第002回国会 通信委員会 第6号
昭和二十三年四月七日(水曜日)
   午前十時四十四分開會
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  本日の會議に付した事件
○郵便爲替法案(内閣提出)
○郵便振替貯金法案(内閣提出)
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○委員長(深水六郎君) それでは只今から通信委員會を開きます。前囘に引續いて質疑を續行したいと思います。
○堀越儀郎君 第十二條の「爲替金に關する權利の讓辺」でありますが、これを特に「銀行以外の者にこれを讓り渡すことができない。」と規定せられた立法の理由を政府委員の方から承りたいと思います。
○政府委員(村上好君) 銀行以外の者への讓渡を禁止したのは、郵便爲替は隔地者間における送金を目的としたものでありまして、これに流通性を附與しなくても利用者に格別の不便を與えることはないのであろうということと、一面讓渡を認めることによつて法律關係を複雑にして、郵便局における取扱に非常な煩瑣を生ぜしめるのみならず、不正な手段によつて入手したものなどの危險も増大する虞れがありまするので、一般的に讓渡を禁じたのであります。銀行は營業上他人を受取人とする爲替證書の讓渡を受ける機會が多いことと、信用も大であるという點に鑑みまして、銀行に對する讓渡のみを認めた次第であります。
○堀越儀郎君 第十六條、この爲替證書の金額の制限をされた理由はどういうところに基きまするのか、又但書の制限と非制限との關係はどういうところに目的があるかということをお伺いしたいのであります。
○政府委員(村上好君) 若しこの爲替證書の金額を無制限といたしますならば差出人及び受取人の負據する危險が非常に大きくなる。一方遞信官署が非常な大きな損害を被むる危險があるというために、その危險をなるべく少くするために、一枚の金額の制限をしたわけであるのであります。そこでこの但書で例外を設けておりまするが、この例外は、一つは、遞信官署相互間の場合、もう一つは、代金引換の郵便物に對する取立金の爲替であります。郵便官署相互間の場合には、これは受取人、差出人、共に官廰でありまするので、詐取等の危險が極めて少いと見られ、又代金引換の場合には、これは相當の高額の代金引換があるわけでありますが、代金引換の爲替というものは、郵便局から郵便局に證書送達の方法で爲替券が送られるのでありまして、利用者の手紙の中に爲替券が入つて遞送されるのではないのでありまして、郵便局の手から郵便局に爲替券が行つて、その爲替券を今度は代金引換郵便物受託者に渡すときには、元代金引換の郵便を局に渡したときの受領證を提示せしめて、金額竝びに本人であることを確かめた上に、その高額の爲替證書を渡すということでありまして、この場合には、詐取、改竄等の危險が極めて少く、大體において餘り想像できません。そういう意味を以ちまして、從來は金額の制限を設けたのでありますが、新法によりましてこの制限を撤廢しようとしておるのであります。
○堀越儀郎君 只今承わりました説明によりますと、主として差出人或いは受取人の危險を防ぐためというお考えのように承わりましたが、現在の經済事情から考えて、五千圓或いは小爲替の千圓ということでは低いのではないか。現在の通貨の觀念からいたしますると、もつと高額にしても、利用者のサービスということから考えると引上げてもいいのではないかと思われるのですが、これに對してどういうお考えをお持ちでございましようか。
○政府委員(村上好君) 由來郵便爲替は一般大衆を相手とした極めて民衆的な制度でありまして、もともと金額の少ないものであつたのであります。現在の經済事情におきまして、これらの制限がそれでも尚少いじやないかという問題が一應出ますが、實は率直に申しますと、この立案は昨年の夏からいたしておりまして、その當時はこういう額で決めて參つております。その後だんだんインフレの昂進と共に經済事情が變つて參りましたが、併し現在のところではまだこの程度で差支えないのではないか。もつと經済事情が變つて、更に貨幣價値が下落等のことがありますならば、この次の機會において考慮したいと、かように考えております。
○堀越儀郎君 昨年の夏の御考案のように御説明になりましたが、昨年の夏と現在との經済状況に非常に變化のあることもお考えの中に入れての御提案でありますか。
○政府委員(村上好君) 相當變化はあつたであろうということは想像しておりました。併し現在すぐにこれを修正しなければならんという程のことまではまだ考えておりません。
○堀越儀郎君 更に近い時期において修正する必要があるならば變えるお考えなんですね。更に經済事情が變化して行くならば、私の考えでは昨年の夏と現在とでは非常な變化があると思うのですが、その當時適當と思われたものが現在尚適當であると考えて提案されたように思うのですが、逆に言うと現在適當であるならば、その當時餘り高きに過ぎるというお考えをお持ちになつて立案されたのか、その點、私には實ははつきりしないのです。
○政府委員(村上好君) 我々政府當局としましては、同じことを申上げるのでありますが、これを今修正せねばならんというところまでには考えておりません。
○堀越儀郎君 それじや十八條について少しお伺いしたいのでありまするが、「郵便、電信、電話、爲替、貯金、及び振替貯金の業務に關し遞信官署相互間又は遞信官署とこれらの業務に從事する者との間」とありまするが、「これらの業務に從事する」というその場合、簡易保險なり、或いは郵便年金の業務を除外している理由はどういう點にあるのですか。
○政府委員(村上好君) 簡易保險、郵便年金は會計制度が別個の制度になつております。郵便、電信、電話、爲替貯金、振替貯金、これは通信事業特別會計でございまして、保險は簡易保險特別會計、年金は年金特別會計と、會計が別になつております。それで郵便、電信、電話、爲替、貯金、これらの同一の特別會計に屬しているものは、これは料金を拂つて又それを………、つまり同じ會計の中で料金を出したり入れたりする煩瑣を省略しておるわけであります。併し保險、年金の會計は、會計が違いますからこれは無料といたさないことにいたしております。
 それから「これらの業務に從事する者」というこの點でありますが、これは會計官吏が役所の名前でなしに、會計官吏の名前において金を送金するような場合には、これに該當するのであります。例えば會計官吏が個人に月給を送付するといつたような場合、これに該當いたします。
○堀越儀郎君 十九條の第二號に同じように「郵便爲替に關する業務に從事する者」という言葉がありますが、その「過失に因つて特殊取扱をしない郵便物として」云々のところで、これに郵便係員なり電信係員も含んでいる意味でありますか。
○政府委員(村上好君) 含んでおります。
○堀越儀郎君 それから二十三條の利用制限及び業務の停止の條項でありますが、「重要な業務の遂行を確保する」云々とありますが、その「重要な業務」というのはどういうことをお考えになつているのでありますか。
○政府委員(村上好君) 爲替の振出し、拂渡しの業務は、爲替事業の業務の基礎的な業務と考えますので、それらを考えております。
○堀越儀郎君 もう一つお尋ねしたいのでありますが、第二十四條の非常取扱の場合に、便宜の取扱いをされるというこの内容を大體伺いたいのですが……。
○政府委員(村上好君) この非常の場合に、差出人又は受取人が爲替證書を亡失した場合、その際に郵便局において爲替の拂渡しの場合に案内書が到著しておりまするときには、その金額の範圍で爲替證書を亡失しても、再證書の發行を待たずにその金額の範圍内で拂渡すという方法を認めることにいたしております。その場合には保證人は要りません。又案内書のない場合でも保證人を立てれば一囘一人二百圓まで無證書で現金を拂うというようなこともいたしております。又或いは判を亡失した差出人、又は受取人に對しては、關係書類に拇印を押さして現金を渡すという便宜の措置をいたしております。
○堀越儀郎君 私がお伺いしたいのは大體このくらいでございます。
○委員長(深水六郎君) 爲替法案について、もう御質疑ありませんか。
○新谷寅三郎君 質問があつたかも知れませんが、第十條の小爲替についてお伺いしたいと思います。小爲替の利用は現在實際におきましては、殆んど持參人が權利者であるというように運用されておると思うのです。それで第十二條にいうような權利者というような者が確定されない場合が多いのじやないかと思うのです。それで現行法によりますと、規則の方で小爲替でも差出人が受取人の宿所、氏名を書くのを原則としておるようであります。これは殆んど實際行われないで、實際は無記名で出しまして、そうしてその持參人が自分で書いて出すというようなふうに便宜に取扱われております。そうしますと、やはり今囘の法案で、從來通りの主義を採つておられるようでありますが、結局小爲替につきましても、權利人が確定されておるというような觀念で考えることになつておるのですか。
○政府委員(村上好君) 權利人が確定されておるというアイデイアの下に法律を作つております。現在では拂渡局、竝びに受取人という者を振出人に指定さしておりますが、新法においてもやはりその建前を採つて、受取人だけは是非振出人において書かせる。拂出局は必ずしも書かなくてもよろしいという建前を採つております。
○新谷寅三郎君 御趣旨は分りますが、これは非常に實際の取扱とは離れたお考えじやないかと思うのです。金額も僅かでありますし、別にそう小爲替について、必ずしも受取人の名前を差出人の方で記入をして、それが權利者であると言わなくても、實情から言いましても、從來の長年の經驗から言つても、そう堅く法律的に考えなくても、大した弊害はないのじやないかと思いますが、特にこういうふうにしなくちやならんという趣旨を御説明願いたいと思います。
○政府委員(村上好君) 實は御指摘の如く、局、受取人の指定を全くブランクにして置いた方が、尚實際上便宜かと考えられますが、最近特に戰災後小爲替の拔取事故が非常に激増して參つたのであります。それで、これを防ぐためには、成るべく拘束を多くしなければいけないということから出發をしまして、受取人を必ず指定する。更にもつと範圍を求めて、拂渡局まで指定するということをせざるを得ないような事情に追込まれて參りました。勢い戰後さようなことに相成つたわけであります。この事情は當分これを繼續することによつて、利用者の事故、損害等を今後最少限度にして行きたいと考えております。
○新谷寅三郎君 しつこいようですが、そういう危險は差出人の方で負擔すればいいので、假りに拔取りの事件が非常に多いという場合でも、差出人の方でその危險を負擔して、無記名のまま出すということが、本來法律の建前から言つて、それが違法であるということにまでする必要はないようにも思うのです。
○政府委員(村上好君) 違法と申しますと、どの點でございましよう。
○新谷寅三郎君 受取人の宿所、氏名を書かなければならん。それで書かないで出した差出人は、それはこの法律による違法の取扱いをしておるのだということになりますね。
○政府委員(村上好君) まあ、或いは形の方ではそういう解釋になるかも知れませんが、差出人の危險においてやればいいではないかという點、併しこれは小爲替の信用を維持する見地からして、如何に官が損失を被らないにしても、差出人の利益を保護してやらなければならないという建前から、こういうふうにしておるのでありまして、又拔き取り事故は必しも部外ばかりとも限りません。かたがたそういうような事情がこの中に考慮されておるわけであります。
○新谷寅三郎君 小爲替の信用の問題は、結局小爲替を郵便局へ持つて行つて、それがすぐに拂つて貰えれば、それで小爲替の信用は十分維持できると思うのです。今お話の小爲替の信用という意味は、又別の意味かも知れませんが、私の質問しております趣旨を政府の方でも分ると思いますから、その省令以下の規則をお作りになる場合に、その趣旨を十分加味されて、現在よりも小爲替の利用者に取つて、不便にならないようにお考え願いたいと思います。
○政府委員(村上好君) 十分了承いたしました。
○委員長(深水六郎君) あと御質疑はございませんか。それでは郵便爲替法に關する質疑は、又次囘にお願いすることにいたしまして、振替貯金法の質疑に移りたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○政府委員(村上好君) この爲替法施行に伴つて、豫算がどれだけ要るか要らないかといふ點について説明をいたしておりませんでしたが、この法律施行のために新に豫算を必要といたしません。それからもう一つの點、これは第六條の郵便爲替に關する條約、この點について一應事前に御了解を願つておきたいと存ずるのでありますが、第六條では、「郵便爲替に關し條約に別段の定のある場合には、その規定による。」ということにいたしております。從いまして、外國爲替の料金も條約によつて定められたものをそのまま適用されることに相成るのでありまするが、實はこの外國との條約の料金は、料金の最高額を決めて、何サンチーム以下の料金というふうな決め方が多いのであります。從いましてそれを何サンチームを換算して、何十銭、何圓にするかということは、國内法で決めなければならないことになりますので、これは勢いここで若しこのままにして置きますならば、料金を改めて法律に又かけるというような問題も起るのであります。又一々法律とすることは非常に繁雜であると考えられますので、この外國條約による料金は、内閣總理大臣及び遞信大臣が協議の上命令を以てこれを定めるということにいたしたいという考えの下に、今これの案文、その條項の追加を手續中なのでありますが、間に合いませんで、この審議にかけることができませんでした。いずれその追加を出したいと考えておりますから、さよう御了承願いたいと思います。それから施行期日の點であります。これは三月一日となつておりますが、これは政府側から施行期日の修正を改めて提案いたすつもりであります。内容は本法施行の日より起算して二十日という案を今手續中でございますから、さよう御了承願います。
○委員長(深水六郎君) それでは郵便振替貯金法の質疑の方に移ります。御質疑のある方はお願いします。
○堀越儀郎君 細かな質問をする前に、總括的に少しお聞きしたいのですが……。
○委員長(深水六郎君) ちよつとその前に、政府委員の方から提案理由の大臣の説明を敷衍して一應御説明を伺つてからいたしたいと思います。
○政府委員(村上好君) 簡單にこの法案の概要を御説明いたしたいと存じます。振替貯金法は、從前の貯金法から獨立した新らしい法律でございます。それで主なるこの制度の改正の點を申上げますると、その一つは、郵便振替貯金の使用について無能力者がした行爲は、法律の規定によつて能力者がしたものとみなされて、民法の規定が排除されていたが、これは一般私法の原則によることとした。從つて舊法にありましたその條文は削除して姿を出しておりません。
 その次には第八條でありますが、第八條において加入者は、郵便振替貯金の使用に關して、遞信官署の承認を受ければ商號、屋號等の別名を以て本名と併せて使用することができることといたしたことが現在のと違つている點であります。その次は第九條の參加署名人を設けたということであります。郵便振替貯金に關する法律行爲を加入者、又は代表者の單獨意思で決定することが加入者において不適當と認めた場合には、この參加署名人という制度を設けることができるというふうにいたしたのであります。これが第九條。その次は第十六條、これは他の法律における場合と同じように免責の條項を示しております。これは新らしい條項でございます。その次には二十條、料金徴收方法であります。振替拂込の料金は、拂込を受けた加入者からこれを徴收しておるのでありまするが、拂込人からこれを徴收することとして、且つ加入者において料金の負擔を希望する場合には、尚加入者からこれを徴收することができるという途を開いたことであります。その次に二十六條、二十六條は拂込、振替及拂出の種類というものの中に、從來局待拂という拂出の方法がありましたのを、新法におきまして小切手拂という制度に改めたことであります、それで、この小切手拂の方法は、小切手法によりまする一般の銀行の小切手と同じように、小切手法を適用する小切手であります。從つてこの制度によりまして、銀行の小切手と同じように、振替口座の資金を以ちまして加入者は小切手を振り出して、それで豫め定めた郵便局からその小切手を以て金の拂出を受けるという制度にいたしたのであります。順序が前後しましたが、二十四條、これも一應御説明を加えて置きます。口座の開設の場合であります。口座を開設するときには、從來基本預金五圓というものを取つていたのでありまするが、今囘は基本預金というものを廢しまして、加入料というものに改めまして、これを二十圓といたしたのであります。
 その次は五十六條除名と第二十五條との關係であります。郵便振替貯金に關してなしました不正行爲によりまして除名された加入者が、新たに加入し、又は振替貯金の口座を讓渡さるる場合における讓受人となるためには、遞信大臣の承認を必要とすることにいたしたのであります。従來はこの必要がなかつたのであります。今回小切手法によつて小切手を用いるというような方法に相成つて參りましたので、加入者の信用ということに相當の注意を拂わなければならんので、勢いこういう條項を設けた次第であります。大體主なる改正のポイントは以上の通りであります。
○委員長(深水六郎君) それでは郵便振替貯金法に關する質疑に移りたいと思います。
○堀越儀郎君 昨日も爲替の方でお聞きしたのでありますが、振替貯金の現在の收支の状況についてお伺いしたいことと、それからこれは古いことでもありまするが、新聞廣告に、振替が遲れて當てになりませんから、爲替、或いは現金で下さいということが廣告に出ておりました。これは戰災後復舊が十分でない頃であつたかと思いますけれども、現在はどうなつておるか。一つそれもお聽きしたいと思うのであります。
○政府委員(村上好君) 振替貯金の歳入、歳出に關して御説明申上げますが、これも二十二年度の豫算の數字でございます。歳入は七千三百二十萬八千圓、歳出は三億六千七百四十萬七千圓、不足が一億九千四百十九萬九千圓という數字を示しております。この數字を以と極めて明瞭でありまするように、振替貯金の業務というものは、非常に赤字を出して事業を經營しておるのであります。これは極めて不健全な事業の運行と考えられますので、一面において、この事業の合理化を圖ると共に、一面においてこの爲替の振替貯金の料金について再檢討を加えて、健全なる經營の姿に立直したいという考えを持つております。この料金の改正につきましては、遞信省全體の通信料金の改正の際に、この問題をもその際に考慮いたしたいと考えております。
 それからその次に振替貯金が非常に遲れておる。新聞廣告でも非常に信用を缺く、全くゼロであるというような新聞廣告を見ることがあるのでありますが、誠に當事者として殘念なことであつて、或る程度まで從前これは肯定せざるを得なかつた時代があつたのでありまするが、最近におきましては、振替貯金の業務は整備復舊いたしまして、昔日の如き遲延はないと考えます。大體において現在では貯金局支局の中における取扱いの日數は停滯しておりませんので、二日若くは三日ぐらいで支局の中の事務は拂込み、拂出し、口座振替等について、局内の經過日數はそのくらいで行つております。ただ郵便の遞送等の日數が兩端に加わりますので、それらの日數が昔の時代より相當長くかかるというような事情もありますので、勢い振替貯金全體から延びるという形を呈しております。かような次第で、現在においては、大體において振替貯金業務としては遲延は餘りないという状態に達しておると考えております。
○堀越儀郎君 遲れることは止むを得ない、現在は遲延は餘りないという御答辯であります。業者が廣告を出す場合に、當てになりませんからということを大分附加えておる。その信用に何か原因があるのじやないかと思います。これは業者が出す廣告でありますから、それによつてのみ責めるということは、これはよくないかも知れませんが、遲れて更に當てにならないという……。
○政府委員(村上好君) その外の原因と言われましても、どの點がいけないのか、實は内部から見ていたのでは、よく分りませんので、むしろ客觀的に皆さんから御指摘を願つた方がいいのじやないかと考えられますが、ただ想像しますのに、或る一定の期間内の商取引に間に合わないといつたようなことのために當てにならないという、そういう表現が出たのじやないかというふうにも考えられます。若し外の事實がありましたらお教えを願いますれば結構と存じます。
○水橋藤作君 貯金局の從業員は非常に呼吸器病が多いことは、昔から我々も非常に心配しておつたのでありまするが、例を取りまして、ずつと二三年前の例と、現在との比率はどんな工合になつておりますか。それともう一つ、それに對處したところの衞生方面はどの程度に行われておるか、ちよつとお聞きしたいと思います。
○政府委員(村上好君) 呼吸器病の從前と最近との比較對照の計數を只今準備して參つておりませんので、後日説明の機會があれば説明いたしたいと思います。數字は後で委員長の方に書類でお渡ししてもよろしいかと考えておりますが、如何ですか。
○水橋藤作君 結構です。大體において減少しておるか、或はどういう状態にあるかの程度でも結構です。
○政府委員(村上好君) 殖えているという報告は實は聞いておりません。相當に各支局があるようでございますがこれらに對する方法といたしましては、最近レントゲンをできるだけ多く新設することにして各支局に設備を相當いたしております。今後共、それを續ける積りであります。レントゲンの設備を充實して呼吸器に對する早期診斷、その他的確なる醫療の方法を役立たせるという方法をこの結核に對しては採つてあります。それがまあ著しい例であります。保健衞生については豫算の許す限り相當に考慮いたしておるつもりであります。
○水橋藤作君 希望でありますが、國家的に見ても、この問題は、相當大きな問題でありますので、國家としても、相當の豫算を取り、又相當大きく手を打つておるのでありますからして、殊に遞信關係の衞生方面には十分に留意なされて從業員の健康に努力をして頂くよう希望いたす次第であります。
○新谷寅三郎君 小切手拂について伺いたい。小切手拂の制度を拵えたということは非常に利用者に取つては便利になるので、これは非常に結構な制度だと思うのであるが、現在の郵便貯金法で同樣の小切手拂式のものを創設するうな御意見がないでしよか。振替の方でこの制度をおやりになるとすれば、郵便貯金につきましても、これは貯金通帳を見れば現在高が分るのですから、現在高の範圍内において小切手を振出すことを認めることにすればこれは非常に利用者に取つては便利になると思うのです。そのお考えがないかどうか伺いたい。
○政府委員(村上好君) 郵便貯金についての小切手については今、考慮いたしておりません。或は將來の問題として考慮さるべきものであるかも知れませんが、只今のところは考えておりません。
○新谷寅三郎君 今考慮していないというお話ですが、ここで手形交換所で決濟ができるような式の小切手が振出せるという制度ができて、これがどんどん利用されるとなりますと、郵便貯金におきましても、小切手の制度を採用されてもそれだけ非常な手數がかかつて困るというようなことがないように思うのです。爲替の振替法におきまして小切手の制度を創設されるならば、當然郵便貯金法においても、多少やり方は違うにしても小切手拂式の便利な制度を考えられるのは當然かと私は思うのです。將來、そういうことを考えるかも知れんではなくて、これは是非考えて貰いたい。その點についてもう一度御意見を伺いたい。
○政府委員(村上好君) この問題は我我のところで一應檢討濟みなのでございます。で、今お示しの方法については相當取扱の手續においていろいろ煩瑣な問題が起るので、あまり進行させなかつたという今までの歴史がございます。さよう御承知を願います。
○新谷寅三郎君 手續が非常に煩瑣であるというお話ですが、その所は私よく分らないのです。郵便貯金通帳を見ますと、貯金の現在高は非常に明瞭になつておると思うのです。その現在高の範圍内で小切手を振出すことができるということにすれば、それによつて特別に通信關係の方が損害を受けることもありませんし、その小切手はどこに行つても通用するのですから、業者に取つては非常に爲替以上にもつと便利なものになると思うのです。取扱上非常に手續が煩瑣なために止めたというお話ですが、これはどういう點に難點があるのでしようか。
○政府委員(村上好君) 説明員から一つ……。
○委員長(深水六郎君) 説明員からでよろしうございますか。
○新谷寅三郎君 結構です。
○委員長(深水六郎君) それじや説明員から……。
○説明員(加藤桂一君) 貯金通帳によりまして小切手の拂出しを預金者に認めるということにつきましては、いろいろ前から考えたこともあるのでありますが、小切手を預金者が發行いたします際には、あの預金通帳の現在高を落してから小切手を發行しなければならんことになりますので、その通帳を原簿所管廳を離れた貯金支局まで送りまして、その原簿からその貯金を落す手續を持つてからでなくては、小切手を發行して、それが流通することにするということになりませんので、その間本人が貯金通帳を郵便局に提出いたしまして、それが原簿所管廳に參りまして、その貯金が落ちてから、その通知があつて小切手を初めて振出すということになりますので、それをいたしますならば、その貯金通帳から所要の金額だけ現金で拂出しを受けまして、それをおのおのの目的に使うということで結局決濟が濟むのじやないかと考えられますので、その點非常に手續上尚考慮を要する點がございますので、今まで決定いたし兼ねておる次第でございます。振替貯金の方を申しますと、この小切手拂いは、すでに小切手を出しますときに、電話を以ちまして、その振替貯金の口座所管廳に現在高を問合せまして、そこで合えばすぐその口座を落しましてから小切手を拂出すということになりますので、貯金の場合と違いまして差支えない。こういうことから振替貯金の方の小切手拂いは認められております。
○新谷寅三郎君 少し私誤解があるかも知れませんが、貯金通帳で以て假に小切手のようなものは振出すというような制度を採るとしまして、小切手を振出した場合には、この金額だけは拂手しをしたことにして貯金通帳にその點を記載して置けば、その範圍内においては別に、原簿の整理は多少時日が遲れても、通信官廳が迷惑を被むることがないように思います。
○説明員(加藤桂一君) その點御説明いたしますと、只今使つております貯金通帳の金額面というものは非常に僞造印を作り易いのでございまして、非常に貯金通帳の金額面の改竄ということが多いようなことから考えまして、やはり貯金支局に持つておりまする原簿と對照いたしまして、金額を確かめてからでありませんと、小切手を出すということは多少危險じやないかというふうに考えます。
○新谷寅三郎君 御趣旨はわかりましたが、併しそれは一應おかしい話なんで、普通の現金の拂出しであれば貯金通帳を信頼して一應拂出しをする。併し小切手であればいけないという理由はどこにあるのですか。
○説明員(加藤桂一君) 普通の現金の拂出しで勿論拂出しをいたしましてからその證據書が原簿所管廳に參りまして、原簿と對照いたして見ますと、その原簿にはそういう金がなかつたとか、或いは超過に拂出しをしておるという事實を見付けることがたまたまございまして、そうしますと、その預金者から追徴金として金を取るわけでございます。ところが、それは一應單なる政府と預金者との關係で濟むわけでございますけれども、小切手ということになりますと非常に流通性を持つておりますので、その郵便局が發行しておる小切手の信用性ということに非常に關係して來ることでございますので、大藏省、司法省その他關係の官廳でもなかなかこの小切手を許すということにはならないのじやないかと考える次第でございます。振替貯金の小切手につきましても大藏省、司法省方面で初め反對がありまして、遞信省におきましてもずつと前に一度振替貯金の小切手拂を考えられたこともあつたのでありますが、そういう官廳の他の方面の反對によりましてできなかつたのでございますが、今囘は大藏省或いは司法省におきましても漸く認めて貰えまして、そういう方に向つて進められたような次第であります。
○新谷寅三郎君 何故郵便貯金について小切手制度が採れなかつたかという事情は分りましたが、併し改竄が非常に多いから、それで小切手の信用性も實際上非常に落ちるような結果になる虞れが多いということのためにこういう制度を振替の法規案で作りましても、郵便貯金の方ではそれができないということは殘念だと思います。改竄の問題は、これは理窟になりますけれども、恐らくこれは別途にこういう小切手の問題と離れて、改竄の行われにくいようないろいろの施設をされるのが當然だと思います。早く貯金通帳なりいろいろの準備を整えられまして、郵便貯金につきましても、できれば金額の或る程度の制限をするとか。いろいろの制限を付けられて、小切手を振出せるようにすることが非常に利用者に取つては便利だと思います。殊に御承知のように、最近農村方面では一般の市中銀行というものが店を出しておりませんから、大體において郵便貯金を利用しておる。あなた方の貯金の奬勵といいますのも大體において郵便貯金になつて來るのじやないかと思います。そういう利用者の人たちの便宜を圖つてやるということを遞信省としては當然お考えになるべきことだと思います。實はこれは私は前からそういう意見を持つておつたのですが、今囘もまあ實行されないのは非常に殘念に思います。それで貯金通帳の改竄等については別途に十分お考えになり、成るべく早く郵便貯金につきましても小切手の制度が統一されますように是非お考えを願いたいと思います。
○政府委員(村上好君) 只今新谷委員から極めて傾聽すべき示唆に富んだ御意見を伺つたのであります。この問題については更に研究を繼續いたしまして、若しわれわれが確信を得ましたならば、改めて又そういう途を講ずることにいたしたいと存じます。
○堀越儀郎君 後でお聽きしたいと思つたのでありますが、今新谷委員から小切手拂のことの御質問がありましたので、そのことに關連してお聽きしたいと思います。新谷さんは積極的に利用者に對するサーヴイスの點からお考えになりましたが、私はその半面のことで一つ政府のお考えを聽きたいと思います。小切手の利用をすることが殖えて來て、場合によつては支拂不能の小切手を濫發されることがありはしないか。その結果、小切手に對する不信を來すようなことが懸念されるように思うのであります。即ち利用する上において、一定の資格條件とか或いは不信用の者にはそれを許さないというような措置も半面において必要じやないか。と同時に、信用のある者には、新谷委員の言われたように、できるだけこれを利用させるというのが適當なやり方じやないかと思います。消極的な意味で、小切手に對する不信を招來しない意味において措置をどうされるか、お聽きしたいと思います。
○政府委員(村上好君) 今の御指摘の點、誠に重要な、郵便局における小切手制度の根本的な問題であります。この點に關しましては、こういうふうな方法で行きたいと考えております。利用者を二種類に分けて行こう。その一つは從前の局待拂と同一な利用條件のものにする。つまりその方法は、その小切手は記名式であつて指圖禁止にする。つまり裏書讓渡を禁止する。そういうものを一つのグループといいますか、作りたいとかように考えております。即ちこの場合の小切手は、局待拂のごとく本人又は第三者が指定されて郵便局で現金を受取る。それからもう一つのグループの利用者、それは相當信用程度の高い者で、その場合には一般の小切手と同様に裏書讓渡を可能ならしめる。それで、これらのものはどういうものに對してそれを認めるかが問題であります。それは相當期間この振替貯金の利用のあるもの、それから利用度の高いもの、それから現在高に相當の額の繼續性のあるもの、それから資産信用度の高いもの、これは現實に郵便局で監視員等をして調査せしめなければならないと考えております。大體これらによつて、資産信用度の高いもの、そういうものに對しては一般の小切手の利用を認めるというふうにしたいと考えております。これは、いずれ省令でこれらの細部を決めたいと考えております。
○委員長(深水六郎君) 外に御質疑ありませんか。
○堀越儀郎君 十七條の利息を付けられる問題でありますが、振替貯金というものは送金なり貸借決濟の手段としてこれを利用されるものであり、先程私は業者の新聞廣告の問題を取上げてお尋ねをしましたが、私らの考えからすると、現在のように爲替の抜取りの犯罪が非常に殖えた場合を考えますると、振替貯金を利用することが最も確實であると考えるのであります。ただ遲れるということが難點でありますが、その點から考えますると、送金なり貸借決濟の手段として利用するものに對して利息を付けるということはどういうお考えでされるのか。殊に先程經營状況を承わりますと、巨額の赤字が出ております。適當な時期に料金改正さえも考えておられる政府當局として、矛盾した措置のように考えられますが、それに對してどうお考えになつておりますか、お伺いしたいのであります。
○政府委員(村上好君) 誠に御尤もな御意見でございますが、利息を付けます理由は、振替貯金の現在高を常に相當程度に保持して貰わなければいけない。その現在高が不足になつたために拂出しができなかつたり、又小切手が不渡りとなるようなことを防止するためには、加入者をして口座に常に相當額の現在高を保有させることが必要であると考えるのであります。これがためには現在高に利子を付けることによつてその拂出しを抑制し、又は常に相當のフアンドを口座に入れておくことを必要と考えるのであります。そうなりますと、相當額をフアンドに保有しておくことになれば、勢い利子というものを見てやらなければ公平を缺く。又利子を付けることによつて少しでも多くフアンドを蓄積させるというふうな見地からいたしまして利子を付けたわけであります。但しその利子も一般の郵便貯金の利子よりは遥かに安い利子にしてございます。勢いそういうふうなことによつて安いけれども、多少利子を付けるという建前を採つております。
○堀越儀郎君 三十一條の特殊取扱でありますが、「省令の定めるところにより、」というこの「省令の定める」という内容はどういうものでありますか。これは拂出人なり、或いは加入者の請求のあつた場合によるという意味でございますか。
○委員長(深水六郎君) それじや説明員から……。
○説明員(加藤桂一君) 只今御質問になりました通りでございまして、特に速達の扱いを拂出人なり、拂込みに際しまして拂出人その他からも請求があつた場合、特に取扱うというようなことを、省令で規定いたすつもりでおります。
○堀越儀郎君 第六十六條でありますが、引揚げて來た者などについて承わりたいのでありますが、外國に居住する加入者の數なり、それから取扱數はお分りでございましようか。
○政府委員(村上好君) どうも甚だ數字が不足して又堀越委員からお叱りかも存じませんが、最近のものは不明でありますが、昭和十年度末におきましては、外國に居住する加入者の口座數は千百六十七、その當時の貯金現在高が五十萬八千圓でございましたが、戰爭開始以來現在まで、外國との爲替關係、貯金關係の條約がストツプされておりまして、これは直ちに外國關係は發動いたして參りません。
○堀越儀郎君 七十一條の施行期日の問題は、これはどういうふうにお考えでございますか。「三月一日からこれを施行する。」と……。
○政府委員(村上好君) この施行期日の問題、竝びに先刻爲替法で御説明を申上げました條約に基く料金、この二點は爲替の場合御説明したと同じことを貯金法でもいたすつもりでございます。それから尚、更に附加えて申しますが、振替貯金法施行につきましては、これも豫算を要しません。
○委員長(深水六郎君) 他に御質疑ありませんか。ございませんならば、本日はこの程度で散會して次囘に讓りたいと思いますが如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(深水六郎君) それでは本日の委員會はこれを以て散會いたします。有難うございました。
   午後零時一分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     深水 六郎君
   理事      水橋 藤作君
   委員
           大野 幸一君
           鈴木 清一君
           油井賢太郎君
           新谷寅三郎君
           鈴木 直人君
           堀越 儀郎君
           藤田 芳雄君
  政府委員
   遞信事務官
   (貯金局長)  村上  好君
  説明員
   遞信事務官
   (貯金局業務課
   長)      加藤 桂一君