第010回国会 決算委員会 第21号
昭和二十六年六月一日(金曜日)
   午前十一時二十九分開会
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  本日の会議に付した事件
○小委員長の報告
○特別会計、政府関係機関及び終戰処
 理費の経理に関する調査の件
 (調査報告書に関する件)
○継続調査承認要求の件
○継続審査承認要求の件
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○委員長(前之園喜一郎君) それではこれより決算委員会を開会いたします。
 最初に棚橋小委員長から特別会計、政府関係機関及び終戰処理費の経理に関する調査の結果について御報告を願います。
○棚橋小虎君 昭和二十三年度決算検査報告第三百九十七号、いわゆる二重煙突事件に関しましては、去る三月十四日に一応この審査の内容につきまして御報告いたしましたが、委員会において更に本件事実の究明に努力するという決定をされましたので、小委員会におきましては、更に審査を続行いたしました。申すまでもなく委員会には決定的の搜査権がありませんので、最終的断定を下すに至らないのは止むを得ない次第でありますが、小委員会としては心的、物的証拠等によりまして、でき得る限り愼重に詳細に審議いたして事実の究明に努力し、審議を終了いたしましたので、本件に関する審議の結果を御報告いたします。調査報告書は決算委員長の手許に差出してありますが、この報告書を只今朗読いたします。
 昭和二十三年度決算検査報告第三百九十七号(所謂二重煙突事件)に関しては去る三月十四日その審査の内容を報告したが、その後更に審査を続行して審査を終了した。本件に関する審査の結果は次の通りである。
 一、調査結果の要約(一)二重煙突の受注及び納品の経過
 (1)昭和二十一年九月二十日附LD三五に基き、戰災復興院は同年十二月九日、田中及び高橋の共同事業たる足利板金工業組合に対し、二重煙突二十五万フィートを発注した、併し受注者たる足利板金工葉組合は、かかる大量の物件を短期間内に生産するには、その企業形態、資力等から見て適当でない。かかる業者に対し随意契約によつて発注しているが、同組合に対する資格調査が極めて不十分であつたと認められる。
 (2)その後生産及び納入は遅延著しく、当初の最終納期たる昭和二十二年三月から一年九カ月を経過した昭和二十三年十二月に至るも五分の四強を納入し得たにとどまる。而もその間、当初より現品を点検せず、数量不実の検収調書が作成されていたものと推定せられ、生産及び納入に関する特調側の監督は杜撰であつたとの非難を免れない。
 (3)昭和二十三年七月二十九日附LD八〇によつて本件二重煙突はキヤンセルせられたにかかわらず、当局は、足利工業側の生産進捗し、資材の手配も済んでいるからという理由に基く例外的生産継続を默認している。併し事実は生産状況極めて不良であつて当然業者に対しても、解約の上、生産中止の措置をとるべきであつた。その原因は特調側関係官の調査と連絡の不十分にあるものと考える。
    殊に漫然再三に亘つて納期延期を承認して使用実績の少い本件煙突を生産させ、ために、その価格も当初の二倍半にまで増額承認したことは妥当でない。
  (二)過払発生の原因及び経過
   (1)足利工業は昭和二十三年十二月十四日附で最終の五万フイート分の納入代金四千百七万余円の支払請求をして、同月二十八日決済となり、二十九日その支払を受けた。
   (2)ところがこの五万フィートの検収調書は不実で、現品を全く見ず、足利工業の社員の言葉だけで作つたもので、調書作成時迄の出荷実数は七千フイート弱しかなかつた。そして当時としても年内に納入することは到底不可能な客観的事情にあり、高橋正吉にこのことを熟知していたはずである。田中も大体知つていたものと考えられる。検収担当者藤原英三も、結局完全に納まるものと信じていたにしても、未だ納品完了していないことを大体感付いていたと考えられるし、特調側係官も、かかることもあり得ると感じていたものと推定できる。
   (3)これより先、高橋正吉は、同年十月頃から本件代金の支払を受けるため、相当盛んに運動していたものと認められる。みずから又は大橋武夫を通じて、加藤経理局長、瀧野庶務部長に依頼しており、その他にも依頼している形跡が感ぜられる。
   (4)かくて本件では、(イ)経理局で事実上請求を受付けた十二月二十八日のすぐ翌日に支払つており、(ロ)価格の増額も十二月十六日に決裁を受けたにかかわらず別に十二月五日附の増額承認書もあり、(ハ)更に前記の如く本件契約は形式上キヤンセルになつているので、別個にその支払根拠をLD五七に求めて、十二月二十八日の午後追加注文の決裁を受け、その日附を十二月十六日附に遡らせている。尤も現実にこの発注書が廻付されたのは翌年の一月になつてからである。(ニ)次いで支払直前に検収調書の日附を納期たる九月三十日とし、LD五七による追加注文と訂正している。これらの不当な措置に関し、瀧野、横田、佐野等が相当積極的に上司を説得して盡力しているものである。それにしても納期と増額承認と変更発注の日附が食い違つているまま支払つているのも甚だ不穏当である。
   (5)次に十二月六日附で加藤経理局長名義の新価格による支払証明書が発行されているがそのときには未だ検収調書も作成されておらず、増額承認も決裁せられていなかつた。それ故かかる支払証明書の発行は如何なる意味でも不当であるが、同証明書を何人が発行したか明らかでない。
   (6)次に本件煙突代金に物品税が五〇乃至六〇%含まれている。然るに足利税務署では、本件煙突は課税対象にならずとして徴税していない。それ故、高橋及び田中は、この税金相当額を特調より騙取したものといわねばならないし、特調当局にも過失あるものと考える。
   (7)昭和二十四年一月中旬に至り、中村副総裁が本件二重煙突の生産継続の当否に関して疑いを抱いた。そして石井技
    官をして足利工業に赴かせ、生産状況を調査させたところ、たまたま前記未納入のめ当時としては約金二千数百万円の過払となつていることが発見されたのである。
  (三)過払金回収の経過
   (1)過払が発見されるや、直ちに特調側では、田中及び高橋を招致してこれが返納方を協議し、両名も個人的に連帶責任を負うことにし、具体的な返納財源を明らかにさせた。そして当初は昭和二十三年度会計年度内に返納させる計画であつたが、両名の履行状況は遅々として、殆んど見るべきものがなかつた。そこで所管を苦情処理課に移し、法務府と協議して訴訟的解決によることとなり、その間数回に亘つて返納計画を提出させ結局昭和二十五年十月二十日足利簡易裁判所で半年々賦による三カ年間完済という既決和解調書を作成したものである。
   (2)その間の現実の返済状況は、昭和二十四年四月十六日から昭和二十六年四月六日までの間十六回に約金七百余万円を回収し、現在残額は約金千五百万円ある。大体三分の一回収したわけで、このうちには有体動産に対する強制執行による配当金約三十万円が含まれている。而してこれら返納金の財源は、先に田中及び高橋両名が任意提出した返納計画書記載財産の一部であつてそれ以外の財産による回収は殆んど行われていない。
   (3)かように現実の返済状況が当初の計画に反し不成績であつた理由は四つある。第一に、返納計画中に事業収益によるものが相当大きい比率を占めているが、実際にはドツジ政策の強行によるデフレ傾向のため、事業自体が収益どころか欠損状態に陷つたことである。第二に、当然返納に充てられていたはずの高橋名義の東武鉄道株式三万五千株、及びモリス自動車売却代金の大部分が未だに特調に支払われていないことである。第三にその他の財産も時日の経過によつて減損著しく、大幅な値下りを来たしたためである。機械設備及びトラツク等において最も甚だしい。第四に、返納計画に計上された以外の会社及び個人財産による回収に関し、最近に至る迄何らの措置がとられていなかつたため、田中及び高橋がこれを他へ処分したり、消費減耗したり、著しい値下りを生じたことである。
(3)本件過払金回収方法は結果的に見て、前項の四つの原因を事前に予見して、これを防がなかつたということにおいて妥当でなかつたと断ぜざるを得ない。従つてこれを突き詰めていえば、第一に、会社及び個人の財産状態、並びに営業の実情に対する当初の調査が極めて不十分だつたことである。そのため返納の財源捕捉が十全でなく、回収時期及び方法の見透しを誤らせるに至つた。第二に、急速徹底的な回収方法を講ぜず、温情主義をとつたことである。若しそれ、当初から会社及び田中、高橋個人の財産状況を詳細に調査し、これに対して急速徹底的な回収方法を講じたならば、総額の三分の二以上、即ち現在の回収実績の二倍を下ることはなかつたと推測できる。
  (四)自動車の売却委託及び売却代金の処理について。
   当時、特調の三浦監事の依頼によつて、本件過払金の回収方に関し協力していた大橋武夫は、昭和二十四年六月一日足利工業株式会社代表者田中平吉から、形式上高橋名義で実質上会社所有にかかる一九四〇年型モリス自動車一台の売却及びその売却代金を特調への過払金返納に当てられたい旨の依頼を受けた。そして大橋はこれを同年六、七月頃、山下茂をして金百数十万円で売却させ、その代金を受領してから、高橋及び山下等と相談の上、高橋名義の預金として三和銀行日比谷支店に預入れ、山下をしてその運用の衝に当らせて来た。而して、同人の運用よろしきを得ず、結局現在迄の間に、その内昭和二十四年八月四日金三十万円、昭和二十五年十二月二十九日金三十万円を特調に対し過払金返納として支払つたのみで、残額七、八十万円は未だに支払つていないのである。それ故、かかる行為は、明らかに委託者たる田中の委託の趣旨に反して自動車売却代金を処分した疑いがある。然るに大橋は、証人として当委員会に於て、第一に、本件自動車の所有者が高橋正吉であること、第二に、売却の委託者も高橋であること、第三に、委託の趣旨は売却代金を直ちに特調へ納めるのではなく、高橋の利益のため有利に運用して、漸次その利益で特調への支払に充ててゆくことであると証言している。
  (五)東武鉄道株式の提供売却及び売却代金の処理について。
   (1)昭和二十四年三月八日、田中は特調の川田経理局次長に対し、東武鉄道株式高橋名義分三万五千株、田中名義分一万五千株を有利に換価の上、その換価代金を特調に対する過払金の支払に当ててもらいたいという趣旨で預けた。その後、同年五月六日高橋が自己名義分三万五千株を有利に処分して特調に納めるというので、川田はこれを高橋に返却した。然るに高橋は、間もなく、これを金百六十二万円で売却したにかかわらず、その金を特調へ支払わず、自己の用途に消費してしまつて現在に至つている。
   (2)田中は株式を川田に預ける際、自分以外の者には絶対渡してくれるなと念を押したと言つているが、それはともかく、川田は、田中、高橋間の覚書によりて、本件株式が会社所有で、而も田中のみに処分権があることを知つていたし、本件過払の責任の大半が高橋にあるため、高橋を信用しがたしという空気が特調内部でも強かつたのである。従つて、川田が漫然これを高橋に渡し、遂にその売却代金を回収できない状況に立至らせたことは、極めて軽率で不当な措置であつたといわねばならない。
   (3)更に、この株式売却代金中、金五十万円を前記大橋の監督の下に山下が管理する高橋名義の預金に預け入れている。それ故、大橋は、この株式の売却やその売却代金の処理には全く関知せずと述べているが疑わしい。
  (六)大橋武夫と足利工業その他本件との関係
   (1)昭和二十三年三月頃大橋は復興院時代の部下である特調契約局石破次長や丸事務官の紹介で、足利工業株式会社の顧問弁護士となつたという。本件二重煙突の発注があつた昭和二十一年十二月頃には、大橋はその関係局たる復興院計画局長であつた。
   (2)大橋は足利工業の顧問に就任後、昭和二十四年二月本件過払問題の発生によつて自然解
    任となる迄約一年間に、金三十三万円ほどを顧問料として会社から受取つている。然るに会社側もこの顧問料に対し所得税の源泉徴収をせず、大橋も所得の申告をしていない。
   (3)高橋正吉は大橋代議士の秘書であると称してその旨の名刺を使用しており、大橋もこれを默認していたものと考えられる。そして高橋は昭和二十四年一月の総選挙に際し大橋に対し金二十万円を渡しているが、それは大橋の選挙費用に当てたものと確認される。
   (4)大橋は、前述の如く、高橋正吉の依頼で加藤経理局長や瀧野庶務部長に対し、本件二重煙突代金の支払方に関して口添をなし、佐野課長に対しては強硬な申入れをしている。石破契約局次長、松田経理第二課長その他の者に対しても口添をしたのではないかとの疑いもある。その口添は抽象的なものであつたと想像されるが、大橋が曾つて彼等の上司であり、何かと面倒を見た関係もあるので、事実上相当強力な影響を与へたであろうと想像される。
   (5)次で、本件過払問題が生ずるや、大橋は三浦監事の依頼によつてこれに協力することとなり、その間、回収に関する大橋の協力は、結果において温情主義に基く緩慢な回収となつて、回収成績を低下させることとなつており、更に前記の如く、自動車売却代金及び東武鉄道株式の売却代金処理に関係している疑いもあつて、その責任たるや重大であると考える。
  (七)本件関係者の法律的、道義的、政治的責任及びこれに対し特調側のとつた措置の当否。
   (1)田中平吉及び高橋正吉に関しては、本件過払金の支払請求受領が詐欺罪を構成する容疑が極めて濃厚である。既にかかる容疑が濃厚である以上、事件の真相を徹底的に明らかにするためには、特調当局としては当時速かに刑事告訴をなすべきであつた。
   (2)嘱託検収員たる山口総男及びその補助者藤原英三は、最後の五万呎分について現品を現認せず、これを現認した旨の検収調書を作成し、更にその後、この検収の日附を事実に反して納期たる昭和二十三年九月三十日に行つたごとく訂正しているのである。而も前後の事情から考えて、真実五万呎の製品が完成していないことを感知しながら、近く完成するものと誤信して、かかる検収調書を作成したものとの容疑が強い。この検収調書が過払の直接原因となつたものであるから、その法律的責任を全く不問に付することは妥当でない。
   (3)最後に本件過払及び過払金回収に関与した特調側職員に対する問責方法は、甚だ微温的に過ぎたと考える。殊に、虚僞公文書の作成に関し指示を与え若しくは重要な影響を与えたものと推認せられる横田経理第二課長及びこれに関係ありと推認せられる瀧野庶務部長の責任は軽くない。当時両名に対し、刑事的手続はともかく、何等の行政的処分をもしなかつたことは妥当でない。更にその過払金回収に当つて、事実上返納金に代るべきもの又はその履行の担保の意味において預つた東武鉄道株式三万五千株を、返却すべき相手方でない高橋に対して軽率に返還し、遂に高橋の支払分中約金百六十万円余の回収を今日に至る迄実現し得ざるに至らせた川田経理局次長の責任も不問に付せらるべきでない。法律上正式に保管しうべき性質のものでなかつたということは、この責任を全く無にすることではない。これに対し特調当局が当時何らの行政的処置を講じなかつたことも妥当ではない。
 二、本件調査による結論として次の如く判断する。
  (一)特調当局においては、当時、本件二重煙突の生産状況を把握する方法及び検収の正否を監督する手段に関し著しくかけるところがあつた。そして内部的連絡不十分のため、キヤンセルとなつた本件二重煙突の生産を継続させ、遂に過払を生ぜしめるに至つたことは、特調の内部組織と監督に関し根本的改革を要するものがある。
  (二)当時、特調においては、文書作成日附の遡及その他軽微な点に関する虚偽公文書の作成が半ば慣行的に行われていた。このことは、本件の如き巨額の過払を生ぜしめた一因をなしていると共に、特調内部の秩序紊乱と一部職員の腐敗を示すものである。よつて嚴重なる警告を発すべきである。
  (三)足利工業株式会社社長田中平吉及び專務取締役高矯正吉に対する詐欺罪容疑に関する刑事事件の告訴、並びに当時の横田経理第二課長、瀧野庶務部長、川田経理局次長の行為に対する懲戒手続をそれぞれ特調当局において当時行わなかつたことは、その措置緩に失し、不当である。
  (四)大橋武夫は自動車売却等に関し、高矯正吉は上記事項のほか最終納入数量等に関し、田中平吉は財産隠匿等に関し、山下茂は東武株式代金の処理等に関し、横田廣吉は検収調書の訂正方指示等に関し、瀧野好曉は変更発注依頼書の発行方の盡力等に関し、川田三郎は昭和二十四年二月二十三日附覚書作成過程等に関し、それぞれ小委員会において宣誓の上証言するに当つて僞証をした疑いがある。
  右報告する。
   昭和二十六年六月一日
    公団等の経理に関する小委員長 棚橋 小虎
  決算委員長殿
○委員長(前之園喜一郎君) 只今の小委員長の報告に質疑のおありのかたは御質疑を願います。御質疑はございませんか……。小委員長に伺いますが、前に小委員会から中間報告を受けておりますね。そうすると、結局前の報告はこれ一本にまとまつて来ておるということになりますね。
○棚橋小虎君 全部これで完結しておるということになります。
○委員長(前之園喜一郎君) これ一本になるわけですね。御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林亦治君 今報告の通り皆さん御異議がないようですから、御承認を願つて、決算委員会として、どのような措置をとるかということを委員長からお諮りを願いたいと思います。
○委員長(前之園喜一郎君) 別に御質疑がなければ、公団等の経理に関する小委員会の報告書、只今小委員長の御朗読になりました報告を承認することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) それではこの小委員会の報告を本委員会においてどういうふうに取扱うかということについて御協議を願いたいと思います。
○小林亦治君 先の中間報告につきましては、本会議で委員長から御報告を願つたのでありまするが、本日小委員長の報告は、更に前回の委員長の中間報告にありましたところの二、三の疑点、内容の不備な点が、本日の報告には全部滿たされておるのであります。今国会も明日を以て終るのでありまするから、これは委員会の義務として、明日は正式に委員長の名において本会議で御報告願いたいと思います。附加えて申上げますが、委員長の所属する民主党と自由党との御関係から、若し委員長が自由党の国務大臣を彈劾するにひとしいような、かような報告をなすに適当ではないと、少くとも遠慮があるとおつしやるならば、これは委員長に代る理事のかたに報告をさして頂きたいと思います。それだけまあ附加えて申上げます。
○委員長(前之園喜一郎君) さような御心配は全く御無用です。
○小林亦治君 それでは是非とも委員長の名において、委員長から前の中間報告に加えまして、その結論としてこの御報告を願いたいと思います。
○委員長(前之園喜一郎君) 只今小林亦治委員から、小委員会の報告をこの委員会の決議として本会議に報告したらどうかという御発言があつたのでありまするが、それに対する委員各位の御意見を御開陳願います。
○高橋進太郎君 私はこの小委員会に関係しておつた者ですが、要するにこれは二十三年度決算報告に対する一つの問題に対する報告でございますので、そのほか秋田木材等の問題もありまするので、要するに二十三年度の決算に対する決算委員会の結末を一括した一つの問題として、本会議に報告せられるということにして頂いたらどうかと思います。只今小林委員の御発議の中に、何かこれが国務大臣を彈劾するがごとき結論というようなお話がありましたが、これはそうじやないので、決算委員会並びに小委員会は、どこまでも決算上の問題についての経過を結論としたのでありまして、これは昭和二十三年度の決算に対する一括報告としてお取扱いを願いたいと思います。
○委員長(前之園喜一郎君) 小林亦治委員にお伺いしますが、あなたの御発言の御趣旨は、これはすでに中間報告もしておるし、別の取扱いとして、これだけは本会議に報告するのが相当である、引離して報告すべきものであるという御意見ですね。
○小林亦治君 そうです。
○委員長(前之園喜一郎君) そういう御趣旨で特別に今日まで取扱つて来ておるから、これだけは結論を出して置いたらよくはなかろうかと、こういう御趣旨のようですから、そういう意味において御意見を伺います。
○小林亦治君 前のが二十三年度の一般報告ではないのでありまして、この二重煙突に関するところの中間報告であつたので、今回小委員会にわざわざ專門の調査員まで委嘱して結論をとつて、本日公表したのでありますから、これは委員会の義務として、今国会の最終日である明日に、これは報告しなければならんと思うのであります。これは諮るまでもなく当然だろうと思うのです。
○高橋進太郎君 或いは中間報告当時におきましては、この問題がいわゆる相当の深刻性を持つたように考えられたのでありますが、小委員会をやつて見まして、今報告がありました通りの結論でありまして、普通のいわゆる決算に対する批難事項の運の関係においてこれは処理して、何ら特異性のある問題とも考えられませんので、これは他の問題と一括のほうが適当ではないかと、こういうように考えられます。
○小林亦治君 今の御意見なんですが、何ら特異性がないのではない、大いにあることがわかつたので、前の中間報告に対する義務としても、これはなさなくちやならん。高橋委員のおつしやるのは、これは逆なのでありまして、前の中間報告について、この小委員会の出した結論の結果が前の疑念を晴らすというようなものがたくさん出て参つたというなら格別なのでありまして、前の中間報告がいろいろ証拠付けられまして、動かざる事実がかように出たという結論になつておるのであります。
○三輪貞治君 私も小林委員の提唱に賛成をいたします。およそ中間報告ということは、当然最終的な報告をしなければならんけれども、それに至つていないので中間的な報告をするというのであつて、これは当然あとに最終的な報告をするということが残されておるところの報告の仕方であります。その結果、それが結論として特異性がなかつたとか、あつたとかいうことは、これは別でありまして、これは当然なかつたのであれば、なかつたように最終報告をするのが当然であると、かように私は考えます。
○高田寛君 いろいろ取立てて報告するかしれないかという御意見であるようでございますけれども、私の考えでは、やはりこれを一つ問題として取上げて中間報告をしたんでありますから、結末がついたときは、それをやはり報告して置くべきではないかと思いますが……。
○委員長(前之園喜一郎君) どうですか、高田君の言われるように、中間報告をして結末を付けるべきではないでしようかね。それだけのものは出たんですから、これは別にどうこうと言うのではなく、結論が出て特別の取扱いをして来たんですから、特に調査書まで用意して調べたんですから、報告することがいいんじやないでしようか。ちよつと速記をとめて……。
   〔速記中止〕
○委員長(前之園喜一郎君) 速記を始めて……。只今小林亦治委員から、小委員会の報告を本委員会の報告として本会議に報告することの動議が出たわけでありますが、本委員会として、本会議に報告することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) それでは異議なきものと認めまして報告をいたします。
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○委員長(前之園喜一郎君) なお小委員会に付託してありますいわゆる秋田木材の関係について小委員長の御審議の経過の御報告を願います。
○棚橋小虎君 秋川木材の件につきましては、事件が相当複雑でありまして、一回、二回の委員会の審査では結論が得られないと思いますので、これは更に小委員会を継続いたしまして継続審査ということにお願いしたいのであります。なおその他に特別会計、政府関係機関及び終戰処理費の経理に関する調査につきましては、この調査は対象が非常に広汎多岐に亘つて相当長期間を必要とするのみならず、それを中断することは調査上いろいろ不利不便を招来しますので、先ほど申しましたように、閉会中も小委員会を継続して調査をいたしたいと思います。
○委員長(前之園喜一郎君) 只今小委員長の報告がありましたが、特別会計、政府関係機関及び終戦処理費の経理に関する調査に関しましては、未だ結論を出す段階に至つておりませんが、一応会期が終了するため、未了報告書を出さなければなりませんので、小委員長の報告の旨を記載して、未了報告書を提出することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) 御異議ないものと認めます。
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○委員長(前之園喜一郎君) 次に継続調査要求に関する件でありますが、特別会計、政府関係機関及び終戰処理費の経理に関する調査は、閉会中も引続き調査を行う必要があると思いますので、この継続調査を議長に出して要求いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) 御異議ないと認めます。
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○委員長(前之園喜一郎君) 次に、昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算及び昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算は、四百三十七号の件に関し、小委員会より閉会中も審査を続行いたしたいという要求がありますので、継続審査要求をいたすことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) 御異議ないものと認めます。
 なお以上の調査報告書、継続調査要求書及び継続審査要求書の作成についでは委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) 御異議ないと認めます。さように決定いたしました。それでは調査報告書に対する多数意見者の御署名を願います。
  多数意見老署名
    棚橋 小虎  小林 亦治
    小泉 秀吉  三輪 貞治
    村尾 重雄  森 八三一
    千田  正 池田七郎兵衞
    仁田 竹一  カニエ邦彦
    岩男 仁藏  山崎  恒
    高橋進太郎  大矢半次郎
    高田  寛  常岡 一郎
    小林 政夫
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○カニエ邦彦君 どうもこの委員会が相当長期に亘りまして、本件の二重煙突に関する問題は、大体小委員長の報告の通り決定に相成りましたのでありますが、併し我々委員会としては、前回の中間報告におきまして、国会の権威にかけても愼重にこれを審議をいたしまして、そうして態度を明らかにし、且つこれが僞証のあるものは僞証とし、又横領その他の刑事的容疑のあるものに関しましては、それ相当な措置をとるべしという結論が出されておつたのであります。従いまして、かような委員会の決定を見ました以上、この決定に基いても、私はこの末尾にありますところの大橋武夫並びに高橋正吉、それから田中平吉、山下茂、横田廣吉、瀧野好曉並びに川田三郎、これらに関する当小委員会において宣誓をしておいて、これを僞証した疑いがある、この点はもうどの委員がお考えになりましても、私はこの通りであると思うのであります。而もかかる重要なる問題につきまして、権威ある国会において、かような偽証が行われておるということについては、やはり前回の中間報告においてなされておつた、やはりこれは委員会の名を以て告発すべきである、こういう点でありますが、私はそのような意味を尊重いたしまして、ここにやはり告発すべきものであるということの意思に基く告発動議を提出いたしまして、なお本日は定員もございますので、この動議を一つお取上げ下さいまして、御決定を願いたいと思うのであります。
○高橋進太郎君 どうも私はカニエ委員の御発言を聞いて非常に奇異に感ずるのであります。と申しますのは、小委員会で最初の提案には疑いがあつて、殊に大橋武夫氏は犯罪弁明のため或いは偽証したと認められる、その責任重大であり、且つ大橋氏の僞証には、その地位、経歴等を考えて、いずれ委員会として告発すべきものであると考えられるというふうな結論であつたわけであります。ところが鬼丸委員から、その発言がありまして、これだけの材料ではこれを告発するだけの、又僞証罪と委員会が断定するだけの何らの事実関係の確証がないじやないかというような関係から、いわゆる末尾というものは削られたのであります。従つてその間の事情はカニエ委員も十分御了承になり、且つ又小委員会の結論に達したのでありまして、これをここで又復活であるというように、あたかも小委員会が偽証罪であるというごとく断定したというような言辞は私は非常に了解に苦しむのでありましてこれはこの小委員会の結論通りの措置で適当なのでありまして、未だ委員会としては、私はこれを偽証罪と断定する何らの事実を持つていないと、こういうふうに考え、カニエ委員の動議については私は反対します。
○委員長(前之園喜一郎君) 動議は成立しておりません。
○小林亦治君 今高橋委員から、この小委員会が僞証罪ということを断定しなかつた。これは断定し得る権限はないのであります。本委員会においてすらこれは裁判所じやありませんので、断定することはできないのであります。
○委員長(前之園喜一郎君) 動議は成立しておらんのだから、動議は……。
   〔「カニエ君の動議に賛成いたします」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) カニエ君の動議は成立しました。カニエ君の動議について御発言を願います。
○高橋進太郎君 先ほど申上げました理由によりまして、カニエ委員の動議に対しては反対であります。
○小林亦治君 高橋委員はたしか法律家なはずであります。先ほど小委員長の報告の際も、これはよく君に聞いてもらいたい。末尾の第四なのです。念のために一遍読み上げます。「大橋武夫は自動車売却等に関し、高橋正吉は上記事件のほか最終納入数量等に関し、田中平吉は財産隠匿等に関し、山下茂は東武株式代金の処理に関し、」云々とありまして、その最後に「それぞれ当小委員会において宣誓の上証言するに当つて偽証をした疑いがある。」、こういうことが昨日の小委員会で結論付けられたので、疑いがあるということが一はつきりしたのであります。本委員会におきましても、そのことが只今確認せられた通りであります。そこでこの昭和二十二年の法律第二百二十五号でありますか、これは議院に於ける証人の宣誓及び証言等に関する法律になつております。その八条には「各議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会は、証人が前二条の罪を犯したものと認めたときは、告発しなければならない。」、この告発が義務になつておるのであります。もうかような疑いが間違いじやないということがきまつた途端一に、好むと好まざるとにかかわらず、本委員会は告発しなければならないのであります。若し告発しないということになると、本委員会がこの法律の真正面から、真正面に対して法律そのものを抹消したことになるのであります。違法の罪が却つて委員会に免れ得ないような状態になるんじやないか。その点を高橋君はどうお考えになつておるか。この超法律的な意見というのはどこから出て来るのか。一応委員長から聞いてもらいたい。
○カニエ邦彦君 私はさような議論を繰返される必要は、この際は議事の進行上ないと思うので私の動議が成立をしておるのでありますから、委員長は速かに御採決を願いたいと思うのであります。
○大矢半次郎君 私は前回の小委員長の報告におきましては、この告発すべきや否やの点は、小委員会でいろいろ審議したけれども、結論に達しなかつたからして、本委員会に報告して本委員会の決定に待つと、こういうふうになつていたと思つております。そして今日小委員長の報告は、この告発の件については何ら触れていない。そして本委員会においてその小委員会の報告を承認することに決定したということは、即ち告発はしないのだという意味のことだと解して賛成した次第であります。そうして又今偽証をした疑いがあるということを以て直ちに告発の要件は備わつておる、告発しなければならん、こういう御意見があるようでありますけれども、これはそうではない、偽証をした、と明らかに偽証をしたと認めた場合に告発しなければならん。偽証をした疑いがあると、疑いがあるという程度ではまだ告発すべきではない。前回の中間報告においても疑いが濃厚であるが、なおまだ告発すべきかどうかという最後の告発すべき断定には達しないというのが前回の中間報告の内容だと考えております。こういう意味におきまして、私はこのカニエ君の動議には反対いたします。
○三輪貞治君 この前、この問題を偽証罪として告発すべきかどうかということが問題になりました際に、この今小林君から御紹介になりました法律第二百二十五号の第八条の解釈が相当問題になつたと思うのであります。即ちこの八条に書いてあります委員会というものに、この小委員会が果して該当するかどうかということに疑義があつたと思うのであります。併しながら今やその疑義はすでに氷解したのであります。即ちこの公団等の経理に関する小委員会の報告書なるものは皆さんが承認になりまして、すでに署名が終つておるのでありまするから、この小委員会の報告はすでにこの委員会の報告と相成つておるのであります。即ち委員会は、大橋武夫の偽証の疑いがあることをば認めたのであります。併しながら疑いがあると認めた或いは僞証をしたと認めるというようないろいろな考え方がありますけれども、この委員会においては疑いがあると認める以外の、はつきりとそれを認めるという権限がないのであります。それをするのが即ち裁判所でありますからして、我々が僞証の疑いを認めて、委員会として認めた以上、先に小林委員から言われるように、それをば告発するかどうかということはここできめる必要はないので、すでに告発しなければならないとされておるのであります。委員長においてはカニエ委員からの御要求もございますように、速かに御採決あらんことをお願いいたします。
○高橋進太郎君 これは小委員会の経過を或いはお知りにならないと、そういうこともあると思うのですが、先ほど読み上げた通り、最初小委員会は僞証をした疑いが濃厚であると、殊に大橋及び高橋は自己の犯罪弁明のためあえて僞証したものと認められ、その責任重大であり、且つ大橋の僞証はその地位、経歴、社会的、政治的に及ぼす影響大なる点に鑑み、いずれも委員会としては告発すべきものと考えると、こういうふうに結論付けられておつたのであります。そのときに鬼丸委員から発言がありまして、どうも事実関係を聞いて見るというと、未だ告発するだけの僞証に対する事実関係が判明していない。従つてこういう結論を付けるということは、委員会として告発するという結論を付けることは適当でない。従つてその前提となる大橋氏の僞証というものは、その事実関係をこれを認定することは不適当であるというようなことから、濃厚であるというのも削られて、そうしてあとのほうの結論が削られたのであります。従つて小委員会としては、これはそのときの鬼丸委員の話としても告発すべきものとは考えないと、こういうふうにして我々も了承して、この程度の文章になつたのでありまして、若し必要でございますれば、これは当時鬼丸委員がおられましたので、鬼丸委員の一つ御出席を求められまして、その間の説明を聞いて置きたい。
○三輪貞治君 私は高橋委員からの今鬼丸委員の御出席を求められるような御意見がございましたが、そういう必要を認めないのであります。本委員会におきましては、カニエ委員の動議が成立しておるのでありますから、これをば採否を決定するところの方法が残されているだけであります。賛否はそれぞれ意見を述べておるのでありますから、それをば採否を決せられればいい、私はかように思います。
○カニエ邦彦君 只今の問題はやはり議事の進行上、やはり初め動議が成立し、それから告発にしないという動議も成立をしているように考えるのであります。従いましてこの上はそれをいずれにするかという採決を願う以外には議論をいたしておる必要はないと思うので、速かに成規の議事法に基く御採決を願いたいと思うのであります。(「委員長採決」と呼ぶ者あり)
○高橋進太郎君 これは我々の小委員会、どうもこういうような動議が出るということは小委会の経過から見まして私は予想もしていなかつたのであります。従つて党にも十分話しておりませんので、そういうのでありますれば、これはやはり一旦休憩して頂きまして、その上改めてこの動議を委員会として採決をせられんことをお願いいたします。
○委員長(前之園喜一郎君) 今の休憩の動議はどうですか。
○高田寛君 発言お許し頂けますか。
○委員長(前之園喜一郎君) どうぞ。
○高田寛君 只今の動議は突如提出されましたのですが、ちよつと私どもも予想しなかつたのですが、それで私のほうの溝口委員などもほかの委員会に出ておりまして、重要事項を決定するなら、すぐ呼びに来てもらいたいというようなこともありますので、今一度その間休憩をお願いしたいと思いますが……。
○山崎恒君 只今の高橋君の休憩の動議に賛成いたします。
○委員長(前之園喜一郎君) 議事進行の動議ですから、先にやらなければ……。
○三輪貞治君 それが動議だつたら採決したらい、
○カニエ邦彦君 只今の休憩に対しましては、その必要がないと認めますので、私は休憩をやらずに採決をして頂くことの再動議を提出いたします。(「動議を諮つて下さい」と呼ぶ者あり)
○委員長(前之園喜一郎君) 十分間休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
   ―――――・―――――
   〔休憩後開会に至らず〕
 出席者は左の通り。
   委員長    前之園喜一郎君
   理事
           岩沢 忠恭君
           仁田 竹一君
           カニエ邦彦君
           棚橋 小虎君
           溝口 三郎君
   委員
          池田七郎兵衞君
           大矢半次郎君
           高橋進太郎君
           西山 龜七君
           栗山 良夫君
           小泉 秀吉君
           小林 亦治君
           三輪 貞治君
           村尾 重雄君
           小林 政夫君
           高田  寛君
           常岡 一郎君
           山崎  恒君
           岩男 仁藏君
           千田  正君
           森 八三一君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       森 莊三郎君
   常任委員会專門
   員       波江野 繁君