第005回国会 文部委員会 第4号
昭和二十四年八月二十三日(火曜日)
   午後二時二分開会
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  本日の会議に付した事件
○教育文化施設及び文化財保護に関す
 る一般調査の件
 (文化財保護法案、六・三制の実態
 及び定員定額制に関する件)
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○理事(松野喜内君) それではこれから文化委員会を開会いたします。最初にこの文化財の保護法立案打合せの件につきまして、本委員会の大隈委員、鈴木委員の両氏を煩して交渉方をお願いしておきました。一番初めにこの御報告をお願い申し上げます。
○鈴木憲一君 この前の委員会で委嘱を受けました二人が実は昨日参つて交渉するという約束でしたが、向うの都合によりまして今日午前中に協議いたしました。そうしてこちらの意向を申入れましたのですが、それはとにかくどちらがやるにしても文化財保護法を立派に早く出したいという参議院側の意向なんで、できれば連絡を密にして協調的に立派なものを作つて頂きたいという考えなんだが是非衆議院の方でも御同調願いたい、こういう申入れをいたしましたところが、原委員長はとにかく参議院側でこのことについては非常にお骨折願つておることは我々もよく了承しておる、ついては私共の方でもここでそれについて研究を始めまして文化財保護法案大綱というものを拵えた、それで私達も一部づつ頂きましたのですが、それによりましてこの両院で共同提案にできれば非常にいいと原委員長は考えておるが、併しながらこの國会の二院制度ということについて非常にその共同提案ということには疑義がある、つまり片方で出したものを片方で檢討するという立場にある二院制度であるから、そのことはどうかと思つて今考えておる。で私の方としますというと、これは参議院から出すとか参議院から出すとかいうようなことはどちらでもいいのだ、要するに参議院の方としては早く立派な保護法ができ上ればいいという委員の意向なのであるから是非協調してやつて頂きたい。こういうことを申しましたところが、委員長はそれは非常に同感である、で本日も午後文教委員会で文化財保護法のことについて檢討するつもりであるから、その際に参議院側の意向をよく傳えるつもりである、で委員長としては参議院側の意向に非常に同感である、その旨をよく傳える。それから尚文化財保護法案の大綱について見せて頂き原委員長からもちよつとお話もあつたのですが、大体内容を見ますとこちら側でもすでに檢討したことがずつと盛られておるようであります。更に新らしいものとしては名所旧跡の部を中に入れたいという意向を持つておるようであります。それは参議院側としてもそういう意見を持つておつたのであるから、是非そういうものも一緒に檢討して貰いたいということをこちらからも申しておきました。尚今日午後一時からこれについて檢討を始めるから参議院側でも御都合ができたら是非來て頂きたい、こういうようなお話でした。今後もできれば密接に連絡を取つて進めたいからこちらからもよろしく頼む、こういつたような会見をいたしました次第であります。以上簡單ですが御報告いたします。尚不足の点は大隈委員から補足をお願いいたしたいと思います。
○河野正夫君 行く行くの問題ですが後日小委員といつたようなものでも考える余地があるのですか、或いは衆議院の審議のときに來て貰いたいと思うというだけのことですか、その点も伺いたい。
○鈴木憲一君 そういう点について本日の午後委員に諮つて見る、こういうことでございました。
○三島通陽君 今の共同提案についての疑義というのはどういうことでございますか。
○鈴木憲一君 國会が二院制度になつておつて、それで衆議院と参議院と共同して提案するということになると二院制度の意義がどうかというふうに考えられる。二院制度は片方で出したものを片方で大いに檢討するという立場にあるのだから共同提案をしてしまうのはどうか。ですから衆議院の方でできたものを参議院に廻して、参議院で再檢討するという立場を取つた方がいいのではないかという原委員長の含みなんです。我々の方としては、どちらから出てもとにかく文化財保護法が立派に早くでき上ればいいのだという立場を参議院の方は持つておるのだからよろしく頼むということを申しておきました。
○三島通陽君 只今鈴木委員からの御報告で、鈴木委員とそれから大隈委員が非常に御努力になりまして御交渉になりましたことにつきましては、私共一同感謝しておる次第でございます。只今いろいろお述べになりました点で十分私共の意思も先方に傳わつておると思いますし、衆議院におきましても十分御檢討頂いてよりよい法案ができまして、我が國の文化財保護のために盡すことができるだろうということを期待するのでありますけれども、今の共同提案ということですが、これは一体共同提案という言葉は非常にむずかしいので共同提案という言葉が果して今の法律にあるかないかは分らないので、これは両方が同じ法律案を両方の委員会が作つて出して、片方が先に通つた場合に片方の院が出した法律が自然消滅になつて、そして例えば衆議院から來たものが参議院で檢討する。併しそれはたまたま同じ内容だつたと、こういうような形になるように聞いておるのであります。今までもそういう例は沢山あるのでこれは必ずしも私は二院制度の本義に反しているものとは思えない。それはまあ或る委員会から出て來て、或いは又次の委員会で他の院で十分に檢討して、そうして両院協議会にするなり或いは修正するなりいろいろな方法があろうと思いますけれども、こういつたことも二院制度の原則から却つていいことであると思います。併し又場合によつては一つの法律について両方の意見が全く同じであるというような法律案が、両方から出ることも亦必ずしも二院制度の意義に反するものと思えないし、今までもそういう例があるのですし、それから殊にこの法律案につきましては大体今まで参議院でやつた場合は、衆議院と非常に連絡して同じような考えでやつて來たのですが、成るべくなら今度出されるという文化財保護法もこういう行き方で行く方がよろしいではないかと思います。併し先般も申上げましたように、私共参議院の者は、この前の法律案が今から振返つて見て決してそんなに間違つておるとは思われませんけれども、併しよりよきものが出て來たならば、面子などということは考えずに、國のために文化財の保護のためいいものが出て來れば喜んで同調するということは、度々私も申しましたし他の委員の方もお述べになつて、鈴木委員も大隈委員も衆議院と交渉される上におきまして、非常に御努力下さいました点は十分認められますし感謝もするのでありますけれども、どうぞ尚今度もこういう意味におきまして成るべく両院が歩調を合せ、そうして余り違つたものができてこちらで檢討して、そうしてそれが審議未了になるというようなことになると大変残念だと思いますし、まあこの文化財保護法は相当長い間参議院で山本委員長のときから檢討したものが、ここに漸くでき上つて前議会に提出されたような次第なんでありますが、その点十分衆議院側におかれましても意をお酌み取り下さつて、我々の研究も合せて、將來あちらの法律案が出るにしても、十分考えを取つて頂きたいということを委員長等におかれましても、常に先方と御交渉して頂く上にお願いたしたいと思います。
○理事(松野喜内君) 只今三島委員から法案提出に際しても衆参両方協調の御意見がありました。この提案のことについて何か外の御意見がありましたら伺いたいと思います。
○大隈信幸君 鈴木委員からお話があつたように、今日向うで委員会をやつてこれを説明するというわけで、たまたまこちらの委員会がぶつかつたのですが、或いは事務局の方からどなたか向うへ行つて一應聽いて置いて頂いた方が連絡上便利でないかと思います。その点お諮り願いたいと思います。
○理事(松野喜内君) 只今大隈委員から今日の向うの委員会を一つ聽いて置いて貰いたいという所見でございます。如何がでございますか。
○鈴木憲一君 それは是非そうして貰いたいね、事務局からこれは行つて聽いて來て貰つたら……。
○理事(松野喜内君) 皆さん御賛成のようでございますから……。
○岩間正男君 專門調査員は……。
○理事(松野喜内君) ではお願いします。それではその外に提案について何か御意見ありませんか……。別に御意見がないようですが、この次に又今の衆議院の方の様子を伺いまして、今三島委員から御提案のことについてお互いに一つ協調していい工合にこれを提案したいと考えています。
 本御報告についてはこの程度にして置きまして次に移りたいと思います。
 その間に皆様の御了解を得て置きたいのは、今日は傍聽の方が二人岩間委員の紹介で來ておられて、これが傍聽許可のことについて皆さん御同意願いたいと思いますが、よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(松野喜内君) それではそういうことにいたします。
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○理事(松野喜内君) 次に六・三制の実態報告を一つ文部当局からお願い申上げます。
○説明員(久保田藤麿君) 「六・三制校舎不足の実態と校舎建設の緊急性」、この資料に基いて一應御説明をいたしたいと思います。
 目次を省略しまして第一から先般の議会で六・三制を速急に完全に実施できるように予算的な措置をやれといつたような両院の決議がございますのと、又刷新委員会の方からも同様の決議を受けておりまして、私共はこの決議に副い又國民の輿望に應える意味で、関係方面の人々に特別な理解を持たせ又その責任を感じて貰い、あらゆる機会を利用してその地方の財源関係を纏めて行こうという努力をして來た一方、この六・三制を完全に実施するための校舎の不足の実態を今一段嚴格な意味で精査する必要を考えましてので、取敢ずそうした財源関係の始末をいたしますと同時に、地方に大変御迷惑をかけたわけでございますが、この六・三校舎の実態を嚴密に調査いたしましてその結果一應取纏め得た部分につきまして、只今お手許に配布しましたこの資料を作り上げた次第でごでいます。
 そこで第一の点は、本年の四月三十日現在で以て全國の小中学校、高等学校が幾つあつて、その生徒がどういうふうに收容されておるかというのを纏めたわけでございます。
 ところがこの全部の学校が殆んど悲惨な関係にありますことは、次の頁の「校舎狹隘な学校における不正常授業の状況の一例」というのでお示ししたわけでございますが、これはたまたま分散的に或る程度のものを拾い上げたというだけでありまして、全部の学校においてこれは同じ資料を持つておるわけでありますが、先ず御参考の意味で十例程それへ挙げて置きました。第一番の茨城縣東茨城郡渡里村、ここの学校の関係を一應洗つて見ますと、生徒及び兒童は二千二百六十人、学級が五十一ございます。それには一應生徒一人当りの坪数を仮に〇・七坪とすれば千五百八十二坪の教室が要るわけなんでありますが、現在のところでは六百二十四坪しかなくて、差引九百五十八坪というものが不足しておる。これをそれではその学校はどんなふうにしてその不足を補つておるかと申しますと、東部三十八部隊の兵舎跡を千十坪使いましてここに三十八の教室を造つてその不足を補つておる。この状態はたまたまその生徒の利用率を考えますと七六%に及んでおる。その学校での現在の校舎の子供の受けておる利用率は、一人について〇・二八坪しかないとうい状態であります。
 その次の島根縣仁多郡馬木村の個々の学校の関係を洗つてみますと、六百八十八人の生徒が四百六十八坪の校舎に收容されておつてその利用率は〇・三二坪しかならん。そのために不足の二百五十三坪を蚕の飼育場を借りましてそこに三教室を建てましてその不足を補つており、その状況は大体四一%で、以下はそうしたような共同の作業場とか或いは酒藏を使つておるとか、村役場の一部を借りておるとか、お寺を借りておるとか、たばこの收納場を借りておるとか、或いは民家を借りたり、青年会館を借りたり、公会堂を借りたりしておる。こうした実情を個々の市町村、個々の学校について洗い渫い調査をしたわけでございます。
 次の頁に入りましてそうした不足の関係を一應面積の関係で表わしてみますと、この斜線の部分が一應臨時の借用校舎、そういう不正常な形の校舎関係で充たされておる、こういうわけであります。
 次の頁に入りまして以上のような不正常な授業を行つておる学校の関係が全國的に見てどういうふうになつておるかという表をそこへ表わしました。二部教授なり三部教授で不足を補つておる学級数が一万七千四百二十六ありまして、講堂なり雨天体操場なりの模様替えをしまして使つているのが六千七百八十七、その他廊下なり昇降口なり物置といつたものを教室として使つておるものが八千二百五十四、お寺なり工場とか避難病とか馬小屋といつたような臨時仮校舎を使つて不足を補つておるものが一万九千九百七十学級数ある。こういう状態でありまして、これが授業の上にどんな影響を與え教育的にどんな弊害が來たしておるかといつたようなことを、三百六十四の報告だけでありますが、それから拾い上げて御参考までに一通りの纏めをやつたわけでありますが、予定の建築ができないので、止むを得ず学校店はその分をどういうふうにしてカバーしておるかというのが第一でありますが、それは授業課目を圧縮して、或る特定のものは廃めておるか或る程度のものは非常に時間を減らしておるというようなことで、土曜日の半休を廃めて二部授業に廻しておるとか、日曜日も子供も先生も出て來て不足分を補つておるとかいうのであります。第二は二部授業の仮教室授業のために、学校としてはやらなければならんことも断念しておるといつたような行事が、或いは全校自治会とか学藝会とかいつたような子供達の樂しみの行事の関係が中断されておるといつたような状態でございます。第三は、新教育の申します指導の関係から生徒の指導をこうとた意味でやらなければならんというにも拘わらず、それらの生徒指導が一應中止されておるといつたような例、例えばクラブの指導とか朝礼が一緒にできないといつたような関係を纏めたのでございます。その次は学習指導への影響がどうであるか、百六十九校のうち大変遅れたという報告のものが四十四、やや遅れたといつたものが百十五、遅れておらんのが十校こういつた形になつております。次に行きまして、又そのために生徒の遊びがどんなふうに変つて來たか、長時間に亘つて地方に遊びに出かけるとか、今までは余り遠くに行かなかつた者が非常に遠くまで遊びに行くといつたようなこと、盛り場をうろつくといつたことで生活が不規則になる、不良性を帶びて來るといつてような現象が出て來ておる。次には生徒の素行がどんな変化を受けておるだろうか、遊び過ぎの点が見えるとか、学業を怠る、ずる休みをする、買い喰いをするといつたものが相当数そこに出て來ておるわけでございます。それから又健康の上から見まして、生活が不規則になり、買い喰いをやり夜遊びをするために胃腸病が殖えたりトラホームが殖えたり傳染病が殖えたり、欠席率が非常に増して來ておるということが指摘されております。そのために先生の方の迷惑はどうかということでありますが、先生の方から言いますと、そのために特別な指導をしなければならん、そのために御苦労を願つておる状態でございます。この特殊な苦しい状態に対して、二部授業や仮教室などでやつておることについて父兄はどんな態度でおられるかという点でありますが、非常にこういうことは氣の毒だといつた意味から非常な理解があつて、その対策に協力して貰つておるというのが百二十校、余り関心を持つて貰えないのが三十五校、非難ばかりして対策に協力していないというのが二十一校といつた樣子でございます。ところでこのみじめな状態、この不足の教室の状態はどの程度の校舎面積を補充して行けば最低限度の教育が確保されて行くかという算定をやつてみたのでありますが、例えば実驗室とか衞生室とか職員室といつたような類のものを一應止めてしまつて、取敢ず教室だけといつたような計算だけを考えてみまして、ここに書きました應急最低基準、これを小学校の場合も中学校の場合も一般教室、便所、昇降口、用人の部屋、物置、給食部屋、それに当然廊下、段階等を計算に入れまして、子供一人について〇・七坪の面積を確保しなければならん。この〇・七と申しますのは、少くとも終戰後補助対象としてやつて参りました建築関係については、一應この基準で取扱つて來ておりますこととが一つと、たまたま次のところに出してありますが、アメカのカリフォルニアだけの集計の例でありますが、たまたま小学校では一・四、中学校では一・九といつた形になつておるそうでありますが、これらに対しては小学校で約半分、中学校では勿論半分には及ばん、こういつた現状でありまして、取敢ず最低の教室面積を確保する。それが一應終つたら講堂なり屋内体操場なりといつたものを附加して頂きまして、第二の基準である最低基準の〇・八に引上げたい。そうしてそれが一應終了できますようであれば、次の一人一坪の線まではぜひ引上げるような措置をお願いしたい、こういう考え方をしたわけでございます。
 次の三の一とあります基準三百人で六クラスの例という図表に出して見たのでありますが、たまたま三百人の收容で六クラスの学校を考えまして斜線で表わしました分だけをとりましたものが生徒一人について〇・七坪の形でございます。それを一つ上げてやつて頂いて、その次の最小標準面積に上げてやつて頂く場合には特別教室を見てやつて頂く、その次にそれを含めて雨天体操場をつけてやる、そうすれば大体一人が一坪を使用するといつたような形のものになし得る、こういう図表をお目にかけたわけであります。こうした基準を以て現在の全國の市町村について一通り、その学校の〇・七に満つるや否やという線を洗い出しました結果、全國の市町村が一万四百五十六ありますに対しまして〇・七坪にも及ばん、應急の最低基準にも及ばないもの、それが全國で千九百七十二市町村あるわけでございます。その次に〇・七坪よりは多いけれども〇・八五坪にも及ばないというのが四千八百七十九、〇・八五坪には達しておるけれども一應理想型と考えられます一人一坪当りの基準に達しないものが二千二百九十四ある。こういう状態でございまして、〇・七坪にも及ばないといつたような状態におかれておる生徒が四百七十九万八千五百二十二、これだけの生徒が〇・七坪を確保しないがために、その次の表に上つておりますような惨めな授業状態におかれておるというわけでございます。それを申しますと千九百七十二の市町村では一万三千六百八十三の中小学校が二部授業或いは三部授業をやつている。その次の過剩收容の分はまだ計数が纏まりませんので調査中としてありますが、その次の講堂なり屋内運動場なりを教室として使つておるものが、これは坪数で出しております。五万五百七十六坪。校舎の廊下なり昇降口なり物置などを使つて教室に臨時に使つておりますものが三万九百九十五坪。教室がありませんので寺なり作業場なり、避病院なり倉庫なり畜舎なり住宅なりといつたようなものを借りて使つておりますものが十三万一千八百六十九坪、こういう状態にあるわけでございます。
 この姿を各府縣別に一應並べて見ますと、北海道で申しますと二部授業の学級数が千二百七学級、過剩收容いたしておりますものが三百六十九、講堂、屋内運動場であつたものを教室として使用しておるクラスが千八百二十坪、校舎の廊下、昇降口、物置等を教室として使用しているもの二千五百七十二坪、寺院作業場、避病院、倉庫畜舎、住宅などを使用しておるものが四千二百五十四坪、以下それぞれの府縣の分が同じ形で洗い上げて調べ上げた数字でございます。これを更に千九百七十二の〇・七坪にも及ばない市町村の関係が、都道府縣別にどういうふうな形であるというのを表わしましたのが八の表でございまして、北海道で申しますと全部で二百七十七單位の市町村がありますのに市の方で七つ、町で二十三、村で四十四、合計七十四の單位市町村が〇・七坪に満たない、最低基準に満たない学校を抱えておるという状態でございます。以下はいずれも同樣の纏めでございます。
 そこでこんなふうにここに洗いざらい纏めましたものを一應救済しますためにどれだけの面積をこの際保有しなければならんかということになるわけでありますが、七の然らばこれらの千九百七十二の市町村を救うためにどのくらい應急的に建設したらよいのであろうか、この算出をやつたわけでありますが、これは現在の小中学校の生徒の数に基準面積としておきました〇・七坪倍したもの、それが一應の最低基準の面積になるわけでありまして、このものを要求するわけでありますが、現在持つております現有面積はその中で要求を満たしておるわけでありますから、まずそれを差引いて、更に昭和二十四年度の公共事業であつて、戰災にあつて、或いは戰災の復旧のものであつても、それらのものによつて本年度補われるものはその予算を満たして行くわけでありますから、それを差引く。それから現在の高等学校が持つております面積に対しまして高等学校の場合も小学校と同じように最低基準を一應考えて、その最低基準の面積を差引いた現有面積からそれだけの床面積を作り出しまして、その余裕面積をトータルの中から差引く、こういう嚴密な計算をいたしまして建設に必要な面積というものを探し出して來たわけであります。それをその次の数字的な分に当て嵌めて見ますと、生徒一人当り〇・七倍でありますから、三百四十三万一千五百十九坪、これが一應の最低基準面積になるわけであります。それに対して現在の現有面積が二百八十三万二千四百五十五坪、これだけでございますから、これらを計算いたしまして四十八万三千三百三十八坪、これが只今私共の最低の應急基準面積、應急にこれだけのものを追加補充して増築してやらなければならんという計算に持つて來た数字でございます。ところがこの面積は純粹に算術的に出した面積であります。
 その次の(三)のロというところにA、B、Cと三つの理由を挙げてありますが、同じ市区町村内でも通学距離の関係で必ずしも流用ができないといつたような場合、第二は田舎の学校などで一学級に收容する生徒数がたとい五十人に満たない場合でも、そこに一学級の教室を作らなければならんといつたような場合、それから應急最低基準面積以上であつても、たまたまその設計上の関係なり建物の模樣なりで、必ずしも額面通り利用できないといつたような理由のものが考えられますので、これらの点については今ここに確かな数字を出しておりますので、いずれこの点はこれ以上に明確になるわけでありますが、取敢ずこれらのものを約一〇%増すものと予定いたしまして、先程の四十八万三千三百三十八坪に加算しまして、その結果が五十三万一千六百七十二坪ということになつたわけであります。この五十三万一千六百七十二坪の建築が〇・七坪の最低基準を確保さすために絶対必要な坪数になつて來たわけであります。この全部の面積を更に〇・八五に上げ、次にそれを一人について一坪の線に上げて行きます計画を出してみますと、それが一の五ケ年計画の表になつている分でありますが、全体計画としまして四百万四千三百十四坪、これだけのものが必要になるわけであります。このうちで只今申上げました本年度の應急建設計画という面で、五十三万一千六百七十二坪の建築を完了するとしまして、それの差引になります三百四十七万二千六百四十二坪、これがこれから二十五年度以降五ケ年計画だと仮に決めて頂いて、それを一應平均按分いたしましたものが、二十五年度から六十九万四千五百二十八坪、こういう形になるわけでございます。
 然らばこれを金の面でこれだけの建築をするのにどれぐらいの資金が要るのかということを次の表に出したわけでございます。全体計画の四百万坪を金で表わしましたものが、補助と起債を從來のように一應折半いたしまして考えましたものが三百九十三億九千百十八万四千円、起債の方もその同額でございます。ところでそのうちの二十四年度の應急措置の分が四十七億一千八百五十八万九千円、起債額がそれと又同額、昭和二十五年度以降の平均額が六十九億三千四百五十一万五千円、こういう計算になるのでございます。ところで一應御注意頂きたいことは、この計算の出し方が全部木造というわけでございませんで、一方段々増築がされながら或いは火災のために、或いは腐朽のために片方ではどんどん悪くなつて行くといつたようなことも考えなければなりませんので、全建築量の五%だけを本年度から鉄筋コンクリート建にすることが許されないかということを考えて、〇・五%分が鉄筋コンクリートということで計算されておりますのと、昭和二十五年度以降の木造建築は本年度の分よりも多少の單價増を見まして、一万八千円という計算で出して來ているのでございます。
 以上のような計数を取纏めましたので、取敢えずこれを一應早急に予算化し、それぞれの方面に御理解を頂き、格別の御援助を受けてこれを実現しなければならんと考えておりますので、昨日から引続き今日に亘つて衆議院の文部委員会にお願いもし説明もして参つてような次第でありまして、今日は又こちらの方にお願いし、ここで取纏めた関係を御報告して、格別な御援助を仰ぎたい、こう考える次第であります。
○理事(松野喜内君) 只今の久保田局長の六・三制実態報告に関して何か御質問ありましたら……
○河野正夫君 細かいことを二、三聽きたいのですが、御報告の分だけについてですけれども、先ず第一にこれは公立の学校だけを対象にして考えたのか、或いは又國立の附属中学校、小学校といつたものを考えたのか、私立をも入れたのか、先ずこのことを伺いたい。
○説明員(久保田藤麿君) 公立学校だけでございます。
○河野正夫君 この二枚目ですか、應急建築必要面積の算定方式なんですが、一〇%増しにしておりますが、これは確実な数量は……これは推定でこれも止むを得ないかも知れませんが、確実な集計はできるだろうと思うのですが、それがいつ頃できるかということと、もう一つはこのBですか、一学級五十人でなくて三十五人というのも実際あり得るのであります。これは全國の兒童数を五十で割つて学級数を見ているというのから修正をする点で、修正を考えただけは大変よろしいのですが、併しこういうようなものを入れて一〇%増せばいいという根拠が私には疑わしいと思います。北海道では單級学校というものがありますが、これは六ケ学年で五十人に満たない。併しそれだけの分が都会地が超過人員になつているわけであります。そういうような意味から、こういう推定計算でなく正確な計算を出す必要がある。これはもうこれだけの調査をやつたのならばいずれ出ると思いますが、それはいつ頃出るか、又推定計算の一〇%というものの根拠、そのことについて伺いたい。
○説明員(久保田藤麿君) 先程説明のときちよつと申上げたつもりでおりましたが、大体一〇%はお説の通り推定でありまして、ここまだ一週間程かかろうかと思いますが、一つ一つのものについてこれの実数を出して行くつもりでございます。一〇%では少し足らないかという懸念を持つておりますが、これは実際の数字に当つて呉れた連中が、相当幾日かこのことだけにかかつて來ました関係から、余り誤差はあるまいということを申している程度でありまして、明らかに一〇%でこういう根拠になるという資料はまだできておりません。
○河野正夫君 十三枚目ですが、二十四年度に應急建設何ぼ、それから五ケ年計画何ぼというのは結構ですが、この五ケ年計画はずつとこの調査の表から見て参りますと、当然兒童の自然増加ということ、從つてそこに新築を要するというような面を見ていないのじやないか。これはこれの限りにおいて年度計画は結構でありますけれども、全体としては建築計画という場合には兒童数の自然増加、從つて学級増加というものを見なければならない。同時に古い今までやりくりがついておつた校舎も自然に腐朽して來る、それのための新築乃至は改築修理費といつたようなものを見なければならない。その点はこれに入つておるか。入れないとすれば或いは年度計画としては更にこれに修正を加えるべきものだと思いますが、その点如何でしようか。
○説明員(久保田藤麿君) 今までも自然増の関係の分はこういう場合に対象に一應考えておりませんのです。この計算の中からはそんな意味でわざわざ省いておるのでございます。それから腐朽の関係の分が当然に起つて來ると思いますが、この予算は從來六・三の分は新らしく建てて行く分、戰災とかそういうことと無関係に建てて行く分だけを考えていたのでございます。ですから全部調査で派遣頂いたと思うんでございますが、臨時にこれを現在の別に起つて來ます災害といつたようなものは勿論別計算でありますが、現在の状態でやる戰災なり震災なりの学校で補充して行かなければならん、そういう復旧関係の分は全部この中に含んで來た。從來の私共の予算を要求しておりました新らしく建てて行く分だけについて考えていたが、六・三の予算は六・三完全実施を目標にしまして、現在使えない、現在建てそうにもないといつたようなものは一切この中に入り込んで來た、こんなふうに御理解頂いて、今の六・三のための増築という意味でなしに六・三完全実施のための予算計画だ、こういうふうに御認識頂きたいと思います。
○河野正夫君 最後に希望を申述べて置きます。文部省の今までの計数が、今お話のように、戰災復旧費とか、そういつたものの枠を外したばらばらのいろいろの計数であつた、それが全部含んで來た。そしてこれによつて大藏当局や関係筋でも了解を求めるためには非常にいい材料を拵えたという意味では、努力されたことを多としますけれども、併し文部省の計画というものもやはり総合的でなければいけない。大藏省なり或いは世論に訴える場合成る程六・三の完全実施は、今やる場合にはこれでいいが、自然増加はこれは震災や何かによる偶発的なものでなくして当然見込まるべきものである。今腐朽しておる校舎は北海道なんかでも可なり私共見て参りました。そういうようなものは各市町村でも年度計画的に考えるべきものだろうと思います。今から積立ていろいろなものを考えて置かなければならんと思いますが、國としてもやはり十分調査して校舎の新陳代謝が当然行われて、それについてもやはり相当の見通しを持つていなければいけない。それらを総合して本年度はこのくらい、或いは今後毎年このくらいはどうしても建設費としてもいるんだということを計数は大きくなるでしようけれども、やはりそれを一般世論に訴えて置く必要があると思う。そうしてその中でこの表のようなものは勿論はつきり出して置きたい、こういうふうにしないと遠慮してこの分だけで自然増加は後でもいいんだというと文部省はペテンでもかけておつて、段々数が多くなるんだというように取られはしないかと思う。折角調査したなら他の自然増加の件についても相当根拠のあるような調査をし、それが各学校に関連して調査をし、更に又或いは自然腐朽するような部分についても各学校の個々に関連して調査をして集計して持つておる必要があると思う、こう思うのであります。以上希望を申上げます。
○岩間正男君 この調査は、只今河野君のお話がありましたように今までの漠然とした調査ではない、一日の進歩の認められると思います。併しこの調査の基準になるプリンシプルについては十分に我々もこれから檢討し、科学的にもつと合理性を発見しなくちやならん、こういうふうに考えられる部分があるのじやないかと、こう思うのであります。私の氣のついた自然増の問題だとか、それから一〇%増というような問題、当然河野君が質問したようなものが起ると思う。この点については非常にこれは説明のためでなくてもつと実態を十分にこれは入れて頂きたい。これなども例えば一〇%増というやつは全体でなくてもただそういう部分だけ採つて、そうしてその割増しの大体の数は掴めるのじやないかというふうに考えられるわけであります。全体的に見て、ただここで私はこの統計が果して今後の教育行政のためにいいかどうかという点については、多くの疑問のあることを否めない、その点について申上げて見たいと思います。それは何かというと、やはりこの統計の立場は、使い方は集つて來た材料をどういうふうに料理するか、この料理のところに問題がかかつているのでありますが、併し料理の仕方は仕舞には定員定額制的なやり方であるというように私は考えなければならない。一人の子供というようなものを対象に取つて全体の数を仰えていきますが、併しながら実際のこの学校の分布状況を見ますと、人口の疎密によりまして非常にそこに多くの差異が出て來る。從つて六・三制の一番重要な精神といるところの教育の機会均等を確立するという点に立つところのこういう行政をやることによつて、思わない方面で非常な事態も発生する。河野君も北海道の例を挙げておりますから私はもう詳しくし申し述べませんが、人口の疎らな方では二十人、三十人というような一学級が出て來る。併し一方で非常に八十人、九十人、ひどいのは百四十二人という例が北海道でも出ておる。そうすると、これが大体現在の文部行政の教員の方から見ますと、大体一学級五十人と見てやつている定員定額制、これは教員の方から主に來たのでありますが、定員定額制によつてやるとそのようなところから大きな偏向性が出て來て、そのために百四十二人というような、都市の方においては非常な犠牲が出るのです。これと同じようなことが統計の根本的な態度の中に出て來る。尚〇・七坪、一人の所要教室面積を〇・七坪というような数で最低仰えて行きますと、それが地方的な分布においては非常なそこに差異が出て來る。その点をここで調節的にさつきの一〇%のような問題が出ているようでありますけれども、こういうような配分の面について十分な措置を考えても、どうしてもこの実態に合わないということが起るだろうと思うのです。従つて私はやはりもつと実態をよく仰えて、その実態の上から現実に即するところのプランを立てるということが、この統計の最も重要な点ではないか、こういうふうに考えられるので、この点については十分我々も檢討し又文部省側の意見も十分に聽いて、檢討して見たいと思うわけであります。
 尚二、三氣のついた点を申上げますと、例えば最低應急基準というようなことになりますと、これは教室の坪数が問題なのですが、一般教室においては、小学校でも、中学校でも〇・四坪ということになるわけであります。そうすると大体現在の教室は廊下を除いて三十坪、三十坪で〇・四坪で、これは一人当割つて行きますと七十五人收容するということになつて來る。七十五人までは認めるというような、一体プリンシプルに立つているかどうか。こういう点が非常に問題になつて來ると思われます。その点を伺いたいと思います。
 それから一番最後のところですが、これはさつき一坪の單價の使用増しというような話がありましたが、一万八千円並びに今度の四万五千円というのは二十五年度以降で、建設費が高くなるというような予定の下に立つておられるのですか、これは補助分だけですか、一万八千円というのは……。この点が不明なのですが、この二点について伺いたい。
○説明員(久保田藤麿君) 最初の点は現在三十五坪基準という規格の形を取つておりまして、五十人を計算の基準に置いておるわけでありますから、三十五坪で五十人、〇・七を確保して頂いて、五十人で三十五坪にしかならんわけですから、そういうようにならんと思います。
 第二の点は補助額一万八千円は当時の一万六千五百円に対して高いのじやないかという御質問だと思うのですが、これは建設省、経済安定本部と相談をして一應こういう予算を算出しろということで、これから先予算を整備して行く上に段々精算して行かなければならんと思いますが、取敢ず一應相談して一万八千円ということに仰えた次第であります。
○岩間正男君 私のお聞きしているのはそうじやなくして一般教室の場合です。一番の問題は一般教室の問題だと思うのです。この〇・七坪というのは便所、昇降口とそれから何ですか、用員室、物置、給食室、廊下、階段、それに一般教が入つて〇・七坪になつているのですね。そうじやなくて教室の状態が非常に問題になるわけです。これは一学級の兒童数というのは教育の内容、質の問題に非常に関連して來るのでお聞きするのですが、若しも大体廊下を拔くと三十坪だと思います。現在の規格では三十五坪のうち廊下が五坪、大体五坪のところが多いのです、七坪半の廊下もありますけれども、五坪が最低だと思う。そうすると三十坪が教室のようですね。そういうような〇・四坪というようなところに仰えて行くと、約七十五人までは認めるというようなことになると思う。そこまでは認めるということにする方針で行くかどうか、その点について……。
 それから第二の点は止むを得ないというのじやなくて、そういうような方面で今関係方面と打合せをして大体これだけ要るだろう、物價の値上りによつてこういうふうに大体今から考えておるというわけですね。私は高いとか何とかいうことじやなくてその点をお聞きしたかつたのです。その一万八千円というのは補助分だけですか、これは坪に対して……。
○説明員(久保田藤麿君) 一坪の單價が……。
○岩間正男君 一坪の單價は大体今まで二万で仰えたのじやないか……。
○説明員(久保田藤麿君) 昨年の予算を作ります頃の関係は二万円で作つたわけでありますが、でき上りました予算の実施面では一万六千五百円、こういう公共事業の共通の額になつておりまして、本年度は一万六千五百円なのです。それに対して二十五年度以降の分を一應一万八千円に仰えたというわけでございます。最初の五十人以上の者を認めるという建前で〇・四になるとおつしやるわけですが、少くとも一クラス五十人という原則をこれによつてどうしようということを考えているわけではありませんで、便所にしろ廊下にしろ〇・七の最低基礎を逆に置いて行きますれば、精々〇・四の線までも確保したいというに過ぎないのでありまして、多くの生徒をそこに收容しようというようなことを考えておるものではございません。
○理事(松野喜内君) 外にどなたか御質問ありませんか。
○河野正夫君 この「『六・三制予算問題』経過の大要とその解決策と」いうのは御説明がないのだと思いますので、ちよつとその点について承わりたいのですが、これは御説明があるのでございますか……。
 当局の方に承わりたいのですが……
○説明員(久保田藤麿君) 特に御説明する必要はないと思つておりましたが、今までの経過なり関係を一通り取纏めまして、見て頂いて参考にして頂くというつもりで用意して來たのでございます。
○河野正夫君 私それについて質問を若し許されるとすれば、これは結局いわゆる六・三予算の問題になりますが、それは理事の方に何か順序がございますか。
○理事(松野喜内君) 今関連して結構だと思います。
○河野正夫君 この文部省の監理局で印刷された「『六・三制予算問題』経過の大要とその解決策」、経過の方は我々も承知しているので、解決策の方を樂しみに開けて見たのですけれども、(笑声)これは自信を持つた解決策であるか、こうあつたらよかろう、こうなつた方がいいのだがという希望に過ぎないのか、この点を明瞭に伺いたい。例えば應急策ですが、見返資金特別会計の方から、これは議会における議決を要しないで許可がありさえすれば使える金額ですか、それならば非常に結構であります。一説には関係筋で遥か遠くの方までも交渉をしつつある最中であるとかいうことも聞いたのですが、この應急策だけでも実現の可能性があるのかないのか、更に根本的解決策というよりも、十月召集を予定されている臨時國会の補正予策に、すでにそういうものが見積られているのか、大藏当局との交渉の経過はどうであるか、閣議の模樣はどうであるかということについて、若しも速記が工合が悪いというならば速記を止めてでも御説明願いたい。
○説明員(久保田藤麿君) 應急の関係の分は、國内的には仰せの通り閣議でも御承認を受けておりまするし、関係者の承認も受けているわけでありますが、関係筋の上は一應私共を呼び出して取敢ず説明を聞こうというところまで一遍行つたのでございますが、罷り出たところが二時間程待たされて結局時間がないからこの次にして呉れろということで、そのときは説明も要求にもなりませんでした。そのまま肝腎の担当者が不正になりまして、これは或る時間棚上げをされた形かと思つておりますけれども、併しこれは今度の見返資金の決め方が、一年分順序を決めてこれにはこれ、これにはこれという決め方をするのではなくて個々に決めて行こう、その金ができて來るに從つて個々に決めて行くという態度のように承知いたしますので、その機会を掴まえてこれは何といいますか、根氣よくやつて行きたいと狙つているわけであります。それから根本策の意味で臨時議会に補正予算を出すについて一應閣議なり、大藏省なりの了解を得ているかというお話でありますが、現在大藏省では財源関係の整理を今やつておるという段階で、まだ個々の要求を査定するような段階に行つておりません。逆に明年度の本予算を先に作ろうといたつような態度もあるように承知しておりますので、それらと合せて大蔵省に納得もさせ、又前の議会の決議にも應えて行かなければならんというわけで、こうあればよいというような情ないものでなくて、こういうつもりでやつているというように御承知を願いたいのであります。
○理事(松野喜内君) 外に御質問なければ大体この法文についてはこの程度にしたと思います。
○理事(松野喜内君) 次には教職員の定員定額について地方自治廳に質問したいということが出ておりますから、これを議題に供します。
○河野正夫君 一問一答の形で質問することをお許し願います。先ず自治廳の財政課長でございますか……。
○理事(松野喜内君) 奧野君が見えております。
○河野正夫君 奧野課長に伺いますが、六月三十日付の自治廳財寺部長発の都道府縣知事宛の通牒でございます。「義務教育に從事する教員の定員及び給與の定額等について」というこの通牒でございますが、事は地方自治の問題ばかりでなくて、すでに義務教育の國庫負担というその意味では國政にも関係である。その担当当局である文部省にこの通牒を発する前に、事前に照会し乃至は了解を求めてあつたかどうか、こういうことを承わりたい。
○説明員(奧野誠亮君) 文部省と打合してやつております。
○河野正夫君 それからこの通牒の中に「右定員以上の人員を都道府県が單独地方費をもつて設置することは現下の財政事情に鑑み地方財政法第二條に違反し、同法第二十六條に該当することとなる」こう言われているのですが、「定員以上」という定員とは一体何を指すのであるか、その点を承わりたい。
○説明員(奧野誠亮君) 文部省から各府縣に示されておる定員です。
○河野正夫君 それでそれを超えたものを地方に單独地方費、普通我々は裸予算と言つておりますが、裸予算で、地方で支出することは地方財政法第二條に違反するという意味はどういう点であるか。
○説明員(奧野誠亮君) ちよつと少し御説明したいと思いますが、御承知のように今までは義務教育関係職員の給與は地方團体が支弁する、これによつて当然に支弁された額の二分の一は國が持つておつたわけであります。ところが國の財政状態からいいまして、野放しにして二分の一を持つということが困難になつて参つたのであります。言うまでもなく今日の任務として経済を安定させなければならん、それが財政の面からむしろ混乱を招いておつたところが多いように思います。從つて收支の均衡政財を計画化して行くということになつて参りますと、どうしても教員の給與を野放しにして國が二分の一を負担して行くことが困難になつた結果、あの定員定額の制度が布かれたかと私は考えるわけであります。教育の見地から言いますと好ましくない、併しながら財政その他全般の見地から止むを得ず定員定額の制度が取られたというふうな考えているわけであります。他方財政の面におきましてはどれだけ地方團体におきまして財源が必要かということを考えながら、他方財政の措置をいたして参るわけであります。その際に義務教育関係の職員の給與などについてはどれだけ要るかということを、この定員定額の額から割出して決めて参るわけであります。それ以上の給與というものを地方財政で賄う余裕は全くございません。勿論國庫財政も窮乏しておりますが、地方財政が更に遥かに大きな窮乏に面しておりますことは十分御承知頂いたおることだと思います。こうして國の財政としては負担し得る最大限度はここだというところで示されております額を引継ぎまして、そうして地方財政の計画を樹てるわけでありますが、そういたしましても尚且つ通常の財政運営をやつておりましたのでは、数百億円の赤字を出さざるを得ないような地方財政の状況になつているわけであります。言うまでもなく義務教育費國庫負担法の精神というものは、義務教育職員に支拂われるところの必要な給與の二分の一というものは当然國が持つ、その必要な給與というものを財政上からはこの程度に押えなければならないというところから、あの定員定額が布かれ、その二分の一を國が持つということになつているのだと思います。精神はやはり給與の高いことは好ましいわけでありますけれども、財政方どうしてもあの線に押えて貰わなければならん、その必要な最大限の額というものを、あの定員定額で押えていると考えておるのであります。その率で地方財政がそのまま支出しましても、尚且つ大分赤字が出るような状態になつておるわけであります。從つて若し仮に或る團体に文部省から割振られました定員定額を超えて支出いたしました場合には、そのような余裕が若し或る團体にございますなら、他の團体では最小限度の経費にも事欠くようなことになつておるわけでございますが、その團体の財源というものは、義務付けられた仕事も財源がないためになれない團体の財源というものは、義務付けられた仕事も財源がないためにやれない團体に廻すのが至当だろうと思います。振替えて行かなければならないだろうというふうに考えられるわけでございます。
 もう一つは、私は定員の問題にしましても、定額の問題にしましても、可なり無理のある数字だと思つております。言い換えれば定員の問題は小学校の兒童数五十人に一・五人であつたのが一・三五に下げられておる。中学校も同じような結果になつておるわけであります。給與の問題も一般物價から考えて見ますと非常に低い、生活を維持する程度に押えられておる。併しながらそのような困難なところを國民全体が耐え忍んでやつて行かなければ経済の安定が得られないような状態に來ているのでと思うのであります。併しながらなかなか我慢がならんからというて、或いは人数を殖やす、或いは給與額を上げるということになりますと、隣接の團体でも同じようにやはりその額を超えて支出し、或いは定数を超えて置かざるを得ないような状態になるのじやないかと思います。言い換えれば他ち團体に或る程度のそれを超えて支出を強要させることになるのじやないかと思います。そのようなことが地方財政全体の混乱を招く元になると考えておりますので互いに自粛して行きたい、こういうふうな考えを持つておるわけであります。
 それで私は定員を小学校一・三五に押える、或いは給與額というものはあの程度に押える、これがいいか悪いかという点につきましてはいろいろ議論があるだろうと思います。併しながら地方財章の計画といたしましても、あれを基本に全体の額に基いて各地方團体の実情等に應じまして、各地方團体別に数字を出しておるわけであります。これを文部省が決めておるわけでありますが、決め方にも私はいろいろ議論があるだろうと思います。併しながらそれぞれ決められた額、これは私は非常に低い所に決めておるわけでありますから、どの團体もそこまで押えて行かなければならない、併し或いは無理がありましたら、私はその数字は実情が分り次第段々と是正すべきものだと思います。併しこれが最善だと考えられておる線を超えた場合は、やはり地方財政全体がその枠に篏らなくなつてしまうわけでございまして、而もその團体としてこのような数字であるべきだということを決められておる線というものは、これは皆が非常に困るのでありまして、從つてそれを超えるような團体が出て参りますと、自然隣接の團体も同じようにいろいろな問題から同じような支出を強要される結果になるだろうと思います。そういう意味におきまして、地方團体全体が自粛して財政の健全化を図つて、國民経済の安定に資して行こうじやないか、こういう氣構え、精神があの通牒の中に現われているということを御了承願います。
○河野正夫君 沢山お話をなさつたので要点がどこにあるのか私によく分らないのですが、地方財政法の第二條に二つ項目があつたかと思いますが、國の方針に反する、或いは他の自治團体に迷惑を與える、言葉が違うかも知れませんが迷惑を與える、その二つのいずれに該当するとお考えかということなんです、私の質問は……。今の御説明ではその後の方、他の地方團体に迷惑を與えるのじやないかということのようにもとれるし、又國の方針がそうなんだというふうにもとれるのですが、そのいずれでしようね。
○説明員(奧野誠亮君) まあ財政運営の問題としまして地方財政法を流れるところの精神というものを御了承願つて置きませんと、形式的な解釈になつてもと思いまして申上げたのであります。強いて言えば第二條の中に掲げてありますところの他の地方公共團体の財政に累を及ぼす虞れがある、我々はこういうふうに解釈しているわけであります。
○河野正夫君 その点に関して我々は見解を異にするのでありまして、それは後程申上げますが、もう一つ同じ第四項の通牒の中に、「必ず年度末までには整理を完了し、來年度以降定員は義務教育國庫負担法にもとずく配当定員以内とすること」というのですが、整理を完了するということを指令しているわけであります。この整理というのは、一体如何なるものでありますか伺いたい。
○説明員(奧野誠亮君) 要するに人員が定数通りになるということなんでありまして、自然退職が大体中心になるだろうと思います。財政上の経理を整理してしまうということを希望しているわけであります。
○河野正夫君 要するに人員の整理じやなくて財政経理上の整理とこう解釈していいのですか。
○説明員(奧野誠亮君) 大体そういうように解釈して頂いて結構だと思います。
○河野正夫君 それならば財政的な要望としてその言葉だけの問題なら了承してもよろしいのですけれども、全文を見ますると、言つて見れば國家公務員に関する定員法に基くいわゆる行政整理のような臭がするのであります。というのは地方自治廳では一方において定数條例のこと、これは教員は含まないのでしようけれども、これについてもやはり國家方針に基きやらなければならんという意味で、やはり財政法第二條を問題としているかと思うのであります。この場合もこれは國会においては行政廳はどうであるか知らんけれども、國会においては地方の公務員の整理をするという國の方針を明らかにしたことは一遍もないのであります。同樣なことがこの場合にも若しそういう同じ観念でこの整理という言葉が使われるとすると、これは自治廳の行き過ぎではないかと我々は思うのですが、その点如何ですか。
○説明員(奧野誠亮君) 私は國会で人員整理の問題についてどういう議論をされたか承知しておりませんが、財政上の数字は先程來申上げているような線にまとめてしまわなければならないことは、國会で或る程度了承されていいのじやないかと思います。と言いますのは國の予算から言いますとやはりあの定数でのあの定額で編成されているわけでありますから、自然財政上の数字は今申上げております線で整理されますことを大体了承されていいのじやないかというふうに考えております。その見通しとして整理を要しないというふうな見解が論議されておつたと思いますが、中味は承知しておりません。
○河野正夫君 文部省の政府委員の本年度の文部省予算に関する始末についての説明及び我々の質問に対する答弁においては、文部省は教員について行政整理を行おうとするつもりはない、更に又一・三五なり一・七というのはそれを超えて現実に必要がある場合にはどうするのだというようなときに、これは地方教育委員会とか地方廳の方でそれを超えた分について自分の自費でやろうとすることを妨げるものじやないという答弁があつたのであります。その点についてあなたのお考えを伺いたい。
○説明員(奧野誠亮君) そのような話のあつたことを私は承知しておりません。ただ併しながら先程來申上げましたように、地方財政の計画というものは更にそのような余裕のある計画が到底できない実情にあるということだけは申上げて置きたいと思います。
○河野正夫君 文部省の一・三五なり一・七という数はその範囲内に止まつているならば或る都道府縣においてはまだ忍び得るのであります。ところが実際には一・二、一・一というような実際の数が出ております。つまりここにあなたの方の通牒にも書いてあるように「配当定員」と、こういう言葉を使つてあるのは実質的な意味も含まつておると思いますけれども、一・三五以内というのならば話は分りますが、配当定員なら一・一以内〇・九以内ということもあり得る、そういうふうな場合にはこういう通牒を出すことが、教育委員会なり地方廳が教育についての自主性を持つているわけであります。それを財政の面で押える、從つて教育委員会法などに述べられておるように、教員の定数については法律又は政令に別段の定めのない限りというものは付いておりますけれども、教育委員会が條例を以てこれを定める、こういうような教育委員会の方の精神は全般を貫いてそうなんですけれども、教育の地方分権、又は財政についてもそういうような意味合を持つていると思うのです。今のような場合でもそういうような都道府縣の自主性というか、地方都道府縣の自主性というものをあなたの解釈では破壞してしまう。文部省が予算の関係からこれは文部当局がすでに説明しております一・三五、一・七を是非確保したい……本当を言えば実質的に確保できない、それで文部当局はだから裸予算も止むを得ないというようなことを言つておるのは取りたかつたが取れない。國家の全体の方針で議会が承認したのだから仕方はありません。地方財政窮乏と言えばそれまでですけれども、その代りに地方で窮乏を打開しようというような誠意を示しそういう場合があるとして、それを文部省の予算が決つてしまえば地方廳のそれで決めるんだということであなたの方で通牒を出してしまえば、地方でどんなに数字をどうしようというのは余裕がない。教育委員会法の第何條であつたか全然必要がない。あなたは教育委員会が必要ないというふうになつても構わんと思います。
○説明員(奧野誠亮君) 國会で兒童数五十人当り一・三五と決められましたときに、それは恐らく各縣を通じて一・三五人でなく平均して一・三五人と決められたのだとそのつもりで我々は考えております。それから現に縣によりましては或いは一・二であつたりする配当定員もあるのだろうと思います。併しながらその團体が仮に一・一でしてそれを文部省の配当が一・二でこれはいいかどうか知りませんが、仮に一・二にして一・二まで定員を置けるようにその團体の財政権が付與されるような財政制度を、私達は企画して立案して行かなければならないのだろうという考え方を持つております。その面につきましてはその縣の教育が財政上から向上されるのだろうと思います。併しながらそういうことをすることは穩当でない、一・一のところは一・一のままにして置いてその代り一・三五を超えておるのをその超えた定員を配当して行く、こういうことも一つの考え方だろうと思います。我々はそういう教育の実態の問題は全く文部省の方針通りに財政面に現わす考え方をいたしておるのでありまして、若し或る縣の配当定員が少な過ぎるならば多過ぎる定員を見出しそこの定員を減らして、少な過ぎる配当定員を殖やして頂くことにして全体にして一・三五で納まるようにする、これが又國会の精神であるように考えるのでありますが、國の財政で負担し得ないようなものを地方財政で負担し得るような制度では、これは不可能を強いられるような場合もあるのではなかろうかというふうな考え方をいたしておりますので、その点をお断りいたして置きたいと思います。
○河野正夫君 それじや私の質問しているのは丁度文部省と大藏省の論爭になるわけです。それは地方財政の面だけで言つているが、地方財政委員会というものが初め出発して來たかも知れません、地方自治廳で十分教育の自治というものを尊重し、それを助長するということも地方自治廳の任務の一つではないか。それで実際に追いつめられて……、それはあなたに言つても仕方がないけれども一・三五という全國平均に則つていないという実情であります。法律で一・三五を通したわけではなく予算からそういうふうなことになり、文部省が政令を五月幾日かに出した。而も一・三五、一・七ではなくて、狙いはそうだけれども現在員がそれ以下の場合にはそれで止めるというような政令で行つておる。そういうようなわけで全國平均が一・三五でも一・七でもなく、文部省はいろいろな推定人員で初めにそういうようにやつたけれども、現実に個々に当つて見ると全國的にそういうふうになつていない。そういうような意味で地方の教育が破滅に瀕しておるということであれば地方財政の窮乏もあるが國家でそのことも考えなければならない。國家の財政が破綻するというけれどもそれなら國家教育は全部止めてしまへ、新制大学は止めてしまへ、こういうようなことは大藏当局の意見ではない、やはりそこに財政との調和の途を見出さなければならない。そういう意味でこれは他の府縣に対する影響ということだけだとするならば、余りにも地方の教育に対して薄情な通牒ではないかと考える。例えば北海道でしたかどこでしたか、すでに道会の決議をもつて裸予算を通過させたかと思う、そういうところもある。これで財政は足踏みする、事実どうしてもやつて行けないから何とかしようというのであつて、そういうのがまるで疫病のように府縣に殖えて行くという見方は、私はどうも官僚的な見方ではないかと思う。各府縣で金を出したがらない、あなたも御承知の通り府縣の財政状態というものは非常に破綻に瀕しておる、それを敢てやろうというのは余程のことである。事実教育委員会と府縣会乃至は府縣理事者とは非常な対立をしておるというところもある。ですから決して隣りの縣でやつたから我々もやらなければならんという、そういう圧力が加わるという考え方は私はしたくない。又そういうふうな考え方はすべてにとつて行くならば地方の自治などということは凡そ無意味になつてしまう、こう思うのであります。
 それで最後に承わりたいのは、これはこれで一應出したから、事務的には又あなたの面で理窟があるとおつしやるならばそれもそうだけれども、実質的に配付税を減らすというような段平を振りかざしておどかさないで、あなたが本当に苦しいところは苦しいのをやるのを……、まあ第二條違反などということにならないような措置をとる意思があるかどうか、何とかそこに政治的な措置をとる余地はないか、あなたはどう考えるか。
○説明員(奧野誠亮君) 先程自治制の問題がありましたが、私は自治制は勿論最大限度に尊重しなければならんのでありますけれども、國民全体が生きて行くために或る問題につきましては或る程度の制約が加えられることも止むを得ないのではないかと考えております。その意味で義務教育費國庫負担法で二分の一と書きながら、それを政令で最大限度の数字を縛るというような恰好をしておるのは、やはりその点において法律自体である程度自治制を制約しておるような結果を実質的に招いておるのではないかと考えております。それは成るだけ國民経済が建直り財政が健全化して參りまして、そのような無理な措置が早く撤回せられることを共に望みたいように思うわけであります。
 それから先程來からの私の説明が、或いは財政さえ保てば教育費というものはどうでもいいというような誤解を與えておるかも知れませんので一言断つておきたいことは、國会で決められた予算から見て小学校でいいますと一・三五人しか組まれていない、その後の小学校の実情をみますと一・三五人では納まらない、何万人かはみ出したわけであります。併し乱暴な予算でありますけれども、そのはみ出した予算というものは一遍にここで財政的支出を要しない、そういう恰好にする必要はない。要するにそのはみ出した人たちに必要な年間の給與の二分の一は、とにかく何か財政的措置をしよう、こういうような方針まで決めておるわけであります。言い換えれば國会を無視した乱暴なことを決めたというお叱りを受けるかも知れませんが、文部省と相談して、まだ國の予算は決まつていないが、地方財政の財源の問題、それと國の財政の方にもお願いして、ともどもに半分程度までは努力しよう、こういう目途を置いて、先程來御心配になつておる苦痛を幾らかでも緩和する努力を拂つておる点だけを御了承願つて置きたいと思います。併しながらただ國家財政、地方財政全体を併せて計画された額を超えて、地方財政法二十六條の適用にならんということは、ちよつと言い兼ねる問題ならば、やはり或る程度國民経済が建直るまでは、財政の点についても國家財政、地方財政を通じて或る程度計画化して、その計画化されたものが守られるように持つて行かなければ、むずかしいのではないかという考え方をしておるので、この苦しい情況だけは十分御同情願わなければいかんのじやないかということを、お願いして置きたいのであります。
○河野正夫君 今の御答弁ですが、予算の非常に足りない部分についても、措置を講じて行くという話ですが、それはむしろ教育の実態からいつて必要だから助けるということよりも、それを今急に予算措置の負担の配当計画通りにやつてしまえば、自然退職ではなくして整理退職を強要することに実際なる。だから自然退職を待つとすれば年度末には減るとしても、それまでは支拂いをしなければならん、それは文部省に予算が組んでなかつた、それで大藏省との措置を講じたと私は理解する。決してはみ出した人々が教育的に必要だからというよりも、來年の三月三十一日までに整理をするということよりも、自然退職を待つより仕方がない、今首を切るわけにいかん、首を切る費用を見てないという言明をしばしばされておる。そういう意味で自然退職が決まれば今切るべきものが残る、残るものについての予算措置が必要という意味であなた方が努力された。それは当然間違えた予算を立てたのですから、知事会議などで大分突つ込まれたような話も知つておる。それは当然だと思うけれども、教育を尊重し現実の教育を重んずるから理窟を持つて來ればそうも言えるけれども……。
○岩間正男君 いろいろな法的の問題について議論になつておるのでありますが、私はもつと現状について話して見たい。今度の措置は非常に問題を地方で起しておると思うのです。さつきの課長の話によると、國家で持てないような財政の問題を地方が押し付けるようなことは困る。こういうお話があつたと思いますが、併し実際問題としてはまるで反対な方向が取られておる。それは六・三制です、六・三制はどれだけ國家で出しておる、そうして地方の負担がどうなつておるか、まあ地方負担を非常に当てにしてやつておる、こういう形で地方の財政を非常に圧迫しておる、こういう事情になつておる。
 ところが教員については六・三制の問題について、何らの通牒が出たということを今まで聞いていない。ところが教員の今度の問題については、この面だけを強調してこのような通牒が出された。ここに非常に私は矛盾があるというふうに考える。もつと教育全般を総合的に眺める必要がある。現状の六・三制を見ると校舎不足のためにうまくできない。これを現段階において補うことができるのは教員の質と量です。これで以て補うということが非常に重要なことになつておる。この委員会でも何回も六・三の校舎予算が取れない場合は、教員を拡充してこの問題を補充すべきだと論議された。從つて当然今の定員定額制の問題に触れて來ますけれども、今は論議の中心ではありませんから止めますけれども、今年の決められた一・三五と一・七だけの線については、これは十分に守らなければ教育の実情は非常に問題にならない程破壞されるということが言える。從つて自治廳の立場としては、当然この今年度公共事業費が非常に切られて、地方財政が圧迫されており、それに更に配付税が半額になつた、こういうことで、むしろ地方に対して今まで地方廳としては、そういう地方の立場に対して困る、今度地方配付税というものを殖やさなければならない、公共事業費についてはもつと殖やさなければならないという建前を取つて來て、その建前から眺めて、今の教育の実態をよく眺めるならば、今言つたような今年決めたところの定額まで達しないものについては、地方で何とか措置をやろうと、苦しい財政の中ではあるけれども、教育の破壞を見るに忍びないから、これについて措置をしよう、こういうことについて相当この問題をむしろ取上げて、そうしてこれは國家財政面に要求する立場こそ地方自治廳の立場ではないか。それを逆に一つの法理的な解釈で、第二條の中に二つの條項が少くともあると思うのです。第一の條項だけ取上げて、第二項の地方自治の状態を破らないようにという條項、これは國は地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長いることに努め、苟くも自主性を害い、又は地方公共團体に負担を課するような施策を行つてはならない。こういうようなことが同じ第二項にあるのであつて、この精神が何ら生かされないで一方的な第一項だけが生かされてこういう通牒が出された。実に今度の通牒は非常に一方的である。自分の都合のよい面だけのことを取上げて、こういう現状の対して楔を突込んでおると解釈される点があると思う。こういう点から考えて、今そちらから結論的に出たのでありますが、あの通牒そのものが、殊に整理を完了すと書いてありますが、この整理というのが現在の状態では強く響いている。これは今財政的な整理と今説明があつたからこれは容認してもよろしいと思うのですが、この整理というものを地方の末端の教育委員なり、それから行政機関においてどう使うかというと、いろいろな点に使つて來ないと言えない。こういう点について更にこのような通牒に対しては私は適当な処置をできるだけ早く講ずるということが必要じやないかと思う。さつき文部省と打合せをされたというのですが、どうも一番肝腎な点では打合せがのけてなされておるのではないかと考えられる。この点は文部省はどうなつておるのですか。一番重要な点が打合されないでどういう点で打合せされたのか、それは電話一本位でこういうものを出すというので事後承諾的に打合せたというのでは我我は了解できない。当然今の基本的な文部省も公約し、そうして國会においても公約した、教員の整理はしないということ、こういうようなことが現実的に破壞されるような通牒が出されたならば、この点は文部省として十分に話をつけなければならなかつたと思います。自治廳自身もそういう話を聞いておられると思うが、この点一番私は重要だと思いますが、こういう点について、この経緯についての尚説明がして頂きたい。尚私の要望する点について、この際混乱を起さないようなややはつきりした処置を執ることを切望したいものです。
○説明員(奧野誠亮君) 最初の新制中学の建設の場合と定員定額の場合との取扱を区々にしておるのではないかというお話があつたのですが、新制中学の建設費が今年の國会の予算に遺憾ながら計上されなかつた、これは私はいろいろな面から考えまして、國会の本意ではなかつたというふうな推察をいたしておるのであります。若し間違いでありまして、新制中学の建設について定員定額制と同じような取扱われ方をしなければならんという御意見でありましたならば、更に相談して適当な方針を取らなければならないだろうと思います。定員定額制の問題は、これは好ましいことではないけれども、全体から考えて止むを得ないことだということで、一應了承されているのではないかというような考え方をしておりますので、或いは私達の考え方が間違つているかも知れませんけれども、この点御了承願つて置きたいと思います。
 それからもう一つ地方財政ではむしろ國庫財政にいろいろ註文して行くべきではないかという御意見であります。これは全く私も同感であります。そういうような考え方でやつておるわけであります。それが先程河野さんにお答えしまして、河野さんに逆な意味に取られてしまつたのでありますが、実際一・三五は嵌まらない、それより多いということで、多い面につきましての財政処置を文部省と一緒に大藏省と相談したわけです。そうして漸くあの線で納まるようにしたわけです。併しながら二十五年度の財政措置につきましては、又新たなる角度から檢討すればよろしいわけですから、今日行われております実情を私もいろいろな点について考えておる点もございます。成るだけ実情に副うように努力しなければならんだろうと思います。併し一度決定された計画につきましては、その計画に嵌まるように我々も亦努力しながら、地方團体に國の施策にも協力して貰うように、方向としては持つて行かなければならないというふうに考えておるわけであります。いわばこの苦しい立場といいますか、國の立場から考えて止むを得ず採らなければならないという方針というものは、地方團体の実情からいいましてなかなか應じ得ない問題で、その間の調和をどこかに見出だしながら進んで行かなければならない立場にあることを御了承願つて置きたいと思います。
○岩間正男君 議論したり怒つてもしようがないが、実際もう少し言葉を氣をつけて貰いたいということが一つあるのです。それは六・三制の予算がないから、定員定額と同じにしたいから通牒を出したというような言葉は、これももう少し考えて欲しい。無論六・三制に対して予算を戰つて來た、我々の主張としては出さなければならないということもやつて來た。併しそれは國会で決められた、多数で決められたということもあり、それは國会自身も決めておりながら、これに対して必ずしも満足していないという状態が出て來ているわけです。そういうような形でやられている。從つてこれは今年の例はそうでありますけれども、今までの例を見ますと、非常にこれが六・三制の予算が少い、從つてその大部分のものは地方負担というような形で進行されているのです。そのために地方財政が困難になつておる、定員定額の問題についてもやはり同じようなことが起つているのです。一應決められた線であるけれども、この線がいろいろの形で歪められておる。例えば現状を何月何日までに、これは一應決められたところの一・三五、一・七、こういう数に達しないものはそのまま、それからそれを超過した分についてはこれを切る、こういうようなことが非常に歪められておる。実際問題としてこういうやり方というものは非常に官廳の一方的のやり方なんて、こういうやり方について討論すれば限りがないのでありますが、それは一應措くとして、そういうものの不在みを直すような方向に我我は努力し、一番我々の殊に問題にしたいところは教育の実態がどうかということで、これを地方の実情で果して掴んでおられかどうか。現実に六・三制の不完全によつて校舎建築の不完全実施によつて内容がどうなつておるか、それを現在では教員がカバーしなければならんということが出て來ておる。それをますます歪んだ形でどこまでもその基本線で押し進めるために強力な見積りをしなければならんということが分らないと言つておる。逆の六・三制の問題についても教員の問題についても、これは教育の現状の破壊から幾分で守るということについて地方自治廳は協力して行かなければならん、こういうことを私は穏かに話しておるのです。今のままでは挑戰みたいになるのでそうなれば考えもあるのですが、どうなんですか。少し自治廳としては現実の破壊を守るということに協力して貰いたい、そう私は要望したい。
○説明員(奧野誠亮君) 新制中学の問題を皮肉つて言われたことを私は眞面目に取り過ぎております。從つて大変失礼なお答えの仕方をしたように考えますのでこの点お詑びして置きたいと思います。
 それから割当てられた数字が低過ぎるので非常に無理のある点、これも私は現実の問題を若干承知いたしております。併しながら私はそういう縣の配当定数を殖やしながら、他の面で引下げて貰う努力を文部省においてして頂きたい、要するに全体の計画の枠の中に嵌めながら只今の動きのようにできないものだろうか、かような努力をすることが先に決められた定員定額制の本筋であるのじやないかというふうな考え方をしておるのであります。併しながら現実には一・三は無理だ、これを引下げなければならない、又そういうように國会としても方針が決まつて來たならば、当然地方財政の面におきましても、その線に沿つてやつて行かなければならんわけでありまして、差当り私は二十五年度の問題として新らしい問題が又起きるのでやなかろうか、二十四年度の問題として一應は決められておるのじやなかろうかというふうな考え方をいたしておるのでありまして、この点はくれぐれも御了承願いたいように考えております。
○岩間正男君 文部省と話合があつたと言うから文部者側の態度を一應伺つて置きたい。その点がやはりはつきりしないと、今後も文部省として自治廳の間に……。
○説明員(稻田清助君) 只今中座いたしておりましたけれども、地方自治廳の方で或る見解を通牒によつて表明せられた、その事実につきましては私共承知いたしております。私共といたしましても地方財政を所管せられまする地方自治廳が地方財政について深甚な憂慮を持たれて、地方廳に対して警告を発する法規上の解釈その他につきましても、地方自治廳の御見解は私共といたしましても正しい御見解だと考えいおります。併しながらその通牒にもありますように、これは一應警告を発しておられる通牒と私共は理解いたすのでありますけれども、地方財政法第二十六條を適用いたしまして、果して地方に余裕財源がありとして配付税その他について操作をされるという具体的の場合につきましては、地方自治廳と雖も個々の府縣の教育の状況、或いは又これだけの問題でなく一般の財政の状況を御覽頂きまして、実際の処置については無理な処置はされないものと私共は信じておる次第でございます。
○岩間正男君 今の答弁は実質的な答弁内容について話されたようでありますが、只今数字そのものはどのように使われて、今説明されたような趣旨の方向に使われるかどうか、この点です。だからこれに対してどういう処置を取られておるか。これは今の答弁を速記録から写してこれを持つて行つたぐらいじや効果がないと私は思う。つまり二十六條を適用せられない、そういうことは無理はせられないだろうから、そこのところは適当にやつて呉れということになるのでしようか。併しやはり現実面に起るというとどうしても通牒を楯にして考えるとして、これは動かないというような恰好になつて來るのじやないか、これはどうしますか。
○説明員(稻田清助君) 文部省といたしましては、今後も地方自治廳と緊密な連絡を取りまして、この定員の問題には処置して参るつもりでございます。從いまして今後起ります諸種の実情につきましては地方自治廳にお願いする点もございましようし、又よく御協議いたしまして共に共に新らしい財源を獲得するように努力する、その他種々の問題につきまして協力して参りたいと考えております。
○岩間正男君 最初の話合というときにその点がやはり不明瞭だと困ると思います。その点に話合が触れたかどうか、その点伺いたい。
○説明員(稻田清助君) 只今財政課長のお話は私この場では伺つておりませんでしたけれども、大体事の性質からいたしまして、義務教育費國庫負担法の趣旨もございますので、定員定額になりますれば先ず國の方で半額負担分が決まる、あと地方財政において負担すべき半額がそれによつて決まる、この大筋の点は、私、事の性質上当然な根本の問題だと思つております。そういうような線で地方自治廳が地方財政の処置に当られるという点につきましては、一緒にこの問題を協議いたしております場合に、地方自治廳の方針は私共はよく承知いたしておつたのであります。
○岩間正男君 局長がいられなかつた間に起つた話ですから今の答弁は少し食い違つているようでありますが、そうでなくしてこの通牒を出すと文部省が教員の整理はしないと國会で約束して置いたことと逆の結果が当然生まれる、そういう点については事前の最初の話合のときに当種起つて來る問題だと私は思うのです。その点が話点があつたがどうかこの点がはつきりしないとどうも不明瞭なんです。或いはそこのところを氣が付かれないで、そのままでこの通牒を認められたのかどうか、この点です、当然それは起る。
○説明員(稻田清助君) 段々御答弁申上げますと、言葉の関係上非常に物事が窮屈になつて参ることを恐れるのでありますが、逆の意味において窮屈になることを恐れるのでありますが、大体行政執行に当りまする我々といたしましては、基本方針は方針といたしまして、個々の事象につきましての処置は又別に心得て処置いたしておるわけであります。只今御質問の点につきまして、お問いつめになりますことの性質がどうであるかということを余り申上げますと原則ばかりが勝つてしまいまして、実際の場合の処置についてのいろいろの心積りという点が影になるようにお取り頂くことを恐れたわけであります。大体まあ我々の方の予算そのものが一つのこれは財源処置であります、半額の財源を処置する。從いましてこれが直ちにその任命権者を拘束する意味ではないのでありますけれども、財源がそれだけであれば任命権者がその財源を見て任命するということになります。地方自治廳の方は又半面から財源についての御考慮があるわけであります。結局縮まることころは、任命権者が両方の財源を睨み合されまして処置をされる。然るに本年のこの定員定額についての処置は、一應この枠で決つた定員を基準として、過剰人員を年間を通じて自然退職等の方法を以て円滑に処置して頂くということであつたわけであります。それにつきまして円滑に処置するために、過剰人員の約半数に関しまする財源は、國の方で將來心配するように努力して置くということを地方廳に申した次第でございます。從いまして地方廳としてはこれらの文部省の通牒及び地方自治廳の通牒を勘案されて、実際にその処置を行われる。我々として地方自治廳に今後と雖もお願いいたしますることは、実際にこの二十六條該当というような処置をせられるというような場合におきましては、十分そうした地方における教育の実情、その他を勘案して頂きたい。この点につきましては地方自治廳においても十分御考慮頂けることと信じておる次第でございます。
○岩間正男君 大変文部行政がニュアンスに富んだ仰せのように今伺つて感じたのでありますが、まあニュアンスがいいでしようが、それは政治性を発揮されることはいいのでありますが、併し末端においてこれが知事なんかがこういう通牒を元にしてそれで以て非常に強硬にやつている。その被害はどこに來るかというと、これは教員、現実の職場のそういうところに來るわけです。そういうことを考えますと、文部省のニュアンス政治もいいか悪いかということは又批判の種になると思うのでありまして、そういうような曖昧なやり方で非常に末端ではいつでもこの混乱を起しておるということでありますから、これはこの問題でそういうことが一例になると思うのでありますが、文部省が予想されていない程末端というものにはそういうことが響く。この点をやはりはつきりされて、文部省の主張するところは主張されて、そうして本当に教員の立場というものを守ることが必要だと思います。教員、教育を守るという点についてははつきりさして頂きたいと思います。このことを私は切望したい。どうもそれが上の方の何といいますか駈引、取引ということが、下の方においては非常に大きく拡大されて、そうして強く使われたりするなどで混乱が起りますからこの点くれぐれもやり方について明確にして頂きたい、こういうふうに願います。
○河野正夫君 一つ奥野課長にはつきりさしておいて頂きたいことがあります。
 先程非常に行政官廳が勝手に議会の空氣を察して右だとか左とかということをやるかのごとき御答弁があつた、私甚だ不満に思う。例えば岩間君から地方財政法第二條の後段を引用されて、自治廳は六・三公共事業費というようなものを獲得するために大いに積極的に動かすべきじやないかというような話が出たときに、成る程公共事業費として六・三経費が出なかつたのは、あれは國会としては出なかつた、予算にはなかつたのだけれども、これは皆さんが不満に思つておられるだろう、満足せられないだろう、その半面に、じや然らばこの義務教育國庫負担の一・三五予算は、國会はこれを承認してその方向に行くのが國の方針である、それについても我々は不満に思つている。片方の不満は、不満に思つているのは一部かんなかで、國会は全部が不満足ながら止むを得ない、そうすべきだと認めて、だからこの通牒を出した。片方の六・三経費の方は不満に思つておるから、地方で裸予算でやつても黙つておるが、御希望であれば又通牒を出してもいいというような脅かしでやつている。脅かしのことは釈明があつたからいいけれども、とにかく一方は國会の方でこれには不満である、一方予算が通過したのは、あれはちやんと國の方針で皆さん御承認になつたのだというようにあなたは勝手に解釈している。國会の行動に対してあなた自身が勝手に解釈して勝手に通牒を出されては困る。國の方針はこうであるというが、國の方針は議会で決める、あなたが決めるのじやない、自治廳が、國の方針はこうだと決めるのじやない、國の方針は國会が決めるのです。そこの限界をはつきりとつけて頂きたい。
○説明員(奧野誠亮君) 御注意を頂きまして有難うございました。或いは言い過ぎた言葉があつたかも知れないと思うでありまして、御好意を御礼申上げておきたいと思います。
○理事(松野喜内君) この問題は今日はこの程度で、皆さんに議事進行についてお諮りしますが、すでに四時を過ぎましたが、最初に御相談申上げた補正予算の内容の説明を願いたいと思つたことが一点、尚又次の國会に提出の予定である方針などの大綱も聞いておきたいというそういう用意もある次第ですが、如何いたしましようか、進行について皆さんの御意見を伺います。
○大隈信幸君 今日はこれで止めて、次回でやつて頂きたいと思います。
○理事(松野喜内君) 補正予算の説明を聞くことやら、次の國会に提出されようと予定されておる大綱については次の機会に讓りたいという御提言ですが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(松野喜内君) それでは御異議ないと認めまして、これは次回に讓ります。今衆議院の方へ吉田專門員が傍聽に行つておられました。その結果を簡單に御報告願いたいと思いますが、如何でしよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(松野喜内君) それでは許します。大体の御報告を願います。
○專門員(吉田隆君) 御報告いたします。懇談会の形で非常に声が小さくて、ずつと前の方でやつておられたので、なかなか聞きにくいので困りましたが、大体のところは法制局長を呼ばれまして共同提案ということは可能であるかどうかということを訊されましたが、從來も例がないのではないが、併し同じ法案を両方から同時に出すということはちよつと考えものではないだろうかということでありまして、結局参議院から今朝お見えになつた二人の議員のお話では、先ず共同提案がいけなければ衆議院提案でもよいというお話であつたからして、衆議院の方から提案することにしてはどうだろうかという委員長の御意見に大体皆さんが御賛成のようでありました。
 それから今日ここにできております大綱というものに則りまして修正をして行くのでありますが、それについては法制局の方で細かい点をやつて貰う、それから九月の上旬に衆参両院の合同の懇談会をいたしまして、その席上で意見をよく檢討し、お互いに歩み寄つたものを基として直して行きたい、大体こういうことであります。御了承を願います。
○理事(松野喜内君) それでは本日はこれを以て閉会いたします。御苦労さんでした。
   午後四時七分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           松野 喜内君
           岩間 正男君
           木内キヤウ君
   委員
           河野 正夫君
           大隈 信幸君
           三島 通陽君
           山本 勇造君
           鈴木 憲一君
  説明員
   総理府事務官
   (地方自治廳財
   政課長)    奧野 誠亮君
   文部事務官
   (初等中等教育
   局長)     稻田 清助君
   文部事務官
   (管理局長)  久保田藤麿君
   常任委員会專門
   員       吉田  隆君