第005回国会 選挙法改正に関する特別委員会 第5号
昭和二十四年七月一日(金曜日)
   午後一時四十三分開会
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  本日の会議に付した事件
○選挙法改正に関する調査の件
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○委員長(柏木庫治君) 只今から開会いたします。昨日に続きまして十一、十二を一括して御審議願います。
○法制局参事(菊井三郎君) 十一開票所及び開票立会人に関する規定を改める必要があるかどうか。
 (一)開票管理者について
 (二)開票所の設置並びに場所、日時の告示について
 (三)開票立会人の届出、互選、決定について
 (四)開票日、開票の参観、投票の効力の決定について
 (五)投票の保存、開票録の作成について
 (六)天災等による開票日の変更について
 (七)開票所の変更について
十二 開票について衆議院議員、参議院議員の選挙において採用する分別主義(区域毎に投票を点檢する)を採るか、地方公共團体の選挙において採用する混同主義(投票所の投票を混同して点檢する)を採るかどうか。
 十一の問題は開票所及び開票立会人に関連した規定であります。開票管理者につきましては、現行衆議院議員選挙法におきましては、第四十四條に「開票管理者ハ選挙権ヲ有スル者ノ中ニ就キ市町村ノ選挙管理委員会ノ選任シタル者ヲ以テ之ニ充ツ」というような規定がございます。又参議院議員選挙法にも同樣趣旨の規定を置いておりまして、地方自治法関係の規定も同樣趣旨の規定を置いております。この開票管理者につきましては、別段從來この制度について多くの意見を聞いておりませんのですが、一應問題として提供したような次第であります。(二)の開票所の設置並びに場所、日時の告示につきましても、衆議院議員選挙法第四十五條、四十六條に規定がございまして、「開票所ハ市役所、町村役場又ハ開票管理者ノ指定シタル場所ニ之ヲ設ク」というようになつておりまして、参議院議員選挙法もこの規定を準用いたしております。地方自治法関係も準用いたしております。又開票の場所、日時の告示につきましても、現行衆議院議員選挙法の第四十六條は「開票管理者ハ豫メ開票ノ場所及日時ヲ告示スヘシ」と規定しておりまして、参議院議員選挙法もこの規定を準用いたしておりますし、地方自治法の規定も同樣の趣旨の規定を置いております。かように開票所の設置、それから場所、日時の告示につきまして規定があるのでありますが、この制度について現在どこが惡いというような御意見も聽いてはおりませんが、一應議題として掲げた次第であります。
 開票立会人の届出につきましては、衆議院議員選挙法第四十七條におきまして「議員候補者ハ各開票区ニ於ケル選挙人名簿ニ記載セラレタル者ノ中ヨリ本人ノ承諾ヲ得テ開票立会人タルヘキ者一人ヲ定メ選挙ノ期日前三日迄ニ開票管理者ニ届出ヅル」というように規定をしておりまして、参議院議員選挙法もこの規定を準用いたしておりますし、地方自治法関係の規定も同樣の建前を採つております。尚開票立会人の互選につきましても、衆議院議員選挙法の四十七條の第二項はこれに関する互選の規定を置いておりますし、又互選の方法など規定いたしておるのでありますが、同樣の趣旨は参議院議員選挙法におきましてもこれを踏襲しております。いずれもこれら開票立会人の規定は現在多くの意見を聞いておりませんが、前同樣議題として一應掲げた次第であります。尚開票日の問題につきましては、衆議院議員選挙法の四十八條に「開票ハ投票ノ当日又ハ其ノ翌日之ヲ行フ」と規定しておりまして、参議院議員選挙法も同樣趣旨の規定を置いております。地方自治法関係でもこれを準用いたしております。これも前の問題と同樣に一應議題として掲げたわけであります。
 尚開票の参観、投票の効力につきましても、衆議院議員選挙法第五十條、第五十一條に「選挙人ハ其ノ開票所ニ就キ開票ノ参観ヲ求ムルコトヲ得」と規定し、「投票ノ効力ハ開票立会人ノ意見ヲ聽キ開票管理者之ヲ決定スヘシ」というように規定しておりまして、参議院議員選挙法、地方自治法関係の規定もいずれも同樣趣旨の規定を置いております。かようにこれらの問題につきましても別に意見、この制度を惡いとする意見を聞いておりませんが、前の問題同樣に一應掲げた次第であります。
 尚投票の保存、開票録の作成に関しましては、衆議院議員選挙法第五十三條、第五十四條に「投票ハ有効無効ヲ区別シ議員ノ任期間市町村会議員選挙管理委員会ニ於テ之ヲ保存スヘシ」と規定し、「開票管理者ハ開票録ヲ作リ開票ニ関スル顛末ヲ記載シ開票立会人ト共ニ之ニ署名スベシ
 開票録及投票録ハ市町村会議員選挙管理委員会ニ於テ議員ノ任期間之ヲ保存スベシ」こういうふうに規定しておりまして、この点参議院議員選挙法及び地方自治法の関係におきましても同樣の趣旨を規定しております。
 又天災等による開票日の変更につきまして、衆議院議員選挙法は五十六條にこれを規定いたしており、参議院議員選挙法もこの規定を準用しておりまして、地方自治法の関係におきましても同樣でありますが、これら開票所、開票立会人に関する問題は、現在のところ多くの意見を聞いておりませんが、一應議題として提供した次第であります。
 第十二の開票につきまして、衆議院議員、参議院議員の選挙において採用いたしております分別主義、これは投票をいたしましたものを、その区域ごとに投票点檢をするという建前を衆議院議員及び参議院議員の選挙に採用いたしておるのでありますが、地方公共團体の選挙におきましては、その投票を全部混同いたしまして、そうしてこれを点檢するという制度を採つておるのでありますが、これは投票の祕密保持という点に非常に関係を持つておるのでありまして、この建前におきまして、地方公共團体と國会の議員の選挙と建前が異なつておりますが、これはどちらの主義を採用すべきかどうか、又この現行制度のままでよいかどうかという点が残されておるのでありますが、この点議題に供した次第であります。
○藤井新一君 この一番の開票管理者についてですが、衆議院議員選挙法四十四條によるのですが、これは選挙管理委員会が管理者を決定するのであるが、これはその管理者になる人は党の代表を選ぶべきですか、又は公平無私なる人間を選ぶという建前を以て管理者を選ぶのですか、そこのところをはつきりと承わりたいと思います。
○説明員(吉岡惠一君) 開票管理者は主として一人でありますし、党ということは関係なく主としてまあ役人側と言いますか、公平な人を選ぶのが通常であります。
○藤井新一君 そうするとその地方が保守人員の多く住んでおる場合は保守党が出る。共産主義のフラクの多い場合は共産主義が出る、こういうふうにその地方の代表ですから、そういうようなことにもなり得る懸念がありますね。
○説明員(吉岡惠一君) それはあります。
○藤井新一君 そういう場合を想定して私はそういうものに片寄らない公平無私というものをとることに強調する必要があると思うのですが、その点はどうですか。
○説明員(吉岡惠一君) 今のお話は結局選挙管理委員長あたりがなるのじやないかと思いますが、選挙管理委員長を政党に全然関係のないものと、こういう工合に言い得るかどうか、市町村長その他の選任というようなことも考えて、そういう人が選び得ればなんですが、なかなかむつかしいのじやないか、こういうふうに考えるのであります。
○藤井新一君 私の言うのはこれだけでも、あなたの意向としては私の質問に対して、どういうふうにすればいいかということを私が質問をしておるのです。それがあなたは私に対する返事ですか。
○説明員(吉岡惠一君) 結局なんですがね、法律に公平無私なる人を選べと書きますかどうか、その程度の問題じやないかと思いますが。
○藤井新一君 そこのところがどうも私にははつきり分らないのですが、そうすると共産主義者の多い所は、そういう所に全部片寄つてしもうということになる、その憂いを我々は考えるのであつて、或いは保守人員ばかりになるということはよくないので、やはり管理者というものは非常に影響があるのです。選挙のときには重大なる結果を來すのです。ですから誰それが管理者になつたという氣持において投票は違つて來るのです。ですから我々が立案する上においては、その点を十分に考慮して行く必要があるじやないかと思います。あなたの法律に書くとかどうとかいう問題ではないと思う。
○説明員(吉岡惠一君) 結局公平無私なる人を選べと言いましても、公平無視なる人の考え方はどういう人を公平無視と考えるかということで、方法としてはなかなかむつかしいように思うのですが、ちよつと私としては考えが当らないのですが……
○小川久義君 それは何ですか、今までは選挙管理委員会の委員長が大体選挙管理者になつておつたのが通例でないですか。
○説明員(吉岡惠一君) そうですね。
○小川久義君 そうすると藤井さんの言われるのは、保守人員も革新人員もすでに選任されておるのですね。選挙管理委員会の委員長がこれに当つておるのが通例とすれば……
○説明員(吉岡惠一君) 大体そうです。
○小川久義君 それで結構だと思いますが……
○藤井新一君 そうではないのです。必ずしもそうではないと思う。絶対的に……。地方の選挙管理委員会においてこの人は決めるのですかね。
○説明員(吉岡惠一君) それはそうです。從つて選挙管理委員長に公平無私な人が來なければ困る。
○藤井新一君 選挙管理委員会の三人という者はそれで決める……。委員長がなる場合もありますか。
○説明員(吉岡惠一君) 例えば非常に不公平な人が若し村長になつたとすると、これは選挙管理委員会が多少片寄る虞れもあるわけですね。從つて選挙管理者も片寄る危險性はこれは防ぎ得ないじやないかと私は思うのです。
○西郷吉之助君 事務局長にお伺いしますが、それは今のお話いろいろあるが、結局実際には全國平均すれば、選挙管理委員長が大体なつているのですか。
○説明員(吉岡惠一君) そいつは選挙管理委員長であるという統計はちよつと私覚えておりませんが、大体そうじやないかと思つているのですが。
○西郷吉之助君 そういうことをよく調べて置かんと答えにならないのですね。大体はどうなつているのだということはあなたの方で分つていないと、いい加減のことを答えるということになる。分つていなければよく調べて來なくちや駄目ですよ。
○藤井新一君 次にお伺いいたしますが、第二の問題ですが、この開票所の設置並びに場所ということですが、これは一体人口によつて設置場所を置くのですか。又はそれは衆議院、参議院、市町村ということになるというと同一的になるのですが、今までは衆議院の場合と参議院の場合と同じだつたと思いますが、市町村の場合を加味する場合には、大体人口を何ぼという標準になつていいと思うのですが、どういう方途の下にこれはできたのですか。ただここは便利だから置くということもあり得るでしようけれども、やはり一定の人口というものがそこにあると思うのです。その人口は一体何人ぐらいの人口が標準になつていますか。
○説明員(吉岡惠一君) 人口は平均がどのくらいというお話なんですか。
○藤井新一君 人口は所によつてずつと違いますけれども、大体その人口何人ぐらいが標準でやつているのですかということを私は聞きたいのです。
○説明員(吉岡惠一君) 開票所ですか。
○藤井新一君 開票所設置の場合は便利な場所に置きましようけれども、大体全國的に、ここの人口何ぼであるかということを決めておるわけですか。
○説明員(吉岡惠一君) 人口はそう大して考えておらないと思うのですがね、結局市町村が大体標準になつていますから、大きな市でその割り方は別にこちらから示しているものがないと思いますが。
○小川久義君 そうしますと、その場所は委員会に委してあるということですか。
○説明員(吉岡惠一君) 原則として市町村でございますね。
○小川久義君 市町村に。
○説明員(吉岡惠一君) 原則として市町村で開票するわけです。
○小川久義君 市の場合十五ケ所を十ケ所もやるという場合は誰が決めることになつているのですか。
○説明員(吉岡惠一君) 縣の選挙委員会ですね。
○小川久義君 市町村という場合も縣の選挙管理委員会が決めると、そういうことなんですか。
○説明員(吉岡惠一君) 今お話したのは衆議院やなんか國の選挙の場合で、市町村は別になつております。
○藤井新一君 市町村の場合には、市町村の選挙管理委員会が決定するのですか。
○説明員(吉岡惠一君) そうです。
○藤井新一君 そうするとその市町村でやる場合には人口がそうであつても、便利不便ということも考慮して、極く少数な場所においても開票所を置くわけですな。人口によらずに。
○説明員(吉岡惠一君) 何ですか。今の市町村のお話ですか。
○小川久義君 いや、ところがこうなんですよ。市町村と言いますと、町とか、村はその町村の選挙管理委員会が或る場所を決めるということは分るのですよ。ところが市の場合に開票所を五ケ所作るとか、十ケ所作るとかこれは誰が決めるかということですよ。
○説明員(吉岡惠一君) 今の御話ですね。間違つておりましたから御答えしますが、市町村の場合は衆議院議員の開票区によると、原則として大体市町村の区域ですね。
○小川久義君 どうも市町村というと分らないようになる。市で何ケ所もできるから……、町村の場合は大体一ケ所です。町村は大体離れた場所は別になる場合もあるが、市の場合五ケ所も十ケ所も決める。それを誰が決めるかというのです。
○説明員(吉岡惠一君) それでは大体規則を読みましよう。
○説明員(朝日邦夫君) それは大体衆議院の選挙法が基になつておりますが、衆議院の選挙法の第三條は「開票区ハ市町村ノ区域ニ依ル」ということが原則になつております。それで必要がありと認めるときには、都道府縣の選挙管理委員会が市の区域を分けて数開票区を設け、又は数町村の区域を併せて開票区とするということになつております。地方自治法でもそれを準用しておるわけです。
○小川久義君 そう言えば何でもない。我々了解する。答弁が違うものだから……
○藤井新一君 開票立会人の届出ですが、衆議院議員選挙法第四十七條によつて一人を定めるということがあるが、その前三日までに決定しなければならないということがあるが、その候補者が故障を起こす場合があるということも考慮しなければいかんから、補欠者をそこで決定するということはあることですが、選挙間際になつてから、ひよつとしたら死亡するか、或いは葬式ができて行かれん場合がある。そういう場合を我々考えるときには、やはり補欠を大体告示しておく必要がないのですか。
○説明員(吉岡惠一君) 開票管理者ですか。
○藤井新一君 立会人です。互選の場合です。
○説明員(吉岡惠一君) 立会人はですね。足りない場合は選べるという規定があるわけです。
○藤井新一君 一人を決めて三日前に決定する云々ということを今読みましたが、それは何ですか。一人というのは。
○法制局参事(菊井三郎君) それは四十七條に、本人の承諾を得て開票立会人となる者一人を定めて届出るということになつておるわけです。從いまして議員候補者が沢山出ております場合には、相当の数になるわけです。從いまして今度その数が多い場合には、開票立会人を決める方法に問題が出て來ると思うのですが、その点第四十七條第二項は、開票立会人の互選につきまして、十人を超えないときは直ちにその者を以て開票立会人とし、十人を超えるときは届出あつた者において立会人十人を互選しなければならんと、こういうように規定しておるわけであります。
○小川久義君 その場合は分りましたが、藤井さんの質問は、三日前に届出をした。その届出後において事故が起きて立会人が出れん場合のことをお聞きになつておりますが、何かその場合規定がありますか。
○説明員(吉岡惠一君) その場合は、第十條で、相当数が沢山ある場合は、欠席のままでやる、若しあまり少なかつたら困りますから、三人以下になつた場合に開票管理者が、とにかく候補者に関係なく選べるという規定があります。第十條でありますが。
○小川久義君 そこで事故が起きた場合は棄権になるわけですね。
○説明員(吉岡惠一君) 棄権になります。
○大畠農夫雄君 私は届出制、これを全廃するという意見を申上げたいのです。それは全國参議院のような場合には、特に届出制などをとつておつても、実際にその効果がないばかりでなく、沢山の届出があつた場合に互選するということになると、あの選挙の急がしい最中に、届出をしても、さつぱり届出した人の効果がそこで発生しない場合がある。特に又一票の差によつて当落を決定するという場合には、当選したその立会人の方の候補者はいいかも知れないけれども、同じく届出を出しておつて立会人として当選しなかつたという方の候補者に対しては、不利益な結果を來たして、却つて、届出によつて不公平が生ずる。そのために届出制なんという、こういう厄介な仕事はよさせる。そうして外の方法を以て開票管理者、こういう人から選任された人を以て立会人とする。こういうふうにしたいという意見を出しておきます。
○藤井新一君 立会人の外國の制度をお教え頂きたい。
○法制局参事(菊井三郎君) いろいろ資料を研究中でありますが、現在まだその点につきまして、はつきりした外國の制度を申上げるに至つておりません。十分今後よく研究しまして、資料としてお手許に配布するようにしたいと思います。
○委員長(柏木庫治君) では次の項目を一つ……
○藤井新一君 第四の開票日、開票の参観、投票の効力の決定についてですが、これは横書きもいいんですか、又は下から書いたものもいいんですか。そういうことが投票の場合に必ずあるんですが、わざわざそういうものが有効と判定される例はあつたんですか、その例を聞きたい。
○法制局参事(菊井三郎君) 投票の有効、無効の問題につきましては、十三のところに出ておるんですが、ここではこの問題になつております投票の効力は勿論、この投票の有効、無効の問題にも関連いたすのでありますが、この効力を決定すると制度それ自体を実はここでとり上げたわけなんで、その内容につきましては、次の議題は実は入れるつもりで無効投票に関する問題を十三といたしたわけなんであります。ここに問題に出しましたのは、衆議院議員選挙法の第五十一條に、「投票ノ効力ハ開票立会人ノ意見ヲ聽キ開票管理者之ヲ決定スヘシ」というように規定されておりまして、開票立会人の意見を聽いて、開票管理者が、これを決めるという制度になつておるのでありますが、この開票管理者が決定するという制度がいいか悪いか、こういう点に、この問題を掲げたつもりなのであります。
○委員長(柏木庫治君) ではその次、括弧五、括弧六です。括弧七、
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柏木庫治君) 十二。
○藤井新一君 私は、これは混同主義の方がいいという結論を先ず申上げます。というのは分別主義になるというと、はつきりと或る地区が党派的に來るということは、我々個人生活上に非常にまずいから、むしろ何やらわけの分らんような方法を採る方がいいと思います。ついては私は混同主義を採用する方がいいように考えます。
○法制局参事(菊井三郎君) 御参考までに申上げますが、この分別主義と、混同主義の利害得失というようなものにつきまして、学者が、通常掲げております点は分別主義の利点といたしましては、選挙の一部に違法があつて、判決の結果、再選挙を行う必要が生じました場合でも、その再選挙を行うべき区域の範囲が、眞に必要な部分だけに止められて、不必要な廣範囲において再選挙を行う弊がなくなるという点を強調されております。尚他の一点は選挙事務に関係する官吏、吏員の被選挙権の制限をいたしております場合に、その制限の範囲を縮少することができる、こういうように掲げております。分別主義の欠点といたしましては、祕密投票の制度が破られるという点を指摘しております。又混同主義の利点といたしましては、最も、祕密投票の主義を確保することができるという点が利点でありまして、欠点は不必要に選挙の違法を原因とする再選挙の範囲を拡大せしめる、こういうように学者は挙げておるようであります。
○委員長(柏木庫治君) これで意見も出盡したと思いますから、十三へ行きます。
○法制局参事(菊井三郎君) 「十三 無効投票に関する現行規定を改める必要があるか。
 (一) 同姓同名の候補者を識別する方法をどうするか。
 (二) 同姓の候補者がある場合において性のみを記載した投票の効力をどうするか。
 (三) 他事記入による投票無効の範囲を縮めるか。
 (四) 投票無効の原因をより詳細に規定するか。」
 この問題は衆議院議員選挙法第五十二條に規定しておりまする投票の無効に関する問題であります。衆議院議員の選挙法第五十二條におきまして、投票を無効といたしておりますものは、「成規ノ用紙ヲ用ヒサルモノ」、「議員候補者ニ非サル者ノ氏名ヲ記載シタルモノ」、「一投票中二人以上ノ議員候補者ノ氏名ヲ記載シタルモノ」、「被選挙権ナキ議員候補者ノ氏名ヲ記載シタルモノ」、「議員候補者ノ氏名ノ外他事ヲ記載シタルモノ但シ職業、身分、住所又ハ敬称ノ類ヲ記入シタルモノハ此ノ限ニ在ラス」、「議員候補者ノ氏名ヲ自書セサルモノ」、「議員候補者ノ何人ヲ記載シタルカヲ確認シ難キモノ」、「衆議院議員ノ職ニ在ル者ノ氏名ヲ記載シタルモノ」、こういうふうに書いてありまして、これらの事項に該当するものは無効といたしております。この規定は、参議院議員の選挙法におきましても同樣趣旨の規定がありまして、又地方自治法の関係におきましても同樣趣旨の規定が置かれております。この投票無効の問題は、特に参議院の全國区というような、選挙区を非常に廣く制度として採りました場合に、いろいろと問題を提供するものと思われるのでありますが、こういう問題をどういうように考慮したらいいかどうか、又これらの規定は実際の取扱いにおきまして、各投票開票管理者において多少とも取扱いが違うというような意見も地方によつて聞くのでありますが、そういう点からいたしまして、もつと詳細に規定する必要があるかどうかというような問題であります。
○藤井新一君 結論的に言えば、これは詳細に記載すべきものであるという前提條件を申上げます。同姓の場合ですが、具体的に申上げます。私は藤井でありますが、藤井丙午君と二人ある場合、この場合に私の投票のごときは香川縣において四万何ぼの無効投票なんです。單に藤井と書いただけ、そういう場合に香川縣は私の出生地であるが故にといつて、或る村は有効にしたところもあるようであります。ところが大体無効にしたそうですが、そういう場合にその人が村に住んでいるとか、その郡の人である場合には大体それを有効と認めるような方法を作つたらどうだろうかという、これは私の愚見ですが、私の場合は二十何万の無効投票を出したわけです。そういうように同姓の場合には、全國区の場合には非常に候補者には不利な影響を與える、当落の運命になるということでありますが、これは誰でも考えて、これは駄目だといつても、ここは研究の場所であるから、研究として申上げたのでありますから、その投票を半分分けするか、候補者が、或いはその人が自分の在住する縣の分はそれの三分の二ぐらいは有効とするというような、比率的にこれを投票を割つて行くというようなことも、我々は政治家は政治家として一應考えるべきものと私は考える。けれども現在までは我が國においては認めておりません。併しながらこの選挙法の今度の改正におきましては、我々は是非共この際考慮して見なければならん問題が起るわけです。私の問題であるから強調するわけではないが、私は今後の政治運営において有名なる人を出す場合に大いに考慮する必要がある、同姓がある場合に、落ちるならば誠に國家のために惜しい、そういう意味においてこれは是非共今度の選挙法の中において、これは最も重大なる條件だと思います。どうかその点を一つ十分に委員諸君において御審議あらんことを希望して止まない次第であるんである。(笑声)
○羽仁五郎君 ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
○委員長(柏木庫治君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(柏木庫治君) 速記を始めて。
○木内四郎君 これは私に関係しておりまするので成るべく述べることを差控えたいと思つたのでありますけれども、選挙人の意思を成るべく活かすようなふうに我々は法の規定を設くるべきであり、又裁判所においてもそう解釈して貰うべきであろう。若しそういう解釈ができないとするならば、成るべくそういうふうに解釈し得るような規定を設くべきものではないか。私自分の例を引いて甚だ恐縮ですけれども、私の立候補しました場合におきましては、これは地方区の選挙でありまするが、その場合におきましては候補者は十人足らずのものでありまして、私は木内四郎という名前で立候補しておる。それに対しまして大内一郎という票が数千票ありました。それが殆んど全部無効にされておるのです。この候補者の数を制限してそれ以外の人は候補者でないという場合におきましては、木内という名前が書いてあれば、それはやはり候補者の木内四郎に入れようという意思が十分にそれに窺われるものと思いまするので、そういう場合には、この私の場合にはどうか皆さんの御判断に俟ちますけれども、成るべく投票者の意思を活かすようなふうにしたいものだと、こう思うのです。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○大畠農夫雄君 私は只今の木内さんの趣旨に賛成するものでありまして、例えば木内という候補者が二人あつた場合、木内四郎という候補者と、或いは一郎という候補者があつた場合には、これはまあ当然おのずから分るのでありますけれども、今木内さんの場合は一人であります。一人で木内四郎を一郎と書いたというふうに見られるのは、これは常識的であつて、而も木内という姓がある以上、これは四郎であろうと一郎であろうと木内そのものを表示したことには、投票者の意思としては何ら変りはない。二人ではないから一人だから変りはない。從つてそういう場合に一郎であろうと四郎であろうと、当然木内氏に投票したものだ、こういうふうに決定すべきものだと私はこういうふうに考えまして、木内さんの意見に賛成します。
○遠山丙市君 只今の問題でありますが、この問題は結局衆議院議員選挙法のいわゆる五十二條の七の「議員候補者ノ何人ヲ記載シタルカヲ確認シ難キモノ」、こう書いてある。それで只今の木内君の例などは確認しがたいとは言われないと思う。確認し得るものであると私も考えておるのであります。ただ裁判所の解釈をどう持つて行くか、こう持つて行くかというお説も出ているようでありますが、私は選挙訴訟に関してよく代理人で立会つたこともあるのでありますが、裁判所といたしましては、なかなか嚴格に解釈をしておる。それでなかなか有利というような工合、即ち多数の選挙人の意思を尊重するというような建前にはなかなか持つて來ないのであります。それでありまするから、要しまするのに、選挙法改正に関する要綱案の中にも書いてありまするように、投票無効の原因をより詳細に規定するかどうか、規定を詳細に置くかどうかという一点に掛つておる問題だと思う。それで只今のような問題、又先程藤井君の言われた同姓の問題、その他私はこれは詳細に或る程度規定を設けますと裁判所も拘束し、選挙立会人もこれに拘束せられる。これが非常に簡單に書いてありますると、どうしても無効ということが非常に多く行われるのが実例であるのでありまするので、この趣旨に基いてこういう点は一つよく御研究を願いまして、詳細に御規定を願いますれば、今のような弊害が除去せられると思うのでありますから、私から一言申上げました。
○西郷吉之助君 只今の問題はなかなか重大な問題でありまするから、來年参議院議員の選挙に同じ原因で非常に無効投票が出るということは極めてまずい結果でありまするから、一昨日來吉川委員が資料を請求されておりますが、そういうような非常な問題がありまするから、外國の場合は名前の書き方が違いますが、大いに参考となるからあの資料の御提出を特に急いで頂きたい。特にこういう重要な問題につきましては成るべく早く資料を出して頂くと、それに基いて檢討いたしまするから、重要な問題につきましては成るべく早く資料を出して頂きたい。
○岡本愛祐君 この問題は選挙人の意思を尊重しなければならんということは誠に御尤もでありますが、選挙というものは大体競爭であります。だから一人の人の利益のみならず、その競爭者の利益をも擁護しなければならんと私は思うのです。だからなかなか簡單に……。木内君の例を取つて甚だ恐縮でありますが、木内とただ書いてあるからこれは木内四郎に違いないとは簡單に片付けられない問題が多いと思います。全國区と地方区と一緒にやる選挙ですから、全國区と地方区と投票人が投票用紙を間違えたというような事故が非常に多かつた。そこで現に長野縣におきまして、こういう或る村では非常に多く間違えた人がおつたということが実際私の例においてもあるのです。そうすると木内という人は全國区の木内キヤウという人がある。そうするとそれが全國区に入れる目的で地方区に誤つて書いた。それがために皆木内四郎君の票にその票がなるということも少しおかしいと思う。それから又逆の場合で言えば、ここに又小川君がおられますが、小川君が地方区で出られた富山から出られた。それで小川友三君が全國区で出た。誤つて地方区から出られた小川君を全國区の用紙に過つて小川と書いた。そうすると皆小川友三君の有効投票になるのであります。ということは甚だ他の候補者にとつては全國区は非常に多いのでありますから、非常に利害関係があるのであります。だからなかなか簡單に片付けられないので、そういうような関係もよく考えて研究しなければいけないと思います。それから問題を提供するために私の実例を恐縮ですが申上げさして頂きたいと思います。私は全國区で北海道は相当投票が多かつたのであります。一番私としては投票を多く貰つたのであります。ところが常の場合でも私共に來る手紙は岡村愛祐というのが非常に多いのであります。常でも手紙で岡村愛祐というて來るのが多いのであります。そこで偶然北海道におきまして岡村文四郎君が全國区から出られた。そうするとそこで混同が起りまして岡村愛祐というのが非常に多かつた、あるところではこれを無効にしたところが大分あつたようであります。或るところでは名前までむづかしい愛祐と書いてあるのだから、これは当然有効だということになつたのであります。岡本にしても、岡本文四郎というのも多かつた。こういう問題はどうしたらよいか、これは我田引水になつて恐縮ですけれども、愛祐とまで書いてあるのだから私に違いないと実は思います。こういう問題があることを皆さんに申上げておきたいと思います。
○遠山丙市君 先程資料の提供の話が出ておつたのでありますが、そこで先程申上げましたように投票無効の原因を詳細に規定するかどうかという問題、大体各國の立法例というものは極めて簡單にできておるのではないかと思われるのですが、若しも詳細に細やかに設けておる立法例があるとするならば、非常に参考になると思いますので御提示を願いたいと思います。それから今も話が出たのでありますが、全國区と地方区であります。これはなかなかその選挙管理委員会から宣傳これ努めておられたようでありますが、それと混同しやすい、全國区の人はこう、地方区の人はこうという工合にお書きになるということで、もう少し一歩進めまして田舎の余り選挙に関係をしないじいさん、ばあさんでも、呑込めるように、識別ができ得るようにやる方法として、管理委員会としては何かお考えになつておられるか、又來年の選挙あたりでも以然通りに紙を赤いのと黒いのに分けただけであつては目的を達せられないと思う。どの区においても非常に間違いが多く出ておるのでありますが、実際の取扱について何か今後この点についてお考えを持つておられるかどうか承わりたいと思います。今まで通りで宜しいと言われるならば又お考えを願わなければならんと思いますが、何か皆さんの方でお考えがあつたらお聞かせを願いたいと思います。
○説明員(吉岡惠一君) 全國区と地方区の用紙の問題でありますが、これは我々としてはなるべく間違わないようにやりたいと思つております。この前の選挙のときは、実は赤と黒の関係で予め通知をしたところが、すでに地方で印刷をしたところがありまして、こちらから通知通りに行かなかつたものですから府縣によつて赤、黒が逆になつておつた縣があつた。(「それで間違つたんだ」と呼ぶ者あり)今度は一つ早く通知をしまして印刷する前に通知をしたいと考えております。
 それから樣式の問題ですがちよつと変えるということは考えていないのであります。若し変えた方がよいということであれば変えたいと思つております。又参議院議員の選挙法の改正の問題がありますので、それとも睨み合せていかなくちやならんので大変むつかしいことだと思つておりますが、なるべく我々として間違わないようにやりたいと思つております。
○遠山丙市君 今実際の取扱の問題でありますが、全國区とか、東京地区とか、と書いてありまするが、そこへ附加しまして、全國区定員何人、東京地区なら東京地区定員四人なら四人、こういうことを特に書いて、そうして岐阜縣とか山口縣とかということを特に大きく書いて下に定員幾ら、こうすると間違いしにくいのであります。ただ色を分けて地方地区、全國地区と、こういうことだけではなかなか呑み込みがにくかつたろうと思います。御参考までに申上げて置きます。
○西郷吉之助君 私の意見も今遠山委員の御意見と大体同じだと思いますが、二つの場合地方と全國のいわゆる色だけで区別すると二色のために、却て人間は記憶違い、記憶の混乱を起し易い。三つあれば却ていいかも知れませんが、歩いている中にどつちだつたかということは、非常に混乱し易いものですから、今遠山委員から言われたように、ここに全國なり地方なりの定員数も言われましたが、何か字を書いて置けば、書く際には混乱せず、これは全國の用紙だということが分りますから、非常に投票の際には混乱が起き易いのですから、色をつけてもいいのですが、更にその上にこれは地方区の用紙だということをはつきり分るように、そういうような方法を是非やる必要があると思います。
○藤井新一君 先程西郷委員なり、遠山委員からの申出によつて世界の文献を調べるというけれども、私の政治学三十年間の研究においての範囲内においては、同姓の場合の無効有効というものを書いたものを発見し得られなかつた。だから我々が要望したつてできないことです。衆議院の方はこれについては総選挙については必要がない。ところが参議院は大選挙区ですから、その必要を最も痛切に感ずる。外國の例はどうでもいいですから、ここで我我が作る。若しそれがあるならば欲しいけれども、恐らく私はその文献は発見し得ないと思います。
○木内四郎君 この無効投票に関連して、もう一言管理委員会の方に伺つて置きたいのですが、名前をいろいろ届け出ている人があります。ペンネームその他等々、例えば私が木内四郎という名前ですが、雅号を届け出て、或いは大内一郎、三郎、五郎といろいろ届出るという場合に、これは有効でありますか、無効でありますか。そういう届出の名前の限界というものはどこにありますか。若しこの限度がないということになつて來ると、同名の人なんかあつた場合に、選挙の妨害をするためにそういうことを惡用する人がないとも限りません。その何と言うのですか、別名の届出の限界ですね。どういうふうになりますか。
○説明員(吉岡惠一君) はつきり覚えておりませんが、平素使つておる範囲はいいじやないかと思います。
○木内四郎君 平素使つている。
○説明員(吉岡惠一君) ペンネームでも何でも平素使つているものならばいいと思います。
○木内四郎君 平素使つておる限りならばそれを届けて置けばそれは有効とされるのですか。
○説明員(吉岡惠一君) 有効です。
○木内四郎君 ところがそれを開票の日に周知させる方法はあるのですか、それが周知されておらなければ開票しても無効にしてしまうのがある。そういうのは如何ですか。
○説明員(吉岡惠一君) 結局告示をしてそれが出ておれば周知をするということになるのです。候補者の届け出をして、これこれの候補者の届け出があつたという告示をやりまして、そのとき出ておれば大体周知をされると思います。
○木内四郎君 ペンネームその他届け出てあればですね。
○小川久義君 さつきから無効の話が出ておりますが、その有効であつたという話が出ていないようでありますが、実例を申しますと、ぼくは富山で地方区で立つた。ところが大抵久義まで書かずに小川と書いてあるものが多かつたらしいのです。ところが或る管理委員会においては仮に全國に小川というのが百あつたとする。ところが全國に三人小川という人が立つておる筈です。で、それを三十三に分けて有効にした。これはぼくは投票者の意思に反するものが多いと思う。こういう場合も無効になる場合と意思に反して有効になつた場合とあります。そういう場合も一つゆつくり御檢討願いたいと思う。
○大畠農夫雄君 十三の(一)ですが、同姓同名の候補者が出ることは実際においてあるのです。私の方に先般問題になりました飯村泉君と同じ名前でやはり飯村泉というのですが、これが出るということになりまして出なかつたのです。出たら確かに同姓同名です。そういう場合があり得ることは実際想像しなければならんことでありまして、そういうことは選挙管理委員会の方で、あつたらどうするか、どういうお考えを持つておりますか。
○藤井新一君 この問題に関連して……、福島縣にも同姓同名があるのです。それの判決をどうしたか、お聞きしたいのです。
○法制局参事(菊井三郎君) その点御参考までに判例の出ておりますのを申上げます。大審院で大正八年の判例でありますが、同一氏名の候補者二人あるとき、單に氏名のみを記したる投票は何人に投票したか確認し難い故無効なり。」というような判例があります。それから昭和二十一年のこれは内務省の通牒でありますが、「同姓同名の候補者あるときは党派別、党派別同じときは職業、住所等を記入するよう指導されたい。」こういうように実際の指導の通牒を出しております。
○説明員(吉岡惠一君) この問題は調べてお答えいたします。
○法制局参事(菊井三郎君) ちよつとそれに関連して、同姓同名の候補者の場合の判例が昭和五年に今一つありますが、「同一氏名の候補者ある場合において單にその氏名のみを記載したるものは無効、但し他の一人が選挙妨害の目的で擁立せられた名義上の候補者のあることが明瞭で、これに投票する選挙人のあることが推測せられない場合に氏名のみを記載しても正当な候補者の有効投票とす。」こういう判例があります。
○遠山丙市君 先程のこういう同姓のような場合においての他事記入の面で問題になりますが、これは衆議院議員選挙法の規定によりますと、職業、身分、住所、又は敬称の類を記入したものはこの限りでない。この程度のことならよろしいということでありますが、今内務省の通牒などから見ると、これは前の規定から出て來たものであろうと思うが、政党別にということは、これは工合が悪いと思う。そういうことが今尚この選挙でも行われるとすると、これは穏かでないと思うのでありますが、これはこういう点においては御訂正を願わんならんと思いますが、他事記入の、これとこれとの場合は特に許すということは書いてありますので、非常にむずかしい問題であろうかと思つております。実際において沢山の判例を示して貰いましたが、今政府委員の方ではどういうお考えを持つておられますか。
○北條秀一君 先程來無効投票の問題が大分問題になつていますが、私は今管理委員会の方からも説明がありましたけれども、既往の判例とか、或いは既往の経驗というものは第一回の参議院選挙のときの経驗以外のものは、古いものはこれは参考にならない。なぜかならば根本的に選挙の方法が違つているのです。一方は全國区であり、他方は中選挙区の縣單位で、而もそれが同時に行われるから、前の無効投票というものは、我々はここで相当愼重に研究しなければならんと思う。從つて既往に如何に例を求めたところで、或いは判例を求めてもそれは我々が参考とするに足りないということを考えるのであります。この問題は更に我々が種々討議研究することにして、先に進めたらどうかと思う。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○大畠農夫雄君 新らしい行き方で行くという点ですが、この地方区と全國区と間違つた場合、而もそれが立候補届出してある人の名前を書いたということで、ただ地方区と全國区が間違つた場合、その場合はどつちを書いても有効だというふうに認めたいと思う。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○大野幸一君 大畠委員の意見に賛成します。明らかに地方区と全國区と二人を併記した場合に、それが間違いであるという場合に対しては、これは有効として選挙人の意思を尊重すべきものである。それから先程遠山委員の政党名を肩書に書いた場合には私はそれは有効なりとした方がいいと思います。
○木内四郎君 今御両所から御意見がありましたけれども、全國区の用紙を使つて、それに全國区の名前を書いて地方区の箱へ入れたというようなことであればそれはまだしも識別の途があるのですけれども、地方区の用紙を使つて全國区の人の名前を書いて地方区の箱に入れたというような場合においては、非常に識別が困難になる、のみならず投票を同じ人に二重に入れる危險がありますので、その点は私は賛成いたし兼ねます。
○岡本愛祐君 これは木内君の言われる通り私はその方がよいと思います。それは田舎では往々にして字の余り書けない人がありますから、全國区も地方区も間違つては惡いというような憂いがあるから、どちらも同じことが書いてある。富山縣におきましては、小川久義君を全國区へも地方区へも書いたというようなことになつておるようなところもあるのです。だから若しこれを全國区に小川久義君を書いた人も地方区でも小川久義を書いた人も全部有効だというふうに持つて來ると、一人が二票投票しておることがあり、非常に危險だと思います。
○北條秀一君 私は今の問題と離れますが、そういう識別の非常に困難なるときは職業、身分、住所、数称の類を記入するものはこの限りに非ずとなつておりまして、他事を記載してはいけない、通常常識でこう考えて尤もだと思う、それ以外のでたらめを書いた場合のことは、他事を記載したものは無効とする、こういうことであり、從つて敬称の類に……非常に我々はこれを良識を持つて選挙管理委員会及び裁判所が判断すれば、結論はおのずから出ると思います。
○委員長(柏木庫治君) 大分議論も十分に出たようでありますから十四に進みます。
○法制局参事(菊井三郎君) 「選挙会に関する現行規定を改める必要があるかどうか、
 (一) 選挙長の選任及び事務の担任について。
 (二) 選挙会開催の場所並びにその日時の告示について。
 (三) 選挙人立会人について。
 (四) 選挙会の開催、参観について。
 (五) 選挙録の作成と保存について。
 (六) 天災等による選挙会の変更について。
 (七) 選挙会場の秩序保持について。
この問題は選挙会に関する問題であります。
 選挙会の問題に関連しまして、衆議院議員選挙法は五十八條から六十六條まで規定いたしておりますが、(一)の選挙長の選任及び事務の担任につきましては衆議院議員選挙法五十八條に「選挙長ハ選挙権ヲ有スル者ノ中ニ就キ都道府縣ノ選挙管理委員会ノ選任したる者ヲ以テ之ニ充ツ」と規定いたしております。「選挙長ハ選挙会ニ関スル事務ヲ担任ス」と尚二項に規定いたしまして、同樣趣旨の規定は参議院議員選挙法にも置いております。又地方自治法にも同樣趣旨の規定を置いております。尚(二)の選挙会開催の場所並びに日時の告示につきましては、衆議院議員選挙法の第五十九條に、「選挙会ハ都道府縣廳若ハ市役所又ハ選挙長ノ指定シタル場所ニ之ヲ開ク」と規定いたしまして、参議院議員選挙法も、地方自治法関係も同樣趣旨の規定を置いております。選挙立会人につきましては衆議院議員選挙法の第六十一條に、開票立会人の規定をそのままの準用いたしておりまして開票立会人の場合は議員候補者が選任して届け出るというその規定を準用いたしております。参議院議員選挙法におきましても地方自治法関係の規定にいたしましても同樣趣旨で規定いたしております。選挙会の開催及び参観につきましては、衆議院議員選挙法の第六十三條に規定いたしております。参議院議員選挙法におきましても同樣規定を置いております。衆議院議員選挙法の第六十二條にその開催の規定を置いておりますが、参議院議員選挙法も同樣趣旨の規定を置いております。尚選挙録の作成、保存につきましては衆議院議員選挙法第六十四條に規定いたしております。参議院議員選挙法も同樣趣旨の規定を置いております。又天災等による選挙会の変更、選挙会場の取締りにつきましては、衆議院議員選挙法の第六十五條、第六十六條にこれを規定いたしておりまして、参議院議員選挙法、並びに地方自治法の関係におきましても同樣趣旨の規定を置いております。これらの問題は現在どの点が惡いというような声を聞いておりませんが、これらの点につきましてどう考慮する必要があるか、こういう点から議題に供した次第であります。
○北條秀一君 この第五十八條の選挙長の問題ですが、これは先に選挙長及び選挙管理委員その他これに関連する人達が被選挙権を有しないという規定のときに非常に議論されたのですが、それと関連しまして、この五十八條の場合には、選挙管理委員会が選任したる者を以てこれを選挙長にするということになつていますから、從つてこの規定の中に選挙長が立候補した場合には、選挙管理委員会はこの選挙長の改選をやらなければならんという規定をこの中に入れるべきだと思うのです。他の選挙管理委員についてはどうするかという問題については、今私は研究が十分じやなかつたのですが、今申しました趣旨に基いてこれから先出て來る法律を変えて行けばいいという考え方であります。選挙長のときには当然私はこの際そういう規定を謳う必要があるというふうに考えております。
○委員長(柏木庫治君) それではその次に進みます。十五と十六と一括して……
○法制局参事(菊井三郎君) 十五、議員候補者の届出制については現行規定の通りとするかどうか。
 (一) 通常の届出期間をどうするか。
 (二) 追加届出期間をどうするか。
 参考、現行制度は次の通りである。
 (1) 通常の届出期間
  (イ) 衆議院議員選挙法、選挙期日の告示があつた日から選挙期日前十日迄
  (ロ) 参議院議員選挙法、選挙期日の告示があつた日から選挙期日前二十日迄
  (ハ) 地方自治法、選挙期日の告示があつた日から選挙期日前七日迄
 (2) 追加届出期間
  (イ) 衆議院議員選挙法、選挙期日の告示があつた日から選挙期間前三日迄
  (ロ) 参議院議員選挙法、選挙期日の告示があつた日から選挙期日前十日迄
  (ハ) 地方自治法
   A 都道府縣及び市、選挙期日の告示があつた日から選挙期日前三日迄
   B 町村選挙期日の告示があつた日から選挙期日前七日迄
 十六 重複立候補の禁止については現行規定の通りとするかどうか。
 十五 の問題につきましては、議員候補者の届出制度につきまして、これをどう考えるかという問題であります。沿革的には議員は被選挙権を持つておる者は、選挙民から投票があつて選挙に当選するということで、衆議院議員選挙法の普選前までの選挙法には、別に立候補届出制度がなかつたのでありますが、普選法によりまして、立候補届出制度が設けられたように承わつております。それでこの届出制度というものにつきまして、大体現行制度を踏襲して行くべきであるかどうか、若し届出制度にいたしますとすれば、届出期間というものについて現行の通りでいいかどうかという問題、それから一度立候補の届出をいたしましても、議員候補者の中に辞任をいたしましたり、或いは死亡したりするような場合があつた場合において、更に他の者が追加の立候補の届出をするという場合の期間をどうしたらいいかと、こういう問題が十五の問題であります。
 十六の問題は、立候補につきまして重複して立候補ができないことに現行衆議院議員選挙法ではなつておるのでありますが、この点につきまして現行参議院議員選挙法もこれを踏襲いたしておりますが、どうしたらいいかと、こういう問題であります。
○大野幸一君 この参議院総選挙のときに経驗したことでありまするが、辞任期間と、それから届出期間との操作によつて無投票になるというような場合があるのです。それはこの前岐阜縣で行なわれて、或る特定の候補者はもうすでに辞任をするということを決意していたのでありますけれども、他からのいわゆるこの追加届出期間の余地のないように、辞任届をしつかり持つていて、その期間の経過する十二時に提出する、そうするとここに無投票というような現象を生ずるというので、他から惡く誤解される虞れがあるのです。こういう場合のないような一つ方法を講ずることも、一つの参考として私は報告するわけであります。
○北條秀一君 この届出期間をどうするかという問題は、選挙を逐次公営の度を高めて行こうという今日でありますので、そうなりますと届出期間はどうしても設けなければ、公平に選挙を公営することはできなくなるということは当然だと思うのであります。從つて届出期間を現状通りにするということは私は正しいと思います。但しこの既往の一回二回の経驗に基いて事務的な問題ですから、更に届出期間を短縮しても十分に選挙公営の趣旨を徹底し得るという実情であるならば、私はこの届出期間を修正してもよいと思いますが、恐らく修正するという必要は現在ではないのではないかと思います。
○委員長(柏木庫治君) 別に御意見もございませんければ、十七と十八を一括して……
○北條秀一君 この十六の重複立候補の禁止については、先般大分議論があつたと思うのですが、この点については別に各委員に御意見がないということなんですか。
○大野幸一君 私もそのことを発言しようと思つたのでありますけれども、市会と縣会は重複してあれは一緒にやるわけです。それを近頃はもうこの次からはこれは重複してやれないというようなことになつておるのですが、できることなら、私は重複しない方がいいと、こう思つておるのですが、これはどうなつておるのか知りませんが、こういうような点に相当問題があると思います。
○北條秀一君 この前は衆議院は衆議院、或いは参議院は参議院の場合で、既往の我々の古い歴史を見ますと、一人の候補者が別々の府縣から推薦されて当選した例があるわけです。又今度新らしい今日の時代においては参議院の場合は全國区で出るのと、縣区で出るのと、こういう問題があると思うのです。私は選挙人の意思を尊重するという建前なら、重複立候補というものは認めて差支えないというふうに考えます。
○大野幸一君 それは私はむしろ反対の意見を持つております。両方で当選した場合そういう場合は片一方辞任しなければならない、選挙民の意思を或る程度まで弄ぶことになる、こういう意味で私は賛成し兼ねるのであります。
○岡本愛祐君 これはお尋ねしますが、全國区の場合は制限がないのでありますか、今北條君からお話になつたように地方区で出ようとして届出をしたものがそれを止めて全國区で出る場合にそれは構わないのでありますか。対照表には見えておらんのでありますね。
○法制局参事(菊井三郎君) あとについております。
○委員長(柏木庫治君) 十七、十八を一括して……
○法制局参事(菊井三郎君) 十七立候補者の供託制度について改める必要があるかどうか
 参考
 (1) 供託制度―衆議院、参議院、都道府縣市の長及び議員。
 (2) 同意又は推薦制度―町村長、教育委員
 (3) 供託制度を現行のように採用する場合、参議院及び地方公共團体の選挙の供託金額を改める必要があるかどうか。
 参考
 (1) 衆議院議員の選挙三万円
 (2) 参議院議員の選挙五千円
 (3) 都道府縣の知事の選挙五千円
 (4) 市長の選挙三千円
 (5) 都道府縣の議会の議員の選挙二千円
 (6) 市の議会の議員の選挙千円
 十八、供託物の沒取の率について現行規定を改める必要があるかどうか。
 参考
 (1) 衆議院有効投票を定員で除したものの五分の一
 (2) 参議院地方区及び全國区十分の一
 (3) 都道府縣及び市の議員十分の一
 (4) 都道府縣及び市長有効投票の十分の一
 十七の問題は立候補者の供託制度につきましてこれをどう考慮する必要があるかという問題であります。立候補の場合におきましてこの担保制度と申しますか、そういうものにつきまして物的担保制度、人的担保制度というような二つの制度があるようであります。それで物的担保制につきましてはこの参考の(1)に書いてあるように、衆議院、参議院、都道府縣市の長及び議員、こういうことになるわけでありまして、人的担保と申しますか、人の保証という点につきましては町村長、教育委員の選挙にこれを採用しております。この町村長の場合におきましては、三十人の推薦を必要とし、教育委員の場合には六十人ということになつております。こういうような二つの建て方がありますが、こういうものについてどう考えたらよいか、こういうのが十七の問題であります。又供託制度を現行法のように採用する場合におきまして、参考に掲げてありますように、供託金額が非常に不釣合になつておりますが、これをどういたしたらいいかというこであります。衆議院議員の選挙の場合の三万円というのは、最近の改正によりまして五千円であつたものが三万円に改められたのであります。
 次の十八の供託物の沒取の問題につきましても衆議院、参議院、都道府縣、それぞれ率が異つておりますが、こういう点につきましてもこれをどう考えたらいいかという問題であります。
○藤井新一君 この供託金ですが、これは当然誰しも考える点でありますが、これはやはり衆議院と同調する必要があると思います。衆議院がどうお考えになるか知れませんが、衆議院と同調ならば三万円であります。外の方は大していじくる必要はないと思いますが、第二に聞きたいのは、教育委員はなぜ六十名の推薦が要るのか。六十名というのはどういう根拠から出したのであるか。吉岡さんにお聞きしたいのです。
○説明員(吉岡惠一君) 私の方ではないので、これは文部省の方になりますので……
○小川久義君 今藤井さんから六十名と三十名の根拠に対しての御質問でありましたが、これは今の選挙法をどうしても改めなければならんと思う。三十人とか六十人の推薦を載せるために事前運動ができまして、戸別訪問で迷惑した者もあるし、大なる弊害がある。これはやはり改めて一本にすべきであると思う。
   〔「同感」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柏木庫治君) 六十名以上となつておる。以上となつておるために教育委員会で何万円という事前運動をやつた者がある。六十名、三十名を理解せねば……、以上というために靜岡縣で……
○小川久義君 やはり供託制度を取つて推薦制度を止めてしまうか……
○藤井新一君 それならいい、小川君に賛成だ。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○藤井新一君 或るところは一万五千円も使つておる。小川委員の言うように供託してしまつて六十名以上を取つてしまう。
○委員長(柏木庫治君) その先の御意見を……
○小川久義君 今藤井さんのお話では参議院は衆議院と同調する意味において三万円、あとはいじくらんでもよかろうという御説でありますが、これは供託金は一率に供託金を増額すべきだ。かように考えます。次の選挙においても同じ五千円であつたのがやはり三万円、それから以下も増額すべきだと思う。参議院も……
○藤井新一君 民主主義政治の徹底のためには供託金は少ない方がよいと思います。
○北條秀一君 藤井委員の御意見は誠に御尤もだと思います。供託金を取るということは、これは候補者の乱立を防ぐという建前から考えられた制度であろうと思いますが、結局供託金の制度を置くということは國民の政治意識が非常に低いということを立証するもので、供託金が多くなればなる程それは國民の政治意識が非常に低い方えと逆流しておるということを物語るものだと思います。ですから供託金はなきを私は主唱するものであります。これを上げるということは賛成し難いのであります。
○佐々木鹿藏君 私は供託金を必要といたします。そこで参議院、衆議院の供託金は三万円とする。本年決められた五千円が三万円になつたという例から見ましても、少なくも五万円程度は、知事も同樣五万円、市長は三万円、都道府縣は二万円という、自治体の場合は一万円、こういうように改めたらどうかとこう考えます。
○委員長(柏木庫治君) 十倍でございますね。
○佐々木鹿藏君 そうです。
○大畠農夫雄君 供託金ですが、ただ乱立を防ぐというて取るのですか、何か目的があるのですか。その眞相を発表して貰いたい。
○法制局参事(菊井三郎君) 從來の立法趣旨を調べますとふまじめな立候補防止が目的であるというように説明いたしておるようであります。
○北條秀一君 今の話の通りで供託金をそういう考えの下に取られたと思うんですが、第一回の参議院の選挙のときに、特にあの時代は紙にしましても、旅行にしましても非常に統制されておりましたために、非常に不合理な問題があつて、簡單に言いますと、五千円の供託金を納めて、そうして切符を優先的に買えるのは二百枚である。そうすると当時切符はなかなか買えないときで一枚百円なり二百円なりのプレミアムをつけて賣る。それによつて数万円の金が手に入る。又用紙が非常に制限されておつたので、葉書とかこういうものをただで貰つてそれを賣ればこれ又相当な金になるということで、或る人が計算しますと、第一回の参議院の全國立候補した場合には五千円の供託金を引いても尚且六万五千円の手取りがあるという事例があつたのであります。これは終戰後の極めて不合理な統制時代で、そうして國民の政治意識が非常に低かつたときの問題であつて、私は、今後はこの選挙というものは非常に大事なものになつて來ることは國民は知つておりますから、從つて乱立するということは考えられない。だから供託金というものは段々これをなくする方向に持つて行くべきであつて、供託金を多くするという考え方は、私はいけないというように考えております。
○委員長(柏木庫治君) 十八に対しての御意見はございませんか。御意見ございませんければ十九から二十三まで一括して……
○小川久義君 十九へ移らん先に、衆議院の方は定員数で除したものの五分の一、後は十分の一になつておるが、不合理じやないかと思う。これは同一にすべきじやないか。
○委員長(柏木庫治君) ここで定まるのではないから意見として……
○岡本愛祐君 理由は、どういう理由であるかというのです。
○法制局参事(菊井三郎君) 先程ちよつと説明を落しましたが、それは衆議院議員選挙法も從前十分の一であつたのですが、それを五分の一に改正されたので、衆議院と参議院のバランスが乱れて來ておる、こういうことであります。
○小川久義君 同じように統一すべきじやないかと思う。
○木内四郎君 十九から二十五まで一伺して説明されんことを希望いたします。
○委員長(柏木庫治君) それでは十九から二十五まで一括して議題に供します。
○法制局参事(菊井三郎君) 十九 当選人の法定得票数について現行規定を改める必要があるかどうか。
 参考、現行制度は次の通りである。
  衆議院議員選挙法有効投票総数を定員数で除した数の四分の一
  参議院議員選挙法、地方四分の一全國八分の一
  全國八分の一
  地方自治法、議会四分の一
  長有効投票数の八分の三
 二十 繰上補充に関する現行規定を改める必要があるかどうか。
 二十一 当選の決定後一定の期間を当選の辞退又は受諾に関する期間としているが、これを辞退期間とする必要があるかどうか。
 二十二 再選挙に関する現行の規定を改める必要があるかどうか。
 二十三 議員の任期の起算日に関する現行規定を改める必要があるかどうか。
 二十四 訴訟に関する現行規定を改める必要があるかどうか。
 (一) 選挙訴訟について
 (二) 当選訴訟について
  (1) 当選決定の効力に関する場合
  (2) 費用超過に関する場合
  (3) 選挙犯罪に関して当選無効となる場合
 (三) 訴訟に関する手続について
  (1) 選挙訴訟の場合
  (2) 当選訴訟の場合
   (イ) 当選決定の効力の場合
   (ロ) 費用超過の場合
   (ハ) 選挙犯罪の場合
 二十五 罰則の範囲その他について現行規定を改める必要があるかどうか。参考、この点は省略いたします。
 十九の問題は当選人の法定得票数について、これをどう考慮すべきかという問題であります。その参考に書いてございますように、衆議院議員選挙法は四分の一、参議院議員選挙法地方も四分の一、全國が八分の一、地方自治法は議会が四分の一で、長が八分の三、こういうように法定得票数について規定がございますが、こういう点につきましてどう考慮するか、こういう問題であります。
 その次の二十の問題は、衆議院議員選挙法第六十九條に規定しておる問題でありますが、繰上補充に関しまして六十九條の第三項には「第八十一條又ハ第八十三條ノ規定ニ依ル訴訟ノ結果更ニ選挙ヲ行フコトナクシテ当選人ヲ定メ得ル場合ニ於テハ選挙会ヲ開キ之ヲ定ムヘシ」と、こういうような規定をいたしておりまして、訴訟の結果選挙を行わないで、当選人を定める場合においては繰上補充をしろというような趣旨の制度を採るかどうかという問題であります。この点につきまして参議院議員選挙法、地方自治法の関係も同趣旨の規定をいたしております。尚同條の四項、五項にも「当選人当選ヲ辞シタルトキ、死亡者ナルトキ又ハ第七十條ノ規定ニ依リ当選を失ヒタルトキハ直ニ選会挙ヲ開キ第一項但書ノ得票者ニシテ当選人ト爲ラサリシ者ノ中ニ就キ当選人ヲ定ムヘシ」こう規定いたしておりますし、第五項に「第七十五條第一項第五号及第六号ノ事由第七十三條第一項ノ期限前ニ生シタル場合ニ於テ第一項但書ノ得票者アルトキ又ハ其ノ期限経過後ニ生シタル場合ニ於テ第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケタル得票者アルトキハ選挙会ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ当選人ヲ定ムヘシ」こういう規定を置いておりまして受諾期間前の場合におきましては、当選の法定得票数さえ得ておれば繰上補充をする。受諾期間経過後におきましては当選の際に、得票数が同じで籤で外れた者がある場合に限つて、その者を繰上補充するというように規定いたしておるのでありますが、この趣旨の規定は参議院議員選挙法の場合におきましても、これを踏襲いたしておるのでありまして、こういう制度を繰上補充に関して採つて行くかどうか、こういうことであります。
 次の二十一の問題は、当選の決定がありましてから、十日間というものは衆議院議員選挙法の場合におきましては、受諾の申出をしないで放つて置けば受諾したものとみなす。参議院議員選挙法の場合におきましては、特に受諾の申出をしなければ辞任したものとするという建前になつておつて、衆議院議員選挙法と参議院議員選挙法の建前が違つておりますが、これはどういうふうに考慮するかどうかという問題であります。
 二十二の問題は、衆議院議員選挙法の第七十五條に規定いたしております再選挙の場合の問題でありますが、この再選挙は選挙訴訟の結果、選挙が全部無効であるとか、或いは局地的に無効であるとか、或いは当選人が欠員となつたので、その補填のために再選挙をするというような場合に、この再選挙の問題が起きるのでありますが、こういうような制度を現行通りに採つて行くかどうか、こういう問題であります。この規定は参議院議員選挙法におきましても、参議院と同樣に規定いたして、現在おるわけであります。
 二十四の問題は、選挙に関する訴訟について、現行の制度をどう考慮するかという問題であります。選挙に関する訴訟につきましては選挙訴訟、選挙の手続の有効無効に関連いたしまして、選挙の全部が無効とするか、一部を無効とするかというような選挙訴訟の問題、それから立候補者の一身上の事由その他によりまして、当選の訴訟の結果無効になる場合、又この場合におきましても当選決定の効力の場合、費用超過によつて当選した資格を失うという場合、選挙犯罪に関連いたしまして当選が無効となる場合、いろいろございますが、現在の建前をどう考えるかという問題であります。尚これに関連いたしまして、その訴訟の手続についてどういうようにこれを考慮するかという問題であります。現行法はこの訴訟の手続につきまして八十四條以下八十七條まで、衆議院議員選挙法において規定いたしております。参議院議員選挙法も同樣の趣旨の規定を置いておるのでありますが、これをどう考慮するかという問題であります。
 尚最後の二十五の問題は罰則に関する問題でありまして、この罰則を如何に考慮するかという問題であります。この罰則の問題は選挙手続並びに選挙運動に関する大体の方針が決定いたしませんと、この範囲をどうするかという問題も勢い決定することが困難になる問題でありまして、二十五に問題は掲げてあるのでありますが、結局は一番最後に決定するより外ないのではないかと考えられます。が、一應順序といたしましてここに掲げた次第であります。
○小川久義君 十九の問題ですが、当選人の法定得票数、これは具体的に申上げますと、今度の参議院の地方区における選挙の場合、全縣一区でありまして定員が大体一人、具体的に例を採りますと、富山縣が五十万の有効投票がある場合その四分の一、定員が一人ですから割る必要がない。そうすると十二万五千取らなければならんということになる。衆議院の場合は選挙区が小さくて、定員が二人とか三人で、二か三で割つてその四分の一ということになりますから、わりかた低い数字になりますが、この点に対してどういうお考えですか。これは少くともこの數を下げなければならない。定員が大低の縣は一人ですから、定員で割る必要はない……
○北條秀一君 小川委員の問題は、その際はその法定得票数というものは如何なる場合でも同じ数なのです。ですからあなたの場合は富山縣ですか、富山縣は四人でしよう。
○小川久義君 いや一人だ。二人だが一人しか選挙しない。
○北條秀一君 その際に問題になるのは、有効投票総数に定員という意味ですが、その定員とはどういう意味か、補欠選挙の場合には定員というのはないので、定員は富山縣が二人の場合は一人々々ですから、如何なる場合でも同じなんです。三年づつ交替して來ますから、ですから補欠選挙であろうとなかろうといつでも同じなんです。だからそこに何らの優劣はないんです。ですから特に補欠選挙の場合には不利であるという事態は起きないわけなんです。
○小川久義君 定員が二人ですから、一人しか出ない選挙にでも二で割るのですか。この点どうですか。
○説明員(吉岡惠一君) 今のお話は補欠選挙の場合でも定員が二人であれば二で割るのです。それから今のお話は、やはり相当数の住民の信任を得なければいかんということで、定員が少なければ結局多くしておきませんと、その点は却て不公平になると思います。
○小川久義君 ところが僕が申上げるのは衆議院と同率であることがおかしい。定員が富山縣では六人、全縣下六人のときは六で割つてその四分の一、参議院の場合は二で割つて四分の一ということになる。
○説明員(吉岡惠一君) 衆議院の場合は競爭者が多いから票が取れませんから、若し上げたとすると当選しにくくなるのです。
○北條秀一君 参議院選挙法の六十一條は、これは全く無意味な規定なので、何故かというと、立候補者が当選の告知を受けた日から十日以内に当選の承諾をしなかつた場合はその当選を失うという規定は、この立候補ということが本人の立候補届出、又は推薦人が本人の承諾を得て届出をするのだから、本人の意思なしに立候補する人はない。それが当選した後もう一遍駄目を押すような規定は抹殺すべきだと思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○遠山丙市君 今の北條君の抹殺論でありますが、これは衆議院議員の選挙法七十三條を以てこういう工合に直しますれば、抹殺しなくても、衆議院議員の選挙法と睨み合わして、こういう工合に直せばそれでよかろうと思います。
○北條秀一君 遠山委員から話がありましたけれども、これは候補者は立候補する意思なしに候補者たることはできないのです。この規定によりますと……。ですから意思を持つて立候補しておる人が当選した場合に、もう一度それを確認するということは、全くそれは意味を成さんと思うのです。
○吉川末次郎君 推薦候補の場合はどうですか。
○北條秀一君 推薦候補の場合は、本人の承諾を得ることが要件ですから、本人の承諾なしに立候補することはできないのです。参議院議員選挙法第五十四條は、「候補者となろうとする者は、選挙の期日の公示又は告示のあつた日から選挙の期日前二十日までに、その旨を選挙長に届け出さなければならない。」
 二項は、「議員候補者としようとするときは、本人の承諾を得て、前項の期間内に、その推薦の届出をすることができる。」こういうことになつております。ですからいずれも本人の意思を前提とするわけです。
○遠山丙市君 今北條君のでよく分つたのですが、これはやはり当選ということを非常に重要視して、聊か屋上屋を架する嫌いもあるようでありまするけれども、私はこれは差支ないと思うのであります。ただ参議院議員選挙法の六十一條によると、十日の間に当選承諾の届出がなかつた場合において失効する。当選でなくなつてしまうという、頗る危險を負担しておるこの規定だけは、ぼやぼやしておると嬉しまぎれに忘れる虞もありますので、これはやはり衆議院の方の七十三條第二項に書いてありますように、当選人は前項の期間内に当選を辞する旨の届出をなさざるときは当選を承諾したものとみなす。特に当選を辞めるという意思表示がない限りは当選したものとみなすというふうに直して貰えば、北條君の言われますような趣旨も徹底するわけでございますので、そういう意味において訂正して存置して頂きたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川末次郎君 二段構えにした方がいい。
○北條秀一君 今の点は私はこういうことです。然らば当選は届出をして初めて確定するわけですから、そうしますと遠くに離れて距離のある人は、殊に参議院の全國区のような場合ですと、東京に來て勿論代理者がやるのだが、本人は選挙運動の作戰を練つて全國ぐるつと廻つて最後に東京に來るというような場合というふうになればいいが、最後に北海道で終つて、当選したら本人に電報を打たなければならんということになる。電報が向うへ着かなかつたら本人はできない。中央の者がぼんやりして電報を打つのが遅れてそのうちに十日過ぎてしまう、そういうことがある。もう一つは選挙日のぎりぎりまで最後まで奮鬪しておる。候補者はだから選挙開票の結果があつたら、直ぐ当選御礼を皆さんおやりになつておるのだ、にも拘わらずこれによると届出して、私は確かに議員を承諾しますということをやつてからでなければ当選御礼はできない。
   〔「進行々々」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柏木庫治君) 二十四、どうですか……。これは懇談会の席上で自由にお話願うことにしまして、これで散会いたします。
   午後三時五十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     柏木 庫治君
   理事
           大野 幸一君
           木内 四郎君
           太田 敏兄君
   委員
           大畠農夫雄君
           吉川末次郎君
           北村 一男君
           遠山 丙市君
           藤井 新一君
           伊東 隆治君
           鬼丸 義齊君
           佐々木鹿藏君
           飯田精太郎君
           岡本 愛祐君
           西郷吉之助君
           宿谷 榮一君
           北條 秀一君
           兼岩 傳一君
           羽仁 五郎君
           小川 久義君
  法制局側
   参     事
   (第二部第一課
   長)      菊井 三郎君
  説明員
   全國選挙管理委
   員会事務局長  吉岡 惠一君
           朝日 邦夫君