第010回国会 農林委員会 第32号
昭和二十六年五月十五日(火曜日)
   午後一時三十五分開会
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  本日の会議に付した事件
○国有林野法案(片柳眞吉君外九名発
 議)
○地方自治法第百五十六条第四項の規
 定に基き、輸出食料品検査所の出張
 所の設置に関し承認を求めるの件
 (内閣提出)
○国有林野整備臨時措置法案(片柳眞
 吉君外九名発議)
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○委員長(羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。本日は昨日に引続きまして、国有林野法案並びに国有林野整備臨時措置法案について、法案の内容について主要な点の説明を求めたいと思います。
○片柳眞吉君 只今委員長の御発言の通り、昨日提案をいたしました国有林野法案及び国有林野整備臨時措置法案につきまして、その各条につきまして、概略の御説明をいたします。国有林野法から朗読いたしまして、それについて簡単に御説明をいたします。
   〔丸山説明員朗読〕
  (この法律の趣旨)
 第一条 国有林野の取得、維持、保存及び運用(以下「管理」という。並びに処分についての国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)の特例は、他の法律に特別の定がある場合を除く外、この法律の定めるところによる。
○片柳眞吉君 お手許に国有林野法関係参照法律及び条文がございまするから、それを御参考にされつつお聞取りを願いたいと存じます。
 第一条は、国有林野法が国有林野の取得、維持、保存及び運用並びに処分についての基本的な法規であることを示しておりますると共に、国有財産法の特例法であることを明らかにしたのであります。従いまして、この法律に規定のない事項については、国有財産法の規定が適用されるわけであります。なお、ここに「他の法律に特別の定がある場合」とありまするが、それは一例を申上げますれば、並行して御審議を願つておりまするところの国有林野整備臨時措置法等が通過しますれば、これが他の法律に特別の規定がある場合ということに該当するわけであります。以上が第一条であります。
   〔丸山説明員朗読〕
  (定義)
 第二条 この法律において「国有林野」とは、左に掲げるものをいう。
 一 国の所有に属する森林原野であつて、国において森林経営の用に供し、又は供するものと決定し、国有財産法第三条(国有財産の分類及び種類)第二項第四号の企業用財産となつているもの。
 二 国の所有に属する森林原野であつて、国民の福祉のための考慮に基き森林経営の用に供されなくなり、国有財産法第三条第三項の普通財産となつているもの(同法第四条(定義)第二項の所管換又は同条第三項の所属替をされたものを除く。)
○片柳眞吉君 これは現行法の国有林野法の第一条を改正いたしました規定でありまして、この法律の対象となりまする国有林野は農林省の林野庁所管の国有林野経営事業に属する国有林野であるということを明らかにした規定であります。現行法は単に「国の所有に属する森林原野」とありまして、国有林野経営事業に属しておりません、他省所管のものまで含むような感を与えまするし、又要存置林野と不要存置林野とを区別をしておりませんので、現行法の第八条によりますれば、要存置林野も売払えるような感じを与えるわけでありますが、売払いは飽くまで不要存置に限定するわけでありますので、さような関係から一号、二号というふうに書き分けたわけでありまして、実体的には従来とは変りがないわけであります。
   〔丸山説明員朗読〕
     第二章 境界の確定
  (境界確定の協議)
 第三条 営林局長は、国有林野の境界が明らかでないため国有林野の管理又は処分に支障があるときは、隣接地所有者に対し、立会場所、期日その他必要な事項を通知して、境界を確定するための協議を求めることができる。この場合において、通知を受けるべき者の所在が知れないときは、省令で定める手続に従い、当該通知の内容を公告して、これに代えることができる。
 2 前項の規定により協議を求められた隣接地所有者は、やむを得ない場合を除き、同項の通知に従い、その場所に立ち会つて境界の確定につき協議しなければならない。
 3 第一項の協議がととのつた場合には、営林局長及び隣接地所有者は、書面により、確定された境界を明らかにしなければならない。
 4 第一項の協議がととのわない場合には、境界を確定するためにいかなる行政上の処分も行われてはならない。
  (境界の決定)
 第四条 営林局長は、前条第一項の規定により協議を求めた隣接地所有者が立ち会わないため協議することができないときは、当該隣接地の所在する市町村の職員の立会を求めて境界を定めることができる。但し、当該隣接地所有者が正当な事由により立ち会うことができない場合において、その旨をあらかじめ営林局長に通知したときは、この限りでない。
 2 前項の規定により境界を定めた場合には、営林局長は、その定めた境界及びその理由を当該隣接地の知れた所有者その他の権利者に通知するとともにこれを公告しなければならない。
 第五条 隣接地の所有者その他の権利者は、前条第一項の規定により営林局長が定めた境界に異議がある場合には、同条第二項の公告のあつた日から起算して六十日以内に、理由を附して、営林局長に対し、その定めた境界に同意しない旨を通告することができる。
 第六条 前条の期間内に第四条第二項の通知を受けた隣接地所有者から前条の規定による通告がなかつた場合には、当該期間満了の時に、境界の確定に関し、その者の同意があつたものとみなす。但し、同条の期間内に当該隣接地のその他の権利者から同条の規定による通告があつたときは、この限りでない。
 2 前項の規定により同意があつたものとみなされる場合には、営林局長は、すみやかに、境界が確定した旨を当該隣接地所有者及び当該隣接地の知れたその他の権利者に通知するとともにこれを公告しなければならない。
 3 前条の期間内に同条の通告があつた場合には、第三条第四項の規定を準用する。
○片柳眞吉君 この三条から六条までの境界の確定の規定でありますが、昨日も申上げましたように、現行法では境界の確定に関する規定がないわけてありまして、その意味でこの規定を新たに設けたわけでございます。国有林野法の旧規定では一方的に境界の査定をするというふうな非常な独断的なものであつたわけでありまするが、今回は飽くまで関係当事者の協議によつて境界を確定するというふうに改めた次第でありまして、最終的な効果を発生するのは、第六条が最終的な効果を発生する規定でありまして、第三条から第五条までは第六条に行くまでの経過的な規定として設けたのであります。第三条は一項と二項は国有林野の境界がはつきりしませんで、これが確定をする必要がある場合には営林局長は立会の場所なり、期日等を隣接地の所有者に通知し、両者が立会の上に協議して境界を定めるという原則を規定したのであります。第二項の規定は協議を求められた隣接地所有者はやむを得ない場合を除いては協議に応じなければならんというふうになつておるのでありまして、これはやはり協議に応ずることは法律上の義務でもあります。併しそれに対しては別段の罰則はないのであります。やむを得ない場合と申しますのは、その場合を申上げますると、病気の場合でありまするとか、或いは交通不能で行けない場合でありまするとか、天災事変の場合所在が知れないため通知を受けなかつたものが第一項後段の公告を知らなかつた場合と、こういうような場合が考えられるわけであります。第三項の協議が調わなかつた場合には、書面によつて確定された境界を明らかにしなければならんという書面を作成すべき規定を設けたわけでありまするが、この書面の作成は効力の発生の要件ではなく、単なる事後整備に関するものでありまして、而も協議ができた場合の法律上の性格は飽くまで民法に基く契約によつて境界が確定したという趣旨になるのであります。第四項はこれは念のための規定で特例は要しないと思います。第四条は営林局長が今申上げました第三条第一項の規定により立会を求めましたに対して、隣接地所有者がこれに応じませんで、且つ立会えない理由を事前に通知することもない、要するに黙つて立会に応じない。この場合には営林局長は第三者ではありまするが、その隣接地の所在する市町村の職員の立会に上つて境界を定めることができ、その定めた境界を通知及び公告する旨を規定したのであります。営林局長が境界を定めることができるとありまするが、これによつて直ちに法的効果を発生するものではないものでありまして、あとで申上げまするように、第六条による効果発生の前提となる事実上の行為に過ぎないものであります。本条第一項の「正当な事由により立会うことができない場合」とありまするが、この正当な事由は先ほども申上げました第五条第三項の立会義務を免れる程度の事由でなければならんと考えておりまして、先ほど申上げました病気であるとか、或いは交通不能、天災事変或いは公告を知らなかつた場合等と大体同様に解釈をいたすものであります。それから第五条は、第四条第一項の規定により営林局長が定めた境界に隣接地所有者その他の権利者が、これは抵当権者その他の権利者でありますが、不同意である旨の通知ができる期間を六十日以内というふうに規定したのであります。不同意の通告があれば営林局長が境界を定めた行為は何らの法的効果を生じないのであります。それから最後の六条によつて最終決定をするわけでありまして、先ほど申上げましたように、五条までは六条に至るまあ経過的な規定でありまするが、その意味で隣接地所有者その他の権利者の何人からも前条の期間に不同意の通告がなかつた場合には、営林局長が定めました境界を公告した日から起算いたしまして六十日を経過したときに、隣接地所有者初め関係権利者がその境界に同意したものとみなされまして、ここに初めて境界は確定をするのであります。即ちこのときに境界の確定という事実行為に法の擬制が行われまして、国と隣接地所有者との間に協議が調い、境界が確定されたとなさるるわけであります。これは古い法の規定が行政処分であつたのとは全く異なりまして、私法上の行為によつて境界が確定したというふうに規定をいたしたわけであります。第三項は第三条第四項と同様に念のための規定であるのであります。
   〔丸山説明員朗読〕
    第三章 貸付、使用及び売払
  (国有林野の貸付、売払等)
 第七条 第二条第一号の国有林野は、左の各号の一に該当する場合には、貸し付け、又は貸付以外の方法により使用(収益を含む。以下同じ。)させることができる。
  一 公用、公共用又は公益事業の用に供するとき。
  二 土地収用法(明治三十三年法律第二十九号)その他の法令により他人の土地を使用することができる事業の用に供するとき。
  三 放牧又は採草に供するとき。
  四 貸し付け、又は使用させる面積が五町歩をこえないとき。
 第八条 第二条第二号の国有林野を売り払い、貸し付け、又は使用させようとする場合においし、左に掲げる者からその買受、借受又は使用の申請があつたときは、これを他に優先させなければならない。
  一 当該林野を公用、公共用又は公共事業の用に供する者
  二 当該林野を基本財産に充てる地方公共団体
  三 当該林野に特別の縁故がある者で省令で定めるもの
  四 当該林野をその所在する地方の農山漁村の産業の用に供する者
○片柳眞吉君 これは現行法とそう大した違いはありませんから、詳細な説明は省略をいたしまして、第七条は第二条第一号の国有林野でありまするから、要するに要存置林野の貸付或いは貸付以外の使用の場合の規定であります。それから第八条は第二条第二号の国有林野でありまするから、不要存置林野の売払い、貸付、又は使用する場合の優先順位を規定した条項でありまして、多少従来とは違つておりまするが、大体は旧規定と同様であります。
   〔丸山説明員朗読〕
     第四章 部分林
  (部分林の設定)
 第九条 農林大臣は、国有林野について、契約により、国以外の者に造林させ、その収益を国及び造林者が分収するものとすることができる。
   (部分林契約の内容)
 第十条 前条の契約(以下「部分林契約」という。)においては、左に掲げる事項を定めなければならない。
  一 部分林契約の目的たる国有林野(以下「部分林」という。)の所在及び面積
  二 当該契約の存続期間
  三 植栽(人工下種を含む。以下同じ。)すべき樹種及び本数
  四 植栽の期間及び方法
  五 手入の方法
  六 伐採の時期及び方法
  七 収益分収の割台
  八 その他必要な事項
  (部分木の特分等)
 第十一条 部分林につき、部分林契約に基き植栽した樹木(以下「部分木」という。)は、国と造林者との共有とし、その持分は、当該契約に定められた収益分収の割合によるものとする。
 2 根株は、国の所有とする。但し、契約をもつて特別の定をすることができる。
 3 部分林契約があつた後におい天然に生じた樹木であつて、部分木とともに生育させるものとして営林署長が指定したものは、部分木とみなす。
 4 民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百五十六条(共有物の分割請求)の規定は、部分木には、適用しない。
   (部分林契約の存続期間)
 第十二条 部分林契約の存続期間は、八十年をこえることができない。
  2 部分林契約は、更新することができる。
  (保護義務)
 第十三条 造林者は、部分林について、左に掲げる事項を行わなければならない。
  一 火災の予防及び消防
  二 盗伐、誤伐その他の加害行為の予防及び防止
  三 有害動物及び有害植物の駆除
  及びそのまん延の防止
  四 境界標その他の標識の保存
  (林産物の採取)
 第十四条 造林者は、左に掲げる部分林の林産物を採取することができる。
  一 下草、落葉及び落枝
  二 木の実及びきのこ類
  三 部分林契約のあつた後において天然に生じた樹木(第十一条第三項の規定により営林署長が指定したものを除く。)
  四 植栽後二十年以内において手入のため伐採する部分木
  (権利処分等の制限)
 第十五条 造林者は、その権利を担保に供し、又は処分することができない。但し、営林局長の許可を受けた場合は、この限りでない。
 第十六条 造林者は、部分林契約の目的以外の目的に部分林を使用してはならない。但し、部分林契約の目的を妨げないと認めて営林局長が許可した場合は、この限りでない。
  (部分林契約の解除)
 第十七条 農林大臣は、左の各号の一に該当する場合には、部分林契約を解除することができる。但し、造林者の責に帰することができない場合は、この限りでない。
  一 当該契約に定められた植栽期間の始期から一年を経過しても造林者が植栽に落手しないとき。
  二 当該契約に定められた植栽期間が満了しても造林者が植栽を完了していないとき。
  三 植栽を終つた後五年を経過しても成林の見込がないとき。
  四 造林者が当該契約に定められた植栽 手入は伐採の方法に従わなかつたとき。
  五 造林者が第十三条に掲げる事項の実施を怠つたとき。
  六 造林者が前条の規定に違反したとき。
  七 造林者がその部分林につき罪を犯したとき。
 2 前項の規定により部分林契約を解除した場合には、植栽を終つた樹木は、国の所有に帰する。
 3 農林大臣は、国又は公共団体において部分林を公用、公共用又は国の企業若しくは公益事業の用に供する必要を生じたときは、部分林契約を解除することができる。
 4 農林大臣は、第一項又は前項の規定により部分林契約を解除しようとするときは、造林者に対し、あらかじめ、理由を附して、その旨を通知し、造林者又はその代理人が公開の聴聞において意見を述べ、且つ、有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
 5 第三項の規定により部分林契約を解除した場合には、国有財産法第二十四条第二項及び第二十五条(契約解除の場合の損失補償)の規定を準用する。この場合において、同法第二十四条第二項中「借受人」とあるのは「造林者」と読み替えるものとする。
○片柳眞吉君 第四章の部分林の規定は大体現行法令と同様であります。現行の国有林野法なり、それからこの参照法律の十二頁に国有林野部分林規則がございまするが、この法律なり、勅令で規定しておつた事項を今度は大体法律規定にいたしたわけでありまして、内容は殆んど変りがないのであります。多少従来の実施の経過に徴しまして、改正した点がありまするが、それは例えば第十五条の但書等がさようでありまして、従来ではこの規定がなかつたわけでありまするが、営林局長の許可を受けた場合にはできるというふうにいたした点が多少違つておりまするが、ただ大体今申上げました国有林野法或いは部分林規則と同様であります。
   〔丸山説明員朗読〕
    第五章 共用林野
  (共用林野の設定)
 第十八条 農林大臣は、国有林野の経営と当該国有林野の所在する地方の市町村の住民の利用とを調整することが土地利用の高度化を図るため必要であると認めるときは、契約に上り、当該市町村の住民又は当該市町村内の一定の区域に住所を有する者に対し、これらの者が当該国有林野を左に掲げる用途に共同して使用する権利を取得させることができる。
  一 自家用薪炭の原料に用いる枝又は落枝の採取
  二 自家用の肥料若しくは飼料又はこれらの原料に用いる落葉又は草の採取
  三 自家用薪炭の原木の採取
  四 省令で定める林産物の採取
  五 耕作に附随して飼養する家畜の放牧
 2 前項第三号の規定による権利を取得させる場合は、旧来の慣行その他特別の事由があるときに限る。
 3 第一項の規定により国有林野を使用する権利を取得させることを内容とする契約(以下「共用林野契約」という。)の相手方は、当該契約に基いて当該国有林野を使用することができる者(以下「共用者」という。)の住所地の属する市町村とする。但し、市町村内の一定の区域に住所を有する者を共用者とする場合には、共用者の全員を相手方とすることを妨げない。
  (共用林野契約の内容)
 第十九条 共用林野契約においては、左に掲げる事項を定めなければならない。
  一 共用林野契約の目的たる国有林野(以下「共用林野」という。)の所在及び面積
  二 当該契約の存続期間
  三 採取することができる林産物の種類、数量及び採取方法又は放牧することができる家畜の種類及び頭数
  四 使用の対価(使用の対価を徴しないときは、その旨)
  五 市町村内の一定の区域に住所を有する者を共用者とする場合には、その区域及び共用者としての要件
  六 その他必要な事項
  (共用林野契約の存続期間)
 第二十条 共用林野契約の存続期間は、五年をこえることができない。
 2 共用林野契約は、更新することができる
  (使用の対価の免除)
 第二十一条 共用林野契約において、使用の対価を徴しない旨の定をすることができるのは、当該契約に共用者が当該林野について第
十三条に掲げる事項を行うべき旨の定がある場合に限る。
  (共用者の地位の得喪)
 第二十二条 市町村内の一定の区域に住所を有する者を共用者とする共用林野契約においては、共用者が当該区域に住所を有しなくなり、その他当該契約に定める共用者としての要件を欠くに至つたときは、その者は、共用者としての地位を失う。
 2 前項の契約においては、共用者以外の者で当該区域内に住所を有し、且つ、当該契約に定める共用者としての要件を備えるものは、省令の定めるところにより当該契約に加入することを当該共用林野を管轄する営林署長及び共用者の代表者に通知することによつて、共用者としての地位を取得する。
  (公用林野契約の解除等)
 第二十三条 農林大臣は、共用者が左の各号の一に該当する場合には、共用林野契約を解除し、又はその者の使用を制限上、若しくは禁止することができる。
  一 その共用林野を当該契約で定められた用途以外の用途に使用したとき。
  二 その共用林野につき罪を犯したとき。
  三 当該契約に共用者が第十三条に掲げる事項を行うべき旨の定がある場合において、正当な事由がないのに、その実施を怠つたとき。
 2 前項の規定により共用林野契約
  を解除し、又は使用を制限し、若しくは禁止しようとする場合には、第十七条第四項の規定を準用する。この場合において、「造林者に対し」とあるのは「共用林野契約の相手方又は共用者に対し」と、「造林者又はその代理人」とあるのは「共用林野契約の相手方若しくは共用者又はその代理人」と読み替えるものとする。
  (共用者等の賠償責任)
 第二十四条 共用者が共用林野に損害を与えたときは、市町村との共用林野契約である場合には当該市町村及び共用者が、その他の場合には共用者が連帯してその損害を賠償しなければならない。
○片柳眞吉君 第五章はこれは委託林制度に代る新らしい制度でありまして、従来の委託林制度は国有林と民有林との区分の際に国有に編入されました林野の上に、地元の住民が入会的にいろいろな収益権を持つておつたというような地帯につきまして入会権を正式に、認める代りに、一定の保護義務を課しまして、その使用収益を認めておつたのは従来の委託林制度でありまするが、この制度によりますると旧慣に基く関係から、古くからその地元に住居する人だけに独占される弊害が出ておりまするし、又使用収益を認めることにも飽くまで消極的でありまして、而も国が地元に対して恩恵的に権利を認めるというような非常に古い考えであつたのであります。そこで最近の制度といたしましては、民有林野につきましては、御承知のような農業用林野の制度ができておりまして、大体この制度に準じまして、国有林野につきましても、地元民のために積極的に使用収益の権利を与えることが適当であるという趣旨から今回の規定をいたしたのであります。共用林野の構想が従来の委託林制度なり或いは普通の国有林野の貸付と違いまする点は、第一には一個の契約によつて種々の使用収益権を多数人に与えておることと、それから第二は一定要件の得喪によりまして使用收益する権能の得喪を生ずる性質のものであること、それから第三には原則として有償でありまするから、国有林野経営との調整の下に積極的に地元民の利用に共する意図があるということが従来の委託林制度なり或いは貸付と異なる点であります。各条を簡単に御説明いたしますると、十八条は共用林野の使用収益の権利の内容を規定したものでありまするが、先ほど申上げましたように、使用の用途は大体農地調整法の規定しておりまする農業用林野の場合と大体同様であります。第二項で旧来の慣行その他特別な事由があるときに限つて自家用薪炭の原木の採取を認めることになつておりますが、これは旧来の慣行にプラスその他特別の事由がある場合に拡張いたしたわけでありますが、この特別の事由と申しまするのは、例えば開拓地における入植者などには旧来の慣行がなくても、かような制度を認める必要があるという点から旧来の慣行だけには限定はしなかつたのであります。第三項におきましては、勿論これは契約によつて共用林野の制度ができるわけでありまするが、原則的には市町村を相手とする、例外の場合には部落の各共用者全員を相手とするというふうに、契約の当事者は原則的には市町村であり、従たる場合には共用者全員を契約の相手方とするということにいたしたのでありまして、市町村を契約の当事者として原則的にいたしましたのは、市町村の住民がその実情に即しまして、町村で自主的に利用を調整させるほうが実態に合うという趣旨から、誰にこの使用収益権を認めるかは、むしろ町村内の実情に任したほうが適当である趣旨から市町村とすることを原則にいたしたのであります。第十九条は共用林野契約に規定すべき事項を掲げたのでありまして、これは特段の説明を要しないところであります。それから第二十条の存続期間も大体現在の普通委託林の場合と同様でありまして、これも五年をこえることができない旧制度と同様であります。それから二十一条は、今回の共用林野は先ほど申上げましたように原則としては有償契約になつたわけでありますが、併し旧来の慣行等で無償にする場合の必要もありますので、二十一条の規定を設けたのでありまして、その場合には一応使用の対価は払いませんけれども、それに加えまして、実際上の国有林野を保護するような義務を考えておるのでありまして、十三条に掲げてありますような一定の地元民としての保護義務を負う場合に対価を払わないことにいたしたのであります。それから二十二条は、これは市町村を契約の相手としませんので、部落の共用者全員を相手とした場合におきましては、その共用者が当該区域に住所をなくしたり、その他契約がきめておりまする共用者としての要件を欠いたときには自動的にその資格を失う、こういうふうに要するに要件を欠いた場合には当然その地位を失う規定を書いたのでありまして、それに対しまして、第二項の場合には新らしくこの契約に該当する要件を取得した場合においては、これは営林署長と代表者に通知があつた場合に初めて地位を取得する、これは自動的ではないのでありまして、その契約される共用林野を管轄する営林署長なら営林署長と共用者の代表者に加入することを通知することによつて初めて地位を取得する、こういうふうにいたしたのでありまして、これはやはりこの共用者となりますれば、或いは有償契約が原則でありますから、一定の負担をしなければなりませんし、或いは無償の場合におきましても、一定の保護義務を生ずる関係から、一方的にその地位を取得することが適当でないという点から、通知することによつて初めて地位を取得するということにいたしたのであります。町村が契約の当事者の場合においては、それは町村内部の問題でありますから、あえてここには規定をいたさなかつた次第であります。二十三条、二十四条は特段の説明は要しないと思います。
   〔丸山説明員朗読〕
    附 則
 1 この法律は、公布の日から施行する。
 2 国有林野法(明治三十二年法律第八十五号)は、廃止する。
 3 この法律の施行の際現に貸し付け、又は使用させている国有林野については、その契約期間中は、なお従前の例による。
 4 この法律の施行の際現に存する部分林については、その契約期間中は、なお従前の例による。
 5 この法律の施行の際現に保護を委託している国有林野については、その委託期間中は、なお従前の例による。
 6 国有林野事業特別会計法(昭和二十二年法律第三十八号)の一部を次のように改正する。
  第一条第二項中「第一条」を「第二条」に改め、「及び北海道における国有林」を削る。
○片柳眞吉君 これについては、何も申上げることはございません。
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○委員長(羽生三七君) それでは途中でありますが、日程の都合上、本日提案になりました地方自治法第百五十六条第四項の規定に基き、輸出食料品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件につきまして、政務次官から提案理由の説明を求めます。
○政府委員(島村軍次君) 只今上程になりました輸出食料品検査所出張所設置承認につきまして、提案の理由を御説明申上げます。
 輸出品の声価の向上及び品質の改善を図り、輸出貿易の健全な発達を期するため、昭和二十四年三月から輸出品取締法に基いて、輸出品の検査を実施して参つたのであります。食料品につきましては、その実施機関として、輸出食料品検査所を東京に置き、小樽、横浜、静岡、神戸及び門司の五カ所にその支所又は出張所を設置しているのでありますが、最近における我が国輸出品に対する海外の批判に鑑みますと、輸出品の検査を一層強化する必要があるのであります。そのために、今国会におきまして、輸出品取締法の一部が改正され、四月一日から施行されることになつたのでありますが、これと同時に検査機関を整備いたしまして、その実施に遺憾のないようにいたしたいと存じております。
 食料品の輸出数量は年々増加し、特に長崎地方において生産される罐詰及び乾製水産物等が今後英国、アフリカ及び南方諸地域に相当多量に輸出される見込であります。現在同地方には食料品検査所が設置されておりませんので、必要があるときは、門司支所から出張して検査しているのでありますが、検査業務を円滑にするため長崎に出張所を設置したいと存ずるのであります。
 以上が出張所設置に関する提案の理由であります。何とぞ慎重御審議の上速かに御承認あらんことをお願いいたします。
○委員長(羽生三七君) 本件につきましては、御承知のように非常に簡単な案件でありますので、この際続いて質疑を行なつて、本日直ちに採決を行いたいと思いますので、引続き御質疑のあるかたはこの際御発言をお願いいたします。それでは田下検査課長から補足的な説明を求めることにいたします。
○説明員(田下武弘君) それでは検査課長の田下でございますが、簡単に御説明いたします。今提案理由の説明にありましたように、今までのところは門司に検査所がございまして、長崎の検査は門司から出張して検査しておつたのであります。昭和二十五年度におきまして、長崎で大体検査いたしました件数を申しますと、これはあそこは御存じでございましようが、「いわし」のトマト漬、これが一番大きな品物で、それが大部分でございます。それで検査の件数で約四百三十、それから罐詰の箱数にしまして二十四万箱くらいのものを検査しております。そのために、今申しましたように、二十五年度におきましては、門司から長崎に出張して検査をしておつたのであります。で、数量は相当多うございますし、長崎に是非出張所を作つて、生産者のかたがたにも成るべく御迷惑をかけないように、又国としても無駄な出張旅費というような経費をかけないで済むように、こう考えまして、今回長崎に出張所を置きたい、かように存じたのであります。なお昨年長崎港から輸出されました「いわし」の罐詰は、約十万箱でございます。一昨年はその半分の五万箱でございます。それから本年は更に殖えまして、長崎の港から相当多量に輸出される見込でおります。なお長崎港から一昨年及び昨年輸出されました数量は、長崎港から直接積んだ数量が今申しました五万箱及び十万箱でありまして、長崎地方で生産される「いわし」の罐詰は、それの倍或いはそれ以上あると思います。これは長崎港にまだ外国船が十分寄港してくれないために、半分程度は神戸から輸出しておるのであります。で、今後長崎における罐詰類の生産も殖えましようし、従つて外国船も又向うに寄るものが多くなるということになりますと、従来神戸あたりから積んでおりましたものも、今後は長崎から直接積むようになるのではないかと考えております。なおこれは全く補足的でありますが、長崎県知事或いは長崎市長、勿論罐詰関係のかたがたからは、大分前から出張所を作つてくれるようにという御要望がございましたのですが、幸いこの二十六年度の予算で大蔵省にも出張所設置の経費を認めてもらいましたので、今回設置いたしたいと、かように存じたわけであります。皆様にお配りしてあるかと思いますが、長崎の出張所の定員は二十六年度大体十一人、それの経費は約三百万円、こういう予定でおります。
○委員長(羽生三七君) この際何か質疑がございましたら……。
○西山龜七君 従来門司から長崎へ出張しておつたということでありますと、長崎に出張所ができますと、門司の人件費その他はどういうことになりますか。
○説明員(田下武弘君) お答えいたします。長崎の出張所は、従来門司におつた人、或いは今提案理由の御説明にもありましたように、小樽、それから横浜、神戸というようなところに罐詰の検査をする人を現在配置しております。お話のように、門司から大部分は長崎のほうに人を廻すということになります。ただ予算全体から申しますと、特に罐詰などはここ数年輸出数量は年々非常に増加して来ております。そういう関係で、検査所全体の人員から申しますと、二十六年度は増員して頂いておるわけであります。
○委員長(羽生三七君) 他に御発言ございませんか。
○宮本邦彦君 これは現在手数料はどうなつておりますか。
○説明員(田下武弘君) 輸出検査のほうは手数料は一切とつておりません。
○宮本邦彦君 これは世界的にそうですか。
○説明員(田下武弘君) 世界的にと言われますと……。
○宮本邦彦君 外国では何か協会みたいなものを作つて、そこで以て自主的に輸出業者からとるということをちよつと聞いたのですが……。
○説明員(田下武弘君) その点では、こういうことになつております。現在農林省でやつております輸出品の検査は、何と申しますか、従来の検査という考え方ではございませんので、臨検検査と我々は称しておりますけれども、検察的な検査でございます。そうして各自が、これが一等品であるとか、二等品であるとかいうような等級の区別をして、そうしてそのラベルを貼るのは生産者みずからがやる、或いは輸出業者がやる、そのラベリングと内容が違つておるか違つていないかを国の検査員が見る。お巡りさんが行つて見るような検査の建前であります。従つてそういう検査でございますから、現在のところは手数料はとつておりません。その代り民間の検査協会のようなものがございまして、そこが製品について、これは一等品である、これは二等品であるというような格付をしてラベリングをするという場合においては、これは手数料をとつております。併し国は、今申しましたように、臨検検査というような検察的な検査をやつておりますものは、これは手数料はとつておりません。
○宮本邦彦君 今後はこういつたものも自主的に業者がやるのが本当の貿易のあり方ではないかと思うのでありますが、どうお考えになりますか。
○説明員(田下武弘君) これは考えははつきりまとまつておりませんが、いろいろの御意見がありますようで、我々のところではまとまつておりません。一つの考え方は、お話のように業者が自分たちでやつたほうがよいのではないかという考え方がございますが、もう一つは逆に、輸出検査に関する限りは全部国で強制検査をやつてもらいたい、こういう御意見も相当強く出ております。と申しますのは、結局まあ大メーカーと申しますか、良心的なメーカーは非常によいものを作り、間違いのないラベリングをしておるけれども、最近の余り大きくない弱小のところになりますと、どんなものを出すかわからない。そういうものが行くと、折角責任を持つて製造しておられるかたがたが、日本品は悪いと一口に言われてしまう危険が非常に多い。そういう意味では全面的に検査をして頂きたい、こういう要望も相当強く出ております。滝井さんからも、この前そういうお話があつたと思います。
○委員長(羽生三七君) ほかに御質疑もなければ、質疑を終了して討論を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生三七君) それでは討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。別段御発言もないようでありますから、討論を終局いたしまして、採決を行います。
 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基き、輸出食糧品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。本件について承認を與えることに賛成のかたの御起立を願います。
   〔総員起立〕
○委員長(羽生三七君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り承認することに決定いたしました。なお諸般の手続は例によつて委員長に御一任をお願いいたします。なお多数意見者の御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
   片柳 眞吉   岡村文四郎
   江田 三郎   三浦 辰雄
   三橋八次郎   溝口 三郎
   西山 龜七   加賀  操
   平沼彌太郎   瀧井治三郎
   宮本 邦彦   門田 定藏
   小林 孝平
  ―――――――――――――
○委員長(羽生三七君) それでは引続きまして、国有林野整備臨時措置法案の内容の説明を求めます。
   〔委員長退席、理事西山龜七君委員長席に着く〕
○片柳眞吉君 昨日提案をいたしました国有林野整備臨時措置法案の逐条につきまして、御説明をいたします。
 先ずこの法案の全体を朗読をしてもらいまして、それから御説明をいたします。
   〔丸山説明員朗読〕
   (国有林野の警備)
 第一条 農林大臣は、左に掲げる国有林野(国有林野法(昭和二十六年法律第  号)第二条に規定する国有林野をいう。以下同じ。)で国が経営することを必要としないものを当該国有林野を適正に経営することができると認められる地方公共団体その他の者に売り払い、又はその者の民有林野(地方公共団体の所有するものを含む。以下同じ。)と交換することができる。
  一 孤立した小団地の国有林野
  二 搬出系統の関係により現に孤立した施業を行つている小面積の国有林野
  三 民有林野との境界が入り組んでいるため経営に支障がある国有林野
  四 国有林野でその所在する地方の住民に対しその自家用に供する薪炭の原木を供給する慣行があつたため、現に特別な施業を行つているもの
 2 前項第一号、第二号及び第四号の国有林野につき、売払又は交換の請求が二以上の者からなされた場合における売払又は交換の優先順位は、左の順序による。
  一 当該国有林野の所在する市町村
  二 当該国有林野の所在する都道府県
  三 その他の者
 3 第一項の交換については、国君財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二十七条第一項但書(交換の制限)の規定にかかわらず、価額の差額が、その高価なものの価額の二分の一をこえないときは交換することができる。
   (売払及び交換の制限)
 第二条 国土の保安上必要な国有林野及び国有林野の経営上必要な林道、貯木場その他の施設は、前条第一項の規定により売り払い、又は交換することはできない。
   (延納の特約)
 第三条 農林大臣は、第一条第一項の規定により国有林野を売り払う場合に、当該国有林野を買い受る市町村又は都道府県がその代金を一時に支払うことが困難であると認めるときは、国有財産法第三十一条第一項但書(延納の特約)の規定にかかわらず、確実な担保を徴し、利息を附し、十年以内の延納の特約をすることができる。この場合には、同条第二項及び第三項(延納についての協議及び解除)の規定を準用する。
   (収入の使途)
 第四条 第一条第一項の売払又は交換による収入金は、左に掲げる使途に充てるものとする。
  一 第一条第一項の交換の差金又は同項の売払若しくは交換に要する経費
  二 国有林野に隣接し、これとあわせて経営することを相当とする民有林野を買い入れる場合の買入代金及び買入に要する経費
  三 国土保安上重要な民有林野で国有林野とあわせて経営することを相当とするものの買入代金及び買入に要する経費
  四 国有林野経営上必要な施設に要する経費
   (国有林野法等の適用)
  第五条 第一条第一項に掲げる国有林野の売払又は交換については、この法律に規定するものの外、国有林野法及び国有財産法の定めるところによる。
    附 則
 1 この法律は、公布の日から施行する。
 2 この法律は、公布の日から起算して三年を経過した時にその効力を失う。但し、その時までに第一条第一項の規定によつてした売払又は交換については、第三条及び第四条の規定は、その時以後もなおその効力を有する。
○片柳眞吉君 各条につきまして御説明を申します。第一条がこの法案の中心規定でありまして、これによつて売払い或いは交換をすべき国有林野が決定されるわけでありまするから、少しく詳細に御説明をいたしたいと存じます。
 第一条の第一項では、この臨時措置によりまして処分のできまする国有林野の範囲を規定したわけであります。即ち
   〔理事西山龜七君退席、委員長着席〕
 第一項各号に該当する国有林野で、且つ国が経営することを必要としないものだけが売払い、又は交換の対象になるのであります。そこで国が経営することを必要としないもの、反対に国が経営することを必要とするというのはどういうことかと申上げますると、国有林野経営の目的でありまするところの国土の保安、森林資源の維持培養、林産物の供給確保等の観点から見て、国みずからが経営するを要するものこれが先ず国が経営することを必要とする場合であります更にもう一つの観点といたしましては、現在の国有林野として保持すべきものの経営経理の方法でありまするところの国有林野特別会計の独立採算制の建前から見て参りまして、国が経営することを必要とするというこの二つの場合を総合いたしましまして、国が必要とする場合と必要としない場合とを決定をするわけであります。而も昨日も申上げましたように、これはルーズにやりますれば、国有林野の将来の体系にも重大な影響を持つものでありまするから、飽くまでこの考え方は厳格に解釈をして行きたいと思つておるのでありまして、而も根本的な林野整備の方針は、これは中央森林審議会ができますれば、この審議会等で根本的な方針を審議して頂きたいのでありまして、この場合は飽くまでその間の臨時的な措置であるわけでありますから、そういう点からもできるだけこれは厳密に運用をして行くべきであると考えておるのであります。従いまして、この臨時整備の段階におきましては、さつき申上げましたような特別会計の独立採算制の見地が非常に強行されておりまするので、処分されるものの全体を総合して見た場合に、少くとも現在の国有林野の収益性を低下させるような整備は、これはなされないということになると思うのであります。
 第一条の第一号は孤立した小田地の国有林野でありまして、これは要するに飛地となつている小面積の国有林野でありまして、これが或いは採算の件から見て参りましても、或いは先ほど申上げましたような国土の保全、或いは森林資源の維持培養、或いは林産物の供給確保等の観点から見て参りまして、これを必要としない場合に初めてこの小面積の国有林野を売払い又は交換をするのであります。
 第二号は、飛地とはなつておりませんけれども、山の裏側の斜面等にある小面積の部分が流域関係等の事情から搬出系統を異にいたしておりますために、主面積の部分と一括して施業ができませんで、施業上では第一号の飛地の小団地と同様の性質を持つ国有林野である所であります。それから第三号の民有林野との境界が錯綜して経営に支障がある林野でありまして、民有林野との境界が錯綜して合理的に経営ができない部分の国有林野であるのであります。
 それから第四号は、普通委託林制度、或いは慣行特売等の行われておりまする国有林野が大体これに当るのでありまして、地元住民の自家用薪炭原木の給源であつた慣行を尊重いたしまして、現に特別な施業、即ち薪炭林施業を行なつている国有林野が第四号に該当するものであります。ただ第四号の場合におきましても、将来地元利用のための制約を脱しまして、本格的な用材林施業に切替えられる見込みのものでありまするとか、或いはその林野を処分したため、国に残した林野の境界の錯綜すること等により、他の民有林野の経営に支障を来たすような場合には、第四号の場合でも処分ができないということになると思うのであります。第一号、第二号及び第四号の国有林野は売払いの対象となりも交換は殆んど考えられないのでありまするが、第三号の民有林野と境界が錯綜しておる場合につきましては、これはむしろ交換の場合が非常に多いのではないかというふうに推定をされるわけであります。なおこの売払いでありまするとか、交換の相手方は、第一項に書いてありまするように、「当該国有林野を適正に経営することができると認められる地方公共団体その他の者」でありまするので、処分をいたしましたのちに、その林野が荒廃するのを防ぐために経営計画を立てまして、保続生産をして行く意思と能力のあるものに大体はなるのでありまして、誰でも彼でも構わずこれを処分するわけには行かないのであります。なおこれは当然のことでありまするが、今言つたような線に沿いまして、売払い又は交換ができる国有林野でありましても、これを処分するかどうかは農林大臣が諸般の事情を検討いたし、利害得失を考慮した上の自由な裁量によつて決定するのでありまして、相手方に処分の請求権があるものでないことは、これは申すまでもないのであります。それから第二項は第一号、第二号及び第四号を売払い又は交換する場合の優先順位をきめたのでありまして、地元公共団体の基本財産としての用途乃至はその住民の利害を優先的に考えまして、かような一、二、三のランキングを付けた次第であります。第三号のその他のものとしてはいろいろあると思いまするが、主として当該国有林野の所在する市町村に隣接する市町村、これは所在する市町村ではなくして、その隣接する市町村でありまするとか、或いは学校法人等を大体は考え得ると思うのであります。それから第一項第三号の国有林野はその整備の性質上、隣接地所有者との間で処分することが妥当である場合が多くありますので、この第三号の場合には、この優先順位の規定は適用いたさないことは当然であります。それから第三項は、この臨時措置を円滑に実施せしめる趣旨で、現在の国有財産法では交換の場合には価額の差額が高価なものの価額の四分の一以内に制限しておるのを、これをこの整備を円滑にするために二分の一に緩和いたしたのであります。要するに国有財産法では差額が四分の一以内に制限しておりまするのを、二分の一以内ということに緩和をいたしたのであります。
 第二条は、これはもう当然なことをただ書いたわけでありまして、林道であるとか、貯木場その他の施設は、これはもう売払いも交換もできない。これはもう当然なことをただ書いたわけでありまするが、ただこの条項の結果、第二条に該当する以外のものはすべて処分ができるかというような半面解釈を生む誤解もあると思いまするが、これはそうではないのでありまして、先ほど第一条で申上げましたような、全体を総合して売払うべきか否かは決定されるわけであります。これはただ念のための当然なことを書いたに過ぎないのであります。
 それから第三条又は延納の特約の例外規定であります。これも国有財産法が延納の特約を五年以内にしておりまするが、これが地方財政の情況なり或いは林野の収益性から見て参りまして、これを十年に延長した特例を認めたのであります。延納を公共団体に限りましたのは、これを誰でも認めますることは、或いは代金の回収上危険があるという趣旨から公共団体だけに限定をいたしたわけであります。なおこの「利息を附し」とありまするが、この利息もやはり国有財産法の施行規則によつて一定の利息の制限が付くことになるのであります。
 それから第四条は、この売払い、交換によつて得た収入金の使途を限定したのでありまして、これは訓示的な規定かも知れませんが、この売払い、或いは交換によつて得る収入は、直接この整備に必要であるか、又は資産化する経費に充当するのが適当であるという考え方で、要するにこれを消耗品的なものにどんどん使つてはならん。むしろこの売払い制限に必要な直接の経費か、或いは国有林野の経営上必要な経費等に限定をいたしたのであります。
 第五条はこれは特段の規定は要しないのであります。それから附則では、この法律案の文面には臨時という字句が使つてありまするが、その趣旨が第二項の公布の日から起算して三年を経過すれば、この法律は効力を失うわけでありまして、その趣旨でここに三年の期限というものを付けてあるのであります。以上御説明をいたします。
○委員長(羽生三七君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
○委員長(羽生三七君) 速記を始めて……。それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後二時五十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     羽生 三七君
   理事
           西山 龜七君
           片柳 眞吉君
           岩男 仁藏君
           岡村文四郎君
   委員
           瀧井治三郎君
           平沼彌太郎君
           宮本 邦彦君
           江田 三郎君
           門田 定藏君
           小林 孝平君
           三橋八次郎君
           加賀  操君
           溝口 三郎君
           三浦 辰雄君
  政府委員
   農林政務次官  島村 軍次君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
   常任委員会専門
   員       安楽城敏雄君
  説明員
   農林事務官
   (農林大臣官房
   検査課長)   田下 武弘君
   農林事務官
   (林野庁林政部
   林政課勤務)  丸山 幸一君