第008回国会 電気通信委員会 第3号
昭和二十五年十月三十日(月曜日)
   午前十時四十一分開会
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  本日の会議に付した事件
○電波行政に関する調査の件
 (電波監理委員会所管事項に関する
 件)
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○委員長(寺尾豊君) これより会議を開きます。
 日程に従いまして電波行政に関する調査中、電波監理委員会所管事項に関する件を議題に供します。本日は日本放送協会経営委員会委員長矢野一郎君もお見えになつておられますので、御質疑等は矢野君にお願いいたします。
○新谷寅三郎君 矢野委員長にお伺いしたいのであります。私共放送三法案を制定いたしました当時から、経営委員会が一体この法律に書いてありますような形、法律の内容において果してうまく動くかどうか実は非常に懸念しておつたのであります。経営委員会は今日までに、記録によりますと、大体一ケ月に一回或いは二ケ月に一回程度開いておられる。今日まで四回開いておられるということを承知しておるのであります。新協会が発足いたしまして非常にたくさんの重要事項があろうと考えております。私から申上げるまでもありませんが、経営委員会の責任と権限は非常に大きいと思うのであります。今日のようなこの委員会の運営の仕方で果して経営委員会がその職務と責任を完全に遂行し得るようにお考えになるかどうか。又その運営の状況について委員長としての御意見があれば伺いたいのであります。これが第一点であります。
 それから次にお伺いしたいと思いますのは、経営委員会は、協会の経営方針を決定し、又業務の運営を指導統制する権限と責任があるということになつておりまして、予算を初め各種の協会に関する重要事項が経営委員会の議に付せられて初めて決定されると聞いておるのでありますが、例えば設立委員がこしらえました予算、そういつたものにつきまして経営委員会としては更にこれを再検討して、今後の日本放送協会の進むべき途をおきめになるというふうな方向で、どういうふうに処置をされたのでありましようか。日本放送協会は御承知のように、この電波というものをあまねく国民に提供するというのがその主目的になつておるのであります。その点から申上げますと、やはり受信機の問題もございますけれども、日本放送協会の施設が国民全部に対しましてはまだ足りない点が相当あると考えます。ですから今すぐその点を改善しようと思いましても、困難な点がありましよう。今後の施設の拡充、或いは整備、計画というようなものにつきまして、経営委員会としてはどういうふうな方針で大体何年くらいの間に日本放送協会の目的を達成しようとするお考えでありますか、その点を伺えれば伺いたいのであります。実は先般古垣会長に来て頂きましてその点をお導ねしたのでありますが、会長の、これはおつしやることは非常に御尤もなのでありますが、自分たちは経営委員会の決定に従つて実は実行しておるのだから、方針は経営委員会がきめるんだというお話がありました。一応御尤もであると思いますので、今日委員長にわざわざおいでを願つた次第であります。先ず今申上げました点につきましてお答えを頂きたいと思ます。
○参考人(矢野一郎君) 私が日本放送協会の経営委員長矢野一郎であります。本日は当委員会からお招きを頂き、経営方針その他のことにつきまして御説明申上げる機会をお與え下さいましたことを厚くお礼を申上げます。
 只今新谷委員から経営委員会が新発足後如何なる状況で運営されておるか、うまく行つておるかどうか、その運営の実情並びにそれに対する意見等があれば聞きたい。それから又経営委員会の職責といたしまして、放送協会経営は如何なる方針を持つて進んでおるか。殊に全国民に漏れなく放送を聽取させるという責任がある以上、未だ不十分である施設の拡充については、どういう方針でこれを至急完了するかというような御質問がありました。それについてお答えいたしますと同時に、若しお許し頂けますれば、幸い今日皆さまの前で経営委員会全般の動き方、又今日までの実情等につきましても御説明を申上げることをお許し頂きますれば甚だ幸いだと存じます次第であります。委員長、さような方針でお答えしてよろしゆうございましようか。
○委員長(寺尾豊君) 結構です。
○参考人(矢野一郎君) 先ず経営委員一同に代りまして、委員長といたしまして放送事業に対し非常な御理解と御援助を当委員会から頂いておりますことにつきまして厚くお礼を申上げる次第であります。経営委員会は六月一日の新発足と同時に発足をいたしました立場上、飽くまで国民的な基盤に立つた見地で職責を果さなければならんという責任を一同は最も痛感いたしております。常にその行動は国民的立場から動こうということを主眼といたしております。日常の細かい業務の運営につきましては、経営委員会で方針をきめました上、挙げてこれを会長に一任をいたす方針をとつておりますので、業務の細目については成るべく干渉をしないような方針をとつております。大方針といたしましては、放送法に盛られておりますが、先ず日本全国の聽取者、全国民に漏れなく必要な放送を聞かせるように至急施設の拡充をするということ、もう一つ大事な方針といたしましては、全国民を対象といたしまして必要な報道、知識並びに教養の向上に努めるように常に努力をして、專ら番組を強化して行くという二つの方針を主力として考えている次第でございます。経営委員会は協会の内部におきましては最高の機関となつているわけでございます。併し只今申上げましたような立場上、常に心がまえは客観的な観察を以て日本放送協会の業務の運営状況を常に観察いたしまして又同時に一般の世論、輿論というようなものをできるだけ多く吸放いたしまして、いつも国民の立場から日本放送協会がかくあるべしというものに持つで行くように、日常の業務を指導するということを心掛けている次第でございます。更に八人の経営委員がこれに努あますだけでは勿論完璧を期し難いのでございますから、それ以外にあらゆる放送協会の活動において成るべく世間の一般知識をここに盛り込みまして、今後の改善強化に盡して行くという方針をとつております。従つて技術の面におきましても、番組の面におきましても、今後は各方面の諸権威を煩わしまして、客観的に立派なものに仕上げて行くというような委員会、審議会等を成るべく多く持ちたいというような方針をも併せて行なつておる次第であります。
 これは私から申上げるまでもないことでございますが、日本の文化は、文字に立脚した文化が主体でございまして、いわゆる目の文化は非常に発達しておりますが、耳の文化というものは他国に比較して比較的遅れているように思います。つまり音の世界というものに新しい文化がこれから打立てられるべき時期に到達しているように考えられます。従いまして現在の日本放送協会の現状を以つて決して満足すべきでない。むしろ多々改善強化しなければならんことがございますことは、十分に各委員とも認識をいたしております。そうしてできるだけ高い文化をできるだけやさしく国民に入れるということをモツトーといたしまして、又同時に国民の日常生活に常に密接な関係を持ち、国民の生活を常にここに反映さして行くという方針を以て国民の知識と教養のために寄與しなければならんということを方針といたしております。その結果、従来のNHKよりも今後は更に、例えば教育的な放送或いは婦人に関係した放送であるとか、或いは一般教養に関連を持ちます放送というような面を徐々に強化して行きたいという考えでございます。
 それから又段々施設の強化拡充によりまして地方的な番組、ローカルな番組、従来はいろいろな支障がございますために希望を持ちながら果せなかつた面も多々あるようでございますが、だんだんローカルの番組を拡充して参りたいとも考えております。これはやはり日本全国各地方的に見ます場合には、一律に一つの放送を以て満足して貰えるとは考えられません。地方的には文化的、産業的にそれぞれ違つた環境、事情の下にございますことを考慮いたしまして、成るべくローカル番組を強化して行く方法をとりたいと考えております。
 それからもう一つ、NHKというものの大きな施設並びに力を考えますれば、日本の現状におきましては放送に関する諸研究はやはりNHKが中心になつて国のためにお役に立つべきと存じますので、只今でもこの研究所を持つております。文化研究所並びに技術研究所の二つの研究所を持つておりますが、この研究所を主体といたしまして、これを国民のために活用するという方向に是非進みたいと考えます。従来にも増してこれを国家的に役に立つような方向に研究所を使つて行きたいということを考えておるわけであります。
 それからもう一つ大きな方針の一つと申してもよろしいと存じまするが、国際放送ということも皆念頭に置いて真劍に考えておる次第でございます。この国際放送は戰前は、御承知のようにNHKにおきましても十八ケ国語を以て放送をしておつたものだそうでございます。戰争中これが杜絶いたしましたが、やがて講和も近いのではないかという今日に相成りますると、一刻も早く国際放送を復帰したい、又再開いたすことが国民外交的な立場から申しましても、又諸外国との感情上或い点その他の点からいたしましても非常に好ましいのではないかと存じます。又かたがた日本国民といたしましても他国の国際放送の恩惠をすでに蒙つておる際でございます。成るべく日本といたしましても、日本の内地の事情の紹介その他の意味におきまして国際放送もできるだけ早くこれを再開しだんだんと強化をして行きたいと考えております。
 それからその次に御説明申上げて置きたいことは、御承知のように放送法の発布によりまして、今後は商業放送その他の一般放送がだんだん普及されることになつて参ります。その結果、NHKとしてどういう方向をとるべきかということも関連的に考慮いたしておる次第でございます。これは放送法に明示されておりまするように、日本放送協会と一般放送とは性格的な相違点がございますから、決してこれが競合するものではないという確信を持つております。そこで放送協会といたしましては協力的な、そして内容の優秀な民間放送が是非一日も早く実現されることを切に希望いたす次第でございます。そして実現の曉には、この民間放送とできるだけ協力をして、お互いに啓発、勉強の種にもいたしますと同時に、相携えて国民の福祉の増進に役に立ちますように、できるだけ調和のある運行を相互に行いまして、無駄のないように貴重な電波を使つて行きたいという方向に是面進みたいと考えております。
 それから戰争の間一切外国の情報が跡絶えておりましたために、いろいろのインフオメーシヨンが入つております。昨今漸く諸外国の状態が明らかになつて参りましたので、先ずNHKといたしましては、是非各国における放送の実情の調査に力を注ぎまして、そのうち日本にこれを実施できるものはできるだけ早くこれをNHKの運営の中に盛り込みたいと考えております。殊に形態の上において非常に似ておりますイギリスのBBCその他欧州各国における放送の実情は非常に参考になる点が多いと存じます。まだこれは十分な調査をしておりませんので、今後その方面に調査を進めますと共に、これが延いて日本の放送事業の発達に與える効果が非常に多いものだろうと期待して楽しみにしておる次第であります。
 現状の運営は設立委員会で御編纂下さいました予算に基いて運営をしている次第でございますが、これは設立委員会の御意見にもありまするように、決して完璧なものではございません。まだ多々改善を要するところがございますが、緊急止むを得ないもののみで、他はこれを次年度に讓つて、取りあえず予算を組んだという御説明でお聞済みにいたした次第でございます。従いまして経営委員会といたしましては、今後これを如何に改善して行くかということに主力を注がなければなりません。目下経営委員会の考え方といたしましては、どういうところを強化しなければならんか。どれだけのことをNHKとしてはやらなければならないかということを基本的に只今検討を続けております。そうして最低限どうしてもこれだけのことはしなければならんというものは、国民に対する責任上何とかしてこれをできるだけ早い機会に実現をしたい。そのためには、経費をできるだけ節減いたしまして、又合理化をできるだけ進捗させまして、それから浮きまする費用を以てその強化に注ぎたいと考えております。最も国民が関心を持ちますものはプログラムの面であります。このプログラムの面につきましても、いろいろの関係上、私共といたしましても決して只今のものが完全なる、そうして最上のプログラムと考えておりません。プログラムの向上ということは殊に必要なことと考えております。その面にはできるだけの努力を沸いたいと考えております。
 それから新谷さんから御質問のございました第二の施設の拡充の点でございます。これは放送法の精神によりまして、最短期間を以てこれを実現するということが望ましいのでございます。いろいろの関係からこれを向う一年間に実現するということは不可能と存じます。併しながら着々できるだけのことをやつて参りますれば、一応只今考えておりまする第一、第二放送が、大体全国漏れなく聞けるというところまで至急持つて行きますためには、大体二ケ年半乃至三ケ年を以て一応の拡充を終るものと考えております。尚この施設の拡充の債券等につきましては、皆様の御配慮によりまして、今度の放送法で放送債券というものを発行し得る途をお開き頂きましたために、この施設の拡充は非常に滑らかに迅速に行くことと存じまして、この点も厚く御礼申上げる次第でございます。
 以上大体甚が大雑把な御説明でございますが、経営委員会が只今考えておりまする今後のNHKの経営方針の大綱を申述べました次第でございます。
 次に新谷委員から御質問の第一問の内容にも関連いたしまして、運営の実情というものについて一言御説明申上げたい。これは率直に申上げますると、私共経営委員たちも、総理大臣から御指名を受けました際に、皆非常勤であつて、而も任地、住居が散在しております。全国に皆ばらばらに住んでおる。それで外にそれぞれに相当忙がしい仕事を持つておる者ばかりでございますので、果してこれだけの重い責任を果して行けるかどうかという危惧の念を各委員持ちました次第でございます。その後すでに正式の会議は四回開催いたしております。大体先ほど新谷委員からお話のございましたように、只今の方針といたしましては、正式の会議は毎月一回これを開くことを原則といたしております。尚緊急止むを得ない場合には、臨時的な会合をそれに加えて開きたいと考えております。これは例えば在京いたしておりまする私のごときは、時間的に非常に楽でございますが、北海道或いは九州の委員等につきましては、一ケ月二日ぐらいの会議をいたしますとしましても、大体前後一週間を要します。従いまして定例の会議をそれ以上開きますことは、事実上困難であるという結論に達しまして、この二日間にできるだけ圧縮して盛り込んだエツセンスを審議するという方針を以て、大体毎月一度ということで規定いたしております。併しながら委員全員とも、たとえ外の仕事を持つておりましても、この責任が際立つて重大である、殊に国民代表的な責任を負つておるという点は非常に強く痛感しておりますために、各居住地におきましても、日夜放送協会のことに関しては関心を持ち、耳をそば立て、常に非常な注意を拂つておる実情でございます。従いまして世間からも、果して経営委員会がああいう法律のような形態で発足をしても、結局浮いてしまうのではないか、有名無実なものになりはしないかという危惧の念は相当に聞きました次第でございますが、今日この席におきまして、その御心配を頂く必要がないほどうまく行つておるということを申上げ得ることは、大変に私として喜びに堪えませんことでございます。正規の会合は只今申上げましたように、比較的回数が少ないようでございますが、その間におきまして常に非公式には折のありますごとに、経営委員相互の間でも連絡をとつております。他の用事で落合いました場合でも、必ず連絡をとつて委員同志の懇談をいたし、話合いを進めるというふうな方針もとつております。尚私が在京いたしておりますために、平素は会長以下の業務執行機関との連絡は私を通じて、私に一任された形でございますが、私自身は、できるだけ時間がございますれば放送協会に参りまして、成るべく一週間に二日ぐらいは必ずあそこに顏を出して我々の勉強もいたしますと同時に、業務執行役員並びに事務当局との間にお互いに意思の疏通を図り、運営を滑らかにするように努力いたしております。そして私から各委員に直ちに通告いたすことが必要と認めましたようなものは、即刻これをいろいろな方法で委員に御連絡をしておるという実情でございまして、そのために一応各委員附の世話を見てくれるような人も協会の中に設けて、これを以て各経営委員間の連絡等の強化に備えておる次第でございます。そこで大体さような次第でございますために、最初危惧いたしましたような非常な不便も只今のところ感じておりません。又委員間相互の連絡その他気分的にも非常にうまく息が合つて、非常な熱心を以てやつておるということを御承知を願いたいと存ずる次第でございます。放送法によりますれば、協会は、外部的には会長が協会の代表者として御活動になることになつております。内部におきましては、経営委員会が最高の機関でございますけれど、会長並びにそれ以下の業務執行機関並びに事務当局と経営委員会とのあり方というものが、一にかかつて運営の如何によつてうまく行くか、行かないかがきまるものでございます。この点に関しましては、幸いに委員一同非常な努力を以ち、関心を持ちまして、できるだけその責に努力するという気持でございますことをどうか御承知を願いたいと存じます。
 甚だ雑駁なまとまりません御説明でございましたが、これを以ちまして経営委員会の持つておりまする経営方針の大綱並びに経営委員会の運営の実情についての御説明といたしまして、新谷委員の御質問に対する一応の御答弁もこれを以て代えたいと存じます。尚御質疑がございましたら、どうぞ。
○新谷寅三郎君 矢野委員長からたびたびの御説明を伺いまして大約はよくわかつたのであります。そこで少し細かくなりますが、例えば新協会が発足いたしましてから数ケ月たつております。そこで今のお話の中の施設拡充の問題或いは番組をもつとよくする方針というようなものにつきましては、もつと早く基本方針をおきめになつて、そしてやはりそれを適当な方法で議会のほうにも報告をされ、又国民にも知らせるというようなことをして頂きたいと私は考えておるのであります。お話のように経営委員が各地に分散しておつたり、或いは非常勤であるというようなことのためでありましようか、例えば経営委員会をお開きになりましても精々二日か三日で以て一応打切ると、又来月の経営委員会に廻すというようなことになつているのではないかと思われる。こういつたような重要な方針を、而も協会発足当時成るべく早くきめなければならんというような場合には、経営委員のほうでももう少し委員会をしばしばお開きになつて、必要がありますれば、一週間でも十日でも継続して一つの方針をまとめ上げるというふうな運営の方針をして頂けることができないか、どうだろうかと、実はそういう点について当初から、法律を作ります時から、非常にこういう構成では万全を期しにくいのではないかと、ともすれば丁度旧憲法時代の翼賛議会のように、翼賛委員会になつてしまいはしないかということを心配しておつたのでありますが、その点について御腐心の点は私もよく了承するのでありますけれども、この委員会の運営の方法をもつと強化される必要があるように考えるのであります。これは御質問を申上げるというよりも、私の希望意見として経営委員長に聞いて置いて頂ければそれでいいのであります。
 それから先ほど経費の点についてもお触れになりましたが、法律を制定いたします当時から、只今の聽取料三十五円では足りない。もう少し協会側のいろいろの計算から行くと、この聽取料を値上げをして貰いたいのだという御希望が非公式にあつたのであります。この聽取料は私から申上げるまでもありませんが、非常に例外的な変つた方法で徴收しておりますので、これは無闇に上げるわけには行かんと思うのであります。併し放送をよくする意味で是非必要であるというならば、これはどうしても考えなければならん問題だと思うのでありますが、経費の点などは経営委員会が最も力を入れておやりにならなければならない点であろうと思いますけれども、これは現在どういうふうになつておりましようか。そういうことのために例えば放送債券の発行もありましようが、財源関係で施設の拡充とか、或いは番組の強化等が妨げられていることはないのでありますかというような点についても、極く概括的でよろしゆうございますから、御説明を願いたい。
 それからこれに関連をしまして、私こういう噂は信じたくはないのでありますけれども、例えば放送協会の役員初め皆さんの報酬とか退職金とか交際費とかいつたものが、非常に一般の官庁或いは会社等に比較いたしまして、比較にならんくらいこれは多い。非常にその辺に冗費があるというようなことも一般に言われるのであります。これらの点について勿論よくお調べになつていると思うのでありますが、どのような條件になつておりますか。改善する余地があるのかないのか、併せてお伺いしたいのであります。
 それから最後に、この放送債券の問題でございます。放送債券は先ほど御説明によりますと、債券の発行が可能になつたので、非常に施設の拡充にこれは都合がいいというお話がございましたが、現在までに債権はどのくらい出ておりますか。それは一般の事業会社のように市中銀行が引受けておるのでありましようか。或いは特別に大蔵省預金部等で引受けてくれるものもあるのでありましようか。実は放送法の審議の際に大蔵省の当局に対しましては、この放送債券はできれば預金部等において引受けて、公共事業並に扱つたらどうか、一般の民間放送についても同様に相当公共性の強いものであるから、一般事業会社と同じように扱わないで、預金部が引受けるとか、或いは大蔵省において適当な斡旋をするとかいう方法をとらなきやなるまいということを私は強く主張しておつたのでありますけれども、放送債券につきまして預金部はどういうふうに関係しておるでありましようか。その点も御説明頂きたいのであります。
○参考人(矢野一郎君) お答えを申上げます。只今新谷委員から極めて適切な御勧告を頂きました。経営委員会の経営方針はもつと早くこれを立てて、そうして必要があれば頻繁に開くように経営できないかどうかというお話でございました。この点は只今申上げました大体の経営方針は、やはり当初から第一回の委員会において大体その輪郭を現わしまして、今日までその方針の決定という意味におきましては、割合に早くその方向をきめました次第でございます。併しこれを実際の問題に移しますると、非常な複雑な計算その他を要しますために、事務当局に一々のことについて、これをその方針を具体化するためにはどういう変化が起るかというようなことについての資料を愼重に作成させて、今日まで並行的に進んでおる次第でございます。従いましてその間委員といたしましても、初めの間は放送協会の実情もわかりませんでしたが、だんだんにたくさんの資料を始終送つて貰いまして、研究の結果ほぼ内容もわかつて参りましたために、従つてそれと照合しての意見もだんだんと現われて参りました。そんなことで今日までの四回の経営委員会におきましては、内容的には相当活溌な意見を戰わせながら、大体の方向は、只今申上げました方向に大した変化はなくだんだん進んで参つて来ております次第であります。今後はいよいよその具体的なものと方針との睨合せでものをきめて行く段階にそろそろ近付きつつあるということが実情でございますので、恐らくこの次の十一月の又下旬に予定いたしておりますその際には、そういうものが一応の段階に参りまして、方針に睨合した具体的の決定というものを考慮し審議するという段階に到達するだろうと考えております。大体その方針で目下着々進めておる次第でございます。
 それから経費の面につきましては、放途協会が只今三十五円という聽取料を聽取者から徴收いたしまして、それを以て経営の基礎といたしております。今後の施設の拡充若しくはその他番組の強化等、先ほど申上げましたような、どうしてもこれだけのことはしなければならんということを盛り込みますると、自然今まででも経費的に無理をしておる面もあるのだし、又更に新しいことのために必要であるという面も起る、さような結果、更にどれだけの新しい資金を要するかという問題に当然ぶつかるものと考えております。従いましてその点も、先ほど申上げましたように、順序といたしましてこの程度のことは織込む、こういう方針で強化するという、最小限度やらねばならんという方針を示しまして、それの結果、どのくらいの費用がかかるかということを只今折角事務当局をして、各部門ごとに計算をさしております。従いましてこの次の会合には、事務局案としてはこれだけのものが要るという数字が出揃うことを期待しておる、それが或いは意外に厖大な数字になるかも存じませんが、その際における経営委員会の立場といたしましては、事務的には或いはそれだけのものが要るという、恐らく数字でございましようが、只今新谷委員からのお話の通り、これは国民的な立場から見ますると承大な問題でもございまするので、これを鵜呑みにしてそのまま提出するというようなことは決していたさんつもりでございます。飽くまで国民的立場からどこまでこれを抑えるか、従つて多少の値上げをしなければならんという場合には、それが絶対必要なものであつて、国民としては値上げをされてもそれによつて得るものが大きい。むしろ聽取料をたくさん拂つてもそれだけの改善が好ましいというものでなければならん、さような意味からこれを審議いたすつもりでございます。
 それから次に世間の噂としまして、放送協会の役員が非常にたくさんの報酬を従来受けておるのではないかという話でございますが、この話は私共もよく前に耳にいたしました次第でございます。今度協会の中に入りまして早速各委員ともその点について事情を聽取いたしました次第でございます。調査の結果は、放送協会の一般の給與というものが、私共一般社会人から見まして決して惡いものではないということは確認いたしました。併しこれを公共の機関、或いは官公吏に比較すれば、これは比較にならんほどよいと申上げて差支ないと思いますが、先ず私共が一般の会社あたりを標準としてこれを比較しましたときに、大体上の部に属すると申して差支ない現況にございます。これは役員のみならず従業員一般を通じまして……。従いましてその賃金体制、或いは報酬体制といたしましては、役職員を通じてある段階をなしてだんだんにこう上まで来ております。その面から見ますれば、役員の給與が特に多いということはない現況でございます。併しこれが今度公共企業体となつたという性格のために、これは公務員に準ずるものとして公務員並の給與に下げるべきであるという議論も或いは一部にはございましたが、実際問題といたしましては、設立委員会においても従来の給與をこの際急激に減らすということは、一時機能を撹乱することでもあるし、又事業の性質上、これは特に番組をよくする等の点におきましては、この協会の外に、放送する人と同時に協会の職員がやはり同時に一体となつて一生懸命にやらないと、單に放送者が非常な立派な芸術家であつてもうまく行かんという面もございまして、何と申しますか、非常に意気込みなり志気というもので左右される性格の仕事であるということ等を考えまして、この際公共企業体になつたのであるからして、その性格は十二分に会長を通じて役職員に徹底さして頂くと同時に、今後大きな、又従来のような或いは昇給その他はできないものと覚悟して欲しい。併しこの際乘り移りの際に非常な削減をすることは、実際の運行上いかぬから現状を以て止めようという方針で、設立委員会も今年度の予算を組まれました。それで今度はいよいよ、経営委員会は、只今二十五年度は設立委員会によつて組まれた予算によつて運営をしておる次第でございますが、明年度はいよいよ新しい経営委員会がこの方針を盛り込んだ予算を作るということに直面しております。而も先ほど来お話のございましたように、決して従来のようなそのままの放送形態では満足できないといたしますると、若し新しい資金を要するというような場合には、一番先にできるだけ人件費その他の面で合理化をして経費を節減して欲しい。それからたとえ資金を、新資金を要する、或いは結果において何がしかの放送料金の値上げに立至るような場合におきましても、これによつて増加した資金が少しでも人件費のほうに流れるということは、絶対にこれは避けるという方針を持つております。尚でき得べくんば将来だんだんと皆さんには我慢をして頂きまして、社会的の比率の点において、或いは現状よりももう少し外との釣合上下に持つて行くことが好ましいのではないかというふうな御意見もございます一面におきまして、率直に申しますと、この仕事がなかなか派手な仕事でございます。殊に会長その他の事務執行機関当局は、だんだん国際的にもいろいろの出入も起りますことでございますので、そう給與を特に窮屈にすることは却つて協会の運営に惡いのではないかという意見も経営委員の中にはございます。さりとて性格上、これを世間が見て、社会通念から言つて多過ぎるというものにしてはならない、先ず現在の状況におきましては、大体において会社等の給與に比較して、放送協会は一つの大きな会社と考えてどうだというような立場から見ますならば、従来の実績を減らさないという建前から、その数字で運行しておりまするが、そういう見方からいたしますれば、まあ非常に世間で言われるほど多いという数字ではないという一応の見解に皆委員の意見が一致している次第でございます。
 それから放送債券につきましては、これを三十億円まで発効できるように法律で規定されております。御承知のように従来とも放送協会の設備は、今日帳簿価格において約十億円ほどの施設を持つております。この施設を大雑把に申上げますると、そのうち約八割は借入資金を以て賄つております。あとの二割が二十五年間に蓄積をして参りました自己資金を以てできておるという状況でございますが、これの帳簿上は十億ほどでございますが、これをいわゆる再評価いたしました場合にどのくらいのものがあるかというと、一応再評価の数字で当つて見まして、約二十八億ほどの相当額の施設を持つておるということになつております。この再評価の点も、これが国民のものであるという考えからいたしますと、是非再評価を実行してその実態を数字に現わすことが望ましいと考えますので、いずれこれはその通り実行いたしたいと考えております。従来は各年度の剩余金を以ちまして少しずつ施設の拡売をやつております。昭和二十四年度の剩余金は、たしか五百万円余りでございますが、そういう金で以て施設を拡充して参りますと、五年も十年もかかるということになります。それが今回の放送債券の途を開かれますると、それを先に何年か分のものをすぐに資金として得られるという便宜がございますが、それを今度逐年償還して参りまするから、施設の拡充においては非常に早く、これは一刻も早く全国に施般を拡充するという意味においては非常に有難いことと存じておる次第でございます。差当り本年度としてどのくらいのものを計画するかというお話でございますが、只今昭和二十五年度内において約十億円の放送債券を発行したいと考えておる次第でございます。これは内容的に申しますると、新放送協会は六月一日に発足いたしました。従つて当年度におきまして四月、五月の二ケ月間は、旧社団法人として運営されたわけで、その間にやはり施設の拡充をやつております。又そちらの際に手を着けましたもの、いわば旧協会時代の施設拡充の予算が約三億五千万円、それから新協会となりましてから本年度内にやろうというものは約六億五千万円、この両方を合せますると丁度十億になるわけでございます。これを放送債券に置替えるということを希望いたしておるわけでございます。この施設の拡充はすでに着々やつておる面もございまして、これらはすべて借入金を以て賄つております。只今借入金が七億九千万円、約八億近い借入金を持つておりますが、放送債券が発行できますれば、この借入金を償還いたしまして放送債券に乘替えるという操作をとるわけでございます。この債券の発行は、十月頃にこれを発行したいと当初考えておりましたが、なかなか御承知のような財政、金融の状態でございますために、起債市場のいろいろの関係からなかなか十月にはむずかしい、只今のところでは十一月に約二億円初めて発行できる見込でございます。これにつきましては大蔵当局、日銀当局等とたびたび折衝を重ねました結果、非常な御好意を以ちまして、十一月に起債のうち二億円だけをそれでは枠の中に盛り込むという御了解を得て今進んでおります。この二億円は差当り一般社債と同様、民間資金を以て発行する形をとつております。それで二つぐらいの銀行が面倒を見てくれることになつておるのであります。大体の発行條件、発行の行き方等は、一般一流会社の社債と同様な方法でこの二億を発行するということになつております。その考え方は、やはり放送債券というものは、債券市場におきまして新しい銘柄でございまして、今までこれに類するような性格の債券はございません。従つて証券業者その他といたしましても、新銘柄という意味で非常にこれを注目いたしております。更にこれが発行されました際に、これが今後一般市場でどれだけの市場性を持つかということも相当大事なことでございますので、初めが肝腎でございますから、大事をとりましてそういう方法をとりました。その結果、恐らくこれは各方面で歓迎をされる債券になりはしないか、殊に銀行筋あたりはだんだん公債の手持が減つて参つておりますために、それに次ぐものとしてこれを取つてくれるような方向に是非行かせたいものと考えております。
 その間預金部資金との関連の問題でございますが、この預金部資金を使つたらいいではないかという議論は最初からでございました。経営委員会においても最初からその問題が提出されました。御承知の通り現在預金部資金は、相当な金がございますので、各方面からこれを引出して国民経済に寄與させたいという要望が殺到いたしておりますが、なかなか運営の上において実際問題として困難しております。この際放送債券のような性格のものであれば、或いは可能でないかということを專門家も考えられるわけで、我々もそれを考えますので、将来の問題もございますからして、是非この途も開いて置きたいという考えを持つております。日銀当局におしても、そういうやはりお勧めを受けておりますので、両方どちらでも出せるという性格を持たせることにいたしたいと考えております。さようなことが大体御質問に対する私のお答えであります。
○平林太一君 矢野経営委員長にお尋ねをいたしたい。それから併せて希望を申上げたいと思います。先刻経営委員会の運営の大要についてお話を承わつたのでありますが、その中に委員会がいわゆる構成的に行き渡らない点の憾みがあるような結果において、ややもすれば足が浮くのではないかというような危惧があるというお話でございますが我々も又その点心配をいたしておつたのでありますが、幸い只今委員長の御報告によりますると、さようなことがなく、極めて当初の目的をむしろ成功裡に進めているというお話でありますが、このことは誠に御同慶に堪えない次第であります。要するにそれは委員長を初め委員諸君の人的の構成というものが誠に妥当優秀であつたということを裏書きするわけでありまして、大変喜びに堪えない次第であります。放送事業の重大性、重大な意義というものを考えて、只今委員長お話の通り、委員会がその十分の機能を発揮せられているということであり、この上とも一つ十分にその方法によりまして日本放送事業の国内的にも、国外的にも成果を收められるように御精進せられることをこの機会に切望する次第であります。それにつきましてお尋ねいたしたいのでありますが、這般来の朝鮮動乱に対しましては、国論の大勢として国連に協力するということだけは看過すべからざる事実でありまして、従いまして我が国電気事業を先ず第一に中心といたしまして、この国連に協力した成果というものは、沒すべからざるものがあると私は了承しておるのであります。船舶運営或いはそれら国連の要望するそれぞれの物資面の備えてということを通じまして、又国内の大勢が国連に協力したところのその意思、又それらの効力というものは大いなるものがあると私は承知いたしておるものであります。従いまして放送事業における経営委員会が、この朝鮮動乱に対しましてひとしく協力をいたしたそれぞれの処置、結果が現われておることと私は思いますけれども、本日それにつきまして、この機会にそれを明らかにせられて置くことは極めて必要なことだと思います。経営委員会は、朝鮮動乱勃発に対して、国連に協力するために、どのような方向に放送事業の面においてはいたすべきかということについては、定めし特に会議を開催いたしたこともあり得ることと想像いたします。又委員会の、その普通委員会の場合におきまして取上げてさようなことを検討せられて、その上で放送事業の面を推進して行かれたということが考えられるのでありますが、その点を本日承わつて置きたいと思います。このことは将来我が国の講和の問題を控えまして、非常に今後の放送事業の運営に対しまして、大きないわゆる示唆ともなり得ることと考えておりますので、一応その点を伺つて置きたいと思います。以上。
○参考人(矢野一郎君) 只今の平林委員の御質問にお答え申上げます。同時に大変経営委員会に対して厚いおほめのお言葉を頂きましたことを有難く一同に代りまして感謝いたしておるものであります。
 朝鮮動乱に関連いたしまして、放送協会がどういう協力を国連にしたかという御質問と拜察いたします。これは御承知のように先ず一番大きな協力といたしましては、韓国語放送を行なつておるということを申上げるべきであると存じます。この韓国語放送を放送協会が行うことにつきましては、いろいろの御議論もございました。又世間にも聽取者の放送局の放送を聞く権利をそれによつて侵害されては困るというような一部の意見もございましたわけでございますが、その点は最も経営委員として関心を持ちましたわけでございまして、できるだけそういう犠牲を少くする方向において、少くもできるだけ多く国連の面に協力するという方策をとるように努力いたしました。この韓国語放送につきましては、スキヤツプのほうからスキヤツピンとしての指令が日本政府のほうにございました。その指令に基いて、これを施行するようにという通牒を電波監理委員会から頂きました次第でございます。性格上はさように御承知を願いたいと存じます。これの実施の面につきましては、いろいろ関係当局とも具体的な問題について個々にその都度詳細に折衝をいたしまして、先ほど申上げました日本内地の聽取者にかかる迷惑を成るべく最小限にするという点について随分こちらも思つた通りの要求を出しまして、相当これを聞いて頂くことができました。主として迷惑のかからん十一時以後に主体を置くということも実現いたしましたような次第でございます。併し経営委員会といたしましては、これが全然我々には関係のないことであつて、そして少しでも韓国語の放送があるということは迷惑なことであるという考え方はしたくないという考えを持つております。やはりこれは日本国民として当然聽取者も喜んで協力を賛成して頂ける性格のものであるというふうに考えまして、それを基調といたし、而も実際面においては国民にかかの犠牲が最小限であるようにということを念願いたして運営をいたした次第でございます。その以外の国連に対する協力というものは、先ほど申し上げましたように、だんだん国際的な問題を国全体としても取上げるべき時機でもございますし、更に考え方によりましては、殊に日本国民に今日国連に関する知識を持たせ、そして国連に対する協力をして貰うような方向に、放送協会が働くということが最も好ましいことと存じますので、爾来できます限り国際問題に関する放送等の番組を強化いたしまして、そして常に時宜に適した、国民として知らなければならない知識の放送をいたしておる次第でございます。
 尚この際に一言附加えさして頂きたいのは、御承知の通り電波監理委員会が直接日本放送協会の監督の任に当つておられる次第でございますので、これらの事柄の実行に関しましても、できるだけ電波監理委員会と密接な御連絡をとつて遺憾なきを期しております。更に一般的に申上げまして、放送協会と電波監理委員会の連絡というものが、できるだけ密接であることが好ましいことは勿論でございますので、殊に放送協会の経営方針の責任を負つております経営委員といたしましては、電波監理委員会の委員の方々と公のみならずあらゆる機会に非公式の会合等を持ちまして、公私の機会を利用して隔意のない懇談をすでに今して、双方の意見を交換し、そうして專らこの運営が一体となつて行くようにということを心掛けております次第であります。
○平林太一君 只今お話を承わりまして私も同感の意を表すものであります。それで今後とも一つ国会、政府と十分に、経営委員会は指示を受くべきことにつきましては進んで指示を受け、連絡をとるべきことに対してはできるだけ緊密に連絡をとりまして、我が国の今後の国際情勢に対処するところの、放送事業の職務上の面というものは誠に大事ものであると私は感じまずのであります。外交のことも、單に外交の当面の責任者だけで成功いたすものでないということは、過去の歴史が立証いたしております。国民多数の意思による方法によつて進められて行くという外交のみが成功いたすものであります。勿論今日我が国の場合に、独立した外交というようなことのみを考えて行くべきではないのであります。世界の情勢というものに大多数の国民が認識を持たなかつたが故に、曾ての我が国が非常なる、今日のような事態に陥つたということを考えるにつきましても、今回の講和問題につきましては、できるだけ国民大衆に向いまして、世界の情勢というもの、国内の事情というものを周知せしめることが、非常に放送事業にかけられた大きな目的であるわけであります。この点申すまでもないことでありますが、経営委員会につきましては十分に御考慮願いまして、只今申しました通り、今後国会、政府等に対しましては忌憚ない連絡を願いまして、事業の推進に当られることをこの機会に、只今委員長の御答弁に対して私も同感の意を表しまする故に、あえて今後の希望を申上げて置きたい次第であります。
○水橋藤作君 劈頭御報告になりました大方針として、全国民に聽取させるのを目的として運営しておるという御報告でありましたが、誠に結構だと思います。現在は目的の放送を聞けない場所と申しますか、地域がどのくらいあるかおわかりでしたらば御報告願いたいと思います。
○参考人(矢野一郎君) お答え申上げます。それは実は私共委員会といたしましても、委員の御指名を受けまして以来、この問題を調べましてこれほどむずかしいものかということを初めて知りましたような次第でございまして、地域的にはまだ聞えないという所が相当にあることは事実でございます。而もその調査につきましては、この聞えます度合いによつて色分けをいたしました地図を放送協会において作成いたしております。それを後ほど協会のほうから差出します。それによつて御覽を願いますれば、どの地方がまだ不備であるか、不完全であるか、或いはどの地方が全然聞えないかということが大体御了解頂けると存じます。こういうことが起ります大きな原因は、日本の地勢によるものだそうでございまして、アメリカのような大平野を持つておりまする所ならば、強力な放送設備を一ケ所に置きますると殆んど一遍に聞えるものだそうでありまするが、日本のように非常な地勢が複雑な所では、極く近くに放送局がございましても、山その他の障害がございますと、その裏側はもう忽然として聞えないというようなことが起り得るものだそうでございます。従いましてこれを全国的に全部聞えるようにする方針と申しましても、專門家の話によりますると国民の九〇%聞えるというところまでの拡充が先ず一段落でありまして、更にその残りの一〇%の人々にも聞かせるということは不可能ではございませんか、非常な困難と非常な多額な経費な要するという段階がそこにあるそうでございます。従つて経営委員会の方針、先ほど申上げました大体二、三年のうちに完了をするという目標は、一応国民の九〇%を対象として、技術的に先ず現在の段階において到達すべき一応の目標をそこに置きましたのでございます。
 この施設の拡充の内容をざつと申上げますると、一つは、電力を強くして行くという方向が一つございます。現在の施設でもこれを電力を更に強化して行けば、今聞えない所がだんだん聞えるという行き方が一つでございます。従いましてこれを裏から申しますと、現在は或る放送設備、放迭局の電力が弱いために中継放送所を置いておるような所も多々ございますそうで、これはだんだんにその中心になる局の電力を、機械を置換えまして強化いたしますれば、中継放送所を廃止して合理化できる方向にある分もあるそうでございます。それからもう一つは、どうしても新しくそこに何らかの方法で新設をしなければ聞えないという所もございます。それから、第一第二放送と分れておりますが、第二放送はまだ全国に及んでおりません。これは至急只今第一放送をやつておりますところには並行的に第二放送を完備いたしまして、第一、第二が全国漏れなく聞けるような施設の拡充を急いでおるような次第でございます。それからもう一つは、施設に関連いたしましてプログラムの強化或いは国際放送の実施等を円滑にいたしますためには、現在の東京初め各地における放送設備、殊に演奏室、スタジオ等の設備が非常に不十分でございます。これを早速或る程度拡充いたしますことが、直ちに放送内容の改善に役に立つことでございます。その一つといたしまして、東京の現在の放送会館の裏にもう一つ別館を作るという計画を盛り込んでおる次第でございます。これは主として演奏上の設備を殖やすという意味でございまして、例えば只今一般に公開をいたしておりまする放送等も、その別館ができますればもつと便利に出入りのできる、そうしてもつと大きい放送室を持つことが可能になつて、従つてプログラムも活溌になることと存じます。国際放送等も差当りは非常に窮屈ないろいろなやりくりを以て、第一放送のあいている時間等にこれを行いまするが、やはり演奏室が完備いたしますれば、国際放送の独特のプログラムを十分に作るということが可能になることと存じます。尚演奏室が従来でもございますが、それでは足りないかという御質問もあるかと存じますが、これは只今その一部分をAFRSに出しておりますることもございまするのと、それから従来に比較いたしまして番組が非常に小刻みになりまして、従来は一時間くらい続くような番組がたくさんございましたが、最近の番組はCIEの御指導もありまして、だんだん短いこまに切れて参ります。十五分刻みくらいを以て單位といたしております。そのために次から次へとプログラムが移ります際の用意には、それだけたくさんの演奏室を、吹込所を持たなければならんということもその間の一つの事情として御了承を願いたいと思います。
 それから單に東京ばかりでございません。各中央放送局における放送施設も同様な意味においてこれが拡充を急ぎたいと存じております。それからできますれば主なる都市にはいわゆるスタジオ、演奏室だけは一県一ケ所ぐらいは必ず設置するということにいたしませんと、先刻も申上げましたが、その地方番組、その地方の住民に対するいろいろの便宜の供與には役に立たんと考えております。そのようなことが大体の拡充の方針に盛り込みました具体的な内容でございます。
○水橋藤作君 質問でなくお願いですが、この審議会の会議録の提出をお願いできるかどうか。会議録とそれから先ほど御報告になりました聽取できない場所の図面ですね、それと会議の、委員会の会議費用と申しますかな、それをどのくらい予算を持つておられるか、それだけ資料を頂戴できますかどうか。
○参考人(矢野一郎君) お答え申上げます。それは資料を取揃えまして、後刻協会のほうから提出いたします。
○鈴木恭一君 丁度矢野委員長も見えておるし、富安委員長も見えておるし、又大蔵省関係も見えておりますので、ちよつと関連してお尋ねしたいのでありますが、只今平林委員からも申されましたように、放送協会の持つ国際放送というものの地位の重要なことは言うまでもなく、同時に放送の国際的地位というものは極めて私は重要なものだと思つております。国際放送局というものを設置して、維持、運営するというのは、日本放送協会としての重要な職能の一つとなつておるのでございまして、これに対して経営委員会におきましても、非常に努力されておるということを拜聽いたしたのでございますが、現在の国際放送はどの程度になつておりまするか。実はメキシコ会議以後日本の国際放送に対する関係方面の意向も極めて積極的なように私拜聽しておつたのであります。本年度の予算におきましても一千万円の予算も計上されておるのでございます。日本が今日置かれております立場からいたしましても、特に国際親善というよりも日本の実情を海外に知らせるという意味は、在外同胞が国内事情に非常な関心を持つておる現状から見ましても、極めて重要だと私思つておるのでありまして、国際放送が一日も早く開始されることを国民の一人として待望いたしておるわけであります。従来日本放送協会とされましては、華中方面、或いは華北方面に放送されておるということを聞いておるのでございますが、今日も恐らく継続されておると思います。併しながらこの国際放送というものにおきましては、これは内地の聽取者の費用を以てこの費用に当てるわけには参らないのは、これは当然でございまして、法律にもございます通り、国際放送に対しては国家がこれを負担するというのはこれは当然の次第であります。そういうようなわけで今日国際放送というものが、私といたしましては極めて必要な時期に達しておるのではないかと思うのでありまするが、その点の実情を一つお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(富安謙次君) 只今お尋ねのありました国際放送の問題につきましてお答えを申上げます。国際放送を早く実現いたしたいという切なる希望を持つておることは、私共といたしましても全く只今の鈴木委員の御所見と同じなのであります。国民一般の輿望に応えまして、成るたけ早く国際放送を実現いたしたいということにつきましては、委員会の発足以来できるだけの力を盡しておるのであります。ただ申上げるまでもなくこの問題は関係の向きの了解を得なければならないことでありますので、今日まで私共努力いたしておるにもかかわりませず、その了解を得ることができないで、実現ができないでおるということは甚だ遺憾なことに存じております。併しながら私共は望みを決して捨てておるわけではないのでありまして、現在只今も引続きまして関係の向きに対してその了解を得べく私共といたしまして最善を盡しておるのでありまして、そのように御了解を願います。尚私共はこの上共に力を盡す、今現に盡しつつあるということの外今日はお答えできないのでありますけれども、何とぞさように御了承願いたいのであります。
○鈴木恭一君 国際放送を一日も早く開始したいという電波監理委員会の御計画が速かに実現することを私も期待いたすのでございまするが、その費用の点でありまするけれども、まあ私想像いたしますると、これが数方面に国際放送が開始いたされるといたしますると、数億円の金が私要るのではないかと思うのであります。そうした場合に、今日まあ準備と申しまするか、これは突は私も当時関係の一人として相済まんと思つておつたのでありますが、実は一千万しか本年度予算がないはずであります。そうした場合に石原次長にお願いしたいのでありますが、若し開設するような場合におきましては、予備金でも使つてその費用に当てるということを是非お願いしたい。又そうすることが今日日本が置かれました立場上極めて必要なことと思うのでありますが、その点について一つ御意見を伺いたいと思います。
○説明員(石原周夫君) 電波監理委員会の予算におきまする国際放送の補助の問題になりまするが、先ほど電波監理委員会の委員長からお答えになりましたような事情もございまして、昭和二十六年度におきましても、予算額は一千万円組んでおるわけでございます。これが国際放送が可能になつた場合にどういたすかという点でございますが、鈴木委員もおつしやいましたように、国際放送開始ということになりますと、相当巨額の金が要るように承知をいたすのであります。予備費の支出がどうであるかというお尋ねでありまするが、まあ現在まだ予算の姿もきまつていない状況でございますので、果してそういうような巨額なものが予備費から出せるかどうかということにつきましては、なかなか先へ参りませんとはつきり申上げられないのでありまするが、或いはむずかしいかというふうにも考えております。いずれにいたしましても、目下のところとしましてはその程度しか申上げられないと思います。
○鈴木恭一君 いや、私の申上げるのは、来年度のことを言つているのじやなくて、本年度の、二十五年度のことを申しておるのであります。それからいま一つ、実は放送協会が華北や華中に向けて放送しておりますることも、或いは嚴密な意味から言えば、これは放送協会が負担すべきものじやなくて、当然これは国が負担すべきものだと思うのでありますが、その点は如何ですか。
○説明員(石原周夫君) 前段の二十五年度の問題につきましては、これは御承知のように、予備費が四億五千万円予算に組んであるのでありますが、災害等の関係もございまして、大分使いまして、今二億数千万円、五億弱だと思つております。その金額と今おつしやいました国際放送云々ということをやるといたしますれば、結付けて考えなければならん。それから華北、華中の点につきましては、私甚だ迂闊でありますが、現在やつておられまするかどうか、やつておられるといたしまして、どの程度の経費がかかつておるかどうか、ちよつと承知をしないのであります。調べましてお答えいたします。
○橋本萬右衞門君 先ほどの水橋委員の質問に関連したことでありますが、聽取の問題でありますが、全国で聽取不可能の地域のあることは第一放送、第二放送とも図表によつて私よく知つておるのでありますが、聽取不可能地域でも高級の機械を以てすればどこでも聞えるのですか、或いは何球の機械を標準にして聞える地域内を判定するのでありますか。
○参考人(矢野一郎君) 橋本委員の御質問にお答え申上げます。これは高級な機械を以ちますれば、やはりそれだけ余計聞えて行くそうでございまして、現在の並四球程度が一番、五、六割占めておると想像されまするその程度の機械でございますと、現在大体九割くらいの聽取可能という調査になつております。これが現在の設備のままで機械が高級の場合には九〇%が九%汚くらいまでは聞えるものと思います。
○新谷寅三郎君 石原君もお見えですからついでにお伺いしたいのですが、これは電波監理委員会の点も併してお伺いしたいと思います。これは大分前の委員会でしたが、日本の放送事業をよくするという意味で、これは放送施設のほうもありますし、それから一面受信機の問題も非常に大事な問題であります。受信機を一度買いますと、非常に長い間使つておるというような性質のものだから、そうたびたび受信機の構造が変つたりすることは、非常にこれは国民にとつては迷惑であります。ところが戰争中御承知の通り長い間その方面の研究が遅れておりまして、而も今日まだどのメーカーの研究所も殆んど動かして行くだけの経費が捻出できない。そのために今受信機の改善につきましてどうも能力を持つていながら非常に困つておるというのが現状だと思うのです。殊に今度の放送法かできて、只今の耳から聞く放送だけでなしに、できればここ数年の間にやはり日本もテレビジヨンというものを実現しなければならない、こういう段階にあると思うのです。そこで各研究所、例えば放送協会の研究所もありましようし、電通省の通研もありましよう。そういう公的のものもあり、それからもつと特色のある各メーカーの一つの真空管の研究を進めておるところもあつたのですが、そういうラジオ技術に関する研究機関も総動員して今の日本の技術水準ではこの程度の受信機が一番いい、この規格で行こうというのを作り上げて、それを普及して行かなければならんという考えを持つておる。テレビジヨンになると、これはもつと問題は複雑な問題になつて来るので、私はこれは余り将来に対しては望ましい方法ではありませんけれども、やはり電波監理委員会あたりが相当指導をして、又場合によつてはみずからもそういう研究機関を使いながら、総合的な技術を向上して行くというような方策をとられる必要がこの際は是非必要であろうということを申上げておるのですが、それについて電波監理委員会のほうでは、来年くらいに一つそういう受信機とかテレビジヨンの部分的なものとか、そういつたものに対する試作費というようなもの、或いは研究費というようなもの、そういつたようなものを電波監理委員会のほうでは御用意になつていらつしやるのか、或いはそういつた試作費、研究費なんかに対して予算当局がどういう見方をされておるか、前に国会では科学技術の振興に関する決議までされておりまして、そういう文化方面のものまで相当力を入れなければならんということを言つておるわけです。文部省の費用は若干殖えましたが、その他一般にそういつたものについてはどうも関心が薄いのじやないかという気がするのです。この点について監理委員会と予算当局の現状を御説明願います。
○説明員(富安謙次君) お答えいたします。只今新谷委員からお話がありました受信機の改善について、かくのごとき方策を立てたらどうかという御意見、その御意見の方向につきましては私共も全く同感であります。ただこの際どういうふうにして実現するかという具体的な方法だけが考究されるべく残つておる問題だと私は考えております。具体的なことにつきまして、尚綱島さんが幸いおられますから綱島さんから御説明願いたいと思います。
○説明員(網島毅君) 只今富安委員長から私に詳細の点についてお話申上げるようにというお話がありましたが、この点に関しましてお話を申上げます。只今委員長からお答え申上げました受信機の問題につきまして、委員会としては、これは非常に大きな問題だと考えております。これは取りも直さず、この受信機の問題が我が国の放送政策の根幹をなすからでございまして、その受信機の如何によつて、日本の電波の普及、放送の普及という問題、それからその施設計画というような問題に非常に響くのであります。新しい放送法によりまして、我が国には民間放送というものも許される状況に相なりまして、民間放送は非常に各方面に期待を持たれているのでありますが、遺憾ながら現在は受信機の問題がこの期待を相当制約するという状況にあるのでございます。電波監理委員会といたしましては、できるだけいい受信機を安く国民に普及させる必要があるという見地から、来年度の予算におきましても、これの研究に関する経費といたしまして適当な研究所、或いは民間に委託していろいろ研究して貰いたいという点から、その委託研究費というようなものも是非欲しいというふうに考えて、大蔵当局といろいろお話したのでありますが、我が国の全般的な財政面からという見地から一応除外されたのでありまして、私共としては非常に残念に思つております。できるだけ今後も大蔵当局にその点に関しては御考慮願いたいというふうに考えておる次第であります。
○説明員(石原周夫君) 只今電波監理委員会側からお答えがございましたので、大体それに盡きておると思いますが、本年度公共事業費におきまして、電波監理委員会でも実験所を作りまして、来年度はそれの運営に要しまする費用を計上しておる。委員会案といたしましては、技術費のほうでございますが、全体の科学技術の点につきましてのお尋ねだつたと思いますが、二十六年度は、一応作つております予算におきましては、議院における御決議の趣旨もございまして、科学技術関係の経費は前年に比べまして、相当飛躍的に増加をいたしておるのでありますが、又一番目立つておりまするのは、従来各省の経費といたしまして比較的貧弱だと思われます科学関係の研究費を非常に増加をいたしたいというふうに考えております。それ以外の施設研究機関におきましても、全体の比較をして見まして、従来は相当研究費の多い所も然らざる所もある、その点を調整いたしまして、相当予算は増加をするつもりでやつて行きたいと思つております。ただ通信関係は、従来特別会計でございました経費なので、研究費の割合は相当よろしいわけでございます。従いましてこれらの研究におきましては、昨年に比べまして、外の研究費に比べますると、そう増加しないという形になつております。そういうわけで今お尋ねの電波監理委員会関係の研究費の点につきましても、当然お話になりましたようなことで御満足を得るような形になつておると思います。その点は十分に力を入れて行かなければならないと考えております。
○委員長(寺尾豊君) お諮りいたします。時間も相当経過をいたしましたが、田村電通大臣からも、予算に関してお話したいとの申出が出ておりますので、この際大臣の予算に関するお話を伺いたいと思いますが、如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○新谷寅三郎君 今の問題についても一言……。
○委員長(寺尾豊君) では簡單に一つ願います。
○新谷寅三郎君 石原さんにもう一度申上げたいのでございますが、いろいろと実験所を作つたりするというような案が出ておるようで、今初めて知つたのですが、何も実験所に限らないと思うのです。とにかくあなたたちのほうでも各省で外国を廻つて来られて、一番遅れているのは電気通信であろうと思われます。ラジオ部品は非常に遅れておる、これは何といつても事実だと思います。聞えればいいということから言えば、国民の何割かに聞えておればそれでいい、このままの状態で放つて置くことは我々としては非常に不安なのです。そこで又受信機の問題にもなるし、今後のテレビジヨンの問題もありますが、そういつたものは企業的にいつて今成り立たないと思います。それで主管官庁が自分の手によつて国民の福祉のためにいい受信機の型を作り、或いはテレビジヨンのほうの研究をもう一歩見届けるというようなことを、これは政策としてもとるべきことだろうと思います。そこで私は来年度の予算がまだきまらないというのは結構なのですが、そういう問題について、実験所を作るだけが一つの方法じやない。現在あるあらゆる公営、或いは民間の研究所を動員して、それに若干の経費を注ぎ込むことによつて、それと同じような結果が達成せられるのではないか、私はこう思うのです。そういう意味では電波監理委員会が主体になつて、例えば研究費を取る、或いは試作費を取るというような形で以て、僅かな経費を出して、それを母体にして関係の機関がそれぞれの経費をそれぞれ出して、ここ一、二年のうちに日本の最高技術の最高水準の受信機なり、或いはテレビジヨンの極くお手初めの部品でも作つて行くというような方向に是非持つて行かなければならないと思つております。今後努力するというお話でありますけれども、この電気通信部門なり、ラジオの部門に大蔵当局がもう少し理解を持つて、そうして積極的にそれに支援して頂かないというと、どうしてもうまく行かないと思います。以上の強い希望として申上げました。又機会があれば予算委員会で申上げますけれども、その点石原主計局次長から池田君にもお話して頂いて是非やつて頂きたいと思います。
○説明員(石原周夫君) 別にちよつと一言。先ほど言い落しましたので申上げますが、通産省のほうが通信関係の機器の生産につきましては所管でございまして、昨年からこのほうへは補助を出しておりますが、本年はその金額を相当増額をいたすつもりでございます。ただその配分につきまして、今新谷委員のおつしやいましたように、こちらのほうでできるだけ今おつしやるような試験所に十分予算もとつて行きたいと考えております。
○鈴木恭一君 予算の問題についてちよつと聞きたいことがあるのであります。実は電波監理委員会が新しくできまして、その電波監理法に基きまして、いろいろ設置基準等をお作りになつておられるのでありますが、最近新聞を見ますと、殊に水産関係の水産経済新聞の十月三日の記事などを見ると詳しく出ておるのでありますが、何か漁業関係の無線局を設置するという意味で、この電波法から切り離して新たな法案を作るということが載つております。九月七日の日本水産新聞ですか、これにはもう電波監理委員会もそれを了解したというふうなことが出ておるのでありますが、電波法というものはもう随分長く審議されまして、電波関係に関する法律をここで規定いたしておりまして、電波監理委員会がその監督の任に当つておるということは、これは非常にはつきりしたことなのであります。そういう電波法から切り離した別途の法案その法案も何か漁業局施設法案とか、漁業無線組合法案とか、そういうふうな内容は私共よくわからないのでありますが、そういうふうなことがありますが、これは本当ですか。
○説明員(富安謙次君) お答え申上げます。只今鈴木委員から御発言のありました水産当局が主となつて漁業無線に関する法律を出そうとしておるというのですか、そういうふうなことが新聞にあつたそうでありまするけれども、それについては私は何にも実は存じておりません。ただそれに関連いたしまして思い起しまするのは、私共委員会におきまして無線局の開設の基準という規則を作りました際に水産当局と折衝をしばしば重ねておりました。その間におきまして、水産当局はたしか漁業無線電信組合法と申したか、何かそういうような法律の案を持つていて、こういうものも用意しているがというようなことを申しておられたことは記憶いたしておりまするが、その内容につきまして、まだ折衝の間にそういう案もあるという程度で示されたのでありまするから、詳しい検討を私共といたしましてはいたしたわけでは決してありませんが、その案の内容が、漁業に関する無線を、法律と切り離して、特に新しく電波の関係を、現在ありまする法律以外に作ろうとしているというような内容ではなかつたように私は存じております。さような内容を以ちまして新たに法律案を用意しておりまするということは私は初めてお伺いしたわけであります。
○鈴木恭一君 まだそこまで行つておらないということを聞きまして、私も実は安心するのでありまするが、実は新聞によりますと、電波の割当は農林大臣が行うとか、農林大臣又は知事は組合の海岸局の監督をさせるために出張させるとか、補助金を出すとか、まあ補助金の問題は別個農林行政の面からも問題になることはこれは問題がないとしましても、こういうふうな面がありますため、電波法というものが非常に愼重に審議されており、電波監理委員会が極めて民主的な方法で行政が行われておると私は信じておるのであります。勿論水産関係におきまする電波の地位と申しまするか、漁業無線の地位というものが非常に高いことは私にもわかるのでありますが、いわゆる農林行政と無線行政というものが適当に按配されるということがやはり電波法の持つ使命であり、電波監理委員会が今日行政官庁としてある存在理由だと私は思つておるのであります。どうかそういうふうな点について、電波の行政、特に電波は御承知のように非常に数が少く制限されておるのでありまして、万人にこれを利用させるということは元々不可能なんでありますから、そういうふうな点をよく御考慮を願いまして、電波行政の将来に亘つて遺憾のないような御措置を特にお願いいたしたいと思つております。それがやがて電波の混乱を惹起すようなことがありましては、結局やはり水産界といたしましても相当のマイナスになる結果になるのでありまして、こういうことは申上げるまでもないことでありますが、どうか行政面におきまして円滑に事が進行いたしますように、この機会にお願いいたします。この問題がそれほどまで進んでおらないということでありますれば結構なことでありますが、又こういうような面におきましても、この電気通信委員会といたしましては、特に委員長にもお願いいたして置きますが、そういう面におきまする電気通信委員会というものも、実はこれは私初めてこういうことを新聞に見るような始末でありますので、その点の御配慮も委員長にお願いいたして置きたいと思います。
○国務大臣(田村文吉君) 電気通信事業の現況につきまして御説明いたしますには、現在近く臨時国会並びに通常国会に提案になりまする予算関係を御説明申上げ、又それに関連して現況をお話申上げることが大変よろしいのではないかと考えますので、一応予算関係について、御説明をして見たいと思うのでありますが、尚細かい点につきましては、各局長も出ておりますので、又お尋ね願いたいと存ずるのであります。尚申上げるまでもありませんが、予算は大体閣内でまとまりまして、目下関係方面と折衝中でございますので、まだ申上げることがそのまま国会に提案になるというわけでありませんのでございますので、その点は御了承頂きたいのでございます。
 先ず問題になりますのは、二十五年度の補正予算でありますが、補正予算の皆様の御関心の強い建設勘定の問題から申上げますと、私共の考えからいたしまして、大体原案は七十三億六千万円ばかりの要求をいたしたのでありましたが、結局大蔵省の査定されましたものが、各種の折衝の後二十六億六千万円、こういうふうに相成つたのであります。この大きな補正予算の問題になります点は、用品が傾上りいたしましたものが十億円、それから災害復旧が五億円、ベースの改訂が、これは建設勘定で僅かでございますが、二千二百万円、それに電信、電話の拡張勘定が一億四千二百万、こういうふうに査定に相成つたのでありましたが、実はこれにつきまして三十七億八千万円ばかりの、いわゆる事業遂行能力のございます而も非常に緊急にして止むを得ざる電話の拡張等がございましたので、三十七億の要求をいたしたのでありましたが、これは補正予算の性質上、又財源の関係上差控えて貰いたいということで、大体はこの三十七億がお話がつきませんで、結局大蔵省としては二十六億六千万円、かようなことに相成つた次第であります。損益勘定は極めて簡單な数字でございましたが、これは五十八億一千六百万円に対して、査定案が四十一億二千万円、かようなふうに相成つておるのでありまするが、これは細かい数字になりまするので省略をさせて頂きたいと存じます。
 次に問題になりまする二十六年度の本予算の問題でございまするが、これにつきましては少しく御説明を申上げなくてはならないと考えておりますのは、一番今日各方面におきまして非難の多い電話の問題であります。この電話の問題が先般審議会の決議案によりましても、近いうちに三百万個の電話にどうしてもしてしまわなければならんという、こういう御決議を頂いておるのであります。それにつきまして、早急に三百万個と申しましても到底困難な事情もございますので、大体この五ケ年間に、現在ございます百十万個の電話の外に九十万個を増設いたしまして二百万個にいたしたい。こういう案を立てまして、今年度は平均いたしますると十六、七万個ずつ殖やして行かなければならないのですが、本年度はそうも参るまいというので十三万個電話を増設する。市外線におきましては十二万五千キロ増設をする。かようなふうに考えまして、この建設予算が二百億、こういうことで、これにつきまして大蔵省当局と再三再四お話をいたしたのでありましたが、それに対しまして現在では百三十五億まで、大蔵省の方としては預金部の資金から賄いをつけようということでありましたが、二百億に対しましてはその金額が非常に足りませんで、結局現在の百三十五億の金を以ていたしましては、電話の数にいたしまして十三万個が七万五千個、それから十二万キロの市外線に対しまして七万キロまでの仕事はできるのでありまするが、それでは誠に困るのでありますので、又大蔵省に対して何とかこれが増額について努力をして貰うように目下折衝を続けている次第でございます。但し今の二百億の外に八十七億ほどの再評価額を減価償却いたします場合に、来年度において見込まなければならない増却費が八十七億円ばかりございますので、在來はややもすると減価償却の費用を建設勘定のほうに多く振向けまして新しい線のためにやつた。これは誠に熾烈な世間の要望に応えるため止むを得ずなさざるを得なくてやつておるような状況でありまするが、これがややもいたしますると、基本設備の補充等を怠ることになりますので、怠るという意味ではありませんが、十分に行かない、補充が十分に行かない。取替が満足に行かない。かようなことの結果を招來いたしておりまするので、今のように非常に故障が起つたりして、一般のかたに御迷惑をかけておる大きな原因にも相成つておるわけでありますので、本年度の八十七億の費用は、補充取替のほうに十分にそれを使う。こういうふうにいたしまして、今の不便な状態を一日も早く直したい、かように考えますので、新しい線、新しい電話につきましては、今申上げましたように当省として要望しております二百億の金で何とか十三万個の電話と十二万キロの市外線を建設いたしたい。こういうような計画であつたのでありますが、現在のところ大蔵省としては、その財源の関係等からいたしまして二百億は困難で、漸く百三十五億を振向けて頂いた、こういうような状況であるのでありまして、目下問題は、すでに時期に迫つておりますので、関係方面との折衝に入つております。私共はできるだけ百三十五億を、二百億できませんまでも、何とかして頂きませんと、この電話の疏通状態及び一般の産業、経済、政治、文化等に影響いたしますところが頗る甚大であると考えておりますので、折角努力いたしておる次第でございます。
 以上大体現在の状況を申上げた次第でありますが、街この機会に目下問題となつておりまする共産党のレツド・パージの問題でありますが、これは先般の閣議におきまして、事業の経営に妨害になるような人は、いわゆる大衆のために排除しなければならんというような方針の下に、目下実は調査をいたしております。まだその数及びそれを発表いたします時期は決定いたしておりません。併しでき得る限り愼重に調査をいたしまして、害のない者等につきましてはできるだけ数を減らすことに考えて参りたいと努力いたしております。来月十五日ぐらいまでには、少くも第一次の発表をすることになろうかと考えておりますが、詳細の日取及び員数等につきましては、まだ調査中でございまして申上げるまでに立至つておりません。
 以上大体の現況につきまして申上げました。尚御質問によりまして、それぞれの各局長からお答えいたしたいと存じます。
○水橋藤作君 議事進行についてお諮りをしたいのですが、この予算につきましては、いろいろ細かい点につきまして質問もし、又大蔵省にも強硬にお願いする点も数あると思うのでございますが、何しろ今ここに配られてすぐということでは、十分に勉強しておりませんので、而も時間は一時になつておりますので、本委員会は本日これにて終了いたしまして、明後日もう一回継続して委員会を開催されることをお願いします。
○委員長(寺尾豊君) 水橋君の動議に御異議ございませんか。
○新谷寅三郎君 異議はありませんけれども、明後日開く場合に、本日折角来て頂いた大蔵省、安本の政府委員に必ず御出席願うように、委員長のほうでお取計らい願いたいと思います。
○委員長(寺尾豊君) 石原次長に特にお願い申上げたいのですが、お聞きの通り明後日に開会いたしまする予算に関する問題につきましては、特に主計局長、又は石原次長においでを願いたいのでありますが、御都合は何とかつけて頂けましようか。それではそういうことにお願いいたします。それでは御異議もないようでありますから、明後日十時から引続きまして委員会を開催いたすことにいたしまして、本日はこれにて散会をいたします。
   午後一時一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     寺尾  豊君
   理事      新谷寅三郎君
   委員
           鈴木 恭一君
          橋本萬右衞門君
           山田 節男君
           尾崎 行輝君
           水橋 藤作君
           平林 太一君
  国務大臣
   郵 政 大 臣
   電気通信大臣  田村 文吉君
  説明員
   電波監理委員会
   委員長     富安 謙次君
   電波監理委員会
   委員      網島  毅君
   大蔵省主計局次
   長       石原 周夫君
  参考人
   日本放送協会経
  営委員会委員長  矢野 一郎君