第010回国会 労働委員会 第11号
昭和二十六年三月二十二日(木曜日)
   午前十一時一分開会
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  本日の会議に付した事件
○労働者災害補償保険法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○失業対策事業費国庫補助増額に関す
 る請願(第五六二号)
○失業対策事業予算単価に関する請願
 (第一〇二九号)
○失業対策事業費国庫補助増額に関す
 る陳情(第八八号)
○失業対策事業の財源措置に関する陳
 情(第二〇五号)
○失業保険法第十五条改正に関する請
 願(第二二六号)
○女子日雇労務者救済に関する陳情
 (第一三四号)
○日雇労務者の賃金ベース引上げ等に
 関する請願(第二九二号)
○地方公営企業労働関係法要綱案中一
 部修正に関する請願(第八四七号)
 (第二九八号)
○職業安定所指定看護婦寮看護婦の職
 業安定に関する請願(第一〇〇号)
 (第七四五号)
○労務用物資対策強化に関する請願
 (第一二〇二号)
○労務用物資に関する陳情(第二三七
 号)
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○委員長(赤松常子君) 大変お待たせいたしました。これより労働委員会を開会いたします。
 先ず労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案を議題といたしますが、本法案は去る十七日、衆議院より参議院に送付せられ、即日本委員会に付託せられております。法案に対する質疑に関しましては、すでに前回を以ちまして一応終局いたしたような形にはなつておりますが、なお御質疑があるかたは、政府委員も出席されておりますので、御発言をお願いいたします。別に御発言ございませんか。それではこれにて質疑は終局いたしたものといたし、討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤松常子君) 御異議ないようでございますから、これより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べ願いたいと存じます。……御意見ございませんか。御発言なければ、討論はこれにて終局いたしたものと認めて、直ちに採決に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤松常子君) 御異議ないようでございますから、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案について採決を行います。本法案を衆議院送付原案通り可決することに御賛成のかたは挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
○委員長(赤松常子君) 全会一致と認めます。よつて本法案は、衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者の承認を得なければならないことになつておりますが、これは委員長において、本委員会における質疑応答並びに討論の要旨、表決の結果を適宜報告することとして御承認願うことに御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤松常子君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の署名を願うことになつておりますから、本法案を可とされるかたは、順次御署名を願います。
  多数意見者署名
     片岡 文重  原  虎一
     田村 文吉  一松 政二
     堀木 鎌三  早川 愼一
     宮田  重文
○委員長(赤松常子君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れないものと認めます。
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○委員長(赤松常子君) では次に請願及び陳情の審議に移りたいと存じます。それでは前回お手許に配付しております陳情、請願一覧表の第五百六十二号、失業対策事業費国庫補助増額に関する請願、その次、一千二十九号、失業対策事業予算単価に関する請願、第八十八号、失業対策事業費国庫補助増額に関する陳情、第二百五号、失業対策事業の財源措置に関する陳情、では以上四つの請願並びに陳情を専門員より一応説明、御紹介いたします。
○専門員(磯部巖君) 最初に第五百六十二号の請願でございますが、これは失業対策事業に国庫補助金を増額してくれという請願でございますが、終戦以来急激に増加いたしました工場の離職者、復員者、海外引揚者等は一時農村に包容されまして、暫定的には小康を保つておりましたが、一昨年以来の経済九原則の実施と、ドツジ勧告による健全財政とは、農村に潜在化していた人々を失業者として顕在化し、それに加えて行政整理、企業整備等による解雇者が失業者群に投入せられました結果、これら失業者による組合が結成されて、団体による求職闘争の目標は、地方自治体当局に向けられ、ために地方行政機能が阻害される結果も生じ、地方民生安定上に深刻な社会問題としての悩みの種となつておる。この失業情勢に対処して、緊急失業対策法が制定されて以来、都市地区における失業状況に応じて、失業対策事業が実施されて、失業者に暫定的ではありまするが、明るい希望を与えておりますが、この事業に対する国庫補助は、労力費と事業費の三分の二でありますために、地方自治体負担金は、全事業費の五割乃至六割を占め、且つこの事業の特質として労力費が毎日現金払であるために費用の捻出に苦心しておりまして、一般土木費も殆んどこの方面に費消されるので、地方自治体としては一般土木行政が当然犠牲になつておる現状であります。でありますから失業者の救済は一日も等閑に付し得ないものであり、又地方自治体当局としても民生安定上放置し得ない問題でありますので、この際失業対策事業の国庫補助率を失業対策事業工事設計書に基く資材費を含む全事業費の八割補助をしてもらいたいという要望でございまして、これは九州各県の議会議長会の決議によつて請願するというので、この五百六十二号体熊本県会議長から出ておりますのですが、これと同文で陳情八十八号、これが全く同文でございます。
 それから次は二百五号、これも大体同様の陳情でございますから併せて御説明申上げます。これは東北六県と北海道知事、議長合同会議から出ておるものでございまして、この内容はやはり同じように失業対策事業の財源措置についての要望であります。内容は昭和二十六年度以降、失業対策事業に対する補助率を全面的に引上げると共に、これに対する起債の枠を大幅に拡げられたいこと。なお補助率につきましては、従来のように労力費のみに重点を置かないで、事業施行に要する資材費、運搬費等の費用に対しましても認めてもらいたいというのが要旨でございます。
 それからその次に千二十九号の請願でございますが、これは失業対策事業の予算単価に関する請願でございます。これも長岡市の議会議長から来ておるのでございまして、これは長岡市における日雇労務者の数は昨年の十二月末において約八百名程度の増加を来たして、これらの大部分は失業対策事業に従事しております。それから経済安定政策に基くところの中小商工業者の企業整備によつて余儀なく失業した者に対する失業保険の給付期間もすでに満了となりまして、その結果、失業対策事業に従事している人が多いそうであります。長岡市は新潟県下唯一の戦災地であり、而も豪雨、豪雪という自然の猛威は生活に大きな負担を与えておる。又物価も最近高騰しておりまして、市民生活はいよいよ困窮に陥つて来ております。それで失業対策事業の予算単価が百六十二円に限定されております関係上、これらの労務者にあつては到底生活の安定ができない。このことが延いては思想的に悪影響を及ぼしつつあつて、忌わしき事態の発生も見つあるわけであります。従いまして彼らの生活の安定を図るために実情に即した予算単価を改正せられまして、社会不安を除去されるようにお願いしたい。若し賃金の値上げが容易に行い得ない場合には、県内地域における同一職種であつて賃金の低廉な農村と高額な都市とを同一にすることなく、県自体において地域的に予算単価に段階を設けて合理的にこれを運営することができますように法律上の措置を講じて頂きたいというのが趣旨でございます。
○委員長(赤松常子君) 以上の請願、陳情の内容に対して御質疑のございますかたは御発言下さいませ。
○原虎一君 政府はどういう方針で進まれているか。来年度の予算ではたしか失業対策事業費七億円程度計上されたということになると、今後これを拡充されて行くかどうか問題だと思います。
○説明員(海老塚政治君) 国庫補助の引上げに対しましては、政府といたしましては次のように考えております。即ち本年度におきましては労力費全国平均百九十三円五十銭に対して三分の二の補助、それから資材費は補助がございませんで、事務費十五円に対して三分の二の補助ということになつておりますが、来年度の予算案につきましては、労力費は二百円六十銭に引上げまして、それの三分の二の補助、事務費につきましては本年度と同様十五円に対しまする三分の二の補助、資材費につきましては新たに二十円に対しまして二分の一の補助というようにいたしまして、御趣旨の国庫補助の増額につきましては十分とは言えないかも知れませんけれども、来年度の予算案には若干増額いたしましたものが計上されておるようになつておる次第でございます。なお起債の枠につきましても、地方財政委員会等と折衝いたしまして、でき得る限り確保したいというふうに考えておる次第でございます。又長岡市の予算単価の引上げにつきましては、長岡市におきまする失業対策事業の実施状況を見ますと、第三四半期全国平均では大体十八、九日の就労でございましたけれども、長岡市におきましては大体二十二、三日くらいの就労になつておるはずだと思います。又賃金につきましては最近の物価の上昇もございますので、請願の御趣旨にありますように、地方的に実際の賃金額を考慮いたしまして、実情に即応いたすように調整を行うようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○委員長(赤松常子君) ほかにございませんでしようか。
○原虎一君 全国平均の賃金は二百円六十銭ですが、その二百円六十銭出した場合に六大都市はどの程度になりますか。
○説明員(海老塚政治君) 六大都市は大体現在の単価が京阪神は二百二十九円ぐらいになつておると思います。それから京浜地区が二百二十円ぐらい、名古屋地区が二百十円ぐらいになつておると思いますが、大体それを基準にいたしまして、極く僅かでございますが、少し引上げて行くようにいたしたい。又これは一律の単価でございますので、又実際の賃金なども考慮いたしまして、実情によりまして調整を図るようにいたしたいというふうに考えております。
○委員長(赤松常子君) ほかにございませんでしようか。それではこれをどういうふうに取扱いましようか。
○原虎一君 それは具体的な問題を……説明を聞いただけでも具体的な問題はかなり考えられると思いますが、そうしますと、書類をよく見ないと、実際問題はそのままを採択できないという事態があるのではないですか。
○委員長(赤松常子君) 長岡の例などは相当具体的に書いてあるようでございますが、そういう点でございましようか。
○一松政二君 これは何でございますか、その賃金の基準を上げてくれとか、或いは補助額を上げてくれという要求なんでしよう。だからこれは別に委員会として採択して政府に送つても、別に委員会として何も無責任なそしりは受けないで済むのではないでしようか。何か制度を変えてくれというようなこの間の請願のようなものと違いまして、ただ賃金を上げてくれとか、補助額の三分の二を八割にしてくれというような要求だけなんでしようから、そのまま採択してもいいのではないでしようか。
○委員長(赤松常子君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(赤松常子君) 速記を始めて下さい。それでは以上の請願及び陳情は採択して院議を経て、内閣に送付を要するものと決定してよろしうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤松常子君) それではさよう取計らうことにいたします。
 次に一覧表の第八、第二百二十六号、失業保険法第十五条改正に関する請願、これについて専門員の説明を願います。
○専門員(高戸義太郎君) この請願の趣旨は、失業保険の被保険者が六カ月以上被保険者であつて、業務上或いは業務外の疾病で一カ年以上休業し、その間賃金がもらえない。従つてその保険料を納めないで離職した場合にも失業保険金をもらえるように、失業保険法第十五条の「被保険者が失業した場合において、離職の日以前一年間に、通算して六箇月以上被保険者であつたときは、保険給付として、失業保険金を支給する。」とありますが、この離職の日以前一カ年という制限を外してもらいたいという趣旨でございます。
○委員長(赤松常子君) この請願の内容に対して御質疑ございましようか。
○一松政二君 それは具体的に言うとどういうことなんですか。
○説明員(百田正弘君) 御説明申上げます。現在の失業保険法第十五条によりますと「被保険者が失業した場合において、離職の日以前一年間に、通算して六箇月以上被保険者であつたときは、保険給付として、失業保険金を支給する。」つまり失業保険金を支給し得る要件といたしましては、離職の日一年前に六カ月間被保険者であつたということを必要とする。六カ月間被保険者であつたということは、被保険者の期間は毎月十一日以上働いた、つまり労働日数が十一日以上あつたということを必要とする。その期間以上あれば受給資格がある、こういうことになつておる。従つてこういう制限を設けた趣旨と申しますのは、この保険料支給要件に関して一定の制限を設ける趣旨は、結局保険経済を円滑に運営するという目的のためにこれが成立つように一つの制限を設けられておるのでありまして、これは保険料率、或いは給付の率、或いは給付の日数等と密接な相互の関連を持つておるわけであります。従つてこういう事情からしてこういう制限を設けてあるのでございますからして、今お話の出たような特殊の事例が起つて非常にお気の毒な事例が出て来るということも予想し得られるわけであります。併しながら今請願の要旨にもありましたような、この離職の日以前一年間というものを全然外してしまう、こういう請願の趣旨でございますが、そういたしますと、これは六カ月ずつと以前においても、とにかく六カ月さえ被保険者であればよいのだということになります。従つて若しそういうことにいたしますと、無制限に遡つて期間を計算するということになりますので、そういたしますと資格期間を証明する資料が極めて不確定になりまして、実際問題として果してその者が受給資格があつたかどうかということを調査することが非常に困難になつて参ります。事務処理にも非常に、これが果して受給資格者であつたかどうかということも、古いことでございますから、非常に困難ではないか。併せましてそういうふうにやりました場合に、現在の保険経済の成立というものの基礎になつておりますものを、根本的に給付の率にしても、給付の日数にいたしましても、保険料率にいたしましても、基礎が変つて参ります関係上相当根本的に検討しなければならん、こういうことになつて参るわけでございます。各国の例を見ましても、大体これを無制限に遡るという実例は極めて少いようでございまして、一定の期間必ず制限期間としてつけて置く、而もそれは極く最近のものでなければならないというふうな立法例を持つておるところが多数のようでございます。現状を御説明申上げますと大体以上の通りであります。
○一松政二君 その請願の趣旨は無制限に一年の期間をとつてくれというわけですか。
○専門員(高戸義太郎君) そうです。
○一松政二君 それじやだめですね。
○委員長(赤松常子君) 他に御質疑ございませんか。
○片岡文重君 今の問題はどうもまだよく現実問題として、何かもつとほかにあるのではないかという気がいたします。今の御説明だけですと、この請願自体が少し虫がよ過ぎるように思われるのでもつとほかにあると思います。なおよくこの請願書について内容を聞いて、それからやりたいと思いますので、質疑は留保しておきます。
○委員長(赤松常子君) 只今の請願内容に対しましては、まだいろいろ問題があるようでございますので、もつと研究を要することにいたしまして、これを保留することにいたしてよろしゆうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤松常子君) それではさよう取計らうことにいたします。
 それでは次に一覧表の第九号、女子日雇労務者救済に関する陳情第百三十四号を御紹介いたします。
○専門員(磯部巖君) 簡単に御説明申上げます。これは東京都文京区岡田淑子ほか百四十四名から出ております数枚からなつておる陳情書でございますが、その内容をまとめて簡単に申上げますと、私たち女性の女子日雇労務者の希望として一日も早く定職につくように斡旋して頂きたい。それから日曜の就業によつて毎日輪番制をなくして頂きたい。生理休暇についても考慮して頂きたい。それからかわいい子供を安心して預けられる託児所を作つて頂きたい。それから婦人の賃金を下げないで頂きたい。婦人の手帳をむやみに取上げないで頂きたい。それからこれは意味はちよつとわからないのですが、婦人を階級制にしないで下さいということが書いてございます。
○委員長(赤松常子君) 只今の陳情の内容につきまして御質疑のかた……、私ちよつとお聞きしたいのでありますが、今日の朝日新聞にも出ておりましたが、厚生省と労働省が婦人日雇労務者の取扱について対立した意見をお持ちのようでございますが、あの新聞の報道の労働省の見解はあれはきまつているものでございますか。
○説明員(海老塚政治君) 本日の朝日新聞の記事につきましては私詳細に拝見いたしておりませんので、はつきりお答えすることができないのでありますが、内容は、実は厚生省と労働省の意見の対立ということは別にございません。又失業対策審議会の審議の内容につきましては、委員長も御承知の通りだと思いますが、先日の会議がございまして以降、何もまだ改めて会議をやつてもおりませんのでございますので、決定的にどうだこうだということはまだきまつていないのではないかというふうに考えます。
○委員長(赤松常子君) わかりました。この間審議会に私出席いたしまして、あの際にいろいろ意見が出ましたのが今日の記事になつたのでありますか。
○説明員(海老塚政治君) さようでございます。あのままでございます。
○委員長(赤松常子君) わかりました。それではこの陳情は如何に取計らいましようか。
○片岡文重君 一々尤もだと考えられますので、これは取上げて政府に善処方を要望することにして頂きたいと思います。
○委員長(赤松常子君) ではこの陳情は……。
○説明員(海老塚政治君) 私のほうから只今の御要望についてちよつと実情をお話申上げたいと思いますが、御要望の中で、勿論定職に斡旋するというようなことは安定所といたしましても今後もできるだけ、最近のように求人者がいろいろ殖えて参りました機会でもありますので、できるだけ更に努力をするようにいたしたいと思います。又男女だということのために賃金に格差をつけるとかというようなことについては、勿論方針といたしても取扱つてもおりませんし、或いは婦人であるがゆえに失業対策事業から排除するというようなことも実際にも行なつておりませんし、そのような取扱は当を得ないというふうに考えております。又賃金につきましても実際の労働の状況等を勘案して賃金をきめるというふうにしまして、婦人の労働者の賃金はもつと引下げなければならないのだというような観念的なことも考えていない次第でございます。又託児所の設置につきましては、これはまあ労働省のほうでは予算的の措置も現在講ぜられておらないのでありますが、東京なり或いは京都その他の都市におきましても婦人労務者の便利を図りまして、市営或いは県営等によりまして託児所の設置を実施いたしておりまする所や、或いはそれらの計画を進めておる所もあることを承知をいたしている次第でございます。ただ輪番制を全国一律に廃止する、これは国の予算の関係或いは地方の予算の関係もございますが、私のほうといたしましてはでき得る限り就労日数を今後も延ばすことができますように、一般求人の開拓或いは予算の効果的な使い方によりまして研究いたしておりますが、輪番制を絶対に廃止するということは今ここで大丈夫だということを請合うことはちよつと困難ではないかというふうに考えております。又失業対策事業につきましては、生理休暇というようなことはもつと考えることが、事業の性質から申しまして、生理休暇のために休んだ時に賃金を支払うということはちよつと困難の実情でございます、というふうに考えております。現状とそれから只今の実施状況等について御説明いたしました。
○委員長(赤松常子君) ちよつと今の御説明でお尋ねしたいのでございますが、婦人労務者の就労を拒否しておらないとおつしやつておりますが、そうだろうと思うのですが、今日の新聞の記事は、今申上げました新聞の記事は川崎、鶴見方面の職安では女子の就労を殆んど拒否しているというような事実が書いてございますが、私のほうも一応調査して見たいと思つておりますが、それはそういう事実はございますでしようか。
○説明員(海老塚政治君) この委員会でたびたび御説明いたしておりますが、失業対策事業の労務者といたしまして、只今のところ一応主たる家庭の担当者というかたがたと、それから失業者という基準で選定をいたしておりますので、そういうような基準に該当しませんときには、婦人といわず男子といわず暫らく遠慮して頂くというようにはいたしておりますが、先ほど申上げましたように婦人であるということのために男子よりも特別扱いをして排除をする、失業対策事業に働かせないというようなことはいたしておりませんが、そういうようなお話がございますれば、よく連絡をとつて実状を調査いたして見たいと思います。
○委員長(赤松常子君) それではこの陳情は採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤松常子君) ではさように取計らうことにいたします。それでは採択すべきものを決定した只今の陳情は、更に院議を経て、内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤松常子君) ではさよう取計らうことにいたします。
 次に一覧表の第三号、日雇労務者の賃金べース引上げ等に関する請願第二百九十二号を御紹介いたします。
○専門員(磯部巖君) 簡単に御説明申上げます。この請願は福岡県の戸畑市自由労働組合内協議会から来ておるのであります。それに副申者として戸畑市長、戸畑市議会議長の副申が付いております。内容は大分広汎に亘つておりますが、簡単に御紹介いたしますと、現下の経済情勢によつて失業者が激増した結果、この事業においても輪番制をとることの止むを得ない事情は我々は理解しておるのであります。併し月平均十六日程度の就労では收入は四千円足らずでありまして、この額では現在の生活のための所要経費から考えました場合には極めて少い額であつて、人間としてこの世に生を享けて来た以上、こういう悲惨な生活は、でき得ればこれを全面的に払拭したいという希望を持つております。そういうわけですから、我々の生活の唯一の源泉であるこの額では、我々の最低生活線も崩れて前途を考えました場合には全く暗黒であり、且つその結果、絶望と自暴自棄な気持になることもたびたびありますが、我々は努めて希望を持つて当局の施策を期待しておるのでありますから、どうか一つ今申上げますお願いを我々の最低のお願いとして理解して頂きたいと書いてございまして、その内容は第一が賃金ベースの引上げ、これは福岡県の場合現在平均百七十六円でありますが、これを男子二百五十円から二百七十円、女子二百円から二百二十円にして頂きたい。次に就労日数の拡大、これは現在月平均十六日の就労でありますので二十五日の就労を保証して頂きたい。第三は日雇失業保険金の増額でありまして、失業保険金が一級百四十円、二級九十円でありますのを、引上げて一級百八十円、二級百四十円程度にして頂きたい。第四は日雇失業保険の待機期間の撤廃、只今待機期間は連続十四日、断続六日となつておりますが、これを改正されて就労できなかつた場合直ちに保険金を給付されるように改正して頂きたい。その次は日雇失業保険の受給資格日数を短縮すること。これは二カ月を通算して最低二十八枚以上の印紙の貼付を必要とするのでありますが、これを短縮して二十枚にして頂きたい。その次は、失業対策事業予算の大幅増額。これは抽象的に予算の枠を拡大して頂きたいと書いてあるのであります。その次は、日雇健康保険制度の新設について、これもその説明が書いてあるのであります。その次は、失業対策事業の切替え。失業対策事業を漸次公共事業に切替えて、半恒久的な安定した職場を与えて頂きたい。以上八カ条の請願は云々と、又先ほど御紹介しましたように強くここに要望してあるのであります。簡単に御紹介申上げました。
○委員長(赤松常子君) この請願に対して一応当局の御見解を伺います。
○説明員(海老塚政治君) 戸畑市及び九州地区の賃金につきましては、この前の労働委員会でも賃金が実情に比較して、或いは他の県と比較して非常に低いからという御要望がございまして、委員会でもたしか採択になつたと記憶しているのでありますが、それに応じまして来年度第一四半期以降、従来まで、先ほど御説がありました予算単価百七十八円を百九十四円に北九州地区については引上げることにいたしております。それから就労日数につきましては、福岡県全体では十一月が十七・三日、十二月が二十二・一日。それから戸畑市は十一月が十八・五日、十二月が二十二・四日というふうになつております。一月は若干減りまして、戸畑市の分はわかりませんが福岡全体では十六・六日というふうに減つておりますが、当時は大体全国平均して十八日程度の就労日数を目標といたしまして割振りをした次第でございます。ただ年末の状況を慮りまして、恐らく十二月に重点的にその金を使つたのではないかというふうに推測しているわけでございますが、来年度の予算の決定次第更にその就労日数を増加せしめるように、就労人員の増加を図りたいというふうに考えている次第でございます。それから失業対策事業の総枠の問題につきましては、本年度は総額で五十三億円でございましたが、只今御審議中の予算では七十七億五千万円となつておりまして、若干の増額を示していることになつております。それから失業対策事業の公共事業への転換という点でございますが、失業対策事業は失業者の離職の間の生活の救済のために行なつております事業でありますので、失業対策事業以外の正常な雇用が増加いたしますれば、それに対してでき得る限り就職の斡旋をいたしまして、定職に就かせるように努力いたしたいというふうに考えておる次第でございますが、失業対策事業を現在の規模のままで、或いは更に大きな規模のままで公共事業等へ切替えるということは、只今のところでは考えていない次第でございまして、むしろ一般の公共事業の問題或いは一般民間産業の雇用量の増大等と見合いまして、失業対策事業の規模も考え、それから失業者の就職斡旋に努力いたしたいというふうに考えております。又健康保険につきましては厚生省の所管でございますが、保険経済の点から実施について厚生省のほうでいろいろ検討しておるということを聞いておる次第でございます。なお失業保険につきましては、失業保険課長から申上げます。
○説明員(百田正弘君) 日雇失業保険の改善につきまして三つの御要望があつたのであります。第一は、現在の保険金の引上、待機日数の撤廃、受給日数を二十日以上に緩和するということでございました。この保険金の引上げの問題、或いは待機日数短縮の問題につきましては、我々もできるだけこの方向に向つて現在努力、研究いたしておるわけでございます。現状を申上げますと、昨年の夏の第八国会におきまして日雇失業保険に関する失業保険法の一部改正をお願いいたしたわけでございますが、それによりまして、できるだけ保険経済の状況のいい場合には待機日数を軽減せしめて行けるような規定の改正になつたわけでございます。その後の実施状況を見ますと、昨年の八月一日から実施いたしたわけでございますが、実施以来急激に給付が殖えて参りまして、七月改正前と比べまして、改正前が、大体月に、七月が五千万円くらいでございましたが、八月には約二千三百万円殖えまして七千四百万円、その後大体毎月八千万円程度というような給付額になつて参りまして、給付の人員も、あの改正の際におきまして受給資格要件を二十二日から二十八日に緩和いたしました結果、六月、七月当時におきましては認定を最初に受けに来る日雇労働者の数は月に五、六万という程度でございましたが、最近におきましては十万乃至十一万というように、非常に殖えて参つておりまして、それだけ受給資格のある人が非常に多くなつたことを意味するわけでございます。その結果といたしまして受給者数も非常に増大いたしましたので、現在におきましては昨年の改正の時の規定をそのまま適用いたしますと、逆に待機日数を自動的に延長しなければならないというような線をすれすれに参つておるというのが現状でございます。従いまして昨年の十二月におきましては、失業対策事業の運営におきましても殆んど完全就労というような方向に向つて運営せられました結果、日雇失業保険のほうにおきましても、今までに見ない減少振りを示したのでございますが、通常の状態におきましては、保険料收入が、大体毎月、現在におきましては四千二、三百万円程度でございますので、給付の半額そこそこであるというような状況でございますので、現在の状況におきましては、保険金の引上げ或いは待機日数の撤廃ということはできるだけその方向に向つて進みたいのでございますが、非常に困難な状況にあるわけでございます。実情を御説明申上げました。
○委員長(赤松常子君) 御質問ございませんですか。ございませんならば、この請願は如何取計らいましようか。
○一松政二君 この請願の中にちよつと、送付しても当分見込のなさそうなものもあるし、それからこの中でもすでに政府でやつておるものもありますが、中に一、二非常に具体的で直ちに採用して行くのはどうかと考えられるのがあるように思うのですが、皆さんは如何思われますか。
○委員長(赤松常子君) 御意見ございませんでしようか。
○原虎一君 困難はあるでしようが、大体この程度ならいいのじやないですか。困難のあることは一松さんが言われますようにありますけれどもね。
○委員長(赤松常子君) 採択いたしますことに……。
○一松政二君 採択したつて別に政府を縛るわけでもないのだから……。
○委員長(赤松常子君) では採択すべきものと決定いたしまして、更に院議を経て、内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤松常子君) 御異議ないものと認めます。さよう取計らいます。
 次に一覧表の第十五、第十六、これは同じ内容でございます。地方公営企業労働関係法要綱案中一部修正に関する請願第八百四十七号、同じく二百九十八号、これはまだ法案が提出されておりませんので、その提出されたときに関連して取扱いたいと存じますけれども……。
○専門員(磯部巖君) 簡単に内容を御紹介いたします。これは松江市の日本自治団体労働組合総連合山陰連合会執行委員長から来ているのでありまして、昨年末労働省で御発表になりました地方公営企業労働関係法要綱案の公聴会に、この連合会から代表が参りました結果、その後種々検討、討議をいたしたのでありまするが、本法の目的を達する意味合いから左の通りの改正をして頂きたい。改正と申しましても、要綱案を改めてもらいたいというような意味であろうと思うのでありますが、その要点は四点ございまして、第一点は、要綱案の第五条にこういうことがあるのです。「条例は労働協約に優先するものとし、条例に牴触する範囲において労働協約はその効力を生じないものとすること」、こうありますのを反対に労働協約に抵触する条例及び規則その他の規定はその労働協約の有効期間は効力を停止する、とこういうふうに修正してもらいたいというのが第一点であります。その理由としては、原則として条例に牴触するような労働協約を当局が結ぶことはなかろう。それから又条例が労働協約に優先しては折角結んだ協約も当局に誠意がない場合には骨抜きにされる虞れがあるこういう理由がついております。第二点は、要綱案の第六条第三項に「地方団体の長は、第一項の労働協約又は仲裁裁定を履行するための措置を……その議会に付議しなければならない」と書いてございまして、「この場合において、地方公共団体の長は、賛否の意見を付することができるものとすること。」とありますのを、この賛否の意見を付することができないようにしてもらいたい。そういう趣旨であつて、その理由は地方公共団体の長は、労働協約又は仲裁裁定には賛成をし、議会においてはこれに不賛成を表明する権利を与えることは、地方公共団体の長をして無責任なる言動をさせる虞れがある。第三点は、第六条第四項に、先ほどの「労働協約又は仲裁裁定は、その会計年度分において履行が可能とならなかつたときは、その部分については、効力を失うものとする」、こういうようになつておりますが、これを削除してもらいたい。その理由は、地方議会に誠意がない場合は、この項を理由として労働協約や仲裁裁定は常に効力を失う虞れがあるというのであります。第四点は、第十条以下第十二条までの規定を削除する。これは仲裁の規定でございますが、これを削除する、そうして第十三条を第十条とする。こうなつておりますが、これはつまり仲裁委員を特に設ける必要はないのであつて、地方労働委員に一任した方が取扱もすつきりするし、経費もかからなくてよろしい。こういう意味でございます。大体内容は以上の通りでございます。
○委員長(赤松常子君) では御当局の御見解を伺います。
○政府委員(賀來才二郎君) 御承知のように、地方公営企業労働関係法の取扱につきましては、先きの国会で提出いたしました地方公務員法の附則第二十項によりまして、地方公営企業の組織、経理等につきましては、及び身分取扱については、別に法律で定める。それまでは従前の例によるということになつております。従いまして公営企業の組織或いは経理等の点につきましては、地方自治庁において起案し、労働関係の取扱については労働省で起案するということで法律の起案に着手をいたしました。労働関係に関しましては、大体公労法の趣旨に準じてやるということで準備をいたしまして、この二月の末には国会に提出をいたしたいということで進めて参つたわけでございますが、労働省の起案になります労働関係につきましては、ほぼ成案を得て参つたのでございますが、一方同時に考えなければなりませんところの公営企業の法案につきまして、関係筋から意見が出されましたときに、このほうの法案が最後的にまだきまりません。従いましてなお目下法案につきまして審議中で、多分五月には提案できるものではなかろうかと思つておりますが、この二つの法案につきましては相互に関連をいたしておりますので、どうしても同時に提出しなければならない、かように考えまして、まだ労働関係の法案につきましても最後的な決定をいたしておらない次第でございます。只今の請願につきましては、多分書いてありましたように労働省といたしまして、十二月の下旬に各地で要綱案についての公聴会を開きました。その要綱案についての意見だと考えます。と申しますのは、公聴会におきまして只今請願にありましたような意見も聞いておるのでございます。併し只今申しましたように、法案につきましての最後的な決定をいたしておりませんので、この際意見を申上げる段階に達していないという状況でございますので御了解を願いたいと存じます。
○委員長(赤松常子君) 御質問ございましようか。……なければこの請願は如何取計らいましようか。
○一松政二君 これはまだきまつていないことに対する請願ですから、留保がいいのではありませんか。
○原虎一君 この取扱方ですね、今一松さんの言われたようにきまつていない理由、その論拠から行くと今後どうでしようか。私はこの問題は異論が出て来る。どうしても意見一致をしないだろうと思います。そういう意味においての留保ならいいのですけれども、政府に意見が……こういう法律を作ろうとしているときに、政府に対して、この意見が一致すれば労働委員会としてそういう陳情は取上げていいということを政府に出すべきじやないか、こう思うのです。併しこれは今、そう一松さんはおつしやられなかつたけれども、政府の意見もきまつていないときに、我々がこれを取上げて議論すれば意見一致が不可能だと思う。こういう建前においてやはり留保されて置くほうがいいのじやないかと思うのです。
○委員長(赤松常子君) 只今のは留保することにいたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤松常子君) ではさよう取計らいます。
 次に一覧表の第一、第二、職業安定所指定看護婦寮看護婦の職業安定に関する請願、それから職業安定所指定看護婦寮看護婦の職業安定に関する請願、内容同じでございますが、この前の委員会に一応議題にはなりましたのですが、紹介が不十分でございましたのでいろいろ御意見もあつたようで、まだ決定いたしておりませんので、一応この紹介議員は原先生でいらつしやいますが御紹介下さいますか。
○原虎一君 これはこの前の委員会で、すでに説明されているのですから強いて私からもう一度御紹介を申上げるということは時間的にも必要がない。時間的にも避けなければならないと思うのですが、むしろ私は当局に質問したほうがいいのではないかと思うのです。請願の要旨の第一のほうですね、職業安定法第三十二条の原則並びに第三十三条の無料紹介の実を挙げるため寮の代表者をして安定所の無給嘱託制度の実施、或いは真に法律の趣旨原則に副う安定所の補助機関としての新制度を成文規則化し、看護婦の紹介業務に関する限り全国一本化して下さい、こういう第一の請願の要旨ですね。これについては法律改正を要するのではないか、こう思うのです。こういう点について、こういう陳情について、すでに当局に直接にあつたのじやないかと思うが、こういう点について見解を御説明願いたいと思うのです。
○説明員(富山次郎君) この請願されました人々には私実はお会いしました。要するに今、安定機関の斡旋のために安定所に求職の申込みをしております看護婦さんたちが泊まつておる宿舎といいますか、そういうものは通俗的に委託寮と言うています。その人々が自分たちで安定所の求人課と申しますか、そういう業務に応援したり、或いはそれを無給嘱託という制度にしてもらいたい、こういうような御意見のようであります。これにつきましては看護婦のかたがたが、自分の職業としての看護婦業務に携るための方法としては三つほどの方法があります。一つは今申しましたように、安定所を利用してそうしてそれぞれの各官庁なり病院なりに就職する、これも一つの方法であります。それから今一つは、民間に許されている紹介業者、こういうものの利用によつてみずからの職場を探す、これも一つの方法であります。それから又自分たちだけでそれぞれの、つてによつて職を求める、これも一つの方法でありまするが、要するに安定所を利用するということのために、何とかして安定所の求人開拓をもう少し活溌にしてもらいたいというのがお話の趣旨のようでございます。それにつきましては安定所におきましても、いろいろ努力もし、力もいたしておりますが、全国を通じて見まするというと、今のところどちらかと言えば、大都市のほうは比較的安定所のそのほうの力がまだうまく行つておらんのは事実であります。併しさればと言うてその人々の代表者を無給嘱託にいたしますことも、これは現在の公務員制度によりましては、これは不可能であります。従いまして我々といたしましては、そういうような制度は今のところ考えられないのでありますが、併しそういうふうな両者の協調連絡といいますか、そういうものは今後密にして、あえて制度化しないまでも、その精神を生かして、何とか看護婦のそういう人たちを安定所の力によつて、なお一層の求人開拓をするということは、これからも私はできる、そんなふうに実は考えまして、前回もこういうふうにお答えをいたした次第でございます。
○原虎一君 そこで問題は看護婦寮、安定所指定の看護婦寮、寮はどういう組織で運営されておるのですか。安定所とどういう関係になつておるのですか。
○説明員(富山次郎君) これは安定所が特別に指定をしておるというふうな意味ではないのでありまして、安定法施行前に看護婦会と称しまして、或る一定の業者といいますか、そういう君たちが看護婦を自分の宿舎に入れて、それから供給しておつたというようなのが実態であります。それが安定法の施行によりまして、そういう事業が許可を受けなければできないことになつたわけであります。併し看護婦たちはそれを一つの生活の根拠として、住居としておりますために、その住居は一種の下宿屋といいますか、そういうふうな意味でそこに泊つておつて、そこに自分の生活の根拠を持つておるわけであります。それは今俗に言われております委託寮と申すものであります。その委託寮というものと、安定所との特別の関係はございませんで、ただ安定所を利用する看護婦さんたちがそこに住んでおる、こういう意味であります。
○原虎一君 それから第二のほうですね、請願第二のほうに安定法第三十二条但書による有料営利看護婦紹介業の制度を看護婦関係より撤廃して下さい、こう言つておるのですが、有料営利看護婦紹介業というのは、特別に労働法で許可されているのですか。
○説明員(富山次郎君) 一般的に申上げまして、有料営利職業紹介事業と申しますものは、或る一定の条件にかないますれば民間に許可いたします。それは法律にそういうふうに書いてございますが、要するに安定所といたしましても、世に存在するいろいろな職種を全部スムースにやることは必ずしもできるることではないのでありますので、案定機関がなかなかやりにくい、或いはやつてもうまく行かないというような職種につきましては、これを特別定めまして、それに対しては有料職業紹介事務というものを認めて行こうというのが趣旨であります。それによりまして看護婦職業紹介といいますものも、そうなかなかうまく行くものではないのでありますし、場合によつてはそれは許可するという方法も一つの方法でありますので、その面で認められておりますから、大臣の許可によつて有料職業紹介業というものを認めております。
○原虎一君 これが非常にボス化して来る。而も戦前の安定所、安定法ができる前の看護婦会よりか悪い、事実はどの程度に悪いのか、我々はまだ調査しておりませんが、悪い。従つてこういうものは廃止してもらいたい。これは有料営利看護婦紹介業、こういうものは認可されておるのは、たしかあれは一年間の期限付だと思う。これはいつ頃許可されまして、どのくらいの期限を経過しておるのか、その点を知らして頂きたい。
○説明員(富山次郎君) 請願にありまするような意味が実はよくわからないのでありますが、許されておるものはかなりあります。その中にそういうふうな、ボス化しておるものが全然ないというふうに断言はできませんが、或いはそういうふうに又悪いのもあるかも知れんと思います。併し我々のほうでは随時監督をいたしておりますから、そういう悪いものは無論許可条件に違反するのであれば取消すこともできるわけであります。そんなわけで、その制度としてそれが全然悪いというのでなくて、中にそういう悪いものがありますれば、それに対して処置したいということは考えております。
○原虎一君 許可された時、その時をお教え願いたい。どれくらいの期間最初に許可されたのはいつ頃でありますか。と申しますのは、これらの人が相当長い期間経験、体験によつて、そういう悪いということを言われるのか、許可されて二月や三月でそういうふうに悪いと言われているのか、わたしにはわからんですね。その点。
○説明員(富山次郎君) 個々の業者にとりまして、いつ許可されたということは一概には申されませんが、安定法施行以来、中には早く許可されたものがありますし、最近許可されたものもありますし、その期間は一年間でありまして、一年を経過いたしますと、又改めて許可申請書を出します。それから又それを審査の上差支えなければ継続許可する。こういう方法をとつております。又中には安定法施行以来引続いて許可が続いておるものもあろうと思います。
○原虎一君 これは請願人のほうから安定所へ直接請願のときにそういう点を説明されたと思いますけれども、こう言つておるのです。有料看護婦紹介業者が全く親切にやつてくれればよろしいが、まあ業者ですから能率を上げて、利益を得るということを考えるのは当然でしようが、そうでない場合もあるらしい。一例を挙げておるのでは、依頼者、求人者側から直接看護婦寮へ電話がかかつて来て、そうしてその人の所へ行く。雇われる。そういう場合に、それは非常に急を要するとか、或いは有料看護婦紹介業者のほうへ連絡をとつてもとれぬというような場合に来ると、それは安定法の違反であるということを言つて脅かされる、こういうことを言つておるのです。中には今言われるようにそういうのがあるじやないかと思う。そこで問題は、私は第一に現在有料看護婦紹介業として許可されている数、それからどういう条件、これらを取締るところの方法、如何なる方法によつて取締りというより監督されているか。又いろいろ監督上必要とする条件等を資料にしてお出し願いたいのです。そうして判断しなければわからない。これは一寮が請願しておるのでしたら我々はそれほど資料を取り寄せてまでしませんけれども、これはかなり多い。人数にしますれば六百二十六人でありますし、各寮がそれをやつているのです。各寮から代表者が出て請願しているのであります。最後に一つお聞きしたいのは、この看護婦寮におる看護婦諸君並びにこれと連絡をとるところの看護婦が労働組合法による労働組合というふうには、これは簡単に行かないかも知れませんが、とにかく労働組合に無料職業紹介を許すような方法がなし得るかどうか、現在の安定法に基いてなし得るかどうか、この点の見解を一応お聞きして置きたい。
○説明員(富山次郎君) 労働組合法による労働組合としてありますものに対しましては、労務供給事業として許可することができます。
○原虎一君 労政局長おりますか。看護婦の労働組合というものがこれは労働組合法による労働組合になり得るかどうか、常事雇われる人ではないのです。雇主が変るわけです。
○説明員(富山次郎君) 今労政局長おりませんが、私の考え方を申上げますと、組合法に基く組合であるというふうなことが言えると思います。現に愛知県におきましてはそういうふうに考えまして、一カ所だけ試験的に無料の労働供給事業として組合員の供給をすることを認めております。
○原虎一君 私はできると思つておつたのですが、当局はそう解釈されているとするならば……、従つて愛知県の労働組合法による労働組合として無料職業紹介を許可しておる、この事実に対する資料をお出し願つて、次回にまで留保願いたいと思います。
○委員長(赤松常子君) では只今の二つの請願は、以上の理由によりまして留保することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤松常子君) 異議ないものと認めます。
 次に去る十七日、請願第千二百二号、陳情二百三十七号が付託せられましたが、これらはいずれも労務用物資対策に関するものでありまして、十五日の委員会において審査した請願第七百二十四号、陳情第五十八号などと内容が類似しており、同じように処理するのが適当ではないかと思いますので、請願第七百二十四号などと同様、なお研究すべきものといたしたいと存じますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤松常子君) ではさよう取計らうことにいたします。以上で全部終了いたしました。
 本日の委員会はこれにて散会いたします。
   午後零時二十分散会
 出席者は左の通り
   委員長     赤松 常子君
   理事
           一松 政二君
           原  虎一君
   委員
           宮田 重文君
           片岡 文重君
           田村 文吉君
           早川 愼一君
           堀木 鎌三君
  政府委員
   労働政務次官  山村新治郎君
   労働省労政局長 賀來才二郎君
   労働省労働基準
   局長      中西  實君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       磯部  巖君
   常任委員会専門
   員       高戸義太郎君
  説明員
   労働省職業安定
  局失業対策課長  海老塚政治君
   労働省職業安定
  局失業保険課長  百田 正弘君
   労働省職業安定
  局雇用安定課長  富山 次郎君