第007回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第3号
昭和二十四年十二月十五日(木曜日)
   午後一時五十三分開会
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  本日の会議に付した事件
○引揚者留守家族越多資金支給に関す
 る決議案に関する件
○議員派遣要求に関する件
○ソ連地区残留同胞調査に係る証人の
 出頭を求める件
○吟達河開拓団実情調査に係る証人の
 出頭を求める件
○在外資産処理に関する件
○在外公館借入金確認適用範囲に関す
 る件
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○委員長(岡元義人君) では只今から委員会を開きます。
 本日の案件は、一応昨日委員長理事打合会におきまして協議いたしました案件として、ここにお手許にお配りしてあるわけでありますが、尚この外にお手許にお配りしてございます。惠山、榮豊、信洋丸の復員者の方々から、昨日ここにプリントしてあるような陳情を受けましたので、一応御参考に供したいと思います。それから尚、前の委員会で御要望がございました靜岡県からの陳情の趣旨をばそのままプリントいたしまして、お手許にお配りしてありますので、これも御参考にして頂きたいと思います。それから尚、大連関係の陳情にありますところの一部がプリント出来ただけお手許に配つてございますが、引続き只今印刷中でありますので、出来上り次第お手許へお配りいたしたいと思つております。
 本日只今大蔵省から理財局長がお見えになつたのでありますが、二時に司令部にどうしても行かなければならないので、管理課長その他今日の案件に対して回答のできる者を今直ぐ寄越すようにすると、こういうこどでございますので、一応今日の案件の一を後廻しにして頂きまして、第二の案件から取上げて行きたいと思いますが……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺岡信夫君 只今その議事に入ります前に、簡單なことでございまするけれども、なかなか深刻な問題でありますので、一応いろいろ御審議になります前に、委員会におきまして御報告申上げたいと思いまするが、それは今日日本全国の各県代表、つまり引揚促進、或いは完遂という立場におきまして、只今三十七県の代表が、国会、政府並びにGHQ、対日理事会、ソ連大使館というふうに参つておられます。その国会班が見えまして、只今まで衆議院の特別委員長中山先生と、それから参議院から私、縷々陳情に趣きを承つておつたのでございまするが、この面につきましては、一応最終船と言われておりまする信洋丸、その後において配船の向きもないように聞いておるのでございます。そうした面に対しては、国会としてはどういうふうに御処理して頂けるものであろうかと、この身も裂けるような留守家族の身になつて、一つ委員会においてお考え頂きたいということを、各県の代表から縷々詳細に亘つて陳情があつたのでございます。例えば広島県のごときはまだ三千五百名帰らない、或いは山梨県のごときはまだ千二百名帰らない、或いは奈良県のごときは千二百名帰らない。その帰らない方々の氏名、或いは隣組、或いは村長、村会議長という人達の判を持たれまして、これこれの者が帰つて来ないというので、そうしたものがまとまつておるのが大体十七県まとまつておるようでございます。そうしたものを一括して参議院、並びに衆議院の特別委員会に提出して、そうして御審議、或いは真劍に取上げて頂きたいということでありまするから、私甚だ僭越でございましたが、参議院から私一人出ておりました関係上、その趣きを重々伺いまして、今日行われます特別委員会に、早速それではお伝え申上げましようということで、今帰つて来たのでございますが、一応御報告申上げて置きます。
○天田勝正君 淺岡委員の今御報告になつた点は、こちらの委員会には何らの連絡はなかつたのでしようか。
○委員長(岡元義人君) 天田委員にお答えいたしますが、只今私の方に連絡がございましたので、丁度一時に委員会が開かれるので、この間委員会の方に陳情に趣旨を承りたいというので連絡いたしましたところが、只今衆議院の方に行つて、こちらには一人しかおらないから、全部集つてからこの委員会の方に更に連絡をすると、こういう具合に先程連絡があつたのであります。それで委員会といたしましては、尚衆議院の方が終つたらこちらの方に参られるのじやないか、こういうふうに考えておる次第であります。
○淺岡信夫君 実は委員会が一時から参議院の方は開かれまするから、その委員会において一つ代表者の方が御陳情なさつたらどうでしようかということを申上げて、丁度一時四十分ぐらいまでお待ちになつておつたのでありますが、ところが今日各方面に陳情、請願を申上げて、大体三時或いは四時五時ぐらいになるかも知れませんが、芝公園の旧紅葉館があつたところでして、全部いろいろ各方面に陳情した趣きを持ち寄つて、そこで今後の措置を真劍に考えたいということで、陳情に見えた方も、その集まる時間が迫つておるのですから、それまでお待ち申上げるわけに行かんということでありましたから、一応その点を申添えて置きます。
○委員長(岡元義人君) それでは、今の第二の案件に入つてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡元義人君) 大体案をお手許にお配りして置きましたけれども、海外残留留守家族に対する越年資金支給に関する決議をば提出する必要があるのではなかろうか。と申しますのは、もう御承知のごとくに、国鉄の裁定によりまして、公務員の方も越年資金が解決するといたしますならば、実際の留守家族は、只今のところでは扶養手当の六百、四百の分だけしか頂いておりませんので、而も四年経つております今日、非常な一番苦しい絶頂に達しておるわけであります。そこで何とかこのお正月の越せるような資金をば、この給與法に基いた関係において支給する途はなかろうかというので、ここにこういう案を出して見たのでございます。この点各委員の御意見をば伺つて置きたいと思うのであります。尚予算処置につきましては、只今主計局をばお呼びしておつたのでございますが、全部関係方面に出向いておられるそうでありますので、誰か一人だけでもこの委員会に出席をば何とかしようという、今連絡がございました。
○九鬼紋十郎君 大体その金額はどのくらいになるのですか。
○委員長(岡元義人君) この金額は二千円にいたしまして、一億二千万円あれば足りるわけであります。
○天田勝正君 これは二千万円でも、一億二千万円という総額でありますし、勿論最後的に関係方面と折衝をしなければならないと思いまするけれども、併し当委員会といたしましては、こうした決議を出すということは決定して然るべきではないか、こう考えますので、で一応このものを出すと、こう決めて置きまして、そうしてそれに向つて努力するということでなければ、時間的にも間に合わないのではないか、こう考えますので、さよう御決定を一つ願いたいと思います。
○穗積眞六郎君 この二千円というのは、ただ勘考されて二千円とされたのですか、何か一般の方との対照的な基礎でもあるのですか。
○委員長(岡元義人君) 穗積委員にお答えいたしますが、この二千円という実際基礎的根拠を追究しますと、ないのであります。ただ予算処置が先程改正案によりまして五、六億余剩になつておりました、引揚関係の費用がすでに残り少なになつておりますので、大体その許せる範囲しか到底見込はないのではないかというところから、二千円という金額を出した次第であります。
○淺岡信夫君 この二千円にして、一億二千万円ということでありまするが、この二千円という問題に対して、或いは多々ますます弁ずる方がよいか、これはもう当然なことでありますが、多いこともよいのでありまするが、要は拙速ですね。而してこの越年の資金が、この年を越して春、というようなことでは意味ないと思います。そういう点につきまして、一つ委員長といたしまして、この一億二千円万程度なら折衝の余地は十分あるとか、そういう点が若しここでお洩らし願えれば一つお聽きしたいと思います。
○委員長(岡元義人君) 只今の御発言でございますが、実はまだ正式に交渉いたしておりません。で只今天田委員から御発言のありました通りに、委員会の各委員の方々の気持がこの決議案を出すような方向で行かなくちやいかんというようなことになりますれば、早速この裏附に対しての折衝を開始いたして、又関係方面との折衝もいたさなければならんと思うのであります。一応天田委員の言われます通りに、こういう決議をなすべきではないかというような、まあ一応のお決めが願いますならば、その線に副うて委員長といたしましても連絡を取りたいと思います。
○穗積眞六郎君 それは結構で早く決めて頂きたいと思いますが、ただ又これを出して、前の場合のように生活扶助費との対照関係において、それだけ引かれてしまうのだと、何も志が通じませんが、その点お考え如何でございますか。
○委員長(岡元義人君) 只今穗積委員の御心配御尤もだと思うのでありますが、それでその点は一応これが連絡が付きました際に、委員会として厚生省なら厚生省にそれを申入するというような形を取る以外にはないのじやなかろうかと思います。
○穗積眞六郎君 こういうのを機会に一つ強く主張して頂いて、できれば前の方までももつと緩和するようにしたいものだと思います。
○九鬼紋十郎君 一世帶当り二千円と、こう書いてあるのですが、残留留守家族にでもいろいろ資産上の相違があると思いますが、それは大体一家族二千円というのですか、もう均一に二千円というようになるのですか、どういうのですか。
○委員長(岡元義人君) これはまあ九鬼委員の今おつしやいます通りに、いろいろ甲、乙があるのでありますが、とにかく四年間も帰つて来なかつたのですから、そういう差別を付けずに一律に二千円と、こういう工合にしないと、なかなか話がまとまらんのじやないかということになりまして、これは一律に二千円ということに……。
○淺岡信夫君 大体もう議を詳細に練ればいくらでも練れると思うのですが、要はやはり拙速を尊ぶ意味において、一つ結論に入つて頂きたいと思います。採決して頂きたいと思います。
○委員長(岡元義人君) 只今淺岡委員からの御発言がございましたが、この決議案を、一応これは委員会としてこういう方向で進みたいという、決議案を出すということに対して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡元義人君) それではさように各方面との連絡をこちらの方で緊密に努力いたします。
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○委員長(岡元義人君) では議案の三でありますが、議員派遣要求でありますが、この点について残留者の数をまだこの委員会は的確に把握いたしておりませんので、残留者の実際の状況をできるだけ把握するためと、それから本年度の帰還者に対しましての就職問題が非常に問題になつております。この問題及び定着援護の実態調査をいたしますために、議員を派遣する要求を出すかどうかていうことをお諮りいたしたいと思います。
 尚申添えて置きますが、他の委員会はすでに議員派遣の要求が運営委員会にも提出されておりますので、余り後になりますと、いろいろな予算処置その他の関係から困難なことが予想されないとも限りませんので、どういう工合に調節されるか、又許されるか分りませんが、若し派遣をいたしますならば、早く要求した方がよいのではないかと考えますので、この点お含み置き願いたいと思います。
○淺岡信夫君 この議員派遣要求に関する件でございますが、この帰還者の就職状況、或いは残留者の実態調査とか、或いは定着援護とか、就職関係、いろいろ広汎に亘つております。そこでこの問題に対しまして、今ここで各委員が論議をされましても、なかなか結論には入りにくいのじやないかと思いまして、そうした点については委員長、理事において大体案をお作りになつて、それをお諮り願いたい。委員長並びに理事に一つ案を作つて頂くということを提案いたします。
○委員長(岡元義人君) 只今お手許にお配りしてございます。これは極く大雑把な案でございまして、一応ここに事務当局から出したものでございますが、この今の淺岡委員の御発言は議員派遣をするということを先ず決めて、それからその内容については委員長、理事に一任する、こういう意味でございますか。
○淺岡信夫君 そうです。
○委員長(岡元義人君) それでは議員派遣を要求するということは御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡元義人君) さように決定いたします。尚その時期及び期間、員数、地区等に関しましては、委員長、理事においてこれをば一応打合せをいたしまして、それに基いて決定する……。
○淺岡信夫君 委員会に諮つて頂く……。
○委員長(岡元義人君) それは勿論です。それではさようにいたします。
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○委員長(岡元義人君) 次に案件の四でございますが、ソ連地区残留同胞調査に係る証人の出頭を求める件、これは先程千田委員、淺岡委員、北條委員が舞鶴に行かれまして、一応の調査をいたされたのでありますが、各地区からの最後の引揚者もすでに帰つて参つている次第でありますので、できる限り残留同胞の実態を把握する資料を得るために、証人の出頭を求めるか否かという良を、先ずお諮りいたしたいと思います。
○淺岡信夫君 今最終船の信洋丸が入港いたしまして以来、この十一日を以て舞鶴から各地に帰されたのであります。各帰られた方々は家郷におられるという問題でありまして、一方そこに舞鶴の援護局におきまして、留守家族から宛てられた来た手紙は十八万七千通あります。この十八万七千通の手紙が来ているという点から考えますると、とにかく十数万の人が帰つて来るのを留守家族の人なり、或いは肉親の人が待つているということは、現実の話であります。こうした問題を調査する。帰つて来た各收容所なり、或いは各地区なり、或いは病人がごとにどうしておつたとかいうようなことは、これは本委員会として最もなさなければならない意義ある仕事だと思います。勿論第六国会におきましても、議決に基きまして、千田委員、北條委員並びに私、三名が舞鶴に派遣されたのでありまするが、この点において大いに留意して調査をいたしたのでありますが、なかなか派遣された日数ぐらいでは結論には到達しません。この件に関しましては、例えば本年の引揚が六月の末に行われて、そうして十二月の二日の信洋丸、この間にはいろいろな問題が醸し出された。吊し上げもありましたし、或いはインターナシヨナルなり、敵前上陸、或いはマルクス、レーニンの筋金入りというような問題から、最後には日の丸部隊とかいうことで、実際赤とか白とかいうことは、それは各人の勝手だと考えられる。そうした点から考えまして、これこそ委員会において真劍に取上げてやるべきではないか。こうした点から私は、ソ連地区残留同胞の調査に係る証人の出頭を求めて、この委員会が調査をするということに対しましては、是非これは委員会において取上げて頂きたいということを強く要請するのであります。
   〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡元義人君) では只今淺岡委員から御発言がございましたが、証人を一応委員会に出頭を求めるということについては、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡元義人君) さように決定いたします。
○淺岡信夫君 この調査に係る証人の出頭ということにつきましては、これもなかなか広範囲に亘つておりますので、一つこれは委員長、理事においてしつかりと御検討願つて、そうしてそれを委員長にお諮りを願うということでないと、今日まだ沢山の議事があるように思いますので、そういうふうにお計らい頂きたいと私は議案いたします。
○委員長(岡元義人君) 只今淺岡委員の御発言のように取計らつて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡元義人君) ではさようにいたします。尚この際お諮りいたして置きたいのは、一応日にちだけ会期の関係がございますので、決めて置きたいと思うのでありますが、二十二日、二十三日頃でも精一杯になるわけであります。大体二十二日か二十三日のいずれかに出頭を求めるということに対してお諮りしたいと思います。
○天田勝正君 時間的に間に合いますか。
○淺岡信夫君 ちよつと速記を止めて貰つて……。
○委員長(岡元義人君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岡元義人君) 速記を始めて。
 それではソ連地区の残留同胞実態調査のために今月二十三日に委員会を開きまして、証人の出頭を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡元義人君) ではそのように決定いたします。
○淺岡信夫君 日時は決まりましたが、証人その他の問題につきましては一つ委員長、理事に一任いたしたいという動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡元義人君) 只人の淺岡委員の御事言に対して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡元義人君) ではそのように決定いたします。
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○委員長(岡元義人君) 次の第五の案件でございますが、これは前の委員会に一応御審議して頂いて問題になつたのでありますが、この陳情の趣旨の実情をば聽取するために、一応本人を証人として出頭を求める件であります。この件をお諮りいたします。
○天田勝正君 これはすでに新聞にも可なり大々的に掲載されておりまして、皆さん御存じのところでありますが、元来これを本特別委員会に提出されましたのは、当人のお気持では請願若くは陳情の気持で出されておるのであろうと思うのです。ただそれらの手続を御存じないために、この委員会で調べて呉れという内容を含めてお出しになつているのであつて、本質的には私は恐らく陳情ではなかろうと思う。而もこうして事実の有無は、少くとも新聞に書かれておりまする以上、これを究めませんと、そうしてことが数多くあるのではなかろうかという、非常に留守家族に対する不安もありまするし、又逆に事実そうしてこちがあるとするならば、我々はこれを黙過してはいけない、こういういずれの面から見ましても、この問題は提起された以上は取上げなければいけない。その前段といたしまして先ず当人に詳しくこれを聽取る、こういう処置が必要であろうと存じますので、この件もやはり原案の通り一つお決め願いたいと存じます。
○委員長(岡元義人君) 只今天田委員から御発言ございましたが、そのように取計らうことといたしまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○穗積眞六郎君 この件につきましては、前の委員会のときに中野君からも御提案がありました。私もこの件はとに角何とか調べて呉れという依頼がある以上は、放つて置くことはできない。併しこれを又論議の種にすべきような性質のものではないと私は思つておる。その証人喚ぶからには、ちやんとしたことを言わすために、証人ということになりましようが、併しどういうような形式で証人喚問の会を開かれることになるか、私は承わりたいと思います。
○委員長(岡元義人君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岡元義人君) では速記を付けて。それでは吟達河開拓団実情調査に係る証人の出頭を求める件は、天田委員から御発言がございましたが、そのように取計ろうことにいたします。尚期日等につきましては如何いたしますか、これをお諮りいたしたいと思います。
   〔委員長、退席、理事天田勝正君委員長席に着く〕
○淺岡信夫君 先程私報告して置きましたが、報告をちよつと落しましたのです。今日留守家族、或いは全国から集つて来た及び東京都の人が、非常に各関係方面――或いは対日理事会、ソ連大使館というふうに陳情された方々が、芝公園の旧紅葉館附近に大体四時から五時くらいまでに集つて来られるのでありますが、そのときに特別委員会の委員の方もでき得れば一つお越し下されて、我々の報告を聽いて呉れということでしたが、これを一つ申し落しましたので附加えて置きます。
○理事(天田勝正君) そういたしますと、本委員会もその席に出席して呉れという御要求なんですか。
○淺岡信夫君 要求ではございませんけれども、でき得れば一つ我々が生々しい訴えを見て、そうしてそれで報告し合う。今後どういうような措置を採るかというような点につきまして、委員会としてでなく、或いは委員会としてできれば更に結構ですが、或いは各特別委員という立場におきましても、或いは個人という立場におきましても、とにかくこの引揚の促進の問題を国民的な問題にして頂きたいと思うのです。そうした点をどうしても知つて頂かなければならなという立場におきまして、各委員に一つ現状を聽いて頂ければ、出席願えればということを言つておりました。
○理事(天田勝正君) 分りました。では先程お話に出ておりました吟達河開拓団の件は、一応本人を喚んで実態を調査して、尚それらの期日等について御相談申上げてあつたのでありますが、その点は如何でございましよう。期日等について御意見ございませんか。
○穗積眞六郎君 この期日は今の、この前の証人喚問との関係もありますので、この期日についてもやはり委員長、理事の方で前の証人喚問事件と考え合せて案を作られて、これはそれから委員会に諮られても遅くないと考えるのでありますが、如何でございましようか。
○理事(天田勝正君) 只今穗積委員から御発言がございましたが、ではこの件の期日につきましては、先程のソ連地区残留同胞調査に係る証人出領の件の後であつても差支ない問題であるから、そうした意味において委員長、理事において案を作つて更に委員会に掛ける、こういうお話でございましたが、さよう取計らつてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(天田勝正君) ではさよう決定いたします。
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○理事(天田勝正君) 次に議案の第一の在外資産処置に関する件を、大蔵当局が出席しておりませんたれに、後へ延ばしておつたのでありますが、只今大蔵省の理財局の外債課長太田氏が見えておられますので、この際議案の第一、在外資産処理に関する件、これを議題といたします。
 お手許にございますように、在外資産及び持帰り有価証券類がどの程度に整理されたいるかどうかという問題、並びに在外公館借入金の確認に対して、十二月二十日外務省は法律によつて告示をすると聞いておりまするが、これの予算措置を如何するか、これらの問題について一つ御質問願いたいと存じます。
○穗積眞六郎君 これは最初にこれを二つちやんと事項が示してございますが、これについて大蔵当局の方の御意見を承つてから質疑をしたいと思います。
○理事(天田勝正君) ではさよう取計らいます。
 ここに二項目書かれておりますが、それについて一つ大蔵当局の御見解を承わりたいと思います。
○説明員(太田亮一君) 本日の議案になつております在外資産処理に関する件についてお答え申上げます。
 第一の講和会議に対する準備として、どの程度在外資産及び持帰り有価証券類が整理されているかという点でございますが、これは昭和二十年の十一月大蔵省令第九十五号によりまして、在外資産に関しまして非常に詳細なデーターに分けた報告を、当時の国内におつて資務を持つておつた者及びその後引揚げて来られた方の残して来られた資産について、全部報告書を出して頂いております。尚今日も樺太、シベリアその他から引揚げになつておられる方の来られますたびに、報告書を出して頂いております。ただこの数字は日本銀行の方で全部整理をいたさしておりまして、大体今までの分はまとまつて来ておりますが、この数字につきましては前に大蔵次官からも御説明申上げましたと思いますが、いろいろな事情がございまして、未だ発表できないことになつておりますので御了承を願いたいと思います。
 それから持帰りの有価証券類の整理につきましては、携帶輸出入を認められましたもの以外には、すべて今年の六月までは税関、それ以後のものにつきましては、税関代理店をやつております日本銀行で全部保管をいたしております。そのうち有価証券類で特定の外貨表示のものにつきましては、一部は一たん保管した後、これを日本銀行に集中いたしまして、買上げの措置を取るようにいたしております。又本年の二月一日以降の、米英通貨表示の小切手等につきましては、全部現在のレートによつてこれを為替資金で買上げるという措置を取つております。その外の分は依然として税関に保管してあるわけであります。これらの細かい項目別の数字につきましては、一応資料は大蔵省としては整理出来ておるのであります。これの発表につきまして、現在国会の方から正式に要求がありましたので、司令部の方に発表していいかどうかというのを、今連絡をいたしておる次第でございます。つまり在外財産との関係がございますので、一応了解を得る必要があるかと考えております。尚具体的に、例えばこういつた証券類のどういうものについては輸入が認められる、或いはこういつたものは税関に保管されておるというような点につきまして、尚御質問がございますれば詳細にお答えいたしたいと思います。
 それから第二番目の在外公館借入金の確認の件につきましては、これは只今のところ、この法律の建前が債務を確認するという範囲に止まつております。この限度内で関係方面の了解も得られておるのでございますが、それ以上には未だ進んでおりませんので、予算措置それから支拂の場合のレートをどうするか、それから支拂の方法をどうするかという点につきましては、まだお答えができる段階まで至つておりません。今後の非常に重大問題でございますが、まだこういうような次第でございますから御了承頂きたいと思います。
○理事(天田勝正君) 只今太田課長からお話のあつた通りでございますが、それにつきまして何か御質問等ございましたら、御発言願いたいと思います。
○穗積眞六郎君 第一の問題につきまして、この届け出た在外財産についてのことでございますが、届け出ない方の在外財産はどういうふうにするかというようなことについては何か御用意がありますか。
○説明員(太田亮一君) 今の政令九十五号の建前では全部届けて頂くようにいたしております。ただ実際上この趣旨が徹底しないために、実はお出しになつていない方もぽつぽつあるようでございまして、できるだけ引揚地、それから各市町村役場、そういうところを通じまして出して頂くように勧奬いたしておるわけでございます。
○穗積眞六郎君 この届け出に関しましては、その当時の状況からそれを届け出なかつたといつても、敢てそれが無理だと言うことはできないのだということは、昨年当りの委員会でも、大蔵当局からそういうふうにおつしやつておりましたが、ただ私がこういうことを申しますのは、こういうふうに迫つて来ますると、あの不完全な届け出をしたかしないかということを、余りに大きな問題として役所が取上げられるようになりますと、非常に実状に反して参ります。前にはこれはああいうときの関係もあり、あの届け出をした、しないということと、在外財産という問題とを、そう一緒には考えないということをしばしばこの委員会で言つていらつしやつた。今でもその通りに思つていてよろしいのだろうと思いますが、如何でございましようか。
○説明員(太田亮一君) 只今の御趣旨の通りに、我々としては考えたいと現在でも考えております。時期が遅れまして、報告について又照会される方々も折々ございまして、これに対しましては一応遅れたという理由につきまして、始末書を付けて頂いて、報告書を追加的に出して頂いております。最近こういうような問題がかなり新聞にも出て参りましたので、御照会の件数が非常に多くなつたような次第でございます。
○穗積眞六郎君 それから第二の問題につきまして今出ている法律は、これを確認するという法律、だからこの後のレートとか支拂方法、予算措置というようなものにつきましては、何とも言えぬというような御返事でございましたが、ただこれは政府の債務として支拂うべきものなんだということははつきりおつしやつておるのでございます。そうしましたならば、それを支拂つてもいいということが決りませんでも、どういうふうに考えて進めているのだという程度のことは、御示し願つてもいいのじやないかと思うのでございますが、その点如何でございますか。
○説明員(太田亮一君) この点につきましては、実は特に政府の債務と申しましても、公館の借入金以外にいろいろ正式なものがございます。そういつた全般的な日本の対外的な負債の処分とも相当関連がございますので、全般的な見地から実は検討いたさなければならぬということで愼重に研究いたしておりますので、まだ司令部の方に持つて行くというあれが出来ているという、そういうような段階に実は至つておりませんので御了承願いたいと思います。
○穗積眞六郎君 これは案の方の関係でございますが、これに講和会議に対する備準としてということが書いてございます。これは講和会議がなければ返えされないという前提で、こういうことが書いてあるのだと思うのでありますが、講和会議を待たないで、在外財産が処分されている例が随分あると思うのでございます。アメリカの国内でもそういうことがあるそうでございます。又朝鮮辺りでも布告三十三号によつて、アメリカの軍政庁に帰属したのだ、こういうことになります、それをすでに第三者たる韓国に引継いでいるという例があるようでございます。ですからこれは講和会議の準備としてというだけでなく、決つたものについては、講和会議以前でも何とか処理ができるのではないか、こういうふうな気がするのでございます。ここに講和会議の準備としてと、こう委員長、理事の方で入れられたのはどういうわけなんでございますか。
○理事(天田勝正君) これは何もそういう意味で理事を委員長で思つておつたのではないのです。穗積委員のおつしやる通りに思つておるのだけれども、かねがね講和会議、講和会議ということを当局でおつしやつておりまするから、そこで講和会議がすでに数ケ月後にすら迫るということさえ言われておるのだから、今まで当局が言う通りに信じても近いのであるから、それの準備が出来ているのであろう、聊か苦肉の考え方なのでありますが、委員長、理事は穗積委員のおつしやる通り国内法でも処理し得る、こういう見解を取つておるわけであります。それを同じ行提に立ちませんと話が進みません関係上、当局はそういうことを言うておるから、それに乘つた、こういうことに御了承願いたいと思います。
 では一応御質問がございませんければ私も質問したいと思います。よろしうございますか……。
 太田課長に質問しますが、過日大蔵省の理財局の通牒と称しまして、各末端の市町村を通じて、引揚者に対して次のような内容の通牒が行つているのです。お持ちになつているだろうと思いますけれども、その内容では、私は通知を貰つた人からその通知を頂きまして、実は岡元委員長の手許まで証拠書類として提出しておるのでありますが、どういう関係か岡元委員長、今日それを忘れたというので甚だ残念なんであります。
 その内容は軍人は確か千円、それから軍属は五百円、一般の人は三百円、こういう額が明示されまして、その範囲内で今まで貰つておる分は差引いて、その他の終戰後外国から内地に送つて、預金証書を持つて来た、或いは預り証を持つて来ておる、その金額を支拂う、こういう内容であります。そうではないと言つても、そうなんです。ポスターなんかじや駄目なんだ。だからあの証拠書類を持つて来れば、誰が見ても、厚生省が見ても正にその通りです。その文章から見れば全額を支拂うということなんですけれども、あれはポスターが本当であつて通牒の方が誤りなんであります。併し当人に言つておるのは、ポスターが言つているのじやない。実にけしからん文章だと思う。
 ちよつと速記を止めて置いて下さい。
   〔速記中止〕
○理事(天田勝正君) 速記を始めて下さい。では通牒であれ、告示であれ、そういうものは確かに出しているそうでありますから、一応その説明を聽くことにいたしたいと思います。
○説明員(太田亮一君) 今回の取扱いは従来引揚者の場合に一般軍人及び軍属は千円まで、将校五百円、士官以下二百円というので、持帰り金の交換限度が定められておりまして、実は引揚証明書、或いは交換預り証、そういつたものを失くしたような場合に、一人当り二百円というようなことで内拂いをまあやつております。そういつたものが可なりまだ残額を取りに来られない方もあるので、これを整理いたしますために、十二月一日付で大蔵省告示九百六十七号というのを出しております。この文面を読上げて見ますと、一といたしまして、「昭和二十四年六月二日以前に外国から本邦に帰還した本邦人(一般人、陸海軍軍人及び軍属を言う。以下同じ。)が、その携帶輸入した連合国又は連合国軍の発行に係る外国通貨をもつて表示した現金預り証(カナダ政府発行の現金又は、財産預り証を除く。)若しくはこれに準ずる証書又は個人計算カードによつて、日本銀行の本店又は支店から、左の各号の一に掲げる金額(以下「持帰金交換限度」という。)から既に支拂を受けた金額を差し引いた残額の支拂を受けるとき。但し、外国通貨に対する本邦通貨の換算率は、別表の通りとする。(一)一般人及び軍属千円相当額以内、(二)将校五百円相当額以内、(三)下士官以下二百円相当額以内、(四)今次の戰争中抑留され連合国又は連合国軍の下に労務に服した者が労務期間中に得た收労金については、前三号の規定にかかわらずその全額。
 それから二といたしまして、昭和二十四年六月二日以前に外国から本邦に帰還した本邦人が、その携帶輸入した本邦通貨をもつて表示した現金預り証又はこれに準ずる証書によつて、日本銀行の本店又は支店から、持帰金交換限度から既に支拂を受けた金額を差引いた残額の支拂を受けるとき。」それから第三番目に「日本銀行の本支又は支店が前二表の規定により携帶輸入された現金預り証若しくはこれに準ずる証書又は個今計算カードにより支拂をするとき。」そういう場合には昭和二十年大蔵省令八十八号の規定による制限及び報告を免除する。こういう意味の告示でございます。ここに占今問題になつておりました点をもう一度繰返して告示の文章を読んでみますと、左の各号の一に掲げる金額。つまり持帰金交換限度の中から既に支拂を受けた金額を差引いた残額の支拂を受けるとき。ということになつておりまして、これにつきまして新聞発表をいたしておりますが、新聞発表の分の方は「本年六月二日以前に引揚邦人が持帰つた連合国又は連合国軍が発行した外国通貨表示の現金預り証(但し、カナダ政府発行の現金又は財産預り証を除く。)及び現地総領事、復員司令官等が発行した現金預り証等については、その携帶輸入及び一定限度内の支拂が認められていたが、種々の事情で未だその支拂を受けていないものに対して、この度次の要領に従つて支拂を行うこととなつたので、これを明日の官報に告示する。一、支拂期間、本年十二月五日から同月二十六日まで。二、支拂機関、引揚者の最寄日本銀行本支店。三、支拂限度、本年六月二日以前に実施されていた持帰金交換限度(一般人及び軍属千円以内、将校五百円以内、下士官以下(二百円以内)但し、連合国又は連合国軍の下に労務に服した者が労務期間中に連合国又は連合国軍から得た收労金は全額。」こういう新聞発表をいたしております。これの記事が新聞に出ました場合に、この頭の方の説明の文句が多少端折られて非常に誤解を招くような記事が出ておつたようであります。又ラジオなんかでも多少誤り伝えられるような文句があつたようでありますので、改めて正確な報道をするように只今手続をとつております。
○理事(天田勝正君) それがあなたの読まれた四項かな。大きく四項だと思つたが。そこの項の残額ということを読まれたけれども、当人に対する知らせには、それが全額になつておる。それは今持つて来ておらないから、私は扱出しておるが持つて来ておらないために、証拠によつて議論できないので……、全額となつておる。そのためにだから厚生省の局長等もこの文章を読めば、誰が見たつて全部貰えると解釈する以外にはありませんと、併しそれは誤りでありますと昨日の懇談会でそう言つておる。こういう状態なんです。だから……。
○説明員(太田亮一君) 大蔵省といたしましてはそういう通牒は……。
○理事(天田勝正君) いや、通牒でなくても、公告でも……。それが役所はいかんよ。通牒といえばそれにだけこだわつて反駁して来るけれども、通牒だつて告示だつて同じですよ、とにかく現実は誤まつてそういうふうに伝えられておるというのですよ。で非常に誤解を生むがごとき一体告示を文章を出すのはいかんよ。
○北條秀一君 この問題は確かに委員長の指摘するように、官庁が非常に不親切な行届かない通牒を出したということになると私は考えるのですが、更にこの点は今日の説明では不十分のように思いますので、改めて大蔵省から地方のその誤解を一掃するように善処中であるということでありますから、その結果を我々に正確に伝えて頂きたい。それが一つ。
 それからもう一つはこの今回の通牒に対して、私はここで今度問題になるのは非常に僅かな例じやないかというふうに考えるのですけれども、通牒を正しく解釈すると極めて少数の例しかないというふうに考えるのですけれども、同時に又日本銀行から受取る金額というものが非常に少い金額だと思うのですね。そういうことになりますと、あの通牒によりますと二つの欠陷がある。それは十二月の五日から二十六日まで、この暮の忙しい際に最寄の日本銀行又は支店に行けと言つたところで、山の中から出て行くわけに行かんですから、なかなか……。而も銀行へ行つて僅かな金を貰うのでは結局足代の方に金が掛るというようなことになりますから、そこでどういうわけで十二月五日から二十六日というような極めて短期間、即ち三週間というふうな日を限定したか。或いはこの期間というものを更に延ばすことはできるかどうか。
 それからもう一つは、日本銀行及びその支店と書いてありますが、代理店はいけないのか。この点についてはつきりして頂きたいと思います。
○説明員(太田亮一君) 只今の申出の期間を十二月五日から二十六日までに限つたという点につきましては、できるだけ早く年内にこういつた未拂金を引揚者の方にお届けしたい、こういう気持でこれが明年に延びるよりも、早く差上げるように期限を切つた、こういう気持でございます。
 それから期限の延長についてはどうかという御質問でございますが、これは只今のところ今の支拂期間につきまして、まあ関係方面との了解で一応やつておりますので、更に交渉いたしてみませんと、まだここではお答えがちよつとできかねるわけでございます。
 それから第三点の普通の銀行で日銀代理店であるものを利用したいということでございますが、このこういつた持帰金の残高の支拂は普通銀行に事務を連絡いたしますために、又改めて実は代理店契約を結ぶ必要がございまして、いろいろ手続の関係もあり、当座の急に間に合いませんものですから、今回は日銀本支店に限られておるような次第でございます。
○北條秀一君 第一の延長の点は関係方面との了解があつてからということでありますが、今委員長からも御質問がありましたように、その手続においてごたついているわけですね、現在……。それで今頃になつてこれは善処しなくちやならんというわけですから、これが地方に徹底するのは恐らく二十六日過ぎてから徹底するのではないかというふうに考えられるのです。ですからどうしてもこれは延長することを考えて置かなくちやいけない。勿論年内に成るべく支拂いたい、僅かな金であつても支拂いたいという親心、親切心は有難いのですが、これはどうしても延長するということを是非どうしても処理して頂きたい。
 それから今の代理店の問題ですが、あれには確かに日本銀行本支店と書いてありますね。現に代理店を契約する銀行は沢山あるのだと私は思うのですがね。その代理店を全然省いておるというふうにあの通牒では受取れるのです。その点を聞いておるのです。現にあるところの代理店ではいけないのかということでありますが、その点はどうなりますか。
○説明員(太田亮一君) 只今の期間延長の点につきまして、尚上司とも打ち合せをいたしまして、できるだけ御希望に副うような点で努力いたしたいと存じます。
 それから第二番目の代理店の問題につきましては、これは事務の委任の範囲が従来限定されておりますので、代理店契約によりまして、委任する事務に、この持帰り金の未拂分を拂うという項目を附加える必要が実はあるわけでございます。そういう意味で新たに話をつけなければならんという点がございますので、今回は間に合わなかつたような次第でございますので、御了承願いたいと思います。
○理事(天田勝正君) ちよつと私からも質問しますが、仮に、これも現在証拠がないことで議論するのはいやだが、私が指摘したような通牒を、告示でもいいが、告示の写を私は通牒と称するのだが、そうしたものが同じように日本銀行の本支店に若し行つておつた場合に、引揚者が解釈したと同様に銀行が解釈したらば、二十万も支拂う、或いは何十万も支拂うという点も起きるのですが、その点はどうなんですか。他の役所の人すらどうしてもそう解釈さりますといつておるくらい曖昧な文章で書かれておるのだな。銀行の方の通牒へは、だから全然別個な知らせが行つておるんですが。
○説明員(太田亮一君) 本件につきまして、銀行の方には理財局から日本銀行に対して、二十四年の十一月十六日付で通知をいたしております。この内容では、支拂いの限度といたしまして、「昭和二十二年六月二日以前に日本銀行本店又は支店若しくは代理店で支拂つた持帰り金交換限度、一般人及び軍属千円以内、将校五百円以内及び下士官以下二百円以内に達しない額を差引いた支拂未済分の全額、但し復員者については未復員たりし期間中に得た收労金については右の限度に拘らず、支拂未済分の全額を支拂うこと、」ということになつておりまして、要するに小口支拂と申しますか、一人当りとにかく二百円まで拂つて、残りがあるという分について、今回支拂うという趣旨を、銀行の方には十分徹底をしている筈でありますから、只今御心配になりましたような、間違つて残りの金額といいますか、支拂限度以上の分を支拂うことはない。又そういう事例はないものと、我々の方では了解している次第であります。
○北條秀一君 この在外資産処理に関する件の質問中、今委員長より質問がありましたように、問題がそつちの方に参りましたが、再び私は在外資産処理に関する件について、一言ここで希望を政府及び当委員会に申し入れて置きたい。それは本日出席いたしましたところの太田課長は、特に今回「実業の日本」の十二月号の別冊に、在外資産の処理について執筆されているような権威者であるということを考えまして、私は敬意を表するのでありますが、この在外資産の処理の問題につきましては、相当法律的にも、或いは国際法的にも、或いは財政的にも、広範囲に私は検討しなければならんと考えます。従つて本問題につきましては、我々委員会の方でも、それぞれ組織的な研究を進めて行かなければいけませんが、大蔵省の方では、先般大蔵事務次官がこれに出席されまして、この問題については、後世に誇るに足る調査資料を整備していると、いつ何時でも委員会から要求があれば、それを提出することはやぶさかでないという回答があつたのでありますが、特にこの際太田課長にその点について、太田課長の許せる範囲内において言明して頂きたいと思いますが、そういうような資料が大蔵省に現にあるかどうか。あるとすれば、この委員会に提出することが可能であるかという問題と、在外資産の処理に関する研究を具体的に、どなたとどなたが今やられているか、この点について知らせて頂きたいと思います。
○理事(天田勝正君) 一つだけ、北條委員に委員長からお答えして置きますが、その次官が申されました、提出する調査書類というものは、先程の御答弁では、今関係方面と了解を得べく折衝中であつて、それが得られれば、直ちに提出いたしますという、こういう話でありましたから、その分を除いて一つお答え願いたい。
○説明員(太田亮一君) 在外資産の処理の問題、只今お話のございましたように、非常に重要な問題でございまして、我々の方といたしましても、長沼次官、管理局長時代からこの問題について非常に関心を持たれまして、当時は管理局の総務課及び管理課を中心としてやつておりましたのですが、その後機構の改革によりまして、只今その仕事は全部理財局の方に移つて参つております。理財局の総務課の外債課と私の所とで、いろいろ基礎的な研究を進めておる次第でございます。
○紅露みつ君 ちよつとお尋ねいたしますが、あの大蔵省はこういうふうに行き違つたと言いますか、解釈のしにくい状態にこの問題がなつておるということを今まで御承知なかつたのでしようか。それからですね、銀行の方に趣旨が徹底していると思うから、余計の支拂をしておる心配はないということを考えて、そういうお問合せもなかつただろうと思いますが、その点も銀行の方からこの問題についてはどうかというような、確めるようなお問合せがなかつたかどうか。それから暮に是非手に入るようにという親心は分るのですけれども、早く渡して下さるというお気持は分りますが、二十六日で打切るというような、これは二十日間です。これはどうも余り感心できないと思いますが、今の先からのお話のように不完全な状態で、そうして打切ることになつておるのですね。併しこれは何としても期間を延ばして頂くように努力して頂きたいと思います。これは希望でございますが、今までに何事も起らなかつたのですか。そして又初めてお知りになつたかどうかそれを伺いたいと思います。
○説明員(太田亮一君) 只今の告示が十二月一日に出ましてから、日本銀行の支店の方から本店の方へ通じまして、相当いろいろな点で問合せが参つておる。非常に皆さんが誤解をされておるということもございまして、私の方といたしましても先程もちよつと御説明申上げたように、これでは折角の趣旨が非常に間違つて、却つて皆さんに惡い結果をもたらすようなことになつては申訳ないということで、只今ラジオ放送などを利用しまして、やり直して貰うように大分進めておるような次第でございます。それから今の期間の点につきましても、できるだけ実情に即しまして何とかするように努力したいと考えております。
○紅露みつ君 もう一言。初めからそういうふうに認めて頂いておつたらはつきりしておるんでありますが、何かこちらの委員の方の解釈が違つていたように、かれこれしていたもんですから問題が長くなつたのですが、それはもう是非やり直しはしつかりとやつて頂きたいと思います。
○理事(天田勝正君) これは太田課長に私も強く希望して置くのですが、希望どころか、そういうことをやられては実は困るというくらいに思つておるのですが、一方的に二十六日で打切ると、そうすると初めの大蔵省の予定では二十六日過ぎたらもう全然そういう権利があつてもやらない、或いは権利消滅と、こういうお考えでやつておつたんですか。一つ承つて置きたいと思うのだ。
○説明員(太田亮一君) その点は二十六日までで一応支拂はストツプするということで、それからあとは若し取りにお出でになつても、今回の措置によつてでは支拂ができないことになると、こういうことで、権利が全然無効になるという趣旨で期限を切つたのではないと了解しております。
○理事(天田勝正君) そうすると、続いて伺いますが、つまり第二封鎖預金のような形になつて行くと、そういうことでしよう。例を言えば……。権利はあるけれども、つまり下げられないということですから、そうでしよう。実質的には……。
○説明員(太田亮一君) そういう意味でやるのでございますから、残つておるけれども、その使い方が二十六日きりないのだと、こういう……。
○理事(天田勝正君) そういう考え方が官僚的だと我々が言うところなんですよ。そういうことだつたら、これは大いに困るですよ。そんな一方的に決めて発表して、しかもその内容たるや今問合せが来ている程に誤解を招くような文書を出して、そうしてそれが過ぎたらば権利はあるけれども、そのあとどうなるか分らん。一応は拂わんと、このことは権利のやはり停止ですよ、一方的な……。これはどうしても期日は延ばして貰わなければ駄目です。(「その通り、その通り」と呼ぶ者あり)そうして実情をよく私は、あなた方えらい方は御存じないかと思うが、さつきも北條委員も強く言われておりましたけれども、全く府県によつては二日がかりですよ。お話を聞けば、二百円暫定的に支拂つてあるというようなお話であれば、最高千円の人にしても八百円ですよ。そのことのために二日費して県庁へ来い、呉れてやるぞという考え方はこれは直して行かなければ困るですよ。これはいくらでも暮にやはり間に合せるようにして……。他の方法があるんだ。市町村に縮めてやつて通知を受ければそこで支拂うとか、そういうことについても一つ親切に今度お考え直しを願いたいと思つております。これは強く要望して置きます。よろしうございますか。これは……。
○紅露みつ君 そういうふうな段々話の工合ですが、これは期限を延ばして貰うということは絶対私共は要望いたします。これは役所の責任において延ばして頂くことができるとお見通しになつていましようね。
○北條秀一君 ちよつと止めて……。
○理事(天田勝正君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
○理事(天田勝正君) 速記を始めて。
○北條秀一君 今のに関連いたしまして一つ明らかにして頂きたいと思いますのは、引揚証明書がない場合には、町村長の証明でよろしいと、確かにそういう通牒であると思いますが、その際に先に受取つた金額を果した町村長がこれを証明し得るかという問題があると思うのですが、この点についてはどういうふうに大蔵省は考えておられますか。
○説明員(太田亮一君) 今の再発行の点につきましては、只今のところ全部申請者の徳義心に訴えまして、そういう不祥事のないように我々としては期待しておるのであります。
○理事(天田勝正君) ではこの件は各委員からいろいろと御要望がありましたように、当局におきましても御努力を願う、こういうことにいたしまして一応打切りまして差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(天田勝正君) ではこの問題は打切りまして、議案の第六在外公館借入金確認適用範囲に関する件、この問題は過日来本委員会で問題になつておりまして、やがて外務省におきましては、在外公館等借入金整理準備審査会法に基きまして告示を出すわけでございますが、その中には過日も話にありました大連労組等のものを在外公館等に加えるや否やというこういう重大な問題もありますので、この点について一つ御審議願いたいと存じます。
○北條秀一君 この問題につきまして、特に大連即ち旧関東州の関係でありますが、これは既往の経過を申しますと、昭和二十二年の十一月の二十八日に第二回国会におきまして、在外公館借入金、及び在外居留民会或いはその他のこれに準じた団体の邦人救済、並びに邦人引揚げに要するところの費用を借入れた、それは当然国家の行政費として支拂うべきものである。即ちこれは昭和二十年の九月七日の外務大臣の訓令に基いて措置されたものと考えられまするのが、当然そういう措置をなすべきであるという結論を出しまして、第二回国会におきまして、十一月二十八日の参議院において請願を採択したのであります。その際にそれではどのくらいこの借入金があるかというと、この借入金の額は九億一千七百万円と、明らかにその請願報告書の中には入れてあるのでありますが、その中に大連の労働組合の分は、一億二千六百万円計上されてあると、私はたしかに記憶しておるのであります。これは資料を見れば分るのでありますが、従つてこの大連労働組合の借入金関係が、今回の法律によつて問題になるということは、万あり得ないことだと私は考えておるのであります。
 先般当委員会におきましてこの問題が在外公館等の借入金の中から除外されるのだというようなことを、外務省の管理局長が言われたということでありましたが、その点は改めて外務省の管理局長の出席を願いまして、どういうわけでそういうふうな考えをしたかということを糾明すべきであるというふうに私は考えております。本日は欠席されて出席がありませんので、止むなくその点を私は追求するわけには行きませんが、当委員会といたしましては、第一回国会以来この問題を扱つて参りまして、大連の問題が除外されるというふうなことは、万々考えていなかつたということは、各委員の皆さん御承知の通りと考えておりますので、従つて今日この点をもう一度委員の皆さんで既往を反省して確認して頂きたい、こういうふうに私は考えておりますが、委員長各委員の皆さんの御意見を一応聞いて置いて頂きたいこういう希望を申し出です。
○理事(天田勝正君) 皆様におかれましては、この件に関しましての御意見を一つ御吐露願いたいと存じます。
○穗積眞六郎君 今北條委員の言われましたように、九億一千七百万円という金額が出ましたときに、私もはつきりは覚えておりませんが、大連も一億二千何百万円か、これは公館借入金、難民救済金としてあるのだということを、はつきり入れたのはたしかだと思つております。ですから大連から借りた金がそれだけあるのだということについては問題はないのだと思つております。ただ私、そのときよく記憶しておりませんですが、借主が大連の組合である。これを借主として認めるかどうかというようなことがはつきり問題になつたかということは覚えておりません。とに角国としてこれだけの金は、難民救済のために出した金だから支拂うべきだということは、こちらでも委員会として認めもし、又それを政府もそのときは勘定に入れていた、こういうことを私は記憶しております。
○紅露みつ君 この問題は実際面から見ますと、現在これを使つて、そうして相当数の人が引揚げたというようなことがはつきりしておるのですから、実際問題としては、やはりこれは支拂うべきものだと思いますけれども、その全額がどういうふうに使われたかということがはつきり分つておりませんし、これが普通の借上金と同じに扱つて宜いかどうかということに、私はまだ議論があるのではないかと思います。実際問題として拂つて上げなければいけないと考えますけれども、もう少しこれは深く掘り下げなければならないと思います。
○理事(天田勝正君) この際申上げるのでありますが、外務当局といたしましては、つまりこれだけ類似のものが沢山出て来る危險があるという点から、この扱いに躊躇されておるというように仄聞いたしております。但し国会側から強い意思表示がなされておるならば、それの後楯において何らか措置をとりたいというふうな気持を持つておるようであります。勿論私共も北條委員が御指摘になりましたように、当時の扱いは記憶しておる。ただ事情変更の原則に基きまして、当時今日我々が知るがごとく、大連労働組合等の問題を知つていない前提に立つて、それが難民救済に使われたのだというふうに、拠出された方の人からのみ聞いて、あのような処置をとつたのであつて、その前提になる條件が違つておるというところに、本委員会で意思表示をする場合にも考えておきませんと、直ちに反撥を受けて、雲散霧消する。こういう結果も考えなければならんと思うのです。そういう観点について何か……。
○北條秀一君 もう一つ補足しますが、これは第五国会におきまして外務委員会が在外公館等の借入金整理準備審査会法を審査いたしまして、その結果本会議に理事である伊東隆治君の説明の中には、九億一千七百万円は当然政府の行政費として認むべきものであるということを報告しておるわけです。従つて昭和二十二年十一月二十八日の請願審査報告の九億一千七百万円と、後の九億一千七百万円とが、決してこれは偶然の一致でなしに、内容を十分検討した後のものであるというふうに私は深く確信しておりわけであります。であるから当委員会の既往の検討した結果と、外務委員会において検討した結果、並びに本会議において報告された内容、そのよつて来たるところを十分検討して行けば、この問題ははつきりと分る。今更私としては疑問は全然ない問題である。勿論委員長の言われますように、事情変更の原則に従つてそういうことが起り得るとは思いますけれども、私としてはこの問題については一点の疑義を持つておらないということを申上げたい。
○穗積眞六郎君 この前の委員会で外務省の管理局長が、大連の組合は入れる考えはないというようなことを言われたと記憶しておりますが、何故に入れないからということについての、入れない意向を持つておるという説明は、余り詳しくなかつたような気がしております。結局その費途が疑いがあるから入れないというのか。何か労働組合というものの成り立ちにおいて、今度出た法律からいつて資格がないように思うというのか。どうもはつきりしなかつたような気がいたしますが、この問題を検討するのには、管理局長にもう一遍出席を求めて、そうしてよくどういうつもりで入れないと言つたのかというところを確めた上で、検討するのが本当じやないかという気がいたします。
○理事(天田勝正君) ちよつと懇談したいと思いますがよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(天田勝正君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
○理事(天田勝正君) 速記を始めて……。では在外公館借入金確認適用範囲の問題につきましては、猶主管省でありまする外務省側の意向等もありますので、倭島局長を近く開かれます当委員会に出席を求めまして十分この点は協議する、こういうことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(天田勝正君) ではさよう決定いたします。では本日はこの程度で散会いたしたいと思います。
   午後三時五十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡元 義人君
   理事
           天田 勝正君
           水久保甚作君
           紅露 みつ君
   委員
           木下 源吾君
           淺岡 信夫君
           木内キヤウ君
           九鬼紋十郎君
           北條 秀一君
           穗積眞六郎君
           三好  始君
  説明員
   大蔵事務官
   (大蔵省理財局
   外債課長)   太田 亮一君