第001回国会 文教委員会 第10号
  付託事件
○教員養成の請學校に宗教講座を設置
 することに關する請願(第一號)
○新制中學校の經費を全額國庫負擔に
 することに關する陳情(第十一號)
○日本國起上會設立に關する陳情(第
 十六號)
○岐阜農林專門學校を農林大學に昇格
 することに關する陳情(第二十號)
○新制中學校の經費を全額國庫負擔に
 することに關する陳情(第二十五
 號)
○六・三制教育制度の費用を全額國庫
 負擔にすることに關する陳情(第四
 十一號)
○勤勞青年教育の定時制高等學校設置
 に關する請願(第十二號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第四十
 二號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第四十三號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔にすることに關する陳情(第五十
 五號)
○教科書竝びに學校銭設に關する陳情
 (第五十六號)
○公立學校人件費を全額國庫負擔にす
 ることに關する陳情(第六十五號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第七十
 八號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第八十
 二號)
○學用品に關する陳情(第八十七號)
○六・三教育制度完全實施に關する陳
 情(第九十號)
○新制中學校舎建築費國庫補助に關す
 る陳情(第九十二號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第九十
 四號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第九十五號)
○私立中學校に對し國庫補助金下附に
 關する陳情(第百號)
○金澤市に官立北陸總合大學を設置す
 ることに關する請願(第三十三號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百六號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百八號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百十
 二號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百十
 七號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百二十號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百二
 十五號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百二十六號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百二十九號)
○教科書竝びに學校施設に關する陳情
 (第百三十四號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百四
 十一號)
○金澤市に總合大學設置に關する陳情
 (第百四十六號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百五
 十八號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百六
 十號)
○新制高等學校實施促進に關する陳情
 (第百六十一號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第百九
 十一號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第二百
 十五號)
○戰災學校復舊資材の配給に關する陳
 情(第二百十九號)
○盲教育義務制の實施に關する陳情
 (第二百二十一號)
○六・三教育制度の完全實施に關する
 陳情(第二百二十三號)
○ローマ字教育に關する請願(第百六
 號)
○科學勳章制定に關する請願(第百十
 七號)
○ローマ字教育に關する請願(第百四
 十一號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第二百
 四十七號)
○山陰大學設置に關する陳情(第二百
 六十號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第二百
 六十九號)
○熊本藥學專門學校の復興に關する請
 願(第百九十七號)
○六・三教育制度の完全實施に關する
 陳情(第三百十一號)
○京都工業專門學校を工藝大學に昇格
 することに關する陳情(第三百二十
 二號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第三百
 三十九號)
○佐賀縣に學藝大學を設置することに
 關する陳情(第三百五十三號)
○濱松工業大學設置に關する請願(第
 二百六十號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二百
 六十四號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二百
 六十七號)
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二百
 七十四號)
○六・三教育制度の費用を全額國庫負
 擔とすることに關する陳情(第三百
 五十七號)
○勤勞青年教育の定時制高等學校設置
 に關する陳情(第三百五十八號)
○勤勞青年教育の定時制高等學校設置
 に關する陳情(第三百八十九號)
○勤勞青年教育の定時制高等學校設置
 に關する陳情(第三百九十八號)
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昭和二十二年十月八日(水曜日)
   午後一時五十九分開會
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  本日の會議に付した事件
○六・三教育制度の經費を全額國庫負
 擔とすることに關する請願(第二百
 六十四號)、(第二百六十七號)、
 (第二百七十四號)
○文教上の當面の問題に關する件
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○委員長(田中耕太郎君) それじや第十囘の文教委員會を開會いたします。今日の議事日程といたしましては、請願第二百六十號濱松工業大學設置に關する請願というものがございますが、紹介議員の川上嘉市君が差支があつて急に歸省されましたので、これは次囘に延期したいと思います。
 それから次には請願二百六十四號、二百六十七號その他の六・三教育制度の經費を全額國庫負擔とすることに關する請願、これも先例に從いましてすでに本會議を通過いたしました請願の例に依つて處理いたすことにいたします無論御異議ないと思いますが……。
○委員長(田中耕太郎君) 御異議ないと認めます。
 それから今日いろいろ文教の當面の問題につきまして、日高學校教育局長に來會を求めまして、見えておりますから、特に六・三制の豫算の問題につきまして、前の委員會で話を伺つて以來相當に日も經ちますので、その後我々は不安を感じてその成行きはどうなつたか、中間的にでも差支ない範圍において話を伺つたらいいかと思いまして、議題の中に加えておる次第でございます。
○政府委員(日高第四郎君) 只今委員長からお話のありました現在文部省が當面しておりますいろいろの問題の中で、一番緊急でありますし、又重要だと思われますのは、六三制の豫算が、追加豫算が今尚停滯状態にあることであります。この前の文教委員會のときにいろいろ御質疑がございまして、お話申上げた以後安心すべき報道は入つておりません。却つていろいろ憂慮すべき情報が入つておるような状態でありまして、私共も非常に苦しんでおる譯であります。唯先週司令部の方に參りまして、六・三制の追加豫算が教育制度の改革の根本問題であつて、今後の學制改革については成算を得られないということで、そうして若しこれが躓くようなことがありますと、政治的にも社會的にも大きな問題になりまして、文部省は無論のこと、内閣にも重要な政治的責任が避けられないことにもなるし、又日本の國民に非常に大きな失望を與えるであろうということを話しまして協力を求めたのであります。司令部の方でも、少なくともU・I・Eに關する限りはそれは本當に重大であるということを自分達もよく認識しておるからして、できるだけ骨折るからして餘り心配しないようにというようなことでありました。併しその後好轉したような情報は聞きませんので、寧ろ地方の學務部長等が參りまして、若しこれがうまく行かないようなときには、自分は今度の六・三制度の豫算が通るものという確信をもつて、學務部長の責任において銀行から金を澤山借りて、同じ地方の學校に融通しておるというような立場にあるので、これが實現できなければ自分の立場は全然ない。又自分ばかりでない、總て教育行政に携つておる者は、程度の差はあつても國民に對して不信の讒りを逸れないような立場におるので、その點はよく承知しておいてくれというような、念を押すような陳情を二三受けております。只今も出て來る前に大阪の教育部長が參りまして、今申したと同じようなことを申して別れた譯であります。先週衆議院の方の文教委員會においても大臣が答辯なさつたのを聞いておりましたけれども、それも内閣として又文部省としては態度は一貫しておつて變りはないので、できるだけ努めるというお話で、それ以上の具體的な表現がありませんので、私共も憂慮しておる譯であります。この點について特によい見透しを申上げることができないのは甚だ殘念でありますが、率直に申しますと今申上げたような状態で、特に變つた、悪い情報という程ではありませんけれども、長引くので憂慮が加わつておるというような状況であります。
○矢野酉雄君 只今委員から日高學校教育局長の出席を求めて成り行きを聞きたいというような御發言でありましたが、その中に、ずつと前の委員會以後、當夜八億の豫算を立てておつたものが三十一億二千萬圓に増加追加豫算するという、それがどうも或る一つの難關に逢著して、そうしてその後どういうような成り行きになつたかと聞きたいというような説明の下に、日高局長の發言を求められたのでありますが、これは五十萬の教職員諸君、竝びに千何百萬の兒童、その父兄は、この文教委員會に一齊に眼を向け、耳を聳てておる大事な問題でありまして、若しそれ委員長の言葉をただ表面的にのみこれ等の諸君が解釋するならば、參議院の文教委員會はこの問題について、ただ弱體といわれておる文部省にのみその推移を委せておるというような認識を與えると私は思うのであります。これは實に文教委員會として殘念至極な問題でありまして、實はこの問題が一大難關に逢著したという報に接して、全く緊急な問題であつために、全部の文教委員の參集を求めて、直ちに緊急の委員會を開くことが不可能であつた。これは隨分日時が經つておるのでありますが、直ちに連絡の取れるものだけ、衆議院の方から松原君、參議院の方では柏木、岩間、堀越その他私も、矢野もですが、約八名の文教委員が文部省次官室に參集して、そうして稻田局長、伊藤局長、日高局長、中等教育課長、その他これに關連をもつ局課長の諸君の參會を求めて、これに對する對策を緊急に議したのであります。それによりまして、この當面の折衝しておるところのものは安本であるということがはつきり分りましたので、直ちにそこから二臺の自動車で安本に行つて、安本長官和田君、竝びにその折衝の任に專ら當つておる都留副部長に面會を求めて、そうして一應今度の成り行きを詳細に聽取し、更に積極的にこの難關に逢著しておる問題を打開する方法を議したのであります。その際文部當局としては、じつとして置いてくれ、專ら安本の都留君を中心として、この問題の明朗な打開に十分の力をいたす。その後、その日に參集いたしましたいわゆる文教委員は、それぞれ手を分けて、或いは文部省に、或いは安本に、或いは或る關係方面にも、適當と思惟する方法を以て、この打開のために盡したのであります。過般大藏大臣、竝びに安本長官と相會しまして、その兩國務大臣のこの豫算突破に對する決意の程を伺いましたが、四割二分の物の裏づけしかない、その他の豫算が悲觀的状態にあるけれども、若し内閣自體がこれを重大國策として歩調を一にして進むならば、決して悲觀する必要はないと思う。そういうような立場から參衆兩文教委員會が、更に國民の輿論をバツクとして、そしてこの突破のために力をいたすならば、必ずしもこの難關の突破は不可能ではないというような見解ができたのであります。そういうような次第でありますから、日高學校教育局長の本日の報告を受けるまでは、當文教委員會のその構成メンバーたる者は、ただじつと成行きを傍觀しておつたというような次第で私はないと思いますので、非常にこれは天下の視聽を集めておる問題に大變な誤解を招くといけませんので、一應この點御告したいと思います。
○委員長(田中耕太郎君) さつきの私の局長の發言を求めた求め方につきまして、矢野君のいろいろ御意見がございました。委員會といたしましてはやはり斷續的に考えまして、處理しなければならないと存じまして、この委員會の席で以て、前囘話を聞いて以來大分時も經つていることでありますし、從つてここで以て正式に局長の話を聽取した方がいいという意味で申上げました。委員長といたしまして、この問題につきまして熱意がないということは、皆様も、又或いは世間も恐らくは、この簡單な言葉であるが故に、熱意を缺いておるとは思わないだろうと私は思つております。又委員の方々につきましても、委員會全體についても同様だろうと思います。委員會外のいろいろ委員の方々の働につきましては、幸いに今矢野君が非常に詳細にお述べ下さつたので、これも速記録に殘ることと思いますので、大變結構だつたと思います。私の言葉が簡單であつたことにつきまして、ちよつと釋明をいたして置きます。
○松野喜内君 只今矢野委員からも熱心に我々文教の委員の責任又努力のことを仰しやられましたが、別な日においては、委員長初め一同は片山首相を訪い、大藏大臣を訪い、それぞれ今と同様なふうに委員會の熱意、全國の教職員、父兄、學徒の請願陳情、山なしておることを述べて、我々の努力しておることも、これもお認め願いたいと存じます。合せて附加えて置次第であります。
○河崎ナツ君 今日高局長さんの御報告を伺つておりまして、非常にむつかしいところにあるというようなお言葉。この間大臣が衆議院の文教委員會にお出になつてのことが新聞にございましたときには、非常にはつきり、まあそれはむつかしく、まあ今日見込はない、そう思つておつてくれろ。そう仰しやられたような新聞の書きぶりでございましたので、その邊のところは局長さんのお言葉とはつきりさが違うのですが、どの程度になるのでしようか。或いは新聞の書きようが違うのでしようか、ちよつとお伺いいたします。
○政府委員(日高第四郎君) 私が聽きましたのでは、この成り行きが非常にむつかしいというふうに言われたのではなしに、内閣の方針としては變らないのだ。それで自分もまあ責任を持つて善處するというような、そういう意味で、言われたように記憶いたしております。私はそういう印象を持つて聽いておりました。聽く人によつて多少感じが違うかも知れませんが、ただ三十一億二千萬圓というのは閣議を經たのではあるけれども、それは全體の豫算の中に三十一億二千萬圓として正式に決定したのではないのであつて、閣議の承認を豫め經たというだけであつて、全體の豫算については再檢討をしなければならない立場にあるけれども、文部大臣としては今までの方針を變えずにやつて行きたい、そういう意味の答辯であつたように記憶いたしております。
○矢野酉雄君 情勢かくのごとき今日でありますから、私はこの委員會にお諮りしたいと思いますが、勿論それぞれ文教委員という立場から各位の非常なる御奮鬪を、私は實際敬意を持つて、又有雄い氣持を持つて見ておるのであります。私も或る方面との重大な會見が首相によつてなされるていうことも聞きましたので、その以前にこの三十一億二千萬圓の新制中學に對する追加豫算を絶對にこれを通さなければ、全國各地に實情を見た場合に、若しこれが否定された場合には、或いはずつと消減されるような場合には、由由しき問題が起る、最前の日高局長のお話もそうであつた、實にこれはこのままで見過しておるべき問題では絶對にないと思うのであります。故に私は最も早い内に文教委員長、或いは理事その他委員諸君がまず首相の肚を十分一層固めて貰うため、それから安本長官、折角奮鬪してくれておる……これは柏木理事なんかもよく安本に行つて親しく様子を聞きましたのでわかつておられますから、その責任に當つておる都留次長ですか、それから大藏大臣、それから文部大臣、尚よければ參議院文教委員會としての立場から、關係當局に國民の輿論を十分に傳えて、そうしてこの追加豫算を喜んで承認して貰うというような情勢をここに招來するために、この文教委員會は直ちに最も適切なる行動を開始すべき段階に到達しておるだろうと思うのであります。是非この問題は一つの動議として委員長において取上げて頂いて、そうして各案員方の御意見を聞いて頂きまして善處して頂きたいと思います。
○小野光洋君 先程の學校教育局長の説明及び矢野君の説明、兩方とも困難だということは説明をしたけれども、どこがどういうふうに困難だ、例えば安本でこれを交渉したけれどもうまく行かない。安本でうまく行かない理由はどこにあるか。物がないからか、或いは千何億の豫算を健全財政にするために、全體の壓縮のパーセンテージでやはりこれも壓縮されるということになるのか。その邊の説明がどうもなくて、何が困難だかはつきりわからんようで、その點もつと詳しく御説明願わなければ、對策を考えるということにも困難を感ずるのじやないかと思います。
○矢野酉雄君 今小野委員の御質疑は當然と思いますが、實はよくその點御承知だと思いましたし、更には速記の關係もありましたので、含みを持つた言葉として、私が關係しました範圍において説明した次第でありますが、私の知れる限りにおいては、結局三十一億二千萬圓に對して、物の裏付けが四割二分しかない。そうすると五割八分は物の裏付けなき豫算であるから、これは結果から見れば、インフレ昂進の豫算ということになるから、そういうような一つの障害がここに發生した……。
○小野光洋君 ちよつとお言葉中で何ですが、この物の裏付けが四割二分よりないということは、安本でどうしてもそれ以上裏付けができないというから、そうなつておるのですか、どうですか。
○矢野酉雄君 ちよつと速記を止めて頂きます。
○委員長(田中耕太郎君) 速記を止めて。
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて……。
○矢野酉雄君 只今小野委員の有力な御意見もありますから、そういうようなのを直接聽き質すのも結局安本ですから、從前申上げたように、或いは總理に對し、安本長官に對し、大藏大臣に對し、文部大臣に對して、文教委員會として最近の眞相を更に聽取すると共に、建設的にこちらから折衝して見るというような動きを開始したらどうか。それを一つ諮つて下さい。
○委員長(田中耕太郎君) 矢野君の動議につきましてお諮りいたします。如何でありますか。
○松野喜内君 矢野委員その他熱心におつしやること御尢もと思うが、どうでしよう。これはこちら側から文教委員として強く當局に眞相を聽くことも必要と思いますが、衆參兩方の文教委員合體でお開き願えないでしようか。そうしてその會に首相にも、大藏大臣にも、和田安本長官にも來て頂いて、我々文教委員の衆參の者の熱意を聽いて頂いて、そうして眞相をも伺えば當局の苦しい状態もはつきりするかと思います。こういつた國民全體のことですから、衆參合體で一遍委員會を開いたらどうかと思います。皆さんに伺いたい。
○委員長(田中耕太郎君) 第二の案として、松野君から衆參兩院の文教委員會の連合委員會を開いて、首相の出席を求めて事情を聞き、又激勵もするというような御案が出ました。尚第三条もおありのことかと思います。又今までの二つの案についての御意見を伺いたいと思います。
○羽仁五郎君 この文教委員會、それから文教委員長が六・三制の完全實施について熱意を持つているかいないかということがさつき問題になつたのですが、そういうことが問題になるのではなくて、その熱意を如何に現わすかということが問題にならなければならないと思うのですが、そのためには、やはり文教委員會が結局新學制の實施の最高の責任者であるという事實を實現して頂いた方がいいのではないかと思うのであります。現に今までの討論を伺つておりましても、安本の調査がどうであるか。文部省の調査がどうであるかということがあるだけで、文教委員會自身の調査というものは全然ないのであります。これはやはり急速にこういう缺陥を脱却しなければならん。安本の調査、或いは文部省の調査、そういう調査は勿論十分利用するわけですが、文教委員會自身がこの六・三制實施について實情を調査するということを始めて頂くことが必要ではないか。これは六・三制だけに限らず、六・三・三・四制、新學制全般の完全實施に對する基本的な調査を是非文教委員會で始めて頂きたいということを提案したいと考えるのであります。文教委員會自身の專門調査員の問題はどういうふうになつておりますか、やはり文教委員會自身が、只今問題になつておりましたどの程度まで物の裏付があるのかないのかというような點についても、文教委員會自身の調査に基ずいて、そうして或いは輿論に訴え、或いは關係方面に訴え、或いは政府にその實行を迫るというふうに、どうか一つできるだけ早く文教委員會自身の調査というものに基ずいて根據ある發言をして行かなければならん。そうでないと文教委員會の權威そのものにもだんだんかかわることになるのではないかと思うのでありまして、そういう調査をして行くには、安本或いは文部省或いは大藏省、或いは地方の責任者、或いは教員組合などにおける調査、そういうものを全部一應ここにお纒めになつてそうしてここで更に調査をして頂く。これが必要ではないかと思うのであります。これを私は皆様に訴えたいと思います。
○委員長(田中耕太郎君) 本委員會で以て本格的な調査をできるだけ早く始めなければならんということは、羽仁君の御説の通りであります。專門調査員につきましては一人は殆んど内定しておるのでありまして、これは今日御了解を得たいと思つております。ちよつと速記を止めて下さい。
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて下さい。
○小野光洋君 さつきの松野委員の提案は非常に結構で、その實現することをお願いします。賛成です。
 それからもう一つ、調査機關を設けて本委員會自體がしつかりした調査をすること、その資料を持つて當つて行くということが、今まで六・三問題の豫算に關しての御説明を伺つても必要だということがよく分りました。結局本委員會が實情に即した調査資料を持つて説明をすれば、この問題は明らかになるのじやないか。若しそれでも明らかにならんとするならば、これは事實不可能のことなんだから止むを得ないということになるのではないかと思います。
 そういう意味で、急速に調査機關を持ち、調査資料を整えるということの必要さを痛感する意味において、二つの案に賛成をいたします。
○松野喜内君 羽仁委員から言われた文教委員會自身によつての調査、もつと根據ある意見を出すことが必要であることは、全く同感です。今小野委員からも言われたことで、私は先程あの提案をしましたが、無論こういうことと相關連して一つお願い申上げたいということを、重ねて申上げます。
○堀越儀郎君 一言申上げたいと思います。私は先程から、矢野委員なり、それから松野委員なり、羽仁委員から提唱されております事柄すべてが必要だと思います。殊に松野委員から提案されました所の、重大な問題であるから衆議院、參議院の兩文教委員會が合同で委員會を開き、その席上首相なり文相、當面の責任者に來てもらつてよく説明を聽き、その結果において、矢野委員の提唱された委員會としての運動も、又羽仁委員の言われた我々の積極的な調査機關を持つて熱心にやるという運動も即刻起して頂きたいと思うのです。實は國會が初まつてすでに五ケ月になるのでありますが、文教委員會を開いたこと今日まで十囘、他の委員會においては、もうすでに數十囘開いておるところがあるように聞き及んでおるのでありますが、今までのところでは、文教問題については、請願のような問題のみであつて、さして重要な問題がなかつたように思われて、我我もそのままで日を過していたのでありますが、併しながらこうせつぱつまつた國家的の大きな問題が起つていることがはつきり分りますると、もつと積極的に文教委員會を開いて頂いて、今の三委員が提案された、それをすべて實行に移して積極的にやるように、委員長においてお取計らいを願いたいと思います。
○委員長(田中耕太郎君) ちよつと申上げておきますが、十囘と申しますのは正式の委員會だけで、懇談會を加えますると大分になると思います。それから先程の御提案につきまして、とくに松野委員の、合同委員會ということを出されましたが、他の委員の方々如何でございましようか。
○河崎ナツ君 合同委員會のことはむろん賛成でありますが、今の堀越さんのお話を伺つて見ますと、合同委員會にその話をかけてその結果によつて調査もする。調査の方は、これはどつちにしましてもその結果でなく、即刻しなければなりませんし、ことに專門委員の方が決まる決まらないに拘わらず、教員組合の手を通して、實際、上からでなく、下の組織の學校がどの程度になつているかというようなことは、一番はつきり、豫算はともかく、この邊は建てかけているというようなことは、各地方の學校から報告して貰うということは、實際のことがよく分つていいじやないか。その意味もあります。報告を出せというよりも、もつと本當のことが分るのですが、そんな意味で調査の方は即刻始めることが非常に大切だと思います。
○堀越儀郎君 私の言つたことは、合同委員會を開いた後でなく、同時にやつて貰いたいと思います。
○藤井新一君 去る十月の三日と思いましたが、東京の毎日新聞の論説に、六・三制の壓縮という題目で出ておりましたが、そのとき私も驚いたのですが、これ程までに壓縮されているということを我々が知つた以上、何故我々がこの委員會を早く開かなかつたかということは、これはお互いの責任である。今、日高局長から聽きましたが、まだ私は具體的には十分に理解し得ない。というのは、ただ四割二分の裏付があつて、五割八分は駄目だということをいいましたが、それをもう少し具體的に、一體この金額で、幾らまでが現金で、幾らまでが起債かということを聽きたい。同時にこれが逼迫をしたから合同審査會を開くということも全く結構であります。大賛成だが、多忙な總理を引張り出して來てここで聽くということはもう少しこれは考えるべき問題である。その衝に當るところの文部大臣、或いは安本を出して行くものであつて、忙しい總理に餘り十分に了解を得ていない事項を求めることはどうかと私は思うのでございます。
○矢野酉雄君 藤井君は社會黨の立場から非常に總理に同情しておられますが、そういう一々小さい具體的な問題を總理に向つて問い質すという意味でなく、この問題を突破するのに總理はその中樞にある立場から本當の吐を決意させるというような意味において、總理の出席は松野委員が言われたように要望したが宜いと思います。それから調査々々と言われたが、これも當然我々一切の文教委員會の機能を發揮するために、その前提としても是非やらなければならん問題だが、專門調査員がたつた二人、書記が二人のこの小規模の委員會において、而も追加豫算がついこの一週間内外に差し迫つている時に、そうしてこの問題解決だけの調査ということは、なかなかこれは不可能であるから、寧ろ私は羽仁委員が言われたような意味の調査機關だつたならば、文教委員が率先してもつと調査機關の充實のために、人員を増加し、或いは豫算を増加して、そうして文教委員會としての權威ある調査機關たらしめる。他の委員會に先んじて文教委員會が充實したる調査機關を組織するというところまで行かなかつたら、殆どこれはあの四人の人的組織においては不可能であるし、又貧弱なあの豫算ではとてもむずかしいのですから、折角やるならば、これを基礎としてそこに一つの理想の點をおいて、我々文教委員會は大いに結束して、今の趣旨を貫徹するために努力しなければならんと思います。
○羽仁五郎君 私がさつき提案しましたのは、もう少し具體的に考えておりますので、この文教委員會におはかりし皆さんに御審議を願いたいと思うのは、六・三制のこの間の豫算が實行される、實行されることが可能であるか不可能であるかということについて、現在關係官廳において調査がなされているならば、その調査の部局の長がその調査を受取つた一週間以内にその資料を文教委員會に廻して頂くということが一つ。それから二つには、この問題について重大な關心を持つている教員組合において、現在考えられている豫算の實行が可能であると考えるか、不可能であると考えるか。それに關する資料を文教委員會に送られたいということが二つ。第一の方は參議院規則によつて委員長から議長を經て申入れたいというふうに考えるのであります。こういう資料を我々が見て、或いは文部省自身において、或いは安本において、或いは大藏省において、現在當面の豫算を實際に實行することが可能であると判斷するか、不可能であると判斷して行くか。その根據を我々が調査したいというふうに考えます。
○委員長(田中耕太郎君) 羽仁君に申上げますが、最初の問題になつております點は、つまり衆議院との合同委員會の問題で、調査の問題はこれは又他の機會に一つ繼續して研究することにいたしたい。勿論調査の必要なことは全く御説の通りですが、矢野君のちよつと言われましたように、現在の額を増して行くということはどの委員會にも關係あることで、又豫算も大いに關係しますし、又建物は急にはできないということもあります。これは併し大いにこれからできるだけ急速に充實して行かなければならんと思つております。で先ず第一の問題、既に動議がありましたし、又贊成もありました衆議院との合同委員會、首相が出席する必要はないという藤井委員から御意見がありましたが、首相がお忙しくなかつたら、成るべく出席して頂く。文部大臣はどうしても出席して頂くというような意味で以て話を進めまして如何でしよう。
○小泉秀吉君 首相と呼ぶのは社會黨だからというようなことがありますが、少し變なことだと思います。社會黨だろうが、どこだろうが、呼ぶ呼ばぬということは別の問題だと思います。私も社會黨ではあるが、首相を呼ぶことに必ずしも反對しないが、内閣が既に六・三制をやる。三十一億ということを決めているということは確實であるし、今の話であると、安本がどういうふうになつている。大藏大臣がどういうふうな意見だとか、その他關係方面がどうだとかということが、大體の主力であると思うのですから、先ずそうした方面の擔當大臣竝びに關係の方に先ず來て頂きまして、そうして必要があつたら更に首相に來て頂いて、説明なり、論議なりを重ねるというような意味において、私は松野さのん御提案に贊成いたします。
○委員長(田中耕太郎君) 小泉君の御提案、即ち首相に必要があつた場合に來て貰う。それから他の關係大臣には必ず出席を求めるというふうなことで……。
○堀越儀郎君 僕はそれについて一言申述べたいと思うのでありますが、鈴木委員からも首相はお忙しいだろうから、必ずしも出席して貰う必要はないではないかというふうな御意見がありまするが、これは求めて、首相の方で止むを得ない場合はこれは仕方がない。併し初めから出て貰う必要はないではないかという態度で進むことは、我々と考えが實際において違うのではないか。この文教問題、殊に六・三制問題というのは、國家の重要問題であると思います。今後は戰爭を放棄して平和國家として立つて行く。そういうときにこの教育問題が重要であるという立場から考えると、更に私の記憶する所によりますると、前の委員會において永江政務次官から説明がありましたように、文部大臣も自分達も職を賭して三十一億という豫算を成立するように了解を得た。これができなければはつきり職を辭して、大臣を辭めるのだとそこまで言つておられたのであります。事情がどういう事情であるか分らないが、この豫算を割るようであるならば、當然文部大臣は責任をとつて辭職されていいじやないか。それだけの決意を以て當られるんではないか。そうなると、内閣にしても非常に大きな問題が起るわけです。この意味において首相の出席を求め、併しながら國家多忙の際でありまするから、來られないときは止むを得ない。それでも出て貰えというような、こういう強要をする必要はない。殊に總豫算を一括して、關係筋に首相が當られるというならば、その首相の肚を拵える意味においても我々の聲を聽いて貰うということが大事である。初めからあきらめてかかる必要は更にない、求めて止むを得ないときは、更にこれを追求するという態度ではなしに、委員長の肚でお願いしたいと思うのであります。
○委員長(田中耕太郎君) 只今堀越君からの御意見がありました左樣な方針で參りますことに御異議ありませんか。
○委員長(田中耕太郎君) それでは左樣に取計います。
○梅原眞隆君 今のに悉く贊成です。さつき三人のおつしやつた調査という問題ですね。これは常任委員會として當然正確に調査しなければならん問題が勿々の間にできていないということは理解し得られる所であつて、これは誰の責任でもない。併しこれは今調査と一口に申しましても、陳容を整えるとか、それから今の六・三制の問題に關しての決定的な資料を短かい時間に掴むとか、そういう制限を與えますと、困難な問題でありますが、今の事務上の枠の中で行われるだけの調査は、今他の委員からも多少具體的のお話がありましたが、私も見方によりましては或る程度の調査は短かい時間に掴み得ると思う。だからそれは非常に確實なものが急速に掴めるかどうかということは、暫く別といたしまして、これは委員會が案を決定して行く有力な材料というものを掴み得るだろうということは考え得ると思う。だからしてやはり一方にこれと竝行して、そういう邊にも一つ委員長が御配慮下さいまして、一方にそういう方にも手を打つて貰つておいたらどうであろうというように感じております。
○委員長(田中耕太郎君) 調査のことにつきましては、梅原君の御意見の線に沿うて努力いたしたいと思います。それから合同委員會の件でありますが、これはこちらだけでそう決まりましたので、衆議院の方にも左樣申し入れまして、あちらでもきつと諮つてこちらに返事があることと思いますから、左樣な方針で促進いたしたいと思います。尚文部當局に對して外に御質問がございませんければこのくらいにいたしますが、その前にちよつと安達委員から御發言を求められております。これは金澤スポーツ大會に參議院の代表を派遣する件であります。
○安達良助君 この際、この席上を借りまして、スポーツに關する問題を諸賢にお諮りしたいと存ずる次第であります。去る四日前にスポーツ議員連盟におきまして、スポーツは國際的に非常な活動をすることは言を俟たないということから、第二囘の國民體育大會が金澤で、來る十月の三十日から五日間行われる。これに際しまして、天皇陛下が臺臨遊ばされまして、篤と斯道の奬勵をされるということを拜聽しておりますので、この際スポーツ議員連盟といたしましては、是非國會を代表いたしまして、斯道の將勵に資したいという考え方から、先ずその所管に當る所の文教常任委員會に左樣なことを申入れいたしまして、而して文教委員會の方では正式にこれを取上げまして、議員の派遣方を決定して頂きたいというような要望がありましたので、私スポーツ議員連盟の理事の關係上、又文教常任委員の關係もありますので、本日の機會を拜借したしまして、スポーツ議員連盟から文教委員會の方へ一つこのことにつきまして取上げて下さつて、この實行に移られんことを御希望申上げまして、皆さんのお取上けを篤とお願いしたい。左様に考えますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○矢野酉雄君 今安達君の提案については、多くの理由を擧げなくても私は全面的に贊成するものであります。是非本參議院を代表して、文教委員の中から適宜同大會に代表議員を派遣するように是非實現して頂きたいと、贊成の意見を述ぶるものであります。
○委員長(田中耕太郎君) 御異議がないようでありますから……。
○柏木庫治君 贊成であります。そうしてその人選はこの際委員長に一任いたしたいと思います。委員長に一任することを提案いたします。
○委員長(田中耕太郎君) それでは金澤のスポーツ大會に參議院の代表議員を文教委員の中から推薦する。就きましては委員長に人選をお任せを願うということで御異議はございませんか。
○小野光洋君 スポーツを尚ぶということについては、私共も人後に落ちない氣持を持つておりますが、併し文教常任委員會から議院の代表をそれに参加させるというようなことは、勿論第一囘の國會だから前例がないでしようが、そういつたような會があつちこつちにできた場合に、一々國會の代表として出すというようなことになることがよいか惡いか。勿論重要な大會というものは全國に今後においても續々出て來ると思いますが、そういつた場合に、これはよい、これはいけないというような撰擇もなかなか不可能ではないかと思います。それらの點を考慮してはどうかと思いますが、敢て不贊成を唱えるのではありませんけれども、一應愼重に考慮せられんことを願いたいような氣がいたします。
○矢野酉雄君 小野君のお考は金澤の大會をお知りにならないところから出たお氣持だと思います。國民大會で年に一囘國家がこれを主催するのでありますから、年に一囘でありますから、決して取捨選擇を間違えることはないと思つております。
○委員長(田中耕太郎君) 尚御意見ございますか。いちいちそういう會がある毎に議員を派遣しては切りがない。ところが金澤のスポーツ大會はこれは外の種類のものと違つて國家的のものであるからよいじやないかというお設が出ました。確かにいろいろな會につきましてそれは判斷を下すのは、或線は、線の上にある場合は非常に困難な場合もあると思いますけれども、併し本件については皆さんも大體御異議ないようでありますから……。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○松野喜内君 全國的という線を引けば異議はないと思うし、今度もそれでありますから、私は問題はないと思うのです。局部的の問題においては別ですが、全國的という場合においては、我々全國民を代表しておる國會議員としては、やはり激勵をする必要があると思いますから、この會に對する派遣に贊成いたします。
○小泉秀吉君 私少し知識が足らんので、それをどのくらいのウエートがあるということ知らんのです。從つて的確に不贊成を唱えるということじやありませんけれども、委員長はどうお思いになりますか。委員長として……。
○委員長(田中耕太郎君) 私も實は今日伺つたわけでございまして、安達委員から伺つた以上のことは存じません。で私は皆さんの公平なる御意見を聽いて決したいと思いまして、白紙でここには臨みましたのです。併しながら代表を送るというようなことは私個人的に考えまして、先例もなし、非常に重要なことではある。ただ絶對に代表を送つてならない。或ことを調査することだけが議會の權限ではない。やはり代表を送る場合もあり得る。從つてこの會が非常に重要な國家的なものならば私は派遣して差支ないのではないかという結論に到達いたしました。これはここでの御意見を伺つた結果、そういう結論に達したわけであります。
○小泉秀吉君 甚だ恐縮ですが、國家的だというようなことをどなたか御承知の方からもう少し委しく……。
○委員長(田中耕太郎君) 安達君、説明を願います。
○安達良助君 では私から一言申上げます。これまで戰爭最中におきまして明治神宮大會が、日本の年一囘の國民の體育の祭典といたしまして、施行されておりましたものでありまするが、終戰後におきましてこれに代るべき國民の體育向上、又國民體育の祭典をやることが必要であろうという見地から、昨年國家が第一囘大會を京都市におきまして計畫を立てまして、これを實行いたしましたので、第二囘目といたしまして今囘金澤でこの催しをやるというようなことに相成つておりますので、甚だ内容的には餘り知識を持つておりませんので、ただ概括的な話だけを申上げまして、御了解を得れば非常に結構と、さように考えております。
○小野光洋君 主催は厚生省なんですか。國家が主催するのですか。どこが主催しておるのですか。
○安達良助君 大日本體育會が主催いたしまして、これに文部省と厚生省が後援するというようなことに相成つておるように拜聽しております。
○小野光洋君 もう一囘御質問申上げますが、國會から代表者として派遣されて出席せられた場合に、大會ではどういう待遇をなさるのでしようか。
○安達良助君 それは今囘初めてなんで、その點については私……。
○小野光洋君 なさるお積りでしようか。國民の、少くも民主政治の最高權威としての議會から派遣される場合に、どういうふうな待遇をしてくれるかということを、豫め伺つて置きたいと思う。
○安達良助君 その點についてはまだ私聽いておりませんので……。ただ四日前にスポーツ議員連盟でそういうような相談になりましたので、まあ我々國會もさような意味において、斯道奬勵のために、何とか文教委員會の方で取上げまして、それに御審査をお願いしたいというような理事會の話合いによつてなつたのでありますから、その點御了承をお願いしたいと思います。
○小野光洋君 それでは國會の權威を傷つけられないような待遇をせられることを、合せて希望いたして置きます。
○河崎ナツ君 その参加いたします運動の人達は、運動に何しておる一般大衆なんですか。それとも各學校の學生を主にしたもですか。
○安達良助君 學生から、一般から、全部。社會體育から學生から、全部です。
○河崎ナツ君 そうすると、體育の方は、學校關係の方は文部省が關係するのであつたんですね。一般の方は厚生省だつたですね。
○安達良助君 全部文部省です。
○河崎ナツ君 一般の體育は文部省に移つたんでございますか。
○政府委員(日高第四郎君) そうです。
○羽仁五郎君 その體育大會に議院から代表を派遣せられるべきであるか否かということは、それは國家的なものであるか。或いは國民的のものであるか。又如何なる待遇を與えられるかということも非常に重要でありますが、議院の代表を派遣せられることの目的も非常に重要ではないかと思う。若しそれがただ一片の儀禮であるならば、餘り大した意味がないのではないか。で、特にそういう點を發言いたしますのは、現在までの日本のスポーツ界には、必ずしも、本當のスポーツマンシツプと言いますが、スポーツの精神というものが必ずしも徹底していなかつた。戰爭前に國際オリンピツクに加入しておりました場合でも、日本では國際オリンピツクの精神を理解して加入していたと必ずしも確信を持つて言えなかつた點がある。從つてただスポーツを以て國際的に日本が活躍するというのではなく、その點においてはつきりと國際平和というものが目標とされなければならないということ、それからこのスポーツがはつきりと民主主義の建設の上に役立てられなければならないということ、この國際平和と民主主義という點において、このスポーツ界の特に深刻な反省を促されるという意味において、議院が代表を派遣せられるならば、贊成であります。
○矢野酉雄君 ただ代表を派遣するというふうに、安達君の説明些か足りなかつたと思います。或いは魚なら魚、或いは野菜なら野菜の集荷配給がどうなつておるかということを見るために、北海道や九州に水産委員、農林委員を派遣するのだから、日本全體の學校社會、あらゆる體育を代表したものが一堂に會して、そうしてここに國民的體育祭を擧行した場合において、日本の青年男女は今どういうような發育状態にあるか。どういうスポーツが現在において最も國民の體位向上のために大いなる役割を果しておるか。又この長所は、短所はどこにあるか。國際體育という立場から考えて見て、現在の我が日本の體育の占めておるところの地位というような、各種の方面を視察するという重大なる目的があり、更にはこれに對して參議院が健全なる國民スポーツの發展のために激勵をするというような綜合した目的の下に結局は派遣されるべきものだと思つたので、初めからもうそれであれば常識だと思つて實は贊成した次第でありますから、決して單なる代表を派遣するというような一部に目的を限定しないで行つたらいいと思う。羽仁君の言われるようなことなんかは、當然日本のスポーツの現状と、將來あるべき姿というようなことなんかについても、派遣せらるべき議員は大なる一つの觀點を自分で持つて行かなければいかんと思うのであります。そういう意味において賛成するのであります。
○梅原眞隆君 今私は派遣をせられることに賛成をするものであります。大體の議論としまして今の矢野委員の仰しやることに私は全面的に賛成をいたします。そういう意味で派遣をされたい。併しただ一つ要望して置きたいことは、新しい國會が成立しましてから、派遣せられる方々の上に社會的に相當な注意を以て批判しておるということを頭の中に入れて、そこで、どうかこの重大な……、私はこの體育に對して非常に重大性を認める。今後においてこれは非常に重大なものであると考える。従つてこれは文教の方から行かれるということを非常に私は賛成するものでありますが、非常な使命があり、又非常に意味深いものであるものと考えるが故に、私はどうか派遣せられる人達の上に參議院の使命と性格が非常にはつきり現わされるように、一つ十分の自重と、それから周到な用意を以てやつて頂きたいということを私は附加して置きたいと思うのであります。
○委員長(田中耕太郎君) ちよつと申上げますが、實は委員の派遣の件につきまして、今事務の方から注意がありまして、規則があるのです。その規則の表面からいいますと、その實質につきまして疑義があるというので、假に決定いたしましても、事務局の方で解釋が一致しないと實現に困難を生ずるようなことがあつても困ると思いますけれども、この點はいろいろ御意向もございましたけれども、今日決定しないことにした方がいいかとも思いますが、この點について如何でしようか。
○矢野酉雄君 それは事務局の意見は、結局は私が後半に述べたいわゆる體育の實状を視察するというようなことは、文教委員會の權限でありますから、決して疑義がある筈はないのです。ただ大會にメツセージを持つて行くというだけならば疑義があるかも知れんけれども、日本全體の國民體育の實情を一點に集めて、そうしてそこに綜合的成績をここに表現しますから、その國民體育の實情を調査するために派遣するということに何の疑義がありましよう。絶對にありません。私はそう解釋いたします。ただメツセージを持つての派遣というような儀禮的なことだけになれば、參議院規則の中にそれは牴觸するでしよう。だからわざわざ併せて説明を加える必要があるので、いわゆる體育成績の實状を視察する立場という大きい目的を達成せなければいかんということから要望したのです。
○安部定君 これは私は決定することをもうちよつと延ばして頂きたいと思います。皆さんのお話を伺いましても、甚だ失禮でありますが、體育大會の内容を本當に知つておる方は本當に少くて意見を述べておるように思います。提案者の説明を聽きましても、私は十分な説明とは云えないと思います。私は以前この大會についてはちよつと聞いたことがありますが、材料を今持つていませんから申上げることもできないのでありますけれども、第一、會場も非常に多方面に亙つております。例えばヨツトは七尾灣でやる。登山もあれば、自轉車も、野球も、蹴球も、バレーも、あらゆる運動を網羅した運動でありまして、一體派遣するのは何處へ派遣するのか。七尾灣へ派遣するのか、或いは登山もあるから山まで派遣するのか。そういうことがあつても或る一ケ所でいいのか知れませんが、これは今日ここにおられる皆さんが、そういうことを知つての上での御意見でないように思いますので、甚だ失禮ではありますけれども餘り輕率に派遣を決めて、又おかしなことになつては、……そういうこともありますまいけれども、誹りを受けてはいけないと思いますので、もう少しお互いに研究した上で決めるということに、委員長の今の提案は同時に別の意味から云われたのでありますけれども、延期して頂きたいと思うのであります。
○小野光洋君 どうでございます。正式な委員會の決定ということでなく、懇談會の申合せというふうなことにして頂いて、正式な委員會の決定で代表派遣というようなことをするのは、どうも輕卒じやないか、というような氣がいたします。別に體育大會には反對でありません。スポーツを輕視するわけではありませんが、文教常任委員會が、いろいろ理窟はありますけれども、儀禮的な派遣ということに、世間ではそう解釋するでしよう。その大會に派遣されて、調査に來たのだというようなことを云つて見たところが、それは付けた理窟ということになるのじやないかと思います。そこで懇談會の申合せの代表ということで來たという程度に止めて置いたら如何かと思いますが、如何でしよう。
○委員長(田中耕太郎君) これは懇談の結果決めて派遣するということになりますと、非公式ということになりませんか。そうすると本會議の承認を經ないで……。
○小野光洋君 これは本會議の承認は、文教常任委員會として求めるというところまで持つて行くことは、今までの状況では私には妥當だとは考えられません。
○委員長(田中耕太郎君) 今の調査とかいう名議がなければ……。
○矢野酉雄君 實は提案者の説明が、確かに今安部委員がいわれたように、皆さんよくスポーツにも理解がおありであろうというような前堤の下に簡素におやりになつたために、こういうような疑義も出たと思いますが、併し國民の體位を向上させるということは實に重大なる問題であつて、殊に敗戰後の日本の國民體位というものは實に寒心せざるを得ない状態にある。新聞の報ずるところが果して眞を穿つておるかどうか知らないが、日大の古橋君が、今囘敗戰後水泳界において世界の一つの記録をここに打立てて、そうして國民の意氣をここに興す大きい一つの威力を高めたという點において非常なる效果があつたというので、衆議院においては、その古橋君に對して感謝激勵の決議をするやに見たのでありますが、私は國會自體が、而も與えられておる文教委員會というものが、國民の體育について立派な一つの權限がある。その權限を持つ文教委員會が、日本にただ一囘國民體育祭として、敗戰後今囘で第二囘、來年は多分福岡だと豫測されておりますが、これに對して大いにその指導奬勵をすると共に、又どういう實情にあるか、その長短をよく研究調査して、そうして文教委員會自體が、日本の國民體育に對して現在の段階における認識を保持すると共に、將來への國民體育の一つの大きい方針をも示して行くという立場から、當然行われるべきものだと私は思います。勿論一つの大會に、敢えて安部さんが言うばかりでなくて、明治神宮の體育大會においても、その初日においては全選手が集つて、そうして多くは總裁は宮殿下を戴き、そうして選手の宣誓式を行い、實に嚴粛なる、國民の精神をこの一點に凝集するような儀式が行われて、そうしてそれぞれの場においてそれぞれの技を競うというように運ばれて行くものでありまして、こういう點に向つてこそ、私は新らたなる國會の文教委員會というものは、むしろ積極的に乘り出すべきだと思うのであります。殊に議員のスポーツ連盟の諸君から、こういう聲が文教委員會に提言されたということも、私はこれは非常に喜ぶべきことだと思う。だから是非特別の……今お聞きになるような程度のことだつたら、ここで文教委員會で決定して何にも差支えないと思うのであります。
○梅原眞隆君 私も今提案者の申されましたように、又矢野委員の説明せられましたように心の中に思つておる。これはやはり今の體育というようなものに關しまして、私は日本の教學の上で一つ新らしい線を引かなくちやならんと見ておる。こういう點において、羽仁さんも仰しやいましたが、日本の在來のスポーツの在り方に關しても、相當に批判的な見地に立たなくちやならん。今後の非常に重要なものであると私は思うので、尊重して、そうして私はここで委員會で御決定になつてお出しになるべきであろうといお考えを持つのです。ちよつと速記を止めて頂きます。
○委員長(田中耕太郎君) 速記を止めて。
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて。金澤の全國スポーッ大會に議員を派遣する件につきまして、安達委員から提案がありましたことにつきまして、御異議はございませんでしようか。
○羽仁五郎君 まだ日もあることですから、さつきの小野委員から發言せられた議員の代表をどういうふうに待邁せられるかというような點とか、それからやはり派遣せられるならば正式に派遣せられた方がいいのであつて、日本のスポーッ界にまだ強く殘つておる封建的な考え方を打破して、民主化し、國際平和的な方面に向けるという趣旨とか、そういう點がもう少しはつきりしてから決定せられることを希望するわけであります。
○矢野酉雄君 今羽仁君が日本のスポーッ界に討建的なものが非常に根強く残つておるという認識を持つておられますが、私はそれに對して全く對蹠的な見解を持つものであります。その役員の銓衡において、各地方々々のスポーッ團體の組織においても、非常に民主的な方法によつて選任せられており、私はスポーッ界が一番早く、あらゆる政界、經濟界、あらゆる社會に比べたならば、スポーッ界の現在のあり方が一番……これは勿論絶對的の立場に立つての考えで、アプソリユートの立場からの主張じやありませんが、非常に明朗化しつつあると思うのでありまして、そういうような認識を私は持つておりますために、むしろ實際にどこまでそれが現れておるかということなども視察する意味において、折角ここまで一つの問題が相當論議されましたので、この席上において決定を見るように切に希望して止まないのであります。
○委員長(田中耕太郎君) 羽仁君如何でしよう。派遣することも、スポーッ界の現状を知る上に大いに爲になりはしませんか。それは確かに現状においても改善すべき點はある。いろいろな一般の國際人とか或いはゼントルマン的訓練とか、そういうような點につきましても、もつと改善しなければならんことは十分あると思いますし、私自身、オリンピックを以前に見て痛感した點です。そういう點も含めて調査というようなことで……。
○羽仁五郎君 只今委員長の述べられた趣旨において賛成であります。
○小野光洋君 參議院規則に定められた範圍内において派遣されるわけですね。
○委員長(田中耕太郎君) 參議院規則の範圍内におきまして、調査或いは審査、どちらになるか知りませんけれども、そこは然るべく取計らわして頂きまして、派遣することということに決定いたしたいと思います。
○河崎ナツ君 人數は何人ですか。
○委員長(田中耕太郎君) 人數は三人でございました。
○河崎ナツ君 私は希望を出して置きましよう。私は一名でいいと思います。
○小野光洋君 派遣するということだけを決定して、あとは委員長に一任されたらどうでしようか。
○委員長(田中耕太郎君) 安達さん、その點如何でしようか。
○安達良助君 私もそういうようにお願いしたいと思います。
○委員長(田中耕太郎君) 大體三名以内ということで如何でしようか。
○委員長(田中耕太郎君) ではさように……。
○岩間正男君 この問題は文教委員會に付託されておつて、實は體育というのは實に重大な問題だと思うのであります。それで文教委員會としていろいろな問題が勸められたならば、できるだけ餘裕が付き次第、この問題について緊急にやはり努力しなければならんと思うのであります。スポーッ議員連盟ですが、そこから出たという形は、それは一つの勸奬する、勸めるというような意味で出たのですが、スポーッ連盟というのは、議員のプライベートな團體から文教委員會に對する勸めとして出た。併しそれはどこから出ようが、それを取り上げてその誕生を見ることには賛成します。もう一つできたら、文教委員會で人を決定してそれを議長の方と交渉して、若し技術的に解決がつくのでしたら、それを參議院の代表として送られることが最もいいのではないかと思います。そういう希望條件を附して置きます。
○委員長(田中耕太郎君) 只今のような方針で以て議長の方と交渉いたすことにいたしたいと思います。それでは今日はこの程度で散會いたします。
   午後三時五十一分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           松野 喜内君
           柏木 庫治君
           岩間 正男君
   委員
           河崎 ナツ君
           小泉 秀吉君
           藤井 新一君
           森下 政一君
           小野 光洋君
           左藤 義詮君
           安達 良助君
           木内キヤウ君
           高良 とみ君
           仲子  隆君
           安部  定君
           梅原 眞隆君
           鈴木 憲一君
           堀越 儀郎君
           矢野 酉雄君
           羽仁 五郎君
  政府委員
   文部事務官
   (學校教育局
   長)      日高第四郎君