第005回国会 選挙法改正に関する特別委員会 第18号
昭和二十四年十月十九日(水曜日)
   午後一時四十九分開会
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  本日の会議に付した事件
○選挙法改正に関する調査の件
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○理事(小串清一君) それではこれより委員会を開会いたします。
○法制局參事(寺光忠君) 昨日御審議を願いました中で、後程気が付きましたところでお改め願いたいところがありますので第二十五條でございますが、第二十五條の第二項に、參議院につきまして地方選出議員だけの規定にいたしておりますのですが、その地方選出という四字を削除して頂きたい。それに伴ないまして第四項の「当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会」とございますが、ただ「当該選挙管理委員会」と改め願いたい。
○岡本愛祐君 昨日その第二十五條で問題になつた第三項の「市町村の議会の議員、市長」とある。それは市長でいいのですか。市長村長でないのですか。
○法制局參事(寺光忠君) これはやはり起草いたしました者の積りは市長なんでございます。この理由は現行法におきましては、市長というものは規定せられておらないのでございます。併しながら五大都市その他の大きな市の市長の選挙におきましては、その人口若しくは広さ等に勘案して見まして或る場合には数開票区を設けることの方が妥当ではないかと思われる場合があるという考え方から市長を置いたのであります。但し町村長につきましてはさような大きな都市が殆んど例外的なものであるということと、それから本来の開票区を沢山設けるということをしないということは、選挙区もすでに市町村長の選挙については別段の規定を設けておりませんので、一選挙区というふうに決めておつたりすることと対照いたしまして、市町村長につきましての数開票区を設けるということはしないということにいたしたのであります。從いまして、原則的に選挙区及び投票区の考え方といたしますと、市町村長について数開票区設けるということは本来ない筈だと思うのであります。ただ特殊の市長の選挙の場合においてはそういうことができるというふうにして方が便宜ではないかということなんであります。
○岡本愛祐君 只今の御説明ではまだ納得できないところがありますのですが、それは市の場合はそういう数開票区を設けることができるような特例をして置くことが必要だが、町村長の場合には必要がないということは言えないのであつて、瀬戸内海では三つも四つもの島に跨がつて町があり村がある場合があると思う。そういうときに、やはり数開票区にして置かないと工合が惡いのじやないか。町村長の選挙の場合……。
○法制局參事(寺光忠君) 現行法はそれを頬被つて行つているのであります。現行法においてはその規定がないのでございまして、ただここで特に起草者が市長というものを入れました趣旨は私が申上げました通りなのでございます。改めして、市町村長の選挙を通じまして数開票区を設けることの是否については、別途御審議を願いたいと思います。
○岡本愛祐君 昨日も私が質問したのですが、地方自治法に只今規定してある地方議員又は地方の理事者の選挙につきましては、やはり地方自治廳の人が来ておられた方がよいと思います。そうでないとこの問題は皆さんがまだ検討しておられませんから、ここで初めて検討せられるということになりますから、事情に通じておられる地方自治廳の方を呼んで預きたいと思います。
○理事(小串清一君) 今の岡本さんの御意見はつまり実際上数開票区を設けなければならんところは設けた方がよい、規定の中に入れた方がよいという御意見ですか。
○岡本愛祐君 そうです。はつきり申上げますが、今市長について数開票区を設ける方がよいという法制局の方の考え方で市長が入つた。市長が入るくらいなら町村長の選挙にも今数島に亘るような場合があるのですから、開票区を設けた方がよいのじやないかという考えを私は持つているのです。その必要があるかどうか、むしろその方が必要だというようなことは、やはり地方自治廳の人がしよつちゆう扱つていることだから一番よく知つているから、呼んで頂いた方がよいと思います。我々の審議する上において参考意見を附して頂きたい。
○北條秀一君 地方自治廳の方のここに出席を要請することは当然だと思いますから、今の町村長の選挙についての開票区を幾つか設けることができるという規定を置くことが実情に合うと思いますので、この際皆さんにお諮り願いたいと思います。
○理事(小串清一君) 今の御意見どうですか。そういうふうに直すというように皆さんの御意見が多数ならそう決めますが、よろしうございますか。速記を止めて。
   〔速記中止〕
○理事(小串清一君) 速記を再開して下さい。
 先刻岡本さんの御意見は大体皆さんがそれでよかろうということですから、そういうふうにこの会議においては方針を決めて頂きたいと思います。
 それではこれより第八章の開票に移ります。
   〔法制局職員朗読〕
   第八章 開票
  (開票管理者)
 第七十二 各選挙ごとに、各選挙区に、開票管理者を置く。
 2 開票管理者は、当該選挙の選挙権を有する者の中から市長村の選挙管理委員会の選任した者をもつて、これに充てる。
 3 参議院全国選出議員の選挙と參議院地方選出議員の選挙を同時に行う場合においては、市町村の選挙管理委員会は、全国選出議員の開票管理者を同時に地方選出議員の開票管理者とすることができる。
 4 開票管理者は、開票に関する事務を担任する。
 5 開票管理者は、当該選挙の選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。
  (開票立会人)
 第七十三 第四十九の規定は、開票立会人に準用する。
  (開票所の設置)
 第七十四 開票所は、市役所、町村役場、又は開票管理者の指定した場所に設ける。
  (開票の場所及び日時の告示)
 第七十五 開票管理者は、予め開票の場所及び日時を告示しなければならない。
  (開票日)
 第七十六 開票は、投票の当日又はその翌日(一開票区に数投票区があるときは、すべての投票箱の送致を受けた日又はその翌日)に行う。
  (開票)
 第七十七 開票管理者は、開票立会人立会の上、投票箱を開き、先づ第六十一第三項及び第五項の規定による投票を調査し、開票立会人の意見を聽き、その投票を受理するかどうかを決定しなければならない。
 2 開票管理者は、開票立会人とともに、当該選挙における各投票所の投票をその開票区ごとに混同して、投票を点検しなければならない。
 3 投票の点検が終つたときは、開票管理者は、直ちその結果を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長(参議院全国選出議員については各都道府県の選挙管理委員会の委員長)に報告しなければならない。
  (開票の場合の投票の効力の決定)
 第七十八 投票の効力は、開票立会人の意見を聽き、開票管理者が決定しなければならない。
  (無効投票)
 第七十九 左の投票は、無効とする。
  一 成規の用紙を用いないもの
  二 公職の候補者でない者又は第九十七及び第九十八までの規定により、公職の候補者となることができない者の氏名を記載したもの
  三 一投票中に二人以上の公職の候補者の氏名を記載したもの
  四 被選挙権のない公職の候補者の氏名を記載したもの
  五 公職の候補者の氏名の外、他事を記載したもの、但し、職業、身分、住所又は敬称の類を記入したものは、この限りでない。
  六 公職の候補者の氏名を自書しないもの
  七 公職の候補者の何人を記載したかを確認し難いもの
 2 第百十六、第百十七又は第百二十一の規定による衆議院議員、参議院全国選出議員、参議院地方選出議員又は地方公共団体の議会の議員若しくは教育委員会の委員、再選挙又は補欠選挙の場合においては、当該議員又は委員の職に現にある者の氏名を記載した投票も、また無効とする。
 3 通常選挙の場合において、在任期間の長い全国選出議員又は地方選出議員たる参議院議員の職にある者の氏名を記載した投票並びに定例選挙の場合において、在任期間の長い委員の職にある者の氏名を記載した投票も、また前項と同様無効とする。
  (開票の参観)
 第八十 選挙人は、その開票所につき、開票の参観を求めることができる。
  (開票録の作成)
 第八十一 開票管理者は、開票録を作り、開票に関する次第を記載し、開票立会人とともに、これに署名しなければならない。
  (投票、投票録及び開票録の保存)
 第八十二 投票は、有効無効を区別し、投票録及び開票録と併せて、市町村の選挙管理委員会において、当該選挙に係る議員又は長の任期間、これを保存しなければならない。
  (一部無効による再選挙の開票)
 第八十三 選挙の一部が無効となり再選挙を行つた場合の開票においては、その投票の効力を決定しなければならない。
  (繰延開票)
 第八十四 第六十八第一項本文及び第二項の規定は、開票について、準用する。
  (開票所の取締)
 第八十五 第六十九から第七十一の規定までは、開票所の取締について、準用する。
○法制局参事(寺光忠君) 本章のうち、第七十三條で、「第四十九の規定は、開票立会人に準用する。」とございますのは、届出によるということにいたしますと、第四十九に規定しておりますものをそつくりここに文章として十二項程持つて参るという整理をいたします。
○理事(小串清一君) 只今の寺光君の御説明は、この間投票立会の場合には立会人は職権を以てやり、届出を必要としない、併し開票の立会はそうでないというお話もあつたので、その御説明と思いますから、第七十三は第四十九の規定の全文をこれに挙げることになると思います。さように了解して欲しいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)片つ方は昨日皆さん削除するということになつて……そうでしたね。
○木内四郎君 今の点は異議がないのですが、外の点について異議があるのです。第七十八についてですけれども、この前にというか、この委員会の極く初めの頃、成るべく投票は投票人の意思を生かすようにしたいという、大多数の意見がそういうふうになつていたように思うのですが、そういうことをどこかに入れて置く方がいいのじやないかと思うのですが、如何でしよう。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○理事(小串清一君) どういうふうに入れますか。
○木内四郎君 それは一つ法制部長によつて……。
○法制局参事(寺光忠君) 只今の木内さんのお話でございますが、投票について、投票者の意思を成るべく尊重するように努力を決定しようということなんでございますか。
○木内四郎君 そうです。
○法制局参事(寺光忠君) それは例えば第七十九の無効投票等の規定がございますが、そういうことと衝突するような場合についてなんでございましようか。
○木内四郎君 衝突しないようにという……。
○鈴木直人君 その精神は私はいいけれども、それを実際的に法文化する場合には、七十八條の中にそういうことを入れるよりも、七十九條の無効というものを余程條件を検討して、そうして成るたけ無効というふうなことがないようにする必要がある。從つて他事記入というような形のものは、いわゆる候補者がはつきりしていて、その外に点を打つたとかということで、明らかに候補者の意思がはつきり分つておりながら、無効投票であるというような規定のために、それを無効にしなければならんというようなものが多い、そういうものもなくするようにした方がよろしい。そうして有効のものは当然無効になる筈がないのです。それから白紙を又有効にするわけにも行かないし、そうすれば書いたものを成るたけ無効にしないという方向に進むことが必要なんで、それ以外に成るたけ有効のような考え方で以てやるべきであるという道徳的な規定をやつたところで、それが無効の條件が非常に嚴になつているということであつては、單にそういうふうな道徳的な規定を作つても何の意味もなさないから、七十九條というところにそういう趣旨が生かされるように検討することが必要だと、むしろこういうふうに考えます。
○木内四郎君 併し例えば七十八の終りのところに、但し投票者の趣旨は成るべく生かうようにしなければならんという趣旨のことを入れて置けば、地方選挙区において例えば候補者が五人なら五人、その外の場合には大体入れないという……投票所へ行つて入れようというにはその誰かに入れようという意思を持つて行つているのですから、多少そこに字が一つ点を打つたために非常に大きな誤りになつてもそれは有効にして生かすとか、そういうことを我々は考えて置かなければならんのではないかと思う。候補者が五人なら五人届け出ているのに、その者以外に投票する意思がある筈がないのです。そこの字を書き違えたために、票を無効にするということはちよつと……。そこで七十八條の終りに無効投票ということでなしに、これは投票管理者か開票管理者が決定しなければならんのだが、決定に当つては成るべくこれを生かす方向に持つて行くべきであるという指導精神をここに一言謳つて置くことはこの際としては適当ではないか。
○島村軍次君 たまたまオーストラリアの選挙法を見ますと、今木内さんのお言葉のようなことがあるのです。「この節に明示された理由以外の理由では投票用紙は無効となることがない、すなわち投票者の意思が明白である限りその意思に効力を持たせるべきである」とこう書いてある。
○理事(小串清一君) 昔は随分変なことがあつたのですが、「郎」の字に点を打つたらいけないとか、ああいうことは投要立会人の方で無効にしません。すべては候補者たることを認めればこれをやるということにはなつている。こう言つてるけれども、尚そういう気持を法文の上に出すことはいいと思います。
○島村軍次君 私は以上によつて木内氏の意見に賛成いたします。七十八條を適当に修正……。
○理事(小串清一君) 全員が御賛成のようですから、そういう文章を入れることに一つ願つて置きます。
○大畠農夫雄君 七十九條は列挙主義になつておりますけれども、列挙主義だから文句が出るので、もう少し列挙しないで、自書をしないもの、或いは何人記載したかが確認し難いもの、これ以外のものは全部有効だとしたらどうですか、余り列挙するとそういうふうに縛られてしまう。例えば氏名の傍の方に「しつかりやれ」と書いた場合、そういうものはやはり確認することができるが、それを有効にするとかいうと、なかなか疑問です。余り列挙主義にすると、そういう弊害が起きて来る。
○羽仁五郎君 さつきの鈴木委員の御説明はそうなんです。
○鈴木直人君 私はこの第七十九條の第寺号なんです。いわゆる問題になつていますのは又この第五号なんです。「公職の候補者の氏名の外、他事を記載したもの」ということになりますと、ここのところが今のお話のように「しつかりやつてくれ」というものは、他事を記載したかどうかというようなことがそのときの判定によつて非常に違つてくるわけなんです。その他のものは幾ら投票者の意思を十分認めようとしたところで、第一号の成規の用紙を用いない場合には、これは認めるわけには行かないと思う。ですから問題になつているのは、第五号の「他事を記載したもの」というのが、本当に候補者の意思がはつきりしているならばよろしいのだというここのところが、技術的には私は根本のものだと思つているのです。これは「職業、身分住所又は敬称の類を記入したものは、この限りでない」と書いてあるので、それ以外のものは他事記入のものであるという解釈になるから、こういうところにもう少し先程お話のようなことが附け加えられれば、実際において開票管理者なり開票立会人が仕事をする場合に都合がいいというように私は考えております。
○小川友三君 私も鈴木先生と同意見でありまして、この第五と第七ですね。それから七の続きで全国参議院議員の投票用紙に書くのを間違えて地方選出の議員の所に全国選出の名前を書いてしまつたのが相当あるのでございます。それは全部無効にしたのですが、あのぼうつとした安つぽい印刷の投票用紙を出されると、初めて投票所に行く慣れない婦人とか年寄りの者は、どつちがどうだか分らないから無茶苦茶に書いて来てしまうというようなことになつて、それが無効になつているのが沢山ありますから、今の鈴木先生のおつとやる例から引用いたしますと、全国選出の候補者の名前を地方選出の用紙に書いた場合でも、それは有効にして貰いたいというのと、もう一つ鈴木先生や皆さんのお話ですが、例えば投票用紙に民自党の誰々先生と書いたり、或いは民主党の誰々先生という工合に形容詞を……、或いは博士呼ばわりして書いたり学位を書いたりした場合があると思います。或いは出版著者の名前、著述を思い出して名前を書かないで著述の名前を仮に書いた、名前を半分しか書かなかつたという場合も有効にしたいと思いますが、その点につきまして、特に法制局の御意見をお伺い申上げたいと思いますのは、全国地区の用紙を間違えた場合はいかんと申しますが、著者の名前を半分しか書かない場合、どうしても分らない場合がありますから、これについてお伺いいたしたい。
○法制局参事(寺光忠君) 前段のお話でございますが、投票用紙を間違えて投票した場合には、これは救済の仕方がないのではないかと思います。それから第二段のお答えに対しましては、いまの第五号の先程からの皆さんの御議論に関連いたすのでございますが、他事を記載したものせ全然制限なしに認めるということはもとよりできないのではないかと思いますので、他事記載の程度を但し書でここに制限いたしておりますが、これをどの程度に拡げるかということについて御審議願つたらいいのじやないか、何でもかんでもやたらに書き上げたものをいいというのではやはり投票の管理、開票事務その他において非常に大きな支障を来たすのではないかと思います。
○岡本愛祐君 私もこれは秘密投票なんですから、だから余計なことを書いて、これは俺が投票したぞというようなことが分かるようなことはいかんと思います。それから小川君からもお話がありましたけれども、前に同じ問題が出まして、用紙を間違えたようなものは有効にしたらどうかというお話があつたのですが、そのときに、それは全国区と地方区ととちらにも同じ名前を書く人もあるのですから、そうするとそれはどちらにも書いたのだから、誰に書いたか分りませんでしようから、それは到底救済できませんね。一人が二本を投票したら工合が惡いと思う。それで私も木内君の説のような、包括的に成るべく有効に解釈しなければいかんという意見を容れて、そうして七十九は今おつしやつた第五号の但し書をもう少し拡張するという程度に止めて置いた方がいいと思います。
○理事(小串清一君) 如何でしようか、これは全く他事を書いても分つていればいいというと、歌を書いたりいろいろなことをやられたりして、開票のときに非常に暇がかかつて困る、そういうことを自由に書いていいということになると……、だからやつぱり氏名の外その人に関係のある以外のことを余り書き散らすことは私はやつぱり投票の神聖も汚すし、どうかという感がするのですが……。
○伊東隆治君 この用紙の問題ですが、地方なんかでは面倒くさいものだから、とにかく吉田なら吉田と二つこの紙に書いて来い、そうでないと間違うというのでやるらしいのですが、そこでやはり紙はどつちでも赤いか白とかしないで同じにしたらどうですか。その当事そんな話があつたのですが、地方選出は……全国区なんというのはもう大体浮いているから、地方区の運動を授けるときは面倒くさいものですから、同じに書いて呉れとかいうのですが、赤ですか青ですか、こういうふうになるらしい。(笑声)
○理事(小串清一君) 間違えて投票箱に入つた場合困るでしよう。本人が入れるものだから、つまりそのときは参議院議員投票用紙のどつちを置いてもいいけれども、間違えて全国の方へ地方区を入れて、地方区に方に全国区を入れるということがないとも限らないのです。
○羽仁五郎君 その点は選挙管理委員会にお願いしたらどうですか。
○理事(小串清一君) 投票用紙の形式その他については、この仮案におきましても、管理委員会が決めることにいたしておりますので、それを取り上げて仮案に入めるか否かは別にいたしまして、この仮案の建前は管理委員会の決定に任せることにいたしたい。
○伊東隆治君 併し今言つたようなことを管理委員会が考慮して、用紙を間違えてやつたことが多いですね。地方によつては全国区なんか殆んど入つていない例もあるようですが……。
○岡本愛祐君 もう一つ、これは注意するのですが、第七十九に「代書投票の場合にはこの限りでない」ということを入れて置いた方が完全じやないですかね。公職の候補者の氏名を自書しないものを無効にすることになつておるから、代書投票の場合はこの限りでないということも入れて置いた方が完全じやないですか。
○理事(小串清一君) それは御異議ないでしような。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○理事(小串清一君) それじやそうとして置きます。
 それじや大体この御意見はほぼ盡したようですから、次に移つたよろしゆうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(小串清一君) それじや第九章選挙会及び選挙分会。
○小川友三君 ちよつと関連しておりますから……。
○理事(小串清一君) 今宣告したのですが……。
○小川友三君 これについて法制局の部長さんの御意見を聞きたいのですが……。七十九條の第五ですか、これについて……。木内さんの御意見は纒つておりませんが、職業、身分、住所、敬称の外に、点とか党名とかは差支ないというように拡大したい。種をここに出して置きたいと思いますけれども、鈴木先生、御意見如何ですか。
○理事(小串清一君) 今のお説ですが、皆さんの方で際限がないことだから、一方地事を余り書かない程度で、この程度で、「類」という字もありますから、常識で考えて、あとは管理委員会に任したらよかろうという御意見のように承知しておりましたがね。余り何を書いてもいいということになると、私がさつき申上げた通り、又大変な弊害が起るんじやないかと思いますが、どうです。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大野幸一君 併しその間に所属党名くらいは、この「類」の中に入れていいと思うのですがね。
○理事(小串清一君) それは差支ないでしよう。何党というようなことを書くのは、この文章でも構わんと思うのです。
○大野幸一君 住所又は所属党名というようなことを……。
○理事(小串清一君) 党の名前を間違えて、例えば社会党の人を民自党の何某と書くと却つて困りやせんか……。
○大野幸一君 それは名前が書いてあれば、明らかな間違いで……。
○大野幸一君 それは名前が書いてあつても、党の間違いはどうする。これはやはりこの通りやつてはどうです。
○鈴木直人君 今は公認候補者についてはよかつたのかな。
○岡本愛祐君 これは「類」の中に解釈していいのじやないですか。
○理事(小串清一君) 併し実際は開票立会人が今のようなことを皆採つて行くのです。
○大野幸一君 管理委員会によつて、有効とか無効にすることが、違つている。
○島村軍次君 判例では有効でしよう。
○大野幸一君 委員会によつて勝手に解釈する。
○理事(小串清一君) 判例で決つておれば仕方がない。
○法制局参事(寺光忠君) 「所属党名」と書きますか。
○大野幸一君 「自由党」として「大野」と書いたら、無効でいいでしよう。
○理事(小串清一君) どうです、この程度で……一旦決つたんですから……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(小串清一君) 次に第九章。
○小川友三君 重大だから……。
○理事(小串清一君) これは過日皆さんで大体の意向を決めたんだから、法案の時に修正案で出して下さい。大体を審議しているんですから、法案の修正案をお出し下さい。
   〔法制局職員朗読〕
   第九章 選挙会及び選挙分会
  (選挙会及び選挙分会の開催場所)
 第八十六 選挙会は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長がその指定した場所で開く。
 2 選挙分会は、参議院全選出議員の選挙につき、各都道府県の選挙管理委員会の委員長がその指定した場所で開く。
  (選挙会及び選挙分会の場所及び日時)
 第八十七 当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会又は各都道府県の選挙管理委員会の委員長は、予め選挙会又は選挙分会の場所及び日時を告示しなければならない。
  (選挙会又は選挙分会の開催)
 第八十八 当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(全国選挙管理委員会を除く。)の委員長は、すべての開票管理者から第七十七第三項の規定による報告を受けた日又はその翌日に選挙会を開き、選挙立会人立会の上、その報告を調査し、各公職の候補者の得票総数を計算しなければならない。
 2 参議院全国選出議員の選挙の場合においては、各都道府県の選挙管理委員会の委員長は、すべての開票管理者から、第七十七第三項の規定による報告を受けた日又はその翌日に選挙分会を開き、選挙立会人立会の上その報告を調査し、各公職の候補者の得票総数を計算しなければならない。
 3 第九十第一項の場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長は、第一項の規定にかかわらず、投票の点検の結果により各公職の候補者の得票総数を計算しなければならない。
 4 第一項又は第二項に規定する選挙管理委員会の委員長は、選挙の一部無効による再選挙を行つた場合において第七十七第三項の規定による報告を受けたときは、第一項又は第二項の例により、他の部分の報告とともに、更にこれを調査し、各公職の候補者の得票総数を計算しなければならない。
  (参議院全国選出議員の場合の選挙会の開催)
 第八十九 参議院全国選出議員の選挙においては、前條第二項及び第四項の規定による調査が終つたときは、各都道府県の選挙管理委員会の委員長は、選挙録の写を添えて、直ちにその結果を全国選挙管理委員会の委員長に報告しなければならない。
 2 全国選挙管理委員会の委員長は、すべての都道府県の選挙管理委員会の委員長から前項の報告を受けた日又はその翌日に選挙会を開き、選挙立会人立会の上、その報告を調査し、各公職の候補者の書票総数を計算しなければならない。
 3 選挙の一部無効による再選挙の場合において第一項の報告を受けたときは、全国選挙管理委員会の委員長は、前項の例により、他の部分の報告とともに、更にこれを調査し、各公職の候補者の得票総数を計算しなければならない。
  (開票事務と選挙会事務との合同)
 第九十 地方公共団体の議会の議員、長及び教育委員会の委員の選挙において選挙会の区域と開票区の区域が同一である場合には、第七十二から第七十六まで、第七十七第三項、第七十八、第八十から第八十五までの規定にかかわらず、当該選挙の開票の事務は、選挙会場において選挙会の事務に合せて行うことができる。
 2 前項の規定により開票の事務を選挙会の事務に合せて行う場合においては、開票管理者又は開票立会人は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長又は選挙立会人をもつてこれに充て開票に関する次第は、選挙録中に併せて記載するものとする。
  (選挙会及び選挙分会の参観)
 第九十一 選挙人は、その選挙会及び選挙分会の参観を求めることができる。
  (選挙立会人)
 第九十二 第四十九の規定は、選挙会及び選挙分会の選挙立会人に準用する。
  (選挙録の作成及び選挙録その他関係書類の保存)
 第九十三 当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長及び各都道府県の選挙管理委員会の委員長は、選挙録を作り、選挙会及び選挙分会に関する次第を記載し、選挙立会人とともに、これに署名しなければならない。
 2 選挙録は、第七十七第三項の規定による報告に関する書類(参議院全国選出議員の選挙にあつては第八十九第一項の規定による報告に関する書類)と併せて、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会において、当該選挙にかかる議員、長又は委員の任期間保存しなければならない。
 3 第九十の場合においては、投票の有効、無効を区別し、投票録及び選挙録と併せて、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会において、当該選挙にかかる議員、長又は委員の任期間保存しなければならない。
  (選挙会又は選挙分会の繰延)
 第九十四 第六十八第一項本文及び第二項の規定は、選挙会及び選挙分会に準用する。
  (選挙会場及び選挙分会場の取締)
 第九十五 第六十九から第七十一までの規定は、選挙会場及び選挙分会場の取締について準用する。
○理事(小串清一君) この法案について寺光さんより説明があります。
○法制局参事(寺光忠君) 第九章につきましては、現行法と根本的なところで違つておるところがございますので、その点を重ねて申上げたいと思います。
 第九章で選挙会及び選挙会分に関する規定に置きまして、そうしてこの選挙会及び選挙分会の事務につきましては、第九章のうち、及びそれ以後におきまして各所に選挙会の事務に関する規定を置いておるのであります。ところが選挙会及び選挙分会の事務を行います者が現行法においては選挙長、又は選挙分会長ということになつております。これが現在におきまして選挙管理委員会ができて参りました今日では、強いて選挙長、選挙分会長という者を置き続けて行かなければならない積極的理由はないと考えたのでございます。更に從来の選挙長及び選挙分会長の性格その他につきまして、必ずしも明朗なものがございませんので、その点を管理委員会にやらせることによつてはつきりすつきりすることができると考えます。一例を申上げますれば、選挙長の任命の時期は、今日選挙期日の告示の日に行われることになつて参るのでございますが、届出を受付けます選挙長が、その当日には少くともそうした受付ける場合には辞退があつたりいたしまして、いろいろなことがあると思います。從いまして半面には又管理委員会というものができましたので、こういう種類の仕事は管理委員会にやらせるのが適当と考えまして、又規定いたして見ますと、規定の上で支障なく動くことができると考えましたので、内容といたしましては、現行法が運用しておりますものと全く同様でございます。
○小川友三君 第八十九條の二項に、全国選挙管理委員会の委員長の権限が余り強いのでちよつてお伺いしますが、都道府県の選挙管理委員会の委員長から報告が全国選挙管理委員会に集まつて来る。集まつて来たときにはいつでも選挙会を開いてできるので、その翌日に選挙会を開くことができるとなりますと、……ここへその日に不可能であつた場合は、これを延期するというふうにむしろ加えたいのでありますが、こういうふうに一日延ばされるということは、選挙に当るものといたしましては、委員長の権限が余り強過ぎまして困るのであります。一日ずれますから……。この点につきまして受けた日不可能の場合はというふうに入れたいと思いますが、お伺い申上げます。
○理事(小串清一君) つまりその日にやるのが原則だが、やれなかつたら翌日ということに文章を直せという、こういう御意見ですね。
○小川友三君 そうです。
○理事(小串清一君) どうですか皆さん。まあ実際はそうなんです。できればその日にやつちまうわけでわざわざ延ばすということはあり得ないことなんですがね。
○法制局参事(寺光忠君) これは現行法の通りなんでございます。そして又現行法の運用としても只今小川さんのおつしやるように行われておるように了解いたしておりますが、若しそういう事実がなくてということでございますれば、何らか制限するような規定にいたすことも……。
○理事(小串清一君) それは考えて貰いまして……。外に御意見ありませんか。これは大体現行法そのまま出たら管理委員会が実際仕事するということになるわけで余り差はないので、大体これで皆さんお認め願つたことにして、次の問題に、大きいのですから、第十章の方を移りたいと思います。よろしうございますか。
○大野幸一君 私の思い違いか、これは九十二ですね、四十九條の規定、四十九條が大分変つて来ておるのですがね。
○理事(小串清一君) 立会人だから……。
○法制局参事(寺光忠君) これは申し落しましたが、これは第七十三に改めて頂くことになります。これは政府の方でさようにいたしますから。
○島村軍次君 ちよつとこれは御討議になつた問題かも知れませんが、衆議院の選挙の場合に選挙長は、管理委員会というものは府県に一つになりますでしよう。数投票区に亘りますと、その場合は選挙分会になるんですか。
○法制局参事(寺光忠君) 選挙分会というものは全國選挙にしかないのです。
○島村軍次君 而もその場合は選挙管理委員会の委員長一人であつて開票は……。
○法制局参事(寺光忠君) 開票及び投票については、それは管理者の方でやることになります。
○島村軍次君 それで決定は数区に分れておつても、例えば東京都で五区なら五区あつた場合は、開票は各区でやる、それを集めてそしてその決定は纒めて第一区の当選者が誰、第二区の当選者が誰ということは、選挙管理委員会が決定すると、こういうことになるのですか。
○法制局参事(寺光忠君) さようでございます。
○島村軍次君 数区に分れておつても選挙長がおらんでもよいということになるのですか。
○法制局参事(寺光忠君) 各選挙区にはありません。現行法にもありません。
○島村軍次君 あるのじやないですか。
○法制局参事(寺光忠君) 衆議院の場合は……。
○島村軍次君 これは共通にできておりますから参議院の場合はこれで行けると思うのですが、衆議院の場合には数区に分れるでしよう。
○法制局参事(寺光忠君) 実際問題として一緒になつてやつておるのです。現在でもそれで……実際問題として支障がないというか……。
○理事(小串清一君) それでは第十章に移ります。公職の候補者。
   〔法制局職員朗読〕
   第十章 公職の候補者
  (公職の候補者の立候補の届出等)
 第九十六 公職の候補者となろうとする者は、当該選挙の期日の公示又は告示があつた日から、衆議院議員、参議院地区選出議員、地方公共団体の議会の議員及び長の候補者にあつてはその選挙の期日前十日までに、参議院全国選出議員の候補者にあつてはその選挙の期日前二十日までに、文書でその旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長に届け出なければならない。教育委員会の委員の選挙にあつては、委員の候補者は、選挙人名簿に登録された選挙人の推薦によるものでなければならない。
 2 選挙人名簿に登録された選挙人が、他人を公職の候補者としようとするときは、本人の承諾を得て、前項の期間内に文書でその推薦の届出をすることができる。教育委員会の委員の選挙にあつては、その推薦は、選挙人名簿に登録された選挙人が本人の承諾を得て、六十人以上の連署をもつて、その代表者から選挙の期日前十日までに、その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長に届け出なければならない。
 3 衆議院議員、参議院全国選出議員、参議院地方選出議員、地方公共団体の議会の議員及び教育委員会の委員の選挙については、前二項の期間内に届出があつた公職の候補者が、その選挙において選挙すべき議員又は委員の数を超える場ににおいて、その期間を経過した後候補者が死亡し又は候補者たることを辞したときは前二項の例により、衆議院議員、参議院地方選出議員、地方公共団体の議会の議員及び教育委員会の委員の選挙にあつてはその選挙の期日前三日までに、参議院全国選出議員にあつてはその選挙の期日前十日までに、当該選挙における候補者の届出又は推薦届出をすることができる。
 4 地方公共団体の長の選挙については、第一項及び第二項の期間内に届出のあつた候補者が二人以上ある場合において、その期間を経過した後その候補者が死亡し又はその候補者たることを辞したときは、第一項及び恵二項の例により、その選挙の期日前三日までに、当該選挙における候補者の届出又は推薦届出をすることができる。
 5 地方公共団体の長の選挙について第一項、第二項及び前項の規定により届出のあつた候補者が二人以上ある場合において、その選挙の期日の前日までに候補者が死亡し又は候補者たることを辞したため候補者が一人となつたときは、選挙の期日は、第四十二第四項、第四十四第六項又は第百三十一第三項の規定により告示した期日後五日に当る日に延期するものとする。この場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、直ちにその旨を告示しなければならない。
 6 前項及び第百三十七第二項の場合においては、その告示があつた日から当該選挙の期日前三日までに、第一項又は第二項の例により、当該地方公共団体の長の公職の候補者の届出又は推薦届出をすることができる。
 7 公職の候補者は当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長に届出をしなければ、その候補者たることを辞することができない。
 8 第一項から第四項まで第六項及び前項の届出があつたとき又は公職の候補者が死亡し若しくは第百の規定に該当するに至つたことを知つたときは当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長は直ちにその旨を告示しなければならない。
  (重複立候補の禁止)
 第九十七 一の選挙区において公職の候補者となつた者は、同時に他の選挙区においては、当該選挙における公職の候補者となることができない。
 2 参議院議員の選挙においては、全国選出議員の候補者となつた者は、同時に地方選出議員の候補者となることができず、又地方選出議員の候補者となつた者は、同時に全国選出議員の候補者となることができない。
 3 一の教育委員会の委員の候補者となつた者は、同時に他の教育委員会の委員の候補者となることができない。
  (公務員の立候補制限)
 第九十八 国又は地方公共団体の公務員は、在職中、公職の候補者となることができない。但し、左の各号に掲げる公務員はこの限りでない。
  一 内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房長官及び政務次官
  二 衆議院議員及び参議院議員
  三 前各号に掲げる者の外專務として委員、顧問、参與その他これらに準ずる職にある者で政令で指定するもの
 2 地方公共団体の議会の議員又は長は、議員又は長の選挙がその任期滿了の日前に行われる場合においては、前項本文の規定にかかわらず、議員又は長の候補者となることができる。
 3 地方公共団体の長又は教育委員会の委員の任期滿了による選挙が行われる場合において当該長又は当該教育委員会の委員がその選挙における候補者となる場合も、また前項と同様とする。
 4 第一項本文の規定は同項第一号及び第二号に掲げる者並びに第二項に規定する者が兼ねている国又は地方公共団体の公務員たるの地位に影響を及ぼすものではない。
  (立候補のための公務員の退職)
 第九十九 前條の規定により公職の候補者となることができない公務員が、公職の候補者となろうとする目的をもつて公務員たること辞する旨の申出をした場合において、その申出の日から五日以内に公務員たることを辞することができないときは、当該公務員の退職に関する法令の規定にかかわらず、その申出の日以後五日に相当する日から公務員たる身分を失つたものとする。
  (公務員となつたため公候補の辞退とみなされる場合)
 第百 第九十六第一項から第四項まで及び第六項の規定により公職の候補者として届出又は推薦届出のあつた者が、第九十八の規定により公職の候補者となることができない者となつたときは、その公職の候補者たることを辞したものとみなす。
  (公営に要する経費の分担)
 第百一 衆議院議員、参議院全国選出議員、参議院地方選出議員の選挙において公職の候補者の届出又は推薦届出をしようとする者は、選挙運動に関する公営に要する経費の分担として、公職の候補者一人につき五万円又はこれに相当する額面の国債証書を予め国庫に納付しなければならない。
 2 都道府県知事の選挙にあつては、当該公職の候補者の届出又は推薦届出をしようとするものは、選挙運動に関する公営に要する経費の分担として、候補者一人につき五万円又はそれに相当する額面の国債証書を、予め当該都道府県に納付しなければならない。
 3 前項の規定により国庫又は都道府県に納付した物は、当該公職の候補者が選挙の期日までに死亡し又はその公職の候補者たることを辞したときその他いかなる場合においても、これを返還しないものとする。
 4 第一項又は第二項の規定による納付をした者が、当該選挙区(選挙区がないときはその区域)において、第百十六又は第百十七の規定により再選挙が行われるとき、再び公職の候補者の届出又は推薦届出をする場合には、第一項又は第二項の規定による納付をすることを要しない。
○法制局参事(寺光忠君) 逐條に現行法を異つておるところを申上げたいと思います。第九十六條でございますが、第九十六條の立候補の届出につきましては、第九十六條は、現行法におきましては、参議院の地方選出議員の届出は、二十日前となつております。それをこの仮案によりますと、衆議院議員と同じように十日に縮めております。それから地方公共団体の議会を議員及び長につきまして、現行法が七日になつておりますのを十日に、これは長くしたことになります。長くしたと申しますのは反対になるわけでございますが、そういう結果になります。
 それから第三項におきまして、参議院地方選出議員は現行法においては十日でございますが、それを衆議院議員と同じように三日にいたしました。それから都道府県及び市につきましては、現行法と同じでございますが、町村につきまして現行法は二日でございますのが三日になつております。
 それから第九十八條でございますが、衆議院の要綱によりますと、第九十八條の前に、投票管理者及び開票管理者を挙げまして、それがその区内において候補者となることができないという規定を置いておりますが、この点につきましては、投票管理者及び選挙管理者は地方公務員であるという見解の下にそれを削除いたしました。もとより地方公務員法がどういう形を持つて生れて参りますかは的確には分らないのでございますけれども、一応そういうことでこの仮案を作りました。それから九十八條の中で、第二号の衆議院議員及び参議院議員の次に、衆議院の要綱によりますと、單純なる労務に從事する者ということがあるのでございます。これは選挙運動との関連におきまして、少し如何かと思われましたので、削除いたしました。
 それから第百一條でございますが、第百一條につきましては、衆議院要綱によりますれば、二万円となつておりますのを、五万円といたしました。それから都道府県知事のこの分担金の納付先が国庫となつておりますのを、後のこの公営費の国と地方公共団体との分担に関する規定と照し合わせまして、都道府県知事についてだけは、これを都道府県に納めさせるということにいたして置きました。それから衆議院の要綱によりますと、この都道府県知事だけでなく、都道府県教育委員会の委員ににつきましても、同じく経費の分担金を納めるようにいたしておりますが、都道府県教育委員会の委員に許しておりますこの仮案の選挙運動の内容から見まして、いわゆる都道府県教育委員会の委員に関する公営の程度に鑑みまして、酷に過ぎると思いましたので、その点は削除いたして、この仮案には入れないことにいたしました。
 更にもう一点の最も重大な点は、これは供託金制度を止めておることであります。その点につきましては、第一回の当委員会において御反対がありましたので、これは復活するかどうかを改めて御決定願いたいのでありまして、御参考までに、衆議院の要綱が決めております供託金の規定をお手許に只今お配りいたしてございます。それによつて御審議願いたいと思います。かように思います。以上であります。
○吉川末次郎君 寺光君のこの公営費の負担のことについて、及びそれに関連する供託金の問題については、この委員会、殊に小委員会においての決定を全く違つた方向へ解釈して間違えて、ここに原文を作つておられると思われるのであります。この委員会におきましては、私の了解するところでは、供託金を五万円とするということなのでありまして、選挙運動に関する公営に要する経費を分担するということをば止めようということに大体決定したのだと了解しておるのであります。それは公営費は非常に多額を要するにも拘わらず、現行法においてはその十何分の一に過ぎない二万円だけを出すということは甚だけちくさい話でもあるし、変な話であるから、そういうものは止めてしまつて、選挙公営は国庫の負担において行なうという精神を貫いて行こう、併し供託金はまあいろいろ説がありましたが、その二万円を現行法の三万円に加えて五万円にしようじやないかというような議論になつたのであつて、公営費用の負担ということはそれを止めようと言つたのであつて、供託金を止めようということにはならなかつたと思うのですが、それは確実だと私は了解しております。
○理事(小串清一君) 只今の吉川君の発言に対して申上げますが、実は大分議論があつて留保されておつて、小委員会で最後に皆さんそこに一旦お決めですけれども、供託金の金額を原案の三万円を改めるというのは、全国区は十万円、地方区は六万円ということに決めようということで、小委員会の方ではそう決まつたのだと承知しています。私の記録にはそう書いてございます。それでこれとは大分小委員会でも結果は違つておりますから皆さんの御意見を……。
○小川友三君 今の吉川先生の案の通りに供託制にして当選した場合は供託金は返つて来る、落選したやつは今までは沒收、これが一番いいのであつて、これが当選しても取つてしまうというのは甚だ逆行しておる(笑声)ところがありますので、私は吉川先生や大野先生のお説に賛成するものであります。
○吉川末次郎君 先程のことに引続いて申上げたいのですが、小川さんがお言いになるような金錢的な経済的な意味でなくして、非常に多額を要するところの公営費の中で現行法によつては二万円だけを出すというのは、丁度宴会に呼ばれて御馳走になつて、その宴会の費用は主人側の負担にして置いて、自分の取つた煙草代だけ拂うのと同じようなけち臭いことになるので、これは道徳的にも余りよくないのだというような意味の皆さんのお考えで、公営費の負担ということは止めてしまおうということに決定したと私は了解いたしております。
○小川友三君 吉川先生の案に賛成します。
○理事(小串清一君) そうすると皆さんの方の修正意見はお出しになりますか。鈴木君。
○鈴木直人君 只今の問題について公営費を負担するということについてのこの案が出て来た事務当局の方の動機ですね。これを一つお聞きしたいのです。
○法制局参事(寺光忠君) 衆議院の要綱を見ましたときに、衆議院の要綱によりますと、衆議院議員の選挙についての金額が三万円となり、参議院議員の選挙について同じく三万円と規定いたしております。これに対しまして当小委員会の多数の御意見かと思いますが、全国を十万円、それから地方を六万円ということに大体承つております。そうしますると、それに比例いたしまして衆議院議員の方も相当に上げなくちやなりませんし、かと言つてその点もどうかと思われましたことと、それから市の議会の議員の選挙を見ますと僅か五千円というようなことになつておりまして、供託金制度というものの本来の狙いどころと考えられますものがかような金額において果して目的を達し得るかどうかに疑義を持つたのであります。これはもとより申上げるまでもなく、供託金という制度が濫立を防止するのであるとか何とかいうことが本来の目的と称せられており、私達は一応そういうものだと聞かされております。それから見ますと、この際はむしろ供託金制度というものを廃止せられることの方が、それが特に又大体において一応本仮案を作成するにつきまして、民主的且つ自由にというようなお話があつた線をまあこの程度までは差支えないかと理解したのであります。從つてそれが先程来吉川さんのおつしやるように、重大な誤解であるということでございますれば、もとより間違つておりましたので、從つて今特にこの立案の理由を申上げることは控えたいと思つておりましたのです。ただそういうふうな理由を申立てよということでありましたので、一応申上げまして、そうして衆議院案の要綱によつて審議を願えればとこう思つております。
○城義臣君 これはやはり小委員会でこれまで三万円説、五万円説、或いは十万円説といろいろ出ている。論議を盡した結果が先程委員長がお話しになつたように、全国十万円、地方六万円ということで大体落着いたのですから、その委員会の空気を尊重して私はこれに対する修正をした方がいいのじやないか、こういうふうに考えるのであります。
○大野幸一君 ちよつと待つて……六万円と決まつたのですか。
○吉川末次郎君 未定だ。
○岡本愛祐君 供託制度の問題につきまして、吉川委員その他からお説があつた通りでありまして、これは委員会の多数の意見として是非とも置いて頂きたい。そこで供託金の金額をどうするかという問題ですが、これは緑風会の方で出しました案が、今おつしやつた全国区十万円、地方区六万円、それから衆議院の方は適当に決める。何でその十万円、六万円というのが出たかと申しますと、無料葉書の配付を受ける。まあそれを一枚二円としまして、その額にしようじやないか、こういうことに考えたわけです。そこで全国区は五万枚ということですからそれで十万枚、それから地方区は三万枚であるから六万円、衆議院は何万枚に決まるか知りませんけれども、それが一万五千枚であれば三万円と、こういうふうになると考えております。市町村の方はそれに応ずるというふうにしたらいいのじやないか、今でもそう考えております。
○大野幸一君 只今供託金の額の問題が出ましたが、無料葉書その他の額からというお話でありましたが、誠に算盤を彈いてのことであつて、私達は当時から供託金は十万円というのは多過ぎるので、三万円というところで、今の吉川君のように五万円まで一つ讓歩して貰おうということであつたのです。これは少し緑風会及び民自党の人あたりの考えて頂かなければならんことは、何と言つても無産党を代表する社会党より左の方の者は、非常に十万円でも苦痛に感ずるということ、貧乏しているのに乘じて、成るべく出て呉れない方がいいというように現議員から思われるということは、あなた方も考えて頂きたい。その意味において少ない方に同調して貰うというのがいい。出されるという金額を定めるときは少ない方へまあ同調して貰う方が私は正しいと思う。こういう意味で一つ五万円に負けて貰いたいということを言つておるのです。
○吉川末次郎君 只今の供託金の問題でありますが、寺光君が間違いであることを言われたのでありますが、僅かな供託金を出してもその目的を達成し得ないものであるというようなお話でありましたが、先般来この委員会において非常に問題になりました、ウイリアムス氏から我々に参考資料として交付されましたオーストラリアの選挙法規でありますが、これを見ますと、第七十三條のところに供託金は上院議員及び下院議員にあつては二十五ポンドとしてありますから、二十五ポンドは一ポンド大体現在の日本の金で一千円としますと、二万五千円ぐらいに当るものでありますから、それを一つの我々の考察の基準に置くことができるかと思うのであります。それから尚供託金の問題より離れますが、関連性があるからお気付になつておるかと思いますが、これの第十六章のところに選挙費用の制限についての規定を置いてあります。即ち百四十五條でありますが、これはオーストラリアの選挙法においては参議院議員の選挙において候補者は百五十ポンド以上を使つてはならない、衆議院議員の選挙においては候補者は百ポンド以上を使つてはならない。これを現在の大体のエクスチエンジ・レートを標準にして一ポンド千円と見ますと、オーストラリアでは選挙費の制限額は上院議員にあつては十五万円、それから下院議員にあつては日本の金に換算して大体十万円というようなことを制限額にしております。これは皆さんも御覽になつたことだと思いますが、若しまだ御覽になつておらない方がありましたら、是非これは一つ御覽を願つて我々の参考にするようにこの際したいと思うのでありますが、供託金につきましては、二十五ポンドの供託金を規定してありますから。オーストラリアは御承知のように、アメリカと並んでニユージランド、オーストラリアは非常に世界において最も生活程度の高い国でありまして、恐らく現在の日本人の経済生活程度を基準にしまするならば、十倍以上も高い生活程度の国であるかと考えるのでありますが、その国において邦貨に換算いたしまして、供託金は二万五千円程度のものなのでありますから、そういうことを十分頭に置いて、折角ウイリアムス氏が我々のために最も進歩した最新の世界の選挙法の資料として我々の参考に供しておるのでありますから、十分皆さんもお考えを願いまして、供託金及び選挙費の制限額についてお考えを願いたいと、この際参考のために申上げて置く次第であります。
○城義臣君 先程民主自由党と緑風会とが、といういろいろ具体的な御試案もありましたが、これはもう民主党の方の方々も御承知の通り、あのときは十万説を頻りに提唱されたのであります。大野委員の言われるような言味で趣旨には全く私共はその点では賛成なんでありますけれども、これはもつぱら議論は過ぎたので、とにかく緑風会の全国十万、地方六万という、葉書を一応標準にされておりますが、これはただ葉書だけを標準にしたのじやなくて、その前後の非常に議論がまあ沸騰したと申しますか、討議をされた、その結論としてその辺でまあ妥協の形であのときは大多数で一応了承したのではなかつたかと、こんなふうな記憶を持つておるのです。それで大野委員の言われるように、まけて置いて呉れ、これは極めてユーモア的なお話でありますが、我々まけるまけんというような意味でなくて、その辺は一つただ葉書だけでなくて、公営費を拡大したために国家の負担する諸費用が非常に肥つておるというようなこと、いろいろ含んでああいう妥協といいますか、協調的な数字が出たかのように思いますので、この辺は一つお讓り願つて、大体委員会で決めたような数字で御質問を頂きたいと私共はこう考えて今でもおります。
○吉川末次郎君 たびたび発言するようでありますが、私は小委員会においては、必ずしも城さんが今おつしやつたようには決定したと了解いたしておらないのでありまして、全く我々はそういうことに賛成の意思表示をした記憶はないのでございます。むしろ私の記憶からいたしますると、どなたかでありましたか、或会派の方から大体社会党も公営費用を撤廃して五万円で妥協して見ようじやないかというような私的のお話があつたことだけを記憶いたしておるのでありますが、それから特に只今岡本委員並びに城委員からおつしやつていらつしやるこの全国議員を地方議員との間に供託金の差額を設けるということは、公営費の一部を負担するということからすると多少の算数的な基礎があつて、その点から差等を設けることは合理性があるような感もするのでありますが、單なる供託金として我々が考えて行きますときにおいては、十万円と六万円の差等を作るというようなことはやはりよくないことじやないかとかく考える次第であります。尚重ねて申しますが、日本から十数層倍の高い生活程度のオーストラリアにおいて国会議員の選挙費の供託金が邦貨に換算して約今二万五千円なのでありますから、できるだけ私はやはり少額にして置く方がいいんじやないか。
○城義臣君 重ねて私も申上げて恐縮でありますが、大体この供託金を置くという趣旨は、いろいろ泡沫候補と言つては多少誤弊がありますが、そういうものを防止するというのが目的であつて、吉川委員の言われるごとく、日本のこの政治意識というものなどが本当に民主化して、そういうひやかし的な、或いは売名的なというような好ましからざる立候補者が出ない程度までに国民の選挙に対する訓練が行届いて来れば、私はこういうものなんかは本来ならば一銭もないことを希望するのでありますけれども、現在の段階では残念ながらそこに行つていないわけで、現実に即したこの選挙法をここに定めることにおいては、やはりそういうことを具体的に防止し得るということが目的である。何も国民の生活程度の高い低いというような経済的なことはないのじやないか。こんなふうにも考えるわけでありまして、吉川委員の言われることも御尤もでありますが、私共別の目的からして、現在甚だ遺憾であるけれども、この程度にはして置く方が、却つて選挙界をして混乱させるというようなことのないようになるのじやないか、こういうことを思つております。
○鈴木直人君 只今の御意見、御議論拜聽しておりますと、結局はこれは多数決で決めるか、或いはもう少し懇談して了解の下に、今までの通り満場一致でやるかという二つになるわけです。そこでそれをいろいろ協議する意味においてもちよつと懇談をされた方が簡單に短に間に行くのじやないですか。
○理事(小串清一君) それでは速記を止めて。
   〔速記中止〕
○理事(小串清一君) それでは速記を始めて、会議を続行いたします。
○岡本愛祐君 只今問題になつております公営に要する経費の分担と供託金の問題、これは先に委員会並びに小委員会でよく検討しまして、公営に要する経費の負担はしないで、供託金制度で行こうということに皆さんの御意見が大体一致をいたしております。それでこの原案を修正する意見を提出いたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)それでは供託金の金額を幾らにするかという問題については、只今までいろいろ議論が出ました。この金額についてはもう少し研究する必要がありますから、それだけは一応留保をして進みたいと思います。
○理事(小串清一君) 皆さん御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(小串清一君) それではそういうことで、追つて金額を決める。それから文章は当局の方でそういうふうに修正して貰うことに、供託でやるということに決めます。
○城義臣君 第九十八條の第三項に関してでありますが、これはこれまでの小委員会でも問題として取上げられなくて、ただ懇談会の裡に意見が一部出たのでありますが、その際地方公共団体の長というふうな者が多少期間を、例えば一年とか半年くらいはせめて置かなければならんのじやなかろうかという意見が相当強く懇談会の裡に出ておつたのであります。この点を一つ当局の意見を伺つて、又我々の意見も申上げたいと思うのですが……。
○理事(小串清一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○理事(小串清一君) 速記を始めて。今問題になりました公務員の立候補の制限その他につきましては、これを留保して、更に明日でも御相談するということにいたします。
 それではこの案はこれで、次に移ります。
○鈴木直人君 どうも済みませんが、九十六條の第二項なんですけれども、教育委員会の選挙についての推薦届出に関しては六十人以上ということになつておるために、一万人も二万人も推薦の署名をして、そうして実情は選挙運動というような例もある。これは選挙運動と見られれば別途の問題となりますけれども、その点が曖昧になる点がある、これについては一つ百人以内とかそういうふうなことにやろうというような考え方があつて、そうしてすでに文部省ですか、においては教育委員会法の改正案の中にそういうふうな趣旨のものも含まれて、或いは政府案として提案されるような運びになつていやしないかということも考えておるのです。從つてこの地方自治法なり教育委員会法なりの中にあるところの選挙に関する部分については、昨日私が申上げましたのですが、地方自治廳とか或いは文部省とか、或いは教育委員会、或いは地方行政委員会というようなものの意見もやはり聞く必要があると思うのです。そこでこの点については私はむしろ六十人以上の連署を持つということに関しては留保させて頂きたいと思います。
   〔「同感々々」と呼ぶ者あり〕
○理事(小串清一君) それじやそれも留保して置きましよう。
○鈴木直人君 その條文は適当な意味において、それが教育委員会法の修正案に方にきつと入つていると思います。
○理事(小串清一君) それでは百人以内とするということに決めてしまいましよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(小串清一君) それではそれで御異論ありませんね、今度は第十一章当選人。
   〔法制局職員朗続〕
   第十一章 当選人
  (当選人)
 第百二 各選挙において有効投票の多数を得た者をもつて当選人とする。但し各選挙につき、左の各号の区分による得票がなければならない。
  一、衆議院議員の選挙
    当該選挙区内の議員の定数をもつて、有効投票の総数を除して得た数の四分の一以上の得票
  二、参議院全国選出議員の選挙
    通常選挙における議員の定数をもつて有効投票の総数を除して得た数の八分の一以上の得票
  三、参議院地方選出議員の選挙
    通常選挙における当該選挙区内の議員の定数をもつて有効投票の総数を除して得た数の四分の一以上の得票。但し選挙すべき議員の数が通常選挙における当該選挙区内の議員の定数を超える場合においてはその選挙すべき議員の数をもつて有効投票の総数を除して得た数の四分の一以上の得票
  四、地方公共団体の議会の議員の選挙
    当該選挙区の議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)をもつて有効投票総数を除して得た数の四分の一以上の得票
  五、地方公共団体の長の選挙
    有効投票の総数の八分の三以上の得票
  六、教育委員会の委員の選挙
    定例選挙における委員の定数をもつて有効投票の総数を除して得た数の四分の一以上の得票。但し、選挙すべき委員の数が定例選挙における委員の定数を越える場合においては、その選挙すべき委員の数をもつて有効投票の総数を除して得た数の四分の一以上の得票
 2 当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において当該選挙管理委員会の委員長がくじで定める。
  (当選人の更正決定)
 第百三 第二百十六第一項若しくは第三項、第二百十七第一項、第二百十八、第二百二十、第二百二十一、又は第二百二十二の規定による異議の申立、訴願又は訴訟の結果、再選挙を行わないで当選人を定めることが出きる場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長は、直ちに選挙会を開き、当選人を定めなければならない。
  (当選人の繰上補充)
 第百四 当選人が死亡者であるとき又は第百六、第百九若しくは第百十の規定により当選を失つたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長は、直ちに選挙会を開き、第百二第一項但書の規定による得票者又は第百三十第二項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたものの中から当選人を定めなければならない。
 2 第百十六第五号及び第六号の事由が、その選挙の期日から三箇月以内に生じた場合において第百二第一項但書の規定による得票者若しくは第百三十第二項の規定の適用を受けた得票者があるとき又はこれらの事由がその選挙の期日から三箇月経過後に生じた場合において第百二第二項若しくは第百三十第二項の規定の適用を受けた得百者があるときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長は、直ちに選挙会を開き、その者の中から当選人を定めなければならない。
  (被選挙権の喪失と当選人の決定)
 第百五 前二條の場合において、第百二第一項但書の規定による得票者又は第百二第二項若しくは第百三十第二項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたものがその選挙の期日後において被選挙権を有しなくなつたときは、これを当選人と定めることができない。
  (被選挙権の喪失による当選人の失格)
 第百六 当選人はその選挙の期日後において被選挙権を有しなくなつたときは、当選を失う。
  (無投票当選)
 第百七 衆議院議員、参議院全国選出議員、参議院地方選出議員、地方公共団体の議会の議員若しくは教育委員会の委員の選挙において第九十六第一項から第三項までの規定による届出があつた候補者がその選挙における議員又は委員の定数をこえないとき又は地方公共団体の長の選挙において同條第一項、第二項、第四項若しくは第六項の規定による届出があつた候補者が一人であるときは、投票は行わない。
 2 前項及び第百三十八の規定により投票を行わないこととなつたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長は、直ちにその旨を当該選挙の各投票管理者に通知し、併せてこれを告示しなければならない。
 3 投票管理者は、前項の通知を受けたときは、直ちにその旨を告示しなければならない。
 4 第一項及び第百三十八の場合においては当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長は、その選挙の期日から五日以内に選挙会を開き、当該公職の候補者をもつて当選人を定めなければならない。
 5 前項の場合において、当該公職の候補者の被選挙権の有無は、選挙立会人の意見を聽き、当該選挙管理委員会の委員長が決定しなければならない。
  (当選人決定の場合の告知、告示及び報告)
 第百八 当選業が定まつたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長は、直ちに当選人に当選の旨を告知し、且つ、当選人の住所及び氏名を告示しなければならない。
 2 市町村の議会の議員及び長並びに地方教育委員会の委員の選挙にあつては、前項の告示をすると共に、都道府県の選挙管理委員会に報告しなければならない。
  (兼職禁止の職を辞さない場合の当選人の失格)
 第百九 当選人で法律の定めるところにより当該選挙に係る議員、長又は委員と兼ねることができない国又は地方公共団体の公務員の職に在る者は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に対し、前條第一項の規定により当選の告知を受けた日から五日以内にその職を辞した旨の届出をしないときは、その当選を失う。
 2 前項の場合において、同項に規定する公務員がその退職の申出をしたときは、当該公務員の退職に関する法令の規定にかかわらず、その申出の日から当該公務員たる身分を失つたものとする。
  (請負等をやめない場合の長の当選人の失格)
 第百十 地方公共団体の長の選挙における当選人で、当該地方公共団体に対し地方自治法第百四十二條に規定する関係を有する者は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に対し、第百八第一項の規定による当選の告知を受けた日から五日以内に同法同條に規定する関係を有しなくなつた旨の届出をしないときは、その当選を失う。
  (当選証書の附與及び告示)
 第百十一 前二條に規定する場合を除く外、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、第百八第一項の告示の後、直ちに当該当選人に当選証書を附與しなければならない。
 2 前二條の規定により当選を失わなかつた当選人については、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は前二條に規定する届出があつたとき、直ちに当該当選人に当選証書を附與しなければならない。
 3 前二項の規定により当選証書を附與したときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、その旨並びに当選人の住所及び氏名を告示しなければならない。
  (当選人がない場合等の告知及び報告)
 第百十二 当選人がないとき又は当選人がその選挙における議員若しくは委員の定数に達しないときは当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長は、直ちにその旨を告示しなければならない。
  (選挙及び当選の無効の場合の告示)
 第百十三 第十六章の規定による争訟の結果選挙若しくは当選が無効となつたとき、当選人が第二百六十四、第一項、前段の規定により当選が無効となつたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、直ちにその旨を告示しなければならない。
  (当選等に関する報告)
 第百十四 前三條の場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、左の区分により、直ちにその旨を報告しなければならない。
  一 衆議院議員及び参議院地方選出議員の選挙にあつては都道府県知事を経て全国選挙管理委員会に。
  二 都道府県知事の選挙にあつては内閣総理大臣に。
  三 都道府県の議会の議員の選挙にあつては都道府県知事に。
  四 都道府県教育委員会の委員の選挙にあつては都道府県教育委員会に。
  五 市町村長の選挙にあつては都道府県知事及び都道府県の選挙管理委員会に。
  六 市町村の議会の議員の選挙にあつては都道府県知事、都道府県の選挙管理委員会及び市町村長に。
  七 地方教育委員会の委員の選挙にあつては都道府県教育委員会、地方教育委員会及び都道府県の選挙管理委員会に。
 2 全国選挙管理委員会は前項の規定により衆議院議員又は参議院地方選出議員の選挙につき第百十一の報告を受けたとき及び参議院全国選出議員の選挙の当選人に当選証書を附與したときは、直ちに当選人の住所及び氏名をそれぞれ衆議院議長又は参議院議長に報告しなければならない。
  (議員等の身分の取得)
 第百十五 第百八の規定により告示された当選人は、議員、長又は委員の任期の起草の日からそれぞれ議員、長又は委員となる。
○法制局参事(寺光忠君) 第百二の第三号の参議院地方選出議員の選挙のところで、但書のところに「補欠選挙については、その」ということを削除して頂きたいのであります。「但し選挙すべき議員の数が」ということにいたしたいと思います。本章におきましては、前々申上げておりますが、辞退又は承諾期間に関する規定を削除いたしております。從いまして、第百二條によりまして、法定得票数を得、最多数を得られた方は辞退又は承諾を要せず、又辞退又は承諾ということをむしろ許さないというような意味において当選人になられるという規定になつておるのでございます。それに伴いまして、從来繰上補充の期間をその辞退又は承諾期間の十日間というふうにいたしておりましたのを三箇月というふうに延ばすことによつて、補欠選挙等のことを避けたのでございます。
 それから第百二の第三の参議院地方選出議員の選挙の但書の点につきまして、新らしい規定でございますので、御説明をいたしてみたいと存じます。この但書は合併選挙を行なつた場合に関する規定と御了解願いたいのでございまして、從いまして、最も極端な場合の例を申上げますと、当該選挙区内の定数が通常選挙において一名である場合を考えて頂きたいのでございます。そのときに合併選挙によつて二名の議員を選ぶといたしますと、この際の法定得票の数が不当に高くなるのであります。それでかような場合によいては選挙すべき議員の数二名によつて有効投票の総数を除するということにして緩和いたしたつもりなんでございます。この精神は教育委員会の委員の選挙の場合においても同様でございます。從いましてこの但書の場合を予想いたしますと、その場合は任期を異にする議員を持つております参議院の全国選出議員についても同様の規定を置くべきであろうかと思われるのでございますが、参議院の全国選出議員に場合においてはその除すべき数が合併選挙を行います場合においても非常に多いので、大した支障を来さないであろう。少くとも通常地方選出議員の場合にような不当な不均衡を生ずることがないであろうということから、第二号の方では但書の規定を置かないでおります。要するに著しく不均衡を来すであろうと思われる第三号及び第六号の場合においてだけ但書によつて救済いたしたのであります。
 それから当選の承諮又は辞退に関する規定をなくいたしました関係上、当選人がいつから議員となられるかということが必ずしも明瞭でないと思いますので、第百十五におきまして当選の告示のあつたときから議員たる身分を取得するということにいたしたのでございます。以上であります。
○小川友三君 第本二の2のところで、「当選人と定めるに当り得票数が同じであるときは、」というところですが、そのときは選挙会において選挙管理委員長がくじけ引くというのですが、そういう場合には、両方とも当選するかしないかの境ですから、そこに不正が起きる虞も多分にありますから、今まで通り、生れたその年月日が違つたところで、先き生れた方が当選するということにしておいて、万一にも生れた月日が同じである場合には抽せんによつてやるということに改めて頂きたいと思います。
 それから百四ですが、全国区の場合は三箇月と言はず、半年くらい待つて貰いたいと思います。今までも全国区で亡くなつている人が沢山ありますけれども、十三名に達しないから補欠選挙をやつておりませんが、全国の場合においては半年くらいの期間をおいてから補欠選挙をやつた方がいいと思いますが、お伺い申上げます。
○法制局参事(寺光忠君) 全国区につきまして、特に繰上補充の期間を長くするということは、地方区と比較した場合におきましては御尤もかと思いますけれども、ただ現行法はいずれの場合においても十日間でございます。それをこの規定において少くとも三箇月延ばしておりますので、十日間において地方区も全国区も同じでありましたので、一応特別に区別することをいたさなかつたのでございます。
 それから当選人を定めるときに、得票数が同じであつたときは年長者にするということは占い選挙法にはあつたんであります。現行はこの通りになつております。それでいたしたのであります。
○城義臣君 ちよつとお尋ねしますが、当選人の繰上げ補充の場合ですが、これはまだよく読んでおらないので分らないのですけれども、次点者が繰上がるということは我々常識として考えておるのですが、全部読むと非常にむずかしいようですが、どうなんですか。
○法制局参事(寺光忠君) 第百四條を御覽下さいますと、百四條の第一項の第三行目のところに第百二第一項但書の規定による得票者というのが、有効投票を得た者の……、從いまして法定得票を得た者でなければならないということが規定せられておるわけです。当選人を決めるというのは今の第百二條の冒頭の最多数を得た者を以て当選人とするという順序から行くのです。
○岡本愛祐君 この第百四條の第一項ですが、これは只今もこういう規定があるのですけれども、これは全国選出議員につきまして、今お話のあつたように、この普通選挙というか、一般選挙と補欠選挙と同時に行うという場合がある。そうすると今度は一般選挙のときは六年議員を選挙する、それから補欠選挙のときは三年議員になつているのですから、そうするとこの百四條第一項を置いて置くと、この前の参議院総選挙のつまり六年議員と三年議員を同時にやつたときと同じになりまして、その場合は五十番までが六年で五十一番から百番までが三年だつたんですが、今度はそうなりませんが、そこで今度は五十番までが六年議員で、補欠は五十何番ですか、六十何番になるかも知れませんが、それが三年議員と、こうなると思うのです。そうすると、若し五十番までが百四條の第一項が適用されることになりますと、五十一番の人が繰上つて六年議員になるのではなくて、三年議員にもなれなかつた人が繰上つて六年議員になるというような結果になる。その点は非常にまずいと思います。だからその規定はその場合を考慮して、訂正をしなければいかん。それは非常にこの前も不合理だという批評も世間にはあつた。それでやはり五十一番の人が繰上つて六年議員になり、それから三年議員にもなれなかつた人は三年議員の方に繰上るということにしなければ不合理だと思います。そういうふうに改めて頂きたいと思います。
○鈴木直人君 今のには賛成ですから、そういうふうに字句を直して頂いて、更に百四の第一項ですが、その四行日ですが、どうもその「得票者で当選にならなかつたものの中から当選人を定めなければならない。」ということでなくして、言葉で言えば点数の上のものから順次当選人になる。当選人とならなかつたもので、そのうちの最も点数の多いものから順次に当選人を定めなければならないというふうにここは入れて、それが書いてないのです。繰上げ当選人は今の事務局の説明では第二項によつてやるというが、当然第二項が適用にならない。
○理事(小串清一君) 当選にならなかつたものと言うからちよつと変に感ずるのですが、その結果最高得票者を当選者とする。
○岡本愛祐君 そうすると現行法と同じ規定です。この前の解釈では百一番のものが六年議員になれることになる。
○理事(小串清一君) 意味は分りますが、ただちよつとおかしい、文章が。
○岡本愛祐君 これは不合理だからそういうことにならないように規定されたい。
○鈴木直人君 僕は特別に規定したらよいと思う、参議院議員の選挙につきましては……。
○理事(小串清一君) 岡本君のように皆さんの御意見なら、そういうふうに直して頂くことにします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○大畠農夫雄君 当選人の確定というのは、告示がなければ確定しないということですが、その点ははつきりしたい。それは告示が條件となつて確定するのですか。
○法制局参事(寺光忠君) 告示があるでしよう、例えば任期が遡るということを考えて頂きますと、有効投票の最多数のような、法定得票以上でいわゆる第本二條によりまして、当選せられたと申しましても、告示があるまでは議員になれない、そして告示があつたときに遡つて任期が始まる。そのときから議員という資格を持つ、但し当選証書の附與等はそれは議員の身分たることを取得することの要件ではない。こういうことです。
○大畠農夫雄君 それでは告示がばらばらに出た場合は同じ得票者で当選された議員でもばらばらに任期が違つて来る。
○法制局参事(寺光忠君) 告示がばらばらになるという場合……、ただ告示の期間というもの……直ちに告示するのでございますが、そういつた場合が出て参ります。
○大畠農夫雄君 直ちにというのでは分らん。
○理事(小串清一君) 選挙委員が候補者を決定して、決定して当選者になつたのを告示するということではつきりするわけだが、告示と同時に遡つてその前から議員になつたということになるんだから、差支ないでしよう。
○鈴木直人君 今の委員長のお話は少し違うのです。管理委員会において当選人になるのではなくて、もうすでに選挙会においてこの点数がはつきり決つて、そのときにその第二項の得票を持つたものならば当然当選人となる。選挙管理委員会で決定して選挙会で決まれば当然当選人となる。從来と違うのはそこなんです。併しながら当選人とはなるが、当選の法律的効果は告示によつて決まる。こういうことになるのです。法律的な格付けが告示によつて始まるのです。
○大畠農夫雄君 そうしますと、告示によつて議員としての活動ができるということなんですか。
○法制局参事(寺光忠君) 告示を受けるまでは例えばどうなりますか、議員ということにはならんことですね。やはり当選人という身分にあるわけです。
○岡本愛祐君 もう一つ百七ですか、これも参議院議員の選挙については注意しなければならないのは、やはり補欠選挙と一般選挙と一緒にやつたそのときに、例えばこれは地方議員のときが主ですが、地方選出が主です、全国のときは絶対と言つてもいい程ないと思いますが、地方議員の場合に、六年と三年の者が無投票で当選するというときに、六年と三年はどうするかというと、くじで決めるとか、或いは小川君から御発言があつたように年長順で決めるとか、そういう規定が一つ落ちておると思う。つまりその四人定数のときにですね、四人定数のときに今度二人を六年議員として選挙する、ところが前に、今度三年議員になつた人が一人欠員であるというので三人選挙することになる、一つの地方区において。その場合に三人しか立たなかつたならば、無投票になるという場合に、それじやどの二人を六年議員とし、どの一人を三年議員とするかということは、くじで決めるか、或いは年長順で決めるか、或いは投票をやつて決めるか、そうするよりしようがないが、それはあり得ると思いますよ。
○理事(小串清一君) 全国の無投票は……。
○岡本愛祐君 地方区、全国は絶対にない。
○法制局参事(寺光忠君) 先程来の岡本さんのお話は百二十六條に、特に只今のお話は百二十六條の第三項で規定いたしておるのでございます。それから先程のお話のところは百二十六條の第一項のところで適当な規定をいたすことになつております。
○理事(小串清一君) 成る程ここに……。
○城義臣君 先程、鈴木委員から御発言のあつたことで、岡本委員よりも御賛成があつたんですが、大体今度の基本法を作る当初の申合せの中の重大な一つの申合せとして、成るべく国民に一読してはつきり了解のできるように、平明な文章にしようじやないかというようなことがあつたようでありますが、先程寺光君からの何項にどうある、こうあるという説明で簡單に片付いてしまつた、私はこの点は、もう一遍了解しておいて貰つて、鈴木委員の発言の点のごとく成るべく分り易く書いて頂きたいということを強く要望いたして置きます。
○理事(小串清一君) それは御尤もですね。
○鈴木直人君 第百九條でありますが、これに該当する場合はどういう場合ですか。一つ例を示して下さい。普通の場合は、さつき九十八條で以てもうすでに立候補ができないことになつおりまするから、從つて当選人等ともなれないわけですが、その他の場合において、兼職のまま立候補ができるというのはどういう点ですか。教育委員会法によれば、職員は現職の教員は現職のまま立候補できるようになつておるのですが、それくらいのものじやないのじやありませんか。
○法制局参事(寺光忠君) 非常に少ないとは思いますけれども、今お挙げになりました九十八條でも第三号のような規定がございますので、一応そういう場合もカバーするという趣旨だと御了解願いたいのであります。
○鈴木直人君 第三号のごときは長が長の選挙をやり、教育委員は教育委員の選挙を打つて出るのですから、これについては兼職の問題はない。
○法制局参事(寺光忠君) 第一項の第三号です。
○小川友三君 何條ですか。
○鈴木直人君 第三号は兼職は許さないのですね。
○法制局参事(寺光忠君) その目的のためにその規定を置いておるわけでございますが、今鈴木さんの御議論はそういう場合があるかという御質問なんですね。
○小川友三君 場合があるかも知れませんね。
○岡本愛祐君 先程私の質問に対して、寺光君は第百二十六條があるからいいのじやないかとおつしやいましたが、これではやはりいけないので、これは修正して貰わなければならん。
○法制局参事(寺光忠君) 一番初めにおつしやいました場合には、これは手を入れなければならんが、二番目の場合は、これでいいのじやないかと思います。やはりくじだけじやいけませんか。
○岡本愛祐君 百二條第一項但書じやいけないでしよう。第二項でしよう。
   〔「三項」と呼ぶ者あり〕
○岡本愛祐君 三項か、二項じやないか。くじで決めるということは二項にあるのだから……。
○法制局参事(寺光忠君) 三項。
○理事(小串清一君) いいのじやありませんか。
○鈴木直人君 もう一つ第百九條について質問しますが、この趣旨はですね。当選人で他の公務員、その他にある者は、当選した場合においては届けなければならない。五日以内に届けなかつたならば、当選した効力を失うということは実は逆であつて、やはりその公職を、公務員たる資格を失うということであるならば訳が分るのだけれども、折角立候補して当選した、それでたつた五日以内に職を辞したということを届出なかつた場合は、折角当選したが、その当選が失われて、公務員が復活するということは逆だと思うのですが、むしろその職を失うのじやないでしようか。公務員たる資格を失うという方が……。
○理事(小串清一君) 辞職によらないで、法律で公務員の方を失うというのもおかしいのじやありませんか。
○鈴木直人君 兼職はできないのだから公務員の方は当然失格する。
○理事(小串清一君) どつちかをやめなければならんということになるが、公務員の方だけを失格するというのはおかしいな。
○鈴木直人君 選挙によつてなつた方が力が強いのだから、兼職はできないのだから、やはり当選した方が正しいのであつて、その外の兼職はできないわけです。公務員の方の資格を失う、それが正しいと思う。
○小川友三君 大衆が支持したものだからね。
○理事(小串清一君) それじやどつちにしますか。公務員の方を辞さなければ公務員の方を辞めさしてしもう、当選の方を確実に見る。そうなればこの規定はなくてもなんでしようね。辞さなくても当然なくなるのだから、辞すということの規定が要らなくなるわけだね。
○鈴木直人君 そういうようになつたときは兼職を失うということは、地方自治法にも、衆議院議員の選挙法にもある。参議院議員も、これは当選を失うのじやなく、職を失うのの間違いだろうと思う。
○理事(小串清一君) 届出をしないときは公職を失う、公務員の職を失うということにしようというのだね。それでよろしうございますか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○理事(小串清一君) じやそういうように直して下さい、それでは今度第十二章。
○鈴木直人君 今のは、次に身分とありますから、身分の方がいいかも知れません。職でなく身分に……。
○大畠農夫雄君 身分は両方ありますから……。
○鈴木直人君 当該公務員たる身分を失う。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
○理事(小串清一君) それでは第十二章。特別選挙、これを一つ朗読して下さい。
   〔法制局職員朗読〕
   第十二章 特別選挙
  (衆議院議員、参議院地方選出議員及び地方公共団体の長の再選挙)
 第百十六 衆議院議員、参議院地方選出議員(在任期間を同じくするものをいう。)又は地方公共団体の長の選挙について左の各号に掲げる事由の一が生じた場合においては、第百三から第百五までの規定により当選人を定めることができるときを除く外、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日を定めてこれを告示し、再選挙を行わせなければならない。但し、同一人に関し、左に掲げるその他の事由により又は第百二十一若しくは第百二十二の規定により選挙の期日を告示したときは、この限りでない。
  一 当選人がないとき、又は当選人がその選挙における議員の定数に達しないとき。
  二 当選人が死亡者であるとき。
  三 当選人が、第百六、第百九又は第百十の規定により当選を失つたとき。
  四 第二百十六第一項若しくは第三項、第二百十七第一項、第二百十八、第二百二十第一項若しくは第三項、第二百二十一又は第二百二十二の規定により異議の申立、訴願又は訴訟の結果当選人がなくなり、又は当選人がその選挙における議員の定数に達しなくなつたとき。
  五 第二百二十四から第二百二十六までの規定による訴訟の結果、当選人の当選が無効となつたとき。
  六 第二百六十四第一項前段の規定により当選人の当選が無効となつたとき。
  (参議院全国選出議員及び地方公共団体の議会の議員の再選挙)
 第百十七 参議院全国選出議員(在任期間を同じくするものをいう。)宣は地方公共団体の議会の議員の選挙について、前條各号に掲げる事由の一が生じた場合において、第百三から第百五までの規定により当選人を定めることができるときを除く外、当該選挙の当選人の不足数が左の各号に該当するに至つたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は前條の例により、再選挙を行わせなければならない。
  一、参議院全国選出議員(在任期間を同じくするものをいう。)の場合には第百二十一第一項にいうその議員の欠員の数と通じて通常選挙における議員の定数の四分の一をこえるに至つたとき。
  二、地方公共団体の議員の議員の場合には第百二十一第一項にいうその議員の欠員の数と通じて当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)の六分の一をこえるに至つたとき。
 2 参議院全国選出議員(在任期間を同じくするものをいう。)又は地方公共団体の議会の議員の選挙におけるその当選人の不足数が前項各号に該当しなくても、左の各号の区分による選挙が行われるときは、同項の規定にかかわらず、その選挙と同時に再選挙を行う。但し、前項に規定する事由が左の各号の区分による選挙の期日の告示があつた後に生じたものであるときは、この限りでない。
  一 参議院全国選出議員の場合には在任期間を異にする全国選出議員の選挙が行われるとき。
  二 地方公共団体の議会の議員の場合には当該選挙区(選挙区がないときその区域)において地方公共団体の他の選挙が行われるとき。
 3 前項の再選挙の期日は、同項各号の区分により行われる選挙の期日による。
  (教育委員会の委員の再選挙)
 第百十八、教育委員会の委員の選挙について、第百十六第一号から第三号までに相当する事由の一が生じた場合、又は同條第四号から第六号までに相当する事由の一がその選挙の期日から三箇月以内に生じた場合において、第百三から第百五までの規定により当選人を定めることができないときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日を定めて告示し、再選挙を行わなければならない。但し、同一人に関し、第百十六各号のその他の事由により又は第百二十三の規定により選挙の期日を告示したときは、この限りでない。
  (議員、長又は委員の欠けた場合等の通知)
 第百十九 衆議院議員、参議院地方選出議員、地方公共団体の議会の議員若しくは教育委員会の委員に欠員を生じた場合又は地方公共団体の長が欠け若しくはその退職の申立があつた場合においては、それぞれ左の区分により、その旨を通知しなければならない。
  一 衆議院議員及び参議院地方選出議員については、国会法第百十條の規定による通知を受けた日から五日以内に全国選挙管理委員会から当該都道府県知事を経て当該都道府県の選挙管理委員会に。
  二 地方公共団体の議員の議員については、その欠員を生じた日から五日以内にその地方公共団体の議会の議長から当該都道府県又は市町村の選挙管理委員会に。
  三 地方公共団体の長については、その欠けた場合には欠けた日から五日以内にその職務を代理する者から、その退職の申立があつた場合には申立の日から五日以内に地方公共団体の議会の議長から、当該都道府県又は市町村の選挙管理委員会に。
  四 教育委員会の委員については、その欠員を生じた日から五日以内にその教育委員会の委員長から当該都道府県又は市町村の選挙管理委員会に。
  (議員、長又は委員の欠けた場合等の繰上補充)
 第百二十 衆議院議員、参議院全国選出議員、参議院地方選出議員、地方公共団体の議会の議員又は教育委員会の委員の欠員が、当議議員又は委員の選挙の期日から三箇月以内に生じた場合において第百二第一項但書の規定による得票者で当選人とならなかつた者があるとき又は当該議員又は委員の選挙の期日から三箇月経過後に生じた場合において第百二第二項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつた者があるときは、選挙会を開きその者の中から当選人を定めなければならない。
 2 地方公共団体の長の欠けたこと又はその退職の申立が、当該長の選挙の期日から三箇月以内に生じた場合において第百二第一項但書の規定による得票者若しくは第百三十第二項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつた者があるとき、又は当該長の選挙の期日から三箇月経過後に生じた場合において第百二第二項若しくは第百三十第二項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたものがあるときは、選挙会を開き、その者の中から当選者を定めなければならない。
 3 第百五の規定は、前二項の場合に、準用する。
 4 当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長は、前條の規定による通知(参議院全国選出議員の選挙にあつては国会法第百十條の規定による通知)を受けた日から二十日以内に、選挙会を開き、前三項の規定による当選人を定めなければならない。
  (議員の補欠選挙)
 第百二十一 衆議院議員、参議院地方選出議員(在任期間を同じくするものをいう。)又は地方公共団体の議会の議員の欠員につき第百十九第一号若しくは第二号の規定による通知、又は参議院全国選出議員(在任期間を同じくするものをいう。)の欠員につき国会法第百十條の規定による通知を受けた場合において、前條第一項、第三項及び第四項の規定により、当選人を定めることができず、又は選挙を行わないで当選人を定めても、なおその欠員の数が左の各号に該当するに至つたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、その選挙の期日を定めてこれを告示し、補欠選挙を行わせなければならない。但し、同一人に関し、第百十六又は第百十七の規定により選挙の期日を告示したときは、この限りでない。
  一 衆議院議員の場合には同一選挙区において二人以上に達したとき。
  二 参議院全国選出議員(在任期間を同じくするものをいう。)の場合には第百十七第一項にいうその当選人の不足数と通じて通常選挙における議員の定数の四分の一をこえるに至つたとき。
  三 参議院地方選出議員(在任期間を同じくするものをいう。)の場合には通常選挙における当該選挙区の議員の定数の四分の一をこえるに至つたとき。
  四 地方公共団体の議会の議員の場合には第百十七第一項にいうその当選人の不足数と通じで当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときはその議員の定数)の六分の一をこえるに至つたとき。
 2 衆議院議員、参議院全国選出議員(在任期間を同じくするものをいう。)は参議院地方選出議員(在任期間を同じくするものをいう。)又は地方公共団体の議会の議員の欠員の数が前項各号に該当しなくても、左の各号の区分による選挙が行われるときは、同項の規定にかかわらず、その選挙と同時に補欠選挙を行う。但し、左の各号の区分による選挙の期日の告示があつた後に当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会が、第百十九第一号若しくは第二号の規定による通知又は国会法第百十條の規定による通知(参議院全国選出議員の場合に限る。)を受けたときは、この限りでない。
  一 衆議院議員の場合には当該選挙区において衆議院議員の再選挙が行われるとき。
  二 参議院全国選出議員の場合には在任期間を異にする参議院全国選出議員の通常選挙が行われるとき。
  三 参議院地方選出議員の場合には当該選挙区において参議院地方選出議員の再選挙又は在任期間を異にする参議院地方選出議員の通常選挙が行われるとき。
  四 地方公共団体の議会の議員の場合には当該選挙区(選挙区がないときはその区域)において地方公共団体の他の選挙が行われるとき。
 3 前項の補欠選挙の期日は同項各号の区分により行われる選挙の期日による。
  (長が欠けた場合及び退職の申立があつた場合の選挙)
 第百二十二 地方公共団体の長が欠けるに至り又はその退職の申立があつたことにつき、第百十九第三号の規定による通知を受けた場合において、第百二十第二項から第四項までの規定により当選人を定めることができるときを除く外、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日を定めてこれを告示し、選挙を行わせなければならない。
 2 前條第一項但書の規定は、前項の場合に、準用する。
  (教育委員会の委員の補欠選挙)
 第百二十三 教育委員会の委員の欠員がその選挙の期日から三箇月以内に生じた場合において、第百十九第四号の規定による通知を受けたときは、第百二十の規定により当選人を定めることができるときを除く外、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日を定めてこれを告示し、補欠選挙を行わせなければならない。
 2 第百二十一第一項但書の規定は、前項の場合に、準用する。
  (教育委員会の補充委員の選任)
 第百二十四 教育委員会の委員の選挙につき、第百十六第四号から第六号までに相当する事由又は欠員が、その選挙の期日から三箇月経過後に生じた場合において、当選人を定めることができないときは、当該教育委員会において、委員の被選挙権を有する者のうちからすみやかに補充委員を選任する。
  (合併選挙)
 第百二十五 左の各号の掲げる選挙を各号の区分ごとに同時に行う場合においては、一の選挙をもつて合併して行う。
  一 衆議院議員の場合にはその再選挙又は補欠選挙。
  二 参議院全国選出議員の場合にはその通常選挙、再選挙又は補欠選挙
  三 参議院地方選出議員の場合にはその通常選挙、再選挙又は補欠選挙
  四 一の地方公共団体の議会の議員の場合にはその再選挙又は補欠選挙
  五 一の教育委員会の委員の場合にはその定例選挙又は補欠選挙
  (在任期間を異にする議員又は委員の合併選挙)
 第百二十六 在任期間を異にする参議院全国選出議員又は参議院地方選出議員若しくは教育委員会の委員の選挙を合併して行つた場合においては、第百二第一項但書の規定による得票者の中で得票の最も多い者から、順次に任期の長い議員又は委員の当選人を定めなければならない。
 2 前項の規定は、在任期間を異にする参議院全国選出議員又は参議院地方選出議員若しくは教育委員会の委員の選挙を合併して行つた場合の当選人について第百三又は第百四の事由が同時若しくは引き続いて生じた場合に、準用する。
 3 在任期間を異にする参議院全国選出議員又は参議院地方選出議員若しくは教育委員会の委員の選挙を合併して行つた場合において、第百七第一項の規定の適用があるときは、くじにより、いずれの候補者をもつて在任期間の長い議員又は委員の選挙の当選人とするかを定めなければならない。
 4 第百七第五項の規定は、前項の場合に、準用する。
  (議員又は当選人がすべてない場合の地方公共団体の一般選挙)
 第百二十七 地方公共団体の議会の議員又はその選挙における当選人について、第百十七第一項又は第百二十一第一項に規定する事由が生じた場合において、議員又は当選人がすべてないとき又はすべてなくなつたときは、これらの規定にかかわらず、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日を定めて告示し、一般選挙を行わせなければならない。但し、これらの事由に関し第百十七第一項若しくは第百二十一第一項の規定による選挙の告示又は第百三、第百四若しくは第百二十第四項の規定による選挙会の告示をしたときは、この限りでない。
  (委員のすべて欠けた場合の教育委員会の委員の選挙)
 第百二十八 選挙の期日から三箇月経過後において、委員(当該地方公共団体の議会の議員たる委員を除く。)がすべて欠けた時は、第百二十四の規定にかかわらず選挙を行う。但し、その欠員が、次の定例選挙前六箇月以内に生じたときは、この限りでない。
  (地方公共団体の長の決選投票のための選挙)
 第百二十九 地方公共団体の長の選挙において第百二第一項但書の規定による得票者がないときは、第百十六第一項及び第百三十一第三項の規定にかかわらず、第百十二の規定による告示の日から十五日以内に、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、更に選挙を行わせなければならない。この場合においては、第九十六第一項、第二項、第四項、第六項及び第百一第二項の規定にかかわらず、その選挙において有効投票の最多数を得た者二人をもつてその公職の候補者とする。
 2 前項及び第百三十九の場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日前五日までに選挙の期日を告示しなければならない。
 3 第一項の選挙において、前項の規定により告示のあつた期日から選挙の期日の前日までに候補者が死亡し又は候補者たることを辞したため候補者が一人となつたときは、その選挙の期日は、第一項の規定にかかわらず、前項の規定により告示した期日後五日に当たる日に延期するものとする。この場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、直ちにその旨を告示しなければならない。
 4 第一項の場合において、二人の候補者を定めるに当り得票数が同じであるため得票数によつては二人を定めることができないときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員がくじで定める。
 5 第一項の選挙において、第二項の規定による告示のあつた日前候補者が死亡し若しくは候補者たることを辞したため候補者が一人となつた場合又は第三項及び第百三十九第三項の場合においては、その一人の候補者及び第一項又は前項の規定により候補者とならなかつた者で有効投票の最多数を得たもの一人をもつて候補者とする。得票数が同じであるため得票数によつてはその候補者を定めることができないときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会がくじできめる。
  (地方公共団体の長の決選投票のための選挙の当選人及び無投票当選)
 第百三十 前條第一項の選挙においては、第百二第一項但書の規定にかかわらず、有効投票の過半数を得た者をもつて当選人とする。
 2 前條第一項の選挙における候補者の得票数が同じであるときは、選挙会において、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の委員長がくじで当選人を定める。
 3 前條第一項の選挙について、同條第二項の規定による告示のあつた日前候補者が死亡し若しくは候補者たることを辞したため候補者が一人となつた場合又は同條第三項に規定する事由が生じた場合において、同條第五項の規定によりあらたに候補者となる者がないとき、又は同條同項の規定による候補者の一人が死亡し若しくは候補者たることを辞したため候補者が一人となつたときは、投票は行わない。
 4 第百七第二項から第五項まで及び第三十八の規定は、前項の場合に準用する。
 5 前條第一項の選挙における第四十九第十項又はこれを準用する第七十三及び第九十二の規定の適用については、これらの規定中三人とあるのは二人とする。
○法制局参事(寺光忠君) 本章は特別選挙に関する規定でございまして、初めに再選挙、次に補欠選挙、それから議員が欠けた場合の繰上げ、補充、合併選挙等を規定いたしておるのでございます。このうち特に申上げなければなりませんのは第百二十一條の第一項第三号であります。参議院の地方選出議員につきまして、通常選挙における当該選挙区の議員の定数の四分の一をこえるに至つたときに補欠選挙を行うということにいたしておりますのは、現行法と同様で、ただ衆議院が作りました要綱によりますと、これを当該選挙区の議員の欠員が二名になつたときを、二名以上となつたときと改めております。それで二名以上になつた場合と改めることは事実上参議院の議員数を非常に減少させる結果になることが予想せられますので、やはり現行法通り定数の四分の一を越えるときには補欠選挙を行うということの方が適当であろうと考えまして、本仮案におきましては現行法の通りといたしております。それからその第二項の、裏の頁でございますが、一、二、三、四と号数が並んでおりますうち第二号の「参議院全国選出議員の場合には在任期間を異にする全国選出議員の通常選挙」と整理をいたしておりますが、その「通常」はとつて頂きたいのであります。それからその次の号の地方選出議員の場合におきましても終りのところに「通常」という言葉を入れておりますが、それも削除して頂きたいのであります。
○鈴木直人君 この前繰上補充の問題について六ケ月ぐらいしたらいいか、まあ一年ぐらいは据えて置いた方がいいじやないか。補欠選挙というものはそれくらいやらないで置いた方がいいじやないかというような意見が有力に言われておつたようです。併しながらこれは特に参議院議員選挙法の改正案のときの話でありますから、或いはその他の地方団体における選挙の場合はどうであるかということはまあ検討を要しますけれども、これによりますと三ケ月ということに衆議院案はなつておるということですね。そうすると三ケ月過ぎれば一応は繰上げをしないで、そうして補欠選挙をして行くという原則の下に進んでおる、行われている。これで六ケ月くらいにしたらいいんじやないかという考え方も漠然としているけれども、どうですか。
○理事(小串清一君) 如何でしようか。三ケ月を六ケ月くらいに……。
○鈴木直人君 これも、それにしてもただこの前選挙が多過ぎて、それでね。一ケ年でもいいという説もあつたし、六ケ月くらいまではよかろうという説も相当あつたようでしたから、それにも拘わらず三ケ月にしたというのは衆議院の方の案にでもそういうことがあるのですか。政府の当初案には一ケ月ということに新聞に出ておりましたが……。
○法制局参事(寺光忠君) これは衆議院の要綱に從つたわけでございます。現行の十日間は余りにひどい。同時に又相当長期になるということも、これも選挙の制度から考えて如何かというようなことで恐らく三ケ月くらいを適当とした衆議院の要綱案程度でいいんではないかというふうに考えて、これは仮案は作つたのでありますが、もとより御検討を願わなくちやならんと思います。
○岡本愛祐君 特別選挙はいろいろの問題を含んでおりますし、ごたごたしておりますから、今日はこの程度にして頂きたいと思います。明日又委員が大分お揃いになつてから検討したらどうかと思います。
○理事(小串清一君) 如何でございましよう。第十四章の選挙運動までもう三枚ですから、同時選挙というところも一応検討して頂いて、それからさつきの懸案もありますから、明日皆さんで寄りよつて直すところは直し、もう少しの我慢ですから同時選挙のところまで……。
○岡本愛祐君 検討は明日にして頂きたいと思います。
   〔法制局職員朗読〕
   第十三章 同時選挙
  (同時に行う選挙の範囲)
 第百三十一 都道府県の議会の議員の選挙と都道府県知事の選挙又は市町村の議会の議員の選挙と市町村長の選挙は、これを同時に行うことができる。
 2 都道府県の選挙管理委員会は、第百三十二第一項の規定による届出又は第百十四第一項第五号から第七号までの規定による報告に基き、当該市町村の選挙又は地方教育委員会の委員の選挙をそれぞれ都道府県の選挙又は都道府県教育委員会の委員の選挙と同時に行わせることができる。
 3 前二項の規定による選挙の期日は、少くとも三十口前に告示しなければならない。この場合において第二項の規定による選挙の期日の告示は、都道府県の選挙管理委員会がこれをしなければならない。
  (選挙を同時に行うかどうかの決定手続)
 第百三十二  市町村の選挙管理委員会は、市町村の議会の議員若しくは長の選挙又は地方教育委員会の委員の選挙を行う場合においては、任期満了による選挙については任期満了の日前六十日までに、任期満了以外の事由による選挙については第百十四第一項第五号から第七号までの規定により報告する場合を除く外、選挙を行うべき事由を生じた日から三日以内に、その旨を都道府県の選挙管理委員会に届け出なければならない、市町村の議会の議員の選挙の当選人につき第百十六に掲げる事由を生じた場合又は市町村の議会の議員に欠員を生じた場合において、第百三から第百五まで又は第百二十第一項及び第三項の規定により不足の当選人又は欠員を補充することができないとき、並びに選挙の期日から三箇月以内に地方教育委員会の委員の選挙の当選人につき第百十六に掲げる事由を生じた場合又は選挙の期日から三箇月以内に地方教育委員会の委員に欠員を場じた場合において、第百三から第百五まで又は第百二十第一項及び第三項の規定により不足の当選人又は欠員を補充することができないときも、また同様とする。
 2 都道府県の選挙管理委員会は、前項の規定による届出又第百十四第一項第五号から第七号までの規定による報告のあつた日から三日以内に、当該市町村の選挙を都道府県の選挙と同時に行うかどうかを、当該市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。
  (補充選挙人名簿の期日、期間等の告示)
 第百三十三 都道府県の選挙と市町村の選挙又は都道府県教育委員会の委員の選挙と地方教育委員会の委員の選挙を同時に行う場合においては、第三十五第三項の期日及び期間等は、同條同項の規定にかかわらず、都道府県の選挙管理委員会が定め、予め告示しなければならない。
  (投票、開票及び選挙会に関する規定の適用)
 第百三十四 第百三十一第一項又は第二項の規定により同時に選挙を行う場合においては、第四十七條に規定するものを除く外、投票及び開票に関する規定は、その同時に行う選挙に通じてこれを適用する。第九十一第一項の規定する選挙会に関する規定についても、また同様とする。
 2 前項の場合において必要な事項は、政令で定める。
  (繰上投票)
 第百三十五 都道府県の選挙と市町村の選挙又は都道府県教育委員会の委員の選挙と地方教育委員会の委員の選挙を同時に行う場合においては、第六十七の規定による投票の期日は、同條の規定にかかわらず、都道府県の選挙管理委員会がこれを定める。
  (繰延投票)
 第百三十六 都道府県の選挙と市町村の選挙又は都道府県教育委員会の委員の選挙と地方教育委員会の委員の選挙を同時に行う場合において第六十八第一項に規定する事由を生じたときは、都道府県の選挙管理委員会は、同條同項の例により更に投票を行わせなければならない。
 2 前項の場合においては、市町村の選挙管理委員会は、都道府県の選挙管理委員会にその旨を届け出なければならない。
  (長の候補者が一人となつた場合の選挙期日の延期等)
 第百三十七 都道府県の選挙と市町村長の選挙を同時に行う場合において市町村長の選挙について第九十六第五項に規定する事由が生じたときは、市町村の選挙管理委員会は、直ちにその旨を都道府県の選挙管理委員会に報告しなければならない。
 2 都道府県 知事の選挙と市町村長の選挙を同時に行う場合において、都道府県知事の選挙について第九十六第五項に規定する事由が生じ、且つ、市町村長の選挙についてもまた前項の規定による報告により第九十六第五項に規定する事由が生じたことを知つたときは、都道府県の選挙管理委員会は、選挙の期日を延期し、その報告のあつた日(二以上の報告があつたときは最後の報告があつた日)から七日以内に選挙を同時に行わせなければならない。この場合においては、その期日は、少くとも五日前に告示しなければならない。
 3 第百三十一第一項又は第二項の規定により地方公共団体の選挙を同時に行う場合において、地方公共団体の長の選挙について第九十六第五項に規定する事由が生じた場合に関し必要な事項は、前項の規定に該当する場合を除く外、政令で定める。
  (無投票当選)
 第百三十八 第百三十一第一項又は第二項の規定により同時に選挙を行う場合において、第百七第一項の場合を生じたときは、当該選挙に係る投票は行わない。
  (長の決選投票)
 第百三十九 都道府県知事の選挙と市町村長の選挙を同時に行つた場合において、その選挙がともに第百二十九第一項の場合に該当するときは、都道府県知事の選挙に関する第百十二の規定による告示の日から十五日以内において都道府県の選挙管理委員会の定める期日に、その選挙を同時に行わなければならない。
 2 都道府県知事の選挙と市町村長の選挙を同時に行う場合において、市町村長の選挙について第百二十九第三項に規定する事由が生じたときは、市町村の選挙管理委員会は、直ちにその旨を都道府県選挙管理委員会に報告しなければならない。
 3 都道府県知事の選挙について第百二十九第三項に規定する事由が生じ、且つ、市町村長の選挙についてもまた前項の規定による報告により第百二十九第三項に規定する事由が生じたことを知つたときは、都道府県の選挙管理委員会は、選挙の期日を延期し、その報告のあつた日(二以上の報告のあつたときは最後の報告のあつた日)から七日以内に選挙を同時に行わせなければならない。この場合においては、その期日は、少くとも五日前に告示しなければならない。
 4 都道府県知事の選挙と市町村長の選挙を同時に行う場合において、そのいづれかの選挙について第百二十九第三項に規定する事由が生じた場合に関し必要な事項は、政令で定める。
○法制局参事(寺光忠君) 第十三章につきましては、特別に申上げることはございません。
 昨日第十六條の第二号及び第三号に関しましてお尋ねがございましたので、この際お答えいたしたいと思います。第二号の内容は「懲役又は禁錮の刑に処せられその執行を終るまでの者」と、第二号に規定されてある通りの内容を盛つたものでございます。第三号の「懲役又は禁錮の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者」の例示といたしましては。刑の言渡しが確定いたしましてから逃亡しておつて時効が完了するまでの間の者。それから仮出獄中の者、刑の執行停止中の者というようなものが入るわけであります。從つてこれらが第三号の中に包攝せられるものと御了解願います。
○鬼丸義齊君 第二号の方に入らないのでありますか。
○法制局参事(寺光忠君) 現に刑の執行中の者……。
○鬼丸義齊君 そういうふうに書いてありますか。
○法制局参事(寺光忠君) 現行法は懲役又は禁錮の刑に処せられその執行を終るまでの者、及びその執行を受けることがなくなるまでの者という書き方をいたしております。
○鬼丸義齊君 そういう書き方の方が本当ですね。
○法制局参事(寺光忠君) 一本に書いてあるのを二号と三号に分けたのであります。
○鬼丸義齊君 一本にして現行法のようにした方が法文の体裁においてはいいです。
○法制局参事(寺光忠君) 只今の御意見のように現行法通り一緒にした方が疑義がないのじやないかと私も感じております。衆議院案がこのように持つて来ましたので、分けることも誤解さえなければと思いましたが……いろいろ疑義の出るところを見ますと、分けた方が却つていけないと思います。
○理事(小串清一君) それじや今日はこれで閉会します。
   午後五時九分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           大野 幸一君
           小串 清一君
           木内 四郎君
           鈴木 直人君
   委員
           大畠農夫雄君
           吉川末次郎君
           城  義臣君
           伊東 隆治君
           鬼丸 義齊君
           佐々木鹿藏君
           飯田精太郎君
           岡本 愛祐君
           宿谷 榮一君
           島村 軍次君
           北條 秀一君
           羽仁 五郎君
           小川 友三君
  法制局側
   参     事
   (第二部長)  寺光  忠君
   参     事
   (第二部第一課
   長)      菊井 三郎君
   主     事
   (第二部第一課
   勤務)     木内  茂君
   主     事
   (第二部第一課
   勤務)     田部谷義一君
   主  事  補
   (第二部第一課
   勤務)     松澤 浩一君