第001回国会 文教委員会 第7号
  付託事件
○教員養成の諸學校に宗教講座を設置
 することに關する請願(第一號)
○新制中學校の經費を全額國庫負擔に
 することに關する陳情(第十一號)
○日本國起上會設立に關する陳情(第
 十六號)
○岐阜農林專門學校を農林大學に昇格
 することに關する陳情(第二十號)
○新制中學校の經費を全額國庫負擔に
 することに關する陳情(第二十五
 號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔にすることに關する陳情(第四十
 一號)
○勤勞青年教育の定時高等學校設置に
 關する請願(第十二號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第四十
 二號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第四十三號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔にすることに關する陳情(第五十
 五號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第五十六號)
○公立學校人件費を全額國庫負擔にす
 ることに關する陳情(第六十五號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第十六
 號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第七十
 八號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第八十
 二號)
○學用品に關する陳情(第八十七號)
○六・三教育制度完全實施に關する陳
 情(第九十號)
○新制中學校舎建築費國庫補助に關す
 る陳情(第九十二號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第九十
 四號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第九十五號)
○私立中學校に對し國庫補助金下附に
 關する陳情(第百號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 一號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 二號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 三號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 四號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 五號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 六號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 七號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 八號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二十
 九號)
○金澤市に官立北陸總合大學を設置す
 ることに關する請願(第三十三號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第三十
 七號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第三十
 八號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百六號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百八號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百十
 二號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百十
 七號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百二十號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第四十
 七號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第四十
 八號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第五十
 九號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第七十
 二號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第七十
 九號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百二
 十五號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百二十六號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百二十九號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百三十四號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百四
 十一號)
○金澤市に總合大學設置に關する陳情
 (第百四十六號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百五
 十八號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百六
 十號)
○熊本市に綜合大學設置に關する請願
 (第八十六號)
○新制高等學校實施促進に關する陳情
 (第百六十一號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百九
 十一號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第二百
 十五號)
○戰災學校復舊資材の配給に關する陳
 情(第二百十九號)
○盲教育義務制の實施に關する陳情
 (第二百二十一號)
○六・三制教育制度の完全實施に關す
 る陳情(第二百二十三號)
○ローマ字教育に關する請願(第百六
 號)
○科學勳章制定に關する請願(第百十
 七號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第百二
 十二號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第百三
 十九號)
○ローマ字教育に關する請願(第百四
 十一號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第百四
 十七號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第百五
 十號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第百五
 十四號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第二百
 二十四號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすことに關する陳情(第二百四
 十七號)
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昭和二十二年八月二十九日(金曜日)
   午後一時五十一分開會
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  本日の會議に付した事件
○ローマ字教育に關する請願(第百四
 十一號)
○小委員會の報告
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○委員長(田中耕太郎君) それでは第七囘文教委員會を開會いたします。先ず新たな請願が四件ばかり出ております。これは第一は請願文書表八十六號の熊本市に綜合大學設置に關する件。第二は、ローマ字教育に關する件、請願文書表第百四十一號。それから第三は、科學勳章定出に關する件、文表百十七號、第四は、六・三制教育制度の經費全額國庫負擔に關する件でありまして、請願文書表百二十二號、百三十九號、百五十號、百五十四號でございます。紹介議員の方で見えておられる方をおいで願いたいと思いましたのでありますが、まだ全部お見えになつていないのでありまして、便宜ローマ字教育に關する件から入りたいと思います。幸い紹介者に梅津錦一さんがお見えになつておりますから、御説明を願いたいと思います。
○梅津錦一君 申上げます。請願はローマ字教育に關する請願と、もう一つは國語ローマ字書きに關する請願と二つ出ておると思いますが、一つだけですか。
○委員長(田中耕太郎君) 分科の方に一つは廻つておるんじやないのですか。
○梅津錦一君 分科の方に廻つておるのか、同じものが兩方に廻つていると思うのですが、事務局の方に出したのは國語のローマ字書きに關する請願であつたと思います。ローマ字教育に關する請願は義務教育にローマ字を採入れ、その綴り方として合理的な訓令式、いわゆる日本式を採つた文部省の方針は全く賛成ですが、來年以降は更にこのローマ字教育を擴大強化して頂方針は全く賛成ですが、來年以降は更にこのローマ字教育を擴大強化して頂方針は全く賛成ですが、來年以降は更にこのローマ字教育を擴大強化して頂きたいと存じます。
 即ち一、現在校長の考で實行してもしなててもよいことになつている點を改めて、正科とし必ず實行するようにすること。二、現在小學校四年生又は三年生以上に課することになつている點を改めて、一年生(過渡期においては一年生以上の全學年)で教え、早く讀書能力と表記能力を與えること。ローマ字によればこのことは入學後一ケ年以内にやれること確實です。三、數學、理科等の教科書から始めて段々に科學方面の學科の書き物をローマ字書きに改めること。けだしローマ字を教えるだけで、これを使わないのは機關車を造つてレールを敷かないようなものですから……。以上の三項を實行されるように請願いたします。昭和二十二年八月。これが請願の内容ですが、請願者の一部調査によりますると、文部省の調査では、現在八九%の學校がローマ字教育の實行を希望しておるという現状だそうです。現在の取決めは今年だけの特殊事情によるもので、つまり準備が間に合わないからという理由だそうです。こうした理由に基ずいてローマ字教育に關する請願が出たわけであります。請願者のもう一つの理由とするところは、小學校でローマ字を教える最大の效果は、これを小學校教育自身に利用してその能率を擧げることにある。三項はその意味でこれを適當に發揮すれば、現在六ケ年で修める内容は四年間で完了すると請願者は推定しております。以上の理由によつて私が紹介の勞を取つたわけであります。
○委員長(田中耕太郎君) 文部當局が來る筈になつておりまして、この點につきましては文部當局に對するいろいろ御質疑もあるかと思いますが、暫くお待ちを願いたいと思います。
○矢野酉雄君 こういう問題は、文教委員だからといつて皆が皆そう特別に親身を持ち、又研究意欲を持つてそれを深めて行くというようなものぢやないと思うのですね。だからむしろ小委員會ができておるから、そちらの方に付託をして、そうしてそちらで十分研究審議して頂いて、そうしてそれを文教の總委員會にかけて、採擇すべきかどうかを決定する。もう少し能率的にやつたらどうだろうかと思います。一一形式張らないでもいいだろうと思います。新らしい第一囘の國會だから我我が一つの能率の擧がる歴史を創造してよい筈ですから、これを率直に言うて、私なんかは全くこの問題については特に素人でありますから、他の方々はいかがだろうかと思いますが、そういう動議を提案いたします。
○委員長(田中耕太郎君) 別に委員會のやり方、順序等につきましてはつきりした慣習ができ上つておるわけでもありませんから、今矢野君が言われましたやうに、各個の問題について融通の付くようにやつても無論差支ないと思います。若し文部當局の説明を聽かないで小委員會に付託した方がよい、適當であるというようなお考えでしたならば、直ちに小委員會に付託したいと思いますが、いかがですか。
○松野喜内君 請願の數とか又は種類は、各委員會にそれぞれ澤山出ておるようですが、まだどういうふうの取扱にしたらということの共通の點も伺つていないのです。一方衆議院等で傍聽して見ましてもこれ亦矢野さんの言われたように、あつさりと委員會でやつておられるように見受けました。やはり紹介議員の説明があつて、政府當局からの見解があれば、それの意見を聽くだけで委員會は扱つておるふうに傍聽したのでありますが、文部當局が見えておられなくても、今矢野さんが言われるように、小委員會に付託いたしまして、そこで文部省の當局の意見を聽くのもよいと思いますから、直ぐ付託なされてはいかがですか。
○委員長(田中耕太郎君) 御異議がありませんけれど、小委員會に付託いたしたいと思いますが、どの小委員會に付託いたしますか、第一、第二、第三の小委員會いずれも問題を含んでおるわけですから、順序から申すと、機械的に割當てますと第一ですが……
○委員長(田中耕太郎君) それでは第一小委員會に付託して御異議ございませんか。
○梅津錦一君 この問題は特に六・三の問題に關係しておると思うんですけれども、取扱が非常に連關を持つておると同時に、これを六・三が非常に緊密して行くべき内容を持つておるので、早く言えば初等科に置くような場合を考えれば、結局この問題に相當兒童の心理的な分野も考えて行かなければならない。今までに派生するところの訓令式と日本式と二つあるそうでありますが、この問題も可なり心理的の分野にまで入つて行くので、特に六・三問題の小委員會に行く方が妥當だと思うのであります。いかがなものでしようか。動議を提出いたします。
○委員長(田中耕太郎君) 梅津君の御動議につきまして何か御意見はありますか……。別に御異議がありませんければ、それでは第一小委員會でなくて、第三小委員會の方に付託することにいたしたいと思います。
○委員長(田中耕太郎君) 尚他の請願につきはしては、紹介議員が見えておりませんから、次の機會に延ばしまして、最初の議案の小委員會の經過報告をお願いしたいと思います。先ず第一小委員會から願います。
○松野喜内君 第一小委員會にかねて付託されました請願第一號、教員養成の諸學校に宗教講座を設置することに關する件、これにつきましては前に御報告申上げ、重ねて小委員會の方で具體的の審議をして欲しいという御要望がありましたから、第一小委員會は本月二十七日に第二囘の小委員會を開きました。そして具體的な内容について審議を重ねました。今その大要を御報告いたしますというと、第一に具體案の内容として梅原委員より、その採擇必要のことを、六・三制度の實施に伴つて教科の内容としての社會科を見ても必要である。又教師が憲法と宗教に對して正しい理解を持たねばならん上からも必要である。宗教に對して無理解無知識であつては、新憲法に即した社會科の教育ができない筈である。ここに科目その他具體案として、第一、宗教學概論、中には宗教哲學も含んでおる。第二宗教史、これには宗教制度とか文化思想史というようなものも含んでおる。第三、宗教心理學、これに別途教育心理學に附帶してもよろしい。第四、宗教社會學、こういつた科目内容を持ち、一週二時間程度、これを一單位といたし、專任教授一人、助教授、講師三人程度、而してこれが實施には年次計畫を以て當ることが、豫算その他の上から必要であろう。初年度には東京、廣島兩文理科大學にこれを設け、次年度には高等師範に、而して第三次の年度には全國の師範學校にというふうに逐次及ぼしてはどうか。こういう御意見の開陣があつた次第でありました。績いて堀越委員の御意見をば岩本委員によつて書面を代讀されました。その中には、宗教講座はこれを社會科に併置して、又宗教家の傳記とか、各宗の大綱とかいうようなものを蒐集して、これを教材としたらばという御意見でありました。第三には、岩本委員の御意見が述ベられまして、現實的に文理科大學生等が宗教概論、宗教史等の講座を要望とて止まない實情にある。こういう意味から見てもこれを採擇すべきと考える。こういうお言葉でありました。
 次には、小泉委員からは、請願の取扱い方はもつと簡單に扱つてもよいと思う。宗教講座は學問的、智識的に授け、信仰は又別途に入れしめてはどうか、こういうふうにして請願を採擇すべしという御意見でありました。ここに文部省の見解は如何という要望がありました。日高局長より教員養成上の基本的解決に今日苦慮しておるのである。刷新委員會、その他の方面が見解の相違點もある次第なんで、文部省としては折角この師範教育の在り方について今考え中である。即ち刷新委員會等におきましては、一般の人間的教養の必要上、學藝文學としたがよい、從來の内容では不備である。又司令部等の意見の一つとしては、教育者しとての職業的、學問的教養訓練が必要であるというわけで、この間未だ具體的の結論に達していない状態である。從つてこの基本的の解決を待つて、この宗教講座のことでも、それを内容的に取入れらるべきだと考えます。こういう意見の開陳がありました。從つてどの程度に宗教を入れるか、その際定められることであると思うという答でありました。更に矢野オブザーバーから、これを参議院の方で採擇に決した場合において、文部省においては、積極的に熱意を持つて取計らいたいという御要望があり、續いて鈴木オブザーバーからの御言葉に、請願の取扱いは專門委員會程にいかなくて、一般的常識から見て、これを採擇に付してよいと思うというお言葉でありました。小野オブザーバーからも、やはりこれが採擇に賛意を表せられ、具體的のことは文部當局において計られたらいいじやないか、同じく左藤オブザーバーからの御意見があり、新憲法制定に際して、衆議院等においても、宗教的の情操教育の必要が力説せられ、決議案に上つておることから見ても、この採決は必要であると思う、憲法二十條に觸れないような具體案を文部省において實施して欲しい、こういう御意見でありました。高良オブザーバーから、これは選擇科目として、この講座を取扱つてはどうかという御意見がありました。
 以上採擇に賛成の方々の御意見であつてに對して、羽仁委員から國民の情操を高めねばならん、宗教的情操が日本は低い、故にその高き目標とする目的においては賛成であり、共通であると思うが、併しこの講座をここに學校に設けることを採擇してよいかどうかは考えねばならん。思うにこれは生徒の自發に應ずべきではないか、形式的や概念的に科目を強いたり、正科に入れるということは、却て逆效果を見るものであると信ずる。歴史が示すことを考えても、私は採擇に反對であるこういう御意見でありました。かくて論議も愼重審議、かほどまでに小委員會を開きましたこの宗教講座採擇につきましては、審議を重ねました結果、そこで採決に入りましたが、オブザーバーからは表決に加わらないで、小委員のみによつて採擇の結果は、羽仁委員の反對、他の四名賛成、ここにおいて小委員會は請願を採擇に決しました次第であります。これを前日の小委員會に出席なすつた者で、今日はお見えにならなかつたが、そういう方々の數も合算いたしますれば、小委員全員八人の中、賛成七、反對一という、七對一であることを御報告申上げます。以上であります。
○岩本月洲君 御訂正を願つて置きます。岩本委員でなくて私オブザーバーでありました。
○松野喜内君 失禮いたしました。岩本委員でなくオブザーバーであります。
○委員長(田中耕太郎君) 只今松野君から第一小委員會の經過なり、結果なりの御報告がありました。この問題につきまして尚御意見がおありになりまするならば御開陳をお願いいたしたい。
○岩間正男君 議事進行について、この問題につきはしては、これはいずけれ討論に移されることと思うのでありますが、この前第三小委員會の方から六・三制の結果について報告をなしたのでありますが、その時この問題は重要な問題だから、多くの皆さんの出席を待つてこの次の機會に移すということで留保されておるのであります。從いまして只今の報告について討議をするということも取つ掛かりよいと思うのでありますけれども、大體委員會の經過を見ますというと、六・三請願に對するところの處置は、殆んど具體的に完了を見ておるような段階まで行つておるのでありまして、これを全體の討議に付して最後的な決定をするという近い段階まで到達しておるのであります。從いまして今のこの宗教問題につきましては、相當まあ議論もあつたことでございますが、この問題は相當議論がやはり存在する問題でないかと思いますので、決まりかけておるこの六・三の問題は當然この前の成り行から先に取り上げられまして、この問題の決定をすでに休會が迫つておりますから、できましたらそれの先決を急いで頂きたい。この前の行きがかり上から私は議事の進行について發言をいたします。
○委員長(田中耕太郎君) 岩間君の御意見は、この問題については今採擇しないで先に延ばせということでございますか、それとも六・三制の問題について先ず今日決めて、そうしてその後ですぐ宗教講座の問題をやろうていうわけでありますか。
○岩間正男君 時間がありますれば、私は議論か纒まれば、それで結構だと思います。
○委員長(田中耕太郎君) 若しそうでありますならば、やはり請願の順序に從つて、先ず宗教の問題につきましては延ばせれば延ばせというのですか。
○梅津錦一君 宗教の問題はけりが付かないで一年もかからなければ駄目だということになれば、すでに審議が濟んでしまつたのでありますから早く片付けて行くことがよいと思う。どしどし活動して十分時間的餘裕を取れば、十分審議ができる。六・三の問題は既定の事實の問題でないかと思います。すでに第三小委員會においては形式までできておりますので、これをそのまま御承認を得ればすく内閣に提出できる、その運びまで到達しておるので、これは五分と費やさないので、委員長の方から採決をして頂いて、早く廻わしてすでにそれをどしどし片付けて行きたい。こういう私は意見を持つております。
○松野喜内君 先程は小委員會の經過等について、委員長としての責任上御報告申しましたが、本文教委員會の一委員といたしまして、私先程もちよつと申しましたが、請願の取扱については他の方とも成るベく振り合、調子を揃えて行きたいような氣もいたします。本委員會のみが先走つたというふうにも見えて、後で困るようなことが若し出來してはという懸念もないのではない。今私が御報告したことについて若し皆さんの御同意を得ますれば、今暫く留保して頂いたらどんなものだと思います。皆さんの御意見はどうでありますか。
○岩間正男君 すでにこれは例えば岐阜農林のごときは第二の順位になつておりますが可決を見ておるのであります。そういう例もありますから、順位に從つて行くことはそれ程固執する問題でないと思います。それから問題の進行状態によつてこれを取上げて行くことが重要で、六・三問題は、御承知のようにすでに二百四十萬の請願がここに刹到しておる。而もこの動向について、我が文教委員會の動行について、國民の關心がここに非常に及んでおる、こういう中にあつて國會自身が外と同調するというような面もあるかも知れませんけれども、議事の進行そのものが餘り敏活でないということを國民が感じておるような次第だと思う。こういうような事態に對しまして、六・三そのものをここで可決することが、どういうところに今後障碍が起るか、私は判斷に苦しむのでありまして、この問題を急速に取上げまして、この請願に應えてやる、更にこれについてもつと一歩前進したところの對策を講じてやるというのが、最も人民の要望に、國民の要望に應えるところの親切な運營じやないか、こういうことを考えますので、これは餘りいろいろの前後左右の行きがかりというようなものからでなく、その問題を明確にされんことを私は切望いたします。
○松野喜内君 私は六・三問題を、言葉が足りなかつたかも知れませんが、宗教講座に對してのことを段々進行しておつてここに來たが、もうちよつと様子を見たらどうかしらと思つて、報告は報告であつたがこれについては留保したらどうかとゆうことを言つたのであります。六・三問題について言つたのではありません。
○岩間正男君 この前の速記録にも明記しておると思うのでありますが、この次に成るたけ多くの委員を集めて、六・三の問題は重要な問題であるから、その場合においてこれを採決の方面に努力したいということが發言されまして、決定を見ておる次第ですから、只今の報告はそれは當然前のあの時の會議の空氣によりますと、順位から言いましても六・三の問題をここで取上げる段階に到逹しておると思うが、いかがでしよう。
○矢野酉雄君 僕は折衷案を出したいと思います。僕は六・三制についても全面的に積極的に支持するものである。僕みずからの身を以て體験した立場においても無條件的に支持して早く可決したい。併しながら宗教講座を置くということも佛教徒四百五十萬、キリスト教、神道その他これは全國平和會議においても滿場一致を以て可決したものであつて、實にこのバツクも非常なるものである。而も小委員會においての價値、審議的價値というものを認めるならば、この小委員會において八對一、四對一というようなので可決せられおるし、これは冒頭の委員會においても相當論議を盡されておるのであつて、むしろこの機會に早くこの問題の是か非か一分か二分で直ぐ決定するのであるから、その方を早く決定して、然る後に、二、三分の後に今岩間氏が動議を出された六・三制をこの機會に直ちに可決する。前者は可決否決はどうか知れませんが、後者の方は殆んど滿場一致で可決する見込がある、だから二つともこの機會に活かすようにしたらどうかと、私はそういう案を提案するのであります。
○岩間正男君 この前の速記によつて大體方向が決定されておるのでありますが、私はやはり依然として六・三を最初に決定されんことを切望いたします。
○矢野酉雄君 岩間君がそれほど固執されるならば、むしろ僕は、そのいわゆる宗教講座を設くべきかどうかというこの小委員會の報告の前にこれはむしろ動議を提出すべきものであつて、すでにその報告をして審議に結局一部入つておるのでありますから、それを中止して、そうして更にやるようになるが、僕はやらない方が圓滿に事を運ぶ上に結構じやないかと思うのですから、私は私の動議を主張するものであります。
○岩間正男君 私が動議を提出したのは時機を失したというようなお話でありますが、そうでなく、私は報告を終るのを待つておりまして、報告から審議に入る段階において、この前そういう話合いがありましたので、その點を明確にして再出發すべきだという動議を提出した、從つて動議提出は時機を失したと思いません。
○柏木庫治君 この前の動議を岩間さんは速記録をみたら分ると申しますが、この前の動議は宗教を入れるか入れないかということについて論議がありまして、この前は滿場一致で可決したものを、又ここでいろいろ論議いたしまして、こんなに論議があるならもう一度第一委員會が審議をするということになつて審議をいたしたのであります。そうしてその報告によつて一對五、前囘と較ぶれば一對七、こういう報告であつたのであります。請願の順序が宗教問題が先でありますならば、皆謙虚な心持で實際の第一委員會の二囘の報告を私は素直に採擇することの方が順序であると思うのであります。見通しがこうとか、あるとかいうことはありますが、無論六・三の問題は全員一致して私は通過するものと思います。併し宗教の問題は何人かの反對者があるが故に、これがすでに小委會で二囘も立派に一人の反對者で議決をいたしておるものを、後に殘すという理由を少しも見出さないのであります。でありますから取上げるといたしますならば、請願の順序によつてはつきりとお取上げを願いたいと思います。
○岩間正男君 私は決してその請願の順序とか、そういうことでなくて、この前の最後に會が終る時に、そういうような大體話合いになつて、そうして會が終つたと思いますので、今日の問題としてはやはりそれを當然取上げられるものと思つておつたわけであります、それで請願の順序ということを言いますと、第二のあの岐阜農林の問題はすでに可決をしておるというようなことでありまして、そういうことにこだわる必要はない、實體的に準備が相當できまして、そうして時間的に言つても返つておるというような問題についてやはり早く採決されることが必要じやないか、宗教の問題についてはこれを第一小委員會は殆んど多數的な意見で、それが可決されたというようなことを聞いておるのでありますけれども、これは相當やはり論議がある、こういうふうに考えられます。そういう點のこの前の取決めがあるのですから、そういうものがこの次の委員會に依つて全然又變つて行くというような方向については、私は餘り賛成することができません。一つの方向を決めて決定したものが、その場の空氣によつて又變つて行くというようなことではやはりまずいじやないか、この前の取決めを固執すると言ふよりも、前例についても私は連關を持つと思いますので、その點を強く申上げたいと思うのです。
○柏木庫治君 私は方向は決定してないと思います。決してはつきり決定をしていないと思います。それは速記録を今一度全部調べまして、はつきり決定しておるかどうかを、そう岩間君が固執するならば、これはもう一遍調べたいと思います。宗教問題をもう一度念に念を入れて愼重審議せよということは、それは結構であるのでありますから、そうしてのことでありますので、私はやつぱりこれは同じことであるならば順序の通りにやるべきであると思うのであります。それから一方には異議者があつた、一方はもう全會一致で行くことが決つておると岩間君が獨斷で決めますならば、決して決まつてないのであります。それが……
○岩間正男君 獨斷で決めた、そんなことを申したことはありません。
○柏木庫治君 獨斷で決まつておるとあなたが申しますならば、決して決まつてないことを申上げます。
○岩間正男君 決まつていないからそれを早くこの審議會でやつて頂きたいと希望しておるのであります。
○梅原眞隆君 これは一つ私一個の立場から、誰の肩を持つというようなことでなしに、さつきからの空氣を見ておりまして、私はせいぜい和やかに進んで行きたい、こういう願いを持つております。そこで今宗教の問題に關しては、これはもつと愼重になさつた方がいいのじやなかろうかという意見があるということは事實なんです。そこで六・三制の方から問題はあるのだろうけれども、これは問題となさつて一應一つお取上げになつて、今順序がどうとかいうようなむつかしいことでなしに、一つこれをお取上げになつて、私もその請願の順序で行かなくちやならんという論理も餘りどうかと思う點もあるのです。で、これは事實上運ぶのに便利だということで、皆が妙なところで拘わりのないようにして、一つ六・三制の問題を取上げて貰う、理窟は別としてそういうことにして、そのあとで時間があつたら宗教の方の今の話をして貰う、こういうふうにお願いする。私は今のどなたの意見を支持するということじやなしに、私の考えでただこれを和やかに一つ進めて頂きたい。こういう願からして……
○柏木庫治君 異議があります。私は全會一致で行く見通しだから決定的のことのごとくに岩間君が申して、押付けがましく言うようなことはよくないことと私は思うのであります。皆が謙虚な心持を以つて和やかに進めんといたしておりますのに、一對七のものと、一方は小委員會で全會一致可決いたしたでありましよう。併し、であるが故に全部國庫の負擔にすることは全會一致であると小委員會が決めて、ここへ掛けられたならば人の自由意思を束縛することでありまして、決してそういうおこがましい考え方を以て委員會に臨むことは、虚心坦懷な委員のなすべきことでないことを私は申上げます。
○岩間正男君 只今お叱りを受けましたけれども、ただ私の調子が語調が強かつたり、激しく自分の説を主張するために、そういうことを或いは誤解なされたのだと思うのでありますが、私自身は決してこれが全會一致で決まつたとか、それからそういうようなことを申上げた趣意ではございません。ただ一つの決定を見た線につきまして十分にこれは御討議頂くということを主體としておりますので、ただ話し工合が強かつたり、それから私は勞働組合の出身でありますから、非常に和やかというものを……お互いの情熱を盛上げて行くところに一つの生き甲斐が、お互のなんと言いますか、むしろ魂の交流を見るのであります。そういう形から言いまして、或いは柏木さんのなんに觸れたのか知れませんけれども、こういう形式もあるということを一應御了承願いたいと思います。決して氣持は惡いので言つているのではありませんから、誤解のないように願います。
○矢野酉雄君 皆それぞれのその案を支持する人は、決して我侭な立場からじやないことは信じますが、大體は請願を取上げるのは、それを受託した結局受信主義を取るという一つの原則があり、それによつて審議しながら……審議の早く濟んだ第二案のごときはそれが早く濟んだ。第一案はそれがまだ愼重審議して、小委員會に一遍やつて、尚更に又返すというようなことをやつておつたために、第二の方はそれだけ早く行つて、第一が遅れたというのですから、これも最前岩間委員からのお話の、必ずしも論理的に第三案である六・三制を持つて來にやならんというその論據にはなり得ないと思います。で、いろいろの御意見が出ましたけれども、梅原委員の第一案を先に審議したいという御希望は尤もでありますが、私の申上げたのは共に生きる……これは何か時間を引延して、六・三制のこれを引延して、そうして結局流會にして、そうして否決するというような魂膽もないし、私はこの點だけには千里眼を以て六・三制は全會一致で可決するという、又可決しなかつたら僕等は割腹するぐらいの氣持は、岩間委員に劣らないだけ私は持つているのです。十二分に……でありますからどうでしよう、ものの十分かそこらで私はできると思います。それで反對された方は反對されたでしよう。宗教講座を置くことは今時期尚早だ、まだ研究問題が殘るのだというような御意見の方は、そういう御意見でよろしい。それでそのままの結論でよろしいから一つ順序に從つて早く委員長は御裁決を願いたいと思います。どうでしよう、私はこの動議は始めの通りに主張させて頂きます。
○委員長(田中耕太郎君) 請願審議の順序というのは別に絶對的なものじや無論ありません。紹介議員が見えていなかつたために延ばすというようなこともあり得るのですし、又簡單な不採擇のものなんかはさように決したこともあるのでありますから、別に順序に決してこだわる必要はないと思います。只今兩件とも相當に審議されて、いずれを先にするかというようなことは、ちよつと決しかねるような問題でありましたから、便宜上番號に從つたわけでございます。いずれに御決定するかは多數意見に從つて……。
○堀越儀郎君 先程から承わつておりますると、順序の問題を御論議のようでありますが、こういうことで論議するようであるから、私は宗教講座が必要だと思うのでありますが、これは謙虚な氣持で讓り合つて、結局我々の宗教講座の望むところは結果を求めるのです。それでありますから六・三制が現在の國家の上から重大だということは分るのでありますが、これは要望されるならば先にしてやつて頂いて、宗教の方は結果において通つて、皆樣の御協力を得れば結構なんです。一應論議して、主張して、そうしてただ通るだけがいいのではなしに、その結果がよかれと我々は願うのであります。六・三制の問題が非常に重要であるならば、順序などは構わずに、皆さん御贊成ならば六・三制を先に取上げて頂いていいのじやないか、宗教の方はもつとよく皆さんの御意見が一致するようにして、通過をするようにして頂いたならば結構かと思います。こういうことに餘りこだわらないで、順序が先に行くからどう、後に行くからどうということでなしに、結果がよくなるようにお互に考えて頂きたいと、これをお願いいたします。
○委員長(田中耕太郎君) それでは御異議ありませんければ、六・三制の問題に移りたいと思います。それからそれが濟みましたあとで、宗教講座の問題を取上げたいと思います。
○委員長(田中耕太郎君) では小委員長の御報告をお願いいたします。
○岩間正男君 この前の本委員會で、すでに報告をいたしたのでありますから、簡單に要點だけを申上げたいと思うのでありまするが、結局六、三の問題については非常にいろいろな困難に當面しておるので、これに對して國家が全額國庫負擔というような問題を當然取上げて、そうしてこれに對してできるだけ十分の施策を取るべきであるというような觀點から、この前の委員會におきまして委員が六人出席されました。それからオブザーバーの方が二人御出席になつたのであります。その席上で結局請願の趣旨を全面的に取上げる。そうして議院の會議に付するを要するもの、更に内閣に送付を要するものということが決定されたのであります。内閣に送付を要するというような場合には意見書案を附けなくちやならん。それで委員會といたしましては、大體その原案を作成して置いて、委員會にお諮りをした方がよいんじやないか、これはまあ或る意味では僭越とも思つたのでありますが、その方が事務の運行上都合がよいんだろうというので原案をお諮りして、皆さんで大體決定をした次第であります。結局ここで諮つて頂きますことは、議院の會議に付するを要するかどうかということ、それから内閣に送付を要するかどうか、要するとすれば、その意見書の原案についてこれはどうであるか、この三點が今からお諮りを頂く論點になるのじやないかと思います。
○委員長(田中耕太郎君) 御發言はございませんか。
○高良とみ君 私はその提案者……紹介議員の方からいろいろ伺わなければならない疑問も又持つておるのでありますが、一つには請願のテクニックと申しますか、第何號の請願というものを取上げて、それか可決されるか、或いは政府に廻されるということが決まりますと、又その後に同じ趣旨の提案が又違うグループから出る。これをまあ何處まで繰返して行くかということが、私の一つの疑問であります。それから衆議院にも同じ提案が出ております。これは要するにそれだけ熱心な請願が父兄、教育者等から出ておるということに對してはよく理解するのでありますが、その根本にあります哲學といいますか、非常に國會というものは三人や五人の請願で出したのでは、一旦否決されるともう駄目だ、だから又繰返し繰返し行くという御趣旨で提案者があるのか、あるいは一囘行けば後の提案はもうストップするという趣旨でありますか。そういう點が先ず伺いたいと思うのであります。又これは私の所感、感想でありますが、最近の地方における六・三の實施状況を中國、北陸、關東の二、三の縣について、私共及ばない材料でありまするが、調べて見たところによりますと、いろいろ憂うべき問題が澤山に出ております。一番差當つての問題としては、地方の財政の枯渇のために、教員の俸給の不拂いが全面的にある縣が多いのと、地方によりましては、農村が懐ろの豊富なために、相當自發的に金を集めて新制中學校を建てたり、或いはこれに婦人會等がピアノを寄附する、或いはいろいろ支持して熱心に盛上つた民主主義教育をしておる。これはよい方でございますが、それと今後の國庫補助の行き方をどういうふうに私共が考えて行つたらよいのかという點についても、若し提案者の方がそういう盛上つて行くものはそれでよろしい。併しできない地區があるからこれに國庫補助をして行くと仰しやるならば、それもまあ一つの案であると思うのでありますが、もともとこれは私の意見でありますが、國庫補助というものは、教育の行き亙らない遠隔、或いは經済的力のない部面に對して、負擔力の多い地方から集めました税金を以て、教育の機會均等をするために國庫がするものと私は理解するのであります。けれども、申すまでもなく民主主義教育であり、又教育の尊重の意味から、地方が盛上つて行こうという際には、それを十分に育てて行き、又そういう自發的な、自治的な精神でどこまでもやつて行つて、或いは國庫はこれにむしろ蔭になつて援助するという程度に止める方が、將來のためによくはないかということをかねて私は信ずるものであります。その點で結論を申上げますと、今後ともにその半額國庫補助、そうして弱い地方には七割なり八割を補助してもよいのでありますが、盛上つて來る地區に對しては、日本の中央の財政状態から行きましても、そうはできないのではないかという點を考えておるのであります。もつと最近の具體案を申しますると、(「簡單々々」と呼ぶ者あり)今日追加豫算について出ております三十一億二千萬圓というものは、果して追加豫算で否決されはしないかという心配を持つものであります。敢えて全額國庫負擔ということを本院が決定いたしましても、衆議院においてこれを半額國庫負擔が適當であるということを決定した場合に、兩院のこれに對する考え方が違うということも起り得るのではないか、(「愚論」と呼ぶ者あり)それでよろしいかということであります。
 それから最後に關係方面の意向としましても、やはり盛り上つた認識を持つておる教員組合、その他盛り上つた父兄會の自發的なものは結構であるけれども、成るべく税の法制等を變えまして、非中央化をやることが、民主教育の行き方であるという意見には變りはないと私は確信するような材料を貰つておりまするので、その點で本委員會の御決定が多数の御決定でいかようになりましようとも、私はそれに承服する者でございますけれども、最も思慮深き御決定をお願いしたいということを率直に希望するものであります。
○矢野酉雄君 高良委員の意見は、この前私は實に遺憾千萬に感じたのでありますが、第一番に、質問は誰に御質問なのか、私はその質問された對象は何人であるか、これが第一分らない。今岩間委員から報告し、そうしてその贊否を問われたものは、いわゆる義務教育制度の六・三制の國庫全額負擔というものが議題になつておるのであります。すでにこれは論議々々を盡して來て、そうして小委員會の報告は詳細になつておる。これを本文教委員會としてこれを可決すベきか否決すべきかということを問うておるのであります。今更第一囘に又還つて論議するということは、實に前から何囘御出席になつたか、その出席の次第も調査する必要がある、でなかつたら百年經つても可決することができない。我々は宗教講座をその教員養成の學校に置くべきかどうかという問題さえも、宗教の根ざす調和精神から快く、主張はしたが、提案の下に受諾して、そうして最も國民的熱望にバツクされておる六・三制の全額國庫負擔の問題を今問題にしておるのであります。それを委員會、本會議において、議員に言論の自由が與えられておるというような立場から、そういうことを蒸し返すようなことをするのか、殊に根本理念において私は反對であります。絶對に國家が義務教育を要求したのであれば、それに對して、この戦時下殆んど立つベからざる打撃を受けておる時においては、國庫がこれを負擔することが、教育を尊重し、且つ民意の伸張を圖るというので、眞實のデモクラシーの精神を教育に具現化するゆえんである。高良委員の意見というものは、私は少しも承服することができません。直ちにこの問題については贊否を一つ諮つて頂きたいと思うのであります。
○森下政一君 高良さんのお話を先刻から承わつておるのですが、國庫が補助をするということを言われるが、請願の趣旨は、義務教育を一切國の費用で賄えというのが請願だと思う。補助して呉れというのではない。義務教育に要する費用は一切全額國庫において賄つて貰いたい、こういう請願だと思うのであります。私は高良さんにお考え直しを願いたい、と申上げては誠に失禮でありますが、何かの御參考になるかと思いますので、外の委員の方には甚だ御迷惑でありますが、地方的なことを申して済みませんが、私が先年大阪市において經驗した一つの事柄をお聽き取り頂きたいと思うのであります。
 大阪市におきましては、各行政區に十乃至十五に分割された學區というものがありまして、従來はその學區内に小學校を設ける、そうして學区内の住民の負擔によつて設備をする。こういうことにし、或いは教員の給料も賄うということにいたしておつたのであります。その結果どういうことになつたかと申しますと、比較的經済力に惠まれております大阪市内の商業の中心地と思われますような部分の學區におきましては、中等學校或いは專門學校も及ばないような堂々たる小学校の設備が完成いたしまして、父兄の經済力に任せまして優秀な先生を招くことができるというようなことから、主として大阪市の中央部でありましたが、中央部には立派な小學校が相次いで設けられ、而も中央部は比較的住宅が少ない、ビルディングが相次いて竝んでおるというような關係で、收容しております學童の數は少いのでありますが、その少い學童が立派な校舍で行き届いた教育を受けるという誠に惠まれた環境に置かれた。ところが大阪市の周圍の工業地帶におきましては、いわゆる貧乏人の子澤山の例に洩れずして、家屋は非常に小さい、就學兒童は非常に多い、澤山な子供を收容しなければならないところの小學校は、不幸にしてその學區内に住んでおりまするところの市民の經濟力が豊かでないために、十分なものができない。從つて極めて狹隘なる校舍に澤山の學童が收容され、二部教授が行われるというような状態にありまして、義務教育であるところの小學校の教育が、等しく大阪市の市民の子供であるけれども、その子弟にとつては機會が均等でないというので、學區廢止という問題が起りまして、全市の學區というものを一切廃止してしまいまして、そうしてすべての大阪市内の小學校は大阪市みずからがこれを管理し經營する。こういうことにしようということを市の當局が考えて提案したことがあつたのであります。自分達の負擔で立派な小學校を造つた中央部の父兄達は、学區を廢止することに非常に反對を唱えました。併しながらこの學區廢止の問題は、市會において非常な論議のありました結果、遂に廢止の説が通りまして、大阪市には爾來學區というものがなくなつて、全市の小學校というものをすべて大阪市が管理し、維望經營して行くということになつたのであります。その後におきましては、市が高所大所に立つて計畫するのでありますから、市の周圍部、即ち經濟力に惠まれない父兄の澤山住んでおりまする部分におきましても、曾て中央部において建設されたと同様な堂々たる鐵筋コンクリートの小學校が建設されるというような、戰争前にはそういつたような現象が現れて參りまして、自分たちの親が貧乏であるために、その子供が貧しい校舍で勉強しなければならないというような、惠まれない環境から全く救われる者が非常に多くなつたというような状態があるのであります。私は今度のこの六・三制の費用の全額國庫負擔という要請も、こういうような大阪市において私みずからが體驗いたしました事例を顧みて考えますると、誠に道理のあることであると思う。全國的に考えて見れば、非常に經濟力の裕福な地方もありましよう。これに反して經濟的に惠まれない地方もあるに違いない。そこで若しあなたのおつしやるように、義務教育に要する費用の半額を國庫が負擔し、その殘りの半額を地元が賄う、地元が賄うというところに盛り上る民主的な傾向があるのだというお説によりますというと、結局經濟力に惠まれない方面の子弟というものは、甚だ行き屆かないところの施設の下において微々たる教育を受けることに甘んじなければならんという事柄が起るのではないか。私は教務教育に關する限りは、少くとも義務教育に關する限りは、すべてを國家の費用において賄つて、いかなる經濟状態の親を持つておつても、すべての子供たちが同じ教育の機會を與えられる、こうでなければならんのではないかと、かように思うのであります。私は曾てアメリカの州立大學に學んだ經驗を持つのでありますが、非常に私が羨しく思つたことは、その州の子弟である限りは、父兄がその州に住んでおり、その州に市民權を持つておる者である限りは、何人と唯も自由に州立大學に學ぶことができる。入學試驗も何もない。その能力に應じ、欲するところによつて教育を受けることができる。私のような外國人でさえも、或る條件が具わつておれば、いろいろな奬學資金が貰えるというようなことで、その能力に應じて欲するところを學ぶことができるというような制度を見て、誠に羨しいと思つたのであります。慾を言えば、凡そ教育というものは、單り義務教育ばかりでなく、大學に至るまで、若し欲するならばその能力に應じてどこにでも學ぶことができる。而も國の費用で賄うというようなことにしてこそ私は本當に教育というものが盛んになり、本當に人材というものが養われて來るのではないか、かように考えておる者であります。更に高良さんは、實際の資材をお持ち合せのようでありまするが、現在文部省が非常な努力を以て獲得したという三十一億有餘の追加豫算、豫想されておる追加豫算によるこの六・三制の費用でありますが、決して潤澤と言うことはできない。文部省は早くもこれを各府縣に割當てておるようでありまするが、先般私が私の出身地である大阪方面の情勢を聞きますと、新制中學校におきましては、到底これでは校舍が賄えない、いろいろな設備ができないというので、願わしいことでないと私は思うのでありまするけれども、そこに入學いたしております新らしい生徒達の保護者が、それぞれ一口何百圓という寄附を仰せ付かつておる。かくのごとくにして集めた金が數萬圓に達したが、到底まだ賄えないというので、父兄會の役員になつておる四十五名の者が、一人ずつ強制的に二千圓ずつの醵出を要望されておるというふうなのが實情でありまして、恐らくこれはひとり私が耳にしました大阪の或る一つの學校の實情ではなくして、全國的にそのようなことが今日尚私は要請されつつあるのではないかと思うのであります。從いまして、この請願は大分部私は六・三制に伴ひ必要とするところの校舍の設備に對する要求のように感ずるのでありまするが、ひとりそれだけではなく、教員給のごときも全部、凡そ少くとも義務教育に關する限りは、國の費用において賄うべきである。これは私は日本を民主化する上におきましても一番必要なことである、かように考えておる次第でありまして、一つ高良委員のお考え直しが頂ければ仕合せだと思います。大變どうも僭越なことを申上げましたが、御參考までに申上げた次第であります。
○委員長(田中耕太郎君) それではこの案件につきましては、もう御議論も大分盡きたかと思います。採決に移つたらいかがかと思いますが、いかがでありましよう。
○委員長(田中耕太郎君) 御異議ありませんければ採決に移ります。
 先ず第一に議院の會議に付するを要ずるや否やについて採決をいたします。小委員會の委員長の報告は會議に付するを要するというこでございます。これに賛成の方は擧手を願います。
○委員長(田中耕太郎君) 全會一致と認めます。次に内閣に送付するものとするか、送付を要しないものとするかにつきまして、小委員會の報告は送付するを要するいうことになつております。送付するを要するという方に御賛成の方は擧手を願います。
○委員長(田中耕太郎君) 全會一致と認めます。次に意見書案でございます。前に朗讀をいたしましたけれども、その際おいでにならない方もおありかと思いますから、もう一遍朗讀いたします。
    意見書案
   六・三制教育制度の經費を全額國庫負擔とすることに關する請願
 右の請願は崩壊寸前にある六・三制を完全に實施するため絶對必要な豫算を全額國庫負擔として計上可決されたいとの趣旨であつて、參議院は、願意の大體は妥當なものなりと思う。よつて右に併わせ内閣は六・三・三・四を含む統一的な學制改革を作成し、それに基ずく年度計畫を樹立し鋭意これが實現に努力されたい。ここに國會法第八十一條により別冊を送付する。
○矢野酉雄君 殘念ながらこの實に國家文教の重大問題を可決される時に當つて文教の責任者が來ていないのは殘念でありますが、幸いに日高學校教育局長が臨席しておられますので、敢えて一言滿場一致で可決されたについて私は所見を述べて置きたいと思います。
○委員長(田中耕太郎君) 矢野君、意見書案を先ずお諮りいたして、それで御異議がなければ……。
○矢野酉雄君 異議ありません。
○委員長(田中耕太郎君) 御異議ありませんか。
○委員長(田中耕太郎君) 御異議ないものと認めまして、規定に從つて取計らいます。どうぞ矢野君。
○矢野酉雄君 大體から申しますと、私など教育の實際家とし、或は教育家の在野の者として、この日本の文教を刷新するためにいろいろな運動をして參りましたが、いつも率直に申上げますと、文部省は常に弱體であると言われて來ました。現在においても現文部當局の責任ではなくて、今までの文部當局の責任であるというべき點が多々あると思いますけれども、今日三十一億二千萬圓の追加豫算を閣議を通過させるために拂われた文部當局の御努力に對しては敬意を表する者でありますが、全額國庫負擔の立場から申しましたならば、正に九牛の一毛であります。正に九牛の一毛である。本當に私はこの參議院において、而も第一囘の國會において、何百萬という請願を基盤として、文教委員會が一人の反對もなくてここに可決したことについては、文部當局は衷心から我が同志を得たという氣持を以てそれを喜んで頂きたい。と共に本日を以て文部當局は全額國庫負擔という大旌をかざしてあらゆる智能を總動員し、あらゆる實踐をここに結集して、この目的の遂行に邁進して頂きたい。過般或る會合に行つて見ると、G・H・Qの者が、而もそこには日本人が勤務しておる、そこにおいては課長、部長初め定時の八時前十分に出勤して、給仕にも一切頼まないで、皆自分みずから一切のこと處理して行く。日本人であつて日本の官廳の現状を見ると實に腋の下に汗が出る程恥かしい。九時半になつても十時になつても課長、部長が出て來ない。私はこういうような實情であつてはこの大目的を貫徹するということは實に木に縁つて魚を求めるがごとしということだろうと思います。立法の景高機關である國會、殊に責任の府である文部省を絶對に支持するこの國會が、そうした態度を取つたこれを機會に、文部省自體國民道義の刷新から本當に文教費の増額は結局文教の府の自粛にあり、而もこうした大きい輿論的バツクがありまするから、我が意を強して一つ文教の府の内部の肅正ということに一切の努力をして頂くように私は文教委員として切望いたしまして、本案の可決せられたことを非常に喜ぶものであります。
○柏木庫治君 私は議事のあり方について一言申上げてお決め願いたいと思うのでありますが、小委員會で決まつたことはここでもう再び論議せずに直ぐそれを數によつて表決するという方法を取るベきか、現に取つておるのか否か、それから小委員會でやつたことを又ここで論議するのでありますならば、私はさつき岩間君が語氣荒くそれは既定の事實のように申されたように感じましたので、一言異議を申したのでありますが、それに對して岩間小委員長は實に虚心坦懐に胸を開いて下さつて、むしろ私は恐縮しておるのであります。であるならば、さつき高良委員の發言に對して矢野委員の言われたことは、やはり岩間君が言われたと同様に、少し高壓的に實は耳に響いたのであります。論議をいたすものであるならば、簡單とか言うことは大變結構でありますが、それは言うてはならんことであるぞよというようなことを言うことは、やはり愼しむべきものである。同じ仲間でありますから、やるべきものであるならば親しい氣持で自由にどんな反對意見でもなんでもここでは言うことを許し、容れるだけの私は謙虚さを持ちたいと思いますので、實は岩間君に對してはああいうことを言うて、矢野君が高良女史に對して言うたことに默つておつては、どうも不公平で心平らかならざるものがあるので申上げるのですが、小委員會で決めたことをここで論議するなら、やはり虚心坦懐にやる、それから數で表決するならば皆何も言わさずにそのままやる、どちらかを一つお決め頂きたいと思うのであります。
○委員長(田中耕太郎君) 柏木君にちよつと御相談申上げます。今のこの小委員會で決めたことを更に本委員會で論議するや否や、議事進行に對して尚後刻なり或いは別な機會にお諮りいたしたいと思います。尚お六・三制の問題について殘つておることがあります。實は初めに申し上げましたように同一内容の請願が百二十九號、百三十九號、百四十七號、第五十號、百五十四號とございます。これもやはり今日可決せられましたところに從いまして處理いたしますことについて、御了承を願いしたいと思います。
○委員長(田中耕太郎君) 尚今後出て參ります場合におきましても、その都度お諮りをいたしまして、同様に取扱いたいと思います。それからもう一つ先程矢野君の發言されたことにつきまして、文部當局から發言を求められております。關係しておりますから……、日高教育局長。
○政府委員(日高第四郎君) 義務教育費の國庫全額負擔についての請願に對しまして、本委員會においてそれを取上げ可決されて、政府を鞭撻されるような御趣旨の結論に到達しましたことを、私文部省を代表いたしまして非常に心強く感謝いたす次第であります。御承知のように今囘の三十一億二千萬圓という追加豫算も、本來は文部省といたしては全額國庫負擔の建前で要求したのでありますけれども、現在の國の財政状態の上から止むなくその趣旨を十分に貫徹することができなかつたことは甚だ殘念に思つておる次第であります。矢野委員から御指摘になりました官廳における事務の執り方についての肅正、その他についての御鞭撻のありましたことは、私共よく反省いたして改めるべきことは斷然改めるように骨折りたいと思います。今後とも御指導御鞭撻頂きたいと思います。最後に申上げたいと思いますのは、これは一一の問題と申しますよりは、全體の問題でありまして、從來の日本における教育費が、國の全體の豫算においてどのくらいの比重と割合を占むべきかというようなことにつきましては、私共も勿論研究しなければならない點でありますけれども、これは綜合的に國の文教の刷新のために御研究頂いて、政府の足りませんところ又從來の慣行になずんで新らしくものを見ることができないような缺點につきましては、今後ともそういう點について十分御指導御鞭撻頂きたいと思います。併せてお願いいたしたいと思います。
○高良とみ君 只今の諸議案に對しては多數の賛成でありますが、私も喜んで、殊に附帶決議には深い含蓄を持つていて嬉しいのでありますが、今後とも、私共やはり個人ではございませんので、その意見には背景もありまするので、たとい大きな聲でどなられましても、或いは彌次を飛ばされましても、その信念のあるところは、これを曲げることは國民に對してできないのであります。殊に教育の發展を念願すればこそ、その出資につきましても健全にして又聰明な、又最も妥當なことを決定して頂きたいと思いまするので、誠に私共教育行政の面においては最近の知識を持たない者でございましようけれども、この委員會におきましてはどうぞ一つ宗教的な謙虚さを以て、それこそ和やかに、一人の意見と雖もやはり活かして頂きたい。その意味で宗教教育についても又重要なことでありまするから、これを承服しないのに多數決であるからといつて押して行くののもやはり無理があるのでありまして、皆が一つ他人の意見を、その背景にある國民の、數百萬の人の意見として御尊重願いたいということを一つお願いする次第であります。その意味で私は今後ともに小委員會で決定したから、それをそのまま通して行くということにはやりり無理があると思いますし、殊に立法でありますれば多數決ということもありますが、こういう請願などのことにつきましては十分な親切な考慮を以てやりたいと思うのであります。又殊に參議院といたしましてはそれぞれの專門家がおられることでありますから、たといそこに對立的な意見がございましようとも、これを感情に訴えることなく、冷靜にして又研究的な態度でもつて行きたいと思うのありまして、私が先程申上げました材料のごときも、一つ研究の材料として皆さんに御相談をしておるところなんでありまするが、いきなり頭から言われますと、これは一つ男子の横暴であるということを申上げたい。今後そういうことのないように一つ紳士らしく、民主的にお願いいたしたいということを一言希望する次第でありまして、委員長の御賢察をお願いいたします。
○矢野酉雄君 高良委員に對して僕は所見を申上げたい。只今にもすでに問題外のことを取上げて、時間を浪費しておる。柏木君の提案は委員長によつて適當に處置されて、ここでは議題になつていない。それを更に議題かのごとく反對意見を申上げるということは……。
○高良とみ君 私の感想でございますから……。
○矢野酉雄君 そういうようなのは、すでに最前からはつきりと六・三制を早く取上げて、その中には宗教講座の問題を盛つて行こうというようなことを申し合せておる。信念でも間違つた信念に對しては虚心坦懐にこれを正して行くことが私たちの任務であらねばならん。さればこそ滿場一致を以て高良委員の意見というものが容れられずして、かくのごとき結論に達したのであります。自分の考えであるからといつて常に通そうという氣持には、私は決して感情論でなく、もつと論理的妥當な見地から、私はあくまで主張する、敢えて申します。それは一囘だけではなかつたから特別に私は申上げる次第でして、絶對に矢野は感情を以て自分の聲明した主張を左右するがごとき人間でないということを敢えて斷言して、今私に對するお話でありましたから、敢えてお答えして置きます。
○松野喜内君 それから次の問題に移つて貰いたいと思います。
○委員長(田中耕太郎君) それでは初めに議題になりました宗教學科設置の件を引續いて議題にしたいと思います。
○梅津錦一君 先程一、二、三の設置についてのお話があつたのでありますが、宗教概論と宗教史と宗教心理學と宗教社會學、こういうものが科學として區分されたものが、文部當局において現在用意されておるかおらないかということを、文部當局の日高局長にお伺いしたいのですが、いかがですか。
○委員長(田中耕太郎君) ちよつと聽き取れませんでしたが……。
○梅津錦一君 重ねて申上げますが、先程の第一案であるところの宗教教育を取上げるとするならば、宗教概論若しくは宗教史、或いは宗教心理學、それから宗教社會學、こういうものを分類されたところの科學が文部當局において現在學的な措置と體系ができておるか、文部省の扱う體系としてそうしたものができておるかおらないか、文部省の用意の程をお聽きしたいと思います。
○岩本月洲君 議事についてちよつと發言したいのですが、今日は時間も大分かかりましたし、それからこの問題にもつと討議をいたしたいという念願もおありだろうと思いますから、宗教講座設置の問題につきましては、今日の議事に省いて頂いて次に廻して頂くようなことにして頂きたいと思うのですが、いかがでしようか。
○委員長(田中耕太郎君) 外に梅津君の御質問がありましたから、その點だけについて文部當局の答辯を得たいと思います。
○政府委員(日高第四郎君) 私も宗教學については全くの素人でありまして、學問的にどういう分類がされておるかは十分な根據を以て申上げることはできませんけれども、私の承知いたしております範圍においては、宗教學は宗教學として獨立の學問として、從來の大學の文學部においては取扱はれておると思います。宗教史もそれぞれの宗教の歴史として取扱われておると思います。宗教心理學は心理學の應用的な一部門として、そういう題目の下に取扱われておると存じております。宗教社會学も社會學の一部門としてそういうふうに取扱われておると存じております。但しこれらの學門をどの程度に十分にこなして、そうして若し將來できます講座を充たすことができるかどうかについては、まだ研究いたしておりません。私の承知いたしております點だけを申上げて置きます。
○委員長(田中耕太郎君) それでは本件につきましては、尚御議論のおありになる方もおありだろうと思いますから、次會に引續いて御審議願いたいと思います。今日は御異議がありませんければこの程度で散會いたしたいと思いますが……。
○委員長(田中耕太郎君) それでは散會いたします。
   午後三時二十三分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           松野 喜内君
           柏木 庫治君
           岩間 正男君
   委員
           梅津 錦一君
           小泉 秀吉君
           森下 政一君
           小野 光洋君
           高良 とみ君
           安部  定君
           岩本 月洲君
           梅原 眞隆君
           鈴木 憲一君
           堀越 儀郎君
           矢野 酉雄君
  政府委員
   文部事務官
   (學校教育局
   長)      日高第四郎君