第007回国会 地方行政委員会 第19号
昭和二十五年三月八日(水曜日)
   午後一時三十四分開会
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  本日の会議に付した事件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (標準義務教育費に関する件及び都
 道府県の所有に属する警察用財産の
 処理に関する件)
○飲食営業臨時規整法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
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○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。
 今日は標準義務教育費に関する件について御審議を願いたと思います。いずれ文部大臣が出席いたしまして、文部省において立案をいたしております標準義務教育費に関する法律案につきまして、この委員会に説明をいたしたいということでございますから、それをお聴きを願いたいと思います。その前にこの標準義務教育費に関しまして、諸方から反対の陳情が沢山参つております。それで主なものを皆様に申上げたいと思います。調査員をして朗読させます。
○委員長(岡本愛祐君) 朗読いたします。
 昭和二十五年三月七日、全国都道府県議会議長会
 標準義務教育費に関する法律案反対決議
 政府が今国会に提出するやに仄聞する「標準義務教育費確保に関する法律案の内容は、地方自治制度の本義に反すると共に、地方財政の綜合的運営を妨げるものである。
 よつて、全国都道府県議会議長会は、左記理由を挙げこの法律に断固反対の意思を表明するものである。
  理由
 一、この法律案によれば、義務教育費に要する経費の額は、文部省令に定める手続により教育委員会が計算書を作成し、これに当該都道府県知事の意見書を添付の上文部大臣に提出し、その審査の結果により算定されるものであり、この算定額はその支出を地方公共団体に強制するものである。かくのごときは、地方公共団体の知事の予算編成権と議会の議決権を無視するものであつて、明らかに地方自治制度の本義に反するものである。
 二、地方公共団体においては、義務教育の重要性を十分認識しており、これが確保に対してはもとより異論のないところであるが、地方財政は、各種行政費を自主的綜合的に把握運営するのでなくてはならない。本法案のごとく教育費だけを別個の基準により法定不動とするときは、勢い他の経費を不当に圧縮せざるか得ない事態を生ずる虞れがある。
 三、義務教育費のみについて本法律のごとき特別法を設けて文部大臣の統制下に置くことは、地方行政部門所管ごとにそれぞれ支出定額を定める特別法制定の弊を誘致し、地方自治の独立性を破壊し中央官僚統制に堕する危険がある。
 右全国都道府県議会議長会において決定する。
  昭和二十五年二月十七日
   全国地方自治協
   議会連合会会長
     東京都知事 安井誠一郎
 標準義務教育費に関する法律案に対する反対要望
 文部省に於て立案せる「標準義務教育費に関する法律案」は地方自治と地方財政に極めて重大なる影響を與えるもので、全国の都道府県、市及町村の挙げて強く反対するところであるから、本法案を今次国会に提案することはこれを見合せ、地方自治委員会の決定に従つて措置する事とせられたい。
  右要望る。
  理由
 一、本法案は平衡交付金一、○五〇億円のうち七二〇余億円を文部大臣が一方的に算定し、これを最低義務教育費として劃一的に地方公共団体に支出義務を課するものであつて、地方公共団体の実状を全く無視するものであり、地方自治の本旨に悖るばかりでなく、かくのごとく行政部門にそれぞれ支出定額を定むるもりとせば、地方の綜合行政に全く破壊され、平衡交付金制度を設け費シヤウプ勧告の趣旨に全然没却せられることとなる。
 本法案は義務教育費の支出を文部大臣の統制下に置くものであつて、教育民主化の本旨に反し、義務教育の官僚統制を復活する危険がある。地方公共団体及び地方住民が教育費の支出に就いて深い認識と熱意があることは、最近に於ける地方公共団体の教育費の支出の増加率が、歳入の増加率を遙かに超えている事によつても明らかである。然るにこれを法律によつて画一的に法定することは、大局より見て却つて地方住民の教育に対する熱意と関心を低下せしむる結果を招来する。
 最後にもう一つ、これは最初のものと同じでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 尚この外に全国の市長会会長代理金刺川崎市長からも参つております。それから全国町村会長、全国町村議会議長、それらから反対意見の提出がございます。それは大体今朗読いたさせました趣旨と同様のものでございます。
 それでは文部大臣から御説明をお願いいたします。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 岡本委員長から、今度の国会に提案を予定して今手続中であります標準義務教育費の確保に関する法律案につきまして、いろいろ議論があり、反対の陳情もあるので、私からその趣旨等を御説明申上げるようにと、こういうようなお話がありましたので、今日伺つたのであります。細かい点につきましては、法案を提案いたしましてから十分御検討願いたいと思いますが、大体の構想、骨子をお話申上げて御了解を頂きたいと思います。
 この法案を制定しようとしました理由を先ず簡単に申上げますと、義務教育というものは御承知のように憲法でも規定されておりまして、非常に重要な問題で、国家的の義務と言つてもいい問題であります。又国民に取りましては、これが一つの教育の機会均等の上から行きまして、重要な権利と言つてもいいと思います。国家は国民に対して九ケ年の就学義務というものを課しておるわけでありますから、他方におきましては、国家として国民に対し一定の内容を持つた、しつかりした義務教育を実施するという義務を負つておると思います。従いまして義務教育費は他の一般地方行政費とは非常に違つた、特殊の性質を持つておる重要な一経費だと思うのであります。それでこれを確保いたしますことは、従つて国家としても重要な義務だと思つております。そういうような重要な問題であり、又それを実施するについて重要な経費でありますので、これを確保いたしまして、義務教育の水準をしつかり維持して行くということは是非必要で、それに必要な財政的な措置として、特にこの法律を制定する必要がある、こう考えたわけであります。
 この法案の内容として考えております点は、義務教育の水準を維持するための必要な財政的な措置といたしましては、先ず一定の充実した内容を持つた義務教育費を実施するにつきまして、教員の俸給、その他の経費が最低がこのくらい必要であるかということを合理的に精密に計算をするということと、これを確実に予算上で措置するということであります。従つてこの法案の骨子は大体主な点は次の三点にあると言つていいと思います。
 第一は、義務教育の水準を維持するにつきまして、必要な最低の標準的経費の精密な、合理的な計算の方式を決めるということでございます。つまり合理的な標準経費の計算方式を決めるということであります。この標準的な経費の算定につきましては、勿論中央財政及び地方財政の実情も考慮いたしますし、又教育上の費用も考慮し、それらを適当に勘案して決めて行くものでありますし、又市町村の大きさとか、地域的な條件とか、学校の、小学校、中学校の種別とか、そういうような点も十分考慮に入れて、合理的に計算をする方式を決めるわけであります。
 それから第二には、かようにして算定されました標準的な教務教育費が確実に予算上措置せられて支出されるということを決めるわけであります。この予算上の措置といたしましては、標準的な義務教育費が先ず平衡交付金算定の基準とされて、そうして平衡交付金によつてこれが保障されるということが先ず第一点であります。と同時にこの標準的な義務教育費が地方の市町村の予算で以て確実に計上をされ、支出されるということであります。つまりこの標準的経費の予算を他の土木その他の行政費に流用しないようにするということであります。併し実際上災害その他止むを得ない場合もありますので、そういう止むを得ない場合には例外を認めまして、その支出の削減をできるようにする。ですから原則として流用を禁じまして、災害その他止むを得ない場合には流用も認められるというように規定されるわけであります。
 それから第三の点は、この法律に違反しまして、標準的な義務教育費の支出を怠つて、それがために義務教育の水準が維持されないというような場合に採るべき適当な措置を決めるということであります。こういうような場合には、文部大臣は地方財政委員会と協議しまして勧告を行う。若しもこの勧告にも応じないという場合には、地方財政委員会に対しまして、平衡交付金の交付によつて適当な措置を講ずるように文部大臣が要求をする、こういうふうになつております。
 まあこれが、非常に簡単でありますけれども、この法案の重要な骨子になつておるのであります。この法律で先程もお読み上げになつた反対陳情にもあるように、文部大臣が何か地方財政に対して、重大な権限を持つて干渉をするというようになるものだと、こう誤解されておる向きもあるようでありますが、決してそういうわけではありません。この法律は今申したような趣旨内容で作られまして、そうして国会でこれを決められるのであります。地方団体は国会で決めましたこの法律に従つて、義務教育費の計算をし、そうしてこれを守つて行くということだけでありまして、それ以外に文部大臣が特に命令をするというようなところは何にもないのであります。それから又地方財政の実情を考慮しないで義務教育費が決定をされて、それがために地方財政が撹乱されるようになる、こういうような誤解もあるようであります。併し各年度の義務教育費の算定の基準単価というものは、前にも述べましたように、その年度の地方財政の実情、中央財政の実情に即して決められて行くのであります。予算編成の実情に応じて、文部大臣、文部省、大蔵省、地方財政委員会が協議をして、毎年決めて行くのであります。ですから決してそのような心配はないと思います。そうして而も足りない部分は、平衡交付金で以て中央財政から補助されるのでありますからして、地方にとりましては、ただ決めたものを流用しないということだけであります。
 それから次には平衡交付金との関連におきまして、他の地方行政費についても、同じように特別な法律を作つて流用を認めないようにしはしないか、そうすると地方財政の自治的な運営というものが全く否定されてしまうというような非難もあるようでありますが、これはさつき述べましたように、義務教育というものの重大な特殊性に基いて政府が特別立法を考えたのでありまして、他の行政費についてはこれは考えておらないのであります。そうしてシヤウプ勧告でも御承知のように、教育費につきましては特に特殊な條件をつける必要があるということも考慮されておるのであります。又教育費につきましても、義務教育以外に地方で支出する教育費が、高等学校大学その他あるわけでありますが、義務教育以外のものはこの法律の適用を受けないわけでありますから、ただ義務教育だけにこれを適用する、こういうわけであります。こういうような意味でこの法律を提案することになつたわけでありますが、今申しましたような義務教育というもりの特殊な性質、その重要な点という点をよく御了解頂きまして、御賛成を願いたいとこう思うのであります。
○委員長(岡本愛祐君) 只今の高瀬文部大臣の説明に対しまして、御質疑がございましたらお願いいたします。
○島村軍次君 提案の理由の御説明を承つたのでありますが、この法律施行に伴つて、大体地方自治庁が予定しておる現在の教育費に対する支出がどういう影響を持つかということが一つ、それから法案の提案に対して、目下関係方面と折衝中というような意味のお話であつたのですが、閣議で御決定になつた問題でありますかどうか参考までに述べて頂きたいと思います。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) この法律で二十五年度に実施される場合におきまして、地方財政でどういうふうの負担関係になるか、こういう点が第一点の御質問だと思います。その細かいことは局長が来ておりますからよく御説明申上げますが、大体の方針は、二十五年度予算におきまして組まれておる平衡交付金の範囲において賄い得るという原則で単価が決められております。今まで実行されておりました俸給、それから地方で以て小中学校で使われておりました最小限度の学校経費、こういうようなものが見積られておるわけでありますが、細かい点は御質問に応じて局長から御説明申上げます。
 それから法案の提案につきましての経過でありますが、閣議におきまして何回か十分に討論をいたしました。そうして文部省が初め作つた原案に対しまして、自治庁からはいろいろの意見が出まして、自活庁と随分長い間いろいろの折衝もし、自治庁の意見を加えて相当の修正をいたしましたのであります。そうして閣議においては担当の国務大臣もこれに賛成されて決定をされたものであります。そうして只今関係方面に手続をしておるわけであります。
○島村軍次君 それでは局長の御答弁を先にお願いしたいと思います。
○政府委員(稻田清助君) 只今御質問のありました経費の算定の面につきまして概略お答え申上げたいと存じます。大体この義務教育の経費を大きく分けますと、諸給與の関係の経費、それから地方に生徒経費の関係の二つに分けられると考えられます。このうち俸給その他の諸給與は都道府県の支弁になつております。その他の生徒経費は設立者である市町村の負担とこういうことになるわけであります。この俸給費その他の諸給與関係の経費についてでありますが、御承知のごとく、現在におきましても義務教育費国庫負担法の関係におきまして、その半額は国において負担する、従いまして明年度のこの国庫補助金、いわゆるA補助金として、平衡交付金の方に算入せられました額が決つております。それの二倍としますれば、この俸給費関係の計数が出て参るという次第でございます。従いましてそういうような関係で国庫負担金の二倍、それから教員共済組合費の補助の二倍、及び委託費の補助の二倍、恩給分担金というものを計算しますると、五百二十八億九千三百七万円になつております。これを生徒一人当りに計算いたしますると、二千三百円という負担になつております。それから生徒経費でありますが、これは現在までの各市町村において負担されております実情及び今度のシヤウプ勧告に基く財政計画によつて、地方の寄附金が公費に算入せられまして、その辺を考えまして、P・T・Aの寄附金等を考えて計算いたしました費用が生徒経費といたしまして、総額七百二十一億七百万円余りというような勘定になるわけでございます。これを生徒一名当りにいたしますれば、八百五十日という計算が出て参るわけでございます。そこで生徒一人当りの単価といたまして、三千二百円というような勘定がここに成立つわけでございます。でこの単価を法律に規定いたしまして、それに対しまして法律の規定いたしまする係数を掛けて参ります。従いまして、お聞き頂きましたように、これはすべて現在の国庫補助金及び今日までの実績において市町村が負担せらまする義務教育経費と、その範囲の中に立案いたしておりますもので、この際著しく義務教育しようというような計算になつていない。従つて大臣が説明されましたように、決してこのために他の市町行財政に対して影響を及ぼすものがないという点を御了承頂きたいと存じます。
○島村軍次君 法案の全貌がまだはつきりしませんから、その点が私の質問を申上げた点で、お答えが不十分であつたと思いまするのですが、私のお導きしておるのは、法案に只今計算になりました、給與については一人当り幾らとか、支出の経費については一人当り幾らというような意味のものも合せて、法案中に決められる予定でありますかどうか、尚教員の問題でありますが、例えば従来は一・三五であつたものを一・五に上げられるというようなことも言われておりますが、そういう問題に対してもやはり具体的に規定される予定でありますかどうか。それから来年度の予算には差当り影響がないということでありますが、凡そこれらに関する問題は将来に属する事柄で、あつて、地方財政の平衡交付金制度の決定に当つての決め方によることだと思うのでありますが、一律に金額を決めるというようなことは必ずしも適当でないと思うのですが、そういう点に対して、局長の御答弁でいいと思いますから、一つお願いいたします。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 私簡単にちよつと……。先ず第一に金額の点でありますが、これは基準単価というものを出しまして、そうしてこれは毎年についてこれを決めて行く、わけであります。この二十五年度については、今では三千二百円ということになつております。基準単価というものを決めておきまして、そうして小学校についてはそのまま、中学校についてはこれに対して生徒数の方を適当に補正して行くわけなんです。小学校を一とし中学校は一・三として係数を掛けて行く。そうすると小学校三千二百円というものが中学校の方はそれに一・三を掛けた数字になる。それに先生の数などが調整されて行くわけです。それからその外に、地域とか学校が小さい場合には、どうしても一人当りの単価を高くしなければ経営ができたし、学校の非常に大規模な場合には、一人当りの単価が少くても済む。こういうようなことから、学校の規模に応じて又掛ける補正係数があるわけであります。そういうような細かいことがありますが、これが必要でしたら局長から申上げます。それから一・三五とか一・五とかいうようなものは、そういう単価と補正係数の場合に考慮されて行く、こういうことになります。それから金額を決めるということでありますが、つまり単価を決めて、あとは公式で補正係数でずつとやつてしまう。毎年の単価というものはさつき申しましたように物価、それから財政上、教育上の必要あるものに応じて検討を経て、国会で以てこれを決めて修正をして行く、こういうようなやり方になつておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 島村さん、河か社会局長からお話し……。
○島村軍次君 いや又あとからお願いいたします。
○西郷吉之助君 只今高瀬文部大臣から標準義務教育に関する法律案の御説明がございました。前半の方はちよつと聞き洩らしたのでありますが、私は大臣に伺いたいのは、御承知の通り、今回シヤウプ勧告案に従いまして地方は配布税制度が廃止されて、平衡交付金というものが新たに出て来て、それに基いて今回の二十五年度の予算も組まれて、すでに審議を開始しておる今日であります。我々は平衡交付金法案の概要は承知しておりますが、まだ正式に提案にはなつておりませんが、これを見ますると、この法案によりまして、各省は従来各省に属しておつた経費は勿論、各省の必要なる財政を十分検討の上、これを測定することになつております。然るに今回文部省におきましては、義務教育に関する経費の支出を地方団体に、この法案によつて義務づけようとしておるように思うのであります。尚且つその義務教育に関する各経費を、教育委員会の資料に基いて、文部省が決定されるようになつておると思うのです。これを言い換えれば要するに、文部省による教育費の強力な中央統制方式を採られるように思われる。勿論義務教育が必要なことは何人も論を俟たないのでありますが、新たに配付税という制度を廃止して、シヤウプ使節団が来て我が国の国家地方税制に対し根本的な改革して、それに基いて今回いろいろの法案が出、殊に地方税制につきまして七百何條に亘る大法案が出て来るわけです。その中最も大切な平衡交付金法案が従つて出て来ると思うのですが、そういう意味合におきまして、この平衡交付金の精神というものがすべて一貫していなければならないと思うのです。只今も申上げたように、平衡交付金の中には各省に今まで属しておつた分、二十五年度予算の数字を見ると、各省の補助金とか何とか、各省に属しておつた分で平衡交付金に入るものが三百五億という数字があつたと思うのです。その中の二百六十何億は文部省に関する経費、それが平衡交付金の法案の中にその金額が組まれて予算に出ております。然るに今回この法案によりまして、教育に関する経費だけを別個の取扱の下に、こういう法案によつて出さんとした、そうすればは、教育の経費というものが必要なことは論を俟ちませんが、そういう陳情で行くならば、その他の費用であるとか、消防の費用であるとか、同じ平衡交付金から離して、別個の法案によつてこういうふうにやつて行くような傾向を助長するような……今回初て平衡交付金法案を、シヤウプ勧告によつてそういう制度を布かんとする矢先に、而も吉田内閣が二十五年度の予算を組んで、この予算にもやはりこの文部省の経費も、別個に扱わんとする経費も、それに含めてちやんと出ております。近々その平衡交付金の法案も出ると思うのです。大体予算がその方式によつて出ておる。然るに同じ内閣で、今回文部省に関する義務教育の経費が中途から、平衡交付金の精神に悖りながら、これだけを取上げて文部省が別個の法案に基いてやろうとするその趣旨が分らない。そういうことをなさるならば、平衡交付金……今申上げました通り、教育は必要でありますけれども、教育をするためにはやはり人心の安定ということも必要である。従つて警察費も亦なかなか必要であり、各般の状況から重大な経費です。国家の治安があつてこそ教育もし得る、消防も亦然り、非常に火事が多くで、そのために国会に消防議員連盟というものがこの開発会式を催したくらいです。どれもこれも必要なんです、同じウエイトにおいて。然るに教育費だけを、六三制は新らしい制度であつて、これはよろしいことでありますけれども、終戦後各般の状況によつて、そのために地方財政というものが非常に苦しい中から、その程度は違つただろうと思いますけれども、地方財政の中からやりくりされてこの経費を出しております。泣きの涙で出しておる。それは教育費も必要であるけれども、警察費も必要であるというので、十分な教育の予算が出てないことは我々よく承知しております。尚且つ前の予算では高瀬文部大臣の下に、教育は六三制の予算が殆んど取れないで非常にお困りだつた。その後それに対していろいろ手当てもなさつたが十分でなかつた。勿論従来の方式で行けば、これは教育予算だけを地方財政で賄うわけには行きませんから、それはなかなか十分に行かんと思うのであります。そういう見地から、今回文部大臣の下に強力な統制方式を義務教育費に取らんとするのじやないかと思うのでありますが、折角シヤウプ使節団によつて平衡交付金という法案をここに布かんとしておる。そして各省に属しておる費用をそれに含めてその予算を組んである。何故に、同じ内閣でそういうものを出しておるのに、文部省に関するこの義務教育の費用だけを特別にこういうふうに置いて、引抜いて、最初からこの平衡交付金の精神をみずから蹂躪しておると思うのであります。何故にそういうことをする必要があるのか、平衡交付金の精神を、いわばすべてそういうものをこの中に含んで、そうして悪いところは直して行けばいいので、布かんとしておる矢先に、この義務教育の費用だけをここから除いてしまうということにすれば、根本から平衡交付金の制度というものはぐらつき出して来る。警察も非常に重要な問題で、この委員会でもその問題について始終取組んでおる。消防も亦然りです。教育は必要であるが、教育だけを引つこ抜いて、ここに特別にこういう文部大臣の直轄で統制方式を採る必要はない。同じ警察でも、消防の費用でも同じウエートにおいて必要である。それだからこそ、こういう平衡交付金法案の中にすべてを盛つたのじやないか。高瀬文部大臣は有名な経営学の大家でもあられる。そういふうな見地からして言つて、平衡交付金法案を作るときに、その足下からそれを崩すようなことは、而も文部省に関するもの、そういうようなものを引つこ抜いてやつてしまつては、この平衡交付金法案が最初からぐらつきますよ。私は大臣に伺いたいのは大臣はこの平衡交付金法というものに対して、どういうふうな考えを持つておられるか。それと今回尚且つ無理をしてでも布かれんとする法案の矢先、この教育費だけをこうやつて引つこ抜いて、文部大臣の直轄で統制方式を採られる。多少の理由はあるかも知れませんけれども、そうすると他の消防費も警察費もいろいろの経費がそうなると思うのであります。それと違つて義務教育だけをどうしてこういうふうにしなければならないのか、その点について伺いたいと思います。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 義務教育に関する標準的経費についてだけ特殊な取扱をする必要を認めて、この法案を提案するということにしたわけであります。何故に特殊な取扱をする必要があるかということは、まだ西郷さんは御出席になつておられませんでしたが、私から十分に御説明申上げたつもりであります。つまり義務教育というのは、憲法によつて規定されております国家的な義務であります。その点他の行政費とは非常に違つたところがあります。国民に対しまして九ケ年の教育義務を課しておる以上、国家といたしまして、その九ケ年間の義務教育というものをしつかりやらなければならんという義務を国家が負つておるのです。従つてこれを確保して行くということは国家的に重要な義務でありますからして、これを一般地方経費とは区別して、そうして特殊な取扱いをする必要がある、こう認めておるわけであります。文部大臣が非常に中央統制をやるのだというようなお話がありましたが、これも先程、決してそういうわけではないという説明を申上げたわけであります。この法律はどういうことを規定するのかと言いますと、標準的な義務教育費というものを合理的に、精密に計算する方式というものをこの法律で決めて、そうしてその方式によつて、標準経費が計算されたものを予算に計上し、これを地方で守つて行く、こういう法律なんであります。それ以上文部大臣は何にも干渉する権限を持つておりません。ただこの法案を提案するのが文部大臣であるというだけであります。閣議で以て閣僚から全部検討を受け、そうして法案として国会に提出し、国会において十分検討されて決められる法律であります。ですから文部大臣の考えで以て何も決めるものではありません。国会で決められた法律通りに計算をされ、守られて行くというだけの話でありまして、それ以上文部大臣の干渉するところは何にもないのであります。その点は一つよく御了解を願いたいと思います。そうしてシヤウプ勧告に基いて平衡交付金制度というものができるわけでありますけれども、御承知のようにシヤウプ勧告の中にも義務教育費、については、特別な條件をつける必要も考慮されておる。而も教育費の中で特に義務教育費だけについてこの法案を作ろうというのでありますから、その点をお考え願いたいと思います。
 尚もう一つシヤウプ勧告に関連してお話申上げるとすれば、御承知のようにシヤウプ勧告ではP・T・Aの寄附金を大体四百億くらいと推定いたしまして、その中の三百億を税金の中に繰入れて寄附がないようにしたいと、こういうことになつて税源として三百億殖やしてあるのであります。その三百億というものは無論全部が教育に対する寄附金ではありません。けれどもその大きな部分は教育に対する寄附金であります。これが税収の中に入つておる。ですからそれによつて賄われるということにはつきりと法律で以て決めて置きませんと、又P・T・Aの寄附金という方面に行くだろうと私は思います。そういうような点から御考慮を願いたいのであります。尚地方の財政が非常にこれがために圧迫を蒙る、こういうようなお話でありましたが、私は決してそうは考えておりません。先ず単価を決めます場合に、地方財政を考慮し、地方財政委員会と協議した上で決めるのであります。来年度の財政を考え、予算を考えて決めて行く、こうして決められたものを基準にして歳入との比較で、差額は平衡交付金で保証されておる。必要な標準教育費というものは足りなければ交付金で以て初めから保証されておるのであります。ですから金が足りない筈はないのであります。その貰つた標準的な経費というものを、ただこの義務教育費については災害その他止むを得ない場合を除いては、他に流用しないようにしようという法律でありますから、お話のように地方財政というものを非常に撹乱し、又文部大臣が官僚統制で以て地方財政を撹き廻すというような心配は毛頭ないと考えております。
○西郷吉之助君 只今文部大臣からいろいろ御答弁がございましたが、文部大臣の御説明はいろいろありまするが、どうも納得が行かないのですが、例えば、そう言われるけれども都道府県の議会、議長会というものが連名で全国的に反対の意思を表明して来ておるのです。そういうようなことからしても、今高瀬文部大臣は数々その理由を並べられたけれども、これは教育の予算が必要なことは何人も分つておる。それは論のないところであります。併し今の御説明だつて何ら文部大臣が統制方式を採るわけではない。何もするわけではない。この法案によつてやるのだから、平衡交付金法に基いてやらんとする場合に、その中に含めておつて、その中の教育費についてはこうこうだという規定を設けておつたら、何もこんな単独法にしなくても、平衡交付金に基いて、その中にその規定を置いておつたら、それでいいじやないかと思います。高瀬さんはそう言われるけれども、そういうふうな論法なら、先程も申上げましたように、高瀬さんは義務教育費は憲法に規定された義務である。そのことは分つております。分つておりますが、教育と同じに、やはり治安上警察費も、火災予防のために消防の費用も必要ではありませんか、現在は……。そういう何ら特別のことをするんじやないと言われるならば、それくらいならば、平衡交付金法案の中にその規定を入れて、その中に含んであつても、これを何も別個にしないでも済むのではないか。尚且つです、地方財政を圧迫するのでも何でもないと言われたけれども、こういうふうな別途な法律案でそれだけを決めれば、それだけを義務付けられるのは確かです。さるが故に地方財政の方では、こうやつて全国の県会議長会が反対して来ている。これは理由がないではない。出す方の文部省としては縷々これを通さんがために説明をされるのは勿論ですけれども、立派に反対理由はあるのです。その点について重ねて大臣の意見を聴きたいと思います。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 義務教育というようなものと、他の地方行政事業というものとの違い、それについて特に私が重要性を、義務教育においての特殊性を認めるという点については、或いは西郷さんと御意見が違うかも知れませんが、その点は甚だ遺憾でありますが、私の考えはさつき申した通りであります。
 それから平衡交付金法というものが出るんだから、こういうものを作らないでもいいんじやないかという御意見に対しましては、平衡交付金法というものは、元来西郷さんの御説にもありましたように、地方自治、地方財政というものを今までよりも割合にエラステイツクな、自主的な運営を多く拡げて行こうという趣旨で作られた法律であります。ところが私の考えた義務教育の経費というのは、それと逆のものでありまして、私義務教育の経費だけは特にこれを融通のきかないものにしようという趣旨で法律作るのです。ですから法律を作る趣旨が違つておる。ですから緩やかにしようという平衡交付金の中に、特に固くしようというこの法案を入れるということは、全く入れようが立法技術上むずかしくなる。ですから平衡交付金法というものを一般の法といたしまして、それに対する特殊な立法としてこれをつける。これが立法技術上私は当然のことだろうと考えております。
 それから文部大臣の干渉も何もないというのならば、何もそんなものを作らなくたつていいじやないか、こういうお考えに対しましては、先程申した通りでありまして、文部大臣が個人的に、或いは文部大臣たる資格において干渉するわけではないということを申したのでありますが、併し国会で法律としてこれを決定をして、そうして地方自治体がこれを守つて行くという点においては、拘束を地方自治体は受けるのであります。国会の意思によつて拘束を受ける。でありまして、文部大臣の意思によつて受けるのじやない、こういうことを申したのであります。
 それから府県が非常に反対されるということは、一つは、或いはまだ法案というものが手続中で、はつきりと公表できない状況にありますからして、よく内容を知つておられない点もあるのじやないかと思います。ただ無暗に文部省から非常な干渉を受けるとか、地方財政を無暗に圧迫されるとかというふうに、漠然と考えられて反対されている点も一つはあるかと思います。これは法案がはつきり決まりまして、よく検討して頂けば了解されるだろう。もう一つはまあ地方の団体とすれば、とにかく自由にしておいた方が運用上は都合がいいということは確かであります。この法律は確かに或る程度の拘束を加えるわけでありますから、地方の財政運用に対しましては、一つの大きな枠が嵌められるということになりますから、自由に勝手にやりたいという考えから言えば、余り有難くない法律であるということは確かであります。そういう点からも確かに反対意見が出得るだろうと考えております併し私は国家の立場から考え、殊に民主国家としての日本建設を考えて行く場合の教育の重要性というもの、その教育の最も根本的な基本をなす義務教育の重要性ということを考える場合に、たとえ地方自治体が或る程度の義務教育費についての枠とか、拘束を受けましても、これは国家的見地から言つてなすべきものである、こう考えておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 速記を中止して下さい。
   午後二時二十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時四十八分速記開始
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて、標準義務教育費確保に関する法律案につきましては、本日ははこの程度で一つ打切つて置きます。
 次に農林大臣が参られる筈でしたが、予算委員会の方で質問が続行されておりますので、飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案、この予備審査を行いまして、坂本政務次官から大臣に代つて提案理由の説明を聴きたいと思います。
○政府委員(坂本實君) 飲食営業時間規整法は第五国会において議決を見、昭和三十四年五月法律第五十二号として公布施行せられ、その後同年十二月一部の改正をせられて今日に至ておりますが、御承知の通り、本年五月一日又は経済安定本部廃止の日のいずれか早い時に失効するものと規定されておりますが、本法を本年五月一日に失効させて飲食営業を直ちに自由営業といたしますことは、現在の食糧特に主要食糧の需給事情及び米国の対日援助の関係から見て適当でないばかりでなく、食糧の統制されている現状の下で、飲食営業者が営業するに当つて違法行為のないことを期するゆえんでもないと認められますので、本法の有効期間を一年延長致したいと考えるのであります。尚経済安定本部設置法の一部改正により、経済安定本部は一応恒久的機関として置かれることとなる見込でありますので、本法の失効を経済安定本部の廃止に繋がらしめることは適当でないので、此の際これも改めることといたしたいと考えるのであります。併し乍ら主要食糧においても漸次需給事情が好転し、昨年十二月以降におきましては「いも」類澱粉等につきましては、すでに一部統制が緩和され、自由に販売することができることとなりましたこと等を考えまして、将来食糧管理法及び同法に基く命令の規定により、一般に自由に販売することができることとなつた主要食糧及びこれを調理加工したものについては、飲食営業者はその提供についての制限を解除されることといたしたいと考えるのであります。
 以上簡単ですが、本法案を提案した理由でありまして、何とぞ慎重審議の上速やかに御可決あらんことを御願い申し上げます。
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑ございませんか。
○島村軍次君 坂本政務次官がおいでになつておりますが、農林大臣は本日必ず御出席になりますかどうですか。若し御出席にならないようでありますれば、地方税法に関する問題を農林大臣の御出席の時分に、農林大臣関係の事項についてお尋ねいたしたいと思うのでありますが、その御回答によつて、若し本日御出席がなければ、他日に是非御出席を願うことを委員長にお願い申上げまして、機会を與えて頂きたいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 先程申上げましたように、予算委員会に今出席されております。予算委員会の質問が終り次第こちらにお出でになることに約束してあるんですが、今尚聴かせにやつております。政務次官に対して御質問ございませんか。それでは一応これで中止といたして置きます。農林大臣が見えましてから、これに関連して質問がございます。
○岡田喜久治君 この機会を借りまして一つの提議提案をいたしたいと思います。と申すことは、先程の当委員会におきまして、御承知でもありましようが、山形の警察の陳情をいろいろ申上げまして、お聴取りを願つたわけでありまして、要するに問題は昨年において制定されました都道府県の所有に属する警察用財産等の処理に関する法律、この法律の実施の結果が、なかなかいろいろな不都合な情勢がないでもありませんで、要するに実施適用の上において少なからざる欠陥のあることを感知いたしたのであります。特に私は山形の先般実地調査に参りましたが、山形市自治体警察の庁舎関係におきまして、その事実の甚だしきことを感じまして、爾来皆さん方と寄り寄り内談しておつた次第でありますが、畢竟するに当時の法律が遺憾ながら非常な欠陥がある。ではないかということを感ぜざるを得ないのであります。殊に当時財産処分をしたものの中、自治体警察と国家地方警察とが共用の状態において使われておる庁舎です。この庁舎が時の緊急の必要に鑑みて便宜に従つてそれぞれの処置をしたかのごとくであります。もとよりこれは止むを得ない事態であつたかと思います。併しながら共用ということは要するに非常な変則でありまして、それの下に基きまして、共用のまま放置し難い事態が沢山あるのであります。これはどうしても事態が落着くに従いまして本則に立ち帰りまして、国家地方警察はやはり地方警察独自の庁舎を持たねばならず、自治体警察は自治体警察のやはり独自の庁舎を持つことが本当であるというわけでありますが、にも拘らず、併しながら当時のそのときの法律は、一齊にすべて原則として府県有に属するところの庁舎が国有に帰属せしめられてしまつたという有様でありますがために、今俄かに、併しながらこの関係に是正するということは、国有財産の現行の処理法の関係から見まして容易ならないことでありまして、例えば等しく警察用に使われるにも拘らず、無償で以て国有財産を自治体警察のものにするということは殆んど困難でありまして、殆んどなし得ない状態である。御承知でもありましようから詳しくは申しませんが、さような重大な欠陥に遭遇いたしまして、これがために行き悩んでおるのはひとり山形に限りませず、思うに全国に亘りまして相当数に上るのではないか、現に当局の話を聞きますというと、百七八ケ所に亘つて共用の状態に置かれておる所がある。それらのものの中、殊にすでに現在いろいろな支障を来たしまして、いずれかに、適当に本則に立帰つた独自の庁舎たらしめねばならないという問題が採上げられた所が少くとも七八を数えるであろう、かような状態でありまして、考えて見ればもとよりこれは止むを得ないことである。要するに、俄かにさような荒つぽい処置をつけたということが、何かこれに対する手直しをせにやならんということの結果を生じたであろうということを思うのであります。これは現行法の国有財産処理法、その他のみにおいては到底現実にそうした満足の解決をつけ得ないということが、段々研究しますというと分りましたので、これは煩わしいことでありまするが、やはり当時の警察用財産等の処理に関する法律の一部を改正いたす手続によりまして、そうしてこれに適切なるところの或る種の是正改正を施す以外には途がないであろう。これが又従つて適否はどうであろうかということについても深く検討いたしましたが、当局のいろいろ御意向も内査いたしましたところ、当局においてもこれの欠陥については同感でありまして、全くそういう事態でありまして、或いはこれは別個の法律を、改正案を制定して頂いて、適当な処理に、善処するという以外にはなかろうというような意向を聴取することができたわけであります。従いまして私共この委員長始め理事会等におきまして、寄り寄り検討を加えておりました結果、一つの試案をここに得たのでありまして、御配付申上げておるのであると思いますが、大体御配付した通りの一つの試みの案を立てました。これならば極めて簡明な案文でもありまして、僅か二三の改正を施せば事が足りるという状態でもあります。これ亦、今政府提案に期待することも当然でありまするが、オーケーその他の関係もありまして容易ではありますまいし、むしろこれは当委員会におきまして、これに対する議員提案としての立法案を制定するのが、むしろ簡便捷径ではなかろうかということも考えられますので、できることならば、大体この試案を骨子として御検討を願い、且つ又この委員会の全員が若し御賛同願えますものならば、全員の一つ議員提出案としての法律改正案の手続を進めたい、かくのごとく思うのでありまして、何分これについての御意見を承りたいと思うのであります。
○吉川末次郎君 今提案者の岡田委員から理事会において決定したというようなお話がありましたが、私は理事でありますが、そういう理事会の御招集を受けた記憶もありません。併し法案の内容に関連して幸い国警の齋藤長官も御臨席になつておるようでありますから、国警側のこの法案に対する御意見を承りたいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 尚そのときに附加して、昭和二十四年の法律の第七十五号による警察用財産の処理状況について御説明願いたいと思います。
○政府委員(齋藤昇君) 只今お話の岡田委員の試案というものを私の方も拝見をいたしました。国警事務当局の意向といたしましては、かねがねこういう点を感じておつたのであります。いつかは政府提案としてかような法律の御審議を願わなければならぬのではなかろうかと私は感じておつたのであります。従いましてこういつた趣旨の法案を議会側から御提案になりますことは、国警事務当局といたしましては結構なことだと考えております。政府も閣議におきまして、これについてまだ決定をしたということはございませんので、政府の意向というわけには参りませんが、事務当局としてはさように考えておりますことを申上げて置きます。
 それから警察用財産の処理状況につきましては、総務部長から御説明をいたしたいと思います。
○吉川末次郎君 齋藤長官にお伺いしますが、只今のお話で大体分りましたが、この法案の全文に対して賛成ですか。
○政府委員(齋藤昇君) 全文につきまして異存はございません。
○委員長(岡本愛祐君) 尚吉川委員に申上げますが、大蔵省管財局の方の者も来ております。
○吉川末次郎君 よろしく委員長からお運びを願いまして、我々十分理解して頂けるように御取計らい願いたいと存じます。
○委員長(岡本愛祐君) それでは先ず柏村政府委員から昭和二十四年法律第七十五号に上る警察用財産の処理状況について御説明願いたいと思います。
○政府委員(柏村信雄君) 法律第七十五号による警察用財産の処理状況につきましては、最近の調べにつきまして、お手許に差上げましたような状況でございます。それでこの法律ができまして、警察法附則第九條によりますると、国家地方警察に不必要なもので、自治体警察に必要なものは自治体警察に無償でやるということだけが規定されておりまして、国家地方警察に必要な物の、財産の帰属がどうなるかということが明確に規定されておらなかつたのでありまして、この昭和二十四年法律第七十五号におきましては、その点を国家地方警察に必要な物は国有にするという全く事務的な、いわば附則第九條の解釈的な法律を規定するという意味においてできたものなのであります。それでそれに基いて各府県において実態につきまして、府県の財権を国の財産に移すということを決定いたしましたものが、すでに三十三府県ございます。それから本法施行前におきまして、県有財産と市町村有財産とを実質上交換をいたしまして、そうして本法の施行後に交換するとして、その財産の帰属の確定いたしたものが二十種ございます。それから第三に、本法による処分につきまして、府県議会の議決を了しておりながら、尚いろいろ政治上の理由や実際上の不便というような点から、市町村において交換を希望しておるものが七つございます。それから第四に、一応国有財産に移しましたが、この国有財産に移したものを国家地方警察と自治体警察とで共用しておるものが百八十八種あるわけでございます。
 尚専門員の方の方から、具体的に国有に移管になつた建物の坪数であるとか、その評価額というようなものを知らせて欲しいという御要望があつたのでありますが、これにつきましては目下調査中でございまして、この議決を了したものにつきまして十分に精査しませんと、申上げるだけの資料になりませんので、本日には間に合わなかつたわけでありますが、御了承願いたいと思います。
○島村軍次君 御提案の趣旨は御尤もであると存じますし、且つ当局の方も御賛成のようでありますから、我々も賛成をいたしまして共同提案で出すことを……。
○吉川末次郎君 大蔵省の意見を聴いてからにした方が……。
○委員長(岡本愛祐君) それでは大蔵省管財局の森岡国有財産第二課長に御説明願います。
○説明員(森岡謹一郎君) お答えいたします。大蔵省の事務当局といたしましても、この法律案に対しまして別に異存はないのであります。妥当なる改正案であると存ずるのであります。
○島村軍次君 只今申上げました通りに、万事はオーケーのようですから、共同提案の発議をいたします。
○委員長(岡本愛祐君) 只今島村君からこの法律案をこの委員会の全委員の共同提案にしたらよくはないかという御発議がございました。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それではそういうことに取計らうことにいたします。
 今日の会議に付します事件といたしまして、地方自治法の一部を改正する法律案、予備審査でございますが、本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが、如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
           岡田喜久治君
   委員
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           堀  末治君
           林屋亀次郎君
           谷口弥三郎君
           西郷吉之助君
           島村 軍次君
           鈴木 直人君
  国務大臣
   文 部 大 臣 高瀬荘太郎君
  政府委員
   国家地方警察本
   部長官     齋藤  昇君
   国家地方警察本
   部次長     溝淵 増己君
   国家地方警察本
   部部長
   (総務部長)  柏村 信雄君
   国家地方警察本
   部部長
   (警備部長)  樺山 俊夫君
   文部事務官
   (初等中等教育
   局長)     稻田 清助君
   農林政務次官  坂本  實君
  事務局側
   常任委員会調査
   員       法貴 三郎君
  説明員
   大蔵事務官
   (管財局国有財
   産第二課長)  森岡謹一郎君