第003回国会 議院運営委員会 第7号
昭和二十三年十一月十一日(木曜日)
   午後一時五十八分開会
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  委員の異動
十一月十一日(木曜日)委員小野光洋
君及び小林英三君辞任につき、その補
欠として石坂豊一君及び堀末治君を議
長において選定した。
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  本日の会議に付した事件
○緊急電力確保に関する調査承認要求
 に関する件
○治山治水及び戦災復興、災害復旧、
 住宅問題等その他一般建設事業並び
 に都市、地方、國土計画に関する調
 査承認要求に関する件
○請願及び陳情の付託に関する件
○玉屋議員逮捕要求に関する件
○國家公務員法の一部を改正する法律
 案に関する件
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○委員長(村上義一君) それでは運営委員会を開きます。最初に簡単な問題から順に御審議願いたいと思うのであります。商工委員長から緊急電力確保に関する調査承認要求書が提出されてあります。委員部長をして朗読せしめますから御聽取を願います。
   〔河野参事朗読〕
   緊急電力確保に関する調査承認要求書
 一、事件の名称 緊急電力確保に関する調査
 一、調査の目的 電力確保に関する総合的調査を行い、必要ある場合には勧告して産業用及び國民生活用電力の確保を計るを目的とする。
 一、利益 電力生産を維持拡大せしめ、産業生産の維持増大と最低國民生活の確保に寄與する。
 一、方法 関係官及び業者から意見を聽取、資料の提出を求め、且、必要に應じて実地調査を行う。
 一、期間 今期國会開会中
 右本委員会の決議を経て参議院規則第三十四條第二項により要求する。
  昭和二十三年十一月十一日
      商工委員長 稻垣平太郎
   参議院議長松平恒雄殿
○委員長(村上義一君) お聽きの通りの要求が出たのでありますが、御異議なければ認めたいと思うのですが、如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) 御異議ないと認めます。
 次に建設委員長から同様、調査承認要求書が出ておるのであります。これ亦お聽き取りを願いたいと思います。
   〔河野参事朗読〕
   治山治水及び戦災復興、災害復旧、住宅問題等その他一般建設事業並びに都市、地方、國土計画に関する調査承認要求書
 一、事件の名称 治山治水及び戦災復興、災害復旧、住宅問題等その他一般建設事業並びに都市、地方、國土計画に関する調査
 一、調査の目的 首題に関する諸計画並びにその他実施及び成果等につき調査すると共に建設関係諸法律に関し研究する
 一、利益 刻下の急務たる治山治水國土保全及び住宅問題等の打開に寄與する
 一、方法 官民の関係者より廣く意見を聽取すると共に、資料を蒐集整備し合理的なる打開方策樹立の根拠を作ると共に、必要に應じ実地の調査をなす
 一、期間 今期國会開会中
 右本委員会の決議を経て参議院規則第三十四條第二項により要求する。
  昭和二十三年十一月十日
      建設委員長 石坂 豊一
   参議院議長松平恒雄殿
○委員長(村上義一君) この要求に対しましても御異議がなければ認めたいと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) それでは商工委員長からの要求も、建設委員長からの要求も、両件とも認めることにいたします。
 次に衆議院議員選挙法第六十七條第五項削除に関する請願、これは横浜市会議長小澤二郎君からの提出になつております。それから同様の陳情が静岡縣会議長三上陽三君から出ております。尚栃木縣会議長高際徳治君外六名からも出ております。尚兵庫縣会議長加藤秋一君外一名からも出ております。山口縣会議長清水為吉君外一名からも出ております。更に大阪府知事赤間文三君から内容を異にする衆議院議員選挙法一部改正に関する陳情が出ております。これらの請願及び陳情は何れの委員会において取扱えば宜しいか、一つ御審議を願いたいと思うのであります。
○事務總長(小林次郎君) 参議院規則の改正前には、議院運営委員会で取扱うことになつておりました。ところが今度規則が改正になりまして、全國選挙管理委員会の所管に属する事項というのが、地方行政委員会の中に入つておるのでございます。この衆議院議員選挙法、参議院議員選挙法というようなものは、全國選挙管理委員会の所管に属する事項だうと思うのですが、併しこの管理委員会の方では議員の構成に関するような選挙法の如きは、自分たちの方は、直接やらずに、今まで通り参議院の運営委員会の方でおやり願つた方がいいというような意向を漏しておるそうですが、建前から申しますと、地方行政委員会で御審議なさるべきものと思う。現在の議院運営委員会の仕事は三つありますが、議院運営に関する事項、國会法及び議員の職責に関する事項、彈劾裁判所及び訴追委員会に関する事項、この三つしか明記してないのであります。御参考までに申上げます。
○委員長(村上義一君) これを当委員会において取扱うか、地方行政委員会において取扱うかという点だろうと思いますが、如何でしようか。別に御意見がなければ地方行政委員会にこれを処理して頂いたら如何かと思います。
○門屋盛一君 この問題は公務員は辞職して立候補しなければならん、というやつを取消す問題だと思います。これは選挙法について、どの程度までやるかということを聞かんと、この議会の構成に大きな関係のある法案ですと、そう簡単に地方行政委員会でやつて貰うわけにも行かない。前にもこれが運営委員会に掛つたということは、主として議会構成に関係あるからだと思います。必ずしも地方行政委員会が適当でない、やはり忙しい中にも運営委員会でやつた方がいいと思います。衆議院の方はどんなふうですか。この請願は衆議院の方にも出ておると思いますが……。
○委員長(村上義一君) 勿論衆議院にも出ております。まだ衆議院の方は確かめておりませんそうであります。
○門屋盛一君 それは当院としましても、その審議に当りました折に、そういうことはやるべきでないということを速記に止めて置いたと思います。これだけなら地方行政に與えてもいいと思います。
○委員長(村上義一君) 立法当時において、いろいろの議論のあつたことは門屋君のお説の通りのように聞いております。選挙法関係については、問題が大きい場合には、地方行政委員会に付託することも疑義がある。請願の内容如何によつて、その都度、議院運営委員会で決めて頂けば適当じやないかというようなお説があつたように聞いております。
○事務總長(小林次郎君) 今衆議院に聞いておりますから、ちよつと待つて下さい。
○門屋盛一君 折角法務総裁がお見えですから、これは明日に廻したらどうです。
○委員長(村上義一君) それで本問題は明日までに衆議院の経緯を取調べて御参考に資することにいたします。
 そでは玉屋喜章君逮捕に関する件を議題に供します。前回もそうでありましたが、秘密会にすることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) それでは秘密会にいたします。議員の各位、法務総裁、木内長官、その他、事務の当局者以外は一つ御退場を願います。
   午後二時九分秘密会に移る
○委員長(村上義一君) 過日、法務総裁及び木内長官からお話のありました如く、玉屋喜章君に対する逮捕要求に関しての補足した書面が法務総裁から議長宛に昨夜提出になりました。朗読をいたします。(「ゆつくり読んで下さい」と呼ぶ者あり)
○参事(河野義克君) 法務総裁から議長宛のもの、それから、それの内容をなすものとして外の書類合計三件ございますから逐次朗読いたします。
 法務廳檢務局檢務第三五五三五号
 昭和二十三年十一月十日
   法 務 総 裁  殖田 俊吉
   参議院議長    松平恒雄殿
   参議院議員玉屋喜章に対する業務上横領被疑事件逮捕状請求理由について
  表記の件に関し、昨九日貴院議院運営委員会委員長より、報告万要求があつたが、右に関し東京高等檢察廳檢事長を通じ千葉地方檢察廳檢事正に報告を求めたところ、別紙の通り報告があつたので、これを添えて回答する。
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 秘日記第一六三九号
 昭和二十三年十一月十日
   東京高等檢察
   廳檢事長     佐藤  博
  檢務長官木内會益殿
   参議院議員玉屋喜章に対する業務上横領被疑事件逮捕状請求理由報告について
  右について別紙の通り千葉地方檢察廳檢事正から報告があつたので送附します。
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 昭和二十三年十一月十日
   千葉地方檢察
   廳檢事正     草鹿淺之助
  東京高等檢察廳檢事長佐藤博殿
   参議院議員玉屋喜章に対する業務上横領被疑事件逮捕状請求理由報告の件(第一回昭和二十三年十月二十八日、第二回同二十三年十一月四日)
 御照会になりました標記の件につき左記の通り報告いたします。
    記
 第一・二回報告書を以て報告しておきましたが、玉屋喜章に対しては業務上横領被疑事実の外、余罪相当あり、拡大の見込につき至急これが取調べをなすの必要あり、同人を不拘束の儘取調べをなすにおいては罪証湮滅の恐れあり、捜査遂行に支障を來すものと思料されるので、逮捕状請求に及んだ次第である。
 以上
○委員長(村上義一君) お聽きの通りの報告がなされたのであるが、何かこれについて長官から或いは総裁からお話がありますか。
○國務大臣(殖田俊吉君) 只今御朗読を頂きましたような回答を申上げたのでありまして、遺憾ながらこれ以上に申上げるわけに行かないようであります。就きましてはこの回答の趣旨に基きまして、御審査を願えますれば結構でございます。木内長官もおりますから、尚申上げていいことがございましたらお尋ねに対して御説明申上げます。
○岡部常君 ご説明がございますか。
○國務大臣(殖田俊吉君) ご質問がありますれば……。
○岡部常君 私は、実は前回は途中から伺いましたので、はつきりいたしませんが、何でも後で聞くところによりますると、この事件は大分発覚して檢察廳の手が伸びてから時日が経過しておるように聞いておるのであります。私の聞くところが間違いなければ昨年からの事件のように承知いたしております。何故にこの頃になつて逮捕状云々という問題が出て來たか、この点私はちよつと疑いを抱くわけであります。殊に國会召集後ならばとも角、それ以前の日子が相当あつたように思う。捜査に着手されてから相当日子があつたように私は承知するのであります。その間の檢察廳の御活動はどんなものであつたか、この点を承つて置きたいと思います。
○政府委員(木内曽益君) 今のお答えをする前に、私が前回及び前々回申上げた中で考え違いをしておつた点があるので御訂正を願いたいと思います。それはこの一千余万円の金の弁償の問題が御質問になりましたときに、弁償の一部に不渡手形が出ておつたということをお答いたしましたが、これは私の間違いでありまして、これは別の問題であります。この問題については家屋、不動産、家屋敷が提供されまして、これは價格約三百万円という査定になつたものだそうでありまするが、その程度の弁償がしてあるだけだそうでありますから、この点を一つ訂正さして頂きたいと思います。
 それから今岡部さんの御質問の点につきましては、実は前にも御質問がありましてお答いたしたものでございますが、この事実はそんな前からやつておつたのではなくして、本年の四月以後頃から大藏省が千葉合同無盡の監査を始めておつたのであります。そうして相当の日数を要しておつたそうでありまするが、檢察廳においてはさようなことは全然承知していなかつたわけであります。檢察廳がこの事実を知つたのは、その後千葉合同無盡会社のたしか職員組合だと聞いておりまするが、そこから告発がありまして、大体それに基いて捜査を開始されたというふうに承知しております。從つて先月の何日頃かちよつと記憶ありませんが、十月になつてから捜査を始めたというふうに聞いております。
○岡部常君 その期日をはつきり承知いたしたいものであります。私の疑つておりまするのは、それが國会召集中であつたや否やという点、それは極く簡単にお調べできるだろうと思います。
○政府委員(木内曽益君) それは直ぐできます。
○矢野酉雄君 只今明らかに御訂正になりましたけれども、長官は弁償問題について不渡手形等であるということを公言をここでされたのであります。ここで今それを取消されて、そうして不動産三百万円程度の担保を以て弁償するというような形式が取られておるというような、実に遺憾千万であります。國家が憲法を用い、更に國会法等によつて明らかに開会中の議院を大いに擁護して、そうして人権を尊重して國会議員としての権限を、國民のために、國家のために行使しよう、させようというような、これは民主的に決定せられた議員に対する恩典を私共は非常にこれを尊重しなければならん。そういうような重大な問題について責任があるところの人が、責任がある席上において、そうしてこれを公言して、そうしてこれを後に訂正するというような態度は、実に愼重を欠く不届千万であります。これらの材料によつて、我々は承諾を與うべきか、與うべからざるかということを判断しようとするのに、そういうような態度は自今絶対にこれは許すべからざる問題であると私は思うのであります。
 それから今岡部委員から御質問のあつたように、この事件そのものが、既に一昨年から本年の三月にかけての発生した事実であるということも、これは、はつきりここで言明せられております。そしてそれ以後、今のいつ、何月何日から告訴によつて檢事局に、與えた権限によつて発動したか。それがはつきりしませんけれども、開会中でない場合においては、一般の人民と共に、國会議員と雖も、その法の前には全く平等である。開会中の議員に特別のこうした保護を與えているのでありますから、若しもその檢察廳の発動が休会中である、開会中でないというような場合に執られていたら、何ら議会そのものの承諾を求める必要はないのであります。その間のですね。期日は明確にこれはして置かなければ、悪例を作る虞れがあると思いますので、それを愼重に、間違いないように御報告願いたいと思います。
○門屋盛一君 この問題は、大分、昨日はやりませんでしたが、今日で四日間に亘つてやつていることでありまして、大変複雑な問題でありますが、我我はこの犯罪事実のどうであつたか、こうであつたかというようなことについて、ここで審議はしたくないという考えを持つているのでありますが、ただこれに愼重を期しておりますことは、この前申上げてありますから、その愼重を期します理由は省きますが、ただ從來の事例に見まして、例えば原代議士の場合、又西尾國務大臣等らの場合においても、結果から見て、檢察当局は國会議員、或いは國務大臣等に対する法の擁護があるということに対しての取扱い方じ甚だ軽卒に失しておる。而もそれは意識的に軽卒であつたというような感じを持たせられていることが一つ。その次には、これらの問題を初めといたしまして、今世上には、檢察フアツシヨであるという言葉がある。これは檢察当局もお耳になさつていると思います。法務総裁あたりもお聞きになつていると思うのであります。その声のありますことを見逃すことができない。それで、そういう観点から考えまして、大体憲法上並びに國会法で身分の保障問題等がありますので、それらのことをどう取扱うということに対しては、後刻討論に入りまして、私の意見を申上げ、この際法務総裁にお質しして置きたいことは、これらの、この点であります。よくお考えを伺つて置きたいことは、原代議士の場合、西尾國務大臣の場合から考えまして、若しこの案件に承認を與えました後において、公判の結果明らかにされて、無罪となるような場合があるとも考えられるのでありますが、今までの事例から考えまして、既に今まで無罪になつている事例がある。檢事控訴はしておりますが、第一審は無罪になつている。こういうことになりました場合、明らかになつているから、無罪になつたので本人はさつぱりしていいのじやないかという話もあるのでありますが、けれども、それだけでは済まされないのでありますから、そういう軽々しい取扱をなさるところの檢察当局に対する懲戒的措置をお取りになる考えがあるかないか。この点が一つ。それから本問題に関連して、私はすでに提案せられんとしているところの、新刑事訴訟法の実施を四月まで延ばすということであります。折角この刑事訴訟法が革命的の人権擁護にかかつたものを、あれだけの苦労をしてですね。前回の第二國会で通過されてあるに拘わらず、これを四月まで延ばすという法案を出すというような実情においては、ますますこの檢察当局の手落に対する、この際取調べて行く経過において、人権の擁護ということが非常に困難なことになる。そういう実情に対して、法務総裁として、どういうお考えを持つておられるか、これは本件を判断します上において、重要な関係がありますので、一應伺つて置きたい。
○國務大臣(殖田俊吉君) 只今の門屋委員の御質問にお答え申上げます。檢察の事務を愼重に、且つ嚴正公平に執行すべきことは申すまでもないのでありまして、檢事フアツシヨというような噂さの起りますことは甚だ遺憾であります。私は微力ながら、そういう噂の出ませんように、極力嚴戒を加えたいと思つております。併しながら只今お話のごとく、若し無罪になつたらば、懲戒を加えるかというお話でありますが、これは檢事の職務執行に当りましては、よるべき法律がありまして、その法律に基きまして執行いたしました、善意を以て執行した、誠心誠意を以て執行したということについては、たとえ過誤はありましても、これを懲戒に付するわけには参らんと思います。若し又私意を以て、法律に準拠したことく仮装いたしまして、間違つたことをいたしましたならば、これは嚴に懲戒を加うべきことは申すまでもありません。その辺で一つ御推察を願いたいと思います。更に刑事訴訟法の問題でありますが、これは明年一月一日に施行することは確定いたしておりまして、これを延期する意思は只今持つておりません。これはどうしても施行しなければならんと思つております。それだけお答えいたします。
○門屋盛一君 法務総裁のお考えは、はつきり分りました。それで檢務長官に、この点お尋ねして置きたいことは、新聞の報ずるところによりますと、一昨日、即ち九日に、玉屋議員みずから千葉地檢に出頭されて、取調べを受けたということがあるが、これは事実でありますか。
○政府委員(木内曽益君) 昨日千葉の檢事正の報告によりますると、九日の午後三時半頃、檢察廳に檢事正並びに次席檢事に面会を求めて來たそうであります。そうして取調べを受けたのではありませんので、本人が結局こういうことを陳情して行つたという説明でありました。というのは、今自分の逮捕の問題が参議院の運営委員会で問題になつておるが、それは自分が策動しているんじやないんだということを、よくご了承願いたいという趣旨を呉々陳情して行つた。そういう話でございました。
○門屋盛一君 そうすると、その地檢の取調べを受けたのではないんですね。
○政府委員(木内曽益君) さようでございます。
○門屋盛一君 しつこいようですが……。
○政府委員(木内曽益君) そうして事件について陳情に來たというわけではなかつたという話であります。
○門屋盛一君 私の質疑は、それで終ります。
○矢野酉雄君 先程の岡部委員や矢野委員の質問に対しての報告はまだありませんが。
○政府委員(木内曽益君) 先程も申しましたけれども、この捜査に着手したのはいつかということは、調べれば分ることでありますが、結局逮捕するということは、捜査の着手時期ということに、何ら私共は、実は関係ないように思うのであります。從つてこの許諾を求められることについて、是非御必要だというならば、調べて御報告いたしますけれども、捜査の着手時期というものと逮捕とは、私は関係ないように、かように考える次第であります。
○矢野酉雄君 聽き捨てならないことをおつしやいますが、その開会中でない場合には、これは逮捕は御自由であるから、だから着手した時期は常識的に考えて、その間において当然逮捕することのできるような時期というものは、常識上当然考えられ得るでしよう。それが開会中になつて、この逮捕の要求承諾を求められるようになつた。その間何か経緯もあろうし、あなたたちはそんなことは勝手であるというようにお考えになられるが、それは非常な違いがあるのです。そういうようなこと、それから最前から玉屋さん、私未だ言葉を交わしたことがない人でありますが、何故にそこの檢事正や或いは檢事長をお尋ねになつて、そういうことを言われるかということについては、本当に生死の問題であるから、その眞情を訴えに行つたというような氣持も、これは敬虔な氣持で、何らの先入感なく、一應檢察当局はこれを聽くべきである、見るべきである。併しあなたの御表現は、すでに検事という衣を着て、こういう者が來たそうだ、併しそれは取調べも何もしていないというように私が聽くような、あなたの態度がある。そういう態度を檢事フアツシヨの態度として、我々は民主國家建設のために大いに反省しなければならないということを、最前からそれは門屋さんも申されていると思うのであります。もつと本当に何らの先入感なくして、その被疑者なら被疑者の眞情を、非は非、誤は誤として見てやるという、私はその態度をお願いしているのであります。最前の捜査の始まつた時期がいつであるか、どうであるか、そんなのは問題ではない、非常な問題である、私たちは……これについてのご意見承りたい。
○政府委員(木内曽益君) 捜査着手の問題につきましては、捜査に着手したから、直ちにその人の犯罪が明瞭になるのであるという場合がありましようし、さような場合もありませんが、とにかく本件については、要するに捜査の着手から、この逮捕を請求するまでの間において、漸く逮捕しなければならないという事情になつたわけでありまするから、着手した時に直ぐに逮捕の指定までの時期に達していたというのでないことは、この大体の経過からも御了承できることと思うのであります。(「勿論」と呼ぶ者あり)それから出頭したのに対しての問題の、私の答弁について云為されましたが、要するに千葉の檢事正の報告に基いて、要するに事実、いわゆる事実の陳述に來たものでないという報告でありましたから、ないということを申上げたに過ぎないのであります。
○小川久義君 先日長官のお話では、三点を挙げられました中、証拠湮滅の虞れ一点にかかつている。これが逮捕に対する許諾の可否を決する重大なことと思いますが、先程お読みになつた書面の中には、住居をくらます虞れがあると書いてありましてように聽いたのでありますが。
○政府委員(木内曽益君) さようなことは、住所をくらますということは申上げておりません。それから逮捕の理由の問題でありますが、應急措置法によりまして、逮捕は犯罪の嫌疑があれば何時でも逮捕できることになつておるのでありまして、ただ実際勾留する場合には、先程申しました三つの理由があるわけであります。併しながら実際の取扱いといたしましては、ただ犯罪の嫌疑があるからといつて逮捕するのではなくして、そうして勾留すべき原由について檢討して、これを併せ考えて逮捕を請求しておるのであります。
○矢野酉雄君 私が申上げるのは、そんな兒戯に類するような、常識のないことを私は申上げるのでも何でもない。檢務長官たる者は、その報告を受けた場合には、この次のごとき問題については重大な点であるから、当然その報告に参つた者に対して、こちらから質問をして、明らかにして置かなければならんものである。どういう点であるかというと、例えば本年の四月一日、これを檢察廳が権限によつて捜査を開始して、そうしてそれが休会の八月なら八月までかかつておる。併しこれに対してまだ逮捕も何もしていない。いつ一体檢察廳は権限を発動して、どれだかの期間これを捜査したか。そして最高檢察廳で会議なら会議をする必要があつたら、会議したのは大体いつであるか。この間の期間があつて、而もそれは休会中であつたならば、何故休会中に逮捕しなかつたかというくらいの、期日を明瞭にあなたが御記憶あるくらいの印象を深くして当然お尋ねになる必要があると思う。いつ始まつたか、又いつその最高檢察廳の会議があつたかというようなことを、一院の現職の開会中の議員を逮捕する場合に、そういうことをお尋ねにならないで、調査なさらないで、そうしてここに承諾を求められる態度は、決して愼重であるという積極的断定は下されないと私は思う。私は根本的態度において、この承諾を與えないという態度じやないのですよ。絶対そういう態度ではないのですよ。この前の場合においても、十日か、二週間程度の期間においては、その前提において、矢野は第一回において所見を述べたけれども、第二回においては必ずしもそうでないということをはつきり申し上げておる。だから、何ら一点の疚しいことのない立場から、私は本当にこの司法権の、檢察廳の尊嚴を認め、更に一面においては國会議員の開会中のその権限を本当に擁護する、その憲法の精神を大いに生かさんとする精神からであつて、決して他意はないのであります。そういう点についての御自身の御反省のお氣持をお聽きしたいと思います。
○政府委員(木内曽益君) 御質問の点は誠に御尤もと私も思います。併しながらこの場合におきまして、私はその程度まで、逮捕の関係におきまして調査するまでに及ばないという考えで、詳細を聽かなかつた次第であります。
   〔板野勝次君発言の許可を求む〕
○委員長(村上義一君) ちよつとお諮りいたしたいと思います。只今法務委員会の委員長から、本件について、法務委員会と連合調査をしたいという申入れがあつたのであります。これを如何に処理いたしますか。途中において本件を先ず処理いたしたいと思います。で、要するに、お断りするか、或いは委員長だけ列席して貰うというか、或いは希望通りに連合審査をすべきか、こういう三つに考え得るのでありますが、如何でございましようか。
○中村正雄君 これの諾否の事については、議院運営委員会だけで私は十分だと思います。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) 御異議ありませんか。中村君の御発言……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) それじやお断りすることにいたします。
○中村正雄君 これで質疑を打切る動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) いや、ちよつとお待ち下さい。板野君よろしいですか。
○板野勝次君 さつきの問題ですけれども、ただ檢務長官のその問題が、少し我々が聽いておつても妙に響いたのは、前の時に逮捕しなければならない事由が起つたのを等閑に付しておつたのじやないか。そういう面なんかがその前に問題にされた。ところが檢務長官は、そういうふうなことに対して考慮を拂わなかつたかのような感じを抱かしたのでありますが、それでしたら我々は、何も今のようなものを纒めるなら、その前のでも十分である。そういう点が愼重にされているかどうか、是非必要なのかというふうな問題があつたので、今日我々が聽きたかつたのは、開会前においても、そういう事態が発生しておつたのに、荏苒日を送つたかどうか、そうでなく開会中になつたのだという、そういう時期について檢務長官から十分な説明が聽きたかつたのでありますが、その点をどうぞ。
○政府委員(木内曽益君) 前回申上げたのも、或いは私の言葉が足りなかつたか、或いはお聞き違いでないかと思うのでありますが、要するに私は逮捕について期間、会期等の問題があるが、そういう点を考慮に入れたか。政治的な面を考慮に入れたかという御質問がありました時に、私共はそういう点は考慮に入れません。取調べの経過が進んで來て、いよいよ緊急逮捕しなければならんように捜査の段階が行つたので、それも檢察の面から早急に逮捕しなければならなくてつたので、逮捕の請求を裁判所にしたのである。かように私は御説明申上げたのであります。それですからその前もう一月も半月も前から逮捕の理由があつたのだけれども、それを延ばして今日に至つたというのでなくして、だんだん捜査を進めて参りまして、そうしていよいよ逮捕しなければならない段階になりましたので直ぐ逮捕の請求をした、さように御説明申上げたと思つております。
○板野勝次君 その説明はすでに知つている。それから委員会はそれだけでは不十分だからといつて、今言つた開会の前後の問題について知りたかつた。だから今の檢務長官というのは、我々の意思というものは無視して、一方的に何か押付けて來ようとするから、我々の方には何も政治的に扱おうとしてもいない。むしろ檢察廳側の必要な事由について卒直に、何らの党利党略という立場でなくて聽きたい。一方的に必要なんだからといつて押付けて來ようというのでは、檢察フアツシヨということになつてしまう。その前の段階で、この委員会でちやんと頼んだことだと思うのであります。それに対する弁解をあなたはちつともされない。その点については卒直な見解を述べて頂きたいと思うのであります。
○委員長(村上義一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(村上義一君) 速記を始めて。
○政府委員(木内曽益君) お答えいたします。要するにいつどういう、調べの段階がどうなつた、こうなつたという経過を申上げれば、一番御明瞭になると思うのであります。併しながら、これは一々捜査の内容に亙る問題でありますし、尚殊に國会議員の地位を持つておられる人でありますので、愼重に捜査を進めて來ましたもので、無論逮捕の必要を生じた時期は開会になつてからのことであることは、先程申上げた通り、もういよいよ捜査の段階において逮捕しなければならない時期に達したので、逮捕の請求をいたした、こういうことになるわけであります。
○板野勝次君 ですから、その時期を、日にちの問題をこの前にいわれなければならん。
○政府委員(木内曽益君) 日にちの問題は、この前申上げましたが、先週の金曜日に、向こうでいよいよ捜査の段階に達したからと言つて、意見を徴しに最高檢察庁に來わけです。
○河野正夫君 そういうふうに最初から言えばよいのだ。檢務長官のピントが外れている。私たちは今日のうちにでも、何か最終的な討論終結まで至りたいと思つておる。ただ常識的な立場で、例えば十月の二日にいよいよ捜査を開始した。そうしてこうこうこういうことで、こういうふうになつたという、途中の調査段階を丁寧に説明しろというのではない。ところが、十月十五日に至つて、どうしてもこうだということで、こういう会議を開いた結果として、何日にこうだというので、こういうことになつた。こういうことをお述べなさいと言うのです。(「言いわけばかりしているからいけない」と呼ぶ者あり)
○中村正雄君 打切りの動議は成立したのと違うのですか。成立していないのですか
○政府委員(木内曽益君) それで先週の金曜に相談に來たので、先週の、その前日の木曜日にいよいよ千葉檢察庁においては、逮捕しなければならんという時期に達した。それでその翌日最高へ意見を徴しに來たわけであります。
○委員長(村上義一君) 今問題になつておつた件に御了承になつたと思います。前刻法務委員会の方から、連合審議を希望して來たのに対しましてお断わりしたのでありまするが、只今法務委員長が本委員会に列席されて発言を求められておるのでありまして、規定によつて発言を許したいと思います。法務委員長。
○門屋盛一君 その発言に異議あり。先に法務委員長の出席は断わつたわけだ。
○委員長(村上義一君) それでは尚御説明をいたします。それならば、前刻はこちらから謝絶したのでありますが、更に法務委員長を、こちらから慫慂して法務委員長だけ御出席を願うか、或いは連合会を開くか、こういうことをお諮りしたのです。で、お断わりをするということになつたわけであります。今度は規定に基づいて法務委員長が出席されて発言を求められておるのであります。
○委員外議員(伊藤修君) この問題に対しましては、すでに皆さんにおいて愼重審議されておるのでありまして、今採決の間際に私が発言を求めたことは、誠に時機を失しておるような感じがあるのでありまして、誠に皆さんに対して申しわけない次第であります。併し私個人としてではなく、これを私の方の委員会におきましては、各委員がこぞつて、いろいろ全員が本問題に対しまして深い関心を持つておる。であるから、本問題に対しましては、合同して審査に当りたいという熱意を表現せられて、遂に決議に至つた次第であります。さような次第でありまして、只今当委員会にその由を申入れましたところ、すでに審議が終結に近付いてるというような意味合からいたしまして、拒絶せられましたことと存じますが、ただ私の職責上、各委員から私に発言を求めて、次第の趣旨を伺つて置きたい、かような趣旨からいたしまして発言を求めた次第であります。すでに皆さまにおいて御質疑があつたことでありまして、私が只今お尋ねすることは恐らく重複することと存じますが、この点は御了承願つて置きたいと思います。ただ問題は、最近檢察庁が、全國的と申上げても憚らないと存じますが、市井に多くの事実が沢山あるにも拘わらず、これらに対しましては手が廻らずいたしまして、感情的か或いは名誉的か、名のある人或いは相当の資格のある人を殊更に檢挙せられることに意を用いておられる、こういう傾きが全國的にあるように感じられる。さような趣旨から本件をも取上げられるという一つの傾きがあるのじやないか。勿論犯罪があれば檢挙されることは当然のことでありますが、檢挙せられて、それを訴追に至るまでお運びになるのは敢て我々の干渉するところでないが、ここに逮捕してまで本件を摘発しなくてはならん心要性があるかどうか。すでに新聞紙上を拝見いたしますれば、本人は任意出頭して相当な供述をしておられるらしいのです。又関係者をもすでにお調べになつておるでしようが、多くは書類上のことと存じますが、それ以上に証拠湮滅の虞れあるかどうかという点が、我々として了承できないところであります。少なくとも國会議員を会期中において逮捕するという場合におきましては、証拠湮滅の虞れある場合、この一條件にかかつておることと存じます。勿論逃走の恐れとか、住居不定というような事実は、毫末も逮捕條件とはならんと確信して疑わないのであります。して見れば、証拠湮滅の虞れある、この一点にかかると考えられるのであります。この点が我々に了承できますれば、勿論同意すべきは、これは國家の檢察の運営において当然のことと存じます。この点にはつきりした御説明があつたかどうか。この点をお伺いいたしまして、私としてはその御説明を私の方の委員に傳えれば、私の職責は果たされるわけですから、その点を、申しわけありませんが、一つ皆さまは重複するかも存じませんが、御説明を願いたいと思います。
○政府委員(木内曽益君) 御質問の最初の、檢察庁においては、近頃市井に事件が手が廻らん程あるのに、それを十分やつておらずに、どうもいわゆる名士というような者を、感情的に乃至名誉心的にやつておるのではないか、この御質問に対しましては、決してさような考えを以てやつておるのでないことを申上げたいと思います。殊に本件の玉屋氏の事件につきましては、社長をしておられる千葉合同無盡会社の職員組合の告発にかかる事件であります。それから任意出頭云々の今お話がありましたが、これは先程も御説明申上げたわけでありまするが、昨日千葉檢事正の報告によりますると、九日の日に出頭いたしたことは事実でございます。午後三時半頃に出頭して、そうして事実の陳述に來たというのではなくて、ただ運営委員会で自分の逮捕の問題でいろいろ論議されておるが、これは決して自分が策動的なことをしてやつておるのでないのだから、その点は一つ御了承願いたいというようなこと等を、いろいろ陳情歎願して行つたというのであるという報告であります。それから逮捕を請求するに至りました事情につきましては、前回及び前前回にいろいろご報告申上げたわけでありまするが、問題は、千葉合同無盡社長として、二十一年から二十三年にかけまして、一千余万円の会社の金を着服横領したということが犯罪被疑事実になつておるのでございます。而してこの事件の取調べにおいて、尚その他に余罪が相当あるという疑いがありますので、これを十分調べなければならん。而もこの千余万円の金の横領問題につきましても、すでに帳簿等をいろいろ改ざんしてある。今後取調べる事件につきましても、さような実情であり、尚証拠湮滅をされる虞れがある。かように檢察庁は見たわけでございます。そうして現に玉屋氏は、本年の初めでございましたが、金融措置令違反で、千葉地方裁判所に起訴されて、目下公判に係属中であります。これの公判を開けずに今日尚おるのは、本人が言を左右にして法廷に出頭しないために、延び延びになつておるわけであります。さような点は別といたしましても、とにかく只今申しましたような事情で、どうしても身柄を拘束して調べる必要がある。かように檢察庁は考えましたので、裁判所に逮捕の請求をいたした次第でございます。
○矢野酉雄君 最前、中村委員から動議が出ましたので、私ももう直ぐにそれに賛成したいという心持を持つておりますが、これは新らしい歴史を初めて作る重大な問題でありますので、総裁並びに長官に特に私は、お帰りになる前に要望して置きます。それは檢察庁は、與えられたる法規に基いて職権を行使するに違いありませんが、併しながら最前三回に亘るところの長官の御説明を聴きますというと、ただ檢事が檢事の職権を行使する、その準拠すべき法規だけを唯一の準則として、その法規以上のものは憲法である。或いは更にこれに應じたところの國会法等は、当然檢事が職権行使の場合においては、十二分にこれを参案しなければならない。ところが開会であろうが、休会であろうが、そんなのは我々は何ら関係しないと、ここで高言せられた。そういうようなことは、いわゆる最前から門屋君が言われた檢察ファッショの具体的例証として責められてもいたし方ないと思うのであります。あなた方も初めてのことですから、手続き等において完備、満足に初めからできなかつたのは勿論であつて、私たちも初めてのことでありますから、それについての予備知識等も実はなかつたわけでございます。併し結局はいずれにしても人権を正しく擁護し、又檢察庁は檢察庁としての與えられたる職権を公正に適切に行使するように、これを守つて行くというのが我々の念願でありまするので、是非この議院運営委員会の各氏から、それぞれのご意見が出ましたので、十二分にこれらを御参案下さいまして、そうして第二回とこういうことがないのが願わしいことでありますが、絶対に、今回のごとく三回は開かずとも、十二分に公文書を以て我々が承諾すべきか、或いは拒否すべきかの材料を適切に提出されるように要望いたします。尚檢察当局のファッショ化、或いは非社会性を持つというような、これらについては法務総裁として、十二分に一つ民主國家建設のためにお考え下さつて、そうしてその檢察庁の適切なる権限の発動について、熱意を示して頂くように私は要望する次第であります。
○國務大臣(殖田俊吉君) 御質問というわけでもございませんが、熱烈なる御意見でありまして、よく了解したつもりであります。私も至極御同感であります。この度は最初のことでありましたので、恐らく法規の趣旨も取り扱いの仕方も十分肚に入らなかつたことと思います。今後は十分注意いたしまして善処いたしたいと思います。私に御要望の御趣旨は誠に私共御同感のことでありますから、十分注意いたしまして、御希望に副うようにいたしたいと思つておる次第であります。
○委員長(村上義一君) 先刻中村君から質疑打切の動機が出ておるのですが、質疑を打切つて御異議ないでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) では打切ることにいたします。討論に入るに先立ちまして、政府当局の退場をお願いした方がいいかと思うのですが、如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) じや、どうも有難うございました。
○中村正雄君 討論に入るのであれば、秘密会を解いて貰いたいと思います。
○委員長(村上義一君) 中村君から秘密会を解きたいという動議が出ましたが、如何いたしましようか。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) それでは秘密会を解くことにいたします。
   午後三時四分秘密会を終る
○委員長(村上義一君) 秘密会を終ります。討論に入りたいと思います。
○門屋盛一君 今官房長官が來たようですが、運営委員会の方に用があつて來たんじやないですか。
○委員長(村上義一君) そうです。
○門屋盛一君 用があつて來たんでしたら、それをやつてしまつたら……。
○中村正雄君 討論に入る前に、休憩の動議を提出したいと思います。と申しますのは、第一回の運営委員会のときに、どちらにするとしても、こういう件は満場一致でやりたいという話がありました関係上、討論に入る前に一應休憩しまして、座談的に意思の疎通を図つたら如何でございましようか。
○委員長(村上義一君) 中村君の御意見が出ましたが、如何でございましようか。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) ではそういうふうに取計らいたいと思います。それでは暫く休憩をいたします。
   午後三時五分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時十五分開会
○委員長(村上義一君) それでは再開いたします。玉屋喜章君の逮捕要求に関する件につきまして、御意見を伺いたいと思います。
○中村正雄君 討論を省略いたしまして、直ちに採決を願います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) 御異議ないようでありますから、直ちに採決に入りたいと思います。この本件の逮捕要求に対して賛成のお方の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
○委員長(村上義一君) 全会一致と認めます。従つて参議院議員玉屋喜章君に対する逮捕請求は、これに應ずる、承諾を與えることに決定いたしました。尚本件につきまして秘密会といたしたのでありますが、その間の速記録を公開するや否やということについてお諮りいたしたいと思うのですが。
○中村正雄君 逮捕に承諾を與えることに決定しました以上、公開すべきであると考えます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○矢野酉雄君 これは一つの新らしき先例を作るという重大問題でありますし、而も各委員から非常に眞劍に、而も法務総裁並びに檢務長官に対して、相当適切なる質問を試み、又警告も十二分に発しておりますから、それらのものは、我が参議院が如何にこれらの問題について、愼重な態度を取つたかということを明らかにする必要があると思います。是非今の中村議員の御意見の通りに公開して頂きたいと私は希望いたします。
○委員長(村上義一君) 速記を公開することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) それでは秘密会中における速記録は公開することに決定いたします。
 小澤運輸大臣並びに佐藤官房長官から、公務員法の一部改正法律案の取扱い方について申入れを希望して、この席に列席せられております。尚本件はすでに前刻政府当局より参議院議長に対して申入れがあつたのであります。先ず以て松平議長よりその報告を伺うことにしたいと思います。
○議長(松平恒雄君) ちよつと私から御報告をいたして置きますが、先刻官房長官が参議院に見えまして、議長と小林事務総長と面会いたしました。官房長官からは、こういう申入れがありました。公務員法の改正法律案につきましては、迅速に一つ通過を願いたい、衆議院においては十五日に、参議院においては十六日に通過するようにお願いをしたいという、切なる希望を申出でられました。それについて、そのことは皆さんにここで御報告いたします。同時に更に官房長官もここに見えておりますから、じかにお聴きになつたらどうかと思います。
○委員長(村上義一君) 尚本件につきましては、委員長に対しましても、佐藤官房長官より先刻同様のお話がありました、御報告申上げます。佐藤官房長官から直接願いたいと思います。
○政府委員(佐藤榮作君) 只今議長並びに運営委員長から御報告がありましたように、政府を代表いたしまして議長をお訪ねいたしまして、政府の國家公務員法の仕上げについての希望意見を申出たわけでございます。ご承知のように國家公務員法の改正につきましては、この法案の重要にして緊急成立を見たい。かような希望を開会の劈頭より、政府といたしましては議会に対して要望いたして参つておるのであります。最初会期を十日にお願いいたしたいとかように申しました際におきましても、國家公務員法の改正の法律案は、その緊急性に鑑みまして、その会期中の中におきましても、できるだけ短い期間において御審議を終了して頂きたい、かようなことを申上げてお願をしておつたのであります。その後開会を見まして、國会の審議その他の状況を見まして、これが急速に審議終了することにつきましては、幾多の事情があるやに見受けられるのであります。政府といたしましては、今日までのところ、できるだけ短い期間に成立を要望する、お願する、かような申出はいたしておりますものの、まだ日にちを限るというような段階にはなつておらなかつたのであります。本日この審議の日限を衆議院に対しましては十五日、参議院に対しましては十六日までに、この審議を終了して頂きたい、かようなことを申入れるように相成つたのであります。これを政府が申入れをいたすようになりましたにつきましては、政府といたしましては、諸般の事情を勘案いたしまして、かような申入れをいたす次第であります。どうか皆様方におかれましても、政府の意のあるところにつきまして御了承を賜わりますと同時に、何とぞ御協力、この申入れにつきまして御承認を得たいと、この機会に重ねてここにお願申上げる次第であります。
○委員長(村上義一君) 只今長官から直接申入れをお聴きになつた通りであります。何か御質問があれば……。
○板野勝次君 只今の官房長官の説明では、少しも了解し得る点が説明されていない。諸般の情勢云々と、何か急激に変つて來たように、諸般の情勢をみてというのはいろいろに想像されるので、諸般の情勢というものを先ず明確に示して貰いたい。
○政府委員(佐藤榮作君) 諸般の情勢と申しますのは、諸般の情勢でございまして、誠に不親切なお答えをいたすようでありますが、この内容は、私共がいろいろこの問題の取扱いにつきまして考えられる事情を考えてと、かような意味でございます。一應これで御了承を願いたいと思います。
○板野勝次君 その今の事情というものがはつきりできるんですか、できないんですか。それから一つには、今勅令の五百四十二号にしても、政令二百一号にしても、憲法を無視して勝手におやりになつているので、自由に大体公務員法が通過しなくても支障がない、勝手なことをおやりになつているのに、今のような事情だけではどうも十五日、十六日でなければならないという事情も分からないし、前には大体公務員法が通過するのには十日間くらいだつたが、それが急に短縮されて來たというのも、そういう抽象的なものでは少しも分からないと思います。國会における答弁の状況等を見ても、いずれももう不深切で、何でもかんでも國会議員の審議権を無視して、抑えつけてやつていくというふうにしか了解できないのであります。もう一つその事情というものが、なぜ明らかにすることができないのか、その理由も一つここではつきりさして貰いたいと思います。
○政府委員(佐藤榮作君) 只今申上げますごとく、政府といたしましては、國家公務員法改正の法律案を、できるだけ早く審議を終了して頂きたい、かような観点から考えられますいろいろの事情を考究いたしまして、只今のような申入れをいたしておるのであります。
○中村正雄君 只今の長官の御説明分りませんが、いろいろの含みを持つて、察して呉れというのだろうと思うのですが、私その点につきまして御質問いたしたいと思いますのは、十六日までに公務員法案を通過して貰いたいという情勢に迫られておると、然らばこれの裏表の関係にある賃金ベースの改訂も、十六日までに通過させるという情勢の変化はありませんですが、どうですか、お尋ねしたいと思うのです。
○政府委員(佐藤榮作君) 只今申入をいたしておりまするのは、公務員法の改正に関する法律案についてであります。
○中村正雄君 只今の長官のお答えですと、公務員法のことは分かつておりますが、公務員法をどうしても十六日までに通さなくてはいけないとい事情が生ずるということは、同時にこれと裏表をなしておりまする賃金ベースを含むところの、補正予算の通過も同時になすべきであるということは当然なことであると思います。にも拘わらず、公務員法だけが諸般の情勢に迫られておるということは納得できません。納得できるように一つ御説明願いたいと思います。
○政府委員(佐藤榮作君) 先程申上げたのと同じようなことを重ねて申上げるのでありますので、その点は御了承頂きたいと思います。
○佐々木良作君 議事進行について……。新憲法の民主國会で、こういう禅問答が、こんなところで行われるという馬鹿なことはないと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)議事の進行について、例えば速記があつていいにくかつたら速記を止めるのもよかろうし、どういう方法でもいいから、何かもう少し進行のできる方法を取つて貰いたい。或いは政府の方で申入れだけして、勝手にやつてもいいということで、禅問答が禅問答だけで、中は分からないということなら、分からないでいいですが、とにかくそういうふうにして、内容が進展できるように、運営できるようにやつて頂きたいと思います。
○門屋盛一君 佐藤官房長官だけでなしに、小澤運輸大臣、林副総理もお見えになつておるようですが、私は大体この公務員法の上程されました時から、これはなるたけ早く出さなければならんという考を持つておつた。併し政府のお出しになるのに、一つも公務員の生活の安定とか、福利施設に対することが一つもこれに伴つて來ていない。これは無論いろいろ予算の組みにくいこともお察しできるのですから、予算としては組めなくても、この前運営委員会と常任委員長の懇談会の折には、然るべき緊急の処置を取るというようなお話があつたのです。それで上程されまして今日で四日経つておるのですから、補正予算は出せないけれども、これに対してはこういう処置を取るというような、何かはつきりした、安心のできるような方法をお取りになれば、我々良心的に審議できるわけです。昨日も私質問いたしましたし、昨日以來の本院における議場でやられておるところの質問からお考えになつても、ちよつと今の十六日までという御要求は、少し國会及び國民をお考えにならない勝手な御要求のように聞えるのであります。併し早く出さなければならないという事態はあらまし想像が付くのですから、今の日本が、今の佐藤長官のような禅問答でやられたのでは話にならない。政治を経験なさつたところのあなた方の方から、何とかここを速記を止めるなり、何なりして、本当の肚を割つたお話をして貰つた方が私は話し易いと思うのであります。それから我々の方では早くやりたいために質問者なんかでも、衆議院と比べてずつと制限できるだけ制限して、時間もできるだけ制限してやつておるのですけれども、それに対する今日までの政府の、何と言いますか、協力というものは余りよくない方なんですよ、卒直に言いますと……。それで当院における公務員法の審議は、大体小委員会にかかつておるわけですが、新給與水準、あの問題の六千三百円ベースを鵜呑みにせよとは言わないのですが、それに対することと、それから福利施設に対する補正予算化したものを、至急提出すべしという要求決議案が上程されるような状態になつております。この決議案を出すということも、決議案でも出して、早くそれを出して貰わないと、公務員法が早く上げられないという状態にある程なんで、ただ公務員法を急げ急げと言われるけれども、七月からやつておつたと総理は言われるのですけれども、七月からあなたの方でも、民自党の方でもおやりになつたのでしようが、おやりになればなるだけ、そういうものは必要であるということは、よくお分りになつておる筈なんです。そういう急ぐ事情はあるが、十六日までと言わずに車の両方の輪を揃えて、何日までというお互いの納得のできるようなところでおやりにならないと、國家のためによくないと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)この際お互いに、今度だけ超党派的に考えて、十分協力するところは協力しますから、一つ肚を割つてやつて下さい。一つ議事進行を……。
○國務大臣(林譲治君) 御尤ものお話のようにも考えましたが、只今のところ官房長官が申上げたより以上に、申上げられないような事柄を、むしろ私の方から御賢察をあなた方の方にお願いたしたいと思うわけであります。
○河野正夫君 先程門屋さんから非常に穏当な御意見が出たのでありまするが、私はそういう穏当な御意見を出すまでもなく、現在の長官のお言葉に対して非常に憤慨を覚えておるのであります。併しながら門屋さんは成る程老巧な、そうして参議院議員の風格を以て、何とか円満にやるというので、副総理にまで御答弁を求めたというのですが、それ以上のお答えができないのならば、更にあなた方政治家としての良識について疑いたいのであります。というのは、只今のような説明で参議院の議員を納得せしめ得るというのでありますか。あなた方が地位を変えて考えたときに、さようでございますか、じや御尤もですと、我々が皆言うと考えておりますのですか。そうでなければ、さつきおつしやつたように速記を止めて、こうこうこういう事情で、こうであるからとか、或いは秘密会を要求して、こうであるから、何とか願いたいというのであつても、我々了承するか、しないかは、ともかくとして、それだけの肚を割れと、こう言うのです。それでなかつたら、あなた方は一体我々を愚弄しておるのです。(「そういうことになる」「その通り」と呼ぶ者あり)あなた方が地位を変えて考えてごらんなさい。何とか訳の分らない言葉で、十六日までにやつて呉れ、はあ、そうですかというような、でくの棒が揃つているとお考えですか。その点どうですか、もつとちやんとした心棒のある答弁を願いたい。
○政府委員(佐藤榮作君) 只今の御意見誠に御尤のようにも(笑声)私共は感じます。(「ようではない」と呼ぶ者あり)先程衆議院の方の議会運営委員会におきましても、実は秘密会なら話合ができるか、かようなお話がありまして、実は事前に秘密会になりましても、これ以上のお話ができませんと実は申したのでございますが、皆様方の御決議に基きまして、秘密会を開催せられたのでございます。從いまして、この運営委員会におかれまして、秘密会議をお開きになりますれば、これは私共の別に関與するところではないのでありますが、実は只今申上げます諸般の事情を勘案してと申上げまたこの事柄につきましては、実はこれより以上のお答をいたし兼ねるのでございます。私は皆様方のお立場は、議会の議員の皆様といたしましては、至極御尤なことと思いまするが、同時に私共政府の者といたしまして、本席に参りましてお話申上げます事柄も、只今申上げるのが実は限度でございます。これらの点を御了承頂きたいと重ねて申上げます。
○板野勝次君 只今のお話全く分からないのですが、実は私は本会議で質問の冒頭に、吉田総理に、この公務員法の問題は至上命令とされているけれども、併しその内容の具体的な檢討については至上命令ではないと思うと、ですからその審議について賛否を明らかにする場合においては、各議員が個人の政治的責任においてやられるものであるか、どうかということについての質問に対して、総理はその通りだ、國会議員の責任においてやるというのであるならば、今のような國会議員の審議の期間を制限するのでは、総理の答弁と今官房長官の考えているのとには食違いがあると思う。それでは、総理はここの議場においては審議権を無視しないということをあの場合表明している。それと食違つて來ていると思う。そういう点について官房長官がここで説明ができないのならば、総理の出席を求めて、総理が直接にその事情について話をして貰いたい。私は只今の問題に対する官房長官の答弁を求めると共に、速かに総理大臣の出席を、委員長において取計つて頂きたいと思います。
○政府委員(佐藤榮作君) 私共会期はすでに國会におかれまして、今月一杯とお決めになつているのでございます。勿論これにつきまして、政府がとやかく申上げる意志は毛頭ありません。又審議そのものも、國会のもともとの権限においてなさることでありますので、これは私共がとやかく申上げるべきことではないのであります。ただこの國家公務員法を改正する法律案の審議を十六日までに終り、その法案が成立いたしますように、是非共して頂きたい、かような申入れを議会にいたしているのでありまして、國会の審議権を無視するとか、否定している、かような考えのないことは皆様方にはよく御了承頂けるのではないかと、かように考えます。私共は重ねて申上げまするが、國家公務員法を改正する法律案を審議並びにその審議を終つて頂くにおいて、十六日までにお願したいと思つているのであります。決して國会議員の審議権を否認したり、或いはとやかく考えているというものでないことを、重ねてこの機会に申上げて置きます。
○板野勝次君 全く無視しているのではないですが、審議権を制限してしまつているということは明らかなんです。官房長官は、先程もこれ以上は自分としては申上げられないというのですから、やはり内閣の責任者である総理大臣の出席を求めて、この今の申入れに対する内容について説明を求めて貰いたいと思います。これは一つ委員長にお願して置きます。
○國務大臣(林譲治君) 総理が出ることも御尤もと思いますけれども、私共もただこちらに伺つたわけでもありませんし、責任を以て私共こちらに臨んでおるわけなので、これは先程官房長官からも申上げましたので、全然これはこちらが強制的のような、或いは拘束するような氣持でありませんで、こちらからの眞に希望として、十六日までということを申上げておるわけでありますから、どうかその点篤と御了承をお願いしたいと思います。
○矢野酉雄君 このままで行つたら、恐らくこれは今夜中かかつても結論が出ませんので、これは政府だけの意思は、今だけの問題で了承できると思います。ただこれに対する批判はそれぞれ自由でありますが、丁度最前から佐藤さんがおられるところに檢務長官がおりまして、かなりいたく僕たちは叱つて置きましたが、これはでしやばりかもしれませんけれども、それぞれの人の性格を修正なさいなどとは申しませんけれど……成るべく國会と協調して、そうして眞に民主國家を作つて行くための法律案であり、又予算案であるから、十分その点御勘案下さいまして、御希望は御希望として、当委員会は当然それを承諾するという意味ではなく、聴き置くというような結論を出して、当委員会の意思は別個にこれは考うべきであるから、政府の要望は要望として、ただこれで聴き置くことにしたらいいと思います。
○門屋盛一君 今あれ程に質しても、林副総理も我々はただ來たのではないと言われるけれども、これは失礼な言い分ですけれども、官房長官が言われるのと同じような、そういうことなら、官房長官は果し状一本持つて來たのと同じようなことになるので、それならお氣の毒ですが、その取扱いは矢野議員のおつしやるようなお取扱いにするより、しようがないと思うのでございますが、幸い先程私が議事進行の折に申上げましたように、一生懸命審議をする。而もこれは第一次吉田内閣のときにできた労働組合法によつて、全然與えていなかつた権利を與えるとか、與えんとかいうのではなく、與えてあつたところの権利を取上げるものは取上げてしまつて、七月以來生活に困つておるものをそのままにして置いて法案を通せということは、或いは特別な何か関係があるものとしましても、我々は良心的に非常に困難な立場にある。これに対して政府の方でも、今國庫で七百億か、一千億の予算を組めと言つたところで、それはちよつと私が今大藏大臣になつても、今直ぐではよう組みきらんと思う。それから今人事院の発表したところの六千三百円ベースを、そのまま呑めということもいろいろ議論がある。それらのことはこういう実情である。世の中は外から見たのと、内に入つて見たのとは違うことがあるのですから、幾ら在野時代にああしろ、こうしろとおつしやつていても、今の日本の世の中では御承知の通りでき兼ねる。これはやらんのではない、でき兼ねる。だから予算を組めと言つても組めないし、できないことがあるから、七月以來困つておるところの官公労の諸君に対しては、これだけの処置を取つて、これは委員の方でお骨折りだろうけれども、その点だけでも取つて來て、何かここへ見返りをやつて貰わんと、(笑声)十六日までにやれ、二十日までにやれと言つてもあなた方も長い間の國会生活であつて、恐らく……佐藤さんは呑氣なことを言われることかも知れないけれども、あなた方二人は言えんわけです。(笑声)あなた方は折角総理を輔佐されておるから、総理の方にもそれだけのことは私が十分に言つておりますから、理論的に多少給與ベースなどの問題に異論があるとしても、恐らく参議院全体がそういう空氣であろうと思います。これにも拘わらず、ただ法案だけ通せばいいのだという行き方で來られることは、國会を通じて國民に対する聞えもよくない。我々はどうしてもそれだけは、是非十六日ということを御主張なさるならば、ここへおいでになるまでに篤と……今日公務員法を出したのではなくて、昨日から質問が出ておるのですから、大体の空氣はお察しのわけです。これだけのみやげを持つて行かなければならんということは分つている筈です。それをみやげも持たずに、ただ來て、一口言うたきりで帰ろうということは、どうしても解せないことなのです。政治は喧嘩したつて政治にならない、肚を割り合つて行きましよう。それが本当に何らかの臨時処置なり應急処置……これが十六日までの間に官公労の100%の得心は行かんとしても、何らかの御処置が執り得るのか、得ないのか、これだけ伺わなければ、何というむずかしい言葉、諸般の情勢ということは、考えても想像できるけれども、それだけでなく、今大臣の言われましたように、それと共に心配なされなければならんことがあるのじやないか、こういうわけなのです。是非一つお考え願います。
○國務大臣(林譲治君) 大体問題になつている点は、諸般の事情というのは一体何か、具体的にそれをお話しすることが私共國会生活として当り前のことだ、從つて閣議でもこれをお願いする際に、こういう諸般の事情、この点だけは話した方がいいのじやないかというような意見も出ておるのであります。併し現段階でそういうことを話すと、却つていろいろ議論が出るから、暫くの間御辛抱頂く間に分かるだろうというような意味で、誠に官房長官と同じような答弁の仕方をするのは残念ですけれども、大体そういうような氣持でおるのですが、先程の賃金ベースの改訂の問題ですが、これは御尤もな質問であります。今私共はこれを具体的にお答えする自由を持つておらんことが残念でありますが、政府といたしましては再三或る程度の成案を得まして、そうしてその成案で進もうという時期まで來たのであります。併しご承知の通り、これは政府だけでも決定できませんので、その案が最近通さなければならんというような事情に至つておるのでありまして、政府は公務員法の裏付けとなるいわゆる賃金改訂の問題につきましては、毎日閣議を開いて善後策を講じておるような次第であります。必ず私共は、今中村君からお話のあつたような点を無視して現内閣は進んでおるようなことは絶対にありません、ただ諸般の事情の一点張りは、私が運営委員であつてもやはり一言したいところなのです。実際こういう意味から言うと、どうも私は一緒に附いて行くのが残念だと思いましたが、どうもやはり一緒に附いて行く方がいいというので参つたのですが、最初の諸般の事情の具体的な問題だけは直ぐ分ることですから、暫く御辛抱願つて、賃金改訂の問題はお話の通りであります。ただ具体的に、こうなつたということを言えないことを十分御了承賜わりまして、熱意を持つているという点だけは、我々この委員会の諸君よりも優つていても譲つておらんと思います。
○門屋盛一君 今の関連で……それで諸般の情勢というやつは、矢野委員も言われましたようにそれを追及するわけじやないのですが、私は重ねてお願して置きたいことは、十六日という日にちの出ました点と、それからこれに対する緊急の裏付けをするというのは、どうせ貰つて來るところは同じところだろうと思うのですから、一緒に貰つて來て出して貰わないと、ちよつと困る問題じやないかと思うのです。これは閣議でも更に急いで御檢討を願いまして、これは大きい問題になりますよ、別々にやると……これはあなた方も御想像なさつておるでしようが、それが別々に行くと、恐らくこれは今の政治の段階に一大汚点を残すようなことになる虞れがあるのです。この点私はお願して置きます。それは責めるのじやなくて、國民の一人として本当にお願して置きます。ここは民自党がどうとか、社会党がどうとか、民主党がどうとかいう問題じやないのですから、それはいろいろの諸般の情勢で、ここまでに決めなければならんということになるから、それまでの間にこの処置でこういうふうにということは、必ず今度一緒に附いて押して行けると思うのです。それを一つ是非お願いします。そうしないとどうもこうもならんことになりますから……。
○佐々木良作君 大体禅問答が終りになりそうなんですが、最後に念を押して置きたいのですが、今の問題の中で、賃金ベースその他の裏付となるべき予算措置が、まだ見込が付かないというお話ですが、今日公務員法の審議の日にちとして希望意見を述べられました十五日、十六日、これまでに出るか出ないかということは今のところ見当が付かない、こういうのですか。
○國務大臣(小澤佐重喜君) 今の賃金の改定の問題は、根本的な問題はかなりむつかしい問題であることは皆さん御承知の通りであります。若し根本的な問題が困難であるならば、取敢えず暫定的なことも考える必要があるのじやないかというような意味から、暫定、恒久両方二本建で今研究いたしております。従つてその案が決定することが十六日までにできるかどうかということは、未だ確信を以て申上げられませんが、少なくとも政府といたしましては、その期間前にでも一生懸命やるという熱心さで、交渉すべきところへは交渉しますし、又研究するところは研究いたしておるのであります。併し今すぐ十六日にこうとか、何とかいうことは到底申上げることはできないから、ただ政府も熱意を以てあなた方の心配しておる点を十分夜遅く、又朝早くから閣議を開いてやつておるという点を御了承願います。
○佐々木良作君 その点は了解しますが、ともかくここに上げられておる問題は、公務員法の審議に関して、この参議院は十六日までにともかく上げて貰いたいという政府の希望が述べられたわけですね。そうしてその希望の理由としては言えない、諸般の情勢である、こういうことですね。そうして今の賃金の問題については、それまでにでも上げるべく力一杯努力しておりますが、確約はできません、こういうことなんですね。從つて我々が、ここで次にその上の想像は、これは個人的な勝手な想像であつて審議の資料にはなり得ない。從つて今ここにいわれただけの條件、つまりわけの分らない諸般の情勢と賃金ベースの問題、これだけで以てこの公務員法問題に対する政府の希望について我々が勝手な……というか、委員会で自由に決定していい、こういうふうなことになるのですか。その点は從つて希望を言つて、希望の理由はこうこうだと述べられた。私共はそれを審議の前提にしかできない、そういう取扱いをしていいのですか。
○國務大臣(小澤佐重喜君) 言葉の綾で言つておるので、私の方としては、この期間内に審議を議了することを希望する、併しながら参議院は参議院としての立場もあります。お考え方もありますから、その立場をどうこうするということには力がないのでありまして、これは参議院は自主的に適当におやりになる外途がないと思うのでありますが、ただ政府といたしましては、今十六日に審議を議了するということを最も熱心にお願いするという程度でありまして、あとは権能に基いて、どうお考えになるかは止むを得ないことであります。ただ我々の熱意のあるところを相当御考慮願いながら、御審議を進めて頂きたいと思うのであります。
○佐々木良作君 その熱意のあるところを考えながらやるんですけれども、それは感情問題であつて、ここに論議されておる問題は、あくまでも今の希望通りにこう出て來て、希望を達するような審議の仕方をするかしないかということは、その希望に付けられた理由を我々がどう判定するかによる。その理由の内容は明らかにせられない。從つて若し我々がこの希望によらない結論が出た場合、その場合の問題は、あれだけ言外に言うておつたにも拘わらず云々ということはないのであつて、あくまでもここに述べられた客観的諸般の情勢ということだけが理由に述べられたのであるから、その後出た情勢によつて、我々の審議が延びたからという責任は我々は取る必要はない。その点は小澤さんは十分お分かりになるかと思いますね。述べられた範囲内の責任だけでいいわけですね。
○國務大臣(小澤佐重喜君) 同じことを言つているのですが、あなたの方でおつしやる点はよく分つておりますが、私の方としては希望いたしております。その希望することは無理だというようなお話は、私は納得できまするが、ただ政府が希望しているのではありませんから、どうぞ理由の話せないことは遺憾でありまするが、我々が結論においては熱意を以てお願いするのでありまして、それ以上のことにつきましては、本院の自主的な立場で然るべくやつて貰うより外ないことは、言うまでもありません。
○河野正夫君 もはや聴く必要もないから、最後に私として一つ念を押して置きたいことは、先程から皆さんの御了解なさるところのいろいろな関係、諸般の情勢というのは、大体分からんことはない。私もそうじやないかと思つておつた。これはどうも明言されないで推察をしているのですけれども、こうではないという点だけは政府として言える点があると思うのでありますが、それを一つ伺いたい。というのは、すでに十日間の会期を要請せられた場合でも、すでにその日の新聞に出ておりましたことですが、十九日頃に参議院を解散する含みではないかというようなことが言われておりました。今回の十六日というのは、諸般の情勢といういろいろな諸般の情勢は、政府内部における解散氣構えの諸情勢も諸般の情勢であるし、それから我々の対抗できない方面の情勢というものも情勢でありましよう。けれども、袞龍の袖に隠れるがごとき言辞を弄して、解散という方向に持つて行くための一つの手段ではないということを御明言できますかどうか。それを一つ伺いたい。それから続いた給與問題につきましては、これを参議院の緊急集会というようなものにかけるというようなふうな氣構えがあるのじやないかと私は疑うのでありますが、そう聴いても、その通りそうだと言うわけには参らないと思いますけれども、(笑声)その点を明瞭に言質を取つて置きたいのであります。
○國務大臣(小澤佐重喜君) 解散を前提として十五日の審議を促進することは、現段階ではありません。從つて解散を前提とした参議院の緊急集会というようなことについては、勿論現段階においては、解散を前提としていないのでありますから、仮定を前提にして一歩進んだことは今申上げられませんが、仮に解散ということがあれば、そういうことが考えられるかも知れません。
○河野正夫君 現段階ではという意味は如何でありましようか。とにかく只今の情勢というのは、そういうようなことを顧慮しないで、別の事情によるというのでありまするか、どうか。
○國務大臣(小澤佐重喜君) その通りであります。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) 如何でございましようか。林副総理以下三名御出席になつて、前刻來いろいろ御説明を煩わしているのですが、まあお聴きの通りで、これ以上伺つても、もう余地がないようでもあります。尚前刻板野委員から、総理大臣の出席をお求めになつておりましたが、林副総理以下三名御出席になつておつて、こういう状態であります。如何かと思うのでありますが。
   〔「必要なし」と呼ぶ者あり〕
○板野勝次君 聴き置くだけのことですから、必要ありません。
○委員長(村上義一君) それじや、政府当局にもう退場して頂いてよろしうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村上義一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(村上義一君) それでは速記を始めて。本日はこの程度で散会いたします。
   午後四時二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     村上 義一君
   理事
           中村 正雄君
           大隈 信幸君
   委員
           梅津 錦一君
           松本治一郎君
           原口忠次郎君
           川村 松助君
          橋本萬右衞門君
           堀  末治君
           門屋 盛一君
           平野善治郎君
           河野 正夫君
           岡部  常君
           岡元 義人君
           高田  寛君
           矢野 酉雄君
           板野 勝次君
           佐々木良作君
           堀  眞琴君
           小川 久義君
  委員外議員
   法務委員長   伊藤  修君
  ―――――――――――――
   議長      松平 恒雄君
  ―――――――――――――
  國務大臣
   厚 生 大 臣 林  譲治君
   運 輸 大 臣 小澤佐重喜君
   國 務 大 臣 殖田 俊吉君
  政府委員
   内閣官房長官  佐藤 榮作君
   連絡調整中央事
   務局長官    朝海浩一郎君
   檢 務 長 官 木内 曽益君
  事務局側
   事 務 総 長 小林 次郎君
   参     事
   (事務次長)  近藤 英明君
   参     事
   (議事部長)  寺光  忠君
   参     事
   (委員部長)  河野 義克君
  法制局側
   法 制 局 長 奧野 健一君