第005回国会 文部委員会 第8号
昭和二十四年九月二十二日(木曜日)
   午前十一時五分開会
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  本日の会議に付した事件
○教育文化施設及び文化財保護に関す
 る一般調査の件
 (尾瀬沼の保存・年齢の数え方に対
 する法律実施後の食糧配給基準の件
 並びに法隆寺、及び中尊寺の件)
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○理事(岩間正男君) それでは只今から文部委員会を開催いたします。
 今日の予定としまして、尾瀬沼の開発の問題と、それから年齢の数え方に対する法律が、この前通つておるんでありますが、いよいよ実施期が迫りましたので、これについて、食糧の配給の問題なんか、それから第三に、今問題になつておりますところに法隆寺並びに中尊寺の問題、こういうような大体三つの案件を主として進めたいと思います。
 先ず最初に、尾瀬沼の問題につきまして、通産省資源廳の電力局水力課長の山岡さんが見えておりますから、この問題について説明をお聞きしたいと思います。
○説明員(山岡包郎君) 通産省の水力課長の山岡でございます。今日尾瀬沼の問題についてというお話でございましたが、多分尾瀬原の問題だと思いまして、その準備をして参りました。尾瀬沼に関する概略のプリントをお配りしてあります。尾瀬原の問題だと思いましたが、先程調査委員会の方から伺いますと、安本が主催になつておる只見川に関する河川総合開発調査協議会の模様も併せてお話ししなければならないというようなことでございますので、今までの尾瀬原を中心といたしまする協議会の内容から御説明して行つた方が便利だと思いますので、それから説明さして頂きたいと思いますが、如何でございましようか、よろしゆうございますか。
○理事(岩間正男君) ええ、どうか。
○説明員(山岡包郎君) 昭和二十二年の末に、安岡が中心となりまして、河川の総合開発調査ということを始めました。その目的は河川の利用は発電、灌漑、その他の利水問題と、それから、洪水を防止する治水問題と、その利水、治水の問題がございまするので、河川の開発というものを総合的に考えて、一つの計画の下に河川の開発を考えたらどうかということから始まつたんでございますが、河川の管理というものは、河川をめぐる官廳というのは、主として灌漑関係の農林省と、それから発電関係の、現在は通産省でございますが、通産省、それから治水関係の設建省と、その三省に跨るものでございますので、安定本部は、総合機関でありますので、安定本部が主催となりまして、先程申上げました河川総合開発調査というのを始めました。数字に間違いがあるかも知れませんが、二十二年の当初においては、全國で多分三十三河川を選んで調査を開始いたしました。それで、この尾瀬原関係のは、当初は尾瀬、只見、利根川総合開発調査協議会というものを作りました。安定本部におきましては、これは官制による協議会ではございませんが、通産省電力局長以下、それから建設省は河川局長以下、農林省はそのときの開拓局長以下、それから事業者といたしまして日本発送電、それから当時農地開発営團というのがございましたので、農地開発営團の首脳部、それと学識経驗者、それから安本の建設局、動力局、そういつた関係者が集まりまして、中央の協議会を作りまして、その協議会におきまして、どこをどういうふうに調査するかという基本案を立てるのと、最後の調査の結果も、そこで纒めるというような仕組みになりました。それからそこで選ばれた調査は、先程申上げました関係の三省が、農林省、通産省、建設省におのおの調査地点を分担させることにいたしまして、この尾瀬原を含む尾瀬、只見、利根川は当時商工省担当といたしまして調査をし始めることになりました。で当時商工省といたしましては、尾瀬原、只見、利根川総合調査協議会というものを、これも別に官制に基くものではありませんが、その協議会を結成いたしまして、商工省はその協議会の重要なことはその協議会に諮りまして、相談しながら調査の実務に当るというような形式で調査を進行いたしました。で当時の商工省といたしましては、実際の測量、ボーリング、そういつたものの手を持つておりませんので、実際のフイールド・ワークは発送電に実務を委託いたしましたが、調査の責任は商工省の電力局にあつたわけでございます。それで第一回の協議会を二十三年の二月に開きまして、二十三年の二月十九日に商工大臣官邸の会議室で以て開きまして、学識経驗者と安定本部、それから文部省、文部省は小林さん、平山さん、武田さん、中井さん、本田さん、鏑木さん、それから厚生省から石神さん、田村さんが、農林省建設部、福島縣、新潟縣、群馬縣、あとは商工省関係でございますが、商工省の本省並びに関東全体の商工省の関係官、それから日本発送電、これだけが約六十名が集まりまして、安本から調査の基本として示された問題につきまして、調査の方向を協議いたしました。でそのときのまあこの委員会で問題になる点だけをピツク・アツプしてお話いたしますと、文部省並びに厚生省からは、尾瀬原を貯水池とすることについては絶対反対であるというような御意見がございますと共に、尾瀬原を水に漬けることを前提とするこういつた協議会には出席できないというような意味の発言がございましたので、その出席の各委員からも、そういうことならば止むを得ないから別途に研究しようということで、当時私は、私のことを申上げて恐縮ですが、当時私は安定本部におりまして、この調査の直接の関係官でございましたが、そのときは会議がそういう模様になりましたので、晝食後のしよつぱなに、自分はこの協議会に出たときには、例えば第一、第二小委員会というのをこさえて、第一委員会においては尾瀬、只見をどういうふうに開発するかという関発関係を研究する委員会、第二委員会におきましては、貯水池になつた場合の國立公園その他文化記念物や何かの調査方法を研究する委員会、そういつたものを置いたらばどうかという考えで出席したのだということを申上げましたが、結局その意見は容れられませんので、形といたしましては厚生省、文部省を除いて協議会というようなことになつた次第でございます。その後におきまして、現地の調査その他の大きな正式な協議会には非公式に文部省と厚生省に連絡いたしまして、昨年の夏の現地調査には文部省からも御参加願つたような次第でございます。で調査の実体のことはここにプリントがございますので、一應このプリントを読上げまして、補足的な御説明をさして頂きたいと、こう思います。
○説明員(横澤富三郎君) それではお配りしましたプリントについてお読みします。
 「尾瀬原貯水池について。
 (1) 尾瀬原の水力発電上の價値。瀬原は只見川の最上流に位する廣大な濕原で、その出口を高い堰堤で締切れば中禪寺湖よりも更に大きい一大人工湖水が現出する。滿水位標高は海抜千四百メートル以上に達するので、その持つ位置のエネルギーは極めて大きく、且つ火力代用として大規模の渇水補給発電を行い得る点で発出上の價値が極めて高い。尾瀬原は我が國発電上の宝庫と言つても過言ではない。尾瀬原の持つ位置のエネルギーは如何に大きいかは下表に示す通りである。」貯水池名、尾瀬原、有効貯水量は七億二千立方メートル、標高千四百六十メートル、位置のエネルギー、これは有効貯水量に標高を掛けた値です。千五十、それに十の〇が九つ付きます、千五〇、十和田湖は有効貯水量が九千九百三十一万四千立方メートル、標高が四百メートルで位置のエネルギーは三十九。猪苗代湖は有効貯水量三億三千三百四十三万七千立方メートル、標高五百十四メートル、エネルギーは百七十一、琵琶湖は有効貯水量五億七千五百七十六万立方メートル、標高八十五メートル、位置のエネルギーは四十九。三浦貯水池はこれは二造の木曾川の上流にあります発電用の貯水池でございます。これが有効貯水量が五千五百八十万立方メートル、標高千三百二米、位置のエネルギーは七十三であります。
 (2) 「現在までの尾瀬原調査概況、尾瀬原の発電上の價値は夙に認められ大正十一年に東京電燈で水利権を取り現在関東配電で継承している。爾來尾瀬原の地形、地質、流量等について一應の調査を行なつて來たが、今回経済安定本部の河川綜合調査に取上げられ、資源廳電力局担当で昨年と今年の夏に尾瀬原堰堤位置の地質調査を行つた。地質は花崗岩の基盤の上に熔岩(安山岩)が乘り、岩屑層を介在するものと推定せられたが、調査の結果は推定の通り深さ百十三メートルで良質の花崗岩床に達した。岩屑と考えられていた層も凝灰岩であり、調査の結果では高堰堤の築造が可能と認められるので、堰堤の型式、高さ、貯水池の規模等に関して目下研究中である。
 (3) 尾瀬原の貯水池計画目標。尾瀬原は上述のように発電上の價値が極めて高いので、地形地質の許す限り大きな貯水池を設ける方が有利である。計画の目標としては尾瀬原の出口を高さ百メートルの高堰堤(重力、石塊、混合型)で締切り、滿水位千四百六十メートル、利用水深六十メートルで有効容量七億二千立方メートルの大貯水池を設ける。尾瀬原貯水池は冬季百日間の渇水補給に利用するので、三月末に空となり、これを四月―七月の雪触水を貯溜して七月末までに滿水に保つ計画である。貯水の内訳は、自己流域で一億五千万立方メートルを貯める外は只見川より二億、利根川より三億、片品川より〇・七億立方メートルの水を揚水する。このため三系統に揚水発電所を設ける。尾瀬原貯水池より冬季渇水時百日間平均八千三百六十立方メートルの水を只見川、利根川、片品川の三系統に分流するときは、揚水発電所だけで平均四十一万三千五百キロワツト、九億九千二百キロワツトアワーの渇水時補給発出が可能となり、更に三川下流の発電所において平均四十五万キロワツト、十億七千八百万キロワツトアワーの渇水時電力増強が計り得る。即ち尾瀬原貯水池の理想的な利用を図れば、冬季渇水時に平均八十六万三千五百キロワツト、二億七十万キロワツトアワーの電力が増強せられる。これは全部火力代用の電力なので、毎年二百七万トンの石炭が節約されることとなるので、石炭資源に乏しい我が國にとつては極めて貴重である。」
○説明員(山岡包郎君) 今読上げましたのは、少し尾瀬原問題に限つたことを書いて、今日のお話と少し懸け離れた感があると思うのでありますが、今までの調査は三つのポイントで問題ができております。一つは、ここに書いてありまするように、尾瀬原の出口においてどのくらいのダムができるか、地質上いろいろな難点がございましたので、その地質調査にここ二ケ年苦心しておつた現状でありまして、地質の全貌がほぼこの九月におきまして分つて参りましたので、ここに書いてありましたように、技術上どれだけの堰堤ができるかによりまして、どれだけの貯水容量をそこに滿すかということで、いろいろ計画が変つて参りますので、地質の結果によりまして、今その堰堤の高さ形式等について研究しております。それから下流の方におきましては、大分これも政治問題化しておりますので、御承知のことと思いますが、只見川の下流におきまして、本流沿いにダムを連続して下流までずつと開発して行く方式と、それから世間では新潟湾と呼ばれておりますが、この図面のちよつと北のもう少し北のはずれになつておりますが、奥只見というところがございますが、奥只見のその又下流のところから新潟の信濃川に向つて流域変更をするという考え方の二つの方式がございますので、そのどちらを取るべきかということについて今眞劍に研究中でございます。それからもう一つは、これは電力技術上の問題でございますが、これだけの大電力をどういうふうな考え方で使うかという問題でございます。掘り下げて申上げますと、この電力を関東関西にばらまきまして、今現に困つておる火力代用といたしまして、少くとも本州中央部においては無火力運轉をするようなことに考えて行くべきだという問題と、それからそういつた方面へ送電しないで、新潟、福島あたりの、その只見川の附近の電源地帶に電力を起しまして、そこでカーバイドとその他それから発するビニール系の生産物とか、肥料とか、そういつたものの電力源に当てるとか、それからその二つの中間に考えて行くか、大体この三点につきまして目下研究しておる現状でございます。大体説明申上げたような次第であります。
○理事(岩間正男君) それでは只今の説明に対しまして、何か御質問がございましたら……。
○高良とみ君 あの尾瀬沼は、昨年の夏以來、今年にかけて、関東配電のトラツクが入つて、單なる調査でなく、何かのダムを構成し、基本的な仕事をしていますか。
○説明員(山岡包郎君) それはきつとこういうお間違いだと思いますが、関東配電はここのプリントにも書いてありますように、現在水利権だけは関東配電にございます。それから関東配電はこの問題については関係ないと思います。それから今工事をやつておる、この委員会にはちよつと最初尾瀬沼というお話でございましたが、この見にくい地図でございますが、尾瀬原としてある、ちよつと尾瀬沼というのがこれが尾瀬沼の出口に高さ二、三メートルのちよつと下にダムを作りまして、八百メートルの隧道で、この南側の方に片品川というのがございますが、片品川の方に隧道を抜いております。これは日本発送電会社の工事でございまして、暫定の措置といたしまして、多分本年度、今年末にその隧道が完成する予定でやつておりますが、そのお間違いじやないかと思います。
○高良とみ君 そうすると私が伺つて了解した程度では、今研究中という、安本を中心として立案中という、それ以上は……。
○説明員(山岡包郎君) 調査中でございますが、尾瀬原に対しましてはこれは調査中でございます。それから下流の方では会津若松からちよつと参りましたところに宮下というのがございますが、宮下の発電所は戰時中から工事をいたしておりまして、現在そのダムは工事中でございます。それから宮下のちよつと上流の脇に沼澤沼というのがございますが、これは今年度から工事に着工するというつもりでGHQの承認も得まして、工事に着工することになつております。
○高良とみ君 更にお伺いしたいのは、文部省及び厚生省からは反対意向があつて、第一回の調査には参加することを拒絶したというような実情であります。今度のこの案が少しでも具体化する場合には、各省及び世論の支持を得て、その案をお決めになり、國会は勿論お通しになる意向だろうと思うのですが、その了解は計画の中にあるわけですか。
○説明員(山岡包郎君) これは、この委員会はどういうものか、私そこまで……。ただ水力課長の身分でございますから、そこまで申上げるのはどうかと思いますけれども、電力計画、若しそこへ発電所を実現いたすことになりますれば、水利使用の出願を会社なり何なりからさせなければなりませんが、そのときの第一次の水利権の認可権というのは府縣知事が持つております。それで府縣知事に会社が出願いたしまして、そうして府縣知事は水利使用に限りましては、建設省、通産省に禀請して参ります。その間にこういつた問題につきまして府縣知事が文部省なり、厚生省の御意見を多分聞くのではないかというふうに思います。で計画それ自体の問題を國会にかけたというようなことは聞いておりません。
○大隈信幸君 私は質問というわけじやなく、意見みたいになるのですけれども、よろしうございますか……。この尾瀬原貯水池の問題は、私達は公平に判断するために、安本の方に來て御説明して頂くのがよいと思うのです。要するに、日本におきますところの電力の需要の絶対量というものは、どれだけなければならないかという問題を我々はまだよく知らないわけでありまして、絶対量がどうしても足りなくて、いろいろな総合的な見地から、尾瀬原を利用しなければならんということになれば、或いは文化的資源を水底に葬むることも或いは止むを得ないのではないか。そう思うのでありますけれども、果してそこまで総合的にこの問題が檢討されておるかどうかということを我々はまだよく知らないのであります。電力の絶対量がどれだけ必要であるか、そういう問題に関連いたしまして、尾瀬以外のところに相当に電力資源というものは、日本中には可なりあるのであつて、尾瀬をどうしてもやらなければならんという理屈がまだ我々によく呑み込めてないと思うのであります。それでその場合に、必ずしも非常に、発電上の宝庫ということを盛んにいつていらつしやいますけれども、それがいろいろな意味から発電という單なる点から考えないで、失業救済という問題もこれは絡んで参りましようし、又経済的な問題、それから日本の産業構造を一体どうするのか。化学工業を盛んにこれから持つて行くというのなら、或いは電力というものを大いに開発しなければならん。そういう問題も果して解決されておるかどうか分りませんし、又失業の点というのは、結局こういう山奥へ持つて行つてダムを作るために、失業救済がどのくらい得られるものかどうかということも一應考えなければならんと思うのであります。それから森林資源と申しますか、そういう点からも、相当あそこには森林地帶でありますから、森林地帶がすでに一種のダム作用をなしておるわけですから、そういう意味からも、むしろ森林のないところにダムを作つて植林をして行くということも、或いは大きな國土計画から必要ではないかということも考えられるのであります。それでこういう意味、又さつきのお話でありますと、石炭を節約されなければならないから、火力発電をセーヴする意味で水力発電は盛んにしなければならんという御意見でありますけれども、この前石炭が非常に足りないと言つて騒いで、つい二三年前のことでありますけれども、それが今日石炭が余つておるというような状況を見ておるわけでありまして、電氣が足りない足りないと言つておつて、やつて見たら余つちやつて、電氣を水の中へ捨てなければならんというようなことが、果してないということが言えるかどうか。それも問題だと思う。火力発電も相当にいろいろな意味から決して無視できない問題である。火力発電の方が有利であるという場合も相当考えられるのじやないかと私は思うのであります。でありますから、結局現在ございます発電所の設備が相当老朽になつていたんでおる。それを修理し新らしくして行き、又改良すべきところを改良したら、相当電力のプラスが出て來るのじやないかという問題も一方において考えられるわけですが、そういつた総合的な意味からこの電力開発、これに関連して尾瀬原の貯水池という問題を、安本の係の方から伺つて、公平な判断をして行くのが妥当じやないかと思うので、次の構会に委員長から安本の方を呼んで頂いて、こういうお話を聞かして頂いたらいいんじやないかと、そういう希望を私は申上げて置きます。
○理事(岩間正男君) 只今の大隈委員の御意見並びに提案に対しまして、無論本委員会はこれをいろいろな角度から檢討しなければならん、現に科学博物館長の中井氏もここに見えられて、後刻この点についてお話があると考えておりますが、御尤もな要求だと思いますので、この次には安本側の出席を要求したいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岩間正男君) ではそういうことに決定いたします。只今の通産省の側に対して、何かもつと質問がございましたら……。
○鈴木憲一君 電力関係について今大隈委員からお話がありましたが、御尤もなことで、その点は是非そうして頂かなければならんと思いますが、私がお伺いしたいのは、これはどのくらいの財源でやれるかというような、そういう見通しは大体できておるのですか。
○説明員(山岡包郎君) これはまだ計画がコンクリートしておりませんのであれでございますが、六十メートル程度のダムを作つたらということで、一つの試案がございます。それで只見川を水流沿いに開発する、先程も申上げましたように、信濃川の方へ流域変更をするということの二つの案がございますが、概算いたしまして、約一千億の工事費がかかると思います。
○鈴木憲一君 尚続いてお伺いいたします。尾瀬原が非常に嘱望されておるのは、今ここにプリントに出ましたような非常な有利な條件の外に、何かここをやれば非常に便利な有利な点が認められるのでございますか。貯水量とか標高、エネルギー、こういうものの外に、或いは位置とか或いは財源とか、そういつたようないろいろな方面から……。
○説明員(山岡包郎君) これは私の本当の個人的な意見を申上げたいと思います。ここで電力局の意見というのでは困ると思いますので、そういう意味で申上げたいと思います。私個人の理想でございますが、こういつたポンプ・アツプの地点ができますと、日本は非常に急流な河川でございまして、雪どけだとか、夏の豊水期には非常な水が流れますが、御承知のように冬になりますと雨量も少ないし、それから電源地帶に降つたプレシビテイシヨンも全部雪となつて河川流量が流れない。そこで水路式発電所におきましては、水の出るときと出ないときとがございます。こういつた大貯水池ができますと、豊水期において余剩電力を全部尾瀬へ集めまして、只見川なり、利根川からその使えない電力で以て水を汲上げる。そうして他の水路式の発電所の水が出なくなつたときに、ここから水を落しまして渇水期の補給にする。こういうふうな使い方になると思うのでございますが、その場合に、こういつた大貯水池ができない場合には水路式の発電所の設計というものが水量を多く取れない恰好になると思うのです。それを詳しく申上げますと、河川流量に比較して発電設備を大きく取りますと、河川流量の利用率は高まりますけれども、発電設備の利用率は小さくなります。それから使用水量を少なく取りますと、しよつ中水が豊富に、設備以上に豊富にあるものですから、設備の利用率はよくなりますが、河川の水の利用率は少なくなります。設備を小さくとれば設備の利用率がよろしいのですから、結局計算上は非常に得なものになりますけれども、日本全体の総発電力というものは少なくなつて参ります。こういつたポンプ・アツプの貯水池ができますと、今まで設計していた水路式最大水量を非常に大きくとりまして、余剩電力を拵えてここに持つて來て、それを價値のあるときに放流するということで、日本全体の水力の、包藏水力と申しますか、レベルが上つて來る。こういう利点もあると思います。
○鈴木憲一君 尚次に、印刷物によりますというと、冬季渇水期の発電力が、文部省で渡されたものとは非常に差があるのですけれども、これはどちらが本当なんですか。
○説明員(山岡包郎君) 文部省からどういうプリントが出ておるか私承知いたしませんが、これはここに書いてありますように、百メートル程度の貯水池ができたならばこうだと、一つの目標計画でございまして、この数字自身は調査の進行につれて動く性質のものでございます。
○鈴木憲一君 その計画は安定本部が主になつてやられた総合計画のときのものなんですか。
○説明員(山岡包郎君) いいえ。
○鈴木憲一君 そうでなく、若し百メートルとしてやればこうだと……。
○説明員(山岡包郎君) ええ、そうでございます。
○高良とみ君 二三伺いたいのですが、只今の御説明を伺いますと、これは利根川の常に問題になります出水の根源を、こうやつて治療するというような河川対策の根本がこの背景にはあるのでございますか。いわゆる治山治水の方から、こういう大きなダムを作ればいつも水の出は……沼田からこの辺の利根川上流が流す水が調節されるという考えがあるのですか。
○説明員(山岡包郎君) 利根川全体の問題につきましては、左程まで治水に効果があるというふうには思えません。利根川上流部におきましては可なり治水の効果はあるのです。それで先程ちよつと申し落しましたが、最初は利根、只見、尾瀬総合開発協議会でスタートしておりましたが、現在はそれら協議会を二つに分けまして、利根川総合開発協議会というものを建設省担当で調査しております。それから利根川を分離いたしまして、尾瀬を含む只見川の調査を通産省が担当してやつております。尾瀬の問題につきましては、どつちへどういうふうに流すか、理想案は三万から、片品川と利根川と只見が関係しておりますが、尾瀬をどういうようにもじるかということについては、両方の協議会の会議の上で考える、こういうようになつております。
○鈴木憲一君 委員長に伺いたいのですが、これはこの前私欠席したのですが、この前にもこれが出たように思うのですけれども、これは急に尾瀬原がどうこうなつて來るというようなためにできたものですか、その点を委員長はどういうふうにこの前……。
○理事(岩間正男君) これはこの計画を遂行するまでには相当の時間があるのだけれども、今問題の焦点になつているから、これを本委員会でも取上げて、これに対して調査したりする、或いは実施なんかももつと視察をして、これに対する総合的な立場から、天然資源保存というような点で非常に價値がある。そういう点を文部省側が言つており、或いは通産省側の方では、又これは電源開発の面から話がまだ纏まつてない。これをもつと総合的な立場でやはりこの問題を解決しなければならん。そういう点において、当委員会はいろいろな調査をすべきであるというので調査段階にある。大体この程度でよろしうございますか……一つお伺いしたいのですが、さつきのお話だと文部省側では、今までこの連合委員会を持つておつた。併し尾瀬原を湖水にするということを前提にする限りにおいては賛成できない。こういうので文部省から手を引いたというようにお話があつたのですが、文部省のこの前の意見では、これは私の記憶するところによると、どうも文部省はいつの間にか締出されてしまつた。こういうふうに聞いておるのですが、そこの食違いはどうなつておるのですか。
○説明員(山岡包郎君) これは速記録をとつたわけではございませんが、当時のメモがあるのでございますが、これは嚴密な意味の速記ではございませんので、ただその要旨を書いて置いたのでございますが、これはそういう意味で間違いがあるかも知れませんが、その点御了承願いたいと思います。文部省意見として文化課長と書いてありまして、文化的、平和的國家を作るため、昔より存在している文化財は生かして行かねばならん。尾瀬原は日本の文化財でも世界的なものでもある。それから厚生省意見として田村博士。本計画に対しては各方面より十分檢討して決めるべきである。尾瀬原が日本最古のものならばいたしかたないが、まだそのときでないと思う。又GHQよりも國立公園の保護指示を受けている。一方的でなく國家政策として大所より決めるべきで、特殊の会議でなく、國民の輿論により決めるべきだ。それから石上計画課長といたしまして、風景資源が日本の再建の鍵である。國立公園として世界的なものは保存せねばならん。こんなような意見がございます。それから山岡といたしまして、文部省は尾瀬原に一指も染めさせん。厚生省は最後の段階で決め、早急に手を着くべきでないとの意見だが、我らは尾瀬原の究極の姿を描いて委員会で計画を進めたい、我らで一方的に定め、あとで文部、厚生省の希望を容れて、國策にかけるべき方針を決めて貰いたいというようなことを言つております。
○理事(岩間正男君) 私のお聞きした要点では、今のお話では納得できないようですが、その点もう少し、若しここでお答え頂けなければ又あとででもはつきりさして頂きたい。この点やはりここに食違いがあるように思われます。
○説明員(山岡包郎君) ここに文部省の方がおられましようか。いらつしやらない所で言うのはどうかと思いますから……。そのときの記憶に遡つてお話ししたいと思いますが、当時の責任者はおられますか。
○説明員(武井貞賢君) 文部省の方に会議録がありますから、これと合せて頂いたらどうですか。
○説明員(山岡包郎君) そう格式張らずに先程もちよつと触れたのですが、そういうふうに文部省として非常に強硬な御意見だつたのです。僕はその時分安本の若僧でしたから、お偉ら方の皆さんから、そんな意見なら厚生省、文部省は締出したらいいじやないかと言つたら、多分そんなことを言うなというようなことを言つて止めて呉れるだろうと思つたが、新潟縣知事の岡田さんが、もう少しなごやかにやろうやと言われただけで、あとは各局長さん方は全部が反対なんです。そういうふうに言われたなら別れちやうよりしようがないじやないかということでしたが、食後の懇談に入りまして、先程申上げましたように、又第一委員会、第二委員会を作つたらどうかというので撚りを戻したのですが、それはさつき決まつた問題じやないかと、そのとき座長は内海博士でしたが、それは決まつた問題じやないかということで追拂われた。これが事実でございます。
○理事(岩間正男君) それでは文部省側の要点を今の問題について……。
○説明員(武井貞賢君) 今の協議会におきましての、今後この問題について文部省が出席しないというようなことにつきましては、全然その事実がないと私は思います。当時直接この会議に出席されました責任者は只今おりませんので、その点は詳細にすることはできませんが、当時の記録の一つを御参考までに申上げます。ずつとございますが、「文部省としては学識経驗者を加えるよう要望し、厚生省も同樣の意見を述べたが、結局小委員会は計画を促進する側の者のみで構成すべきものであるとして、文部省の要求は多数を以て否決された。」という記録がございますのですが、この記録を以て見ましても、文部省がそういう意見を申したことは毛頭ないと思います。
○理事(岩間正男君) それでは僕の質問に関する限りは分りました。いずれこの問題はもつと調べて、その対立を私共は何も問題にしておるのではなくて、どういう合理的な解決をしたらいいかということを考えておるのでありますから、その当時者間の食違いにつきましては私共は余り関與する氣持はないのです。
○高良とみ君 先程質問を残したままなのですが、この問題は大きなものでありますが、先程電力局長の御説明では、こういうような問題は地方知事の許可権にあつて、建設省がその許可権を認めて行けば、國会にこの問題をかけたことがないような先例の御説明があつたかと思うのでありますが、國土の大きな仕事をするということは厚生省、文部省、いろいろな関係があるのですから、安本なり、電力局、資源局がそういうことをお進め願うのだと困ると思いますので、その点今でもそう考えておられるかどうか、お伺いしたいと思います。
○説明員(山岡包郎君) これは問題が非常に大きいものでございますから、結局價値判断になると思うのですが、電力だとか、そういう資源の開発がそういう天然記念物に優るか、そういつたものを犠牲にして天然記念物を保存するかということになりまするもので、我々一方的に判断はできないものと思いますので、計画調査は進めますが、多分こういつた大きな問題は何らかの形式で輿論に問うなり、國会の問題になるのではないか。先程申上げましたのは普通の発電所の問題でございます。
○高良とみ君 この尾瀬原についてだけではないのですが、その一定の道筋だけおつしやつただけで、こういう大きな計画は計画に関する問題決定は外の省と関連して國会にかける、國会の意見によるということに了承してよいのですか。
○説明員(山岡包郎君) 私まだそこまでの権限はございませんので、今までの法規ですと、我々の方は建設省と打合せ、発送電の方へ建設命令を出すとか、國家管理法とか電力管理法とか、そういうようなものでやつておりますので、法律的にはそういうあれはないと思いますが、多分運営上はそういうことになるのではなかろうかと想像いたします。
○高良とみ君 その点は若し発送電会社に命令で以てそういう指示をするというようなことだと、法規上にも不十分な点があるのではないかと思いますが、その点についても私共委員会としては十分調査して行きたいと考えます。そうしないと一部の会社が國民のいろいろな文化的なその他の利益を無視して、ここに湖水を作つたり、発電所の許可が取れたり、それで実行になるとやはり非常に関連が多いものですから、そういうものは法規上に不備な点があるのではないかと考えます。そういう希望を申上げて置きます。
○説明員(山岡包郎君) ここの地帶は國立公園に指定されておりますから、その意味においては厚生省に相談をするだろうと思います。ここは天然記念物に指定されておるのでしようか、若し天然記念物に指定されておりますならば、きつとその点について厚生省と相談をしなければならない。法規上はそういうふうになると思います。
○理事(岩間正男君) どうでしようか、この問題は外の案件もありますので、この辺で通産省側の説明はこれで打切りにいたしまして……。
○説明員(山岡包郎君) 今の問題は局限したように恰好になつておりますので、その当時の出席者の名前を読上げますから、それを一つ聞いて貰いたいと思います。若し問題になりますならば聞いて頂きたいと思います。学識経驗者としては、内海さん、久保田さん、鈴木さん、それから藤原さん。それから経済安定本部としては高野さん、雨森さん、伊藤さん、菊池さん、山岡さん、畠山さん、川勝さん。それから文部省といたしましては小林さん、平山さん、武田さん、中井さん、本田さん、鏑木さん。厚生省といたしましては石神さん、田村さん。農林省といたしましては櫻井さん、加藤さん。建設省では伊藤さん、村さん。それから福島縣からは石原知事、井關さん、伏見さん。それから新潟縣からは岡田知事、島田さん、西さん、本間さん、大西さん、五十嵐さん、佐藤さん、由良さん、佐々木さん、群馬縣からは八島さん、河野さん、堤さん。商工省からは玉置さん、岡崎さん、渡部さん、横澤さん、青山さん、香月さん、八島さん。関東商工局は岡村さん、高畑さん。仙台商工局は渡邊さんと篠原さん。日本発送電から進藤さん、平井さん、矢崎さん、野瀬さん、土屋さん、中村さん、此松さん、後藤さん。以上の者が出席しております。
○理事(岩間正男君) 参考までに承わつて置きますが、まあ先程も申上げましたように、我々はそういうような過去の対立がどうしたとか、こうしたとかいうことはそう重要なことではないので、ただどう進むべきか、よい方法について当委員会は善処するだろうと思います。
 では次に、科学博物館長の中井さんが見えておりますから、同じく尾瀬沼の文化財としての價値の点について御発言を願いたいと思います。
○説明員(中井猛之進君) それでは簡單に申上げます。尾瀬ケ原一帶、周りの至拂、燧に囲まれまして、そうして非常に珍らして植物が豊富にある所でございますが、殊に尾瀬ケ原はその中で高山の濕原として最も代表的なものでありまして、北海道あたりで代表的濕原として天然記念物に指定されておりますもの、或いは福島縣あたりで指定されておりますもの、そういうものの特徴を全部あそこに網羅しております。而も種類としても殆んどすべての種類をあそこに網羅しておるのみならず、あそこは浮島がありまして、その浮島が大小いろいろなものがある。これは葦が主として浮くようになるわけであります。その上に特殊に山地植物や高山植物が多数に繁茂しております。その中で最も珍らしいと言われておるのは、その島にしか今まで見つかつておりません特殊な五葉の松がありまして、これはあそこでなければない。世界中あそこでなければない。而もその多くは浮島の中にしかないといつたようなものがある。それからナガバノモウセンゴケというようなものが密生して、非常に奇観を呈しておりますが、ナガバノモウセンゴケというものがあるのは日本廣しと雖もあそこだけしかない。その他尾瀬ヶ原に特有のアザミとか、オウサクラソウの種類もある。そのようにいろいろな種類が沢山あります。そうして春五月の半ば頃から、そろそろ水芭蕉が頭を持ち上げ始めてから、一週間ごとにその植物層を変えて行つて、そうして八月一杯で先ず植物層の変化は終つてしまうのであります。それからはもう霜が來ますし、直ぐに雪が來ます。日本は今は樺太を失い、北滿を失つてから、ツンドラというものを見ようとしても、樺太にあつたようなものを見ることはできないのですけれども、ただあそこにだけは見ることができるのであります。その学術的な大事な資料を水の中に埋めてしまつて、絶やしてしまうということは、如何にも忍びない。私は植物学者でありますから、痛切にその点を感じるのであります。尚これを別な見地から見ますれば、ああいう高山特有の風景というものは他に見られないのでありまして、これを潰すということは、一度あそこに遊んだ方は皆残念がられて話しておられます。只今のお話によりますというと、文部省なんぞは、故意に何か退却でもしたかのように非常に響きますが、私はあのときは、会議に招集を受けて午前中出ました。ところが電力関係の方が大多数でありまして、いきなりこれを行うについては座長を選ばなければならんということを発言せられて、直ぐに座長は内海博士でなければいかんという推薦がありました。それで座長の椅子に著かれた。それから今度は電力の足らないことが強調されまして、それから今度は文部省の意見ということでありましたが、あそこを一番よく知つている人は厚生省関係の武田久吉博士であります。これは明治三十九年からあそこを調べて、そうして著書もありますし、一番よく知つておる人であります。それで武田君、一やつて呉れということで、武田君に話をして貰いましたところが、何だというような発言がありまして、結局はその植物とは何だというようなことで、頭から揉み潰すような空氣でありました。私はこんな会にいて議論をして見ても始まらんと思つて、私一人は午前中にその会が済む少し前に退却してしまいました。そういう空氣でありますから、これは電力関係の方だけの御計画であると思いますが、併し凡そ先程からのお話もありますが、いろいろな方面からこういう重大な問題は檢討しなければならん。文化資料というものも保存しなければならんだろうし、日本の一種の風景というものを、特殊のものも保存しなければならんし、学問も一つには止まらない。いろいろなものがあるわけですから、それをよく檢討した上でやつて頂きたいのでありまして、我々は敢て喧嘩などしようとは考えておりませんが、併し過去のその会の空氣のようなことでは、ただ一方的の計画に終つてしまうと思いまして、甚だ遺憾と思いますから、それを附加えて置きます。
○理事(岩間正男君) 只今の御説明に対しまして、何か御質問がありましたら……。
○大隈信幸君 その植物と言いますか、そういう学術上世界的に尾瀬ケ原が價値があるとい点を、もう一遍ちよつと教えて頂きたい。
○説明員(中井猛之進君) それは、日本の山地植物というものは、大部分が日本の固有のものから成つております。それに、サーカム・ポーラー・エレメンツという、極地をめぐる実地帶のものが加わつて、そうして日本の高山の植物というものができている。高山の沼地帶たると、乾燥しておろうと、皆その分子から出ている。その代表的の群落でありますから、これは世界で唯一であるということが言えます。一々の植物の名を申上げても仕方がないと思います。
○高良とみ君 お伺いしたいんですが、この尾瀬沼の学術的研究はまだ盡されていない。まだまだこれからいろいろな発見があるというお見込でございますか。例えばその北極の寒い所にあるような物がそこにあるのは、ただ地域的とか、高度とかによらないで、外のものによるというような、地質学的に、濕度の問題や湿度の問題で御研究の余地が十分にあるというお見込でございましようか。
○説明員(中井猛之進君) それは私共はいつでもそれを言つておりますが、何分研究費を持ちませんので、それができないでおりますが、併し植物生態学をやつている人達は、あすこぐらいいい一体材料がないということを始終言つております。又行くたびに、新らしい植物やら、新らしい問題で、新らしく発見される植物が見付かりますから、まだまだあれは大いに研究しなければならんと、冗談にこういうことを話し合つたこともあります。今度どうしてもあれを、議会で潰してしまうと、水に沒してしまうということが決まるならば、我々も抵抗するわけに行かないが、残念ながらそれに從わなけけばならない。その場合に、最悪の場合には今度は何十億とか何とか、余程大きな費用であそこができるのだろう。ですからその中のせめて一割でも或いは五分ぐらいでも学術的の調査費に頂いたら、そうしたら本当に面白い世界的に論文ができるであろう。又將來の学術のためにも非常に役に立つ論文ができるであろうというようなことを話合つておるくらいであります。
○高良とみ君 それは学術振興会でそういう学術上の保護はなさるべき任務があると思うのですが、その方面の植物関係或いは自然科学部門で、これは保護すべきものであるというような意思表示をして内閣にお出しになつたことがありますか。
○説明員(中井猛之進君) それは存じませんが、併し日本学術会議のメンバーには絶えずこのことを話しておりますし、彼らも私が話した人は全部私共の意見に賛成して呉れておりました。
○高良とみ君 やはり総合的に意見を纒めるべきでございます。そういうところからも始終意見をお出しになつて、危險であるという赤信号をお出しになつた方がいいということを希望して置きます。
○鈴木憲一君 ちよつと館長にお願いして置きたいんですがね。館長は主として植物の方をお話し下されたんですけれども、やはり動物とか、地質、地形、そういう方面のこの價値についてどなたか適当な方を紹介して頂いて御意見を伺いたいと思うのです。次の機会あたりお願いいたします。
○理事(岩間正男君) そうすると外に御質問ございませんか……、そうしますと、この尾瀬原の問題につきましては、大体この程度で打切りたいと思います。この問題につきまして、先程大隈委員、只今鈴木委員から要求のございました安本側と、それから動物並びに地質学の專門家を招いて頂きたいというこの点、委員長の方で取計いたいと思います。安本の方については建設交通局開発課等、それからエネルギーを研究している資源委員会と、こういう所が一番この問題に関知しているわけで、このところをこの次の委員会では呼びたいと思います。
○大隈信幸君 その安本の問題ですが、ちよつと大きい見地から、この問題を把握して頂いたいらつしやる方に御意見を伺いたいので、余り細かい点でなく、総合的なこと……。
○理事(岩間正男君) 只今の御要求ではそういうふうにいたしたいと思います。それから動物地質学の方面は今適当な方を探して、只今の御意思にも沿いたいと思います。それでは尾瀬原の問題はこれで打切ります。
  ―――――――――――――
○理事(岩間正男君) 次に年齡の称え方に関する法律の実施について……。
○大隈信幸君 この問題につきまして、ちよつとこの間も新聞に出ておりましたが、総理廳で何かいろいろお集まりがあつて、いろいろお話があつたようでございますが、そのことについて專門員からお話をして頂きたいと思います。
○專門員(竹内敏夫君) 年齡の称え方に関する法案は、御承知のように第五國会におきまして、全員一致を以てこの委員会から提案され、通過いたしまして、又両院共全会一致を以て通過いたしました。ところがこの法律の実施は明年の一月一日からになつておりますけれども、そのためにはいろんな準備をする必要がございますし、それからこの委員会を通過しますときにも、これは官房長官もその点については政府は万全の措置を講じたいというふうなお話もございましたわけで、我々は非常にその実施については心配しておるわけなんでございます。ところがなかなかその具体化がしないものでして、そこで專門員室が大体中心になりまして、総理府の審議室にお願いしまして、早急にその対策を講じて欲しいというようなことを申上げました。総理府の方もいろいろに御心配になりまして、その第一回の会合を九月十四日の午前十時半から総理府において開きました。そこへは法務府、それから農林省、文部省、食糧公團統計課、総理府の審議室、それだけの方々が御出席になりましたのです。そこでその席上私から、大体この法案がどうしてできたかという立法の趣旨と経過を説明申上げまして、その次に、では一体この法律を実施するについてはどういう点が問題になるかというふうなことにつきまして、各方面からの御意見を伺つたわけなんであります。ところがなかなか考えて見ますと、具体的ないろいろな場合においては疑問が生じますし、それから食糧配給の場合においては、一年何回切換えるかというようなこともまだ決ま誠ておりませんので、それで大体その席上におきましては、今月の末か十月の初めまでに各省から具体的な実施策を持ち寄つて、そうして具体案を決定するというようなことで以て散会いたしました。それで追つつけ又第二回の集会を開きまして、その具体策を決定し、次いでそれを如何にして周知徹底せしめるかというようなことも、次々これは相談するということの必要があると思つておるわけであります。現在大体そういうところまで参つております。
○理事(岩間正男君) 只今問題につきまして、経済安定本部の生活物資局食糧課の佐藤さんが見えております。
○説明員(佐藤清美君) 只今御紹介を頂きました佐藤でございます。年齡の数え方につきましては、先程來御説明がありますように、法律が制定されまして、來年の一月一日から施行になる。それに伴いまして安定本部では食糧の需給計画というものを立てておりますが、その場合に一般消費者に対してどういう基準で配給するかということが基本になりますから、一應案を作りまして、安定本部内にあります國民食糧及び営養対策審議会という所に一應諮問いたしました。その結果一つの案が纏まりまして、それを関係方面とも連絡をいたしまして、九月五日の閣議で決定をいたして発表をしたような次第であります。その内容につきまして、若干の御説明を申上げて見ますと、現在主食の配給をしておりますのは数え年で区切りまして、おのおのブロツクを作つて基準量と決定しております。その例を申上げて見ますと、数え年で一――二歳の者が二一〇グラム、或いは成年層でありますれば、二十六歳から六十歳までが三八五グラム、この三八五グラムというのが一般に言われております二合七勺に相当するわけであります。ところが來年一月一日から、この数え年というものがなくなりまして、全部満年齢になるということになりますと、年齢による数量というものが数え年と満齢と相当変つて参るのであります。実は食糧の需給計画は御存じでもありますように、アメリカから相当の不足量を補填して頂いております関係もありまして、本年の七月から來年の六月までに大体二五〇万トンの輸入をするということに大体話が付いておるわけであります。ところが満年齢に結局切換えることによつて、主食の所要量が変つて來るということになりますと、輸入量にも影響して來るということから、現在の数え年の場合と満年齢に切替えた後におきましての所要量というものに差のないようにするということを第一の眼目にいたしまして、審議して見たのであります。結局数え年を満年齢に切替えますと、個々の個人々々につきましてはいろいろ差がありますが、平均いたして見ますと、大体一年半呼び年齢というものが若くなるということが大体出て來るのであります。そういたしますと、現在の数え年の年齢区分を一年半だけ若くした、数え名を小さくしたのに基準量を当嵌めて行けばいいのじやないかという議論も出ますが、一年半という区分については現実に仕事をする場合にいろいろ問題がありますから、一應満年齢になつた場合にも五歳から八歳とか、或いは九歳から十三歳というように、満年齢になつた場合にも同樣に行きたいという考えでいろいろ案も練つて來たのであります。最初に考えられますのは、現在の一――二歳というグループ、即ち二百十グラムを貰つておる者の適用を、満年齢後には零歳と一歳の者に二百十グラムを適用する。それから現在三――五歳が二百七十グラムを貰つております。これも一年若くいたしまして、三――五歳を一年ずつ若くしまして、満年齢にしまして、二――四歳の人が二百七十グラムを貰う。この区分の仕方が一年ずつ呼名を若くして満年齢にするということが一應考えられるのであります。そういたしますと、先程申上げましたように、一年半呼名が若くなるのに対して一年だけということになりますと、食糧廳の方が食糧を配給する場合の数量は当初考えておつた数量だけ要らなくなる。大体三万二千トン程度所要量が減るという結果になるのであります。ですからそれを逆に申上げますと、配給を受ける國民の方は三万二千トンだけ少い配給より受けられないという関係になつて参ります。そこで各年齢が必要とするカロリー量、それに対しまして主食で配給する量、即ち充足率等を考えまして、どのグループが最も不足を感じておるかということをいろいろ吟味いたしまして、大体次のように決定をいたしたのであります。現在一――二歳が二百十グラムというのを、満年齢になりましてからは零齢と一歳の人が二百十グラムを貰う。次が三――五歳が現在二百七十グラムを貰つておりますが、満年齢になりました場合には二歳――四歳の人が二百七十グラムを貰うということに下の方はいたしまして、次の六歳から十歳までが現在三百二十グラムを貰つておるのであります。それを五歳から八歳が三百二十グラム貰う。即ち一歳ずつ若くいたしますれば、五歳から九歳ということになりますが、それを五歳から八歳の人が三百二十グラムを貰う。このグループの人の充足割合等を考えまして、二年だけ呼名を若くするということをここで考えたのであります。次が現在十一歳から十五歳までが四百グラムを貰つておるのを、九歳から十三歳までいずれも二歳ずつ若くなつておりますが、九歳から十三歳までの人が四百グラムを貰うということにいたしたのであります。次が十六歳から二十五歳までが四百五グラム貰つておるのを、十四歳から二十四歳の人が四百五グラム。次が我々成人でありますが、二十六歳から六十歳が三百八十五グラム貰つておりますのを、満年齢になつた場合には二十五歳から五十九歳、これは一年ずつ若くなるだけでありますが、二十五歳から五十九歳の人が三百八十五グラム貰う。老人の方は六十一歳以上が三百三十貰つておるのを、六十歳以上ということにいたしますると、大体現行の数え年で配給した場合と所要量は殆んど差がないという結果になつて現われて來るのであります。先程御説明いたしました一年半若くなるということがどうもはつきりしないというようなこともありましたから、一應例を取つて申上げて見ますと、二十三年、即ち昨年の一月に生れた人が來年一月一日、即ち満年齢に切替えられるときと、現行通り数え年で行く場合との双方を比較して見ますと、二十三年の一月に生れた人は、二十五年の一月になれば数え年は当然三歳になるのであります。それが満年齢で取りますと、二十三年の一月一日から二十五年の一月一日であれば、同じく満年齢は二歳になるということになります。両極端を行きまして、二十三年の十二月三十一日に生れた人は、二十五年の一月一日で同じくやはり数え年であれば三歳である。ですけれども満年齢の方で行きますと、二十三年の十二月に生れた人は二十五年の一月では一歳と一カ月というようなことになりまして、月によりまして満年齢になることによつて損をする程度が非常に差があるということがはつきり分つて來るのであります。以上申上げましたのを平均をいたして見ますと、一月一日で計算をいたしますと、二歳だけ呼名が若くなる。一月一日の人だけは満年齢になつた場合に二歳という満年齢でありますが、それが一月二日以降になりますと、一歳と十一ケ月幾日というようなことになりまして、殆んど大部分は二歳若くなるということになるのであります。それを七月一日で計算をいたして見ますと、十二月の人と一月の人と平均いたしますと、一歳半若くなる、二十五年の十二月末で行きますと一歳若くなる。これを各月にやりましても同樣ですが、これを平均いたしますと一歳半若くなるということが了解して頂けると思います。
○理事(岩間正男君) 時間の関係もありますので、大体大筋を……。
○説明員(佐藤清美君) 以上申上げましたような基準量で大体決定をいたしておりますが、その結果満年齢になることによつて配給量の増加する期間が早くなつたり、遅くなつたりするのが若干ありますけれども、これはたまたま基準量の切替る年齢に該当する人が若干損したり得したりするという結果になりますが、そこのところだけちよつと御紹介申上げて置きますと、來年一月一日より満年齢になりますと、二十三年の生れの人、即ち現在数え年二歳の人、この人は平均いたしまして六ケ月だけ配給基準量は六十グラム少くなるという結果になつて現われて來ます。それから昭和二十年に生れた人、即ち数え年で五歳の人、これは平均いたしますと六ケ月間五十グラム損をする。次が大正十四年生れの人、数え年で行きますと、現在二十五歳の人ですが、この人は平均六ケ月プラス二十グラムだけ配給量が多くなる。明治二十三年に生れた人、即ち数え年六十歳の人は平均六ケ月間五十五グラム配給量が多くなる。それを全部平均いたしますと、大体現在の数え年で配給した場合と同じ所要量が要るというようなことで、年齢別の基準量を一應決定したのであります。これが実施方法、即ち満年齢になつた場合に期間をどういうふうに切換えるか、現在の数え年でございますれば、一年に一回の切換えですが、嚴格に言いますれば満年齢になつた日からということになると、毎日切換えるというようなことが一應考えられる。或いは一月に一回とかいろいろ案はありますが、この点につきましてはまだ最後的には決定をいたしておりません。これにつきましては來年一月一日からの問題でありますから、少くとも十一月までには決定をいたして末端の方へ徹底したい、かように考えております。
○大隈信幸君 只今の切換えの時期の問題、まだ御研究中というわけでありますけれども、この満年齢になりますについて、各省ともいろいろの問題があつて、それの対策を立てておられるように聞いておりますが、安本以外の各省におきまする対策は、十月にはでき上るというふうに聞いておるので、安本においても十一月というようなお話でありますけれども、極力早くして頂いて、スムースにこの問題が片附くように希望して置きたいと思います。
○理事(岩間正男君) 外にございませんか。それでは只今の年齢の唱え方の問題につきましては、これくらいにいたして置きます。
  ―――――――――――――
○理事(岩間正男君) 次に、第三の案件でありますところの、法隆寺の問題並びに中尊寺の問題に入りたいと思います。社会教育局長の西崎さんが見えておられますので、先ず第一に法隆寺のその後の経過について伺いたい。
○説明員(西崎惠君) 法隆寺の問題につきましては、まだ正式の交渉をいたしておりません。只今保存課長が京都、奈良方面に参つておりまして、その要件は別にあるのでありますが、その機会に壇家の人々及び法隆寺関係者の人々は大体どういう意向を持つておられるかということを打診して帰つて來る、その結果によりまして文部省の案を提示したい、こういうふうに考えております。恐らく二、三日中に帰つて來ると思います。
○大隈信幸君 この間新聞で見たと思いますが、壇家総代は絶対拒否するというように出ておりましたが、それは事実でございますか。
○説明員(西崎惠君) 向うの壇家総代数人の連名を以ちまして陳情書が出ておりまして、それによりますと、絶対にお断わりしたいというような意向のようであります。併しながらそれは、私達は例の公開ということを前提として大きく新聞記事に取上げられました、それの反動であろうと考えております。
○理事(岩間正男君) 私からお聞きしたいのですが、何か新聞の傳えるところによりますと、文部省は無論向うの意思を尊重されることは必要でありますが、大分この前の当委員会で話会つた線と違つておるような意向で交渉が進められるようなことが新聞に出たのであります。これは相当に、公開はするにしても祕密を保持してやつて行くというような記事を見たのでありますが、そういう点は文部省はどういうふうな態度を取るのですか。
○説明員(西崎惠君) 文部省といたしましては、宗教的な尊嚴並びに法隆寺そのものの尊嚴、或いは又信仰の神聖というものを絶対に傷付けないという前提の下に、法隆寺さんと交渉をいたしたいと思つております。從いまして、或いは研究調査が許されまして結果におきまして、どういうことに法隆寺さんの御意向がなるかということは、今から予測できないという状態であります。
○理事(岩間正男君) それでは当委員会として、これは要望したいのでありますが、この前の委員会におきまして、各委員からこもごも公開することが科学的に非常に重要な段階に達しておる。併しこれについては当委員会は今の段階では直接乘出すことをしないで、文部省を通じてそういうような要求ができるだけ実現するように計らつて貰いたい、こういうようなことが決定されておるのであります。その点は速記録にもこれはいろいろ出ておるわけでありますから、その意見を尚再確認されまして、これが一部的に余りに祕密的に行われるというような形では、やはり当委員会のあのときの話合とは大分違つて來ると思いますので、その点是非そう計らつて頂きたいと、こう思つております。
 次に、中尊寺の問題でありますが、これは二、三日前の読賣新聞並びに今日の時事新聞を見ますと、三体のミイラが、祕佛が公開されるというような段階になつたことは、非常に我々としても喜ばしいと思つております。ただその経過の中におきまして、ちよつとやはり当委員会の今までの方向と違つたことが報道されておりますので、この点文部省はどういう意向を持つておられるか、尚又調査團を派遣せられることについて連関してお伺いしたい。というのは、この前東北に文部の視察團が派遣されまして、そのときに平泉に寄つたわけであります。それで、その場で祕佛の公開ということを我々視察團が要請したということはなかつたわけであります。ところが、その晩盛岡に帰りまして、そうして共産党、社会党、その他地元の民主的な團体、文化團体、そういう人達が多勢寄りまして、我々視察團を中心として懇談会をした。その席上で或る一人の方から、どうも三体の祕佛があるそうだが、それは本当かどうか、それを余りに祕密にして置くと却つて疑われるようなことが出て來る、本当かどうか、そうしてこれに対して公開する意向があるかどうか、こういうことが質問せられた。ところが、当時寺の執事の佐々木さんというような方が出席しておられて、それは確かにあるのだと、この前何年か前に、これは東北帝大だつたと思いますが、そこの人達が行つてあすこの公開をやつた。そのとき正しく三体のミイラ、祕佛については見ておる。無論この平泉の寺の側では、これを祕密にして飽くまでもひた隠しにしようなどということは全然考えていない。飽くまでも正しい立派な調査團が科学的な立派な方法を以て、そうして派遣される場合には、寺側としては喜んで公開したいと、こういうことが述べられた。併しこれは無論自分一存では行かないから、この点については寺側とも十分諮つて、そのように取計らいたいと、こういうことを言つたのですが、新聞記事を見ますと、何か調査團のそういう申入れが拒否されたと、そうして最近になつてそれが公開してもよいように変つたというように報じられておるのですが、これは非常に事実無根なんです。むしろ調査團が行きまして、そうしてそれが機会になり、又その会の要請もあり、調査團からもそういう点について意見を述べ、そうして我々としてもできるだけそのような正式な調査團を派遣したいと、努力したいと、從つて寺の方でもその方に努力したいということで、むしろ話合が、今度の問題を解決するような方向に動いた。そこのところが何か非常に話が食違いになつておるわけで、どういうところからそういうことが起つたか、それについて文部省はどう考えられるか、それから調査團が派遣されるということになりそうでありますが、その経過なんかも併せてお伺いしたいと存じます。
○説明員(西崎惠君) 中尊寺の問題に関しましては、まだ寺の方から正式並びに非公式にも文部省の方に何らの話が参つておりません。文部省の方からも公式並びに非公式にも話をしたことはございません。あの新聞記事が出ましたので、私達は非常に驚きまして、只今向うの方へ、あれが事実であるかどうか、又どういう眞相であるかということを問合しておるのでありまして、その返事が参りましてから、それによりまして善処いたしたいと考えております。
○理事(岩間正男君) そうしますと、これは調査團としまして、この前委員会にも報告し、委員会でもこれは認められたのでありますが、できるだけ科学的な公開をして欲しい。この要望で、その後そういう方向が取られておるわけですが、文部省の方においても、これは法隆寺なんかとの関係もございましようが、非常に要望があるわけです。一般の輿論が高いのですから、これに答えるような方向を取られる、そういうふうに努力せられておる点はどうですか。
○説明員(西崎惠君) 法隆寺関係につきましても、中尊寺関係につきましても、皆さんの御意向をよく考えまして、文部省といたしましては、極力善処するように努めたいと思います。
○理事(岩間正男君) 尚調査團でございますが、やはりこの調査團は十分権威のある、而も民主的な團体と、そういうふうな一方に偏さないで、もつと廣い、そうして権威の持てる調査團を派遣して頂きたいという要望を我々としては持つわけであります。余りに秘密的に、こういう調査を一般に科学的な面について十分に公開されないという方法はやはり香ばしくないじやないか。從つて学術的にも非常に重要な問題ですから、そういうような点で飽くまでも大きく民主的に運営されるという点について私は要望いたしたいと、かように考えております。この点はよろしいですか……。それでは今日の委員会はこの辺で止めたいと思います。尚確認いたしたいと思いますが、この次の二十六日に残されておりますところの六三予算の問題、並びに定員定額の問題、尚時間がありましたら、尾瀬原のいろいろな農民の御意見を聞くということで、二十六日の午前十時からこの委員会を継続開会いたしたいと思います。御異議ございませんか。
○大隈信幸君 尾瀬原の問題ですが、そう非常に急ぐ問題じやないと思うのです。非常に休会中で委員の出席も少いときに、余りどんどん進めてしまうのはどうかと思うので、もう少し先に問題は延ばした方がいいと思いますが。
○理事(岩間正男君) 只今の御要望もございましたので、成るべく多くの委員諸君が出席されたときにいい機会を選ぶというように取計いたいと思います。
○鈴木憲一君 尾瀬原の視察という話が出たが、それは別に何か決定に至らないのですか。
○理事(岩間正男君) まだ決定しておりませんが、これも二十六日あたりに我々の今後の行動と連関して上るのじやないかと思います。
 それじやこれで散会いたします。
   午後零時四十三分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           岩間 正男君
           松野 喜内君
           高良 とみ君
   委員
           若木 勝藏君
           大隈 信幸君
           河野 正夫君
           三島 通陽君
           山本 勇造君
           鈴木 憲一君
  説明員
   通商産業事務官
   (資源廳電力局
   水力課長)   山岡 包郎君
   通商産業技官
   (資源廳電力局
   水力課)    横澤富三郎君
   文部事務官
   (社会教育局
   長)      西崎  惠君
   文部事務官
   (社会教育局文
   化財保護課勤
   務)      武井 貞賢君
   科学博物館長  中井猛之進君