第002回国会 本会議 第36号
昭和二十三年五月一日(土曜日)
   午前十時十三分開議
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 議事日程 第三十四号
  昭和二十三年五月一日
   午前十時開議
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 第一 小額紙幣整理法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二 不正保有物資等の対價を登録国債で決済することに関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三 不正保有物資等特別措置特別会計法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第四 金資金特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第五 昭和二十三年の所得税の四月予定申告書の提出及び第一期の納期の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第六 政府が発行する福引券の当せん金の支拂等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第七 大蔵省預金部特別会計の昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第八 地方自治方の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第九 自由討議(前回の続)
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○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。この際諮りして決定いたしたいことがございます。治安及び地方制度委員長より、朝鮮人騒擾事件における当局の措置及び治安状況実地調査のため鈴木直人君、岡本愛祐君、岡田喜久治君及び村尾重雄君を、又司法委員長より、朝鮮人騒擾事件の実情及びこれに対する当局の措置実地調査のため中村正雄君、及び宮城タマヨ君を、それぞれ兵庫縣、大阪府に五月四日より八日までの五日間の各日程を以て派遣したいとの要求がございました。これら六名の議員を派遣することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつて委員派遣の件は決定いたしました。
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○議長(松平恒雄君) この際日程第一、小額紙幣整理法案、日程第二、不正保有物資等の対價を登緑國債で決済することに関する法律案、日程第三、不正保有物資等特別措置特別会計法案、日程第四、金資金特別会計法の一部を改正する法律案、日程第五、昭和二十三年の所得税の四月予定申告書の提出及び第一期の納期の特例に関する法律の一部を改正する法律案、日程第六、政府が発行する福引券の当せん金の支拂等に関する法律案、日程第七、大藏省預金部特別会計の昭和二十三年度における歳入不足補でんのための一般会計からする歳入金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)以上七件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。財政及び金融委員長黒田秀雄君。
   〔黒田英雄君登壇、拍手〕
○黒田英雄君 只今上糧されました各案につきまして、委員会の審議の経過並びに結果についてご報告をいたします。
 先ず小額紙幣整理法案につきまして、ご説明を申上げます。この法案は臨時通貨法によりまして発行されました五十銭の小額紙幣の中で、富士山と靖国神社を配しました模様のあります小額紙幣は、その図柄が適当でありませんので、本年八月三十一日を限つてその適用を禁止いたしまして、又その外大正六年勅令第二百二号及び大正九年法律第六号によつて発行いたしました、五十銭、二十銭及び十銭の小額紙幣の発行残高は、現在極めて少額になつておるのでありまして、その回収実績も極めて近年少額であるのであります。これをこの際併せて整理しようというのであります。従いまして、八月三十一日を以て通用を禁止いたしまして、速かにこれが回収をいたすのであります。その回収の期間は明治二十三年法律第十三号の規定によりますというと、通用禁止の翌日から起算いたしまして、満五ヵ年以内となつておりますが、今回特にこの整理を促進するためにこれを一年として、昭和二十四年八月三十一日までとしたのであります。その他外国から引揚げたような者につきましては、例外の規定を設けておるのであります。その引換の事務は、日本銀行の本支店、代理店で取扱いますが、その外に大蔵大臣が一定の期間を限りまして、全国の郵便官署又は金融機関において取扱うことにいたして、引換者の便宜を図ろうといたしておるのであります。引換期間が満了いたしました、来年の八月三十一日におきまして、少額紙幣の現行発行されております中、回収不能のものがありました場合におきましては、その分については政府が引換の義務を免れるのでありますから、直ちにこれを歳入に繰入れるということにいたしておるのであります。現在の発行高は十一億円ぐらいあるのであります。
 本案につきまして質疑応答に移りましたところ、回収の実績についての御質問があつたのでありまするが、昨年の十一月以来、自然回収を始めておるのでありますが、本年の二月までの四ヶ月間に約一億一千余万円を回収いたしまして、三月末までは一億八千三百余万円に相成つておるということであつたのであります。尚この引替につきましては、五十銭の少額紙幣については五億円を限る限度において、新たな五十銭を以て引替えるということにいたしておるのでありまするが、漸次政府においては補助貨を以て少額紙幣に替える方針であるということであつたのであります。
 次に不正保有物資等の対價を登録國債で決済することに関する法律案につ諸般の事情から尚遅れるのでありまして、従いまして、新らしくできまする所得税法によつて申告等をいたすことが適当であるというので、それまで延ばそうというのでありまして、四月の予定申告書の提出は五月一日になつておりましたのを、六月一日から六月の三十日までに、一月遅らせまして、従つて第一期の納期もやはり六月一日から六月三十日に延びるのであります。従いまして、第二期の予定申告並びに七月修正予定申告というものにつきましても、これを一月延ばしまして、七月予定申告書及び七月修正予定申告書は、八月の一日から同月の三十一日までに提出するようにということに延ばしまして、尚第二期の納期も、やはり一月を遅らせまして、八月の一日から八月の三十一日までにするというのが、法案の趣旨であるのであります。
 次に、政府が発行する福引券の当せん金の支拂等に関する法律案について、御説明を申上げます。これは先般、福引券の当せん金の所得税の免除の法律につきまして、すでに御報告を申上げたのでありまするが、即ち「新生」の賣出しにつきまして、福引券を附けておるのでありまするが、その福引券は、四月の一日から五月の十五日までの間に発行するのであります。その福引券に関しまする当籤金の支拂その他の事務を日本勧業銀行に委託して行わせようとするのであります。そうしてその場合には、必要があるときには、日本勧業銀行に対して、前項の当籤金の支拂に必要な資金を交付し、又前項の委託事務の取扱に要する費用につきましては、概算拂いができるということになつておるのであります。
 これにつきまして、質疑應答におきまして、「新生」はどれくらい賣れたか、又どれくらい残る見込であるかという質問に対しましては、三月末までには、二十六億本程賣れたのであります。持越されたものは約十七億本程あるのであります。四月にはあまり賣れないのでありまするから、大体十七億本くらい残るというのであります。製造は、もう三月上旬に止めておるということであつたのであります。これらの賣れ残つたものは、どうするかということにつきまして、政治においては、只今これについては対策を研究しておるのであつて、或いは價格を引下げて家庭配給にするとかいうようなことについても、研究をしておるということであるのであります。尚この賣れ残りができました場合については、当籤福引券の処置はどうするかということにつきましては、賣れ残つた煙草に対しまする福引券は、これは速やかに回収をする。然らは、その、賣れ残つたものが非常に多数あるのであるからして、百万円の懸賞金も、購入者に当らないで、残つたものに当つてしまうというようなことがあつては、非常に國民の感情が悪いではないかというような御質問に対しましては、とにかくこれは抽籤の上でなければわからないことでありますが、併し八十組に分けてこれをいろいろ出しておるのであるから、先ずさようなことはないと思うというような答弁であつたのであります。
 次に、大蔵省預金部特別会計の昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御説明を申上げます。これは先般四月の暫定予算の提出の際にすでに御説明を申上げたのでありまして、今回二十三年度の特別会計暫定予算案補正(特第一号)に計上されておるのでありまするが、五月分の歳出といたしまして、預金部の特別会計におきましては、人事費その他の歳出におきまして、一億二千九百九十一万七千円を要するのでありまするが、この会計の固有の歳入、即ち預金部資金の運用による利子とか、有価証券の償還による益金等は、七百五十二万二千円であるのであります。差引き二千二百三十九万五千円というものが不足を生ずるのであります。そうしてその不足をこの前も申上げました通り本会計の性質に鑑みまして、これを一般会計から繰入れるというので、現在一億三千二百十一万四千円とありまするのを、これを只今申上げました金額を加えまして、二億五千四百五十万九千円に改めるという法律であるのであります。
 以上各案につきまして採決をいたしましたところ、各案ともに全会一致を以て原案通り可決すべきものなりと決定をいたしたのであります。これを以て私の報告を終ります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより七案の採決をいたします。七案全部を問題に供します。七案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて七案は全会一致を以て可決せられました。
○議長(松平恒雄君) 日程第八、地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。治安及び地方制度委員長、吉川末次郎君。
   〔吉川末次郎君登壇、拍手〕
○吉川末次郎君 只今議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案について、治安及び地方制度委員会に於ける審議の経過並びに結果につきまして御報告申したいと存じます。
 去る三月三十一日の本会議におきまして、地方自治会の一部を改正いたしまして、地方公共團体の職員に関して規定いたしまする、いわゆる地方公務員法案の國会への提出期日を、本年四月一日までとありましたのを、五月一日までと一ヶ月延期するよう改正いたしたのでございます。然るに今回更にこの規定を「十二月三十日までにこれを國会に提出しなければならない。」と再びここに改正せんとするのでありまして、御賣の如く極めて簡単なる法律改正案でございます。政府当局の説明によりますれば、その後の諸般の情勢により当該期日までに國会への提出が不可能となりましたので、國会の会期等の関係をも考慮して、かくのごとく十二月三十一日までに提出しなければならないこととしたいということであります。
 本改正法律案の内容は更にそれだけのことでございまして、我々の委員会におきましては、審議の結果、政府当局の説明を了解し、別に委員の間に御異議もなく、採決の末、本法案は衆議院送付、政府原案の通り、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました次第でございます。以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致をもつて可決せられました。
○議長(松平恒雄君) 今次の関西方面における朝鮮人騒擾事件について報告のため、鈴木法務総裁より発言を求められました。この際許可いたします。鈴木國務大臣。
   〔國務大臣鈴木義男君登壇、拍手〕
○國務大臣(鈴木義男君) 今回神戸、大阪に発生いたしました朝鮮人の騒擾事件は誠に遺憾な事件であります。私は二十七、八の両日に亘り、現地に就いて具さに調査いたして参つた次第であります。これを詳細に申述べまするには長時間を要しまするので、ここには極く簡略に概要を御報告申上げまして、他は御質問等に應じて委員会等において申述べたいと存じます。
 今回の事件は山口、岡山等の場合と同じく、政府の方針に基きまして、大阪府、兵庫縣知事が朝鮮人だけで経営し、朝鮮語を以て朝鮮人の子弟だけを教育する学校、初等義務教育でありまするが、その府縣内に許して置くことは適当でないというので、すべて日本の教育基本法に則る教育に改めまするために、朝鮮人の学校に閉鎖を命じ、それぞれの校舎の管理をそれぞれの自治体に委ねて朝鮮人も入学せしめる。朝鮮語による教育を欲するならば課外においてそれをなすべきことを要請いたしましたるところ、朝鮮人諸君はこれを不当としてこの命令に服することを拒み、多衆の威力によつて各知事らをしてこの命令を撤回せしめよとして起つたことであります。
 そもそも終戰後朝鮮人は第三國人となつたのでありますから、政府はしばしば声明を発して連合國最高司令官の指令に基き、朝鮮に帰る者は喜んで便宜を供與する。何らかの事情で朝鮮に帰ることを欲せず、又は帰ることのできない者は日本に残ることを許すが、その代り日本國法に遵い、その義務を盡すということを條件として、健全なる生活を営むことを許しておるわけでもあります。然るに我が國に居残つた朝鮮人諸君の中には、戰勝國民と共に第三國人であるという常識が強く、恰も治外決権を持つておるかの如き振舞をする者がありまするのは遺憾なことであります。今回の神戸、大阪の事件もこうした誤つた意識から発生したものではないかと考えられる節があるのであります。私は今回現地において詳細調査の結果、事が意外に計画的、組織的であつたことに驚いたのであります。便宜日の順序を逐うて大坂の事件から御報告いたしまするが、大坂におきましては四月十二日、十五日を期して閉鎖すべき旨を知事から指令いたしたのでありまするが、これに服せず、その撤回を求めるべく運動を開始いたしたのであります。二十三日に朝鮮人教育問題対策人民大会というものを開くことになりまして、一つのデモンストレーションを起すということになつたのでありまするが、朝鮮人諸君の主張は、要するに、独自の民族文化を育成するために独自の学校を持つべきである、又持つ権利を日本國内において持つておるというのでありまして、それについて、この大会を開くについて各方面に宣傳せられました代表的な演説の一つを御紹介いたしまするならば、「朝鮮人学校に対して今般閉鎖命令が発せられたことは、周知の事実である。日本は軍國主義の盛なりし時期において朝鮮を日本領土となし、三十数年間筆舌に盡せない侵略行行爲をなした。この度の戰争において日本は敗戰し、祖國朝鮮は独立國家として開放されたのである。このときにおいて、次代の朝鮮を背負う学童の教育機関である朝鮮学校を閉鎖せしめることは、日本帝國主義の再現である。日本政府の反動的なこの措置に対して、我々は飽くまでも対抗して最後の勝利を獲得しなければならない。」、こういつたような主旨の演説をし、或いは文書を廻しまして、そうしてこの大会に多くの朝鮮人諸君を組合したわけであります。
 これは後に至つて明らかになつたことでありまするが、この二十三日の日に、三カ所において先ず支部大会を開いて、そこでそれぞれ五千名、千名ぐらいの人が集合して演説をし氣勢を揚げた上で、大手前公園に集結をいたしたのでありまして、二十三日には約七千名の朝鮮人諸君が集合いたしたわけであります。それらのこの会場において演説をされましたものが蒐集されておりまするが、例えば日本共産党の河上貴一君は、「朝鮮人教育問題は、朝鮮人を奴隷化するものであり、働く人民大衆を無知に追い込まんとする支配階級の陰謀である。これが芦田内閣の性格である。この國争に負けたら、更に大なる弾圧が続くであろう。学校閉鎖は、單に教育問題ではなく、民族闘争であり、階級闘争である。この重大意義を認識して、強力に闘争して貫いたい。」又手に入つた一部の中には、革命前夜の組織的態勢を以て臨めというような指令も出ておるやに聞くのであります。
 又生野大会において、日本共産党関西地方委員柳田春夫君が次のごときメッセージを送つておるのであります。「私は日本共産党を代表して、朝鮮の皆様に激励の言葉を申上げる。今回の日本政府が行いたる朝鮮学校閉鎖命令に対しては、日本共産党は、朝鮮の皆様と同じく絶対に反対し、皆さんと一緒に共同闘争を展開しております。朝鮮独立と朝鮮教育自主は絶対死守しなければならなん事項であるということは、朝鮮の皆様は心肝に徹せなくてはならん。朝鮮学校閉鎖命令反対闘争は、朝鮮の皆様の同胞が、下関や岡山や神戸において活發に展開せられ、多数の犠牲者を出しておられるのである。本日皆様が行われる闘争が若し敗北せられた節は、これら多くの犠牲者が浮ぶことができないのであります故、本日の闘争は、皆様が死しても目的達成に奮闘せられなければならん。我が共産党においても、皆様の必死の雄叫びに対し全面的に支持して、共に共同闘争を開始したのである。現に大阪府廳前には、我らの同志が皆様の来るのを待つておるのである。皆さん、本日の闘争は朝鮮人の死活問題であるから、大なる奮闘の程お祈りいたします。」というような、激励の言葉が送られておるのであります。
 その結果とだけは申しませんが、無論この朝鮮人連盟諸君も、大体共産系の人が多いのでありまして、それらの人が激励いたしました結果、府廳前に集結し、その中特に行動隊として知事に面会して、知事をして撤回せしむる役割を務める諸君が約二千名、府廳の中になだれ込んだ次第でありまして、折から知事不在のため、副知事が面会をいたしたのであります。警官が五十名程中におりまして、できるだけ秩序の維持に当たりましたために、神戸におけるごとき不幸なる事態にまでは到達しなかつたのでありまするが、結局会見三時間余にして妥結いたしませんので、副知事は裏の扉から脱出したのであります。その脱出を知りまして、非常な裏切りである。逃したのであるというような仲間割れが生じ、混乱が起こりまして、退散を命じましたけれども聽かないというようなところから、一大混乱が起りまして、警官並びに朝鮮人諸君の間に多少の負傷者ができたというようなことは、誠に遺憾なことであつたのであります。大阪警察当局は約四千八百名の警官を動員いたしまして鎮圧に当りまして、幸いに解散せしめることができたのであります。翌日、翌々日数百名を検挙いたしましたが、事犯の軽微なる者は身柄を釈放いたしまして、起訴、不起訴は後に決定することにいたしまして、比較的重大なる者三十五名だけを拘留いたしたのであります。その中九人が日本人でありまして、大部分が全逓その他の共産党員の諸君であるということになつておるのであります。
 次に二十三日の神戸における状況でありますが、これは神戸におきましては、十日の日に閉鎖命令を出し、十二日を期して明け渡すべきことを求めたのでありまするが、服従しない、そこで神戸市長は、裁判所に仮処分を求めまして、この決定を得ましたので、仮処分の執行のために執達吏を向けたのでありまするが、二宮、稗田、神楽の三小学校に執行を命じたのでありまするが、朝鮮人諸君が立籠つておりまするので、警官の力を借りなければこの執行ができないことを察しまして、二宮、稗田の両小学校には百五十名ずつの警官を従えて行つて、辛うじて執行を終ることができたのであります。神楽小学校の方には二百名の警官を連れて参りましたが、千二百の朝鮮人諸君が立籠つておりまして、どうしても執行することができないで、執行不能で帰つて参つたのであります。
 そこで翌二十四日に、この執行をどうしようか、これ以上執行を強制しようとすれば流血の惨を見なければならない、暫く延期しようか。又二十六日には数万の朝鮮人諸君がデモを敢行するということを申しておりまするので、これをどういうふうに取締つたらよかろうかというような相談をいたすことになりまして、午前九時半から兵庫縣廳三階の西南隅の知事室に神戸市長、岸田知事、吉川副知事、或いは古山警察局長、或いは市丸検事正、田邊次席検事というような人々十六名が集まりまして相談をいたすことになつて、始めたのであります。ところが午前の十一時頃になりまして、内部から通報した者があるらしく、これらの人人が今会議をしておるということで、三三五五朝鮮人諸君が縣廳の附近に集合し来りまして、数百名に達しまするや、なだれ込んで来まして、知事達の前の廊下に座り込んだわけであります。そうして代表者、行動部隊といわれる人々がドアを蹴破つて入ろうとしたので、形勢の急迫しておることを知りまして、それぞれ連絡をいたしたのでありまするが、救援がなかなか来ない。その中に戸は破られ、更に控室から知事室に入るようになつておりまするが、その控室の壁を打破つて、そうして皆入つて来て、先ず机の上の三台の電話機を叩き落して線を切断し、更にガラスのようなものはめちやくちやに壊す、机、椅子、その他のものもそれぞれ破壊するというような乱暴をいたしまして、然る後談判に移つたわけであります。撤回せよ、しないということで押問答を繰返したわけでありまするが、日本の警察官がどうしても、玄関口をスクラムを組んで朝鮮人が占領しておるために入ることができない。そこで進駐軍のMPのクルツプ大尉が下士官二名を連れて参りまして、そうして知事その他を救援すべく知事室に乗込んで暴れたのであります。退去を命じましたが群衆は聴かない。ピストルを向けて撃つということを申しましたところが、胸をひろげて、撃て、我々はそんなことを怖れて来ておるのではない、命を投げ出して来ておるのであるから、撃つなら撃てというような有様でありまして、僅かの弾丸を以て解決し得べき問題ではないのでありまするから、更に強力なる應援を得べく、クルップ大尉以下は一應引揚げられたのであります。神戸地区の憲兵司令官メノハー准將が神戸地区の最高司令官でありまするが、丁度その日、京都に出張しておりまして神戸におらなかつたので、そのために臨機の処置を執ることができなかつたわけでありまするが、遂に力及ばずして、午後の五時頃になつて、撤回命令に署名をし、撤回されたということになれば、学校閉鎖命令に対して反対をした結果、坐り込み戰術をやつて住居侵入罪に問われた諸君でありまするから、これを拘留する根拠がなくなつたわけでありまして、檢事正も止むを得ず強要に屈して釈放指揮をいたすということになりまして、釈放指揮に署名し、次席檢事が朝鮮人諸君に讓られて、裁判所に行つて手続を済まして釈放を了したのであります。それから帰つて来ますると、それでは本日のこの乱暴に対して一切処罰をせずという一札を入れよということで、これも余儀なくそういう一札を入れて、そうして朝鮮人諸君は引揚げたということに相威つたわけであります。その後、夜に入りましてメノハー准將がお帰りになりまして、この出来事を聞きまして、事態容易ならず、一つのクーデターが行われたものであるとお考えになられまして、第八軍の司令部と御連絡の結果、ここに神戸にたいして非常事態の宣言をなしたということに相成りまして、夜の十一時頃、知事、市長、検事正等の参集を求めまして、直ちに、本日の行動に参加し、暴力を揮つた者はすべて検挙することに助力せよ、こういうことに相成りまして、私がおりまずるとき、千百何名以上でありますが、昨日までに千六百余名の朝鮮人並びに日本人諸君を検挙いたしたのであります。この内六百名程は釈放いたしましたが、千名程は裁判にかける、メノハー准將のお言葉によりますと、重き者はすべて軍事裁判にかけて処断をする、朝鮮に送り返すというつもりである、それから軽き者は言葉の関係その他から、日本裁判権に移讓するからして、裁検事を増員して、敏速果敢に裁判すべきことを要請せられておるのであります。
 尚当事者の責任関係というようなことが問題になり得ると思うのでありまするが、あの当時の状況において、知事の取りましたことは、もとより正しくないことでありまするが、諒とすべきものがある。中央政府は、自治体の首長たる知事に向つて罷免権とか、そういうものを行使する、特別の場合にはそういう権限を持つておりまするが、懲戒をするというような権限はないのでありまするから、これは兵庫縣会、その他の御裁量に俟つ外はないと考えられるのでありまして、検事正の取りました態度につきましても、面白からざるものがあることは勿論でありまするが、如何なる処断を以て臨むべきかということにつきましては、政府として慎重に考慮いたしまして、近くその決定を発表する予定であります。この内、検挙せられたる者の中七名が日本人でありまして、共産党員でありまする神戸市会議員の人を初め、やはり全逓共産党員というような人々に相なつておるのであります。
 次に、二十六日に至りまして、大阪におきましては、前から計画されておりましたことに基づきまして、再びデモンストレーションが行われることになりまして、朝から三カ所に支部大会を開きまして、更にそれが大手前公園に集合いたしまして、約二万名に達したのであります。このときは知事に面会を求めまして、同じことを要求したのでありまするが、三時間程会談をいたしまして、遂に決しなかつた、群衆は殖えるばかりでありまするから、クレーグ大阪地区軍政部長が今一人の中佐を連れて来られまして、知事室に入つて来て、そうして会談打切りを命ぜられたのであります。それに應じなかつたので、直ちにお警察局長に強力を以て解散を命じてよろしいということで、命令を下されましたので、警察局長は部下に命令を下して、ここに強制力を用いて解散をさせるということに相成つたのでありまして、ここに一つの混乱を起しまして代表者の玄某という人がメガホンで解散を命じましたけれども、とても感じない。そこでポンプのホースを持つてきて水をかけて解散を求めたので、余程それで崩れたのでありますが、尚容易に動かないばかりでなく、頻りに石を投げる、或いは「とうがらし」を目つぶしに投げるというようなことが行われましたために、或いは警官が目が見えない間に捕まえられて袋叩きになるというようなことが起りましたために、止むを得ずピストルを用いるようなことに相成つたのでありまして、報告を受けたところによりますと、十六歳の少年に過つて当つて、遂にその夜中に死亡するに至つたというようなことが起こつたのでありまして、これは非常に遺憾に存じておるところでありまするが、併し日本人警官も打撲傷を受けて、三週間以上の治療を要するような者から軽き者まで、三十数名の怪我人を出しておるような次第でありまして、朝鮮人の間にも相当の怪我人が出ておることは想像せられるのでありまするが、それらの点は分り次第報告を求めることに相成つておるのであります。
 今回のこの事件を通しまして、いろいろ教えられるところがあり、如何にせば朝鮮人諸君が我々のよき隣人として、日本國法に従いつつ調和ある生活を営んでくれるようになり得るか、その方策について十分真剣に考えなければならないということ、或いは警察の在り方が今のままでよろしいか、制度の上において、運用の面において、かくのごとき場合に対應するために考慮しなければならんものがあるのではないかというようなことを、いろいろ考えさせられる次第でありまするが、本日はただ御報告に止めまして、それらの点につきましては、他日を期して申上げたいと存ずる次第であります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 只今の鈴木法務総裁の報告に対し質疑の報告がございます。許可いたします。細川嘉六君。
   〔「共産党そこに手をついてあやまれ」と呼ぶ者あり〕
   〔細川嘉六君登場〕
○細川嘉六君 私は日本共産党を代表して、朝鮮人騒擾問題について質問いたします。
 昨日は軽犯罪法の討議に際して、出席議員百三十二人中、記名動議賛成者三十二人おるに拘わらず、五分の一に達せずとして議長は否決された。私は議長にもつと冷静と道理があることを望まなければなりません。
 大阪、神戸において学校閉鎖問題につき、朝鮮人の騒擾事件なるものがあり、それに対して政府はこれに善処することができず、暴行、脅迫があつたということでGHQの非常事態宣言が出されたことは甚だ遺憾であります。更に今日この問題を、本議場において話しまするときに、更に私は議員諸君の冷静と道理とを期待しなければなりません。朝鮮人教育問題は、よく話せば相互了解ができない筈のものではありません。責任ある朝連の朝鮮教育対策委員会の主張によりますと、日本に住んでいる限り、我々は法律を守り、あらゆる面で日本の復興のために協力したい。第一に教育用語は朝鮮語でする。これは朝鮮人が國に帰らんならんものだから、子供に朝鮮語を教えなければならんという主張であります。第二は、教科書は朝鮮人初等教材編纂委員会で、在日朝鮮兒童に適合するように編集した教科書を使用する。そうしてGHQの許可を得たものを使用する、これは当然であります。第三には、学校の経営管理は、学校単位に組織された学校管理組合で行う。それから第四には、日本語を正科として採用する。以上の四項目で、それはその通りの言葉で申すのであります。これさえ認めて貰えば、文部省の言う学校教育法になる私立学校の認可を受けると言つておるのであります。この要求に間違いがあろうか、どこに無理があろうか、こう言つておるのであります。
 我が共産党は、この主張に対して反対するわけには行きません。これは道理である。無理がない。併しながら断じて我が共産党は、デモンストレーションにおいて暴力を振えとは少しも述べておりません。我々は文部大臣森戸君と、総理大臣芦田君とに問いたい。この問題に関して政府の措置に重大な過失がなかつたか。長年の侵略政策、皆さん御承知の通り……それがために朝鮮人、中国人はいためつけられておる。そういうことについて反省があるか。侵略政策のために、長年いためつけられた者は、朝鮮民族はどういう僻みを持つておるか、これについては多少の寛容な態度がなければならない。今申した右四項目について、朝鮮人の求める道理というものについて、わきまえるだけの余裕がこちらにないか、今日の不祥事件は、若しこの理解があつたらば起る筈がありません。然るに遺憾なことには、政府はこの教育問題について少しも歩み寄りをやつていない。それでありまするから、明らかにこの事件の全責任は文部大臣と政府とにあります。尤も朝鮮人の中には、戦後特権階級的の意識を持つておる者もある。処断さるべき行爲をやつた者もある。それは承知すべきである。共産党はこれを認めて、こんな状態は何とかしなければならない。朝鮮人連盟と共にこれが是正に当つておることは皆様は御存知でありましよう。(「知らないよ」と呼ぶ者あり)然るに今日、政府はこの事態に当つて自分の過失と無能とを反省しない。それがために惹き起されたGHQの非常事態宣言に乗じて、警察力をもつと強化せよと、武力をもつと持たせろというような主張をなしておる。我が國民の大衆の正当な民主主義運動に対する弾圧を強化しようとしておるのではありませんか。(「ノーノー」)と呼ぶ者あり)それでは今日又新らしくファツショを再現するのか、横行させるのか、民主主義の徹底を要求しておるポツダム宣言を空文にするのか、我々は更に鈴木法務総裁に問いたい。総裁の調査は片手落である、表面的である。大阪においての朝鮮人の請願運動の中に反動團体が入つておる。朝鮮建設同盟、居留民團体、これが挑発をやつておるところの事実は調査されていない。又警察のために重軽傷を負うた者は沢山ある。その中に、我々の調べたものの中でも十人、その中の三人は重傷である。一人は今総裁が述べられたる十六の子供である。これが皆後ろから射たれた。ピストルであるとか、或いは棍棒でやられておるのである。真正面からやられたものじやないのである。十六の子は直撃弾を頭の後ろから眼の前にまで通されたのであります。我々は議員諸君の理性と冷静とを求めたい、(「しつかり」と呼ぶ者あり)調査をなさなければならない。その調査は理性と冷静なる判断において確定した調査であつて、それによつて判定され、処理され(「落ち着いて」と呼ぶ者あり)そうして再び殺傷をこの日本に行わせることをやつてはいけない。我々は切に議員諸君の反省と道理とを要求して止まないものであります。(笑声)笑い事ではない。(「死を以て闘えと主張したではないか」と呼ぶ者あり)
   〔國務大臣鈴木義男君登壇、拍手〕
○國務大臣(鈴木義男君) 朝鮮人学校問題に対する政府の対策がよろしいかどうかということにつきましては、今日まで慎重に考慮した結果、この途を行く外はないということに決定をいたしまして、そうして遂に閉鎖命令に到達したのでありまするから、その御議論につきましては、謹んで拝聽はいたしまするが、政府の方針を今更変えるわけにはいかんのであります。(拍手)
 それから私の報告が片手落であるということにつきましては、或いはそうであるかも知れません。共産党本部の方により多く資料が入つておるようにお見受けする部分もあるのであります。(拍手)遠慮なく御提出下さいまするならば、只今の怪我をした少年、少女等を初め、又共産党の諸君から提出せられまする資料に基いて、十分に公平に審査をすることだけは、私お誓い申上げて置きます。(拍手)
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○議長(松平恒雄君) 報告をいたさせます。
  [根本参事朗読]本日委員長から左の報告書を提出した。
 昭和二十三年度一般会計暫定予算補正(第二号)、昭和二十三年度特別会計暫定予算補正(特第一号)可決報告書
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○議長(松平恒雄君) この際日程に追加して、昭和二十三年度一般会計暫定予算補正(第二号)、昭和二十三年度特別会計暫定予算補正(特第一号)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。予算委員長櫻内辰朗君。
   〔櫻内辰郎君登壇、拍手〕
○櫻内辰郎君 只今議題となりました昭和二十三年度一般会計暫定予算補正(第二号)及び昭和二十三年度特別会計暫定予算補正(特第一号)案の予算委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 去る四月二十六日より五月一日まで慎重に審議いたしまして、質疑應答の後、五月一日討論に入り、採決の結果全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしたのであります。さて、昭和二十三年度の年間を通ずる予算につきましては、目下政府において鋭意編成中でありますが、物價問題等予算編成の基礎となります諸政策の決定には、尚相当の時日を要しまするので、当面の國務の運営に支障なからしむるため、差当り五月分として必要なる予算の追加をなすと共に、四月分の暫定予算につき、若干の修正をなさんとするものであります。従つてその経費は現行の物價、給與水準により計上せられ、又租税、運賃等一般の収入は、原則として現行制度による年間収入見込額の月割額を計上せるものであります。
 先ず昭和二十三年度一般会計暫定予算補正(第二号)について申上げます。本案による歳出の増加額は、総裁処理費六十億円、賠償施設処理費三億三千六百万円、價格調整費二十億円、物資及び物價調整事務取扱費七億五千二百六十五万円、公共事業費二十二億円、地方分與税分與金三十億円、地方警察費國庫負担金十五億二千六百五十四万二千円、復興金融金庫等に対する政府出資金二十五億四千百三十九万円、生活保護費五億五百六十五万六千円、船舶運営金補助四億一千百四十六万七千円、その他國会、裁判所、行政各部等の一般的経費四十八億六千三百六十二万九千円、以上合計二百四十五億三千七百三十三万四千円となるのであります。これが財源といたしましては、租税収入百七十一億八千万円、専賣局益金五十八億三千三百三十一万二千円、官有財産収入、雑収入等十億二千四百二万二千円、以上合計二百四十五億三千七百三十三万四千円を充当するものであります。
 次に昭和二十三年度特別会計暫定予算補正(特第一号)について申上げます。
 本案は、鉄道、通信等の既設特別会計に、今回新たに設置せられました不正保有物資等特別措置特別会計を加えました二十五の特別会計に関する五月分の予算でありまして、その金額の大きなものを申上げますと、國債整理基金特別会計においては、歳入歳出とも百六十五億百三十四万九千円、食料管理特別会計においては、歳入歳出とも百二十二億九百九万一千円、地方分與税分與金特別会計においては、歳入歳出とも三十四億円、専賣局特特別会計においては、歳入四十四億八千六百十四万三千円、歳出二十二億二千百七十八万六千円、國有鉄道事業特別会計においては、歳入三十五億六千四百四十二万一千円、歳出五十七億五千六百二十八万二千円、通信事業特別会計においては、歳入二十一億六千百三十二万二千円、歳出三十二億一千百九十一万一千円、その他の特別会計において、歳入五十一億五千五百三十六万四千円、歳出四十八億三千六百九十二万一千円でありまして、以上を合計いたしますと、歳入四百七十四億七千七百六十九万円、歳出四百八十一億三千七百三十四万円となるのであります。右の歳入の中、國有鉄道事業特別会計においては、その建設改良費の財源として、公債又は借入金十四億三千八十六万二千円を充当すると共に、内五億五千万円を限度として日本銀行の引受け、又は日本銀行よりの借入をなさんとするものであります。尚本案実地に伴う歳入歳出の時間的ずれを調整するため、一時借入金の最高限度を、一般会計においては八十億円拡張して二百億円となし、特別会計においては二百四億三千二百万円拡張して二百六十億三千五百三十三万三千円となさんとするものであります。
 さて、本案審議に当りましては各委員より熱心なる質疑があり、政府亦これに対し懇切なる答弁がありましたが、今その質疑應答の主なるものを申上げますれば、一委員より、本予算の提出期日につき質疑ありたるに対し、政府委員より、予算編成の基本となるべき物價改訂に関する法律案を五月十日頃國会に提出する見込みでありますが、予算案の提出は五月十五日以前には困難と思いますとの答弁があり、又一委員より、予算編成に当りては先ず政策を決定し、然る後これが財源を徹底的に補提すべきではないかとの質疑に対し、國民所得より見て國民の負担力には自ら限度があり、健全財政の方針を堅持する限り、収入により或る程度の制約を受けることは止むを得ないとの答弁があり、又一委員より、軍事費公債利拂停止に関する政府の方針如何との質疑に対し、総理大臣より、三党政策協定に基づき設置されました委員会の報告によつて、最後的決定をなす方針であるとの答弁があり、更に委員より、委員会の答申をそのまま採用するのか、又は政府の責任において決定するのかとの質疑に対し、総理大臣より、政府は委員会の意見を尊重するが、その決定は政府の責任においてなすのであるとの答弁があり、又一委員より、闇取締りに関する政府の対策如何との質疑に対し、大蔵大臣より、生産の増強、退藏物資の摘発等、物資の面においてのみならず、本年度の蓄積目標を三千億円として、購買力の資金化を図る等、闇撲滅に対しあらゆる努力をしておるとの答弁があり、又一委員より、新聞紙上によると、労働法の改正問題に関し、大臣の意見が喰い違つておるのではないかとの質疑の対し、西尾國務大臣より、加藤労働大臣は労働大臣の責任において言明せられたので、自分としては輿論が起つて来れば、政府も亦この問題を取上げざるを得ないであろうといつたのであるとの答弁があり、又一委員より、外資導入がインフレ防止、生産増強に及ぼす影響如何との質疑に対し、大蔵大臣より、外資導入が弱体化せる日本経済に、輸血的効果があることは明かであつて、その効果は外資導入の方法、時期、量等により左右せられるのであると思うが、これが受入態勢を整備し、最も効果的に活用すべきであるとの答弁がありました。その他重要なる質疑應答がありましたが、詳細は速記録により御承知願います。
 本日討論に入りたるも、別に発言もなく、討論を終局し、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これにより両案の採決をいたします。両案全部を問題に共します。両案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。(拍手)
 本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。次回の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十五分散会