第001回国会 司法委員会 第7号
  付託事件
○國家賠償法案(内閣送付)
○刑法の一部を改正する法律案(内閣
 送付)
○昭和二十一年法律第十一号(弁護士
 及び弁護士試補の資格の特例に関す
 る法律)の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○岐阜地方裁判所多治見支部を設置す
 ることに関する陳情(第十一号)
○帶廣地方裁判所設置に関する陳情
 (第四十九号)
○刑事訴訟法を改正する等に関する陳
 情(第六十号)
○民法の一部を改正する法律案(内閣
 送付)
○連合國占領軍、その將兵又は連合國
 占領軍に附属し若しくは随伴する者
 の財産の收受及び所持の禁止に関す
 る法律案(内閣提出)
○昭和二十一年勅令第三百十一号(昭
 和二十一年勅令第五百四十二号ポツ
 ダム宣言の受諾に伴い発する命令に
 関する件に基く連合國占領軍の占領
 目的に有害な行爲に対する処罰等に
 関する勅令)の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月一日(金曜日)
   午後二時三十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○連合國占領軍、その將兵又は連合國
 占領軍に附属し、若しくは随伴する
 者の財産の收受及び所持の禁止に関
 する法律案
○昭和二十一年勅命第三百十一号(昭
 和二十一年勅令第五百四十二号ポツ
 ダム宣言の受諾に伴い発する命令に
 関する件に基く連合國占領軍の占領
 目的に有害な行爲に対する処罰等に
 関する勅命)の一部を改正する法律
 案
○刑法の一部を改正する法律案
  ―――――――――――――
○委員長(伊藤修君) 大変お待たせいたしました。これより委員会を開会いたします。昨日本委員会に付託されましたところの「連合國占領軍、その將兵又は連合國占領軍に附属し、若しくは随伴する者の財産の收受及び所持の禁止に関する法律案」及び「昭和二十一年勅命第三百十一号(昭和二十年勅令第五百四十二号ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く連合國占領軍の占領目的に有害な行爲に対する処罰等に関する勅令)の一部を改正する法律案」、この二件を併合いたしまして、委員会に上程いたします。政府委員の説明を求めます。
○政府委員(佐竹晴記君) では私より御説明いたします。只今上程されました昭和二十一年勅令第三百十一号、即ち昭和二十年勅令第五百四十二号、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く連合國占領軍の占領目的に有害な行爲に対する処罰等に関する勅令の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申上げます。
 先ず、この勅令が制定されるに至りました経過について申上げたいと存じます。連合國最高司令部より、昭和二十年九月の二日に一般命令第一号が発せられ、次に昭和二十一年二月十九日に刑事裁判権の行使に関する覚書が発せられたのでありまするが、我が方といたしましては、その指令に即應して法制的措置を講ずる必要が生じて参りました。ここにおいて昭和二十一年の六月十二日に、同年勅令第三百十一号が制定公布され、七月十五日から施行されるに至つたのであります。
 次に、この勅令の主な内容を申上げて見ますと、これは連合國占領軍の占領目的に有害な行爲に対する処罰を目的としたものでありまして、反占領目的行爲の中で、占領軍にとつて比較的重要と認められますものを第一條に列挙し、これらの罪については我が方側で公訴権を行うことなく、占領軍の軍事占領裁判所の裁判に委ねることとし、これ以外の反占領目的行爲については、我が方側で嚴正に処罰することにしたのであります。ところが、本年の六月二十七日附で刑事裁判権の行使に関する覚書を改正する新らたな覚書が発せられました。この覚書は、只今申上げました昭和二十一年の二月の十九日附覚書の二ノC項、即ち「占領軍又ハ其ノ凡テノ兵員若ハ之ニ所属随伴スル凡テノ人員ノ財産ヲ権限ナクシテ所持、取得、受領若ハ処分スル行爲」についての從來の我が方裁判権行使に関する制限を撤去いたしまして、改めて我が國側に裁判権の行使を認めたものであります。從いまして我が方においてこれらの行爲について裁判するためには昭和二十一年勅令第三百十一号を改正し、これらの行爲について公訴権の行使を制限した第一條第四号を削除する必要が生じたのであります。これが改正を要する理由であります。尚、第四号が削除されます結果、これに必要な日本側の法的措置といたしましては、別途、連合國占領軍、その將兵又は連合國占領軍に附属し、若しくは随伴する者の財産を不法に收受し、又は所持する行爲を処罰する罰則を規定した法律案が上程されまして、御審議を受けることになつております。何卒愼重御審議あらんことを希望いたします次第であります。
 次いで「連合國占領軍、その將兵又は連合國占領軍に附属し、若しくは随伴する者の財産の收受及び所持の禁止に関する法律案」の提案理由を御説明申上げたいと存じます。日本政府は連合國最高司令官から、本年の六月の二十七日附で「刑事裁判権の行使に関する覚書」を修正する新らたな覚書を受領いたしました。この覚書は、昭和二十一年二月十九日附で発せられました「刑事裁判権の行使に関する覚書」の修正覚書でありまして、原覚書では、その第二項において、占領軍、その將兵又は占領軍に附属し、若しくは随伴する者の財産を不法に所持し、取得し、受領し、又は処分する行爲に関する犯罪について、日本裁判所の刑事裁判権の行使を禁止する旨を示していたのでありますが、この度の修正覚書では、これを変更して、この刑事裁判権行使の禁止を解くと共に、占領軍、その將兵又は占領軍に附属し、若しくは随伴する者の財産を不法に所持し、取得し、受領し、又は処分する行爲を禁止する旨を示したのであります。從つて、日本政府といたしましては、右の行爲を禁止し、これを犯した者を処罰する法規を制定施行いたしますると共に、この種の犯罪行爲について一般の刑事手続法規、並びに昭和二十一年勅令第三百十一号、即ち連合國占領軍の占領目的に有害な行爲に対する処罰等に関する勅令に從つて、日本裁判所が刑事裁判権を行使し得るように措置いたさなければならないことになつたのであります、而して占領軍、その將兵、又は占領軍に附属し、若しくは随伴する者の財産の收受、所持等の禁止等に関しましては、從來國内法令が存しなかつたわけではなく、第一に連合國占領軍將兵等から官給品等を買受けたり、交換により讓り受けたりすることを禁止する昭和二十一年七月三十日内務司法省令第一号、「連合國軍將兵より物品買受等禁止に関する件」があります。第二に、連合國占領軍の発行するドル表示軍票を收受したり、所持したりする行爲の処置に関する昭和二十一年九月三十日大藏、遞信省令第一号「連合國占領軍の発行するドル表示軍票の取締等に関する件」があり、又第三に、英國占領軍の発行するポンド表示軍票や、同占領軍が使用する一ペニー若しくは半ペニーのオーストラリヤ銅貨幣を收受したり、所持したりする行爲の処置に関する昭和二十二年五月二十九日大藏省令第五十六号、「英國占領軍の発行するポンド表示の軍票又は英國占領軍の使用するオーストラリヤ貨幣の取締に関する件」があり、この三省令がいずれも「ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件」に基いて発せられているのでありますが、この大藏、逓信省令及び大藏省令の両者には、制定当時、日本裁判所の刑事裁判権の行使が禁止せられておりました関係上、その犯した行爲に対する罰則の定めをいたさず、又右の内務、司法省令には罰則の定めはありますが、右と同樣の理由によりまして、その罰則は昭和二十一年勅令第三百十一号第一條第四号の規定が適用されている間、即ち日本裁判所の刑事裁判権の行使が禁止せられておりまする間は、これを適用しない旨の規定が附加され、現にこの罰則は発動しておらん状況にあるのであります。又たとえ今後この内務、司法省令の罰則が発動いたすことになりましても、この省令では今囘の修正覚書の内容を完全に履行するところとはならないのであります。從いまして、ここにこの覚書の趣旨を完全に具現し、而も既存のこれら三省令の規定の趣旨を包含する一個の統一的な法律を制定する必要を生じましたので、この法律案を提出いたしまして御審議を煩わすゆえんであります。
 次に、この法律案の内容を簡單に御説明申上げますると、まず第一條において、連合國占領軍、その將兵等の財産を收受し、又はこれを所持することを禁止し、ただ日本國の通貨、その他特定の日本製品についてのみ、この禁止より除外することといたし、次に第二條において、軍票等、占領軍のみの間に通用する貨幣的なものにつきましては、特定の場合を除いて、これが收受及び所持を禁止いたしてありまして第三條において、第一條及び第二條の規定に違反する者を五年以下の懲役、又は五万円以下の罰金に処することとし、情状により懲役又は罰金の両者を併科することができるように規定いたしまして、以て今囘の覚書の趣旨を履行するに遺憾なきを期した次第であります。
 どうか愼重御審議の上に速かに御可決あらんことを希望する次第であります。
○委員長(伊藤修君) 只今の御説明に対して御質疑がありますれば……。
○齋武雄君 提案理由は大体了承いたしましたが、「連合國占領軍、その將兵又は連合國占領軍に附属し、若しくは随伴する者の財産」とあります。これは所持禁止の法律であると思いますが第一條の二項に「日本國の通貨又は連合國占領軍の將兵若しくは連合國占領軍に附属し若しくは随伴する者」云々とありますが、この規定は我々には具体的事例が分らないのであります。非常に文章が複雜でありまして、たつた四行のうちに「若しくは」が二つありまして、「又は」という字が二つあるというように、具体的な例が分らんのであります。この具体的例を詳細にお伺いしたいのであります。
○政府委員(國宗榮君) 御説明いたします。この第一條第二項につきましては、第一條に規定しておりまする「連合國占領軍、その將兵又は連合國占領軍に附属し若しくは随伴する者の財産」とあるこの財産の中に入らないものを規定しているのであります。それは端的に申しますると、日本國内において取得し、日本國内において製造せられた物品、これに当るのでありまして、例えば例をとつて申上げますと、進駐軍の將兵が日本國内において製造されました物品を、日本の内地の店において買入れた品物、これは所謂第一條第一項の財産には入らない、こういう趣旨を規定しております。但し日本國内において製造された物でありましても、これが進駐軍の福利機関の手を通じて出た場合は、第一條第一項の財産に該当するという工合になるのであります。第二項の規定は、只今申上げましたように、日本の國内において製造せられ、そうして日本國内において取得した物、即ち日本の店で買つた物、そういう趣旨であります。
○齋武雄君 関聯して伺ひます。そう話を聽くと分りますが、これを簡單に分り易く直す方法がないでしようか。
 そういう御意思はないのでありますか。これではちよつと分らないと思うのであります。私の解釋が不十分で分らないのであるか、一般的に見て、この法律がちよつと難解でないかと思いますが、今のような内容に適合するように簡單にできないでしようか、それをお伺いしたい。
○政府委員(國宗榮君) 御尤もな御質問と思いますが、実は一切の連合軍に所属するところの財産を網羅いたしまして、そうして抜け目のないように規定するにつきましては、立法上非常に技術を要するのでありまして、苦心をいたしまして、結局かように難解な規定になつたのであります。この点につきましては、立法当時からもつと分り易くいたしたいと随分苦労いたしたのでございますが、この程度のものしかできなかつたのであります。この点御了承を願いたいと思います。
○大野幸一君 第一條は「随伴する者の財産」ということになつておつて、随伴しない者の財産というものは、例えば戰爭前から日本に居住しておつた連合國の國籍を有しておる外國人などは、それに入ると思うのですが、それは第一條の特定物には入らないと解して差支ないですか。
○政府委員(國宗榮君) そう解して差支ないと見ております。
○齋武雄君 二十一年の勅令第三百十一号、結局昭和二十年の勅令五百四十二号ポツダム宣言の受諾に関する命令でありますが、その命令の削除せられた「連合國占領軍、その將兵又は連合國占領軍に附属し、若しくは随伴する者の財産」を不法に処理した者の処罰規定は、前には十年以下の懲役若しくは七万五千円以下の罰金ということになつておりましたが、同一行爲について今度は五年以下の懲役又は五万円以下の罰金ということになつた、これは非常に軽くなつたのでありますが、それについては何か根拠があるのですか。
○政府委員(國宗榮君) それについては、この度提案した改正の法律によりますと、大体連合軍の財産に対する收受、所持ということを処罰の対象にいたしておるのでありますが、これらの中には観念上窃盜も入りますし、或いは詐欺、恐喝というものも入るのでありますが、そういうものは刑法の規定によつて処罰が可能でございます。併しながら、これまでのように勅令三百十一号によつておる当時におきましては、それらのものは進駐軍側の軍事裁判所の裁判に讓られておるのでありまして、從いましてその刑も全部窃盜の場合、或いは詐欺の場合、恐喝の場合でも、向う側でやることになれば、その場合には刑が重くなつておるのだというふうに了解いたしております。
○小川友三君 連合國占領軍の所持禁止に関する法律案ですが、全委員から質問、又政府委員からのお答を聞きまして、原案通り賛成いたします。
○齋武雄君 この程度で質問を打切りたいと思います。
○鬼丸義齊君 本日初めて連合軍の覚え書等について私共は受領いたしたのであつて、又提案理由の説明も今初めて承つたのであり、甚だ疑義が多分にありますので、質疑はこの程度で以て打切つて頂きまして、そうして次囘に質問を延ばして頂きたいと思います。これは実際の問題としまして、これまで從來連合國の裁判と日本裁判との間におきまして、刑罰に著しい差等がありまして、これがためには非常に不均衡を失した不條理な結果になつておるのであります。從つて、これに対します審議は、相当愼重を期する必要があると思いますから、このまま直ちに討議に入らずして、少し時日を藉して頂きたいと思います。
○委員長(伊藤修君) 齋さんの御動議は撤囘いたして頂けませんか。
○齋武雄君 まだ質疑の打切りをしないでもよろしうございます。
○松井道夫君 只今の鬼丸さんの動議に賛成いたします。
○政府委員(佐竹晴記君) 愼重御審議を頂かなければなりませんが、これはその筋からでき得る限り早い方を希望せられておるようでございますから、その御趣旨を汲んで、成るべく早く御審議を承りますことをお願い申上げて置きます。
○委員長(伊藤修君) それじや政府委員の方から資料を頂いて、尚愼重審議いたしたいと思いますから、本案に対する質問は、この程度で打切つて置きまして、後日に讓ります。
 それでは、刑法の一部を改正する法律案に対する予備審査を前囘に引続きまして、一般の質疑についてこれから継続いたしたいと思います。
○鬼丸義齊君 今度の刑法の一部の改正につきまする各法案内容は、それぞれ重要な点がありまするが、私は先ず第一に、刑法の七十三條乃至七十六條の規定の削除であります。第一章の皇室ニ対スル罪の点であります。この点に対しまして私は多大の疑問を持つ者であります。この削除が適当なりや否やということは、結局天皇の國法上或いは又國際法上の地位がどうであるかということに対しまして、重大なる関係があると思うのであります。若し天皇が國法上我々と全然同じ地位に在るものであるといたしましたならば、この削除は誠に止むを得ないことと思いまするが、若しもこの天皇の國法上の地位が、一般國民との間に相違があるということになりまするならば、改正するのであるならばともかくとしましてこれを根本的に削除するということは甚だ妥当でないように思われるのであります。私は新憲法におきましても、天皇の地位は世襲であつて、又國家統治の権能は、極めて限定せられてはおりまするけれども、國会の召集とか、或いは又議会の解散とかいうようなふうに、國会の上に立つて、命令をされておりまする権能がありまする限りは國法上君主の地位というものを保有せられておるものであるということに私は信じております。即ち新憲法は國民主権主義を國家組織の基礎とはいたしておりまするが、國の政体はやはり君主政体であると確信をいたしておる者であります。新憲法の第一條に「天皇は、日本國の象徴であり日本國民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本國民の総意に基く。」と、こうあります。即ち天皇の御一身を以たれまして國家を代表し或いは國民統合の表現であるということを私は信じておるものであります。旧憲法のやうに國家意思を代表するものとは違いまして即ち統治権の総攬者ではありませんけれども、天皇の御一身が國家を代表することは、日本國の代表者ということができるのであります。果してそれであるといたしましたならば、私は全然この第一章を削除してしまうということは他の法規との釣合からいたしましても穩当でないように思われます。例えば、第九十條にありまする國交に関する罪で、帝國に滯在する外國の君主又は大統領に対しましては、今囘の改正され、改正法案にもなつておりまするが、第二百八條の暴行罪でありまするならば、改正されまして罪が重くなるといたしましても二年以下であります。ところが、外国の君主又は大統領に対しましては、暴行脅迫に対して一年以上十年以下の懲役ということになつております。天皇の地位が一國の君主であるということでありまするならば少くともこの間に一般人とは当然異なるべき法の規定がなければならんと思います。況んや、第九十一條によりまするというと、帝國に派遣せられておりまする外國の使節に対しまする暴行脅迫におきましても、三年以下の懲役、天皇に対しまする暴行脅迫が、普通の法律のみによつて処罰する以外の何ものもないということになりましたならば天皇の地位というものは、即ち外國の使節の以下に持つて行かなければならんことになります。私はすでに日本國の象徴であり、又國民統合の象徴であるということにいたしまするならば少くとも一般人よりも格段なる保護規定がなければならんと思います。ちよつと私は誤解しておりましたが、九十條、九十一條も削除するように原案はなつております。これとはそれは違うことになりまするが不敬罪中に含まれておりまする侮辱罪この度の改正法案によりまするというと、これを削除することになつております。そういうことになりまするならば、天皇に対しまする侮辱も、一般人同樣に処罰ができないということになりまして、果して私は我々國民といたしまして、それで納得が行くかどうか、かように思うのであります。この点に対しまする政府の御所見を拜聽いたしたいと思います
○政府委員(國宗榮君) お答えいたします。只今の御質問は誠に御尤もな御質問と私は考えるのでありまして、お説のごとく、天皇は新憲法下におきましても日本國の象徴であり、國民統合の象徴であらせられまして、その限りにおきましては、一般國民と違いました御地位にあらせられるということは、私共もさように考えておるのでございます。而も皇室典範等におきまして、やはり一般國民と違いました点が規定いたされておるのでございます。併しながら又一面から考えまするというと天皇は、從來も、並びに今日におきましても一個人としての立場をも有せられるものと考えるのであります。この面より考えますると、新憲法の精神でありまする憲法第十四條の規定によりますると、やはり一般國民と同樣に、これを扱わなければならないのではないかというふうにも考えられます。と同時に、日本の今日置かれておりまするところの國際情勢、國際的な立場からいたしまして、日本が平和的な又民主的な國家を具現する上におきまして國際的な影響というものを考慮いたしまして、この皇室に対する危害罪、即ち刑法第一章の規定を削除することに相成つたのであります。このことは只今もお話の通り、國民の天皇に対しまするところの敬愛の感情につきましては、或いは國民感情と相反するものが起るかも知れないという虞れも持つておるのでございますが、併しながら、刑法上特別な規定を、天皇のために置かないからと申しまして、この日本國の象徴であり、國民統合の象徴であらせらるる天皇に対しまする國民の感情というものは、たやすくなくなるものではない。こういう見通しを以ちまして法律の上におきましては平等な規定にいたした次第でございます。ただ御指摘になりました侮辱の規定を削除いたしました点につきましては、これは私共甚だ考えなければならん点と思つておるのでございまして、天皇のみならず、只今のお話になりました國交に関する罪の九十條、九十一條を、第一章削除の関係で、國際関係の保護におきまして他の一般の規定を加重することによりまして、國交に関する罪につきましても十分な保護ができ得るという観点から九十條、九十一條を削除いたしましたが、これも外國の使節に対しまする、或いは外國の元首等に対しまする侮辱の罪を罰することができない結果に相成つておりますので、その点につきましては愼重な審議を願いまして適当な判断を願いたいと、かように考えておるのであります。
○齋武雄君 改正草案の二十五條では執行猶予の制度を拡大したのでありまして、これは私も賛成するところでありますが、三年以下の懲役、五千円以下の罰金にも執行猶予を認めるということでありまして、非常に結構でありますが、二十六條の二項に執行猶予の取消のできる規定がありますが、これは「罰金ニ處セラレタルトキハ刑ノ執行猶豫ノ言渡ヲ取消スコトヲ得」、こうなつておりますが、從來の規定は禁錮以上の刑となつております。今度は罰金でも取消すことができる、こういうことになつておりますので、これは一面において執行猶予の制度を認めて置きながら、一面において非常に人民に不利益になる、こういう規定であります。例えば三年以下の懲役に執行猶予を付けて貰つて、罰金二十円か三十円で、その執行猶予が取消され懲役が復活する、こういう規定になるのでありまして、現在のようにいろいろの法規が沢山ありまして、統制法規があつて、不用意のうちに罪を犯す場合があるのであります。そういう場合に軽い罰金に処せられるのでありますが、その場合においても前の懲役三年の猶予が取消されることになるのでありますが、この前私が質問しました判決猶予主義、刑の宣告猶予主義があつたならば、これは緩和できると思います。そういう場合において、言渡を猶予してこれを取消さない方法もできるのでありますが、宣告猶予主義は改正案にはないのでありますから、檢事が起訴した場合において必らず取消さなければならんという状況に至るのでありますが、この点につきまして、そういうことをお考えになつたでしようか。お考えになつて、苟くも罰金であろうが何であろうが、軽い罪であろうが何であろうが、誤まつて犯そうがどうであろうが、執行猶予中の者が犯した場合には、これは止むを得ない、こういうようなお考えの下にこの規定を設けたのてあるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(國宗榮君) お答えいたします。只今の御質問は、立案の当時におきましてやはり一應考慮いたしたのでございまして、ただ懲役、禁錮に処せられて執行猶予になつた者が、その後更に刑法の二十六條に規定いたしまする場合におきましては、執行猶予の取消しをすることになつておりますが、これは必らず取消さなければならない、取消すべしという規定になつております。ところが懲役、禁錮に処せられて執行猶予になつた者が、その猶予期間中に罰金刑に処せられる場合に、今度の改正の規定によりまするというと執行猶予は取消し得ることになつております。これは運用の問題になるのでございまするけれども、必らずしも取消せというのではございませんので、その犯情に應じまして、今お話の通りあらゆる統制法規その他行政法規が沢山ございまして、僅かなことで罰金刑に処せられまして、そうして執行猶予を取消されるというような場合もあろうかと思われますので、その点は運用によりまして、さような過酷なことのないようにいたしたい。従いましてその改正條文におきましては、必らず取消せというのではなくして、取消すことを得るというふうな規定になつております。この点も十分立案当時考慮いたしまして、かような規定にいたしたわけであります。
○齋武雄君 刑法五十五條は削除されたのでありますが、連続犯の規定でありまするが、これは実際上非常に煩雜になるのではないかと私は考えるのであります。例えば連続して或る期間内に窃盜が十件あつた、そういう場合において、一件において起訴されて確定した場合において、確定後に次から次へ十件出た場合には、十囘裁判しなければならないことになる、こういう結果になると考えるのでありますが、私としては重い罪が後で分つた場合においては、連続犯の規定を適用しないで更に罰することがよいと考えるのでありますが、そこで同一刑の罪が沢山出た場合において何囘も何囘も処罰しなければいけない、これは檢察廳の関係で或いは運用においてどうにもなると思いますが、併し法理上はできることになつておるのであります。私は窃盜が確定して、そうして前に強盜があつた、こういう場合においては、無論強盜について処罰することは結構だと思います。重い罪が逃れて、軽い罪で処罰される、それが確定したのだと、連続犯の規定でないのだということはいけないのでありますから、そういう場合に適用することは結構でありまするが、この規定によりますると、何囘でも、十囘でも二十囘でも裁判することになるのでありまして、実際的に運用によつて、そういうことはないようにできるのでありましようが、法自体としては理論的にはそういうふうに解釋し得るのでありまするが、そういう点はお考えになつたのでありまするか。
○政府委員(國宗榮君) お説の通り、理論的に申しますると、何囘も個々の罪につきまして裁判し得るということに相成るのでありまするが、お話の通りに、実際の運用におきましては、一個の罪を罰しまして、その後に更に改めて罰するという場合に、前に処罰を受けましたことを勿論考慮に入れまして、処罰の適否、起訴の適否を決めて行くことに相成ろうと存じます。御心配の点は、理論の上においてはございまするけれども、実際の運用におきましては余りないのではないかというふうに考えております。
○齋武雄君 草案によりますると、姦通罪というものはなくなつておるのでありまするが、これは無論憲法上両性は平等である、こういう建前の下に廃止されたものと私は考えておるのでありまするが、そういう場合において、平等であればよいのであるから、両罰するということはお考えにならなかつたのでしようか、どうでしようか、その点を十分に檢討されたのでありましようか、その点を伺いたいと思います。
○政府委員(國宗榮君) 姦通罪につきましては、憲法の二十四條の規定によりまして、男女の扱いを平等にしなければならないということになりまして憲法の趣旨に従つてこれを改正いたしたのでありまするが、御質問の通り、姦通罪を男女両罰で存置すべきか、或いは両方姦通罪を廃止すべきかという点につきましては、全く各方面の意見を参酌いたしまして、昨年開かれました法制審議会、或いは法制調査会等の委員会におきまして、この問題を提議いたしまして、そうして委員の方々の十分なる御討議を経ました上その結論に從いまして、姦通罪を廃止するという原案を、政府といたしましては立案して提出いたした次第でございます。各國の立法例にも、御承知の通り、多くは姦通罪は罰しております。「殊にドイツ、スイス等におきましては」男女両罰の所でありまして、イギリスとソ聯、これは罰していないということであります。フランスとか或いはイタリー等におきましては、女子の一囘の姦通は罰しますけれども、男子に至りましては、妾を蓄える程度に至らなければ罰しないとこういう所もございまして、各國の立法例も区々になつております。この問題は政府の建前といたしましては國の唯一の立法機関でありまするところの國会の自由なる御判断と、又愼重なる御審議によりまして結論を得て頂きたいこういうふうに私共は考えております。
○齋武雄君 大体分りましたが、法制審議会というのは女が何人入つておるのでしようか、男は何人で女は何人でしようか。その点参考のために伺います。
○政府委員(國宗榮君) その点につきましては、正確な数を存じておりませんが、まず男が非常に多うございまして、女の方が少ないのでございます。尚これは私共のこの問題を取上げまするにつきまして、いろいろ各方面の、法制審議会以外の意見も徴したのでありまするが、大体におきまして、年齢の若い方におきましては、両罰の意見が多いようでございます。それから年配の方におきましては、やめたがよかろう、姦通罪廃止の意見が多いように見受けられました。それから又思想的な点におきましても、大分違うというふうに観察せられました。例えば宗教家でありますとか、そういう精神的な方面の方方は、両罰、両方罰しろという御意見が多いように考えております。いろいろ考えましたが、結局審議会の答申を尊重いたしまして原案を作成いたしたような次第であります。
○鬼丸義齊君 先程天皇に対しまする問題についてお伺いしたのでありまするが、その國民感情の上におきまして、固より天皇に対してさような不敬な行をなし、或いは又危害を加えるようなことはないと御信用になつておられますようでありますが、併し残念ながら、先囘政府から出されました資料によつて見ましても、若干ながら不敬罪、危害罪があるようであります。私はこの侮辱罪を根本的に削除いたしますことには、一般的のものに対しましても、むしろ強化しても削除すべきものでないという意見を持つております殊に改正法案のごとくにして天皇に対していかなる侮辱的な態度に國民が出た場合であつても、何ら咎むべき規定がないということになりましたならば、果して一体それでよろしいのか、私共非常に不安に堪えない。尤も危害罪或いは不敬罪等に対しまして、併せて後に質疑を試みたいと思つておりますけれども、少くとも政府委員の御答弁のごとくに、ただ九十條或いは九十一條を廃止いたしました結果として、外國の君主、大統領或いは使節等に対しまする侮辱ばかりでなく、それはともかくとして少くとも君主に対しましては特段なる規定を以て臨まなければならんのではないかと私は思います。政府の方におきましては、この点についてどんな御信念を持つておられるかを重ねて伺いたいと思います。
 第二としましては、新憲法の第九條によりまして戰爭抛棄が決められておりますが、これはもう誠に残念なことでありまするが、ポツダム宣言の受諾に伴いまする一切の軍備を撤廃いたしまして、戰爭遂行の能力を完全に破碎せられてしまつたのでありまするから、誠に止むを得ないと思いまするが、併しながら自衛権までもすでに抛棄いたしております。進撃戰爭は勿論自衛戰爭までもすつかり抛棄しておりまするような態度に対しまして、忠実なる履行に副わんとしております態度は固より止むを得ないことと思いまするが、若しそれといたしましたならば、憲法におきまして憲法の九條で以て戰爭を抛棄しておりながら若しこの國民が外國に対して戰爭をなそうというような行爲に出ました場合の処罰規定がないのであります。刑法の第九十三條には外國に対して密かに戰爭をなす目的を以て、その予備又は陰謀をなした者に対する処罰規定がございますが、陰謀或いは予備をなしてすら処罰されるのでありまするならば、憲法が戰爭抛棄ということにまででありますならばこの憲法改正の結果としましては、当然いわゆる戰鬪開始というようなふうの挙に出ました場合に対する処罰は、当然嚴重なる規定を備えて置かなければ、眞に私は戰爭抛棄をなして憲法にまで規定しております趣旨が聯合國に対しまする信を疑われはしないかと思うものであります。残念なことでありまするが、憲法に書いてありまする限りにおいては、その行爲を嚴重に処罰するという規定は当然これになければならんと思いますけれども、この改正刑法に載つておりません。この点に対しまする政府のお考えはどんなことであるかということを伺いたい。
 この二点を伺います。
○政府委員(國宗榮君) 第一点の天皇に対しまする罪の削除に関しまして侮辱の点につきましての御質問でございまするが、この侮辱罪を削除いたしましたのは今日の憲法の建前から申しまして、言論の自由ということを尊重いたす、その点から出発いたして、事実を指摘せず、單に発した言葉ならば、少くとも刑罰を以てこれを処置する必要はなかろうという考えから侮辱罪を廃したのでございますけれども、御指摘のように、天皇に対しまする問題につきましても、又一般國民に対しまする問題につきましても、侮辱罪をこの際廃止する方がよいかどうかにつきまして、政府といたしましても疑問を存しておるのであります。この点につきましても自由に、愼重に御審議をお願いしたいと私共は考えております。
 更に御質問の第二点でございまするが、憲法の第九條の規定によりますというと、誠にお説の通りでありまして日本國民の方から、外國に対して戰爭をしかけるというような行爲につきまして、何らの考慮が拂われていないぢやないかということでございますが、誠にその通りでございます。併しここに刑法の規定にありますようにその場合の予備、陰謀を処罰しておる。このことはよく研究いたして見なければ分らんと思いますけれども、旧刑法にも國民が他國に対しまして私鬪を開始するということにつきまして、旧刑法にも又刑法の仮案にもありまするけれども、どういうわけか、現行法にはこれが規定されなかつたのであります。そういう観点からいたしますと、そういうような事態は現実には考えられないぢやないかというような点から現行法に規定されなかつたのではないかと存じております。併しながら御指摘の点は非常に重大な点と私は考えております。いわゆる私戰罪、私の戰いの罪というものにつきましては、研究いたしました上御答弁いたしたいと存じます。
○松井道夫君 これはすでに他の委員からも恐らく御質問があつたかと存じますが、この憲法の改正に即應してどうしてもそれに適合させなければならんという意味で、これを御立案になりまして、それに関聯する範囲におきましては、今の罰金刑の不釣合、非常に今の物價との不釣合ということを正されたよしに拜見いたすのでありますが、その他の罰におきましては、まだそれが考慮せられていないものもあるやに拜見するのであります。それが特にその他のものを訂正なさらなかつたにつきましては、例えば住居を侵す罪に五十円以下の罰金というのがございます。そういつたようなものを御考慮なさらなかつたのは、何かそれだけの理由があるのかどうかということをお尋ねいたしたいのであります。
○政府委員(佐藤藤佐君) この度の刑法改正案を立案するに当りましては、先ず新憲法の実施に伴つて、憲法の精神に副わない規定を早急に改正しようという点に重点をおいて改正案を立案いたしましたので、その他の事項につきましては、成るべく早い機会に、刑法全体について再檢討いたしまして改正を立案いたしたいと、かように考えておるのであります。從つて上程されました刑法改正案に列挙せられました改正事項につきましては、それぞれ刑罰も改正いたしましたけれども、改正すべき事項として取上げられなかつた事項については、刑罰の点も何ら触れなかつたのであります。殊に罰金刑は、刑法全体として現在の経済生活にしつくりしないではないかという御意見があろうと存ずるのでありまするが、現在の物價の状態又通貨の價値の問題等は、不安定な状態にありますので恒久法たる刑法において、全部罰金刑の額を変更するということは、未だその時期でないと考えましたので、全般的に、例えば罰金刑を高めるというようなことは避けたのであります。ただ改正すべき條文につきましては、その條文において規定されておる罰金刑を、或る程度高めたというのはございまするけれども、全般的な罰金額の改正というようなことは、やはり刑法全部の改正を考究する際に併せて考えたいと、かように存じておるのであります。
○鬼丸義齊君 只今政府委員のお答えになりました趣旨であろうとは察しておりましたが、実際問題といたしましては、今日経済事情の変化によりまして選択刑は殆ど罰金刑が大部分でありますが、選択刑の中で以て、非常に金額が時代に合わない、その範囲が少額のために、一つの犯則行爲に対しましては適当でないというふうな場合が多分にありまする。その結果としては、罰金刑で以て処分することが適当であろうというような事件に対しましてもやがてはこれを体刑に持つて行かなければならんというような大きな問題になつて來るのであります。議論の上においては、かれこれは申しまするものの、裁判の実際の上でいたしまするというと、そういうようなことが深く考慮されるところであろうと思います。罰金刑を今日の経済状態に合してこの際変更するということは、折角改正されまするならば、むしろ極めて急を要することではないかと思います。幸いこの際刑法の一部の改正の議が上つたのでありまするから、この機会におきまして明らかに経済状態におきまして今日まで定められたる罰金刑の範囲におきましては、何らの反應のないようなふうのことになりまするというと、やがてこの体刑の処分が殖えて参るというふうな結果になるというようなことも、私共は非常に虞れておるのであります。今成る程全面的の改正は容易な業ではございませんけれども、少くとも罰金刑の額を引上げるくらいのことでありまするならば、必ずしも困難なことでないと思います。この点に対しまする政府の御意見はどんなものでありまするか。全面的に罰金刑を引上げて行くということについての御意見があるかないかを伺いたいと思います。
 それから先程委員の方より御質問がありました執行猶予に関しまする点でありまするが、近來の社会事情のために、殆ど時局に煩いされまして俄か仕立ての惡人が非常に殖えて參つております。まだ本質的にはなつていない、本当の偶然の、社会情勢に煩いされて大罪を犯すというようなことが大変多いことは、前囘にも私が申上げたのでありまするが、その時に当りまして千態萬樣なる事件の中で以て、折角刑法で以て執行猶予の恩典の規定があるに拘わらず、又執行猶予の恩典に浴せしめた方が適当であるというふうな被告人でありましても、その規定のために執行猶予の恩典を與えることができないこういう場合が甚だ多いのであります幸い今囘三年に改正法では引上げたようでありまするけれども、まだこの三年では、最短期の五年以上の刑の定めのありまするものは、酌量減刑いたしますると二年半に減することができますから、これによつて救い得られるのであります。ところが、実際の問題といたしまして、強盜傷人とか或いは強姦、こういうような場合に、最短期が七年になつております。これがために結局酌量減刑いたしましても、三年半にしか切下げることができない。いろいろな事情によつて起りまする事件の中で、たとい強盜傷人と申しましても、程度の問題であり、又その動機、犯情等によりまして、むしろ同情に値いするような事件があるのであります。幸いにこの執行猶予の規定を改正されまする時に当りまして、少くともこの短期の七年以上というものが、刑法の中で以て見ますると、現行刑法の中におきましては、強盗傷人、強姦、尊属親殺外患或いは皇室に対する罪内乱等の罪にございまするが、外患とか内乱とか尊属親殺とかいうものは別といたしまして、少くとも強盜傷人或いは強姦等の短期七年以上というようなもののごときは私はこう際どうしても三年というものを嚴守されるといたしますならば、最短期をもう少し繰り下げて頂くということになつたらどうであろうか、然らざれば三年というのを繰り上げる、或いは三年半なり四年なりに私は余裕のある活用できまする規定にして頂きたいと思うのであります。政府の御意見はどんなものでありましようか、その点を伺います。
 尚、先程御質問のありましたごとくに、罰金刑以上の刑に処せられました場合に取消すことを得ということがありますが、これは本人に対しまして、非常な不安の感を與えます。今日殆ど網の目のごとくにありまする法規の中に棲息しておりまする者は、誰かこれに対しまして……普通人でありましてさえ非常な不安を持つております。誰が果してこの網のごとき法規の中に棲息いたしておりまして、罰金刑以上のものを誰が一体本当に、神でなければ私は引つ掛らなくては済み得ないごとくに感じております。折角恩典を與えながらそれ程危險なる状態に置きますることは、却つて本人の活動を少くとも非常に萎縮せしめることになるといわなければならない。特にこの点につきましても御考慮願つて、これを変更する御意思はないかを重ねてお伺いいたします。
○大野幸一君 私もこの刑の執行猶予取消條件をこれは「罰金ニ處セラレタルトキ」とありますけれども、恐らく罰金以上に処せられたるときにおいての意味でしよう。これこそ非常に悪くなつたものと考えます、「執行猶豫……ヲ取消スコトヲ得」と、こういうふうで裁判官が適当に自由裁量によつて、これは情状によつてという意味でありましようがこれこそ一に國民の地位を不安定ならしめて、むしろ裁判官の專横を來す所以のものである、こういう意味であります。ましてや時世は前委員から言われたように、罰金に処せられるということは、多々これから危險性がある世の中に、これは是非とも改めて貫いたい、修正して貫いたいと考える次第であります。
 それから第五十五條の連続犯は、一体連続犯の根拠を政府はどういうふうに考えておいでになるのか知らんが、連続犯というのはやはり実際から見ますれば一つの單一意思から出ていて、それが連続して同一法益を犯しておるという場合でありまして、これを別々の犯罪の併合罪のように考えることは甚だ酷であつてむしろ連続犯の本質から一罪とするのが正当である、こういうふうに言われておる学設もあるのであります。実際の被告の心理状態或いは又その犯罪の状況から我々の経驗するところは、そういう学設の方が正しいと考えておるのであります。それを今度のいわゆる新憲法によつて人権が尊重された、そこで捜査をするに非常に困るからと、こういう意味で連続犯を削除する被告の心理状態は被告には自白を強要できないのである、併しながら自白をなさなければ連続犯の他の一部が又発見されたときには非常に情を憎まれる、そうして重き罪があるというようなことを捜査官から説明されれば、人間の本質に反して自白を強要されておるのであります。これは心理的に自白脅迫を受けておるのであります。又裁判が確定して、その後何年も長い間やはり恐怖状態に置かれているのであります。犯罪はすべて國家の政治の貧困から生れておる、被告人ばかりでなく、他の我々國民の責任としなければならぬ、國家は又反省しなければならない、ただ被告ににのみ負わせるわけには行かないということは明らかなことであります。そこで今度の五十五條の政府の本当の意図されるところは、甚だ捜査のために不便であるからという、被告人に対する同情の念なくして、自分たちの捜査の便のみから、こういうことをされたのであろうと思うのであります。一体に毬のようなもので、一方において人権を尊重しようとすると、一方において非常に人権が無視されると、こういうようなことでは何にもならない。そこで私は捜査は捜査の方法でその人徳とその科学的方法、その熱意を以て一つやつて頂く、それが即ち新憲法下における捜査官の義務である。そういうところから公権力を握る人たちは、そういう氣持から一つ精出して頂いて、便宜のために五十五條を削除されない、これはこのまま復活されることを希望して私の意見とするところであります。
○政府委員(佐藤藤佐君) 只今の御質問は四点あつたように思つて御答えいたします。
 第一は現行刑法の罰金刑の額が、現在の経済事情に合わないから、一律にこれを増額してはどうかという御意見であります。誠に御尤もではありますが、刑法がすべての刑罰法規の基本となるいわゆる恒久法でありまして、この刑罰を改正いたしまして、直く又時世に合わないからと言つて改正するというようなことは、なかなかむずかしいのであります。又さように朝令暮改することは適当ではないと考えるのであります。併しながら、現在の刑法の罰金額が現在の経済状態に合わないということは私共も承知いたしておるのでありまするが、現在の經済状態が然らば安定しておるかというと、非常にこれは不安定でありまして、今日の状態に合せて考えて適当なものも、又一ヶ月なり数ヶ月経てば、それが不適当であるというふうにも考えられまするので非常に不安定な状態にありますので、これを一律に現在の経済状態に合うように改正するということは、やはり今日においては適当ではないのではなかろうかというふうに考えられるのであります。又他面、刑罰法規は、刑法の外に幾多の刑罰法規があるのであります。そうしてその幾多の刑罰法規は、それぞれの目的の下に立案された刑罰法規でありまして、時代もそれぞれ異なる從つてその時代に適應するような刑罰罰金額を規定しておるのでありましてその他の刑罰法規についても、罰金額の率は一樣ではないのであります。それでありますから刑法を直す以上はどうしても他の刑罰法規の罰金刑も直さなければ合理的な説明はできませんので、これを直ちに現在の経済状態に適合するように、刑法並に他の刑罰法規どれもまちまちな他の幾多の刑罰法規を今直ちに改正するということは事実上困難であるばかりではなく、時期としても、経済状態の不安定なる今日においては、不適当ではないかという考えになりましたので、罰金刑の刑を全般的に改正することは、やはり全面的な刑法の改正の時期に讓りたいとかように考えておるのであります。
 次は、自由刑の執行猶予をする場合に從來二年以下の懲役又は禁錮に処せられるときは、情状によつて執行猶予をし得るという制度であつたのを、更に三年以下の懲役又は禁錮に処せられる場合に執行猶予をし得るというふうに緩和して、即ち執行猶予をし得る範囲を拡張いたしたのでありまするが、この点について例えば、強盗傷人、又は強盗、強姦というような重い犯罪についても、尚情状によつて執行猶予をし得るように、三年以下というのをもつと拡張する意思がないかという御意見のように承つたのであります。從來の二年以下を三年以下に改めました一應の基準としては、永年刑法改正調査会で練り上げました刑法改正の仮案にも、三年以下となつておりますので、この例に倣つたのであります、刑法改正の仮案のでき上がるまでにはお説のように、どうせ拡張するならば、三年以下よりももつと緩めたらいいじやないかというような御意見もあつたのでありまするけれども、いろいろな方面から研究した結果、そういう極惡な重大犯罪については、執行猶予をなし得るように、特にその限度を拡張するということは却つて不適当であろう、執行猶予を認めた趣旨から考えても適当ではなかろうという結論に到達して、仮案のように三年以下となつたのでありましてこの度の改正案についても、その仮案の基準によりまして三年以下と改めた次第でありまするから、今これをこれ以上拡張するということは考えておらないのであります。
 次は、執行猶予取消について、現行法は二十六條に規定されておるのであります。執行猶予の期間内に更に懲役又は禁錮以上の刑に処せられた場合には、必ずこれを取消さなければならないという規定が二十六條にあるのでありまするが、更にそれに附加えて若し「猶予ノ期間内更ニ罪ヲ犯シ罰金ニ處セラレタルトキハ刑ノ執行猶予ノ言渡ヲ取消スコトヲ得」というふうに拡張いたしたのであります。これまでは罰金刑に処せられただけでは取消すことはできなかつたのでありまするが、罰金に処せられた場合でも、情状によつては、折角與えた恩典に対して裏切つたのでありまするから、そういうような惡性の者については、たとい罰金であつても執行猶予を取消すことができる若し情状が軽いならば、それは裁判所で、罰金刑であつても取消さないこともできるというふうに、裁判所の自由裁量に任せたのであります。一面において罰金刑の場合にも、執行猶予を附し得る制度に拡張いたしました結果、取消についても拡張する方が当然であろうと考えて、かように規定を設けたのであります。「取消スコトヲ得」という規定では、非常に不安であるというお説もございましたが、懲役、禁錮の場合には、これは必らず從來と同じに取消さなければならないというふうに決まつているのであります。ただ罰金刑に処せられた場合には、裁判所の見るところによつて、情状が重ければ、取消される情状が軽ければ、たとい猶予期間内に罪を犯しても取消されないこともあり得るのであります。從つてこの規定は一面において、罰金刑についても執行猶予の制度を認めた以上は取消原因についても拡張するのが当然であろうと考えているので、二十六條にこの一項を追加することについては今のところこれを更に修正しようというようなことは考えておらないのであります。
 更に、刑法第五十五條の連続犯の規定を削除したのは、捜査の便宜のために削除したのではないかという御意見でありましたがこれはさようなことはないのであります。決して捜査の便宜のために五十五條を削除いたしたのではないのであります。五十五條を削除いたしましたのは御承知のように、新憲法の三十九條に、同一の犯罪について重ねて刑事上の責任を問われないという規定を設けまして、基本的人権を尊重している、その精神を貫きますると、これまでの連続犯に対する裁判の適用を見ましても、余りに廣く連続犯を適用しておりましたために、例えば軽い窃盗罪と重い強盗殺人罪と、こう二つ犯した場合でも、それは窃盗犯の連続犯である、又二つの犯罪の間に半年なり或いは一年の隔たりがあつてもこれは連続犯であるというふうにして一罪の処断をした例があるのであります。そういう考えを押し拡めますると、犯罪発覚の当時、窃盗犯だけが発覚しておつて、その後にその者が強盗殺人罪を犯したということが発覚いたしても、これを後で処断するということは絶対にできないのであります。かような不合理な結果が生じまするので、その不合理な結果を除去するがために、五十五條を削除しようというのであります。五十五條を削除いたしまするとこれまで数個の犯罪が連続して行なわれた場合には、一罪として処断されたのが本來の数罪として処断されるから、いかにも犯人のために不利益のように考えられるのでありまするけれども、これまでの裁判の傾向から見ましても、時と場所が非常に密着して、同じような犯罪が繰り返された場合には、連続犯というよりも、むしろ包括的な一罪として処断されている例が多いのであります。例えば玄関において書生の物を盗み、屋内に入つて主人の物を盗み帰りがけに小屋で下男の物を盗んだというような場合は、これは連続犯ではなく、完全なる包括的なる一罪として処断しておるのであります。こういう例から見ましても、將來五十五條を削除いたしました結果、包括的一罪の考え方が時間と場所が接著しておれば、成るべく包括的一罪として犯人の利益のために適用される例が多くなるだろうというふうに考えられまするので、五十五條を削除いたしましても、俄かに犯人のために不当に不利益を負わせるというような結果にはならないで、却つて連続犯を置くために連続犯を從來と同じように存置することによつて生ずる不合理な結果、從つて治安維持に影響するような不当な結果を予防することができるであろう、かように考えまして五十五條は削除いたした次第であります。
○小川友三君 大変御深切な御答弁を承りまして我々委員として感謝いたします。この第五十五條の問題は大分こんがらかつておりますが、非常に経済犯が多いので、皆引つ掛かつておるような者が多いので、特に委員は心配をいたしまして、政府委員の方にはお氣の毒でありますけれども、熱心に質問をしておられますので、私もそれに便乘するわけではないですが、ちよつとお伺いいたしたいと思つております。
 執行猶予を取消すということですが罰金二十円でも罰金ですが、これに金額を決めて頂いたらいかがでしようか。五万円以上の罰金だとか、三万円以上の罰金の場合は相当惡性なんだから執行猶予を取消すということに金額を入れて頂くような方法でやつて頂きますと日本中の裁判所の判事さんが公平にそれでやつて行けると思いますが、判檢事さんの御意見で二十円も罰金なんだからこの情状を顧慮して取消すというようにやられると困りますから、どうか政府委員の方で親心を以て五万円以上とか、三万円以上とか、情状が頗る惡性の場合は罰金は大きいので金額をお決めになるような御意思があるかどうか、お伺いいたしたいのであります
 それから執行猶予を取消すということですが、罰金が掛かつた場合に執行猶予を取消すのであろうと思いますけれども、体刑の場合も又取消すことができるということになりますか、どうでせうか。その区別をお教え願いたいと思います。
 又、鬼丸さんから猛烈な質問が出ましたが、天皇制擁護の質問が出ましたが、あれは、天皇というものは栄誉でありましようか、私は栄誉であると思います。象徴になられたということは栄誉であると思ひます。象徴であるということになりまして、憲法は十四條ですべて國民は法の下に平等であるというのですから不敬罪に対する事項を削るのは差支えないと思つております私は栄誉と思つて差支えないと思つております。特に第二十六條につきまして簡單で結構でございますから……
○政府委員(佐藤藤佐君) 執行猶予の言渡の期間内に、更に罪を犯して罰金に処せられました場合には、裁判所の裁量によつて刑の執行猶予の言渡を取消すことができるという規定を、二十六條に新らたに一項を附加えたのでありますが、この規定は罰金に処せられた場合は、「情状ニヨリ刑ノ執行猶豫ノ言渡ヲ取消スコトヲ得」という趣旨なのでありまして、條文の中には入つてはおりませんけれども、勿論裁判所が罰金刑に処せられたその犯罪の情状或いは犯罪後の情状によつて、執行猶予の言渡を取消すことができるというふうに、自由裁量の余地を在したのであります。さうしてこの取消さるべき執行猶予の刑は、即ち本刑の方は、これは罰金刑に限つたことはないのでありまして、自由刑の場合でも勿論その猶予期間内に罰金刑に処せられる而も情状が惡ければ勿論取消される場合があるということになるのであります。
 それからもう一点猶予期間内に罪を犯して罰金刑に処せられたというだけでは非常に重い場合と軽い場合があるから、その罰金の額を一万円或いは二万円以上というふうに限定したらどうかという御意見であります。ところが罰金刑につきましては、先程委員の方から御質問もありましたように、現行刑法の罰金刑は非常に額が低いのでありまして、一番重い場合でも五千円、最高の罰金刑が五千円になつておる状態であります。若しこれを例えば五千円以上、或いは一万円以上の罰金とした場合に、刑法犯についてはすべてこの二十六條の適用がなくなるといふことになるのであります。
 経済事犯につきましては、これは御説のように非常に罰金刑が重いのでありまして、多額の罰金刑が科せられておる実情でありまするが、これは経済事犯の取締という特殊な目的又経済事犯を犯す者は、それによつて多額の利益を不法に得ておるというようなこともありまする関係上、裁判においては重い罰金刑を科せられておるのでありますから、刑法の第二十六條に、執行猶予の言渡を取消す場合の條件として罰金の額を一定するということは適当ではなかろうと存じまするので、恒久法たる刑法の規定としては何らそこに制限を加えない罰金の額は軽かろうが重かろうが、情状によつて、そこは裁判所が取消す方が相当であるか、取消さなくてもよろしいかということを判断させる方が適切であるというふうに考えておるのであります。
○岡部常君 罰金の件につきまして、私は刑法に限局せずすべてに法令を包含した点で、別に質問書を提出しておきました。先程佐藤政府委員の御答弁によりますると、現在の経済状態などを照し合せて、罰金をその時に應じて変更することは朝令暮改の謗りを免れないから、思わしくないようにおつしやいましたが、私は現在のような経済情勢にあればこそ一層その必要が感ぜらるると申したいのであります。又それに関聯いたしまして、時々法律を改正することはなかなか困難であるというようなこともおつしやいましたが、この点に関しましては、從前の政府のやり方からみますると、どうも一体にさういふことを議会にかけることを億劫がられておるのではないかと考えられるのでありますが、まあこの頃のようになりますると、國会が期間も長くなりますし又臨時議会のごときも度々開催せられるような情勢になつておりますることを考えますると、さういう点について億劫がられるという態度をお改めになつてはどうか、かように考えるのであります。まあこの点は御答弁を要求いたしませんが、私の考えを申上げて御参考に資したいのであります
 ただ私尚虞れますることは先程鬼丸委員もおつしやいましたように、余りに罰金の額におきましても寡少なるために現在の経済情勢と対應して余りに額が低いために、本來罰金刑で以て処断していいものに対しましても、裁判官の微妙な心理が動きまして、懲役刑を、或いは自由刑を選ぶというような心理が働きましたならば、これこそ大変なことであろうと私は虞れるのであります。この点に関しまして、実際の裁判官のお取扱い、裁判官が実際その点について困惑を感ぜられておるというような事例はないかどうか。そういうことが司法省の方に聞えておりはしませんかどうか。その点を私はお伺いいたしたいのであります。実際を打明けたところを一つお示し願いたいと存ずるのであります。
○政府委員(佐藤藤佐君) 刑法の罰金刑の額が低きに過ぎるから、これを一律に増額してはどうかという重ねての御意見でございまするが先程申上げましたように、これは單に刑法だけの問題ではありませんので、刑法だけならば、これは刑法の罰金刑は十倍に増額する、或いは二十倍に増額するということもできるのでありまするけれども刑法以外にいろいろな刑罰法規が沢山ございまして、その刑罰法規ができた年代が違うのであります。從つて罰金刑の額についてもまちまちになつておりまするので、刑法並びに一般の刑罰法規について、罰金刑を現在の経済状態に合うように一挙に改正するということは、技術的に非常に困難なことでありまして、この点は御期待に副うような改正はできなかろうと存じておるのであります。
 それから、刑法の罰金刑の額が低いために、裁判官が具体的な事件について、本來罰金刑をもつて適当である犯罪であるが余りに罰金額が少ないからむしろ体刑に処しようという氣持になる虞れがないかという御意見であります。成る程刑法の罰金刑の額が非常に少ないので額だけから見まするといかにも刑罰の效果がないように感ぜられるのでありまするけれども、刑法犯は申上げる迄もない、大部分自然犯でありまして、こういう罪を犯し、又その罪を犯したことによつて裁判所において刑罰を科せられるということによつて、そこに刑罰の威力があるのでありまして罰金の額が高いとか低いとか……実際の裁判において五十円の罰金、百円の罰金によつて本人並に世間に対する刑罰の效果にはそう大して影響がないのではないかというふうに考えられるのであります。從つて裁判所においてその犯罪の状況なり、犯人の性格或いは判罪後の状況等を斟酌いたしましてこれが罰金刑をもつて処断するのが相当であると考えた場合には、たとへ少ない罰金額でも罰金刑を科しておるだろうと私は信じておるのであります。例へば住居侵入罪においても、重い場合は懲役、軽い場合は罰金刑に処すべきでありまして、その罰金刑の最高額が、先程例に申されましたように五十円、いかにも経済的價値の少ない罰金ではありまするけれども、住居侵入の罪を犯して、裁判所によつて罰金刑に処せられたということでそこに刑の威力が相当示され得るのでありまして、五十円ではどうも罰金刑が少ない本來ならば千円の罰金を科すべきである、千円の罰金は刑法上科せられないからそれじや懲役何ケ月か何年にしようというようなことを、裁判所において考えるようなことは絶対になかろうと信じておるのであります。これまでいろいろな事件の報告をみましてもさような実例に接したことは一つもございません。
○委員長(伊藤修君) 本日はこの程度で質疑を打切りまして、爾余の質疑は後日に讓ります。本日はこれを以て散会いたします。
   午後四時二十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           松井 道夫君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
           奥 主一郎君
           鬼丸 義齊君
           岡部  常君
           小川 友三君
           來馬 琢道君
           松村眞一郎君
           宮城タマヨ君
           阿竹齋次郎君
  政府委員
   司法政務次官  佐竹 晴記君
   司 法 次 官 佐藤 藤佐君
  司法事務官
   (刑事局長)  國宗  榮君