第006回国会 農林委員会 第10号
昭和二十四年十二月三日(土曜日)
   午前十一時三十三分開会
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  本日の会議に付した事件
○油糧配給公団法の一部を改正する法
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○肥料配給公団令の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○食糧確保臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○食糧需給に関する件
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○委員長(楠見義男君) それでは只今から農林委員会を開会いたします。昨日に引続いて油糧配給公団法の一部を改正する法律案及び肥料配給公団令の一部を改正する法律案を議題にいたします。公報ではこの二件とも予備審査ということになつておりますが、誤まりで、昨日この二つの法案は衆議院を通過いたしまして、本院に正式に廻付、付託になりましたから、その点御承知置き願いたいと思います。昨日は肥料配給公団令につきましては、予備審査としての一応の質疑は終了いたしましたが、尚残つておる分につきましては、あとで御質疑を願うことにいたしまして、只今からは油糧配給公団法の一部を改正する法律案につきまして御質疑をお願いいたします。
○板野勝次君 衆議院におきます考査委員会が出しております油糧配給公団と大豆協会とをめぐる不正事件の中に、こういう点があるのです。それは公団が、その理由は如何にせよ、この金を国庫に納付せず、会計検査院の監督の埒外にある任意組合に交付するがごときは明らかに違法と言わざるを得ない。右の措置は農林省が指導的立場に立ち、物価庁の承認の下に行われたのであるが、たまたま二十三年度上半期の公団経理決算監査の際、会計検査院の発見するところとなり、その追及を受けたので、農林省は文書を以てこれが了解方を会計検査院に求めたが、今日まで何らの回答に接せずに来たものである。こういうことが言われておるのですが、この農林省か文書を以て会計検査院に了解を求めたというのは、どんな了解を求められたのか、この点を御説明賜りたいと思います。
○説明員(矢野外生君) 実は只今の御説明の大豆協会に対する増産奨励金の問題でございますけれども、公団法によりますると、公団はその業務といたしまして、油糧の一手買取り、一手売渡し、或いは油糧の輸送、保管、検査、そういうものがございまして、同時にそれに附帶する業務というものを公団でやることができる。大豆の増産ということは、結局買取或は販売、極めて関連の多い性質のことでありまするので、その増産の奨励をするということも、公団の附帶業務だというふうに解釈いたしまして、そういう意味でその金を出したんだということを会計検査院の方に回答申上げておりましたところが、その附帶業務という解釈につきまして、まだはつきりした解決が付いておりませんが、農林省としては、当時からやはり附帶業務というふうに考えておりまして、現在もそういうふうに交渉しておるわけでございます。
○板野勝次君 それではこういう不正事件がどういう欠陥のために起きたと加われるでしようか、そういう点をちよつと伺つて置きたいのです。
○説明員(矢野外生君) 実は日本の油脂資源というものが非常に逼迫しておりまして、戰前は満洲方面から七、八十万トンという大豆が参つておりましたが、それが途絶えて、我が国で自給はならんので、実際に大豆の生産は落ちておる、落ちているが、この油脂の逼迫しておるのを緩和する意味から、大豆増産をせねばどうしてもならんと、そういう意味から大豆増産の予算というものを出したのでありまするが、その予算が通過いたしませんために、そういう大豆増産の必要の上から、どうしても只今申しましたような大豆の奨励費というものを、大豆協会の方に公団の方から出す、附帶業務という解釈の下に公団の方から出したということなのであります。
○羽生三七君 明年度の外国輸入食糧の三百四十万トンの外に、三十五万トンの大豆が予定されて、計三百七十五万トンになるわけでありますが、この場合三十五万トンの大豆が、これはまあ予定されておる数字で、確定的なものでないかも知れませんが、若しこれが輸入された場合には、それは油糧方面に使われるのか、或いは味噌、醤油等の原料になるのか、その辺の見通しを一つと、もう一つは、この二十五億円余に運転資金を増額した場合に、実際今我々消費者が受けている油の配給量というものは微々たるものでありますが、それに値する程度の増量が可能であるかどうか、その点を伺いたいと思います。
○説明員(矢野外生君) 大豆が三十五万トン入ることに、只今まだ確定いたしておりませんが、その配分計画を今安本で立てておりますが、輸入大豆は一応これを搾油いたしまして、油を取り、その粕を、粕と申しますか、脱脂した大豆を醤油、味噌の方に廻し、同時に今年から、そういうことになりますと、豆腐とか或いは納豆、そういうものが今まで出ておりませんから、そういうものにもそれに応じて出そうということを考えております。同時に味噌は大体今まで脱脂の大豆で作つておりましたが、御承知のように最近の味噌は非常に味が惡くなつたということでありまするので、その一部は、大豆の国内産も含めますが、丸豆を味噌の万に廻して、味噌の味をよくして、国民の体位向上を図りたいというふうに考えております。一応は大豆は油を搾りまして、あとを味噌、醤油に出す。それから増資によりまして、来年度の国民配給量が殖えるかどうかという問題でございますが、これは結局只今申しました大豆の輸入量ということにも関連するのでありまするが、一応こちらとして考えておりますのは、本年度は国民一人当りの配給量が農村一グラム、非農家、都市の方が三グラムとなつております。これを来年度は農村の方に一日二グラム、農村以外に一日四グラムという計画で考慮いたしております。
○委員長(楠見義男君) 油糧について若し御質問がございませんければ、肥料の方について……
○板野勝次君 昨日身体の調子が惡かつたので、或いはもう言われていることかと思いますが、これの増資をこれたけしなければならないという点は、肥料公団と同様に伺いましたんですか。……そうですか。それじや……
○委員長(楠見義男君) 油糧の方で若しございませんければ、残されている肥料についての質問をお願いいたします。若し御質問が、ございませんければ、これより両案についての討論、採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(楠見義男君) 御異議ないようでありますから……
○板野勝次君 ちよつと一つ……。今向うから入つて輸入するものは、こちら側から懇請して輸入するようになつたわけですか、大豆の輸入数量というものは……
○政府委員(安孫子藤吉君) 大豆の輸入につきましては、輸入資源が非常に不足しておりますので、できるだけ我我として余計輸入したいと思つて、そういう数字で交渉した結果、そういうことになつております。
○板野勝次君 では、その輸入懇請量は幾らでありますか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 大体四十万トン近くのものを、確定的ではありませんが、話を持出しております。
○委員長(楠見義男君) それでは、これから肥料公団令の一部を改正する法律案を議題にいたします。
○羽生三七君 討論でありますか。
○委員長(楠見義男君) 討論であります。
○羽生三七君 私はこの肥料配給公団令の一部を改正する法律案に反対であります。
 その理由は、昨日質疑の際にも申上げましたように、アイデアとして運転資金を一般会計から求めるという原則的なものについては、別段異議がなく、又これは時にあることであるし、又正当でありますが、現在のように三百数十億の補正予算の中で、この運転資金の占めるパーセンテージというものは極めて大きなものであり、且つ昨日も申上げましたように、現在その予算の中で特に必要と認められるような賃金べースの改訂、或いは補給金の問題、或いはその他種々の問題について十分支出すべき経費、或いは検討すべき費目が我々の意のごとくなつておらない際に、運転資金の占めるこのウエイトというものは極めて大きいと思うのであります。特に先日も参議院の本会議において科学技術振興に関する決議案が採択されましたが、これは実に日本の科学振興に関する費目が僅か五億幾らに足りないということに対する不満から、ああいう決議案が採択されたのであります。一面において日本の重要な科学技術振興等に五億何がしの金しか出されず、或いは先程申上げましたように、重要な予算が多く否決されている今月、何も好んで莫大なかかる費目を一般会計において計上しなくても、特別会計において賄い、或いは借入金において賄い得るということは、誰でも明瞭なる事実であります。そういうことが技術的に十分可能であるにも拘わらず、強いてこの費目を一般会計から求めることは、勿論政府といたしましては、これによつて通貨の発行を抑え、或いは予算のバランスを取るということが狙いであるのでありましようけれども、併し私共は現下の経済的條件から言いまして、今度のこの処置は不適当であるという考え方を持つております。かかる意味におきまして、本法案には反対であります。
○池田恒雄君 改めて申すまでもないことでございますが、やはり私も反対であります。理由は、今社会党の方で述べられたこととやや同じでありますが、大体運転資金を一般会計からごつそり持つて行つて入れる訳が分らないのであります。昨日頂いた資料を以て昨夜あたり少し勉強して見たのですが、どうもそれが本当ということを発見できないのです。勿論それが惡いということも、積極的に発見できないのですが、そういうわけで、何か無責任かも知れませんが、私としてはただ賛成するわけに行かん、やはりそういうことになると、惡いことじやないかと思うのです。併しとにかく昨晩妙なややこしいやつを持つて行つて、幾ら見ても簡單には分らん。やはりあれはもう少し分るべきものじやないかと本当は思うのです。その点やはり公団の運営の点から言つても重要なことだと思います。分るようにすべきものじやないかと思います。尚、昨日農政局長が、肥料公団の問題について、農民組合の方から何か指摘されたということを申されておつたのです。これは恐らく日本農民組合の方から指摘されたということを指しているのだと思うのでございますが、私は実は日本農民組合の役員なんでございます。これはその問題に関する限り、私は昨日発言しないで、ずつと聞いてだけおつたのであります。日本農民組合が指摘した問題は、肥料公団についてのいろいろな問題中の一つだと思うのです。これは相当注目してよろしいと、こう考えておるのですが、このことについて日本農民組合の事務局の諸君が、肥料公団の方にいろいろな交渉もしたらしかつたのです。肥料公団の諸君は案外不真面目な態度とは申しかねたかもしれませんが、必ずしも真面目な態度でこの農民組合の事務局の諸君と折衝はしなかつたのじやないか、こう私は思うのであります。若し日本農民組合の諸君が、直接農林省或いは肥料公団等に行つて、物を聞くということが何ら資格がないとか、そういう立場がないとかという理由によつて、親切に取扱つて貰えないとするならば、私は幸いなるかな、この国会に席を持つておりますから、その地位において本当は物を聞きたいということになるわけでございます。併し昨日までは私は遠慮をしておつた、というのは、日農の書記諸君が、農林省や公団に行つて、お粗末な取扱いを受けたからと言いまして江戸の仇を長崎で取るように、ここで局長や公団の諸君をどなりつけるのもおかしい、こう思つたから、私はこの問題に関する限り何も申しておらない。併しこれはやはり農林省としましても、公団の諸君としましても、そうその肩書きやなんかで物を処理するというやり方は、もう今になつたらお止めになつた方がいいのじやないか、私はどうもそういう公団の諸君や農林省の諸君の、こういう問題に対する扱い方、こういうものは相当疑惑を持つて見てもいいのじやないかと思う。こういう気がするのです。で、私が昨日から、その日農の事務局の諸君の公団、農林省に対するいろいろな折衝の経過等をここでそのまま持つて来て、ぶちまければ、一日がかりくらいでもやるいろいろな問題が提供されておつたのじやないか、併しそれはこれをやらないで来たのであります。これはまあいろいろな問題を含んでおると思うのです。そういうことを私はやはりよく解明されて、整頓されて、公団の問題が処理されるべきものじやないかと思うのであります。結局三億だか、何億だつたか、はつきりした数字も忘れましたけれども、そういうものが曖昧の状態によつて、又三十億なり、何億なりという金を入れて行くというようなことも、どうもこれはおかしなことだし、又只今の、昨日それは局長がそういう話を出しましたが、私も今そういう一応の事情を話しまして、一つは警告というか、忠告というか、もう一つは、そういう問題はもう少し明らかにすべきものであるということを、まあ主張するというようなことも加えまして、結局一応反対の理由を申述べて置きたいと思います。
○岡村文四郎君 私は今提案になつております油糧と肥料の案、資金に関する案で、事業上現在これを増さなければやつて行けないという状態であると思いまするから、この案には賛成いたしまするが、ここで申上げて置きたいことは、油糧の方はとかく非常に噂のある実は団体であります。そこでこれを……
   〔羽生三七君「議事進行」と呼び発言の許可を求む〕
○羽生三七君 御発言中ですが、これは肥料だけでしよう。
○委員長(楠見義男君) 肥料だけです。
○岡村文四郎君 そうですか。それじや肥料から申上げますと、肥料は今までの説明をお聞きしますのに、バランスにおいて五億余の黒字が出たという御報告でありますが、これは国から見ますると、補給金を出しておるから黒字は国に取るべきだという理論も立つております。又そういうふうになつておるらしいのでありまするが、百姓から言いますと、我々に高い肥料を売つて、そうして国が儲けたという、こういう議論が出ますので、今後は黒字が出ないような、そうして無理なことをしないで、黒字を出さないような方法にやつて行くことが、一番適当であろう。若しそれでも出たというものは、次の輸送費か何かに織込んで、それだけは引くべきが当然であろう。決して国が黒字が出れば取ろうというので補給金を出しておらんと考えております。そういう関係で出た黒字は、今後はこれは取らないで、何らかの方法で百姓の負担の中に入れて貰うということをお願いして置きます。それから、でき得れば、一刻も早く肥料公団は解体をして、然るべきルートによつて配給することを急いで役所の方で案を立てて貰うことをお願い申上げて、資金に対しまするこの案には賛成いたします。
○板野勝次君 私は遺憾ながらこの案に対して賛成することができないのであります。元来この配給公団ができますときに、共産党は、このような官僚的な機構では不正腐敗等もやがて起すであろう、こういうことさえも警告いたしまして、飽くまで官僚統制でなくして、民主的な統制を要求したのであります。果してそのごとく、最近における各公団をめぐる不正や腐敗の問題は、我が党が警告したごとく文字通りに出て参りまして、そういう際に何ら公団の不正腐敗というものを政府自体が究明して、そうして国民の前にこのような腐敗事実の起つたことを謝罪するというふうな嚴格なる態度を取ることなくして、この腐敗は適当に処置して行くというふうな態度で、そうしてこの資金の増額をするということは、国会外におる国民大衆全体には到底納得でき得ないと思います。我々はその代表として国民の気持を思うときに、この腐敗を無くした後に、粛正した後に、この出資金の問題が国会に審議されるには、こういう良心的な態度で政府自体が出て貰いたかつたと思うのであります。昨日も私の質問のときにも申しましたごとく、会社の経営の場合におきましても、乱脈を極めておる会社に新らしく増資を株主に要求しましても、恐らくこれに株主の諸君が応ずることはないだろう。ただ国会が予算を計上して、そうして国民から税金を取上げさえすれば、どんなことでも、国民全体としての血税だから構わないという、そのような軽々しい態度で私は出るべきではないと思います。殊にこの肥料公団の資金の問題にいたしましても、昨日農政局長の説明から伺いまして見ても、借入金ならば八十億だ、そうして出資金なら三十二億で、あとは五十億の借入金を必要とするのだというので、その説明の経緯からいたしましても、私達を納得せしめるに足る説明はなかつたのであります。
 以上のことから第三番目に私達が考えられますことは、これだけの肥料公団の中にも、運賃や或いはその他の問題をめぐつて不正があるのだから、これの不正改革として、こういう処置を取つて、国民の血税を大切に、無駄なことはいたしませんという確たる改革の方向というものが示されなかつたと思う。私達は過去の経験からいたしましても、現在のこの官僚機構は速かに解体されて、そうして民主的な機構の上に不正の起らない改革措置を取つた上で、このような問題を議題にすべきであると思うので、同僚諸君もこの現状に鑑みまして、これを是非とも反対する、こういう方向で一つ否決にして頂きたいということを申上げまして、これに反対の意を表明いたします。
○高橋啓君 この問題につきましては、私共農林委員会におきまして、公団方式についての協議会を開いて、これについてあらゆる角度から調査検討をいたしておるのでありますが、かねて我が党が指摘しております通りに、政府は政府の関係した事業の育成に急であつて、非常に民間の苦しんでおる、いわゆる民間人の事業に対しては非常に冷淡であるということは私共の指摘しておるところであります。その意味におきまして、反対の方々の論拠とするところは非常に傾聽に値すると思うのでありますが、併しながら肥料配給公団は今日制度として存しておるのでありましてこれが円滑に運営するということが非常に需要者、即ち農民に非常に大きな関係を持つことであります。大体このような、五千万円というような基金の基礎の上に資金計画を作るということに非常に無理がありまして、そのために資金繰りの関係で肥料が適期に、これが適正に適量を配給できないというような事態が起きた場合、必ず民間の、例えば需要者において前金とか、或いはいろいろな形において農民に迷惑をかけるんじやないか、こういうような現存した機構を円滑に運営するために、必要な基金というものが基礎となつて資金計画が行われるので、私はこの運営がうまく行かない、こう考えたのであります。そこで我々はこの使い方については十分監視もし、政府の今日までの起きたいろいろな事態を勘案して、これ対しては大きな反省と監視を必要とすると思うのでありますが、五千万円の資金でやつて行くということの不可能なことは、これは一般常識で考えても分ることと思いまして、そのような意味において需要者の立場を考える場合。もう一つは、配給公団の円滑な運営という意味におきまして私は賛成いたします。
○池田恒雄君 我が党といたしましては、政府において資金の運営上、又肥料の配給の季節を農家に最も適正ならしめる上においての提案といたしまして賛成するものであります。併しこの際において、いわゆる肥料配給の上におきまして適期季節に対しまして迅速に、農民の最も喜ばれるようなふうにいたすと同時に、その地方々々に適正なる肥料を配給する、又畑作、水田等に誤まれることのないように十分に、政府において御監督し、肥料成分においても不正を除去するというように十分なる監督を要望いたしまして、本案に賛成するものでございます。
○藤野繁雄君 私は肥料配給公団の基本金を増額せんとする今回の改正は、今日の事態において止むを得ぬ措置として賛成の意を表明するものであります。尚この際、次の三点につき要望いたしたいと思うのであります。第一点は、肥料の増産と官給体制の確立とで、あります。即ち肥料は農業生産のために最も重要なる資材であり、而も国内食糧増産と自給度の向上とが日本農業当面の課題でありますので、その原料を外国に仰がねばならないところのものは別といたしまして国内でできる肥料については極力増産に努めまして自給の体制を作るべきであると考えるのであります。従つて肥料の生産に必要な電力その他の資材は優先的に確保するような措置を講ぜられたいのであります。第二の点は、政府においては将来肥料配給公団を改廃せられる方針のようでありますが、無用の混乱を避けるために成るべく速急にその方針を決定し、これを明らかにすると共に、その切換に当つては肥料の配給に支障を来し、食糧の生産に惡影響を與えることがないように万全の措置を講ぜられたいのであります。第三の点は、公団の運営経理等にとかくの風評があるのでありますから、将来においてこういうようなことがないように、政府として十分に監督して頂きたいと思うのであります。
○委員長(楠見義男君) 大体以上で討論は盡きたようでありますから、これから肥料配給公団令の一部を改正する法律案を議題にいたしまして採決に付します。
 衆議院送付の原案通り御賛成の方の御起立をお願いいたします。
    〔起立者多数〕
○委員長(楠見義男君) 過半数であります。よつて本案は多数を以つて可決することに決定いたしました。
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○委員長(楠見義男君) 次に、油糧配給公団法の一部を改正する法律案を議題にいたしましてこれから討論に入ります。
○門田定藏君 簡單に申述べます。この油糧公団につきましても、いろいろ、公団の経営なりすべての問題について疑惑を持つているものであります。日本の農民においても一日も早く公団を廃止して、農村の向上、農村の発展のためにこれを農村の経営に移したいという希望を持つているのであります。殊に来年の三月限りで解散になる公団は、今もつとこれをよく研究してこの法案を通すならば第七国会においてやるべきである、時期尚早である、私はこの故を以てこれに反対をするのであります。
○小川久義君 私は今の現状から止むを得んものとして賛成するものでありますが、特にこの団体は理由のある団体でありまして、政府当局には十分なる監督をして正常な運営をして頂くようにお願いいたします。特にこの油の元であります菜種に対しては、昨日から議論がありました農民に対して全部取上げて還元するのじやなしに、保有量のもつと増量を認めるような措置をお願いしたい。もう一つは、これは先程申上げました通り、いろいろ意味のある団体でありまして、一日も早く廃止する計画をお進め願いまして、肥料の公団と違いまして、適期配給というような難問題も、ないわけでありますから、法律に定められた通り三月の三十一日に是非廃止の運びに至るようにお進め願いたいことを希望いたしまして賛成いたします。
○石川準吉君 私は今回の廃止の件につきましては、事業運営に止むを得ざる措置と思いますので賛成いたします。ただすでにいろいろな方々か申上げられましたように、肥料公団の経理に関しましては、先に大きな事件を起した仕事でありますので、十分に御監督をお願い申上げると共に、又もう一つの点は、昨日も問題になりましたような、落花生のように、事実上市中に氾濫しておりますような物の統制は速かに解除すると共に、できるだけ、不必要な物はこれを統制を外そうというような方向に御研究をお願い申上げて賛成をいたします。
○藤野繁雄君 油糧配給公団について、不正金融その他の事件が問題化しておりますのは、不足しておりますところの重要物資を公平に分配する筈の公団の性格からいたしまして、甚だ遺憾とするところであります。そこでこのような事件が将来惹起せないように十分なる監督をし、又現在起つているところの問題は速かに明らかにして、明瞭なる運営をして頂きたいと思うのであります。次に、国内産油糧については極力生産の増加を図りますると共に、その供出集荷に当つては、生産者が喜んで供出ができるような方法に改善し、又その加工については十分農村工業を利用する途を開くように考慮せられたいと思うのであります。以上の希望意見を付しまして、本改正案に賛成するものであります。
○板野勝次君 理由につきましては前の肥料公団と同様でありますが、もう一点附加えて置きたい点は、業務運営上止むを得ないという御意見もありますけれども、これは今日決定してしまわなければ、もうどうにもならないのだというのじやないので、来期、通常会も明日から始まるのですから、そのときに十分検討すべきであろうと思うのであります。殊にこれは衆議院におきましても、油糧公団の不正をめぐる調査等も行なつて来ました。いわゆる油糧疑獄事件として相当な問題を投げかけたのでありますから、飽くまでこれを究明した後に、この出資金の問題、増額の問題を考慮すべきであると思います。他は同様の理由によりましし反対の意思表示に代えたいと思いま。
○委員長(楠見義男君) 大体御意見も盡きたようでありますから、これから油糧配給公団法の一部を改正する法律案を議題にいたしまして、採決に付します。衆議院送付の原案通り御賛成の方の御起立をお願いします。
   〔起立者多数〕
○委員長(楠見義男君) 過半数と認めます。よつて多数を以て原案通り可決することに決定いたしました。尚例によりまして多数意見者の御署名、並びに委員長の本会議における報告案はお任せを頂きたいと存じます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(楠見義男君) それでは両案を可とされた方は順次御署名願います。
 多数意見者署名
  池田宇右衞門  柴田 政次
   平沼彌太郎  石川 準吉
   高橋  啓  國井 淳一
   藤野 繁雄  赤澤 與仁
   加賀  操  徳川 宗敬
   岡村文四郎  小川 久義
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○委員長(楠見義男君) これで大体本委員会に付託されておりまする法律案は、食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案を除いて、一応全部議了することになりました。食確法だけが残つたわけでありますが、この際改めて食確法の提案の理由を伺うことにいたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○岡田宗司君 十二時でございますから、休憩いたしまして、晝食後にお願いします。
   〔「異議なし」「約束が違う」と呼ぶ者あり〕
○池田宇右衞門君 只今御提案になりました食確法につきましては、重ねて提案の理由を聞くという御発言がございました。本員はこれに賛成し、議事の進行上説明を聞くことに皆さんの御賛成を特にお願いするものでありますが、
   〔「委員長採決々々」と呼ぶ者あり〕
○委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて……
   〔速記中止〕
○委員長(楠見義男君) 速記始めて、それでは食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を改めて農林大臣から伺うここにいたします。
○農林大臣(森幸太郎君) 食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由を申上げます。
 食糧確保臨時措置法は、食糧供出制度の根本的改善を図るため、第二回国会に提案し、法律として成立を見たものでありまして、今年産主要食糧農産物から、この法律に基き農業計画を各生産者に指示し、これにより今年産主要食糧農産物の生産及び供出の確保を期していたのでありますが、昨年末経済九原則が公表され、日本経済の自立安定はひたすらこの線に沿つて強力に推進されることになつた結果、その最も重要な一環を占める主要食糧農産物の集荷も従来の制度に改善を加え、その能率の向上を図られねばならん次第に相成つたのであります。右九原則の具現化に当りましては、特に財政の実質的均衡、物価及び賃金の安定がその根幹となるのでありますが、終戰以来の経験に鑑みましても明らかな通り、経済全体の改善につきましては、食糧配給の確保がその大きな基礎的な役割を持つているのでありますから、この際急速に経済の自立安定を図らんとするならば、食糧配給は必ずこれを確保せねばならんのであります。終戰以来、我が国は食糧の不足を輸入食糧により補つていることは今更申上げるまでもないことでありますが、今日我が国は配給主要食糧の約二割五分を輸入食糧に仰いでいるのであります。そうして今日までこれはすべて連合軍の占領地救済基金により供給されているのでありまして、我々が自力で調達し得たのではないのであります。即ち我々は連合軍の絶大なる援助により、終戰以来今日まで国民生活の破綻を防止して参つて来たと言えるのであります。併しながらいつまでも連合軍の好意ある援助にのみすがることはできないのでありますから、我々はこの際、その必要とする食糧を自力によつて最大限度に確保することについて、従来に増し一層の努力を傾けなければならないのであります。これがためには先ず国内産食糧は可能な限り、余すところなく集荷し、これを公平に配分するのが第一でありまして、その十分なる実現をして後にこそ、初めて真の不足量の輸入につき、連合軍の援助を引続き期待することができるのでありますし、又今後極めて乏しい我が国の輸出代金を食糧輸入に割くことが期待できるのであります。現行の食糧確保臨時措置法は、主要食糧農産物の生産、供出その他に関する農業計画の指示を作付の事前にこれをなし、爾後供出割当数量は増加せられないことを規定しているのでありますが、これは国内産食糧の超過供出を農民の自発的意思にのみ期待するものといたしますため、最大限の食糧を集荷しようとする面から見ると、経済自主化を急速に促進しなければならない現段階におきましては適当でない点がありますため、旧臘連合軍最高司令部からも、九原則に関する書簡の発表に相次ぎ、主要食糧集荷に関する覚書が発せられ、この点の法律改正が指令せられたのであります。従いまして今般の改正は、この覚書に基き、減收があつた場合は、これの減額補正を実施すると共に、食糧需給の均衡を図るため、特に必要がある場合は作況を考慮して、供出数量の変更をなし得るような措置を講じるための法的措置を主たるものとしているのであります。
 以下順次内容の重要な点を述べますと、第一に、現在地方農業調整委員会を置いた場合、都道府県知事は、地方農業調整委員会の管轄区域については、地方農業調整委員会の議決を経て、その区域の市町村別の農業計画を定めているのでありますが、従来この点については、明瞭な法規上の規定を欠いておりますため、新たにこれを設けたのでありまして、農業計画に対する異議の申立に関しても、地方農業調整委員会を関與せしめるものとしたのであります。
 第二の点は、現行法によると、農業計画が公表されても、そのまますべての生産者が納得するとは限らないので、生産者が自己の農業計画に対して異議があるときは農業計画の公表のあつた日から十日以内に、市町村長に対して異議の申立をすることができることになつているのでありますが、異議の申立の期間を、公表のあつた日から、十日以内とすると、各市町村の農業計画の公表が時間的に差異がありますため、市町村の農業計画により県の供出数量に変更を生ずる場合、その事務処理に、支障があるのであります。即ち現状においては、農業計画の変更は、国全体の食糧事情を考慮して決定しなければならない事情がありますため、最後の異議申立があるまで全体が決定し得ないことに相成るのであります。特に現在法規上は、知事の承認を要する場合の決定は、異議申立期間経過後四十日以内となつておりますためこの関係からも実際の決定が著しく困難となるので、農業計画に対する異議の申立は、都道府県知事が定める期間内にこれをすることに改めたのであります。
 第三の点は、これまで市町村長が生産者に農業計画を指示する場合において、その指示は一定の形式によることを特に定めておりませんでしたので、個人別割当が曖昧となり、特別価格の支拂等につき不都合がありましたので、個人別割当を常時明確ならしめるためにも、個人に対する割当の指示は、農林大臣が様式を定めた書面によるべきことを明文化したのであります。
 第四点は、本改正法案の主眼点であります。前述の通り、政府は生産者が災害等真に止むを得ない事由により、当初に定められた供出数量の供出が不可能となつたと認めた場合、及び收量が当初の見込に比し増加し、生産者に供出の余力があり、且つ国の食糧事情からも食糧需給の均衡の保持上必要があると認めるときには、中央農業調整審議会及び都道府県知事の意見に基いて、事前に割当てた供出数量の変更をなし得ることとしたのであります。
 次に、供出数量の削減の場合の手続の点であります。現行法によると、生産者から市町村長に対し、減額請求があつた場合に、供出数量の削減を行うことになつておるのでありますが、これによつては農家の現状から見ても、減額請求の手続を逸して補正を受け得ぬ農家が生ずる虞れがあり、補正の完全を期し難い事情があると思われますので、災害等のあつた場合は、政府の指示するところにより、市町村長がこれを行うことと変更したのであります。
 以上の供出数量の増減変更の場合にも、農業計画の事前割当の指示の場合と同様に、生産者の意思を尊重し、供出数量の変更に対する異議の申立を認め、割当変更の公正を期し、農家の納得の行く供出を行なつて貰おうとするものであります。尚供出数量の変更を受けないものにつきましては、市町村長がその旨公表し、これに対し異議の申立をなし得る途を開き、かかる場合の救済措置を講ずる次第であります。ただ供出数量の変更に対する異議の申立については、供出期限の関係もあり、生産者別の供出数量を迅速に決定する必要がありますため、市町村長は異議申立期間経過後十日以内に、都道府県知事の承認を要する場合は、異議申立期間後二十日以内にこれを定めることとし、当初の農業計画に対する異議申立後の決定の場合に比し、その期間を短縮したのであります。
 改正の第五としては、農業計画の変更の場合の措置につき、これを円滑に運営いたしますため、いわゆる地方補正を明らかに法的制度として認めようとするものであります。即ち特に必要ある場合には、都道府県知事は都道府県農業調整委員会の議決を経た後に、農林大臣の承認を経て、農林大臣が指示した農業計画に変更を来さない場合に限り、事前に割当てた供出数量の変更について農林大臣の指示と異なつた指示を市町村長にすることができることとした点であります。これは全体としての食糧確保には支障なく、而も市町村の実態に即して合理的補正を行うための措置であります。尚この場合においても指示を受けた生産者が異議の申立をなし得ることは勿論であります。
 以上のごとく今般の改正は、内外の要請から、災害等の場合の減額措置に併せて食糧需給の均衡保持上必要ある場合は、收穫の増加した生産者に対し供出数量の増加を命じ得る途を開いたのでありますが、若し努力して收穫した数量のすべてに対し追加割当を命ずると、真面目な農民の勤労意慾を阻害する虞れがありますため、政府は追加割当の場合、食糧事情の許す限り、超過供出をする生産者が超過供出の一部を保有することができるように増加数量を定めなければならんこととしたのであります。
 最後に、改正の第六点について申述べますと、主要食糧農産物の生産を増進するため、生産障碍除去に関する市町村農業調整委員会の指示権の中に、陰樹の伐採を加えた点であります。今日耕地に隣接する林木の陰のため、その耕地の食糧の生産力が著しく低下しておる事例がありますため、かくのごとき場合、陰樹を伐採し得ることといたしたのであります。これの運営につきましては、具体的事実を十分考慮の上、愼重に運用せしめるつもりでありまして、その際の補償の措置についても、受益者は市町村農業調整委員会の指示に従つて、損失を受けたものに補償しなければならんこととし、陰樹伐採に関する指示を円滑になし得るようにしたのであります。
 以上が食糧確保臨時措置法改正法案の骨子となる点でありますが、要旨とするところは、経済九原則の具体化を中心とする日本経済再建に関する近時の動向に即応するため、供出制度の能率的な改善を図らんとするところにあるのであります。何とぞ速かに御審議の上、御可決下さいますようお願いする次第であります。
○委員長(楠見義男君) 午前中はこれを以て休憩をいたしまして、午後は一時半から再開いたします。
   午後零時二十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十一分開会
○委員長(楠見義男君) 農林委員会を再開いたします。
 一時半を予定しておりましたが、まだ政府委員が見えませんので、政府委員が見えるまで暫時休憩いたします。
   午後一時五十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十二分開会
○委員長(楠見義男君) 只今より休憩前に引続き委員会を再開いたします。
○板野勝次君 先ず最初に、食糧長官にもう一度需給推算についてお尋ねし、次いで農林大臣に農村の恐慌現象について前の質問を繰返して申したいと思います。
 先般の三十日の農林委員会で、食糧長官から需給推算について承つたのでありますが、その後疑義が生じて、我我の方でも明確な数字をプリントして貫いたいということを申して置きましたが、未だに我々の手許に参つていないのです。そこで第一にお尋ねしたいことは、この三十日の二十五米穀年度に対する需給推算の計算の上で、どうしても食い違いがあるように見えますのは、二十五米穀年度における供給面が、欠減を差引きまして四千百九万五千二百六十一石、そうして需要面が総計五千三十二万石ということになつて、食糧長官の説明では需給差引マイナスの千二百二十二万四千七百三十九石になつております。こういうことでありましたので、計算して見ますと、需給差引マイナスの九百二十三万石にしかならないように思いますその点の食違いを御説明願いたい。
○委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて。
○板野勝次君 需給推算の問題は別といたしまして、先般農林大臣は、農村の状態がそう窮迫していないように言われておつたのですが、先ず私はそれぞれの所管の当局から、最近における農業経済の動向を事実について我々が知り、そうしてその資料に基いて、果たして農業が非常に困難な状態にあるのか、それとも農林大臣が言う楽観的な方向にあるのか、今日は事実ついてその状態を検討して参りたいと思うわけです。先ずシェーレ差の拡大ということは、農林当局も認められていることだと思うのですが、このシェーレ差に対しまして、政府発表のもので農林省の統計調査局の農村物価調査等にも示されているのでありますが、このことについて統計部の責任ある人から、シェーレ差がどういうふうになつて来ているかということを伺いたい。
 それから第二の点は、農家の預金、貯金が増大している状態にあるのか、それとも減少して来つつある状態にあるのか、これは金融関係の方面の責任ある人から答弁を願いたい、更に農業に対しまして、財政投資の状態がどういうふうになつて来ているのか。これを先ず聞かして頂きたい。
○國務大臣(森幸太郎君) 細かい数字に亘つてのことでありますし、数字を間違つてもいけないわけでありますから、後程お答えいたさせます。
○羽生三七君 昨日の農林大臣のお話を聞いておりますというと、国際小麦協定に加入したり、或いは将来日本に数十万トンの食糧が入つて来ても日本農業の圧迫にはならないし、且つ又日本に農業恐慌が来るのであろうということは予測できないというお話でありまして、これは或る一面そういう面もあるということは認めております。私共はそういう恐慌が来る来ないに拘わらず、日本の自立を促進する意味において少くとも外国に負けないような生産コストで日本農業の発展できるような体制を、技術の面や経営の面で確立して行かなければならないということで、我々の意見を述べたわけであります。私が少くとも入手した種々な調査事項によりますならば、必ずしも輸入の面でも楽観のできない面があるのであります。例えば現在の小麦の輸入価格が大体一トン当り横浜着で百二十一ドル四十六セント、これを日本貨幣に換算しますと四万三千七百円余になります。若しこれが国際小麦協定に加入した場合におきましては、最高が横浜着が九十ドル八十九セントこれを日本の金に換算しまして三万二千七百何十円かになるわけであります。これは最高値でありますから、最低値はこれよりもつとずつと安くなるわけであります。こういう値段を外国の小麦が示す場合に、日本におきまする、例えば小麦のマル公、つまり生産者価格は大体一トン当り二万一千六百六十円くらいになつております。これを東京郊外の闇価格に換算して見ますと、大体三俵一万円で、一トン当り五万五千五百五十円くらいになるわけであります。そうすると、生産者価格では、もとよりアメリカのものに圧迫されることはありませんが、闇価格に換算して見ますならば、遥かに日本の小麦の方が高いわけでありまして、この面からも必ずしも外国の食糧によつて日本が圧迫されないという理由は成立たないわけであります。この面で価格の点で明白に必ずしも圧迫されないという事実がないということが例証されておるわけでありますから、これに対して大臣の御答弁を承わりたい。
 もう一つ、先日食糧長官は、三百四十万トンの輸入食糧は南方の米を組んでおるというように言われましたが、私が少くとも調べた範囲では、私は組んでおらないと思います。仮にビルマから今入つておる米を我々が換算いたします場合に、一トンやはり百三十五ドル、日本の港着、即ちCIF建で百五十ドル、これを日本の貨幣に換算しますと、五万四千円、石換算約八千九十六円くらいになります。そこで日本の生産者価格マル公は、今度の価格改訂で大体四千二百五十円になつたわけでありますが、この場合表面上は確かにビルマから入つて来る米の方が一・九倍の高値を示しておりますけれどもこれも同じく闇価格に換算いたしますならば、大体我々の推定では二・五倍、つまりマル公価格の一・九倍に対して二・五倍の高さを示しておる。どの面から見ましても、小麦を見ても、米を見ても、今の生産者のマル公価格での買入れというものが正当であるかどうかは別としまして、これなら別でございますが、闇価格で換算して行くならば、明らかに相当日本の農村は農業生産者が圧迫を受けるという根拠が成立つわけであります。これもやはり前の問題と同様に、それでも日本の農業に何も影響がないかどうかという点、先ずこの第一点を承わりたいと思います。
 それからもう一つ承わりたいことは、三百四十万トンの食糧輸入は、これは先日大臣のお話では、日本に自主性がないから、向うから話があつた場合には大体受入れなければならないというように言われておつたわけでありますが、委員長ちよつと速記を止めて下さい。
○委員長(楠見義男君) 速記を止めて下ざい。
   〔速記中止〕
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
○羽生三七君 例えば「いも」のようなものも、来年度におきまして甘藷で四億万貫、馬鈴薯で一億五千万貫買入れますけれども、あとは自由になるわけであります。そういうものを自由にして置きながら、一面において必ずしも日本の国民の嗜好に合わないようなものでも、どうしても我々は受入れなければならないかどうか、この点も一つ承わりたいと思います。まだあと沢山ありますけれども、取敢えずこの二点について承わりたい。
○國務大臣(森幸太郎君) 外国食糧価格と内地食糧価格との比較についてお話でありましたが、内地の食糧を、今お話のように全部闇の価格において考えるならば、一応そういうふうなことも考えられるのでありますが、闇として流れておるものは極く一局部と考えておるのであります。又農業経営の上において、闇で売らなければその経営が成立たんということに対しましては、又経営改善の外の面があると思うのであります。闇の価格を以つて外国の食糧と比較して、それがために日本の食糧が圧迫を受けるということは簡單に結論を得られないと思うのであります。尚輸入食糧の中において、今お話になりました「とうもろこし」等の輸入が見込まれておるのであります。併し政府としましては、今日の食糧事情からできるだけそういうふうなものはお断わりをして、正常な食糧の輸入を要請いたしたいと思つております。今回輸出入の審議会が設けられまして、幾分においても自主的な輸出入ができることになつて来るわけでありますから、日本の生活に合わないものはできるだけ輸入をせないように働くこともできようと考えております。
○羽生三七君 三百四十万トンのうち、若し人間が食うに適当でないと思われるようなものがあつた場合に、これを家畜用へ廻すことのできる自由を日本の政府は持つておるかどうかこれが一点。
 それから南方からの十六万トンの本年の米の割当は、御承知の国際食糧割当制度が明年度六月以降廃止になりますので、そうなるならば、自由に南方から米を買うことができるようになるわけでありますが、特に例えば先般決定されました日英通商協定によりましても千五百万ポンドの協定ができたわけで、この中には私が入手した情報によりますならば、米におきまして、タイから十二万トン、ビルマから八万トレ等を予定しております。こういうようなものは、日本のこれに代るべき見返品たる工業生産力の問題にも関係がありますけれども、若しそういう日本に見返品の生産が可能であるならば、幾らでも、例えば「とうもころし」や小麦に代つて、米を南方から輸入することの自由を持つておるかどうか、その点を承わりたいと思います。
○國務大臣(森幸太郎君) 本来は、今船腹の運賃等の関係がありますけれども、アメリカから食糧を貰うよりも、朝鮮であるとか、或いは南方諸国から食糧を貰つた方が日本としては利益なんであります。それでできるだけアメリカからは食糧の代りに工業原料を輸入して貰つて、そうして朝鮮であるとか、或いは台湾、南方方面の日本になじみの深い米を輸入して貰うということが理想であります。併し南方方面から輸入いたしますについては、今お話のような工業品の見返物が生産されるということが條件付けられておりますので、この点も必ずしも今予定しておりまする石数が入るともはつきり分らないのであります。
○羽生三七君 そうすると、工業生産の見返品が順調に進めば、南方から米を買入れる自主性というものは、その数量の如何に拘わらず日本政府が持つておると解釈してよろしいですか。
○國務大臣(森幸太郎君) さよう承知してよろしかろうと思います。
○板野勝次君 只今の輸入食糧の問題と関連しているんですが、来年度の三百四十万トンのうち、コンマーシャル・アカウントで来る百五十万トンという中には、国際小麦協定で政府が希望しておる数字が入つておるんですか、入つていないのですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 勿論入れて考えております。
○板野勝次君 それではこれは国際小麦協定に参加できないという場合には、この数字は幾らになるのでしようか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 参加しなくとも、まあ自由買付の方法がありますから、それくらいの輸入数量は確保できると思つております。
○板野勝次君 それでは、日本の政府が二十四年度並びに二十五年度において、輸入食糧を懇請した数量は幾らだつたか、それを聞かして頂きたい。
○政府委員(安孫子藤吉君) 懇請した数量というものは、はつきりいたしておりません。いろいろあちらと協議をしてやつておりまするので、特に正式に懇請数量を決めまして、これというものは持つておりません。
○板野勝次君 それでは輸入懇請数量と新聞紙上で見るのは、あれは根拠のないものですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 昭和二十五年度の米穀年度において、需給推算をいたしますと、百八十数万トンの食糧が不足であるという事実は示しておるわけであります。それに基きまして、全般の情勢から、どの程度にするかということについては、いろいろ協議を重ねて来ておるのでありまして、我々といたしまして、絶対不足する数量が、昭和二十五米穀年度においては、この見当になるということを指摘しておるのであります。
○板野勝次君 それでは二十四年度については、どうですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 二十四米穀年度のことだと思いまするが、これは、昨年の暮に百七、八十万トンのものがどうしても足らないということで、これは協議をいたしております。当初は二百万トン近いものが、どうしても絶対不足だという推定を以て、当時懇請をしたのであります。
○板野勝次君 それでは農林大臣が見えますまでちよつと……
○岡村文四郎君 農林大臣は出られましたが、大臣に聞いてもよく分らないので、更にお聞きいたします。実は困つておりますことを再三申上げておりますが、さつぱりお答えがないのであります。米と、麦と、甘藷と、馬鈴薯の大体二十五年度の計画は分ると思いますが、あとの雑穀、その他を何ぼ必要として政府は要求されるのか。実は甘藷、馬鈴薯の統制が外されるであろうということでありましたので十二月一日付で命令が出まして、そうすると、私の方の北海道は非常に重要でありまして、一日の日に北海道に電報を打つて秋葉原の市場に馬鈴薯の種を出して売ろうとしております。そこで、いろいろ計画も立つて予算もできた今日、食糧の実際の欠くべからざる計画がないということは、あり得ないことでありまするから、再三お尋ねしたが、さつぱりぴんと来ない。そこで本当に行きあたりばつたりにやつて、作つただけ買おうというならば結構ですが、どの法律を見ても、割当数量はお買いになるが、余つたものを買うという法律がない。それが非常に疑義がありますが、ここらで何ぼ一体雑穀その他を買うのか、何町一体作らすのか、その計画を先ず一応お聞きしたい。
○政府委員(安孫子藤吉君) 雑穀につきましては、来年度の生産計画を近いうちに立てまして、府県当局と協議をする段取りになります。大体それによつて進みたいと思つております。本年は大体雑穀が四百万石じやなかつたかと思います。これは或いは、もう少し殖えるのではなかろうかと思つております。
○岡村文四郎君 物価庁の方でも、なるたけ外したいという意向を持つておられるようですが、これは雑穀であります。そこで、どの面から外すことが適当であるか、どうかという話でありましたが、順位は示しておりましたが、今頃になつてまだそれが立たんというようなことでは、百姓の心中も考えないでやつておられることは、実に我々は残念だ。そこでこれは試案なそうでありますが、安本では、幾ら試案にしても案を出されておる。これは理窟を言うて聞くわけに参りません。試案だというので逃げられますので、試案は試案として聞くより仕方がない。今度はもう試案でなく、的確な案を出さなければならんと思うのでありますが、そんな今ごろになつて、できておりません、協議をして出しますということでは我々審議をする上に非常に支障がありますので、そうでなく、的確な数字を持つべきである。そんな無能では、我々は絶対に安心することはできない。何でも彼でも作れ、何でも買つてやるというならばいいのですが、恐らくこのままで参りますと、そういうわけに参りません。そうすると、どれだけ作つて、どこに売つていいか困るので、十分検討して作らなければならんと思つております。御承知のように、北海道は相当広い畑地を持つておまして、その百姓がさ迷つております。我々は国会が終ると北海道に帰る。氷の時期さえ来ておる。それを何も彼も分らんというのじや困る。もう今日あたりは、はつきりした数字が聞けると思つておりましたが、食糧庁長官の御答弁の様子では、これは先般から申上げておりますように、早く出して呉れということを頼んでおります。そんなことで我々は食糧問題を議することは甚だ不快であります。そこまではつきりしておらんと思います。現在の状態では、食糧に対して国会で審議する程になつておらんと思つております。この点どう考えますか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 統制を外す場合におきましては、お話しの通りに、いろいろ作付計画かその他の観点からして、相当前にその方針を指示いたしまして、切替えに支障のないようにしなくちやならんことは、私共の勤めだと考えております。雑穀の問題につきましても、今全部というわけには参りませんが、或る種類のものにつきましては、統制を現状において外した方がよかろう。それを只今のところ、はつきり申上げ兼ねておりまするのは、いろいろ折衝の過程もありまするので、これを只今申上げるわけに行かんのでありまして、その点は、私共の気持といたしましては、できるだけこの転換する際に摩擦の少いようにという方針でやつておりますけれども、各方面との関係からいたしまして思うに任せん場合もございます点を御了承願いたいと存じますが、お話の点は、私共十分承知しておりまするので、そういう線で努力をして参りたいと存じます。
○岡村文四郎君 それではお伺いいたしますが、馬鈴薯一億五千万貫買入れるという計画を立つておる。これはよく分りますが、そうしますと、内地で生産をされる馬鈴薯は何ぼお買いになるつもりか、北海道で何ぼお買いになるつもりか。実は澱粉用の加工そのものは、そのときになつて見なければ分らんが、大体に買入れをしない方針だということを聞いております。それはそれでよろしいと思います。そこでその割当は、大体できておると思うのですが、その数量だけをお聞きしたいと思います。
○政府委員(安孫子藤吉君) 来年度の「いも」類の生産目標につきましては、只今農林省の内部の、いろいろな局とも連絡をして計画を立てておるところでありまするので、只今まだ申上げる数字を持つておりません。
○岡村文四郎君 大事な基礎をお聞きしても何も分らんということである。ここはそんな雲を掴んだことを言うような場所ではないかと思う。大臣にお聞きすれば、これ又局長以下の答弁だからお聞きしても駄目だ。我々は真剣になつてやつておるのに、大凡そのことで議場にさまよつております。(「その通り」と呼ぶ者あり)大事な日を費して、そうして今日一日の第六国会の最終日に、無駄に声を枯らして叫ぶ人がどこにありますか。そこで協議が整つておらなくても、農林省の案はこれだと、それは一方的に行かないから、先方とも相談して決定する案がこれだという案でもあれば、凡そこのくらいで落着くであろうという見当が付きます。我々は国民を代表してやつております以上は、腹の底から思うことを思上げ、單なるゼスチュアはやつておりません。無為無策を相手にして、大事な法律を審議することは不可能であります。方針が立ちません。それに対し一体どういう考えを持つておられるか。次官がおられるからお聞きしたい。大臣に聞いても同じでありますから、……(「そうだ」と呼ぶ者あり)一つそれをお答え願います。こんな馬鹿げた審議は非常に遺憾であります。議会に案を提出するにはすつかり基礎ができて、その基礎の上に立つての審議でなければ無用であります。若しそれが無用でないというならば、我々は非常に遺憾であります。今後何によらず、何事にも提案するからには、しつかりした基礎の上に立つて、そうして我々の質問に対して丁寧に答弁を願い、我我も納得してそれに参画することか大切であります。にも拘わらず、何をお聞きしましても途中ばかりで、これで審議せよという方が無理か、それでは審議できないという方が無理か、御判断を願います。
○政府委員(坂本實君) 御審議を願います上の参考資料はできるだけ整備いたしまして、御審議の材料にしなければならないと考えております。又お答えに対しましても、我々ができるだけのことは申上げなければならないと存じております。ただ御承知のような客観的な情勢でございますので、なかなか断定的に申上げることが非常に困難のなものが多いのでありまして、従つて御不満の点もあるかと存じますが、今後の答弁におきましては、できるだけ我々が申上げて差支えない点は十分申上げる所在でございますので、この点御了承を願います。
○岡村文四郎君 御不満の点はあるやに……。そういうそんなことでは駄目なんです。私は農林省に資料がなくちやならんと思う。御承知のように本当に真劍に協議しませんと、事、食糧の問題であります。我が国の農業は、奴隷に奴隷を重ねて参つております。今や又大奴隷に落ちようとしておる今日であります。それに我々代表者が甘んじてその奴隷になることを引受けては帰れません。その資料は、安本はこれはどうも確定的でない資料ですか、五ケ年計画を立つて示しております。そうしてこれを安本を責めることは不可能で、これは責めません。これだけのものがあれば、目安も立ちますし、大体見当も付きます。それを主管庁が何も出さないで、言い抜けはまかりなりません。その資料の要求をします。
○政府委員(安孫子藤吉君) 来年の馬鈴薯の買入予定数量を一億五千万貫といたした場合に、北海道をどの程度に見るかという点は、いろいろ従来の状況なり、或いは今後の見通しを以て、又全体の買入数量の範囲内においても調整をとつて考えなければなりませんので、はつきりしたことは申上げ兼ねますけれども、大体私共の腹案といたしましては、五千万貫程度北海道に行くことになるのではないだろうかと考えております。尤もう少しこれは検討を要する点はありますが、大凡その見当であります。
○岡村文四郎君 それで結構です、五千万貫ならば三分の一であります。そこでこの三分の一しか作らないで、多少奮発して作つても、それは市場に出して売り捌ける見込みはあります。ところが一億万貫の馬鈴薯のその代りの作物は何に転換するかということが、これから我々が指導せんければならん重大な問題になります。そこでこれを考えておるものですから、先頃お聞きしたように、燕麦はどうであるか、こう聞けば、長官は無理だろうと言う。そうすると、何を作るかと聞くと、お任せ願うと言われますが、我々は案を立てて農家の方に示さなければならん。そういう重大な問題でありますから、我々がこうやつて来ております以上は、面白半分に名誉慾で徒らに来ておるのではありません。代表しておる限りは、どこまでも代表の責任を果して、そうして選挙民に答えなければならんと考えております。こうなりますと、馬鈴薯の反別が今年の面積は九万町歩であります。九万町歩から三万町歩取つて、あと六万町歩余ります。雑穀でまだ自由に放されるものがあると思います。そうすると、そこらは農林省はどういうお考えを持つておるか。それをお聞きします。
○説明員(藤田巖君) 只今食糧長官からお話がありましたが、来年度の「いも」類の統制撤廃の方針については、まだはつきり最終的には決定いたしていないのでありますが、我々の考え方といたしましては、一定数量を買入れる、それ以外のものにつきましては、これを自由にする。従つて生産割当につきましては、これを行わない、こういうふうな考え方でおるわけであります。併しながら「いも」の作付転換につきましても、非常に他の代替作物の関係上困難なところもあると思います。それから尚「いも」につきましては、その貯蔵、加工、流通の部面を合理的にいたす、又その部面について一層整つた機構を完備いたしますならば、現在生産をしているところのものについては、これを最も有効に、食糧といたしまして、或いは加工用原料といたしまして、利用ができるのじやないか、かように思つております。従つて私共の考え方といたしましては馬鈴薯につきましては、大体水田裏作地帶に作つておりますところの馬鈴薯、こういうようなものについては、これを転換せしめるというふうに考えておるのであります。それ以外のものにつきましては、むしろその加工方面その他の機構を整えることによりまして、土産はこれを減退せしめず、而も農家経済の安定に資するような方策を講じて行きたい、かように考えておるわけであります。
○岡村文四郎君 今農政局長の御答弁のように我々も考えておりますが、この加工部面が長い間不必要な状態になつて、今その作業をやつておりません。そこでこれから全国に呼びかけて、澱粉を材料とする加工はどれだけあるのか、どれだけやれるのか、これを調査せんければいかんと思いますが、そういう凡そのことでなま物を作らして貯蔵の源にはできないと思います。私が言わんとするところは、日本の食糧の状態は決して確乎たるものではないのであります。今のような状態で、懇請をして外国から貰える時期はいいのでありますが、そうでない時が来た時分に、何年置いても傷まない、ねずみも食わない澱粉を、一遍には作る必要はありませんが、相当に貯蔵をして、日本の八千五百万の国民に安心をしておれ、政府がこういう方法でやつて行くのだというくらいの案を立てなければならんと思います。澱粉というものは、決して欧洲戰後の大暴落のときから十三年、大阪に積んであつた澱粉を配給しましたが、色が多少、変らんとは言いません、少し赤くなつておりますが、殆んど変らんと言つても差支えありません。庫に積んでおきましても、ねずみが少しも食いません、そういうものを貯えて置いて、いざというどきに使うぐらいの準備は政府は是非しなければいかんと思いますが、政府はどう思いますか。
○説明員(藤田巖君) お説は誠に私共も御尤もだと考えております。この「いも」というものは、日本の農業としてむしろその特色ある強みの部分に将来としてはしなければならん、こういうように思つているわけでありまして、従つて統制が仮に解除されましても、その加工利用、或いは貯蔵方法の御研究によりまして、更に一層の生産が確保されるような措置を講じて参りたい。従つてお話のような点につきましても、現在中央農業調整審議会に「いも」に関する対策の專門委員会を選びまして、これによつて会議を進めておるわけであります。私共といたしましては、極く最近の機会にその結論を得まして、或いは資金の問題なり、或いは予算の問題なり、そういう問題につきまして対策を進める上の裏付けの施策をも併せ決定いたしまして、至急にこれを発表いたしたいと、かように考えておるわけであります。
○岡村文四郎君 もう一つ大臣の来ますまで……やがてその案が立つというお話でありますが、何日頃ぐらいまでに案が立ちましようか、それをお聞きします。
○説明員(藤田巖君) これは農林省部内の見当といたしましては、恐らく本月の半ば頃くらいには一応の目鼻が付くかと考えております。併しながら御承知の通り、これは各関係方面の完全なる了解によつて初めて決定されるわけであります。そういう方面の了解を得る期間は、これは当然要るかと考えるわけであります。私共の心組みといたしましては、来るべき二十五年の米の生産割当の会議時期には、そのときに「いも」の割当てをどうするか、或いは甘藷及び馬鈴薯の割当てをどうするかということは当然問題になるかと思います。そのときまでには是非とも決定したいと思います。かように考えております。
○小川久義君 余りむずかしい問題、大きい問題はお答えが遅いのでありますが、極く分り易いものから先ず聞きたいと思います。聞くところによると、タピオカ澱粉、サゴ澱粉が国内産の澱粉よりも価格が安いということを聞いておるのですが、両方の価格が幾らであるか、又それに対して将来の計画並びに使途についてお答えを願いたいと思います。それから先般政府が発表しました作報の生産予想高が二千五百五十余万石と発表しましたが、それに伴いまして、又前後して減收の予想が出ておる筈でありますが、その減收は幾ら予想されて報告になつておるか、その点、それから供米割当の基準になる反別の歩増しとか、歩延べというようなことが加わつておるが、これは如何なる根拠において反別に米の割当をしておるか、この点、この三つの点だけをお伺いいたします。
○説明員(藤田巖君) これは大体の数字と御了察頂きたいのでありますが、過去二十三年七月から二十四年六月までに輸入いたしました一万三千トンのサゴ澱粉でありますが、これが十貫当り千二百十四円、それから六月から九月に一千トンばかり輸入いたしましたタピオカ澱粉は十貫当り千三百七十五円、それから高梁澱粉、これは八千九百トンばかり輸入もいたしましたものは、十貫当り千八百三円、こういうふうな、これはCIFの値段でありますが、これはいずれもCIFで、ドルを換算いたしますと、さような値になつておりますが、二十三年度産の内地の澱粉生産者価格と比較いたしますと、内地の価格は確か二千二百円、かように相成つております。従つて内地の澱粉価格よりも輸入ものの方が安くなつております。
○政府委員(安孫子藤吉君) 六千五百万石の作報の報告中、減收の見込みはどれぐらいかというのでありますが、この作報の調査によります数字というものは只今のところございません。恐らくお話の点は、十一月の五日までに各地におきまして坪刈りの状況を締めまして、その見込数量、それから推定した数字がどれぐらいになるだろうかということを私共考えたことかあるのでありますが、或いはその点かとも思いますけれども、これは全国的に調査がまだできませんので、これの最後的集計で発表し得るものは未だ持つておらん次第であります。その結果は実收高調査に判明して来ると思います。それから面積の点を歩増しがあるので、そういう点について割当をするのがおかしいのではないかというお尋ねであつたかと思いますが、これはやはり作報の調査といたしまして、脱漏地というものも相当あることも事実でありますので、その調べをサンプリング調査によりまして推定をして、面積としてではありませんが、いろいろな実收高なり、或いは予想收穫高なりを見ます際の材料にいたしておることは事実でありますが、それについて特に割当をしておるかというようなことは、ございませんわけです。それから只今の農政局長からのお話のありました点でちよつと申上げますが、二十四年度の価格の問題でありますが、サゴ澱粉を申上げますと、トン当りで申上げますが、三千六百円べースで換算をいたしますと、トン当り三万二千四百円ということに一応なります。それでこれが国内価格は二万七千六百六十八円二十銭、その差額だけ高いということになります。それからタピオカ澱粉は三千六百円ベースで換算をいたしますと、トン当り三万六千七百二十円、国内価格が三万五千七百四十九円で、大体おつかつということであります。
○小川久義君 只今の御答弁では、六千五百五十万石は作報の調査でないというのですが、この調査した機関は作報だと思います。坪刈りをして粒数から出した数字だと思いますが、それと同時に減收の見込数量、粒が細かいためにどのくらい出るかという推定も出ておる筈です。従来の坪刈りで出て来た数字、又実收との差額、それを合計したものがこれと同時に出て来ておる筈である。それを分らんとは頷けない。この点を重ねて明確な御答弁をお願いしたいと思う。割当の歩増しの反別に米を割つておらんというお答えですが、決してそうじやない。如何なる根拠において出そうと、末端に行けばない田圃に米を割つておる現在、これはごまかしのない現実である。そういうその場逃れのような、割つておらんから、それは別の形になつておるから田に割当てたのではない。どこからその米を出すか、二階に米はならない、屋根に米が生えるものではない。限定された田圃から收穫をするものであつて、反別を対象にしておらんから、米の割当をしておらんという答弁は納得行かない。その点をもう一度明確に御答弁願います。
○政府委員(安孫子藤吉君) 六千五百五十万石という第一回收穫予想は、これは作報で調査をいたしまして、作報で発表いたしたのであります。これは大体粒数計算を基礎として收穫予想したものであります。それでその点は作報の調査でないということを申上げたのでありませんから、御訂正を願いたいと思います。それからその際に併せて、粒数計算じやなく、いろいろな見方から別の数字も出ておる筈だというお話がございましたが、さような数字はございません。その間の事情を先程申上げたのでありまして、今回の補正をしますについて六千五百五十万石という收穫予想を考えることは我々とて適当でない。その後、東北とか関東においてその実收の状況も或る程度判明し、つまり粒数計算によらず、実際の坪刈をやつた成績も判明しておるのだからその事情も織込んでやりたいということで、暫定的に特定の地域に、そういう材料の提出をお願いしたことはあるのであります。これは飽くまでも全国的のものではありませんので、地方々々の状況を見ますために一つの参考資料として取つたのである。そうしたものの全国的の集計というものは、結局実收高の発表の際に現われて来ると私共は考えております。それから第二点の、末端において隠れておる面積に対して割当ておる、それは甚だ怪しからんというお話でございますが、末端のそういう事情は私も了解いたしております。例えば上から県別に生産割当をし、それから末端に参りますと、そこの面積が百町歩しかないところに一応百二十町歩として下しておる。そうした場合に一々それを吟味することもなかなか困難でありますために、下りました数字は百二十町歩でなく百町歩と考えて、反收を上げて割当をしておる。これは事実相当あるのであります。その辺は漸次作報の調査が面積においても町村段階にまではつきりして来ますならば、その間の調整が取れて、生産割当の均衡をその面から或る程度解決し得ると思います。作報調査がせめて末端の市町村ぐらいまで行つて、その調査資料として完備することを私共としては非常に切望しておるわけであります。お話の点は実情を私共も十分了承しておりますが、隠れた面積のところに割当てるという形を取つておらんのであります。
○小川久義君 減收の問題ですが、それはないと言われるけれども、僕はあると信じておる。富山県の例を引きますと、收穫は百三十何万石かで、減收が二十何万石という数字が出ておる。これは富山県だけではないと思う。農林省に寄せ集めたその累計が確かにあると思う。従つて補正割当を発表されたときに、作報の事務所長は新聞で、富山県の補正割当は少くとも二十万石あるべきであると言つておる。これは富山県にだけそういう報告を求めたのであるか、全国的にお求めになつたのか、全国的にお求めがないとすると、長官の言われることは頷けるが、全国にその数字をお集めになつたとすれば納得行かない。重ねてお伺いします。
○政府委員(安孫子藤吉君) 同じことを私も繰返すことになるわけでありますが、收穫予想六千五百五十万石という数字が出まして、その前提の下に我々はその補正を考えなければならん。ところがその後の我々の見た実情は作況は下落ちになつておる。刈つて見れば惡いという実情が判明しましたので、実情を織込んで補正をしたいという考えの下に、全国のと申しましても、まだ刈つておらんところがあるわけでありますから、できるだけの資料を集めて適正な補正をしたいという考え方で、十一月の五日までに、できるところの坪刈の成績を蒐集したことはあるのであります。これは飽くまでも公式なものではなく、その地帶の、或いは、その県の実情を把握したいという観点においてとつたのであります。だから坪刈のできない地帶もありますから、そういうところからは来ておりません。又全国的にやつたわけではありませんから、同じ県の中でも適当なところをやつておりますので、全県下に亘つてやつたところもありましようが、そうでないところもあるわけでありまして、その辺は統計資料として統一的なものではないのであります。ただ一つの、各県の状況を成る程度認識する、或いは把握するために有力な材料として、私共がそういう材料を求めてその材料も十分考慮してやると、いう態度をとつたのでありまして結局この坪刈の成績等による作況の決定的な全国的な数字といたしましては、十二月のうち、下旬に発表になるだろうと思われまする実收高調査というものに、その成績が完全に出て来るというふうに御了解願つて置きたいと思います。
○岡田宗司君 只今小川君からの質問が、ございましたが、六千五百五十万石という作報の実收予想高、これが今度の補正の基礎になつているわけでございますが、すでにもう東北、関東、北陸地方におきましては、実收高も分つておつて、その実收高の報告が本省にも来ているだろうと思うのです。十二月の中旬に全国が発表されるでありましようが、一体どれくらいの開きがあるのか、その作報の調査と、つまり予想高と、それからすでに東北、北陸、或いは関東地方の実收の分つているところと、どれくらいの開きがあるのか、そのすでに分つておるところの一覧表を御提出願いたいのであります。それが第一。
 それから第二は、過日の補正が最初百四十五万石、それがまあ二百何十万石になつたのでありますが、その各県に割当てました補正の数量をお示し願いたい。又超過供出を政府で以て百何十万石か期待しておりますが、一体各県からどれくらいずつ期待してその数字が出たのか、各県別の数字をお示し願いたいのであります。これは食確法が農民から超過供出を強制的に取るという法律なのでありますから、そういうことがはつきりしないというと、我々は審議し兼ねるのであります。従いまして、直ちにその数字もご提出を願いたいのであります。
○政府委員(安孫子藤吉君) この坪刈の成績、中間的に私共が多少参考として見ました坪刈の成績というものは、これは公式なものではございませんので、宮城県なら宮城県で或る郡の或る町村について坪刈をして見た結果は、こういう結果になつたという数字が断片的にあるのでありまして、県全体として纏まつているものはございません。これはやはり組織力を持つておりまする組織としてあれしておりまする作報の方で全部こなして、これを集計した上でないとお示しはできないかと思います。まあそういう地方々々によりまして、或る村とか、或る部落とかいうところでやりましたなまの数字というものはそれはいろいろばらばらに持つておりますけれども、全国的に、例えば東北地帶なら東北地帶だけ、宮城県なら宮城県についで、全般的な数字として扱うことはできませんので、この点は御了承願いたいと存じます。
 それから今回の補正割当をいたしました県別の数字は、これは直ぐにお示しができると思います。それから超過供出の問題でございますが、今回の補正に絡みまして、概ね二百万石程度の超過供出というものを、どうしても考えなければならんのじやないかという話があつたのであります。まあ現在の作況から呈してどの点はいろいろ論議もあろうかと思います。又実收高の結果も、私共の方としては見なければなりません。県別にこれを考えるにいたしましても、もう少し作柄が確定した曉において、その前提の、下に考えるべきものだと思いますので、未だ県別の超過供出目標数字というものを作成しておらんのであります。これは実收高でも発表いたしましたならば、その辺の事情を睨み合せてやりたいと思います。
○岡田宗司君 只今のお話によりますというと、まだ実收高の報告が来ていないと、こういうことであります。併しながら、個別的な報告でありましても、長官は素人ではございません、玄人であります。従いまして、大体その集まりました県については、一体先の作報の予想收獲高と実收高とは、どれくらいの差違が出るであろうということの予想は付く筈でございます。それについてお示し願いたいと思います。
○政府委員(安孫子藤吉君) 時間もございませんので、県別の補正数量は、これは新聞にも載りましたので、御承知と思いまするが、一応読み上げて見たいと思います。
 印刷物は後程お手許に差し上げますが、総計が二百四十五万石でありまして、北海道が九万四千百石、青森が五万八千石、岩手が三万六千九百石、宮城が六万三千九百石、秋田が七万五千九百石、山形が八万九千四百石、福島が七万一千石、茨城が六万七千二百石、栃木が四万九千八百石、群馬が三万二千石、埼玉が五万八千五百石、千葉が八万三百石、東京が四千五百石、神奈川が一万六千八百石、新潟が五万七千七百石、富山が十二万六千九百石、石川が二万二百石、福井が二万二千七百石、山梨が七千石、長野が三万五千石、岐阜が五万四千石、静岡が四万石、愛知が七万三千八百石、三重が五万五千三百石、滋賀が六万一千四百石、京都が四万一千六百石、大阪が四万石、兵庫が七万五千八百石、奈良が二万三千七百石、和歌山が三万四千八百石、鳥取が一万九千四百石、島根が二万四千二百石、岡山が六万三千五百石、広島が六万九千石、山口が五万五千三百石、徳島が一万五千九百石、香川が二万三千七百石、愛媛が二万四千三百石、高知が四万八千石、福岡が九万四千九百石、佐賀が十三万七千九百石、長崎が二万四千八百石、熊本が十一万二千八百石、大分が五万七百石、宮崎が五万七千四百石、鹿兒島が六万石、計二百四十五万石でございます。
 それからもう一つの作報の坪刈の成績でありますが、これは断片的にばらばらに来ておりますので、総計をするとか何とかというわけにも参りませんのですが、まあどこの村の、こういうものはどうであつたかという、そういうものを多少、県の一つ二つぐらいの材料は、それはお示しもできるかと思いますけれども、それで以て県全体の見通しというものを立てることは困難だと私思つております。
 それからもう一点は、そうした成績の状況から見て、実收高というものが、收穫予想とどの程度違う見込みかというお尋ねでございましたが、これも実收高の調査が判明しておりませんので、この際徒らに予想を立てますことは適当でないと存じますが、私の感じは、やはり今年の作柄は尻下りでありますために、実收高というものが予想收穫高よりも下るのではなかろうかというような感じを持つております。これもどの程度下るかというようなことは見当は付きませんが、收獲予想高よりも悪いのではなかろうかというふうに考えておる次第であります。
○岡田宗司君 只今お伺いいたしますというと、收穫予想高、各県については個々の村においての坪刈等の結果はある。その結果に基いて、県でどれくらい減つたかということが一向まだ推定できん、こういうふうに県についてどれくらい実收が減つておるか、收穫予想高より実收の方が減つておるかということが分らないで、補正の数字が各県別にこういうふうに違つて出て来るといたしますならば、これは実に奇怪至極である。何を根拠としてこういう数字が生れて来たか、それを御説明願いたいと思います。
○政府委員(安孫子藤吉君) これは、前の委員会等においても申上げていたと思いますが、県の減收見込量というものは、千二百万石になつております。それから食糧事務所の末端機構におきまして、いろいろ調査をいたした数字というものが、六百万石ぐらいあつたかと思います。それから作報の、今までお話申上げたような数字から一応、正式のものではありませんが、推計いたしましたものも、やはりそういう数字に出ておるわけであります。端的に申しますと、各個人別に被害調査と申しますか、減收調査というものの調査組織が未だ確立いたしておりません。その点に補正の困難さがありますのでありますが、そうした数字を十分見当付けまして、各種の資料を検討した結果、二百四十五万という数字が出るのであります。そうしてこれを県別に、その地方の実情、或いはそのブロックの状況というようなものを勘案いたしまして、その府県別の数字を作成いたしたわけでありまして、要するに被害の実情を二百四十五万の枠内において、如何に適正にこれを按排するかという点に、相当重点をおいて、この数字を決めたわけであります。
○岡田宗司君 そういたしますと、二百四十五万という数字を最初に出して、それから県知事からの報告による減收千二百万石、食糧事務所で見た減收六百万石、或いは作報で見た減收六百万石等を勘案して、それをただ割当てたと、こういうことになるのでありましようか、何らそのはつきりした根拠がなく、ただそういうふうにしか私共には取れないのです。
○政府委員(安孫子藤吉君) そこは二度三度の手数になると思うのでありますが、一番県側として御満足の行く数字ということになりますれば、県の御報告になりました千二百万石というものを補正すれば、これは全然問題はなかろうと思う。併しこの千二百万石というものは、私共常識で考えまして、今年の作況が結局五千二、三百万石だということでありますが、そういうことはなかろうと思つております。それからこの千二百万石の内訳を殖やす各県別の数字というものは、これは各県とも同じ程度において信憑性を持つかという点になりますと、この点は必らずしもそうならんと思うのであります。そうした事情も考え併せて、又私共の持つておりまする資料も突き合わせまして、それで段取りといたしましては、一応全体としてどれくらいの減收と見るべきか、補正数量とするべきかという点に最初重点が入るわけであります。下から積み上つて来ましたものを、直ぐそのまま呑み込んでやることであれば、それは一回の手段で済むわけでありますけれども、そう簡單に行く問題でありませんので、下から上りましたものをこなし、それでいろいろ交渉もいたしまして、二百四十五万という数字が一応出る。その出たものを今度は県別に最も均衡なる状態において配分をするという作業に移るわけでありまして、そこは二回三回とその辺を手直しをして、行きつ戻りつして、この数字が出ておるわけであります。
○岡田宗司君 非常にはつきりしないのであります。知事会議の第一日までは百十四万石、二日目だか三日目になりますと、急にその数字が二百四十五万石、初めは百十四万石は絶対に動かぬと言つておつたのが、急に二百四十五万石になつたにつきましては、如何なる特別の事情があつたのか、これは正確な実收等の分りました結果、そうなつたのか、それとも何らかの政治折衝でそうなつたのか、その点をお伺いしたいのです。
○委員長(楠見義男君) 岡田君に申上げますが、その点はあとで大臣がお見えになつたときに……
○岡田宗司君 更に繰返してお伺いいたします。いずれこういう問題は又改めて大臣にお伺いいたすとしまして、私午後の農林委員会の再開の直前に委員長に、本問題について吉田首相にお伺いしたいと思いまして、吉田首相の出席を要求したのであります。それから一時間半経つのでありますが、未だにお見えにならんのでありますが、何してお見えにならんか、委員長の方に御報告がありましたでしようか、それをお伺いいたします。尚、更に重ねて吉田首相の出席を要求したいのであります。
○委員長(楠見義男君) 申上げますが、委員長は総理大臣の出席を要求いたしましたが、只今のお問いになつた御返答はまだ頂いておりません。出席か欠席の返答は頂いておりません。併しお話の通りもう一度催促いたします。
○板野勝次君 先程岡村委員から、「いも」の問題について質疑があつたようでありますが、私も今度の食確法の問題と、「いも」の作付の問題とは極めて重要な問題でありまして、食確法の態度を決する上においても極めて重要だと思いますから、できるだけ政府委員の方でも誠意のある、而も迅速に運び得るような方法で御答弁を願いたいと思います。
 先ず最初に、第一の点は「いも」の戰時作付統制は、いつから始まつたかということであります。第二の点は、戰時作付統制が始まる当時の、最初の作付面積と、それから最近における作付面積の推移、これを先ずお伺いしたいと思います。
○委員長(楠見義男君) ちよつと申上げますが、今本会議で、身体障害者福祉法案がこれから掛かりまして、この法案については記名投票で採決せられることになるので、各委員会共一応休憩をして、本会議に出て呉れとの注文が委員部からございましたので、暫時委員会は休憩いたしまして、その法案が済みますれば、直ちに又再開いたします。
   午後三時三十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後四時五十二分開会
○委員長(楠見義男君) 休憩前に引続きまして委員会を再開いたします。
○板野勝次君 一日の日であつたか、三十日の日であつたか分らんですが、農林大臣に質問しましたところが、日本の食糧の需給体制については自主性がない、安本長官にお尋ねしましたら自主性はあるのだ、その自主性があるのかないのかという問題は、日本の食糧需給体制を確立する上にも大きな影響がある。例えば自主性がないとするなら、どんどん豊富な食糧が輸入されて来るということになれば、国内の農業生産というものは縮小再生産の方向に行けばいいわけであります。自主性があるとするなら、もつと違つた角度から進むべきだと思いますが、もう一度安本長官の、果して自主性があるのかないのか、明らかにして頂きたいと思います。
○國務大臣(青木孝義君) 自主性があるということの弁といたしましては、日本の食糧の生産の量に応じて外国から食糧を輸入するということについて、その過不足を決める、そういうことでありまして、日本の食糧のどれだけできるかということについても、御承知の通り、仮に政府が食糧の買上についての一定の数字を示し、而も割当をしているというようなことから考えましても、その点について疑いはないと思います。
○板野勝次君 それでは日本の生産量に応じての過不足を決めて、輸入食糧というものの額を決める、こういうふうに理解すればいいわけですか。
○國務大臣(青木孝義君) それは御承知の通りに、日本の国内で必要な食糧というものを大体勘案いたしまして、国内においては、これだけの量の先ず生産がある。従つてこの程度の輸入をしたらばよろしいだろう、こういうふうに定められると思つております。
○板野勝次君 そうしますと、先程食糧長官にお尋ねしましたところが、二十四年度懇請した数量は百七十万トン乃至百八十万トンである。二十五年度おいては正式には懇請していないけれども、百八十万トン程度である、こういうことだつたのに、来年度三百四十万トンを輸入するのは、果してこれは安本で計画を立てられたのかどうかという点を先ず伺いたいと思います。
○國務大臣(青木孝義君) これは私共のところでは計画を立てまするけれども、その前提としては絶えず実施面における農林省等とよく相談をいたしまして、そうしてこの年度においては、これこれぐらいがよかろう、これこれぐらいの推定でよかろう、こういうことでやつておるのでありまして、私共のところで單独で決めておるということではございません。
○板野勝次君 それではどこでそれは調整されて最後的な決定がされておるわけですか。
○國務大臣(青木孝義君) 勿論これは私共のところで、今申上げましたように、よく農林省とも折衝をいたしました末に、これは閣議へ諮りまして、決定になるのであります。
○板野勝次君 それでは、この輸入食糧三百四十万トンは閣議で決定されたわけですか。
○國務大臣(青木孝義君) これは勿論閣議に諮つてございます。
○板野勝次君 それでは食糧長官……これは衆議院の農林委員会で食糧の輸入計画というものをお話になつておるのによりますと、千九百五十年度が二百三十万トン五十一年度が二百七十万トン、五十二年度が三百五十万トン、五十三年度が三百七十万トン、こういうふうに輸入計画をお立てになつたように答弁なさつたと聞いておるのでありますが、その千九百五十年度の二百三十万トンと、それから閣議で決定されたと言われる三百四十万トン、この食違いについて御説明願いたいと思います。
○政府委員(安孫子藤吉君) 只今お話の点は、アメリカの会計年度における数字であります。これは小麦の輸入協定の際の懇請の場合の基礎数字であつたかと思います。それで三百四十万トンは二十五年度の日本の会計年度であります。
○板野勝次君 そうすると、今の長官が言われた四ケ年間の輸入計画というのは、これはアメリカの会計年度ですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 小麦協定の基礎資料となりましたのは、私共の一応の推定でありまして、一応の見通しを付けたわけでありますが、その会計年度はアメリカの会計年度であります。
○板野勝次君 それでは日本の会計年度で最初予定された数字は幾らであつたのか、これは安本長官から承わりたいと思います。
○國務大臣(青木孝義君) これは輸入の計画の上で、いろいろと折衝の間に決まつて参りまするもので、初めから、これこれときちつと決まつて、こちらで決めたのではございません。
○板野勝次君 それでは、先程来安本長官が言つておられる日本に自主性があるということと全く食違つて来ると思います。私の聞きようが惡いのですか……
○國務大臣(青木孝義君) 御承知の通り、その自主性ということの、いわば言葉の内容とか、或いはどこを基本として決めるかと、こういうことに対する一つの考え方ということにもよろうかと思います。自主性ということは一体どういうことを意味しておるかということの問題にもなるかと存じますが、ともかくも、この食糧は日本人が食べるのであります。従つて日本でどれだけできるかということは、何と言つても大体基本として考えなければならんであろうかと存じております。従つてそういう意味で私は自主的にと、こういうことを申上げておるのでございます。
○板野勝次君 この前のと又一緒になるかと思いますが、我々がこの際はつきりして置きたいのは、輸入食糧と国内生産との問題で、どこをポイントに、どこを抑えて行つて食糧の生産計画を立つべきか、その押えるポイントというのは、この三十日以来ずつと尋ねて参りましても、どこを抑えてやつたらいいのか、そのポイントを一つ示して頂きたい。これは計画官庁とするならば、輸入食糧についても或る程度まで試案として五ケ年計画をお立てになつておられるならば、その五ケ年計画が、そうした国の食糧生産計画というものが、そこから出て来なければならない。その場合に、その輸入計画と国内食糧生産の見通しのどこを重点において計画をお立てになつておるのか。
○國務大臣(青木孝義君) この五ケ年計画の試案について、この前もお尋ねがございましたが、私のところで、これは曾てこの五ケ年計画の中の一部分として、そういうものがあつたかとも存じますけれども、これは飽くまでも試案でありまして、公式にオフィシャルに発表したものではございません。
○板野勝次君 その五ケ年計画の試案は別といたしまして、それは五ケ年計画というものはオフィシャルに出したものでないのならば、現在このような政府から食確法の改正が一番最初に出されたんだと、尤もそれは世界の食糧の事情或いは協定貿易によつて国内の情勢は著しく変つて来ておる。これに対して或る程度の、例えば五ケ年計画が立たないのならば四ケ年計画、四ケ年計画が立たないのならば三ケ年計画、或る程度の計画、短かくてもよろしい。二ケ年なら二ケ年であつてもよろしい、外国との食糧輸入計画と、国内の生産若しくは増産計画と睨み合せてどういうふうになるのか、そうして政府はどこをポイントにして我が国の農業を推進して行こうとしておるのか。例えば拡大再生産に向うために、これを基点として輸入の問題を考えておるのか、或いは縮小再生産というものを基点において輸入食糧を考えておられるのか、そのポイントを一つお示しして下さい。その程度のことは計画官庁としては当然お持ちになつておられるかと思います。
○國務大臣(青木孝義君) 食糧のみではございません。私共のところといたしましては、農業に対する比較的長期の見通しについては、安本といたしまして今尚検討中に属しております。そうして御承知の通り貿易等の見通しにしても、尚、相当不確定な部分が多くございますので、今数字的に申上げるような段階に達しておりません。そういうことが段々決まつて参りますれば、発表をいたしたいと思います。
○板野勝次君 それでは、吉田内閣のこういう政策については目下検討中であつて、今は策は持つていないと、こういうふうに理解していいのかどうかということと、それから百四十万トンのうちのコンマーシャル・アカウントで来る分が百五十万トンなんです。そうすると、先程食糧長官の説明が、アメリカの会計年度であろうと、とにかく日本の会計年度であろうとも、五十年度の二百三十万トン、五十一年度が二百七十万トンでありますから、大体平均いたしましても、二百五十万程度であると、大体押えて見ましても、三百四十万とは大分の開きができて来ると思います。そうすると、一九五二年において三百五十万トン、殆んどこれに匹敵する程度のものだと思います。これだけの数字の食違いは如何なる事情から変つて来たのか、その事情が伺えれば、お洩らし願いたいと思います。
○政府委員(安孫子藤吉君) ガリオア・ファンドのみによつて、従来輸入は行われたのでありますが、今後の貿易の問題からいたしまして、相当コンマーシャル・アカウントによる輸入というものが大きく考慮される段階に入りました関係によりまして、数字の違いもあるかと存じます。
○板野勝次君 それではこれはコンマーシャル・アカウントで来るから、これの数字の増減は貿易と睨み合して、数が減つたり殖えたりすると、こういうふうに理解するならばいいのでありますか。
○政府委員(安孫子藤吉君) ガリォア・ファンドは確実でありますが、コンマーシャル・アカウントについては、そういう観点からも見る必要があると思います。
○板野勝次君 もう一度安本長官に確めて置きたいのでありますが、計画官庁として目下検討中だということでありますが、どこをポイントとして立てれば、先程から申しております輸入食糧と睨み合して、縮小再生産の方向に国内の農業を持つて行つたらいいのか、或いは拡大再生産という国内態勢を基準にして見て輸入の食糧を考えるかという、そのポイントさえもまだ決まつていない。結局安本としてはどつちを押えていいのか五里霧中である、こういう状態なんですか、それとも二つなり、三つの方針がある。この三つの方針というものがまだはつきりしていないのだ、それなら三つの方針を日本はどつちをポイントにしておるかというアウトラインだけでも御説明願えないか、この超過供出の問題をめぐつて、果してこれが日本の農業のためになるのかならないのかという是非の判断をする資料さえも我々の前に示されないということになる。そうすれば、今度の改正法律の賛否を決する場合にも重大なるポイントになると思うのであります。それに対するアウトラインを示して貰いたいと思うのであります。
○國務大臣(青木孝義君) 国内食糧と輸入食糧との総合調整につきましては、現在相当数量の食糧を輸入によつて需給のバランスを保つておりまするが、将来といたしましては、勿論国内の食糧の増加を図りまして、そうして輸入を減少するように努力をして参りますことは当然でありまして、この点は、どこまでも国内食糧を中心として考えて行くということでございます。併しながら食糧の増産ということは、天候等の関係もありまして、この間も申上げましたように、計画通りの生産は必ずしも期待できないということでございまするけれども、国民生活に重大なる関係にありまする食糧需給につきましては、その年度の需給関係、即ち需要とその年度におきまする具体的な生産ということを考えまして、そうして必要数量と確信する数量を輸入するというように考えております。
○板野勝次君 それでは国内食糧の需給というものを若し基本にお立てになつていると仮定いたしまして、これは仮定の上に立たないと……どうも吉田内閣は仮定のどうのこうのと言いますから、仮定の上に立たなければいけないのですが、そうして見ると、日本の食糧の増産を図つて来るのには、今どのような計画をお持ちになつておられるか、そのアウトラインだけでも、増産計画としてどのような計画があるのか、政府として或る程度のものをこの機会に示して頂きたいと思います。
 それから、少くとも計画官庁としましては、コンマーシャル・アカウントによつて食糧が入つて来る見通しの増減等についても、或る程度のものはあるだろうと思います。その面は又重ねて伺うことになるかも知れませんから、若しもう少し進んでその増減の見通しと、それから国内の食糧を勿論基本にせられるのなら、どういう計画を具体的に立てて、例えば一ケ年間でもよろしい、私は五ケ年間を聞こうとも思いませんが、一ケ年間、二ケ年間における食糧の増産計画というものをどのように行おうとしておられるか、そのアウトラインを示して頂きたい。
○國務大臣(青木孝義君) これは御承知のように、この補正予算の百六億というような問題につきまして、いわゆる公共事業関係、そういうものでも、災害対策とか、或いはできるだけこの農業上における増産ということを目指しまして、御承知かと思いまするが、既耕地についても、或いは又未耕地につきましても、漸次その仕事を進めておりまする点で御承知かと思いまするし、又来年度におきまする公共事業費におきましても、治山治水というようなことを土台といたしまして、国の農業というような問題、農業における増産という問題を十分考えておりますることは、恐らく御了解ができるであろうと思います。
○板野勝次君  私は了解していないから尋ねるのでありまして、公共事業費等につきましても、急角度に低下して来ている。そうして又二十五年度の予算についても、はつきりしたことを見ていないのですが、例えば公共事業費の枠の中における農林関係の占める指数というものが、果して他のものと比較して、どの程度まで上昇して行くというふうな、そういうふうな具体的な事実が示されないと、漫然と政府は計画しているのだと言いましても、数字の上で私達を納得させることにはならないと思います。従つて、安本長官が只今説明されましたものを、具体的に予算の上で確定していない部分につきましては予想でありましてもよろしいから、どの程度数字の上で強化されて来るか、従つて来年度はどの程度の、例えば開墾にしろ、或いは干拓にしろできて行くのだ、その結果どういうふうな数字が出て来るか、この程度のことはお示しになる必要があるだろうと思いますから、具体的に数字を挙げて示して頂きたい。
○國務大臣(青木孝義君) 補正予算については、公共事業費等について御承知の通りであります。又来年度の骨格につきましても、大体大きな枠は出ているのでございます。尚、公共事業費につきましても、大体におきまして近日のうちに閣議で決定をいたしましたならば、発表もできるかと存じます。昨年は公共事業費が少なかつた。併し二十五年度におきましては、約一千億の公共事業費が見積られておりまするから、従来の行き方、大体農業関係におきましては、各個々の項目について一々ここで申上げられませんが、大体におきまして、昨年度の先ず倍額くらいは見ているのでございまして、これは近日のうちに閣議で了解が付き次第発表することができると思います。
○板野勝次君 従つて、昨年度の倍額ですが、そうすると、今私も計算して見ないのですが、その占めるパーセンテージ、つまり昨年までの公共事業費の中における農業の占めておつた地位と、それから倍額にすることによつて農業関係が公共事業費の中に占める率の上り方はどういうふうになりますか。
○國務大臣(青木孝義君) 只今パーセンテージの率を持つておりません。いずれパーセンテージは、決まりますれば計算をしてお知らせいたします。
○羽生三七君 今の板野委員の質問は、極めて重大な問題が含まれておると思います。それは、例えば先程お話の安本の計画委員会事務局の発表は、多少古いものであり、又現大臣は関知せられないものかも知れませんが、私はこれは非常によいと思うのであります。少くとも吉田首相は、先日の本会議で、長期の計画なんか立てられない、一年くらいが適当だと言われておりますけれども、それはとにかくやはり長期の計画がなければ、日本が現在例えば数千万石の食糧を生産しておる場合に、来年度においてはそれを二、三百万石殖やすとか、或いは数年後にはこれを更に沢山生産できるようにして、何年か後には少くとも輸入食糧を排除して、日本自体で食糧の自給ができるとか、そういう観点からの計画性がなかつたならば、恐らく農家としては今後どういう経営方針を立つて行つてよいか皆目目先の見当が付かんわけでございます。尚この点は、例えば日本が将来工業国家としてやつて行くとこの場合には外国からどんな食糧が、どんどん入つて来ようとも、それは全く自由で、又歓迎すべきことである。そういう考え方も一方には成り立つし、逆に日本はでき得る限り食糧を自給して、外国からの輸入食糧を防遏して、農業生産確保の見地から農家を守つて行かなければならん、こういうような考えも成り立つわけであります。従つて日本を工業国家と想定して、外国の輸入食糧に仰ぐことに依存する度合が非常に多くても差支えないのか、或いは日本が飽くまで食糧程度は自給して、現在足りないところを補給するのは当り前でありますが、少くとも日本が自給し得る態勢を確立するため、相当長期の計画を立つて、又これに要する裏付たるべき諸施設或いは諸予算というものの裏付を十分行なつて行くという何らかの計画がなかつたならば、一体日本の農民は今後どうやつてみずからの計画を立つて行くことができるか。今の板野君の御質疑は、極めて重大な要素を含んでおると思います。この意味において、全然計算が立たん、ただ目先の輸入食糧を必要に応じて増減しておるということだけでは、極めて私は遺憾に感ずるのでありまして、少くとも日本の農家の今後の見通しを立てる必要からも、今のことは明確な御答弁を願いたいと思うのです。曾て第一回国会でしたか、二回のときでしたか、平野農林大臣に私がそういう問題を質問したときに、平野農林大臣は、当時もつと食糧の足りないときでありましたけれども、少くとも日本は食糧だけは自給できる態勢で、それの裏付となるべき諸施策を推進して行きたいということを明確に答弁いたしておつたことを私は記憶いたして、おります。従つて計画官庁たる安本として、工業国家として幾らでも外国の食糧の輸入を歓迎するのか、或いは今足りないときは歓迎するが、将来は外国からの輸入食糧を防遏して、日本が食糧の自給のできるような態勢を確立して、農家の生産を励まして行くのか、その点のアウトラインくらいは、はつきりこの場合お示し願いたいと思います。
○國務大臣(森幸太郎君) 関連しておりますので、私からお答えいたしたいと思います。日本の耕地は申上げるまでもなく限定されておるのであります。人口は今日の趨勢では百六十万の増加率になつておる。この二つの点を考えて見ましても、食糧政策ということが非常な重大な問題であることを考えさせられるのでありますが、尚、自給自足ということを考えました場合に、まだ日本の食糧増産の面において残されたる面が相当あります。それは災害の予防を恒久的に考える施策、又土地改良或いは技術的な方面から品種改良、或いは技術の滲透等、まだ残されておる面がありますが、これを完全にやりましても、限りなく殖える人に対しましては、結局するに食糧というものは自給自足ということができ得ないと、かように考えるのであります。然らばこの自給自足というものが、今日は御承知の通りアメリカから良種をガリオアにおいて仰いでおる関係で、先ず食糧事情が幾らか緩和されたような情勢でありますけれども、この問題は講和の取結びと共に、いつこれが打切られるか分らんのでありまするから、今後におきましては、貿易の力によつて不足の食糧を輸入するという途あるのみであります。併し一面において、先程申しましたごとく、まだ残されたる増産の面には、極力これを進捗いたしまして、そうしてできるだけの食糧の自給度を高めて参りますが、その不足する分に対しましては、この増加する人口を工業面に動員いたしまして、そうして輸出を盛んにして、そうして外国の食糧を、自分の力によつてこれを補うという態勢を取るより外ないと思うのであります。この場合において、外国の食糧と日本の食糧との価格の問題が今後考えられるのでありまするが、その面について、日本の農業がそこまで増産をして、経営が成立つか成立たんかということは、あらゆる角度から研究いたしまして、農産物の価格の問題、生産費の逓減ということを考慮いたしまして、日本の農業の成立ち行くように、これは施設を行わなければならんと、かように考えておるわけであります。
○小川久義君 只今農林大臣は、増産に力を入れるというお言葉ですが、先般来いろいろの角度から陳情し、お願いしてある筈でありますが、單作地帶に対する保温折衷苗代の助成金、又紫雲英の助成金、一億四千何百万円だつたかと思いますが、あれは予算に組んでありますし、予算は通つたことでありますし、実施されるつもりかどうかはつきりお伺いしたいと思います。
○國務大臣(森幸太郎君) 温床折衷苗代は、寒冷地帶の一つの施策として昨年実施いたしたのであります。先般予算委員会においても、寺尾委員から痛切なるこの問題の効果あることをお説きになりまして、是非この事業を継続すべし、増額すべしという御要求があつたのであります。政府といたしましては、單作地帶、殊に寒冷地帶に対する対策といたしましては、特別に考慮を拂わなければならんと存じまして、目下予算の編成に全馬力を注いで、その実現に努力をいたしておるわけであります。
○岡村文四郎君 板野委員の御質問に対する安本長官の御答えを聞きますと、私共が考えて、もう四、五日前から政府に迫つておることを言われておる。我々は日本の食糧の需給計画を見せて貰つて、そうして足らん部分を輸入するということにならなければならないと思つておるわけです。そこで今話を承わりますと、日本の食糧計画は、連合国との合作で計画を立てようとしているとしか思われない。ところが非常に大事な時期であります。今まで増産々々と叫んで参りまして、百姓に相当の馬力をかけさして参りましたが、農家はそんなに言われなくても、一生懸命に一升でも、一斗でも、一俵でも多く取ろうとして努力することは間違いありません。併しながら政府の計画がはつきりいたしませんと、さ迷つてしまつて、そうして今羽生委員の言つたように、どうしてよいか分らん状態になつております。私共今考えますと、日本の食糧事情は非常に緩んで来て、増産とか、或いはそれに伴う施設の、例えば灌漑はしなくてもよいというようなことを考えさせられた。これははつきりした計画がないものだから、予めの計画でもよいというお尋ねをしておりますが、予めの、アウトラインくらいは、これは計画官庁の安本がおられますが、それは單なるアウトラインのみで、これを基礎にして何するのではありませんが、三年や五年先のことでなく、来年の作付けができないということはないと思う。何を一体やつておるかということです。我々は貴重な時間をこうやつて議論をして、大事なことですから本気になつてやつております。それが政府で、来年の收穫をこれだけやらなければならん、作付をこうしなければならん、そうすればやれんということはちつともない。例えば「いも」で言うと、沢山余つた「いも」はどうするかという問題、それは食糧が楽になつておる証拠なんです。これが余つたから作付けするということなら話は分かります。それをしないで、ただ漫然として、何ぼ聞いてものれんに腕押しということを何回やつても同じです。我々は尊敬する立場の人々をその位置に置いて貰つて、そうしてやつて貰つておるにも拘わらず、まるで何を相手にしておるのか分らない。役所にはあんなに人間がおつても、どうして漫然としてこういうことをしておるのか、しても言わんのか。どういうものなのか情なくてしようがない。先程から何ぼ言つても同じことばかり言つておる。それでは仕方がありませんから、何とかしますとか、どうしますとか言いなさい。そうでなければ何度言つても同じことです。到底このままでは解決できません。はつきりした案を立てて来ないで、食糧が自由になつておるとも考えられん。そうかと思えば輸入を懇請しておる。この輸入の懇請は、安本長官がおつしやる通り、日本の需給態勢がこうであるから、足らない分は輸入に仰ぐ、こうでなければならん。ところが安本長官はそうおつしやるか、そうでもなさそうに考えられる。ちつとも分らん。そんなことで我々にこの案を提出して議論をさせるなんていうことじや困ります。はつきりした数字を持つて来て内容を示して、これが日本の食糧態勢である、食糧が足らないからこうするというのでなければ、増産ということは夢にも考えられなくなる。そこで来年はどうか、再来年は思うように輸入が来ん、輸入をして買おうと思つてもうまく行かん。又百姓に無理をさせることは間違いない。百姓はそういうことは絶対に聞きません。こんな行きずりばつたりの計画がどこにあるか。少し考えてやつて貰わなくちやならん。如何に現政府が民自党の大政党のためにちつとやそつと無理がきくと言つてもいかん。もう少し政府らしきものを立ててお示し願います。
○國務大臣(森幸太郎君) 原始産業でありますから、計画通り必らずこれが收穫されるものとは考えられません。併しながら年々歳々の生産額を基準にいたしまして、米麦主食その他の農産物の收量は大体統計の数字に現われて来るのであります。その数字に応対して人口の増加率を考えましてそうして食糧の需給推算を立てる、この従来からの原則は変りません。併しながら日本の気候状態が御承知の通り年々不時の災害に見舞われまして思わざる減收を来し、今年のごときは、実に麦作におきましても、稻作におきましても予想外の減收を来すというような情勢でありますので、当初立てました計画そのものが必らず実現されるとは考えられません。併しこの事情もよく取入れまして、そうしてその不足分に対しましては、海外からの輸入食糧によつてこれを補う、こういうことによつて考えているわけであります。従つて肥料の配給のごとき、或いは又農機具の配給のごとき、この基礎の下にすべてを行なつているわけであります。併し先程も申しました通り、天災地変というものが起つた場合において如何に処すべきかということも亦考慮の中に入れて置かなければならないのでありますから、予備的の準備ということも、アメリカから食糧を貰いながらでも、相当の手持ちということも考慮して行かなければならんと考えているのでありましで、ただ無謀に成行きに任せて、できただけできたんだというようなことは決して考えておりません。五ケ年計画による、五ケ年の平均による收量を大体押えまして、そうしてその増加率を幾らかでもいろいろな施設によつて上げて行くという、この方針を以て食糧の需給推算を立てているわけでありますから、ただ徒らにできただけやつたのだというような気持は毛頭考えておらんことだけは、一つ御了承を願います。
○岡村文四郎君 さつぱり合わんことばかりの御答弁を願つても、何遍お尋ねしても実に不満に堪えない。二十一年、二十二年をどうして来たか、そこで一生懸命に増産し作つて、どうにかして日本の国民を飢えさせずにやつて来ました。やつと昨年あたりから輸入懇請をして、その後は楽になつております。併しながら現在買上げの量を減して、余剰の反別ができることがはつきりしているのに、その計画が立たんということは甚だ怪しからん。それをその代りに何を植えるというなら話は分るが、その計画も立たないで、ただ余剰反別のあることを見逃してそうして取る数量だけ減して置く。我々はまだ三、四年期間がありますが、二度と再びこういうことを言つて貰つては困ります。はつきりした案を立てながら、原始産業であるから定期的に数量が取れるとは考えておりません。不時の災難は止むを得ないことでありますが、併しそのゆとりぐらいは当然考えなければなりません。併しながら現在足らん足らんと言つている口の下に、今年の計画の数量の内容、それから見て日本に一体どういう計画で今そうなつているか。私の言わんとするところは、馬鈴薯の一億五千万貫、それ以上買わなくてもよいという計画です。この反別に何を植えるのか、どうするのか、それを早く示せというのに、一つも示さない。それは計画がないからそうなんだ。何も、面倒じやないと思う。行きずりばつたりをやる気でなければ計画が立つ筈だ。余計な金を入れて入植さして、あれが救済事業でやつているなら結構であります。食糧増産のためにやつているということならば、我我は大いに考えなければならん。何ら必要がない。もう少し真剣に、そうして我々の前に数字を示して、成る程こうなくてはならんという納得の行くことになりませんと、ただのれんに腕押しのような、訳の分らんことを御答弁願つて、それにおいて賛成はできません。貴重な時間にとやかく申上げて甚だ不快でありまするが、これから審議されますが、どうぞ休憩後の御答弁には、はつきりした御答弁を願わんと無駄であります。
○國務大臣(森幸太郎君) 私は一つ岡村さんによく聞いて頂きたいのは、今日まで食糧確保のために農村に無理を強いておつたことは、戰争当時から事実であります。併しその結果といたしまして、全国的に「いも」類の生産が増加して参つたのであります。この「いも」類の増産ということは、農家経営の上に非常な助けをいたしておりますので、今後とも「いも」類の増産は、成るべく減收しないように考えて行きたいと思います。「いも」類というものは、政府が買うから作る、買わないから作らないというものでなしに、農家の経営自体から考えて、「いも」を作ることがいいか、或いは外の作物を作つたらいいか、或いは飼料作物に転換したらいいかということは、農家自体の農業計画によるものであります。従つて若しも明年度「いも」というものを、或る一局部に限定した場合において、今まで政府が買上げてやつて、生産計画であるがために「いも」を作つておつた。併し政府はその限度を縮小いたしたがために、「いも」を作ることが自分の農業経営においては悪い。こういう立場の地方も相当あるように存じます。そういうところに対しましては、転作に対しての十分なる指導をいたして行きたい考えを持つているのであります。「いも」というものは甘藷にいたしましても、政府が買うから作る、買わないから作らんということよりも、むしろその方の農業経営の面から考慮して頂いて、その地方は「いも」を作るよりも、外のいろいろなものが作り得るというならば、それに転作させるような指導も、勿論政府としてはやつて行く方針を持つているのであります。
○岡村文四郎君 そのことが一番大事なんでありまして、「いも」は非常に増産をされます。これは食糧不足のために大いに奨励した関係もありますが、今俄かに「いも」はそう要らん、こういうことになりましても、その処理は相当の設備がなければできんのでありますが、昨日でありましたか、農林大臣は、十八万貫ぐらいの需要があるという話をされております。それはあると考えますが、その需要があるなら、何も懇請をしなくても、日本の力で、日本のもので国民を養うことができなくてはならんと思います。今輸入する食糧が、貰うのだか借りるのだか分らんようなことになつているという話を聞きましたが、貰つた方がいいから、政策上そうするというなら別であります。そうでなければ、もう少し今大臣のおつしやるように、他に自由に転換するというなら違いますが、そうでなくて、政府が指導してやるという考えなら……それをお聞きしている。それが分らん。考えておつては駄目だ、こういうように指導するというのでなければ駄目だと思います。
○國務大臣(森幸太郎君) これは予算委員会でお答えしたと思いますが、岡村さんも聞いて下すつたと思いますが、「いも」は十八万貫ぐらいのものは、食糧を併せまして利用の途があるのであります。北海道には日本一という加工設備があります。今日までの加工設備はばらばらになつて統制を欠いているのであります。政府は一応それを買上げまして、政府が原料を廻すという形式で今日までルートを持つておりましたから、今ここで政府が若し工業原料等に手を付けないということになりますならば、生産地とその工業設備との連絡を考えなければならんのであります。丁度協同組合等の力によりまして「いも」の集荷ということを考えて頂いて、そうしてその集荷された「いも」を協同組合等の力によつて、これを統制をいたしまして、工業設備にこれを利用し、更に第三次の利用までこれを連絡さす、今その方面において研究を進めているわけであります。又転作につきましても、種苗等につきましても、できるだけの指導をいたしまして、そうして農家の経営転換に対して迷惑のかからないように指導いたして行きたい、かような考えを以て進めているのであります。
○委員長(楠見義男君) 十八時四十分まで休憩いたします。
   午後五時三十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後七時十一分開会
○委員長(楠見義男君) それでは休憩前に引続いて委員会を開会いたします。
 尚、この際御報告申上げますが、先程総理大臣の御出席の要求がありましたけれども、総理大臣は風邪のために出席困難であるという通知がございましたので、右御披露申上げて置きます。
○岡村文四郎君 委員長に僕の提案をいたしたいことがありますが、お互いに聞いておつても、さつぱり何とも言えんような答弁やら、わけの分らん答弁は駄目ですから、急速に資料を提出して貰いたいと思います。それによつて審議をして頂きたいと思います。
○委員長(楠見義男君) 伺いますが、その資料の提出というのは、どういう資料ですか。
○岡村文四郎君 二十五年度からの形式需給計画、それから農村の恐慌は来んというその来ん資料。
○委員長(楠見義男君) それは一応口頭でお聞き願つてから……
○岡村文四郎君 口頭は駄目なんです。何ぼ聞いても分らん。
○委員長(楠見義男君) 一応伺つて見て下さい。
○板野勝次君 それでは先ず第一に、農村の物価とそれから都市の物価に対するシェーレ差はあるのかないのか、シェーレ差があるとするならば、そのシェーレ差はどういうふうになつているかということを官房長に一つ説明して頂きたいと思います。
○政府委員(平川守君) シェーレの問題につきましては、数字的にこれを掴むことはなかなか困難でありますが、終戰直後比較的農産物の価格が高くなりましたのが、近年に至りまして比較的その他の鉱工産物に比して下つておる。こういうことが言えると思うのであります。これは農林省の調べでございますが、現在までのところ、例えば農村における闇物価につきまして鉱工産物、農家の用品のような肥料でありますとか、或いは地下足袋、農機具、そういつたようなものを調べますと、大体において本年になつてから下落の傾向に入つております。極くあらつぽい推定でありますが、二十三年の四月を一OOといたしまして、本年八月の比率を見ますと、大体それらの十一品目ぐらいを捉まえまして調べたのでありますが、一一一・五というような数が出ております。これはそれらの品目をただ單に算出平均したものである。それからそれに対しまして農産物の価格の方は、昨年頃から物によりましては下り始めておりまして、二十三年の四月、同じ時間を一〇〇といたしまして、同様に米麦、芋類、野菜類というようなもの、或いは鶏卵等の畜産物まで入れまして、平均をいたして見ますと一〇五・三%という数字が出ております。もとよりこれらのものにつきましては、いろいろやり方によりまして、数字がいろいろな出方があろうかと思いますけれども、大体のところはそういつたようなところであろうというふうに考えております。
 それから尚これも御参考まででありますが、東京における消費者の消費物資の指数を推算して見たのでありますが、これによりますと、これは二十三年の年間平均一〇〇といたしまして計算をいたしたのであります。本年初めには一三二・四でございましたが、それが八月には一三〇・五まで下つておるというのが全体の、平均でございまして、それに対しまして農産物である主食だけについて、これと同様のことをやつて見ますというと、一月には一三・八でありました。それが六月頃まではやや上つて参りましたが、七、八月に下落いたしまして、八月には一〇三%まで下つて参つた。六月には一時一三二というところまで上つております。これも一つのそういつた目的に使い得る一つの推算であろうかと思います。
○板野勝次君 これはいずれも闇物価についてですね。
○政府委員(平川守君) この東京における消費者価格の方は、これは闇と公定とを実効価格で出しております。両方を購入の度合で除しまして算出しております。
○板野勝次君 農産物についてはこれは全国の闇物価ですか、実効価格についてやられたものですか。同時にもう一つ聞いて置きますが、これは基準年度から見てどうなつておるか。
○政府委員(平川守君) 只今基準年度との比率をちよつと数字を持つておりませんが、只今申上げました東京の方は、これは消費者の購入する数量に応じまして、公定価格のものは公定価格の比重、闇のものは闇の比重を入れたものであります。両方へ入れたものであります。それから農村の方の分は闇だけをとつたものであります。
○板野勝次君 それではやはりこのシェーレ差は多少とも停滞して来たけれども、依然としてシェーレ差はでき、依然として解済していない。例えば昨年から今年にかけて見てみると、そういうふうに理解していいわけですか。
○政府委員(平川守君) 若干のここに現われておりますような数字そのままを使うことはとにかくといたしまして、傾向としてはそう考えております。
○板野勝次君 傾向としてですから、従つてこれを例えばマル公の部面について、農業に必要な品物と、農産物についてのシェーレ差はあると見ていいわけですか、細かい見当は。

○政府委員(平川守君) つまり実効価格には両方入つておるのでありますから、両方を考慮に入れて、そういうことになると考えております。
○板野勝次君 それでは次にこの農村の金融の状態について伺います。……それではちよつと分りにくいですが、農家の預金の状態です。
○政府委員(平川守君) 農家の預金と申しましても、実は農家がいろいろな方面に実際預金いたしますので、なかなか捉まえにくいのでありますが、まあ試みに代表的なものとして協同組合に対する預金というものを見ますというと、これは相当に増加いたしております。最近の方は、余り新らしいのが出ておりませんから、二十三年の九月のを見ますと、全国の市町村農業協同組合の受けております貯金が四百七十八億程度でございます。これに対しまして、二十四年の九月の現在におきましては、これが九百七十七億に増加をいたしております。そういう状況でありまして、金額といたしましてはやはり預金は増加をいたしております。
○小川久義君 委員長ちよつと……
○委員長(楠見義男君) 金融に関連してですか……板野さんはいいですか。
○板野勝次君 まあいいです。又……
○小川久義君 緊急に御質問をしたいと思つて……。委員長に御質問したいのですが、この議事進行に重大な関連があると思います。
 先般の国会の再延長をするかしないかという際の常任委員長と議院運営委員会との懇談会において、委員長としての発言は基本法が来ない以上は審議未了になると思うという御発言があつたと思います。事重大なときでありますが、会期を延ばすか延ばさんかというときの御発言だつたと思います。只今お聞きしますと、緑風会の議員総会におかれまして、いろいろの話の結果、委員長はこの法案は通すべきであるという断定をお下しになつたということをお聞きしましたのですが、この点に対しまして御意見をお聞きしたいと思います。
○委員長(楠見義男君) 御質問がありましたからお答えいたしますが、私は個人的の意見を緑風会の議員総会において述べたのでありますが、その前に会期延長を議する際の委員長としての申しました趣旨は、この法律は参議院としては前国会において食糧増産確保基本法案をつつかい棒として可決した法案であるから、そのつつかい棒である基本法が本院に回付されないというときは参議院がこの前可決した趣旨から言つても困難であろう。そこで、併しこの法律はスキヤッピンに基く法律であるから、私としては国会の本会議であろうと委員会議であろうと否決すべき筋合のものではない。従つて次善の策としては審議未了を適当とする。こういう意味のことを申したのであります。それから本日の緑風会の議員総会で申しましたことは、農林関係の議員としての立場から言えばこの法律は惡法である。従つて到底呑めない法律であるけれども、その法律という立場を離れて別の立場から見れば、即ちスキヤッピンに対して違反の意思を表明するか、或いは賛成の意思を表明するかということになれば、私はこれは賛成の意を表明すべきものである。こういう趣旨を申したのであります。
○小川久義君 只今のお言葉で了解しましたが、委員会の運営に当りまして、緑風会でお述べになつたような私心をお挾みになるかならんか。その点をはつきりして置きたいと思います。
○委員長(楠見義男君) 申上げますが、委員長は各委員の御協力によつてこの委員会を円満に運営したいと思つておのでありまして、その間何らの私心は挾むつもりはありませんし、今まで挾んだことはございません。(「名答弁だな」「了承した」と呼ぶ者あり)ちよつと申上げますが、本会議で道路運送法の一部を改正する法律案及び食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案がかかつておりまして、これにつきましては記名投票をいたすことになり、運営委員会の小委員会ではこの案件を採決するの必要上、各委員会はすべてその審議を一時休止するようにとの結論に達した旨の報告を得ましたので、暫時休憩をいたします。従つて各議員は本会議にお入り頂きたいと思います。そうしてこの二件の記名投票が終りますれば、再びお帰りになつて審議を続行して頂きたいと存じます。暫時休憩いたします。
   午後七時二十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後八時三十一分開会
○委員長(楠見義男君) 休憩前に引続いて委員会を再開いたします。
○岡田宗司君 私は再度に亘りまして、吉田首相が本委員会に出席せられることを要求したのであります。未だお見えになりませんが、私は今度は憲法第六十三條に基きまして、吉田内閣総理大臣の御出席を要求いたします。憲法第六十三條には「内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかわらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」こう書いてあるのであります。私はこの條項に基きまして吉田内閣総理大臣の出席を要求いたします。
○委員長(楠見義男君) 或いは岡田さん先程お席に見えないときに私御報告したのでお耳に達しておらんかと思いますが、岡田さん及び板野さんから総理大臣の出席御要求がありまして、委員長が直ちにその御要求について総理大臣の出席を求めましたところ、総理大臣の祕書官の方から、総理大臣は病気のために出席しかねる、こういうような御返事がございました旨を御報告申上げた次第であります。重ねて御報告申上げて置きます。
○板野勝次君 それでは休憩前に引続いて質問を続行さして頂きたいと思います。先程官房長は預金の状態について言われましたけれども、この九百七十七億という数字が出たのには、当時の組合関係首切り等があつて、その首切りの退職手当を支拂うというふうなための用意がこの中に含まれているように考えられますが、そういう事実があつたかどうか。或いは又漠然と二十四年の九月を見ておられるのか……
○岡田宗司君 板野君は僕のについでやるのかと思つたから、僕は板野君に何したのですが、官房長官……
○板野勝次君 今官房長官は呼んでいます。それは要求しています。
○委員長(楠見義男君) 今お話になりました官房長官の出席要求は直ちにいたしております。
○岡村文四郎君 委員長は勝手にそういう答弁をしないで……。そうなれば診断書を持つて来てはつきりして置かなければ、片一方は憲法を引いてやつているのですから、そんなことじや駄目だ。診断書を直ぐ出して貰いたい。
○板野勝次君 今の岡田委員が憲法論をやられたのは、これは当然だと思います。前の国会の最終末の五月の二十三日における参議院の混乱の根本をなしたのは総理大臣が出席しなかつたという点にあつた。而も当時の参議院当局と内閣の方の通知の食違いがあつて、参議院の当局は事情が分らないと言い、そうして内閣の方では副総理が来て、少々風邪引きであるという答弁であつたと思う。当時私は数時間に亘つて議院運営委員会で要求いたしましたことは、総理大臣が風邪を引いておるというのならば、果してどの程度の熱があるのか、風邪にも程度があるから、その事態を明らかにして貰いたい。従つて岡村委員も御要求されておりますごとく、本当に総理が風邪引きで出て来られない状態にあるのか、それとももう大磯に帰つて、再び出て来るのが大儀だから風邪引きであると、こういうのか、その事態をやはり明らかにして貰う必要があると思うのです。若しも明らかにする必要がなければ、勝手に仮病を使つて職場を離脱することができるならば、只今岡田委員が指摘しました憲法論の必要がなくなつて来る。その事態を是非明らかにして頂きたいと思います。
○委員長(楠見義男君) 承知いたしました。早速その手配をいたします。
○政府委員(平川守君) 首切りのためというようなことについては実ははつきりいたしませんので、その事情はよく分りませんが、大体の傾向といたしまして、昨年の九月に四百七十八億程ありましたが、逐次これは供米その他の関税と思いますが、十月、十一月と預金高が上つて参りまして、本年の一月には千百億まで上りましたわけであります。それが春先になつて又減じて参りまして、五月に最低を示しまして八百九十二億まで下りました。それが又逐次上昇いたしまして、九百七十億まで参つておるのでありまして、これは例えば八月におきまして九百五十億。七月に九百四十億というような状況でありまして、九月には特殊のそういう事情は考えられないのではないかというふうに考えております。
○板野勝次君 これは二十三年と二十四年ですが、二十一年からのがお分りになれば、二十一年からのをずつと計数を一応お示しを願いたいと思います。
○政府委員(平川守君) 只今ちよつとその資料を手許に持ち合せませんのでございますが……
○板野勝次君 それでは私から……、これは日銀の調査かと思うのでありますが、全国金融機関の預金残高調べによりますと、全国の銀行、郵便貯金、市町村農業会、県農業会、というようなものの残高が出ておるのでありますが、その場合における二十一年、二十二年、二十三年とそのパーセンテージは漸次減退して来ておるのでありまして、二十一年末における農業会の全体に占めておる比率は二一・二、ところが二十二年の末には一七・四、二十三年には一二・九、こういうふうに全体に占めて行つている比率というものが変つて来ておるわけなので、大体のこの残高の占めている比率というものが、漸減の方向にあると思うのであります。従つて農家の預金の状態を知り得るためにはインフレの関係もありますから、他のものとの比例においてどういう事態が出て来ておるかということでないと、ただ預金の額が幾ら数字の上でだけ上つて来たということと、実質的に低下しておるかどうかということは、只今までの官房長の説明によつては知ることできないと思います。従つて金融機関の預金残高における比率がどのようになつて来ておるかということが農村の預金状況を知る上に必要なのだと思うのであります。そういう傾向について何かお調べならば、更にお示しして頂きたいと思います。分らねば分らんでもいいです。
○政府委員(平川守君) 只今直ぐその正確な数字の資料をちよつと見出しにくいのですが、全体の金融機関の中において協同組合の預金の残高の比率が最近において若干下つておるという数字を見たことはございます。ただそれは他の方が非常に上つておるのに対して、協同組合の方がその程度に上らないという傾向は確かにあつたと思いま。
○板野勝次君 それでは農業手形の状態がどういうふうになつておるか……
○政府委員(平川守君) 農業手形につきましては、昨年度は創設早々でもありました関係で、比較的地方が限定されておつた関係もあるかと思いますが、大体二十四億円程度の発行を見ました。本年度におきましては最高百四十九億まで発行をいたしました。当初の予定においては大体八十億見当じやなかろうかと思つておりましたが、全国的にこれが利用を見まして、百四十九億まで発行されました。
○板野勝次君 そうしますと、昨年はまだ利用状況が分らなかつたというために二十四億だつたということですが、本年百四十九億まで発行されて来たということは、この現象自体は農村が金詰りのために農業手形がこのように出て来た、こういうふうに理解すべきでありますか。それとも他の事情によつてこのような農業手形の額に上つて来たのか、その点に対する見解を伺いたい。
○政府委員(平川守君) 先程申上げましたように、昨年は地域が大体東北、北海道方面、北陸方面に比較的限定されておりまして、本年はこれが全国的に及んでおりますことと、同時にやはり農村の方の金融も詰つておるという両方の理由が重なつておると思います。
○板野勝次君 それでは、その重点はやはり飽くまで農村金融が逼迫して来ておるというところに置くべきじやないでしようか。
○政府委員(平川守君) ちよつと計算して見ますと分りますが、昨年主として利用いたしました北海道、東北方面におきまして、本年の利用状況が大体七十億くらいを北海道、東北だけで概数そのくらいの金額を出しております。これも東北、北海道と雖も、やはり去年はその利用が大体十七億円でございましたから、それが本年は只今申しましたように六、七十億の見当に上つておる、これは東北、北海道方面における金詰りと見てもいいかと思うのであります。その外の部面は昨年比較的利用の少なかつた方面が新たに利用されておるということでありまして、いずれが重点かということはちよつと申しかねますが、本年の百四十九億という金はそういう状況に分布されておるわけであります。
○委員長(楠見義男君) ちよつと途中で恐縮でありますが、先程岡田さんからの御提案になりました憲法第六十三條の規定は、本会議のことを規定いたしておるのであつて委員会における場合は国会法の第七十一條に基くものであります。併し第七十一條は「委員会は、議長を経由して国務大臣及び政府委員の出席を求めることができる。」この規定によつて処理せられたい旨の報告に接しましたので、この際お諮りいたしますが、次のようなことをこの委員会で御決定願いまして、議長に対して適当な措置をとりたいと存ずるのであります。そのお諮りいたしますことは、国会法第七十一條の規定により農林委員会は食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案審議の必要上、内閣総理大臣の出席を求める、議長において至急然るべく措置をとられたい、尚事故あるときはその理由を明らかにせられたいということで、委員長から議長宛に要求いたしたら如何かと思いますが……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(楠見義男君) 御異議ないようでございますから、只今申上げましたことで至急に手続をとることにいたします。
○板野勝次君 そうしますと、もう一遍重ねてですが、昨年は二十四億の利用状況の多くは東北、北海道方面ですから、單作地帶の窮乏と見るべきであろう、こういうふうに理解されたのであります。ところが本年度はその東北、北海道方面が七十億であつて、後の残りが他に亘つて来たということは、昨年の場合におきましても主として北海道、東北であつたのが、今度は他の地域にも波及して来たというふうな事実で明らかに農村の金詰りではなかろうかと思う。岡山県におきましては……私はこの夏参りましたが、北陸における單作地帶においても農業手形が本年利用され始めて来ましたけれども、岡山県における一部地帶、殊に果樹地帶等におきましても、これは非常に相当な大きい数字の農業手形の利用が行われて来ておるというふうなことは、明らかに農村の金詰りということを示しておるように思われるのですが、その点そう理解していいかどうか、再度一つ。
○政府委員(平川守君) その金詰りは全体的にドッジラインの線に沿いまして、全体として金融が圧縮をせられました点から出ておると思うのでありますが、特に手形につきましては、只今申しましたような、従来その利用を知らなかつたところが新たにその利用を知つて、昨年度は利用しなかつた地方も新たに利用したこともあろうかと存じますが、併し同時にそういう全体的状態でございますから、やはり金ずまりの現象というものがこれの利用に大きな役割をなしておるところはあると思います。
○板野勝次君 それでは本年度の農業の手形の大体発行の限度と申しますか、枠はどの程度ですか。
○政府委員(平川守君) 農業手形自身については枠というものは実はございませんので、これは肥料、農機具、農薬に対する資金でありますれば、これに対して貸出しをするということになつておるのでありまして、当初の見込といたしましては、大体肥料、農機具、農薬で三百五十億ぐらいの資金が必要であろう、その中いろいろの手段で資金繰りをいたしますから、農手といたしましては、八十億くらいであろうという推定をいたしておりましたが、併しそれは單なる推定でございまして、必要があれば三百五十億の肥料、農機具、農薬に対する資金につきましては、農手は割引きをする、こういう体制になつておるわけであります。
○板野勝次君 それでは、この最初八十億と推定されたという点から見ますると、やはり予想以上に農村の金融が、政府の最初の計画より予想以上に金詰りになつて来た、こういうことが百四十九億と八十億との差によつて知ることができると思うのですが、その点、どうなのでしよう。
○政府委員(平川守君) 実はその八十億と申しますものは、前年度の利用率等から考えまして一応推定したものでございまして、非常に確たる根拠のあつたわけではございません。前年度の各資金繰りの状況から類推をいたしまして、全体として三百五十億あれば、その中八十億くらいは農手で行くだろうと、かように考えたわけであります。それはそういう確たる根拠のあるものではなかつたのであります。
○板野勝次君 そういうふうな粗雑なことをおやりになつておられますから、農業関係のいろいろな面についても、農業が圧迫されて来るというふうなことになると思うのであります。農林省は少くとも確乎たる基礎の上に立つて、農業の金融対策というものはこの程度に立つべきだという確信をお持ちになる必要があると思うのです。そこでこの金融面について、続いて我我の心配しておりますことは、農業に対する財政投資が減少の傾向にあるということです。この農業関係企業費の逓減して行つておるという状態について、これ又できれば二十一年から本年度にかけこの農業関係の企業費がどういうふうな比率になつて来たか、こういうことをお示し願いたいと思います。
○政府委員(平川守君) 財政の、予算の……
○板野勝次君 え、予算関係です。
○政府委員(平川守君) ちよつと資料を探しますから……
○板野勝次君 只今の数字については、安本長官も数字の計算をする、公共事業費についてするように言つておられたのですが、これを一つ附足して置いて頂きたいこと。
 次に、今度は澱粉の輸入の問題について一応お尋ねして置きたい。輸入澱粉の大体輸入予定数量というものがあれば承つて置きたいのです。
○政府委員(平川守君) 公共事業費の推移でございますが、ちよつと今比率を出しでおりませんが、絶対額で申上げますと、昭和二十一年が農業関係の公共事業費三十億であります。億以下は略します。二十二年が五十一億、二十三年が百十七億、二十四年が九十九億、こういう数字になつております。
○板野勝次君 それでは、その額とですね、公共事業費の総額との関係を後からでもいいのですが……
○政府委員(平川守君) 昭和二十一年の公共事業費総額は七十八億でありまして、そのうち農業関係三十億であります二十二年は百四十七億のうち五十一億であります。二十三年は四百九十五億のうち百十七億、二十四年は五十八億のうち九十九億であります。パーセンテージを出しますと、二十一年が三八%、二十二年が三五%、二十三年が二三%、二十四年が一九%端数がございます。
○板野勝次君 そうしますと、只今の比率から見ますると、農業関係の比重が、他の公共事業費に比較して逓減しつつある。農業に対する政府の施策が圧迫する傾向にある、こういうふうに見て差支えないものでしようか。
○政府委員(平川守君) 公共事業費全体の中における比率は、只今申しましたように比率から見ますと減つております。これはどう判断してよろしいものか、つまりいろいろ災害がありまして、河川等に対する工事費が非常に嵩んで来る、全体として金額が非常に大きくなりましてその中におきまして農業関係の公共事業費は比較的それと同じ率を以て上つておらない、こういう実情であろうと思います。数字としてはこういうことでありますから、その全体の比率において、中において農業が圧迫されたというふうに考えまするか、或いは河川等の費用が非常に嵩んでおるというふうに考えてよろしいか、そこは問題があると思います。
○板野勝次君 併しこの点は、やはり私は飽くまで事実について言いたい、というのは、今官房長に頻りにいろいろなことを聞いておりますのは、農林大臣が事実の上において農家経済というものが窮乏していないということを言つているので、その事実の上で私達は窮乏しつつあるかどうかということを見て行きたいというこの真剣な気持から聞いておるので、しつこいようでありますけれども、最近の農地の頽廃面積というものが常に復旧面積よりも上廻つて来ておる、こういう傾向にあると思うのですが、それと他との関係においていずれもつまり崩壊して行く状態の方が復旧して行く状態よりも多い、併しその場合において農業が占めて行く回復率と他のものの回復率との相違というものによつて、農業に重点、保護しておるか、保護していないかということが大切だと思うのです。そういう点に対してはどうでしよう。
○政府委員(平川守君) 耕地の関係の詳細の数字を只今持合せておりませんので、明確に数字的に申上げることが困難ですが、ただ極めて抽象的な話になりますが、最近災害等がありますために、河川の方に重点を置かれておるということは事実あるわけであります。それからただ昨年度におきましては、いわゆるドッジ・ラインの予算の編成でありまして、その際に農業関係の公共事業のうちで比較的個人の行いますような零細なものについては資金の方で行けというような考え方で、若干公共事業費の補助金が減額をされたということは申上げて置きます。
○板野勝次君 次に農家経済の收支の変化、そういうものについて農家生計等について政府は集計されておると思うのですが、その農家生計費の推移、やはり二十一年から今までお分りになればお知らせ願いたい。
○政府委員(平川守君) 農家経済調査が実は非常に集計が遅れるのでありまして、二十四年度の分はまだ纏つておりませんのであります。ここに手許に二十一年度、二十三年の概略の数字を付合せておりますので、それを一つ御報告いたします。二十一年の農家経済調査の平均的な農家收入は三万二千七百余円でございます。それに対しまして経営費が五千九百円、租税公課が千円、家計費が二万円、支出合計二万七千八百円、端数を略しております。結局農家の余剩といたしましては、四千九百円出ております。それから昭和二十三年におきましては、農家收入が十五万四千四百円、経営費が二万五千円、租税公課が一万七千二百円、家計費が十万九千九百円、支出合計いたしまして十五万二千二百円、結局差引余剩二千百円強であります。そういう数字が出ておるのでありますが、これは大体において一町二反程の経営規模の農家を取つております関係上、零細農家はこれよりも惡い。又東北、北海道方面におきましては、この程度の農家でも、一町乃至二町くらいの経営で赤字が出るというような状況のようでございます。
○板野勝次君 従つて先程の預金の状態につきましても、これから裏付けられるのには、農家が窮乏の状態にあるということは、只今の平均一町歩ですか。
○政府委員(平川守君) 一町二反です。
○板野勝次君 一町二反というんですから、それ以下の零細農家は非常に窮乏して来ておると、こういうことになるのじやないでしようか。
○政府委員(平川守君) 只今申しましたのは、そういう可なりの程度の農家でありますから、従つてそれ以下の零細農家においては非常にこれ以上に非常に苦しいということはもう明らかであります。
○板野勝次君 従つて政府は收穫高を抑える場合には作報によるより外ないということであります。同時に農家が窮乏しておる現在を知るためには只今御発表になりました農家生計費の調査というものから見て窮乏を抑えて行くと、見て行くというより外ないと思うのですが、その点はどうでしようか。
○政府委員(平川守君) 一応農家の経済の指標といたしまして、これは比較的全国から見ますと少数の農家ではございますけれども、一応まとまつた調査といたしましては、これを頼りにいたす外ないと思うのです。
○板野勝次君 それではそのことは明らかになりましたが、今度は官房長でなくて、先程甘藷の作付面積を推移についてお伺いしておつたのですがこの資料ができておればちよつとお知らせ願いたいと思います。
○岡田宗司君 農林大臣はまだ遅れますか。
○委員長(楠見義男君) 農林大臣は今大蔵委員会で薪炭の方で質疑をしていますから、それが済みましたらこつちへ参りますから……
○説明員(藤田巖君) お答えを申上げます。甘藷の作付面積の変化でございますが、大体昭和九年から二十四年までの表で見ますると、昭和九年は大体甘藷は二十六万町歩でありましたのが昭和十六年くらいから三十一万町歩くらいになりまして、昭和二十四年では四十一万町歩と、かような数字になつておりまして、毎年作付面積は増加をいたしております。
○板野勝次君 そうすると、私が第一にお尋ねしました点は、芋の戦時作付統制はいつから始まつたかということであります。その当時における作付面積を尋ねておるわけです。
○説明員(藤田巖君) この芋につきましての法規に基く作付統制と申しますか、生産割当、この制度は食確法によ、つて初めて法制化されたのでありまして、それ以前には法規に基くところの統制はございませんわけであります。ただ昭和十二年でありましたか、この作付統制令が出ましたときには、これは積極的にこの種の作物は幾ら作れということでなくて、この種の作物の作付を制限する、或いは禁止すると、こういうふうに制限作物及び禁止作物についての規定であつたのでありまして、その後昭和十六年から芋類統制会社、芋に関する統制会社ができ、芋は一手に会社に納め、会社に対して売り渡さなければならないと、かように相成りました。その後十八年から政府買上げというふうなことに相成りまして、生産に関する作付の面積の問題は、先程申しましたように食確法によつて初めて法制的な裏付をされたと、かような経緯で進んでいるわけであります。従いまして昭和十六年の芋の配給統制と申しますか、政府買上げの始まりました年度におきましては、先程申しました三十一万町歩であります。で食確法に基く生産の割当は本年以後からこれが始まつているわけであります。
○板野勝次君 そうしますと昭和九年から十六年の間に約五万町歩程殖えているんですが、どういう関係からこの五万町歩殖えて来たように思われるのですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) その当時の状況ははつきりはいたしませんけれども、私の観測でありますが、日華事変が始まりまして、食糧の欠配が漸次濃厚になつて参りましたので、それに応じて甘藷の作付面積が殖えたのではないかと想像しております。
○板野勝次君 それでは政府が食確法によつて、統制は別といたしまして漸次作付統制から芋の統制会社ができて来た。結局政府がどの法律であれ、一定の作付の統制をし、或いは食確法によるなり、その政府のやり方によつて殖えた面積、つまり政府が責任を感じなければならないであろう面積というものはこれはどのくらいですか。
○説明員(藤田巖君) その問題は数字的にこれを算出することは非常に困難かと存じております。只今食糧庁長官からもお話がありましたように、太平洋戰争に入りましてから、食糧増産が非常に叫ばれまして、食糧の作付に重点が置かれましたことと、一つは例えば桑でありますとか、ああいうふうな輸出に向けられる作物につきまして、輸出が杜絶をされるというふうなことからいたしまして、そういうふうなものが漸次食糧作物に転換をして来た。而も芋につきましてはこれは相当増産に対する積極的な指導もあり、又農家経営から申しましても、何と申しますか、反当收量の大きい相当有利な作物であります関係上それが進んで来たのであります。従いましてその当時から約十万町歩程度はこれが殖えているわけでありますけれども、これはすべて国が統制をした結果ということでなく、おのずと有利な作物に転向をいたしました部分もあるわけであります。正確には計算できないかと思いますが、最近に至りまして、非常に生産割当が嚴しくなつた結果、無理にでも作らなければならない、こういうふうな地帶も若干あることであろうと思います。かように考えております。
○板野勝次君 従つて大体今おつしやつた二十四年の四十一万町歩から十六年の三十一万町歩、差し引十万町歩は政府の政策、いろいろな政策から割出されて来た傾向であつて、若しこれが戰争状態にならなかつたならば二十六万町歩乃至三十一万町歩の間を往来しておつたということが見られるのでありましようが、政府の責任において戰争がなされた、その結果としていろいろな経済状態の減少に変動を来たした。そのために戰時中、戰後を通じまして、十万町歩の増反を見るに至つたということならば、結論としては政府がやはりこの殖えて来た十万町歩に対しては責任があると、こういうことになるのではないでしようか。
○説明員(藤田巖君) 先程申しましたように、食糧増産の必要性、或いは転出状況の変化、こういうふうなことから転換をいたしましたものもございますし、農家経営の面からいたしまして、やはり甘藷を作りますことが有利であるというふうなことから、これは戰争には全然関係なくそういうふうな面から芋に作付転換をいたしました場所もあるわけであります。従つてその全部が必ずしもこれは戰争遂行に伴う政府の施策による責任だと、これは断言できなかろうと考えております。
○板野勝次君 併しとにかく戰争状態に入つて来たということによる経済界の変動であつて、そのためにとにかく直接、間接そういう方面に推移して行つたという事実は先程も言いましたように、戰争がなかつたならば、そういうことにつきまして、政府としての責任というものは勿論私はあるように思う。殊に農林省といたしましては、農家に対して、経済知識の乏しい農家に対して作付の転換、芋の増産奨励、更に品種等につきましても増産品種を選ぶというように積極的に指導をされた、少くとも農民の上に立つて農民を引きずつて行つたという責任は農林省としては飽くまで負われるのが当然じやないかと思うのですが、その点はどうなんですか。
○説明員(藤田巖君) これは農林省の責任と申しますか、国全体があの当時戰争遂行のために全力を捧げておる、そのための食糧増産の一つとしてこれが取り上げられた次第でありまして、私は従つてこの芋の増産がこういうように伸びて来ましたことについては、こういうふうな政府の方針のあつたことはこれは認めるわけであります。ただ併しながら芋というものは、御承知の通り日本の農業においてはこれは非常に農業経営上の切り離せないところの作物であります。従つて戰争の遂行されると否とに拘らず日本のこの有利な芋の生産については、恐らく戦争がなくても芋の増産についてはその当時の農林省として大いに指導したことであろうと考えるのであります。
○板野勝次君 従つて今度は政府の芋の統制緩和というふうな問題についても十分農林省として責任ある作付の転換指導、保護助成というものが必要だと思うのです。ところが先月の二十八日の閣議の決定による二十五年産の芋類の政府買入継続に関する件と、それから芋類の統制緩和後における生産確保及び流通対策要綱というものが出て来ておると思うのでありますが、これについては政府が責任あるやり方をとつておられるようには見えないのでありまして、この二十五年度の芋類の政府買入継続に関する方針について、並びに流通対策要綱等について、もう少しそれを基本にして納得のいく芋類統制緩和に伴う積極的な施策というものを具体的に御説明願いたいと思います。
○説明員(藤田巖君) 先程も申上げましたように、芋は日本の農家経営上極めて重要な割合を占めるところの作物であります。殊に澱粉原料として日本の農作物に求める場合のその最も重要なものであるのであります。さような意味からいたしましても、又国内の食糎需給の確立というふうな見地からいたしましても、これは統制の方式をどう取るかということは別といたしまして、やはり我々といたしましては、大いにこれが生産が確保されるようにいたさなければならんと思つておるわけであります。従つて統制方式を緩和し、或いは改善する場合に当りましては、農家経営の面も考え、相当愼重な対策でやらなければならんと思うわけでありまして、我々といたしましては、芋というものは先程も大臣のお話がございましたように、統制が緩和されましても、普及或いはその加工等のことに対する研究を進め、尚各種の設備を設けて、更に流通機構についての完全な一連の施策を講じますならば、現在の生産数量を減じなくともこれは十分に役に立つものであろうというふうに考えております。従つて我々といたしましての現在の構想は、一定数量の食糧の芋はこれをやはり継続して買上げる。それからそれ以外の工業用原料につきましては、これはむしろ政府買上はいたさないのでありますが、協同組合を通じまして製造業者、例えばアルコール製造業者でありますとか、或いは酒の関係の製造業者でありますとか、或いは澱粉関係の製造業者でありますとか、そういうふうな製造業者との間の連繋を緊密にいたしまして、これを遺憾なく流通するような組織を作る。それからもう一つは先程申上げましたように加工の問題、或いは貯蔵という政策についても資金的な斡旋をする、或いは又必要に応じて予算的な助成も講じて参りたい。尚従来は、先程ちよつとこれも申しましたように、相当無理をして作つておる所もあるわけであります。かように無理をして作つておるようなものについては、これを他の作物に転換せしめるということも必要であろうと思います。さような意味におきまして、農家の希望がありますようなものにつきましては、例えば甘藷につきましては陸稻でありますとか、或いは大豆、落花生「とうもろこし」、苧麻、除虫菊等であります。又馬鈴薯につきましても内地にありましては菜種、紫雲英、蔬菜類、或いは北海道におきましては大豆その他豆類、除虫菊、薄荷、亜麻等、こういうふうな作物に転換をせしめるものもあろうかと思つております。これについても積極的な助成をいたして行きたいと思います。それから尚畑地灌漑の問題を解決することによりまして、陸稻その他の作物に転換せしめることも可能であろうかと思つておるわけであります。尚馬鈴薯につきましては、水田裏作によつて作つておりますようなものにつきましては、これは非常に無理をして作つておりますから、こういうふうなものは止めて行くというふうなことが適当であろうと思うのであります。そういうようにやりますと、外に尚芋につきましても、従来のただ單に増産ができるというふうな芋だけでなく、優良品種の、つまり澱粉価の高い芋類等の優良品種にこれを転換せしめるということが必要でございます。そういうふうな種子の斡旋その他についても努力をして参りたい。かような構想を持ちまして、生産、流通、貯蔵、加工、或いはこれに関するいろいろの試験研究等、各種の事項に亘りまして、この一連の対策を立てまして転換に備えたいというふうに考えております。
○板野勝次君 只今のご説明は極めて抽象的なので、今度のように重要な食糧事情の転換に基いて政府が食確法を改正する際に、今のような説明を日本の全農家が聞いて果たして得心が行くだろうか。今まで政府にいつもいつも騙されて来ている農民としては、もう少し具体的な事実をよく示して、そうして不安のないような処置がとられるべきだろうと思います。ところが今農林大臣が見えておりませんから、尚農政局長から承つて置きたい点は、来年度甘藷約四億万貫、馬鈴薯約一億五千万貫、この程度の買入数量である。そうすると果してその食確法に基く事前割当による農業計画としてどの程度のものがどのように主に全国的に配置されて行くか、一億五千万貫というふうになつて行くか、こういうことが必要だと思います。当局におきましてもその農業計画かすでに決つていなければ、こういうふうな買入予定数量というものはできる筈がないと思います。その農業計画についてお示しして頂きたい。
○説明員(藤田巖君) 二十五年産の甘藷及び馬鈴薯につきまして、御指摘の甘藷四億万貫、馬鈴薯一億五千万貰、これは総合配給用といたしまして、食糧の現在の基準でございます二合七勺、この配給基準を確保いたすために、従来の芋、粟その他の地方々々の食率の状況に基きまして来年もやりたい、かようなことになつております。
○板野勝次君 私の尋ねておりますのは、その総合配給用にお廻しになるのですけれども、農業計画として作付は全国的にどのようになされるのか、そうしないと事前割当から行きますと、各農家というものは農業計画をしなければならない、自分の芋の作付が二反ある、ところがこの四億貫、或いは一億五千万貫によつて、一体自分の家の農業計画はどうしたらいいだろうかということは、今後農民の日夜頭を痛めておるところだと思います。そういうことについて今後の見通し、つまり農業計画をお持ちであるかどうか、私の聞いておるのは、今お答えのものは総合配給用にして行くという消費面についておつしやつたので、私の方は生産計画について聞いておりますわけであります。
○説明員(藤田巖君) この昭和二十五年度の芋類につきましては、現在私共の考えておりますところでは、食確法に基きますところの割当制度、これは行わないという考え方でおるわけであります。つまり食確法に基きまするところの生産割当というふうなものはいたさない、ただ目標は示さなければならないのであります。大体このくらいの芋を作ることが望ましい、又このくらいの芋を作つても大丈夫である、この施策を行うことによつて大丈夫であるというふうな考え方からいたしまして、一応の生産計画というものをこれは大体お示しいたしたいと考えておるわけであります。それによりますと、これは有効需要の算定について尚検討をいたさなければならないと考えますけれども、現在の芋の生産数量をさしてその特に下げるという必要はないと考えております。従つて目標といたしましては、我々といたしましては現在程度、或いは若干下る程度で生産をいたしましても、対策を万全にいたしますれば農家経営はできるというふうに考えておるわけであります。これは生産農家に対して強制的にこれを割当するのではございません。農家はおのずから自主的な経営で、そういうふうな目標に従つてこれだけ作ろうと、こういうふうなことをみずから計画を立てて、頂くことによつて結構であろうと思います。
○板野勝次君 それでは、それは食確法における農業計画、只今のように生産割当はしないのだと、とにかく政府がお決めになつておるように、等級品を勝手に引抜いて来て全国から買つて持つて行くのだ、こういうふうに理解されますと、農業計画の中には入らないということになつて、食確法によつて芋というものがちやんと農業計画の中に入つて来るのを、政府は法律の改正をせずに勝手に農業計画の中からお外しになつてもよいというように聞えるのでありますが、食確法というものは勝手にそういうふうに変えられるものなんでしようか。
○説明員(藤田巖君) これはまだ確定をいたしておるわけではなく、私共の現在考えておる案でありまして、我々の考えておる案によれば、一定数量は買上げる、併し食確法に基く割当というものはしないというふうな考え方で来年度の芋の対策は考えたいということで、今各関係方面といろいろと御相談をして、内部でも研究をいたしておりますわけであります。
○板野勝次君 そこを私は聞いておるわけで、農民が非常に不安に思つておるのは、食確法に基いて割当をしないというのに、一方においては藷が四億貫と馬鈴薯が一億五千万貫買上げられるということなりますと、果たして自分の所に割当を受けるのなら、どの程度のものが買つて貰えるのか貰えないのかということが分らないわけですから、やはり生産計画の上においては、この程度のものはつまり予約買入をせられるとするならば、或る程度の面積についての政府が責任を負うというようなことでなければ、曾て日本の山林関係は、薪炭の問題をめぐつて非常な馬鹿を見ておるわけであります。又、民自党の内閣が芋の買入れで四億貫と一億五千万貫を買うと言つておつたけれども、片つ方の作付の統制については食確法によらずにいい加減なことをやられた、一応そういうふうな約束をしておつたけれども、どうも食管の関係からしてそういうふうなわけにはいかんのだ、こういうことになつたら、折角作りました藷の四億貫、馬鈴薯の一億五千万貫というものが炭と同様になる。そうすると木炭の場合におきましては、これは滯貨いたしまして勿論困ります。併し芋の場合におきましては、これは行方がどうしていいか分らんということになつたら腐つてしまう。その場合に政府の責任を追及して見ても、事態はこの通りでございますということになつて、薪炭同様に扱われてしまつたら腐つてしまう。全くここでは、つまり農民と政府との間に、政府が義務を履行するということの確定的のものが農政局長の答弁の中から出ていないと思う。その点を一つはつきりさして貰いたい。
○説明員(藤田巖君) 言葉が足りませんでして、或いは誤解を招いたかと思いますが、食確法に基く割当ではございませんが、一応の計画目標、生産計画の目標というものはこれを示す、尚買入れ予定数量についてはこれは各府県別に大体何県から幾ら同県から幾ら、こういうふうな予定数量を示して、その数量はこれを買上げる、こういうふうな計画になるのであります。ただ食確法に基づく割当、或いは供出制度、こういうことではない。実際問題としてはお話のように、買入の予定数量の割当をいたすことに相成ります。農家としてはそれを目標にして自主的な計画を立てて頂く、かように考えております。
○板野勝次君 従つて、もう一つそれをよく確めて置きたいのは、そういうふうに決めましたが、はつきりした責任の態勢というものを確立しないから、不安というものは只今の説明の中から少しも解消されていない。一方においては今度は農民に超過供出を強要するために政府は躍気になつておられるのに、芋の方面については、どうも計画にしてみても食確法によらずにやつておいでになるということは、政府御自身が勝手に食確法というものの違反をしてもよいのだと、こういうふうな解釈のように見えるのですが、どうもその点がはつきりしないのですが、私がもう疲れておるせいでしようか。
○説明員(藤田巖君) これは政府みずから食確法の違反をしておるという御説明でありましたが、これにつきましては、食管法の改正によりまして、芋というものを食管の買上げなければならん義務の主要作物から削ることによりまして、おのずと食確法はそれを受けてそれは免除されて、食確法による割当の問題は消えて来ると、こういうふうに考えております。
○板野勝次君 それではもう一度お尋ねいたしますけれども、農業計画というものを具体的にお示しになります場合に、食確法の第五條第二項に示されておる「農業計画に係る生産者の意見を徴し」、六項目ありますですが、そういうものについては具体的には一体どうなるのでしよう。片一方については食管によつて自由にされて行くけれども、食確法によつてやはり作付の統制、つまり計画がなされて行つておる筈だと思うのです。これとの関係はどうなるのですか。
○説明員(藤田巖君) 来年度の芋についての大体の行き方につきましては、さように考えております。尚法律の問題につきましては、これは改正を要すべき点は改正をしなければならんわけでありますからして、十分研究をいたしたいと思います。
○板野勝次君 従つて、この問題については、政府が少し急ぎ過ぎているいろいろなことを発表しておるけれども、そういう面についての食確法の改正をしなければ今のようなことも実際にはやれないのだと、こういうふうに理解して差支えないのでしようか。しちくちしちくち言うと分らなくなりますから、そこをはつきりして置いて頂きたい。
○政府委員(安孫子藤吉君) 農業計画に関連しまして又買上げすると、義務的に政府が買うという点を是正、是正じやございません、改めることになりますので、その点についての法律の改正は必要だと存じております。それで、只今のところそういう方向で研究を続けておるので、法律改正の必要がはつきりすれば、どの点について法律改正をするかという点についてもう事務的には研究を進めておるという段階であります。
○板野勝次君 そうしますと、政府が六ケ月前に提案された状態と今日とでは明らかに違つて来て、芋の問題をめぐりましても、政府が食確法の改正というものを検討しなければならないという段階に来ておるのならば、それをもひつ括めて政府が再検討されて行くと、そういう事情が明らかにされて今度の改正案等が審議されれば、総合的に委員としても審議し得ると思うのですが、その間における矛盾はないのですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) ちよつと聞き洩しましたが、超過供出の関係との矛盾の御指摘であつたかと……
○板野勝次君 法律改正の時期であるから、一緒にしてしまつたら……
○政府委員(安孫子藤吉君) それは事務的に我々のまだ準備が十分できておらんために、この国会にその点の御審議をお願いできなかつたのであります。
○板野勝次君 それでは一応この四億貫と一億五千万貫の問題ははつきりしないようでありますけれども、政府の意図としては芋のこの買入れの価格についての方針を示されておる。それによりますと、価格というものが市場の価格よりも安く決めて行くように、私誤解しているかも知れませんけれども、他にやるよりも四億貫と、それから甘藷五千万貫とは、つまり市場の価格よりも更に安く決めると、そうして而も政府買入れのものは一等級の該当品を取るのだ。非常に虫のいい話で、一番いい品物を一番市場価格よりも安く取るために、四億貫と一億五千万貫をお出しになつておるように思えるので、この政府が作付転換をさせようとする意図の中には、安く農民から芋を取上げて行くのだ、こういうような意図が歴然としておるように思うのですが、果して政府は閣議で決定された通りに、市場価格よりも安く、而も一級品だけしか取らないこういうような確乎たる方針を持つて芋の統制緩和に伴う対策を堅持されて行くつもりですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 価格その他の実行方法についてはまだ閣議にお諮りしたこともございませんし、農林省といたしましても決定をいたしておるものではございません。研究中でございます。
○板野勝次君 おかしいね……ところが十八日の閣議で、二十五年度芋類の政府買入継続に関する問題を閣議で決定されておるのではないのですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 閣議決定ということには私もまだ承知いたしておりません。
○委員長(楠見義男君) 十時まで十五分間休憩いたしたいと思いますが……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽生三七君 議事進行上休憩前にちよつと……板野君から先程要求があつたと思いますけれども、増田官房長官の当委員会への出席を督促して頂きたいと思います。それは先程板野君から発言されたと思いますけれども、あの官房長官の談話は実に当委員会を非常に侮辱したものでありまして、当委員会がこれだけ熱心に審議しているにも拘らず、国会が、農林委員会が食確法の審議を事実上放棄して、議院としての審議権を放棄したものだという談話を発表しているのでありますが、さようなことを放言して当委員会がこれをこのまま放任して置くということは非常に権威の問題に関すると思いますので、出席を督促して頂きたいと思います。
○委員長(楠見義男君) 承知いたしました。
○池田恒雄君 その際議長にも来て貰いたいと思います。佐藤尚武先生にも……
○委員長(楠見義男君) それはどういう意味ですか。
○池田恒雄君 何か政府から議院の方に申入れがあつたとか何とかいうわけですね。この新聞を見ると、政府が議長の方に申入れをやつたと書いてあるのですがね。議長にも来て頂いてその辺の消息をお話し願つて……
○委員長(楠見義男君) その点はその席に私も同席しておりましたから、私から後で申上げます。
○池田恒雄君 そうですか。
○委員長(楠見義男君) それでは十時まで十五分間休憩いたします。
   午後九時四十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後十時十七分開会
○委員長(楠見義男君) 休憩前に引続いて委員会を再開いたします。
○板野勝次君 ちよつとこの機会に農林大臣の見解を質しておきたいと思いますのは、この食確法の改正案が若し否決されたら、政府としてはどういうふうな措置をお取りになるか、その見解を承わりたい。
○國務大臣(森幸太郎君) 食確法は前国会において当参議院におきまして原案を修正されました。その修正されました原案を今国会に提案いたして衆議院を通過いたしたのでありまするから、四囲の関係も変つておらない以上、この法案は委員の御協力で是非お願いいたしたい、かように考えております。
○板野勝次君 私のお尋ねしておるのは、参議院の方でこの改正案が否決された場合における政府の態度を聞いておるのですが、その場合に如何なる態度をお取りになるかということです。
○國務大臣(森幸太郎君) その場合にはその場合として考慮いたします。
○板野勝次君 それでは若し審議が手間どりまして、若し審議未了になつたという場合には、如何なる態度をお取りになりますか。
○國務大臣(森幸太郎君) その節はその節で考慮いたします。
○板野勝次君 今日の十二月三日付の毎日新聞によりますと、農林当局の見解として次のようなことか書かれてあるのです。これは我々にとりましても極めて重要な問題だと思いますので、見解を伺つて置きたいのであります。それの中には農林事務当局は食確法が参議院で審議未了となつた場合の対策を検討しているが、同法は総司令部から指示された経済九原則の趣旨に則つたもので国会で万一審議未了となつた場合はポ勅令によつてこれを法制化する模様であるということが言われておるのであります。これからいたしますと、農林当局としてそのような審議未了となつたというふうなことを、農林委員会の態度が決定していないのに、予めすでに審議未了というものを予想されて、ポ政令によつて法制化する模様だということが伝えられておるのですが、これは果して農林当局がこういう計画をされておるのか、事実であるのか。それとも新聞紙が報道しているのが事実でないのか、或いはそれが事実なのか、その新聞紙に対する見解を承わりたいと思います。
○國務大臣(森幸太郎君) 新聞紙については責任を負いません。
○板野勝次君 いつでも政府は何か事ある場合には新聞紙に責任を負わんと言い、ある場合においては新聞紙を通じてすでに御承知のごとくというふうに引用される。併し我々の知る機会は新聞紙を通じてか、政府当局の答弁を通じてか、この二つの場合しかないのであります。この事実は、それでは農林大臣はこの毎日新聞紙の報道は、新聞社が勝手に報道しておるのであつて、このような考えは持つていない、こういうふうに理解していいのですか。
○國務大臣(森幸太郎君) 新聞に責任を以て掲載して貰う記事と、新聞社自身が掲載する記事の二通りあります。
○板野勝次君 併し昔から火のない所に煙は立たないというのでありまして、農林当局でこのようなことが検討されたらばこそ毎日新聞が報道しておるのだと思いますが、このような検討が農林事務当局の間でなされたかなされんかは、重要なる責任者である農林大臣は御承知の筈だと思いますが、果してこのようなことを検討されたのでしようか、どうでしようか。
○國務大臣(森幸太郎君) 断じてありません。
○板野勝次君 それでは審議未了になつた場合、或いは若しくは否決された場合におきましても、この新聞紙に報道されておるような措置をお取りにならないのだ、こういうふうに解釈していいものでしようか。
○國務大臣(森幸太郎君) それは板野委員の御随意であります。
○板野勝次君 私の随意ではなくして農林大臣の見解を質しておるのです。少くともこのようなことが出て来ておるのだから、万一審議未了になつた場合に、ポ勅令によつてこれを法制化する意思があるかどうかということを、私の判断で聞くのであるなら敢て農林大臣の答弁を求める必要はないのです。少くとも誠意のある答弁は、このような報道をされておる以上農林大臣が如何なる見解を持つておるかということは、当然説明されて然るべきだと思います。私の判断に任せるという御答弁は、少くとも我々の審議に対する侮辱ではないかと思う。明らかな態度を示して頂きたいのです。
○國務大臣(森幸太郎君) 侮辱ではありません。仮定の場合において、私はそのように考えますということを先にお答しております。
○板野勝次君 いつでもこの頃総理大臣の……、「おおむ」返しにして、仮定についてはこうでございますけれども、このことについてはどんな問題についても今までの事実に対して将来の予想がどうであるべきかということに対する答弁を求めることなしに、既成事実についてのみ我々は答弁を求めるという権利しかないとは思われない。従つて将来予想されるであろう点について、政府がその腹案を示されることは当然であります。若しもそのような仮定について答弁ができないということが原則であるならば、何らの審議という……、これから我々が審議して行つたつて全く無意味だと思います。従つて審議未了になつた場合においてポ政令になつて果して出し得るものかどうであるかという政府当局の見解を質さなければならないのに、お前の判断に任しておくというのでは、政府の見解をこちらの判断で推察することはでき得ないと思う。従つて私は何も仮定の上に立つておるのではない。実現するかも知れない、先程否決された場合と審議未了になつた場合の二つに予想されることについて、農林大臣の見解を質しておるのですから、それに対する見解くらいは明らかにして貰いたいと思います。
○國務大臣(森幸太郎君) ポツダム勅令を廃止してない現段階においては、そういう措置に出ることもあり得ることであります。
○委員長(楠見義男君) 途中で恐縮ですが先程この委員会の決議によりまして、内閣総理大臣の出席要求方を参議院議長に必要な手続をとつたのでありますが、只今内閣官房長官から回答が議長宛に参りましたので、一応御披露いたして置きます。
  内閣総理大臣の出席要求に対する回答
 本日附内閣総理大臣の出席要求の件に関しては、目下総理大臣は病気発熱のため臥床中であり遺憾ながら出席致し兼ねるので御了承願いたい。
  昭和二十四年十二月三日
    内閣官房長官 増田甲子七
 参議院議長 佐藤尚武殿
 右御報告いたします。
○板野勝次君 只今の御答弁によりまして、この新聞の関連において何らの関連もないとは伺えない。そこで私は前の国会におきまして食確法の改正の際において、冒頭に私は農林大臣の見解を質したいと思う。そのときには農林大臣の答弁は、私が冒頭において質問した点は、スキャツピンによつてこれは出した法律であるからというので、恰も我々の審議権がないかのごとく言われたのでありまして、それに対して私は農林大臣に、果して審議権があるのかどうなのかと言つたときに、政府の責任においてはこれは提出したのであるから、国会において審議権があるのだということが明らかになつて来た。そうすると我が国の憲法におきましては、立法の最高機関として決められておる、而も農林大臣は国会議員の審議権を認められておる以上は、このポツダム勅令がある以上は、そういう場合も予想されるということならば、この法案審議というものが若し審議未了になり、若しも否決された場合においても、政府は国会の決定を無視しても、このようなポ政令によつて法制化することができるということならば、果して国会の審議権というものを認められた前の国会における私の質問に対する答弁とは非常に食い違つて来ると思うのでありますが、その点について農林大臣の見解を質して置きたいと思います。
○國務大臣(森幸太郎君) 食確法の改正は、お話のようにスキャッピンによつて起案いたして提出いたした法律であります。この指令は御承知の、政府として責任を持つてその指令に従わなければならんことは申上げるまでもないのであります。政府はただ單に内閣総理大臣でありません、行政部司法都、立法部、この三つも一つの政令として考えられるのでありまするから、スキャッピンに対する責任はおのずからはつきりすると思います。
○板野勝次君 それではその当時において農林大臣が国会でこれを否決しようと通過させようと、国会の自主的な審議に任せるということと、只今の答弁とは食い違つておつて、前に言つたのは違つておつた、こう言われるように思うのでありますが、違つておつたならば違つておつたという、当時の言い方が違つておつたということをここで明らかにして置いて貰いたいと思います。
○國務大臣(森幸太郎君) 前国会に提案いたしましたときも、スキャッピンによつて提案いたしたということを申上げております。勿論その提案いたした理由がそこにあるのであつて、その法案に対する審議は国会の自由であります。
○羽生三七君 今の論議は非常に重要でありますが、私はその指令がスキャッピンから来たのが総司令部から来たのかそれは知りませんけれども、とにかくアメリカが日本に要求しておるものは、日本の自立のため食糧の増産をやつて自給度を高めようということはしばしば繰返しておるのであります。このことは連合軍の意思を無視するということではなくして、その意思の指す意味におきましても、日本の食糧の自給度を高めるためには、つまり我々が農業再生産の裏付になるべき諸方策を十分ここで審議すれば、この目的は達成されることになり、それをやらなかつたならば、これは逆な結果になるのでありまして、農民の増産意欲を却つて減少せしめて実質上増産にならないことになる。連合軍は日本の食糧が増産されればいいと考えておるのでありまして、そんな細かいことをかれこれ言つておることではないと思うのであります。従つて技術的なそういう問題がありましても、私は本案審議の過程におきましては、再生産を可能ならしめる諸條件を、ここで十分審議することがその目的に副うことであり、又議会で我々が審議を十分盡したということになるのであります。その意味においてこの裏付になるような諸問題を十分もつと審議すべきだとこう考えております。
○岡田宗司君 農林大臣にお伺いいたします。この食糧確保臨時措置法は委員諸君の御承知のように超過供出を強制的に出させるための法律なんです。従つて超過供出というもの自体が問題になるわけなんでありますが、この超過供出を一体政府はこの法律によつて、例えば二十五年度産米についてどのくらい出させるのか、先程も話がありまして食糧長官の話であると百七十万石ぐらいというお話であつたように思うのでありますが、本年の産米かその作報の予想收穫高によりますと六千五百万石、ところがその後において天候の不良や虫害やその他によりまして大分減收をしておる。これはもう認められておるのです。どのくらい減收しておるかということにつきましては、知事の報告によりますれば、千数百万石或いは食糧事務所の報告によれば六百万石ぐらい減收しておる、こういうようなことも言われておる。そこで先程私は食糧庁長官に、はつきり減收率というものが掴めておるのかということをお聞きいたしましたところが、個々の報告はあるが掴めておらん、こういう話です。ところが一方におきましてまず百四十万石の補正量の問題が出て来、それが知事会議が難航いたしますというと二百四十万石に殖えておる。一体この百十四万石の補正量なり或いは二百四十五万石の補正量というものがどういう基礎に基いて出て来たのか、これが本当に減收の率が分つてそれに基いて出て来たのかどうか、こういうことをお伺したところが、それがどうも基礎がはつきりしない。私はこの基礎のはつきりしない補正量というものかどうも分らないのでありますが、一体農林大臣はこの補正量を、お決めになるのにどういうような方法をお取りになつたのか、それを先ずお伺いしたいと思います。
○國務大臣(森幸太郎君) 今年の收穫予想を今お話のように九月二十五日現在におきましては、六千五百余万石でありまして、併しその当時司令部において科学的に調査されました予想高は六千九百二十万石であります。そこに相当の食違いが出ておると存じます。補正額につきましてその後の調査によりまして、相当の補正を要することと考えておつたのでありまするが、関係方面の意見では、六千九百二十万石というこの予想から、風水害、或いは病蟲害等を考えて、百十四万六百石という計数を司令部としては考えた。これが今年の日本米作に対する補正額で妥当であると思うという指示を受けたのであります。私はこの数字に対して、どこに根拠があるのであるかということも追求いたしたのでありますが、とにかく関係方面においては六千九百二十万石という予想の下に百十四万六百石というものを補正として認める。このくらいなものは今年の作柄からして妥当である、こういう一応の指示を受けたのであります。その当時知事等の考え方も又中央調整委員会の考え方も非常に隔差がありましたので、尚再考を要求したのでありますけれども、司令部としてはこの数字によつて今年度の供出を実現するように強き指示を受けたわけであります。以上が百十四万六百石の補正の内容であります。
○岡田宗司君 今の百十四万石なるものは、これはNRSの方からその数字が出て来てそれをそういうふうにお組みになつた、こういうことでありまして、NRSが六千九百万石からの予想收穫高に立つてその後の状況を勘案して、なぜ百十四万石という補正量に達したかということは、我々には少しも明らかになつておらんのであります。農林行政をやる政府といたしましては、やはりその数字について明らかな根拠を與えなければ、これは知事も納得しないし農業調整委員も納得しない。又末端も納得しないだろうと思う。その間には、その問題について農林大臣は更にそれを明らかにされる御努力をなさらなかつたのかどうか、そこをお伺いしたい。
○委員長(楠見義男君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
○岡田宗司君 その後におきまして補正量が二百四十五万石になつております。一夜のうちにそれが変更されたということは如何なる理由に基いておるか、その点をお伺いしたい。
○委員長(楠見義男君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
○岡田宗司君 次にお伺いいたしますが、超過供出の数量であります。これは実收高が農民の努力によつて初めて明らかになるところであります。然るに政府は未だ予想收穫高が分つておるだけであつて実收高も分らないうちに、超過供出量を決めてそうしてこれを各県に天降り的に割当るがごときは、この食確法に基く超過供出というものに対しまして、何と申しますか、この法律による超過供出という問題について、政府はむしろこの法律に違つたような行動をとつておるように思われるのであります。私は政府が、その今年度の超過供出量の数量を予定している、その数字的根拠を明らかにして頂きたいと思うのであります。
○國務大臣(森幸太郎君) それも作報事務所の六千五百余万石というこの予想に対して二百万石ということが向うより指令をされているのであります。
○岡田宗司君 そういたしますとこれ又現実の数字に基かざるものでありまして、真にこれが超過供出ができるかどうかそれは明らかでないのであります。これを出そうということは、架空のものをこの権力によりましてしぼり出そうということになるだろうと私共は思うのでありますが、これは農民がみずから進んで超過供出をするものと非常な違いになると思うのであります。政府はこの点につきまして超過供出の意義というものがどこにあるのかこれを農林大臣から明らかにして頂きたいのであります。
○國務大臣(森幸太郎君) 超過供出は申上げるまでもなく事前割当を補正いたしまして、供出額のはつきりいたしました農家が補正を受けなかつたものが相当今年度もあるようであります。作柄は良いところと惡いところとあるのでありますから惡いところは無論補正をしなければならんのでございますが、相当作柄のいいところは事前割当以上の供出をなし得る力があるのであります。それでありますのでこれは二百万石ということは予想いたすのでありますが、知事会議におきましても自主的な立場で二百万石の超過供出のできるように希望をいたしておりますので、今日の食糧事情から申しまして、是非ともこれを強権発動してまで二百万石を揃えなければならないというほど今日の食糧事情は惡くないのでありますから、適当な処置をとつて超過供出のでき得る面から超過供出して貰おう、こういう考えを持つておるわけであります。
○岡田宗司君 只今の農林大臣のお話でありますと、一方では減收のために補正をしなければならんが、他方或る一部においては超過供出のできるような増收をしたところがある、これはできるだけ自主的に指導して出させる、こういうふうなお話であります。そういたしますと、何も食確法を今改正いたしまして強権で以て取るというおどしをかけなくてもよろしいように思うのであります。(「そこが大事なところだ」と呼ぶ者あり)その点について、一体政府はそういう食糧情勢になつておるのに、なぜ今日食確法を是非通さなければならんという態度を以てお臨みになるのか、その点を尚はつきりさせて頂きたいと思います。
○國務大臣(森幸太郎君) 今日の食糧事情は自主的にこれが緩和されておるのではないのであります。御承知の通りアメリカより輸入されておる食糧によつてこの食糧事情が緩和されて来ておることはお認めになると存じます。このアメリカから輸入されておる、いわゆるバーター制によつて輸入される穀物は別でありますが、ガリオア資金によつて輸入されておるこの食糧は、明年にも打切られるか、再来年にも打切られるか、何年続くかはこれは予定できないのであります。而も日本の食糧生産は、この天災の多い国柄といたしまして予定通りの收穫は当てにして当てにならないようなことが年々続くのであります。それでありまするから食糧事情の緩やかなときにおいては超過供出も或いは自由にいたしまして、尚これを強権発動してまでこれを取る必要のないときには敢てこれを自由に委していいと思います。併し海外よりの輸入もなく、非常に食生活が緊迫いたしておりまして、どうしてもこれは更に生産者の協力を仰がなければならんような場合に至つたときにおいて、現在の食確法においては国民の食糧を維持することは困難である立場から、この法の改正をして置くということは適当の処置と、かように考えておるわけであります。
○委員長(楠見義男君) 大蔵委員会から農林大臣の出席を重ねて要求して参りましたので、農林大臣をその方に割愛いたしまして、暫時休憩いたします。
   午後十時五十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後十一時三十七分開会
○委員長(楠見義男君) 休憩前に引続いて再開をいたします。
○板野勝次君 先程政府委員に輸入澱粉の予定数量について御質問いたしましたのですが、未だにその数量が明らかにされていないのでできておれば今承わりたいと思います。
○政府委員(安孫子藤吉君) 二十四年度におきまして一万五千トンくらいだと記憶いたしております。サゴ澱粉と高梁澱粉等であります。
○板野勝次君 二十五年度には予定はあるのですかないのですか。あればその数量はどういうふうになつているのですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) まだ二十五年度の予定はございません。
○板野勝次君 それでは今度の統制を緩和しようとする措置は芋の加工の問題について言われておるのですが、政府が統制を緩和しようとする意図の中には、少くとも、加工というものが入つているならば、どの程度来年度予想される澱粉があるか、若しそういう点について検討されておるのならば明らかにされたいと思います。
○政府委員(安孫子藤吉君) 大体五十万貫程度でございます。
○板野勝次君 そうしますと、戰後における澱粉生産の推移について、二十一年度から今日までの推移はお分りになるか、或いは二十一年度で分らんならば前年度でも……
○政府委員(安孫子藤吉君) 五千万貫とは甘藷、馬鈴薯両方合せてでありますが、暦年は只今資料を持つておりませんが、大体三千万、四千万、五千万というふうに上つて来ております。
○板野勝次君 そうしますと、今までの澱粉の状態から見て五千万貫ということになりますと、更に増加するということになつて来ると思うのですが、そうすると今まででさえも澱粉が滯貨で困つて来ておる際に、更に澱粉が滯貨するという状態は起きないのですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 五千万貫と申上げましたが、二十四年度も五千万貫であります。大体その見当の生産に許されるだろう、各種方面の用途もあるのでありますから、その程度の生産は許されるだろうということであります。
○板野勝次君 そうしますと、併し生産の計画その他について明らかにされていないのですが、現在その澱粉が非常に滯貨されて困つておる、こういうことを聽いておるのですが、どの程度滯貨しておるのですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 製品で大体六、七百万貫の見込であります。
○板野勝次君 そうしますと、大体本年度五千万貫、その前の年のこの六、七百万貫余つて来たのは、この五千万貫程度で余つて来たわけですか、それとも数量の……
○政府委員(安孫子藤吉君) 五千万貫について、その程度のものが余つて来ておるということであります。この余りましたのは一つは統制解除の問題が出て参りましたので、その際のメーカーといたしましては、見込もありまするので、そういう点で引取が殖えております。そういう事情も絡んでいるので有効需要が減つたというわけではありません。
○板野勝次君 そうしますと、この澱粉の生産のうち大体工業、工業といつても飴とかいうふうな食糧加工品と、食糧でない加工用との比率はどのくらいになるのですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) 五千万貫のうち主食用が大体二千万貫、工業用が三千万貫ということになつております。
○板野勝次君 ですから、三千万貫のうちの、飴が主食用じやないでしよう。
○政府委員(安孫子藤吉君) 飴というのじやなくて、主食用と申しますのは澱粉の形において配給いたしたものを言うわけです。その外三千万貫の方でいろいろアルコールとか、飴でありますとか、そういうものを……
○板野勝次君 そうしますと、そういう工業用で三千万貫ですが、最近の水飴その他の飴の傾向からいたしましまして、「いも」から直接飴が作られて来ておる。而も飴が氾濫して来ておるというふうな状態から見ると三千万貫が多過ぎて来る。そうすると私の聽いておるところでは一千万貫以上が滯貨しておりまして、澱粉の業者が非常に困つておつたということを聽いておつたので、その間の数字の喰違いがどうして出し来たのか分らないのですが、その一千万貫以上滯貨して六百万貫乃至七百万貫に減つて来ておるという実情も明らかにして貰いたいと思いますけれども、同時に飴が非常に生産されて来ておる。澱粉にするよりも直接「いも」から造られて来る、こういうことになると国内の購買力も少くなつて来るし、そうすると水飴等に造られておる方面あれこれ勘案して見ますと、非常に澱粉の過剰生産の傾向に向つて来ておるのではなかろうかと思うのでありますが、その点はどんなものですか。
○政府委員(安孫子藤吉君) まあ私の感じから申しますと、砂糖の輸入というものがそれ程大きく期待もできなかろうと思いますので、非常にその点から飴が氾濫をして收拾がつかんというようなことにはならないかと思います。
○板野勝次君 それは食糧長官の言葉とも伺えないのですが、最近昨年から本年に至つての「いも」から飴を取る家内工業的なものは全国に氾濫して、尚いろいろな外地から帰つて来る人達、或いは国内において仕事を失つておる人達はいずれも「いも」飴の生産に従事して来ておる。岡山県におきましても小さな村に参りましても失業者がいずれも「いも」飴を造つているというふうになれば、店頭に沢山出て来ておるところから見ても、だぶついて来ておるというような実情はお分りの筈だと思う。今では何か的確にただあなたの頭の中で判断される、ちようど先程の農林大臣の答弁と同じことで御随意に判断して呉れというのでは、聊か「いも」統制の緩和をしようとする今後の処置の重責に当られる農林当局の言葉とも伺いにくいと思うのですけれども、前に比較して戰後のずつと推移して来た状態から見れば、非常に澱粉がだぶついているという事実だけは、私も澱粉業界、飴の業界については全く無関係ではないのでありますが、その点を一つもう少し良心的に話して貰いたいと思います。
○政府委員(安孫子藤吉君) まあ良心的に申上げているのですが、終戰直接の状況から見ますれば、その事情が緩和しておることはある、そう私は言えると思います。
○板野勝次君 従つて澱粉の市場価格というものも下つて来るでありましようし、「いも」の値段も下つて来ると思うのでありますが、この機会に政務次官に……、大臣の行方が分らんそうでありますが、政務次官にお伺いいたしたいと思うのでありますが、先程食糧長官じやない、農政局長ですか、十八日に「いも」の買入の問題について、閣議で決定したということを私は新聞で承知したのでありますけれども、決定していないということを言われたのでありますが、併し現在の予想からいたしますと、政府が「いも」の四億貫並びに甘藷一億五千万貫の買入予約数量というもの、これの買入れの方法といたしましては、その時期における市場価格よりも高くお買いになろうとしておるのか、或いは安くお買いなろうとしているのか、その点に対してお答え願いたいと思います。
○政府委員(坂本實君) 只今お尋ねになりました明年度の「いも」の問題でありますが、これにつきましては未だ閣議を以て決定した事実はないのでありまして、尚又買入価格の問題、数量等の問題につきましても只今研究中でありまして、結論を得ていないのが現段階の実情であります。
○板野勝次君 それでは現在の段階で承わることができないといたしまするならば、いつ如何なる時期に御発表になるのでありましようか。
○政府委員(坂本實君) 成るべく早急に決定いたしたいと考えております。
○板野勝次君 前の知事の会議か何か食糧の委員会であつたかと思いますが、麦の作付の問題とそれから「いも」の統制を撤廃しないのだということを中心にして、その「いも」の作付問題が論議されたように聞いておるわけなんであります。従つてその問題について時期のことが分らないお先真暗なことであつては、少くとも今の農政を担当せられる政府当局としては全く無責任なことだと思うのであります。従つてその計画をなされるにおきまして昨年におきましても二十四年度の農業計画は十二月に発表されたと思います。従つて今のように政府が法律をも無視して「いも」の統制でも撤廃して行くかのように伺えるときでありますから、政府としましてその時期そうして買上げる価格が市場価格で買うのか、市場価格以下か、それよりも上であるのかということは、農民が麦の作付の統制の問題と併せて「いも」の統制問題に重大なる関心を持つておるのであります。その程度の時期が分らないという筈はないと思うのでありますが、凡そでもよろしいから確たる時期を一つ今お示しを願いたいのであります。
○政府委員(安孫子藤吉君) 今政務次官のお話のように具体案につきまして検討いたしておる最中であります。できるだけ早い機会に……
○板野勝次君 中旬であるのか、下旬であるのか、それとも来年の頃であるのか凡その見当ぐらいはお示し願いたいと思います。
○政府委員(安孫子藤吉君) 少くとも今月中に決めなければならんと思います。又只今お話がございました市場価格よりも高く買うというようなことはなかなか考えにくいと思います。
○板野勝次君 それでは市場価格若しくは市場価格以下である、或いは市場価格以下になる公算が大であるのかどうかということを……
○政府委員(安孫子藤吉君) 市場価格というものが一体どういう形においてできますか、その辺の見当も立てなければなりませんので大概に市場価格とか市場価格以下ということはできないと思います。
○板野勝次君 それでは農林大臣がお見えにならんのに食糧長官にお尋ねするのはどうかと思いますけれども、「いも」の作付統制とそれから麦の作付の統制が不可分の関係において、麦の作付の問題が論議されておるのですが、知事会議等において論議されたやに承わつておるのでありますが、現在においても麦の作付の問題と「いも」の問題とは不可分の関係にあるかどうかということをお伺いいたします。
○政府委員(安孫子藤吉君) 作付の問題はこういう論議が非常にあることは御承知だと思います。「いも」の割当といいますか作付を止めますと、その土地を一体どうするのか、そのことに対して麦を植付けさせるのかどうかという問題で論議されておりますが、この点は私共計画をいたしましてどう処理するかどうかについて時期を決定する次第であります。
○岡田宗司君 只今運営委員会におきまして、委員長の中間報告を求めておるということを私共は聞いたのであります。この中間報告を求められました委員長は、この本会議におきまして如何なる程度の中間報告をなさるのであるか、又その中間報告はどのくらいの時間を要するものであるか、そういう点につきまして委員長のお考えになつておりますことを一つ詳細にお伺いたしたいと存ずる次第であります。
○委員長(楠見義男君) 委員長は未だ中間報告の要求に接しておりません。従つて仮定の質問についてはお答えいたしかねます。
○岡村文四郎君 時間は段々迫つて参りまして、豊富に持つておりまする質問は到頭板野議員が甚だ勉強していて私に廻らないで遺憾であります。ここでこの際政府当局、殊に次官がおられまするから申上げておきます。我が国の食糧事情がとんちんかんになつて大臣の言うことと事務局の言うのと合いません。そこで百姓のさまよつているこの姿を見て何とお考えになつておるか分りませんが、こんな状態でおいたのでは我が国の農業はどこへ行つていいのかさまよつております。それは主食を作る百姓と麦を作る百姓はそれでもどうにか事が足ります。その他の百姓は何をしていいのか分らない状態にあります。このままで時日を過しますことは誠に不親切極まりますが、日本の政府は現在輸入食糧が間に合うからこういう状態におるが、来年になれば分らんという大臣のお話であります。誠に怪しからんことで、私は大臣がおいでになりますなら詰問しようと考えておりましたが、もう五分しかありませんのでその時間がありません。どうぞそういうことのないように、次に始まります通常国会にははつきりした目安を立てて、さまよつております百姓を一日も早くさまよわんようにして貰うことを特にお願い申上げまして、私の質問を終ります。
○政府委員(坂本實君) 一大転換期に立つております日本の農業政策を、根本的に確立いたしますることは焦眉の急であると存じます。御趣旨の通り来るべき議会におきましては十分我々の所信も明らかにいたしまして御批判を願いたいと考える次第であります。
○岡村文四郎君 それから重ねてもう一つ申上げて置きますが、農林大臣は見解の相違でありますが、農村の恐慌は来ないということをしばしば申されておるのであります。併しながらすでに農村の恐慌は来ております。今日官房長のいろいろ金融に関する説明がありましたが、大臣は恐慌は来ないという建前の話をしておられますが、そのことを汲んで、そのつもりで話をしておるか。さつぱりだめなんだと申しますことは、中央農林金庫の貯金が昨年の八月末か九月には五十億になつた、今年は九十億に止まつたからこれだけよくなつたのだろうと説明しておる。そこに言葉が足りない。それは貨幣価値が変つて来ておるということと、農作物の価格が変つたからそういう状態に納まつておるのでありまして、それを見て農村が多少金融が緩やかになつたということは決してありません。それから一年間かかつてやつと取上げます作物は、一年の間高い肥料を使つて生産をいたします。そこで今度価格を決めます時分には確かに安いことが分つておる。本年でも米と雑穀との補充を何とかしようというので盛に御研究になつておる。それを見ても今までは食糧がないから成るたけ雑穀をとつて行こうということになつておりましたが、段々要らなくなつて下つて来る。そうすると高いものを使つて作つておる作物が売る時分には安くなることは当然であります。これは農村の恐慌がひどくなるという状態です。それを政府は何らの心配がないというが、これは全部百姓の心配なのであります。それがどこに恐慌がかかつて来るか分らん。それを何も考えないで恐慌がないと言つておりましたら間違いであります。これは今度の次の議会に十分質問をいたしますから……。そういう考えは困りまするが、農林省は恐慌が来ておるという建前にして万事施策をお願いいたします。
○岡田宗司君 坂本農林次官にお伺いいたしますが、二十五年度の予算におきまして、土地改良に対しましてどのくらいの予算を見積られておるか、又見返資金から土地改良に対しまして出すようになつておるか、その点をお伺いいたします。
○委員長(楠見義男君) 十二時になりましたので委員会はこれにて散会いたします。
   午後十二時散会 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
           平沼彌太郎君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           岡田 宗司君
           門田 定藏君
          池田宇右衞門君
           柴田 政次君
           高橋  啓君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           板野 勝次君
           池田 恒雄君
           國井 淳一君
           岡村文四郎君
           小川 久義君
  国務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
   国 務 大 臣 青木 孝義君
  政府委員
   農林政務次官  坂本  實君
   農林事務官
   (官房長)   平川  守君
   食糧庁長官   安孫子藤吉君
  説明員
   農林事務官
   (農政局長)  藤田  巖君
   農林事務官
   (食糧庁食品部
   長)      矢野 外生君