第009回国会 予算委員会 第7号
昭和二十五年十二月五日(火曜日)
   午前十時五十六分開会
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  委員の異動
本日委員平岡市三君辞任につき、その
補欠として小野義夫君を議長において
指名した。
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 本日の会議に付した事件
○本委員会の運営に関する件
○昭和二十六年度予算の大綱に関する
 件
○昭和二十五年度一般会計予算補正
 (第一号)(内閣提出・衆議院送
 付)
○昭和二十五年度特別会計予算補正
 (特第一号)(内閣提出・衆議院送
 付)
○昭和二十五年度政府関係機関予算補
 正(機第一号)(内閣提出・衆議院
 送付)
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○委員長(波多野鼎君) それではこれから予算委員会を開きます。
 大蔵大臣が出席しておられますし、又外國為替管理委員長も御出席であります。
○木村禧八郎君 議事進行についてお願いいたしたいのですが……。大蔵大臣にお伺いしたいのですが、大蔵大臣の二十五年度補正予算を御提出になつたその説明壽の初めに、今回提出の補正予算は、目下編成中の来年度予算と一体的な構想の下に編成されたものであるという御説明なのでございますので、この補正予算を審議する場合には二十六年度予算の内容がわかりませんと、いわゆる十五カ月予算の中の三カ月分だけについて審議するということになりますというと、象の尻尾を審議しておるようなことになりますので、この審議に先立ちまして二十六年度予算の内容について御説明願いたいのです。
○國務大臣(池田勇人君) 補正予算を編成しますにつきまして、朝鮮事変の影響並びにそれが来年度にどうなつて来るかということは頭に入れて補正予算を作成したのでありますが、来年度予算といたしましては、見返資金或いは預金部資金の使い方につきましてまだ考えなければならん点がありますので、御説明する段階には至つておりませんから、御了承願いたいと思います。
○木村禧八郎君 その発表できない理由ですが、発表できない理由はどういうわけですか。もうドツジさんも帰られたわけでして、大体二十六年度予算の大綱くらいはわかつておるはずだと思います。それをお示しにならないで審議しろというのは、これは我々を何か愚弄しておるように思われる。私は衆議院がどうして二十六年度予算の大綱がわからないで二十五年度補正予算を通過さしてしまつたのか、了解に苦しむ。私は二十五年度の補正予算を審議する前に、大蔵大臣は二十六年度予算の少くも大綱くらいは我々に示さなければ、私は審議できないと思います。
 そこで私は二十六年度予算の内容を示してもらいたい理由として、先ず第一に大蔵大臣はこの補正予算の説明に当つて、これは二十六年度予算と一体的な構想の下に編成されたということが、二十六年度予算の大綱をお示し願いたい理由の一つであります。
 第二は、河野主計局長はこの間我々に対して、二十五年度補正予算審議の過程において二十六年度予算の内容を明らかにすることができると、示すことができるということを言明されました。
 第三には、二十四年度の補正予算を我々審議するときに、やはり十五カ月予算として二十五年度の予算大綱を我我にお示しを願つたわけです。衆議院においてもやはり問題になりまして、二十五年度の予算の大綱を示して、そうして二十四年度の補正予算を審議したはずであります。従いまして私は、どうして大蔵大臣がそれを発表できないか、その理由です。政府の都合によるのか、その他の都合によるのか、その点私はお伺いして置きたいと思う。若しかそうでないと、私はこの補正予算の審議は始めるのが無意味であると思うのです。象の尻尾だけ我々に示されて、そうしてわざわざ大蔵大臣が来年度予算と一体な構想の下に編成されたと断わつているのですから、その一番大きな部分が、我々に示されないで審議しても無意味、殊に本会議においては各委員の質問に対して、教育予算についても、農村対策費についても、厚生費についても、補正では少いけれども、二十六年度の予算において十分考慮するのだ、してあるということを言つておるのであります。果してそれがそうであるかどうかを我々わからないで、二十五年度の補正予算を象の尻尾みたいに我々に示されて審議するのは、我々は愚弄されているようなものです。従つて私は、これは委員長においてもお取計い願いたいと思うのですが、先ず補正予算を審議する前に二十六年度の予算の大綱だけでもお示し願わなければ、我々はこの予算を審議することは困難である。こういうふうに考えるのであります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○國務大臣(池田勇人君) 今度の補正予算は象の尻尾ではないのでございます。二十五年度の予算に対しまして、緊急止むを得ないものの経費その他を織り込み、又来年度と同様の方針の下に減税もやつておるのであります。従いまして来年度の大体の予算のスケールはまだ集計しておりませんが、私にはわかつておりまするが、そういうラフなものを御覧に入れることは如何かと思つて、今関係方面と話のついたものは御承知の通りに財政演説にも入れておるわけであります。まだ話のついていないものもありますし、又来年度の予算につきましては、一般会計と見返資金並びに預金部資金の使い方等につきまして、いま少しく検討しなければならん問題がありますので、検討中でございます。
○木村禧八郎君 前に河野主計局長は、予算の審議過程において示すことができると言われたのですが、もうこれからは四日間しかないのです。それでそれをお示し願えないのはどういうのですか。又只今大蔵大臣の御答弁では、政府の都合によつて示すことができないのですか、その示すことのできない理由は……。
○國務大臣(池田勇人君) 政府の都合によつて御覧に入れるわけに行かないのであります。河野主計局長がそういうことを言いましたかどうか、我々としてはできるだけ早く御覧に入れたいという方針で行つておつたので、主計局長が御覧に入れることができるだろうということを言つたと想像いたします。これは彼の推量でございまして、私の責任におきまして、只今編成中でありますので、申上げ得ることは大体ラフのところで、本会で申上げたような状態でありまするが、予算案の大綱として御覧に入れるところまで行つておりません。
○木村禧八郎君 できるだけ早くお示しになる、できるだけ早くというのは、いつ頃のことなんですか。
○國務大臣(池田勇人君) 今私のところで検討いたしておりますのは、公共事業費の問題、地方債の枠の問題、それから國鉄裁定によりまして、一般会計から國鉄のほうへ繰入れるか繰入れないかという相当の金額があるのであります。こういうものにつきましては、いま少しく折衝して見たいというのでやつておるのであります。これを今の折衝の過程に発表いたしますと、今後の折衝にかなり支障を来たすような場合がありますので、話合いの済んだものにつきましては、御質問によりまして申上げまするけれども、これによりましていろいろな狂い起つて参りますので、予算案の大綱として出すことは差控えたいという考えを持つております。
○木村禧八郎君 それは私はおかしいと思う。それならば大蔵大臣はですね、わざわざ来年度と一体的な構想の下に編成されたと御説明されているのです。それでまあその主眼とするところとして、國民負担の現状に鑑みて能う限りの減税をするということ、それから外為の所要資金を一般会計から繰入れる、それから緊急な産業資金の疏通を図る、災害復旧、失業対策、地方財政平衡交付金、國家公務員の給与改善等々挙げている。又財源として価格調整費の不用額、一般行政費の節約、租税の自然増收を挙げているのですけれども、これはみんな二十六年度予算に全部関連しているわけです。それで私は衆議院さんのことを申上げるのは甚だ僣越でございますから申上げませんが、これほどはつきりしているのに、二十六年度予算の大綱が示されないで、この補正予算だけで我々が審議をしたら、我々参議院の権威としてそれはおかしいと思うのです。私は政府の誠意を疑うのです。我々を愚弄しているものだと思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)従いまして、私は委員長においてお取計らい願いたいと思うのですが、この二十六年度の予算大綱が示されないでこれを審議しても無意味ではないかと思うのです。本会議においてもたびたび廣川農相は、農村対策費は二十六年度たんまり盛つてあるから、二十五年度補正予算では少いけども我慢してもらいたい。或いは教育予算、厚生費、皆そういうふうに聞いているのです。ですからどうしても今折衝中で仕方がないという部分についてはこれは止むを得ない。而も政府の都合であると言うのです。政府の都合であるというなら、國会が要求すればこれに対して、政府はきまつたものについては説明する義務があると思う。そうしなければ大蔵大臣は、この補正予算の説明において一体的な構想の下に編成されたと言うことは、私は僣越であると思うのです。一体的でないと先ほど言つておつたようですけれども、はつきりと我々に対しての説明で、一体的構想としてお述べになつている。私は若し政府側において二十六年度予算の大綱が示されなければ、この二十五年度の補正予算だけをここで審議するということは無意味であると思いますので、その取扱いについて委員長から一つ理事会でも開いてこれをお諮り願いたいと思う。甚だ僣越なことでございますが、皆さんにお諮りして頂きたいと思うのですがどうでしよう。
○岩間正男君 只今動議がありましたが、至極尤もなことと思いますので、私はこの点に対して是非委員長からお諮りを願いたいと思うのであります。なお今度回付されましたところの予算案につきましては、これは伝えるところによりますと、非常に問題が多いのではないかというふうに思われます。殊にこの修正問題については、もう与党側におきまして一方的にこれを打切つた。そうしてそれが回付されて来て、而もその中には八十三億の平衡交付金の重要な問題、向うの地方行政委員会におきましては満場一致を以て決定されて、衆議院の予算委員会に申入れられたものが、これについて十分な検討をされていない。而も地方行政委員長がそれに出席して説明する機会さえ与えられなかつた。更に又当院でも非常に大きな問題となつておりましたところの七億四千七百万円の義務教育費國庫負担によるところの過年度支払、この問題は当然法的な措置を今度の予算の中でしなければならない、國鉄裁定の決定に従いまして予算措置されたと同様なこれは価値を持つ問題でありますので、こういう問題につきましては、これを十分に審議されることなくこの法案が回付されて来ておるということにつきまして、我々は重大な関心を持たざるを得ないのであります。従いまして、これは理事会の問題にもなると思いますが、只今の二十六年度の予算大綱並びにこの衆議院のどういうふうな措置によつてこれがなされたか、法的若しくは政治的な経過を辿つて参つたかということにつきましての、できましたならばこれは衆議院の予算委員長の御出席を求めまして、そういう経過について我々は質すということもこれはやはり我々の任務じやないか、こういうふうに考えます。今度のあの野党側総退場という形によつてなされましたこの予算の進行状況に対しましては、重大な関心を國民大衆が持つておると、こういうふうに考えますので、この問題に対しまして、我々参議院が重大な責任を果すべきときに到達して来ておる、こういうふうに思います。只今の木村議員の動議と併せまして、この点を是非取上げて頂きたい、こういうふうに考えます。
○羽生三七君 木村議員の御説に同感でありまして、政府としては二十六年度予算の編成については、折衝の経過をいろいろ述べられねばならない点があると思いますが、併しそういう経過を見るまでもなく、政府自身としてはこういう努力でやつておる、こういう方向へ向つて今自分たちは折衝しておるという大綱をお話願えるのじやないかと思う。で折衝の結果、まとまらない問題もあると思いますが、そういうことをまとめ上げるためにこういう努力が行なわれておる。そういう意味でも大綱というものが示されないはずはないと思いますので、この点については速かに木村議員の動議の通りお取計い願たいと思います。
○委員長(波多野鼎君) 他に御発言はありませんか。木村議員から出ている動議について御発言のかたはございませんか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(波多野鼎君) それでは暫く休憩いたしまして、理事会を開きまして、木村君の動議をどう扱うかという点について相談をいたしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(波多野鼎君) では暫く休憩いたします。
   午前十一時十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時四十一分開会
○委員長(波多野鼎君) 午前に引続きまして予算委員会を開きます。
 先ず最初に報告をいたします。午前の委員会におきまして二つのことが問題になりまして、理事会を開いて意見をまとめるということで休憩に入つたのでありますが、休憩中理事会を開きまして、次のような結論に到達いたしました。その点を先ず御報告申上げます。
 第一の点は、木村議員から出されました動議でありますが、二十五年度補正予算は二十六年度の予算と一体的構想の下に作られたものであるから、この補正予算を審議するについて、二十六年度予算の大綱を大蔵大臣から説明して頂きたい、これがこの補正予算審議の前提になるのだという意味の動議でありました。これにつきまして、理事会では次のように意見がまとまつたのであります。即ち二十六年度予算の大綱についてできるだけ早い機会において、遅くとも明日の午前中までに大蔵大臣から説明をして頂く。なお折衝中のものもありましようし、未確定のものもありましようが、それは未確定のものとして御説明を願えばよろしいし、確定的なものについて大綱を説明して頂くということに決定いたしました。かように決定いたすことに御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(波多野鼎君) では御異議ないものと認めまして、この点を大蔵大臣に申入れることにいたします。
 それから第二の点は、岩間議員からの動議でありますが、これは衆議院の予算委員会における予算の審議の内容につきまして、衆議院の予算委員長から説明を聞いたらどうかというのでありました。これにつきましては、予算委員長にこの委員会に来てもらつて説明を聞くという方法は避けまして、私、参議院の予算委員長が個人的に衆議院の予算委員長に会いまして、その模様を承わつて、そうしてこの委員会に報告するということにきめたのであります。かよう決定いたすことにつきまして御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(波多野鼎君) では御異議ないものと認めます。
 大蔵大臣、今報告したようなふうに理事会で決定し、且つ承認を得たのでありますが、どうかできるだけ早く、遅くとも明日午前中までに大綱の御説明を願いたい。
○國務大臣(池田勇人君) 今でもよろしうございます。
○委員長(波多野鼎君) 只今大蔵大臣から、明年度予算の大綱についての説明があるそうです。
○國務大臣(池田勇人君) 予算の大綱について説明をしろという御要求でございまするが、これは先ほど来申上げましたようにはつきりいたしていないのであります。私は先ず今年度、来年度を通じて大体減税がどのくらいできるかということから始めて行つたのであります。而して又補給金がどれだけ減るかという問題、そうして又輸出入貿易のことを考えまして、輸出超過によりまする運転資金を日本銀行がどのくらいユーザンスで借受けておるか、その足らず前をどれだけ政府が出すか、こういうことが主なる点であります。而して大体来年度におきましては、所得が今年度よりも相当殖える、増收がありますし、片一方では価格調整費の減があるし、又他面外為のインベントリー・ファイナンスの問題がある、こういうことで大体の見当をつけまして、そうして先ず減税が来年度七百億円できる、こういうところから始めて行つたのであります。而して終戰処理費が、どれだけになるか、ああいう終戰処理費も成る程度減らしてもらえると考えております。補給金につきましては、今年度九百億円が六百四十億円になり、来年度におきましては三百億円以下で済むだろう、只今私のところでの数字は二百二、三十億円という数字が出ております。こういう状況でございまして、細かい数字になりますと、まだ未確定なところがあるのであります。
 大体各省予算につきましては、内定いたしました各省予算の案で向うとの折衝で異動がありましたのは、大蔵省所管で税関の拡充強化のために人を殖やせ、こういうのがありまして、大蔵省の分が少し殖えております。それから厚生省或いは文部省の分は、各省とも殆んどこちらから出した通りであるのであります。大蔵省のほうで殖えたのと、それから通産省で外國の機械を買受けまして、製造家にこれを貸与する、これで六億円ばかり予定したのですが、これはほかの方面の金融でつけようというので、これが落ちております。それから建設省で防火施設のための五億円というのが落ちております。大体その程度で、私が作りました予算が殆んど全部認められたのであります。ただ米の価格が五千二百円から五千四百円になり、或いは五千五百二十九円になりそうだ、まだきまつておりませんが、なることによりまして生活保護費その他についての異動が或る程度あると思うのであります。而して全体の問題として、二十五年度の歳出と来年度の歳出とがどういうことになるかということにつきましては、まだ正確な数字が出ておりません。それはなぜかと申しますと、先ほど申上げましたような鉄道への繰入の問題、それから貿易会計がなくなります関係上、緊急の必要なものにつきましての措置をどの程度どういうふうにやるか、こういうような問題もありますし、大体私としては今年度の補正予算の歳出総額六千六百五十一億円よりも下にしようというので、今努力いたしている程度であるわけであります。大綱につきましてはこういう状態であります。
 それから特別会計のほうにおきましては、見返資金の使い方でございまするが、一般会計の金の使い方と見返資金の金の使い方と預金部資金の使い方につきまして調整を加えております。見返資金につきましては、従来と変つておりますのは今朝の新聞にありましたように、ドツジ氏は見返資金からの公共事業費、或いは長期に亘る住宅公庫への繰入等は認めがたいということになつておりまして、公企業のほうは輸出銀行の五十億円、それから農林漁業関係のほうへの繰入という程度にとどまつております。私企業のほうは、大体従来通り海運或いは水力のほうには相当出ます。私企業のほうはちよつとぐらい減るのではないかというふうな気持を持つておるのであります。中小企業は御承知の通り、一四半期三億円を九億円にいたしました。一四半期九億円よりもつと出そうというので、今努力しておるような状況であるのであります。預金部と見返資金との関係は、従来見返資金から出しておりました昨年度の二百七十億円は預金部で肩替りしよう、それから住宅公庫は見返資金が出ませんが、これは預金部のほうから何とか或る程度出そう、こういうことにつきまして、まだ正確なところまで行つておりませんが、そういう努力を続けておるような状況であるのであります。たとえ一般会計から五十億円出しております住宅の分にいたしましても、来年度も五十億出すか、或いは預金部のほうでやつて片一方のほうを少くするか、こういうことにつきましてまだ決断するところまで行つておりませんので、あなたがたが最もお聞きになりたいと思われる財政規模がどうなるかというところの結論まで至つていないのであります。私としては七百億円の減税、財政規模を、インベントリー・ファイナンスを相当やりましても、本年度よりも少くしようということに努力いたしておるのであります。
 なお又問題になりますところの地方債の枠でございまするが、これは話の行き違いがございまして、向うさんは飽くまでも当初三百億円、そうして補正予算に伴うもの、その後の状況によつて五十億円しか殖やさない、即ち本年度内で三百五十億円、こう言つておられましたが、只今のところ全体で三百七十億円までは話がきまつて来ております。私としてはこれだけでは不十分でありますので、今後預金部の他の操作によりまして、できるだけ枠を拡げようと今努力しておる状況であります。以上が大体の大綱であります。
   〔委員長退席、理事石坂豊一君委員長席に着く〕
○木村禧八郎君 只今大蔵大臣から二十六年度予算の大綱についての極めて大まかに話がありましたが、これがコンクリートになるのは大体いつ頃なんでございますか。
○國務大臣(池田勇人君) できるだけ早くいたしたいと考えておるのでありまするが、今いつとははつきり申上げかねる状態であります。私といたしましてはいろいろな点を総合的に考えて、ゆつくりと申しまするか、半日ぐらい考えた上できめたい、こう毎日朝から晩までこちらのほうへ出ておりまして、決しかねておる点がありますので、成るべく早くにきめたいと思つておりますが、いつまでにきめるというあれは考えておりません。
○木村禧八郎君 ドツジさんが見えられまして約二カ月折衝されたのですが、その結果今お伺いしますと、非常に重要な点において未解決な点がまだあるようでございますが、二カ月の間、我々としては、何を折衝されたか、その結論は何であつたかが非常に疑問に思う。二カ月も折衝されてまだそれが確定しないという事情についてどうも我々納得が行かないのですが、その点はどうなんですか。ドツジさんは一応の結論を出されて帰つたのではないですか。これは我々推測できませんからわからないのですが、この点はどうなんでしよう。
○國務大臣(池田勇人君) ドツジさんとしては、一応の結論は出されたと思います。一昨々夜でございますか、夜の九時頃まで会いましたけれども、なかなか結論が出ない、話がまとまらなかつたところ、昨日私に成る問題につきましてメモランダムが参りました。これはこうだ、こう言つておられます。それでそれじやその通りにしますかということになりますと、私はまだ考える余地がある。それで司令部のほうにまだ話の余地が私はあるものと考えておるのであります。
○木村禧八郎君 大蔵大臣は、まあドツジさんは一応結論を出されたけれども、まだ折衝の余地があるというので、愼重に更に折衝を続けられるという点は、我々了承できるのですが、併しまだ非常な重要な点について、この補正予算を審議する上において我々知つて置かなきやならない点があるのですが、その点については具体的に御質問申上げますが、差支なかつたらお答え願いたいと思う。その第一は、平衡交付金はどのくらいにお見込ですか。
○國務大臣(池田勇人君) 平衡交付金につきましても、実は補正予算の場合に千五十九億で出しましたが、その後できるだけ殖やしてもらうように話をいたしまして、提案してあるように千八十五億になつておるのであります。私は来年度少しでも、たとえ五億円にしても十億円にしても殖やしたいという気持を持つております。
○木村禧八郎君 この点についてはこの前に発表されました二十六年度の平衡交付金より五億か十億くらい余計にしたい、こういうような御答弁ですね。それでまあ一応それはわかりましたが、これは地方財政委員会が出されたのと非常に大きな差があるようで、問題であると思うのですけれども、それは一応そういうふうに了承しまして、もう一つお伺いしたいのは、公共事業費がやや減る、こういうお話でしたが、失業対策費と公共事業費との関係はどういうふうになりましようか。前に七十七億五千万円ですか、失業対策費ですね。それは一般公共事業費を千六十六億ですか、この前発表されたやつ、それと一緒に含めての七十七億五千万円だと思つたのですけれども、公共事業費が減りますと、失業対策費のほうはどうなるのでしようか。
○國務大臣(池田勇人君) 緊急失業対策費は御承知の通り今年度四十億、今回の補正で十五億殖やすと合計五十五億でありますが、来年度は私が要求いたしましたように七十八億になつております。それで話が進んでおります。公共事業費のほうは千億余り一応きまつておるのでありますが、見返資金から出ないということになりますと、如何にも少な過ぎる、こういうふうな気持を持つております。併し何分にもこれは今度は地方で成る程度の負担をすることにいたしておりまするから、事業分量は成るべく減らさないようにと、こういうふうな考えの下に進んでいるのであります。
○木村禧八郎君 私はまだいろいろお尋ねしたいことがあるのです。又二十六年度予算の大綱についての御説明としてまだ不満の点があるのですが、併し一応大蔵大臣が大綱を示されましたので、私はこれに基いて今年度補正予算の審議に私は移りたいと思います。そこで私の質疑は一応ここで保留いたしまして、あと順次ほかのかたの質疑に移りたいと思います。
○佐多忠隆君 今の問題に関連いたしまして、先ほど二十六年度予算の大綱をお示し願つたのですが、それの前提條件として二十六年度の一体財政金融状況といいますか、経済状況といいますか、そういうものがどうなるかという大きな見通しがあつて、その下で今の二十六年度予算も、更には二十五年度の補正予算も出て来ておるものと私たちは承知しているのですが、従つてこの最初の大蔵大臣の御説明を聞いたときに、大蔵大臣お帰りになつたあとでしたが、今申上げたような問題に対してドツジ氏にいろいろな資料を出しておられると思うのでありますが、それの資料を差支えない限りにおいて御提出を願いたいということをお願いして置いたのですが、まだ出て参つておりませんが、これはどういうふうになつておりますか。
○國務大臣(池田勇人君) ドツジ氏に特別の資料というものを私は出しませんでした。ただ私が向うへ行きます場合にいろいろな統計の書類をこしらえました。その後その統計を附加えて出したのは出しましたけれども、持にこれという資料は出しておりません。ドツジ氏は日本銀行の統計とか或いはスキャツプの統計、それから大蔵省の刊行しております統計等を日頃から十分見ておられましたので、特にこれという資料はなかつたかと思います。
○佐多忠隆君 その点一つそれでははつきりどういうものをお出しになつたか、そしてそのうちのどういう資料がこつちに頂けるか、これを一つはつきりさして頂きたいと思います。
○國務大臣(池田勇人君) 整理いたしまして、できるだけ御覧に入れるようにいたしましよう。どういうのがありましたか、今ただその話合いのときにちよいちよいとした、例えばこの会社の利益はどうかというようなことの資料は私は出しませんが、例えば十八の代表的会社で、前年に比べてこれくらいの利益が殖えた、大阪方面ではどうだ、こういうことは資料を持つていなくても日頃頭にあることで、資料としてお出しするほどの材料は大体完備しておりません。
○佐多忠隆君 そういう断片的なものは結構ですが、そうでなくて、私が特にそれを非常に重要に考えておるのは、大蔵大臣とドツジ氏との間で、恐らくインベントリー・ファイナンスをやるかどうかという問題をめぐつて、今後の日本のインフレ傾向といいますか、インフレ要因というものを、交渉するときにどういうふうにきめるか、今後の日本経済をどういうふうに判断するかというような問題について相当いろいろ話合いがあつたことと思いまするので、そういうものを判断するに足る資料を特別にお作りになつて出しておられるならば、これを出して頂きたいというのです。
○岩間正男君 今のに関連しての質問であります。先ほどの説明の中で、来年度のインベントリー・ファイナンスがどのくらいになりそうか、お答を願いたいと思います。
○國務大臣(池田勇人君) まだ細かいところは検討いたしておりませんが、大体五百億円程度になるのではないかと思つております。
○岩間正男君 次にもう一点伺いたいのは、國際情勢が又最近ものすごく変化しつつあるのでありますが、この補正予算で、政府が今度組みました予算を見まするというと、朝鮮事変の影響というものが最初は入れられていなかつた、そうしてそれがドツジ氏との交渉経過においてとり入れられたということを言われておるのでありますが、来年度の二十六年度の予算、こういうものに対して、今の國際情勢の変化によるその後の財政経済の変動、それをとり入れるお考えか、その変更があるのかどうか、この点を重要だと思いますからお伺いしたいと思います。
○國務大臣(池田勇人君) 朝鮮事変の影響は、初め予算を編成いたしますときには故意に入れずにやつたのです。入れるのを忘れたということではなくて、故意に入れずにこれを作りました。それからだんだんはめ込んだ、こういうふうにすることが予算を編成する上に手取り早いという考えで行なつておるのであります。最近のこの四、五日の情況によりまして、来年度予算にどう影響するか、こういうふうな御質問でありましたが、私はこの國際情勢がどうなるかということははつきりし上げられませんが、大体いろいろに考えられて、その範囲のものを十分織り込んでおる覚悟であるのであります。この点は予算を提案いたしましてからお話申上げてもいいと思います。
○岩間正男君 この新しい情勢の最近の変化というものの見通しを入れておられる。そうしてさつき発表されたようなことになつておる。こういうことは如何ですか。この点もう一度明らかにしてもらいたいと思います。
○國務大臣(池田勇人君) ここ四、五日様子が変つて参りましたが、これはドツジ氏との話のときには言つておりません。朝鮮事変だけに限つておるのであります。國際情勢がどうなるかということは、ここ四、五日の状況だけではなかなか逆賭しにくいのであります。私といたしましては、大概のことなら大体賄なえるような数字を持つて来て予算を組んでいる考えでおるのであります。
○岩間正男君 大概のことは賄うというお話でありますが、あとこれが予算が成立するのに二、三カ月の期間があるわけなんです。三、四カ月になるかも知れません。そういうことになりますと、そこに大きな情勢の変化が現実的に起つているのでありますが、そういうような一つの修正をしなければならないというようなことも可能だと考えられるのでありますが、そういうことは、これは考慮に入れておられるわけですか。現在は故意にそういうものは入れないと、そういうことになるわけですか。
○國務大臣(池田勇人君) それは今後四、五カ月の間に世界がどうなるかというふうなことを大蔵大臣が軽々に考えて予算を組んで行くべきではありません。然るに来年度の予算を提案いたしましても、非常な問題が変つて来れば、あなたがたで適当にお考えを願わにやなりませんでしようし、又我々としても情勢が変つて来れば、いろいろな手を打たなければならないことは当然であります。
○理事(石坂豊一君) 岩間さんちよつと……。この際ちよつとお諮りいたしますが、二十五年度政府関係機関予算補正(機第2号)ですか、参つております。その修正について大蔵大臣から発言を求められておりまするから、皆さんへの答弁のあとに継続して発言をして頂くことにいたします。では岩間君。
○岩間正男君 只今の蔵相の答弁から総合いたしまして、今後そういう情勢の変化によつて予算の大綱が変ることも、そういうこともあり得ると、こういうふうに確認したいと思います。
○國務大臣(池田勇人君) そういうことは当然のことだと思います。
 今委員長のお許しが出ましたので、当初出しました二十五年度政府関係機関予算補正(機第2号)を修正いたしましたので、
   〔理事石坂豊一君退席、委員長着席〕
それにつきまして御説明いたしたいと思います。日本國有鉄道職員の給与につきましては、先に本年三月十五日、公共企業体仲裁委員会の仲裁裁定がありました。この裁定については公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基きまして、第七回國会に対して國会の議決を求め、その後本國会においても継続審議せられておる法案でありまするが、今回衆議院においては昭和二十五年度において四十九億五千百八十一万三千円を限度としてこれを承認し、残余についてはこれを承認しない旨の決議があつたのであります。よつて政府といたしましてはその趣旨に従いまして、先に提出いたしました昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第2号)に修正を加える必要が生じましたので、ここに同補正予算を修正いたすこととし、昨四日、衆議院の承諾を得た次第でございます。機第2号を修正いたしました点につきまして御説明いたしました。
○木村禧八郎君 先ほどの二十六年度予算の大綱についてちよつと質問いたしましたので、三点お伺いいたしたいのです。その一つは、大蔵大臣は予算規模は二十五年度よりは、六千六百五十一億よりは少しく下廻るようにしたいとおつしやいましたが、これは特別会計をも含めてのお話かどうか、その点が一つ。それから二十六年度予算編成の基礎になりました給与べースを幾らと見積つておりますか。それから米価を幾らに見積つておりますか。この三点に対してお尋ねしたいのです。
○國務大臣(池田勇人君) 予算の規模につきましては、私は一般会計について言つておるのであります。特別会計は資金関係がありますので、今はつきりしたことは申上げられませんが、これも或る程度減るのではないかと思つております。私の申上げておるのは一般会計だけでございます。次に給与につきましては、今御審議願つております平均千円の引上げを踏襲して行こうという考えであります。なお来年の年末には平月分の賞与を出すように組む計画でおります。米価の問題につきましては、一応予算は五千五百二十九円というので組んでおります。それから来年の米は多分一九五パリテイであつたと記憶いたしております。
○委員長(波多野鼎君) それでは伊津君。
○伊達源一郎君 やめました。済みました。
○下條恭兵君 私は安本長官にお尋ねいたしたいと思います。先ず第一に朝鮮事変以来、日本の経済にいろいろな影響を受けておると思います。又昨日木村委員からの御指摘もあつたように海外の物価にもいろいろな変動があると思うのでありますが、今大蔵大臣から二十六年度の予算の大綱を伺つたのでありますけれども、この予算の大綱を組立てますための二十六年度の日本経済の推移に対して、安本長官はどのような見通しを持つておられるか、この点が一つと、従つてこの安本長官の見通しに従つての代表的物資の生産見込額並びにこれに伴う重要物資の輸入の計画等をお尋ねいたします。
○國務大臣(周東英雄君) 来年度の予算と復興する日本経済の見通し、計画というお尋ねでありますが、これはいろいろの観点がありましようが、仮に大体におきまして来年度における日本の輸出入の関係をどう思つているか、國際收支の変動をどう思つておるかということは、一つの大きな問題になると思います。結局内地における生産の増強を図つて行くにつきましても、その大きな要因の一つは、貿易の基礎を固めることであると思います。幸いにして本年度の貿易の関係も一時輸入等が四月をエポツクとして下つておりましたが、最近は又八、九、十とだんだん上昇いたしておりますし、輸出につきましては、御承知のように一般の輸出はもとよりのこと、朝鮮事変等の影響を受けまして特別需要が殖えておる。これを合せますと、輸出の関係もかなり殖えて参つております。従つてこの状況が今後に如何なる形をとるかということについては、國際情勢の見通しなり影響というものがありますから、手放しで楽観はできないとは思いますけれども、少くとも私どもは来年度におきまして輸出入の関係を十四億ドル前後に今考えておるわけであります。輸出につきましては、特需と一般輸出と合わせまして大体十三億ドル前後、それから輸入も大体その前後のものではないか、かように今考えております。そういたしますと、ややバランスが合つて参るかと思つておりますが、実は生産がそれではどれだけに上昇するのか、こういうことであります。品目別にちよつと数字は持ちませんが、とにかく鉱工業について考えて見ますると、朝鮮事変の影響もありますから、これも一概に楽観できませんが、少くとも七――十一月の鉱工業の生産の率を一〇〇と考えたときに、この下半期においては非常に殖えまして、最近は十月末において一〇六%というような形に殖えて来ております。従つて率的に考えれば、来年度はこれをできれば一二六くらいに持つて行きたいというのが今の見込であります。これに関連いたしまして必要な重要生産原料というものを、できるだけ早く輸入をいたしたい。又それに伴うて外貨ドルの増加、並びにそれに伴う輸出の手続一切についてでき得る限り迅速に行くように処置を考えつつあるということだけを申上げておきます。
○下條恭兵君 只今安本長官は、輸入の実績は非常にいいと言つておられるようでありますけれども、大蔵省の調査によりますと、一月から朝鮮事変の起きました六月まで、四月が一番多く、四月が三百二十六億、六月において二百五十六億ぐらいでありましたのが、七月に入りますと、ぐつと減つて二百十九億、八月が百三十九億、九月は百五十億というふうに減つておるような数字が出ておるようですが、非常に多いという説明ですけれども、この点を一つお伺いいたします。
○國務大臣(周東英雄君) 今の数字は何におよりになつたか知りませんが、先ほど申上げましたように、輸入については四月が一番頂上でありまして、五、六月とちよつと減りましたが、その後八、九、十とだんだん上昇して参つておるということを申上げておるのであります。今数学的に申しますと、貿易局の統計でありますが、四月は九千三百万ドル、五月が七千九百万ドル、六月が七千二百万ドル、七月が六千二百万ドル、ここでずつと下つております。八月は六千八百万ドル、九月が六千九百万ドル、十月は七千万ドル前後になるような状況であります。これは御指摘のように四月に比べるとまだ同じような額までは回復しておりませんが、今後においては増加するであろうという見込であります。
 この際附加えて申上げますと、なぜこんなに減つたかということは、一つはかなり輸入関係に関する手続が煩雑であつたということであります。又外貨資金の割当につきましても、従来は四半期ごとにその期に受取るであろうところの輸出額を想定して、その範囲の輸入を許可しておつたというような関係、又一番我々が、あなたがたもその通り御指摘になつたと思うのですが、問題はどこの國から何をどのくらいの金額でというような細かいところまできめておつた情勢であります。而も四年期ことにきめて、大事な先物契約はちつとも認められておらない。こういうことは輸入を促進する上において非常な妨げとなつたと思います。これを七―九の以後における計画を立てるに当りましていろいろ努力をいたしましたら、幸いにして先ず金額においては非常な増額を許可してくれました。従来四―六の関係においては、一億六千万ドルでありましたかと思いますが、輸入外貨予算は七―九月においては約四億四百万ドル、それから十―十二におきましては約三億八千万ドル、そのほかに長期先物契約において一億二千万ドル認められておる。こういうように外貨予算の額を殖やし、先物につきましては、来年度末までの先物契約が認められておる。そういうことで、その上に自動許可制度が認められまして、七―九では約七千万ドルくらいを認められ、十―十二におきましては一億二千万ドル、約二億ドル近くのものが、而も百二十品目くらいのものが早く確実に取れるような金額の契約ができるというようなことで、だんだん自動許可制の範囲も殖えておるわけであります。こういう手続上の問題、それから資金決済につきましても、新聞で御承知の通りと思いますが、ユーザンスの設定によつて、輸入したものについてビルが到着した後、四カ月ほど先に払うことを認められて、金利も安くして行く、そういう事柄がこれからようやく効果を発揮して来る。そういう見込の下に私は一面或る程度殖えて行くであろうという見通しを持つております。もとより私どもも決して國際情勢を無視して、手放しに楽観しておるのではありませんが、問題はそういうことの処置と、できるだけの市場に対する活躍をしてもらつて努力するが、いろいろな関係で制約を受ければ何でありますが、今のところだんだんに殖えておるので、必ずしも悲観ばかりをする必要はない、こういうことを考えております。
○下條恭兵君 私は経済安定本部の総裁官房調査課の調べで申上げておるのでありますが、この資料では少くなつておるのでありますけれども、これは今長官のおつしやる通りであるとすれば大変結構だと思います。併し私は今安本長官にお尋ねしたのは、非常に楽観しておられますが、そうして只今大蔵大臣は朝鮮事変のこの数日の推移については判断しかねるという御答弁であつたのでありますが、朝鮮事変が始まつてからこの数カ月、七、八、九月頃の間に輸出関係でも船がないために非常に神戸、横浜に滯貨が起つたという事実があつた。これは私は自分で見て知つておるのですが、安本長官もとつくに御承知であると思うのでありますが、そういうわけでこういう輸出の滯貨が殖える時期に輸入だけが順調に行つたということは、私の持つておる資料が、或いは私の作りかたが違つておるのかも知れませんが、どうも得心が行かんようにも思うのであります。併しそれはそれといたしまして、今後の輸入に対して輸出が盛んになつて来るということは、勢い原材料が豊富に必要になつて来るということでありますが、今は安本長官は非常に明るい見通しを持つて楽観しておられますが、
 こういう船舶の事情からいたしまして、果して予定のように行くかどうか、この点が私は疑問に思うのでありますが、この点をお尋ねしたいと思います。
○國務大臣(周東英雄君) 船舶の点については、同様に私どもも心配いたしております。併し幸いに今日までの状況は、先ほど申しますように輸入にいたしましても先ほど申上げた状況でありますし、輸出については参考に申上げますと、これどんどん尻上りに上つておつて、嬉しいような心配なような状況であります。船から見ても成る程度確保ができておると見ても差支えないと思います。それは輸出について、同じ先ほどの四月を問題にして見ますと、その当時の輸出が六千百万ドル余り、五月がちよつと減つて五千二百、六月が六千五百、七月が六千三百、八月が七千百、九月が七千五百というふうに上つておる。この中には特需が入つておるのであります。近い所だから行くものもありましようが、かなり船については心配して、今までのところ操作ができております。これに対処して、これは外航船といいますか、外航船の國内の態勢も確立したい。これはまあなかなか急速に進みませんが、併し少くとも私どもは来年、再来年を通じて百九十万トンの計画の下に、年々三十万トン乃至三十五万トンの増加を計画しおります。あなたと同じように最終の輸出、輸入を決定するものは船であるということを考えております。これについては万全の策を立てつ並行して進んでおることだけを申上げて置きます。
 ついでに、ちよつと取消して置きますが、私は先ほど来年度の鉱工業生産を一二六と申しましたが、これは一一
○であります。何ですから、取消して置きます。
○下條恭兵君 安本長官、非常に上手に御説明下さいまして、私も一応安心ができる状況におるように思いますが、併し私がさつきからお尋ねいたしますのは、現に朝鮮事変が起きますると、すぐ神戸や横浜に輸出の滯貨ができた。これは朝鮮事変の予期しなかつた事変が突発したために起こつた現象で、而もこれは二カ月か或いは二カ月半で一応解決を見たと思うのでありますが、この輸出の船舶不足は解決したと思うのでありますけれども、今又このような北鮮の状況なんかただならん状況のとき、又再びこのような状況に達しはしないか。こういう点を私は心配するのであります。而も安本長官おつしやるように、少くも数字を御訂正下さつても、なお且つ二十五年度に比べて二十六年度は鉱工業生産において一割以上の増産をしようというわけですから、二カ月、三カ月又支障を来たすことが起きたということになると、来年度の日本経済に及ぼす影響は非常に大きいだろうと思います。そのような関係からいたしまして、何か突発の事故が起きたようなときにも、余り支障がないような対策を何かお立てになつておるかという点をお尋ねしたいと思います。
○國務大臣(周東英雄君) 朝鮮事変勃発当時に大阪、神戸等の問題についてちよつと滯貨ができて、神戸から出るところを大阪に積み替えたということはお話のようにあるようであります。併し近海のほうについては、むしろあつちこつちと繋船されていた船もかなり動き出した、これは一般に解決がついておる。今のところは先ほど申上げたようにそう不便を感じておりません。只今あとで御指摘のように何か突発のことが起つて、船が使えなくなつたらという御心配のように受取ります。極端に事情が変われば別であります。今日必要な原材料の輸入等については、いろいろ関係方面についても心配をしてくれております。万全を期して行けるかと確信しておりますが、それにも増して私どもはそういうことがありましても、貿易外收入というものを受取つて、できるだけ生産財の輸入原料のコストを下げる意味から申しましても、何とかして今増産を急いで、外航船の手持によつて貿易外の收入を……、重要な一つの部門を解決するように進みたいと併せて考えております。
○下條恭兵君 私、先ほど一番最初に二十六年度の重要物資の生産計画についてお尋ねしたのでありますが、それは鉱工業生産の全体を引据めて一割増産ということを御説明下すつたわけでありますが、それではその中の鉄とか石炭とかいうような基礎物資についてはどのような生産計画になつておるか。ちよつと伺いたいと思います。
○國務大臣(周東英雄君) 鉄とか石炭という細かいものにつきましては、生産計画は政府委員から御答弁を申上げます。
○堀木鎌三君 関連して質問したいのですが……。
○委員長(波多野鼎君) 今の問題ですすか、答弁の前に……。
○堀木鎌三君 輸入の問題について……。安本長官から数字を挙げてやや前途希望が繋げるようなお話があつたのでありますが、実はそれにもかかわりませず、数字を分析して見ると、必らずしも安心できない。いな、むしろ非常に心配しなければならない点があるという私は考えばかりであります。先ほど月別の輸入計画をお挙げになりましたのでありますが、大体上期におきましては、輸入は実は昨年に比してなお且つ減つておるのであります。昨年輸入は七千八百万ドルでございましたのが、今年は七千四百万ドルというふうに減つておるのであります。輸出のほうは、昨年に比しまして千九百万ドル殖えております。輸入が減つておる。それから事変勃発以後数字が逐次上昇したという、無論朝鮮事変勃発以後、政府として輸入の促進のために、先ほどお挙げになりましたような方策をおとりになつたということは私認めるのでありますが、併し率直に申しますと、安本長官もお認めになつておりますように、四月の九千三百万ドルに比しては遙かに低位である。而もその後國際情勢は相当物価が騰貴しておるのであります。
 この物価騰貴を織り込んで見ますならば、必ずしも予期の通り伸びていない。而も外國の情勢を考えますと、相当輸入については困難な状況はすでに現われて来ておるのであります。個々の物資について挙げろとおつしやれば挙げ得るのでありますが、これは省略いたしまして、相当輸入自身が困難な状況にある。ここに横尾通産大臣がおいでになりますが、これはひしひしとお感じになつておることだと私は思うのであります。そういたしますと、長期の資金計画なり、長期の計画なり、自動輸入許可制をおやりになつても非常に手遅れになつておる。私どもとしては、政府といたしましてはむしろ世界的軍拡の状況というものは、朝鮮事変の勃発前からすでに國際市場については、相当買手市場が強くなつておるということは明らかでありますけれども、朝鮮事変によつて非常にそれが促進されたということは明らかだと思うのでありますが、このような数字の示すところによりますと、我が國といたしましては、確かに輸入原材料に対して手遅れ、立ち遅れになつたそのために一方輸出の増強を喜ぶと共に、輸入原材料の不足から、生産面においては相当困難な状況が現われて参ると考えざるを得ないのであります。現にすでに或る種のものについてはその状況が起つておるのであります。こういう点につきまして今御説明になりましたお話以上に私どもは心配いたしておりまするので、その点について安本長官なり横尾通産大臣は、今後どういうふうに実際上お運びになるか。どういうふうに効果的に実績を挙げて見せるという御政策があるか。それも従来と異つた政策についてお考えにならなければならんと思うのでありますが、御見解は如何でありますか。
○國務大臣(周東英雄君) お答えします。堀木君の御質問御尤もでありますが、先ほど申しました輸入関係において、今年四月はピークであるということで、九千万ドル、この中にはかなり従来のガリオアで入つておるものがあり、御承知のように而も商業勘定で民間事業に廻つて、その点からいうとだんだんと上昇しておると見なければならん。私どもは先ほど申しましたように、決して楽観はいたしませんが、併しものによりましては、当初の輸入計画数量よりも、上半期に近い数字が入つているものも将来の國際情勢によつて決して楽観せずに、最惡の場合を考えつつ対処することが必要でありますけれども、又一面余り入らんじやろう、入らんじやろうといつて心配することも私は如何かと思う。現に私ども、漸く七――九以降においては今までの廻りくどい手続上の煩瑣なことも、そういうことが解決されて来ておると思う。そういうことでだんだん民間貿易も殖えて来ておると私どもは確信いたします。今後はもつと國際情勢がひどくなつて、新らしい事件が起るということも予想しつつ、場合によつては必要な特殊の物件については、政府みずからが輸入に当ることも考えねばならんと考えております。そう片方にとりつそういう個々に対する考えをあのように悲観ばかりしていることも私はいけないと思う。私は悲観もせず、楽観もせず、最惡の場合を考えつつ対処する。そうして楽観を戒しめつつ進んで参るということがいいのだと思つております。もう少し見てやらんと……、上昇しておる率の状況は、極く最近の八月以降の上昇であります。而もガリオアで入つて来て、民間貿易が伸びている。そこに一つの貿易の行き方の真理があるのではないかと、かように考えます。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。詳しいことは只今安本長官からお話があつた通りであります。但し先刻からお話しのように朝鮮事変の発展如何によつては、相当に買付でも輸入が困難な場合が生ずるかと思いますけれども、やはり将来予算を早く余計にもらいまして、そうして大体は在来よりも相当額余計に外貨をもらいますので、それによつて輸入を促進するように、且つ現在の情勢におきましては、外國の情勢を視察させるために、昨日通商監をやつたのでありますが、それの報告もありましようから、それによつて國内でも輸入に対して最善を盡すつもりであります。鉄、石炭という細かいことは、必要ならば大体の経過を係官から報告をさせることにいたします。
○堀木鎌三君 私途中から関連質問ですから一応これで、余り細かく入りますことは、又別な観点から御質問の機会が与えられるようでありますから遠慮いたしますが、今通産大臣が、ともかくも外貨の資金を大いに活用してと、こう言われるのでありますが、実はこの点については外貨特別会計の問題で別な角度から論じまするが、ともかくも三億数千万ドルの外為の資金があることは御承知なんです。若しも通産大臣として外貨を大いに利用して輸入の促進を図るとおつしやるならば、今まででもできておるはずでありますが、そうすると今までと違つた性格においてどうするのか、その点を明らかにして頂きたい。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。
 先刻安本長官から今までの輸入の困難であつたこと、その他のことをお話になつたから、それで御了承を願いたいと思います。
○下條恭兵君 只今安本長官から重要物資のものについての生産計画、その他については政府委員から説明させるということでございましたけれども、これは相当広い範囲、尨大なるものと思いまするし、なおこの臨時國会は極めて日数も少いことでございますから、急いで文書で一つ御配付願いたいとお願いして置きます。
 それから私は安本長官にもう一件だけお尋ねしたいと思うのでありますが、日本の基礎産業である鉄は、従来非常なコストが國際市場に比べて高いと言われておつたのが、先ほど堀木委員から指摘されましたように、世界経済の様相の変化から、最近は逆に日本の製品のほうがアメリカの価格に比べても非常に安い、又欧洲物に比べても下廻つて来たと思うのであります。例えば造船用の鋼板などはドル建にして日本の製品が九十二、三ドルかと思いますけれども、現在アメリカでは百二十ドルもするようになつたということでありますし、又鋼材の輸出の実績など見ましても、だんだん輸出が、特需の関係があるかも知れませんが、輸出が殖えて来るのでありますし、又現在どうあつても、このような日本の鋼材に比べてアメリカなり欧洲物が高くなつて来ると、勢い輸出が盛んになつて来て大変結構だと思いますが、その半面には國内の商品は圧迫されて来まして、これは結局輸出のほうに支障を来たして来るというのではないかと思いますが、これに対する対策についてどういうふうにお考えであるかお尋ねいたします。
○國務大臣(周東英雄君) お示しのように鉄鋼及び鉄鋼生産、鉄鋼を原料とする製品の価格がだんだん世界的な価格水準に近寄つて来たといいますか、逆に國際的の価格が上がるのは結構だが、それがために輸出のほうに取られて、國内が圧迫されはしないかということであります。この点は誠に私ども同感であります。國内における鉄鋼を主とする製品の需要を圧迫するということがあつてはならんので、先ず操業においてはできるだけ生産を高めて、内需を壓迫しないように考えておりまするし、只今のところまでは、実は鋼のごとき特殊な用途のあるものについての生産財の値上りは比較的多く、消費財のほうの値上りについては、これは実効価格の統計から見ましても、又卸売統計から見ましても、比較的低く廻つておるということで、今のところそういうえらく壓迫をしておるのじやないのじやないかという見込を立てております。併し将来非常に暴騰して、而も外國のほうがこれに比べて安いということになれば、適当に基礎物資としての鉄鋼の生産について考えて行きたいと思つております。併し何を申しましても石炭及び鉄鋼の生産に関しましては、もう少し合理化する面もあろうと思います。又それらの機械設備等について、コストの引下げについてでき得る限り合理化をいたすべく、合理化をするに必要な資金の供給については只今財務当局とも相談いたしまして、研究を進めておるわけです。こういう面から併せて一つコストの引下げなり世界の競争に堪え得るように持つて行きたいと考えております。
○下條恭兵君 どうも安本長官非常に懇切に御説明下さつておるのに、私のお尋ねと若干ずらしてお答え下さるような気がするのでありますが、私は今お伺いするのは、例えば造船用鋼板を私は例にとつたのでありますが、こういうものがアメリカでは百二十ドルもして、日本の國内は九十何ドルになれば、これは放つて置けば輸出ばかり殖えるということも起つて来るだろうというふうに、私はお尋ねしたのでありますが、従つて今の安本長官の御答弁の様子からいたしまして、近い将来非常に輸出が殖えたりしまして、内需向けが壓迫されるようなことがあれば、そのときは統制を実施するお考えだと、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○國務大臣(周東英雄君) 私どもではできる限り需給の調節といいますか、供給の面を殖やすことによつて、今までの非能率的な統制をやるということは只今のところ考えておりません。
○下條恭兵君 私は日本の鋼材の生産額が仮に五百万トンあつたとしましても、世界経済の中に入れたらちよんびりでありますが、併しこれは安いものが高いほうに流れるのは当然でありますが、その結果として、私が指摘するような現象が起ると思いますが、長い間このことにこだわるのも何かと思いますので、次に移ります。
 今安本長官から鋼材用石炭の合理化をやつて、コストの低下を図ると言つておられますが、そして又炭鉱の機械等の優秀品を輸入して、コストの低下を図ろうというような御計画もあるように新聞で拝見しているのでありますが、これを鉄だけについて見ますと、私は、私の聞くところによれば、生産の大部分を占める一流メーカーにおいては合理化も大体行くところまでは行つてしまつて、少くとも原單位、その他は戰前の水準を越してしまつたということでありますから、現在の設備で合理化を図ると言つても、これはもう行きついてしまつていると我々は見ておるのであります。従つて私はここでお尋ねしたいと思うのでありますが、鉄鋼審議会では製鉄設備の近代化のために四百二十五億か何かの資金を必要だということの答申をしているように思うのでありますが、こういう資金に対して私は、つい最近まで非常に、日本の基礎産業でありますけれども、鉱石も輸入しなければならないし、粘結炭も輸入するということで、生産條件が惡かつたので、従つて國際価格に比べると、國内価格のほうが高かつたのが、今世界的な特殊の事情から当面の國内の日本製品の価格が下廻つておるとしましても、これを長い目で見ますと、又平常な状況に帰つた場合には、又日本製品のほうが壓迫されることになるだろうと思いますので、是非こういう比較的業者も樂だという時代に、設備の改善をするというようなことは大事なことだと思うのですが、こういう点に対する資金の手当なんかに対して、安本長官はどのように御計画でおられるか、お尋ねしたいと思います。
○國務大臣(池田勇人君) 鉄につきましてお話がございましたが、私の知つておるところでは、ピツツバークは大体七十六ドルくらいで、而も朝鮮事変以後公定……一般の鉄の価格は余り上つてないと思います。ただグレーマーケツトのほうでお話のように上つておる。従いまして先般も向うから引合が来まして、こちらの製鉄業者に当つて見たのでありますが、なかなか向うはグレーマーケツトでは買おうとしません。こつちの鉄屋さんも考えまして、御心配のような点も今非常に心配しなければならん状態じやないのじやないかと思つております。品物によりましては、向うのグレーマーケツトより高い。標準値段としては鉄は上つていないと私は記憶しておるのであります。最近の各國の貿易のやりかたを見ますと、やはり國内価格よりも相当高い価格で売つておる。併しそれにつきましても、やはり自國の経済ということを考えながらやつておるので、只今のところそう心配するほどじやないと考えております。なお製鉄或いは石炭、製鉄は四百億円、石炭も三百六七十億円のものを必要とするという答申がございまして、三カ年計画だつたと私は記憶しておりますが、これにつきましては、できるだけ政府の持つております資金を出すような計画を立つておるのであります。なかなか一度ににはできませんので、徐々にやはり製鉄とか石炭などの基礎産業には出して行きたいという考えで進んでおります。
○下條恭兵君 只今の設備改善資金は二十六年度に大蔵大臣は製鉄関係にどのくらいお出しになるお考えですか。
○國務大臣(池田勇人君) 御承知のように、見返資金から製鉄関係、その他雑産業で四十三億、今年度六十億に殖やしておるのであります。今年度製鉄には八、九億出したと思うのであります。なお今年におきましても、この六十億は今二十八、九億しか使つておりませんので、三十億円余りは製鉄、石炭その他重要産業に出す計画でおります。来年度の見返資金からの雑産業は、今年度より減りますが、私は預金部資金を相当出したい。この預金部資金も、一つには、やはり厚生用に、農家或いは中小企業の零細の資金の集りでございますから、その方面に出しますが、又別に重要産業のほうにも出したいというので、計画はいたしておりますが、鉄がどれだけ、石炭がどれだけということは、まだ関係各省とも相談をいたしてございません。
○下條恭兵君 次に私は、鉄の問題が出ましたから通産大臣にお尋ねしたいと思うのでありますが、製鉄用、製鋼用の鉄屑も、大体年間三百五十万トンか四百万トン必要だろうと思うのでありますが、それに対して、國内にあるスクラツプの原料は殆んど出盡しておるというふうに聞いておるのでありますし、又これの解決策として一番いい方法は、たくさん沈んでおる船を引揚げることだろうというふうにも聞いておるのでありますが、一体通産省では沈んだ船のこれから引揚げ得るものがどれくらいあるように考えておるか、お尋ねしたいと思います。
○國務大臣(横尾龍君) 今鉄鋼原料の主なる屑鉄についてのお話であります。これは今年度は先ず御心配は要らない。約五百四十万トンばかりのうちに、自家発生のものが二百二十万トン、それから市中屑が二百三十万くらいあります。それから輸入すべきものが八十四、五万トンあります。併し現在工場に置いてあります在庫が百二十万トンありますから、これを使いますれば本年はまだいいと思います。今のお話の沈船のことであります。尤も沿岸におきまする沈船はほぼ引揚済であるのであります。その他は四十メーター以上の深い所でありますから、引揚げに非常に困難、又は不可能なことであります。先般この前の議会で御承認を得ました低能船の解体、これが約二十万トンくらいはあり得ると思います。それから、実はこれは占領地域でありまするので、これをどうするということを今言うことはできないと思うのでありますが、でき得べくんば、琉球方面にも相当の沈船がある、又各所に相当の沈船がありまするので、これを連合軍の御配慮によつて引揚げさしてもらい、又それを屑鉄にして持つて来ることができますならば、来年の計画も成る程度できやしないか。且つ又國内にもまだ壊れたままの鉄屑がありますので、これらを解体いたして行きたい。併し何と申しましても屑鉄が一番困難なものであろうと思いますから、これらに対しましては先般各市場に視察に行つても差支えないようなことも内諾を得ておるのでありますが、この東洋方面、或いは濠洲のほうにまでやつて調査をしたいという考えを持つております。
○下條恭兵君 まあそういうふうに南方海域まで御調査なさることは大変結構でありますが、私の聞くところによりますと、現在の鉄屑の公定価格が四千円弱であるために、当然引揚げれば引揚げられる船でも、採算が引合わないためにやめておる例があると聞くのでありますが、こういうものに対して屑鉄のマル公を引上げるか、或いは政府が助成金でも出してどんどん促進して行くというようなことに対する御意見おありであるかどうかお伺いします。
○國務大臣(横尾龍君) お答え申します。現在はマル公は四千四、五百円でありますが、これでは到底引合いません。幾らかこれを引上げることは研究中であります。
○下條恭兵君 次に通産大臣にお尋ねしますが、政府は中小企業庁を廃止するとか縮小するかいろいろ言つておられるようでありますが、農村工業が戰後非常に勃興しまして、搾油工場ができたり精米工場ができたりしたのでありますけれども、現在これはあとで農林大臣に別な機会にお尋ねしようと思つていますが、とにかく資金難で非常に困つております。そのほかに原料
 の手当についても非常に苦しんでおりますのに、この現内閣のやり方は、農村の工業はだんだん搾り上げて潰して行く方向をとつているように思うのでありますが、通産大臣としましては、全く典型的な中小企業は戰後農村にたくさんできたのに対してどういうふうにお考えになつているか。又現在までどういう手を盡して育成に盡力されて来られたか、お尋ねいたします。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。只今のお話は、たしか農村用機具のことに対することだつたと思います。農村にある中小企業でございますが、中小企業は我が國の産業に主なる分野を持つておりまするし、これは是非育成しなければならんと思いますが、只今のはたしか非常に小さい工場のようなお話だと思いますが、それに対しましては資材の配給を円満にしたいと考えております。
○下條恭兵君 私は農機具の話をしているのではなくて、日本の農村が敗戰後の実情からいたしまして、何とかして農業の立体化を図ろうという意味で、いろいろな農村工業が農村の中で工場が起つて来た、こういうことを申上げたのであります。例を挙げますと米糠から油をとる工業、これは戰前にもなかつたわけではありませんが、全國的に普及いたして参つております。それからこれは專らいわゆる積雪寒冷地帶の問題でありますけれども、家畜飼料として糠が欲しいために、白米供出を将来原則としてもらいたいという前提から、精米工場をたくさん作つております。然るにこれが最近の政府の施策の方向から行きまして、だんだん白米供出もやらせてくれない。従つて原料の糠もだんだん出て来ない。それで資金のほうでも困つているということを通産大臣御存じかどうか。御存じないように承わつたのでありますが、どういう手を打つているか。こういうような典型的な農村工業、而も金額は一億何がしの少いものながら、復金から融資をして政府が助成して作つたこれらの工場が、政府のやり方によつて立ち行かないような方向をとつておる。これに対して通産大臣はどのような対策をお立てになつておりますか、そういうことをお尋ねしておるのであります。
○國務大臣(周東英雄君) 通産大臣に対する御質問でありますが、便宜私からお答え申上げます。戰時中糠の油のみならず、菜種その他のものから油をとる搾油工場を農村団体の工場として作つて、小規模で敏速にやるということでできたことはお話の通りであります。なおそのほかに小さな製粉工場、農作物の加工工場、罐詰工場というものができております。これらについての状況は戰後における農業協同組合の経済的な事由から、又一つは原材料の供給等の方面から所によつては非常に困つて来ておる部面のあることは御指摘の通りであります。併し今この点は農村工業というものについて全般的に将来の農村の経済のあり方、又過剰の人間をどういうふうにして農村工業等に吸收するかというような事柄を含みつ根本的に考え直さなければならんことだと思つております。この点については一つは農業協同組合の経理上の問題についての改善といいますか、救済といいますか、その点と関連をしておるわけであります。地方的に必要がなくて立ち行かないものはやめなければなりませんが、場所的な関係において見込の拠るものは、更にこれを助けて行くことが必要じやないかと、私は考えております。
○下條恭兵君 一つだけで終りたいと思います。今安本長官は助けるものは助け、潰すものは潰す。こういうような方針だというふうに承わつたのでありますが、私はやはり農村に原料をたくさん渡す意味から、白米供出をどうしてもやらなければならん必要があると思う。この点について安本長官の御意見を承わりたい。
○國務大臣(周東英雄君) 供出問題について、白米供出の点は農村の立場からいうといろいろ問題があると私は思います。併し白米で供出すると、これはかなり保存関係からいうと問題が残ると思います。従来から白米供出か、玄米供出か、更に籾供出かということは常に問題でありますが、成る程度保有しつ時期を経過しなければならんものについては、かなり日米供出は困難じやないかと私は思つております。一方あなたのおつしやる農村に原料を保有するという意味におけるやり方については別にやはり考慮する必要があろうと思います。今のような過小農形態で供出が全体的に少い、要するに農業倉庫に保有されておるものが非常に少いということを考えまして、又一面将来白米供出をしないでも農家自体でやれるようになれば……、これは農林大臣として別に御意見があろうと思いますが、やはり農村地帯に隣接する都市に対する配給について、暫定的にはやはり農業団体が精白して出して置いて、農村に糠を残すという方法もあろうかと思います。そういうのを併せて考慮することが必要であろうと思います。
○下條恭兵君 私一人で時間をつぶすのは恐縮でございますから簡單にいたしますが、今周東長官から、白米供出は品質の低下があるということでござました。誠に御尤もでありますし、これは日本の農業が現在のような封建的な、近代産業の形を成さない場合においては、進歩がないのは当然でありますけれども、これを他の商品について見ますと、白米でありましても、仮に罐詰にしたら鮮度が高くなることは、これは申すまでもないことであると思うのでありまして、米俵を使つておりますのですが、これは何百年使つて来たか私存じませんけれども、而も六千万石取れると、米俵は三億万枚も作つておるわけでありますが、こういうことは誠に國家経済からいつても私はばかばかしいと思つております。セメントは御承知の通り木樽から紙袋に変つておりまして、セメントの袋は恐らく原価一枚二十円から二十五円だろうと思います。パルプの問題もありますが、食糧を輸入するか、パルプ原料を輸入するかという問題、それから大消費地へ向けて出すものは、私はドラム罐詰のようなやり方も考えられると思う。政府はそういうことについて何かお考えになつたことがあるかどうか。最後にこれを一点だけお伺いいたします。
○國務大臣(周東英雄君) 部分的に見ますと、お話のような点は確かにあると思います。併しそれを取入れて全部配給する米を、三千万石以上ですか、仮にあなたの説に従つてやるとなれば、その方面に対する準備がなかなか大変だと思う。事柄は非常によいことでありましても、そこに実施に関する問題を考えなければなりませんし、それから紙袋にいたしましても、米そのものに含有いたしております水分といろいろな関係の作用というものがあるようでございます。これは最近ではありませんが、紙袋の問題は研究されたことはあります。その紙袋を全部保有するについての施設なり、そのほうに使われる紙の分量は非常なものです。いろいろ研究いたしたいと思いますが、只今のところ直ぐに白米供出のみが農村に糠を保有することでなくして、ほかにも考えはありはしないかと考えておる次第でございます。
○羽生三七君 私は簡單なことを一点だけ安本長官にお伺いいたします。日本の自立経済の基本的な方針を自由経済で行くか、或いは計画経済といいますか、経済に計画性を持たせるかという根本的な議論は、この間本会議でいたしましたので、そのことには触れませんが、それとやや関連した問題として、こういうことが考えられると思います。例えば朝鮮動乱、その他世界的なインフレの高進によつて、必ず物価に相当な影響が起つて来る。その場合にも依然として安本長官は自然的な価格調整作用に任して置くのかどうか。つまり何らかの物価対策というものは全然必要とされないのかどうか、こういう問題であります。このことは何故かというならば、物価のほうが自然的な価格調整作用に任されて、それで國民生活は、例えば今度べース・アツプが若干あつたといたしましても、実際には或いは電気、或いは水道の税金とか、或いは地代或いは家賃の値上がりとか、或いは食糧価格も近いうちにずつと上つて来ることがわかつておる。実質上これはベース・アツプが相殺されるにきまつておる。而もそれは恐らく一年に一度かで、何度も改正されはしない。インフレの上昇期におきましてはいつでも勤労大衆は損をしておる。そういう場合でも依然として安本長官は、価格に対して何らの調整をする必要はない。自由放任的な物価対策で國民生活の安定が期せられるとお考えになつておるのでございますか、この点を伺いたい。
○國務大臣(周東英雄君) 私どもは、先ほどちよつと触れましたが、でき得る限りの方策を考えて、供給の確保ということを目指し、需給のバランスを得さしむることを以て第一義と考えております。価格の上昇ということについても、その上昇の原因如何によつて対策が違つて参ります。國際経済に結び付いて原材料の輸入が或る程度確保されるという場合においては、供給力においては、私はそれができさえずれば成る程度の調整はつくものではないか。世界的な國際価格に影響されて成る程度の値上りはいたしますにしても、物を持つていることによつてその間の調節はつくものと思います。あなたの御指摘の点は、多分にいろいろな点を示唆しておると思いますが、戰争中のごとき、供給能力は漸次減少して行く一方であつて、そうして価格が上昇する孤立経済と、ともかくも諸外國、民主主義的な國家においては積極的に輸入をしてやろう、物を殖やしてやろうというときにおける価格の上昇の場合と、その点においては対策はおのずから違つて然るべきだと思います。価格が上つたからといつて、従来のような不合理的な統制がこれに対処して行くゆえんではないと考えております。併し何といたしましても、原則、いわゆる学校での議論ではなくて、政治は実際であります。常に主義で以て統制で行くか自由で行くかというような原則論で政治はできないのであります。場合によつては必要なものの輸出の制限が必要な場合もありましよう。それだけが起つたといたしましても、それでいわゆる自由経済がなくなつたとも考えませんし、私どもはそういう理論的な行き方で政治は進まないと考えております。
○羽生三七君 だからそういう理念的なことは私は申上げないと言つたので、具体的に物価が上昇した場合にどういう態度をとられるか、依然として放任されるかという現実的な問題についてお伺いしたのです。
 なおもう一つ、そういうことが起つた場合に、先ほど申上げましたことをもう一度繰返すことになりますが、一方においては物価が上昇して、実質上のベース・アツプが相殺されてしまうというような状態が起つたときに、この裏付になるような何らかの施策は当然講ぜらるべきものと思いますが、そういうことはお考えになつておりますかどうか。
○國務大臣(周東英雄君) 只今のところは、生計費等に及ぼす影響はまだそう多くなつておらない、專ら供給力の増加、生産の増強というほうに手をつけて行きたいと思つております。但し物価の高騰が、先ほど私言い落しましたのですが、不当な思惑等で上げられた、それが國民生活を圧迫するというような場合においては、八月頃でありましたか、暴利取締というような方向で以つて一つ抑えたことも事実であります。これは私は是非必要だと思うのであります。自由経済というものが不覊奔放な自由であるが故に、國民が迷惑しても、何ぼでも価格を吊り上げていいということではないと思うのであります。おのずからそこに制約があるわけであります。不当な価格の吊り上げによつて、自己だけがよろしいというような行き方が決して自由経済の本質ではないと思うのでありまして、輸出価格が或る程度低く出されるにかかわらず、國内がそれ以上に上げるというような行き方に対して、或る程度の基準を設けて取締をいたしたというようなことは、その一つの例であろうと考えております。
○羽生三七君 私がお尋ねする前に註文を入れて置きたいと思いますが、インフレの要因というようなものは、ベース・アツプとか何とか、そういう問題から来るのではなくて、他にあると思う。その要因の一番大きなものは、朝鮮動乱なり世界的なインフレ傾向だと思う。これは最近の情勢を見ておりましても、我々が安易に考えるようななま易しいものではない、異常な深酷な事態にまで発展する可能性、危險性を十分含んでおると私考えております。そういうような場合に、私達は抽象的な統制経済が惡いか、そんなことを論議しておるのではなしに、そういう可能性が十分予見される場合になお且つ依然として、そういう却つて私の方から言えば、逆にそういう自由経済とかなんとか、統制とかいうことにとらわれて、必要な価格対策を没却してはならない、こういうことは私の杞憂しておる点なんで、こういうことを希望として申上げて置きます。
○山本米治君 今回の補正予算における問題点の一つは、いわゆるインベントリー・ファイナンスの問題であります。折角一般会計からする債務償還をやめたけれども、又々同じようなことをやるのじやないか。新聞等で伝えるところによれば来年も五百億、今度の補正予算で百億でありますが、そういうことが言われております。私は債務償還の場合とインベントリー・ファイナンスの場合と、金融的効果は違うと考えるものでありますが、それはともかくといたしまして、今度の補正予算におきまして、外國為替特別会計に百億を一般会計から繰入れるという必要を生じておるのは、貿易特別会計から五百億繰入れる予定になつておつたのが二百六十億上か入らない。即ち二百四十億予定が狂つて来るわけでありまして、そこに大きな原因があると思うのであります。そこで私は外國為替特別会計と貿易特別会計の資金繰り内容を示して貰いたいと思つて、事務局を通じて資料を要求しておるのでありますがそれはまだ参つておりません。丁度外國為替管理委員会の委員長が来ておられるようでありますから、一つ何故当初五百億予定のものが二百六十億しか貿易会計から入らないか。外為会計としては受身でありますけれども、ごこに問題があるのでありますから、外為会計の来年年度末までの資金繰り、それから貿易会計のほうは所管外かも知れませんけれども、やはり来年三月までの資金繰りの概要が分りましたらお話し願いたいと思います。
○政府委員(木内信胤君) お答えいたします。御質問のお言葉にもありましたように、私どもの会計は受身な会計でありまして、輸出すれば金を払わなければならんという会計であります。今度百億の繰入を得まして、年度末までには従来の借入というものがなくなつて、越年するという関係になるのが私どもの会計の大要であります。当初五百億の繰入れを貿易特別会計から予定されておりましたのが二百六十億に減つたという関係については、私つまびらかにいたしておりませんで、そのほうの責任者からお聞取りを願いたいと思います。
○委員長(波多野鼎君) 貿易特別会計のことについて、御説明のかたはおられませんか。
○政府委員(河野一之君) 貿易特別会計は今年度末を以て終了いたすことにいたしておつたのでありますが、この会計におきましては、清算の結果六百四億程の剰余金が出ると、こう考えておつたわけであります。そのうち五百億を外為会計へ繰入れまして、百四億を貿易会計の予備費としてやつておつたのが当初の予算でございます。結局その剰余金が六百四億というものが三百四十四億減少いたしまして、結局のところ二百六十億しか外為会計に繰入れることができながつた、こういう事情なのであります。この剰余金の減少いたしました原因はいろいろございますが、先ず御承知のように昨年の四月から十月まで即ち外為会計が発足するまでの間におきまして、輸出が相当増加いたしました関係で、貿易会計において相当の資金不足がございました。そうして外為会計ができまして、これを外貨の方はそのまま外為会計のほうに引継いだわけであります。これが約四千万ドル即ち日本の金では百三十九億ほどございます。この分は本来は剰余金となるべきものであるけれども、まあ無償と申しますかそのまま外為会計のほうに引継いだ、それが百三十九億、それから放出関係の主として綿布でありますがこれは約七億ヤールほどあつたのでありますが、この貿易会計で持つておりましたものが値下りをいたしまして、当初予算に考えておりましたよりは安く処分せざるを得なかつた。こういう関係で百二十四億ほど減少いたしたのであります。それから鉱工品貿易公団及び繊維貿易公団におきまして持つておりましたいろいろな原材料等が急速に売れません。これは例えば鉛でありますとか、錫でありますとか又繊維品についてもあるのでありますが、そういつたものが年度内に処分ができないでずれたものが約四十三億ございます。そのほか軍放出物資の代金はこの貿易会計において受取の收入となつたものであり、それは貿易会計自身としての剰余金となるものと予定いたしておりましたが、これは一応の、アメリカ政府と申しますか、そういうものに対するこの会計の一応の債務となつたというような関係が三十数億、こういう関係で当初六百四億のものが三百四十四億円に減少いたした。こういう関係で今年度におきましては外為会計へ二百六十億しか繰入ができなかつた。これが山本さんのおつしやいました理由でございます。
   〔委員長退席、理事野田卯一君委員長席に着く〕
○山本米治君 なお只今お願いしました資料は、外為委員会及び大蔵省主計局でないかも知れませんが所管の通産省から至急に頂きたいと思います。
 次いで最近日英貿易協定が、協定期間の半ばにもなりまして漸く成立したようでありますが、これに関連いたしまして新聞の報道等では、日本ではボンド資金が足りないということが言われておるのであります。貿易の協定が非常に昨年に比べまして二倍近くにもなつておることは慶賀すべきことでありますが、このポンド資金の足りないのは、輸入のシーズンの関係というようなことが多分にあるとは思いますが、これを乗り切る策としてはイギリスの銀行等から信用をもらうことであり、現に従来も二、三千万ポンドでありますが、クレジツト・ラインを持つておるということも聞いておるのでありますが、もう一つの点は、日本は今日輸出が伸張いたしまして外貨そのものとしては非常に沢山あるのであります。ドルは従来硬貨とされましてドルさえ持つておれば、これをポンドにするのは容易のはずであります。ポンド資金の不足のためにポンド地域からの輸入が制限されるというようなことがありますれば、今日の國際情勢上非常に好ましくないと思いますので、こういう点に関しまして、イギリスの銀行からの信用の点、要するに輸入をこういう金融の面からチェツクされることがないように、その実情について外為委員長にお伺いしたい。
○政府委員(木内信胤君) 御懸念御尤もだと思いますので、その点最も努力しております。いまだにイギリスの銀行から信用を借りて資金不足をしのいで行くという方式を得るところまで行つておりません。結論はそうでございますが、その間の事情をもう少し説明させて頂きますと、只今のお言葉にクレジツト・ラインというものが二千万ポンドもあつたはずなのが今どうなのか、それではきかないのかというような御懸念かと思いますが、その点を申して置きます。イギリスからクレジツト・ラインというものをもらつております。今それははるかに殖えましておつしやいました金額の倍ぐらいにはなつていると思うのです。これは併しクレジツト・ラインという言葉は、それだけの金額に達するまで信用状の、何と言いますか、引受けと申しますか、コンフアームと申しますか、コンフアームしてくれるという金額であつて、金を貸してくれるという意味ではないのであります。それですから従来も金を貸してくれるという取決めがあつたわけではありません。信用状の残高から未使用の残高が何千万に上るまでコンフアームを続けるという協定、取決めはだんだん殖えまして今は四千万ポンドぐらいになつておる。これは大変結構なことでありますが、これは現実に金を貸してくれるという協定ではないのでありまして、現実に金を借りるならば別途の方策を講じなければならない。この点協議中でありますが金が足りないからといつて、條件を構わずに借金するわけにも参りません。借金をする以上は、できるだけ有利な條件でしたいと思います関係上、今有利な條件を得たいと思つて交渉中であります。日英貿易は御指摘のように一月から三月頃にかけてどうしても輸入がかさむような季節的変動を起すような性格を持つております。そのときをいわゆるタイド・オーバーするための何らか借金がきくという措置がほしいということを、私ども念願して努力中でございます。
○山本米治君 ドル資金のことはどうですか、ドル資金をポンドに……。
○政府委員(木内信胤君) ドルには比較的余裕があることは御承知の通りであります。それを使つてポンド地域からの輸入をするということは一部現在でもできないことはありません。そのような方式にするには現に金がないわけではありません。一月乃至三月の間に相当な困難なときが来ると思つておりますから、そのときに或いはそういう手段に訴えるかも知れません。これに関してはドルを売つてポンドを買べばポンドはできますが、今度はポンドが余つて来たときにそれが又ドルに還らなくては困る、還らないことを覚悟してポンドを買うというところまでは今のところ考えておりません。ポンドが余ればドルに還してもらうという約束付きで、一時ポンドを借りようということは、只今申しましたいろいろ借金の工夫をしておると申しましたその中に考えております手段の一つであります。
○山本米治君 朝鮮事変を契機といたしましてというか、或いはそれより少し前から、國際経済情勢はすつかり一変しておると思うのでありますが、最近は日本でもやかましく言われるように、先ず物を買うことだ、金など外貨資金を溜めてもしようがないから、少しでも輸入を急ぐということが必要だと強調されておるのであります。又事実その通りでありますが、この輸入を促進するということに関連いたしまして、日本の外貨資金的に見た今後の見通しというようなものが、概要でもお伺いできれば伺いたいと思います。
○國務大臣(周東英雄君) 先ほどお答えを申上げたことでありますが、大体今のところドル資金の保有量は申上げかねるのですが、かなり先行を見越しまして輸入等に関しましては、七月から十二月までの輸入外貨資金の許可額は約九億ドル前後になつております只今一月―三月の問題を外貨資金の予算を組んでおりますが、これもかなり出ると思いますが、一つは必ずしも九億ドル組んだから、それだけ入つてからという意味でなくて、先ほど申しました時期的ズレを考えつ、必ずその期の終りにそれだけのものが受取勘定があつて、支払勘定があるということでなく、これから受取りが先にずれましても終局において辻棲の合うようにということでやつております。そういうふうな輸入計画を立てております。その外に四―六は一億六千万ドルでありましたか中に多少最近契約が破棄されておるというものもありますが、そういう計画の下に外貨資金を使おうとしております。この間外貨についての支払に伴つて、國内資金のこれに対応する準備もそれに対していたしておる。それらが今申しましたユーザンスの関係なり、或いは外為の資金の問題と関連をして来ることでございます。
○山本米治君 只今の質問は実はちよつと言葉が足りなかつたと思うのでありますが、と申しまするのは、従来外貨予算制度ができましてから、関係筋ではややもすると外貨資金そのものを大事にして、予算を非常に愼重にといいますか、そういう組み方であつたように仄聞しておるのですが、私の只今の質問はその点が重点でありまして、先ほども一言しましたように、國際情勢が急変して参りましてからは、余り外貨を大事にするよりは一つの物でも早く輸入することが大事じやないかと、こう思うのでありまして、日本の今持つておる又今後得る外貨資金の使い振りであります。金は惜しげもなくある限りはどんどん使つておるか、そういうやり方であるかどうかと、こういう質問でございます。
○國務大臣(周東英雄君) お答えしますが、先ほどどなたかの質問に対してお答えしたように、一面においては今までのやり方が山本さんのお承知のように余りに窮屈であつたということは事実であります。各四半期ごとに受取らるべき輸出額の金額を予想して、その範囲内にしか輸入を許可しなかつたということで、窮屈でありました。今度は先ほども申しましたように、今日の場合決して外貨が特需その他輸出の関係で殖えておるから濫費せよとは言うのではないのでありますが、併し今の國際情勢を反映して國民生活に必要なものの原材料、又産業復興に必要な原材料、その他諸設備、特需関係に必要なもの等の原材料というようなものについては、でき得るだけ早く輸入するべく長期契約を認め、自働許可制を認め、そうして外貨予算の組み方につきましても、必ずしもその期の終に現実に入つて来る外貨だけをあてにせずに、多少時期的ズレがあるものを予想しても一つの年度の期におけるバランスをとりつ立てて行こうという立場で今進めておるということを御説明申上げて置きます。
○中川以良君 私は大蔵大臣が今おられないのでございまするが、併しこれは経済閣僚のお二人がお出でになりますので、安本長官からでも御答弁を願えれば結構と存じます。
 それは昨日の新聞にドツジ池田折衝終るということが書いてございまして、見返資金の運用、それから預金部資金の利用等につきまして大蔵省の構想が大体まとまつたように見ております。これに対しまして大体どういうような線で決定を見たのか、この間の事構をお洩し頂ける範囲内において結構でありまするから、お示しを願いたいと存じます。
○國務大臣(周東英雄君) この点については先程どなたかの質問に対して大蔵大臣がお答えを申上げました通り、まだ一応新聞にはああいうように出ておりますが、少し事情は違つておるようであります。お答え申しましたように大綱的にはいろいろ指示もあつたが、まだ自分としても納得行かん点もあり、これを交渉が残つておるので只今申上げる時期でないと、こう申しておりました。代つて申上げますが御了承願います。
○中川以良君 私どもあの新聞によりますると、明年度の公共事業費に対しまして非常な懸念を持つておるのでありますが、この点は今御答弁はお願いする筋合ではないと存じまするが、特に安本長官におきましては十分に御主張を頂きまして、公共事業費のやはり見返資金からの確保という点につきましては御努力を願いたいと存じます。
 それから先程来外貨資金の問題については、同僚議員からたびたび質問があつたのでありまするが、今回朝鮮動乱を契機といたしまして外貨の手持が殖えて参つた。これは誠に結構と存じますが大勢の人が申しましたようにこの折角持つた外貨というものは御承知のことくアメリカの物価、國際物価が上昇をしておりますので、持つておるものは次第にこの価値が低落をしておるという状態でございます。然るが故に輸入をできるだけ促進をいたしまして、この間我々は善処をしなければならんと考えております。徒らにこの外貨を持つておつても輸入が促進されなければ、結局日本におきますところの物資に対する思惑が盛んに出て参つて、一方に重要物資の偏在するというような虞れもございます。即ち我々が主張いたしまするところの統制経済をはずした自由経済が円滑に参らないというところに私どもも誠に心配をいたしております。そこで輸入の促進に対しましては、いろいろと努力をいたされておられるようでございますが、先程来安本長官のお話のように、輸入の手続が非常に煩雑である。これらの点に対しましては将来もつと一段の改善をしなければならんと存じますが、この点は一体どういうふうにお考えになるか、この一点。
 それから輸入に対しまするところの金融でありまするが、輸出は、輸出銀行ができましたが、輸入に対しまする金融が今日不円滑である。
   〔理事野田卯一君退席、委員長着席〕
 これらに対しましてやはり政府といたしまして特段の処置を講ずるにあらざれば、折角輸入したくても業者が輸入ができないような状態があると存じます。これに対して如何に考えておられるか。なお又政府が重要物資を或る程度手持をするべく輸入するような御構想があるかどうか。若しこういう御構想があるといたしますならば、政府自体が重要なる物資をお手持になつて、これを必要な時期に放出されれば、國内の需要、特需又輸出のバランスがおのおの保たれまして調節ができると存じまするが、こういうような点につきまするところの御構想をお洩し願いたいと存じます。
○國務大臣(周東英雄君) お答えします。輸入の手続の簡素化と申しますか、現実に速かに輸入が促進するような手続につきましては先程から申上げましたように改善を加えて参りました。この後とも尚その点については施策を進めて参りたいと思つています。
 それから金融の問題でありますが、誠に御尤もな点でありまして、これにつきましては今年の九月、十月でしたか、輸入についてユーザンスの問題を解決いたしまして、今日は輸入の品物についての金融は五億、従来八億のものを五億に下げた、而も輸入品についてのビルが日本に到着後四カ月間先に支払をなし得るような形にまで進めております。この点については必要なる円貨をいかにして獲得するかということについて問題は残されておりますが、一つの解決であつたと思いますが、尚今輸出については輸出銀行ということでありますか、なかなかこれは運用に見込があると私は思うのであります。ブラント輸出その他の機械の輸出について金融を受けるとか、その輸出について必要な機械製品と原材料の輸入については関連的に行けるのではないか。そういうことで私どもはあれを活用するように関係当局、通産省当局あたりにお願いをしておるわけで、これは至急に行かんにしても、何らかこれは輸入だ、これは輸出だというふうに分けんでも行き得る関連的な金融もあるかと、こういうように今思つております。それだけを申上げて置きます。その点については今の國際情勢もあることでありまするし、特定の物資についてはやはり國がどういう形でか今研究いたしておりますが、直接に輸入し保管して置くということが必要であると考えてその施策は準備中であります。幸いにしてできれば来年度予算には恐らく出て参るとかように思つております。
○中川以良君 只今出ました輸出銀行にありましては、我々が承わつておりますところによりますと主として重工業方面が取上げて対象になつておるようでありますが、中小企業その他に対しましてもこれらが融資の対象になるかどうか伺いたいと思います。
○國務大臣(周東英雄君) これは今のところ考えておるように見えますが、輸出銀行自体これから大いに活用していろいろ活かして行くように努力したい。中小企業が國内生産だけの問題でなくて、今度の中小企業信用保險法案、更に又これによつて必要な金融は、見返資金等から一月一億円であつたものが三億に殖やして一期九億になつたというような事柄は、やはり輸出についての狙いを持つておるのであります。一に國内の生産に対する育成ばかりでなく、日本の産業構成からいたしまして、輸出貿易関係の商品を作るにはかなり中小業者が多いのであります。こういうものにつきまして金融の便を与えるというのは政府の考えておる点であります。信用保険法案によつて金融機関が安んじて金融をし、その財源としても今申上げたように殖やしておるという点は一般総合的にお考えになつて差支えなかろうと思います。
○中川以良君 只今の輸出銀行ができましたならば願わくば一つ中小企業者のいろいろな長期に亘る原料の買付資金等もあると存じまするので、そういうものへも一つ適用されまするようにお努めを願いたいと思います。勿論今の信用保険制度、その他見返資金の活用等によつて中小企業は最近相当の金融の点は改善されて参りましたが、まだまだこれでは私は到底足りんと思いますので、この点一段と政府といたしましても御奮発を願いたいと存ずるのであります。それから朝鮮動乱のだんだん進みますにつきまして、私どもの今後の日本の生産の上において懸念をいたされますることは、鉄鉱石それから粘結炭並びに塩、それから南方から参りまするゴムの点でございまするが、殊に粘結炭は開らん炭坑に依存する面が非常に多いので、これらがこういうような情勢になりますると、私は開らん炭を輸入することが不可能になりはせんか。又ゴムにおきましても場合によつては得られないのじやないか。殊に二、三日前の新聞によりますると、ゴムが一応自由買付の対象から除かれておるようなことでございまするが、こういう点非常に憂慮しておりまするが、そういう点に対しましては大体どういうふうにお考えでございましようか。
○國務大臣(周東英雄君) 第一の点でありますが、私付加えておきますが、輸出銀行におきましては当然その下請等の関係にある中小企業に十分潤うように考慮がなされておるそうです。その点は御承知を願いたい。それから生産の増強のために一番重要な鉄等の問題、或いは生ゴム等の問題についての御質問ですが、これはお互いに私どもも心配をいたしておる点もございます。粘結炭の問題について、開らん炭についての計画は当初の計画がありますが、これは当初上期の輸入状況から見まして、下半期の輸入が減るのじやないかという気持は持つておりまして、それに対して補給するためにアメリカの炭を殖やそうと考えております。幸いにアメリカの炭が来れば少し当初の予定よりは減ると思いますが、かなり予定の炭は確保できる。そのほかインド並びにその他の地方における炭も考えて計画をいたしております。生ゴムにつきましては当初年度初めに計画した数量の六割強は上半期に入つておりまして、下半期においての計画も一部はどうにかなるのじやないか。本年度における輸入計画に見込まれておる生ゴムについて今年は心配はないことと思つております。来年度ちよつと問題になると思つております。塩も特別な当初計画に対しまして、場所的にサウジ・アラビヤ地方とか、インドとか、南方インドネシア、そういう方面、すべての面に輸入計画を立てております。上半期は少し手擦えたのです。これはむしろ去年の実際から見て工業用を少し手控えた気持はあつたのです。塩は私は或る程度入ると思つております。
○中川以良君 通産大臣に一つだけお伺いをいたしたいのでありますが、過般特別鉱害に対する法律を作りまして、特別鉱害の補償をやつておりまするが、最近この補償対象をいろいろ御調査の結果、どうも予定の五十億より四億ほど超過しておるというので、業界においては論議をされておりまするが、これらに対しまする御処置はどういうふうになつておりまするか。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。只今の特別鉱害の問題は、予算的に約四億だけ不足しております。これはまだ五カ年間ありますので、その間において然るべく措置をするように考究中であります。
○中川以良君 その四億の不足分に対しまして、各炭鉱から一律にトン二円当りの寄附を取つてこれを補おうというような御構想もあるかのことく伺つておりまするが、これは場合によりますると折角國会できめた法律を、一行政措置によつて法律に代るべきものを作るような結果になりますので、愼重にお取扱を願わしい。願わくばかようなる御処置はおとりにならないように私は切望いたします次第でございます。
 それから大蔵大臣はおられませんけれども、住宅金融公庫ができましたのでありますが、その後この公庫の運用につきましては、どうも当初予定したように活発に動いていない。これは先ず第一に手続が極めて煩雑であること。その他金融業者といたしましてもこれを十分に活用するところの熱意が足りないというような点等がございます。それから対象が個人々々になつて、集団的住宅の対象にしていないというような部面もあるのでありますが、これらのその後における実施の状況、将来に対するところの政府のお考え等を承わりたいと思います。
○政府委員(河野一之君) 住宅金融公庫の今年度における貸付の予定は約十万戸、九万九千六百七十八戸でありまして、そのうち設計等におきまして審査の申告がありましたものが約四万、承認いたしましたものが一万七千七百五十件、貸付けましたものが三十五億八千二百万円、これは十月末現在の数字でございますが、そのほかこの中には賃貸しの住宅というようなものもいろいろ入れてございます。この住宅金融公庫につきましては、只今中川さんからおつしやいまたようないろいろな進捗上につきまして手続の問題等なかなかうまく参らなかつた点があるのでありますが、いろいろな御要望に顧みましてこれが順調に行くように改正いたしまして、又建築の單価につきましてもこれを上げまして、早急に貸出が進捗するように図つておる次第であります。又過般のジエーン台風やキジヤ台風の罹災者につきましては、今年度末までに竣工の見込あるものについては優先的にこれを考えるというような方針で只今進行しておるような状況でございます。
○中川以良君 折角住宅難の緩和のために作りました住宅金融公庫でございますので、今後一層一つ有効に活用せられますように政府のほうでも、格段の御努力をお願い申上げます。
 それから産業復興公団の件について承わりたいのでありますが、産業復興公団は本年度を以て廃止をせられるように大体内定しておつたのが、四月以降なおこれを存続するという議が最近あるように承わつておりますが、これらはどういうふうな実情になつておるのでございましようか。
○國務大臣(周東英雄君) 産業復興公団については一応廃止の予定のようでありましたが、最近における鉄鋼生産に関連しての屑鉄の收集とか非鉄金属の保有問題もありまするが、今どうするかということについて考究中であります。
○中川以良君 産業復興公団が民間保有物資を買上げて参つて来たのでありますが、これについてもう一遍私がお伺いいたしたい点は、産業復興公団がこの保有物資を買上げた、その代償といたしまして政府は二分利の不融通性登録公債を与えております。これをもらいましたものは全く不融通性の登録公債でございますので、処分換貨ができないのでありますが、この中にはたくさんの従来の旧軍需会社がございまして、すでに清算に入つております。而もこの清算を一刻も速かに完了せしむべく、司令部はこれを要求しております。然るにこの不融通性登録公債を持つておりまするがゆえに、この清算が今以てできないというたくさんの会社が今日あるように承わつております。これはどうも甚だ事務的な処理が遅いのではないか。伺いまするところによりますると、この公債の償還は例の見返資金からの償還でなくて、いわゆる産業復興公団が、この保有物資を買上げたものを処分をいたしましてこれを大蔵省に納金をする。この納付金を以てこの公債を償還するように建前はなつておるように承わつております。ところがこの償還が完全に行つていないのは、この納付が遅れておるためにこの償還ができていないように私は承わつておりますが、これらは今日スクラツプその他も相当高くなつておりますので、産業復興公団はもつと迅速に大蔵省に納金をして、速かにこの二分利公債の償還をせらるべきであると存じます。これらの今までの状況その他将来に対する処置等につきまして、一つ簡單に大要を承わりたいと存じます。
○政府委員(河野一之君) 不正保有物資として、或いは過剰物資としての買上代金として、二分利の公債を出してこれが寝ておる。これを早く償還すべきであるという中川委員の御質問でございますが、私どももこういつた公債がいつまでも残るということは本意とせざるところでございまして、産業復興公団の最近の金繰等もございますが、これをできるだけ早く処分いたしまして、この公債の償還の財源に充てますることは勿論でありまするが、又一般会計における債務償還或いは見返資金における債務償還等によりましてこれを事前に償還いたしたい。こういうふうに考えておる次第であります。具体的な計画につきましてはまだ確定的に申上げ得る段階に立ち至つておりません。
○中川以良君 産業復興公団の仕事を一層御鞭撻頂きまして、又産業復興公団よりの納付金でなしに、他の財源から速かにこういうものは償還をして頂くように特にお願いを申上げる次第であります。
 それからもう一つ最後に承わりたいのは、最近各銀行ともいわゆる預金の増加率というものが非常に低下をして参つて、いわゆるオーバー・ローンの状態を呈しております。これに対して預金の吸收をいたしまする意味において、一応廃止いたしましたところのあの無記名預金を復活されるかどうか。又源泉選択預金と申しまするか、こういつたようなものをお設けになる御意思があるかどうか、この点を一つ承わりたいと存じます。
○政府委員(舟山正吉君) 本年に入りまして銀行預金の伸び方は鈍くなつております。その原因はいろいろ言われておるのでありますが、それに対しまして、昔ありました源泉選択課税、預金利子課税に対する源泉課税の選択制、これの採用につきましては、金融関係から見ますと、そういうことでもしてやり直した方がいいのではないかと考えられるのですが、依然として税制の面から見るいろいろな批判がございまして、今日のところ結末を見ておりません。無記名預金と申します問題も、結局この源泉選択制度を認めますれば、仮装名預金なり、無記名預金なりがそのまま暗黙に認められるということになると存じます。問題は同じ性質のものだと思います。
○中川以良君 銀行局としてはその制度をお設けになるのがいいというようにお考えでございましようか、どうなんでございましようか。
○政府委員(舟山正吉君) 銀行局といたしましては、それを認めるほうが適当ではないかというふうに考えております。
○山本米治君 今のお答えで質問の必要がなくなつたかと思いますけれども、今度の補正予算提出に関する大蔵大臣の演説にも最後のところで、資本の蓄積が必要であるということを強調されておる。これはドツジ氏も何度も繰返しておられることでありますし、何人も認めておることでありますが、この点と関連いたしまして、この九月から無記名預金がなくなつたということ、それから只今の源泉課税の選択をする制度ができないということは、私は誠に残念に思つておるのであります。勿論理論的にいえば、徴税方面からいえば、或いは面白くないかも知れませんけれども、この際資本の蓄積の必要は圧倒的でありますので、理窟をつければそういうことも言われるかも知れませんが、私は我が國情といいますか、民度の現状におきましてはこういう制度も設けなければなかなか預金というものはできないと思うのであります。どうしてもその点を実現いたしたい、又新聞紙上等でも銀行協会等でも切望して要望書を出しておるようでありますが、結局実現されない。只今のお話ですと大蔵省当局としても希望しておられるが、実現されなかつたのでありますから、恐らく関係筋とのことに原因があると思うのでありますが、大蔵省当局はこの点本当に熱意をもつて先方と折衝されたものであるかどうか。なお今後も更に交渉される御意思があるかどうかお伺いしたい。
○政府委員(舟山正吉君) 銀行預金に対して現在の如く総合所得で決定すべきであるか、源泉選択を認めるかということにつきましては、大蔵省内におきましても金融担当局といたしましては、是非源泉選択制度を認めて欲しいという要望を持つておるのでありますが、税のほうの建前と必ずしも預金が一致しないのでまだ解決を見ないことになつております。
○下條恭兵君 関連してちよつとお尋ねいたします。年の末通貨の発行高は幾らになる見込ですか。
○國務大臣(周東英雄君) この間通貨審議会を開きまして、一応発行の限度というものを三千九百億にきめたのであります。併し今のお尋ねのように、年末の通貨発行高はどのくらいになるかと、こういうお尋ねは含みがあると思います。私ども審議会全体の意向又財政当局の意見も、一致する点は恐らく年末における各種の情勢から見て、一時的にはこれを超えて出さなければならない情勢だろうと思います。併し実際上の年度末における通貨は現在では減ると思うのであります。昨年の状態と睨み合せましても、一番高いところは年末年始にかけての極く半月かせいぜい一月くらいの間ということを見まして三千九百億円としたのですが、或いは四千億を二百億くらい超えるかとこういうふうに思つております。
○下條恭兵君 それからもう一つ、年度末になつたら大体どのくらいの見込でありますか。
○國務大臣(周東英雄君) 大体いろいろな見方がありますが、一致した意見は三千八百億前後であろう、こういうふうに考えております。
○下條恭兵君 そこでお尋ねしたいのは、只今中川委員から預金増勢がとまつたことが指摘されたのでありますが、昨年はインフレでもう年間貯蓄目標を突破しておつたと思うのでありますが、今年は非常に成績が惡い。そこで年末の金融に対して昨年もいろいろな預金部の資金の市中銀行への預託のような手を打つておつたのでありますが、現在特需景気とかいいますが中小企業などは非常に困つております。中小企業が困るというのは、その中小企業に勤めておる労働者だと思いますが、そういう点で年末の金融がどのように推移するかということについては大いに関心を持つのでありますが、年末の金融に対して果してこのような状況の下で平穏に越年できるかどうか。或いはできないということであればどのような手を打たうとお考えになつておるか、この点を一つ伺いたいと思います。
○政府委員(舟山正吉君) 今年の秋以来の金融情勢は昨年とは大分趣を異にいたしまして、供米代金の支払も順調に進んでおります。輸出関係、特需関係の資金も相当出廻つておるのでありまして、十一月末の銀行券の発行高も三千五百三十五億、昨年に比べまして五百億からの増加でございます。かようにいたしまして金融の基調は昨年と大分違いますので、年末金融対策といたしましても、この際特に金融を緩めるといつたようなことは必要でないというふうに考えております。ただこの金融に恵まれております部面と、一面金詰りで依然として苦しんでおります面とあると思うのでありますが、これら金詰りで苦んでおります面は、例えば下請工業その他中小企業関係において多いのではないかと思いますが、これらに対しましては資金疎通の途を講じたいと思つております。その方法といたしましては、日本銀行の資金といたしまして商工中金に四、五億の資金を供給するとか、或いはこのたび提案いたしました國民金融公庫十億の増資、この資金の大半を年末に放出する、或いは見返資金の中小融資の枠の増加がございますから、これを早急に講ずるといつたような措置を講じたいと思つております。
○木村禧八郎君 さつき銀行局長から、預金の課税につきまして銀行資金の蓄積という面から山本君が非常に強調されて言われましたが、税のほうからいつて難色があるというお話でありましたが、これはシヤウブさんも勧告されたことであるし、それから又譲渡所得についてもドツジさんが大きな日本の脱税の抜穴だということを言つております。従つて無記名の預金もあると思いますが、別に私は非難しませんが、半面において税負担の不均衡が、何らかの対策を講じなければこれは無理だと思いますが、銀行局長は銀行の立場のみからどうも考えておるようですが、税務当局のほうの意見が違うと言いましたが、税務当局のほうの御意見は、これはそんなに簡單にきめられては困る問題ですし、ちよつと御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(舟山正吉君) 只今の答弁で申し落しましたが、かねて懸案でございました中小企業信用保險制度がこの臨時國会に提案になりまして、十二月十五日から施行になる予定でございます。これによりまして既存銀行機関を利用して中小方面に相当の資金の供給をし、年末金融を潤おすことと思います。
○政府委員(忠佐市君) 主税局長が只今大蔵委員会のほうに出席しておりますので、私調査課長でございますが、資本蓄積につきまして財政経済政策の上からいろいろな配慮をいたしますること、これは私ども税を取扱つておるものにつきましても非常に大きな関心を持つておるところでございます。で、税と資本との関係におきまして如何ような政策を必要とするかという点につきましては、いろいろと考えも分れておると思いますわけですが、預金の課税につきましては長年総合課税と源泉課税との措置が行われて参りまして、昭和十五年に至りまして漸く源泉撰択という一つの妥協点を見付けて、総合課税式と源泉課税式との折衷が行われたわけでございます。これが今回総合課税式に改められる結果となりましたわけでございまするが、差当りこの制度を又元に復活する必要がどの程度現下の政策に当つて必要であるか、こういう観点から問題をよく研究する必要があるだろう。そのような見地に立ちまして只今いろいろ各方面の意見もお聞きいたしまして研究いたしておる次第でございます。この点につきましては富裕税の制度ができまして、相当多額の資産をお持ちのかたにつきましては、所得税のほかに財産に対する課税が行われる。で、この財産に対する課税におきまして、土地或いは建物等の中に名義が外部に現われておりませんところの不表現資産につきましての課税の捕捉につきましては、これは非常な困難を伴うことが予想されておりますような次第でございまして、税制の全体の面といたしまして、只今即刻源泉撰択、或いは無記名預金を認めるというようなところに行けるかどうかという点については、いろいろ難点を包蔵しておるように考えられる次第でございます。又いずれ詳しいことにつきましては主税局長或いはその他のかたからお話があるかと思いまするが、大体私ども考えておりまするところを申上げますと、以上の通りでございます。
○木村禧八郎君 資本蓄積という問題が非常に大きく今後の政策で取上げられておりますが、大体資本蓄積の仕方として、これまで二つの構想があるわけですが、一つは強制的な税金の上で蓄積して行く、もう一つは税制の上から税金を負けて、いわゆるシヤウプ的な任意的な資本の蓄積の仕方、政府はどつちにウエイトを置いて行くわけですか。大体本年度はドツジ式蓄積の方法とシヤウブ式の蓄積の方法と二つ重なつているわけです。ドツジ式の方では大衆から非常にたくさん税金を取つて蓄積し、シヤウプ式の方では高額所得者、大法人にうんと税金を負けて蓄積して行く、こういうやり方のようでありますけれども、大体どつちにウエイトをこれから置いて行く考えですか。その点を一つこれはまあ銀行局長から、或いは安本長官から。
○國務大臣(周東英雄君) お答え申上げます。なかなかむずかしい問題ですが、これは併しどつちを重く置くという問題じやなくて、日本の現在の経済の情勢に応じつ、一は税金のほうへ、一は民間企業自体の内部について資本蓄積の方向へ持つて行くことが両々相通じて行かなければ、打砕かれた日本経済の再建のために必要な資本蓄積が困難だと私は思うのです。お説の点は十分わかりますが、この点はよく今後に対する施策の上に研究を続けて行きたいと思います。
○中川以良君 税の問題について一、二点伺つて私の質問を終りたいと存じますが、第七國会で所得税法が改正になりまして青色申告制度が実施されるに至つたのでありまするが、これによつていわゆる税務署の一方的修正決定というようなことができないようなふうになつたのであります。ただこの青色申告制度が非常にむずかしいので、特に中小企業等におきましてはなかなかこれを採用していない。懸命に努力をして採用しておるものに対しましても、ややともすると帳簿を否認しててんで税務官吏が問題にしないというような向きがあるように思います。こういうようなことがございますと、結局中小企業等は努力をし、人を増して青色申告制度を採用してもしなくても同じだというようなことに相成るので、この折角の改正が何にもならんことになるのであります。こういうような点について一体どういうような実施状況になつておるか、先ず承わりたいと思います。
○政府委員(忠佐市君) お答え申上げます。実は担当は國税庁のほうになつておりますわけでございますが、只今私が手許に持つておる数字によりますと、法人といたしましては十五万ほどの法人が青色申告の届出をいたしております。それから個人につきましては二十七万人ほどの納税者が申告をいたしておるような状況でございます。
○中川以良君 どうぞ一つ折角のこの制度を十分に一つ助長活用せられるように当局が御努力を賜わらんことをお願い申上げます。
 なお税務官吏の状態につきましては毎回これは問題になるのでありまするが、依然としてまだ誠に遺憾な点が多いと私は思いますので、これらの点一つ十分に監督を巖にして頂きたいと思います。それから税務署のいろいろな事務の取扱上につきましても、例えば督促状のごときはもう一律に入つた人も入らない人も出しております。いわゆる收入のほうとそれから督促をするほうとの関連性が全くない。これがために多数の人を要し、又多数の人を使い非常は無駄な経費を使つている。こういうようなことはもう枚挙にいとまないたくさんの例が私はあると存じます。殊に調査等に不馴れの学生のアルバイトを使いまして、非常な権限を与えてやつているというような点等もございましようし、これらの点については一つ一段の革新をお願いいたしたいと思います。いま一点一つその督促状の点がどうも毎回やはり我々のほうへもやつて来るのでありますが、こういうのは一体どういうふうに御監督になり、どういうふうに御指示をされておるのでございましようか。
○政府委員(忠佐市君) お答え申上げます。税の納税の時期に二通りございまして、申告納税のほうは税務署のほうの帳簿に載つておりまする税額と、帳簿に載つておらない税額とがありまして、これは郵便局、或いは銀行に払込まれました税金が、その払込票と申しまするか、原符と申しておりまするが、原符が税務署に廻りまして、納税されたか、されないかがわかることになつております。それから税務署から納税告知書、納税切符を出しまする分は、税務署に台帳ができておりますので、その台帳と只今申上げました納税の原符が戻つて来ることによりまして整理をいたすようになつております。そこでこの銀行或いは郵便局に納税されました場合において、原符がいつ税務署まで戻つて来るかという速度の問題でございますが、一両年前まではこの期間が相当かかりまして、実際には納税されておりまするけれども、税務署の帳簿にはそれが載らない、或いは納税者が自発的に納税をいたしました場合に、税務署の帳簿に全然載つておらない。こういう関係がありまして、その整理に暇どつたというのが実情であろうと思われます。そこでなお税務署の内部組織、体制におきましても若干遺憾の点がありまして、それがいろいろ納税者のかたがたに御迷惑をおかけいたしました原因であろうと思いますですが、最近は金融機関の窓口から税務署に原符の到着いたしますまでの期間が、大分改善されて参りますと同時に、税務署の内部機構におきましてもできるだけ改善するような施策をとつておりまするので、最近は大分改善されて来ておるように考えております。なお若干の点まだまだ遺憾な点がございまするのですが、これは極力そういうすでに納まつておる納税者に対しまして督促状が出るというようなことのないように、いろいろ指導もし施策も講じておるという次第でございまして、もう少し時間をかして頂けますならば、これは御満足のいくような程度まで進むことができる、かように考えておる次第でございます。
○中川以良君 委員長、終りました。
○櫻内義雄君 私は横尾通産大臣に二、三お尋ねしたいのであります。それは鉄鋼の補給金の撤廃に関する問題でございますが、昭和二十六年度においてはこれを全廃するという方針を立てておられるのでありますが、先般来のいろいろの通産省と大蔵省との間の交渉の経緯を見て参りますと、通産省におきましては銑鉄助成金として相当額の要求をしておつた。そうして大蔵省はそれを二十一億円に査定をした。然るにこれは自由党の首脳部と通産省、或いは大蔵省の首脳部のかたがたの懇談の結果これが全廃になつたというのであります。この場合におきまして、通産省としてはどういう基本的な方針であつたのか、これは党の方針として補給金政策はいけないであろうというので、この銑鉄助成金というものが削られてしまつたのか。通産大臣としてのその点の御見解を先ず承わりたいと思うのであります。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。補給金の問題でございますが、私は産業は成るたけ自立的に行なつてこそ改良もでき、又改善もできるものと思うのであります。併しながら時期によりまして又ものによりましては、お話のように補給金の必要なものあると思います。銑鉄補給金に関しましての二十六年度の話でありまするが、これは私は相当額もらえますならば非常に有効であるかもしれませんけれども、予算に出ましたような二十一億でありますと銑鉄の生産高に比しましてトン当りほんの僅かなものになると思います。そして又それが生産費になつて行きますと、又生産コストの非常な少いパーセントのものになると思うのであります。一方我が國の経済面から、財政面から見まして、そのパーセンテージの低いものを供与することは、私は他にそれよりも重要なるものがあり得ると思いましたので、その僅かのパーセントでありますならばこれを製造業者の創意によつてそれをカバーして頂きたい、こういうふうな考え方であります。併しながら一方におきましては、又これを在来入つて来ております品位の低い鉄鉱石をやめて品位の高い鉄鉱石を入れることに努力して、一面今申上げました補給金を取り去つたのに対し、それの代りとして政府としては努力して行きたい。こういう考えで、私はそのときの補給金の問題に対しましては、補給金の申出を取止めたのでございます。かように御了承を願います。
○櫻内義雄君 どうぞ大臣そつちへおかけになつて下さい。通産大臣の今の御説明は、その御説明としては一応わかるのであります。しかしながら通産省といたしましては、当初大体百億円くらいの銑鉄助成金をお考えになり、これを又安本でも同じようにお考えになつたのじやないかと思います。大体トン当り三千円くらいの助成金の必要を認めておつたにもかかわらず、これがいろいろの折衝の結果全廃するというところに、私どもの納得の行かない点があるのであります。三千円も助成金の必要を認めておりながら、それが大蔵省の査定によつてトン当り七百円くらいの二十一億円になつた。そして更にこれはそのくらいの僅かなものは出してもしようがないからやめたというのでは、これは通産大臣としての考え方の方針としては、私は非常な矛盾があるのじやないかと思うのであります。この点をお尋ねいたします。
○國務大臣(周東英雄君) 一応御尤もな御質問であります。通産省からは鋼鉄の重要な点に鑑みまして、当初は計画があつたことは御指摘の通りざつくばらんに申上げます。併しその点をやめたというのは必ずしも金額が少いからということだけではなくして、従来からも補給金というものは予算上組まれておつたし、その後における國際価格の変化、國内における諸情勢の変化によつて、かように立てられて行くものが二十五年度におきましても、相当ありました。今日の場合といたしましても櫻内さんご存じの通り、なかなか財政のやりくりが困難なときでありますから、先の見通しをつけて多少でも出やせんかと思うものについては、むしろそのほうに持つて行つてもいいのではなかろうかということであります。だからと申しまして、鋼鉄の補給金をはずし更に来年度銑鉄をはずす、これはかなり痛い点であります。併し現在の國際情勢の下に、外の部面では御指摘のようにかなり鋼鉄等の値上りがございます。今日もなお國際情勢においては強気であります。従つて一番問題になるのは、今日の國際価格が低くて日本の価格が高い点にあります。非常に輸出関係にも影響いたしまするし、國内の何にも影響があるのですが、恐らくは本年度一ぱいどうなるかということは神様でなくてはわかりませんが恐らく上昇して来る、國際価格が相当に上つて来るということになれば、貿易面から見た鋼鉄の輸出或いは鋼鉄を主原料とする製品等については、ややしのぎ得るのじやなかろうか、そうなれば一つむしろこの際他の面に行くということが問題でありまして、そこで私ども及び通産大臣は強く主張いたしておつたのでありますが、万一の場合そういう情勢にならずに、余りに國際価格と國内価格が開きが大き過ぎるといつた場合にはどうなるかということまでも、通産大臣は主張されて、それに対して、まあそういう場合においては善処をするということでありました。場合によつては補正的な処置が必要であるかも知れませんが、それは要するに来年の四月以降の、三月までは銑鉄の補給金はありますし、年末までにおける國際情勢というものを大きく考えられて行かなければならんと思います。非常に不都合が起れば適当のときに考えなくてはならんということも考慮し、一面には低利の安い資金を融通して対処しようじやないかということで、一つ差当り来年度の問題について見通しを立てつ、或いは要らないのじやないかということが主たる問題で、鉄鍋補給金をはずしたのであります。
○櫻内義雄君 私は通産大臣より通産行政の方針として承わりたいのでありますが、その前に長官のお話でありましたので、長官はたしかこの助成金の撤廃に際しまして、九月の中旬であつたと思うのであります、この助成金が廃止されるというその方針がきまつた後におきまして、直ちにこれはもう明年度の追加予算において計上する、丁度今おつしやつたお言葉よりも、更にもう少し業者に期待をかけるような御意向の表明があつたのであります。これはたしか事実であろうと思うのでありますが、長官といたしましては、その当時の御心境と現在の御心境とは同じでありますか。
○國務大臣(周東英雄君) 今のお話でありますが、私は九月頃すぐ補正予算を組むということを申したことはありませんので、政府としては来年度からはずされるそのときまでに日本の鋼鉄の価格、これが國際価格に比して余り高過ぎて、どうしても貿易その他について惡影響を及ぼすと考えるときは何ですが、もう少し推移を見るべきだというのでこれをはずしたのであります。幸か不幸か最近の情勢はかなり國際価格というものが、外國製の鋼鉄の値上りがして、或る程度日本の現在のこれは又少し高いが、輸出の関係も順調に動いておるという下においては、今すぐ補助金を追加するということは私ども考えておりません。
○櫻内義雄君 長官にお尋ねしますが、國際価格の騰貴にからみまして、たしか銑鉄を初めといたしまして、重要物資、これを輸出を抑制いたしておると思うのでありますが、その点の御関係はどうでありましようか。
○國務大臣(周東英雄君) 私の知り得る範囲において、今日鋼鉄又はその製品に関する輸出を抑制をいたしておることはないと思います。
○櫻内義雄君 それでは通産大臣に承わりたいのでありますが、この助成金の廃止後におきまして銑鉄等は指定生産資材からこれをはずされるのでありましようか。そうして現在行われておりますところの価格統制或いは配給統制につきましてはどういうお考えでありますか。これは長官でも結構であります。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。これは実情に即しまして考えるべきものじやないだろうかと考えております。
○櫻内義雄君 通産大臣は造船業の大家であられることは周知のことであります。この鉄鋼行政がどういう方針で今後行われて行くかということは、私どもよりも更に一層通産大臣は御関心が深くなければならないのであります。而も今当事者の衝に当つておられるというにもかかわらず、そのような御見解では私は誠にどうも残念であるのでありますが、あなた御自身といたしましては、造船業に対してこの助成金の廃止の影響というものがどういうふうに響いて来るか、というその御見解を承わりたいと思います。
○委員長(波多野鼎君) 親切に答弁して下さい。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。造船業のことに関して私が申上げますと、手前みそになりますのですが、実情についてお話をいたしたいと思つております。御存じの通り我が國の造船の鋼材に規格料というものが価格のほかにあるのです。そのほかに又寸法のエキストラというものがついておるのです。これが元は規格料というのがトン六千円であつたのであります。これが最近の価格によりますと三千円になつております。寸法のものに関しましては二千四百円であるかのようです。この方法等のエキストラは、実は我が國の在来の造船業に使つておりましたのは、定尺物の倍数、こう申しますと甚だわかりにくうございますが、定尺と申しますと三尺、六尺、それから四尺に八尺、五尺に十尺というものが、これがマーケツトの定尺なのです。そういたしまして造船業に使いますものは長い板を使いますので、それで三尺六尺物であれば、三尺十二尺というのは倍と、こういうふうになつております。そうすると、これは長いものになりますと、幾らか検査の不合格の率が多くなる、そういうこともあるかと思います。それから規格料と申しますと、造船規格と申しまして引張つてどのくらい力がなければならん、或いは曲げまして、百八十度曲げて亀裂が出るかというような試験をするのであります。それに対しましては、外國ではそういうエキストラというものは我々聞いたことがない、日本のものに限つてそういうものがあると申しますことは、スクラツプの惡いのと、或いは鉄鉱石が惡いのと、例えてみますとコツパアが余計あるとすればどうだというようなものでありますので、これらを除去いたしますならば、今お話のような補給金をとりましても大した影響はない。それで政府といたしましては、何としてもそれに適合するような鉄鉱石を輸入することが必要である、こう考えるのです。そのほかにも型物と申しますのがあります。これも寸法の大きさによつて多少値段が高いのです。これらを考え合せましたときに、現に廣畑の板は八幡の板より安いのです。これはロールがいいからであります。これを検査いたしますときに先ず表面検査というものをいたすのであります。それから又厚み検査をいたします。その厚みとこの厚みが、それが違うということが多い。そういうことはこれは成るパーセンテージ以上違いますと不合格になるのであります。ロール関係がありますので廣畑のものは八幡のものよりも幾らか安いのであります。そういうことを考え合せますと共に、又いろいろ造船技術が遅れておりますので、船価が高くなつておることは事実であります。甚だ失礼なことを長く申上げたのですが、我々が船をデザインしておつた頃は、要するに鉄材のスクラツプは一〇%以下であつたのです。最近に至りまして二五%の鉄材のスクラツプが出ておるのです。且つ又製鉄業者からいいまして、規格に適合するところのものは約七〇%以下だと聞いております。これらを先刻申上げましたように、銑鉄にいい鉱石を入れてやるということと、且つ又平炉メーカーにはいい銑鉄を入れてやるということが私は考えられるのではないかと思うのです。でありまするので、國家財政の非常な窮迫の際には、又企業家のほうにおいてもすべての知識を総合いたしまして、そうして單価の引下をやることにする、これは私は当然な義務じやなかろうか、実は補助をもらうということに対しましては、業者に対してはやりたいとは思いましたけれども、先刻申上げましたように、國家財政を勘案いたしまして、又それ以上に必要なる部面もあつたように見受けたのであります。私は遺憾ながらこれは取止めるよりほかないと、こういうふうな考えを持つのであります。決して私は製鉄業者、その他のかたがたの現在の情勢を考えないわけではありませんけれども、そういう状況と且つ又先刻安本長官からお話のように、現在の外國の価格も相当に高いのであります。日本のほうもそれまで上げてもらえれば、生産の赤字があまり大きな赤字でなく、少くなるのではないかという気がいたしておつたのであります。それで又来年度になりましても非常な変動がありましたならば、改めて考慮してもらうということで私は引下げたのであります。さように御了承願いたいと思います。
○櫻内義雄君 大変御造詣の深いお話を承わつて有難うございました。ところでそのお答えを聞きまして私は不審に思いましたことは、あなたは曾て造船用鋼材の助成金を御要求になつたことがあると思うのであります。その当時のお考えと只今のお考えとはどういうわけで違うのでありますか。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。私はそのときに特殊鋼材の問題をやつておりましたので、それは造船用鋼材かと考えますので、私はその点があつたことは今申上げましたと同じようなことをその当時から考えておつたのであります。併し一朝一夕ではそれに行かんから、それは何とかしてもらいたいと思いまして、先刻お語いたしましたように國家財政と見比べまして、そうして私のこれは大臣として申上げることは失礼でありますが、その当時の同業者にもそういうことで納得をしてもらつたのであります。
○櫻内義雄君 それでは承わりたいのでありますが、この助成金の撤廃ということはやはりすでに十分御承知でありましようが、吉田内閣の低物価政策というものについて相当疑念を挟まざるを得ないのであります。只今通産大臣は造船に関してはそう大して影響のないように申されておりますけれども、併しながらこの基礎産業である鉄鋼業のこの施策が一度過ちを来たすならば、相当大きな影響がなければならないのであります。この助成金の撤廃について吉田内閣としては、この低物価政策よりもむしろ高物価政策、インフレを以て行こうというお考えであるかどうか、この点は安本長官に承わりたいと思います。
○國務大臣(周東英雄君) お答えいたしますが、決して高物価政策をとるとかいうことを考えておるわけじやありません。経済は自然の流れに動いておるのであります。低物価政策をやるという意思でもない、殊に米価等につきましては今までかなり無理な価格がきめられておつたのを合理的に一歩前進いたしまして、今度の価格がきめてあるのであります。従つて今日國際経済と結び付いて、かなり原材料を外國から仰がなければならんところにおきましては、財政及び世界の情勢と睨み合せて、おのずからなるところに価格を押付けることは、決して高物価政策をとるものとは私は考えておりません。
○櫻内義雄君 政府におきましては経済自立計画として三年計画を持つておるのであります。その三年計画を目度といたしまして鉄鋼行政も行われておることと思うのでありますが、この計画が立てられましたときには、補給金の撤廃ということは織込んでおらなかつたように思うのでありますが、その点は如何でありましようか。
○國務大臣(周東英雄君) お話でありますが、只今成るほど自立審議会等におきまして協議をしつ、一応の目安を作り、三カ年を目安として置き、その際における輸出入のバランス、一定の生活水準を維持しつ適当なる國際收支をバランスさせるという意味合の上に一つの計画を立てて、それをするについては如何なる程度に生産を上昇させるか、又その基本的な物資であるところの製鉄事業をどの程度に持つて行くか、ということについて施策いたしていることは事実であります。今日まだ各部会においおのおのその部会部会の他のほうと関係なく自由な立場で計画を進めておりますので、今日は総合的な計画はできても、資金の面或いは原材料の資材の面に向つて如何に調整すべきかというのが今日の段階であります。従つてその際においては生産の目標を中心に置いて考えておりまするので、そのときに補給金をどうするこうするということは直接には関係いたしておりませんです。
○櫻内義雄君 それでは承わりたいのでありますが、この経済自立計画の一番の問題といたしましては、先ほど通産大臣のお言葉のうちにもありましたし又質疑応答のうちにもございましたが、経営合理化問題を取上げなければならないと思うのであります。この合理化の問題につきましては、鉄、石炭合理化要綱というものをお作りになつたと承わつておるのでありますが、その要点を承われますればお願いいたしたいと思います。
○政府委員(石原武夫君) お答え申上げます。石炭と鉄の合理化計画につきまして、先般来民間のかたがたの御参集を得て通産省で審議会を設けまして検討いたしておりましたのであります。そこで現在の生産設備をこの際どうしても合理化し、コストの引下をする必要があるという結論になりまして、そのほうの対策といたしまして一番主要な点は設備の近代化と申しますか、機械化と申しますか、さような部面にございますので、最大の重点はそうした近代化をいたします資金を確保するという点でございます。それ以外には例えば外國機械を輸入いたしますとか、金利の成る程度軽減を図つて行くとか、そうした問題もございまするが、一番の重点は設備を近代化するという点にあつたのであります。
○櫻内義雄君 通産大臣に重ねてお伺いしたいのでありますが、政府自体におきましてこの合理化方針を立てておられる場合におきまして、この製鉄事業の設備を改善するために非常に大きな費用が要るのであります。そういうことから考えますならば、單に価格に対する助成金ではなく、こういう設備に対する助成金をいたしまして、鉄の自立対策をすると共に将来に備えるという必要があるのじやないかと考えす。その点に対する通産大臣の御見解を承わりたいと思います。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。設備の改善、或いは機械の更新等は必要でございます。それに対しましては安い低利の見返資金又は預金部資金を貸付けることの斡旋をして行きたいと考えております。只今のところは補助金ということはまだ考えていないのであります。
○櫻内義雄君 それでは承わりたいのでありますが、これは通産省の所管であるかどうかは私は明らかでありませんが、政府において産業設備更新法の御用意があるとかいうことを承わつておるのでありますが、その点をお聞きしたいと思います。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。今のお話のことは今研究中でございます。そうして早くその結論を得たいと思つております。
○櫻内義雄君 その内容の概要は。
○國務大臣(横尾龍君) 内容は私まだはつきり存じておりませんので、大体係官をして説明いたさせます。
○政府委員(石原武夫君) 只今のお尋ねの点につきましては、我々事務当局部内でまだ研究いたしておりまして事務的に結論を得ておりませんので、はつきりかような案でありますということは申上げかねるのでありますが、一応問題点だけ申上げますと、一つは資本蓄積の問題と関連いたしますが、現在の税法におきましても重要産業につきまして、一部法人税を、増産を主たる目的といたしますものにつきまして減税の規定がございます。これはその当時の増産ということを主たる対象において考えられておつた規定であると存じますが、現在では増産を唯一の目的とするよりも、設備の近代化或いは合理化というような面にむしろ主眼を置くべきじやないかという考え方からいたしまして、さような今までの規定をそういう合理化の方面に切替えるという点が第一点でございます。
 それから第二点といたしましては、同じ税関係でございまして、相当の近代化をいたしますためには、機械を輸入することが必要であるかと思いますので、それらの方面につきまして輸入税の減税を考えたいというのが第二点であります。
 それからもう一つ、これはまだ問題になつておりまして、我々としても結論は出しておりませんが、設備の近代化を急速にやらせますために、何らか政府がその間に資金の供給ということ以外に方策を考える必要があるかどうかという点は現在検討をいたしております。只今申しました三点につきましても、單にまだ事務的に検討しているという大略だけを申上げましたので、さよう御承知願いたいと思います。
○櫻内義雄君 もう二、三承わりたいのであります。それは私は通産省における鉄鋼政策が一貫しておらないという懸念を持つているからここにいろいろと承わつているのでありますが、現在御承知のように銑鋼一貫メーカーと平炉メーカーとの間においては種々意見の相違があるということは明らかであります。先程通産大臣がお答えになりましたように、助成金二十一億円ぐらいは大したことじやないというような意見は、これは恐らく一貫メーカーからの意見だろうと思うのであります。一貫メーカーの意見としては、この程度の補助金をもらうくらいならば統制を全面的に撤廃してもらいたいということを言つているのであります。併しながらこれは先般もこの席上において公述人が明らかに言つておりますが、三千円ぐらいの補給金がもらえるならば是非もらいたい、この矛盾する言動が業者におきましてもあるのでございます。
 それからこれは私どもの聞き違いかとも思うのでありますが、通産大臣は優秀なる鉱石を入れて平炉メーカーに供給するということを言われるのでありますが、平炉メーカーにとりましては鉱石でなくてこれは銑鉄ではないかと思うのでありますが、関税定率法を改正して、そうしてこの銑鉄を無関税でお入れになるというお考えがあるかどうかという点をちよつとお聞きしたいのであります。
○國大臣(横尾龍君) 私が質のいい鉱石をと申しましたのは、これは高炉メーカーであります。銑鉄のいいものを作るのであります。又いい銑鉄を平炉メーカーにやりたいという考えであります。それから後のできますならば、銑鉄の関税はなるたけ少くして行きたいというように考えております。
○櫻内義雄君 この平炉メーカーと一貫メーカーとの間の意見の調節につきましてはどういうふうにお考えになりますか。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。今のお話はよく聞く話でございます。平炉メーカーは、銑鉄業者、この高炉メーカーが自分らに銑鉄を廻してくれんだろう、こういうことをよく言われるのでありますが、一面こういうことを言われることを一貫メーカーに言いますと、それはそんなことはないと、又これは嘘かも知れませんが、そういうことも言つているのであります。私といたしましては平炉メーカーの立ち行かないように一貫メーカーがすることはなかろうと信ずるのと同時に、又成る場合におきましては、今申上げまするような銑鉄の輸入をすることを以てそうして高炉メーカーを牽制することも或いはできやせんかと考えております。
○櫻内義雄君 平炉メーカー、一貫メーカー共に平炉メーカーといたしましては銑鉄が欲しい、一貫メーカーといたしましては、鉄鉱石や或いは粘結炭の輸入を要望しておるというこの際におきまして、私は若干私見を混えてお尋ねしたいのでありますが、それは戰時中にこういう輸入原料に頼つておる製鉄業者に対しまして、誠に弱小ではありますけれども電気製鉄業というものが非常に関心を以て見られたのであります。これは御承知の通りに國内原料を主として行つておるのでございます。それでこれらの電気銑メーカーは今回の助成金の撤廃に伴いましてやはり同じような影響を受けるのであります。然るにこのメーカーは非常に弱小でございまして、それがために受ける影響は多いと思うのであります。又皆様がたが御指導になつておる産業の合理化をしようといたしましても、なかなか思うように資金が得られないような現状にあるのでございまして、通産大臣から先ほど来いろいろと御答弁を頂きましたが、この助成金の問題は簡單に考えられない。勿論皆様がたも愼重に考えられたことと思うのでありますが、大きくはこの物価政策の上から、又小は今言うような國内資源を以て立つて行くところのメーカーのためにも考えられなければならない点だと思うのであります。そこで昭和二十六年度の予算の実際の編成に際しましては、その点を通産大臣は強く、更にあなたが当初にお考えになつた立場で大蔵省と御折衝になる御用意があるかないかを最後にお聞きしたいのであります。
○國務大臣(横尾龍君) お答えいたします。今の電気製鉄メーカーのお話でありますが、これに関しましては資金の融通を考えてそして援助をして行きたいと思います。又今の予算でありまするが、これについてはよく考究をしたいと考えております。
○櫻内義雄君 有難うございました。
○委員長(波多野鼎君) 一つ御報告申上げます。今日この委員会において決定いたしました件の一つ、即ち衆議院の予算委員会において今度の補正予算の諸項目を扱うに当つて、どのような話があつたかということを小坂予算委員長に私が尋ねることになつておりました。先ほど尋ねて参りましたのでその御報告を申上げます。
 第一の点は二十四年度分の義務教育費國庫負担七億三千万円、これについてどのような審議があつたかという点であります。小坂委員長はこの問題については、総理に対して質疑を委員会で行なつた。衆議院の文部委員会から衆議院の予算委員会には何らの申出もなかつた、と答えられております。
 第二点は 地方行政委員会が予算委員会に対して八十三億円の平衡交付金の増額の申出をしたと思うが、これをどう取扱われたかという点であります。これに対しまして、衆議院の地方行政委員長が、予算委員会に出席せられなかつたので、岡野國務相に質疑を行なつた。なお予算委員長よりも岡野國務相に質疑を行なつたという御返事でありました。
 それから第三点は、預金部資金による地方債の引受の枠、七十億を拡張するという問題については、どうであつたか。これに対しまして、この件は預金部資金を以て金融債を引受け、銀行の手許に資金を流入させて、銀行をして地方自治体に短期融資をさせるという政府の説明であつたということであります。
 それから第四点、國鉄の裁定による修正案の取扱はどうであつたかという点でありますが、國鉄の裁定については、去る日曜日に開いた予算委員会において、各党一名ずつの質疑を行なつた。法案が提出されたのは昨日であるが、甚だ遅れたために昨四日は又野党側も出席せず、従つて質疑も行わなかつた、という話であります。以上御報告申上げます。
 今日の予算委員会はこれを以て閉会いたします。
   午後五時八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     波多野 鼎君
   理事
           石坂 豊一君
           野田 卯一君
           羽生 三七君
           伊達源一郎君
           藤野 繁雄君
           櫻内 義雄君
           東   隆君
           木村禧八郎君
           岩間 正男君
   委員
          池田宇右衞門君
           泉山 三六君
           大島 定吉君
           小野 義夫君
           工藤 鐵男君
           中川 以良君
           長谷山行毅君
           平井 太郎君
           深水 六郎君
           山本 米治君
           河崎 ナツ君
           佐多 忠隆君
           下條 恭兵君
           山田 節男君
           原  虎一君
           高良 とみ君
           西郷吉之助君
           高瀬荘太郎君
           高橋龍太郎君
           前田  穰君
           菊田 七平君
           鈴木 強平君
           中井 光次君
           堀木 鎌三君
  國務大臣
   大 蔵 大 臣 池田 勇人君
   通商産業大臣  横尾  龍君
   國 務 大 臣 周東 英雄君
  政府委員
   内閣官房副長官 井上 清一君
   外國為替管理委
   員会委員長   木内 信胤君
   外國為替管理委
   員会委員   大久保太三郎君
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
   大蔵省主計局長 河野 一之君
   大蔵省銀行局長 舟山 正吉君
   大蔵省主計局次
   長       東條 猛猪君
   大蔵省主計局次
   長       石原 周夫君
   大蔵省主税局調
   査課長     忠  佐市君
   通商産業大臣官
   房長      永山 時雄君
   通商産業省通商
   企業局長    石原 武夫君
   中小企業庁長官 小笠 公韶君
   経済安定政務次
   官       小峯 柳多君
   経済安定本部建
   設交通局長   小沢久太郎君
   経済安定本部財
   政金融局長   内田 常雄君