第007回国会 地方行政委員会 第21号
昭和二十五年三月十四日(火曜日)
   午後一時二十二分開会
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  本日の会議に付した事件
○公述人の選定に関する件
○連合委員会開会に関する件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (地方税法改正の農林行政に及ぼす
 影響に関する件及び地方税法改正案
 要綱に関する件)
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○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。先ず御報告を申上げます。
 昨日委員長、吉川、岩木両理事が集まりまして、次の件を内定いたしました。御承認を得たいと思います。それは第一に、地方税法案がやがて国会に提出されます。そのときには公聴会を開かなければなりません。その公述人につきまして委員長にお任せを願つてでおりましたが、昨日両理事にお諮りいたしまして、全般的観察について、特に平衡交付金を含めまして三名といたしまして、日本租税研究協会会長の汐見三郎君、東京商大教授の都留重人君、武蔵大学経済学部長鈴木武雄君、東京商大教授の井藤半彌君、この四名の中から三名を選ぶことにしたらどうか。又地方自治体の財政については、知事代表一名、市長代表一名、町村長代表一名、これを各知事会、市長会、町村長会から選ばせる。これは事務局長なんかじやなくて、責任ある代表にいたしたいと存じます。それから附加価値税等事業課税につきまして、前中小企業庁長官蜷川虎三君、それから東京都商工相談所長の中西寅雄君。農業課税について一名といたしまして、東大教授の近藤康男君、又は農業指導連参事の青木一巳氏。それから固定資産税について一名といたしまして、これは人選中でございます。これから人選いたします。それから一般応募者中より一名、組合関係者より一名、それから婦人代表、主として住民税につきまして一名、これは行政監察委員村岡花子君、又は東京都会議員本島百合子君その他から選衡したい、こういうふうに考えております。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」「委員長」と呼ぶ者あり〕
○島村軍次君 農業課税について一名として、予備が出ておるようでありますが、協同組合全般に関しての附加価値税及び法人税は、これは国税の関係ですが、住民税その他について協同組合の立場から是非公聴会に出席して述べたいという希望を受けておりますので、ここに予備としてあるのを、協同組合関係として一名を加えて頂きたいと思います。大分数は多いようですけれども……
○委員長(岡本愛祐君) 昨日御両人とも御相談したのですが、協同組合の代表ということになると、外のいろいろな組合を入れなければならん関係が起つて来ると思います。
○島村軍次君 いや、そういう関係ではなくて、協同組合は、いずれ委員長のお手許にも出ているだろうと思いますが、全体を通じて全国農業協同組合の青木氏が各協同組合、生活協同組合、及び水産その他を一括して世話を申上げている何か団体が拵えてある。そういう関係がありますから、水産及び農業その他の生活協同組合と一括しての意味で加えて頂きたいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) ちよつとお尋ねしますが、林業とか畜産とか、そういうものは入つているのですか。
○島村軍次君 林業も全部入つております、協同組合関係は……
○委員長(岡本愛祐君) それでは島村さんから、只今お諮りいたしました外に一名追加して、つまり農業課税として一名としておつたのを二名にして、予備的に考えておつた農業指導連の参事の青木一巳君を公聴会の公述人に出して貰いたいという御要求がありましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それじやそういうふうに取計らいます。
 尚公述につきましては、一人持ち時間を二十分以内に厳守して貰いまして、まあ質問その他に対する時間も見て、大体一人について三十分と見たらどうかと思うのですが、そうして二日に亘らないで、成るべく午前、午後に亘つて一日で経るようにいたしたいと考えております。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それじやそういうふうに計らいます。
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○委員長(岡本愛祐君) それから次に御承認を得たいのは、他の委員会で管轄する法律案の中に、地方行政委員会として特に検討を要するもの、即ち連合審査を要求すべきものと認められるものはどのくらいあるかということを検討いたしまして、そこでお手許に書類を差上げて置きましたが、教育委員会法の一部を改正する法律案、矯正保護作業の運営及び利用に関する法律案、図書館法案、放送法案、小型自動車競走法案、建築基準法案、これはまだ未提出であります。それから標準義務教育費に関する法律案、これは未提出であります。それから旧軍港都市転換法案、これは議員提出でありまするが、未提出であります。首都建設法案、これも未提出であります。こういうものが当委員会としての検討を要するものでありますが、この中で小型自動車競走法案、建築基準法案、標準義務教育費に関する法律案、旧軍港都市転換法案、首都建設法案、これらはいずれも連合審査を要求することが必要という結論に達したのでありますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) ではそういうふうに計らいます。
 他のものはまあ連合審査ということにしなくてもいいじやなかろうかとこういうふうに思つております。この点に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) ではそういうふうに取計らいます。
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○委員長(岡本愛祐君) この委員会におきまして、これまで参考人として、この委員会に陳情せられた人その他について、委員会で発言を許しておつたのでありまするが、これはその委員会の開会中に議員の方々からこういう人に発言さして呉れというふうな御要求もときにはあるのですが、そうしないで、この今日掲げましたように予めそういう発言を許すべき人は公報に掲げまして、そしてその人に限るようにした方がいいと思うのですが、この点御意見を開陳願いたいと思います。

○島村軍次君 原則はそれで結構だと思いますけれどもたまたま地方の人が御上京等の機会がありまして、そうしてたまたま委員会の開催日に是非陳情したいという場合におきましては、時間を限つて成るべくそういうことを委員会として取上げた方がいいと思いますが、除外例があるという前提で賛成をいたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) これは委員長としてもそういうふうに考えます。この民主政治の時代におきまして、成るべく民間から当委員会で発言したい希望がありますれば、適当と認めれば今先に申しました手続を踏まなくてもできるようにしたいのでありますが、実は事務局の方からなかなかむずかしいことを言つて参りまして、尚特例を認めることに一応御決定置き願いまして、事務局方面とも交渉して検討いたすことにいたしますから、御承知を願います。
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○委員長(岡本愛祐君) それから今日午前に東京都議会議長、それから東京市会議長、横浜市会議長、神戸市会議長から自治体警察の財源確保方に関する陳情がございました。それは大体四つ共殆んど同じことでありまして、警察法は、過去における警察力乱用の根本的是正と地方自治の原則を達成するために、警察制度の民主化と徹底的地方分権化を企図して制定されたものである。かかる趣旨から、自治体警察は、ときに地方公共団体固有の警察事務の外に、検察庁へ送致後の被疑者を代用監獄して再び收容し、護送し、或いは進駐軍関係家屋、主要官衙の警備その他本来国が面接行わなければならない司法事務、行政事務をも併せ行なつている実情である。これは主として国の利害に関係ある事務或いは地方公共団体が処理する権限を有しない事務を行うために要する経費でありまして、地方財政法の建前よりするも、当然国はその経費を負担しなければならない性質のものであると信ずる。然るにこれら経費の大部分は窮迫せる地方財政の負担するところであり、地方自治体はその財政的負担の過重に苦しみ、ために地方自治行政の健全なる発達が阻害せられ、経費の不十分により治安維持に、又完全な警察業務の遂行に困難を来している現状である。政府はこの事態に着目し、成るべく速かに自治体警察経費の大幅補助を行い、自治体警察の活動を完全円滑ならしめ、以て治安の確保に万全を期せられるよう切望する次第である。右地方自治法第九十九條第二項により意見書を提出してお願いする、こういうのであります。この件は前にこの委員会でも取上げたので、そのとき地方自治庁側の意見を聴きましたが、これにつきまして一応地方自治庁政府委員から意見の開陳を願います。
○政府委員(荻田保君) 従来自治体警察の経費が十分でございませんでしたことは、これは地方財政全体が非常に財源に苦しんでおつたことも大きな原因だと思われます。今回政府は税制及び財政全般を通じまして、地方の財源を強化するという方向において改正を頂いておりまするので、この結果によりまして相当自治体警察の財源につきましてもゆとりが出るんじやないかと考えております。殊に今度の財政改正におきまして、地方財政にとりまして大きな問題は平衡交付金の問題でございますが、この際に標準経費を警察費について如何に見るかということにつきましてどう決めるかということが、まあ自治体警察の今後の財源にゆとりが出るかどうかという基本になると思います。こういう点につきましては、現在の実情及び外の費目の振合というようなことを考えまして、適当に定めたいと思います。尚臨時的に相当経費が要つておりまするので、これに対しまする起債の問題をしばしば聞くのでございまするが、これはいつかもこの委員会で御説明いたしましたように、一応現在の建前といたしましては、警察関係には起債を認めることはできないことになつておりまするが、ただ自治体警察切替の際に当然行うべきことであつて未だ措置の十分でないというようなものに対しましては、起債の枠のあります限りにおきまして、できるだけ今後も認めて行きたいと考えております。
○委員長(岡本愛祐君) 只今の答弁について御質問ございませんか……
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○委員長(岡本愛祐君) それでは農林大臣が出席されましたから、飮食営業臨時規整法の一部を改正する法律案の予備審査に移ります。
 尚先日島村委員から農林大臣に質問があるということでありましたが、島村委員。
○島村軍次君 地方税の画期的改正が行われるに当りまして、農業、工業、水産業、中小企業、或いは生活協同組合等協同組合関係にある課税について、特に農業協同組合の関係が主体でありますので、この際農林大臣に所見を伺い、且つその税法改正に対しての農林大臣の将来に対する考え方を承つて見たいと思うのであります。協同組合は、私が説明を申上げるまでもなく、農地改革と併せた一環として、特に占領下における政府の政策として、或いは又占領政策として取上げられた大きな問題であるのであります。法律の上にもさようなことが明記してあるし、生活協同組合法においても大体同じような事柄が明記してある。中小企業の協同組合においても同様であります。又水産業協同組合も、農業協同組合と併せてさような意味の規定が作られておるのであります。従つて政府は今後の経済活動に、特に中小産業者に対する経済的、社会的の立場から、社会政策的見地に立つて協同組合の育成をすべき大きな責任があると思うのであります。この点は戰争前におきましても、すでにこういう見地から非課税主義をとつておられ、第二次大戰中におきましても特別法人として取扱われ、いろいろ恩典が與えられておつたのであります。又二十三年の税制改正におきましては、その戰時中の戰費を償うという立場から、特に税率を下げて、特殊法人としての扱をやつて参つたのでありますが、今回の税制改正に際しましては、これらの問題を全く無視して、そうして一般の法人税としての課税が行われることになつたのであります。勿論これに対しましては、相当の考え方もあり理由もあることだろうと思うのでありまするが、併し我が国の産業状態から考えますというと、シヤウプの勧告案のような、一律にこれを持つて行くということは、以上の経過的の点から見ましても、この際特にこれらに関する組合の育成の見地から、課税を、非課税原則がとられない場合には、相当の減額をするということが地方税法中に規定さるべきものであると思うのであります。インドにおける国際連合の農業機構に関する世界的の会議におきましても、そういう原則が認められておるのでありまするが、農林大臣は農民課税に関して、以上の線に対してどういう所見をお持ちになり、且つ又今までの地方税中に規定される場合における農林大臣としての如何なる責務をお果しになつたか、この点に対して先ず以て御意見を承つて見たいと思うのであります。
 第二の問題は、今日の地方税のうちには、附加価値税が相当問題になつておることは御承知の通りでありまするが、この際、私は以上のような所見からする農業に関する附加価値税のうち、協同組合に対する税について申上げて見たいと思うのでありますが、従来農業協同組合の一つの例でありますが、最近にできましたものは六三%の黒字組合があり、三七%は赤字組合だと言う、調査の結果によりますと。かようになつたのでありますが、これらの代表的なものに、最近の情勢から見まするというと益々赤字を増して来るばかりであると、こういうようなのが情勢であります。然るところ今回の附加価値税におきまして、現在負担をしておつた事業税と、それから今回の課税との間の開きは相当なものでありまして、殆んどこの附加価値税を課せられることによつて、組合相互間において組合員の財産権、組合員の利益が出た場合には還元するという建前のものが、全く組合を作つたことによつて非常に赤字を増すばかりでなく、破産の状態に瀕するという情勢になると思うのでありますが、これらに関して農林大臣は如何なる所見と如何なる措置をお講じになりましたか、その二点に対して先ず以てお伺いして置きたいと思います。
○国務大臣(森幸太郎君) お答えいたします。今回の税法改正は、従来に捉われずに新らしい観点から日本の税制を検討いたしたシヤウプの勧告に基礎を置きまして決定いたすことになつておるのであります。地方税法につきましても、まだ結論に達しておらないのでありますが、併しながら今御質問のありました法人としての協同組合に対する点でありますが、従来の農業会を組織いたしておりましたときは、御承知の通り特に政府はこの農業会に対して発言権を持ち、主導権を持つ、一面から申しますれば、政府の行政の一環として農業会というものが活動いたして参つたのであります。従つてこの政府の考え方によりましては、農業会というものの自治体の意思も、場合によりましてはこれを曲げなければならないような事情もある、こういう関係から特別に農業会に対しまして免税点を設け、又その税額を低くいたして来たのであります。併し今回作りました協同組合は、全くこの農業会とその趣旨を根本的に異にいたしておりまして、農業者みずからが自己の農業を経営する上において、同じ農業を営むものと力を合せて、小さい力を大きくしてそうして経営を合理化しようということが、自治的にこれが行われておるのであります。従つて強制加入でもありません。任意加入の立場に置くのでありまして、昔の農業法と現在作りつつあるところの農業協同組合とは、その組織の根本観念において達つておるのであります。従つて特別法人としての取扱をいたすべきか、いたさなくともいいかということは相当これは議論があるのであります。農林省といたしましては農業協同組合の育成のためにできるだけ課税の低からんことを希望し、シャウプ勧告案の根本方針に背かない程度において、相当この事務的な努力も拂つて来たのでありまするが、併し金申しましたシャウプの考えました、根本的な考え方がそこにあるので、特に法人のうちにおいて格段の設けというものを認めることが税の方針としてできない得ない立場に置かれておるのであります。然らば政府として農業協同組合に対してどういう考えを持つておるかと、こういう段階に入るわけでありますが、これは幾度も申上げましたと存じまするが、政府の農業政策の相手は農業協同組合である。この気持は昨年申上げましたが、今日も敢て変更いたしておらないのであります。どうかして農業協同組合を真に協同組合の目的に沿うように発達して行かしめたいということを念願いたしておるのでありますが、島村君も御承知の通り、農業会というのが一つの組織をいたしておりまして、それが解散いたした分子が集まつて農業協同組合を作つたという関係から、この農業会おける遺産の相続というような点において、農業協同組合が出発僅か二年有余において非常な資金難に遭遇し、又従つて経常難に面しておるという事実を否定することはでき得ないのであります。これはたびたび全国的な連合会からその処置に対しての対策も御要求になりまして、政府といたしましてもこの問題を別途に考慮をいたしまして、一日も早く解決いたしたいと努力を続けておるわけであります。併しかようなことによつて今新らしく生まれました協同組合を批判することは、これは苛酷に過ぎると存じまするので、漸く生れて二年半の協同組合、この協同組合を本当の姿に一日も早く建直さしたいという気持であるのであります。でこの気持は僅かばかりの補助をするというような意味でなしに、協同組合の本然の使命を協同組合員自体に知らしめたいということでなければならんと存じております。で政府におきましては、この実施のために指導の立場における人の教養、講習、訓練等によりまして完全なる協同組合の事務の執行を実現いたしたいと考えておるのであります。一部におきましては協同組合をみずから作りながら、自分の協同組合を自分の協同組合と思わない協同組合員がおりまして、そしてみずから自己の協同組合の基礎を危くせしめるという実例も聞いておりますので、これは協同組合の将来のために一日も早くこういう欠点を直しまして、そうして協同組合の堅実なる発達を期待いたしたいと考えております。
 第二のお尋ねになりました意味も、協同組合というものをこういう観点から眺めました場合において、特別なる取計らいができ得ない、これはその内容については、いろいろ申上げたいこともありますが、これは申上げることを避けさせて頂きまして、農林省といたしましては、いろいろこの附加価値税に対しましても、相当研究も進め、その研究の結果に基いて実現に努力いいたしたのでありますが、今日におきましては、やはりシャウプ勧告案に従いまして、そうしてこの税の実現を見るの余儀なきに至つたことを御了承願いたいと存じます。
○島村軍次君 農林大臣の所見は、全部賛成をいたしかねる点があるのであります。それは成る程自主的機関であることは間違いないと思うのでありますが、農業会に対する考えが余り強過ぎると思う。何となれば、農業会の当時に、政府の機関としてやつたのであるから免税をした、或いは減税をしたというふうな意味にとれたのでありますが、それは全く違うのであつて、すでに実例として二十三年の法律改正において、政府は協同組合精神に則つてこれを育成する立場から、二十三年度においても特殊法人として扱つて来たのであります。従いまして協同組合になつてから、すでに免税規定が設けられておつたことは、大臣もよく御承知の通りだと思うのでありまして、農業会の時分にやつておつたからという理由は、これはこの際、誤解を他の一般に招くといけないと思いますから返上を申上げたい。同時にこの農業協同組合を政策の一つの対象とするということに対しての御意見はたびたび承つておるところでありまするが、現在の協同組合が日本の零細なる農業の上に立つて如何に苦心をし経営をやつているかということは、むしろ十分農林大臣も御承知のことであるのでありまして、この法人税を特殊法人税とすることに対して、関係方面に対しての認識を相当農林大臣は深めて頂くことを私はこの際特に希望を申上げたいと思うのでありますが、すでに法案が提案されんとする今日でありますが、併しこの地方税関係の法案はまだ提案にもなつていないのでありますし、更に地方自治庁と協議されまして、特殊法人としての扱いをされる御意図があるかどうかということに対して重ねて伺いたいのであります。
○国務大臣(森幸太郎君) この初めの説明に言葉が足らなかつたのでありますから修正いたしますが、農業会に対する考え方は、法理の上から申しましても、現在の協同組合とは違うのであります。併しながらこれを急激に変化さすということはいけないという考え方がありまして、お話のような昭和二十三年度においては特別な課税率をしておつたのでありますが、シャウプ勧告案は、今までさように考えておりましたところを根本的に修正いたしまして、過去の事実に捉われずして、二十五年度からこれをやつて行け、こういうことになつたわけでありまするから、この点は一つ私の言葉の足らなかつたことを附け加えて置きます。
 尚この地方税法の改正でありますが、これはシャウプ氏がこちらに参りますと同時に、我が農業に対する負担の状況を具さに先方へ申入れまして、そうしてこういう状況になつておる、地方の負担がこうであるということをあらゆる角度から現実を具申いたしまして、その妥当な石意見の成立要望いたしたのであります。併し今申上げました通り、今日の地方税法というものが、その勧告案を基礎として作り上げたのでありますが、今日まで、今お話のような農業会のために、或いは協同組合のために、その税の修正につきましては、これは政府の内部でありまするが、地方行政庁とも折衝を重ね、又こちらの意見も関係方面にも通達し、その実現に対しましては今日尚この問題を継続いたして参つておるのでありまするが、これは政府の内部の話でありまして、農林省が要求したが、行政庁が聞かなかつた、大蔵省が聞かなかつたということでなしに、政府といたしましては、このシャウプの勧告案に基く地方税法に対しましてはあらゆる角度から検討を加えておるのであります。これも近く、今明日にも決定をいたしまして、皆さんの御審議を仰ぐことになつておりますが、政府といたしましては極力、今島村委員のお述べになりました気持によりまして、この地方税法の原案成立に対しまして努力をいたして参つたことだけを御了承願いたいと存じます。
○島村軍次君 税の問題はこの程度にいたして置きますが、農林大臣が御出席になりましたので、特に地方財政平衡交付金に関係のある問題ですが、一つ説明を伺つて置きたいと思います。それは今回の平衡交付金の制度が設けられるに当りまして、地方庁並びに市町村において一番問題が多いのは、やはり農林省関係の従来国庫補助或いは、全額国庫で人件費等を出されておつた問題だと思うのですが、つまり補助、奨励に関する支出が取上げられるということになると思うのです。従いまして地方の財政に及ぼす影響は非常に大きいと思うのでありますが、従来の農林省のやり方を申しますと、助長行政という立場の一つのこの態度、そういうところから余りに手形を発行し過ぎて、現実がその通り伴つていないという事実が沢山あるのであります。これは農林大臣もよく御承知のことだと思うのでありますが、今回は平衡交付金において、交付の基準が作られ、且つ従来の補助金等は一切府県へは交付せないという筋合になると思うのでありますが、それに対して格別に農林省として、どういう費目は交付金の算定の基礎にするかというようなことを、具体的に一つ地方行政委員会へ費目別に御発表をお願いいたしたいと思うのです。
 それから尚災害復旧に関する問題も、やはり併せて重要な問題になつて来ると思うのでありまして、特に土地改良については金額を限定をして、それ以上のものに対しては国庫が負担するというような法律案が出るように承つておるのでありまするが、その点に対しましても、現在まで進行されました情勢、折衝の過程と言いますか、今日までの考えを一応承わりまして、前段の問題は、至急に資料を整えて地方行政委員会の方へ出して頂きたいと思うのであります。
○国務大臣(森幸太郎君) 第一の問題は、資料を事務当局に提出するよう指図いたします。
 第二の問題でありますが、災害復旧費は二十一年、二十二年度というようなものが残つておりましたので、いつまでもそういう過年度の災害が残つておつてはいけない。この際思い切つてそういう過去のものは、これを完了すべきであるという考え方によりまして、二十一年、二十二年度の分に対してはこれを全額やつてしまう。尚併し予算等の関係から二十三年度分に対しましては、これは全部やることはでき得ない。五割乃至六割ぐらいしかできんかも知れんと思うのであります。又二十四年度の災害に対しましては、これは災害は国庫において負担すべきものである。併し十五万円以上のものに限つてこれを国家ができるだけやる。それは総予定額の確か三〇%であつたと存じますが、その残りは二十六年度以後においてこれを予算化して行くという建前に災害復旧費はなつたのであります。この全額国庫助成につきまして、農林省関係といたしましては、従来補助を以つてやつて来たものが多いのであります。河川、道路のごとき、その全額を国庫が負担しておつたということでなしに一定の法律によつて助成して参つたというものに対しましては、これを全額国庫が負担するということは理屈に合わないという建前で、農業関係が別途に考慮されたのであります。で、十五万円ということを決めましたことは、甚だいかんという御意見もありますが、今日災害で、仮に一反歩の畑が、全耕地が河原になりましたものと仮定いたしまして、それを元の耕地に復興しますのには、恐らく十万円以上の金が要るのであります。それでありますので十五万円という金額は今日の実情から考えまして、決して高い、多いということは考えられないと存ずるのであります。併しこの農業関係の災害は、渓谷地帯等の誠に反別の少い所、或いは山間僻地の土地の被害が多いのでありまして、そういう土地は、その耕地を総合的に考えまして、そうしてこの助成に合うように実際の問題について取上げて行きたい。かように考えておるわけであります。尚土地改良等につきましては、これもいろいろの関係から従来通りの細いものに対しまして、団体のやつておるものに対しましては、助成することを許されなんだのが、二十四年度の実際と同断であるのでありますが、この方面に対しましては、資金の融通等によりまして、この土地改良の事業を完遂せしめたい。かように考えておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 只今は飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案の予備審査を主体にいたしておりますが、農林大臣の御退出の都合もありますので、地方行政の改革に関する調査全般につきまして、農林大臣に御質問がおありになりましたらお願いいたします。
 農林大臣に伺いますが、地方財政平衡交付金制度と、これまでの農林省の補助金政策、その関係がどうなりますか。依然奨励的の補助金として、地方財政平衡交付金の外に立つて補助金を出して行くようになさるおつもりか。或いはその大部分は平衡交付金の中に吸収されてしまうのかどうか。若し吸収されるとすると、農林省は従来数十種目に亘つて補助金を地方公共団体に交付しておられます。そうしてこの補助金を通じて農林省の政策を地方に実行しておられる。でこれは一面弊害もあつたように思うのですが、又長所もあつたのは事実であります。それでこれが平衡交付金の中に大部分吸収されるとすると、農林省はいわゆる紐付きの補助金を出して、中央で地方公共団体を一様に操作することができなくなるわけです。従つて府県は独自の立場から農林省の政策を批判して、これを実行しない場合が多々起ると予想されるのですが、こういうのはどういうふうに考えておられるのか。そういうことになつたら、地方と中央との農業政策の対立というようなことが起つて来やしないか。これは大問題だと思うのですが、この点御所見を伺つて置きたいと思います。
○国務大臣(森幸太郎君) 細かい数字を後程資料として提出いたさせますが、補助ということは、全然今日は打切られておるのであります。今までは三分の一補助してあるから三分の二出せとか、三分の二やるから三分の一負担せよというふうに、いわゆる中央集権として地方自治体に干渉いたしておつた制度であつたのでありますが、これが今日名前だけ地方自治でありながら、実質は中央に依存するというようなことでありまして、いつまで経つても地方自治体の本領を発揮することはでき得ない。又自治体というものは、おのおのその特徴を活かして行かなければならんのでありますが、これが今回地方程法を改正して、シャウプ案のいわゆる地方自治体に独立性を持たすということが眼目とされておると存じております。従つて従来のような補助で地方と連絡するというこの精神は、根本的に改めて行かなければならんと存じております。併しながら国家的な行政の上から眺めまして、これは地方の事情がどうあろうとこうあろうと、これは国家の政策として全国的にやらなければならないと、こういう性質のものに対しましては、この指導奨励の意味から、補助金という意味でなしにその事業、行政が実現するように、政府自体が考えて行くべきである、かように考えておるのであります。地方交付金の内容は、御承知の通り、その自治体の財政のよし悪しによりまして交付金の額も決まるわけでありますので、そこに自治体の自主性を認めて、そうして課税の面におきましても、その地方自治体が事業の分量に応じて一定の課税を減額し、或いはこれを増額なし得るような弾力性を持たせた地方税制でなければならんと考えておるのであります。こういう気持から今回交付金は相当増額をいたしましたが、尚将来におきましても、地方財政の改正をやりました結果によりましては、この交付金の総額においても、政府としては考慮を拂い地方自治体が本当の自治体の能力を挙げるようになさしめなければならんと思うのであります。ただ先程申しました通り、国家が総合的に考える事業に対しましては、補助金という意味でなしに、その政策を実現するための必要なる経費を地方に分布するということは、これは当然であると考えております。こういう意味で地方自治体の健全なる発達をなさしめ、そうして中央行政の上において総合的、国家的の必要なものに対しましては、その必要な経費に対しまして、補助金という意味でなしにこれを支出し、その行政の実現を図る、こういうふうに考えて行くべきであると存じております。
○島村軍次君 資料で検討を進めたいと思つておりましたが、一つの例として伺つて置きたいのですが、例えば人件費で補助を出す、これは来年度では、費目によつて違うかも知れませんが、原則としてはどうなりますか。農林省予算から落してあるのか、或いは又それは平衡交付金の交付の算定の基礎に入れてあるのかどうか。
○国務大臣(森幸太郎君) 私が先程お答えいたしました県に支出いたしておりまする職員の俸給等、諸経費の一部を負担しておりますことは、地方自治体のみの職員でなしに、国家の行政に関與すべき仕事をなさしめておるという気持で、そういう職員に対しましては、政府の事業として経費を計上いたしておる筈であります。
○島村軍次君 そうすると、従来三分の二の補助を出して国の事務としてやつておる場合には、府県の予算の中には、やはり府県の自治体の経費の中に含んで、そうして或いは委託費とか、或いは何という費目か、とにかく従来と変らんように人件費の経費が計上してあるということなんですか。
○国務大臣(森幸太郎君) 人件費そのものの必要によりまして、従来通り農林省予算に計上してあるわけであります。
○島村軍次君 そこで、つまり従来の補助なり奨励で出しておつたものと、私の資料を要求したのは、これは平衡交付金の算定の基礎に入れるものと、或いはこれより別途に農林省国家事務として予算中に計上したと、或いは費目は変つたけれども、これは府県の予算中に計上して、やはり国庫から形の変つた意味で交付する見込のものというふうに、部別に分けて一つ御提出を願いたいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 農林大臣にもう一つ伺いたいことは、農民の経済が急激に低下しつつある現況におきまして、今度税制の大改革によつて、農村に対する固定資産税の増加は二倍半になり、それから住民税も二倍半になるということになるのですが、非常にこの増税の及ぼす影響が農村には大きいと考えるのですが、これに対して農林大臣はどういうふうにお考えになつておるのか、まあ止むを得ないと言われればそれまでですが……
 それから小作料なんかは、大幅に値上をしなければならんことになるのでしようが、それに対する農林大臣の御意見を伺いたい。
○国務大臣(森幸太郎君) 税制の改革は、地方の税額は地方ごとによつて変つて来るのでありますが、大蔵省の大体標準的に考えておる数字を、今私は細かい数字を持つておりませんが、それより承知いたしますれば、相当農村は従来より減税されるということがはつきりいたしておるようであります。これは具体的に大蔵当局の出席の場合にお聞取りを願いたいと存ずるのでありまするが、確かに現在の税額とは、地方税が少々殖えましても、国税の減税によりまして、カバーして、尚且つ前年より低額になるということが、はつきり大蔵省としては数字を挙げておりまするから、後程お聞取りを願いたいと存じます。
 小作料の問題でありますが、これは御承知の通り、農地法を制定いたしましたときに、全国の地価が平均十九円一銭確か記憶いたしております。これを畑地は四十倍と見まして、そうして一応地価というものを定めたのであります。ところが昨年度地租が改正になりまして、五百倍に地租がなつたのであります。初めは小作料を決定いたします場合に、全国平均を二石五斗と見まして、二石五斗の小作地に対して小作料が一石であるという、この気持で一石が七十五円ということに修正されておつたのであります。それで実際問題といたしましては、三俵の年貢、二俵の年貢、一表半の年貢という、土地の力によりまして小作料は従来変化いたしておりますから、どこの田でも一反歩七十五円というわけではないのであります。ややもいたしますれば、二石五斗の平均収量……小作料は一石で七十五円ということで、一反が七十五円の小作料であるというふうに誤解されておりますが、七十五円もあり、九十円も五十五円もあるというわけで、地方によつて、いわゆる昔の小作標準によつて、一石当り七十五円という算出が出ておつたのであります。ところが今申しましたように、五百倍に地租が上りましたがために、ざつと平均百円ばかり田によりまして租程が上つて来たのであります。そうしますると七十五円で行きますると、二十五円ばかり損が行く、こういうことになるのであります。それで明年度かもは小作料なり地価を七倍にいたしたいと考えております。ところが本年度の経過時期におきまして、その方針に行く予定をいたしておりましたが、この貸借の途中に契約を無視した小作料を上げることはいかんではないかというような意見も一面かも出て来たのであります。併し過去において水利組合等によつて特別臨時的な経費がかかつておつた、その経費は誰が持つべきものであるかというような問題から、耕作者がそれは当然負担すべきものである、こういう考え方から七十五円と標準が決まつておりましたけれども、その当時の揚水費等は耕作者、いわゆる田を作つておる者にこれを負担せしめたことであるのであります。その理論と同じように、地租が上つて来たのである、その地租は当然耕作者が、上つただけは負担すべきものである、こういう考え方で、今回地租の上つた分だけは耕作者がこれを遡及しても支拂いすべきものであるという考え方で決定いたしたような次第であります。従来小作、地主の関係は、その開始当時に小作契約をすべきが本来でありますが、日本の長い習慣といたしまして、全国的に小作契約書を結んでおりません。又小作料を拂うのはその年の豊凶等の関係がありますので、十二月から一月、二月に今年何ぼ年貢を負けて呉れとか、何ぼの年貢にしたらよいかというのが、昔の人の習慣であります。決して一月、二月に小作料を修正いたしましても、この契約の途中の段階において契約を無視したこととは考えられませんので、その程度の修正を本年度はいたしたい、かように考えておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 農林大臣に対して御質問ございませんか。
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○委員長(岡本愛祐君) それでは飲食営業臨時規整法の一法を改正する法律案、これにつきまして御質疑ございませんか。
   〔「質問なし」と呼ぶ者あり〕
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○委員長(岡本愛祐君) それではこれを打切りまして、次に地方行政の改革に関する調査のうち、地方税法改正案要綱について意見を聴取いたしたいと思います。
 先ず山下汽船株式会社社長森熊三君。
 申上げますが、加藤君、松村君、矢崎君と四人で二十五分以内ということになつておりますから……
○参考人(森熊三君) 私は山下汽船株式会社社長森熊三であります。今回のシャウプ勧告案によりますと、船舶に対する固定資産税が上つておりますようでありますが、それにつきまして海運業者といたしまして陳情を交えてお願いをいたしたいと思います。その希望のことや何かは、お配りしました書類の一番先のところに付けてございますが、それをちよつと御覧頂きますと話が分りよいかと思います。
 我々の希望といたしましては、造船に対する税は固定資産税とせずに、他の独立した税としてお取扱を願いたいというのが希望でございます。その理由といたしまして、概括的に五つに分けまして、あと尚細かく四つ程に分けております。三つのやつを先ず申上げますと、昭和二十四年度の船舶税、これに八千四百万円拂つております。これに実際の実額でございます。これを今度の固定資産税に変更されまして課税された場合におきましては、平均いたしまして約十三倍になります。殊に外航用の新造大型船におきましては三十二倍強になります。非常な重税になるのであります。それでその次に二のところに行きまして、この結果二十五年度の新造計画に対しましては、船主は到底手が出せない、こういう結果になるのであります。これは我が日本の海運、戦後における海運再建という非常に重大な使命に対しまして、非常な障碍になるのでありまして、この再建ができませんと、すべての貿易や何かが如何に足掻きましても、目的を達することは甚だむつかしいだろう、こう思うのであります。尚見返資金の問題も米国からいろいろ好意的な條件が出ておりますが、税がかかるようでありましては、この資金を使つてもしようがない、こういう結果になる虞があります。
 三番目に、配船の都合によりまして若し船が繋船になるというような場合を想像いたしますると、僅かな繋船料しか貰えません。今度の関係筋からのメモランダムによりますと、一艘の船について四人の船員費と保険料の僅かなものというので、極く僅かしか繋船料が貰えません。尚これについてに解釈上の問題で疑義がありますけれども、一応表面上はそういう数字になつているのでありまして、若しその繋船料しか貰えないというような場合は、これに税をお拂いすることはできない。
 四番目に仮に新造をいたしたいといたしましても、この種の課税のない外国船と外洋に出まして競争するということは全然できないということは明らかであります。
 五番目に、船主の大多数が東京と大阪、神戸、大きな港に定繋港として関係がありますが、若しこれらにかたまりました場合には、その三つの外へ非常に大きな金額が行くことになる。外は輝く少数しか落ちない。地方税としての意味をなさないと思うのであります。若しこれが定繋港を小さな町に置いたとすると、莫大な金額がその町村に落ちまして、一地方でそういうような金が入るということは、濫費の虞れがあると思われます。これが概括論であります。
 それでこの点におきまして一番初めの固定資産税の十一億というようなやつが十三倍になるとか、三十二倍になるということにつきましては、地方庁の方のお調べでは、大体六億と言つている。これを調べて見まして、いろいろ書類を見せて頂きました結果は、やはり同じように十二億が出ているのであります。それで税の把握力としまして五〇%、六億が取れるであろう、こういうことになつております。ところが船舶は把握力も糞もない、全部が把握力、一〇〇%取れます。逃げようたつて逃げようがない。ですからこれに十二億の税が取られるという結果になるので、この点は地方庁でお調べになりました点と我々のと一致しております。尚これは運賃の面から見まして、固定資産税がどのくらいの割合になるかと言いますと、荷物の一トン当りにしまして七十二円強になるのであります。若松と大阪間の運賃が標準になつておりますが、八百四十円、約一割かかるわけであります。尚これは荷主の方に全然転嫁ができない、船主がすべて負担しなければならないということになつております。それから定期傭船料、これは今運営会の方の関係がありますので、やがて四月か五月にメモランダムの通りに実行されるとすれば、この項目は違うかも知れませんが、現在運営会で傭船料を貰つておりますものを標準にして考えますと、B型の新造船、いわゆる外航に出てアメリカなり、何なりに行つて働かせる船というものの傭船料の二二%というものが税に掛つて来ます。これを月に割ると二ケ月分の傭船料になる、それから三番目に、船員費の面を見ますと、大体五十三名くらいの船員が乗つております。若しこれに税がかかるといたしますというと、四十二名くらいその上に重なつて来る。そうして九十五名の船員を乗せたと同じ結果になるわけであります。外国の船は三十五名から四十名の乗員しかないのに、日本の船は九十五名の船員を乗せてそれと競争するということになる。これは日本の船が今まで外航に出まして有利な点はこの船員費にある。この船員費が安いというのが日本の船が今まで外国と闘つて海運界が非常に有利になつておつたのですが、今度の税になりますと、殆んどそれがなくなる。それからその次に金利の面から見ますと、今の金利はエイドの金は七分五厘であります。市中銭行が一割ぐらい。若し税がかかりますと一分七厘高くなる。これは実際問題として非常に苦痛なので、今の船を造るには非常に船価が高うございまして、大体六億とか七億というように新造するのに金がかかる。それに対する金利が非常に負担になつて、これは引下げて呉れと言つて我々が騒いでおるに拘わらず、こういうような税ができると、一分七厘も高い金利を拂わなければならんというような形が出て来る。この形では船主としては経済が成立たん。これは由々しい船舶業に対しては問題になります。特にこれはお考え願いまして、この固定資産税の枠から外して他の独立税としてお取扱になるように御配慮を願いたいと思います。
 その次に附加価値税の問題でありますが、総収入及び附加価値より借入金利息は施設費その他と同様控除せられたいというのが我々の希望であります。その理由は、新造船価、改装費等が非常に高うございまして、これに対する借入金というものが巨額に及ぶので、それに伴う金利というものが船主として非常に重荷になつておる。それでありますから、この金利というものを控除する項目の中に入れて頂かなければ我々として非常に負担が重くなつて来る。幸い施設費とか、保険料その他のいろいろ約二十項目くらい我々の方で挙げまして地方庁の方にお願いに出ました。それらの点につきましては大体通して頂けるそうでありますが、税の点についてはいかんと言う、私はこれは逆だと思う。金利は大体二割八分乃至三割くらい上つておる。一番大きな項目を抜かして小さなものを通しておる、これは我々としては非常に負担が重いから是非とも総収入の中から控除されたというようにお願いしたい。これは海運界としての希望であります。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんが。……それでは次に東日本重工業様式会社常務取締役加藤戒三君
○参考人(加藤戒三君) 私加藤であります。皆さんのお手許に大体の意見といたしましてはお配りいたしてありますが、それは重工業全体の面から見ました意見でございます。
 特に今日は造船の面から申上げたいと思うのでありますが、今船の船主さんの方から申上げられたことは、すべて私の所へ引掛つて参ります問題と同じものでございます。現在問題になつております船が高いということは、結局船主さんが世界の国際海運において船賃の面において競争に敗けるということになる。その根本はどこにあるかと申しますと船が高いということであります。何故船が高いかと申しますと、いわゆる我々造船業界といたしましてはコストのほぼ六三%というものがこれが外部の拂いでありまして、そこでその外部に拂う主なものは何かと申しますと、鋼材、木材その他いろいろな雑品約六百四種の下請関係があるわけであります。この下請関係に対する地方税というものが相当の金額に上る。簡単に一例を申上げますというと、鋼材におきましてトン当り、私が聞きましたところによりますと約二千円程度のものが上るのじやないか、地方税かけで申しましてもも……。そういうようなことを聞いております。尤もこれは製鉄屋さんの方のいろいろな経営状態によつて変つているかも分りませんが、一番高いところかも分りませんが、そういう数字が出ておるのであります。そこで我々は船を如何に安く造ろうと思いましても、こうした六五%という材料、原料、部分品というものが、非常に地方税その他によりまして上つたということになりますると、今でさえ高い船が一層高くなる。我々といたしましては地方税におきましては厖大な固定資産税を持つております。造船と申しますものは、先ず固定資産が非常に大きな部分を占めております。
 従つて固定資産税が相当の負担になめる。それからその次に先程から申上げましたように、我々造船の方におきましては、造船事業がコントロールできるものと申しますと僅かに従業員の給與であります。この給與というものは本年の附加価値税におきましては殆んど全部課税の対象になつておる。こういうわけであります。而も一番造船業としては大きなコントロールできるものの課税対象となつておる。そこで我々といたしましては何とかしてこの船価を下げ、そうしていわゆる国策といたしまして日本が持たなければならない商船隊に対して貢献いたしたいというので、これは我々自体といたしまして、少くも我々がコントロールできるこの給與におきまして、一割程度のものは船価を下げなければならないのじやないかということは必ずしも賃金の値下ではございません。要するに設備の改善或いは能率の向上、或いは工程の効率化というような面におきまして、船価を一割程度くらいは何としても下げなければこれはいかんというような、今我々自体の力によつてこういう自粛的の必死の努力をいたしておる次第であります。然るに今回の地方税の改正があの通りの案といたしますと、お手許に配つてあります通り、東日本重工業といたしまして約六千九百万、これはまだ詳細な調査はいたしておりませんですが、大体六千七、八百万くらいが地方税だけで取られるというわけであります。一ケ年にこれだけの地方税がかかるということは、それだけ船価を高くするということになるわけであります。そこで造船業は非常に弱いものでありまして、各原料その他においてこれをどこに転嫁するかというのに、結局従業員の給與とかというようなことに持つて行くよりしようがないというわけでありまして、この点を非常に我々といたしましては目下憂慮いたしておる次第でございます。どうぞ一つこういう点におきましては、日本の商船隊を作らなければならんという重要なる産業であるこの造船事業を、何とか我々の努力も買つて頂くと同時に、皆様の御協力によりまして、造船の船価をできるだけ安くするという方向に向けられる一助として地方税の軽減ということもお考え願いたいのです。尚造船は昔から、先程申上げたように固定資産というものが非常に厖大なものを持たなければできないのであります。なにせ重工業中の重工業でありまして、この設備というものは実に厖大な固定資産というものを要するわけであります。この固定資産に対する今度の固定資産税というものは、何倍になるか分りませんけれども、相当高いものを標準として課税されるということは、非常に苦痛であるということはお分りになると思います。
 それから尚最後に一般的な問題でございますけれども、大体地方税につきまして、私はどうしてもまだ徴税手段が、甚だ失礼かも知れませんが、完璧じやないのじやないかというふうに考えられるのであります。この税法の内容を見まするというと、なかなか複雑でございます。これを簡単なように考えまして徴税をされるということは、非常にむずかしいのじやないかと思うのであります。例えば附加価値税につきましても、これをいわゆる加える方で行くか或いは引く方で行くかということは、まだ御決定になつておらないようでございますが、加える方、引く方ということにつきましては、相当なこれはむずかしい問題があるわけでありまし、会計に相当熟練された会社の経理の者でありましても、なかなかこれを把握するということはむずかしいのであります。そうしますというと、これを地方庁の方が僅かの経験でやられるということは、徴税上において相当の今後トラブルが起るのじやないかと考えられるのであります。それやこれやを考えまして、私といたしましては、少くも地方税の実施については、そういう準備期間と申しますが、一年程度の課税の延期をなすべきではないかと、こういうふうに考えられるのであります。時間がございませんので、これを以て終ります。
○委員長(岡本愛祐君) それでは次に日本港運協会事務局長松村茂登記君。
○参考人(松村茂登記君) 私は日本港運協会の松村であります。当てられた時間が少いので、アウト・ラインだけ申上げまして、後は書類で御諒察を願います。
 私は港湾運送業でございますが、港湾運送業という概要が十分まだ知られておらないのでおりまして、要するに港の中で仕事をしているという一つの公益性あるサービス業であります。本船の入りましたとき、或いは本船が出るとき、或いは陸から荷物を他地に転送するときといつたようなときに、沢山の労務者を使つて、殊に船内荷役、沿岸荷役のごときは、労務そのものでありまして、殆んど外に道具というものは、岸壁の機械その他を除けば、殆んど労力、それと艀ということでございます。この港湾業の概要は、船内何役と艀回漕と沿岸荷役というもの、それに荷捌き業というようなものを以て構成されておるのであります。その労務費はどのくらいこの中にあるかと申しますと、船内、沿岸におきましては八〇%から九〇%までを占めておる労力のサービス業であります。それを平均しまして労務費が六五%もあるわけであります。
 それで今度の地方税につきまして、一番我々に大きく負担が来るのではないかと思われるのは附加価値税であります。この附加価値税の対象となるものの中から、どうしても労務費というものは、普通の産業におきまする原料、材料代金、仕入代金、その他動力代金というようなものと匹敵する我々の業務の性格であります。シャウプさんの勧告によりましても、こういうものは非課税になつておる。我々は労務の面におきましても是非これを非課税扱いにして頂きたい。先般、日本経済新聞で拝見しました案によりますと、この点には相当御考慮を願つておりまして、我々業者の面におきましては、百分の五十という線を引かれたのであります。これは実に我々の業の性格をよく御審議下さつたものと思いますけれども、先程申上げましたように、仕事の大半が労務でありますので、百分の五十としてはどうも附加価値の負担をし切れない。そこでこれを百分の三十五にお願いしたいというのが一つのお願いであります。
 次に附加価値の中で収入の面でありますが、収入の面は、新聞で拝見しました百分の五十という線を引いて頂き、或いは百分の三十五にして頂きましても、総収入という収入の面が、我々の面では、一応元請者が引受けまして、それが更にそのときの事情によりまして或いは艀を、或いは労務者を、その他の設備を十分賄い、或いは特殊の品物が入り、或いは特殊の運送を取扱わなければならんというときには、それぞれの機能を発揮し得る下請に請負わせることが沢山ある。そう言つたような場合には、収入からそういう他事業に支拂う支出金額は控除して頂きたい。それに先程お願いしました百分の三十五という特例を乗じて貰つて、そうして税率の何%というものを乗じて頂きたいというのが私らの要望でございます。何故かと申しますと、そういう他企業に請負わして拂いました金に対応する収入が我々の収入の中に入つておりますと、他の企業は一応附加価値税を拂つておる。それを持ち込んだ合計に又附加価値税を課するということは、正しく二重課税になるのであります。我々の成る甲の業者が受けた仕事を乙が仕事をした場合は、乙が附加価値税を一応拂つておるのであります。そこで収入からそういつた支出を引いた差額を附加価値税の対象にして頂きたい。こういうお願いであります。
 それにつきましては、シャウプさんの勧告の、総収入金から税法上の控除金額を引いて税率を掛ける方法と、それから我々の特異性のあるに労務を沢山使つておるという立場と、それからもう一つ、今申上げました他の企業に請負わせるという場合が多いということの二つの要素のために、総収入から他企業に支拂う金額を引いたものに、労務費が多く使われておるというその百分の三十五を掛けて税率を掛ける、この二つの方法であります。この二つのお願いがありますが、それに附加価値の税金の転嫁でございますが、この今度の税制におきましては、こういうものは転嫁できるじやないかという建前のようであります。ところが現在の港湾産業におきましては、自由競争で而も貨物の絶対量は殖えておりませんので減る一方であります。それから資金難はますます我々の面には他の産業以上にかかつて来ておりまして、仕事をやつとこ貰うということに一生懸命でありますために、以前ありました取引高税のようには参りませんで、取引高税は一%だけその他に転嫁できて貰つたわけでありますが、今度の税金は、こういうふうな情勢下におきましては到底そういうことは不可能であります。而もおとくいさんから荷物を頂く場合において、税金の転嫁の相談を持ちかけることは口にも出せないような実情であります。この点は特に御了察を願いたいと思います。今回の税制改革につきまして、特に先程申上げましたように公共的サーヴィス業であり、担税力の最も低い産業でありますから、また各国には例のないと承つておりますこの附加価値を急速におやりになるために、各事業の間にも相当の、準備が短かいために、軽重の差が起りはせんかと思います。こういう低い我々の産業が過大の重税で苦しめられるようなことになつた場合には、恐らくこの業は破産して潰れるのではないかということを恐れております、港運業の特異性を特に御了察頂きまして特別の御配慮を願いたいのであります。
 最後にお手許に差上げておりますこの表につきまして一例として附言して置きますが、原案で行きました場合の附加価値が、我々の従来拂つておりまする事業税に比べては、事業税に対する附加価値税が数倍に当つておるのです。今私がお願いしました百分の三十五にという特例と、それからそれを出すときには他の企業者に請負わした場合の支拂額は引いて百分の三十五を掛けて呉れということをして頂いた場合を従来の事業税と比較いたしまして、表に付いておりますが、一言にして申しますと、現行事業税が、でありまする場合に、普通のままで行きますと二十七倍になります。私が今申しました方法で行きますと、十三倍若しくは十八倍になるわけであります。それから営業成績、収支勘定で一例を出して見まするというと、九十四万六千円の利益を一期に上げておつた店が、原則によつて附加価値税をやりますと三百十万円の赤字を出すと、こういう結果になります。それで私が今申しました特例のうちの特別の御配慮を願うということでいたしますというと、それでも尚百万円の損が出るわけであります。我々の業で百万円と普通申しますと、現在の状態では大したことではないというお考えが起るかも知れませんが、我々小資本の業者として年間百万円或いは三百万円という損失を出すということは、これが貨物の絶対量が左程伸びないときには、毎年度百万円若しくは三百万円の損をいたして行きますならば、恐らく港運業者そのものは港から影をひそめるより外ないと思います。何とぞ我々のこの労務者を沢山使つておる、而も公益的なサーヴイス業であり、担税力は非常に弱いという点から、今度の附加価値税につきまして重複税にならない、或いは又過大な負担にならないような特別の御配慮をお願いいたしまして、私の話を終りたいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 次に澁沢倉庫株式会社社長矢崎邦次君。
○参考人(矢崎邦次君) 倉庫業の預ります貨物は、貿易品或いは商品でありまして、これに対して頂きます保管料を上げるというこことはなかなか実際できないような実情になつております。そうでありますから、お手許に差上げてあります標題を御覧になりますとお分りのように、例えば日本における優秀と思われる三社の昨年の半期の計数によりまして、この率によりまして固定資産税と附加価値税を拂いますと、半期の資本金が皆飛んでしまうというような赤字になるのでございますから、私はこの固定資産税と附加価値税につきまして、更に減額し得ますように御配慮願いたいと存ずるのでありますが、私共の方で調べました倉庫の賃貸価格坪当りの平均は、土地が八円、家屋が二十円になりまして、これを資本価格にしますと、坪当り土地が七千二百円、家屋が一方八千円ということになるわけであります。これは九百倍としましてこれをたまたま最近私の方で神戸と横浜の土地の一部を処理するために、勧業銀行等にお願いしましたところ、大体合つておりまして、神戸の方は坪当り時価三千円、横浜千五百円になりましたが、これを今の賃貸価格の九百倍としますと、神戸の方が四千三百二十円となり、横浜は四千四十一円となりますので、非常に賃貸価格の九百倍というものが大きいことは、これは最近の実例によつてよくお分り願えると思います。尚富山地方におきましては、保管のコストが低いわけでありますが、その固定資産税だけでもコストの三割になつてしまうというようなことも聞いておりますので、この九百倍は非常に大き過ぎる。ぜひ六百倍乃至七百倍の賃貸価格にして頂きたいということをお願いする次第であります。
 次に附加価値税についてでありますが。これは案によりますと、総収入の五〇%にかけて頂くことになつておるようでありますが、倉庫の総収入はその大部分が保管料でありまして、附加価値になりますのは収入の九六%が附加価値になつて、そのうち九四%というものが保管料となるような次第であります。それでありますから、総収入の五〇%にして頂きますと、その総収入のうちで保管料と手数料と荷役賃でありますけれども、その荷役賃というものが、古来これは荷主の代行をやつているわけでありまして、大抵は出荷主から頂きまして荷役賃は下諸へ拂つてしまう、そんなようなわけでありますから、これは是非、従来の習慣もありまして現実でありますから、極力何とか御配慮願いたい。こういうふうにお願いする次第であります。
 それで、あと細かいことその他はお手許に差上げましたる地方税改革案に対する倉庫業の要望、その他陳情書にありますし、それから数字については、只今申しましたようにお手許に差上げている表によつて出ておりますから、是非そういうことにつきまして倉庫業の実態を掴んで頂きまして、そうして他の業種と公平になりますように課税して頂きたいというふうにお願いする次第でございます。
○委員長(岡本愛祐君) 只今までの、海運業、造船業、港運業及び倉庫業の代表の方々に対する御質問がございましたらお願いいたします。
○三木治朗君 今までのお話、非常に企業の上に大きな支障が来るという御説明で、法案を作る上において非常に重要に考えなければならん問題だと思うのでありますが、政府の言うところによると、国税の方で非常に減税しておる、地方税が上つても全体から言えば下るのだということを、種々大蔵当局は説明しているのですが、只今のお話の中には、いずれも地方税の問題のみ話されているのですが、国税の方で減税になる分がどのくらいあるか、どなたかにちよつとお伺いして見たいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 只今の御質問についてどなたかお答えを願いたいのですが……
○参考人(森熊三君) 海運の方は、今までは運営会の方へ船を全部出しまして、殆んど原価計算で傭船料を貰つているわけですから、それを全部拂いますと殆んど収益がございません。ですから、国税として直接にお拂いしておりますのは海運業の方ではございません。これは今度の四月一日から解放されますけれども、解放されましても運賃の面において、非常に外国の方も船の運賃がどんどん下つて来ますから、内地の方もそれによりまして下りますし、船会社に対する信用というものは、ここちよつと非常に悲観されておるわけです。これが悪かつたら日本の国というものが再建できない。ここのところ当座というものは困難な問題じやないかと思つております。今うまく行きませんというのが実情であります。
○委員長(岡本愛祐君) 港運は如何です。
○参考人(松村茂登記君) 港運の方を申上げます。今の御質問は、国税法では法人税のみが変化があるのでありますが、その法人税も本税は変りありません。超過所得税が撤廃されただけであります。尤も超過所得税は、利益がなければ出て来ない税金であります。我々港運業の大部分は殆んど無配当でありますから、超過所得を撤廃されても何ら有難味はないのであります。将来は分りませんが、現在の状態においては超過所得税の撤廃は我々の拂う国税にさしたる影響を及ぼさない。法人税はそのままであります。
○委員長(岡本愛祐君) 倉庫業はどうですか。
○参考人(矢崎邦次君) 大差はございません。そして尚補うことは、例えば附加価値税を五〇%にしても約二倍くらい取られる恰好になつております。
○委員長(岡本愛祐君) 造船の方は如何ですか……(「帰られました」と呼ぶ者あり)外に御質問ありませんか。
 次に日本乗合自動車協会理事塚田耕一郎君。時間はトラック協会の人と一緒に十五分以内。
○参考人(塚田耕一郎君) 私只今御紹介を受けました日本乗合自動車協会の塚田耕一郎であります。前置きはさて措きまして、早速本論に入りまして簡単に附加価値税につきまして申上げて見たいと思います。
 私らはかねて人件費、特に労務費につきましては課税対象から除外されたいと願つておつたのでありましたが、御当局はこれはどうしても不可能だと言われますので、私らの事業界ではこの労務費が相当問題になるのであります。総収入の約二五%から三〇%が人件費になつて、これ以外の事業費と称するものは殆んど幾ばくでもないのであります。この観点から見ますと、お手許に差上げてあります書類の中の別表の第二表を御覧下さればお分りになるようになつておりますが、我が乗合自動車業者全部で二百六十七会社ございますが、その中の標準会社と申します三十七会社の一会社の平均の附加価値税は百二十二万七千円となつております。二十四年度の事業税、十七万円に比べますと実に七・二二倍の増税と相成るわけでございます。それでなくても赤字経営に苦しみながらも終戦後漸く皆さんの足を確保するために我ら立上りました事業者は、税を完納しますれば企業の崩壊は申すに及ばす、何としてもこれは方法がないと断言するより外ないのであります。従いましてこの場合は税率を四%といわれますが、これは断然、二・五%にして我々企業体を育成して頂きたい。その理由としまするところは、由来自動車業者は、我々のごとき乗合自動車業者は勿論でありますが、トラックにおきましても、又タクシー、ハイヤーにいたしましても、ひとしく燃料面、或いは資材面にあらゆる制約を受けておるのであります。而も利益を考えずに、度外視してまでも一般の大衆に百%のサービスを提供をしておる現状であります。然るが故に私らは低物価政策の先頭に立つておるのであります。然るにこの我々を政府当局の目から見まする時には、貸席業や旅館業、又はカフエー業と同列に第四種事業とお認めになつておられるのは、むしろ私らは不思議に考えておるのであります。第三種事業としては税率が二・五%というのであります。又国営や公共団体が私らと同一の仕事をした時は無税であつて、法人がなした時は殺人的の課税をするということは、我々一般国民としてどうも不可解でたまらんのであります。従いまして国民を殺しては、決して国家は生きられないと私は考えております。産業の発展にいたしましても、一に国民の足と物資の移動にあることは申すまでもありません。これらの理由によりまして、この際先生方のお力によりまして、是非とも税率は第三種並の二・五%にして頂きたく伏してお願いをする次第であります。
 私が今以上のようにお願いしまするならば、それは政府では特例というものを設けてやつて附加価値を五〇%としてやつたではないかとおつしやるだろうと思いますが、このどちらを採用いたしましてもよろしいとの選択の自由を得させて頂きましたことは、確かに私共満腔の感謝をしておるのであります。併しここで特に御配慮を願いたいことは、五〇%に対する税率四%ですか、は総収入の二%となりまして、私らバス業者にとつては、一会社平均九十三万四千円の税となつて参るのであります。従来の事業税十七万円に比較いたしますというと、五・五倍となります。私の聞き間違いかも知れませんけれども、本税におきましては、農業協同組合方面の無税の関係から、昨年度は五十二億だつたのが二十五年度は四百四十億になつておるように聞いております。而もシャウプ博士の言われたように、税の増額を企図するものではない、税の公平を目標としておるものだと思います。然るに私ら企業においては原則に従いましようとしても、或いは特例に従いましようといたしましても、いずれにいたしましても、このような致命的な打撃を受けなければならんということは、ちと腑に落ちないというところがあると私らは考えておるのであります。これは思うに、地方自治庁の方が外形標準から考え出された五〇%だと思います。外形標準でありますれば、我々業者は運賃、料金の改正をしておりませんから、これから見てもこの五〇%の根拠に対して肯定することはできないものと存じます。私ら自動車業者はどのように計算して見ましても、課税標準は収入金額の二一%が適正であると思いますので、五〇%を二一%と改正して頂きたいと念願するものであります。これならば税率は四%として計算さるべきであると思いますので、くどいようでありますが、附加価値税の算定方法は、原則による時は税率は二・五%、特別によります時は、課税対象を二一%に改訂方を全国の自動車業者を代表いたしまして、先生方に特段のお願いと懇願を申上げる次第でございます。
 次に自動車税のことでございますが、自動車税はハイヤーの自家用を除き、バス・トラック共に一万円となつておりますが、これは私ら業者にとつては意外というより外に、何と申しましても方法がないのであります。自動車税について、昨年度の税収予定額は十五億九千九百万円でありまして、二十五年度の予算は十六億円であります。そういたしますると、昨年の予算と二十五年度とはちつとも変らないと申すべきであります。聞くところによりますと、二十五年度にはバス二万台の生産計画を立てておりますとか、又自動車の壽命は五年間でありますから、これらの点を勘案いたしますと、バスを初めトラックにいたしましても、タクシー、ハイヤーにいたしましまても、今後相当量新車の増加を認めますときに、昨年度さえもバス一台当りが全国平均五千五百円でありましたのに、これが急激に一台あたり一万円となることは、十六億を遙かに突破することは人なるものがあると思います。運輸省のお調べによりますと、昨年度のバス一輌当り税金が八千五百円になつておるようでありますが、これはバスの標準定員によつて十人乗りとして推定するか、三十人乗りとして推定するかによつて自動車税率は異なつて来るのではないか、根本的に相違があるのではないかと考えております。バスの従来の実績は、全国で一番高い県は東京の一輌当り一万五百円で、地方によつては附加額を合せましても約三千円である県も相当にあるのであります。で私達の調べでは、平均五千円乃至五千五百円ぐらいにいたしております。トラックになりますというと、又これより一段と低い税でありました。こんなふうに考えますというと、地方自治庁の十六億円に対する一万円という計算は、根本的に考え違いをしておるのではないかと思われます。余計なことを申上げるようでありますが、基礎計算の根拠薄弱と言わなければならないと思うのであります。如何に健全財政を云々されるといたしましても、我々企業者の塗炭の苦しみをよそに見て、国家の健全財政はないと私らは考えております。まして我々には道路損傷負担金とか、或いは道路協力費とか、その他の寄附的行為が相当あるのであります。この際かかるものは一切廃止をして頂いて、而も自動車税は五千円乃至三千円ぐらいにして頂くのが適正なところじやないかと思われるのであります。この計数的な点は、後刻日本トラック協会の方から御説明があると考えておりますが、私は自動車税については大幅に減税されたいということを強く強くお願いをするものであります。
 最後に私が一つ疑問に思つておることがあるのでありますが、それは若し自動車税を現在のように一台当り一万円を徴収しまして、車輌は段々と増加して、二十五年度に十六億円の予算よりも多く徴収できたとしましたらそれはどうなるでありましようか、その点につきまして、地方行政審議会の先生方によりまして質して頂きたいと思うのであります。以上附加価値と事業税につきまして、簡単に申述べました。お聞き苦しい点があつたと思いますが、これを以ちまして終ります。
○委員長(岡本愛祐君) 次に日本トラック協会理事眞保敬四郎君。
○参考人(眞保敬四郎君) 日本トラック協会の眞保であります。先程バス協会からいろいろと御説明がありましたので、重複するところは避けまして、私共の自動車の業者としての特異性の点をお願いいたしまして、御考慮を煩わしたいと思う次第であります。
 その附加価値の内容の中、バス協会の方の人件費の問題は、これは私共も同一歩調を取つておるのでございまして、この点はバス協会の御説明と一致しておる点でございます。その外に私共といたしまして、これはバス協会も同様だと存じますが、既設設備の残存償却費相当額を設備購入費として毎年度事業収入から控除を認められたい。この点をお願いしたいと存ずる次第でございます。地方自治庁におかれましては、新税法施行後におきましては新たに購入した設備に対しては外部支出として収入から控除されることをお認めになつておりますが、既設設備の残存価額、いわゆる私共の今度の再評価いたしました場合の額でございますが、これは全然お認めにならないという御方針なのでございますが、それは私共がシャウプ勧告の本質から考えまして、シャウプ勧告は資本の蓄積と企業の育成ということをお考えになつておるように聞いておるのでございますが、この点からいたしますと、この事業の育成は殆んど、むしろ無視されておるような不合理な措置のように私共考るのでございまして、これは当然新たに購入された設備と同様に、これらのものを、その償却費だけは控除して頂きたい。最初に私共はこの初年度に全部一遍に償却費の控除として頂きたいという考えではございましたが、それは税の収入の点からも考えなくちやならんというふうに私共も考えますので、その当該年度の償却費だけは是非控除して頂きたい。このようにお願いする次第でございます。尚法人税の中には当然償却費に関する條項があるのでございますが、それと両々相俟ちまして勘案しますと、法人税法の償却費の問題が或いは空文になるような虞れもあり、非常な矛盾を生じやしないかと考えられますので、この点は是非お願いしたいと思います。尚もう一つの点といたしましては、これらを固定資産といたしまして考えます場合においては、当然これらは収入から控除されなくちやならない。その面けだが課税されることになりますので、二重課税になるようにも一応考えられるのでございまして、この点を御考慮の上、是非これを収入の中から控際して頂くようにお願いする次第でございます。
 それからその次に先程バス協会からもお話がございました自動車税の問題でございますが、この自動車税の問題は、当然一応は固定資産として財産税として考えるべきものでありましたのが、シャウプ勧告のために、これは自動車税として残存しなくちやならないのである、そういうような勧告の線に従つて、一応これが自動車税として残された次第でございますが、当然この点から考えますと、自動車税は固定資産税と同一の性格であるから、これは当然固定資産税の場合と同様に取扱つて、課税率を決めて頂きたいとお願いする次第であります。これを今の課税の方法によつて算出いたしますと、私共の再評価いたしました全国平均の一台当りの車輌の価格が八万七千円となるのでございまして、これに例の百分の一・七五を掛けますと、一千五百円という数字が出るのでございます。この千五百円が当然自動車税としては妥当のものと私共は主張しましたのでございますが、自治庁におかれましては、自動車税には受益者の負担が掛けられておるのだというお考えでありますので、然らば私共が受益者としての負担を勘案いたしますと、この場合三千円程度が妥当ではないか、この点をお願いしてこれまで交渉を続けましたのでございますが、先程からお話がありましたように、私共の自動車の自動車税は一万円と只今はなつておる次第でございます。この点は私共としては理論的にも不合理があるし、又現在の自動車税の比較から行きましても、先程バスの方のお話と同様に、これは不合理な点ではないか、この点を十分勘案して頂きたいと存じます。それで私共のトラックの税金は、自家用自動車と同額の一万円ずつこれが掛けられておるのでございます。併し乗用車におきましては、自家用車は一万五千円、営業用は確か一万円と記憶しておりますが、当然区別をされておるにも拘らず、私共のトラックの場合におきましては、自家用車も営業用車も共に一万円という数字が上げられておるのであります。これは現在もすでに自家用車と営業用車の差別ははつきりできておりますが、この度はこの差別が撤廃されておるということは、私共としては甚だ遺憾とするところでございまして、当然区別しなくちやならないという理由といたしましては、自定用トラックは資産並びに事業の一部に過ぎないが、そのために税の負担を企業の面からこれをカバーすることができるのでありますけれども、私共の事業といたしましては、その自動車それ自体が企業の殆んどすべてでありまして、自動車それ自体の収益による外、これらの経営を存続することができないというような立場にあるのでございます。又営業用のトラックは、公益の福祉を確保するために道路運送法とかあらゆる方面から制圧を受けておりますが、又一面特に運賃は低物価政策の一環といたしまして常に抑圧されておる点があるのでございます。併しこれに反しまして自家用自動車の場合におきまましては、その営業も極めて解放的でありますし、又燃料、資材配分の状況から見ましても多分に奢侈的な面があると言わなくちやならないという理由があるのでございまして、これらの点から申しましても、営業用と自家用との区別は当然付くべきじくないか。更に又一面からこれを観察いたしますと、昭和十八年と今日との全国の保有車輌の数を対照して見ますと、自家用トラックは約五倍に増加しておるのでございますが、私共の自動車は約七五%に減少しておるのでございます。而もその七五%に減少しましたうちの六〇%程度は殆んど耐用年数を経過した老朽車で、先程も申上げましたように、これらを再評価した場合には僅かに八万七千円程度にしかならないというような面があるのでございまして、これらの実情から財産税として自動車税は、当然自家用と営業用とを区別しなくちやならんということを私共はお願いする次第でございます。更に先程もバスのお方の方からもお話がありましたように、私共の自動車に対してはいろいろの面からこれを課税の対象とされるのでございまして、今度の自動車税の外に道路運送法に基いて道路損傷負担金というようなものが今考慮されておるということでございますが、これらの面から考えましても当然、万一かくのごときものができます場合には、自動車税とこれらの税金との均衡のとれたものを御考慮して頂きたい。尚現在もすでに政令によりまして道路損傷負担金がかかつておるのでございますが、これを道路法によつて法律化しようとお考えがおありのようでありますから、これは是非やめて頂きたいと思う次第でございます。
 尚市町村民税の問題でありますが、市町村民税はシャウプ勧告によりまして、これは当然廃止さるべきだということが勧告されておるのでございますが、自治庁の当局におかれましては、市町村民税の均等割だけにかけてもいいじやないかというお考えのようでございますが、これもシャウプの勧告の線に副いまして、是非やめて頂きたい。私共の調査によりますと、甚だしい営業主になりますと、約九十ケ所の営業所のあるようなところもございますので、これは平均をとつて勘案しましても三十万近いような課税が出て来るのでございますから、この点も十分考慮して頂きたいと存じます。
 最後に私共の自動車に対しまして皆さんにお願いいたしたいことは、トラック事業というものは非常な苦況に只今立ち至つておるという点を十分御認識願いたいと存じます。それは私共の運賃改正というものは、昭和二十三年の六月に改正されましたのでございますが、先程も申上げましたように、私共が常に低物価政策に抑えられたおりますために、私共がその際原価計算いたしました二千九百九十八円四十四銭というものは、物価庁に査定されましたのが、二千二百五十円の現行の運賃と抑えられておるのでございます。その次に、私共の現在の車輌は何故にかくのごとく老朽化してしまつたかという点でございますが、これは私共の企業の大部分を占めます車輌の償却費が非常に不合理であつたという点なのでございます。この点につきましても、私共の僅か五六千円程度に買つた車が、四五年間後には五十万円というような高いインフレの高進をしてしまつた。それにも拘わらず償却費というものは、依然帳簿価格によつて抑えられて来ました。そういうような点で私共の資本の蓄積は殆んどでききなかつた。この点に関しましても、私共は大蔵省たびたびいろいろと交渉しましたが、遂にこれが達成されませんで今日に来まして、この再評価の問題に当つたわけでございますが、現在ではそのような点におきまして、如何に自動車が衰微しておるかということの一つの原因として上げられる点でございます。尚私共の自動車に対して如何に多くの税が課せられておるかという点でございますが……
○委員長(岡本愛祐君) 眞保さんに申上げますが、もう時間がとつくに過ぎておるんですから、どうぞ簡単にお願いいたします。要点だけ……
○参考人(眞保敬四郎君) 自動車の課税でございますが、ガソリン税、自動車税、道路損傷負担金、道路改修協力費その他の、私共の道路に関しまして無償で提出する車輌があるのでございまして、こういつたような僅か一台の車に、非常に多くの税がかけられるというような、非常にみじめな私共の状態であるということを深く御認識下さいまして、是非我々の地方税に対する要望を御検討して頂きまして、要望に副えるような御改正をお願いいたしたいと存じます。
○委員長(岡本愛祐君) 右乗合自動車、トラック両協会に対しまして御質問はございませんか。それでは今日の意見の聴取はこれだけにいたします。
  ―――――――――――――
○委員長(岡本愛祐君) 尚運輸関係事業に対する税制改革につきまして、運輸委員長から地方行政の委員長宛で要望書が参つております。お手許に廻して置いたですから御覧を頂きたい。
 尚水産委員長から申出があります。この地方税の改革が水産業に及ぼす影響が非常に甚大であるから業界の意見をこの委員会に開陳させて頂きたい。漁村経済協会、漁業経営連盟、全国海苔貝類議業協同組合連合会、日本定置漁業協会、これだけの代表者からこの委員会に意見を開陳させて頂きたい、こういう申出がございますが、如何取計らいましようか。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それではそういうふうに取計らいます。
 で、この次は木曜日の午後一時から開会いたしたいと思います。それに丁度その木曜日の午後三時から警視庁の映写室におきまして治安についての映画ペン偽らず、「暴力の街」というのを御覧頂きたいと思います。これはこの委員会から調査に参りました本庄事件を基にして作つたものであります。いろいろ御参考になることが多いということを、これを見ました吉川委員からお話がありました。適当のものだと思います。そういうことで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それではそういうふうに決定いたします。それでは今日はこれで散会いたします。
   午後三時三十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           岡田喜久治君
   委員
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           堀  末治君
           柏木 庫治君
           西郷吉之助君
           島村 軍次君
           鈴木 直人君
           太田 敏兄君
  国務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   地方自治庁次長 荻田  保君
   国家地方警察本
   部部長
   (刑事部長)  武藤 文雄君
  参考人
   山下汽船株式会
   社社長     森  熊三君
   東日本重工業株
   式会社常務取締
   役       加藤 戒三君
   日本港運協会事
   務局長     松村茂登記君
   澁澤倉庫株式会
   社社長     矢崎 邦次君
   日本乘合自動車
   協事理会    塚田耕一郎君
   日本トラツク協
   会理事     眞保敬四郎君