第007回国会 地方行政委員会 第9号
昭和二十五年二月七日(火曜日)
   午後一時二十八分開会
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  本日の会議に付した事件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (国家地方警察予算及び弱小自治体
 警察に起因する諸事件に関する件)
○電気ガス税に関する陳情の件
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○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。
 今日御審議願いますのは、前回に引続きまして国家地方警察費につきまして政府の説明を聽し御審議願いたいと思います。この前一応柏村政府委員から説明を聞いたのでありますが、材料が整備しませんで、今日改めて御説明願いたい。こういうふうに思います。要点でよろしうございます。
○政府委員(柏村信雄君) 前回昭和二十五年度の国家地方警察の予算について概要を御説明申上げたのでありますが、この私の御説明申上げましたのと、お配りいたしました資料とが必ずしもぴたりと合わないようにお考えになつた方もおありでありましたので、本日はこの前の私の御説明申上げました総額についての問題、予算の組み方の問題、それから特に経費のうちで目ぼしい増加をいたしたもの、それから逆に減少をいたしましたもの、それから公共事業費関係と、こういうものを一表にいたしましてお手許にお配りをいたしましたので、これによつてこの前私御説明申上げましたのでありますが、改めてもう一度申上げたいと思います。
 来年度予算の総額は百六億八千五百万円になつております。本年度が九十六億三千八百万でありまして、十億余の増になつておるわけであります。併しながらこの増加のうちにおきまして、通信専用料金が四億余、五億近い額だけ料金の値上げによつて殖えております。又ガソリンの税の創設に伴いまして、ガソリン代の値上をいたしましたので、これが一億六千五百万程殖えております。そういうことで合計いたしますると六億六千万近いものが数字の上で当然殖えてしまうわけでありまして、その外逆に二十四年度におきましては、連帯支弁金、これは警察費を府県費で支弁しておりました二十二年度までの分につきまして、厳格に申しますれば二十三年度の六月まででありますが、それまでの間の決算がはつきりいたしませんために、恐らく二億程度連帯支弁金の支出が必要であろうということで、二十四年度に計上いたして置いたわけでありますが、来年度はこれによつて……本年度の予算によつてすべて決済が付くものという見込のため、来年度はこれを計上いたしておりません。そういうことを彼此差引いたしますと、大体実質的に六億程度の増になるのではないかというふうに考えておるわけであります。併しながらこれもいろいろ入り込んで考えますると、本年度において特殊な経費として考えられたものも相当ございまするし、必らずしも、この六億というのは純粋に増加したということにも言えないかと思うのでありますが、或いはこれ以上のものになるということも、考えようによつては考えられるのではないかと思うのであります。併しながら更につき進めて考えますると、こうした数字の問題は年々その年限りで支出して、それが跡かたもなくなつてしまうというような純然たる活動費であるとか、俸給、手当というようなものでありますると、これは多いだけ、俸給額も多かつた、活動も多かつた、或いはそれが同額であれば何程度であるということも申せると思うのでありますが、逆に後年度に残ります施設費になりますると、これは一年間に二十億使つて整備なり、通信費なりの施設をしたということになりますると、これは大体そのまま残つて行く。若干の減耗はありましても大体残つておる。それと同額のものが本年度において計上されるということになれば、それだけプラスになつて行き、それだけ警察活動というものは伸びて行くということは申せると思うのであります。勿論我々といたしましては、前回申上げましたように、百八十億程度の予算の要求を大蔵省に対していたしたわけでありますが、大体前年度並という政府の方針で、我々の当初の意図するところよりは甚だしく低い額に落付かざるを得なかつたのでありますが、これによりましても警察の活動というものは、若干本年度よりはよいのではないかと、期待する程にに行かなくても、今年度よりはやややりよいのではないか。又施設の面においても、それだけ増加して行くということで、非常に牛の歩みには似ておりますが、徐々にこの理想に向つて進みつつあるということは申せると思うのであります。そこで日頃いろいろ御配慮願つておりまする項目で、特に増加が著しく、警察活動が潤沢にできるという意味におきまして、ここは2の「増加著しいもの」として掲げて置いたのでありますが、超過勤務手当が昨年三億四千二百万というのが四億一千万ということになりまして六千七百余万円の増、約二割の増になつております。それから特殊勤務手当も約四割の増に相成つているわけであります。
 それから「二」の旅費でありますが、これも三億八千万以上殖えまして、これは相当警察官の活動に有効性を與えるものではないかと考えるわけであります。尚地方でいろいろお聞きになりますように、警察大学校、それから管区警察学校、それから地方各都道府県の警察学校における現任教養にいたしましても、その月額旅費というものが非常に少くて、自治体警察との開きが非常に大きいということは勿論でありまするが、切り詰てみても、学生自体非常に足を出して行くということが、従来非常に非難されておつたのでありますが、この点も十分とは申せませんが、警視については本年度五千円にする。それから警部については四千五百円、警部補は四千円、巡査部長が三千五百円、巡査が三千円ということで、それぞれ、二十四年度よりは増加をして頂いているわけでありまして、この程度ならば何とかまあ切り詰てやれば足を出さないで済ませはせんかというふうに考えているわけであります。被服代料というのは、警察官の月額手当に当るようなものでありますが、これが三百円から四百円ということになつております。それから建物修繕料におきましても、約七割程増加いたしております。それから捜査費につきましては、五千九百万の増ということに相成つております。自動車購入費、警察の機動力を増すという意味におきまする自動車購入費も五千百万円の増加に相成つているわけであります。それから先程ちよつと申上げました通信専用料というのが、実質的な増もございますが、その外に先程申しました当然の値上りで殖える分が四億五千万程あるわけであります。それからその次の超短波無線電話でありますが、これは二十四年度におきましては試験研究の域を脱しなかつたのでありますが、漸くその実用化の見通しが付きましたので、経費は十分とは申せませんが、これを数府県に実施する計画を持つておるわけであります。
 その次に、減少の著しいものといたしまして、第一が、庁用器具費でありますが、これに学校その他の初度施設費が二十四年度では非常に多かつたのでありますが、実質的にはさ程減少しておるというわけではなく、むしろそういう臨時的なものを除けば減つてはおらないというふうに考えて頂いて結構だと思うのです。建物購入費でありますが、これも相当減つておりますが、これは武徳会の財産を買収するために本年度約八千万円の予算を持つておつたわけでありまして、そういう意味から言いますと、これも決して減つておるわけではございません。機械購入費につきましても通信施設の新設というものを減じて主として減つておるわけであります。請負費は、説明にございますように、射撃場を管区学校、それから都道府県二十四年度にてすべて新設いたしましたその経費が要らなくなつておるという関係でございます。
 それから人員の増加は、国警の警察官が非常に足りないということから、一般職員で賄つている部分が相当多いのであります。事務的な部分にすベて警察官以外の者を以て充てて、警察官はできるだけ第一線に出すという方針でおりますので、事務職員が自治体警察等に比べますと非常に率が高くなつております。これを更に増員いたしたいと考えたのでありますが、政府の重要な方針として人員の増加は極力押えるということで、僅かに八十五名の増加ということに相成つておるわけであります。
 最後に公共事業費でありますが、これも昨年二億七千万のものが本年度は一億八千五百万円ということになつて、これは当初要求は二十一億程いたしたわけでりあります。御承知のように府県費時代からなかなか警察の庁舎というものについては手がとどかなかつた。従つて非常に腐朽したものも多く、狭隘を告げておるわけです。殊に新らしい警察の建前としまして鑑識施設を充実するというようなことから、どうしても部屋を殖やして行く必要があるに拘わらず、なかなかそういうのができない。又警察学校等にしましても、改築して立派な教養をするにふさわしいものを建てたいということは我々の非常に強い念願なんでありますが、そういうものがなかなか思うように参りません。これは全体的に公共事業費の枠が押えられておる上に、特に官庁営繕費というものが枠が非常に窮屈になつておるようであります。従いまして警察もその枠の中で、まあ必要最小限度ということで、これだけが認められたわけであります。併しながら昨年に比べますると、昨年は管区学校の新設等のために相当多額を要しておりました。従いましてこういうものを差引いて考えますると、二十四年度程度の、これに非常に僅かなものでありますが、二十四年度程度には相当することができるかというふうに考えておるわけであります。
 以上概略でございますが御説明申上げました。
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑をお願いいたします。
○政府委員(三輪良雄君) 只今の印刷物の中で、恐縮でございますが、一ケ所違つておりまして、これは建物修繕費の昭和二十四年度が違つておりますが、これを今こちらで正確な数字を拾つて後で訂正をいたしますからお許しを願います。
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑ございませんか……。この超短波無線電話ですが、これは二十五年度はこれを数府県に実施する計画であると書いてありますが、それはどこどこの予定ですか。
○政府委員(樺山俊夫君) 超短波の実施につきましては、まだはつきり決定はいたしておりませんが、目下のところの予定といたしましては、東京都、大阪府、それから山口県、福岡県の大体四府県くらいのところを一応予定しております。
○委員長(岡本愛祐君) 随分費用はかかるものですね。それからこの通信問題ですが、この前に府県で所有しておる警察の電信電話を国に買上げて貰うという法律が出ましたが、あの結果どういうふうになつておるかということを御説明願いたいと思います。
○政府委員(樺山俊夫君) この府県所有になつておりますものを電通省の方に所有権を移しましてやるということで法律案が通つておりますが、現在買上につきまして価格の査定をいたします基礎の資料を作りますために調査を進めておりまして、大体この価格が決まりまして正式に所有権を移しまして移管するということで、目下評価の基準になります資料を、調査を続行しておるというような現状でございます。
○委員長(岡本愛祐君) ここに出ておる通信事用料、これは今のものとは関係なく国に移した警察電話、国に属するもの、又府県に属するものであつたものを今度それを使うに当つて一々使用料又専用料を出す、こういうわけですね。
○政府委員(樺山俊夫君) さようでございます。
○委員長(岡本愛祐君) その使うについての専用料とこうありますが、どういうふうな実態になつておるのか。その回線は従前と同じような、つまり警察本部で持つておつたと同じようなふうに使えるのかどうか。その点を御説明願いたいと思います。
○政府委員(樺山俊夫君) 回線の状況は、電通省に移管いたしました後におきましても、未架設の駐在所に対する新らしい線を引きまして、いろいろ回線の数を殖やして行つております。御承知のように電通省でこれを維持、保持をするという建前になつておりまするので、私の方といたしましては、電通省の施設をこちらが専用線として借りまして、それに対しまして専用料金を拂うという建前でございまして、例えて申しますと、新聞社あたりが専用線として借りておりまして、それに対しまして専用料を拂つて使つておるのと、大体同じ恰好になつておるわけであります。従いまして使用いたしますものから申しますと、従前とはそう別に変りはないと申上げてもいいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) ここに説明が書いてあります。この二億円は新規架設線七百五十キロに対する分であつて、現在警察電話未架設の個所のうちその約三割を解消する計画であるという、その説明をもう少し詳しく願いたいと思います。ちよつと分らないのでありますが……。
○政府委員(三輪良雄君) 専用料が大変増加をいたすのでありますが、それは二色ございまして、今架設してあります、専用しております専用区間は実はこれは非常に安いので補修費が引合わないという格好で、約七割の値上を要求して来ておるわけであります。その分以外は、実は電通省といたしましても年々幾らかずつ新設をして参ります計画があるわけでありますけれども、その新設では、非常に辺鄙な所ばかり残りましたので、新設ではなかなか間に合いませんので、特にお願いをして来年、二十五年度には一万三千キロのいわゆる未架設であります個所を、電通省の計画では到底そんなに行きませんのを、特にお願いをして殖やして頂くことにいたしたのであります。その御計画を或いはこの通り進行するかどうか分りませんが、そうなりますというと、新たに特にお願いして殖やした部分に対しまして、専用料が約二億円要ることになりますので、それを分けて計上いたしましたわけであります。従いましてこの御計画が電通省でこの通り呑んで頂きますというと、従来非常に困つておりました辺鄙な未架設の駐在、派出所というようなものに約二千四百ケ所警察電話が架設されることになりますので、従来の未架設個所の約三割はこれが開設ができるという見込みであります。
○委員外議員(堀末治君) 今の御説明の三割……、そうするとどの位残るわけになりますか。
○政府委員(三輪良雄君) 失礼いたしました。只今私の言い方が間違つておりまして二千四百ケ所一万三千キロの未架設個所がございまするので、その約三割の……。
○委員外議員(堀末治君) ちよつともう一遍そこでお聞きしたいと思いますが……。
○政府委員(三輪良雄君) 二千四百ケ所未架設のものがございまして、これを全部引きますというと、約一万三千キロ新たな架線を引かなければならない。こう考えておりますが、その約三割を解消いたしまするので、約七百ケ所見当の新たな警察電話を引くことができるという予定でございます。
○黒川武雄君 さつきちよつと伺つのですと、専用することができるから、さして不便はないというお話であつたのですけれども、機密の漏洩とか、そういうことはどうですか。
○政府委員(樺山俊夫君) 機密の問題は、昨年もいろいろ問題がございまして、私といたしましては、機密の保持の問題につきまして、いろいろ心配をいたし又工夫をいたしているのであります。ただどうも機密の問題でございますので、余り詳しく申上げられない問題ですからお許しを願いたいと思います。
○黒川武雄君 速記を止めても言えませんか、余り御迷惑になるのだつたら別のときに伺いますが。
○政府委員(斎藤昇君) 有線電話の機密の漏洩の問題は、警察としましても非常に重要な問題だと考えているわけで、従前のやり方でありましても、例えば遠距離の分は逓信省の専用電話線から借りておつたわけであります。そのものにつきましての機密の漏洩度は、漏洩の可能性は、従前と変りがないと思います。ただ可能性のチヤンスを余計利用されるかされないかということは、他の周囲の事態の変りようにあるわけで、ただ警察自身がすべて専有しておりました電話を、今度は逓信電話の方に切替えまして、そうしてそれを借りるという形にいたしました部面につきましては、一般の電通省の普通電話の交換局にその線が入つているということになり、又段々そういうことになつて行きますので、そういたしますると、先ず交換局において機密の漏洩が考えられるという点が殖えて来るわけであります。警察本部から署に参りまして、署から各幹線に参りますというようなものにつきましても、これは警察本部の室内電話の延長として入つております分につきましてはその心配はありませんが、交換局を通つている線につきましてはその心配があるわけであります。で我々としましては、この秘密漏洩を機械的に防止する方法を考えまして、そしてこれを逐次技術と予算の許す範囲で漏洩を防止をいたしたい、こう考えております。この機械的設備を続けることによつて、そういう漏洩を防止をいたしたい。同時に通信の機密の漏洩は、これは憲法で保障されました国民の通信自由の権利が保障できないということになりますので、電通関係当局とも緊密な連絡をとりまして、一般の通信でありましても、電話交換局なり、その他において漏洩のできないように措置をしたいというようなことでお互いに緊密な連絡をとりながらこの防止に怠りなきを期しているのでありますが、まだ完全とは申せません。ただ警察通信だけが漏洩をしなければよろしいという考えではいけないと思いますので、広く官庁電話或いは民間電話におきましても、交換局を通るところで盗まれるというよなことのないように万全の措置を期したいというので、それぞれの具体的の方法を考え、又実施をいたしつつあるのであります。その程度でございます。
○委員長(岡本愛祐君) それでは次に、自動車を御説明願いましようか。この管区本部に備え付けたトラック、装備車、無線自動車、府県警察隊の指揮官車、装備車、側車というのはサイドカーでございましようか。
○政府委員(三輪良雄君) 管区本部は管区学校を含むと書いてございますが、このトラックは主として管区学校に備え付けたもので、いわゆる自動車と申しておりましたが、管区学校の生徒が乗つて事件の起りました所に急行いたします人員輸送用の車でございます。装備車と申しますのは、これは大きな事故がございましたときに現地に参りまして夜間でございますと強力な照明をいたしますとか、或いは宣伝用にいたしまするために拡声機を備え付けるとか、或いは簡単な現地で監識いたしました写真を速かに現像いたしまする設備でありますとか、そういう現地といたしまして早速に事件処理に必要なものを作ります義務もございまして、これを各県ごとに一台ずつ学校に整備をいたしておるわけであります。無線自動車と申しますのは、これは超短波を使いました……超短波無線は御承知の通り電信でございます。電話を付けて取扱うのでございますが、本部から超短波で発信をいたして呼び出します装置をいたしまして、自動車でそれが応答でき絶えず連絡がとれるようになつております。従いましてこれは常に動き廻つて、連絡をとりつつ動き廻ることも考えられますし、事件があつたというときに直ぐに飛んで行つてそこと本部と連絡できる。そういうような自動車であります。府県警察隊に配置いたします指揮官車と申しますのは、これはやはり人員輸送でございますけれども、トラックのボデイを普通のものよりもやや小さく短かくいたしまして軽快にいたしまして、而も前の運転台の後にもう一列屋帳のある席を設けまして、二列前に腰を掛ける席を作りまして、後ろを普通のトラックのようにして腰を掛けて乗るというような装置をいたしました車でございまして、これは大勢乗るということよりは軽快に動けるということと、乗用車が必要な場合にはこれがかねられるような考え方でできております。それから装置車は、先に申上げましたが、これは大きな府県に特に備え付けたわけであります。側車はこれは申上げるまでもないと思いますが、サイドカーでございまして、交通警察或いは連絡用に使いますものでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 自動車について御質問ございませんか。
○委員外議員(堀末治君) ちよつとお尋ねいたしますが、これらのトラックは全部和製ですか。
○政府委員(三輪良雄君) 全部和製でございまして、三社でございます。これにこちらの希望通りの形のものに作らせて納めさせておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 超過勤務手当はどういうふうになつておりますか、普通の警察官の超過勤務手当は。
○政府委員(三輪良雄君) 只今のところでは、大体各府県の警察単位に組まれておりまする予算では一人当り七百円見当でございまするから、時間にいたしますと十五時間乃至二十時間月に超過勤務をするという、これは級の単科によつて違いますが、そういう見当でございます。実際には警察は御承知のように非常に別れ別れに役所がございますために、定員の小さな署でもやはり夜間相当の監視巡査を置きますし、その他の宿直を置きますし、そういう日直なり宿直等に非常に超過勤務手当が食われるのであります。従いまして犯罪捜査でありますとか、或いは歳末等の一斉警戒等におきましては、命ぜられた時間勤務をいたしましてもその通り超過勤務が支給をされておりません。というより逆に予算の範囲内で超過勤務を命ずるという建前になつておりまするものですから、実際は必要がありまして勤務させても、超過勤務を命ずるのは予算の範囲内でやつておるということを申した方がよろしいかと思うのでありますが、そういうわけで、二十五年度は、ここに書いてあります通り、約二割増額をいたしましたけれども、まだ事件処理その他に必要な勤務時間を、超過勤務を命ずる、その方で支給をいたしますということでは到底これに賄い切れない状態であります。
○委員表(岡本愛祐君) 特殊勤務手当というのはどういうのですか。
○政府委員(三輪良雄君) これは刑事巡査、私服勤務いたします刑事でありますが、その他鑑識であるとか、自動車運転であるとか、そういう特殊の勤務を持ちました警察官に支給をいたします手当でありまして、一級から三級までございまして、一番老練な、例えば刑事が刑事として勤務いたしましたその日数に応じて一日三十円、二級は二十円、三級のものが十五円ということで、その勤務に服した日数に応じて支給をするような規定になつておるようなわけでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 旅費が非常に殖えたのはどういうわけですか。
○政府委員(三輪良雄君) 旅費が非常に殖えましたのは、客観的な事情といたしますと、鉄道賃が昨年上りましたので、鉄道賃だけで見ますと約六割上つた点もありますけれども、今まで警察官の旅費というものが、実は非常に県費時代から実際の動いたのに応じて、支拂われておるというよりは、減額をして支拂われるという、月々幾らというような内訳で支拂われるというような習慣がありますので、在来予算というものが、先日部長が御説明いたしましたように、県費予算の総額というものを考えて、国家警察ができましたときに予算が組れたような事情もございまして、実際に犯罪捜査或いは警備のための出動というような旅費が足りておりません。従いまして各県ではそれぞれ隊長の権限で減額支給の規定を設けまして、一日例えば一泊いたしますと四百八十円の宿泊料と百二十円の日当が付くという際に、管内であれば一日泊つても日当宿泊料を合せて四百八十円しかやらないとか、或いは二等の鉄道賃が支給できるのに三等の実費しかやらないという減給の支給をやつて参つたのであります。そういう資科を段々具体的にいたしまして御説明をし、大蔵省としても納得をして頂きまして、来年は、これ又要求通りではございませんけれども、いろいろ事件の予測等、その他を考え併せまして大巾の増額を認めて頂いたわけであります。
○委員外議員(堀末治君) ちよつとお尋ねいたしますが、今この特殊勤務手当がある人でも、超過勤務手当は別に貰われるのですね。
○政府委員(三輪良雄君) その通りでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 尚皆さんにお諮りいたしますが、堀議員は、この地方行政委員にお代りになることになつておるのでありますが、まだ本会議の議決を経ておりませんので、本日は委員外議員として参議院規則第四十四條によつて委員会の許可をしたことにいたしました。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。ではそういうふうに取計らいます。
 私からちよつとお伺いいたしますが、ピストルが非常に足らなかつたのですが、これは段々充実しておると思いますが、この予算面にはそういうことが考慮して盛つてあつたかどうか、そういうことを伺つておきたい。
○政府委員(斎藤昇君) この予算にはピストルの関係は考慮をいたしておりません。ただピストルの弾の再生、弾を射ちましたあと又その薬莢を使つて弾を射つというこの再生をいたす考えからいたしまして、再生するに要する費用というものを予算では見ております。ピストル自体は今まで持つておつたピストルの修繕をいたしますという関係から、現在はこれを全部引上げまして、その代りにアメリカの拳銃を借りておりまするから、その費用は全然見ておらないのであります。
○委員長(岡本愛祐君) アメリカの拳銃を借りて、そしてこの武装を強化しておるとこういうわけですね。
○政府委員(斎藤昇君) 借りて在来のものを修繕しておる、こういうわけです。
○三木治朗君 私途中からで説明を半分しか聞かなかつたので、重複するかも知れませんが、大体において国家警察でも自治体警察の人でも、非常に薄給だということは分つておるのですが、今度は警視が二千円、警部が千五百円、警部補が千円、巡査部長が千円、巡査千円という増加の予算がとれたようでありますが、それで見ても警視で五千円、警部で四千五百円というのは、これは非常に少いように思うのですが、これは人数で差し繰りか何かやつておるのですか。その点一つ御説明願いたい。
○政府委員(柏村信雄君) この旅費のところで、学生月額旅費といたしまして、警視以下巡査に至るまでの金額を掲げておりますのは、現在警察大学校におきまして、従来の通りの警部補の本科教養は、従来からやつておりました警部になる前の教養でありますが、その外に警視、警部の現任者の教養をいたしておりまして、又管区学校におきましては、巡査部長が警部補になる前の教養といたしまして、高等部というのでこれを教育しております。その外に巡査、巡査部長の現任教養を二ケ月ごとに、二ケ月単位でやつておるわけです。そういうふうにいたしまして警視以下巡査に至るまでの現任教養を強く、強くと申しますか、徹底するようにいたしておりますので、それの上京をしたり或いは管区本部所在地に出掛けて来る、出掛けて来まして結局家を留守にして本人だけが学校で教育を受け、いろいろの経費が要る、その経費に充てるための予算でありまして、俸給との関係はこの点ではございません。
○三木治朗君 それからちよつともう一つ、この寒冷地手当というのは何ですか。各地の寒冷地手当につき、一般公務員と同様な場所に同様な額が付くわけですか。
○政府委員(柏村信雄君) この石炭手当、寒冷地手当は同様でございます。外の官吏同様に地域も額もそれに準じてやつておるわけです。
 それから先程ちよつと御注意のありました一枚目の裏の建物修繕料でありますが、これは数字が逆になつておりますので御了承を願います。
○委員外議員(堀末治君) 逆になつておるというのはどういうのですか。
○政府委員(三輪良雄君) ちよつと僅かのところなのです。
○濱田寅藏君 ちよつとこれは大した問題じやないのですが、最近よく新聞で見ますと、警察官のピストルが暴発して、しばしば事故が起つております。新聞紙なんか見ますと、警察官はピストルは持つておるけれども、盗難の虞れがあるのと暴発の虞れがあるので、ピストルは要らんということを申出でた人もあつたというようなことを書いてあつたのです。あれはピストルのその性能が悪いのか或いは操作が下手なのか、どういうことなのですか。あれは可なり大きく新聞にいろいろ出ているようですが。
○政府委員(斎藤昇君) ピストルの暴発その他の事故がちよいちよい起りますことは誠に申訳ない次第でありまして、国警といたしましてはピストルの使用につきまして非常に心を配りまして、ピストルの操作、訓練それから使用の場合等につきまして、できるだけ徹底した訓練と練習を今積ましておるのでありますが、残念ながらまだ十分これを会得し得ないという状況であるのであります。ピストルの性能が悪いからというのではないのであります。以前はそういつた事故も相当ありました。只今使つておりますピストルは、これは性能が悪いのではございません。今お話にありましたように、こういう危い物は返上したいというようなことがあつたというお説でありましたが、それは恐らく私は、本当に警察官としてその職務を弁えた者がさように言つたとは思いません。我々は警察官がピストルを持つているというのは、危険な仕事に従事をしておるという意味からいたしまして、その護身の用具として許すならば、すべてがこれはもう当然持つべきだ。そうして職務を忠実に勇敢に執行する。こういう意味でピストルを持つ心構えなり又操作に今は懸命に努力をいたしておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 一月の十八日附でしたか、丸の内署刑事が窃盗容疑者を、逃げようとするのを拳銃で射殺したという事件がありました。で新聞紙上で大分問題になつたようでありますが、人権擁護局長の声明その他がありまして、この問題は只今濱田委員からも御指摘がありましたように、なかなか容易ならん事件ですが、どういうふうな方針になつておるのか、警察官等職務執行法の七條に関連しまして、その方針を伺つて置きたいと思います。
○政府委員(斎藤昇君) 拳銃の使用につきましては、只今も申します通り、これは警察官の護身の用具ということを先ず徹底をいたさしておるのであります。という意味は、警察官が職務を執行するために自分の身が危険にさらされる場合がある。そういう場合に正当防衛として使用すべきものである。これを原則とし、基本といたさねばならんということを痛感をし、そのように我々国警内部で強調いたしておるのであります。で、如何なる場合に拳銃を使用して人を傷害せしめまして免責されるかという点は、只今御指摘になりました警察官等職務執行法の第七條に明記をされておりまするが、その範囲内における使用であるならば、これは警察官が免責されるということになるわけであります。併しながらそれは免責の規定でありますけれども、場合によつてその限度を逸脱する場合がないとも言えません。かような場合には警察官は処罰をされますが、さりとて尊い人命、人の身体には替えられませんので、我々といたしましては正当防衛以外の場合には、できるだけ拳銃の使用の範囲を狭ばめて、職務執行法の第七條よりも更に範囲を狭ばめて使用をするというように強く規定を出して、実際上の制限をいたしておるのであります。自治体警察の方も、この国警の使用規程に準じて、そうしてやつて貰うように連絡をいたしておるのであります。威嚇射撃というものは、これは絶対禁止する方針で、すでにさように規定を改めており、我々の方としては実施いたしております。従つて誰何されて逃げたというので威嚇的の射撃をするということは、私の方の規程といたしましては厳禁をいたしております。
○三木治朗君 先程私間違つてお尋ねしたのですが、見方を誤つたのですが、警察の給與ですね、この給與の問題はやはりすべての官庁と同じような、六千三百円ベースですか。その、ベースに大体準拠しておるわけですか。今度の予算はどういう計算になつておりますか。
○政府委員(柏村信雄君) 警察官の給與につきましては、一般の職員と別に警察官独自の級俸を作つておりまして、これによりますると、一般職員よりも、同程度の学力の者の初任級としては、大体において若干上廻つておることになつております。ただ警察官には比較的若い人が多いというようなことから平均給にいたしますると、六千三百円をやや上廻る程度でありますが、若い、例えば中学出の人間が外の役所に入るという者よりは、警察官である方が相当給與はよいという実情になつております。勿論職務の危険性とか労働の過重というような点を考慮して、そういうことは考えているのでおりますが、それに報いる程十分であるかどうかということは、我々としては更に給與の高きを望むわけでありますが、そういう点を考慮して若干高く規定されております。
○三木治朗君 それで大体において、国家警察の給與と自治体警察の給與とはそのバランスがうまくとれているのですか。その点を……。
○政府委員(柏村信雄君) 国家警察の警察官と自治体警察の吏員との間におきましては、制度が新らしくなりまして両方二つに分れました直後におきましては、一般に申しまして自治体警察の方が比較的高かつたように考えます。これはやはり自治体警察でありますると、その市町村の議会なり市町村の理事者なりと非常に折衝することが多いということもありましようし、又大体特に大都市なり或いは繁華な都市になりますと、そういうところの市町村吏員の待遇というものが国家の官吏よりも大体において高かつたわけであります。従いましてそこまでは行かなくても、その中間ぐらいのところというようなことで、自治体警察の警察吏員の方が俸給におきましては国家地方警察の警察官より高い、又超過勤務手当なども豊富に予算化されているというような状況であつたと思います。ところがその後国家の官吏におきましても逐次給與の改善が行われまして、それに伴つて警察官の給與も改善されて参つたわけでありますが、現在におきましては大都市とか、先程申しました財政の豊かな都市におきましては、尚国家地方警察の警察官よりも相当高い実質の給與を受けていると思いますが、町村或いは貧弱な市等におきましては同額なり、或いは場合によつては国家地方警察にも及ばないというようなところも若干出て来ているのではないかというふうに考えております。大都市等においては相当高いのでございます。
○三木治朗君 巡査の初任給が四千円ちよつと出たかその程度に聞こえるのですが、そんなふうなものですかどうか……。
○政府委員(柏村信雄君) ちよつと正確な数字をあれしておりませんが、お話のように四千円若干上廻つている程度ではないかと思います。
○三木治朗君 仮に独身者であつても四千円やそこらではなかなか生活が困難だろうと考えるのですが、わけて相当な危険を始終身に感じつつ随分激しい仕事をやらなければならない大事な仕事を委しつつある巡査が、初任給とは言え、そのくらいなそんな安い給與で以て十分役目を果し得るかどうかということに疑問を持つのですが、その点当局として御確信があるのですか。
○政府委員(柏村信雄君) 警察官の給與につきましては、できるだけその後顧の憂いのないようにいたしまして、挺身して職務に盡瘁するというだけの給與というものが必要であろうと考えます。そういう意味におきまして現在の給與が完全なものである、十分なものであるというふうには考えないのでありますが、先程申しましたように、従来ややもすれば一般職員よりも低いものを、或る程度一般職員よりも高く考えるというようなことになつて参つたのでありまして、将来におきまして、先程お話に出た超過勤務手当を十分に支給するとか、或いは旅費も、低額旅費などは支給しないというようなこと、更に積極的に申せば、これは御質問の趣旨に若干反するかも知れませんが、警察官等におきましては、むしろ超過勤務制度などという姑息な制度は抜きにしまして、本給において或いは五割増しであるとか倍額であるとかいうふうなことにしまして、どんなことがあつてもその給與がそれによつて増すとかというようなことを考えずに、四六時中危難に赴き得る態勢を整えておくというようなことがむしろ必要ではないかと思つております。私共としては現在の給與がこれで十分だという考えは毛頭持つておりませんが、今の国家財政の立場から、あらゆる者が非常に忍びに忍んでおるという点で止むなく現状で進んでおるわけでありますが、この点につきましては我々も努力をいたしたいと思いますが、国会におかれましてもどうぞ一つ御配慮願いたいと思います。
○濱田寅藏君 今三木さんから待遇の問題が出ましたのですが、私もよく警察官の方に会いますが、非常に危難に赴いていつどういうことになるか分らん。さて若し自分が万一のことがあつた場合に、僅かな何と申しますか、お金を貰つたのではとてもやつて行けない。それで本当を言うと、警察官が万一のことがあれば五十万円でも百万円でも本人に出せるような態勢にして置かなければならん。これは私の私見で恐れ入るのですが、博覧会の入場券なんか非常に富くじ的なものがありますが、特にそういう場合に備える基金の捻出方法として、今の富くじ式なものを考えてはどうかということをちよいちよい考えるのですが、いろいろ技術的に困難な点もありましようが、私はそういうふうに考えておるのですが、一つ皆さんも御研究願つて置きたいと思います。
○政府委員(斎藤昇君) 警察官の給與の問題は、只今いろいろと御意見がありました通り、警察の質的向上という意味から考えまして、最も大きな問題の一つであると私は考えております。従前の警察官と対照いたしましても、給與の比較的稀薄であり、その職務を遂行することについていろいろ誘惑が多く、工合の悪い点があつたことは勿論でありますが、私はこの民主主義国家の民主主義警察といたしましては、警察官の一人一人がもつともつとその人格においても、警察の技能、知識においても優れたものにしなければこの要望に応えられないと思つておるのであります。その意味からいたしまして警察官の待遇を、何といいますか、従前よりも一新した待遇を與え、そうしてこれにふさわしい質的の向上を期して行くということが最も肝要であろうと思つておるのであります。ただ従来の待遇よりも若干よくなつたとか何とかいう程度ではちよつとむずかしいのではないかと考えておるのでありますが、これは併し我々事務当局と申しまするか、その当該の者だけが考えておりましても、なかなか国民の方々、殊に議会の方々の御盡力によらなければできないことだと存じます。我々の方も更に具体的にもつと研究を進めたいと思いますが、かような意味におきましてよろしく御指導をお願いをいたしたいと思うのであります。只今の職務のために倒れた場合の給與の問題というようなものは、これは総額といたしましては、国の予算から考えますれば、そう大した問題ではないと私は考えております。ただ他の種類の公務員が死んだ場合の比較がこれだからこうだというようなことからいたしまして、なかなか警察官だけを高めるということが今日の状況では至極困難な状況にあるのであります。これも政治的な解決策をお考え頂かなければ、解決の途がないであろうと、かように私は考えるものであります。
○三木治朗君 只今齋藤長官からお話がありましたが、御承知の通り警察官は団結権もなく、無論罷業権もないので自分らで団体交渉をすることもできないわけであります。自分らの力でどうこうということができない。でありまして、そういう点を十分考えて、警察本部あたりで政府に強く要請して、少しでも多くの予算をとるために努力して頂きたいと思います。我々も無論国会議員として予算を立てるときには何らタツチするわけではなく、立ててから後にここに来るわけでありますから、本当に日本の治安を維持し、国民に安心を與えるのには、さつきもお話のあつた通り相当優秀であるばかりでなく体格も立派な警官を選ぶ必要がある、体格が大きければ物も余計食うということになるので、四千円ぐらいの給料じや食物だけでも追いつかないということになると思います。そういう程度では幾ら経つても日本の警察官は堕落する方に進むばかりで向上することにはならない。従つて強い確信を持つて予算のために当局に当つて頂くようにお願いしたいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 先程御質問がありましたのに対してはつきりした答弁がなかつたのですが、巡査の初任給、それから五年経つたら平均どのくらいになつているか、十年経つたらどのくらいになつているか、それから手当、被服手当とか賄料とかいろいろあるでしようが、そういうものを入れてどのくらいになるか、そういう表を作つて頂きたい。
  ―――――――――――――
○委員長(岡本愛祐君) 尚警察に関する御審議をお願いするわけでありますが、今日横浜、名古屋、神戸、大阪、京都の五大都市の市長、それから同じく五大都市の市会議長から電気ガス税を市町村に配分して貰いたいという請願書並びに陳情書を提出されました。尚この委員会におきましてその趣旨を開陳したいという申出がございました。許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。それでは一時警察に関する審議を中絶いたしまして、発言を許可いたします。石河横浜市長。
○参考人(石河京市君) 大変貴重な時間をお割き下さいまして、特に私共の電気ガス税に関しまする趣旨をお聞き頂きますことは誠に感謝に堪えない次第でございます。電気ガス税の問題は、すでにお聞き及びと存じますが、シヤウプ勧告案に基きます地方税法の改正によりまして、府県側の税収入の全体を七百億円前後に押え、又市町村側の税収入を千二百億円に押えて、税の適切なる配分をすることになるようであります。いずれもこれはそれぞれ、独立税として区分が明確にされて、地方財政が確立されることは誠に喜びに堪えないのであります。その際市町村側に與えられまする財源といたしましては、財産に関しまする税金、即ち地租或いは家屋税及び住民税、従来県民税、市民税というものを一本にいたしまして、住民税としてこれが與えられておるのであります。府県に対しましては、その中心となりまする税種は入場税、それから遊興税という税種であります。この税の分け方は、いろいろ問題があると思いますが、トータルにおきましては勿論全国的に見て千二百億並びに七百億というふうに分けられるかも知れませんが、税種によりましては、収入の時期が著しく違つております。殊に財産税、住民税は、一年に何期かの納期に限られるわけでありますが、府県側の税金は月々入ります。極めて財政やり繰りの上に便利な税金のみを府県に與えておるのであります。この点は市町村が実際に資金繰りをいたしますには大きな悩みを持つておるのであります。従いましてせめて一つは、電気ガス税のごとき、比較的徴税し易い、而も月々入りまする税金を市町村側に一つは與えて頂きたいと、いう主張をいたしまして、関係方面及び国内のそれぞれの官庁に向いまして、いろいろ陳情申上げておつたのであります。大体私共の考えておるようなふうに関係方面でも意向があつたのでありますし、又自治庁あたりの御意見も一時さように相成つたと承つておつたのでありますが、最近府県側の非常な御努力の結果か存じませんが、これが再び府県側の収入として考えられるようになり、而もそれが極めて濃厚になつて参つたという情報を承わり、それぞれ調査いたしましたところが、やや的確なようであります。併しこれは市町村財政にとりましては著しい影響を持ちまするので、この税種だけはどうしても市町村側に附加して頂きたい。かように考えて陳情申上げる次第であります。府県側の主張及びこれを支持いたします自治庁側の主張によりますと、電気ガス税を府県に與える代りに、市町村に入湯税、温泉の入湯税、それから木材引取税、鉱産税、自動車税、電柱税というがごとき税金を市の方に與えるから、それでいいではないかというふうな御意見のようでありますが、これは一応トータルにおきましてはよろしいようでありまするけれども、入湯税、木材引取税、鉱産税のごときものは、普遍的な税金ではございませんので、極く一部の地方に限られた税金でございます。神奈川県の例を申上げまするならば、入湯税のごときものは、小田原以西の温泉のある場所に限られるものでございまして、横浜市のごとき都会には、これは全くございません。従つてそれだけでは横浜市の税種には恩恵を受けておらないのであります。又鉱産税のごときものも、或いは木材引取税ごときものも、その当該地方だけでありまして、その他にはございません。かようなものは、トータルの上において與えられましても、特に大都市は何らの恩恵に浴さないのでありまして、電気ガス税を府県にとられたなりになつてしまうという結果に相成るのであります。これは市町村全体にとりましては大きな悩みに相成るのであります。かようなこともございますし、更に又内容も見ますると、今申しました五つの税金は、政府の申しますところによりますと、これが二十七億の収入に当る、電気ガス税は二十八億だから、ほぼとんとんだからいいじやないかという意見もありましたが、実際にこれも調査いたしますと、五つの税金は、やや数字が違つておりますが、三十億ぐらいであります。逆に電気ガス税は五十六億に達する税金であります。その間十何億かの開きを生じているわけであります。これらが影響して、シヤウプ勧告案に基く府県の全体収入が七百十四億であります。これは市町村側の千二百億、その間には、更に十何億かの開きを生ぜしめ、市町村側が損をする結果に相成る。かような実情であります。それだけ今後市町村財政が困難になります。而もいろいろの仕事が、大体市町村がやり得るものは先ず市町村がやる。市町村ができないものは県がやる。更に市町村並びに県ができないものはこれを国がやるというように、仕事の関係も段々地方制度の改革に伴い行われる際におきましては、特に市町村は困難を感ずる次第でありますので、この点御了察を頂きまして、市町村側に月々入ります、かような資金繰りの上にも極めて便利な、徴税の便利な、而も普遍的な制度を一本だけ入れて頂きたい。かようなことをお願いいたしますのが陳情の趣旨であります。どうぞこの点実情を御了察頂きまして、適切なる御判断をお願いいたします。簡単でございますが……。
○委員長(岡本愛祐君) 次に、名古屋市会副議長佐藤太十郎君。
○参考人(佐藤太十郎君) 特にお許しを頂きまして、大体お願いの筋といたしましては、只今横浜市長の言われたごとくでありますが、ただ想定の上におきまして、市町村に與える税金は千二百億円、或いは府県側に與える税金は七百億と申されておりますけれども、今回の改正案によりまして、市町村に與えられる税金の実態は、これはすでに皆様方がよく御承知と存ずるのでありますけれども、住民税の名目の下に、以前の県、市民税が一本になるのでありますが、私共名古屋の実情からいたしまして、先のいわゆる昭和二十四年度におきましては、市民税がただの八百円であります。これに県民税が八百円、合せて千六百円を課せられましたところの階級の者と仮定いたします。これは大体年収二十四万円、扶養家族三人であります。この者が今度の住民税の率によりますと、いわゆる大都市といたしまして、五十万以上の都市といたしましては、人頭割が八百円でありまして、更に二十四年度の所得の決定額に対しまして、千分の十八を課せられるといたしますと、これはシヤウプ勧告の率でありますが、この額は少しは増加するか減少するか分りませんが、大体千分の十八を課するといたしますれば、一万百七十円くらいになるのであります。そういたしますると、今まで千六百円納めておりました県、市民税が一万百七十円になります。而も源泉徴収の方法によらずいたしまして、三ケ月ごとに納めるという、あとから納めるということになりますと、毎回三千円強を納めなければならない。果して勤労階級におきましてかようの税がとり得るか否かということに対しては、誠に寒心に堪えないものがあります。すでに大都市側といたしましては、この点について何とぞ源泉課税の方法によりまして御徴收を願いたいということを、地方自治庁その他に懇々とお願いいたしておりましたが、不幸にして私共の主張が容れられませんで、いわゆる前年度の所得に対して後年度においてかけるということになつたようであります。これは法律の案ではありまするが、それらの点を併せて御了承賜りまして、いずれこの法案の審議の節に当りましては、何とぞ御了解賜りたいと、かように心得るのであります。さようなふうな次第でありまして、住民税が果してとり得るかどうか。家屋税にいたしましても、地租にたしましても、或いは固定資産税と申しますか、今までの率から申しまして大体二倍半乃至三倍かけなければ、予定されるところの税金がとれないというふうの現状にあるのであります。やはりこれとても現在すでに地主、家主というものが、殆んど収入にいたしまして同等額を税金として納めております関係から言つて、更にその二倍半、三倍という税金を課しましても、果して徴税できるかどうか、誠に情ないところの、危惧せらるべき状態にあるのであります。従いましてここに今まで弾力性のある、知らず識らず納めておりましたところの入場税でありますとか、飲食遊興税でありますとか、その他楽に納まつて参り、而も月々入つて参りましたところの税金がなくなりますところの状況から鑑みまして、せめて電気税とガス税だけはどうしても市町村側に頂けませんというと、この財政の運用が全く行詰るのでありまして、或いは大破綻を来すのじやないかということを心配する現状であります。さような状態の下に全国の市長会におきまして、或いは町村長会におきましても、この点をそれぞれとお願いいたしておるような次第であります。何とぞ皆様方の御審議に当りまして、これらの点をよく御了承賜りたいということをお願いするものであります。
 尚、一面におきまして府県の方の財政の点も考えなければいけないというお話もありますが、これも尤ものことと思いますが、私共が推察し、或いは現状を見、その他調査をしております現状におきましては、仮に小都市と小府県は比べものにならないと思いますが、或いは大府県と小都市は比べものにならないと思いますが、大都市、府県、例えば私共の居住しております名古屋市と愛知県というものを比較いたしますと、戦前までの状況におきまして、予算の総額等から見ましても、市が五に対して愛知県は三であります。然るに只今では、実行予算といたしまして約七十億、現在までの予算といたしまして七十億であります。県も市も同様であります。又金を使う面、これは極端なことを申して甚だ恐れ入りますが、正確とは申せませんが、仮に知事の交際費、市長の交際費、或いは県会議長の交際費、市会議長の交際費、乃至県会議員の待遇というものと市会議員の待遇というものは、今日では報酬と言つておりますが、この報酬の面から見ましても、県の方がどれだけ豊かになつて来たか。以前は私共県、布会八年一緒にやつておりました。只今は市会だけでありますが、私共が県会をやつておりました時代には、一例を挙げますれば、県会議員の報酬は七百円であります。当時名古屋市会議員の報酬は千二百円であります。今日では、表の勘定から申しますれば殆んど同額ということになつておるのでありますが、その実質から申しますというと、遥かに県会議員の方が報酬等が多いのであります。誠にこれは表向きまして私共は主張するのを憚かるわけでありまするけれども、さような状態の下におきまして、交際費等を比較して、或いは議会運営費等を比較いたしましても、格段の差があるのであります。すべての面に亘りまして、府県の方が非常に、これは全府県ということは申上げられないかも知れませんけれども、少くとも大都市を持つているところの府県等におきましては、大いなる財政上の余裕があるということが想像せられるのであります。どうかさような点も併せて御考察賜わりまして、よろしく私共がお願いいたしております趣旨の通りますように、皆様方の切に御配慮を煩したいことをお願い申上げます。
○委員長(岡本愛祐君) 只今の陳情に対しまして、御質疑ございませんか。
○濱田寅藏君 質疑じやないですが、希望を申上げて置きます。先程の横浜市長のお話だつたんですが、五種目が市町村に廻つて、電気ガス税は県に取られる、その場合の徴收見込額が、あなたの言うところの、市町村の方とは随分開きがあるというお話でありましたが、その正確な調査資料というか、そういうものはあの陳情書に添えてお出し下さつておるかどうか。
○参考人(石河京市君) それを添えてないようでございますので、御参考に特に必要だと存じますので、あとでこれはお届けを申上げたいと思います。
○濱田寅藏君 お願いいたします。
○委員長(岡本愛祐君) それでは陳情はこれで打切りにいたします。
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○委員長(岡本愛祐君) 次に警察に関する審議に移りまして、最近武生事件、福井の刑務所事件、米子の裁判所及び警察所の事件、それから弘前の裁判所の事件、いずれも放火又は放火か失火か分らない事件でありまして、これらにつきまして国警本部で調べられておる点の説明を願いたいと思います。
○政府委員(武藤文雄君) 先ず武生の裁判所放火事件から御説明申上げます。
 昨年の九月二十日に、武生市にございますところの福井地方裁判所武生支部、福井地方検察庁武生支部、この調査において、宿直員の小倉事務官補が宿直中に午前五時頃パチパチという音がして、それで目を覚ましまして庁内を見廻りましたところ、その地方裁判支部の事務所内が一面に真赤に燃えておつた。そこで驚きまして火事だ火事だと騒いで、続いて起きて来ましたところの加藤、高田両宿直員、それから伊藤判事、これらと一緒に消火に努めましたが、庁舎全部に火が拡がりまして、約一時間で庁舎百坪余、判事の住宅十六坪半、これを焼き、裁判所、検察庁において保管中の事件記録、証拠品類等を殆んど焼失してしまつたという事件でございます。又発火と同時に現場に急行しようとしました消防自動車は、何者かが途中配電線を切断して妨害してあつた。そのために現場に着くのが遅れて防火活動ができなかつたという事実がございます。
 この調査は、国家警察と自治体警察の共同管轄区域であるというような点、又建物の方で検察庁も関係しておるというので、国警、自警、検察庁の三者の共同調査を実施することになつて、いろいろ原因の調査に当つて見ましたところが、失火の疑いは極めて薄い。そこで放火事件としての捜査を進めて参つたわけであります。遂に暴力団伊原一派及び和田組の子分の犯行と判明するに至り、これを検挙するに至つたわけであります。放火の動機といたしましては、この事件の首謀者の伊原こと手聖煕、これは元朝鮮人連盟の支部員であります。又暴力団の親分でありまして、昨春来傷害、公務執行妨害等で四回検挙されておりますが、検挙後は毎回直ちに保釈で出ております。保釈で出ては又犯罪をやつて検挙されておるというようなことをやつておつたわけで、審理未済のものが三件も残つておる。この記録がその裁判所で保管されている関係から、これを焼いてしまつて罪を逃がれようと考えまして、又昨年九月に朝連が解散になつたについての反感もあるというような点から、裁判所はその報告の出先機関であるというふうに考えまして、裁判所に放火してこれを焼こうということを考えたのであります。そこで同じく新福井新聞という新聞を経営している者で、やはり恐喝で、保釈になつておりますところの武田太平という者に相談をして、武田もこれに賛成をし、更に遠縁に当るところの林好視というものに加盟を求めて、これらで事犯を進めて行つたわけでございます。この林も当時窃盗容疑で、保釈中でありました。自分の裁判記録を盗みに裁判所に侵入したこともあるというようなことでありましたので、直ちにこれに賛成をしてこれに加わつたわけであります。そこで親分の伊原は更に子分約八名を計画に参加させ、更にその子分であるところの卓東守という者でありますが、これは仲間の暴力団の和田一家の子分の山口外三名を加入さしてやりました。犯行は九月二十日午前五時と定めて、そして当日は被疑者が裁判所附近にあるところの伊原方に全員集合して、放火執行班、連絡班、見張班など担当を決めまして、一方消防自動車の妨害班を作つて人を配置する。そうして裁判所に侵入しまして、伊原方から持つて行つたところの罐と一升瓶に入れたところの軽油を裁判所の事務室内一面に撒布しました。それが伊原が火のついたものを室内に投げ入れて放火した事犯というわけであります。
 又その直後でございます、確か十月の初旬であつたと思いますが、今立市の警察地区につきましても同じような事件がありました。この犯人は今申上げました林好視でありまして、放火の動機といたしましては、林が今立警察地区署に窃盗容疑で再三検挙されておるその怨み。それから窃盗事件に対する証拠を湮滅しようという同機で、この林らが今立地区署に又放火をやつております。
 更に十月十五日に福井刑務所の集団逃走計画があるという件が起りましたが、これは未遂に終つております。いろいろ集団して逃走する計画が進められておつたのですが、密告がありましてこれを防止したのであります。当時はこの事犯も前の放火事件と関係があるというふうにいろいろ取沙汰されたのでありますが、真相は直接関係はありませんし、又やや誇大にいろいろ伝わつた状況もありますし、そこで事犯は、かような状況で現在十二名検挙して起訴になつておりまして、四名だけ逃走中で、引続き捜査を続けております。
 この放火事件に関連していろいろ暴力団のことが言われておるのでありますが、その間の事情を若干申上げて見ますと、そこの武生の市警が和田一家の暴力団と非常に腐れ縁があるというようなことが取沙汰されておるのでありますが、その間の事情を申上げますと、前署長の野邊警視、これは人柄は非常にいい人だつた、併し酒が好きで職務に熱心とは言えなかつたと言われております。市当局とは余り関係が円満でなく、警察費の関係なんかでとかく衝突をしておつた事情があるようであります。こういつた衝突もあるということでつい段々と職務に対する熱意を失つて、常に辞意を漏らすというような事情にあつたようであります。現に放火事件のありました翌日に本人は辞職しております。かような署長でありますので、和田一家の暴力団の横行に対しては、やや熱意を欠き知らん振りをしておるという状況があつたようでありますが、さればと言つて特に親交が深かつたということはないようであります。かような原因もありましたが、むしろ積極的な原因といたしましては、同市警の刑事課の方に刑事課長の重屋警部補という者がおります。この人は比較的刑事経験も浅いということで、その次席の巡査部長の言を容れて、犯罪捜査に和田一家の暴力団を利用しておつたということがあつたようであります。そういつた関係で自由に警察に和田組が出入りするというようなことがあつたようであります。例えて見れば和田一家の者が無銭飲食をしたと言つて、或いは飲食店組合の幹部に暴行傷害を加えた、金を喝取したというような事件もあつたようでありますが、署長としてこういう事件を積極的に取上げておらなかつたというようなこともあつたようであります。かようなことがありましたところにこの放火事件が起つたわけであります。そこで合同捜査本部において積極的に調べ上げたのでありますが、そうすると調べておりますところの被疑者の中から、いろいろ漏した中に、事件当夜は警察の者と一緒に飲んでおつた。そうして酔つぱらつて帰つたから、放火できる筈がないというようなことを被疑者の一人が言を漏したのであります。併しその間の事情を調べて見たのでありますが、武生市警が、その前に県下で盗難検挙競争をやつたところが、それで二等賞になつておるのであります。そこで署長は部下の労を犒つて金一封を與え祝宴を開き、更に二次会をしておつたところが、和田親分、その子分らがその席上に現われて一緒に酒を飲んだというような事実はあつたようであります。又放火事件の捜査中に、捜査会議の内容がどうも洩れるというようなことがあつた。調べて見たところが、市警の或る者がいろいろ事情を通報しておつたという状況があつたというようなことであります。その間において警察として余り好ましくないようなことが潜在しておるように窺えます。以上が武生事件の概要であります。
 米子の事件でありますが、昨年の九月十三日午前三時頃米子市の米子検察庁表玄関から発火いたしまして、鳥取地方裁判所米子支部、米子簡易裁判所、米子家庭裁判所、鳥取法務局鳥取支部、高坂地方検察庁米子支部、米子検察庁、これが全部焼けてしまつた事件が起つたのであります。そこで火災発生と共に、米子市の自治体警察では、直ちに現場に赴きまして現場検証をすると共に、捜査本部をその支部に置いて捜査を開始いたしました。一方鳥取地検検事正以下検察庁の方々も見えて、検証に当つておつたのであります。すると出火点、発火点は鳥取地検米子支部庶務課附近、こういうことに認められましたので、そこを調べますと、電気コンロ二箇、すき焼鍋一箇、弁当三食分を発見した。又発見者の言を総合しますと、火は内の方から出て来た、内部から出て来て、相当広範囲に一斉に火になつたというような事情から、どうも失火の疑いが濃厚でありますから、これについて捜査を始めたのであります。ただ若干疑わしい点といたしましては、発見人の一人が、初め建物の外部、庇或いは芝生なんかが焼けていたというふうに言つておるものもあります。又火の気のないところから起つたんではないかと思われる節もある、それから火の廻りが非常に早かつたという点から、放火の疑いも考えられまするので、この方面からも調べている状況であります。現在引き続き捜査中で、これに関しては未だ結論が出ておりません。
 次に弘前裁判所の放火事件であります。これは昨年の暮の十二月三十一日の午前三時、青森地方裁判所弘前支部から発火をいたしまして、同支部を全焼し、続いて検察庁の、青森地方検察庁弘前支部に類焼して、午前四時三十分に鎮火しました。これの原因についての捜査を始めたわけであります。当日の宿直員、それから火の発見者等についていろいろ取調べをしたのであります。当日の宿直員の同裁判所の雇葛西安治という者の当夜の行動について見ますると、宿直員でありながら積極的に消火に努めなかつた、方々うろついたり、又言動の上なんかにおいて不審の点がある、又この葛西という者は、以前業務上横領が発覚して、上司から非常に叱られておつたという事実もある、又本人は会計事務を担当しておつたが、その後こういうような横領事件があつてから左遷されておつたというので、反感を持つておつたという事実もありますので、これを逮捕して調べましたところ、犯行を自供しております。で、本人の自供によりますと、只今申上げたように、業務上横領事件が発覚して上司から非常に叱られた、そうして左遷をされたということに反感を持つて、裁判所を焼こうということを考えて、事務室の書類を集めて自分の机の引出しに詰めて、マツチで火をつけて現場を燃やしたということが分つたわけであります。
 その次は滋賀県の森山町警察署の出火事件であります。これは本年の一月七日午前二時二十分の事件でありまして、滋賀県の森山町警察署、これは昨年の八月に新築落成したばかであります。それが焼けました。書類等も皆焼いてしまつた事件であります。これは、当日宿直の責任者であるところの巡査部長大田定三、これは午後七時頃からかねて知り合いの料理屋に風呂を貰いに行つておつた、そうすると、やはり同じ署に勤務しておる今井巡査も来ておつたので、その巡査に対して、宿直の責任は自分が持つから、今夜は泊まるだけ泊つて呉れと頼んで、そこで今井巡査は一緒に風呂に入つて、それから宿直室に帰つて寝たのであります。ところがその後太田部長、さきに宿直を頼んだ巡査部長でありますが、大田部長は自分の家に帰る途中、食糧公団森山支部長に会つて、新年宴会に誘われた、そこで一緒にその土地のカフエーに行つて、先程宿直を頼んだ今井巡査、もう一人の宿直員の藤岡巡査、これを呼びまして、公団側の人と、それから女給らと一緒にそこで飲んだわけであります。ところが今井巡査は、大田部長から宿直を引受けているということを思い出しましたので、一旦署に帰りまして炬燵にあたつた。ところが馴染の女を思い出しましたわけで、炬燵をそのままにして出掛けて行つて一夜を明かして、その間に焼けてしまつた、こういうわけであります。失火罪を以て起訴いたしております。今井巡査その他署長以下の署員の処分はまだ決まつていないようであります。公安委員は全部辞職し、後任者が新らしく任務についておる、こういう状況であります。
○委員長(岡本愛祐君) 以上の説明につきまして御質疑ありますか……。
 それでは同じく一つ、自治体警察の事件といたしまして、広島県の上蒲刈島村の警察署の事件があります。それを御説明願います。
○政府委員(武藤文雄君) 広島県上蒲刈島村警察署の事件であります。これは火災とは関係がないのでありますが、事件の概要は、税務署員の饗応、贈収賄被疑事件について捜査内偵を進めておつた二人の巡査が、その署長から懲戒免職処分となつたことに端を発しまして、両巡査がこれを不当として免職処分の取消の行政訴訟を提起するかたわら、署長の非行を取り挙げて告訴した事件であります。告訴の月日は去年の九月二十三日であります。広島地検の支部に告訴いたしている巡査は二人でありまして、松原、中下という二人の巡査でありまして、被告訴人は署長の荻野警部であります。事件の起りといたしましては、大体この上蒲刈島村は主として乾物類、甘藷類の生産を業とし、かたわら漁業に従事しているものであります。村の財政は豊かでない、そこで新警察発足当時から、村民は挙つて自治体警察設置に反対をして返上論が起つておつたというような村であります。従来からこの村では肥料購入に関して闇取引が行われておつた。で巡査がその事実を聞きまして、署長に報告しても不問に付されておつた、そのような状況でありましたので、このことが呉地検支部に分りまして、呉地検支部の捜査指揮によつて検挙しているというような状況でありまして、署長の職務執行が常に緩に失する、公正を欠く嫌いがあるという噂が出ておつたようであります。昨年の九月中旬頃、たまたま酒田の税務署員が課税調査のためにこの村に赴いた際に、村内の有志が集まりまして小宴を開いた事実があります。これを告訴人であるところのこの松原、中下両巡査が聞き込んで内偵を進めておりましたところが、このことを関係有志が知りまして、荻野署長は二人の巡査の馘首方の勧告がなされたようであります。そこでその頃から署長は部下に命じて二人の巡査の非行の内偵に当らしておつたわけであります。で、この二人の巡査は九月二十三日の夜に呉地検支部長宅を訪れまして、次のような署長の非行を告訴をいたしたのであります。今申上げた前記税務署員の饗応事件の経緯、それから硫安事件揉み消しによつて、農業組合から六万円署長が収賄している。その他経済事犯に関連いたしまして不正をやつているのが十件あるというようなことで告訴したのであります。一方、署長はこの巡査に対して懲戒免職をしておるのでありますが、松原巡査に対しては、村内の或る女と風紀上とかくの噂があるという理由、それから中下巡査に対しては、一村民から恰も警察署用のごとく装つて白米一斗を借受けて自分が費消してしまつたということで、松原巡査は九月三十日、中下巡査は十月十二日附で懲戒免職処分になつております。この中下巡査が一斗借りて自分が使つてしまつたというのは、十一月三日に詐欺罪として地検へ送られておりますが、犯罪処分にならないという決定があつたのであります。尚、結末はどうなつておるかということは、地検といたしましては、告訴を受理するまでもなく、事件を非常に重要視いたしまして取調を進めておりましたが、現在までの事情は、告訴事実は、多少こういうことはあつた模様であります。尚両巡査は十一月二十一日に自由法曹団の弁護士三名を代理といたしまして、懲戒免職取消の訴訟を広島地方裁判所民事部に提出し、同時に警察署長追放の運動を展開しようとしておるような状況でございます。そして前記の告訴もあつたわけであります。併し村民の大体の空気としては、事件の発端は二人の巡査の方にあるのだと言つて同情を失つておる模様であります。
○委員長(岡本愛祐君) 只今までの報告がございました事件は、小さな自治体警察署におきまして、自治体警察の吏員とその市町村のいわゆるボスと申しますか、そういうものとの結託というようなことが禍をしておる事件が多くありまして、これは弱小自活体を考える上に非常な重要な資料となるとと存じます。そこで新聞紙上でこういう事件が起りますと、当該市町村の公安委員長及びその市町村の属しております府県の国家地方警察、その方に報告を求めております。それは委員会の方に取つてございますから御覧を願いたいと思います。
 この事件について御質問ございませんか。それでは今日はこの程度で散会いたしたいと思います。
   午後三時二十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   委員
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           林屋亀次郎君
           柏木 庫治君
           西郷吉之助君
           島村 軍次君
           鈴木 直人君
           太田 敏兄君
           濱田 寅藏君
  委員外委員
           堀  末治君
  政府委員
   国家地方警察本
   部長官     斎藤  昇君
   国家地方警察本
   部
   (総務部長)  柏村 信雄君
   国家地方警察本
   部
   (刑事部長)  武藤 文雄君
   国家地方警察本
   部
   (警備部長)  樺山 俊夫君
   国家地方警察警
   視
   (総務部会計課
   長)      三輪 良雄君
  参考人
   横 浜 市 長 石河 京市君
   名古屋市会副議
   長       佐藤太十郎君