第010回国会 決算委員会 第16号
昭和二十六年三月二十二日(木曜日)
   午後一時四十分開会
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  委員の異動
三月二十日委員岡崎真一君及び相馬助
治君辞任につき、その補欠として長谷
山行毅君及び三輪貞治君を議長におい
て指名した。
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  本日の会議に付した事件
○特別会計、政府関係機関及び終戰処
 理費の経理に関する調査の件
 (小委員長の報告に関する件)
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○委員長(前之園喜一郎君) 只今より決算委員会を開会いたします。
 本日は前回の決議によりまして、公団等の経理に関する小委員長の報告を議題といたします。皆様の御希望によりまして、報告書で関係書類はお手許に差上げてあるはずと思います。御質疑のありまするかたは小委員長に対し、順次御質疑をお願いいたします。
○小林政夫君 審議を始められる前に、緑風会の態度について多少誤解があるように聞いております。又一部新聞にも、先般自由党のほうへ、大橋氏に招かれて、いろいろ釈明されたというふうな評判が出ておりますが、緑風会としてはその大橋氏とお会いする前日に、いろいろ本件について審議いたしたところ、まだ大橋氏にも相当尋ねて見る点があるということで、本委員会にもう一度大橋氏に出席してもらつて、いろいろお尋ねしよう、こういうことになつておつたのですが、たまたま大橋氏のほうから、各党にいろいろ進んで話したいことがある、それで二十日の十時半から内談室へお集まり願いたいということであつたので承知したわけであります。大橋氏が見えておるということで行つて見たところが、そうでなくて自由党の諸氏のみであるので、一旦我々は入ることに躊躇しましたが、そのうち大橋氏が見えるということで、皆さんお集まりだと思つて又入つた。そういうことで、まあ自由党の諸氏と緑風会だけというような、偶然にそういうことになつたわけで、我我の趣旨としては各党がおられるものということで参つたわけでありまして、いろいろ臆測されるような問題はないのであります。至つて公正に審議するつもりであります。御了承願いたいと思います。
○小林亦治君 この前の十四日の委員会におきましては、小委員会の報告の是非を判断するために二十二日と、こういうふうになりておるのであります。先ず委員長のほうから、それを冒頭にお諮り願いたいと思います。若しそれに御意見があつたり、或いは異論があるとするならば、又私どものほうから、それに対していろいろな意見を申上げたい、こういうふうに考えます。
○栗山良夫君 只今の小林君の発言にちよつと私は補足申上げたいと思いますが、十四日の委員会におきましては、小委員会の調査に相成りました点について、小委員長から報告がなされたのであります、その報告は御承知のように、小委員会における証人の証言に対して偽証の疑いがありまするので、これを告発いたしたいという意思を添えて御報告になつたわけでありまして、当時十四日の委員会におきましては、私どもは積極的に当日の委員会において小委員会の報告を了承し、且つその意思の決定を委員会といたしたいということを強力に発言いたしたのであります。これにつきまして、当時の委員会は各会派もいろいろとまだ党議にお諮りになつていない点等がございまして、一致して結論を出すことは至難な情勢に立ち至つたのであります。そこで私は今日結論を出して頂くということを条件にいたしまして、当時私が提案した即決の動議を撤回いたしたのであります。従いまして、先ほど委員長は漫然と小委員会の報告に対して質疑をこれから行うのである、こういう工合におつしやつたのでありますが、それだけでは少し足りないように思うのでありまして、小委員会の報告に対して質疑を行われることは結構でございますが、本日の委員会におきまして、小委員会が報告せられましたことについて決定を是非ともされたいと思うのであります。議事の進行に関しまして一言、私は前委員会との関連において、ちよつと委員会にお願いを申し上げて置く次第であります。
○委員長(前之園喜一郎君) 栗山委員に申し上げますが、前回の委員会における栗山委員の最後の御発言は会議録にも記載してありまするし、又当日御出席になつておられた委員各位も御承知のはずであります。従つて私が御審議をお願いしたいという意味は、只今栗山委員が御発言になりましたことを内容とするところの質疑をお願いしたい。こういう意味でありますから、さよう御承知をお願いいたします。他に御発言はありませんか。
○溝口三郎君 三月十四日小委員会におきまして、小委員長から報告資料の説明がありまして、そのときに小委員会は小委員長報告通り可決になつたのであります。私はその当時なお審議が盡されていないということから、採決につきましては棄権をいたしたのであります。その午後の本委員会におきましても、この報告書の内容を十分に研究した上に態度を決すべきだということを私は考えていたのでございますが、今まで長い間かかつて小委員会で証人等を喚問して審査をしていたのでございます。そして三月の十四日に、こういう委員長からの御報告があつたのでございますが、私は長い間かかつて、この問題を何とかして真相を究明したいのだということから、自分の専門の委員会のほうも犠牲にしてまで、できるだけ小委員会に出席して真相の究明に私は努力いたして来たのでございます。山に登ることから考えまして、私は八合目くらいまで登つて来たのです。もう頂上まで行くには僅かなところだと、ここでできるだけ真相を究明するようにすべきであろうと私は信じていたのでございます。ところがこの報告書を印刷にして頂きましてから、なお一層この報告書につきましては、非常にたくさんの私は疑問を持つようになつたのでございます。先ほど栗山さんからのお話もありましたが、本日この報告書に基いて決定をするようにというお話があつたのでございますが、この報告書の内容について一々私は小委員長からお話を伺うことになると、相当に時間がかかることになると思うのであります。その内容についても、まだ今までに論議されてなかつたことについても、これから御意見を小委員長からも承わることも多々あると考えているのでございますが、その前提といたしまして、私は小委員長のお考えを一遍お伺いして置きたいのであります。私先ほど申上げましたように、この小委員会にはできるだけ出席をいたして皆様の御意見も伺つていたのでございまして、私は十二月六日の一番初めの証人の喚問の時に、大橋証人に対して私は重要な発言をいたしていたのでございます。その発言に対して大橋証人の答弁があつたのでございますが、私自身とすれば非常に私は重要な質問をし、大橋氏の心境を伺つていたのでございますが、その点については一言もこれに触れていないのでございます。私は大橋氏の偽証事件に対して私の考えたことが、そうして最も重要だと思うことは一言も触れずに、こういう報告になつたことについて非常に私は遺憾に考えているのでございます。この報告書のできました前提と言いますか、大橋氏がなぜこういう偽証をしなければいけないのかという心理、大橋氏の心理状態の解剖というようなものが前提になつて、そうしてこれに基いてこういう陳述をして来たのだと、そうして結論は偽証であり、そうして横領罪であるのだという断定を下しているようになつているのでございますが、その大橋氏の僞証するに至つた、大橋氏の心理状態について推定を委員会は下しているのです。それは大橋氏はこの高橋や、山下を使つて、そうして更にその金を利殖をして、そうしてそれを儲けようという企みをやつたのだが、それは失敗に終つたのだ、だからその責任は自分だけで負うよりも、特調の連中と一緒に打合せをして、そうしてその同意を得てやつたのだから、自分だけの責任ではないのだということを大橋氏は考えて、そうしてこういう八カ条に亘る陳述をやつて、そうして偽証としては所有権の問題と、そうしてそれを誰に依頼を受けたのか、管理の方法について偽証をしているのだという三点を主な項目として挙げていられるのでございますが、私の先ほど申上げましたように、私は大橋氏が前に関係していた会社の顧問をやつていたのだ。その会社と、そうして前に自分が勤めていた所、そうしてそこに長い年来の友人が非常に苦労をしてやつて、何とかして助けてくれということを依頼されて、両方の立場からこの問題は自分は個人的には非常に迷惑であるけれども、そういうたつての依頼があつたから、自分はできるだけの盡力をしたのだと、今自分の心境は、私の質問に対して、そういうむずかしい立場にあつて、会社は潰れても国の損を幾らかでも少くしようという正しい道に従つて自分はやつて行つたのだという大橋氏の答弁がありまして、私はその当時大橋氏の心境を、証人としてはつきり私は伺つていたのでございます。その心境等についても、ただ前提が、大橋氏は悪いことをするためにこういう架空の事実をでつち上げて行つたのだというような方向で行く場合と、若し今のような前提から、この陳述を並べて行くのならば、結論においては非常に違うような途に行くのじやないかというように考えられるのでございますが、なぜ私の発言等は一言も御採用にならなかつたかということを、第一に私は棚橋小委員長にお伺いいたしたいのでございます。
○棚橋小虎君 小委員会といたしましては、大橋氏の考えておられましたところの動機等についての証言を考慮に入れたわけでありますが、事実において大橋氏の証言が偽証の点が、明らかに他の証人との証言の食い違いその他から浮び上つて参つたのであります。そこでその事実に基きまして、小委員会では大橋氏に対する偽証の点を認定いたしましたので、その大橋氏の心境というものについても一応の考慮は払いましたけれども、具体的な大橋氏の証言の事実から、こういう結論に到達しました次第であります。
○溝口三郎君 只今棚橋小委員長から御答弁がありましたが、一応は考慮したけれども、具体的の事実が他の証人等の陳述と食い違いしているから、それを指摘して僞証の容疑として決定したのだというのでございますが、十二月の六日に大橋氏の証言を一遍聞いて、そうしてこれと関連のあるようなかたがたの数名の証言をあとからとつたのでございます。その大橋氏を含めた数人の陳述が、実際はどれが本当の陳述であつたかというようなことについては、ここの報告書に書いてある通りには私には受取れない点も多々あるのであります。この報告書と、そして一行々々速記録と照し合せて見ますと、速記録の通りにここには書いてない点があるんじやないか、例えば自動車の所有権の問題等におきましても、田中社長も、三浦も、それから羽鳥とかいうような、こういう連中はみんなこれは会社のものであるということをはつきり言うているように報告書等にはあるのでありますが、この第三の理由の二番と言いますか、そこには五、六人の証人の言を挙げてあるのでございますが、その五、六人の言は実はこの報告書にある通りではなく、いずれもはつきりいたしませんということを附加えて、みんなが言うてる程度なんでございます。事実上二人切りの会社で、そしてその会社の金で株も買い、そして自動車も買つているんだというから、会社のものだということにもとれるようでございますが、誰の証言を聞きまして、名義が高橋のものになつておるんだ、だから会社と高橋と田中とは一体であるんだ、ここははつきりいたしませんというようなことを、すべての証人も言うておるのでございます。それを直ちに、これはそういうはつきりいたしませんということを拔かして、これは証人が全部が会社のものだというように言うているから、大橋氏の証言はこれは虚僞なんだというような結論にも実はなつておるようでありますが、私は速記録とこの報告書ともう少し照し合せて十分に審議する必要があると思うのでございますが、今日直ちに私は採決をしなければいけんということにつきましても、審議がまだこの報告書についても非常に不十分だというふうに考えているわけでございます。細かい点等については機会があれば一々お伺いいたしたいと思います。総体的にまだ不十分だという私の考えかたは変つていないのでございますから、どうか十分に審議を盡して頂くように委員長にお取計らい願いたい次第であります。
○棚橋小虎君 一つの事実につきましての証人もたくさんあるわけでありまして、そのすべての証人の証言の間にはいろいろ矛盾したり、撞着したりすることもあるのであります。
 なお証人の証言以外にも、或いは書いた物とか、いろいろな物で証拠があるのでございまして、それをことごとく信ずれば、どれをとつていいかわからないということになるのでありまして、やはりそれらの証人の間のいろいろな証言や、いろいろな証拠を総合して考えて見まして、大体真実と思われる線を先ず認めて行くより仕方がないと思うのでございます。只今溝口委員の言われましたことも、個々のことについては或いはそのようなことがあるかも知れませんけれども、大体この報告書はそういう意味におきまして、いろいろな証拠を総合して真実と思われるところをとりまして、それに従つて報告書を作つておるわけでございますが、御承知を願います。
○委員長(前之園喜一郎君) 溝口委員にお伺いいたしますが、今溝口委員の御意見は報告書の中に証拠と吻合しないものも見受けられるようであるから、更にこれまでの諸般の証拠と報告書と照し合して報告書を作つてもらいたいという御意見なんですか。
○溝口三郎君 そのようにお取計らいをお願いいたして置きます。
○委員長(前之園喜一郎君) ほかに御発言はございませんか。
○カニエ邦彦君 今の溝口君の御意見でありますが、或いは今小委員長が言われたように、個々の細かい点になれば、そういうはつきりは知らないと言われておる点もこれはあるでしよう。併しながら我々が今まで調べて来て、そうして実際この自動車は会社の金で買つて会社のものであるというのが本当か、或いはそうでない、これは高橋個人のものであるということが本当か、これについていろいろな人が証言をしておりますが、併しながらその中でも、会社のものである、そうして会社の金で買つたのであるということが多い。これが多い。而も会社のものでない、高橋のものだということを立証するところのものが極めて少い。少いということより殆んどない。ただその間どつちかはつきりその点はいたしませんと言う人が仮にあつたとしても、我我としてはやはり証拠があり、そうして証人もより多く大勢の人がそうだと言えば、大体それにしていいのじやないか、私はこう思うのです。併しながら、なおそれをとことんまで追及して調べ挙げてはつきりさせねばいけない、これは御尤もであろうと思いますが、委員会が、我々が昨年の十一月からこれをやつて、今日に至るまで随分長い間実は調べて参つたのであります。そうしてその結果大体こういつたものが正確だろうという線が出て来た以上、それをなお明白にするということは、これは警察か、検察庁でない限り非常に私は困難だろうと思うのです。だからこの報告書がそういう点において作られ、そうしてそういう表現で出ておるということについては、委員会としてはこの程度でいいのじやないか、こういうような私は考えかたをしておるのであります。
○委員長(前之園喜一郎君) 結局カニエ委員の御意見は、この報告書にある通りに、大橋武夫の偽証の容疑は十分認められる、それで小委員長報告の通りこれを告発すべきものであるという採決をしてもらいたいという御意見なんですね。
○カニエ邦彦君 勿論結論はそういうことになるのですが、只今溝口君の発言でですね、もう少し丁寧が足りないのじやないか、結論的には足らん、もう少し丁寧に、もつと掘り下げてやる必要があるのじやないかというような御意見がありましたのに対しまして、私は大体国会又は委員会がやつて来た程度では、これで十二分にやつたつもりだ、だからこの程度でいいのじやないか、こう思います。従つて委員長の言われた通りの結論になるわけです。
○小林政夫君 私は昨年の十一月から今日まで、小委員のかたが非常に熱心な調査を願つた努力、今日この大部の報告書を作成頂いた御努力に対しては非常に感謝もし、敬意を表するわけですが、本決算委員会の任務といたしまして、問題は現在まで過払の未回収分である千六百万円を如何にしたら回収ができるかという点に本委員会の任務があると思います。そこで小委員会においてもその方法、それを回収するにあたつて、どういうところにネツクがあるのだというようなところに調査の主眼を置いて頂きたい。勿論その過程において、我々のそういつた努力をする上において、いろいろ関係者を呼んで、その陳述について誠意が認められたいというような結果、或いはでたらめな証言をしたことによつて偽証等の問題が派生するということは、やむを得ないといたしましても、これは小委員会の報告書の重点は、むしろそういつた偽証問題のほうに重点が移つておつて、如何にして千六百万円の国損を埋めるかという点についての調査の報告が少し欠けておるのではないか、この点について折角の長日月に亘つて御調査願つたのでありますから、そういう結論をもう少し報告をして頂きたい、その間においていろいろ犯罪の問題が起るということは、それはそれとして考えるというふうにお願いしたいと思います。
○鬼丸義齊君 私は前回の本委員会には旅行のために出席できなかつたのでありますが、従つてこの委員会における小委員長の報告を直接承わることができなかつたのであります。ところが
 一昨日配付されましたる小委員長の公団等経理に関しまする報告書によつて、又関係書類等を対照いたして見ましたところが、大体において事件の概要をこれによつて知ることができたのであります。それにつきましては、小委員の各位が長い間時日を費されまして、非常に御熱心に、且つ周到なる御調査を頂きましたことに対しましては、衷心から感謝と敬意を表しておる次第であります。報告書の内容は、一つは大橋法務総裁の本委員会における偽証の問題と、なおそのほかの問題としましては、足利工業会社に対する二重煙突の検収調書の偽造行使による金二千二百三十七万六千九百六十七円を国庫より詐取をしたという事件について、特別調達庁の善処かたの勧告をなすべしというような二つの項目になつておるように思います。なおこのほかに大橋に対しまする政令違反であるとか、或いは業務上横領、税法違反等の附随の事項も含まれておりますが、当面の問題としましては、大橋氏の偽証事件に対する告発と、二千数百万円に対しまする特別調達庁の善処勧告というような二点に集中されておるように拜見いたしております。そこで第一の大橋氏の偽証の点につきましては、報告書に指摘されておりまする通りに、偽証の容疑は遺憾ながら頗る濃厚でありますることは、あらゆる証拠によつて認められておるのであります。併しながら、元来本委員会といたしましては、昭和二十三年度の会計検査院の決算報告書に基きまして、足利工業株式会社に対しまする検収調書の偽造行使による金二千二百三十七万六千九百六十七円の国庫金詐取事件について、特別調達庁の善処かたの勧告ということになつておるのであります。この点に対しましても、記録の各所に散見いたしておりまする事情等から総合して見ますると、頗るその事実があるのではなかろうということの、本当に暗い影が窺うことができるのであります。而もこの間において大橋氏が足利工業株式会社の専務取締役高橋正吉氏の依頼によりまして、右代金の支払かたを特別調達庁に対して要請をいたしておりまするが、その後、日ならずして調達庁はその支払いの全額を足利工業に対していたしておるのであります。この点について社長田中平吉を初めといたしまして、高橋専務取締役並びに検収代行者の太平工業株式会社職員藤原英三、同社の常務取締役の特別調達庁検収員山口總男、そのほか特調関係者の官吏並びに大橋氏らの共謀詐取の疑もあるのではなかろうかと思われる節が多分に含まれているのであります。この点を私は明らかにいたしますることが本来本委員会の責務であつて、先ほど小林委員のお説によりますると、本委員会が一千六百万円の国損になつておりまするそれの回収を如何にするかということが本委員会の目的だとの御意見がございましたが、私は回収の問題でなくして、むしろ委員会の責務としては、その責任の帰趨を明らかにするということが委員会の私は本来の責務ではないかと思われるのであります。而して小委員長の報告にかかります大橋法務総裁の偽証の問題につきましては、これは勿論重要なることには相違ないのでありまするけれども、本委員会の一体眼目といたしまするところのものは、むしろ過払い、即ち不正の方法によつて国庫に実損を受けたということを究明をするということを、むしろ委員会の狙いとしなければならんと思います。従つて法務総裁の偽証の問題というのは、いわば委員会の立場から見るならば、むしろ派生的の問題ではないかと考えられるのであります。勿論大橋氏の偽証問題は、国会の国政調査権の確保のためには甚だ軽からざるものであることは勿論でありまするが、問題はむしろ国庫の不当支払の事実の審査をすることが更に本委員会の中心問題であるように考えております。そこで一方小委員会の報告書にございまする特別調達庁に善処かたの勧告が要望されておりまするが、私の少くとも調査いたしておりまするところによりますれば、この二千数百万円に上ります詐取問題に対しましては、この特別調達庁内の官吏の多数のかたがたが関係をされておりまして、或いはこれらのかたもその不正行為に加わつたのじやなかろうかということの疑いが多分にあるのであります。従いまして、さような容疑者のおります特別調達庁に今本件を善処せよと言つて送つて参りますることになれば、やがて事件はあいまい模糊のうちに葬むり去られる虞れが私は多分にあるのではなかろうかと思います。又一方本件が当委員会におきまして調査中でありますることは、新聞、ラジオ等によつて報道せられておりまして、今や一般の視聴が本委員会に集まつておるように思います。従つてこの間の不正事実に対しましては、検察庁におかれましても、すでに捜査を開始しておるのではなかろうかということを私は考えております。よつてこの際私は東京地方裁判所の検事正等からその事実の有無を確められ、同時に同検事正に対しまして、かような重大事件をどうして一体捜査しないのであるか。若し捜査を開始していないとするならば、どうして一体捜査しないのであるか、我が委員会はすでにこれだけの資料を持つておるということを告げられ、職権捜査を私は本委員会から促してもよいのではないか。同時に一方本委員会におきましても、小委員会の皆様には非常に御迷惑とは思いまするけれども、今一応この点に集中調査をお願いをいたしまして、そうして検察庁の調べと本委員会の調査と両々相待つて、本件の実相を私は把握して後に結論を出すことが最善の方法ではないかと考えるのであります。更に大橋氏の偽証問題につきまして、同氏が現に我が国の検察並びに警察の最高責任者の地位にあります。而もその地位にあられます人に対して、当委員会の名を以て刑事訴追をなす、いわゆる刑事訴追を促す、告発するということは、これは又重大な、実に重大なる問題であります。我々委員といたしましては、小委員会の報告を基礎として、更に委員会において調査をされましたる数人の証人調書の記録等も非常に広汎なものでございます。それ故に僅かな時間でこれを全部終了をして、実相を把握いたすということは甚だ不勉強のために実はでき得ないのであります。そこで十二分の調査を遂げられまして、その結果到底これは許すことのできないものであるというようなことの達観性を有するに至りましたときには、如何に法務総裁のごとき高位の地位にあるといえども、否、むしろ高位の地位にありますだけ、普通の人よりもその責任は軽くないと思う。その場合においてはこれはもう国家のために泣いて馬謖を斬らなければならんということがあることも又やむを得ないと思いますが、かかる重要事項は、殊に参議院の名誉のために、慎重の上にも慎重を重ねて頂きまして、いやしくもこれを、或いは言葉が不穏当かも存じませんけれども、政争の具に供するがごときそしりを受けるがごときことがありましては断じていけないと思うのであります。この点は我々といたしまして深く注意をしなければならんと思います。繰返して申しまするが、一国の法務総裁の重要な地位にありまする人を委員会の名を以て告発するということは、殆んど前例のない重大なことでありますから、いやしくもこれを軽々しく行うべきものでないことは勿論でありますが、併しながら一たびこれを看過すべからざるものであるという客観情勢を以ちます事情が存します以上は、只今申しましたごとくに、一般人の場合よりも遥かにその責任を重且つ大として、これを糾彈しなければならんと思います。時あたかも地方選挙を目前に控えておりますので、特に我々は党利党略によつて行動するようなことの批判を受けるようなことは深く銘記し、これを避けなければならん、特に慎重に私は処理しなければならん問題であると思われます。大橋氏の偽証問題も、詐欺事件の私は結論を得ましたときに、併せて最終的の処理をなしましても、決して遅くないのじやないかと思います。従いまして、この問題がすでに新聞、ラジオによつて一般に報道されておるのでありまするし、又小委員会は熱心に御調査を願つて本委員会に報告になつたのでありますから、この際委員会の態度といたしましては、一応この事実を本会議に報告いたしまして、同時に先ほど申上げましたごとくに、一方検察庁の強制捜査を行わせ、他方において本委員会があらゆる不当支出に対しまする関係者の調査を今一段と強力にいたしてもらいたいことを私は希望するものであります。すでに小委員会において報告せられておりまするところによつて見て、私が大体拾い出して見ました証人といたしましては、特別調達庁の支払関係者のうち、三浦監事、川田経理局の次長、根道長官、加藤経理局長、石破事務官、それから田中平吉、これは元足利工業株式会社の社長、それから高橋正吉、同社の専務取締役、本件の二重煙突が五万フイートないにかかわらず、あると報告いたしました当時検収の衝にあたつたる藤原英三、山口總雄、石井英夫、これは特別調達局の促進監督部の技官、この石井氏が藤原、山口両氏の五万フイートあるものなりとの偽証報告に基きまして、事実あるものなりとの承認を与えて、特別調達庁に報告いたしました官吏であります。及び会計検査院の関係者、以上のお調べを願いまするならば、私は必らずやこんな明白な詐欺事件はわからんはずはない。かように実は思うのであります。勿論この間大橋氏がこの詐欺事件に対して、どの程度の関連を持つかに至りましては、これはおのずから調べて見なければわかりませんけれども、今まで出ておりまする関係者の陳述等を総合して見ますると、頗るこの間の大橋氏の関係は暗い影が多いのであります。私はむしろ大橋氏の責任を問うということも勿論これは重大なことに相違ありませんけれども、我々本委員会といたしましては、二千二百何十万円というようなふうな多額な国庫詐取被害事件に対しまする点についての責任を明らかにすることは、むしろ大橋氏以外の当面の責任者である、只今私が申上げました数氏の責任を私は明らかにいたしますることが極めて重大である。これを明らかにいたしますれば、今暗い影のあると申しました大橋氏に何らの関連がなかつたといたしましたならば、一国の法務総裁の明瞭なる立場がいよいよ明らかになつて来ると思います。政府の不正はかかつてこの調べの結果によるものだと思います。私はこの段階におきましては、大橋氏の偽証問題だけを切り放して直ちに告発して、一方の事件の、重大なる事件の連立者が多数あります特別調達庁をあいまい模糊のうちに葬むり去るということは、本委員会の私はとらざることじやなかろうかと思いますので、今申上げました次第でございます。
○栗山良夫君 只今鬼丸委員から非常に疑惑の濃厚な事件である。そうして而も決定的な調査を要する事件であり、愼重に行われない。特に二千万円の過払いの内容については詐欺事件の動きが濃厚であるのに、この詐欺の実態について徹底的に究明をするまで、この委員会としては結論を出したくない、こういう発言があつたのであります。それで而もそこまで国会が努力をしなければならん理由は、検察当局の内部において、国会の内部においてもいろいろとこの運動の調査に障害を与えるような状況がなきにしもあらずであるので、或いは関係官庁においても然り、従つてそういう妨害を排除する意味においても国会みずから行うべきであるというお考えでありました。これは私は一つのお考えであろうと思うのであります。特に私どもが昨年秋以来熱心にこういう問題を進めて参りました。そして昨年十二月九日には小委員会の中間報告がなされまして、この場合には各会派こぞつて承認をし、更に今国会に引続きまして徹底的な調査をされるようなことについても承認を与えておるのであります。そういうことによつて証人を出し、そしてこの小委員会の報告が行なわれまして、この委員会で決定をしようとする寸前に当りまして、私は極めて残念でありまするけれども、私の耳に入つたところによりますと、参議院の政党の一部のかたがたにありましては、これほどまでに努力を傾けて参りましたこの証人喚問の内容につきまして、これみずからを否定せんとするがごとき行動をとられたやに伺つておるのであります。即ち小委員会におきまして証人を喚問するというようなことは越権である。法律的に無効であるというようなことすら、熱心に研究をせられ、そしてそういうことによつてこの問題を葬むり去られようとするような空気すらあるやに私は伺つたのであります。誠に国民の前に対しまして、参議院の権威のために私は遺憾であると申さなければならんのであります。このことは私は決して架空なことを申上げておるのではないのでありまして、委員部長の所にもわざわざお出かけになつて、そういうことを研究された人もあるのであります。こういうような状況でありました場合、少くとも国会が権威を以て調査しようといたしましても、どうして調査することができましようか。私は従いましてこの問題はすでに先ほど溝口君も言われましたが、この報告書の内容が杜撰である。こういう御指摘がありました。成るほど見かたによりましては完璧を期していない点があるかも知れません。併し報告書は過去何回も行なわれました証人喚問の内容につきまして、証言の内容について一応とりまとめが行われておるのでございまして、証言された速記録は決してなくなつておるわけではないので、依然として速記録は速記録としての権威を持つておるわけであります。従いまして、いろいろな状況から直接速記録を中心にして、この小委員会の報告書を見られ、そして事件の全貌というものを究明せられれば、決して私は手落はないと思うのであります。更に先ほど小林委員は回収に努力したほうがいい、それが国会の責任であるとおつしやいましたが、この速記録の内容をよくお読み頂けばわかりますように、決して回収し得るような段階にないことは明瞭にわかつておるのであります。国民の血税を以て二千万円過払いをし、現に未納入金一千六百万円に対しましては、もう一銭も回収の余地のないような状況であります。而も回収することができるような自動車だとか、株券等は大橋法務総裁の介在によりまして、国庫に入れる前に逃されてしまつておるのであります。そういう実情を考えて見ましたときに、如何に回収に努めるのが参議院の役割であると言われるお説のごときが空論であるかがおわかり願えると思うので、これは速記録を十分に御調査を願いたいと思う。私どもの今行わなければならんことは、やはりこういう事件に関連し、そして国庫に非常な損失を与え、国民に迷惑をかけました人々の責任を徹底的に追及するということでなければならんと思うのであります。これは鬼丸委員のおつしやつた通りであろうと私は考えるのであります。特に私ども小委員会にも若干発言をし、又委員会にも出席をいたしまして、或る程度事件の内容について承知しておるものとして極めて遺憾に思いますることは、二千万円の過払いの内容について追及をいたしたいというので随分努力を傾けたのであります。各証人に対しましても、できるだけの努力を傾けたのでありますけれども、例えば一つの例を申上げまするならば、昭和二十三年の九月三十日ということで発行されておりますところの物品納入検査調書にいたしましても、これは皆様がたのお手元にあるのでおわかり願えると思います。その原本の通りであります。昭和二十三年十二月三十日という日付があつたものを、どういうわけか九月三十日に消されて、そうして而も山口という、特別調達庁の生産促進部の検査員山口君の訂正印が押されてあるのであります。これにつきまして、十二月三十日の本文がどうして九月三十日に直つたのか追及をいたしましたことについて、藤原君が答えて曰く、これは石井という技官の命令によつて行つたのである。九月の三十日に訂正したのは命令によつて行われたのである。そういうことをはつきり申しているのであります。而も石井技官を呼んで聞きますれば、この物品納入検査調書というものは、事件が発見になるまで全然見たこともないと証言をしているのであります。そういうような証人どもを呼んで、何回ここで調べましても決して黒白は明らかにならないと思うのであります。国会は裁判官ではありません。検事でもありません。それ以上本人を追及することは到底できない。又国会は非常に繁忙を極めておりますので、この事件だけで今日お寄りになつたような多数の議員が列席をいたしまして審議する余裕はないわけであります。私どもいつも小委員会においても、決算委員会に出席を努めていたしておりますが、今日はどういうわけで、こうもたくさん御出席になつたか、私どもも誠に不可解に思うのであります。誠に不可解に思うのでありますが、常にこういうように議員が揃わないので、本日ご出席になつたかたの中には、この問題をとにかく何とかして葬むるか、或いは軽微にしたいという御意思の下に御出席になつているかたも多数あるものと私は忖度をいたすのであります。そういう観点からいたしましても、只今鬼丸議員のおつしやつたことは重々了解はいたします。了解はいたしまするけれども、過去数カ月間に亘つて行いました小委員会並びに委員会の努力、而もその間において実に臭気紛々たるこの事件に対しましては、この辺で国会としての決意を固められ、そうして告発の措置をとられまして、そうして同時に私は告発すれば、もう参議院は一指も触れられないというのではないのであります。直ちにこれと並行せられまして、今鬼丸議員がおつしやいましたような調査を続行すると、こういうことに是非いたしたいと思うのであります。是非とも私はさように極めて強くお願いを申上げる次第であります。
○小林亦治君 今溝口委員から御発言がございましたが、同君は本件の小委員の一人であります。御熱心に小委員会にはいつも御出席になつて、我々の審議調査に溝口君自身も御発言になつたように私は記憶しているのであります。殊に十四日の小委員会の本委員会に対するところの報告の席上では、これ又同君が熱心に御出席せられまして、小委員長からの御報告は逐一承わつているはずなんであります。その際に小委員長から各委員に対し、只今の報告の内容については隔意なく意見を述べてもらいたいという要請がございました。然るにその席上では同君は何らそれに対して疑義というものはお持ちにならなかつたように私は記憶している。ただ同君といたしましては事が重大である。もう一遍会派に諮つて結論を如何ようにするかということは愼重にする必要がある、大体かような御意見でありましたので、私どもそれは御尤もであると一応服したのでございます。然るに本日御出席になつて、俄然この中には大橋の心理状態が記載しておられない、かような点を御指摘になつたので、同僚の一人といたしまして、余力にも私は心外に感ずるのであります。若しそういうようなことになりましたならば、なぜ当時に明瞭であるところのその点を御指摘にならなかつたか、又仮にです、そういう点までをもこの報告書の中に記載するといたしましたならば、かようなものは十枚あつても足りません、八人喚んだところの証人の心理状態、その経過までをも報告に載せなければならんということになりますると、小委員会が摘み上げたところの客観的な報告というものは何んらできないで、だらだらとしたところの速記録の綴り合せをお目にかけるということになつてしまうので、これは到底困難であります。かような御意見が出たことを甚だ遺憾に存ずるのであります。それから小林政夫君が決算委員会の重点の方向が違う、かような御意見でありましたが、これに対しては鬼丸委員から頂門の一針的な御解明がありましたので、私はその重複的な言葉に相成りまするので差控えます。
 最後にこの鬼丸委員の御意見、いずれも私がこれは敬意を払つて傾聴するにやぶさかでないのでありまするが、その二、三点腑に落ちないものがあるのであります。それだけを申上げて見たいと思います。先ずこの検察権を持つておるものに対して、何故捜査権の発動を差控えるかということを叩いたがよかろうという御意見なのであります。これは尤もなのであります。それなればこそ小委員会におきましては、誰でしたか検察の何長官でしたか名前を忘れましたが、ともかく東京地方検察庁の検事正以上の官吏を喚問して何故にやらんのかと聞いたところが、どうも大橋では我々の上の地位にあるのでちよつと困りますといつたようなお言葉で逃げられたように聞いておるのであります。(笑声)万事このように手を打つことがいずれもするすると抜けて行くのであります。政党政治の腐敗というものは今日若し残存しているならば先ずこの光景が全部を物語つていると存ずるのであります。それから更にこの四名か五名の証人を再度喚問して調べるということであります。愼重を期する上からはこれ又、全幅の賛成なんでありまするが、遺憾ながら本院の決算委員会の使命外のことなんであります。罪あり、なしという司法的な最終的な判断を下す場合にこそ、只今鬼丸委員がおつしやるような仔細なる検討を経て確証を得た上での判決を下さねばならんのでありまするが、国会の委員会におけるところの責任の限度というものはそこまではございません。それ故に昭和二十二年の法律第二百二十五号でございます「議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」この第八条には「各議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会は、証人が前二条の」これは七条と六条でありますが、「罪を犯したものと認めたときは、告発しなければならない。」わざわざ法律でもつてかような義務を委員会に課しておるのであります。認めたときというのはどの程度を言いまするかというと、これは裁判所において認めたるときとは若干趣きを異にいたしまして、疑いがあるときは、こう解釈して間違いないと私は考える。素人くさく申上げますればどうもくさい、こういうところが二、三の客観的な事実の上から結論せられまする場合には、必ず好むと好まざるとにかかわらず、これは告発しなければならない。こうなつておるのであります。どうも先ほど来の数人の委員のかたがたの発言がこの条文を見落しておられるかのような感じを与えたのでございまするが、御多忙でありましようけれどももう一遍この法律をお読み願いたいと思うのであります。(笑声)
 そこで結論といたしましては、これは前に戻るのではありませんが、本日のこの開かれた趣旨に従いまして、この報告を基礎といたしまして、我々が報告し且つ要請したところの告発をなすべきや否や、これを先ず御決定願いたいと思います。繰返して申上げまするが、昭和二十二年の第二百二十五号の法律によつてこの程度のものが参議院の委員会では告発しなければならない義務が牢固、炳乎としてあるということを、もう一度御認識を願いたいと思います。以上であります。
○棚橋小虎君 先ほど小林委員のほうから本件については過払金の徴収をどうするかということが先ず問題であつて、偽証の問題などは脇道に外れた問題であるという御意見があつたように承わりました。なお又鬼丸委員からもいろいろ御意見があつたのでありますから、委員会といたしましての立場を一応お話を申上げて置かなければならんと思うのであります。この一千六百何万円という過払金の徴収の問題につきましては、これは起訴前の強制調停によりまして一応和解ができておるわけでありまして、五ケ年の年賦によつてこれを取立てるということに相成つておるのであります。それからそれにつきましては、特調のほうに小委員会から督促をいたしまして、強制執行の手続を、期限が来ておるものについては直ちにとるようにということを申して、多分その手続をしておるだろうと思います。決して委員会といたしましてはその問題を不問に付しているわけではありませんから御承知を願いたいと思うのであります。それからなお本件につきまして、只今鬼丸委員のほうからはこういう重大な問題については、直ちに検察庁のほうへ捜査権の発動を促すようにしたらいいだろうという御意見もあつたように思いますが、勿論そういうことも我我は考えておるのであります。けれどもこの事件をなお一層慎重に我々が調査して行くということにつきましてはなかなか困難があるのでありまして、今日まで十数名の証人を喚問いたしておるのでありますけれども、例えばこの検収調書を偽造しそうしてそれによつて詐欺をしたという事実につきましては、その検収調書を誰が作成したかということについて本委員会は大勢の証人を喚んで調べたのである。ところがこれにつきましては、足利板金工業の高橋政雄、それからして特調の石井技官、それから太平商事の藤原という証人、これらの者を喚んで調べましたところが、或る者は、それは役人の命令によつてそういうものを作つたのであると、これは藤原が言つておるのであります。又全然そういうことを知らんと特調の石井技官がそう言つておるのであります。この三者の間に、確かにこの書類の僞造については、この三者の間の誰がやつたものであるか、或いはこの中の二人若しくは三人が共謀してやつたものであるということは明らかであるのでありますけれども、その誰がやつたかということを突き止めるということは到底この本委員会の権限だけではできないのでありまして、これはその権限を持つたところの検察庁の捜査権の発動を待たなければできないものであります。又この大橋、それから山下、高橋と、このこれらの人の証言がいろいろこの百三十万円ほどの自動車の売却代金の使い方につきましては、これらの人が関係しておるのでありますが、この問題につきましても、山下は、これは大橋氏の使つておりましたところの自動車の運転手で、只今自動車のブローカーをやつておる人物であります。この者に、その自動車の売却代金を、この者の資金に流用して使わしておつたのであります。又高橋という者は、大橋氏と親交のある足利工業の専務でありますが、この人間が今度の過払の事件について中心になつて動いておる人物であります。その百三十万円の自動車の売却代命はその高橋という名義で預け入れをいたしまして、そうして大橋氏がそれを監督して管理して出入れをしている間にとうとう皆使つちやつたわけでありますが、この関係を追及いたしましてもこの三人の間には非常な打合せと意思の通謀があると見えまして、何としても証拠をつかむことができないのであります。これは恐らくこの三者の間には強い打合せができておるものと私どもは考えておるのでありまして、これも本小委員会の力を以てしては徹底的に調べ上げるということは不可能であります。ただこの高橋政雄なる証人を追及いたしましたときも、初めは真実を吐きませんですけれども、つまり僞証の罪というものをよくさとしましてそうして追及した結果、漸くにしてこの速記録にあるような証言を得られたわけでありますが、これを又再び放してやりますと直ちに又打合せができまして、その次に証人に喚びましても前言を翻したり否定いたしましたり、なかなかその真実をつかむことは不可能と、我々は考えるのであります。こういう点において、私どもは本委員会といたしましては、これ以上の捜査をすることは到底不可能であり、又かような詳しい捜査はこれはその仕事を専門としておるところの検察庁に任すべきものであつて、我々はそこに僞証であり、或いは横領であり、或いは詐欺というものの容疑が濃厚になつたならば、直ちにこれを以て捜査権の発動を促すように告発をし、或いは告訴するということによつて十分であると考えたわけでありまして、本委員会はこの程度において御報告申上げます。その告発をしたいということを申上げまするのは、これ以上捜査をしても恐らく委員会の力を以てしては十分な捜査はでき得ないという観点に立つて、かような報告をいたしておる次第であります。なお決算委員会としては、僞証というようなことはこれは横道にそれた問題ではないか、もつと本筋の詐欺、横領或いは告訴に対する確証ということを主としてしなければならないという御意見もあるようでありますが、私どもの考えるところによりますというと、国家にこれだけの大損害を与えておるところの事件の根本がどこにあるかと申しますと、これは実にこの足利工業の詐欺によるところの過払の事件であります。なおそれに対してこの損害を弁償するために、差出しておつたところの物件を引出して来て、それを処分してその金を使つてしまつたという事実がその根本なんであります。而もその事実に対して大橋法務総裁がいろいろな点において関連性があるということが非常に明確になつて来ておる。その容疑が濃厚に現われておるとするならば、第一番にかような人をまず追及しなければならないと思うのでありまして、国損をこれだけ与えておるがそれに対する補填をするためには、或いはその責任を追及するために、特調の一属僚或いは市井の一自動車屋を追及してもそれでは私は本当の根本にメスを入れたものではないと思うのでありまして、かような国家の大官が、大きな高い地位にある人がこういうことをしておるということに対して、私は根本的に追及をして行くのでなければ、この国政腐敗の根源をつくことはできない、この政治の腐敗を粛正することはできないと考えるのでありまして、この意味におきまして、本委員会の小委員会がいたしましたことは、決してこれは横道にそれたものでもなければ、決算委員会の任務以外のものに外れたものではないと私は確信を持つておる次第であります。
○カニエ邦彦君 先ほど鬼丸委員からいろいろ御質問がございまして、私は鬼丸委員の説を非常に賛成しておるわけでありますが、併しものの実態、実際から申しますと、これは非常に困難であるということを感ずるのであります。と申しますのはこの事件を当初私がこれを自分で調査いたしましたのは、確かに去年の夏の暮頃であつたと思います。それからいろいろこれを調査いたしまして相当あらゆる証拠書類等をまとめましてそうして初めてこの委員会に発議いたしましたのが去年の十一月でございまして、それからこの十一月の委員会の当初のときにこの問題はとても複雑である、なかなかその証拠がつかめないとはつきりせないと、併しながらこの極めてそのあいまいなものがあることだけは、これははつきりしておるということだけはつかめたのでありますが、併しそれ以上のことはなかなか困難でありまする、そこでこれは我々国会が委員会でやるよりは、むしろこれは專門家の検察庁なり或いは警視庁なりで捜査を願うと、そういうことで実は委員会に先ほど小林亦治君が言いましたように、検察庁でない、刑政長官の草鹿氏を招きまして、又警視総監を喚んだのでありますが、丁度その日は来られんのでたしか第三課長であつたと記憶しておりますが捜査課長が来まして、そうして両者に対して質問をしたのであります。それでその当時にはすでに新聞やラジオ或いは雑誌等で本件は相当やかましく論議されておつた。で、こういう問題が而もそのいかにも国民の前に疑惑を招くような事実が出ておるが、これに対して今日まで検察庁は何故その捜査をしないのかと、で、検察庁は僅かな聞込とか或いは投書によつてすらその捜査をしておるのではないか、このことに対してだけ何故のせないのか、ということを実は追及したのでありますが、ところが刑政長官の草鹿氏の申されるのは、聞いてはおるが併しその当局としてはこれを捜査するものであると認めないということでやつていないのだと、こう言うのです。それでそれでは一体これからやる意思があるのかどうかということを聞きましたところが、やる必要ができて来ればやるが今のところはそんな必要がないのであると、いろいろ議論をいたしましてそれについての検察庁の指揮命令のことまで随分席上で議論が出まして、実はこれは相手が法務総裁に関連するから、やらないのじやないかということまで私は聞いたのであります。ところが日本の国の現在の法律では、法務総裁が直接ではないが、間接的にその検察官を指揮することができるが、法務総裁を指揮することは法務総裁に権限があるのだから実際問題としては極めてそれは困難だろうというような実は結論に至つたのであります。そこでこれ以上検察庁をせめたところがもうこれはしようがないと思いまして、警視庁にも伺つて見たのですが警視庁としては同様に本問題についてはまだ検討したこともなければ、又捜査をやるということについてそういう考えを持つておりません、こういう答弁であつたのです。そこでいよいよいたしがたがないので委員会がこれを十一月から半年に亘つて実はやつて参つたのであります。ところがやつて見ますると専門調査員のかたも随分努力はして頂いたのでありますが、実際に僅かな手数で而も二十三先度の決算を専門調査員は控えているし、実際小委員会の仕事だけはやれないのであります。だから結局我々議員が或いは現地に飛び或いは又各所に飛び歩いてやるのでありますが、行つた先、行つた先で一体国会議員がそんなところまで調査に来るとはけしからんじやないか、或いは正式の手続がなければ申上げられんというようなことで、行く先、行く先で実は鼻を打つて来たのであります。そこで正式に手続をするということになりますと、委員会ですつたもんだの議論が出て来る、その議論をやつているのに又十日か二十日はかかつて来る、漸く成規の手続をして紙一枚を手に入れたというような始末で、実際は非常に困難を極めて来ておるのであります。そこで鬼丸氏が言われるように成るほどそうすればそれはすつきりもするだろうし、又国会としても成るほどそうすることが本当かもわからないのでありますが、併しながらともかく我々としては専門家でもございませんし、検事でもありませんから、今申し上げましたような事情でなかなかやりにくい。そこでこれだけの努力をしてそうしてこれだけの確証をつかみ証拠を揃えればあとはもう国会はその専門家である警察なり或いは検察庁なりにおいてやつて頂くということでいいのじやないか、私はこう考えるのです。だから結局私らがそこまでやれば実際問題としていいのです。理窟はそうでありますが実際にはやれないのであります。そこでしようがないので、結局こういうような方法しかしようがない。こういうまあ結論に至つたと思うのです。そういう点を一つ十二分に委員諸君もお考えを願いまして、この際小委員会の決議に対して速かに何らかの御決議をなされんことを切にお願いする次第であります。
○小林政夫君 私の先ほどの発言について多少誤解があるようであります。勿論私としては何も僞証を告発することは当然であつてその問題を取上げる必要がないと言つたわけじやない。この本委員会の報告書が僞証告発ということに非常に重点が置いてあつて、そのためにいろいろ不必要な誤解も招いている点もあり、そこで先ほども小委員長からいろいろと御説明になつたような筋で報告が書いてあるならばかなり納得も行くのであります。そこで勿論、栗山委員は絶対回収不能だと言われましたけれども一応返すということは言つているわけです。返すことについて相当責任を感ぜられ、而もいろいろなことで考えて見るとなかなかそう誠実に履行がむずかしいのじやないかという点もあるし、又、物は泥棒しても返せばいいというわけじやないので、こういつた事態が起つたということについては、二度と繰返えさないという意味において関係者の責任を十分追及するということも必要だと思つております。その点について先ず誤解を解いて頂きたいと思います。そうして結論的には緑風会といたしましては栗山委員の結論と同じであります。
○大矢半次郎君 只今他の党派のかたがたから御意見がありましたが、私も本決算委員会といたしましては、本件についてはやはり足利工業に対する過払の問題がどうして起きたかという責任を追及するのが主眼だと思うのであります。これはどこどこまでもできるだけ調査を嚴重にしてその責任の所在を究明しなければならぬと思うのでありますが、僞証の点につきましては附随的に発生して来たことで、私は勿論、これは重大ではないとは申しません、併しながらこの決算委員会の任務から言えば、やはりこれは第二義的なものであるということは鬼丸委員の御意見と同様であります。而して小委員会におきましても最も熱心に調査に当られた溝口委員のお話を伺つても、何か小委員会の結論として報告されたものが或る一つの前提を置いて、而して偽証罪ということに力点を置き過ぎておるのじやないか。もう少し平静に事柄を調査したならば、又別なことが起つて来るのではなかろうかという気がいたすのであります。小委員長の報告のうちにもありました通り、足利工業株式会社といつてもそれは田中、高橋二人の個人会社でありましてその経理の実態がよくわからん。会社のものであるか個人のものであるかよくわからんということが大前提になつておるのでありまして、従つてその関係者の証言もその立場々々によつて異なつて来るのは当然のことだと存じます。然るに片方の証言を確実なりとし他方を虚偽なりと断じて、国会の決議或いは委員会の決議として偽証罪が成立するとして、直ちに今日の段階において告発するというのは早計に失するのではなかろうかと存ずる次第でありまして、なお一層できるだけこの委員会において調査を周密にして而して結論を出さるべきではなかろうかと思うのであります。勿論小委員会におきまして過去半年有余に亘つて熱心に調査検討されたその御労苦に対しましては、私ども非常に敬意を払うのであります。併しながら先ほどから小委員長の御説明その他を伺つて見ましても、なかなかこの真相を究明するのは容易ではないというのが実際のようでありまして、従いましてこの証言の真実なるや否やを確かめるのもこれ又容易ならぬことかと存ずるのであります。小林さんが議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律の第八条を引用しまして、嫌疑が相当濃厚なるときは告発するのが当然だ、こう仰せられますけれども私は必らずしもこれには同意いたしかねます。いやしくも国会の権威を以て僞証罪が成立するとして告発するからには、その前提として先ず確実に罪が成立するという帰結を見なければならんのでありまして、單なる疑いがあるとか、或いは又疑いが濃厚であるということを以て、すぐに委員会の決議としてそうして検察庁なりに告発するということは、どうしても私ども賛同いたしかねるのであります。いわんや委員長の報告におきましても緑風会のかたはまだその段階ではない、僅かに社会党のかたがたにおいてそれを主張されたというのは明瞭になつておるのでありまして、この点は本委員会において十分に御考慮願いたいと思うのであります。それから先ほど何かこの小委員会における証言の効力云々をして、そうしてこの内容に触れないで一切これを抹殺しようという政治的策謀が行われたかのような御発言もあつたのでありますが、これは一つ誤解を解いて頂きたいと思うのであります。この議院に於ける証人の宣誓及び証言等に関する法律におきましては、第二条におきまして「各議院の議長若しくは委員長又は両議院の合同審査会の会長が出頭した証人に証言を求めるとき」と言つております。又先ほど小林委員が引例されました第八条におきましても「各議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会は、」云々、こう言つておりまして従つてこの法律からいたしますると、証人として喚問し宣誓し得るのは、議院或いは常任委員会或いは両院の合同審査会でなければならんと一応解釈せられるのであります。然るに本件につきましては、この決算委員会におきまして、決議せられまして、小委員会に証人の喚問を委任せられたのでありまして、それが果して合法的なりや否やということは一応検討の余地があると考えたのであります。委員会におきましては、定足数といたしまして委員会構成人員の過半が出頭しなければ議事を開くわけには行かん然るに小委員会は、この決算委員会の過半数は出ていないのであります。そういう場合に委員長が小委員長に証人喚問を委任したからといつて、それは有効に証人を喚問し宣誓してやられたということにつきましては疑義があつたので、それを研究したわけであります。併しこの点につきましては、すでに本院においても先例があるということでありますからして、疑いがありますけれどもあえてそれはただそういう事情で一応検討したということでありますからして、誤解ないようにして頂きたいと思うのであります。それで結論といたしまして(発言する者多し)
○委員長(前之園喜一郎君) 大分御発言が残つておると思いますが十分間ここで休憩いたします。
○大矢半次郎君 結論といたしまして、私は溝口委員、鬼丸委員の御意見と同じように、本委員会においてなお愼重にこの点を調査せられたいと思うのであります。
○委員長(前之園喜一郎君) 十分間休憩いたします。
   午後三時十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時四十一分開会
○委員長(前之園喜一郎君) 只今より委員会を再開いたします。
○栗山良夫君 私は先ほどの自由党の大矢君の発言につきましてちよつと言及をいたしたいと思います。私が休憩前の発言におきまして、参議院の或る会派におきましてこの大橋君に関係する小委員会の証人喚問並びに証言の問題についてその後だんだんと結論的なものが出始めるに従いまして、この証人の証言そのものを否定しようとするような動きが行われたということを述べたことにつきまして、大矢君から大体それを肯定せられるような御発言があつたのでありまして、私はあえて党を指さなかつたのでありますが、自由党からそういう発言がありましたので大体明らかになつたと思うのであります。そこで問題は先ほど鬼丸委員も言われたように、これは党派を超えてこういう問題は愼重に審議をしなければならんということを言われたのでありますがたまたま大橋君が自由党所属でありますので、自由党の大橋君を弁護せられる立場からかような御研究をなされたことにつきましては、一応私どもは私も党人でありますから了解できない点はありませんけれども、併しながら極めて重大な問題で、その重大な問題であると申しまする意味は、少くとも本委員会においてこの公団等経理に関する問題を小委員会に付託をいたしまして、そうして小委員会において証人を喚問しそうして調査を徹底的に進めるということはすでに決定済なことであります。その決定済なことを前提といたしまして何回かの委員会が持たれ、特にまだ第十国会に入りましてからは本委員会に報告いたしておりませんが、第九国会におきましては十二月の九日の委員会におきまして第九国会中に行いましたすべての結論を報告し、そうして承認が与えられております。その当時の承認には自由党からは仁田君それから北村君、西山君、廣瀬君の四名のかたが御出席になつて全会一致で承認になつておるわけです。そういうような過去のはつきりした実績があるにもかかわらず、こういう段階になつて突如としてさような御研究をせられなければならなくなつた御心底はどこにあるのか、私は伺いたいのであります。これをはつきりいたして置きたいと思うのであります。
 それから第二点といたしまして先ほどこの問題を熱心に研究し、そうして小委員会の報告書に基きまして本委員会の決定を要求しておるのは僅かに日本社会党であると申されましたが、これ又極めて我が党に対して遺憾であると思うのであります。あなたはそういう断定を下されるに当りまして、各会派の全部の御意向を十分に承知しておられるかどうか、只今自由党から共産党まで含めまして各会派とも全部反対である、我が日本社会党のみがこれに賛成しておるということをはつきりと御確認になつておるかどうかこれは責任を以て各会派別にお述べを願いたいと思うのであります。
○大矢半次郎君 お答えいたします。第一の点、小委員会において証人を喚問し宣誓してそうして陳述される、それが虚僞であつた場合に僞証罪が成立するかどうかについて、今の段階になつて疑義を挾むのは自由党所属の大橋氏がその容疑者になつておるからそうしたんではないか。こういうお話でありまするが、私はむしろこれは国会の決議とし、院議として僞証罪があるのだということで告発する以上は、愼重に検討して万一にも検察庁においてそれは手続において不備の点があるということで問題にせられるということになりますと、国会の権威にも関する。従つて愼重の上にも愼重を期さなければならない。これはただ今回のことのみに限らず今後長く先例にもかかることで、政党政派を超越して検討しなければならん問題だと、こう考えていたわけであります。御了承を願います。
 それから第二の点につきましては、先般小委員長の報告にこうあります。「各委員の意見として述べられましたことは、緑風会のかたがたはその僞証の点についてはまだもつと証人を調べてそうしてもう少し精細な確証をつかまなければ今日この段階では僞証とするということは少し尚早であろう、こういう御意見でありました。自由党の委員のかたは僞証の告発に対しては反対であるという御意見がありました。それから社会党のかたがたはこの証人をなお一層これ以上調べたところでいろいろ打合せをしたり到底的確な証拠をつかむことはできないであろう。なお我々は検察庁の役人ではないのでありまして、そこに僞証の事実、或いは犯罪の事実が存在するという容疑が濃厚にあるならば詳しいことは検察庁当局の取調べに讓つて、かかる犯罪の容疑があるという点で告発して差支えないものであろうからその段階において告発すべきである、こういう御意見がありました。大体それらが主なる御意見でありますが、結局委員会におきましては採決いたしまして、この二つの問題について本委員会に御報告をして本委員会の御決定に待つという採決に至つたのであります。」私はこれによつて申上げた次第であります。
○栗山良夫君 第二点のほうは、大体その小委員会の空気をここで述べられたということでありますならば、小委員会にはそれだけの人だけしか出ていなかつたのでありますから、それでそれ以上のことは私申上げません。併し今日の先ほどの御発言では、少くとも今日の委員会のメンバーを指しておつしやつたようであり、そういう雰囲気を私は感じました。そういたしまするならば、第一クラブのかたもおられるので、その他その後の情勢では民主党、緑風会その他も態度がお変りになつておるかも知れません。又私どもも若干承知をいたしておりますので、私はあえて質問をいたしたのであります。この点が明確になりますればこれ以上私はこれに論及をいたそうとは思いません。小委員会の当時の空気を前提として認めます。それから第一点のほうはもう少し明確にいたして置きたいのは、念のために念を入れて、そういう研究をしたとおつしやるのでありまするが、その研究の結果この委員会が小委員会に付託をし、証人を喚問し、今日まで運営されて来たことは正しかつたと、こういう工合に只今お考えになりますか、或いはまだ疑義をお持ちになつておりますか。この点は極めて重要でありますので伺つて置きたいと思います。
○大矢半次郎君 直接ではありませんけれども、専門員のかたから伺つて見ると委員部の解釈も適法である、こういうことである。而して参議院においては先例も一回あるということでありますからして、私としては多少疑義がありますけれども、本委員会において従来とつて来た経過等を考えまして、一応自分の意見は留保しておいた、こういう次第であります。先ほどただ如何にもそれが政党政派によつて、政治的策謀によつて行われたというような御発言でありましたからして、その誤解を解いてもらいたい、こういう趣旨で述べたのであります。ただ併し私個人といたしましては、なお多少それに疑義は持つておることを申上げて置きたいと思います。
○委員長(前之園喜一郎君) この点について私どものほうで研究しておるところを一応申上げますが、新聞でそういうような御研究があるということを私ども承知いたしましたので、これはやはり我々としても確信は持つておりますが、念のために各方面の専門的な意見を徴する必要もあるというので委員部、参議院の法制局の意見も参考のために聞いております。その結果この両者も小委員会で証人を宣誓せしめ、喚問するということは適法であるということを言明しておりますので、私どもますます確信を強くしておるわけであります。お疑いのあるかたがありましたならば、私の只今のこの言明によつて御了解願いたいと思います。御異議はないですね。
○長谷山行毅君 私はこの「議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」この第二条の解釈といたしましては、私は未だに疑義を持つております。その点はこの法文の解釈からいたしまして、私はここにある委員長とは、委員会が開かれた場合の委員長であつて、小委員会においては、ここに二条にいうところの委員長の代理としてやるものではないというふうに私は考えておる次第であります。この委員長というのは、国会法或いは参議院規則にきめられたところの常任委員会、或いは特別委員会、そういうものを指すのであつて、従つて小委員会はこれは議院規則の五十一条に「委員会又は分科会は、審査又は調査の便宜のため小委員を設けることができる。」こういうだけの規定でありまして、小委員会の運営或いは構成等については法規上何らの規定もないのでありまして、そういう場合に果してその小委員会においでこの第二条の宣誓をせしむることができないのではないか、私はさように考えておるのであります。殊にこの法律は結局刑罰法規でもありまするので、拡張解釈を許さないという点。又この二条を受けて先ほど大矢さんからも言及されたようでありますが、第五条或いは第八条には明らかに委員会というふうな字句を使つておる。さような点から考えましても、これは小委員会における宣誓は有効であるか、無効であるかということにつきましては、私はこれは消極に解すべきものではないか。私はさように考えておるのでありまするが、これは更に一層の研究を要する問題じやないかというふうに考えております。
○栗山良夫君 私は先ほど大矢委員個人が私の質問にお答えを頂き、そうして個人としては若干の疑念を有しておるけれども、併し大体正しいということを了承しておる、委員会の運営においては了承しておる。こういう御発言がございましたが、又今他の委員から疑問を持つておるということについて相当法文上からも御説明があつたわけであります。従つて若しこの委員のうちにそういう疑問を持つたかたが多数おいでになりまして、そうして而も小委員会を続行して参りました場合に、更に問題が微妙な点に入つて行かないとも限らない、そういうときに同じようなことを繰返しておられまして、しまいには勢の赴くところ遂に小委員会そのものも否定してしまうというようなことになりますれば、これは国会の審議上極めて権威のないことになるのであります。従いましてこれは非常に重要な問題でありますから、改めて委員部長の説明を聞かれるなり、それで足りなければ議長の所信も表明され、そうしてその上でこの委員会として少くとも採決せられてもかまいませんから、今日行なつておりますることは正しい、こういう委員会の決定をしておいて頂きたい。そうしなければ、私は今後の小委員会に或いは決算委員会に、そういう権威のない委員会に相席することはできません。
○委員長(前之園喜一郎君) 只今の栗山委員の動議は、委員部の部長の意見もこの際聞いてこの点を明確にして置きたいという御意見ですが、委員部長の毒見を聞くことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
○委員長(前之園喜一郎君) 御異議ないと認めます。
○鬼丸義齊君 それはもうすでに聞く必要ないじやありませんか。そんなことを一々やつたりしては、それではとても時間がただ徒らに過ぎるだけであつて、皆さんで動議として出たわけでもありますまいし、そういう疑念も持たれることはそれは各委員の個人の自由ではございませんか、いろいろな都合で以て法律上の疑義を持つことは。我々の行動に一々検討を加えてやる。これは自由にもとるものである。それを一々この委員会で全部拔本塞源的の方法を決するにあらざれば進行できないということはあり得ない。
○委員長(前之園喜一郎君) ちよつと申上げますが、今長谷山さんの御意見の内容として疑義を持つということは、この委員会の運営に適法性を欠くという御意見になるのか、單に疑義は持つておるが、一応この運営は正しいとお認めになるという御意見なんでしようか。その御見解によつておのずから違うと思うのです。疑義は持つておるけれども、この運営の方針は認めるということであれば、あえてこの上追及の必要はないと私は考える。その点を明確にして頂きたい。
○長谷山行毅君 私はこの法文の解釈上私個人がさような疑義を持つておるのでありまして、私の党派でそれを決議したわけでも何でもないのであります。
○委員長(前之園喜一郎君) 運営に対しては疑義はないというわけですね。
○長谷山行毅君 運営につきましては、私はさような考えからいたしまして、その点につきましてもまだ実は、その速記録のあれも十分検討しておらない点があつて、甚だここで明確に申上げかねるのでありまするが、小委員会においてはできないであろうというまだ疑義は持つておる次第であります。
○委員長(前之園喜一郎君) 疑義を持つておるが、まあこの運営は認めるということなんですか。ここのところは運営は反対だというのですか。その点を明確にして頂きたい。
○長谷山行毅君 私はその点につきましては決してこだわつてその運営を不適法だというふうな断定的な意見を申上げるものではありません。そういう考えも持つておりません。
○千田正君 大分皆さんが愼重に御審議をなされたようであります。本員は先般鬼丸議員から結論として、鬼丸議員の御説明がありましたが、鬼丸議員のおつしやるように小委員長の報告の内容を認めることが重大であり、且又国民もこれを非常に重視しております。一は法務総裁の立場の点、或いは法務総裁個人のために、国民のためにも明らかにする必要がありますので、これを中間報告として本会議にこれを報告されて、更に検察当局の捜査開始を促し、その内容におきましは、勿論特別調達庁に対するところの責任の追及を飽くまで追及しまして、正しい報告を要求することと、次には我々のこの決算委員会は愼重審議に調査続行するという条件を述べられたようでありまするが、この鬼丸議員の述べられた趣旨に賛成するのでありまするが、一応委員長から皆さまにお諮りいたしまして、大体の方向をきめて頂きたいと思うのであります。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) 鬼丸委員の動議は成立いたしたようであります。御参考までに鬼丸委員の動議の内容を一応要約して申上げて見ます。
   〔山崎恒君発言の許可を求む〕
○委員長(前之園喜一郎君) 関連した問題でありますか。
○山崎恒君 関連しております。只今の千田委員の動議に賛成いたしまして、それに続きまして、委員長の報告要旨は理事と協議の上で報告するということを動議に……。
○委員長(前之園喜一郎君) 報告文の内容は委員長と理事に一任する、こういう御意見ですね。
○山崎恒君 ええ。
○委員長(前之園喜一郎君) 只今の動議に御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) 御異議ないものと認めまして、鬼丸委員の動議の通り決定することにいたします。さよう御承知を願います。
 なお続いて御発言がございますか。
○溝口三郎君 先ほど私の発言に対しまして小林委員から、溝口は小委員会において全然言わないことを俄然ここで重要な発言をしたのだというような御指摘があつたようであります。私が又小林委員から僞証のような疑をこおむつていることを誠に遺憾とする次第であります。私は小委員会のときにおきましては速記録がなかつたのでありますから、遺憾ながら私の発言をお聴取にならなかつたかどうか存じませんが、私は小委員会のときにも、昨年の十二月六日の私の質問に対する大橋証人はこう言つておるのだ、こういう点については何ら触れてないことは甚だ遺憾であるということを申上げ、なおそのほかにまだ審議が不十分だから、この問題については私は採決には加わることができないのだということをはつきり実は発言をいたして置いたのでございます。それにつきましては小林委員はお聞き漏しになつたと私は考えるのでございます。この点についてもう一応小林委員の御意見を伺いたいと思います。
○小林亦治君 只今溝口委員の御意見に御釈明申上げます。溝口委員は前回の委員会におきまして、大橋証人の心理的経過、心理的状態、かようなことを強調せられませんでしたので、実は先ほど俄然本委員会においてそれらのお言葉をお用いになつた。こう申上げたのでありまして、全体についてはこの溝口委員の立場を否定したのではございません。そのように御釈明申上げまして、若し私の先ほどの発言がお気に触つたならば、その程度で御容赦願いたいと思います。決して溝口委員を僞証にする目的は毛頭ないのであります。
○委員長(前之園喜一郎君) 本日はこれを以て散会いたします。明日は午後一時から開会いたします。
   午後四時六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長    前之園喜一郎君
   理事
           岩沢 忠恭君
           仁田 竹一君
           棚橋 小虎君
           溝口 三郎君
   委員
           大矢半次郎君
           楠瀬 常猪君
           小杉 繁安君
           寺尾  豊君
           西山 龜七君
           長谷山行毅君
           廣瀬與兵衞君
           カニエ邦彦君
           栗山 良夫君
           小泉 秀吉君
           小林 亦治君
           三輪 貞治君
           村尾 重雄君
           赤澤 與仁君
           小林 政夫君
           山崎  恒君
           岩男 仁藏君
           鬼丸 義齊君
           木内キヤウ君
           千田  正君
           森 八三一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 莊太郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君