第008回国会 大蔵委員会 第7号
昭和二十五年七月二十七日(木曜日)
   午前十時三十六分開会
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  本日の会議に付した事件
○小委員長の報告
○日本勧業銀行の農村金融機関として
 機能整備に関する請願(第四八号)
○大蔵省預金部資金の地方還元に関す
 る請願(第四九号)
○白河市に常陽銀行支店設置の請願
 (第八〇号)
○課税の適正化等に関する請願(第九
 六号)
○国民金融公庫の融資に関する請願
 (第九八号)
○揮発油税軽減に関する請願(第七三
 号)(第一三七号)(第一五四号)
○酒税引下げ等に関する請願(第五四
 号)(第五五号)(第五九号)(第
 六〇号)(第七〇号)(第七一号)
 (第七二号)(第七四号)(第一二
 六号)(第一二七号)(第一三五
 号)(第三六号)(第一五九号)
○関税法の一部を改正する法律案(内
 閣提出・衆議院送付)
○地方自治法第百五十六條第四項の規
 定に基き税関の支署及び出張所の設
 置に関し承認を求める件(内閣送
 付)
○証券取引法の一部を改正する法律案
 (内閣提出・衆議院送付)
○継続調査承認要求の件
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○委員長(小串清一君) これより委員会を開会いたします。
 先ず初めに、請願及び陳情に関する小委員会の経過を、小委員長から御報告を求めることにいたします。
○大矢半次郎君 二十五日行いました請願二十一件についての小委員会の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 請願第四十八号は、農村金融を農林中央金庫のみに依存させておることは、農村金融の逼迫しておる現状から見て不安であるから、勧業銀行法を改正して、農村金融機関としての機能を発揮できるよう整備せられたいとの趣旨であります。請願第四十九号は、大蔵省預金部資金を、農村金融緩和の一策として、地方に還元融通せられたいという趣旨であります。又請願第八十号は、福島県白河地方産業発展のため、白河市と関係の深い常陽銀行の支店を当市に開設せられたいという趣旨であります。請願第九十八号は、国民金融公庫の事業資金は、資金及び公庫の出先機関の不足のため、十分に利用されていないので、出先機関を増設すると共に、資金を大幅に増額されたいという趣旨であります。請願第九十六号は課税の不適正、不公平及び徴税事務の不円滑が納税不振の一大原因となつておるので、課税の適正化且つ徴税事務の民主化を図られたいとの趣旨であります。請願第七十三号、第百三十七号及び第百五十四号は揮発油税は自動車使用者が主な納税者となつておるのであつて、同税のために自動車使用者は過重な負担となつておるから大幅に軽減されたいという趣旨であります。
 以上いずれも妥当な趣旨であると認めまして採択をいたしました。
 次に請願第五十四号、第五十五号、第五十九号、第六十号、第七十号、第七十一号、第七十二号、第七十四号、第百二十六号、第百二十七号、第百三十五号、第百三十六号及び第百五十九号はいずれも酒税引下げ等に関する件であります。即ち現行の酒税は高率に過ぎるため、売行が不振となり密造が多くなつておるので、この際酒の税率の五割引下げ、酒類価格の適正なる改正を図られたいとの趣旨であります。審議の結果税率の五割引下げということについては、財政收入その他諸般の事情を考慮して尚検討の余地があるが、この際相当大幅に減税する必要があると認めまして、この趣旨の下に採択いたしました。
 以上御報告申上げます。
○委員長(小串清一君) 只今の請願、陳情に対する小委員会の御報告に別段御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小串清一君) 異議なしと認めまして本会議に報告することにいたします。
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○委員長(小串清一君) これより関税法の一部を改正する法律案の質疑をいたしたいと思います。それにつきまして法制局長から説明があります。速記は止めて下さい。
   午前十時四十二分速記中止
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   午前十一時十四分速記開始
○委員長(小串清一君) 速記を始めて下さい。
○松永義雄君 終戰後におきまして、警察官の素質というものが、戰終後の日本の状態からいろいろ考慮さるべきものが多々あると思うのでございます。少し極論をいたす次第であります。例えば選挙事務所に行つて警察官がぐでんぐでんに酔つて、そうして醜態を演じた。この種の例は一にして止まりません。最近武器に関して警察官のとつている態度というものは極めて憂うべきものがあるのでありますが、私の僅かな経験でありますが、例えば或る町警察において、警察官が、官服のままで或る博徒の玄関先に入つて、そして挙銃を突きつけて、土足のままその家に上り込んだ。ぐでんぐでんに酔つぱらつて泥酔している。結果において誤解であつたから一応問題にもならなかつたし、私としても見逃したのであります。而もその上に、最近私の知る限りにおいて、埼玉県入間郡大井村におきまして、或る警察官がやくざと称する者と出会つて防衞を超える程度において、ピストルを濫用した事実があります。これは恐らく検察庁で問題になつております。更にこのことにつきまして、御質問を申上げようとしているその直後におきまして、埼玉県におきまして、後程御覧になつて頂けばいい、一応題目だけを読んで見ます。
 泥酔警官が拳銃暴発青年に重傷を負わす、こういう事実があります。更に一昨日の埼玉新聞であります。県内においてそのような事実が三つ程あるという統計が数字が出ている。そのように警察官が武器を渡されたために濫用しまして、そうして防衞行為を出でて、そうしてピストルを放つて、被疑者と申すか、そうような種類の人に、その生命すら奪うような事実が起きている。このことは昔我々が労働争議に当りまして抜劍事件ということを経験いたし、劍を抜いてさえ非常に大きな問題である。人権を擁護するために鬪つて参りました。然るに最近は飛道具を持つて一発の下に生命を奪うという武器が警察官に渡されている。人権に及ぼす人権蹂躪の程度は曾てのサーベル以上に甚だしいものがあるのであります。こうした一体事実に対して警察当局の方はどういうふうに考えられているか。一応それに関する御意見を伺いたい。
○説明員(中川淳君) 私国家地方警察の警務部長でございます。拳銃に関する事務を所管いたしております。辻公安委員長に代りまして御説明申上げます。
 只今松永委員より警察官の拳銃携帶に関連いたしまして、大変御心配の御質問がございました。私もこの点につきましては非常に憂慮をいたしております。事故のないことを常々念願しておるのでございますが、只今ここにお挙げになりましたような事故が遺憾ながらときどき発生いたします。誠に私共の指導監督の力の及ばないのを痛感いたす次第でございまするが、私共といたしまして警察官の拳銃の携帶並びに使用につきまして日常どのような措置をとつておりますか、一応お聽き取り頂きたいと思います。
 御承知頂いておりますように終戰直後から警察官は拳銃を常時携帶いたすこととなつたのでありまするが、昨年の夏に至りますまでは大体警察官並びに自治体警察吏員と平均いたしまして四人に一挺の割合で携帶をいたしておりました。ところが昨年夏以来総司令部の方で日本の在来の拳銃を修繕のために回收されまして、それに代りまして米軍の武器としての拳銃を貸與せられることになりました。その数もこちらから出したのに加えまして貸與せられることになりまして、現在その数を申上げる自由は持たないのでありまするが、大体皆様方が街頭でお見受けの通り国家地方警察に関しましてはこう申せばお分りと思いまするが、大体從前の四倍という銃を持つております。それでお言葉にありましたように拳銃は非常に危險な武器でございますので、これの使用には、携帶をさせるに当りましては非常にやかましい訓練をいたしておるのであります。警察では教養を非常にやかましくしておりまして警察官になりますについても先ず六ケ月間の初任教養をいたしますが、この期間におきまして拳銃に関しまして四十一時間の訓練をいたします。それから警察官は、その最も多数を占めておりますところの巡査、巡査部長は毎年三ケ月ずつ管区警察学校に入りまして検察庁の再教養を受けるのでありますが、この場合におきましても一般警察官は二十一時間の拳銃の指導等を行う。指導監督の責任にありますものにつきまして五十六時間という時間を拳銃の携帶、手入れ、操作、そうしたものにつきまして指導、訓練をいたしておるのであります。警察官に拳銃を初めて交付いたします場合には、先ず拳銃の安全規則というのがございまして、五ヶ條の安全規則がある。それを十分拳に服膺させまして、その他使用すべき場合、或いは取扱方法等を丸一日かけて指導いたします。その後三日間府県庁の所在地に集めまして必ず三日間二十四時間の訓練をいたします。この場合には実彈を十五発発射いたします。この場合にも單に操作術の指導だけに止まらない、使用すべき場合のこと、或いは安全規則等を嚴重に指導いたしておるのであります。その他に全国的な指導者の講習会を総司令部の係官の指導の下に毎年実施いたしておりまして、私共といたしましては警察の指導、教養の面におきまして、拳銃の取扱い、或いは操作、使用、そういうものにつきましては教養の面におきまして最も大きな部分を占めておるのであります。然るに現在率直に申しまして、拳銃に関しましては大小さまざまな事故が頻発いたしておるのであります。これにつきましては、まあどうも日本人が拳銃の操作につきまして誠に不熟錬である、下手である、感覚が鈍いということを世界的に言われております。アメリカの指導者達からも非常に日本人は扱いが下手であるというようなことを毎度言われておるのでありまするが、一例を挙げますと、上海の工部局の支那人の警察官と日本人の警察官、日本人の警察官は絶対数におきまして非常に少いのでありますが、事故の発生におきましては支那人よりも遥かに多いというような状況で昔もあつたそうであります。そういうようなことで誠に拳銃の扱いにつきましては日本人は不得手でありまして、事故が多い。それだけに私共特に拳銃につきましてはやかましくいたしまして、本年は四月五月におきましても全国的に拳銃の取扱使用規程その他技術がどんなになつておりますか、全国一斉の監察を、総司令部と一緒になりまして実施いたしたのであります。問題を出しまして安全規則等を全警察官がどのくらい熟知しておるか等の実地試験等もいたしたのであります。相当徹底をして参つておるのであります。然らば具体的に最近におきまして事故がどんなようなふうにあるか、御参考にお聞かせいたしたいのであります。私共は拳銃の使用を職務上の使用、その他の使用、それから盲発、暴発とも申しますが、それの場合、こういうふうに分けておりますが、拳銃の使用につきましては一昨年の七月警察官等職務執行法、あれによりまして初めて具体的な根拠法規を與えられました。その警察官等職務執行法の施行以来本年六月までのこれらの統計をちよつと申上げますと、職務上の使用の件数、即ち職務上の使用といいますれば只今申述べました警察官等職務執行法第七條によりまして少くとも警察官といたしましてはそれによつたものとして使用いたしました件数が、二年間に四百四十八件、それによる死亡者が十四人、負傷者が三十九人、これは必ずしも少い数字ではないのでありまするが、ここで申上げたいのは私共が見ておりまして一昨年までは非常に警察官の拳銃の使用の場合が多いのであります。非常に憂慮いたしまして警察官等職務執行法第七條の許容しておる範囲ではありまするが、私共といたしましてはもつとこれを嚴格に制限をいたしまして自粛いたしたいと存じまして、昨年の七月に警察官拳銃使用取扱規程、これを改正いたしまして、一番大きな点はいわゆる威嚇射撃を禁じたのであります。これは威嚇射撃は警察官等職務執行法によりまして認められておる拳銃の使用法でありますが、ところが威嚇射撃が誠に遺憾でありますが、よく人に当る。そうして而も威嚇でありまするからしてこの場合そう射たなければならんといつたような場合でないにも拘わらず空を向けて射つ、まあおどかすのであります。それでその銃声で怯みまして被疑者が逃げるのを止めればいいのでありまするが、どうも追掛けながら拳銃を威嚇射撃をいたしますると、これはよく当つてしまう。それで警察官等職務執行法第七條によつて許されておる範囲ではありまするが、我々といたしましてはこんな被疑者を殺さないでも、或いは怪我させないでも、逃がしちやつてもよかつたじやないかというような被疑者までやはり殺してしまうというようなりことが多かつたので、昨年の夏から国警におきましては威嚇射撃を禁じてしまつたのであります。そのためにそれ以来警察官の職務上の使用件数が激減をいたしました。それまでは大体月に平均で四十件でありましたが、念のために申上げますが、これは全部国警だけの統計であります。その後昨年の夏以来月十件ぐらいに激減をいたしました。而も先程申述べましたように昨年の夏以来国警の拳銃の所有数は從来の四倍になつておりますにも拘わらず、使用の事例は從来の四分の一になつた。從つて一人当りから言いますと十六分の一に減つたと申し得ると思う。その結果は警察官といたしましては、この犯人は場合によつて撃殺してしまつても、警察官等職務執行法第七條後段に、危害を與えてもいい場合がありますが、その危害を與えてもいい、撃殺してしまつても法律上は正当である。その場合にしか絶対に発射してはいけないということにいたしたのであります。併しその後も尚もつとこれを徹底いたしたいと存じまして、今年の四月には更にこの範囲を縮小いたしまして、そうして警察官が先ず拳銃をこのケースから抜き得る場合、それを先ず規定いたしまして、そうして撃ち得る場合を更に又これから限局するということにいたして、規定の上からは警察官は滅多の場合これを扱き出すことはできない。而も撃ちますのはこのまま即死さしてしまつても法律上正しいという場合に殆んど限られておるので、最近におきます職務上の使用につきましては非常に少いのです。よく第一線警察官に理解して貰いまして適正であると存じております。警察官等職務執行法が国会において審議されました際、議員各位より御希望のありましたこの御趣旨によく合致するように職務上は使用いたしておるものと私は存じておるのであります。問題はこの職務上の使用の外に警察官が誤つて、或いは又その他の民衆が好奇心等によりまして拳銃をいぢくりまして、そのために発生する事故が非常に多いということに存ずるのであります。その他の使用というのは、警察官或いはその他の者が拳銃を使用する、撃つ目的の下に撃ちました場合を挙げておるのでありますが、これは一昨年の夏以来十一件、この十一件は誠に遺憾な話でありまするが、全部自殺であります。中には心中というような醜いのもございまして、これによりまして十人が死亡いたし、一人が負傷いたしております。
 第三の盲発でございます。これは拳銃を警察官若しくは一般の人達が拳銃を撃つつもりでなく、彈が飛び出してしまつたことを言うのであります。これが百六十六件、それによります死亡者が四人、負傷者が二十人、こういう状況であるのでございます。又盲発は終戰後非常に多かつたのでありまするが、昨年所有数が四倍になりましてやはりそれに伴いまして四倍という比例にはなつておりません。非常に嚴重に指導されておりますので、四倍にはなつておりませんが、やはり携帶の数が増加いたしましたりすることに伴いまして盲発が殖えておる。この盲発につきまして先程申上げましたように日本人はどうも機械の扱いが不得手であるということを痛感させられるのであります。彈を入れたまま手入れをいたしまして、そうして手が誤つて引金にかかりまして彈が飛んでしまつたという場合が最も多い。幸いこれによるところの死傷というものが極く僅かでありますが、最近多いのは警察官が拳錠を壁に掛けておりますと、その家族なり、或いは地方の人が物珍しくそれを手にいたしまして、そうして誤つて彈を発射してしまつたという場合が最近非常に多いのであります。毎月二三件ずつこうした報告に接しているのであります。私共といたしまして今日最も憂慮いたしておりますのは、先程松永委員が仰せになりました通り、警察官の拳銃の携帶と飮酒の関係でございます。それで率直に申しまして、警察官が常時拳銃を携帶するということは必ずしも望ましくもないように存ずるのでありまするが、併しながらこれは現在警察官は全員常時拳銃を携帶せよということになつております。それで私共も常時携帶いたしているのでありまするが、從いまして日常は、勤務にあります間等は全然心配ないのでありますが、やはり社会生活におきまして、宴席などに出なければならない場合がある。特に地方の駐在巡査等においてはどうしても外し難い場合がある。その場合に深酒を飮んでしまいまして飛んでもない間違いをいたす場合がございます。只今新聞につきましてお話になりました件につきましては、実はまだ私報告を受取つておりませんが、遺憾ながら他府県にも同様な件がございまして、中には何ともお詫びのしようのないような失敗もございます。その点につきましては酔つぱらつた警察官が拳銃を弄ぶくらい危險なことはございません。十分予見されておりますから、かねがね拳銃を携帶して職務に差支えるような深酒を飮んではならないということは特に嚴重に指導いたしているのであります。尚そういう事例が絶えませんことは実に遺憾であります。勿論かかる場合には直ちに懲戒免官になりますので、各警察官等も十分心得ているのでありますが、これにつきましては今後も一層嚴重にやかましく申しまして、昨日も実は埼玉の件なども新聞でも見ましたのですが、皆で諮りまして今後は本人だけでなく、監督者等の責任の糾彈等も一層嚴重にすべきである。何としてもかかる事故の絶無を期さなければならん。かように存じまして、一層きつい措置をとりたい、かように存じております。
○松永義雄君 簡單にお話いたしたいと思います。実際に射殺する、射撃するという場合ばかりでなくして、警察官が拳銃を持つているのをいいことにして、何か自分に弱点がある場合に人民を威迫のためにこれを惡用して、そうして自分の過失を蔽おうとするような場合すら私共は聞いている。全くこれは警察官自身の頭が、終戰後の日本の状況とはいえ、余りにも甚だしいものがあるということを私は感ずるのであります。この種の実例を一々挙げて行つたら切りがないので、どこに責任があるのかということをも具体的に私も申上げたいぐらいでありますが、たまたまあなたがおいでになつたので一つ十分お聽き取り願つて、公安委員の方々にもよくお伝え願いたいと思うのですが、今のような有様じや我々人民は安心していられないのです。最近の傾向では極めて警察官の行動というものは不公平になつて来ました。終戰後ばとにかく一応精神の頽廃ということで説明されて、一般的であつたというふうに感じられるのですが、最近においてはどうも警察官の態度は不公平なものがあるという感じを私は持つに至つているのであります。こういう精神で、而も危險な拳銃を持たして置いて、それを濫用させるようなことがありますと、我々人民は安心して往来を歩いていられない。このことはたまたま新聞が埼玉県であるから埼玉県のことだけ申上げているようでありますが、東京の実例も私よく知つております。いろいろ私共聞いているのですが、こういうものに対して一応あなたから将来こういうことを嚴重にやると、こういうふうにおつしやられているのですが、もう少し私は責任ある人のしつかりしたお話を聞きたいと思う。関税法の審議であり、皆さんのお邪魔するのもどうかと思いますから、とにかく追及しては申しませんが、一つあなたに聞いて頂いてそれぞれ上にお伝えを願うと共に、あなたの将来に対する決意を聞いて置きたい。
○説明員(中川淳君) 只今松永委員のお叱りがありました。如何にも御尤もと申上げなければならない部分がありますことは、誠に遺憾であります。拳銃を擬しまして民衆を威嚇するような警察官がございましたならば、私共としては、これは警察から拜除することは少しも吝かでございません。実例がございましたら、どしどし私共に申入れて頂くと、私共といたしましては、かような全く好ましくない警察官の拜除につきましては、徹底的にいたしたいと存じております。尚かかることがないように從前も努力しておりますが、その効果が完全には現われておりません。一層これにつきましては努力をいたして行きたいと思います。
○松永義雄君 ちよつとお伺いしたいのですが、簡單に読み上げる程度で聞きたいと思います。それは第七国会におきまして税法が成立いたしました。そのときに第三者通報の褒賞金のことが改正されたようであります。その金額二十万円から五十万円と増額して、五十万円を超えてはならない、こういう規定になつております。ところが関税法におきまして、第九十八條ですか、十万円を二十万円に増額しておりますけれども、そこに一般税法と差があるが、この理由を一つ簡單にお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(石田正君) これは法律の建前、その他一般の方から申しまして、今御質疑がございましたが、将来我々の方も研究を遂げまして五十万円くらいまでが至当ではないかというふうに考えております。ただ今までの実績によりまするというと、大体その規定がありますために、非常に大きな事件がありましたけれども、ほんの僅かしかできなかつたというように今なつております。
○松永義雄君 関税法においても同一にすべきだということを認められるわけでありますか。一般税法と同じように認めるというようなお考えになつておるのですか。
○政府委員(石田正君) これは何と申しまするか、関税法の違反事件と、それからして、いわゆる一般税法の方の、通報の問題でなんですが、これは大体感じから申しまして通報があります場合に、関税法の方が、物が動くといいますか、そういう関係上割合に捕捉がし易いのでございます。誓えて見ますると、変な船がどこに入つておる、というふうに直ぐ通報ができると、こういうふうな面がございます。そこで全然一般の租税の場合と同じような工合に、全部同じにしてしまうのが、いいかどうかということは、問題があろうかと思います。誓えて申しまするならば、通報の場合において、相当率を高めましても、関税法の方では必ずしも同じ率で行くべきだというふうには考えておりません。併しながら、いわゆる率の点を上げずといたしましても、いわゆる総額におきまして、これだけの頭を越してはいかんのだということが不権衡になつているという点は、適当な機会に是正いたしたい、というふうな感じを持つておる次第であります。
○委員長(小串清一君) それでは関税法の一部改正につきましては、先刻お諮りいたしましたように、関係方面の意向を聞きまして、それから再び御審議を願うことにいたしたいと思います。
○木村禧八郎君 この点一つだけ、ちよつと関税に関連して質問をいたしたいと思います。アメリカからタリフ・コンミツシヨンが来るということを聞いておつたのですが、向うからいつ頃来るのですか。それから、向うと、日本側との交渉をするというようなことをやるとか、新聞で伝えられるところによりますと、いろいろ意見が出ておるわけですが、新聞の観測でありますけれども、若しかああいう観測が一応その前提となりましたら、重大な問題だと思うのですよ。例えば農産物関係なんかについても、非常な開きがあると思う。農林省側と、それからタリフ・コンミツシヨンの考えている率との間に非常な開きがある、十倍くらいの開きがある。ですからこのタリフ・コンミツシヨンがいつから来て、どういうことをやるか、これは我々非常な関心を持つておるのですが、それはどういうふうなことになつておるのですか、その点をお聞きいたしたい。
○政府委員(石田正君) 速記を。
○委員長(小串清一君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(小串清一君) 速記を始めて。それでは地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関の支署及び出張所の設置に関し承認を求めるの件、これに対して大蔵省の提案理由の説明を求めます。
○政府委員(西川甚五郎君) 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関の支署及び出張所の設置に関し、国会の承認を求めるの件について提案理由を御説明申上げます。
 先ず第一に、最近における外国貿易の趨勢に対応し、税関行政の円滑な遂行を期する必要がありますので、東京税関支署羽田飛行場出張所及び門司税関津久見出張所を税関支署とすることであります。東京税関支署羽田飛行場出張所は近時航空機による輸出入貨物取扱実績の増加及び空港としての国際性に鑑み、又門司税関津久見出張所は近時の貿易の実績並びに税関行政上九州における東海岸地区には、税関支署が置かれていない現状に鑑み、今回両出張所を税関支署とする必要があるのであります。
 次に横浜税関高島埠頭出張所外四十張所を設置することでありますが、横浜港高島埠頭及び神戸港中埠頭、同兵庫埠頭における輸出入貨物の集散状況に鑑み、横浜税関高島埠頭出張所、神戸税関中埠頭出張所及び同兵庫埠頭出張所を新設し、又八幡市における近時の貿易の伸展に鑑み、若松税関支署八幡出張所を新設すると共に、長崎県の針尾においては、関係方面の指示に基く沖繩、朝鮮等に対する強制送還としての現状に鑑み、長崎税関支署針尾出張所を新設する必要があるのであります。以上税関支署及び出張所の設置に関し、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基きまして、本件を提案いたしました次第であります。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
○委員長(小串清一君) 午前の審議はこの程度に止めまして、午後一時より証券取引所の理事長以下四人の方が見えますので、午後一時に再開をいたそうと思います。午前はこの程度で休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
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   午後一時三十三分開会
○委員長(小串清一君) これより午前に引続きまして大蔵委員会を開会いたします。
 証券取引法の一部を改正する法律案、これに関連をいたしまして、証券取引所の当事者の方を四人お呼びいたしまして、証券取引所の改正並びに取引所の運営等について、実際の面から御経験を述べて頂いて、我々の審査の参考に供したいと思います。どなたでも順次お名前をおつしやつて一つ御説明を願います。
 それでは証券取引所理事長の小林光次君の御説明を求めます。
○参考人(小林光次君) 私証券取引所の小林でございます。
 証券界の現状についてというお話でございまするが、極めて簡單に申上げますれば、御承知の通り、この証券界におきましては、昭和二十二年の十二月から証券民主化運動を起したのであります、当時これは御承知のごとく、ポツダム宣言によりまして、財閥解体による証券民主化運動というような関係からいたしまして、国会におきましても証券民主化議員連盟がおできになりまして、我々に御協力を願つた次第であります。戰前におきまして、概算約四百四五十億の有価証券のうち、財閥の持つておるところの株と、それから大会社の抱合の株式がございまして、これが約半数くらいあると思う。そういたしますと、浮動株が約二百億見当になつておると思うのであります。かような次第でありまして、これが一般に証券処理調整協議会から民主化しなけりやならんということで私共がやりました次第であります。然るに先般、これが非常に国家のためによろしいことと思うのでありまするが、証券法の六十五條によりまして銀行、信託会社が株を引受けて売出すことができなくなりまして、直接投資になつた次第であります。その結果証券業者が直接投資のために各事業会社に対しまして、産業資金の調達を図つたものが、昨年一ケ年で八百二十二億万円という大きな数字になつております。現在でも二千二三百億の有価証券になつておるのであります。実は証券民主化運動を最初展開するときに、経済団体連合会におきまして、私もこれを主張いたしたのでありまするが、何か政府において証劵金庫というようなものを作つて貰わなければ、これは将来において必ず禍根を残すというようなことで、財界の重鎮であらせられるところの長崎英造さんにも非常に御協力を願つてこれが主張をいたしたのでありますが、遂にこれは実現することができなかつた。果して昨年来よりこの過剩株式のために、客観情勢による点が多いと思うのでありますが、過剩株式のための暴落というふうに考えるのであります。私が証券取引所を、命令を受けまして設立いたしましたのが昨年の五月の十四日でありますが、その当時は証券取引所の上場物件が約六百種類、この平均値段が百五十円以上になつておつた。然るに本年の七月五日には六十二円四十一銭、こういうふうな工合に大暴落をしてしまつた。最近は、昨年あたりで、やや引つ返しまして、七十五円四十銭でございましたか、約二割程引返しはいたしましたが、かような次第で証券界の現状というものは、非常に惨確たる状態になつておる。かような情勢から考えますと、何か政府においても対策を講じて頂かなかつたならば、恐らく今後の産業資金というものの調達は不可能であるということを私は断言しても過言でないように考えるのであります。最近株式が幾らか高くなりましたので、何か朝鮮問題に対してかれこれ証券界の方がどうかというような点もあつたのでありまするが、これは決して朝鮮問題というものは一つの動機になつて人気の現われでありまするが、何にいたしましても三分の一くらいの、現にもう配当が復活いたしておるのに拘わらず、五十円拂込のものが拂込以下になつておるというような状態であつたために、その朝鮮問題が動機で株式が戻したというような結果になつておる。但し量におきましては非常な大量の取引ができまして、去る十七日のごときは一日で場内の株式が九百四十四万株という大量の取引ができております。それを戰前に比べますると、東京株式取引所が七十年の歴史を以てしても僅かに百六十八万株くらいしかできていなかつたのでありますが、これがこういう大きな数字ができておるということは、やはり証券が非常に殖えたということと、それから証券民主化運動によつて大衆に株が分けられたというような、いわゆる大衆化したということによつて売買が大きくできたんだと考えております。この証券の多数の売買につきまして、各新聞紙上や何かでいろいろ政府から警告を発せられたとか何とかいうようなこともありましたが、これは決して政府から警告を発せられておりません。ただ私が大蔵次官にお目にかかつたときに、こういう際には証券業者の内容を充実して、そして今後事業資金の調達に万全を期するようにというお話合いをしただけのことでありまして、何ら注意を受けたわけでもないのでありますが、各方面でかような何かいろいろ新聞や何かに出ておつたようでありますが、現在は極めで平穏で売買も多少できております。但し朝鮮問題につきまして船株というものが相当活溌に動いて来たということだけは事実でございます。かような関係からして、これに附随したところの重工業の株式というものも多少その影響は否定することはできないというふうになつておりますが、御承知のごとくアメリカにおきましては二十年来の株式が暴騰いたしておつたにも拘わらず、勿論アメリカと日本とでは敗戰国と戰勝国でありますから違いますけれども、余りにもその値段が開き過ぎておりまして、アメリカの方でも幾らか先般朝鮮問題も作用いたしておるようでありますが、こちらの方の株式が高くなつておる。併しこんなことではまだなかなか事業資金の調達ということは困難であります。一層証券界はこの点について努力しなければならんということを痛感しておる次第であります。現在の証券事情はそんなような情勢でございますが、何か御質問がありましたら、これにお答えいたします。
○委員長(小串清一君) 何か質問ありますか。
 それでは小林さんのお話はこのくらいにして、次に証券業協会の理事山崎さんにお願いします。
○参考人(山崎種二君) 只今委員長のお話によりまして、現下証券界の情勢は只今お話のありました通りで、私が多分に申すまでもないと思いますが、昨年来の全国的な証券大衆投資ということにつきまして、我々業界は非常に努力いたして参つたのでありまするが、御承知の通りこうした馴れない大衆、戰後初めて財閥株主であつたものが一般大衆株主に転化された。こうしたことを我々新らしく大衆投資家に呼びかけて参つたのでありまするが、これにつきましては政府におきまする持株の放出、或いは再建整備によりまする計画、これらが非常に無計画であつた。こうしたことが我々証券業者といたしまして非常に世間の誤解と世間の非難を頂いたのでありまするが、これは大いに私は間違つていた政治だということを今日になるまでもなく、昨年かの再建整備の非常に急がれた点につきましても十分当時より確信を持つておりまして、これにつきましては予算面と資金面と株式の増資の面と、いわゆる昨年九月から十二月までの僅か三ケ月間におきまして株価なるもの半値になつた。こうしたことは曾て証券市場有史以来ないのであります。これは盡くがそうした計画的のことが行われておらなかつたということを私は重ねて申上げて見たいのであります。これらの点を考えまするときに今後如何になすべきかということが我々今問題であります。同時に政治的に御解決を頂くことがお願い申し上げる大事なことであるのではないか。
 次に、こうした根本的に誤つていたことと、続きましては我々業界の不振に基因いたしましていろいろと社会的に証券業界は全国的とも申しまして差文ないであろうと思いまするが、証券会社の登録取消も非常な数に上つておるのであります。これらを見まするときに当りましては、如何に証券業者が弱体であつたかという結果論におきまして簡單にそうした御非難を頂いておりまするが、これは先程申上げましたごとく非常に見解の相違でありまして、私共が無為無策にそうした弱体になつたのではないのでありまして、これはいわゆる強制的、或いは無計画的に売出株の引受を引受け、そうしたものが市場の状勢と、いわゆる株式の過剩増発とも申しましようか、こうした一挙に暴落を見ましたので、証券会社は他動的に、いわゆる自分の考えの及ばざる災難を受けたと申上げても決して過言ではないと思います。これらにつきましては我々当事者といたしまして非常に兜町は国家に対して産業資金の調達に対しては男気を出し過ぎたのではないか。こうしたうぬぼれを持つものでありまして、決して我々が惡かつたということは今日ですら考えておらぬのであります。どうかこの点は今後の我々業界の立場を御覧頂きまして、決してそうした間違つた行動を取つていなかつたということは今後の我我の行き方におきまして御批評を頂けるのではないかと思いまするが、この行き方につきましては是非御指導と御援助を頂きたいと存じます。それにつきましては我々業界は御承知の通り新らしき証券業法によりましてすべてが登録制でありまして、許可制でないのであります。これらにつきましてはいわば証券業に全然関心を持たず、経験すらないものがこうした非常に困難な、これ程、まあ我々から申しますると如何かと存じまするが、実に困難な事業でございます。設備もございませんし、或いは確定した販売網もございません。すべてが経済の順応によりまして我々その中間に立ちまして長期資金の獲得に対処いたしておりまする関係からいたしましても、そうした不馴れであり、無経験者が業界に非常に立たれると、これらが我々の内容的の業界の状勢から見ますれば、こうした結果を生んだ最もの原因であつたかのように存じます。この点を御配慮頂きまして、今後は証券業者の届出制でございまするものも今回の国会におきましても十分御検討を頂くことと存じまするが、是非ともこの点は我々業者といたしまして特にお願いを申上げたいと存じます。こうしたいろいろの面につきまして、私の申上げることが誠に行届きません事柄でありまするが、御質問に從いましてお答を申上げたいと存じます。
○委員長(小串清一君) 遠山さん一つ……。
○参考人(遠山元一君) 大体同じことのようですから坂君からちよつと……。
○委員長(小串清一君) では東京証券業協会副会長の坂さんにお願いします。
○参考人(坂薫君) ではちよつと私から……証券業協会の副会長の坂薫です。
 大体協会の現状、まあこうなりました原因について今お二人からお話がありまして、それに盡きておると思いますが、現在の証券業者の現状を簡單に申上げて、そのよつて来たる原因を簡單に申上げて置きます。
 現在東京証券取引所の正会員になつておりますのは百二十八社であります。これが一昨年から昨年にかけての大量の増資株、或いは新設会社の株式の売出し、この引受をいたしまして、先程も小林理事長からお話しましたように非常な大量の株が放出されました。これと並行してSCLCの放出株がこれも非常な大量のものが出ました。これが一昨年来併せて活発に展開された証券民主化運動の機運と相俟つて、從来の財閥或いは資本力の強い株主から資本力の弱い大衆に分けられました。そのために一昨年の夏頃以降は、相当無理な引受株と申しますか、指し株の放出がありまして、これが現在の業者に多量の抱き株になつてしまつておる。これも止むを得んことであります。それではそのときに引受をしなければいいじやないかという意見もあると思います。併し業者といたしましては各從来の取引関係の発行会社から頼まれますれば、無下に断わるわけにも行きませんし、又極力努力して少しでも消化したいという熱意から多少無理な引受もあつたと思います。結局それが現在の業者の資産内容を非常に惡化しました最も大きな原因だと思います。同時に從来財閥なり強力な資本家の手にありました巨額の株式が資力の薄い大衆に分けられました。いわゆるストロング・ハンドに持たれておつた非常に大きなヴオリユームの株式が、これがウイーク・ハンドに移りたために、これが株価が少し下りますれば直ぐ投げて来る。多少上れば寄つて来るということが、一方金融市場との関係もありまして、昨秋以来低落に低落を続けまして、尚下がれば一層又ウイーク・ハンドにある株式は市場に出て来る、これが或る程度又業者の抱きになるということで、いわゆる放出せられた株がそのまま抱きになつた、或いはそれが廻り廻つて業者の手に又入つて来たということから、資産内容を非常に惡くした。同時に株価が低落しますれば、大衆の手持ちというのが安いときにはつい売り出される、又手を出さないということで、売買の分量が数量的に非常に激減しまして、一方一昨年から昨年の春にかけまして、非常に活溌に商売しましたために人員等も相当殖えまして、これが一方非常な経費の点におきまして、いわゆる経費の食込みが、昨年の秋以来は漸増の傾向を取りまして、結局今申しました大量な放出株売出し株の抱きましたものも値下り、それから経費の不足が現在の多数の業者の資産内容を惡くしたということになつております。それでこれは最近監督官庁である証券取引委員会の方からの内示がありまして、今極力できるだけ自力で資本の充実を図る、資産内容の充実を図るという努力をして来ております。併し何を申しましても巨額な赤字を出しておる現在であります。或る程度の外部の御援助がないとこのままでは完全な更生がむずかしいのじやないか。それから今一つ落しましたが、終戰前には東京だけで約七十軒前後の証券会社があつたのであります。それが今年の取引所の正会員は百二十八社で非常にこの点におきましても業者の数が急激に増加して来た。これは一つは新法の精神が過去の免許制から自由登録制に変りましたために、或る程度の資本金を持つておれば形式的に登録することができるというようなことから簡單に業者の登録ができるということがお互いに共食いになるというような結果にもなつておる。これらにつきましても、今申しましたように自力で或る程度更生を図りまして尚監督官庁の方の御指導によつてこの辺の不合理な点も合理化しなければならんかと存じております。私の申上げる点はこれだけであります。
○委員長(小串清一君) 御質問どうぞ……。
○木村禧八郎君 先程小林理事長からの御説明を聞いてそのうちちよつと御質問申上げたいのですが、最近非常に株式の取引が多い。これは客の売買と証券業者自体の自己計算の売買との割合はどのくらいの割合になりますか。
○参考人(小林光次君) この点につきましては割合を取つたのがございませんが、東京の証券業者と地方の証券業者とは仕切売買というのができておるのです。その関係から地方の電話で直ぐに仕切つて売るからそういう点がありましたので、証券業者の思惑というものは私は最近はないと確信いたしております。全然皆無とは言いません。ただこの中に何と申しましようか、昔で言う半玄というような方は多少おると思います。殆んど支店の商いが非常に多いことによつて大衆の商いであるということは私は確信いたしております。
○木村禧八郎君 実は私が御質問申上げました趣旨は、証券市場対策として、いろいろ問題があるのです。いろいろな問題がありますが、その一つは取引所機構自体の改革の問題があると思うのです。機構自体の改革の問題としてはアメリカなりイギリスの例を見ましても御承知のようにアメリカあたりにしたらブローカーとデイーラー、或いはイギリスならジヨツバーとブローカー、こういう業務の部を更に又区分して、客のスペキユレーシヨン、客の売買と、それから証券業者自体の自己計算による投機、投機と言つてもよかろうと思いますが売買、これが混同しておる。そこにやはり一つの問題があると思うのです。これは研究問題でしよう。大きなそこに一つの欠陷もあると思う。今後の証券対策を考える場合に、今まで何故あんなに証券が暴落したか、過去の証券の暴落した経験、あの原因をよく分析して、その中から対策を考えて行かなければならん。その分析して行く中に、いろいろな政府の政策の惡さもありましようし、或いはドツジ・ラインによる政策、これも大衆からうんと税金を取上げて、吸上げてしまつて、大衆に株を買うだけの力をなくして、銀行にやつてしもうから、銀行の、いわゆる貸付資本が多くなつてお話の六十五條のように、証券業者の直接投資は、折角そういう制度を設けたのにそういう直接投資の外はないという原因があると思う。その一つとしてそういう機構の問題、そこでこういう非常に売買が盛んになると思う。客の売買と証券業者自身のそういう売買と、どのくらいの比率になつておるか。
○参考人(小林光次君) 東京と名古屋の相場では違う。又東京と大阪の相場は違うから、東京から買つて名古屋に売る場合がある。これは必ずしもスペキユレーシヨンにならんと思います。今日においては、どうもスペキユレーシヨンという言葉が我々の方にはちよつと考えられない、四日の日にはきちんと受け渡しができておりますから。これは証券取引委員会の方ではつきり申上げることができるだろうと思います。レギユラー・ウエイの方ができますれば、勿論頭金で多少できますから、そういうことも一応考えられます。まあ併しこれは御質問でございますから、この点についての調査をやつて見たいと考えるのでありますが、現在証券会社が非常に懸念しておりますのは、先程山崎さんから申上げましたが、八百億という株を売つたが、十五、六億は残つた。これはひとり証券会社ばかりでなく、どんな商売でも、ああいう大きな売出しをしたときは残るのが当り前、当り前といつてもあれですが、止むを得ないのじやないかと思つております。
○参考人(山崎種二君) 十七日の取引で、ローン取引が一割二、三分ということは今度の取引の中で新らしい現象の中に含まれるだろうと思います。
○九鬼紋十郎君 権利株の売買、多少投機的にやられたのじやありませんか。
○参考人(小林光次君) 権利株の売買が多少ありまして、例えば旭ガラスの問題でも、これは証券取引の方に、一つの機構を作つて頂くように証券界からお願いしておりますから、やがて何とかできるだろうと思いますが、これはそれらの手当がなかつたためにあれしたのと、昔の慣習でスペキユレーシヨンの取引がなかつたから、多少そういう方に移つた傾向ばありますが、これははつきり旭ガラスだけでございます。証券取引所におきまして、権利株の売買は行われておりません。
○九鬼紋十郎君 それから一つお尋ねしたいのは、いわゆるこの前の株式の値下りと言いますか、そういつたものは、多少無計画なやり方だつたものだから、こういう被害を受けた、そういうようなお話に承つたのですが、そうすると何ですか、今の証券業者の実力じや適当の値下りがあつてもこれを防止する力がないと、そういうふうにとれるのですが。
○参考人(小林光次君) 証券会社の力によつてとおつしやるのですか。
○九鬼紋十郎君 いや、増資なんか無計画だつた、多少計画が十分できてなかつたというので、こういうふうな適当な値段に止まらなかつたというような御説明に聞いたのですが……。
○参考人(小林光次君) 先程私から申上げましたのは、余り大きな株式が出る以上は、証券金庫であるとか、或いは証券公社とかというようなものをここに作りまして、そうして、水の流れも一遍に流さずに順次流すものが欲しかつた、これらが何らの計画がなかつたということを申したかつたのであります。
○九鬼紋十郎君 そういつたものの資本金といいますか、どのくらいのものを作つたらいいのですか、証券業の実態から……。
○参考人(小林光次君) これはその人人によつて多少違うかも知れませんが、昨年の暮あたり、証券界の幹部から政府にいろいろお願いをいたしましたのは、その当時でありますれば、十五億か二十億の保有会社とか、或いは金庫みたいのものを桁えますればよかつたのじやないかと思つております。今では恐らくまあ少くとも五十億とかいう大きなものにしなかつたら困難じやないかと思つております。併し証券事情も多少朝鮮問題以来変つて来ておりますから、両検討をし直さなければならんと思つております。
○九鬼紋十郎君 やはり証券小売会社というものは、今後も作らなければ業界を安定させることができないとお考えですか。
○参考人(小林光次君) これは日本の国民にちよつと無礼に当るかも知れませんが、国民全体の経済知識がまだ証券というものの経済知識が極めて薄い。そうして商取引を行なつたときも多少これができないのであります。特殊な階級に株式が相当入つておるのじやないかと思つております。そういつた結果、直接に中小工業が非常に不振であつたために、証券は直ぐ金になるから、その証券をどんどん売つて来て金に換えるといつた関係で、中小商工業の不況、それから経済知識の不足と経験が足りない結果、こういう暴落を来しておりますから、この点については一層経済知識を増すと共に、そういうものが必要であると思います。
○九鬼紋十郎君 そういつた機構は政府機関ですか。民間だけで作るというのですか。
○参考人(小林光次君) 民間だけで作ることは、ここに証券業全国の連合会長の遠山さんが中心となつて昨年からいろいろとこの点について骨を折つたのですが、民間が作ればどうしても一つの税の特典が必要であると考えます。然らずんば預金部の金を利用さして頂く。まあ我々がいろいろお願いしたのは見返資金をお願いしたのであります。見返資金がどうしてもいかんという場合には、然らばどうしても預金部の金か或いは税の特典を與えて貰うならばできますが、さもなければ民間でこれを作るということは困難であります。
○松永義雄君 ちよつとお伺いしたいのですが、昔の話ですけれども、まあ昔は売買の場に入つて来ますと手を振つて、そうして店の代理の人が出て来て売買が行われますね。そうして終いに或る一定の相場に落ち着くと一軒だけ手を打つことがありますね。そういうことは今でも行われているのですか。
○参考人(小林光次君) そういうことはございません。新聞によく「ばいかい」とかいう言葉が出ておりますのは、大証券会社が、例えば保險会社から一万株のものが売物があつた場合、他の保險会社に売つた場合に、昔は取引所に登録しなくてよろしいのでございますが、今度の法律によつて取引所に登録するということになつておりますので、これは「ばいかい」をつけるということになつただけのことでございます。
○松永義雄君 先程昔の仲買人、今は会員ですか、それは思惑をしない、こうおつしやつたのですが……。
○参考人(小林光次君) そういうふうではございません。
○松永義雄君 すると会員の代理が取引所なら取引所に参つて売買の届出をするわけですね。その売買の届出のときに、例えば私が売る、そうすると私の名前が出るのですか、出ないのですか、取引所の方へ。
○参考人(小林光次君) 売買は甲のお客様から一万株注文があつて、取引所へ証券業者に注文がありますれば、これは取引所の売買になる。それがテレタイプに入りまして、それが証拠になりますので、何時でも場内における売買は取引所において証明いたしますから、お書様の名前ば記入しておりませんけれども、証券会社が登録をいたす、意味においてそういうことになります。
○松永義雄君 そうするともう一つ別の聞き方でありますが、例えば会員の親戚なら親戚の人が仮に買う、或いは僕が売る、そうすると売買ができますね、届出てそのまま取引所の方へは、その売買があつたということだけは載るわけですか。
○参考人(小林光次君) そうでございます。
○参考人(坂薫君) 只今理事長が言つたように、市場でやります業者間の売買はすべて業者の会員の名前でやるわけです。会員と客との間は、証券業者の店で何の何某から注文があつた、これが親戚であろうが、何であろうがそれは市場の売買はすべて会員の名前でやるわけです。ですから取引所の方の帳簿につけますのは会員の名前で、売方も買方も取引所の方では分りません。但し会員の店へ行けばこれが客の注文か、或いは店自身の自己の計算での売買か、それは各会員の店舗に備えてあります帳簿によつて分ります。
○松永義雄君 そうしますと会員自身も売買できるわけですか。
○参考人(坂薫君) 無論それは自己の計算でできます。
○松永義雄君 届出る……。
○参考人(坂薫君) それは無論売買します場合には、すべて市場でやりますから、会員の自己計算による売買でも、客の注文である売買であつても、市場に登録してあります株式を売買する場合はすべて会員の名前でやりまして、そのうち自分の計算でやりますもの、自分の思惑、或いは自己の投資、それと各の注文による売買両方あるわけでございます。各店の帳簿によれば直ぐ分ります。
○委員長(小串清一君) 速記を中止して暫く懇談的になつたらどうですか。
○松永義雄君 よろしうございます。
○委員長(小串清一君) それでは速記を止めて……。
   〔速記中止〕
○委員長(小串清一君) 速記を始めて下さい。
○小林政夫君 九鬼委員の質問とも関連して、株式市場の育成に証券保有会社を作らねばならぬという意見ですが、現在の程度で五十億ぐらいの資本金である。こういう一会社によつて株式の操作をやるということは、その会社によつて株が決まるというような結果になります。それと現在の日本証券金融会社の資本を殖やすことによつて、いわゆる業務取引を、もう少し資金面において十分にやる方法、こうなれば責任の一半は取引者自体にあるわけですが、或る程度公正な株価が出て来る。保有会社が一手で株を売買し、状況によつて売つたり買つたりするということは、この保有会社の意思によつて株価が左右される。その点の御見解はどうですか。
 それと一遍に質問要項を申上げます。一昨日は大蔵大臣、それから昨日は日銀総裁に質問をして、現在証券金融に対しては相当の手を打つて、証券金融会社の資本金というものの状態を調べ、そうして株式担保金融等についても、昭和十五年当時の三七%というような割合には出せないけれども、絶対額においては相当出て来る。で私の調べるところによると、五月末においては百六十億足らずの証券株式担保による金が出ております。その程度の金で果していいのかどうか、聞くところによると、相当厖大な資金が要るような話も業界の方から聞いておりますが、皆様方の御見解はどの程度でございますか。先ずその二点について。
○参考人(小林光次君) この保有会社の問題につきましては、これは一つの会社ということはどうか知らと思います。先程申上げましたように、何か税の特典でもありますれば、幾つものこういう会社ができるのです。從つて一つの会社でいたしますると、一つの会社で左右するというようなことができまして、却つて弊害があると思います。成るべく私はこの保有会社は、そう大きな会社でない保有会社が幾つもできることを望んでおります。ただ五十億ぐらいということを申上げましたのは、一つの勘でこれは申上げたのでありまして、成るべく多数の保有会社ができる。かように考えております。それから証券金融の問題については、誠に御尤もで、数字は誠に私も只今の数字に同感でございます。ただ現在の金融機関が昔のような工合に大衆金融というものに対して、非常にこの何と申しましようか、きついと申しましようか、疎いのかも知れませんが、なかなか昔のように出して呉れません。從つてその手続や何かが非常に面倒なものですから、なかなかちよつと借りに行けないような様子であります。各金融機関がもつと軽い意味において証券金融がどんどんできるように、これは政府に御指導を願いたいと思います。この証券金融についてはもつと大きな面で、まあ二七%でなくても結構でございますけれども、少くもその半分の十二、三パーセントくらいまでは行きませんと、株を持つておる人が株を持つて直ぐ金融がつくということによつて株を持つ人の方が多いのです。現在の証券金融に対しては、私共は不満を持つております。
 それから只今の御質問の日本証券金融、これはどこの御厄介にもなつたわけではないのですが、この証券会社が各事業会社に呼びかけ二億五千万円の会社を作りまして、現在証券金融の一端を賄つております。現在この点について普通取引が十一億、業務取引が最近四億、十五億になつております。これは各金融会社がもつと楽な金融をして頂きますれば、何もこういうものを必要としないでいいと思うのです。併しながら将来こういう機関が必要だということでこの金融会社が発足したのです。こういうことです。
○小林政夫君 私は証券金融を皆さんと同様に拡充しなければならんという意見なんです。その根本は日本銀行が株式担保金融をしなければならんということを主張したいのです。今お尋ねした趣旨は、皆さん方が、池田大蔵大臣にしても、日本銀行総裁にしても可なり証券金融に関して骨を折つておる。現在程度の骨折り方で、業界の皆さん満足しておられるかどうか、そうして不満足ならば幾らくらい要るかということです。現在は五月末では株式担保の貸付は百七十七億二千六百万円ということになつております。全国銀行勘定中この程度の金で今の一五%くらいということになると、恐らくこれの五倍になると思う。これが若し五倍要るということであれば、どういう根拠に基いてそういう計算が出るのか、それを教えて貰いたい。
○参考人(小林光次君) これはどうもなかなか、ただ私は今勘で申上げたのでありまして、金額がどれだけの金額がなければこうという意味ではないのでございます。もう少し証券金融が円滑になつて欲しいと、こういうことを申上げたのであります。
○小林政夫君 私も一つの事業を経営しておる。どうも業界の人というのはそういう言い方をされるのでぴんと来ないのですが、はつきり数字的にどういう基礎に基いてどれだけ要るという、科学的な計算をしてお話を願いたと思います。
○参考人(小林光次君) 本日はどうも遺憾ながら科学的の点を私も調査して参りませんでしたから、追つて一つお答えすることにいたします。
○小林政夫君 是非資料をお願いいたします。
○参考人(小林光次君) その点につきましては只今お話した通り、少しく大雑把になるかも知れませんが、日銀の金融政策が非常に変化が多い現状から見ましても、大体中小工業中心、或いは大衆投資家の証券保有ということを考えましたとき、いわゆる大衆投資保有量の少くとも最低三〇%、全保有量の三〇%に値するくらいのものは現在の経済面から見まして必要ではないか。言い換れば僅かだ株券を持つておりましても、その株式を売却しなくてして資金計画が中小工業、或いは大衆の面に立ちますることを計画することにおいて、凡その先生の御計画になるのではないかと、こう考えております。
○木村禧八郎君 ちよつとお伺いいたしますが、今度証券取引法の一部を改正する法律案が出ておるわけでしてこの審議の参考に資するため皆様方にいろいろ御意見を伺つておるわけなんです。この最後の附則にこういうことがあるのです。この改正案は、この法整施行の際現に証券業者である者については、この法律施行の日から二年を限り適用をしないことがあるわけですね。これはこんなに長い除外例ですね。適用しないという期間ですね、これはもつと一年くらいとか半年くらいとか、そういうことでは相当支障があるのですか。二年くらいにしなければならないというのですね。その根拠を業者の方の方からお伺いして見たいのです。
○小林政夫君 ちよつとこの質問の前に、さつき私が要求した科学的な資料ですね、これを一応出して頂くように……。
○委員長(小串清一君) それはあなた方の方でお調べになつて、表か何か説明したものをお廻し願えますか。
○参考人(遠山元一君) その科学的の資料というのは、科学的というのはどういうことでしようか。
○小林政夫君 数字的な根拠。
○参考人(遠山元一君) 数字ならば幾らでもできますけれども、これはどこまで行つたところで想像に過ぎない。どれだけの人が借りたいのか。それはその時々によつて状況が違いますから、例えば今ここに百万円の株を持つておつても借りる必要がない人でも明日になつて何か自分の外の商売の都合上借りに行くかも知れない。或いは嫁を取るので、その費用を五万円要るからと言つて借りるかも知れない。事業をするために借りるかも知れない。併し何もしたければ百万円借りずに置くかも知れない。これは科学的にとおつしやるけれども、むずかしいと思います。
○参考人(坂薫君) 今遠山さんの言われることですが、これは一応抽象的に考えまして過去の或る時期を押えまして、その過去の或る時期の一般の全国の金融機関の証券貸付の金額は幾らか、それが全体の銀行の貸付金の何%を占めておるか、現在の銀行の貸付金、全貸付金が幾らあるか、それに対する証券の現在の発行数量ですね。そういうものと睨み合せると或る程度の想像はつくと思います。科学的と言えばその程度のものならば出るかと思います。
○小林政夫君 大体非常にむずかしいということは心得ておるのです。特に経済は活き物であります。証券界等は日々動いておるのです。或る一定の時点を捉えてまあ私も研究をして行きますから、特に皆さん方はその道のエキスパートですから、何かいい基準があればただ勘でなく、多少でも基礎のある数字なら結構ですからお願いします。
○参考人(遠山元一君) 私共としましても要するに小林さんのその希望も大体このくらい欲しいというような点がお知りになりたい点だろうと思うのですが、私共とすればやつぱり戰前のその数字が大体二五%前後に当るので、今の預金の総額の二五%と言いますと、可なり大きいものですが、金額的に申しますと、仮に七千億と申しますればそれの二五%というと四分の一ですから千七百五十億ということになりますから、現在の百五十億に比べれば十分の一にも足りないようなものです。今直ぐそれだけのものをやれと言つてもこれはなかなか急には行かない。大蔵大臣なり日銀総裁とか、恐らくこれは異例のことだと思います。金融機関に対して証券金融をやれやれということをあれ程強く、あれ程熱心に説かれたということは、恐らくこれは金融史上に先ず余程異例だつたと思うのです。併しそれだけやらなくても、金融機関がその当時五十億くらいしか多分なかつたと私は記憶しております。それがこの七八ケ月の間で百億殖えて、現在あなたのおつしやる百五十億、ちよつと最近の数字は私は知らないのですが、百五十億になつております。五月現在とすればざつと半年ですね、半年に百億殖えておるわけです。実情から申しますと、地方などへ行くと殆んど証券業者が行つてもなかなか金を貸さんらしいのです。この間も或る地方の証券業者が来ましていろいろ窮状を訴えておりました。一体君はその土地の銀行に幾ら借金があるかと言うと、一文もありません。証券業者が銀行から一文も借金がないというところに、これも随分不思議なくらいですが、聽いてみると貸さないと言うのです。では普通の人が行つたらどうか、無論貸しません。こう言う。これはこの近県のことですが、まあそういうふうですから、一般は大して違わないと思うのです。ですからこれは証券金融は殖えようがない。
 で私共は希望としては、先程お話の出ました証券金融会社ですな、証券金融会社を利用しまして、ここで銀行の、つまりアメリカのコールのような、すべて銀行の余つた金は証券金融会社にコールして使う。從つてそこに証券金融が非常に円滑に行くようにということを希望しておるわけです。証券金融会社の手形か何かを認めて貰つてそうしてやるようになれば、余程その点は行くのじやないか、市中の銀行へ行きましても、殆んど銀行の窓口でもう過去十数年というものは証券金融というものをしておりませんから、今の窓口におる人で、まあ銀行におる人でも重役、或いは支配人くらいの人は証券金融を扱つた経験を持つておるのですけれども、恐らく何でしよう、若い課長さんあたりでは証券金融というものはやつたことがないと思うのです。だから非常に面倒くさいのです。そうして来る金額は昔は証券金融というものが相当な金額だつたのですが、今は事業会社の必要資金が何千万円、或いは何億というので、何千万でも何億でも銀行の帳面を動かすのは一回ですから、伝票一枚で済む。それが証券金融だと何万円とか、或いは何十万円とか、何百万円、まあ一口に何百万と借りに行く人は余程大きなところでないと行かない、大抵何十万、何万というので面倒くさい。そうして貸して置いてからその証券が上るか下がるか、年中注意しておらなければならん。若し値が下がれば直ぐ増し担保の請求をしなければならんというので、可なり銀行としては面倒なんです。そういう点もありまして、資金の需要が今大口に使われるようになつておりますから、何もそんな細かいところまで心配しながら金を出さんでも幾らでも使えるのだから、どうしても証券金融の方へ金が廻つて来ない。その点が非常に私共としては不満なんですが、まあこれはことごとに大蔵大臣、日銀総裁にお願いしておるわけです。併し大蔵大臣、日銀総裁が決してそれ程なおざりにしておられるわけではないのです。昨年末あの御承知の通り、あれ程熱心に銀行家を集めたり、金融雑誌にも言うたり、証券金融をやるように言つておりますけれども、その点引続き機会あるごとに言つておりますから、私共もこれ以上どうして貰いたいということは言うわけには行きません。あとは金融業者自体の自覚を俟つより仕方がない、こう思つておるのです。私共自身としてはそう不自由をしておらんのですが、併し一般業者は可なり不自由をしておるだろうと思うのです。況んや素人の方も株を買つちやつた、ちよつと売るのも惜しいが金が要るというときに、金にならない、そういう不便が多いのであります。それがその要求がどのくらいになるかということはちよつと想像がつかないのですが、つきませんが、段々に殖えて行くものであると思つております。資金量が増せばどうしても殖えますね。
○木村禧八郎君 先程質問したのですけれども、まだ御答弁がないのです。
○参考人(坂薫君) 私から今度の改正案の附則の猶予期間の二ケ年必要かどうかというお尋ねですが、私まだ取引委員会の方から詳しくその点、実はお話を承つておりません。ただ法律案、今度の上程法案を見ただけで私の拜見しました感じは、一つは先程申しましたように、現在の業者が、現在の証券業の登録制度が非常に形式的と申しますか、会社の内容、経営者の素質というようなことを、余りその点の審査はなさらずに、大体形式的にいたしておるために、非常に業者の数が殖えておる、これはどうしても減らさなければならないという御意向は多分にあるようです。尚現在すでに登録を受けております私共の業者の整理は、先ず各取引所所在地の業者については自発的に自力で整理しようという御趣旨になつておるのです。ですから先にも申しましたように、資産内容が相当惡化しております業者もあるようでありますが、これは証券取引委員会の方の検査なり、保証によつて内容の充実を図れるものは図る、若し監督官庁の御指示のように、資産内容の充実の図れないものは今度取消されるというので、或る程度の証券取引委員会の方の御指導によつて自力に整理ができる。が今後の新らしく登録を申請しますものは、今度の改正案によつて相当標準も上げ、審査も嚴重になさつて、今までのような形式的の登録制度より余程嚴重な審査をして行こうという御趣旨だろうと思います。尚現在の業者から言いましても、検査の結果、或いは自発的に話合つて統合、廃業するものが出まして、あと残りましたものも、やはり或る程度の資力の充実は、経済界はこういうふうになつて行きますし、金融の面も相当不円滑でありますし、自力で資産の充実を図らなければならん、それが二ケ年が一年になりましても、その点は差支ないと思います。併し二ケ年の余裕があれば、尚整理して残つた業者の資産内容の充実も相当楽に図れるということじやないかと思います。仮に二ケ年が一年になりましても大したことではないと思いますけれども、その点は二ケ年の猶予期間が設けられました御趣旨を承つておりませんので……。
○木村禧八郎君 実際問題としてお伺いしている。仮に一年に縮めたらどのような実害があるか、又半年に縮めたらどのような実害があるか、それによつて我々は何か二年と言いますと、これまでの株式が暴落して証券市場の維持育成ということを考えられて、その一環としてこういうものが出て来たわけです。今後、伝えられたところによれば、こういう整理をしてから又レギユラー・ウエイ、そういうものの地固めみたいなものでこういう整理をやつているかとも思われるのですけれども、それにしても二ケ年間というのは、如何にものんびりしているように思う。証券対策の一環として考えるときに、至急に対策を講じなければいけない、いろいろな手を打たなければならない。レギユラー・ウエイを早くやろうとすれば、尚更急がなければならないと思う。レギユラー・ウエイがいいか惡いかということは意見がございますけれども、その点は政府の方からも聽かなければならんが、実際家から実害ですね、一年に縮めたらどんな弊害があるか、相当現在の証券業者でも困るものが出て来る。今のお話で、一年ぐらいでは大したことはないというお話なら、成るべく早しそういうことをやつた方がいいに違いないと思いますが、その点ちよつとお伺いしたいと思います。
○参考人(遠山元一君) 二年間の猶予期間、これはまあ業者といたしましては、成るたけ長くして頂いた方が、その間に資金の補充をすることができますから、その方がよいのであります。現在の状況から見まして、証券業者が資金を集めるということはなかなか困難でありまして、殊にこの十数日のことを、市場を見れば、大分市況は活溌になつたようでありますけれども、恐らくこの法案を起草なすつた時分の証券市場の状態を想像して見ますれば、非常に惡い時期であります。なかなかこの二年間を以てしても、果して全部のものがそれだけに資金が補充できるかどうかということについては、可なり心配であつたろうと思うのであります。証券委員会が二年間という猶予期間を設けたところもそこにあるだろうと思うのであります。この証券業というものに対して、ここ数年可なり世間の認識が進んで参りまして、随分信用も高まつて来ておりまするので、從つて証券業者に対する出資者も可なり出ては来ておりますけれども、それでも他の事業に比べて見ますというと、やはり先程の松永さんのようなお考えの方が相当あるのでありまして、決して他の事業のように楽に金を集めるわけには行かないのです。ですからして、現在の業者を成るべく間違いなく廃業するものは廃業させる、又資金の補充をできるものは補充させるというようなことから考えて見まして、二ケ年ぐらいが妥当ではないかと私は考えておるのであります。余りこれを急に一年なら一年、或いは半年なら半年にしてしまいますと、現在の業者が資金の補充ができないために廃業しなければならないというようなときに、相当な無理が起るのではあるまいか、委託者に対しても思わない迷惑をかけるようなことも起るのじやあるまいかというようなことを心配するのであります。それがどのぐらいあるかということはちよつと分りませんけれども、そういうことも心配されるのであります。成るべくここは寛大に考えて頂いた方が結構だと思います。
○木村禧八郎君 私はこの法案自体がもう相当業者を整理するという観点から出ておると思うのです。今までの政府当局の話を聞きましても、証券対策としては考えが違つて来ておる。こういうような形でなく、今までは資金面とか、市場を育成するとか間接的な形で何とかかんとか証券業の維持をしようとして来たらしいのですけれども、政府としては止むを得ない、目を瞑つて整理してきれいにして、それで登録制度を整備して、ここで新らしく発足してきれいにして、それで外のいろいろな対策を考えよう、こういうことだと思うのですが、その証券対策が変つて来ておるのです。この精神から行きますとどうせやるならばここで千八十何というのですか、その四割乃至五割くらい、多過ぎるというようなお話になるのですが、そのくらいの決意を持たれたら私は二年というこういうことはどうも精神と反するように思われますのでお伺いしたわけですが、どうせ新らしく発足するなら、私は素人ですから乱暴なことを言うかも知れませんが、精神からいえば即日やるべきである、即日施行、そのくらいに私は考えなければ本当のあれが徹底しないのではないか。
 その決意のことを証券対策といつてどういうことをこれからやつていいものか、これは政府当局からも聞かなければならないのですが、こんな甘いような考え方をして駄目なのじやないか、そういう意味で今お伺いして見たわけなんです。
○参考人(遠山元一君) 木村さんのおつしやる整備ですね、整備を早く完了して、そして新らしい方面に進出するということから申しますならば、御話の通り一日でも早いことは結構なのです。併しその整備を完了しまして、新らしい方面に出る用意といたしましては、この資本金ばかりでなく、証券委員会では証券業者の純資産或いは借入金の倍数その他において相当の標準を作りまして、これを各業者に指示しております。その標準に從つて整備ができたものは続いて商売ができる。その標準に副わんものはこの際廃業する。自発的に廃業するとか、或いは証券委員会から命じて営業を停止するかというようなことになつておりますから、新らしい方面に発足する準備としましては御懸念はないと思います。
○木村禧八郎君 これは別の問題ですが、よく噂されておりますが、レギュラー・ウエイという問題については、どう考えられますか。業者の方では、日本の証券事情対策としてああいう形はいいとお考えになつているか、或いな長期清算取引というような問題も起つていますね。今後の方向として今非常に窮屈ということは、原則に基いて非常に窮屈だから権利株の問題が起るのです。方向ですね、どういうふうに業者としてお考えですか。
○参考人(遠山元一君) レギュラー・ウェイの問題は私共もまだ十分に研究ができたとは申しかねる。そのレギュラー・ウエイを実行する上において一番問題は金融の問題なんです。先程申上げたように私共が理想とするいわゆる現在の日本証券金融会社の手形がなくて無條件で各銀行に持つて行けばどんどん金融される、その資金が必要なときには日本銀行に持つて行けば無條件で貸與されるようなことになれば、これはアメリカ式のレギュラー・ウエイは必ず行われると思うのですが、今のようにどうも金融が不完全では例えば先日始めましたローン取引にいたしましても、只今のような少し商売が彈みまして申込が多いと直ぐ中止しなければならん事態が起るのでありますから、あれはまだ始めて早々でありまして、準備も十分にできでおりませんし、それから又いろいろ不馴れな点もありますので、これは止むを得ないのでありますけれども、レギュラー・ウエイを始めますとああいうようなことは起したくない、そしていつでも必要な資金は調達でき、そして又必要な株はいつでもどこからか借りて来られるような制度が欲しいのであります。どうもそこまで日本が直ぐその通りにやれるかどうかということについては、私共まだ可なり疑問を持つております。又一面には信用供與の問題がまだ残つております。これが一番の先決問題です。併しこれはレギュラー・ウエイを認可になる場合は当然これは一緒に許されるものと思つておりますので、仮に許されましても今申上げましたような一般の金融事情がこれにマツチしなければ十分なる円滑なる取引がむずかしいと思つております。そこに私共としては日本がレギュラー・ウエイというものは何か考えなければいかんじやないかと思つております。まだ具体的にそこまで行つておりません。
○木村禧八郎君 お話よく分りました。結局今まで日本の証券業者がこれまでもそうですけれども、金融市場との結び付きが弱いということと、個々の業者自体の信用がないのですね、証券業者自体に自分でコールを取つて来るような実力がないのですなあ、ですから証券金融のような会社を……それは四大証券は別ですが、ですからああいう会社を作つたらと思うのですね、外国のような証券業者がコールを取つて自分でやつて行けるようになれば、それはレギュラー・ウェイをやつてもよいと思うが、コール自体も少いし、日本ではそういう條件がなかなか備つておらないようですが、それに関連して最後に一つ伺いたいのですが、最近の政府の金融政策ですね、これと証券対策との関連ですが、御承知の先程お話のありましたように、六十五條ですね、あれによつて産業金融として、直接投資という方向を示されたのですね、ところが政府は最近直接投資の方向に金融政策を向けていないのですね、向けていないのですよ。段々間接・投資の方向に行つておる。だから銀行の株を増資さして見返資金を出す。そういう形ですね、政府資金を間接に投資している。これは証券金融対策或いは産業資金対策、政府の金融対策が一体どこにあるのですか、直接投資、証券業法の大十五條ですか、直接投資を奨励して直接投資の方向に向いていないで、逆に銀行債券の発行、そういう方向に向いておる。逆に逆に向いておるように思うのですが、その点どうなんですか。
○参考人(遠山元一君) むしろですね、例えば見返資金にしましても、或いは預金部資金にしましても、政府がこれに直接投資を希望しないのか、或いはどこに原因があつてそういうことができないのか、その点も一考を要すると思うのです。大体私共にしてみれば見返資金なんという変でこなものがあつて、見せびらかされておつて、金が使えないという資金のあるのは不思議ですが、事実はあるのだから仕方がない。政府の自由にならない、国民の自由にもならないものがある。あれが民間の資金を吸收して、それがための金融を梗塞したことは事実です。それから例の郵便貯金の金、これも本来なら何らかの形で投資さるべきものなんですけれども、これにもいろいろむずかしい條件が附きまして、自由に民間に放出ができないというような難点があるわけです。それならやはりすべて金融機関全体の金の運用を窮屈にしておるのではないでしようか、私共もそう思つているのです。あれがもつと円滑に行きまするならば、一般の民間金融機関の方も非常に楽になつて来るのではないかと思うのですが、これは何とも我々の力では及ばないことですから諦めております。
○委員長(小串清一君) 本日は証券取引法の改正を企図して、証券業者の強化をするため、或いはこの証券業者の営業補助金等の範囲をもう少し拡めるというような意味のことが主たる改正でありますが、業者の御意見を伺おうとして御繁忙のところをわざわざ御出でを願つて甚だ恐縮でございます。他の審議の都合もございますので、これで一つ皆様の方は終りたいと思います。どうも有難うございました。
○野溝勝君 証券業者の方のいるところで、一応湯地さんに聞いて見たいと思いますが……。
○委員長(小串清一君) それはどうです。三時になりましたから、外の重大な審議があるのですから……。
○油井賢太郎君 初めから三時と決めてあつたのですか。
○委員長(小串清一君) これは一応皆さんに申上げるのですが、いろいろな案があるのです。
○油井賢太郎君 あつてもそれは一応委員に諮つてからやつて頂かなければ……。
○委員長(小串清一君) それではまだ続行してよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋龍太郎君 さつきの話を速記を止めて貰つてちよつと話したら如何ですか。
○委員長(小串清一君) それでは皆さんに御意見を伺います。
○木村禧八郎君 それじや発言を許すか許さないかを諮つて貰つて……。
○委員長(小串清一君) 皆さんに申上げますが、大分いろいろな御審議をせなければならん問題が輻輳しておりますから、それは幾ら遅くても、明日になつても夜分でもよろしいということならば一向差支ありませんからごゆつくりどうぞ。
○野溝勝君 湯地さんにちよつとお聴きしますが、証券の民主化との関連はどういうふうにお考えですか。この改正法案とあなた達のやられている証券の民主化と、それとの関連はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(湯地謹爾郎君) この改正法案を出した趣旨は前回或いは前々回に申上げた通りでありまして、この証券民主化運動が段々拡まつて参りますと、結局投資者の数も殖える、そういたしますと、どうしても投資者の注文を受継ぐ証券業者が資産内容においても堅実になるということがこれはやはり投資者保護という点から見ましても是非必要であると、こういうふうに考えておるのであります。それで從来の証券業者の営業を営みますについては、実質的には余り経済的な面の制限がなくて、いわゆるどちらかと言えば自由登録に近いような制度でありました関係上、必ずしも資産内容のいい証券会社ができて来たというふうには考えておらないのでありまして、そういうような資産内容の不十分な証券会社ができまして、これが証券民主化等によつて段々殖えた投資者、而も初めて投資をするというようなお客さんの売買の委託を受けて営業をやつて行く際に、証券業者の内容が惡くなつて営業が続けて行けなくなるということによる投資者に及ぼす迷惑、投資者に迷惑を及ぼしますと、これはやはり初めての投資者等については、もう株は懲り懲りだというような観念も與える虞れがあるのでありまして、できるだけ現在の業者については資産内容を引上げると共に、今後新らしく出て来る証券業者については少くとも相当の資本額を持つた証券業者でなければいけないじやないか、こういうような趣旨でこの改正法案が出ておるわけであります。
○油井賢太郎君 只今のに関連するのですが、昨年の今頃までは有価証券の振興を図るというので我々国会議員の、大体大蔵委員に対していろいろとあなた方の方からも御注文があつて、我々もお骨折り申上げたのですが、ところがその後相場が下る一方であつて、有価証券を皆さんの御要望によつて買つた大衆は殆んど片端から損をしておるというような状況が起つたのですが、あの民主化運動についても我々も片棒を担いだので、責の一半を負わなければならんのですが、併しあれだけ値下りをするような状況にあつて、もう少し何か対策を得られなかつたかと思うのですね。
 今度の改正法案のどこを見ても証券業者の方々の内容を充美することによつて投資者の保護をするというような精神は分るのですけれども、事実上もうああいうふうな大暴落が長いこと続いて、而も証券民主化運動等の美名の下に大衆に迷惑を及ぼした、それの対策が一向なつていなかつたということに対しては我々も申訳ないと思つているのです。あの間において皆さん方の何かとられる対策がなかつたのですか。それから又将来もこういうことは恐らくあると思う、幸い七月になつてちよつと引戻しましたけれども、それは又いつ例のような暴落の状況を来さない限りでもないのです。今後における対策も併せてお伺いしたいと思います。
○参考人(坂薫君) それにつきまして昨年の秋以来今年の春にかけまして、取引所、それから協会力を合せまして関係の官庁、銀行、それから経済団体方面へ、すでにお聞き及びになり、或いは新聞、雑誌等で御覧のようないろいろの対策をお願いしましたが、如何にしましても現在のこの金融状態から私共の希望しますような証券対策が実現できませんでした。この点甚だ私共愚の至りと思いますが、それに関連しまして昨年の秋は銀行、保險会社方面に結局或る程度の買出動をして貰えば株価は或る程度維持できるというつもりで、そういう手も打つて見ました。尚昨年の暮には私共東京の業者が自発的に自力でいわゆる買出動をして挺子入れをやつて見ました。併し如何にしましても御承知のような金融の状況、又証券界の当時の状況を見て資金面の援助が十分に得られなかつた。結局私共業者も昨年の暮に或る程度の挺子入れをやつて見ましたけれども、それがつい最近までは非常な値下りをして、それが又このようになつて参り、同時に又一方業者自身に先程からたびたび皆さんからお話がありましたように、資金的に力が非常に弱まつておるので、業者だけの実力ではできなかつたということが今おつしやつたような何らかの手を打つて置くべきじやなかつたかという御質問ですが、この点は或る程度自分達でできますことはやりまして、これ以上の外部の協力が或る点以上得られなかつたので、私共甚だ力が足りませんでしたことは遺憾に存じます。何らかのそこに外部の協力を得られますればもう少し何か手が打てたのじやないかと思います。
○野溝勝君 ちよつと関連してお聞きするのですが、何かの手があればその対策ができたというような意思表示があつたのですが、その何かというのは具体的にはどういう手ですか。
○参考人(坂薫君) それは先程からもたびたびお話の出ました、やはり一昨年から昨年にかけまして増資株の売出し、それから政府の持株の放出、財閥株の放出等で証券のボリュームが非常に急激に市場に殖えておる。一方又金融の面で非常に詰つて参りますと、やはりこの大きなボリュームの株券を一時的につけて置きます大きなダムが必要である。結局証券の保有会社と申しますか、こういうものが或る程度できましたならば、あの値下りして参りました株を相当大量にこのダムヘつけて置けば余程株の数量の面におきましても、株価の圧迫も少かつたろう、そういう意味で具体的に申しますれば証券保有会社のようなものができましたらばよかつたのじやなかろうかと、こういうふうに思つております。
○油井賢太郎君 そこで業者の方々も有力な方々がお揃いだがなかなかああいう大浪は押切れなかつた、こういう点は分るのですが、政府の施策に対して何らかの御不満のような点はなかつたですか。どうもその辺が今まで業者の方々が比較的おとなし過ぎたのじやなかつたか、それに対して徹底的に政府に要望するとか、国会に或いは要望するというような手が案外打つてなか
 つたように見えるのですが。
○参考人(坂薫君) 私約十五年前まで商工省におりまして、証券行政の監督の立場にあつたことがあります。從来我が国のこの取引行政はすべて監督行政の面が非常に強かつた。助長行政といいますか、助長の面が殆んどなかつた。それが戰争前に大蔵省に行政が移管になりまして、大蔵省に移管後は一方金融業者との関係から余程從来の監督行政といいますか、取締り一方の行政とは変つて来ております。何にしましても、從来の政府の方針がやはり監督行政の方に重きを置かれて助長行政の方には力が入らなかつたということが、むしろ最近の主務官庁の何と申しますか、大蔵省なり、日銀方面のお気持は以前と比べますと、余程何んとかしてやらなければならないという気持にはなつておられますけれども、一般の他の金融その他の関係からそう思い切つた施策はできなかつたのではなかろうか。その点もう少し勇敢に助長行政の面に力を入れて頂きましたならば、ここまで来なかつたのじやないかと思います。そういう点で私がお願いしますのは、現在の敗戰後の経済、金融情勢から見まして、多少無理もありましようが、相当思い切つた勇気を振つて頂いていたらここまで来なかつただろうと思います
○油井賢太郎君 結局只今のお話は、このデフレ政策による被害とまあ我々は解釈できるのですが、そんなように了解しておいてもよろしいのかどうか。その次にもう一つ、この法案によりますと、空売は絶対禁止されておる。いわゆる証券は投資という目的かどうか知りませんが、買う一方です。大衆が結局一応買つてからでないと売るチヤンスは見付けられないというような形になるのですが、これはやはり空売ということは、絶対に禁止されている現在の法律で以て証券業者としては満足されておるのですかどうか。
 それから第三点としては、長期取引というのが、以前あつたのですが、あれの復活ということをお図りになることのお考えはあるか、それともああいうものは復活しなくとも証券業の立場から、或いは投資者の立場から、一向差支ないものかどうか。その可否ですが、これについて御意見を伺いたい。
○参考人(坂薫君) 丁度お尋ねがございましたので、いい機会ですから私の自分だけで考えておりますことを、これは私共の協会にはまだ取次いでおりませんが、話合つたことはありますけれども、公には取上げておられませんが……。今度の業者の資産内容の整理ができれば、いわゆる信用取引を認、めて頂ける。そうしていわゆるレギュラー・ウエイ取引が認めて頂ければ、これは現在よりも一歩進んだベターなものになつて来る。併し、先程も遠山さんから申されましたように、現在の金融資金情勢なり、又我が国の貸株市場の現状がアメリカの高度に発達したレギュラー・ウエイ市場とは非常にそこに懸隔があると思う。仮にレギュラー・ウエイが許されましても、我が国の現状では十分に証券取引を円滑にしますには、尚足らんのじやないかという気がします。一方最近新聞紙上で拝見しますと、商品取引法が今度議会を通過いたしまして、近く商品取引所が各地に誕上すると思います。尚商品取引所法の内容につきましては、私拝見しておりませんからどういう程度の取引が行われるかどうか存じませんが、証券取引所の証券取引の本質から申しまして或る程度の長期の取引はこれは無論許されなければならないと思います。又商品の取引にその市場を利用するには、成る程度かけつなぎのできる取引が認められなければなりません。若しそういうふうになりました場合、証券市場では三月とか、半年とか、長くは八ケ月というような長い取引が行われて、そうして或る程度のかけはずしができるとい、うことになりまして、これにいわゆる仮需給と申しますか、仮需給が満足せられるということになりますと、現在の実物一本の証券取引、或る程度ロング取引ということをやつておりますけれども現状の証券取引では殆んどどそういう証券のかけつなぎの取引はできましん。そうしました場合には、不十分ながら幾らかの思惑の取引が入つて来ております。証券市場にすべて仮需給というものが証券取引にくつついてしまうのじやないか、そうしますと大量の取引を見ますと商品は無論のことでありますが、証券でも空売の取引をしますには、本当の需給だけで若し証券取引ができまして、いわゆる思惑と申し度すか、思惑というと言い過ぎかも知れませんが、仮需給が皆向うへ移つてしまつた場合は、証券の公正な市価が実物取引一本では、売ろうと思えば安くなり、買おうと思えば非常に高くなるという現象が出て来やしないか。その点で、今のお話の過去の二月とか三月という長期取引は或いは望んでおられないかも知れない。或いは短期取引ということが望んでおられないかも知れないが、レギュラー・ウエイの取引が許された場合に、そこに何か日本の非常に長い歴史を持つておりまして……、無論一面弊害もありましたが、証券取引、相当何と申しますか、大量の取引をスムースに消化したという過去の短期取引、そういうものの長所を何と申しますか、参酌しました取引にすることが必要じやないか。実は今、ここにおられる遠山会長、小林理事長が御指摘になつておられたが、何かレギュラー・ウエイが許されましたとしても、一方かけつなぎのできますやはり十五日なり一月の、いわゆる長期取引と言いますか、できるだけ清算取引、少くとも清算取引の長所を加味した取引ができ得るものだろうと思う。そういう点について監督官庁の委員会の方にもこちらの方からお願いしたいと思います。 これは、実は私個人で考えておりまして、公式には取上げて貰つておりません。
○小林政夫君 最初のこの審議のときに、欠席をいたしましたので、第三十條の九号十号ですが、個人の方と株式会社の方と、証券取引委員会規則で定めた金額に差がございます。
○委員長(小串清一君) ちよつと小林さんにお尋ねしますが、業者の方にお尋ねになるのでなければ……。
○小林政夫君 業者側にも御答弁によつては関連するのです。
○委員長(小串清一君) 業者の方と御一緒でない方がいいのじやないかと思
 います。
○小林政夫君 一緒でも構わないのです。
○委員長(小串清一君) ですから業者の方がお引揚げになつて、尚お願いすれぼ、こちらからもさつきの御要求もあつたし、現場でいろいろの御説明をお聞きになる方がいいだろうと思います。
○油井賢太郎君 小林さんの御質問を……。
○委員長(小串清一君) それじやどうぞ……。
○参考人(小林光次君) こちらの考え方としては、会社の場合も、個人の場合も実質的には同じに考えております。ただ個人の場合は会社のように資本金が簡単に行かない関係上、資本金に当る計算の方法の仕方は、取引委員会で決める、事実的には同じだと考えております。
○小林政夫君 業界の方もそれに関連して御意見を聴きたいのですが、現在まで証券業者として許されておる方が大体全部株式会社組織だと思いますが、この法案によれば個人は勿論許されることになつておりますが、戰争中の企業整備以来殆んどが全部株式会社になつております。併しこの株式会社というのは成る程検査したり、或いは経理を明らかにするというような点において非常にいいのですが、又責任の帰属について多少無責任になるのですが、個人が真に責任を持つてやるという責任感等について、先程来いろいろ御心配になつておるような証券業者の問題についていい点も考えられるのですが、業界の御意見はどうなんですか。
○参考人(坂薫君) 今の御質問誠に御尤もと思います。ずつと以前においては法人の業者というのはむしろ否定的に見られ、法人の業者というものはむしろ免許になります場合に非常な嚴重な審査をしました。というのは、結局個人の本当に資力のある又信用のある業者の方がむしろ法人よりは客に対して責任を持ちます、何と申しますか力が多かつた。その後法人を認めましたのはちよつと私自分のことになりまして甚だ恐縮ですが、私が監督官庁におりまして監督の立場におりましたときに法人取引員というものを認めることを発議しまして、そうして法人取引員を個人取引員に混えて認めました当時は、法人取引員でも取引上の責任はその会社の代表者に連帶責任を持つて貰つた。ですから法人取引員でありましても、代表者が個人的な信用で以て連帶保証しておりますから、非常に確実であります。その後いつ頃でしたか自然に代表者の連帶保証ということがなくなりました。そうしますと自然に從来の経営者が力がなくなつて、そうして新らしい経営者が入つて来る。法人の代表者が変更しましてもその間の監督が実は十分でなかつた。最近は法人の代表者が変ります場合は、予め取引所の承認を受けて変る。若し次の変ります経営者が個人的な或いは從来何かの欠陥があります場合には、それをこちらから拒否する権限はありませんけれども、一応内面指導と申しますか話合いでやつて貰うように何らかの手を打つことになつております。現在は或る程度法人取引員でも個人の責任も加味した監督を一応取引所の方の取引委員会の方でそういう手を打つております。併し若し本当の個人で資力充実した信用のある方が出られれば、これは尚更取引業者としては何と申しますか、好ましい業者だろうと思います。
○委員長(小串清一君) 業者に対する御質問、皆さん如何ですか、まだありますか。
 それでは御質問ないと認めます。誠に有難うございました。御苦労様でございました。
○委員長(小串清一君) 只今の証券取引法について尚当局者の御質疑等を続行しますか、お諮りいたします。
○小林政夫君 湯地さんにお尋ねいたします。今の問題ですが、業者の方がおられなくなつたので伺いますが、業界の意見もああいうような状態で、個人の信用、個人の責任感というものを相当重く考えておる。そうすると成る程資本を集めるという点から言えば、株式会社の方が有利であり、やり易いわけですが、個人的なそういう人間的な力というものをプラスした個人の場合と、それから法人の場合、その金額を或る程度考えてもいいじやないかと思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(湯地謹爾郎君) 個人の場合、先程も業者の方からお話がありました通り、本当に資力があつて、而も立派な人でありますれば、相当信用という点は考えられるのでありますが、御承知の通り在来の証券取引法の中の各規定におきまして、業者の資産充実を図るという際に、これは例えば営業を停止するとか、取消するとか、というような際に、例えば純資本額に対して外部債が二十倍を超えたらむしろ自動的に営業を停止しなけれげならん、そういうようなふうに、割合に何と申しますか、機械的に法規ができておりましたのでありまして、個人の信用ということを数字的にいろいろ表すことが困難でありますというような関係もありまして、やはり法的措置といたしまして、一応同じように取扱うというふうになつておるわけであります。又これは致し方ない、こういうふうに考えております。
○小林政夫君 それは大体この証券取引法というものが、個人も許されると
 いう建前になつておるのでありますが、それとその他の面について一応法人を対象としたような見方で作られておる。個人的には又いろいろ例えば営業を開始して何年になるとか、財産の証明方法についてもいろいろありましようし、そういう個人の資産内容その他信用状態を掴み得る方法も考えられるのであります。そこで殆んどこの立法の趣旨というものが個人は問題にしないというふうに見える、その点どうですか。
○政府委員(湯地謹爾郎君) これは御承知の通り、現在の証券取引法の証券業者は登録制度になつておりまして、これが若し将来免許制度というような制度に切換えるというような場合には、免許するか否かという際に、或いは個人の信用或いは経験というようなことは加味できると思いますが、只今のところ御承知の通り登録制度こなつておりまして、而も一定の法定資格を備えておりますれば受附をしてから三十日経ちますれば、当然登録効力が生ずるという建前になつておりまして、言い換えれば広く一般の投資家がただ外面的に見て分るようにというような今の建て方になつております関係上、将来免許とかということになりますれば、そういうことは相当早くできると思いますが、只今のところ了承願いたいと思います。
○野溝勝君 大体趣旨は分りましたし、証券業者の意見も聞いたのですが、最後に一言聞いて置きたいのですが、と申すのは、不良な業者は既存の業者であつても整理をすることは当然十ですね。そうすると結局今の四大証券と言いましようか、証券業界のボスと言いますか、そういう言葉は当つてなければ有力証券業者と言いましようか、とにかくそういうような連中が相当オペレーシヨンというか、操作ができるそうです。いわばそういうものに対する業者の仲間に対してこれは不良であるか、不良でないかということの操作に、或る程度権限を持つているらしいのですが、そういう場合勿論事務局としてはその点拔かりなく調査をするでしようけれども、そういう点に対して非常に疑惑を持つているわけですよ。証券界においてもそういう点に事物局としてはどういうふうにお考えになり、どういうふうに今後処置して行こうという御見解ですか。
○政府委員(湯地謹爾郎君) 只今の御質問は今後証券業者を整備する際に、取引所なり或いは協会の役員でおる者は、相当大きな証券会社、從つてそういう大証券等の、まあ個人的と言いますか、意見が入つて整備される慮れはないかどうか、それに対してどう処置するかどうか、こういう御質問だと思いますが、まあ証券取引所というのは、御承知の通りこれは会員組織でありまして、少くとも制度的には各会員、大きな会員でも小さな会員でも、同じく一票のやはり投票権を持つておりまして、それの多数決で取引所の役員ができるわけでございます。そういうように從来大証券業者の力が取引所内部に余りに強くならないようにというような意味で、現在の選挙制度というものは、相当その点を考えておるのであります。まあ併しそう言いましても、平常の商いにおきまして、相当大量扱つている大証券業者に対しては、まあ常業上のいろいろな支配が影響を受けるということもこれはあり得ると考えます。それで現在整備に当りましては、証券取引委員会といたしましては、一応取引所及び証券業協会の現在の自治制度であるという建前を以ちまして、この協会及び取引所において、お互いに自治的に話合つて、整備計画を立てて貰う。併しその立てたものに対しまして、こちらの委員会の方に出して頂く。そうして委員会といたしましては、そういうような関係をむしろ見るというような意味もありまして、やはり現実に場合によつては或いは整備の対象になつているものというようなものについては、こちらにも取つてあります資料がありますので、それとも対照いたしまするし、場合によつては実地に検査をするというようなことをいたしまして、大勢力を持つている大きな証券業者の不公正な意見のないようにということは、十分考えて行くつもりであります。又そういたしておるのであります。
○木村禧八郎君 私はこれまでいろいろ質問して参りましたが、質問をして行くうちにますます分らなくなりましたのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)この際もう一遍お伺いしたいことがあるのです。何のためにこの法案を出したかということについて、改正案を出したのですね、こんな程度の改正案を出されたことについてお伺いしたいのですが、それはこれまでの株式暴落につきましてどういう教訓を得たかということ、それが一つ。暴落の原因についてこの間伺いました。大体業者が多くなつて手数料が少い。株式が下落してますます手数料が少い。その少い手数料を大勢の業者が分けるから利益が少い。それから一時に増資が多くて、増資を非常に背負い込んだ。それがすつかり消化できなかつた。而も株が下つて来た。そういうことが原因であると聞いたのです。併しながらもつと私は根本的な原因を考えるべきだと思うのです。もつと調査されて、それをまあ私見でございますから、私はそう申し上げたくないのですが、私は二つ大きな原因があると思うのです。この点今後の証券業界として、当局として十分考えられなければならん。若し原因をよく検討されたら、この程度の改正案を以てこれまでの株式暴落、それによる証券市場の非常な不振、それによる産業投資というものは非常な困難を来して、経済再建に支障を来す、それを除去できなかつたと思うのです。この程度の法律案で、これまでの株式暴落の証券業界の不振を打開できると考えていたら、これは非常に認識不足であつて、この法律案自体についてもまだ非常に不満があるのですけれども、もう少し検討されたいと思います。
 私の意見では二つ原因がある。その一つは三原則にあると思うのです。これは致し方ないのです。三原則によつて非常に窮屈になつております。先物売買ですね、この点について御質問し
 たいことがあるのですが、とにかく三原則があつたために、何とかしてそれを逃れるために、先物売買というような違法的な取引所類似の行為が行われて来た、ここに一つ原因があつたと思うのです。それが又信用をなくした一つの有力な原因となると思うのです。ですから、三原則を原因とするものが
 一つあるのです。
 第二の原因は政府の政策にあつたと思うのです。これはもう明らかだと思います。それは産業資金の調達とか、強制資本蓄積の形を取つたのですね。御承知の通り国民から税金を取つて、そうして債務償還という形を取つて銀行に渡して、銀行からこれを貸付けたのですね。ですから別に貸付資本になつで証券の形を取らなかつた。大衆の購買力がないから大衆が買えなかつた。そこに大きな原因が一つあるのです。その前に私は大衆が株を買わなくなつたことについては、この銀行においても非常なこれは何と言いますか。意地惡い政策を採つたと思うのです。それはどんどん増資さして、銀行のこれまでの貸出金を投資によつて肩替りしてしまつたのですね。投資によつて銀行が肩替りしてしまつて、大衆に持たして、それが暴落してしまつたのですね。ですから銀行は痛痒を感じない。銀行はこれまでの不良貸を無理に、それはここに愛知さんもおられますけれども、愛知さんも少し責任があるのじやないかと思うのです。あの企業再建整備、銀行或いは企業の再建整備を非常に急いだ。非常に急いで、早く増資をさして、そうしてその増資株を大衆に持たして、銀行の不良貸をうまく回收して再建整備をした、こういうオペレーシヨンがあつたと思う。それが大衆の犠牲になつて来た。そういうために現実に暴落して、大衆が今度非常に信用株式というものに対して不信を抱いて来た。それに対して我々も責任がある。というのは証券民主化というので、我々も片棒を担いでしまつたのですが、これもラジオかなんかで非常に宣伝したのです。あれは政府がやつたならば政府が責任を取らなけれぱならんと思います。政府に相当責任がある。若し政府がラジオを通じてあんなにやつたのならあると思う。ですから原因はそれはもつと突込んで行けば、資本主義制度の機構のからくりですね、金融業者が自分の不良貸を大衆に転嫁する一つのプロセスとしてそういうことが起つて、それが株式暴落となつたので、そこにも一つの原因があると思います。ですからやはり原因は二つあつて、一つは三原則、もう一つは一般的政策ですね。それにもあると思う。そういうふうに原因を考えると、対策というものはおのずから出て来なければならんわけです。
 そこでお伺いしたいのは、対策として今後今までのような証券市場対策ではいけないということはこの前の御答弁で分つたのですが、では今後の証券市場対策、その性格、それからその方面です。これはどつちへ、どういうふうに持つて行くべきものか、その点一つ。それからそれに対応するところの今の取引所の機構改革です。機構改革をやらなければ駄目だと思います。幾ら権利株売買を止めても、市場類似取引を止めても、どうしたつて今は、先程も御質問があつたように自己計算とお客の計算とが一緒にできるのです。自分の計算で博打ができるわけです。お書様の注文によつてもできる。そういう機構になつておるのです。これをやはり引離さなければならんという問題があると思います。こういう機構改革についてどういう考えを持つておられるか。それからこの法案の提出自体は、どうも業者の方にも伺つて大体感じたのですが、レギュラー・ウエイをやる前提としてこういうものを出されておるかどうか。それをやつて行くための地固めですな、業者の信用を高めて、そうして業者個人でも金融がつくように、そういうようにして置いてレギユラー・ウエイをやつて行く。ですからこの頭の中にはレギュラー・ウエイというものがあつて、その一つの前提として出しておる。若しそうだとすれば、これには「証券業者の登録制度を整備する等のため」とあるが、実はレギュラー・ウエイに持つて行くために出しておるのかどうか、その三点をお伺いしたいのです。
○政府委員(湯地謹爾郎君) 一番最初にお話がありました、この法律改正をお願いするということによつて、現在の証券対策をこれでやるんだというつもりは勿論ありません。これは前にも申上げました通り、昨年秋以来もう証券対策として、大きな意味の証券対策としていろいろ言われて来ておりますることは、我々といたしましても是非実現して欲しいという考えは持つておるのでありますが、その中に株価下落によりまする証券業者自体の、それから証券市場を直接受持つ証券業者自体の内容等に火がついて来た、それで何と言いますか、応急的対策と言いますか、その一環として先ずこの改正法律案をお願いいたしまして、証券業者の内容を充実させるために、やはり証券業者の整備をもすると同時に、一方今までのような自由な登録制度で、必ずしも資産内容のよくない者が多く出て来るということではこの整備の目的も達しないということで、新らしく出て来る証券業者は少くとも相当の資産内容を持つておる証券業者でなければいけないという、こういうような趣旨でこの法律案そのものは出したのであります。
 それから御質問の先ず第二点の証券業者の規模の整備とでも申しますか、その問題につきましては、実は我々も考えておるのでありまして、これはできれば早い機会に将来証券業者について免許制度に移行いたしたい、その際にはやはり証券業者の職能によつて又職能を分化して、從つてまあそれによつて資本金も又違いまするし、監督の程度も違う、ブローカーはブローカー、デイーラーはデイーラー、アンダー・ライターはアンター・ライターに、できるだけ機構をすつきりして行くということは現在我々は実は研究いたしておるのであります。できればそういうふうにいたしたいと、こういうふうに考えておるのであります。それからいま一つは取引所の売買機構の問題、いわゆる三原則の問題でありまするが、これは御承知の通り取引所が再開を最高司令官から許可を受けた際に、一つの條件としてその三原則なるものが示されたのであります。これは從来我が国の約七十年問やつて来ておりました取引法に対しまして相当な根本的な改革でありまして、これが切換えに相当困難を生じたのも事実でございまして、又これが今回の証券業者の資産内容の惡化した原因であるとは必ずしも考えませんが、それが相当幾らか影響しておるということは認めざるを得ないかと思います。併しこれはやはりこの約一年間余りの経験に徴しまして、いわゆる過当投機に走らない程度におきまして、売買の需給を調節するという意味において幾らかでもこれについて価格を調整するという作用も或る程度必要を認められるのでありまして、我々といたしましても関係当局に対しまして日本の実情に即した売買機構の態勢という点につきましていろいろ話をいたしておるのでございます。関係当局におきましてもこの一年間の経験によりまして日本の実情につきましても、相当認識せられておるのでありまして、我々はこの三原則の趣旨は、これは飽くまで貫徹いたしたいと思いますが、これはできるだけ日本的に切換えて行くということについては努力いたしたい。こういうふうに考えておるわけでございます。
 それからさつき申落しましたが、この改正法律案の前提に、いわゆるレギユラー・ウエイ実施を前提にしておるかどうかということでありますが、勿論それを直接の前提にしているというわけではありませんが、レギュラー・ウェイを実施するにつきましては、どうしても業者の資産内容を今よりずつとよくしなければいけないという意味におきまして、業者の整備計画の目的を達成するということと、新らしく出て来る証券業者について相当資産内容を持たせなければいけないというこの法律の規定によりまして、レギユラー・ウエイを実施する素地を作るという意味において相当の意味を持つておるのではないか、こういうふうに考えておるのであります。
 それから一番最初の大きな問題につきましては、実は我々からお答えすることは適当でないと思うのでありまするが、これについては先程申しました通り、昨年来この株価対策、或いは証券対策という面におきまして、而も我が国の経済の再建をスムースに実行するという意味において考えられておりました対策ということを我々といたしましてもできるだけ蔭ながら推進いたしたいと思いますし、又そうなることを熱望いたしておるような次第であります。
○木村禧八郎君 そうしますと、この取引所関係の機能の分、これは相当真劔に考えられておるんですな、次の国会あたりに出されますか。
○政府委員(湯地謹爾郎君) まあこういうことは実は今の制度でもできることはやりたいと、こういうふうな考えでこういうふうに政府にしても考えておるわけでありますが、機会がありますれば、又それが許されますれば、できるだけ早い機会にやりたい、こういう考えでおります。
○木村禧八郎君 これはやはり法律を改正しなければいけないですか、今の法律の範囲内でできないのですね。
○政府委員(湯地謹爾郎君) ええ、やはり法律を改正してやらないと十分の効果は挙げ得ないと、こういうふうに思います。
○木村禧八郎君 できるだけ早い機会に国会に出すと、努力をされておると、こういうわけですね。それからもう一つお伺いいたしたいのですが、まあレギュラー・ウエイということをこれまで我々は言つておりましたけれども、湯地さんから今伺うのは、湯地さんがこのレギュラー・ウエイの構想に基いて、その一環として、これをやはり考えるところに一つの意味があるということも言われたと思うんです。そうすると、レギユラー・ウエイというものが頭にあるというわけですね大体に。これは相当問題かと思うんです。又レギュラー・ウエイというものが果して日本の実情に副うか副わないか、これは又いろいろ問題があると思いますが、それは議論になりますから別にしまして、併しレギュラー・ウエイをやるに当つてもまあアメリカあたりのをそのままやるんじやないでしようし、いろいろ問題があろうと思う。これはまあ今後の研究に俟たなければならんと思いますが、これについては我我より專門家ですから、十分研究されると思いますけれども、特に今の証券金融の問題については、金融市場と結び付いてないところがあつて、それからコールの分量が少い、それからコールを取る信用さえ少い、だから証券会社みたいのを作つてやらなければならないというような状態ですから、その條件がなかなか揃つてないと思うんです。そういう意味でやはり御検討願いたいと思うんです。それからもう一つ六十五條でございます。あの直接投資、成るべく証券会社は、会社の長期産業資金は直接投資によるようにし、それから短期金融は普通銀行にやらせるという精神ですね。どうもあの精神が、さつきも質問があつたのですが、よく分らなかつたようですが、政府の金融政策はこの六十五條と、だんだん返して行くように思うんです。この点どうでしようか。例えば今度の銀行の、興銀、それから農林中金等あの六行が証券を発行する、これをまあ見返資金で持つんですが、あの問題、それから銀行の増資ですね、それから普通銀行が又債券の発行を許されることになりますね。あれなどは直接投資の精神と反していると思うんですね。・六十五條の精神では、成るべく株式、社債という形で証券市場においてそれを調達するようになつておるんですが、どうも最近の政府の長期産業資金の調達に対する金融政策としては、六十五條の考え方と違つているような……全く正反対じやないですけれども、そういう方向に向いてないと思うんですが、この点は証券取引を担当されていて、どういうふうに考えておられるか、証券金融という方面から見まして、どうも六十五條を設けた趣旨がちつとも徹底されてないように思うんです。この点どうお考えでしようか。
○政府委員(湯地謹爾郎君) この六十五條の問題は、実はこの証券市場の関係の担当を、証券会社にやらせるというこの趣旨は、非常に結構だと思うのでありまするが、実はこれは非常に当時の、というよりは、過去一年と申しますか、当時の証券業者の現状におきましては、金融機関の現状と比べまして、これだけの仕事を直ちに分担するという上におきましては、これは私の考えでありますが、少し荷が勝ち過ぎたのではなかつたか、併しこの趣旨は結構でありまして、これを貫徹するように今後やられておると思うのでありまして、從つて証券業者そのものにも資力をつけ、信用をつけなければいけないと考えておるのであります。特に引受業務等をやる証券業者等については、相当の資力と又信用とを保持できるように育成しなければ、この六十五條の趣旨を十分全うすることはできない。こういうように考えておるのでありまして、現状は、現状のような状態であります関係上、或いは仰せのようなことにもなつておるのではないかと、こういうふうに考えております。
○木村禧八郎君 まあそれはたしかに無理なんですね。日本の現状では、まあインヴエストメント・バンクみたいの、そういうものができないと無理だと思うのですが、六十五條というものを余り直訳的に持つて来ている。たしかにそういうところに無理があると思うのです。で、我々どうしてそういう質問をしたかと申しますと、最近の産業の資金の調達の仕方が、非常に変則になつておると思うんです。銀行の貸出というような形でばかりどんどん出て来ております。そういう自己資本調達というものができない。そこが証券市場対策の非常に重要なところで、それがやはり貸付資本になりますから、金利は儲かつても儲らなくても取る、非常にそれが又デフレ的な作用をしておると思うのです。証券で金融すれば、儲からなければ配当しなくてもいいですし、そういう伸縮性があるのですが、最近は非常に産業金融としては変則的な、又国家資金も沢山出て来ておる立場になつておると思うのであります。そういう意味では最近の証券金融というものは、非常に変則的でもあるんですね。そういう点についてもやはり今後まあ育成して行かなければならないと思うのですが、併しまあ何としてもこれまでの株式暴落なんかの経験から鑑みて、実際に出て来たのが、これだけの法律なのです。それに対応して我々何か期待しておつたんです。相当徹底した対策が出て来るんじやないかと、こう思つたところが、これだけの法律であつたのです。ですから我々は非常に不満なんですが、さつきお話もありましたですが、もう少し徹底的な対策を立てられる必要がある。機構自体についても徹底的な改革を行う必要があるんじやないか、まあそう思うんです。それから最後に一つだけ。さつき機構改革のときにデイーラー、ブローカーを分ける。アンダー・ライターも又全然別に分ける。アンター・ライターが今の日本みたいに証券取引所の会員になつて売買をやる。こういうようなこともさせないようにするのか。そういう意味ですか。
○政府委員(湯地謹爾郎君) 実はその点を今研究いたしているのでありまして、全然アンダー・ライターだけで経営がうまく行くかどうか、或いはデイーラーもその間に幾らか介在するかというような問題、而うしてそれに対する監督はどうするかというようなこと等を考えているわけであります。それならお話の、この機会にこれだけの法律案ということはどうかというお話は、誠に実はその通りでありまして、実は我々といたしましてはできるだけの実は長い法律案をお願いしたかつたのでありますが、この議会は臨時議会であり、而も短期間でまあそういうものはできるだけ遠慮をした方がいいというような関係もありまして、実は応急的の関係の部分だけをお願いした次第であります。
○委員長(小串清一君) お諮りいたしますが、証券取引法についての質問はこれを以て打切ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小串清一君) 御異議なしと認めまして、質問は打切ります。
  ―――――――――――――
○委員長(小串清一君) 次に先般各位から御意見の出ております継続調査要求のことをお諮りいたします。ちよつとこれを読み上げます。
   継続調査要求書
 一、調査事件租税行政に関する調査
 一、理由 本委員会は目下右に関する調査を進めているが、この調査はその対象が広汎に亘り、相当長期間を必要とするのみならず、これを中断することは、調査上不利不便を来すので、閉会の場合においても継続して調査を行いたい。右本委員会の決議を経て、参議院規則第五十三條により閉会の場合において、尚右の調査を継続することを要求する。
  昭和二十五年七月二十七日
      大蔵委員長 小串清一
 参議院議長 佐藤尚武殿
 これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小串清一君) それでは御異議なしと認めてその通り取計らいます。
 只今の外にもう一つ金融政策並びに制度に関する調査が前文と同じような意味でやはり要求することにいたしたいと思いますが、これも御異議ありませんか。
○愛知揆一君 その継続調査の問題でございますが、継続調査は極めて結構でありますが、例えば金融制度の問題については前々から長いこと懸案になつております金融業法案なるものが、再び関係方面の示唆によつて成案が政府側たおいてできつつあるやに仄聞しておるわけでありますが、閉会になる以前に、この会期中に、大体最近におけるところの関係方面との打ち合わせ等の内容について、講和政府側から経過を聽取することが、今後の継続審査上非常に有効ではなかろうかと思うのでありますが、一つお諮りを願いまして、さようお計らいをして頂きたいと思います。
○委員長(小串清一君) 只今の愛知君の御意見の通り、政府に金融財政政策のことについて、今政府の考究しつつある問題を一応聽取することに取計らつてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小串清一君) じやさよう取計らいます。
 それから本日午前にお決めを願いましたこの関税法の一部改正に関する法律案につきまして、少しく関係方面との問題が起つておつて、私にその相談をするようにということでありましたが、その結果について皆様の御意見を決めなければならないと思います。これは秘密会に願いたいと思つております。そして速記は無論停止いたします。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小串清一君) それでは今よりその問題についてお諮りいたします。
  午後四時六分祕密会に移る。
○委員長(小串清一君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(小串清一君) 速記を始めて……。では本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小串 清一君
   理事
           大矢半次郎君
           佐多 忠隆君
   委員
           愛知 揆一君
           九鬼紋十郎君
           黒田 英雄君
           清澤 俊英君
           野溝  勝君
           松永 義雄君
           森下 政一君
           小林 政夫君
           杉山 昌作君
           高橋龍太郎君
           油井賢太郎君
           森 八三一君
           木村禧八郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
   大蔵省主税局長 平田敬一郎君
   大蔵省主税局税
   関部長     石田  正君
   証券取引委員会
   事務局長    湯地謹爾郎君
   証券取引委員会
   事務局次長   三井 武夫君
  説明員
   国家地方警察本
   部警務部長   中川  淳君
  参考人
   東京証券取引所
   理事長     小林 光次君
   東京証券業協会
   会長      遠山 元一君
   東京証券業協会
   副会長     坂   薫君
   東京証券業協会
   理事      山崎 種二君