第004回国会 法務委員会 第10号
昭和二十三年十二月二十一日(火曜
日)
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  本日の会議に付した事件
○檢察及び裁判の運営等に関する調査
 の件(本庄事件に関し証人の証言あ
 り)
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   午後一時三十一分開会
○委員長(伊藤修君) それではこれより法務委員会を開会いたします。
 本日は檢察及び裁判の運営等に関する調査事件中、本庄事件について証人を取調べることにいたします。
   〔証人高宮英二君着席〕
○委員長(伊藤修君) 高宮英一さんですね。
○証人(高宮英一君) はい。
○委員長(伊藤修君) 先ず証言をお願いする前に宣誓をお願いいたします。宣誓は朗読によつてこれをして頂きます。
   〔総員起立、証人は次のように宣誓を行なつた〕
   宣誓書
 良心に從つて眞実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
        証人 高宮 英一
○委員長(伊藤修君) 宣誓をなさつた上で、嘘、僞りがありますと処罰されますから御注意申上げます。どうぞ腰掛けて下さい、高宮さん、おところはどちらですか。
○証人(高宮英一君) 埼玉縣兒玉郡本庄町四千二百四十九番地。
○委員長(伊藤修君) 何かお仕事をしていらつしやいますか。
○証人(高宮英一君) 物品販賣業です。
○委員長(伊藤修君) 御自分でなさつておるのですね。
○証人(高宮英一君) さようです。
○委員長(伊藤修君) あなたはまだお若いですね、二十四歳ですね。
○証人(高宮英一君) さようです。
○委員長(伊藤修君) 一家を持つていらつしやるんですか。
○証人(高宮英一君) さようです。
○委員長(伊藤修君) あなたの方にいわゆる本庄事件という事件がありましたですね。
○証人(高宮英一君) はい。
○委員長(伊藤修君) それについて、あなたが本庄町の愛町同志会というのを作られたことがあるそうですね。
○証人(高宮英一君) ございます。
○委員長(伊藤修君) どういう組織で、どういう目的で、どういうメンバーですか。
○証人(高宮英一君) 本庄事件というものが、一新聞記者岸君を大石町議が殴打したことから本庄事件というものが、政治上の相当なる問題として我々の町というものを大きく左右いたしまして、この本庄事件を契機として各政党の方々、なかんづく日本共産党の方々の動きというものが極めて我々の町のこの事件というものに便乘いたしまして、そして少なくともこの本庄町の事件というものは我々町民の自主的な力によつて解決すべきものであると我々こう考えまして、本庄町政刷新期成会というものに私個人といたしましては入会いたしました。それ以來町民大会に至りましたが、この町政刷新期成会の内部におきまして、私は所信を共にすることができませんので、私といたしましては、町政刷新期成会を脱会いたしまして、更に同志幾多と相誘いまして本庄町愛長同志会というものを結成いたしまして、この本庄事件というものの速かなる解決をすることによつて、本庄町のこの事件が禍根にならないように、更にこの事件の解決のために共産党の方々の党利的な、或いは党略によるところの行動というものを阻止すべく、そうして本庄町を我々の本当の自主的な力によつて解決すべく我々は愛町同志会を結成いたしました。
○委員長(伊藤修君) そうすると以前は期成同盟会に入つていらつしやつたんですね。
○証人(高宮英一君) さようでございます。
○委員長(伊藤修君) 期成同盟会を脱するということにつきましては相当の理由があるわけですが、ただ志が違うだけということでは抽象的で分りませんが、どういう点が違うのですか。
○証人(高宮英一君) 本庄のいわゆる事件というものが起りましたのが八月の十七日による朝日新聞の記事によつて本庄事件というものが第一歩を踏み出しまして、そしてそれ以來この暴力というものを本庄町から一掃するために、我々としても勿論その趣旨に、暴力を一掃するということは私としても大賛成でございまして、本庄町政刷新期成会が始つて以來私はその執行委員として本庄町政刷新期成会に加入して参りました。ところがこの本庄町政刷新期成会の方針というものが途中におきましていわゆる暴力團を排除するという以外に、更に政治的な意味におけるこの暴力團というものの現在まで存在していたということの政治的に責任追求に発展いたしました。そして町民大会を開催いたすことになりまして、町民大会の決議文の中に第一といたしまして、本庄町からボス、暴力團というものを徹底的に排撃する。更に第二の点においてこの暴力團というものを現在まで温存せしめたところの本庄署長並びに本庄國家警察地区署長、飯塚檢察廳の事務官並びに大場副檢事、こういう者の罷免を要求するという決議文を大体その線に行くべく期成会案として作つたのであります。このとき私といたしましては、少くとも信憑性のある事実を我我が掴んで、これに基いて或いは罷免を要求し、或いは辞職を要求するということは勿論私といたしましても当然であり、又結構であると思いますが、少くとも抽象的な廣義な責任論から追求して、そして本庄事件というものをいわゆるジャーナリズムによつて大きくクローズアップされたこの本庄事件というものの責任を、署長或いは副檢事というものに曖昧な責任論を以てこれを罷免させるということは本庄町の自治のために將來に又禍根を残すということを私も考えまして、期成会の準備委員会に対しまして信憑性ある事実はあるのか、又罷免を要求し得るだけの確固たる証拠並びにそれだけの事実があるのかと私は質問いたしましたところ、当時この本庄町政刷新期成会の中に入つておりましたところの約二十名近くの執行委員中におきまして、当時本庄町政刷新期成会の中心でありました読書会というものがございました。この読書会中の少くとも私の見解によつてはイニシァテイヴをとつているものと見られる中村秀吉君という方がございました。その方或いは青年共産同盟の方々、日本共産党兒玉郡細胞の方々は、少くともこの事件に対して今まで共産党の方々でデモを以て本庄警察に行つた、ところが本庄警察署長は責任を感ずると言つたから、それだけでもう責任を追究することは十分なんだ、それで辞めさせるという理由は十二分にあるのだと、こういうような見解でございました。私といたしましては更にそれではその準備会の席上へ本庄署長、或いは皆さんが問題になつておるところの公安委員というものを呼んで一つ内容というものを更に檢討して見たらどうであろうか、そうしてその公安委員、或いは署長に皆さんが疑つておるということ、或いは疑がある事項について一應質問をして見て、そうしてこの質問に更に我々として見て疑問の点があり、又署長並びに公安委員というものに大きな欠陷があるならば、我々としても当然罷免を要求し、或いは措置を要求するということは勿論結構である、こういうふうに私は主張いたしまして、そうしてこの大会決議の準備の決議案の線においては、私としては飽くまでもこれを町民の声として、町民大会の決定の線として、持つて行く以上においては、相当確乎たる自信と、相当の信馮性のある事実を握つてからでないと、少くとも我我の行動は破壊的になる虞れがあるということを申述べまして、当日署長、並びに公安委員の方々に準備会に出て頂きまして、そうしていろいろと懇談いたしました。ところがそのときにおきましては、期成会の方々は一切その署長、並びに公安委員の方々に対しては何ら容疑事項、或いは署長の涜職その他の問題について、相当疑の叫び、或いは疑の声というものもあつたのでございまして、こういう問題について質問したらどうかということを私は申上げましたが、以前において署長の方から種々詳しい弁明がございまして、それに対して期成会の委員としては誰一人として署長に対して質問をし、更に署長のこういう点はどこが惡かつたのだ、ここは署長としてはどういうふうにしたのだということを一切質問した人はありませんでした。そしてその晩、確か町民大会の前日でございましたが、その晩において最後の執行委員会がございました、この町民大会に臨むところの我が期成会の決議案というものの内容は、第一に暴力團というものを徹底的に我が郷土から排除する、更に第二におきましては檢察廳並びに警察当局に対しては、遺憾の意を表明て、我々は鞭撻の意を表する、町当局並びに町会議員クラブに対しても同樣の趣旨の鞭撻の意を表し、更に今後我我の監視を続けるであろうということを決議文の線で持つて行きたかつたのであります。それから最後に準備会の決定を見たのであります。ところが一晩おきまして町民大会の当日になりますとこの決定の線というものは覆えされまして、少くともこの決議案を持つて演壇に上つたところの期成会の代表の方々、私は決議案の第一である暴力團追放の件というものに対して、その期成会代表として演壇に上つて、これは満場一致で可決されました。ついで第二、第三の檢察廳並びに町当局の責任追放の面に行きまして到底いわゆる破壊的な言葉を以て、又は檢察廳並びに、警察の責任を追及し、更に罷免を要求するという町民大会の決定になりましたので、私といたしましては少くともこういうふうになるということは町民の意思というものを少くとも我々は反映して、町民大会を行つておる以上、勿論町民といたしましても、その言動が過激であり、その行動というものが果して眞の建設であるか否かという問題について相当憂いておる人もございました。又私も憂いを共にする人間でありまして、当日町政刷新期成会から脱会いたしました。
○委員長(伊藤修君) そうすると、その事実というものは、指摘された事実ですね、そういう事実は肯定されるのですか。
○証人(高宮英一君) どの事実ですか。
○委員長(伊藤修君) 期成会の方で指摘した事実ですね、決議文に現われた、指摘されましたところの事実ですね。
○証人(高宮英一君) あれでございますか、署長並びに公安委員の件ですか。
○委員長(伊藤修君) ボスの存在とか……。
○証人(高宮英一君) ボスの存在ですか。私はボスそのものの定義というものに対して相当自分自身といたしましても大きな疑いを持つておりまして、現在のところ本庄町において、或いは少くとも町政というものに自己の意思というものを大きく働かせる人間は、実行力のあるという者が殆んどボスと呼ばれ、或いはボスとして排撃それるという情況を齎らすことは、今後本庄町というものを一地方自治の團体という面から見ましても少くとも私は相当考慮すべき問題ではないかと思います。
○委員長(伊藤修君) いや、私のお尋ねするのは期成会の決議したその事項は、あなたは肯定されるのか、肯定されないのか。そういう事実はないとおつしやるのですか、あるとおつしやるのですか、どういうことなんです。
○証人(高宮英一君) 檢察官の涜職とか、或いは檢察廳の汚職という問題ですか。
○委員長(伊藤修君) ええ。
○証人(高宮英一君) 私はそういう問題についての噂とか、或いは評判というものについても二、三聞き及ぶこともあります。併しながら果してその事実があるか否かという問題については責任を持てる回答ということは私できませんです。
○委員長(伊藤修君) それからボスというものの存在ということに対してですね。
○証人(高宮英一君) ボスの存在ですか。
○委員長(伊藤修君) ええ。
○証人(高宮英一君) 少くとも法的に見たボスの存在というものは本庄町にはないわけです。
○委員長(伊藤修君) 本庄事件においていわゆる問題となるボスというのはあるのですか。
○証人(高宮英一君) 本庄事件におけるボスは非常に漠然としておりまして、どれが本庄事件だか……。
○委員長(伊藤修君) いや、私のお尋ねするのは期成会で以て決議した事件ですね。その事項についてですね。その範囲において……。
○証人(高宮英一君) 期成会の決議の事項であるところのいわゆるボスということは、期成会の決議にはございませんですが。
○委員長(伊藤修君) 暴力團というものですね。
○証人(高宮英一君) 暴力行爲が二、三あつたということは私としては勿論認めます。
○委員長(伊藤修君) その他の事項は……。
○証人(高宮英一君) その他の事項は警察の涜職、或いは檢察廳の問題に対しては私は知りません。
○委員長(伊藤修君) そうすると、罷免しようという決議は不穏当になるわけですね。
○証人(高宮英一君) そうだと思います。
○委員長(伊藤修君) 結局あなたたちがその期成会から脱会した趣旨は、そういう不確定な事項を決議するのだから、それには從えないと、こういう意味ですか。
○証人(高宮英一君) さようでございます。
○委員長(伊藤修君) そうすると愛町同志会を作つた趣旨は、從わないけれども、それをどうしようというのですか。
○証人(高宮英一君) それでその後更に本庄町事件というものを私期成会を脱会して靜観をいたしておりました。ところがそれが本庄事件というものを契機といたしまして、共産党の方々の活動というものは非常に熾烈を極めまして、或いは個人の暴露もやるし、又は公安委員会というものに対して暴露戰術を持つて相当微細な点に亘つて個人攻撃を開始し、更にこの本庄事件というものが何故起つたかということに対して或いは当時の芦田内閣の打倒を叫び、又はここに当時共産党の方々が本庄事件に対しまして撒いたビラというものがございますが、食えるだけ賃金を寄越せ、中小工業者、農民に対する收奪反対、或いは罷業権、團結権の防衞、公務員法の反対、民主人民政府を樹立するというふうな相当共産党の主張に從つたところの宣傳というものを開始いたしました。そこで我々といたしましては少くとも共産党の方々が本庄事件というものと、大きないわゆる西尾さんの不当財産取引委員会の調査におけるいわゆる起訴事件とか、昭和電工の收賄事件というふうな問題とすべて繋ぎ合せて、本庄事件というものは、少くともこういう問題が何故起るかは賣國四党が政権を獲得しているから起るんだ、或いは労働者の政権というものが日本にないからこういう問題が起るんだというふうに、共産党の方々の進出というものが非常に本庄事件に対して大きく介入いたして参りました。そうしてこのビラというものも殆んど本庄町の共産党の方だけでなくて、本庄町事件というものを契機として埼玉縣中、或いは群馬とか、栃木とかいう方の共産党の方々がすべて本庄町に参集しまして、毎日々々共産党の方々が街頭演説を行う、或いはデモを行う、そうして本庄町民といたしましても少くとも現在の経済段階にあつて或る程度の商人という者或いは営業者すべては大体勿論現在において、いわゆる闇取引と呼ばれておる何らかの違法的行爲も現在のところ行なつておるというのが実情であります。そうしてそういう問題に対しましても徹底的に共産党の方々或いは一部の方々の摘発というものによりまして、檢察廳は勿論それを知つた以上は摘発をしなければならないのであります。そうして摘発合戰ですね、共産党の人が期成会の人の中の闇というものを摘発して、これを檢察廳に内通する、或いはそれで摘発合戰というようなものを起しまして、共産党の方々も、やはりそれに便乘して、非常にそういうふうな騒擾というものが本庄町を大きく動かしまして、我々としてはこの共産党の方々の動きは、少くとも本庄町というものを勿論民主的にもあらゆる意味において建設する意味ではないと思いまして、共産党の方々の一旦排除を待つて、我々町民として眞に自主的にこの事件を解決して行こうじやないか、こうして眞相というものを明確に確かめて速かに解決をしようじやないかというような趣旨で同志が寄りまして、勿論私が主唱したのではございません。同志が集まりまして、愛町同志会というものを結成いたしました。
○委員長(伊藤修君) 今のお話を伺つておりますと、共産党に対して愛町同志会というものができたことになりますね、共産党の活動に対して……。
○証人(高宮英一君) まあ、共産党の活動と、更に私達のこの大会を、発起人といたしまして、檄を出したのが九月の九日でありましたが、このときにおきますところの我々の目標というものは、少くともこの本庄事件の長く続くということは、少くとも我々としてはこの事件そのものによつて本庄町が明るい町から却つて暗い町になるという虞れが多分にある、更に混乱によるところの本庄町の萎縮というものも考えられますし、そうして共産党の方々の行動というものに対しても反対でございまして、更にもう一つは本庄事件というものの眞相というものを一新聞社の記事というものに頼らない、すべてのジャーナリズム或いはすべての関係者という者の明確なる判断というものを待つべく眞相を町民に知らせる、こういう目的で我々は結局いたしました。
○委員長(伊藤修君) それならば期成会と別れて行くということの理由がはつきりしないのですがね。
○証人(高宮英一君) 期成会とですか。
○委員長(伊藤修君) 期成会と共産党と合体したもののように考えておりますが……。
○証人(高宮英一君) 期成会の態度ですね。我々が愛町同志会を結成する前日におきまして、期成会の幹部の方々と我々の代表と会談いたしました。そうして少くとも速かなる解決をしなければならん、その面に立つていわゆる共産党を排除して行くということが先ず第一の段階である。その問題に対して、期成会の意見と我々の意見と相異なる点というものも多々ございました。共産党に対するところの見解というものも、期成会におきましてはいわゆる容共的な態度を以て進んで行くという問題に対して、我々も到底期成会の方々と手を携えて行くということも勿論できないという見解に立ちましたので、別に愛町同志会というものを結成いたしました。
○委員長(伊藤修君) 期成会の人に言わせますと、いわゆる準備会のときに共産党と手を切つて、いわゆる一線を画して、期成会独自でそれが本庄問題に当るということになつて、共産党が別個の運動によつて、まあ先程のあなたの言葉のように、便乘して宣傳を開始した、或いは運動を開始したということだと、こう言つておりますがね、それは方が切れておるのじやありませんか。
○証人(高宮英一君) その問題ではですね。期成会の方々は恰も期成会が自主的な力によつて、勿論現在の我々が脱会した後の期成会というものが自主的な力によつて共産党と絶縁したというがごとく彼らは今になつては言つておるんです。併し実際問題として今になつて非常にいろいろなことを、又我々の方から期成会の方々の意見を申上げると非常に混乱しますけれども、少くとも私としては、期成会の内部にあつて共産党というものと絶縁せしめたいというのは我我であつたと、こういうことは私は断言して憚らんと思います。
○委員長(伊藤修君) その絶縁が大会の前日において決定したのじやないですか。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) そうすればですね、共産党は共産党としてみずからの力によつて、この事件に便乘して共産党の趣旨を宣傳したと、或いはデモをしたということになるのじやないですか。
○証人(高宮英一君) ですから我々は期成会に対して、いわゆる反共の線でこの本庄事件を解決しようじやないかということを第一に期成会に対して申入れました。ところが期成会といたしましては、共産党を何も排除する必要がない、こういう趣旨でございまして、或いは容共である、或いは反共であるという面において、期成会の方々の先ず第一歩において我々の意見が違つております。更に第二の問題におきまして、その後期成会の方々が共産党と絶縁されたと申しておりまするが、その後におきまして期成会のとつた行動というものの線が、以前の共産党の方々がイニシアティヴをとつておつた本庄町政刷新期成会というものの線というものを強く推し進めたということは事実であります。だから私は期成会自身が共産党であるか否か、共産党と目さるべきか否か、という問題に対しては、或いはその二、三の方々においては、共産主義的な思想を持つておられる方もございましようが、期成会すべてが共産党であるということは私は考えません。併しながら共産党的な態度において共産主義、共産党の方々の主唱をして來たことを政策的にそれを踏襲したということは事実であります。
○委員長(伊藤修君) だから結局そういう分子の人が準備会までは共に手を繋いで來たのでしようけれども、準備会においてはつきり分れたのじやないでしようかと言うのです。
○証人(高宮英一君) 私ははつきり分れたと言つても、構成員的には分れても、その政策を踏襲して行つておるということは、期成会は否めないと思います。
○委員長(伊藤修君) 分れたことは事実ですか。
○証人(高宮英一君) 分れたことは、分れたと言つても……。
○委員長(伊藤修君) 別個の行動をとつて、別々に行動しておつたということは認められるのですか。
○証人(高宮英一君) 町民大会の後においてですか。
○委員長(伊藤修君) いや、前日において。
○証人(高宮英一君) 前日において一旦分れたのは分れたのです。町民大会になりまして、ところが町民大会の、町政刷新期成会というものの決議事項というものの内容においては、共産党の方々の主張というものが大きくこれに作用されておるということは事実と思います。
○委員長(伊藤修君) 町民大会ですから、そこに共産党の人も來るでしようし、その他の人も皆の人が集つて來て、その意思によつてそれが決定された。だからそこへ來たことは、町民大会の本質上当然であり得べきことですね。
○証人(高宮英一君) 併しそれは私として考えまして、非常に本庄事件の町民大会の実場面というものを御覽にならないと、非常に私の話が分らないと思うのですけれども、実際の大会面において、一般町民の声というものが大きく町民大会に表面的に出るということは、実際的には困難であります。
○委員長(伊藤修君) それは、そのときの空氣が、いわゆる共産党の線が強く反映するか、眞の町民の声が強くそこへ反映して來るか、それはそのときの空氣とか何とかいろいろなものによつて支配されるでしようけれども、少くとも前日に共産党とは分れて、たまたま翌日の町民大会においていろいろな團体の人がそこに集つて、ああいう決議がなされた、その決議の中には、或いは共産党の從來主張しておつたことが強く現われたかも存じませんけれどもね、それはたまたま大会において現われただけであつて、運動自体は別個の線を辿つて大会に落著いたのじやないですかと、こう整理してお聞きしておるわけですが。
○証人(高宮英一君) 分りました。後で考えまして、共産党或いは共産主義者の方々というものと、学生の間におきましても非常に判別が……、勿論入党しておれば判別は明確でありますけれども、田舎においては明確に入党しておる人というふうな者は、それは三人や五人はあるでしようけれども、実際上においてはありません。併し期成会の方々の中において、イニシアティヴをとられた方々において幾人かの中に共産主義的な思想を持つておられた方があつたことは認めました。
○委員長(伊藤修君) 大体言うと、そういう線の人が強く働き掛けて、又期成会の人がそういう線を強く反対しておるという趣旨から、あなた達は期成会から別れて愛町同志会を作つた。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) それは愛町同志会としては先程おつしやつたように、明るい町にしようという意味で本庄事件の速かなる解決を念願し、町民に訴うという九月十日附のパンフレットをお配りになつたのですね。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) ここに盛られておることがあなた達の設立された趣旨ですね。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) それで、これによつて結成されてから、どうなさいましたですか。
○証人(高宮英一君) 結成されて……。この本庄町愛町同志会の結成というものがこの本庄事件というものの急轉直下解決の糸口になつたわけです。我々の会というものが結成されて、九月十日に結成されて、十二日に第一回の、委員会を開きました。そうして何でも二日間だと思うけれども、我々の会というものは二日切りなかつたのです。二日目に町会議員クラブというものが事件の收拾というものに立ちました。そうして我我の会というものを呼びまして、或いは期成会を呼びまして、本庄町の團体その他代表の方々をすべて集めまして、町会議員クラブが一切白紙を以て責任を以て善処するから一任して貰いたいと、こういう趣旨で話しましたので、我々の会といたしましては設立したというだけであります。それで二日目には、我々会員の意思もございまして、町会議員クラブにそれでは期成会も白紙一任すれば我々としても町会議員クラブの良心と、町会議員クラブの方々の人格というものを尊重して、これに白紙一任するということに決定いたしまして、白紙一任いたしました。
○委員長(伊藤修君) それは、あなた方の愛町同志会はそれで決定をいたしましたが、期成会の方もそういうように決定したのですか。
○証人(高宮英一君) 決定いたしました。
○委員長(伊藤修君) 共に解散したわけですか。
○証人(高宮英一君) そのときに解散したわけです。我々の方は紳士協定に從つて解散しても、依然として我々に対するところの非難というものは非常に偏頗に流れまして、私がこの地方のボスの手先である、或いはこの地方にあるところの保守政党の代表であるとか、又私が、もつとひどいことになりますと、この地方に起つておるところの選挙違反というものに連坐して、現在身柄不拘束のまま公判に付されておるというデマが出まして、私といたしましても非常に遺憾でありましたが、白紙一任いたしました以上、これに対する返答を一切いたしませんで、町会議員クラブにただ一度十三日の決定に基して飽くまでも我々は白紙一任したのであるから、町会議員クラブの良心的な行動と、これを一般の外の会の方々にも徹底せしむることを要望するという要望を一回出しただけで、それ以後は私の方では町会議員クラブの行動は監視いたしておりましたが、それ以後は行動はいたしておりません。
○委員長(伊藤修君) そうすると、あなたの方は事実上行動停止したわけですね。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) 期成会の方はその後ずつと行動をとつていたのですか。
○証人(高宮英一君) 期成会の方は私よく知りませんけれども、風評によるととつておるという話もあります。
○委員長(伊藤修君) 現在尚存続しておるのですか。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) そうするといわゆる町会議員クラブですか、町会議員クラブ、これは町会議員全部で組織しておるのですか。
○証人(高宮英一君) 全員で……。
○委員長(伊藤修君) そこに御一任になつたのですね。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) 白紙で一任したということはどういうことなんですか。
○証人(高宮英一君) 今までのいわゆる行き掛かりとか、我々の主張というものをすべて町会議員クラブが適当と認めた線においてこの事件を解決せしむる、町会議員クラブの良識と人格というものに信頼して行きたいというような趣旨でございまして、すべて本庄町産業團体、並びに農業團体、すべての方から我々に対しても勿論一つ町会議員クラブに白紙一任さしてやつて呉れ、我々はそれを監視しようじやないか、そういうような要請もございまして、我々といたしましては、町会議員クラブに一任いたしました。
○委員長(伊藤修君) 一任した会としては二、三の会だけですか、その他の團体もありますか。
○証人(高宮英一君) 本庄町の公安委員会、或いは本庄町の民生委員会、その他商工業者團体、或いはその後に署名運動というものが起りまして、この署名運動の発起人代表、その他すべてが白紙一任いたしました。
○委員長(伊藤修君) そのすべてというのは分つただけ言うて下さい。
○証人(高宮英一君) 本庄町労働協議会の代表の方方、それから本庄町労働組合と、それから青年團、それから婦人会、それから商工会議所、それだけでございます。
○委員長(伊藤修君) それが一堂に会したのですか。
○証人(高宮英一君) 一堂に会しました。
○委員長(伊藤修君) どこで。
○証人(高宮英一君) 本庄町の上町会館。これが十三日の夜ですから、僕の方が十日の第一回の準備会を開いて、そうして十一日に今申しました通りに結成しただけですから、その間というものは中に一日あつたというに過ぎないのであります。
○委員長(伊藤修君) 各團体とも皆白紙で一任したわけですか。
○証人(高宮英一君) さようでございます。
○委員長(伊藤修君) それで町会議員クラブで片附くと思つたのですか。
○証人(高宮英一君) 一番初めに白紙一任したのは本庄町政刷新期成会が白紙一任したわけですね。
○委員長(伊藤修君) あなた方も一任したわけですね。
○証人(高宮英一君) 最後に一つ我々が残りまして、すべての團体の方から私達に対して要請して來ました。そこで我々も事ここに至つてすべての團体が一任して、私の方だけが一任しないということは、本庄町会議員クラブそのものの権威を疑うことになりまして、我々が分派的行動をとることは本庄町のためによくないと存じまして、町会議員クラブに一任したわけであります。
○委員長(伊藤修君) そうして議員クラブはその後解決したのですか。
○証人(高宮英一君) 議員クラブが解決に乘り出して、本庄においてはすでに解決しております。
○委員長(伊藤修君) どういうことが解決したのですか。
○証人(高宮英一君) 例えば今までの公安委員会が辞職をいたしまして、後任の公安委員会を結成するとか、或いは後任の公安委員会の線を、期成会の方々の御意見というものは……、これは非常に個人的な話になりますけれども、期成会に加入された方々の中でも二、三年寄の方々もおられまして、その方々の名前とか、いろいろそういうような後任公安委員の候補をめぐつて一つの勢力関係があつたわけです。そういうものに対して私は今日町会議員クラブの結成というものは或る程度我々としても了承すべき線ではないかと思います。
○委員長(伊藤修君) 私のお尋ねしておるのは、一任されたところの町会議員クラブがどういう解決をしたかということをお聽きしておるのです。今まで問題になつておつた事項を全部一任されて解決したわけですか。
○証人(高宮英一君) さようであります。
○委員長(伊藤修君) その解決した事項をおつしやつて頂きたい。公安委員の問題はそれで……。
○証人(高宮英一君) 公安委員会の後任を決定した、その外に本庄町の事件というものの……、大体事件そのものもただ騒いだというに過ぎないのでありまして、実際問題として具体的な、或いは組織がどうであるかというふうな具体的な問題は、余り強くはございませんので、そしてその期成会がその行動を停止し、或いは新聞社の方々が、本庄町から本庄事件というものを記事に載せなければ、本庄町事件、本庄町というものの問題は何もないのですから……。
○委員長(伊藤修君) そんな馬鹿なことはないでしよう、あなたたちがボスがあるとか。或いは暴力團があるとか……。
○証人(高宮英一君) そのときはもう暴力團は檢挙されていました。
○委員長(伊藤修君) 檢挙されたからもういいというわけですか。
○証人(高宮英一君) いや、そのときの暴力團は本庄町のいわゆる河野組というもの、それ自身も一切檢挙されておりますし、それで又当時問題になつたところの、大石町議の問題というものも、少なくとも檢挙廳の手に渡りまして、もう本庄町自体の問題として、惡のボスがあるとかないとかいう問題は、結局私はないということを思つておるのですから、法的なボスというものはないということを……。
○委員長(伊藤修君) あなたの方ではないんですよ。町会議員クラブが何を解決したかということを聞いているのですよ。
○証人(高宮英一君) それは公安委員会というものの後任を決定して双方の線を公平にしたということで、それですべて私は本庄事件の組織的なものは解決したと思います。
○委員長(伊藤修君) 本庄事件の解決というものは公安委員の選挙にあつたのですか。
○証人(高宮英一君) そうじやありません。
○委員長(伊藤修君) そうでない、即ちそれで全部でないのでしよう。
○証人(高宮英一君) その外に勿論暴力の否定というものがあります。そういうものに対しても本庄町々会或いは本庄町の警察官、公吏の方々の、或いは腐敗堕落したものが若しあつたとしたら、公安委員会が責任を以て、更に町民の協力を求めてこれを強力に推進して行くという方向に、町会議員クラブが公安委員会の権限というものを十二分に動かすべく、公安委員会というものが、町会議員クラブに白紙一任したところの線を受けて、本庄町のすべての治安というものの交渉、或いは建設というものに乘り出した、こう見るべきであると思います。
○委員長(伊藤修君) そうすると河野組とか、大石というものが事件になつておりますから、それは檢察廳においておのずから解決するでしようが、その他の暴力團というものがあるでしようが、そういうものに対しては今お説の……。
○証人(高宮英一君) そういうものに対しては、我我は本庄町政刷新期成会におる当時から、非常に強く……、その当時本庄町に警民協会というものがございまして、その警民協会というものの内容というものが、非常に非民主的であつた、或いは独断的であつたという点に対して、多少のそういうこともあつたということは私も認めます。併しこの警民協会というものを一挙に解散して行く以上は、後に新たなる警察並びに公安委員を通じないところの、一般の町民と直接の連絡機関というもので、或いは町制の自治懇話会、或いはそういう形式にして、町民と警察並びは本庄町当局というものと、疏通をするような組織を、新たに作ろうじやないかという運動も、それ以後生れて來ました。
○委員長(伊藤修君) その際に警民協会に対しても何か手を打つたんですか、解決に……。
○証人(高宮英一君) 警民協会ですか、警民協会はすでにそのとき收支決算というものが、成立して、その後において、我々の組織というものに引継ぎ得るところの、本庄町の民主的な警安施設ができたならば、本庄町の警民協会は勿論、それに合併するに吝かでないというふうな趣旨の弁明のございまして、ただ建設面を待つだけということになつていました。
○委員長(伊藤修君) それに対して町会議員クラブはどういう処置をとつたのですか。
○証人(高宮英一君) 町会議員クラブですか。
○委員長(伊藤修君) そうです。
○証人(高宮英一君) それは当時又補選もございまして、町会議員クラブはその新たは組織を作ろうということに、現在私はなつておると思います。町員議員クラブの選出も大体有志の方々と協議会もございまして、一應お伺いしました。町会議員クラブとしても、警民協会というものに、今まで或る程度の弊というものが若しあつたとしたならばそれを除き、新たなるこういう團体を作るか、それとも又團体ということにしないで、町民との協議会形式にしようじやないかという方向に、持つて行くということを、町会議員クラブの方で言つております。
○委員長(伊藤修君) それからいわゆる本庄事件ですね、副産物として起つて來たいろいろの告訴事件がありますね。それに対しては。
○証人(高宮英一君) 私は関知しません。
○委員長(伊藤修君) あなたに聞いておるのではありません。町会議員クラブは、それに対してどうしたのですか。
○証人(高宮英一君) 一切の告訴事件ですか。
○委員長(伊藤修君) そうです。
○証人(高宮英一君) 告訴事件に対しては、町会議員クラブは全然今まで動いていないと思います。
○委員長(伊藤修君) それから署長の問題はどうですか。
○証人(高宮英一君) 期成会の方々は署長の罷免を決議の内容として決議されました。私は署長の罷免ということは……。
○委員長(伊藤修君) そのことは先つき伺つて分つておりますが、私の訊いておるのは白紙一任をしたというのでしよう、その町会議員クラブが何をやつたかということを訊いておるのです。
○証人(高宮英一君) 我々の主張の……、現署長というものが少くとも私達の町の治安というものを……、更にその事件というものを契機として、強く官紀というものを粛正して行くという方針に向つて進む以上、私としては現在の町会議員クラブが署長をそのまま残してあるという問題に対して、私は異議を言うわけはないと思います。
○委員長(伊藤修君) 何ら処置をとらなかつたのですか、條件を附して戒告を與えたというのですか。
○証人(高宮英一君) 戒告処分は出ておるのでしよう。
○委員長(伊藤修君) 町会議員クラブは戒告したというのですか。
○証人(高宮英一君) ええ。
○委員長(伊藤修君) それはね。署長に対してはどうしたかということを訊いておるのです。
○証人(高宮英一君) それは新公安委員に町会議員クラブは一任しました。
○委員長(伊藤修君) 新公安委員はどうしました。
○証人(高宮英一君) 新公安委員というものは、本庄事件というものによつて辞職させるとか、或いは罷免するということでなしに、現在の署長によつて本庄の治安というものを今後進めて行くということになつております。
○委員長(伊藤修君) それから警察官に対する問題は。
○証人(高宮英一君) 町会議員クラブとしても権限外であるというので……。
○委員長(伊藤修君) それで手を触れない。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) 前の署長に対しては何ら。
○証人(高宮英一君) 前の署長も直ぐ轉任になりました。
○委員長(伊藤修君) それは公安委員会でやつたのですか。
○証人(高宮英一君) それは國家警察の方ですから、公安委員会の権限外ではないですか。
○委員長(伊藤修君) それで発言しないのですか。
○証人(高宮英一君) 直ぐ轉任になりました。
○委員長(伊藤修君) 町会議員クラブの活動によつてなされたというわけではありませんか。
○証人(高宮英一君) そういうわけではないと思います。これは私の想像ですから。
○委員長(伊藤修君) それから大石氏の殴打事件とか、そういうものに対しては事件後、檢察廳の事件となつておりますから、その方に委してしまつて、町会議員クラブでは何の処置もしなかつたのですね。
○証人(高宮英一君) 町会議員の大石氏の新聞記者殴打事件に対しても、町会議員クラブは勿論非常に遺憾の意を表して、今後町会議員として町会議員同志、勿論本庄町民と共にこういう事件のないようにということを町会議員にクラブとして声明しました。
○委員長(伊藤修君) 先つきあなたのおつしやつたごとく、新聞報道がなかつたならば、それによつて終熄するという見方ですね、町会議員クラブとしてはその面に対して何らか処置をとつたのですか。
○証人(高宮英一君) とらなかつたのです。
○委員長(伊藤修君) どうしてとらなかつたのです。
○証人(高宮英一君) その新聞報道がなければという意味において、新聞社というものの方々が、あらゆる本庄町の事件というものを実際の線以上に……、私は「朝日」と方々或いは「毎日」の方々、何処と何処というのでなしに、少くとも新聞社の線というものが、却つていわゆる実際的に本庄事件というものの、渦中にある人たちの線よりも強くそれが現わされてしまつて、そのために各関係者の方々も行き掛かりというものもできてしまいまして、非常に線というものが自分の意思以上に、前進されるということを言つたことが今までにあつたのではないかという懸念も勿論多く持つております。
○委員長(伊藤修君) だから或る一つの事実を捉おも、それを強く表現するという方法もありましようし、あなたの言うのはそういう意味であすか。
○証人(高宮英一君) そうじやないんです。例えばですね。或る一つの事実というものに対して、新聞というものが強くそれを、過失というと語弊がありますけれども、少くとも過大報道というものをして行くと、非常に私としても新聞によつていろいろと迷惑も受けた面もありますし、各人の意思表示というものを、少くとも新聞というものの存在が、本庄町の事件というものを、こちらでああいうふうに言つた、あちらでああいうふうに言つたと、その翌日翌日、毎日の新聞に強く線を表わし過ぎて、それが却つて反感対立を生み過ぎているということは、私は思います。
○委員長(伊藤修君) 併し事実はそのまま國民に報道することは、新聞の使命だから、それは仕方がないじやないですか。
○証人(高宮英一君) 事実を相当大きく、又それ程強くないものを大きく……。
○委員長(伊藤修君) 強くとか、大きくとかということは取扱い方ですが……。
○証人(高宮英一君) その扱い方ですね。
○委員長(伊藤修君) あなたの言うのは、過大又は虚僞のことを報道したという意味ですか。ただ扱い方が強かつたとか、大きく取扱つたという意味ですか。
○証人(高宮英一君) 虚僞というよりも、新聞社自身にも相当……、私達自身が本庄町についても、今度の事件の眞相に対して、相当明白にそれを掴むということが困難であるのに、新聞社の方が、非常に失礼な言分ですが、突然來て見られて、直ぐそれを強く書かれるということに対して……、相当それはデマを書くとか、僞りを書くとかいうてんでなしに、誤解もありますし、それが強く線を非常に出し過ぎると思うのです。誤解の線が又強く出ちやうんです。
○委員長(伊藤修君) 報道の内容というものは事実なんですね。
○証人(高宮英一君) 事実でなくて、誤解もあるし、新聞社自身の……、又豊受村における事件、そういうものに対しては私は関知いたしませんが、本庄町の事件というものは、事実があつたということよりも、その事実に対して、相当歪曲を或る程度加えたということは事実です。その記事の組み樣で非常にことが変つて行きますから。
○委員長(伊藤修君) どうも言廻しが変ですが、誇張されているとい意味ですか。
○証人(高宮英一君) 誇張されているという意味です。
○委員長(伊藤修君) 報道されているところの一つ一つの事実が、とにかく何らかの事実はあるわけでしよう。
○証人(高宮英一君) 何らかの事実はあるわけでしよう。
○委員長(伊藤修君) その事実の報道の扱い方が多少膨らんでおるとか、或いは強く線が出ておるとか、そういう意味ですね。誇張されている……。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) 全然虚僞のことを出されているというわけじやないのですか。
○証人(高宮英一君) 併し全然虚僞のこともあります。
○委員長(伊藤修君) 例えばどんなことですか。
○証人(高宮英一君) 例えば個人の話ですが、私が選挙違反で公判中であるというふうなことは、全然虚僞も甚しいものでしよう。
○委員長(伊藤修君) あなたは選挙違反、そういうことに掛かつたことはないんですか。
○証人(高宮英一君) 私は選挙の直後ですね、調べられたことはあります。調査を受けて出頭したことはありまけれども、起訴されたとか、公判されたということはありません。
○委員長(伊藤修君) それは誰の選挙ですか。
○証人(高宮英一君) 青柳高一氏です。
○委員長(伊藤修君) それは選挙運動をしたんですか。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) その疑いを受けたのですね。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) 檢事の取調べがあつたのですか。
○証人(高宮英一君) ありました。
○委員長(伊藤修君) 取調べだけで済んだのですか。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) 不起訴になつたのですか。
○証人(高宮英一君) 不起訴にも何にもならないのです。
○委員長(伊藤修君) するとあなたは取調べだけですか。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) すると外の選挙違反事件の参考人として取調べられたのですか。どつちですか。
○証人(高宮英一君) 外に選挙違反事件がありまして、それの不正……と言うとあれでしようが、青年に対する寄附事件があつたのです。で、私が当時向うに政治團体が、青年の政治團体というものがありまして、その当時兒玉郡の三ヶ村だと思いますが、青年の催し物がありまして、そのときに私が寄附をしたのです。それが恰も選挙中で、それで多分……、まあ千円の寄附だと思いますけれども、それが果して選挙違反であるかという問題に対してただ取調べを受けたのです。
○委員長(伊藤修君) するとあなたが被疑者ですね。
○証人(高宮英一君) 被疑者です。
○委員長(伊藤修君) あなたが選挙に費用を供したという疑いで以て取調べられた…。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) するとあなた個人の金を出したという意味ですか、或いは青柳氏の金を貰つて出したという意味ですか。
○証人(高宮英一君) 私の團体から出したのですよ、寄附はですね、ところが……。
○委員長(伊藤修君) いや、疑いの事実はどういうふうだつたのですか。
○証人(高宮英一君) 実はつまりそれがどういう意味で出したかという疑いでしたが……。
○委員長(伊藤修君) それはあなた個人で出したのですか。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) それで調べられただけで済んだのですね。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) 外にあなたは選挙には関係してなかつたのですか。
○証人(高宮英一君) 外には関係していません。
○委員長(伊藤修君) 青柳さんだけですか。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) あなたの愛町同志会のメンバーで名前の分つている人を教えて下さい。
○証人(高宮英一君) あれに全部載つておりますが、それは大体発起人でございまして、それで私共の方に黒田貞之助というのがおります。
○委員長(伊藤修君) するとこの九月十日附のパンフレットに載つている人が中心になつてやつたわけですね。
○証人(高宮英一君) そうです。
○委員長(伊藤修君) この外に同志は相当おるのですか。
○証人(高宮英一君) 中心と言つても、実際の政治活動というもののイニシアティヴをとるという人間は、相当限定されるということは事実です。その外に会に入会して協力された方というのは一般には相当あるのであります。
○委員長(伊藤修君) あなたは政党関係はありますか。
○証人(高宮英一君) 政党関係はありません。
○委員長(伊藤修君) 大体自由党に好意を持つているわけですね。自由党の人に好意を持つているわけですね。
○証人(高宮英一君) 私自身の主義、思想といえば、少くとも自由主義的であるということは事実です。
○委員長(伊藤修君) まあ自由党の主張される線があなたに共鳴されるわけですね。
○証人(高宮英一君) 共鳴します。
○委員長(伊藤修君) あなたは政治家の人でお附合いしているのは青柳さんだけですか。
○証人(高宮英一君) 知つている人はあります。
○委員長(伊藤修君) どういう人とお附合いしていますか。
○証人(高宮英一君) ただ町にいるということから、いろいろと演説会で顏を合せることもありますし、そういう人でしたならば、あすこらにいる人は知つてはおります。
○委員長(伊藤修君) あなたを目して保守勢力の手先と言うのはどういうわけですか。
○証人(高宮英一君) それが私にはよく分らないのですが、保守勢力の手先であるという点は、結局共産党の方々に対するところの反共運動を今までも、この外にも、本庄事件以外にも私は反共運動というものを起しました。それが結局そういうあれになつたのじやないですか。
○委員長(伊藤修君) もう一つ最後にお尋ねしますが、発起人になられた人は全部承諾をしたのですが、このパンフレットに載つている名前の人ですね。
○証人(高宮英一君) 承諾を得ております。
○委員長(伊藤修君) 外にお尋ねの方はありませんか……。お尋ねありませんか、ではどうもお忙しいところ有難うございました。
 本日証人として喚問してありましたところの田上檢事、これは浦本地檢の熊谷支部の檢事ですが、今一人は中央経済調査廳の経済調査官の関口重太郎、この両名が出頭いたしません。田上の方は病氣だからという意味の電報が來ておりますが、診断書も何も提出してありません。
○証人(高宮英一君) 渡邊さんのことについてちよつと申述べますが、本日朝早く私のところへ代りの人が來て呉れまして、今日ちよつと是非とも離されない用事があるので、行けたらば直ぐにでもお伺いいたしますけれどもと言つておりましたが、その他の問題に対して今まで数回に亘つて御調査がありましたときに申上げた以外に、一切その他の問題というものは、政党政派の関係とか、そういうことは一切しないということを言つておりました。
○委員長(伊藤修君) 渡邊庫三は、只今の証人がちよつと言われておりましたから、何ら書面は参つておりませんけれども、それによつて大体の事情が分りますが、關口重太郎につきましては非常に問題の手紙を寄越しております。
「謹啓去る十二月十六日附の昭和二十三年十二月二十一日(火曜日)午前十時本庄事件について証人として出頭を求める通知については、都合上、参上出來ませんから御報知申します。」という書面に附け加えまして私信が附いておるんですが、「小生証人として出頭すること、勉強もあつて忙しく参れません。いつぞや申上げた通りでありますから、二度と、かような時間空費的なことはしないで下さい。万やむを得ざるものでありましたなら、こちらに來て下さい。失礼な事を申上げる樣ですが、私は本務以外は、時間空費を致しません。宜しく」。これは調査員の天久君宛に來ておりますけれども、本人の意思はかような意思からして出頭しないということが窺がわれるんですが、当方からは参議院議長の名を以て証人に対して、「去る十二月十六日文書により、本院に証人として貴殿の出頭を求めたのに対し、貴殿より「都合上」出頭できない旨の御報告を接した。
 「議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」第七條によれば、証人は正当の理由なしに出頭を拒むことはできないことになつているが、「都合上」は正当の理由とは認め難いので、その理由を明確に御回答願いたい。」かような通知を出してあります。この取扱いをどういたしますか……。それでは委員長、理事に御一任願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤修君) それではさよう決定いたします。後に理事会を開きましてその取扱を決定することにいたします。では、本日はこれを以て散会いたします。明日午前十時から証人を取調べることにいたします。
   午後二時三十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           岡部  常君
           宮城タマヨ君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
           鈴木 安孝君
           遠山 丙市君
           深川タマヱ君
           來馬 琢道君
           松井 道夫君
           松村眞一郎君
  証人
   本庄町愛町同志
   会員      高宮 英一君