第007回国会 地方行政委員会 第24号
昭和二十五年三月二十八日(火曜日)
   午前十時三十九分開会
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  本日の会議に付した事件
○地方税法案(内閣送付)
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○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。先ず地方税法案を議題にいたします。速記を止めて。
   午前十時四十分速記中止
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   午後零時十二分速記開始
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。ではこれで休憩にいたします。
   午後零時十三分休憩
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   午後二時二分再開
○委員長(岡本愛祐君) 休憩前に引続き会議を開きます。ちよつと速記を止めて。
   午後二時三分速記中止
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   午後二時二十六分速記開始
○委員長(岡本愛祐君) 速記を初めて。次に第三節自転車税について説明を聴取いたします。
○政府委員(奧野誠亮君) 自転車税は従来からある税目でして、特に変つております点は、四百四十四條で標準税事を設けました点が一つであります。一台について年額二百円、それからもう一つは四百四十五條で自転車税の賦課期日と納期とを定めております。ここに問題になりますのは、自転車税につきましては、四月一日現在にありまする自転車には課税いたします。併し例えば自転車の製造会社から三月になつて買つて来たという場合には、その年度の税は少しも課税しない。半面に五月六月になつてから自転車を火事で焼いてしまつたという場合にも自転車税は還付しない。要するに四月一日現在において一年度分のものを取るか取らない分を全部決めてしまう。こういう考え方を採りまして、徴税事務を簡素にして行きたいというような考え方を持つております。
○堀末治君 年額二百円となつておりますが、前のは幾らでしたか。
○政府委員(奧野誠亮君) 大体現在二百円から三百円くらいだろうと思つております。法律では別に幾らにしようということを、今まで書いていなかつたわけでありまして、通達で時々指導しております。その指導しております額は、昭和十五年の税制改正のときに、年二円を超えてはならないというふうな指導をしたことがあります。丁度それの百倍です。まあ物価から考えますと、二百円は高いとはいえないのじやないか、現在三百円のところもあるわけでして、むしろ抑えるくらいの気持で、この二百円という額を決めたつもりであります。
○鈴木直人君 四百四十三條以外の自転車は全部課税対象となりますか。
○政府委員(奧野誠亮君) そういうことです。ただ必要によつて市町村が條例で、こういうものは自転車税を免除するという規定を置いた場合には別であります。
○鈴木直人君 四百四十三條には、そういう條例においてこれと異なつたとを決めた場合には別だというようなことがないのですが、それでもやれますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 四百五十四條の規定で自転車税を市町村が減免することができるという規定を置いておるわけでありますから、四百四十三條にプラスしまして、更に減免の範囲を拡げた場合には可能であるということを申上げて置きます。
○委員長(岡本愛祐君) 次に移つて下さい。
○政府委員(奧野誠亮君) 自転車税はその外に特に変つたところがございませんので、省略させて頂きます。
○委員長(岡本愛祐君) それでは自転車税について御質問ございませんか。
○鈴木直人君 四百五十四條の規定は「天災その他特別の事情がある場合」ということであつて、これは特殊の場合だけじやないのですか。例えば四百四十三條に書いてあるところのもの以外に、例えば協同組合とか、いろいろ公共的なものに使うような自転車なんかあると思いますけれども、それは四百五十四條には該当しないと思うのですけれども、やはり広範囲に四百五十四條を解釈するという意味ですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 四百五十四條はやはり大体気持は似通つておると思うのでありますが、いろいろな時別な事情があるものに対して、その特別な事情をどう読むかということでありますけれども、大体この趣旨は物件税をそう拡げて免税にする必要もないのじやないかというふうな気持で努力いたしております。
○委員長(岡本愛祐君) それでは次に移ります。
○政府委員(奧野誠亮君) 第四節荷車税、これは従来からありまする税でありますが、標準税率を特に規定したわけであります。それが四百六十六條であります。
   〔岡田説明員朗読〕
 荷車税の標準税率は、左の各号に掲げる荷車に対し、一台について、それぞれ当該各号に定める額とする。
 一 荷積牛馬車 年額八百円
 二 荷積大車 年額四百円
 三 荷積小車及びリヤカー年額二百円
○政府委員(奧野誠亮君) 大体現在の低いところはこの辺じやないかというふうな見方をしております。併し市町村によりまして、この荷積牛馬車としましても、或いは荷積大車にしましても、更に細かい分類をいたしまして、その分類に応じて金額を変更して行くのが普通なんでありまして、むしろこれはできるだけ広汎に額を決めて行くならばよろしいというような考え方をいたしております。それから四百六十七條の荷車税の賦課期日又び納期も、先程自転車税について申上げました四月一日現在で課税するかしないかを決めまして、以後の納税義務の発生及び消滅に伴う賦課額の更正はしないという建前を採りたいと思います。その外荷車税については特に変つておるところはございません。それから四百二十六ページの第五節電気ガス税……。
 「電気ガス税は、電気又はガスに対し、料金を課税標準として、その使用地所在の市町村において、その使用者に課する。
 2 前項の料金とは、基本料その他何らの名義をもつてするを問わず、電気又はガスの使用者がその使用について電気事業者又はガス事業者に支拂うべき金額をいう。」
○委員長(岡本愛祐君) 第四節の荷車税について御質問ございませんか。……それでは第三節に移ります。
○政府委員(奧野誠亮君) 電気ガス税で変つておりますのは、これは、読んで行けば直ぐ分る点でありますので、特に申上げたいと思いますのは四百八十七條の三項で……。
○委員長(岡本愛祐君) 四百八十七條を読んで貰いましよう。
   〔岡田説明員朗読〕
 共同住宅、アパート又は貸事務所の経営者その他家屋の全部又は一部を他人に貸し付ける者が電気事業者又はガス事業者から供給を受ける電気又はガスを家屋の全部又は一部の持主に使用させる場合においては、その電気又はガスは、貸主が使用するものとみなす。
 2 電気事業者又はガス事業者が料金を徴収しないで他人に電気又はガスを使用させる場合においては、その電気又はガスは、電気事業者又はガス事業者が使用するものとみなす。
 3 電気事業者でない者で自ら発電するもの(以下「自家発電者」という。)がその自家発電に係る電気を電気事業者でない者に使用させる場合においては、その電気は、自家発電者が使用するものとみなす。
○委員長(岡本愛祐君) 四百八十六條も特に読んで下さい。
   〔岡田説明員朗読〕
 四百八十六條 電気ガス税は、電気又はガスに対し、料金を課税標準として、その使用地所在の市町村において、その使用者に課する。
 2 前項の料金とは、基本料その他何らの名義をもつてするを問わず、電気又はガスの使用者かその使用について電気事業者又はガス事業者に支拂うべき金額をいう。
○委員長(岡本愛祐君) 要点を御説明願います。
○政府委員(奧野誠亮君) 従来と変つておるのは四百八十七條の三項の規定であります。従来ありましたこの自家発電以外にも自家ガス製造をも課税の対象にしておつたわけであります。併し自家製造のガスは大体ガスそのものが工業の原料品になつているというような場合が多いのでありまして、少し課税することが酷である。又そういう取扱をいたしますと、県によつては非常に区々になりまして、工業生産を阻害するというような虞れも生じて来るようでありましたので、その規定を削除したわけであります。
○堀末治君 これは何ですか、自家発電というものは、自分で直つたものにはかからないのですね。
○政府委員(奧野誠亮君) 自家発電して、それを自分が使用しても課税されます。
○堀末治君 それはどの條文で行くのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 四百八十八條を読まして貰いまして、それで御説明いたします。
○委員長(岡本愛祐君) それでは四百八十八條を……。
   〔岡田説明員朗読〕
 前條第二項及び第三項の場合並びに電気事業者若しくはガス事業者又は自家発電者がその発電又は製造に係る電気又はガスを自ら使用する場合の電気ガス税の課税標準は、これを他人に使用させたときにおいて使用者が通常支拂うべき料金相当額とする。
○政府委員(奧野誠亮君) 電気ガス税は電気又はガスに対して使用者に課するわけであります。自分が製造したものにつきましても、本人が使う場合には、本人が使用者であることに違いはないわけで、その場合には課税標準がどうなるかということを、四百八十八條に書いてあるわけでありまして、四百二十八ページの最初のところに「電気又はガスを自ら使用する場合の電気ガス税の課税標準は、これを他人に使用させたときにおいて使用者が通常支拂うべき料金相当額とする。」というふうに謳つたわけであります。
○西郷吉之助君 四百八十七條の第一項ですね。それは従来そういう趣旨であつたのと変りありませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 従来と同じ規定であります。
○委員長(岡本愛祐君) 説明させましようか。
○政府委員(奧野誠亮君) これは只今アパートなんかがいい例でありますが、アパートで使つておる電気を、アパートの居住者個々が使つているということになりますと、個々に課税して行かなければならんわけであります。併しメーターは一つであるというふうな場合がありまして、そこで料金だけは個々の部屋の居住者から徴収するということになりますと、非常に手続が煩瑣になります。そこでアパートの部屋の貸主が使用したものとみなしまして、貸主に電気ガス税を一括してかけて行きたいというふうに考えております。使用者の第一種の特例というふうに考えております。
   〔岡田説明員朗読〕
 四百八十九條 左に掲げる製品の製造業を営む者又は左に掲げる鉱物の掘採若しくは砂鉱の採取を事業とする者がその事業所又は作業場において直接その業務の用に使用する電気に対しては、電気ガス税は課することができない。
 一 石炭
 二 銑鉄、鋼塊、鋼材、合金鉄、鋳鍛鋼及び可鍛鋳鉄
 三 金鉱石、砂金鉱及び金地金
 四 銅地金
 五 鉛地金
 六 錫地金
 七 亜鉛地金
 八 アルミニユーム地金
 九 人造電極、電刷子及び黒鉛粉末
 十 苛性ソーダ(電解法によるものに限る。)
 十一 電気製塩(塩専売法(昭和二十四年法律第百十二号)の規定によつて塩製造の許可を受けたものに限る。)
 十二 硫安、硝安、塩安、尿素、石灰窒素、過りん酸石灰、重過りん酸石灰及び溶性りん肥(化成肥料を含む。)
 十三 カーバイト
 十四 研削材
 十五 加里塩(電解法によるものに限る。)並びにりん及びりん化合物
 十六 酸素及び水素(空気分離法及び水電解法によるものに限る。)
 2 発電のために直接使用する電気に対しては、電気ガス税は課することができない。
○政府委員(奧野誠亮君) 従来の電気ガス税の非課税の範囲を通産省からの特別の申入れがありましたので、少し入れ替えをやつております。従来電気ガス税を非課税にておりましたのは、一つには価格統制が行われておる、そういう物資につきまして、電気ガス税を課税して行きますと、コストが高くなつて来る、自然統制価格を変えなくてはならない、そうなりますと、全体の価格統制に悪影響を與えるということが一つあつたわけであります。もう一つは、大体そういうものに対して、国が価格調整金を交付しておつたわけであります。若し電気ガス税の負担がそれだけ重くなつて参りますと、価格調整金を更に余計交付しなければならないというふうなことになつて、国の財政にも関連を及ぼして来る、そういうふうな意味合で非課税の範囲を決めておつたわけであります。ところが物によつては価格調整金も外ずされたし、又価格統制も外ずされた。そういうものは電気ガス税の非課税の範囲から除外してやつてもいいものがある。併しその後経済界の状況で、特に電気ガス税については非課税の取扱をしたいというようなものも出て参つておるわけであります。そういう意味合で入れ替えを行つたわけでありまして、新しく入れたものを申上げて行きますと、二号の鋼塊、それから合金鉄、鋳鍛鋼及び可鍛鋳鉄、それから三号は全部新らしく入れたものであります。九号の電刷子及び黒鉛粉末、これも新しく入れたものであります。それから十二号の硫安はもとから入つておりますが、硝安、塩安、尿素が新しく入りました。それから二つ飛びまして、重過りん酸、石灰及び溶性りん肥、これも新しく加えております。十四号の研削材も加えました。それから十五号の加里塩並びにりん及びりん化合物、十六号の酸素及び水素も加えたわけであります。非課税の範囲を拡げるだけなら問題はないのでありますが、その半面に、特に非課税になつておつたものをなくしたものがあるわけであります。課税するようにいたしました関係上、その産業は、いろいろ不服があるだろうと思います。それは一つはセメントであります。それから一つは政府から製造を委託された小麦粉であります。もう一つは従来は電気炉の用に供する電気に対しては、電気ガス税を課さないというふうにしておりました。自然電気炉を使つておりましたものにつきましては、そういう規定を排除した関係上、それだけでは電気ガス税の非課税になりませんから、電気ガス税が半面かかる。併し電気ガス税を非課税にするかどうかということは、電気炉を使つているかどうかということでなしに、その電気ガスをどのような用途に使つているかということで非課税の取扱にするかしないかを決めることが筋道だと考えますので、そういう規定を排除したのであります。そこで多少業界の方からいろいろ意見を言つて来ておりますのは、第二号に類したものとしての電気鋳鉄かございます。これはそれとの関連において、是非入れて貰いたいという希望があるようでありますけれども、通産省との話合の結果、そういうものは非課税の範囲には入れないということにしておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) それでは次に移ります。
   〔岡田説明員朗読〕
  (電気ガス税の税率)
 第四百九十條 電気ガス税の税率は、百分の十としなければならない。
○政府委員(奧野誠亮君) 従来この税率は制限税率でありまして、百分の五を超えることはできない、附加税も又百分の五相当額を超えることはできないというふうになつておつたわけでありますが、今度は一定率にしてしまいました。その主たる理由は、電気ガス税が市町村の税金になつたものでありますから、市町村において税率が区々になつて参りますと、徴収上非常な困難を来たすわけであります。更に又現在制限税率にはしておりますけれども、実際は全部百分の十で課税しておるものでありますから、むしろ一定率にした方が、この税の性格から考えて穏当ではないかというふうな考えを持つたわけであります。それから四百九十一條には……。
○堀末治君 これは何ですか、さつきもお尋ねしましたけれども、自家発電ということになりますと、計算をどうするわけですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 自家発電でありますと、自家発電した量が分つているだろうと思います。それに対して一キロワットの配電の料金というものがあるわけであります。それを乗じまして算定します。四百九十一條以下の電気ガス税の徴収の方法は、例えば遊興飲食税でありますとか、或いは入場税なんかについて話がありましたように、配電会社等を特別徴収義務者にしまして、特別徴収させるわけでありますが、これらのものをすべて市町村に対して申告納入して行くというふうな手続に変えております。従いまして配電会社が市町村に申告納入して参りました電気ガス税が間違つておるというふうな場合には、或いは更正をする、或いは遅れて参りました場合には、市町村長が決定をするというふうな手続に変つて参るわけであります。その他については特に変つたところはございません。
○鈴木直人君 私はこの徴収手続について詳しくはまだ見ていないのですけれども、電気税を府県税にしろという主張が、全国の都道府県からあつた場合に、広範囲において徴収義務者が一人の者が徴収するのだから、一つの県等を単位として徴収した方が非常に便利である、ところが零細な町村税にすると徴収義務者が、それを市町村毎に分けるということは非常に困難で、徴収の上において非常に不便になる、だからこれは徴収という点から見ても、都道府県税にせよということが議論の一つの理由になつていたと思いますけれども、それに対してそういうことはないのでございますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 電気ガス税を府県税とするか、市町村税とするかということにつきまして、私は両論立ち得ると思います。
○鈴木直人君 徴収の点から……。
○政府委員(奧野誠亮君) 両論立ち得ると思いますが、徴収の面から言いますと、お話のように、市町村の行政区域というものと、それから配電会社の業務区域というものが食違つておるわけであります。業務区域と行政区域と食違つておりますと、業務上集金いたしました料金なり、或いは電気ガス税なりというものを、更に別な区域に従つて分割しなければならない。これが一つの問題になるだろうと思うのであります。併しながら一応現在でも電気ガス税の附加税がありまして、これを個々の市町村で分割しておられますが、やれるかやれないかは別として、或いは適当であるか適当でないかは別として、一応現在もやつておるということが言えるわけであります。併しながらこれが相当な額になりますと、半面今までは適当な恰好で分割されておつたけれども、適当な恰好で分割されただけでは調整がされなくなる、そこに非常な争いが起きるのじやないかという心配をされる向きもあるようでありますが、町村によりましては、電気ガス税の徴収だけは府県ごとに組合でも作つて、市町村間の争いの起きないように、その組合で調整を図つて行きたいというふうな考も出ておるようでありまして、私はやはり打開する途はあるのじやないか、徴収の点からだけそういうことが言えると思つております。
○委員長(岡本愛祐君) それでは第五節電気ガス税、御質問ございませんか。第六節に移ります。鉱産税、四百五十六ページ。
○政府委員(奧野誠亮君) 鉱産税は従来府県税でありまして、更に市町村が附加税を徴収しておつたわけであります。今回市町村税になりましたが、従来の建前は別段変つておりません。ただ税率が従来は百分の一の制限税率にしておりましたのを、ここでは百分の一の標準税率に変える。併しながらそれを超えて課税する場合でありましても、五百二十條に書いてありますように、二割以上の増税はできないというふうな建前を採ることにしております。その他特別に変つたところといたしまして、それ以外は五百二十三條であります。
○委員長(岡本愛祐君) 読んで下さい。
   〔岡田説明員朗読〕
  (法人の代表者等の自署及び押印の義務)
 第五百二十三條……。
○政府委員(奧野誠亮君) これは附加価値税のところで説明があつたろうと思いますが、附加価値税、鉱産税についてだけ、いろいろと調書を市町村或いは府県に提出する場合に当りまして、法人の代表者は自署押印しなければならないということにいたしております。これは附加価値税と鉱産税についてだけ設けた特別な、可なりきつい、きびしい規定であります。
○西郷吉之助君 その理由はどういうわけですか。
○政府委員(奧野誠亮君) これは地方税の中で特に税額の多い、大きい重要な税だけ、そういう取扱をしようということでへ附加価値と鉱産税がその対象に上つたのであります。
○委員長(岡本愛祐君) では五百二十三條読んで貰いましよう。五百十九條も読んで下さい。
   〔岡田説明員朗読〕
  (鉱山税の納税義務者等)
 第五百十九條 鉱山税は、鉱物の掘採又は砂鉱の採取の事業に対し、その鉱物又は砂鉱の価格を課税標準として、当該事業の作業場所在の市町村において、その鉱業者又は砂鉱業者に課する。
  (鉱産税の税率)
 第五百二十條 鉱産税の標準税率は、百分の一とする。但し、標準税率をこえて課する場合においても、百分の一・二をこえることができない。
  (鉱産税の納期)
 第五百二十一條 鉱産税の納期は、当該市町村の條例で定める。
  (鉱産税の申告納付)
 第五百二十二條 鉱産税の納税者は、当該市町村の條例で定める期間内における課税標準額、税額その他同條例で定める事項を設載した申告書を前條の納期限までに市町村長に提出し、及びその申告した税金を納付しなければならない。
○政府委員(奧野誠亮君) 先程ちよつと申上げた通りに、五百二十條は百分の一という標準税率に変つて来ております。
 それから五百二十二條が、従来は賦課税としておりましたが、申告納付に変つて来ております。
○鈴木直人君 納期は特に決めないのですか、四月一日とかいうふうに。
○政府委員(奧野誠亮君) 納期は、これは市町村によりまして一月毎に徴収しておつた方が都合がいいと思うところがありましようし、或いは三月毎に徴収して行つた方が都合がいいと思うところもありましようし、これは市町村、或いは公団側との話合いに任した方がいいじやないかという考え方であります。
   〔岡田説明員朗読〕
  (法人の代表者等の自署及び押印の義務)
 第五百二十三條 前條の規定によつて提出すべき申告書には、法人の代表者(二人以上の者が共同して法人を代表する場合においては、その全員)が自署し、且つ、自己の印を押さなければならない。但し、法人の代表者が二人以上ある場合(二人以上の者が共同して法人を代表する場合を除く。)においては、これらの者のうち、社長、理事長、専務取締役、常務取締役その他の者で申告書の作成の時において法人の業務を主宰している者が自署し、且つ、自己の印を押さなければならない。
 2 前項の申告書には、同項の代表者の外、法人の役員及び職員のうち申告書の作成の時において当該法人の経理に関する事務の上席の責任者である者が自署し、且つ、自己の印を押さなければならない。この場合においてその申告書の記載が自己の意見に反するときは、その旨を申告書に記載しなければならない。
 3 前二項の規定によつて申告書に自署し、且つ、自己の印を押すべき者は、外国法人にあつては、この法律の施行地にある資産又は事業の管理又は経営の責任者及び当該資産又は事業に係る経理に関する業務の上席の責任者とする。この場合においては、前項後段の規定は、当該資産又は事業の監理又は経営の責任者に対しても適用があるものとする。
 4 前三項の規定による自署及び押印の有無は、第一項の申告書による申告の効力に影響を及ぼすものではない。
○政府委員(奧野誠亮君) 法人の申告義務に対するかなり厳しい税額であります。国税、地方税を通じて、法人税、それから附加価値税、鉱産税、この三税にこの規定が新しく加えられようとしておるのであります。この中にありますのは、一つは五百二十三條第一項の規定でありまして、申告書には法人の代表者が自署し、捺印しなければならない。もう一つは第二項の規定でありまして、代表者の外、更に経理の事務の上席責任者が自署し、捺印しなければならない。そうして申告書というものが単に形式的のものではなく、法人として正確なものを出して貰うようにしたいという規定であります。これに対して更に五百二十四條で罰則の規定を設けておるのであります。
○西郷吉之助君 鉱産税は金額から言つても大したものでもないと思いますが、それを附加価値税と同様にこの規定を設けた理由はどうでしようか。
○政府委員(奧野誠亮君) 鉱産税は全体としては余り大きな額ではないのでありましようが、個々の一、二の税務署あたりの金額を取つて参りますと、やはり大きな額で附加価値税、法人税と対等に考えられる税額のものだと思います。それ以外に鉱産税については特別の改正は加わつておりません。申告納付になりました関係上、それに合せていろいろ規定が変つておりますが、本質的には別にございません。
○委員長(岡本愛祐君) 只今の鉱産税について御質問ございますか。
○鈴木直人君 この鉱産税につきましても、先程問題になりました、何條でしたか……。八幡製鉄所のことを例に引いて問題になりましたが、一つの町村において尨大な鉱山がある。併しながらその附近には小さな町村が相当ある。そしてそこに住宅を持つておる。そうして学校の設備等を相当やつておる。いわゆるその鉱山があるために相当その町村が、そのために義務を負わなければならないというような所が相当あると思いますが、そういうものに対するところの條文は何條でありましたか……。要するにそれと同じようなものを何故鉱産税にも作る必要がなかつたかということをお聴きしたいのです。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産税と鉱産税について考えて行きますと、例えば固定資産税でダムがあるといたしますと、大きなダムがありますと、それだけ固定資産税の収入が非常に多くなるわけでありまして、その半面そのダムがあるために、市町村が非常に沢山金がかかるかというと必ずしもそうではない。ところが鉱産税の場合には相当多数の鉱山労務者がいる。その他に或いは教育施設、或いは衛生施設、或いは又労務施設について、相当多額の金を要するのでありまして、従つて現在我々の見ております範囲内では、鉱産税が市町村税であるために、その市町村に必要な財政費を超えて、それ以上の大きな鉱産税収入、があるという市町村は先ずないというふうな見方をしております。
○西郷吉之助君 鉱山が二つ以上の市町村に亘つておるときは何処に納めるのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 鉱産税の徴収は作業場の所在の市町村ということにいたしておりますので、若しその作業場が二市町村間に跨がつております場合には、鉱産額その他によつて按分して決めて行かなければならないことになると思います。
○鈴木直人君 そうしますと、例えば三井鉱山の例を取りますというと、事業所が例えば大牟田市中にある、ところが炭鉱は荒尾市に相当あるというような場合に、先の原則から見ますというと、事業所ですから殆んど大牟田市の方に入つてしまう。従つてその附近の市町村ではないということになるのですが、今の説明によりますというと、事業所の所在していない所でも同じようにその産額と言いますか、何によつてそれを按分するか。勿論穴が沢山ありますから、その穴から出たところのいわゆる石炭の数にまつて按分するのか。そういう点をどういふうにしますか。按分をできる方法はどこにあるか。
○政府委員(奧野誠亮君) 附加価値税等の場合には、事業所所在の地方団体で課税するのでありますが、鉱産税につきましては特に作業場という言葉を使つております。我々がこの作業場という言葉を使つているのは、事業所でなくて切羽を中心にした考である。現実に掘採をやつておる場所を中心にした考である。従つて分割を要するような事例は非常に少いのではないかと、かような考え方をしております。分割をいたします場合にも、作業場所在の市町村でありますから、それが仮に二市町村に跨がつておりますような場合には、課税権の帰属につきまして、両市町村の話がまとまらないときには、府県知事が決めるというような規定を設けているわけです。大体の方針としましては掘採された鉱産額、もう一つは作業場の施設、この二つで按分して行けばいいんじやないかというような考え方をして指導しております。
○島村軍次君 その規定はどこにあるのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 五百十九條です。
○島村軍次君 分割規定はあるのですね。
○政府委員(奧野誠亮君) 分割規定は当該作業場の所在地の市町村ですから……。
○島村軍次君 特にその規定はありませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 特に置いてありません。ただ全体として課税権の……第八條で、「課税権の帰属その他この法律の規定の適用について関係地方団体の長が意見を異にする場合において、そのいずれかの地方団体の長からその決定を求める旨の申出があつた場合においては、その申出によつて、道府県税については地方財政委員会が、市町村税については道府県知事が、その申出を受けた日から六十日以内に、その決定をしなければならない。」、この規定によつて非常にむずかしい問題になりました場合の、一応の解決を府県知事がする。更に異見があつた場合には以下の規定に書いてありますように、必要に応じて裁判所にまで持つて行くという取扱をしております。
○島村軍次君 分りました。
○鈴木直人君 例えば三井鉱山に例を取れば、従つて市町村に沢山跨がつているという場合には、その知事だけではそこの町村間の調停なりそれができないことになる。その場合には地方財政委員会の取扱になりますか、第八條になりますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 第八條の第一項の三行目の所に、「(関係市町村が二以上の道府県に係るときは、地方財政委員会)」という規定を置いております。
○委員長(岡本愛祐君) 次に第七節木材引取税。読んで下さい。五百五十一條。
   〔岡田説明員朗読〕
  (木材引取税の納税義務者等)
 第五百五十一條 木材引取税は、素材の引取に対し、価格を課税標準として、同一の素材について一回に限り、素材生産地の市町村において、当該市町村の條例で定める引取者に課する。
 2 立木の伐採後当該市町村の條例で定める時までに素材について引取者がない場合においては、立木の伐採をもつて素材の引取と、立木の所有者をもつて素材の引取者とみなして、前項の規定を適用する。この場合における木材引取税の課税標準とすべき価格は、立木の所有者が素材の引取者とみなされた時におけるその素材の価格とする。
  (木材引取税の税率)
 第五百五十二條 木材引取税の標準税率は、百分の五とする。但し、標準税率をこえて課する場合においても、百分の六をこえることができない。
○政府委員(奧野誠亮君) 従来木材引取税は府県が市町村税で附加税を課しておつたんですが、これが市町村の独立税になつた。そこで変りました点は、五百五十一條の第一項で、課税標準が変る点は、新法では価格だけになつております。従来は価格又は容積でありまして、いずれを選択するか府県に委しておつたのでありますが、今度は一律にしたわけであります。
 もう一つ五百五十二條の税率の問題でありますが、従来は百分の六を超えることができないというだけの制限税率の規律であつたわけであります。私申上げますのは、府県税、市町村税を併せての問題であります。それを標準税率を設けました関係上下げて、これを百分の五としたわけであります。超えて課税する場合でも二割以上課税することができないという意味で百分の六といたしたわけであります。
   〔岡田説明員朗読〕
  (木材引取税の徴収の方法)
 第五百五十三條 木材引取税の徴収については、当該市町村の條例の定めるところによつて、特別徴収又は証紙御徴収の方法によらなければならない。但し、第五百五十一條第二項の場合においては、申告納付の方法によるものとする。
○政府委員(奧野誠亮君) これは従来は全部命令的な徴収方法によつておつたわけでありますが、従来はやはり特別徴収の方法と、それからもう一つ命令的な徴収と二つあつたわけでありますが、新法では特別徴収の場合につきましては、従来の特別徴収の方法とは違つて、やはり申告納付の方法を採るということにいたしたのであります。それからもう一つ、従来地方団体が課税処分をしていました部分につきましては、逆に申告納付をさせるというふうに、徴収の手続を変えております。これは他の税について行われましたのと大体同じような方針であります。
○柏木庫治君 この税を決める前の木材の量ですね、量は営林署所有のものははつきり立木その他が分りますが、個人所有のものはどちらが決めるのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 大体大村引取税を課する場合には、木材の検査をするとき、そのときに取るものでありますから、検査の量で課税物件の量を決めて行くということになるわけであります。
○柏木庫治君 それは立木を伐採した場合ですね。
○政府委員(奧野誠亮君) 課税するのはこれは素材でありますから、立木とか或いは原木とか、素材、製材とかいろいろありますが、その素材の量によるわけであります。
○柏木庫治君 そうすると素材というのは斧とかのことかを入れないものですか。伐つただけでそれが素材ですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 立木を倒して枝を拂つて丸太にして、これが素材であります。
○委員長(岡本愛祐君) 伺いますが、この国有林所在地の市町村において、林野庁の方で伐つて、そうして又市町村長が條例で決めるときまでに素材の引取がなかつたという場合ですね、これはどうなるのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 木材引取税につきましては、国に対しても課税して行けるという建前を採つておりまして、現在営林署の持つております素材を売却に付した場合には、営林署が特に徴収義務者になつて徴収してくれております。従つて又法的には、若し五百五十一條の二項に該当するような場合には、国がそれの納税義務者になるということになるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) これは従来と変つて来ましたね。
○政府委員(奧野誠亮君) ええ。納税義務者には、木材引取税を作つたということを聞いております。国鉄との関係がありまして、国鉄が枕木なんかに相当消費するものですから、それだけを非課税にするということは理屈が立たんものですから、一応課程対象にするということにしております。
○委員長(岡本愛祐君) 従来まではそうだつたのですね。
○政府委員(奧野誠亮君) そうです。あと引取税については特別改正しているところはございません。
○委員長(岡本愛祐君) 次に移ります。
○政府委員(奧野誠亮君) その次五百十二頁の広告税であります。
○委員長(岡本愛祐君) それでは第八節広告税、五頁八十五條。
   〔岡田説明員朗読〕
 広告税は、広告(新聞、雑誌及び書籍による広告並びに放送法(昭和二十五年法律第 号)第五十一條の規定による広告を除く。)に対し、その広告場所在の市町村において、その広吉主に課する。
○政府委員(奧野誠亮君) まだ広告放送というものが生まれて参つておりませんけれども、近く生まれるだろうと思います。その場合は、新聞、雑誌及び書籍による広告を非課税の取扱にいたしておりますので、それとの均衡上非課税にしたいということで、放送による広告を課税除外にいたしたのでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 伺いますが、従来もその通りやつておりましたのですが、新聞、雑誌及び書籍による広告を除外するというのは、どういう理由に立つているのでありますか。
○政府委員(奧野誠亮君) これは例えば東京で販売された、発行された新聞は相当広範囲な地域に送られるものでありますが、その新聞に登載されておる広告に対する広告税を、一体どこで徴収するか。現実に新聞が到着する所々で課税するということになりますと、非常に煩瑣になつてとても分割できないだろうと思います。そうかと言いまして、東京で発行されている新聞は発行所で全部課税するということになりますと、不当に多くの収入をその団体に與えることになるのじやないかというふうに思われますので、市町村税としては、このような新聞、雑誌及び書籍による広告に対する課税は穏当ではないという考え方を持つたわけであります。
 では次に広告税の非課税の範囲……。
○鈴木直人君 読まなくてもいいでしよう。
○政府委員(奧野誠亮君) これは新しく非課税税の規定を設けたのであります。それから五百八十七條に、従来広告税の税率については規定いたしてなかつたわけなんでありますけれども、地方財政、平衡交付金との関連その他から考えまして、特に細かい規定をおいたわけであります。併しこれは標準でありますから、これを上廻つて課税しても差支えないわけであります。よろしうございましたら、これはもう省略いたしますか。或いは読みますか、五百八十七條……。
○鈴木直人君 読まなくてもいいでしよう。
○政府委員(奧野誠亮君) そうしますと、広告税についてはあと変つたことございませんから、次の項目に移りたいと思います。
○堀末治君 この税率は前と変つておりますか、変つておりませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 従来、税率は法律の中には書いてなかつたわけであります。新しく書いたわけであります。これを決めますについては、昔広告税は国税であつたのでございます。国税は当然法律に課率規定をおいております。それを基礎にして、その後の経済情勢の変化に即応して、多少改正したということになつております。
○鈴木直人君 この広告税の徴収は相当困難だと思うのですが、五百八十八條によると「賦課期日及び納期は、当該市町村の條例で定める。」ということになつている、現在もそうだと思うのですけれども、これは広告するという際に一定の料金を取るのか、或いは一定の期日にそのときの広告全部、町村内のやつを皆調べてそうして取るのか、尚一度広告を出したものなら、一年も二年も広告が続く場合があると思うのです。そういうふうな関係において、広告を初めてするというときを狙つて、一回だけその都度取るようになるのか、今までの例を知りませんので説明して頂きたいと思います。
○政府委員(奧野誠亮君) 従来広告税の課税の仕方は例えば野立看板なんかにつきましては、その看板が何年も継続してそのまま伝わつて行くわけでありますから、毎年一定の金額を年税として徴収しておるわけであります。又例え電車の中にいろいろな広告をやつておりますが、そういうものにつきましては、電車会社が料金を徴収しましたときに、広告税相当額を特別徴収する、従つて広告の料金を受取りましたときに、広告税を徴収して行く、こういうふうな扱いにいたしております。でありますから、広告の種類によつて、或るものは年税でありますし、或るものは随時税というふうな恰好であります。
○岡田喜久治君 ちよつと伺いますが、駅で拡声機なんかで盛んに広告をこの頃始めておるが、あれは余程考えもので、実際に制限を考えなければならんが、同時にこれを税の面から見て何かああいうものについて考えておりませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) これはやはり五百八十五條の項目に該当すると思います。併し積極的にそういうものを五百八十七條では取上げていないわけでありますから、市町村が適宜に課税標準を設けて課税して行けば取れるわけであります。
○岡田喜久治君 市町村が條例で認める、その他規定することが認められておりますか。
○政府委員(奧野誠亮君) その広告の課税客体にすることは差支ないわけですが、ただ申上げたいことは、五百八十七條に積極的にそういうものにはどういう税率を使うということは謳つていない、従つて市町村が自分の適当な判断で税率を決めなければならんということになるだろうと思います。
○鈴木直人君 今の五百八十七條によると「除く」とありますが、ああいうところには入つていないのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 放送法五十一條の規定による広告の中には、それは入つておりません。
○委員長(岡本愛祐君) それでは広告税について御質問ありませんか。第九節入湯税。
   〔岡田説明員朗読〕
 第六百十九條 入湯税は鉱泉浴場における入湯に対し、その浴場所在の市町村において入湯客に課する。
○政府委員(奧野誠亮君) これは従来の府県で市町村附加税を取つておつたわけであります。これは町村税を下げますと同時に、六百二十條で標準税率を十円と決めております。実は地域の差を設けませんで、一率で標準税率を決めるについては、多少穏当を欠く嫌いがございますので、そうかと言いまして標準税率を決めるといたしますと地域別の標準税率を決めようといたしましても決めようがありませんので、軽い意味で標準税率十円ということを一応決めておるわけであります。熱海のようなところの入湯税と、それから群馬県の奥の法師温泉の入湯税と同じ意味にするわけには参らんわけでありまして、本当にもつと区分をしなければならんのでありますけれども、到底その区分を法律の上に表わすことは非常に困難でありますから、敢てそれを取らなかつたわけであります。その他につきましては、入湯税について特別な改正は加えておりません。
○委員長(岡本愛祐君) この「鉱泉浴場」とあるのですが、普通は温泉と鉱泉とを分けて、温泉というのは温いもの、鉱泉というのは冷たいもの、それを沸したものというふうに使つておるのですが、これは違つた扱い方をしてあるわけですね。
○政府委員(奧野誠亮君) 温泉でなくつても、冷泉でも鉱泉であれば、その鉱泉浴場における入湯には課税はできるという建前にするために、こういう言葉を使つてあります。
○委員長(岡本愛祐君) そうすると、市内でよく温泉浴場と、例えばラヂウム温泉とか、草津温泉とかいうように書いておるのですが、あれは湯の花入れてあるのですね。あれはどうですか。
○政府委員(奧野誠亮君) どうも今のお説のようなものは課税してないのが普通でありますし、そこまで課税する必要はない。単に旅館の常業政策として看板を掲げておる程度のものは敢て課税する必要はないので、実質に従つて課税すればいいといふうな考え方をして行きたいと思います。
○吉川末次郎君 入湯税の従来の税率規定はどうだつたのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 入湯税の税率は従来規定しておりませんで、全く府県に委しておつたわけであります。現在でも例えば、五円ぐらいのところもありますし、或いは二十円、本税だけで二十円にも上つておるところもあります。
○鈴木直人君 六百十九條によりますというと、入湯客に課するということになるわけですが、客でない自家入湯というような場合には、これは当然行かないわけですね。そういう形で以て全部これは客じやないというような、脱法的なこともやり得るように思うのですが、それに対してどういうように処置されるのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) これはやはり入湯客だけに課税しようという考え方で、例えば自分が別荘を持つておつて、そこには鉱泉がある、その場合まで課税する意思は持たないわけです。まあそのために脱税をする者があるのじやないかと言われれば、それも尤もなのでありますが、大体入湯客を入れておるようなところは旅館でありますとか、或いはまあ大体旅館でありましようが、料理屋なんかあるかも知れませんが、大体区別つくのじやないかというようにも考えます。必要があれば鉱泉に対して独立税を起しておるところもあります。その場合には所有者がありますから、別荘に鉱泉がある、その場合には別荘の所有者に鉱泉税が課せられる。現実にそういうことを行なつておる団体もあるわけです。
○委員長(岡本愛祐君) じや次に移ります。五百六十六頁第十節接客人税。
   〔岡田説明員朗読〕
 第六百四十八條 接客人税は、芸者、ダンサーその他これらに類する者に対し、その従業地所在の市町村において課する。
 第六百四十九條 接客人税の標準税率は、接客人一人一月について百円とする。
○政府委員(奧野誠亮君) 接客人税も昨年から市町村税になつております。特別に改訂はしていないのでありますが、ただ六百四十九條で標準税率の規定を置いております。これも又標準税率の規定を設けることが多少乱暴にも考えられるのでありまして、例えば新橋あたりに出ております芸者に対する課税と、本当の田舎の村におります接客人に対する課税と同じような標準税率を決めて行くことは、非常に矛盾があるわけです。そうかと言いまして、それを又地域を分けまして書きますことも又困難を伴うので、そういう矛盾を持つたまま、標準税率だから市町村の良識によつて、適当な税率を決めて貰いたい、こういう考え方を打つております。
○岡田喜久治君 もとよりこれは市町村の條例で特別会計などを作ることができるわけですね。
○政府委員(奧野誠亮君) お話の通りでありまして、例えば東京でありましても、新橋と浅草と、或いは又澁谷の方と、すべて分けております。先ず芸者の従業地において分けておるのみならず、或いは芸者というものと、ダンサーというものと、又区別しております。そういうふうに、適宜細かい区分を市町村で行つて貰うことを期待しておるわけです。
○岡田喜久治君 その場合にどうなるのですか。やはり平均百円か何かを原則とするのですか。それとも百円を越して條例で以てやることを許すのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) それはまあ全くの標準税率なのでありまして、地方財政平衡交付金の算定のために用いる税率だというふうに考えて貰いたいのでありまして、入湯税とか接客人税につきましては、むしろ地域の差なり、課税客体の差なりによつて、いろいろな税率を採用して貰う方がよろしいというふうな考え方を持つておりますし、そういうふうに指導して行きたいと思います。
○岡田喜久治君 じや無論百円に拘泥しませんね。それ以上に上つてもよろしいのですね、條例で。
○委員長(岡本愛祐君) 千円くらいにしたらどうなんですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 実は現在東京で、新橋あたりでは、月六百円、月数百円取つておるわけなのでして、年額で行きますと、数千円、確か月六円、六百円ですと、年額で七千二百円、そういうような非常に多い所もあります。まあ千円という所はちよつとないだろうと思いますけれども、全く標準でして、上廻つても下廻つても自由だと、多少我々標準税率を規定することに、ある意味で矛盾も感じておるわけなのです。
○鈴木直人君 この六百四十八條の「芸者、ダンサーその他これに類する者」というのは、これは百十五條の遊興飲食税におけるところの「芸者その他これに類する者」というものと大体範囲は同じでございますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 必ずしも一致しないと思つております。
○鈴木直人君 じや両方の違いを具体的に説明して下さい。
○政府委員(奧野誠亮君) 百十五條の「芸者その他これに類する者の花代」と言いますのは、要するに芸者乃至は酒間に出まして芸をやるというのが普通かも知れませんが、花代を取つておる種類の者だけに限定して考えておるわけであります。強いて言いますと、酌婦なんかこれに入れようと思えば入れることができると思います。それに反しまして六百四十八條の方は、単に芸者に類するだけでなしに、「芸者、ダンサーその他これらに類する者」、広く接客人を言うておるわけでありまして、仲居なんかもこの中に入れられますし、或は給仕人なんかでサーヴイス料と得ておるような種類の者がありましたら、名儀が違つておりましも、やはり課税の対象に入れようと思つたら入れ得る。従つて六百四十八條の「その他これらに類する者」は、かなり広い解釈を以て適用範囲を決めて行けばよろしいと思いますが、百十五條の方の「芸者その他これに類する者」の方は、範囲は自然非常に狭い局限されたものにならざるを得ないのです。
○岡田喜久治君 もう一つ伺つて置きたいですが、今お話のようだと、課税標準というものの考え方とか規定というものは、これは今の課税額と非常な変更を来たすわけですね、平均百円というと、例えば年に大変でしようね、七千円になるような場合があるとか、そうしてその課税標準というのは、通有の標準だという意味合になるんですか、何か課税額を條例で以てどの程度に決めるかを制限する等の必要がないか、或いは又そういう伸縮力を持つた規定の書き方にする必要がないか、この点はどうですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 接客人税とか入湯税になりますと、従業地内、或いは鉱泉浴場の所在地なんかによつて非常に違つて参りますので、普通の標準税率は大体どこでも適用する税率なんでありますけれども、こういう税につきましては、標準税率を決めること自体にも、或る意味においては矛盾も実はあるわけなんであります。それを強いて書いてあるわけなんでありまして、そういう意味では、先程おつしやられました大体の平均額がこういうところを狙つておるということ、その通りであります。併しそれは決してそれに囚われる必要はない、うんと上廻る場合もあるし、うんと下廻る場合もある。そこは市町村の良識によつてやつて貰うより仕方がないと思います。
○岡田喜久治君 そこでむしろこれは立法の方法でしようが、そういう内容を持つた趣旨を盛つたあれだとすると、どうもこういう標準税率を決めるということは、極端というか、非常に創意ある立法を妨げるようなふうにも考えられますが、法の規定振りというものはこれでいいものか、これでもう少し課税額も何か條例の定めるところによるというような余地を與えた規定振りが普通じやないと思いますが、ここをどう解釈なさいますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 御心配になりますような点は、そういうことのないようにできるだけこの趣旨というものを徹底させて行きたいと思つております。ただ接客人税なんかにつきましては、相当これよりも沢山取つておるところもあるんですけれども、むしろ余り大きな額をこの税に求めることは穏当じやないので、今ここに標準税率を書くと、それに自然縛られるじやないかということをおつしやいましたが、我々は別に縛るつもりじやないがむしろこういう或る程度下げたいという気持を持つておるものは、縛られてくれてもいいじやないかというくらいな考え方を実は持つておるのであります。
○委員長(岡本愛祐君) では次に移ります。接客人税について外に違つているところはありませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 接客人税については違つているところはありません。
○委員長(岡本愛祐君) 五百八十頁の第十一節市町村法定外普通税、第六百六十九條。
○政府委員(奧野誠亮君) この市町村法定外普通税は、道府県法定外普通税と全く同じ構成を取つております。殆んど変りございません。
   〔岡田説明員朗読〕
  (市町村法定外普通税の新設変更)
 第六百六十九條 市町村は、第五條第三項の規定による普通税(以下「市町村法定外普通税」という。)を新設し、又は変更しようとする場合においては、あらかじめ、地方財政委員会の許可を受けなければならない。
 第六百七十條 地方財政委員会は、前條の規定による許可の申請があつた場合においては、その旨を大蔵大臣に通知しなければならない。
 2 大蔵大臣は、前項の通知を受けた場合において、その許可の申請について異議があるときは、地方財政委員会に対してその旨を申し出ることができる。
  (地方財政委員会の許可)
 第六百七十一條 地方財政委員会は、第六百六十九條の規定による申請を受理した場合において、当該申請に係る市町村法定外普通税にいて当該布町村にその税収入を確保できる税源があること及びその税収入を必要とする当該市町村の財政需要があることが明らかであるときは、これを許可しなければならない。但し、左に掲げる事由があると認める場合においては、その許可をすることができない。
 一 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、且つ、住民の負担が著しく過重となること。
 二 地方団体間における物の流通に重大な傷害を與えること。
 三 前二号に掲げるものを除く外、円の経済施策に照して適当でないこと。
 2 地方財政委員会に、前條の許可の申請について、その申請の趣旨に適合する範囲で條件を附け、又は変更を加えて許可をすることができる。
○政府委員(奧野誠亮君) これは現在の地方団体の法定外独立税の設定の方式と若干変つておるのでありまして、現状では地方団体は、法定外独立税を設けますと、内閣総理大臣に報告すればよろしいわけです、それで内閣総理大臣が黙つておりますと、八十日を経過すると、当然その地方団体の條例が効果を生じまして、法定外独立税が動いて来るわけであります。若し内閣総理大臣がその法定外独立税を或いは取消したり、或いは変更したりしたいと考えましても、内閣総理大臣だけの権限ではこれはどうにもできない。そこで地方税審議会というものが、その委員の構成については国会の承認を受けて生れておるものでありますが、そこにかけまして、そこで地方税審議会が一定の決定を下したから、それに基いて始めて法定外独立税を取消したり、変更したりすることができる、こういう仕組になつておるわけであります。これに対しまして今度は一々地方財政委員会の許可を受けなければならないというふうに、又従来の許可方式に戻つて参るわけであります。そうしますとそれだけ地方団体に対する中央統制が強くなつて、地方団体の自主性を毀損することになるのではなかろうか、そういう疑問も持たれるわけですけれども、それがためにわざわざ地方財政委員会というものは通常の官庁とは違いまして、地方団体の代表者を以てその中心のメムバーにして行くというふうに、構成が考えられておるというところに調和が図られておるわけであります。又六百七十一條におきましても、原則として法定外普通税というものは許可しなければならないのである。ただ例外的に許可をしないことができるというふうな仕組になつております。あとは特に申上げる程の改正もありませんので、次に移つた方がいいと思いますがどうでしようか。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問はございませんか。
 ちよつと伺いますが、新聞で見ますと、青森県で取つておつた法定外独立税の林檎税が、地方自治庁の方で不許可にしたために、青森県知事は辞表を提出したというようなことが書いてあつたのですが、その青森県の林檎税は昨年でしたか、我々調査に参りましたときには、一億数千万の青森県の収入になつておつた。而も従来長く県財政上の重要な財源となつておつたのでありますが、これはどうして不許可になつたのか、又不許可になつたことによつて生ずる県財政の収入の欠陥はどうして補填するように考えておられるのか、それについて御説明を伺つて置きたいと思う。
○政府委員(奧野誠亮君) 今お話のように林檎税は青森県財政に非常に大きな部分を占めております。一箱に対して十五円という課税率でありますけれども、昨年の実績を見てみますと、一億八千万円に上つておるようであります。法定外独立税につきましては、昨年地方税審議会におきましても数回に亘つて論議をいたしまして、漸く一応の結論としては、昭和二十四年度限りこれを認めるということで、若干の点に変更を加えただけで、それがそのまま行われることが了承されたわけであります。ところが青森県としては、二十三年度においても継続して行きたいということで、先頃その御報告が出て参つたわけであります。そこでいろいろ議論があつたわけなんでありますけれども、一つは林檎というものは青森県における独占的な生産物である。従つて青森県はこれに課税しても決して県民の負担によらないで、專ら消費地の、言換えれば、県外の住民の負担によつて多額の収入を挙げることになつている。そういうことは地方税の本質から見て、住民の負担と直接の係わりのないものによつて、多くの収入を挙げて行くということは自然税収入の使途について疎略になる心配がありはしないかというようなことが、一応相当な疑問になつたわけであります。そこで仮にこの法定外独立税を設け得るものだとしても、その使途が問題になる。使い方が問題になるということになつたわけでありますが、昨年青森県の林檎引取税を一応暫定的に承認するに当りまして、青森県では林檎振興会社というものを作りまして、林檎の価格というものは専ら消費地において、自由に上げもするし、下げもする。これが青森県の林檎生産業者に対しまして非常な悪影響を與えておる。非常な損失を及ばしておる、従いまして林檎振興会社がむしろ委託販売をしてやつて、そうして安定した価格の下に、林檎生産業者の経験というものを保護するようにして行かなければならん。こういう考え方を持つたわけであります。ところが地方税制審議会では、むしろそういう行為を県がやることは独占禁止法の精神に反するものではないか。そういうものは止めるべきである。若しそういう振興会社を作つて、それに林檎引取税の収入を充てるというようなことになれば、この法定外独立税をやるというわけには行かない。こういう話をいたしたときに、青森県ではそういう意思ならば林檎振興会社は作らない。こういうことを向うの総務部長が地方税制審議会の席上で約束したわけであります。ところが、林檎振興会社を作つてしまつたわけであります。資本金を一億二千万円とし、県が五千万円の出資をしておるわけであります。更に昭和二十五年度においても増資をいたしたい。それに対してやはり数千万円の金が県としては要るのだ。従つて林檎引取税の昭和二十五年度の収入の相当部分も又これに充てるのだ。こういう考え方を表明して参つたのであります。ところが、これが地方税制審議会としては約束に反する。そういう使い方を続ける以上は、林檎引取税を法定外独立税として運営させることは不穏当だという結論を持つたわけであります。併しながら、切替に当つて県の行政上の措置の問題もありましようし、いろいろ政治的な問題もこれに関連して起きて参つておりますので、地方税制審議会の下しました結論は、差当り昭和二十四年産の林檎の引取に限つて承認する。併し青森県考えておつた一箱十五円という課率を十円に引下げる。又市町村においてこれに附加税を課してはならないという規定を條例で設けなさい。更に又直接であると間接であるとを問わず林檎引取税の収入を林檎振興会社又はこれに類するものに投じてはならない。こういうような大変厳しい條件をつけたわけであります。而してそれ以降は林檎引取税は設けてはならない。こういう結論を下したわけなんでありますが、それが今委員長のお話になりましたような問題を、向うで捲き起しておるわけでありますけれども、私の先程聞いた話では、大体そういう紛争も納まつたようだ。尤も将来に持越されることになると思うのでありますが、差当りはそういう紛争も納まつておるというふうに聞いております。
○委員長(岡本愛祐君) そうすると二十五年度は許されるわけですね。そういう條件をつけて……。
○政府委員(奧野誠亮君) 二十五年度においては、二十四年産の林檎の引取に対する課税だけは許されるが、それ以後は止めるというわけであります。従つて大体七月までは林檎引取税というものはあるが、八月からは新しい林檎が出て参ります。それに対する課税は勿論止めるということを地方税制審議会で決めております。
○委員長(岡本愛祐君) そうすると、それを例に引いたのでありますが、この二百六十一條、これは道府県の方ですから、この改正案が通つたとして、法律になつたとすれば、この二百六十一條がありますから、その但し書の三の中のどれにも今の場合は当らないものであるから、青森県から財政需要が明らかにあるわけですから、これは許可しなければならないということになるのでありますか。
○政府委員(奧野誠亮君) これは二百六十一條の解釈にも関連するわけでありますけれども、三号の「国の経済政策に照して適当でないこと。」という問題、これが現在流通課税というものが不動産取得税にいたしましても、自動車税にいたしましても、何にしましても、すべて廃止するというような方針を採つて参つておるわけであります。そういう一つの方針とどう組み合せてこれを考えて行くかというような問題も起きて来ると思うのでありまして、私は法定外独立税の許可の仕方というものが、新しい地方財政委員会が生まれて参りますと、又この地方税法が通過するということになりますと変つて参りますので、專ら地方財政委員会がどういう解釈をし、どういう事実の判定をするかということになつて参る問題だと思います。
○委員長(岡本愛祐君) その二項の方で「その申請の趣旨に適合する範囲で條件を附け、又は変更を加えて許可をすることができる。」けれども、不許可にすることはどうもできないのじやないかという気がするのですがね。
○政府委員(奧野誠亮君) 大変むずかしい問題なので、「当該道府県の財政需要があることが明らかであるとき」と思うのですが、先程の地方税制審議会の決定は、それを持つて行つておるところが林檎振興会社であつた。それが果して「当該道府県の財政需要がある」と言えるかどうか。むしろそれは穏当でないという一つの結論を実は出したわけでありまして、従つて地方税制審議会としては、この條文でいつてむしろそれは不穏当という考え方を持つておつたのだと思います。実は内部の話をすることは穏当ではないのでありますけれども、地方自治庁としては、別な見地から林檎引取税を取上げたいという考え方を持つておつたわけでありますけれども、地方税制審議会としてああいう結論が下されたのであります。従つて新しい法律が通つた場合には、地方財政委員会がどういう結論を下すかということは、これは必ずしも法的に地方財政委員会の結論を拘束するものではない。新しい角度から新しい法の精神に従つて解釈すればよいと思います。そういう意味で二百六十一條の規定も重要な意味を持つものだと思います。
○鈴木直人君 今まで市町村税として法定されていたものが、例えば、電話税であるとか、そういうものがあります。そういうようなものは今度は法定税としてはなくなつたけれども、法定外の独立税としてやることは差支ないのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 先程ちよつと申上げましたように、国がどういう政策を採るかということとも噛合つておりますけれども、国がこういう流通税的なもの、そういうものは全面的に廃止することを適当と考えて、ああいう措置を採りましたので、それを直ちに法定外独立税として起すことは穏当ではないという考え方を持つております。
○鈴木直人君 穏当ではないが、やればやれるわけですね。許可はしないという方針ですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 地方財政委員会がどういう方計を採るかということに係るわけでありますが、大体法定されておるものを直ちに法定外独立税として設けるということは、法の精神に反するというような解釈をしなければならないだろうと思います。
○鈴木直人君 用人税についても同じですね。
○政府委員(奧野誠亮君) 廃止する意味が実はいろいろあるのでございまして、雇人税につきましては、税額も非常に少いものでありますし、又むしろ生活に困つておる人が却つて使用人を沢山使つておるという例もありますので、特に法定税目として挙げる程のものではないというような考え方で、これを廃止したわけであります。特に一つの国の政策として、そういうものを置いておくことが国民に非常な圧迫感を與えるとか、或いは物の流通を妨げるとかいうふうな観念で廃止したのとは、多少私は趣が違うのじやないだろうか、その廃止の趣旨によつて、これは個々の税目について達つた方計が採られても差支ないのじやないかというふうな、考え方を持つております。併し原則として成るたけ大した収入にもなりませんものを法定外独立税として設けまして、国民に無用の圧迫感を與えるということは、これは非常にまずい政策であるという考え方を持つておりますので、そういう意味で市町村に対しまして税目を廃止した趣旨、更に又それを将来法定外独立税として取上げて行く方がいいか、行かない方がいいかということについての判断の資料、そういうものを提供して行かなければならんのではないかと、そういうふうに考えております。
○委員長(岡本愛祐君) では進行しましよう。
○政府委員(奧野誠亮君) 次は六百十一頁の目的税。
○委員長(岡本愛祐君) 六百十一ページの第四章目的税に移ります。
   〔岡田説明員朗読〕
    第四章 目的税
  (水利地益税)
 第七百二條 道府県又は市町村は、水利に関する事業、都市計画法(大正八年法律第三十六号)若しくは特別都市計画法(昭和二十一年法律第十九号)に基いて行う事業、林道に関する事業その他土地又は山林の利益となるべき事業の実施に要する費用に充てるため、当該事業に因り特に利益を受ける土地又は家屋に対し、その価額又は面積を課税標準として、水利地益税を課することができる。
 2 水利地益税の課税額(数年にわたつて課する場合においては、各年の課税額の総額)は、当該土地又は家屋が前項の事業に因り特に受ける利益の限度をこえることができない。
○政府委員(奧野誠亮君) 水利地益税は大体従来からあつた税でありますが、特に変りましたのは、この中え都市計画法、若しくは特別都市計画法に基いて行う事業の実施に要する費用に当てるためにも水利地益税を起すことができる、こういうふうにしたわけであります。これは従来都市計画税には二つありまして、一つは地租割とか、家屋税制とか、事業税割というような恰好で課することのできる法定都市計画税であります。もう一つは地方団体が任意に保税標準を定めまして課して行くことのできる特別な都市計画税であります。その特別な都市計画税は、地方団体が受益的な事業を行います場合に、その財源を特定のものから得て行きたいというわけでありますから、こういうものまでも禁止する必要はないという考え方から、それを残すに当りましては、やはり都市計画税として特に名前を残して置きますと、一方法定の都市計画税を廃止したに拘らずそれを濫用する慮れもある、そういうふうなことから、特に独立の税目として比べることはやめまして、水利地益税の中に今申しましたような恰好で挿入することにしたわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 次。
○政府委員(奧野誠亮君) 後は七百三條の共同施設税その他従前通りであります。変つておりません。
○委員長(岡本愛祐君) 目的税について御質問ございませんか。木材引取税を目的税にすべきかどうかどいう議論があるようですが、それについて見解を承りたいと思います。
○政府委員(奧野誠亮君) 現在木材引取税は木材の立木の所在地で課税しておるわけであります。そこで大体木材引取税の収入というものは木材の引取関係から、いろいろ地方団体が施設費を投じなければならないところに持つて行くというふうに見られるわけでありますから、特に目的税としなくても、それを収入した市町村が適当に、そういう費用に当てれば宜しいのではないかというふうに考えておりますので、今のままでいいのではないかと考えております。
○委員長(岡本愛祐君) 目的税は外に説明ございませんか。それでは第五章都等の特例。
○政府委員(奧野誠亮君) これはやはり従来と特別に変つておるところはございませんで、ただ東京都の都と特別区との関係において、非常に問題が沢山ございます。問題は沢山ございますが、一応法律的には、その関係を従来と同じ恰好にして置いたわけでありまして、市町村税相当のものを都税として課して行く、それを特別区に課する場合、特別区が自ら特別区税として課する場合には、都の條例の定めるところによるのだという従来の建前をそのまま継続して行くことにしております。併し東京都と特別区と、その他の関係者を集めまして、この間の行政をどう運営して行くかということを今現にいろいろ協議いたしておりますので、その線に沿つて将来の問題として、立法を更に工夫して行く必要があるだろうと思います。差当りは現状のままにして置くということにいたしております。それ以外には特別申上げることもございませんで、あと宜しうございましたら、附則でちよつと問題の点を申上げます。(「進行」と呼ぶ者あり)
○委員長(岡本愛祐君) 都等の特例のところで御質問ございませんか。それでは附則に参ります。
○政府委員(奧野誠亮君) 実はこの法律をいつから施行するかということが非常に問題になるわけでありますが、一応は三月中に議決を了して頂けるものという考え方に立つて、この施行時期を定めておるわけであります。併し三月ももう残り少くなつて参つておりますので、自然この附則を議会の修正によつて、円滑な切替えができるように工夫して頂かなければならないのじやないかというふうに思つております。最初はやはり少くとも四月一日から施行して行きたいというふうな関係で、この立法を行なつておるわけでありますが、若しそれをそれ以後の時期に施行時期を定めるということにしますと、随時税的なものと、それから年税的なものとによつて、適用関係は区分して行かなければならんというふうな問題があるだろうと思います。いずれ法案の進行に伴いまして、政府の意見も徴して頂くようにして頂きたいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 尚この中で「この法律中に特別の定がある場合」というのは何條と何條ですか、大体分つていますか。
○政府委員(奧野誠亮君) ちよつと今直ぐには分りません。表によつて……。
○委員長(岡本愛祐君) 表によつて区別して頂きます。二項。
○政府委員(奧野誠亮君) 二項の方は従来の地方税法をこの法律で全部改正してしまいますので、まだ課税処分しておりません、例えば昨年の地租や家屋税で、若ししておりませんと根拠法がなくなつてしまうわけでありますから、そういうものはこの法律で改正してしまいました、今まで置いたような地方税によるのだということを謳つておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) あとは附属の……。
○政府委員(奧野誠亮君) 申しますか。
○委員長(岡本愛祐君) じや大体言つて下さい。
○政府委員(奧野誠亮君) 四項は実は企業再建整備法の適用を受けますものの事業年度というものが、通常の事業年度によりませんものですから、数年に跨がるものもあるわけであります。そうなつて参りますと、事業年度毎に附加価値税を取りますものが、数年間に亘つて取れないというふりな問題も生じますので、その事業年度の規定に拘らず、附加価値税に関する規定の適用については、定款に定めた事業年度によつて行きたいというふうな考え方を持つておりますので、そういう意味で企業再建整備法を規定したいというのが四項であります。五項の方は郵便貯金法の中で、宝くじ式なもので得た不動産については、不動産取得税を課することができないという規定があるのでありますけれども、不動産取得税が廃止になりますので、それを削つてしまいたいというのであります。
 それから六項と七項は日本専売公社法と、日本国有鉄道法の中で、地方税を課することができないという規定が設けてあるわけでありますが、この新しい地方税の中で同じような規定を置いておりますし、地方税の非課税に関する規定はいろいろの法律に跨がつて規定されておりますので、この法の解釈をいたします場合に、統一を缺く虞れもありますから、非課税の規定はむしろ地方税法に統一して規定すべきであるという建前の下に、国有鉄道法や、専売公社法の規定を削除したわけであります。
 国際観光ホテル整備法は、これは古い地方税法の條文を新しい地方税法の條文に置き直したのであります。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。
○吉川末次郎君 委員長速記を止めて下さい。
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。
○吉川末次郎君 最初政府から我々に提示された地方税の改正案の中には、国民健康保険税ということが、目的税の税目の中に加えられておつたんでありますが、私は新しい税目の決定について、社会政策的見地から非常な期待を持つておつたのでありますが、何故に政府はそれを削除せられたのであるか。それについての理由を……。
○政府委員(奧野誠亮君) 国民健康保険税を設けようとする考のありましたその理由は、一つは昨年から市町村が国民健康保険事業を行うことになつたわけであります。ところがその費用というものを保険料で賄つて行く。保険料という恰好ではなかなか徴収が困難でありますので、いろいろな他の理由もあるわけでありますけれども、予定の収入が得られないために、殆んどの市町村では国民健康保険事業を行いながら、その運営に非常な困難を来たしているわけであります。そこでもう少しこの収入を確実に得て行くようにして行きたいというふうな考えが一つあつたわけであります。もう一つは又国民健康保険料というふうなものが多くの租税と別な姿において存在しながら、而も実費は租税と全く同じである、こういうことでありますと、住民の租税負担を合理化する場合には合理的に把握できない。これが又そういう意味で非常な支障を起しておりますので、やはり税の形は実質に従つて切替えて行くべきであるというふうな考え方もあつたわけであります。ところが半面、国民健康保険税として、国民健康保険事業の費用を賄つて行くとするなら、その国民健康保険税というものは、むしろ市町村税として設けるよりも、国民全体が連帯してその仕事の運営を助くべきである。従つて市町村税としては国民健康保険料の形において徴収することは穏当ではないという考え方がらあります。或いは又国民健康保険税とされた場合には、国民健康保険料として徴収されるよりも、なかなか強い力を以て住民に臨むような姿になつて参るわけであります。その場合にその市町村が国民健康保険事業をやるかやらないかということが、単にその市町村の議会の多数決によつて決められ、それだけで以て住民全体が、好むと好まざるとに拘らず、国民健康保険税を或る程度の能力において課せられて来るということは穏当ではないのであつて、むしろ国民健康保健税の形において徴収して行こうとするなら、国民健康保険事業を市町村がやるかやらんかということ自体を、自分の議会の議決ではなしに、市町村の住民投票によつて決すべきである。こういうふうな意見もあつたわけであります。そういうまあいろいろな意見がありまして、遂にこの問題を解決するに時間がありませんので、遺憾ながら新しい地方税法案の中に国民健康保険税を採上げることができなくなつたわけであります。
○吉川末次郎君 只今の政府委員の御説明に対しましては、私は殆んど全面的に反対的な意見を持つておるのでありますが、私の意見としましては、曾て本会議において林厚生大臣のお出でを願つて質問いたしましたときに、その一端を申述べたのでありますが、今日はその意見を開陳いたしますことはいろいろな事情から差控えて置きますが、反対であることは私の持論であることを御了承願います。
○鈴木直人君 私はこの税法全体につて疑問がある点を二三お聴きしたいと思います。それは先程岡田委員からも発言があつたのでありますが、その標準税率という解釈であります。入場税については七十七條によつて「入場税の税率は、百分の百としなければならない。」というふうにはつきりしておりまするから、これは全然税率を変えることができないということははつきりしておるのです。ところが他の大部分については、標準税率という言葉を使つておる。例えば問題になつておるところの附加価値税とか、或いは市町村民税とか、或いは固定資産税というものも標準税率という言葉を使つておる。そこで現在この税法について世間に伝えられている相当多くは、税率が高過ぎるというようなことが言われております。政府においても相当検討が加えられて、関係方面とも打合せされてこの結果、このように遅れたということも聞いておるのであります。例えば附加価値税においては、第一種事業については百分の四、第二種事業については百分の三ということになつておる。併しながらこれでは少し高過ぎるから第一種事業についても百分の三ぐらいがいい、第二種第三種については百分の二ぐらいにしたいというのが政府の意向でもあつたよう思う。我々もそう考えておるのです。それから市町村住民税については四百円、六百円、八百円というようなことに、これも標準税率ということで定められておる、又固定資産税についても百分の一・七五というふうに標準税率という言葉で使つておる。勿論二十五年度については百分の一・七五とするとこうなつておるからして、この点については動かし得ない点だと思いまするが、こういうように重要なるところのものについては、それぞれ標準税率というものの言葉で現しておる。そして但書にはその標準税率を超えて課税する場合には、これこれよりも超えてはならないというふうに規定されておるわけであります。そこで私が質問したいと思いまするのは、この標準税率については、標準であるからしてもつと上げても、もつと下げても、それは府県、市町村の條例によつてそれをすることができるのであるというふうに先程政府委員の説明であつたわけであります。そうなるならば、市町村の條例で決めるのならば、必ずしも附加価値税は第一種については百分の四でなければならないということにはならない。百分の三であろうが、百分の二であろうが、百分の一であろうが、これはその地方団体の條例で決めることができるのである。こういうことであるならば、私はこの地方税法全体について、そう税率について云々するところのいわゆる必要もないと考えられるわけであります。実は私はこういう税率、標準税率と言つても、この百分の四、或いは百分の三というものは、大体において動かすことができないものであるというふうに、やや解釈しておつたために、強くこれは、それよりも下げることができない、上げる場合にはちやんと規定があるから、これは別として、下げることができないというのであるならば、この税法全体をこのまま仮に今採つたとしましても、地方団体において実状に即したように下げることができるのであるから、何もその点について苦労は要らないとこう考えるのですけれども、この標準税率よりももつと下げて、県、市町村が課税をするということの法律上の解釈及びその他提案者の見解を一応お聴きして置きたいと思うのであります。
○政府委員(奧野誠亮君) 同じようにこの税法の中で、税法の決め方を三つ、更に正確に言いますと四つになるかも知れません。目的税のようなものにつきましては、殆んどはつきりした具体的な税率は決めておらんわけであります。その外に入場税のように一定税率を決めておる、或いは又木材引取税のように制限税率を掲げております。或いは又附加価値税等のように標準税率を決めておる。その標準税率で決めておる場合が二つあるわけでありまして、標準税率の税率を決めつ放しのもの、標準税率を決めながら尚且つ制限税率を決めておる場合もあるわけであります。そういうようにやはり税率の決め方を違えておるというところに、やはり違えておるだけの意味があるわけであります。一定税率と標準税率とはおのずから違うわけなんであります。只今御心配になるような点は、この標準税率というものは、地方財政平衡交付金の配分の基礎にしておる。こういう点から来るのではないかと思います。それともう一つは或る団体で標準税率と非常に違つた税率を採用した。それが或る種の税率におきましては他の地方団体に非常に悪影響を與える場合があり得ると思うのであります。そういうような二つの点から標準税率が単に標準の決めつ放しであるに拘わらず、それが地方団体を可なり拘束するのではないか、こういうふうな疑問が出て来るのだろうと思います。即ち各地方団体の地方財政平衡交付金の額を決めます場合には、地方団体毎に測定いたしましたところの財政需要額から、その団体の収入すべき税収入の七割までの額を控除した額、これに平衡交付金の総額を按分しまして各団体別の地方財政平衡交付金の配分額を決めるわけであります。そうしますと、その団体として当然得らるべき収入というものが予定されてしまうわけであります。その予定された収入というものが標準税率を基礎として予定されてしまうのでありますから、仮に税率を下げました場合には、収入が減りましても、それだけ地方財政平衡交付金が沢山くれるわけにいかない。自然やはり標準税率内外にまで税率を高めて、予定の税収を確保して行かなければならん。こういう意味においてやはり標準税率に縛られて来ることはあると思います。
 もう一つは、実はこれは例に取りますことがよいか悪いか問題があると思いますが、遊興飲食税のようなものであります。遊興飲食税のようなものにつきまして、或る団体が大巾に標準税率を下げてやつた。自分の団体としては遊興飲食税の収入はさして欲しくない。それよりも他の税収入で賄つて行けばよろしいのだ、こう考えて大巾に引下げるとすると、その結果は遊興飲食税のような消費税は隣県に大きな影響を與えて、隣県において遊興飲食税として相当の税収入を確保しなければならん。そういう財政的な事情があるに拘らず、他の隣接の団体が引下げました場合には、おのずから引下げざるを得なくなり、相当の減収を予想せざるを得ないようになると思います。こういう点において私は、そういう意味において、地方財政法によるものとの規定をおいておるのでありますが、これと関連した或る程度標準税率に縛られて来ることがあると思います。それ以外には我々は標準税率は全くの標準であつて、地方団体がそれによろうとよるまいと勝手である。だからこそ或るものは一定の税率を設け、或るものは制限税率を設け、或るものは何も税率を書いてない。こういうようなことが言えると思います。そのことが又おのずから地方税法の規定の中にも現れて参つておる筈だと思います。
○西郷吉之助君 今の問題は私は大臣に改めて伺いたかつたのですが、今の御説明は標準税率とは言うものの、上げ下げが自由と言うものの、平衡交付金が、標準税率が自由であると言つても、実際にそれを下げると、それだけ平衡交付金を貰えないという事実がある。なるが故に上下できると言うものの、実際それは架空の問題であつて実際にそれを下げたら平衡交付金は貰えない、平衡交付金は貰はないでおいて、尚且税率を下げるということは、地方財政の上において不可能だと思います。だから標準税率だから上げ下げ自由だということが、政府は宣伝しておるが、実際にはそれはできないということになる。その点は又改めて大臣に伺いたいと思うのだが、標準税率というものは非常によいのです。上げ下げできる。ところが実際には、それを標準以下で取つておる所は、それだけ平衡交付金が貰えない。お前の所は余裕があるから標準以下でないか、それだけ平衡交付金を返上しなければならん、そんな馬鹿なことまでして、税率を下げることができない。だから実際には上げ下げ自由と言うものの、それは単なる看板であつて、実際は標準税率で縛る、そうだと思う。
○政府委員(奧野誠亮君) 今私の申上げたことで多少誤解を與えていやしないかと惧れますので、もう一遍申上げたいと思いますが、地方財政平衡交付金の関係と申上げますのは、例えばその国体での財政需要が千万円であるという数字が出たとします。ところがその国体の標準税率による税収入が仮に八百万円ならば八百万円とします。そうしますと、八百万円の七割を掛けました五百六十万円、五百六十万円を財政需要の千万円から差引きまして、差額の四百四十万円に按分して地方財政平衡交付金は配られるということになるわけであります。そこで仮にその団体が或る税率につきまして標準税率を下げて徴収しておつたといたします。その場合におのずから税額は少いわけであります。その場合であつても我々は八百万を基礎にして平衡交付金を算定するということを申上げたわけなんでありまして、仮に標準税率を下げた結果が、或る税目については税収入が少い。併しその団体として一千万の財政事情をどうしても要るということならば、他の税率についてはこれを引上げるという場合もありましようし、或いはその部分については引下げるけれども、他の部分で、例えば宝くじを発行して収入を殖やすとか、或いは競輪をやつて収入を殖やすとか、或いは財産を売却するとか、或いは別な公営事業を行なつて、それから収入を確保するとか、或いは逆に又一応国では一千万円というふうに財政事情を測定したけれども、経費の節減を図つて、これを九百万円に切詰めて行くということもあるんです。仮にその団体が経費を切詰めて、九百万円でやつて行くという計画が立ちましても、地方財政平衡交付金を配付するときは、財政事情を九百万円とは見ませんで、一千万円で見て平衡交付金を配付して行くわけでありますから、やはり標準税率は地方団体の工夫一つで、必ずしもその標準税率に釘付けにするものではないというふうに、お考え頂きたいのであります。
○鈴木直人君 そうしますと、今ちよつとお話によりますと、仮に百分の四という附加価値税について、税率が、これは標準ですが、これを百分の三に或る地方団体がしたという場合においても、平衡交付金を算定するところの基礎は、百分の四としん計算するのだということにはつきりしてよろしうございますか。
○政府委員(奧野誠亮君) その通りです。
○吉川末次郎君 政府委員にちよつとお尋ねいたしますが、地方財政平衡交付金法案は、大体いつ頃国会に提出される御予定ですか。
○政府委員(奧野誠亮君) もう随分前から関係方面に法案を提出しておりますので、我々としては、もう直ぐにでも来なければならないというふうに考えておりますけれども、関係方面の内部でもいろいろ意見があるようでして、尚その決定に暇取つておるようであります。随分何度もお話をしておるのでありますが、我々としてはもう直ぐにでも来なければならん筈でないかというふうに見ております。
○吉川末次郎君 それから別なことですが、この地方税法の改正案は、我々の委員会におきましても、本国会においても最も重大なる法案であり、又本国会を通じての重大なる法案であると考えられるのでありますが、我々にもできる限り勉強して、委員の職責を盡したいと思つておるのでありますが、問題の重要性に鑑みまして、常任委員会には幸い算用員もおられるのであります。專ら上原君がその研究の任に当つておられるのでございますが、我々外にも多数のいろいろな仕事を持つておるのでありますが、上原専門員は、まあ主として地方制度及びこの地方財政のことについての専門員としてのお仕事を担当しておられるので、この地方税法の改正案に対する専門員の意見を徴したいと思うのですが、併し今日はその時期ではまだないかと思うので、我々がこれを審議して行きます過程において、適当の時期において、上原君が、自分の調査研究に基くところの意見をまとめて、文書或いは口頭において、この委員会の委員に披瀝せられるようにして貰いたいと思いますが、どうでしようか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは上原君、文書の方がいいと思いますが、文書で出して頂きたいと思います。参考資料として出して頂きます。
 尚政府委員にお尋ねしますが、この地方税法の改正のときに、この委員会で経過規定が必要だというので、経過規定を作つたことがあるのです。それは昭和二十四年の五月三十一日の改正のときです。その二項に、「この法律は、昭和二十四年度分の地方税から適用する。但し、」、中は抜いて、「第六十九條第一項の電気供給業、ガス供給業及び運送業(運送取扱業を含む。)に対する事業税に関する改正規定は、その料金について物価統制会による統制額があるときは、昭和二十四年四月一日以後においてそれぞれその税制額が改訂されたときの属する年度分の地方税から適用する。」こういうふうに事業税について経過規定を附けたのですが、今度も中途半端で、四月一日からというわけには行かないのですから、六月一日とかそういうことになるときに、附加価値税とかそういうものについて、こういう経過規定が必要であると思うのですが、そういう用意はどういうふうになつておりますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 随時税、或いは月税的なものは、仮に施行期日が六月一日ということになりますと、六月一日から施行する。併し附加価値税とか固定資産税というような年税、又は年税的のものにつきましては、年度分全体の地方税から適用するというふうにいたして参りませんと適用が困難と思います。附加価値税につきましては、やはり原案の適用区分がいいのじやないだろうかというふうに考えております。
○委員長(岡本愛祐君) 併しこういうことになりませんか。新聞でこれも読んだに過ぎないのですが、今度の附加価値税が四月一月から施行されることを見越して、私鉄なんかについては、四月一日から私鉄の料金の値上をしてやらなければいかんということで、四月一日から一つ値上というようなことが実行されそうな雲行にあつたのですが、それが最近になつたら、やはりできないということになつて来る。そうすると四月一日からの私鉄の値上でなく、六月一日とか、それ以後の値上ということになつて来たときに、そこに税は違つて来ますね。私の言うのはそういう関係です。
○政府委員(奧野誠亮君) 電鉄の料金の問題を、外の問題は別にしまして、税の面からだけ考えますと、一月一日から通行税が廃止になつておりますので、税の振り替りと考えますと、通行税よりはむしろ附加価値税の方が非常に小さい。又固定資産税と附加価値税全体を絡み合せて考えましても、左程大きな差はないのじやないだろうかというふうな見方をしております。ですから個々の問題につきまして、具体的に検討しなければ言えない分ですが、我々の見ておるところでは、必ずしも困難な問題ではないじやないだろうかというふうに思つております。ただ今お話しになりました現行地方税法のガス供給業、電気供給業等に関する分につきましては、改正案におきましては、四月一日から適用するというふうになつております。こういうものが若し新しい地方税法の成立が遅れますと、自然遅れただけ移して行かなければならんという問題は起きると思います。ただ全体的に事業税と附価値税の切換えはやはり一月一日として、今お話しになりました点と多少関係があるわけでありますけれども、電気供給業、ガス供給業等につきまして、適用の時期というものは、外の事業よりはずらしておるわけであります。これはやはり統制価格等の関係で、ずらしておるわけでありますが、このずらしておる時期は、四月一日よりは更にずらさなければならない問題は起きると思います。
○委員長(岡本愛祐君) 尚政府が土地家屋の培数を九百倍から八百倍に引下げようとした、それでも予定の固定資産税として、五百二十七億ですかの収入を得ることができるという見解に立つておつたのですが、それが八百倍に下らないで、やはり九百倍に止つたということになると、一体どのくらいの収入が固定資産税として得られることになるのか、大分そこに増が出て来ると思うのです。ただそれは固定資産税だけでなくして、外の市町村税とか、そういうものについての倍率の引下げですね、それについて、それができなかつた、そこで収入が増になりはしないか、そういうような計算を出して貰いたいと思うのです。
○西郷吉之助君 議事進行について……。大きい問題はこの委員会で今財政課長しかいないのですから、大臣の出席を求めて我々が質問したいと思います。委員長が大臣の出席なくして言われると、我々が質問すると重複するということになるのです。
○委員長(岡本愛祐君) いや、資料の提出を求めているのです。資料の提出を求めて皆さんの審議に資したいと思うのです。資料の提出にすぎないのです。では外に御質問ございませんか。
 じや今日はこの程度で散会いたします。
   午後四時三十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
           岡田喜久治君
           林屋亀次郎君
   委員
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           堀  末治君
           谷口弥三郎君
           柏木 庫治君
           西郷吉之助君
           島村 軍次君
           鈴木 直人君
           太田 敏兄君
           濱田 寅藏君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   地方自治庁次長 荻田  保君
   総理府事務官
   (地方自治庁財
   政課長)    奧野 誠亮君
  説明員
   総理府事務官
   (地方自治庁財
   政課勤務)   岡田 純夫君