第007回国会 地方行政委員会 第42号
昭和二十五年四月二十九日(土曜日)
   午前十時五十三分開会
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  委員の異動
本日委員竹中七郎君辞任につき、その
補欠として木内キヤウ君を議長におい
て指名した。
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  本日の会議に付した事件
○地方税法案(内閣提出・衆議院送
 付)
○消防法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
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○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。
 地方税法案の審議の続行をお願いいたしますが、厚生委員会から中平理事が見えまして、厚生委員として地方税法案について委員外として発言をいたしたいというお申出がございますが、許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは許可いたします。中平常太郎君。
○委員外議員(中平常太郎君) 大変重要な法案を、而もこの会期迫つて御審議に相成りますこの貴重なお時間を拜借いたしまして恐縮いたしますが、厚生委員会におきまして、特に目立つてお耳に入れ御考慮を煩したいと思います点に対しまして参りましたのでございます。
 それは市町村税におきましては、社会事業は固定資産税は非課税になつておる。然るに県税の方におきまして、附加価値税の課税対象になつておるのであります。御承知の通り社会事業は、社会事業法によれるいわゆる民間の中でも政府の認めておる社会事業でありましたものは、これは社会事業法によれる社会事業ですが、これらは何千と全国にありまして、貧困者に職を與え、生活の面において潤いを来すために努力をいたしておるのが社会事業でございます。そのうちで授産所というのが二千何ぼ全国にございますが、授産所と申しますのは、貧困者に職を與えて、そうしてその職を與えて賃金を渡す。それからできた品物を市場へ売つて儲けを取つて、儲けた金で物を仕入れて仕事をする。こういう建前になつておるのでありまして、どうしてもできた品物は市販品として市場に出さなければならない。ところがそれに附加価値税がかけられることに相成つておるのであります。元来営利を目的といたしておりませんので、それが附加価値税がかかるだけ工賃が安くなるか、或いは又販売の値段を高くする以外にはない。附加価値税がかかれば高くなるのは当然だという意見もありますけれども、授産所あたりでできる品物というものは、箒であれ、塵取りであれ、うちわであれ、粗末な下駄であれ、とにもかくにも簡單な日用必需品を作つております関係上、品物も大工場でやつているというような大きな品物はできません。それでとにかく品物は漸くこれを販売し得るに過ぎない品物であります。それに普通の営利を以てやるところの立派なる製品と同じように附加価値税がかかるということは、社会事業をして殆んど運営の困難な状態に陥れるものでございます。例えて見れば、これは私の例を申しまして甚だ申しかねるのでありますけれども、授産所を、私社会事業をいたして参りまして三つ程経営いたしておりますが、その中で皆五百万円、三百万円ぐらいの製品の売り上げがあるのであります。それで附加価値税が百分の四ということとなりますと、先ず百万円のために四万円要るということに相成るのでありまして、これは到底この授産所が負担し得ないのであります。それでこういうような社会事業は市町村におきましては、いわゆる固定資産税を免除して貰つているという建前からいたしましても、県においてこういう事業を営利事業と同じように課税するということは間違つていると私は考えるものでありまして、どうかこの点を一つ御審議の場合におきましては十分に一つ御考慮して頂きましてそういう方面の修正ができますようにご配慮をお願いいたしたいのでございます。詳しいことは十分御研究になつておられる方々でありますから、私からは申上げませんが、どうか社会事業というものが、普通の営利事業のごとく課税されては持たないという点に重点を置いて、一つ十分に御審議の場合は御考慮をお願いいたしたいと存じまして、本日は大変貴重な時間を拜借いたした次第でございます。
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑ございませんか。
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○委員長(岡本愛祐君) それでは次に地方財政平衡交付金法案につきまして、大蔵委員会、文部委員会から連合委員会を開催して貰いたいという要求がございました。一回に限り許したいと思いますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは明日午前十時頃から連合委員会を開催することにいたします。大体午前中で終りたいと思つております。御了承願います。
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○委員長(岡本愛祐君) それでは地方税法案の審議に入りまして、今日は第三章、第二節固定資産税の審議をいたします。三百四十一條。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産税に関する用語の意義を揚げておるのでございます。「固定資産 土地、家屋及び償却資産を総称する。」それから四号の「償却資産、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産でその減価償却願又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるものをいう。但し、自動車税、自転車税及び荷車税の課税客体である自動車、自転車及び荷車を除くものとする。」ということになつておるわけでございます。ここで、鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除いておるのでありまして、これらにつきましては必ずしも税金関係が明確でございませんし、評価も困難でありますし、殊に財産税というのが、財産に対する課税として無形資産に課税することは余り適当でないというような考え方を持つたわけでございます。損金とか、必要な経費かいうふうに言葉を使い分けしておりますが、法人税法では減価償却額、損金という言葉を使いまして、所得税法では減価償却費、必要な経費という言葉を使つておりますので、それに倣つただけでございます。五号は、「価格 適正な時価をいう。」七号の土地課税台帳は、「土地台帳落第三十七條の四の規定によつて市町村が備える土地台帳の副本にこれに記載された土地の価格を登録した帳簿をいう。」要するに土地台帳の副本をそのまま土地課税台帳に使いたい。九号は、家屋台帳法の規則をそのまま家屋台帳に使いたいという考えでございます。ただ土地台帳や家屋台帳に登載されておりません土地や家屋につきましては、土地補充課税台帳、家屋補充課税台帳というようなものを作ろうと考えております。十一号の償却資産の課税台帳は、これは大体において納税義務者から申告されました書類をそのまま課税台帳に使つて行くことが便宜であろうというふうに考えておるわけでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑をお願いいたします。それでは次に移ります。三百四十二條。
○政府委員(奧野誠亮君) 「固定資産税は、固定資産に対し、当該固定資産所在の布町村において課する。」といたしておりまして、課税団体が固定資産所在の市町村であるということを明らかにしております。それから二項は、固定資産税の課税標準は、当該年度の初日の属する年の一月一日現在における固定資産の価格で固定資産課税台帳に登録されたものといたしております。従いまして、例えば昭和二十六年度分の固定資産税でありますと、昭和二十六年の二月一日現在の固定資産に対して課税して行くわけであります。三項は、償却資産のうち船舶、車両その他これらに類する物件につきましては、所在地が明確でございませんので、主たる定けい場又は定置場所注の市町村を以て課税団体とするということを規定いたしておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 三百四十二條、御質問ございませんか。では次に移ります。三百四十三條。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産税は、固定資産の所有者に課します。で、その所有者と申しますのは、二項で、土地又は家屋については、土地台帳若しくは土地補充課税台帳又は家屋台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登録されておる者をいうのであります。台帳主義を取つているわけであります。償却資産についても同じであります。四項は、償却資産の所有者の所在の明確でありません場合に、使用者に課して行くことができるということにいたしております。五項は従来の地租につきましても取つておりましたと同じ方法でございまして、自作農創設のために国が買收しました農地等につきましては、これを一旦国の所有権に台帳面で移してしまいませんで、買取りました農地を自作農の創設のできる者に売渡すまでは、台帳面はそのままにいたしておるわけでございます。従いまして従来の所有者に固定資産税を課して行きますことは酷でございますので、使用者にこの場合には固定資産税を課して行くということにいたしておるわけであります。
○岩木哲夫君 どなたかお聞きになつたか存じませんが、固定資産という新らしい税法を制定されることによつて、従来の地租、家屋税の対象者より客体員数が殖えたと思うのでありますが、凡そその従来のものより何ぼぐらい殖えたと思われますか、その数字をお聞きしたいのです。
○政府委員(奧野誠亮君) 償却資産の総額は見当を付けておるのでございますけれども、償却資産だけの納税義務者というのはちよつと調べておりませんでしたので分りかねるのでございますけれども、何かの方法で調べますれば或いは分るかも知れませんので、尚検討いたしまして御返事するようにしたいと思います。
○岩木哲夫君 地租、家屋の外に償却資産というものも対象客体となつたわけでありますが、それの目安が立たんようなことでは困るわけでありませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 総体として課税標準額を調査いたしておるのでありまして、個々の納税義務者の数も、これはいろいろ事業を営んでおる人達から推計すれば、それでよろしいわけでございますけれども、その調査はちよつと今持つておりませんので、更に検討しまして後で御報告したいと思います。
○岩木哲夫君 その課税客体なり、その物件内容というものの推定ができずして、五百二十億ですか、何ぼやらを徴税するという根拠はどこから出したのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) それはこの間詳しく申上げたと思いますが、尚重ねて申上げてもよろしいと思います。ただ気になりますのは、この間調査の仕方がまちまちじやないかというふうな御意見を岩木さんから承つたのでありますが、我々といたしましては例えば鉄道軌道につきましては、現在の延長が幾らある、一キロ当りの現在の建設費が幾らである。こういうふうに分つておりますと、そのような方法で調査いたしました方が正確であると思うのでございます。ところが機械設備等になりますとそういう調査の方法がございませんので、止むを得ず終戰直後の国富調査の結果を基礎にいたしまして、それからその後の物価倍数を基礎にいたしまして、推定いたして参つておるわけであります。お配りしております資料に記載しておりますし、この間御説明申上げましたので、一応お返事いたします。
○岩木哲夫君 終戰当時の国富調べ、長年の戰時中における一般の平和産業が軍需産業等に切換えられたものでありますものの残滓であります。それが今日全く不用に化してあつて、それらは活用できないというような残滓物を基礎としてやられた点に、平和産業切換後の今日の産業企画というものとの大きな食い違いがあるという推定の根拠に誤りがあるということが第一点と、第二点は、これらのものは概ね軍需産業を基盤とした工場等、或いは会社等を調査したのに過ぎない、その後における平和産業に新らしく新設されたもの、或いはその後における軍需産業でない平和産業等は果してこれらの調査に現われておつたかどうか、或いは中小、微細企業等におきまするその客体員数、この構造等は実際把握できておらないのじやないか知らんと思いますが、如何でございますか。
○政府委員(奧野誠亮君) お話のように、終戦直後のものをそのまま物価倍数で延ばして行きますことは正しい評価ではないと思います。それでしばしば申上げておりますように、一兆三千億というような償却資産の数字は、最高限度に評価した場合にこの程度になるだろうというふうに我々は考えておるということを申上げておるわけでございます。又実際問題としまして、個個の企業自身にも、自分の資産が一体どの程度に評価できるものだろうかということは必ずしも私は分らないのじやないかと思うのでございまして、これから将来の経済界の見通しを考えながら、資産再評価という問題にぶつつかりまして、いろいろ検討いたしまして結論を出すわけでございましようけれども、この問題は非常にむずかしい問題じやないかと思うのでございます。そこでやはり何らかの形で一応の目安を付けるとしますならば、終戰直後の残つておりました資産も一応物価倍数で引延ばしまして評価して行くより仕方がないのじやないかというふうに考えておるわけでありまして、それを基礎にして收入し得る見込額というものを推定いたして参つておるのであります。
○岩木哲夫君 そこに根本的な、一般経済界及び関係企業体等と自治庁との見解の相違があるのでありまして、成る程自治庁としては終戰当時のそういう軍需産業を基盤とした安本その他によつて調査されたものを基盤として、これに拠りどころを得なければならぬということは、一応自治庁の考え方は分りますが、現在の企業構造の実体、及び経済上の現在の平和産業の実体等から見ますれば、もうすでにこれは或いは老朽、或いは腐朽化、或いは不用になつているもの、或いはそれ以外の平和産業のもの、それが把握できておらない、その後新たに、新設、構造企業化されたもの等を包攝いたしますれば、物価倍数に引延ばしの問題は別にいたしましても、非常に把握内容につきましては、客体員数の、或いは物件の把握内容におきまして大きな誤謬があるのではないかというところに問題があると思うのでありまして、それらをよく調整してから、或いはこういう新らしい税法を制定する方法に政府は努力されるのが正しいと思うのでありますが、飽くまでも政府は自治庁のそういつたお考えのみを基盤としてこの大きな経済界にも或いは企業体にも、或いは物価体系上におきましても、非常な影響のある税法を、而も非常な嚴重な方法で取立てるというようなところが、今国民総体の反対の基礎であると私は思うのでありますが、これに対して何らかのそういう資料、積算基礎の材料と言いますか、そういつたものに対する別な見方は、私はもつと自治庁が関係各庁と協議でもされてやるべきであつた、それのみによつたというところに大きな問題があると思うのでありますが、もう一遍その点を承つて置きたいと思います。
○政府委員(奧野誠亮君) 一応基本価額を償却資産につきまして一兆三千億ということで弾いておりますけれども、この一兆三千億で課税するということは一度も申上げたことはないのであります。どの程度に課税標準を決定できるかということは非常にむずかしい問題だと思うのでございまして企業自身も実際問題としてどこまで堪え得るかということについては確信は持てないだろうと思うのであります。そういう問題は自治庁として直ぐに調査するといたしまとても、私はやはりそれ以上の困難があろうと思うのであります。我々が調査いたしましたのは、終戰直後存在いたしておりました資産についてだけは調査の数字を用いたのでありますが、その後生産されましたいろいろの機械類等につきましては、通産省等からいろいろ材料の提供を求めまして、それに評価価額を加えておりますととは先般も御説明申上げた通りでございます。それじや償却資産に対する課税を延ばしたらどうかという御意見でありますけれども、今回の税制改正というものは、全部一貫して一つの網の目のようになつているのではないかと我々考えているのでありまして、資産の再評価ということは、これを大きく評価すればするだけ経費として控除される額が大きくなるわけでございます。それだけ所得税なり法人税というものが軽減されるということになるのでございまして、その面から考えて見ますれば企業として大きく評価したいのは大体普通だろうと思います。もとよりいろいろの要素があるとは思いますけれども、大体においてそういう傾向を迫るだろうと思います。併しながら過大な評価はやはりいろいろの面から防止する必要がございますので、今回それに併せまして償却資産に対しましても固定資産税を課するという建前を取つたわけでありまして資産再評価法の実施と固定資産に対する課税の実施とは時期を同じくして行くことが穏当であり、両者の制度の実施を容易ならしめるゆえんであろうと考えておる次第でございます。
○岩木哲夫君 この問題は政府の見解と私達の見解が根本的に違つているのでありまするから、いつまでも追いかけ議論しても仕方ありませんから省略したいと思います。
 次にお聞きしたいのは把握率と申しますか、こういつたものはどういう目標を立てておりますか承わりたい。
○政府委員(奧野誠亮君) 大体平年度におきまして一兆一千億足らずの課税標準の決定ができるのではなかろうかというふうな期待をいたしております。併し実際問題として果してどの程反になるかということにつきましては確信はないわけなんでございます。併しながらこれを大蔵省が財産税当時の評価から推定いたして参りまして限度一杯の評価をいたした場合は一兆余りになるというような数字を持つておりますので、大体両者併せましてその程度の評価ができやしないかというふうに考えております。併しながらもとよりこれを資産評価に臨みまして、企業にだれだけ評価するかということを確かめて見ませんと自信がある見方はできないのじやないかというふうに思つております。
○岩木哲夫君 これが把握率、何十パーセントになるかを聞き漏らしたのですが、一兆一千億が標準決定としての課税総額とおつしやるこれの根拠が、先程から申上げておるのでございますが、政府と我々とに違いがあるのですが、一兆一千億のうちどれだけ徴收把握率と、微收率と申しますか、これはどういう割合であるかということをお聞きしたい。
○政府委員(奧野誠亮君) 岩木さんのお尋ねになつておるのは、恐らく平年度における見込みの仕方をお尋ねになつておるのだろうというふうに考えてお答えいたして置きます。それで一兆三千億に対しまして一兆千億足らず八〇%余りには評価できはしないだろうかというような期待をいたしております。そのうち少くとも九五%は收入になるだろう。従つて百八十億内外の平年度におきましては收入があるだろうというふうに見込んでおるわけでございます。そういたしまして初めて地方税収入として一千九百億円の収入が得られることになるわけでございます。ただ昭和二十五年度は初めて償却資産に対する課税を実施するわけでございますし、又申告も年の末になりましてから納税義務者から取るということになります。又評価を始めて行うということになるので、二十五年度内に收入済になるのは九本数億しかないだろう、こういうふうな見方はいたしておるわけでございます。
○岩木哲夫君 今度は一万二千の各市町村お固定資産評価委員会が設置されるようでありますが、この委員会がいろいろ審査した結果、政府の一兆三千億より遥かに推定が多くなつて来る場合については、そういうことを中央といたしましてどういう連絡方法をとつてそれらの情勢をキヤツチできますかどうか、そのときはすでに一般納税者の決定は、交付されておるということだから、非常にそこに皆恐怖観念を持つておるわけでありますが、この点をお聞きしたい。
○政府委員(奧野誠亮君) もとより固定資産税につきまして、政府が予想いたしておりましたよりも遥かに大きい收入が得られるようになりますならば、法律を改正いたしまして税率の引下げ等を実施すべきであると思います。全体を睨合せましてそれぞれ所要の改正を加えなければならないというふうに考えております。
○委員長(岡本愛祐君) それでは外に御質問ございませんでしたら次に移ります。三百四十四條。
○政府委員(奧野誠亮君) 使用者に課する固定資産税でありますが、「市町村は、固定資産の所有者が第三百四十八條第一項の規定によつて固定資産税を課することができない者」、即ち組合でありますとか、或いは日本国有鉄道、日本專売公社等におきまして、この場合においては、その使用者に固定資産税を課するわけであります。「但し、公用若しくは公共の用に供する部分又は公務上当該固定資産を使用すべき義務がある者が使用している部分については、課することができません。この問題は昨日申上げましたので説明は御遠慮いたします。
○岩木哲夫君 国鉄及び専売公社に免税規定を設けた理由、根拠を承わりたい。
○政府委員(奧野誠亮君) 従来国有鉄道や專売公社は独立した人格を持つておりませんで、政府の一部であつたわけであります。政府に対しましては地方税を課しておりませんでしたので、その沿革がそのまま、現在におきましても地方税を課税しないことになつておるわけでございます。併しこれにつきましてはいろいろ議論のあるところでございますので、更に地方財政委員会において検討いたしまして、次の通常國会までに課税しない方がいいか、課税する方がいいかという結論を国会に提出するというふうな義務を地方財政委員会設置法の中に謳つております。
○岩木哲夫君 次の通常国会に、かけるのがよいか、かけないのがよいかということを出すということで、それでよいわけでございますが、併しながら現在專売公社にも、国鉄にも見返資金というものが融資されておる。この見返資金というものは新たに法律によつて融資されるかどうかを決定する。その融資をするというものは、いわゆる公共事業というもの、或いは私企業であつても、国家経済上必要なる企業体に対してこれを融資するという建前である。ところが国鉄も專売公社も同様の公共企業体でありますが、これに類する他の企業体は幾らでもあるのであります。特にこの二つだけにするという点においては、例えば日発関係につきましても、いわゆる公共企業体としての、これは賃金裁定の上におきましても同様の取扱を受けて、重要な問題となつておるのでありまして、この二つだけを暫定的にでもやつたということについては、見返資金というものと関係を持つての話か、ただ暫定的でもやつたということにつきまする根拠を明らかにして貰わないと、やはり問題が将来、来年度の通常国会に審議される場合におきましても、この法律案を決定するときの政府の見解というものの筋を立てて貰わないと私はいかないと思いますから、重ねてお伺いします。
○政府委員(奧野誠亮君) もとより国有鉄道や專売公社が同じ法人格を持つものでありましても、日発等とは非常に違いまして、その予算も国で総合調整されて同会に提出されておるわけでございますが、そういうことは別といたしまして、先程申上げましたように、従来は政府の一部といたしまして、地方税は課せられで来なかつたわけでございます。たまたま人格が別になりましたので、他の企業体との間で特に均衡をやかましく言われるようになつたわけでございます。これに課した方がよいという有力な意見もあるわけでございまして、いろいろ検討いたしておつたのでございますけれども、更に種々な角度から愼重な検討を要することでもありましたので、その結論を一年間待つことにいたしまして、次の通常国会にはその考え方と、それに並行した改正案というものを立案して行かなければならないというふうに存じておるわけであります。
○岩木哲夫君 これは固定資産に関する問題でありますが、附加価値の課税理論の国民総体に附加される価値という全体から見まして、国有鉄道、專売公社は附加価値においても、固定資産においても、私は当然課せらるべきだという信念を持つておるのであります。ただ政府のそういう説明だけでは不十分でありますが、これはもう略しましよう。
○吉川末次郎君 第三百四十八條の免税の項と関連して御質問しますが、そのときにそこを説明しますが、それじや三百四十八條の説明のときに讓ります。
○委員長(岡本愛祐君) それでは次に移ります。三百四十五條
○政府委員(奧野誠亮君) 国等の所有に係ります固定資産につきましては、国等の職員で固定資産を管理する責任のあります者が毎年一月一日現在における使用者を市町村長に届け出なければならないことになつておるわけでございます。使用者に異動がありました場合でもやはり届け出まして、市町村が課税をするのにし易いようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
 三百四十六條の方は、この法律の成立が一月一日よりもズレて参ります関係上、届出の時期の特例を定めておるだけでございます。
 更に三百四十七條は、その届出の義務を怠りました場合の過料を科するときの規定を設けまして、それを保障したいという考を持つておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 少し行き過ぎました。三百四十五條につきまして御質問ございませんか。同時に三百四十六條。ございませんでしたら三百四十七條。それでは次に移ります。三百四十八條。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産税の非課税の範囲を決めております。第一項の方は「国並びに都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合、財産区、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本放送協会に対しては、固定資産税を課することができない。」ということにいたしております。その半面、これらの持つております固定資産の場合に、公用若しくは公共の用に供する部分等につきましては、先程申上げましたように、固定資産税を課して行くことができるわけでございます。二項の方は「左の各号に掲げる固定資産に対しては課することができない。」ということでございまして、誰が持つていようと、その固定資産に対しては課することができないということでありまして、一項の場合と趣旨が違うわけであります。併しながら「固定資産を有料で借り受けた者がこれを左の各号に掲げる固定資産として使用する場合においては、当該固定資産の所有者に課することができる。」有料であります場合には、賃貸料を取つております者に固定資産税を課することは差支ないわけであります。一号は「国並びに、都道府県、特別市、市町村、特別区、これらの組合及び財産区が公用文は公共の用に供する固定資産」、二号以下は大体従来からありました免税規定でございます。それから第三項は、「市町村は、前項各号に掲げる固定資産を当該各号に掲げる目的以外の目的に使用する場合においては、前項の規定にかかわらず、これらの固定資産に対し、固定資産税を課する。」、当り前のことでありますけれども、念のために一応規定いたしておるわけであります。四項は、「市町村は、地方財政委員会が指定する賠償指定施設に対しては、固定資産税を課することができない。」、全休止工場に対しましては固定資産税を課さないようにしたいという考を持つておるわけであります。
○吉川末次郎君 三百四十八條の免税に関することでありますが、アパート住居者から昨日承知のように陳情があつたわけでありますが、私はあの陳情というものは共通的な問題をいろいろ包括されておると思われるのでありますが、要するに従来の地租及び家屋税というものが、あの人達の住んでおるアパートにおいては、終戰後建築されたものであるから、戦前の建築物に比して非常に家賃が高い、又税金も高いというようなことが第一点でありますが、それは税法の改正において非常に平均化されて来ると思うのでありますが、この第二項の第九に、「社会事業、更生保護事業、生活保護法による保護施設」云々ということがありますが、終戰後住宅拂底の対策として、国及び地方公共団体が建てた公営住宅に対する課税の問題でありますが、従来の公営住宅というものが、多くは社会事業施設の一環として建てられたものが私は相当多いのじやないかと思うのです。それでそういうような社会事業施設として建てられたものには、昨日陳情のありましたような地租及び家屋税が課税されていない、従つて固定資産税も新税制によつてかからないというようなことになつておるのでございますが、それとの間における非常な不均衡ということに対する不平があると思われるのであります。従来のそうした住宅難の緩和策として地方公共団体等が建築いたしましたところの公営住宅、終戰後主として罹災地において建てられつつあるところの、昨日も陳情のあつたような都営住宅との、租税対象としての差別が、技術的には非常にむずかしいのではないかと思われるのですが、そういうことについては、あなたの方はどうお考えであるか、その見解を一つ伺いたいと思います。
○政府委員(奧野誠亮君) 私も終戰後建築されました公営住宅につきまして、使用者課税を嚴格にやつて行くということは、穏当ではないという考え方をいたしております。従いまして地方自治庁におきましても、昨日申しましたように、そういう場合には使用料等を勘案して、使用者課税の部分は減免をする措置をとるべきであるというふうに言うておるわけでございまして、併し庶民住宅といいましても、昔に建築されたものにつきましては、家賃も全然上げていないというふうな状態に参りますので、そういうものについては、必ずしも使用者課税は全廃するという必要もないと思うのでございまするけれども、もとより使用料と関連して考えて行かなければならないと思いますが、今御意見のありました点は、この固定資産税の使用者課税の取扱につきまして指導方針を示す場合に、そのような言葉を入れて注意を喚起したいというふうに考ええております。
○鈴木直人君 三百四十八條の第二項の第九号に関連したことでありますが、ここに列挙されておる事業以外であるか、或いはここの列車の中へ入るかということを一応明らかにして置きたいと思う点について質問をいたします。それは健康保險組合或いは国民健康保險組合、それから社会保險診療報酬支拂基金といいますか、そういうふうなものが、これは普通社会保險事業と言うのが適当と思いまするが、これらのものがこの社会事業或いはその他の第九号に該当する事業と解釈するかどうか。これらの組合が持つているところの、或いは病院とか療養所等が相当あるわけですか、そういう施設に対してこういうふうなものに対しては課税をしないというようなことが適当であると、或いは課税するにしても何らかの緩和をするというようなことか、只今吉川君から質問がありましたが、そういうふうなものと同じように関連性を持つて相当考慮する必要があると思うのですが、この第九号の中にそれらのものが含まれておりましようか。
○政府委員(奧野誠亮君) もとより社会事業法に言いますところの社会事業と認定されております性格も併せ持つております場合は、この中に含まれることは当然でありますけれども、健康保險組合として持つておる、別に外の性格がないという場合にはこの中に入りません。ただそれぞれの事業の実体によりまして固定資産税を減免して行くべきものはまだこれらの外にも相当易るだろうと思うのですが、実際問題としてその内容を検討して課税除外の範囲に入れるかどうかを決めて行くという場合には、あなたが今お話になつたようなものは皆入るというふうに我我は考えております。
○鈴木直人君 そうしますと健康保險組合或いは国民健康保險組合とか、或いは支拂基金というものが持つているところの病院とか療養所というようなものについては、社会事業的な性格を持つているような場合においては、この中に入るけれども、全般的には当然この中には入らないと、こういうことですね、解釈しますと……
○政府委員(奧野誠亮君) 大体その通りでございます。この社会事業と言いますのは、社会事業法の認定を受けた社会事業だけを言つているわけであります。健康保險組合が併せてそういう事業をやつております場合は、これに該当すると思うわけでございます。健康保險組合にもいろいろな種類のものがあると思います。大会社の関係しております健康保險組合では相当立派な施設を持つているものもございますし、その実態は相当種々じやなかろうかというふうに私は考えているわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと申上げますが、国家公務員の職階制に関する法律案の記名投票がもう直き始まるそうですから……
○鈴木直人君 もうちよつとですから……そうしますと国民健康保險組合、健康保險組合、支拂基金等の病院と療養所に関しては、第六條の適用ということは可能であるということになりますね。
○政府委員(奧野誠亮君) お説の通りであります。
○鈴木直人君 その際に、これらの取扱についてあなたの方として特にこの法律実施の場合においては、そういうふうな考え方を以て一つ御指導されるようにして頂きたいと思うのであります。
○政府委員(奧野誠亮君) 最近厚生省からそういう御意見も出て参つておりますので、具体的に内容をよく検討しまして、少し明確な取扱方針というものを出したらどうかというふうに考えております。
○岩木哲夫君 議事進行についてお尋ねいたしますが、奥野課長の極めて精密な頭脳と適切な御答弁もあつて非常に結構なんでありますが、問題は政治的にいろいろ差配される問題等もありますので、大臣の出席を要求いたしますが、どういう御都合でありますかを委員長にお聞きしたい。
○委員長(岡本愛祐君) 確めましたが、只今衆議院の方で平衡交付金法の連合委員会をやつております。その方に出ておるということであります。それからあちらで、衆議院の内閣委員会が地方財政委員会設置法案の審議をしておりますので、あちらに出ておつて、もう直き上りますから、もう直きじやありません、今日は上るということで今一生懸命そちらの方で答弁をしておる、こういうわけですから、大臣への質問はあとに廻して頂いて、そうして逐條審議を一応終つて置きたい、こういうふうに思つております。いろいろ御意見は、大臣に対する御意見はまとめて一つお願いいたしたいと思います。それではここで休憩しまして、記名投票ですから議場にお入りを願いたいと思います。でそれが済みましたら直ぐ再開いたしましよう。十分足らずでしようから。それでは休憩いたします。
   午前十一時三十八分休憩
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   午後一時二十二分開会
○委員長(岡本愛祐君) それでは午前に引続いて委員会を続行いたします。第三百四十九條。政府委員から説明を願います。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産税の税率は、百分の一・七五の標準税率を原則といたしております。但し、昭和二十六年度から昭和二十八年度までの間だけは、暫定的にその運営を円滑ならしめますために、百分の三の制限税率を設けておるわけであります。
 これに関連いたしまして三百五十條で、昭和三十五年度分の固定資産税に限りまして、百分の一・七五の税率にしなければならんということにしております。同一の條件の下に課税することによつて、課税客体相互間の価格の均衡を確保したいという狙いであります。
○西郷吉之助君 この二十六年から三年の間と限つたのは、何か理由があるのでありますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 将来はこういう制限税率を設けない方がよろしいと考えておるわけでありますけれども、何分価格の決定も、税率の決定も、全面的に市町村に委ねられるわけでありますので、どのような評価をし、どのような税率を用いるかということは、相互に関連する問題でありますので、価格だけで操作されるようなことになつても困りますので、差当り評価等につきまして調整的な運営が行われるようになりますまでは、制限税率を設けて置いた方がよろしいだろうという考えであります。
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか。では三百五十一條。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産税の免税点に関する規定であります。土地、家屋及び償却資産の全部を合算いたしまして三万円に満たない場合には、固定資産税を課することができないということにいたしております。従前市町村におきましては、賃貸価格で五円に満たないものは課さなかつた。その九百倍といたしまして価格を算定いたしますので、従来の土地で言いますと四千五百円に満たない場合には、地租を課することができなかつたというふうに考えて頂いて差支ないと思います。それらを合せまして先ず三万円という所がよかろうではないかと考えたわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) では次に移ります。三百五十二條。
○政府委員(奧野誠亮君) 不申告又は不正の行為かおつた場合における免税点に関する措置でありまして、申告をしなかつたために、非常に価格を低く評価しておつた、それがために三万円に満たないものとして課税されなかつた。併しながらよく調査をすれば価格が若干それよりは上廻つて参るということになりました場合には、三万円未満でありましても固定資産税を課するようにいたしたいという考えであります。
○委員長(岡本愛祐君) 次に移ります。
○政府委員(奧野誠亮君) それから三百五十八條までは、従来ありました税目に関する規定と全く同一でありますので、御説明を御遠慮申上げます。
○委員長(岡本愛祐君) それでは三百五十三條から三百五十八條までは、前と同じでございますから省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは省略いたします。第二款 賦課及び徴收。三百五十九條。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産税の賦課期日を定めておるわけでございまして、「当該年度の初日の属する年の一月一日」ということにいたしております。従いまして一月一日以後になりまして固定資産税が存するようになりましたならば、その固定資産に対するその年度分の固定資産税は課さないわけであります。
 それから昭和二十五年度分の土地と家屋に対して課する固定資産税の賦課期日だけは、三百六十條で昭和二十五年三月三十一日という特例を設けております。これは当初は四月一日から土地台帳法、家屋台帳法の改正施行法によりまして、土地台帳、家屋台帳が税務署から登記所に移管され、同時に登録されておりました賃貸価格も抹殺されるというふうに考えましたので、一番最後の時期として三月三十一日を選んだだけでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。では、次に移ります。三百六十一條。
○政府委員(奧野誠亮君) 使用者に課する固定資産税の納税義務の発生、消滅等に伴う賦課につきましては、所有者課税の場合と違いまして、使用しておる期間に応じまして固定資産税を負担するという仕組にいたしております。所有者課税の場合には、賦課期日現在において所有しておりました者は、その後において売り渡しましても、その年度分の固定資産税は全額負担しなければならないわけでございます。併し使用者に対しまして課する固定資産税につきましては、月割賦課の制度を取りたいという考えでこの條文を設けておるわけでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 三百六十一條、御質問ございませんか。それでは三百六十二條。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産税の納期の決定を「四月、六月、八月及び十一月中」ということにいたしておるわけでございますが、併し昭和二十五年度分の償却資産に対して課する分の固定資産税につきましては、三百六十三條で昭和二十六年一月中というふうに例外を定めておるわけでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。次に移ります。三百六十四條。
○政府委員(奧野誠亮君) 三百六十四條からは、市町村民税の場合と全く同じでございまして、ずつと飛ばしまして三百四十七頁、三百八十條の固定資産税台帳からでよいと思いますが……
○委員長(岡本愛祐君) 三百六十四條乃至三百七十九條は、市町村民税と同一でありますから、省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それでは第四款、固定資産課税台帳に移ります。三百八十條。
○政府委員(奧野誠亮君) 「市町村は、固定資産の状況及び困定資産税の課税標準で承る固定資産の価格を明らかにするため、固定資産課税台帳を備えなければならない。」ということにいたしておりますが、更にこれらの外に「地籍図、土地使用図、土壤分類図、家屋見取図、固定資産売買記録簿その他固定資産の評価に関して必要な資料を備えて逐次これを整えなければならない。」ということにいたしておるわけでございます。こういうことによりまして均衡を得た価格というものか決定されるように努力して行きたいという考えであるわけでございます。これらの様式等につきましては、地方財政委員会で定めまして連絡することにして行きたいということにいたしております。差当り今年度は土地、家屋に対しましては従来の賃貸価格を課税標準に使つて参ります関係上、二十六年度以降においてこういうものが役に立つということになつております。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか、それでは三百八十一條。
○政府委員(奧野誠亮君) これは固定資産課税台帳にどういう事項を登録しなければならないかということでございますが、土地課税台帳や家屋課税台帳は、土地台帳副本と家屋台帳副本をそのまま用いますので、それに価額をプラスして登録するたけでございますが、土地補充台帳或いは家屋補充台帳は、それぞれの土地課税台帳、家屋課税台帳に準じて作成するわけでございますので、自然は土地台帳、家屋台帳に登録されるような事項が、これらにも登録されるというふうに考えて頂けばよろしいと思うのでございます。五項は、償却資産課税台帳に登録すべき事項を掲げておるわけでございますけれども、大体ここに記載してございますような事項を、納税義務者から申告を得まして、それをそのまま課税台帳に使つて参りたいというふうに考えておるわけであります。六項は、土地台帳、家屋台帳というものと、固定資産課税台帳とは密接か関係を持つておるわけでございますので、土地台帳又は家屋台帳の登録事項を、市町村長が修正さるべきであるというふうに考えました場合には、その旨を登記所に申出まして、登記所におきまして修正の措置をとつて貰う、そういうことを一つの権限としてここに規定いたして置いたわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 三百八十一條御質問ございませんか。三百八十二條。
○政府委員(奧野誠亮君) これは反対に土地台帳や家屋台帳への登録事項につきましては、登記所から市町村長へ通知しなければならない義務をそれぞれの登記所に委任いたしておるわけでございますので、それによつて連絡がありました場合には、市場町村長は、土地課税台帳とか家屋課税台帳につきましても所要の事項を訂正して登録しなければならないというふうに義務付けておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 次に移ります。三百八十三條。
○政府委員(奧野誠亮君) これは三百八十一條で申上げました台帳に登録すべき事項、そういうものはやはり納税義務者から申告して頂かなければなりませんので、その申告の側からここでほぼ同様のことを謳つてあるわけであります。特に二項を以ちまして、固定資産税の納税義務がある固定資産の所有者で法人税法又は所得税法の規定による申告書を提出する義務がありますものは、それぞれ所得の計算上損金又は必要な経費として控除すべき減価償却額又は減価償却費の計算の基礎となります価格を当該固定資産税の所在地の市町村長に申告しなければならないということにいたしております。固定資産の評価というものと、減価償却の計算の基礎となりましたところの価格というものとの間の関係を見ながら、正確な評価のできるようにいたして参りたいという考えを持つておるわけでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 三百八十三條御質問ございませんか。それでは次に三百八十四條。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産の評価は、資産再評価法によりますところの再評価と深い繋がりもあるわけでございますので、資産再評価法によりまして再評価を行いますものは、資産再評価法によりまして税務当局に届出すべきような事項を市町村長にもそれを記載いたしまして提出して貰いたいというふうにいたしておるわけでございます、併しながら別途に資産再評価法の規定におきまして、それらに関しまする書類に本書の外に写しを一通添えまして税務当局に提出しなければならないということにいたしております。二通受取りました税務当局は写しの一通につきまして本文の方と相違がないのだということを確認いたしまして、それを市町村長の方に直ぐ送付するというふうにいたしておるわけでございます。従いまして税務署の方に二通出しました者は別途に市町村長に出す必要はないわけでありまして、税務署長の方から一通を市町村長の方に送つて貰うということにいたしておるわけでございまして、これによりまして償却資産等につきましては確実に先ず把握をして行きたい。同時に又資産再評価法によつて限度一杯の評価をした場合にはどのくらいの金額になるか、更に又現実にどれだけの再評価をしておるかということを承知しながら、固定資産税の課税の参考に資して行きたいというふうに考えておるわけであります。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。次に移ります。
○政府委員(奧野誠亮君) 三百八十五條と三百八十六條は別に変つたところはございませんので、三百八十七條を御説明いたします。
○委員長(岡本愛祐君) それでは三百八十五條、三百八十六條は省略いたします。三百八十七條。
○政府委員(奧野誠亮君) 市町村は、市町村内の土地及び家屋につきまして、十地名寄張、家屋名寄張を備えなければならないということにいたしております。従来から土地台帳や家屋台帳はあつたわけでございますが、やはりこの帳簿は将来も続けて行きまして土地や家屋につきましては、所有別にその分量を明確にいたしながら固定資産税の正確を期するようにして参りたいと考えております。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ありませんか。それでは第五款、固定資産の評価及び価格の決定、三百八十八條御説明願います。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産税に関係します地方財政委員会の任務を謳つているわけでありまして、第一項は、「地籍図、土地使用図、土壤分類図、家屋見取図、固定資産売買記録簿その他固定資産の評価に関する資料及び固定資産税の統計を作成するための標準様式を定めて、これを市町村長に示さなければならない。」ということにいたしております。更に又二項は、「固定資産の評価に関して市町村長に対し、次の各号に掲げる技術的援助を與えなければならない。」ということにいたしておるのでございまして、一号は、「市町村の固定資産評価員が固定資産を評価するために必要な評価の手引その他の資料を作成すること。」、二号が、「固定資産の評価の基準を示すること。」、三号は、「固定資産の評価の実施の方法及び手続を示すこと。」、四号が、「市町村の固定資産評価員が評価をすることが著しく困難である固定資産の評価について市町村長から助言を求められた場合において助言を與えること。」という義務を課しておるわけでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 三百八十八條御質問ありませんか。次に移ります、三百八十九條。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産の評価は、原則として市町村長か行うわけでございますけれども、或る特殊な固定資産につきましては、地方財政委員会が評価をいたしまして、その価格を関係の市町村長に配分するという方針を取つております。その一つがこの三百八十九條の條文に掲げてあるものでございまして、もう一つは、三百九十一條に掲げてあるものでございます。この二ヶ條に地方財政委員会がみずから評価する種類の固定資産を掲げております。三百八十九條の部分は、第一項の一号と二号でございます。一号は、「地方財政委員会規則で定める船舶、車両その他の移動性償却資産又は可動性償却資産で二以上の市町村にわたつて使用されるもののうち地方財政委員会が指定するもの」であります。これは船舶等でありますと勢い航行いたしておりますので、どこの固定資産、どこの市町村に所在する固定資産とするかということについては、多少問題もあるわけでございますので、これらを神方財政委員会が評価いたしまして、関係の市町村に価格を配分しながら公平に措置して参りたいという考であります。二号は、「鉄道若しくは軌道又は発電、送電若しくは配電用施設その他二以上の市町村にわたつて所在する固定資産でその全体を一の固定資産として評価しなければ適正な評価ができないと認められるもののうち地方財政委員会が指定するもの」であります。こういうような市町村間の例えば電柱と電柱との間の電線だけを取りましても、正しい評価をしかければならぬ考えでございますので、そういうものは地方財政委員会の責任として評価をするという考えを持とうとしておるわけでございます。
   〔委員長退席、理事堀末治君委員長席に着く〕
 価格の配分を市町村長が受けるわけでありますが、その価格の配分が著しく当該市町村に不利なものであると認めます場合には、地方財政委員会に対して配分の調整の中出の権限を、第四項に留保いたしておるわけでございます。更に又第五項は、地方財政委員会は、他の固定資産につきましての市町村における評価というものが、地方財政委員会から示しました評価の基準よりも遥かに下廻つた評価をいたしておるような場合には、当該市町村に配分される当該固定資産の価格につきましても、必要な調整を加えまして、低い評価をいたしております市町村につきましては、このような資産につきましては低い評価をした場合の価格の標準しか得られないということによりまして、こういう種類の固定資産と市町村が独自に評価いたします固定資産との間に評価の均衡を得せしめようという意味でございます。更に逆の意味から言いますれば、一つの罰則的な意味の価格の配分を、こういう面で考えておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問ございませんか。それでは次……
○政府委員(奧野誠亮君) 昭和二十五年度分の固定資産税に係る固定資産の価格で、地方財政委員会が評価するものの通知に関する時期の特例でございます。平年度におきましては、三百八十九條の第一項で二月五日までに通知しなければならないことにいたしておるわけでございますが、本年度に限りまして十二月三十一日まででよろしいということにいたしておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問がなければ、次……
○政府委員(奧野誠亮君) 三百九十一條も、地方財政委員会がみずから評価いたします種類の固定資産でございます。「大規模の工場を有する事業が市町村の区域内にあるために近隣の他の市町村の公共費の支出に直接且つ重要な影響を與える場合」、果してそうなるか分りませんが、八幡にありますところの日本製鉄を帳簿一杯に評価すると、数百億円に上るようでございますが、こういう場合には、八幡市に独占させることがいいかどうかということが一つの問題でございます。更に「大規模な発電施設その他公共的事業施設が」「近隣の地域の経済と直接且つ重要な関連を有する場合においては」と言いますのは、例えば十億にも上るような発電施設、ダム等が近い村の殆んど大部分を占めておるというふうな場合などもありますので、そういう場合を予想しているわけでございます。こういう場合には「地方財政委員会は、地方財政委員会」規則の定めるところによつて、これらの固定資産のうちその指定するものを評価してその価格を決定し、これを、当該固定資産の所在する市町村の如何にかかわらず、当該事業によつて影響を受け、又は当該施設と関連を有する市町村に配分することができる。」ことといたしておるわけでございます。この場合におきましても、やはり二月五日までに関係市町村の長に通知しなければなりませんが、四項を以ちまして「地方財政委員会がした価格の配分が当該市町村に著しく不利益であると認める場合においては、地方財政委員会に対して、事由を具してその配分の調整を申し出ることができる。」権限を留保しておるわけでございます。
 更に三百九十二條は、その通知の時期の特例を定めておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問ございませんか。それじや次……
○政府委員(奧野誠亮君) 三百九十三條は、地方財政委員会がいたしますところの固定資産の評価につきまして、これを関係市町村に配分するわけでございますけれども、更に納税者に対しましても通知する必要がございますので、その通知義務をここで規定いたしておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 次……
○政府委員(奧野誠亮君) 先程資産再評価法との関連において、再評価を行いますものは、所要の事項を市町村長にも提出しなければならないということを申上げたのでございますが、地方財政委員会が評価いたしますものにつきましても、やはり地方財政委員会に提出して貰わなければなりませんので、同様の規定をこの箇所にも設けまして、再評価をいたしますものにつきまして、こういう義務を課したわけでございます。
○理事(堀末治君) 三百九十四條、御質問ございませんか。なければ次に移ります。
○政府委員(奧野誠亮君) 三百九十五條は地方財政委員会が評価する固定資産に係る申告の義務違反に関する罪でございまして、一般の申告違反に係る罪と同じ程度の罰則を規定いたしております。
○理事(堀末治君) あとはずつと又同じだね。
○政府委員(奧野誠亮君) 三百九十六條は、地方財政委員会が固定資産の価格を評価するものでございますので、事務局の職員に対しまして、固定資産の調査に関する質問検査権を與えておるわけでございます。
 三百九十七條は、一般の質問検査権に対する拒否違反を規定いたしておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 次、三百九十八條。
○政府委員(奧野誠亮君) 三百九十八條は、地方財政委員会の価格の決定又は配分に関する異議の申立及び出訴の規定でございます。市町村長か価格を決定いたしました場合に関する不服のある者の救済と大体同様な規定を設けてあるわけでございまして、地方財政委員会が評価したものにつきましては、納税義務者から地方財政委員会に対して異議の申立をするわけでございます。もとよりこれらの決定につきましては、六項で裁判所に出訴できる権限を残しておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問ありませんか。それでは次……
○政府委員(奧野誠亮君) 三百九十九條は、価格の決定又は配分に対する異議の申立に対する決定の通知義務でありまして、地方財政委員会か決定いたしますと、その事項を関係市町村の長に通知いたしまして、課税手続上齟齬のないようにいたしたいという考でございます。
 又四百條は、決定された価格は、市町村長において固定資産課税台帳に登録いたしまして、これらを基礎にして課税いたして行きますので、その登録義務、更に又登録した価格を修正いたしました場合には、その修正した価格に基きまして賦課額を更正しなければならない義務を規定いたしておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問ありませんか。次……
○政府委員(奧野誠亮君) 四百一條は、固定資産の評価に関する道府県知事の任務でございまして、先程地方財政委員会の任務がございましたが、これに対応するものでございます。その市町村長に與えるべき援助の種類といたしまして、一は、「固定資産評価員の研修を行うこと。」二は、「地方財政委員会が作成した資料の使用方法について指導すること。」三は、「地方財政委員会が示した評価の基準、方法、及び手続について指導すること。」四は、「市町村の固定資産評価員が評価することが著しく困難である固定資産の評価について市町村長かち助言を求められた場合において助言を與えること。」であります。併しながらこのように助言を與えますけれども、これらの規定は四百二條で「地方財政委員会又は道府県知事に、市町村の徴税吏員又は固定資産評価員を指揮する権限を與えるものと解釈してはならない。」ということに規定いたしまして、価格の決定権限というものは、市町村長にあるのだということを更に明確にいたしておるわけであります。
○理事(堀末治君) 御質問ありませんか。次……
○政府委員(奧野誠亮君) 四百三條は固定資産の評価に関する事務に従事する市町村の職員の任務を謳つておるわけでございまして、市町村長は、地方財政委員会がみずから固定資産を評価する場合を除きましては、市町村長の独自の判断と責任とを以ちまして固定資産の価格を決定しなければならないという大原則を掲げておるわけでございます。
 四百四條は固定資産評価員を設置いたしまして、市町村長が行いますところの固定資産の価格の決定を適正ならしめようというように考えておるわけでございます。固定資産評価員につきましては、社会的信用のある人を選びたいという考えを持つておりますので、二項で、「固定資産評価員は、固定資産の評価に関する知識及び経験を有する者のうちから、市町村長が、当該市町村の議会の同意を得て、選任する。」という特別な方法を取つておるわけでございます。而も又これらの固定資産評価員は、評価の均衡を確保するという意味から言いますと、関係市町村が共同して、評価するという考え方が好ましいと考えられますので、三項で、「二以上の市町村の長は、当該市町村の議会の同意を得て、その協議によつて協同して同一の者を当該各市町村の固定資産評価員に選任することができる。」ということにいたしておるわけでございます。従いまして五ヶ町村、六ヶ町村を同一の固定資産評価員に固定資産評価の事務に当らせるということもできるわけであります。余り償却資産等のない市町村におきましては、こういう方法を取ることか穏当であろうというふうに考えておるわけであります。四項は、「固定資産評価員は、当該市町村の他の財務に関する事務に従事する職員を兼ねることができる。」といたしておりまして、或いは税務課長を兼ねるというようなことも差支ないというふうにいたしておるわけであります。更に又五項では、「固定資産税を課される固定資産が少いため固定資産評価員を選任する必要がないと認める場合」におきましては、市町村長がみずから固定資産評価員を兼ねてもよろしいということにいたしておるわけであります。固定資産評価員は市町村に一人というふうに考えておるわけでございますが、その半面、それでは不足するものにつきましては、四百五條で、「固定資産の評価に関する知識及び経験を有する者のうちから、固定資産評価補助員」というものを選任いたしまして、これに固定資産評価員の事務を補助させることができる旨を明記いたしたわけであります。
○理事(堀末治君) 次、四百六條。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産評価員の地位を固めさせるといいますか、そういう考え方の下に、四百六條で兼職禁止の規定を設けましたし、更に四百七條で固定資産評価員の欠格事項を規定いたしたわけでございます。
○理事(堀末治君) 如何ですか、以上各條について御質問ございませんか。
○西郷吉之助君 固定資産評価員の人数は、これはこの法律では決めていないのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 町村に固定資産評価員を置くという規定は、例えば收入役を置くとか、出納長を置くとかいうような規定の建前と同じように、一人を予定いたしておるわけであります。
○理事(堀末治君) 他に御質問ございませんか。それでは次に四百八條。
○政府委員(奧野誠亮君) 四百八條は、場市町村長が固定資産の評価をいたしますについては、先ず固定資産評価員又は固定資産評価補助員に毎年少くとも一回実地につきまして固定資産の状況を調査させなければならないということにいたしておりまして、固定資産評価員は、実地調査の結果に基きまして評価いたしました場合には、一定の評価調書というものを作成いたしまして、これを市町村長に提出する義務を課しておるわけであります。市町村長は、この評価調書に基きまして最終的の価格を決定するわけでございます。
 四百九條は、昭和二十五年度分の固定資産税を課する償却資産の評価の特例でありまして、価格は一月一日現在で評価するものでございますけれども、二十五年度分の償却資産につきましては、昭和二十四年七月一日現在における時価によつて評価しようというふうに考えておるわけであります。これは資産再評価法の倍数等の基準が昭和二十四年七月一日を取られておりますので、これらと歩調を合して行きたいという考えを以ていたしたわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問ございませんか。では次に進みます。
○政府委員(奧野誠亮君) 四百十條は、市町村長は、先に申上げました評価調書を受理した場合においては、これに基きまして毎年二月五日までに価格を決定するわけでございます。それで決定いたした場合には、三項によつて、それを固定資産課税台帳に登録しなければならないというふうになつております。そうしてこの固定資産課税台帳を公衆の縦覧に供しまして確定するというような措置を取つておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問なければ、次……
○政府委員(奧野誠亮君) 二月五日までに価格を決定しなければならないのでございますが、償却資産につきましては、本年度は十月三十一日までに申告を受けるわけでございますので、これらの部分につきましては昭和二十五年十一月三十日までに決定しなければならないというふうに、時期を若干ずらしておるわけでございます。
 四百十二條は、土地や家屋につきましては、いわゆる価格をとりませんで、賃貸価格に一定倍数をいたしましたものを以て便宜固定資産税の課税標準に、昭和二十五年度だけは使つて行きたいという意味で設けておる規定でございます。
 四百十三條は、その土地のうちでも農地につきましては、現在法定対価というものが定められておりますから、その法定対価に二十二・五を乘じて得た額を以て固定資産税の課税標準としたいという点を謳つておるのでございます。現在田につきましては、原則として賃貸価格の四十倍でございます。又畑につきましては、原則として賃貸価格の四十八倍でございます。これに二十二・五を乘じまして固定資産税の課税標準とするわけでございますから、賃貸価格を基礎にいたしますと、田につきましては九百倍、畑につきましては千八十倍というのが一般の例だということになるわけでございます。
 四百十四條は、固定資産の価格の最低限度を定めておるわけでございまして、一号は、昭和二十五年度分の固定資産税につきましては、資産再評価法の規定によりまして、当該固定資産を現実に再評価いたしましたその現実の再評価額を下つてはならない。更に二号におきましては、法人税や引得税の計算におきまして、減価償却額又は減価償却費の計算の基礎といたしましたところの固定資産の価額を下つてはならないということにいたしておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問ありませんか。次……
○政府委員(奧野誠亮君) 四百十五條は、市町村長が価格を決定いたしますと、これを固定資産課税台帳に登録しなければならないという義務を課しておるわけでございます。この登録いたしました固定資産課税台帳というものを関係者の縦覧に供することによりまして、公正なる批判を得ながら、更にその決定いたしました価格というものを確定するという方針を取りたいわけでございます。そこで確定いたしました価格というものは、その一年度間はそのまま課税標準に使つて行くということになるわけでございます。縦覧期間は、二月六日から十五日までの間ということを規定いたしております。併しこの縦覧期間につきましては、昭和二十五年度に限りまして、償却資産課税台帳については、十二月一日から同月十日までの間ということに特例を定められております。
 こういうふうにして価格を確定いたしましても、本来市町村長に届出若しくは申告する、或いは地方財政委員会に申告する、こういう義務のあつたものが、これらの義務を果さなかつた場合にありましては、一応価格は決定いたしましても、更にこれを他の固定資産の価格と均衡を失しないように修正をいたしまして、固定資産課税台帳に登録をするわけでございます。この場合におきましては、縦覧という問題がございませんので、事業者に対しまして、当該固定資産に対して課する固定資産税の納税義務者に対しまして、その修正いたしました価格を通知する義務を市町村長に課しておるわけでございます。これが四百十七條でございます。
 四百十八條は、市町村長か価格を決定いたしますと、その結果につきまして概要調書というものを作成いたしまして、この概要調書を道府県知事に送付するわけでございます。道府県知事はそれを見ますと、大体他の市町村との間において価格の決定について均衡が保たれるかどうかということが分るわけでございます。そういう資料にもいたしますために、市町村長にそういう調書の作成義務を課しておるわけでございます。
 四百十九條は、今申上げました概要調書を道府県知事が受取りました場合に、これに記載されました固定資産の価格について市町村間に著しい不均衡があると認めますときは、その価格を修正して固定資産課税台帳に登録するように、当該市町村の長に対しまして道府県知事が勧告することができるわけでございます。勧告を受けた市町村長におきまして、価格を修正する必要があると認めた場合には、その価格を修正して登録いたしますし、又修正して登録した旨を固定資産課税台帳の縦覧によつて関係者に周知させなければならないというふうにいたしておるわけでございます。もとより勧告を受けて修正の必要があると認めるか認めないかは、これは市町村長独自の判断でよろしいわけであります。併しながら修正する必要がないと認めました場合におきましても、この旨を別途道府県知事に報告しなければならないという意味の規定を、四百二十一條の二項で設けておるわけでございます。もとより固定資産の価格を修正いたしました場合には、その賦課額を市町村長は更正しなければならないわけでございまして当然のことでございますけれども、その旨を四百二十條で規定いたしておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質疑ございませんか。御質疑がなければ次……
○政府委員(奧野誠亮君) 市町村長が価格を決定いたしますと、概要調書を作成いたしまして、道府県知事に送付するわけでございますが、道府県知事も又すべての市町村長から概要調書の送付を受けました場合には、更に道府県内の固定資産の価格の全体の概要調書を作成いたしまして、これを地方財政委員会に送付するわけでございます。地方財政委員会が、全国的に価格の決定が、均衡が確保されておるかどうかということをそこで見たいという考えを持つておるわけでございます。四百三十二條からは、固定資産課税台帳に登録されました事項に関する不服を審査決定するための手続を書いておるわけでございまして、市町村長が価格を決定する権限を持つておるわけでございます。従つてその価格の決定について、適正であるかどうかということについての納税義務者側の不服につきましては、市町村長が決定するよりも別の機関が決定した方が公正に決定できるだろうというふうな考え方の下に、市町村と別個に市町村に固定資産評価審査委員会を設置するということを、四百二十三條の一項で謳つておるわけでございます。固定資産評価審査委員会の構成は、市町村税の納税義務者のうちから、当該市町村の議会の同意を得て、市町村長が選任する委員三人を以て組織いたします。更にその委員の任期は三年といたしておりまして、その三年の任期は、昭和二十五年度に限りまして、四百二十四條の方で、最初に選任される委員の任期は、一人は一年、一人は二年、一人は三年として各委員について市町村長がくじで定めるということにしながら、三人が一度に代つてしまうということのないようにいたしておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 四百二十三條、二十四條御質問ございませんか。
○岩木哲夫君 この固定資産評価審査委員会というものを、各市町村即ち全国一万二千の町村に設置することであろうと思うのですが、そうすると合計何万人になりまするか。政府のそれの給料、これに伴う予算をお聞きしたい。
○政府委員(奧野誠亮君) これは常置の職員ではございませんで、四項の規定で、委員会の会議への出席日数に応じ、手当を受けることができるというように定めております。これはもとより市町村によりまして、この手当の額も多少多かつたり少なかつたりすることがあるだろうと思つております。全体といたしまして今度の税制改正によりまして、地方団体において徴税費が六十億円くらい増額になるだろうということを申上げておるわけでございます。人数といたしましては、町村の数は一万五百、市を合せて一万八百くらいでございますから、従いましてそれの三倍というように考えて頂けばよろしいと考えます。
○岩木哲夫君 六十億というのはこうした費用も含んでおりますか。
○政府委員(奧野誠亮君) その通りでございます。
○岩木哲夫君 この固定資産評価審査委員会に、事務員は置きますか、置くとしたら何名くらいの目標ですか。
○政府委員(奧野誠亮君) これは事務の方は、税務職員或いは又固定資産評価に関係する人達が庶務のことをやればよろしい、特別の職員は要らないというふうに考えております。
○岩木哲夫君 その固定資産評価審査委員会の委員は、それぞれ経験者を選任せられることと思うのでありますが、この審査基準と申しますか、例えば遊休設備かどうか、遊休設備でも或いは貿易が再開されたらそれが活きるものか、現在活きておるものかどうか、或いは材料或いは電力その他の問題で遊休か、活用されておるか、いろいろ問題がある、非常に査定の基準というものがむずかしいものと思うのでありますが、基準は如何なる方法を取るかということと、それから同じ道府県内においてもありますが、全国的に基準なるものは著しく違うということはいかないと思う。ただその当該府県なり市町村が財政上、これは手心を柔かくしようとか、手心をきつくしようというようなことで、基準か左右されるということもいかないと思いますが、どういう基準の方法、全国的な統制はどういう工合にとりますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 先程申しましたように、地方財政委員会が、評価の基準を作成いたしまして、これを道府県知事に流すわけでありますが、道府県知事は、その評価の基準につきまして、市町村長について指導するという任務を道府県知事の義務として課されておりますので、そういうところから大体価格の決定というものが、公正なものであるかどうかということが、固定資産評価審査委員会によつて判定できるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。又市町村長が、自分で価格を決定する、その不服について自分で又それを決定するということにいたしますと、いわゆる果して、穏当に行くだろうかということに疑念が持たれるわけでございますが、そういう欠陷を是正するために、特に市町村長と別個の審査機関というものを設置したわけでございます。
○岩木哲夫君 評価審査に対する異議の申立は、裁判所へ出訴する以外に方法はないのでございますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 固定資産評価審査委員会で審査いたしまして、更にそれに不服でありまする場合には、裁判所に出訴をして行く、或いは道府県知事に訴願して行くなりすることができることにいたしてあります。
○岩木哲夫君 シャウプ勧告では、こういつた苦情処理に対して極めて民主的に且つ平易に処理されるようなことを強調しておるのでございますが、こうした評価審査という問題は非常に大きな問題であつて、これが裁判所に一一手続しなければならないか、知事に出さなければならないかということは、甚だこれはおこがましいことになると思いますが、もつとその趣旨を、シャウプ勧告の趣旨を活かすような苦情処理機関を設ける必要があると思いますが、その方法以外にはないのでありますか。
○政府委員(奧野誠亮君) この固定資産評価審査委員会を、二つの処理機関だと、こういうふうにお考え頂きたいのでありまして、特にこの固定資産評価審査委員会に対しましては口頭審理の請求もできるわけでございます。そういう場合には文書によりませんで、口頭審理の手続によつて審査しなければならないという義務をあとの方で課しておりますし、又その審査に当りましては、すべて公開して行わなければならないというような規定も別のところで設けております。
○岩木哲夫君 この審査委員会の委員は、公吏でありますか、身分はどういうものでありますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 道府県、市町村の職員と言えば職員に入れるわけでありますが、吏員たる身分を持つておるわけではありません。
○理事(堀末治君) あと御質疑がなければ、次……
○政府委員(奧野誠亮君) 四百二十五條は、固定資産評価員と同様に、固定資産評価審査委員会の委員につきましても、その地位を重からしむる意味におきまして、兼職禁止の規定を設けておるわけであります。
 又四百二十六條で、欠格事項の規定を設けておるわけでございます。
 第四百二十七條は、「市町村長は、固定資産評価審査委員会の委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、当該市町村の議会の同意を得てその任期中にこれを罷免することができる。」となつておりまして、むしろ逆に市町村長が随意に罷免するというようなことはできないものだということを明らかにしておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問ございませんか。それでは次……
○政府委員(奧野誠亮君) 四百二十八條は、固定資産評価審査委員会の審査のための会議の開会の期間でございまして、異議の申立をいたしますのは、固定資産課税台帳が縦覧に供せられる二月六日からでございますので、評価審査委員会の会議も毎年二月六日から三月十五日までの間において開くものといたしております。もとより随時、事情がありました場合には、それぞれ会議の期間を委員会か定めまして開催すればよろしいというふうに考えております。
 四百二十九條は、その期間の特例でございまして、昭和二十五年度の償却資産に対しまする評価の決定というものが非常に遅れます関係上、この開会の期間も昭和二十五年十二月一日から昭和二十六年一月十日までというふうにいたしておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 以上御質問ございませんか。それでは次……
○政府委員(奧野誠亮君) 四百三十條は、固定資産評価審査委員会は、審査のために必要のあります場合には、いろいろと必要な資料の提出を求めなければなりませんので、提出を求め得る権限というものをここに謳つておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問ございませんか。なければ、次……
○政府委員(奧野誠亮君) 四百三十一條は、この法律でいろいろ規定いたしました事項以外の固定資産評価審査委員会が行います審査の手続等に関し、必要な事項は、当該市町村の條例で定めることにいたしておりますし、又それを更に固定資産評価審査委員会の規程に讓ることができるようにもいたしておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問なければ、次……
○政府委員(奧野誠亮君) 四百三十二條は、固定資産課税台帳の登録事項に関する審査の請求に関する規定でありまして、固定資産税の納税者は、不服があります場合には、縦覧期間の初日からその末日後十日までの間において、通常の場合は二月六日から二月二十五日までの間においてということになります。又はその後において価格を修正いたしました場合には、その都度納税義務者に通知するわけでありますので、その通知を受けた日から三十日以内に、文書を以て、固定資産評価審査委員会に審査の請求をすることができるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問はございませんか。それでは次……
○政府委員(奧野誠亮君) 四百三十三條は、固定資産評価審査委員会の審査の決定の手続が規定してあります。「固定資産評価審査委員会は、前條の審査の請求を受理した場合においては、直ちにその必要と認める調査、口頭審理その他事実審査を行い、その請求を受理した日から二十日以内に審査の決定をしなければならない。」。「前項の場合において審査の請求をした者の申請があつたときは、口頭審理の手続によらなければならない。」、ここで簡易に審理を進めて行けるような途を開いているわけでございます。「前二項の場合において口頭審理を行うときは、固定資産評価審査委員会は、審査の請求をした者、市町村長又は固定資産評価員その他の関係者の出席及び証言を求めることができる。」。四項はそれだけでありまして、五項で、固定資産評価審査委員会は資料や記録を保存いたしまして、これを関係者の閲覧に供しなければならない義務を課することによつて、公正な決定を保障いたしたいという考えを持つておるわけでございます。更にこれらの審査は公開して行わなければならない義務を課しております。で決定いたしました場合には、決定のあつた日から十日以内に、これを審査の請求をした者及び市町村長両者に文書を以て通知しなければならない義務を課しておるわけでございます。
 それで四百三十四條は、これらの決定に関しまして、更に不服のあります者は、その決定の通知を受けた日から三十日以内に道府県知事に訴願しますか、又は裁判所に出訴することができる旨を規定いたしておるのでありまして、訴願の途を選ぼうと、出訴の途を選ぼうと自由にいたしておるわけでございます。併しながら知事に訴願いたしまして更に不服がありまする場合には、第七項で裁判所にもう一遍出訴の手続もとることができる旨を明確にいたしております。
○理事(堀末治君) 御質問ございませんか。なければその次……
○政府委員(奧野誠亮君) 四百三十五條は、これは当然のことでございますが、固定資産評価審査委員会の審査の決定等に基きまして、価格の修正を必要といたします場合には、これを修正いたしまして固定資産課税台帳に登録し、その旨を市町村長から当該納税者に通知しなければならないようにいたしております。更に又固定資産税を賦課した後でありましても、その修正した価格に基きまして、すでに決定した賦課額を更正しなければならないようにいたしておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問ありませんか。なければその次……
○政府委員(奧野誠亮君) 四百三十六條は、先程申上げました通りに土地台帳、家屋台帳等の関係が非常に多いわけでございますので、土地や家屋の価格を決定したり修正したりいたしました場合には、その価格を遅滯なく土地又は家屋の所在地を管轄いたしますところの登記所に通知しなければならないことにいたしております。土地台帳や家屋台帳には、これらの通知に基きまして価格というものを登録することになつておるわけでございます。登記所におきましても、或る程度土地や家屋の価格の決定というものは均衡が得られているものであるかどうかということについて、或る程度判断できるようにしたいし、又登記所の側から市町村長や道府県知事に対して協力的な意見を申出るような機運を作つて行きたい、かように考えておるわけでございます。
○理事(堀末治君) 御質問はありませんか。
○西郷吉之助君 今までのところは評価審査委員会のいろいろな権限が書いてありますのですが、書類を請求されたりなんかしたときに、それを拒否した場合の何か処罰規定はありませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 特に処罰規定は設けておりません。ただこれらの請求を受けます者か市町村長でありましたりいたします関係上、これにそういう罰則規定を設けなくても、官吏としての規律或いは吏員としての規律を守つて貰えるものであろうというふうな考え方をいたしておるわけでございます。
○西郷吉之助君 評価審査委員自体のことを今説明されたけれども、要求せられた方ですね、一般国民の方の側はどうなんですか。それを拒否した場合は……
○政府委員(奧野誠亮君) 例えば償却資産の所有者等について、その者から審査の請求が出ています場合に、その者に対して必要な資料の請求を求めます場合には、その価格の決定につきまして成るだけ公正な決定を求めたいという意味から、資料の提出を拒むということは先ずないのではなかろうかというふうな考え方も持つておりましたがために、特にこの種の罰則規定を設けないでよかろうというふうに考えたわけでございます。
○理事(堀末治君) 他に御質問ございませんか。なければ、第六款、犯則取締。
○政府委員(奧野誠亮君) 第六款は、現在の規定と全く同様でございますので、説明を省略させて頂きます。
○米倉龍也君 ちよつと前に戻るのですが、三百九十一條のいろいろな表現を変えて、あります点で、これは実際問題として随分厄介な問題だろうと思うのですが、こういうことも財政委員会の規則で定めるというこの規則が分りませんが、多少実例を挙げてですね、こんなふうになるであろうというくらいなお見通しを伺つて見たいのです。
 それから「大規模の工場を有する事業が市町村の区域内にあるために近隣の他の市町村の公共費の支出に直接且つ重要な影響を與える」というのがあります。それからその次のは「大規模の発電施設その他公共的事業施設がその所在する市町村を含む近隣の地域の経済と直接且つ重要な関連を有する場合」というふうに、これは表現が大変込み入つておるのですが、多少実例のようなものを挙げてお話を願いたい。
○政府委員(奧野誠亮君) 先程ちよつとそれに触れたのでございますが、前段の場合には、例えば具体的にそれが、そのような措置がとられるかどうか分りませんけれども、八幡市に日本製鉄がございます。何方という労務者がこの製鉄所に勤務しておるわけであります。これらの労務者が、近隣の市町村から通勤して参るわけであります。八幡市におきましてその日本製鉄の持つております固定資産に対する固定資産税、それを全部收入いたしましても尚財政需要を賄うに足らん場合は、敢てこのような措置をとる必要はないと思うのでありますが、日本製鉄の関係上收入が非常に大きくなる、そういう場合には、而も日本製鉄に勤めております労務者の衛生費でありますとか、教育費でありますとか、いろいろな面において相当財政需要が嵩んでおりまして、而も收入が乏しい近隣の市町村もあることでございますので、そういう分につきましては、近隣の市町村に固定資産の一部を配分するような方法を取りたい、かように考えておるわけであります。それから後段の場合には、例えば十億を超えるようなダムが小さい村に所在しておる場合があります。これはその村にだけ所在しておるのだというふうに考えるのは穏当でないのでありまして、たまたま行政区画はそうなつておるが、その村のみならず、その附近一体から水を集めまして、そうして発電事業をやつておるわけでありますのでやはりその近隣の地帶と経済的な関連があるのであります。従つてそのダムから上りますところの固定資産税の收入が、その村の財政需要を遥かに超えておるというような場合には、超えます部分につきましての收入を近隣の市町村に配分するようにして行きたい、こういう考え方を持つておるわけであります。而してこの地方財政委員会においでは殊に財政需要を超えるような部面についてだけ考えて見たいと思つておる。つまりこれは地方財政平衡交付金の地方財政需要の測定と合せまして、この規則の定め方を工夫して行きたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○米倉龍也君 その点は分りましたが、そうすると財政需要を超えたような收入の面を、その近隣で配分する、その近隣というものの範囲、今のダムの……例えばダムは水があるが、水というものはずつと上の方から来るのですが、そういうことの範囲とか、配分する場合に何ヶ村にも亘る場合は空白がある、そういうようなことが実際問題ではいろいろ紛争の起る元ではないか、そういうことが何んで決められるかということであります。
○政府委員(奧野誠亮君) 前段の場合には、何か通つて来ております労務者の員数を基礎にすることも一つの方法だろうと考えております。後段の場合は近隣の市町村の面積を標準にするということも一つの方法だろうと考えております。これは試案でありまして、更に当該市町村の所在しております府県側の意見も聞きまして、できるだけ問題の起きないような方法を工夫して行きたいと考えております。
○理事(堀末治君) 他に御質問はございませんか。これで固定資産税を終つたわけですが、大分勉強したから三十分程休憩いたしましようか。あと附加価値税だけになりますが……
○三木治朗君 これは一般的な質問になるのですけれども、市町村民税が大体、出して頂いた資料の二の中に出ておるのを見ると、これは五百七十五億七千九百万という総額になつておりますね。そこで、これは所得だけではなく所得割の外に頭割といいますか、戸数割を加えた額がここに載つておるのだが、大体国税の方の所得が相当の、仮に五十万円くらいの收入がある人だとすると、五割五分かかるわけですね。そうすると市町村民税について所得割が約二割、まあ計算の方法はいろいろありますけれども、二割かかつて来るということになると、これで所得の約七割を納めるということになるわけですね。この外に基礎控除や何かがありますけれども、大体概括的に言つて二割、そうすると七割まあ税金を納めてしまうとあと三割残るということになるわけです、その実際の個人の收入、事業をやつておる者の收入が……。今度はそれに附加価値税、固定資産税が、これはまあ殆んど同額に近いものが五百二十億円、四百十九億円という額で……、そうするとこれを個人の所得から差引く、又は平均に按分するというと、かたまつたりいろいろのことはあるでしようけれども、これを平均すると、やはり市町村民税の人頭割に所得の二割を混えたものですから、これを二割と抑えても、こつちを又二つ併せて三割以上になるということになると、殆ど所得が零になるというような計算が出るように思うのですが、これはどうなんですか。
○政府委員(小野哲君) 一応算術的に計算いたしますと、そういうふうになるようでありますけれども、只今の所得税額が結局五十万以上は五五%ということになるので、その計算によつて出た税額について、この税率をかけるわけでありますから、実際の部面は七割までならない、もう少し下廻つておるだろう、一割程度のプラスになる、ちよつと私計算したのですが、一割程度のプラスになる、従つて所得税五五%の人に対して大体六〇%程度が、六〇%から七〇%以下になりますが、六〇%余りが皆税を拂う、合計して拂う、こういうような計算になるだろうと思うのですが。
○三木治朗君 昨日も……その所得割の計算で、これは低い人はそんなにかかつて来ないけれども、大体課税総額のパーセンテージが、国税として納めた額の大体二割、十八から二十までということになりますから、二割と、まあ正確に言えば二割ではないかも知れませんが、二割という御説明だつたと思うのですよ。そうすると附加価値税となにの金額というものが、これは附加価値税は收入が多くあろうとなかろうとかかるのだし、固定資産税はまあかかるものは土地や……、そういうものにかかるものと仮定して、これは税の性質は違うけれども、結局その人の拂う金というものは、これが若し按分的に分けたとすると、殆んど、五十万円の所得のあつた人は税金で全部なくなつてしまうというような計算になるのですが……
○政府委員(奧野誠亮君) よく御存じのことだろうと思うのでございますけれども、所得の計算は、これは單なる收入ではありませんで、收入額から必要な経費を控除したものが所得税額になるわけでございます。そこで土地を持つておるために固定資産税を拂つた、或いは又事業を行なつておるために附加価値税を拂つた、こういうものの收入金額から必要経費は控除されるわけであります。残つた部分につきまして所得に対しまして仮に五割なら五割の所得税を納めるといたしますと、そうすると五割というものがその所得として残つておるわけであります。更に残つておる五割から所得税の二割でございますから、言換れば五割に二割を掛けるわけでございますから、全所得に対しては一割になるわけであります。従いまして三木さんのおつしやつたように所得税が全所得の五割といたしましても、所得税として五割、市町村民税一割、残り四割というものがあるということになるのであります。
○理事(堀末治君) それではこれで休憩いたします。丁度今二時半ですから三十分休憩いたします。
   午後二時三十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後四時二十四分開会
○理事(堀末治君) それでは休憩前に引続いて委員会を開催いたします。
 消防法の一部を改正する法律案、これは衆議院議員提出になつておりますので、その発議者の一人であります衆議院議員の川本末治君の説明を求めます。
○衆議院議員(川本末治君) 現行消防法は御承知のように昭和二十三年七月に本国会におきまして起草成立したのでありますが、その後同法の具体的運用の体験によりますると、更に現行消防法の運用の完璧を期しまするためには幾分の改正を加えなければならないという点から、実は衆議院の地方行政委員会におきましては、本年一月二十五日に不肖私を初め十二名の小委員を選任いたしまして、小委員会におきまして五日起草につきましての委員会を開きました結果、漸くその成案を見ましたので、本日衆議院の方におきましては漸く一部改正の法案が通過をいたしたのでございまするが、それにつきまして詳しく御説明を申上げるべきでございまするが、非常にお忙しい中をいろいろ申上げまするよりも、お手許の方に配付いたしてございまする今度の改正案の要綱を御覧頂きまして、誠に地方自治法の御審議の半ばにおきましてかような飛び入り的なお願いをいたしまして恐縮でございまするが、何とぞ愼重審議頂きまして、本案の委員会を通過いたしまするようひとえにお願いを申上げる次第でございます。
○吉川末次郎君 言うまでもなく本委員会は、只今本期国会における重大法案である地方税法の審議最中でありまして、ときとすれば我々時間かないために非常にその審議が遅れて、或いは審議未了に終ることの恐れなしとも知れない状態にあるのでありますから、本日はこの法案につきましては、只今の提案者の提案理由説明を承わることに止めまして、地方税法案の審議が完了いたしました後に改めて更に審議を続行するようにしたいと考えます。
○理事(堀末治君) 如何でございますか、今吉川さんの御意見は……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(堀末治君) 吉川さんちよつと御相談ですがね、地方税の方はまだ民主党の方はちよつとお差支かあるようです。折角いらつしやつたことですからこの消防法の一部改正案、この條文だけの説明だけでもお聞き願つたらどうでしようか。
○吉川末次郎君 それは結構です。今の説明で終りかと思つたものですから、時間の余裕がありましたら……
○理事(堀末治君) まだ向うも済まないのですから、新旧改正の対照が来ておりますから、これだけでも御説明を願つて、そうして今日この審議を打切ることにいたしたら如何でございますか。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(堀末治君) それではそういうことにいたします。
   〔理事堀末治君退席、委員長着席〕
○委員長(岡本愛祐君) 消防法の一部を改正する法律案につきまして要点の説明を衆議院の地方行政委員会の方にお願いいたします。衆議院議員川本末治君。
○衆議院議員(川本末治君) 要点の細部につきましての説明は、丁度国家消防長官もここに参つておりますので、専門の方から詳しく御説明をして頂いた方が皆様方の方の御得心か早く行くかと思いますので、その方に説明を讓らして頂きたいと思います。
○吉川末次郎君 これは政府でやるのですか。
○委員長(岡本愛祐君) これは衆議院側の提案です。これは昨日も申上げましたように、第二国会でございましたか消防法案が出ましたときに、当参議院のその当時吉川委員が委員長をしておられました治安及び地方制度委員会におきまして修正をいたしたのです。そうして衆議院側に送りましたところ、もう会期の切迫であつたものですから、それが通らなかつた。そのときから衆議院側では、是非機会を見て、成るべく早い機会を見てこちらの要望に応じた修正をしようということになつおつた、それがのびのびになつて来まして今日に至りました。それに多少その外に加つて来ておるところがあります。それでは消防庁長官。
○吉川末次郎君 議院提出案を政府委員が説明するのは、そういう前例はあるのですか。
○委員長(岡本愛祐君) 便宜変つてやつたことはありますが。
○吉川末次郎君 衆議院の提案者である議員の方でなければ、それを審議せられた衆議院の地方行政委員会の方がおやりになつたら如何ですか。
○委員長(岡本愛祐君) それでは衆議院の地方行政委員会の理事、川本末治君に代りまして衆議院の有松専門員。
○衆議院専門員(有松昇君) それではお許しを得まして改正案の主な要点を拾つて御説明を申上げます。
 第一点は、火災予防のため、消防職員が個人の住居に立入り検査するには、第四條の規定によりまして、関係者の承諾がなければこれを許さないことになつておりますが、火災発生の虞れが著しく大であるために、特に緊急の必要があります場合には、これを許しませんというと、火災予防上支障が大きいので、公共の危険を排除する意味におきまして、かかる場合に限り、これを許すことに改めまして、予防消防の範囲を拡充しようとするものであります。
 改正の主な点の第二点といたしましては、消防の任務を直接遂行する消防機関のうち、消防本部及び消防署を設置しておりますところの市町村は、全国で僅か二百有余を算するのみでありまして、その他の市町村は挙げて消防団員の献身的な活動に期待をしなければならない実情にありますので、これら消防団員の予防消防を容易ならしめるために、火災予防のため、特に必要があるときは防火対象物及び期日又は期間を指定するという嚴格な條件を附しまして、当該管轄区域内の消防団員に立入り検査の権限を認めると共に、火災現場における消防活動の完全遂行を期するに必要な消防団の長の権限強化を図つたのであります。
 第三点は、第三章、危險物におきまして、現在危險物の貯蔵につきましては、規定がありますのに、製造所、取扱所、これらのものにつきましては、明瞭を欠いておりますので、この点につきましては、法律上はつきりとさせるために改正を行なつたわけであります。
 それから第四点といたしましては、従来消防の用に供する機械器具及び設備に関しましては、国家消防庁が一定の規格を定めまして、これを勧告することになつておつたのでありますが、これらのものと密接な関係のありますところの防火塗料、それから防火液その他の防火薬品に関しましては、規定を欠いておりましたために、支障が甚だしかつたのでありまして、今回はこれらのものをも加えまして、以て支障を排除いたしたのであります。又右に挙げましたものに関しまして要求がありますときは、国家消防庁はこれが検定を行い得ること、そうしてそのために経費を要しますので、手数料を納めるべきことを新たに規定いたしまして、一は以て当業者の便を図りますと共に、消防諸設備等の完全を期し、他は以て收入の確保を図りまして、この仕事の完全遂行を期した次第であります。
 第五点は、市町村長の火災警報発令権でありますが、従来は市町村長が都道府県知事から通報を受けましたときにおきましてのみ、市町村長の火災警報発令権が認められていたのでありますが、かくては市町村長が気象の状況が火災の予防上、幾ら危險であると認めましても、知事から通報のおりません限り警報を発令することができません。例えば面積の広い道府県、北海道のごときにありましては頗る実情に適しませんものがありましたので、今回はかかる場合におきましては、知事からの通報がなくても市町村長が警報を発令することができることにいたしまして、以て実情に即しました火災予防の完璧を期したのであります。
 第六点は、消防自動車のサイレン使用及び速度制度という問題であります。サイレンは、従来は消防自動車が火災現場に赴くときにのみこれを使用することを認められ、訓練の場合においてはこれが使用は認められていなかつたのでありますが、実際には訓練の際にもこれを使用することを適当と認められる場合がありますので、特に必要がある場合ということと、それから一般公告をしたときという二つの條件を付けまして、訓練の際にもサイレンの使用を許し、以て訓練の完璧を期すると共に、又サイレンの濫用によりまして社会不安を生せしめることのないように愼重を期したのであります。次に速度制限に関する問題でありますが、道路交通取締法の規定によりますと、緊急自動車の速度制限は、特例を認めまして特にその使命を果すよう考慮が拂われておりまするのに拘わりませず、一刻も早く火災現場に到着して活動を開始しなければならない任務を持つておりますところの消防自動車に限りまして、時速六十キロを超えてはならないという消防法の規定は、全く実際の必要に反しまして支障の甚だしいものがございますから、この六十キロという制限を撤去いたしまして、以て支障のないことを期した次第であります。
 改正の主な点の第七点は、消防若しくは延焼防止又は人命救助のために、緊急の必要があります場合、消防対象物や、土地の使用、收用、処分権又は使用制限権は、従来は消防長又は消防署長のみに認められておりましたが、消防本部を置かない市町村においては、消防長も消防署長もおりませんので、かかる市町村にありましては消防団の長に対しまして、この種の権限を認めるようにいたしませんと、実際上の支障の極めて大なるものがありますので、今回の改正によりまして、これを與えることといたしたのであります。併しながら半面この権限は非常に強大なものでございまするので、若しこれが運用を誤まりますというと、個人の基本的人権に関するもの大なるものを生じますので、この権限を付與するために、火勢とか或いは気象の状況その他周囲の事情から合理的に判断いたしまして、延焼防止のため止むを得ないときに限るという嚴格な條件を設けたのでございます。
 第八点は、現行法は、火災の原因調査及び損害調査に当りまして、消防長又は消防署長が一定の物的調査ができる旨を規定してありますが、これのみを以ちましては、與えられました責任を十分に、又正確に遂行することはでき難いので、一定の質問権を消防長又は消防署長に與えまして人的調査ができるようにいたしますと共に、又放火、失火の犯罪の疑いがありますときは、火災原因の徹底的究明を図るために、被疑者及び物が、警察から検察庁に送付されるまでの間におきまして、一定の質問及び調査ができるようにいたしたのであります。
 以上の外、罰則その他若干の改正を図りますと共に、語句の整備を図つたのでございます。
 これを以ちまして大体の改正の主な点だけを簡單に御説明申上げたわけであります。
○吉川末次郎君 先にこの法案を審議するにつきましては、本日は提案理由の説明を承わる程度に止めまして、地方税法案の審議が完了いたしました後に、更に質問、討論及び採決に入るような審議に取運びを願いたいということを申上げまして皆さんの御賛成を得たのでありますが、提案者の方では提案理由の説明と併せて條文に即して箇條的に大要の御説明があつたわけでありますから、先に申しましたように本日は御説明を承つたという程度に止めて、地方税法案の審議が完了いたしました後に審議を更に続行するようにして頂きたいと思います。
 尚先程衆議院議員提案でありますが、政府委員をして説明せしめよという提案者のお話に対して反対の意思表示をいたしたのでありまするが、これは立法府の議員が提案いたしました議案の説明を、執行府の政府委員になさしめるということは、形式上は私は大きな誤りを包蔵していると考えたから申上げたわけであります。
 尚又只今衆議院の専門員から説明せられました大綱についての説明は、我我の審議の必要上その大要だけでもよろしいが、プリントにして配付されたいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 申上げます。只今の要旨は、お配りいたしました消防に関する衆議院地方行政委員長報告とありますそれに書いているようであります。
 お諮りいたしますが、この消防法一部改正法律案の取扱いについて、只今吉川委員からの御発言がございましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) それではそういうふうに取計います。尚逐條の説明は要りませんか。
○吉川末次郎君 このあとで又……
○委員長(岡本愛祐君) それではそういうふうに取計らいます。
  ―――――――――――――
○委員長(岡本愛祐君) 木内キヤウ議員が委員にお変りになりました。竹中委員がこの委員を御退任になりましたからどうぞ……。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。それでは次に地方税法案の審議をいたします。
 第二章の第一節、附加価値税について審議を開始いたします。第二十三條の説明を求めます。奥野政府委員。
○政府委員(奧野誠亮君) 附加価値税は、第一種事業から第三種事業までの事業の附加価値に対し、附加価値額を課税標準として、事務所又は事業所所在の道府県において、その事業を行う者に課することにいたしております。従来の事業税の建前とは違いまして、事業の附加価値を課税客体にいたしております。又課税標準か附加価値額ということになつておるわけでございます。第一種事業と第二種事業は、従来の事実税でも第一種、第二種事業とはほぼ同じでございます。第三種事業は、従来の特別所得税の課税対象でありましたものが、附加価値税におきましては第三種事業として掲げられておる分でございます。そのうちで違つて参りました点は、第二種事業、第三号でありますけれども、従来ありました農業と林業、これは課税を除外いたしましたためにこの項から削除いたしております。畜産業につきましては、農業の関連から、農業に附随して行うもの及び主として土地を利用して行うものを課税しないことにいたしております。更に第四項では、十七号の公衆浴場業、十八号の新聞業、これが従来でありますと第一種事業となるわけでありますけれども、第三種事業の方に移し替えをいたしております。いずれも税率に差違を設けております関係上、負担の軽減を図ろうとする趣旨でございます。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。
○岩木哲夫君 この附加価値税を賦課せんとすることにつきましての、今ここで政府が第一種及び第二種の業種の種目を出しておりますが、例えば第一種の物品販売業、或いは銀行業、或いは第二種のこうした各業種、業態の附加価値課税客体の員数は幾らでありますか。各明細ごとに承わりたいのであります。例えば写真業は全国で何ぼだ、印刷業は何ぼだ、こういう明細であります。
○政府委員(奧野誠亮君) 税務統計の分類の上ではもう少し大幅な分類をいたしておりまして、お話のような分類は、国勢調査によりますところの業種別の分類によらなければならないと思います。その統計表を今ここに私持合せておりませんので、それは国勢調査に関しまする統計表を見ますと簡單に分るのでございますが、後刻でよろしうございましたら御連絡申上げたいと思います。
○岩木哲夫君 それじやその業種ごとの内容はあとで伺いますが、そうすると新たに附加価値税がかけられるという業種の客体員数全部であります。例えば何百万業態であるとかという、それだけを伺いたい。
○政府委員(奧野誠亮君) 従来から課税の範囲は別段拡張いたしておりませんで、課税客体といたしましては大体同じであるというふうに考えて頂きたいと思います。むしろ農業と林業が除外されて参つておりますので少くなつておるというわけであります。
○岩木哲夫君 これは農業、林業が少くなるなら少くなる分で承わりたいのでございまして、そういつたものを除いて客体の総数が分らなければいけないということが一点と、それから例えば印刷業なり写真業なんかが、従来黒字であつた場合には、事業税、所得税がかかるのでありますが、赤字でもかかるということになる結果、従来のものと大体同じだということはちよつとおかしいので、当然殖えるのではないかと思うのですか、殖えるならば何十パーセント殖えまするか、その比率等も承わりたい。
○政府委員(奧野誠亮君) 税額の面におきましては、従来赤字企業でありましたために、附加価値税が相当重くなるというふうな部分が多くなつて来るわけでありますが、納税義務者の数という面から行くと余り変らないと考えております。大体個人につきましては、納税義務者は大同小異でありまして、併しながら負担額が相当低くなる、併し法人につきましては、現在は本当に事業税は少額しか納付していない、併しそれが個々の事業者の負担します税額そのものは、單位当りとしては非常に大きな額になる。こういうふうに考えておるわけであります。事業者の数はちよつと今ここに正確な数字を持つて来ておりませんが、正確な調査は御承知のように国勢調査に詳しく出ておりますので、今日持つて来ればよろしいのですが、後刻にお許しを願いたいと思います。
○岩木哲夫君 国勢調査は何年度のか存じませんが、恐らく前年度のと思うのでありますが、自治庁か出しておる資料につきましては、従来の赤字企業なり、赤字営業については課税客体にならなかつたものが新らしく客体になる、そこで問題は特に人件費の増減にかかるのでありますから、従来はこの人件費とか或いは雇傭数というものは、従来自治庁の課税客体の内容においては分らなかつたと思うのであります。ところが今回こういう税法を起草するについては、課税客体の雇傭人員及びその勤労所得の金額というものが計算されにやならんと思うのでありますが、それは総体幾らで、あつたわけでありますか。
○政府委員(奧野誠亮君) その意味での御質問でございましたら、お手許に地方財政に関する参考計数資料というのを差上げておりますが、その中に附加価値税額を計算いたしました基礎を詳しく掲げております。そうしてこれでやはり書いておりますのは、勤労者の員数は掲げておらなかつたと思いますが、国税の方で所得税を勤労者につきまして源泉徴收しておるわけでございます、それから所得額か幾らあるかということが分つて参つておりますので、そういうものをそのまま押えまして、附加価値税の算定の基礎に使つておるわけでございます。
○岩木哲夫君 源泉徴收と言いますか、による所得税の調査は、建前とすればすべてそうあるべきですが、実際問題としてはそういう方法をとつていない企業体、営業体その他いろいろ個人商店等は莫大なものだと思いまするが、それはどういう方法で調査をいたしましたか。
○政府委員(奧野誠亮君) この前極く大まかな御説明を申上げたのでございますが、何でしたらばそれも併せてこの機会にもう一遍申上げてもよろしいと思います。源泉徴收の分だけじやございませんで、申告納税の分も押えてあるわけなんでございます。両面から把握しておるわけなんでございます。附加価値税の欄のところの……。表紙を入れまして六枚めくつて頂きますと昭和二十五年度附加価値税收入見込額調というのがございます。それの次の頁から、それの基礎に対して、基礎をずつと書いてございます。事業所得につきまして一番下の欄を見て頂きますと、個人三千九百億、法人では八百四十四億、計で四千七百四十億、更に勤労所得につきましては一兆二百七十億というふうに見ておるわけでございます。
 この基礎は一枚めくつて頂きますと、昭和二十五年度附加価値税の收入見込額調の基礎資料の説明というのがございます。それでこれは事業所得の分で、個人分でありますと、昭和二十五年度所得税課税所得の見込額というのが五千七百七十七億九千六百万円と出ております。これは大蔵省の方から所得税法の改正に関連いたしまして提出した資料から取つたわけでございまして、国の予算に上つている金額の基礎資料でございます。併しながら、この中には算定上の失格分として控除されたものがございます。と言いますのは、基礎控除が二万四千円でありましたり、扶養控除が一万二千円でありますとかいうような関係上、課税所得額が零になつて来る、或いはマイナスになつて来る。そういうものを附加価値税の面においては捕捉いたさなければならんので、そういうものは一千三百三十八億八百万円と見込んでおります。その外所得税として課税せられたけれども、その所得税の課税所得の中に入つておりませんところの基礎控除分、扶養控除分が、それぞれ一千五百四十三億五千万円、二千三百五十五億六千七百万円あるわけでございます。即ちこれ全体が申告納税分の收入見込の基礎とされた所得ということになるわけでございます。これが一兆一千億余りございます。これを第一種から第三種までに分類しなければならないわけでございますが、昭和二十三年度の申告納税にかかる所得税の課税の基礎となりました所得につきまして、第一種、第二種、第三種に分類いたしますと、そこに掲げてあるような数字になりますので、この割合を全体の数字に掛けまして、第一種、第二種、第三種の区分をいたしたわけでございます。ところが、国税の見込では、課税所得としては五千七百七十七億九千六百万円とあるけれども、併しながら昭和二十五年度における收入としては、その中の七〇%しか見込んでいないということが、資料として出ているわけでございます。これは国の予算の基礎でございます。従つてその額を一番上の額に乗じて参りますと、それが三千九百億三千九百万円となりまして、第一種、第二種、第三種の割合が、それぞれ三千三百十二億一千四百万円、百九十二億六千万円、三百九十五億六千五百万円ということになるわけでございます。それから法人分は、普通法人の昭和二十五年度法人税の收入見込の基礎とされた所得が千四十一億八千三百万円、特別法人、公益法人分がそれぞれ上つております。この合計が千五十五億八千九百万円でございます。ところが一種、二種、三種の分類をいたさなければならないので、それを昭和二十三年度法人税の課税の基礎となりました所得額をそのまま用いていたしたわけでございます。又法人税の見込におきましては、昭和二十五年度におきましては、これの八六%を見込んでおりますので、同じ計算の仕方に従つたわけでございます。
 次に勤労所得の面は、昭和二十五年度の所得税の課税所得の見込額が四千六百二十五億千二百万円ということになつております。併しながらこれの算出上失格分として控除されたもの、即ち基礎控除等をいたしますと、零又はマイナスになる分でございます。それから基礎控除分として控除されたもの、扶養控除分として控除されたもの、これはプリントに数字が消えておりますが、それらを全部加えますと、一兆一千百二十四億九千二百万円になるわけでございます。でこれを一種から三種に分類しなければならないのでございますが、所得税の面において、一種から三種までの事業別に分類した資料がございませんので、安本の方で推計をいたしております昭和二十五年度の国民所得推計に従つて、一種から三種までの分類に該当するものを区分して推計いたしたわけであります。又所得税におきまして、源泉徴收の分は申告納税の分とは違いまして、昭和二十五年度におきましてその九七・八五%の徴收率を見込んでおりますので、これにつきまして九七・八五%を掛けたのであります。そうすると合計で一兆二百七十億三千九百万円という数字になるのでございます。それから減価償却額と言いますものは、所得の計算の際に経費として控除されておるのでありますが、附加価値税の計算に当りましては、所得税や法人税につきまして、所得の計算上、経費として控除暮れましたところのその減価償却額、減価償却費は控除いたしませんので、これもやはり加えなければならんわけであります。そういうものがどれくらいあるかというと、その次の頁でございまして、旧法による法人税分の減価償却額を合せまして五百七十五億二千百万円となります。そのうち昭和二十五年度において、法人税の課税の対象となるものが八六%でありますので、四百四十九億九千六百万円だけをこれに加えて行けばよいということになると考えるのであります。その減価償却額の中で法人は分つておるのでありますが、個人が分らんものでございますから、そこで資産再評価見込額の中で、法人と個人の分がございますので、その割合に従つて法人の分に乘じますと、個人分が出て参りますので、その個人分を六十三億五千二百万円と推計したのであります。両者を合せますと、五百十三億四千八百万円ということになります。これが元へ戻りまして、減価償却額の欄で五百十三億四千八百万円というところに当るわけであります。これらの合計額が元へ戻りまして、一番下の欄で一兆五千五百二十八万八千八百万円ということになります。
 昭和二十五年度附加価値税收入見込額調というところに移つて申上げたいと思います。この合計額から附加価値税の計算に当りましては、減価償却額、減価償却費を控除いたしませんけれども、その年に取得いたしました固定資産はまるまる落すわけでありますので、固定資産の所得額を一千三百七十三億三千二百万円と見たわけであります。この一千三百七十三億三千二百万円の説明はあとで申上げますが、この中で赤字附加価値として繰越以外のものを九七%推計したのであります。このことは二十五年度におきまして、固定資産を相当沢山取得する、それを売上金額から控除いたしますと、附加価値額がマイナスになる分かあるわけであります。従つて全部を控除いたしますと、控除し過ぎるようになるので、赤字は赤字として翌年へ繰越すべきものは控除すべきではございませんので、その分は控除しないようにするために、これに九七%を乘じたのであります。この差額につきまして、地方税として附加価値額を捕捉できるのは先ず九〇%じやなかろうか、こういうふうに考えまして、全体として一兆二千七百七十七億八百万円と推計しております。併しながら免税点以下の附加価値額が、この中に一応計算されておるわけでありますので、免税点以下の附加価値額をここに一種、二種、三種の事業につきまして、それぞれ測定いたしまして、その部分を二百八十二億二千七百万円と推計いたしまして、この差額が課税標準額になるのであります。これに四%、三%、三%の税率をそれぞれ掛けたものが捕捉可能税額として四百八十四万八千百万円ということになるのであります。この中の徴收できるのが先ず九〇%として、四百三十六億三千二百万円という数字を得ております。ところが昭和二十五年度中に必らずしも全額徴收できないのではなかろうかということから、この中の四百十九億くらいが徴收済になるであろうというような推計をしたわけであります。
 そこで二十五年度中の固定資産の取得額が幾らあるかということでありますが、これは更に二枚めくつて頂きまして、先程御説明申上げておりましたところの続きでございます。固定資産の取得額といたしましては、家屋は、固定資産の收入見込の基礎となつた改訂価格は一兆三千五百四十九億九千万円と見ております。これは併しながら賃貸価格に九百倍しただけでございますので、現在ありますところの家屋を新らしく建てるといたしますと、これの数倍を要することになると思います。併しながら固定資産税の收入見込額と基礎を合せますために、便宜この数字を用いたのであります。この中で事業の占めます割合か五三・三%になつております。そこでそれを乘じますと、事業用の分が七千二百十八億ということになるのであります。平均耐用年数を三十年と見ております。終戰後の建築等につきましては、耐用年数が十五年のものもあるわけでありますが、鉄筋コンクリートのものもありますので、一応三十年と見ております。そのために三十で割りますと、一年間の取得額として二百四十億六千万円という数字が出るのでございます。
 償却資産につきましても同様の推計をいたして参ります。任意の額で、取得額として一千百三十二億七千二百万円、合計いたしまして一千三百七十三億三千二百万円、多少この数字は少な過ぎるのではなかろうかと思つておりますが、一応そういう基礎から推計いたしたわけでございます。
 そういう結果、この附加価値税の收入見込額を推計したわけでございます。
○岩木哲夫君 この附加価値税のいわゆる課税所得見込額の中に、減価償却額というものを計上しておりますが、これは固定資産税におきまする減価償却額のことでありましたか。
○政府委員(奧野誠亮君) 減価償却額はこれは所得税や法人税につきまして所得を計算いたします場合には、所得はあつたけれども、経営費としてその部分は控除いたしておりますが、控除しなかつたものとして所得を先ず計算いたしまして、それからあとでその年の現実に取得された固定資産の取得額を控除するという形式をとつておるわけであります。
○岩木哲夫君 附加価値税の対象所得は、地代、家賃、それから人件費等でありますが、地代、家賃それから金利というものはどういうところで積算が出ておりますか、金利につきましては……
○政府委員(奧野誠亮君) 地代とか家賃とか或いは利子というようなものは、一応所得額に入つておるというふうな考え方をしておりますので、所得税の計算の基礎になりました所得額に先ず大体においては含まれている、だから今更それは取らなかつたわけであります。
○岩木哲夫君 お尋ねしますが、この利子というものは、その企業体が拂つておる利子か、受取る利子でありますか、どちらでありますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 銀行なり政府から借りておる……、それから銀行から受取りました利子も、法人なり或いは個人の所得を計算いたします場合に所得となつて参りまするので、その中に入つておる、かように考えております。
○岩木哲夫君 私のお聞きするのは、企業体が政府なり金融機関から金を借りておる、資本金なり運転資金なりを借りておる、その借りておる金に拂う利子はどうなるのでございますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 受取つた側において計算いたしております。
○岩木哲夫君 そうすると拂つた方は、それは課税の対象にならないわけでありますね。
○政府委員(奧野誠亮君) 附加価値税の收入見込額を計算いたします場合に、前年度の実績というものがございませんので、真正面に表から計算をいたしませんで、裏から見ておるわけであります。従つてこのような積算の仕方に従つて附加価値税を課するわけではございません。今お話になりましたように、所得と、支拂う給與額、地代、家賃、利子、こういうものの合計額から固定資産の取得額を控除するものと大体同じようなものになるというわけでございますので、その方法に従つてこの推計を行なつたわけであります。その際に、利子とか地代とか家賃とかというようなものは、一応分配所得として全面的にこれで押えておるわけでありますから、受取つた所得として入つて来る、併しながら附加価値税を課税します場合には、このような計算をいたしませんで、総売上代金から物の購入代金を差引くわけであります。結果は同じだろうというように考えております。
○岩木哲夫君 物の購入の代金の中に、この企業体が拂う利子、銀行なり政府へ拂う利子というものは、物の購入代金として控除できないということになつておるのじやありませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 附加価値税として課税いたします場合には、如何にもその通りでございます。利子を支拂いましてもその利子は控除いたしません。
○岩木哲夫君 私のお聞きせんとするのは、岩木という企業体が銀行から一千万円を借りておる、その一千万円に対する利子を毎月支拂つておる。その拂つておる利子にかけるのではないのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) その通りであります。
○岩木哲夫君 それでありますれば、私がお尋ねせんとすることは、今あなたの説明の勤労所得とか、事業所得とか、或いは減価償却額の仔細は分りましたが、その企業体がいわゆる貸主に支拂う利子の計上はどういう計上方法でやるのでありますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 企業体が銀行から金を借りまして、銀行へ金利を支拂うわけであります。その際に利子を受取りました銀行では、先ず給與として行員に支拂います。その面が勤労所得になつて出て参つております。更に余分の所得かありました場合には、利潤として法人に対する所得を基礎とする課税の中に入つて来ております。更に経費として減価償却額を控除しておりますものをプラスしておりますから、全部含まれておる、かように考えております。
○岩木哲夫君 今あなたのおつしやるのは、金利を受取る銀行の立場のお考えでありますが、企業体が拂う利子に対するものは附加価値税の課税の対象にならんように改正でなるように解釈されますのですか、そうじやないのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) その通りなんでありますが、その積算の仕方は、附加価値税の課税方式では、そのままでは積算をしていないわけであります。裏から見ておるわけであります。もう一遍申上げます。例えば個人間の例をとつて見ますと、個人の企業者が個人の金貸業から金を借りて、そこで企業者が金貸業者に利子を支拂いますその場合に附加価値税の課税方式で言いいますと、返した利子は控除いたしません、企業に課税されるわけであります。併しながらこれを裏から見ますと、計算方式では、個人の金貸業者が利子を取つております、その利子は、やはり個人の金貸業者が申告納税を所得税で行つておるわけであります。その所得額としてここで推計して来ておりますので、その利子相当額というものは、その推計の中に入つておる、かように申上げておるわけであります。
○岩木哲夫君 あなたのおつしやることによりますれば、金融業、信託業、保險業等は……保險業は別としても、金融業、信託業だけは金利を受取るのか、貰うのか、これは大きな企業体であります。でありますから、それが直ちに附加価値税の対象になつておつたら銀行は潰れてしまうのであつて、これは一つの何らかの別途の方法で、いわゆる購入代金に相当するようなものに計上して、そうして経費を支拂つて、尚余剰があつた場合にいわゆるその余剰金に所得税或いは附加価値税がかかるという建前でなくては金融業は成り立つて行かないと思うのですが……。私のお聞きするのは、そういう建前であるべきだということを、原則として企業体が銀行に支拂うのに毎月何万円という利子を支拂うことは、丁度給料を支拂うのと同じような意味合で銀行に支拂つておる。その月々十万円、二十万円と出す利子に附加価値税がかかつて来るのではないかということを私はお聞きしておるのです。そうであるべきだという解釈がこの間からの説明によりますればあるように思うのでありますが、それはそうじやないのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 附加価値税の課税方法は、今お話になりましたような課税方式で課税いたします。
○岩木哲夫君 そうでありますれば、企業体が支拂う利子の課税は幾らになつているか、現在大企業及び小企業は、もとより小企業は金を借りるということは少いかも知れませんが、大企業は大銀行及び見返資金、預金部資金その他の各種の金融によつて企業をいたしておると思う、それが利子、支拂金利というものが附加価値税の課税の対象になつておらないような工合に聞えるのですが、それは莫大なものではないかと私は思うのですが如何ですか。
○政府委員(奧野誠亮君) それはこういう計算方法を用いますと、入つておるということを私は申上げるわけであります。それもやはり所得になるわけですから、その所得としてここでちやんと捕捉しておる、かように申上げるわけです。
○岩木哲夫君 それは所得にならないのであつて、その企業体が黒字の場合は所得に計算される場合があるかも知れませんが、赤字の場合はそれは所得にならないのではないかと思いますが、如何ですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 赤字企業におきましては、人件費等は全部この中に捕捉しておるわけでございますから、受取つた利子で工員に対する給料を支拂つている筈だと、かように申上げるのであります。
○岩木哲夫君 私は前々から申上げておるように、大体銀行側の御意見を私はお聞きしておるのではない。銀行側はよく分るのです。一例で言いますれば、私が日発である、日発であるものが見返資金その他を二十億仮に借りておる、二十億借りておる金利を日歩一銭二厘なら一銭二厘で毎月支拂う、その支拂う日歩一銭二厘の金利に対して、附加価値がかかる建前にこれではなつていると思う。ですから私は、その全日本の企業体が現在借金をしておる、仮に総額は幾らか、そうしてそれから支拂つておる金利は幾らかということを私はお聞きしたい。
○政府委員(奧野誠亮君) 今ちよつとその利子だけの分を手許に持つておりませんので、大変恐縮ですが……。この計算方式では、日発の側で利子を捕捉いたしませんで、日発が支拂つた側で受取つた利子をこの計算に入れておるわけでございます。ですからこの計算方式で行きましても、利子はただ日発側で押えるか、個人の金貸業者なり或いは銀行業なりで押えるか、どちらかであつて、全体の附加価値の收入を見る場合には同じではないか、かように考えております。
○岩木哲夫君 あなたのおつしやる筆法であれば、いわゆる我々が貰つた月給には所得税というものがかかる、ところが月給を拂う企業体にも附加価値がかかる、いわゆる二重にかかるわけです。そのパーセンテージなり課税率なり、内容は違いますけれども、拂う日発会社が、岩木なる使用人に対する場合の人件費は附加価価税がかかるのであります。貰つた私は勤労所得税がかかる、いわゆる二重の何がかかるわけであります。それと同じような工合に、金利も日発が拂う場合に附加価値税がかかれば、受取つた銀行側にも、それが営業收入となつて、そうしていろいろな経費を賄つて余つた剰余金に又附加価値税がかかる、こういうのであれば筋は分るのでありますが、あなたのおつしやるのであれば、そういう利子を支拂つた方には附加価値税をかける、受取つた方に、その企業体の收支概算の結果收益があつたものにかける、そういうことであるならば、いわゆる勤労所得税にもかけるならば、いわゆる人件費として企業体が支拂うものにもかけなければ筋が通らんのではないかということを私は申上げておる、その点を私はお聞きしたいと思う。
○政府委員(奧野誠亮君) 御了解願えないようですが、附加価値税の場合では、利子を支拂いましても、それは支出金額といたしては控除いたしません。半面利子を受取りました側におきましては売上金額の中には算入いたしません。で、この計算方式によりますと、利子を支拂つたところでは経費として控除されております。利子を受取つたところでは所得としてそちらの方で算入されております。だからこの方式で計算をいたして行きましても、全体の推計としては大体同じではないかというふうに考えておるわけであります。又金融業につきましては、特例といたしまして、利子は売上金額の中へ入りますけれども、半面支拂つた利子というものは、他の企業体においては控除しないものでも、特にこういうものについては控除をするということにいたしておるわけであります。
○岩木哲夫君 今あなたは支拂つた方の利子を経費の中に計上するということを言われておりますが、それはそういうことになつておりますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 私は所得税や法人税の計算においてそうするということを申上げたわけであります。この推計は所得税、法人税からは別になつて来ておるわけでありまして、言い換えれば附加価値税か、総売上金額から支出金額を控除するというふうな方式によりませんで、そのことは即ち裏から見て行つた場合は、利潤と支拂給與額と地代と家賃とそれから利子、この合計額から固定資産の取得額を控除したものがこれに匹敵するということになりますので、その裏から見た計算方式でこれを算定していると、かように申上げているわけです。
○岩木哲夫君 ちよつと休憩して専門員にお話を聞きたいのですが……
○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。
○岩木哲夫君 それでは企業体が支拂う利子にもかかるということであるならば、その企業体が黒字の場合にはいいが、赤字の場合にはこれ又二重にかかるわけです。受取る銀行と共に三重にかかることに結果がなるのではないかということを私は聞きたいのです。
○政府委員(奧野誠亮君) 金融業に対して附加価値税を課することの可否の問題になるだろうと思うのでございますが、金融業につきましては、先日来申しておりますように、附加価値税という名目を使つて一種の事業税を課しているのだ、こういうふうな考え方を持つているわけでございます。
○岩木哲夫君 私は銀行の立場を申しているのじやない。企業体の支拂う利子に対して附加価値税がかかるというならば、その企業体が又赤字だという場合には、人件費も又かかるのでありますから、赤字の企業体が拂う金利は非常にウエイトが大きいじやないか、赤字の企業体としては打撃率が大きいじやないかということを私はお聞きしているのです。
○政府委員(奧野誠亮君) 赤字であるかないかということは、課税標準の算定の上には別段特別な考慮をいたしておりませんので、その附加価値税というものをその事業自身が負うべきものであるという、こういうふうにお考えになりますれば、打撃が大きいということになると思います。だから附加価値税の狙いは、一種の流通税、転嫁税というようなことを考えておりますので、多少事業税とは性格が違つて来るのじやないかというふうに考えております。
○鈴木直人君 今のに関しまして、いわゆる私は所得税なり事業税の形体と附加価値税の形体が違うというところに起因しているので、従来の事業税とか或いは所得税であれば赤字が出れば税がかからない。ところが今度の附加価値税は赤字とか黒字とか全然考慮に入れないで、どの程度の大きさの事業をしているかという事業の大きさに応じてかけて行くと、そうすると、その大きい土地、家屋が、それが資本的に、資本としての作用をするかしないかということを聞かないで、ただその物体そのものの大きさに応じて、賃貸価格等によつてかけるという、いわゆる物税的な性質を持つというところにこの附加価値税の実は私は特色があると思う。これが今全国を通じて事業者からこれに対する大反対の来ているゆえんだと思うのです。所得税とか従来の事業税ならば、赤字とか黒字を出して、黒字になつた部分について考慮されてかけられますから、これはまあ事業はいいけれども、赤字のようなものにでも、ただ事業が大きいというだけでかかるということについて、その事業を、事業家や企業家から見ると、非常に打撃が大きいと、こういうところに附加価値税は非常に事業経営から見て不合理ではないかということが言われておる。併し市町村税というものは、そういう性質のものである、市町村から世話になつているのだから、その事業に応じて世話になつておるのだから税は納めるべきだという、いわゆるシャウプさんの観念から行つておるので、そこに食い違いがあるので、今岩木さんの言われた赤字になつておりながらかけるということは、打撃が多いではないかということは尤ものことであつて、そこに附加価値税というものの又特色が現われておるのだと、こういうふうに私は考えるので聞いておるのです。(「進行」と呼ぶ者あり)
○委員長(岡本愛祐君) それでは第二十四條に移ります。
○政府委員(奧野誠亮君) 第二十四條は附加価値税の非課税の範囲を決めておるわけでございまして、一号は、国等の行う事業、二号は、学校法人の行いますところの第二種事業及び第三種事業、三号が、国民金融公庫等の公共企業体的なものの行いますところの事業でございます。四号が、農業、五号が、林業、六号が、鉱産税の課税單位になつております鉱物の掘採及び砂鉱の採取の事業、七号が、主として自家労力を用いて行う第二種事業で政令で定めるものということになつております。
○岩木哲夫君 附加価値税をかけることができない客体を指摘いたしておるのでありますが、これは先程固定資産税の時にも申上げたのでありますが、その時には国民金融公庫だとか、住宅金融公庫だとかいつたものは、固定資産税では除外してなくて、その他いろいろありますが、この場合には除外してあるというのはどういうわけか。そうして固定資産税で除外する理念と、附加価値税で除外する理念とはおのずから違うと思うのでありますが、これはどういうわけでこういう特例を設けたのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) これらの金庫でありますとか、公庫でありますとかいうようなものでありますと、結局金が足りなければそれだけ国からそれを注ぎ込むといいますか、或いは余るといえば国に納入すると、そういうような関係になつておりますので、計算上は政府と一つの関係で行きたい。又この事業の性格も特殊な性格を持つておりますものでありますので、特に従来事業税を課していない殷鑑に鑑みまして、附加価値税につきましてもやはり同様に課税しない建前はとつて行きたいとかように考えておるのであります。
○岩木哲夫君 金が足らなければ政府が埋め、余れば政府に繰入れるということにならん、例えば放送協会であるとか、その外船舶運営会にしろそういうことにならんと思います。或いは国鉄にしろ専売公社にしても、その場合に、足らん場合にのみ補給するのであつて、余つた場合は入れないのではありませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 国鉄や専売公社も余剰があれば国に納入することに制度上はなつております。ただそこまで至つていないのだと思います。日本放送協会は特殊な例でありまして、今回日本放送協会に関する法律が国会を通過しておると思うのでありますが、それによりまして公共企業体的な性格を持つようになりまして、予算等も全部国会に提出されますし、又料金につきましても法律で定められるようになつております。又外の放送事業とは違いまして、営利的な活動はできないというような建前にもなつておりますので、そういう性格から、特に日本放送協会の行う事業につきまして附加価値税をかけないというような態度をとるようにいたしたわけであります。
○鈴木直人君 これだけの問題じやないのですが、今岩木君の質問したのに関連するのですけれども、この地方税のみについて申しましても、この地方税の附加価値税だけについて見ましても、この二十四條の規定以外に、單独の法律がどんどんできて来る。そうしてそれぞれ單独の法律の中に、こうこういう事業については附加価値税は課さない。まあこういうような具体的な例ははつきりしておりませんが、今問題になつておりまするあの文部委員会でやりました、衆議院で今地方税の審議と併せて考えるということになつております何と言いましたか、文化財保護法ですかね、そういうようなのも一つの例だと思いますけれども、そういうふうに特殊的な法律の中に、まあその立法者から見れば、成るたけ税は納めて貰わない方がいいという考え方から、それぞれ單独の法律を作る、放送協会についても放送法案の中にこういうものは課税しないというように書いてあるわけです。従つてそれをピックアップしまして、たまたまここに書いてあると思うのですけれども、そういうふうにこの地方税なり、或いは他の原則的の税法を決めた中には規定していないものも、單独の法律の中にそういう規定がぼつぼつ出て来つつあると、こういう現状にあるわけでありますが、そういう場合にはこの原則にも拘わらず、それは適用されるということになるのですか、それとの関係はどう考えるのですか。やむを得ないということになるのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 他の法律が出ました場合には、その法律はもとより有効に働くと思います。併しながら税に関する規定が地方税法以外に他の法律にもいろいろ出て参りますと、一体その間の統一的な解釈というものをどうするかということにもなつて参りますので、或る種の課税以外の規定は、地方税法の中に統合して規定すべきものであると、かように考えておるわけなのでありまして、一昨年そういう趣旨から非常に沢山の法律に個々に記載されておりましたものをまとめまして地方税法に一括して記載するということにいたしたわけなのでありますけれども、尚若干今日残つておりますし、或いは先程お話になりましたように、放送法の中で或る種の課税の規定が設けられております。併しながらこういうようなことは、法律を統一する意味から申しましても、この税に関する規定のものは地方税法の中に統一して規定すべきものであるというように考えられます。
○岩木哲夫君 政府の言われたシヤウプ政策に唱える附加価値税の理論というものと、ここの非課税客体の内容というものは全く矛盾するとは申さないのですが、著しく矛盾をいたしておるのである。農業、林業をちよこつと入れたり、固定資産税においては、社会事業とか、教育事業等について非課税の対象にしたり、ここではそれを削つであつたり、非常にどうも理論が統一性を欠くのですが、やつぱりこうしたようなものが非課税の対象となるという、ここに原則が嚴然とない限りには、非課税の中に入れろという運動なり理論が別に立つたら、それもやつはり入れなければならんということになると思いますが、その理論はどのようにでも一つ私は付けて見たいと思うのですか、如何でしようか、理論が立つたら入れますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 成るたけ課税除外の範囲がない方がよろしい、できる限りこういうものは少い方がよろしいという点につきましては、全く同感でございまして、そういう意味で今ここに掲げております課税除外の規定も一この一年間に研究いたしまして、一つの結論を出して國会に意見を出したい、かように考えておるわけでございます。ただ社会事業との関連でお話になりましたが、附加価値税は、社会事業関係には課税いたしませんで、列挙している事業だけでございますから、必ずしもその辺と矛盾しておるわけじやなかろうというふうに考えております。併し三号に記載しておりますような部分につきましては、一年間の研究によつて結論を出すべき最も中心をなす問題であろうと思つております。
○委員長(岡本愛祐君) では次に移ります。
○西郷吉之助君 ちよつと、宗教法人はどの規定で……税のかからないのはどの規定でかからないのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 宗教法人の宗教行為は、附加価値税の課税客体の中のどれにもないじやなかろうかというふうに考えております。併し宗教法人が物品販売所を営んでおります場合には、物品販売所に対して附加価値税はかかるというように考えております。
○委員長(岡本愛祐君) 第二十五條。
○政府委員(奧野誠亮君) 二十五條から二十九條までは、他の税目におきます規定と変りございません。
○委員長(岡本愛祐君) 第二十五條乃至第二十九條は、省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) ではそういたします。第三款、課税標準及び税率、第三十條。
○政府委員(奧野誠亮君) 附加価値税の課税標準を規定しておるわけでありますが、法人につきましては、第一項によつて、各事業年度の附加価値額をとることにいたしております。個人につきましては、「当該年度の初日の属する年の一月一日から十二月三十一日又は事業を廃止の日までの附加価値額」といたしまして、暦年によることといたしております。大体所得税や法人税と計算を合して行きたいというふうな考え方を持つておるわけであります。それから四項は、「法人についての附加価値観は、各事業年度の総売上金額から特定の支出金額を控除した金額」といたしますし、「個人についての附加価値額は、当該年度の初日の属する年の一月一日から十二月三十一日又は事業廃止の日までの総売上金額から特定の支出金額を控除した金額」で、全く同趣旨でございます。そこで六項におきまして、総売上金額と申しますのは、「第一種事業から第三種事業までの事業に係る物品の売上金額又は役務の対価として收入すべき金額及び固定資産の売却額その他事業に附随して收入すべき金額で政令で定めるものの合計額をいい、利子及び株式配当金並びに地代及び家賃の收入額を含まないものとする。」というふうにいたしております。要するに、総收入金額という言葉を使いませんで、総売上金額という言葉を便りでありますのは、事業に係る売上金額を基本に考えて行きたいと思つておるのでありまして、資産收入金額は入らないという趣旨でございます。第七項で「特定の支出金額」と申しますのは、「事業に直接必要な外部に支出すべき金額のうち土地、家屋、家屋以外の減価償却か可能な固定資産、商品、半製品、原材料、補助材料及び消耗品の購入代金並びに左の各号に掲げる金額の合計額をいう。」として、一号から九号まで掲げております。こういうものは支出金額として控除するわけであります。これだけ種目を挙げておるわけでございますけれども、考え方といたしましては、その金額を支出金額とした場合に、その支出金額を受けた人のところに対しまして、それを売上金額として附加価値税を課して行けるか、課して行けないかということで御判断頂ければ大体合致するだろうと思うのでございます。更に言いますと、原材料を購入いたしますその原材料の購入代金を受取つた人に対しましては、これは大体商人と考えて、附加価値税を課して行くことができるわけでございます。そこで附加価値税を課税するわけでございますから、原材料の購入代金を控除するわけでございます。半面に労務者に給與を支拂います。その給與を受けた労務者に対しまし七附加価値税を課して行くことができません。事業を行なつておるのではございません。従つてそういう給與は支出金額として控除はしない、こういうわけでございます。第八項は、「民法第三十四條の法人、学校法人その他政令で定める法人がその事業に係る総売上金額の全部又は一部を社会事業その他の公益事業に支出する場合における当該支出金額は、政令の定めるところによつて、前項の特定の支出金額とみなす。」、こういうことにいたしております。といいますのは、民法第三十四條の法人でありましても、営利事業を行なつております場合には、その事業の附加価値額に対して課税して行くわけであります。併しながら公益法人としては、その收入を社会事業その他に使用しようと思つてやつておる場合も多いわけでございますので、社会事業に使つた場合には、それらを全部支出金額にして行きたいという考えであります。九項は、「農業協同組合その他政令で定める特別法人が取り扱つた物の数量、価額その他事業の分量に応じて分配すべき金額は、第七項の特定の支出金額とする。」として、特に見返資金は支出金額として見て行きたいということであります。
○堀末治君 お尋ねいたしますが、七項の公租公課の中に、酒造税はどうなりますか。
○政府委員(奧野誠亮君) それは控除いたします。
○堀末治君 酒造税は控除するというと、売上はどうするのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 言葉が不備だつたかも知れませんが、酒税はその相当額を売上金額に入れている、その場合には控除いたします。売上金額の中に入れていない場合には控除いたしません。大体人税的な形のものは控除しない、その他のものはみんな控除しようというふうな考え方をいたしております。
○堀末治君 もう一つ、普通法人がこういう社会事業や、公益事業にした寄附に対してはどういうふうにしますか。普通法人か今言われた通り、社会事業とか、公益事業に寄附する、その寄附についてはどうするか。
○政府委員(奧野誠亮君) 公益法人についてしかそういう制度を設けませんので、一般の法人が寄附金等を出します場合にも、寄附金の中の四%ぐらいのものはやはり負科して頂いた方が穏当であろう、法人税や所得税の場合にはその率が非常に高いのでありますけれども、附加価値税の場合でしたら、特にそれについての制度を設けない方が穏当であろうというふうな考え方を持つております。
○岩木哲夫君 お尋ねします。このいろいろ項目が並べられて、おりまするが、例えば宣伝広告費なんかは、宣伝広告屋に支拂う金額であろうとは思いまするが、併し宣伝広告費は、例えばそれも旅費を含むのだ、或いは向こうでいろいろの宣伝用に対しての物を買つたとか、或いは人を雇つたとかいうようなものも含むというような、広義の解釈を利用することか非常に、これは一例でありますが、起ると思いますが、そういつたものを一々検査、査察かできますか、お考えを伺いたい。
○政府委員(奧野誠亮君) もとより御指摘のような認定の問題に属するものは相当あるだろうと思います。ただ原則は事業に直接必要なものでなければならないということと、更に又外部に支出する金額でなければならないということ、これは第七項の本文に載つているわけでございまして、これで認定して行くより仕方がないであろうというふうに存じております。
○岩木哲夫君 例えば生命保険だとか、厚生費だとかいうようなものも、強いてこの中へ含もうと思えば含め得られるようなことにもなる事業体が沢山あると思いますが、そういうことに対する防止と言いますか、認定の方法は非常に複雑になつて来ると思いますが、政府はそれを大体見込んでのお話でありますかどうか、お伺いしたい。
○政府委員(奧野誠亮君) 特に損害保険料だけしか控除しないように規定しております。福利厚生施設の問題は、事業に直接必要だという中には入らないという解釈を取つております。併し御指摘のように非常にむずかしい問題が課税の面においては起きるだろうと思います。それにしても法人税や所得税程むずかしいことはないんじやなかろうかというふうな考えを持つておるのでございまして、先程その大原則として申上げましたように、それを支出金額と見まして、更に相手方に対して課税して行くことができるんじやないだろうかというふうなところで、大体やつて行けるんじやなかろうかというような予測をしております。
○岩木哲夫君 それでこれを狭義に解釈いたしますれば、例えば今私が一例を挙げました厚生費、生命保険費などを支拂つておる各会社、事業体というものが沢山あるのでございます。そうすると又これを課税の対象にするということになりますと、勢いこれを支拂わないようなことになつて来るというようなことで、非常に恐怖を感ずる向も早くもあるようでありまするが、それはそういうことになることは、月給を受ける方、雇われる人は、こういう税法が決められるということに対して、非常な不利、恐慌を感じておりますが、これは別個の方法を講じても、そういつた従来人件費であるのか、事業督励費であるのか分らんようなものについての沢山巧妙な手段が生れて来ると思いまするか、それは一々各市町村長が判定するのですか、府県が判定するのですか、どうか、それをお聞きしたい。
○政府委員(奧野誠亮君) 実際問題として、先に申上げましたように、認定に属するものにあるのでございますけれども、所得額を計算いたします場合に必要な経費と見るか、見ないかというふうな範囲よりは、遥かに容易に区分ができるんじやなかろうかと考えるのでありまして、その意味におきましては所得計算等は一つも心配ないんじやなかろうかというふうに考えておりまして、もとよりむずかしい問題を規定しておるものではございません。
○岩木哲夫君 これは先程お聞きしたことを又お聞きするのでございますが、この企業資金、運転資金等の借入に対する各企業体の支拂う利子、それから借入しておる金額の総計、大体の目安でも一つ御教示願いたい。その利子に対する課税が何ぼに相当しておるかということを見たいためもあるわけですが、これは重要な各企業体のコストの上に起ります問題のみならず、日本の金融状態、資金関係を現す上におきまして非常に大きな問題だろうと思うのです。
○委員長(岡本愛祐君) それでは明日までに調査を願います。それでは第三十一條。
○政府委員(荻田保君) この三十一條の規定は、いわゆる赤字附加価値の問題でございます。つまり総売上金額から控除する支出金額の方が総売上金額より多い場合がございますかこれは固定資産の取得額をその年度におきまして全額控除いたしますからであります。その場合にはその超過いたしました額は、五ケ年間だけは後に繰越して控除することができるようになつております。
○岩木哲夫君 これが又大きな問題で、先程鈴木先生が言われるような工合で、何といいますか、非常に恐怖を感じておるのはこの点にもあるわけですが、これはちよつと人件費、地代、家賃、支拂利子、そして利益かあるならば利益に課すという以外の又問題であろうと思うのであります。これは何ともならんわけですか。凡そ政府はこの金額についてどれくらいの見通しを持つておりますか。
○政府委員(荻田保君) これは、この赤字附加価値は後へ繰越して行く規定でありまして、むしろ業者にとりましては却つて有利になる規定でございますが……
○岩木哲夫君 その赤字を政府は繰越すことは分つておりますが、赤字は大体今度附加価値の対象として、赤字企業体がどれくらいの赤字総額になるかという見通しを私は聞きたい。
○政府委員(荻田保君) 一応赤字附加価値の繰越は四十億と見ております。
○岩木哲夫君 赤字繰越の四十億というのは、四十億を五ヵ年に繰越して行くという意味でありますか、徴税を翌年に繰越して行くという意味でありますか。
○政府委員(荻田保君) つまり四十億円だけこの赤字附加価値が出ますから、この金額だけは二十六年度において附加価値額より控除することになつておるのであります。
○岩木哲夫君 そうすると政府が附加価値税の微收目標である四百十九億でありますか、にプラス四十億という意味ですか。
○政府委員(荻田保君) 四百十九億の計算の中には、この四十億を繰越すものとして計算いたしております。四十億は附加価値税じやなくて、付加価値額でございます。
○委員長(岡本愛祐君) 次に移ります。第三十二條。
○政府委員(荻田保君) 本條は、附加価値税の税率を規定したのでございます。第一種事業につきましては百分の四、第二種事業及び第三種事業につきましては百分の三でございまして、これが標準税率でございますが、制限税率の規定を設けまして、その場合でも、標準税率を超過して課税する場合におきましても、第一種事業につきましては百分の八、第二極事業又は第三種事業につきましては百分の六を超えることができないのであります。で、この道府県は前項の標準税率、今申しました標準税率と上でも下でも異なる税率で課税しようという場合には、予め神方財政委員会に対しましてその旨を届出るようにしております。これは届出だけでございまして、別に許可とか認可とかいうようなことはございません。それから附加価値税の税率は、年度の途中において改正するというようなことが仮にありましても、その税率は半々年分に適用するとか何とかそういうことはできないのでありまして、同一年度におきましては、同一税率によらなければならない旨を規定しております。
○岩木哲夫君 この百分の四だとか百分の三だとかいうものは、四百十九億取るという逆算で割出したのではないと政府はおつしやいましようが、一応提出資料を見ますと、附加価値対象総額は二兆を越すという見方もあるのでありまして、そういうことは若し確実であるならば、初先度百分の四又は百分の三でも、政府の予定せる四百十九億の倍も取れることになるということも一つの大きな問題とされておるようでありますが、百分の四乃至は百分の三というものは、妥当なものではないということは、全般の反対意見の中心をなしておる。そこで、従来の事業税、取引高等の状態から見て、心向きに失する、而も範囲を拡大したという点等についての政府の考えはどうですか。
○政府委員(荻田保君) この従来の事業税の課税標準が、利益でございましたのを、附加価値に改めました根本の問題につきましては、たびたび申上げておるところでございますが、この税率を決めましたことにつきましては、單に四百二十億を取るために逆算したというだけではなくて、事業に対する負担は他の税とのかみ合せ或いは従来の事業税、取引高税の負担、そういう点を総合いたしまして、この程度を以ちまして適当と考えたのであります。これを取り過ぎるというような意見が相当あるのでございまするが、政府といたしましてはたびたび御説明をいたしておりますし、詳細な資料を出してございますように、この税率を以ちまして、大体本年度は四百十九億の收入があるものと考えております。仮に非常にこれが違うというようなことがありますれば、それと将来の地方税法改正の問題といたしたいと考えております。
○岩木哲夫君 これは逆算しただけの理由でないということは、やはり逆算したという理由も含まれておることだと思うのでありますが、どうもこの点については相当問題が大きいのでありまして、特にこれが工業方面或いは人間を沢山使つて企業をしている者、或いは社会公共のために企業をしておるといつたような方面の打撃というものは深刻なものがあるのでありまして、販売業と、それからその内容が違つてそれがために一種、二種、三種とそれぞれの目標を付けておられると思うのでありますが、実際問題としては非常に不均衡が生じて来ると、企業体において非常に不均衡が生じて来るということが又大きな反対の理由ともなつておるのでありますが、なぜもう少しこの百分の四だとか三とかいつたものと、一種、二種、三種の区分けを細密にやらないと取る方は方法か簡略で、政府はいいかも知れませんが、取られる方としては重大な文句がここにあるわけですが、将来逆算の対象として百分の四なり三を決めたと言われ、その他にも理由があるかも知れませんが、実際問題として、逆算の結果こういうパーセンテージが生まれて来たことにつきましては、非常に本附加価値税創設の重大なる税率決定の上に非難が多いので奉ります。でありまするからこれに対して将来政府におきましては何らか適切な、この法案はどうせ通ることだと思いますが、適切な指導措置が要るんではないかと思いますが、それに対して御見解を伺つて置きたいと思います。
○政府委員(小野哲君) 只今岩木さんから御指摘がございましたが、この税率を決定するにつきましては、この法律案の立案の過程において、政府におきましても相当各見地から検討を加えて参つたのであります。種々なる諸費料に基きまして、関係方面は勿論、政府内部の関係当局とも十分な連絡もとり、又計算の上につきましても相談をして参りまして、結局においてこの程度の税率が妥当である、かような結論を得たわけであります。ただ岩木さんが言われますように、この法律が実施されました暁において、更に将来において研究をいたすべき機会がないとも限らないと存じますので、只今お話のありました御趣旨の点は十分に体しまして今後とも研究を続けて参りたい、かように考えております。
○西郷吉之助君 ここに第二種、第三種事業として百分の三となつておりますが、第二種、第三種と分けたんですから、その業種別によつてこれを同じく百分の三とすることは適当じやないのじやないか。やはり二種、三種と分れた理由があるのですから、それにはやはり段階を付けるべきではなかつたのですか。
○政府委員(荻田保君) これは結論的には大体負担はこの二段階で差支ないと思いますが、二種と三種と分けました理由でございまするが、同じような種類のものはこの二つに分けて規定した方がいいと考えたのでありまして、この第二種において原始産業、第三種において自由職業、それには公衆浴場のようなものが入つておりますが、分けたのでありまして、その外の第二種事業につきましては、殊に自家労力を主体とするようなものは免税というようなことも奉りますので、二つに分けることを適当と考えたわけでございます。
○西郷吉之助君 そうすると、税金も同率であつて、ただあれを羅列する場合に……、実際にこういう税率の違いもなく、單に業種別を三つに分けたに過ぎないじやないですか。
○政府委員(荻田保君) 大体さようでございます。
○西郷吉之助君 この第三項で同一年度内においては、同一税率によらなければならないという規定があるのですが、例えば熱海の大火があつたという場合に、あの地方の附加価値税を軽減してやるというようなことは、実際はそれによりますとできないということになりますか。
○政府委員(荻田保君) それは可能でございます。併しその引下げました率は、その年度全体の附加価値についてやるので、年度の途中で区分するということができないという規定でございます。
○西郷吉之助君 そうすると、これはそういうことになつて来ますと、例えば時期によりましては……それが同一年度となつておりますと、例えば火事なら火事があつた場合、その時期によつてはそれが二種類に段階が付くからできないというようなことになりはしませんか。引下げることができないということになるということはありませんか。
○政府委員(荻田保君) 減免の規定でございますから、一応その率はその年度に始めに決まりました率で課税せしめます。それの何判から何割を免税するということにかりますから差支ありません。
○鈴木直人君 私は先程、岩木君の質問に対して小野政務次官から答弁があつたのでまあ盡しておるわけなんですけれども、標準税率を各府県、市町村において課税する場合に、第一條の第一項の五号によれば、必ずしもこれによることを要しない税率と、こういうふうなことがあるわけですが、それに関連して、この三十二條の第二項には、標準税率と異なる税率で課税しようとする場合は、予め地方財政委員会にその許可を受けなければならんという、こういう規定が彫るわけです。それでこの運営について、むしろ意見なんですけれども、先程各党の代表を議長が招集されて、そうして関係方面との改正案に対する折衝の結果が報告された際に、関係方面においては、必ずしもいわゆる税率のかけ方には府県、市町村においては相当にゆとりがある筈である、そういうふうに法律がなつておる筈である、従つてその府県、市町村がその標準税率というものより以下でかけてもいいというような、これは或る場合にはそれをやればいいのだから、一定してそれによらなければならんということではないという相当のゆとりがあることになつておるからして、この法律というものは実施する場合においては、そういうことを考慮すれば必ずしも重税ということになるわけではないというようなことを話されたそうです。そういう報告を聞いたのですが、勿論標準税率は、地方財政平衡交付金によるところの基準財政收入額を算出する基準となるわけでありますが、その基礎を算定する基礎としてこれが用いられるために、市町村がその基礎としては標準税率を採用して平衡交付金を貰うけれども、併しながら実際の場合にはそれ以下の課税をする、七一〇%程度の税が未納ということを見込まないで、全部その町村においては税を納めて貰いたい。その代りには少し下げるというようなこともあり得ると思うのですが、そういう際には、予めこれは地方財政委員会に届けなければならんということになるのですが、先般の政府委員の説明によりますというと、若し標準税率よりも低いところの税を現実にかけておるというようなことのあつた場合においては、実は地方財政委員会においては平衡交付金の額を減らすというようなこともあり得るのだというような答弁もあつたように記憶しております。従つてこの三十二條の第二項というものを、届出があつた場合には、地方財政委員会においてやはりその届出を見て、そうして平衡交付金等においてどの程度の加減をするのか、私の希望としては、修正というより却つて可能でありましようけれども、仮にこういう税法が通つたという場合には、只今小野政務次官も今後研究して改正することもあり得るであろうということでありましたけれども、まあそういうことかない段階において、この第二項をどの程度にこれは活用しようとしておるか、届出によつて、ただこの程度の税がどの府県にはあるのだということを知る程度なのか、或いはその届出を見て、あの府県はどうも標準税率より下廻る税率で課税している、それだからしてこれは平衡交付金に相当考慮しなければならんというような資料にしようとするのか、この点のお考えを一つ聞いて置きたいと思うのです。
○政府委員(小野哲君) 鈴木さんの御意見は誠に御尤もな点があると存じます。標準税率の建前から申しまして、当該地方団体の財政の事情なり、或いは課税力の状況によりまして弾力性のあることはお説の通りだと思います。その場合において第三十二條第二項がどんなふうに働くか、地方財政委員会の権限の行使との関係であろうと存じますが、この標準税率と異つた税率で課税しようとする場合においては、予め地方財政委員会に対しましてその旨を届出る義務を道府県に負担させておるのでありまするが、これはその取扱方を愼重にする意味を持つておることは申すまでもないのでありますが、同時に届出によつて、地方財政の運営に関したる仕事をやつております地方財政委員会におきまして、必要に応じては適当な勧告もなし得る機会もこれによつて得られることになろうかと思いますので、かような意味合からこの第七項が置かれておるような次第でございます。尚今後の附加価値税の標準税率の各道府県における運用につきましては、地方財政委員会におきましても十分な注意を拂つて、これに対して又届出等がございました場合におきましては、善処するであろうことを期待いたしておる次第でございます。
○西郷吉之助君 只今の二項の点ですね、この前は届出しなければならないと言われたのが、今義務付けるのだというようなお話がありましたので、この前の説明では軽い意味において單に報告だけに止めるのだというふうに終つたように思うのですが、その点を重ねて伺うのと、「あらかじめ」とあるのは、君上強い意味であるならば、違つた税率の場合はその点妥当でないから変更しろというようなことを財政委員会はするつもりか、その点を伺つて置きたいのです。
○政府委員(小野哲君) 私が申上げました義務付けておるというのは、勿論この届出は、西郷さんの言われますように、報告をするということになるのでありまするが、それをすることに義務付けられておる、こういう意味であります。でその場合に地方財政委員会としては、その内容を見まして、必要に応じては勧告することができることになつておるのであります。
○西郷吉之助君 それから第一項の制限税率のこの率ですが、御承知の通りこれはまだ実行されない前から各業界は非常にこれに震えておるのです。然るにその倍率を制限税率の方に加えておるというふうに書かれてあるのですが、こういうふうなまだ世界中に出たこともないような税の場合には、この制限税率というのは少し高過ぎて、このために非常に業界に危惧を與えるのじやないかと思うのですが、今日政府側は民間業界の猛烈なるこれに対する反対意向を聞かれておると思うのですが、百分の八とか百分の六というものを今日考えられて、こういうふうな税率をかけたら、今の事業の発展を阻害するし、又こういう高い制限税率はもつと低めるべきではないかと思うのですが、その点に対してどういうふうに考えておられるか伺つて置きたいと思います。
○政府委員(荻田保君) これは勿論最高の場合でございまするので、このような高いものをそう沢山のものに課税すると期待しておりませんし、二十五年度あたり、そうこの標準税率をオーバーするものはないと思つておりますか、ただ飽くまでもこの税率についての地方団体の自主性を尊重するという全体を通じての考えでございまして、むしろその意味では制限税率を設けないという理想を立てておるのでありまするが、ただ附加価値税につきましては流通税であるというようなことも考えまして、特に制限税率を設けたのでありますから、この程度で差支ないと考えております。
○委員長(岡本愛祐君) では三十三條、三十四條に移ります。両方同時にやつて下さい。
○政府委員(荻田保君) 三十三條は、法人につきましてどの年度の税率を適用するかということを規定したのでありまして、法人につきましては、法人の事業年度が終了する日の属する年度の税率ということを規定しておるわけであります。
 次は免税点の規定でありまして、附加価値九万円を以ちまして免税とするが、それは十二月分と書いてございまするので、その事業を若しも年間フルございます。ただこの九万円という額に行わない場合は月割りになるわけでが、その道府県の財政上その他の特別な必要がある場合におきまして、必要と考える場合にはこれをもう少し下げて定めることもできるようになつております。
○西郷吉之助君 九万円という金額は、年間を通じて行えない事業等を勘案されておることだと思うのですが、それはまあ九万円としたのは、一年間を通じて行えない事業、例えば海草を探る事業、そういうような事業は年度の間三月くらいしか行えないから九万円にされたのか、その九万円の根拠について一つ伺いたい。
○政府委員(荻田保君) これはつまり法人を狙つておりまして、法人は事業年度ごとに納めますから、例えば半年を以ちまして事業年度としておる場合には四万五千円、一つの年度について四万五千円が免税点になるということでございます。

○委員長(岡本愛祐君) じや次へ移ります。第三款、申告納付並びに更正及び決定。
○政府委員(荻田保君) 本款は、附加価値税の納税の方法を書いてございまして、この税につきましては申告納付の制度をとることにしております。第三十五條におきまして、申告納付のうち、この法人分につきましての規定でございます。法人は、事業年度終了の日から一月以内に申告納付をいたします。尚合併によりました場合の特例があります。それから第三項におきまして、提出する書類がどれどれ必要であるかということを規定しております。それから第四項におきまして、後に出ておりまする概算をいたします場合でございまするので、この納付した額は申告納付の際に控除して納付することになつております。第五項は、前條の規定に該当するもの、法人の免税点になるものでございましても、免税点以下のものでございましても、條例の定めるところによりまして、税は納めなくても各項の規定の申告をしなければならない、脱税を防止するような意味で、免税者に対しましても、一応申告だけはとるという規定でございます。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ありませんか、次に三十六條。
○政府委員(荻田保君) 三十六條は、法人の概算納付の規定でございまして、事業年度が六月を超えるもの、例えば一年を事業年度とするようなものにつきましては、六ヶ月経ちましたときに概算の納付をさせます。その概算納付の額は、ここにございますように、「前事業年度の附加価値額を同事業年度の月数で除して得た額の六倍の額」とございまして、要するに前事業年度の分の附加価値額をそのまま一応概算納付させるわけでございます。併しながら但書にございますように、その年度の附加価値額の見込額が前事業年度の附加価値額の二分の一以下に低下するというようなものは、それを証明するに足る証拠を提出いたしまして道府県知県の承認を得たときには、この見込額によりまして納付することができるようになつております。二項は、それに必要な手続規定でございます。二項、三項、四項いずれもそれに対しまする手続規定でございまするが、五項におきまして、前事業年度の附加価値額というものがない場合、附加価値税を納付することを要しなかつたものとか、或いは新らしく設立した法人、こういうものにつきましては、この概算期間の附加価値額を課税標準といたしまして算定した附加価値額を概算納付することになります、尚この新らしく設立いたした法人で設立した目の属する事業年度が九ヶ月を超えない場合、こういう場合にはもう概算納付をすることを要しない、事業年度が済んでから普通の納付だけをする。それから第六項におきまして、概算納付いたします場合の、この課税標準とした附加価値額とか、或いは附加価値税額を記載した概算納付書に書きまする事項を規定したのであります。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。次に移ります。三十七條。
○政府委員(荻田保君) 個人につきましては、概算納付を一ヶ年の中に二回行いまして、最後に本当の申告納付をするという建前になつております。それで先ず概算納付の場合でございまするか、毎年五月三十一日と九月三十日と、この二回に概算納付をいたします。それはやはり前年度の附加価価額に基きまして税額を算定いたします。つまりこれの三分の一を以ちまして概算納付をいたします。その額が、やはりその年の見込額が前年の見込額の確定額の二分の一以下に低下することが明らかであつて、それを証明するに足る証拠を出した場合には、やはりその見込額によりまして概算納付をすることができるようになります。二項は新らしく事業を開始したときで、前年におきまして附加価値税を納めないで、概算納付をいたします根拠のありませんものにつきましての特例でございます。三項、四項、五項は、これに要しまする手続規定でございます。第六項はやはりこれらに添付すべき書類等の要件を書いております。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。次に移ります。ここらは手続規定で一度やつたことですから簡單に一つ。
○政府委員(荻田保君) 第三十八條は、個人の附加価値税の申告納付でありまして、一月一日から十二月三十一日までのものを、翌年の二月以内に申告納付することにしております。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。二十九條。
○政府委員(荻田保君) 以下は、附加価値税で御説明いたしました修正申告と、その他の手続でございますが、これは修正した申告の場合でございます。
○委員長(岡本愛祐君) 何條までですか。
○政府委員(荻田保君) 五十一條まで。
○委員長(岡本愛祐君) では三十九條から五十一條までは、前に御審議願いましたところと同じでございますから、省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) ではそう計らいます。五十二條。
○政府委員(荻田保君) 五十二條におきまして、本税におきましては、国税に倣いまして青色申告のことを規定いたしております。國税と同様に、地方財政委員会規則で定める記載事項を記載いたしました帳簿書類を備えたものに対しましては、いわゆる青色申告の方法をとることができるようにしております。大体そういう規定でございまして、あとはそれに関しまする事務的なことを書いた規定でございます。
○委員長(岡本愛祐君) 五十二條、御質問ございませんか。五十三條。
○政府委員(荻田保君) 五十三條で、青色申告を出しました者に対しまする効果でございます。これにつきましては、道府県側からその提出いたしました申告書に更正又は決定をしようとする場合には、その帳簿を調査して地方財政委員会規則で定める記載事項が正確に記載されていないことを指摘し、その指定したところに基かなければ、これをすることができない。勝手に道府県の側で、申告額を適当でないと認めるということはできないようにしてございます。
○委員長(岡本愛祐君) 五十三條、御質問ありませんか。五十四條。
○政府委員(荻田保君) これは、事務所が二以上の道府県にありまする納税者に対しまする課税でございます。これは事務所又は事業所ごとに分割いたしまして附加価値税を納付することになります。その分割の基準は、第三項にございまするように、製造業、電気供給業、ガス供給業、自動車道事業、運河業、さん橋業、船舶ていけい場業、貨物陸揚場業等、つまり固定資産を非常に多く使います事業につきましては、附加価値額の総額の二分の一を当該事務所又は事業所の固定資産の価額に他の二分の一を従業者の給與額に按分して行います。その以外のものについては、全部を従業者の給與額によつて按分するという建前になつております。
○委員長(岡本愛祐君) 五十四條、御質問ございませんか。五十五條。
○政府委員(荻田保君) 五十五條は、そのような納税者に対しまして更正、決定を行う場合には本店所在地、主たる事務所所在地の道府県知事が行うのでありますが、地方財政委員会がこれに指示をいたします、この指示に基いて行わなければならないことになつております。
○委員長(岡本愛祐君) 五十六條。
○政府委員(荻田保君) 五十六條、これは今申しました地方財政委員会が指示するために、いろいろ調査をしなければなりませんので、その事務局の職員に質問検査権を考えております。
 それから尚ついででございますが、その次は、それに伴いまする罰則でございます。
○委員長(岡本愛祐君) これは前と同じですね。……御質問ございませんか。それじや五十六條、五十七條は終つたことにいたします。第四款、更正、決定等に関する救済。
○政府委員(荻田保君) これは、普通ございます規定と全然同じでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 四款は、前に御審議願いましたのと同様でございますから省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。第五款、督促及び滞納処分。
○政府委員(荻田保君) この五款も、普通と同じでございます。六款の犯則取締も、他の例と同じでございます。
○委員長(岡本愛祐君) 五款、六款は、前に御審議願いましたものと同一でございますから省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) ではさよう取計らいます。第七款、経過措置、第七十條。
○政府委員(荻田保君) これは、本年度の附加価値税についての特例を規定しております。第七十條におきまして、先ず法人の附加価値税をいつから適用するかという問題でございますが、これは昭和二十五年一月一日の属する事業年度分から適用いたします。個人につきましては、一月一日からの附加価値につきまして適用いたします。尚、青色申告に関する規定、これは来年から適用することにいたします。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。それでは七十一條。
○政府委員(荻田保君) 従いまして昭和二十三年一月一日以前の事業年度の事業に対しましては、事業税を適用いたします。個人につきましても同様でございますが、それにつきましては、従来の例によりまして事業税を取つて行くことになつております。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。七十二條。
○政府委員(荻田保君) 七十五條は、法人につきまして、この一月一日に跨つて事業年度がある場合、こういうものに対しまして、どういう税をかけるかという問題でございますが、これは当該事業年度につきまして、両方の税を課税することになつております。その打数によりまして、事業税と附加価値税とに按分することになつております。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。次に七十三條。
○政府委員(荻田保君) 七十三條は、個人の附加価値税の特例でございますが、これは、この前年の実績、つまり概算納付は、前年度の実績によつて納めることがございませんから、これにつきましては、この見積額によつて、従前納めております事業税額或いは特別所得税額を以ちまして附加価値税額とみなしまして概算納付することになつております。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。次に七十四條。
○政府委員(荻田保君) これは、附加価値にかかります課税標準の特例でございまして、これはすでにたびたびお話が出ておりますが、二十五年度分に限りまして、銀行業及び無盡業、信託業、保険業、運送業及び倉庫業の附加価値税につきましては、附加価値の計算をいたしませんで、ここにありますような案を以ちまして総売上金額に、掛けたものを以ちまして附加価値額とみなしまして、附加価値税を納めることができるという選択的な規定を置いたわけであります。それから第二項に書いてありますのは、それぞれ総売上金額というのは、こういうのを言うのであります。
○西郷吉之助君 信託業を百分の百とした理由はどういうわけですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 信託業は、現在は銀行業と兼営しているものばかりであります。貸借対照表の上では信託勘定として信託報酬だけ載せているわけであります。あとは、例えば不動産の貸付を信託しておるという場合には、その受けます売上金額に対応する管理に要する人件費や修繕費は、それぞれ銀行勘定に出ておか、銀行業の方で支出金額として算定しておりますので、信託業の方では信託報酬を全額附加価値と見ることにしたわけであります。信託業務を正確に言いますれば、総収入金額がありまして、その中から信託した人に渡します金と、それから銀行自体がいろいろと支出しております金と、それから信託報酬と三つになるわけであります。信託勘定では、信託報酬だけやつておりますので、これはまるまる捕捉した方がよろしいという考え方であります。
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質疑ありませんか。
 それでは附加価値税は、これで逐條審議を終ることにいたします。尚これで地方税法案に逐條審議を終つたことになります。尚国務大臣に対する質問が残つておりますが、今日も国務大臣の出席を要求したのでありますが、遂にお見えになりません。甚だ遺憾であります。明日は午前十時から地方行政、大蔵、文部の連合委員会を開きまして、地方財政平衡交付金法案につきまして審議をいたしますから、明日十時にどうぞお集まり願います。殊に政府側の方は十時に……

○西郷吉之助君 明日からは逐條でなく一般質問に入るのですから、国務大臣に是非出席して頂かないと、予定通りに行かなくなりますから。そうするとそれは政府の責任になりますからその点よく言つて下さい。
○委員長(岡本愛祐君) 只今申しましたように、国務大臣の出席がないので甚だ本委員会といたしましては、審議の上に支障があつたのであります。で只今西郷委員又しばしば岩木委員から要求がありましたのでありまするから、必ず刻限に出席するようにお願いいたします。
○政府委員(奧野誠亮君) 岩木さんから償却資産に対して実際の納税義務者は何人おるかという御質問があつたのですが、事業税から算定いたして参りますと、先ず二百万人くらいあるということを推定いたしております。
○委員長(岡本愛祐君) それではこれで散会いたします。
   午後六時三十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
           堀  末治君
           岩木 哲夫君
   委員
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           山田 佐一君
           林屋亀次郎君
           木内キヤウ君
           西郷吉之助君
           鈴木 直人君
           米倉 龍也君
  委員外議員
           中平常太郎君
  衆議院議員
           川本 末治君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   地方自治庁次長 荻田  保君
   総理府事務官兼
   法務府事務官
   (地方自治庁連
   絡行政部長法制
   意見総務室主
   幹)      高辻 正己君
   総理府事務官
   (地方自治庁財
   政課長)    奧野 誠亮君
   国家消防庁長官 新井 茂司君
   国家消防庁事務
   官
   (管理局長)  龍野 好曉君
  衆議院事務局側
   常任委員会専門
   員       有松  昇君