第007回国会 電気通信委員会 第17号
昭和二十五年三月二十日(月曜日)
   午後一時三十二分開会
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  本日の会議に付した事件
○放送法案(内閣送付)
○電波法案(内閣送付)
○電波監理委員会設置法案(内閣送
 付)
○議員派遣要求の件
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○委員長(松野喜内君) それでは只今から電気通信委員会を開会いたします。
 前回に引続いて法案の審議をいたしたいと思いますから、何とぞどなた様からでも御発言をお願いいたします。
○尾崎行輝君 この前ちよつと自分の私見をお手許に差上げて置きましたが、あの三つの疑点の中、第一、第二はここに省きまして、第三の点の、受信機を改良しなければ、どうしても民間放送は聽くことができないように思うのですが、現在の日本の聽取者が持つているところの受信機の九割以上は、これを殆んど改善しなければならない。改善と言うか、新しく取換えてスーパー・ヘテロダインにしなければ聞えないではないか。こういうように考えられますが、そうじやなしにもつと簡單に今のを改良してできる方法があるならば、これはどういうものをどういうふうにするのかという技術的なことを御説明を願いたい。それによつて私は又考えなければならないと思つております。今のままでは私は聞えないと思う。聞えなければ、私は機械の操作が非常にむずかしければ聽き手がないと思う。聽き手がないのに広告料を拂つて頼む人はない。従つて広告料というものがなければ、民間放送はとても繁栄しない。しなびて枯れてしまう。それで、ただN・H・Kだけがますます大きく枝を拡げるようになる。そう断ぜざるを得ないのであります。私はN・H・Kに対して別に恨みも何もない。N・H・Kに盛んになることは非常に結構でありますが、併しながらそれだけでは法案の趣旨に、根本の精神に非常に反すると思いますから、この点をはつきりして頂きたい。その点を伺いたいのであります。
○政府委員(網島毅君) 只今の御質問にお答え申上げます。只今お尋ねの点に対しまして御疑問を持たれることは誠に尤もだと存じます。この点は、私共が今度の法案を国会に提出いたしまして、民間放送を一般に許してもよろしいという方針を決めますときに、我々を非常に悩ました問題であり、又我々も大いに議論し検討した点であります。
 御承知のように、中波の放送のバンドは従来は五百五十キロ・サイクルから千五百キロ・サイクルまででありまして、この間において日本及び各国の放送が行われておるのであります。ところで只今御指摘のように、我が国の受信機か世界で余り類例を見ません程非常に低級……と申しては少し語弊がありますが、質の余りよくないものであります。特に受信機が簡單にできております関係上、波を別ける、選び出すという点において能力が非常に欠けておるのでありまして、これが我が国の民間放送を普及させる上において、相当大きな障害になるということは、只今御指摘の通りであります。現在東京とか、大阪というような大きな町には、日本放送協会の第一放送、第二放送、それに進駐軍の放送、この三つの放送がございまするが、この三つの放送ですら現在十分に分離して聞えない所があるということも私共存じております。ところでこの三つがなぜ十分分離して聞えないかと申しますると、これは現在の受信機を対象として技術的な理論と申しまするか、技術的な見地から申しますると、これは十分分離して聞えなければならないのであります。ところが波長を選定いたしまして、日本放送協会にこれの割当をやる場合には、十分その点は考慮して行なつておるのでありまするが、実際問題といたしまして若干の場所にそういう所があるというのは、これは受信機もさることながら、その受信機の使い方が十分でない。例えば受信機というものは、大体空中線を付けて使うのが、これが原則であります。ところが東京の都内におきましては、日本放送協会の電波が相当強いものですから、空中線を付けなくても電燈線その他から伝わつて来るところの電波を受信機が受けまして、そうして十分受信機が働くというところから、一般に空中線は使つていないのが例であります。ところが、この空中線を使いませんと、受信機の選波力と申しまするか、選択の能力が非常に低下するのでありまして、従つて只今お話し申しました現在第一、第二が分離して聞えないという所でも、空中線を付ける、或いは又アースを付けるというようなことによつて、大部分はその混信が排除できるのでありまして、日本放送協会においてそういう周知宣伝を行つておりまするが、実際又こういうことによつてそういうトラブルが漸次解消しております。ところが先般千九百四十七年にアトランテイツク・シテイにおいて作られました條約によりますると、中波の放送のバンドが、従来の五百五十K・Cが五百三十五K・C、千五百K・Cが千六百五K・Cまで拡がりました。約千五十K・Cばかり拡がつたわけであります。従つて今後の周波放送は拡がつた、即ち五百三十五K・Cから千六百K・Cというものを一応頭に入れて考えなければならないのでありますが、然らば仮に一つの都市において幾つの放送が、現在日本で使われておるところの四球程度の受信機を以て十分分離して聞えるかということを考えなければならないのであります。私共いろいろ計算により、或いは又実際のテストによりまして、この問題を調べたのでありますが、純技術的な考慮からいたしますれば、この間におきまして、一つの都市に大体五つの放送局は存在し得る、言換えますならば、大体現在一般に普及されておるところの受信機を以つてしても、適当に波の割当を行いますならば、五つの放送局は十分分離して聞える、聽くことができるという結論に到達いたしております。それから若し設置するところの放送局の電力でありまするとか、或いはその場所というようなものにつきまして、特別な考慮を拂いますならば、或いは六つぐらいは可能かも知れんという考えを持つております。仮に五つといたしますれば、先程お話申上げましたように、現在すでに三つが存在しておりまするからして、あとこの割当て得るところの放送局の数は二つということになるのであります。これが即ち、私共たびたびこの委員会において御説明しておりますように、東京、大阪という所におきましては、現在の受信機を対象として、大体二つぐらいは民間放送は可能であろう、三つは或いは可能かも知れないけれども、相当無理があるということを申上げておる根拠でございます。
 只今私が申上げましたのは一般的な概論でございまして、これはもう少し掘下げて考えますならば、ただ單に波長と波長との間隔を相当拡げたというだけでは、この問題は解決しないのでありまして、一方の電波とそれから、言換えますならば、この聽く方の、聽かんとするところの電波の強さ、それからこれに妨害を與える、いわゆる混信として入つて来るところの電波の強さ、その場合の電波の強さも亦考慮に入れなければならないのでありまして、即ち聽かんとするところの電波が非常に弱くて、それから聽かなくてもいい、或いは妨害するところの電波が非常に強いということでありますれば、理論的に可能な範囲に波長を分けましても、波長の間隔を拡げましても、この強い方のものが大きく行きますから、弱いものの上にかぶさつてしまう、言換えれば妨害されてしまいという結論になるのであります。これを具体的な例に取つてお話申上げまするならば、今ここにAとBという二つの放送局がございます。その放送局の場所が相当離れておるといたします。そうしますと、このAの放送局の近くに住む人は、Aの放送局の電波が非常に強いのでありまして、個々の或る一定の範囲内におきましては、Bの電波は全然聽くことがでかないという結論に到達して参ります。これは一つの都市に放送局が複数存在する所には、常にこういうことがあるのでありまして、この一つの放送局の電波が非常に強いために他が聞えない、他を聽くことができないという区域は、これをアメリではプランケツト・エーリヤと称してあります。その言葉の意味は、丁度毛布を敷いたようにかぶせてしまつたように、その範囲におきましては、他のものは何も聞こえないという意味であろうかと存ずるのでありますが、このプランケツト・エーリヤの問題は、この複数個の放送局が存在する場合には、常にこの事実があるのでありまして、このブランケツト・エーリヤに入つた聽取者は、その局しか聞えない、自分の近くの局しか聞えないということになつております。そこでこの放送政策上から考えまして、聽取者か立場上から考えまして、プランケツト・エーリヤに入るところの聽取者はできるだけ少くした方がいいのでありまして、アメリカにおきましては、このプランケツト・エーリヤに入るところの聽取者の数は、その区域の全聽取者の一%以上でなければならないという政策を採つております。逆に言いますならば、そういう聽取者の一%以下の人は、そういう犠牲があつても、これは他の九十九%の聽取者が三つなり四つなり或いは十なりの放送局を聽くために、これは止むを得ない犠牲であるということでございます。我が国におきましても、今後複数個の多数の放送局が一つの都市に置かれるということになれば、やはり同じような問題が起るわけでありますが、私共といたしまして、このプランケツト・エーリヤに入る所の聽取者はできるだけ少くする方がいい。現在大体一%以下、できるならば、〇・五%ということを目標にいたしまして、いろいろ放送局の電力でありますとか、或いは又その設置場所というようなものについていろいろ研究しておる次第であります。ところでこのプランケツト・エーリヤを少くするためには、できるだけ放送局を一つの箇所に集めればいいのでありまして、現在川口の近くに日本放送局の第一第二放送というものがたまつておるのもそのせいであります。即ち一箇所に集めますと、そこの地域におきましては、どれもこれも全部強いのでありまするからして、強いもの同士ですから、やはり受信機は余り他からの妨害を受けないで聽くことができるということになる次第であります。
 以上いろいろお話申上げましたので、或いは結論をお掴みにくいかも知れませんが、私の申上げたいと思いまするのは、現在の受信機を対象として、大体一つの都市に二つくらいの民間放送は可能である。技術的にいろいろな考慮でめぐらすならば、或いは三つぐらい可能であるということであります。
 ところで先程受信機の改善の問題につきましてお話がございましたが、私共も現在の受信機を以て将来の日本の放送文化を向上させる方において十分であるとは考えておりません。先程申上げましたように、現在我が国の受信機は世界各国どこでも使つておらないような非常な低級なものであります。私共としては先ずこの受信機に選択性を持たせる、こういうことが先ず必要であろうということから、いろいろ工作を進めておるのであります。併しこの改造には相当金のかかるものては、現在日本の経済状態から言つて、これはできないのでありまして、空中線回路に或る特殊な選波、波を選ぶところの回路を入れる、これを我々の言葉ではウエーブ・トラツプと言つておりますが、そういうウエーブ・トラツプ式のものを入れる。それによつて相当選波性が増します。これは大体二三百円から四五百円でできる筈であります。尚更に若干改造を加えることによつて、現在の受信機をスーパー式な性質のものに変えるということもいろいろ考えております。これらは新聞通信社と連絡をとりまして、周知宣伝をすると同時に、全国ラジオ業者の組合等とも話合いをいたしまして、その方面からもできるだけ安く、而もいい技術を以て受知機の改造に当るようにということで、いろいろ協確を進めておる次第であります。こういうふうに受信機の性能が向上して参りますならば、我が国におきましても、アメリカその他の国のように、一つの都市に十幾つという放送局ができるということも不可能ではないのでありまして、私共といたしましては、できるだけ速やかに、そういう時期の到来することを念願しておる次第であります。
○尾崎行輝君 只今政府委員からの詳しい御説明を承りまして、どうも折角でありますが、私満足できないのであります。それは選波、波を選ぶ能力を増すために、先ずアンテナを立てよう、もう一つはウエーブ・トラツプを付ける。この二つとも、そういう非常に困難なことをして、民間放送を尚聽こうというところがどれだけあるかということをお考えになつてみたのであろうか。私は大正の十四年でありましたか、とにかく放送というものが日本で始まつた時以来、かなりの熱心なフアンでありまして、長いアンテナを立ててやつた経験があるのでございます。非常に困難なことである。その時分の東京には、随分あちこちにそういうのが立つておりましたが、現在一つもなくなつてしまつた。あれが如何に不自由なものであつたかということが、この事実で分るのであります。今からアンテナをつけさせようというのは、これはどうも甚だ時代錯誤の話である。今の人はそういうことをいたしません。我々でもアースさえなるたけ付けないで聽きたくなつておる。それくらいのものが、又アンテナまで付けよう、特別ヒツトラーか何かが命令すれば、或いは東條大将でも命令したならば、あの時代にはやつたかもしれませんが、今の民主主義の日本において、そういうことをやらして、そうして広告放送を是非聽けということは、実に無理な話であつて、聽きません。従つて広告放送というものは成立つて行かない。民間放送は繁栄しないという結論が出るて思います。又ウエーブ・トラツプの問題でありますが、成程ウエーブ・トラツプを付ければ少し良くなる。併しながら考えて見て頂きたい。今の国民第二号と言いますか、私共の持つておるものですが、これに三つのハンドルがあつて、一つは先ず波長を合わず、きちらでチツクラーの調子を直し、こちらにボリユームがある。とにかく三つを操作してようやく今の第二放送などは辛うじて分離ができる。その外にウエーブ・トラツプを付けると言つても、こういうことは余程技術の得意な人なら別として、普通の家庭における婦人などがやれよう筈がないのであります。従つてその点から言つても、とてもそうしまわざわざ広告放送を聽くよりも、それより楽なN・H・Kの第一放送に始終合せて置いて、スイツチさえひねれば、電流さえ来ればすぐ聽ける、そういうものを聽くに決つたものと考えなければならん。そうすれば結局民間放送はいかん、相変らずN・H・Kだけが盛んになるということになると、そう確言していいかと思われます。私N・H・Kが盛んになることは非常に結構だと思いますが、この法案はN・H・Kだけを盛んにする意味でなしに、普通の民間放送を盛んにするということをお作りになつたものである。そうすれば、少し極端な言辞ではありますが、これをこのままにすると、羊頭を掲げて狗肉を売るということになろうと思います。私は羊頭を掲げることを惡いとは言わない。又狗肉を売ることそのことも非難はいたしません。だけれども、羊頭を掲げておいて狗肉を売ると、そこに欺瞞行為がある。これは非撃すべきものであると、こういうふうに考えますから、どうしてもこのままではいけない。さような廻り道でなしに、どうしたらいいかと言いますると、何としても一般の民間で持つておるところの受信機もよくする、つまりスーパー・ヘテロダインにしてしまうということ、このこと一つにあろうと思う。ところがそれをするためには数千円から一万円の現在の金で費用がかかる。これをどうするかということかを考えて、そうしてその裏附けをどこか法案の中にでも入れておいて頂ければ、そうすれば、立派に今の羊頭狗肉式でない立派なものになると思う。これはほんのただ、自分の私案でありますが、例えばここに聽取料を五十円取る、これを政府の適当な機関に納める、そのうちの例えば二十円くらいをN・H・Kに支拂つて、N・H・Kの経営に当らせる、あとの三十円くらいの民間のラジオ業者等にやらせるか、ラジオの受信機を作る人達、これを保護奬励して安くいいものを作らせる、一方に民間に月賦販売くらいのことをやらせる、そうしてあげますと、ずつと普及して来る。スーパーが一般に普及しますれば、こなん無理なしに、実に楽に民間の面白いのを聽くようになる。そこにおいて初めて競争になつて、面白いいろいろなプログラムを作るということになつて、一般民間の競争が盛んになつて来るのであろうと思います。殊にますますN・H・Kの出力を強くしようとしておられるのである。五十キロを百キロに、十キロを二十キロにするという案が採られるようでありますが、そうすればますます分離は困難になつて来る。N・H・K一本になるというこかが眼に見えておると思います。例えますと、ここにN・H・Kという大きな木が生えておる。枝が繁茂して非常に立派に育つておる。その脇に今度緑の林を作るのだからと言つて小さな苗を植える。それでこれを植えたから、いずれここに立派な林ができると言つても、それはできません。つまりできるだけN・H・Kの枝を拂つて、日光の当るようにして、肥料をやつて、初めて苗も発達して来る。そこに全体としていい枝ができる。これは極く当り前のことである。そういうところに考慮を拂わずに、N・H・Kだけを盛んにますます枝を繁らせれば、苗は枯れて行くに決つているのでないかと思われる。どうしてこなんことをお考えにならずに、こういう法案をお作りになつたか、その根本のところに疑問がありますから、遺憾ながらこの法案の一番根源に反対せざるを得ないのであります。これについて併しながら、私は自説をいつまでも固執するものではない。何とかいい方法がありますれば、それに協調することは吝かではないのであります。私の案の第二を握いておりましたが、第二の聽取料をN・H・Kに拂うということがおかしなことでち思つておる。例えば安い四、五百円のセツトを作ろうという民間業者もあるようであるますが、そうするとひれを買つて直ぐにN・H・Kに聽取料を拂わなければならん、それも一つの矛盾になる。逆に話してしまいましたが、第一の広告放送がそうでないかということは、誰が言つてもはつきりと明確に区別することはできない性質のものと私は思う。併しながらこの第一、第二は比較的小さな問題でありますが、私の案のように、政府で聽取料を取る、そうしてそれを適当にやつて行けば誰も文句もない。第二の疑点は消えてしまうと思う。そういうような各方面から見ましてもどうもこのままではこの法案は非常に妙なものであるということは、きつと皆様もお感じになるのじやないか、民間放送を盛んにするという名目の下に、実はN・I・Kをますます盛んにするということ、よく民間放送の人達が熱心に出願などしておるのも、私不思議に思うくらいなんであります。立つて行こう筈がないというふうに、自分達技術家は技術的方面から考えるのであります。今の折角の御説明でありまするが、どうも私には納得が行かない。
○政府委員(網島毅君) いろいろお話があつたのでありまするが、最初のアンテナ、アースの問題につきまして、若干誤解があるのではないかと考えましたので、もう一つ御説明いたしたいと思います。私先程アンテナとかウエイブ・トラツプの問題を申上げましたのは、現在の全部の受信機をこういうふうにしなければならない、そうしなければ二つの民間放送も危ないのだということを申上げたのではないのでありまして、現在の受信機そのままで大体二つぐらいは可能であろう、これは純技術的に見ての話であります。それからアンテナをつけたりウエイブ・トラツプをつけたりしてから、受信機の改造をやれば、民間放送が増えるだろうことを申方げたのであります。勿論現在でも受信機の使い方がまずいというような点から、第一、第二を完全に分離できないところもございます。そういうところはやはり将来も若干アンテナをつけるとか、いろいろなことをしなければならないのでありますけれども、これは極く少部分であると私共は考えておるのであります。そこで先程民間放送を行わせるためには、成るべく受信機の操作を簡單にしなくちやいかん、従つてウエイブ・トラツプをつけたりなんかすることは、それは実際には行いにくいのではないか、言換えますれば、そういうことをやつても民間放送を聽く必要がない、いわば羊頭狗肉ではないかというお話でありますが、これも考え方じやないかと私共は思うのであります。と申しますのは、如何に受信機がよくても、例えば最高級のスーパー受信機というものを持ちましても、一つの局から他の局え切換えまするには、スイツチを切換えるとか、或いはダイヤルを廻して他に局に合わせるという手数を掛けなければならないのでありまして、それだけの手数を掛けても尚AからBの局へ切換えてBの局を聽くというためには、Bの局にはそれだけのアトラクテイブな、人を引きつけるものがなければならないと思うのであります。ただ受信機が簡單であるから、直ちにAからBを聽くのだということにはならないと思います。従いまして若し今後できるところの民間放送のプログラムが非常に国民大衆を引きつけるようなものでありますならば、その切換えが、一つの切換えが二つになつても、私はやはり人は切換えて聽くのではないかと考えるのでありまして、要は今後できる民間放送のプログラム内容如何がこれを大きく支配すると、私共は考えるのであります。それから受信機の選波性をよくする、分り易く申上げまするならばスーパーに切換えるということは、非常に大事な又結構なことでございまするが、その一つの方法として、只今政府が五十円ならば五十円を取つて、一部をN・H・Kに渡し、他の残りを以てこれを受信機の改造の奬励費、或いはこれを業者に補助として與えて、そうして受信機の改造をやらしたらよいじやないかというお説もございました。私共はこれが不可能であるとは考えておりません。要はこれは一つの政策の問題でありまして、どちらにするかということは……いろいろなケースを考えましてどつちの場合が一般大衆から見て工合がいいだろうかということを先ず頭に置かなければならないと思うのであります。只今お話のように、五十円を取つて二十円をN・H・Kに渡し、残りの三十円を受信機の改造に廻すというとことも、一つの政策としては取上げて考え得るものでありますが、私共はそれに対しましてはこういう考えを持つておるのであります、即ちこの五十円の中の三十円で以て受信機の改造をすることになりますると、現在惡い受信機を持つていて、而も分離して聽けないところの極く少数の人の利益のために、国民の大多数が相当大きな犠牲を拂わなければならないのではないかというのであります。即ち現在の受信機を持つている者全部が全部スーパーに切換える必要は毛頭ないのでありまして、その一つの者が聽取者の全体から集めたところの三十円ずつを寄せ集めまして、そうしてスーパーに切換える、或いは新しいスーパーを買うということになるのであります。又若し逆に全部が全部スーパーに切換えなければならないということになりますれば、結局各人が皆金を出してスーパーを買うのと同じことになるのでありまして、三十円余計出したというだけで、受信機は切換えられないのであります。即ち大多数が犠牲になつて、一部少数の者の利益を擁護するのだということになるわけでありまして、これは一部少数のために大多数が犠牲になるということは、この際は考えない方がいいのではないかというふうに私共は考えまして、そういう政策を法案に織込まなかつたのであります。
 それから又現在のようなやり方では、広告送放というお話でございました。この点は私共も最初からいろいろ考えた点でございまして、私共も広告放送、民間放送というものが、直ちにペイをする有利な事業だと考えておりません。これはアメリカにおきまして民間放送が始まつた当初におきまして、その数年間は何処の放送局も全部赤字で悩んだのでありまして、その中に漸次この放送の効果というものを国民大衆が認識いたしまして、この放送を利用するようになつた結果、現在大体中波の放送局は大部分がペイをしているという状態でございます。我が国におきましても、やはり同じようなことが言えるのではないかと思つております。私共も大体二、三年は或いは赤字ではないかと考えておつたのでございまするが、先般東京放送株式会社の創立者の一人でありまするところの吉田秀雄さんが、やはり同じようなことを言つておられました。大体二年くらいは赤字だけれども、三年くらいから黒字になるのではないかということを言つておられました。現在この吉田秀雄さんは民間放送につきまして一番よく研究されている方の一人であると私共は思つておるのでありますが、そういう言葉もございますので、私共は非常に意を強うしておる次第でございます。尚先日私は競輪の話を聞いたのでありますが、初めこの競輪というものができましたときに、これはちつとも儲からない、損する商売だろうということで、誰も手出しをしなかつた。ところがやつて見たら非常に儲かる商売なので、現在は各市とも都市の收入を上げる非常にいい財源だと、盛んにやり出したということを聞いたのでありまするが、やはり新しい事業というものには一つのリスクがあり、このリスくが非改に巧みに企業政策或いは商業政策と申しますか、そういうものによつて切拓いて行くところに企業としての面白味があり、又その企業の将来性があるのではないかと考えるのでありまして、私共は法案で挙げましたような姿におきましても、民間放送というものは必ずしも悲観するに当らない、むしろ将来は非常に有望な事業ではないだろうかと考えておる次第でございます。
○尾崎行輝君 今の政府当局のお話の中に、何かお考え違いがあるのじやないかと思いまするが、少数のために多数が犠牲になるということでございますが、いろいろ私共今まで調べたところにおきますると、相当の改良をしなければ聞えないという機械が実に九〇%以上であるように、これは表にも出ておりますし、知つておりますがそうしますと九〇%であとの残りは一〇%という非常に大多数でありまして、その方のために受信機をよくするのでありまして、ちよつとお話と逆になつたように思いますが、その点どうでありますか。
○政府委員(網島毅君) どういう御調査によりまして、この九〇%という数字が出て参つたか私存じませんが、私共は決してそういうふうに考えておりません。大体先程申上げました民間放送の二局というのは、現在の受信機を殆んどそのまま使うということを前提として出しておる数字でございます。
○尾崎行輝君 それでその点は明確になりましたが、私のいう九〇%というのは今の国民型と言いますか。普通の型を持つておる人が九〇%以上で、スーパーは極く僅かであるというのでありまして、スーパー以外は先程私が申しましたように分離がむずかしい、アンテナヲ張るとか、ウエーブ・トラツプを使えば別でありますが、さつき政府委員が申されたように、第一と第二とそれから占領軍の三つは辛うじて分離できる程度であつて、それ以外は殆んど入る余地がないというふうに考えるのであります。従つてそれが大多数であり、どうしてもあのままで、今のままで直ぐに他の広告放送を聽くためには、アンテナを張つてやれば別でありますが、そういうことは私はしないと思います。併しこれはおのおのの意見の相違になりますが、その点が今非常に不安を感ずるのであります。
○政府委員(網島毅君) 私が今申上げましたのは、現在の受信機を対象として民間放送二局ということは概念的に、抽象的な観念から申上げておるのではありません。私共といたしましては、いろいろなケースの電界強度を計算いたしまして、例えば東京とか大阪という局の現在のN・H・Kの放送局がありまして、それがどういう電界強度の分布をしておるか。そこに他の更に四、五の民間放送が入つて来た場合に、どういう電界強度の分布になり、その場合現在の受信機の選波能力を以て十分選波して聽けるかどうかということを、具体的に地図の方で計算いたしまして、そうして出しておる数字でございまして、決して架空な数字ではないのであります。従つて全部スーパーでなければ、民間放送はできないのだというふうに私は考えておりません。
 それから空中線の点も私共は大きな空中線を張るということは考えておらないのでありまして、受信機の性能から申しますと、空中線が大きくなればなる程、その受信機の選波能力が惡くなります。むしろ小さな空中線を張りまして、外から空中線を伝わつて来る電波を掴まえるという方式がいいのでありまして、大体受信機は空中線を使つて、空中線から電波を取入れるというのが原則でありまして、受信機の性能そのものもそういうふうにできております。ところが現在では日本放送協会の放送だけでありますし、又電波の強さも相当強いものでありますから、電力線を伝わるところの電波を受信機に入れまして、そうして空中線なしでこれを受けておるのでありますが、これは実際は邪道であります。と申しますのは、この電力線を伝わるところの電波は、受信機の最初の肝心のところだけ入るのではなく、至るところに入つて参ります。従つて折角いい受信機を使いましても、脇の方からどんどん入つて来ますから、その性能が惡化することは当然でございます。又この空中線をお使いになるということを、非常に苦にしていらつしやるようでありまするが、仮に鉄筋コンクリートのビルデイングの中に人間が住むということになれば、このビルは大体遮蔽されておりますので、こういう場合には空中線を外に出しませんと受信できません。私共の事務所におきましては、受信機を部屋の中においたのでは聞えませんので、どうしても外へ出すということになります。又現在我が国の電力線は架空線が相当ありますから、外から電波をキヤツチしまして受信機に入つて参りますが、これがよその国のように、ケーブル配線式になりますと、電力線を使つて電波をキヤツちするということも不可能になるのでありまして、更に将来超短波放送或いはテレヴジヨン送放ということになりますと、これは受信機を、空中線を使いませんと殆んどものにならないというのでありまして、受信機を使う以上は、空中線はこれに付き物であるというふうに、私共無線通信の担当者はそういうふうに考えておるのでありまして、国民全体の大体の受信機と空中線というものは不可分のものであるというふうにお考えになつて頂くことを、私共としては非常に望むのであります。
○尾崎行輝君 大体それで政府当局の御意向は分りましたから、質問を打切ります。
○小林勝馬君 電波法で少しお伺いしたいんですが、それの前に電気通信省にちよつとお伺いしたいのですが、私共の方に地方の電気通信関係の人々から、非常に給與ベースの問題について盛んに投書と言いますか、陳情が参つておるのでございます。その後の給與ベースに関する状況、全逓の動向、その他を御説明を願いたいと思います。
○政府委員(楠瀬熊彦君) お答えいたします。給與ベースの改訂につきましては、政府全体の方針につきましては、私共としましてまだ確たる方針を承つておりませんが、全逓の動向といたしまして、飽くまでも給與ベースの改訂をして貰いたいということは、本日から川治温泉で中央執行委員会を開いております。その結果は私共もまだ御いておりませんが、いずれ何らか具体的な提案を、更に電気通信省、或いは政府に向いまして提案して参ることと考えております。只今のところ我々は従来の考えを更に推し進めて行こうというふうになつておると思つております。
○小林勝馬君 今川治温泉で全逓の大会を開いて、その結果でなくちや何ら分らないというような御説明ですけれども、今までにおいて全逓の動向と申しますか、大体の雲行がどういうふうな状態であるか。例えば定時退庁とか、いろいろな問題が新聞に発表されておるようでありますが、そういう点で事務的に支障、その他どういうふうな状態であるかを聽いておるのであります。
○政府委員(楠瀬熊彦君) 全逓の今度の闘争につきましては、御承知のよえに規正闘争というふうにスローガンを掲げておりますが、その一例といたしまして、只今やつておりまする戰術は、定時退庁をいたしております。この定時退庁の状況も、全国の様子を調べて見た結果でございまするが、必ずしも定時に一斉に退庁はいたしておらないのでございます。やはり義務上必要な場合には、現場のそれぞれの長の命令によりまして、やはり居残りをやるようであります。その結果業務全般につきましては、只今のところでは何ら支障を起しておらないように思われます。
○小林勝馬君 一般大場に対して全然ないというふうに了解していいんですか。
○政府委員(楠瀬熊彦君) その通りでございます。
○小林勝馬君 只今の点は了承いたしました。次に新聞にも発表されておりますし、先般大臣も、大体試案ができ上つたというようなお話がありました、いわゆる電気通信の経営は公共企業体が適当であるというような答申案が出されるというように聞いておりますが、これに対する当局の御意見を承りたい。
○説明員(靱勉君) あ答え申上げます。すでに新聞にも報ぜられておるのでありますが、行政審議会でも、電気通信は公共企業体に持つて行くというような答申のように聞いております。それから復興審議会でありますか……の答申そのようになつておるのでありますが、まだ正式に、いずれも答申がなされていないのでございます。私共承ります範囲におきましては、政府としては、まだこれに対して別段の意見を決定していないという状態にある。当局の意見という御質問でございますが、私共としましては、できるでけこの企業の本質から考えまして、この企業性が発揮できるような形態、主として人事管理或いは会計方面におきまして、企業性が十分発揮できるような点を望んでおるわけでございます。これを直ちに公社に持つて行くかどうかということにつきましては、何ら本質的に、内部的に決定しておりません。御了承願いたいと思います。
○新谷寅三郎君 今のお話に関連しまして、私はまだ内容的にいろいろ討議するのは早いと思いますが、両審議会とも電信電話を一緒にして、公共企業体にした方がよいというような意味の答申があるように御いておるのでありますが、それで少し先走るようですが、多少気の付いたことを申上げまして、この機会に御参考に供したいと思います。
 それは私はこの問題については、非常に素人ではありまするけれども、電気通信と一概に言いましても、電信と電話は非常に違うのじやないかと思います。殊に電信と郵便との関係ということを考えますと、一つの企業体として郵便と電信、電話と方ける、両方共企業体になるかどうかは別問題といたしまして……。併し郵便と電信、電話を分けるというのも、一つの案としては或いは成立つかも知れません。併し考えようによりますと、設備の一部分は電信と電話は共通して使う部分があることは事実であるますけれども、併し業務面から言いますと、電信の方はむしろ郵便と非常に似かよつて面を有するものであります。末端に参りますと、電話と違つて電信はやはり配達をしなければならん、窓口も同じようなものであります。従いましてお考えをお進めになる場合に、電信を如何に扱うか、むしろこれは郵便と同じように考えた方がよいのではないか。つまり私最近いろいろ調べた見て気の付いたことは、郵便と電信、電話というふうに二つに分けるよりも、郵便と電信、それから電話というふうに分けた方が、両方の事業主体がうまく動くのじやないか、こういう考えを段々持つようになつたのであります。今結論的にこれについて御意見を伺うのも無理かも知れませんが、併し何かそれについて靱氏なり、山下通信監なり、御研究しておられることがございますれば、意見を伺つて置きたいのであります。
○政府委員(山下知二郎君) 只今御指摘の点につきましては、実はこれは省議で決つたことではございませんから、個人的な意見になります。二省分離の際に、その点は一応検討いたしました。と申しますのは、それは只今の御意見と同じように、大体同じようなことを考えたのでありますが、郵便と言つても、いわゆる意思の伝達の方法としまして或いは近い所では伝えてやる、離れた所は汽車で送る、遠い所は電報で送る、更に速達を利用して遠い所は航空便で出すといつたように、意思の伝達の方法としましては、むしろ電信は郵便業務ではないか、こういう考えからしまして、関係当局に対しましても、そういう意見を申述べて、これは我々としてはフランクリーニ研究して見たいということで、数回に亘つて研究して見たのであります。併し一方翻つて考えますると、電信と電話というものは、只今も申しましたように、電信の方は片通信であるし、電話の方は答まで聞く両通信であるますが、機械的に考えまして、又機能的に考えまして、その面では非常に相互利用し得る、相互援助し得る範囲が大きいのであります。例えば現在も実施いたしておりますが、電報の配達方法を電話で以てやる、或いは電報の受付けを電話でやるといつたような面につきましても、両者一緒にして考えております。又電信線を或る程度浮かしまして、そしてそれを電話の方へ活用するというようなことも、只今研究中でございます。従いましてとことんのところ、いずれがよろしいかということは、まだ経返上のことも考えなければならないというので、電信の合理化ということにつきまして、私共今鋭意研究いたしております。ですから、ここで直ぐにどちらがどうだということは申上げかねますけれども、只今御指摘の点につきましては、昨年来研究しておりますということだけを申上げて、お答えにしたいと思います。
○新谷寅三郎君 大体その程度で結構でありますが、山下通信監のお話の中で、例えば電信の利用について、電話と非常に関連の部分が多い。勿論これは関連がありましよう。併しそういつたのは、これは利用の方法が問題であります。これは別の企業体になつても、当然これは利用されて然るべきであります。利用上不便を感ずることはないと思うのであります。むしろもつと具体的な問題として考えますことは、両方が公共企業体になりまして、これは幾分問題は少くなつて来ると思うのであります。港間に伝えられておるように、仮に電気通信だけが公共企業体になつて、郵便関係の方は従来のまま官営の形で行くというような場合には、相当問題が起るのじやないかと考えるのであります。これは特に末端において問題が起るのでありまして、一例を挙げますと、これは公共企業体関係の集配人である。これは官営事業の集配人であるということになつて来るだろうと思うのであります。そういたしますと、仮に公共企業体がその收支の状況によつて職員の待遇も改善する、いろいろな労働條件も変えて行つてよろしいということになつて来ると、同じような性質の仕事をし、場合によつては同じ局舍の中で仕事をしておつても、その間に非常に違いがあるということになるのであります。こういうことは、末端の人を動かして行く場合に、絶対に困る問題であろうと思うのであります。一方電信と電話の関係を考えますと、どちらがその施設を所有するかは別といたしまして、電信はとにかく、電話の方で施設上、いろいろと施設の一部分を、何かの契約によつてこれを十分に利用できるようにすればいい、又この責任を、所有する企業体の方で責任を持てばいいのであるというふうにも考えられるのであります。こちらに対しても法的措置を講じて置くことも可能であると思います。従いまして、只今お話のような点も一理あることは勿論でありますけれども、その御意見に拘束されないで、あらゆる点をお考えになつて、若しこういう答申案が実現の運びに至るものならば、あとに問題を残さないように、十分な御検討をお願いしたいと思うのであります。私も決して意見を固執するわけではありません。ありませんが、従来もう先入感的に電信電話は一本のものである。従つて公共企業体ならば、当然両方とも一本でなければならないという観点からのみお考えにならないで、事業の実態に即して、あとの運営が両方共うまく行くようにということを考えて行かければならないと思いますので、念のために今からこの点について申上げて置きたいと考えたのであります。そのおつもりで御検討願います。
○小林勝馬君 この前の補正予算だつたと思いますけれども、金額も三百万円か三千万円か忘れましたが、電気通信省は広告をやつて、広告の收入において可なり收入を挙げるような計算が出ておつたのでございますが、現在まで電気通信関係で、どういう程度実施されておるか、又今後例えば電柱広告その他は何時頃から実施される御予定か、そういう点を承りたいと思います。
○政府委員(花岡薫君) お答え申上げます。現在やつております広告は電話番号簿に登載します広告に限つております。計画といたしましては先ず電柱、その他公衆電話、電報、電話局舍というようなものを考えております。この電柱以下の広告媒体物につきましては、何分初めてのことでございまするし、電気通信事業経営の全体から立つて考える考え方もいたしまして、その広告と申しますよりは、最も根本的に、一体やるべきかやらざるべきかということにつきましても、関係方面に相当の議論が実はございます。それらを総合いたしまして、手取早く実行したいと考えておりまするが、なかなか運びにくいような段階になつております。尚電柱以下の広告につきましては、その広告事務の性質上、広告業者を活用してその能率を挙げることを考えておりますが、実はこの点につきましても、電気通信事業経営の全体的立場から批判がございまして、或る種の有力な反対論も実はあるのでありまするので、そういう点を合理的に説明のできるように、現在研究している次第でございます。
○小林勝馬君 この問題はあの予算の節に十分御説明も頂いたし、又私共の意見も申上げてあるわけでありまして、例えば電柱広告のごときも相当の税收も見込まれるし、又局舍その他の広告によつて、従業員の福利厚生面にも相当廻せるというふうに、この前もあなたの方でも御説明相成りましたし、私共の方でもそういうことを強く申上げた筈なんですが、現在年度末も間近に控えて、何らそれに手を付けておられないような御説明では、どうも私共納得行きかねるのです。現在あの予算に盛られた金額は、電話簿だけでどれだけの金額が上つておるか御説明願いたい。
○政府委員(花岡薫君) 番号簿の方の広告收入は二十四年度におきましては、一億六千万円金額を挙げております。十二月に入りましてから努力を集中いたしましたような時期的な制約もありまして、或いはもつと挙げ得る余地もあると思いますが、ともかくも二十四年度としては一億六千万円挙げております。電柱以下の点につきましては、只今まで御説明申上げましたし、又御鞭撻も頂いておりますが、実はこの点につきまして、時期的に多少狂いを生じておりまして、急いで実施したいという方針には変りはございませんが、いろいろな経過を辿つておりまして、今以て確たる最後案に到達しておらないということは誠に遺憾に存ずるところであります。できるだけ早く実施しまして、一般にも広告、特に電柱を利用する広告に関する要望が強うございまして、私共もそういう業界方面からも頻と要請を承つておるのであります。できるだけこれは早く実現いたしたいと考えております。目下努力いたしております。
○小林勝馬君 やることには間違いないという基本線が決つておるような御説明でございますから、早急にそういういいことは実施される方がいいのじやないか、現のこの広告だけで放送局を作ろうという申込みの会社が四十数社も現在出ておるような実情からいたしまして、現に遊ばしておる電柱に対して、そういう收入の途があるのですから、それで一日も早く従業員の福利厚生の面その他に振向けるべきだとかように考えます。早急に、新年度又ぐずぐずして二十五年度も研究に研究を重ねるということのないように、一つ早急に実施されるように要望する次第でございます。次に電波庁に御質問……。
○委員長(松野喜内君) ちよつと小林委員に済みませんが、今小林委員の御発言に関連して一言私もかねてより個人として思つたことを附添えて、花岡政府委員にお願いやら希望を申上げて置きたいと思います。日本の従来広告というものが非文化的に言われ、誠に宣伝科学、世界国際的の文化方面から見たる眼では低級であると評されておる、市街の美化運動から見ても、誠にまずいと言われておりますから、何とぞ御予算はございますまいが、これが実施面におきましては、一つさような従来のような低級なる、非科学的なる美観を殺ぐような状態の広告をなからしめるように一段と御注意を願つて置きたいと思います。これは希望に申上げておきます。
○小林勝馬君 電波監理長官にお伺いしたいのですが、先ず最初にこの監理委員会規則案でございますが、規則案を、これはまだ簡單だけれどもというお話で、一応簡單なものを頂いておりますが、その後進捗したものをと申しますが、その成文に近いものをいつ出される御予定か、それを承りたい。現に私共が手に入れておりますのは、関東電波監理局から出されておる資料よりも、電波庁で出した資料の方が余りにも粗雑で、余りにも簡明過ぎるようなものを現在出されておる。そうして先般からこれは條件附で申上げておつたのですが、この規則案なるものを拜見した上で、この案の審議の資料にしたいと申上げておりますが、未だにそれを出して頂けないのですが、一体いつそういうふうなものをお出しになるのか、又これに対して民間にも利害関係者が非常に多いのでございますが、こういう人々の御意見その他は聽かれる御意図であるのか、官庁側だけで御立案されるのか、その点も承りたい。
○政府委員(網島毅君) お答え申上げます。
 先般確か当委員会で御説明申上げたと思うのでありますが、仮に今度の三つの法律案が国会を通過いたしますと、それによるところの規則というものは、相当大きなものになるのでありまして、現在の私共の見込は、或いは十條以上にも上るのではないかと思われております。従いまして、これらの尨大な規則を法案が通過いたしまして、それから取掛つたのでは到底間に合はないことはよく知つておりますので、法案の立案が済みましてから直ちに、その準備に取掛つておるわけであります。すでに相当部厚な規則案が手許に用意してございます。先般御手許に差上げましたものは極くその概要でございまして、これらの規則案につきましては、私共といたしまして、非常に愼重を期しておるのでありまして、部内のみならず、広く各方面の意見もできるだけ聽きたいと存じておりまして、二月の初旬に全国の電波監理局の技術部長、業務部長を集めまして、私共の持つておる案を説明をいたしまして、それをそれぞれ現地に持帰つて、現地で更に直接施設者、或いは従事者、その他の意向も聽いて貰いまして、更にそれらに対しまして監理者側の、監理者と申しますと語弊がございますが、電波監理局側の意見も加えたものを持寄りまして、先般全国電波監理局長会議を開きまして、これを論議した次第でございます。そのようにして私共もいろいろ準備に愼重を期しておるのでありますが、それを以てしても、私共はまだ十分満足した成案ができておるとか考えておりません。もう少しこの案につきまして推敲を重ねまして、そうして一応今後できるでありましようところの電波監理委員会に提出したいと考えております。勿論この規則なるものは、電波監理委員会で出すのでございまして、私共はその下案を作つておるということを御了承願いたいのでありまして、この下案につきましては、若しどうしても出せというこの委員会の御意向でありますれば、提出するのに吝かではございませんが、私共といたしましては、これは飽くまでも委員会が、作るべきものであつて、私共はその下働きをしておるという考えでおりますので、私共の作つた案がそのまま委員会をパスするかどうか、私共は存じておりません。従いましてできますならば、概要で御了解願えれば、非常に幸いだと考える次第であります。
○小林勝馬君 これは一番最初に要求しておるので、今頃そういう御要求があればという御答弁はちよつとおかしいのですが、これは最初から申入れてあることで、概要だけでは分らない。もつとはつきりした具体的なものが我々は欲しい。それを待つておるようなわけで、勿論今御説明があるまでもなく、電波監理委員会で決定することは百も承知しております。今更それを聽こうとは思つておりません。概要だけを出されて、これでということは、私共は非常に困るので、大体あなたの方で下案を作られた、その案の全部を一度見せて貰わなければ困るということは、再三申上げておるところでございます。そういうわけでございますから、できておるならば早急に拜見させて頂きたいことを、改めて再要求申上げて置きます。できておらなければ早急にやつて頂きたいということを申添えて置きます。
 それから次にこれは再三お伺いしたかと思いますが、無線通信士の国家試験に関して、一般的素養をどれくらいお考えになつておるか、この規則案によりますれば、普通学は全然採入れられないで、僅かに英語があるだけで、他はないようだが、どういうふうにお考えになつておるか、その方針を承りたい。
○政府委員(網島毅君) お答えいたします。これは勿論只今お話申上げましたように、私共の下案でございまして、更にもう少し検討を加えるつもりでございますし、更に委員会において又訂正があるかも知れないということを御承知願いたいのでありますが、現在の段階におきましては、一級無線通信士は内国法規、外国法規、電気理論、それから一般素養と申しますものは、英語その他、地理という程度のものを考えております。一般素養の問題に関しましては、当委員会におきましても御指摘がございましたが、法律にはどういう課程の学校を経ていなければならんという條件はないのでありまして、大体法律上は義務教育を終えただけで差支ないことになつております。併しながら私共といたしましては、今後一般無線通信士或いは二級無線通信士というような高級な無線通信士につきましては、やはり一般的な社会的な問題につきましても、相当な常識は必要だと考えております。従いまして従来のこの無線通信士の科目にはございませんでしたが、将来こういうものも或る程度のものは採入れて行く必要があるのではないかと考えております。勿論これ等の普通学科と申しまするか、全般的な問題に関しましては、特殊な教育、例えば電気通信大学とか、そういうような学校の卒業生にはこれを課さないというような方途も考えたいと思つております。
○小林勝馬君 これは文部省でやつておりますところの無線通信従事者教育審議会において、先般問題になつたのでございますが、一体アメリカあたりではどういうことをやつておるかという点から研究して見たのですが、アメリカあたりのやり方は、日本のような七單位、八單位という学科もまだ多いようでございますけれども、向うの人は、この検定試験、国家試験を受ける人は、ジユニア・カレツジを出た人だと、それだから何でも一般的素養は必要ないという御説明でありましたが、日本の場合は僅かに六三制を経た者で受けられるということになりますので、一般素養が非常に軽く見られているのじやないか。それともう一つは、アメリカあたりの事情と日本の通信士の事情というものは非常に違うのじやないか、向うは自分の国語でぺらぺらとやつておればいいのですが、日本は他国語を使つてすぐ対外的に折衝して行く、いろいろな話もして行かなくちやならんということからして、英語だけの素養が、電気通信大学乃至は電波高等学校を出ておればいいというような程度じやいけないのじやないか。全般的な試験もやるべきじやないか。依つて今度の規則案を今見ますと、僅かに七單位が第一級二級に課せられておりますが、これに普通学を課す必要があるのじやないか。而うして先般私が長官にもお伺いして、例えば一級の場合は電気通信大学を出た人は何か試験の科目を省略すると、二級の場合は電波高等学校を出た人に省略するということを申上げて、何かそういう措置を採りたいと、採れるだろうという御答弁であつたのですが、それこそむしろ一般的のものを、全部これをやらせて、一般の受験者にも全部試験を受けさせて、これ等のものに省略するというふうに行く方が普通ではないか、それでこそ立派な一級の国家試験であり、二級の国家試験じやないか、かように考えますがその点どうですか。
○政府委員(網島毅君) 私が先程普通学と申しますか、一般のこの問題についても試験を課す必要があると思うと申上げましたのは、只今お話の趣旨と同一だと思つております。そういう意味合で申上げたのであります。今後十分その点も考慮したいと思つております。尚このアメリカの無線通信士の資格は、大体專門学科と申しますか、專門的なものに限定されておるのでありまするが、それは必ずしもこのアメリカの無線通信士になる資格は、ジユニア・アレツジを察業したものとなつておるということはないと考えております。実際上は或はジユニア・カレツジを卒業したものが大部分かもしれませんが、独学でやつた人も十分この試験を受けておるのであります。ただアメリカでこういう普通学の試験をやらずに、日本においてその必要があるかと私共は考えておりまするのは、無線通信士、無線従事者に対するお考え方が、私共とアメリカと若干違うのであろうと、私共は考えておるのであります。即ちアメリカにおきましては、無線従事者というものは大体これは一つの……と申しますが、端的な言葉で申しますと、單なるこれは技術者だ、その機械さえいじれればいいんだというお考え方が相当強いように私は考えておりまするが、併し我が国におきましては私共はそういう考え方をしておりません。殊に一級無線通信士、或る場合には二級通信士がそれぞれ通信長となつて、相当重い責任を背負つて行くのでありまするからして、相当社会常識もあり又立派な、ものの判断のできる人がその主任の無線通信士になる必要があるという見解を持つておるのであります。そういう意味合から、この普通学その他こういう常識的な試験と申しまするか、そういうテストもした方がいいんじやないかと考えている次第であります。
○小林勝馬君 そういう科目を考慮するというお話ですから結構でございますけれども、今のジユニア・カレツジを必ず出ていなければこの試験は受けられないとはアメリカでもしてないそうです。それはしてないけれども、この間C・C・S、C・I・Eの向うの専門家にわざわざ来て頂いて説明を求めたところが、実際問題としては、ジユニア・カレツジを出ていない人はないのだというくらいになつておるので、その点は余り心配ないというような御説明を聴いたような次第であります。そういうようなわけでございまして、今アメリカの機械とこちらの機械とは相当の矩りがあるということは、これは長官も御承知だろうと思うのです。向うの機械は実際に放送局においても、無線電信のトランス・ミツター乃至は受信機においても、全然機械の能率というか、能力というか、いろんな点において違う。向うのやつは殆んどオーペレーシヨン、いわゆるいじつて、ただあれするだけでやれるように、完全である。むしろ機械が完全であるというくらいになつておるから、技術的素養も余り要らないかもしれないけれども、日本のものは極端に言えば、がたがたの機械をこちらの技術で少し埋合せてやつとこさ通信ができておるというのが実情じやないか。とにかく先般向うの注文の船に日本のラジオ・メーカー、無線メーカーの造つた機械を据えつけて……デンマークの船ですが、行つたところが、航海して帰つて来て、この機械はノーグツドだと言つて蹴飛ばされたような実情もある。それは段々調べて見ると、たつた部品一つ外ずれていても、向うじや手をつけない、この機械駄目だというふうに見られる。現に船舶に行くと分りますが、向うの機械は壁際にぴたつと附けて、後ろから手を着ける必要のないほど、機械は据付けたようになつておる。日本の機械は後ろを何センチほどか明けて、後ろから時々廻つて、手で機械の修理をやらなくちやならんような修理の仕方をしておるような実情でありますから、そこにおいてやはり専門的の技術のみならず、一般的素養もそういう点からしても必要である、かように考えますので、その点も今後のこの規則を作られるのには、お考え願いたい、かように考えます。
 次に御質問申上げたいのですが、ここに又地方公共団体の所属の漁業用無線局は、漁業の指導監督に関する通信の外、漁船との間の漁業上一切の通信を取扱いすることができるようにして貰いたいという意見も非常に強いし、我々もそう考えるのです。或は又は地方公共団体所属の漁業無線は、現在三十三局あつて、現在の無線電信法の第二條による施設を許可せられて、尚旦目的外使用の許容範囲においても、一般漁船との漁撈通信を取扱い、水産業の発展に大いに貢献しておるという実情でありますが、この電波法案に基く電波監理委員会規則案によりますと、この利用を非常に困難ならしめようとしておるような点が見られる、現在及び将来の水産施設に甚大影響があるんじやないかと、かように考えますが、この点はどういうふうにお考えになつておりますか承りたい。
○政府委員(網島毅君) 只今御質問の点は、私共も非常に愼重に研究し、又議論しておるわけであります。と申しますのは、この問題は非常にでリケートな点を含んでおるのであります。現在のこの漁業無線通信は、御承知のように無線電信法第二條でやつておるのでありますが、これは専用通信の観念であります。従いまして従来の漁業会或いは漁業組合等がその無線を施設いたしまして、そうしてその組合員との間に通信をするということが原則であります。同じようにこの地方公共企業体の無線業務は大体その指導船、その地方公共団体に属するところの指導船、或いは漁業の指導上必要な通信に限定されておるのでありまして、これが一歩羽目を外して誰とでも通信をするということになりますと、これは公衆通信の範囲に一歩足を踏込む危険が非常に多いのであります。これはこの現在の無線電信法、或いは将来の電波法が公衆のための通信は国がこれを行うのだという原則と矛盾して来る危険があり、私共非常に愼重に取扱つている次第であります。従来この点は地方公共企業体の無線局の或るものをこの無線電信取扱所にいたしまして、即ち公衆通信に共用いたしまして、そうして一般漁業通信をやらせておつたのであります。ところが御承知のように地方自治法ができまして、最近この地方自治法の中に、国の行うところの業務は地方公共企業体はやつてはいけないという一項があるのでありまして、この解釈につきまして、地方自治庁といろいろ折衝いたしましたところが、地方自治庁の解釈は、地方公共団体は国がやつている業務、即ち電信、電話の業務はやつていけないのだという解釈を最近は取つております。そうしますと、この地方公共企業体の無線局が公衆通信取扱所になるということも、これは法的に非常に疑問が起つて来ておるのでありまして、この点は何らか外の方法によつて解釈しなければならないのじやないかと私共考えております。私共の考えといたしまして、一番いい方法は、漁業者或いは漁船の持主等が任意組合を作りまして、無線に関する任意組合を作りまして、広くその無線局と交信を望むところの漁業者達をその組合の一員にいたしましてやるという方法が、一番適切じやないかと今考えておる次第でありますが、まだはつきり結論が出ておりません。いずれこれは電気通信省なり、或いは水産庁その他とも協議して決めたいと考えております。
○小林勝馬君 今の御説明によりますと、地方自治庁でも決定的の解釈だというふうに伺つたのでありますけれども、まだ私共の調べたところによりますと、そこまで行つておらないように承知しておりますが、それはいずれにいたしましても、現在地方公共団体で三十二局持つている。この海岸局が、一度にそれを民間でやらなくちやならないということになつたら、恐らく閉鎖しなくちやならんような結果になるのじやないか。或る地域の漁業用海岸局のごときは、辛じて県の施設で県の費用で賄つておるというのが相当多数あるので、これを如何ようにそれではやつて行かれるようなおつもりであるか。電波庁で補助してまでおやりになるのか、どうなのか承りたい。
○政府委員(網島毅君) お説のように、現在地方公共団体が持つておりますところの無線局は、多分に漁業奨励の意味合を持つておるのでありまして、地方財政からこれを相当部分を負担しているということは事実であります。併しながら国会において制定されましたところの地方自治法がそういう趣旨であるといたしますれば、私共といたしまして、法律違反をやつておるわけには参りませんので、何とかこれに代る方法を考えなければならない。それには先程申上げましたように、任意団体を作るとか、或いは漁業協同組合を利用するとか、まあいろいろな方法があると思うのでありますが、この経費の問題につきましては、現在地方公共団体が無線局のために負担しておるところの経費をこの任意団体なり協同組合にそれだけ出すということになりますれば、これは県だけが負担しておつたものを、更に範囲の広い組合員その他も負担することになりまするから、お互に利益じやないかというふうに私共は考えております。併しこの問題は先程も申上げましたように、まだ決定した見解ではございませんので、只今のお説もございまするから、更に十分検討したいというふうに考えております。
○小林勝馬君 それで先の電波庁の御意見がですね、地方自治法の云々の解釈が正当なりというふうな見方を現在までしておられるように私共は承つております。恐らくそれがそういうふうな見解を電波庁自身がしておられると、実際問題において地方の役所関係で、実際辛うじて運営しているこれらのものは、民間にこれをやらせるということになると、漁業奬励どころではなくて、もう全然できなくなるのじやないか、だからむしろ地方自治法を変更して行くとか、そういう解釈があるのなら、反対の方に持つて行くように電波庁がむしろお考えになるべきじやないか、それでこそ又現在全国的に相当ある漁業用無線局があらゆる面で、県の補助その他によつてやつとここまで拡張して来た、それが又元に戻つて、そういうふうで費用負担をしきれなくて、段々今度は閉鎖するという結果に相成るのじやないか、こういうふうにも考えますので、私共国会の一員としても、その点を地方自治の関係の方にも申入れをするつもりでございますけれども、今まで私共の聞いておる範囲内では、電波庁自身も、一般民間に皆これをやつてしまおうというようなお考えが非常に強いように考えておりますので、念のためこう申し添えて置きたいと思います。
 それからこれは無線局の運用規則を電波庁から頂戴したのにはありませんが、関東電波監理局から頂戴したのには、無線局の運用の問題がありまするこの第二章の第四節に、漁業用通信の項を入れてあります。これが今長官の言われるように、漁業用はいわゆる專用であるという立場からするならば、むしろこの第二章の第四節は要らないのじやないか、これは海上保安通信とか、気象通信とか、警察通信とか、その次位に位する無線用通信なんじやないか。それならばわざわざここに第二章第四節を作る必要はないのじやないか、こういうように考えますが、この点はどうですか。
○政府委員(網島毅君) 先ず最初に先程の公共企業体の地方の業務に関する地方自治法の解釈の問題について若干申上げたいのですが、これは電波庁の解釈ではございませんので、私共といたしましてこれは地方自治庁に協議いたしました地方自治庁の解釈でございます。従いまして地方自治庁に関しましては、地方自治庁がこれは主管庁であるものですから、私共としては、その解釈に従わなければならないという状態であります。尚この地方自治法が電波行政の立場から見て不適当なら、それを直すように努力をした方がいいじやないかという御説も御尤もでございまして、今後私共はそういう線で努力をしたいと思います。
 それからこの規則の第二章第四節のお話でございますが、実は先程申上げましたように、この規則案なるものはまだほんの草案なのでございます。従いまして私自身もこの規則案に非常に不満が多いのでございまして、私が国会、この委員会におきまして、ときどきこういうふうにしたいと思つておるというふうに申上げたことも、盛つてない部分が沢山あります。従いましてその点に関しましては私がここで御約束した点は、少くともこの事務当局の案としては、是非規則に織込むようにということは、今話して、鋭意その規則の整備に当らしておるのであります。従いまして只今第二章第四節のことを私よく存じないのでありますが、御説のような趣旨、或いは先程私が申上げたような趣旨を十分に取入れまして今後進めて参りたいと思います。
○小林勝馬君 それですから先程から言つておるように、電波管理委員会の規則の詳細を予め見なくては危なくてしようがない……。草案だけぶつけられておつて返事ができないような状態でございますので、早急にその案を私共に見せて頂きたいと、さように考えております。
○政府委員(網島毅君) 承知いたしました。できるだけ御趣旨に副うようにいたします。ただこれは言葉を返すようで甚だ申上げにくい点もあるのでございますが、この法律でこの規則に委任されまして、そうしてこういうものは規則に委任してよろしいというふうにして頂いた点は、或る程度規則の方にお委せ願いたいと私共思うのであります。と申しますのは、勿論いろいろ法律によりまして、規則に委任いたしまして、この規則を出すときには、一体どういう考えで出すかという御質問に対しまして、私共答弁しておりますし、その答弁したことにつきまして、私共は責任を以てそれを一応規則の案の中に織込んで、実現を期して行くつもりであります。この法律案と同時に、この規則の内容についても、国会で御審議になるということになりますれば、これはそれを法律の中へ織込んだ方が、むしろ適当なのではないかと私共自身考えるわけであります。法律の中に盛りにくい、或いはなかなか直ちに法律の中に書き得ない、或いは将来変るかも知れないというようなもので、必ずしも法律でやらなくても、国民の権利義務上そう大して支障ないというふうに私共が考えたものを、一応規則に委任して出すというふうにしておるのでありまして、その点規則に委任するかしないかという点を十分御審議願いまして、私共の差出しますところの規則案は、御参考程度に一つして頂きたいというふうに存ずるのであります。勿論委員会ができて、委員が何と言われるか分らないのでありまして、その点御了承願いたいと思います。
○小林勝馬君 今そう開き直つて言われると一言したいのですが、私共どういうふうに作ろうと自由自在だというように考えておらないのです。やはり我々としては、先般の海難審判法を私が委員長で審査したとき、規則案ができないために、案が六十日近く、最後の日までかかつてやつて辛うじて通つたような実例をありまして、やはり法案の、本法においてやはり懸念のあるところは、とことんまで聽き質していいのではないか。ですから何もかも委任するからあとは、本法さえ通して、あとは委任事項であるから、いろいろ言われるあれはないというふうにはつきり言われたのでは非常に困るので、私としては少くとも案ができたら、委員会で説明くらいして貰いたい。少くとも電気通信委員会に対しては、それくらいの態度で進んで貰いたい。それでいいかどうかという……それを全体私共が規則までとやかく言うわけではありませんけれども、或る程度のあれはあるのではないか、それについて、私共はこの法案で委員会規則によるというよりも、多分そんなあれも入れることもあるまいというあれで、我々今まで進んでおるので、それを委せたものは全部委員会がやるのだから自由だというのでは困るのではないかと思います。
○政府委員(網島毅君) 私の言葉が足りなかつたので、或いはそういう誤解をお持ちになつたといたしますれば、決してそういう意味ではないというふうに御了承願いたいのであります。勿論私共法案を作りましたものの立場として考えたところの規則案は、できるだけみなさんに御覽願うようにいたしたいと思います。先程申上げたように、私共も鋭意規則案の整備に取りかかつておるのでありますが、私といたしましても、まだ不満な点も沢山ありす。而も千以上に亘るところの各規則の條文について、私自身まだ十分検討をしておりません。従つて自信を持つてこれなら大夫丈だと思うというふうに、国会へ差上げることはできない立場にあるわけであります。その点御了承願いたいと思います。目下私共の状態といたしましては、法案についてのいろいろな資料を集め、法案についていろいろ御説明することが手一杯でありまして、規則の整備については、まだ部下にいろいろ頼んでやつて貰つておる状態であります。私もできるだけ速やかにその規則案を見まして、私の意見を加えまして、委員会にお出ししまするが、この規則案が完成しまするまでには、まだ若干日にちがかかると思つております。従いまして規則案の最終的なものを作ります前には、委員方の御意見を伺うことといたします。この規則案を、現在できておるものを直ちにこの委員会に御提出いたしまして、御審議願うということになれば、又誤解が起りまして、却つて審議を複雑にするのではないかというふうにも考えますので、規則案の提出は若干もう少し時間を頂きたいというふうに考える次第であります。
○小林勝馬君 それではそれは留保いたしまして、あなたの方で案が完成いたしましたならば、この委員会に対して説明会なりなんかをして頂いて発布されるというお約束をして頂きたいと思います。
○政府委員(網島毅君) 承知いたしました。
○委員長(松野喜内君) ちよつと政府委員に一言委員長としてお願いや希望を申上げて置きます。他の委員会でも経験したことですが、今網島政府委員のおつしやることもよく分りますが、私共は本筋の大きいことを法案で決めることは立法の責任を持つておる、而して細かいことにおいては、これは委任していいではないかとおつしやること、これも同意であると思います。併しながら見方を更に転じて、我々は大きい法案を、つまり委員の頭が、これは電波監理委員会等でいろいろ議して行かなければならん、内容はどういうことであるかということを頭に知つて、而してその頭でこの法文を決めることが必要であるという場合もあるという意味から、今小林君の言われる決まつてしまつた材料を干渉するのではなくて、善意に解すれば、我々委員の頭の考で資料として下拝見することも又必要ではないかというような意味において、一つ参考資料的に……これがために混乱、これがために本條文がいよいよ混迷に入つたというのでは、これはもう却つて禍になりますけれども、そうでなく、一つ法案が委員の手によつて立派にできるような意味において、参考書類も渡すように一つお願いいたします。
○政府委員(網島毅君) 承知いたしました。
○水橋藤作君 次官が見えておられまするので、この前に質問を留保して置きました点を次官にお伺いしたい、かように考えます。先達で質問いたしましたのは、日本電話施設会社の買收問題でありますが、三年以前からこれが事務及び財政方面から、関係方面に報告されておつた。然るに今日までにそれが実行されないでいたのに、今度は急激に四月末までに、これを却つて引受事務を完了しろということになつたのであります。会社側及び従業員は非常に慌てているのでありますが、この事務が遅れました理由をちよつとお伺いいたしたいのであります。
○説明員(靱勉君) 建設会社の業務を買收ということではございませんで、業務を引継ぐということでございます。それでこれに対しましては、もとよりこれに対する電気通信省側としての諸般の準備も進めなければならん、又当時御承知のように、国際電気通信株式会社及び日本電信電話工事会社等も、同様に性質は違うのでございますが、ともかく会社の業務を止めるというような、いろいろな失業問題もある。私当時本省におりませんで、その間の経緯は山下通信監の方がよく御存じでありますが、いろいろ予算的措置も講じなければならん。尚又、電設の業務全部完全にこれを引継ぐということにつきましても、いろいろと実は問題がありまして、それらも若干時期の経過によつて、解決したいというような考えもあつたやに聞いておるのでありますが、漸く予算的措置も取れましたので、当初関係方面に回答しておいた三年の期間完承を迎えまして、取急ぎ準備を始めているような次第であります。
○水橋藤作君 それでは一昨年ですか、この覚書を向うの渉外局にお出しになつたその方法によつて、今度の買收でなければ引受事務をお取りになるものと解釈してよろしうございますか。
○説明員(靱勉君) それは前回の委員会におきまして、山下政府委員からお答えいたしました通り、これは先方の方におきまして、了承いたしていない部分が相当あつたのであります。従いまして、それと違つた形になつているところがございます。
○水橋藤作君 そうしますと、この覚書によつて回答されたものと、今度引受けようとする経費その他予算面は、その当時と違つておるということに解釈していいわけですね。
○説明員(靱勉君) そうでございます。
○水橋藤作君 そうしますと、お伺いいたしますが、それに対しましての、我々は買收と考えておりましたが、引受でも構いませんが、その営業権とか或いは資材面なんかの、要するに引受方につきまして、会社側と承解がついておりますかどうか。その点をお伺いしたい。
○説明員(靱勉君) これは一月でございましたか、電通省といたしまして、電話設備会禎にこの事務を引継ぐということを、正式に御通知いたしました。それによりまして、両者特別の委員会と申しますか、交渉会を持ちまして準備を進めておる次第でございますが、只今御質問の営業権の問題、これはなかなか困難な問題でございまして、現在の情勢におきましては、営業権の保障というようなことはできないということに大体なつておるように、私共現在の段階においては考えております。これにつきましては、いろいろと議論のあるところかと存じますし、又御質問の意味につきましては、或いは昭和二十二年に覚書に対する回答としまして、電気通信省としては営業権を保障したいという文句があつたために、それに対しての御質問かとも存じますが、私共としましては、何ら会社に対しまして営業権の保障でなくても、会社のいろいろなその後実情も聞いておりますので、この際業務の引継ぎを円満にするように、又会社従事員、社員の人々の利益も考えまして、いろいろと目下努力中でありますが、只今申上げる段階におきましては、営業権の保障は困難のように考えております。
 次に資材等の買取りにつきましては、これは電気通信省におきまして会社業務を引継ぎまして、今後保守建設等をやつて行く上におきまして、必要なるもので、有効なるものにつきましては、買收する考えで話合いを進めておる次第であります。
○水橋藤作君 設備資金として今年度九億四千八百万ばかり計上してあるように思うのですが、そのうちでこの資材をお買いになる予定であるかどうか、その点お伺いしたい。
○説明員(靱勉君) 設備資金と言いますか、私共の方で資材を買う場合には貯蔵品勘定でございますが、それで買うことになつておりますので、必ずしもその金額に、その予算に拘泥されるわけではございません。
○水橋藤作君 私間違いましたが、二十四年度の予算に二千万円ですか、予算を盛つておられるやに伺つたのですが、その点如何でしようか。
○政府委員(山下知二郎君) 予算差繰りをいたしまして、二十四年度で以て業務引受後に要します保守資材を二千万円の程度で引取ろう、その他極く概略二千万円でございますが、従いましてより以上引取り得るもの、及び将来の建設に必要にして使用し得るものでございますならば、とにかく予算を差繰つて購入するという考えであります。
○水橋藤作君 この引取る事務運営上、会社側と官側とのみで協議しておられるが、組合側が協議の中へ加わつていない、一方的であるという声があるのですが、もうすでに事務の引継ぎが完了いたしましたかどうか、その点を伺いたい。
○政府委員(山下知二郎君) 会社側と我々役所側と更に組合員の代表者も入りまして、協議をやつております。ですから組合としましても、大体の筋は承知の筈でございます。尚又私は一昨日でしたか、組合の人に会いまして、よく話をいたしました。現段階では阻隔はいたしておらない考えでございます。
○水橋藤作君 組合の方から陳情が来たのでありますが、山下さんに会いたい、いろいろ話を聴きたいと思うけれども、どうしても会つてくれない。而も事務引継ぎに対しては、組合を入れないで、会社側と官側と一方的に事務の受渡しをしているという陳情に来たのでありますが、それでは組合の言つて来ていることが嘘であるというように解釈してよろしうございますか。
○政府委員(山下知二郎君) 只今の会つてくれないというような話は、これは実に私、心外な話でありまして、時間のある限りいつでも会う、併し組合員が参りましても、私が席にいなかつたり、或いは重要な会議をしていたりいたしまして、会えなかつたことはございますが、私、時間があるにも拘らず、或いは差繰れるのにも拘らず会わなかつたということは、今まで一回たりともそんなことはございません。又その点は組合もよく知つている筈であります。一昨日参りましたときも、丁度今時間もいいから話そうと言つて、数時間に亘つていろいろ話合いをしたくらいでありますから、組合側が水橋さんに言われたことについては、私ちよつと腑に落ちないと思います。
○委員長(松野喜内君) 段々時間も移りましたので、本日の質疑応答はこの程度にして置きたいんでありまするが、お諮りいたしたかつたことがあるのでございます。それは当委員会に付託されました請願三十二件、陳情二件であります。これが取扱い方は小委員会を設けて、不審査を願うことにいたしたらどうかと思いますけれども、どんなものでしようか、お諮り申上げます。
○小林勝馬君 もう小委員会を設けてもいいのですけれども、設けずに明後日に一気呵成にやつてしまおうではありませんか。
○委員長(松野喜内君) ああそうですか、それで御異議ございませんか。この陳情、請願に対して小委員会を設けてやるのがいいか、それとも本委員会で一気呵成に上げてしまつた方がいいか、どつちの方がいいですか。
○水橋藤作君 小委員会を設けると言つたつて、いつも三人くらいしか出席していないのに、この上小委員会と言つたつてしようがないでしようが……。
○小林勝馬君 今水橋さんが、いつも二人ぐらいと言つたけれども、今日は七名来ているからそういう意見は成立たない。
○水橋藤作君 それは失礼してしまつた。僕が来た時には四人といたことはない。
○小林勝馬君 だからいずれにしても明後日一日潰して、そうしてやつてしまいたいと私は思うのですが。
○委員長(松野喜内君) それじや御異議なければそういうことに取計らいます。
 尚速記を止めてちよつとお諮りしたいことが他にあります。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(松野喜内君) それでは速記を始めて。
○小林勝馬君 今懇談中にお話いたしました、このいわゆる機構改編後における電気通信事業の地方における運営状況調査という件名の下に、四月早々視察に行くことの決議の動議を提出いたします。
○水橋藤作君 小林君の動議に賛成いたします。
○委員長(松野喜内君) 御異議ないと認めましてさように決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     松野 喜内君
   理事
           小林 勝馬君
   委員
           大島 定吉君
           尾崎 行輝君
           新谷寅三郎君
           小野  哲君
           水橋 藤作君
  政府委員
   電気通信監   山下知二郎君
   電気通信事務官
   (人事部長)  楠瀬 熊彦君
   電気通信事務官
   (業務局周知調
   査部長)    花岡  薫君
   電気通信事務官
   (施設局長)  林  一郎君
   電波監理長官  網島  毅君
  説明員
   電気通信事務次
   官       靱   勉君