第002回国会 財政及び金融委員会 第36号
昭和二十三年六月十四日(月曜日)
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  本日の会議に付した事件
○農業協同組合又は農業協同組合連合
 会が市町村農業會、都道府縣農業會
 又は全國農業會から財産の移轉を受
 ける場合における課税の特例に関す
 る法律案(参議院提出)
○國有財産法案(内閣送付)
○所得税法の一部を改正する等の法律
 案(内閣送付)
○取引高税法案(内閣送付)
○未復員者給與法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○たばこ專賣の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
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   午後一時三十九分開会
○委員長(黒田英雄君) これより委員会を開会いたします。本日は先ず衆議院で提出になりまして、こちらに付託になりました農業協同組合又は農業協同組合連合会が市町村農業會、都道府縣農業會又は全國農業會から財産の移轉を受ける場合における課税の特例に関する法律案、これを議題にいたしまして御審議を願いたいと思いますが、これは衆議院から提出されておりますので、衆議院議員内藤友明君がお見えになつておりますから、先ず提出者から提案の御説明をお願いしたら如何かと思います。それでは内藤君。
○衆議院議員(内藤友明君) 只今議題にお願いいたしました法案の提出いたしました理由を申上げたいと思います。
 これは私共四人の者が提案をしたものでありまして、私はこの四人の代表という意味でこれからその意味を簡單に述べさせて頂きたいと思います。
 農業協同組合は食糧増産さては農民の民主化のために成果を挙げようといたしまして目下著々新らしく組織せられております。從つてこれがため從來の系統農業會は来る八月十四日で解散しなければならないことになつておるのであります。ここに從來系統農業會が所有しておりました財産をできるだけ散逸することなく、新らしく発足しまする農業協同組合及び連合会に引継ぐことは、新らしく生まれ出て來ます協同組合のために是非考えなければならないことだと存じます。その財産の全部をそのまま新らしい組合に移しまして、新らしい組合が立派に成長しますることを望んで止まない者であります。併しこれらの財産を農業會から協同組合に移しまする場合、現在のいろいろな税法によりまして、各種の税金を新らしく財産を取得する協同組合が負担しなければならないことになつております。又登録税のようなものでも、それを時價で評價されますると、これも相当大きい負担になるのであります。新発足のときかような大きな負担を支拂うことは、協同組合にとつて大きな痛手でありますので、殊に今度のこの移轉は法律によつて私有組織に移るものでありまして、私有組織の協同組合の組合員である農民がこれを負担するということは、妥当でないと思うのであります。又新らしい税負担が加わることは面白くないということの外に、新発足の初めに当りまして、評價等の繁雜な事務が多くては、組合の発展に障碍の慮れがありますので、これが本法律案を作りましたゆえんであります。本法によりましてどれだけ免税になるかということにつきましては、お手許に御配付申上げました資料によつて御了承頂きたいと思うのであります。この資料は私の乏しい資料から計算いたしましたものでありますので、或いは本当の免税の額とは多少違うか存じませんが、それはお許し願いたいと思います。又登録税の評價は讓渡直前の農業會の帳簿價格によるものといたしまして、極めてこの取扱いを簡單にいたしたのであります。この法律を作るに当りまして関係官廳でありまする大蔵省、農林省、地方財政委員会並びに関係筋と隔てない打合を了したものであります。衆議院に提出いたしまして、去る六月の八日の財政及び金融委員会で決議されまして、翌九日の衆議院の本会議でこれが決定を見たのであります。そうして参議院に送付になつたものであります。何卒御審議の上速やかに御協賛を願いたいのであります。
○委員長(黒田英雄君) これにつきましては、内藤さんに御質問があればお願いします。あとで一つ御審議願つたらと思つておりますが、内藤衆議院議員に何か御質問があれば……。それではこれは後にして、次にここに掲げました食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案は農林大臣、食糧局長官の要求があつたのですが、今日は見えませんから後に廻わしたいと思います。次に、國有財産法案を御審議を願いたいと思います。これは御注意申上げますが、正誤が参つておりまして、相当法案の名前も変つておりますし、中も変つておりますからどうぞ御注意下さるようにお願いいたします。先ず政府より提案理由の説明を求めます。
○政府委員(森下政一君) 只今提案になりました國有財産法案の提案理由を御説明申上げます。
 國有財産法につきましては、日本國憲法施行に伴い、昨年五月法律第五十三号及び第八十六号を以て取敢えず所要の部分的改正を行なつたのでありますが、尚國有財産に関する法制を整備する必要が認められましたので、同法附則を以て國有財産法の全面的改正を要することが規定せられ、これが調査審議のため國有財産法制調査会が設置されたのでありまして、この度同調査会において愼重審議の結果、國有財産法案が作成されましたのでここに提出する次第であります。
 次に、法案の主なる点を申上げます。先ず本法案第一章においては、この法律の趣旨、國有財産の範囲、國有財産の分類及び種類等、國有財産の総則的規定を定めたのであります。この法律の趣旨は道路法、河川法等その他特別法で規定せられているものを除いては、國有財産の管理及び処分についての根本法規を定めることにあります。
 國有財産の範囲については、これを現行法より拡張いたしまして、新たに無体財産権、社債、地方債、投資信託の受益証参を加えますと共に、國有財産の分類を財産の性質から見て、行政財産と普通財産とに大別し、行政財産を更にその用途又は目的によつて公用財産、公共福祉用財産、皇室用財産及び企業用財産の四種類に区分しまして法制的にその体系を整えたのであります。
 次に第二章においては、国有財産の管理及び処分の機関を明定して、その責任を明かにすると共に、大蔵大臣は國有財産事務の全般に亘つてこれを総轄することとしたのであります。尚新たに國有財産事務の地方自治国体等に対する委任規定を明確に定めた次第であります。
 第三章においては、大蔵大臣の総轄権、國有財産調整審議会に関すること及び國有財産の管理並びに処分に関する詳細な規定が定められております。
 大蔵大臣の総轄権につきましては、國有財産の運用を効率的にすると共に、その適正を図るため、各省各廳における國有財産の使用その他について必要な調整を行うことができることとし、総轄大臣たる大蔵大臣に対する各省各廳の長からの協議事項を整備して、國有財産管理の万全を期すると共に、更に國有財産調整審議会を置いて、調整的措置に関する諮問機関としたのであります。
 又國有財産の無償貸付及び讓與の範囲を具体的に規定いたしまして、その管理及び処分の適正を期することといたす一方、異つた会計の間における所管換等を有價とし、会計間の整理を明確にいたすこととしたのであります。
 最後に第四章において、國有財産の台帳に関する事項を規定し、又國有財産の増減及び現在額、見込現在額及び無償貸付に関する國会報告事項を規定して、國有財産の変動及び現状を常に明確にすると共に、國有財産の管理及び処分について、政府の責任を明らかにすることといたした次第であります。尚現行法で規定せられております境界査定の規定は、國が私人に対して相当強権的な権限を有することとなりますので、通常の民事法上の取扱いに委ねることとして、本法案から除くことといたしました。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。何卒御審議の上速やかに御賛成あらんことをお願いする次第であります。
○委員長(黒田英雄君) この法案に対する御質問も後に廻すことにいたします。所得税法の一部を改正する等の法律案、取引高税法案、この両案を議題にいたしまして、政府の説明を求めたいと思います。大藏政務次官。
○政府委員(森下政一君) 只今議題となりました所得税法の一部を改正する等の法律案外一法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。政府は最近における賃銀物價等、経済諸情勢の推移に即應して國民の租税負担を調整合理化すると共に、財政需要に対應して租税収入を確保する等のため、税制の全般に亘り改正を加えることといたしたのであります。即ち今次の税制改正に当りましては、租税の中枢たる所得税につきまして、賃金物價等の変動に伴う所得状況の推移、課税の実情に照らし、財政事情の許す限り負担を軽減するため、基礎控除、扶養控除及び勤労控除を相当程度引上げると共に、税率を大幅に引下げることといたしたのでありまして、勤労所得者等の負担は、これにより著しく軽減されることとなるのであります。又法人税につきましては、産業の振興、外資の導入、株式の大衆化等に資する見地から、法人税について所要の改正を行うことといたしたのであります。
 次に、物價の変動に即應して、間接税中從量課税の酒税、清涼食料税、砂糖消費税、マッチ、飴類に対する物品正税並びに定額税率による登録税、印紙税等について、相当の増徴を行うことといたします反面、物品税を課せられる物品中、負担加重と認めら仰る特定の物品について税率の調整等を行うことといたしました。尚最近における徴税の実情に顧み、加算税、追徴税、罰則等に関する規定を整備強化すると共に、直接國税に関する調査権限の拡充を行うことといたしたのであります。
 更に政府は今回新たに取引高税を創設することといたしたのであります。即ち経済情勢の変動に即應して、租税収入を確保し、財政の基礎を堅実ならしめますと共に、これにより所得税、法人税の減収の一部を補填するため取引高税を創設し、各取引段階に対し百分の一程度の課税を行うことがこの際適当であると考えられるのであります。
 尚地方財政の確立に資するため、今回狩猟免許税を地方に委讓し、入場税も地方に委譲する方針であります。
 次に各税に関する改正の大要について申し上げます。先ず所得税でありますが、先程も申しましたごとく、賃金物價等の変動、課税の実情に照らし、負担の軽減を図ることに重点置いて所要の改正を行つたのでありまして、物價の改訂が勤労所得者などに加える重圧所、これにより相当程度緩和される見込であります、所得税の負担の軽減を図るための措置といたしましては、先ず第一に税率を大幅に引下げることといたしました。即ち所得税の現行税率は、最近における名目的所得の増嵩等に顧みるときは相当量くなつておりますので、最低税率現行一万円以下の金額百分の二十を二万円以下の金額百分の二十とし、順次税率の引下げを行い、最高税率現行百万円を超える金額百分の八十五を、五百万円を超える金額百分の八十といたしたのであります。又百分の五十の税率の適用を受けるのは、現在は五万円を超える金額であるのが、改正後は二十万円を超える金額となるのでありまして、相当大幅な引下げを行なつておるのであります。第二に給與所得の計算について、その収入金額から控除する金額を、現行の五万円までの金額の十分の二・五から十五万円までの金額の十分の二・五に引上げることといたしたのであります。従いまして控除額の最高限度は、一万二千五百円から三万七千五百円に引上げられたのであります。第三に、基礎控除額を現行年四千八百円、即ち月四百円から年一万五千円、即ち月千二百五十円に引上げたのであります。両基礎控除につきましては、同居親族の中に事業等所得を有する者と給與所得を有する者とがある場合における負担を軽減するため、事業所得の金額及び給與所得の金額から、それぞれ基礎控除を行うことに改めたのであります。第四に扶養親族の控除額を、現行扶養親族一人につき年四百八十円、即ち月四十円から、年千八百円、即ち月百玉十円に引上げたのであります。而して給與所得に対する源泉徴収につきましては、六月十五日以後の支給に係る給與から右の勤労控除、基礎控除及び扶養控除の改正規定を適用することといたしております。これに対應して昭和二十三年分の課税に当りましては、前に申述べました給與所得の控除は、収入金額五万円までの金額の十分の二・五と、五万円を超える十五万円までの金額の十分の一・三五四に相当する金額の合計が、その最高額は二万六千四十円とし、基礎控除は年一万三百二十五円とし、又扶養控除額は年千百九十五円といたしておるのであります。今回の改正により、扶養親族三人の場合の所得税の負担を御説明いたしますと、給與所得者については、給與月額四千五百十一円程度以下の者、事業所得者については昭和二十三年分の課税について申しますれば、所得年額二万八千二百五十円程度以下の者は、それぞれ課税されないこととなるのであります。又給與所得者については給與月額五千円の者の現行負担は千一円であるのが、改正後は九十一円となり、給與月額一万円の者の現行負担は三千七百三十六円であるのが、改正後は千百九十五円となるのでありますし、又事業所得者については昭和二十三年分の課税について申しますれば、所得年額五万円の者の現行負担は一万三千百五十円であるのが、改正後は五千三百三十三円どなり、所得年額十万の者の現行負担は四万三十八円であるのが、改正後は二万千三百一円となるのでありまして、それぞれ相当負担の軽減と相成る次第であります。
 その他所得税につきましては、外國人及び外國法人に対する利子所得、配当所得等の税率を、内國人及び内國法人と同様百分の二十といたしました外、簡易税額表の適用を受ける者の範囲を所得金額二十二万円以下の者にまで拡張し、大多数の所得者の税額計算の手数を省略すると共に、予定申告書及び確定申告書の提出を要しない者の範囲を拡張する等の改正を行なつたのであります。又源泉徴収額表中一部の表を省略することとし、賞與等の給與所得に対する源泉徴収額表の税率の適用を給與所得に対する年末調整の場合の負担等を考慮して、若干程度引上げることといたしたのであります。尚当分の間所得金額の中に配当所得があるときは、所得税額から配当所得の百分の十五に相当する金額を控除する特例を設くることとし、証券の民主化に資することといたしました。
 次に、法人税でありますが、先にも申述べましたごとく、産業の振興、外資導入等に資する見地から負担の調整を図るのを目標といたしたのであります。先ず税率でありますが、最近における法人課税の実情、資本と所得との間の不均衡等を考慮いたしまして、超過所得の階級区分を引上げ、又税率を引下げたのであります。即ち現行資本金の一割超過額百分の十を三割超過額百分の十に、二割超過額百分の二十を五割超過額百分の十五に、三割超過額百分の三十を十割超掛額百分の二十にそれぞれ引下げることといたしました。これと同時に今回資本に関する法人税は現在その実益に乏しいことを考慮いたしまして、これを廃止することといたしました。又外國法人に対する普通所得の税率、現行百分の四十五を内地法人と同様百分の三十五に引下げ、外國法人を内地法人なみに取扱うことといたしたのであります。尚同族会社に対する加算税の税率につきましても、所得税の税率の引下げに対應せしめるため、所要の改正を行うことといたしたのであります。
 次に、特別法人税法を廃止いたしまして、特別法人に関する規定を法人税法に統合することといたしたのであります。ただ特別法人に対しましては、從來通り事業分量に應ずる配当はこれを損益に算入することといたしました外、当分の中普通所得に対する税率を一般の法人に比し百分の五軽減することといたしました。更に法人税の課税の充実徹底を図るため、必要に應じ納税地を指定して、営業の事業上の中心地において課税する途を拓くこととし、併せて、支店等の所轄税務署長等に当該支店等の調査権を與えることといたしました。荷法人が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律等に基き、株式その他の資産を処分した場合の課税上の特例に関する規定を組税特別措置法に新たに設けることといたしました。
 次に、有償証券移轉税につきましては、有價証券の中、株券に対する税率をこの際増徴して、千分の二乃至千分の八程度といたしたのであります。伺企業再建整備法等に関連して有價証券移轄税を課さない特例を設けることといたしました。
 次に、相続税につきましては、課税價格に算入しない少額贈與額の限度を、現行千円から三千円に引上げ、その他の免税点についても相当程度の引上げを行うと共に、年賦延納を求めることができる税額の限度を、現行一万円から三万円に引上げ、納税の困難でないと認められるものに対しては、延納年限の短縮、延納年割額の変更等をなし得る等の規定を設けることにいたしたのであります。
 次に、通行税につきましては、現行一キロにつき一等四銭、二等二銭、三等五厘の從粁税でありますのを、今回料金百分の五の從價税率に改め、急行及び寝台料金の税率を一律に百分の二十といたしたのであります。尚二十キロ以下の三等乗客に対する非課税規定はこれを廃止いたしましたが、三等定期券についてはその性質に鑑み、從來通り非課税といたしております。
 次に、酒税でありますが、財政需要の現状、物價の現状に鑑み、清酒については一升壜詰の小賣價格一級酒現行二百九十五円を四百五十円程度に、二級酒現行二百四十円を三百五十円程度に、又ビールにつきましては壜詰一本の小費價格現行四十一円五十銭を七十円程度にそれぞれ引上げる程度の増徴を行うと共に、その他の酒類についても品質に感じ税負担に差等を設けてこれに準ずる増徴を行うこととし、又特別價格で販賣する酒類の價格につきましても、一級清酒現行六百円を九百円程度に、二級清酒現行五百四十円を七百五十円程度に、ビール壜詰一本当り現行百一円五十銭を百五十円程度にそれぞれ引上げ、総税額において平年度五割程度の増徴を行うことといたしました。清涼飲料税につきましては、酒税の増徴に対應して第二種サイダーの税率を一石につき現行六千九百円を九千五百円に引上げ、その他の清涼飲料についても同程度の税率の引上げを行うことといたしました。
 次に、砂糖消費税につきましては、税率の区分を簡素化すると共に、第二極分蜜糖に対する税率を百斤につき現行の千五十円又は千八十円を二千二百円に引上げ、その他の砂糖、糖蜜、糖水、についても同程度の税率の引上げを行うことといたしました。尚輸入砂糖については砂糖消費税を非課税とする等の規定を新たに設けることといたしました。
 次に、物品税につきましては、最近における物價の状況等に即應し、從量課税の税率を引上げることとし、マッチについては十割程度、飴類については五割程度の税率の引上げを行いますことといたします反面、第一種の物品中負担過重と認められる特定の物品即ち時計い文房具、漆器、陶磁器、電球類、ミシンなどにつき税率を一段階引き下げると共に課税最低限の引上げを行うことといたしました。尚食糧配給公園の配給する葡萄糖等であつて、主食強制代替配給のものに対する物品税を免税する規定を設けることといたしました。
 尚登録税のうち定額税のもの、印紙秘、取引税及び骨牌税につきましても、それぞれ物價の変動に即應して税率の引上げを行うことといたしたのであります。
 以上申述べました外、今回改正しようとする二、三の点について申しますれば、先ず直接國税に関する犯則事件の調査を強力且つ迅速に行い、課税の徹底を期するため、収税官吏の調査権限を拡充強化すると共に、國税の課税標準の申告をしないこと、國税の徴収又は納付をしないこと等を煽動し、又は強要した者を処罰する規定を設けるため、間接國税犯則者処分法を改正して、國税犯則取締法を制定することといたしたのであります。尚関税法の犯則事件に対する罰則等の規定を整備することといたしました。その他所得税、法人税等各税に亘り加算税、追徴税罰則等の規定を整備強化すると共に、國税徴収法の延滞金を引上げ、新たに國税の過誤納金に還付加算金を附することといたしたのであります。又土地の賃貸價格の一般的改定は、諸般の事情を考慮し、一年延期することといたしました。
 次に、取引高税についてその大要を申上げます。先にも申しました通り、所得税及び法人税の軽減による減収の一部を補填し、財政の基礎を堅実ならしめるため、諸外國にも多く実施されている取引高税をこの際創設することが適当であると考えられるのであります。即ちこれにより極めて低い税率で相当額の税收が物價その他の経済情勢の変動に應じて確保されることとなり、特に國庫収支の時期的調整を図る上からも極めて必要であると考えられるのでありまして、財政需要の著しく増大している現状におきましては、本税の創設は眞に止むを得ないものと考えるのであります。
 さて取引高税の内容につき主たる点を申上げますが、本税はこの法律の施行地において営業者が営業として行う取引に対し課税するのであります。その営業の範囲は、物品販賣業、製造業、銀行業等概ね從來の営業税を課税していた四十種目であります。又営利を目的としない法人が右に申述べました営業と同種の事業を行う場合におきましても、取引高税を課税することといたしております。本税は廣く一般的に課税するところに特徴がありますので、非課税のものはできる限り認めないのを適当とするのでありますが、主要食糧の製造販賣、小学校、中学校の教科用図書の発行又は販賣、國が價格調整補給金を交付する重要物資の取引、自己の収穫した農炭物、林産物、水産物の販賣又はこれを原料として製造した物の販賣、輸出取引等には本税を課税しないことといたしております。
 取引高秘の納税義務者は、取引の対價として取引金額を領收する営業者でありまして、その課税標準は取引の対價として領収する金額といたしております。即ち物品仮賣業にあつては賣上金額であり、問屋業、代理業にあつては手数料又は報酬金額といたしております。又銀行業にあつては貸付金利息、手形割引料、手数料等であり、保險業にあつては拂込保険料額のうち、生命保険の場合においては百分の七十玉に相当する金額を、その他の保険の場合においては百分の三十に相当する金額を控除することといたしております。尚その他の常業にあつてはその取引から生ずる収入金額を課税標準といたしております。本税は以上申述べた取引金額に対し百分の一の税率により課税することといたしておるのであります。即ち取引の各段階毎に百分の一の極めて低率で課税するのでありますから、物價等へ及ぼす影響はさしたるものではないと考えられるのであります。
 次に取引高税の納付方法でありますが、本税は原則として取引高税印紙を以て納付することといたしたのであります。即ち営業者等は取引金額を領収の際、その税額に相当する金額の印紙を消印して、これを取引の相手方に交付しなければならないのであります。但し五十円未満の取引等については手数の点等を考慮して三ヶ月毎に一括現金納付の方法といたしております。尚一取引の取引金額が一万円以上の取引につきましては受領書に印紙を貼用して消印する方法によることにいたしたのであります。而して営業者等は毎三ヶ月分の取引金額及び税額等を記載した申吉書をそれぞれ三月十日、六月十日、九月十日及び十二月十日までに政府に提出しなければならないのであります。銀行業、信託業、保険業、電気供給業、ガス供給業、運送業中鉄道業、海運業、公園等につきましては、申告及び納付に関して特例を設けまして、毎月分の取引金額及び税額を記載した申告書を翌月十日までに提出し、申告と同時に納付することとし、一般の申告納税の方法を採用することといたしたのであります。尚取引高秘の印紙による納付を確実ならしめる措置といたしまして、二、三の規定を設けているのであります。即ち一面印紙購入通帳制度を設けて、営業者の印紙購入及び使用の実績を常時明らかならしめると共に、他面学校、社会事業、保護施設等の職員、生徒等の組織する團体が交付された印紙を政府に提出したときは、政府は、当該印紙の額面額一円以下のものについては百分の五、二十円以下のものについては百分の三、二十円を超えるものについては百分の二に相当する金頭の交付金を交付することといたしたのでありまして、これにより印紙による納税を確保する一助とした次第であります。
 以上各法律案につきその大要を申上げたのでありますが、昭和二十三年度の租税及び印紙收入の総額は二千六百三十二億円余に上り、総歳入中和税の占める地位は六六%というように決定的に重要となつているのであります。その各税につきまして、本年度の収入額を申上げますれば、所得税は千二百八十三億六千百万円で全体の四八%、法人税は百三十億円で全体の五%、酒税は四百五十七億七千六百万円で全体の一七%、物品税は百七十五億八百万円で全体の七%に達するのであります。又取引高税の本年度の収入額は約二百七十億円であります。
 今飜つて昭和二十二年度の相税収入の状況について申述べまするに、昨年末以來國会を中核として租税完納運動が全國に亘り展開され、官民挙げて徴税の確保に努力した結果、徴税の成績は本年一月以降著しく良好となり、四月末目まで昭和二十二年度の予算額千三百五十四億円を若干上廻る程度の税収を確保し得たのであります。而してかような徴税の促進により、通貨の増勢は著しく抑制され、インフレーションの進行を阻止するのに多大の寄與をなし得たのであります。この成果は國民の深き協力と理解によるものでありまして、誠に慶賀に堪えないところであります。本年度におきましては、先にも申述べました通り、所得税、法人税を中心として相当程度負担の軽減を図ることとしたのでありますが、國民生溝が一般に相当窮迫しておる実情に顧みるならば、中央及び地方を通ずる国民の租税負担は必ずしも軽くはないのであります。而も二千六百三十二億円に上る租税収入を確保することは、経済再建の基盤をなす財政収支の均衡を図るために不可欠の要請でありますから、この際全國民正が租税の完納につき一段の努力をいたされたいのであります。政府といたしましても、國民所得の分布が激変しつつある現在におきまして、租税負担の公正を図りつつ租税収入を確保するため急速に徴税機構を整備強化し、税務の運営面を刷新改善して特に大口利得者等の課税の充実に努力し、負担の適正を期すると共に、國民の納税に関する負担の認識の普及徹底に大いに努めるつもりであります。國民各位も亦この際租税を完納し、インフレーションの防止に寄與せられんことを切望するものであります。何とぞ御審議の上速かに賛成せられるよう切望して止まない次第であります。
○委員長(黒田英雄君) ちよつとここでお諮りいたしますが、この税法の中で取引高税については正式に申込みはないのですが、商業委員、それから鉱工業委員の方から連合の委員会を開いて貰いたいというような有望があるのであります。まだ正式に委員長から申込みがあつたわけではない、若しそういう申込みがありましたときには、この取引高税だけについては、それに應諾いたしまして、連合委員会を開くかどうか御意見を伺いたいと思います。
○松嶋喜作君 鉱工業、商業委員会の方で是非連合委員会を一度開いて欲しいという方が相当ありますので、この際一度か、二度お開きになつては如何ですか、開いて欲しいという希望者がありますが、私は聞いているのですが、開いて頂きたいと思います。
○委員長(黒田英雄君) 税はとにかくどこにも関係があるわけでありますが、取引高税につきまして主にあるわけでありますが、こちらから申込むまでの必要はないかと思いますが、若し向うから申込みが委員会としてありましたら、それではそれに感じてさようにいたしてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) 御異議ございませんでしたら、さよう取計らいます。尚これにつきましての質問は、後刻又いろいろ資料等が出ましてからの方がいいかと思いまするので、後にお願いいたします。次にたばこ專賣法の一部を改正する法律案について、政府提案の理由の説明を求めます。
○政府委員(森下政一君) 只今議題となりましたたばこ專賣法の一部を改正する法律案について提案理由を説明いたします。煙草專賣益金の確保を圖るためには、あらゆる方法を講じて煙草專賣法の違反行爲を防止しなければならないのでありまして、これがため法制的の面につきまして、第一に罰則を強化する必要があるのでありまして、專賣益金に直接影響を及ぼすところの、いわば最大の犯則につきましては、從來同法では、最高刑として五万円の一割金が科せられることになつておるのでありますが、最近の經濟情勢と、他の法令との権衝も考え、更に体刑も科しなければ、これが徹底は期し難いと考えられるのであります。
 第二に、闇撲滅のためには、その根源において、これが防止を図らなければならないことは申すまでもないことでありますので、煙草耕作者の耕作する草煙草につき、これを政府に完納せしむることが肝要でありまして、これがため従来取つていた措置としましては、収穫前における収穫量目の査定に止つておつたのでありますが、この措置だけでは正確を期することができませんので、葉煙草の葉敷を檢査決定すると共に、その査定数量の葉煙草を納付しない場合における追徴金額を引上げ、以つて収穫薬煙草の完全収納を期する必要があります。
 次に、第三の措置としまして、私製煙草を根絶せしむるためには、その原料である草煙草のみならず、煙草苗や煙草種子についても取締を徹底させるとともに、密製造の慮れある煙草用の機械についても、これを使用させないようにする必要があるのでありまして、これらの點につき、現行法の不備を是正しなければならないのであります。
 尚以上の外、酒税法、物品税法等と共に収入確保の見地から、未成年者等についても、直接行爲者を處罰することができるようにするために、このたばこ專賣法の一部を改正する法律案を提案した次第であります。何卒御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願いいたします。
○委員長(黒田英雄君) 次に、未復員者給與法の一部を改正する法律案について提案の理由を御説明願います。
○政府委員(森下政一君) 未復員者給與法の一部を改正する法律案について、提案の理由を御説明申上げます。
 未復員者に對する給與につきましては、第一回國會で御賛成頂きました未復員者給與法に定められたところに待つて実施いたしておるのでありますが、この法律にあるいろいろな給與の定額は、法律制定当初定められ、昨年七月以降今日までそのまま適用されておる金額でありまして、昨今の物價事情に鑑みまして適当でない點も生じて参りましたので、扶養手当につきましては、扶養親族一人当り現行月額百五十圓を政府職員に対するものと同様約五割増の二百五十円に引上げ、又歸郷旅費の分につきましては、現行三百円を五割増の、四百五十円に引上げ、更に遺骨引取旅費現行三百七十円は八百円に、遺骨埋葬費現行三百十円は千円に、それぞれ約三倍程度に引上げまして、昭和二十三年四月一日以後給與事由の生じた給與について適用いたしたく存じまして、この法律案を提出した次第であります。この改正のために要する増加予算額は、昭和二十三年度約六億三八千万円でありまして、これは本年度予算に計上せられておるのであります。五月からはソ連地区からの復員輸送も開始せられておるような状況でありますから、かたがたこの際本法案につきましては、何とぞ速やかに御賛成をお願いいたしたいと存ずる次第であります。
○委員長(黒田英雄君) それではたばこ專賣法の一部を改正する法律案につきまして御質問のおありの方は御質問願いたいと思います。この未復員者給與法の一部を改正する法律案について御質問があれば、これもお願いしてもよろしいと思います。それから農業協同組合の特例に関する法律案、これも二つお願いしたいと思います。
○山田佐一君 たばこ專賣ですけれども、曾て出たときに、私はこの罰則が軽いのじやないかということを申上げたのですが、そのときにこれでいいという御答弁であつたのですが、又ここに出た、直ちに体刑も亦嚴罰に處する、幾らも時間がかからんのに、それだけ認識を改められたということ、それと一時「新生」が市場に四十円で賣られたために、内地製の闇「たばこ」というものが路頭で非常に賣られておつた、これに封ずる違反額はどのくらいあつたか、それともう一つは進駐軍の「たばこ」というものが非常に出ておる。これは恐ろしい数字だと思いますが、これらは專賣局ではどう見ておいでになりますか。一應政府の御答弁があれば承つて見たいと思います。
○政府委員(原田富一君) この前に事賣法の違反最高五万円をかける案を出しまして、御審議をお願いしました。その節御説のように、五万円では軽いではないかというお話を承わりました。私共いろいろ研究もいたしましたし、又司法当局とも相談をいたしまして、大体五万円程度でよいだろうと思つてやりましたのです。誠に私共不明のいたす所でありまして、その後の状態によりますと、やはり外の経済統制法令等の関係もありまして、体刑も加えなければならんとなりまして、これは全く私共の不明のいたす所でございます。分りました以上は早く改正をいたしまして、取締りを十分やる必要がある。こういうふうに考えました次第でございます。この點を一つ御了承願いたいとぞんじます。尚專賣法違反の件数等の調べでございますが、これは本年の四月の調査しか今のところ手許に集まつたものはないのでございまして、詳しい最近までの状況は申上げられないのでございます。件数にいたしまして、これはいろいろの報告があるのでございますが、製造「たばこ」を許可を受けないで賣つたという件数が四百五十五件ばかり本年の四月にあります。又それから密製造をいたしましたのが、やはり四百五十件ばかりあるのであります。それから政府の「たばこ」でない密製造の「たばこ」を持つておつた者とか、或いは讓り受けたとか、そういうふうな件数が千二百七十件ばかりでございます。その外に尚葉たばこを讓り渡したとか、隠したとかいうのが、五百件ばかり、これは檢擧をいたしました数でありまして、尚その外に澤山あると思いますが、そういうふうな状況になつておるのであります。
 尚アメリカの「たばこ」が最近可なり出ておるのは事実でございます。これは御承知のように、農村の供出に対しまして、報奨用として配給いたしますのや、或いは炭鉱などに勞務特配や、進駐軍が放出されて私共が受取りました「たばこ」を配給いたしておるのであります。或いはそういうものが流れる場合もある。尚その外にこれは進駐軍が扱つておられるものが何かの関係で流れるとか、或いは一部の日本人が盗み出した、そういうものが出ておるかと思います。そういうものがどれくらい流れて出ておるかということは、遺憾ながら調査できかねるのであります。取締については進駐軍と協力いたしまして厳重取締る方針であります。
○山田佐一君 今日の我が國の國情で強く当れんということは十分にお察しいたしますけれども、曾ては進駐軍でも非常に取締つて下さつたこともあるのですから、汽車の中で進駐軍の煙草を持つているものは序でに檢擧するということを聞いておつたのでありますが、進駐軍の方でもこれは賣らした方がいいという観念は無論ないと思いますから、お取調べを願いたい。それと農村の報奨用或いは炭鉱の報奨用にお出しになつたというものは公然のものなのでお分かりになるだらうと思います。國力が衰えると、支那の阿片の密輸入と同じに、專賣價格を高くすればする程密輸入はやはり経済の原則としてますく殖えるじやないかと思う。そんなことのないように万全の廃置を講じて貰いたいと思います。煙草專賣が殆んど今日の專賣益金の主体をなしているものでありますから、そのものが如何に戰勝國のものと雖も、どんどん密輸入されて販賣されているということは、非常に國家としての損失も大きいと思いますから、十分にその辺の万全の策を施して貰いたいと思います。何かそれに対して対策があれば対策だけ承われば大變結構だと思います。
○政府委員(日下部滋君) 進駐軍の煙草が間に出ているということでありますが、これは私の方でも注目いたしまして調査させました結果、一頃よりは減つております。一頃は取締が徹底いたしておりませんでした。従いましてああいうものが、或いは盗難にかかりまして、變な持出し關係等によりまして、出ておつたのが相当ございます。最近は非常にそれが嚴になりまして、そういう関係から出て参る数量は殆んどなくなつたようであります。ただ本邦在住外國人及び軍関係者に、一週間に二百本ぐらい配給があります。従いましてこれが二百本必要ない人かち出るのがあるかと思いますが、只今ありますものは大体そういうようなものでございます。尚報奨用といたしまして米穀供出者及び若干収税官にシガレットの報奨的な特配をしております。これは數量といたしましては大雜把でございますが、約八千万、これが横に流れないように特例なマークがしてあります。それから別にそれを所持する権利を表わす證票が與えてあります。一つは現品そのものに、一つはそれを持つている権利証というものがあります。この二つがありますれば大体横に流れる氣遣いはないと思つているのでありますが、たまには或いはそれが横に流れるというのがあるかと思いますが、私の方で直接發見いたしましたのは、まだ報告を受けてありませんが、或いはあるかも知れません。
○山田佐一君 ますますひどくなつておると思います。進駐軍の煙草を報奨用に出すということが紛らわしいので、日本の煙草で報奨用に出して貰うように御交渉下きませんか。
○政府委員(日下部滋君) 実はあの煙草を報奨用に出すという意向が進駐軍にありましたのですが、その際に私共は、これは自由販賣にさせて頂きたい。そして質の善惡は別といたしまして、日本人が珍重するものでございますから、これを浮動購買力を吸収する方に使い、その代り私の方で金鵄ぐらいの値段の報奨煙草を拵えて、進駐軍の御意思の表れるような商標なりを付けて安く出してやれば、十分その意思が通るのではないかということを強く提案したのでありますが、これは本國からもいろいろ指令もあつた考で、なかなか御採用になりませんでした。
○山田佐一君 それはまあ承つて置く程度にいたしまして、この間、煙草工場を見學したのですが、「いたどり」の葉を煙草の中に入れて作つておりました。私は煙草は煙草の葉で作らなければいかんと思います。煙草の中に「いたどり」の葉を入れてもい、いものですか、御答弁を求めます。
○政府委員(日下部滋君) 「いたどり」の葉が入つておるのは事実であります。これは金鵄と「のぞみ」に十一分の一だけ入つております。煙草は全部葉煙草でなければならんということは專賣法にも規定しておりません。大体一グラムという目方で、砂糖やその他のものを入れますと目方は殖えることもございます。主原料は煙草で、喫つた場合に煙草の用をなす。こういうことで、我々考えております。
○山田佐一君 私變んなことを意地張るようですが、統制経済の下におきまして、民間の業者の作るものは、各々その製品規格によつて検査をされ、規格以外のものは皆不合格品として處罰される。最高道徳を指令する國家がこんなことをして一般の商業道徳から育つて不徳行爲であると思う。必ず煙草の葉でなければならないということはないからと申されるが、香味料などに入れるならばまだしも、野生の葉で無償値なものを混入しても、それが違反でもなんでもないという解釋は、今日始めて承わるのですが、私は喫煙者が「いたどり」の葉の入つてることを分らんことはないと思う。併し政府の專賣品で、あるから小言も言えず默つておる。私は煙草は喫いませんが、煙草を喫う人ならそのくらいの批判はするだらうと思う。随分高い値段で良い煙草を買つておりますから……安ければ「いたどり」の葉でもいいということはないと思う。なんかこういうものの根據を作つて貰わんと、國家そのものが統制を乱し、権利があれば何をやつてもいい、國民は権利がないから取締を受けるのだ、こういうふうな氣になる。それともう一つは、煙草の値段が一年に何遍でも変る、時々その需要に應じて上げて見たり下げて見たり、殆んど自由販賣、自由價格の形を取つておる。製造業者は今日一年間殆んどマル公は据置になつていて、如何に價格改訂を頼んでもなかなかやつてくれない、民間業者のものは一年も据置で、マル公は價格改訂委員会に引掛つてできないが、煙草の方は上げて見たり下げて見たりしておる。又品質も煙草と全然違うものを入れてもいい。私は餘り権力を揮い過ぎやしないかと思いますが、御当局はそれでもいいという御見解ですか。
○政府委員(原田富一君) 「いたどり」に関連していろいろのお話、誠に御尤もの點が多いと思います。案はこの「いたどり」を初めて使いましたのは、戦争末期になりまして、食糧増産の関係で葉煙草の生産が非常に少くなつてつまり原料が少くなつて、一方には煙草の需要は相当ございますし、何とかして澤山煙草を作りたい、併し原料がない、それでこの「いたどり」なんか、あれは東北、北海道方面は、昔これは專賣以前だそうですが、煙草の不足時代には、ああいうものを探つて吸つて見た、そういうふうなこともあるという古い人なんかの話もありまして「いたどり」というものが匂もなし、煙が出て無害だということで、何とかして煙草を殖やして、できるだけ少しでもいいから需要に近付けたい、そういうところから、これも余り沢山入れてはいかんのですけれども、一割以内の程度で入れようというので、戰争末期に始めたのでございます、その後戰争が済みましてからも、段々煙草の耕作面積を殖やして参りましたのですが、それまでにストックを使い盡してしまつたものですから、今でもやはり需要に對して煙草の量というものは非常に少いから、一應止むを得ず使つておるようなわけであります。外のものが入つても少しだから構わん、決してそういうつもりではおりませんので、全体の量として成るべく嗜好者の方々にできるだけ多く行き渡るようにして、需要に應するようにできるだけいたしたい、ただ煙草の葉そのものが少いものですから、「いたどり」が割合に害もなし、それを入れたために特に悪い変な匂が出るというのではありませんので、そういう関係で実は止むを得ず使つておるような状態であります。現在使つておる量が大体計画で一年間三百万キログラム、これは煙草の葉が昨年五千七百万キログラム、本年度は八千万キログラム、その中の三百万キロぐらいの予定ですが、これは北海道で山に生えておるものを集荷して頂いて、実績は百万キロ以下であります。去年は百万キロを欠けたかと思います。私共もできれば成るべく早く止めたい、ただ煙草の量を出來るだけ需要者に行き渡るようにしたいという考えてやつておるわけであります。御趣旨誠に私共としても同感でありますが、その點はそういうような事情ですから一つ御了承願いたいと思います。
 それから今の煙草の價格の問題、いろいろ一年間の中に変えることは、誠に私共事務当局としても、できるならやりたくない、財政上の理由や、この間[新生」を下げましたのは、誠に割高であるからですが、そういうわけで、ああいうような處置をしたことを御了承願いたいと思います。
○山田佐一君 そうしますと、関連いたしますが、一割ぐらいならいいというお話ですが、民間で「いたどり」の葉に実際に困つたときには、「はす」の葉をば刻んで、これもすつた人もおる、「はす」の葉に「いたどり」の葉、その中に一割煙草の葉を入れたらどうですか。それはお許しになりますか。
○政府委員(日下部滋君) 許しません。煙草のみならず、煙草代用品も許しません。法律でさようになつております。
○山田佐一君 それならば成るべく今後は愼んで貰うか、一割入れるということを公表して貰いたい、知らんで使つておりますから……。
○政府委員(日下部滋君) 最近あらゆる機会に私は公表しております。それであれは原價が安いから、利益を多くするためにやつておるのでも何でもありません。あれは一本でも多い方がいい、そういう趣旨でやつておるのでありまして、原價から言いますと、あれは決して安いものじやありません。煙草の葉の丁度「きんし」くらいに入れる葉つぱは、これは法律案にもございますが、中級以下でございまして、中級以下でございますというと、あの「いたどり」が入つてできましたものでありますというと、本当の葉つぱより決して安いものではをざいません。
○星一君 この前の説明に、煙草の耕作者の横流れを防ぐために、九百人からの檢査員を新たに置くことになるということですが、それに要する費用はどれくらいですか。九百人の檢査員といいますか調査官を置くに要する費用は総計幾らになりますか。
○政府委員(日下部滋君) 大体二千万円程度じやないかと思つております。正確には、調べまして申上げます。
○星一君 二千万円はそう大きい金でないが、一体政府は人民を信頼できないから、悪いことをするということの意味において、刑罰を厳重にしようとかいうことを言うが、それらに要する費用を、その悪いことをしなかつた耕作人に特別な報酬をやるというような、五百円とか千円とかを一部落にやつて、そうしてその人らが罪人を作らんことにするのが一番いいだろうと思います。そうして罪人を作らなかつたならば、そこに報酬をぐれるということがいいと思うのですが、私は決して悪い人を防ぐということは、重い罰金のみで防ぐことはできないと思います。いわゆる民主國というならば、悪いことをしない人を褒めるのだということにして、そこに賞與をやつて、そうして罪人を作らんということに行くのが本当じやないかと思いますが、そうは行かんのですか。まだ日本の人はそこまでに行つていないというのですか。煙草は、煙草の出費をするのでも、或る部落の中で、銘々のうちに一人でも罪人があつたならば、その部落の全体が責任を背負うようなシステムを作つたらいいだろうと思うのであります。それでその人は時々監視して、そうして自分らの仲間から一人の違反者も出さんということにして貰いたいと思うのでありますが、それについて研究したことがありますか、ちよつとお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(日下部滋君) お説の通りでありまして、報奨的な措置を昨年度も講じました。尚物資で以て報奨いたす、こういうことも実行いたしました。今年度はできますならば、目標以上に生産した者に対しましては、更に報奨をうんと強化いたそう、こういうことで予算も組んでございます。
○栗山良夫君 私ちよつと参考までに伺つて置きたいのでございますが、今手巻で闇賣りしております煙草でございますね、あれは闇賣り葉煙草を闇で賣買したとしまして、実際あの辺で賣れておるものの原賣はどのくらいとお考えになつておりますか。
○政府委員(日下部滋君) この原賣はいろいろであります。主なものは葉煙草でございますが、その葉煙草の買方如何によります。安いのは七、八百円くらい、一貫目でございます。高いのは三千円で買います。でありますから大体平均して一貫目二千円程度としますと、これで四千本巻けるのであります。そういたしますというと、葉煙草の底値が一本八十五銭ぐらいになります……。間違いです、五十銭になります。これにあの巻く紙代、それから運搬費、それから巻き賃、こういうものを入れますというと一本八十五銭ぐらいになります。それでは作つて賣る人が利益がございませんから、これに仮に五割儲けるとしますと十三円なにがし、こういうことになります。倍儲けますれば十七、八円、こういうことになつております。
○栗山良夫君 そうしますと需要供給の原則からしてこの闇煙草を撲滅するためには闇賣り煙草の原賣というものはお聞きしたようにそんなに安いものではないということになれば、「新生」だとか、或いはその上の二十円、三十円クラスを、相當この闇煙草と競争できるくらい数量を專賣局で保証されれば、自動的に私は消えて行くとこういう工合に考えるのですが、その辺をどういうふうにお考えになつておられますか。
○政府委員(日下部滋君) 私共もこれを一番増したい。増したいのでありますが、更にそれよりも高級品を相当作りませんというと、要求せられた益金の高に追いつけませんので、止むなくその方の敷量をそう余計殖やすというわけに参らないのが残念でありまするが、全体がなにしろ日本の図民は八百億本乃至九百億本というものがないと満足しないのでありますのに、今年は五百三十億本しか作れない、従いましてまあ六割程度の供給だというわけになるのでありまして、何を作りましても、最も安いものを作りましても六割しか供給できないと、まあこういう状態にあるのでありまして、その中でも私共は二十円、三十円というようなものを多くいたしたい。従いまして今度の新製品でありますが、「憩」、「ハツピー」、それから「桔梗」でございます。この数量の配分におきましても「憩」は二十二億、「ハツピー」は四十五億、「桔梗」は二十二億でありまするから、新製品におきましては高級品の約三倍出すと、こういうような工夫はいたしております。
○星一君 私今のに附加えて質問したいのですが、Aの部落で増産をした。一二〇%の増産をした。そうすると今奨励金をやる。併しその部落で一人分耕作者が犯罪をした、横流しをした。その金が微小であろうが、大きな金額であろうが、そういうものが一人出來たときに、そういうふうな一二〇%の増産にはどういうふうな、ちやんとあなたと決めた一二〇%の奨励金をやるのか。それから惡いことをしたものは今の附則によつて罰しますか。又どういうふうに奨励金をやるか。私の希望するところは一二〇%貰えるところに、その中の仲間の組合員の一人が惡いことをしたために、一二〇%貰えるところを一八%に下げるとか一五%に下げるというようなことが私はいいことだろうと思うのだが、そういうことも今のような場合にはどういうふうな奨励をして行く考えでありますか。
○政府委員(日下部滋君) 部落を表彰します場合には、その部落に違反者がないということを前提にしてやつております。それから増産の場合には私共は大体個人を狙つております。従いまして部落全体がよくなつたと申しましても、個人表彰を主といたすのでありますから、眞に増産して、而も專賣法違反でないという人を表彰したい、こういうふうな考え方であります。
○星一君 今の部落の中で個人々々に賞與をやり、個人に罰則をつけるというのはどうも面白くない。私は日本は世界の中で最も住みよい國にすることができやせんかと思うのだ。それは法律によつて早くそう行くことができようと思うのだ。だからそういうことについてはもう少し御研究を願いたい。日本では今煙草というものが大きな專賣になつているが、これを一つ基礎にして、そうしてみんなが住みよい國として、惡いことをしない人に教育のできることを考えて下さい。お願いします。
○政府委員(日下部滋君) 承知しました。
○委員長(黒田英雄君) 農業協同組合又は農業協同組合連合会が市町村農業會、都道府縣農業會又は全國農業會から財産の移轉を受ける場合における課税の特例に関する法律案、これについて今政府委員が見えておりますが、これは大藏省としてはこれに對してどういう意見を持つておられるのですか。それを一つ聽かして貰いたいですが、如何ですか。
○政府委員(平田敬一郎君) その件につきましては、衆議院の方から御相談がありまして、先程御説明になりました通り、農林省とも相談の上、その原案でござたましたら適当だと考えております。
○委員長(黒田英雄君) それから農林省では何かお話がありますか。農林省は説明員ですが、よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) どうぞ……。
○説明員(打越顯太郎君) 農林省といたしましては、只今大藏省の御当局から御説明がごさいましたが、今度の提案でございますれば、適当と考えております。
○委員長(黒田英雄君) 尚これについて御質問がありますか、今丁度政府委員が見えておりますから……。
○山田佐一君 農業會のことについて、ちよつと伺わして貰いたいと思います。農業會はどういう考えで解散になりましたか。
○説明員(打越顯太郎君) 御説明いたします。農業會は戰時中におきまして、農村におきまする統制国体でございました関係上、農村の民主化をいたしまする今日の情勢下におきまして、これを解体するのは妥当である。かような見地からいたしまして解体することに相成りましたのでございます。
○山田佐一君 そういたしますと、統制團体で、今日の民主主義に反するものの解体に対して、財産の譲渡に、なぜそんな特典を施さなければならないのか、それを引受るものは普通民間会社で行けば、これは制限会社となり、或いは指定会社として、すべてのものの制限を受ける。譲渡のものに免税どころではなく、又それに重税を課せられるのです。これがその農業會がやはり全体主義思想の下にできたもので解散をするのに、今輿この財産の譲り受けになぜそういう特典を施してやらなければならないか。その理由についてお伺いいたします。
○説明員(打越顯太郎君) お答えいたします。御説の通り農業會は戦時中の統制国体でございましたので、先般の法律によむまして解体することに相成りました。でこの農業會を解体いたしまするにつれまして、その農業會の資産をどういうふうに處分するかという問題もございますが、この農業會の資産は過去敷十年間におきまする農村におきまする農民の勤勞の蓄積成果であると申してよろしいと思います。従いまして農業會は成る程今申上げましたような性質上解体いたしまするが、その農業會の持つております資産は過去におきまする農民の努力の結晶でございまするから、今日新らしく農村の民主化の線に副いまして農業協同組合が生まれた場合におきましては、農業協同組合にその財産を移すようにいたして、徒らにこれを分散させないで、その農業協同組合に引繼いで貰いたい。この農業協同組合は今度は新らしく農民によりまして作られておりまするところの民主的な国体でございまするから、これがその農業會の資産を引継いで参りますことは一番妥当であると、かように考えているのでありますが、只今申上げましたような場合におきまして、新らしく生まれます農業協同組合としては農業會の資産を讓り受けます場合には、これを成るべく受け易い方法を考えることが必要でありまして、従いまて今度行われましたようなことは、多少とも農業協同組合に資産を移す場合におきまして、農民の負担がそれだけ軽減して來るのでございますから、農林省といたしましても、非常に将來の農村の民主化の線に副つて育成して行きます上に非常に妥当であると、こういうふうに考えましたので、さようにいたしたのであります。
○山田佐一君 只今この農業會の資産は動勢の結晶だとおつしやいましたが、私はよく存じませんが、農業會の経費というものは國税徴收法に準ずる徴収法によつて、農民から強制的に徴収した費用がここに結晶したものだと思います。喜んで任意に積んで行つたものではないと思う。従いまして今度の協同組合を作るにも元の農業會の役員は成るべくやめて新規の者に進ませたいのが趣旨であつたのでございます。やはり農業會の役員がボス的存在を以て、その勢力を以て同じような人が、大分替つておる。この解散をさせられる人の遺産相続者に免税をやる必要はない。善良な人の財産を引継ぐのにも財産税を取つているのであります。而も國家の民主化に反する国体の解散をして相続するのに、免税をしてまでも渡すということは、私は了承し兼ねるのであります。もう少しはつきりした御答弁を承つて置きたいと思います。
○説明員(打越顯太郎君) 只今お話がございましても必ずしもその農業會の資産は農民の努力のみに俟つものではないというような、こういうお話でございましたが、これはその全体主義的な性格を持つておりました農業會でございまするので、苟くもその地域内におりまするところの農民は、全部強制的に加入をさせられた。從いましていろいろの事案やつて参ります上におきましても、一旦できました以上は、農民はその農業會の統制に服して参らなければならないというような関係にもございましたので、農業會の資産の中におきましては、さような意味におきまする農民の資産というものも相当入つておるのでございます。従いまして農民のさような意味におきまする資産も入つておりまする農業會の資産というものは、極めてこれは妥当な措置によりまして處分して参ることが必要だということは申すまでもないのでございまして、その場合におきまして一般の債権者の利益を擁護いたしますことも勿論でございまするが、併せまして全体の農民の利益というものも侵害しないように処分して参るということも必要だと思うのであります。さような見地からいたしまして新らしくできまする農業協同組合と申しまするものは、この農民のさような利釜を完全に代表いたしまして、農民の利益に即したことをいたしまする農民の勞働の成果を、農民の手に完全に入りまするまうにというふうな形で農業協同組合が活用いたされるのでありまするから、この農業會の資産は農業協同組合に移しますることを一瞬の適切なることだと考えられまするので、さような場合心におきまして、この負担を農業協同組合の財産になりまする農業會の財産の移轉に伴いまする経費をできるだけ軽減することが、農民のためにこの農業協同組合の獲達を図ります上において必要だと、かように考えられますので、かような免税の措置を取つて行きますることは妥当だと、かように考えましたような次第であります。
○委員長(黒田英雄君) 深川さん、未復員者の問題ですか、ではどうぞ。
○深川タマヱ君 これは厚生委員の方から特に財政金融委員の方々にお願いしてくれという申出があつたことなのでございますが、この在外同胞で未だ歸らない人の中には、参勿論最初から軍人として召集されて行つて歸らないいわゆる未復員者の方がございますけれども、その他に最初から軍人として召集されたのではなく、居留民としておりまして、生業に従事しておりましたのが、戦時中とか終戦後にその人達の技術なり労働力が利用されまして、奥地の方に連れて行かれた、それで歸らない人も相当あるのでございます。その人達の家族に対しても、未復員者の家族並みの待遇をして貰うように特にお願いしてくれということでございますが、政府の方々はそれに対してどういうようにお考えになつていらつしやいますか。
○政府委員(今井一男君) ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
○委員長(黒田英雄君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて。それでは本日はこの程度にいたしまして散會いたします。
   午後三時二十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           波多野 鼎君
           伊藤 保平君
   委員
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
           田口政五郎君
           深川タマヱ君
           星   一君
           石川 準吉君
           九鬼紋十郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           栗山 良夫君
  衆議院議員    内藤 友明君
  政府委員
   大藏政務次官  森下 政一君
   大蔵事務官
   (主税局長)  平田敬一郎君
   專賣局長官   原田 富一君
   大藏事務官
   (專賣局煙草部
   長)      日下部 滋君
  説明員
   農林事務官
   (農業協同組合
   部長)     打越顯太郎君