第011回国会 農林委員会 第2号
昭和二十六年八月二十一日(火曜日)
   午前十時四十八分開会
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  本日の会議に付した事件
○派遣議員の報告
○農林政策に関する調査の件
 (農地関係災害に関する件)
 (塩価改訂に関する件)
 (雑穀戻金に関する件)
 (麦の統制に関する件)
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○委員長(羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。
 最初に、七月初め三班に分れまして各地の農業事情を調査に出向きましたので、その調査報告を願うことにいたします。第一班からお願いいたします。
○江田三郎君 私どもの班は、青森県と山形県において農業協同組合及び共済関係の視察調査をやりに行つたのであります。先ず青森に参りましたが、青森は、御承知のように農協が、全国的な見地から見ても非常に弱いところでありましてその弱いということにはいろいろ原因がありまして、青森は一町村に三・七の組合があつて、多いところは一町村に八組合あると、こういうようなことで、非常に小組合ばかりで、殆んど資力から見ましても、何から見ましても問題にならん組合が多いわけなんです。これを如何にして再建整備して行くかということが問題になるわけでありますけれども、大体それには単協におきましても各連合会におきましても増資の計画を持つておりますけれども、その増資計画というものが本当に増資をすればどれだけの事業量が殖えて、どれだけの赤字を解消し、収入が殖えるというような、そういう目当てなしにただ再建整備の基準に載せなければならんから増資をするというような、行当りばつたりな計画のように思えるのでありまして、成るほど紙の上では一応の計画は立つておりますけれども、単協なり連合会なりでその事業の内容を検討して見るというと、増資をして見たところで又赤字を繰返すに過ぎないというような感じを強く受けるわけです。そうしてそういうことでありますから農民自体としても余り増資に対して積極的でない、まあ併しながら単協のやつだけは何とかしなければならんというので、大体二十五年産米麦のバツク・ペイをこれに当てようという考え方を、各単協あたりではしておつたようでありますけれども、そうなつて来るというと、バツク・ペイを当てるということになると、否応なしに増資はできましようが、併しこうなると経済ベースの上に立つた組合でなくして、何か上からの押し付け、古い農業会とは違いますけれども、やはり封建的な一つの組織というような点が出て参るわけでありまして、そういう点十分に検討されなければならんということを強く感じたわけです。特に青森におきましては、将来の農協の問題としまして、何にいたしましても「りんご」の生産高が年間百億円、米が四十億に対して「りんご」が百億円、その「りんご」を農協で扱つているのが僅かに一割でありまして、あとは商売人に自由にさせておる、この形ではどうやつて見たところもあるわけでありますが、それにはいで、農協の再建ということはあり得ないわけであります。その点につきましても、地元の関係者の要望としては、どうしても現在の農手制度のようなものを「りんご」にも適用してもらいたい、現在の制度をそのまま適用するということは或いは困難とすれば、北海道の例のように、農業手形共済基金制度を採用してやつたらどうかというようなことが言われておりますし、同時に「りんご」の出荷材料或いは肥料資金等につきまして、当面の急に処するために、農林中金から若干金が出ておりますけれども、これを殖やしてもらわなければどうにもならんということでありまして、先ず大観いたしまして、青森の農協というものは、そういう「りんご」の資金の面について何らかの手が打たれん以上は、とてもあれはバツク・ペイの金を持つていつて見たところで、何をして見たところで再建はできない、こういうことを強く感ずるわけです。で一町村三・七組合平均というものの整理統合は若干進んでいるようでありますけれども、これも遅々として、いわばまあ農民としまして農協というものに熱意を失つておるという状態ではないかと思います。そういう点はお隣りの山形県は大分違いまして、山形県はまあ青森県よりは大分進んでおれますけれども、ただ山形県につきましても、例えば庄内と山形とに二つの連合会が、それぞれ販連にいたしましても、購連にいたしましてもあるわけでありますが、それにはいろいろ歴史的な事情、その他を説明を受けましたけれども、我々といたしましては余り納得できなかつたわけでして、やはり一番問題は、庄内のほうの販連は昔の本間さんの倉庫をこれを只で使つておる、そういうような非常な経済的な要因以外の大きなプラスがあるものでありまして、そういうところから特殊なプラスがあるものでありますから、なかなか統合できないのじやないかと思うのであります。併しこういう形で行つているというのは、非常に不健全なわけでありまして、旧本間の倉庫を使いましたところで、それに対して然らば減価償却はしているのかというと、全然減価償却はしないで、要するに只で借りているのだから、別に費用は見る必要はないという基礎の上にこの販連が成立つているわけでありますからして、普通の減価償却を見たり、或いはその他の倉庫に対する普通の支払を、経費を見て行つたならば、とてもあれは黒字にならんと思うのでありますが、そういうような上に立つている農協というものも、これもいわゆる経済べースの上に載つているものではないと思うのであります。私は今度の視察を通じまして、ただこの農協の再建整備は、今のような一定の基準を作つて増資をしさえすればいいという問題でなしに、もつと根本的な問題があるように思うのでありまして、そういう点はただ東北の単作地帯だけの問題でなしに、全国的にいろいろな資料を以つて検討して見なければならんと思うのであります。これは私は青森、山形を済ませまして、北海道のほうへ個人という資格で参つたわけでありますが、北海道のような非常に協力な農協のところにいたしましても、例えば乳製品にいたしましても、或いは甜菜にいたしましても、或いは麻にいたしましたところで、殆んどそれは商業資本に握られてしまつておるしいうこと、あれだけの北海道の一つの単協が、ところによると二千万以上の自己出資を持つておるというところでさえも、或る程度進んだ農産加工になつて来ると、自分ではやれないで、商業資本に取られて行くというようなところに、これはよほど考えて行かんと、今のような形では、何か連合会は単協を食い、単協は農民を食つておるというような点があるのじやないかと思うのであります。例えば一つの農機具なら農機具というものの流れ方を見ましたところで、むしろ末端へ行くと、商売人から買うほうが安いというようなことが出ておるようであります。そういう点、これはゆつくり又適当なときに本委員会で十分に検討して頂きたいと思うのであります。
 共済関係につきましては、これはもうどこでも同じでありまして、皆赤字を出しておるわけでありまして、これに対してどうしたらいいかという要望につきましては、先般の共産関係の全国大会でもきまつておるようでありまして、ここで新しく附加える必要はないと思うのであります。
 時間がございませんから、それだけにいたしますが、ただ、私、これは視察の問題ではございませんが、北海道農業を見ますときに、今年の第十国会のときに本委員会のほうへ請願の形で出ておりましたところの甜菜糖に対するところの補助助成の問題について、強く要請を受けたわけでありますが、この点は畜産局長もおられますけれども、畜産という面からいたしましても、この北海道農業を根本的に地方を培養するという面から見ましても、甜菜糖の問題はなかなか重大であつて、この際砂糖の価格の改訂があるならば、この問題については、先般の請願は一応お座なりに取上げておられるようでありますけれども、もう一遍深く検討して見る必要があると思うのであります、なお北海道における共産農協、家屋及び生命のほうの共産農協の実情を見ましたが、これは北海道においては一応確立しておるわけでありまして、青森等におきましては、共産連のほうで家屋、生命のほうの仕事をやつておりますけれども、この点はまだ軌道に乗つてはおりません。これは今、法の改正問題が前国会からして起きておりますけれども、この点につきましては、本当に共済農協で行くがいいか、或いは現在の共産連のほうでこれを取扱うがいいかということは、よほど慎重にやつて行かなければならんと思うのでありまして、少くとも北海道に関する限りは、これを共済連の仕事にしないで、別個の共済農協の形でやるということで、たしかに軌道に乗つており、又これによつて農協としましても、保険金のほうの相当の金が定期として農協へ残るわけでありまして、農協の資金のやり繰りから見ましても、この点は大きなプラスであるように思います。簡単でございますが、時間がありませんから、これだけにいたします。
○委員長(羽生三七君) それじや次に第二班の報告をいたしますが、この第二班は私と滝井、加賀両議員が参つたわけであります。この第二班は主として農畜産物の生産改良事情の調査を主題として、山口県及び長崎県に派遣せられたのでありますが、この調査は先日お配りしてある日程で行われました。
 なおその調査の方法は、農産物に関する調査は、山口県においては米麦等の普通農産物を主体とし、長崎県においては特用農産物及びいも類を主体とすることとなし、畜産物については両県の間に特に差別を考えないこととしたのであります。調査の要目は大体次によることにいたしました。
 第一に、県における農畜産物の生産改良方針、目標及び計画、次に、右の具体的実施の方法、その三に、右の実施成績、その四に、右の実施成績に鑑み実施上有効であつて今後助長すべき事項、その次に、右の実施成績に鑑み、実施上障害であつて今後是正又は排除すべき事項、こういう方法でやつたわけであります。
 調査は農畜産業全体に関して極めて広汎に亘るものでありますので、その成績を各事項について統計調査に基いて報告を行うの煩を避けたいのでありますが、要約いたしますと、大体次のように考えられます。その(イ)として、農業生産の基調を米麦、特に米に求めて、これが生産改良に努力を続け、又続けんとしておることは変りないところであるわけであります。それから(ロ)は、併し経営の規模、耕地の条件、農産物の価格並びに生産資材及び資金等、自然的、経済的及び社会的諸条件は拡大再生産などは思いも及ばず、再生産すら困難であつて、むしろ縮小再生産を余儀なくせしめられ、農業経営の維持及び農家経済の、安定は甚だしい困難に逢着しているということであります。(ハ)は、特に昭和二十五年産米麦価の追加払い及び昭和二十六年産米麦価の決定をめぐつて伝えられていた低米麦価政策は大きな衝動を與えていたようであります。次は、国際小麦協定の参加を契機とする国内農産物価と国際農産物価との接近、続いて予想せられる逆転に関する焦慮も見逃すことができなかつたのであります。その次には、かような苦境を農業経営の多角形化に求めんとして酪農、特用農産物の栽培及びいも米等の加工事業に重大な関心が払われているように感ぜられました。併し、これとても主食の供出制度、資金、資器材、価格及び市場等の関係において、各種の制圧が加えられていることは言うまでもないことであります。特に当面の問題として先に厚生省において計画した牛乳取締規則の改正は、酪農農家に甚大な苦難をもたらしておるように感ぜられました。又長崎県茂木枇杷の癌腫病の蔓延のごときも戦時主食超重点農業から平時農業に切替えられるときの農業政策上考えられなければならない問題と思われたのであります。これらの諸問題が結集したものが、先日お配りいたしました要望及び意見の大要であります。これらの要望及び意見を検討して、その対策を確立することが、当面する農業問題の難題と考えても差支えないのではないかと思うのでありますが、これが解決につきましては各委員の御協力をお願いしたいのであります。
 なお、特に付加えて申上げたいことは、例えば山口県の中で、下関における酪農協同組合は非常な厖大な予算を以て、牛乳の処理加工等を行なつて、その資金を農林漁業済金融通法に求めておるわけでありますが、これは下関のみならず、各地でこの農林漁業関係の資金の需要というものが極めて旺盛であつたということが非常な特徴であつたように考えられるわけであります。そういう意味でも先日来、本委員会でこの資金の枠の拡大等が論議されておるわけでありますが、この問題の解決を通じて一層この農業生産力の発展に当委員会としては寄與したいと考えておるわけであります。詳細につきましては、報告書に基いて御検討を願うことにいたします。口頭による御報告はこの程度にさせて頂きます。
 それでは次に、第三班にお願いいたします。
○門田定藏君 第三班は宮本、三浦、門田三委員、倉田専門員等と七月一日より七月八日に亘り和歌山、高知両県の森林組合及び同連合会の状況並びに森林法改正に伴う森林組合の移行等の現地調査に参りましたが、両県の森林事情の詳細につきましては後日に譲りまして、その結論の概要だけを御報告したいのであります。
 森林組合に関係しまして県連合会は若干の赤字になつておりますので、これを引継ぐことについてやや困難を感じておるようであります。一瞬的救済資金が必要であるということも要望され、我々もそう考えました。第二に単位組合は概して悪いとも言えませんが、不活發なものが相当数あるように見受けました。併し、これは適当な指導の下に、次第にこれを育成せしめるならば有望であると、こう考えました。森林法の詳細についてはまだ徹底されていないので、今後の組合の運営方針に迷つておるような状況でありました。単位組合も連合会も等しく技術者を雇傭したがつておつたようでありますが、いずれも、それにつきましては経費の点で困難があるので、当分補助してもらいたいという要望が多かつたのであります。組合を経済的に独立させるために、公共事業等の代行をさせてもらいたいという希望が多かつたのでありますが、これは組合運営の方針が明確にわかつて来てから、解決できることであろうと考えました。資金関係に対しましては、造林、治山工事、林道等、補助金の増額の要望は一般と同じでありますが、戦時中の手入不足を急速に取戻すためには、特に造林地手入費は助成するほうがよいではないかと考えました。農林中金の事務処理が極めて不親切で、非常に評判が悪く、何とか改善されるようにという強い要望がありました。
 農業関係の陳情としては、土地改革、治水関係の陳情がありました。陳情書は和歌山県関係六件、高知県関係二件、計八件ありましたが、詳細に亘つては文書等によつて後日御報告することとしまして、簡単に御報告を終ります。
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○委員長(羽生三七君) 以上で調査報告が終つたわけでありますが、次に昨日問題となりました京都府平和池の災害に関する件につきまして、昨日は溝口委員から極めて根本的な問題についての御発言があつたわけでありますが、本日は引続いて当面の問題の対策について御発言をお願いしたいと思うのですが。
○宮本邦彦君 私は平和池の災害について二、三御質問申上げたいと思います。これは今までの農林省のあの池の築造に対する手続を見ますというと、委託事業として京都府営で以て行われたというような状況であります。委託事業というものが一体どういうものか。これは一つの行政契約みたようなものかどうかということなんであります。従いましてこの要綱にある限りのものを、京都府が実行しておれば京都府としての責任はないものかどうか。それから昨日溝口先生からお話がありましたが、当時の技術においては何ら欠陥はなかつたという判定をされたということなんであります。そうしてそういうことになるというと、その委託契約に対するお答えを一つ頂きたいと思うのですが、もう一つ、若しも技術的な承認を与えたところの農林省の審査なり何なりが間違つておらなかつたということになれば、これは結論として全くの天災になるかどうかということでございます。農林大臣は本会議におきまして、昨日溝口さんも言われたような答弁をされております。まだ原因については十分な調査を続行しておるというような御答弁がありましたのですから、詳しいところは私は申しません。ただ大臣が答弁された範囲内で以て、やはりこういつたこれは私国民的な一つの大悲惨事だと思うのでございます。こういつた大悲惨事に対して、この善後措置としていろいろな措置がとられるべきが、これが責任の本当の今日となつてのあり方じやないか。その善後対策として大臣は早速次官を派してお見舞いを申上げ、そうして万全の措置を講じたと、こう言われるのですが、これはどの程度おやりになつたかどうか。そして又今後はどういうこれに対して対策をおとりになられるのかどうかということについて、私お伺いいたしたいのであります。それからもう一つお尋ね申上げたいと思うのですが、私はこの今回の災害をずつと目をつぶつて系統的に考えます時に、もつといろいろな面でこれを契機として、ということを言うのはちよつと語弊があるかも知れませんけれども、根本的にこういつた建設行政をあずかつておる農林省が大いに反省すべき面を持つているのじやないか。私自身長い間同じ事業を担当しておりまして、そうして今日この平和池の大惨害を見て、つらつら考えますときに、農林省のこういつた大事業を施行するときに、今までの事業は大体やりつ放しというのが現実ではなかつたかということを私考えるのであります。事業をするときには皆本気でやります。そうして当局も本気になり、建設は本気にやるけれども、これのあとの面においてどれだけの手を打つておるか。過去の日本のこういつた事業は指導行政であり、補助行政、或いは政策と言うのかも知れませんが、そういつたもので行われ来ました。過去においては寥々たるものであつて、最近は国民的な要望も強く、そうして事業が非常に盛んになつて参りました。盛んになるに従つて事業は多く行われ、それに対してそういつた面がどれだけ考えられておつたかということに対して、私非常に疑念があるのであります。例えば現在日本の国に溜池がたくさんあります。昨日溝口先生は二十万の上を超しておると言われておりますが、私の知識からいたしますと、大体過去の調査で以て溜池の造られたものの維持管理のうまく行つているというものは約半数くらいしかないのじやないかと思います。あとの半数くらいはうまく行つておりません。殊にその中の一割以上のものは現に危険状態にあるということなんです。増水しておるとか、或いは洪水のために土堰堤に水を含んで、そうして一たび逸流すれば直ちに崩壊するというような状態にあるのであります。ただ過去において私どもが現に仕事をしておつた頃は、大体災害時期は溜池の空の時期が多かつたのであります。本年のように溜池が大体満水しておるという状態の時に大きな雨が降つたということは非常に稀なことなんです。最近は場合によれば河川の災害と言い、或いは山の災害と言い、気象条件の大きな変動というものが相当認められておると私ども思うのであります。こういつた時に、溜池は造つたが造りつ放しである。而もその造られた溜池に対してこれを防除するということが過去と何ら変つておらないというような状態で、国の政策なり、行政なりが行われて行くということは、私ども憂うべきことではないか。あの災害の復旧費の何分の一かをそういつた方面に使つたならば、災害はもつともつと軽微に済むのではないかと思うのであります。過去の耕地災害などを見ますと、やはり溜池の決潰というものがかずかず上つております。それは私が今申しましたような一割以上にも及ぶ溜池の増水とか何とかいうようなものが原因しておるのじやないかと思うのであります。今回の災害を見ましても、多分に私そういつた責任はあるのじやないかと思うのでございます。例えばこの京都府が亀岡町の町長宛に維持管理規程というものを作つて、これを厳守せよと言つて出しておられます。一応私は行政的な責任はこれでないものだという、文書の上では言いわけが立つと思うのでありますけれども、亀岡の町には水利に関する技術者もおりません。そうして水利の判定をする人間は一応ないものと私ども考えなけりやならん。その場合に厳重にあの管理規程が実行されておつたかどうかということを何ら監督し、指導した面を聞かないのであります。これは事業のやりつ放しと同じに、やはり行政のやりつ放しではないかと私は思うのであります。こういつた面に私は今回の災害の一つの大きな盲点があつたんじやないか、ここに私ども原因の一部があつたのじやないかということを考えられるものでございますが、この点について私の考えが誤りであるかどうか、お答えを願いたいと思います。特に私はこの点についてもう一言申上げたいと思うことは、今回の決壊した溜池は防災の溜池であつた、従つて管理規程にありますように、常に空にして置かなければならないというところの性格を厳重に守らなければならない性質のものなんでございます。ところが、この亀岡の町の管理が、聞くところによりますというと、町に水利委員というのが何人かあるんだそうでございます。これは水利に関する問題を協議して、そうしてその委員会の協議によつて水利は管理されておるというようなことを聞いておつたのでありますが、この池の下流に水不足の所があるのだそうであります。だから用水の代表者がこの水利委員の中に入つておつて、そうして用水の関係の人たちは、丁度用水期を前に控えておつたものだから、あの溜池を空にすることを欲しなかつたということを聞いておるのであります。そういたしますというと、結論としてあの管理規程が厳重に守られなければならなかつたというそういう大事な管理規程を、用水が欲しいというほうと、防災の管理規程を守るという、そういう三つの性格を持つた水利委員会に任せ放しでおつて監督が十分に行かなかつたということに、私はかなり大きな責任があるのじやないかと思うのです。ここでもう一つ希望を申上げて置きたいのですが、平川局長は技術面においては、これは私ここで申上げるのもどうかと思うのですが、まあ最近局長になられたので、余りお詳しくはないと思いますから、技術上の責任は私は申しませんけれども、こういつた事件が今後起らないためには、何らかの……水というものは如何に恐しいものであり、又如何に資源的に貴重なものであるかという、その両局面の判定をはつきりされて、今後の指導行政或いは保護行政の面で以て、何らかの対策をお考えになつておるかどうか。若しお考えになつておらないとすれば、急速にそういつた対策をお考えになることが必要じやないかということを、私附加えまして、第一回の質問を終りたいと思います。
○説明員(平川守君) この委託をいたしました京都府の責任の関係でございますが、これは委託規程によりまして、勿論すべての監督を農林省がいたすことにいたしております。従いまして京都府といたしましては、直接の責任者ではありまするけれども、その要領に従つて農林省の監督の下に仕事をいたしておるわけでありまするから、従つて農林省といたしましても、その設計なり何なりに欠陥がありますれば、自己の監督上の責任は当然あるわけであります。併しその技術的な問題につきましては、先般来大臣からも申上げておりますように、目下調査中でございます。その関係が明らかになりましてから、責任の所在を明らかにいたしたいと、かように考えておるのであります。それからこの惨害に対する復旧の問題でございまするが、これにつきましては誠に法律的な関係はともかくといたしまして、お気の毒に堪えない次第でございますし、早急に復旧の手当をいたしたい、かように考えております。殊に応急の措置につきましては、京都府において直接に、例えばバラツクを建てますとか、いろいろな応急の食糧でも運ぶとかいうような救済は行なつておりまするが、あとの農地の復興、生産の基盤を回復することにつきましては、農林省においても特に面倒を見て参りたい、そのために、要すれば或る程度の融資というようなことも考えるというようなことで、早急に復旧をするような手配をいたしたい。かように考えております。それからなおこれらの施設の管理の点について遺憾の点がないかというお話でございましたが、この点につきましては、御指摘のごとく従来の管理のやり方が必ずしも徹底しておらなかつたという点は認めざるを得ないと思います。これにつきましては、早急に一定の規則と申しますか、そういう面からの監督をいたしまするような手配を、早急にいたしたいと思うのであります。なお実際問題として各地にありまする溜池寺が、災害期を控えて保全の必要があると考えまして、この災害を契機といたしまして、最近各地に大いに通達をいたしまして、こういう施設の保全について、特に注意を払うように、各府県に通達をいたしたような次第でございます。なお根本的に今後の溜池或いはダムというような、特に大きなものについての管理の問題といたしまして、お話のごとく一面利水の必要もあるわけでありますし、又一面防災の観点からも考えなければなりませんので、これらの調節を図る、場合によつては、立法的な措置も必要ではないかということで、目下検討をいたしておるような次第でございます。
○宮本邦彦君 今急速に一定の規則によつて考えるということを言われたのですが、その構想が若しおありだつたら承わりたいと思います。
○説明員(平川守君) まだその構想について御説明申上げるほどの段階に至つておりませんが、要するにまだ未熟なものでございまするけれども、抽象的に申しますれば、非常に大きなダム等については、国が直接に管理するということも必要ではなかろうか、或いはその規模の比較的小さいものについては、県なり何なりが直接に、或いは監督を厳にして管理して行くというようなことが必要ではなかろうか、かように考えております。
○宮本邦彦君 原因を調査中ということを承わつたのですが、原因の調査はともかくとして、この規程から行けば、天災ではあり、そうして又京都府が一応の事業責任者であり、亀岡の町が管理の責任を持つておるというような、そういつた面だけははつきりしておると思うのであります。そういつたはつきりしておる枠の範囲の災害に対する対策と言いますか、そういうものは、当然急速に立てられるものと思うのであります。そういうものに対して、この事業を指導されたところの農林省も、やはりそういつた対策は当然第一段の段階として打たなければならない立場ではなかつたかと思うのであります。そういう対策はどの程度お考えになり、いつ頃これを実施されるかということについて御腹案があつたら承わりたいと思います。
○委員長(羽生三七君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(羽生三七君) 速記を始めて下さい。
○説明員(櫻井志郎君) 復旧の問題でありますが、先週の金曜日に、私京都で府知事にもお会いして、その問題を協議いたしておつたわけであります。とにかく早く復旧する、そして被害者に早く生産経営の基盤を与える。理窟は抜きにして、これが一番必要なことじやないか、こういうことはまあ知事も私も同じ意見を持つておりました。知事といたしましては、翌日の土曜から三日間に亘りまして、関係部課長を招集して、その三日の間に、あの地帯一帯の非常な激甚な被害地の総合的な復旧対策を先ず立てる、そして案ができたら農林省なり或いは建設省なりと具体的に相談をして、一日も早く復旧の仕事に着手しよう、こういう程度に打合せをして参つたわけであります。それじや具体的にどういう方法をとるかということになりますが、御承知の通り現在災害としては、予備金支出がきまるまでは一時的な繋ぎ資金を出しておる。差当つての問題はそれで運んでおいて頂きまして、今月末若しくは来月早々に今の予備金支出を安本と折衝いたしておりますから、その問題が取運びになりますれば、具体的な復旧内容を、特にこの問題につきましては十分念を入れて検討して、一刻も早く復旧に乗り出せるという方法を講じたいということで考えております。
○宮本邦彦君 私は最後に一言、農林御当局の立案に対して申上げたいと思のでありますが、今回の災害が如何に悲惨であるかということは、恐らく京都府一帯の農民ばかりでなく、全国の溜池を築造しようという人たちの耳にかなり入つているのじやないか。又入つた場合に如何に恐ろしいものかというような恐怖感が当然持たれるのじやないか。これはそういつた恐怖感がどこから出て来るかということを考えますと、この災害対策の万全を得たかどうかということによつて、そのウエイトが非常に変るのじやないか、これは設計の万金があつたとしても、そうして異常災害で、先ほど私がちよつと申上げましたように、最近気象条件が非常に変つております。これは私どもはよく認めておるところでありますが、気象条件が大変化をしておる。過去五十年の降雨記録において最大であつたということによつて、この溜池決潰の大悲惨事を抹消し去ることはできないのじやないか、そういう意味におきますと、単なる設計技術の責任でなく、もつと大きなそういつた技術行政を扱う観点において、もつと慎重を期さなければならないというところの責任は当然あるのじやないか。これはその責任の上からも、そうして今後日本の農村の農業近代化という線で以てどうしてもやらなければならないという国民の澎湃たる要望の前に、土地改良というものは八日非常に要望されております。これに対して技術上の疑惑を持たせるというような欠陥が、今回の災害対策如何によつては大きく響くのじやないかと私ども思うわけであります。従つてこの問題は、丁度本日は次官もお見えでありまするので、単に技術上の責任がどうこう、行政上の責任がどうこうという問題でなく、それを離れて、そうして過去においての取扱規程がどうこうということを離れても、この災害対策に対しては十分な措置を講ぜられることが私必要じやないかと思うのです。そういう点について次官は十分お考えになられるかどうか、一言だけ次官から御回答頂きたいと思います。
○説明員(島村軍次君) 今回の平和池の被害に関連をして、将来の問題については私も実地を見ましたその瞬間がら、只今御指摘のような問題が当然取上ぐべきもの考えましていろいろ検討を加えておるのでありますが、先ほど来申上げまするようこ、将来に禍根を残さないことと、併せて将来の農業技術と申しまするか、土地改良に関する影響を絶対に不安のないような方法で、この際根本的な対策が立てられることを期待し、又さような考え方を以て進んで行くべきであるという考え方で寄り寄り協議を進めておるような次第であります。結論としてはまだお話を申上げる段階に至りませんけれども、御趣旨の点を十分拝承いたしまして万金の措置を講じたいと存じておるような次第でございます。
○委員長(羽生三七君) 本問題については、最後に私から一つ政府にお願いして置きたいのでありますが、それは恒久的な対策、或いは技術上の問題につきましては、幸い本委員会にはエキスパートがおられますので、溝口さん、宮本さんを初め各位の御協力によつて、この問題は根本的に解決を得なければならないと思いますが、先ほど宮本さんの御発言にあつた当面の問題については、もう国会も閉会で委員会も暫らく開くこともなくなると思いますし、それからこの問題が法律上どういう解釈になるかということも非常な疑点があるし、或いはその管轄が、仮に当面の仮定上の救済ということになりましても、厚生省か農林省かというような、そういう意味の疑点も出て来ますし、かれこれ日がたつに従つて問題の解決が遷延してしまうということも考えられますので、どうかそういう法律上の解釈等によつてこの問題がうやむやに終ることのないように、何とか御促進方を願うということを最後に希望して置く次第であります。
○溝口三郎君 私、昨年技術的の内容等につきまして御説明をお願いいたしたのでございます。時間がなかつたので……一言政務次官に御質問いたしたいのでございますが、それは災害の対策といたしまして今までもいろいろ御苦心をなさり善後措置をとられてはいたのでございます。今後引続いての問題といたしましては、これは地元におきましても一刻も早く、一日も遅れずに適切有効な復旧、復興の対策を確立せられて、それを速かに実行に移すようにして頂きたいと思うということが、目下地元等においても最大の要望であるのであります。そこで具体的の要望といたしまして二、三地元方から私は陳情を伺つたのでございますが、それはできるだけ早くバラツクをもう少し増設したい。現在百数十人の人が二十くらいの部屋に雑居しているような状態であるのであります。どうかしてバラツクをもう二十室くらい増設したいのであります。これが一番深刻な要望であると考えるのでございます。もう一つは、この際どうしても二、三千万円の資金が必要なんだから、これを何とかして一つ融通をして頂きたいと思う。そして引続いて復旧事業等の計画が立つて着手になれば、農林漁業資金の低利資金のほうも優先して一つ融通をするようにお願いをしたいということを言つておりました。それからもう一つは、復旧の補助金の補助率等は、これは法律にもきまつていることでございますが、できるだけ引上げ等についても考慮してもらいたい。なお、これは復旧工事費の限度でございますが、農林省省内における内規で一反歩当り六万円ということになつているそうでございますが、それは只今のところでは、もう少し、十二、三万円かかるのだから、どうかそれだけも是非御考慮になつて頂きたい。こういうようなことが見通しが付けば、今まだ動揺している民心もおのずから安定もして来るし、復旧事業も着々促進されると思えるような事情もあるのでございます。地元の深刻な窮状もお酌み取りになりまして、特別の御配慮をお願いしたいと思います。
 なおこの際に、それらに関連いたしまして、私は次の三つの質問をいたしたいのでございますが、今回のような突発的な、特異な災害の場合に迅速に、有効適切な措置が速かにとられるように、ばらばらではなくて地元の陳情もあつちへ行つたり、こつちへ行つたり、非常にこういう際に困つておるので、何とか統一した災害の緊急措置というようなものを、この際私は是非制定して、そうして災害が突発し、死傷者等が出たような場合に、それらに対する対策というようなものは、今回の場合ばかりでなく、河川の堤防の決潰した当時、利根川等においても非常に大きな問題があつたのでございます。ああいうようなことが将来起らんとも限らないのでございますから、そういうような場合に処するために特別の立法をする必要があると思つております。政府におきましてはそういうことを考えていられるかどうか。次にバラツクの建設のことでございますが、これは取りあえず政府の手持の木材、僅かの分量で足りると思いますが、これがなかなか地元等では調達が思うようにできないのでございます。何とかして、取りあえず現地のこれらの必要な木材を配給して頂けるような方法は考えられないかどうか。第三番に、今回の突発事故に関連たしまして、一部におきましては防災溜池というようなものはこれは中止しろ、或いはその所管を変えよというような声があるように、私は聞いておるのでございます。従来におきましてもそういうようなことが、実はくすぶつてもいたのでございますが、防災施設というようなことは、これは私は災害防止対策として非常に重要な施設でもあると思うのでございます。将来無論工事等については絶対確実なものを選ぶことは、これは勿論でございます。今回の突発事故等に関連して非常に萎縮しておるような部面も、私は技術者の間にあるのじやないか。どうかこういう点については将来とも農林省は積極的に復旧、拡充して行くことに努められたいと考えるのでございます。それらの三点について政務次官等から御答弁をお願いいたしたいと思います。
○説明員(島村軍次君) 緊急措置の法案を考えておるかどうかということでありますが、現在の災害復旧その他の法律の範囲におきましては、お話のように完全とは言いにくい点があると思うのでありまして、要するにこういう特殊災害に対しましては、特別の措置を講ずる必要を認めて、目下これの検討を加えております。従つて別個の法律を作るということでなくして、現存の法律の範囲において特別の措置を講ずることについて検討を加えておるので、さように御承知を願いたいと思います。バラツク建設に関する木材の問題に対しては御承知の通りに、第一段階においては京都府において総合的の対策としていろいろ考えられたのでありまして、あと落ち着いた住宅を作る場合に対する措置については、農林省と京都府庁との間でよく連絡をとりまして、それらの措置を具体的に検討を加えまして、必要があればさような措置を講ずる予定でおりまするが、直接農林省から木材措置を講ずるということなくして、措置が講じ得るものと現在では考えております。最後の防災溜池に関しまてのいろいろな御心配の点は御尤もでありまして、この点は先ほども宮本さんの質疑にお答えを申上げましたように、農林省といたしましては、これらのいろいろな批判を受けておる問題に対しては十分検討を加えると共に、更に将来技術上の問題に対してかれこれ非難を受けないように、この原因調査の結果に基いて将来積極的に取上げて、御心配のないようにいたしたいと存じておるような次第であります。
○委員長(羽生三七君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(羽生三七君) 速記を始めて下さい。
○宮本邦彦君 次官から今お話がありましたようにこの原因についてはつきりいたしましたならば、又そして次官が御回答になられました対策に対して農林省の態度がきまり、腹案がおできになりましたならば、この委員会に急速にお諮り頂いてそして御協議申上げたいこういうことを付加えまして、私はこれを打切ることに賛成いたします。
○岡村文四郎君 平和池の問題で、昨日溝口さんがつぶさに御質問になり、宮本さんも今日御尋ねになつたのですが、じつと承わつておりますと、役所のほうでは責任問題を非常に恐れて、いろいろお話になつておるようであります。私は京都府に委託をしてやつた事業であるということが建前のようでありますが、事ここに至つてからの責任の追求は、ずつと延ばしても結構なので、私溝口さんや宮本さんのようにほかの、現場に行つて来た人の話を聞きますと設計そのものが決して疎漏ではなかつたと思うのでございます。私は工事の監督が非常に疎漏であつたに違いない、そう思われる節があるのであります。そこで今頃ここで責任追及をいたしましても、これはなかなかこの問題がややこしくなつて、恐らく解決は付かんと思います。あの大橋法務総裁の二重煙突事件でさえも解決が付かんのですからこんなものが解決付くはずはないと思います。それを追及するのは馬鹿だ。そんなことはいいから、とにかく、もう少し現状に熱い気持で手当をしてくれることが何よりも急務で、これはどうも政府の答弁もなかなかできた範囲でやろうとか、或いは法律ではないとか、こういうふうに逃げておりますが、京都府のほうでもできるだけの協力はしてもらわなければならないと思いますが、政府ももう少ししつかりした肚をきめて、この災害に対する処置は講じてもらいたい。そこで委員長が、国会もないし、委員会もそう急には開かれないということがありましたので、私は要望でなくて、質問をして、若し必要があれば幾らでも委員会を招集して政府に迫るという態度でなくてはいかんと思いますが、これは或る一部でありますが、一部として見逃しておくことのできない事実でありますから、即時に処置をするかどうかということを次官にお伺いしたいと思います。
○説明員(島村軍次君) 成るべく早急に処置をとりたいと思います。
○江田三郎君 災害の問題についてもう一つ地盤沈下の問題があるのですが、これはちよつと簡単にお聞きしたいと思いますがこの問題についてはもう詳しいことは抜きにいたしまして、先だつて本委員会へ大臣が出席になつたときに、これは早急に結論を付けてもらいたい、こういう要望をしておいたわけでありますが、その点一体どうなつたのか。我々として早急にということは今度の補正予算にも是非共入れてもらいたいという考え方であつたわけでありますが、そのほうの予算折衝というものは一体どうなつておるかということ。これは御承知のようにこの間全国の関係者の大会もあつたわけでありますから、はつきりとお答え願いたい。それからもう一つは、本年度の災害の問題でありますが、これについて災害額の一定金額以下のところについては、緊急融資をしないというようなことをちよつと聞いたのでありますが、そういうようなことがあるのかどうか。あるとすればその一定限度というのはどの程度のことを言われるのか。今日の地方財政の枯渇した状態から見まして、緊急融資なしに地方財政だけで対策を立てるということは非常に困難だと思いますので、その点も併せてお尋ねしたいと思います。
○説明員(櫻井志郎君) 地盤沈下の復旧問題でございますが、昭和二十三年度に地盤沈下して当時わかつておりましたのを取上げ、二十四年度に同じく高潮災害としてやはり地盤沈下の問題を取上げました。が、農民のほうで非常に災害を受けておりながら、何とかやつて行けないかという、つまり今から申しますと無駄な努力を継続しておつた。そういう地盤沈下に対しましては、昨年の秋頃から取上げまして、相当査定に時間を取つたのでありますが、私どもといたしましては、二十六年度に御協賛を願つた農地災害復旧費で、この仕事を直ちに本年度から着手したいということで安本に折衝を続けておつたわけでありますけれども、安定本部といたしましては、既定の災害復旧費では認められないということで、この度の補正予算といたしまして、安本が大蔵省に折衝を続けてくれておつたわけであります。今朝私安本とその問題につきまして打合せをしたのでありますが、今朝の話では、課長がおりませんでしたので、はつきりしたお答えを得られなかつたのでありますが、補正予算としては難航を続けておるという、これは課員であります、課員でありますので、はつきりした点はつかみ得なかつたのでありますが、補正予算としては難航を続けておる。私どもといたしましては、若し補正予算がどうしても駄目なら最初の方針通り二十六年度にきまつておる災害復旧費でこの問題をやりたいということでございます。それから本年度新らしく発生いたしました災害についての予備金支出がきまるまでの繋ぎ融資の問題でありますが、今御指摘の通り、一定限度以下のところは繋ぎ融資が出なかつたわけでありますが、これはひとり農林省関係の災害のみなりませず、建設関係或いは港湾関係それらのものを全部合計いたしまして、その一件当りの災害被害額の一定限度以上のものに繋ぎ融資を出しておまりす。その限度は私はつきり記憶いたしておりませんがたしか総額十億以上というものに対しまして繋ぎ融資が出たように記憶いたしております。
○江田三郎君 今のこの地盤沈下の問題でありますが、折衝が付かなければ二十六年度の本予算できまつたものでやつて行くと、こう言われましたが……。
○説明員(桜井志郎君) 行きたいということ、行くというところまで決定いたしておりませんのです。と申しますのは、補正予算を大蔵省、安本が交渉を継続いたしております。
○江田三郎君 これはこの前にも、大臣が来られたときに申上げたのですけれども、実際に地方においては農地事務局のほうからこれはできるからやつておけとこう言つて、しばしば出先というものは早いことやるのでありますが、そういうことで実際に金をかけてやつて、而もその金というものはありもしない農協や、役場あたりが立替えてやつて、その後始末に困つておるわけです。その点農林省としても非常に責任があるわけでありまして、若し片一方で行かなければ片一方で行くということを、はつきりお約束しておかれたいと思います。それでなければ今までの農林省の出先の言つた手形というものはどう処置せられるか、責任は誰が取られるか、これは一つ政務次官からはつきりお答えを願いたい。
○説明員(島村軍次君) 御希望に副うように処置いたします。
○江田三郎君 将来の問題についても、補正予算の問題に間に合わんと思いまするので、私はこの前申しましたように、地盤沈下が災害であるかどうかということは、これはもうはつきり災害だと考えておるわけで、これは私が考えたということだけでなしに、曾つて建設大臣の増田さん、それから現在の安本長官の周東さんも、災害というものは必ずしも極めて短時間のうちに急激に条件が変化するということでなしに、条件の或る程度の変化が積み重なつて、長い期間の間に條件の変化があつても災害だと建設委員会ではつきり答弁なさつておるのでありますから、その点今頃に至つて安本のほうがかれこれ言うのは、大臣がそう言つておるのに問題はないはずだと思いますので、そういう点はもつと突つ張つて頂きたいと思います。これは希望です。
  ―――――――――――――
○委員長(羽生三七君) それでは次に塩の価格の問題に入りたいと思いますが、この件につきましては、昨年塩の価格の騰貴した際、本委員会としては十二月七日附を以て政府に対し申入れをしておるわけであります。その結果がどうか、政府としては若干の塩価の引下げを行なつたわけでありますが、その後本年八月一日になりまして、又再び塩価が引上げになつたわけで、これが一般生活に及ぼす影響極めて重要でありまするので、この問題に関して諸般の事情を政府から聞いて問題の検討をしたいと思うわけであります。
○片柳眞吉君 塩の価格の問題は、只今委員長からお話のあつたようなわけであります。実はこの八月から工業塩を除いた一般用の塩の価格を突如として上げましたことは、実は非常にびつくりもし、又遺憾に存ずるわけであります。どうも我々の農林委員会の意思を、むしろ私は軽視或いは無視したものではないかと思うのでありまして実は非常に憤激の念さえ実は感じておるわけであります。そこでこの値上げをいたしました事情なり、或いはこの算出の基礎等も、時間もありませんから、或いは困難かも知れませんが、この値上げに至りました事情なり、或いは改訂の基礎につきまして御説明を願いたい。それからそれに関連いたしまして、この前の我々の申入れに対しまして三大臣から回答が来ておりますが、その中で物価庁の長官からの回答には、この間の暮の値上げは差当りの改訂である、追つて最近の輸入情況及び輸入価格の変動が激しいので、今後の推移を注視し、二十六年度における実行計画を立てて、これにによつて塩価全般の改訂を行いたい、こういうふうに言つておりまするが、今回の措置がこの塩価全般の根本的な改訂であるかどうか、これを関連してお聞かせ頂きたい。それからこの塩価の改訂につきまして、政府部内において十分話が付いた上でこれが決定されたかどうか。特に安定本部、農林省のはつきりした了解があつたかどうかという点、これを強調をいたしたいのであります。それからこれは形式上の問題のようではありまするが、併し我々の委員会の意向を無視をしておるという点からお開きしたい点でありますが、物価庁長官からは昨年の暮の二十九日に取りあえず改訂をいたした。取りあえずという字句を使つておるのでありまして、従いまして今回の改訂につきましてもでき得れば或る程度の事前の連絡があつて然るべきと存じまするし、又前の回答が取りあえずの回答でありまするから、少くとも今回の改訂につきましては政府の私は報告があつて然るべきと思うのでありますが、こういう点につきましても一つどういう考えでありまするか。どうも結論を急ぐのは早いようでありまするが、この間の改訂が工業塩をトン当り八千円に上げまして、或る程度食料塩との従来の不均衡は調整されたのでありまして、これでも我々は不満であるけれども、更に根本的な改訂を先に言つたような情勢の変化を見てやるということで、一応了承したわけでありまするが、今回は工業塩は同じくトン当り八千円の据置きでありまして食料用の原塩はトン当り一万二千円のものを一万五千円、粉砕塩はトン当り一万二千六百円であつたものを今回は一万五千五百円、内地塩は一万四千円であつたものを一万六千円というふうに、大体トン当り二千円から三千円の相当大幅の値上げをいたしておりまして、工業塩は先ほど言いましたように、昨年の暮通りの八千円の据置きであるのでありまして、これは御説明がありましようけれども、どうもこれは如何なる点からも合点が行かないのでありまして、特に最近は主要食糧の価格を上げ、或いは砂糖の値上げもする、更に国民生活に砂糖よりも必要な塩を上げるということは、どうも私は一般の国民大衆なり、或いは農村のほうに犠牲を強いるという実は感じを非常に持つのであります。而もこの措置は僅か七カ月にして昨年のを改訂してしまつた。これが全体の原価が上つて参りまして均衡のとれた値上りでありますれば、これは或る程度了承ができると思いまするが、工業塩だけを据置いて、他を二千円から三千円上げるということは、これはどうもこの前の我々の申入れを全く無視しておるというふうに私は断ぜざるを得ないのでありまして、どうか以上の質問点につきまして、一つ誠意を以てお答えを頂きたいと思います。
○説明員(久米武文君) 只今御質問になりました塩価改訂に関する諸点につきましてお答えいたしたいと思います。私かねて本委員会において申上げておりまする通り、専売公社から売渡す塩の価格というものは、できるだけ安くするということに公社としても努力し、又大蔵省としてもそういうラインに沿つてあらゆる努力を傾けて行くというのが根本方針でございました。その点につきましては昨年の暮に値下げをいたしまして以来、方針には何ら変更はございません。現在もその同じ気持でやつておるわけでございます。然るところ過般八月一日から塩の価格を改訂いたしまして、これは主として国内で取れまする塩の収納が……公社が塩業者から買いまする塩の価格を引上げざるを得なくなつたという事情に基くものでございます。昨年の暮は生産費ぎりぎりのところで、持つて行けるところまでの値下げをいたしたわけでございます。その当時といたしましては、国内製塩に使いまする石炭につきましては配炭公団の清算に伴ういわゆる放出炭でございます。配火公団の放出炭というものが比較的安く余計入りました。ところが、その配炭公団の放出炭というものは本年三月頃で大体なくなりまして、その後は新らしく山の炭を買わなければならないという事情になつて参りました。それから又塩を入れまする叺でございますが、こういう叺のごときものも従来は大体四十キロ入れのもので一叺二十二円或いは二十五円、そのくらいの値段でございましたが、最近は一叺四十円程度に相成つております。そういうふうな関係で燃料費、包装費、その他多少労務費の上昇もございました。これは昨年の暮値下げをいたしました後に内地製塩のコスト計算の要素に急激に重大な変化が起つたのでございまして、これは我々として好ましからざる傾向とは思いますけれども、止むを得ない生産費の高騰であろうと思います。この生産費の高騰に対しまして、塩の事業として採算をとつて参りまする上には、どうしても先般八月一日から実施いたしましたような程度の値上げを必要といたしたわけでございます。なお塩の値段全体の問題といたしましては、国内で生産いたしまする塩のほか、輸入塩の価格がどうであるかというふうな問題もからみ合つて参ります。そういうふうなものをからみ合せました結果が、只今お手許に配付いたしておりまするような改訂塩販売価格表というふうなものになつて現われておるわけでございます。御指摘の通り値上げの幅は公社売渡価格におきまして二千円乃至三千円という幅を示しております。これは今後公社といたしましても、又大蔵省といたしましても、国内製塩についてはできるだけその生産コストを切り下げて行く努力をする、これには例えて申しますると、製塩方式の中に平釜式というふうな原始的なコストの高いものがございます。それから真空式になりますれば一番コストが安くなるのでございます。そういうふうな形式でコストの高いものに対しましては合理化資金、或いは設備の改良資金というふうなものを、例えば先般成立いたしましたところの農林漁業の資金融通法に基きますところの例の特別会計からの融資というふうなものによりまして、設備を合理化して参りますれば、今後塩のコストというものはその面においては引下げ得る可能性があると考えております。なお公社としては国内製塩及び輸入塩につきまして、公社内の、例えば廻送費でありますとか、保管費であるとかというような諸経費については、できるだけ切下げて行くという努力を重ねて参つておりますし、今後もそういうふうな努力を進めて参りたいと考えております。
 なお最後に、工業塩の据置の点につきましては、これはソーダ工業塩の原価計算をいたしまして、このコストで通り抜けるコストなら大体八千円で、このコスト通りで以て売るというふうな従来の建前になつておりまするので、この建前に今よつておるわけでございます。
 大体以上でございます。
○片柳眞吉君 その他の、今度の改訂が根本的改訂であるかどうかという点と、それから政府内で十分連絡があつて、特に農林省はこれに了解を与えているかどうか、この点について一つお答え頂きたい。
○説明員(玉置康雄君) この度の塩価の改訂のことに関しましては、農林省のほうでは新聞によつて初めて知つた次第でございまして、事前には何も知らなかつたのであります。
○片柳眞吉君 時間がないので遺憾ですが、只今の大蔵省のほうの御説明は、内地塩については大体それは了解いたしました。併し私の言つたのは主として輸入塩につきまして、工業塩と食料塩の不均衡を言つておるわけでありまして、これはどうしても私は只今もお話がありましたように、工業塩が製品の価格から逆算的に、これ以上は買えないということで抑えておるのであります。併し食料塩のほうは、これはもうそういうことは顧慮せず、要するにここに全部しわ寄せをしているということは、その点が困るということを、これはこの前の委員会でも言つておつたわけでありまして、要するに専売公社の取得原価に、輸入塩につきましては輸入原価に、それぞれ然るべき一定の経費のかかることは止むを得んわけでありまするから、それぞれ平等の経費をかけて、これを一つきめて欲しい。この点につきましては大蔵大臣からもその趣旨は賛成である、すべて取得価格に適正な諸経費を加算した額とすることが、塩価に関する根本方針として全く同感である、こう言つておるのであります。ですからこの大蔵大臣の私は回答に対しても、今の御説明はなつておらない。こういうふうに考えるのでありまして、更に細かく言いますれば、例えば原塩の輸入原価につきましても、例えばソーダ用が前回は、この前の暮の場合においては、トン当り五千四百四十二円で、これはその他の塩と同じでありますが、今度のやつは、ソーダ用が七千三百五十四円で、それからこれは散塩というのですか、ばら塩というのですか知りませんが、これが八千三百八十五円、同じ塩が取得価格に差が出るということは、これは私はないということもこの場合は言えるのであつて、そういうふうに差額のことは別といたしましても、前回の趣旨は工業塩を、これを保護すると言いまするか、このために食料塩が犠牲になつて高いものを売られておることが、国民生活の観点から困るということで、それで前回も実は或る程度の我々も賛意を表した回答をして参つたわけであります。そういう点から今の説明では、これは全然実は理解と言いますか、納得できないのであります。而も只今農林省の経済課長からの話を聞きますというと、農林省も初めて新聞発表によつて知つたということは、これは私は非常に遺憾に思うのでありまして、この前の農林委員会の申入れも、そういう点から農林大臣、大蔵大臣、それから安本長官、これは物価庁長官と同じですが、それから専売公社の総裁というところに、これは実は連名で申入れておる。これは政府部内で十分な了解なり連絡がされることを勿論我々は期待をしておつたのであります。而も最近の経緯に照らしても農林省に全然これは無断でやつたということは、これは私は官庁内部のやはり不信行為と言いますか、非常にその点は遺憾に思うのであります。この点につきまして安本、物価庁はどの程度のタッチをしておりますか。それから農林政務次官はこの問題について今後どういう措置をとられようとしておられるか。安本と政務次官にその点をお聞きしたい。
○委員長(羽生三七君) ちよつとお断りしておきますが、安本、物価庁それぞれ本日は御承知の補正予算の打合せがあつて当委員会に出席がなかつたので誠に遺憾であります。
○説明員(久米武文君) 私の先ほどのお答えが、多少言葉の不足の点があつたと思いますので、若干補足をさして頂きたいと思います。御要求に応じまして提出いたしました塩の原価の表がございます。例えば食料になりまする塩、直接嘗める塩、これはここでは白塩として現われております。購入原価従来の一万四百三十五円が一万一千七百四十三円、これは主として国内の塩の価格、次の減耗というのは目減りでございまして大体三%程度の目減りを考えておりまして、従来の経験に鑑みまして三%の目減りを計上しております。次の復旧補助というのは災害復旧補助の予算を塩全体の数量で以て割りました、一トン当りにどれだけの災害復旧費がかかるかというふうなものです。それから販売費、そこには回送費、保管費、その他とありますが、ここで御覧になりますればおわかりになりますように、公社としての販売価格の諸経費は極力切り詰めて塩を安くする。公社の経費は少くするという努力が若干ではありますが、ここに現われております。それからあと建設費予備費というところには今後の給与改訂、ベース・アツプの関係、或いは運賃の値上りの関係等を予備費で以て織り込んで若干のレザーヴを持つております。こうして出ました総原価は一万六千四百二十六円、これを工業では幾らで売り渡すかと申しますと、一万六千五百円で売り渡すということになります。先ほど御指摘になりました取得価格に適正な経費を加えるというものを、売渡価格の基礎に置くという点については、正式に大蔵大臣からお答えしましたあの案の通り、私ども事務当局は実行しておるつもりでおりますが、なお我々の努力の至らん点がございましたら、又あとで御指摘願いたいと思います。
○片柳眞吉君 どうも御答弁が内地塩のほうにのみ逃げておる感じでありまして、私が先ほどから言つておるのは、輸入塩の工業塩と食料塩との関係を言つておるのでありまして、これは何と言われても、例えば原価計算については細かい点もありますが、仮にこれの大蔵省の原価計算をそのまま承認いたしましても、工業塩は原価がトン当り七千九百七十四円が八千円でありますから、大体これはパーであります。併し例えば食料塩についてはトン当り一万二千九百七十九円のものが一万五千円ということになるわけであります。又粉砕塩のほうもコスト計算はトン当り一万三千三百九十一円が一万五千五百円になつておる。とにかく工業塩はパーであるが、その他のものはやはり相当のここにプラスを残しておる。これがどうも工業塩と食料塩との関係が不均衡であつて、これを是非とも一つ訂正して頂きたい。これは農村のためにも或いは味噌、醤油、漬物或いは畜産、その他の点からどうもこれは甚だしく不均衡ではないかと思います。特に農林省あたりの価格政策は全く逆であつて、国民生活に必要なものはむしろ安くして、他のものは或る程度高く売るくらいの実はやり方をやつておる。現に砂糖あたりも問題があるようでありますが、総合配給の砂糖は安くして、それで或いは工業用と言いますか、そういうものは入札で高いものにする。これも一応の議論はあるようですが、併しやはり国民生活に必要なものはこれは保持して、第三次的な生活用品についてはこれを或る程度我慢をしてもらうということでやつてもらいたい。ですからどうも答弁が内地塩のほうにのみ逃げられておるので、工業塩、これは主として輸入塩だと思いますが、食料と工業との不均衡がどうも又旧に復してしまつたということで、これは合点が行かないのであります。重ねて、その点をお聞かせ願いたいと思います。先ほどお尋ねいたしました農林政務次官並びに、物価庁は担当の部長がおらんようでありますが、こういうことについてどういうお考えを持ち、農林省としてはどうおとりになつておるのでありますか。
○説明員(島村軍次君) 私は、実はこの間の新聞を拝見しまして、初めて知つたようなわけで、その後一応情勢は承わつておりますが、農林省としては関係の大蔵省なり、或いは物価庁のほうに一応折衝したわけです。もう上つたのでしようがないというので、併しそんなことでは困るということで、今検討を加えておりますが、まだ結論は出ておりません。更に折衝を加えなければいかんと思つております。お話の通り工業塩、輸入塩との間の関係は我々も同一の意見を持つております。
○片柳眞吉君 只今農林政務次官から御答弁を頂きましたが、そこで是非ともこれは一つ前回の申入れに対する大蔵省並びに物価庁長官、農林大臣から正式に答弁が来ておりますので、是非とも我々が申入れをしました趣旨に則つて、最近の機会にこれを一つ改訂をして頂いて、私何にも全然別に置いてもらいたいということは、これは輸入原価の高騰なり、或いは内地塩の生産費の高騰で止むを得んと思いますが、その上げ方が頗るアンバランスであるということが、我々がむしろ一番重点に考えているのでありまして、この点について大蔵省のかたは責任ある御答弁は或いはむずかしいかも知れませんが、是非ともそういたしませんと、我々はなお今後この問題を幾たびも繰返して追及しなければならんわけであります。その点につきまして大蔵省及び農林省の両当局から一つこれにつきましての御答弁をお願いいたします。
○委員長(羽生三七君) 如何でございましようね。私どもは昨年の当委員会の申入れが依然として生きているという解釈をいたしておりますので、只今片柳委員から御発言のあつた趣旨に基いて、大蔵省、農林省、物価庁等の関係でこの問題をもう一度再検討されて、当委員会に最も速かな機会に報告を願いたい。こういうことにして頂きたいと思うのです。特にこの資料を私若干拝見いたしましても感ぜられる点は、一番抵抗力の弱いところへしわ寄せをせられているというこの一点は、疑うべくもないように考えられますので、特に再検討を強く希望いたしておるわけであります。
○岡村文四郎君 この問題は昨年やかましく言つたのでありますが、実は知らなかつたというので、その当時大蔵省の出席されたかたがたは、工業塩が安いというので、これをバランスのとれるように食料塩と差額の少いようにして欲しいという要望を盛んにやつたのでありますが、そのときにぐずぐず言うな、工業塩は別に輸入できるのだ。僕は何を言うと思つて聞いておつたけれども、あれだけのことを言つたのに、まだ依然として一つも直せないのは何か根拠があると思いますから、それを聞きたいと思います。あのとき、あの時分に郡君なんかと僕は爆発会議をして話をしておる。それにもかかわらず一つも善処していないということは、何か強い法律の根拠があつて、工業塩、即ちソーダに対する塩は法律でやるべき根拠がある、こういうので依然として大蔵省はやられていると思いますので、その根拠をお話し願いたい。
○説明員(久米武文君) いろいろソーダ工業塩の問題の御意見が出ているようでございますが、このソーダ工業塩に対しまして原価すれすれに特別な取扱をしておるということは事実でございます。この政策につきましてはいろいろ御批判はございますと思います。本委員会におきましてもいろいろ御意見が出ております。それから昨年ソーダ工業塩を三千円から八千円に上げまするとき、通産委員会等におきましては相当強い反対もございました。併し大蔵省といたしましては、とにかく原価のラインまでは持つて行く、従来の三千円というのは、去年の暮の当時では原価を割つていて、原価まで持つて行くというラインが現在なお続いておるわけでございます。今度はその国内の政策は、塩の生産のコストが上つたというときに、それをソーダ工業塩までかぶせるかどうかというのが、政策の問題でございまして、これにつきましてはいろいろご意見があろうと思いますけれども、我々事務当局といたしましては、従来のライン、即ち取得価格プラス適正経費というラインでやつておるつもりでございます。なお各省、物価庁との連絡の関係、ちよつと誤解があるといけませんから速記にも留めておいて頂きたいと思いまするが、この国内の収納価格を引上げる、それから公社の売渡価格を引上げるという問題につきましては、大蔵省と共に物価庁が主務官庁でございまして、物価庁におきまして、この値上げのいろいろな産業に対する影響というふうなものを、物価庁においていろいろ検討されまして、物価庁から安本に御連絡があつたと思います。それから対司令部の関係も、主として物価庁から司令部のプライス・コントロール、物価の統制のほうへ折衝をいたしてきまつたような次第であります。
○岡村文四郎君 お尋ねいたしましたのは、ソーダ工業にこういう安い価格でやらなければならんという何か根拠があると思います。私が聞いたのは何か根拠があるのかないのか。というのは先ほど申しましたように、ぐずぐず言うな、直輸入したらいい、こういうことを言つております。それで直輸入が許されるなら結構なんでありますが、そうでない、日本の国の輸入としてはそういうことができないと思います。それできつと、我々は知らないが、何か法律的な根拠があるから言つているのだなと思つておつたが、その後依然として強い突つ張りをやつているので、なお更法律的にやるべき大蔵省の根拠があつてやつている、こう思うのですから、それを一つ御答弁願いたいと思います。
○説明員(久米武文君) 御承知と思いますけれども、塩の専売法には特別価格の法律の条文がございまして、塩の専売法の第二十九条に特別の条項がございます。公社は、か性ソーダ、ソーダ灰その他政令で指定する化学製品の製造の用に供する場合には、一般価格よりも低い価格で売渡すことができる。ここに一つ政策が表明されておるわけであります。
○岡村文四郎君 それを知つておりますが、それは低い価格とあつて、半分にもせよということではないのであります。何ぼでも低ければいいと思うのであります。そこでもう最近世の中が非常にうるさいので、これには何かありはせんかと思われる。だから高く売れとは申しません。低い価格にすればいいと思つているのだから……、だから片柳さんが盛んに論議されている、国民全体の不満であり、殊に農業者は、一般の国民と違つて非常に塩を食わなければならん労働者ですから、非常に影響が多いから、去年から取上げてやつておるのです。そういう御答弁では納得できないので、根本的にこの委員会で……、委員長はこんな生ぬるいことを黙つて聞いておつたのでは駄目なんで、しつかりした態度で締めて行つて、完全に我々の主張を完遂しなければ、我々は国民の代表として、かようなことを聞いて、そうでございますかということでは困ると思うので、その点を十分御留意願いたいと思います。
○片柳眞吉君 私も今のに関連して一点だけ質問したいのであります。ソーダ工業は、逆算的にこれまでは買える、こういうようなお話でありましたが、そのソーダ工業の各種の最終製品は、現在マル公なりがあると思います。これが自由価格になつているかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
○説明員(久米武文君) 大体自由価格になつております。
○片柳眞吉君 そうなると自由価格を基にして、ここまでは買い得るということは、これはやはり一つのあれだと思います。これは本日は、追つて別の機会にお話があると思いますから、この点は質問いたしたいと思いますが、特に農林省のほうには、この前の公文では、去年の暮に左記のごとく改正を見たが、なお、貴委員会の御趣旨に副うように関係各省と鋭意交渉中であるから御了承を得たい。こういう実は回答があるわけでありますが、交渉中であれば今回のような事態もなかつたと思いますが、そういうことは別にいたしまして、委員長の言われましたように、一つ成るべく早い機会に関係省で改訂を加えられて、事前に一つ委員会にお諮りを願いたいということを申上げます。
○宮本邦彦君 本日頂きました資料、これを拝見いたしますと、大体において新聞に発表された程度の資料であります。この委員会で問題になつている点は、この価格の点ではなくて、この価格がよつて来ている価格算定の結果が、当を得ているかどうかという問題じやないかと思うのでありますから、資料が本日の資料では何ら読み取れない。もうちつとこれから、こういう焦点のはつきりわかつている問題に対しては親切な資料を一つ出して頂きたいということをここで申上げておきます。
○委員長(羽生三七君) この問題につきましては、先ほど申上げた通りの措置をしたいと思つておりますが、特にこのソーダ用塩というものが日本の産業発展上どういう地位を占め、或いは政府がこれをどう考えておられるかは別といたしまして、とにかく重要産業に対するいわゆる補給金が漸次撤廃になつて来たわけでありますが、このソーダ塩については私は補給金とは別の意味で、何か一般食料塩に今までプールされて来ている関係上、そういう意味のものを食料塩が背負つておるという感じがするわけであります。今度はコストの点では、その点は若干是正されると思いますが、その他の経費の点で依然としてこのソーダの部分を食料塩が背負つているという感じが強くありますので、今宮本さんの言われたそういう産地の基礎的な条件等が、もつと明らかにならなければならないと思うのでありますが、本日は時間の関係で深く突つ込むことができないのは誠に遺憾でありますけれども、今皆さんの御発言で当委員会の総意というものは大体明らかになつたと思いますので、関係各省におかれては早急にこの問題に対する方針を確立されて、速かなる機会に当委員会に御報告されることを希望いたします。
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○委員長(羽生三七君) それでは次にもう一つありますが、雑穀の戻金の件について検討いたしたいと思いますが、最初に岡村委員から御発言がございます。
○岡村文四郎君 雑穀の分析、即ち政府が供出を命じて供出した雑穀を、競売その他で売却をして相当な利益金が出ておるということで、これを供出農家に按分をして戻してもらいたい。こういう話を下のほうではしておつたようでありますが、なかなか依然として進まないのであります。そこで今食糧庁のほうではどうお考えになつているか、猫ばばをきめて行くつもりか、又そうでなく何とか考えるというのか。長官は法律がないから出されんから、法律さえできれば出してもよい。こういつたような廊下話もしておりましたが、そういうのか、真相とその額をお聞きしたいと思います。
○説明員(清井正君) 只今の御質問の点でございますが、御質問の御趣旨についてはすでに十分私ども承知をいたしておるのでございます。資料といたしまして政府の所有の雑穀の現在高と、その後の売払状況についての一覧表を差上げておいたのでありますがそれを中心といたしまして経過を御説明申上げたいと思うのであります。
 御承知の通り三月一日から主として総合配給より雑穀を外しまして、これを一般的な入札その他の方法によりまして売却をいたしたのでございます。成るほど御指摘の通り豆類は別といたしまして、いわゆる雑穀につきましては相当の値上りを当暗示しておつたのでございまして、これを差上げてございまする表によつて御説明申上げて見ますというと、丁度三月一日現在の実数といたしまして、政府は大豆等を含めまして総計約十三万トンの豆類、雑穀を所有いたしておりまして、その価格が現在の価格といたしまして約三十一億のものを三月一日現在に持つておつたのでございます。その後政府は着々売却いたして参つたのでございますが、これが三月一日から七月末日までに売却いたしました数量は、ここに書いてあります通り二万二千トンばかり売却をいたしております。十三万トンあるうち、すでに売却済が二万二千トンでございます。そうしてその売却金額が五億八千六百万円ということになつておるのであります。ところが、それをいわゆる買入価格に所要の経費を加算いたしましたところの、いわゆる政府の売渡価格による評価をいたしますと、約四億九千百万円という数字に相成るようでございまして、これを経理的に見ますると、五億八千六百万円、四億九千百万円との差額約九千四百万円というものが利益と申しますか、いわゆる所要経費よりもプラスの勘定ということに相成るのであります。ところが、これを御覧下さいますというと十三万トンばかり三月一日に持つておりまして、七月までに売りました数量が二万トン、約六分の一程度しかまだ売つていないのでありまして、今後の売却の推移が如何ようになりまするかわかりませんが、まだまだ今後相当期間売つて参りませんというと、三月一日の雑穀のこれを全部売却を見ることはできんということに相成りまするので、従つて農民から公定価格で買入れましたところのこの雑穀の売払いによつて、どれだけの政府の一体プラスがあつたかという勘定は、ちよつと今のところ正確な勘定はできにくいというような状況に相成つておるのであります。なお、この中を御覧下さいまするというと、えん麦、ライ麦について若干問題がございますので、えん麦についてはすでに当初から相当値下げをして売つておりまして、政府の見積価格よりこれを低めに売つておるのでありまして、この表を御覧下さいましても、すでに三月一日より七月までに売却いたしましたものを見ましても千六百万円のマイナスを見ておるのでありまして、今後売却の実情によりますというと、まだなおその数量も、約一万トンを売つておるのでありますが、えん麦は三万三千トンあるうち一万トン売つておりまして、それで千六百万円の赤字を見ており、今後まだえん麦は相当下る、相当安く売らなければならんだろう、こういうような見方をしておるのであります。又ライ麦につきましてはここでは若干の黒字を示しておりますけれども、数量は僅か二百トンの売却をしております。持つておりますのは約八千トン持つております。そういつたようなわけでありまして、このライ麦につきましても今後売払い見込といたしましては、相当の値下りを見るんじやないか、こういうことであります。そういつたようなことでございまして、成るほど今まで売却した部分につきましては、極く僅かの計算上の黒字が出ておるのでありますけれども、その数量も約六分の一でございますし、中にはえん麦等、今後相当の値下りを見るというように予想されるもの永あるのでありまして、総計いたしまして一体どれだけの雑穀についてのいわゆる勘定が出るかどうかということは、ちよつと今のところまだ何ともきめかねる。こういうような状況になつておる次第でございます。そういうようなわけでございまして、お話の御趣旨は十分私どもといたしましても了承いたしておるのでありますが、売却の経過、その他価格の状況等がかような次第でありまして、まだちよつと決定をいたしかねるような状況でございます。さよう御了承を願いたいと思います。
○岡村文四郎君 長官に大体お聞きした数字と全然違つた数字ですから何ですが、まだ相当手持ちがありますが、えん麦、ライ麦、これは問題だと思います。その他のものはそうでないと思いますが、これは売れないのですか売らんのですか、どういうことなんですか、売つてもらわんと非常に困る。だから今頃売つてもらわんと、又新物が出廻るようになつてから売られると一層困つてしまう、非常に混乱をすると思いますが、どういうのか、売れないのか売らないのか。
○説明員(清井正君) 御質問の御趣旨でございますが、売らんのではございませんで、著々売却をいたしておるのでありますけれども、いろいろな関係がございまして、七月末までには二千トン行つているという状況でございまして、今後引続き続けて参るつもりでございます。
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○江田三郎君 この前お尋ねしたときに、これは大臣だつたと思うのですが、供出麦の、本年度の麦について、供出完了後も無制限買上げを継続する、こういうことでありましたが、無制限買上げを継続するということはよくわかつておるのですが、供出完了後は自由にして、つまり無制限買上げの途と自由販売の途と両方開くのではないかというようなことがちよいちよい巷間伝えられておりますが、その点はどうなさるおつもりですか、その点だけ……
○説明員(島村軍次君) 巷間いろいろ伝わつておるようであれますが、無制限買上げだけきまつておりまして、他の点についてはきまつておりません。
○江田三郎君 きまつておらんというだけでなしに、自由販売を許してもいいということは、政府部内においては論議されておるわけですか、さようなことは問題になつていないのですか。これは少し輪郭をちよつと出してもらわんと、どうもいつももやもやして困るわけです。
○説明員(島村軍次君) さような意見が新聞にも伝わり、或いは又いろいろ論議されておるようでありますが、現在の供出の段階におきましては、まだ只今お尋ねのような点は部内においては論議になつておりません。
○片柳眞吉君 私も江田さんの御質問に関連して、どうも今年の麦の問題はいつまでたつてもはつきりしないのであります。その結果どういう現象が起きておるかといいますると、政府のほうに、供出も相当成績はいいようでありますが、何としても作も相当よろしい関係で、供出以外の闇に出るものも相当ある。これは加工業者が相当の原料を買付けておるという情報も入つております。そこで先ほども清井君にも申上げたのですが、どうも政府のやり方は、統制が今続いておりながら、みずから統制を崩壊せしめるような、どうも態度をとつておるのじやないだろうか。配給しても配給辞退になるような供出態度をとつており、或いは米に関しては非常に僅かの二重価格でありますから、米の配給の辞退になるような価格政策をとつておる。どうも現在の統制がいいとは、全部いいとは言いませんが、統制撤廃をみずから馴致するような態度をとつている。どうも私はそういうふうに、これは邪推かも知れませんが、そういうふうに見られてならないのであります。そこで今の江田さんの質問の点も、いつまでもはつきりせんと非常に私は農林省も困るのでして、相当の麦を買つておりまするが、別途にまだ農家の手元なり業者の手に原料があれば全く競争できないのであつて、食糧庁は再び先のえん麦と同じような轍を踏んで、食管会計の赤字をその結果又惹起するような危険もあるのでございまして、これは政務次官にとくとお願いしておきたいのですが、ともかくはつきりしてもらわんと、結局農林省も困るのではないかということを特に申上げておきたい。それからもう一つ丁度機会でありますから、麦の無制限買入に同じて関連する問題でありますが、ビール用の麦の問題であつて、今年は非常に全体的に豊作の関係で非常に反収が多いわけです。ところが農林省に行つてもまだできたゴールデンメロンを全部買つてくれるかどうかはつきりせんという状況であり、そこで当初の数量に追加はいたしておるわけです。追加はいたしておりまするが、併し追加をいたしました府県別の状況を見て参ると、例えば栃木県なり茨城県は第一次の割当と同じ量の、実は割当を受けているわけです。ところが茨城だとか、或いは東京とか埼玉を見ると非常に増加率が少い。これは逆の補正でありますが、プラスの補正が極めて不均衡である、こういう点もありますし、もう一つはとにかくゴールデンメロンを作つておれば、一つの、政府は介在しておりまするけれども、特約的な裁培の方策であると思う。だから豊作のときにはできたものを全部買つてもらうのは、これは当然だと思うのでありまして、これはこの間大臣にも食糧庁の当局中も申上げておきましたが、あのときももう二・三日の間に方針が決定する、こういつておりましたが、まだはつきりした方針を聞かないのでありますが、現在どういう段階になつておりますか、これは私は当然もう品種としてもわかつているし、これは農林省がどうするかは農林省とビール会社その他との関係であります。農村側としてはゴールデンメロンは、これはビール用の品種として全部買つてもらうというふうに我々は理解するわけですが、現在どんなふうになつておりますか。
○説明員(清井正君) 只今のビール用の大麦の問題でございますが、私もその問題は承知いたしております。けれどもどういう結末になりましたか、ちよつと私只今即刻お答え申しかねるのでございますが、帰りまして早速当りまして、若しも未決定の場合におきましては、速かにこれを決定いたすよう取計らいたいと思います。
○委員長(羽生三七君) どうも長時間御苦労様でございました。本日はこれで散会をいたします。
   午後零時五十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     羽生 三七君
   理事
           西山 龜七君
           片柳 眞吉君
           岡村文四郎君
   委員
           白波瀬米吉君
           瀧井治三郎君
           宮本 邦彦君
           江田 三郎君
           門田 定藏君
           小林 孝平君
           三橋八次郎君
           赤澤 與仁君
           飯島連次郎君
           溝口 三郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   大蔵省日本専売
   公社監理官   久米 武文君
   農林政務次官  島村 軍次君
   農林省大臣官房
   経済課長    玉置 康雄君
   農林省農地局長 平川  守君
   農林省農地局建
   設部長     櫻井 志郎君
   食糧庁総務部長 清井  正君