第005回国会 地方行政委員会 第18号
昭和二十四年五月十八日(水曜日)
   午後四時十五分開会
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  本日の会議に付した事件
○古物営業取締法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○道路交通取締法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○継続調査要求の件
○地方自治廰設置法案に関する件
○地方自治法の一部を改正する法律附
 則中第二條第五項改正に関する陳情
 (第二百七十九号)(第三百二十二
 号)
○廣島縣賀茂郡竹原町の町政に関する
 請願(第五十二号)
○船員不在投票制度改正に関する陳情
 (第二百十六号)
○衆議院議員選挙法第六十七條第五項
 中削除に関する請願(第六十八号)
○衆議院議員選挙法第六十七條第五項
 中削除に関する陳情(第七十二号)
○市町村消防費國庫補助に関する陳情
 (第百三号)
○委員長の報告
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○委員長(岡本愛祐君) 只今より委員会を開会いたします。先ず古物営業取締法案の本審査をいたします。御質疑ございませんか。(「質問なと」と呼ぶ者あり)これに対して衆議院の方で修正案が出ております。その修正案が本会議におきまして可決されまして、こちらに回付されたわけであります。それでは古物営業取締法案、衆議院の修正を含みました取締法案を議題に供します。討論に入ります。
○西郷吉之助君 本法案に対する衆議院の修正議決案につきましては、修正の要点はいずれも衆議院の本委員会におきましても質疑をいたした要点と合致いたしておりますので、私はこの修正議決案に賛成いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○委員長(岡本愛祐君) 他に御発言もないようでございますから採決に入ります。政府提出、衆議院修正の古物営業取締法案を議題に供します。これに賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
○委員長(岡本愛祐君) 全員一致と認めます。よつて本案は可決されました。尚本会議における委員長の口頭報告書は委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) 異議ないものと認めます。次に委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います
 多数意見者署名
    小川 久義   鈴木 順一
    林屋亀次郎   寺尾  豊
    藤井 新一   柏木 庫治
    島村 軍次   西郷吉之助
    吉川末次郎
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○委員長(岡本愛祐君) 次に道路交通取締法の一部を改正する法律案、これも本審査になります。これを議題に供します。御質疑をお願いいたします。
○三木治朗君 先日の御説明で、政府の改正しようとする要点は大体分つておるのでありますが、原案によりますると、右折する場合中心の外側を廻つて行くような案でありまするが、そういたしますると、両方の車を二回クロスすることになつて、却つて危險性が多いように思われるのですが、その点は如何ですか、ちよつともう一遍お尋ねしたいと思います。
○政府委員(樺山俊夫君) 右折いたします場合に、大きく分けまして二つの方法があるのでございまして、この案にありますように中心の直ぐ外側を廻りまして右折する方法と、只今お尋ねになりましたように中心の直ぐ内側を廻りますものと二つあると考えられるのでございます。この二つの方法の得失につきましてはいろいろあるのでございまして、只今の御意見の通りに内側を廻ります場合もやはり利点はあると思います。殊に今お話になりましたように内側を廻りますと、右折いたします車相互間におきましてクロツスする場合が一つ少なるということは確かにお説の通りでありまして、尚内側を廻りますもう一つの利点といたしましては、交叉点をなるたけ早く通過できるという利点もあるように考えます。この案によりましてお願いしておりますのは、内側を廻りまして、右折いたしますと、確かにクロツスするのは一つ少くなりますけれども、その欠点と申しまするのは、内側を廻りますと、スピードが非常に早くなるのでございまして、而も内側ということになりますと、直ぐ内側を廻らずに非常に急角度に内側を廻つてしまうということについなり勝ちであるように考えます。從いましてこの場合は、同じ方向を横断歩道を通行いたしております歩行者を突切つて行くことになるわけでありますけれども、その場合におきまして外側を廻ります場合と、内側を廻ります場合とを比較して見ますると、只今申しましような理由で、横断歩道を通行しておる歩行者に対しましては、内側を廻つておる場合は非常に危險性が多いと思われるのであります。もう一つの点は軌道車、主として電車などの関係でございますが、右折しようとする自動車と同じスタートいたしました電車のクロツスする場合を考えますと、内側を廻りました自動車はスタートして直ぐ右折しなければなりませんので、電車の運轉手の側から申しますと、非常に運轉がしにくいという実情でございます。尚内側を廻ります場合は非常にスピードが出まして早いのでございますけれども、交叉点におきましては早いという点と安全という点を両方考えまして、その間調整を取つて行くということが大事だと思います。從いまして現在のやり方、それと案にお願いしておりますやり方、それともう一つ只今の御意見のやり方、三つのやり方を考えましたときに、交通安全の点と交通円滑という点から考えましで、この案にお願いしたようなことでやつて行きますことが、現在最も望ましいのではないかというように考えます。
○三木治朗君 大体どつちが合理的であるかどうかということは、お互いに一利一害があるので、水掛論のようなことになるので、深く議論する必要はないと思うのですが、大体お尋ねしたいのは、横浜、大阪、神戸、こういうところではすでに内側廻りに変つている。一番危險があるといわれるこの内側廻りを現に実行しておるのであります。そうして少しも故障がなく、今は馴れて來ておる。而も中に交通整理をしておる警官たちから言わせると、その中心の外側を中心近く廻るということは、交通整理の方に非常に妨害になる。だから是非今までもうすでに割れて來ている内側廻りを実行して貰いたい。これは各都市の公安委員長の一致した意見であります。政府の方ではそういう各大都市の意見をお聽きになつたのかどうか。その点ちよつとお伺いいたします。
○政府委員(中野正幸君) 只今の御質問にお答え申上げます。交通整理の警察官から見て、内廻りの方が整理がしやすいという御意見のようでございますが、その点はやはり割れた方がいいのか知れませんが、例えば電車と自動車と双方が止まつており、それがそちらの方の交通を開くと申しますか「進め」にいたしました場合に、内廻りいたします場合には、例えば左の向うに両方に並んでおる、そうしました場合に、現在では指を以て、どちらか片方を先き、例えば内廻りを通す場合におきましては、自動車を指さして、こういうふうに出しております。併し廣い交叉点になりますと、指された方が、自動車が指されたのか電車が指されたのか、ちよつと分らないということもございまして、現にそのために両方出て非常にあぶなくなつたために、急いで自動車の方を止めたというような例も非常にあるようでありますし、近くになると、交通整理の警察官から見てむずかしいというお話ですが、それは常識から考えましても、直ぐそばのものに対して指示した方が非常にやりやすい。例えばその場合におきましては、電車と両方來たその場合に、当然電車を止めるならば電車を止めて自動車を外廻りに指示する。從いましてその点は、馴れれば相当分るかも知れませんが、常識から考えまして交通整理警察官のそばに來てから指示する。それまでは並行して参りまして、そこへ來てから止める方を止めて流す方を流す。そうした方が常識から見ますれば分りやすいと思いますので、そのために内廻りの方が外廻りよりも利点があるということではなく、むしろそのためにも外廻りの方が利点があると考えております。
 これから次に、各大都市の意見を十分に徴したかという御意見でございますが、実はこの内廻りが外廻りかという問題につきましては、アメリカあたりで長年の経驗等もございまして、議論は相当出つくしておるようでございます。又日本におきましても、交通に関係いたしておりまする人々の間では相当論議されて参つたものでございまして、今お話の通り両方に利害がありますので、水掛論になるという虞れもあるのでありますが、今回の立案に当りましては、六大都市の意見も徴しまして、これは会議などの際にもお願いいたしましたし、又書面でもお願いしました。ただこの問題につきましては、今申上げましたように、すでに論議しつくされておる点でもありますので、これ以上深く六大都市の交通関係者等を集めて会議をやるとか、そういつたような手段は講じておりません。
○三木治朗君 尚一つお尋ねしておきたいのですが、現に我々始終目撃しておるのでありますが、進駐軍の車などはいつでも小廻りで皆歩いておるようですが、折角こういう法律を決めても、日本の法律に從わないところの車がどんどん小廻りで、日本では又外廻りで行くということになると、なんだかちつとも統制の取れないことになり、法の効果が挙らないことになるのではないかと思いますが、その点如何ですか。
○政府委員(中野正幸君) その点につきましては、総司令部の係官と十分打合せ済みでございます。
○國務大臣(樋貝詮三君) その点は私もこの間日比谷を通りましたけれども、内側を歩いているのを一台あんたのを見ましたが、日比谷では外廻りをやつておりました。いわゆる小廻り、停らない歩き方をしておりましたが、併し内廻りは極く少数。東京のは大抵外廻りをやつております。私共の実際に見ましたところでは……。それから日本のは御承知のごとく左へ避けて停つて、そうして向うのかなり自動車が行つてしまつたあと又歩いているようで、交通の方から行けば日本の方は安全ですけれども、自動車が殖えて來ると溜りまして、非常に不便な点があるのですから、外廻りで行くという点は、どちらかといえば二次的でありますが、例の小廻りですつと行くのと、それから一遍停つてからそれから又行くのでは大変違いますので、差当りの案としては停るやつは停つて行くというので、内廻りにするか、外廻りにするか、一應弊害の少い外廻りで行こうということになりましたわけですから、日本のは全部只今強制されて、一遍停つて、そうして更に出るというようなやり方でやつておりますが、今度の案ではそうではなしに、停らずに直ぐに行くという方式にしまして、先程電車の例がありましたが、電車という二つスタートに並んでおるような場合には、相当の距離があれば自動車の方がすつと先へ出ますから、外廻りは危げなしに行けますが、あれが内側で行きますと、やはり電車の方がびつくりするというようなことがありまして、いろいろ利害があるので、どちらがどちらと言えませんけれども、今のところでは外廻りの方が安全だというようなことで、まあ弊害のあるところだけ取つて行こうということになりましたようなわけです。衆議院でも隨分今の請願はありましたようなわけで、いろいろと議論がありましたけれども、衆議院も原案で通して貰うようなことにしましたようなわけで、大抵いいだろうと只今思つております。思つておりますけれども、勿論これでいけないようなことがあれば、この点くらいは即日に変更することもできますし、まあ割合にむずかしいものもないから実行して見たらいい。いい方に從うという考えを持つているような次第です。
○西郷吉之助君 一点伺つて置きたいと思いますが、そういたしますと、現行の交通取締法に、大阪の現在やつておりましたあれは規反違反を犯していたように取れますが、そうであつたか。尚今回の改正案を、これは政府原案を通過した場合は、大阪の場合は、どうされるわけですか。その点を伺いたいと思います。
○國務大臣(樋貝詮三君) 日本の全國に亘りまして現在においては日本の車に例外はないのです。規則はそのままですから……。若し、私は大阪は知りませんけれども、大阪でそうやつておりますならば、規則違反をやつておつたわけでありますが、併し私の見た神戸あたりでは日本の車だけ停まりまして、そうして進駐軍の車、占領地下に日本がある限り日本の法令に服しないというわけでしようけれども、進駐軍の車だけ先通過したというような神戸はそういう状態です。大阪も恐らくそうじやないかと思う。改正すればこういうふうにして欲しいんだろうと私は思いますけれども、請願はよく細かく読んでおりませんから存じませんけれども、多分そういうことであろうと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質疑はありませんか……。別に御発言もないようでありますから質疑は終了したものと認め、直ちに討論に入ります。原案に対して御意見のある方は賛否を明らかにして御発言を願います。速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。それでは外に御発言はございませんか……。外に御発言もないようでありますから討論は終結したものと認めまして、直ちに採決をいたします、政府提出の道路交通取締法の一部を改正する法律案、これを議題に供します。本案を原案通り可決することに御賛成の御の御起立を願います。
   〔起立者多数〕
○委員長(岡本愛祐君) 多数と認めます。よつて本案は原案通り決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告書は委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。次に委員長の議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
 道路交通取締法の一部を改正する法律案
     小川 久義  鈴木 順一
     林屋亀次郎  寺尾  豊
     藤井 新一  柏木 庫治
     島村 軍次  西郷吉之助
     吉川末次郎
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○委員長(岡本愛祐君) 次に公報に掲げてございませんが、継続調査要求を議長に提出いたしたいと思います。これにつきまして今日の議院運営委員会におきまして、左のごとく決定いたしたと委員部で申して参りました。即ち「要求書には左の文書を添付されたい」ということで、イ 個々の具体的件名、ロ 調査の方法、ハ 委員会開催の予定数、ニ 閉会、期間の終了、それから次の会期が始まりますまでにおける委員の出席表、それから調査報告を添えて貰いたい、こういうことであります。本委員会は目下地方行政に関する調査を進めておるのでありますが、この調査は対象が廣範多岐に亘り、相当長期間を必要とするのみならず、地方財政並びに地方税制は、地方自治の基本問題でありますから、特に來朝中のアメリカ使節の活動と相待ちまして、政府側においては相当範囲に亘り、現制度の改正を考慮することを明らかにしておるのでありますが、本委員会としては、この問題について調査を継続して結論を得、シヤウプ使節に対しましても、委員会の意向を詳細に報告し連絡をいたす必要があると認めるのであります。
 次に地方自治法に含まれております新制度、例えば直接請求、監査制度等に関しては幾多の問題が現に各地に起つております。これらについては、地方行政機構問題とも、合せまして、調査を継続することが緊要でございます。又新警察制度及び消防制度は再檢討すべき諸点を多く含んでおりますので、これらについて調査を継続いたしまして、結論を見出し、法律の改正案なども御審議を願うことにいたしたいと存じます。
 以上のような諸問題について今調査を中絶いたしますことは、多大の不利不便を招來いたしますので、閉会の場合においても継続してこれらの調査を行いたい、こういう趣旨でございます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川末次郎君 異議ではありませんが、この文章について少し考える必要があるように思うのですが、特に(二)の地方自治法のいろいろな制度に関する調査ですが、一番問題になつておるのは、この委員会として取上げておるのは、解職要求、リコールの制度でありますが、それはここへ書いてお置きになつた方がいいのではないかと思います。もう少し文章を簡單に分り易く、今のことを特に入れて置かれたらと思いますが、どうでしよう。
○委員長(岡本愛祐君) 極めて、御適切な御意見でございます。リコールのことは直接請求という言葉で現しております。併し文章もそういう不完全のこともありますから、尚文章を練ることにいたしまして、委員長にお任せを願いたいと思います。
○吉川末次郎君 よろしうございます。どうぞお願いします。
○委員長(岡本愛祐君) 次に御相談申上げたい件は、地方自治廳設置法案に対しまして衆議院の内閣委員会におきまして、衆議院の地方行政委員会の要求を容れまして修正案を可決いたしました。それはお手許に廻しましたような第四條第二項と同條第三項、第五條の十二号の次に一号を加えましたこと、それから十一條、十二條の改正、附則に一項を加えましたこと、そういう点でございます。かねて当委員会におきましても地方自治廳設置法案につきまして改正意見の御提出を求め、過般一度御相談したのであります。その際御意見も出まして決定をしないで尚お考えを願うことといたしたのであります。この衆議院の修正可決と見合せまして尚一應御意見も承りたいと思います。これは若し本委員会におきまして修正意見を出すということになりますならば、急を要なる次第でございますから後程御相談を願いたいと思います。
○西郷吉之助君 先般本委員会において修正案というものを、刷つたものを頂きましたのですが、あれについて大体意見をまとめてありましたのですが、只今伺いました衆議院における修正可決という、第五條というのがその中にありませんでしたが、第四條、第十一條とありましたが……。
○委員長(岡本愛祐君) 第五條というのはこういう次第でございます。「第五條第十二号(二十)の次に次のように加える。(二十一)自轉車競技法(昭和二十三年法律第二百九号)により自轉車競爭を行うことができる市町村を指定すること。」こういうのがあるのです。今お手許に刷り物を差上げますが、これは後程おまとめ願うことにいたします。
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○委員長(岡本愛祐君) 次に請願と陳情をお願いいたします。陳情第二百七十九号地方自治法の一部を改正する法律附則中第二条第五項改正に関する陳情。
○專門員(上原六郎君) 二百七十九号は地方自治法の一部を改正する法律の附則の改正に関する陳情でございまして、靜岡縣会議長の提出であります。その要旨は、昨年八月公布せられた地方自治法の一部を改正する法律附則二條によれば、この附則二條というのは戰時中に合併された町村の分割に関する特別な附則であります。この特例として住民投票の制度をやつているが、住民の民主的訓練が不足しておる現在ではその方法に欠陷があるから、この二條の五項を「第三項の投票において有権者数の三分の二以上の者が投票し有効投票の四分の三以上の数の同意があつたときは本委員会の報告に基き都道附縣知事は市町村の廃置分合又は境界変更を定め内閣総理大臣に届け出なければならない」と改正されたいという陳情であります。
○委員長(岡本愛祐君) この陳情のございます問題につきまして、過般総理廳の自治課に調査書を要求いたしまして皆様のお手許にお配りしておるのであります。これにつきまして自治課長の御意見を求めます。
○政府委員(鈴木俊一君) の附則第二條の市町村の分離の問題でございます。これは戰時中に行われました合併、主として市への臨接町村の編入につきまして、警察或いは軍関係等の強い慫慂を背景にして行われたものがあり、そういうものの中には当時の住民の意見が眞に同調しておつたかどうか明瞭でない、むしろこれに反しておつたものがある、そういうものにつきましては、一定の期間を限つて住民の意見によつて分離をすることができる方法を考えたらいいということで、こういうようなものが國会で御制定に相成つたと思うのでありますが、この第五項の点は、只今の陳情の趣旨では、住民の請求をいたします際には、現在有権者総数の三分の一というのを三分の二くらいにして、その結果行われますところの投票においては、四分の三以上の同意を以て決定せよ、こういう陳情でありますが、これにつきましては、私共といたしましては、二條に手続全体として再檢討を件する点があると考えております。殊に住民の投票ということは結局最終の意思を定める方法でありまして、これに対して更に縣議会で議決を経なければ決定できないということになつておるわけでございますが、これはそういう住民の最終意思の決定に丁して、別箇の團体が制限を加えておるというような形になつておるわけでありまして、その点は、やはり純理論的に申しましても多少問題があると思うのであります。從つて縣議会の議決を経て最終的に分離を決める、こういう制度については、むしろこの議決という点に削除してはどうかというようなことを考えております。但しそういたしますと、分離したいと思う町村がどんどん分離ができるというようなことになりまして、そこに又別箇の見地からの政治的な動きなどが加つて参りますと、折角うまく治まつております市町村が小さい町村に再分裂をいたしまして、さなきだに財政上非常に困つている市町村が出て來るというようなことで、そこにやはり問題がございますので、なにか別箇にチエツクする方法がないものであろうかということを考えております。目下政府といたしましても、研究中でございまして、これが適当な案だということはまだ結論的に申上げられない段階でございますが、何らかこの点については改正を要するものとかように考えている次第であります。
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑ございませんか……。それでは私からお尋ねしますが、四月二十日附で総理廳の官房自治課長から各都道府縣知事へ通牒を出しておられる。でその中に書いてございますことは、本條第五項に規定する議会の権限に関しては、形式的には、地方自治法第七條第一項に類似しているが、前述いたしたような本制度立法の趣旨及び本制度中の一般投票の持つべき権威から考えて、本項による都道府縣議会の議決は、一般投票の結果によつて表明された関係地域の住民の意思に基いて行われなければならないものと解する。こうおつしやつておるのは結局地方自治法の附則第二條の規定では、都道府縣会の議決というものが非常に重きを置かれる形式になつておる。併しそれはそうではなくて都道府縣の議決というものは住民の一般投票の結果というものに比べては、それは弱いものであるから、一般の投票の結果を尊重しなければいかん。この議決というものはその一般投票が何か欠陷があつたとかいうような場合、又そこの区域だけが市から独立したような場合に、市の地域上の関係が惡いとか何とかそういうときだけに議決権があるのであつて、そうでない場合はこれは住民の意思通りに議決をしなければいかん、こういうふうに解せられるのですが、その点如何ですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 只今お述べになりました点は、政府側といたしましても大体同樣に考えております。一般投票というものはやはり住民の最高の権威を以て行われるものでございますから、この手続自体に瑕疵その他がない限りは議会の議決というものは、やはりそれを確認するという意味における議決というふうに考えるのが至当ではないかという考え方であります。
○委員長(岡本愛祐君) もう一つお尋ねして置きますが、この通牒の趣旨に違反して、何でもかでもその住民投票の結果を縣議会で反対決議をして否決をしてしまうということが、一つの例を除いて殆んど全部そういう反対意見で否決しをてしまつて、全然この立法の趣旨を以て住民の意思をちつとも達成されないという重大な結果が來ておるのですが、この事柄に対する政府の対應策、救済策というものはどういうふうにお考えになつておりますか。
○政府委員(鈴木俊一君) 今までに行われました分離投票は多く府縣の議会において否決せられておる状況でございますが、これは只今の附則第二條第五項の今申上げましたような解釈が十分徹底してない関係上今のようなことになつたと思うのでありまして、今後におきましては今の規定の趣旨を各府縣の議会におきまして十分考えて議決をして頂きたい、こう考えておる次第であります。過去におきまして今の解釈の趣旨に反しまして否決をいたしたようなものにつきましては、一應地方自治法の百七十六條によります違法の議決というふうに考えられます。從いまして知事といたしましてはこれを再議に付し、それでも尚府縣の議会におきまして議決を改めないという場合におきましては、裁判所に知事から出訴するという途が残されておるわけであります。その方法によつて、現状におきましても何らかの解決の法的な途はあるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 若し知事が再議に付せなかつたならばどういうことになるでしようか。
○政府委員(鈴木俊一君) これは非常にむずかしい問題でございまして、違法なる議決が行われました際に、知事が何ら手を加えないという場合におきましては、これを特に匡正するところの途は目下のところない、これはもう止むを得ざる結果である、かように考えております。
○委員長(岡本愛祐君) それに対して分離の住民投票をやりましたその区域から、知事に請求するというような途はないものでしようか。
○政府委員(鈴木俊一君) 法律的にはそのような保障された権利は関係区域の住民にございませんが、これはやはり事実上の行爲の問題として、そのようなことが現に行われておるように思つております。
○委員長(岡本愛祐君) 外にこの問題について御質問ございませんか。担当重大な問題だと思います。尚この問題については本委員会でも継続調査に当つてよく御研究をお願いいたしたいと思つております。でこの陳情は如何扱いましようか。留保いたしまして研究材料にいたしたいと思いますが……。
   〔「留保賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) では留保に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) 留保いたします。次は陳情第三百二十二号、これは同趣旨ですか。
○專門員(上原六郎君) 同じです。
○委員長(岡本愛祐君) これはどこからですか。
○專門員(上原六郎君) これは長崎縣の大村市長の提出でありまして、陳情の趣旨は二百七十九号と全く同じでございます。
○委員長(岡本愛祐君) それではこれも留保にいたします。次に請願第五十二号廣島縣賀茂郡竹原町の町政に関する請願。
○專門員(上原六郎君) 請願第五十二号はその頃の委員会で一度御説明申上げましたが、当時竹原町の町政が一部ボス政治家によつて独裁せられ、民主政治は破壞されようとしておる、十分調査の上善処せられたいという請願でございます。
○吉川末次郎君 調査してくれというのですか。
○專門員(上原六郎君) そうです。
○委員長(岡本愛祐君) これはそれによつてここで山田君が請願の趣旨を述べられた。それによつて非公式に、まあ調査に行こうということになつておつた。そのうちに解決したものですからそのままになつた。こういう状態であります。
○島村軍次君 解決済みならば不採択でいいのじやないですか。
○委員長(岡本愛祐君) それでは不採択決定いたします。それでは次に選挙法の問題、陳情第二百十六号船員不在投票制度改正に関する陳情。
○島村軍次君 選挙法は……。
○專門員(上原六郎君) 選挙権は済みましたけれども、不在投票はこれと違うのであります。
○島村軍次君 留保にしてはどうですか。
○委員長(岡本愛祐君) それでは留保でいいのですね。留保で御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは留保いたします。
○專門員(上原六郎君) 選挙権はさつき……。
○委員長(岡本愛祐君) ですから片一方は採択。片一方は留保。請願第六十八号衆議院議員選挙法第六十七條第五項中削除に関する請願、これは陳情第七十二号も同樣です。
   〔「留保」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それではこれを留保いたします。それから陳情第百三号市町村消防費國庫補助に関する陳情。
○專門員(上原六郎君) 陳情第百三号は消防制度の改善に伴つて、地方で消防の維持に財政的に困難を感じておりますから、この打開策として新たに消防を施設する際に高率の國庫補助をして頂きたい。又新設の場合にだけでなく経営費に対しても國庫補助の途を開いて頂きたい。そういう趣旨の陳情であります。
○委員長(岡本愛祐君) これは只今の消防組織法では國庫から補助ができないことになつておるのです。それを國庫から補助して貰いたい、こういうのですから如何がでしようか。尤もな点が大いにあります。
○林屋亀次郎君 採択したらどうですか。
○委員長(岡本愛祐君) 採択の御意見が出ましたが、他に御質疑ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは採択に決定いたします。後に留保の分が残つておりますが、これは又後でお願することにいたします。
   ―――――・―――――
○委員長(岡本愛祐君) それからこの際御報告申上げます。昨日衆議院と参議院の大藏委員長、それから地方行政委員長、それに理事の方一、二名、シヤウプ博士から招かれまして、司令部の方に参りました。その顛末を一應御報告申上げておきます。実は二時に伺つたのですが、二時から三時十五分までは大藏関係でありました。三時十五分から四時十五分頃まで地方行政関係でした。地方行政関係のことについて申上げますと、衆議院の中島地方行政委員長から地方行政財政制度に関する自分の意見というものを開陳したしました。次いで私の方からも意見を開陳いたしました。その要旨は常にここで皆さんからいろいろ承つておりますことを極く要約いたしまして十五分ほど説明をいたしたのであります。それは地方財政の確立こそ地方自治の基礎を確立するものであり、從つてそれが日本の民主主義の徹底に最も必要なものである。ところがまだこの地方財政の基礎というものはちつとも確立をしていない。昨年三つの大きな基本的の地方財政に関する法律が制定されたけれども、それがややもすれば破られる状況であるのである。それでまあこれを何とかして確立するように努力しなければならないが、今それを阻んでおるのは、一つには地方税が総額において足りない、國からいろいろの國の事務を地方に移されまして、いわゆる地方自治の確立をしようというので段々に移されたけれども財源がそれに伴わない。六・三制の問題、それから地方の自治体警察の問題、消防の問題、これなんか皆そうである。それで地方では非常に苦しんでいる。何とか國が國家事務を移すに当つて十分な財源というものをこれから移して行かなければ、これは地方の発展に困る。それが一つと、それから次にどうしても國家は未だに中央集権主義であつて、國の財政を強化するために地方財政を犠牲に供しておる傾きが大いにある。これはどうしてもそういうことでなくしなければいけないということが第二。第三点といたしまして、國の税というものは所得税、消費税というものが大きな財源になつておる。地方の税はそういうような確乎たる財源が欠けておる。それで所得税、消費税について附加税制度を取るべきじやないかと思つて研究を続けておる。シヤウプ博士においても、地方財政を強固にする國家の犠牲にならないような、税制の制度を考えて貰らわなければいかんということをお話しました。そうしたらシヤウプ博士からこの地租、家屋税というものは地方財源に取つてどういうふうな位置を占めるとあなたは考えておるかという質問がありました。私はそれは地租、家屋税というものも有力な地方税の財源である。併し現在のごとく賃貸價格の百分の五百も税を取るということは、これは非常な過酷な税であると思う。だからこれはもつと緩和しなければいけないと自分は考えておるという話をいたしました。一々非常に細かくノートをしておりました。次いで島村君が一緒に行つて下さつたので、島村君からも意見が出ました。それから次いで衆議院の社会党とか共産党とかいうような方々も行つておられました。そういう人から簡單な意見がありました。又こういう機会を作るからそのときに又いろいろ話を聽きたい。又書面でいろいろな意見を出して頂いてもよいということでありましたから、私共の方では継続審査を行いまして、皆さんの意見を聞きまして、この委員会としての地方税制に関する意見を取まとめまして、提出をいたしたいと考えております。以上御報告を申上げます。それではこれで散会いたします。
   午後五時二十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
           鈴木 順一君
   委員
           三木 治朗君
           寺尾  豊君
           藤井 新一君
           林屋亀次郎君
           柏木 庫治君
           西郷吉之助君
           島村 軍次君
           小川 久義君
  國務大臣
   國 務 大 臣 樋貝 詮三君
  政府委員
   総理廳事務官
   (官房自治課長
   兼全國選挙管理
   委員会事務局
   長)      鈴木 俊一君
   総理廳事務官
   (地方財政委員
   会事務局次長) 山村  章君
   國家地方警察本
   部部長
   (刑事部長)  武藤 文雄君
   國家地方警察本
   部部長
   (國家地方警察
   本部警備部長) 樺山 俊夫君
   國家地方警察警
   視
   (國家地方警察
   本部警備部交通
   課長)     中野 正幸君
   常任委員会專門
   員       上原 六郎君