を中心とすべきじやないかと思います。
○委員長(田中耕太郎君) 小野君の御發言もございましたが、その他今の問題につきまして御意見おありになる方は……。
○河野正夫君 この文教委員會というものがすでに一つの專門である。成る程宗教なら宗教家の方々がいらつしやるから、その方々に、一般的な討議は一般委員會でやつて、細いことは宗教家の諸君にお任せする、大學教育については大學教育に經驗のある方、或いは專門の方にお任せするということがいかにもいいようでありますけれども、例えば宗教教育のことについて、この請願第一號を宗教家の諸君に任せれば全部これに贊成するに決まつておりまして、そう詳しい討議を必要としないが、やはりそこにはそうでない者が入つてみる方が宜しいと思います。全體として文教委員會でありますから、それだけで一つの大きな意味の色合を持つておりますから、更にそれを小分けにしない方がいいじやないか、大學教育について、大學教育に經驗のある方ばかりがやるより、一般國民教育、社會教育に關係のある者がそれに加わる方が尚いいという場合が幾らもあると思います。ですから私は第二案の方を主張するわけであります。
○委員長(田中耕太郎君) 只今の問題は、第二の方法につきましての御贊成が多いようでございます。小野君いかがですか。
○小野光洋君 結構でございます、ただ私の意見は、專門家のみでなく、專門家を中心にした方が宜しい。專門家だけで宜しいというわけじやないのです。
○委員長(田中耕太郎君) 或いはそれらの場合につきましては特に非常に專門家があつて、請願文書の番號によりますれば、委員會に付託されない、その專門家がおられるところに當らないというような場合におきましては、特に話合いで以て臨時に入れ替わつて頂くというようなこともできないわけじやないのです。
○岩間正男君 今のようにあまり劃然と分けてあとで身動きができないというようなものでなく、その場合によつてやはり自分が非常に關心を持つておる者はその委員會に出て相當發言する、意見を述べる、こういうもので運營をして見ることによつて段々いい形を作つて行くというような方法を採れば、先に對して伸びがあるのではないか、こんなふうに思うのです。そういうようなことに大體御決定を見て、若し委員長の方で原案でもありましたら、それについて今發表して貰つたらいかがでございましよう。
○委員長(田中耕太郎君) 今岩間君からお話がありましたように、小委員會を設けても、小委員以外の方で熱心な方は協力して頂くということはこれは非常に結構なことだと思います。
○小野光洋君 これに裕りのあるようなふうに運營して頂くことにいたしまして、先程實はこの問題につきましても、下準備といたしまして理事の方々が集まつて研究をいたしました腹案があるかというようすお話でございまして、さような意見で腹案を作つて參つたのでございます。それでは御異議がなければ申し上げることにいたします。
○委員長(田中耕太郎君) 大體三つの委員會にしたらいかがかと思うのです。それは詰り委員長を除きまして八人によつて構成せられる各小委員會で八人くらいはあつた方が……、六人ということになりますと、四つということになりとあまり數が多過ぎはしないか、それでは八人は成るべく各會派なり又婦人の委員の方も分散して頂くように、又宗教界、教育界各方面みなそれぞれの委員會に分散するようにいたしたのでございます。併しこれは尚あとでのお話合いでいろいろ又都合がつく場合、なにか又考え洩れのあるような點もあるかも知れませんし、又一箇所に同じような種類の方が、專門の方が集まつており過ぎるというようなこともあるかも知れませんが、これは適當にあとで是正して頂くことにいたしまして一應申し上げます。第一委員會小委員會といたしましては、松野喜内君、河崎ナツ君、小泉秀吉君、中山壽彦君、安部定君、梅原眞隆君、堀越儀郎君、羽仁五郎君、それから第二小委員會で柏木庫治君、藤井新一君、左藤義詮君、安達良助君、木内キヤウ君、岩本月洲君、鈴木憲一君、中山以良君、第三の小委員會岩間正男君、梅津錦一君、森下政一君、小野光洋君、高良とみ君、仲子隆君、河野正夫君、矢野酉雄君、以上でございます。
 尚今讀み上げましただけでは、或いは御記憶に留まらない場合もありはしないかと思います。これは小委員會を設けます場合においては、公報に發表することになりますが、いかがいたしましようか、公報に今日委員會で以て決定した結果が出ますので、その以後は又出ました後で皆さん御修正の考も出得るかと思いますから、そのときには又そのときで改めるということにいたしまして、一應今日はこれで以て御決定を願つたことにいたしたいと思います。
○梅原眞隆君 今の三つに分けられたのは、何かそこに分けられたのに、先程仰しやつたような、同じものを三つ作るという、肚でやられたのか、三つのものに何らかの特徴があるという、問題の性質によつて分けるのが適當だ、こういうふうなことを中心にして、お選びになつたのか、私の方は默つて聞いていた印象をいうと、ただ同じものが三つできるというような形が非常に多い。それなら小委員會にするということも、何か一面においてはただ澤山あるから議論が纒らない。少くすればいいというようなお考で小委員會をお作りになつたのか、ただこれを聞いておりますと、小委員會というものの持つている性格、むしろその役目というものがどうだろうか、こういうふうな點に、これは概括的に人の誰彼というものじやない。ただ委員長がそれを選ばれたときの方針を聽かして欲しいのです。そうすれば多少その意味が分る。まあこれくらいにして置きます。
○委員長(田中耕太郎君) 先程河野君が發言されました趣旨で、小野君の御意見に對にまして、つまり或問題については、專門家が特に掘り下げて研究する必要があるから、だからしてそういう趣旨で小委員會を設けたらいいじやないかという御主張に對して、河野君が專門家ばかりの集まりではなくして、やはり專門家以外の者も大いに混えて檢討したらいいだらうというような方針で以てやる方がいいだらうというわけで、御主張になりました。私といたしましては、その第二の方を、つまり色合いのない、どの委員會も同じ性格を持つているものと標準でやつたわけです。
○梅原眞隆君 同じものをなぜ三つ作らなければならないか、その理由なのですが……。
○委員長(田中耕太郎君) それにつきましては、多數の請願が來るということになりますると、やはり手分けをして一應下研究をするという意味で、それでそういうふうにいたしたのです。
○梅原眞隆君 それなり宜しいのです。そうすればただ大數を少くして、それで下準備を一遍する。こういう意味で同じものを作つた。そういうお考ですか。
○委員長(田中耕太郎君) できるだけ同じものを作つて置いた方がいいのじやないか……。
○梅原眞隆君 それも一つの行き方でしよう。それも一つの方法ですから贊成します。
○小野光洋君 大體他の常任委員會の方面を分けて、そうしてその各人の申し出を分けてやつているらしいのですね。そうすると或程度まで色合がつくのですが、こうしちやうと實際同じものが三つできたということになるのだが、或程度專門的な色採を加えた方がいいのじやないのですか。
○松野喜内君 今文教の委員から同じものを三つというようなお話があつたのですが、私もいかにもそういうように考えられます。一面から又文教委員會なるものの取扱う項目が規約にできているように五つある。それを三つに分けるようにすれば、どんな項目をとるかというようなことになるかと思います。例えば宗教方面の委員、小野さんが言われたような宗教方面の委員、體育方面の委員、學校制度の方面の委員、科學の委員、それからもう一つに分れておるわけでありますが、そういう五つのものを三つに分けるならば、どれとどれをどうするかという考え方も考えられるわけなんでしようね。
○委員長(田中耕太郎君) ちよつと附け加えさして頂きますが、最初私どもの方で事項別ということを考えたのであります。そうしますと文教委員會の所管事項といたしましては、一、教育及び教育制度に關する事項、二、育英に關する事項、三、宗教に關する車項、四、科學及び技術に關する事項、五、體育に關する事項、こうありまして、これを假に事項別に三つ分けるといたしますと、第一、第二、つまり教育及び教育制度に關する事項、育英に關する事項、この二つが一つのものになりやしないか、それから第三の宗教に關する事項は、これは大きな項目で一つになりやしないか、それから四と五、即ち科學及び技術、體育に關するのが第三になりやしないかと思います。ところで案件の出て参りますのが大體公平に萬遍なくこれらの委員會に割り振られる程度に出てくるかどうか、例えば科學及び技術に關する事項とか、體育に關する事項の委員會は非常に閑散であつて、第一第二の教育に關する、又育英に關する小委員會は非常に忙しいというようなことがある。それでは餘り小委員會を作つた實益も效果もないというようなことになる。又第四、第五に、詰り第三の小委員會に屬せられた方は脾肉の嘆に堪えないということでも甚だ困ると思いまして、そういうようなこともありまして、この委員會に屬しておいでになる方々は専門家であられると同時に、又萬遍ない知識を持つておいでになるが、それで以て…。
○小野光洋君 それでは原案の通り私は贊成をいたしまして、先程の運營の上で適當な問題に對しては他の小委員に屬しておる委員も適宜委員會に出て發言もできる、審議の中に加わり得る、といつたような運營の方法で補つていただくことで結構であります。
○委員長(田中耕太郎君) では運營の方法におきまして、只今の反對の御意見を大いに尊重いたしまして運營して行くことにいたします。
○堀越儀郎君 私も同じ意見で、その意味において原案に贊成します。
○藤井新一君 小委員會があつても必要な場合には特別委員會というものはできないのですか。
○小野光洋君 この外に小委員會を作つちやいかんというわけはない。
○委員長(田中耕太郎君) それはできないことはありません。
○小野光洋君 必要に應じて…。
○委員長(田中耕太郎君) はあ、それでは小委員會の設置はこれで決まつたわけでございます。
 現在出て參つておりますところの請願案件を、この委員會の順序に從いまして小委員會に付託するということにつきましてお諮りいたしたいと思います。現在出ておりますところの請願案件でございますが、既に説明がありましたもの又討議のありましたのは宗教教育に關する請願であります。これは第一の小委員會に付託いたすことにいたしてはいかがでございますか。
○委員長(田中耕太郎君) それから第二は、まだ實は説明がせられていないのでございます。これは詰り勤勞青年教育の定時制高等學校設置に關する請願で、鈴木憲一君が紹介議員になつておられます。今日實は三時頃まででこの委員會は終えたいと存じております。もう時間もございませんのでこの説明を伺えば第二小委員會の御審議を願えるわけであります。いかが取り計らいましようか。
○柏木庫治君 もう時間がないから……。
○小野光洋君 説明を受けなければ……。
○委員長(田中耕太郎君) 鈴木君がいないので……。
○岩間正男君 探して來い、肝腎なときだから……。
○委員長(田中耕太郎君) 若し簡單なことならば、説明を……。
○小野光洋君 説明を伺つて委員會に付託するということになつたら……。
○岩間正男君 鈴木君が來るその間に、ちよつと今後の議事に付て動議を提出したいと思います。大分請願の案件が多いし、六・三なんというような問題、差迫つた問題もありますので、明後日あたり本會議があるということを聞いておるのですが、そういうような機會を利用して、何とかもう一囘文教委員會を臨時に開催するような運びにして頂くことはできないかと思うのですが、如何ですか。
○委員長(田中耕太郎君) 岩間君の提案されましたことは、私自身も全然考えていないわけではなかつたのでありまして、もう會期も段々迫つて参りますし、水曜日午後一時からの定例の委員會だけでは足らないのじやないか、もう一囘くらい矢張り開いた方がよくはないかというふうに考えます。その點お諮りいたします。
○河崎ナツ君 贊成でございます。
○委員長(田中耕太郎君) 何日にいたしますか。この次の本會議は金曜日でございます。金曜日の午後にいたしましようか。
○岩間正男君 明後日本會議……。
○河野正夫君 自由討議ですか。
○岩間正男君 十八日は自由討議で、なにか貿易再開の感謝決議と引揚同胞の決議とで、早く終る。
○堀越儀郎君 午後一時。
○岩間正男君 終了後に直ぐでも……、十五日はいかがですか。
○委員長(田中耕太郎君) 明後日ですね。それでば十五日金曜日の午後一時にいたしますか、一時半にいたしますか。一時にいたしますといつでも集まりがよくありませんので、一時半ということに……。
○河野正夫君 本會議が早く終れば大丈夫です。
○委員長(田中耕太郎君) 大抵一時といたしましても、定足數が揃うのは一時半頃です。
○河野正夫君 一時半には全部おいでになるということに……
○柏木庫治君 一時半にしたら二時に……。
○委員長(田中耕太郎君) 文部當局にも都合もありますので、矢張り……。
○柏木庫治君 先生の方で、委員長で決めて下さい。
○堀越儀郎君 一時半に……。
○委員長(田中耕太郎君) パンクチユアルに一時半ということにいたします。
○河野正夫君 鈴木さんがおいでになりましたが、文部當局がおいでになつておるので一つだけ伺いますが、會期が延長される見込みなんですが、そうすると又文部省の方としては、國會に何か法律案とか何んか今出す豫定をしておられますか。會期を延長するならば提案するというものでもございますのでしようか。只今の御見込みいかがですか。
○政府委員(日高第四郎君) お答えします。只今のところございません。
○委員長(田中耕太郎君) それでは時間もまだございますので、鈴木憲一君が紹介議員となつておられまする勤勞青年の定時制高等學校に關する件を御説明願います。
○鈴木憲一君 簡單に紹介議員として御説明申し上げます。御承知のように六・三制の新らしい制度が發足いたしまして、ここに大きな勤勞青年の教育が取殘された形になつておることは皆様すでに御承知の通りであります。それにつきましては全國有識者の方々が非常にこの面に對して絶大な關心を抱いておられます。過日全國青年學校研究會の大會がありました際にも本案が議決になりまして、請願となつてこの國會に提出されたわけなのであります。私はこの研究大會の決議になりました定時制の高等學校案についてここに簡單に説明をいたしたいと思います。
 勞働省が設置されますると勞働省と文部省とのこの案は大きな問題を將來に持つものではないかと考えるのもではありますが、取敢ず文部省關係において強く考慮を拂われたいという要望を持つているものであります。定時制の高等學校は嘗ての我が國にありました青年學校、現在でも僅かに息をして形骸を殘しておりまする青年學校を主體と考えられるところの更生の途でもあり、且勤勞青年が地方的に生きる途、將來の發展の途を大いに考慮してやるべきことは我々の忘れてならん大きな問題であることは確かでありますが、この勤勞青年に對して何ら今のところ措置が講じておられない。でこの請願はこの勤勞青年に對しまして、第一に實業教育を施し、而もそれを地方化するというようなことを主體にしまして、地方産業の振興というようなことを基盤にして、全國的な産業面への進出を企圖していかなければならない。そういう立場から放置されている勤勞青年の希望ある教育を義務制において國家はこれを採用して行つて頂きたいということが請願の大きな理由であります。過日決算委員會の方でも勞働省設置案につきましてこの問題が論議された節に、文部省は青年からこれをなんとかして實施をしたい考えを持つておるというような意味のことを本省から説明がありました。本案がこの委員會において採用されまして逸早く實行の緒につくように各員の御盡力を得たいと思うものであります。いろいろ名稱、設置、經費、設備、課程というような面につきましては、この請願の印刷物を御覧下されば大體お分りのことと思います。どうぞそういう面で宜しく御審議の上御採用されて、動勞青年のために一日も早く希望ある教育生活が得られますように御盡力願いたいと思うのであります。尚義務制にして頂きたいという請願でありまするが、義務制になりますれば教育基本法、勞働基準法を改正することになりますが、併しながらそれをしてもとにかくこれを採用されるべきものではないかというふうに私は考えているものであります。
○委員長(田中耕太郎君) 本件の提案につきまして御質問、お考えはありませんか。又文部當局から説明を求めるお考えがありましたら御質問願います。
○岩間正男君 只今の請願の趣意というものは非常に切實な問題に繁がつていると思います。これは日本の今までの教育の反省の中から當然生まれなければならない重要な問題じやないかと考えているわけであります。つまり今までの様子を見ますというと、中等學校、女學校に進む者は全學童の約二〇%に過ぎなかつた。あとの八〇%というものは高等小學校、青年學校若しくは六年だけで止めてしまうというような途を選んだのでありますが、そういうような大きなパーセンテージを占めるところのいわゆる大衆の子弟が、經濟的理由によつて教育の機會均等を與えられなかつたというところに、やはり今までの日本の教育の在り方というものの姿を見ると思うのであります。そうして又このことは同時にそれらの子供達が放置されて、而もそれらの子供達がいつでも大量生産的に粗惡な教育に追いやられている。名目はいかにも青年學校の教育という形になつておつても、實質的のことは教育に携わつた者が本當によく知つているのでありまして、誠に申譯的な教育であつたというふうに思います。そのために實は優秀な人材がなん人か埋もれておつたのだが、それらの人材を實は經済的事情のために發掘することができなくてそのままに埋もれてしまつた。彼ら英才も常に埋もれておつたし、實に惜しい。謂わば國家的な大損失でなかつたかと思うのであります。更に又こういう時代が參りまして、この時代との睨み合せによつて考えてみますと、なんといつてもすべてのものを失つた日本の現實においては、もう勤勞によつて國を建てる、非常に單純な理論でありますけれども、それ以外には途はないということは餘りにも明らかな實態であります。そうしますというと、勤勞大衆の教育というものを本當に採り上げて、これをどのように組織し、又これを優秀にして行くかというところに、もう今後の勞働の能率の問題が大きくかかつて來る、從つて國の生産の問題が大きな土臺を持つて來るというふうに考えられるのでありまして、こういう點から六・三制の的題は一應緒についた。併しこれは非常に不完全な形で、誠に實體が伴わない次第でありまするけれども、それと同時に、その上に當然起つて來るところの勤勞大衆の問題を今からやはり採り上げて綜合的に……。これはいつも私は文部當局に要請しておるのでありますけれども、綜合的な施策というものをここではつきり打立てなくちやならん。先程から大學の昇格問題も澤山問題として採り上げられたのでありますけれども、これらのものも實は六・三、それから上の高等學校の三年、その上の四年の大學、全部を含めたところの綜合施策というものは、どうしてもここで強力に努力して作らなくちやならん。文部省でも忙がしくてまだ具體案ができないというようなお話でありますけれども、これをあらゆる方面で、文教委員會も努力せんければならんと思うのでありますが、そういうものを是非ここで確立して、年度計畫を立てて、はつきり國民にも肯けるところの教育改革案を提示しなければ、もう殆んどこの問題が突發して、それに對していつでも泥繩式のやり方をやつておつたんでは到底間に合わない。殊に苛烈な國内の經濟事情でありますから、この中で眞に百年の大計であるこの教育を建てるという仕事はもう非常に針の目を通るような困難を伴つておるのでありますから、それにつけてもここで本當に努力しなくてはならんと思う。そういう時にともすると忘れられ勝ちでありますところの、この勤勞大衆の問題をこそ、これを中心問題として、教育の機會均等の立場から、又過去の教育の反省から是非これは採り上げて頂きたい、これについて文部省はどういうような見透しを持つておられるか、果して來年度からこの高等學校を、普通の一般の高等學校の問題でもありまするが、これと睨み合わして定時制の高等學校をどういうふうに考えておられるかということをお伺いしたいと思うのであります。河崎ナツ君 私の申し上げたいと思いますことは、言葉は違いますけれども、岩間さんと同じ考の下に、この問題は宗教精神を教育に採り入れるという問題も重大でありますけれども、もつと非常な重大な問題として私共文教の者は採り上げたいと思うのでございます。從つて私は第一小委員會の方の宗教の方のことに出ておりましたが、こちらの問題に全力を盡したいと思うくらいの問題だと思つております。ただ伺いたいのは、無論今日のことですからして、今までですと青年學校のいろいろな義務教育的なものは女子にも負わされておりましたが、無論女子も含まれての實業教育、實業教育に限りませんが、そういう問題も是非落さないように、この意味にも私は參加いたしたいと思つておるのであります。つきましては今六・三の實施、六・三・三まで將來は義務制として行くんでございますか。そのときの六・三・三と、勤勞大衆の教育の義務制との將來の連絡の工合、そんなようなことも含めて考えて行かなければならんと思いますので、岩間さんの御質問のように文部省のお考を伺わして頂いたら大變仕合せだと思います。
○松野喜内君 私も衷心からこの勤勞青年教育については皆さんと同感の者であります。全國の青年學校長各位の集まり、或いは青年學校に教鞭を取つておいでの各位からの痛烈なる叫びの聲を聽きましても、實に今皆さんが仰しやる通りに同感なんであります。敗戰國の日本は、これを措いて外にないとまで言いたい一番大事な場面であることを痛感いたす者であります。私はあの敗戰國のデンマークが、勤勞青年の教育によつて今日あることを想うとき、本當に日本もそう行きたいということを衷心から念願いたしておる者であります。今各位の言われるように、是非これをば文部省のお考も伺い、我らこの文教委員はここに重點を置いて進みたいとまで考えております。先程私も宗教の方面の小委員の方に入りましたけれども、若しこれらの問題が委員に附託されるならば、その方へ入りたいと思つておる一人であるという氣持で申し上げて、この點については熱烈にお願いする次第であります。仍つて前の方の御質問のごとくに、文部省においても、お考えやら資料やら御研究があられると思いますので、一つこの際伺つて置きたいと思います。
○小野光洋君 勤勞青年の教育の必要から、特に只今の請願は私共尤もだと思います。それで尤もであることは尤もでも、現在の國力の上から、果して六・三・三の上の三まで義務教育でやれるかやれないかということは非常に檢討を要すべきことであり、又その三を來年から直ちに實施できるかどうかというようなことも、又現在高等學校制度が來年から果してやれるかやれないかという一般的な段階にまで行つておるように考えられるのですから、ここでなかなか簡單に文部當局の答辯を聽いたつてどうかと思います。それでこの問題は次會に移して、そうしてもつと綿密に研究されて委員會に付託されんことを私は希望いたします。
○委員長(田中耕太郎君) いかがでございましようか。文部當局の説明を求める必要はないという御意見もありますが、何か一應簡單に説明でも聽て置いた方がよいだろうと思いますが…。
○委員長(田中耕太郎君) それでは文部當局の御説明を聽くことにいたします。
○政府委員(日高第四郎君) 只今分つておることだけ申し上げます。定時制の高等學校を來年度から外の一般の高等學校と同じように實施いたす方針は、文部省としては決めております。近い中に閣議にもかけて、政府の政策としての決定を見たいと思つておりまして、もう準備も濟んでおります。實は御承知だろうと思いますが、六・三の義務制の費用が十分でないということから、政府の内部では高等學校の實施は延期してはどうかというような議論もありましたけれども、一つにはこの定時制の高等學校を放つて置くわけに行かないということもありまして、一般の新制高等學校については國庫において負擔をしない。それから各地方の財源にも餘り大きな影響を與えない、こういうような方針で、一般の高等學校は來年度から出發することに大體文部省としては決定いたしております。それと同時に定時制の高等學校についても出發いたしたいと考えておりまして、目下定時制の高等學校の内容につきまして委員會を設けて、詳細を檢討中でございます。これは最近の中に大體の内容を決めて發表ができるかと思つておりますが、これはお話のありましたように、定時制と高等學校の制度を布くのと同時に、それらの中で能力のあつて進學の志望のある者には大學へ行ける途を開かねばなりません。一般の高等學校と定時制の高等學校との共通點、或いは同じ地盤というようなものを考えなければなりません。多少そこに技術的な問題があります。で晝はずつと學校に通つておるものと、夜間だけ、而もいろいろな場合がありますので、夜間だけやつたもの、或いは一年の中の或る時期だけ教育を受けたものを全然同一視するわけに行きませんので、その間に今のところでは大體學科の單位制というものを考えまして、その單位制によつて、兩校の間の共通地盤によつて連絡を取りまして、上の學校にも行ける途を考えようと思つております。但し一般の勤勞青年においては、いわゆる高等普通教育というよりはむしろ實業的な職業教育に重きを置かなければならないことは自明のことでありますので、そういう方面も考えて、定時制高等學校の學科課程等を今考究中でございます。これは來年度から出發するのに間に合うようにいたしたい積りでおります。それから義務制の問題でありますが、これは教育刷新委員會でも、いわゆる從來の青年學校の年齡まで、即ち今度の定時制の高等學校まで義務制にしたいという強い希望はあつたのでありますけれども、現在の日本の状況ではその年齡まで義務制にするということは國情が許しませんので、これは宿題にいたしてあるようなわけであります。又定時制の高等學校だけを義務制にして、一般の高等學校は義務から外すということも、法律的に考えましていろいろ問問があります。それらの考慮も考えまして高等學校を義務制にするということは、現在の日本の實力においては願つても届かないような一種の理想であるというように考えられますので、その點は、遺憾ながら義務制にするだけの餘力がないように思つております。併しその義務制を外した後の定時制の高等學校につきましては、あらゆる努力をいたしまして、小學校卒業生の中の七割五分、乃至八割に當る一般勤勞青年の教育のことでありますから、これは新らしい高等學校制度と切り離しては、非常な片手落ちでございますので、同時にやりたいという決意でございます。どうぞ國會の方においても、御指導御鞭撻を頂きたいと思います。
○河野正夫君 今の國庫から支出しない、地方財源にも影響を與えないでやるというのは、具體的にはこういう工合にやるのですか。大體の案はまだ決まつていないかも知れませんが……。
○政府委員(日高第四郎君) 本來ならば高等學校の設立の基準というものを設けてある。それは大體できておるのでありますけれども、その基準を切り下げる積りであります。で概ね從來の中等學校であるならば高等學校になれるというような暫定基準を作りまして、そうじてその基準を切下げることによつて餘り無理をしないで高等學校に轉換できる途を考える。ちよつとそれ以外にどうも出發ができそうもないのでありまして……。
○河野正夫君 晝間の高等學校もそうですか。
○政府委員(日高第四郎君) そうであります。定時制高等學校についてもいろいろ緩和規定を澤山作りまして、普通の高等學校に附設することもできれば、中學校に附設することもできるというように、できるだけ緩和規定を設けまして、それはむしろ學科の内容及び單位制度によつて標準的なものとの聯關をつけたいと思つております。
○岩間正男君 暫定案ですね。
○政府委員(日高第四郎君) そうです。
○河野正夫君 甚だ申し譯ありませんが請願第一號、あれについて文部當局がおいでになつたかどうか知りませんが、意見を聽きませんでしたけれども、教員養成施設において宗教科を、或いは宗教講座を設くるということについては、文部當局では今後の大學の設立というか、學藝大學になりますか、そういうものを考えておられるか、或いは考えて問題になつたことがあるかどうかという點だけでもちよつとお答え願いたい。
○政府委員(日高第四郎君) 昨年九十議會でしたか、宗教的情操を重んずるということが教育上必要であるというような議案も出まして、文部省といたしましては、その線に沿うて教育上いかにして憲法の精神を侵すことなく、又教育基本法に規定されたことに矛盾しないでそういうことをするかということにつきまして、苦勞いたして來たわけでありますが、只今文部省として考えておりますのは、教員養成諸學校において社會科というものがございますからして、その社會科の中において宗教の社會生活における位置と意味、それから信教の自由というようなことに對する涵養の精神を養わなければならないということが、その社會科の課程の中においても十分考えて、社會科の内容を決定いたしたら宜いのではないかというふうに考えております。他面現實の歴史的な或いは特定の宗教を離れて、宗教的情操のみを養うということは、口には言えますけれども、實行において非常にむずかしいことだと思います。そうかといつて學科内容に特定の宗教に屬する人がそれを講義し、若しくはそれを強調するというようなことが、ややもすれば信教の自由を妨げるという危險がないとは考えられませんので、その點において普通の學科課程を外して志望者によつて組織されたような研究會とか、修養會、そういうような方面において宗教的修養をするとか、或いは信仰や、座談の話を聽くとか、そういうようなことはいたして差支ないし、又それはむしろ助長すべきではないかというふうに考えております。
○委員長(田中耕太郎君) それでは定時制高等學校に關する件につきましての質疑應答は今日はこれだけにいたしまして、第二小委員會に付託いたしましていかがでございましようか。
○委員長(田中耕太郎君) それではそこで御研究を願いまして、更に又本委員會において御報告を聽いて決めたいと存ずる次第であります。
 それから請願の第十四號の岐阜農林専門學校を農林大學に昇格する件、これは第三小委員會に付託することにいたしたいと存じます。この點は御異議ありませんか。
○委員長(田中耕太郎君) それでは大分時間も經ちましたので……。
○河野正夫君 ちよつと大事なことがあります。今の委員會を招集する責任者乃至は座長というものを御決定になりませんと……各委員會に理事が居りますから、その理事が責任者になつて頂きますと一番いいではないかと思いますが。
○委員長(田中耕太郎君) 一應理事の方は世話人になつて頂きまして、各小委員會でお打合せの上、然るべくお取り計らいを願つたらいかがかと思います。
○松野喜内君 先程運營というお言葉がありましたが、それはどんな程度、その事項、殊に何でもいいのか、或いは又餘分に行つて説明するのがいいのかどういうふうにしたものですか。
○委員長(田中耕太郎君) 私自身承つたところでは、つまり他の小委員會に屬しておられる方も、特に興味のおありの方は、その小委員會に問題になつておる案件が……その小委員會に出席は誰でもできる。それから又お話合いによつて、或る問題が掛つている場合において、實は自分がこの小委員會に出席したい。委員として關與したいというようなことを希望されるような場合におきましては、臨時に入れ替わるというようなことも、これも差支ないというようなふうに。
○柏木庫治君 委員會に任せたらいいでしよう。
○小野光洋君 その申し入れは委員長を通じて、その當該理事に話をすればそれでようございますか。
○委員長(田中耕太郎君) 別に委員長をお通し下さらなくても、直接にいかがでございましよう。
○小野光洋君 最初委員會の理事に相談すれば宜しいと、さようにお願いいたしますか。
○委員長(田中耕太郎君) それで御異議なければ……。
○委員長(田中耕太郎君) それでは今日はこの程度に止めたいと思います。
   午後三時二十三分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           松野 喜内君
           柏木 庫治君
           岩間 正男君
   委員
           梅津 錦一君
           河崎 ナツ君
           藤井 新一君
           森下 政一君
           小野 光洋君
           木内キヤウ君
           岩本 月洲君
           梅原 眞隆君
           河野 正夫君
           鈴木 憲一君
           中川 以良君
           堀越 儀郎君
           矢野 酉雄君
  委員外議員    下條 康麿君
  政府委員
   文部事務官
   (學校教育局
   長)      日高第四郎君