第010回国会 電力問題に関する特別委員会 第8号
昭和二十六年三月五日(月曜日)
   午前十時五十五分開会
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  本日の会議に付した事件
○電力問題に関する調査の件
 (電気事業再編成実施方針に関する
 件)
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○委員長(西田隆男君) 只今より委員会を開会いたします。
 本日は電気事業の再編成計画の問題点につきまして日発、配電、電産、富山県知事等に参考人として御出席を願つております。そうしてそれぞれの立場から忌憚のない御意見を伺いたいと思います。電気事業の再編成は指定事業者にとつて大問題であるばかりではなく、再建途上にある我が国産業及び国民生活にとつて甚大なる影響のあることは皆様もよく御承知の通りであります。計画書案の作成に当られた各位におかれましてもこの点に注目され、非常なる御苦心を拂われたことと敬意を表する次第であります。併しながら指令案決定についてはいろいろ議論があり、更に当事者間において協議の整つた事項に対しても、国民に広く且つ深い関係にある電気事業再編成におきましては、その決定前に国民諸君の理解を得ることが再編成後における事業の運営を円滑ならしめるゆえんであると信ずるものであります。
 以上のごとき趣旨によりまして本日は株式関係、電源の帰属関係、人事及び新会社の経営と料金地域差の関係の四問題につき参考人諸君の忌憚なき御意見を承わり、国民の前に明らかにしたいと考えるのであります。公益事業委員会から伊藤委員も御出席があつております。
 先ず株式関係から御意見を聽取いたします。この問題は裁定において日発株主に一株につき十円の特別配当金を支拂うことになつております。日発対配電の株式比率の問題はこれを一対一にきめながら、新会社相互間においては評価額を一部考慮に入れているかと思われるような矛盾も認められます。更に日発株式と新会社株式の引替に当り発生するであろう多数の割当不可能株の処理、再編成令第八條によつて新規取得を禁止されている地方公共団体所有株式等の問題も残されております。これらを一括して日発、配電より交渉の経過並びにその主張の根拠を御説明願いたいと思います。先ず日発側から森副総裁、評価問題については齋藤経理部次長、配電側から中部配電の井上五郎君の発言を求めます。なお地方公共団体としましては、日発株式割当についてどのようにお考えであるかという点について、富山県知事高辻武邦君の発言を求めます。先ず森副総裁の発言を求めます。
○参考人(森壽五郎君) 発送電の副総裁であります。
 合併比率の問題につきましては、只今ちよつと日にちをはつきり記憶いたしておりませんが、一月の二十日前後と記憶しておるのでありますが、公益事業委員会に参りまして電気事業は再評価を元に、再評価基準日は事業会社が発足した五月一日になつておる、そのために合併比率を今再評価を以てすることはできないにしても、日発の資産が二千二百七十億ある、これに対して配電は千三百億ある、一・七四倍になります。それをそのままにして簿価で合併しそして再評価をしたならば、日発の株主が受けるであろう利益が配電の株主にも行くことになるのでそれは甚だ不公平ではないか。であるから合併比率は一対一でなしに一・七四倍を基準とすべきものである、こういうお話を申上げたのであります。ところが松本委員長はこれはどうもここでそう申上げてよろしいかどうかわかりませんが、結局GHQの意向と私はそのときとつたのでありますが、資本金額を増すわけにはいかない。と申しますのは、日発は三十億、配電は四十二億であります。これの合計は七十二億、それを増加するわけにはいかないから、そうかといつて日発を一にすれば配電は零コンマ以下になる。それでは困るから一対一で、その代り日発の株主に対してプラス・アルフアを考えよう。例えば二十五円くらいというのがそのとき初めて出た数字なのであります。この説明では再評価を考えてはいけない。日発が現在一社で持つている株主は最悪の場合は九社の新しい会社の株を持たなければならんことになる。而も非常に端株が出て来るのでその端株の面倒を見てやるとか、或いはそれが田舎の北海道とか或いは中国のようなそういうところに行くと、端株の株式の株価も下つて来るだろう、又将来持つておれば、株価の上つて来るはずのものが端株であるために、それを処理せられて、そうしてその将来の株式が上る、それをエンジヨイできない株主に対する補償のためにプラス・アルフアをやる、そうしますと、そういう目標で、そういうアイテムについて計算して見ますというと、二十五円という問題に対して私どもは二十四円八十銭という数字が出たのであります。これだけはどうしても確保したいということで、今まで折衝して来たのであります。ところが配電のほうから考えますというと、これに対して配電の主張としては、いや、そんな必要はないのだ、田舎の株式をもらうためにその価値が下つて来る、そういうものを補償するとか、そのほか成るほど端株のために多少株主も不利益が出て来るが、それは日発の会社がある間に処理して行けば、その費用は相当減るのじやたいかと、こういつたようなことがありまして、全株に対してでなしに、田舎の株式として割当られるその株式に対して五円くらい出したらどうか、そうしますというと平均しましてせいぜい二円か三円という非常な少い数字になるのであります。今日までこの端株に対しましてはその二つの両極端の議論があつたのでありますが、最近三月一日に発表せられました公益事業委員会の裁定としましてはそれを四億で片付けてしまう、こういうようなことになりまして、現在ではこの問題につきましても最後まで私どもが公益事業委員会にそれでは困ると、こういうのでしたが、発表は結局そういうことになつてしまいまして、甚だその点は遺憾に思つている次第であります。大体経過を申上げた次第であります。
○参考人(齋藤進君) 株式の交付比率に関する評価問題について意見を申上げます。
 株式の交付比率を決定する評価に当つて、最も原則的に考えなければいけない問題としまして我々の考えていることは、各指定会社の株主の利益が公正平等になること、これを基本原則にしなければいけない、こういうことを考えております。而して会社再編成によつて日発、配電会社はおのおの解散されるのでありますが、解散に当つて最も考慮しなければならない株主の利益というものは、残余財産の分配を受ける権利であると、こう考えております。而してこの残余財産の評価を如何にするかということにつきましては、日発、配電各地域ごとに出資又は譲渡する資産について両者とも同一の水準に立つて平等の立場で評価する、これが原則的に大事なことであると思う。而してこの評価は現在の貨幣価値に基く適正な実体価値を評価するものでなければいけない。即ち実体価値とはどういうことかと言いますと時価である、時価を評価するものでなければいけないと考えておるのであります。而して時価の決定はどうするかということが問題になるのでありますが、資産再評価法が実施されておる現在におきましては、例えば電気事業は現在再評価を実施されることは認めてはおらないのでありますが、この資産再評価法を標準とすることが最も妥当であると考えるのであります。而して出資者相互の資産のこの適正な実体価値を元にして、この実体価値と同じ比率によつて株式を交付すべきであると考えておるのであります。このような考えに立ちまして本社は一対一・七四、こういう主張をしたのであります。即ち発送電は新会社の株式の交付比率として、配電会社に対して一対一・七四の主張を許すのであります。この一と一・七四の数字はどうして出たかと申しますと、配電会社の実体価値は資産再評価によりますと千三百六億であります。発送電は二千二百七十億になります。この比率を今配電会社の金額千三百六億を一とすると発送電が一・七四となるのであります。この一対一・七四ということが、新会社の資本金額がどのようにきめられようと、例えば仮に七十二億ときめられようと、この七十二億を一と一・七四の比率で分けるという主張であります。最初我々が考えましたのは、この配電会社の現在の資本金四十二億、これに対して一・七四倍即ち約七十四億の新会社から株式の交付を受けるべきであると考えるのでありますが、新会社の資本を膨脹させてはいけないというような意向もございますので、新会社の総資本額が七十二億ということになりますと、発送電の受ける株金額はこの七十二億を一と一・七四で分けた数字、即ち四十五億七千万円ということになりまして、配電会社が約二十六億二千万円になるのであります。
 ここでちよつと申上げておきたいのは、株式交付比率の一・七四ということが往々誤解されると思うことは、現在の発送電の資本金の三十億に対して一・七四を交付するというように誤解されておるのでありますが、この我々の言つておる一・七四ということは、配電会社を一としたときの一・七四ということでございます。従つて配電会社を四十二億、日発を七十四億とした場合には日発の現在の資本金の三十億に対しては、約二・五の交付比率になるということであります。
 仮にこのような前提で新会社の総資本金を七十二億としましてそれを一と一・七四で分けたときの日発が四十五億七千万円の交付を受けるとした場合に、今度の決定指令案が三十億でございますから、その差額の約十五億七千万円、これは発送電が受けるべき額を不当に圧縮されたのでありますから、少くとも、十五億円の補償はあつてもよいということも言えると思うのであります。
 それからこの実体価値の取り方としまして現在発送電は、電気事業は再評価を許されておらない、ただこの価値を、再評価額を取るのはいけないという御意見もございますが、電気事業としましては将来は必ずしも、再評価を実施しなければいけないということは、これは経済自立審議会の答申案でも述べておりますように、恐らく既定の事実であると考えなければいけない。この再評価額がどの程度までできるか、そうしてその再評価益の資本繰入がどこまでできるかということはまだ未定でありますが、恐らく全然再評価を行わないということは断じてないと思うのであります。そのような事態になれば、電気事業の経営というものは非常な危殆に瀕すると我々は考えるのであります。将来再評価をどこまで行うかということはわかりませんが、仮に再評価を法定の限度一ぱい行なつたということを仮定しまして計算をします。そうしましてそのときに法定限度一ぱいの資本繰入が行われるということを考えますと、再評価益は、配電会社では約千九十八億、それから発送電では千九百九億ということになります。そうしましてこの四分の三が資本に繰入されると考えますと、配電会社は八百三十三億、それから発送電は千四百三十二億ということになるので、この合計は二千二百五十五億になります。而して現在の資本金は、配電会社は四十二億、発送電は三十億でありますからこの再評価益が全額資本に算入されるとしますと、一株当り三十一株の交付となり、これを配電日発に分けて考えると、平均して配電会社は十九株、それから発送電は四十七株、平均して三十一株であり、この一株に対してこのような数字になるのでありますが、これが今後の評価のように一対一ということになりまして発送電と配電が一本になつてしまうと、発送電の株主は四十七株受けるべきところを三十一株しか受けることができない。マイナス十六株の損失になるということであります。然るに配電の株主は、十九株でよろしいところが三十一株もらう、プラス十三株もらうということになるので、これを一株五十円として換算しますと、両者を合せて千四百円という厖大な数字になるのであります。これは再評価を最高限度行なつたという仮定でございますから、数字としては極めて厖大なものでありますけれども、先ほども申しましたように再評価が全然行われない、将来電気事業において再評価が全然行われない、その資本繰入は全然行われないということは想像ができないのであります。
 以上が大体評価についての意見でございますが、今回の評価に当りまして、もう一つ問題としなければならないことは、出資又は讓渡資産の評価を帳簿価額でやつている。帳簿価額でやつているにもかかわりませず、発送電の資産を九地区に分けるときの評価におきましては、帳簿価額と、それから発送電の再評価額を帳簿価額まで圧縮したものをたして二で割つて平均額をとつている。即ち日発の資産を各地区に分けるときには再評価という観念を入れている。このことは発送電の資産だけを帳簿価額で再評価しながら、地区に分けるときにはそういう再評価という概念を入れている。これは非常に矛盾があるということが考えられる。
 それからもう一つ申上げたいことは、今度の指令案で貯蔵品、流動資産でございますが、非常に清算費用の捻出のためにプラス・アルフアとして十億、それに税金相当額というものを見ているのでありますが、同じ評価でありながら固定資産については帳簿価額主義をとつている。それから貯蔵品についてはこういう再評価ということで或る程度の評価を行なつている、この矛盾はどうかということであります。それならば貯蔵品は当然我々は時価で行くべきであると考えるのであります。その時価の評価が適正に行われているかどうか。我々の計算で行きますと、発送電の貯蔵品は九月末では大体三十億でありますが、その評価は十億ほどの評価増ではなくて三倍乃至四倍、恐らく四億程度の時価評価になると思うのであります。これを仮に十億とか十二三億ということに区切つたという理由はちよつと解し得ないのであります。貯蔵品を時価で評価するならば、徹底的に適正な評価額にすべきであると考えるのであります。
 大体以上であります。
○委員長(西田隆男君) 中部配電の井上五郎さん御発言を願います。
○参考人(井上五郎君) 配電会社側のこれに関する考えかたを申述べます。今回の再編成につきまして配電会社側といたしましては、基本的には法律上これが解散をいたしまして、新しい会社が合併によつてできるという形をとるのでありますが、考えかたといたしましては包括的に継承をする、権利義務の一切をあるがままの形におきまして継承をして、この機会に残余財産等を株主に配分をするという考えをとつておらないのであります。その当然の帰結といたしまして株式の合併比率が一対一ということに考えられるのでございます。以下これにつきまして私どもの考えておりますことを若干申述べさして頂きます。
 今電気事業の固定資産が七十二億でございます、資本金が七十二億でございます。これをこの機会に評価増しをするということが、今後の電気事業のありかたから申しまして、私どもは適当でない、資本金はどこまでも堅実ということを旨といたし、今後更に非常な多額の資産が要る場合におきましても、資本の水増しをするということは極力避けたいと考えておるのであります。これは先刻お話が出ましたのでございますが、公益委員会からの御趣旨とも全く私ども同様の考えかたを持つておるのであります。その場合に日発側と配電側の資産の内容につきまして若干資産に何と申しますか、含みがあると申しますか、再評価額が少いということが一方において主張せられておるのであります。これにつきましては、私どもといたしましては現在の電気料金というものはどこまでも簿価を基本とする原価計算に基いて現在の料金が計算をせられており、又その場合におきまして収益率というものは、現在の資本金に対しまして全国の会社が一様の利潤を得るようないわゆるプール計算をしておるのであります。従つて収益率から考えまして、大体におきまして資本金というものが対等の値打と申しますか、価値を考うべきが至当ではないか。こういう意味におきまして株式の比率はどこまでも一対一であるべきである。このことは逆に非常に卑近な例でありますが、株式の現在の価格というものにもそれが反映せられておるかと考えております。大体におきまして配電会社側の株式は、個々に若干違いますが、平均にして日発側と株と大体において一致をするのではないかと考えております。こういう観点から株式の比率はどこまでも一対一である。ただ先刻からこれもお話が出ておりますけれども、配電会社側の株主に対しては、一応一つの地区の株式が交付されるのに対しまして、日本発送電会社側の株主に対しては、九の違つた株券が配当される。そのことに対しまして若干補償をするということは当然と我々にも考えておる次第であります。
 先ほどお話が出ましたのでついでに附け加えておきますが、日発の資産を簿価で継承をしたのにかかわらず、これを各地区に配分する場合におきまして、一方におきましてこれを再評価して圧縮をした額と、簿価との折半額で配分をしたと、この点について少し理論上矛盾があるのではないかというお考え方もあるのであります。私どもといたしましては、日本発送電と配電との間はどこまでも簿価主義であり、一対一である、ただ新会社を設立して、新会社としての立場を考えた場合に、各地区に余り不当な地域差が起らないように、一地区におきまして非常に火力が最近新増設をされておる、修繕費が火力に注ぎ込まれておる、そうしたことの地域的なアンバランスというものを或る程度調節をする、新会社の立場において調節をするということのために、そうした処置を相互の協定においてとるということはございます。併しながら考え方といたしましては、当初申しましたように、どこまでも包括継承による簿価主義である。従つて只今申上げました事情に基いてこれは一対一であるのが至当である、かように考えております。
○委員長(西田隆男君) 只今日発側の森副総裁、齋藤経理部次長、配電会社側の井上五郎君から、株式の比率等の問題について御意見が述べられました。公益事業委員会並びに右参考人の三氏に対して委員諸君の御質問があるならば、逐次御発言を願います。
○須藤五郎君 今伺つておりますと、日発の資本は三十億、それから配電の資本が四十二億なんですが、そうして再評価した場合は日発のほうが二千二百七十億、それから配電のほうが千三百何億かということになつておりますが、これを一対一で合併する、その場合に日発側の株主に対して私たちは非常に損失が来ると思うのですが、なお合併した場合に、百株以下の株を持つている人たちは、一株に対しては新聞では十円のプラスをしてそれをさばくように載つていたと思うのですが、日発側が若し九つに分けられるとすれば、九百株を持つておつて、初めて今度の新らしい配電会社の株が百株づつ貰えるということになる。そうして九百株以下の株主は、もう全部株主でなくなるということになるのではないかと思うのですが、その再評価した場合一株の株券の値打が三千何百円というその値打の株を五十何円かで全部その権利を放棄しなくちやならんということになるのではないかと思うのです。これは小さい株主、即ち日発の職員たちで功労株を持つているような人たち、そうして又株の放出でそれをへそくりを出して買いとつたような小さい株主をすつかりこの五十何円かで追つぱらつて、そうしてそのあとの大きな株主だけは新らしい会社の株主になつて、そうして将来大きな利益をその人たちが独占してしまう。而もこのインフレーシヨンのさなかにおきまして、そういう僅かの利益で、将来持つているところの株主という権利を強制的に放棄させられてしまうということは、小株主にとつては重大な問題だと思うのです。これに対して公益委員はどういうふうに考えていらつしやるか伺いたい。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 只今の御質問の小株主に対しまする案でありますが、先ず日発三十億、配電会社四十二億という株でありますが、口に或いは数字に現わしますが、これを事務を取扱います面におきまして、大変な手数のあることはこれは想像に余ることなのであります。日発一つにいたしましても六千万株、若しこれを一枚の株にするなれば、一発並びに九配の株券が丸ビルの高さの二十七、八倍を要するのだそうであります。今の枚数から見ましても恐らく丸ビルの高さの一倍半くらいのものが必要であるというようなことで、事務の取扱の上におきまする手数が非常にかかつておることは見易いわけであります。そこらも考えたのでありますが、今の御質問は非常に私どもと同じ考えでございまして、この再評価を見ており、又確実化しておるところの電気事業などの株主を、而もそれが或る時期においては一株主を勧誘するために各地に手を出したというような既往のことを考えまして、これを保護するということは非常に必要なことと私どもは考えたのであります。後ほどいろいろ先刻の御説明に対しまして、或いは裏付をし、或いはこれを我々の考えと違つた点等を申上げたいと思いますけれどもこの手数なもめを処理いたしますのに、原則といたしまして最も簡明な公約数を取りますことが先ず第一に必要と考えます。
 たまたま三十六億円の余剰金の声明のありました一両日後であつたと考えます。小坂総裁が委員会においでになりまして、私両名がお目にかかつており、この取扱をどうするかということの相談をいたしますときに、最も簡明な公約数は一対一以外には方法がないのじやないか。又あの限られたる日子におきまして、経理面から裏返しましても、非常に数字を確認いたしますのには、労力もかかり事実日子を要するのではなかろうか、これは先ず原則としては一対一で行こうじやないかということで、どちらから言い出しましたか、両者の間に発言いたしましたことが、それはもうそれより仕方がないだろうということで、一対一の原則の決定いたしましたことは、一月のあの三十六億円発表の数日後であつたことは間違いないことであるのであります。然らば一対一のみで終るかということに対しましては、いろいろ協議いたしましたが、そのとき日発の総裁は御用意があつたのか御用意がなかつたのか知りませんが、先ず株の半数くらいの二十五円ということを俺のほうは要求したいというような御声明もあつたようであります。私ども承わりましたのでありますが、少くもこれはプラス、アルフアは私どもも考慮いたしておりますというようなことも洩しまして、その日はお別れいたしましたのであります。又数日後おいでになりましたときに、小株主をどうするかということのお尋ねがありましたが、私どもはこれに対しましては最も重点を置いて調査をいたしたいというので以て調査をいたしましたが、現在の法規の下では、日発或いは新会社がこれを新会社の名によりまして、或いは日発の名によりまして、等差的な、いわゆる数万の株主と、一株株主と差別しないことは明らかなことでありますが、何かそこに便法がないかと考えますと、その前後いたしまして、財界におきまする、殊に金融界におきまする権威ある五名のかたを顧問にお願いいたしまして、その数字の点検或いは株価の対比等の御調査をお願いしましたのでありますが、皆その点に至りますと突止まりまして、いい考えはなかつたのであります。たまたまスキヤツプ側からもそういうサゼツシヨンがあつたのであります。私どももいろいろ考えまして、これに何かプール案を作る必要があるんじやないかといつて、信託会社に依頼をいたしましたところが、信託会社においてはとても事務上できないということで、そして証券会社に依頼をいたしましたところが、証券会社では国家のために必要なものならば何とか考えましよう、総動員をいたしまして証券業界のものが挙げてこれに御奉仕しよう、極めて安い手数料でいたしましようということで誓約を得ましたが、これが証券会社の名によつていたしますときにおきましては、等差的な処理、即ち小株主の方面を少しでもお助けしようということの方法がとれることを発見いたしまして、それで私どもは調査をいたしましたのであります。これはいろいろなグラフがありまして万から以下非常に株主の差が出ておるのでありますが、只今私の記憶をいたしておりますところは、先ず百株以下、即ち九十九株以下一株までを点検いたしますと、日発の株主中約五二%の八万七千何人のものが九十九株以下の株主の数であります。それから二百二十九万幾らとかいう、つまり二百三十万と見たほうが確かでありますが、その株数が三%八、これが百株以下のものであります。この株主に対しまして例えば五十円の株券にプラス・アルフアが十円といたしまして、株券の送還をいたしますとそれの郵送費等、これはもう三十円以上の金額がかかるということは小株主にとつては一つの負担なんであります。少くともその程度のことはいたしたいという考えの下に目下数字の点検をいたしております。九十九株以下の株主に対しましては最小限郵送費等に要する費用だけは補償すべきものとの考えの下に目下進んでおります。その金額の計上も今いたしております。先刻どなたかの御発言がありました清算費のうちにその一部をこめておりますので、その清算費の範囲内におきまして九十九株以下の処理をいたしたい、いたし得るものと信じます。
○須藤五郎君 私の質問に対してまだ満足のいかない点があるのでありますが、電気株というようなものは、大体今持つているのは大体財産株として持つていたものだと思うのです。それを強制的に今日放棄させられるということはこれは由々しい問題で、皆さんは共産党は私有財産を否定するというようなことを言つてしよつちゆう共産党を非難をいたしますが、これは私有財産の否定をなさることじやないかと思います。こういうことに対して大体小株主は満足しているのか、承認をしているのか、その点を伺いたいと思うこと。
 それから大体インフレーシヨンのおさまる頃になると株の値段は上つて来ると思うのです。株の値段がはつきり出て来てそれがインフレーシヨンのなくなる一つの証拠だと私は考えるのですが、このインフレーシヨンのさなかにおきましてこういうことがされるということは、小株主にとつては非常な苦痛だと思うのです。若しもそういう御誠意があるならばその処置をなさる小株主に対しましては、僅か十円ばかりのプレミアムを附けるだけでなしに、本当に今日の日発の資産を再評価した、それを株券で割つた一株三千何百円というその価値をその犠牲者に対しては当然拂うべきではないか、私はそういうふうに考えるのです。
 それからもう一つ伺いたいことは、その小株主が全部さばかれてしまつたあとの株、その株はどういうふうに処置なさるお考えか、そこも伺つておきます。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 只今の小株主の保護の問題についての御意見は、おのずから限界もございましようが、事実小株主というものを保護しますことの必要は、今後電気事業の上におきましても他の事業よりも遥かに重点をそこにおく必要のあることは、私、日発並びに旧配電会社のそれぞれの係のかたから伺つたのであります。即ちそれは或る種の事業よりも最も安全な鉄道或いは電力事業等は、小株主を拾い上げて、そうしてそれを基礎として運営をすることが事業の精神だということにおいては、大体委員のかた並びに業者の関係のかたからも伺つたのでありまして、私非常に印象付けられておるのであります。のみならず先刻の御質問のうちの数万株の株を九社に分けられることでありますが、僅か十株や二十株にはできないということになつておりますが、又一面これを裏から考えますと、今現在の日本の物価指数から考えまして、株式のみ五十円の單位をとるということは非常に困難性があるということは事案であります。伺いますところによりますと、新商法の内定しておりますところによりますと、株式会社は五百円株を以て單位とするというような條項があるそうであります。これは当然のことと考えますが、たまたまその第一に面しましたのが電気事業株であります。新配電会社はそれぞれ五百円株を一單位とするということを新商法に先立ちましていたします考えでありますから、これ又保護をしなければならんという立場から行きますと、我々のやりましたいわゆる小株主保護の方法は、やがて来るべき日本の財界全部に対して適用されることを私は基礎付けられるものではなかろうか、只今の御精神のことは十分我々も同じ考えの下にいたしておりますことを御説明申上げたいと思います。
○須藤五郎君 あとの株の処置の問題がもう一つはつきり伺えないと思うのですが、その点はどういうふうな処置をなさるのですか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 一株の三千数百円ということは、これは或る事業によつては一株一万円の株券もあるかも知れませんが、今まだその株券を幾らで買うかということの決定も、これは株式市場の動揺によりましてその日近くにならなければ決定しかねるものと信じます。
 それから又その残余の株券の処理につきましては、やはりこれは御質問の一つにあつたと信じますが大きな証券会社、全部の証券会社を通じましてそこに数十万、数百万の株が集中されますので、現在におきましては一株單位のものが或るときにおきましては数万株単位のものになり得ると思いますから、その処理につきましてはおのずからその処理を最も公正にいたす考えを持つておるのであります。
○須藤五郎君 一つの便法として、今度の九つの配電会社、新しい電気会社の所属の地域におる日発の株主は、若しもその地域に百株の株主がおるならば、その地域の新しい電気会社の株を百株とる権利を與えるというような、そういう便法を考えていらつしやらないのですか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) これもいい御質問でありますが、非常な大きな株主、例えばここにおいでになります富山県などの県庁の所有しておられます株券は百数十万株であります。これらのものは暫くおいて、早く申しますれば、千株以下のような株主のその迷いのありますものは、やがて証券界を通じまして只今の御質問のごとくそれぞれの所属のあります地方の株主が、自己の地方に必要な株をそのプールの中から適当に取捨選択いたしますことの自由は十分でき得るかと信じます。たまたまこれが東京電力並びに関西配電等の中央的なものには或いは不足を来すかも知れませんけれども、それ以外の地方には比較的余剰株ができると信じますから、それは証券界並びに所有者、希望者を参酌いたしまして、それの取捨按配をいたして行きます考えを持つておりますことも同じ考えであります
○須藤五郎君 その場合にですね。その株式を証券会社に渡す場合に五十円の株は六十円で金を貰つた。その六十円で新らしい会社の株が買えるような状態かどうか、そういう保証がされるのかどうかということを……。
○説明員(伊藤忠兵衞君) これは私は法律は非常に疎いのでありますが、優先的にこちらが指令すればでき得るのではなかろうか。即ち今の御質問の大株主が集合いたしまして、この地方の株券とそれぞれの数を求めたい。或いは現金を以て求めたいということであるならば、その便宜はせいぜい取計らう計画をいたしておりますことも事実であります。ただ優先的であるか、ないかということは私は考えておりませんけれども、併しながらその所有者がそのプールのものを取扱つておりますことは、これは常識的に権利であるというような考えを持つておるのであります。
○須藤五郎君 私は小さい株主たちのためにそういうことができるように努力をして上げて頂きたいと思います。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 必ずいたします。
○小川久義君 この責産が動き、又具体的に申上げますと、日発と配電の意見の食い違いは、現在においては法律で制定されておる再評価価額をとるのは当然である。これをなぜとらなかつたか。こういう理由。
 それからもう一つは、配電側はその法律に基いた再評価額を割出しになつたら価額をお知らせ願いたいと思います。
○説明員(伊藤忠兵衞君) これを計数的に、又当然享有すべき権利であるということの法律的な、何と申しますか、見解というものは非常に困難なのであります。私どもは他の事業におけるよりも、たとえ数年を要しましても計数的な基準を出しますということは、相当な困難な問題だと信じております。恐らく何人たりともあの両者の計算の基準をやりますということは困難なものではなかろうかと考えるものでありますが、要するに自発側の二十四円八十銭でありましたか、それから配電側からいろいろ提出された書類がありますが、これは九社というものが口々に言われますと非常に困りますので、成るべくこれは配電側のほうは九社の意見の結合した意見がいいと考えまして、数回に亘りまして提出を求めました書類があります。一々点検いたしまして、或いは日発側と合致し或いは食い違つた点もあります。それらのあいをとりまして、委員会で数十日に亘りましたか、或いは十数日に亘りましたか記憶いたしませんが、相当緻密な数字を点検をいたしました結果、こういうことであります。即ち自発並びに九社が両方から主張しております基準を、アングルを、この両者のほうから見た目をずつと公平に算定いたしました結果、たしか八円七十七銭が一株の超過アルフアであるというようなふうに事務局の綿密な数字が出ておりますのであります。たまたまそれが十円になりましたということは、十円ということが計数上も便利であると同時に、その数字に近かつたということで裁定いたしましたことは、数字的の説明はこれだけより資料を持つておりませんのであります。その意味におきまして、十円というものが計算の率に近かつたということは、私は最も満足したというような次第であります。
○小川久義君 先ほどお尋ねいたしました発電側では、その法律に基いた再評価をされたかどうか。
○参考人(井上五郎君) 只今の御質問でございますが、只今指定会社でありますところの日発も配電も、現状におきましては再評価を法律上してはならないということになつております。新会社が五月一日に発足をいたしますと、五月一日を基準日といたしまして再評価ができ得る。それも料金の問題にからんで参るわけでありますが、一応法律的には新会社が設立の日を基準として再評価をし得るということになつておるのであります。現在におきましては、むしろ再評価をしない価額において、即ち簿価においてやるほうが便宜かと考えております。
○小川久義君 根本的の食い違いであると考えますが、その再評価は、再評価して見て如何にすれば公平な統合が成り立つかというための再評価、こういう意味でありますが、元来この日発は九つに刻まれて解散する。実質的には九つの配電会社は存続の形である。なくなるものは如何なる事情にあろうと一対一で押えておこう、そして我がものにすれば適当にお前のところへ一億余計附けてやろう、附けたやつはこことここで五千万円ずつ分けろ如何にも解体する側からすると満足できない、これが実態であります。それを便宜主義に一対一のほうがよかろう、如何に資産の内容が違つておつても一対一のほうがよかろう、これが満足に二つ一緒になつて行くならそれでもよいかとも思いますが、一方はなくなつてしまう、一方はその再編成に乗じてと申上げますか、この際潰れてしまう、なくなつてしまうものは成るべく適当に一億余計とつておいて配電側が自由にしよう、こういうふうに見られるのでありますが、その点におきましてはこの三十億の貯蔵品の金もいわゆる含み資産と申上げますか、純益と申上げますか、こういうものの処理もそういうふうに考えられていやしないか。解散する時には全財産を株主に公平に分配するのは当然であります。それと内容的には存続する配電会社と、内容的にも形式的にもなくなつてしまう日発と同じような考え方でされたことが、僕は根本的に誤りだと思う。この日発の全財産と見られるものは自発の株主総体のものである。先ほどから須藤君の質問に対して聞いていると、適当に何か考えているという話でありますが、これはどこまでも会社の解散である以上は嚴密に清算して、それを株主に一株持つていようと一株持つていようと公平に分配するのが当り前である。弱いものは抑え付ける、先ほど申上げたように日発はなくなつてしまうのだから、この財産を抜き取つてしまえばあとはこつちが勝手にするのだ、それに公益事業委員会が御賛同のようでありますが見る目にはそうとしか見られない。この点に対して公益事業委員会は最上の方法だとお思いでありますか。先日の委員会におきましても、具体的に申上げますと、富山県は余りかわいそうである、電源を取つてしまう、従つて株券で一億円やる、五千万円ずつ関東と、関西が負担して分けてやろうというような、ひとの財産をねじり取つておいてそういう勝手なことがあるように思われる。これに対してその失態をお伺いしたいと思います。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 日発の解体ということにつきましての今御質問がありましたが、日発の解体ということはこれはまあ現実の、何と申しますか冷厳な事実でありまして、日発を解体しなければならん運命に立至つておるということは今更説明を要しないと考えますが、然らばこの解体方法について時価で処分をしてそれを株主すべてに配分しようということもこれも一応の御説だと考えますが、これは両者を解体いたしまして新たに新会社を作るということが命令なんであります。又その命令の下に私ども処置をいたしましたのであります。若し再計画というものが実現化いたしまして、その基準によりまして一定の配当をなし、なお一定の償却をいたしますならば、只今の電力料金というものは恐らく数倍でなくして数十倍まで一度に飛び上るだけの覚悟をしなければならん。例えば農家の一燈平均が四十燭の電燈が六十円前後で供給されておるのでありますが、これが仮に六百円なり千円になることが如何にこれが国民生活が困難になるかということは、これは自明の事実であります。私どもは如何なることがありましても、現在の基準の評価で、いわゆる簿価を以て合併するということが、この今度の與えられました我々の任務の基礎でありますから、その問題はここに御説明を申上げることよりも、かようにやつたということを御承知おきを願いたいと思います。
 次に荷評価を待たずしてやるということは非常に株主に不利益であるという意味の御質問であつたと考えますが、現在日本政府へのサゼツシヨンとしましての再評価の準備をいたしましておりますが、いつこれを施行しなければならんかということのまだ命令も出ておりませんように考えておりますと共に、これは電力事業界のみ率先して再評価を実現するということもこれも考えものだと思います。又絶対に再評価をしないという考えでもないのでありますが、その意味合はやがて残された電力事業界の経済状態に応じまして適当に処理をする時機があるものと信じますが、只今これを簿価でなくして再評価いたしまして株主に分配いたしますということは全く委員会において考えておらんことであります。
 なお富山県などの例もありましたが、これもほかのときに御返事申上げたほうがいいと思いますが、簿価でやつたということの精神並びに解散、合併に至ります運命というものは、これは冷嚴な事実として取扱つたということに説明を申上げて置きます。
○小川久義君 日発の三十億はどうされましたか。その点をお伺いいたしたいと思います、含み資産として見積られた三十億は。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 例の声明されました三十六億でありますか、あれは私ども就任早々のことでありまして、果してあれだけの含みがあつたか何か知らんのでありますが、私の日発総裁からはつきり伺いましたところによりますと、そういうものがあつたんだ、又理事の中にも知らん者があつたんだ、自分はこれを或る時期に発表するほうがいいと考えて発表したというお話があつたのであります。これは申すまでもなくして二十四年度、五年度におきまして想像もしない豊水が続きまして、それが都合よく自発会社に保留されたということは、これは間違いないことであります。そのうちの約三割五分近いものの税がすでに課税されまして、その一部を支拂いましたことも事実であります。その後一月の中旬以後の渇水期に一日に三万数千トンの石炭を焚かなければならということでありまして、一日に一億以上の石炭を消費いたしましたがために、その何割かは石炭消費のためにその利益が喰い込まれておるということも又事実のようであります。なお今申します税等を加算いたしますと、三十六億というものは余り多くのものが残されておらんのではなかろうかという考えを今持つておるのでありますが、これはむしろ自発側の皆さんのほうがよく御承知だろうと思いますが、あの三十六億の処理というものが仮にあるといたしましても、一括しましてこれが新会社に引継がれるということは今委員会のとつております方針の一つであります。
○委員長(西田隆男君) 株価の問題に関しまして、地方公共団体としての今回の自発株の割当についての御意見を富山県知事の高辻武邦君から伺います。
○参考人(高辻武邦君) 私は富山県知事としてこの委員会にお喚び出しを頂いたのでありますが、これから申上げます。事情は富山県だけのことではないのでありまして、大体これと同様の事情にある府県市町村が相当多数にあるわけであります。ただ私は富山県の実例を申上げましてこの問題につきまして所見を申上げたいと存じます。
 富山県におきましては戰争前から計画いたしまして発電事業を確立いたしておつたわけであります。それは大体発電所の全体の出力が十万キロワツトであります。大体その程度であります。これは昭和十七年になりまして日発ができました時に現物出資を強制的にさせられたのであります。当時富山県におきましては非常に反対をいたしたのでありますが、それは政府の要請で止むを得ず現物出資を強制的にさせられたことになつております。それでその代償といたしまして五千七百万円の株券を只今所有いたしております。そこでこの十万キロの発電所というものは現物出資いたしたのでありまして、今日の時価に見積りますと恐らくは六十億円くらいに相当する財産価値を持つておるだろうと想像いたします。このことにつきましては先年来私どもといたしましては政府にお願いをいたし、是非とも一つ返還をお願いしたい、戰争が済みまして日発という電気の統制の必要がなくなつて来ておる現状であるから、そこで今回是非お返しを願いたいということを数回いたして来ておるわけであります。電力の再編成が行われますにつきましては、県民といたしましてはその要望が最も根強いものになつておるのであります。是非ともこの際お返しを願いたい、こういう要望を持つております。このことは私は全体の問題として考えてみますというと、今回の再編成が日発の解体ということが一つの大きな眼目になつております。そこで或る会社を解体するということは、即ちこれは解散することでありますから、本来のやり方といたしましては解散の手続によつて当然に解散の手続を進めて頂いて、更に必要であるならば別の新しい法律手続によつて、新たなる国家的要請に基いて再編成を行わるべかりしものであると私は思うのでありますが、然るに解散をするのだと言つておきながら、その財産は包括承継をやるのだというところに私は非常に條理に反した無理があつたと思うのであります。勿論これは伊藤委員の先刻からの御説明によりますと、非常に処理が煩雑に亘るということであります。それは私も理解し得るのでありますが、若しそうであるならば自発のような大きな会社というものは未来永劫新たに再編成するということができなくなると思うのであります。如何なる煩雑な手続がありましようとも條理に基いてこれは解散すべきものはいたしまして、そうして再編成をする場合において新たなる法律の手続によつてなさるべかりしものであろうと私は思うのであります。そういうことに相成りますれば、先刻から論議せられておりますような無理なことが全部解消して、自然の状態で新たなる再編成が行われるものであろうと思うのであります。ただ併しながら、そのことのためにその財産というものの価値が非常に高くなつて、新しい電気会社が電気事業を経営することにつきまして相当電力料金の値上りを見なければならん、国家産業に及ぼす影響が大きいということがございますれば、そのときには新しい法律によつて新しい手続をとるのが順当であろうと思います。新しい憲法の下において新しい民主国家の要請に対して犠牲を拂わなければならんといたしますればこれは止むを得んことと思いますが、然るに解散をするのだと言つておきながら以前の無理をそのまま継続して行こうというところに無理な、かずかずの非常に不合理な問題が発生する原因があると考えます。でありますから、私はこの際ポツダム政令に規定せられておりますことが若し実情にそぐわない点がありますならば、政府といたしましては総司令部にお願いして頂いて実情に適するように御変更を願いたいと思います。ポツダム政令なるが故に絶対に動かすべからざるものだということは、これは錦の御旗の蔭に隠れて無理な政治を行おうとすることにほかならんと思うのであります。政府としてその点を十分にお願いしてみられて、どうしてもお願いしてもできないことならばこれはいたし方がない、その場合には又別の対策を考えるべきだと思うのであります。私はこれは根本に遡つて自然の解散手続によつて解散をして、新たなる再編成をして行くというのが最も條理に即した妥当なる措置であると思うのであります。併し若しどうしてもそれができないということになりますれば、少くとも公共団体の持つておりましたところの現物出資いたしましたものだけは御返還を願いたいと思うのであります。
 これはなぜかと申しますというと、今回の措置はいわゆる集中排除ということが又一つの大きな眼目になつております。その集中排除の観点から考えますと、公共団体が発電事業を経営するということは少くとも集中排除の精神に反しないのであります。又新しい法律も公共団体が発電事業をやることだけは認めておられます。現に大分県におきましても、或いは宮崎県におきましても、新たに認可を得られまして発電事業を経営しておられるのであります。過去において我々が結成した発電事業だけはなぜいけないのであろうか、これは私はどうしても受取れないことであります。現在の状況において公共団体が発電事業をやることは集中排除の精神にちつとも反しないのである。むしろこれは法律の認めることであるといたしますれば、全体のことから見れば公共団体の発電事業に関する問題だけは御返還を願いたいと思うのであります。
 のみならず今回の措置によりましてこのまま私どもが黙認いたしておりますというと、私ども今、日発の株式を百十万株所有いたしております、それが当然の順序といたしまして九つの電気会社に分割せられてしまうのであります。これはあたかも例をとつて申しますならば、意思に反した或る收奪行為が行われて收奪者が名目だけの証文を置いて行つたときに、いよいよ審判を受くべき時期が来ておるにもかかわらず、その根本の事実を審判することまで起つてその收奪行為をそのまま継続しておきながら、なお不幸にしてその收奪された者が止を得ず持つておる紙にもひとしいような証文をさえも九つに分断しようとするのであります。私はものを返してくれるならば九つに分割しようと十分割にされようとかまいません。この際是非御返還をして頂きたいと思います。若し返還ということにつきまして今日の客観情勢からむずかしいということでありますならば、近い将来半年か一年半後にそのことが可能になつた場合においてそれを返還をすることを考慮してやるというお約束を頂くならば、私はこの際、今においてこのことを主張しようとは思いません、是非政府におかれましてはお約束をしてやつて頂きたいと思うのであります。私自身の問題でなくして多数県民の負担によつてできておるものでありますだけに、この点は是非御考慮願いたいと思います。
 そこで将来のお約束を履行してもらいますためには、これは今の株式が九つに分断されるよりも一つの会社にまとまつておつたほうがよいのではないかと思います。併しながらこれはすでにまとまつておろうがまとまつておらなかろうが、将来解決してやるというお言葉存頂くならば私はそれでも満足いたします。これは今後そういうお言葉を頂くならば私は満足いたしますが、ただ株式を他の観点から見まして、やはり一つの北陸電気なら北陸電気にまとめて置くほうが妥当であろうと思う一つの理由があるのであります。それはどういうことかと申しますと、富山県が投資しておるのは地方の他の産業の発展のために投資しておるのであります。北海道のためでもなければ大阪のためでも九州のためでもないのであります。そういうところの会社の株を私どもが強制的に持たされましたといたしますならば、将来若しもそれらの会社が投資する場合を考えてみますと、九州の会社のために更に県民が新たなる負担をしまして投資をしなければならなくなると思います。でありますからこの際は取りあえず一つの会社にまとめて置くほうが妥当であろうと思うのであります。更に今の返還問題につきましては公共団体に限つては私は如何なる障碍もないと思いますから、この場合政府において御考慮願いたいと思う次第であります。以上であります。
○委員長(西田隆男君) 只今の富山県知事高辻武邦君の御発言は御尤もだと思います。公益事業委員会のほうからの御答弁を頂きたいのは、要するに公共団体の所有しております株は、その公共団体に含まれておる電力会社に一括することができるかできないかという問題が一つ。
 それから公共団体に所属しておられた発電所その他に対しては将来返還することができるかできないか、この二つの問題が重点的に論ぜられておるように考えましたので、伊藤委員から一つ御答弁を願います。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 只今のお説は、従来もたびたび御意見を伺い、又我々もそれに対する考慮をめぐらしていることはよく皆様御承知と思います。高辻富山県知事もそのお一人だと信じます。大体再編成令の方法の中に幾多の改正すべきものがあると信じますが、現在與えられました指令の下に動いておりますことは、これは今日まで我々やつたことは止むを得ないと思います。即ち地方自治体並びに府県庁で御所持になつておる、或いは各事業会社におきまして所有しておつて、日発に集中されましたところの発電所の再返還と申しますか、帰属につきましてはいろいろ考慮すべき資料も多いのであります。例えば黒部川水電、或いは住友協同電力、その他を合しまして六社約二十万キロというものは、あの統一しました戰時中の日発新組織の直後にすら残されておるのであります。これを見ましてもあれがどういう観念であつたかということについて、その点を認識することに私みずからも困つておるのであります。それにつきまして、方法論の上におきましては只今のところこれより止むを得ないことを申上げたのでありますが、それはただいそがしいがために何するのではなくて、手続の上におきましても不可能な状態に陥つたのであります。併しながらこれをつぶさに考慮しますと、富山県或いはその他の県のごとく、将来に亘つて県の財政状態の安定をするために起された目的のものもあります、或いは京都市の水力、大阪市の火カのごとき自己の動力使用のために起されました発電事業もあります。又今申します各個の事業会社におきましてそれを自己の使用のために起された会社と、三つに分け得るものと考えまして、全部が全部それに適用されるということは、これはいろいろ考慮を要すべきものと思いますが、いわゆる憲法の精神から考えましても、自己の所有権の確立ということを、かくのごとき際には再確認を得るべきものだという高辻知事の御発言に対しても考慮すべき余地があるものと信じます。併しながらこの過度集中排除法を解除しその精神で経済界を処理する上におきまして、九つに分けて運営しなければならんということは、やがてこれが公益事業であるがための宿命であると信ずるのであります。若しそれ個々の希望者に返すなれば、戰争前の九百の発電会社或いは電気事業の販売会社等に再返還をしなければならない、そうなれば殆んど日本の電力事業というものは、国の生命を司るだけの使命を達することができんであろうと私は考えるのであります。その意味におきましていわゆる返すべきものと返すべからざるものとの分れ目は、これは非常に深く将来研究を要するものと信じます。だんだん日もたちますが、かねて申上げておきましたように五月一日再出発後それぞれのお申出に応じまして私どもは全般的にこれを取上げますか、全般的に取上げませんか、或いは又その一部で最も合法的な方法によりまして再返還をするというようなことにいたしますが、これはまだ決定いたしておらんのであります。これはやがてお申出を再度仔細に点検いたしましてその基礎的な考えを決定いたしたいと思つておりますが、今日までのところ、全く與えられました命令の手続をその通り実行しておりますのが今日の実情だということを、御報告申上げたいと思うのであります。
○委員長(西田隆男君) 伊藤委員にもう一つお尋ねしたいのですが、電力の再編成は経済力の集中排除その他の法令に従つてなされておるものですが、富山県知事のお話によると、富山県では百十万株持つておる、こう言われておりますが、今度再編成をされた場合、一人の株主で一つの会社の株の最高の持株の株数はどれくらいなんですか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 私は答弁を落しましてお許しを願いたいと思いますが、それは個々にも相談を受け又いろいろ考えていたしたのですが、富山県などはまだ百十数万株の所有ですから非常に取扱が楽なんですが、秋田県及び山形県の地方へ行きますと、小は五百株から大は千五百株まで七つの市町村、自治体でそういう株数を持つておるのもあるのであります。これを九つに分割運用するなどということは、北海道、九州などに返すのは実に難問題だと思いますが直ちにその処置をとつております。然るに現在の法規では実に困つたことなのですが、合併等による株券は所有し得るのでありますが、自治体及び府県が新たに株券を持つということが許されておらん、これは私ども驚いた法規なのですが、これに対しては今富山県知事の御希望のごとく一地方に集中をするということは非常に必要だと考えておりますので、その手続はできるだけ早く御希望に副うようにいたしたいと考えておりますが、ここに御希望に副わん法規をそのまま受継ぎましたことを御承知おきを願いたいと思います。
 いま一つ、過度集中排除法の精神に副いますことと、又純経済事業としての電力会社の運営から見まして、県及び自治体を代表して出られる株主というものは成るべく御遠慮願いたい。それよりもその地方におきます有力な実業家を多く重役陣に求める、そうしてその地方全体の経済に対する判断を願つたほうがよかろうというような考えの下に今進んでおりますことも併せて御報告申上げます。
○委員長(西田隆男君) 私がお聞きしておるのは、再編成された場合の一つの株主で最高一番持つておる株数はどのくらいになるかということです。
○説明員(伊藤忠兵衞君) ただ大阪市は一番大きいと思いますが、二百五十万株かと思います。富山県が百十万株であります。そこらが最大であります。
○委員長(西田隆男君) そうではありません。再編成をされた場合新らしい会社の株を一人で最高のものは幾ら持つことになつたかということを聞いております。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 現在におきましては、株の報告は今日は所有しておりませんでしたが、驚いたことは自治体及び府県並びに政府も一部所有しておりますが、主なものはやはり金融業者で、非常に株券が固まつておることを発見いたしました。日発で株主におきまして五二%の株主が持つております株数は全体の三・八%であるということで、如何に株が集中されておりますかということはその数字のほうの感覚でおわかり下さると思いますが、只今手許に持たず又記憶いたしておりませんが、最大のものはたしか大阪市だと記憶します。
○委員長(西田隆男君) 現在は……。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 現在におきましては、合併いたしましても、大体におきましては自治体なり或いは府県が多くの株主で、富山県は二、三番の中に入ると思います。大体におきまして千万株というようなものはないのであります。
○委員長(西田隆男君) もう一度お尋ねしますが、従つて今伊藤委員が仰せになりました大阪市が二百五十万株を持つておる。つまり実際に今度の再編によつてやつた場合に、大阪市の二百五十万株というのは関西電力に幾らの割当になりますか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 関西電力は非常に多くなりまして十六億四千万円ということで、そのうち一億二千五百万円でありますから、先ず七・八%というものが最大の株主であります。一割以上の株主というのは殆んどないのであります。全部の一割という株主は発見し得ないと思います。
○委員長(西田隆男君) 重ねてお尋します。大阪市が今計算して見ますと、百二十万株くらい関西電力の持株を持つておることになりますね。
○説明員(伊藤忠兵衞君) その数字は後ほど調査いたしまして御報告いたしますが、明らかにされた数字の大体のことが出ておりますから、後ほど御報告申上げます。
○委員長(西田隆男君) ただ私がお伺いしますのは、富山県知事の言われたことが非常に條理が通つておりますので、仮に地方公共団体が持つておる株を一つの会社にまとめることにしましても、経済力の過度集中排除の目的に違反しない程度の株であるならば、一つにまとめて割当をしても必ずしもこれは違法ではないというふうに解釈をしておりますので、伊藤委員に御質問しておるわけでありますが、できますならば公益事業委員会としてはそういう考えで、地方公共団体の持つておる株はできるだけ一まとめにして一つの会社に帰属してやるというだけの親心を持つて御検討をして頂くことを切望して置きます。
○小川久義君 富山県知事の言われる根本は株の問題、株を返すから電源をよこせということなのであります。御承知の通り法律的には地方団体は株式を持つちやならないと思う、そういう法律に違反して取つたのは誤りであつて、その誤りを直ちに直すのが当り前だと思う。法律を破つて人のものを取つて、一体それが……配当は一文もなし、ただ償還の金は県民が出し合うて利子を返す。それでそういう間違いを起す。株を返すから電源をよこせ、これは駄目だというが、その点は一つ十分……法を曲げているのでありますから、さつきから株をまとめて持たせるとか、まとめて持たせんということは違反だと言われおるが、そういう無理をするために特別の法律を作つたというのは、無理を守るための法律であつて、現実には株を持つてはいかんという点を十分にお含み願いたい。
 それから割当、特に富山県の割当は三%と聞いておる、北陸の電力会社には三%、北海道、四国、九州から、従つて皆行つてしまう。これは一応先ほども伊藤委員の御説明で大体納得はできたのでありますが、それは拒んでも持たせるのか、要らんと断わればそのままにしておくのか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 電力の帰属につきましては、これは又他の機会に残しておきたいと思いますが、株券の引受如何ということについては、これは全く株主の自由に関する点で、今更とやかく申上げませんが、これはやがて富山県の事情においてその株を所有するより方法はないのであります。なお株は打つべからざるという法規のことでありますが、ものを返すということの暴論でありますことについてはよく伺いまして、富山県に近いような問題がありましたから私はそのことはよく承知しておるつもりでありますが、よく仰せのことは伺つておきますという御返答を申上げます。
○古池信三君 二、三ちよつとお伺いしたいのでありますが、簡單にお尋ねいたしますから簡明にお答えを願いたいと思います。
 先ほど問題になりました今度の発送電と配電会社の株の比率の問題ですね、これを一対一で、殊に発送電なんかに対して若干のアルフアを附けるというふうにきまつたのは、これは関係当事者両方の協議によつてきまつたのでありますか。或いは協議によつてはきまらなくて公益事業委員会の権限によつて御決定になつたのかどうか、これをお尋ねいたします。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 一対一ときめましたのは全く両者の協議であります。それからそのアルフアを附けるという問題につきましては、相方に交渉いたしましたが遂に意見が分れましたので、委員会が決定いたしました。
 只今の一対一を決定したのは、両者の協議を我々が本当に取上げたのであります。
○古池信三君 次は端株の問題でありますが、御承知のように現在百株未満の株は証券取引所では殆んど通例現われておらんようであります。従つてかような端株の所有者となりますと、非常に不利益をこうむることは先ほどからだんだんお話のあつた通りなのであります。然らば現在の電気事業の株主として百株未満の株主はどのくらいあるか、これは全体の株主のうちの何パーセントぐらいを占めておるかということを一つお伺いしたいと思います。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 先刻申しましたが、株数におきまして二百二十九万三百四でありましたが二百三十万と申して間違いないと思います、その場合九十九株以下の株主は株数が僅かに三・八%であります、株主で八万七千幾らであります、これがたしか五二%ぐらいに当ると思います。
○古池信三君 それは何ですか、発送電の株主でありますか、配電会社の株主も含めてでありますか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) これは発送電の株主だけでありまして、旧会社の表を点検いたしましたけれども記憶ございません。
○古池信三君 それから次に端株整理の問題でありますが、先ほど証券業者に相談をしてやらせるつもりであるといつた御説明であつたように伺つたのでありますが、この場合はこの端株一株に対して現金で買上げるという趣旨かと思います。その場合にこれはどういうふうな相場でお買いになるのか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) これは残されたる非常に大きな問題であります。御承知の通り現在日発の株が四十四、五円だろうと信じます。東京電燈が五十円前後、地方の株は四十円以下のものもあると考えますので、その平均価を作りますことが非常に困難でありますが、少くともこれに対してはほかの事業の状況から考えまして、私どもは時価に劣らんものを、或いはそれよりも少し含みのあるもので処理するのが精神から申しましていいのじやないか、これは最も経済に明るい人の意見を参酌いたしまして、皆さんがたの思召しをうけまして、小株主保護の立場から最も温かい方法をとりたいと考えております。
○古池信三君 今度の再編成によりまして、従来の株と引換えに新らしい電力会社の株を受取る人は、将来の電力会社の業績というものに対して相当な期待を持ち得るわけでありますが、端株の所有者であるがためにそこで現金で買上げられてしまうということになりますると、それで電気事業の投資とは縁が切れてしまうわけであります。今相当な含み資産があるということを言われております電気事業者に対して、投資舌の利益から見て非常に気の毒なような気がいたすのでありますが、端株の株主は不当に不利益な立場になるかどうかということをどうお考えになりますか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) これは観察の如何によりますが、先刻たびたび申上げましたが、不当ということの考えよりも現実のいわゆる事実がこれをせしむるべく運ばれているということのために、止むを得ずこれを処理しなければならんという考えの下に処理いたしている次第であります。
○古池信三君 只今の端株の整理に関しまして、相場等についていろいろ御苦心になつているように伺つたのでありまするが、その方針はいつ頃決定をみるようでありましようか。即ち近く公聴会が開かれんとしていると思いますが、その公聴会においても、これについて或いは利害関係人の供述があるだろうと思いますが、その以前に方針がきめられますものでありますか、どうですか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 大体におきまして、公聴会におきます全国の御希望なども十分参酌すべきものと信じます。又議会におきます只今の御質問等が、すべて非常に我々に肯綮に当る点がありまして、その線に沿いましてやるがためには、少しの時日を遅らせまして決定いたしますのは公聴会をした後にいたします。即ち四月三十日までは最後の決定をいたしません考えでおりますということをお返事申上げたいと思います。
○古池信三君 次に社債関係でありまするが、社債権者の利益は如何にして保護されておりまするか、それについて伺いたいと思います。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 大変これは驚くべき御報告を申上げまして……、あなたの御質問の要旨とひとしくしたいと思いますが、私も曾て事業界におりましたものですが、かくの如き広汎の処理ができるものと考えなかつたのでございます。即ち社債権者の集合決定を要せずして社債権者の所属を処理いたし得るのであります。並びに長期債務の方法によつて一つの大きな担保を将来償還しますまで共同的な責任を持つような方法を考えておつたのでありますが、これらを発見いたす意味におきましては、これは我々の指令によりまして、そうして自由に九社に財産を分割する、それによる債権がその上に移動されるということの自由を認めたのでありまして、これらを新たに発見しましたのは、従来の経験と相当な違いのあることからであります。それを御返事申上げて置きます。
○古池信三君 そうしますと、債権者は、関係の担保になつておりました財団を分けられた各社に対して債権を持つ、かように考えておられたのですか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) それのみであります。
○古池信三君 今お尋ねしましたのは、内国債についてお尋ねしたのでありまするが、外債の処理につきましてはどういう手続をとつておられますか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) これは亘るところが非常にありまして、又私どもの手に受けておりますより先に、いろいろ処理の方法があつたようであります。これはむしろ大蔵省に御質問下さつたほうがいいと考えますが、只今全部引換えが政府補償に変りまして、むしろ政府のほうの所管に、大蔵省のほうの、何と申しますか、債務的な立場に変つているような気もいたすのであります。果して法律的にいずれを用いますかということは、幸いにも、真に幸いにも戰争前のあの大蔵ものは日本国に買戻されまして、残されたるものは想像以上少いものであります。この処理は比較的簡易なものと考えますが、この処理に対しまする方法はまだ全く私のほうで提示いたしておりませんです。
○古池信三君 只今の御答弁によりますると、成るほど日本の内国の法律から言いますると、或いは大蔵省のほうの即ち国の債務に変つたかも知れませんけれども、併し対外的の関係におきましては、やはり飽くまで外国の社債権者は日本の電気事業の資産並びに収益というものを担保として債権を持つているわけでありまするから、ただ内国的に国に移つたからといつて放つておくわけに行くまいと考えます。なおこの問題は大蔵省の所管とおつしやいますけれども、やはりかような再編成をやる場合にはその所管官庁であるべき公益事業委員会が主となつて御解決に当られることが至当ではないかと私は考えます。併し更に又この問題は案外外国の社債権者は少いというようなお話でありましたけれども、その数の多少にかかわらず、日本としてこの外債の処理を極めて誠実に信義に基いてやるかやらんかということが将来の外交導入というような場合に非常に大きな影響力を持つのではないかと考えますので、十分に慎重に又妥当な解決をお講じあらんことを切に希望いたしたいと思います。
○水橋藤作君 一つ二つお伺いいたしたいのですが、富山県の今県知事が要望されました株を分散しなければならんという理由がはつきりしないのですが、何故に一つの公共団体の持つているものを分散しなければならんかという根拠……。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 同様の御質問でありますが、現在の與えられております法規に従いますればやはりこれは分散しなければならんという方法論になつているのであります。先刻どなたかからの御質問、御希望のように法規を変えればいいだろうというお話がありました、いい参考になるものと思つて伺つておつた次第でございます。現在の手続等から行きますと、これは止むを得ずそういうふうな方法に陥つて行きますことを御承知おきを願いたいと思います。
○水橋藤作君 そうしますと新らしく発足するところの会社には、株を持つ限度に制限でもあるということになるのですか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 例えば九千株を持つておるものが、公平に、均分に九つにわけられるならば、やはり九つに千株ずつ分けなければならんというようなふうの手続をふまなければならんというような規定が、されておるのであります。
○水橋藤作君 その制約されておる現在、そのことが妥当でないという委員会としての見解をお持ちになつて、時期を見てそうしたことの是正をお考えだというふうに解釈してよろしうございますか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) それは考えはいろいろありますが、果して是正し得るか得ないか、ここで御相談申上げることは困難な次第であります。
○水橋藤作君 私の言わんとしておるのは先ほどの返還問題もその通りですが、漠としておるのでこれを再確認したいと思うのですが、事情止むを得ないといたしましてもこれは矛盾、不合理である、ただ後日それを返還なり或いは株を一つにまとめる意思でいるけれども、現段階においては制約されておるから止むを得ずと、こういうふうに解釈していいかどうかということをはつきりお伺いしたいと思います。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 電源、返還の問題とこれは又少し違うと思いますけれども、株のみに亘りますとお示しの点につきましては、そこに矛盾があるというお話に対しましてはすべて同じような考えを持つておることは事実であります。併しながらこれは法規上直ちにできるかできないかということは今御答弁することができないのであります。
○委員長(西田隆男君) 午前中はこの程度で休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十二分開会
○委員長(西田隆男君) 只今から委員会を再開いたします。
 只今公益事業委員会から松永委員がお見えになつております。なお事務局からは松田事務総長が見えております。
 本日は電源帰属の問題について調査を進めて行きます。工事中の発電所及び未開発水利権帰属については日発、配電が妥結した形と私は承知しておりますが、妥結に至るまでの経過及び了解事項でもありましたならばお述べ願いたいと思います。日発においては現在電力を供給しておられる経験から見て、指令案の通りの電源の帰属で所期の需給のバランスをとれるとお考えになつておるかどうかも併せて御説明願います。
○参考人(菅琴二君) 工事中の発電所及び未開発水利権等の帰属につきましては日発、発電両者で協議をいたしまして決定をいたしました次第であります。その基本的の考え方といたしましては、これも協議いたしまして両者意見が一致したものでございまするが、河川の一貫運営を原則とすること、既設設備の帰属との関係を考慮すること、各新会社の需給状況と電源振合との均衡を考慮すること、それから支川の小地点で大送電系統及び本流の開発と関連の少いものは所在のその地区の新会社に附属することといたしましたこと、配電会社が現在所有しておる水利権は一応その地区の新会社に所属すること、こういう原則も両者で協議が整いまして、その方針に従いまして帰属をきめたのでございまして、これによりまして需給の均衡は一応図られておると承知いたしておるわけでありますが、なお今後折衝いたしまして、多少の変更はあるものと、これは新会社ができてからでもよいと思いますが、多少の変更は当然超るものであろうと予測をいたしております。
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 私東北配電社長内ケ崎でございます。今日は配電側を代表いたしましてお話を申上げます。
 電源の帰属の問題につきましては只今日発の菅さんからお話申上げました通りに、五つの項目につきまして基本的の原則をきめまして、お互いに討論し合いまして、その結果円満に決定いたしたものでございます。なおこの問題につきましては北海道、九州、四国或いは中国方面は地域的に別に何らの問題はなかつたのでありまするが、東北並びに本州の中央部の四地域、合せまして五つの地域につきましていろいろな問題があつたのでありまするが、いづれも不満は無論あるのでありまするが、併しこれは小異を捨てて大同につきまして、この再編成を一日も速かに達成する必要があるという大乗的の見地からお互いに話合を進めまして決定いたしたものであります。以上であります。
○委員長(西田隆男君) 今電源帰属の問題について日発側と配電側の御意見を承わりましたが、委員長から一、二の点について委員側の質問に先立つてお尋ねしたいと思います。
 これは先般公益事業委員会からの御説明を伺つた融通電力量に基いてですが、あれから見ましても北陸地区は非常に電源が不足しておるように考えますが、その原因は既設発電所の帰属をきめた当時と二十六年度との需給状態の変化によるものであるかどうか。又工事中の未開発電源の帰属を決定するに当つては、こういうふうに非常に電源の不足しておる地帯のことを考慮して、これを是正するというような考え方に基いて未開発電源の帰属が決定されたのか。指令案では飛彈川系、高瀬川系、高原系の発電所の帰属を変更せられる予定をしておるようであるが、今後も不均衡の電源の帰属の状態を是正するためには、その都度電源の帰属を変更される予定であるかどうか、こういう点について折角松永委員もお見えになつておりますので、松永委員から一つ御説明を願います。
○政府委員(松永安左衞門君) 只今委員長さんに対してお答えをいたします前に、私として当委員会に対しまして一言お詫びを申上げておきたい。実はこちらの御審議が始まつたのち、たびたび私も御指名を受け、出席いたしまして御説明申上げ、或いは御答弁申上げるべきはずのところでありまするが、不幸にしてたびたび軽い病気におかされまして、思わず出席することをお断わりするようなことがたびたびありました。誠に自分といたしましても職責上遺憾に思います。又同時に皆さんに対しても御審議を幾分たりとも遅れたりなんかしておりはせんかということで責任の重大を感じておる次第であります。今日幸いに健康もよろしく伺うこともできまして、なんか私のわかりましたことがありましたら御遠慮なく御質問をして頂きたいと思います。
 只今の電源帰属の事柄につきましては、誠に重大なる御考慮の一つでありまして、私も又同様このことについて深い関心を持つておる次第であります。古いことを申上げたり、或いは大きな原則的なことを申上げるのにいたしましては、只今御質問の要領を逸する慮れもありますので、簡單に御質問のことに即しまして申上げますれば、大体河川の統一、すでに所属しておるその区域に対して、同一河川の使用を許して行こうということは、大体の方針であつたのでありまして、それが只今御質問のような場合に、二十五年頃から殊に甚しく電力も地方的過不足を生じ、画一的の原則を以てして、これを立ちに補うことはできないというふうな事情は、研究いたしますればいかしまするほど、著しくなつておる。このことに対してすでに委員から説明も申上げ、或いは各関係者から申しげておるかと思いますが、私の存じておる範囲では、仮に北陸の問題が、御質問の例証とつておりますが、北陸方面の電力需給の情勢というものは著しく大なる変化を来たしております。これをただ画一的にその開発電力を河川統一主義に基いてのみ処理するということは、差当りの処理をすることは困難となつておるのです。例えば現在において大阪に、大阪と申すと妙でありますが、仮に大阪方面、京都方面、いわゆる関西区域に、旧来北陸の水力を以てその工業力の補給をしておつた過去の事実は、今日においては逆さまに、北陸の方面で電力を輸入しておるというような形になつております。これは供給の方面の変化からばかりではなく、むしろ需用方面の変化から来たものでありますので、これを供給面のみから是正するということは困難でありますが、根本の道理は別として取りあえずこの是正を図ることは、我々に課せられた一つの大きな課題でありますから、同時にその根本の原則を将来の開発に伴つて乱さんようにする、現在の需用の方法を達成するのについて、いろいろ苦心いたしまして、各関係の当局の御研究はもとより委員会としましても、専門委員の御意見も求め、事務当局も又これについて專念いたしまして、取あえずあちらに属しまする成出の大きな……、それから工事にかかつておりまする発電した電力の帰属をどうする、或いはそれの発生する電力をどうする、或いはそれに対する管理をどうするというふうなことは当面の、適切な且つ丁寧にこれを処理せねばならん問題として取上げまして、相当成案を得たつもりであります。右御質問に対するお考えとしては、原則的のことにとらわれず、臨時にこれを処理する方法といたしまして、成出の帰属は関西ときめておりましても、その電力の配給、工事の管理等については、十分或いは北陸方面の電力を工事してやる、殊に未開発でありまする常願寺方面の電力或いはそれに神通川方面の電力のごときは、これも單なる河川主義にとらわれず上流におけるダムの作用が下流方面における、現在北陸の所属になつておる方面に如何に作用するかということを考えまして、この所属等についても改めて将来北陸に移すべきであるものは、はつきり北陸に移す方針をとつたと記憶しております。詳しいことは技術課長が来たら又技術について説明するだろうと思います。
○委員長(西田隆男君) 重ねてお尋ねしますが、私が松永委員にお伺いしたのは各地区間の電力の需給のバランスをとるために、電源の帰属について考慮を拂つたかどうかという問題、従つて若し電源の帰属そのものが基本的な方針から逸脱したことできめられないということであるならば、現在の需給のバランスをとるためにはその未開発、仮りに今成出の問題が出ましたが、成田の未開発電源が開発された場合に、それを関西方面に主として流すのではなくて、北陸の現在足りないといわれておる十万キロワツトを補うために、成田の電源を北陸方面に電力を流すというようなことが、公益事業委員会で考えられておつたのかという意味の質問でしたから、そういう意味でお答え願います。
○政府委員(松永安左衞門君) 只今の委員長のお話ではつきりいたしました点を更に申上げて見たいと思いまするが、御質問の通り電力のバランスが先刻申しましたように、急激に昨今変化を来たしております情勢に鑑みまして、電力の帰属に関しましても適当に処理をして、その電源地とこれを使用する使用方面、又電源地における需用の増加ということについて、少くとも最近の事情或いは両三年度に起るべき事情を考慮いたしまして、一例で申しました成出の問題のごときもその帰属をその線に沿い、その目的に副うて是正、確定したものと考えております。
○委員長(西田隆男君) 只今の松永委員の私の質問に対する御答弁に対して最も利害関係の深い富山県知事が見えておりますから、富山県知事に発言を許します。
○参考人(高辻武邦君) 只今委員長と松永委員との間におかせられまして電力の需給のバランスの問題、それに引続きまして成田発電所の帰属の問題について御質疑、御応答があつたのでありますが、これに関連いたしましてこの際私はこの電源の帰属ということについての私の所見を申上げて見たいと思います。延いてはこれは成田の発電所の帰属ということにも勿論関係する問題でございますからして、さようにお聞きとりをお願いしたいと思います。
 今回の電力の再編成というものは、ポツダム政令によつてきめておるわけでございますが、併しながら未開発電力、及び目下着工中の電力の帰属は、今後きめられることでありますし、或いは又すでに帰属の決定いたしました電源につきましても、電気事業再編成令の附属別表第三の前書によつて、近く公益事業委員会としては再検討をせられることになつておりますので、そういう際におきまして是非御考慮願いたい点があるのであります。この今回の電源の所属というものをよく調べて見ますというと、これは主としてこの電気というものの問題から御考慮になつておる色彩が非常に濃厚だと思うのであります。本来水力電気は申すまでもなく水から起る力でありまして、水は川と不可分のものであり、川はその地域と全然不可分のものであります。そうして水は申すまでもなく飲料にもなるものでありますし、工業用水にもなりますし、或いは灌漑用水にもなりますし、観光上もこれ又肝要な施設であります。それから時期の面から申しますというと、一旦洪水を発生いたしました場合には非常な水害をも及ぼすものでございまして、つまり水というものは非常に多角的な性格を持つておるものだと私は思うのであります。即ち河川は多角的の性格を持つておる。然るにこの川と即ち水と不可分の水力電気というものを考えるときに、單に電気政策という問題だけから御決定になるということが、果して妥当であるかどうかという点であります。
 私の考えております結論を先に申上げますというと、電源の所属はやはり地域を標準にして御決定になるのが妥当ではないかと思うのであります。その地域に供給いたし、地域に存在いたしておりますところの電気会社をしてその発電所、電源を所有せしむることの方が一番自然に適することであり、妥当な考え方でないかと存じます。勿論電気の分量の過不足を地域ごとに調整する規定は、勿論これは公共事業令の中に規定いたしてあるのでありまして、公益事業の委員会の御権限によつていわゆる融通契約というものを権力を以て締結せしめ得るわけでありますからして、これによつて十分の調整ができるのでないかと存ずるのであります。勿論この地域主義というものを考えますというと一つの大きな疑問に遭遇いたします。それは曾て然らば各県知事が水利権の認可をする場合において、必ずしもその地域におる企業者にのみ水利権の認可をしておらないのではないかという疑問であります。私のお預りしております富山県におきましても、私の前任者の各府県知事は、必ずしも富山県におる者だけに認可いたしておりません。広く関西のかたであろうとも、大阪のかたであろうとも、東京のかたであろうとも、どなたでもその企業の能力あり、電源の開発の能力のある方には、どなたにも認可をいたしております。これは併し自由主義時代の原則でありまして、若しこれを九つの地域に分割をして、分断をして電源の所属をきめるということに相成りますれば、その統制組織をとるということになりますれば、電源の所属は、当然私は地域というものを基礎にして考慮すべきものではないかと存じます。公益事業委員会におかせられましては、いろいろ深い御考慮の下に御決定になつたことと存じますが、私どもは電気そのものを電源地の者が余計に使おうという考えは持つておりません。日本国に食糧が足りないということでありますれば、誰しも二合七勺でありまするならば、私の県におります百姓も、大阪におられます方も、東京におられます方も二合七分を以て満足すべきものと思います。併しながらそのために電源の配置を均等にするということを考えますというと、田地、田畑の所有を各府県ごとに均等にしなければならんことに相成ります。私はその必要はないと考えるのであります。十分にこの公共事業令の規定に従つて御融通の御命令になりますれば、如何ようとも電力の過不足は調整し得ることでございますから、電源の所属は地域主義によるのが適当ではないかと考えるのであります。
 但しここで公益事業委員会でお考えになつておると思われておるいわゆる潮流主義というものがあるのであります。それはどういうことかと申しますと、その当該発電所を調べて見て、その発電所の送電線の構造がその地域でなく、例えば関西なら関西に送るのに適当な構造になつておつた場合には、その発電所は関西に所属させた方がいいという考え方が潮流主義という言葉を以て表わされておると私承わつております。これは電気というものは発生いたしますれば直ちに消費する、その瞬間に行くものでありますから、かように專門家として公益事業委員会でお考えになることも一応御尤もだと思うのであります。併しそれも電気という観点からお考えになつたことであると私は思うのでありまして、その電気の発電所の施設と地方の各種の行政というものが、如何なる関連を持つかということに相成りますというと、これは十分考慮を表する問題でないかと思います。仮に発電所そのものは例えば北陸に所属いたしておつて、その需用の関係上、使用量が全部関西に送られるといたしましても、恐らくは大した支障のあることでないと私は考えます。たとい幾分の支障が仮にあるといたしましても、一般行政の、国土の保安という関係から、或いは目下政府で問題にしておられますところの地方の総合開発計画というような問題から考えてみますと、これは恐らくは私はその利害得失というものにつきましては、愼重な考慮を要するものじやないかと存じます。いわんやこの潮流主義ということが、或いは只今も御説明になりました水系主義ということに関連するかと存じますが、一つの水系を、或る一つの会社に支配させるという考えは、私は原則的には非常に正しい考えだと思うのであります。ただその水系というものはやはりその水系の所在する地域の会社に所有せしめる方が最も好都合ではないかと存じます。
 なおこの電源の所属ということにつきまして、その発電所が、沿革に遡つてみて、どういう資本系統によつてできておるか、例えばそれは関西の資本によつてできたから関西に所属させろ、関東の資本によつたから関東に所属させろという御意見もあるやに承わつておりますが、この資本系部という問題につきましては、これは如何でありましようか、資本というものは何もどこに所属しなければならんものではないと私は思いますので、大阪の資本が全部をもつて発電所を開発したというわけでもございません。これは電気の資本でありますから、資本はどこにでも有利のところに集まるものと思います。潮流主義、水系主義とか、資本系統主義とかいうことを考えてみましても、地域主義ということをどうしても否認しなければならんような重要な理由はないのではないかと存ずるのであります。
 ただ併し実際問題として考えてみますと、私の現に所在しております。例えば庄川系統にあります祖山の発電所、或いは小牧の発電所のごときは、関西方面の需用によつて生れたことは事実であります。関西の工業が需用が多くしてその需用に応じてできた発電所で、今日までその全量を関西でもつてお使いになつたんでありますから、これらのごときは全量即ち丸買い主義によつて全部を関西にお送りいたすことにしまして、発電所そのものは北陸会社に所属させても一向差支えないと思うのでありますが、如何でありましようか。若し私の述べますことが、若しいけないということになりまして水系主義なるものをとつて、而もその水系主義が関西に所属するということになりますと、非常な不合理な結果を生ずると私は思う。そもそも関西地方に電気を必要とする工業がどうして起つたかということを考えますというと、戰争中に日発におきましては地域料金をプールによつて一定せられたのであります。関西における電気料金、北陸における電気料金も同じにせられたことがあります。戰争中そういう政策をおとりになつたがために、本来自然の立地條件において起るべき工業が、逆に大阪に起つたということがあるのであります。本来工業なるものは今更申すまでもなく、電気の比較的余計に要する工業は電源地帯に起るのが自然であると思います。電気は比較的要らないけれどもその他の資材を要するような工業が関西地方に起る、これは自然の状況だと思うにかかわらず、戰争中のプ―ル計算の結果同じ料金にせられた。自然の條件を人為によつてゆがめられた結果、大阪に今日工業が起つております。併しその工業は潰すわけにいきませんから、これはあくまで政府の政策としてはこの工業が成立つように十分なる電力、少くとも各地方が苦痛の程度が同じまでになる程度にまで関西の工業は育成、維持しなければならんものと私は思います。併しながらこの水系主義をおとりになつて、そうしてそれを関西に所属せしむるということになりますと、この不合理を永久に継続することになります。今後もやはり電気の立地傑作に適する工業を、さにあらざる地方に起すような政策を政府がとることになると私は思うのであります。曾て行なつた不合理を未来永劫に亘つて行うことになると私は信ずるのであります。その結果、電気というものが起りまして送電線によつて送られるわけでありますが、その間に生ずるこの二割乃至二割五分の電気のロスというものは、これは何人も益するものではない、話も益するものでなく、ただ無駄に費やされておるものであります。日本の国の工業の育成、国家の経済の再建という立場から考えますと、何とも不合理なことではないかと私は思うのであります。
 殊にこの潮流主義ということになりますと、現にその送電線の構造というものを新たに構造することもできます。現に富山にあります発電所でも、関西のほうに流れるような構造になつておつて、而も同時に北陸地方にも流れ得るような構造になつておる発電所も随分あります。それから單に大阪方面にのみ送電線が繋続しておることもありますけれども、この場合でも北陸地方に向つて新たに送電線を送るということは、距離の関係から見まして、それほど心配するほどの大きな資金を要するものでないんじやないかと私は考えるのであります。なお特殊電力、つまり豊水期における特殊電力の問題でありますが、この問題のごときは、当然これは地元に使わして頂かなければならんものと思います。若しこれをも関西に持つて行かれるということになりますれば、今の送電線を三倍ぐらいの大きさのものにしなければ関西に行かないと思います。而も日本は特殊の豊水期においてのみ利用される送電線を、そんなに太くして置く必要もないのでありますから、この潮流主義というお考えも絶対のものではないと私は考えるのであります。
 ただ一つ最後に私は申上げて置きたいのは、私の申しますような地域主義ということの原則をとりますというと、つまり或る地域に豊富な発電所を所有しておる、而もその発電所に対すると同機の需用がなくて、需用のほうが少い、即ち電力の分量が多くなる。その結果新たなる電源を開発しようという意欲が少くなりはしないかという心配であります。併しこれは公益事業委員会の権力によりまして、いわゆる融通契約を強制力を以てなさつて、そして一定の電力の分量を大阪に送るなら送るということを、毎年強制を以て御命令に相成りますれば、これは過不足の程度というものは同じに相成りますから、やはり開発の意欲を私は害することはないと考えるのであります。私は今地域主義ということを申上げてみましたのでありますが、これは私は何らかの例外を必要としはしないか、如何なる原則にも例外というものがあるのでありますから、例外を必要としはしないかということを考えてみましたけれども、理論的には私は例外を認める余地はないと思います。ただ事実の問題として御考慮なされなければならんのは、例えば他の地方における需用によつて初めてできたような発電所、そういうものについては考慮の余地はあるかも知れませんけれども、原則として地域主義ということをおとりになることが最も自然であり、最も紛糾を避ける方法ではないかと考えるのであります。私はこの電源の帰属に関して私の所見は以上の通りであります。
 なお最後に誠に恐縮でございますが、もう一言附加えさして頂きたいのでありますが、午前中この地方自治体の所有しておる株式の処理という問題に関しまして私の意見が少し多岐に亘りましたので、私も実は反省してみておりますが、要するに第一番といたしましては、その地方団体の持つておる株式は、或る会社に集中することに御考慮を願いたいと存じます。これはどういう意味かと申しますと、集中することによつてその地方民は安心をいたします。自分の負担によつてできた発電所を接收されたのでありますから、その株式が自分のほうにまとまつておるということは、一つの安心感を與えまして、他日公共団体の所有しておつた財産の御処理をお願いいたしますまでに、これは恐らく相当の時日を要すると思いますが、それまでの安心感を是非與えてやつて頂きたいと思います。なお今後適当の機会において伊藤委員も先刻お答え頂きましたように、公共団体の持つておりました財産というものは、これは御返還を願つたほうがいいのではないかと思います。これは集中排除法の精神から考えて、これを強制的にどうしてもこの新しい電気会社に所有さして行かなければならんという理由はないと思います。これは集中排除の精神から見ましても、新しいこの電気事業再編成若しくは公共事業令のどの規定から考えましても、地方団体が発電所を持つということは許されております。現に大分県においても或いは宮崎県においても、公益事業委員会の認可によつて所有いたしております。然らば過去に遡つて同様の発電所を持つておつたものに対しては、その御返還を願うことが妥当ではないかと、こういうふうに考えるのであります。これは一言午前中のことを繰返すようで誠に恐縮でございますが、附加えてお聽きとりを願つた次第であります。
○委員長(西田隆男君) 電源帰属の問題に関して菅君、内ケ崎君、高辻君、三君の御意見の開陳がありました。御質問がありますれば、委員諸君逐次御発言を願います。
○古池信三君 只今高辻富山県知事の御発言に関連いたしてしま、直接帰属問題に関連してはおらんかも知れませんけれども、若干伊藤委員にお尋ねをいたしたいのであります。本日午前の本委員会におきまして、小川委員から御質問があつてこれに対して伊藤委員の御答弁があつたのでありまするが、これによりますると、只今富山県知事からお話のあつた株の問題でありますが、現在富山県が所有しておられまする日発の株式に対しまして、新しい会社の、各九つの会社の株式を一応割当てるが、併し富山県の希望するように、そのうちで北陸の新会社の株式にまとめて保有できるようにしたいつもりである、かような御答弁だと伺つたのでありますが、それに間違いございませんか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 只今の御質問に対しまして午前中も申上げましたごとく、委員会におきましても成るべくその線に沿うように考慮すべきものだということの意見の交換はいたしております。その処理をいたしますにつきましては、まだ決定をいたしておりませんが、おおむね四月三十日で以て終ります。その期間内におきまして成るべくそういうようなふうにいたしたいという考えを持つておることは申上げました次第であります。果してそれが可能であるか否かということは、今のところ確答することはできません。それによりまして地方の事業者団体或いは地方の府県とか、その地を愛護するためにその株を所有するということに対しては何人も同じ了解を持つておるということを再度申上げまして、御答弁に代えたいと思います。
 それから今高辻知事からのお話の中に、曾ての県有電力等を返還することに了解を得たというお話があつて、これは或いは半分しか伺いませんから、全部伺いませんから間違いかもしれませんが、それは今お返しいたしますことは了解したということは私は未だ曾て伺つておりません。そういう事情につきましての陳情に対しましては十分の審議をいたしたいと思います。
 なお委員長に申上げます。午前中の答弁のときに申しましたが、私は門歯を三本外しておりますので、非常に発言が困難でありまして、速記のほうから若しや了解がつかないのではないかという訂正文がございましたので、極く簡單に申上げましてもう一つ速記を願いたいと思います。それは速記のへ〇の十頁から十八頁のところのことでありますが、多数の株式がある、そのうちで九十九株以下のものを摘出いたしますと二百二十九万数百株になつております、これを二百三十万株といたしまして株数が三・八であります。然るに株主数では八万七千もありまして、それが全体の株主数から見ますと五二%であります。然るにその小株主、一株或いは二株等の株券を本社などの間に交換をいたしますと、郵送費を考慮いたしますときにおきまして数十円の出費を要する。これば非常に多額な率になりますのでこういう問題に対しまして特別の考慮を拂い、証券会社等を利用いたしまして全国的にこの株主の冗費を助けまして、そして一面公正にし、一面その小株主を愛護しようということの精神に副うようにいたしたいと思います。やがて新商法によります五百円券一株の場合におきまして一つの先駆をなすものではなかろうか。即ち小株主を保護することは我が自発の解体に際しまして委員会のとりました初例は、恐らく全国に一つの例をなすものではないかということを考えております。
○古池信三君 地方団体といたしましては、若し保有するとすれば、その地域に関係のある、或いはその地域に電気を供給しておる新電力会社の株式をまとめて持ちたいということは御尤もなことだと思います。又さように図られることは非常に結構な時宜に適したやり方であるとは私は考えるのであります。そうして実際の手続の問題といたしますると、御承知の通り電気事業再編成令の第八條を見ますると、「国又は地方公共団体は、いかなる名義によるかを問わず、指定会社又は新会社の株式を取得してはならない。但し、指定会社の株式に代えて新会社の株式の交付を受けるときは、この限りでない。」という規定がございますから、恐らく当初割当のときにすでに今の例で申しますれば、北陸の電力会社の株式を全部現在の自発の株式に引替えて交付されますれば、その規定にありますが、一応他の会社に割当てて置いて更にそれをまとめて新しい北陸の会社の株式と交換するというようなやり方をとられますると、この第八條の規定に違反するようになりはせんかと考えますので、この点を心配いたしますからさような場合にどういう手続をおとりになるか伺いたいと思います。
○説明員(伊藤忠兵衞君) このままでお答えいたしますが、もとより当然享有すべも株主の権利を保護する上におきまして、割当範囲のものを私は考慮に入れております。たまたま北陸に例が出ましたのでありますが、先刻申しましたように東京或いは大阪等の中央市場に上場されます株式は、比較的に保有者が多く地方株は剰余を生ずるのではないか、万一そういうような剰余を生じた場合の前提の下にこれを考えておりますことが一つ。それから今のを法規上それをどう扱つて行くべきかということは相当大きな問題だと思います。確実な御返事を申上げることは困りますが、その点よりもう一歩出まして解決の方法を講ずることが我々の義務ではないかと、その努力を今考えておるのであります。皆さん所有されます富山県並びに議員諸公のおぼしめしは皆御尤ものおぼしめしではなかろうかと考えまして、その考えの下に処理をいたしておるようなつもりであります。果してこれが可能であるかないかということは今明確のお答えを申上げることが困難な事情であることを御了承願いたいと思います。
○古池信三君 重ねてお尋ねをいたし且つ希望を申したいのでありますが、只今の富山県の御希望は如何にも私尤もだと思うのであります。併し又一面株主という立場から見ますると、株主平等の原則というものは守らなくてはいかんのであります。富山県の御主張が尤もであるといつてもそのために外の株主との均衡がとれないということになつては大きな問題になつて来ると思います。その取扱については非常にむずかしいというお話でありますが、それは何か特別な政令でもお出しになるおつもりでありますか、ないかどうかお伺いいたして置きます。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 特別の政令を待たずしてこれを了解する方法があれば結構であります。或いは特別の政令を出しても非常に困難なことが発見されるならばこれは止むを得んことで、成るべくその法規の広義の解釈ができませんものかどうかということを、特に委員長が商法の権威者でありますので委員長の御研究を目下お願いしておる折からであるというだけの御報告にとどめたいと思います。
○石原幹市郎君 電源の帰属の問題につきまして、先般公益事業委員会委員長の声明の中に示されております基本方針によりまして、配電会社が現在所有する所有権は一応該当新会社に受継がせるという基本方針があるのであります。私は一応というのは飽くまで一応であつて、今後公益事業委員会におきまして、ここに示されておりますいろいろの原則によつてその所属を正当にきめられることと思うのでありますが、その点につきまして委員長の考え方を伺いたいと思います。
○政府委員(松永安左衞門君) 今石原さんの御質問は水利権の問題は一応関東に所属しておるが、自然これを所属しておる工事所属を東北に将来移す考えでありや否やという御質問だと解釈いたしますが、この問題につきましていわゆる一応という処置をとりましたのは、申すまでもなく水利権はそこに規定されておりまするものを、工事を東北区域でやろうといたしましても、この問題をそのまま関東といたすことよりほかないことは御承知の通りであります。一応水利権は関東とし、工事そのはかは東北の所属としてやるということにきめた以外には大きな意味を持つておりません。それで然らば一応の話をどうするかということについて、何か危険があるかというお考えかと想像しまして御返事を申上げますと、水利権の問題が完全にその地域の所属の地域に工事ともに返還されるということは、当然の経緯であります。自然東北区域においてこの工事が進行されるについて、適当に関係官庁その他と交渉を進めまして御了解を得たのちに、その所属地に移すべきことになるだろうということは当然考えておる次第であります。以上をもつて御返事といたします。
○石原幹市郎君 今松永委員のお話で大体わかつたのでありまするが、同時にこの例えば日発が支出した調査費等は例えば東北なら東北に引継がれるという字句があるのでありまするが、この調査費を引継がしめるということは当然今後の開発その他の工事も引継がす解釈とみなす趣旨というふうに我々はこれを解してこれを読んでおるのでありますが、さように解釈してこれは間違いありませんか。
○政府委員(松永安左衞門君) 大体御解釈の通りでよかろうかと思つております。
○石原幹市郎君 それからこれは事務総長からでもいいのでありまするが、この知事の持つておりまする河川法による河川の水利使用の許可、或いは取消権の関係と、公共事業令の五十九條の公益委員会の持つておる権限との関係について、どういう関係になつているかということを一応承わつておきたいと思います。
○政府委員(松田太郎君) すでに知事のほうで水利権を許可いたしております問題は別といたしまして、まだ許可のない、いわゆるその水利に対する出願と申しますか、出願中のものにつきましては、御承知のようにそれを許可するかどうかということはその知事に権限があるわけです。その場合に知事といたしましては、これを許可するかどうかということについて、先ず第一に公益事業委員会のほうにその意見を問われるのだと思うのであります。公益事業委員会といたしましてはその意見をまとめますに際しまして、あらかじめ建設大臣のほうと協議をいたしまして、その結果を委員会といたしましてはまとめまして知事のほうに御連絡を申上げる。知事はその意見を十分参酌して頂けると思いますが、その上で許可すべきかどうかということを決定頂く、こういう関係になつております。
○石原幹市郎君 その場合に知事が公益事業委員会の意見と反した許可なり、許可方針を立てるというようなことになつた場合に、別に公共事業令には規定がないのでありまするがどういうことになりますか。
○政府委員(松田太郎君) その際法律的に申しますれば、仮に委員会のほうで十分検討しました意見を出しましても、それを知事が採用せられんということはあり得るわけでありますが、併しながらこの場合につきましては、御承知のようにこの公共事業令の上におきましても、委員会といたしましては電気事業の開発と申しますか、電力開発の問題につきましていろいろ検討した結果を国会のほうに御報告することになつております。従つて、そういうような問題につきましても自然委員会としては電源開発に関連して、こういう意見を作成したのだということは自然国会のほうに御報告申上げることになります。そういう場合に国会とせられて、委員会の意見が正しかつたか、或いは知事の採用せられた結論が正しかつたかということは、自然輿論に諮られてその可否というものは国民の声できまつて参る、かように考えております。
○石原幹市郎君 そうしますと取消の許可の場合についても、やはり知事が河川法第二十條によりまして、例えば先ほど富山県知事からお話がありましたように、許可した当時と非常に事情も変つているし、相手の会社も変つたという場合に、仮にそれが二十條の條項に当るかどうかは別といたしましても、当り得るような場合に取消したというような場合にも、やはり委員会の意向が違つておるとすれば、この五十九條によつて必要な勧告をすることができるようになつておりますが、そういうことによつて最後の判断は国会がやるということになるのでありますか。
○政府委員(松田太郎君) そういう場合には勿論お話のように委員会としても勧告と申しますか、そういうことができるわけでありますが、それにもかかわらず知事のほうとして取消をせられたというような場合には、やはり先ほど申上げましたような途によつてその適否というものが決定せられる。かように考えるのであります。
○石原幹市郎君 最後は国会まで持つて来て、つまり輿論の判断によつてそれを決定するということになるというお話でありますが、それは公共事業令か何かにこの準備があるのでありますか。
○政府委員(松田太郎君) それは私の申上げましたのは、必ず国会にその問題を具体的に出しまして、云々という個別的なことを申上げておるのではなくて、それは公共事業令の第五十七條でございます。第五十七條に委員会は発電水力の開発上必要な調査を行う、その結果及び開発に関する意見を毎年一回内閣総理大臣及び国会に報告しなければならない、この規定によりまして、そういう問題が自然取上げられるのではないか、かように考えるということを申上げる次第であります。
○石原幹市郎君 それから私は電源の帰属等につきまして、今までの電力特別委員会でたびたび公益委員長等に根本方針等があれば聞かしてほしいということを申上げたのでありまするが、先般配られました委員長声明には、ちやんと先の基本方針によつて電源の帰属をきめたということが示されておるのでありまするが、実は我々この公共事業令並びに編成令、これはポ政令で出ました関係上、この法案の内容については審議していないのであります。電源の帰属がどうなるかというようなことは、これは非常に衆参両院挙げて或いは各政党を挙げて、各地方を挙げて検討し続けて来た問題なんであります。両法案が当然我々の審議に任されましたならば、こういう問題についてもいろいろ我々も意見を言い、或いは又政府なり、委員会当局の意向も十分質して、我々の意向を反映しで貰う機会が十二分にあつたと思うのであります。それがなかつたのでありまするから、我々は公益事業委員会が行う行政面の範囲にまでタッチしようということは考えておりませんが、こういう電源の帰属の根本方針等について、根本方針がそろそろきまつており、或いは案になつておるというような際には十分我々に案を示して頂いて、この特別委員会等でも審議し、意見も申し出る機会を作るというようなことが私はあつていいじやないかと思うのでありますが、法令が我々の審議を通さなかつた関係上、特にそういう点に私は考慮を拂つて貰いたいと思うのでありまして、今後公益事業委員会がいろいろ方針を立てられる等の場合につきまして、我々特別委員会はどういう意見を持つておるかどうか、そういうことについて相当我々にも審議の、或いは意見を言う機会を與えるつもりであるのかどうか、この点一つ松永委員から承わつて置きます。
○政府委員(松永安左衞門君) 只今電力帰属問題について重要なる御質問にあずかつたのでありますが、帰属の問題につきまして事務総長も参つておりますから、細かいこと或いはそのほかのことは補足して説明をして頂くとしまして、私よりは大体どういう考えを持つて委員会は帰属の問題について考慮を拂つたかという、主な二三の概念を申述べておきたいと思つております。
  帰属の問題は只今普通分れて二つになつておるように思うのでありますが、一つは法令にきめられた即発電所、或いは送電線等の帰属、これが九つに日本発送電の発電送電が分割されるときにきめられた一つの帰属問題である。それから今一つの帰属と世間にいわれておる問題は、工事にすでに著手しておるところのものはこの政令においてまだきめられていない、これを如何にするかという問題が一つ。それからいま一つまだあるのは、工事に著手せざると共に、将来著手すべき所は
 一体どこに帰属するのかという問題。これは二つ合せて一つにして、要するに新らしい帰属問題、それからポ勅において定められた帰属の問題、ポ勅に定められた帰属の問題はどういう精神に出たものであろうかということにつきましては、私ども個人としましても電力の再編成審議会に関係しております際から責任を持つておるものでありますが、ポ勅がどういう線でできたかできんかということに関係なく、帰属のこの前の古い問題についての考え方は先刻から論議もありましたように、いわゆる潮流主義と申しますか、そこに起されたところの大きな需用と結びついた、送電線と結びついた問題、主に電力のバランスを侵さざる限りにおいて、北陸に発生された電力といえどもその使用されておる方面、例えば関西方面に帰属せしめるというようなことであつたろうと思うのであります。次にそれに関連しますのは、河川統一主義という技術方面から来た問題じやないかと思いまするが、これは御承知の通りに一つの河川を採用しまする場合は、例えば上に大きな貯水池を作る、これは北陸も起りまするが、特に中京地区木曾川筋においても、或いは飛騨川筋においても同じことが言えるのであります。揖斐川にしても同じことが言えます。上に大きな貯水池を新たに作る、その場合に影響を受けるところのものは、真中の中流にあるところの発電所並びに下流にある発電所は大きな影響を受けます。これを別な会社の所属にせしめる、貯水池を勝手にほかのところがやる、真中或いは下流は他の会社が持つているというようなことは、貯水池の負荷と申しますか、或いは負荷の変化を利用します場合に、適切有効にこれを使うことは困難になつて参ります。従つて技術的に無駄が非常に初めから起ることは想定されるのであります。これは国の経済としても第一に考えなければならん問題でありますから、河川はどうしても統一主義ということは技術的に言われるのであります。大体潮流主義に属した河川、従つて河川そのものの将来の開発も、又同じくそれに属したところの同一地区の会社の経営及びその技術上の適切さを按配することのできる方式をやるというのが技術的に考えられる。つまり言い換えると、経済面と技術面と、或いは産業面、すべてそういうことを総合したのが初めからポ勅にきめられた大体の趣旨であろうかと思います。従つて次に起りまする未開発の工事も同じくその線に沿うて考えなければならん。これはバランスの問題を先ず第二義に考える。やはりその線に沿うてその河川の開発の技術的、且つ大きな経済面を主として未開発のところもその線に沿うてやらせる。それに着手していない、或いは場合によつてはまだ水利権の許可さえもないような所さえもやはりこの線に沿うて有効適切に、或いはダムをこしらえる、或いは流域を変更して、或いは支流の水を或る河川に集中することによつてその全体の河川の利用率を高めるということは、当然これは考えなければならん問題として原則的に考えておる次第であります。従つて先刻委員長さんからの御質問に答えましたバランスの問題、或いは急激なる需給状態の変化、これらに対して考慮を加えるという問題とおのずから切り離して、これは直接的な問題であるというふうにお考えを願つて、大体の属地主義というものはさように考えておつたということだけを申上げてみたいと思います。
○石原幹市郎君 それは只今松永委員のお話でその点はわかるのでありますが、私が先ほどお願い申上げました点はこういう非常な重大方針であるとか、重大な問題については、我々がこの両法案をこの機会において十分審議しなかつただけに、今後こういう問題がある場合には我々に根本方針を示すなり、その方針について論議し、我々の意見も入れる。ただきまつたことを我々があとでここでああこうと、騒いでいるだけが今の我々の審議、電力委員会の問題のように思うのでありますが、これでは私は非常にいかんと思うのでありまして、国民の意向が一向この電力行政運営に反映しないということになる虞れがあると思うのであります。そこで今度の公益事業委員会のいろいろな施策の方針と我々国会との関係について今少しく方針を示すなり、秘密主義で結果だけをここで発表論議するということでなしにやつてもらえるかどうか。そういうことについて委員長がおられませんので、松永委員長代理から今後委員会としてどういう出方をするかということについて御感想をお洩し願いたい。
○石坂豊一君 委員長、ちよつとそれをお答えする前にこれに関連して私発言を許して頂きたい。先ほど石原君の御質問に対して松永委員から極めて親切に御答弁がありましたが、併しく石原君が再質問せられたごとく、その一番要には触れていなかつたのです。即ち今後かくのごとき重大なる案件をきめらるるに当つて、国会を尊重して国会に御協議せられるところの御誠意があるかどうかという点について、何も御答弁がなかつた。私考えまするに、公益委員諸君は就任の際に憲法を尊重する、擁護するということを御誓約になつておる。憲法を尊重し擁護すということは国会を尊重するということなんです。民主々義においていろいろ手段があろうけれども、結果においては国会を無視せんということなんです。然るにこの法律そのものは国会の審議をそつちのけにしてきめれたことであつて、どうも、我々は決して邪推ではないけれども、委員諸君のほうでは御誠意があるかも知れんけれども、きまつたその点においては国会のほうを余り重んじておらん。どうもうるさい者に相談すると、却つて面倒になるから、きめてしまつたのちに報告すればいいというようなやり方になつて見えるのです。それを取除く御誠意があるかどうかということについての御質問と私は考えておる。私はそれについて率直にそういう精神があるとかないとかいう簡単にお答えになつて済むのであるが、それを殊更避けられて、顧みて他を言うて冗々と御答弁になつておる。私は甚だその答弁について結構と思いますけれども、その要を外された点について遺憾に感じておるから御答弁の際においてそれを明らかにして頂きたい。
 続いて私もそれと同じ御答弁を願いたいのは、この基本方針をお示しになつた根本において、約一から五までの根本の方針のその前に、但書において、「但し、現在工事中及び工事準備中の発電所の発生電力は、関係各社間の需給の均衡を考慮して配分する。」と、こうある。これは実に結構な話でこれが最も必要なのです。然るにそこへ持つて行つてあとに来るいろいろの條件を附加して、どうもその配給が必ずしも需給の均衡を考慮したのでなくて、何らかの情実によつていわゆる強いてそれを水系に帰属せしめるというその本旨を徹底したかのごとき方法を以ちまして、電力の需給関係をむしろ高いところへ縛るようなやりかたをしているのが、現に我々の係争の上に現われておる。かようなことは基本方針においておきめになつた御精神と、そのやりかたと結果とにおいては多少違うように感じますが、これを一つ明らかにして頂きたい。その例は神通川における成出であります。成出は明らかに富山県の区域の地点である。でいつもいつも我々富山県のことばかり言つて恐縮でありまするが、これは止むを得ないのであつて、我々は日本全国、むしろ世界の点から国政を審議しなければならんもので、一地方のことばかり申上げるようでありますけれども、これはどうも止むを得ない、電力に関しては富山県の生命でありますから。それが公平に処理されておることならば何も申しません。殊にこの戦時中国有、国営になつたところのことに対して非常に憤満を持つておつたのは、今度松永委員等の御処置によりまして、九つに細分化されたことは、これは富山県民として歓迎すべきところである。その歓迎すべきことが却つて不満の元になつておるということは、その帰属が十分公平になつておらんからである。県民の要求を入れてないからである。で私はこの点について当委員というものは第八国会から継続して行われておる関係でありまして、たびたびかような問題に触れておるにもかかわらず、松本委員長などがここへ来て説明される際に、なかなかうまく巧妙なる御答弁を以て、やがてきまるときには君たちの希望は大体満足できるだろうというようなことを仰せられておるかと思うと、発表になつた結果は大なる不満を申さなければならんということになつておるのであります。この点に対して私どもこれは本当に絶対信頼を拂つておる松永委員の処置に対して、今少しその不満を申さなければならんというのはこの点に存するのであります。で先ほど知事も言われたごとく、水系専属にするということになりますと、一度きまつた帰属は、将来その河川において何らその地方のものは開発するところの希望もなければ何にもないということに相成るのであります。その河川の開発という、即ち電源開発ということは主に深山幽谷において行われることである。深山幽谷におけるところの工事というものは勢い止むを得ずその所の人が非常な努力をしなければできないことである。現にこの成出のごとき地点は、富山県東礪波郡の利賀村初め五ヶ村の者は挙村一致してこれに当つている。相当の犠牲も拂つている。又勿論大工事でありますから他から出て来てはおりますけれども、大部分富山県民の晝夜怠らざる努力によつてこれは開発しつつある。それが県にあるところの新会社に帰属せずして他のほうに持つて行かれるということになるというと、如何に仕事を、専門家でその他を顧みないところの従業員といえども、或いはここにどうも捨鉢な心を起さんとも限らんことでありまして、かようなことは今日よりきめられるときに際してはよほどのお考えにならんというと、その結果において憂うべき事態が生ぜんとも限らんと私は憂慮するものである。この点に対して石原君にお答えになると同時に松永委員長代理より御明答願いたい。
○委員長(西田隆男君) 只今石原君と石坂君から松永委員に対する御質疑がありましたが、松永委員に当委員会に出て来られるのは今日初めてなので、過去のいきさつがよくおわかりでないので、私から一言なお附言いたしておきましよう。当委員会におきましては、公益事業委員会と国会の委員会との本質的な問題について十分論議されました。併し結論としては、公益事業委員会は国会の意思を十分に尊重して決定をするのだということが松田事務総長並びに松本委員長から当委員会の席上において表明されました。国会としては多分そうなるだろうという考えの下に数回に亘つて随分活溌に質疑応答を繰返したのでありましたけれども、たまたま三月一日に発表されました指令案のうちには、当委員会において活溌に質疑応答が繰返された趣旨が、余りにも少くしかとり入れられていなかつたという点について、今石坂君並びに石原君から公益事業委員会は今後の問題に対して、国会に対して国会の意見を十二分に尊重する意思があるのかないのかという質問が今出ていると私は考えております。聞くところによりますと、松永委員は、公益事業委員会が当委員会の委員を呼ばれた席上において、あなた自身、私が非常に頑固者でそうして自分の言うことは何でもやりたいような考えかたを持つている、一つ御了解を願いたいという意味の御発言があつたと私は聞いておりますが、そういう関係でもありあなたに対して松本委員長が御答弁なさつたにかかわらず、委員諸君は松永委員の公益事業委員会における実力者として立場を認めておる関係上、御答弁を求めておると思いますので御答弁願いたい。他の富山県云云に関する問題は、これは技術的の問題でありますので、専門家のあなたでありますのでミステイクはないと思いますのでこの二つの点についてお答え願いたい。
○政府委員(松永安左衞門君) 只今石原委員、石坂委員の御質問があり、又更にそれを補強下さつた意味において委員長の御注意的質問もありましたので、一言私としまして公益委員会の一委員の立場からできますだけ十分なる御説明を申上げたいと思います。逆に遡りまして、只今西田委員長さんの御注意に対する簡單な御答弁を申上げます。次に石坂委員の言われた感じを申上げます。石原委員はかなり電力開発について根本的な考えに基いていま少しりむしろ技術的と申しますか、テクニックに属することまでも考えがあれば言えというふうに私の耳に響いたのでございます。むしろこれを逆に申上げて行きたいと思つております。お許しを願います今委員長の御注意的御質問に対して申上げますれば、私ども公益委員会を組織いたしまして、任務に当りましてから甚だまだ日が浅いのでございますが、そのために当面の仕事に追われて、法の大きな精神である国会の御説明、御協力を仰ぐということについては、或いは時間的にも、或いは事務的にも多大の疏隔、疏隔と申しまするか或いは行届かんと申すほうが本当でありましようが、行届かん点があるということは重々存じております。併し松本委員長からたびたび御説明があつたかと思いまするが、委員会の性質がもとより公益に対する調節の中枢機関である、そうしてそれが主に国民の利害をよく考えて、そうしてこれを諮るのは、最後は国民を代表される議会そのものに直結して御相談して行く、又その方針も立てて行くということはもうたびたび説明されておることと存ずる次第でありまするけれども、その間時間的或いは技術的の面から不行届きになつておることをお詫び申上げる次第であります。でありまするから、将来まあ電力を開発して行くような問題につきましても、或いはそれを供給按排する方面から申しましても、或いはその料金の適切妥当なることを期する方面から申しましても、一に公益を主として、それで直接国民の御監督なり或いは御指導の下に進んで行くべきものであることは言うまでもないことでありまするから、私初め各委員ともに私どもの委員長を補佐してその途に進んで行きたいと思います。これまでいろいろその点に欠けたことがありましたら、ひとえにお許しを願いたいと思います。今後はさようにいたしたい、従つて又こういうふうなこともお前がた考えてせよということは、どうぞ御注意を今後ともお願いしたいと思う次第であります。それから次に石坂委員は、例を主に東北に取つてお話になりましたのでありましたけれども、これは一例に過ぎないので、一般に最初からこの電力の需給のバランスそのほかについて公益委員会では非常に勉強すると言いながら、ややもすると属地主義になつたり、或いは帰属問題というものを取上げて、実際にそういうことをゆるがせにしていることはないかという御質問であつたかと思います。そのほかいろいろこれに類した我々の熱意、努力が足らんのじやないかという御質問であつたかと思いまするが、これは必ずしもそういうバランスを主としてやるとか、或いは原則主義に拘泥するとかということに偏して、或いは何だか間違つた考えを無理に遂行しているというふうなことは全くないので、足らざるところは、我々といえども人間でございますから、これは期間も短いことで、而も原則主義があつたとしましても、現在の需給の状態を見て、原則が違うからどうだとか、或いはあすこはいいがこのほうはおろそかにしたとかいうことは全くないつもりであります。併し自分がないと思つただけではいかんのでありますから、この点についてたびたび松本委員長から申上げられておると思いますけれども、特に電気のオーソリテイの人たちを公益委員会のできます当初からお願いして、取りあえずこのバランスを失なわないように、そうして帰属の原則、将来の工事に大きな国損となるような信用並びに設計をせないようにその両方をよく見合つて、関西に偏せず、北陸に偏せず、中京に偏せず、東北に偏せず、関東に偏せずということを適当に処理しました結果が、最近の二十八日までに出しましたすべて属地主義の解決及びこれに対する説明になるわけであります。これは先刻富山県の知事からも話があつたように思いますが、まだまだ今後といえども実際には幾多の変更、幾多の、英語で言えばアジヤストメント、再調節、又再々調節を加えてきちんと物の行くようにいかんならんものだと思つております。併しこれは私どもが一人でやることじやない。どうしても各責任者ができまして、その責任者がみずから自分の区域のみにとらわれず、よく他の区域の利害も考慮され、共存共栄の立場で努力されることによつてのみ行なわれる。いわゆる人間のする仕事になりますので、公益事業委員会としては余りに細かい干渉的立場をとることは却つてその地元の協力を害する点もあろうかと思います。その点については、皆さんから言われると、公益委員会がもう一歩やつてくれるといいという人もあろうかと思いますが、又行過ぎということもありますので、その点は多少やり方のあまい点、或いは行届かん点があることはこの際お詫びを申上げておきます。ただ誠心誠意公益委員会はその事のよく成り立つことを考えて、決して理窟に拘泥したり、或いは原則に捉われたり、或いは感情に左右されたりすることはないものだと一つ御信用を願いたいとこう思います。それからなお細かい御質問もありましようが、先ず一応そう申上げて、次に石原委員のお尋ねは、先刻私の申しました帰属主義或いは水利権の帰属を如何に処理するかという質問以外にも、国会としてはまだ大きな問題を知りたいのだ、お前がたどう考えておるか知りたいのだというお考えと思いまするので、或いは御質問より見当違いになるかも知れません。というのは、具体的に小さいことであると、そのことの御答弁を申せばいいのでございますけれども、御質問の要旨も大きな問題に觸れておるようでありまするから、或いは間違うかも知れませんけれども、委員の一人として私の私見を申上げておきたい。これは同時に委員長の御質問の国会を尊重し、それから今後の御指導を受ける意味におきましても、委員の一人、恐らくは他の委員も御回見であろうと思いまするが、そのことについて一通り申述べておくほうが将来の御審議にも便宜であろうかと思つて、責任上申上げてみたいと思います。若し申上げることが全く御質問の要旨に離れておりましたらお許しを願つて、再質問をお願いしたいと思います。大体私は御返事申す上について今度の潮流主義とか、或いは九分割後の電源開発というものはどういう姿になつて行くものであろうか。又日本発送電という一つの單一発送電会社を九つの区域に分割する場合に、最も起こる問題は中央における六つの区域、即ち九州、四国、北海道を除いた六つの区域に起こる電力の大きな発電送電方法というものが、單一発送電会社時代より如何に変化すべきものであるかということを先ず考えるべきであると思つております。この点について個人の一、二の委員諸君とお話したこともあるかと思いまするが、或いはそれは私がまだ委員でない時代の考えも混つておりましようが、これは当然現在の開発方法というもの、送電方法というものは変更されなければならんことは当然であろうかと思う。そこでどういうふうに変えらるべきものであるかという根本は、ともかく今の潮流主義というのは最近は意味が違いましたけれども、以前から水源地から消費地に向けて流れてどんどん行くのが潮流主義、そこで全国の電力の一番多いところの地区から最も需用の多い方面に、例えば例を申しますと、只見川、猪苗代とかいう大きな水源地帯から最も多く消費する関西、中国、場合によつては九州まで、この日本は水力国である以上はどんどん持つて行くのが本当であるということは、当時からどうも一つの方針としてきまつたかのごとく感じられる。又当然一つの発送電会社がやる以上は、その観点に立たれるということも無理はないと思われます。これは日本の現状から、資金の状態、或いは電力を急いで開発する状態、それから原価主義に即して、そうして安い電力で成るべく手近な所で製品を作る、そうしてこれをできる限り船積のいい所に持つて行く、そうして海外にその製品の一部分或いは大部分を輸出して国内の出入状態を盛にし、工業状態に持つて行く。或いはそれがために貿易のバランスをよくして行く。従つて国民の生活水準を高めて行くというふうなことは、当然九分割、或いは七分割時分から考えらるべき状態であつたのでありまするから、私は初めから今のような一貫的に日本を統一する考え方よりも適地主義で、今日でいうと属地主義になります。その意味の属地主義ではなくて適地主義、水力を最も安く、そうして最も多量に移出のできる所、使用のできる所で安く作るという方針に変えない限りは、貧乏な日本で三十八万キロ線を数本も作らなければ東北から大阪まで持つて行けないというような、不経済なことをするべきときじや日本はないと考えたのであります。今日といえども我々はそう考えておりますからして、これをどうしてもやる以上は大きなダムをやるよりほかはない。小さい水力をむやみにやるということは到底不利益であつて、できるだけ大きなダムを大きな場所に作つて行く、それで細かいものをあちらこちら作り飛ばすというようなことは、徒らに時日を遷延し、工事の能率がよくないということを考えたのであります。これが私どもの電源開発に関する一つの考え方の大きな違いをなしているものと思います。これを詳しく申上げることは今日その時期を得ておりませんし、又当委員会で申上ぐべき筋ではありませんけれども、これが私どもの今後の電源開発に対する考え方、或いは発電の考え方。一本で今日本発送電が日本の需給を司つたものが、九つに分れたときに如何にその間の能率を下げずに行けるか、如何にすればその土地の電力の何と申しますか、自主的産業の発達ができるかということを目指して、北陸は北陸に適する工事がある、又その電力の状態、東北は東北に即する工業の状態がある。而もその状態に適する水力資源を持つておる。而もそれを最も適するごとく、最も必要に最も有効に開発するというよりほかに、技術的にも計算的にも算盤が出て来ないことは当然でございます。何ら旧来のわだかまり。失礼でありますけれども、安本の計画があつたからというて、安本の計画に我々は必ずしも従属する必要もないと思いまして、自家の見地を以てこれをやつて行かなければならんということを今日も考えております。従つて先刻から申上げました属地主義につきましても、河川統一主義にしましても、或いは人民の利害と関係する例えば山奥に大変大きなダムを作る。このためんその土地の人に非常な迷惑をかける。これは到底金銭を以て償うことのできないくらいの迷惑でありますけれども、その代り又金銭を以ても得べからざるその土地に一つの公益事業を起し、その迷惑を蒙むつた人は却つて喜んでその事業に協力してくれるというまでに考えることを、発電、送電に関する根本の理念としてこれを考えなければならんと思つておりまして、この点につきまして、私どもはその後開発調査会を作ることに骨折つて参りました。又各種の関係の電気委員のかたにもその意見を聞いて、およそ地区ごとに分類して電力をどの点において、早く開発するかを考えております。併しこれはいわば根本方針というべきもので、半ば理想、半ば空想及び資金の関係面で具体的にこれを云々することはまだその域に達しておりませんけれども、併しお話して御指導を得る分には少しも差支えないことでありますから、今後ともその方針の善悪について、或いはその土地について、例えば流域変更の場合は、福島県に流れておる水を或いは新潟県の流域に変えなければならん、国家の大局から見るならばこれは止むを得ないものも起つて来る。或いは新潟県に流れる水を福島県に落さなければならないかも知れない。その点において当面の問題としては、かれこれ地方には御異論がありましようけれども、国家の前途から考えて……(「質問の答弁になつておらん」と呼ぶ者あり)
○委員長(西田隆男君) まだ基本の方針の御説明と思つて聞いて下さい。(「講義を聞いているのではない、趣旨をはつきり」と呼ぶ者あり)じや、只今の松永委員の御説明承わりましたが、御説明の中に非常に重大な示唆を幾多含んでおると考えるのであります。あなたは今基本方針であり、理想であり、夢であるというふうにおつしやいましたが、ただ一点だけ是非はつきりしておきたいことがあります。その点は、あなたの御所論を聞いておりますというと、誠に雄大な構想で、日本の電力は豊富にあり余る時期が当然来るというふうにも解釈されますが、現実の日本の状態は産業構造の形態から行きましても、現在の各地の電力の需用は日本経済の復興のためにどうしても満たしてやらなければならんと、私は先ず第一にそう考えております。従つて松永構想による電源の開発が行われる場合においても、少くともあなたの構想を実現するということは現在の日本の産業構造の上からする需用が充足されたあとにおいて、あなたの構想を実現なさるということが最も妥当適切な方法だと考えておりますが、あなたはそういう需給のバランスが取れて、少くとも現在の産業だけは維持できるような電力の発電ができない以前においても、あなたの理想を今後開発されんとする電源の開発について一々実行なさるという考えであるかどうか、この点について一つ御意見を伺いたい。
○政府委員(松永安左衞門君) 簡單に御返事を申上げます。現在の状態は私の構想と申しますか、又只今御質問の電力の困窮の状態は、大体に電力の再編成が遅れていることが一つの原因となつておると思います。でこの私の大きな構想と申しまするか、或いは将来の構想ということの前に、只今委員長さんのお話になつたように、現在のものを如何にするかということは、将来のより大なる構想よりもまだ緊切なことであることは間違いないのであります。これはできるだけその再編成の委員が発足されて、そうして第一に私が着手して頂きたいと思うことは、電力の現在の幾多の漏洩であります。現在はあり余つた電力の漏洩が相当あります。これは早く規制して頂くことが必要なことになつておる。その次に起る問題は、水力を待つことができず、今年の、或いは二十七年の一月頃の渇水、或いは電力飢饉に対応するには水力のみによることはできないような事情になつております。これは主に火力を主として、キロワット・アワーよりもキロワットを増加する方針をとらなければならん状態に陥つております。而ももはや僅か残すとかろは十カ月以上保たないぐらいの状態でありまして、而もこの十カ月は大事なときでありまするから、主に火力の補給、修繕等によつて、規制と相待つて電力の危機を救わなければなりません。次に各地の財政状態を整えて、資金を豊かにして、大きな修繕、大きな規制、又はぼつぼつ発電の基礎となる仕事に取りかかるのであります。これも容易ならんことでありまするが、それには早く今回の新会社が発足され、そうして各自の機能、各自の経験でその応急のことはおやりにならなければならんと思います。この点について議会からも特に御指導を願いたいと思いまするが、私が先刻石原氏のお問いに対して考え方を申上げたのは、この帰属の問題そのほかから引いて来た電源開発の方針を議会等にもときどき相談せよ。お前たちの思うことを言えというようなお話でありましたために、ややもすれば御質問の範囲を逸脱して、多少かくあらねばならぬものであろうことについて、是非とも御了解を願いまして、御指導を願いたいということを申上げたわけであります。
○委員長(西田隆男君) もう一言私お尋ねしますが、簡單にイエスかノーかをお答え願いたい。それは今あなたがおつしやつたように、ロスをなくすということは勿論必要であるし、電力の足りない場合に、水力が間に合わないから火力の発電を起すということもこれは適切なことでありましよう。私が聞いておりますのは、そういう方法を講ずることは勿論でありますが、少くとも現在の日本の産業構造を壊さないように先ず電力需給のバランスをとるために、これを基本に置いての電源の開発をやられた後に、あなたの御理想の、雄大な日本の電源の開発をやられるお考えかどうかということで、ですからこれはそうであるか、そうでないかという御返事を願います。
○政府委員(松永安左衞門君) 私の申したことと、今委員長さんの御注意の、それらを壊さないで、大きな電源開発を区域ごとに方針をきめてやりながら、何ら産業の状態が破綻せず、むしろそれを助長して行けるものと信じております。
○石原幹市郎君 最後にもう一つ、只今電源開発が各地で行われ、更に二十六年度等の計画もいろいろやつておるわけでありますが、現在の日発の首脳部は勿論、各支店長、或いは配電公社の幹部等、殆んど東京に詰め切つてもう言葉は大きいかも知れませんが、数カ月この会社の引継ぎその他をやつておるのでありますが、電源の開発はこれは一時も一刻もゆるがせにしておくわけにはいかないことでありまして、これはたびたび前に再編成に当つて、電源開発に支障があるようなことがあつては大変であるということを我々はこの委員会を通じてしばしば申しておるのでありますが、現在二十六年度の計画であるとか、或いはそういう準備、現在開発中のもの施工状況、こういうものについて何ら支障を来しておるようなことはないかどうか、又そういうことに支障のないようにどういう措置をとつているか、これにつきまして、これは事務総長からでも、技術長からでも結構でありますが、お答えおき願いたい。
○政府委員(平井寛一郎君) 二十六年度の電源の開発の進行が、再編成のために遅れるということがあつては由々しいことであります。従いまして委員会といたしましても、この点には早くより大きな関心を持つておりまして、そういうことのないように現在の日発、九配電会社との間にいろいろと話合いをいたしまして、そしてその面の食違いのないようにあらゆる方法を協議して進めております。電源の開発のみならず、例えば既存の設備でも、火力のごときものですら相当の補修を手落ちなく推進しておかないと、次の冬に又参るのであります。そういうことも併せて手落ちのないようにいたしまして、二十六年度の計画の内容等は、各業者が一応協議してまとめましたものを中心といたしまして、今委員会でも慎重に検討いたしております。又それらの数字は取りあえずやはり大蔵省だとか安定本部のほうへも出しまして、そうして裏付となるべき資金計画等について今協議を進めております。又その中にありまする見返資金等のわくについても、同様な趣旨で併せて進めておるのでありまして、特に見返資金のごときは、普通ならば新会社ができない前に、現在の会社がいろいろ考えておるようなものは引継がれるかどうかという御不安が一応あるわけであります。新会社ができましてから申請の手続きその他をやりましては非常に遅れが出ますので、この点につきましては、いち早く関係筋とも話合いをいたしまして、少くともできるだけ継続工事については早く金を出してもらいたい。現在の各会社が連名で以てこの計画の資金等の申請をするならば、それは引続いて新会社においてもその構想において推進されるものであるということの解釈をされるようにしましようというふうにして、その辺の食違いのないように善処をいたしております。
○石原幹市郎君 只今技術長からまあお答えがありましたが、現実にはこれは新会社ができてからやるのだということで、いろいろの仕事がチエツクされておるような事例が多々あると思う。例を挙げて言えといえば例を挙げてもいいのでありますが、こういうことがあつては大変でありますから、只今技術長の述べられたような方針を更によく各地方に徹底するようにして、この際開発が遅れるというようなことがあつては大変であると思うのでありますので、更に御善処を願つて置きたいと思います。
○小川久義君 先ほどからながながと松永委員の空想、夢物語を聞いたのでありますが、これが只今の問題を起しておる根本だと思うのであります。当電力委員会が発足当初委員長は松永委員に親しくお会いしまして、国会へ出ていろいろ御説明願いたい、所信も伺いたい、進んでお伺いしようという確約をしたのでありますが、一度もおいでにならない。今日初めておいでになりまして、これは私は少し故意であつたのではなかろうか。なぜかと申上げますと、この向うにお出しになつた案ができるまでは国会は行かずにおこうという気持があつたのではなかろうか。それから具体的に進められて来たことは日発にしても、配電側にしても、株式、人事に対しては真剣に協議、検討を進められて来たと思う。ところが帰属に対しては、両者とも至極簡単に意見が一致したからこうきめるということであります。この間地元の陳情、第一線に働いておる諸君からも強く要望があり、具体的な陳情があつたと思う。それがあつたかなかつたか。それに対して如何に輿論を織り込んだか織り込まないか、その点を伺いたいと思う。又委員会は会社が両方とも協議決定したからそのまま認めて、未開発の分に対しては勝手に委員会がきめたという結果だと僕は思う。従つて富山県の実例ですが、少くとも十度以上富山県から陳情に来ておるはずである、又私自身も何回となく行つておる、そのときは善処しましようという確約をされておる。特に恵まれぬ再編成の結果不遇な立場に置かれておる富山県に対しては善処願いたい、こう申上げたとき、松本委員長松永委員は口を揃えてわかつた、善処するという約束をされておる。然るに開かれた案は一つも善処してない。お前ら何でも言いたければ言うておれ、地方民、又大口電力需用者が平常六〇%機械を動かしても十万キロ足らぬという数字を示しての陳情もある。然るに未決定であつた成出を善処しようと約束しながら関西にくつ付けた。これでは我々国会議員の声も、国民の声も、少くとも私は百万の皆さんを代表して喋つているつもりでいる。それに対して善処しないでおいて、今頃夢物語や空想を聞こうとは考えておらない。従つて委員会始つて以来おいでになつて納得の行くようになぜせられなかつたのか。かように申上げますと、先ほどから時間的余裕がなかつた、技術的にも余裕がなかつたということでありますが、余裕のないときは輿論を無視するということであるのか。かような点に対して所信を伺いたい。又先ほど知事から言われた通り、公共団体の所有しておつたものが全国に相当ある。これい無論還元すべきが当然であると思う。その還元に当つて再評価をされるつもりか。現在の帳簿価額そのままを還元されるおつもりか。その点に対してお伺いしたいと思います。
○政府委員(松永安左衞門君) 只今二点の主な御質問であつたかと思いまするが、一点につきましては、詳しいことは事務総長及び技術長からお答えしましようが、大体において北陸方面の会社等の御意向を無視してもおりません。十分考慮に加えております。というのは、先刻縷縷申上げましたように、すでに現在のバランスの上において北陸方面の電力の不足ははつきりしておりまするがために、御陳情と相待つて深くこの点を考慮し、それから各委員のおかたの又公正なる御判断に基いて、成出の問題もその発生電力の大部分を北陸に差上げることになつておると思つております。それからこの所属部門につきましては、更に庄川筋、神通川筋につきましては、旧来のいわゆる簡單な河川統一主義を更に再検討いたしまして、あの河川の宮川支流に属してすでに大阪に送る電力に影響を及ぼすところは別といたしまして、それ以外の関係のない方面は北陸の所属に変更してあると思つております。かように幾多の御要望なり、或いは仰せられる輿論に聞いて変更を加えて最大の努力をして頂いておると思いまするが、まだ十分御了解になつていない点があるのじやないかということを恐れるのでありまするから、若しその点にこういう点が違うじやないかということがあれば、平井君から御答弁をさせます。それからもう一つの公共団体の返還でしたな、これについては事務総長からちよつと御返事をさせたほうが適切であろうと思います。
○小川久義君 事務官からの答弁は不当だと思います。責任者から答弁を願います。
○政府委員(松永安左衞門君) これは只今のところまだ考慮に入つておりません。返還する意思ありや否やということもお答えができませんし、それから再評価したのちにお返しするということも従つて只今私から御答弁はできません。
○小川久義君 只今松永委員が庄川の成田は富山へ電気を流すことになつているとおつしやいましたが、そうなりますれば、帰属は関西へ行つて電気は富山へ流れるということになる、その点どうなりますか。
○政府委員(松永安左衞門君) そういうことは一富山のみならず、最近この帰属問題は所属、帰属問題に伴うて各地にたくさん起つております。例えば中部区域と大阪区域に跨がる木曾川の丸山についてもやや同様な方法をとつております。これは要するに先刻から委員長、委員の御質問にありましたように、現在のバランスに対しまして必要止むを得ない点だと思うて処置をとつております。将来ともこのバランスの工合でこの点は各社間話合いでされることにしたいと思つております。委員会としては発足のときにその方針をとつて、この指令は二十八日に出ているはずであります。
○小川久義君 そうすると、先ほどおつしやいました原則の潮流主義と反して勝手主義というようなことになるか、その点どうなるか。
○政府委員(松永安左衞門君) それはまあ御解釈ですけれども、要するにバランスを見て実際に適するようにこの二十八日の公益委員会の指令は出ておるわけであります。将来併し変更されましよう。
○小川久義君 通常の六〇%の機械を動かしても十万キロ電力が不足しているという点に対して如何に御考慮されておるか、数字的にお伺いしたい。
○政府委員(平井寛一郎君) 只今北陸の電気の足りない点について御質問があつたのでありまするが、この点私どもいろいろ検討いたしております。併し同様の問題は北陸だけでなくて日本の各地に実は起つておるのでありまして、現にこの冬場でこの電気が足りないような現象にぶつかつたのでありますが、そういうふうな電気の絶対量が需用に対して季節的に非常に不足する、こういう実情下にありまして、電力の公平な配分をするにつきましては、委員会としても非常に苦慮をいたしておるのであります。結局最終の点は電源を開発することにあるのでありまするが、当面の問題といたしましては、その辺の点が成るべく公平の原則のもとに均衡を得るように分け合うという気持で処理するより方法はないと
 考えておるのであります。で北陸の場合に、只今そうした数字的な関係は実は再編成計画書の参考資料として出ております。これは各社の間でいろいろと公平の原則の上に立つて数字を作り合して、そうして出ました各社間の融通関係の数字等が、まあ一応の最も新らしいよりどころであるのじやないかと考えておるのでありまするが、又その上に立つて、特に北陸と他地域との数字を私ども見たのであります。この北陸のほうはむしろこの表によりますると、これは或る季節には他地域へ売る形になりまするが、或る季節には買う形になりまして、その出入りにおいては若干もらう分の形になつておりまして、一億数千万キロワットという数字が出ておつたように聞いておりますが、これはどうしても調節しなければならない。第一段の調節という点で、この帰属問題の原則論の上に立つて公正に扱いをするのにはどうするかといろいろ苦慮いたしたのでありまするが、その結束といたしまして、政令の第三表による既設発電設備の帰属の変更、これをこの際やはり考えなくちやならない。これを成るべくやりたくなかつたのでありまするが、北陸の場合にはどうしても考えようということになりまして、この委員長の声明の場合の別紙のところにもお終いのほうにちよつと書いてございますが、例えばこの神通川の水系にありまする牧、東町の両発電所でございます。牧発電所は二万六千七百キロワット、東町発電所は三万一千三百キロワット、この両発電所は政令による第三表には関西の帰属になつておりましたが、この所属は北陸に移すことにいたしました。そうしてそのほかになお成田の発生電力につきましては、これを適当にやはり需用の均衡をバランスするように両者の間に分けてするようにいたしましようと、こういうような方針を立てたのであります。なお先ほど申上げました各社間の再編成計画書に基いて出しました需給のバランスの表というのは、実はまだ最終決定の数字ではないのであります。なお今後において検討せられて、新会社の発足の前までにこれが各社の間で十分再検討の上に数字が出ることになつておりまするので、そうした面等も見合いまして、それぞれの会社の間の融通電力の適正な数字をきめることと併せて調整をしたいと考えております。成出の帰属問題は非常に問題になつたようでありまするが、これは庄川の水系は大体関西の発電所がずつとありまするので、庄川筋は成るべく関西の電力会社に一貫的に開発をさせよう。それから神通川でありますが、宮川は関西にくつ付いておるのでありますが、そうでないほうの河川は下流のほうと合せてこれは一括して北陸のほうの帰属にしよう。そういう点で牧、東町の所属を変えたわけであります。特に、牧、東町を変えますにつきましては、あの上流の所に跡津川という支流があるのでありますが、この跡津川の中にはまだ最終的な調査というところまで至つていないのでありますが、大きな貯水池計画の地点があるのであります。その貯水池の計画はもう一つの上の双六川の水を取入れるという構想でいたしますと、十四万キロ以上の優秀な地点になるのみならず、その下流に伴つて開発、或いは増強する点がありまして、併せて三十数万キロワットの大きな計画が考えられる。こういう非常に有利な地点があるのであります。こうした点も考えて見ますと、その中間に関西帰属の牧、東、両発電所を置いておつたのでは、お互いにその開発がうまく行かない。こういう点を考えましてこの帰属を特に北陸にはつきり移してしまつた、こういうわけでございます。そういうふうでございますので、水系を成るべく一本にして、その水系の発電所の開発は成るべく一社でやらせる。併しこういう再編成の段階においては、その出た電気の配分については、潮流主義と需用の均衡ということを考えて、若干の調節をしけなればならないというつもりがあるわけでございます。
○小川久義君 先刻伊藤委員が公共団体の電源を帰さすように努力しよう。又そうあるのは当然だという意味のことを、これは速記を見ないとはつきりわからないのですが、そういうように聞き取つたのでありますが、只今松永委員はそういうことを考えてはおらん、話も出んということですが、これはどちらが本当なんですか。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 電力返還問題には自治体、或いは府県、並びに自家発電をしてそれを消費しておる、或いは消費のうちでも自己の自家発電で消費しておるという段階があるということを申上げたことは御存じの通りであります。そのうちいろいろ公算をする資料にそういうものを考慮すべきものと思います。或いは見方によつては事業者に還付したほうがなめらかに行くことがあるかも知れません。又それを全部やつてしまうのは日本の今度の再編成というものは非常に意味の薄いものになります。場合によれば二百数十社に分割して小営業さしたほうがいいということは、自由経済の思想から見ればそういうことになりますということを申上げた次第です。只今のところではこれは考えておらない。私個人の意見としては……、或いはこの委員会全体の意見も何かあるかも知れませんが、これはやがて五月一日以後にいろいろ審議をして適当な処理をすべきものということの議題になるということを申上げた次第であります。
○小川久義君 松永委員は如何にお考えですか。たしか松永委員は、県民が汗と涙で作つたものを誤れる国策によつて取つたことは事実である。その間無配当、借金の利子だけは県民が負担しておる。それを取りつぱなしにしておいて、とは考えないが、その考え方が現在問題を起している因と思う。将来もそういうお考えでお進めになりますか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(松永安左衞門君) 只今の松永は、公共団体に取上げられた電力を返えす気があるかないかということは、まだ問題になつておりませんということを申上げましたが、更に只今の御質問は無利子でとつておるということを知りながらこれを返えすも返えさんも考えないというのはどうかという、いわば個人的感想の御質問かと思いますが、これに対しましては個人として各種の意見を持つております。公益事業の出発に際しましてやはり考慮されたものは、日本の電力が全体に今不足しておりまして、それを如何に調節するか、如何に補給して取りあえず国家の御用に役立つかが先ず大きな問題として取上げられておりますから、すでに現在個々の陳情もありまして、その方面の陳情も過去一年に亘つて私ども個人としても聞いておりますが、そのことをまだ取上げて御詮議する段階になつておらんということを申上げたので、それを取上げることそれ自身の或いは良心の問題、或いはそれの真実性はどつちにあるかという問題には、私は今日触れたくないと思つておりますから、どうぞその意味で御了解願います。
○小川久義君 いろいろの角度から見て無理があると思う、根本は世間の実態からしても電気だけは僕はどうも変な行き方になつておると思う。仮に米にしますと、供出の割当がある、割当を出せば田圃はとつて行かない、ところが電気は電気もとつて行くが、水源もとつて行つてしまう、あとの治山治水の費用は誰が出すか、県民がそれを負担しなければならない、又使用する量においても農民は四合六勺の自家保有米を持つておる、消費者は二合七勺で麦が半分である。農民は四合六勺のうち九三%までは米である。これが社会の実態である。月給にしてもそうである。地域給というものがあつて、東京に勤めておる人は余計もらえる、これは社会の実態から割出したことである。電気だけはこつちへとつて行くぞ、川がいたんだらそこで直せ、甘いところはとつて行くと、これが根本の誤まりだと思う。将来においてこういうことを是正することが当然だと思うが、この点に対して将来の問題をお考えになつたかどうかをお伺いしたい。
○委員長(西田隆男君) 只今の小川君の質問を委員長は要約して申上げます。それは公共団体並びに私の発電所を持つておつたものの帰属の問題、返還の問題は再編成後にこれを検討するということになつておると考えておりまするが、伊藤委員の小川君の質問に対する御答弁は、五月一日以後に論議されるであろうということです。松永委員の御答弁は、今論議するとかせんとかということは答えられないという御答弁であります。同じ公益事業委員会の委員の御意見としてちよつと食違いがあるようですが、そこで小川君の今再質問された要点は、五月一日以後に公共団体なり、私の発電所を持つておつたものの返還の問題を公共事業委員会では取上げて論議をする用意があるかないかという点を最小限度御答弁を求めておられるものと私は考えます。従つて松永委員の個人の御見解で結構ですから、再編成後にお取上げになり、公益事業委員会で論議されるか、されないかという点の御答弁を一つお願いしたいと思います。
○政府委員(松永安左衞門君) 私はその点別に伊藤君とその喰違つておると思いませんけれども、若し言葉の上で違つておれば、伊藤君は自分の考えとして今後それは問題となることであろうというお考え、私は問題となろうともならんとも、まだ現段階においてはそこまで私自身の頭は達しておりません。ただ併し今小川さんの最後のお言葉に、すべて物の道理に基いて世の中ではやるにかかわらず、公益事業委員会だけは物の道理を無視して、そういうことも考えないのかということについては甚だ不満で、私どもはやはり人間の一人でありますから、やはりお米の例も何の例も一緒で、それは適当なときに取上げられ、適当なときに論議される、これは当然であろうかと思いますが、その点においては伊藤さんと一致しております。現段階でそれは返すものとか、返さんものとかいうふうなことはまだ論議に上つておりませんということを申上げたいのです。
○小川久義君 今の現在の公共団体が富山県だけでなく、全国に十一県もあるはずでありますが、又町や市のやつも相当あると思うんです。戦争中の残物であるそれを元へ返してやろうという気持がないというのは僕は納得いかないのですが、そういう気持が全然ないとすれば、当該県民の輿論を無視した専制的な行き方であつて、従つて憲法違反だと思う。人権を尊重すべきは憲法の建前である。委員会として憲法を尊重し、国会と密接な連絡をとつて善処しましようということに反する。この点に対してどうしてもお考えにならないですか。重ねてお伺いします。
○政府委員(松永安左衞門君) 大いに考えて善処いたします。
○須藤五郎君 先ほどから松永委員の理想論を伺つたのですが、若しもあの理想論を実現さそうと思うならば、私は九分割ということに反対するのが本当じやないかと思うのです。それはやはり一本にして置いた方がそういう仕事を実現さすのには非常に便利だと思うんです。或る県の水を或る県にときには廻さなければならんというようなそういう場合に、九つに分けてしまえばなかなかそういうことがなし得ないことがあると思うのですが、九つに分けたほうがそういうことがやりいいというような結論に達せられた松永さんの御意見を伺いたい。即ち私たちが考えますと、今度の人事問題などと関連して考えますと、一頭立ての馬車を馭しておつたのを今度は九頭立ての馬車に仕立ててそれを馭して行くというだけで、ただ馭者は相変らずというような感じがしてどうもおかしい、この点、一つ松永さんの所信を伺いたいと思います。それから伊藤さんに午前中お伺いした小さい株主の権利の問題ですが、同じ社員でも配電会社の社員は、たとえ百株以下の株主でもやはり株主として存在できるだろうと思います。ところが同じ社員でありながら日発の社員はそういう小さい株主は皆社員ではなくなる。九つに割られるために小さい社員が全部金で捌かれてしまう。配電会社の社員だけは同じように社員として功労株をもらつたような人たちが同じように残るのかどうか。若しそうとするならば、非常に日発の社員は気の毒な状態になる。なお外にも社員以外の株主がそういう不公平な場合に立ち至る小さな株主があるのですが、こういう小株主を擁護するために現在どういう方法がとられておるか。又どういう方法をとろうとするお考えになつておるのか、伊藤さんにお伺いいたします。それから委員長にお伺いしたいのですが、この参議院の電力特別委員会としまして、小株主を保護する意思表示を何らかの形ですることができるか。この三つの点を伺います。
○委員長(西田隆男君) 委員長からお答えいたします。小株主諸君の利益を保護するような意思決定が委員会としてできるかどうかということでありますが、委員会として決議することは確かにできまりすが、これが本会議で取上げられて本会議を通過しない限り、法的な或いは他の行政機関に対してそれを通達するというような効力を発生しないだろうと私は考えておる。それから須藤君の松永委員に対する御質問は、本日の議題は九分割されるということが前提になつての議題であつて、九分割がよろしいか、或いは一本がよろしいかということの質疑ではないので、これは松永委員の御専門に属することで、又長く御答弁されることは非常に委員会の都合上困りますので、(笑声)御答弁は松永委員に求めません。伊藤君に対する御答弁だけお願いいたします。(「名委員長」と呼ぶ者あり)
○説明員(伊藤忠兵衞君) では簡単に……只今の九十九株以下の株主は、これは日発、配電会社共通の問題であります。自然その間不公平の取扱はないはずであります。今一面日発の端株をどうするかということは、日発自体が今御協議中のようであります。これはやはり協議がある限り指令をいたすことがあるかも知れません。申すまでもなしに五百円一株ということを一單位にする以上は、十株以下の株主はこれは共に処理することはできません。現金に替えなければなりませんということは、このことは均等でありますので、自然御質問による不公平はないことと思います。
○委員長(西田隆男君) 電源の問題はこの程度で、あと人事問題がありますが。
○水橋藤作君 先ほど国民の理解の上に立つて十分委員会は検討しておるという御回答で、誠にそうであろうと私も考えます。それから松永委員長代理は病気のために出席できなかつたというお話であるけれども、まあ止むを得ないことと思いますが、委員会といたしまして、電力特別委員会に対しての関心と申しますか、或いは協力、努力して頂きたいという言葉と、今日までとられた行き方は、非常に只今の松永委員長代理の言われたことと正反対であるということを先ず申上げたいと思うのでありますが、もう済んだことですから止むを得ないといたしまして、而も今後は十分連絡を密にするということを言われたことで、いつまでも時間もありませんのでやめますが、一つお伺いいたしますが、国会が公益事業委員会の法令及びわく、わくと申しますか、いろいろな決定を見ましたことに対しまして、国会が異つた問題を決定いたしました場合に、どういう処置をとられるお考えであるか。それだけ簡単にお願いしたいと思います。
○委員長(西田隆男君) 水橋委員にお尋ねいたしますが、只今の御質問は公益事業委員会と国会との……。
○水橋藤作君 公益事業委員会が決定するあらゆる問題ですね、事項と、国会がそれと違つた問題を決定した場合の処置です。
○委員長(西田隆男君) 具体的に言いますと……。
○水橋藤作君 仮に帰属問題にしろ、或いは人事問題も入るかも知れませんが、いろいろな問題を委員会が決定したわけです。併し国会で又違つた線が出た場合に、そのときの委員会のとられる態度はどうであるか、無視されるか、又は考慮されるか。考慮されるならばそれが生きるものであるか、どういうふうに考えられるか。公益委員会で決定された事項と国会が決定した事項と違つた場合がありますね。そうした場合に公益委員会はどう処置されるか。こういうことです。
○委員長(西田隆男君) それでは私からお答えしますが、国会の意思表示というのは、国会が議決することは法律を作ることであつて「法律を仮に議決して作れば、その法律の範囲内であらゆる行政機関がやるのが行政機関の建前です。国会と行政機関との間が対立した関係に置かれるということは考えられんと思うのです。仮に国会で、実際問題としてあるかないか分りませんが、電源帰属の問題について、これこれこれはこうせよという法律を作つたと仮定いたしますと、これが通過するならば否応なしに公益事業委員会としてはそのように行わなければならんだろうと委員長は考えます。
○水橋藤作君 松永委員はどう考えておりますか。
○政府委員(松永安左衞門君) 私も同様であります。国の法律に従わない行政府はないでしような。
○水橋藤作君 そこなんです。そこで私は聞きたい。そうしたことがあるといかんから、我々は公益委員会が決定しない前に、国会が第八国会からこの問題を検討しているのだから、帰属の問題にしろいろいろな問題を十分委員会に反映して、委員会の決定を見るべきだとかように思うのです。先ほどから出ております通り、委員会で全部決定したものを持つて来るということが国会を無視している問題である、私はこれを言うのです。只今両委員長が言われるように、国会が最高機関であるならば、この委員会で決定したものを又覆えすというようなことが仮に起つたとするならば、大いに国民の、何といいますか、紛糾を来たす慮れがある。だから我々が委員会の中できめましたら、我々の意見を十分に考慮してもらつて決定しなければ、決定してから我々が何しても又いろいろ難問題が起きるから、決定しない前に国会の空気を十分に反映させるべく、是非来てもらいたいと言つたにかかわらず、三時から過ぎなら十分ぐらいは来てやるというような考え方で何したならば、今言つたようないろいろな公益委員会で決定した問題も、国会でそれをあべこべにひつくり返すことがなきにしもあらずであるというふうに我々は考えるのであります。
○委員長(西田隆男君) 私から要約して申上げますが、水橋君の意見は、国会が公共事業令の審査をやらないで、ポツ勃によつて公共事業令ができた。だから公共事業令の中に国会の意思と違つたものがあるかも知れませんから、公共事業令の法令の範囲内で公益事業委員会は善処しておられるであろうけれども、参議院の特別電力委員会はもう数年に亘つてこの問題について検討しておるから、参議院の委員会の意思を十分に公益事業委員会は聞いて、これを十分尊重して、公共事業令の法令の範囲内における電力再編成をやつて頂きたい、こういう御希望のようですから一つ……。
○政府委員(松永安左衞門君) 承知いたしました。
○古池信三君 先ほどの松永委員の御発言につきまして、一つだけお尋ねいたしたいのであります。松永さんが一野人としての立場でお話なさるならばこれは別でありますけれども、本日はそういう意味で我々は伺つておるのではない、公益事業委員会という現下最も重要な仕事を国家の機関としてやつておられまするその委員としての立場の松永さんの御意見と私は伺つたのであります。でありますから、一つ疑問の点、不審に思う点をお尋ねいたすのであります。先ほど松永委員の御言葉の中にいろいろと御抱負をお語りになつて、今後電力の融通或いは需給の調整、更に又電源の開発というような問題については、自分は失礼ながら安本の計画というようなものがあつても、それと無関係にどんどんやつて行くつもりであるというような御発言があつたのであります。然るに申すまでもなく公益事業委員会というものは総理府の外局であつて、内閣総理大臣の監督下にある行政機関であります。又経済安定本部はこれは内閣総理大臣が総裁をしてその統轄の下に我が国の経済政策を立案し実行して行かれる官庁であります。この重要なる使命を持つております公益事業委員会が、総合的な産業政策を立案して行かれまする経済安定本部と別個にそれにかかわりもなくやつて行くといいますのは甚だ腑に落ちないのでありまして、若しそれが事実であるとすれば、これは誠に国家の行政を紊ることであり、奇怪千万のことであると思うのでありますが、如何に考えておられますか、御明答を頂きたいのであります。
○政府委員(松永安左衞門君) 只今のお話、かなり私の言葉に誤解が多かつたと思いますが、例えば国家の根本方針を定めるであろう経済安定本部の意見に無関係、独自の、更に言葉を強めて言えば勝手に、或いは別個に、或いはそれらに正反対に構想を進めて行くというふうにお考えになれば、さような不都合な行政上の慣例を紊す行政庁があるかのごときお考えを起されたのは無理はないと思います。その点において私の言葉が若し間違つておりましたなら、謹んで訂正もし、お取消しもします。ただ私の先刻から申しました趣旨は、石原氏の御感想的御希望に答えて、成るべくお前がたは高所、大局から、日本の電力を再編成する場合にはどういう気持でやつておるか、願わくば国会ともよく話合を付けて進んで行こうじやないかというお話がありましたことに対して、ここに私の電力の将来のあり方というものは、只今までは日本発送電という一本建で全国の電力発生を継続して、同時にその趣意は経済安定本部の指示に基いておるわけであります。同時に通産省、資源庁そのほかの指示に基いてやつておられたに相違はないのであります。然るに電力の実際情勢は再編成止むを得ざる状態になつたのは、ひとり集中排除法に基くばかりでなく、日本の経済の状態においても、これを客観的情勢は肯してやまなかつたのであろうかと思います。従つて将来の電力の計画を立てるのに、例えばこれまでは東から西まで大きな送電線を作つてやるということはこれは考えなければならん、又私が或いは安本などに触れたのも、この需給計画の状態から見ますと、およそ三割六分ぐらいがこの三年間ばかりの増加率と見て発電計画を立ててある。これをそのまま追随してやることは事実許されないのであります。先刻から北陸の問題が例に出ておりますが、一北陸にしても三分六厘の割合で、更に年々三分六厘の計画で発電計画を立てましたならば、北陸の工業関係は殆んど破滅に瀕するのであります。これはどこにもそういうことが言えることはたくさんあります。ここにおいて私どもは如何に安本で従来研究しておられようと、或いは国土計画でいろいろの国土上の計画がありましようとも、これと別個に、或いは種々の検討を加えて新らしい方針のもとに電力の開発をするのでなければ、日本の将来のために取返すことのできないいろいろな事情が迫つていることは明らかであります。例を申しますと、若し安本の計画が三分六厘の計画だとすると、私どもはそれに追随して行つて三分六厘計画を立てるわけにも参りません。従つてそこに両行政庁の間に多少意見の相違はありましようが、これは止むを得ないことである。かくのごとくして日本の行政庁というものをお互いに研究して、そうしておのずから考えをまとめて、そしてこれを我々のする仕事は議会の協賛を得、安本も恐らくは議会の協賛を得ると思いますから、あなたがたはよろしく両行政庁の意見、或いは予算等について御審議下さつて、あなたがたが最後におまとめ下さることを希望するのでありますから、この行政庁のその間の意見の相違が将来とも起りもしましようし、又起つてはならんことでありまするけれども、できるだけ調節はして行かなければなりませんが、これ又止むを得んことは御承知を願いたいと思います。
○古池信三君 只今の松永委員の御説明で私も大体了解したのであります。無論行政庁の相互間において意見の相違のあることはこれはあり得ることであつて、ただそのために国家の大きな計画というものが遅れたり、或いは変えられたりすることのないように十分に公益事業委員会としては他の関係官庁と協力してやられないと、唯我独尊ではいけませんことを申上げたいのであります。
○委員長(西田隆男君) 次は人事関係について参考人の御意見を承わりたいと思います。従業員の問題は事業の運営上極めて重要と考えます。今回の再編成に対しましては、実質的には解散される日発従業員を配電側は引受ける形となるのでありますが、従業員の引継ぎに対して配電側としては如何なる基本方針を持つておられるか、又日発のお考えはどういう考えであるか。なお電産労働組合としてはこの問題に対してどういう意見を持つておられるか。又役員の人選については一昨日松本公益事業委員長から裁定せざるを得なかつた事情の説明がありましたが、会社の人員は何を基準としてきめられたか、又配電、日発、部外の比率はどういうふうにしてきまつたのか、日発の原案によれば百三対六十の割合と報ぜられております。配電側の原案はどうなつておつたのか、なお日発側が人事問題、役員の問題について妥協し得なかつた要点はどこにあるか。なお日発側の名簿の提出が遅れて二月十六日に提出されたと委員長は当委員会で報告されておるが、その遅れた原因は何であつたか。又会長制の実施について意見の相違が日発、配電側におるということであるが、それは双方の見解はどういう見解であるか。こういう問題について逐次発言を求めます。まず配電側から内ヶ崎贇五郎君。
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 第一に、従業員の引継問題についてお話を申上げます。各配電会社の従業員は、全員を新会社に引継ぐつもりでおります。なお日発におきましても、各支店の従業員は、その出資又は譲渡設備に関連するものは、当該地区の新会社にそのまま引継ぐのでありまするが、本店所属の従業員は電力抜術研究所等の共同管理設備と関連があり、今後日発、配電間の協議によりまして、各面を考慮いたしまして決定する予定であります。なお、新会社に引継がれる従業員の退職金は企業再建整備法の規定によりまして、指定会社においては支拂わず、且つ指定会社における勤続年数は、新会社に承継いたしたいと考えております。次に、役員の選任についてでありまするが、役員関係の問題につきましては、二月の八日再編成計画書の提出に当りまして、これを提出せねばならんことになつておつたのであります。つきましては、電気事業者全体におきまして意見を是非合致させまして、これを委員会に提出したいという考えから、日本発送電のほうと九つの配電会社間におきましてよりより協議を進めるべく、日本発送電のほうといろいろ折衝をしたのでありまするが、なかなかそこまでは参らなかつたのは甚だ遺憾でございます。併しながら二月八日は日限でありまするから、どうしても最後の折衝をいたさねばならん、こういう考えを以ちまして、十社間で構成されております経営者会議におきまして、日発の森副総裁においでを願いまして、最後の折衝をいたしたわけであります。然るに日本発送軍側におきましては、どうしても今個別的の相談をする準備がまだない、ただ人数等においてはかくかくの希望がある、こういうお話はあつたのでありまするが、そういう人数等というようなものでは計画書に申請することができませんので、どうしても個別的の人名等について御協議をしなければ書けないのでありまするからして、是非その御相談をしたいと思つたのでありまするが、どうしても今日はその準備がない、こういうお話でありまして、遺憾ながら配電会社におきましては、自分らの独自の見地によつて書類を提出せねばならない状態に陥つたのであります。甚だ遺憾でございます。それで八日には遅くなりましで間に合いませんので、明くる九日に配電の独自の見解の委員の名簿を委員会のほうに提出いたしたわけであります。なおその際には、日本発送電のほうの人名等をそこに列記することは差控えまして、後日又折衝する機会もあるであろうと考えまして、我々のほう、配電側の関係の分、無論この中には入れ換え等いろいろ考えておつたものも加えまして、そういうものを提出いたしたわけであります。その後二十三日か御承知の通り指令案を委員会がきめられる日と相成つておつたのでありまするが、そこまでつまり九日から二十三日の間におきまして何とか日発のほうと協議いたしたいということを考えまして、委員会を煩しましていろいろ折衝をする機会を作つて頂いたのでありまするが、なかなか思うようにその話がまとまらなかつたということで、甚だ遺憾に思つておつたのでありまするが、その後委員会としましては、五月一日に新会社が発足するためには日限に限度があるということで、二十八日にはどうしても最後の決定をせねばならんというお話がありましたので、その前に最後の努力をいたしました結果、二十七日には日本発送電と各配電会社の間におきまして個別的に、委員会の委員のかたお立会の下にいろいろな折衝を重ねたのでありまするが、或る社のごときは意見の一致を見た会社もあつたと聞いておりまするが、ほかの会社におきましては意見の食い違いが相当にあつたのであります。併しながら意見の相違があつたというても、全面的ではなしに、相当大多数の人につきましては意見の一致を見ておつたのであります。一部分の人につきまして意見の不一致があつた。こういうことのためにどうしてもお互いの協議においてはまとめることができなかつた。こういうことで委員会を煩しまして、最後の御決定を願つたわけでありまするが、その間成るべく裁定というようなことはなしに、相成るべくは調停の案をお出し願つて、それによつて両者は服する、こういうことで成るべく仲良く一つやろうじやないかということも話題に上つたのでありまするが、遺憾ながらどうしても調停では解決ができなかつた。最後に裁定ということになりましたことは、甚だ遺憾でありまするが、きまるまでのいきさつは以上の通りでございます。
○委員長(西田隆男君) 会長制に対する御見解は。
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 会長制についての意見を委員長からお尋ねでありまするが、私どもは今後会社の運営をするにつきましては、相成るべくは簡素なる組織を以て行きたいということは考えております。併しながら或る適当な時期においてはやはり会長制というようなものも必要でもあろう、その時期々々に応じましていろいろ必要な時期もあろうと考えております。なお先ほど比率問題についての御質問もあつたのでありまするが、私どもは成るべくは新会社の役員は少くしたい、まとまりよくするために少くして強力に今後の運営をやりたいというような念願を持つております。併しながら会社の合併に当りましては、これはいつもある問題でありまするが、誰でも役員を欲するのは人情でありまするからして、成るべくさような希望を容れませんというと、日発との間の調整もできにくいというようなこともありまして、我々の意思にもかかわらず定員を殖やしたいということもございます。ただ何名が妥当であるとか何とかいう問題ではない、かように考えております。以上でございます。
○委員長(西田隆男君) 日発側の森壽五郎君。
○参考人(森壽五郎君) 重役の人事の関係につきましては、今問題が三つあると思います。一つは比率の問題と、一つは社長の問題、それから一つは社外重役の問題であると思うのでありますが、もともと日発と配電とは対等の合併でありまして、配電が日発を吸収合併するのではなし、日発が配電を吸収合併するのでもありません。従つてその重役を出す数は両方とも同じ数であつていいと思うのであります。これにつきましては、ただそれだけでは甚だ話がはつきりいたしませんので、私はこの問題につきまして、新らしくできる配電会社の従業員、それを日発と配電に分け、又資本金を日発と配電に分け、又設備を日発と配電とこう二つに分けまして、そしておのおのその比率によりまして重役の数を割出して見たのであります。そうしますと、人員による場合は、これは全国の数字を申上げますが、日発と配電は全体が少しのちになつて数字が違つて参りましたが、これも一つは私どもとしては意見があるのでありますが、それはのちほど申上げます。最初は二百十三でありました、監査役と取締役を入れまして二百十三でありましたが、それを従業員の数で行きますと、日発が五十七の配電が百五十六であります。それから資本金によります数字は、日発が八十五の配電が百二十八であります。それから固定資産によります数字は、これは再評価でありますが、それで行きますと、百二十一の九二、そういつたあべこべの数字になつております。これを加えて三で割りますと、日発は百十七の百二十六、こういう数字でありまして、少くとも八十七は日発から取締役、監査役を出しても差支えない、もともとこれは対等であるから百くらいは出しても差支えない、こういうことを内ケ崎君にも言いました。二月の八日の日に九社会議に私は出席しまして、同様に公益事業委員会にも行きまして、委員長以下、伊藤さんもおられまして、伊藤さんにもこのお話を申上げました。それで資料が出るのが遅いというお叱りを頂戴しておるのでありまするが、実は甚だ日発が協力をしなかつたということを松本委員長が
 その声明書にもたびたび言つておられるのでありまして、成るほどリストを出すということは多少遅れました。が併し昨年の十二月中頃公益事業委員会が発足しましたその直後から私どものほうの総裁と松本委員長との間には始終この問題につきまして打合せをしておりました。勿論会長制とそれから社長制という問題につきましても、いろいろ相談をしておつたのであります。それにもかかわらず私どもが資料を出しましたのは、一月の十三日の日に松本委員長から是非十五日までに出してもらいたい、こういうお話がありまして、それに従いまして私どもは急遽又相談をいたしまして、リストを実は十四日の日に打合せをいたしまして、十五日の日附で作つたのでありますが、それを提出しましたのは、雪の関係がありまして十六日になつたのでありますが、この間にどういう問題が委員会の間に運ばれましたかと申しますと、主として社長、会長をきめる期間であつたと私どもは想像するのでありまして、それほど御迷惑もかけていないと私は思うのであります。もともとこの問題に突当りました大きな問題は、今配電が九社ありますが、今度の三月一日発表の決定案によりますと、配電会社の社長が七人今度新会社の社長になつております。そして日発は一人も社長が出ておりません。それはどういうことかと申しますと、私どもは今度の新会社の発足を成るべく円満にしたいという、円滑にして行きたいという考えから、二月十六日の日附を以ちまして、総裁小坂から松本委員長に文書を出しております。それの要所だけを読んで見ますと、「よつて日発側としては次のように要望するものであります。即ち新会社の社長はすべて日発よりも出さないこととすると共に、配電会社よりもこれを探らないこととし、これら以外より人材を起用されんことを望むものであります。」御承知のように現在の配電会社の社長諸君は、いわゆる何と申しますか、戦後派とでも申しますか、(笑声)終戦によりまして先輩がみんなパージされましたその関係から、その当時の副社長でありますとか、そういうかたが鰻上りに社長になつたのでありまして、全部とは申しませんが、或るかたがたは経営の経験もなく、又経綸もなく、そのまま社長になりまして、ひどいのになりますと、経営権の一部である人事権までも組合に取られている、こういう人があるのであります。それが今日の電気事業の不評判を買つた一番大きな原因であります。この意味におきまして、私どもは新らしい会社の社長に従来の配電会社の社長がそのままなつたのでは電気事業のインプルーヴはできない、こういう意味で外部から大物の社長を持つて来るのであるという、こういう建前で日発からも社長を出さない、その代り配電会社からも出すな、こういう建前で行つたのであります。ところがいつの間にやら公益事業委員会ではこれを日発には社長になる器がないのだと、で配電のほうから社長をみんな採つたのだと、こういう恰好になつたのであります。実はこれは私どもは非常に不満に思うのであります、丁度二月の十三日でありましたが、たまたま関東電力社長をきめます場合に、新木さんが御承知のように社長になつて、そうして副社長には高井君がなるということを私どもの総裁小坂に連絡があつたのであります。でそれならば先ず我々の方針とそのままであるから大変結構でございます。こういうことでいつておつたんでございますが、二月の十七日でありますか十七日に、小坂の所へ松本委員長からお電話で、各社の会長、社長をみんなきめたという非公式の電話があつたようであります。その点実は大変な自分としては予想外のことであつて、これはどうしても納得ができないということであつたんでありますが、その後そのままで、この根本原則がきまらない限りは御相談もできないということでずつと持つて来ておつたんであります。私どもは会長制につきましては、先ほどからもお話がありましたように、関東とか関西のような大きな所は会長制を布く必要がある。ところがそのほかの小さい所には会長制を布く必要はないんじやないかというつもりでおつたんでありますが、従つて一時社長という名前で交渉せられておりましたかたがたがみんなそれが会長になつて、そうして現在の配電会社の社長が社長になつたと、こういうことであります。それで日発といたしましても、公益事業委員会と話ができなくつてずつと経過したんでありますが、二月の二十六日の日であります。午後の一時に千代田クラブで総裁小坂と松本委員長と話合いが付きまして、それは公益事業委員会としては会長、社長、副社長をきめるのは委員会としては行き過ぎであつた。これは委員会としては取締役、監査役をきめておけばいいんであつて、それが誰が社長になろうが、誰を社長なり会長にするということは五月一日の新会社発足の日に取締役会を開いて、そうしてその中で互選すればいいんだと、こういう話であつたんでありますが、ところがそういうことを、二十六日の午後の一時にそういう話ができまして、三時に共同発表になつたんだと思うのでありますが、話ができたから打合せに来いとこういうお話がありまして、時間が何時であつたか、確か四時か五時であつたと思うのでありますが、公益事業委員会へ私どもは参つたんでありますが、どうも今まで社長、会長と言つてきめておるかたがたをこれをどこまでもやはり社長、会長という頭を持つておられるようにその発言の中に私ども認めたんであります。そこでそのときに、二十六日の夕方であります。実は配電会社に、日発から持つて来ておる資料によつて配電会社に作らせた各社の名簿ができておるから、それを見て意見があつたら言つて来いとこういう話でありました。私どもは夜通しかかりまして先ず一応案を作つたのでありますが、御承知のように小坂が少々体が悪かつたのでございますから、翌日小坂の宅へ行きまして、一応その案を見せたのであります。そこで修正を加えられたのであります。その修正はどういうことであるかと申しますと、社外から有力なる人々を入れて、そうしてそれをボデイ・オブ・デイレクタースのメンバーとして、意見をその中に開陳させる。その意見によつて会社の運営をやつて行く、こういう方針に多少変つたのであります。そうしまして、そのときに私どもが新らしく盛つた外部の人は二十六人と思うのでありますが、配電が従来出しておつた人を入れまして結局五十一名になつたのであります。それでそのリストをこしらえまして、公益事業委員会に提出いたしました。二十七日の晝間から、その先ほどお話がありましたように、配電会社と個別的に打合せをしたのでありますが、その間せいぜい各社とも十分か十五分くらいで、これも何ら完全に打合せをする時間がなかつた。そうしまして、二十八日の日に十一時から私どもは参りまして、それについて相談したのでありますが。結局私どもが前の場合に、前の配電が作りましたリストの中には日発から入つております監査役、取締役の数は僅かに四十五人であります。それから二十八日の朝、朝でありません晝頃でございますが、私ども参りまして委員会のかたのお話を聞きましたところによると、僅かにそれが四人殖えまして四十九人ほど、一方配電の方は数は幾らかと申しますと、合計が先ほど二百十三と申しましたが、二百十五になつております。そうしてそれは結局配電が百三十五の、日発が四十九、それから社外が三十一であります。こういつたような比率におきましても非常に少い数でありますことと、それからもう一つその場合に二十八日の十一時頃からの話におきまして、日発は社外をたくさん入れて来た。それは若しも委員会がそれを取上げて発表すれば、それは就任せられる人であるかどうか、こういう話があつたのであります。これは私どもの希望のかたがたでもありますし、勿論二、三人については十分最後の折衝はしてなかつたのでありますが、そのときたまたま関東の地区におきまして、私はこれは名前ははつきり申上げていいと思います。名取和作さんが実は二十七日のときに総裁の家に見えまして、そういうことなら自分は出よう、こういう約束をせられたのでありますが、御令息のかたで新聞記者のかたが、おやじが出ることは困るということで断つて来られたのであります。これは御本人に連絡があつたかどうか知りませんが……。それからもう一つは九州の村上巧兒さんであります。この人が就任を断られた。それがこのリストの中に入つておるじやないか、こういうのでありますが、これは非常に意味が違うのでありまして、松本委員長は、会長は今度は新商法による会長のような仕事をしてもらうんだ、実権は会長が持つておられ、社長はいわば格下で以てそれほど重点を置く必要はない。これはですね、私どもが日発から社長を出さないで、配電会社からなぜ七人も社長をとつたかとこういう私どもの話に対して、そんな心配をする必要はない。社長は格下で実際の仕事は会長がやるのだから、こういうお話を松本さん自身がせられたのであります。ところが村上さんの場合はこれは松本委員長は、あの人は私にはつきり断つたととういうお話をされましたが、直接お話になつたんですかと申上げたら、いやそうじやないのだ、実はあの人は断つた理由につきましては、御承知のように産業経済にも書いてあります。それから又最近あの人の心境を手紙を頂いております。それは適当のときに発表したいと思います。会長は余り出て来なくとも社長がみんな仕事をやるからいいのだ、まあ別府の温泉にでもつかつておればいいんだというお話であつたそうであります。それではそういう会長ならば、私は責任を持つてやることはできないから断ると、こういうことでお断りせられたのであります。実は断り方が違うのであります。又会長制に対する見解が二つありまして、その点が誠に私どもとしては疑問を持つのでありますが、そういうことでとにかく二人が就任がはつきりしないために、私どもが持ち出した二十六名がすつかり蹴られてしまつた。そこで最後の数字はどういうことになるかと申しますと、日発が四十九、配電が百三十五、社外三十一、この社外が三十一というのはもともと配電から出た社外重役の合計であります。そういうことで私は折角新らしく発足する会社であるから、十分有力な人の意見を容れてそうしてやるべきが適当である、こういう私どもの提案に対してそれを一顧の値もしないで全部それを落してしまつた。配電の数が百三十五の四十九、まるで三分の一に近い数字でとにかくこれでやつて行く。こういうようなことでありまして、私どもどうにもこれでは納得できない、もう一度御再考を願いたいということを言つたら、時間がないということで裁定になつた。裁定ということはこれは公益事業委員会に権限があるのですから、我々はそれで何をか言わんやということで引下つた。従来の経過はそういう状態であります。
○委員長(西田隆男君) 次に、電産中央執行委員長藤田進君に発言を許します。
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 只今の森君の発言に関連してちよつと発言さして……。
○委員長(西田隆男君) 藤田君の発言が済んでから発言の機会を與えます。
○参考人(藤田進君) それでは人事関係、特に首脳者人事と従業員の引継ぎについて発言いたしたいと思います。今次公益事業委員会から発表されました首脳者人事につきましては幾多の不満を持つているものであります。と申しますのは、公益事業委員会に対しましては、すでにこの発表以前、できるだけ直接利害関係がありまする電気事業に従事する労働者の、又これを以て組織する組合の意見を聞いてもらいたい、こういう意味合いを以ちまして、将来にあらゆるトラブルを生じないがために縷々事情を申上げる機会を持つたのでありますが、その際松本委員長は成るほど直接利害関係のある者としては電産以外に余り多くない、こういう趣旨を以てできるだけ詳しく、又個人々々についても意見があれば持込んでもらいたい、こういうこともあつたのであります。ついてはこの公益事業委員会におおむね三つの條件を持込みました。それはやはり電気事業をよく知つていて、そうして電気事業将来のために十分力の発揮できるかたであることと、又今日時代感覚のすぐれた、その触覚の十分たくましいかたでありませんと、ややもすれば昔の電気事業経営というそのままの形が今日の世の中に具現されますると、これ又電気事業の発展を大きく阻害をいたしまするし、これらのものを中心として申入れ、更に従来電気事業首脳者といたしまして最も排斥しなければならないという人については、個々に具体的な人を挙げて、又その事実を文書にいたしまして公益事業委員会に持込んでいたのであります。そのような過程を経まして、二月の十三日、丁度公益事業委員会では二十三日を一応の目途として首脳者人事の裁定をしたい、発表をしたい、こういう意向も面接委員長から聞いておりましたので、十三日当時から非常に会合を重ねて松本委員長にもお会いいたしたのでありますが、その間かなり意見は容れてもらえるような御発言がありました。特に関東につきましては、現在の関東配電社長高井亮太郎氏について数々の不信行為、不当労働行為もあるし、こういう人たちが新会社の首脳者になるときには、かなり資本と労働という関係において公正なる労資間の安定を期することはできない。従つてこの事実に基いてこの高井氏については十分なる考慮を拂つてもらいたい、こういうことを申しましたところ、特に二月十三日の日でありましたが、今度の人事については関東に関して言えば、会長制を置き、そうして会長には新木、或いは新井、こういう形で折衝を進めて来た。新木氏については過去二度ばかり会われたようでありまするが、その都度大先輩の新井氏が適当であるというふうに新木氏が言われたようでありまするが、結局三回目の松本委員長並びに新木会談で十三日の日にその夜説得され、引受けられた。一方新井氏につきましては、人を通じて一回だけ意向を打診されたに止まつたようでありますが、その新木会長に対しては、会長という名前は付けるけれども、事実上の権利とその責任を担つて行くための言わば従来の社長という形で、事実上高井という社長は、従来の社長とその所掌責任においておおむね変つた形のものであるから、この点は最も立派な新木榮吉氏である以上十分今後うまく行くものと思うというような趣旨のお話があつたわけでありますが、その後各委員並びに関係しておられると目される方々につきましては、あの猛吹雪の十四日、十五日も非常に夜遅くまで折衝を保つて参りましたが、要するに我々が感じました今度の一般的な考えといたしましては、公益事業委員会の委員のかたがた自身が何かしら従来のいろいろな紐が付いておる、その紐付の人事を個々の委員の主観に基いて言わば配給された形の人事が決定されたような印象を受けております。例えば四国の竹岡陽一氏は何々委員が配給を受けた。関東は重要な大きな会社であるからこれは松永委員が配給を受けた。或いはその他の重要な社長についてもかなりそういつた匂いがあるし、世上多く伝えられておるところであります。そこで私どもは少くとも労資関係の公正な安定という形なくして電気事業が更に発展し、再編成令並びに公共事業令の先ず劈頭一條に掲げておる公共の福祉のための再編成、こういうものは当然期待することができませんので、最も直接利害関係者として以上申上げたような点と同時に折衝を続けて来たのでありますが、遺憾ながら発表されましたものを見ますると、何ら電気事業とは無関係の人、石炭とか或いはその他の関連する産業の関係とかいうこともなくて、ただ單に突如として首脳者に出て来たというかたもあり、又関東のごとくすでに組織を挙げてたたかい、又その中において公益事業委員会の善処を強く要望したにかかわらず、関東については高井氏が社長に就任した。こういう結果とその経過を鑑みまして、この上ともこのような人事につきましては、全組織を挙げてたたかう以外に我々の打開の方途がなくして、この上の協力はもはやできないという態度を遺憾ながら決定いたしております。特にこの生きている電気事業を担当するその首脳者が、又これらの生殺與奪の権を握つている公益事業委員がいろいろ批判のあるような、あのような形においてきめられたということについては、飽くまでもこれを糾弾する覚悟とその行動をするつもりでおるんであります。今日この国会の電力特別委員会に参りましても、つくづく感じたわけでありますが、要するにこの公益事業委員会のみをとつてみましても、全部とは申しません、一部にはやはり良心的なかたもあるかとも思いますが、もはや今日骨董価値こそあれ、実用価値のないような形においてその構成を今日見ておるし、それらの人たちが全く電気事業全体に君臨して、国会すら軽視、無視した形においてこの再編成が処理されて行く。この実情を見るにつけて、電気労働者十四万は誠に遺憾であり、これをこのまま見逃すことはできない羽目に追込まれている状態であります。従いまして、五月一日の新会社発足まで待たずして、これらの諸決定については国会におかれてもすでに衆議院の予算並びに通産委員会において問題は更に紛糾を続け、本参議院においても問題になつて来ると思うわけでありますが、要するに全国的な輿論並びに国会というこの機関にも大きく期待をかけまして、みずからの電産がやるべき立場については十分これからやつて行くつもりでありますが、要するにこういつた国の最高機関である国会に対しても再後密接な連繋を保ちまして、この際正しきに付くための運動を展開する考えを持つております。従いまして、新会社発足以後におけるいろいろな事態を今日予想いたしますと、これ又非常に憂慮すべきものが多々あるのであります。殊に日発、配電という形においていずれも解体し、新らしい電力会社ができるに当りまして、従業員は非常な不安を今日持つております。特に身分的な保障がこのような状態でどうしてなされるであろうか。家族を持つていて、或いは内では子供が学校に行つているというこういつた家族構成の中で、思いもよらない北海道とか或いはその他遠くへ配置の転換という形において追いやられる。自然的に辞職をしなければならんというようなことがあり得るのではなかろうかというような心配やら、又仮に近くの職場に参るといたしましても、住宅の問題、或いは学校に行く子供はやはり転校の問題が自然これに附随して起りますが、こういつた多くの不安を今日持つておりますので、実は労使間において今日労働協約という形を以ちまして特に再編成に関する問題を逐次処理するための電気事業両編成の委員会を持つことになつております。今日その話合を進めているのでありまするが、何といいましても首脳者人事の問題やら、又事業自体の再編成に関連する重要な問題もありまして、会社首脳者においても、この労使間で持つている委員会におけるこれらの議事についてかなり熱意を欠いておるというような点で、折角協定という形まで持ちながら事実上はやはりうまく進んでいない、こういう点が更に従業員に対する大きな不安となつているわけであります。引継ぎにつきましては、どうせ特定の職場におきましては、そのままそこに従来通り仕事を続けて行くことはこれはできないということは当然我々も考えているのでありますが、できるだけ範囲を狭く、そうして質的にも大きな変化を與えないように、その上に従業員の身分の保障やら、その他労使間の従来の協定も新会社に引継いて行きたい、こういうふうに考えているのであります。そのためには東京から或いは関西へ、或いは東北方面に、こういつた配置、人事交流の希望もかなりあると思いまするので、これらの点を優先的に会社においても扱われるようにすると同時に、今日電気事業は或る意味では人が多いというようなことさへ言われているさなか、この度聞くところによりますると、通産省その他事気事業に関連しでこの仕事をやつておられた官庁のお役人の方々がかなり大量に電気事業に何といいますか、配給されて来るということも聞いておりますが、これらについても勿論同じ労働者でもありまするし、常に信義という意味合を持つて事に処して行くわけでありますが、さればといつて電気事業の現実の従業員をいつの日か解雇しなければならんというような事態を、これを無視してまで外部のかたをより多く引取るということについては我々は賛成ができないという事実も、二三今日ここに起つております。いずれにいたしましても、電気事業の再編成は今後より多くの問題点を残していると思いまするので、この上とも我々労働組合といたしましては、常に建設的な電気の事業の再編成について行動し、そしてその結果をよりよくしたい、その意味におきまして、今日電気の労働者は常にこの再編成の問題に集中してその機能を発揮しつつあるわけであります。たまたま今度の首脳者の人事が発表され、或いはその過程におきまして非常な従業員に対する不安と、又非常に暗い影を現わしておりまする関係上、今日電気事業全労働者は遺憾ながらストライキによつて物を解決しなければならんという段階にまで立ち至りまして、去る二月十八日を期して、全電気労働者はストライキに突入をいたしております。それは日本の電気事業、特に公益事業としては私どもも極めてこの事態については遺憾に思つておりまするが、と同時にかような事態にまで追い込めたところの関係者については、今日強い反省を求めたい、このように考えているのであります。特に公益事業委員会においては、この際委員の皆さんも聞いておいて頂きたい点は、ここにおられる松永委員等はかなりこの公益事業委員という権力といいますか、我々はそのような権限はないと考えるけれども、直接労働組合を弾圧する、或いはこの組織を分裂瓦解させる、こういう意図をかなり多く持つておられる事実があるのであります。労働組合は一産業一組合というような考え方、これを更に政府の役人を呼んでストライキをさせないような方法は、現行法上或いは法律改正によつてできないものであろうかどうかというような画策、一たび労使間に協約を結びます際もこれを公益事業委員会はいろいろ検討されて、これに対するかなりの干渉をされている。いわば今日やはり政府の外局としてある中央労働委員会並びにその他の地方にある労働委員会の職務さえ今日公益事業委員会がこれをとつて行くという形が電気事業については現れているのであります。こういう状態下にあつて、真に公益事業委員会が画策され、実施されることに従業員として心から協力できるはずはないのであります。我々責任者として、如何に十四万従業員に公益事業委員会のなされるもろもろの仕事について積極的に協力しろという仮りに号令をかけましても、これはおのずから單なる号令にすぎないので、決して従業員自身が心から協力することはできないというのが今日の現状であります。従つてこれらの事情を勘案いたしまするときに、よろしく公益事業委員会の委員の皆さんがこれらの事態を率直に直視し、そうして反省され、或いはこの上において十分なる責任をとつてもらわなければならないというふうに考えております。なおその他の御質問もあると考えまするので、以上を以ちまして概括的な従来の経過と、電産といたしましての態度をここに表明いたします。
○委員長(西田隆男君) 簡単に御発言を願います。
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 只今森君の発言の中に、配電会社の社長の二、三につきまして甚だけなされた発言があり、又日本発送電においても人物がないというようなお話があつたのでありまするが、言葉のあやでさような発言があつたかも知れませんが、併し私は電気事業の中に人なしとは考えておりません。皆さんお聞きの際に電気事業には人がないと、さような認識を誤られては困りまするからして、電気事業には幾多の人物が続々と控えていると考えておりまするからして、さような御認識のないように一つお願いいたしますると同時に、併せて今後の森君の発言については自重せられんことを要望いたします。
○委員長(西田隆男君) 只今御三方の御発言がありましたが、そういうふうな環境の下において、公益事業委員会は三月一日に人事の指令案を決定発表されております。この問題について委員諸君の御質疑がありましたら逐次御発言を願います。
○古池信三君 私は簡単に一言申上げたいと思うのであります。併せて公益事業委員会の御所見をお伺いしたいと思うのでありまするが、今回の新電力会社の人事、特に役員の人事につきましては、非常に我々が意外に思うほど大きな問題になつて参つたのであります。世上におきまして相当な最近の大きな問題として取上げられ、有力なる報道機関もそれぞれこの問題を取扱つていることは御承知の通りであります。然らば何が故にかような問題が出て来たか。私は公益事業委員長と日発の小坂総裁との間の感情の問題であるとか、そういうことを申しているわけではないのであります。公益事業委員会の委員のかたがたにしても、或いは日発の首脳部のかた、或いは又配電会社の首脳部のかたにしても、いずれも今我が国における電気事業界その他財界、経済界におけるいずれも立派な常識のある識見の高い人たちばかりでありまするから、私の感情でどうこうということは勿論私は想像できないのであります。それがかように紛糾して世上の問題になつて来たということには、何かそこに無理があつたのではないかという印象を私どもは甚だ遺憾ながら考えざるを得ないのであります。元来電気事業というものは、申すまでもなく基礎産業中の基礎産業でありまするし、又国民生活の面から言いましても、これは一日も不可欠の必需事業であります。従つてその独占性と共に公益性が極めて高いものであるということは、日本ばかりでなく世界各国の共通の事例であります。即ち電気事業は單に決してその事業に従事しておられる従業員のためのものでもなく、又この電気事業を経営しておられまする経営者のためのものでもないのであつて、ただただ電気事業というものは我我国民全体の福祉のために存在しているものであります。国民の福祉ということを離れて電気事業の存在する価値はないとまで言つてもよかろうかと思うのであります。従つてこの重大なる電気事業の責任者、或いはこれを運営して行く役員という人は、真に国民から信頼され、国民の納得した人がこれに当らなければ、本当に立派な運営はできないと私は考えるのであります。或いはいわばです。電気事業は国民全体から委託されて経営者が国民のために運営している、かように申してもよいかと思うのであります。従つてこの運営の衝に当るべき人は、人格から言つても或いは又経営の力量から言つても、どの面から申しましても最も適当なる人がこれに当らなければならんことは申すまでもないのであります。然るに現在の報道機関の論説等を見ましても、そこに甚だ釈然としないものがあるのを我々は遺憾に存ずるのであります。一種の世人の不審を招いている中には、電気事業の人事については一部これを私物化しているのではないかというような記事もあつたかに記憶しているのでありまするが、果してかようなことがあるならば、これは我々としてはどうしても黙つてはおれないと思うのであります。今回の再編成につきましては、公益事業委員会は極めて大きな強い発言力を持つておられるのであります。又公益事業委員会はその性格として、この公益事業を監督して行く上において最も誠実に、又最も公正な当を得た……ということは、当初から與えられた使命であると私は思つているのであります。私はあえてここに人事の個々について申上げようとは思いません。又公益事業委員会のやられましたことが必ずしも私は不公正であつたとも申しませんが、併しこの今までの成行きを見てみますると、公益事業委員会としてやられました方法が、そこに不手際であつたということは否み得ないと思うのであります。誠心誠意おやりになつたかも知れませんが、必ずしもこれは上手な人事のきめ方であつたとは申し得ないと私は思うのであります。一昨日も松本委員長が、事業の運営ということは先ず和を以て尊しとする、如何に立派な人が集つても和がなければその運営はうまく行かないということをおつしやつたのであります。私は全くこの言葉には同感であるのでありまするが、現在のような、本日もここでいろいろ参考人としてお見えになつたかたがたの御意見を伺つておつても、このまま人事が決定され、新電力会社が発足いたしましたならば、果して首脳部の間に人の和というものが全うし得られるかどうか、私は甚だ憂慮に堪えないのであります。事は現在よりもむしろ将来にある。将来の最も我が日本として期待を持ち、又日本再建の基盤であるべき電気事業の運営がこの人の和がなくして果してうまく行くかどうか、これを私は最も憂慮するのであります。私はこの際公益事業委員会とされましては、今までのやり方について不手際であつたとお考えにならないかどうかということを一つお尋ねいたしたいのであります。
○政府委員(松永安左衞門君) 只今取りあえず古池委員のお問いに対してお答えいたしたいと思います。如何にも不手際であつたろうと自分らも思つております。(笑声)いろいろ申訳をすれば数限りないことでございまするが、第一時間が非常に切迫したということ、これが大きな原因であります。次には最初の出発から何かの思い違いがありやしなかつたかと思うのは、大体新会社を九つこしらえるというのは、先刻森君からも内ケ崎君からもお話があつた、誠に一致した御意見で両方は解散して新らしいものを作る。解散もそうであるが、人事に至つては、殊に今お話の通りできた人が最初からいがみ合いの心持で人を作るということはこれは無理な話でありますから、よくお話合いを願うように、この短い期間にこの点をよくお話合い願いたいと思うて、一月八日の出発のときに特にその点をお願いした次第でありまするけれども、経過についてこれまで委員からもたびたび御報告していると思いますし、只今又直接内ケ崎君がその経過の大部分お話になつたことを私もそうであろうと思うておりまするが、如何にも発送電側……どちらが協力しなかつたということを今言うのも面白くない話でありまするけれども、お聞きの通りに協力が足りなかつた点が多々あつただろうと思います。これはやはり一種の考え方を先にお持ちになつて、例えば配電側の人などは戦後派で役に立たん人間であると思つて見たり、(笑声)或いは配電会社の人たちは自分がそう適任とは必ずしもうぬぼれてはいなかつたでしようが、その地区の営業のことには一通りわかつている。然るに発電計画、或いは送電計画ということは今度変更されるのでありますから、それは日発のかたがたが熟練した考えを持つて一緒になつて頂いてうまく行く、それでこそ新会社の使命が達せられると思われたにかかわらず、或いは一方的の考えだけで打合せ十が分でなかつたかと思うのであります。これがやはり自然々々の間に無理が重なつて来たのじやないかと思います。例えば二月八日まで一カ月間どつさりあるのですから、この間によく話合ができれば、戦後派のつまらんと思うた人も案外話せる人になつて見たり、或いは一方のほうから発電だけほ
 か仕事がわからんと思う人が案外に非常に常識がある立派な社長にもなる人であるということを思われたのですけれども、その間の打合せは誠に不十分であつたのだろう、遂に止むを得ず、越えて二月十六日にようやく日発案のほうのリストが参つて来ておるというだけでありまして、この点もたびたび言われております通りに選考は非常に不十分であり、話合も不十分に陥ることは当然であつたと思います。この点只今古池さんのお話の通りに誠に不手際で、その点は若し委員のものの責任といたしますると誠に申訳ないわけでありまするが、ただ遺憾なことは、その間又肝心な十五日、十六日でしたか、あの大雪のために会長、社長問題などがかなり行違いを起しておる。これは只今森さんからお話がありまして、委員長と小坂君との間に直接何と申しますか、一騎打ちと申しますか、一騎打になつておりまして、委員などはその雪のために、委員長の所に集まつたり、委員長がおいで下さつて十分お打合せすることができないくらいに切迫した問題で、小坂君の主張というものが何か食違いがあり、委員長もひどくそれを気にされてお話になつたことがあると思います。その点は今日委員長はおいでじやありませんから、全面的にどうぞこの森さんの御発言をそのままお取上げにならないように願いたいと思います
 それからもう一言ほかに申上げたいと思いますが、今電産のおかたからいろいろお話がありましたが、私ども公益委員会として余りこの労働争議をどうするかとか、或いはこうするかということは、根本としてはやはりできました関係しておる会社自体がこの経営上労働問題に対してよき了解とよき指導を與えて、共に共にすることを念願としておりまするので、公益委員としてでなく個人としてはいろいろ労使の問題の意見は持つております。これは公益委員会が取上げる問題というよりも、むしろ労働省とか或いはその筋の問題であると考えておりますために、只今藤田さんの意見に対して松永個人がどうとかいうお話がありましたが、個人はいろいろ言うかも知れませんが、或いは個人の言うことを誰がどこの場で聞いてどう言うたのか、まるで見当も付かんことでありますから、これは個人として御答弁も申上げませんし、又多分何か間違いであろうと思うております。これだけであります。
○古池信三君 今回の人事問題につきましては、公益事業委員会としては甚だ不手際であつたということを松永委員長代理から極めて率直に御答弁になつたのであります。その松永委員の率直な態度につきましては、私は満足いたします。私は先ほども申した通り一番憂慮しておりまするのは、今後の日本の電気事業が果してこのままの人事で以てうまく円満に行けるかどうかということを專ら私は心配をしておりまするが故に、かように言葉を重ねて申上げるのでありますが、ここで一応公益事業委員会の指令は出ましたけれども、実際の新電力会社が発足するにはまだ相当時間があるのであります。その間に十分公益事業委員会としては国会の意思なり、或いは又報道機関等の報道しまする一般国民大衆の声なり、或いは又関係のあるそれぞれ立派な人たちの意見に十分耳を籍せられまし
 て、今までの行き懸りであるとか、或いは今までのやり方というようなものを十分反省されて、今松永委員が示されましたような極めて率直な態度で、どうすれば将来の電気事業のためによい人事ができるかということをよく御検討を下さつて、又今後公聴会等もあることでありまするから、それらの意見も取入れて十分この人事問題について改正をされる意思がおありかどうかということをお尋ねいたします。
○政府委員(松永安左衞門君) 只今古池委員の御発言は古池委員御自身、御一人のお考えばかりじやなく、むしろ皆さんを代表した極く公平な、極く率直な御意見かと存じます。誠にお示しの通りで、時間さえあればもう少し手際もよかつたかわかりませんが、時間がなく遺憾の点も多々あると思うておりまするが、これは三月一ぱい、十六日頃から公聽会がある。その間十分皆さんの意見、即ち反対の意見も十分承わつて、その後又一カ月間に総理のほうのお手数もせんならん。ここにおいて議会の御意見等もいろいろ反映して来ると存ずるのであります。それまでの間にできるだけの努力をいたしてみたいと思うております。
○水橋藤作君 私は多くは申しませんが、只今松永委員長代理が率直に不手際であつた。それから時間もなかつた。だから今度の人事は十分でない。それがために輿論が松永委員の個人の問題までいろいろなことが出たということも我々も認めるのであります。なお又組合がですね、組合の意思を少しも反映されなかつた。又日発のいろいろな申出も一つも取入れられなかつたというようなところに、非常に大きな要するに矛盾と申しますか、不合理があつたのじやないか。なお又昨日委員長に私が質問いたしまして、従業員の移管問題はどういうふうな考えを持つておられるか。そのまま引継ぐのだ、それで若し従業員が厭だつたらやめられても仕方がないという回答をされたのであります。それを見ましてもですね、如何にも押付けがましい人事であつたということを断定できると思うのであります。なお組合としましても現業を多く持つている組合でありまするので、これは頭だけできてもこの事業は発展するという見方は一方的であると思うのであります。でありまするから、先ほども言われる通り時間がなかつたから無理があつた、だからその裏にはですね、無理があつたのだから改正することも当然起り得ると思うので、十分に輿論なり或いは国会、組合、如何にもあらゆる方面からの要望もありましようから、民主的にですね、あらゆる方面の意見を取入れられてこの人事を円満に解決されんことを希望いたします。
○須藤五郎君 先ほどから伺つておると時間がないとか、大雪のせいなどになすつていらつしやるが、これは松永機関が長い間かかつてずつと以前から研究の結果計画されておつたことが今日行われておるという点で、皆が不安に思つておるのじやないかと思うのです。而も松永さんに関しては三百五十万円の献金の問題があり、松永さん個人に関していろいろな我々が伺いたいことがあつて昨年委員会で証人喚問をしたのですが、病気のために出て来られなかつた。ああいう問題もまだはつきり確認されてない。そういう疑惑を持たれたかたが今日公益委員の首脳になつておるというところに大きな問題があると思うのです。だからこの電力問題がこのどたん場に来ていろいろ紛糾してなかなかうまく行かない。これは大いに松永さんに大きな責任があろうと思う。松永さんはこれに関して責任を感じていらつしやるかどうか。或いは従業員たちの立場からいつたら、この際あつさり松永さんが辞任なすつたならば、この電力問題は円満に運んで行くのではないだらうか。こういうふうに考えている人もあるのです。私は率直に申上げますが、その点一つ率直に御答弁を願いたいと思うのですが……。
○委員長(西田隆男君) 須藤君にお諮りいたします。前半の須藤君の御質問は本日の調査事項の範囲内ですが、松永公益事業委員に対してやめたらどうかという御質問に対して、松永委員の御答弁はこの際保留さしてもらえると思います。前半の御答弁だけをお願します。
○政府委員(松永安左衞門君) いろいろお話が大体局部的になりまして、少しまごついておりますが、大体よく考えて、よく善処せよという御意見については、前刻も申上げましたようにその考えを以て進めて行くつもりであります。どうか悪しからず。
○委員長(西田隆男君) 私から森壽五郎君にお尋ねいたしますが、新聞紙の報道によりますと、日発の新会社の役員として一応決定されておる人々は日発側の意見が全面的に容認されなければ、小坂総裁と行動を共にするというような新聞記事の報道がありましたが、この問題に対して、新聞の報道の通りに実際にあなたがたはお考えになつておるのか。或いは新聞の記事の報道が誤りであるか、お答えを願いたい。
○参考人(森壽五郎君) その点にお答えいたします。これは三月一日、あの発表がありました当日でありますが、全役員の決議といたしまして、「再編成指令案は我々の先に要望せる公正なる意見を無視しているので我々はこれに反対である。よつて我々はここに二月十九日附役員決議を確認するものである。」ここで二月十九日附の決議が出ておりますが、それに関連いたしまして二月十九日の決議といたしまして、「電気事業の再編成は政令の定めるところによつて、日発、九配電共に解散し、新たに九つの会社を創立するという基本方針に照らし、両者対等の立場において厳正公平に実施せられねばならんことは明白である。然るに新会社の発足に当り特に重要な新会社首脳者の人選について一部少数者の意見のみが偏重され日発の立場は全く無視せられんとしておる。かくては電気事業を危殆ならしめることとなり、我々としては今後の事業運営に十分な責任を持ち得ない事態となることが予想される。我々は二月十六日附公益事業委員長宛の総裁の要望書の原則を絶対に支持するものであつて、これが達成のためには一致結束して総裁と進退を共にする決意である。」もう一つ二月十六日附が出て参りましたが、二月十六日は先ほど申しました日発発送電会社総裁からのもので、少し長いからよしますが、趣旨はそれであります。
○委員長(西田隆男君) 重ねてお尋ねしますが、今の決議された決議文をお読みになりましたが、その決議文の内容から考えますと、少くとも三月一日に指令案が決定発表されましたあの案では、あなたがたは小坂総裁と共に行動をとるというふうに考えて差支えありませんか。
○参考人(森壽五郎君) その通りでございます。
○委員長(西田隆男君) 私松永委員にお尋ねいたしますが、本日の電産労働組合の中央執行委員長のお話といい、且つ只今森壽五郎君の日発内部の小坂総裁と一致した行動をとるという態度の御発言といい、日本の電力再編成後の電力事業の運営というものが、三月一日の公益事業委員会の指令案の決定によつて危殆に瀕しているように私には考えられます。さつきから古池委員或いは水橋委員、或いは須藤委員からいろいろ註文があつております。それに対して松永委員は誠に謙虚なお気持で御答弁をしておられたと考えておりますが、あなた方が御希望しておられるような形で、将来の日本の電気事業の運営がなされないであろうという重大な素因を自発側の、いわゆる新電力会社の重役に入ろうという人が拒否という態度をとられておる。且つ経営者と労働者と一体になつて運営をしなければならない。労務者側はストライキもあえて辞さないという非常な強硬な態度をとつておられるという、この二つの観点から考えても、さつき松永委員から御答弁になつた聴聞会等、十分輿論のあるところを聞かれて善処されんことを強く委員長として松永委員に要望しておきます。他に御発言ありませんか。
○吉田法晴君  一点だけお尋ねをいたします。公益事業委員長の声明の中に、委員会としてもなお愼重に検討を続けた結果、新会社の会長、社長、副社長等をあらかじめ決定することは行き過ぎであつて、云々という文句がございます。一昨日の委員長の言葉の中にも政令その他の精神にもいささか副わないというような言葉があつたように承わつておるのでおりますが、全然日発或いは配電会社側から出て来ない。ここに言われまする新会社の会長、社長、副社長等をあらかじめ決定して、そうしてこれを強硬に押し付けることが、政令その他に直接反するか、或いはその精神に反するものであり、いわば精神的に違法であるというようにお考えになりませんかどうか、その点を一つ伺いたいと思うのであります。要しますに、この声明書から見ても、或いは委員長その他の言われますように、これまで問題になつております何人かのお人たちについては、当然変更せられることが、これは輿論の要請だと思うのであります。その点については委員長なり、その他からはつきり要望が出ておりますが、聽聞会その他の機会を通じて改められることを要望して、その点を一点聞いておきたいと思います。
○委員長(西田隆男君) 吉田君にお尋ねしますが、質問の第一点の要点は、もう少し要点だけかいつまんで、松永さんは耳がお遠いので、要点だけ大きい声で言わないとわかりにくいから……
○吉田法晴君 日発その他配電会社等から出ない天降り的な特定の人間を押付けることは、これは政令その他の精神に違反するとお考えになりませんかということです。
○政府委員(松永安左衞門君) 別に押付けるというようなことがどういう意味かわかりませんが、別に押付けたこともありませんし、要するにこれは配電、及び発電両方の側のできるだけ合意で最初から大きな首脳者を大きな地が域から先ずきめて行こうという考え方初め濃厚でありましたから、いつの間にか会長、社長というようなことまでも発展して行つております間、それは委員長からも説明があつたことと思いまするが、政令には初めから職制を挙げて裁定し、或いは協定するということはきめてありませんので、これは役員があらかじめきまつた後に互選するということが法令の正しい解釈であるということに気が付きました。併し前から首脳者をきめて経営の責任を持だすという考え方は悪い考えではないのでありまして、その点の是正及び仕事をしております間に、会長ならばこういう人が公平であろう、或いはこういう人が第三者的の広い見地から、このできる新会社の会長に適するだろうというような話がだんだん展開して参りまして、又一方ではそれは法制的にそうきめることはよくないという解釋等が前後研究を進める間に進んで参りまして、必ずしも公益委員会から言うたわけではございません。又一方の方面からのみの希望で入れたものでないことはどうぞ御承知を願います。
○委員長(西田隆男君) 只今の吉田君の質問に関連して、日発側の森君、配電側の内ケ崎君双方の御意見を承わりたいのですが、個人の名前を指してどうかと思いますが、白洲君が東北電力の役員中に記載されておりますが、白洲君は配電側から推薦されたものであるか、或いは日発側から推薦されたものであるか、それを御答弁願いたい。
○参考人(森壽五郎君) 白洲次郎氏は、私どもは先ほども申しましたように、会長制を布く所は関東と関西の二電力会社だと、そういう工合に考えておつたのでありますが、その後東北管内には御承知の只見川関係がありまして、あれを開発するためには相当の資金が要る。そのためには先ず国内の資金だけでは間に合うまいから、外資を導入する必要があるのではないか、外資を導入するためには白洲氏は持つて来いの人であるから、我々としてもあれを推薦したらいいじやないかというようなことが、これは配電とは別に私どもの会社の中では、勿論これは総裁が入りまして相談した結果でありまして、白洲次郎氏は私ども推薦した一人であります。
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 只今の御質問ではどちらから推薦したかというお話でありますが、配電、日発そのほか委員会のかたがたといろいろお話合をしておる際に、今後東北の開発としては、只見川の開発という重大なる責任がある。そういう意味からいたしまして、外資導入ということは欠くべからざることである。それに必要なかたが入つて来られるということは非常に必要なことであると考えておつたわけでありまするが、たまたまさようないいかたがその話題に上つて来たわけであります。以上であります。
○委員長(西田隆男君) 伊藤委員に私から、伊藤委員の午前中の発言中非常に重大な御発言と思われる点がありましたので、もう一度伊藤委員の御意見を承わります。その問題はいろいろ問題を話されておりまするうちに、再評価をして株主に一株再評価の価格を拂戻すということになると、電力料金が十倍も、それ以上にもなる慮れがあるので、それはやらなかつたと、かような発言がありました。併しながら電力会社の問題は再編成前に再評価をするとせんとの如何にかかわらず、当然新らしり会社ができれば再評価さるべきものであると私は考えておりますが、新会社が設立後再評価された場合、若し電力料金が再評価するために十倍若しくはそれ以上になるというごとき結果が本当に生じて来るとすれば、これは国民生活にとつて由々しい問題であると私は考えて思います。従つて伊藤委員が午前中御発言になつた電力料金が十倍以上にもなるという御発言は如何なる根拠に基いて御発言されたのか、若し理論的な根拠があればそれを簡單に承わりたい。同時に若しお間違いであつたならばお取消し願いたい。
○説明員(伊藤忠兵衞君) 数字の極く微細な点に亘りまして、若し間違いがあるならばお取消しいたしますが、現在の配当率を以て、只今のような七十二年に亘ります長期の償却というものを短縮いたしまするにつきましては、相当に高率な要するに利益を得なければならない。それによる電燈料金というのは、或いは十倍は言い過ぎだつたかも知れませんが、相当な価格……、数倍のジャンプをいたすということはこれは自明のことで、杜撰な数字の下に申上げたので、取消します。
 なお委員長にお伺いいたしますが、只今の森さんの御発言にちよつと弁明いたしたいことがございますが、お許し願いたい。今の社長が何であつたかという話がありましたが、我々委員の者が日発の理事の人が社長の器でないということを我々の内輪から申したというお話でありましたが、これは全くないことであります。事実そんなことは我々五名の私語の中にもありませんでした。のみならず私もそれは聞いたのであります。聞いた方面というのが意外な人から聞いたことも事実であります。その意味におきまして、我々五名のほうから社長の器であるとかないとか返答いたしましたことは、絶無であるということを申しておきます。
○委員長(西田隆男君) まだいろいろ御発言もあると考えますが、時間も遅ぐなりましたので、本日の調査の題目は、次回に継続することといたしまして、本日はこの程度で散会いたしたいと思います。
   午後六時三十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     西田 隆男君
   理事
           尾山 三郎君
           水橋 藤作君
   委員
           秋山俊一郎君
           石坂 豊一君
           石原幹市郎君
           岡田 信次君
           古池 信三君
           山田 節男君
           吉田 法晴君
           野田 俊作君
           溝口 三郎君
           山川 良一君
           岩木 哲夫君
           小川 久義君
           東   隆君
           須藤 五郎君
  政府委員
   公益事業委員会
   委員     松永安左衞門君
   公益事業委員会
   事務総長    松田 太郎君
   公益事業委員会
   技術長     平井寛一郎君
   公益事業委員会
   経理長     中川 哲郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       渡辺 一郎君
  説明員
   公益事業委員会
   委員      伊藤忠兵衞君
  参考人
   日本発送電株式
   会社副総裁   森 壽五郎君
   日本発送電株式
  会社経理部次長  齋藤  進君
   中部配電株式会
   社副社長    井上 五郎君
   富山県知事   高辻 武邦君
   日本発送電株式
   会社総務理事  菅  琴二君
   東北配電株式会
   社社長    内ケ崎贇五郎君
   電気産業労働組
   合中央執行委員
   長       藤田  進君