第003回国会 地方行政委員会 第3号
昭和二十三年十一月十一日(木曜日)
   午後一時四十四分開会
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  本日の会議に付した事件
○派遣議員の報告
○地方自治委員会法案に関する件
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○委員長(岡本愛祐君) これより委員会を開会いたします。
 今日会議に付きまする事件は公報に載つており通りでございますが、政府委員が出席いたしますその前二、過般吉川末次郎委員と、岡田喜久治委員と、私と三名が派遣されました大阪市において開催された第十回全國都市問題会議、その会議の内容を御報告申し上げたいと思います。
 会議は十一月四、五の両日、大阪市で開催させました。六日の第三日は大阪市の諸施設を視察いたしました。参加者は全國から百六十余の都市の理事者が集り、尚学界、官界の実際家が出席いたしまして、約六百名の多数が参加いたしました。開会式には主催者側の懇請によりまして、私から祝詞を述べて置きました。会議の議題は、都市財政確立に関する方策についてであります。
 先ず主報告者たる荻田地方財政委員会の事務局長、それから地方税審議会の委員汐見経済学博士、それから小川吹田市助役の報告がありました。次いで三つの都会を設けまして、第一部会は都市の経費に関する問題、第二部会は都市の租税収入に関する問題、第三部会は都市の税外収入に関する問題につきまして、参加者の討議を行つたのであります。私共はそれぞれ第一部会には私、第二部会には吉川委員、第三部会には岡田委員が出席いたしました。部会開会の始めに当該の問題について意見を開陳し、これに対する質疑應答もあつたのであります。会において述べられましたる主報告の要旨、及び参加者の発言の要旨等は詳細な資料を以て専門員の手許で整理をいたしております。
 地方財政の調査料といたしまして、学界、官界、実際家の意見を網羅したものでありまして、極めて重要な資料と考えますから、機会がありましたら御一覧を願いたいと思います。又主催側たる都市連盟側としまして、この度の会議に参議院が特に委員を派遣して、会議の終了まで親しく各方面の意見を聽取し、國会の地方行政審議の上に参考に資する態度に出られたことに対して、非常に感謝をしておりました。又私共会議に参加いたしまして、この会議が極めて眞面目に都市財政の問題の研究討議に当つておることを認め、我々地方財政に対して抱いておる意見の一端を開陳する機会があつた。又委員の討議からして、我々委員会の審議調査上極めて有力な資料を得たと信ずるのであります。尚私が第一部会で発言した事項は、國家財政と地方財政の経費の配分に関する問題及び地方公共團体の財政支出の監査制度を再検討する必要があるではないかという問題であります。少し詳しくなりますが、まだ政府委員が見えませんから、その問題をお聞きに入れたいと存じます。で、この國家財政と地方財政の経費の配分に関する問題でありますが、今日都市財政の急激なる膨張は、インフレーションの進行がその主なる原因であることは勿論でありますが、新憲法下地方自治の確立のため、諸制度の徹底的民主化が行われつつありまして、例えて申しますれば、警察制度の改革とか教育制度の改革のごとき、行政各部門における幾多の変革が地方財政に多大の負担を來しておるのでありまして、これは否定することができない事実であります。而してその間に処する政府の財源的な措置が適当であつたかどうか、大いに問題とするところであります。而も地方財政は常に國家財政と重要な関連を持つております。從來國家財政法第一主義に禍いされまして、不当な圧迫を受けて來たことはすでに皆様の御承知の通りであります。第二國会において成立した地方財政法は、この從來の弊害を是正するために、國家財政と地方財政相互の関係に合理的な規律を與え、地方財政法の健全性を堅持する基本的原則を採用したものであります。而してその原則が実際に正しく運用されてこそ、始めて地方財政と國家財政の配分の適正が期し得られるのでありますが、我々参議院より地方に派遣されまして、地方財政改革後の実状を調査したところによりますと、地方当局者は政府が嚴格忠実にこれを実行して、地方財政の負担の合理化を図つて呉れるであろうかどうかということに一抹の不安を抱いておる向きもあります。実際問題として政府が財政法の規定の精神を無視しておる事例もないではないのでありまして、今後の運用に不安を抱いておるものがあるのであります。尚地方財政法に規定する國と地方との負担区分そのものについても疑なきを得ない点があるのであります。地方財政法にはこういうような場合の生ずることを予想いたしまして、地方財政法の規定に反する政府の措置に不服ある地方公共團体は、内閣を経由して國会に意見書を提出することができるし、内閣は又遅滞なくこれを國会に提出して國会がその当否を審査することになつております。この制度は從來なかつたところの新らしい制度で、地方財政法において初めて認められた制度でありますが、このことが地方團体側においてよく知られていないのであります。又勝つようされていないのであります。それで地方行政の当事者は大いにこれを利用することによつて新憲法による地方自治の権能を十分に発揮して貰いたいということを私が希望いたして置きました。我々國会の方面においてもこれらの点について大いに地方團体と協力せんとするものであるかということを一言申添えて置きます。
 第二の地方公共團体の財政支出の監査制度の問題であります。これは地方團体の財政の自主化に伴いまして、一面その地方團体の支出が非常に散漫に流れておつて濫費をする傾向があるということが指摘される向きもあるのであります。地方團体側はその点をらく是正して貰わなければならんということの反省を私は來会者に求めて置いたのであります。この点に関しては地方財政法が嚴からにこれを二條乃至四條に戒めております。ところが一例を挙げて見ますれば、地方公務員の人件費は年額六百億円程度で、地方財政の主要不分を占めております。國はこれに対して官吏と同一水準による財源措置を講じておりますが、地方によつてはこの水準以上の給與をしておつて赤字に苦しんでおる、苦しんでおると言つている向きもあるのであります。併してこれを中央においてはこれを規制する方法がないから、これを地方團体の自由に委せておるのが現状であります。又地方財政法の自主性尊重主義によりまして、中央の監督監査を廃したため、経理における不当な詞しゆつを敢てする公共團体に対しても矯正方法がない。こういう現状では國におきまして如何なる財源措置を講じましても、地方の財政需要は殆ど停止するところを知らないであろう。こういう虞れがあります。そこで地方財政の費用監査の方法を如何にすべきかは今後研究すべき重要な課題でありまして、これを從來のごとき中央官廳の事務監査的な方法によらず、地方自治権と調和し得る方法を以てする支出監査又は勧告の新方式を考慮することが大いに必要でないか、こういうふうに思われるのであります。尤も地方自治法によりますと、監査の直接請求規定があります。又地方財政法第二十六條による分與税の減額又は返還等の一種の制裁規定があるのであります。併しこの規定のみを以て果して所期の目的を達することができるかどうか、これは非常につかしいと考えられます。地方財政の腐敗を防止してその公正を確保し、吏員の綱紀を粛正する必要が特に強調せられとおる今日、現在の監査制度を再検討することが極めて必要であると思われるという意見を私は述べまして参考に供した、こういうわけであります。尚第二部、第三部は吉川さんからお話願いたいと思います。
○吉川末次郎君 私から特に大阪において開かれました只今御報告の都市連盟主催の全國都市問題会議におきまして附加えて御報告申上げることはありませんが、皆さんにその会議の状況をご理解願うためには、委員長或いは専門員の下で当日我々に配付せられました諸種の研究方法等の印刷物をお持ち帰りになつておることだと思いますから、この機会に各委員に御配付を願いたいと思うのであります。
○委員長(岡本愛祐君) それでは暫時休憩いたします。
   午後二時十四分休憩
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   午後三時十四分開会
○委員長(岡本愛祐君) それでは委員会を続行いたします。
 地方財政委員会は十二月の七日で以てこの存続期間が切れることになつております。かねて地方財政委員会につきまして、当委員会におきましても地方財政に止まらず、地方自治全般に亘つての委員会にした方がいいのではないかという考え方をしておりました。実は地方財政委員会法のできます前にそういう立案をこの委員会の前身である治安及び地方制度の委員会においていたしておつたのであります。ところが諸種の事情で地方財政委員会ができ上がりました。然るにこの度その委員会の存続期間を延長いたしますことに関連して、政府の方ではこれを拡大して地方自治委員会というものを作るように立案をいたされておるように聞いております。この件につきまして政府側から説明を聽取いたしたいと思います。
○政府委員(鈴木俊一君) 只今委員長のお話がございましたように、政府におきましては地方自治委員会というのを設けたいという考えで、目下関係法案を立案いたしまして、関係方面の了解を得次第速やかに今國会に提案いたしたいという考えで膳立を進めつつある次第であります。お手許に地方自治委員会法案とその要綱を差上げてあると思いますが、これは未だ正式に提案になつておりません。法案の準備段階の参考資料として御配布申上げた次第でありますが、將來の審議の御参考になるというつもりでございます。その資料に大体基きまして、地方自治委員会法にきまして御説明を申上げたいと存じますが、尚最初に簡單にこの法案を提案いたしたいというふうに政府が考えるに至りました経緯につきまして申上げたいと存じます。
 前内閣の時代におきまして、全國の知事会議、それから市長会議、それから縣の町村長の会長副会長会議という三つの全國單位の会議が相続いて召集されまして、その際にこの地方自治委員会のことに関しまして、各地方團体の代表者から要望があつたのであります。この要望の概略を申上げますと、知事会議におきましても市長会議におきましても、又町村長の会長副会長会議におきましても、いずれも大体同じような方向の要望であつたのでありますが、どうも最近のこの政府部内における地方自治関係の機関といえば、総理廳の自治課と、地方財政委員会、この二つだけでありまして、地方自治の問題について全般的に地方團体と十分に緊密な連絡をとつてこの地方團体の意向を、政府がいろいろ定めます施策の中に織込んで行く、又政府の別に見地から作られます施策について、地方自治の立場からの必要な調整を加えて行く、こういう機構が十分でなくて困る。又地方で災害等が起こりました場合に地方の知事なり市町村長がそのときそのときには出て來るけれども、それでは窮極的な、事柄の解決にはならないで、資材の問題にしましても、資金の問題にしましても、予算の問題にしましても、やはりそれらの陳情が終つたあと、それが具体化するように中央の関係の各省に連絡し、推進をして行くというような役割を持つ機関が是非欲しい。要するに地方自治体の立場からいつて、政府部門におけるしつかりとした足掛かりが欲しい、地方の声を十分に中央の各部面に反映できるようななものが欲しい、こういう声が地方にありまして、自治体警察の問題につきましても、その他の問題につきましても、最近は非常に困ることが多い、こういう地方の要望を十分に政府に連絡して、政府部内でそれを実現するというような使命を持つた機関を何らか考えられないだろうかというような要望であつたのであります。これに対しまして、当時の芦田総理からは、今の地方團体の要望はいずれも尤もだと考えるが、政府といたしても実はこの連絡が十分うまく行かないということについて非常に困つておるという実情にあるということを申しまして、ここ一、二ヶ月の間には一つ是非これが只今要望せられましたような線に從つて、地方自治の総合的な連絡機関ができますことについて努力したい、こういうことを申されておつたのであります。殊にこの市長会議、それから全國の市町村長の会長副会長会議の際におきましては、内閣が変わるということが概ね明確になつておりましたので、この問題については更に次ぎの内閣に十分に引継ぎをして実現するように努力したいということも当時附言をせられておつたのであります。又聞くところによりますと、前内閣の最後の閣議においても、この問題につきましては一つ自治委員会ができるように一つ努力しようじやないかというような話合いもあつたということを聞いてかるのでございますが、こういうふうな地方團体の全体の要望がございましたのと、又地方財政委員会の期限が十二月の六日を以て切れるということになつておりまので、この両方の考え方から、の今期國会におきまして、地方自治委員会を一つ是非成立せしめるようにいたしたい、そういうふうな努力を政府としてはとりたい、こういうふうに閣議において方針を御決定になつたようでありまして、それに基いて実は用意をいたしておる次第なのでございます。この法案につきましては、まだ関係方面の最終的な承認がございません。ちよつと速記を止めて下さい。
○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。
○政府委員(鈴木俊一君) そういうような事情でございまして、大体この法案のままで國会に提出することができると存じますので、以下簡單に各條につきまして御説明を申上げたいと存じます。
 大体この法案の行き方は國家行政組織法によります一つの雛型と申しますか、そういう書き方に從いまして、これは規定をいたしたのでございます。
 第一條は内閣総理大臣の管理の下に地方自治委員会を設けるということを規定をいたしておるわけであります。即ち総理廳部内の一つの外局であるというわけであります。
 それから第二條は任務といたしまして、地方自治委員会は、國と地方公共團体との連絡、地方公共團体相互の連絡協調を図りまして、「國家公益と地方公共團体の自主性との間に適切な調整を擁護し、」憲法にいう「地方自治の本旨の実現に資することを任務とする。」ということに規定をいたしておるわけであります。性格といたしましては第三條に、單に普通の國家機関とは違つて、「國の立場に立つと同時に、地方公共團体の立場を全國的に代表する機関」であるというところに特色を持つて行くようにいたしておるわけであります。それが働きます場合には、そういう地方團体の立場を十分に反映をする機関でなければならない、こういうわけであります。それから第二項におきましては、「地方自治委員会は、地方公共團体の事務の処理に対し、なんら統制を加えることを目的とするものではない。」ということを規定をいたしまして、從來の機関のように、上から下へと申しますか、下を統制をして行く、指揮監督して行くというようなことではなくて、即ち下からの意見というものを政府部内にあつて十分にこれを各施策の上に反映して行く、それが狙いであつて、即ち下から上への機関であつて、上から下への機関ではないということをはつきりと断わつたわけでございます。それから第三項は、現在地方自治に関しましていろいろな組織がございます。全國地方自治競技会連合会という名前で字の連合体がございますし、又部道府縣の議長の会合もございます。又全國市長会、或いは全國市会議長会議、或いは日本都市連盟というような、各種の有力な自主的な團体がございますが、これらは何れも地方自治委員会の設置によつて何ら活動を抑制せられるものではなくて、これらの團体がそれぞれの系統において、集約したところの地方の要望を政府部内において全部引受けて、地方自治委員会がそれが実現を図るように努力するという関係に立つものでありまして、何ら両者相対立するものではないということを規定をいたした次第であります。
 第四條は地方自治委員会の組織に関する規定でありますが、現在の地方財政委員会は國務大臣と、地方代表と、知事、市町村長の代表、その外に國会代表として衆議院から一名ということになつておるわけでありますが、これは両院制の建前から申しまして適当でないというところから、参議院からも一名代表を出す、そうして全体の数の関係を考えまして、学識経験者を一名出しまして七人と、こういう案にいたしておる次第であります。尚その任期は大体二年ということにいたしてあります。両院の議員から委員になられました人は、両院の議員の任期中に限る、二年の任期内に更に議員の任期が切れるという場合には、そこで在任期間が終るということで但書で規定をいたしておるわけであります。
 それから第五條は大体現在の財政の委員会の規定と同様でございまして、委員長は國務大臣を以て当てる、委員長が会議を総理し、委員会を代表し、職員の監督をする、委員長に事故がありました場合の代理者は、委員会が指名いたすということになつております。
 それから第六条は会務の決定は出席の過半数を原則といたしまして、可否同数のとき委員長が決するところによるという一般の原則によつたわけでございます。
 第七條は、委員の手当でござまして、國会議員が官吏になりました場合の手当につきまして特別の法律が出ておるわけでございますが、即ち原則として、つまり國会議員で官吏を兼ねる者は、手当を支給しない、ただ上廻る場合は差額だけ支給する規定があるのであります。それをこの委員においても準用しておるわけであります。
 第八條は、事務部局についての規定でございますが、これは外局の例によつて、官房を置きますが、その他に本質的の部局としては、連絡部、行政部、財政部、三つの部局を置く予定であります。その中で官房は普通の外局の官房と同じようなことをやりますが、眼目になりますのは連絡部があります。行政部と財政部というものは、行政部は現在の総理廳自治課の仕事をそのまま担当するわけであります。財政部は財政委員会の事務局が現在所管いたしております仕事をそのまま担当するわけであります。その点につきましては、権限等につきまして何ら制限がないのでございますが、連絡部は自治委員会におきまする主要な目的のため、特にこれを設けようというのであります。
 第十條の連絡部の所掌事務が一号、二号、三号と規定してありますが、第一号で、地方自治に影響を及ぼす國の施策の計画、立案、運営に関し、地方自治の擁護の立場から必要な調整的意見を内閣か関係行政機関に申出ること、國会において決定せられました法律とかその他につきましては、國家の意思がここで自主的に決定されるのですからいいのですが、政府部内限りでいろいろな省令でありますとか、或いは施策とかが決定される場合があるわけでありますが、この場合には從來地方團体としての立場からの意見が閣議で反映し得たのでありますが、内務省廃止後におきましてはそういう趣旨の主張をする主管大臣というものはなくなつて來ておるわけであります。その点が例えば出先機関の問題にいたしましても、その他の國政事務の処理の問題にいたしましても、その処理の方法等につきましては或いは経費の負担等につきまして十分に調整が行われていないというのが現状でありまして、地方自治に影響を及ぼす施策が政府部内で立案されます場合には、必ず地方自治委員会の方から必要な調整的な意見を地方自治の立場から内閣の閣議或いは次官会議或いはその他の関係の会議等に連絡をして申出る。その機能が連絡部の一番大きな仕事であります。第二点は國家行政組織法第十六條第一項の規定に基く内閣総理大臣の権限の行使について補佐するのでありますが、これは各省大臣の命令などでありまして、地方自治の本旨に反するものがある場合には、各地方團体の長から内閣総理大臣に対して意見を申出ることができるという規定があるのであります。そういう地方自治の本旨に反する各省大臣の命令等について地方團体の長から意見の申出がありました場合には三十日以内にそれを審査いたしまして総理大臣から各省大臣に指示をする。その他必要な処置を講ずる。こういう規定が十六條第一項の規定であります。この仕事を連絡部において担当するようにしたい。これはまだ行政組織法が施行になりませんので、將來の問題であります。施行になりました曉にはこれを所管いたしたい。これによつて地方の声が直接に中央に反映するようになると思うのであります。それから第三点は國と地方團体との連絡及び地方公共團体相互間の連絡協調を図ること。それは福井等に震災がある、東北で水害があるという場合には、福井の知事なり、或いは東北の知事が上京せられまして、関係各省に連絡する。それではなかなか本決りにならない。資材、予算なり、その他の問題についても連絡して、後を引受けて最後の決定をする段階まで押し込める、こういう仕事を代つてやる、或いは各地方のブロックの知事会議、或いは市長なり町村長の会議において、決議事項が決められる、要望事項が決められる、そういうものを引受けられて、それが政府部内の各省においてうまく行くように連絡する、こういう仕事が第三の仕事であります。これらが、地方團体が挙つて要望しておりまする一番大きな狙いの仕事でありまして、これらの仕事を所管するものとして連絡部を設けたいというのであります。行政部と財政部は現在の総理廳自治課、財政委員会の仕事でありまして、特に申上げることはないと思います。
 十一條、十二条はそうでありますが、十三條に委員会の権限としてずつと長く括弧のない数字で十三迄書きまして、十三が更に括弧のある数字で二十迄細かく分れております。それが括弧のない数字で十四というのが最後にありますが、これは各省や外局の機関の権限というのは成るべく細かく書いて明確にせよという國家行政組織法の考え方に從いまして、各法律にあります権限を詳しく規定をいたしたのでありまして、現在それぞれ法律にあるものを取纏めて申上げますと、括弧のない数字の一号から十二号まで、これは大体この官房的なところで所管をいたします権限でありまして、外局としては大体こういうような仕事を皆やるわけでございます。それから十三号は法律上特に権限を明瞭に書いてあるものを規定いたしたのでございまして、十三の括弧の第一から括弧の第八迄、これは行政部において所管をしております権限であります。それから括弧の九から二十迄、これは財政部において所管をしております権限でいります。それから第十四は大体拾つたつもりでありますが、その外に落ちておるようなもの、そういうもので委員会の権限に属せしめられたものを包括的に規定をいたしておるものであります。
 それから第十四條でありますが、これは地方自治に直接影響を及ぼす法令なんでありまして、政府が立案をいたします。法律案と政令案につきましては、閣議を求める前に関係各省から内閣総理大臣を通じて自治委員会に協議をして貰う。又命令案につきましても同様に公布前に総理大臣を通じまして、自治委員会に協議をして貰つて、自治委員会においては地方の立場からの意見を申し出で反映をする、こういうことであります。これも地方の要望に基いての権限でございまして、現在財政委員会にも同様の規定があるわけでございます。
 それから十五條は委員会が立案をいたします場合の手段として参考人の出頭と証言を求めることができるという規定でありまして、これも大同小異の規定が現在財政委員会の権限としてあるわけであります。
 それから第十六條は委員会の事務局に置かれる職員の問題であります。これは國家公務員法の定めるところによるということでそれは皆譲つておるわけであります。ただ國家公務員の任免等に関する規定が施行になりますまでは、從來の官吏に関する一般原則に從つて任免せられることになるのであります。これは別の法律に從つてそういうことになるわけであります。
 それから第十七條は職員の定員でありますが、これはやはり法律で定めることになつておるのでありますが、これは國家行政組織法の原則によつてそういうことにいたしておりまが、ただ國家行政組織法は目下のところは十二月三十一日まで又本國会でこれを三月三十一日まで施行時期を延しまして、四月一日から施行するようにいたしたいというふうに政府は考えておる模様でありますが、それまでの間におきましては、現状のこの政令で定員を決めるという方式で行くという考えで附則の第四項にそのことを規定をいたして置くのであります。
 それから十八條どありますが、これは自治委員会の運営の規定として自治的にこれを定めさせるという目的で委員会自身がこれを定める形になつております。
 施行時期であります、附則第一項は十二月七日から施行する、即ち財政委員会が十二月六日で期限が切れますので、その翌日からこの自治委員会が発足するというのであります。但し十條と十三條の規定は國家公務員法の十六條の先程御説明を申上げました。権限でありますが、これにつきましては先程申上げましたように來年の四月一日までは恐らく行政組織法が施行されないことになると思いますので、それまでは施行しない、その日から施行すると、こういうことであります。
 それから第二項は委員の選任に関する手続は十二月七日前でも特に行なつてよろしいということであります。國会から選ばれます委員が参議院、衆議院の指名ということになるわけでありますが、これはやはり議決が必要であろう思いますが、そういうことは十二月七日前でもできるということになるわけであります。
 第三項の規定は單純な読替への規定でありまして、十一條が國家公務員法に基いてこの委員会を設置すると書いてありますが、この國家公務員法もまだ施行になつておりませんので、そのなるまでの間にこの法律で同じように読み替えのこれは全く技術上の規定であります。地方財政委員会法は念のために廃止するわけであります。それは第五、第六項は「地方自治委員会の最初の委員は、全員が任命されるまでの間は逐次任命された委員だけで会務を処置することができる。」例えば國会が解散になりまして衆議院関係の委員が遂に選任せられなかつたというようなことがございました場合には、その者が欠けておりましてもその他の者だけで委員会を開くことができるということを念のために規定してあるわけであります。
 七項と八項は地方財政法当せん金附証票法の一部を地方財政委員会と特に揚げまして権限を決めておりますが、これも自治委員会に改めるという規定であります。
 大体簡單でありますが、以上の規定の法案を目下準備中でありますので予め御説明いたしました。
○委員長(岡本愛祐君) 以上の説明につきまして御質疑なり御意見なりをお願いする筈でございますが、次官の都合上もう一つ、政府委員かに説明を願いたいと思います。それは國家公務員法が一昨日國会に提案せられたのでありますが、それと関連して地方公務員法ともいうべきものが提案さるべき筈だと思つております。ところがそれがまだ提案の運びに至りませんのは、いろいろ事情があることと思いますが、その事情について御説明願いたいと思います。
○政府委員(鈴木俊一君) 只今委員長から御指摘のありました地方公務員に関する制度の問題でございますが、これは実は二つの区別けをいたしまして、一廳公務員制度を作ろうという考え方で今日まで進んで参つたのであります。即ち恒久的な地方公務員制度、それから地方公務員制度が恒久的なものが施行になりますまでの間の段階として必要な暫定的な地方公務員制度、この二つに分けまして、いろいろ立案の準備をして参つたのであります。この暫定的な地方公務員制度だけは本國会に提案いたしたいとこういうふうに考えて今準備をいたしておつたのであります。この暫定的な地方公務員法の内容として考究いたしておりました点は、國家公務員法の中で現在施行になつております規定は、人事委員会の組織に関する規定とかいうものを除きましては、実質的の規定としては、官吏の服務に関する規定だけであります。今度國家公務員法が改訂になりまして、当初から施行になりますものもやはりこの服務に関するものだけは考えておりますが、この服務に関する規定が、國家公務員につきましては、從來は官吏服務規律という形で規定されておつたわけでありますが、これに倣いまして地方の公務員につきましても、都道府縣の議員の服務規律、或いは市町村の議員服務規律ということで旧來の古い規定をそのまま使つておるのが現在であります。國家公務員につきまして新らしい公務員倣の服務の規定が公布になります以上は、地方公務員につきましても同様な考え方に立脚した服務の規定を適用すべきであるという考え方で、今度の國会には服務規律を一つ取敢えず提案したい、その他の全般的な地方公務員制度は到底今度の國会には間に合わないのでこの次の國会にして、その間のギャップは暫定公務員法という形で賄つて行きたいとこういう段取りで進んで参つたのであります。ところがなかなか関係方面との接衝その他がございまして、暫定公務員法を提出しないで次の國会に一本で地方公務員法、即ち恒久的な制度としての地方公務員法を提出することにしようというふうに政府は目下考えまして、そういう恒久的制度の立案に目下著手しておりまして、本國会には暫定的な公務員法は出さないことにいたしたのであります。これはマッカアーサーの七月二十二日の書翰に基きます政令二百一号が現在効力を持つておりまして、この規定が公務員の服務に関する新らしい考え方の最も根幹をなすところを規定をいたしておるのでありますが、この規定は國家公務員につきましては、法律の中に吸収せられるわけであります。地方公務員につきましても、將來の恒久的な地方公務員制度の中に勿論それを採り容れることになるわけでありますが、それができますまでの暫定的な措置としては、この書翰に基く政令を今暫くそのまま地方公務員に適用いたしまして、即ち次の通常國会までは、そのまま適用して行くという考え方にいたしまして、本國会には暫定公務員法は提案いたさないというふうにいたしたのであります。
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて……。以上の政府委員の説明につきまして御質疑がございましたら御開陳を願います。速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて……。外に御質疑ございませんか……。それでは藤井君から発言の要求がございましたから……。
○藤井新一君 やがて解散があるであろうと思うが、その結果において総選挙が近い中に施工されるように推定されますが、それについて地方行政委員会は相当な知識を知つて置き、又持つて置く必要がございます。その前哨といたしまして、去んぬる十月五日に縣並びに六大都市に教育委員の選挙が施行されました。それが如何に行わけれたか、その選挙が今度の選挙にどういう関連を持つて行くかということも知る必要がございますので、次の回に全國管理委員の方に來て頂いて、その選挙の過程を一應聽いて、そうして更に我々は小委員会を設けて、調査に行くとかいうことはどうだろうかということを発言いたしたいと思つております。
○委員長(岡本愛祐君) 只今藤井君から過般の教員委員の選挙に関する実情その他のことを全國管理委員会から委員長、その他の喚びまして、その委員会で説明を聽取いたしたいという御発言がございました。御異議ございませんか。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは火曜日に全國管理委員会の委員長その他こちらへ喚んで説明させることにいたします。それでは今日は散会いたします。
   午後三時五十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
           岡田喜久治君
           鈴木 順一君
   委員
           藤井 新一君
           柏木 庫治君
           島村 軍次君
           鈴木 直人君
           太田 敏兄君
           小川 久義君
  政府委員
   総理廳事務官
   (総理廳官房自
   治課長)    鈴木 俊一君