第006回国会 本会議 第25号
昭和二十四年十二月三日(土曜日)
   午前十一時三十七分開議
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 議事日程 第二十四号
  昭和二十四年十二月三日
   午前十時開議
 第一 競馬法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
 第二 医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
 第三 新聞用紙の割当に関する請願(委員長報告)
 第四 佐世保、九十九島、平戸、大林湾、五島、壱岐、対馬一帶を国立公園に指定の請願(委員長報告)
 第五 霧島国立公園の整備拡充に関する請願(委員長報告)
 第六 しよう南三浦一帶を国立公園に指定の請願(委員長報告)
 第七 東旭川登山口大雪山国立公園観光自動車道路開設に関する請願(委員長報告)
 第八 国立美幌療養所の移転に関する請願(委員長報告)
 第九 国民健康保險法中一部改正等に関する請願(委員長報告)
 第一〇 母子寮、託兒所設置に関する請願(委員長報告)
 第一一 戰争犠牲者遺族の援護強化に関する請願(九件)(委員長報告)
 第一二 戰争犠牲者遺族に年金支給の請願(委員長報告)
 第一三 元軍人傷い者の救済に関する請願(委員長報告)
 第一四 身体障害者福祉法制定に関する請願(委員長報告)
 第一五 佐渡、新潟間に無線電話架設の請願(委員長報告)
 第一六 東北地方の無線通信施設拡充整備に関する請願(委員長報告)
 第一七 天塩川災害復旧工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一八 国道第二十三号線改良工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一九 渥美郡内諸川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第二〇 十津、紀の両川総合開発事業施行に関する請願(委員長報告)
 第二一 庄内川流域水源地方の砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第二二 北海道の地方費道中金山トンネル工事施行に関する請願(委員長報告)
 第二三 矢作、逢妻、境三川水系の砂防工事費国庫補助増額に関する請願(委員長報告)
 第二四 空知川架橋に関する請願(委員長報告)
 第二五 房総半島西部幹線道路改良工事促進等に関する請願(委員長報告)
 第二六 矢崎川上流砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第二七 天塩川治水工事施行等に関する請願(委員長報告)
 第二八 利根川改修工事施行に関する請願(委員長報告)
 第二九 接收土地家屋の借上料改訂等に関する請願(委員長報告)
 第三〇 利根川災害復旧工事費国庫補助等に関する請願(委員長報告)
 第三一 大隅、熊毛開発促進に関する請願(委員長報告)
 第三二 天龍水系奈良川上流砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第三三 山海川等の水源地域砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第三四 矢作川等の水源地域砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第三五 豊川市一宮村水源地帶砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第三六 新旧北上川治水工事促進に関する請願(委員長報告)
 第三七 田尻川改修工事促進等に関する請願(委員長報告)
 第三八 初茶志内、北母子里間道路新設等に関する請願(委員長報告)
 第三九 藤内川改修工事施行に関する請願(委員長報告)
 第四〇 天龍川の治山治水事業費国庫補助に関する請願(委員長報告)
 第四一 財田川に防災ダム建設の請願(委員長報告)
 第四二 市之瀬川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第四三 広島県県道改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第四四 国道第五号線中一部改良補裝工事促進に関する請願(委員長報告)
 第四五 阿武隈川下流改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第四六 戰争犠牲者遺族の援護強化に関する陳情(三件)(委員長報告)
 第四七 名取川改修工事促進に関する陳情(委員長報告)
 第四八 宇部市内枢要道路建設および補修に関する陳情(委員長報告)
 第四九 戰災都市復興事業促進に関する陳情(委員長報告)
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○副議長(松嶋喜作君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
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○副議長(松嶋喜作君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、競馬法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。農林委員会理事石川準吉君。
    ―――――――――――――
   〔石川準吉君登壇、拍手〕
○石川準吉君 只今議題となりました衆議院議員小笠原八十美君外十五名の提出にかかりますところの競馬法の一部を改正する法律案の農林委員会におきます審議の経過行びに結果を御報告申上げます。
 本法律案の内容は、現行競馬法によりますと、その第二十條におきまして、競馬の開催は、都道府県の行うものは、概馬場ごとに年四回以内、著るしく災害を受けた市町村で内閣総理大臣が指定するいわゆる指定市町村の行うものは、各市町村につきまして年二回以内の規定されておるのでありますが、横浜市、名古屋市、大阪市及び神戸市の四市は人口が六十万以上に達しておりますし、而も市民の四割以上が戰災者でありますために、他の都市に比べまして財政の支出が非常に大きく、そのために財政が極度に逼迫しているのであります。従いまして收入の増加を図り財政緩和の一助とするために、これら四市に限りまして競馬の開催回数を都道府県と同様年四回以内に増加せんとするものであります。これらの四市は他の都市と事情が違つておりまして、従来特に宝くじの実施も認められているなど特別な取扱がなされておりまする実情にあります。又政府及び提案者の説明によりますと、これらの都市及び隣接都市には競馬同好者は十数万人を数えております。従いまして收入の増加を期待することができますし、又競馬資源は回数を増加いたしましても出場馬に差支を来たすようなことがないということでありましたので、委員会におきましては、これら四市の財政を救済し、その復興発展に資するために一応考慮せらるべき措置であると認めまして、全会一致を以て原案通りに可決いたした次第であります。
 右御報告申上げます。
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 日程第二、医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員会理事岡元義人君。
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   〔岡元義人君登壇、拍手〕
○岡元義人君 只今議題となりました医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。
 先ず本法案の提出理由及びその内容について簡單に御説明申上げます。従前、大陸特に満州方面における医師の不足に応ずるために設立されました興亜医学舘、東洋医学院等医学の教習を目的とする学校の卒業生は、内地における医師としての資格を與えられていなかつたのでありますが、それらの者に医師国家試験予備試験を受験する資格を與え、医師となる途を開くというのが、この法案の大要であります。
 本委員会におきましては、十二月一日及び二日の両日に亘り、愼重に審議いたしました結果、本法案の内容は極めて妥当にして適切なる処置であると認めまして、十二月二日の委員会において全会一致を以て可決すべきものと決定いたしたのであります。以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 参事をして報告をいたさせます。
   〔海保参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 刑事補償法案修正議決報告書
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○副議長(松嶋喜作君) この際、日程に追加して、刑事補償法案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員長伊藤修君。
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   〔伊藤修君登壇、拍手〕
○伊藤修君 只今議題となりました刑事補償法案につきまして、委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 新憲法は御承知の通り、第三十一條から第三十九條までの規定におきまして、刑事司法事件についての事前の手続について愼重なる行為を要求しておる次第であります。而して過ちを未然に防止することに憲法それ自体が努めておる次第であります。第四十條におきましては、何人も抑留又は拘禁された後、若し無罪の裁判があつた場合におきましては、これに対し国がその損害を補償することの旨を規定しておる次第であります。これによりまして事後におけるところの処理を明かにしている次第であります。従つてこの三十一條から四十條までの規定によりまして、いわゆる憲法の狙うところの人身の自由の保障の完璧を期している次第であります。然るに現行法によりますと、即ち昭和6年法律第六十号によつて公布されているところの現行刑事補償法によりますと、この憲法に定められたところの精神と対比いたしまして相当矛盾するところがある次第であります。例えばその補償の原因或いは補償の不成立の條件、補償の金額、極償請求権に対するところの本続人の地位、事務補償を請求し得る期間等につきまして、相当改正を憲する点がふる次第であります。従いまして今回これらの良に済みまはい全面的に改正するの必要に迫られ、友補償法はここに廃止いたしまして、新らしく刑事極償法を判定する必会に迫られた次店であります。さような理由によりまして、本案は提案された次第であります。
 先ずその内容を御説明する前に、本案に対するところの基本的な観念について一言申上げて置きたいと思うのであります。従来の刑事補償法におきましては、いゆわる国家が国民に対しまして恩惠を施すという考え方から出発している次第であります。国は国民に対しまして、蒙むつた迷惑に対して恩惠的に補償しようと、こういう考え方から出発しているのであります。然るに新憲法の四十條によりますと、憲法第十七條による国家賠償法と同様な理念に基きまして、いわゆる国の行為によりまして蒙むつたところの損害を賠償する、かような国家賠償法と同様な本質を先ず基底にいたしまして本案が組まれているのでありますから、この点は従来の法律との根本的な相違であります。又この考え方から出発いたしまして本案が制定されている次第であります。従いまして憲法十七條によるところの国家賠償法の外に、憲法四十條に基きまして刑事補償法をここに制定しなくてはならぬ理由は、即ち十七條の場合の国家賠償法の場合におきましては、御承知の通り故意若しくは重大なる過失を前提條件としておるのであります。然るに刑事手続によりまして損害を蒙むつたところの国民に対しましては、その本質から考えまして、又事案の概念から考えまして、速かにその迷惑を蒙むつた国民に対しまして、故意若しくは過失を條件とせずして、苟くも無罪の裁判があつたならば、無過失の場合においても、国家はこの国民に対しまして補償をすべきが当然であるという考え方からいたしまして、ここに憲法は特に第四十條によりまして、無過失責任の場合をも含めて補償する旨を定めているのであります。さような次第でありますから、ここに刑事補償法を特別に制定するの必要を生じて参るのであります。
 内容は大体法案において御承知の通りでありますが、第一に補償の原因についてでありますが、これは旧補償法に比較いたしまして、いわゆる無罪の裁判のあつた場合、又は刑事手続によらざる場合におきましても少年法或いは経済調査庁法等によつて抑留又は拘禁された場合をもこの度は補償するということに拡大されておる点が大いに相違しておるのであります。
 第二には、いわゆる補償不成立の條件であります。これは従来は非常に不成立の條件の範囲が広かつたのであります。従つて国民に対しましては非常に不利益であつたのであります。この度はこれを非常に狹めまして、本人が殊更に有罪となるべき証拠を作為した場合、或いは自分が犯人であるとみずから自白した場合、よく巷間に伝わるところの身代り被告となつたような場合におきましては、これをも無罪となつた際に国家が補償するの必要はありませんから、さような場合に限つてのみこれを補償しない。いわゆる補償不成立の條件といたしたのであります。従つて従来の刑事補償法とは非常にその範囲が狹められまして、国民の受けるところの利益というものは大なるものがあると言わなくてはならぬのであります。
 第三には、御承知の通り民法の改正に従いまして、相続の順位、相続の地位というものが非常に変つて参つたのでありますから、これに伴うところの改正が行われておるのであります。
 第四には、従来は一日五円以内の補償金額でありましたのでありますが、これは申すまでもありませず、今日におけるところの物価指数から考え合せましても、この金額を以ていたしましては国家補償の全きを得ない。かような見地からいたしまして、これを一日二百円以上四百円以内と定めた次第であります。又死刑を行われた場合におきまして、それが後に無罪であるということが判明された場合におきましては、慰謝料として五十万円以内、その外に現に蒙むつたところの損害をも併せて国家は賠償する旨を明らかにした次第であります。
 第五には、従来はこれを六十日以内に補償の請求をしなくてはならぬというのでありましたが、この度はこれを三年と改めた次第であります。この次第は、損害賠償の時効は三年であるのでありまして、この度の改正案の基本的理念がいわゆる損害賠償の本質を有するという以上は、一般原則に倣い、この請求期間、即ち時効期間を三年に改めることが当然であるという考え方からいたしまして、三年といたした次第であります。
 第六には、従来はこの補償せられるところの決定があつた場合、その旨を官報に掲載して被害者の名誉回復をこれによつて図ろうということであつたのでありますが、官報は御承知の通り特殊の人の外これを見ないのでありまして、蒙むつたところの被害者の名誉を回復する最善なる策とは考えられません。例えば或る新聞に大々的に書かれた、それが後日に無罪であつたというような場合におきまして、その失われたところの名誉というものは官報のみによつては到底回復することができないのであります。従いましてこの度は新聞紙にもこれを掲載せしめて本人の名誉回復に努めた次第であります。
 第七には国家賠償法との関係でありますが、いわゆる刑事補償をいたした場合におきましても、若しその事案が公務員即ち警察官若しくは検察官の故意若しくは重大なる過失によつて行われた場合におきましては、本来の憲法第十七條におけるところの国家賠償法に基いてその損害賠償をも併せてできる。従つて国民はそういう場合におきましては、国家賠償法によつて請求もし、或いはこの刑事補償法の手続によつてもこれが請求できるというふうに改めておるのであります。
 以上大体本案の内容を御説明申上げた次第であります。
 委員会におきましては、これに対しまして前後六回に至り鬼丸委員、松井委員、松村委員、大野委員等より熱心なる質疑応答が交されまして、この間におけるところの政府答弁、質問の内容につきましては、本案に対するところの貴重なる資料と考えられるのでありますが、詳細は速記録に讓ることをお許し願いたいと存じます。
 当委員会におきましては、この質疑の経過から考えまして、憲法が特に第四十條によつて人身の自由の完璧を期する意味においてこの規定を明らかにした以上は、この際この補償法を作るのて当つて完璧なものを作りたい、こういう考え方からいたしまして、この補償法において先ず欠点と考えられることは、無罪の裁判の場合に限つてのみ刑事補償をしようとしう考え方であります。この政府の考え方というものは、基本的理念が変つたにも拘わらず、未だ国家が国民に対して恩惠を施すという理念から脱却していないというところから来るのではないか。即ち憲法第四十條におきましては、無罪の裁判と明らかに定めておるのであります。裁判の中におきましては、判決あり、決定もある筈です。決定を以てその人の拘束が解かれる場合があるのでありまして、即ち刑事訴訟法三百三十七條、三百三十八條、三百三十九條、ここに列挙されたるところの十数項目にあるところの免訴及び公訴棄却の決定の場合におきましては国家は賠償しない。こういう考え方であるのです。若しこういたしますると、折角憲法が無罪の裁判と、こういう表現をしておるにも拘わらず、これを消極的に考えて、いわゆる判決のみを指すものという考え方というものは、憲法が企図するところの人身の保障の完璧を期せられないと当委員会におきましては考えた次第であります。裁判のうちには先程申しました通り広く決定の場合も含も以上は、等しくこれらのものに対しまして憲法の保障するところの権利を與うべきが当然ではないかと考えられる次第であります。この刑事訴訟法の免訴及び公訴棄却の場合におきましては、本来裁判を受けたならば無罪となるべき事案であつたにも拘わらずたまたま手続の欠闕のために、これが手続上公訴棄却というような場合があるのであります。こういう場合に、その本人なり或いは遺族なりが、その名誉を回復し損害賠償を求むることができないということになりますれば、非常に不公平を生ずることでありまして、憲法の企図する目的に副わざること甚だしいと言わなければならないと思うのであります。かような意味合いからいたしまして、この点に対しましては、どうしても我々として本案に対して、これを内容としなくてはならぬ、こういう強い主張があつたのであります。尚、もう一歩前進いたしまして、起訴の場合、検察官が起訴した場合におきましても、その起訴が不起訴の場合にはこれは補償の対象にはなりませんが、証拠不十分により起訴しなかつた場合、或いは嫌疑なしとして起訴しなかつた場合、こういう場合には当然国家は補償しなくてはならんじやないか、そうすることが憲法四十條の企図するところであると、こういう強い御主張もあつた次第であります。例えば不起訴の事件を考えましても、十八年の統計によつて十一万七千件と称せられるのであります。証拠不十分及び嫌疑なしという理由によつて起訴しなかつた事案といたしましても四万七千件を計上せられておるのであります。これらの不当に損害を蒙むつたところの国民に対しても尚国家は賠償すべき筋合いではないかというような御主張があつたのでありますが、これは関係方面との折衝におきましても、未だ世界に例もなし、相当進んだ考え方であるから、今日の場合としては本案にこれを取入れるということは先ず見合すというような考え方からいたしまして、その点に対しましては、強い意見をこの修正案に盛るということには至らなかつたのであります。ただここで申し上げて置きたいことは、刑事補償法を適用いたした場合におきまして、若し公務員が故意若しくは重大なる過失を以てその事案を処理し、その結果刑法補償がなされた場合において、その公務員は国家に対して求償権に従わざるを得ないかどうか。国家はその公務員に対して求償権を行圭することができるかどうか。国家賠償法においてはその旨が規定せられておるにも拘わらず、ひとりこの場合においてはその求償権に従う義務はないかどうかという点が本案につきまして疑義を生じて参るのであります。これに対しましては、少くとも刑事補償法が損害賠償という理念に出発しておる以上は、この点を明確にする必要があると考えまして、この点に対しましては修正の意見があつたのであります。又これに対しまして承認も得ておる次第でありましたが、衆議院の見解によりますれば、いわゆる刑事補償法は国家賠償法と同一理念から出発しており、いわば国家賠償法の特別規定である、即ち無過失責任をも含めておる意味合いから申しまして国家賠償法の特別規定であるから、さような場合においては原則に立つ戻つて、そような故意若くは重大なる過失あるところの公務員に対しましては、国家賠償法に定めるところのあの求償権が行使できるという見解である、さような見解であつたので、政府に対しまして改めてこれを質しましたところが、政府もこの衆議院の見解に同意する。本案に盛るところの基本的理念は即ち国家賠償法と同一理念から出発しておるという考え方からいたしますれば、只今申上げますがごとく、さような故意若くは重大なる過失を以て行なつたところの公務員に対して、即ち検事、警察官に対しましては、国家は国家賠償法に基きまして求償権が行使できるという見解に改まりましたので、参議院の法務委員会といたしましてはこの点に対するところの修正意見は撤回いたした次第であります。さような経過を経いまして只今お手元に差上げました通りの修正案の結論を得た次第であります。
 この修正案の第二十四條に対するところの修正に対して一言申し添えて置きたいと思うのでありますが、これは原案におきましては、御承知の通り「官報及び新聞紙に」云々と規定してありまして、その新聞紙を特定いたしていないのであります。又数を明らかにしていないのであります。往々にして日本の裁判官の行うところのものは非常な狭い考え方を持つ場合があり得る。若しさようなことがあるといたしますれば、折角国がその者の名誉を回復しようとして忠実なるところの規定を設けても、その運用においてその効果をもたらさないという結果を招来すると考えまして、委員会におきましては、その新聞紙の数を三種以内、又各新聞紙に少くとも一回以上は掲載しなくてはならぬ、その新聞紙の選定は申立人の選択によるということを明らかにいたしまして、いわゆるこれら被害者に対するところの名誉回復の万全を期した次第であります。
 第二十五條の免訴及び公訴棄却の場合におきまして本刑事補償法を適用するということを明らかにした趣旨は、先程申上げました通りでありますが、この内容において一言明らかにいたして置きたいことは、「無罪の裁判を受けるべきものと認められる充分な事由があるときは」の、この「充分な事由があるときは」という点でありますが、これはいわゆる刑事訴訟法上、証拠の提出を要求しておるのではありません。刑事訴訟法上の言葉を以ていたしますれば疏明の程度でよろしいのであります。而もその疏明は必ず疏明しなければならぬという意味合いではなくて、必要のある場合におきましては進んで申立人によつて疏明することを以て足るのであります。裁判所におきまして疏明の必要ない、元の被告事件の記録によつて当然その無罪たることが認定し得る場合におきましては、進んでその疏明に要求しなくてもよろしいのであります。而してこの手続は刑事訴訟法第四十三條第二項の手続によつて行うことに我々は解釈しておる次第であります。若しこの立法的考え方を以て裁判の運営に支障を来たすという場合があるといたしますれば、将来最高裁判所においてこの点に対するところのルールを制定することをも我々は予期しておる次第でありまして、さような必要のある場合におきましては、最高裁判所は進んでルールを制定せられることも我々は差支ないと考えておる次第であります。この点は本法解釈上の疑点でありますから一言明らかにいたして置く次第であります。
 玉修正案の末項記載の附則第三項中の修正の趣旨は、いわゆる免訴及び公訴棄却の場合に本法を拡大いたしまして、国民の自由の保障の完璧を期したことは誠に結構なことでありますが、当面の予算関係とこれを睨み合せた場合におきまして、御承知の通り、ドツジ案に基きまして切詰められたところの予算で、補正予算の内容におきましてもこれらの法案の施行に伴うところの予算というものが切詰められた数字を以て計上されておるのでありまして、ここにこれらの賠償せられる人々を拡大して参りますれば、少くとも相当の予算を必要とするのであります。若しさようなことになりますれば重大なる関係をもたらすというので、この免訴及び公訴棄却のいわゆる法律上の権利を與えるのは今後の場合に限るということを明らかにいたした次第であります。即ち本法の適用を憲法施行の日即ち昭和二十二年五月三日まで遡まで過去の場合をも刑事補償をすることになつておりますが、免訴及び公訴棄却の場合は本法施行以後の事案についてのみこれを適用する旨を明らかにした次第であります。さような次第によつて財政上の調和を図つた次第であります。
 以上のような修正意見に基きまして、委員会一致の修正意見といたしましてこれを議題に供しまして、採決の結果、修正案及び修正案を除く原案につきまして全会一致を以て可決確定いたした次第であります。
 以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。
 よつて本案は全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 日程第三、新聞用紙の割当に関する請願を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。
    ―――――――――――――
   〔河井彌八君登壇、拍手〕
○河井彌八君 新聞用紙割当に関する請願につきまして内閣委員会の審査の結果を申上げます。
 この請願は長野現岡丘市信州時報社長から提出されたものであります。同新聞に割当てられておりまする用紙の数量は、この新聞の仕事を十分に行うのには甚だ不足でありまするから、どうぞ所要の数量を割当てて頂きたいという請願であります。委員会におきましては、この願意は最も妥当なるものと認めまして、これを採択いたしまして、院議を経て内閣に送付すべきものであるということに決定した次第であります。
 この段御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本請願は委員長の報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつて本請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程の順序を変更して、日程第四より第十四までの請願及び日程第四十六の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議なしと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員会理事岡元義人君。
    ―――――――――――――
   〔岡元義人君登壇、拍手〕
○岡元義人君 只今上程せられました請願十九件並びに陳情三件についての厚生委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。
 日程第四から第七までは国立公園に関するものであります。日程第八は国立療養所の移転に関するものであります。日程第九は国民健康保險に関するものであります。日程第十は母子寮、託兒所の設置に関するものであります。日程第十一より十三まで及び日程第四十六は戰争犠牲者及び遺族の援護に関するものであります。
 以上の請願十八件及び陳情三件は、審議の結果いずれも議院の会議に付して内閣に送付すべきものと決定いたしました。
 日程第十四は身体障害者福祉法を制定されたいという趣旨でありますが、本委員会におきましてはすでに議員提出の法案を審議中でありますので、本請願は議院の会議に付して、内閣には送付を要せざるものと決定いたした次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、日程第十四の請願の外は内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、日程第十四の請願の外は内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程第十五及び第十六の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。電気通信委員長大島定吉君。
    ―――――――――――――
   〔大島定吉君登壇、拍手〕
○大島定吉君 只今議題となりました佐渡、新潟間に無線電話架設の請願及び無線通信施設拡充整備に関する請願は、電気通信委員会におきまして愼重審議の結果、いずれも願意妥当なものと認めまして、これを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと全会一致を以て決定した次第であります。
 以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は委員長の報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程第十七より第四十五までの請願及び日程第四十七より第四十九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長石坂豊一君。
    ―――――――――――――
   〔石坂豊一君登壇、拍手〕
○石坂豊一君 只今議題となりました請願陳情三十二件について、建設委員会の審議の経過を簡單に御報告いたします。
 第一に、治山、治水事業の国庫補助に関するものは、長野県下の天龍川河川改修であり、災害復旧の施行促進又は国庫補助に関するものは、埼玉県内の利根川、荒川、入間川、宮城県内の阿武隈川下流、新旧北上川、名取川、田尻川、北海道天塩川、新潟県藤内川、香川県財田川でございます。
 次は砂防工事の施行促進に関するものでございまして、主として愛知県内の天龍川水系、庄内川、矢作川、逢妻川、境川、市之瀬川、矢崎川、山海川及び渥美郡内の諸河川並びに豊川市一宮村水源地帶等でございます。
 第三は、道路の改修改良に関するものでございまして、国道二十三号線丸亀市内、国道五号線中、埼玉県大沢町と栃木県宇都宮市間、房総半島西部幹線道路、広島県下の諸県道、宇部市内枢要道路、北海道上川郡初茶志内と北母子里間道路、北海道石狩肝振国境金山トンネル及び空知川架橋でございます。
 第四は、特定地域総合開発の施行促進に関するものでございまして、十津川、紀の川地区、大隅熊毛地区、この外に戰災都市復興事業の促進、接收土地の家屋借上料の改訂等に関するものであります。
 以上各件に対し建設委員会においてはいずれも愼重審議の上、現下最も緊急を要する治山、治水、戰災復興、地方交通、国土開発等の見地より、これを院議に付して内閣に送付を要するものと決定した次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採決し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
 これにて議事日程は全部議了いたしましたが、今日は会期の最終日でありますから、委員会の審査の経過を持つため、暫時休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時三十三分開議
○副議長(松嶋喜作君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
     ―――――・―――――
   〔内村清次君発言の許可を求む〕
○副議長(松嶋喜作君) 内村清次君。
○内村清次君 本員はこの際、国鉄職員の給與改訂に対する仲裁委員会の裁定について緊急質問をすることの動議を提出いたします。
○門屋盛一君 只今の内村君の動議に賛成いたします。
○副議長(松嶋喜作君) 内村君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。内村清次君。
   〔内村清次君登壇、拍手〕
○内村清次君 昨十二月二日発表されました国鉄公社職員の給與改訂に対する公共企業体仲裁委員会の裁定につきまして、特にこの際、大蔵大臣、運輸大臣、労働大臣の所信をお伺いしたいと思います。
 即ち裁定の結論は次のごとくであります。
  本委員は、右当事者間の賃金ベースの改訂及び年末賞與金の支給その他に関する紛争につき次の通り裁定する。
 一、賃金ペースの改訂は差当り行わないが、少くとも経理上の都合により職員が受けた待遇の切下げは是正されなければならない。
 二、前項の趣旨により、本年度においては公社は総額四十五億円を支拂うものとする。右のうち三十億円は十二月中に支給し、一月以降は賃金ペース改訂のあるまで毎月五億円を支給する。右の配分方法は両当事者において十二月中に協議決定するものとする。
 三、組合の要請する年末賞與金は認められないが、公社の企業体たる精神に鑑み、新たに業績による賞與制度を設け、予算以上の收入又は節約が行われ、これが職員の能率の増進によると認められた場合には、その額の相当部分を職員に賞與として支給しなければならない。
 四、本裁定の解釈又はその実施に関し、当事者間に意見の一致を見ないときは、本委員会の指示によつて決定するものとする。
かような裁定が下されております。
 そこで質問いたしたいことは、この裁定を政府は全面的に受諾されるか否かについてお聞きしたいのであります。即ちこの仲裁委員会の裁定は、公共企業体労働関係法第三十五條「仲裁委員会の裁定に対しては、当事者双方とも最終決定としてこれに服従しなければならない。」という規定、及び第十六條「公共企業体の予算上又は資金上、不可能な資金の支出を内容とする」協定をしたときは、「政府はその締結後十日以内に、これを国会に付議して。その承認を求めなければならない。但し、国会が閉会中のときは、国会召集後五日以内に付議しなければならない。」という規定によりまして、政府と雖も、この裁定に拘束さるべきであると見られるからであります。裁定案には、明年度から国鉄は補正予算に比しまして約二百三十億の増收となり、又人員整理による余裕も七十億を見込むことができるから、従つて毎月十七、八億の余裕ができて、将来借入金の償還は可能であると言つておるのであります。それ故政府が当然国鉄の経理の能力を超える部分につきましては、諸手当として支給できるように、速かに予算化すべきでありますることは、国有鉄道法の第二十八條によりましても、政府の当然な義務であります。この点を聊かでも拒絶いたしました場合は、政府みずからが、みずからの法律を蹂躪することと相成ることになるのであります。政府の当然の債務履行につきましては、はつきりとした政府の御答弁を要求いたすものであります。
 第二の質問点は、然らば予算化するといたしまして、政府には如何なる具体的な案があるか。この点についてお聞きしたいのであります。裁定によりますると、当局は十二月中に三十億、以後毎月五億、計四十五億の財源を使つて、年度内にその義務を履行すべきであるとせられておるのであります。更に又裁定は国鉄の経理能力及び政府の財政状況を考慮して、かくのごとき案を決定いたしました以上、政府におきまして事前に連絡もあつたことであると思われます。この際、諸手当の支給方法と、その時期について承わりたいのであります。
 第三の質問点は、賃金ペースの改訂問題でありまするが、即ち裁定には、明瞭に国鉄職員の賃金ペースは少くとも二割程度の引上げを必要とすると認めておるのであります。このことは実に重大であります。なぜかと申しますると、二割程度の引上げを認めておりますにも拘わらず、裁定におきましては、減税、超均衡予算の実施、輸出向物資の国内放出、企業の合理化等によつて実質賃金向上の方途を講ずる、こういう政府の架空な約束を担保といたしまして、これを基礎とした裁定であるからであります。将来に亘りまして政府のこの約束が無に帰するようなことが明瞭に統計の上に明らかになりましたときに、政府はこれに対して如何なる責任を持つものであるか。そのときになつて依然として賃金ペースを改訂しないというお考えであるかどうか。政府は法に決められましたところのこの責任と義務を如何に遂行しようとせられておるのであるか。重ねてお伺いしたいのであります。
 社会党は、本来この裁定には幾多の不満を持つておるのでありまするが、法を尊重するという立場に立ちまして、国鉄職員の現状を思いますときに、忍び得ざることを忍んで、政府にこの仲裁案の一日も早く履行せられることを切に要望するものでありまするが、本来から申しますると、今後の幾多の公定物価の値上げや、料金の値上りによりまして、生計費の加重によりまして若干の減税は全く相殺せられておるのであります。放出物資もすでに一部取止めになつております、闇物価の下落も左程望むことはできないのであります。明らかに、政府の言う実質賃金の充実は全く架空であると我我は思つておるのであります。それ故に、このような架空な約束を基礎といたしました裁定のベース据置に対しまして、多大の異議を持つておるものであります。
 更に、本年の給與ベース改訂の問題は、今後の問題ではなくして、すでに過去におきまして、去年の七月よりCPIは三〇%以上も上昇しておるのに、一年余も依然として六千三百円ベースのまま放置されたというこの既得権の問題であります。十二月四日に、人事院におきまして七千八百円ベースの勧告案が発表されんとしておるのでありまするが、国鉄職員の給與は公務員給與に準ずるという日本国有鉄道法の第二十八條によりましても、政府は当然改訂の義務を生ずるものであると考えるものでありまするが、人事院勧告が下つた場合に、政府はこれに対して如何なる誠意あるところの態度をとられようとするのか、重ねてお聞きしたいのであります。目下人員整理のために極度の労働強化の上に、更に毎月六千三百円ベースという赤字の生活に窮迫しており、更に税金の年末調整を予想いたしまするときにおいて、本年の年越しも満足にできないところの国鉄職員の悲痛極まる生活の叫びを社会党は代表いたしまして、以上の緊急質問をいたす次第でありまするが、重ねて申上げて置きたいのは、平和的に建設的に忍耐の限りを盡して交渉をいたしました国鉄労組のこの要求が、不法にも全く拒絶せられ、政府みずからが明らかに法を侵しておるということが全国民の前に明らかになりまするときに、全民主的労働組合員五百七十万挙つて忍耐の限りを爆発いたいしまして、如何なる事態が発生するか予想の限りでないのであります。社会不安と人軽蹂躪の根源は、実に現政府の責任であると言わなければならないのであります。この点を特に考慮せられまして、政府の特に愼重にして誠意ある回答を期待いたす次第であります。
 以上を以ちまして私の質問を終ります。(拍手)
   〔国務大臣大屋晋三君登壇、拍手〕
○国務大臣(大屋晋三君) 只今内村君の御質問の通り、国鉄職員の給與ベースの問題に関しまして、昨日仲裁委員会の裁定案が国鉄並びに国鉄労働組合の両当事者の間に交付いたされたのでありまして、私もそれを承知いたしておるのであります。只今御引例になりました公共企業体労働関係法第十六條の規定によりまして、或いは三十五條の規定によりまして、この裁定の勧告を受けました組合並びに日本国有鉄道は、いずれもこれに服従をいたす義務があるのでありまするが、政府の関係はこれとおのずから制限的な関係に置かれておりまして、直ちに政府がこれに対して義務を生ずるものではないのでありまして、政府といたしましては、この勧告案が果していわゆる資金上、予算上の支出に対しまして、不可能であるかないかという点を国鉄の総裁が吟味をいたしまして、若しも資金上、予算上この仲裁委員会の勧告の内容が支出不可能であるといたした場合におきましては、国鉄の総裁が運輸大臣、政府に対しまして具申をいたしまして、政府といたしましては、その具申を十日以内に国会に提出する義務を負わされておることは、法律の規定でこれを明示いたしておることは、只今内村君御指摘の通りでございます。然るに何分昨日、裁定案が両者に提出いたされまして、私といたしましては、まだ国鉄の総裁からその内容に関して、国鉄といたしまして、みずからそれを受諾し得る範囲及びこれが不可能である範囲というようなものの何ら具申を受領いたしておりませんので、目下今日におきましては、内村君の詳細な御質問でございまするが、目下何ら答弁の材料がないのでありまして、一両日のうちに多分総裁の方から具申書が私の手許に参ると思いまするが、それに従いまして、政府は法の命ずるところに従いまして愼重にこれを討議いたしまする準備を実はいたしておるような次第でありますから、さように御了承願いたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣鈴木正文君登壇、拍手〕
○国務大臣(鈴木正文君) 只今御質問になりました国鉄の賃金問題に関する仲裁案というものは、公共企業体労働関係法の施行以来最初のケースでございまして、これに対しましては愼重に法的関係をも吟味して処置して行かなければならないと考えておるのは勿論でございます。併しながら只今運輸大臣からも申しましたように、昨日両当時者に渡された仲裁案を政府も見て、そうして現実に即してどういうふうな方向をとつて行くかということを検討しておる際でございまして、不日極く近い将来にそれら一切の政府の考えをまとめまして、そうしてあの十六條にあるのによつて明白でありますように、予算上不可能であるという場合におきましては、改めて国会の皆様の御審議によつて最後的決定ということになつて行くのは勿論でございまして、政府といたしましては、目下それらの諸般の関係を考慮いたしまして準備を急いでおるという実情でございます。従いまして只今御質問にありました各條項に亘りまして、今のところ明確にこういうふうにということを申上げる段階になつておらないのでございますけれども、極力それを急ぎまして明確にお答えできるようにいたします。(拍手)
   〔政府委員水田三喜男君登壇、拍手〕
○政府委員(水田三喜男君) 御承知のように、国鉄の経理状況に関しましては、今般御審議を願いました通り、貨物運賃の引上げを行いましても尚且つ本年度中に赤字が出るということでございまして、この赤字補填として三十億円を一般会計から繰入れる、こういう措置を今度のこの国会で議決して頂いたばかりでございまして、相当予算的には困難な問題があろうと思われますので、目下鋭意研究中でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 参事をして報告いたさせます。
   〔海保参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 飮食営業臨時規整法の一部を改正する法律案可決報告書
 身体障害者福祉法案可決報告書
 油糧配給公団法の一部を改正する法律案可決報告書
 肥料配給公団令の一部を改正する法律案可決報告書
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程に追加して、油糧配給公団法の一部を改正する法律案、肥料配給公団令の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。農林委員会理事藤野繁雄君。
    ―――――――――――――
   〔藤野繁雄君登壇、拍手〕
○藤野繁雄君 只今議題となりました肥料配給公団令の一部を改正する法律案及び油糧配給公団法の一部を改正する法律案につきまして、農林委員会における審議の経過及び結果を御報告申上げます。
 先ず本法律案の内容でありますが、現在肥料配給公団の基本金は五千万円で、油糧配給公団の基本金は十五億一千万円でありますが、肥料配給公団については、その運転資金は現在預金部資金からの借入金を以て賄われることになつておるのでありますが、いわゆるインヴエントリー・フアイナンスの建前をとつて、公団経理の健全性を保つため、必要資金の一部を基本金を以て充て、借入金に対する依存度を軽減するため、常時在庫に相当する金額、即ち三十二億七千八百万円の基本金を増額せんとするものであります。又油糧配給公団については、現在基本金十五億一千万円でありますが、油脂原料及び油脂の価格が為替レートの改訂等に伴つて引上げられ、且つその取扱数量が増加いたしましたため、年度初めに比べまして年度末において手持品等の資産勘定は約二十五億円に達する見込でありまして、この所要資金を肥料配給公団と同様の取扱によりまして、できるだけ基本金で取弁することといたしまして、これがため基本金を十億一千六百万円増額せんとするものであります。
 委員会におきまして審議に入り、資金源として基本金或いは借入金の適否、肥料及び油糧の需給状況、その統制方法、配給公団のあり方等、各般の事項に亘つて政府当局に対して質疑が行われたのでありますが、その詳細は速記録で御承知を願いたいと思うのであります。かくいたしまして質疑を打切り、討論に入りましたところ、肥料配給公団令に関しましては羽生、板野、池田恒雄各委員、油糧配給公団法に関しましては門田、板野各委員から、国家財政の逼迫している現状においてかような経費を一般会計の負担とするようなことは、又最近公団経理についてとかく疑惑が拂われている際、基本金の増額を図るがごときは、妥当を欠くと思う等の趣旨によつて反対があり、又前者につきましては池田宇右衞門、高橋、岡村及び私、後者については石川、小川及び私の各委員から、本法案は公団運営上この際止むを得ない措置であるが、公団の粛正に強い要望を附しまして賛成したのであります。採決の結果、両法律案は政府提出、衆議院送付の通り、多数を以て可決することとなりました。
 右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程に追加して、飮食営業臨時規整法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。
    ―――――――――――――
   〔岡本愛祐君登壇、拍手〕
○岡本愛祐君 只今上程せられました飮食営業臨時規整法の一部を改正する法律案につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本案の提案の理由及び内容は、本年五月、飮食営業を全面的に再開すると共に、半面主食及び醤油等統制食糧の横流れを防ぎ、大切な食糧の浪費や闇取引を防止するため、飮食営業臨時規整法を制定し、旅館、外食券食堂又はめん類外食券食堂を営む者は、外食券と引換でなければ食事を提供してはならない。それ以外の飮食営業者は指定主食を提供してはならない。軽飮食店を営む者は副食券と引換でなければ料理を提供してはならない等のことを定めたのでありますが、同法施行後の実情を見まするに、副食券制度は実効を收めることができませんので、本法案によつてこれを廃止することとし、一方主食の取締につき、都道府県知事は省令の定めるところによつて、業者の違法行為に対し、必要に応じ飮食営業を営むに必要な設備に封印する等の措置を命ずる規定を設けんとするものであります。
 前第五国会において飮食営業臨時規整法案を地方行政委員会において審議いたしました際にも、すでに第八條において規定する副食券の制度は徒らに煩瑣であつて、取締が困難であり、実効を上げる見込が薄いと思われるから、第八條を削除すべしという有力な反対意見があつたことは、この本会議において御報告いたしたところであります。併しその励行が困難であるという理由だけでこれを削除することは、当時の国情よりして到底許されないとの政府側の答弁に基きまして、修正を加かるに至らなかつたのでありますが、同法施行後の実情は当初危惧された通り実効を上げ得ないことが明らかとなりましたのと、一面醤油の需給状況はその後著しく緩和せられ、来年一月分より業務用配給をなし得る見込が立ちましたので、この際副食券制度を廃止せんとするものであります。以上のごとき事情は質疑応答によつて明らかとなつたのでありますが、その詳細は速記録によつて御覽をお願いいたします。かくて委員会においては全員一致を以て本法案は原案通りこれを可決すべきものと決定いたしました。以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程に追加して、身体障害者福祉法案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長塚本重藏君。
    ―――――――――――――
   〔塚本重藏君登壇、拍手〕
○塚本重藏君 只今議題となりました身体障害者福祉法案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。
 本法案は衆議院の送付案でありますが、これが原案はかねて本院厚生委員会において準備いたしたものであります。先ず本案提出の経緯と審議の経過を説明いたします。本院厚生委員会におきましては、第一回国会以来多数の請願及び陳情に表明されておりまする熱烈なる国民の要望に鑑みて、種種の調査を行い、鋭意適切なる立法措置に努力を傾注し、不断の準備を重ねて参つたのであります。これに対し、関係方面の好意と厚生省当局の協力によつて成案を得るに至りましたので、衆議院厚生委員の同調を求め種々協議を重ねまして、十一月二十四日、本院におきましては厚生委員全員外一名、又衆議院におきましては厚生委員十一名の署名を以て同時に提案いたしたのであります。かくて本院厚生委員会は十一月二十五日以来連日会議を開くと共に、本法案の円滑なる成立を期するために、去る十一月二十五、二十六の両日に亘りまして、両院厚生委員の合同審査会を開き、更に十一月三十日衆議院送付案が付託されましたので、本院運輸委員との連合委員会を十二月一日及び三日の両日開催し、愼重な審議を重ね、本日の厚生委員会において全会一致原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に本法案の提出理由について御説明申上げます。戰後の激動、混乱の中に新憲法が施行され、新らしい国家の能勢の下に国民福祉の諸問題は、生活保護法、兒童福祉法その他各種の社会保險法等により、国民は何人も健康にして文化的な生活を享受することができまするように整備されつつあるのでありますが、今尚惨澹たる戰禍や業務上の災害、或いは疾病その他によりまして身体に強度の障害を負い、不慮の災難とは言いながら悲惨な運命に苦しむ人々は、現在凡そ八十万を越えておるのであります。かかる人々に対しまする福祉のための法律といたしましては、先般制定いたされました国立光明寮設置法及び身体障害者更生指導所設置法の二つの現行法があるばかりであります。これらはいずれも応急施設の設置法に過ぎませんで、(「簡單」と呼ぶ者あり)いわゆる身体障害者に対する更生援護の根本法は未だ制定せられなかつたのであります。よつて本案は身体障害者の更生援護に関する基本を定めることといたしたのであります。即ち国、地方公共団会がみずからの義務として身体障害者のために各種の指導援護を行い、一日も早くこれらの人々をその暗い憂鬱な日常生活から引上げて、明るい社会活動の世界に送り出すことが本案の目的といたしておる中心点であります。
 次にこの法案の内容を簡明に説明いたします。第一は、この法律案におきましては、身体障害者各人の自発的な更生意欲が促進せられることを根本といたして、その更生を助長するために必要なる器具、物品等を交付し、更に周到、適切な訓練を施し、社会的活動能力を発揮させることを主眼とするものであります。従いまして、身体障害者たるの故を以てこれに特別の権利を附與するとか、或いは特別な保護を與えてその一生を国の負担において世話するという、いわゆる特別な保護を規定するものではないのであります。
 第二は、本法の対象といたしましては、兒童福祉法その他の関係法をも考慮いたしまして、十八歳以上のいわゆる労働年齢にある者で、盲、聾、唖、肢体不自由等の身体の障害のため、労働能力の損傷されているものであります。又これらの人々に対しまして、すべて強制的に登録せしむるのではなく、本人の自発的な申請に基きまして、身体障害者手帳を交付し、これに基いて適法の取扱をいたすものであります。
 第三は、更生、援護の行政的体系といたしまては、厚生省に中央身体障害者福祉審議会を置き、又都道府県には地方福祉審議会を置き、法の施行機関は都道府県知事とするものであります。知事の下に数名の身体障害者福祉司を置き、実質的にはこの專門家が個々の身体障害者の指導的な世話をするものでありまして、市町村長は知事の行政活動に協力するという態勢をとつているのであります。
 第四は、福祉の措置であります。これは一定の手続によりまして、身体障害者手帳を受けた者に対しましては、或いは義肢、補聽器、車椅子、安全杖等を與え、且つ修理を施し、必要な更生訓練施設や職業安定所等へ紹介し、或いはその他万般の更生相談を行うのであります。更に、障害の程度が重度の者に対しましては、国有鉄道の運賃の減額、煙草小売人指定の場合の取扱や、公共施設内に売店を設置しようとする者に特別に許可を與える取扱に関すること、更に、盲人その他重度の障害者の製作品は、国及び地方公共団体が一定の條件の下に買取つて、これらの人々の福祉増進に資する等であります。尚、煙草小売人指定や、売店設置や、製品の購買についての特別な規定を設けましたことは、たとえ義肢を備え、訓練を受けましても、障害のため一般人に伍して経済活動をすることが困難でありまするところの重度のハンデイキヤツプがあります者に対しましては、やはりその身体障害者相応の安定した職場に就かしむる用意が必要であるからであります。
 第五は、国、都道府県及び市町村においては、これらの者に訓練指導を與え、又は各種の福祉に備える施設を設置することができるように規定いたしました。尚、私人がこれら公共のものと同じような施設を設置することは何ら差支ないのでありますが、その運営等について監督する必要がありまするので、これを届出制とすることにいたしたのであります。
 第六は、この法律の施行において、予算とか、法的な諸準備のため昭和二十五年四月一日から施行することにいたしたのであります。
 最後に、この法律の施行に要しまする経費は、一応すべて都道府県の支弁でありまするが、生活保護法、兒童福祉法等と同じように、一般の行政的経費については二分の一、特殊な行政経費、即ち義肢等の交付に要しまするもの又は施設の運営に要する経費等につきましては十分の八、施設の設置費については二分の一と、それぞれ国庫から負担することを規定いたしておるのであります。
 以上が本法案の内容の大要であります。
 次に、委員会の審議に当りまして論議されました事項のうち主なるもの二三の点について簡單に御報告申上げます。先ず第一に、本法案と生活保護法との関係につきましては、身体障害者の更生に関する部面におきましては、本法は生活保護法に優先するものであることを明らかにいたされました。第二に、職業補導施設に收容された者の生活扶助については、生活保護法により運用の適切化を期することとなつたのであります。第三に、国及び地方公共団体の費用分担につきましては、生活保護法と同様な取扱をいたすのであります。第四に、身体障害者の所得税の基礎控除につきましては、大蔵当局の意見によりますと、シヤウプ勧告に従つて、第一年目は、盲人にのみ追加控除として一万二千円が認められるのでありますが、他の身体障害者については、最も近い将来にその線に沿うて善処する方途が明らかに示される予定であります。第五は、身体障害者が売店等を設ける等に当りまして必要とする小資本金融につきましては、国民金融公庫において、現在よりも更に融資の方面が拡充せられることになつていることが明らかになりました。
 最後に、本法案第五十條に規定する介添者がなくては旅行のできない重度の障害者に限り鉄道の運賃を半減する規定の点であります。この点に関しましては、特に一昨日及び本日の二回に亘り、運輸委員会と連合委員会を開き、種々協議を重ねたのでありますが、その重点について申上げますると、申すまでもなく、鉄道運賃の改正は国有鉄道運賃法の改正によるべきものであつて、たとえ稀な特例であつても他の法律により制約することは法律の体系を紛乱することになる。又本法による特別規定のごときが先例となつて次々と運賃法が改正せられて行くことは、公共企業体である国鉄の独立採算制を崩壞させる危險がないかという点であります。この点につきましては種々協議を重ねましたが、連合委員会の審議を打切りまして、本日午後改めて厚生委員会を開き、愼重な審議をいたしました結果、本法案は極めて急速に制定を要する状況にあり、且つ法案の趣旨に明らかな通り、障害者福祉に関しまする我が国初めての国家方針を定める必要上制定するものでありまするから、これを現行国有鉄道運賃法第八條による運輸大臣の裁量に任せるよりも、法律により規定することを妥当と認めることに意見の一致を見ました。
 以上、本案審議の経過及び結果の大要を御報告申上げたのでありますが、本案の審議に当りましては、不自由な身体障害者諸君が、多数毎回熱心に傍聽され、又全国各地の盲聾唖者、肢体不自由者から本員に寄せられました葉書、手紙、電報等は夥しい数に達しております。中には不具の子を持つ親兄弟の切々たる願いがあり、盲聾唖兒童からの涙ぐましい訴えがあります。本法の制定によつて前途の苦難が救われるものと大きな希望をかけているものもあります。全国八十万人を数えるこれらの身体障害者が、如何に本法の成立を然心に待望しているかが知られるのであります。併し本案は決して身体障害者に十分な満足を與える完全なものではありません。現下の日本の置かれておりまする諸般の事情による多くの制約によりまして、收容訓練中の生活保障の問題、生業資金の問題、租税の減免及び住宅提供等の問題は、これを他の一般法規に讓らなければならなかつたのであります。又本法施行の経費も、提案者は当初十億円近きものを必要といたしたのでありますが、明二十五年度予算は直接経費僅かに一億余万円であります。従いまして本法の改善と充実は、国会並びに政府の今後の努力に待たなければなりませんが、本法施行に当つては、政府は細心の注意と最大の熱意を以て十分の効果を挙げるよう努力を拂われんことを強く希望して置く次第であります。
 何とぞ皆様の御賛成を得て通過せられるように御協力されんことを切にお願い申しまして、御報告を終る次第であります。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 本案に対し討論の通告がございます。発言を許します。細川嘉六君。
   〔細川嘉六君登壇、拍手〕
○細川嘉六君 我が党は本案に対して賛成いたすものであります。(「賛成賛成」と呼ぶ者あり)
 提案理由の中で、身体障害者の更生を援助し、そのために必要な保護を行うと述べられておりまするが、これは全く理の当然である。人情の自然であります。(笑声)我が党が国会において活動しておる一切のことは皆これであります。(拍手)本案には詳細に亘つていろいろの規定がなされておりまするが、如何に言うことが尤もでも、美わしくとも、実際にふさわしい予算の措置がなければ、これは見かけ倒しであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)ところが予算の上では六千三百万円、公共事業費を含めても一億円余の予算であります。本法を適用される人数は、全国について六十万余でありまするが、一人当りに見ますというと、百七十円しか充てられておりません。これでは全くこれは羊頭を掲げて狗肉を売るという次第になります。本国会において帝国石油法、それから日鉄法、それから最近は貿易為替の管理法、なかなか立派な法案ができ、そうして財産家のためには大いに盡されました。ここで、この間に立つて、この大切な法案が誠に惨めな姿でここに出たというところに、我が国の大問題があるのである。(拍手)私はこの法案について一々のことをここに申すわけには行きませんが、この七條において、審議会の設置に関して、「審議会の委員及び臨時委員は、関係行政機関の官吏又は吏員、身体障害者の更生援護、医療その他の福祉に関する事業に従事する者、学識経験ある者、雇用主、労働者及び身体障害者のうちから、厚生大臣又は都道府県知事が任命する。」となつております。で、この法の精神を、この不十分なものであつても実際に有効にするには、この構成員の中に身体障害者自身の間から直接に選ばれた代表者、これは少くとも半分は入れられなければならない。そうして又実際に大きな権限を持たせ、そうして運営は民主的に行われ、苟くも慈惠的なように運ばれてはならないのであります。併しながらこの規定では、私はここにただ一つのことを申しておるのでありますが、今申すような慈惠的に行われないように、又民主的に行われるようには、この規定では不十分であります。今申しましたように、予算の裏付けは誠に憐れであり、規定は誠に不備であります。併しながら六十余万の障害者の方々が、本国会に是非これでもいいから本案を通して呉れという熱烈なる望みをかけておられます。我が党はこの熱望に応えて、本案の不備な点、情けない予算を問題にせずに賛成いたすわけであります。どうぞ皆様の御賛成をお願いして置きます。(「そうあるべきだ」「気に入つたぞ」と呼ぶ者あり、笑声、拍手)
○副議長(松嶋喜作君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案の表決は記名投票を以て行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○副議長(松嶋喜作君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れはないと認めます。これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○副議長(松嶋喜作君) 投票の結果を報告いたします。投票総数百四十二票、白色票百四十二票、(拍手)よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百四十二名
      小川 友三君    赤木 正雄君
      赤澤 與仁君    井上なつゑ君
      岩本 月洲君    江熊 哲翁君
      大山  安君    加賀  操君
      河井 彌八君    木下 辰雄君
      小宮山常吉君    小林米三郎君
      鈴木 直人君    竹下 豐次君
      高瀬荘太郎君    田中耕太郎君
      野田 俊作君    久松 定武君
      藤井 丙午君    三島 通陽君
      矢野 酉雄君    阿竹齋次郎君
      安部  定君    奥 むめお君
      岡本 愛祐君    岡元 義人君
      大屋 晋三君    中山 壽彦君
      宿谷 榮一君    下條 康麿君
      川村 松助君    小林 英三君
      玉置吉之丞君    寺尾  博君
      徳川 宗敬君    西田 天香君
      水久保甚作君    徳川 頼貞君
      一松 政二君    穗積眞六郎君
      町村 敬貴君    松井 道夫君
      岡田喜久治君    小野 光洋君
      團  伊能君    渡邊 甚吉君
      横尾  龍君    寺尾  豊君
      大野木秀次郎君    遠山 丙市君
      西川 昌夫君    城  義臣君
      池田宇右衞門君    堀末  治君
      西川甚五郎君    大島 定吉君
      鈴木 安孝君    黒田 英雄君
      平沼彌太郎君    草葉 隆圓君
      石坂 豊一君    柴田 政次君
      今泉 政喜君    松野 喜内君
      黒川 武雄君    石川 準吉君
      紅露 みつ君    木内キヤウ君
      深水 六郎君    平岡 市三君
      北村 一男君    藤森 眞治君
      石川 一衞君    仲子  隆君
      中川 幸平君    左藤 義詮君
      西山 龜七君    佐々木鹿藏君
      境野 清雄君    淺井 一郎君
      重宗 雄三君    廣瀬與兵衞君
      小串 清一君    尾形六郎兵衞君
      木檜三四郎君    木内 四郎君
      鬼丸 義齊君    櫻内 辰郎君
      星   一君    小畑 哲夫君
      入交 太藏君    高橋  啓君
      大隈 信幸君    門屋 盛一君
      平野善治郎君    村尾 重雄君
      塚本 重藏君    奧 主一郎君
      岩木 哲夫君    大畠農夫雄君
      岩崎正三郎君    島   清君
      林屋亀次郎君    中井 光次君
      稻垣平太郎君    天田 勝正君
      羽生 三七君    内村 清次君
      河野 正夫君    板野 勝次君
      細川 嘉六君    中野 重治君
      岩間 正男君    兼岩 傳一君
      鈴木 清一君    木村禧八郎君
      姫井 伊介君    赤松 常子君
      池田 恒雄君    星野 芳樹君
      金子 洋文君    カニエ邦彦君
      大野 幸一君    藤田 芳雄君
      伊藤  修君    森下 政一君
      中平常太郎君    川上  嘉君
      佐々木良作君    中村 正雄君
      原  虎一君    若木 勝藏君
      米倉 龍也君    三木 治朗君
      波多野 鼎君    木下 源吾君
      門田 定藏君    河崎 ナツ君
      駒井 藤平君    小川 久義君
      鈴木 憲一君    岡村文四郎君
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) 議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
   午後四時三十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時二十三分開議
○議長(佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 参事をして報告いたさせます。
   〔海保参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案可決報告書
 道路運送法の一部を改正する法律案可決報告書
 国際観光ホテル整備法案修正議決報告書
     ―――――・―――――
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、国際観光ホテル整備法案(衆議院提出)、道路運送法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長板谷順助君。
    ―――――――――――――
   〔板谷順助君登壇、拍手〕
○板谷順助君 只今議題となりました国際観光ホテル整備法案につきまして、運輸委員会における経過並びに結果を御報告申上げます。
 この法律案の要旨は、外容の来訪が日と共に増加しつつあるに拘わらず、宿泊施設等受入態勢不整備が最大の隘路となつておるから、優良ホテルの建設を促し、即存ホテル旅館等の整備改善を促進するために、第一に外客宿泊に適合するホテル登録制度を定め、第二に地方税軽減の途を開き、第三に本法の適正なる運用を図るためにホテル審議会の制度を定め、その他、資金の斡旋、固定資産の耐用年数に関する特別規定をいたしておるのであります。
 本委員会の審議におきましては、主管問題に関する通商産業委員会並びに厚生委員会の意見及び租税体系を尊重すべきであるとの地方行政委員会の意見を十分に取入れまして、愼重審議を重ねましたるところ、関係者の権限争議の禍根を残すことのないように、主管大臣を明らかにすべきであるとの丹羽委員の意見に対し、本多国務大臣より、主管大臣は運輸大臣であることを明確にするように速かに措置するとの答弁があり、又家屋税の減額條項に対しては租税体系を尊重すべきであるとの意見が強く主張されたのであります。次いで討論に入りましたところ、丹羽委員より次の通り修正案の提出がありました。即ち
  国際観光ホテル整備法案の一部を次のように修正する。
  第七條を次のように改める。
  (登録ホテル業の用に供する建物に対する地方税の不均一課税)
 第七條 登録ホテル業の用に供する建物については、地方税法(昭和二十三年法律第百十号)第十四條第二項(公益等による不均一調税)の規定の適用があるものとする。
  第十四條第二項及び第三項中「家屋税」を「地方税」に改める。
 委員会におきましては右修正案について採決の結果、多数を以て可決すべきものと決定いたし、更に修正の部分を除いたる原案について採決の結課、これ又多数を以て可決すべきものと決定いたし、よつて本法案は修正議決すべきものと決定した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
 次に只今上程になつたる道路運送法の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過及び結果を御報告申上げます。
 この法律案の要旨は、中央出先機関の廃止に関連をして運輸省の陸運局長の権限の一部を都道府県知事に委讓しようとするものである。運輸省の出先機関としては、道路運送監理事務所があつたが、これは前国会において成立した運輸省設置法により廃止せられ、その事務は運輸省設置法の附則により陸運局分室が設けられ、該分室において処理せられていた。然るに政府が出先機関を整理し、その事務を都道府県知事に委讓しようとする方針を実施するためには、陸運局分室の事務を都道府県知事に委讓しなくてはならぬのであるが、それには現在の法律体系から見て、省令による場合と、政令による場合と、法律によらなくてはならない場合とがある。このうち省令、政令によるものは政府限りでなし得るものであるので、政令については十月二十八日、省令については十一月一日これを公布して、都道府県知事に対して職権の委讓を実施し、法律によることを要するものを今回法律改正案として国会に提出したのである。然るにこの問題は、前国会を通じて愼重に審議せられたものであつて、前国会において運輸省設置法を審査したときも、道路運送監理事務所の廃止後は陸運局に分室を置いて事務の処理をなさしむる了解の下に同法案を可決したのであつた。かように委員会としてはこの問題に深い関心を持つておるので、閉会中、政府が政令を以て陸運局長の権限の一部を委讓しようとしたときも、運輸委員会はその政令の実施を次期国会まで留保し、分室の措置については国会の了解を経るよう委員会の決議を以て政府に要望したのであります。その要望にも拘わらず政府は政令を公布し、陸運局分室の事務の一部を都道府県知事に委讓し、且つ省令を以て陸運局分室を廃止し、爾余の職権委讓につき法律改正案を提出したのであります。かような経緯であるので、委員会における審査もこの点を中心として質疑が行われたのであります。
 村上委員より、出先機関の廃鉄はそれが地方事務たる性質を有する限り原則として是認せらるべきものとするも、交通の広域性及びその普遍性より見て、その措置には相当の配慮を要すべきであるのみならず、委員会が決議を以て政令の取扱について申入れをなしているにも拘わらず、而も国会開会を前にして政令を公布したるは甚だ不可解なりとし、先ず政令公布の根拠が法律上疑義がある点を指摘し、国会開会を前にして政令を公布せざるを得なかつた緊急なる事由並びに陸運局分室設置につき国会の承認を求めざりし事由を質し、更に進んで、若しこの法律案不成立のときは、地方陸運行政は如何なる姿になるや説明を求め、又若しその結果が行政秩序を乱し、これを調整するの要ありとするならば、これを見越してかかる法律案を提出する政府今回の措置は国会の審議権に不当の圧力を加うるものと断じた。次いで内村委員、前之園委員、小泉委員よりも同様の趣旨の下に、この間における政府の措置について質疑が行われ、更に内村委員より、元分室職員の地位身分について政府の所信を質したのであります。右各委員よりの質疑に対し、本多国務大臣は、出先機関の整理については、地方事務たる性質を有するものはこれを地方委讓する方針であり、政府今回の措置も出先機関の整理に関する閣議決定を一日も早く実現したいということに外ならぬのであつて、政令省令によるもの、法律改正を要するものとを同時に実施できるよう準備を進めて来たのであるが、国会の開会が最初予期したよりも遅れた等のため、政令省令を先に公布するような事情に立至つたので、この間、順序が前後し、委員会の立場を考えると如何にも穏当を欠いていた点のあつたことは誠に遺憾であつたとし、この間の経過及び法律解釈につきいろいろ答弁もあつたのであります。且つ又釈明するところもあつたのでありまするが、尚、今後は国会の意見を十分尊重する旨の確答があつたのであります。又運輸大臣よりもこの経過について答弁があつた。その要旨は、今回の地方委讓の実施については、国会の意思に副うよう地方の機構、職員の身分につき特に考慮し、陸運行政の調整を図つた。若しこの法律案が不成立のときは地方陸運行政秩序が紊れ、国民に対しても不便が増すものと思うとの答弁があつたのであります。更に政府委員よりこの点に関し具体的な答弁があり、又職員の身分地位がこの度の事務の委讓につき不測の変動のないように配慮をしつつある旨の答弁があつたのであります。
 以上を以て質疑を打切りまして、討論に入りましたところ、鈴木委員より、本案の実施により地方陸運行政において人事権と行政権との一貫性を欠き、且つ職員の身分の保障も不明確と認むるとて本案に反対の意見の開陳があり、又内村委員よりも社会党を代表して、本案の実施により自動車行政の地域的均霑性を阻害し、その発達を期待し得ざるものあり、且つ職員の身分の保障も期待し得ずとの反対意見の開陳があつたのであります。これを以て討論を終了いたしまして、採決に入りましたるところ、多数を以て可決すべきものと決定した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
○議長(佐藤尚武君) 道路運送法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。岩間正男君。
   〔岩間正男君登壇、拍手〕
○岩間正男君 只今議題となりました道路運送法の一部を改正する法律案に対しまして、私は日本共産党を代表しまして反対するものであります。
 先ず政府のやり方が非常にでたらめであるということ、これは只今の委員長の報告でも分ることでありますが、六月一日に運輸省設置法によつて、今まで全国各地方の都道府県の道路監理事務所がやつていたところの道路運送行政の一部を、全国所要の地に設置した陸運局分室で八月一日からやることになつた。ところが、これを再び又地方庁に移すことになるのがこの法案であります。而も陸運局分室の所掌事務の大部分は政令及び省令によつて十一月一日からすでに都道府県に移しておることであります。本改正案は残りの一部を整理するものでありますが、このような重要なことを一片の政令や省令でやることは全く国会を無視したものと言わなければならないのであります。そもそも本法案には、政府自身、又民自党も第五国会では地方庁委讓という点について反対していたのであります。ところが四月八日の衆議院の運輸委員会で大屋運輸大臣は、陸運局分室設置を是非願いますというふうに述べておる。又四月の二十二日の衆議院の委員会の答弁を見ますと、運輸当局としては地方ではできないと言つておる。更に牛島自動車局長は、ガソリンやタイヤなどの資材の割当について、「従来の府県庁においてやつておりましたときよりは、現在の分室の方が遥かによい成績を挙げておると聞いておる」と述べた。この点は特に注意を願いたい。つまり現在の分室の方が遥かによい成績を挙げておると聞いておると言つておるのであります。又九月の十二日の衆議院の委員会では、政府に対して「政令などで地方庁に委讓することを中止して、臨時国会まで保留せよ」という動議が出され、これに対して満場一致で可決されております。ところが、右のような状況であつたのに、政府は今度の法案提出に当りまして、非常に苦しい説明をしておる。つまり今度態度が変つたのは諸般の情勢で信念の変化によるものであるというような工合で、実にこれは日記風に拾つて明細にもつと申上げると実は非常に面白いのでありますが、これはこの点省略いたします。(「ヒヤヒヤ」と呼ぶ者あり)これではこの法案の提案理由である地方自治の強化にはならない。通産局の地方委讓と共に、予算が地方に移されるために、地方財政をますます圧迫する。又今度の委譲による職員の切替は第一次千八十四人でありますが、やがて第二次整理も行われ、これら職員の労働強化と低賃金、首切りをやる前提となることは余りにも明らかであります。
 次に問題になるのは、この法案に対して地方の業者達が猛烈に反対しておる。これらの反対要望が全然無視されておることであります。本法案によりますと、先ず第一に大運送、小運送、私道等の一貫した交通行政が破壞される。第二の点は運送行政の專門的立場を度外視するものである。
 第三点としましては、以上によつて人事権は運輸省で持ち、監督行政は地方庁でやるが、これでは全く自治体の強化にはならないということ。
 第四点としましては、地方鉄道と軌道と自動車事業とは兼営の業者は現在では多いのでありますが、それでれ異なる官庁で取扱われるため業者は全く今後の事務が繁雑になる。
 第五点としましては、燃料、タイヤ チユウブの配分の資材行政の完全遂行がこれではできない。
 こういうような点から考えまして我我はこの法案に対して賛成することはできないのであります。従つて右の理由によるところの、地方からの例えば自家用自動車組合とか、バス協会、私鉄、日通、それから農業協同組合、商業協同組合、こういうような所から多くのこれに対するところの反対の請願が殺到しておるのであります。これを件数を拾つて見ますと、衆議院では三十三件、ところが参議院に対しましては八十八件である。今その八十八件の中から拾つて見ますと、民自党の諸君が何と驚くなかれその中の二五%の二十二件を紹介議員として紹介しておるのであります。(「いいじやないか」と呼ぶ者あり)緑風会の諸君が十件紹介しておることは非常に特徴的であります。これは今いいじやないかというようなお話がございましたが、その方がどういう行動をとられるか、これが本会議でどう実現されるか、間もなく二分後にはその正体がはつきりするのであります。(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)こういうようなことでありますから、我が党は右のような地方業者の要望に応えると共に、地方財政を圧迫し、関係職員の労働強化、低賃金、首切り、これらのを押付け、運送事業を破壞するこのような法案に対しましては絶対反対するものであります。(拍手)
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより採決をいたします。
 先ず国際観光ホテル整備法案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長の報告通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
○議長(佐藤尚武君) 次に道路運送法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案の表決は記名投票を以て行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(佐藤尚武君) 投票漏れはございませんか……投票漏れはないと認めます。
 これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(佐藤尚武君) 投票の結果を報告いたします。投票総数百五十三票、白色票即ち本案を可とするもの百十票、(拍手)青色票即ち本案を否とするもの四十三票、よつて本案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百十名
      小川 友三君    赤木 正雄君
      井上なつゑ君    岩本 月洲君
      宇都宮 登君    江熊 哲翁君
      大山  安君    柏木 庫治君
      河井 彌八君    木下 辰雄君
      小宮山常吉君    小林米三郎君
      西郷吉之助君    鈴木 直人君
      高瀬荘太郎君    高田  寛君
      高橋龍太郎君    伊達源一郎君
      野田 俊作君    早川 愼一君
      久松 定武君    藤野 繁雄君
      三島 通陽君    村上 義一君
      矢野 酉雄君    山本 勇造君
      結城 安次君    阿竹齋次郎君
      安部  定君    飯田精太郎君
      伊藤 保平君    岡本 愛祐君
      岡元 義人君    小野  哲君
      九鬼紋十郎君    楠見 義男君
      來馬 琢道君    大屋 晋三君
      植竹 春彦君    中山 壽彦君
      下條 康麿君    宿谷 榮一君
      松嶋 喜作君    川村 松助君
      小林 英三君    寺尾  博君
      徳川 宗敬君    西田 天香君
      玉屋 喜章君    水久保甚作君
      徳川 頼貞君    一松 政二君
      穗積眞六郎君    堀越 儀郎君
      岡田喜久治君    團  伊能君
      渡邊 甚吉君    横尾  龍君
      寺尾  豊君    大野木秀次郎君
      遠山 丙市君    加藤常太郎君
      西川 昌夫君    城  義臣君
      池田宇右衞門君    堀末  治君
      大島 定吉君    鈴木 安孝君
      黒田 英雄君    平沼彌太郎君
      草葉 隆圓君    石坂 豊一君
      柴田 政次君    板谷 順助君
      今泉 政喜君    松野 喜内君
      黒川 武雄君    石川 準吉君
      紅露 みつ君    木内キヤウ君
      平岡 市三君    北村 一男君
      藤森 眞治君    中川 幸平君
      左藤 義詮君    西山 龜七君
      伊東 隆治君    佐々木鹿藏君
      淺井 一郎君    重宗 雄三君
      廣瀬與兵衞君    小串 清一君
      山田 佐一君    大隅 憲二君
      尾形六郎兵衞君    木内 四郎君
      鬼丸 義齊君    櫻内 辰郎君
      田中 信儀君    星   一君
      小畑 哲夫君    前之園喜一郎君
      入交 太藏君    平野善治郎君
      鈴木 順一君    奧 主一郎君
      池田七郎兵衛君    岩木 哲夫君
      林屋亀次郎君    中井 光次君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      四十三名
      松井 道夫君    島田 千壽君
      田中 利勝君    村尾 重雄君
      大畠農夫雄君    岡田 宗司君
      天田 勝正君    吉川末次郎君
      羽生 三七君    内村 清次君
      栗山 良夫君    松下松治郎君
      下條 恭兵君    和田 博雄君
      板野 勝次君    細川 嘉六君
      中野 重治君    岩間 正男君
      兼岩 傳一君    鈴木 清一君
      千葉  信君    木村禧八郎君
      池田 恒雄君    太田 敏兄君
      金子 洋文君    カニエ邦彦君
      小泉 秀吉君    大野 幸一君
      伊藤  修君    森下 政一君
      丹羽 五郎君    川上  嘉君
      中村 正雄君    若木 勝藏君
      米倉 龍也君    三木 治朗君
      波多野 鼎君    木下 源吾君
      門田 定藏君    河崎 ナツ君
      小川 久義君    岩男 仁藏君
      岡村文四郎君
     ―――――・―――――
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加いたしまして、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長櫻内辰郎君。
    ―――――――――――――
   〔櫻内辰郎君登壇、拍手〕
○櫻内辰郎君 只今議題となりました食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 先ず、本案の提案理由並びに内容について申上げます。今回の改正の第一点は、食糧証券、借入金及び一時借入金の限度額千五百億円を千七百億円に引上げようとすることであります。即ち昭和二十四年産米の政府買入価格の改討、輸入食糧の増加等の理由によつて、食糧証券の発行高が一時的に増大することが予想され、その結果、昭和二十五年一月末においては、約千六百七十億円に達するものと見込まれるのであります。従つてこの会計の運営を円滑にするため、食糧証券、借入金及び一時借入金の限度額を千七百億円まで引上げようとするものであります。
 第二点は、この会計の歳入不足を補填するため、昭和二十四年度において、一般会計から百七十億九千三百万円を限り、この会計に繰入金をするこりができることとするための改正であります。即ち買入価格の改討、輸入食糧の増加等も影響して、明年度に特越される手持食糧の価額が昭和二十三年度末に比し相当増額が予想されるのであります。その他、従来主食の生産者価格の引上げは消費者価格の引上げと同時に行なつて参りましたが、今回は、今年十二月末まで現行価格に据置くこととなりましたため、その期間に後ずべき損失等についても考許しなければならないので、この会計の歳入不足を、一般会計から繰入金を以て補填する必要があるのであります。
 さて、本案は十一月二十五日より十二月三日まで愼重審議いたしましたが、その詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。かくて十二月三日討論に入り、小川友三委員より賛成の意見、天田勝正委員、木村禧八郎委員、中野重治委員会及び木内四郎委員よりそれぞれ反対の意見が述べられ、採決の結果は、多数を以て原名通り可決すべきものと決定いたしました。
 右御報告いたします。
○議長(佐藤尚武君) 本案に対し討論の通告がございます。発言を許します。天田勝正君。
   〔天田勝正君登壇、拍手〕
○天田勝正君 日本社会党は、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案に反対の意を表するものであります。今その反対の理由を四点に分つて、極めて簡單に申述べて見たいと思うのであります。
 第一点は、政府の改正案によりますると、インフレ收束方針に全く一貫性がないという点であります。即ち只今委員長の報告にもありましたように、今回の本法改正の根拠は、輸入食糧の増加、單価の値上りに対応するためであり、当初予算の編成の基礎であるところのインフレ收束方針を貫くものである、こう説明されておるのであります。そのために食糧証券の発行を少くすると説明しておりますが、このインフレ收束の要請は、今日突如として起きた問題ではございませんので、いわゆるドツジ・ラインによりまして本年度の当初予算が編成され、その一環として、この要請に応えて本特別会計の当初予算も組まれたものであります。而してその当初予算によりますると、歳入におきまして、食糧売拂代或いは雑收入、こうして商品收入を別にいたしますれば、食糧証券及び借入金收入一千二百七十七億円、一般会計からの繰入二十九億円、これが計上されているのであります。即ちこのような予算措置と金融操作に依存いたしましてもインフレは高進しないということが明らかにされておつたのであります。元来インフレは物資の量と通貨の比率に端的に現われるのでございますが、今回の補正予計の根拠は輸入食糧が六十三万トン増加されておるということでありまして、物がこのように三五%増加いたしますならば、これを見返りとしてその増加率だけ金融措置を増加いたしましても、インフレは上昇するものではないかと思うのであります。然るに物資がかように殖えておりますにも拘わらず、金融操作面を削減いたしまして、逆にそれを税金負担の面に転嫁して参つたという、この矛盾を指摘しなければならないのであります。この点に関しまして政府に強くその一貫性如何ということを質したのでございまするが、政府の答弁は全くこのインフレ対処の無定見を暴露しておつたのであります。
 反対の第二の点は、予算編成上の矛盾であります。只今も申上げましたように、輸入食糧の増加、買入の單価の値上り、こうしたものが本法改正の基礎であるといたしまするならば、食糧証券、借入金收入を九十七億円削減いたしまして、一般会計からの繰入收入を百七十億増加するということは、全く矛盾と言わなければならないのであります。物量が増加いたしました以上は、或いは一般会計からの繰入も増加するかも知れませんが、同時に証券発行額も増加して参るならば、一応の筋が通るのであります。若し当初予算が均衡予算の要請に適合しているといたしますならば、百七十億円から証券收入の補正減九十七億円を差引きました七十三億円を繰入れればよろしいという数字が出て参るのであります。(「簡單簡單」「しつかりやれ」と呼ぶ者あり)而も現行の借入限度額は千五百億円でありまして、当初予算に組まれたこれらの收入は一千二百七十億円でありますから、その差額二百三十億円はまだ余裕があるということになるのであります。従つて只今申述べました七十三億円は、この二百三十億の中に十分吸收できると、かようになるのであります。このように考えますならば、本法は全く改正せずとも金融措置によつて十分操作し得るものでありまするし、又今申述べましたように、これが数字的にはつきり証明し得るのであります。
 反対の第三の点は、委員会における大蔵大臣の答弁であります。同僚中野議員の質問に答えました大蔵大臣は、かような繰入を行なつたことは、一般会計に余裕ができたから本特別会計に繰入れたものであると言われております。一般会計歳入の基礎は申すまでもなく国民の税負担でございますが、その国民の負担は今回の補正予算によつて、租税、印紙收入の形におきまして、百三十一億円の増加を見ておるのであります。又地方税負担はむしろ加重されるということは、シヤウプ勧告案によつて明らかになつておるところであります。一般会計に若し余裕ができたといたしまするならば、先般来要請されておりまする六・三制の予算或いは勤労所得税の軽減(「大蔵大臣行儀が惡いぞ」と呼ぶ者あり)或いは災害復旧費等に充当すべきものでありまして、一般会計に余裕ができたなどとは何たるたわごとかと言わざるを得ないのであります。
 反対の第四の点は、これをお任せするところの所管省に全く信用を持ち得ないという点であります。委員会におきまして、その賛成討論をなさつた方の言葉を聞きましても、この改正には多大の不満があるけれども、大蔵大臣、農林大臣等の操作を信用して、こう申されておるのであります。私共は遺憾ながら所管大臣であります農林大臣には全く信用を置くことができないのです。と申しまするのは先般の予算の審議に当りまして、各賛否両論の討論者からいたしまして、薪炭特別会計に関する空気木炭事件を中核とする多大の疑惑が指摘されております。特に予算委員会における薪炭特別会計小委員長である高橋啓君の討論には、この薪炭会計には反対であるけれども、予算不可分なるが故に止むを得ず補正予算に賛成すると申されておるのであります。かように同じ所管に属しまする薪炭会計にかような疑惑がある際に、この食糧管理特別会計についてもその操作面にお任せするなどという、さような信用は全く置き得ないということをば申上げまして、私の反対討論を終るものであります。(拍手)
     ―――――・―――――
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言を終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案の表決は記名投票を以て行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(佐藤尚武君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(佐藤尚武君) 投票の結果を報告いたします。投票総数百六十七票、白色票即ち本案を可とするもの百六票、(拍手)青色票即ち本案を否とするもの六十一票、よつて本案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百六名
      小川 友三君    赤木 正雄君
      赤澤 與仁君    井上なつゑ君
      岩本 月洲君    宇都宮 登君
      梅原 眞隆君    江熊 哲翁君
      大山  安君    加賀  操君
      柏木 庫治君    河井 彌八君
      木下 辰雄君    小宮山常吉君
      小林米三郎君    西郷吉之助君
      島津 忠彦君    鈴木 直人君
      竹下 豐次君    高瀬荘太郎君
      高田  寛君    高橋龍太郎君
      伊達源一郎君    田中耕太郎君
      野田 俊作君    早川 愼一君
      久松 定武君    藤井 丙午君
      藤野 繁雄君    三島 通陽君
      村上 義一君    矢野 酉雄君
      山本 勇造君    結城 安次君
      阿竹齋次郎君    安部  定君
      飯田精太郎君    伊藤 保平君
      岡本 愛祐君    小野  哲君
      九鬼紋十郎君    楠見 義男君
      來馬 琢道君    大屋 晋三君
      中山 壽彦君    下條 康麿君
      宿谷 榮一君    新谷寅三郎君
      小林 英三君    玉置吉之丞君
      寺尾  博君    徳川 宗敬君
      西田 天香君    玉屋 喜章君
      水久保甚作君    徳川 頼貞君
      一松 政二君    穗積眞六郎君
      堀越 儀郎君    松井 道夫君
      田口政五郎君    岡田喜久治君
      團  伊能君    渡邊 甚吉君
      横尾  龍君    中川 以良君
      寺尾  豊君    大野木秀次郎君
      遠山 丙市君    加藤常太郎君
      西川 昌夫君    城  義臣君
      堀末  治君    西川甚五郎君
      大島 定吉君    鈴木 安孝君
      黒田 英雄君    平沼彌太郎君
      草葉 隆圓君    石坂 豊一君
      柴田 政次君    板谷 順助君
      今泉 政喜君    松野 喜内君
      黒川 武雄君    藤井 新一君
      深水 六郎君    平岡 市三君
      北村 一男君    中川 幸平君
      左藤 義詮君    西山 龜七君
      佐々木鹿藏君    重宗 雄三君
      廣瀬與兵衞君    小串 清一君
      山田 佐一君    大隅 憲二君
      尾形六郎兵衞君    入交 太藏君
      池田七郎兵衛君    稻垣平太郎君
      米倉 龍也君    駒井 藤平君
      岩男 仁藏君    岡村文四郎君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      六十一名
      紅露 みつ君    木内キヤウ君
      藤森 眞治君    仲子  隆君
      伊東 隆治君    木内 四郎君
      鬼丸 義齊君    櫻内 辰郎君
      田中 信儀君    星   一君
      小畑 哲夫君    前之園喜一郎君
      島田 千壽君    大隈 信幸君
      平野善治郎君    鈴木 順一君
      田中 利勝君    村尾 重雄君
      岩木 哲夫君    大畠農夫雄君
      岩崎正三郎君    岡田 宗司君
      天田 勝正君    吉川末次郎君
      羽生 三七君    内村 清次君
      栗山 良夫君    松下松治郎君
      下條 恭兵君    和田 博雄君
      板野 勝次君    細川 嘉六君
      中野 重治君    岩間 正男君
      兼岩 傳一君    鈴木 清一君
      千葉  信君    木村禧八郎君
      姫井 伊介君    赤松 常子君
      星野 芳樹君    金子 洋文君
      カニエ邦彦君    小泉 秀吉君
      大野 幸一君    藤田 芳雄君
      伊藤  修君    森下 政一君
      中平常太郎君    川上  嘉君
      佐々木良作君    中村 正雄君
      原  虎一君    若木 勝藏君
      三好  始君    波多野 鼎君
      三木 治朗君    木下 源吾君
      門田 定藏君    河崎 ナツ君
      小川 久義君
     ―――――・―――――
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、地方行政委員会より報告書が提出せられました映画演劇入場税軽減等に関する請願外四件の請願、及び自治体警察の維持強化に関する陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。
    ―――――――――――――
   〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――
   〔岡本愛祐君登壇、拍手〕
○岡本愛祐君 只今議題となりました請願及び陳情につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 請願第六百九十四号及び第六百九十五号、映画、演劇入場税軽減等に関する件は、現行十五割課税の入場税を成るべく速かに十割に引き下げられたいと要望するものであり、第六百九十八号、地方税軽減に関する件は、地方税の課税方法と徴收面においても改正を要望するものであります。
 第六百九十九号、警察吏員の定数増加に関する件は、現下治安状況の重要性に鑑み、呉市警察の定員増加を要望するものであります。
 第七百号、自治体消防制度改正等に関する件は、消防制度の改正並びに消防の財源措置を要望するものであります。
 最後に、陳情第百三十一号、自治体警察の維持強化に関する件は、地方財政窮迫の現状に鑑み、管轄区域外の捜査、護送費、裝備費等につき、国家の財政面における善処と立法的措置を要望するものであります。
 以上の請願及び陳情六年はいずれも願意大体妥当なものと認め、これを議院の会議に付して内閣に送付すべきものと決定いたしました。以上御報告を終ります。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採決し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程に追加して、大蔵委員会より報告書が提出せられました徴税目標割当制廃止に関する請願外七件の請願、及び粘土かわら製造業者の所得税軽減に関する陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事黒田英雄君。
    ―――――――――――――
   〔黒田英雄君登壇、拍手〕
○黒田英雄君 只今議題となりました大蔵委員会における請願陳情の審査の経過並びに結果を御報告いたします。
 先ず税制に関するものは、徴税目標割当制廃止に関する請願、この請願は、申告納税制度の趣旨を実現させるために適当なものであると認めまして採択いたしました。
 日本赤十字社事業に対する免税等の請願、社会事業振興のため、免税等の措置を講ずる必要があると認めて採択しました。
 雪害地方の税軽減および課税方法改善に関する請願、雪害地方は他地方よりも経費が多くかかるので、税制上適切なる措置を講ずることが必要であると認めまして採択しました。
 山林関係税制に関する請願、山林所得の特質上、経費の再評価額を適正とすることは適当であると認めて、採択しました。
 どぶろく密造防止に関する請願、どぶろくの密造は、酒税の減收、米の濫費を来たしますので、密造防上対策を講ずることは必要であると認めまして、採択しました。
 身辺細貨等の物品税改訂に関する請願、身辺細貨等は零細工業によつて作られるので、現行の庫出課税制度よりも小売課税が妥当であると認めて採択しました。
 理髪業者の所得税課税額査定改正に関する請願、理髪業者に対する課税は、特にそれがサービス業である関係上、査定を適正ならしめることは妥当であると認めて採択しました。
 粘土かわら製造業者の所得税軽減に関する陳情、粘土かわら製造業界は不況に陷つているので、実情に適した所得税を課税することが適当であると認めて採択しました。
 次に金融関係につきましては、長崎県に国民金融公庫支所設置の請願、国民金融公庫支所を増設する必要があると認めて採択しました。
 以上九件は、その願意が妥当であり、内閣に送付する必要があると認めて採択しました。
 右御報告いたします。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程に追加して、水産委員会より報告書が提出せられました兒島湾内第七区干拓工事施行による定置漁業損害補償等の請願及び伊勢湾内のバツチ網禁止に関する陳情外一件の陳情を一括して議題に供することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。
    ―――――――――――――
   〔木下辰雄君登壇、拍手〕
○木下辰雄君 只今議題となりました請願並びに陳情に関しまして、水産委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 請願第八百二十三号は、兒島湾内第七区干拓工事施行による定置漁業損害補償の請願であります。陳情第百十五号は、伊勢湾内のバツチ網禁止に関する陳情であります。第百十七号は、萩漁港修築に関する陳情であります。
 水産委員会におきましては愼重審議の結果、いずれも願意妥当と認めまして、これを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程に追加して、在外同胞引揚問題に関する特別委員会より報告書が提出せられました住宅金融公庫設立および個人融資に引揚者わく設定の請願外一件の請願、及び北朝鮮地区残留同胞引揚促進に関する陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。在外同胞引揚問題に関する特別委員会理事天田勝正君。
    ―――――――――――――
   〔天田勝正君登壇、拍手〕
○天田勝正君 只今議題となりました請願、陳情等の在外同胞引揚問題に関する特別委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 請願第八百十二号は、住宅金融公庫設立および個人融資に引揚者わく設定という請願であります。請願第八百十三号は在外資産の補償促進に関する請願であります。並びに陳情第百二十九号は北朝鮮地区残留同胞引揚促進に関する陳情でありますが、これらの請願、陳情は、十二月二日在外同胞引揚問題に関する特別委員会に付託されまして、委員会は愼重審議の結果、これらの請願、陳情の要旨は妥当であり、且つこれらと同趣旨の請願、陳情がすでに採択されているという関係からいたしまして、本日の委員会において全会一致を以て採択し、院議に付して内閣に送付すべきものと決定いたしました。
 右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程に追加して、法務委員会より報告書が提出せられました釈放者に衣類支給の請願外二件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員長伊藤修君。
    ―――――――――――――
   〔伊藤修君登壇、拍手〕
○伊藤修君 只今議題となりました請願三件につきまして、委員会の経過並びに結果について御報告申上げます。
 釈放者に衣類を支給するの件、奈良地方裁判所葛城支部を甲号支部に昇格の件、福岡地方裁判所田川支部を甲号支部に昇格の件、以上三件につきまして委員会におきましては愼重審議の結果、請願の趣旨誠に適切なるものと認めまして、これを採択し、内閣に送付すべきものと決定いたしました次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
 議事の都合によりこれにて暫時休憩いたします。
   午後八時三十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後十一時五十四分開議
○議長(佐藤尚武君) これより休憩前に引続き会議を開きます。
     ―――――・―――――
   〔小林英三君発言の許可を求む〕
○議長(佐藤尚武君) 小林英三君。
   〔「農林大臣はいないぞ」と呼ぶ者あり〕
○小林英三君 この際、日程に追加いたしまして、農林委員会において審議中の食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、農林委員長の中間報告を求めるの動議を提出いたします。(「賛成々々」「反対々々」と呼ぶ者あり、拍手)
○議長(佐藤尚武君) 只今の小林君の動議の採決は記名投票を以て行います。只今の動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
   〔「しつかりやれ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し、拍手〕
○議長(佐藤尚武君) 只今投票中でありますが、丁度十二時になりましたから、本日はこれにて散会いたします。(拍手)
   午後十二時散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、日程第一 競馬法の一部を改正する法律案
 一、日程第二 医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律案
 一、刑事補償法案
 一、日程第三の請願
 一、日程第四乃至第十四の請願
 一、日程第四十六の陳情
 一、日程第十五及び第十六の請願
 一、日程第十七乃至第四十五の請願
 一、日程第四十七乃至第四十九の陳情
 一、国鉄職員の給與改訂に対する仲裁委員会の裁定に関する緊急質問
 一、油糧配給公団法の一部を改正する法律案
 一、肥料配給公団令の一部を改正する法律案
 一、飮食営業臨時規整法の一部を改正する法律案
 一、身体障害者福祉法案
 一、国際観光ホテル整備法案
 一、道路運送法の一部を改正する法律案
 一、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案
 一、映画、演劇入場税軽減等に関する請願外四件
 一、自治体警察の維持強化に関する陳情
 一、徴税目標割当制廃止に関する請願外七件
 一、粘土かわら製造業者の所得税軽減に関する陳情
 一、兒島湾内第七区干拓工事施行による定置漁業損害補償等の請願
 一、伊勢湾内のバツチ網禁止に関する陳情外一件
 一、住宅金融公庫設立および個人融資に引揚者わく設定の請願外一件
 一、北朝鮮地区残留同胞引揚促進に関する陳情
 一、釈放者に衣類支給の請願外二件
 一、食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案について農林委員長の中間報告を求めることの動議