第007回国会 通商産業委員会 第24号
昭和二十五年四月二十七日(木曜日)
   午後二時九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小型自動車競争法案(衆議院提出)
○特別鉱害復旧臨時措置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
○委員長(高橋啓君) 只今より通産委員会を開会いたします。
 小型自動車競走法案を議題といたします。本案に対して御質疑がございましたらどうぞ御質疑を願います。
○境野清雄君 提案者の方へお伺いしたいのでありますが、大体自転車競技法と比較しまして、一競走上に必要な自動車の数並びに選手の数というものはどんな数字になつておりますか。
○衆議院議員(栗山長次郎君) 境野委員にお尋ねいたします。一回毎の出場数ですか。
○境野清雄君 いいえ、一回に六日なら六日間やりますその総体に要する選手の数と自動車の数。
○衆議院議員(栗山長次郎君) 約選手の数は百でございます。車両の数もこれにやや匹敵するものでございます。
○境野清雄君 そうしますと、この間のお話では現在選手の数は大体二百名から三百名ある。それから車両の方も百五十台から二百台あるというような提案者の御説明でしたが、これは大体今あるというものはオートバイだけの選手であり、オートバイだけの車両がこれだけあるので、自動車というものに対しては全然準備はないと思うのですが、その点についてお伺いいたします。
○衆議院議員(栗山長次郎君) 仰せの通り只今すぐに競走に参加し得る三輪車、四輪車はありましても、殆んど雛形程度のものでございます。それで衆議院でこれを研究いたします場合に、そういう三輪車、四輪車の小型を作つております製造家の意見を聽し、又競走に出場し得るような車両の急速なる製造が可能であるかどうか質しました際に、半年ぐらいのうちには相当数出場し得るようになし得るであろうということでありました。
○境野清雄君 そうしますと、今この法案が通過したとしまして、競走場ができますまでには、今の車両なり、選手なりというものは揃うというお見込でございますね。
○衆議院議員(栗山長次郎君) 法案が成立を見るに至りましても、競走場を整備いたしますにはどうしても三、四ケ月から五ケ月かかると存じますので、秋頃実際の競技は開始されると心得ておりますが、それまでには準備の方も、車両、選手共に充実して参るという目算でございます。
○境野清雄君 次に先般のお話で、自転車や競馬と違いまして、機械力が大半であるから、そこで八百長のような問題は大体ないのではないかというようなお話であつたのですけれども、これは今の提案者の御説明では機械力が七〇乃至八〇%ぐらい。それからドライバーの方のいわゆる技術的なものは二〇から三〇%ぐらいだというようなお話でしたが、これは提案者の方で御答弁、なんでしたら、政府の方からお願いしたいのですが、これが自転車と比較してどれくらいのウエートの違いがあるかという点を、お分りでしたらちよつと……
○衆議院議員(栗山長次郎君) 通産省の方から技術者が出ておられますから、そちらの方から補足的な説明があると思いますが、私共の調査と申しましても、これは適確なる統計によつて挙げた結論ではございませんけれども、競輪の方でありますと、むしろ人の力が七乃至八で、車が二、三というように概念的に考えられるのでございますが、それが自動車の場合で逆になりますことと、只今仰せの八百長に対する懸念は、私共立案に際していろいろ考えたのでございますが、車を主にして考えますこの考え方が、メーカーは自分の車の優勝若しくは敗けますことについては非常な関心を持つておりますので、車を作りましたものが、車を走らせる場合においても主なる関心を持つておる。それからどの自動車は平均速度はどのくらい出る、ハイスピードは相当距離走らしてどのくらい出る、レコードがございますからそのレコードを、強いて乗手が敗けてそれ以下の競走をするというような場合には、これに対する覿面の制裁を果し得る点が一つございます。それからこれはメーカー関係、国の関係でございますけれども、輸出を盛んにしようということが精神的な主な狙いでございますので、相当の記録を出させる。選手自身も日本の車を海外に紹介するために、自分のことは右手に考えで車の宣伝をしなければなんという、そうした精神的、道徳的な面が相当に強調されますので、八百長というようなことは極めて少いのではないかと考えておる次第でございます。
○境野清雄君 次に大体国庫收入というものは三%ぐらい、それから委託団体の費用が五%以内で、直接の扱い費が一七%ぐらいというので、二五%をこの法案で見ているようでありますが、先般競馬といわゆる競輪との比較対照のときに、競馬の方はこのパーセンテージが非常に高い。そうして自転車の方が低いというときに、これは噂で聞いたのでありますが、競馬の方を下げて呉れという問題を農林省当局の方で提案したところが、それはそうでなく競輪の方を上げたらいいのじやないかというようなお話があつたというようなことを聞いているのでありますが、それについてこの二五%というものが、小型自動車においてこのままで堅持でき得るかどうか、そのお見通しについて……
○衆議院議員(栗山長次郎君) お答え申しますが、これも想定数字に基いての計算でありますので、実際にやつてみなければ、こうであるということを確言することは少し行き過ぎかと存じますが、想定数字、全国で十ケ所ぐらい競走場ができて、そうして年に一ケ所で三回ずつ、合計三十回、而も一回において会期は六日間というような想定で行きますというと、約三十億の売上総金額が年にあることになるわけでございますが、それを一応の基礎にして計算をいたしますと、今御配慮にあずかりました売上金額の二五%をそちらに向けて、御指摘のようにこれを配分いたしましたならば経営は成り立つ。そうして都道府県の財政收入も八%乃至一〇%のネットの收入があろうという想定に基いた一応の結論に達している次第でございます。
○境野清雄君 そうしますと今のお話の中から大体市なら市、県なら県がこれをやるという場合に、七%乃至八%が財政收入になるというようなこの間の御説明であつたのでありますけれども、大体現行の小型自動車法案のままで行きますと、一県一ケ所というものは特殊の事情がない限り県庁所在地に許可するということに解釈できる。それは勿論他の鉄道なり、或いはその他の場所なりというものがあつて、営利会社がありまして、営利会社が提供する小型の自動車競走場というようなものができませば別ですが、そうでない限りは他の県庁所在地でない都市がやりましても、結局財政收入というものはない、零だというようなことになりますと、一応逆な見方で行きますと、県庁所在地以外は許可にならないというような形になるので、これは甚だ範囲が狭められてしまいまして、地方財政はひとり県庁所在地でなく、他の都市も相当窮乏しておりますので、そういう面に行きました場合に、直接の扱い費というものは一〇%であるし、県の財政收入が七%、八%あるうちの或る程度の半分ぐらいのものを、その行なつた土地の市の收入にするというような点を考えませんと、このままで行くとどうも県庁所在地以外許可されないというふうに解釈するのですが、その点に関してはお考えがあるかどうかという点……
○衆議院議員(栗山長次郎君) 施行者と、そうして競走場の所在します市町村、この二つの点に分けて考えました方が便宜かと存じますので、施行者は都道府県及び五大都市ということでありまして、その競走場がどこに設けられるかということは、その自治体の議会の決議によつて決まるのでございます。御指摘の県庁所在地以外の場所に指定されることも、十分多くの場合を考え得るのでございますが、そこで施行者に、先程申しました売上金額の百分の八乃至十のネット收入がある。併し競走場が当てがわれた市町村は、この法案に何ら代償を得る規定が盛つてないというのが御質問の要点のように存じますが、今までの法案が準備されまして、衆議院で審議され、又こちらにこうして御世話になつております間に見ます現象は、その競走場が設けられておる市町村への法律に基く考慮の如何に拘わらず、その地元の繁栄策とでもおぼしめすためでありましようか、非常に自分の方に欲しいといういわゆる呼寄せ、引張りの運動が盛んだそうであります。まだ法律の成立如何も今日疑問でありますが、いわゆる土地の繁栄策という点で、競走場になります市町村に法的根拠を持つたものがなくとも、十分これは歓迎されるものであるということが一応うなずけるのでありますが、自治警察等によつて、その場所のあります市町村は、秩序維持の責任がおのずから生ずるのでありまして、そういう観点につきましては、参議院の地方行政委員会の方々からも御指摘があり、私共立案中もどうしたらよかろうかということを考えたことがあるのでございますが、施行者である都道府県若しくは五大都市が、競走場のあります市町村に対して、治安維持とか、道路補修とかいう費用に充てるために、百分の二程度のものを自発的に交付するように考えたらどうか、その方法につきましては法に盛つてございませんが、通信省が監督官庁になりますので、通産省から地方に廻しまして、支出範例等に書きまして、自立的、自主的に行われるように取計つたならば、そういう方面までも十分考慮され、又実際問題として解決が着くのではないか、かように考えておる次第でございます。
○境野清雄君 今のお話で土地繁栄策上持つて来たいということがあるというお話ですが、それはこの法案をよく読まないものが何としても持つて来たいということで、結局その土地でありますれば、その土地の市民なり町民なりが一番欠損を負うのである。それから土地繁栄策と申しましても、そこに落ちた金は宿屋なり、その他のもので、市その他の財政には何ら関係がないものです。一応今のお話の通り国家警察、何なりが相当莫大な出費があるというので、これは或る程度助成を講じないと、一応県庁所在地以外というものは、これはなかなかやり得ないということになり、まして又これは八百メートルコースで三万坪という厖大な土地を充てておるところは、議論を述べましてもざらにある場所ではありませんから、これは相当そういう問題もありましようが、併し三万坪の土地を提供するということになりますと、一応今の百分の何がしというものは、定期的に入る收入がなければ県庁所在地以外の土地ではでき得ないと思いますので、一応これは法律案ではなくても、主催者の方でお考えになつてやつて頂かないと、これは非常に困難な問題に逢着すると思いますので、この点は御一考願いたいと思います。
 それから次に競輪の方は私余りよく覚えていないのですが、最初は三%の国庫收入というものが自転車工業の助成金として紐付ではなかつたように記憶いたしておるのですが、途中から自転車工業への紐付きとなつて、何か例えば中小企業庁の一億円の金にしても、そのうち七千万円を自転車工業へというようなふうに銘打つておるのでありますが、この小型自動車競走法案が提案者の御説明によりますと、自動車工業の非常な発達に貢献したいというふうな話であり、性能の向上、品質の改善というようなことを謳つてこの三%の国家の收入に、更に自動車工業への助成金的な措置が講じてないのでありますけれども、それでは最初の第一條に謳つてある法律の趣旨が何ら行えないのじやないか。こういうものに対して一応提案者といたしましては、いずれか何らかの方法でこの助成金措置を講じて道路を直すとか、或いは性能の向上、品質の改善を図るというようなもの、海外宣伝というような面に使い得る。こういうことに対しての一つお見通しをお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(栗山長次郎君) これは衆議院通産委員長の神田氏からお答え申した方がいいかと思いますが、衆議院の委員会におきましてもその点が問題になりまして、私原案を作成いたしました者といたしましては、先程お話のいわゆる国庫に入るものは紐付きになつてその事業の振興に廻わされるようにということを交渉いたしました。御想像のような手続きがございますので、その経過中にこれは落ちたのでございます。そこで衆議院の方の委員会の御審議の際にも、それでまあそれならばやむを得んとして、三%というものが国庫收入になるのだからやがて然るべき予算措置を講じて、そちらの振興に廻るようにしたらばどうかという強い御意見がありまして、強調されておる次第で、その場合政府当局も列車の上、それは了承しておることをお答え申上げて置きます。
○境野清雄君 次に許可権でありますが、この許可権に関しては第三條で、都道府県の議会の議決を経て、そうして第八條かで連合会への登録と、この二つで済むような形になつておりますけれども、これは一応自転車のように中央におけるこういうものを許可するなり、或いは自動車競走場なり、その県としてのいろいろの問題から見て許可して、是か非かというようなものに対する委員会的なものができず、ただ三條、八條によつて処理ができるということに解釈してよろしいのでございますか。
○衆議院議員(栗山長次郎君) その通りでございます。
○境野清雄君 この小型自動車競走会というものが莫然として謳つておるようですが、これの構成というものに対しては提案者の方は何か特殊なお考えをお持ちでございますか。
○衆議院議員(栗山長次郎君) 別に特殊な考え方は持つておりませんでございますけれども、独占禁止法、事業者団体法、いろいろなものがありますので、同好の士と相寄り、競走会を組織するという考え方が表向の考え方でございます。内容的に掘り下げて見ますと、これは自動車というものに関係のある人達、又競走に関係のある人達、学識経験があつて、その方の指導をなし得る人達、こういう方々の集りによつて、表面同好の士としての結合になるものと考えております。
○境野清雄君 従来競輪にしましても、今の小型自動車の第二十一條には、これは投票券の発売を停止する、その他必要な措置を命ずることができるというように謳つてありますが、従来これは勿論投票券の発売を停止するということは、即ちこの競走場の閉鎖を命ずると同じような形ですが、従来相当我々が考えてもこの法律に牴触するような問題がありながら、競輪場においては閉鎖を命ぜられた経験上の例を聞かないのであります。たまたま今朝の新聞には幾らかその辺の強いやり方、特にまあ千メートルを何か一分三十五秒以上かかつたものは一着にしないというようなことが謳つてありまして、大変まああれならば我々が納得できるというふうに考えたのですが、むしろ私共としてはこの小型自動車競走の許可というものに関心ましては、従来の競輪場における相当今まで経験した悪い点があるので、こういうものを全部取除いたものをでき得れば法案なり、他の面で謳つて頂いて、一般国民の疑惑を持たないように、いわゆる完全なスポーツであり、完全な自動車工業に貢献させるのだという面でこれをやつて行きたいと思うのでありますけれども、そういう面に関していわゆる一遍許可をしました競走場の閉鎖というような面に対して、もう少し強い法律的な條文を入れるというようなお考えがあるかどうかという点について……
○衆議院議員(栗山長次郎君) 構想いたしましたのは可成り厳格なものでありました。手続の途中にこれは民間が主として主催をし、又地方自治体が自主権を十分に発揮し得るようにというような意向が大分強く出まして、監督官庁としての通産省が標準を定め、手続を定める。そうして二十一條の発動によつて、いろいろな手続を経た上に提出さすべきものは提出させるという組立てになつたのでございますが、御注意の通り通産省といたしましてはあとで御答弁があると存じますが、省令に譲り得る事項が沢山ありますので、その省令中に弊害をでき得る限り除き得ますような措置を講ずることに私共連絡を得ておりますが、又我々もこれを強く要請をいたしております。通産省の方から一つお答えを願います。
○説明員(森誓夫君) 競走の公正、安全を確保するための規定といたしましては、規則に我々が只今考えておりますのは、そういう競走の公正、安全を害すると認められる場合には、車選手、或いは観客等の退場を施行者は命じ得ることができる、入場を拒否することができる、こういうような規定を考えておりますが、それ以上の細かいことになりますと、施行者が條例で以ていろいろ競技の運営上の細かい手続を決めるのでありますが、その際に御発言のありましたような制限記録を破つた者には賞を與えないとか、或いは又不正競走の勧誘を受けた者が申出た場合には、それに特別の賞金を與えるとかというような細かいことを規定いたします。そういう実際上の運営の細かい規定によつて、不正競走の防止をいたして行きたいというふうに考えております。これは現在競輪についての経験によつて得た考え方でありまして、それで大体において効果を達成できるというふうに考えております。
○境野清雄君 この競走場は三万坪からのものであり、相当経費がかかるもので、設立の費用が相当かかると思いますが、私共の抑えたところで、競輪の方は大体六日間の売上げが三千五百万円ぐらいあれば、やや收支のバランスが合つて行くのじやないかというふうに思つておりますが、この方は一体その收支のバランスのつく最低の目標はどのくらいのものでお立てになつておるかどうか、そういう点をお伺いしますと同時に、今の設立をする費用いわゆる設備費というようなものがどのくらいかかるかをお分りでありましたらお知らせ願いたい。
○衆議院議員(栗山長次郎君) 設備費の方からお答え申しますが、非公式な委員会、技術者、建設省の方も御参加であります非公式な委員会で検討されました結果、競走場の標準等もベースにいたしまして、六七千万円はかかるであろうということでございます。尤も土地の高い安いによつて違いますが、それは土地の関係を除いての計算でございます。標準收入として想定しておりますのは、六日間やりまして約一億円の売上総金額を想定いたしております。
○境野清雄君 従来競輪場におきましては、この設備費が市町村にないというために、株式組織なら株式組織のものにこの設備を請負わしてやるというために、私共が、二三聞いておるのには、相当忌わしい話を聞いておるのでありまして、利権問題や何かが相当絡んでおるというようなふうに聞いておるのであります。これはいずれ又通産省の方へ競輪場に対しても一応こういうものを再検討して貰いたいと思うのでありますが、この小型自動車競走というものに対して、若しそういうような市町村、或いは県に金がない場合に、株式会社にやらせるというときには、その株式会社そのものに対して、一応これならば是の株式会社、これは甚だ危険性があるぞということまで指定するなり何なりして、小型自動車の方でいいますと、何ですか、連合会ですか、連合会の方でその面まで一つ監督して頂くというような点までお考え願いませんと、従来の競輪場における轍を踏まないとも限らないので、こういう点についてどんなお考えを持つておるか、その点をお伺いいたします。
○衆議院議員(栗山長次郎君) 競走場の設営に関しましては、都道府県、五大都市の議会の決議によつてどこへやるかやらんかやるとしたらどこへやるかという場合でも、又それを設営する方法も同時に決議によるのでありますが、考えられます道は施行者……、都道府県、五大都市、これを施行者と称しますが、この法案においては施行者自体の設営をいたします場合、又半官半民でいたします場合、全然民間による場合、この三つが考えられるのでありますが、それを公正、適切に施設をする。責めは全部施行者の議会の監督にあるというのが法の建前であります。
○境野清雄君 今のお話ですが、特にお気を附け願いたいことは、従来の競輪におきましては、そういう噂を沢山聞いておるので、一つこの小型自動車については、その点を格別に実施して頂きたい、こういうように要望する次第であります。
○衆議院議員(栗山長次郎君) 御趣旨の程をよく徹底するように要請をさせます。
○境野清雄君 大体今その程度なんですが、今提案者の方からの御説明は一応納得いたしましたが、ただ提案者がこれを御説明せられただけでは実際の運用に当つては通産省の方にやりますので、通産省の方の機械局の方で同じお考えを持つておるつもりかどうか。又今の提案者の御説明通り通産省の直接監督省としてこれを今の提案者の御説明を、そのまま私共の方が鵜呑みにしてよろしいかどうか、そういう点に関して一つお伺いいたします。
○政府委員(宮幡靖君) 只今境野委員と提案者との間の御質疑の中に現われましたこと、及びそれ以外の本法案に関します点については、全部提案者の説明の通りで、通産省といたしましては支障はないものと考えております。特に衆議院側でこれを御提案なさいます場合におきまして、機械局の車輛部長、自動車課長等を或る意味の助手といたしまして参加せしめまして、通産省として考えます技術的の面、その他の面につきましての申入れをいたしまして、法案の中へ入れて頂いたような状況でございます。尚御指摘の、八百長も多かろうというようなことでございますが、この問題も、提案者の説明は、極めて少ないであろうと、絶無と申上げますのが本来であろうと思いますが、すでに競輪場に対します八百長問題も、大部世上の問題となつておりますので、その後適切な処置を講じまして、昨日の午前十一時を期しまして、今後の粛正方針につきまして発表いたしまして、皆様の御了解を得るような措置をとつておると同時に、その中に盛り込まれておりますのは、苟くも今まで現われました弊害は、悉くこれを是正して参る、かような方向に進んでおるわけであります。又今度の自動車競走場の建設費は、競輪場より多くて、その負担に堪えないので、他人に委託し、他人の施設いたしましたものを賃借する等の方法につきましても、忌わしい点もあるという御指摘もありましたが、この点につきましては、従来の例に照して見まして、大いに反省をすべき点があろうと思います。そこで、この点については、例えば民間の方々が、自転車場なり、自動車場なりを、株式会社で建設し、その事業目的が、これを賃貸してやるという事業目的でございまして、他の法令、命令に違反しない限り、この設立に対して、通産省といたしましては、関渉いたしますことは、もとより、不可能であろうと存じまするが、これを借りましてやる場合におきましての関渉は、或る程度可能であろうと考えております。この点につきましては、むしろ積極的に監視的な意味を以ちまして、十分さような不純な動機でできました競走場は、使用してはまかりならんというところまで参りたいと、かように考えるのでございます。大体におきまして、提案者の意思が、通産省、特に当局の機械局の意見と一致しての意向でございますので、何卒御了承頂きたいと思います。
○境野清雄君 ちよつと速記を止めて貰つて、一つ聽きたいのですがね。
○委員長(高橋啓君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(高橋啓君) 速記を始めて。
○廣瀬與兵衞君 この自転車競走ですね。あれに対して、今まで功罪と申しますか、或いは利益と損というようなバランスではありませんけれども、凡その見込みはどんなふうになつて参りましたか、この点一つ説明して頂きたいと思います。
○政府委員(宮幡靖君) 昭和二十三年十一月競輪を開始して以来、昭和二十五年三月の末日までに、開催延回数は百六十七回、車券の売上げ総額は百三十七億三千二百万円余でありまして、地方財政の純益は約十二億二千百八十四万円となつておりまして、この純益の使途について、いろいろありますが、大体庶民住宅の建設、学校の建設、主に新制中学等でありますが、そういうようなことで、戰災都市の復旧に悩んでおります方面に使われております。この外に特に愛の競輪というのをやりまして、この愛の競輪は、庶民住宅の建設ということに重点を置きまして、その純益を提供しておりまして、大体主催者の收益が九千四百万円というような程度のものが上げられておるわけであります。その外自転車産業に対しましても、予算に計上されております通りの措置を講じまして、害もありましたが、まあ功罪相償うという言葉では甚だ不適当でありますが、若しいろいろの弊害がなつたとするならば、この法案を実施いたしました効果というものは一応達成せられておるとかような状況でございます。
○廣瀬與兵衞君 地方は大分利益を得られたようでありますけれども、これが自転車そのものの改良になりましたかどうですか。私の聞き及ぶところによりますと、競走用の自転車のみに寄與して、普通に使う自転車には少しも貢献がないというようなことを聞いておりますが、これはどうですか。
○政府委員(宮幡靖君) その点は、これは見よう見方で、一概には申上げかねるのでありまして、或いはそういう自転車競走なるものに余り御賛同を頂きかねるお考えを持つております方々は、効果はないというようなことでありまするが、事実におきまして、この自転車工業の技術の発達して参りましたことは、これはその方の専門の方を待つまでもなく、体裁といい、実質といい、確かに進歩いたしておると、特にこれがインド、パキスタン、或いはタイ、ビルマというような方面に相当輸出の引合がありまして、戰後におきまして、輸出いたしましたものは、かなり不良品といたしまして、英国、或いは最近はドイツがすばらしく進出いたしておりますが、ベルギーの自転車等に完全に圧倒されましたが、逆に今度はその技術的な能力の点におきましても、価格の上におきましても、非常に近接して参りまして、海外市場に日本の自転車というものが進出する可能性を増して参つたと、手前味噌のようになりまして、自画自讃のようになりまするが、この自転車競争によりまして得ました收益によつて、確かにこの自転車工業の伸展のために寄與するところが今まででもあつたと、まだ開催いたしまして年数が若いことでありますので、十分これによつて全部ができたとは申上げかねますが、政府の施策と相俟つて、今後この收入をこの方面に繰入れまして、予算措置と相俟つて措置いたしますれば、自転車工業に寄與するところは大きなものがあろうと、実は期待しておるような次第であります。
○廣瀬與兵衞君 自転車競争で大穴を当てたとか、新聞によく出ておりますが、その半面私共は、大穴というようなことは殆どなくて、非常に金を使つてしまつて困つて、首を吊らなければならんとか、一家心中をしなければならんというような例を頻りに見るのでありますが、これは今後このオートバイの競走ができますと、又そういう悲惨な人が沢山できるのではないか。今政務次官の説明のように、機械もよくなり、地方も助かる反面には、この心中をしなければならんというような者も沢山できると思いますが、これを競輪と両々相俟つてどんどん発展をさすというような御意思でありましようか。それとも競輪の方は八百長が多いから、小型自動車と取つて代るのだというような御方針でありましようか。政府の方針を一つ伺いたい。
○政府委員(宮幡靖君) 政府として考えておりますことは、只今競輪をやめなければならないとは考えておりません。併しながら無制限にこれを津々浦々に至るまで盛んならしめまして、只今のような徒らに投機心といいますか、或いは射倖心をそそるというような状態にならないように、是非留めて参りたいと思います。
 御指摘のように、いろいろな御家庭上の悲惨事が現われたということは、特に取り上げて新聞でも報道されております。かようなことを絶無とは私共は申上げる勇気がないのでありますが、結局はさような事実になりますが、これは国民全般の生活というものが、やはりまだまだ安定への過程にありまして、完全に働くものが食えるという状況になつておらんような立場でありますので、その競輪で一つ一攫千金、借金を返す元にしてやろうと考えるとか、或いは普通では今一杯飲めないから、競輪で一儲けしてやろうというような思想から出たものか、或いは本当にまじめであつたが、誘われるままにさような境地になつた。その行き方自体によつて判断がいろいろあろうかと思いますが、多くはやけくそ気味が手伝つているものがあることは今日調べてみると明らかになつて来る事実であります。これを以て射倖心をそそつたり、投機心をそそる点も絶対にないと私は否定するものではありませんが、これはやはりそれぞれの立場でありまして、その事実を以て競輪を廃止すべきだという議論にもなり難いと思つておりますのみならず、御心配を頂いております八百長の問題につきましては、先般も申上げました通り、今度は、従来やつておる八百長のできそうにあります單勝法という投票方法をやめまして、三連勝というようなトリプルの方法で、三人一、二、三と入つて来なければ勝者にならないというような方法、尚ダブルウインと申しまして、第一レースの一番と第七レースの一番と組合いまして、一番になつた場合でなければ投票上の勝者になれないというような複雑な操作によつて、八百長にならないような投票様式に今後改めるつもりであります。いろいろ研究した結果、これがよろしいと思います。選手等につきましても、合宿所等を設けまして、そこに收容する。只今後楽園でやつておりますが、後楽園に選手が出るような場合に合宿所に泊めまして、外部との面接も相当制限し、相当監視することによりまして、事実上選手との面会をする人が相当減つて参ることは事実だと思います。隔離というとなんですが伝染病のようなものでありますから、その伝染病が感染というか、うつらないように、隔離なりなんなりいたしまして、この弊害が完全になくなるようにしたい。その上、今度は心身共に健全なる選手を養成するために、現在の登録選手の再養成の養成所を設け、心身共に練り直しをさせる等、又暴力団に対する問題等につきましては、特に選手の自発的な良心の喚起に待ちます方法と同時にこれは大きくは申されませんが、そういうことに対しまして非協力の態度をとる、有効適切な処置に出られた方に対しては、特に奬励金を差上げまして、これを表彰する方法をとる、これは最近の例によつて、或る事件について適切な行動であつたというので、振興会の方から金額は申しませんが、金一封を差上げまして、これを慰労したというようなこともあります。又選手が強迫から逃がれるための人身の保護ということについても、格段の方法をとつているわけでありまして、かようなことで一応弊害を改めて、成るべくならば罪の方を極度に少くする方法を採りたいと考えております。小型自動車の問題につきましては、これは何としても、設備するにしても、競走自体についても、それぞれ大きな費用がかかる点で、競輪とは比較にならないので、全国に濫設されるという弊害はありません。精精十ケ所というようなことを提案者が見込んでおりますが、我々が考えましても、十ケ所も近々一年の間にできるとは考えておりません。これは提案者の考えているように、機械力に依存するところが多いので、弊害は一層少かろうと思います。是非とも功の方を取上げて何とか弊害のないようにして、この法案を取上げまして、将来弊害があるという見通しでもあつたら敢然としてやめなければならん。それまでは一応取締りを嚴にしてこれを続けて参りたい、かような趣旨であります。
○廣瀬與兵衞君 大変どうもお骨折りは感謝に堪えないのでありますけれども、こういう消極的のことに随分お骨折りになつて、やはり国民の金を取るのでありますからして、成るべく、国民の税金ぐらいはいいかも知れませんが、国民の金を搾つて、それだけお骨折りになるよりも、もう少し外の方へお骨折り願いたいと思います。尚私は競輪は八百長も多いしいたしますから、むしろ小型自動車の競走をやるならば、競輪を段々減らして行きたいというふうに私は考えておりますので、政府といたしまして、小型自動車競走場を設置する都道府県都市では、今後競輪場の増設を認めない方針はとれるかとれないかということを一つお伺いしたい。
○政府委員(宮幡靖君) 競輪場を設置します問題につきましては、参議院の通産委員長も御参加を願つております競輪運営委員会を設けておりますので、それによつて建設方針を決めて、その枠内において通産省がやるというように取計らつております。参議院の議員選挙が済みました六月早々に、競輪の運営委員会を開きたい。実はこの国会を終えると直ぐいたしたいのでありますが、御存じの通りの事情でありまして、委員の方のお集まりが少かろうと思いますので、残念ながら六月の十日頃に開きたい。これによりまして一切の基本方針が決まつて参る。その場合廣瀬さんの言われるようなことを委員会にお諮りいたしまして、その決定を待つて善処したいと考えております。
○廣瀬與兵衞君 もう一つ、自転車競走を施行する都道府県都市の競輪の回数を減らすとか、例えば毎月やつているものを隔月にするとかいうようなことをやられますか。又競輪と小型自動車と両方とも沢山やるのだというようなことはなさらないようにできるかどうかということを一つお伺いいたします。
○政府委員(宮幡靖君) 只今の競輪は、月にしまして、十二ケ月開催できる。延日数にして七十二日間、一ケ年にやれるというのが最高であります。併しながら地方財政の関係からいたしますと、競輪場を持つておりますところだけが收入がありまして、然らざる所は依然として窮乏の状況を続けているのは全く面白くない。競輪場を持つておるところの市なり、町村では年に六回ぐらいの開催を認める。その他は各町村にまで分割して開催をさせるというようなことで、財政上の均霑を図りたいということを只今考えております。これは小型自動車とせりあいになる場合に、小型自動車は、年に三回ぐらいしかこの一競技場でやれない見込みであります。十五回になつては弊害がありますので、競輪と見合つてやろうということが、これが有力な御意見であります。これは又先刻申しました運営委員会に諮りまして決定をいたしたいと考えております。
○境野清雄君 もう一つ落しておつたので、当局者にお伺いしたいのでありますが、外国自動車の取計らいは如何ですか。
○政府委員(宮幡靖君) 外国の自動車に劣らない国内産の自動車を実現させるということが念願でございますので、外国自動車の競走参加は無論認める方針でございます。併し今の段階におきましては、外国産の自動車と、国内産の自動車とでは相当に開きがありますので、ミックスでやる場合は、国内産だけでやります場合と、二つを考えて置くことが適切であると考えております。
○境野清雄君 ミックスでやらせる場合に、それ程の開きがあるかどうか分りませんが、大体日本の千五百CC以下の車というのは競走車に使いましても八十ぐらいガリミタンスじやないか。アメリカの車で見ますれば、これは約百キロぐらいのものができるのじやないか。二十キロの差があるものをミックスでやつて行くということは少し納得でき得ないように考えますししますが、そういうような点はどんなお考えですか。
○衆議院議員(栗山長次郎君) どういう車を国内産にするかという基準を今研究しておりますが、重要な部分について十一なら十一を国産品で充てる、他の若干部分については若干の工夫を他の製品によつて凝してもよろしいというような按配をいたし、又街のメーカーなどでも独特な工夫をいたしてやります場合に、案外名の通つた車のみが勝つということは、先般の試験においてはなかつたのであります。ミックスでやりましても、それは勝目は外国車に多いことは御想像の通りでありますが、一応の勝負になるだろうと想像いたしておりますが、ミックスは日本のを外国のに近からしめるための装置であつて本当のレースはやはりここ半年なり一年の間は国内産は、実際の措置といたしましては、仮に半年なり、一年なり、一年半までぐらいは国内産車は国内産車だけということの方が、むしろレースとしては価値があるものであろうと考えております。
○境野清雄君 むしろその場合は国内産車だけと限つた方が私はいいのじやないか、例えばアメリカならアメリカヘ特殊の註文をしまして、そうしてその車を持つて来て、それによつて勝利を得るというような場面がないとも限らないし、それがいわゆる競輪における八百長問題の逆の形で、金でもかけてそういうようなものを持つて来、又そのもの自体がエンジン以外のものは街工場で作つたというような形体も楽に取れるので、そういう点から考えますと、むしろ当分の間は外国車というものは、この競走には、それだけのもので一レースできればともかく、そうでない限りは外国車でなく、日本産の国内産だけの車でやるという方が妥当だと思いますので、実際に行う場合には一つその点を十二分に御勘案願いたいと思います。
○衆議院議員(栗山長次郎君) 誠に御尤もな御意見でございまして、構想いたしておりますものとして、そういうふうに取計うのがよろしいと考えます。従つてそういう要請を省令等をお作りになる立場の方にいたしたいと思います。
○委員長(高橋啓君) 外に御発言ありませんか。
○島清君 一点お聽きしたいのですが、他の委員諸君が質問しておられることだと思いますから、重複を避けて質問したいと思いまするが、この競輪におきましてもそうでございましたが、八百長というようなことは、要するにこの競輪関係者の方にあつたと思うのです。それはああいう不生産事業に関係をしております諸君は、私が知つている限りにおきましては、従来のばくち打ちであるとか、或いはテキ屋であるとか、その他要するにやくざ者といつたような諸君が非常に強くタッチしておる。そういたしますると、当然にあの連中のやることでございまするからして、そこに忌わしい事件が、これは発生されたと思うのでございまするが、これはいろいろ廣瀬委員も聽いておられましたが、その功罪によつて、或いはその見方によつて違いましようけれども、私は要するにあのことは一つの公認されたばくちみたいなふうに、或いは皆がその車券を買つておるのじやないか、そう思うのであります。従いまして過去の競輪のやり方に照し合せまして、今回の小型自動車競走に際しまして、そういつたような犯罪とか、不正事件とかいうようなものを防止する意味におきまして、従来これをやつておりました暴力取締の対象になるような、又やくざ連中がこの事業にタッチするというようなことについて、如何ような考慮を持つておられるかという点でお聽きしたい。
○政府委員(宮幡靖君) 御承知の通り主催者は、県及び都道府県、若しくは指定されました市町村でありまして、それに只今御指摘のようなものが直接主催者の立場になつて入つているということは、これはもう別問題でございます。併しながらそれを取巻きましていろいろなことが起つたということも事実でございまして、先刻申しました本日の新聞に書いてあります方法によりまして、この点十分に改めるようにいたして参りたいと思います。それには一番重点となりますのは、審判者の問題でありまして、今度は專門審判員を養成いたしまして、これはいろいろ科学的な調査によりまして、的確な審判ができますので、苟くも八百長を織込みました競技を行えないようにいたしますために、專門の審判員を養成する方法を講じまして、只今折角それを進めております。すでに専門審判員に対しまして試験と申しますか、検定と申しますかというものは開始しておるような状況でございます。
○委員長(高橋啓君) 外に御発言ございませんか。別に御発言がなければ質疑は終了したものと認めることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋啓君) 御異議ないと認めます。討論に先立ちまして、ちよつとお諮りいたしたいのでございますが、この本法案に対して、地方行政委員会の決議を以て希望を申出てあるのでございますが、この扱いについて皆さんにお諮りいたしたいのですが、それで皆さんのお手許に印刷したものをお配りしたのでありますが、ここで読上げましようか――。それでは一応こちらで読上げることにいたします。
   〔專門員小田橋貞壽君朗読〕
 小型自動車競走法案に対する地方行政委員会の希望決議
一、小型自動車競走を施行する都道府 県及び五大市は競走場所在地の市町村に対して、当該競走の実施に関連してその市町村が支出する施設費、秩序維持費等に充てるため、適当な方法により勝車投票券の売上金額の百分の二以上の金額を交付するよう措置すること。
二、小型自動車競走は本邦において最 初のものであり、競走の安全と公正を期することが極めて重要であるから、政府はその指導により、中央に学識経験者を加えた一つの適当な自治組織を設けしめ、これにより、小型自動車競走の健全なる発生に資せしむるよう、措置すること。
三、競技について不正等のあつた選手 その他については遅滯なく登録を取消す等、嚴重に処置し不正競走を根絶すること。
四、通商産業大臣は本附帶決議の主旨 を実現するため、本法の施行に関する省令、範例等の中所要の規定を置くと共に、施行者その他の関係者に対する指導に努めること。
○委員長(高橋啓君) 只今読上げました問題ですが、これは地方行政委員長初め委員の方と合同審査の中で、いろいろ論議された問題でありますが、この問題は採決のあとでいいわけですが、どういうことにいたしましようか。
○境野清雄君 大体この地方行政委員会からの希望決議は御尤もだと思います。先程来各委員からの質問の中にもこれが十分にあつたことでありますが、答弁の方におきましても通産省当局としても、又この提案者の方におかれましても、この意は十二分に私は承知しておるやに先程来承わつておりますので、一つ立法措置が講ぜられるかどうかということは御研究願いまして、でき得る限りこの意に副うような運行方法に入るということを一つ通産省並びに提案者にお願いしてお進め願つたらどうかとこう思います。
○委員長(高橋啓君) それと形式はどういうことにいたしましよう。
○島清君 私もこれは疑問を持つておるのですが。こういう場合に他の委員会の決議案によつて、これを我々が附帶條件として採択していいものであるかどうか。乃至はこの趣旨は尤もでございますから、どなたか賛成して頂く方に、こういつたものを委員の方に附帶條件として付けて貰つて、それで採択して頂くかどうか、この扱い方はどうかと思うのですが、私は後者の方がいいのではないかと思うのです。
○境野清雄君 そうですね。その方がいいですね。
○委員長(高橋啓君) 只今島委員の御発議でありますが、これは討論の際にこの決議の意味を含んだ條件付きの賛成ということになりますか……、それではお諮りしますが、この意味も随分速記を通して論議されておりますから、この意味をこの記録に挙げて、そうして委員長報告にでも織り込んだら、どうでございましようか。
○境野清雄君 今後のことがあるから委員会として……
○委員長(高橋啓君) ちよつと速記を止めて……
   〔速記中止〕
○委員長(高橋啓君) それじや速記始めて……。それではこれより本案の討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにして御発言を願います。……外に御発言ありませんか。
○境野清雄君 私としましては競輪の、自転車の轍を履まないように、十二分にこの法律の施行に当つて提案者並びに政府当局も十二分に注意をしてやつて頂くということを條件にいたしまして賛成いたします。
○委員長(高橋啓君) 外に御発言ありませんか……。別に御意見がなければ討論は終局したものと認めることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋啓君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより採決に入ります。「小型自動車競走法案」衆議院送付案について採決いたします。「小型自動車競走法案」衆議院送付案通り可決することに賛成の方は御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
○委員長(高橋啓君) 全会一致と認めます。よつて本案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、予め多数意見者の承認を求めなければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨、及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋啓君) 御異議ないものと認めます。
 それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書について、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とする者は順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   深川榮左エ門  境野 清雄
    玉置吉之丞  結城 安次
    吉田 法晴  平岡 市三
    廣瀬與兵衞  島   清
    阿竹齋次郎
  ―――――――――――――
○委員長(高橋啓君) 次に「特別鉱害復旧臨時措置法案」を議題といたします。御質疑はありませんか……。それでは本案の修正箇所に対する説明を求めます。
○衆議院議員(神田博君) ちよつと修正に入る前に、昨日お手許に差上げました修正箇所のミス・プリントがございますので、予め御訂正をお願いいたしたいと思います。
   〔委員長退席、理事島清君委員長席に着く〕
 裏の方からめくつて頂きまして、後ろから二頁目ですか。この「寄附金を受けることができる。」というところから、ずつと墨を以て消しておりますが、その二項と書いた場合の六行目、「新第二十九條第一項中『第二十二條』を」これは生きるのでございますか、ここから消し過ぎておりますので、ちよつとお直し願いたいと思います。「寄附金を受けることができる。」まで生きておりまして、その次2から五行目までお消し頂きまして、五行目の次、六行目を私読みますから、新第二十九條第一項中「第二十二條」「第二十四條」に改めると、こうして頂きたいと思います。そこでその次の改めるとしますから、その後の、同條第三項中「特別区税又は市町村税」を、「国税及び地方税」に、これが消えるわけであります。今申上げたところを生かして頂きますのと、それから一番最後の頁の表の方の終りから三行目、附則第十二項中「(昭和二十三年法律第百十号)」を削る。これを削つて頂きたいのであります。消し損いと、消さないところが残りましたので、これだけを消して頂きます。
 それでは衆議院の通商産業委員会におきましての修正案と申しましようか、衆議院の本会議で修正議決されました分を、私から大要御説明申上げたいと思います。
 先ず第一点は。特別鉱害の認定に関するものでありまして、原案第三條第一項第一号及び第二号の昭和十六年十二月八日から、同二十年八月十五日までの間において発生したものであつて、これをですね、又かぎを入れまして、「国の石炭増産の要請に基いて」とあるのをかぎをいたしまして「太平洋戰争中戰争遂行のための緊急な国の要請に基く石炭増産の応急措置として指定した法令による命令又はこれに準ずるものと認められるべき行政上の措置に基いて」といたします。これが修正の第一点であります。その意味は、政府の原案によりますると、戰争の勃発いたしました日から終戰の当日までということに相成つておりましたのを、只今申上げましたように変えたのでありますが、これは政府側の説明を承つたのでありますが、太平洋戰争が開始と共に鉱害が発生したというように相成るわけでありまして、これは一般増産期間中でありましたので、太平洋戰争中、戰争遂行のための緊急な国の要請に基く石炭増産の応急措置とした法令による命令、又は行政措置といつておりますので、そういうことから計算したいというので大分狭くなつて来ております。
 第二点は、納付金に関するものでありまして、原案第二十二條第二項では、特別鉱害の関係の有無に拘わらず、全部の炭鉱から年間出炭量一トンについて二十円以内を徴收することになつておりましたが、これを修正して特別鉱害に関係のある炭鉱からは、トン当り二十円以内を、原案の通りでありますが、又は関係のある炭鉱を経営する鉱業権者の無関係炭鉱からは、トン当り十円以内を納付せしむることにした、即ち関連炭鉱からは半額の十円を徴收する、一般無関係炭鉱の納付義務を免除いたしまして、又工事費と納付金との関係によつて、みずから復旧工事を施行し得る途を開いた。これは工事費と納付金との関係が、非常に工事費が納付金より下廻る場合におきまして、多額の納付金を納めるということは、炭鉱経営といたしまして非常に無理が伴う、こういうような見地から、主務大臣の認可を受けて、みずから工事をせしむることが適当ではないかという趣旨であります。
 第三点は、復旧公団に関するものでありまして即ち原案第三條の特別鉱害復旧団を、私的法人ではなく、公法上の法人としてその名称も復旧公社と改めました。この役職員も国家公務員としたこと、又公社の業務は遅くも今年末日までには通産省に引渡すこととしたこと、これが関係方面と折衝いたしまして、最近の公団のいろいろな事情も、ございましたようでありますが、この程度のことであつたならば、むしろ通産省がみずから官庁の事務として行うことが、経費の関係からいたしまして、或いは公正な取扱いをするという意味からいつてもよろしいのではないかという示唆も受けましたので、我我も研究いたしました結果、この方が適当だ、こういうような結論になつたわけであります。尚事務所の所在地を東京都ではなく、福岡市に変更した。これは市場が福岡が中心となつておりますので、現地を重く見た結果、さようになつたのであります。
 第四点は、鉱害対策審議会に関するものでありまして、原案第六條第五項によりまして、通商産業大臣は、特別鉱害認定復旧工事計画の認可等に関しまして、鉱害対策審議会に諮問しなければならないことになつておりますが、これは廃止いたしまして、本法の規定による通商産業大臣、その他行政官庁の処分に対して不服のあるものは、裁判所に提起することができるというように改めたのであります。いろいろ條文も整理いたしまして、お手許に差上げてあります修正案は、非常に広汎なものになつておりますが、その内容は、只今申上げました四点に盡きるであろうと考えております。何とぞ慎重審議の上、一日も早く一つ通過さして頂きたいと思います。
○理事(島清君) 只今の神田さんの御説明に対しまして、何か御質問の方は……
○吉田法晴君 質問をいたしますが、質問をいたします前に、先程まで通産次官がおられましたが、お立ちになりましたのですが、後でもよろしうございますが……
○理事(島清君) 呼べば直ぐ来るそうです。資源庁関係の方が見えております。
○吉田法晴君 修正案によりますと、大部分復旧計画の復旧費の数字が違つて参ると思うのでありますが、私共原案により、この事業費のあれを貰つておりますが、鉱業権者から取ります金額、或いは国費によるもの、そういうものを合せまして、総額で五年間を通じて幾らになるという点で、一つ御計算をお示し頂きたいと思います。
○衆議院議員(神田博君) これは政府側の方から御説明申上げることが筋かも知れませんが、一応、私、承つたこの修正案の結果、どうなるかということに関連して、簡單に一つお答えいたしまして、後は又詳しいことは政府側に漏れておりましたら、詳しく説明して頂きたいと思います。私共政府案の、承わりましたところでは、大体年間十億、五年間五十億、そこで業者の負担と、国の負担と、関係公共団体の負担を六・三・一というような比率に行きたいというふうに伺つておりました。そこで今回の修正案によりまして、それがどういうことに変るかと申しますると、六・三・一は業者が六、三が国で、一が公共団体、こういうように伺つておつたのでありますが、この修正案のいろいろ審議して参りました結果、国が六、それから業者が四、今年は四でありますが、三・二になると思います。公共団体が〇・八であります。コンマ八、そこで一〇になります。そういつた計画に考えております。今年だけは二十五年度関係から申しますと、ズレがございますので、六、四、〇・八ということになりまして、一〇・八ということになるだろうかと考えております。
○吉田法晴君 今日頂きました小委員会による場合の二十五年度工事予想額という中に、鉱業権者負担分につきまして、これは一応本年度出炭見込みをつけたものであると思うのであります。三億四千七百万円、こういう数字が出ているのでありますが、こういう計算によつて、例えば鉱業権者の五ケ年の数字は原案によりますと、三億二千七百六十万円ですか。そういう数字になるのでありますが、半減するように思うのでありますか、その数字、或いは全体の最初の復旧費の見込額に対しまして、全体としてどういう工合な計算になつておりますのか計算がありましたら参政府側でもいいから伺いたい。
○政府委員(中島征帆君) 細かい数字は配付資料にございますけれども、全体的に申上げますと、従来の計画であります十億の内容は、先程神田委員長からの御説明のように、鉱業権者が六と国費で四と、こういつた負担割合になつておりましたが、今度はそれを、国の補助割合を増加いたしまして逆に鉱業権者関係は四、国費六、こういう割合になつたのでございます。従つて総額の金額はここにございます通りに、いろいろなものをプラスマイナスいたしまして、全体で十一億円余りになつておりますが、併し予算総額は殖えない、大体同じ、こういうことになつております。ただ工事の施行内容が、補助の関係から、公共事業費が比較的多くなつて来る。と申しますのは、土木関係でありますとか、それから水道工事とか、こういつた方面の復旧費が比較的多くなりまして、従つて個人の家屋、墓地といつた方面の復旧がそれだけ少くなります。その結果といたしましても、当初の計画でも、このいずれも五ケ年を以て全部完了する予定でありましたのが、公共事業費関係は、その期間を短縮されまして、およそ三年半くらいで完了する。それから家屋、基地関係は、従来のおよそ二倍になりまして、十年くらいかかる。こういうふうな結果になると思います。
○吉田法晴君 そこで大体少しずつ明らかになつて参りましたが、総額において同じだと言われるのでありますが、その総額の中に問題になりますのは、今お話の公共事業関係、或いは公共事業等併わせて参りまして、その見通し、或いは数字というものが違つて参ると思うのでございますが、先ず公共事業につきまして、聞いておりますところによりますと、土木関係一%、それから水道関係二分の一というのを四分の一国庫負担というように聞いておるのでありますが、その点はつきりいたしておりますか、或いは他の省の関係についてこの際衆議院の神田委員長なり、或いは政府の方からはつきりして頂きたいと思うのですが。
○衆議院議員(神田博君) 公共事業の方は一〇〇%というふうに考えておりまして、それから水道工事は二分の一の補助と、それから耕地関係は従来通りこういうふうに考えております。
○吉田法晴君 政府の方でも、その点についてははつきり御確約ができるでありましようか。
○政府委員(宮幡靖君) 災害等臨時に起りました場合には、そのときにおきましてそれぞれ適当な措置をとるようにいたしたいと思います。そのようなことにつきましては只今提案者から説明いたしましたので大体間違いないと思つております。
○吉田法晴君 それからもう一つ、それは今年の分について言われることだと思うのでありますが、将来に亘りまして、五年か、今の御説明では三年半ぐらいになるというお話でありますが、その三年なり、三年半のコースがのりますまでの問題につきまして、公共事業関係につきまして政府として御責任が持てますかどうか。その点伺いたいと思います。
○政府委員(宮幡靖君) 将来のことにつきまして責任が持てるかということは一応御尤もでありますが、現在の段階におきましては、見通し得る範囲においては一応政府が責任をとる立場に置かなければならない、こう考えております。御承知のように、この法律案は第六国会から打続いております問題で、一つの社会問題の関係で、議論といたしましてはまだ相当いろいろ錯綜しておる状況でありますが、いずれにしましても、配炭公団の廃止、今年は統制がとれましてすでに十ケ月近くになろうとしておりますときに、特別鉱害の復旧を等閑にいたして置くわけにも参りませず、只今の状況において衆知を集めて縛り上げたものがこれであります。その関係で若しこれを実施いたしまして、昨年以来の遷り変り及び将来の年次に対しまする計画遂行の上などに違算のないというようなことは、ここで保証できないようなわけであります、そこで若し左様な狂いがありましたといたしましたならば、今後再び両院状の御審議を煩わしまして、適切なる改正又関係各省の法規等の改正、或いは行政上の処分等について変更がありました場合には、それに即応する改正を順次やつて参りたい。そうして只今中島局長の申しましたように、只今の見通しでは十年かかる工事もあるのでありまするから、その長期に亘りまする対策は更に政府といたしましても、考えて対策を考えて参りたい、かように存じております。
○吉田法晴君 公共企業関係でお尋ねしたのでありますが、次は公共事業につきましては、私共の計算によると随分減るように思うのですが、十億以上残るじやないか、先程のお話では十年ぐらいかかつて全部をやり上げるのだということをお話になりましたが、十年以内五年先といつたようなことになりますと、その辺に問題が残るのでありますが、特に家屋、墓地等につきましては、先般来関係者から相当上京して陳情をいたしておりましたが、その大部分をなします被害者の一番問題にしておりますのは家屋、墓地だと思うのであります。これが二十五年度についても一億前後のものになる、或いは全部につきましても、不安なり或いは不確実が残るのでありますが、どういうふうに計算をしておられますのか、或いは又それが全部は亘りまして、総工事を終るについてどういう工合に考えておられますのか承わりたい。
○衆議院議員(神田博君) お答え申上げます。今年度の家屋墓地につきましては、約二億円出るようになつておるようでありますが、将来の問題といたしてはこの方を十分やれるように考えて行きたい。といいますことは工業関係は国費が全額持つという方向になつて参りましたので早く工事が完了するということになりますので家屋墓地等が逐時その方から廻つて来るかというように考えておりますが……
○吉田法晴君 それからこれは公社になりまして、公社の予算がどうなるかという問題でありますが、復旧団の補助というものは考えられておつたということでありますが、そういう分を廻されますのか、公社の予算について……
○衆議院議員(神田博君) お答えいたします。非常に大事なことだと思つております。復旧団につきましては、一千万円助成金を予算に組んでおつたのでありますが、今度公社になつたので予算措置を講ぜなければならない。ところが会期が切迫しておりまして予算措置はできないことは明瞭だと思います。そこで官吏を減員してやつて行こう、更に必要に応じて採用する考えでありますが、その際は臨時費等から適当に流用して行く、こういうふうに考えております。
○吉田法晴君 それからこれは政府に尋ねることかも知れませんが、通産省に参りました場合に、通産省のどういうところでおやりになりますのか、或いは現在の担当部門でおやりになるのか、或いは別に新たにやりますのか……
○政府委員(宮幡靖君) 取敢えずは炭政局の中において職員をこの公社の方へ兼任させまして、三十五年度で御審議御協賛を頂きました予算の範囲内でやつて参りたい、尚地方に渡りまする今までの石炭局に変りますものがあつた、それぞれの地区に施設部とか、保安部という名前で出て参りますこれに対しましても、特別鉱害復旧に対します所要の人員をその各地区で百数十名予算にもとつております。これらを配置いたして専門にこれをやらせることにいたしております。
○吉田法晴君 二十二條であつたと思いますが、減免規定が作つてありますが減免規定について例えば何カロリー以下にするとか、そういつた減免規定の、これは細目が政令なり、何なりになるだろうと思いますが、どういう点をお考えになつておりますのか承つて置きたいと思います。
○政府委員(宮幡靖君) 最初衆議院の原案には御承知のように審議会がありまして、審議会に諮りまして決定いたしたいと存じておりました。今度修正によりまして審議会がなくなつたのでありますが、これは法的の審議会がなくなつたのでありますから、炭政局の職員で構成いたします公社の中に、やはり非公式の審議会を作りまして、この減免規定についての細目は検討いたしたいと思つております。その内容につきまして予め考えております構想といたしましては、今申上げるのは適当でないと思いますが、御指摘のように品位カロリー等を基準といたしまして、それぞれの必要がありましたならば、減免規定が適用されるものを作り上げたいかように存じております。
○吉田法晴君 この特別鉱害について採上げられましたが、外にいわば一般鉱害とも称すべきものが相当あるわけであります。尚段々小さくなつて参りましたので、特別鉱害の範囲が小さくなりましたので尚更その点が強くなり、現在は委員会で見て頂いたので、政府の方でも御承知だと思うのでありますが、この特別鉱害で救い上げられる、或いは応急に施設されますものの外にも、緊急捨て置き難い鉱害が相当ある。一般鉱害についても衆議院の通産委員会でもお考えを頂いておつたということでありますが、何らそれについての御意向というものが出ておらんのでありますがどういうことになつておりますのか、或いは今後どういうお取扱いになるか、衆議院の通産委員会の御意向を承りたいし、政府の今後の方針も承わりたい次第であります。
○衆議院議員(神田博君) 衆議院の通産委員会としての纏つた意向でありますが、これから実施しようという点でありますが、お答え申上げたいと思います。私共も鉱害の現地を親しく拝見いたしまして、誠に広大に亘る、又悲惨な実情を目のあたりに今でも映るわけでありますが、特別鉱害によりまして或る程度の救済ができましても一般鉱害に関しまして放置して置くということは面白くないと同時に、又日々鉱害が起きつつあるというようなふうにも考えておりますので、将来の除外の方法、並びに鉱害の起らない方法を政府に措置するように、更に又特別鉱害以外の一般鉱害でありまして、これが社会不安を醸しておつて、個人の力を持つてなし得ないというような点につきましては、十分政府として慎重な対策を立てて、同時に又できるだけ速かなる時日にこれを現状回復、或いはその他の方法によつて社会不安を除くような措置を講ずるように、こういうことを通産委員会といたしまして満場一致で決議案を出そう、今国会中にこれを出そうと目下案文整理中であります。以上お答え申上げます。
○政府委員(宮幡靖君) 御承知のように一般鉱害は金銭賠償の範囲になつておりまして、特別鉱害は一般鉱害以外のもであることは勿論狙いといたしますが、現状回復について一般鉱害が特別鉱害に便乗する嫌いが多いということで政府原案に対しまして相当の非難を受けたのでありますが、これは確然たる区別をつけべきものであり、又つけなければならんものであります。一般鉱害につきましては、只今衆議院通産委員会の御意向がありますこと、これは鉱業法の定むるところによりまして金銭賠償等の履行等につきましては、十分監督いたしまして、特別鉱害はああいう因縁を持ちまして、殊更いたすというようなことのないように努めて参りたい。かように考えております。
○吉田法晴君 今の政務次官のお話によりますと、一般鉱害につきましては鉱業法による金銭賠償以外に殆んどやつておらないかのように感ずるのでありますが、それは私の問うておるところではないので、陷落しておりますあの惨状に対して、特別鉱害から落ちた部分についてどうするか、金銭賠償でなくて現状回復の方針について今後どういう方針を持つておられるかということをお尋ねしておるのであります。
○政府委員(宮幡靖君) 申上げましたことは、特別鉱害と一般鉱害との区別は確然と分つておるのでありまして、吉田委員の仰せられまする、現実に陥落しておるものが特別鉱害の復旧措置から外れたことはどうかという話でありますが、一般鉱害の場合は勿論金銭賠償の対象であります。それが特別鉱害の場合には救済措置を受ける、そこに矛盾混同はないように考えております。
○吉田法晴君 その点は矛盾混同でなくて実際に救済をどうして講ずるかと、こういう具体的な方法の問題になると思うのでありますか、それについてお尋ねをしたんであります。金銭賠償以外に、今のところ考えられない。こういう御答弁でありますか、それとも尚復旧維持或いは現状回復について方法はないか、施策はないかということをお尋ねしておるのです。
○政府委員(中島征帆君) 一般鉱害は御承知の通り金銭賠償の対象であります。特別鉱害はこの法律の案によつて救済されるのでありますから、この間に漏れたものはどうかというふうなお話については、只今申上げる準備がございません。特別鉱害で、つまり強行出炭に原因いたしまして陥没したものなら、これを特別鉱害の範囲から除くような行政措置はなかろうと、実は考えておるような次第でございます。
○吉田法晴君 その点はここで幾ら議論をしてもしようがないと思うので打切りますが、従来とにかく金銭賠償で現状が回復されなかつた。今度特別鉱害で救済される分についてはとにかくでありますが、今後鉱業法の改正なり、その他金銭賠償主義でなく回復し得る、これは金銭賠償による解決でなくして、現状回復の方法によるこの復旧について考えて貰いたい。或いは施策をして貰いたいという希望を申述べ、或いは今後その点について我々の希望を申上げておいて、尚一点、もう一つさつき伺つたところでありますが、これは細かい数字になりますけれども家屋、墓地につきまして、一応今年については二億程度、今後は公共事業が早く済めば、そちらに廻るべきものがこつちの非公共事業の方にも廻ろうしというお話であつたのであります。この二億という金は、これは家屋、墓地だけに限りますのか、このいわゆる非公共事業のなかで相当鉄道関係等にも取られて、実際に家屋、墓地の復旧に廻るのが非常に少いかのようにまあ聞いておつたのですが、その辺の家屋墓地に廻ります分の、先程二億程度と言われましたそのなかに、それから今後二十五年度だけでなくて、今後の数字につきまして、或る程度まで一つお示し願いたいと思います。
○衆議院議員(神田博君) お手許にお配りしております表の家屋墓地は、これは大体家屋墓地と御了承願つていいと思います。鉄道の方は入つていないとお考え願いたい。
○理事(島清君) 吉田君いいですか。他に御発言ございませんか。別に御発言がなければ、質疑は終了したものと認めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(島清君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれから衆議院送付の特別鉱害復旧臨時措置法案の衆議院送付案について討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明かにして御発言願います。
○玉置吉之丞君 私は本案に賛成をして置きたいと思うのでございます。と申しますることは、前会に出た案よりも、衆議院送付の修正案は今日の炭鉱業者の現状に鑑みまして、幾分かの負担が軽くなつておる、その他二、三の点について余程改善されたと考えております。この辺でこの案を通すべしと考え賛成いたします。
○廣瀬與兵衞君 私は自由党を代表いたしまして、本法案の実施につきまして、次の項を附言しまして賛成の意を表するものであります。本法案に関しては、本委員会においては現地視察、公聽会等を行い、慎重を期し、又小委員会を設け詳細なる検討を加え、修正案をも申し合せた次第でありますが、ただ鉱害復旧は急を要し、幾多の復旧工事は中止され、現に深刻なる社会問題を起しておる今日、衆議院修正案に対しては考慮を要する点も大分ありますが、今国会にこれが成立を期さなければならないことを痛感し、賛成するものでありまして、特に政府においては本法案実施については真剣に当られんことを要望します。衆議院における修正案によれば公共事業費国庫負担率の増加は、復旧に大なる影響がありますので、これが達成のためには、万全を盡されること、よつて少しでも多く非公共事業の復旧を促進されんことを切望いたします。又政府が考えていた石炭鉱業相互扶助の精神は、根本的に変更され、復旧団の性格は復旧公社となり、近い機会には通産省機関となるので、政府は法案実施については責任ある措置を採られんことを要望し、本法案に賛成するものであります。
○吉田法晴君 私は社会党を代表しまして、本法案及び修正案に賛成をするのでありますが、それはこの修正案が全面的に賛成であるというよりも、この特別鉱害復旧臨時措置法の一日も早い成立を望んでおります被害者、その他勤労大衆の待望を考えますときに、たとえ多少の不満がありましようとも、この際速かに成立をさせることが、今国会において成立をさせることが何よりも必要であると考えまして、ここに賛意を表するものでありますが、尚この修正案等によりますと、本年度はとにかく、或いは来年、再来年と終末に近づくに従いまして、最初の予想が確保できるかどうかという点について相当の危惧が残るんであります。その危惧につきましては先程の質問を通じて危惧なからしめるように要望をしておいたのであります。これは実情を見て頂きました委員なり、或いは実情を知つておられる政府におきましても、鉱害の悲惨さについては今更私が申上げるまでもないと思うのでありますが、或いは五六月のときにいたりましては傾いた家が床近くまで水がつかり、或いは墓地も水の下に沈んで橋を架けてお参りをする、或いは一望水のなかにつかりまして、農産物も皆無になり、或いは殆んど救護がないという地帯が福岡県下においては数千町歩に上るわけです。この福岡県下におきましても百五十万、全国併せますと二百万を超すと思いますが、この惨状について、これを早く回復するために、或いは折角この構想せられました特別鉱害の復旧が、将来に亘りまして確保されますように、特にこれは要望をいたして置きたいと考えるのであります。
 尚先程の論議ではつきりいたしませんでしたけれども、この鉱害に苦しめられております農民、或いは市民その他の苦痛を考えますときに、特別鉱害として取上げられました範囲がだんだん狭くなつて参りまして、特別鉱害復旧法で救われない人間が相当あるという事実は、これは当局においても今後特に考慮し、それの救済について措置されることを要望して置きたいと思うのであります。これを要しまするに、特別鉱害復旧臨時措置法、或いは修正案につきまして幾多の不満があり、或いは危惧を持つものでありますけれども、この法案の成立を一月千秋の思いで待つていると申しますか、或いは工事を止めて、そうして雨期を控えて早い通過を要望しております被害民の立場を考えますならば、ここで賛意を表し、速かに成立を望む意味においてこの法案及び修正案に対して賛成をする次第であります。
○境野清雄君 民主党を代表いたしまして本法案に賛成いたします。
○理事(島清君) 他に御発言ございませんか。別に御意見がなければ討論は終局したものと認めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(島清君) 御異議ないものと認めます。
○理事(島清君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
○理事(島清君) 速記を始めて下さい。
 それではこれより採決に入ります。特別鉱害臨時措置法案について採決いたします。衆議院送付案の通り可決することに賛成の方は挙手を願います。
   〔総員挙手〕
○理事(島清君) 全会一致と認めます。よつて本案は衆議院の送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(島清君) それから本院規則第七十二條によりまして委員長が議院に提出する報告書については多数意見者の署名を付することになつておりまから、本案を可とせられる方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    栗山 良夫  平岡 市三
   深川榮左エ門  境野 清雄
    玉置吉之丞  吉田 法晴
    廣瀬與兵衞  駒井 藤平
    結城 安次
○理事(島清君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れないと認めます。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     高橋  啓君
   理事
           島   清君
           廣瀬與兵衞君
           玉置吉之丞君
   委員
           栗山 良夫君
           吉田 法晴君
           平岡 市三君
           境野 清雄君
          深川榮左エ門君
           阿竹齋次郎君
           結城 安次君
           駒井 藤平君
  衆議院議員
           神田  博君
           栗山長次郎君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       宮幡  靖君
   通商産業事務官
   (石炭管理局
   長)      中島 征帆君
  説明員
   通商産業事務官
   (車輛部長)  森  誓夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君