第006回国会 地方行政委員会 第13号
昭和二十四年十二月二日(金曜日)
   午前十一時十七分開会
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  本日の会議に付した事件
○映画、演劇入場税軽減等に関する請
 願(第六百九十四号)(第六百九十
 五号)
 請願(第六百九十六号)
○地方自治法附則第二条第五項改正反
 対に関する請願(第六百九七号)
○地方税軽減に関する請願(第六百九
 十八号)
○警察吏員定数増加に関する請願(第
 六百九十九号)
○自治体消防制度改正等に関する請願
(第七百号)
○消防財源の確立に関する陳情の件
○消防用燃料免税に関する陳情の件
○遊興飲食税率引下げおよび免税額設
 定に関する請願(第七百一号)
○地方自治法中一部改正に関する請願
 第七百二号)
○町村吏員恩給費の負担等に関する法
 律制定の陳情(第九十九号)
○戸籍事務費全額国庫補助に関する陳
 情(第百号)
○地方自治法中一部改正に伴う区域変
 更に関する陳情(第百一号)
○入場税、不動産取得税率すえ置に関
 する陳情(第百二号)
○自治体警察の維持強化に関する陳情
 (第百三十一号)
○地方行政に関する調査の件
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○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。今日は請願、陳情がこの委員会に付託になりましたので、それを先ずお願いいたします。第六百九十四号、映画、演劇入場税軽減等に関する請願及び第六百九十五号同じく……
○專門員(上原六郎君) 第六百九十四は渡邊銕藏氏外一名の提出でありまして紹介議員は大隈信幸君、油井賢太郎君両氏であります。映画、演劇の現状は入場税の負担が過重であるからその経営が危機に陥つておる、現在の入場税を十割に引下げられたい。又実施期日は十二月一日とて貰いたい、こういう請願であります。第六百九十五号も同様であります。
○委員長(岡本愛祐君) 十二月一日にできなかつた事情、それからいつからこれは十割に引下げる予定であるのか、その点を御説明願います。
○政府委員(荻田保君) 入場税の高率なことは政府でも認めておりまして、至急これを引下げたいと考えてまして、政府といたしましては、一月から引下げる予定でありましたのでありまするが、関係方面の了解を得られず本国会に提出できなかつたような次第でございます。尚次の通常国会におきまして一般の地方税の改正は、やはり四月一日から実行いたすのでありまするが、入場税につきましてはできれば早い機会に実行するようなことを考えて行きたいと思つております。
○委員長(岡本愛祐君) 御意見をお願いいたします。
○鈴木直人君 この請願の現行の十五割を十割に引下げるということは尤もだと思いますし、説明によりましてもこれが来年の四月一日から実現するというような運びに政府としてはなつているようですから、この請願は御採択がいいと思いますが、実施期日につきましては今説明もありましたが、十二月一日から実施したいという政府の意向もあつたようですが、関係方面等の折衝もあつて大体四月一日からということになるように聞いておりますけれども、この請願者の意思はそこにある十二月一日ということでありますから、これを採択しても差支ないと思いますし、私はこの請願の採択に賛成です。尚この形式でありますが、第六百九十四号と第六百九十五号は請願者が同じ人であり、内容も同じなのですが、ただ紹介議員が違うだけという場合に、これは一体別個の請願として取扱うべきものであるかどうか。僕は疑義を持つているわけですが、これは形の問題ですから別ですけれども、一応ここに疑問を持つたことだけを申上げて置きます。
○委員長(岡本愛祐君) 御尤もですね、おかしいですね、同じことですから……一人の人が二つの請願を出したということはおかしいことですね。これは尚事務局に注意いたします。将來こういうことが起らんようにそれでは鈴木君から採択して内閣に送付するの動議が出ましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) これは十二月一日からと言つておりますのは、成るべく早くして呉れという意味でありましよろから、採択いたします。
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○委員長(岡本愛祐君) では次に六百九十六号、地方公務員法案中一部修正に関する請願を……
○專門員(上原六郎君) この六百九十六号の請願の要旨は、近く国会に上程されようとしておる地方公務員法案は、地方公務員から政治活動の自由及び労働者の基本的権利を否定するものであり、地方行政の民主化を妨げるばかりでなく、新憲法の精神に反するものであるから、地方公務員法案の一部を改正せられたいとい請願であります。
○委員長(岡本愛祐君) 地方公務員法案はまだ出て来ないのですが、一応政府委員の御説明を承つて置きましよう。
○政府委員(鈴木俊一君) 地方公務員の政治的行為の制限に関しましては、目下政府当局といたしましてはどういうような種類の規定を設くべきかということにつきまして研究中でございまして、成るべく地方団体の自主性を尊重するような建前にしなければならんと思つておりますが、同時に国家会務員の政治的行為の制限というものとの間に、或る程度の権衡というものも維持できるな形で、考えたいというふうに考えております。
○鈴木直人君 これは地方公務員法というものの案文がまだ国会に来ておらないわけです。そうしてすでに地方公務員法が制定されておつてそれを修正しようということであるならば、はつきり内容も我々分りまするが、まだこれは出て来ない。それが出て来たならばこれは我々自身がこういうふうな請願の趣旨を考えて、修正するか修正しないかというような態度を決定すべきものであつて、まだそういう法案が出て来ない先に、国会としてそういうようなことを政府に指示して、法案を作れというようなことをやることはどうだろうかと思うのでございますが、外の委員の御見解を聞きたいと思います。
○吉川末次郎君 内閣は、地方公務員法を作る意思を明確に示しておるのでありまするし、月下作製中なのですから、参考資料として送るというような意味で措置するように決めたら如何ですか。
○鈴木直人君 今吉川委員からそういうお話がございましたが、そうしますと、一応こういう方からこういう請願が来たから、国会は参考資料として政府にそれを渡すという態度で、請願をとるということでありますが、そういう場合に、若しこれと反対のような、いわゆるこの請願と違うような法案が、この次の国会に政府から提案されて来た場合に、我々の態度が束縛されるということにもなるように感ぜられます。ところがこの請願ですね、政治活動の自由及び労働者の基本的権利を否定するというその範囲がよく分りませんし、これは抽象的なものですから、一々この国会に成文化して来た場合に、それを公正な立場において審議するということが或る程度抑制されるようなことになつても困るわけですが、吉川ざん如何ですか。
○吉川末次郎君 意見を附して内閣に送付するということになつているのだから、私の主張しているようなことが国会法の解釈からどうなるか、私強い意思を持ちませんが、意見を附して、要するに参考資料として送付するというような意味の意見を附して、送るのだつたらいいのじやないですか。折角いろいろ努力してやつ来ているのだから……
○委員長(岡本愛祐君) これは吉川さん如何でしよう。これを読んで見ますと、内閣に送つて呉れという意味ではないのですね。国会に出て来たら国会の方でやつて呉れというのだと思いますがね、それでは採択でなくて、留保することにいたしますか。
○鈴木直人君 そうすると改正する場合に、我々は自由な立場においてこの点は審議し得ることになりますから、留保するなら賛成いたします。
○委員長(岡本愛祐君) よろしうございますね。それでは本件は留保しつつ研究することにいたします。
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○委員長(岡本愛祐君) 次は六百九十七号、地方自治法附則第二条第五項改正反対に関する請願……
○專門員(上原六郎君) 六百九十七号の請願は、愛媛県の県議会議長の提出であります。地方自治法の附則第二条第五項の市町村の廃置分合、又は境界変更に関し「都道府県議会の議決を経ての」の条項を削除するような改正が行われる由であるが、これは府県議会の自主性を阻害し、いろいろの弊害を生ずるから、この改正は取り止めて貰いたいという請願であります。
○委員長(岡本愛祐君) 本件は、同様の趣旨の陳情が地方行政委員会宛に沢山参つております。
○鈴木直人君 これは只今衆議院におきまして審議中のものであり、参議院におきましては予備審査中のものに属している法案だと思います。従つて政府の手から離れている問題でありまするから、勿論これを採択して政府の方に廻すというのにはもう手遅れの問題でありまして、国会において我々がこの請願の趣旨を尊重して、いろいろ審議する資料にするという程度で留保して置く性質のものではないかと私は思います。そういう意見を提出いたします。
○委員長(岡本愛祐君) 本件は先程申しましたように、同様の請願がございまして留保になつておりますから、留保いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは留保にいたします。
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○委員長(岡本愛祐君) 次は第六百九十八号、地方税軽減に関する請願……
○專門員(上原六郎君) 請願者は栃木県の小山町長であります。請願の趣旨は、地方税制も画期的な大変革が行われることになつたが、改革方針として地方自治の確立のために、財政力の強化を図り、殊に市町村に有力な財源が与えられたことは、誠に有意義なことであるが、これらの財源の付与と対応して徴收の面においても、地方税の課税方法、資金の評価等について納税者の負担軽減を図られたい、こういう請願であります。
○委員長(岡本愛祐君) これについて政府委員の御意見を求めます。
○政府委員(荻田保君) 来年度より改革いたそうと考えております地方税制は、地方税の財源を充実するということを主眼にしておるわけであります。ただ国税、地方税を通じますれば、やはり負担の均衡乃至は軽減ということを考えております。従いまして地方税におきまして相当の増税が行われることになりますが、国税と引つくるめて考えますれば国民負担は軽減、少くとも均衡の取れるものになると考えております。従いましでその方向におきまして、只今地方税の個々の税率につきまする改革案を検討中でございますので、この趣旨は汲み入れて行きたいと思います。
○鈴木直人君 私はこの請願を採択したいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 鈴木君から本件の採択の動議が出ましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(岡本愛祐君) それでは採択に決定いたします。
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○委員長(岡本愛祐君) 次は六百九十九号、警察吏員定数増加に関する請願……
○專門員(上原六郎君) 請願者は広島県呉市役所の公安委員会内、澤原悟郎、呉市の警察は現在本部及び呉、広の二署を以て構成され、その総定員は三百八十七名であるが、同市の人口は増加の傾向にあり、又進駐軍関係もあり、治安関係上からも現在の定員では十分でないから、四百五十名程度に増加されたいという請願であります。
○委員長(岡本愛祐君) 本件のごとき陳情はまだ多く参つております。高松市がそうでありますし、阪神間の各市のごときもそうであります。これは過日樋貝国務大臣が出席いたしましたときに、この問題につきまして質疑をいたしました。自治体警察の定員につきましては、取敢ず政令として定めましたけれども、いずれ法律で定めなければならないことになつております。その法律案を研究中だという答弁でございました。
○三木治朗君 当局の方としてもいろいろの凸凹ができて来て、それを直す必要は痛感されておるようでありますから、これは採択して、やはり政府の参考に資することが必要じやないかと思います。採択を希望します。
○委員長(岡本愛祐君) 三木君より採択の動議が出ました。外に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは採択に決定いたします。
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○委員長(岡本愛祐君) 次は七百号、自治体消防制度改正等に関する請願…
○專門員(上原六郎君) 請願者は東京の消防庁消防総監であります。昨年三月公布された消防組織法に基き自治体消防として新態勢を曲りなりにも整え、八月一日消防法が施行され、消防実体の指標が定まり今日に及んだのであるが、過去の経験に徴し、その組織運営並びに財源措置等に幾多不備の点かあるから、消防制度の改正並びに消防財源の確保等の処置を図られたい、こういう請願であります。
○委員長(岡本愛祐君) この請願に関しまして、財源措置等の幾多の不備がある。それで財源の確保等の処置を図られたい、先ずこの説明を願います。
○專門員(上原六郎君) 財源問題について提出者がここに述べておりますことは、国において特に保護を要する建物に対する人的、物的、消防費の二分の一を補助して貰いたいとか、或いは消防ポンプの三割更新は所要費のニ分の一を補助して貰いたいとか、消防水利施設に対する二分の一の補助をして貰いたい、というようなことが書いてあります。
○委員長(岡本愛祐君) 尚委員長宛に東京、大阪、京都、神戸、名古屋、横浜、福岡各地の消防庁から陳情が出ております。それにつきして申上げます。
○專門員(上原六郎君) それは消防財源の確立に関する陳情であります。
 地方分権の精神に立脚し、改革されたわが国の消防制度も市町村の責任において着々その実積を收めているが、昨年七月施行の地方税法も地方公共団体の総合財源としての地方税に限られ、而も起債については大幅な削減を余儀なくせられる等、各都市の財政は困窮の極に達し、これがためにはその設置維持に法律的拘束力を伴わない消防施設の縮減という必然的な結果を招来しつつ、あるのであります。その半面火災は頻発する実情にあり、この事実に対しては、先に第五国会において「消防機構の強化に関する決議」が満場一致で可決せられたところであつて、上局におかれては、この決議に即応して消防行政面への具体化に努力中のことと思料するが、治安維持に必要なる消防力の設置維持は国家的必須の問題であり、これに所要する財源措置は単に分與税のみに限らず国において新規設定を見るべきものと思考するのであります。即ち消防組織法第二十五条の「市町村の消防に要する費用に対する補助金に関しては、法律で定める。」ことになつているが、消防制度実施後すでに一年有半の今日未だに消防財源措置が確立されないことは、治安維持上誠に憂慮に堪えない。今日地方消防が負荷せられつつある問題は、全国に亙る国有財産等に対する消防警備費、連合軍施設に対する消防警備費、県有財産に対する消防警備費、国家緊急事態の場合における消防の協力援助の際に所要する消防費等は、一に懸つて市川村費を充当していることは不合理も甚だしく、又最大の消防不安とも言わなければならん。これらの事案に徴しても上局は積極果敢に消防財源の確立措置を講ずることが、消防機構の強化上緊急にして最大必須の要件と存ずる、こういう趣旨であります。
○委員長(岡本愛祐君) これに対する政府委員の意見を求めます。
○政府委員(荻田保君) 消防の経費が不足しておることは、我々も承知しておるのでありますが、ただこれは単り消防だけどうのこうのという問題ではなくてむしろ地方財政全体が非常に窮迫しておるというところに原因があるところが多いと思います。昭和二十五年以後税制の改正がございますれば相当地方財源を殖されまするので、或る程度緩和されて来るのじやないかと考えられます。ただ具体的の問題としましては、只今消防に要する経費を一般交付金の標準基準で取りますとか、或いは地方債の枠の拡張がございますれば消防施設に対する部分も相当程度認めるというような具体的な問題もございまするけれども、主といたしまして地方財政力全体の力が付きますれば或る程度救われるのじやないか、又そうでなければ到底消防に対しまする財源も十分にならないと思います。尚中に述べてあります国有施設等に対しまする消防に要する経費を、国家が負相するという考えでございまするが、これも一つの考えであるとは思いまするが、新らしいシヤウプ勧告に上りますると、大体そのような国費、地方費の負担区分というような観点からします補助金というものは、成るべく止めるという精神でございますので、多少そういう点は実現しにくいと考えております。
○岡田喜久治君 この問題はなかなか厄介な問題だと思うのです。今御答弁のあつたように、ただ一般的に地方財政の財源が窮乏しているからというような問題と、意味が離れてもつと深酷な問題だと思うのであります。最後にお話になつた事務局の問題であります。これと絡まつてこの機会に何か深酷な十分な研究、検討を加えて、例えば補助金で行かなかつた場合は、国費か直接それを支弁するような式、例えば山林警防、山林消防のごときはその支出関係がどこにあるか。農林省関係にあるとすれば国有林関係だ。その費用を以てこれを補助するのでなくて、支払をつける。緊急活動をした場合ですね、或いは経理問題にも触れているようですが、実際問題として補助せるを得ないと思うのです。非常警備というような或る種の任務に消防がつくことが、これは問題でありまするが、あり得るのですね。そういう場合にもこれは警察費の中から直接支払するかというがごとく、このシヤウプ勧告の結果として補助金の支給を以てやり得ない場合に、費用支出区分を明確にして、それに必要な活動に向つて援助としての支出をするか、何かそこを十分に自治庁の方でお考えになつて、支出区分の場合に御考慮を願うということが非常に必要だと思います。これは放つて置けないことだと思いますが、まあそういう態度でやつて貰いたいと期持するのですが、御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(荻田保君) 只今述べましたような見方によりますれば、非常に国家的に重大なことでもありますが、事柄としましてはやはり一市町村内の消防でございますから、極めてこれは地方的な事務であります。元来性格としましては市町村の一般財源を強化することによつて、支弁するということか趣旨であると思います。ただ中にお述べになりました、国有山林をお指しになつてのお話だと思いますが、山林消防につきましての経費のお話でありますが、これは我々も北海道の地方あたりから陳情を受けておるのでありますが、これは確かに負担を地元市町村にかけますので、適当でないのでありまするが、その問題はむしろ国有林のありますその市町村に対しまして、国有林の特別会計の方から出しておりまする地租相当額の交付金というものが、非常に外の税が上りました場合に上つておりませんので、そういうところに是正の途があるのじやないかと考えております。
○岡田喜久治君 ちよつと認識がまだ徹底を欠いておると思いますから、もう一遍申上けますが、実際国有林の場合は地方市町村だけの関係じやないと私は思う。むしろ国有林自体の保護、擁護の問題です。その場合を私は考える。もう一つ考えることは京都市のごときは国宝的営造物が多い。私はあそこにおつて国宝の消防問題で非常に悩んだ。あそこのごときは各寺院を初め軒を揃えて国宝的建造物がある。あれに対する消防というものは現在殆んどない。非常に市の消防というものが苦しいとすれば、これに十分の消防の用意をするということは、実際国宝擁護の見地から行かなければならない。そのくらいの大仕掛の消防をやらんというと、とても通常の消防ぐらいの考えでは、国宝的建造物、奈良とか京都とかを護ることはできないと思う。そういう場面があり得る。もう一つ私が指摘したいのは水防問題にしましても、河川の大氾濫があつて、消防隊が水防をして活動をする場合に、これも一市町村の問題とは考えられない、大きな国土保安の問題であり、又国の災害防除の問題である。こういうことを考える。そういう場合に遺漏なくそれぞれのやはり国費支弁、それぞれの所管の経費を以て支出して、その機能発揮を十分に助けてやる。こういうことを特に考えざるを得ないと思うのですが、そこを徹底的に認識して欲しい、こういうふうに希望するわけであります。
○鈴木直人君 今岡田君から消防の実際活動の部面は単なる一市町村のことだけでなく、相当数町村、或いは国家的な役割を演ずる部面もめるというお話でありましたし、又この陳情、請願の要旨にもそれだけでなく、一般的に財源の措置に幾多の不備の点もあるというようなことで、まだ消防組織法ができたばかりで、確かにまだ生まれたばかりの問題でありまするから、今後各方面に突当り、或いは研究し、そうして一歩一歩これはよくなつて行く性質のものでありまするから、私はこの請願は採択して内閣に送付すべきものであると思います。
○委員長(岡本愛祐君) 鈴木君から内閣に送付すべきものとしての動議が出ましたが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは採択することに決定いたします。
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○委員長(岡本愛祐君) 尚これについて伺つて置きますが、同様の顔触れから委員長宛に消防用燃料免税に関する陳情というのが出ております。それは消防に使用する揮発酒の購入価格は、本年四月に揮発油税法というものが出たために二倍に増額されたので非常に困つておる。さらでだに苦しき各自治体財政に尚圧迫を加えており、その運営にも支障を生ずる。で七大都市の消防庁、全国各市町村の消防の禍根たる消防用燃料について、その免税方を御工夫願いたく陳情するというふうに言つております。これについての意見を、あなたの立場から見て……この問題についてあなたは聴いておりませんか。
○政府委員(荻田保君) 油税問題でございまして、直接私共の関係するところではございませんが、私の感想だけを申上げて置きます。この揮発油税法で成る種の特定の用途に使う揮発油に対しましては、免税の規定があるというような建前になつておりますれば、或いは消防用の揮発油のごときはそのうちに入れるのが至当じやないかと思います。ただ税の建前としまして全然免税ということは考えないというような建前になつておりしますと、単り消防だけというのは無理じやないかと思います。私ちよつと揮発油税法の内容を今存じませんので、はつきりしたことは申上げられませんが、一応そういう感じがいたします。
○鈴木直人君 これは警察の方でありますが、実は国家地方警察におきましては、この今回の補正予算の中に予算を追加して組んである内容を見ますと、ガソリンが上つたために費用が多くなつたというので、特にガソリンの値上げに伴うところの不足財源の補助という意味で、補正予算の増額をしておるようでありまするから、それを見るとやはり国家地方警察においても、その分を免税をするということはできなかつたのだろうと思うのです。そうして止むを得ず予算を増額したということになつたのじやないかと考えまするから、一応警察の方でそういう態度をとつておつたということを、御参考のために申上げて置きます。
○委員長(岡本愛祐君) 尚都市消防についていろいろ問題がございますが、この大都市の消防庁の各位が当地方行政委員会の委員の方々に親しく窮状を聞いて頂きたいということでございますから、成るべく御出席下さいまして、いろいろ聞いて頂きたいと希望を申上げて置きます。
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○委員長(岡本愛祐君) 次は七百一号、遊興飲食税率引下げおよび免税額設定に関する請願……
○專門員(上原六郎君) 提出者は山梨県の料理飲食業組合連合会であります。紹介議員は小宮山常吉君、現行の徴收できないような高率な課税であり、伝えられる税率改正案も従来と大差ない模様であるということは大きな錯覚であります。シヤウプ勧告に基く遊興飲食税は入場税、事業税と共に、府県の三大財源となつたのであるから、営業者が実際に納税義務者から徴收することができるような低率な課税に改正して貰いたい、こういうことであります。改正の率は、花代以外の飲食に対する税率は最高三割くらいにして貰いたいということであります。
○委員長(岡本愛祐君) これに対して政府委員の意見を承わります。
○政府委員(荻田保君) 現在の遊興飲食税の税率は非常に高いのでありまして、これではなかなか適正な課税ができないということは我々も認めておるのであります。ただシヤゥプ勧告におきましては、この税率引下げにつきまして何ら触れておりませんので、そこに一つの問題があると思いまするが、我々といたしましては、今度の全面的地方税法改正の際、相当程度の軽減を行いたいと考えております。ただそこに述べてありますような免税点を置くということについて、これは徴税の技術面から見まして到底実行できないことだと考えております。
○委員長(岡本愛祐君) これに対して何か処理の御意見をお述べ願います。
○鈴木直人君 政府に参考のためにこれを採択して送付する方がいいのではないかと思います。勿論この税率の割合とかその他のことは、一応の請願でありますから、その通りにやらなければならんということではないかも知れませんが、こういうような要求があつたという程度の参考資料として送付するのは如何でしようか。
○委員長(岡本愛祐君) どうも参考として送付するということかない、今そういう制度がないのですね。
○鈴木直人君 この前、こういうものはどうなつておりましたか。
○委員長(岡本愛祐君) 留保して研究する程度にいたしております。
○鈴木直人君 それならば留保でも結構です。
○委員長(岡本愛祐君) 問題がありますから一応留保して置くことで如何ですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それじや留保して置きます。
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○委員長(岡本愛祐君) 次は七百二号、地方自治法中一部改正に関する請願……
○專門員(上原六郎君) これは全国の都道府県の監査委員協議会連合会の提出であります。現行の地方自治法によれば都道府県の監査委員の定数は四名と限定されているが、その執行する予算額及び事務事業量が尨大であり、又は区域が広大でおる府県にあつては、四名の定員では十分な監査が行われ難い実情であるから、条例によつて増員できるようにして貰いたい。又その他監査委員の職務権限の拡充とか、監査事務機構の整備等についても所要の改正をして貰いたい、こういう趣旨でございます。
○委員長(岡本愛祐君) これについて政府委員の意見を伺います。
○政府委員(鈴木俊一君) 監査委員の定数を増加することができるようにという趣旨でございますが、監査委員の数を現在四人ということに規定しておりまするが、これを更に増加いたしますことは、必ずしも得策ではないというふうに考えておる次第でございます。と申しますのは、やはり監査委員の制度をうまく運用いたしまするために、よき監査委員を得ることが必要でございまして、人数を殖しますと却つて困難になりまするし、又監査委員自身の総体的な権威の低下ということになりまして、やはり四人くちいで、できるだけいい人を選び、若しも監査の対象が非常に多くなりまするならば、その補助部局の者を沢山使うということで行くべきではないかというように考えておる次第でございます。
○委員長(岡本愛祐君) これは同様のものが陳情第八十七号で出ておりまして、そのとき留保になつておりますから、これも留保にいたしたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) 留保と決定いたします。
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○委員長(岡本愛祐君) 尚、選挙法に関する請願が八百十号、八百十一号と二件出ておりますが、これは選挙法規に関するものであるからというので、選挙法改正に関する特別委員会にかかつております。それは衆議院議員の選挙区北海道第四区改正の問題、それから長期入院療養者の投票に関する問題、こういう問題はあちらの委員会にかかつても止むを得ないとこう思うのです。御了承願いたいと思います。請願はこれで終りました。
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○委員長(岡本愛祐君) 次に陳情に移ります。第九十九号、町村吏員恩給費の負担等に関する法律制定の陳情であります。これは前にもございましたし、配付税の問題で大体片が付きました。で留保で如何でございましよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) 留保に決定いたします。
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○委員長(岡本愛祐君) それから第百号、戸籍事務費全額国庫補助に関する陳情……
○專門員(上原六郎君) 戸籍事務費全額国庫補助に関する陳情、奈良県宇陀郡御杖村長の提出でございます。戸籍事務取扱の内容は急激に変化し、その事務量も増大しているので、事務の完璧を期すためには戸籍吏員の増員を必要とするが、現下の窮乏せる町村財政では経費の負担は極めて国難であり、且つ地方財政法の基本精神に基いて、当然国家が負担すべきものと考えるから、全額国庫負担とされたい、こういう陳情であります。
○委員長(岡本愛祐君) これに対して政府委員の意見を承わります。
○政府委員(荻田保君) 戸籍事務が最近非常に多くなりましたことを我々も認めておりまして、昭和二十三年度の地方財政におきまして、或る程度の戸籍事務に要する財源を見たわけでございますが、勿論まだ十分ではないと思いますが、ただ陳情にありますように、これにつきまして国家事務だから国庫で負担をするというような制度を建てますことは、これから政府が行おうとしております地方の経費に対しまする国費、地方費の負担の問題からいたしまして、少しそぐわないことになりまするので、負担金制度を作るというようなことには、今の段階におきましては、賛成することはできません。ただそれに使います財源を確保するということについては、十分努力いたしたいと思います。
○鈴木直人君 今のは国庫で以て、直接国費で以て戸籍事務費を負担するという趣旨でございますか。
○專門員(上原六郎君) いや、補助です。
○鈴木直人君 国が補助する、戸籍事務手当ということを特に指定して、そうしてそれを町村に補助するということですね。
○專門員(上原六郎君) 陳情の趣旨はそうです。
○鈴木直人君 併し、これは恐らく陳情の趣旨はそういうような法律的な細かい手続のことを考えているのではなくて、これは非常に最近金がかかりますし、国の事務なんだからして何とか国の方面において、そのことを見て呉れ、例えば地方配付税なんかもそれに含めて、今度一般平衡交付金なんかも含めて、要するに自己財源でなくして、依存財源というか、そういうふうな方面を多くして貰いたいという趣旨じやないのでしようか。
○委員長(岡本愛祐君) それはそうでしよう。これは如何でしようか、非常に諸方面から申出がありますし、非常に大事な問題で、今度の税制改革について税制の体系がどうなるか、それとも睨合せの関係がありますから、留保にして置いて研究したらどうですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは留保して研究いたすことにします。
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○委員長(岡本愛祐君) それでは第百一号、地方自治法中一部改正に伴う区域変更に関する陳情……
○專門員(上原六郎君) 松山市長の提出でありまして、愛媛県松山市は、昭和十九年道後湯之町を合併して以来、着々県都として発展して来たが、昭和二十三年法律第百十九号によつて区域変更が認められたので、翌二十四年住民投票の結果分離賛成が僅かに多数を得たが、累議会において松山市と道後湯之町は密接不離な関係にあり、将来のためにも分離は不幸であるとの理由で、分離案は否決され現在に至つている。然るに今回の地方自治法一部改正案によれば、市町村の区域変更は住民投票により決定する由であるが、このような改正案が通ると、人心の動揺を招から、住民投票を当該区域に限定せず、全市住民の投票とするよう改正せられたいとの陳情であります。
○委員長(岡本愛祐君) これは先程の地方自治法の附則第二条の改正とも連関しておりますから、留保としては如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) では留保に決定いたします。
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○委員長(岡本愛祐君) 次は第百二号、入場税、不動産取得税率すえ置に関する陳情……
○專門員(上原六郎君) 全国市長会長の提出でありまして入場税及び不動産取得税は明年一月より減税及び廃止の計画と聞き、これが地方財政に及ぼす影響を憂慮していたが、最近更に本年十二月より実施の有力なる意見があるとのことである。地方公共団体としてはすでに本年度予算において年度末まで現行税率のまま徴收することに決定しており、これを突然中止すれば少からざる歳入の不足を招き、困難なる本年度の地方財政を一層窮迫せしめる結果となるから、全般の税制改正と共に総合的に実施する当初の方針通り処置せられるようにして貰いたい、こういう陳情であります。
○委員長(岡本愛祐君) これに対する政府の意見を伺います。
○政府委員(荻田保君) 先程の請願に出て参りましたように、政府といたしましては、できれば繰上げて実行いたしたいと思います。今の陳情にありますように、財源に減少を来たすという点でございまするが、その中不動産取得税につきましては、過去の成績から見ましても、不動産取得の行為のあつた場合、直ちに税が課せられるということはないのでありまして、数ヶ月は遅れております。従いまして、仮に一月一日に廃止いたしましても、恐らくそれらに対しまする税の徴收につきましては、減收は来たさないと思いまするし、又仮に減收を来たすといたしましても、不動産売買のごときは、不動産取得税の廃止を目前に控えまして、殆んどその移動がございませんので、仮に税を存置して置きましても、減收にはならないと思います。
 入場税につきましては、確かに或る程度の減收を来すかと思いますが、当初我々が二十四年度に考えておりました見込額よりは相当上廻つておりますし、それから又税が軽減になりますれば、それだけ入場者の増加ということも予想されます。又仮に非常に減收を来すというようなところに対しましては、今回増額になりました配付税の運用によりましても適当な方法を講ぜられる、このように考えまして、実は一月一日から実行するような案を持つておつたのでありますが、先程申上げましたような事情で、この際は不可能になつたような次第でございます。
○委員長(岡本愛祐君) これに対する御意見は……
○三木治朗君 大体この問題は今政府委員の説明のように、今度の交付金でも或る程度賄えるし、大体から言うと、入場税は少しも早く下げて貰いたいという、これは当然なことなので、市の財政の方とすれば、何とかやりくりがつくのじやないかと思うので、保留して置いたら如何ですか。
○委員長(岡本愛祐君) 三木君から保留の御意見がありましたが、如何でしようか。
   〔「異議な上」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) では保留に決定いたします。
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○委員長(岡本愛祐君) 次は第百三十一号、自治体警察の維持強化に関する陳情……
○專門員(上原六郎君) 提出者は、佐賀県の市町村長の連合会の提出であります。自治体警察の経費は非常に激増して、現在の市町村の窮乏せる財政では維持困難である。特に犯罪の近代化によつていろいろの経費が多額を要する現状であるから、自治体警察の強化のためにこれらの経費は全額国庫負担とし、又罰金、科料、遺留品処分收入等の関連的收入はそれぞれ自治体の収入とする等の財政的、立法的処置を採られたいという陳情であります。
○委員長(岡本愛祐君) 処理に関する御意見をお述べ願います。
○鈴木直人君 委員会のやり方、行き方によつて非常に違うようですけれども、国民の陳情なり請願は成るたけ聴き届けて参考にする、こういう考え方でやつておるところもあるようです。従つてこれが実際において行われないものであり、又それがどう考えても妥当でないと思われるようなものでも、或る程度まで、とにかくこういう声があつたのだというようなことで、それを一応採択するというところもあるようです。そうなりますと、案は院議で以て決めたというものは余り効果のない、濫りに何でもかんでもとにかく決めてしまうというようなことであつて、権威がない決定のようになるという傾向もある。ところがそうじやなくして、これは一応は国民の声ではあるが、いろいろ検討した結果、この点はどうしても政府にやつて貰うべきものであると、こういう確信を持ち得るもののみを採決して、権威を以てそれを政府にやるというやり方もあると思う。後段のやり方をやると、往々にして国会がそれぞれの国民の声をチェックしてしまつて、そうして又これを採り上げないという憾みもなぎにしも非ずということも考えられるので、実はこれをどういう方針でやるべきかということは、単なる委員会だけでなく、もう少し国会自体としても慎重に検討研究すべき問題だと思います。これは別として、今の問題は、自治体が非常に困るのだから警察の費用は国の方で負担をするような措置をして貰いたいというような、抽象的なものであると非常に我々やりいいわけなんですが、こう具体的な例を挙げるもんだから、法令的にもやや検討して行くというと不可能じやないかと思われるものまでも、採択しなければならんという形になるのであつて、そこに採択するか、保留にするかを決定する上において判断に苦しむわけなんです。今までこの程度のものは採択しておつたかどうでしたか。
○委員長(岡本愛祐君) 今陳情書の本旨を見ますと、割合はつきりしているのです。管轄区域外の捜査或いは護送費の累増、装備の強化等予測のできない経費も多額を要する現状であるから、財源の不足のため捜査を中断することは治安維持上許ざれないところで、これらの経費はその性質上当然全額国庫負担とするということで、要請するというのは護送費とか、管轄区域外の捜査費なんです。だから非常に理窟はあるのです。だからこれは採択してもいいですね、全額国庫負担というのが、非常に重く響いだのですが、それは自治体警察の費用を全額国庫負担にして呉れというのではなくて、管轄区域の捜査、護送費のこと、装備の一化をしなければならんこと、そうい一のを全額国庫負担に七て呉れ、そううのです、採択したらどうでしよう、
○三木治朗君 大体今の何ですと筋立つているように思います。まあ財源の問題ではいろいろな問題があるでしようけれども、一応これは採択した方がいいのじやないかと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 採択の御意見が出ましたが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは採択に決定いたします。これで請願、陳情は終りました。
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○委員長(岡本愛祐君) 尚第五国会終りに、本委員会は閉会中の継続審査を要求いたしまして、各部門について閉会中も調査を続けて参りましたが、その一部である、治安事件については先頃地方行政に関する調査報告書として、まとめまして報告を提出いたしました。これはすでに印刷してお手許に配付してありますから御承知の通りでありますが、本院の規則によりましてその他の調査未了の分につきましては、一応調査未了報告書を提出することになつております。御承認を得まして委員長において適当に取計らつて置きたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) ではそういうふうに取計らいます。
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○委員長(岡本愛祐君) 尚この委員会の速記のことでございますが、実は委員会は成るべく速記を残して置くということになつております。速記に残して置けない極秘のことにつきましては、速記は残しませんが、併し秘密会でありましても後で振返つて見て、速記を残して置いて差支ないと思えるものには、速記を残して置くことになつております。そこで事務局の都合によりまして、速記を付さなければならないのに付さなかつた場合におきまして、これまで本委員会においては取敢ず委員長だけの処置といたしましてメモを作りまして、謄写をいたしまして皆さんにお配りいたしておりました。この度事務局の方と協定ができまして、速記に付するを得なかつた部分について、何らか法的の記録を残して置くことが望ましいのでありますから、速記の付いてない部分の記録を、参照として会議録の終りに掲載する行き方がどうかと考えて、事務局に相談して見たのであります。ところが事務局といたしましては速記に代るものとして、速記を付した部分と併せて掲載する行き方の方にすべきであるということで、ございまして、速記の付かない部分については、これに代る記録の準備ができましたものは、これを皆様に御覧を頂いて、確かにこう言つたのだという証明をして貰いまして、それを速記に代るものとして会議録に速記の形態で事務局の責任において残して置く、こういうふうにいたします。御異議ございませんか。
○吉川末次郎君 それはやはり相当考え物じやないかと思うのです。速記というものは言つた通り機械的に、そこに複写されて出て来るわけですが、摘録ということになると、もとより委員長がおつしやつたように後で以て総てがそれを承認するしないということで、承認すればいいということも成立ちますけれども、速記のごとくそのままが出るというわけじやないので、悪意的に解釈するならば、摘録することを政治的に歪曲することもできないわけではないのであつて、我々議員の要求としては、事務当局に対してそういう欠点のある摘録のようなものを、作製することを承認せしめる方向へ話を持つて行くべきものでなくして、飽くまでも速記能力の不足しておるということを充足するところへ話を持つて行かなくちやいけないので、政治的には議会政治の本質から、やはりそういうものをオフィシヤルの力のあるような方向へ持つて行くということは邪道だと思うのです。だからこの委員会でそういうことを決めないで、議会政治或いは議院運営の全般的な問題なんですから、速記能力を充実さすということに話を持つて行く方向へのことに関連したこととして、議院運営委員会を中心にして議院運営全般の問題として一つお考えを願う。この委員会がそうした邪道的なことをすることについての責任を負うということを回避した方が、いいのじやないかと私は思います。
○委員長(岡本愛祐君) 御尤もでございます。実はこの問題は委員長懇談会で私採上げたのです。今あなたのおつしやるように、速記能力を増して貰いたい、いつも国会の一番重要な法案を審議する最盛期になつて来ると、重要法案のときには速記が付かないというようなことになつて来る。あれはどうだつたのだろうと後で問題が出て来て、振返つて調べたいと思つても調べることができない状況である。これは大きな欠陷であるから、速記能力の充実ということに努力して貰いたいということを申したのです。それについて田中耕太郎君も、それじやもう速記はニ人一組としないで一人でいいじやないか、一人でやつて貰いたいという意見も出したのですが、事務局が事務的にはどうしてもできないというようなことで、こういう案になつて来たのですが……
○吉川末次郎君 ちよつと私のさつきのことに関連して、言わして頂きたいと思うのですが、結局先に申上げたことと論旨は同じなんですが、考え方によつては私はこれは又議院運営上の重大な問題だと思うのです。速記能力があるからないからというだけの問題として考えるべきものじやないと思うので、少くともそうした便宜的に作つたところの摘録、そういうものを作られて謄写版に刷つて我々に回付されておるのですが、ああいうものをお作りになつておるということは、私は便宜的に必要があればいいことだと思うのです。それは飽くまでも一つの公的な背景を持たない、公的な一つの力を生まないところの単なる委員長を中心としてのメモランダムであるというようなものとして、飽くまでもそれだけに止めて置く。今やつていらつしやることは現在の速記能力の欠乏しておる時期において結構だと思うのです。けれども、それに一つのオフイシヤル・パワーができて来るようなことは、やはり飽くまでも避けなくちやならないということは、私はやはり原則的な考え方じやないかと思うのですが、これは補足したいのです。
○委員長(岡本愛祐君) 御尤もです、実は私の考えもそうだつたのです。ただ一々謄写をしますと非常に金がかかりますから、それを何とか金を出して呉れないかということに実は出発したのです。おれでずつとやつて行こうと思つておつたのです。ところがあの方向では金がかかつてしようがない。それでむしろ事務局の方からこういうふうにしたらどうかということが出て来たのです。おつしやることは御尤もですが、もう少し検討しましよう。
○岡田喜久治君 今の問題は吉川氏と全部御同様の考えを持つているのですが、これは私少し個人的な意見ですが、私は非常に速記問題に対しては私ときどき止めて呉れ……今も止めて下さつてようございますけれども、実際委員会というものは打解けた懇談的な意味の、ものの談義を必要とするし、又事実そういう例が行われておるのです。でこれは特に重要な法案の審議に対して解釈をどうする、こうするというような場合においては言うまでもなく速記が欲しいです。そういう場合には又実際において行われておるだろうと思うのです。ところがそれに反して、事実においてはもつと打解けた話で以て、そして疑問もあり、質問もあり、或いは本当の質疑の前提であるというような話を取交したいことが多々ある。そういう場合に煩わしき速記を取るということは、それ自体において非常に私議会の運営の見地から言つても私自身非常に疑つている。もう一つはどうも日本人の性情として、とかくどうも末梢末端に関する論議を取り交すことになつて、形式論が甚だしいことは御承知の通りであつて、従前衆議院なんかでも一体委員会は原則として速記を止めるがいいのじやないかというところまで随分行つたのです。今日は民主主義という形もありますから、非常に事情が変つております。で多くの場合においては、実はむしろ速記を取ろうとするものは妙な意見が多かつたのです。妙な意見というと尽さない言葉ですが、妙な意味において速記を無暗に残したいという気風の時代において弊風が多かつた。だからどうも僕は余り速記を原則として取るとか何とか、今吉川氏の言われたような見地からも思うし、速記能力を離れた見地からも思うのです。ですからこれは委員会の委員長会議の問題で、この会の問題とは思いませんが、そこをどうということを少しは考えなければならんのであつて、必要な場合においてはむしろ速記を取ることはいい。併し必要という限度がむずかしい問題ですが、その気持を以て臨むというお運びがむしろ必要じやないか。私は自分自身粗雑な発言をするものだから、私自身のやつはいつでも速記を止めて下さいというくらいであつて、そうでないと本当の論議が尽せない……そこが委員会の特能ですからというような感じもあるのです。そういうまあ希望だけを申上げて御参考にして置きたいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 御尤もですけれども、委員会は速記を付するということが、一つは無責任な議論ができないという、責任を持つて議論をしなければならん。正式の委員会ではですね、懇談会は又別なんです。だから懇談会と委員会との区別をはつきりして、委員会である以上は速記を付して、無責任な議論は委員の方も、又国務大臣の方もしてはいかんという、責任を持つてその委員会では応答しなきやならん、こういうのですから、どうしても成るべく秘密会にしないこと、それから又速記を付けるということなんです。で懇談会のときにいろいろ……
○岡田喜久治君 それは分りますが、そこの区別は併し事実において、実際問題のときは誰も無責任なことはもう大体やりませんが……
○鈴木直人君 それじや今の問題は一つもう少し研究されて、それから後に又なさることが必要と思います。
○委員長(岡本愛祐君) これは運営委員会の問題でしよう。それじやこの問題は尚研究することにいたします。
 それではこれで散会いたします。
   午後零時二十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
           岡田喜久治君
           鈴木 順一君
   委員
           三木 治朗君
           寺尾  豊君
           鈴木 直人君
           太田 敏兄君
  政府委員
   総理府事務官
   (地方自治庁連
   絡行政部長)  鈴木 俊一君
   総理府事務官
   (地方自治庁財
   政部長)    荻田  保君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       上原 六郎君