第010回国会 議院運営委員会 第3号
昭和二十六年八月十五日(水曜日)
   午前十時十八分開会
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  本日の会議に付した事件
○開会式式辞案に関する件
○特別委員会設置の件
○召集日の議事に関する件
○請願及び陳情の受理に関する件
○本委員会の運営に関する件
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○委員長(山田佐一君) 只今から会議を開きます。
 先ず開会式の式辞案につきまして御協議をお願いいたします。
○事務総長(近藤英明君) 本日又この式辞案を重ねてお配りいたしましたが、昨日お配りいたしましたのとちよつと動きましたので、その点だけを申します。「対日講和会議」という「対日」という言葉が取れましたのと、それから昨日の一番おしまいのほうにございました「隣国朝鮮動乱」云々という一節、これが取れております。この今日お配りいたしました案は衆議院におきまして、昨日議院運営委員会にもかけられまして、向うの議院運営委員会の同意を得られた案でございます。以上御説明申上げます。
 それからもう一つ昨日鈴木さんからだつたと思います。「対日講和会議」云云ということがございまして、外務省のほうに念のために問い合せましたが、会議の公式の日本語の名称、これはまだきまつていないそうでございます。いろいろに申しておりますので、そのうちきまると思うが、例えば何々講和会議というか、或いは何会議と言うかきまつていない。こういうことでございます。
○鈴木直人君 一項、二項、三項の意味ですが、「われわれは、講和会議にそなえて、諸般の準備をすすめ、もつて、すみやかに講和にのぞむ態勢をととのえる必要を痛感する」と、この意味は講和会議というものに備えて講和会議に対する諸般の準備参進めというのであるか、そのあとに、講和に臨む態勢というのは、これは講和ということが行われる、それに対して国内態勢を整えるという意味ですかね、どうもはつきりしないのですがね。この講和会議ということがあるについて「諸般の準備をすすめ」というのは、講和に臨む態勢の諸般の準備を進めるということですか、講和会議に対する諸般の準備を進めるということですか、それをちよつと……。
○事務総長(近藤英明君) 前段はこの言葉から申しますと、講和会議そのものに備えての準備であり、後段は講和に臨む態勢を整える、こういう後段のほうが広くなるのではないかと考えるのです。
○鈴木直人君 そうすると「もつて」というのはどうも諸般の準備を進めると共に、速かに講和に臨む国内態勢を整えるという意味であるとするならば、「もつて」というのは準備を進めると共にという意味じやないのですか。「もつて」というのが少しおかしいのじやないですか。
○事務総長(近藤英明君) 文章といたしまして、後段の趣旨は前段の狭いものを受け、前段の狭い言葉の内容を充実し、「もつて」という言葉で繋ぐのが普通かと一応得まして……。
○兼岩傳一君 これはまあ衆議院で練られたのでしようが、この中で六、七行目にある「日本民族独立のため」という字は削つたほうがいいのじやないか。どうしても入れなければ「日本のため」ぐらいにしておかれたほうが與党並びに今回の草案に賛成のかたに適当じやないか。余り嘘つぽいじやないかと思うのです。だから「待望の」ということも問題もありますけれども、「日本のために慶賀に堪えない」くらいにしておかれないと、「民族独立のため」ということは少し言い過ぎじやないかと、こう思うのです。だから「日本のために慶賀に堪えない」くらいのことに直されるほうがいいのじやないかと、こういう修正意見を提出したいと思います。
○大野幸一君 ちよつと理由を……。
○兼岩傳一君 理由は今回の講和の草案は民族を独立させるものではなくして、外国の軍隊が駐在し、外国の軍隊に軍事基地を提供し、つまり民族の独立と全く正反対の方向に向つている講和草案ですから、そういうものに対して民族独立のためにというのは国民を欺瞞することになる。
○大野幸一君 民族独立というのはそもそも共産党がこの間まで唱えて来ておつたのだし、そういう意味でソ連も参加してくれるのだからそれはいいと思う。
○兼岩傳一君 今の大野君の言われることですが、ソヴィエト連邦が参加するということはあの草案を承認することでなくて、あの草案は全くこの全面講和による日本の独立という観点からいつて……。(「ソ連はわからんよ。」と呼ぶ者あり)明快だよ。そんなことがわからんのはタス通信を皆読まないからだ。無知識なんだ。(「ソ連がどんなこと言つてるか我々にはわからん」と呼ぶ者あり)何も読んでいないからいけない。一方のニユーヨークのUPだけ読んで、何も読まないで知つた顔するのは迷惑だ。(「ソグイエトは日本のことを知らないのだから……」と呼ぶ者あり)だから民族独立なぞというこうした嘘つぽい字句を使つて式辞をやるということは国会の恥辱だと思う。だから少くとも民族独立というだけはやめて、まあこういう美しい言葉を使いたかつたら「日本のために慶賀に堪えない」という言葉を使つたほうが大人らしい。そういう子供つぽい、見え透いた嘘を使うことは恥をさらすことになります。だから衆議院はやつても、参議院は修正して行き過ぎないようにされたほうがむしろ私はいいと思います。
○大野幸一君 私はこの前の式辞の案の「さきに勃発した隣国朝鮮の動乱は、すでに一年有余を経過し、これがため、多くの犠牲と災禍が関係諸国民の上に、もたらされつありますが、一日も早く動乱終局への交渉が妥結し、隣国否全世界にかがやかしい恒久平和がおとずれることを心から念願するものであります。」このことは今度削除されたのかどうか知らんが、これこそ私は日本が平和国家として世界の指導権を握る国家として、非武装国家としての意味において私は入れたほうがいいと思うのですが、それが削除されたのはどんな論議の結果削除されたのでしようか。衆議院で削除されたのがおかしいと思う。これこそ日本が最も言い得ることだと思う。(「本当だ」「異議なし」「その通り」と呼ぶ者あり)
○事務総長(近藤英明君) 一応衆議院のほうへ問合せてみます。
○菊川孝夫君 この五、六行目ですが、「米国サンフランシスコにおいて、待望の講和会議が開催される運びとなり」と、こういうふうに言つておるのだが、講和会議というふうに初め表現して、そうしてこの講和会議を受けるに当つて、「この平和條約会議に代表を派遣するよう」と言つておる。同じことを表現を違えておる。これはどういうわけですか。これは初めのほうは「講和会議が開催される」と言つて、後は「平和條約会議」と、こう言つておる。これはやはり一緒にすべきじやないか。同じことを言つておるのですからどちらか一つに……。講和会議でもいいと思う。これは字句の表現ですが、これはどういう技術的に、外務省あたりの意見を聞かなければいけないけれども、同じことを言つておる。同じ会議だ。
○木村守江君 こういうふうに考えられないですか。講和会議というのは平和会議を意味しておるという点から、こういうふうな使い方をしても別に差支えない。講和会議というのは平和会議を意味しておるでしよう。講和会議というのは平和を意味した会議ですね。そういう点から講和会議と言い、或いは平和会議と言つてもいい。
○菊川孝夫君 そういう演説だとか、普通の文章に書くのは違つてもいいが、こういう式辞に一方において「待望の講和会議」と言つておいて、そうしてすぐ受ける場合に「平和條約会議」という、こんな受け方はないと思うのですよ。
○鈴木直人君 それについてさつきも話しておつたのですが、何か意味があつて、さつき私が質問したように講和に臨む態勢、講和合会議という言葉の使い方が意味が違つておるように、或いは「われわれは」というのと「わたくしどもは」というのは、よく調べて見ると、「われわれ」は我が国民ということであり、「わたくしども」というのは我々国会議員であるというようなふうに、これは言葉の使い方を別々にしておるのだというふうにわかるように、講和会議というのは、或いは平和会議というふうにやつたのは何か別に意味があるのかどうか、それを実は知りたい。同じことであれば何も名前を変える必要はないのじやないか。別にこういうことを入れた理由、それは別な理由があるのならばそれをついでに聞きたい。
○菊川孝夫君 ここも講和会議でいいじやないか。それをわざわざ平和会議という……。
○事務総長(近藤英明君) ちよつと只今の大野さんの御質問の削除した点でございますが、これは特別な深い理由はない。ただ全般として文章がすつきりするというくらいのところで削つた。それ以外の理由はございませんと、こういうことでございます。
○大野幸一君 これは私はむしろ入れたほうがいいじやないかと思いますが、皆さん如何ですか。(「異議なし」「入れたほうがいい」と呼ぶ者あり)むしろ私は幣原議長がおられるならば必ず入れられると思う。推測して考えるのですが……。
○兼岩傳一君 「日本民族独立」を削除するというのも一緒に協議して下さい。
○鈴木直人君 それについては私は異議はないですけれども、恐らく今度の臨時国会は講和会議が中心ということであるから、こういう式辞もそれだけに限定して、それに直接的に関連のないことはもう言わないほうがすつきりするという考え方で、朝鮮問題は講和会議とは直接的には関係ないのだから、普通の一般的な通常国会とか、或いは相当多くのことが議論されるような臨時国会であれば別であるけれども、今度のやつは特別の目的の下に開かれておるのであるから、それ以外のものはまあ式辞としては言わないほうがすつきりするだろうということで取られたのかも知れないと、こういう想像をしているわけですが、ただそういう意味で開かれた国会でも、現在非常に関心の強い講和会議には関係してないけれども、隣国においてああいう事態があるのだから、国民としてはこういう意思を持つているのだということを付加えてやることがいい。こういうことであれば何も私たちも異議はないわけです。それはそういう意味で言つたんじやないかということを感じたのです。
○大野幸一君 衆議院で取つたのじやないかという想像は当つていると思います。これは露骨に言えば余り日本国民が遠慮し過ぎていることになるんで、言いたいこともちよつと気がねして、よう言わないのです。どこまでも世界平和を念願することはやはり日本国民に課せられた特典だろうと思います。それですからこういう機会を通じてやはりこういうことも、日本国民が平和を欲していんるだという意味を入れたほうがいいと思います。どうも前のほうの議論だと心の底に卑屈な観念があつたのかも知れない、これはどうか入れてもらうようにお願いいたします。
○杉山昌作君 私は先ほどの兼岩君の「日本民族独立」の問題ですが、まあこれは兼岩君のようなおかたも国民の一部にはあるかも知らんですが、併し大体において今までは占領されて最高司令官は天皇及び政府の上にあるとはつきり言われて、一から十まで支配を受けて来たのが、今度これが全部取れるのだ。そして兼岩君のお話の外国の軍隊の駐留の問題もありますが、これも向うに占領されているという強制ではなしに、主権国家としてのちやんとした協約によつてあるもので、前例を言えばイギリスなんかもアメリカの兵隊が駐留しておりますが、それがためにイギリス国家が独立国家でないということを考えている者は一人もない、そういう意味から、兼岩君が言つた意味で「日本民族独立のため」ということを削除することには反対いたしたいと思います。やはり併しこの言葉がなくつたつても、その前のほうの「国家主権の回復をめざして」云々ということの成果が現われたんだと言えばはつきりしますが、文字を取ることには必ずしも私は不賛成ではありませんけれども、取る意味は兼岩君の言つた意味では賛成しかねます。
○事務総長(近藤英明君) 只今講和会議、平和條約会議、講和会議と、この三段になつている面でございますが、衆議院のほうに問合せしましたところ、特別に深い理由はございません。ただ講和会議と言つて講和会議が三つも重なつたんだから、平和條約会議にした。これくらいの理由ですから、ただここで私は、第一回の前回の時の案と突合せてみますと、前回の時は対日講和会議とありましたが、続いてこの対日講和会議とこう来たのでは語呂が悪いので、そこで平和條約会議になつたんだ、こういう工合に私は考えます。「対日」が取れてしまつたので、「この会議」でもちつともおかしくはない。初めの時は「対日」がありましたから、ここでは対日講和会議と繰返せないから、平和條約会議、講和会議とその次の項へ行つた、こういうふうになつたんだと思います。語呂の関係だと思います。
○鈴木直人君 「日本民族独立のため」をここに入れておいたほうがはつきりする。独立することは明らかなんだから。これは入れて頂いたほうがいい。
○油井賢太郎君 私は今の三つの問題の点ですけれども、平和條約会議というのは平和條約という点に重点を置くならば締結という文字を入れたほうがすつきりするのじやないか。第二の点は「日本民族独立」というのは講和会議によつて独立するということは世界各国が認めているのだから、遠慮することなぐ「日本民族独立」ということを正々堂々と使つて頂きたいと思います。第三の問題ですけれども、これは朝鮮の問題ですが、朝鮮の停戦は世界各国が見守つておる。日本国民としても一日も早く、ここに書いてあるように動乱終局への交渉の妥結を祈つておるのでありますから、こういう気持で以てやはり載せて置いたほうが、こういう機会には適当の措置じやないかと思いますから、載せることに賛成いたします。
○菊川孝夫君 もう一つ意見を述べて見たいと思うのですが、一番最後に「ここに国会は、日本国憲法の精神を体し、」と、こう書いておりますが、憲法に基くとか何とか言つておると思いますが、「憲法の精神を体し」、どういう意味だか、憲法を国会にどうというわけに行かんと思います。憲法に基く精神を体しと、これは何党といえどもいい加減に解釈しておるのですが、この憲法に基くと言うのが本当だと思います。
○事務総長(近藤英明君) これは日本国憲法の精神、條文の表だけでなしに精神までもという意味に私ども読んで来たのであります。
○菊川孝夫君 基くというのは、勿論精神を体し、條文の解釈も正しく解釈する意味だと思います。精神を忘れた單なる條文解釈では憲法は活きるわけはない。
○事務総長(近藤英明君) ちよつと私どもの読んだ気持を申上げますと、あとのほうが法律的な問題を論ずるならば、日本国憲法に基くという言葉になつたかと思いますが、「最善をつくしてその使命を遂行し、もつて国民の委託に応え」るのはいわば道徳的な問題に触れておりますので、日本国憲法の精神という広い意味で表現されておるのじやないかという気持で読んで参つたのであります。
○大野幸一君 そうすると、事務総長の精神というのは、條文解釈のみならず根本精神を忘れてはいけないという、そういう意味ですか。
○事務総長(近藤英明君) そういうことでございます。
○大野幸一君 そういう意味なら賛成したいと思います。今考えて見るとそうかもわからない。
○事務総長(近藤英明君) 多少広く、深く体して見るというと、これは御気持の問題ですから……。
○菊川孝夫君 それも如何にも精神を体したというのは何だかあいまいのような感がするのであつて、憲法は立法精神と法文とを則り離せるものではないと思う。どの法律にしてでも立法精神を無視したところの法律の運用なんというものはないのであつて、立法精神を活かして行かれるように意図して、「憲法の精神を体し」としてあるように思うのですが……。
○事務総長(近藤英明君) そういう立案の当時の、衆議院から聞きましたときも……衆議院の事務当局が立案せられましたときに私どもがそれを聞いて見ましたときに、むしろ日本国憲法の條章それ以上にもつと深くと、こういいますか、その大精神を十分につかんで、非常に深く憲法に基くという言葉で、條文そのものを指す、そうすればあとに憲法の條文ということが出て来る場合ならば日本黒憲法に基く云々、こうなるのでありますが、あとのほうが法律的な言葉でなく、道徳的な言葉までも抑えられているから、精神面までも抑えると、こういう意味からならば前のほうの「精神を体し」という広い言葉のほうが広く包含するのじやないかと、そういう意味から広くよくつかんでいるような気持で読んで参つたのであります。
○鈴木直人君 どうですか、いろいろ御意見もありますが、順次採決を願つて頂きたいと思います。
○委員長(山田佐一君) それではお諮りいたします。第一の問題になりましたこの「平和條約会議」という中の「平和條約」の四文字を削除するということに御異議ありませんか。
○木村守江君 この問題ですが、案が前に「講和会議」とあり、あとに「平和條約会議」と言葉を変えて言つてありますが、式辞の書きようで、何か法的に、或いは外交的に講和の締結をするときに故障があるかどうか、議長さん御経験があられるので、議長さんの……。
○議長(佐藤尚武君) 別にこういう條約の起草問題については経験を持ちませんけれども、併しこれはどちらでもいいと思うのです。前に「講和会議」とあつて後で「平和條約会議」となつておる。文章の意味が違つでおるのじやないと思いますが、併し皆様がたの中で、そういうような疑いを持たれるということならば、言葉を一致したほうがいいじやないかと思います。別に簡單にしたからと言つて、これがこの式辞の精神が曲解されるわけでも何でもない。
○木村守江君 そうしますと、議長さんから説明されたように、この書き方で以て差支えないと思う。私たちもこれを考えるのに、これは言葉、字は違いますが、精神の点に何ら変りはないと考えます。而も講和会議というのは、平和條約というようなこと、平和という問題を大きく取上げたいという観点から、却つて「平和條約会議」とあとに敷衍するように説明するような言葉を入れることが、式辞が生きて来るじやないか。そういうような感じから私は原案に賛成するものであります。平和とあるほうがいいと思う。根本が平和問題ですから。
○鈴木恭一君 我が党はこの問題を少し検討したのですが、さつき油井さんがおつしやつたですが、「平和條約の締結の会議」というような……。
○木村守江君 締結は批准を含んでいるから、これは締結は書かなくてもいい。
○油井賢太郎君 原案のほうがいいな。
○鈴木恭一君 原案がいい。
○油井賢太郎君 原案賛成だ。
○木村守江君 文章の意味から言つていいじやないかと思う。
○菊川孝夫君 変える必要はない。
○木村守江君 この会議は講和会議なんですよ。銘を打つただけでは。ところがこの講和会議というものの根本の精神は平和を意味している。そういう意味から「講和会議」というものを、「平和條約」と書いてちつとも差支えない。却つてこのほうがいいじやないかと思う。言葉を変えたほうが却つていいじやないかと思う。これは文章に同じ言葉を一行置きに「講和会議」「講和会議」とやるのはみつともないですよ。
○鈴木清一君 「この会議」でいい。
○菊川孝夫君 「この会議」でいいですが、実際は平和條約なんだから、平和條約の精神を、我々は平和主義に立つておるので、ここで外国の軍隊を駐留するとか、武装するとか何とかいうようなことがないようにするなら賛成ですがね。
○木村守江君 それならば「平和條約」に賛成してもらつたらいい。
○兼岩傳一君 そんな変な説明はやめて。
○木村守江君 共産党は違うのだよ、やはり。
○菊川孝夫君 特に僕は精神論とか何とか固執する意味ではないが、この文章からこういう表現があると、どう考えてもただ單に我々の原稿ぐらいにあるのならどこでもいいと思うけれども、文章としてはどうしたつて私はおかしいと思う。こういう現わし方は。だからむずかしいことをやめて、精神論ばかりで行くよりもわかりやすくして置いたほうがいいじやないかと思います。むしろ平和をうんと強調したいならばもう一項設けて、この平和條約の意味を強調したほうがいいと思う。こう思うので、言うだけであつて、「平和條約会議」で、これでいいと言われるならば別に固執はいたしません。平和主義に立つておりますから、どこかへ平和条約ということを入れたいというなら。
○小宮山常吉君 今皆さんからいろいろの御意見が出ましたが、折角衆議院でもこの草案が出たのですが、参議院からいろいろ申しておるのですが、衆議院の意向を質して、それで委員長なら委員長にお任せして、一つ解決して頂きたいと思う。
○大野幸一君 解決じやない。議長一任でいい。
○兼岩傳一君 どつちが正しいですか。どなたか。議長もおられるし、事務総長もおられるが、形は「平和條約会議」と言うほうが正しいのですか。「講和会議」というのが正しいようですか。どちらか正しいほうに。
○議長(佐藤尚武君) ちよつと私から御説明というのではないけれども、従来の慣例を勘案して申上げますると、これは外国語で言えばちつとも問題にならないと。思う今度のような講和條約は、ピース・コンフアレンスと言います。それから言葉を換えて言えば、ピース・トリーテイ・コンフアレンスと言います。同じものです。それを日本語で言うと「講和会議」になり、「平和会議」になる。訳しようによつては「講和條約会議」ということになるかも知れませんが、実体はどんな言葉を使つても同じことだと思いますから、ここに言葉を変えてお使いになつても、それが不思議だとは思われない。
○兼岩傳一君 正式の招請状にはどちらが。
○事務総長(近藤英明君) 只今の兼岩さんの点につきましては、先刻もちよつと申上げましたが、外務省に照会いたしましたところ、招請状には英文で参つておりますので、日本語でこれを何と訳するかということにつきましては未だにきまつた訳は作つておりません。
○兼岩傳一君 原語はどうですか。
○事務総長(近藤英明君) 原語はよく確かめておりませんが、日本語としてはきまつた訳を作つておりませんので、いろいろにまだ言つております。外務省自身も講和会議と言い、平和会議と言い、或いは対日講和会議と言い、いろいろな言葉を使つております。又新聞にもいろいろ出ておりますから、何と使つても差支えあるとは考えられない。そのうちにはつきりした確定的な訳ができると思いますが、現状では日本でどういう訳文が公式のものだという、公式の訳というものはありません。こういう返事でございますので、こちらの都合次第で何とおつしやつてもいいじやないかと、かように考えております。
○油井賢太郎君 原案賛成だ。
○兼岩傳一君 わけがわからんなら、わけがわからんことは書く必要はない。
○鈴木直人君 私が最初聞いたときには、言葉を違わした理由が、ほかに何か意義があるかということを聞いたわけです。意義が何も違つていないということが明らかにされたからには、このままにしても、ただ言葉が違うだけで、まあ「平和條約会議」ということが、同じことを意味するだということがはつきりすれば、そういう言葉を使つていいじやないかと思う。
○鈴木清一君 逆じやないですか。どうも解釈を逆にしているらしい。いろいろ御意見を承わつておりますと、結局講和会議という性格と、平和條約会議という性格は同じであるという解釈になつておると思う。そうだとすれば、殊更に文面に表わすのに、異なつた印象を與えるような字句の使い方は必要ないと思う。それで「待望の講和会議」という言葉になつて、性格を出しておれば、ここに改めて「この会議」というように言つて済ましたほうが、却つて表現上から言つてもいいと思う。国会議員自身がこれを違つて言われると、何かそこにあるような解釈をしておるようなことの印象を受けますので、すでに前に出ておるのですから、「この会議」という言葉で通してしまつたほうがいいと思う。
○菊川孝夫君 只今この反対のかたの、「講和会議」と「平和條約会議」が違うのだというような感じを持つておる議員もおるというようなお話ですが、これは実際問題としては、私違わないと思う。やはり同じことならば、こういう必要がないのじやないかと言う人がありますが、実際平和條約会議というものは、講和会議というものを、日本人的にわかり易く敷衍したという意味から考えても、やはり片方においては講和会議と言い、片方においては平和條約会議と書くほうがいいと考えます。(「論理の飛躍だ」と呼ぶ者あり)
○三輪貞治君 ただ同じものが重なるから、語呂が悪いからというぐらいのことだつたら、用語を統一して、皆この「講和会議」とやつてちつとも不思議はない。講和の中には平和を含んでおるのだから。これを講ずる会議だから……。別に反対だとか言うことはない。
○木村守江君 平和條約会議とは、講和会議というものを説明して……。
○中川幸平君 この席のみならず。文章を、ほかの人の作つたものを批評すると、いろいろと批評できますが、とにかくさつきからの説明で、これはどちらでもいいと思うのですよ。講和会議ばかりで一本で行つてもいい。又殊に平和條約会議と、こう重ねてやつても意義あると、こう思うのです。殊に意義は深いと思うのです。さようなわけで、私はまあどちらでもいいと思うのです。けれども、衆議院のほうでも非常に心配して作つたのだから、一つ委員長に委して、こちらの希望のある点も話して、衆議院の委員長と相談して、(「賛成」と呼ぶ者あり)直すとか直さんとか、そういうふうにしたらどうです。
○兼岩傳一君 こちらがきめないで委せちやいかんよ。きめて委すならいいか……。
○中川幸平君 菊川さんの言う意味も一理あるのですが、けれども衆議院できめた原案であるから……。(「進行進行と呼ぶ者あり)
○鈴木直人君 さつき事務総長から報告かありましたが、前にもこういう字句を使つたことがあるのですか。そういう例があるのですか。何かそういうお話でしたが、この前の国会にもこういう字を使つたようなお話がありますが……。
○事務総長(近藤英明君) そういうことは甲さなかつたのですが、何か言葉が足らなかつたかも知れませんが、そういうふうにお取りになつたかも知れませんが、それは私が先刻申上げましたのは、こういうことを申上げたのです。前にと言いましたのは、昨日お配りした中で、「対日講和会議」とありましたから、この対日講和会議とダブることは、言葉としては非常にまずくなります。この場合はそこで、対日を取つてしまいましたので、強いてここに変えなければならんということもなくなるのじやないかということなんです。
○大野幸一君 「平和條約会議」と自由党のほうが主張されるならこちらの反対側のほうでは、これが本当の平和條約になるか、或いは反対にむしろ平和と反対の條約になるのじやないかということが心配になりますが、我々は本当の平和に向うなら賛成していいが……、その点はどうなんですか、平和條約会議で全権が反対のことをやつて来るとおかしいですが……、そういう意味で社会党も賛成しては……。
○中川幸平君 それはおかしい、平和條約会議は我々待望の平和條約会議というのだから……。
○小笠原二三男君 「平和條約会議」のそれを削除というのですがね。平和條約ということは、その会議における條約に対する日本側における名称をどうするということで、その名称を統一する意味で、政府側の考えでは講和條約とか何とか言わないで、平和條約に統一するということなんだから……、私はそう聞く。そういう意味は、ただ日本側がこの会議を指して、そういう統一した名称にしたいという主観だけの問題であつて、客観的には平和條約会議とかいうようなものは、向うの原語においても何においてもないわけです。それは客観的に言うと講和会議以外の何ものでもないわけです。だから前段において講和会議が開催される。それに招請を受けておるのだということを言えば、「この会議」ということでいいので、内容としては、これは日本側としては平和條約でありたいという期待を持つておるということで、けれども客観的には誰も平和條約会議という名称を付けたことは未だ曾つてないのだから、その意味合いにおいて適当に折合つたらどうですか。(兼岩傳一君「何だい折合うとは」と述ぶ)適当に折合うということは、俺たちのほうの意見に賛成してくれということなんだ。
○木村守江君 小笠原君今来たからわからないのだが、さつき議長から聞いたのですが、講和会議も平和條約会議もピース・コンフアレンスという言葉と同じことだと言うのです。日本語では講和会議、平和條約会議と言うが原語は同じことだ。そういう点から言つて、講和会議というものの中には……、これは講和会議の精神は平和條約なんだから、そういう点で言葉を変えても差支えないのじやないか。
○加藤武徳君 いろいろ議論がありますが、社会党のかたも言つておられますが、要すれば語呂から出たのですよ、問題は。講和会議の吹に平和條約会議とあるから、そこが問題なので、ずつと読んだときにそういう感じがするのだろうと思います。そうして話を聞いてみれば大した意味はなかつたというようなことでありますから、やはりこういう、式辞というものは、そういうふうに意味が二つに分かれておるのじやないかと思う表現につきましては、やめたほうがいいのじやないかと思います。講和会議がいいか、平和條約会議がいいかわかりませんが、その点は一つ語呂を統一するように委員長でおきめ願いたい。ここでいろいろ御議論を聞いてわかつておるでしようから……。
○委員長(山田佐一君) では委員長及び議長に御一任願いまして御異議ございませんか。
○鈴木直人君 それで一任されたらすぐここできめて下さい。委員長裁決だ、委員長の言うた通りに……。
○小笠原二三男君 今後における名称の統一が行われるのだから、変な名称が作られたら困ると思うから、積極的に名称を付ける意思がなかつたら、消極的に、一般に使われている言葉を使つて、余り特殊な言葉を使わないほうがいいと思う。
○鈴木直人君 そういう希望を付して満場一致で委員長に頼む、それに従うということにしよう、いいでしよう。一致して委員長の言うた通りに賛成する。
○兼岩傳一君 今きめちやうのか。
○鈴木直人君 そうです。いいでしよう。今一致して委員長に一任して……。(「賛成々々」「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(山田佐一君) それではそれでよろしうございますか……。議長ともよく相談いたしましたが、単一化したほうがおわかりがいいでしよう、ですから四字を削除いたしまして「この会議に」ということに……。ではさよう御了承願います。(「賛成」「議事進行」と呼ぶ者あり)
 次に兼岩さんの動議でありましたが、「日本民族独立のため」という、これはどういたしましよう。
   〔「原案賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田佐一君) それじや兼岩さんどうぞ御了承願います。
 次に問題になりておりますのは昨日提案しました、「さきに勃発した隣国朝鮮の動乱」というこの一句は入れますか、入れませんか。
   〔「原案賛成」「入れるほう賛成」と呼ぶ者あり〕
○小笠原二三男君 前の国会以来朝鮮動乱についてはその終結と、平和のもたらされることを再三希望するということを式辞に言つておるのですから、これは是非やはり隣国の問題ですし、やはり日本の平和の問題に直接関係しますから、日本の国会の意思においてそれに触れておくということは当然のことなんで、まあ論議無用で参議院では入れるように、自由党もそういうふうに願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○鈴木清一君 議事進行ですが、速記が非常に困りますから懇談なら懇談、会議なら会議にして下さい。
○委員長(山田佐一君) 会議であります。発言は委員長の許可を得てから願います。
○鈴木清一君 やはり入れたほうがいいでしよう。これはやはり最後の目標になつておりますのは恒久平和ですから、恒久平和の訪れることを念願しているという点から、この隣国がどうなるかということが国民の心配でもあります。それについて国会ではいつもなされていることで、そればかりでなく今回は講和を控えての会議であつて見ればこれは入れないわけには行かないだろうと思います。入れることを希望いたします。(「同感」と呼ぶ者あり)その意味で、御心配しておられるかたは、入れたいのだけれども衆議院で一応きまつたものだからなかなかという御心配もあると思いますが、平和條約ということを抜くことでもう変つておるのですから、それを入れる入れないということは、自由党のかたもその点については異議はないと思います。満場一致で願います。
○委員長(山田佐一君) それではこの朝鮮動乱の字句を入れるということで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田佐一君) 御異議ないと認めます。字句はその通りを全部入れましてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田佐一君) それではさよう決しました。
○事務総長(近藤英明君) 只今御決定の当方の御意見は、こちらの委員長から衆議院の委員長へということで御交渉願うということでよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○事務総長(近藤英明君) 勿論事務的には十分連絡をとりますが……。
○鈴木直人君 「日本国憲法の精神を体正し」、というのはどうしますか。
○菊川孝夫君 それは撤回いたします。
○事務総長(近藤英明君) それでは全部修正いたしまして衆議院のほうと交渉いたします。
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○委員長(山田佐一君) 次に峠別委員会設置に関する件を御協議願います。
○事務総長(近藤英明君) 特別委員会は御承知の通り一会期ごとに切れますことになりますので、今度第十一回国会が召集になりますと、第十何国会中に設置されました特別委員会が自然に消滅することになりますので、この取扱の問題を御協議願いたい、かように考えるわけであります。つまり改めて設置するかどうか、或いは今まで通り継続する方法をお取りになるかどうか……。
○小笠原二三男君 それはよくわかりますが、国会開会前にそういうようなことをきめておく必要があるかどうか、手続上の問題はどうなんですか。今は国会は何も開会していないのだから……。
○事務総長(近藤英明君) これはこういうふうに御了承願います。臨時国会の召集詔書はすでに出ておりますから、明日を以て必ず臨時国会召集の効果を発生いたします。そういたしますと、明日自動的に特別委員会が翻れることになると思いますので、明朝午前零時を以て切れると考えられますので、本日その措置を講ずるということは、何ら差支えないのではないかと考えて出した次第であります。
○中川幸平君 特別委員会は何と何ですか。
○事務総長(近藤英明君) 引揚と電力と選挙であります。
○鈴木清一君 今回の会期は、三日間という極めて短期間のものでもありますので、この際、委員会を廃止したり、設置したりするというと非常に混乱いたしますので、どうせ次の臨時国会も後日開かれることも予想いたされますので、従来のまま継続することにしたら如何ですか。
○兼岩傳一君 只今継続の御意見もありますが、私は継続するかどうかということについては、皆様の御意見もあるだろうし、実は今回の国会に続いて、批准のための国会も間近に来るでございましようし、前国会のとき、全会派の理事で協議して、見解の一致しました講和に関する特別委員会を設置するということが、この際必要なことじやないかと思います。即ち現在の外務委員会は僅か十名で、そして政府の方針もあつて殆んど十分活躍していない。まさに活躍すべき幕はこの臨時国会を以て切開かれようとしております。すでに前国会において全会派の理事において一致した問題でもありますので、この際是非とも講和に関する特別委員会を設置するということに、全会派の御賛成を得たいと思います。
○中川幸平君 兼岩君の御意見もあろけれども、これは又十月の国会で十分研究することにいたしまして、この三日間の会期の国会では特別委員会をこしらえても、そう意味がないだろうから、この三つの委員会はそのまま継続するという鈴木さんの御意見に賛成します。
○兼岩傳一君 そう言われるならば、その意見に対して僕は反対します。国の運命を左右するような重要な講和に対して、何ら特別委員会を設置しないような、そういう態度で三委員会を持続することには反対いたします。
○中川幸平君 兼岩君の御意見も御尤もですけれども、外務委員会もあるのですから、外務委員会が大いに活躍すればいいから、外務委員会に、御意見があつたら言つて、それ以上に必要があるかどうかどういうことについては……。
○兼岩傳一君 外務委員会は何ら活躍していないと思う。少数で、これではいけないということは、全会派の理事の理事会において承認されておることは、委員長その他それに関係された議員はあまねく承知しておる。それだからそういう事実の上に立つて僕としては……。
○鈴木直人君 議事進行について……、今まであつた三つの特別委員会を継続するかしかいかということを先にきめまして、そうして新らしくやるものについては又その後でやるという順序にやつて頂かないと、こんがらかる。
○委員長(山田佐一君) それでは従来ありました特別委員会は存続することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田佐一君) 御異議ないと認めます。さよう決します。
○事務総長(近藤英明君) 只今そのまま存続とか、継続という言葉が出ておりますが、言葉の意味はよく私どもわかつておりますが、これは一応法律的に申しますと、内容の同じものをもう一遍作るという、こういう意味に了承いたしますが、本件につきましてなお議事部長から御説明を願いますか。なおそうしてこれが前回通り設置するということになりますと、その人数その他の問題等もありますが、その点につきまして……。
○小笠原二三男君 内容としては従来と一型同じにして、委員の選考その他は一般の選考の場合と同様な扱いをするということにして継続する。手続その他のことは一切従前の例によつて措置するということに決定して頂いて、それでなお且つうまくないという点があれば議事録に残すように、形式を議事部長が発言して整えて、そうして進行して下さい。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田佐一君) それではさよう決しましで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田佐一君) さよう決しました。
○油井賢太郎君 なおそれに関連しで、委員長とか理事もやはり前の通りにして置くとか何とかいうことをきめなければ……。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(山田佐一君) 委員長、理事は従前通り同じ人がやる方針だ、そういうことで御了承を願います。
○兼岩傳一君 先に提案した講和に関する特別委員会を作るなり、又外務委員会を拡充するなり、そういうことが全然他の会派において、こういう重要問題に対してそういう考えがないということなら、これは止むを得ないと思いますが、今きめるには事が重大だというので、小委員会とか理事会とかでこの問題を保留しさ研究するなり、そういう考えが全然ないということなら、ないことにして、国民の前に明らかにして頂きたい。
○上原正吉君 兼岩君の御意見に反駁するようですが、事非常に重大だから臨時国会を開いて、そうして本会議でやる、わざわざ委員会を開く必要はないと思います。
○鈴木清一君 今上原さんのような御解釈で行くと、逆に反駁になるのですけれども、重大であればあるほど本会議でやるのだと言うけれども、本会議でやるについては、本会議でやるような方法を今まで審議を一つもしておりません。事務上の手続を変えて、その規則に則つてやるということになれば何ですが、この議院運営委員会で今まで、それほど重大であるから本会議でやるというような意向の下にやられたという話は一度も出ておりません。それでむしろこれはやはり兼岩君が主張しておるように、本当に前からも懸案になつておりますけれども、成るほど期間は短いけれども、少くともこの問題は一応重要問題である限りにおいて、やはり特別委員会を設置してやつて行くべきだと思う。それは一つの決して形式ばかりの問題ではないと私は患います。そういう意味で兼岩君の提案に賛成いたします。
○小笠原二三男君 これは前回の経緯を考えればもう明らかな通り、あの際に本会議で外務委員会の拡充が否決になつたというのはいろいろの経緯があつたのですが、自由党さんのほう巨体でも、拡充するという御意思そのものに対して反対であるというようなことで否決されたのではないという、いろいろこの間の事情を表明された場合に我々了解しておつた。そうしで而も自由党さんのほうで、この後始末はやはり自分たちで他会派にも働きかけて、何とか納得できる措置を講じたいという希望を持つておられたことは、私十分承知しております。だからその精神というものは活きておるのですから、反対というようなことでなぐ、十分考えて行かなければならん問題であろうと、社会党としては考えます。ただそれが今この席で最終的な結論を生み出すということになれば、それぞれ各会派でやはり新たな事態において党の態度を決定するという必要もあると思う。この動議はむげに必要なしということで斥けられるということでなくして、従来の懸案として考慮することといたしまして、ものになるような場合だつたら本国会において何らかものになるようにしたいし、理が合わずということになれば、少くとも批准国会を目標として何らかの具体的な政策を取つて行こうじやないかという意見の一致を見るというような方向にでもして、本日はこの際、これは各会派に持ち帰つて、そうして検討の上で今国会中の議運において一応議題として検討をするとい程度にして、議事を進めて頂きたいと思います。
○鈴木恭一君 小笠原君の言われましたことは御尤もなんで、我が党といたしましては先ほど中川君が言われたことによつて御了知願えると思います。御趣旨のように我々はいたしたいと思いますが、それを委員長としては然るべく取計らつてもらいたいと思います。
○委員長(山田佐一君) 兼岩君の御提案の特別委員会の設置の件は、各党派にお持ち帰りになりまして、そうして御審議を凝らして頂いて、もう一遍この議運にかける、こういうことで御了承願います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  ―――――――――――――
○委員長(山田佐一君) 次に召集日の議事に関する件を御協議願います。
○事務総長(近藤英明君) 本件については議事部長から御説明させることにいたします。
○参事(河野義克君) 召集日は、規則によりまして午前十時に御参集を願いまして、議長は、登院議員の数が総議員の三分の一になりましたとき、振鈴を鳴らしまして、議長席に着かれるわけで、そこでお入りを願うわけであります。
 それで第一に議席の指定でございますが、すでに公報を以て仮議席の指定がございましたが、その議席通りに議長が議席を指定することになります。それからこの議院運営委員会でおきまりになりました三つの特別委員会を設置するという議事を、その際なさるということであれば、その際なさつて結構だろうと思います。それで大体休憩をいたしまして、午後三時に開会式が執り行われて、開会式後に、先ほど内閣からも明十六日の本会議において国務大臣の演説がある旨、吉田総理大臣より正式な通知が来ておりますので、先ほどの議院運営委員会で御決定の趣旨もありますので、午後に、開会式後議場の取り片付け等に二時間近くかかると思いますが、衆議院で先にやられることと思いますが、その後に首相が演説をされます。大体時間の関係について、明日はそういうことで終るであろうと存じます。
○大野幸一君 首相の演説は何時頃になるんですか。
○兼岩傳一君 及びどのくらいの長さですか。
○事務総長(近藤英明君) ちよつと今まだ開会式の議場を片付けまして、整えるのに約二時間くらいかかりますので、五時は過ぎるかと考えます。
○参事(河野義克君) それから落しましたが、昨日議院運営委員会としては、決定を願いました会期のことをおきめ願うわけでありまして、それはまあ恐らく議席の指定、それから特別委員会を設置するなら設置する、そういう議事が終りましてから、常任委員長懇談会を開かれまして、会期の件を諮問せられ、衆議院議長と協議をせられまして後に、会期の件をお諮りになろ。そういうことになりますので、それを午後、首相の演説の前にやられますか、或いは開会式の前にやられますか、なお研究して、又明日議院運営小委員会等でも御相談を願つてきめたらよいと存じます。
○鈴木直人君 常任委員長の打合会というのは何時でしようか。
○事務総長(近藤英明君) 常任委員長の打合会は、時間はまだきめておりませんが、大体午前のこの議席指定、特別委員会設置等の議事が終つたあとで、おやり願わなければいかんのじやないかと思つております。
○鈴木直人君 そうすると、会期のほうは間に合いませんですね。
○事務総長(近藤英明君) 会期の問題は、従つて今議事部長が申しました通り、総理大臣の演説の前後というところあたりが、この議場の関係あたりから参りまして、その演説の前にやるか、あとでやるか、議院運営小委員会等で御協議願えばよかろうかと、かように考えております。(「進行」と呼ぶ者あり)
○兼岩傳一君 どのくらいか時間はわかりませんか。
○中川幸平君 新聞には二、三十分とありました。
○事務総長(近藤英明君) まだここではつきり皆様に申上げるまでに至つておりません。
  ―――――――――――――
○委員長(山田佐一君) 次に請願及び陳情書の取扱に関する件を御協議願います。
○参事(河野義克君) 昨日議院運営委員会で会期を三日にするということを一応おきめになりまして、衆議院もそういう趣きでありますから、いずれにしろ短期間の会期になると考えますが、御承知のように請願及び陳情書は受理をされましでから、文書表に組みまして、それから委員会に付託するわけでありますので、そういう短期間では受理いたしましても事実上審査することができないと存じますので、実際上は受理を差控えろという恰好に扱いたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
○中川幸平君 議事部長の言われな通りですけれども、受理して次の国会にというのは手続上工合が悪いのですか。
○参事(河野義克君) 中川さんの言われることは、実際上はそういうことにいたす、つまりお預りして置きましで、次の国会で受理した恰好にしたしますが、形式的に申しますと、今度の臨時国会では受理しなかつたことになります。
○副議長(三木治朗君) ちよつと今の請願の問題に関連してまして、昨日北海道の道議員及び歯舞島の村長その他十数名が丁度この議運をやつておりますときに参りまして、そうして歯舞島を是非、今度の講和條約の草案には除外されておるから、これを何とか日本の領土に入れて欲しいという陳情があつたのです。同時に、この議運が幸い開かれているんだからここで陳情さしてくれ、こういうような話があつたんでありますけれども、昨日は相当議論が沸騰しておりますし、それは不可能だと私は判断いなしまして、その旨を議運の諸君に、皆さんにお伝えするからということを言つて帰つてもらつたわけでありますが、そういうことがあつたということを一応ここで御報告して置きます。
○鈴木直人君   各議員は相当請願、陳情なんかを持つておると思うんですが、それを便宜的に、今ここ三日間にそれを出しておいてもらつて、そうしてこの次の国会に受理するというような便宜的な取計らうはしておいたほうがいいのじやないか。全然受理しないというか、審議はできないから正式に受理はできないけれども、預かつて置くということは十分されるということにしたほうがいいのじやないかと思います。
○委員長(山田佐一君) そう申しておりますので、鈴木さんの御質問に対して議事部長から正式にお答えして下さい。
○参事(河野義克君) 先ほど鈴本さんのおつしやられましなことも、中川さんがおつしやいましたことと同じ趣旨であろうかと思うのであります。実際上の問題といたしましては請願課でお預かりをいたすのであります。それが受理とおつしやいますと、仮に受理いたすのであります。それで次の、今度の国会でなくて、次の国会において、それを改めてお持ち頂かないでも、提出されるものと思います。請願文書表に載せるという便宜の措置はいたすわけでありますが、今回の臨時国会におきましては実際上はお預かりいたしますけれども、法律上の受理ということは、審議のできない際であら、又委員会にも御迷惑をかけるので、この申合せで差控えたい、こういうことを申上げたわけであります。(「了承」と呼ぶ者あり)
○委員長(山田佐一君) それでに取扱ぱさよう決しまして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田佐一君) 御異議ないと認めます。さよう決しました。
  ―――――――――――――
○事務総長(近藤英明君) 明日、この議運の小委員を作つたり、いろいろなものをやはり手続的には一応ここで議運でおきめ願わなければなりませんので、午前の十時の召集の議事が終りましたあと、休憩中に、十時半頃に参集しておいて頂けばよかろうと考えております。
○兼岩傳一君 今日することはまずいんですか。
○事務総長(近藤英明君) 今日さしましては工合が悪いのでございまして、明日形式的に議運小委員の選任等を一応お願いしなければなりませんので、明日もう一遍参集して頂きたいと思います。そういう一応手続をお願いいたしたいと思います。(「了解」と呼ぶ者あり)
○委員長(山田佐一君) 明日は午前十時半に開会をいなします。本日はこれを以て散会いたします。
   午前十一時二十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山田 佐一君
   理事
           加藤 武徳君
           鈴木 恭一君
          小笠原二三男君
           鈴木 直人君
           大隈 信幸君
   委員
           上原 正吉君
           川村 松助君
           木村 守江君
           中川 幸平君
           大野 幸一君
           菊川 孝夫君
           三輪 貞治君
           小宮山常吉君
           杉山 昌作君
           高橋 道男君
           油井賢太郎君
           三浦 辰雄君
           鈴木 清一君
           兼岩 傳一君
  ―――――――――――――
   議長      佐藤 尚武君
   副議長     三木 治朗君
  ―――――――――――――
  事務局側
   事 務 総 長 近藤 英明君
   参     事
   (事務次長)  芥川  澄君
   参     事
   (記録部長)  小野寺五一君
   参     事
   (警務部長)  丹羽 寒月君
   参     事
   (委員部長)  宮坂 完孝君