第005回国会 建設委員会 第14号
昭和二十四年五月十三日(金曜日)
   午後一時五十七分開会
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  委員の異動
五月十二日(木曜日)委員遠山丙市君
辭任につき、その補欠として水久保甚
作君を議長において選定した。
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  本日の会議に付した事件
○建設業法案(内閣提出・衆議院送
 付)
○屋外広告物法案(内閣提出・衆議院
 送付)
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○理事(原口忠次郎君) それでは只今より開会いたします。
 本委員会に付託になつております建設業法案を議題に供しまして質疑を行います。
○岩崎正三郎君 登録の問題でございますが、先程の御説明にも何にも、これは業者の大きい小さいの区別をすることを避けて訂正したのだと言われるけれども、事実小さい方の業者の代表は、こういうものは何か区別をつけておると感じられるような証言もあつたしするので、その点を建設省政府委員の方は、区別をしないというけれども、実際はこれは区別になるのだが、どうもその間が私納得が行かないのです。できるならもう少し詳しく納得さして貰いたいと思うのであります。
○政府委員(中田政美君) 昨日もこの問題につきましては、多少お答え申上げたわけでございますが、中小の業者の側から見て、営業所が或る縣に一ケ所あつてその縣に登録するという業者、営業所が数縣にある場合において、その事業が建設大臣に登録する場合とは、何か管理の上で軽重、或いは区別があるがごとく、卑下するわけじやないけれどもというような註釈がございましたが、そういう感を持つではないかという点につきましては、何も代表者だからといつて、特別にこの法案において特殊な扱いをするという意図もございませんし、ただ実際問題としてこの法案の運用を期する場合において、営業所が数府縣或いは二、三十の営業所が全國に跨つておるという場合において、その業者を或る特定の縣だけで監督し、或いは調査をするというようなことはどうも適当でない。むしろこれはやはり全國を睨んでおる本省でやる方が便宜であるという趣意でかようにいたしたわけでございまして、その他は全然他意はございません。ただ只今も申上げました通り、これを業者の工事能力とか、資本金とかで甲乙をつけるというならば、客観的に第一種業者、第二種業者というような感じを受けますが、そうでなくて営業所の数で区別するというだけのことでございますので、そういう縣念はよくお話しすれば分ることであり、又この運用上についても、そういう点は誤解のないように十分徹底して、今御指摘の点について遺憾のないようにいたしたいと存じます。
○岩崎正三郎君 政府委員のいう、さような説明の中に、これを二つに分けたということについて、何か積極的な考えはなかつたのか。例えば私共が思うのに直轄河川なんという仕事についてですね、それを下請する業者が埼玉縣にも栃木縣にも群馬縣にも関係するというような場合がある。そういうふうな場合には、やはりこういうふうに二つに分けた方がいいというふうな積極的な意見があるのですが、そんなことはちつとも問題にならんのですか。
○政府委員(中田政美君) 別にそういう点において、積極的にこの建設大臣登録と府縣登録とに区別した方がいいというわけではございません。勿論下請業者が全國に営業所はないけれども、仕事に出向ける場合はございます。これはなかなか止め得ない問題で、又そこまで止めるということは惡いと思いますが、何と申しましてもその業者の中心をなす営業所という観念は、これは何といいましてもそこに一切の責任が集中されることになりますので、小さい業者で営業所を東京なら東京に持つていらつしやる方が、群馬、埼玉の方に現に出掛けるということがありましても、営業所という一つの、そこに営業所の代表的な所在がない限りは、やはりこれは東京都の登録で、一切東京都の監督に委せることになります。ただ個々の工事につきまして、不都合があつたというような場合には、各府縣に連繋することもありますので、そういう点については双方情報交換もいたしますし、通知もいたしますので、実際の工事の適正というような問題については、その工事の現場のある縣知事も無関心でいるわけでは決してございませんが、営業所單位で物事を取計らうという場合には、やはりその方は東京都の都知事の監督を受けるということになるわけでございます。
○岩崎正三郎君 そうするといわゆる直轄河川なんかの仕事について、そういうことはこの区別に何らの関連もないのですね。そういうことは直轄河川の府縣に跨がる工事なんかに関連して……大体そういうような大きな業者だと思いますが、そういうものを建設省に直接登録さして置くということの、利益であるか不利益であるかということはこれに何ら関係ないわけですね。
○政府委員(中田政美君) お説の通りでございまして、これとは直接関係はございません。
○理事(原口忠次郎君) 外に御発言もございませんようですから、質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(原口忠次郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを頂きたいと思います。
○北條秀一君 私は建設業法案に対して賛成をいたします。併しながら建設業法案について私は内容に字句的に修正すべき点と、又その條項の内容について修正する意見があります。それらのために今日まで本委員会は特に民間の專門家を証人としてお喚びいたしまして、種々專門的な角度から本建設業法案の檢討をいたしたのでありますが、その際にも各方面から有効適切な御意見が出ておるのでありまして、これらの有効適切な民間側の要求を取入れまして、本法案を最も時宜に適したように修正すべきであると考えるのでありますけれども、そういう修正は後日に讓りまして、今日においては早急にこの建設業法案の施行をなし、以て建設業一般の育成とその改善ということに邁進すべきであるという点から私はこの法案に賛成するのでありますが、ただここで若干の今申した点について意見を申述べて置きたいのでありますが、第一は字句の点につきましては、第一條の「登録の実施」という文字と「技術者の設置」この文字、更に「建設工事の適正な施工」この三点について字句的な修正を將來なすべきであるというふうに考えます。もう一点は、三十三條の二行目の「建設業の改善に関する重要事項」とありますが、これは改善でなしに建設業全般に対する重要な事項の調査審議をするのが建設業審議会の任務でありまして、從つて改善とそういつた狹い範囲にこの審議会の任務を決めることは適切でないというふうに考えるのであります。
 第二は内容についてでありますが、それは第三條の一号であります。これは今日までの質疑応答の際にしばしば問題になつたところでありますが、「軽微な工事のみを請け負う」云々とありますが、これは登録者以外が営業した場合に罰則があります。その罰則との関係におきまして、軽微なる工事というものをもつて具体的に内容に現わす必要があるというふうに考えるのであります。更に第五條の第一項でありますが、「その使用人のうち一人が」というふうになつておりますが、その使用人のうちの一人ということになりますと、とかく世間にありますように、單に名義を借りて実際にその人が建設業の、或いはその設計等についての指導をしない。ただ名義を借りてそうしてやつて行くというような不正が非常に行われ易いのでありまして、この点をもつとはつきり規定する必要があるというふうに考えるのであります。以上のことを私はこの際申述べて置きたいのでありますが、更にそれに続きましてこの際に四点について私は希望を申出て置きたいのであります。それは第一は第十九條でありますが、第十九條がそのまま施行されますと、各縣が現に施行しておりますところの條例と牴触する面が発生いたしますので、これらの点について最も合理的な処置をなす必要があるということが第一、第二に工事代金の支拂方法及びその遅延利息の点についてでありますが、これらの点につきまして、現在の会計法から申しますと、非常に困難な点があるわけでありますが、遡れば会計法の改正ということをどうしても考えて行かなくちやならんのでありますが、今俄かにその会計法の改正まで遡つて行くことができませんので、早急に我々はこの点について研究して行く考えでありますが、政府においてもその点について最善の努力を拂つて頂きたい。第三点は、三十五條の第二項の審議会の委員でありますが、これは先日も意見を各証人から聞いたのでありますけれども、單にこの審議会の委員が、需要者及び建設業者の代表だけを民間から採るのでなしに、それ以外に建設業者の使用人であるところの一般建設工業労働者の代表をこれに加うべきじやないかということを私は希望したいのであります。從つてこの第二項に関連いたしまして、同第三項に同樣の修正を加えるべきであるというふうに考えるのであります。以上三点につきまして、私は特にこの際希望を申述べ將來この建設業法の修正について、我々は勿論、政府相協力して最もこの法律の趣旨に副うように修正するということを強く要望いたしまして、私の討論を終ります。
○理事(原口忠次郎君) 北條委員に伺いますが、そうすると只今の御意見は、修正すするということを希望なさるだけであつて、それが條件とか何とかいうわけじやないわけですね。
○北條秀一君 條件とするかどうかということでありますが、私は早急に修正したいのでありますけれども、この暇がありませんので、修正を近い將來に保留して、今日のところ、この建設業法案を早急に成立すべきであるという考えで賛成したのであります。
○理事(原口忠次郎君) 分りました。外にございませんか。
○岩崎正三郎君 私はこの法案に、先程質問の中にも繰返した通り、登録の件がどうも積極的な理由が認め難い。我々は今地方自治の科学性を図り、政治の民主化を図つている場合に、どうも中央官廳がこういつた細かいことにまで嘴を差挾んでいるということは、何か腑に落ちないところがあるのであります。從つて私は積極的な強い意見もないような納得できないさような立場において、この登録を各府縣に跨がる営業所を持つ者が建設省に登録するということを私は削除して貰いたい。営業所がある都道府縣に登録して置けば差支ない。何かそうして全法案に関連して問題があつた場合には、中央におけるところの審議会が有効適切に活躍するならばいろいろの諸問題は解決する筈であるから、單なる登録を何も中央の大官廳にしなければならんということはないと私は思うのでありまして、この默私は第六條の「二以上の都道府縣に営業所を設けて営業なす者にあつては、建設大臣」というやつを、これを修正して「二つ以上の都道府縣に営業所を設ける者にあつては、都道府縣知事に、というふうに修正できれば結構だと思います。
○理事(原口忠次郎君) 岩崎委員にお伺いします。只今の御討論は、第六條の修正であつて、全体の法案に対するところの賛否はどうですか。
○岩崎正三郎君 だから、それに関連して多少修正ができるのでしよう。全体の法案に反対するのじやない、要するにさような修正意見です。
○理事(原口忠次郎君) 原案には賛成ですね。
○岩崎正三郎君 修正だから賛成というわけじやないのです。修正は修正です。修正でそれがどうなるか分らんですけれども……。
○理事(原口忠次郎君) 修正されれば賛成するわけですね。
○岩崎正三郎君 そうです。
○理事(原口忠次郎君) 修正されなければ反対……。
○岩崎正三郎君 反対するわけです。
○理事(原口忠次郎君) それでは只今お聞きの通り、岩崎委員から、第六條の登録の問題について、「建設大臣」とあるのを「当該都道府縣知事」にという修正意見が出ておりますから、それについて速記を止めて相談したいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)それでは速記を止めて。
   〔速記中止〕
○理事(原口忠次郎君) 速記を始めて下さい。
○岩崎正三郎君 先程私は修正意見を出したのでありまするが、大分これは政府の怠慢か國会の不勉強か知らんが、かように押詰つた会期でどうも諸般の事情がさようなことをやつておる時間がないというので、私の意見を委員長報告の中に強く述べられて今後の善処をお願いして、私も大体本案に賛成する者であります。
○久松定武君 私も今の岩崎君の言われたことに同感する者でありまするが、今後ともこういう点につきましては一つ政府の方におきましても、尚愼重な態度を取つてやつて頂くことを私は希望いたします。
   〔理事原口忠次郎君退席、理事島津忠彦君委員長席に著く〕
○原口忠次郎君 この建設業法案の中にございます建設業審議会、この設置について昨日政府委員にその作られた根本理由、そういう点についていろいろ私質問したのですが、昨日の御答弁で私はよく分つたつもりであります。ただ併し私が申上げたように、ややもしますと政府の責任の轉嫁をここに持つて行く嫌いがありはしないかということを非常に憂慮いたしますので、その点を特に改めて私はこの機会に申上げて置いて、そうしてこの審議会の運営を十分に万遺憾のないようにやつて頂きたい。それからこの審議会について殊に強力にするために、國会議員の中からも委員になれることを希望し、又政府もそういうふうなつもりでやつて貰うというお話でございますから、その点も私は了承いたして置きます。それから岩崎議員から今強い要望がありましたこの登録の問題ですが、この問題も非常にいろいろ問題もあるようでありますけれども、時間もないようでありますから、岩崎議員のお話のように私も取扱つて頂きたいと思つております。それから昨日申上げました契約金の支拂いの時期についての延滯利子、この問題が又非常に大きな問題でございますので、今後工事を進捗される上にはこの問題についても、特に中央官廳は地方官廳との関係を、殊に災害復旧工事の関係を善処して頂きたいということを特に要望いたしまして、本案に賛成いたします。
○理事(島津忠彦君) 外に御発言ありませんか。別に御意見なければ討論は終局したものと認めて御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(島津忠彦君) 御異議ないものと認めます。それでは採決に入ります。
 建設業法案について採決いたします。本案を原案通り可決することに賛成の方の起立を願います。
   〔総員起立〕
○理事(島津忠彦君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は委員長に御一任願つて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(島津忠彦君) 異議ないものと認めます。これから多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
     島田 千壽  堀  末治
     北條 秀一  岩崎正三郎
     原口忠次郎  赤木 正雄
     久松 定武  島津 忠彦
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○理事(島津忠彦君) 次に屋外廣告物法案を議題に供します。昨日までの予備審査におきまして、すでに質疑は終つたものと認めまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(島津忠彦君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
○久松定武君 私はこの法案に対しましては不満足ではありまするが、賛成をする者であります。ただ第二條の屋外廣告物の定義というこの條文でありますが、昨日も先刻も申上げましたように、非常にこの定義が不備である。例えば從來の廣告は立看板、或いは貼紙等の看板といつたようなもので済んでいたのでありまするけれども、近代的の法律に直すというのがこの前の政府当局の説明でありますが、それを勘案いたしましても第二條は非常に不備である。これはもつとこの定義を明らかにするために私は條例のところにおいてもう少しその意味をはつきり裏付ける、例えば光線を利用するネオン・サインとか、或いはその他のものにつきましてはつきりしたものを書入れた頂くことを特にお願いしたいのでございます。尚市町村に対するその廣告物の点もありまするが、東京都のごときは東京全体、元の東京府全体がこの問題には適用される問題でありまして、外の縣とは非常に例が異る、こういう点につきましてもこの特定の特例を條文の中に挿入して頂いて、その廣告物のこの法令の徹底するように一つ私は條文に書入れて頂くことを希望して置きたいと存じます。
○理事(島津忠彦君) 速記を止めて下さい。
   午後二時二十九分速記中止
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   午後二時四十九分速記開始
   〔理事島津忠彦君退席、委員長著席〕
○委員長(石坂豊一君) それでは懇談会の続議にいたしまして、直ちに屋外廣告物法案の討論をいたします。重ねて申します。先日來、予備審査において質疑がありましたが、これはすでに衆議院通過の本式の審査になりましたので、先程來の質疑應答は全部正式審査に引戻して質問されたものと決定して御異議ございませんか。……そういうことにいたします。
○北條秀一君 この法律案は古い廣告物取締法を廃止する、そうして今日の時代に應ずるための措置として適切であると私は考えまして、本法案に賛成いたします。ただ昨日來、審議の過程において問題になりました第七條の規定であります。この規定によりますと、公衆に対する危害を防止するために必要な措置を命ずることができるというふうになつておるのでありますけれども、この危害を防止するために必要な措置を命ずる際には、予め公聽会等の措置を講じて十分に人民の権利を擁護するという立場からして愼重な態度を取るというふうな措置が好ましいと考えるのでありますけれども、政府並びに各都道府県の良識による措置に俟つことにいたしまして、私は修正の希望をいたしたいのでありますけれども、敢てその希望を提出することは止めまして、本法案に賛成をいたします。
○委員長(石坂豊一君) 他に御発言はございませんか。……然らば別に他に御発言もなければ只今北條委員の御発議のごとく、第七條に関する御意見を多分に取入れまして、本案全部を原案通り可決することに御異議ございますまいか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石坂豊一君) 御異存ないと認めます。満場一致を以て本案は可決するものと決定いたします。尚本会議における委員長の口頭報告は委員長に御一任願つて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石坂豊一君) 異議ないものと認めます。これから多数意見者の署名を願います。
  多数意見者署名
     島津 忠彦  島田 千壽
     堀  末治  久松 定武
     北條 秀一  原口忠次郎
     岩崎正三郎  赤木 正雄
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○委員長(石坂豊一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     石坂 豊一君
   理事
           原口忠次郎君
           島津 忠彦君
   委員
           岩崎正三郎君
           島田 千壽君
           堀  末治君
           赤木 正雄君
           久松 定武君
           北條 秀一君
  政府委員
   建設事務官
   (総務局長)  中田 政美君
   建設事務官
   (都市局長)  財津 吉文君
   建 設 技 官
   (河川局長)  目黒 清雄君