第005回国会 本会議 第32号
昭和二十四年五月二十三日(月曜日)
   午前十時五十分開議
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 議事日程 第三十一号
  昭和二十四年五月二十三日
   午前十時開議
 第一 全國選挙管理委員会の委員の補欠指名
 第二 建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三 外務省設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第四 大藏省設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第五 大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第六 郵政省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第七 電氣通信省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第八 郵政省設置法及び電氣通信省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第九 文部省設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一〇 刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一一 裁判所法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一二 司法試驗法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一三 犯罪者予防更生法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一四 犯罪者予防更生法施行法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一五 法務局及び地方法務局設置に伴う関係法律の整理等に関する法律案(内閣提出)(委員長報告)
 第一六 裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一七 農地調整法の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一八 土地改良法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一九 土地改良法施行法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二〇 中小企業等協同組合法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二一 中小企業等協同組合法施行法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二二 臨時鉄くず資源回收法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二三 配給公團法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二四 社会保險診療報酬支拂基金法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二五 地方自治廳設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二六 経済安定本部設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二七 運輸省設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二八 農林省設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二九 農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三〇 特別調達廳設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三一 総理府設置法の制定等に伴う関係法令の整理等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三二 厚生省設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三三 厚生省設置法施行に伴う法令の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三四 労働省設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三五 賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三六 海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三七 國家行政組織法の施行に伴う労働関係法律の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三八 國家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
 第三九 國家公務員法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第四〇 水産金融に関する決議案(木下辰雄君外八名発議)(委員会審査省略要求事件)
 第四一 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、通商事務所の設置に関し承認を求めるの件(委員長報告)
 第四二 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、纖維製品檢査所の支所設置に関し承認を求めるの件(委員長報告)
 第四三 昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算書(委員長報告)
 第四四 昭和二十二年度國有財産無償貸付状況総計算書(委員長報告)
 第四五 昭和二十二年度予備費使用総調書(承諾を求める件)(委員長報告)
 第四六 昭和二十二年度特別会計予備費使用総調書(承諾を求める件)(委員長報告)
 第四七 昭和二十三年度一般会計予備費使用総調書(その1)(承諾を求める件)(委員長報告)
 第四八 昭和二十三年度特別会計予備費使用総調書(その1)(承諾を求める件)(委員長報告)
 第四九 教育映画の暗幕配給に関する請願(委員長報告)
 第五〇 坑木危機打開に関する請願(委員長報告)
 第五一 北海道内化学肥料製造用の電力対策等に関する請願(委員長報告)
 第五二 日和田、平両変電所間に送電線新設の請願(委員長報告)
 第五三 築上火力発電所建設再開に関する請願(委員長報告)
 第五四 猪苗代、十和田間に送電幹線新設の請願(委員長報告)
 第五五 岩手縣に電氣計器調整所及び電氣試驗所設置の請願(委員長報告)
 第五六 坑木生産供出あい路打開に関する請願(委員長報告)
 第五七 小清水村に水力発電所築設の請願(委員長報告)
 第五八 中小企業廳の拡充強化に関する請願(委員長報告)
 第五九 水害地衣料切符加配点数の現物化等に関する請願(委員長報告)
 第六〇 労需用纖維品配給に関する請願(委員長報告)
 第六一 中國地方電力増強五箇年計画案実施に関する請願(委員長報告)
 第六二 鶴岡纖維製品檢査所川俣支所の本所昇格及び小高支所設置の請願(委員長報告)
 第六三 岡山縣の電力増強対策に関する請願(委員長報告)
 第六四 猪苗代、八戸及び日和田、平の各変電所間に送電線新設の請願(委員長報告)
 第六五 北海道の石灰ちつ素工業用電力対策に関する請願(委員長報告)
 第六六 衣料品卸賣業者登録申請に関する請願(委員長報告)
 第六七 商工省工業技術廳の拡充整備に関する請願(委員長報告)
 第六八 理容師にクロース、タオル及び手術衣増配に関する請願(委員長報告)
 第六九 関西配電会社淡路送電第三号線架設に関する請願(委員長報告)
 第七〇 中小企業の振興対策に関する請願(委員長報告)
 第七一 石けん資材割当方式に還流切符制度採用の請願(二件)(委員長報告)
 第七二 中小企業の保護育成に関する請願(委員長報告)
 第七三 常磐茨城地区炭鉱復興に関する請願(委員長報告)
 第七四 乳兒用衣類の輸入に関する請願(委員長報告)
 第七五 中小織布業の保護育成に関する請願(委員長報告)
 第七六 輸出業法制定に関する請願(委員長報告)
 第七七 水産業協同組合法等改正に関する請願(委員長報告)
 第七八 水産業協同組合全國連合会結成等に関する請願(委員長報告)
 第七九 水産業協同組合法中一部改正に関する請願(委員長報告)
 第八〇 北海道尾札部村木直に船入ま築設の請願(委員長報告)
 第八一 阿仁合、角館両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第八二 美幌、斜里両町間に國営バス運輸開始の請願(二件)(委員長報告)
 第八三 御影、辺富内両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第八四 三重町、日向長井両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第八五 直江津、六日町両駅間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
 第八六 山川、枕崎両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第八七 羽幌、朱鞠内間及び羽幌、遠別間に鉄道敷設促進の請願(委員長報告)
 第八八 根北線全通促進に関する請願(委員長報告)
 第八九 奧津、櫻井両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第九〇 磐城西郷信号所を駅に昇格の請願(委員長報告)
 第九一 中村、新地両駅間に駒嶺駅設置の請願(委員長報告)
 第九二 貝田信号所を駅に昇格の請願(委員長報告)
 第九三 堂島停留所に客車停車数増加の請願(委員長報告)
 第九四 大越駅名の呼称訂正に関する請願(委員長報告)
 第九五 会津若松、山都両駅間の鉄道敷設変更反対に関する請願(委員長報告)
 第九六 舞木駅名の呼称訂正に関する請願(委員長報告)
 第九七 仙台鉄道局福島管理部移轉に関する請願(委員長報告)
 第九八 湊町、東京両駅間に直通列車運輸開始の請願(委員長報告)
 第九九 郡山、白石両駅間鉄道電化促進に関する請願(二件)(委員長報告)
 第一〇〇 道路運送監理事務所の地方移讓反対に関する請願(六十六件)(委員長報告)
 第一〇一 小野田港、小野田両駅間鉄道電化促進に関する請願(委員長報告)
 第一〇二 肥薩線人吉、渡両駅間に西人吉駅設置の請願(委員長報告)
 第一〇三 出石鉄道復活に関する請願(委員長報告)
 第一〇四 秋葉原駅名の呼称訂正に関する請願(委員長報告)
 第一〇五 荒海、滝の原間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
 第一〇六 岐阜、名古屋両市を中心とする省線の電化に関する請願(委員長報告)
 第一〇七 常磐線電化促進に関する請願(委員長報告)
 第一〇八 浜松、米原両駅間鉄道電化促進に関する請願(委員長報告)
 第一〇九 中土、小滝両駅間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
 第一一〇 長鳥信号場を旅客駅に昇格の請願(委員長報告)
 第一一一 三陸沿岸鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
 第一一二 廣島鉄道局廣島工機部廣分工場存置に関する請願(委員長報告)
 第一一三 門司鉄道局小倉工機部熊本分工場存置に関する請願(委員長報告)
 第一一四 秋田、上野両駅間に直通急行列車増発の請願(委員長報告)
 第一一五 樣似、廣尾両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第一一六 郡山市に測候所設置の請願(委員長報告)
 第一一七 塩釜港修築に関する請願(委員長報告)
 第一一八 汽船龍頭山丸移動促進に関する請願(委員長報告)
 第一一九 機帆船用玄海航路標識拡充に関する請願 (委員長報告)
 第一二〇 羽幌港船入ま修築等に関する請願(委員長報告)
 第一二一 伊萬里港修築に関する請願(委員長報告)
 第一二二 台ケ鼻燈台設置に関する請願(委員長報告)
 第一二三 函館港ふ頭修築工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一二四 運輸省の枕木購入方法に関する請願(委員長報告)
 第一二五 機帆船海運政策に関する請願(委員長報告)
 第一二六 長崎縣壱岐郡田河町名嶋に避難港設置の請願(委員長報告)
 第一二七 長崎縣壱岐郡田河町滝ノ上に燈台設置の請願(委員長報告)
 第一二八 高知縣の海上輸送に燃料増配の請願(委員長報告)
 第一二九 山形測候所存置に関する請願(二件)(委員長報告)
 第一三〇 二俣、佐久間両駅間に鉄道敷設促進の請願(委員長報告)
 第一三一 掛川町、御前崎間に國営自動車運輸開始促進の請願(委員長報告)
 第一三二 地方税財政制度の拡充強化に関する請願(委員長報告)
 第一三三 地方税財政制度改正に関する請願(委員長報告)
 第一三四 地方財政確立に関する請願(委員長報告)
 第一三五 横浜市債認可に関する請願(委員長報告)
 第一三六 地方財政の義務負担に関する請願(委員長報告)
 第一三七 地方配付税増額に関する請願(委員長報告)
 第一三八 都市計画土地区画整理による公共既使用地の地租減免の請願(委員長報告)
 第一三九 地方税財政制度改善に関する請願(委員長報告)
 第一四〇 自治体警察処理手数料の交付に関する請願(委員長報告)
 第一四一 地方配付税額減額及び地方起債停止反対に関する請願(二件)(委員長報告)
 第一四二 戸籍、寄留事務に関し地方財政法第十一條第二項中一部改正の請願(委員長報告)
 第一四三 戸籍事務費全額國庫補助に関する請願(委員長報告)
 第一四四 町村吏員恩給組合に対する國庫補助増額の請願(七件)(委員長報告)
 第一四五 地方財政確立に関する請願(二件)(委員長報告)
 第一四六 未成年者飲酒禁止法励行に関する請願(委員長報告)
 第一四七 船員の選挙権に関する請願(委員長報告)
 第一四八 健康保險組合に対する國庫補助増額の請願(二件)(委員長報告)
 第一四九 労務者住宅建設に厚生年金保險積立金運用の請願(委員長報告)
 第一五〇 厚生年金積立金運用再開に関する請願(委員長報告)
 第一五一 山形市に國立結核療養所設置の請願(委員長報告)
 第一五二 山形縣赤湯町の厚生施設設置費國庫補助に関する請願(委員長報告)
 第一五三 國営医療機関勤務看護婦の勤務改善に関する請願(委員長報告)
 第一五四 戰爭犠牲者に対する災害補償の請願(委員長報告)
 第一五五 戰爭犠牲者遺族保護対策強化に関する請願(五件)(委員長報告)
 第一五六 保育施設増設等に関する請願(委員長報告)
 第一五七 乳兒院、託兒所増設等に関する請願(委員長報告)
 第一五八 民生委員法改正等に関する請願(委員長報告)
 第一五九 象等の輸入に関する請願(委員長報告)
 第一六〇 傷い者福祉法制定に関する請願(委員長報告)
 第一六一 社会事業基本法制定に関する請願(委員長報告)
 第一六二 簡易生命保險及び郵便年金積立金運用再開に関する請願(十三件)(委員長報告)
 第一六三 福島縣耶摩郡檜原村字劍ケ峯に特定郵便局設置の請願(委員長報告)
 第一六四 福島縣瀧根町菅谷に無集配特設郵便局設置の請願(委員長報告)
 第一六五 佐賀電話局の電話交換方式変更及び局舎建設に関する請願(委員長報告)
 第一六六 奈良縣天川村川合無集配特定郵便局を集配局とするの請願(委員長報告)
 第一六七 福島縣関柴村に特定郵便局設置の請願(委員長報告)
 第一六八 鹿兒島縣日当山村日当山郵便局を集配局とするの請願(委員長報告)
 第一六九 岩手縣田原村に郵便局設置の請願(委員長報告)
 第一七〇 練馬郵便局舎新築及び電話交換方式変更に関する請願(委員長報告)
 第一七一 板橋区内の一部の電話加入区域変更に関する請願(委員長報告)
 第一七二 北上川改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一七三 安倍川砂防工事に関する請願(委員長報告)
 第一七四 表生駒山系砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一七五 肱川治水工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一七六 神奈川縣下の砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一七七 天龍川西岸堤防改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一七八 番匠川改修工事に関する請願(委員長報告)
 第一七九 大分川直轄改修工事継続施行に関する請願(委員長報告)
 第一八〇 信濃川水系砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一八一 長野縣共和村地内茶臼山砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一八二 縣道中津名古屋線中一部路線変更等に関する請願(委員長報告)
 第一八三 道路整備改善に関する請願(委員長報告)
 第一八四 延岡、熊本両市間縣道中高千穗峽に架橋の請願(委員長報告)
 第一八五 長野縣豊井村上今井に架橋の請願(委員長報告)
 第一八六 川内市復興事業促進に関する請願(委員長報告)
 第一八七 重信川水系砂防工事施行等に関する請願(委員長報告)
 第一八八 縣道下諏訪伊那線中長地村、岡谷市間改良工事等に関する請願(委員長報告)
 第一八九 國道第八号線中長野縣落合村、今井間改良工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一九〇 國道第八号線中塩尻峠トンネル開さくに関する請願(委員長報告)
 第一九一 國道第十四号線改良工事及び和田峠トンネル開さくに関する請願(委員長報告)
 第一九二 千葉縣滑河町、茨城縣金江津村間に架橋の請願(委員長報告)
 第一九三 紙の統制方式及び公定價格の改廃に関する請願(委員長報告)
 第一九四 医藥品等の取引高税免除に関する請願(委員長報告)
 第一九五 医藥品類の取引高税撤廃に関する請願(委員長報告)
 第一九六 中小企業金融改善に関する請願(委員長報告)
 第一九七 絹人絹力織機復元資金融資に関する請願(委員長報告)
 第一九八 旧軍港地國有財産拂下げに関する請願(四件)(委員長報告)
 第一九九 山梨縣野之瀬村火災災害復興に対する融資の請願(委員長報告)
 第二〇〇 埼玉縣飯能町に税務署設置の請願(委員長報告)
 第二〇一 熊本市大江町元騎兵隊跡拂下げに関する請願(委員長報告)
 第二〇二 炭鉱設備資金の融資等に関する請願(委員長報告)
 第二〇三 引揚者に連合軍放出衣料品優先拂下げの請願(委員長報告)
 第二〇四 厚生連盟消費組合に連合軍放出衣料品拂下げの請願(委員長報告)
 第二〇五 引揚者事業体に住宅建設資材優先発註の請願(二件)(委員長報告)
 第二〇六 引揚者を行政整理より除外するの請願(委員長報告)
 第二〇七 引揚者住宅対策に関する請願(二件)(委員長報告)
 第二〇八 中共地区の一般未帰還者に対する給與の請願(委員長報告)
 第二〇九 上椎葉水力発電所建設に引揚者優先起用の請願(委員長報告)
 第二一〇 戰爭犠牲者に佐世保引揚援護局所管の自動車等優先拂下げの請願(委員長報告)
 第二一一 帰還者課税特例法制定等に関する請願(委員長報告)
 第二一二 引揚者新規着漁業者に漁業資材継続優先配給の請願(委員長報告)
 第二一三 引揚者の消費生活協同組合に対する融資等の請願(委員長報告)
 第二一四 在外同胞引揚促進等に関する請願(委員長報告)
 第二一五 難民救済借入資金の償還に関する請願(委員長報告)
 第二一六 特別未帰還者給與法第一條改正に関する請願(委員長報告)
 第二一七 中小企業廳機構拡充強化関する陳情(委員長報告)
 第二一八 北海道の電力供給源開発等に関する陳情(委員長報告)
 第二一九 電力行政機構強化に関する陳情(委員長報告)
 第二二〇 関西配電会社淡路送電第三号線架設に関する陳情(委員長報告)
 第二二一 中小企業振興対策に関する陳情(委員長報告)
 第二二二 タイヤ補修用生ゴム輸入増加に関する陳情(委員長報告)
 第二二三 タイヤのリンク制廃止に関する陳情(委員長報告)
 第二二四 ろう石外七鉱物を鉱業法中に追加の陳情(委員長報告)
 第二二五 神戸港をてぐす原料荷揚港に復活の陳情(委員長報告)
 第二二六 家庭燃料用加工炭増産等に関する陳情(委員長報告)
 第二二七 炭鉱労務者向物資配給計画に関する陳情(委員長報告)
 第二二八 山川、枕崎両駅間に鉄道敷設の陳情(委員長報告)
 第二二九 郡山、白石両駅間鉄道電化促進に関する陳情(委員長報告)
 第二三〇 吉松、人吉両駅間電化促進及び路線変更に関する陳情(委員長報告)
 第二三一 道路運送監理事務所の地方移讓反対に関する陳情(六件)(委員長報告)
 第二三二 長崎、東京両駅間準急列車を急行列車に切替の陳情(委員長報告)
 第二三三 東海道線完全電化に関する陳情(委員長報告)
 第二三四 日田市、守実間に鉄道敷設の陳情(委員長報告)
 第二三五 甲府、塩尻両駅間及び塩尻、長崎両駅間鉄道電化促進に関する陳情(委員長報告)
 第二三六 中土、小滝両駅間鉄道敷設促進に関する陳情(二件)(委員長報告)
 第二三七 富山駅拡張改築に関する陳情(委員長報告)
 第二三八 川東、谷田川両駅間に停車場設置の陳情 (委員長報告)
 第二三九 八幡浜駅、八幡浜港間に臨港鉄道敷設の陳情(委員長報告)
 第二四〇 敦賀測候所存置に関する陳情(二件)(委員長報告)
 第二四一 八幡浜港修築工事継続施行に関する陳情(委員長報告)
 第二四二 小松島湾接続地帶の補強工事等促進に関する陳情(委員長報告)
 第二四三 地方税財政制度改正に関する陳情(委員長報告)
 第二四四 地方税財政制度の根本的改革に関する陳情(委員長報告)
 第二四五 國税徴收に関し町村負担事務経費全額國庫補助の陳情(委員長報告)
 第二四六 國庫負担金、補助金の交付に関する陳情(委員長報告)
 第二四七 地方配付税額減額及び地方起債停止反対に関する陳情(三件)(委員長報告)
 第二四八 中央出先機関の地方移讓に伴う地方財政の健全化の陳情(委員長報告)
 第二四九 保健所経費國庫補助外増額に関する陳情(委員長報告)
 第二五〇 地方配付税増額に関する陳情(委員長報告)
 第二五一 戸籍事務費全額國庫補助に関する陳情(十件)(委員長報告)
 第二五二 五大都市に当せん金附証票発賣権附與の陳情(委員長報告)
 第二五三 府縣に対する國庫支出金等の算定適正に関する陳情(委員長報告)
 第二五四 地方財政法等改正に関する陳情(委員長報告)
 第二五五 町村吏員恩給組合に対する國庫補助増額の陳情(八件)(委員長報告)
 第二五六 船員の選挙権に関する陳情(二件)(委員長報告)
 第二五七 料理飲食営業の再開に関する陳情(委員長報告)
 第二五八 戸籍、寄留事務に関し地方財政法第十一條第二項中一部改正の陳情(委員長報告)
 第二五九 市町村消防費國庫補助に関する陳情(委員長報告)
 第二六〇 地方自治法中一部改正に関する陳情(委員長報告)
 第二六一 地方債のわく拡大に関する陳情(委員長報告)
 第二六二 都市計画税賦課率引上げに関する陳情(委員長報告)
 第二六三 遺族救済諸対策に関する陳情(委員長報告)
 第二六四 消費生活協同組合の住宅事業経営に関する陳情(委員長報告)
 第二六五 簡易生命保險及び郵便年金積立金運用再開に関する陳情(五件)(委員長報告)
 第二六六 枕崎郵便局無線分室敷地等拂下げに関する陳情(委員長報告)
 第二六七 十津川の河水統制事業に関する陳情(委員長報告)
 第二六八 京都府阪鶴道路線中肥後、桝谷両橋架設に関する陳情(委員長報告)
 第二六九 住宅建設促進に関する陳情(委員長報告)
 第二七〇 都市の不燃化に関する陳情(委員長報告)
 第二七一 奧会津開発促進に関する陳情(委員長報告)
 第二七二 名古屋、新潟両市間道路を國道に編入するの陳情(委員長報告)
 第二七三 鹿兒島縣末吉町内大淀川上流地区を直轄河川に編入の陳情(委員長報告)
 第二七四 電氣料金の適正化に関する陳情(委員長報告)
 第二七五 ゴム工業の炭鉱向賣掛金処理に関する陳情(委員長報告)
 第二七六 取引高税廃止に関する陳情(委員長報告)
 第二七七 取引高税撤廃等に関する陳情(委員長報告)
 第二七八 瀬戸内海の水雷保險復活等に関する陳情(委員長報告)
 第二七九 産業金融政策に関する陳情(委員長報告)
 第二八〇 在外同胞引揚促進に関する陳情(委員長報告)
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○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。
 この際お諮りいたします。前之園喜一郎君より運輸委員を、門屋盛一君より労働委員を、中村正雄君より予算委員を、山下義信君より議院運営委員をそれぞれ辞任いたしたい旨の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として運輸委員に門屋盛一君を、労働委員に前之園喜一郎君を、予算委員に山下義信君を、議院運営委員に中村正雄君を指名いたします。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) 日程第一、全國選挙管理委員会の委員の補欠指名を議題といたします。この度、全國選挙管理委員会の委員渡邊銕藏君が退職せられました。つきましては、この際その補欠指名を行います。
○平岡市三君 只今議題となりました全國選挙管理委員会の委員の補欠指名は、成規の手続を省略して、その補欠指名を議長に一任するの動議を提出いたします。
○大隈信幸君 平岡議員の動議に賛成をいたします。
○議長(松平恒雄君) 平岡君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として工藤鐵男君を全國選挙管理委員会の委員に指名いたします。(拍手)
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) 日程第二、建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事中川幸平君。
    ―――――――――――――
   〔中川幸平君登壇、拍手〕
○中川幸平君 只今議題となりました建設省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会の審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本法案は行政機構刷新の政府の方針に基きまして、建設省の機構を簡素化するため、現行の建設省設置法の一部を改正いたしたものであります。この改正法案は建設省の機構の根本的改革には殆んど触れておりません。ただ僅かに行政機構刷新の政府の方針に基いて、現在の機構を基礎としてその整備を図るに止めたもので、建設省機構の根本的改革は今後の研究に俟つ旨政府は言明いたしておるのであります。
 本改正案の改正の要点は、第一に、現在の総務局、河川局、道路局、都市局、建築局、特別建設局の六局を、管理局、河川局、道路局、都市局、住宅局の五局とし、管理局に営繕局を置くことになつているのであります。(「朗読やめろ」と呼ぶ者あり)本改正案で新らしく置かれました管理局におきましては、現在の総務局及び特別建設局営繕部の事務を所掌し、又住宅局においては現在の建築局の事務を所掌することとなつております。他の諸局の所掌事務については、若干字句の整理を加えたに止まり、特に変更を加えてはおりません。第二に、現在の建設工事本部を廃止して、その事務をそれぞれの所掌に應じて各局及び地方建設局に総合いたしております。第三に、現在建設省設置法施行令によりまして規定せられておる特別の職、附属機関及び地方支分部局の組織、権限等を建設省設置法中に規定しております。
 以上申述べました点が本改正案の主な改正点でありまして、本委員会では審議の結果、多数を以てこれを可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 本案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。原口忠次郎君。
   〔原口忠次郎君登壇、拍手〕
○原口忠次郎君 この法律案は曾て建設省設置法案が第二國会に上程されましたとき、下條決算委員長より報告せられました「政府は建設行政の一元化は國家復旧の絶対條件たることを認識し、國家行政組織法の施行までに農林、商工、運輸、厚生、文部、法務等の各省及び廳に分散する建設行政を総合するためあらゆる方途を講ずべし」という本院の院議を満足せしめる何らの措置をも講じてないのであります。私は中途半端な建設行政でなく、総合的な建設省の発足を議員諸賢に訴えるものであります。例えば例を利根川にとりましよう。上流の山腹は農林省の砂防、溪流は建設省の砂防、又発電地点では商工省の水力発電、中下流部は建設省の河川と農林省の用惡水と厚生省の水道、河口は農林省の漁港としての銚子港、中流に沿う佐原の町は川の港として運輸省の支配を受けておるのであります。河川は國土の動脈であります。利根川は事務の種類別によりまして各地でこのような支配をされ、河川としての総合機能を発揮し得ることのできない一つの惡例であります。又地方に散在いたします中央の出先官廳の廃止統合は國民の要望であります。建設省の出先官廳としての地方建設局は、全國で仙台、船橋、名古屋、大阪、廣島、福岡の六ヶ所であります。又これと同じような機構、機械力、技術力を有する運輸省の港湾建設部が新潟、横浜、神戸、下関とにありまして、全國に総計いたしますと十ヶ所となるのであります。この港湾が建設省に入りますと、船橋と横浜を合併し、又大阪と神戸を合併し、又下関と福岡とを合併いたしまして、新潟に新らしい建設局を作りますれば、十分でございます。即ち三つの中央の出先機関を廃止し得るのであります。況んや港湾は四十余年間、河川、港湾、道路として土木事業の大道を歩き、旧内務省の土木局の同じ屋根の下で密接不可分の関係にありましたものを、東條内閣の十八年の十一月、海運行政の一元化という美名の下に、無理やりに建設行政を事務別にした一つの惡例なのであります。更に又日本の港湾は指定港湾以上三百六十余港ありますが、その中で六十余港は河の中にある港でございます。例えば東京、新潟を御覽になれば直ぐ認識頂けると思います。北海道には四十万町歩の大泥炭地がございます。あらゆる領土を失いました今日の日本におきましては、この開発こそ焦眉の急務でありますが、農林省の貧弱な土木技術を以ていたしましては、この大泥炭地の開拓は恐らく百年河清を待つ感が深いのであります。
 英國が印度の開発事業中、有名なのはガンジス河流域の大砂漠地帶の一大灌漑工事でありますが、これは土木省のやつた仕事であります。米國にTVA開発事業がございます。これは皆さん御存知じと思いますが、ミシシツピー河の支川テネシー河の河水統制事業でありまして、いわゆるテネシー溪谷の総合開発事業であります。第一に水運の改善、二、洪水の防止、三、水力の発電、四、農村の工業化、五、植林事業、六、硝酸又は肥料の製造、これらを行う大統領の直轄機関としてテネシー開発局を設立いたしまして、一九三三年議会の協賛の下に故ルーズヴエルト大統領の英断の下に、各省や民間の反対を押し切つて設立いたしまして、一九四二年大体の完成を見たものであります。戰爭に勝ちました米國は、十六年前、私が今ここで叫んでおるようなことを何の不思議もなく決行いたしております。戰爭に負けました日本は、今私がこうして喋らなければならない状態であります。何と情ないことでありましようか。近代國家の國民生活が高度に発達いたしまして段々複雜化するに連れまして、行政官廳の機構が次第に細分化されて行くことは勿論当然であります。併し又行政機能を十分に発揮さすために、できるだけこれらを統合することも当然であります。この細分化と統合化との矛盾を止揚いたしまして、行政機関をしてその機能を高度に発揮させるために、行政職分の科学的分類によつて再編成することが何よりも急務であるのであります。
 建設行政は、今日まで我が國におきましては事務の種類又は産業行政の補佐的附随部門としてのみ考えられ、從つて科学技術の進歩発達は阻害されたのであります。今日のごとくあらゆる物資の欠乏のときこそ、初めて建設行政を総合し、以て國民の福利を増進させなければならないと思うのであります、簡單でございますが以上を以て私の本案に対する反対意見といたします。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 兼岩傳一君。
   〔兼岩傳一君登壇、拍手〕
○兼岩傳一君 第三回國会におきまして芦田内閣が建設省設置法案を提出いたしましたときに、民主自由党はこれに対して正しい批判をされたのであります。即ち各省に分散しておるところの建設行政を一元化して総合的な建設省を作るのでなければ、國土の復興はできないということを主張されたのであります。(「いいぞ」と呼ぶ者あり)土木建設行政について格段に理解の深い民主自由党は、さすがに正論を吐かれるものであるわいと非常に深甚なる敬意を表したのであります。これより先、片山内閣の第二國会におきまして建設院設置法案が提出いたされましたときに、日本共産党は以下述べますような骨子の総合建設省の基本方針を発表したのであります。
 第一に、建設省は、一方において治山、治水、水力発電、灌漑用水、港湾、戰災都市住宅等に対する勤労國民の要求を直接反映し、精力的に國土の復興と再建を図ると共に、他方極く少数の大企業の独占を抑制し、建設事業内部にあるところの封建的な生産関係を近代化し、以て國富の増進と文化の向上を図ること。
 第二、建設省は、政府官廳間に残存する縄張主義を一掃すると共に、建設省内部の事務と技術の対立、学閥、派閥等のセクシヨナリズムを打破して、これを合理的な建設の生産機関にすること。
 第三、建設省は、建設事業の重大性と永続性とに鑑みて、一政府、一大臣の権限のみによつて運用されるべきものでなく、これと共に廣く勤労者、農民、市民、商工業経営者の團体及び科学技術者の團体の代表者などによつて構成されるところの委員会によつて最高方針の決定が行われると共に、その実行も監視されなければならない。即ち建設省が民主化されなければならないこと。
 第四、建設省は、國の天然資源の全面的な開発と利用のために、國土の自然科学的、経済的な調査を行うために、強力な調査局を設置し、並びに総合的な建設技術研究機関を持たなければならないこと。
 第五、建設省は、以上によつて得た資料に基きて、日本全体としての経済復興計画の一環として、総合的な國土復興計画を樹立すると共に、その現業実施部門を強化すること。
 以上の基本的な五つの任務を達成するために、取敢えず省の機構としては、
 一、運輸省にありますところの港湾の建設、維持、管理
 一、商工省の水力電氣の開発
 一、農林省の砂防、開拓、漁港
 一、國費支弁の営繕工事
 一、厚生省の國立公園、上下水道
 一、天変地変の予測のための氣象観測
 一、陸地測量及び水路測量
 等の所管事項を統合しなければならないということ。
 これを発表したのであります。然るに絶対多数を取られました民自党の吉田内閣が今回提出しておられるところのこの政府案は、曾ての第三國会において民自党の主張されましたところの正論を何ら反映していないことは勿論のこと、日本共産党並びに勤労者、國民大衆の要望するところを何ら採用していないのは勿論のこと、恰かも木に竹をついだように、総務局の中に営繕部というものを持つて行きまして、名前だけを監理局と変えて見たり、或いは更に滑稽であり更に非難すべきことは、建築局という名前だけを住宅局と改めまして、恰かも吉田民自党内閣が國の住宅建設に向つて一大躍進をするかのごとき幻想を與えようとしていることであります。御承知の通り今度の吉田内閣の住宅予算は、昨年の三十四億円に対しまして本年は僅か二十九億五千万円、貨幣價値の変動を計算に入れますならば、恐らく庶民住宅の建設は昨年の半分ぐらいしかできないのであります。而も諸君、この住宅関係の荒廃の状態は実に深刻であります。例えば壕舎、仮小屋、引揚者の寮などに住んでおられる方、最も非惨な方々が恐らく三十万世帶を下らないのであります。それから六疊一間に四人家族以上住んでおられます実にお氣の毒な家族の数が四十二万世帶を下らないのであります。又片道二時間以上通勤されますところのお氣の毒な勤労者の数が二十三万世帶、これら合計いたしまして、取敢えず何とかしなければならない世帶の数が実に百万世帶に近いのであります。にも拘わらず今回のこの住宅予算は僅かに二万五千戸、誠に焼石に水のような状態であります。そうして建築局を住宅局と名称を変えるということが何の意味を持つのでしようか。建設省内部における建築に関するやり方の事態はもつと惡いのであります。実に寒心すべき事実を私は皆さんにお傳えしたいのであります。私が建設委員会で政府の住宅政策の基礎数字を追究した最も大事なことは、一体日本は今住宅が減りつつあるのか、殖えつつあるのか。つまり一方において建つ住宅の数と、一方において風水害、自然的の磨滅、火災などで減つて行く数と、殖える住宅と減る住宅と、どういうふうにそのバランスがなつておるのかということを、あらゆる角度から私が追究いたしましたけれども、これに対して建設省は何ら答えることができないのであります。それは分らないという驚くべき無能振りであります。それから更に驚くべきことは、一昨々日の建設委員会で、庶民住宅、今申しました二万五千戸、二十五億円の各府縣への配当が行われましたが、どういう基準でこれを配当するか、いわゆる住宅の不足数に應じてこれをやるという。ところが各都市において現実にその都市に何戸の家が足りないであろうかということに対する資料がないのであります。はつきりしていないのであります。どういう角度から追究しても正確なことは分らない。つまり一方において日本の住宅が殖えつつあるのか、減りつつあるのかという数字を持たないのであります。一方において各都市が何戸、どのように住宅が不足であるかという基本数字を持つていないのであります。これはどこから來たか。これは昨年の芦田内閣は、建設省当局の要求しておりました調査費を二分の一に削つたのであります。然るに今回吉田民自党内閣は、建設省当局の提出いたしました調査費を七分の一に削つておるのであります。このようにして殆んど正確な住宅政策の基礎数字は得ておらぬのであります。而もこれに加うるに政府は、本省において三割、出先において二割の一挙機械的の行政整理をしようという方向に進んであります。從つて私共ははつきりと予言することができる。山村、農村はいよいよ崩壊の速度を加えるであろうということ、都市住宅難はいよいよその深刻さを加えるであろうということ、これであります。
 日本共産党は、以上の理由によりまして、只今提出されております非科学的且つ破壊的且つ欺瞞的なこの建設省設置法の一部改正に対しまして、全面的に反対を表明するものであります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) これにて討論の通告者は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) 日程第三、外務省設置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事中川幸平君。
    ―――――――――――――
   〔中川幸平君登壇、拍手〕
○中川幸平君 只今議題になりました外務省設置法案に対しまして、内閣委員会の審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本年六月一日から施行せられまする國家行政組織法第三條第二項及び第四條の規定に從いまして、新たに外務省設置法を制定し、外務省の所掌事務の範囲及び権限を規定することが必要となりましたので、本法案の制定を見たのであります。先ず、本法案の主要な点を御説明いたします。現在外務省には総務局、條約局、調査局、管理局及び特殊財産局の五局と情報部及び特別資料部の二部が置かれておりますが、本法案におきましては、政務局、條約局、調査局、管理局及び連絡局の五局を置き、又政務局には情報部を置くこととし、行政機構と事務の簡素化を図つております。即ち現在の総務局は政務局と改称されまして、現在の特別資料部を吸收し、情報部を同局内の一部とし、現在の特殊財務局は総理廳外局の賠償廳に統合されました。又現在総理廳の外局である連絡調整事務局を縮小整理いたしまして連絡局とし、外務省の内局の一つといたしたのであります。本法案におきましては、外務省の附属機関として外務省研究所及び中央連絡協議会を、又外務省の地方支分部局として連絡調整事務局を設けることになつております。尚、國家行政組織法の施行に伴いまして行政官廳法が廃止されましたので、特命全権大使或いは特命全権公使を認証官とする規定を存置する必要がありますので、本法案でその旨の規定を設けておるのであります。本委員会におきましては、情報部が本法案では政務局に置かれることになつておるが、情報部の任務の重大なることから、將來行政機構の根本的刷新が行われる際には独立の一局にすべきであるという希望意見が全会一致で認められたのであります。本委員会におきましては全会一致を以て本法案は可決すべきものと決定した次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 本案に対し討論の通告がございます。発言を許します。細川嘉六君。
   〔細川嘉六君登壇、拍手〕
○細川嘉六君 私は外務省設置法案に対して日本共産党を代表し反対するものであります。
 外務省は他の省と違つておつて、講和会議の前後でその任務と組織は異なるわけであります。今日我が國は占領下にある。併しこの占領下にあるがため一往々誤解が起きて、一体に卑屈になつておる。或いは消極的になつておる。その態度がある。で、外務省としましては、我が国が占領下にあるという理由を十分理解して、即ち占領は軍國主義の徹底的な掃蕩である、この條件の下に積極的に行動すべきであります。從來この終戰前のことを考えて見ますると、國民は國際関係のことについては誠に無智でありました。こういうように放置された結果、外交関係において何事が行われておるかについては全然判断が付かない状態でありました。中國については、今日はもう明らかになつておりますが、北華事変なんかは二三ケ師團あれば片付くと、こういうような考えで当局から教えられて、そのままに考えて來ました。それから又、アメリカなんというものは民主主義の國だから、戰爭すれば直き敗れる。諸君はどうお考えになりますか。アメリカというものの力については一般にそう考えさせられたものであります。ソ連はどうか。ソ連なんかというものは独裁主義の下にある。戰いをすれば各民族が蜂起して土崩瓦壊するだろうと、こういうような考えを一般に普及されておりました。これらに対して外務省は一体どんなことをやつて來たか。誠に軍部の言うがままに引摺られて來たという状態であります。そうしてフアツシヨ・イタリーだとか、ナチスのドイツだとか、それを礼讃して何事もこれに從えばよいと、こういうようなところに國論を引つ張つて行きました。こういうような状態は誠に危險な状態であつたのであります。今日はつきりしておる。今日の状況から過去を見ますというと、誠に痛ましい教訓がここにあります。外務省のなすべきことは、單なる外交官が他國の外交官と一緒になつて取引するという單純なものではありません。殊に今日我が国がこの困難なる状態から立上ろうとするには、國際関係を担当する外務省の働きの背景には、國民がよく世界の情勢について、或いは関係各國の事情について、正当な理解を持つており、そうしていろいろ事件を正当に判断するということがなければなりません。この点におきましては、すでに我が外務当局の態度というものは感心されないものが出ておる。例えば文部省が作つた「民主主義」という教科書があります。これなんかは全く民主主義を一方的に解釈して、旧來の民主主義はすべて民主主義であるとし、そうしてソ連、或いは中國或いは中央ヨーロツパ民主主義については全く反対の態度をとつておる。こういう誤まつた考えを流布しておる。そうして、こういうことは外務省においてはどう扱われておるか。更に北太平洋同盟なんかというものの提唱を外務省の中から持出されておる。これなんかはどういうことになるか。ヨーロツパの問題を太平洋に持つて來て、そうして冷たい戰爭の中に我が国を引き入れて行くという危險をすでに出しておる。戰前の憂うべき状態が今日尚持続されておる。こういうことは、もう今日断乎として是正さるべきことであるが、外務省の今日の官僚は如何なる新たなる確信を持つておるかどうか。貿易につきましても、單に今までの貿易、今現に行われておる貿易、これだけで満足すべきではありません。大なる変化をなしておる中國との貿易はどうするか。日本と中國とが重大なる関係にあることは申すまでもありません。それを一方的に他に引つ張られて行つてしまつて、そうしてこれに要すべき注意を拂わない、努力をしないということは、後はどうなりますか。私は中國、更にソ連、これらとの貿易、それについては、もう少し十分なる努力を傾くべきものであると思うのであります。我が國の國際経済関係は狹く一方に偏してはいけません。廣く、殊に近い各國との貿易関係は、從來の偏見を捨てて大胆に正しくこれと結ぶ、これを展開して行くということでなければなりません。
 更に又、講和会議において物事が最後的に決まりまするが、それ以前においていろいろの取決めを今日何かの形においてやつて、講和会議以後それがために我が國が束縛されるというようなことがあつてはなりません。講和会議以前の取決めは一議的のものでなければなりません。我が国の外交について更に大切なことは、我が國の独立と自由とを損わしてはいけない。(「簡單」「そこは大事だ」と呼ぶ者あり)これを嚴に守らなければならない。目前の事に囚われてこれを失うようでは、國民に対する責任は果せない。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)それから、一方の國に対して今日便利であるからといつて、それに偏して、他の重大なる諸國を袖にする、これに敵対するというような偏見は断然止めなければなりません。廣くそうして強く我が國の國際関係を立てる、この覚悟を外務省は持たなければならぬ。これはどうであるか。この点において非常に疑いがある。私が外務省設置法案について反対する理由は、これらの点においてばかりでなしに、現に外務省設置法に現われた組織というものは余りに厖大である。これは縮小すべきである。そうして、この法案の規定しておるところの任務というものは、講和前と講和後との関係を無視して混乱して述べられておる。それで私は、外務省の任務といたしましては、講和会議の諸準備、通商貿易関係の調査及びその促進、國際情勢の調査と國民への普及、それから外交再開に対する諸準備、これらの諸点に限つて能率的にそうして十分なる成果を挙げるように外務省が構成され、そうしてこの講和会議後の効果を收めるよう努力されるべきものであることを主張するのであります。
 以上の理由によつて、この任務の混乱と、それから機構が惡い、厖大過ぎると、これらの点において反対の理由を持つているのであります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) これにて討論の通告者は終了いたしました、討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程第四、大藏省設置法案、日程第五、大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事中川幸平君。
    ―――――――――――――
   〔中川幸平君登壇、拍手〕
○中川幸平君 只今議題となりました大藏省設置法案外一件につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 來る六月一日から國家行政組織法が施行されるに伴いまして、從來大藏省官制を初め多くの單行法令によつて規定されております大藏省の組織に関する諸法令を、國家行政組織法に適合した一本の法律に整備統合いたし、又内閣の方針に從いまして、この際大藏省の機構を整理縮小いたしますと共に、去る五月四日、連合國軍最高司令官より日本政府宛に発せられました「日本政府の國税行政の改組に関する件」により、徴税機構について相当思い切つた改革を行う必要がありますので、この法律案を提出された次第であります。本法案の内容の概要は、先ず大藏省の機構の整理縮小等でありまして、本省機構は從來官房及び七局でありましたものを、官房及び五局に整理いたしました。即ち給與局を廃止し、その事務を主計局に吸收すると共に、從來の理財局、國有財産局及び監理局の三局の事務を、理財局及び管財局の二局に調整所掌させることにいたしました結果、二局を減少いたしました。局内の部等につきましては、從來の主計局の第一部及び第二部、主税局の監理部、理財局の外資部、管理局の財務部の六つを削減いたしました。尚、近來財務行政に関する渉外事務が極めて複雜多岐に亘り、特に今回新設される米國対日援助見返資金の管理に関する事務は極めて重要でありますので、この際本省に財務官一人を設置して、渉外事務の総轄に当らせることといたしたのであります。又外局は、從來の專賣局が六月一日から日本專賣公社となります外、会計士管理委員会及び同事務局を廃止いたしまして、その事務を理財局に吸收させることといたしました結果、二部局を減少することとなりました。又証券取引委員会は、事務局の部制を廃止して次長一名とし、造幣局及び印刷局は國家行政組織法の建前からそれぞれ廳と改めることになりましたのでありまするが、廳内の部につきましては縮減を行なつているのであります。
 次に、徴税機構につきましては、冒頭に申上げました通り、連合國軍最高司令官の覚書に基きまして、先ず中央においては、新たに外局として國税廳を設置し、現在の主税局から税関行政に関する事務並びに租税制度の調査、企画及び立案に関する事務を除いた、主として内國税の賦課徴收に関する事務をこれに所掌させることとし、地方においては、國税廳の地方支分部局として新たに國税局を設置し、現在東京以下十一の財務局から、同じく國税の賦課徴收に関する事務を分離して、これに所掌させると共に、残りの理財部及び國有財産部系統の事務は、新たに財務部を東京以下八ヶ所に設けて、これに所掌させることといたしたのであります。從いまして今後徴税事務は國税廳、國税局及び税務署と、完全に独立した機関によつて運営せられて、その他の事務は本省及び財務部によつて運営せられることと相成つたのであります。
 以上が本法案の要点でありまするが、本委員会では愼重審議の結果、第十六條の財務部の中に、金沢財務部と熊本財務部を新たに加える必要を認めまして、第十六條の修正を全会一致で可決すべきものと決定いたしました。尚その他の部分につきましては、両法案共に全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 大藏省設置法案に対し討論の通告がございます。発言を許します。川上嘉君。
   〔川上嘉君登壇、拍手〕
○川上嘉君 私は無所属懇談会を代表いたしまして、この法律案に反対いたします。時間の都合上、一々具体的な諸問題をここで採り上げることは省きまして、政治の根幹であります予算の編成権と、現下國民にとりまして最も関心のある税金問題との二点から反対の理由を申述べることにいたします。
 そもそも基本的な國全体の行政機構の改革は、あらゆる方法で民間の衆智を集めまして、簡素化、能率化に適應した合理的な制度を確立してこそ、初めて改革の目的が達成されるのでありまして、今回吉田内閣が提出いたしました俄か仕立ての行政機構の改革は、却つて國家百年の悔を残すがごときものであると、かように断言するものであります。今回の行政機構改革案の全体を見ますと、依然として外局が多く、このことは却つて行政機構の複雜化に役立ちこそすれ、断じて簡素化、能率化にはならなのいであります。(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)
 先ず反対理由の第一点の予算の編成権についてでありまするが、最近これを大藏省から引離しまして内閣に直属せしむべきであるとの重要な論議、眞摯な要望が各方面においてなされておるのであります。從いましてこうした國政の根本問題につきまして、公聽会を開いたりして、あらゆる方法、あらゆる努力を盡しまして、各界の意見並びに各方面の科学的な資料を成るべく沢山蒐集いたしまして、これを十二分檢討し、然る後に大藏省の根本的な機構改革が企図されるべきであります。次に税金問題についてでありますが、本案によりますと、從來の主税局を主税局と國税廳とに分割しております。何が故に当初案を途中で修正してまでも慌てて六月一日から國税廳が発足しなければならないのであるか。政府は本会議における一般質問の答弁におきましても、予算、大藏の両委員会などにおきましても、常に税制改革はすべてシヤウプ博士の來訪を待つて善処するという態度をこれまでとつて來たのであります、而も去る十九日の外人記者との会見におきましてシヤウプ博士は、九月末までに税制改革については勧告を行う旨発表いたしております。從いまして國税廳の設置のごとき機構の改革は、当然にシヤウプ博士の勧告を待つて、然る後、税法及び税務行政面の諸改革と睨み合せて、あらゆる角度から最も合理的に実施されるべきであると思います。機構の改革は、單に機構だけでなく、一切の税制改革と相俟つて実施されてこそ初めて効果がある筈であります。シヤウプ博士の勧告前に即刻なさなければならないことは、むしろ國税廳設置のごとき恒久的対策と見るべき機構の改革ではなくて、税制改革が実施されるまでの間、当面の緊急の問題、即ち徴税強行であるとか、或いは割当課税であるとか、或いは課税が不公平であるとか、不適正であるとか、税金が馬鹿高過ぎるとか、こうしたごうごうと非難されておりますところの当面の直接の問題を、一日でも早く如何にこれを処理するかというような特別な緊急措置こそ、これを自主的に、積極的に講ずることこそ、目下吉田内閣のとるべき急務であるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)
 以上の根本的な二点の理由で、無所属懇談会はこの大藏省設置法案に対して反対する次第であります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) これにて討論の通告者は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより採決をいたします。先ず大藏省設置法案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) 次に大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程第六、郵政省設置法の一部を改正する法律案、日程第七、電氣通信省設置法の一部を改正する法律案、日程第八、郵政省設置法及び電氣通信省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事中川幸平君。
    ―――――――――――――
   〔中川幸平君登壇、拍手〕
○中川幸平君 只今議題となりました郵政省設置法の一部を改正する法律案外二法案の内閣委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 現行の郵政省設置法及び電氣通信省設置法は、過般第三國会におきまして制定を見たのでありまするが、來る六月一日より施行されまする國家行政組織法に則り、各官廰の機構簡素化に対應して、相当の縮小を見たものであります。先ず郵政省におきましては一官房、八局、十三部を一官房、五局、三部に改め、形の上では相当の簡素化を見たのであります。郵政省の機構改正の大きな点は、先ず本省の監察局、郵務局、貯金局、簡易保險局の四局には、現行の設置法におきましてはそれぞれ三部乃至四郎を置いておりましたが、今回この部制をすべて廃止し、又この四局の局長には特に理事を以て充てることにいたしておりましたものを、この理事も又取止めることとなつたのであります。第二には、現在の設置法における人事局、資材局、建築局の三局を廃止いたしまして、いずれもこれを大臣官房の部に縮小したのであります。機構の縮小に伴い部長、次長等も十名余りを整理しておるのであります。地方機関の設置そのものについては別に変更なく、内部の機構については大体本省に準じ簡素化したのであります。次に電氣通信省の機構改正につきましては、総務長官を電氣通信監に改め、長官官房を電氣通信監室とし、業務部門、施設部門担当の理事二人を廃止して、新たに業務局及び施設局を置き、両部門の中に置いた各局をすべて部に引下げ、同時に業務総務室及び施設総務室を廃止することにしたのであります。尚、人事局を廃止してこれを大臣官房の人事部といたしました。この縮小によりまして、理事二人を減じ、局は九局を整理し、二局を設置し、差引七局を減じたものであります。次に外局関係におきましては、電波廰では四部を三部に縮小し、又航空保安廰では二部制を廃しまして、次長一人を置くことにいたしたものであります。次に郵政省設置法及び電氣通信省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案は、両省の設置法を改正することによりまして、これらの点に関する法令の整備に関する規定を一括したものであります。本委員会におきましては、先に現行法の制定に際し審議を盡した関係もありまして、更に愼重審議を重ねました結果、多数を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。木下源吾君。
   〔議長退席、副議長著席〕
   〔木下源吾君登壇、拍手〕
○木下源吾君 日本社会党は、只今提案の法案に全部反対であります。
 その理由といたしましては、元來これらの基礎をなすところの定員法が、いわゆる定員法がまだ決まつておらない。殊に二十四年度予算において我々が協賛を與えたところの法律案、この定員等の関係も甚だ不明瞭である。(「余りむごいよ」と呼ぶ者あり)先ず、併しながら只今御報告に現われておりまする件は、委員会においていろいろ愼重に御努力なさつての御報告に対しては敬意を表しまするが、この一端を見ましても、私が只今申上げたようなことが当ると思うのであります。
 郵政省の簡易保險局の実情を見まするというと、実にいろいろな仕事が多くて、臨時雇を千百名も雇わなければならんことになつている。この点について衆議院で質問がありました際に、大臣はそういうことはやらない、こういうように答弁しているのでありますが、実際には一昨日の二十一日に局長会議があつて、これが決定せられ、その要網までもちやんとできているというような事情であります。ただ民自党は首切りをやるのだというような、このような一つの面子に囚われまして、実際には要るものを、それがなければ事業が遂行できない、國民全体としての不利益、こういうことに考慮することなく、ただその役人に或る一部における不親切、或いは涜職とか、いろいろそういう面に対する國民の不満に対して應えめかのごとく、そうして実際に必要な、國政運用に必要なるところの事業をちつとも顧みておらない。今の簡易保險局でありますが、これだけを取つて見ましても、これは今重大な大きな局でありまするが、單なる内局に過ぎない。これは当然皆さんお考えになつても外局にすべきであろうということは、これは肯けるのであります。独立採算制、或いは独立性を保持するためにも、これは外局にしなければならないということは、皆さん誰が考えてもそうだと思うのであります。殊にこの法案に現われている面からだけ見ても、頭だけは大きくて、実際のこの現業方面は非常に整理されているのだ。このようなことが事業の遂行の上において果して皆さん御納得できましようか。私はそういうような頭ばかりあつて、実際手足が動かない、そういう状態というものは、仕事にならないものだと、かように考えられるのであります。仔細に亘つて検討するならば、今のような面が各所に現われております。殊に惡い点は、表面は人員を整理するのだ、そういう機構を作つている。併し現実には今言う通り、必要な人間の五分の一にも相当するような千百名の臨時雇を、而も五年の間臨時雇にする。臨時雇はどういうようなことにするかと言えば、最低二千八百円の俸給で最低線をやつて置いて、後は出來高佛い、請負制度、この請負制度、出來高佛いというものは如何に労働の酷使になるか、労働者を搾取する上にこれほど重宝なやり方はないのであります。成る程民自党は、日本の経済復興に対しては、労働者、働く者には過重な負担を負わせて、そうして大資本の方面に奉仕しようとするような、そういう政策を強行することが日本の経済復興に対して最も今日とるべき途であるということを考えられておるのでありまするからして、かくのごときことは或いは当然だというようにお考えになるかも知れませんけれども、(「ノーノー」と呼ぶ者あり)総理大臣はこの壇上から國民の協力を求めると言うたあの一言は、決して頭の方の、例えばこの法案に現われておるような局長や部長や、そういう人たちの協力ではなかろうと思う。眞に働く者の労働者、農民、一般大衆の協力、喜んで國の再建に向つて協力するということは私はならなければ、総理大臣の意図することは私は成功しないと考える。然るに拘わらず口でそういうことを言つていながら、現実に行うところの面においては盡く労働者の酷使、労働者の負担、そうしてこの日本の経済を復興しようというようなやり方に対しては、私は、我が日本社会党は挙げて断乎反対するものであります。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 中西功君。
   〔中西功作君登壇、拍手〕
○中西功君 電氣通信省設置法の一部を改正する法律案、郵政省設置法の一部を改正する法律案並びのこの施行に関する法律案の三法案に対しまして、我我日本共産党は全面的に反対するのであります。
 次にこの法案を我々が反対いたしますところの理由を述べたいと思います。特にこの両法案につきましては、すでに第三回の國会においてその設置法が決定されました。併し未だにそれが実施されないでおるとき、再び今回のような改正案が出たわけであります。これは実は國家行政組織法がまだ実施されるに至らないのに今日滅茶苦茶に変更を見つつあるのと非常によく似ておりまして、一度決定されたことが殆んど定まらず、直ちに次ぎ次ぎと変えられて行く、ここに我々今日の日本の政治の非常な不安定が存在しておるということを痛切に感じます。ところで、この法案、特に電氣通信者の問題は、私はこれは極めて大きな問題を我々に提起していると、こう思うのであります。何故ならば、この電氣通信省のこの管理機構は、アメリカの言葉で申しますれば、ライン・オルガニゼーシヨン、日本の言葉で申しますれば笠形機構という、日本にとつて新らしい一つの機構を輸入したわけであります。確かに一見いたしますれば、このライン・オルガニゼーシヨンという機構は、一つの可なり集権的な組織でありまして、又ビジネス的に考えるならば、非常に簡素化され又能率化されておるわけであります。資本主義機構が作り出したところの一つの機構といたしまして、確かにこれは可なり高いものであります。我々はそれを認めるのに決して吝かではないのであります。併し問題は、このようなものが日本にそのまま輸入された場合に一体どうなるか。多くの人々は、日本が遅れているから、アメリカのこのような高度のものを持つて來れば、それは駄目なんだと言いますが、私は全く逆だと思うのであります。日本は決して遅れていないのであります。日本は非常に進んでおるのであります。(「独断だ」と呼ぶ者あり)むしろ逆に、この資本主義的に高度に発展したものを、非常に進んだ日本にそのまま持ち込んで來るところから恐ろしい矛盾が來るのであります。今、日本人の考え方の中には非常な顛倒があります。アメリカのものは何でも進んでいると思つております。確かに資本主義的には一番進んでいるのですが、社会主義的には一番遅れているのです。(「立場の相違で止むを得んじやないか」と呼ぶ者あり)労働組合を見ましても、アメリカの労働組合が一番民主化されておるということを一生懸命で言つている人がある。併し全世界をよくみたら分る。アメリカの労働組合は一番遅れているのであります。どういう点で遅れておるかといういえならば、労働者が眞に階級的なる組合を持つていないという点で遅れている。併し組合の運営の個々の問題、或いはそうした些々なる問題については、特に資本主義的な労働組合としては、それはいろいろよい点を持つている。今日、日本の経済機構は一体どこに來ているか。我々は決してこれを遅れているとは思わないのであります。非常に進んでおるのです。その進んでおる理由は、今日、日本のこの経済的危機を突破し、そうして日本の本当の復興を図るためには、どうしても社会主義の方向に向つてでなければ、これはもう駄目なんです。資本主義なるが故に幾多の腐敗、堕落、いろいろのものが行われて來ているのです。もう誰が見ても資本主義では日本はどうにもならないということは、もうはつきりしている。(「共産主義でも駄目だ」と呼ぶ者あり)もうどんなに資本主義的なる方法を持つて來ましても、どんな資本主義的な高い機構や考え方を持つて來ましても、これはどうにもならないのです。(「程度の相違じやないか」と呼ぶ者あり)そういうふうな点から見ますれば、日本は重要産業や或いは重要な金融機構が非常に國営化されておる。或いは資本主義的な統制や、國家的な統制が非常に進んでおる。もうこれを自由経済的に引戻すなどということは、できないことではないでしようが、それをやろうとするならば、勤労大衆の犠性を、物凄い犠性を強要しなければできない。それは勤労大衆の物凄い反抗にぶつかることは火を見るよりも明らかであり、又現にぶつかつておる。そういう意味において日本はもう社会主義に向つて進むより外にない。それがもうあらわれに見えておる、進みつつある。ここに非常に高い日本の経済機構が、決して遅れていないという、そういうところをよく示しておるのであります。こういうところへ持つて來て、最も発達したと言われておる資本主義的な高度のライン・オルガニゼーシヨンを持つて來る結果が、一体どういう結果をもたらすか、或る人は一部を見て、表面を見て、これが民主化であるとか、或いはこれが近代化であるとかと言つておるが、これは飛んでもない。そんなものではないのです。実際に今日もう暫らくすれば恐らく電氣通信省が発足するでしようが、その現実が何よりもよく示すと思うのです。それならば、一体具体的に見て、このような機構の採用が今現にどう結果しておるか。私は二、三それを挙げて見たいと思うのであります。
 第一は、このような機構によつて物凄い中央集権的な、独裁的な機構ができ上ることであります。一見すれば非常にこれは民主化に見えます。併し実際には日本の経済情勢と関連して考えるなるば、それは非常に新らして独裁機構を作るのであります。これはすでに從來の旧式な千成瓢簟式の日本のいわゆる官僚機構でこれで是正されます。だが併し笠形になつたこの頂点に立つところのこの人の非常に集権的な組織が考えられる。而もその場合一般的な民主主義がいよいよ剥奪されて行くというこの現状の下でこれが行われる。即ち逓信省関係が今まで出されたものだけを見ましても、公務員法、人事院規則、特別会計法、標準実施法、標準指令、逓信職員訓練法、こういうような内容を持つたものの上にこの集権機構が確立されるということは、一つの新らしい独裁機構を作り上げる。これは極めて明白なんであります。
 更に第二番目は、これと関連いたしまして物凄い労働強化、更に今日これが今審議されつつあるところの定員法と関連いたしておるのでありますが、労働強化と関連して大量馘首が行われようとしております。四万数千人の人々がこの機構のために、こういういわゆる合理化のために首を切られようとしておる。即ち労働強化、失業の強制、これがこの機構と結びついておるその結果として起る第二の問題であります。
 更にこれはもつと根本的に遡つて言いますれば、第三には、この新らしく集権化された、独裁化された機構は一体誰に奉仕するか。これは私は重ねて申しません。いろいろの審議会やそうしたものの線を通じて、日本の大きな資本家のための直接奉仕する体系がここで生れて來ることも、これも極めて明白なんであります。
 更に第四番目について申しますれば、諸外國との関係の問題であります。この諸外國との関係について、この日本の國内においては急速には生産することができないところの通信機械や機構を使つて、直ちにアメリカ式のこの機構を直接に輸入する結果は、アメリカから種々のパテントや或いは通信機漢やそうしたものを大量に輸入いなければならない羽目になつております。今日、日本の電氣通信機械或いはその他のものが非常な過剰生産に陷つて、金もなく給料も支拂えない、遅配欠配が起つておるということは、こう殆んどの人が知つておるのであります。そういうときにわざわざ外國の方からパテントや或いは通信機械を輸入しなければならないような、こういう機構を作ることが一体日本の國民経済に何をもたらすか、日本の通信事業に何をもたらすかは、これはもう明白なんであります。無理やりに、社会主義に進みたくないが故に無理やりに資本主義を維持したり、或いは移し変えようとする結果は、このような悲劇に実際結論として到達して行くのであります。我々はこの新らしい機構の採用の結果が、このような日本の民族的な悲劇に行くということを、特に日本の國民の人々がはつきりと考えなければならないと思うのであります。(「分つたよ」と呼ぶ者あり)これはむしろ日本の資本主義そのもののこれは悲劇なんであります。以上大まかな点について、私はこの電氣通信省設置法案がもたらすところの結果について述べたわけでありますが、同時にそれは我々共産党がこの三法案に反対する理由であります。
 最後に私は申上げますが、現にこの法案の審議は將に一年になんなんとしておるのであります。こういう問題は日本の多くの労働者が現にこの問題の内容を知りつつあります。この法案が、或いはこういう傾向が(「降壇々々」と呼ぶ者あり)大量首切り、失業、そして日本を破滅に導きつつあるということをよく知つております。我々はこういう問題に対して眞劔に考えますが故に(「議長どうした」と呼ぶ者あり)この三法案に対して…。
○副議長(松嶋喜作君) 大分時間が経過いたしました。
○中西功君(続) 断乎として反対せんとするものであります。以上を以て終ります。
○副議長(松嶋喜作君) これにて討論の通告者は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて三案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 日程第九、文部省設置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事中川幸平君。
    ―――――――――――――
   〔中川幸平君登壇、拍手〕
○中川幸平君 只今議題となりました文部省設置法案の内閣委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 本法案は行政機構刷新の政府の方針に伴い、文部省におきまして、その機構の簡素化を図ると共に、教育の民主化を推進するにふさわしい中央教育行政機構を設けんとするものでありまして、中央集権的な從來の文部省の監督行政の色彩を全面的に拂拭したもので、文部省が教育、学術、文化のあらゆる面について指導助言を與え、これを助長育成する機関であることを規定いたしております。
 本法案に現われておりまする機構改革の大要を説明いたしますると、現在の官房、学校教育局、社会教育局、科学教育局、体育局、教科書局、調査局及び教育施設局の一官房、七局を、官房、初等中等教育局、大学学術局、社会教育局、調査普及局及び教育施設部を含む管理局一官房五局一部にいたしておるのであります。初等中等教育局は高等学校以下の学校の教育を所掌し、尚、現在の教科書局で取扱つておりまする教科書の編修、改訂の事務、体育局で取扱つておりまする保健衞生の事務、科学教育局で取扱つておりまする科学教育事務等を取扱うことになつておるのであります。大学学術局は、現在の学校教育局の大学教育の面と、科学教育局の研究事務を所掌いたすことになつておるのであります。社会教育局は大体においては現在通りでありまするが、現在の体育局の運動競技関係の事務が加わり、著作誌関係の事務が管理局に移つたことなどが異なつておる点であります。調査普及局は、新らしい文部省に極度に必要とされる調査研究及び統計調査の外、文部省の各種出版物等の利用による文教政策の普及を行うことといたしておるのでありまするが、尚、國語の調査研究及びその結果の普及をも併せて行うこととなつております。新らしくできまする管理局は、文部省の管理的行政事務を内容面の指導を担任する部局から分離して一元化するために設けられたものでありまして、更に現在の教育施設局を部と変更して同局に合体したものであります。更に現在文部省の地方出先機関である文部省教育施設局出張所は、その名称を文部省教育施設部出張所と改めまして、文部省の地方支分部局として、現在通りの事務を取扱うこととなつておるのであります。以上が本法案の大要でありまするが、本委員会におきましては愼重審議の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 本案に対し討論の通告がございます。岩間正男君。
   〔岩間正男君登壇、拍手〕
○岩間正男君 私は日本共産党を代表いたしまして、この法案に反対するものであります。
 この法案の精神とするところは、從來の教育行政の目的であつたところの監督官廳としての性格を排除して、新たに教育行政に対して助成と指導を與えるということになつておるのであります。從つてこの目的の規定されておる面だけについて考えるならば、それは一應正しいと言わなければならない面があると思うのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)併しながらこの助成と指導の限界が果してどうなつておるか、この点において非常に曖昧であると言わなければならない。私は現在行われておるところの文部行政の実態を、ここ二、三年の実態を具さに見て來たのでありますが、正に今謳われておるところの、表面のこのような名目とはまるで反するところの行政を深刻に具さに見て來たのであります。例えば秋田師範の問題でございますが、秋田師範においては卒業生が、その何名かが、今まで学園の自治的な改革のために努力をした、学内の自治運動を起したという理由を以て、卒業しても就職されないというような問題が起つた。ところがこれに対しまして、文部省は二月において学校教育局長の通牒なるものを発しておる。そうしてそれによりますると、師範の卒業生は飽くまでも卒業してから一年の義務は負わなければならないのであるけれども、併し卒業してもこれを就職させるかどうか、必ず就職させなければならないという義務は教育委員会においては絶対負う必要はない、必ずしもそれを負う必要はないというような通牒を出しておるのであります。而もこの通牒はなぜ出したかというようなことを私が当局者に向いまして質問しましたところが、これに対する返答は、何も秋田師範の問題に関連して出したのでなくて、一般の問題として出したのだと、こういうような返答をしておる。併し段々この質問の手を突き詰めて見ますというと、やはり各方面からそういうような要求があつたと、だから出したのだということを言つております。併し今申しましたように、今言つた一般的な通牒として出されたこの通牒が、現実の発生している問題に対してどのように深刻な影響を與え、決定的なこの問題の解決のために影響するかということについては、文部省は実は知らない振りをして知つておると言わざるを得ないのであります。このようなことを一方においてやつておるかと思いますと、又一方におきましては、例えば東京帝大に起りましたところの看護婦さんたちの養成学校、この芙蓉寮におきまして、やはり学園の自治化のために闘つたところの女の看護婦さんたちが、やはり同じように卒業に際して就職させられないということが起つた。そこで、これらの五名の人たちが、この学校当局の措置に対しまして、非常に彼らは飽くまでもこれに対して不満を持ちまして、遂にハンガー・ストライキに入つた。この問題を私は委員会においてやはり当局の説明を求めたのでありましたが、これに対しては何と答えたかというと、これは飽くまでも学校は、大学は自治的にやるべきものである、從つてこの問題については、文部省は僅かに事務関係の人を呼んで問題を聞いただけであつて、今後もこの問題に対して適切な助成や指導を與えようという見解はない、こういうことを言つておる。そうしますというと、或る場合においては、必要のないところの問題に対しては、文部省は積極的な指導を與えておりながら、一方におきましては、生命の危機に瀕するようなこのような重大問題が発生しておるものに対しまして、而も責任をはつきり明確にしてこの問題を指導し善導するというような方向をとつていない。即ち根本にあります新らしい性格と言われておるところの指導と助成が、文部官僚によりまして、或る場合には、これは適切に選ばれ、或る場合は棄てられる、いわゆる名目はどうであろうとも、この行政の実体に当る文部省のこの役人たちの考えが、そうして新らしい一つの教育のあり方に対する考え方そのものが問題なのでありまして、この問題が完全に拂拭されない限りにおきましては、私はこのような文部省の機構を、單にいじるというやり方によつては絶対に目的を達成することができないということを痛感するものであります。曾て出しましたところの学生の自治運動に対する次官通牒の問題、更に今重大な問題になつておりますところの民主主義の教科書を作つた文部省であるということが、文部省の性格を語つておると思うのであります。古い時代の性格を眞に文部省は拂拭しておるかどうか、曾ては精神動員の総本部であつた、而も敗戰後におきまして、一應はこの性格は解消させられたいことになつておりますけれども、今申したような点におきまして私はまだ残存されておるところの、これらの保守的な官僚の性格を、ありありと見出さざるを得ないのであります。もう一つ例を挙げさして貰いますれば、この前、東京の中野の多田小学校におきまして教員が政治活動をやつた。こういうことのために教員を首切るという問題が起つた。この問題に対しまして、東京の教育委員会は問題を決定し兼ねて、文部省に伺いを立てた。文部省はこの問題を自分でやはり決定することができないので、法務廳にこの意見を聞いた。ところが又法務廳からその意見がはつきり通牒された。その通達はこれは教育委員会の意見とはまるで違つたのであつて、いわゆる教員の個人的な政治活動は何らこれを拘束するものではない、教育基本法の八條に対して何らこれは牴触するものではないという明白なることが、法務廳の見解として申述べられた。さて文部省はこの問題を東京の教育委員会にいよいよ出すというような段階になつたのでありますが、その中に端なくも読賣の第二面のトツプに、教員の政治活動禁止というところの記事が載つたことは、皆さんの記憶にまだ新らしいことだと思うのであります。ところが教員の政治活動禁止は事実に反したところの問題であつたので、この記事は、いわば眞実でない、虚僞の報道をしたということによつて、この記事を書いたところの新聞記者が新聞社の処分に遇つたということを私は聞いておる。ところが、これに対してその新聞記者がこういうことを言つた。いや、これは正しく我々は文部省詰の記者として、その方面から聞いたのであつて、若し眞相を明らかにすれば、文部省の役人の首が二つや三つは吹つ飛ぶかも知らんということを言つた。これは東京都教職員組合の情報として、はつきり出しておるのであります。私はこの情報を見たのでありますが、若しこのようなことが行われておるとするならば、いわゆる教員の政治活動というようなものに対しまして、十分なこの見解を(「時間々々」「降壇々々」と呼ぶ者あり)示すところの考えが文部省にある。こういうような形におきまして、我々はまだ眞に過去の精神総動員的な性格が残存しておることを見るのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)我々は文部省は眞に正しい思想の自由を守り、新らしい日本の現実に即應したところの態勢をとらなければならないと思う。過去におけるところの共産主義者は惡い、社会主義は惡い、自由主義さえも彈圧した、あのような思想の彈圧的な行爲、そうして超國家主義に走つた、そのようなやり方、思想彈圧の方向が、いわゆる精神の栄養失調を起しまして、今次の大敗戰の大きな原因であつたということをありありと我々は記憶しなければならない。こういうような意味において、文部省は正にそのような思想を日本民主化の過程において守り育てる、大らかに思想の自由を守り抜くということを徹底的に指導し善導するところの機関にならなければならない。そういうような観点から、現在のこのいろいろな滓を残した文部省の現在の形におきまして、機構だけいじられるということに対しましては、我々は反対せざるを得ないのでありまして、日本共産党は、このような立場から、單に我我自党の場合だけではなくて、日本の思想の自由を飽くまでも擁護するという立場におきまして、この文部省設置法案に対しまして反対を表明するものであります。(「共産党はいつでも反対だ」、「反対する理由があるから反対だ」と呼ぶ者あり、拍手)
○副議長(松嶋喜作君) これにて討論の通告者は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。これにて午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十七分開議
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 この際、日程第十、刑事訴訟法の一部を改正する法律案、日程第十一、裁半所法等の一部を改正する法律案、日程第十二、司法試驗法案、日程第十三、犯罪者予防更生法案、日程第十四、犯罪者予防更生法施行法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、日程第十五、法務局及び地方法務局設置に伴う関係法律の整理等に関する法律案(内閣提出)、日程第十六、裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、以上七案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員会理事岡部常君。
    ―――――――――――――
   〔岡部常君登壇〕
○岡部常君 只今上程になりました七法案につきまして、それぞれ簡單に法務委員会における議事の審議の模樣並びに結果を御報告いたします。尚、詳細につきましては速記録に讓りたいと思いますから、予めその点御了承置きを願います。
 先ず第一に刑事訴訟法の一部を改正する法律案について申上げます。
 この改正法案の第一点は、家庭裁判所の開設に伴う改正でありまして、家庭裁判所は少年に関係のある一定種類の成年者の刑事第一審事件も取扱うことになりました結果、特定の事項につきまして、家庭裁判所の裁判官に対し地方裁判所の裁判官と同等の権限を賦與する等、その他必要な範囲内で簡單な改正を加えました。
 次に身体の拘束を受けておる被疑者につきましては、從來特別の令状がなくても指紋、足型の採取、身長、体重の測定等をすることができるものと解せられておつたのでありますが、この点疑義の生ずる余地のないように明文を以て規定いたしたのであります。以上が本改正法案の要点であります。委員会におきましては愼重審議いたしました上、討論は省略いたしまして、衆議院の修正を経ました原案を採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定したのであります。
 次に裁判所法等の一部を改正する法律案について申上げます。
 本法は裁判所法と、裁判官及びその他の裁判所職員の分限に関する法律の二つの法律につきまして、それぞれその一部を改正するものであります。先ず裁判所法の改正について申上げます。現行法は裁判所事務官の中から裁判所書記を補するという建前になつておるのでありますが、本來その職務の内容は異なつておりまして、前者は司法行政事務を掌るものであり、後者は裁判所の事件記録の作成、保管等、訴訟手続に関する事務を行うものでありますので、この点に関する現行法の関係規定を改正しまして、新たに裁判所書記官及び裁判所書記官補の官職を設け、裁判所書記官は現在の裁判所書記の職務を掌り、裁判所書記官補は裁判所書記の事務を補助するものといたしたのであります。次に補充裁判官の制度につきまして、この制度は、会議体裁判所の審理が長期間に亘る場合、担当裁判官が審理に関與できなくなつたときに補充裁判官がこれに代ることによつて審理の円滑を期するために設けられてあるのでありますが、最近相当長期に亘ることが予想される大事件が現われて参りましたので、会議体の裁判官の員数と同数までの補充裁判官を置くことができるように改めました。又司法研修所教官及び裁判所調査官につきまして、現在これらの職に裁判官又は檢察官を轉官せしめることが困難な実情にありますので、当分の間特に必要があるときは裁判官又は檢察官をそのまま教官、調査官に充てることができる旨の規定を設けました。次に裁判官及びその他の裁判所職員の分限に関する法律の改正につきましては、裁判官以外の裁判所職員の分限及び懲戒に関してその法律で規定したものですが、國家公務員法によりまして、裁判官及び最高裁判所裁判官の秘書官以外の裁判所職員は一般職として同法の適用を受けることとなり、右規定の必要はなくなりましたので、これを削除することといたし、その法律の名前も裁判官分限法と改めましたのであります。委員会におきましては、愼重審議いたしまして、討論は省略の上、採決いたしましたところ、全会一致を以て可決決定すべきものと決定いたしました。
 次に司法試驗法案につきまして申上げます。
 これまで裁判官、檢察官、弁護士等になる資格を得るためには、高等試驗令による高等試驗司法科試驗に合格し、一定期間、司法修習生又は弁護士試補として実務修習をしなければならなかつたのであります。ところが國家公務員法の改正によりまして、高等試驗令が廃止せられ、高等試驗司法科試驗が昨年末でなくなりましたので、これに代るべき試驗制度を早急に定める必要が生じ、本法の立案を見た次第であります。法案の内容といたしましては、この試驗は法律專門家として必要な学識及びその應用能力を有するかどうかを判定することを目的とする國家試驗でありまして、これを第一次と第二次の両試驗に分けます。第一次試驗は第二次試驗を受けるのに相当なる教養と一般的学力の有無を判定することを目的とするもので、学校教育法に定める大学卒業程度において一般教養科目につき卒記試驗を行うものであります。從前の高等試驗予備試驗と異なる点は、その受驗資格を制限しないことと、試驗科目の範囲を拡めたことでありまするが、その具体的細目は後述の司法試驗管理委員会の規則で定める筈であります。第一次試驗の免除につきましては、大体從前の高等試驗予備試驗のそれと同様であります。第二次試驗につきましては、その受驗資格は第一次試驗合格者及びその免除を受けたものといたしまして、試驗科目は筆記七科目、口述五科目とし、その科目は大体旧高等試驗令による司法科試驗と同じく法律学を主とするものであります。次にこの試驗に関する事項を管理する機関といたしましては、法務総裁の所轄の下に、法務総裁官房長、最高裁判所事務総長及び法務総裁が弁護士会の推薦に基き任命する弁護士一名の三名によつて構成される司法試驗管理委員会がこれに当ることになります。以上が大体の構想でありますが、委員会におきましては、大野委員より、高等試驗の行政科試驗に合格した者が本法による試驗を受けようとする場合は、憲法並びに民法及び刑法の中一科目、民事訴訟法及び刑事訴訟法の中一科目につきて試驗を行い、その他の科目については試驗を免除する旨の修正案が出ました。又松村委員より、司法試驗は法律專門家として必要な学識及びその應用能力を有するかどうかを判定することを目的とする國家試驗であるという本法第一條中の「法律專門家として」という点を、「裁判官、檢察官又は弁護士となろうとする者に」と改め、その目的を明確にする旨の修正案が提出せられ、更に松井委員より、本法の試驗は法務総裁の所轄から最高裁判所の所轄に改める旨の修正案が出されたのであります。右の三修正案をめぐりまして熱心なる討論が行われたのでありまするが、詳細は速記録に讓らして頂きまして、採決に入りましたところ、三修正案中、大野案、松村案はいずれも全会一致を以て可決せられ、松井案は少数否決と決定いたした次第であります。次に大野、松村両案の修正部分を除く原案につきましては全会一致を以て可決すべきものと決定いたしたのであります。
 次に犯罪者予防更正法案について申上げます。
 近時犯罪は激増の一途を辿つているのでありまするが、これに伴う刑務所その他の矯正施設の收容力は著しく不足しているのであります。そこで勢い刑の執行猶予、仮出獄及び少年保護の諸制度が活用せられるのでありますが、その運営及びそれらの観察を要する者の指導、更正、保護という点について、從來の機構及び法規では十分でないものがありまするので、その機構を統制と秩序ある一本の形態にまとめて、保護観察を中心とする刑余者等の福利更生を図ろうというのが本法律案の趣旨であります。先ず中央に法務府の外局として中央更正保護委員会、地方八ヶ所にそれぞれ地方少年保護委員会と地方成人保護委員会を置き、以上いずれも事務局を設けまして、現在の法務廳の成人矯正局、少年矯正局、檢務局恩赦課の一部を中央更生保護委員会の事務局に吸收いたします。末端の機関といたしましては、各地方裁判所の所在地に少年保護観察所、成人保護観察所を置きまして、在來の少年審判所、司法保護委員会に代らせます。保護観察に付せられる者は、家庭裁判所からこの地方委員会に送致せられた者、少年院仮退院中の者、仮出獄中の者及び少年で執行猶予の言渡しを受けた者の四種類で、遵守事項を定め、これを指導監督し、且つ必要な補導援護を與えることになつております。若し本人が遵守事項を守らなかつた場合には、地方委員会で仮出獄を取消すことができるのであります。かようにいたしまして本人の更生を確保することといたしました。仮出獄及び返退院の審査及び許可は各地方委員会で行うことになつております。次に恩赦事項につきましては、これを中央更生保護委員会の所管事項とし、その実施及び恩赦制度の改善についての調査研究と個別的な恩赦の申出に関する事務もこの委員会が行うことといたしており、尚その他犯罪の予防活動の助長を目的として、一般的に犯罪者の発生を予防するための科学的な調査研究、世論の啓発、指導等につきましても、本法は必要な事項を規定しているのであります。尚、当初政府提出の原案では、自由刑の執行猶予を受けた者については、成年も少年も保護観察に付する前提で立案せられて参つたのでありますが、衆議院におきましては、懲役又は禁錮につき刑の執行猶予の言渡しを受けた者が十八歳未満の場合に限り保護観察に付することに改めました。委員会におきましては、本法案の審議に当りまして、各委員会より幾多の有益適切なる質疑が続出したのでありまするが、その説明は省略さして頂きます。討論は省略の上、衆議院の修正の原案につきまして採決いたしましたところ、全会一致を以て可決せられたのであります。
 次に犯罪者予防更生法施行法案について申上げます。本法は犯罪者予防更生法の施行につきまして必要な二三の事項につき経過的規定を設けると共に、関係法令について若干の改正を加えましたもので、その内容といたしましては速記録によつて御承知を願いたいと存じます。本法案につきましても、討論は省略の上、採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものとせられたのであります。
 次に法務局及び地方法務局設置に伴う関係法律の整理等に関する法律案につき申上げます。今國会に提出の法務廳設置法の一部を改正する法律案によりまして、新たに法務局、地方法務局及びその支局、出張所が設けられまして、これが從來の司法事務局及びその出張所において掌つておりましたところの登記供託事務、戸籍等に関する監督の事務、司法書士に関する監督事務等を掌ることになり、このために関係法律二十一中整理を要する諸規定がありますので、本法を以てこれらの規定を一括整理することとなつたのであります。即ち登記事務については不動産登記法、非訟事件手続法、農業協同組合法等、供託事務につきましては供託法、戸籍事務の監督につきましては戸籍法、更に司法書士に対する監督につきましては司法書士法をそれぞれ改正いたしております。次に右の整理とは別個の理由によるものではありますが、ついでに本法を以て改正したものといたしまして、登記手続につきまして、戰時民事特別法及びこれに基く戰時登記手続令に定められている特例中、過去の実績に照して尚存置するのが適当と認められる部分は、これを不動産登記法及び非訟事件手続法に採り入れて恒久化し、その他不動産登記法、非訟事件手続法につきまして、從來法律又は司法省令等で定めておりました手数料の額を政令で定めることに改め、司法書士に対する過料の額の限度を五百円から二万五千円に引上げる等の改正をいたしております。委員会におきましては、本法案中、登記所における手数料の額を政令で定めることにいたした点について、その額は、物價の状況、戸籍の謄本の交付等に要する実費、その他一切の事情を考慮して定めることが妥当であるとして、その趣旨の修正をしたのであります。討論は省略の上、修正案及び原案につき採決いたしましたところ、いずれも全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。
 最後に、裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案につきまして申上げます。
 本法は新民事訴訟法、新刑事訴訟法の運用並びに家庭裁判所の運営につきまして必要欠くベからざる限度において裁判所職員の増員を行うことを重点とし、加うるに今國会に政府より提出の裁判所法等の一部を改正する法律案によりまして、裁判所書記官及び裁判所書記官補という官職が新設せられることになりますので、これに対應して必要な改正を行つたものであります。その要点といたしましては、先ず第一に裁判官の増員でありますが、これは新民事訴訟法及び新刑事訴訟法の運用のため昭和二十四年七月一日以後において判事を増員すること、又それに伴いましてそれぞれ書記の増員等のこともございます。又次に東京高等裁判所の行政訴訟事件の増加に鑑みまして、同裁判所に置くべき裁判所調査官の二名を増員、第三に裁判所等の一部を改正する法律によつて新設される裁判所書記官及び裁判所書記官補の定員に関する規定も含まれておるのであります。これらの員数の詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。委員会におきましては、裁判所職員の増員と行政整理に関する関係等につきまして適切なる質疑があり、これに対しまして政府委員は、裁判所としては、実際は本法による増員以上の増員の必要に迫られているのであるが、國家財政及び行政整理の関係とも睨み合せまして、この程度の増員に止めたのであるという旨の答弁がありました。その他の質疑につきましては速記録において御承知を願いたいのであります。討論は省略の上、採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしたのであります。
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。先ず刑事訴訟法の一部を改正する法律案、裁判所法等の一部を改正する法律案、犯罪者予防更生法案、犯罪者予防更生法施行法案及び裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案、以上五案全部を問題に供します。五案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて五案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) 次に司法試驗法案及び法務局及び地方法務局設置に伴う関係法律の整理等に関する法律案全部を問題に供します。両案いずれも委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程第十七、第十八並びに第十九を後に廻し、日程第二十、中小企業等協同組合法案、日程第二十一、中小企業等協同組合法施行法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)の両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。商工委員長小畑哲夫君。
    ―――――――――――――
   〔小畑哲夫君登壇、拍手〕
○小畑哲夫君 只今議題になりました中小企業等協同組合法案、中小企業等協同組合法施行法案に関する商工委員会の審議の経過並びに結果について一括して御報告申上げます。
 中小企業に関しましては、從來商工協同組合法なるものがありましたが、独占禁止法並びに事業者團体法の制定に伴いまして、これを改正する必要に迫られておつたのであります。併しその改正は非常に廣範囲に亘る必要がありましたので、新らしく中小企業に関する協同組合法を制定するのが適切であるとの意見が強く、ここに中小企業等の協同組合に関する基本法として中小企業等協同組合法案が立案され、その施行に伴う法規として施行法案が生れたのであります。
 中小企業等協同組合法案は、中小企業、勤労者その他の者の自主的な協同組織による経済活動を促進し、以てその健全な発達を図ろうとするもので、法案の要旨を簡單に申上げますと、第一に中小企業又は勤労者の全く自発的な結合によつて協同組合が作られ、運営されるようにし、協同組合というものの原則を明らかにしているのであります。事実この法案は中小企業等の協同組合の基本法規となるものでありまして、先に施行されましたところの農業、水産業、消費生活の三つの協同組合以外のすべての協同組合は本法によることとなるのであります。即ち商工業のみならず、運輸、林産、蚕絲、製塩等に関する協同組合は、本法によつて律せられることになるばかりでなく、市街地信用組合も本法の信用協同組合に吸收されることになるので、そこに中小企業等というように「等」なる文字を特に用いた理由もあるのであります。第二に政府原案では中小企業等協同組合として、事業協同組合、保險協同組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合の五つを認め、各組合がそれぞれの目的に從つて事業を行い得ることにいたしたのであります。保險協同組合と企業組合は全く新らしい制度で、こういう組合を認められたことに本法案の特色が認められるのであります。第三には、中小企業者の組合であるという意味で、大企業者例えば常時使用の從業員が百人を超えるような工場、從業員が二十人を超えるような商店は原則として組合員になれないことになつておること、若し組合員になつていると、公正取引委員会から脱退を命ぜられることがあるかも知れない。又たとえそれ程大きくなくとも、從業員が五十人を超える業者が入つていて、それが実質的に小規模でないと認められるようなときには、やはり組合から脱退させられることがあり得ることという規定がありまして、独占禁止法及び事業者團体法との関係を明らかにしているのであります。即ち本法によるところの小規模の事業者が組織する協同組合ならば、事業者の結合体ではありますが、独占禁止法も事業者團体法もこれに適用しない、その代り大きな業者が入つていると、その大きな業者を脱退させなければならぬようなことが起り得るし、そうした際に若し脱退させないと、独禁法、事業者團体法の適用を受けることになり、協同組合の事業を行えないことになる。こういう建前になつているのであります。又連合会では、その地区が地方通商産業局等の区域を超えるときは、生産、加工、販賣、購買、輸送、檢査その他事業に関する共同施設を行うことができないことになつて、廣汎な地域に亘る連合会については活動分野に制限を加えているのであります。第四に、組合運営の民主化が強調されて、組合の設立に準則主義を採用し、官廳の認可権や監督権限をなくし、いわゆる員外理事を認めない等の方針であります。第五に、事業協同組合の事業の種類を從來よりも多くし、組合員の福利厚生事業、團体協約の締結を認めることになりましたが、他方、事業協同組合は信用事業を兼営できないことにし、信用事業は信用協同組合に限ることとしているのであります。
 次に施行法案は、商工協同組合法、林業会法、市街地信用組合法を廃止し、蚕糸業法の改正を行い、これらの法律によつて設立されて協同組合が中小企業等協同組合即ち本法による協同組合に組織変更する場合、円滑に移行できるようにするための手続を詳細に定めたものでありまして、これらの旧組合は本法施行後八ケ月間に新らしい協同組合に移行しないと解散しなければならないことになつているのであります。
 次に、この二法案は衆議院において重要なる修正が行われましたので、修正の主なる点について申上げます。
 修正の第一点は、政府原案では保險協同組合がありましたが、これが全部削除されたのであります。協同組合による保險事業は時期尚早との理由からであります。
 修正の第二点は、市街地信用組合を本法による信用協同組合に組織替えする場合、その移行を円滑にし、且つ運営を現状と余り違わない形で実施できるようにするための修正で、修正の個所は、一、信用組合という名称をそのまま今後も使えるようにしたこと。二、事業協同組合が信用協同組合に加入できるようにしたこと。三、信用協同組合に限つて組合員が三百人以上なければ設立できぬことにしたこと。四、一人の組合員の最高出資額を総出資額の一割以内と限つたこと。五、総代会という総会に代り得る機関の権限を拡張し、運営を樂にしたこと。六、施行法案で、市街地信用組合法の廃止を特に六ケ月だけ延ばしたこと。從つて本法は公布後一ケ月で施行され、その後半年経つて市街地信用組合法が廃止となり、それから尚八ケ月間は旧法による市街地信用組合がそのまま存続し得るということにいたしたのであります。
 右の外は比較的小さな修正ではありますが、修正の第三点として、役員の任期が原案では二年以内とあつたのを三年以内と改めて、安定性を持たせることにいたしております。
 修正の第四点は、商工協同組合中央会の存続期限を、原案では本法施行後八ケ月となつていたのを三ケ月に短縮して、中央会の解散の時期を早めたことであります。以上が修正案の骨子であります。
 さてこの二つの法案は、中小企業に取りましても、又日本経済全体の上から申しましても実に重要な法案でありますので、商工委員会では早くから研究を重ねて参り、業界及び学識経驗者の意見を徴したり、大藏委員会と連合委員会を開いたりして、極めて愼重な審議を行なつて参つたのであります。併し審議の経過につきましては、その詳細は速記録に讓りたいと存じますが、特に問題となりました点を申上げますれば、それは組合員の資格に関する條項と市街地信用組合に関することでありました。組合員の資格については、小規模でないものの排除措置に関する疑念で、これについては公正取引委員会の答弁によりまして、「從業員の数が百人又は二十人を超えたからといつて、直ちにこれを脱退させるとは限らない。元來規模の大小を区別する基準は事業の種類によつて異なるべきもので、その尺度には相当の彈力性を持つものである」ということが分つたのであります。市街地信用組合については、これを廃止することの是非、急激な廃止に伴う混乱、組合員の多い組合の運営ということを中心に質疑が行われましたが、これらの懸念は修正案によつて幾分解消したのであります。その他、剩余金の分配の原則、議決権代理の制限、連合会の地区、所管官廳についての疑義、租税減免の問題等に関し、幾多重要なる質疑應答が見られたのでありますが、時間の都合により省略させて頂きます。
 かくて質疑を終り、この二法案、即ち内閣提出、衆議院送付の中小企業等協同組合法案及び中小企業等協同組合法施行法案を一括議題として討論に入りましたところ、玉置委員は、この二法案に賛成する、けれども組合員の資格を余りに小規模のものに制限しようとするのは、我が國の実情に鑑みて不満であるから、本法の運営にはその点十分に注意せられたいとの強い希望を附し、島委員は、やはり賛成ではある、併し保險協同組合を削除したことは不満であるから、できるだけ早い機会に保險組合の立法化を望むという希望を附し、山田委員及び小杉委員は、中小企業は協同組合による團結の力によつてのみ立ち直り得るので、本法案の成立はそのため適切にして必要と信ずるが故に賛成すると述べ、細川委員は、かかる法案が成立したところで、資金、資材の裏付がなくては中小企業は救われない、中小企業のために現内閣の用意した唯一の法案であるけれども、これが中小企業育成に何ら役立つものでないと信ずるが故に反対すると述べたのであります。これで討論を終り、採決を行いましたところ、多数を以てこの二法案は可決すべきものと決定した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 討論の通告がございます。発言を許します。細川嘉六君。
   〔細川嘉六君登壇、拍手〕
○細川嘉六君 私は日本共産党を代表してこの二つの法案に反対するものであります。
 この中小企業等協同組合法案は、民自党が公約した中小企業に対する政策のただ一つのものであります。大看板であります。この大看板は一体どんなものか。第一條には、なかなか立派な好い言葉が述べられてある。相互扶助の精神、公正な経済活動の機会、自主的な経済活動、経済的地位の向上と、なかなか好い言葉があります。権力を握り大資産を握つているものは、なかなか好い氣持になつて好い言葉を樂々と吐ける。併しながら実際現状の中小企業というものはどうなつておりますか。労働者も企業者も共々に大資産家の集中生産のために崩壊しております。経済九原則というものは、その負担を平等に負うということであるが、平等どころではありません。この状態であります。資金、資材の面において中小企業は、今日少くとも四百億か五百億の資金を要します。融通を要する。併しながらこれは全くお構いなしである。二十億ぐらいの資金を融通するということが予定されているということであるが、とてもとてもこれではどうともなりません。中小企業のことを考えるならば、今日重い重い税金を背負わされている、この税金を減らすことが第一である。併しこういうことも何ら考慮されていないのであります。吉田内閣が中小企業の対策を看板に掲げておつても実際何もせられないということは……又通商産業省設置法案の中に、中小企業廳についてどんなことをしているか。これがよく現われております。職員は昨年度は百三十三人である。これが今度は九十四人になり、それからこの人員の淘汰、それは通産省の平均は二割三分、これが中小企業廳については三割減になつているのであります。今日まであつた官房、それから振興局、指導局、これは廃止せられている。中小商工業融資補償審査会も、これも廃止せられている。何もしないということであります。ただ看板だけを掲げている。これがこの中小企業廳の有樣であります。何も局が沢山あるとか人数が多いということは、仕事を沢山やるということには言えませんが、少くとも今申したような状態は、中小企業に対する政府の肚というものは特に露骨に現われているのであります。この状態では中小企業については業者も勤労者もひどい收入減となる。それから、それがために生活はひどく低くなつて來る。この中へ段々と押込められて來ていることであります。吉田内閣のただ一つ認めていることは、全資金資材を大企業に集中してしまい、そうして、これによつて更に合理化を行う。そうして生産増強を図る。これが國民生活の安定と向上の結果をもたらすということであります。併しながら実際はどうか。そういう約束が行われたためしが世界にあるか。実際こういうことは約束はされても行われておりません。第一次世界戰爭後においてこういう約束が各國の大資産家に行われた。産業の合理化をやつた。大企業の集中生産をやつた。それがどうか。それの結局が世界恐慌を起した。そうして第二次世界戰爭がそれがために又起きた。そういうようなことで、結局弱い者は段々とその地位を落されて行つて、大きい者が段々大きくなり、そうして終いに世界戰爭を起すというのが、世界の少くとも今日までの三十年間の経驗であります。この二つの大戰後の状態から考えても、指導者、大資産家というものの考えなくちやならんことは、一國の資金資材で國民生活の安定と向上を図り、利潤の追求を唯一の目的としてはいけないということであります。これが國内の民主主義を本当に完成する途である。そうして又世界の平和を確保する途であります。これは理論でなしに、最近世界三十年間の経驗がこれを示している。史上空前の大犠牲を拂つたこの経驗が示している。それにも拘わらず、殊に我が日本の指導階級が暴虐な戰爭を敢えてして、そうして國民に大破壤をもたらして來たその責任上からも、この今日の我々に示されたる経驗を生かし、本当に國民の生活の向上発展を図るというならば、多大の犠牲を國民に負わしたものとしての道が立ちます。それが何にもできていない。そうして一切の負担は國民大衆に掛つておる。中小企業者、これは國民生活の経済面に大きな役割を果しておるものであります。それが今叩き潰されて來ている。それに運命を共にして働いているものは失業者、生活のどん底に叩き落される状態になつております。かくのごとき政策は、結局、今、北大西洋同盟というものがヨーロツパにできた、更に又吉田兼攝外相から太平洋同盟を作つたらどうかというような声も出て來た。こういうようなことは結局國民を國際間の葛藤の中へ巻き込んで來るというものである。そういう意向を示している。そのことは同時に國内において中小企業者、勤労者、これらの生活を極度に圧迫して行く政策と瓜二つである。我々は中小企業者の地位を擁護をすることは、同時に全勤労者、全國民の國内における平和の建設と世界の平和の発展と絡み合つておるのであります。事は小なるがごとく見えて大なるものであります。この意味において我々は反対をするものであります。
○議長(松平恒雄君) これにて討論の通告者は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより両案の採決をいたします。両案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
   〔天田勝正君発言を求む〕
○議長(松平恒雄君) 天田君。
○天田勝正君 本員はこの際、市町村警察職員の退職手当に関する緊急質問の動議を提出いたします。
○中野重治君 天田君の動議に賛成いたします。
○議長(松平恒雄君) 天田君の緊急質問の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。天田勝正君。
   〔天田勝正君登壇、拍手〕
○天田勝正君 私は市町村警察職員の退職手当の未支給について質問いたしたいのでありますが、このことにつきましては、地方行政委員会におきまして同僚三木委員の質問に対しましての樋貝國務大臣その他の答弁が誠に要領を得ておりません。從いましてこの際吉田総理の明快なる答弁を求めるものでございます。
 質問の第一点は、昨年三月七日新警察制度の施行に伴いまして、從來、廳府縣警察職員として在職しておりました者が、それぞれ國家地方警察、市町村警察に分離されて、すでに一年以上を経過したのでありますが、この間、退官退職者も相当数に上つておると思うのであります。これらの人たちは、昭和二十二年三月十九日第一次吉田内閣におきまして、閣議決定に基く退官退職手当支給準則によりまして、当然一般政府職員と同樣、退官退職手当を受ける権利があると思うのでありますが、第三次吉田内閣の今日如何お考えでありまするか、又以上の権利があるならば、國家警察職員と自治体警察職員との間に差のある筈がないと考えるのでありますが、この点についての総理の所見を承わりたいのであります。
 質問の第二点は、旧警察制度におきましては、警部補以上が國費支弁、巡査部長以下は都道府縣費の支弁といたしまして、その半額を國庫補助にいたしておつたのであります。そこで新警察制度に切替えますには、國、都道府縣、市町村の負担率の決定を必要としたのでありますが、新制度を緊急実施する必要上、これら轉出職員に対する退職手当は、轉出の際に支給せずして、市町村警察職員を退職する際に、從前の廳府縣の警察職員の在職年数を通算いたしまして、これを支給する旨を、当時國家地方警察本部から指示された筈であると存じておるのであります。然るに今日に至りますも、支給に必要な細目が決定いたしておりませんために、國家警察職員は退職手当を支給されておる一方、自治体警察職員は支給されておらないという不合理が生じておるのであります。これがために退職者からは、生活の窮乏と政治に対する不信の声が挙つておるのであります。そもそも警察職員のごとく労働組合を結成いたしまして團結の力を以てみずからの生活を防衞する権利が與えられておりません人たちに対しましては、格段の配慮を必要とすると思うのであります。政府はその後如何なる措置を進められ、いつ支給されるのでありまするか。予算措置は如何にいたしておるのでありまするか。又かように支給の遅れました責任は誰が負うのでございましよう。
 質問の第三点は、退職手当は退職当時の俸給より算定すべきであり、仮に新制度実施直後に退職した者から見まするならば、その後のインフレの進行に基く物價改訂と、これに伴うところの賃金ベースの改訂、即ち二千九百二十円ベースから六千三百七円ベースへの変動、このことは、それだけ貨幣價値の下落を意味するものでありますから、仮に一年前に五万円の退職金を約束されながら、今日までこれを放置されておるといたしますならば、只今直ちに貰つたといたしましても、若しこれを使うことになれば、当時に半分を貰つたと同樣なことになるのであります。これに対して何か特別の措置を講ずる用意がありますかどうか。
 質問の第四点は、政府は去る五月十六日政令第九十五号を以て、政府職員に対する退職手当の停止を命じたのでありますが、更に今般の行政整理に伴いまして、この政令第九十五号以外の一般退職者の退職手当についても、一時支給停止の政令を用意しておるやに伺つておるのであります。若しこれが事実だといたしまするならば、二十三年度中に自治体警察職員で退職いたしました者の権利までも停止する意思があるや否や。又新基準の決定の如何では未支給の手当が減額される場合も生ずると思うのでありますが、自治体職員の既得権を侵害するがごときことは絶対やらないと言明し得るのでありますか否か。以上四点について御質問申上げます。(拍手)
   〔國務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
○國務大臣(吉田茂君) お答えいたします。警察制度の改正に基く市町村警察職員の退職手当につきましては、財政の許す限り早急に支拂う方針の下に、目下具体案を考究中でありますから御了承を願いたいと思います。(拍手)
   〔「長いじやないか」「それは答弁じやない」「答弁になつていないよ」「そんなことで國民は承知するか」「答弁にならない」「それで沢山」「それでよい」と呼ぶ者あり〕
   〔國務大臣樋貝詮三君登壇〕
○國務大臣(樋貝詮三君) 只今総理大臣から御答弁申上げました外に、尚、事務的なことで私から申上げます。丁度二十二年の只今お引きになりました三月二十九日の閣議決定、これでは当事者には権利は設定いたしません。法律で出ません以上におきましては、当事者の権利というものはないのですけれども、併し閣議決定では成るべくこの方針で行きたいということで、それによりますというと大体六割五分、公務傷病の場合にこれの倍額、これを拂いたいということで閣議決定をいたしましたようなわけであります。それが昨年の三月になりまして、御承知の通りに自治体警察と國家警察とに区別されまして、当時國家警察として退職いたしました者には國庫の方面から退職手当を支給いたしました。それから自治体警察に残つた者は、そのまま本來で言うならば自治体の財政において許す限りにおいて給與をなすべきだというのが、今日に至りました途中で退職いたしました者は給與を貰わずに今日に至つたような次第であります。從つて只今におきましては、事情はとにかくといたしまして、法律上の事情はとにかくといたしまして、地方財政課と、國警の自治課と、大藏省の給與局において話が進みましたようなわけで、更に大藏省の主計局をも交えて財政的措置をしたいという、國において出したいというような考えを以て進んでおりますようなわけで、著々としてこれを実行しようといたしておるような次第であります。只今までのところは今のお話のごとくにまだ給與をできない。言い換えれば自治体でなすならば直ちに給與できますけれども、國においては予算的措置が昨年からして取らなければなりませんから、從つて給與をしないというような状態でありますが、一日も早く給與したいと考えております。(拍手)
     ―――――・―――――
   〔若木勝藏君発言の許可を求む〕
○議長(松平恒雄君) 若木勝藏君。
○若木勝藏君 本員はこの際、教育予算に関する緊急質問の動議を提出いたします。
○中野重治君 私は若木君の動議に賛成します。
○議長(松平恒雄君) 若木君の緊急質問の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。若木勝藏君。
   〔若木勝藏君登壇、拍手〕
○若木勝藏君 私は教育予算の問題につきまして、政府に二三質問をいたしたいと思います。
 六三予算を初めて一般教育予算について、本國会ほど本会議或いは委員会等、各方面で賑かに論議された例はなかつたと思うのであります。そうして又現内閣ほど曖昧模糊とした答弁に終始して來た例も、これまで多く見ないところであろうと思うのであります。(「今の答弁だつてその通りだ」と呼ぶ者あり)即ち吉田首相は、六三制は発足するに当つて五年も十年もかかつて実施するつもりであつたと言い、又文部大臣は目下努力中であるとの答弁を繰返されたに過ぎなかつたのであります。目下努力中であるというこの文部大臣のお言葉は、國会においても、又陳情團等に対しても、どのくらい繰返されたであろうということを私は想像いたしますときに、目下努力中であるということを繰返されたそのことに努力された御苦労が大きかつたのではあるまいかと考える次第であります。(拍手)その結果は遂に七千億を超える厖大なる予算において、六三建築費のごときは影も形も見せないという、全く國民の納得の行かないままに終つているのであります。我々國会議員としては、これを默視できないのであります。遂に四月二十六日には衆議院において、続いて二十八日には参議院におきまして、六三制完全実施に関する決議案が上程され、政府は全國民の悲痛な要請に應えて、六三制完全実施に必要な予算的措置を速かに確立すべきであるという趣旨の決議がなされたのでありますが、その際における文部大臣の発言は、やはり今後一段と努力を傾けて、これに必要な予算の獲得並びに六三制完遂のために必要なあらゆる方策を講じまして、本日の決議の趣旨に從い、御期待に副うように最善の努力をいたす決意でありますということで、努力以外には具体的な方策などは一回示されなかつたのであります。以來約一ケ月を経過し、本國会も本日を以て終る段階に來ておるのでありますが、今以て政府からの何らの方策も示されていないのであります。もとより六三制は、文化國家、平和國家の建設の基礎であるとして、國民は敗戰に直面したあらゆる苦難を超えて、これが完全実施に協力して來たのでありまして、政府の予算的措置を一日千秋の思いで待つているのであります。政府は速かにその方策を立て、自発的に國会の決議に應えるのが当然であると思うのでありますが、何らその挙に出ていないことについて、全くその誠意を疑わざるを得ないのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)すでに昭和二十四年度に入つてから二ケ月を経過しております。國庫補助が零であるという下に、六三制実施をめぐつて幾多の悲劇と問題が起つているのであります。新聞の傳えるところによりますと、岡山縣の或る村では、村長が六三制教育の財源難に陷り、責任を痛感して自殺し、その後も村長の更送、村会議員も辞職する始末で、岡山縣下だけでも町村長、町村会議員の辞職更送した町村が二十余に及んでいるのであります。こうした例は全國に亘つて見られ、文部省に集まつたものを集計しただけでも、市町村長や助役の辞職した者はすでに百十二名に及び、リコールされた者二十六名、市町村議会が解散したもの十件となつているのであります。これは誠に由々しき問題でありまして、私はこの二月行われた文部委員の東北地方視察や北海道の実情から考えますときに、辞職問題、リコール問題等は今後続々として起つて來ることが想像に難くないのであります。一方、二百五十万に達する教室を持たない生徒たちは、廊下や物置、或いは馬小屋等の仮教室や、又は二部授業、三部授業の教授様式で悲惨な学習に追込まれている痛々しい事実は、幾多の新聞報道などで政府としても篤と御承知の通りであります。
 次に、勤労青年にとつて唯一の勉学の機会を作る定時制高等学校費、育英会貸付資金の削減、更に通信教育の不整備等を考えますならば、我らに勉学の機会を與えよと叫びつつある彼らの向学の志に、政府は何を以て應えるつもりでありましよう。これは正に新憲法に保障されておる教育の機会均等を全く空文化するものであると言わねばならないのであります。又國立大学設置法が本國会を通過すれば、新制大学は僅かに九億の予算を以て六三三四制の最高学府として発足を見るのでありますが、これは八億を以て出発した六三義務制今日の悲運と轍を同じうするものであるとの予感を深くするものでありまして、今日学生ストに入つておる学校が百十余校に及んでいるのも、これに多大の関連を持つていることが看取されるのであります。教育の現状は正にかくのごとくであります。政府の施策が依然として今日の域に止まるならば、教育の崩壞は明日に差迫つた問題になると思うのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)一方青少年少女の犯罪は年を逐うて倍加の現状にあり、敗戰に直面したあらゆる苦難を忍んで、多額の税と多額の寄附を負担して協力して來た地方民の教育に対する信頼は地を拂うに至るであろうということを考えるときに、言い知れぬ不安を覚えるものであります。
 私は以上の実情から、吉田総理大臣に次の点を伺いたいのであります。吉田総理は、一つの理想を以て六三制を発足された、言わば六三制の生みの親であります。それが二十四年度において、文部省の最低実施計画に基いて建築関係費だけでも國庫負担額百八億を要することになつているのに、未だ一文の予算も計上されずに今日に至つているため、ここに破綻の危機にさらされておることは前申述べた通りであります。この際、総理はこの危機打開のために、次の國会に補正予算を以てこれが実施に支障のないようにするお考えがあるかどうか。この点について確かなお答えをお願いしたいのであります。
 次に大藏大臣に次の二点を伺いたいのであります。その第一は、二十四年度の予算において、價格調整費が二千二十二億の厖大な額に上つておるのでありますが、これは專門家の見るところでは相当な額の余剰が出る筈だというのであります。この節約によつて生ずる剩余を教育費に振り向ける途を開き、教育の窮状打開の資に充てるお考えがあるのかどうか。第二には、新聞の傳えるところによりますと、アメリカ政府は、十二日、日本の工場施設を賠償として今後更に撤去することを一切中止することに決定と発表したということでありますが、これが決定的になつた場合には、二十四年度の予算に計上されておる賠償施設費二十六億六千三百万円は不用となると思いますが、この教育の現状に鑑み、この中から教育費に振向ける途をお考えになる意思がおありになるかどうか。
 最後に文部大臣に次の諸点を伺いたいと思います。先ず第一に、教育予算の削減によつて起つている地方自治の混乱、学生ストの問題、教育の窮状等について、その所管大臣としての所見を伺いたいのであります。(「責任を問う」と呼ぶ者あり)第二番目に、文部省は当初六・三建築関係費として百八億の予算計画を立てたに拘わらず、今日それが零になつている現状で、六・三制実施上如何なる方策をとられておるのであるか。(「親分にならなきや駄目だ」と呼ぶ者あり)第三番目には、傳えられるところによると、政府は公共事業費の枠内操作で十五億程度の建築関係費を考えているとのことでありますが、この程度の額では到底今年度の実施計画の実現が不可能と考えられるのであるが、文相はどう考えられるか。又可能な範囲の予算額獲得について文相のお考えはどうであるか。具体的にお答え願いたいのであります。(拍手)
   〔國務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
○國務大臣(吉田茂君) お答えいたします。教育の重要なことについては無論政府も同感であります。故に國家財政事情の許す限りにおいて優先的に予算的措置を講ずる考えであります。(拍手、「了承」「なつていないよ」と呼ぶ者あり)
   〔國務大臣高瀬荘太郎君登壇、拍手〕
○國務大臣(高瀬荘太郎君) お答えいたします。本年度の教育予算が非常に削減された結果といたしまして、教育上各種の支障を生じているということについての文部大臣の所感はどうか、こういうお尋ねであつたと思います。(「交渉中はどうした」と呼ぶ者あり)確かに予算が不足いたしますと、教育上当然十分の効果を挙げ得ないことは事実でありますし、いろいろと支障が起きることも事実であります。併しながら私の見るところでは必ずしも只今おつしやいましたように、教育的な意味におきまして非常な支障を現在起しているという事実を知つておらないのであります。実際の実情につきましては、現在各方面の実情を調査いたしております。それから六・三制実施上の措置をどうするか、こういうことでありますが、確かに二部授業、それから仮教室等を消失させるための計画が十分できなかつたという点は甚だ遺憾であります。併しながら全然青空教室でなければできないというような実情にどの程度あるのが、文部省ではまだ十分に資料を持つておりません。(「当り前だ」と呼ぶ者あり)從いまして、今実情を調査いたしておりますが、二部授業、仮教室等でできるだけの措置を講じ、又授業所間の繰合せ等も考えなければならないかと、こういうつもりでおります。それから十五億円の公共事業費の枠内操作で以て六・三制の補助費を出した場合にこれで足りるか、こういう御質問でありましたが、無論文部省がかねて考えておりました計画から申しますと、甚だ不十分であります。併しながら御承知のように六・三制の建築完成につきましては、先ず文部省の計画を完全に実行いたしますのには、約一千億円くらいの金が要るだろうと思つております。從つて日本の今日の経済の実情から申しますと、これだけの仕事を完成いたしますのには、どうしたつて二年や三年でできることではないのであります。從つて計画の年度をどのくらいにするかということによつて毎年の予算額を決めるわけでありますが、十五億円ならば十五億円として、最も困つております実情にある方面の教室を先ず建築いたしまして、予算が増額できるに從いまして、漸次他の方面に手を延ばして行く、こういう計画で行くより外ないと考えておるのであります。從つて十五億円と雖も若しできましたならば、教育的には非常に有効に使えると考えております。(拍手)
   〔國務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) 文教費の増額、殊に六・三制の問題につきまして、價格補給金或いは賠償撤去費等から節約をして出してはどうかというお話でございます。御承知の通り予算には價格補給金として二千二十二億組んでおりますが、爲替レートの三百三十円が三百六十円と相成りましたために、これによる不足額は二百数十億に上つておるのであります。私はこの二百数十億円の増加を既定経費の二千二十二億円から出すばかりでなく、尚この上とも節約いたしまして、適当な方法で使用いたしたいと考えております。その際に文教費は減税の問題と同様に考えて行きたいと思つております。又賠償撤去費の計上二十六億円につきましては、先般新聞に発表がありましたごとく、賠償撤去が中止に相成りまして経費が浮いて來ることになりますれば、他の費目におきまして節約し得る金と合せまして、これ亦減税或いは文教費の方に充てたいと考えております。(拍手)
     ―――――・―――――
   〔中西功君発言の許可を求む〕
○議長(松平恒雄君) 中西功君。
○中西功君 本員はこの際、麻生石炭鉱業の復金融資監査についての國務大臣の答弁に関する緊急質問の動議を提出いたします。(「必要なし」「無用」と呼ぶ者あり)
○梅津錦一君 本員は中西功君の動議に賛成いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 中西君の緊急質問の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。中西功君。
   〔中西功君登壇、拍手〕
○中西功君 麻生石炭鉱業の復金融資の監査に関しまして、実は商工大臣の答弁と大藏大臣の答弁と、更に又商工省当局、大藏省当局の各政府委員の答弁とは全く喰い違つておるのであります。而も喰い違つておるというだけでなくて、商工大臣に至つては衆議院の委員会においてこれが執拗に追究されておるにも拘わらず依常として間違つたことを強弁固持しております。このようなことが果して統一ある政府の態度として許されるかどうか。極めて大きな問題だと私は思うのであります。今日ここで麻生石炭鉱業のこの問題に関しまして少し簡單に内容を申上げ、更にその答弁について首相、商工大臣並びに大藏大臣に質問いたしたいと思います。(「簡單々々」「ゆつくりやれやれ」と呼ぶ者あり)
 復興金融金庫の融資が如何に出たらめに不正に使われておつたかということについては、すでに私の申上げるまでもないのであります。昭和電工以來、日本の國民はこの事実に対して非常に沢山なことを知つております。そのために國会においてもたびたび復興金融金庫に関する小委員会が持たれたり、或いは又不当財産取引委員会においても幾多調査されたところであります。この國会の要請に基いて政府は昨年末以來、石炭廳並びに大藏省の理財局が中心になりまして、一億円以上の八十三の大口融資先の会社を可なり詳細に調査したのであります。この報告書は先だつて我々の手には復興金融金庫大口融資先監査資料その二ということになつて提出されました。ところが、この内容を個々に亘つて見ますと、例えば麻生石炭鉱業のごときは、この我々に渡された資料においては、復金融資先の融資の使い方において、例えば流用は認められずとか、いろいろ好いことがずつと書いておりまして、何ら問題なく書いてあるのであります。併し実はこの我々へ出された報告書は、これは元の調査官によつてなれれた原調査書類であります。これは報告書となつて提出されておる。この報告書からピツク・アツプされたものであります。これは愛知銀行局長がはつきり申しておりますが、その原簿は原調査書とは可なり食い違つております。特に麻生鉱業に関する点は非常に食い違つております。私はこの十九日わざわざ大藏委員会において調査に行きました田中事務官を招きまして、詳細にこの調査についての質問を行いましたところ、例えば炭鉱住宅の建設状態は僅か七割であるということ、或いは又特に田中事務官が調査いたしました特記事項といたしましては、麻生家の会計をその会社が取扱つております結果、昭和二十三年上半期に麻生家社長に対して、六百二十五万円の貸越残を残しております。而も年四分の利息を付することになつておるが、実際は取つていない。その他、社外への貸付、即ちこういう流用は沢山列記されておりまして、田中事務官が結論において何を言つておるかと申しますと、「以上の仮拂金及び貸付金合計すれば三千十五万円に達する。而してこれら資金の出所については前記炭住資金、設備資金等についても、ほぼ明らかなるごとく、復金融資から直接流用されたものとは断定できないにしても、相当多額の復金融資を受けており、同社としてはかかる方面に資金を支出しておることは不穏当の措置と認められたので、その旨会社に対し一應の注意を與えて置いた。」こういうふうに書いてあるのであります。こういうことは我々に渡された資料においては全然隠されておるのであります。これは單に一麻生の問題だけでは済まない問題でありまして、このことが衆議院において、或いは参議院において非常に問題になつたのであります。ところが、この原資料を出すか出さないかという問題におきまして、一体商工大臣は何を答えておるかと申しますと、これは五月十一日の衆議院商工委員会において、川上委員の質問に対し、商工大臣は、最初お手許に差上げた以外にございませんことを申添えて置きます。彼はございませんとはつきり言つておる。そういう資料はありませんと言つておる。これはもう私は時間がかかりますので沢山は申しませんが、商工省の磯部説明員も、繰返して答弁いたしますが、そういう資料はございません。これはもつと後の委員会においても同じことが繰返されておる。ここに二三日前の委員会においても商工大臣は依然としてそう答えておるのであります。これに対して、例えば銀行局長は、はつきりと別の答えをしております。十九日の大藏委員会における私の質問に対して、大藏大臣も、監査報告の大要は國会に提出した次第でありまして、私はまだ係官の報告書は見ておりませんが、ともかくもその大要を國会に提出しました。こう言つておるのであります。そういうものがあるということを、はつきり言われております。そうして又提出するとも言つております。併し未だに勿論これは提出されておりません。ともかくもこういうふうな事情になつております。これは國民が非常に重大な関心を持つたところの復金融資、國会が要請したところの調査、これに対してこのように無責任な、不誠意な処置がなされておつたところの要求に対しても、何ら誠意を持つて答えてない。而も飽くまでもこれを、うやむやに葬むろうとしておる。そこで時間もありませんので、最後に私は首相に、このように商工大臣は答えておる、大藏大臣はこのように答えておる、このような不統一、いや單なる不統一ではない、無誠意な、嘘ばかり言つておる國務大臣が、果して國務大臣として勤まるかどうか、この点をはつきりお聞きしたいと思うのであります。第二番目に、商工大臣は依然として、私が田中事務官を招いてはつきり聞いたものを尚ここに否定されるところの勇氣があるかどうか、それをはつきりお聞きしたい。更に最後に大藏大臣に対して、復金の調査なるものは、單なる復金資金だけを調べて、そうしてその他の経営全体を調べないでごまかしておつていいものかどうか。更に大藏委員会において私に約束されたところのその資料の提出は、このまさに終らんとする國会に提出されるのかどうか。されないとするならば、参議院の大藏委員会は非常に大きな問題を持つわけであります。その点をはつきり答えて貰いたい。我々は出すかどうかをはつきりお聞きしたいと思うのであります。
 更に、最後に、首相に対して、このような復金のこの調査、國民の非常な関心を持つておるこの調査に対して、かくも杜撰に、又隠蔽しようとするような態度で以て吉田首相、吉田内閣は今後なされて行くのかどうか、その点をはつきりお聞きしたいと思います。これを以て私の緊急質問といたします。(拍手)
   〔國務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
○國務大臣(吉田茂君) お答えをいたします。麻生石炭鉱業の復金融資については、不当な事実はないと承知いたしております。尚詳細については主管大臣からお答えいたします。(拍手、「名答弁」「何を言つているんだ、事実になつているんだ」「黙つて聞け」「寢言を言うな寢言を」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
   〔國務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○國務大臣(池田勇人君) 麻生鉱業株式会社に対しまする復金の融資につきまして、問題が二つあるようでございます。その一つは、麻生鉱業株式会社から仮拂金の名目を以てその会社の代表者に相当の金額が行つておる。これは不当ではないか。併しこういう問題は‥‥(「それだけじやない」と呼ぶ者あり)この問題は同族会社におきましては、代表者と会社との間に常にあることでございまして、(「その通り」と呼ぶ者あり)何も不思議な問題ではありません。併しこの金が復金の融資から直ちに廻つたということは、誰も証明できないのであります。(「その通り」「そういう不当なことをやつているんだ」と呼ぶ者あり)
 第二の、資料を中西委員にお渡しする問題につきまして、大藏委員会では私は必要なればお渡しするように研究して見たいとお答えいたしましたが、お渡しするとは答えておりません。尚こういう資料につきまして、役所にある官吏の出張報告書を、常に國会に出さなければならぬということになりますと、大変なことになるのであります。從いまして成規の手続がありますれば、その際に提出し得るような善処したいと考えておりまするが、研究しなければ即答できません。こう答えておるのであります。
   〔「了承」「分つた分つた」「嘘つきがよく分つた」と呼ぶ者あり〕
   〔國務大臣稻垣平太郎君登壇〕
○國務大臣(稻垣平太郎君) お答えいたします。復金融資に関する監査の報告につきましては、先程中西君が言われました通りに、衆議院において私はお答えしたと今日も同じお答えを申上げる外はありません。
     ―――――・―――――
   〔天田勝正君発言の許可を求め、中西功君「再質問」と述ぶ〕
○議長(松平恒雄君) 天田勝正君。天田君に発言を許しました。再質問の時間はありません。割当の時間は過ぎております。天田勝正君。
○天田勝正君 本員は賠償施設撤去中止に関する緊急質問の動議を提出いたします。
○青山正一君 只今の天田君の動議に賛成いたします。
   〔「反対」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 天田君の緊急質問の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。天田君。
   〔天田勝正君登壇〕
○天田勝正君 私は賠償施設撤去中止に関しまして、関係大臣の答弁を求めます。去る五月の十四日各新聞は、AP通信、UP通信等の特報を揚げまして、極東委員会の米國代表マツコイ少將の声明の要旨を揚げまして、米國は日本の平和産業の水準について制限すべきではない。國民生活の最小限の必要を満たすために、これら平和産業の復活を図るべきである。米國は今後日本からの賠償取立復活の如何なる提案にも反対すると強調いたしております。又別の報道を見ますると、米國の提案は極東委員会で大した抵抗なく承認されるであろうと傳えられておるのであります。この賠償撤去につきましては、一昨年の四月米政府の三割撤去の指令に基きまして、昨年十七軍工廠の撤去が始められまして、本年三月殆んど完了いたしておると存じております。この十七工廠の設備十万トン、その後の残が他の工廠になるか、或いは民間工場の三割撤去になるかは明確ではありません。併しながら二十四年度におきましては、一應五十万トンの撤去を目標といたしまして、予算二十六億六千万円を計上いたしたのであります。仮に残軍工廠施設を全部撤去いたしましても、二十五万トンと概算されております。從つて残り二十五万トンはいやが應でも民間工場より撤去しなければならないので、若し五十万トン全部を民間工場から撤去するといたしますならば、日本経済復興に重大な影響を與えるものであります。この日本経済安定計画に重大な影響を持つところのこの発表については、政府におきましても重大な関心を持つて調査されておると存じます。從いまして次の諸点を明らかに発表して頂きたいのであります。
 即ち十八日の読賣新聞を見ますと、中央社電として掲げられました呉の火力発電所の撤去中止、このことは一例でありまするが、その他にも、かくのごとき指令或いは内示をすでに受けておるや否やという件であります。第二に撤去中止が眞実といたしますれば、本年度予算に計上されました二十六億六千三百万円、この幾らがこの予算に使われずして余るのでありまするかどうか。第三に、先程若木議員からも申されましたが、この剩余金は六・三制或いは災害復旧費、失業対策等に使用さるべきが当然と考えまするが、政府においては如何お考えになつておりまするか、以上の点を明らかに御答弁願いたいと存じます。以上を以て質問を終ります。(拍手)
   〔國務大臣山口喜久一郎君登壇〕
○國務大臣(山口喜久一郎君) 天田議員にお答え申上げます。只今の御質問の対日賠償中間撤去中止の問題につきましては、政府といたしましても速かにこれが全貌を知り得たいということに、さように存じまして、今朝も司令部にセーフアー賠償部長のところに参りまして、でき得べくんば國会開会中に、國会を通じて発表いたしたいからということを申出た次第でありますが、全面的な発表は後一両日後になるのではないかというようなことでございます。從いまして政府といたしましては、只今お尋ねの呉工廠火力発電所去々の件等についても未だ発表の自由を持ち合せてないのでありまするが、只今のところ軍工廠のうち二つの大きな設備に対する撤去作業中止の命令が口頭を以てなされておる次第であります。それ以上の発表はこの際控えるのが適当かと思う次第であります。(「答弁簡單でよろしい」と呼ぶ者あり)從いまして御指摘の二十六億六千三百万円と申されましたが、賠償撤去維持管理費は二十五億八千万円程度でありますが、これがどれだけの節減をされるかということは、將來に残された問題でありまして、政府といたしましても、あらゆる努力を拂つて成るたけ多くの余剩予算を生ずるようにいたしたいと、かように思つておる次第であります。若し幸いにして政府が意図するがごとく相当額の金が残つたといたしますならば、これは改めて、只今のお説のごとく六・三制の問題であるとか、公共事業費であるとかいうような方面に、國会を通じて御協賛を得る機会の速かならんことを、政府当局も熱望しておるような次第であります。(拍手)
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) 日程第二十二、臨時鉄くず資源回收法案(内閣提出、衆議院送付)を議題に供します。先ず委員長の報告を求めます。商工委員長小畑哲夫君。
    ―――――――――――――
   〔小畑哲夫君登壇、拍手〕
○小畑哲夫君 臨時鉄くず資源回收法案についての審査の経過並びに結果について御報告を申上げます。
 御承知のように、鉄鋼の増産は我が産業の回復及び輸出の振興にとつて極めて重要であるのであります。鉄鋼増産の隘路の一つになつておる鉄くずの供給を確保するために、戰災を受けた建築物、沈沒した艦船等を可及的速かに、鉄くずとして供給する必要がある。これが本法案提出の理由でありますが、この鉄くず確保の目的を達成する一方、財産権保護の建前から、法制上特に留意されるところは次の三点であります。
 第一に、建造物、艦船、機械、器具、設備等で、現に本來の用途に供せられていず、且つその將來もその見込のないもので、鉄くずとして利用することが國民経済上最も有効であると認められる場合、これをくず化物件として指定すること。第二にくず化物件処理に関する重要事項を調査審議する商工大臣の諮問機関であると共に、くず化物件の利害関係人から異議の申立があつたとき、これを聽く、くず化物件審議会を設置すること。第三に、商工大臣は、くず化物件の割当、讓渡若しくは引渡し又は讓渡若しくは引渡しの制限及至禁止について、必要な命令をすることができるが、命令に関して生じた損失は國が補償すること。以上の三点であります。
 尚、本法即ち衆議院送付案は、御承知のごとく修正が加えられております。その主なる点は、第十二條第二項の損失補償に関する事項でありまして、政府原案によれば、補償の方法を政令によつて定めることになつておりますが、修正案によりますと、「政令により」を削除して、通常生ずべき損失と規定し、補償金額は通商産業大臣が大藏大臣と協議し、くず化物件審議会に諮問した上で定めることになつております。その他の修正点は法制技術上及び字句上の修正でございます。
 次に質疑應答について申上げますが、詳細は速記録に讓るといたしまして、質疑の重点は、第一にくず化物件適用の範囲、第二点は損失の補償と予算の関係、第三点といたしまして、統制方式及び價格対策、第四点は罰則規定が過重ではないか等に集中せられましたが、これに対して政府側からそれぞれ適当な答弁がございました。その他鉄鋼問題全般に亘り、可なり突込んだ質疑應答があり、愼重なる審議の後、討論に入りましたところ、先ず田中委員より社会党を代表いたしまして、本法は窮極において中小工業を圧迫するものであるとの反対意見の開陳があり、共産党を代表して細川委員より、本法によれば第一に、中小企業の犠牲を強いて、大企業の國家が奉仕するものであり、第二に、くず化物件審議会は独裁的色彩を多く包藏し、第三に、政府の強化政策により辛うじて集積されたくず鉄が、國内用に使用されずして、外國資本に充当せしめられるのは遺憾であると、同じく反対意見が開陳せられました。これに対して玉置委員より、將來の鉄鋼増産の必要性から本法には賛成であるが、法案中には委任事項が多いから、本法運営に当り、政府としては十分にその点留意されたいとの結成意見の開陳があり、次いで山田、小杉両委員より、本法における罰則規定が過重であるから、本法施行の際、くず化物件所有者をして恐怖の念を抱かしめないように万全の策を講ずることを要請して本法に賛成であると、同じく賛成意見が開陳せられました。
 かくて討論を終り、採決の結果、本衆議院送付案は多数を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 本案に対し討論の通告がございます。栗山良夫君。
   〔栗山良夫君登壇、拍手〕
○栗山良夫君 私は只今上程になりました臨時鉄くず資源回收法案に対しまして、極めて簡單に反対の意見を申述べたいと思うのであります。
 先ず第一点は、この法案が戰時中の総動員法の匂いがぷんぷんするということであります。憲法の第二十九條には「財産権は、これを侵してはならない」とはつきり書いてあります。然るにいろいろと中に法案の立法上の綾がございますけれども、流れておる根本精神はこれを見逃すことができないという点であります。次に政府の説明によりますと、本年度の鉄鋼計画生産のために、くず鉄のいろいろ回收計画がありますが、その中で本法案によつて回收せんとするくず鉄は四十万トンであると説明をせられたのであります。私はこの四十万トンのくず化物件を集めることに対しまして、建造物、艦船その他いろいろのくず化をいたしますためには、相当多額の費用を要するのでありまして、只今熔解用の鉄くずが二千百円前後でありますが、こういうような低い價格で以て到底回收はでき得ないと思うのであります。從いまして四十万トンの回收は、本法案の骨子になつておりまするところの國の強権を発動することなしに、業者との間の、所有者との間の自由交渉によつて集め得ると説明をされましたけれども、恐らく不可能だろうと思うのであります。この相当多額のくず化を要するところの費用を國家が当然十分に補償しなければ、自由交渉によつては集め得ないと思うのでありますが、私共の委員会における質問によりますると、政府の御答弁では何らこの補償に対する予算的措置がとられていないのであります。四十万トンを回收するのには自由交渉によつて取り得るから予算を出さなくてもよろしい。強権の発動をする必要ない。こういう説明でありました。併し仮に予算がありましても、現在の國の支拂状況は極めて惡いのであります。未拂が業者を極めて鋭く圧迫している現状であります。從いまして予算があつても、なかなか自由交渉はうまく行かないと思うのでありますが、予算がないのでありますから、当然これはうまく集まらないと思うのであります。從つて本法はいよいよ最後の手といたしまして強権発動をすることは先ず間違いないと思うので、その強権発動に対しまして、私は全く納得のし得ない一点があるのであります。それは第二條によりまして、商工大臣はくず化物件を指定することができます。そうしてその指定に対しまして、第三條によつて、通知がありましたときに、その所有者は「その物件につき讓渡その他の処分をし、又はその形質を変更してはならない。」とはつきり書いてあります。又十三條には「くず化物件若しくは鉄くずの所有者、占有者、若しくは需要者又は鉄くずの集荷若しくは販賣を業とする者に対し、鉄くずの需給調整上必要あると認める事項につき、報告を命ずることができる。」と書いてあります。この指定をし、そして報告をさせる。更に讓渡その他形質の変更を禁止をすることができる。そしてこれに違反した者に対しては驚くなかれ罰則といたしまして、「十年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」と書かれているのであります。私は総動員法的な匂いの強いこの法案において、而も國家が、所有者が喜んで出し得るような予算的措置もないのにこの強権を発動し、而もこのような重罪を科することは怪しからんことではないか、余りにも重過ぎはしないかという質問をいたしたのでありますが、これに対して政府の答弁は、関係法案と横の連絡を取つて法務廳が大体お決めになつたのでありまして、商工当局としてはこの刑の決め方には余り関係しておりませんという答弁でありました。私はこれ程不可解な答弁はないと思うのであります。この前、私は労働関係の法案が出ましたときに、いわゆる労働者を搾取するところの中間的な労働ボスに対しましての取締の罰則が余りにも緩いので説明を聞きましたときに、これと同じような答弁を当時の労働関係の係官は説明をしたのであります。私はこういうような点から考えましても、本案は実に隙だらけの法案であります。もう少し推敲を加えて提出されるべきものだつたと思うのであります。以上が反対の中心であります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) これにと討論の通告者は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) 日程第二十三、配炭公團法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。商工委員長小畑哲夫君。
    ―――――――――――――
   〔小畑哲夫君登壇、拍手〕
○小畑哲夫君 只今議題となりました配炭公團法の一部を改正する法律案の商工委員会における審査の経過並びに結果について御報告申上げます。
 先ず本法案の提案の理由について申上げます。配炭公團の組織、機構及び業務運営を今後如何に取扱うかという問題に関しましては、かねてから各方面に種種論議を交されていたものでございます。先きに本年三月末を以て配炭公團法の有効期間が満了いたしました際には、その取扱い方に関しまして、未だ結論を得ませんでしたので、差当り六月末まで有効期間を延長し、その後政府において種々研究した結果、最近における経済情勢の変化並びに統制の整理及び企業の合理化に対する強い要請等に鑑みまして、公團のような本來臨時的性質を持つ独占機構は成るべく早い機会に廃止することが望ましいのでありますが、他方、一挙に公團を廃止するような急激な改革は、産業経済並びに國民生活に及ぼす影響が余りに甚大でありますので、有効期間を更に延長すると共に、現状においてでき得る改正を行い、配炭能率の向上を図り、全面的廃止への線に近づける趣旨の下に本案の提案となつた次第です。
 次に本法案の内容を簡單に御説明申上げます。改正の主なる点は以下申上げます四つの点でございます。
 先ず第一点は、公團の有効期間の延長でございます。配炭公團は他の配給公團と同樣に存続期間を一年と限定されておりましたので、本年三月末で期限が満了しましたが、先に述べました諸般の事情により、差当り先般本年六月末まで延長されたのであります。併しながら現在尚一挙廃止の時期に当りませんので、今回の改正においては公團の機構及び業務に所要の改革を行なつた上で、更にこれを來年三月末まで延長することにしたことでございます。但しこの度の改正は從來と比較しまして、期限の再延長を考慮せず、而も需給状況が改善されたときには、來年三月末以前においても経済安定本部長官の命令によつて解散又は業務の縮小をなし得るとした点が異なつておるのであります。
 次に第三点としましては、公團の取扱品目の縮小でございます。從來配炭公團は石炭及びコークスの全部を一手買取販賣をしておりましたが、今度の改正案では無煙炭、煽石、微粉炭、四千カロリー以下の低品位炭、(但し常磐炭及び本土炭については発熱量三千七百カロリー以下、宇部炭については発熱量三千五百カロリー以下のものとする)及び半成コークス、炭分三〇%以下の低品位コークスについては本法案施行と同時にこれを公團取扱品目より除外し、これら除外品目に対しては差当りフリー・クーポン方式による統制に移行しようとする点でございます。併しながら前述の四千カロリー以下の低品位炭につきましては、取扱除外の影響が大なるため、販賣機構の整備その他諸般の準備のため猶予期間を設け、七月一日から施行することとなつております。
 次に第三点といたしましては、配炭公團は從來山元より最終需要者までの配給業務を全部直営して來たのでありますが、この度の改正により、需要者に対する配給業務に卸賣業者及び小賣業者を設けて、これに任せることにした点でございます。即ち海上輸送のものにつきましては需要地沖着、鉄道直通輸送のものにつきましては着駅貨車乘りにおいて卸賣業者に賣渡すようになつています。
 第四点といたしましては、配炭公團は以上申述べましたような販賣業者の設定に伴いましてその業務を極力整理縮小して参ることになるのでありまして、民間の販賣機構が整備されて全面的に活動を開始いたします際には、輸出及び特需向を除き原則として要需者に対する直賣を止めることといたしたのであります。配炭公團の地方機構は、積出しを担当する支團と、配給を担当する配炭局とに大別されますが、只今申上げました業務縮小に伴いまして配炭局の機構が原則として廃止されることになるのでございます。
 次に質疑應答の内容を簡單に申上げます。先ず政府原案において四千カロリー以下の低品位炭、無煙炭、煽石等を公團取扱品目より除外した根拠については、需給バランスの改善と、これら品目の貯炭の増加による公團の資金難とを挙げています。次に衆議院修正案により低品位炭の取扱範囲を拡大した場合に取扱に対しては、政府は善処し得る旨の答弁がありました。又経済界の現状において、低品位炭の一部を取扱品目より除外することは中小炭鉱を瀕死の境地に陷れることになり、延いては多数從業員の生活に脅威を與えることになるが、これに対する政府の施策はどうかとの質問に対し、政府はできる限りの行政措置を講じ救済に努力する旨の答弁がありました。その他種々熱心な質疑應答がありましたが、詳細は速記録に讓り省略させて頂きます。次いで討論に入りましたところ、玉置委員及び小杉委員より賛成の旨の発言があり、田中、島両委員よりは社会党を代表して発言があり、衆議院修正案の緩和措置は賛成であるが、それでも尚七十炭鉱、一万一千人の中小炭鉱從業員を窮地に陷れるから本案に反対するとの発言があり、又細川委員より、共産党として、大炭鉱も中小炭鉱も同樣に取扱つて、おのおのの持味を活かすことなく、一部の中小炭鉱を犠牲とする本案には反対する旨の答弁がありました。かくて採決いたしましたところ、多数を以て衆議院送付案を可決すべきものと決定した次第であります。以上で委員会における審査の経過並びに結果について御報告を終ります。
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本法は可決せられました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) 日程第二十四、社会保險診療報酬支拂基金法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長塚本重藏君。
    ―――――――――――――
   〔塚本重藏君登壇、拍手〕
○塚本重藏君 只今議題となりました社会保險診療報酬支拂基金法の一部を改正する法律案に関する厚生委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。
 先ず本法案の提出の理由及び内容について簡單に申上げます。社会保險診療報酬支拂基金法は、昨年八月第二國会におきまして制定せられ、実施いたされまして、現在に至つたものであります。その後の実績に徴しますると、診療報酬支拂資金の潤沢化と、診療報酬請求書の審査の適正化を期して、基金本來の目的を完遂する必要を認められるのであります。ここにおきまして基金が各保險者から委託を受ける診療報酬支拂資金の一ケ月分を一ケ月半分に増額いたしますると共に、診療報酬請求書審査委員会の委員に社会保險に関する学識経驗者を加えまして、委員をし増員し、且つ診療報酬請求書を提出いたしました診療担当者に対しまて、一定の書類を提出せしめ、又出頭説明を求め得る等の権限を認めまして、診療報酬請求書の審査の適正を期する等の改正を図ろうとするものであります。
 以上が本改正案の内容でありますが、本改正案は衆議院先議でありまして、衆議院におきました本改正法律案の附則におきまして五月一日施行となつておりますものを、六月一日よりこれを施行すると修正せられて本院に送付せられたものであります。
 本改正法案に対しまする政府委員との質疑應答の主なるものを一、二申上げますると、基金法制定以來その実績を見ますると、診療報酬請求金の支拂が今日依然として遅延いたしておりまするが、その遅延している原因はどこにあるか、その理由はどこにあるかという質問に対しまして、診療報酬の支拂の遅延は專ら保險料の滯納と予算の不足である。昨年度は予算編成の当初に予想しなかつた程医療給付が増大いたしましたためであるが、支拂促進については十分に考慮すると答弁がありました。又今度の改正によりまして、一月分の基金を一月半分といたしましても、それは多少の効果はあるにいたしましても、現在診療費が騰貴しておりまするので、從來と同じような結果になるような虞れはないかとの質問に対しまして、本年は三月、四月が相当高額でありました。その高額になりました分の一月半分を委託することとなりまするから、何とか実施の上において相当の改善が加えられるとの答弁がありました。又診療報酬請求書を審査し、その支拂の実権を持つておるところの審査委員会に診療録その他必要なる帳簿書類の提出を求め、且つその当該診療担当者に出頭説明を求める権限を與えることになりましたが、而もそういうことをいたしまして、更にその提出いたしました診療録や帳簿書類等の記載に不備又は不当な点があつたような場合におきまして、それを理由といたしまして、出頭いたしました者に対する旅費、日当、宿泊料の支給をしないというような処置、権限を與えておるのであります。これは余りにも苛酷ではないかという質問に対しまして、政府田、最初はこうした規定を挿入することを認めなかつたのでありまするけれども、この改正案を提出するに当りまして公廳会を開きました場合に、その公廳会におきまするところの意見として強く要望せられたので、その公廳会の意見を取入れたものである。併し質問者の指摘いたしましたような弊害に陷らないように運用上においては十分の注意を拂うの答弁がありました。更に診療報酬の支拂を請求書を出しました翌月の二十五日までといたしておるのでありまするが、このように請求書を提出いたしましたその翌月の二十五日までに支拂うということは日本だけでありまして、世界にその例がないのである。それは事実上はそういう法律を作つても実行が不可能に陷るのではないか、從つてこれを実際に行い得られるように翌々月の二十五日としてはどうか、更に又そういうようにいたしまして、支拂請求書を出して診療報酬金を受取るまでの間に時日を要しますから、そういう場合におきましては、請求書を出しましたその金額に相應いたしまして、何割かを事前に先渡しをするような方途を考えてはどうか、こういうような質問がありましたに対しまして、政府では、その点は今後十分に研究し、考慮を進めて行くとの答弁がありました。かくいたしましてその他の多くの質疑應答がありましたが、それは速記録に譲ることにいたします。
 質疑を打切りまして討論に入りましたところ、中山委員より、本改正法案は、社会保險経済の窮迫せる実情と本法運営の実績に鑑みて今日修正を要する点も多々あるのであるが、諸般の事情も多々あるので、改正法実施後の基金の運用に十分注意を拂い、基金制度の目的たる迅速適正な審査と順調な支拂が行われるように強く要望して、そうして本案に賛成する旨が述べられたのであります。更に谷口委員その他の委員からも大体同様の希望意見が強く述べられた次第であります。かくて討論を打切りまして採決に入りましたところ、全員一致を以ちまして衆議院の送付案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。左御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 本案に対し討論り通告がございます。中野重治君。
   〔中野重治登壇、拍手〕
○中野重治君 日本共産党はこれに反対であります。
 これを通すと、良い医者が非常に困り、又診察を受ける労働者が非常に困る。何故かというと、この案のもくろみは、こういうところにある。今現に政府が医者に支拂うべき金が赤字だと言つて、七億溜つておる。それで医者の方では今年一月までの金さえも受取つていない者があります。それだから神奈川縣の医師会あたりでは、これまでの政府支拂の滯りを五月一ぱいによこさなければ、六月一日から仕事をしないということを言つておる話もある。だから、これは逆にしなければならない。政府は早く赤字を拂つてしまう方がよい。ところが政府は七億の未拂を拂わないばかりか、こいつをもつと削ろうとしている。医者の方から請求書が來たら、請求書が正しいかどうかをよく調べて、罰則までも拵えて成るべく金を拂うまいとする。そういうことの理由を政府はどう言つておるかというと、大体この頃医者の所へ來る労働者が非常に殖えて來た。それから賃金の割合に藥の値段は高い。医者は惡いことをやる。それだからそういうふうにしなければならんと言つておる。これは皆逆にしなければならぬ。これは藥の値段に釣り合うように賃金を上げなければならぬ。それから医者は闇をやらなくてもどんどん診療できるようにこれに金を拂わなくちやならない。それですから、どうしてもこの社会保險診療制度というものを全面的に動かすためには、今政府がこうやつて改惡をして、そうして罰則を強めるとか、それから支拂うべき金を支拂わないで、却つて金をしぼつて行く、金を出すまい出すまいとやることになれば、結局仕方がないので良い医者はもう滅びてしまう。併し政府は医者からどんどん税金を取るが、金は拂わない。そうして良い医者は惡い医者にならざるを得ない。惡い医者になれば、これは診療を受ける労働者が非常に困る。日本にとつて極めて大事な労働力が滅びの方向へ向つて行く。こういうことをやつちやならない。これは二、三日前に我々がこの参議院でいろいろな問題を討議し、そうして決議等もしておりますが、教育の問題等もこういうものが関係しております。どうしてもこれは良い医者を救う方向へ持つて行かなければならぬ。良い医者をどんどん救つてそれによつて労働者がどしどし診療を受けられるというふうに持つて行かなければならぬ。そのために、金を削るのではなくて、出すことにせねばならぬ。この罰則は止めなくちやならぬ。これはヒポクラテスの道であり、甲斐の徳本の道であり、日本共産党の道である。惡い医者がなくなつて良い医者が殖えて労働者が助かる。日本の労働力がその生産性をうんと高める。ここへ行かなければならぬ。日本がここへ行くためにこういう惡い法案には我々は反対をする。
○議長(松平恒雄君) これにて討論の通告者は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程第四十一、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、通商事務所の設置に関し承認を求めるの件、日程第四十二、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、纖維製品檢査所の支所設置に関し承認を求めるの件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。商工委員長小畑哲夫君。
    ―――――――――――――
   〔小畑哲夫君登壇、拍手〕
○小畑哲夫君 只今上程されました二件について御報告申し上げます。
 先ず通商事務所の設置に関し承認を求めるの件と申します内容は、件名の示すように主要通商港に通商事務所を設けたいというのであります。從來通商に関する地方行政機関としては、貿易廳地方貿易事務局及びその出張所分室がありましたが、これらは今回の通商産業省設置に伴い、通商産業局に統合されることになりました。併しながら管理貿易の現状におきましては、地方通商行政は、通商物資の積出、引取等、現地港湾において処理しなければならぬ特殊な専門的通商業務が多く、地理的関係等から申しましても、通商産業局所在地においてはこれらの業務を円滑に処理することができませんから、通商産業省設置法におきましても、通商事務所を設置し得ることになつておりますので、現地港湾における通商事務の円滑な処理を図るために主要通商港たる長崎、四日市、清水、小檜及び函館の五ヶ所に通商事務所を設置する必要がありますので、その設置の承認を國会に求めるものであります。本委員会におきましては、本件に関し愼重に審議いたしました後、討論採決の結果、全会一致を以ちまして承認すべきものと決定いたしました次第であります。右御報告申上げます。
 次に繊維製品檢査所の支所設置に関し承認を求めるの件、この内容は、やはり件名の示すように繊維製品檢査所の支所を設けたいというのであります。從來繊維製品檢査所は輸出入絹、絹織物の依頼檢査を行なつておりましたが、輸出品取締法の規定に基いて新たに輸出繊維製品の檢査を実施することになりましたので、依頼檢査の受驗者の便宜を図ると共に、業務の円滑且つ迅速な遂行を図るたるに、神戸繊維製品檢査所の廣島、今治、岡山、久留米支所、桐生繊維製品檢査所の足利、松本加茂支所、及び名古屋繊維製品檢査所浜松支所と、八ヶ所に檢査所の支所があることが必要でありますので、その設置の承認を國会に求めるものであります。以上が政府原案でありましたが、衆議院において、支所増設は最小限度に止めるべきだとの見地から、神戸繊維製品檢査所の廣島、岡山及び久留米の三支所は削除せられたのであります。本委員会におきましても関係政府委員の出席を求め、衆議院送付案につきまして愼重に審議いたした後、討論採決の結果、全会一致を以て承認すべきものと決定した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決いたします。委員長報告の通り両件に承認を與えることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつて両件は委員長報告の通り承認を與えることに決定いたしました。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
   午後四時十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後五時二十三分開議
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。水橋藤作君より逓信委員を、千葉信君より労働委員を、それぞれ辞任いたしたい旨の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として逓信委員に千葉信君を、労働委員に水橋藤作君を指名いたします。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) 日程第十七、農地調整法の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長楠見義男君。
    ―――――――――――――
   〔楠見義男君登壇、拍手〕
○楠見義男君 只今議題となりました農地調整法の一部を改正する等の法律案につきまして、農林委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本法律案提案の趣旨は、いわゆる第二次農地改革が概ね好成績の中にまさに一段落を告げんとする今日の実態に即應して、即ち政府提出の資料によりますと、昭和二十二年三月三十一日に第一回の農地買收が行われまして以來、本年の三月二日に行われました第十一回目の農地買收に至るまでに、約百七十万町歩の農地買收が行われたのでありますが、その内訳は、存村地主所有分約九十五万町歩、不在地主所有分約七十五万町歩でありまして、これを田畑別に見ますると田は、約九十七万町歩、畑は約七十三万町歩であります。この百七十万町歩の買收農地に加えて、約十七万町歩の財産税における物納の農地を合計した約百八十七万町歩の農地が、いわゆる農地解放の対象とし本年二月二十八日までにその九五%、約百七十七万町歩が從來の小作人等に賣渡されておるのでありますが、その結果、今日農村の九割以上が自作農となつた。この新しい農村の実態に即應して、而して又この実態に基礎を置いて、農地調整法及び自作農創設特別措置法等の農地関係諸法律の今後の運営を円滑適正に行うために、現行法に所要の改正を行わんとするものでございまして、右の趣旨に基いて改正せんとする主要点は、第一に農地委員会の構成について、現行法の地主三、自作二、小作五の定数を、新しい実態に即應いたしまして、地主二、自作六、小作二と改め、この階層別区分を以て今回の改正法律施行後四ケ月以内に委員の総選挙を行うことといたしておるのであります。第二の点は、いわゆる不在地主の定義について、從來は農地の所有者がその農地のある市町村に住所がないときは、疾病、選挙による公務就任その他特別の事由に基く一時不在の場合を除いて、すべて不在地主とされておりましたが、改正案におきましては、農地を所有し且つ耕作していた者が他の職業に就く等の事情によつて離村いたしましても、その配偶者なり親子、兄弟が依然として農業を続けており、且つ本人も將來帰村する見込があります場合には、これを在村地主として取扱うことといたし、以て職業上の理由等による移轉に支障を與えないようにしておるのであります。右の外、農地の移動統制の規準を明確にするための新らしい規定を設くること、農地潰廃の制限に関する規定、小作料等の改訂手続の簡素化に関する規定、或いは小作調停制度の改善に関する規定を設くる外、市町村農地委員会の処分に対する救済方法等の改正規定を内容としておるのであります。
 以上が本改正法律案の趣旨及びその主なる内容でございますが、委員会の審議に当りまして最も問題となりました点は、市町村農地委員会の構成を、原案のごとく地主、小作、自作の階層別委員によることが必要であるかどうか。即ち農村の九割以上が自作となつた今日においては、むしろ階層別の構成は実益が少いのみならず、却つて階層対立の感情を残すのみであるから、円満なる運営を期するためには全村選挙を適当とする議論と、たとえ少数と雖も地主、小作の階層が存在する以上、それらの利益を公正に代表するためには、やはり階層別構成が必要であるという議論がございました。次に問題となりましたのは、主として社会党及び共産党の委員の方方が論議せられたところでございますが、第二次農地改革は未だ完全に達成したとは言えない今日において、而も將來第三次農地改革を期待する者から見れば、今回の改正案はむしろ逆行の虞れがあり、更に傳えられるところの小作料改訂問題のごときは、一度その措置において誤まるならば、農地改革の根本を搖がし、今日までの成果をも覆す虞れがあるという議論でありまして、以上の二点に関連し、政府当局との間に種々眞劍なる質疑應答が重ねられましたが、遺憾ながら、ここではこれを省略いたしたいと存じます。
 かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、緑風会の藤野委員から、農地委員の選挙は今後できるだけ早い機会に全村選挙に改めるように努力すること、現行法における農地移動の基準時期についての固定化は、労力事情その他の事情変更を生じている今日の実情においては、増産上の要請から言つても支障があるから、必要に應じ適当なる再配分を考慮すべきであるとの二つの希望意見を附して、本案に賛成の趣旨に明らかにせられ、池田恒雄委員からは、現在の農地改革進行途上における具体的な実例に徴しても、本改正法案の前提たる現在の農地改革の完全なる達成を期することが先決問題で、從つて本法案は時期尚早なりとする反対意見が述べられ、又板野、門田各委員からは、改正各項目についてそれぞれ批判せられました後、要するに農地改革の彼岸に逆行するものとして反対の意思を表明せられました。以上の討論の終結を持つて採決に附しましたところ、本法律案は多数を以て衆議院送付、政府提出原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 本案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。板野勝次君。
   〔板野勝次君登壇、拍手〕
○板野勝次君 去る四月の二十八日極東委員会において採択された政策を実施するため作成された日本における農地改革の諸原則の指令の中には、「極東委員会は終戰以來、日本の農業制度の徹底的改革を実現する目的を以て採られた諸措置の基盤たる根本原理を確認する」旨が書かれておるのであります。この根本原理とは何か。これこそ平和と自由を愛する全世界の人民大衆が日本の農民への贈物であります。即ち一九四五年十二月九日連合軍最高司令部の出したいわゆる農地解放指令であります。世界の人民大衆は日本の農民を封建的桎梏より解放し、日本の農業の民主的再建を要求したのであります。これは連合軍が占領以來とつて來た諸方策の中で最も根本的なものの一つであります。その覚書は冒頭において日本政府に対し「民主主義的傾向の復活強化に対する経済障碍を除去し、人民の権威尊重を樹立し、日本農民を数世記に及ぶ封建的抑圧の下に置いて來た経済的束縛を破壊するため、日本の土地を耕す者が彼らの労働の果実を享受する平等の機会を持つことを保証するがごとき措置」を命じたのであります。只今上程されました農地関係法案におきましては、まさしくこの根本原理に逆行し、この根本原理を無視するものであります。これは恰かも川の流れを逆流せしめんとするがごとき企てであります。私は日本共産党を代表して、農地改革を逆行せしめんとするこの反動的改惡に対して反対するものであります。(拍手)
 その反対の第一の理由は、農地の移動統制の基準を決めることによりまして、内地平均三反以下の零細農を新らしく作りますことを禁じ、内地平均三町以上の耕作を制限しようとする点であります。たとえ内地平均三反歩以下の零細な規模でありましても、その新設を断じて禁止すべきではないのでありまして、むしろ、これを共同経営の方向に指導すべきであり、又内地平均三町歩を超える所有についての禁止は勿論当然の処置でありますけれども、その耕作につきまして制限すべきは断じて許すべきではないのであります。反対理由の第二は、農地の潰廃につきましては、農林大臣に絶対権を與えるべきではなくして、現行の中央農地委員会を決議機関といたしまして、農林大臣は、その議決を経て承認することに改めらるべきであると思うのであります。第三は小作料等の改訂手続の簡易化でありますが、小作料の値上を行なつて、そうして地主制度を復活せんとするところの陰謀であります。從つて小作料の額その他の小作條件を小作農に対しまして不利益に変更することは、農地改革の使命に照しましても断じて禁止の処置をとるべきであります。第四には、小作調停制度の改正点は惡法である小作調停制度と妥協しているのであります。これは小作調停制度を適用しない旨を明記する必要があり、從つて小作調停制度は現段階におきましては当然廃止されるべきものであります。第五に、農地委員の階層別選挙はこれは無階層選挙としなければならない。この点は委員長報告の中におきましても、緑風会の藤野委員が希望された点によつて明らかでありまして、是非とも無階層選挙にし、土地所有者の資格におきましては、如何なる事情がありましようとも、この選挙資格は剥奪すべきでありまして、土地所有者の資格を與えないことを條件といたしまして、如何なる階層に属しようとも、耕作農民及び一年に五十日以上農業労働に從事する者には完全に民主的に自由に選挙権及び被選挙権を與えるべきであります。第六に、自作農創設特別措置法の改正は、改正というべきものでは断じてないのでありまして、全くの改惡の見本であります。即ち不在地主の範囲を拡げようとするものでありまして、明らかに地主擁護、地主制度復活の手引であります。從つて改正ということならば、若し改正という言葉が許されるならば、小作地保有面積以下であつても市町村農地委員会が必要と認める場合には買收できるように改め、小作地全面解放の方向に一歩前進するのが改正という言葉に値すると思うのであります。
 以上六点を挙げて主要な反対理由といたしますが、先日私のこの壇上からの農地改革に関する緊急質問に対しまして、農林大臣は、私の指摘したところの、政府が当初解放を見込んだ小作面積二百万町歩であつたのが隠されておること、賣渡しの済まない農地十万町歩、牧野十二万七千町歩、経理事務が全く停滯しておること、登記事務も又更に澁滯されておること、中小地主へ当然支拂わなければならないところの代金が多額に未拂いとなつておる点、更に百万件に及びますところの土地取上げ等の諸点に関し、農林大臣は一言も答弁することができなかつたのであります。而も地主的支配の遺物を温存させるところの、恰かもこの地主的支配温存のチヤムピオンとしての選挙演説風の答弁をこの壇上からやられたのでありまして、これは併しながら誠に民自党の農林大臣にはふさわしいものでありました。この改正案が今や上程されましたときに、この議場に農林大臣自身がおいでになつていないこと自身が、如何に農地改革に対して民自党が不熱心であるかを何よりも雄弁に示しておると思うのであります。まだあります。昨年二月十日、農地改革の促進に関する覚書におきまして、「一部の反動勢力は、農地改革計画の完遂を妨げるための策動を行うに至つた」と指摘しているのでありますが、農地改革における残された仕事の未整理を初め、この改惡案たる農地改革逆轉の隠謀こそは、この司令部の指摘している反動勢力の策動の具現に外ならないのであります。吉田内閣はこの農地改惡法案により、地主制度復活を強引に企てておる点は、列挙して六点の反対理由によつても明らかであり、この陰謀によつてフアシズムを支える温床を作らんとしているのであります。世界の新聞紙が、吉田内閣が反動であると指摘しているのも断じて不思議ではないのであります。吉田内閣が農村民主化の敵であることが、この改惡案の中に何よりもよく現われ過ぎております。今や吉田式政治で轉落農家は増大し、飯米不足に飢餓状態に陷つており、土地問題をめぐつて、土地取上げは横行し、これを新法化し、轉落農家より僅かな土地さえも適正農家設定を惡用して奪い去ろうとしているのであります。誠に白足袋の旦那がやらうとする考えはかくのごときものであります。農村の平和を守り、農業の破壊政策から防衞するためには、農地改革の徹底化を断行し、零細地主に対しましては、政府買上價格の二倍乃至三倍で買上げ、零細地主を救済し、以て農民生活の安定と農業生産力の発展のため、農地、農用林、水利及びこれに附属する諸施設の農民管理とその合理的利用と運営を図るべき立法措置がとられるときがすでに参りました。これのみが世界の民主勢力の贈物であるところの日本農民を数世紀に及ぶ封建的抑圧の下に置いて來た経済的束縛を断ち切るただ一筋の道であります。進歩的な我が参議院の農林委員の諸君の多数がこの改惡案に賛成されましたことは誠に遺憾でありますると共に、我が党は飽くまでこれが改革のために闘う。
 以上を以ちまして本改惡案に対する反対の討論に代える次第であります。
   〔「反対に反対」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 木下源吾君。
   〔木下源吾君登壇、拍手、「しつかりやれ」と呼ぶ者あり〕
○木下源吾君 私は社会党を代表いたしまして、農地調整法の一部を改正する法律案に反対いたします。
 委員長の報告並びに只今の反対論で大体盡きておるんでありますが、要するにこの問題は、吉田内閣が小作制度というようなものを非常に軽んじておるというところに、我々は反対しなければいけない。小作、地主の制度は封建制度であるということ、而もこれは日本民主化にとつての一番眞先にこれを完成しなければならない問題であります。然るに吉田内閣は労働者へは労働組合法の改惡を行い、今農民に対してはこれと匹敵するところの惡法を今やろうとしております。(「大臣の出席を求めろ」と呼ぶ者あり)而もこれは今にして吉田内閣のかかる一連の政策を粉碎しなければです、我が國が全く逆轉をするのであるということを我々は憂うるのである。今の、例えば農地委員の数の問題にいたしましても、決して農地委員の数は、これは小作人が多いからして数が多かつたんではなくしてです、(「です、です言うな」と呼ぶ者あり)このことは決して数でやる問題ではない。すでに小作という階級がです、消滅しなければならないために、小作のいわゆる権利を十分にここに現わしておつたのであります。現に未だ我が國においてはです、耕作可能な所で大きい地主が持つておるところの土地は、(「です」と呼ぶ者あり)この機会にどこまでも農地可能な範囲を拡めて、そうして、これを開放しなければならない。(「そうだ」と呼ぶ者あり)私共はです、このことなくして、決して我が國の農業が復興するものではないと考えておる。これを何とかして抑えようとするところの政策が、かかる法律案に現われて來ておるんであります。(「です」と呼ぶ者あり)これはこのことを証明するのは……御案内の通り小作料を値上する、この点は、小作料等を今日のような状態に置くということは、元來地主制度というものを無くしなければならないという前提の下である、小作料を地主が引合わないから値上をするということはですね、地主制度を温存し、更に今後も地主というものの復活を企図するが故に、そういういわゆる理論が出て來るのである。先般私は農林大臣に対しましてです、第三次農地改革のことを言いましたところが、農林大臣は第三次農地改革ということは、どういうことだか分らない、こう言つておるのでありますが、(「農林大臣いないぞ」と呼ぶ者あり)前回に板野君が言われたように、我が國の農地改革はですね、徹底的に小作を無くするということ、不労所得を今日まで地主がやつておつたようなことを無くすることにおいて、而もこれは先決問題である、封建制度を無くするということが、一番民主化の最初の仕事であるということに対する農林大臣の認識が極めて希薄であるということであります。私共はこのような法案を出すことが、彼らの地主そうして又一部大資本家が我が国の大多数の農民労働者の上に再び君臨し、我々をあのような悲惨な戰爭に引入れようとする陰謀の一つであるということを断言して反対の理由とするのであります。
○議長(松平恒雄君) これにて討論の通告者は全部終了いたしました、討論は終局したものと認めます、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案の表決は記名投票を以て行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。……(聽取し難し)
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(松平恒雄君) 投票漏れはございませんか……投票漏れはないと認めます。これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(松平恒雄君) 投票の結果を報告いたします。投票総数百五十七票、白色票即ち本案を可とするもの百十五票、(拍手)青色票即ち本案を否とするもの四十二票、(拍手)よつて本案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百十五名
      小川 友三君    阿竹齋次郎君
      井上なつゑ君    宇都宮 登君
      小野  哲君    加賀  操君
      柏木 庫治君    鎌田 逸郎君
      來馬 琢道君    高良 とみ君
      小杉 イ子君    小宮山常吉君
      小林米三郎君    西郷吉之助君
      佐伯卯四郎君    竹下 豐次君
      高田  寛君    高橋龍太郎君
      伊達源一郎君    田中耕太郎君
      中川 以良君    波多野林一君
      東浦 庄治君    久松 定武君
      町村 敬貴君    松井 道夫君
      松村眞一郎君    村上 義一君
      矢野 酉雄君    山崎  恒君
      安部  定君    飯田精太郎君
      大山  安君    奥 むめお君
      岡部  常君    岡本 愛祐君
      木下 辰雄君    九鬼紋十郎君
      楠見 義男君    山田 佐一君
      中山 壽彦君    島津 忠彦君
      島村 軍次君    宿谷 榮一君
      遠山 丙市君    森田 豊壽君
      寺尾  博君    徳川 宗敬君
      玉屋 喜章君    徳川 頼貞君
      藤野 繁雄君    北條 秀一君
      穗積眞六郎君    田口政五郎君
      岡田喜久治君    團  伊能君
      山本 勇造君    結城 安次君
      西田 天香君    植竹 春彦君
      藤井 新一君    北村 一男君
      加藤常太郎君    西川 昌夫君
      淺岡 信夫君    池田宇右衞門君
      堀末  治君    荒井 八郎君
      西川甚五郎君    大島 定吉君
      黒田 英雄君    石坂 豊一君
      柴田 政次君    板谷 順助君
      松野 喜内君    黒川 武雄君
      石川 準吉君    紅露 みつ君
      深川タマヱ君    木内キヤウ君
      大隅 憲二君    深水 六郎君
      平岡 市三君    中川 幸平君
      重宗 雄三君    西山 龜七君
      伊東 隆治君    境野 清雄君
      淺井 一郎君    廣瀬與兵衞君
      左藤 義詮君    小串 清一君
      水久保甚作君    平沼彌太郎君
      木内 四郎君    鬼丸 義齊君
      櫻内 辰郎君    田中 信儀君
      谷口弥三郎君    油井賢太郎君
      星   一君    小畑 哲夫君
      入交 太藏君    小林 勝馬君
      大隈 信幸君    鈴木 順一君
      奧 主一郎君    池田七郎兵衛君
      岩木 哲夫君    中井 光次君
      米倉 龍也君    駒井 藤平君
      岩男 仁藏君    鈴木 憲一君
      岡村文四郎君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     四十二名
      梅津 錦一君    齋武  雄君
      村尾 重雄君    門田 定藏君
      塚本 重藏君    河野 正夫君
      山田 節男君    森下 政一君
      青山 正一君    若木 勝藏君
      天田 勝正君    板野 勝次君
      細川 嘉六君    中野 重治君
      中西  功君    兼岩 傳一君
      鈴木 清一君    千葉  信君
      木村禧八郎君    原口忠次郎君
      池田 恒雄君    星野 芳樹君
      太田 敏兄君    小泉 秀吉君
      大野 幸一君    千田  正君
      藤田 芳雄君    羽仁 五郎君
      岩崎正三郎君    栗山 良夫君
      川上  嘉君    丹羽 五郎君
      原  虎一君    下條 恭兵君
      島   清君    中村 正雄君
      佐々木良作君    波多野 鼎君
      三木 治朗君    木下 源吾君
      山下 義信君    岡田 宗司君
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程第十八、土地改良法案、日程第十九、土地改良法施行法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長楠見義男君。
    ―――――――――――――
   〔楠見義男君登壇、拍手〕
○楠見義男君 只今議題となりました土地改良法案及び土地改良法施行法案につきまして、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず土地改良法案提案の趣旨及び内容について申上げます。農業経営の合理化、農業生産力の増大を期する上において、農地の改良、開発、保全及び交換分合による集團化等の施策が極めて有効且つ適切であることは申すまでもないところでございますが、御承知のように、これらのいわゆる土地改良事業の実施に関する法制といたしましては、古く明治時代に制定せられました耕地整理法、水利組合法及び北海道土功組合法が現在施行せられており、而もこれらの法制は農地改革が実行せられました今日の情勢の下におきましては、例えば耕地整理組合、水利組合、土功組合の組合員たる土地の所有者、即ち從來の地主が農地改革によつて今までの経済的地位に大きな変動を生じて、負担力の著るしい低下を來し、そのために旧來の法制の下におきましては、民間の土地改良事業には今後多くを期待し得ないような情勢変化を來しましたことと、たまたま右に申述べました現行の三つの法律によつて設立せられますところのそれぞれの組合は、その性格や事業も相互に極めて類似しておる関係もありますので、今回これらの法律を改廃統合いたしますると共に、新らしい情勢に即應した法制として、利地改良法を制定せんとするものでございまして、本法案の主なる内容は、第一に從來の耕地整理組合等に代る土地改良施行機関として、新たに土地改良区と称する團体制度を設け、この團体構成員は原則として関係地区の耕作者を以てすることを明らかにいたしますると共に、この團体の設立、管理事業施行方法等に関する詳細なる規定を設けておるのであります。第二の点は、國又は都道府縣の行う土地改良事業について、その事業開始の條件、事業実施の方法、受益者の負担制度等に関する規定を設け、第三には、農業協同組合又は数人が共同して行う土地改良事業についての規定を設け、第四には、市町村農地委員会、土地改良区又は農業協同組合の行う交換分合の実施手続に関する規定を設けておるのでございます。
 以上は土地改良法の提案趣旨及びその内容の骨子であります。
 次に土地改良法施行法案について申上げますと、この法案は土地改良法の施行に伴つて、旧來の関係諸法令の整理改廃或いは即存の関係事業及び諸團体の切替え又は整理を当然行わなければなりませんので、これらの点を規定いたしました謂わば経過的法律でございます。
 委員会といたしましては、この二つの法律を一括して審議いたしたのでございますが、最も問題となりましたのは、かねて本議場においてもしばしば問題となりました公共事業費削減に伴う土地改良事業費の縮減或いは民営の土地改良や災害耕地復旧に対する補助金の打切り、更に又資金融通に関する不徹底な対策等の問題でございまして、要するに如何に法制を整えても、最近の農村の実情から見て、特に計画的な予算的措置や、資金的措置による裏打ちが十分でなければ、法律の目的とする事業が実現しないばかりでなく、場合によつては、この繁雜な法律の規定に縛られたる中小農民の負担増を來したり、或いは法律の濫用に基く惡影響によつて却つてマイナスの効果を來しはしないかという点、そうして又一体政府は今後の予算的或いは資金的措置について、如何なる考慮と決意を有しておるのか、こういうような点に質疑が集中せられたのでありました。而してこの点については森農林大臣は、経済九原則に伴つてできました現在の予算的措置については、不十分で甚だ遺憾ではあるが、食糧増産の重要性に鑑み、本年度中においても若しその機会あらば、必ずこれが追加的措置を講じたいと思うし、資金的措置についても同樣最善の努力をいたしたいとの答弁があり、青木安本長官からも同樣趣旨の下に、預金部資金、対日援助見返資金等の活用等についても折角努力中との答弁がございました。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、先ず緑風会の藤野委員から、一、土地改良及び災害復旧事業の緊急且つ重要性に鑑み、これが予算的措置及び資材の確保対策に万全を期すること、二、右の事業に最も必要な長期低利資金の確保についても同樣の考慮を拂うべきこと、三、過去の実績に徴し、今後の土地改良事業の実施に当つては、設計の周到、実施の万全を期すること、以上の三希望條件を附して賛成の意見を述べられ、共産党の板野委員からは、先程申述べましたようないろいろの問題となるべき事項について強調せられますと共に、土地改良事業については全額國庫負担が行われなければ反対である旨の意見が開陳せられ、池田恒雄委員からは、土地改良法案の趣旨には必ずしも反対ではないが、政府の現在企図しておる土地改良事業には國土の総合的見地よりする計画性が欠けておるということを強調せられますと共に、本法案において新らしく設けんとする土地改良区の制度を、民主的な且つ極めて簡易化した制度にするため必要な修正意見の提案があつたのであります。討論終結後、土地改良法案及び土地改良法施行法案を一括議題として採決に付し、先ず池田恒雄議員提案の修正案を付議しましたところ、少数を以て否決され、かくして右二つの法案は、多数を以て衆議院送付、政府提出原案通り可決すべきものと決定いたした次第でございます。右御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 両案に対し討論の通告がございます。池田恒雄君。
   〔池田恒雄君登壇、拍手〕
○池田恒雄君 私はこの法案が本日この議場において決定されるということに対して反対するものであります。土地改良が必要であるということは、私は勿論人後に落ちない程認めておるのでございます。私はこの法案を見まして、土地改良が必要であり、急がなければならないから、この法案がより良いものに改められまして、そうしてこの國会を通過することを希望したのであります。それで若干の修正意見も申述べて見たのでございますが、帰するところ物にならなかつたわけであります。從つて私は本日この議場において、この法案が通過するということに反対しなければならないというようなことになつたわけであります。
 私は、農民自身の組合によつて行う事業、こういうような建前にこの法案の組織はなつておるのでありますが、この法案では農民自身の組合によつて行う事業というものと國の行う事業というものに、はつきりした線を引く必要がある。それから、國土計画と治水、利水の関係をはつきりと規定する必要がある。土地改良について國の計画と責任をはつきりさせる必要がある。こういうふうに考えておるのであります。そうして、そういうことをはつきりさせないで法律を制定するということは非常に危險である。こういうふうに考えております。で、この法律では、土地改良区は農民に対して賦課金をかけることができます。賦役を課すことができます。土地の交換分台をやることもできるし、水利権を握ることもできるのであります。こういうふうに見まするというと、この土地改良法に定められておる土地改良区というものは、土地管理組合としての権能を與えられて持つておるということになるのであります。そういたしまするというと、このような性格を持つておれば、土地改良区は部落或いは村程度の小規模簡易なものと規定されるべきものであると、こういうふうに考えるのであります。そうしてその限度を超えるところの土地改良事業は、農民の力によつて管理するということは困難になるし或いは企画するということも困難になります。それで農民の自主性と民主性というものは稀薄になつて來る、或いはなくなつて來る、こういうことになります。從來政府の土木、治山、治水等の政策に関しましては、又非常に縄張り主義というものがあつたのでございますが、私は又この法案審議過程において、この法律案が、こういう重要な規定を持ちながら、非常に縄張り主義的な過程において立案されておる、こういうことに氣が付いたのであります。で、このことは、土木或いは治山、治水或いは利水というような事業について縄張り主義があつたということは、これは國会において大いに批判されたこともあつたわけであります。それですから、こういうような大規模な水を規制するところの法律は、こういう縄張り主義的なものを改めておらなければならないと、私はこう思うのであります。ところが、この法律の中では少しも改められてはならないのであります。そうして、このことは、わざわざ農林委員会に建設大臣も建設次官も來て頂いたのでありますが、はつきりと改められておらないというふうな工合に申されておると言つてもよろしいと思うのであります。それでこの水の威力というものが天皇の権力よりも強大なものであるということは、歴史上の事実なんであります。如何なる暴君と雖も、水に抵抗するということはできなかつたのであります。(「それは本当だ」「たまには本当のことも言うよ」と呼ぶ者あり)從つて、土地改良の主眼というものは、水田の改良にあるのであります。この山林、河川に結合するところの廣大なる農地、いわゆる水田の水というものを規制する場合には、治水、利水を一元化したところの政策と立法を必要とする。こういうことになると私は考えておるのであります。この点は、建設省の方々もこの私の考え方には予算委員会でも大いに賛成をされておつたわけなんであります。ところが、この法案には、そういうところがちつとも見えておらないのであります。從つて、國土計画と國土政策というものが、この法案には確立されておつて、その一環としての土地改良法というものが制定されなければならないということになるのでありますが、それがこの法律にはないと言うのであります。つまり國土計画の一環として水利或いは土地改良の位置付けがされなければならないと、こういうふうに私は考えておるのであります。ところが國土政策の主管省であるところの建設大臣は、繰返して申しますが、この法案についていろいろ質問いたしまするというと、極めてちんぷんかんぷんであります。閣議で決定されておりまするから、ここに提案されておるのでありますという答弁に過ぎないのであります。これは非常に私は不思議なことであると、こういうふうに考えます。このことは、日本の國土政策というものと農業土木政策というものが分裂しておるということを示すものであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)治水と利水とが分裂しておるということを示すものであります。そして、このことは政策と予算を浪費するということを示しております。次々と我々は災害に見舞われて参りました。結局これは政策の分裂のために、堰堤から水が漏つて、我々は災害に悩んで來ておるのであります。
 更に私は、農民の負担力、農民の組織力、農民の技術力、こういうものには一つの限界があることを申しました。で、土地改良水利事業、こういうものは、私は國の費用によりまして、又國土計画というものの下において実行されなければならない。私はこういう考え方を持つております。つまり農民の力の限界を超える威力を持つところの水を規制するところの事業というものは、國の費用で、國が責任を持つてやらなければならない。(「そうだ、尤もだ」と呼ぶ者あり)こういうふうに私は考えておる。ところが農民の事業と國の事業とを混線させたところのこの法律は、そういう点から行くと非常な危險を伴つておる。その点、政府は、國土計画について、治山、治水、利水について、何らの計画ある政策というものも、予算も、この國会においては準備しておらないということを申しておるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)そうして、そういう状態において組織法だけを作るのであります。何の國策としての用意があるか。人民が組織を作ることができるというところの、そういう法律だけを作るということになれば、この組織法に対して思惑というものが起つて來るのであります。そうして思惑團体というものが発生いたします。そうして農地の荒廃に惱む農民を欺して、金を取つたり、人夫を徴発したり、或いは土地を動かしたり、國の援助や補助金の分取り合戰をやるというようなところの思惑的團体或いはブローカーというものが躍り出すのであります。党利党略のために、この團体と事業とを予算の分取りに利用するのであります。(「それが目的なんだよ」と呼ぶ者あり)そのことが更に建設省と農林省というものを盛んに喧嘩をさせるということになるのであります。政策をいよいよ以て分裂させ、そうして計画というものを混乱させ、日本において國土計画というものを不可能に陷れるということになるのであります。こういうような形においてこの法律が仕組まれておるのでありまして、それ故に私は反対の意見を持つておるのであります。つまり、こういうような状態で発展して行くならば、國土計画の現在持つておる矛盾というものは、或いは又言葉を換えて言うと、官僚と地方のボスの結合ということによつて、永遠に済度し難いものになつて來ます。そうして反動的な事業に発展して行くと、こういうようないろいろな危險を伴う故に、私は本日これがこの國会を通過することに対して反対しておるのであります。
 新聞によりまするというと、九月頃には臨時國会が開かれるということを言つておるのであります。そのときは予算の補正を行うということを政府は言うておるようであります。それならば私は九月まで愼重審議されてはどうかと思います。政府は責任を持つて、今日の政府内部における國土計画、治山、治水における政策の分裂というものを克服したらどうかと思います。それ故に私は、こういう理由を挙げて、この危險なる土地改良法に対して、反動的に発展する可能性を持つところの土地改良法に対して反対するものであります。(「分つた」と呼ぶ者あり)若し私が大向うの人氣だけを煽るならば、私はこの名前のよろしい土地改良法案に対して反対はいたさないのであります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) これにて討論の通告者は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。
 これにて三十分間休憩いたします。
   午後六時二十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時十分開議
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続き、会議を開きます。
 日程第四十三、昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算書、日程第四十四、昭和二十二年度國有財産無償貸付状況総計算書を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。決算委員長奧主一郎君。
    ―――――――――――――
   〔奧主一郎君登壇、拍手〕
○奧主一郎君 只今議題となりました昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和二十二年度國有財産無償貸付状況総計算書に関する決算委員会の審議の経過並びに結果につきまして御報告申上げます。
 從來、國有財産の毎年度間における増減及び年度末における現在額は、國有財産法により内閣が國会に報告することに相成つておるのでありますが、昭和二十三年六月國有財産法が改正されました結果、昭和二十二年度からは右の外に國有財産を無償で貸付けたものの状況をも報告することになつたものであります。
 昭和二十二年度におきましては、一般会計、特別会計を通じまして、國有財産の増加しました額は四百九十七億余万円でありまして、減少しました額は二百二十一億余万円、差引純増加額は二百七十六億余万円であります。年度末、即ち昭和二十三年三月三十一日現在の國有財産は総額七百億余万円でありまして、この内訳は公用財産三百億余万円、営林財産百五十八億余万円、雜種財産二百四十一億余万円となつております。次に國有財産を無償で貸付けましたものは、一般会計、特別会計を通じまして、昭和二十二年度の増加額は五千七百余万円、減少額は二千三百余万円、差引純増加額は三千三百余万円でありまして、年度末の現在額は一億二百余万円となつております。
 右二件につきましては、政府より詳細なる報告がありまして、委員会におきましては愼重審議いたしましたところ、國有財産の貸付料及び賣拂代金の徴收が遅れて未收になつているものが相当多額に上つており、又國有財産の管理について当を得ないと認められる事項も相当にあることが会計檢査院の檢査報告によつて明らかになつておるものでありますが、これについては政府の特別なる注意を喚起いたしまして、この二件の計算書はこれを承認することに異議がないと議決いたしました。よつて右御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。両件は委員長報告の通り承諾を與えることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程第四十五、昭和二十二年度予備費使用総調書、日程第四十六、昭和二十二年度特別会計予備費使用総調書、日程第四十七、昭和二十三年度一般会計予備費使用総調書、日程第四十八、昭和二十三年度特別会計予備費使用総調書(いずれも承諾を求める件)を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。決算委員長奧主一郎君。
    ―――――――――――――
   〔奧主一郎君登壇、拍手〕
○奧主一郎君 只今議題となりました四件、即ち昭和二十二年度予備費使用総調書、同じく特別会計予備費使用総調書、昭和二十三年度一般会計予備費使用総調書(その1)及び同じく特別会計予備費使用総調書(その1)につき、國会の事後承諾を求める件に関する決算委員会の審議の経過並びに結果につきまして御報告申上げます。
 先ず本四件の内容の大略を説明いたします。昭和二十二年度予備費使用総調書、及び同年度特別会計予備費使用総調書は、事後承諾を求めるため第二國会に提出されたものでありまして、決算委員会におきましては予備審査はいたしましたが、審議未了となつたのでありまして、改めて今次國会に提出されたのであります。
 昭和二十二年度一般会計予備費の予算額は二十億円でありまして、そのうち使用された金額は十九億七千七百九十余万円であります。次に昭和二十二年度において予備費を使用した特別会計は地方分與税分與金、外七特別会計でありまして、その使用総額は四十八億八千九百四十余万円であります。昭和二十三年度一般会計予備費の予算額は六十五億円でありまして、そのうち同年十二月下旬までの間において五十一億千五百六十余万円を使用しておるのであります。又昭和二十三年度において予備費を使用した特別会計は專賣廳外九特別会計でありまして、その使用総額は二十二億八千六十余万円であります。
 次に質疑應答のうち主なるものを御紹介いたします。
 その一は、予備費は予見し難い予算の不足に充てるためのものであるから、重要事項については國会開会中には予備費の使用を行わず、必要の経費については追加予算を提出して國会の議決によることが適当であると思われるのに、國会開会中に重要事項につき使用せられている件数が非常に多数に上つているのは予備費使用の濫用でないかとの質問に対して、國会開会中には、法律の規定により当然支出しなければならないような費用とか或いは軽微の事項に関するもの以外は、予備費の使用を行わない方針が閣議で決定されており、政府においても、この方針を守つているが、特殊の事情等に基いて、止むを得ず、この範囲を脱しているものが多少ある。將來においてはこの閣議決定事項を嚴守するよう努めるとの答弁がありました。その二は、予備費使用によつて行政機構の改変その他により政府職員定員の増加が行われているが、その増加した定員は何人であるかとの質問に対し、昭和二十二年度一般会計では二万六千八百余人、昭和二十三年度一般会計では三万二千余人、昭和二十二年度及び二十三年度特別会計においてそれぞれ千名未満の定員増加があつたとの答弁がありました。
 次に予備費使用のうち特に問題とすべきものと認めましたものについてその要点を御報告いたします。
 第一は、昭和二十二年度一般会計において文部省所管の廣島工業專門学校に関する三十万円であります。右は連合軍の命令による同校機械器具類の移轉費でありますが、連合軍の指令に基く官有物件の移轉費は終戰処理費で支弁することに大藏省通牒によつて決定されており、又文部省においても、この旨管下各学校に通牒したにも拘わらず、誤まつて、予備費の使用決定を行つたものでありまして、その後、会計檢査院の注意により、終戰処理費からこの費用を支出することに改めたのでありますから、この予備費使用決定は取消すべきものであります。第二は、同年度内閣所管経済安定本部の機構拡充に必要な経費であります。その行政部費の中に、電話交換機購入費として七百万円を積算しておりますが、その積算は過大に失し、計画及び決定が杜撰であると認められます。第三は、同年度内閣所管地方経済安定局設置に必要な経費であります。その行政部費の中に、電話交換機購入費として二千八百万円を積算しておりますが、その積算は過大に失し、計画及び決定が杜撰であると認められます。第四は同年度内閣所管の総理廳火災復旧に必要な経費であります。そのうち、中央公職適否審査委員会用調査票カード類の再調達のため、印刷製本費として五百六十余円円を積算してありますが、その積算が過大に失し、計画及び決定が杜撰であると認められます。第五は、同年度運輸省所管水路図誌回收に必要な経費であります。右は第二復員局の廃止に伴い、同復員局保管の水路図誌回收に要する運搬経費として、百三十余万円の予備費使用の決定を受けたものでありますが、その積算は過大に失し、計画及び決定が杜撰であると認められます。以上が特に問題とすべきものについての御報告でありますが、議題となりました事後承諾を求める予備費使用額調書に関しまして、衆議院におきましては、只今御報告いたしました五件を除いて承諾を與うべきものと議決して、本院へ送付されたのであります。
 質疑が終りまして、討論に入りましたところ、一委員から昭和二十二年度一般会計については、只今御報告いたしました第一の文部省所管廣島工業專門学校に関するものは誤まつて予備費の使用を決定したもので、本來取消すべきものであるから、不承諾をすべきである。その他については、いずれもその使用決定には正当の根拠があると認められるから、承諾を與えるべきである。但し右に述べました第二乃至第五の四件は積算が過大に失し、計画及び決定が杜撰であると認められるから、内閣は將來このような失態を繰返すことのないよう嚴重な注意を與うべきである。又昭和二十三年度特別会計、昭和二十三年度一般会計及び同特別会計については、いずれも承諾を與うべきであるとの意見が述べられました。
 採決の結果、昭和二十二年度予備費使用総調書については、文部省所管の北海道大学理学部実驗工場火災復旧等に必要な経費の中、廣島工業專門学校に関する三十万円は不承諾、内閣所管の経済安定本部機構拡充に必要な経費、地方経済安定局設置に必要な経費、総理廳の火災復旧に必要な経費及び運輸省所管の水路図誌回收に必要な経費の四件は、嚴重な警告付きで承諾、その他の各件並びに昭和二十二年度特別会計予備費使用総調書、同二十三年度一般会計予備費使用総調書、同特別会計予備費使用総調書については、すべて承諾することに全会一致を以て議決いたしました。
 この際特に御報告に加えたいことは、予備費使用の決定に当り積算過大に失し、計画及び決定が杜撰であると認められるものがありますのは、結局予備費の濫用でありまして、甚だ遺憾とするところであります。予備費は内閣の責任において使用するのでありますから。内閣はその責任の重大性を痛感し、その使用決定に当つては細心の考慮を拂い、將來このような失態を繰返さぬよう嚴重に注意すべきであるということが全員一致の強い意見であります。最後に國会開会中に新たな款項を設ける必要のあるもの、その他重大と認められる経費について、予備費の使用が行われているものがありますが、これは立憲精神並びに國会の予算審議権尊重の精神に反するものでありまして、誠に寒心に堪えないところであります。よつて内閣に対して次の事項を要望する次第であります。
 内閣に対する要望事項
  國会開会中には、新たな款項を設ける必要のあるもの、公務員定員の増加を伴うもの、行政機構の設置改廃を伴うもの、法律政令の改廃を伴うもの、その他一般に比較的重大と認められる経費の使用については追加予算の方法によるべきであつて、予備費の使用を行うべきでないことは、立憲精神並に國会の予算審議権尊重の精神に照して明らかであり、又現に昭和二十二年四月二十六日の閣議においても、このことを決定しているに拘わらず、これに反する予備費使用の決定がしばしば行われていることは誠に遺憾である。内閣はこの重大問題についてはその政治的責任を痛切に反省して、將來このような事態を繰返さないよう嚴重な注意を拂うべきである。
 右要望事項は全会一致を以ちまして議決いたしました。よつて右御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。四件全部を問題に供します。委員長の報告は、昭和二十二年度予備使用総調書中、文部省所管北海道大学理学部実驗工場火災復旧等に必要な経費、工業專門学校、(部)教育文化費、(款)直轄諸学校費、(項)工業專門学校については承諾を與えるべきものにあらず、その他のものについては承諾を與えるべきものと決したとの報告でございます。右四件は委員長報告の通り決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないものと認めます。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第四十九より第七十六までの請願及び日程第二百十七より第二百二十七までの陳請を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。商工委員会理事山田佐一君。
    ―――――――――――――
   〔山田佐一君登壇、拍手〕
○山田佐一君 只今議題となりました請願及び陳情に関する商工委員会の審査の結果について御報告申上げます。
 先ず請願について申上げますと、請願文書表番号第七号、教育廳画の暗幕配給に関する請願、同じく第十七号、坑木危機打開に関する請願、同じく第百号、北海道内化学肥料製造用の電力対策等に関する請願、同じく第百六十六号、日和田、平両変電所間に送電線新設の請願、同じく第二百二十六号、築上火力発電所建設再開に関する請願、同じく第二百八十二号、猪苗代、十和田間に送電幹線新設の請願、同じく第四百三十九号、岩手縣に電氣計器調整所及び電氣試驗所設置の請願、同じく第四百四十六号、抗木生産供出あい路打開に関する請願、同じく第四百八十五号、小清水村に水力発電所築設の請願、同じく第五百七号、中小企業廳の拡充強化に関する請願、同じく第五百三十四号、水害地衣料切符加配点数の現物化等に関する請願、同じく第五百三十七号、労需用纖維品配給に関する請願、同じく第六百五十六号、中國地方電力増強五ケ年計画案実施に関する請願、同じく第七百六十二号、鶴岡纖維製品檢査所川俣支所の本所昇格及び小高支所設置の請願同じく第七百九十六号、岡山縣の電力増強対策に関する請願、同じく第八百二十九号、猪苗代、八戸及び日和田、平の各変電所間に送電線新設の請願、同じく第九百二十号、北海道の石灰ちつそ工業用電力対策に関する請願、同じく第九百八十六号、衣料品卸賣業者登録申請に関する請願、同じく第千十二号、商工省工業技術廳の拡充強化に関する請願、同じく第千十九号、理容師にクロース、タオル及び手術衣増配に関する請願、同じく第千四十五号、関西配電会社淡路送電第三号線架設に関する請願、同じく第五百五号、中小企業の振興対策に関する請願、同じく第六百三十四号及び第九百二十一号、石けん資材割当方式還流切符制度採用の請願、同じく第六百八十九号、中小企業の保護育成に関する請願、同じく第七百二十六号、常磐茨城地区炭鉱の復興に関する請願、同じく第千七十四号、乳幼兒用衣類の輸入に関する請願、同じく第千九十四号、中小織布業の保護育成に関する請願、同じく第千三百二十三号、輸出業法制定に関する請願、以上二十九件につきまして、関係政府委員の出席を求め、且つ紹介議員の意向も伺いまして、愼重に審議いたしました結果、いずれも願意の妥当なるを認め、これを採決いたし、議院の会議に付し、内閣に送付いたすべきものと全会一致を以て決定いたした次第であります。
 次に陳情につきまして本委員会の審査の結果を申上げます。
 陳情文書表番号第百七号、中小企業廳機構拡充強化に関する陳情、同じく第百五十一号、北海道の電力供給源開発等に関する陳情、同じく第二百六十三号、電力行政機構強化に関する陳情、同じく第二百八十七号、関西配電会社淡路送電第三号線架設に関する陳情、同じく第三百八十四号、中小企業振興対策に関する陳情、同じく第百五十二号、タイヤ補修用生ゴム輸入増加に関する陳情、同じく第百五十三号、タイヤのリンク制廃止に関する陳情、同じく第百九十七号、ろう石外七鉱物を鉱業法中に追加の陳情、同じく第二百五十七号、神戸港をてぐす原料荷揚港に復活の陳情、同じく第二百九十一号、家庭燃料用加工炭増産等に関する陳情、同じく第四百十三号、炭鉱労務者向物資配給計画に関する陳情、以上十一件も同じく関係政府委員の出席を求め、その見解を参照の上、愼重なる審議の結果、願意を概ね妥当と認め、これを採択、議院の会議に付し、内閣に送付いたすべきものと全会一致を以て決定いたしました。右御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採択をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程第七十七より第八十までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。
    ―――――――――――――
   〔木下辰雄君登壇、拍手〕
○木下辰雄君 只今議題となりました請願第二百三十一号、同じく四百七十八号、同じく五百八十五号、同じく六百四十二号、この四つの請願に対しまして、水産委員会におきましては愼重審議の結果、満場一致を以てこれを採択して、議院の会議に付し、請願第二百三十一号及び第五百八十五号の外は内閣に送付すべきものと決定いたしました。以上御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は委員長報告の通り採択し、水産業協同組合法等改正に関する請願及び水産業協同組合法中一部改正に関する請願の外は内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、水産業協同組合法等改正に関する請願及び水産業協同組合法中一部改正に関する請願の外は内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第八十一より第百三十一までの請願及び日程第二百二十八より第二百四十二までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長板谷順助君。
    ―――――――――――――
   〔板谷順助君登壇、拍手〕
○板谷順助君 只今議題となりました請願第七十号、阿仁合、角館両駅間に鉄道敷設の請願外請願百四十三件、陳情二十八件の運輸委員会における審議の詳細は委員会における速記録に讓ることにいたしまして、簡單に御報告申上げます。右請願並びに陳情については、委員会においてあらゆる角度から檢討し、愼重な審議をいたしました結果、いずれも願意妥当と認め、採択の上、内閣に送付すべきものと議決いたしました。
 尚、議長のお許しを得まして、本会議における詳細の報告は速記録に留めて置きたいと存じます。以上御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければこれより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第百三十二より第本四十七までの請願及び日程第二百四十三より第二百六十二までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。
   〔岡本愛祐君登壇、拍手〕
○岡本愛祐君 只今議題となりました日程第百三十二より第百四十七までの請願、同第二百四十三より第二百五十六まで、第二百五十八より第二百六十二までの陳情、合計六十二件の請願及び陳情は、願意概ね妥当と認められますので、地方行政委員会においては、これを採択し、内閣に送付を要するものと決定いたしました、(「件名不明」と呼ぶ者あり)次に日程第二百五十七の陳情は採択し、内閣に送付の要なきものと決定いたしました。詳細は別に提出する審査報告書により御承知頂きたいと思います。右御報告申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これら請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、料理飲食営業の再開に関する陳情の外は内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は採択し、料飲食営業の再開に関する陳情の外は内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第百四十八より第百六十一までの請願及び日程第二百六十三、第二百六十四の陳情の一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長塚本重藏君。
    ―――――――――――――
   〔塚本重藏君登壇、拍手〕
○塚本重藏君 只今上程せられました請願並びに陳情につきまして厚生委員会における審議の結果を簡單に御報告申上げます。
 請願第二百十八号、同じく第六百十三号、健康保險組合に対する國庫補助増額に請願、同じく第五百四十三号、労務者住宅建設に厚生年金保險積立金運用の請願、同じく第九百十八号、厚生年金積立金運用再開に関する請願、以上の請願四件は、いずれも社会保險に関するものでありまして、健康保險組合に対する國庫補助の増額、厚生年金の積立金の運用、診療報酬の支拂の促進等に関するものであります。請願第二百八十号、山形市に國立結核療養所設置の請願、同じく第三百八十二号、山形縣赤湯町の厚生施設設置費國庫補助の請願、以上二件はいずれも國立療養所設置に関するものであります。請願第六百六十九号、國営医療機関勤務看護婦の勤務改善に関する請願、本請願は國立病院療養所に勤務する看護婦について、その勤務改善を図られたいとの趣旨であります。請願第三百号、戰爭犠牲者に対する災害補償の請願、請願第三百六十三号、戰爭犠牲者遺族保護対策強化に関する請願、同じく第三百八十四号、同じく第三百九十七号、同じく第六百五十二号、同じく第八百七十四号、陳情第百十三六号、以上の請願六件、陳情一件は、いずれも戰爭によつて犠牲となつた者並びにその遺族に対して最低の生活を保障せられたいとの趣旨であります。請願第八百三十五号及び第九百六十号、以上二件の請願はいずれも兒童の保育施設を増設せられたいとの趣旨であります。請願第六百十二号、本請願は、社会福祉の増進のために國民生活の実情に即した措置をとり得るよう、民生委員法その他関係法制を改正せられたいとの趣旨であります。請願第千五十七号は、兒童の厚生施策の一として東京の動物園に象その他の動物等を輸入できるように適当なる措置を望むとの趣旨であり、東京都小学兒童たちが全東日本の子供を代表しての熱烈なる要望請願であります。以上の請願十七件並びに陳情一件は、審査の結果、いずれも議院の会議に付してこれを内閣に送付すべきものと決定いたしました。次に請願第五百二十三号、傷痍者福祉法制定に関する請願、同じく第二百四十六号、社会事業基本法制定に関する請願、陳情第三百六十二号、消費生活協同組合の住宅事業経営に関する陳情、以上請願二件、陳情一件は、いずれも本委員会において、かねてより立法考査中の問題でありますので、右の三件はこれを議院の会議に付して内閣に送付を要せざるものと決定いたした次第であります。以上御報告申上げます(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、傷痍者福祉法制定に関する請願、社会事業基本法制定に関する請願及び消費生活協同組合の住宅事業経営に関する陳情の外は内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、傷痍者福祉法制定に関する請願、社会事業基本法制定に関する請願及び消費生活協同組合の住宅事業経営に関する陳情の外は内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第百六十二より第百七十一までの請願及び日程第二百六十五、第二百六十六の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。逓信委員会理事小林勝馬君。
    ―――――――――――――
   〔小林勝馬君登壇、拍手〕
○小林勝馬君 只今議題となりました簡易生命保險及び郵便年金積立金運用再開に関する請願十三件及び同陳情五件、福島縣耶摩郡檜原村字劍ケ峯に特定郵便局設置の請願、福島縣瀧根町菅谷に無集配特設郵便局設置の請願、佐賀電話局の電話交換方式変更及び局舎建設に関する請願、奈良縣天川村川合無集配特定郵便局を集配局とするの請願、福島縣関柴村に特定郵便局設置の請願、鹿兒島縣日当山村日当山郵便局を集配局とするの請願、岩手縣田原村に郵便局設置の請願、練馬郵便局舎新築及び電話交換方式変更に関する請願、板橋区内一部の電話加入区域変更に関する請願及び枕崎郵便局無線分室敷地等拂下げに関する陳情は、逓信委員会におきまして愼重審議をいたしました結果、いずれも願意を妥当なものと認め、これを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと全会一致を以て決定いたした次第であります。以上御報告申上げます。
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 これらの請願及び陳情は委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第百七十二より第百九十二までの請願及び日程第二百六十七より第二百七十三までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないものと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長石坂豊一君。
    ―――――――――――――
   〔石坂豊一君登壇、拍手〕
○石坂豊一君 只今議題と相成りました請願及び陳情につきまして、極めて簡單に御報告を申上げます。
 請願の方は北上川改修工事促進に関する件、この外二十件でございます。陳情の方は十津川の河水統制に関する件この外六件でございます。これらの請願及び陳情はすべて関係國民の眞劍なる叫びでありまするので、建設委員会におきましては政府当局の出席を求めまして、委員と共に熱烈且つ眞劍なる審査を行いまして、すべて陳情及び請願の趣旨を採択し、内閣に送付することを適当と決定した次第であります、この段御報告を申上げます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第百九十三の請願及び日程第二百七十四及び第二百七十五の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員会理事西川昌夫君。
    ―――――――――――――
   〔西川昌夫君登壇、拍手〕
○西川昌夫君 只今議題となりました請願一件並びに陳情二件につきまして、十分愼重審議いたしました結果、議院の会議に付することを適当と認めました。以上報告いたします。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長の報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつてこれらの請願及び陳情はこれを採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第百九十四より第二百二までの請願及び日程第二百七十六より第二百七十九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼び者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないものと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大藏委員会理事九鬼紋十郎君。
    ―――――――――――――
   〔九鬼紋十郎登壇、拍手〕
○九鬼紋十郎君 只今議題となりました大藏委員会に付託されました請願並びに陳情につきましては、愼重審議の結果、内閣に送付する必要があると認めまして採択した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
   〔議長退席、副議長著席〕
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程の順序を変更して、日程第二十五、地方自治廳設置法案、日程第二十六、経済安定本部設置法案、日程第三十、特別調達廳設置法案、日程第三十一、総理府設置法の制定等に伴う関係法令の整理等に関する法律案、日程第三十五、賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案、日程第三十六、海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正する法律案、日程第三十七、國家行政組織法の施行に伴う労働関係法律の整理に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上七案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事中川幸平君。
    ―――――――――――――
   〔中川幸平君登壇、拍手〕
○中川幸平君 只今議題となりました地方自治廳設置法案の内閣委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 本法案は、國と地方公共團体との連絡及び地方公共團体相互間の連絡協調を更に緊密ならしめると共に、國家公益と地方公共團体の自主性との間に調和を保ちつつ、地方公共團体の自治権を擁護し、以て地方自治の本旨の実現に資するため、新たに地方自治廳を設け、地方自治委員会議を置く必要がありますので、それらのことを規定したものであります。
 衆議院では、地方自治委員会の委員の数を政府原案の六人を十二人に増加するの修正を施して本院に送付して参つたのでありますが、本委員会において愼重審議の結果、これを八人に再修正いたしたのであります。即ち衆議院では、衆議院議員から衆議院の指名した者一人、参議院議員から参議院の指名した者一人、全國都道府縣知事の代表一人、全國市長の代表一人、全國町村長の代表一人、全國都道府縣議会議議長の代表一人、全國市議会議長代表一人、全國町村議会議長代表一人、学識経驗者たる者四人、計十二人となつておりましたものを、七及び八を削り、九の四人を二人に減じまして、合計八人とすることに修正を加えたのであります。尚この際学識経驗ある者二人の中、二人は成るべく地方公務員の中から推薦されることを要望する旨の強い意見があつたのであります。かような修正を加えまして、他は全会一致可決すべきものと決定したのであります。右御報告申上げます。
 次は只今議題となりました経済安定本部設置法案の内閣委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 経済安定本部は、從來、臨時に設けられた総理廳の外局でありましたが、今回國家行政組織法の施行に伴いまして、臨時機関ではありまするが、独立の行政機関として、從來安定本部と同樣に総理廳の外局でありました物價廳及び経済調査廳をその外局として設置することに相成つたのであります。本法案によれば、安定本部は総裁官房の外、生産、動力、生活物資、財政金融、貿易、建設交通の六局を置くことになつておりますが、機構簡素化のため、從來ありました労働局を廃止して、総裁官房においてその事務を掌ることになつておるのであります。本委員会におきましては、総合企画の官廳たる安定本部としては、労働問題の重要性に鑑み、從來通り労働局を独立の一局に存置すべきものであるということにいたしまして、修正を可決いたしたのであります。以上の修正を施しまして、その他は全会一致可決すべきものと決定いたした次第であります。(「簡單にやれ」「一行置きに読め」と呼ぶ者あり)
 次は特別調達廳設置法案につきまして、審議の経過並びに結果について御報告申上げます。特別調達廳は從來各省廳において政府の一部局として取扱つて來たのでありまするが、今回國家行政組織法の施行に伴い、純然たる官廳とすることを適当と認め、総理廳の外局として設置することに相成り、本法案の提出を見たのであります。本委員会におきましては、審議の結果、行政官廳組織の基本法規たる國家行政組織法の規定に從い、特別調達廳の内部部局たる経理局以下の五局はこれを部とすべきことに意見が一致いたしまして、この修正を加えました外は、その他は全会一致可決すべきものと決定いたした次第であります。
 総理府設置法の制定等に伴う関係法令の整理等に関する法律案につきまして御報告申上げます。
 本法律案は國家行政組織法の施行に伴い、総理廳を総理府に改め、宮内府を宮内廳に改める等、関係法令の字句の修正等を必要とするものでありまして、改正規定を整えたものであります。なお通商産業省が本月二十五日から設置されることになりましたので、この附則第一項但書にある年月日を五月二十五日に修正いたしまして、その他は全会一致これを可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次は賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案について御報告を申上げます。
 賠償廳はポツダム宣言に基き日本政府に課せられた賠償義務履行の事業を担当し、総理廳の外局として設置されたのでありまするが、今回國家行政組織法の施行に伴い、各官廳の再組織に当り賠償廳の所掌事務に若干の改変を加え、行政機構刷新整備の見地から、外務省特別財産局の事務の全部及び大藏省管理局の所掌する事務の一部を賠償廳に統合することに相成つたのでありまして、この法案は賠償廳臨時設置法に所要の改正を加えんとするものでございます。本委員会におきましては、愼重審議の結果、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正する法律案につきまして御報告申上げます。
 本法案は國家行政組織法施行に伴い、海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正せんとするものでありまして、本委員会におきましては愼重審議の結果、何ら修正を加えるの要なく、原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次は國家行政組織法の施行に伴う労働関係法律の整備に関する法律案について御報告申上げます。
 この法案は國家行政組織法の施行に伴いまして、労働基準法、労働者災害補償保險法及び職業安定法に規定せられておる各種委員会に名称を改めると共もに、職員の定員に関する規定を命令に委任した部分に改正を加える必要があつたので、提案されたのであります。これらはただ字句の修正でありまするので、愼重審議の結果、全会一致可決すべきものと決定いたした次第であります。
 右御報告申上げる次第であります。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。先ず地方自治廳設置法案、経済安定本部設置法案、特別調達廳設置法案、総理府設置法の制定等に伴う関係法令の整理等に関する法律案、以上四案全部を問題に供します。四案いずれも委員長の報告は修正議決報告でございます。四案は委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて四案は委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 次に賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案、海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正する法律案、國家行政組織法の施行に伴う労働関係法律の整理に関する法律案、以上三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて三案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 日程第二十七、運輸省設置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます、内閣委員会理事中川幸平君。
    ―――――――――――――
   〔中川幸平君登壇、拍手〕
○中川幸平君 只今議題となりました運輸省設置法案の内閣委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 この度、國有鉄道事業が國営事業として六月一日から運輸省から独立して公共事業体として発足いたしますので、運輸省は運輸行政の企画監督機関となることは御承知の通りであります。本法案はその組織、権限及び所掌事務を定めたものでありますが、本委員会において審議の結果、第十九條第二項に掲げる大臣官房中の観光部を局に改めて本省各局中自動車局の次に加え、海運局の中にある海運調整部を大臣官房に移して、海運調整部を運輸調整部に改めるべきであるとの意見に一致したのであります。その他、鉄道監督局の名称中「監督」の二字を削る外、一二字句の修正をいたしたのでありまして、その他は原案通り可決すベきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 本案に対し討論の通告がございます。中西功君。
   〔中西功君登壇、拍手〕
○中西功君 簡單に日本共産党のこの運輸省設置法案に対する反対意見を述べたいと思います。
 参議院の内閣委員会において一部の修正がなされております。それは例えば第二十一條の第三項であります。参與官の項を削除したという点につきましては、これは結構なことだと思うのであります。姥捨山のようなこの参與官が切捨てられるということは、いいことなんであります。併しこれは極めて区々の問題でありまして、この運輸省設置法案が持つところの根本的な性格を何ら変えていないのであります。この設置法案の最も大切な点はどこにあるかと言いますと、これは第二章第一節の運輸審議会にあるのであります。この運輸審議会が一体どんな性格を持つているか、これらはいろいろの点があります。これが決定機関であるか、或いは諮問機関であるかということに対しては大いに議論がありました。一應諮問機関となつております。併し法文のこの中では非常にそれが曖昧にされておりまして、恰かもこれが決定機関であり得るかのような状態になつておるのであります。更に又この審議会がなぜ問題になるかと言いますと、これはここにある項を見ても分りますように、非常に大きな権限を持つております。「日本國有鉄道が行う鉄道新線の建設」、そういうことは勿論といたしましても、「営業線の議渡の許可又は認可」又「日本國有鉄道、地方鉄道及び軌道の営業線の休止又は廃止の許可」、その他これをよく見ますれば物凄く大きな権限を持つております。今日國鉄の拂下法案が國会に出ておりますが、若しこういうものが通つて行きますならば、殆んどここでなされて行くのであります。こういうことは明らかに國会の審議権に対する由々しき拘束なのであります。或いは又この審議会自身は非常な独裁制を許しておるのであります。その小委員会の決定は運輸審議会の決定と同一の効力を有する。その小委員会は運輸次官を入れた僅かに三人の委員で運輸審議会全体と同一の権限を持つということも、はつきり出されておるのであります。更に又公廳会を持つことになつております。併しその公廳会はただ運賃の決定のみであります。而も必要あるときは公廳会を開くことができるというだけでありまして、必ずしも義務的なものではない。重要な審議会の持つております拂下げとか或いはそういう問題については、何ら公廳会を開く必要がない。こういうことは、今まで許されておつた國民の権利に対して重大な拘束を加えるものなのであります。その他こういう問題におきましてはいろいろのことがありますが、ともかくも、この審議会そのものが非常に問題の所在である。更に又この法案の中には陸運局の中に九つも新らしい局を新設するということになつておりまして、(「違うよ」「よく調べていないな」と呼ぶ者あり)陸運局においては新らしい九つのものが新設せられるのです。間違いではありません。そういうことは徒らに屋上屋を架する官僚組織を作るだけなんです。簡素化だ何だと言つて置きながら、こういうものをやたらに作つているのです。こういう点は完全に意味がないどころか、これは害惡なのであります。その他もつと例えば中央氣象台の問題は、これは定員法のあれと関連いたしまして非常に大きな問題になつております。中央氣象台特に海運或いは漁業又農業そういう関係の氣象関係は今非常な阻害を受けようとしているのであります。そういうことも又明らかにこの中央氣象台という第三十條において法制化されておるのであります。こういうことを我々が見ますときは、この運輸省設置法案につきましてはいろいろの点が挙げられます。併し今挙げただけでも、決してこれは好いものではない。逆行しておるのであります。更にこういうことの結果が何をもたらすか、今日特に問題であるのは、これは國鉄の人々の大量首切りと関連があります。その大量首切りを法制化しようとしておる意図も極めて明白であります。こうやつて考えて來るならば、我々はこの運輸省設置法案が資本家の人にとつては、ともかくとして、勤労大衆にとつては極めて恐ろしい法案であるということをつくづくと感ずるのでありまして、日本共産党はそういう意味において、特に國鉄労働者にある出血を強要しておるような法案に対しては絶対反対し、断呼として反対するわけであります。これを以て終ります。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) これにて討論の通告者は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて、本案は委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程第二十八、農林省設置法案、日程第二十九、農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事中川幸平君。
    ―――――――――――――
   〔中川幸平君登壇、拍手〕
○中川幸平君 只今議題となりました農林省設置法案の内閣委員会における審議の経過について御報告申上げます。
 本委員会における愼重審議の結果、農地民主化の基盤となる農業協同組合に関する事務の重要性に鑑みまして、農政局に農業協同組合部を設置すること、及び農地局の事務量に鑑み、次長制を改めて、管理部、計画部及び建設部の二部制とすることに改め、第三十八條第一項中、農地部を管理部に、開拓部を計画部に、土地改良部を建設部に改めることに修正すべきものといたしたのでありまして、その他は多数を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
 尚、農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案の御報告を申上げます。
 本法案は農林省設置法の制定施行に伴い、関係法令の整理をする必要により提出されたものでありまして、水産試驗場、水産講習所、その他水産廳の附属機関を國家行政組織法の規定に從い法的措置を加え、その他國家行政組織法の建前から從來「委員会」という名称を使用しているものの名称変更等に関するものでありまして、本委員会におきましては本法案は何らの修正もなく多数を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 討論の通告がございます。板野勝次君。
   〔板野勝次君登壇、拍手〕
○板野勝次君 (「恥かしくないか」「何を」「大事だから討論するのだ」と呼ぶ者あり)只今の野次がありましたように、このような惡い機構の改革を出すような者こそ恥を知るべきであります。(拍手)吉田民自党民主党連立派内閣は、露骨な人民よりの收奪と大独占資本の利益を守るために、これ汲々としておるのであります。そうして臆面もなく買弁化への途を歩んでおりますことは、我が國の民主的な諸勢力が異議なく、ひとしく認めておるところであります。この政策を巧みに強行するための各行政諸機構の改変を断行せんとしておるのでありますが、これが農業部面に現われようとしておりますが、それは食糧の天下り供出制度の強化や、食管の官僚統制の強化であります。部民を奴隷化し、農民の生き血を吸うのであります。私はここに参りますまで、一時間半にり亘りまして、この農民を苦しめて参りますウランバートルの悲劇をこの農業の上に與えんとするのに対して、反対討論をやつて参りましたが、こういうふうな農民を苦しめる機構や……農地改革、土地改良等の関係の予算は削減されてしまつておる。災害復旧等の公共事業費の大削減、又氣象観測所の縮小、こういうふうなことをやりまして、農民の解放、我が國の農業の復興を全くサボタージユし、停滯させておるというよりも、全く我が國の農業を破壞するような機構に改惡しようとしておるのであります。(「そんなことを言うな」と呼ぶ者あり)農民にとりまして保護助成すべきものさえも縮小しておる。例えば食糧廳であるとか、或いは資材調整事務所、水産廳のごときものを縮小しておる。これさえも立派なものではないけれども、我が国の人民の役に立つように、少しでも保護されるというふうなものは、これを縮めて行く。こういうふうなことをやつておる。縮小の結果、農林行政が末端においてうまくは行つてない。そこで強権供出等の收奪機構に対しましては、これを強化して行く。農民にとつて保護助成できるものは縮小して行く。農業破壞に拍車を加えるものを拡大し、これに関連しまして、農民に手錠を使うような彈圧となつておるのであります。このようにして独占資本の農民收奪と買弁化の基盤として、農業機械化、肥料取締、農業電化等の非民主的機構としての審議会、民自党のお好みの審議会の、このような附属機関の設置、こういうことをやりまして、そうして一方におきましては、肥料の資本家を設けさせ、農民を苦しめておる。農業の破壞をやつて参りまして、農産物のごときは輸入依存度をますます高めて來る。我が國の農業の拡大再生産を忘れまして、ひとえに國内の農業を破壞に導きまして、外國から食糧を輸入して、又足りないものは破壞して置いて、足りなくして置いて、何でも彼でも外國から食糧を輸入して來るような政策に持つて來ておる、このように農林省設置法というものは、独占資本と結び付きました官僚機構の改惡でありまして、日本農業、水産業、林業を荒廃させる仕組みの改惡であります。(「どうだ」と呼ぶ者あり)皆さんはこの法律の内容の隅々までお読みになりましたか。きつと積み上げて一つも読まずに(「何を言う」「余計なことを言うな」と呼ぶ者あり)民自党内閣がやつて來たのだからといつて、鵜呑みにしておる。我が党は日本農業、水産業、林業を自主的に復興させるための機構に変えることを要求いたしまして、(「もういい」と呼ぶ者あり)今回のごとき日本の人民大衆を苦しめるように改惡に対しましては断乎反対の意を表明して置きます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 農林省設置法案に対しましては、三好始君より成規の賛成を得て修正案が提出されております。先ずその趣旨説明を求めます。三好始君。
    ―――――――――――――
   〔三好始君登壇、拍手〕
○三好始君 私は只今上程せられております農林省設置法案に対して、その一部を修正する案を、提出いたしましたので、その趣旨を申上げたく存じます。
 修正案の内容は、配付されております印刷物の通りでありますが、その趣旨は、農林省の地方支分部局として資材調整事務所を追加せんとするものであります。即ち農林省の所掌事務のうち、農林畜水産物及び農林畜水産業用物資の割当及び配分についての調整等を分掌する現存の資材調整事務所を存置せんとするものでありまして、それに伴う関係條文の整理をなしたものが修正案であります。この修正案を提出するに至りました理由について次に簡單に御説明申上げます。
 今回の農林省設置法案によりますと、資材調整事務所は廃止せられて、その事務は食糧事務所の資材部の形で行われる予定になつておるのであります。私は今日の物資の統制形態が著しく変更され乃至廃止されるような客観情勢が生れ、資材調整事務所の事務が廃止されるか、或いは大幅に地方廳或いは農業協同組合等に委讓し得る段階に致達すれば、かくのごとき機関は当然に廃止さるべきものであつて、このような形で行われる出先機関の整理は自明のことできると思うのであります。ところが今日どの程度の事務を地方廳に委讓できるか全く不明でありまして、今日予測し得る範囲では大幅の委讓は不可能できると認められるのであります。從つて今にわかに資料調整事務所を廃止することは、徒らに事務の混乱を來すだけであります。むしろ委讓すべき事務が一應確定し、或いは見通しが付いて後、その実情に應じて資材調整事務所を如何にすべきかを決定すべきであると思うのであります。殊に國家行政組織法の一部を改正する法律案に対する参議院内閣委員会全会一致の重大なる修正案が委員会を通過いたしたのでありますが、これによりまして行政機構は殆んど各省全般に亘り來年五月三十一日までに再檢討せざるを得ない状態に置かれておるのであります。從つて資材調整事務所についても、今後一年以内に行われる農林省の根本的な檢討の際に、事務の実情に應じて決定するのが最も妥当なる措置と認められるのであります。これが修正案を提出する第一の理由であります。
 次に食糧事務所に資材部を設けてここで資材関係の事務を行うことは、性質の異なる二大事務を同一の所長が管理して行くことになつて、食糧事務所長の能力の限界を超えるものと言わねばなりません。これは私の独断ではなくして、私の調査した範囲では、食糧事務所長自身の見解であります。このような実情でありますから、食糧事務所に資材部を設けることを強行することにより、厖大にして重要なる食糧管理行政と資材関係行政の双方に重大なる支障を來すことが予想されるのであります。これが修正案を提出いたしました第二の理由であります。今回の行政機構改革に当り、運輸省の道路運送監理事務所と旧商工出張所は形式的には廃止されることになつているのでありますが、分室の名によつて多少、数が少くなるだけで実質上は残されるのであります。ところが資材調整事務所だけが分室を設ける方法がないため、食糧事務所へ事務を移すという改惡になつているのであります。
 次に資材調整事務所は発足以來二ケ年を経て漸く事務が軌道に乘り、今日では零細農民、中小企業者にも公平な資材の配分をなすものとして、これら多数の者の支持を得ていることが調査の結果明らかになつているのであります。これを廃止して、一部の事務を地方廳に移し、他を食糧事務所の資材部とすることにより、統制自体に混乱を生ずるだけでなく、特に零細農民、中小企業者の利益が軽視される虞れがあるのであります。これが第三の理由であります。
 以上を綜合して、私は物資の統制形態について今日と異なつた結論が出るまで、混乱を生ずる虞れのある資材調整事務所の食糧事務所への吸收は見合すべきであり、少くとも今後一ケ年以内に行われねばならなくなつた農林省機構の再檢討のときまで現状を変革すべきでないと存ずるのであります。これは農林関係專門家のほぼ一致した意見て認められるのでありまして、本院農林委員会におきましても、審議の結果、資材調整事務所は存置すべきであるとの意見を内閣委員会に申込まれておつたのであります。以上が修正案を提出した理由でありまして、皆さんの御賛成をお願いして止まない次第であります。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 本修正案に討論の通告がございます。カニエ邦彦君。
   〔カニエ邦彦君、登壇、拍手〕
○カニエ邦彦君 只今の三好君の修正意見に皆樣に御賛成をして頂きたいために一應の説明を申上げたいと思うのでありますが、実はこの資材調整事務所は農林省の出先機関として、終戰後重要資材物資の取扱を國がなすために、出先機関を全國に配置しておるのでございます。ところが今回の政府原案によりますと。これを廃止はせないのでございますが、食糧管理部の中に一部入れまして、そうして現在の形を一應縮小するというようなことの原案になつておるのでございます。そうして、そういう具合にいたしますと、從來資材調整事務所というものは、皆樣方も御承知のように、各零細な農民とか或いは漁民の人たちに重要な仕事をするところの資材の割当をやつておるのでございます。ところがこの資材調整事務所の事務を、今度政府の見解によりますと、今までやつておつた仕事の中の幾らかかを地方廳に委讓して、そうしてあとの大部分の残りのものは食糧管理事務所においてやるということでございますが、私はこれが全部が全部地方廳に委讓され得るものなれば、この案に賛成してもよいと思うのでございますが、遺憾ながら政府もいろいろ関係の方面の都合がありまして、全部はやれない、極く一部分は地方廳にやつて、あとは、やはり國が國の責任においてなさねばならないんだというような御答弁がございました。かようなことにいたしますると、(「謹聽謹聽」と呼ぶ者あり、発言する者多し)政府といたしましては、政府といたしましては、何ら……
○副議長(松嶋喜作君) 静粛に願います。
○カニエ邦彦君(続) 支障はないのでありますが、一般業者、いわゆる漁業家並びに農民の方の建前からいたしますと、今まで資材調整事務所という農林省の出先の役所に参りますと、すべてのことが全部そこで賄われ、そこで全部のことが調つておつたのでございます。ところが今度の改正によりますと、或る一つのものは、仮に鍬なら鍬は、これは地方廳に行つて來る。或いは種なら種は國の資材調整事務所の方に行つて來る。言い換えまするなれば、私たちのこの衣服でも、仮りに洋服もネクタイも同じ所で賄い、同じ所で買えるのでございますが、こういう二つの機構に分けますと、同じ着るものでありましても、ネクタイは地方廳に行く、そうして洋服は資材調整事務所に行くというような形に実はなつて参るのでございます。かような点からいたしますと、政府が折角お考えになつておりますところの國民に対してのいわゆる行政の窓口を一つにしたいというこの趣旨が、二つに分れることにおいて、非常に不便になる結果になるのでございます。併しながら、これに伴う大きな國の財源の損失も実はございません。各資材調整事務所を御覽になりましても、極く少数の人数でやつておるのでございます。而もこの資材調整事務所が戰後にできましてから、農民も又漁民もお互いにその自分たちの使う品物が資材調整事務所に行けば、こういう手続をすれば、何でも今までスムースに貰える、そうして簡單に分配を受けることができ得る、こういうことが漸く皆の頭の中にはつきり入つたところでございます。又役所の者もそういうような仕事に丁度今慣れたところでございます。そこで、こういつた制度を仮に二つにいたしますると、又農民の方、又この漁民の方では、新らしく変つた時に、たとえ、ここに半年でも、一年でも、この品物を一体どこへ貰いに行くのか、この分はどこに貰いに行くのか、(笑声、拍手)こういうようなことになりまして、極めて不便な結果となります。(「分つた、もうやめ」と呼ぶ者あり)こういうような点を一つお考え下さいまして、是非とも三好君のこの動議に賛成を願いたいと思うのであります。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 山崎恒君。
   〔山崎恒君登壇、拍手)
○山崎恒君 私は只今三好君より提出されましたところの農林省設置法中、資材調査事務所を存続するという修正案に対しまして、賛成の意を表するものであります。(拍手)御承知のように、資材調整事務所の廃止、或いは地方委譲は、現内閣の行政整理と、これに伴うところの財政緊縮の方針に基くものでありますが、このことは、むしろ私が次に述べるように、全く反対の結果となり、日本経済復興を阻害するものとなることが憂慮されるものであります。資材調整事務所の割当事務は、物資統制規則に基く数多い重要物資を公平迅速に割当て配給する大切な仕事であり、このためには、その事務に技術的に練達の士が当つて初めてよくその機能を果し得るものと思われるのであります。又中央機関に直結する機関でありまして初めて公平と迅速性が維持できるものと確信するものでございます。更に政府は、資材調整事務所廃止後は、その事務は一部を地方自治体に委讓し、止むを得ない部分を食糧事務所に行わしめると言うておりますが、その具体策は未だ全く見通しが付かないのでございます。又食糧事務所は現在の食糧管理行政だけで精一杯のところでございまして、この上に資材調整事務所の極めて複雜困難な仕事を、而も全然性質の異なつたところの業務を負荷されることは、その運営に重大な支障を來し、結局におきまして二兎を失うものと考えられるのでございます。一方又國家的観点に立つて行わるべきところの資材の需給調整が地方題問題として取扱われることは極めて不適当であります。ややもすれば地方ボス勢力によりまして歪曲される虞れが多分に存するのでございます。これを要しまするに、資材事務所の機構改革によりまして、その事務はますます複雜になり、人手は却つて多くを要し、行政整理の方針にも副わない結果となるのでございます。而も特に中小企業者及び零細なるところの農民、漁民におきまして、本事務所存線の要望は熾烈でありますことは、調整事務所過去の実績を礼讃していることの証拠であるということができるのでございます。私は以上の諸点から修正案に賛成いたすものであります。(拍手)尚この修正につきましては、農林委員会におきましては一致した意見でありまして、且つ又両院農林関係議員を以ちまして組織しておりますところの農政研究会におきましても、一致して強くこの実現を要望しているものでありますことを附け加えまして、満場の皆樣の御賛成を得たいと存じます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 石川準吉君。
   〔石川準吉君登壇〕
○石川準吉君 私は三好議員の修正案に賛成をするものであります。(拍手)その理由につきましては今前弁十三人の意見と全く同樣でありますので省略します。よろしく御賛成願います。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) これにて修正案に対する討論の通告者は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより採決をいたします。先ず三好君提出の修正案全部を問題に供します。本修正案の表決は記名投票を以て行います。本修正案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○副議長(松嶋喜作君) 投票漏れはございませんか……投票漏れはないと認めます。これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○副議長(松嶋喜作君) 投票の結果を申し上げます。投票総数百八十一票、白色票即ち本修正案を可とするもの百九票、青色票即ち本修正案を否とするもの七十二票、よつて本修正案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百九名
      小川 友三君    阿竹齋次郎君
      井上なつゑ君    宇都宮 登君
      江熊 哲翁君    小野  哲君
      加賀  操君    鎌田 逸郎君
      西郷吉之助君    佐伯卯四郎君
      高橋龍太郎君    伊達源一郎君
      東浦 庄治君    久松 定武君
      姫井 伊介君    藤井 丙午君
      松井 道夫君    松村眞一郎君
      矢野 酉雄君    山崎  恒君
      安部  定君    奥 むめお君
      木下 辰雄君    楠見 義男君
      島津 忠彦君    島村 軍次君
      徳川 宗敬君    藤野 繁雄君
      穗積眞六郎君    西田 天香君
      石川 準吉君    紅露 みつ君
      深川タマヱ君    木内キヤウ君
      石川 一衞君    仲子  隆君
      伊東 隆治君    境野 清雄君
      淺井 一郎君    木内 四郎君
      鬼丸 義齊君    櫻内 辰郎君
      谷口弥三郎君    油井賢太郎君
      星   一君    竹中 七郎君
      入交 太藏君    小林 勝馬君
      内村 清次君    梅津 錦一君
      大隈 信幸君    門屋 盛一君
      鈴木 順一君    齋武  雄君
      村尾 重雄君    門田 定藏君
      塚本 重藏君    奧 主一郎君
      河野 正夫君    山田 節男君
      中井 光次君    カニエ邦彦君
      森下  政一君    青山 正一君
      中平常太郎君    若木 勝藏君
      吉川末次郎君    天田 勝正君
      板野 勝次君    細川 嘉六君
      中野 重治君    中西  功君
      岩間 正男君    兼岩 傳一君
      鈴木 清一君    千葉  信君
      木村禧八郎君    堀  眞琴君
      原口忠次郎君    池田 恒雄君
      星野 芳樹君    太田 敏兄君
      金子 洋文君    大野 幸一君
      千田  正君    國井 淳一君
      藤田 芳雄君    羽仁 五郎君
      大畠農夫雄君    岩崎正三郎君
      河崎 ナツ君    栗山 良夫君
      川上  嘉君    丹羽 五郎君
      原  虎一君    下條 恭兵君
      島   清君    中村 正雄君
      三好  始君    米倉 龍也君
      佐々木良作君    波多野 鼎君
      三木 治朗君    山下 義信君
      岡田 宗司君    駒井 藤平君
      岩男 仁藏君    鈴木 憲一君
      岡村文四郎君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     七十二名
      岩本 月洲君    梅原 眞隆君
      柏木 庫治君    來馬 琢道君
      高良 とみ君    小杉 イ子君
      小宮山常吉君    小林米三郎君
      鈴木 直人君    竹下 豐次君
      高瀬荘太郎君    高田  寛君
      中川 以良君    早川 愼一君
      町村 敬貴君    村上 義一君
      赤木 正雄君    飯田精太郎君
      岡部  常君    岡本 愛祐君
      岡元 義人君    九鬼紋十郎君
      山田 佐一君    中山 壽彦君
      宿谷 榮一君    大野木秀次郎君
      遠山 丙市君    森田 豊壽君
      小林 英三君    玉屋 喜章君
      徳川 頼貞君    一松 政二君
      田口政五郎君    岡田喜久治君
      團  伊能君    結城 安次君
      渡邊 甚吉君    植竹 春彦君
      桜井  新君    加藤常太郎君
      西川 昌夫君    川村 松助君
      淺岡 信夫君    池田宇右衞門君
      堀末  治君    西川甚五郎君
      大島 定吉君    黒田 英雄君
      寺尾  豊君    草葉 隆圓君
      石坂 豊一君    板谷 順助君
      松野 喜内君    黒川 武雄君
      大隅 憲二君    深水 六郎君
      平岡 市三君    城  義臣君
      藤森 眞治君    中川 幸平君
      重宗 雄三君    西山 龜七君
      橋本萬右衞門君    佐々木鹿藏君
      廣瀬與兵衞君    左藤 義詮君
      小串 清一君    水久保甚作君
      平沼彌太郎君    尾形六郎兵衞君
      池田七郎兵衛君    稻垣平太郎君
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 只今可決せられました修正の部分を除く農林省設置法案の残り全部を問題に供します。残り全部委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は修正議決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 次に農林省設置法の施行に伴う関係法令の製理に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程第三十二、厚生省設置法案、日程第三十三、厚生省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事中川幸平君。
    ―――――――――――――
   〔中川幸平君登壇、拍手〕
○中川幸平君 只今議題となりました厚生省設置法案の内閣委員会における審査の経過並びに結果について御報告申上げます。
 本委員会は愼重に審議いたしましたが、ただ厚生省の附属機関として、協議会、審議会、審査会等、その数甚だ少からぬのでありますが、これらの附属機関は同一性質のものは成るベく統合整理するの要があるという意見もありましたのみで、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に厚生省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案について御報告申上げます。
 本法案は厚生省設置法の施行に伴い関係法令を整理する必要事項を法制技術的に整理したものでありまして、本委員会におきましては、別段の意見もなく、全体一致可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 討論の通告がございます。中野重治君。(拍手)
   〔中野重治君登壇〕
○中野重治君 時間が五分に限られておりますから、簡單に日本共産党はこの法案に反対である旨、説明します。
 先ず第一に、この厚生省という名前を改めないで出発するようでは駄目である。御承知のように、これは日本人の衞生保健の問題を社会的に扱つて行く役所としてできたのであるが、初めはこれは社会保健省という名を付けようということになつていたのが、日本の軍國主義、軍閥の力に抑えられて、厚生省という役人的天下り的の名前を付けられてできたものですから、それだから、もう現在そういうものができて、これを、このまま仕事をどんどんやつて行く場合なら、何も我々は名前に必ずしも拘泥しないけれども、併し改めて各省設置法案というようなものを出して出直すというのであつたならば、同じ厚生省というような名前で問題を考えて行くような、そういう精神から先ず脱却しなければならない。それだから実際今度のこの法案によると、とんでもないことになります。これは詳しく言う必要もありません。予算の面から見ても、この部とか局とかいうものを殖やしたり減らしたりする面から見ても、多くの欠点が含まれておる。そのたつた一つを言えば、例えばこれによれば予防局が衞生局に吸收されて小さくなる。そうすると、どうなるかというと、從來予防局では、結核の問題、癩病の問題、トラコーマの問題、寄生虫の問題、精神病の問題、傳染病の問題、日本脳炎の問題、それから又仕事として港の檢疫の問題、予防接種の問題、保健所の仕事、駐在防疫官の仕事、こういうものを國としてやつておりました。これを衞生局の中に吸收さしてしまつて小さくする。人間も減らし金も縮めるということになれば、日本にとつて非常に難問題であるところの、日本脳炎等々の傳染病の問題、これなんかは非常に危い瀬戸際になつて來る。これに対して我々が一層無防備になる。こういうことになります。これは他の問題とも絡んで、失業者も殖えておりますし、婦人少年等々が苦しいままにいろいろ賣淫とか、浮浪兒とかいう状態に陷つて、傳染病を振り徹いて行くという事態がまずまず高まりつつあるとき、こういうことやろうと言うのであるから、これはよくない。これは明らかによくない。この間我々は少年の不良化防止のための決議をしました。ここで……。あの決議を我々がまじめにやつたのであるならば、我々はこういう、いかさまな方式で役所を作つて、傳染病を拡める、傳染病に対する我々の防備力を弱めるというふうなことには賛成できないだろうと私は考える。それで、どうしてもこれは、こういう厚生省というような名前を担ぎ出すというような精神から脱却して、そうして予防局を衞生局の中に吸收させるというような間違つた方式を止めて、金と人間と施設とを打ち込み、養老院その他の仕事を拡げて行く。それですから、社会保健の仕事を本当に人民大衆のためやつて行かなければならないという、こういう趣旨から、我我は、これを縮めて病毒を拡めようとする、日本人を弱めようとするこの法案に反対するものであります。
○副議長(松嶋喜作君) これにて討論の通告者は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 日程第三十四、労働省設置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事中川幸平君。
    ―――――――――――――
   〔中川幸平君登壇、拍手〕
○中川幸平君 只今議題となりました労働省設置法案の内閣委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 本法案は行政機構の改革及び國家行政組織法の施行に伴いまして、從來の労働省設置法の一部を改正するため、現行の労働省設置法を全般的に改正せんとするものであります。今回の機構改革に当り、労働省は從來の労働統計調査局を大臣官房の中に吸收して労働統計調査部としたものでありまするが、この点に関しましては本委員会の審議の際も熱心なる意見が出まして、労働行政の重要性に鑑み、労働統計調査のごときは、今後ますます機構の整備を図るべきであるとの意見があつたのであります。又公共職業安定所に関しては、これは地方廳に委讓すべきであるとの意見が出まして、この問題は職業安定法の改正の際に適当に処理すべきであるとの意見に一致し、本法案は何ら修正なく、これを可決すべきものと決定した次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 本案に対し討論の通告がございます。村尾重雄君。
   〔村尾重雄君登壇、拍手〕
○村尾重雄君 日本社会党は労働省設置法案に対して反対いたします。
 その反対理由を時間が僅か五分間に限られておりますので、簡單に指摘いたします。欠点を挙げますと、きりのない程欠点だらけの吉田内閣で特に欠点は何かと指摘いたしますと、それは労働行政に対して非常に冷淡であり又軽視していることなのであります。惡い所を突きますと、きりのない程惡い所だらけの吉田内閣で、特に惡い所を挙げますと何かと申上げますと、それは統計調査に対する冷淡なことであり軽視しておることなんであります。我が國の経済の再建が労働行政のよろしきを得なければ経済再建できないということは、もう私から申上げる程までの必要はありません。言を俟たないことであります。又一内閣が、特に吉田内閣が、その施政を遂行しようとするのに、科学的な統計と調査に立たなくてはその政策の遂行ということは決してなし得ないのであります。この度の國家行政組合法の六月一日からの実施を伴うて、例えば安本の行政整理について、総合的に施策を施さなければならない安本の労働局をば、労働課として小さなものにして提出しておつたのであります。これは衆議院は通過いたしましたが、我が参議院においてこれが修正されまして、ここに局に復活いたしたのであります。これは政府として余程私は反省しなければならぬことだと思うのであります。又同じように、この労働省設置法において、調査統計局をば官房の部屋に一部にしたものであります。政府が一枚看板である行政整理、首切り、これを遂行するのには、現下の情勢並びに九原則の特殊性及びその重要性を認めて、十分にこれに対しては、重要なるものとして、自分たちはそれに対するところの処置を講ずることをば当初からしばしば言明せられておつたのであります。ところが、さて行政整理に当り、定員法設置に当つて、政府はどういう態度と、どういう行き方をしたかと申しますと、從來の古い考え方から來るところの、從來の勢力関係に支配されまして、政治力の強い省に対しては圧力を弱くかけ、政治力の弱い省に向つては圧力を非常に強くかけたのであります。その最も被害の大きかつたのは、いわゆる労働省なのであります。労働省の被害に対しては我々遺憾に思つておるのであります、(「ヒヤヒヤ」と呼ぶ者あり)この点で私は只今指摘いたしました即ち労働省の施設を行うについて、労働省の本來の姿から言つて即ち一番重要である統計調査局をば一つの部にしたということに対しては、我々どうしてもそれに対しては了解することができないのであります。
 次にこの設置法の中の十三條でありまするが、この十三條にこの附属機関というのがあるのであります。その附属機関には船員労働連絡会議、労働教育審議会、中央賃金審議会、技能者養成審議会、中央労働基準審議会、労働基準監督官分限審議会、労働者災害補償保險審議会、中央特殊技能試驗審議会、安全装置性能審議会、けい肺対策審議会、婦人少年問題審議会、中央職業安定審議会、特別地区職業安定審議会、職業安定連絡協議会、失業保險審議会、(「止めろ」と呼ぶ者あり)労働統計調査審議会等十六部門に亘る審議会が設置されておるのでありますが、これをくどく申上げたのは、審議会の数が多いということを皆さんに指摘しておるのではありません。審議会全体が、労働省の機構、労働省の仕事の遂行のためには欠くべからざる審議会なのであります。私が指摘しようとするのは、こうした審議会というものは、ただの羅列であつてはならない、即ちこれをば、もつと強固な決議機関にせなければならぬということをば私は主張するのであります。(「時間々々」と呼ぶ者あり)これらには多くの予算があります。又これらには多くの相当良い人たちが、審議会のメンバーとして盡して頂いております。ところが、これらの機構が單に審議機関であり、労働大臣の諮問機関に過ぎないのであります。これをどうしても眞に活躍させるためには、一つの強力なものに、例えば決議機関にしなければ、本当にこれらの審議機関というものは活躍しないのであります。羅列するならば、産報当時の羅列の仕方と一緒になるのであります。軍國政治時代と同じような形式だけになるのでありまして、労働省を新らしく存置するについては、これらのものを、もつと廣く強力なものとして、有爲に活躍するだけの決議機関にしなければならないということを指摘いたしまして、この存置法に対して反対いたすのであります。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 中野重治君。
   〔中野西治君登壇、拍手)
○中野重治君 日本共産党はこの法案に反対しますが、その第一は、これは労働者を弱めるために作られた労働組合法、あれを実行することを眼目とするところの役所であるから、これはできてはならぬ。これが一つ土台であります。具体的に言えば、今もちよつと話があつたけれども、調査局を調査部にして小さくして、官房の中へ入れてしまい、調査をやらない。これは労働者に工合が惡い。こうなれば婦人少年局を縮小する。地方では、これを室にしてしまう。一人か一人半ぐらいの女を置くというふうにしてしまう。こうすれば、日本の多くの婦人、多くの未亡人、少年たち、この人々の労働と、その分前というものは、非常な危險にさらされる。これは非常に大きな問題です。單に労働問題というのに止まらない社会問題であつて、婦人の議員方には、このことなんかもよく考えて頂きたい。それから賃金委員会、基準委員会なんかは審議機関にして、これを内部へ入れてしまう。中央労働委員会、地方労働委員会を労働大臣及び都道府縣知事が握つて、これを役人にしてしまう。民自党風な表現を使えば丸抱えにしてしまう。こういうことは労働者にとつて大きな損害になるのであつて、決して利益にはならない。それで役所の仕組を見ると、或いは簡素化された点もあり、能率化された点もある。併しながら簡素化され能率化されたその能率は、日本の労働者階級に向つての襲撃において能率を上げるこういうところに向つておる。だから我々は、こういうふうな能率化そのもの、簡素化そのものを中心とする、この省の設置を爆破しなければならない。これが我が党のこの法案に対する反対の根本であります。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) これにて討論の通告者は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程第三十八、國家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律案、(衆議院提出)日程第三十九、國家公務員法の一部を改正する法律案、(内閣提出、衆議院送付)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。人事委員長中井光次君。
    ―――――――――――――
   〔中井光次君登壇、拍手〕
○中井光次君 只今議題となりました國家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律案並びに國家公務員法の一部を改正する法律案につきまして、人事委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず第一の法案は、衆議院議員星島二郎君発議、衆議院提出のものでありまして、その提案理由及び主なる内容について申上げます。寒冷積雪地方における冬季特殊生計費の膨脹は、これら地方に在勤する政府職員に生活に多大の影響を及ぼすものでありまするが、この特殊生計費の増加は冬季間に限られるものであり、且つ地方により異なるので、これを本俸に織り込むことは困難がありますので、ここに、この特別措置を講ずるものであります。殊に民間会社においても寒冷地手当を支給しておる実情に鑑み、これとの均衡上も又この処置を認める必要があるとの理由であります。その主なる内容は第一に、本法による特殊手当は、寒冷地手当及び石炭手当の二種とすること、第二は、寒冷地手当として支給する額は、職員の俸給月額と扶養手当との月額の百分の二十に相当する額の四ケ月分を超ざること、第三に、石炭手当は北海道在勤者に限り石炭の一定量を公定小賣價格によつて換算したる額を支給すること、第四に、これら寒冷地手当、石炭手当の支給地域、支給方法等は、人事院の勧告に基いて、從前の例により内閣総理大臣がこれを定むること、以上が本案の主なる内容であります。人事委員会においては審議をいたしました末、全会一致を以て本法律案を原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 第二は……(「議長々々」「定足数をお調べ願います」と呼ぶ者あり)
○副議長(松嶋喜作君) 御靜粛に願います。
○中井光次君(続) 國家公務員法の一部を改正する法律案でありまするが、本法案の内容を御説明申上げます。
 改正の第一点は、内閣法及び各省設置法等の改正及び制定に伴いまして、現在の行政機関の機構、名称が改変されることになりました。これに即應いたしまして、國家公務員法中に、これら諸法案に関係ある諸條項に改正を加えんとするものであります。次に公團職員を人事院の指定するところに從いまして特別職とする規定が本年七月一日よりその効力を失うことになつておりますのを、公團の存続する期間だけ延長いたしますことと、更に緊急失業対策法の施行に伴いまして、失業者として國に雇用されまする者を、その中、技術者、技能者、監督者及び行政事務を担当する者を除いて……
○副議長(松嶋喜作君) 委員長、委員長……
○中井光次君(続) 特別職として指定しようとするものであります。(「定足数を欠いた報告は何になるか」「定足数を欠くときには直ちに休憩するという運営委員人の申合せがあります」と呼ぶ者あり)
○副議長(松嶋喜作君) 暫時休憩いたします。
   午後九時二十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後十一時五十四分開議
○副議長(松嶋喜作君) 休憩前に引続き開会いたします。……君の発言を許します。
 議長は衆議院の議長と協議いたしました結果、会社をあと二日間延長することに……いたしました。御異議ありませんか。
   〔議場騒然、聽取し難し〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないものと認めます。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 中村正雄君。
   〔中村正雄君登壇、拍手〕
○中村正雄君 一應お聞きしたい。……一應諸君、諸君、静かに……。私は一昨年の五月参議院議員になつて参つてから、私は民主主義は暴力を否定する主義だという信念に立つて、私は憲法並びに國会法、参議院規則を遵守いたしまして、あらゆる議会運営に闘つて來たわけでありますが、然るにも拘わらず議長、副議長は、参議院規則並びに國会法を無視してこういう会議を開いて、果してこの本会議が有効であると諸君は考えておるのか。(「有効々々」と呼ぶ者あり)而も諸君に訴えたい。
○副議長(松嶋喜作君) 御静粛に願います。
○中村正雄君(続) 諸君に一應訴えたい。諸君静かに……。今までの議会運営の状態から、本会議を開く場合は、必ず小委員会を開いて本会議を開いております。その方法を議長は無視してやつておる。而ももう一つ……
○副議長(松嶋喜作君) 御静粛に願います。十二時になりましたから散会いたします。
   午後十二時散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、常任委員辞任及び補欠の件
 一、日程第一 全國選挙管理委員会の委員の補欠指名
 一、日程第二 建設省設置法の一部を改正する法律案
 一、日程第三 外務省設置法案
 一、日程第四 大藏省設置法案
 一、日程第五 大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案
 一、日程第六 郵政省設置法の一部を改正する法律案
 一、日程第七 電氣通信省設置法の一部を改正する法律案
 一、日程第八 郵政省設置法及び電氣通信省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案
 一、日程第九 文部省設置法案
 一、日程第十 刑事訴訟法の一部を改正する法律案
 一、日程第十一 裁判所法等の一部を改正する法律案
 一、日程第十二 司法試驗法案
 一、日程第十三 犯罪者予防更生法案
 一、日程第十四 犯罪者予防更生法施行法案
 一、日程第十五 法務局及び地方法務局設置に伴う関係法律の整理等に関する法律案
 一、日程第十六 裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案
 一、日程第二十 中小企業等協同組合法案
 一、日程第二十一 中小企業等協同組合法施行法案
 一、市町村警察職員の退職手当に関する緊急質問
 一、教育予算に関する緊急質問
 一、麻生石炭鉱業の復金融資監査についての國務大臣の答弁に関する緊急質問
 一、賠償施設撤去中止に関する緊急質問
 一、日程第二十二 臨時鉄くず資源回收法案
 一、日程第二十三 配炭公團法の一部を改正する法律案
 一、日程第二十四 社会保險診療報酬支拂基金法の一部を改正する法律案
 一、日程第四十一 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、通商事務所の設置に関し承認を求めるの件
 一、日程第四十二 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、纖維製品檢査所の支所設置に関し承認を求めるの件
 一、常任委員辞任及び補欠の件
 一、日程第十七 農地調整法の一部を改正する等の法律案
 一、日程第十八 土地改良法案
 一、日程第十九 土地改良法施行法案
 一、日程第四十三 昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算書
 一、日程第四十四 昭和二十二年度國有財産無償貸付状況総計算書
 一、日程第四十五 昭和二十二年度予備費使用総調書
 一、日程第四十六 昭和二十二年度特別会計予備費使用総調書
 一、日程第四十七 昭和二十三年度一般会計予備費使用総調書
 一、日程第四十八 昭和二十三年度特別会計予備費使用総調書
 一、日程第四十九乃至日程第七十六の請願及び日程第二百十七乃至日程第二百二十七の陳情
 一、日程第七十七乃至日程第八十の請願
 一、日程第八十一乃至日程第百三十一の請願及び日程第二百二十八乃至日程第二百四十二の陳情
 一、日程第百三十二乃至日程第四十七の請願及び日程第二百四十三乃至日程第二百六十二の陳情
 一、日程第百四十八乃至日程第百六十一の請願及び日程第二百六十三、第二六十四の陳情
 一、日程第百六十二乃至日程第百七十一の請願及び日程第二百六十五、第二百六十六の陳情
 一、日程第百七十二乃至日程第百九十二の請願及び日程第二百六十七乃至日程第二百七十三の陳情
 一、日程第百九十三の請願及び日程第二百七十四、第二百七十五の陳情
 一、日程第百九十四乃至日程第二百二の請願及び日程第二百七十六乃至日程第二百七十九の陳情
 一、日程第二十五 地方自治廳設置法案
 一、日程第二十六 経済安定本部設置法案
 一、日程第三十 特別調達廳設置法案
 一、日程第三十一 総理府設置法の制定等に伴う関係法令の整理等に関する法律案
 一、日程第三十五 賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案
 一、日程第三十六 海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正する法律案
 一、日程第三十七 國家行政組織法の施行に伴う労働関係法律の整理に関する法律案
 一、日程第二十七 運輸省設置法案
 一、日程第二十八 農林省設置法案
 一、日程第二十九 農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案
 一、日程第三十二 厚生省設置法案
 一、日程第三十三 厚生省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案
 一、日程第三十四 労働省設置法案
 一、日程第三十八 國家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律案
 一、日程第三十九 國家公務員法の一部を改正する法律案
 一、会期延長の件
 一、議員板谷順助君を懲罰に付するの動議