第008回国会 外務委員会 第2号
昭和二十五年七月二十四日(月曜日)
   午後一時四十分開会
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  本日の会議に付した事件
○阿波丸事件の見舞金に関する法律案
 (内閣提出)
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○委員長(櫻内辰郎君) これより外務委員会を開きます。前回に引続き阿波丸事件の見舞金に関する法律案の御審議を願いたいと存じます。直ちに討論に入ることにいたします。御意見のある方は賛否を明らかにして、お述べを願いたいと存じます。御発言はございませんか。
○曾祢益君 この問題を考えますときに、どうしてもこの問題の元にかえつて考える必要があると思います。それで阿波丸事件に関しまして、戦争中であつたに拘わらずアメリカが非常に公正な態度をとつて、日本に対して賠償の申出をしたということは、極めて立派な態度だと、我々も国民として非常にその態度を多としておつたのであります。で国会におきまして決議案が出まして賠償を放棄した、これにつきましては当時のいろいろの状況がありまして、アメリカの援助等に対しまして日本も進んで放棄した方がいいというような考え方からこういう決議ができたと思うのでありますが、併し我々としてはやはりこの権利は権利としてそうして講和条約ができたときにこれを正式に切り落すという方が一層正しい態度ではなかつたかと思います。併しこのことはもうすでに済んだことでありまして国会の決議によりまして賠償権を放棄する、と同時に何らかの適当な措置を国内的に取るように、決議が決められたと思うのであります。その決議の実行といたしまして、政府が連合軍総司令部の外交局でありますか、と協定したわけであります。その協定の内容におきまして、国会の意思たる決議を忖度して、この件に限つて他の戦災者や何かとは別な取扱いをして、一種の見舞金を出す、こういうことを事実上協定してしまつた。こういうことになつているのであります。そこでこの協定自身も果して国会に報告するだけであつていいかどうか。これは条約と国会との関係の点から見まして一つの大きな問題ではなかつたかと思うのです。果して報告だけでよかつたのか、或いは国会の承認を求むべきであつたかどうか、そこに一つの大きな原則の問題があつたと思います。併しこれも又すべて済んでしまつたことでありますので、私としましては、この種の国際的の取決めができたときにどの程度のものを国会の承認を求むべきかどうか。これらの点につきまして本件等から考えてこれは非常に大きなことであるから、今後の外務大臣若しくは外務当局の、これらの国際条約と国会との関係についての見解を明らかにして欲しい、こういうふうに考えるわけです。その点に関する十分なる説明を納得する限り、事実上においてこれは協定ができており、これとは全然無関係な法案を審議する態度を以ては処し得ないという現状に鑑みまして、本案に関しましてはいろいろな経緯がありますけれども、本員といたしましては賛意を表したい、こういうふうに考えております。
 つきましては国際協定と国会に関する関係につきまして、これは從来の事件に関達して将来の問題として外務当局の意見を聴きたいと思います。
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか。外務当局の御意見は今日願いますか。或いは適当のときにでも。
○曾祢益君 御都合によつて今日でなくてもよろしゆうございます。
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか。外に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて採決に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。ではこれより採決に入ります。阿波丸事件の見舞金に関する法律案を原案通り可決することに賛成のお方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
○委員長(櫻内辰郎君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつて予め多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、委員会における質疑応答の要旨及び表決の結果を報告することとして御承諾を願ふことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を付することになつておりますから、本案を可とされた方に順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    徳川 頼貞  曾祢  益
    杉原 荒太  團  伊能
    加藤シヅエ  伊達源一郎
    野田 俊作
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名洩れはございませんか……。御署名洩れはないと認めます。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           徳川 頼貞君
           曾祢  益君
   委員
           杉原 荒太君
           團  伊能君
           加藤シヅエ君
           伊達源一郎君
           野田 俊作君
  政府委員
   外務政務次官  草葉 隆圓君
   外務省政務局長 島津 久大君