第009回国会 水産委員会 第2号
昭和二十五年十一月二十四日(金曜
日)
   午後一時四十九分開会
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  本日の会議に付した事件
○水産業協同組合法の一部改正に関す
 る件
○漁業無線通信に関する件
○中央市場手数料値上問題に関する件
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○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。
 先ずお諮りいたしますが、水産業協同組合法の一部を改正して、協同組合に共済事業が公然とできるように改めたいという水産協同組合方面の要望がありますので、ここで草案を大体作つて見ましたから、これを岡專門員から一応御説明いたさせます。
○專門員(岡尊信君) 只今委員長から申上げましたような要望が業界からありましたのでいろいろ研究をしてみましたところ、水産業協同組合で行うためには大体三つの方法があるように考えられます。
 第一は農業協同組合がやつておりまするような、いわゆる農業協同組合の事業の中へ共済事業ができるという條文を入れるということであります。この問題は、農業では全國連合会を作ることを許されておりまするからよろしいのでありまするが、水産業協同組合には全國連合会に対する制限がありまするので、この点は工合が惡いというので、第二の方法としては、地方自治法で行なつておるような方法はどうかということになつて研究をして見ますると、この点も地方公共団体の建物というものと水産業協同組合の建物というものとは、その公益性、公共性というようなことで違う点もありまするので、これも必ずしも万全ということはできないというようなことから次の方法を選んだのであります。即ち水産業協同組合法の一部を改正して、水産業協同組合共済会というものを別に立てるという法律の組み方であります。お手許に差上げてありまする協同組合決の一部改正に関する法律の内容を簡單に申上げます。
 第一は、この一番最後の第六章の次に二としまして、「水産業協同組合共済会」という章を一つ設けるのであります。「設立の目的」は、その第百條の二、「水産業協同組合は、その経営の安定及び改善を図るため、火災その他の災害に因つて受けることのある損害を相互に救済することを目的として、水産業協同組合共済会(以下「共済会」という。)を設立することができる。」
 その次が「共済会の名称」でありまして、第百條の三としまして、「共済会は、その名称中に水産業協同組合共済会という文字を用いなければならない。」第二項で、「共済会でないものは、その名称中に水産業協同組合共済会という文字を用いてはならない」。
 その次「事業」であります。これは第百條の四で、「共済会は、会員から共済掛金の支拂を受け、会員がその事業の用に供する建物、工作物その他の物件又いその事業上の取扱に係る物品につき、火災、水災、風災又は震災に因つて生じた損害について、会員に対し共済金を交付する事業を行うものとする。」第二項で「前項の規定の適用については、会員が水産業協同組合の組合員である場合には、その会員が営む漁業又は水産加工業を会員の事業とする。」即ちこの協同組合の組合員の事業をやる場合はそれが漁業又は水産加工業になつていなければならないということであります。その次は第三項で「共済会の事業で保険事業に該当するものについては、保険業法(昭和十四年法律第四十一号)を適用しない。」という條文であります。これが一番急所になるところでありまして、保険業法からこれを外すという條文をここに入れたのであります。
 「共済金額の制限等」であります。それは第百條の流へ規定しておりまして、「主務大臣は、必要があると認めるときは、共済金について、その最高金額を定めることができる。この場合には、共済会は、当該金額をこえて共済金を交付してはならない。」という條文を入れまして、保険と区別をして行とう、こういうのであります。それから第二項「主務大臣は、共済会に対し、その事業について監督上必要な事項を指示することができる。」という條文々入れてあります。
 その次は「会員たる資格」でありまして、百條の六へこの條文を入れまして、「共済会の会員たる資格を有する者は、左の各号の一に該当する者とする。」、即ち第一は「共済会の地区の全部又は一部を地区とする漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会」、この系統機関全部を入れる。それから第二は「共済会の地区内に住所を有する漁業生産組合」、これが会員になる資格を持つておる者であります。「前項に規定する者の外、共済会は、定款の定めるところにより、左の各号の一に該当する者を会員たる資格を有する者とすることができる。」といつて、第一には「共済会の地区内に住所を有し、且つ、法律に基いて設定された協同組合であつて、前項に規定する者の事業と同種の事業を行うもの」、これは水産業協同組合法によつて設立したのではないが、例えば中小企業協同組合法というようなものに基いて、水産加工業協同組合を作つておるような団体であつても、これは配下に入れるということを入れたのであります。第二項は「前項又は前号に規定する組合の組合員」、原則として組合が会員でありますが、組合員も会員に入れる。こいうふうに範囲を広くしたのであります。
 次は「定款に記載すべき事項」でありまして、第百條の七で「共済会の定款には、左の事項を記載しなければならない。一、名称、二、地区、三、事務所の所在地、四、会員たる資格並びに会員の加入脱退に関する規定、五、共済掛金に関する規定、六、共済責任に関する規定、七、経費の分担に関する規定、八、剰余金の処分及び損失の処理に関する規定、九、準備金の額及びその積立の方法、十、役員の定数及び選挙に関する規定、十一、事業年度、十二、公告の方法」、その次に第二項としまして、「共済会の定款には、前項に掲げる事項の外、共済会の存立時期を定めたときは、その時期を記載しなければならない。」、その次は第三項で「主務大臣は、模範定款例を定めることができる。」
 それからその次が「発起人」の規定、これも協同組合と大体同じでありまして、「共済会を設立するには、第百條の六第一項の規定により会員たる資格を有する者二十人以上が発起人とならなければならない。」、二項として、「共済会は、千人以上の会員がなければ設立することができない。」ここはちよつと御説明申上げて置きたいと思いますが、こういう第百條の六第二項に規定する者を入れますと、この共済会は全國に幾つできるということになります。併しながら小さい組合では経理が工合よく行かないのでいけません関係上、今日協同組合の数は三千、或いは四千ぐらいになつておりますので、少くとも組合員が千人以上入つた組合でなければ許さないということは、財政的にやつで行けないからというようなことで、少くとも千人以上の会員、協同組合で千人以上入るというようなことをここで制限を設けました。
 その次が「設立の認可」、百條の九として「行政庁は、第百條の十一第四項におい丁準用する第六十三條第一項の設立の認可の申請かあつたときは、左の各号の一に該当せず、且つ、その事業が健全に行われると認められる場合には、その設立を認可しなければならない。」即ち一として、「成立の手続又は定款若しくは事業計画の内容が法令又は法令に基いてする行政庁の処分に違反するとき。」それから二が「定款又は事業計画のうち重要な事項につき、虚偽の記載があり、又はその記載が欠けているとき。」というときでない以上は、設立を認可しなければならないという條文であります。その次は第二項で、「行政庁は、前項の認可をし、又はしなかつたときは、遅滯なく、発起人に対し、その旨を書面で通知しなければならない。」これはすベて漁業協同組合にあるような條文と同じ規定であります。第百條の十で「共済会が解散したときは、合併の場合を除いては、共済関係は、終了する。」これが解散の効果を書いた規定であります。二項として「前項の場合には、共済会は、まだ経過しない期間に対する共済掛金を拂い戻さなければならない。」
 その次は準用規定というものを百條の十一に長く書いてあります。これは商法を準用する、又はその外、協同組合の規定を準用した場合の読み替えというようなことをここに掲げたのであります。これを省略さして頂きまして、最後に附則として「この法律は、公布の日から施行する。」それから二は「法人税法の一部を次のように改正する。第九條第六項中「水産加工業協同組合連合会」の下に「水産業協同組合共済会」を加える。」それから登録税法も一部改正する。それから地方税法も改正しまして、「農業共済組合連合会」の下にこれを入れて、地方税の関係も改正するのであります。以上大体條文の骨子だけを申上げた次第であります。
○委員長(木下辰雄君) これについて何か御意見がありましたらお述べ願います。
○青山正一君 これは議員提出ですか。
○委員長(木下辰雄君) 議員提出であります。
○青山正一君 それでは一つ二、三日余裕を置いて少し勉強したいと思いますから。
○委員長(木下辰雄君) それではこれ夕十分一つ御研究下さいまして、木臨時國会に是非法文化したい、法案にいたしたいとかように考えますので、次の委員会まで御延期願いまして、御決定になりましたならばGHQのほうに出しまして、成るべく至急にOKをとるように取計らいたいと思います。子の提出はでき得るならば衆議院とも十分折衝いたしまして、参議院の水産委員会提出にいたしたいと思いますが御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。それではこの問題はこれで終ります。
○委員長(木下辰雄君) 次に無線通信の問題でありますが、これは非常に重要な問題になつておりまして、このまま放つて置けば十二月末で協同組合が持つている無線施設は無効になるというような結果になりますので、今回電波監理委員会と水産庁で折衝の結果、協同組合法を一部直すために別な單行法を出して、そうして現在の協同組合でやつておりまする無線通信がそのまま継続し得るようにいたしたいというので、今日まで折衝して参りましたが、大体妥結点に達したようでございますからして、この問題についてその全貌を極く簡單に高木課長から御説明願います。
○説明員(高木淳君) 漁業無線の問題につきましては、今年の五月電波法が公布されるとともに、その法律に基いて動き出しました無線局の開設の根本基準、これは公聴会、聴聞会の形をとりまして、漁業者側からのいろいろの反対意見が出ておりましたが、それを審理官が一応公平な立場でその意見を表明して最後は電波監理委員会で決定しまして、電波監理委員会の規則として九一月の十一日附で出されたのであります。それによりますと、これまで漁業者の側からいろいろ不便である。第一には、これまで漁業協同組合が主体となりまして運営いたしておりました漁業無線局は、その開設の基準によりますと公平無差別に加入することができないという点で、開局の基準に書いてあります任意団体の形をとらねば許せないという点と、もう一つはこれまで各府県が漁業の指導通信と一緒に漁撈の通信も漁業者の便宜のためにいたしておりました、その問題につきましても專門通信と公衆通信の線に跨がるものであるから、指導通信のみは県の施設でやれるが漁撈通信はやれない、従つて漁撈通信をやる面は別途に開局の基準によりまして任意団体を作らねばならない、こういうその規則の適用の説明でございました。漁業者のかたにとつて分りにくい無線電波のことでありますので、その開局の基準が出されても漁業者自身のかたになかなかお分りにくかつた面もありますし、電波庁の方面から、いろいろ各地に、法律に基くものであるからというお話もありました関係からでありましようか、地方としては余りそれについての強い関心が生まれて来なかつたのでありますが、だんだんその事態が切迫して参りますとともに、私たち水産庁の側又國会の水産常任委員会の側に各方面からのそれの実施についての難点の陳情が次々に参りまして、この委員会でもいろいろとお話がありましたわけでございますが、その後いろいろ國会の方面の側のかたとも又私たちの側とも先方のかたといろいろ折衝しておりますうちに大体の一つの解決の見方として考えられますのが、一番難点でありました。公平に加入できるという点についてでございますので、それにつきましてはこの漁業無線に関して利用する面についてのみ現在の協同組合法の改正が許されるものであれば、それで解決したらどうかという見方が強くなつて参つたのであります。それに基きまして一応私たちのほうの側といたしまして、その考え方についてあらかじめ関係筋とお話合いしましたところ、大体その方向についてよいというお話を承わりましたので、一応そういう線に沿つてこの漁業協同組合をどのように特例として改正したらいいかということをいろいろ研究して見ているところでございます。御承知のように協同組合のやります仕事の中で、この漁業無線についてのみ扱う場合の特例でございますので、その漁業協同組合に入ります資格といたしましては、この前の國会で改められました三百トン、三百人の制限を超えました法人、又はそういうような法人で成り立つております法人の入つております社団であつて、その組合の地区内に住所又は事業場を持つている者を組合員とする、組合員たる資格を持つものであるというような、その組合員の資格の範囲を拡め、それに伴いまして大きないろいろな他のほうの影響があることを慮りまして、漁業無線に関係しました経費の部面、それからそれに要します経費の財源の制限をする。そうして漁業無線についてはつきりと、誰にも公印に加入でき、そうして使用できるという考えかたを加えた特例を何か考えるべきではないだろうかということで、目下いろいろとそのことを調べておるわけでございます。これは連合会の場合にも同じような働きかたを持つように併せて考えておるのでございます。これの実際問題といたしまして電波監理法の問題から生まれておりますこの開局の基準は、委員長からお話がありましたように十二月末が猶予期間の最後でございます。漁業者にとつてこの十二月後になつていろいろ解決の途が開かれても、現実の問題としてはすべての解決が十二丹前に完全に行われないと、無線の津用がとまるというふうな切りつまつたところに來ておりますので、この問題についてはもう一つ時期的に迫つた面が残されておるのでございます。大体今までのところの経過州以上のようでございます。
○委員長(木下辰雄君) 何かこの問題について御質問がありましたらお願いします。これはどうしても臨時國会に通過させなければ非常に重大な問題が惹起しますので、衆議院とも十分打合せいたしまして至急その筋のOKを貰つて、衆議院と参議院が相談の上で議員提出でやるようになるだろうと思いますが、なおこれは重大問題でありますので委員も十分御研究を願いたいと思います。大体OKの見通しは十分ついておりますか。
○説明員(高木淳君) 概略の荒筋を持つて参りまして一応の御了承を得ておりますが、今説明申上げましたような筋書の條文としてまとまつたので、今日、明日瞬間ができましたら御説明に上ろう、こういう段取りでございます。
○委員長(木下辰雄君) 條文を一つこの次の委員会までに御配付願います。
 それではこの問題はまだ沢山ありますがこれで打切ります。
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○委員長(木下辰雄君) 次にこの前の委員会におきまして、皆様の御意思によりまして、委員長として農林大臣に水産物卸売手数料に関する決議文を通告いたしまして、それに対して本日広川農林大臣から会見を申込まれましてお会いしましたが、農林大臣として本日公文を以て延期方を都長官に勧告するという御返事がありました。それから前回の委員会において、翌日までに都長官及び農林大臣と折衝した結果を水産庁長官から委員会に報告するようにという御希望がありましたので、家坂長官とは私電話を以てその経過を承わりましたが、幸いここに御出席になつておりますから、その後の経過を長官から直接この委員会に御発表願いたいと思います。
○政府委員(家坂孝平君) 一昨々日当委員会から決議として大臣に通告がありましたので、大臣も早速都長官に値上げの問題について申入れをしなければならないということで、一昨日ですが私に代つて都長官に会つてよく話をして来て貰いたい、こういうことになつたわけであります。それで一昨日なかなか都知事もせわしいので時間が非常に困難でありましたが漸く夕方になりまして会うことができまして、大臣に代つて申入れしますと、実は市場手数料の値上げは都において十五日に告示されたのであるが、これは非常に現下の情勢からしまして大変生産者にとつては不利益な点があるので、これについては是非値上げを一応延期して貰いたい。而も参議院の水産常任委員会においてもこうした決議もされて、大臣にも通告して来ておられるのであるから、これらのことも十分重視せられて、それからなお目下のところ生産者側と卸売機関側と、いろいろ値上げについて円満に話をまとめるように折角進行中であるから、これが解決を見るまでとにかく延期して貰いたいのだという申入れをしたのであります。それで都長官としましてはこの値上げ問題は春以来いろいろ紛争をかもして来ておつた問題であるが、どうしても都としてもこの値上げをせねばならない立場に置かれてあるので、而も都議会のほうにも意見を徴し、都議会から理事者一任というような形にまで持つて来られている状態であるので、是非これを施行したいというので、この十五日に告示をしたのである。だからこの点については一応告示はしたのであつて、これを延期するということは、実際今後実施の期日とか、その七分の以内でどういう形でやるかというようなことは、荷受機関で実施に移して行くのであるから、市場長並びに荷受機関側とよく話し合つて、話のまとまるようにして預ければ幸いである。こういう御返事があつたのであります。
 それでその日に早速市場長が来られまして、そして本日の会見の内容を私からも披瀝し、又市場長も都長官のほうから話を聞いて来られて、何とか話合いをスムースに持つて行きたいものだというようなことでいろいろ打合せをしておつたのであります。それでなおこれにはどうしても荷受機関側とも話合いをしてそして円満に持つて行きたいということで、実は昨日又市場長と、それから荷受機関側の協会長をやつておられる寺田氏と相会しまして、この措置について話合つたのであります。それで目下この話を円満に持つて行くためには、どうしても生産者側からも要望しておられる業者自体とよく懇談したい。今までは協会長の寺田氏が代表して来ておられましたが、今度は生産者側と本当の業者と十分膝を突き合わして話合いたいという要望の事項もありまするので、この点についてはそういうふうに是非取計らおう。それからなお値上げを延期するということについても考えるが、併しこれは一応荷受機関としては、二十日ですか日にちははつきり私は今記憶しておりませんが、値上げは二十三日から実施するという通知も出してあるので、これを食い止めるためには若干の相談も必要であるし又時間も必要であるから、この点は業者とも相談をして話をできるだけまとめるようにいたしますと、まあこういうような段階に昨日相成りまして、実は今朝電話でも連絡したのでありまするがその線に沿つて目下やつておられる。こういうことで、今日の夕方ぐらいまでには勿論話がまとまつて、連絡があることじやなかろうかと、かように考えております。大体今までの経過はそういう状態にあるのであります。
○委員長(木下辰雄君) それからちよつとお尋ねしますが、大臣の公文書はいつお出しになりましたか。
○政府委員(家坂孝平君) 公文書は今日の夕方までに手配いたすことにいたしております。
○委員長(木下辰雄君) 外に御意見ありませんか。
○青山正一君 ちよつと長官にお聞きしたいんですか、二十三日からこの手数料が上るということで、東京都のほうで一方的に生産者と相談なしに決めたと、まあこういうふうなことになつておりますが、現在この生産者の中で、東京都へ入つております荷物のうち値上げした手数料で取引しておるところがあるかどうかその問題と、それから東京都の仲買人は、この値上げの問題に対してどういう態度をとつておられるか。この二点について一つお聞きしたいと思います。
○政府委員(家坂孝平君) 荷受機関側が通知を出しましたために、或いは徴收しておるのがあるかどうか、実は今日もいろいろその点につきまして私は話を耳にしておるのでありまするが、これは水産庁といたしましても早速取調べましてその事実を掴みたいとかように考えております。それからいま一つ何でございましたか。
○委員長(木下辰雄君) 仲買のこと。
○政府委員(家坂孝平君) それから仲買の点につきましては水産課長からどんな状態におりまするか説明いたさせます。
○説明員(水野榮君) 手数料引上げ問題について仲買の多くがどういうふうな意見を持つておるかという御質問でありまするが、実はまだ仲買人の側に対して正式に意見を求めたことはありませんが、恐らく手数料の問題が若し都の言うようにならんというふうにきまるというようなことがあれば、仲買のほうでも非常に今経営が苦しいということを聞いておりますから、恐らく又出戻しの要求とかそういう問題が起るかと思いますが、仲買の側が賛成であるか反対であるかという点については、まだ情報にも全然接しておりませんし、我々聞いたようなこともないような次第であります。
○青山正一君 只今お聞きしたこの問題は、結局はこの手数料の上げるについてのいわれ因縁というものをまあ探つて見まするに、どうもこの肚の中には仲買人に歩戻しするから手数料を上げる、或いは生産者に奨励金を出すから手数料を上げると、こういうものが伏線として浮び上つておるように見受けられるわけなんです。この間水野課長にいろいろお聞きしたわけなんですが、例えば大阪に対しては仲買の戻しが五厘である、神戸に対しては四厘である、或いは京都は二厘五毛である、それに反して東京は仲買が一番初めには千二百九十三人ですか、最近ではそれから飛びまして約二千三四百人になるわけなんですがあまりに仲買の数が多いために、手数料の歩戻しすることもなかなか容易ならんというわけで、東京においては手数料の戻しをしていないというふうな現状であります。そういつた因縁からこの手数料を上げるというふうに生産者は取つておるような向きが相当多いだろうと、私はこういうふうに考えるわけであります。だからこの手数料の関係が仲買に対する歩戻しとか、或いは生産者に対する奨励金からしてこれを上げるんだというふうな問題になりますと、これは非常に容易ならん問題だろうと思いますが、これに対する一つ水産庁あたりの御意見を承わりたいと思います。
○説明員(水野榮君) 東京都が七分に値上げしたいというその真の意味は、現在の荷受機関の経営が困難である、こういうことが表面の理由であります。仲買に対する歩戻しとか生産者に対する奨励金という点も、これは荷受機関の卸売業務の円滑を期する上から或いは必要かとも思うのでありますが、例えば仲買に歩戻しをするということは、要するに仲買が或る程度買進んだような場合に、その危険を一部補償するというようなそういう意味で仲買の歩戻しをする。そういうふうな説をなす学者もあるのでありまして、荷受の業務を円滑にするということから言えば或いは必要かとも思いますが、我我といたしましては、仲買の育成も必要であると思いますが、生産者の漁業経営の面ということも考えまして、できることたらばそういう点は経営の合理化というようなことからして、仲買の歩戻しということもして貰つたらいいのじやないかというふうに考えておりまして、私自身としては歩戻しをしなければならんから、現在の手数料を値上げしなければならんというようなことには、今すぐにはならないのじやないかというふうに考えております。併し先ほども申しましたように仲買に対する歩戻しというものが、或る程度取引を円滑にするための大きな役割をするということは実際面にもあるようでありますし、先ほども申しましたように学者の中でも歩戻しというのはそういう性質のものであるということを言つている人もおります。
○青山正一君 経営の合理化とか或いは学者の説とかそういうことは僕はどうでもいいんです。ただ問題ははつきり申上げますとこの手数料を上げることによりまして、必ずやこの戻しというものを請求して来るだろう、こういうふうに考えております。現に京都あたりにおきましては今度の手数料がたとえ五分五厘に上ろうと六分に上ろうと一分の戻しを請求するんだという建前に進んでおるようなわけであります。それからここに生産者なり、或いは仲買のかたも一、二お見えになつておるようにも見受けられますが、事実委員長あたりから一つ、この歩戻しとか或いは奨励命の問題にからんでどういう考えを持つておるか、例えば生産者ならばこの奨励命を欲しいからいわゆる手数料を上げても構わんという御意向があるかどうか。それから仲買ならば仲買人が戻しを欲しい余りに手数料を上げて欲しいかどうか。そういう点も一つお聞き願いたいと思います。
 問題は先ほど水野さんからいろいろお話があつたのですが、手数料を上げなければ経営が立たんということでも僕はなかろうと思う。これはここに奥田課長もお見えになつておりますが、四月一日ですか五月一日かにあの統制を解除する際におきまして、荷受機関或いは出荷機関もそうであろうし生産機関でもそうであろうと思うのでありますが、いろいろな焦げつきの代金ができた。それで荷受機関なり或いは卸売機関なり或いは出荷機関がどうしても立つて行けないような状態になつた。これを何とかして解決して欲しい。ところがなかなか政府なり市当局がそれを解決しないのだ。それでどうにもこうにもできないのだ。銀行に借金の山がある。その借金の利息を拂うだけでもこれは大変なものだ。銀行へ佛う利息がなければ別にそう手数料を上げなくてもよいのではないか。こういうところに僕は起因するのではなかろうかと思います。こういつた問題につきまして、一つ長官なり、又その当時水産課をやつておられました奥田君もこちらにお見えになつておりますが、一つその点についてどんなお考えであるか。又その問題を解決して行つて、この手数料の問題をあと廻しにするかどうか。その辺のことを一つお聞かせ願いたいと思うのであります。
○政府委員(家坂孝平君) 只今焦げつきの資金の点につきまして御指摘がありましたが、これにつきましては実は大臣も私と市場を視察いたしまして、その後に話が出ておつたのでありまするが、その過去において焦げついた資金というものがどうしても荷受機関というものに対して重圧を加えておるのは間違いない事実である。だからこれは何とか一つ都にも一肌脱がせ又政府においても何とか金融の途を開いてやつて、これが打開の途を一つ計つてやろうじやないかというような話になりまして、私は実は日銀の荷見政策委員とも三回ばかりお会いいたしまして、いろいろ市場の荷受機関の内容というようなものも説明申上げまして、何とかこれが救済方を一つ考えて行きたいのであるが、大蔵省にも是非御協力を願いたい。かように申上げまして、日銀で只今その点につきましては融貸斡旋部で検討しておられるのであります。こういつた方法で手数料値上げ問題とは又別途に、私としましては是非過去の焦げつきに対しまして何とか拂拭することができるように取り進めて行きたい。かように考えておるわけであります。その他の点につきましては又。
○委員長(木下辰雄君) 如何ですか。この問題につきましてはすでに参議院の態度は決定いたしまして、大臣に向つてすごく要望しておりますので、暫くこの成行きを見るということで如何ですか。
○櫻内義雄君 只今の委員長の御発言で私も非常に結構と思うのでありますが、この問題について委員会が二、三同開かれておりますが、その間に私が感じておりますことは、この値上げ問題に関する生産者のかたがたの陳情を承わつておりましたときに、これが地方に大きく影響することを憂えておる、又我々もそれについて同感であるがためにこれを取上げたのであつて、ただ單に東京都に対するだけの問題ではないという点について、長官初め行政当局において十分留意して頂きたいのであります。現在京都、或いは大阪、神戸、その他の地方におきましても、この種の問題が起きておることと思います。これにつきましては主務官庁である水産庁におきまして十分関心を持たれ、その間の情報を捉えるなり、又水産庁としての見解を表明せられることを強く要望したいのであります。
○秋山俊一郎君 先ほどから委員長からもお尋ねがありましたが、農林大臣から都長官に対しての勧告と申しますか、その文書はもうすでに出ておるのでありますか、長官にお尋ねしたいのであります。聞きますところによりますと、昨日からすでに東京都内では七分の手数料を徴收しておるということであります。それで昨日から取つておれば勿論今日も取つておるだろうと思いますが、そういつたような事態に対して、取つておればもう仕方がないというお考えでありますか。更に強く農林大臣の勧告を進めてこれを差止めるお考えでありますか。その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(家坂孝平君) 本日大臣から出しまするこの措置につきましては、只今草案中でありまして今日中に出したいかように考えておるわけであります。
 それから先ほども櫻内委員からお話がありましたその他の都市に対する行きかたもやはり都と同じように少くとも六大都市の理事者に宛てまして出したい、かように考えております。
○秋山俊一郎君 今の手数料の問題に対しては。
○政府委員(家坂孝平君) この点に関しましては、今勧告をいたしまする趣旨に基きまして出ておるものが、若し話合いがつきまして或る一走時期に話がきまれば、それは勿論取戻すように取計らわなければいかんと考えております。
○秋山俊一郎君 どうも先日も新聞に出たのですが、今日も又新聞に出ておるのであります。今朝の毎日新聞に六分五厘に話がついたから取つておる、こういつたようなことが出ておるのでありますが、農林大臣との話合いで解決がついた、こういうふうに出ているのですが、どうも私は出所が同じ所から出ていると思うので、我々こういう問題を取扱つておる際に、もりすでに解決したがごとき記事が出まするというと、これは各地方においてはすべてそれに倣つて行くのじやないかと思います。こういう点について水産庁においても一つ十分御留意を願いたい。過日の問題は農林大臣が何かやはり関連してそういうことになつたらしいようなお話がありましたが、今度のもやはりそういうふうであるとすれば、まだ未解決の際に解決したかのこと報道をするということは非常に惡影響を及ぼすと思います。そうして恐らく生産者にしましても遠方のかたはそういうふうに片がついたのかと非常に落胆されるだろうと思いますし、又荷受機関としては中央においてそういうふうに解決したならばじやんじやん取れ、こういうことになるだろうと思われますので、この解決は軍に新聞の記事といえども非常な影響の大きい問題でありますので、特に関係者に対してはその点を強く注意を促して頂きたい。
○青山正一君 今お聞きしましたところが、東京はともかくとして大阪も京都も取つておるそうです。こうなりますと先日の参議院の決議は結局二束三文ですよ。何にもならんというようなことになります。只今いろいろ長官からお話を聞きましたのですが、その手続の上におきましても、或いは向うに対する言渡しの上におきましても、何だか少し時期が遅かつたようにも思われるわけなんです。例えば今日こういうふうな東京はともかくも大阪なり京都が手数料を七分として取つておるというならば、あとから取戻せばいいじやないかというふうなことじやなしに、先日参議院で決議したこういう決議が二束三文にならないようにはつきりと大臣名なり、或いは水産庁長官の名で以て、取るなとはつきり電報を打つて頂きたいと思う。或いはそういうふうな通牒を一つはつきり出して頂きたいと思うのです。そうしないことには、これもあとから出す、あとから出す、その結果をあとから出すというのじやこれは困ると思います。一旦出した、この手数料を上げて取つておつたものに対しては、あとから出すということはこれはなかなか問題で、いかんことと思います。一つそういうふうな手続をとられるか、とられんかどうか、その辺をはつきりして頂きたいと思います。
○政府委員(家坂孝平君) 大体今日大臣から出しまする通牒もそうした意味合を含めたもので考えたい、かように考えております。
○委員長(木下辰雄君) それではもう本会議の始まる時間も押迫つておりますので、参議院の態度ははつきりしておりますから参議院のこの決定事項の趣旨を十分一つ尊重されて、農林大臣の通牒がほごにならんような努力を当局にお願いいたしたいと思います。それで中央卸売市場の件についてはこれを以て盡きたいと思います。
○千田正君 委員長ちよつと待つて下さい。若し農林大臣の通牒か行つても、都、若しくは六大都市がそれを受容れなかつた場合はどうするか、こういう問題についてやはり我々は予備的に考えておるわけなんであります。というのはすでに発令しておる、昨日からやつておるとするならばそれに対して、先般もこの委員会において我々が十分討議したように、農林大臣の通牒が効果をもたらさなかつた場合において、この漁業生産者のために当委員会は如何なる処置をとるか。私は、先般も提案したように臨時措置法を以て我々はこれに対処しなければならない。その点に対する用意があるかどうか。なおそういう点について水産当局はどういうふうに考えているか。この点一言長官から御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(家坂孝平君) 大臣の通牒に対しまして各開設者側がどんな態度をとられるか。その態度によりましては又第二の問題も考えなければならんと思つております。併しどういうことであるか、どんな態度でおるか、これはまだ先のことになりまするが、十分その点につきましては私共も検討しております。
○委員長(木下辰雄君) それから委員長に対するあれがありましたが、若し委員会の決定事項に対して農林大臣が適当の措置をしないという場合においては、改めて委員会において十分一つ御相談いたしたいと思います。
○千田正君 同時にこれは相当緊急を要する問題でありまして、考慮中であるとか或いは研究中であるというような言葉をもつて今日の事態に処するということは、我々は許さるべき問題じやないと思いますから、若しもそういう事態が生じた場合におけるところの、万遺漏ないだけの用意をして欲しいということを要望して置きます。
○委員長(木下辰雄君) 外に御意見がありませんければ……。
○青山正一君 ちよつと調査して頂きたい点があります。先ほどの私の質問にも触れて置きましたのですが、どの荷受機関が或いはどの卸売人がどれだけの焦げつきの命があつて、その利子を毎月どれほど拂つているか。これを一つ調べて頂きたいと思います。その拂つておる額が現在の手数料の五分に対してどれだけの率になつておるか、その点々はつきり早急に調べて頂きたいと思います。
○委員長(木下辰雄君) 水野課長よろしうござい属すか。
○説明員(水野榮君) よろしうございます。
○委員長(木下辰雄君) いつまでにできますか。
○説明員(水野榮君) 明日中にはでまると思います。
○委員長(木下辰雄君) そんなに早くできますか。
○説明員(水野榮君) 借入金額と利子とそれから今の手数料、これがどのくらいになつているかということは……。
○委員長(木下辰雄君) 青山委員の御質問は東京都だけですか。
○青山正一君 できるならば六大都市全部のほうが……。
○説明員(水野榮君) それはちよつと……。
○青山正一君 電報を打てばみんな喜んで言つて来ると思いますが、先ず東京都をお調べ願いたい。
○委員長(木下辰雄君) そういうことを委員会としても要求いたして置きます、
 それでは本日はこれをもつて閉会いたします。
   午後二時五十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           青山 正一君
           千田  正君
   委員
           入交 太藏君
           秋山俊一郎君
           松浦 清一君
           櫻内 義雄君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       岡  尊信君
  政府委員
   水産庁長官   家坂 孝平君
  説明員
   水産庁漁政部漁
   船課長     高木  淳君
   水産庁産業部加
   工水産課長   水野  榮君