第010回国会 農林委員会 第28号
昭和二十六年三月三十日(金曜日)
   午前十時五十八分開会
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  本日の会議に付した事件
○農薬取締法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○農産物検査法案(衆議院提出)
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○委員長(羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。
 本日は農薬取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。昨日一応提案の理由その他について承わつたわけでありますが、本日は質疑に入りたいと思います。
○三橋八次郎君 この法律案は薬効の増進並びに農家の損害防止の上から見まして大変結構なものと思うのでありますが、二、三疑問の点を質したいと思うものでございます。先ず第一番目に規格の公定規格制度でございますが、政府はこれを有効成分のみを以て規格成分の標準にするように書いておりますが、そういうように解釈していいのでございますか。それともそれ以外に規格を設定する上において取入れるような要素があるのですか。
○説明員(堀正侃君) 公定規格につきましては、有効成分のみならず有害成分の最大量についても規定する考えになつております。なおそのほか必要がありますれば、粉末度とか、或いは水素りオン濃度といつたような物理的な性質についても規定したいと、こういうふうに考えております。
○三橋八次郎君 これまでの農薬の性質から見ましても、單に有効成分だけではその薬効の一致しないものがあるのでございますか、実際の撒布試験、或いは植物試験を経まして、その効果というようなものを判定したことをも公定規格に加えるというようなことはするかしないかということ、又石灰硫黄合剤のようなものは、硫化態硫黄では効果がわかりませんが、近頃ようやく度だけではいかんので、成分を調べなければならん、農薬にはまだ研究の細かいところまで行つておらんものは、そうした関係がたくさんあると思うのでございますが、その場合に実際農作物に撒布した薬効というものも何か表示する方法というようなものはないものでございましようか。
○説明員(堀正侃君) 公定規格の定められておる農薬につきまして、若し例えば公定規格が有効成分が二〇%含有しておるというものを公定規格と定めております場合に、仮に一五%含有するものでも、いろいろ創意工夫を加えて二〇%に相当するような効果のあるものがありました場合には、やはり公定規格のものと同じ、たとえ公定規格に合致しなくても販売をできるようにいたしたいというふうに考えております。果してこれらの効果が、公定規格のものと同じであるかどうかということの判定の規準というふうな、科学的なものはまだできていないのでありますが、これは実際の生物試験によつて、農薬検査所その他の試験研究機関の生物試験によつて判定するより仕方がない、こういうふうに考えております。
○三橋八次郎君 それから第二の問題でございますが、虚偽の宣伝は勿論これは禁止しなければいかんのでありますが、余りこれが嚴に過ぎまして、農薬の宣伝というようなものが低調になり、農家の防疫意欲というようなものを殺ぐか、或いは新らしい薬剤を新たに研究創製するというような上において障害になるようなことはないかどうかということですね。
○説明員(堀正侃君) 一定の表示をするということになつておるのでありますが、表示をされておるにかかわらず、あたかも万能薬のような書き方を往々広告においてする場合がありましたり、又名前をつける場合に、全くその有効成分が違うにかかわらず、他の有効成分と似通つたような紛らわしい名前をつけるような場合がありまするので、そういつた極端な場合を対象として取締りたいというふうに考えておりますから、これによりまして農薬の普及等を阻害するようなことはないと考えております。
○三橋八次郎君 それから第三番目の問題でございますが、今までありました農業資材審議会というものの内容がわかりましたらお伺いしたいと思います。
○説明員(堀正侃君) 農業資材審議会は、昨年各種の審議会が整理統合されまして、その中に農薬部会と種苗部会と農機具部会が三つ包含されております。そのそれぞれの部会は言うまでもなく、農薬部会は農薬の取締法の運用をするものであり、種苗部会は農産種苗法による名称の登録、それから農機具部会は農機具検査基準の設定というふうな仕事をやつております。
○三橋八次郎君 以前はこの農業資材審議会というものは決議機関であつたのでありますが、今度は諮問機関になつておるようでございますが、決議から諮問に変えたというその理由はどこにあるのでしようか。
○説明員(堀正侃君) これは主にあちらの意見もあつたのでありますが、法律の運用に当りましては、政府が責任を以て処理すべきものでありまして、審議会の意見なり、助言を求めることはよろしいが、政府がこれに拘束されるものであつてはならないという一つの意見と、次にその審議会の助言は、個々の業者に直接の関係のある特定の事件、例えて見ますと、この法律におきましては登録とか、或いは品質改良指示とか、或いは販売の停止、禁止というふうな個々の具体的な事件であつてはならない、というふうな二つの意見がありまして、以上述べました二つの理由によつて審議会の性格を議決機関から諮問機関に改めますと共に、審議事項を整理いたしまして、登録とか品質改良とか、域いは異議の申立てに対する決定とか、販売の停止、禁止、こういうふりな特定の事件に対する審議を廃止いたしまして、一般的な公定規格の設定とか、或いは検査方法の基準を定めるとか、そういうふうな事項につきまして、審議会の意見を聞くことができるということに書いてあります。
○三橋八次郎君 この審議会の決定というようなことが非常に重要なことであり、民主的にこれを決定運営しまするには、やはり議決機関のほうがいいと思うのでございますが、諮問機関というようなことでありますると、殆んど農林大臣の一つの考えで、販売の停止や、いろいろなその他の権能が、殆んど一人でやつて行つてしまわれるというようなことになるのでございますが、もう少し審議会というものに権限を持たせまして、前のような議決機関というほうが却つていいように思うのでございますが、その辺のお考えは如何でございますか。
○説明員(堀正侃君) 勿論この法規の運用に当りましては、いろいろと審議会の意見を尊重して行かなければならんと思うのでありますが、販売の制限とか禁止とか、それから不良農薬の出廻りを抑制するために、いろいろの処分をやつておるわけでありますが、この処分に対しましては異議の申立の途が開けておるわけでありまするし、又登録の取消には聴聞制度というふうな制度をも設けることにいたしておりますので、それらのことをうまく運用する二とによつて、独断的になるというふうな点が避けられるのじやないかというふうに考えまして、むしろ学識経験者による審議会は、一般的な何と申しますか、基準に対して意見を述べてもらい、又その他自由な立場から我々にいろいろの助言をして頂く機関のほうがいいのではないかと、こういうふうに考えているのでございます。
○三橋八次郎君 なお今回植物防疫課というものもできたわけでございますので、この農薬方面の取扱ということも極めて重要な問題でありますから、この一般の農業資材審議会というものから切離しまして、農薬審議会というようなものを作るという御意思があるかどうかということについて伺いたい。
○説明員(堀正侃君) 名前は資材審議会になつておりますが、現在におきましては先ほどお話申上げましたように、資材の配給統制とか、そういつたふうな仕事は全然やつていないのでありまして、又実際問題として農薬部会は農薬だけに関しまして独立した部会として十分に運営をいたされております。なおこれは設置法によつてきまつておりますので、若しそういつたふうな農薬審議会を別に独立した審議会とするというふうなことになりますれば、設置法の改正というような必要も生じますので、先ず現在実際の運用に当りましては、この審議会の一部会としてやつても差支えないというような考えを持つております。
○三橋八次郎君 なおこの法律の施行に当りましては、かなりのこれは手数がかかると思うのでございますが、これは果して現在の農薬検査所だけの人員或いは予算というようなもので、できるかどうかということは甚だ疑わしいのであります。それにつきまして政府は更に農薬検査所というものを拡充強化するか、或いはその他の組織で、この法の目的を達して行くかということにつきまして構想がおありでございましようか。
○説明員(堀正侃君) 農薬は御承知のように最近殆んど毎日のようにと言つてもいいくらい新らしい農楽の登録もございますし、又外国から非常にたくさんな有機的な農薬の輸入等もありまして、現在登録件数も非常に増加しておるような現状でございまして、現在の農薬検査所の人員や予算を以ては非常に窮屈な仕事しかできない状態にあります。それでこの法律の運用の適正を期するためには、どうしても現在の農薬検査所をもつと充実しなければならんというふうな考えを以ちまして、二十六年度にも相当の予算の増額をお願いしたのでありますが、いろいろの都合で実現しなかつたのでありますが、今後できるだけ農薬検査所の充実に努力して行きたいといういうふうに考えております。
○三橋八次郎君 この今回の一部改正案というのは、結局非常な日常の取締ということに重点が置かれておると私は思うのであります。登録をしたもの、その登録と同じようなものが販売され農家に使われておるかというような、その取締が極めて重要だと思うのであります。肥料の取締でさえ各県に肥料検査所が一つずつありまして、取締を加えておつても、なお偽物が横行するというような現状におきまして、ただ検査所が一つというようなことでは、その目的を達しないと思うのでありますが、各県におけるこの方面に当ります機構などというものにつきましてはお考えになつておられるでしようかどうでしようか。
○説明員(堀正侃君) 御意見の通りでございまして、我々といたしましても目下県における取締をどういうふうにしてもらうかというような問題について研究をいたしております。なお今度の改正案で改正いたしたのでありますが、従来は、本法における検査官吏というものは、第二條三項における農薬検査所の官吏だけとしておつたのでありますが、いろいろ法律違反に対する取締又は不良農薬の処分及び取締のために検査所の官吏だけでは十分にその目的を達することができないというので、農政局の関係職員も立入り検査の権限を改正案によつて附與されておるわけでありますが、そういうことによりまして多少でも一歩前進して取締を成るべく完全にやるようにいたしたい。なおお説の府県における取締につきましては、十分に今後研究をいたしたいと考えております。
○三橋八次郎君 地方の施設につきましては、甚だ貧弱だと思うのでありますが、予算が十分取れまして一貫した組織ができますれば甚だ結構でございますが、暫定措置といたしまして、県の病虫害の防除の主任並びに農事試験場の病虫の主任などに対しまして、取締をするというような権能を與えるというお考えはございませんですか。
○説明員(堀正侃君) してもらえば甚だいいと思うのでありますが、ただ薬の抜取りをやるだけでは、抜取りをやつてそれを県の検査所に送つてやるだけでは、これは現在は法律がないのでありますが、実際的にはそういつたふうな運営方法をやつておるのでありますが、それを十分にやらせるためには、やはり或る一定の検査の設備等を必要といたしまして、相当額の予算が伴わなければ各県ごとで検査取締をやるというふうなことは、ちよつと困難な事情にありますので、必要は十分に認めておりますので、今後十分にその点を研究いたして見たいと考えております。
○三橋八次郎君 その点は、一つこういう立派な法律でございますので、予算のほうも速かに充実いたしまして、この法の運営にことを欠くようなことのないように御注意願いたいと思います。
 それから輸出するものは検査が要りんというようなことがあるようでございますが、これは昨日の説明によりますと、商機を逸したり、いろいろ商売上のことで、時期が早く行かなければならんからというようなことが懸念されておるようでございますけれども、これはいろいろ考えて見ますると、やはり輸出するにも海外の薬の価格を維持するというような意味におきましても、国内と同等のものを出すというようなふうにしたほうが、却つて法のためにいいのではなかろうかと思うのでございますが、輸出するものに限つて検査は要らないというようなことは、これは一体どういうところから出て来ておるのでありますか。
○説明員(堀正侃君) 輸出するものにつきましては、昨日御説明も申上げましたように、商機の問題もありますが、なお外国におきましては、必ずしも日本と同じような規格のものを望んでいない場合もありまして、例えて見ますと、銅粉剤のごときも、日本では現在六%の、銅粉剤を使つておりますか、ブラジル等では二〇%、或いは二五%というような銅粉剤を希望いたしておる向きもありまして、必ずしも現在日本で規格している農薬がそのまま外国で使用されるとは限らないような状況もあります。併し国際信義上非常にいい農薬を売らなければならんということは言うまでもないのでありまして、これは指導的な方面で十分にその目的を達せられるのではないかというふうに考えております。
○三橋八次郎君 それは品質のいいもの、国内規格よりもいいものを出すという場合には、勿論差支えございませんが、品質の下つたものを製造し、それが若しも輸出にい、いかという場合に、それは取締を厳重にすればいいことではありまするか、国内に流れまして、農家に損失を與えるというような懸念が起ることを憂えるのでありまして、そういう意味におきまして、やはり輸出品は輸出品として、ブラジルで使うものならばブラジルで使うというようなそういう規格において、検査をして出すというような工合にしたほうがいいのではなかろうかと思うのでございますが、その辺のお考えを向いたいと思います。
○説明員(堀正侃君) 国内で販売するものは全部登録を受けたものでなければならんことになつておりますから、外国へ出すものは登録を受けなくていいわけでありますが、登録されていない外国用の農薬が日本で間違つて販売されることは先ずないのじやないかというふうに考えております。なお外国向けのそういつたような農薬を一々その取締法によつて登録するということは、却つて輸出にいろいろの支障を生ずるのじやないかというふうな考え方を持つております。
○三橋八次郎君 その次は第二條でございますが、そのうちのこの申請書に関する事項でございます。第二項のうちの第四でございますが、「適用病虫害、使用方法並びに薬効及び薬害に関する試験成績」というようなことがありますが、これは個人とか会社などが勝手に試験をした成績を添付してもいいのでございましようか。それとも地方の試験所とか何とかの証明が要るのでございましようか。
○説明員(堀正侃君) 試験の成績につきましては、必ずしも地方庁の農事試験場とか、或いは公立の農事試験場というふうにきめておりませんが、その審査に当りましては個人でも十分に信用の日ける人であり、又専門的な立場から見て十分納得の行く試験成績であればそれでよいというふうに考えております。
○三橋八次郎君 それからこの登録票には植物試験の成績ということが一つもないようでございますが、例えば特定の作物を指定いたしまして、又例えば薬害に弱いものを指定いたしまして、この植物につきましてはこの薬剤はどれくらいの薬害をするかというような表示があれば非常に便利だと思うのでありますが、化学分析を主体にしたものだけを書いておるのでございますが、植物試験の成績というようなものをこれに挿入するというお考えはございませんですか。
○説明員(堀正侃君) 薬効及び薬害という中には、單に薬の化学的な試験、或いは物理的な試験のみならず、生物的試験によつてやはり、薬害及び薬効を判定しなけりやならんということは言うまでもないのでございまして、試験成績といたしましては、化学分析、或いは室内における試験のみならず、生物試験を要求いたしております。現在登録された申請書と薬の性質の内容とが一致するかどうかという判定をいたします場合にも、農薬検査所におきまして実験室的試験のほかに生物試験をやつておるのでございます。
○三橋八次郎君 それから十條の二でございますが、「誤解を生ずるおそれのある名称を用いてはならない」とこう書いておりますが、誤解を生ずるか生じないかというその限界を確認するのは、一体これは誰になるのでございますか。
○説明員(堀正侃君) その誤解を生ずるか生じないかという点につきましては、非常に極端な例がありまして、例えてみますと、ニコチンを全然含んでいないのにニコチンというふうな名称をつけまして、もうこれは一見して何かこう意図のあることが判明するような場合が、相当今までの例に出ております。従つてその一定は政府で十分に判定し得る程度のものについては取締をいたしたい、こういうふうに考えております。
○三橋八次郎君 その次は第十四條の弟一項でございますが、これにはこう書いております。「農薬の品質、」それから、「包装等が不良となつたため、農作物、農林産物又は人畜に害があると認められるときは、」とこう書いておりますが、包装その他によりまして効果か減退したという場合には、何も触れておらんようでございますが、これはどういうわけでございますか。
○説明員(堀正侃君) これは主として機械油乳剤等のように長期貯蔵して、その内容が分離をして来るとか、或いは瓶詰のものでその口金が腐つて来るために薬の漏出等がありまして、そこに薬害を生じたり、或いは人畜に害のあるといつたふうな積極的な場面だけを取締り得ることにいたしておるのでありまして、消極的な薬の効果の減退というふうなことは、最初の表示のときに製造月日等を明示することになつておりますので、おのずからその薬の性質に応じて判定することか必要でもありますので、そういつたふうのことは指導的な面からやれるのじやないかというふうに考えております。
○三橋八次郎君 併し貯蔵中に効力の減ずる薬剤というようなものはたくさんあるのでありまして、登録票を渡すときは成るほどそれだけの成分があつたかも知れませんが、貯蔵して実際農家が使用するというような段階に立至つた場合に、その成分が半分に減つておつたというようなものでも、その効力の減退をしたものはこれを禁止するというようなことがなかつたならば、それは堂々と売れるということになると思うのでございますが、その場合の農家の損害防止という意味において、ここに効果の減退ということを入れましたら非常に結構だと思うのでありますが、如何でございますか。
○説明員(堀正侃君) 抜取り検査をいたして見まして、内容と表示と合わん物合は、当然これは取締かされるわけでありまして、取締制度が十分に拡充されて来ますと、そういつたふうの心配がだんだんなくなつて来るのじやないか、こういうふうに考えております。
○三橋八次郎君 なお又その次にこの不良となつたものの「販売を制限し、又は禁止する」とこうありますが、悪いものならば制限じやない、これは禁止をするということ一本でいいのじやないでしようか。この制限というのは一体これはどういう場合に使われるものでしようか。
○説明員(堀正侃君) 制限と申しますのは販売停止のような場合に言うのでありまして、停止をして置きまして、その間にいろいろの指示、指導を加えまして、品質の改良をできるような余裕を與えておるわけであります。
○三橋八次郎君 停止をするのですね。
○説明員(堀正侃君) そうであります。
○三橋八次郎君 なお二の公定規格というものを廃止するというようなことが、この取締法によつてやられる場合におきまして、製造業者が困るというようなことはないでございましようか。第十六條でございます。
○説明員(堀正侃君) 公定規格を変更したり、或いは廃止する場合には、三十日前に公告をいたすことになつておりまして、このために著しく製造業者に迷惑をかけるようなことはないのじやないかと考えております。
○三橋八次郎君 併しその工場は、その規格のものを製造するようになつているのに、突然国のほうでその公定規格を廃止したということになりますと、その工場ではその物は製造できなくたるというような現象になることはないのでございますか。
○説明員(堀正侃君) 公定規格を廃止いたしましても、その薬が或る一定の規準によりまして登録されている以上は、販売できないというふうなことはないのでありまして、その心配はないと思います。
○三橋八次郎君 公定規格が廃止されまして、それがなくなつても、前に登録を受けているならば、ずつと売ることができると、こういうわけなんですか。
○説明員(堀正侃君) そういうことです。
○池田宇右衞門君 昨日お尋ねして答弁がありましたが、実際において硫黄、硫酸銅、或いはニコチン剤が、著しく昨年より入荷或いは現品が少い、殊に朝鮮動乱勃発以来、硫黄などは入手がなかなか困難だというようなこと、又戰前二十五万トンが約十万トンに近くへなるというような、内地の産出に当つても非常な減少を来たしておるときに、政府は三十五万トンという食糧は病虫害駆除によつて増収を図るという方策が織り込まれてあるというが、これらの少い品物に対しまして、どういう手段で輸入或いは製造業者にそれぞれ製造上の不便なからしめるようなふうに配給するか、その点についてもう少上詳しく答弁を得たいと思います。現在どのくらいあるという見通しか、製造が半分に減つておりますから……、この点です。
○説明員(井上菅次君) 昨日申上げました硫黄の状況につきまして更に詳しく申上げたいと思いますが、昨日申上げましたように、硫黄の生産につきましてはだんだん回復して参りまして、今年度が大体推定十万トンと見積られておるのでありますが、これに対しまして大体需要を推定いたしますと、二硫化炭素の関係、これは主として人絹関係でありますが、六万四千トン、パルプ関係が四万七千トン、それから農薬が約五千トンその他のもの七千五百トン、合計十二万六千トンくらいの需要がありまして、それの差ができておるわけでありまして、これの対策といたしましては安定本部にも要求いたしまして、農薬用の硫黄の増配を希望いたしております。そういたしまして、二十五年度におきましては合計五千八十三トンの割当量を受けたわけでございます。併し御承知の通りに石灰硫黄剤の業者は、比較的と申しますか、非常に小金業、小資本の工場でありまして、硫黄のほかの業者というのは相当の大きい資本を持つておるというような関係からいたしまして、これの現物化の問題につきましては、切符の性質がフリークーポンの建前上、相当折衝を重ねないと、なかなか現物化しにくいというような実情でありましたので、安定本部或いは通産省の資源庁を通じまして、或いはその協力を得まして、各硫黄の製造業者に対しまして、農薬用に出荷して頂きまする大体引受数量というようなことを御決定頂いて、そうして協力してもらうということで推して参りましたのでありまして、先ほど申上げました割当量五千八十三トンに対しまして、三月の推定も入るのでございますが、四千二百七十七トンくらいは現物化できるんじやないだろうかという見通しを持つております、なお先ほど申上げました引受に対しまして、これははつきりした引受というようなところまで行つていないのでありますが、或る程度そういう協力態勢でやつてもらうということになつておるのでありまして、それの出荷量の少い鉱山に対しましては更に出して頂くように目下要請中であるのであります。
 それからこれの引取資金の問題につきまして、やはり資金の関係で不円滑になるという点もありまするので、硫黄剤の業者の取引銀行に対しましては、農林省から文書でこの硫黄の購入資金の融資方につきまして、援助してもらいたいという依頼もいたしまして、又困つておる所につきましては、具体的にその取引銀行で融資斡旋の努力をするというようなことでやつて来ておるのでございます。
○池田宇右衞門君 これは事務当局に本当は聞くのじやなくて、次官なり局長なり、もう少し責任ある人に聞きたいと思つたのですけれども、課長さんが見えておるから課長さんかち御答弁になつてもいいが、実際は安定本部に御交渉なすつて、五千八十トンの割当に対して四千二百トンが入手しているとい、けれどもそういう指令は出ているでしようが、硫黄会社に対しまして実際配給しておるかどうか、技官がお知りのように、ドラム罐一石が前には二千五百円のが今日は六千円程度にもなつて、而もまだなかなか入手困難だとこういう状態になつて、春早々芽の出ないときに消毒をしてこそ、そこに効果一〇〇%だという大切な時期を控えて、薬剤が無い、折角の増産目標達成に非常な障害を来たすという実情になつておるのでありますから、法律を作つた以上は、その法の効果をあらしめなければならない。目的は農薬の不正品を配給すること々防ぎ、又薬剤によつて病害虫を駆除して効果あらしめなければならんのに、その現品がなかつたから、如何に立派な法文ができても効果が上つて来ないという点に一つお気を付け下さるならば、もつと今日の実情に対して、先ず何の肥料よりも先に正確に配給すべきであるとこう思いますが、この点については十分今後責任を以て各生産会社から現地の生産者のほうにこれを配給できるような方法を講ぜられたいことと、それから今硫酸銅、ニコチンについてはお話がなかつたが、現在どのような程度であるか、私はかようなことを申上げたくないのでございますけれども、一昨年私どもがやはり厄介になつたときに、こういう話がありました。たしか時の次官会議で相談して、大蔵省から五億九千万円だと思いますが、それを融資して頂いて、農薬会社と農協と購連だと思いましたが、購連と両方でそれぞれニコチン剤を輸入いたしまして、国内におけるところのこれザの防除に当つたことがあるのでありますが、こういう見地に立ちましてもつと積極的にいわゆる取引銀行に対してはそれぞれ融資の方法を伝達して置いた。こう仰せになるが、誠に結構であるが、実際十分徹底するような方法をおとりになるか。それからこうして法文の中に、価格のほうについては何らの取締りがないが、むしろ農家自体から行けるならば不正品を販売されるというような取締に対しても非常に効果があり、又結構なことであるが、価格もむやみに高騰させられて、高いものを売りつけられるということは非常な生産上障害になりますからこの点についてはどういうような方法をおとりになるか。まあこの二つぐらいにして置いていま一度重ねてお聞きいたし、あと一、二お聞かせ頂きたい。
○説明員(堀正侃君) 硫黄の現物化につきましては只今井上技官から御説明申上げたようないろいろな対策を講じておりますほかに、昨年の十二月から本年の一月に亘りまして各府県と個別的に打合せをいたしまして需給の調整をいたし、なお硫黄鉱山業者に対しましては、書類で、或いは直接私のほうから出かけて行きましていろいろと懇請をして確保に努めております。硫黄ニコチンにつきましては只今御質問がございましたが、昨年の持越し、大体平均の需要量が百二十トンでありますが、持越量が大体十三トンございまして、なお昨年の輸入で本年一月に拂下げをいたしましたものが四十三トン、それから国内で生産見込み数量が約二十トンございます。それから一月から三月にかけまして、輸入の許可になつておるものが約十トンあります。なお四六月に外貨資金を要求中のものが三十五トンありまして、大体それで合計まあ百二十一トンぐらいになるわけでありまして、大体平均需要を間に合せるように努めて行きたい、こういうふうに考えております。
○池田宇右衞門君 それから価格の暴利を取るものの取締をどうしますか。法文にはないが、どういうふうな考えを持つておるか。
○説明員(堀正侃君) 非常にむずかしい問題でございまして、その原料資材が非常に高くなつて行きますので、農薬の業者だけにつきまして農薬を安くさせるようにするということも非常に困難なんでありますが、差当つてはまあ昨年御協力を頂きまして補助金等も相当多額に出ることによりまして、農家の防除費用も幾分でも軽くて済むように努めて、消極的でありますが、努めておるわけでありますが、これがなおどんどんと高騰するということになりますれば、まだ私どもといたしましては、事務当局といたしましては確かな成案があるわけではありませんが、十分に当局と相談しまして何か手を打ちたい、かように考えておるわけであります。
○池田宇右衞門君 近く硫黄は統制を解除されるということを聞いて、解除後の点を今聞いたのですが、何か手を打ちたいというならばそれで一つ敬意を表して置きますが、実際の苗代或いは麦作に対しても気候が変転として……、引続いて稲作というようにいつでも病虫害が発生してからあわてて薬剤、或いはその他資材についても心配して、結局品が少い関係上、不正品、或いは成分の少いものを撒布しなければならない結果に照る、これが通念であります。そこで農家は少くともこの三、四月頃の閑散期と申しますか、当初計画の時期において、十分これらを入手し又農家に配給する。農薬商も、農協も準備してこれらの災害に一日も早く手を打つ方法を講ずるのがいわゆる病虫害駆除に対するところの一〇〇%の効果を挙げる方途であります。然るに前申上げましたようなことが、泥棒を見て縄をなうというようなことのみ起りまして、どうか折角農薬に対するところの取締法が改正される以北は農薬の現品においても十分これが配給でき、使用できるような方法に、これらの用意をして置かなければならないと思います。この点について丁度次官が見えたようでありますが、次官においては特に増産目標を大臣と共に取上げたのだから、今年は各地至る所に病虫害発生か起きた、さあ農薬がなかつた。これに対する発動機がなかつたというようなことのないように今から準備して置くことを強く要望し、又答弁があるなら答弁も聞きたいと思います。
○三輪貞治君 農業資材審議会の農薬部会のメンバーはどういう顔振れですか。
○池田宇右衞門君 次官はわからんかな、今来たばかりだから……。農薬に対する準備があるかどうか。答弁できないことはないでしよう。
○政府委員(島村軍次君) 途中で参りましたので、御質問或いは御希望の点に十分お答えに当るかどうか存じませんか、今日の農薬が、資材が不十分であるということに対する手配を十分にしろという御意見であつたと思いますので、この点につきましてはかねて本委員会等の御希望もありますし、又病虫害防除の態勢を強化することは食糧増産上極めて必要なことも御意見の通りでありますので、極力この資材、農薬の資材及び機具等の確保には現に手配を十分いたしておりますが、なお今後の御希望に副うように今後においても十分の努力を重ねたいことをお答え申上げます。
○池田宇右衞門君 結構な御答弁だが、ただ私が言うのは、硫黄が統制解除するから価格が非常な高騰をしています。農村の現金が少いときに高い農薬を買入れて、そうして消毒に当るということが困難だという一つと、それから消毒期を前にして消毒農薬が入らんから、往々にしてその消毒の時期を誤りやすい、だからそれらの不便なからしめるように政府は十分にこれらの障害を除く方法を講じろ。それから現在農薬が少いのに、物のないのに取締ばかりしていても、却つてますます窮屈にして効果を薄らがせるようなことのないように十分監督すると、この三つについて、何か方針を明らかにして欲しいと、こういうのでありますから重ねて次官に簡単でもいいからこの三つについて答弁を煩わしたいと思います
○政府委員(島村軍次君) 各項目に関しまして私が先ほど答弁申上げたので大体盡きておると思いますが、特に御指摘の硫黄については、私の出身県も池田さんと同様に硫黄についての入手には困難をいたしております。この事情は池田委員も御承知の通りでありますので、これについては府県の当局を初め、これと協力をいたしまして、この入手については各方面にあらゆる手を打つて確保に努力をいたしておりますので、今後におきましても時期の遅れないようにできるだけ多量の物が入手できるような考え方を以てやりたいと思います。
○三輪貞治君 先に質問しました農業資材審議会の、農薬審議会のメンバーは、これは業者代表何名、学識経験者何名という、その一人々々の名前は要らないが……。
○説明員(堀正侃君) はつきりと内訳は何名々々というふうにはしていないわけですが、現在の構成されておるメンバーは、大体大学の教授が五名と、それから農林省の農事試験場の専門家が五名、それから東京都の農事試験場の專門家が一名と、それから経験者という意味で農薬協会の理事長と理事が五名加わつております。なおそのほか、これは業者で現在は製造業者ではありますが、元農林省の農事試験場の農薬部長でしたかたが学識経験者という意味で一名加わつております。なお責任者といたしまして防疫課長がそのメンバーになつております。
○三輪貞治君 本法制定当時に農業資材審議会を議決機関にされたわけでありますが、今度の改正でこれを諮問機関にされようとするわけでありますが、その理由、これを議決機関にして置いては、どうも具合が悪いという理由があるか。それでなければいよいよ取締を厳重にするというこの改正に当りまして、何でこの機関を諮問機関にせられたのか、お伺いいたします。
○説明員(堀正侃君) 先ほどもこれにつきましてはお答え申上げたのでありますが、これは主にあちらの意見に基きまして、法律の運用は政府が責任を以て処理すべきものであつて、政府がこれを審議会によつて拘束されるものであつてはならないというふうな一つの意見と、それから個々の業者の直接関係のある特定の事件、例えば登録とか、品質改良或いは販売の停止、禁止といつたような個々のものについての議決機関であつてはいけないといつたような二つの点から、審議会の議決機関を諮問機関に改めたわけであります。それから審議事項も改めて、登録とか、品質改良、販売停止、禁止ということについては審議をしないことにして、一般的な公定価格の制定とか、或いは検査基準をきめるとか、そういつたことだけにタッチをしてもらうことにいたしたわけであります。
○三橋八次郎君 先ほども防疫課長にお願いして置いたのでございますが、この法律の運営に当りましては、農薬検査所というものの仕事が非常に過重になると思うのでございます。而も取締を行い、行政処分をやつて行きますには、やはりそのほうの整備拡充というものが必要でございますが、それらに対して政府は二の法律の運用を円滑ならしめるために、そのほうの拡充強化の御構想があるかどうかということを政務次官に一応伺いたいと思います。
○政府委員(島村軍次君) 法律施行によつての予算の下足、或いは又人員、検査所の手の足りないという問題は当然起り得ると思うのでありまして、今回の予算には十分のことが計上されなかつたのでありますが、将来この問題につきましても、十分我々は関係当局と折衝を重ねましで、予算の増額、人員の増加に努力をいたしたい、かように存じております。
○三橋八次郎君 それから第一條の殺菌、殺虫剤、その他の薬剤というものに二四―Dとか、ホルモンとかいうものも入るのですか。
○説明員(堀正侃君) 本来二四―Dは入りますが、ホルモン剤は入りません。
○三橋八次郎君 第二項の天敵というものは、今考えられておるものは幾つぐらいあるのですか。
○説明員(堀正侃君) 現在天敵は農薬と同じように販売をするために登録されておるものは全然ございませんです。
○三橋八次郎君 第十一條でございますが、防除業者でございます。これは防除業者は登録以外の農薬を使いまして、防除行為ができるものかということ、登録農薬以外のものを使つて防除行為ができるかどうかということであります。
○説明員(堀正侃君) 登録以外の農薬を使つては防除できないということになつております。
○三輪貞治君 只今の農業資材審議会のことについて防疫課長から御答弁を受けたわけでありますが、これは非常に根本的な重要な一つの問題であると思うのであります。ただ農薬取締のみならず、あらゆる法律が問題、その施行に当りましては政府が責任を持つ、だから民間の審議会等に拘束されてはならないというお考えでありますと、これは終戰後、一つの民主化として取入れられました委員会制度、審議会制度というものに対する現在の政府の態度が変つて来た、こういうふうに考えざるを得ない。そこで農林次官に、政務次官に特にお伺いするのでありますが、我々は官僚独善の弊をば改めるために民間の審議会、委員会というものが十分に活用されて行くということに非常に民主化の期待を持つておるわけでありまして、今御答弁のあつたように、政府が執行に当つては責任を持つのである、民間の機関に拘束されてはならないということは、将来審議会、委員会というものが廃止されて、これはほかにたくさん事例のある一連の、民主化に逆行するところの一つの現在の傾向ではないかと思いますが、この点について政務次官が、これが現に政府、特に農林省の審議会、委員会等に対する一つの貫かれた、一貫したお考え方であるかどうか。
○政府委員(島村軍次君) 法案そのものの内容から申しまして、今回の農薬取締法に関しましては意見を十分尊重する諮問機関でありますならば、民主化の線に副わないという結論にはならないということで提案を申上げておるのであります。
○三輪貞治君 これはただこの農薬審議会だけでなしに、米価審議会等がもう単なる諮問機関であつて、全く形式的に通すだけであつて、それは決定したものをば無條件に呑ませるといつたような運営がされておりますから、私は特にこういう問題を重視しまして考えるわけでありまして、私が今質問しているのは、この問題に限らずに、現在の農林省は審議会、委員会に対してはそういう一貫したお考えを持つておられるかどうかということをお伺いしたいわけであります。
○政府委員(島村軍次君) 法律の内容及び性質によつて考えたい、こういうことであります。
○加賀操君 先ほど三橋さんが言われましたのですが、この法案を見ますと公定規格ですが、私は逆に行つているような気がするのです。いろいろ物理的、化学的というようなところへ重きを置かれまして、こういうようなものが総合されて効果が上るのでありまして、最終のきめ手はやはり生物試験だと思います。それがありませんので、何だか要を欠いておるような気がするのですが、どういうわけでいろいろ登録票やその他の表示のところへ、実際はやつているのだか、このきめ手を入れてないのはどういうわけですか、お伺いいたしたいと思います。
○説明員(堀正侃君) 実際に当りましては、先ほども御説明申上げました通り、生物試験が農薬の効果判定の最も大きな問題であり、又薬害につきましても生物試験が最も重要に取上げていたしております。ただ一つの規格として生物試験に基く効果を表示するということが、現在の薬害の判定基準とか、或いは効果の判定基準というふうなものが十分確立いたしておりません現在におきまして、困難な事情にありますし、大体この有効成分或いは有害成分を化学的に物理的にきめて置きますれば、大体の目的は果し得るのじやないかというふうな考え方から、生物試験の結果を表示する等の方法が規定してないわけでございます。
○加賀操君 実情はわかるんですが、法案としては少し欠けておると思いますので、私の希望としては運営のほうで十分にお考えの点を実際に効果のあるようにして頂きたいと思います。それからそれに関連しまして、私の経験から申上げますが、実際生物試験をいたしますればこの手数料の三千円というものは安いのではないかと思いますが、ほかの立場から言えば別ですが。これは特に今さつきからたびたびお話がありましたように、予算が少いということでございます。私も実は少いと思います。あれでは私に言わせれば、生物試験が本当にできているかできていないかちよつと、誠に失礼ですが、十分でないと思います。で三千円で生物試験をおやりになるような予定で三千円をおきめになつたかどうかという点でございます。
○説明員(堀正侃君) 大体農薬検査所には、それぞれの農業の検定に必要な昆虫等の飼育も年中いたしておりますし、必要な作物も大体そういつたものをしよつ中用意をいたしておりますので、大体この二千円の範囲内で試験をいたしたいとこういうふうに考えております。
○加賀操君 これは直接法案に関係ないのですが、農薬の取締をされて、いい農薬がでると思います。併しこの農薬を使いまする器具ですが、それによつて非常に効果が違つて来ると思いますし、経済的には全く非常な相違がでて参るのが常であります。この農薬それ自身に、いいものを作るということと、これを使用する道具のいいものを作るということは、これは両面でございますので、その点については、これはちよつと今おいでになつているかたでは、おわかりにならんかと思いますが、その点農林省で十分に考慮されると同時に、農薬も相当いかがわしいのがありましたが、これを使う農機具もどうかと思うのが大変多くありますので、これと両々相待つてよくするいう方法をお考えになつておるのかどうか一つお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(島村軍次君) 農機具が粗製濫造に陷つていることは、これは終戰後の一つの大きな欠点であり、且つこれの規格を設けることは当然考えなければならんし、又製品を、優秀なものをやるということにしなければならないと思うのです。現存では、国営でやはり農薬と同じような程度に依頼検査によつてやつておるという現状でありますが、なおこれが改良については十分一つ考慮いたしたいと思います。
○説明員(堀正侃君) このお手許にあります法律案の附則の第三項にミスがございまして、「前項の者が同項の期間内に書替交付の申請をしない場合には、その登録は、第五條第一項の」と書いてございますが、「第一項」というのはミスでございまして、今削除の印刷の正誤の手続中でありますので御了承願いたいと思います。
○委員長(羽生三七君) この程度で質疑は終了したものと認めてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生三七君) それではこれより本案の討論を行います。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別段御発言もないようでありますから討論は終局したものと認めて、これより本案の採決を行います。農薬取締法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御起立を願います。
   〔総員起立〕
○委員長(羽生三七君) 全会一致でございます。従つて本案は原案通り可決と決定いたしました。
 なお、前例によつて諸般の手続は委員長に御一任を願います。なお多数意見者の御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
   西山 龜七  片柳 眞吉
   岩男 仁藏  池田宇右衞門
   白波瀬米吉  瀧井治三郎
   江田 三郎  小林 孝平
   三輪 貞治  赤澤 與仁
   加賀  操  溝口 三郎
   三橋八次郎
○委員長(羽生三七君) それでは休憩いたします。
   午後零時九分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十八分開会
○委員長(羽生三七君) それでは休憩前に引続きまして会議を開きます。
 本日予備審査として付託されました農産物検査法を議題といたします。最初に提案者の説明を求めますが、衆議院から議員河野謙三君並びに田中啓一君御両君が御出席でありますので、なおこのほか食糧庁関係からも関係官が出席されております。最初に提案者の説明を求めます。
○衆議院議員(河野謙三君) 私ほか十九名提出の農産物検査法の提案理由を御説明申上げます。
 農産物の公正且つ円滑な取引と、その品質の改善とを助長するためには、農産物について公定の規格に基く検査の実施が是非とも必要でありますが、現在の、主要農産物についての検査は、食糧管理の強化以来、管理制度の一環として実施されて来ておりますことは御承知の通りであります。即ち食糧管理法に基きまして政府の買入いたしまする主要食糧につきまして、その買入の際に政府の手による検査を行なつているのであります。然るに最近の食糧事情の安定によりまして、昨年以来いも類及び雑穀が次々と買入品目から除外せられて参りましたので、これらの農産物についての検査の実施につきまして法的根拠、明確にいたすと共に、検査制度の確立を図ることが必要となつて参つたのであります。これが農産物検査法案を提案いたします理由でございます。
 次に同法案の骨子につきまして御説明申上げます。先ず第一点といたしましては、農産物の検査の性格を従来の買入のための検査から、商品としての検査に改めることでありまして、このためには規格につきましては銘柄の設定、等級の増加など市場性を十分に取入れたものとして行くほか、規格の設定に当つても利害関係者並びに学識経験者等の意見を徴して決定することとし、一方検査の結果に対して異議の申立の途を開くなど、生産者並びに消費者の利益擁護を図つて参りたいと考えている次第であります。
 第二点といたしましては、同法に基きまして国営検査を実施いたします品目でございますが、これにつきましては従来食糧管理法に基きまして政府買入を実施いたしておりました主要食糧でありますところの米麦、雑穀及びいも類について検査を実施して参る考えであります。このうち米麦につきましては、その農産物中に占めまする重要性と、流通の普遍性とに鑑みまして、売買の際には、必ず検査を受けなければならないことといたしておりますが、それ以外の品目につきましては、受検の希望に応じて検査を実施して参ることといたしておる次第でございます。ただ米麦以外の品目につきましても特に強制検査の実施を希望する都道府県があります場合は、條例を制定いたしまして、必ず国の検査を受けなければならない旨を命ずることができることといたしております。
 次に第三点といたしましては本法施行のための予算関係についてでありますが、本法による検査には政府が買上をいたしまする品目を除きまして一定の手数料を徴收いたすこととしております。なお検査に要しまする経費は、本年度は取りあえず食糧管理特別会計の既定予算の範囲内で実施が可能でありますので、特に本法施行によりまして新たな予算的措置を講ずることは考えておりません。
 農産物検査法案の提案理由及び法案の骨子の概略は只今申述べた通りでございますが、何とぞ慎重御審議の上御可決賜りますよう切に希望いたす次第であります。
○委員長(羽生三七君) 提案理由を承わつたわけでありますが、質疑に入る前に法案の重要な諸点について関係者から説明を求めたいと思います。
○説明員(清井正君) それでは只今御提案になりました農産物検査法案につきまして極く概略の点を御説明申上げたいと思います。逐條によつてお話申上げたいと思います。
 第一條は、ここに書きました通り本法の目的を、掲げておるのでありまして、農産物の公正且つ円滑な取引、それから品質改善を助長するということが目的でありまして、併せて農家経済の発展と農産物消費の合理化とに寄與する、いわゆる生産者、消費者双方の利益のために本法を制定するということをはつきりいたしておるのであります。
 第二條は、この法律で農産物とは、現存の対象となるものは、もみ、玄米、精米、大麦、はだか麦、小麦、精大麦、精はだか麦、精小麦、小麦粉、大豆、小豆、えんどう、いんげん、緑豆、とうもろこし、なたね、甘しよ、馬鈴しよ及び甘しよ生切干、以上のものが本法にいう農産物でありまして、現在の対象となる農産物の種類であります。
 それから第三條は、そのうちいわゆる強制検査の対象を出したのでありまして、只今第二條に申上げました農産物のうち、特に数量、金額等に絶対的に大きいところのもみ、玄米、大麦、はだか麦又は小麦。いわゆる米麦、これについては強制検査を実施して参りたいこういう趣旨でありまして、即ち本法の第一項に、その生産者は、生産した米麦又は精米を売り渡す場合には、その売渡前に国の検査を受けなければならんというわけで義務付けしておるのであります。
 第二項は、只今の第一項が生産者のことを直接規定しているのに引きかえまして、その後の流通過程における売り渡しを前提とした規定でありまして、いわゆる輸入されたものを除いた米麦の所有者は、その所有する米麦で検査を受けていないもの、又は検査を受けて効力を失つたという場合には、国の検査を受けなければならないということでありまして、第一項は生産者に対する規定、第一項は例えば生産者が持つておりましても、国へ売る場合に検査の効力がなくなつた場合、又は検査をまだ受けていない場合には、その売渡前に検査を受けなければならないということで、いわゆる一項、二項によりまして生産者と消費者と両方を拘束しておるのであります。それから第三項は、いわゆる一項、項におきまする強制の規定に対する例外を出してあるのでありまして、その例外が四項目に分れておりまして、その第一項目は、「第八條の規定により定められた量目に満たないものを売り渡す場合」、即ち極く小量のものを売り渡す場合には、これは適用しない。第八條を見ますというと、「検査は、輸入に係る農産物にあつては十トンに満たないもの、その他の……。」輸入以外の内地において生産された農産物につきましては、種類ごとに省令で定めますところの條件を欠くものについてはこれは行わないということであります。というのは大体内地産のものにつきましては一包装を単位といたしまして、一包装以下のものにつきましてはこれは行わないという考え方で進んで行つたらどうかというふうに考えております。前に戻りましてそういうふうに第三條に第三項の一号としていわゆる極く少量のものはそれを売る場合におきましてはこれを強制検査をしないということを謳つておるのであります。
 それから第二号は災害の場合におきまして、非常な災害の場合におきましても本法を適用されました場合には、非常に融通性を欠く場合がありますので、特にそういつた場合に地元の食糧事務所長が或る一定の場所を指定しまして、その指定した区域内にあるものを指定した期間内に売り渡す場合においては、例外的にこれは適用しないということであります。それから第三号は、「学術研究の用に供するものとして、省令の定めるところにより食糧事務所長の承認を受けて売り渡す場合」、特殊の学術研究の用に供する場合でありまして、いわゆる一般の商行為といいますか、一般の売買の対象にならないものであるからこれは例外として行きたい、こういうわけであります。
 四号は、これは、「都道府県が経営し、又は経営を委託しているほ場であつて食糧事務所長が指定したものにおいて生産された米麦で、省令で定めるものを売り渡す場合」、これを書きましたのは、いわゆるこれは大体都道府県が経営し、又は経営を委託しておるのが原則でありますので、そういつたところで生産されたものはいわゆる種子でありますので、その場合は強制の規定を適用しない、こういうことであります。以上がいわゆる強制検査の例外の規定であります。
 次は第四條でありますが、今までは国内産のことを言つたのでありますが、今度は輸入される米麦につきましては、これは政府は別問題といたしまして「輸入されるところの米麦の所有者は、その米麦を輸入後において売り渡す場合には、その売り渡す前に国の検査を受けなければならない。但し、その輸入量が十トンに満たない場合は、この限りでない。」ということでありますが、現在の食管法の建前上、輸入される米麦は全部政府に売渡すことになつておりまして、「その米麦を輸入後において売り渡す場合には、その先渡前に国の検査を受けなければならない。」ということを規定いたしたものであります。
 三條、四條はいわゆる強制的な検査でありますが、第五條は希望検査でありまして、只今申上げましたいわゆる米麦以外の農産物につきましては、強制検査はしないのでありまして、そのいわゆる所有者又は占有者などがその農産物について国の検査を受けたいという希望がありました場合には、これが検査を行うということであります。従つて輸入されるものを含む米麦以外の雑穀なり、菜種なり、いも類は全部希望検査するということに相成るわけであります。
 次は規格でありますが、第六條の規格は、ここに書きました通り「農産物の種類及び銘柄ごとに、その量目、包装及び品位についての規格を定める。」ということでありまして、ただ第二項に、あらかじめ規格をきめました場合には、それの周知徹底を図ることが必要なのでありまして、その規格を作つた場合、変更した場合、又は廃止しようといたします場合におきましては、いつからこれを施行するかという期日を定めまして、その定めました「その期日の三十日前までにこれを公示しなければならない。」という項目を置きまして、広くその趣旨の周知徹底を図つてもらいたいということであります。
 それから第七條は、検査方法でありまして、これは別段御説明するまでもないと思うのでありますが、農産物の種類、銘柄、量目、包装及び品位につきまして各個に、又は抽出して検査を行うという方法を書きましたのであります。
 それから次の第八條でありますが、これは先ほどちよつと御説明申上げましたいわゆる輸入農産物につきましては十トンに満たないものは、このいわゆる検査受付の條件に合わないということでありまして、国内産につきましては、いわゆる「省令で定ある包装及び量目の條件を欠くもの」につきましては例外とする、こういうことにしておるのであります。ただ但し書がございまして、政府に光り渡し、又は引き渡すため検査を受ける場合は、たとえ少量でありましても少ず検査するということを規定したものであります。
 それから次は第九條でありまして、これは検査を誰がやるか、「検査を実施する者」でありますが、これは現在、食糧事務所の職員がやつておりますことをそのまま書いておるのであります。いわゆる農産物検査官というものを置きまして、農産物検査官が検査を厳正に実施するということの趣旨をここに書いてある次第でございます。
 それから第十條でございますが、十條は、検査は検査を受けようとする者の請求によつて行うという趣旨であります。その場合におきましては、検査請求書を提出しなければならんということを規定しておるのであります。
 それから第十一條は、検査手数料であります。これは輸入農産物につきましては一トンについて三百円、それから国内産の農産物については一包装について一十円を超えない範囲内において政令で定める額を納付しなければならないというのであります。但し政府に先渡し又は引渡すために検査を受ける場合には納付しなくてもよろしい、こういうことで、政府に売る場合を除きまして、外国食糧は一トンについて三百円、国内食糧は一包装について二十円というふうに規定しておるのでありま歩。この二十円なり三百円という数字の根拠でございますが、これは曾つて自由時代に検査手数料を徴收して検査をいたしておつたのでありますが、そのときの一番最高の額が、そのときの一包装の額の大体百分の一ということになつておつたのであります。仮にこれを三十六年産の麦について考えて見ますというと、大体二十六年産の、仮に予算に規定してある金額を限度として考えて見ますと、一包装につきまして、大麦については十円、小麦、裸麦は十五円という程度の金額になるのであります。米につきまして一応計算して見ましても、大体一十六年産米につきましては二十四円という計算になるのであります。併し一の点につきましてはいろいろ諸般の情勢に鑑みまして一包装について二十円を最高限度として、その範囲内において政令で定める額を納付するということに規定しておるのであります。それから外国食糧の三百円というのは、国内産の一包装について二十円の限度を外国食糧に換算いたしますと三百三、四十円になりますので、三百円を最高としたのであります。
 それからその次の第十二條は、受検のための準備でありまして、これは特別に御説明するまでもなく現在規定のあるのをそのまま書いてあるのであります。
 それから第十三條の、検査の期日、これは現在規定かあるのでありますが、大体検査請求角の提出があつた日から十日以内に、食糧事務所長が指定する日に実施する、こういう趣旨のことを規定しておるのであります。
 それから第十四條は、検査の実施、これはあらかじめ食糧事務所長が定めた場所が公示してありますが、その場所のうち成る一定の場所を指定いたしまして、そこで検査を実施する、こういうことであります。その場合におきましては、本人又は代理人をして立会わせなければならないという規定を併せていたしておるのであります。
 それからその次は、検査の中止でありますが、いわゆる正当な事由がないのに、受検者又はその代理人が検査の実施に立会わないときには、検査を中止することができるということを一応規定してあるのであります。
 それから第十六條、検査証明であります。これは検査官が検査を行なつた場合には、その結果を所定の手続によつて表示いたすという趣旨のことを規定しておるのであります。
 それから第十七條の検査の失効であります。それは強制検査を受けた米麦は、次の三つの場合にはこの検査を受けなかつたものとみなすということを規定してあるのであります。即ちその第一は、検査した場合には必ずその検査の有効期限というものを表示いたすのでありまして、その有効期限を出た場合には受けなかつたものとみなすということを第一号に規定しておるのであります。第二号は、検査をいたしましてつけた表示が、失われ、消され、除かれ、改められ、又は不明となつたものについても同様に検査を受けなかつたものとみなす。第三号は検査証明書が失われ、又はその記載が改められ、不明になつたときには、これも又同様に検査を受けなかつたものとみなすということであります。
 それからその次は不正受検に対する処置でありまして、別段御説明するまでもなくここに書いてある通りであります。
 それから第十九條は、異議の申立でありまして、これは今までになかつたところの新らしい規定でありまして、いわゆる検査の結果に異議のある者は、完了の日から十日以内に申出ることができる、但し、直接利害関係のない者は除いて、それ以外の者は異議の申立ができるという趣旨のことをここに書いてあるのであります。申し落しましたが今までの規定は大体現行の検査法なり検査規則に規定したものをここに書いたに過ぎないのでありますが、十九條の規定だけは新らしい條文になつておるのであります。
 それから第二十條は費用の負担でありまして、「検査を行うために必要な農産物の積替、運搬、開装又は改装に要する費用は、受検者の負担とする。」こういうことであります。
 それから第二十一條は、都道府県が條例によりまして、米麦以外の農産物で、その都道府県内で生産された農産物について国の検査を受けるということを條例で定めましたものにつきまして、都道府県が検査を受けることを命ずる」とかできるということをここに書いておるのであります。
 それから第二十二條は、「罰則」でありまして、ここに書いてある通りであります。体刑を科さずに、三万円以下の罰金ということにしてあります。
 それから第一十三條は総括的な罰則に該当する規定であります。
 それから附則の一番先の、「公布の日から起算して四十日を経過した日から施行する」といたしまして、但し六條のいわゆる検査の公示を三十日以内にいたす必要上、いわゆる四十口を経過してから本法を施行してもらいたいという趣旨に出でておるのであります。第六條の関連において四十日という規定をいたしておるようなわけであります。
 附則の二、三は、この法律制定に鑑みまして食糧管理法との関係において必要な規定の改廃をいたすようにしたわけであります。
○委員長(羽生三七君) ちよつと伺いますが、この法律の随所に省令又は政令という個所が出て来るのでありますが、この何か参考のプリントようのものはありませんか。
○説明員(清井正君) 只今ちよつとその参考の文書は用意して参りませんでしたが、どういう内容を規定いたすかということについては御説明申上げることはできると思います。
○委員長(羽生三七君) それでしたらば御質問のあつた場合にそれを答えて頂けば結構であります。
 それでは質疑を行います。
○西山龜七君 この第三條の検査の品目でありますが、これに一番大切な澱粉が加つておらんようでありますが、これに対しましては澱粉を入れないことになつたことと、又将来これを入れるお考えがあるかどうかこれをお尋ねいたしたいと思います。
 それからその次に米は、玄米は精米いたしましたものを検査することになつておりますが、麦は精麦したものがこれに加つておりませんが、これもどういうことでこう書いたかお聞きしたい。
○説明員(清井正君) 只今の御質問でございますが、澱粉類につきましては、これは無論農産物としても重要なものでございまするけれども、本法に入れて強制検査にしないで、これは希望検査の対象にいたしましても、現在の食糧事情からいたしますれば、結構じやなかろうかというような考え方で、澱粉については本法の農産物の中には規定していないということに相成つておるのであります。
 それからもう一つの問題につきましてはこれはもみ、玄米、精米、大麦、はだか麦、小麦といわゆる原穀につきましては生産者の生産したものを意味しているのでありまして、特にもみ、玄米、精米が入りましたゆえんは、これはいわゆる精米供出がありますので、その部分のことを意味して精米という字が特に入つているのであります、以上これは要するに原穀の生産者と一」ういう意味に規定されたものと考える次第であります。
○岡村文四郎君 国の検査を行う品目に入つていないものは県の條例で定めれば検査ができることになつておりますが、今西自若からお話がありましたように澱粉、甘しよ澱粉、馬鈴しよ澱粉は県がその條例を出さんと、区々になつて非常に取引に支障があり、迷惑を蒙ると思いますがこれをこの案のうちに入れることはどうしてできないか。これはほかにもつとありますが、薄荷、要するに除虫菊もそうでありますが、この前に検査法を変える時分に実は本州には薄荷は殆んどないに等しい状態であります。北海道が主でありましたのでいろいろ論議もいたしましたが、何とか委託の形式でやつてもらえるというので一応やつております。これも菊と薄荷とは北海道に限るということであれば、北海道庁が條例を作ればこれの検査はできるのでありまして、さしたる支障はないと思いますけれども、全国的に菊と薄荷がありますと、これはやはり入れて置いたほうが輸出を多くする品物であり、品位を高めるほうにも、又生産者が生産物を出すときにも、心がまえも違うと思いますから、その三つ、薄荷と除虫菊と澱粉、これをこの項目に入れるとどういう支障があるか。どうしてここに入れなかつたか付いたいと思います。
○衆議院議員(田中啓一君) 薄荷、除虫菊のほうは農林物資規格法という一般法がすでに出ておりまして、あの法は府県検査を建前にしておる法律なんですからそのほうでやつたほうが適当であろう。これは農産物と言いましたけれども、実は食糧の意味でありまして、そういう趣旨で澱粉、除虫菊が省かれておるわけです。それからこれは、この澱粉のことは、随分どうしようかといつて迷つたことでありますが、実はこの澱粉といいますと、まあ小麦粉にも似ておるということは確かに言えるんでございますけれども、これはまあもともと趣旨が農産物つまり田畑から取つたそのものというのが根本になつておりまして、それからまあ精米、精麦、或いは小麦粉というところまでは追うて行つたのです。で、その追い方によりますと、今度は馬鈴しよ、甘しよ、次に馬鈴しよ、甘しよの澱粉と、こう追いたくなるわけだつたんですが、実は澱粉は今まあ、かなり、あの小麦粉からも取つておるわけなんです。そんなわけで用途が直接食糧というよりも、工業の用途に供されるものが多いというようなことであります。かれこれ考えまして、まあ甘しよ、馬鈴しよの澱粉というものをここへ書き出さないでやめたんでありますが、これが若しどうしてもこの法律でやるのが適当だということになりますれば、この範囲というものはやはりみんなが考えて適当だというところでやるのがよろしいわけであります。絶対にいかないという考えを持つておりませんけれども、ただ除外いたしました理由は今申上げましたようなことで一応除外したわけであります。
○岡村文四郎君 今の田中さんの御説明ではちよつと困るのですが、規格を定めて国の検査を行う前に、雑穀の検査は殆んど本州にはなかつたのであります。そこで我々は北海道から出かけて参りましてレントコーの種子を随分買つて歩いたのでありますが、全然検査がなくて非常に不合理で各県ごとに区々で全く何を買うかわからない状態であつたのでありますが、その後検査ができて安心して買えるようになつたのであります。
 そこで、主として雑穀の検査の適用を受けるものは北海道、それから澱粉も相当にあるのでありますが、今のお話のように澱粉をそのままにして置きますと、この以外に各県に生産をされる農産物は県の條例においてやれると……、やることができるのではなくて、やらなくてはならぬように書いて置くと、それはできると思います。こういう書方ではちよつと抜ける場所があつていかない。又そういうことでは私はここで申上げて置きますが、検査を受けないと、受けないほうが立場のいい面も出て来、又悪い面も出て来て非常に不統一で駄目ですから、国が検査を行うべきこととする。この薄荷と菊は、非常に大事なものです。ですから、もと検査所に頼んで、設備は我我生産者が捕えて検査をやつてもらつておつたんですが、今度変つて委託検査をやつておりますが、これは相当に設備も要るので、それで、今、年月をかけて準備をいたしておりますので、これも何も支障はないと思うから、このうちに入れたならば、これからどんどん輸出する一つの材料としてつくる上にも、国の検査を行なえば取引上非常に支障がない。それで薄荷は非常にごまかしやすいものであります。歩合によつて価格がきまるのでありますが、それがきまらないうちには、非常な損をし、売りにくいわけで、甚だいかんと思うのですから、條例でやると言われればやりますが、できれば国の品目の中に入れることが、農産物であつて何も不思議はないと思う。それから亜麻種が入つておりますか、これも特に北海道は、国がきめなければ亜麻の種を買うこともできないし、買つても非常に不合理だと思うのですが、その点如何ですか。
○衆議院議員(田中啓一君) 実は農林物資規格法によつて手をつけておるものは……。
○岡村文四郎君 それはやらないから駄目なんです。やらないのです。それは何もならんのですから、これをやらなければならんと、こういうことです。
○衆議院議員(田中啓一君) そういうことですか。つまり北海道ではおやりにならんわけですか。
○岡村文四郎君 やらないのです。
○衆議院議員(田中啓一君) その点は、必要がありますれば、そのほうとの調整をやはりこの法律でも図るということにしたら如何でございましようか。
○池田宇右衞門君 只今主食を主体としてというような御答弁でございましたが、同じ雑穀でも、そばとか、きびとか、あわとかいうようなものは、のけておるのは、これは検査する必要がないというのですか。そばなどは、長野県などにおいては非常に盛んに供出しますが、これをどういうわけでのけて置いたか。
 それから次に今岡村さんからお話がありましたけれども、青森県その他全国に、みかんなどの果実が相当供出されますが、これに対して十分なる検査をして、よい品を販売させるというのが今後に残された大きな問題であろうと思いますが、これは都道府県の條例で農産物の検査の中に入れるか、先ずこの二つから聞いて、次に一、二お聞きしたいと思います。
○衆議院議員(河野謙三君) 只今お尋ねの点は、先ほどの岡村さんからのお尋ねと関連しますが、大体この各地区の特産物的傾向を帯びたものは、それぞれの條例によつて処理してもらうという従来の方針をそのまま踏襲したわけでございます。現に今みかんの話が出ましたが、みかんなども現在静岡等では條例によつてやつております。そういう方向で一つ今後処理して頂いたら如何かと、こういうことであります。今の、そばも同様であります。
○池田宇右衞門君 各府県で手数料を取るとするならば、検査の主体をやはり個人の申請に置いて庭検査にするつもりか、或いは従前通り集荷検査を行うか、それから抜取検査を行うというようなことが先ほど説明されましたが、抜取検査の場合に、悪いのがあれば、一度は抜取検査をするが、あとはこれに同じだからと言つて検査証明をもらつて、不正品を今後検査したものとして証明書を貼つて販売するような虞れがないとも言えないが、この検査は、庭検査か、集荷検査か、又は抜取検査についての今後の乱雑を防ぐ方法はどうか。この二点を一つ伺いたい。
○衆議院議員(河野謙三君) 検査の場所でありますが、あらかじめ公示した場所の範囲内、例えば農業倉庫というふうな所、その中から適当に農家が選んだ場所によつて検査をするというふうに指定しております。今の抜取検査その他の問題ですが、包装物は、これは抜取検査でなくて一個々々の検査ということにはつきしりしております。ただばら物につきましては、これは別でありますけれども、重ねて申しますが、包装物につきまして一個々々の検査、ただ従来の米の検査等におきまして、実際には包装物であつても拔取検査等によつて適当に処理しておるという実例はございますけれども、この規則におきましては、包装物はどこまでも一個々々の検査ということに規定しております。
○池田宇右衞門君 手数料を取るなら庭検査でいいのではないかと思うのですが、そのほうが農家の内において検査をするので、楽で、一番検査も完璧を期せられるし、それから検査の場合に品質の改良というものを織り込んであるのだから、こういうところをこういうふうに改良しろということが甘えるのだが、この点を、集めて殊に夏の百度を越すような暑いときに汗をかいて集めて来て、検査を受けるなんということは煩雑過ぎるが、手数料を取るなら検査員が自動車で出かけて行つて検査をすると、こういう民主的な点をどうして考えなかつたか。この点をもう少し明らかにして欲しいと思います。
○衆議院議員(河野謙三君) 我々も本案提案に当りましては、その点も十分考えたのです。併し現在の検査員の人員、並びに現在の検査員は後承知の通り食糧検査のほかに事務的にはもつと多量の食糧の買取りその他の事務もやつておりますので、人の問題、又それに関連する予算等の問題からして、池田さんの希望と同様に我々の希望であつたのであります、けれども、それやこれやを考えまして、この機会にこの庭先検査ということはちよつと不可能ではないかということになりました。
○池田宇右衞門君 誠に予算の関係上、検査官の人員が少いからと……、然らばこれで法は誠に結構な法ができ上るが、予算の関係上、検査員の手当が少い、それから検査員の人員が少い。こういう結果になれば、案と実際は相反するような結果に陥るというようなことは言い切れないが、そういうことを私どもは懸念する上から申しまして、提案者各位は予算関係を十分に大蔵当局に交渉をいたしまして、検査員が検査に当つての時間外労力に対して、相当待遇上の改善というか、特別なる支給の方法を考えておつたかどうか。それからこういう強制検査をする以上については、検査員の増員をしたければならんが、検査員の増員に対しては予算措置はどういう交渉をしておつたか、この二つを重ねてお聞きいたします。
○衆議院議員(河野謙三君) 御承知のように、二十六年度におきましては、食管の特別会計によつてすでに予算も取つてありますので、実際に予算の関係は起つて来ないのであります。問題は、将来食糧事情が一層緩和して来た場合の手数料の問題になつて来るのでありますが、従つて我々といたしましては、今の池田さんの御希望と同じような希望を持ちまして、次の機会に吹きまして実情に即する手数料の問題も更に検討し、又その検査に当つての庭先検査の問題、それに関連する人員の問題、予算の問題等も、もう少し具体的の問題を捉えて検討する時期があろのではないか、かように考えて、一先ずかような提案をしたわけであります。
○池田宇右衞門君 まあこれは意見も多少入りますから、これ以上追求はしたくないのだが、実際に当つてできない仕事を強いるということは、一番農村に対しても、又農家のかたがたにも迷惑をかけることだから、よく提案者がお知りの通り、検査員が不足しており、それから検査員の手当が不足しておるから、出張旅費その他において何とかやりくりしなければならない。こういう結果、目的はいい目的であり、検査は極めて丁寧に、又農家の要求によつて短時間に迅速にやつて行かなければならんが、それができかねる場合ができやすい、それはいわゆる予算が足りないからだ。只今食管に織り込んでおる検査料では足りないということはわかつておる。この通り物価が上つて来るし、それから例えば自転車その他においても検査員の費用が増加して来る。だから十分に予算的措置を今後考え、若し補正予算が許すならば、補正予算でこれが穴埋めをして、そうして十分なる検査の成績を挙げ、農産物の、いよいよ品質の向上とか、これにからんで増産させるような方途を講じてやるのが親切だから、この方法を更に重ねておとりになるかどうか。ただ今の織り込んでどうのこうのということでは手ぬるい。十分に補正予算でも組んで検査の成績を挙げるような交流をなさつたか。若し交渉しておるのなら、目下交渉研究中だということでも結構です。
○衆議院議員(河野謙三君) 只今池田さんの御意見の通り我々は考えておるのです。この次の段階におきまして、皆さんの御協力なり御援助を得まして、池田さんの御意見の通りに我々もともどもに実現に努力したい、かように思います。
○岡村文四郎君 この案を今すぐ通さなければならんというと、そんなわけには行かんと思うのですが、私のほうでは実は急いでおるので、今日にもあげたいのだが、これは訂正してもらわんと、澱粉をえらい軽く見ておるようなお話があつたが、澱粉というものは全国的に見ると大きな問題なんです。どうしても国の検査を行うべきである、こういうふうに実は考えておるわけです。それを入れることによつて、非常にスムースに行くし、安心ができる。澱粉というやつは非常に恐ろしいやつで、製粉するときの加減で等級もどうにでもなる。これは実に大事な検査なんです。そこでどうしてもこれを国の検査を行うという建前にすることが大事であつて、委託検査ということではいかんと思うのです。これをOKをとらなければならんということになると間に合わんので、これはここで通さなければならんと思うのですが、どうしても成るたけこれを変えて、澱粉を入れてもらうということにしないといかんと思うのです。
 それから薄荷とか菊の話が出ましたが、これは北海道が主ですから、北海道で條例でやれとおつしやればこれはやらんでもないのですが、これは併しどういうわけで役所のほうで駄目なのか聞きたいと思うのです。
○衆議院議員(田中啓一君) 今の澱粉のお話は、岡村さんのおつしやることも御尤もなんです。それでこの二十一條を御覧下さると、都道府県は條例で定めて、これは国に検査をさせるのですよ。だから條例だけ定めればよいので、何もいざこざはないのですから、それで澱粉をやつたらよいということでありますれば、この折衝を北海道でやりまして、條例だけ作つて国でやらせると、こういう途は開かれておりますから、それをやりまして、いかんときは、今おつしやる通り間に合いませんけれども、臨時議会もありますから、修正すると、こういうことでやりましたら如何でありましようか。
○岡村文四郎君 県が條例で制定しなかつたらどうにもならんのです。北海道は必ずやります。
   〔委員長退席、理事西山龜七君委員長席に着く〕
○片柳眞吉君 今の二十一條の解釈でありますが、これは私はちよつと條例では、澱粉だとか、そばであるとか、これはやはりこの規定ではできないのじやないか、こう思います。これは第二條で農産物というやつを限定しておるわけですね。そこで二十一條では米麦以外の農産物と、こうありますので、お話のような條例でもできないのじやないか、こういうふうに思うのでありまして、その点はやはり解釈の違うところでございますが、そうなつて来れば、私の意見では、澱粉は、少上先の問題でありまするが、まあ打明けての私の意見でありますが、非常にお急ぎならば、これは通して置いて、成るべく早い機会にすぐ改正して頂いたらどうかと思うのです。この案に限定する必要はないと思うのです。解釈上は私はそう思います。
○衆議院議員(田中啓一君) 今片柳さんのおつしやる通りで、実は作りながら誤解をしておりました。前に定義をしてやつておりますので、忘れておりました。やはりこれは無理で、早いところ御趣旨に応じて法案の改正をする。こういう途を一つとることに努力いたしたいと思います。
○岡村文四郎君 これはこう書いてあつてもこうでなしにやれると実は私は思うのですが。他府県はわかりません。北海道はとても政府から出る予算では足りません。そこで亜麻が一億三円くらいの、協力会というものを作つて、それを出して検査をやつております。年末賞與も立派に出しております。そういうようなわけで、国がどうきめてもやつてくれれば結構なんでありますが、請求書を十日前に出して、そうして所長が指定する。こういう嚴格なものでなくて、これが自由になりますと、雑穀を馬車に一杯積んで行つて、それで検査してくれと、ああそうかと言つてぱんぱんとやつておるのですが、それができなくなると非常に不自由になりますので、十日前で、その後では駄目だということでは、余りにも窮屈過ぎると思うのですが、その点はどうなんですか。
○説明員(白井勇君) 期限のことにつきましては、これは十日以内に出たら事務所のほうで早くやらなければならないと縛つておるわけでありまして、できるだけ早くやるということは、もう御趣旨の通りなんであります。
○岡村文四郎君 今度はこの検査所の收入は相当に殖えると思うのです。先ほどのお舌を聞くと、予算が非常に少いのでなかなか思うような検査もできんというようなお話がありましたが、今まで通り協力することは差支えないので、協力いたしますが、協力しなくても、国の費用で一体検査ができるものかどうか、もう一遍聞いて置きたいと思います。
○衆議院議員(河野謙三君) 今の検査の人員は、私は検査プロパーで行けば必ずしも少なくないと思います。ただ先ほど申上げましたように、検査以外の複雑な業務を併行してやつておりますから、そこで非常に事務が忙しいのであります。ですから、検査人員につきましては、今の人員は、場合によれば検査だけの人員とすればむしろもう少し減らせるのではないかというくらいに思つております。先ほど池田さんから御質問がありましたが、二十六年度の分につきましては、現に食管特別会計の中にも織込んでありまして、而も食糧管理局のほうでは、他の財源の節約を図つてもこのほうはやると、こう言つておられますから、心配ないと思いますので、重ねて追加して申上げて輝きます。
○片柳眞吉君 簡単に数点お尋ねいたしますが、政府に言つて来る場合にも、勿論この検査を受けることになりますが、この検査に加えて従来の収納検査はやはりやりますかどうか。ちよつとこの法律の解釈をお聞きしたいのですが、やはりここで国に売る場合にも検査を受けて、更に何か会計上の要請で收納検査がダブつてありまするかどうか。
○説明員(清井正君) 只今の御質問の点でありますが、この本法による検査をいたしまして、別途政府が買入れる場合におきましては、収納検査を実施いたしておるわけでございますが、これは会計法上は明らかに收納検査をすべしということはございませんが、国が買入れる以上は收納検査をするのが当り前であるということで、收納検査をいたしておるわけであります。従いまして、本法におきましては、政府が買入れをいたします場合においては、本法におきまする検査と收納検査ということが、一つの検査で両方の性質を持つということに相成ろうかと思います。
○片柳眞吉君 それからその次は、これは今後の問題で大きな問題でありまするから、一つはつきりした御方針を承わりたいのですが、二十六年度では差当り食管会計でこの経費を賄うということでありますが、将来かような民間取引等の検査になつて参りますと、この検査員の費用というものは一般会計でこれを負担することが然るべきと思いますが、それはどういうふうな考えでありますか。それから現在のところでは自由販売と政府供出、この二つおりますので、米麦が依然として政府供出が続いておりますと、手数料收入が極めて少くなりはしないであろうか、この米麦の供出制が続きます場合においても、大体この手数料收入で、この検査官その他の諸費用がペイできますかどうか。これはむしろ政府当局からお伺いしたほうがいいと思いますが、少くとも政府の買わない農産物の取引の分は一般会計で負担して然るべきと思うのですが、その辺を一つはつきり伺いたいと思います。
○衆議院議員(河野謙三君) 第一の段階の御質問の、一般会計で負担すべきであるという御意見は我々も全くその通りに考えております。で、少くとも次年度におきましては、若し自由取引のものが出て来た場合には当然検査というものは、検査の独立性からいいましても、又それに関連しての予算的措置からいつても、一般会計から負担すべきものと考えております。第二の問題は政府のほうから……。
○説明員(清井正君) 第二点でございますが、只今のところ予想いたします手数料といたしましては、いわゆる米麦を除きまして、いも、雑穀等によりまして年間大体一億程度になるだろうという大体の見積でございます。ところが一方只今の食管会計におきまする、検査員の純検査費は大体三十億から二十五億の間になつております。こういうふうに考えるのでありますので、それにおきましては收入見積に対しまして、支出が非常に過大であるという状況でございます。
○片柳眞吉君 それから最後に二十六年度の食管特別会計の予算はきまつておりますが、この法律が通つて、施行されて、この手数料收入を食管会計で受入れて予算に支障がないのですか。これは……。
○説明員(清井正君) 只今のところは、一応検査手数料は雑收入として一般会計に上げる建前になつておるのでありますが、その点につきましては十分考えなければならん問題だと思います。
○赤澤與仁君 一点だけお尋ねいたしたいと思いますが、この銘柄の設定をおやりになるという建前になつておるわけでありますが、政府が買上げします米麦につきましても銘柄の設定をおやりになるお考えでございますか。
○説明員(清井正君) 只今のところでは本年産の麦につきまして、政府が買上げる場合におきましては、これを大体府県一本くらいの銘柄をきめたらどうかということで準備を進めておるのであります。米につきましてもそういう方向で研究したいと思います。只今のところどの程度まで進んでおるかちよつと明言いたしかねますが、そういう方向に進んでおります。
○赤澤與仁君 それにつきまして先ほど提案理由の御説明に、利害関係者、学識経験者の意見を徴するというお話がありましたが、その方法はどういうような方法でおやりになるか伺いたいと思います。
○説明員(清井正君) 只今の御質問は、この法案の中にははつきり規定いたしてございませんけれども、委員会のような性質のものを設けまして、広く関係のかたがたの意見を徴しまして、そうしてきめる、こういう方向に持つて行きたいというように考えておる次第であります。
○江田三郎君 先ほど片柳さんから御質問かあつたのですが、それに関連してもう少し……。将来政府へ売渡す米麦がなくなつて、ここに書いてあるような手数料を全的に徴收するという場、合には一体どのくらいの收入になるのですか。
○説明員(清井正君) 仮に米麦等も全部政府買上げということでなしに、検査手数料を取ることといたしまして、数量等につきましては過去の実績を参酌いたしまして考えて見ますというと、只今の計算では全部合せまして三十五億程度に收入が見積られております、こう考えております。
○江田三郎君 そういうような三十五億というような收入が予想される場合には、これはもう検査に対する国の負担というものではなくして、独立採算でやらそうという考えなんですかどうですか。
○説明員(清井正君) 先ほど来いろいろお話がございましたのでございますが、この点は非常にむずかしい問題でありまして、方向といたしまして食管法上のいわゆる收納検査とは離れた独立の検査という方向に進んで行きたい。こういうのでありまして、そういう意味合から申しましても、一般会計のこれは経費にいたしまして、それに必要ないわゆる収入を見積るということも考えられるのでありますが、これを収支バランスをとりましたいわゆる独立採算制にするかという問題につきましては、非常に問題があるのでありまして、只今のところでは研究いたしておりますけれども結論は出ていない次第であります。
○江田三郎君 先ほど池田さんから御質問がありました検査の場所の問題ですが、これはちよつと沿革をお尋ねしたいのでして、戦争前の、大分前の話ですが、最初の検査というのはやはり庭先検査でやつたのですかどうか。それがいつ頃から集合検査というものになつて来たのですか。その沿革を知りたいと思います。
○説明員(紫桃勝實君) 私から申上げますが、大体今お話があつたように、最初は全部庭先検査でやつておつたのですが、昭和の十年頃から府県によりまして検査の統一なり公正を期する意味におきまして、集合検査のほうがよりいい、こういう観点から徐々にそういう県が殖えて来た。そうして十七年からは全部集合検査になつたのであります。
○江田三郎君 そうすると大体集合検査といつたことは、一つは供出制度と並行したようなことになりますか。
○説明員(紫桃勝實君) 十七年からというのは確かに今のお話のように供出との関連においてそうなつたのですが、その以前にやつたのは、今申しましたように検査の統一、或いは厳正公平なる建前でやる場合には、やはり集合検査のほうがよりよいこういう観点からやつたのであります。
○江田三郎君 そういう戦争前の集合検査の頃には検査手数料というのは大体どのくらいだつたわけですか。それから庭先検査の頃から手数料というのは大体農産物価格のどのくらいなんですか。
○説明員(清井正君) その点は先ほど御説明申上げました、検査料を取つておりました一番最後のときが最高百分の一ということになつておりました。その程度のものを取つておつたわけであります。
○江田三郎君 それは何年ですか。
○説明員(清井正君) 昭和十五、六年の頃は百分の一だつたと思います。
○江田三郎君 そうしますと、今度の二十円というのは大体それと同じような比率で考えられたのじやないかと思いますが、そういうような前の頃の検査が大体庭先検査時代の検査で百分の一程度のものを取つておつたのであつて、今度それを集合検査の時代にやはり百分の一程度というのは少し無理があるのじやないかと思いますがそれはどうでしよう。
○説明員(清井正君) 只今の米を供出いたしますというと、私どもさつき御説明申しました通り、百分の一にいたしますと二十五円になります。それを、二十円を最高ということにいたしましてその点は多少考慮が加えられておると思うのであります。
○江田三郎君 その程度でなしに、もう少し考えないと、これはまあ実際こうやつて今度米麦についても検査手数料を取るということになつたときに、百俵検査を受けようとすれば一千円、金が米に取られるということになつて来て、そういう負担はとてもこれは農民としましては大きな負担になつて来るわけで、而もその検査は集合検査であつて、一々運搬して行かなければならん、それも供出制度があつて供出の農業倉庫へでも入れるときに検査をするというならば、これはまあいいのでありますけれども、自由販売になつたときに、而も二十円の検査料を取られてそうして集合検査をやられるということになつたら、これはとてもたまつたものじやないと思うのでして、こういう点については政府のほうで、或いは提案者のほうでもつと、まあ今日どうにもならんでしようが、将来再検討される御意思があるのかどうか。
○衆議院議員(河野謙三君) 今の検査手数料の問題ですが、実は最初政府委員からお話がありましたように、百分の一という基準で二十五円ということも考えたのですが、今お話のように、どうも少し高過ぎるというのでお手許に差上げました案の二十円というのは、現在の二万五千人という人、大体この人件費、事務費というものから割出して、一応出したのであります。併しこの人員が多い、少いの意見もありましたようですが、私はまだ先ほど申上げたように、この人員についてはもう少し能率的にやれば整理の余地があるというふうに考えまして、この二十円が必ずしもこれは妥当のものと考えておりませんが、一応最高ということになつておりましたが、いよいよこの検査の実施の時期に入ります前には、又皆さんにお諮りする機会もあるはずでありますから、そのときにこの検査料の問題についてはもう一度十分検討し画して決定すべきである、かように思つております。政府は今申上げたような経過で二十円というものを最高として、出したと思います。
○江田三郎君 これは原則としてもうそういう独立採算制のような考え方をしたならば別問題ですけれども、それについては先ほどほかの委員からも、これについては若干国が負担しなければならんのだという御発言がありましたし、又この法律の目的からいたしましても、先ほど提案の説明がありましたように、生産者だけのことでなしに、生産者、消費者双方とも利益をするようにという建前になつておるわけですから、そういう点から只今の検査手数料、或いは手数料だけでなしに、検査の場所については将来十分検討してもらいたいと思うのでありまして、供出制度があるときの集合検査というのと、供出制度がなくなつたときの検査制度というものの場所についてはよほど考えて行かないとできなくなつて来る。これは希望として申上げて置きます、
○説明員(清井正君) 只今のお話でございますが、集合検査の点につきまして、以前の集合検査をいたしましたときには、大体駅を中心にいたしまして集合検査をいたしたと思いますが、供出制度が布かれまして、これにつきましては、大体農業倉庫を中心として主としてやつております。大体一村に一、二カ所なり、三カ所というのでありまして、昔の集合検査の実態よりは現在の集合検査がよほど便利になつておると言えるかと思います。併しお話の通り、これは生産者負担になつておりますけれども、無論私ども検査員の事務の許す範囲内においてはできるだけ生産者諸君に御迷惑がかからないようにやつてもらいたいということを考えております。
○岡村文四郎君 これは先行き立消えになつてわからなくなると大事なことですから、第二條のこの法律において「「農産物」とは、」と書かれていて二十一條は適用できないのじやないか、こういう片柳さんのお話なんで、どうも提案者のほうでもはつきりしないお話がありましたが、実は北海道は七月に除虫菊が出ます。ぼやぼやすると間に合いません。これはどうなるのか、第二條のこの法律で「農産物」と書いてあるのは、どういう意味で二十一條が適用されるのか、はつきりしてもらわんと困ると思うのですがどうでしよう。
○衆議院議員(田中啓一君) これは二十一條は「農産物」とありまして、その「農産物」の定義を第二條にはつきり書いておりますので、どうも第二條に書いてないものを農産物だからといつて二十一條を適用するわけに行かないことは、これはどうも岡村さんのおつしやる通りで、私書きながら間違えておつたのであります。でありますから、今お急ぎになるやつは、農産物価格法によつてでも、北海道庁にやらすか、或いはこれには除虫菊の生産というのははつきりあるわけでありますが、それで若しもなければなお五月にも会期が続くのでありますし、恐らくは七月前後には臨時議会も開かれるかと思うのでありますが、そこで一つ修正をして頂くということにお願いできませんか。
   〔理事西山龜七君退席、委員長着席〕
○委員長(羽生三七君) それじや質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生三七君) それではこれより討論に入ります。
○岡村文四郎君 この法律は御提案になりましたが、甚だどうもお気の毒な言い分ですが、非常に不備な点が多いのでありまして、私どものほうではこれを今国会の再開後引続いた国会で修正してもらいませんと、第二條と二十一條が書いてありまするが、その二十一條は全く効力のない結果になるようでありまして、その点以外にも介在しておる部分があるようですから、必ず何らか早い機会にこれを改正するように條件を付けて本案に賛成をします。
○池田宇右衞門君 本案は提案者の説明の通り農産物の品質の向上を伴い、生産者、消費者を通じまして増産及び安定の方途に資するところの方法でありまして賛成するものでありますが、この際検査の上において、若し統制から除外された、いわゆる統制を外されたところの諸品目も、又近く麦の問題においてそういうことを想像されるときにおいて、農民が庭検査で検査の一日も早く行われてこれが市場に搬出する、いわゆる供出の可能性のある方法を講じなければ、検査の意味が徹底しないと思いまして、今後においてこれらの方法の実現するような、農民のあらゆる労力を省くような方法に持つて行くような方途を講ずること、と同時に検査員に対しては十分にその労力に対する報酬を支給してこれに応ずるような方途を講ずるという二つの点の希望條件を附して賛成するものでございます。
○片柳眞吉君 私も結論といたしましてこの法案に賛成いたします。ただ先ほど来御意見がありましたような農産物で、更に追加をすべきものが相当あると思います。これは成るべく早い機会に一つ改正をして頂きたいと條件をつけまして賛成です。
 もう一つは、只今池田さんから検査官の待遇の問題がありましたが、これも同感でありまするが、もう一つ私は検査官の訓練といいまするか、これを非常に私は本省において検査官の質の向上につきまして、特段の御配慮を願いたい、特にこれは国営検査でありまするが、やはり県によつて相当検査のやり方にアンバランスが出ておるところもあると思うので、これが同じ歩調で寛嚴の差なくできますように、一つ特段の御注意を頂きたいということを希望いたしまして賛成します。
○江田三郎君 先ほど来各委員の御発言の中にありますように、私たちもこの法案につきましては相当なお検討を要し、修正をしなければならんところがあるのでありまして、ただ国会が休会に入ろうとするというようなことで審議の制限があるような状態なのでありまして、その点当委員会の権威のためにも非常な不合理な、修正の必要を認めながら通さなければならんということは残念に思うのですが、これは今回の提案者だけに申すのではなしに、今後政府におきましても提案なさるときに突如として審議の時間的余裕がないときにいろいろなものを持込まれないようにして頂きたいということを一つ申上げまして賛成いたします。
○岩男仁藏君 私もこの法案が早く公布され、実施されることを待望しておつた一人でありますので無論賛成であります。ただ今数氏からいろいろ希望條件が出ておりまするが、全部賛成でありますが、そういう希望に対して同感でありますから、将来一日も早くそういうことが実現できるように要望いたしまして、賛成いたします。
○委員長(羽生三七君) 他に御発言がございませんか。
 御発言がなければこれにて討論は終局と認めて採決を行いたいと思います。農産物検査法案を原案通り可決することに賛成のかたの御起立を願います。
   〔総員起立〕
○委員長(羽生三七君) 総員起立でありますので、本案は原案通り可決せられました。
 諸般の手続は例によつて委員長に御一任を願います。
 なお多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
   岡村文四郎  加賀  操
   赤澤 與仁  西山 龜七
   瀧井治三郎  三橋八次郎
   片柳 眞吉  小林 孝平
   三輪 貞治  江田 三郎
   岩男 仁藏  飯島連次郎
  池田宇右衞門
○委員長(羽生三七君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     羽生 三七君
           西山 龜七君
           片柳 眞吉君
           岩男 仁藏君
           岡村文四郎君
   委員
          池田宇右衞門君
           白波瀬米吉君
           瀧井治三郎君
           平沼彌太郎君
           江田 三郎君
           小林 孝平君
           三橋八次郎君
           三輪 貞治君
           赤澤 與仁君
           飯島連次郎君
           加賀  操君
           溝口 三郎君
  衆議院議員
           河野 謙三君
           田中 啓一君
  政府委員
   農林政務次官  島村 軍次君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       安樂城敏男君
   常任委員会專門
   員       中田 吉雄君
  説明員
   農林省農政局植
   物防疫課長   堀  正侃君
   農 林 技 官
   (農政局植物防
   疫課勤務)   井上 菅次君
   食糧庁総務部長 清井  正君
   食糧庁総務部検
   査課長     白井  勇君
   農 林 技 官
   (食糧庁総務部
   検査課勤務)  紫桃 勝實君