第010回国会 経済安定委員会 第3号
昭和二十五年十二月十六日(土曜日)
   午前十時四十八分開会
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  本日の会議に付した事件
○日本経済の安定と復興に関する調査
 の件
 (貿易計画に関する件)
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○委員長(佐々木良作君) それじや委員会を開会いたします。
 前回調査事件として貿易計画及びその実績について説明を役所のほうから受けまして、これに対する質疑を継続中であつたわけであります。その質疑の継続中に追加資料の要求がありまして、今日役所のほうから持つて来て頂いたわけです。従いまして今日の議題といたしましては、同様に調査事件を議題としまして、貿易の実績と計画、特に来年度を目当の貿易計画についての審議をしたいと考えます。
 なおこの前の委員会で御要求がありましたので、役所関係の説明、質疑応答に答えて頂く外に、民間から実情に詳しい方を参考人としてお招きいたしまして、適宜御説明を聽いたり或いはこちらから質疑をしたりというふうに考えております。参考人としておいでを願いましたのは、日産協の乙幡近治君、同様に齋藤與四三君、それから日本鉄鋼連盟の岡野清彦君、重工業輸出振興会の松本尚茂君、それから加藤武夫君、倉重武久君であります。説明員の方につきましては必要なときに適宜御発言できるように一つ前以て委員会として了承しておきたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐々木良作君) それでは最初、追加資料の簡單な説明をお願いしたいと思います。
○説明員(松尾金藏君) 今お手許にお配りいたしました資料についてこの前の委員会で、ここでお話の出ました分が大体これで揃つておると思いますが、初めから御説明いたしますと、この前お配りいたしました資料の中で二十五年度と二十六年度の輸入見込並びに輸入計画であります。その中で二十五年度の輸入見込につきましては、総金額を約十一億以上とお話いたしましたけれども、全体の大分類による全貌を印刷して配付することをせず、むしろ重要な物資について数量で御説明をし、そのための資料を配付したと思います。それに対しましてやはり十一億の輸入見込の全貌を、という御要求がございましたので、第一ページの一番最初の表がそれに当るわけであります。大体この前御説明をいたしましたように、十一億五千万ドル程度の本年度輸入見込をいたしております。
 それからその次の二枚目のページは、この前重要物資につきまして上半期の輸入実績と下半期の輸入見込と、大体数量で見込を立てたものをお配りをいたしたのであります。それを金額で示すように、というお話がございましたので、金額でお話をしたわけであります。この前も御説明いたしましたように、大体ここに重要物資として掲げるもので十一億以上の輸入の中で約八、九割を占めております。ただこれにつきましては現在までの統計では、こういうふうの、意味の細かな分類で実績としての正確な金額が出ておりませんので、大体従来の到着値段で推定をいたしました実績と、それから今後の到着値段を想定いたしましてその金額を見込んでおります。その結果が大体ここに出ております九億二千九百万ドルの輸入見込であります。
 なおその際にお話がございましたように、ニツケル等の非鉄金属と、ボーキサイトをここで追加いたしております。それからその次の表でありますが、これはこの前お配りいたしました資料で、大体数量で輸入見込をお配りいたしました中で、ニツケル以下の非鉄金属とボーキサイトを追加してもらいたいというお話がございましたので、それを追加した表がこれでございます。この表で御覽頂きますように、ニツケルにつきましては下半期では最近御承知のような情勢で輸入見込は今のところ見通しのついたものはございません。それから錫、鉛につきましては、御承知のように、大体当座の日本在庫は或る程度ありますので、少くも本年度暫くは需給バランスはとれておりますので、本年度の輸入はあまり見込まれておりませんが、来年度以降におきましては、やはわ輸入の問題は起つて来るはずであります。ボーキサイトにつきましては、計画数字に生産の今後の見通しについて、いろいろ問題があると思いますが、従来立てておりましたベースに対しましては、ほぼ計画数字に近いところまで輸入の見通しが立つております。
 それからその次の表を見て頂きますと、その次の二枚の表は、この前二十六年度の輸入見込といたしまして、金額で分類をいたしておりましたものにつきまして、重要な物資について数量とその輸出市場又買付地域を一覽表にしてという御要求がございましたので、ここでその意味の一覽表を書いたわけであります。ただお断りいたしておきますのは、この前ここでこの中の重要輸出品についての数量は口頭で若干御説明をいたした通りでございますが、なおその際に肥料について、たしかあのとき二十万トンくらいの輸出か可能ではないかというようなことを申上げておりましたが、これはどこへ仕向けてどれだけの数量ということをこの表で掲げるほどまだ現在輸出の関係はかなりデリケートな問題でございますので、この表からは省いております。なお非鉄金属につきましても、来年度の輸出見込ということになりますと、かなり問題が複雑でございますので、この表では、主要輸出品という中からは一応ここでは省いております。
 その次の輸入の計画表、これは大体重要な物資を網羅したつもりでございますが、この前ここで若干口頭で説明を補足いたしました分が数量としてここに挙つております。なおここでもお断りいたしておきたいのでありますが、米、大麦、小麦につきまして、この前私から口頭で御説明いたしましたところと若干違つた数字が出ておりますが、この食い違いはこの表のほうでお読みとりを願いたいと思います。
 それからその次の横になつた表は、これは主要な輸入物資についての現在最近の価格の動きの表をというお話しがございました。これは実は相場表となりますと非常に把握しにくいのでありますが、通産省のほうともいろいろ打合せをいたしまして、まあ現在我々が、これは各月別に出しておりますが、各月のその当時の買付の値段とすれば、大体まあこういうことになるだろうという表であります。従いましてお断りするまでもないのでありますが、輸入單価というときには、例えば到着の値段であるとか、或いは予算單価の値段というものがこれとぴつたり一致するとは必ずしも限りません。若干のずれはございますが、その当時の買付値段としては、大体こんなところであろうと思うのであります。
 今お配りいたしましたのは大体こんはところでございます。
○委員長(佐々木良作君) ありがとうございました。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(佐々木良作君) 速記を始めて下さい。
 それでは次に参考人としてお招きしてありました日産協の方にお願いいたしまして、業者の側に立つての最近の、特に輸入の隘路についての要望事項の概要の御説明を承わりたいと思います。
○参考人(乙幡近治君) それでは私から御説明申上げます。今日は、日産協の関係としましては、日産協の事務局の外に鉄鋼並びに機械関係の方もお見えになつておりまして、鉄鋼とか機械とかに関係した問題は、そのかたたちからくわしくお話があるかと思いますので、私の方からは先般参加の業界に照会しまして、物資輸入の隘路と、その打開策につきまして回答を頂きましたので、その回答を整理したものにつきまして簡單に、極く一般的な、共通的な点についてお話してみたいと思います。
 御存じの通り昨年の秋にローガン構想による貿易方式がとられまして、当時は輸入先行のこのローガン方式も、全般的に買手市場のときでありましたので、非常にスムースに出発するかに見えたのでありますが、その後国際情勢がいろいろ変りまして、特に事変後各国の戰略物資の買いあさり等が盛んになりましたために、買手市場が売手市場へと転化して参りました。それにつれまして価格も非常に騰貴するとか、或いは今まで自由に輸出さしていたものを、或る品目については許可制をとるとか、それから又船舶が非常に不足して来るとか、そういうような事情が次々と出て参りまして、ものによつてはすでに契約をしていたものもキヤンセルとなるとか、或いはキヤンセルの危險が目前に追つているとか、又は私積の予定が延期されるとか、そういうように非常に事情が変化をして参りまして、必ずしも最初予期していたように輸入が円滑に行かないというような事情が、最近非常に現われて参つたわけであります。
 それから又金融の問題につきましては去る九月十八日附のLC分から日銀によるユーザンスが実施されまして、当時輸入金融の逼迫を唱えられていたものが幾分か緩和を見たのでありますが、なお且つ業種或いは商品によりましては、三カ月のユーザンスでは期間が足りないとか、或いは又輸入資金はいいが輸入したあとメーカー側で引取る場合の引取資金が不足するとか、そういうような事情が非常に強く現われて参りましたので、日産協といたしましては、この際各業種の方面から実情を聽取いたしまして、それをまとめて官庁側、或いは関係方面又は国会方面にも一つ要望して、その輸入の促進について御協力をお願いしようというわけで今回の調査をいたしたものであります。
   〔委員長退席、理事永井純一郎君委員長席に着く〕
 そこで先月末その調査をとりまとめたのでありますが、この調査は実はその後に至りまして中共地域向の輸出禁止等が出ましたので、非常に事情が変つておるとは思いますが、私どものやりましたこの調査、それ以前の調査に属しますので、或いは若干現代とは事情が異なつた点もあるかと思いますが、それらの点につきましては先程申上げました通り、鉄鋼並びに機械の実際に業界にタツチしておられる方から修正なり訂正なりの御意見があると思いますので、私どものほうとしましては大体調査に現われたところにつきまして若干見解を述べてみたいと思います。
 この調査に現われたところを実は事情が一つ一つみな違つておりますので、一つ一つ本当はこれについて御説明いたしたいのでありますが、時間の都合もありますから極く簡單に要約した点につきまして申上げて、なお御質疑等ありましたらそれについて直接調査を担当した職員も参つておりますから御回答申上げたいと思います。
 この調査に現われました業界側の意向を幾つかに要約して申上げますと、先ず第一番目といたしましては、輸入外貨資金の割当をできるだけ適正化して貰いたいというこういう要望であります。それは油脂関係の大豆とか、或いは塩の業界、或いはソーダの業界関係の原塩、それから皮革関係の原皮、それから製紙関係の「松やに」等について特に要望が出て参つておるのでありますが、供給力の大きい地域とか、或いは供給状況の安定した地域とか、或いは優良品の産地等に対して、従来必ずしも外貨資金が適切に割当てられておらないので、そういう地域に対して今後できるだけ重点的に割当てるようにして頂きたいと、こういう要望であります。
 それから第二番目といたしましては、貿易の方式といたしまして例えばエスクロか、バツク・ツウ・バツクとか、大体バーター方式がとられておる地方に対して、特に要望しておるところでありますが、エスクロ或いはバツク・ツウ・バツク等によりますと、こちら側の輸出が十分行きませんと、先方から思うように物資か輸入することができない。ところが先方側のいろいろの事情もありましてなかなか思うように先方側が日本側の輸出を買付けてくれんという、そういうような事情もありますので、それらのものにつきましては、現在ドルの手持外貨も相当あるように見受けられますので、できるだけ現金決済に変えて頂きたいと、こういう要望であります。これは求償的な貿易ばかりでなくして頂きたい。同様これも求償貿易的な部類の中に入るとも思いますけれども、オープン・アカウント地域のものにつきましても同様に現金決済の要望も相当強く現われておるのであります。
 業種並びに品目について申上げますと、例えば鉄鋼関係の中共からの強粘結炭の輸入の問題とか、或いは塩、ソーダの関係の原塩とか、或いは麻の業界のラミーとか、或いは燐酸肥料関係の燐鉱石、それから化学纎維のパルプ等について特にそういう要望が強いのであります。なお電気器械関係等におきましても、そういうような要望が出ておるようであります。
 それから三番目といたしましては、貿易協定を結んでいる国との関係でありますが、この貿易協定の條件が必ずしも輸入を円滑にするように規定されていない点も見受けられるのであります。そういう点について、できるだけ輸入が促進されるように一つ考慮して頂きたい、こういう要望であります。その点について若干申上げますと、例えば貿易協定のうちにスヰングの規定がないこともあるようでありますが、そういう点につきましてはスヰングの規定を入れて頂きたいとか、或いはスヰングの枠をもつと拡大して頂きたい。又これは或いはむずかしいかと思いますが、貿易協定が日本側の輸出先行になつておる地域につきましては、できるだけ日本側から輸入を先行するように外交的な何か手を打つて頂きたい、こういうような要望でございます。今申上げた点につきまして、関係の業種といたしましては紡績の原綿とか、或い皮革関係の原皮の問題等があります。
 それから次に長期契約、それから自動許可制等のこの輸入方式に対する要望でありまして、この方式の運用の点につきまして、できるだけ物資の買付が効果的にできるように幅のある運用をして欲しいと、こういう要望でございます。例を挙げて申上げますと、長期契約の期間が一年間になつておるけれども、諸種の都合によつてなかなかその期間に買付けることが困難なような場合には一年半乃至二カ年くらいに有効期間を認めてもらえんだろうかというような要望、これは化学纎維関係の人絹パルプ等についてそういう要望が出ているのであります。それから期別資金に残額が出た場合には、その残額を次期に繰越してもらいたい、こういうような要望であります。これは軽金属関係のボーキサイト、塩並びにソーダ関係の原塩等からこういう要望が出ているのであります。自動許可制の点につきましては、例えば皮革関係の原皮等につきまして、品目を非常に細かく割られているために非常に買付が困難になつている実情があるから、そういう場合には品目の区別等についても、もう少し幅のある彈力性のある分けかたにして頂きたい、こういうような要望であります。
 それから第五番目といたしましては、輸入の関係方式につきまして、輸入の申請期間或いは輸入承認書の有効期間、輸入許可期間等が現在のような非常に売手市場になつて来た際、最初きめました期間が必ずしも適切でなく物資を買付けるために、たびたび商機を逸するようなことが多いので、適当にそれからの期間を、或いは短くし或いは長くして頂きたい、こういう要望でございます。まあ後ほど御質問でもありましたら、それらの点につきましても事例を挙げて御説明いたしたいと思います。
 それから六番目の問題でございますが、最初申上げましたような事情によりまして、最近非常に船舶が不足しているし、それから船賃が非常に高くなつて来ておりますので、できるだけ日本船による輸入物資の輸送を急速に実現するようにして欲しい、こういう要望でございまして、これは各業界から皆さんこぞつての要望でございます。 それから七番目といたしましては、相手国で輸出制限を行なつているものについてでございますが、これは特にアメリカ関係のものが多いのでありますが、品質の点その他からいたしまして、なかなか他に換え難いものもあるのでありますから、これらにつきましては強力な外交折衝をして頂きまして、できるだけ対日供給の実現を期するようにして頂きたい、こういう要望でございます。只今の点につきましては必ずしもアメリカばかりではありませんが、そういう要望に関係しております業界といたしましては皮革関係の原皮、特にキツプスキン、カーフスキン等、それからセルロイド関係のコツトン・リンター、化学纎維関係の同じくコツト・ンリンター、それからの石綿の業界でありますが、それから電気通信機、電気機械関係のニツケル、それから電線関係のカーボン・ブラツク、その他大きなものといたしまして紡績関係の綿花等がそれの主なものであります。
 次に八番目といたしまして、輸入物資の引取資金の問題でありますが、七―九月以降外貨予算も拡大されましたし、又AAシステム等の実施によりまして最近の輸入の増大した関係の業界も多いのでありますが、二カ月のこの日銀ユーザンスでは必ずしも金融が十分でない点もありますので、ものによりましてはこのユーザンスの期間の例外措置も現在あるようでありますが、その他若干のものにつきまして尚ユーザンス期間の延長を適用して貰いたいと、こういう要望と、更に輸入したものの引取資金の円滑化を図つて頂きたい、このためには工業手形の再割を再現して頂きたいと、こういう要望であります。この輸入円金融の円滑化の問題につきましては、各業界とも非常に強く要望しておるところでありまして、ユーザンス期限の延長につきましては、例えば鉄鋼部門の鉄鋼の原材料についての要望、それから麻関係のベルギーから輸入するところの亜麻について、それから印度、パキスタンから輸入するところのジユート、それから羊毛の業界、それから石油、皮革等の業界から要望が参つておるのであります。輸入物資引取用のために工業手形の再割を復活して欲しい。こういう強い要望を持つております業界といたしましてはゴム、それから油脂、自動車、皮革、鉄鋼、石綿関係等の業界が強く要望いたしておるのであります。
 それから九番目といたしましては、最近の国際情勢から見ましてできるだけ今後の生産を円滑にするためには、在庫量を通常在庫以上に保有しなければ生産に非常に不安があるのでありますが、そのためには正常在庫以上の在庫を持つためには普通の金融ベースに乗りませんので、これについて何らかの金融措置、或いはこれにつきましては政府で買上保有する制度をとつて貰いたいとこういう要望でありまして、正常在庫以上の数量を保有する場合に特別融資を考えて貰いたいという要望といたしましては鉄鋼、燐酸肥料、石綿等がございます。それから又場合によつて政府の買上保有制度をとつて貰いたいという希望につきましては同じく鉄鋼、皮革、ゴム等の業界から要望が参つておるのであります。
 大体私共の方で今回調査いたしました物資輸入の隘路及びその打開策の要望の点につきまして、極く簡單に共通点につきまして申上げますと、大体以上のようになるかと思うのでありますが、尚それぞれの業界、或いは商品につきましてそれ以外の要望も多々あるのでありますが、それらの点につきましては先般お手許までこの調査書を差上げてありますので、それらを御覽の上十分その要望の打開につきまして御力協を願えれば甚だ仕合せと存ずる次第であります。
 尚最近の中国向の輸出禁止問題でありますが、これにつきましては後ほど鉄鋼或いは機械の方面から詳しくいろいろとその影響するところなり、或いはそれについての要望なりが述べられるかと思うのでありますが、簡單に申上げますと、先ずその輸出禁止による影響といたしましては、先程来述べました私共の方の要望調査の中でも、実は中共向のこの輸出の禁止品目について戰略物資の範囲を狹めて欲しいという逆な要望もあつたときでございますし、今度のこの輸出禁止の措置は非常に大きな影響があるようでございます。特に輸出することになつておりました商品のキヤンセルによる損害等につきましては輸出信用保險による補償もございますが、業者の中には必ずしも保險契約をしておらないものもあるかと思いますし、又この保險金額は大体輸出契約額の八〇%以下になつておるかとも思いますし、又仮にそれが支拂われるといたしましても支拂がスムースに行くかどうか。そういう点につきましても多大な不安を持つておりますので、そういう点につきまして打開のためにできるだけ各方面の御盡力をお願いしたいと思う次第でありますし、又ものによりましてはこのキヤンセルのになつた商品を必ずしも直ぐ、最近売手市場とは言うもののいろいろの規格の点や何かから他に振替えがたいものもあるかと存ずるのでありまして、そういう点につきましては今後とも十分愼重で迅速な各方面の御対策をお願いしたいと存ずるのであります。
 又この輸出禁止に伴うところの中共からの報復的な輸出禁止でありますが、この点につきましては、目下のところではそういう徴候も現われてないように聞いておりますが、或いはもうすでに現われているところがあるかも知れんとは思いますけれども、今のところ私の聞いた範囲では、報復的な輸出禁止はとられていないようでありますが、早晩これは現われると考えるほうが或いは至当かと思うのでありますが、業界といたしましては、中共地域から輸入するところの重要な物資が多多あるものでございますから、最近の傾向といたしまして、現金決済によつてもできるだけそれらの物資を買付けたい、こういう要望が非常に強かつた際でありますので、今度の輸出禁止によつて報復的な先方からの輸出禁止が行われるとしましたならば、その影響するところは極めて甚大ではないかと考える次第であります。勿論これにつきましては、政府側においても地域の切換え等について十分配慮をいたしておるように新聞紙上等でも拜見しておるのでありますが、必ずしも先方に輸出の余力があるかどうか、その点も疑問でありますし、又輸入する際の輸送力の点につきましても、非常に問題があると思いますし、仮にそれらがよいといたしましても価格の点等につきまして、大きな問題もものによつては出て来るのではないかと思うのであります。いずれ後ほど詳しくお話が出るかと思いますが、例えば強粘結炭のごときにいたしましても、現在開らん炭はCIF十二ドルぐらいで入つて来るようにも聞いておりますが、これがアメリカものに変りますとCIFで二十三ドル或いはそれ以上、ものによりまして二十三ドル七十セントぐらいまで行くのではないかと見られておるようでありますが、十二ドルの開らん炭は米炭の品位に換算しますと十七八ドルぐらいのものかと思いますので、二十三ドル七十セントのアメリカものに変えるということは極めて価格の点からいたしましても、業界に與える影響は深刻ではないかと存ずる次第であります。
 このような次第でありますので、この問題につきましては、今後とも一応の禁止期間を一カ月としてあるのでありますが、その後の措置等につきましては、愼重な各方面の御協力をお願いしたいと存ずる次第であります。
 以上極めて雑駁でありましたが、私からの御説明はこれで終らして頂きたいと思います。
○理事(永井純一郎君) それでは鉄鋼の関係のかたと機械の関係のかたの御説明を願います。速記をやめて下さい。
   午前十一時三十五分速記中止
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   午後二時二十三分速記開始
○理事(永井純一郎君) 速記を始めて下さい。
 今日お配り願いました資料について、或いはその他について、政府から貿易局と外為、それから通産省から見えておりますから、御発言を願つて結構であります。
○中川以良君 この前私がお願いしておつたんでありまするが、外資導入の今後に対する基本的考え方ですね、これに対する具体的の計画等について御質問申上げたんですが、この前はその御答弁をなさるかたが、おいでにならなかつたから、次回に御答弁して貰うことに願つておつたと思うのでありますが、今日はお見えになつておるでしようか。
○理事(永井純一郎君) 中川さんの御質問がありましたので、午前中に見えておりましたが、午後から課長が見えてるようですから答弁をお願いいたします。
○説明員(高島節男君) 事務局長はちよつと差支えまして私から代りに御答弁申上げます。
 外資導入の関係につきましては一応御承知と思いますが、今年の六月、外資に関する法律が施行されまして、それ以後各種の技術援助契約、或いは外国人が取得いたしました株式に対する配当、或いは貸付金債権これの元本の償還及び利息等につきまして、送金の保証を外貨予算の枠を越えまして行うことができるという建前に改正いたしまして、これが最近におきまして、外資導入を政府といたしまして促進する中心の事項として施行いたしました。以後外資委員会が正式に結成いたされまして約半年近く相成るわけでございますが、その間相当向うからの申込の件数も多数には相成つております。併しいろいろ認可の手続等の関係もございまして、現在のところで二十五年度で正式に認可いたしておりますのは、株式持分等の関係では、非常に細かいものもございますので、八十九件ほどになつておりますが、技術援助契約の関係では約まあ十件乃至十五件程度の、これは年末までに始末がつくのじやないかという程度のところまで進んでおります。
 その内容の傾向をずつと申上げますと、非常に株との契約を中心といたしましたロイアルテイ支拂の一種の技術援助契約のほうに属するものが非常に案件としても多うございまして、そのほかそれに伴うところのいろいろな経営の問題で株を取るとかいつたようなことが若干ございますが、中心はやはり技術援助契約に相成つております。いわゆる本来的な意味での金で何万ドル入るというような形の外資の導入は、今のところこれといつて目立つような案件のものはございません。現在交渉中に属するようなものは一、二聞いてはおりますが、いずれも確実に入るというところまでは参つていない状況でございます。
○中川以良君 今のは技術援助に対しての代償として株式を取得するということでございますか。
○説明員(高島節男君) ちよつと言葉が足りませんでございましたが、技術援助契約を普通結びますと、それに対して大抵普通の行き方としては売上の何%かを特許権者自体によこすという恰好で、これがまあ五%程度のものを持つて行くのが常例になつております。そのほかにいろいろ技術援助等で提携したのだから、一つあとのいろいろ株を持つてやろう、こういうような形で技術援助の一環としてその補足として株をとるという事例が相当ございます。そのほかに若干技術援助と離れまして、例えば石油等につきましては現物を向うから持つて来る。それをこちらで売りまして入つた円で株を引受けるというような形も非常に一般に行われておりますが、先程申上げました技術援助の一環としてと申しますのは、その契約のついでに一緒に話が起つて、そのチヤンスに株をとる、そうして経営を或る程度抑えて指導して行くといつたような方向のものがかなり見られるようであります。
○中川以良君 外資がいわゆるクレジツトなんかの形で入りましても、これは今日金が物に代らない時代は何にもならんと思うのですが、そういうことに対しては一体どういう御見解でございましようか。常にそういつた技術なり、或いは物で来るということを希望しておるわけですか。その点はどうでしよう、将来の御見解は。
○説明員(高島節男君) その点は丁度現状が正にいわゆるクレジツトというような形でやらずに、技術援助契約、或いは物を持つて来て株を取るといつたような方式にぴたつとはまつた案件ばかり我々処理いたしておりましたので、現金でがさつと来るものについては案件として処理したことはございませんので、それに対する方針も余り深くは考えてみておりません段階でございますが、一昔前と申しますか、外資委員会ができましたばかりの頃は、まだドルさえあれば大体物は入るという建前でございまして、その当時はとにかくドルを持つて来る案件というものは大体優遇しようという腹構えは、具体的案件はございませんが大体できていたのじやないかと思います。ただ今日の段階になつて参りまして、他の條件に食い違いがあればこれは又別ですが、ほかの條件がすべてイクオールであつて、成る程度物を現物で持つて来る、油を持つて来て、それで株をとるとかいつたような案件と、單に貸付金債権といつた形で入る場合とを比べますと、貸付金債権は、大抵はドルを円にコンバートいたしまして、国内にいわゆる見返資金等で食いつけなかつた資本蓄積の不足と申しますか、そういう面の補填として入つて来るという意味のものが相当ありますが、そういう体形で来る場合は必ずしも拒否すべき理由はないのではないかと思いますけれども、物を伴うほうがより望ましいということだけは言えるのじやないかと思います。最初はドルであればとにかく幾らでも来ればいいじやないかという考えをしておりましたが、今後全体の世界情勢がこういうふうにインフレになつて参りました場合には、物を伴つた條件のほうを歓迎はすると思いますが、伴うことを絶対要件にする必要もないのではないかとも考えております。
○野田卯一君 大久保さんに昨日僕はISE、インターナシヨナル・スタンダード・エレクトリツク・カンパニーと日本電気、それからグツドリツチと横浜護謨、そのほかにスタンダード・バホウム・オイル・カンパニーと東亜燃料、カルテツクスと興亜石油、石油のような場合はわかりますが、そのほかのやつは承認が来るのかということをお聞きしたら、新らしい承認が来るのだというお話で、今のお話と少し合わないように思いますがちよつとお伺いします。
○説明員(高島節男君) ちよつと細かい資料を置いて参りましたので、或いは食い違いましたかも知れませんが、ISEと日本電気の関係等では、中心になつていますのは技術援助契約でパテントのロイアリテイを送るということでございますが、このほかに株等を持ちます際には一部現金で送つて参るということは相当ございます。
○野田卯一君 一部現金、一部ロイアリテイという関係なんですか。
○説明員(高島節男君) 一部現金と申しますのは、場合によつては、この案件具体的にちよつと資料を持つておりませんので、正確なことを申上げかねますが、ドルを持つて来る場合と、或る程度現物を持つて参りまして、石油の場合と同じように機械等を輸入しまして、それを国内で売渡してその円資金で株をとるというような過程をふむものもございます。ただ日本電気のケースがどうでございましたか、資料を今持つて参りませんので正確にはお答えいたしかねますが、先ほど私からずうつと申上げました点は、大体の傾向だけ申上げましたので、個々の案件としてはドルを送つて来たり、物が来てみたり、一つの契約の中でもいろいろな姿をとつているものが多いと思います。
○中川以良君 今の外資導入について、資金の不足を補う意味の例えばドルならドルを導入するという型も考えられるという話があつたのでありますが、これは円に替えてその運転資金なり設備資金にするということになりますと、外為勘定はやはりそれだけドルが殖えて、これに見合つた輸入がない限り、却つて妙な恰好になるのじやないか。それを一般会計からインベントリー・フアイナンスで賄うということになりますと、日本経済全体としての影響は果していい影響であるかどうか、むしろ私は反対の現象を来しやしないかということが懸念されるのであります。それならばむしろ思い切つて積極的にそういう産業に融資すべきではないかと思いますが、そういうことに対しては余程注意しておやりにならなければならんのじやないかと思いますが、それに対する御見解はどうでございましようか。
○説明員(高島節男君) これはむしろ外為のほうからあとで御補足して頂いたほうがいいかと思いますが、先ほど申上げましたように、私のほうは具体的案件についてこれといつて深く考えたことはまだない段階で、一件もそういう形のものが正式に出て来たことはございません。
 ただ今一、二私らが心配しております気持は、今中川さんのおつしやいましたような方法の問題で、外為の勘定の関係は正確にはちよつと理解いたしませんが、單にドル資金でやつて来て、仮に外為の関係を拔きにいたしまして、それが円にきれいにコンバートされて国内に出て参りましたといたしましても、一種の通貨、購買力となつて参りますので、その対象として実施されますところの事業はよほど確実性のある、生産力のあるとかいう具体的にきれいにチエツクされたものでないと工合が悪い。例えば具体的に申上げますと、新潟県で今天然ガス等をやつておりますが、これを東京までパイプで引いて来るというような関係に外資が入りそうだ、而も貸付金の形で入りそうだというようなことを耳にいたしております。そういうような場合にも、その契約自体が国内の見返資金等でどうしてもできないのか、又国内の市中銀行からどういうわけでその前の段階として金融がつかないのかというあたりも、具体的に掘り下げて計画の具体性を見てみないと危いのじやないかということは心がけております。
○中川以良君 技術の導入に関連して、いろいろな機械設備を、いわゆる外資の導入の形でそういう機械類を物で持つて来るということは、これは実現されておるのでございますか、どうでございますか。
○説明員(高島節男君) 機械類のケースといたしましては、正式に認可したものでは、まだケースが非常に少いかと思いますが、最近参つております塩化ビニール等につきましては、機械自体はやはり最初入れなければならんケースが、相当あるようであります。こういもうのについては、やはり通産省のほうと御連絡いたしまして、機械輸入の見通し及び外貨予算等の手当と並行して進めましてやつておるケースが大分見えて参つております。
○中川以良君 私は普通パテントその他の技術だけでなく、そういうものに附随して、そういう機械が実際に入るということが、最も好ましい姿だと思います。そういう方面に一つ一層御指導をして頂きたいと思います。
 それから電源開発の只見川なんかどうなつておりますか。
○説明員(高島節男君) 電源開発の関係は、私深く実のところは存じませんでございますが、今のところ具体的に外資委員会のほうに正式な申請が出て来るという段階には全然至つておりません。目下向うから調査員等が参りまして、日発を中心にしていろいろ調査に当つておりましてその程度のところにとどまつております。そういう調査のために若干金が要りまして、ドル拂い等もしなければならん契約になつておるようでございますが、これは一般の為替管理予算のほうの問題として、その時限りでございますから、そちらで処理いたしておりまして、私その内容はよく存じませんが、恐らくまだ調査をやつて見てこれから入るかどうかという程度だと思います。若しよしということになれば、これが或いは社債の引受の形か或いは株の取得の形かで金が入り、或る程度の技術導入が別途行われるというようなことになろうかと存じます。
○山本米治君 具体的な質問なんですが、和田倉門の近辺に非常に大きなホテルを作るために外資が入る、そうしてジヤパン・デベエロツプメント・カンパニイというような会社も日本にもでき、或いはこれに相応するものがアメリカにもできておるようですが、その後どうも進捗を聞かない。又日活国際会館というのも日比谷の角にあるようですが、立消えになつたというようなことを聞いておりますが、その辺の現状はどうであるか、若し打切りになつてしまつておるとすれば、どういう事情でそうなつたか、お伺いしたい。
○説明員(高島節男君) 私ちよつとそのほう余り詳しく勉強いたしておりませんが、大体のことだけのお答えになつて恐縮なんでございますが、和田倉門のほうのはまだ外資委員会のほうに何ら具体的に出ておりませんようでございます。それから日活国際会館は、株式の取得という形で出て参りましてそのほうの手続は済んでおりますが、具体的の工事のほうもいろいろなほかの事情は私よく存じませんが、相当進んでおるのじやないかと実は考えておつたのです。
○山本米治君 以前株式取得は増資株に限られておつたようですが、この頃は如何なる株式でもよいのですか、既存の株式取得でも構わないことになつているのですか。
○説明員(高島節男君) 株式の取得につきましては、増資株の場合に大体限るような形に法律上一応なつておりまして、外の既存株のときは外の投資計画の一部であるか、或いはドルを持つて来ましてとるというような実体的な要件をつけて運用いたしております。ただこの点につきましては、若干株価対策等とも睨み合せなければなりませんので、そういう條件をつけているというような株式は、現在余りにも安いというような條件が若干解消いたしました際には、もう少し輸入ステツプを踏んで行くべきではないかと思います。現在までは仰せの通りになつております。
○山本米治君 私は実は外資導入は日本でも非常に必要にもかかわらず今内外の情勢から見ると、割に悲観的に見ているのですが、これは日本側の措置とアメリカ側の措置と両方で促進するようにならなければ、なかなかできないと思うのですが、それにしても国際情勢等でかなりむずかしいでしようが、日本では外資導入に関する法律等もお作りになつておりますが、アメリカ側でもそれに即応するような法律ができておると聞いておりますが、アメリカ側の外資導入、向うから言えば資本輸出ですが、これに対する法律的な措置、そういうものを一つお伺いしたいと思います。
○説明員(高島節男君) 私の不勉強でそのほうは最近具体的にチエツクいたしておりませんが、輸出入銀行とかその他公けの制度としての向うの措置は、これはございますことは御承知と思いますが、プライべートのインベストをやります際に、特にアメリカ政府から日本に向けての場合でございますが、保証するとか、そういうステツプはまだ踏んでおらんと私は心得ておりますが。
○山本米治君 いやその向うで若し外貨によるトランスフアができない場合は、アメリカ側でそれを保証するとか、或いはダブル・タクゼイシヨンの問題があつたようですが、それらのアメリカにおける進捗振りはどうなんでしようね。
○説明員(高島節男君) それは私の記憶が間違つておるかも知れませんが、今のところ別段措置は進んでおらないと思います。飽くまで日本の外貨予算を引当にしてコンバートの保証をしておりまして、その点向うが引受けんということは絶対にないと思います。タツクスの方は私は不確かでございますが、特別にそういう措置は向うは講じておらんと思います。又講じてないので若干いろいろ不平等も耳にいたしております。
○山本米治君 有難うございました。
○野田卯一君 先ほど大久保さんから聞いたのですが、日英通商協定の大枠ができて資金繰りが非常に不自由で甚だ協定を円滑に進めて行くことはできないという話があつたようですが、向うの例えば加盟している十一カ国の間の金の動きが非常に自由にできるということ、取引がし易い、その間に何か為替管理をやつておりますか、相互の金融の動きが不活発であると、輸入する場合は非常に差支えが起るわけですが、その間を滑らかにするためにとられている措置ですね、何か支拂協定みたいなものまで作られるような考えがあるのかないのか、その辺のことをちよつと御説明願いたいと思います。
○政府委員(大久保太三郎君) お話の通り日英通商協定では、お互いの輸入取引数が大体年度間に均衡するというのが建前であるわけであります。ところで日本のほうは、一昨日もちよつと申上げましたが、ポンド域から輸入いたしますものが非常に大量の、而もシーズナルな関係のあるものが多いというので、ポンド資金の状況がどうも年度末から年度初めにかけまして、或いは四――五月頃までに亘りまして、非常に決済の期日が輻湊して参るわけであります。それをどういうふうに漕ぎ拔けると申しますか、いろいろ手当はございますが、例えばイギリスの銀行にいわゆるクレジツト・ラインというものがある、これはクレジツト・ラインと申しますか現実にはクレジツトではございませんが、或る信用の許容限度と申しますか、その限度まではとにかく日本側の為替を発行いたしまして、信用状をコンフアーメントしてくれるという限度でございます。これを資金の需要に応じまして先ず必要なだけ許容をもらいます。これは許容するについては英蘭銀行の許可が必要なんであります。その手続をとつております。それから次の段階といたしまして、信用状のコンフアーメントに対しては何がしかのマージンを積まなければならない。これは現実にはポンドの預金のみならずドルの預金で以てマージンを見てもらう。そういうことが行われております。L・Cの段階におきましては非常に好都合なわけであります。ところでいよいよ決済期が参りましたときに、これを現実にどうしてもポンド資金の手当をしなければならんわけであります。これに対しましてはドルがアウト・ラインに行つてしまえば今度こちらに戻ることができない、そのポンドというのはドルに振替できない関係がございますので、成るべくそういう現実の必要が起ればスワツプで以てやる、そうして一時ドルの現売先買をやつて漕ぎ拔けて行く、そういう方法を考えております。多分そういう必要が起つて参る、若干は起るかも知れないと、そう思つております。何分併しそういうよく新聞で伝えられますような、ポンド資金の不足のために今ポンド地域からの輸入ができないということが伝えられるのでございますけれども、資金繰りの点におきましては、そういう支障の起らないように、できるだけ私どもとしましては努力いたしておるわけでございます。
 それからこれは、むしろ予想されました金額以下に向うが買付をやつてくれないために、ポンド資金が予想通り行かない、むしろ向うの買付、こちらの輸出がうまく行かない、そういう関係があるように思われるのです。その点につきましては先ほどもお話の通り、ポンド地域といいましても非常にその国の数が多うございまして、例えば今年のたしか春頃でございましたかポンド地域に対する輸出が非常に少なかつた。それに対しましてこちらにある向う側の代表者のかたともよく協議いたしまして、できるだけポンド域からの輸入を促進して貰いたいということを申入れて大いに斡旋して頂いたことがあるのでございますけれども、そのときに申されておりましたが、一度日本からの輸入をとめました場合にこれを再開するのに非常に地域が広いために再開して動き出すまでに非常に時間がかかる、そういう関係がありまして一遍に向うが買付けるということはなかなか行いにくい、併しいよいよ買付けをやり出すと間違いなく買付が行われるから安心しているという話であつたのであります。その後の結果を数字的にちよつと記憶いたしませんけれども、果して今年の夏頃からずつとポンド域からの買付がふえて参りまして私どものほうも資金繰りが非常に楽になつた、そういう事実がございます。協定その他につきましていろいろ今後資金面から貿易を進めて円滑にするようにいろいろ考案がされておりますけれども、只今のところそういつた私どものほうの資金繰りのいろいろな技術的に努めておりますのと、又その点について向う側の銀行なり当局のほうで協力をお願いしておる、そういう段階でございます。
○野田卯一君 それについてもう二点お伺いしますが、一つは向うの銀行からの借入金ですね、ポンドが足りなくなつたときに借りるという金、これは現金で借りる金ですが、これは一千七百万ポンドを見ておる、そういうことを約束したことがあるとかないとかいうことが新聞に出ておりますが、あれはそうですか。
○理事(永井純一郎君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
   〔理事永井純一郎君退席、委員長着席〕
○委員長(佐々木良作君) 速記を始めて下さい。
○野田卯一君 それから今もう一つはポンド域の中で、例えばイギリスとかインドだとか、濠洲皆通貨が違うのでありますが、その間の資金の流れが円滑に、今までのお話では大体ポンド資金とドル資金とかの関係ですが、ポンド・ブロツクの中におけるポンドのスターリングとか、オースラリア・ポンド、ニウジーランド・ポンドとの間における動き、それが不円滑なために貿易がしにくいというようなことがあるような話が出たのですが。
○政府委員(大久保太三郎君) 余りその点は聞きません。ポンド域の内部に多少のコントロール以外に各地とも若干のコントロールの相違があるのでございますけれども、この点はさして支障はあるように私聞きませんのでございます。
○説明員(小室恒夫君) 只今大久保委員の御説明にちよつと補足させて頂きます。御承知のように本月になりまして日英通商協定が締結されたわけでありますが、九千二百六十万ポンドの貿易計画を持つたこの協定は中味においては大体において数カ月前に話合いが付いておつたのであります。でその間やや問題になつて交渉が長引いた、勿論それに今の野田委員の御質問と関係がございますが、一つはこの貿易協定、それからもう一つ一般支拂取りきめ、一般支拂協定といいますか、別の協定が前にできておるわけでありまして、このほうは毎年更新して来るようなことはないわけです。貿易協定に参加している国と一般支拂協定に参加している国の話合いが違つておりまして、具体的な事例を申上げますとビルマとかパキスタン、こういう国は支拂協定には参加しているけれども貿易協定には参加していない。それで若干問題になります点は、貿易協定参加国との間で貿易で出た剩余金といいますか、出超等によつて得た剩余金これを貿易協定に参加していない国のフアンドに充てる、これは従来とも両方話合いがつけば参加してよろしいという点できまつておるわけであります。ただ日本の英系諸地域との貿易の伸びかた、それに対するいろいろな見かたがあるわけでございましようけれども、無條件で関與を認めるという枠は或る程度こしらえております。話合いがついて運用するのはこれは別だということで或る枠をこしらえるその枠の問題で割当が問題になつたと思います。
 それからもう一つは運転資金と申しますか、手許に常時一定の資金を持つておることは必要なんですが、剩余金を持つている場合に、これは一定額の剩余金ができますればドルに転換し得るという建前が日英支拂取りきめの建前でございますが、一体そういう転換を要求しないで持つていなければならない運転資金というものは幾らくらいであるかということで多少議論が戰わされ、でそういう新聞等に出ておるかとも思いますけれども、具体的な金額の問題ですから申上げるのは差控えますが、そういう運転資金の枠、つまりドルに転換することと関連した運転資金の枠というような問題も、やはり交渉をやや長引かした原因になつたかと思います。少し抽象的な話で恐縮でございます。
○委員長(佐々木良作君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(佐々木良作君) 速記を始めて下さい。
○羽生三七君 先ほど日産協からの要望書の中にもあるのでありますが、特需用の原綿を対日輸出割当の枠外とすることとありますが、原綿だけでなしに朝鮮事変に伴ういわゆる戰略物資とみなされるものは枠外にして貰うということは不可能なんですか。
○説明員(松尾金藏君) 枠外という意味がどういう意味にお使いになつておるかちよつとわかりませんけれども、こちらから例えば輸入計画或いは輸入見通しを立てます際には、一応特需による増加も見込んで立てるわけでございます。これは向うに対して、向うといつても必ずしもアメリカだけじやないわけですけれども、いろいろな相手国に輸入の交渉を政府がやらなければならんというようなものは、特に相手国が輸出制限をしておるという品物だけに一応想像されるのであります。今までのところは非常に顯著な例として米綿の問題がああいうふうになつたものですからああいう対策をとつた。今後或いは物によつて重要な物資について、而も特需について相当大きな数字を占めるものにあれと同じような普通割当方式をとるというようなことになれば、その際に或いは同じようなことを考えなければならないかと思います。現在までのところは同じような形のものにぶつかつたことはまだないようであります。
○委員長(佐々木良作君) それでは先程御懇談願いましたような方法によりまして、一応この委員会を閉じまして、明日から自然休会に入ると思いますが、その間委員会或いは研究会を適当に開きましてこの問題をなお続けるという御了承の下に、今日の委員会は一応これで閉会したいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
○委員長(佐々木良作君) それでは閉会するに先立ちまして、参考人としてお願いしました直接に民間からお出かけになつておりますかたに一言御挨拶申上げたいと思います。
 現在の日本の経済事情の中心をなしております輸出入貿易につきまして御説明を求めるためにお願いしましたところ、御多用中御出席を頂きまして、私どもの実情に暗い点その他につきましていろいろと御説明を頂きましたことを、委員会を代表しまして厚くお礼を申上げます。先ほども委員会で決定いたしましたように、この問題はすぐこれで終ることではなくて、どうせ引続きいろいろな形で審議をしなければならんと思いますので、いろいろな意味での指導なり御説明なりを重ねて頂きますように特にお願いをいたしまして御挨拶に代えたいと思います。大変有難うございました。それではこれで閉会いたします。
   午後三時五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     佐々木良作君
   理事
           中川 以良君
           永井純一郎君
   委員
           野田 卯一君
           山本 米治君
           羽生 三七君
           伊藤 保平君
           藤野 繁雄君
           菊田 七平君
           兼岩 傳一君
  政府委員
   外国為替管理委
   員会委員   大久保太三郎君
  説明員
   経済安定本部貿
   易局次長    松尾 金藏君
   外資委員会事務
  局審査第一課長  高島 節男君
   通商産業省通商
  局通商政策課長  小室 恒夫君
  参考人
   日本産業協議会
   産業部次長   乙幡 近治君