第009回国会 農林委員会 第3号
昭和二十五年十二月四日(月曜日)
   午前十一時五分開会
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  本日の会議に付した事件
○新農業政策確立に関する調査の件
 (農林漁業金融特別会計に関する
 件)
 (農業共済組合連合会事業不足金に
 関する件)
 (農作物防疫に関する件)
○競馬法の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)(第八回國会継続)
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○委員長(岡田宗司君) これより委員会を開会いたします。
 新農業政策確立に関する調査を議題といたします。速記をとめて。
   午前十一時六分速記中止
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   午後零時九分速記開始
○委員長(岡田宗司君) 速記を始めて。それでは午前中にこの程度にして休憩いたします。
   午後零時十分休憩
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   午後三時六分開会
○委員長(岡田宗司君) それでは只今かも委員会を再開いたします。
 本日農林大臣の御出席を得ましたので、過日の委員会におきまして事務当局にいろいろ御質疑がありましたが、その際になおはつきりしない三点等がいろいろな問題について残つておりますので、これを順序を立てて御質疑を願いたいと存じます。
 それで先ず第一に、農林漁業中央金融公庫が大分最初と情勢が変つております。なお事務当局も十分首肯すべき御説明ができておりませんので、それらの点について先ず大臣から御答弁を得たいと存じます。農林漁業関係の金融問題についての御質疑からお願いいたします。
○岡村文四郎君 大臣が御就任早々から非常に御熱心に農林漁業の金融について御心配せられ、その後農林金融公庫をお作りになろうというので非常に御熱心にやつておられたようでありますが、その後情勢が、変えざるを得ないような情勢になつて変えられて農林漁業金融特別会計で行きたいという御方針のようでありますが、それがどこまでお進みになつているか、どういう構想でおやりになる御計画か、承わりたいと思います。
○國務大臣(廣川弘禪君) 最初私はこれは金融公庫の形式で推めるほうが非常によいと思つていたのでありますが、だんだん折衝いたしておりまするというと、公庫の形式じや面白くない、特別会融の形式でやつたらどうかというようなことで、大蔵省を通じて折衝いたしておたつたのであります。私もたびたび参りまして、特にドツジ氏に対しましてにこの見捨てられた農村の金融はどうしても長期低利の金を投じて貰わなければ困る。特に我々は今農村に資金を蓄積しよう、こういう考えでいるわけなので、どうしても実現して欲しいということをいろいろお話いたしたのでありますが、一般市中銀行に國家資本を入れるということはなかなか納得できないので、あらゆる方法を講じてお話して、最後に特別会計ということで落ちたのであります。それで大体私の承知いたしているところは、本会計から二十億、それから預金部から四十億、この六十億程度で今年はどうかという話の程度でありまして、細かい点等はまだ実際に折衝いたしておりません。その後概要程度のものが我々にわかつておるだけでありますから、新聞等で所管問題というものが話になつておるようでありますが、これについても両方で共管にするのがいいのじやないか。私はこういうふうに考えており秘す。そしてその詳細の方法に今事務のほうで大蔵省と折衝して立案中でありますが、どういう形で行くか、極く簡單な形で、もうしち面倒くさい手続でなく、成るべく簡潔にして早く金が流れて而も効果的になるように実は私どもして貰いたいとこう考えておるのでありますが、実際の内容のことに私まだ承知いたしておりません。
○岡村文四郎君 今お話を承わると、大体六十億程度の特別会計の方法にいたすようになりかけておる。こういうので、詳細はまだできておらんようでありますが、大臣よく御承知のように六十億の金ではなかなか賄い切れんので、我々は最小限度百五十億は上げなくては困る。一年中でなくて相当長い年月、それを続けるのでなければ現在の農村の金融の逼迫、事業の支障は救われないと考えておりますが、洩れ承わりますと、大蔵省の預金部の金をその足らぬ部分は融資されるようになりはしないかというようにも洩れ承わつておりますが、その点はどうでありますか。
○國務大臣(廣川弘禪君) その点只今話合い中でありましてまか内容にちよつとはつきりいたしません。これを中金に引受けさせるようにするか、或いはその他の方法で考えられるか、まだよくそこら辺わかりません。折角折衝中であります。
○岡村文四郎君 もう一つ大事な点を……。これはお聞きするというよりは、そういうおつもりで努力されたいという部面が多いかも知れませんが、所管省の問題でありますが、どうも農林省と大蔵省の両省の共管では非常に不便があり、物事が急速に進まない憂えがあると思うのであります。單にそういう報告する程度ならよろしいかも知れませんが、農林省ばかりが、若し監督管理をするにいたしましても、これもなかなか遅くなりはしむいかという心配がありますから、どうしてもこれは大蔵省に報告程度ならそれでもよろしいと思いまするが、そうでなくて実際その事柄を一々御相談申上げて、大蔵大臣の承認を得なければ金が出ないということになつたのでは非常に不便になりまするから、これはどうしても農林大臣限りで仕事が運ぶように我我はなるように進めなければならんと思つておりますが、まだそれを言つて行く時期には早いかどうか。そこは大臣はどうお考えになつておるか、それを……。
○國務次臣(廣川弘禪君) 実は釘を打つてありますが、まだ正式に言うまでには至つておりません。
○委員長(岡田宗司君) じやほかにこの問題につきまして、御質疑がございませんか。
 それではこの問題につきましては午前中の委員会で、農林委員会といたしまして政府に申入れる件が御決定になつておりましたので、この点につきまして岡村さんにご説明をお願いします。
○專門員(安樂城敏男君) 農林漁業金融特別会計に関する申入、昭和二十五年十二月四日参議院農林委員会
  かねて政府において計画中の農林漁業金融公庫は、その実施が不可能となり、これに代つて農林漁業金融特別会計が設けられることとなるようであるが、右に関し左記の事項を実現せられるよう右申入れる。
   記
 一、この特別会計の資金は少くとも百五十億円とすること。
 一、この資金は極力長期低利なものとすること。
 一、この資金は土地改良、林道及び漁港等公共的なもののみに限ることなく、農業倉庫等農林漁業用各種施設に対しても融通することすること。
 一、この特別会計の運用を、農林漁
  業の実情に即応して最も円滑且つ
  効果的ならしめるため、別途計画
  中の中小企業信用保險特別会計の
  例にならい、これを農林省の所管
  とすること。
○岡村文四郎君 只今お聞きのような申入を政府にすることに、今朝委員会できまつたのでありますが、私が今お尋ねしたことと大体同様でありまするが、是非この申入れによつて、大臣は極力この申出に即応いたしますようにお骨折りを願いたいと存じます。
○國務大臣(廣川弘禪君) 承知いたしました。もう一つ考えております農林中金に対する融資の点もあることでありますから、その辺のところを多少お任せを願いたいと思います。
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○委員長(岡田宗司君) それでは次に農林共済保険の問題につきまして、過日事務当局といろいろ御質疑がございましたが、その問題につきましての御質疑をお願いいたします。
○赤澤與仁君 先般の國会におきまして、当農林委員会といたしましては、廣川農林大臣に対しまして農業共済制度の整備拡充につきましてお申入をいたしたわけであります。第八國会の終了後、新潟におきまする大臣の御発言の中におきましても、一割増産の問題と、この農林漁業金庫の設立の問題と、農林災害補償制度の整備拡充と、この主点を、車中談でありましたか御公表になりましたわけでありまして、その後この問題につきましても相当お考え頂いておりますことは、承知いたしますものの、私どもといたしましてはそれに満足できない状態にあるわけであります。その後におきまする災害の発生その他から見まして、國の再保険会計におきましても、一般会計から補填しなければならない現状にあることは御存じの通りでありますが、ただここで問題にいたしたいことは、元受保險団体でありまする府県団体以下の共済組合連合会並びに町村の單位組合におき排しては、この保険金の支払いのための事業不足金が現在相当あるわけであります。で先般の昭和二十五年度のこの水稻に対しまする保険金の支拂いにつきましても、相当府県団体におきまして二十数億の赤字になろうかと考えられるわけであります。従来今までにすら相当の借入金をいえしまして、この保険金の支払いを府県団体ではいたしておるわけであります。國でございまするならば、一般会計から繰入れるという方法もございますけれども、これは繰入金で処理をいたしているわけなんでございますが、もう金融機関からの信用その他におきましても、この団体といたしましては、満度に達しておりまする関係もございまするので、この事業不足命に対しまして、何とか國といたしまして、措置を講じて頂かなければならんと存じているわけでございます。これに対しましてどういうようにお考えになつておられるか。一応お尋ねいたしたいと思います。
○國務大臣(廣川弘禪君) この問題も農村問題としては大きな問題で、省といたしましても全力を挙げてやつているわけであります。これは現在我々の推定によりまするというと、大体二十億程度のものがあることは確かであります。あなたのおつしやいました保険の問題もよく伺つているのであります。これを本年度において再補正をするかしないかということで、今資料を集めておるようなわけであります。
 それからもう一つのほうは、どうしても二十六年度の関係になりはせんかと私は考えております。細かいことは又事務のほうから説明させますが、それから来年度の予算面に出でおりますのは、本会計から最初大体今まで二十億だつたのが三十億になつたようであります。その程度であります。
○赤澤與仁君 お話の点は了承いたしましたが、現在の水稻の保険の支払いについての問題は一応さておきまして、現在の府県団体におきまする農業共済組合連合会の不足金を如何にするかという問題に限つてお願いをいたしているわけでございますのですが、これにつきましては、現在借り入れているものにつきましては数億に上つておるわけでございまするので、私どもといたしましては先ず予算的な措置といたしましては、これが不足金を政府の財政を以ちまして予算から補填して頂きたい。かように考えるわけなんでございますが、その他にも予算的な措置は法的な措置を必要といたすと思うのでありますこの二十六年度の予算に組入れられているかどうかという点につきましては、今のお話ではまだ組入れられておらないようでありまするが、しかいたしまする場合におきましては、この不足金の補填のための繰入ということにつきましては、二十六年度の補正予算で御心配願うより仕方があるまい。かように思いますわけでありますが、これに対しまするお考えを先ずお伺いいたしたいのと、予算を伴わない場合につきましても、一応この制度を整備発案いたしますために信用ということも必要であろうかと思いますので、予算は二十六年度の補正予算にするにいたしましても、補填に関しまする法律ということについても私どもも考えなければならんと考えておるわけでありますが、政府におきましては、これについてどういう工合にお考えになつておられるか、若しその予算が二十六年度の補正予算ということになりますと、その間の時間的なズレといたしまして、不足金に対しまして低利資金の融通というようなことにつきましてもお考えを願わなければならんと思いますわけでありますが、この三点についてお伺いいたします。
○國務大臣(廣川弘禪君) これも大きな問題でありますので、私たちはこれをでき得るように努力いたしたいと思います。又法律の改正その他もあるようでありますから、我々といたしましては十分検討いたします。
○赤澤與仁君 一応了承いたしましたわけでありますが、その法律改正の場合につきましては、私は非常なる災害が勃発するという現実の事実と、もう一つは法の内容におきまして標準賦課率の決定、或いは元受再保險の負担区分の問題というような現在の法律におきまするこの制度運用面につきましても、改正を要する点が多々あろうかと思いますわけであります。この点につきましても私どもとして考えなければならんとも思つておりますわけでありますが、政府のほうにおきましては、併せてこの点もお考えを願いたいと思います。
○國務大臣(廣川弘禪君) 承知いたしました。
○赤澤與仁君 この程度で質問を打切ります。
○委員長(岡田宗司君) 他にこの問題についての御質疑はございませんか。
○岡村文四郎君 今の赤澤さんの御質問の問題で、重ねてお願いをいたしたいと思いますが、実は農業共済保険について北海道が前にやつておりまして、今度法律が出る時分に千二百万円ばかりの赤字ああるので、これをそのままにしてこの法律を通すと、北海道の赤字は持つて行く場所がないから、これはどうするかということで、大分審議もいたしましたが、必ず政府が責任を持つて何らかの処置をして迷惑はかけんようにするからというので法案が通過したのでありますが、その後毎年赤字を出しましてそうして前のもそのままであり、何年たつてもその赤字が埋まる時期は来ないと思つております。そこで赤澤さんのお話のようの法律の改正は当然しなければならんのでありますが、一刻も早くこの処置をしてもらいませんと、政府からも金の融資を受けられるならばいいのでありますが、そうでない場合には非常に窮地に陷つて、支払いも不可能な状態になつておりますから、是非とも一刻も早く前のも併せて、その措置をしてもらいたいと考えております。そのときの農政局長は山添さんでありましたか、山添さんも必ず措置をするとこう言つておられましたが、今度代つた局長も同じことを言つておられますが、なかなか実現をいたしません。それはこの法律の出ぬ先のことで、今は八百五十万か九百万になつておると思います。これは一応言つて速記に残した以上は、大臣でなくても局長でもそいうことを言つた以上は、どこまでもその責任を果してもらわんと我々の議員の責任が果せんわけであります。これは大臣御存じかも知れませんが、是非一日も早く、私に言わせると災害による保険は、やるという以上、災害があれば必ず國でその足らん分を補填をする、こういうようなことにならんと、このまま続けますと、非常な毎年毎年と迷惑が重なるからいかんと思うのですが、その点を留意して法律を変えてもらわんといかんと思うのでありますが、如何でございますか。
○國務大臣(廣川弘禪君) 足らん点は叱つて置きます。何かなかなかむつかしいのでなしくずしにやりたい、そういう話であります。(笑声)そういうことも併せて一つやるようにいたします。
○委員長(岡田宗司君) この問題につきましてほかに御質疑ありませんか。御質疑がないようでしたら本朝の委員会におきまして農業共済組合連合会事業不足金整理に関する委員会としての申入が決定しておりますので、これを赤澤さんのほうから申入れて頂きます。
○專門員(安樂城敏男君) 農業共済組合連合会事業不足金整理に関する申入、昭和二十五年十二月四日 参議院農林委員会
  この件については、去る七月四
 日、廣川農林大臣に対し、当農林委
 員会から申入がしてあるので、すで
 に必要な手配が進められているこ
 とと思料するが、昭和二十二年農
 業災害補償制度が実施せられてか
 らこのかた、稻、麦及び家畜に対す
 る不測の異常災害が頻発して、農業
 共済組合連合会事業不足金が累積巨
 額に達し、事業の運営が重大な危機
 に逢着し、この制度の将来に重大な
 暗影を投ずるに至つて、かかる不足
 金の整理が刻下の急務であるにかん
 がみ、政府は、これが整理に関し速
 かに左記の方途を講じ、特に金融措
 置については本國会中に、なお、法
 的措置については第十國会中に、又
 予算的措置については、昭和二十六
 年度予算を以て措置せられるよう。
  右申入れます。
    記
 一、掛金率を改訂すること。而し
  て、この場合、共済掛金の増加分
  はすべて國において負担すること
  となし、農家負担分は現行以上に
  増加せしめないように措置するこ
  と。
 二、農業共済組合連合会の事業不足
  金(不足金及び利子を含む)を一
  般会計から補填して整理するよう
  措置すること。
   而して、その整理時期まで、國
  において、事業不足金及び利子に
  対し低利資金を融資すること。
 三、昭和二十五年産麦及び稻の災害
  並に同年家畜の災害に対する農業
  共済組合連合会の負担すべき保険
  金支払額の不足金(既往の不足金
  及び利子を含む)に対し、國か
  ら、低利資金を融通すること。
○赤澤與仁君 今朗読になりました申入でございますが、先ほど大臣との間の質疑応答を交わしましたことによりまして、もう御説明を申上げなくてもいいのではなかろうかと考えまするので、一つ当委員会の共同決議でございまするので、速かに法的措置並びに予算的な措置が講ぜられますようにお願いを申上げて置きます。
○國務大臣(廣川弘禪君) 努力いたします。
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○委員長(岡田宗司君) それでは次に、農作物の防疫の緊急対策に関しまして御質疑をお願いします。
○三橋八次郎君 農作物防疫のことに関しましては、先般の委員会で事務当局のほうの御意見は伺つたのでありますが、問題は極めて重大な問題であり、又明年の一割増産と直結しておる大きな問題でありますので、この際大臣のこの問題に対する御決意並びに構想をお伺いしたいと思うのであります。
 第一番目に農作物の病虫害の被害は、我が國では非常に多いのでありまして、主要農作物ばかりでも優に年三百億以上の巨額に達しておるのであります。従いまして一割増産は、この問題の解決ばかりによりましても達成し得るかのような重大問題なのであります。特にこの際、御考慮をお願いしたいと思うのであります。次にこの農作物の防疫に関係いたしまするところの中央の行政機構の整備拡充でございますが、御承知のように農業改良局のほうには発生予察というのがあり、農政局のほうでは農産課で防疫行政を扱つております。資材のほうは資材課でこれを担当しております。防疫事業は要するに伝染病の撲滅でありますので、敏速にやるということが非常に必要であります。然るにこの三つがばらばらになつておる関係上、折角発生予察のほうで見つけ出しましても、その行政措置、資材その他のことが間に合わないで、手遅になるということが非常に多いのでありまして、そのためにこうむる損害というものは少くないと思うのであります。従いましてこれを一元的に統一しまして、強力なる防疫態勢を中央の機関に設けて頂きたい。
 お話によりますと、農林省の全面的な行政機構改革と関連をして、どうこうというふうなお話があつたのでありますが、これは非常に急を要しまして、又極めて重要な問題でありますので、全面的な機構改革ということとかけ離れまして、成るべく速かにこれを実現して頂きたい、かように思うのであります。従いまして、これに対しまして農林大臣はどういう構想を持つておられるか。又どの程度にこの話が進んでおるか、或いはいつ頃実現するかということにつきまして伺いたいと思います。
○國務大臣(廣川弘禪君) これは我々といたしましても、非常に重大に取扱つておるのでありまして、これがために國でも毎年非常な損をしておりますので、できるだけこれに力を注ぎたいと考えております。それから只今おつしやいました機構の改革につきましては、これは省内ででき得ることのようでありますから、速かに課を設置するように私努力したいと思います。
○三橋八次郎君 その次の問題は、中央機構の整備に伴いまして地方の機構の拡充強化でございますが、全國に亙りましてこの人的並びに資材等の拡充強化を図りまして、これらの態勢を強化することによつて、初めて機動的の活動もできると思うのであります。具体的な案もあるのでありますが、これは長くなりますからこの際省略いたしますけれども、少くとも中央の機構改革というものに即應いたしまして地方の機構、或いは組織というものが完備しなかつたならば、実際の活動はできないと思うのであります。これに対しましては法的の措置も必要であり、又予算的の措置も必要るあると思うのでありますが、この全國に亙つておる人的及び資材その他の機構態勢の完備に対しまして、御構想がありましたらお聞きしたいと思います。
○國務大臣(廣川弘禪君) 國といたしましては、地方機構は成るべく縮めたいという方針で行つておりますので、地方の系統団体に機動的に御援助願つて、そして万全を期したいと、こう私考えております。
○三橋八次郎君 今のお話も御尤もでございますが、少くともこの植物防疫、農作物の病虫害の防除というようなことにつきましては、これは傳染病でありまして、百人の中九十九人が防除いたしましても、一人防除を怠る者があれば、そのために一般の人がこうむる迷惑というものは多大なものがあるのであります。従いましてこれが末端機構は、今大臣のおつしやいますように、下部のいろいろな組織を動員いたしますればできると思うのでありますが、せめて國といたしましては、慾をいいますならば各郡、又それができなければ二郡を一つにしたブロツクにでも國の防疫機関というものを設置いたしまして、それの指令により下部の機関が活動する。こういう組織になりますれば非常に結構だと思うのでありまして、若し中央の機構改革に伴いまして、今各県に設けられております発生予察というものが中心となり、本省直属の農作物防疫機関というものを構成しようと思いますれば、それほど大きな金をかけなくてもやれるのではなかろうかと思うのであります。是非一つ國の直属機関といたしまして、或る程度のところまで直接に大臣の命令によつて動くような機関を作つて頂きたい。かように思うのでございますが、如何でございましようか。
○國務大臣(廣川弘禪君) 検討いたします。
○三橋八次郎君 次の問題は、今の植物防疫法にもあることはあるのでありますが、國内に発生いたしますところの稻熱病でありますとか、めい虫、うんか、麦のさび病、白澁病、東北地方に多い雪腐病、その他の病虫害でございますが、成るほど法律はあるのでありますが、法律だけで病虫害というものはなくなるのではないのでありまして、やはりこれに対する法的並びに予算的措置、即ち植物防疫法というものを本当に活かして、國内の植物病虫害、農作物病虫害の被害を軽減し、本当に増産の目的を達成しようと思いましたならば、やはり國内に発生いたしまするところのこれらの病虫害に対する防除の法的措置、並びにこれに対する裏付けでありますととろの予算的措置というものが必要だと思うのであります。法律にはこれらのものもやれるような状態にはなつていますけれども、やはり具体的にこういうことは処置をして頂かなければならないと思うのでありますが、この点内地の病虫害に対しまするところの防除の御構想を聞きたいと思うのであります。
○國費大臣(廣川弘禪君) そこで我々といたしましては、実は来年二億六千八百万円の要求をいたしておりまして、了解を得ておるようなわけでありまして、この金で一斉防除をやりたいと、こう考えております。
○三橋八次郎君 その次の問題は、経費が非常に少くて、而も簡易な方法で、基礎的に効果の挙りますところの種子の消毒、種いもの消毒の問題でございます。これは御承知のように農村指導に当つて見ればよくわかりますように、補助とか助成とかがあるときは一生懸命になつてやりますが、それがなくなりますと、殆んどそれを忘れたかのことくになつてしまうというような事柄が多いのであります。従いまして効果のはつきりした、而も簡易に少い経費で防除の基盤を成し得るというような技術的方法は、やはり法によつてこれを決定して頂くというようにいたしますれば、毎年々々その予算は法の裏付がありますから、直ちにできて行くということになるのであります。成るほど二十六年度の予算を見ましても、種子消毒の事柄もあるようでございますけれども、法的の裏付がなかつたならば直ちにああいう有効な方法が、予算が打切られるためになくなつてしまうのであります。従いまして米麦の種の消毒、並びに種いもの消毒というようなものにつきましては、徹底的にこれを防除する法的措置というものを講じましたならば、非常に病虫害防除上効果があるのではなかろうかと思うのでありますが、そういう方法、措置に対しまする大臣の御意見如何でありますか。
○國務大臣(廣川弘禪君) これは御説御尤もでございますが、我々といたしましては法律というよりも予算を取りまして、自主的にこれをやつて頂くように勧奨いたしたいと思つておりまして、予算を組んでおるようなわけでございます。
○委員長(岡田宗司君) ちよつと只今、農林大臣は衆議院の本会議に関係法案が出ますので御出席になりますが十分ほどその間速記を中止いたします。
   午後三時四十五分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時十七分速記開始
○委員長(岡田宗司君) それでは再開をいたします。
 三橋さん御質疑の続きをお願いします。
○三橋八次郎君 成るほど昭和二十六年の予算には二億六千余万円を計上して頂いておるのでございますが、これだけでは全般的な防除の予算といたしましては十分ではないと思うのであります。なお、特に種の消毒を取上げました理由と申しますのは、根本的であつて、而も経費が非常にかかる。併し大体一億四、五千万円ありますると、ここに掲げてあります米麦、いも類の種の消毒はできると思うのでありますが、そういうような点につき察しても更に一つ十分に御考慮をお願いしたいと思うのであります。
 それからその次の問題といたしましては、農薬並びに防除用の器具、機械の問題でございます。これは御承知のように需要に非常に時期がありますもので、要るときにはどこもかも要る。併し要らんときにはどこも要らんというので、この非需要期にメーカーがこれらのものを作つておくということが非常に必要なわけでございます。なお、朝鮮動乱などの関係で、防除資材でありますところの薬剤の原料並びに噴霧機のゴムホースなどの材料であります生ゴムなどの確保というものは非常にむずかしくなつたというような関係があるようであります。従いましてこれに対しまして事前に十分に確保し、或いはこれらの業者に対しまして低利資金を貸してやるというようなことにつきまして、何か御計画あればお伺いしたいと思います。
○國務大臣(廣川弘禪君) 只今の御説御尤もでありまして、我々といたしましては、来年度予算に両方合して一億五千万円ぐらい計上されていると思つております。それで必要な資材につきましては通産省とそれぞれ打合わしてやつております。
○三橋八次郎君 先ほどちよつと聞き漏らしをしたのでございますが、植物防疫法というものの内容を見ますると、主として病気の伝播の防止というようなことに重きを置かれておるようでございますが、この法律を改めまして、國内に発生する病虫害の防除の対象になるように、改正をするということにつきましての御意見は如何でございますか。
○國務大臣(廣川弘禪君) 検討いたします。
○委員長(岡田宗司君) よろしうございますか。
 それでは植物防疫に関しまして、今朝の委員会で政府に申入をすることに決定しておりますので、それに対しまして申入の文を安築城さんのほうから読んでもらいまして、あとでその説明を三橋さんにお願いいたします。
○專門員(安樂城敏男君) 農作物防疫緊急対策に関する申入、昭和二十五年十二月四日参議院農林委員会
  農作物の防疫が喫緊の要務である
 ことに鑑み、これが徹底を図るため、
 政府は、速かに、左記事項を実施せ
 られ、なお、法的措置については、
 第十國会中に、又、予算的措置につ
 いては、昭和二十六年度予算を以て
 実現せられるよう
  右申入れする。
    記
 一、農作物防疫の徹底を図るために
  は、先づもつて、これに関する中
  央行政機構の整備がその前提であ
  ることに鑑み、農林省の全面的機
  構改革と切離し、速かに、現在農
  林省農業改良局研究部に所属する
  発生予察業務、同農政局農産課に
  所属する植物防疫業務及び同資材
  課に所属する農藥、農機具等防除
  資器材業務とを統合し、これを中
  心として、一元的に独立した強力
  なる農作物防疫中央行政機種を設
  けること。
 二、農作物の防疫を徹底するため、
  全國にわたつて、人的及び費器材
  的に、農作物防疫態勢を完備する
  こととなし、これに必要な法的並
  に予算的措置を講ずること。
 三、既に國内において発生を見てい
  る稻熱病、めい虫、うんか、さび
  病、自流病、雪腐病等一般病露虫
  の異常発生に対しても、國の責任
  による徹底防除の方途を講ずるこ
  ととなし、これに必要な法的並に
  予算的措置を講ずること。
 四、米麦の種子及び種いもについて
  は、その消毒が普く徹底的に励行
  されるよう適当な措置を講ずる
  こと。
 五、農薬及び防除用器具機械等防除
  資器材の生産に必要な低利資金及
  び原料の確保に関し適当な措置を
  講ずること。
  なお、資金及び原料の現状にかん
  がみ、この措置は、速急強力に実
  施すること。
 以上であります。
○三橋八次郎君 作物防疫の問題は極めて重要なることであるにもかかわらず、従来等閑に付せられておりましたことは誠に遺憾と存ずるところでございます。併し昭和二十五年度の補正予算並びに二十六年度の予算におきましては、これまでに見ないほど関心が払われておるということは喜びに堪えないところでございます。どうぞ一つ先ほど御質問申上げましたこと、又同時に今の申入書のことにつきまして廣川農林大臣の政治手腕に信頼いたしまして、この申入が速かに実現するように特にお願い申上げたいと思います。
○國務大臣(廣川弘禪君) 三橋さんはそのほうの大家でありますから、どうか我々の及ばないところを教えて頂きまして、そうして我々はこの部面に努力いたしたいと思います。
○委員長(岡田宗司君) 只今三つの申入を政府にいたすことにいたしまして、これらの申入は無論いろいろ問題がありますので、なお幾多の申入を政府にしなければならんかと思うのでありますけれども、緊急のものして政府のほうで十分に御考慮願つて、そうしてできるだけ速かに具体的に御処置あらんことをお願いします。
○委員長(岡田宗司君) それでは次に競馬法の一部を改正する法律案、これは衆議院のほうで議員提出法律案になつておりまして、前國会からの継続審査になつております。それで事務当局に対する質疑は大体終つたわけでございますが、なおはつきりさせなければならん点がございますので、私から農林大臣に対しまして二、三これをお伺いして置くことにいたします。
 先ずこの競馬法の一部改正法律案は、御承知のように中風に國営競馬場を増設する。こういうことなんでございますが、これは中京といいましてもいずこに置くかということで非常な問題がありまして、地元のほうでも場所が決定しておらん。それから農林省のほうでもどこというふうにこれをまだきめるのに……、農林省としても法律が通らないうちははつきりした意思表示ができないわけでありましようけれども、なお質疑の過程におきましても、若し法律が成立いたしましても、どこに置くかということを前以て農林省として明らかにできないような段階にあるわけであります。そこでこれは参議院の農林委員会としても非常にいろいろと審議があつたわけでありますが、その後競輪がああいう状態になりましたために、競輪場のああいう状態から見て、今後それに類似したような施設を今殖やすことはどうか。こういうような見解も出て参つておつたわけであります。それで通産政務次官或いは文部政務次官等からいろいろ事情を聴取したわけでありますが、先ず農林大臣はそういうふうな情勢の下において、この議員提出法律案になつております中京の競馬場の設置という問題について、どういうお考えを持つておられるか、殖やすほうが妥当であるというお考えを持つておられるかどうか。先ずその点からお伺いしたい。
○國務大臣(廣川弘禪君) これは歴史的に見て、又今までの観衆の訓練度等から見て、私は競輪と一つにして考えることは少し違つていやしないかと考えるのであります。而も又この競馬場の発達の歴史を見ますと、馬の鍛練、或いは種馬の選択等、非常に今までも貢献いたしておりますし、今後もその方面に貢献できると考えますので、私は適当な場所が中京にありますれば、やつて差支えないのではないかと、こう考えます。
○委員長(岡田宗司君) それから次にお伺いしたいのは、過日畜産局長に対する質疑の際、畜産局長のほうから、國営競馬は本筋ではない、大体競馬は民営のほうが妥当である。それで民営にするための法律案を今考慮中であつて、できれば来國会にこれを提出したいという旨の御答弁があつたのでありますが、農林大臣は、競馬は國営か民営かどちらをおとりになる方針であるか。
 又第二に若し競馬の機構を改正するというような御意思がありましたら、それをどういうふうになさるつもりであるか。それの法的措置として法律改正案をいつお出しになるか。そういうことにつきましてお伺いします。
○國務大臣(廣川弘禪君) これも発達の歴史を見まといろいろあるうよでありますが、私たちといたしましてはどつちがよろしいかということを検討するように話してあるのでありまして、畜産局長、或いは少し言葉が足りなかつたかと思いますが、まだはつきりきまつておるわけではございません。両方検討してくれということを私が申入れてあるのでありまして、まだどつちともきまつておりません。さようなわけでありまして、両方どつちにも長所なり短所がありまするので、よく検討して見たいと思います。
○委員長(岡田宗司君) そういたしますと、まだ来國会にこの機構改正に対する法律案の提出ということは、政府のほうではお考えになつておらんということでしようか。
○國務大臣(廣川弘禪君) まだ確定いたしておりません。
○委員長(岡田宗司君) つまり確定しておらんのであつて、若しその研究が済んで確定すれば、畜産局長の言うように提出の運びになるということもあり得るわけですか。
○國務大臣(廣川弘禪君) 案がきまれば、委員会の内意を得て又適当に処置いたしたいと思いますが、まだそこまで行つていないと私は考えております。
○委員長(岡田宗司君) ほかに何か御質問ございませんか。
○三輪貞治君 農林大臣は、現在農林省が非常な推進力となつて推し進められておりますところの食糧増産の問題については、非常な一番の責任者でありまして、今そのことの予算化、そのことの政策の樹立のために非常に御努力になつておると思うのであります。勿論今までおつしやいましたように、この競馬というものは畜産の奨励になる。種牡馬の選択、育成、その他に非常に貢献があるということは考えられまして、食糧増産の面からも間接的には効果があるわけです。併し直接に農地をつぶすというようなことで、多少でもこれが食糧増産に及ぼす影響、こういうようなことをば如何ようにお考えになりますか勿論一方美林その他をつぶしてまでも耕地を拡げておるときであります。僅かな土地でもつぶすことは食糧増産に逆行するということは、これははつきり言えると思います。その辺の軽重、緩急というような点から、それをつぶしてまでもやるべきであるという御信念でありますか、その点を一つ……。
○國務大臣(廣川弘禪君) 美田をつぶさなくても或いは荒廃地等が見つかるかも知れませんし、決して美林をつぶす、或いは美田をつぶすというような考えは私のほうとしていたしておりません。成るべく若し作る場合には、そういうものに抵触しない場所を適当に見つけたらいいのじやないかと、こう考えております。
○岡村文四郎君 どうも話が食い違つてとんちんかんになつて甚だまずいのでありますが、実は第七國会だと考えておりますが、中京地区に競馬場を設けるというので来ておりましたが、請願書が幾つも出て参りまして、設けてもらいたいという請願書もあります。設けてもらつてはいかんという請願書もあつたのであります。そこで視察してもらつた結果によりますと、農耕地に支障なしにやれるというのは一つもないのであります。全部農耕地に支障があるというので、我々委員会ではいずれも妥当でないとして、これを採択しなかつたのであります。その後衆議院のほうで、決議になつて廻つて来ましたが、我々はその内容を知らんから、非常にそれが聞くたびごとに遺憾に考えるのでありますが、聞きますると、長年長引いたために非常に妙なものが伏在をしておるというので、でき得ればこれは決議すべきものではないのじやないかという考えを持つておるのでありますが、併しながら非常にお困りのようで、どうしても何とかしなければならないということになつたとすれば、強いてそれを組む必要もないと思いまするが、非常な何といいまするか、どうも割切れないものが伏在しておるのである。我々委員会として困つておる。そこで中京と名を指して来ておりますが、成るほど中京に違いはないが、五カ所ある中のどこかにきまると思います。これは農林大臣でもおきめにならんと、我々のほうできめます時分には、中京では非常に決議が面倒です。それで統轄した場所がありますれば、阪神競馬と称しますものがありまするが、これは一カ所しかない。阪神競馬を中京へ持つて来る、これでは困るのだから、それで一つ早急に場所を指定して、ここにきめるのだとこういうことになると、判然ときめることが非常に不当であるから、地方からいろいろな文句が出て来ても困ります。実は第六國会であつたかと思いますが、阪神競馬を、戰災をこうむつた市町村に臨時競馬をやらしてくれという、これも衆議院のほうから法律が廻つて参りまして、まあためになるならよかろうという、こういうことで、規則に示されております被害を受けておる市町村が借りてやることを許した。ところが設けることにきまつてから、戰災地のためになるということでやつたのであるが、それがあに図らんや非常に大きな損をして、きめた我々が恨みを買つておるというのであります。そういうわけで、うつかりきめてやると、その責一任が非常に因るのであつて、これは何とか農林大臣のほうでもう少しはつきりして貰わんと、非常に困つております。十分何らかの措置をしてもらいたいと思います。
○國務大臣(廣川弘禪君) これは実はまだ私農林省へ来てからまだ間がないので、陳情も来ておりませんが、党におるとき代議士同士が喧嘩して困りまして、県知事を呼んで仲裁をしろ、君のほうで適当な場所をきめて、そうして持つて来るようにしないと、これはとんでもない間違いが起るからということで、知事に注意したことがあります。私はそのとき知事が意思を統一して持つて来たいということを聞いておりますが、その以後私まだ聞いておりません。
○委員長(岡田宗司君) その点について実は地元の五つの候補地では争いがありました。愛知県の知事が中へ入りまして、地元は一切運動しない。その場所の決定は農林省と、参議院と衆議院の農林委員長のほうできめてくれと、こういうことであつた。併しこれは参議院の農林委員会としてそういう場所の決定等、これは行政的な問題ですから、入るべき問題ではないと、こういうことで委員会ではそういう態度になつたのであります。従いましてまだ地方でもまとまつておらん、こういう情勢であります。速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(岡田宗司君) 速記を始めて下さい。他に御質疑ございませんか。本日はこれを以て散会いたします。
   午後四時四十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡田 宗司君
   理事
           西山 龜七君
           片柳 眞吉君
           岩男 仁藏君
           岡村文四郎君
   委員
           白波瀬米吉君
           平沼彌太郎君
           宮本 邦彦君
           門田 定藏君
           小林 孝平君
           三橋八次郎君
           三輪 貞治君
           赤澤 與仁君
           飯島連次郎君
           加賀  操君
           溝口 三郎君
           三浦 辰雄君
  國務大臣
   農 林 大 臣 廣川 弘禪君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       安樂城敏男君