第012回国会 電力問題に関する特別委員会 第4号
昭和二十六年十月三十日(火曜日)
   午前十時四十六分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     栗山 良夫君
   理事
           石原幹市郎君
           古池 信三君
           結城 安次君
           小川 久義君
           佐々木良作君
           須藤 五郎君
   委員
           石坂 豊一君
           岡田 信次君
           小野 義夫君
           加藤 武徳君
           清澤 俊英君
           島   清君
           椿  繁夫君
           加賀  操君
           高木 正夫君
           田村 文吉君
           山川 良一君
           境野 清雄君
           櫻内 義雄君
           水橋 藤作君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       渡辺 一郎君
  参考人
   北陸電力株式会
   社副社長    山本 善次君
   北陸電力株式会
   社営業部長   野村 憲一君
   北陸電力株式会
   社調査部長   三井新次郎君
   関西電力株式会
   社社長     太田垣士郎君
   関西電力株式会
   社副社長    中村  鼎君
   関西電力株式会
  社常務取締役  一本松たまき君
   中国電力株式会
   社社長     島田 兵蔵君
   四国電力株式会
   社理事     菊池  宏君
   九州電力株式会
   社社長     佐藤篤二郎君
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  本日の会議に付した事件
○電力問題に関する調査の件
 (電力危機対策に関する件)
 (電力相互融通に関する件)
 (火力用燃料の入手状況及びその見
 通しに関する件)
 (電源開発の現状並びに今後の年次
 計画に関する件)
 (電気事業経営上の諸問題に関する
 件)
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○委員長(栗山良夫君) 委員会を開会いたします。
 昨日に引続きまして現下の電力事情に鑑みまして、北陸電力株式会社を初めといたしまして順次九州電力株式会社の実情を聴取いたしたいと存じます。聴取の主な点は、各社並びに委員のかたがたに御通知を申上げておきましたように、第一は、今後の電力危機に対する具体的方策、第二は、電力の相互融通に関する意見、第三は、火力用燃料の入手状況及び見通し、第四は、電源開発の現状と今後の年次計画並びにこれに関する各種方策、第五は、電気事業経営上の諸問題についてであります。
 参考人のかたにあらかじめ御理解を願つておきたい点がございます。それは現下の稀に見る電力事情の悪化の下におきまして、当参議院の電力委員会はその危機打開のために八月以来微力ながらでき得る限りの努力をいたして参つたのであります。特に政府当局といたしましては、公益事業委員会を初め各省の間のそれぞれ努力の状態等をも聴取いたしまして、鞭撻をいたして参つたのでありますが、私どもの伺うところによりまするというと、再編成されました以後の全国九電力会社の相互間におきましてもいろいろ危機の乗切りの方策、或いは根本的な電源開発のお考え等におきましても、それぞれのお立場による御所見があるやに察知をいたしたのであります。公益事業委員会を通じまして一括して代表された諸点はよく伺つておるのでありまするが、私どもはこのたび更に一歩前進いたしまして、直接各会社の責任者のかたがたからその社の御構想並びに御意見、御対策等を身近に承わりたいと考えたわけであります。本日は法律に定めるところの証人喚問の形式を避けまして、参考人として御来院を願いました意味も、堅苦しいことでなくして、率直に打割つてお話を承わりたい、こういう意味合いからでございまして、その点をも私どもの意のあるところを御理解頂きまして、率直にいろいろの意見をお聞かせ願い、そうして電力事情の好転のために寄与し得られれば幸いと存ずる次第であります。本日は午後関西電力以下九州電力のかたがたから全部お話を承わることになつておりまするが、午前中の予定といたしまして北陸電力株式会社の実情をこれから聴取いたしたいと存ずるのであります。
 北陸電力株式会社副社長山本善次君。
○参考人(山本善次君) ちよつとお伺いいたしますが、これは全部通して申上げるのでございますか、一項ごとに申上げるのでございますか。
○委員長(栗山良夫君) 全部一応お話を頂きまして、あとで質問いたしたいと思います。
○参考人(山本善次君) 承知いたしました。
○委員長(栗山良夫君) 今日は十二時まででありますので、北陸電力のほうは若干時間の余裕がございますから、その点をお含みの上御発言して頂いて結構であります。
○参考人(山本善次君) 北陸電力の山本でございます。本日は社長がお伺いするはずでございましたが、昨日当社の総会がございまして、引続き関係会社の総会が本日もございまするししまして、お伺いができませんで誠に申訳がございません。私からお詫びを申上げます。私が代つて申上げたいと存じます。参議院の電力特別委員会におかれましてはかねがね電力問題につきまして非常に御親切に御検討給わりまして誠に有難く存じます。今回の渇水におきまして非常に御心配を頂き誠に有難いことと存じます。御礼を申上げます。
 最初に今後の電力危機に対する具体的方策を申し上げたいと思います。資料に書いてありまするところを申上げたいと思います。今年の上期におきましては、五、六、七、この三月は非常に雨か降りまして結構でございました。八月の半ばから御承知の通り雨が降らないのでありまして、九月において一層甚だしくなりまして、そこに出水率が書いてございますが、八月は平均の八二・九%、九月は五四上%と、非常に下つております。こう書きますと非常になだらかでございますが、実は月を通じましての平均でございますから、非常にいい日がある代りにこれよりもつと非常に悪い日があるわけでございますから、或る日としましては非常に水力が不足しておつたということもございます。御承知の通り北陸の電力は水力を主としてやつておる会社でございまして、水力が三十三万六千キロ、火力発電所が富山に一万キロございまして、大部分が水力で、殆んど火力は言うに足らないのでございますが、従つて水力に非常に影響を受ける会社でございます。当社としましてはその渇水に対しまして供給力の確保をできるだけやつた。どういうことをしたかと申しますと、とにかく一滴の水も水力発電所はただ濡してはならない、水門から絶対に水を濡すなというふうに指令をいたしまして、少しの渓流でも取入れるということにいたしまして、水力発電所の有効利用を能う限りやらしたのでございます。又自分たちの使います電力を極度に制限するように社内電力或いは事業用の電力、社宅に使う我々の電力、こういうものを節約いたしまして、能う限り努力を払いました。勿論火力発電所も小さいのでございますが、一生懸命焚きました。地元の興国人絹パルプが隣にございまして、私どもの足りない場合には随時興国人絹パルプの右炭をお借りしたりいたしまして焚きましたので、小さいながら火力発電所は連続運転をできたわけでございます。全体の供給率は計画に対しまして八月は九六・六%、九月は七二・八%という状態になつた次第でございます。七二・八%と申しますとそんなに悪くないじやないかというふうにお考えかも知れませんが、これも先ほど申しましたように平均でございまして、或る日は非常に下りまして、緊急停電まではいたしませんでしたが、非常な高度の停電をいたしております。北陸といたしましては大口の工場が大部分でございまして、例えて申しますと三千キロワツト以上の工場が実に四十二軒ございまして、それらの会社との営業契約は四十二万キロに上つておる。こういう地帯であります。七、八割は大口工場でできております。従つて四十二軒の工場に電話を掛けまして、どうぞ電気の調整を一つお願いしたいと申上げますと、直ちに御協力下さいまして、電気の使い方の調整ができる次第でございます。非常に御無理なお願いをいたしますが、又雨が降ると思いますと、すぐその情報を流しまして用意をして頂く、電気分解を短時間でもやつて頂いて使つて頂く、こういう調整ができるのでございます。そういう無理な調整をしている次第でございます。それらの電気炉、電解の工場に非常に辛い操業をして頂くことになつた次第であります。下期についての需給予想は後ほど御説明申上げます。
 第一表にございますが、すでに十月に入りまして非常な渇水に見舞われました。十月上旬は実に四六%になります。中旬は六〇%、下旬も六〇%の出水率でございます。最悪の日は十月十三日でございまして、この日の出水率は僅かに三四%に落ちまして、十万キロ程度でございます。あとでお話が出るかと存じますが、関西から牧、東町両発電所の帰属会社が変更になりましたが、その牧、東町両発電所は挙げて関西に流れておりますので、それを引いて計算しますと九万キロ台でございました。そういう状態でございまして、十月に入りまして非常に悪くなりましたが、この間の台風以来少しはよくなつた次第でありますけれども、未だに楽観を許すまで至りません。全国的にも北陸は最も悪い状況を続けております。晴天の日、曇つておつても降らない日が続いておる次第でございます。
 それで今後の対策といたしましては、合理化をやりましてどこまでも電力の確保をしたい。第二表であとで御説明申上げる次第でございますが、発電所の出力の増加をする、これは渓流を取入れ、無効放流を防止すること、水車の能率を改善すること、これは会社が設立以来直ちに取掛りましてこれをやつておるわけでござまして、逐次効果を挙げておる次第でございます。
 次には損失の軽減対策でございまして、電線路の張替をいたします。電気の流れを変えまして合理化する。蓄電器を置きまして無効電流を少なくする。ロスを減らす。それから定額需用家にメートルをつけまして擅用を防止いたしますとか、或いは電流制限器もたくさんにつけて効果を挙げたい、こういうことをやつております。
 次に運用面の改善でありますが、先ほど申上げましたように水力発電所は極力修理を早くすることであります。或いは修理を、この際少し延期するというようにいたしまして、水力の利用率を向上させる。又漏水がないようにさせるということをやつております。電圧をできるだけ高くいたしまして送電をいたしますとロスが減るわけでございます。できるだけ電圧を高くして発電する。それから先ほども申上げましたように事業場の電力を抑制する。これは会社からきつい達しを出しまして、無駄な電気を使わないように言つておるわけでございますが、一例を申しますと、北陸電力の建物はコンクリートのビルデイングでございますが、いささか奥行きの割に天井が低うございます。併し昼間電燈をつけるわけに行かないので、ここに長い間ろうそくで皆仕事をしてくれております。なお一般需用家に電力節約の周知宣伝をしてお願いをしております。非常につらいことを需用家にお願いをするわけでありまして、電気会社としても非常に申訳ない次第と思いながら、止むを得ず電力の節約の宣伝をいたしておる次第でございます。
 なお発電力の増加を図つたのでございますが、火力発電は僅かに一万キロの火力発電所でございますが、上期の計画といたしまして料金値上げ当時に私どもが考えましたのは上期五十万キロワツト時でよかろうと、こう思つておりましたが、実際上期に起しました火力発電は四百三十五万一千キロワツト時となつておりますから、非常な桁違いの発電をいたしました。この石炭は少量でございますので、又興国人絹パルプの非常な御好意によりましてつつがなく石炭は入つております。自家用火力の動員でございますが、委託発電でございますが、管内には余り大きな自家用火力がございませんが、敦賀セメント、東洋紡績及びこの興国人絹、これらでこの渇水ときに百万キロワツト時以上の委託発電をお願いいたしました。
 それから地帯間の融通でございますが、関西から多量に電気を北陸が年間を通じて頂戴するという契約になつておるわけでございますが、関西は隣の地区でございまして、電源帰属の状態からは電源地帯である北陸が関西から年間を通じてあべこべに受電をするんだという形になつておるのは甚だ不自然な次第でございますが、一応それにお取りきめになつたわけでございまして、関西との契約を結びまして、関西から年間を通じて北陸が逆に電気をもらう。併し決してこの電気は大阪から来るのじやございませんで、手近い水力、富山県内にある発電所から関西に行かないというだけのことであるのであります。それからここに非常に私ども感謝いたしておりますが、関西以外の地区から電気が来ておるわけでございます。電気の余つたときには東北から頂戴しまして、リレーをしまして関西を通じて入つて来たのが押され押されて十八万二千キロワツト時頂戴いたしました。又東京電力は余つておるときにお願いしまして百六十一万三千キロワツト時頂戴いたしました。はるばる九州から百五万七千キロワツト時応援をもらつております。こういうことを今後も電気会社の間にやりたいということを考えております。この関西以外の地区から頂戴しました電気が、実に二百八十五万二千キロワツト時となつております。関西の受電でございますが、関西は上期の契約といたしまして、もとより北陸からも或る地点では差上げ、関西からも頂戴する、差引契約では六千六百七十万キロワツト時関西から頂戴すればいいのに、実績は一億六百十一万九千キロワツト時関西から頂戴いたしました。関西電力には非常にお世話になつておりまして、我々北陸の電気会社は切つても切れない仲にあり、感謝をいたしておる次第でございます。関西との円満な電力の融通がなくては北陸は到底立ち行かない。かように考えております。当社ができまして、関西との間の電源帰属は非常につらい状態になりまして、これで果して北陸電力としてやつて行けるかどうか、とにかくいろいろの方法を講じてやつて行こうという決意をして起ち上つたのでございますが、先ほど申上げましたように、北陸の大口需用家がたくさんございますので、丁度北陸電力はそれら大口需用家の自家用発電部門のような気持で、密接な連携を保つてやつております。そうして負荷の調整をしながら関西の救援を仰いでその日その日を過しておる次第でございます。こういう状態は下期においてどうしてもやつて行かなければならんのでございまして、下期の電力危機を突破いたしますにつきましては新しい手はないのでございます。工事を合理化すること、運用を改善すること、発電力を増加する、この三点だと存ずる次度でございます。併し今後の恒久対策といたしましては別項にございます通り、電源の積極的開発をしなければならん、かように考えております。又電力損失の軽減は、これは工事がございましてもなかなか一朝一夕にできる工事じやございませんので、日常の仕事として毎朝やつて行かなければならん仕事でございます。特に送電線、配電線の設備にたくさんの銅を投入して電力のロスを軽減して、発電所を造つたと同じような効果を挙げたいと存じておる次第でございます。
 次に電力の相互融通に関する北陸の意見を申上げます。水力電源地帯でございます北陸が、常に他の地区から融通を受ける必要があるのでございまして、豊水期でさえも電気が不足する、これは電源の配分の不合理な点から起るのでございまして、このことを速かに是正すべきであるという強い要望を持つております。これはひとり北陸電力だけの意見ではございませんので、需用家におかれましても又北陸三県の県民の気持におきましてもさようでございます。次に出水の状況は地域によつて非常に違うのでございまして、需給の地域的アンバランスが生じております。どうしても地帯間電力の融通で以て調整する必要があると考えております。融通量は余り幅の広い融通量でございません。次のような措置でやりたい、かように考えております。それは渇水の程度が比較的に軽い場合には、それらの地区は自分の火力発電所、自分の貯水池、これらを利用しまして、又需用の或る程度の抑制をいたしますれば、現在の融通契約のままで運用することができるだろう。併しながら次の項でございますが、渇水が或る程度を超えまして、需給の地域的アンバランスが非常に濃くなつた場合は、公共事業令に基く調整措置を発動して頂いて、地帯間の融通強化を機動的に行い得るようにあらかじめ計画をしておきたい。この際は勿論単に隣接の地区だけでなくて、遥か隣接地区外の区域からも運用すべきである、かように考えておる次第であります。先頃来非常な渇水に見舞われましてこの東北、東京、九州という隣接外の地区からも頂戴いたしましたのは、公共事業令に基く調整措置ではございませんで、お互い同士の間の話合いでできたのでございます。併しながらこれもそれぞれ会社を経営する上において責任もございます。地元の需用家との関係もある、又会社経営上の問題もございます。会社経営責任者といたしましては、なけなしの電気を他の地区に融通するのは非常に辛いことだと存じます。それで公共事業令に基く調整措置を発動して頂きたい、かように申上げておる次第でございます。委員会におかれましては、できるだけ業者間において話合いをして、円満な融通を図るようにという御指示がございまして、先頃東京におきまして非常時の電力融通の方法について協議をいたしております。最近その協議が整うことと存じます。それがうまく行きますれば相当の調整はできると存じますが、それをやつて見ましても、或る地帯はかなり長期に亘つて電力の豊富な日が続く、ところが或る地帯はその措置をしましてもなかなかうまく行かないというような場合には、もつと突き進んだ考えを願わなければならんようなことになるのじやなかろうかと思いますが、できるだけそういうような場合でも業者間で話合いをして一応やりたい、こういう気持で各社はその融通契約の作成を熱心にやつておる次第でございます。
 次の二ページでございますが、北陸電力といたしましては、実は見返資金による水力発電所の継続工事がございません。従いまして今度落成いたします新らしい発電所の分布の状態は、全国的に需給とバランスをしないということが考えられます。それで現行融通契約も逐次そういうものを織入れて、地域的に調整をして改訂をするということが必要であろうと存ずる次第でございます。融通契約に関しましての当社の意見を申述べました。
 次に火力用燃料の入手状況でございます。その見通しでございますが、北陸といたしましては先ほど来申上げましたように、非常に小さな火力発電所一カ所でございます。十月から三月までの消費石炭の見込は八千五百トンとなつております。受入れの見込は六千トンでございまして、九月末の貯炭二千六百八十八トンでございますから、大体こういうバランスになるのでございますが、三月の月末貯炭である百八十八トンはいささか少いように存じます。これは興国人絹パルプその他の御援助を願いますれば、大体豊水期に直面いたしましての貯炭としてはこの程度でよいと存じますが、或いはもつと殖やさなければならんかとも思います。とにかく非常に少量の石炭でございまして、現在の石炭購入の手配といたしましては、四千トンの契約をその下の表に掲げましたようにいたしておるわけであります。
 次に更に二千トンの購入交渉を目下やつております。大体において残りの二千トンは北海道炭鉱、雄別炭鉱と交渉中でございまして、これは相当困難でないかと存じますけれども、何分にも全国的の需要量から見ますと小さいものでございまして、私どもの努力によつて確保いたしたいと存じます。ついでながら北陸の年間の計画は二千トンでございまして、すでに上期に焚いてしまい、又下期は更に八千五百トンも焚きたいという異常な事態に立至つております。二千トンが下期だけでも八千五百トン石炭を要する、こういう状態でありますので、その石炭確保につきましては最大の努力を払つて参りたいと存じます。
 次に北陸の電源開発の現状と今後の年次計画でございます。北陸地方におきましては非常に有利な未開発地点がたくさんございます。それは雨量が全国的に見て非常に多いことと、それから山と山の分水嶺と海岸との間が非常に近くて、短い水流で高い落差が取れる、或いは年間を通じての雨量が多い、これで一キロワツト時当りの投資金額が北陸は極めて安いのでございまして、有利でございます。新しい会社が発足以来鋭意計画を進めまして、とにかく五条方、福井でございます、一万七千五百キロ、それから真川発電所の湯川の補給水路、これの二カ地点の工事を実は着工いたしております。これらの所要資金はとにかく会社が自分の手でスタートをして、いずれ見返資金なり何かなりお願いができようが、とにかく開発を着手しようじやないかということで、新電力会社といたしまして早速にこの二カ地点に着工いたしました。なお伊折発電所、神通川第一、第二の地点は、本年度内に着工の予定でございます。その主なる地点につきまして簡単に御説明を申上げますが、五条方は先ほど申上げました福井県にございます。一万七千五百キロ、これで年間一億以上の発電量がございます。本年七月着工いたしまして、現に進捗率は一七・四%に達しております。本年度の見返資金、新規の着工の見返資金の対象となるように御内示を受けておりまして大変喜んでおります。これは二十七年七月に発電開始の予定でございます。それから真川発電所の湯川補給水路は出力増加が四千三百キロワツトとなりまして、これだけで一千九百万キロワツト時の電力を年間出し得る、これは常願寺川の支流の湯川の水を引用するわけであります。年中渇水補給となるわけであります。本年九月に着工いたしまして、来年の九月までにこれを完成したい予定でございます。これは自己資金で完成をさせる予定でおります。次に伊折の地点でございますが、富山県でございまして、早月川の急流部を利用した有利な地点でございまして一万六千キロワツト、これで年間一億の電力が出るわけでございます。目下準備をやつております。これも二年間に仕上げたい、かように考えております。これも本年度の見返資金の対象工事として御指定を受けられるようでございまして、これ又非常に喜んでおる次第でございます。次に神通川第一発電所で、これは最大出力七万六千キロワツト、年間四億六千六百万出るわけでございます。神通川第一の地点は、もと寺津と申して、日発時代にやつたことがございますが、堰堤の地点を上流に持つて行きまして、一層いい発電所を作るということに改めまして、この年末に著手をしたいと思つておりますが、これ又見返資金の対象工事に御指定を受けられそうで仕合せと存じております。この神通川の第一の下流に笹津という地点がございます。これが三万キロ、その神通第一、第二を北陸の看板娘として電源開発を進めて行きたい、かように考えております。なお称名川第二、四千百キロ、片貝第五、六千キロ、称名川第三、三千九百キロワツト、これらの地点をいずれも調査設計を終えまして、目下着々準備を進めている次第でございます。今後の年次計画は別表で御説明いたしますが、本年度以降五カ年間に十一カ地点をやりたい、約二十万二千キロワツト、年間十二億六千万、これの資金は百八十八億円の予定でございます。
 次に電源開発に関する各種方策でございますが、電源開発に関しまして最も緊要な問題は資金の問題であることは申すまでもございません。電源開発に関しましては見返資金或いはその他国家資金の放出が絶対に必要であると存じます。他の地帯の新規水力地点に比しまして非常に短期間に完成ができる、いわゆる経済的に有利だと言われる北陸の地点に対しまして優先的に考慮を願いたいと考えている次第でございます。又河川の一貫開発運営の見地からいたしまして、神通川の水系及び九頭龍川水系の既設発電所は北陸電力に帰属をお願いすべきであると考えている次第であります。
 次にお示しの電気事業経営上の諸問題に関しまして考えを申上げたいと思います。電気料金の適正化の問題でございます。先頃電気料金の値上げをして頂きましたが、事業経営の合理化に関しましては無駄の排除をする、出力を増加すること、電気のロスを減らすこと、擅用の防止をする、経費の節約をする、或いは未収入を減らして収入の正しい増加を図り、鋭意努力中でございますが、今年の八月十三日の電気料金改訂による値上げによりましても、電気事業の健全な経営は極めて困難であると考えます。こういうことでは電気事業が如何に再評価をいたしましても、ただ無償株を出しましても、それに対する配当もできないようなことでは到底やつて行けない。況んや有償の払込をする、増資をするというようなことはなかなか困難でございます。況して外資の導入ができるかできないかわかりませんが、外資の導入をするにしましても、電気事業の料金がこのような状態であつては到底困難でないかと存じます。早急に電気料金の適正な改正をお願いすべきであると考えている次第でございます。現に電気事業の株は渇水のためとは言いながら非常に株価が額面を割つている。或る会社では三百円台になろうと……、一株五百円のものが四百円を割つている会社すらあるのであります。どうしても株価を維持して、増資をし、社債を発行し、自分の資金をかき集めながら建設をし、又一方国家資金にお願いをして建設を進めて行かなければならない、かように考える次第であります。今の状態では電気事業そのものの自己資金で出発するということは、建設をやるということは非常に困難であろうと存じます。なお私どもが今開発をやつておりましていささか設計その他が遅れておりますけれども、とにかく自分の手金でスタートを切りましたのでございます。先ほど申上げましたような伊折、神通第一、神通第二、称名第二、これらをどんどん進めて行きます上におきましては、到底それらの私どもの会社だけの資金ではやつて行けない、かように考えております。この意味におきましても料金の適正化をお願いし、電気事業のバランスをはつきりして株価を額面以上に持つて行き、更に増資をし社債を発行し、次々にそういうふうに持つて行つていささかたりとも自己資金による建設を進めて行きたい、かように考えている次第でございます。
 次に電力の危機打開と電力有効利用の一方策でございます。大変廻りくどいことをここに掲げましたが、実は北陸の水力発電所の帰属が非常に少いということで、関西電力のほうに八月の末に蟹寺、市荒川、愛本、三発電所十二万五千キロの発電所の帰属変更をお願いをした次第でございますが、その帰属変更をお願いしました趣旨は、その十二万五千キロの発電所は、全部北陸電力が頂戴して、関西にはその電気は差上げないんだという、こういう考えでなくて、十二万五千キロの三発電所を加え、更に持つております三十数万キロの発電所と加えまして、これで水力発電所の有効利用をやりたい、と申しますのは、先ほど申上げましたように、ここに書いてあります通り北陸の特殊性としましてたくさんの電解電炉工業用の負荷を持つておりますが、現在の割当制でございますと、豊水期に十分電気を配給しないで置いて、渇水期の電気の足りないときにもそれら電解電炉工業用に割当が行われておる、これではどうも豊水期にも満足な運転ができない、渇水期も僅かの電気をもらつてそうして運転を、経営をしておられる。どうも蛇の生殺しのような形になつておるが、この現下の割当制を改めて頂きまして、季節的に調整の容易なこれらの需要に対しましては、豊水期に集中生産をさせて頂く、それで渇水期には本当に工場の操業を極度に抑えまして、その渇水期に得た電力を関西の不足しておる火力発電の補いとして、応援をしたいと、こういうことを考えておる次第でございます。で、それらの操作は、電力の割当制を改めて、北陸の電解電炉工業に豊水期に大量の電気を割当し、代りに渇水期に殆んど割当しないで、保安電力くらいの配給をして置いて、需給操作、休電操作でできるのではなかろうか、こういうお考えもあるかと存じますが、北陸といたしましては、水力発電所をできるだけ自分の手で運転させて頂いて、いわば落穂拾いのような電気のスクラツプをそれらの水力発電所から得まして、都会では非常に使いにくい短時間の鉄砲水をそれらの工場に送るということをいたし、そうして十分に利用して常時電力はこれを関西にお送りしたい、冬期の最も大切な電力を関西に応援して差上げたい。数字はここにございますが、後ほど申上げたいと思いますが、とにかく数万キロの電気をこの代りに関西に送電をする、こういうことをしたい、かように考えておる次第でございます。こうやりますと、渇水期におきまして関西の火力発電所を節減し得る、二番目は豊水期の深夜余剰電力を大量に北陸において活用できます。三番目は関西においては渇水期にあらゆる火力を動員しており、低能率の火力までも運転しておるんですが、北陸から数万キロを送れば低能率の火力はとめることができるではないか。この石炭で豊水期に能率の高い火力発電所を動かして頂くならば、同じ石炭量で年間発電する発電量に非常に増加がございます。四番目は、北陸から関西への送電ロスは、豊水期にぐんぐん北陸から大阪へ送るといたしますと、非常に豊水期にロスが殖えますが、豊水期の電気を北陸の工場に送りまして、大阪へ送電することを少くしますれば、豊水期のロスは著しく減少する、逆に渇水期には北陸から電気を送るのでございますからいささかロスは殖えます。併し年間の相殺では送電ロスの分が殖えるわけでございまして、これは北陸の先ほど申しました豊水期の電炉電解工業に与えて頂きたい。五番目は豊水期に関西送電を軽減する結果、送電線にゆとりが生ずる。六番目は渇水期の火力発電設備に関西におきまして数万キロの余裕を生ずる。これは関西としましては非常に重大な問題でなかろうかと存じます。七番目は豊水期の電解電炉工業に対する電力供給を安定いたしますから、北陸の電炉電解工業の電力原単位は著しく安くなつて来る、能率が上る、生産能率が向上する、かように考える次第でございます。北陸が先頃牧、東町五万数千キロの発電所を一応関西から帰属を変更いたして頂きました。更に十二万数千キロの三発電所を北陸に帰属変更を願い出ておる次第でございます。実はそれを上手に自分の手で運転をして、落穂拾いをして、北陸の業者に、これを北陸の需用家に送り、できるだけ関西に冬応援をして差上げたい、かような考えを持つておる次第でございます。
 次に河川の一貫開発と運営の徹底でございますが、神通川水系にございます蟹寺発電所、九頭龍川水系にございます市荒川発電所、これも関西に所属しておりまして、今回北陸が関西に所属変更をお願いしておるのでございます。これが両河川の総合開発上同一会社である北陸に所属することが、河川一貫開発及び河川の一貫運営の見地から必要である、かように考えておる次第でございます。以上甚だ簡単でございますが、お示しの点につきましてお答え申上げた次第でございます。
 表について簡単に御説明したいと思います。前後して恐縮でしたが、第一表は二十六年度下期の需給予想でございまして、これは水力が平年次であつた場合の需給予想を出しておりますが、後ほど営業部長からこれが昭和十四年、昭和十五年度の渇水の状態に立至つたならばどういうふうにこの表が変化するがということをお答え申上げたいと存じます。次に第二表は、二十六年度の北陸としてやり始めました電力合理化工事の総括表でございまして、水力、送電、変電、配電この四つの項目に分けて、総工事費と二十六年度に使う工事費、そして二十六年度の効果、回収し得る電力量を掲げてございまして、合計の欄を御覧願いますと、工事費の欄におきまして総工事費(A)三億四百万円でございます。うち二十六年度三月までに遮二無二二億三千百万円でございます。回収電力はと申しますと、この総工事費三億円の工事が完成いたしますならば五千二百万キロワツト時の電力を回収する、いわば三億円の建設資金を投じて五千二百万キロ年間出る発電所を作ると同じことをやりたいと、かように考えておりまして、一キロワツト時当り六円ほどになりますから、非常に安い水力発電所ができることになるわけでございます。本年度といたしましては、そのうち一千三百八十万キロワツト時の回収を目途として鋭意やつている次第でございます。第三表を御覧下さいますと、北陸の電力、電源開発計画の一覧表がございます。先ほどからお話申上げました、すでに新電力会社として着工いたしました五条方、これは一キロワツト時当り十一円五十九銭、安い建設費でございます。で湯川と書いてございますのは先ほど申上げました真川発電所の出水を補給するという工事でございまして、これは発電所が要りませんので六円ほどの単価についております。なおこれから建設しようと思います伊折は十二円ででき上ります。それから神津第一、大きな堰堤を持つておりますが、一三円そこそこでできます。下流に神津第二をやりたいと思いますが、単価十五円、称名第二、立山の山の中にございますが十二円十五銭、大体こういう検討でございます。ここでちよつと時間を拝借して、その三つ下に中島という地点がございますが、九頭龍川、福井県でございまして、ここに一万五千キロと書いてございますが、大変工事費が三十億もかかるように出ておりますのは、実は上流に笹尾の貯水池を作りたい、かように考えておりまして、その貯水池は最後の欄に四千八百五十万立方メートルの貯水量を持つていると書いてございますが、この貯水池は北陸といたしましては非常にいい地点でございまして、是非ともこれをやりたい、かように考えているわけでございます。貯水池でございますから一キロワツト当りの単価がいささか高くなつております。あと片貝第五、見座、称名第三、白山第二、これらの計画をやりまして、二十万キロ以上の工事を是非とも三十年までに完成したいという意気込みでやつている次第でございます。なお三十年末までに更にこれにオーバー・ラツプして着手したいものに有峰の計画跡津川の計画、葛山の計画、牧の発電所の増設、鳴鹿、釜清水という地点がございまして、やはり二十億万キロでございます。これは計画はできましても、先ほど申上げました通り何とかしてお力によりまして資金の裏付けをいたして頂きたいと存じております。私どもも勿論自己資金の調達に一生懸命やりたいと存じます。次の表は建設費所要資金及び資材でございます。御参考に御覧願いたいと存じます。
 それでは本年度下期の需給バランスの表の第一ページにございますが、それが著しく渇水が継続した場合どういう状態になるか、営業部長の野村君から御説明いたしたいと存じます。
○参考人(野村憲一君) 只今お話のありました下期の需給予想でございますが、今日までの九月、十月の出水率は先ほどお話にありました通り非常に平水面を下廻つております。この下廻つております状況を、昭和十四年に非常な渇水状態がございましたので、その時の状態を一応想定いたしまして、その状態を今日に当てはめまして、今後の発電力の状況を想定いたしますと、ここに現わしてあるこの数字が相当下廻るわけでございます。その自社水力に対しましての、下廻る比率を各月ごとに御参考までに大体の概数で申上げますと、十月は六割五分、これよりか六割五分に低下いたします。十一月は大体九割に低下いたします。十二月は八割三分に低下いたします。一月は七割になります。二月は七割五分、三月が八割九分に低下をいたします。下期を通じまして大体八二%、いわゆる一割八分の低下に予想されるのでありますが、多少これには希望的な観測も入つておりますので、これを我々の予想といたしましては、この評価は多少高いのじやないかと考えております。こういう自社水力を一応想定いたしまして、火力発電はそこに書いてありますような九百三十五万キロワツト・アワー要ります。その下に他社受電がございますが、他社受電につきましては、これは主に黒部川の電力を受電いたしておるのでありまして、ここに書いてあります下期を通じまして一億一千万の受電は平水面を想定してでございますが、これを一応、一割落ちまして、九割に低下いたしたと考えて予想を立てたのでありますが、そういたしました結果、そこに十億八千万キロワツト・アワーの供給の平水面の場合の想定がございますが、それに対しまして八億九千五百万の供給力に下ると想定せられるのでございます。その率は八割二分に大体想像されるのでございます。そうして需用の想定もいろいろそこにあります通りに想定いたしまして、大体需用家に送る電力は二割ぐらい落ちまして、八割程度供給できることになります。これを各月について申しますと、十月につきましては七割四分四厘、まあ七割四分になります。それから十一月は八割五分になる予想でございます。十二月は同じく八割五分、一月は七割六分、二月は七割八分、三月は九割五分程度になります。そういたしますと大体現在の制限は非常にスイヴイアな制限をかけておりますが、御承知の通り現在北陸において発動されております段階は一般配電線につきましては週三日の休電日を指定いたしまして配電線を切つております。それから大口工場に対しましては割当電力量を半分に減らす、いわゆる五〇%に制限をしているのが現在の段階でございますが、それが大体想定されるこの負荷から行きますならば、週二日の休電日を、大口電力に対しては三割程度の制限を継続的に行わなければならぬという、大体の概数で申しますとそういう想定がなされるわけでありますが、この制限の度合は各月の今申上げました数字に合わせまして緩急があるわけであります。こういう状態が下期の見通しでございまして、北陸の大口産業といたしましては、八月後半から今日にかけ、更にこれが下期一ぱいにこの程度の制限をするということは非常に大打撃になるのでありまして、先ほど山本副社長からお話し申上げました通り我々は大口電力を非常に多く持つておるのでございまして、それによつて負荷調整をして極力擁護いたしておるのでありますが、今日におきましては大口工場はもはや最低限度の生産の限度に至つておりまして、工業生産についても非常に憂慮すべき段階にあるので、我慢し得る最低の段階に来ておりますために、我々に対する協力も非常にしにくくなるということを我々は諸般の情勢から考えて憂慮いたしておる状態でございます。
 一般配電線の制限の状態につきましては、北陸は先ほどからお話のありましたように日本でも一番の渇水になつておりますけれども、なお関西或いは他の地域の状況よりか多少は一般配電線は緩かな制限にするように努力をいたしまして、一般大衆の不便、いろいろな不利益を回避しておるのでありまして、特に北陸はこの秋季におきましては早場米の地区でございまして、脱穀、調製その他の農事用電力というものが相当多量にありますので、これに対しても特別な配慮をいたしておりますが、さようなことを今後も続けて行きたいと思いますが、こういうように低下いたしますと、非常に工業方面の協力も得られなくなつて来るということで、その間の事情を非常に心配いたしております。
 大体の下期の予想につきましてはこの程度で御説明を終りたいと思います。
○委員長(栗山良夫君) それでは御質問を願います。
○古池信三君 ちよつとお尋ねをいたします。先ほどの御説明のあつた中で、電力の危機打開と電力有効利用の一方策という項目がございますが、要するに北陸電力と関西電力との間において水力と火力を巧妙に相互融通して、お互いの能率を発揮させよう、こういう狙いだと存じます。普通に従来考えられておりましたような水力の補給として、原則としては渇水期に焚くと考えられておる火力を、関西においては豊水期にこれを焚いて能率を上げようというようなお話でありました。この一連の考え方は、成るほど理論的に言えば十分でき得ることであり、確かに有利なことも考えられると思うのでありますけれども、さて現実にこの問題について見ますと、果してこれがどういう影響を与えるか、今豊水期の場合を考えてみますならば、北陸はお話のように或いは化学工業とか製鉄とか、こういう殆んど電力を原料的に多量に使用する産業が多いのでありまするから、豊水期の水をできるだけ落して使うということは、これは結構なことかも知れませんが、一方において関西の場合を考えると、豊水期には水力が減つて火力を焚くということになりますると、関西における例えば製鉄業のようなものはどういうようなことになるかということを一つ考えなくちやならないと思うのであります。それからもう一つ渇水期の場合はこれと逆でありまして、関西方面は水力が現在よりも豊富に使えるかも知れませんが、その場合北陸の工場は殆んど水をもらえないということになり、而も火力発電所は御承知のように極めて貧弱なものしかないのであります。そういう場合の北陸産業は一体どうして稼働して行くか、この点について一つお答えを願いたいと思います。
○参考人(山本善次君) それではこの問題につきましてよく調査を続けました三井調査部長からお答えいたさせたいと思います。
○参考人(三井新次郎君) それでは今の御質問にお答えをいたしたいと思います。先ず豊水期の問題といたしまして、関西のほうに同様な種類の産業があるが、それがどうなるかというようなことでありますが、私どもの考えましたことの趣旨をもうちよつと申上げると御理解願えると思うのですが、それは渇水期の北陸における電解電炉工業の供給を非常に圧縮しますというと、そこで電力が浮いて来るので、それを関西のほうに供給すれば関西はそれだけ石炭が浮く、その石炭の浮く量の範囲で以て関西で豊水期に焚いてもらうという計算をしたのであります。従つてその石炭は先ほども申しましたように非常に能率の悪い火力が焚かれておるわけでありますから、同じ石炭の量でたくさんのキロワツト・アワーが出る、大体概算五割くらい発電所の能率によつて余計出るのじやないかという計算を一応いたしたのでありますが、そういたしますというと、それだけのものが能率高い火力を使うことによつて豊水期に出るのでありますから、その火力発電の能率化によつて豊水期はとんとんになるというとちよつとおかしいのですが、そういう考え方を持つておるのであります。それからもう一つ北陸のほうで、それでは渇水期には非常に制限をするのでありますが、北陸のほうの需用は先ほども申しましたように非常に大口の電力が現在多いのであります。小口のほうが非常に少い、そちらのほうに対する影響は手を著けないで、電解電炉だけの電力を圧縮する、こういう考え方なのであります。従つて両方に影響を与えないでこういうことができるのではなかろうかという考え方であります。
○古池信三君 この大きな立場から見まするならば、火力発電所がたくさんある間で、できるだけ低能率な火力を焚かないようにして、高能率の火力を、これに石炭を集中して焚くということは、私はそれは結構なことだと思うのであります。併しそれだけ原価から考えますると、その地域々々に分けて考えた場合には、今申しましたような全体的な立場から見た考えがその通り適用されるかどうかというところに実際問題としてむずかしい点がありやしないかと思うのであります。殊に北陸の渇水期における電解電炉に対しましても、私は十分な水力電気が廻らんのではないか、と申しまするのは関西のほうは豊水期に火力を焚かせれば、渇水期は一応焚かないということになろうと思うのであります。そうなれば渇水期に関西へ送る水力というものは相当な量を必要としますから、北陸として残る分は比較的少いのじやないか、そうなつて来ますると、豊水期と渇水期とにおける仕事の量が非常に格段の相違になつて参りますから、会社の経営者としては非常に困ることになりはせんか、例えば従業員の問題につきましても、相当大きな問題がここに伏在するのじやないかということを一応心配するのであります。
 それからもう一つは、仮に今私が憂慮しますような問題は適当な措置が講ぜられるといたしましても、それだけの大規模な相互融通をやるということは、これはもう殆んどこの面から言えば二つの会社が存立するという意味が非常に薄くなつて来るのじやないか、他の問題は別といたしまして、それだけ電力会社の生命とも言うべき電力の融通において、相当密接なる関係を常時極めて円滑にやるとするならば、むしろこれは北陸電力と関西電力が合併したほうがいいのじやないか、かように思うのでありまするが、これについては一つ副社長の御意見が若し承われたら、又非常に無理なんでしたら結構であります。答弁は要しません。
○参考人(山本善次君) これは先ほどの、前段の御心配でございますが、電炉電解工業からもこういう御提案がございました。北陸電力といたしましては長い間電炉電解工業のかたがたとも協議をしてこの問題を進めた。勿論全体の電炉電解工業がこれに御参加できるかどうか、まだまだ先の問題だと思います。併し関西電力におかれましてそれはいい案だ、是非ともやらないかというお話があれば、北陸の電炉電解工業は非常に感激しまして、一層その相談が早くなるかと思います。着々御相談を進めております。渇水期における従業員の問題をどうするか、これらの問題は電炉電解工業側でも重大な問題でありますけれども、今蛇の生殺しのような操業よりも、豊水期に電力の確保ができるならばそれはいいのじやないか、もともと昔から特殊電力を利用してできた工業であつて、大体八カ月の運転をすれば冬は殆んど遊んでいてもよかつた工場が、冬も電気を受ける代りに夏も余りやらないというよりも、きつぱりこの辺で昔ながらの経営をやらしてもらいたい、こういう御意見もあるのでございます。併し事態は随分過ぎ去つたことでございますから、今の労働事情その他に対していろいろと処理される事項もあろうと思います。一応こういう案を私どもの社長からも関西電力の会長、副会長に直接先日御説明もしたいと存じますが、これを関西におかれましても十分に見て頂き、御判断願えると思つておるのでございますが、あとのほうの問題でございまして、これは今お前の考えはどうだとおつしやられるまでもなく、北陸電力の社長といたしまして山田所長が就任いたしまして当時、一体北陸電力がこういう事情でやつて行けるかどうか、自分にはわからない、実は開業の祝の日に深刻な挨拶をしまして、北陸の御選出の国会のかたもおいでだつたと思いますが、一体おめでたい会合であるか、おめでたくない会合であるか、わけのわからない会合になつてしまつたのでありますが、従業員も随分これに打たれまして、一体北陸電力は今後やつて行けるか、やつて行けないか、俺にはわからない。併しこうやつて九つの電気会社が誕生してスタートを切つた以上、自分たちは生命を賭してこの事業を守り通してやつて行きたい、かように思う。併しこれを強いて固執することは何のための電気事業かわからなくなる。従つてやつて行けなくなつたときには我々はこれを投出そうじやないか、投出した結果は関西と合併になるか、経営者が代つてやるかわかりませんが、とにかくできるところまでやつて行きたい、こういう悲壮な覚悟を持つております。電気事業は需用家のための電気事業で、電力会社のための電気事業ではない。而も北陸は先ほど申上げましたように工業の自家用発電所の発電部門を担当しておるものだという考えを持つておりまして、工業とは密接な関係を有しております。その感は一層深うございます。電灯、電熱に供給する電力は僅かに十数パーセントに過ぎない。挙げてこれを工業用電力として供給しておる。そういうわけでございますから、今のお話は会社が需給の面で成立たないならば、意地に我慢してこの会社は持つて行くという気持は毛頭ございません。併しこれはいろいろと各方面の御意見もあろうと思います。配電会社以来北陸三県でできた歴史ある会社でございますから、日発がこれに統合してできた、折角できた会社でありますから、我々としてはどうしてもやつて行きたい。命がけでやつております。それには折角電源開発をやりまして、数年間、二年か三年御辛抱願えれば先ず十万キロワツト、十五万キロワツトの開発をいたしまして、まあまあほつとして頂けると思いますけれども、併しその間に需用が伸びると思います。なかなかつらい次第でございますが、そういう悲壮なる気持を持つてやつておる次第でございますから、今直ちにどうこうということはございませんので、そういうことで非常に苦労しております。又ひと頃、先ほど申上げました通り非常に大量の融通電力を頂戴しておる我我が更に帰属変更を願うのでございますから……。まあ併し今年だけこちらが運転をしますが、電気のやり取りは十分にこなして関西に電気を差上げたい、かように思つておる次第でございます。
○石坂豊一君 私は今山本さんの説明を聞きまして初めて知ることも二、三あるのですが、大体三つばかりお尋ねしてみたいと思います。北陸電力に属している発電所は多くは非常に開発の古い会社である。私の知るところにおいても早月川のゾロメキは大正六年ぐらい、かようなものがまだ幾つもあるので、それらに対する出力の保存に対してどういう御計画ができているのか、それは少しも心配がないので、新規計画のほうだけ心配すればいいということであるのか、それからいま一つは新規に電源開発なさる地点は、戦時中途中でやめたものを復活せられるのか、新たに早月川の伊折などでありますが、最近電源の開発については河川の利用は多くはダム式にやることになつていると思いまするが、神通川の一つは四十三メートルの堰堤を作るということになつておりますけれども、早月川の伊折のごときは自然増加でただ急流を利用するだけのことになつている。この点について私は早月川沿線の者でありますが、早月沿線にゾロメキなど用水利用があるが主として流水利用であつて本川を使用するのは、ゾロメキだけでありますが、ここに設けんとせられるのは本川だけを利用せられるということは誠に勿体ない。これは神通川のごとくダム式にして利用したならば出力が多くなるだろうし、又河川の治水上から見ても非常にいいと考えるが、その辺の計画がどういうふうになつているか。
 それからいま一つは新規電源開発にせられるについて、各河川について多く合口用水その他の計画が着々として進行している。これらの地点についても相当発電所の地点が多いと私は見込んでおります。それらに対する関係をどうお考えになつているか、それだけを一つ。今岡村君も質問したいようでしたから、私ばかり聞いてもいかん、お隣りにも多少譲らなければならんと思いますから、その三点をお答え願いたい。私の知る範囲におきましては、我々の目に映るだけにつきましても水路の修築、或いはその他について非常に手入れを怠つているのが多いように思います。そういう関係を放置して置いて、新らしい所ばかりでやられましても損失が非常に多いものであるからかように心配している。この際それらについての御意見を伺つておきたい。
○参考人(山本善次君) 現状を御存じのために非常に早月川水系の水力保存について御心配を頂きまして誠に恐縮に堪えない次第でございます。配電会社の発電所も日本発送電から引継ぎました発電所も、お説の通りできるだけ今後も改修をどんどんやらなければならんと存じます。お示しの水路その他の改修を怠つて、そうして電源開発ばかりやるということはいけないのでございまして、これは併行してどこまでもやりたいと思つております。
 それから新規開発の河川をダム式をやつたほうがよかろうという御意見でございますが、勿論その通りでございまして、ダムのできる地点ならば必ずダムを作りたい、かように考えられております。なおダムは先日公益事業委員会の顧問の御意見によりまして、北陸でも小さなダムで数時間の負荷の調整のできるような堰堤を作り、そして水を貯めて使つたほうがいいだろうという御意見、勧告を受けまして、我我としまして今やつております発電所はこの神通第一のほかはさして大きなダムは持つておりません。そこの現在の地点にはいいダムはできませんが、支流とかその他に貯水池ができますれば、小さなものでも是非とも作りたい、かように考えております。ただ流れ込み式の自然貯水池のない発電所が相当できましても、北陸にございます電炉電解工業は十万キロ以上の電気が今突然ここに出ましたとしても、それらを呑んで頂きまして、相当有効に利用できると思いますが、御意見通りできるだけ貯水池をくつつけたものを作りたいと思つております。この表にございまして、先ほど申上げました九頭龍川の上流の中島発電所の笹尾ダム、これも非常に優秀なものでございますが、なお神通の上流の跡津の貯水池は日本でも有数な地点と存じます。これは非常に大型の季節的の貯水池でございまして、先頃神岡鉱山のほうの水力発電所の計画と多少競合いたしましたけれども、それらの問題は将来大計画をする場合に、それらの神岡さんの発電所は廃止するかそのまま置くか、それを廃止したほうがよければそれを廃止して跡津川貯水池系統に入れてしまう。残れば残して置くということでございますが、いずれにしても跡津のような神通の上流は非常に大きな貯水池の地点もございまして、できるだけそういうふうなことをやりたい、かように思つているのでございます。
 それから第三点の各河川に合口用水を進行中だということでありますが、片貝第五もさような地点かと思いますが、十分県御当局或いは用水の皆さんがたと御協議をいたしまして、どうしたらばいいのか、用水がおやりになつたほうがよければ用水がおやりになる、電気会社と用水側と協議してやつたほうがよければそれでいい、電気会社が用水から譲つて頂いて電気会社だけがやつたほうがいいならば電気会社だけがやれる、いずれにしても地元の総合開発とよく御相談をいたしまして建設の計画を進めたい。かように思います。電気会社だけが何でもかんでもがむしやらに水利権を頂戴してやるという意思はございません。どういう計画がいいか十分練つて進めたい、かように思つております。
○石坂豊一君 只今の御説明で一応了承いたしました。どうぞその各合口などについては、出力が小さいからといつてこれを余り軽視することなく、あなたがたのほうで相当利用するようにお願いしたら国益になるだろうと私は考えております。
 それからもう一つ、称名第二の地点、これらはもうすでに鉄管から何から全部現場に行つているのです。それがなぜこれをやらんのか、私は日発のときも出張し社長にも話したが、これはすぐやられるように言つておつたが、二年間もそのままになつている、あれは今回おやりになることになつておりますか。
○参考人(山本善次君) 称名第二は日発の古い地点でございまして、御承知の通り随分長い間伏せられており、鬼怒川発電所から持つて行つた機械があそこに待つている。ところが称名第二は上流の称名第三と関連をした発電所でございます。あの有名な称名滝の途中から水を取つてそうして発電所を作る、称名第三を使いませんと単独ではうまく行かない発電所でございまして、これらの設計につきまして、日発の計画を新電力会社が社長の意見で検討したのでございます。社長の意見は、称名第三、第二は一つの発電所でできるのじやないかと、こういう御意見でございます。それは実は参謀本部の地図を見ますと、一つにできるのですが、地図が違つていたのです。どうしてもできない。地図では沢がなかつたところが現地では沢がございまして、二つに分けないと続いた水路ができないということがわかりました。そういうわけで実は会社はスタート以来六カ月たつたわけですが、いろいろの地点もございましてやつたりいたしまして、称名第二の問題は多少遅れまして、先ごろ委員会の松永委員長代理から、称名第二を遅らしたのは甚だけしからんというきついお叱りを頂戴いたしましたが、私どもも称名第二は是非ともやりたいというので、早く着工いたす段取りにいたします。国立公園の問題もございますから、どうか一つよろしく御援助をお願いいたします。やりますから。
○小川久義君 今日の副社長の言われた創業式には私も参列して悲壮な社長の意図を聞いております。その決意があつたればこそ九つの会社で一番損失が少い、好成績が挙つたと思うのでありますが、その関西の電気は、帰属変更に対しては、古池さんから、いつそ合併したらどうかというお話でありましたが、もともと北陸になかつた、又ないものを関西からもらいたいというのではない、富山にあつた電気が関西へ流された、その流れの十二万五千キロを富山でもつと有効に使いたいということが北陸電力の考え方の根本だろうと思う。至極結構なことで、国家的に見てもそうあるべきだと私は信じますが、ついてはその帰属変更を願い出られたその後の経過を一応承わつておきたいと思います。
○参考人(山本善次君) 八月の下旬に牧、東町の帰属を御決定下さいまして、牧、東町は北陸の要望を容れて頂いて関西電力から北陸の帰属に変更がなりました。このあと引続き私どもの社長が関西のほうに三発電所の更に帰属変更をお願いをいたしました。又八月の月末には公益事業委員会へ私どもの意のあるところを陳情、要請をいたした次第でございます。この問題につきましてはその後委員会におかれまして御審議中と存じまするが、もともとこの問題は委員会が必要と認めれば、その電源帰属の変更のイニシアテイブを取られるという建前と存じます。私どもはどうぞそういうお気持になつて頂きたいということを申上げている次第でございまして、漏れ承わりますと、委員会におきましても関西は一体どう考えるかという御照会状を関西にお出しになられたのではないかと思いますが、その点関西としましては絶対それは困るという御意見が委員会のほうに出た。又私どもに去る二十日ごろの日付を以ちまして関西から、申出の三発電所の帰属変更は絶対お断りするという御書面を頂戴いたしておりますが、公益事業委員会におかれまして両者の意見をよく御審査になりまして、そうして御決定になるのではなかろうか、かように考えている次第でございます。私どもとしましてはこの問題はもともと電源帰属に北陸に足りなさがあつたのだ、北陸が年中関西から受電をするような状態ではあべこべでないか、一体電気の料金の安い所から高い所へ売るのが至当であつて、高い所から安い所へ買うのはおかしいのだ、これは電源帰属が正しい姿でないのだということをここに申上げた次第であります。それだけでは関西電力としては離しにくい、大事な三発電所だから、せめてこういう案でも差上げたら関西はお聞き入れあるのではなかろうか、会社も事業家も悲壮なつもりでこの需給の調整をするのでありまして、先ほど古池さんから御心配の通り生やさしいことではございません。北陸の工場も非常な覚悟をしての話でございます。そういうことになつておりまして、前後の事情は申上げた通りでございます。
○水橋藤作君 先達つての委員会で小川委員よりも、北陸の電力の割当が非常に矛盾している、公益委員会としては全国同一の割当方法をとつておられるのでありますが、その後の北陸の割当の状況はどうであるかということ。それから全国で最低の割当を余儀なくされている理由は、その割当で納得された理由は奈辺にあるかということを我々疑問に思つているのでありまするが、その後の割当がどうなつているかということを心配するのでありまするが、二つだけを御回答願います。
○参考人(山本善次君) 北陸が最低の割当を受けているというお言葉でございますが、これは大口工場の現在の制限段階は依然として北陸につらいと、こういう御趣旨かと存じます。委員会は八月十二日、非常に渇水の当時に非常措置としての融通を業者間にやるように御指示になりまして、業者もそれをお受けいたしました。数日間ずつその措置をやつて行こうという約束をいたしたのであります。ところが台風が参りまして、その委員会のお示しになつたような非常な事態は一応解消したのでございましたが、又渇水が始つて来て、北陸は渇水のために依然として全国的に一番悪い告示が続けられている、こういう状態でございます。北陸は需用者におかれましてはその告示の悪さを全国一律にするように御要請になつたと思いますが、そのかかる非常時の場合、或いは地域的の水の出方の違う場合、お互いの固定した融通契約の電力量を動かすようにしようじやないか、そういうことのお勧めが公益事業委員会から参りまして、数日来その経営の仕方を東京へ皆さんが寄つて協議をしております。大体ここ一両日中にその契約はできる、かように存じまして、その場合には地域的に余りに激しい段階のないよう契約がなされると存じますが、今のところ委員会からこういう命令でどうしろというお勧めばございませんが、業者が自主的にそのお勧めを基礎としましてそういう契約を今作つておるのであります。それができますれば非常に渇水した場合、或いは地帯間に或る所は豊水で或る所は非常に渇水している。これを埋め合せができるような経営ができるわけでありますが、そういう状態に今なつておるのであります。
○水橋藤作君 先達つて公益事業委員会の松永委員長代理からすでに明日からそれを実行するということを聞いて、我々はそれを期待しておつたのですが、未だに実行されていないということでありまするので、これは委員会のほうに新たに質問することにいたしまするが、最低の割当を余儀なくされている理由が我々としてはまだはつきり今のお答えで納得できないのでありまして、我々が申上げるまでもなく、北陸の電源地帯に期待してあらゆる産業が復活して、そうして電力は相当豊富に使えるものと予想した産業が、非常に大きな打撃を受けている。にもかかわらず最低の割当をもらわなければならない。それでも止むを得ないのだという見解に立つて納得された。その理由をもう少し納得の行くように御説明願いたいと思います。
○参考人(山本善次君) 決して現在の最低の告示の線を私どもは満足はしておるものではありません。非常に遺憾なことだと存じております。それで十二日の委員会からの強力なお示しがあつた前後に、私どもの社長が委員会に出まして、是非とも融通命令を出して頂くようにお願いをいたしまして、その結果、業者の間にこの案が若し呑めないならば委員会として強力に考えるぞという御意思もありまして、皆さんの間でこの非常時の融通の契約を進めるごとにいたしたのであります。一応委員会の案を呑みまして行つたわけでございますが、只今お話の北陸が非常に制限が強くて而も続いておる。これをどうして切抜けるかと申しますと、関西に先ず以て融通電力を求めるとか、自分の火力の焚き方は勿論、それから遠く九州なり東京なり東北なりの余力というものを我々が頂戴するように要請する、こういうことであります。営業取引としてできますだけのことは、我々北陸の電気会社といたしましても各地区の電気会社に呼びかけて頂戴しておるわけであります。併しながら如何せん各地とも相当の渇水もありまして、又融通契約以上に電気がなかなか廻らんのでありまして、それは根本的に融通契約そのものの改革をしなければならないということで、融通契約そのものの改正を数日来協議を続けて来ております。根本の融通契約そのものを改正いたしまして、融通量は固定的なものでなく、出水量によつて融通の量を左右してもらいたい。それから非常時の場合、先ほど申上げましたように各地区の困難の差を少くするように一つお互いにしようではないかということを進めております。併しながら今の状態におきましては九つの電気会社がそれでは全国一律の告示になるように承知するかと申しますと、北陸が豊水の場合は北陸のほうに電気をやりたくなるきらいがあります。東京、東北然りであります。それでもともと足りない電気でございますので、なかなか極度に自分の身を切つてそれで北陸並みに俺のほうも制限して、一緒に余つた電気を割当る、仲良く割当をしようではないかという気持に各業者がそこまでなり切らんのでございまして、雨が余計降つた地帯にどうしても楽な電気の供給をしたい。そういう気持がどうしても起つておりまして、今後できます融通契約におきまして、逐次渇水が全国的になりますと、だんだん全国的に困難度を均一化するというようなことにいたしますが、多少のまだ水のある場合は優劣のつくような形になります。今の状態におきまして、できるだけ北陸としまして一律になるようにその会議で要請を続けておる次第であります。今出ております現状の姿では、全国一律にこれを融通して流すということは到底できないのではないか、こう思うのでございます。
○石原幹市郎君 時間がありませんので、簡単なお答えで結構であります。北陸と東北は相当事情が似ておるように思うのです。私も電源配分の不合理をこの際速かに是正してもらいたいと考えておる一人であります。北陸電力が発足したときに、平常時の状況であれば相当需給のバランスが取れる状態で発足されたのか、あのときにもう無理があつたのかどうか、簡単でよろしうございますから……。
○参考人(山本善次君) 実は北陸地方の印刷物を差上げればよかつたのでありますが、あの電源帰属について御決定になりましたときの資料は、昭和二十三年度の実績をお考えになつておると思うのであります。戦後北陸には先ほど申上げましたように電炉工業といいますか、電炉、電解工業の復活と申しますか、それが余り伸びておらなかつた。又他の地区で伸びた電熱、電燈の伸びがございませんで、戦前全国の一〇%、一一%使つておつた北陸が戦後は七%ぐらいしか使つていなかつた。そのデータで一応分けられた。而もそれ以上に我々としては少いように考えます。その当時すでに無理があつたと存ずるものでございます。
○石原幹市郎君 その次には北陸には或る程度火力もあるように思うのですが、火力発電所に対してどういう考え方を持つておられるか。これは実は東北には全然火力を持つておりませんから、昨日も非常に問題になつて、火力を是非設けたいという意見が強かつたのでありまするが、東北電力の社長は、それに対して相当反対の意向を強く表明されておりますので、北陸も水力地帯でありまするが、この火力発電所の補給的機能だとか或いは将来の火力発電所というものに対するあなたの御感想を一つ伺いたいと思います。
○参考人(山本善次君) 北陸といたしまして一万キロの火力がありまして、日発時代には殆んど焚いておりませんでした。併しながらかように融通が阻害されるに至つては、北陸といえども或いは火力の計画を持たなければならないのではないか。持つならば少くとも五万キロ以上のものを持たなければ経済単位としては成り立たない地点でございますが、あれは富山に置きますが、とにかくこう融通が悪くなればそういうことになろうかと思います。併しできるだけ電源地帯に火力を置かなくてもいいように、連繋ある九つの会社の当局がうまく電気を融通すべき筋合だと考えます。大体北陸が火力を焚いているなどは少しおかしいぐらいだと思います。
○石原幹市郎君 最後に電気料金の適正化についてお話があつたのでありまするが、あなたのお考えでは、こういうあなたのお話になつたような趣旨から考えれば、大体現在のどのくらい、何倍ぐらいにしなければならんか。北陸としてはどういうお考えを持つておるか、大雑把なことでいいのです。
○参考人(山本善次君) 営業部長からお答えをいたさせます。
○石原幹市郎君 詳しいことは要らないのです。二倍とか何とかぐらいで……。
○参考人(野村憲一君) その見当は非常にむずかしいのでございまして、今ここで言えとおつしやつても言えないと思うのですが、それはともかく、この前に我々この席で全国の六割程度の値上げの説明を申上げましたが、現在は二割四分に抑えられたわけでありまして、我々も平水面の状態で行くならば当時六割程度の値上げをしてもらつたならばそれでよかつたと考えておつたのであります。併し今後の需用の増加の延び、或いは新らしい発電所の建設導入ということを考えますれば、それがどの程度に変つて行くか、今ここですぐ返事しろとおつしやつてもちよつとできないと思います。
○石原幹市郎君 実は昨日北海道の会長は三倍ぐらいでなければ、将来の開発も見込んで企業のそろばんに乗せることはできないというお話があつたので参考のために聞いたのであります。
○岡田信次君 先ほどの石原君の質問にちよつと関連するのですが、電力の電源開発計画についてお尋ねするのでございますが、北陸におきましては水力の電源開発をやつておられる。火力のは一つも考えておられない。日発みたいに一つになつておつた場合には、水力の電源地帯には水力電源を作り、火力は石炭の近い所に作るというふうに行くと思われますが、こういうふうに分断された場合には、やはりそれぞれの会社が活きて行くためには、これに伴う火力の発電所の計画もあつて然るべきではないか。先ほど石原君の質問にあつたような、豊水期は電気をどんどんやるが、渇水期はやらないんだというお考えをお通しになる、そういう御計画なのか、そういたしますると電気の本質から、コンスタントな確実な電気を送るという本質から考えて少し不適当に思うんですが、もう一遍火力の発電計画をお考えになつておらない理由をお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(山本善次君) 火力につきましては非常にむずかしい問題でございまして、全体として一体石炭が果して火力について来てくれるかどうかという問題があろうかと思います。日本全国の火力発電所が今後能率を変えていい能率にする発電計画はこれは大切だと思いますけれども、今新しい発電所を別に作る、そうすると火力の設備は大きくなりますが、それに対する石炭はなかなか問題があつてむずかしいことだと思います。これはまあ全国的な問題でありまして、一北陸の地帯ではありません。併し北陸としましては実は非常に供給料金が安いから、設備された工場が多うございます。火力発電所を設置しまして、一キロ八円だ九円だという料金と相成りましては、北陸の大きな工場は到底やつて行けないのでございます。北陸の工場は製品をそれでは転換しなければならんようなことになろうと思います。北陸地内の工場が、火力発電所を増設して、そうして電力を確保しろという声はまだ余り出しておられないように思います。水力をともかくも作れ、何なら一緒に作ろうかという非常に有難いお言葉は頂戴しております、併し先ほど来のこの電気会社の間の融通が今後円滑に行くかどうかで以てこの勝負はきまるのであります。北陸といたしましては電炉電解工業だけではなく、やはり一般の需用もございます。それから電炉電解工業がどの程度までそれではそういう制限に堪えるかという問題もございまして、非常に火力の計画は北陸といたしましては難問題だろうと思います。併し公益事業のことでございますから、全然火力発電所を将来考えないかという御質問に対しましては、全然考えないで、水力だけでやつて行けるとは申上げかねる次第であります。今のところは火力を直ちに作ろうという計画を持つておらんのでございます。
○佐々木良作君 時間がありませんから、質問ではなくて簡単に二、三希望を申上げておきたいと思います。言われております通りに恐らく今度の電力の再編成におきまして一番大きな犠牲をこうむつておられます一つは北陸だと思います。その性格をはつきりと前提といたしまして、第一に料金の問題、先ほど石原さんのお話もありましたが、料金の問題を考える場合は、旧設備を完全に再評価して、つまり新らしく作れるようにして償却をすることを含め、そうして国家資金等のそういうよそのところの金を当にせずに、自前で建設するという健全な資本の建前で行くのならば私は数倍の料金にならざるを得ない、そういう健全資本にしようとする考え方と、それから昨日話の中に出て来ておりましたところの、火力でたくさん要る、つまり消耗品或いはそれに類するような維持運転費がたくさん出るという意味の、その分を含めようとする料金改訂の場合には、これは三割とか五割とかいう数字になつて、その辺の料金改訂の問題に対する性格が一般には非常にわかりにくくなつております。このことは電気事業の性格をはつきり知るか知らんかにかかつて来ていると思います。どうか北陸におきましてはそういう事情が水力地帯でありますから一層はつきりしておるはずでありますから、料金問題をお考えになります場合に、先ほど言いましたような完全償却、それから建設全部を引括めた料金という考え方をして行くか、つまり健全電力資本を作つて行く建前で行くか、或いは現在の維持運転費を少しうまく調整しようという考えで行くか、その考え方をはつきりとしながら料金の考え方を進めて頂きたいのがお願いの一つ。
 それから二番目は融通問題であります。先ほどもお話がありましたように、なお申上げましたように今度の再編成の犠牲は一番大きく北陸に出て来ておる。而も昨日からお話を聞いておりましても、公益委員会でやろうとか何とか言われますけれども、私は事実上独立の株式会社であつて、電気が足りなければ本格的な電力融通というようなことは殆んど不可能だろうと思う。不可能であるにもかかわらず日本の総電力ということを考えたならば、これはやらなければならない問題であります。この矛盾をやはりはつきりと一番感じておられる北陸電力として追及して頂きたい。これが第二番目。
 第三番目といたしまして、電気の消費規正の問題、特に今年の冬を目がけての消費規正の問題について、最近産業の重点度に応じて重点配給をして行かなければならんじやないかという考え方と、重点配給も必要だが、一般の民生を脅かすことが非常に大きくなつて来て社会問題化して来るような状態にもある。従いましてこの重点配給には非常に大きな限度があるというような感じ、この二つあると思います。私は北陸の地帯におきましては大口の産業が非常に多くあるのと同時に、今度は一番小さい農業用電力というようなものが非常に差を開いて持つておると思いますが、而もどちらにウェイトを置くかによりまして、会社の経営に対する料金収入が又非常に違つて来ると思います。この二つの消費規正の順序の付け方、重点の置き方についての矛盾が北陸では非常に大きく出て来ると思います。従いましてその辺の状態を機会あるごとに明らかに公益事業委員会なり政府なり、一般の人たちなりに強く打出して頂きたいということをお場願いいたして置きます。今の三点は希望を申上げるのでありましてそれは私は現在の電気事業の大きなむずかしい問題が出て来ておると思いますから、事に触れて北陸電力の実情に照して今の問題を解明されるようにお願いいたします。
○委員長(栗山良夫君) それでは一時休憩をいたしまして、一時半から再開をいたしたいと思います。
   午後零時四十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時三十九分開会
○委員長(栗山良夫君) 休憩前に引続きまして会議を再開いたします。
 参考人のかたに一言御了解を願つておきます。御承知のように皆様がたの必死の御努力にもかかわらず、現下の電力事情は相当憂慮すべき状態にあるやに私どもは感じておるのであります。従いまして当委員会におきましても八月以来力の及ぶ限りにおきましていろいろと努力をいたして参つたのでありまして、ほぼ現下の電力事情の趨勢は承知をいたしておるつもりであります。併しながら私どもの今日まで得ておりまするいろいろな情報は、主といたしまして公益事業委員会並びに政府の関係各部局が中心でありまして、第一線で御努力を願つておりまする各会社の実態は知る術がなかつたわけであります。こういうような差迫つた状態になりますると、各会社それぞれのお立場において私どもの想像以上の御苦心があろうかと存ずるのであります。本日はそういうような各社の特色のある電力の問題についての御所見を率直に承わりたいというのがおいでを願いました趣旨なのでございます。従いまして本日のお尋ねをいたしておりまする点はかねて御案内を申上げました通りに、第一は今後の電力危機に対処する具体的な方策、第二には電力相互融通に関する件、第三は火力燃料の入手状況並びにその見通し、第四は電源開発の現状並びに今後の年次計画に関する方策、第五は電気事業経営上の諸問題についてであります。さような意味合でありまするから、特にこの委員会におきまして、法律で定めるところによりまして行いまする証人喚問の手続きを避けまして、参考人として御列席を願い、気楽な気持で腹蔵なくお話を承わりたいという委員会の意見であつたわけであります。この点を併せて御了承頂きまして、本委員会の電力事情調査に御協力を頂きたいと存ずるのであります。本日は午前中北陸電力の御意見を承わつたのでありますが、又昨日は北海道、東北、東京、中部の四電力会社の意見を承わつたのであります。午後からは、関西から順次中国、四国、九州の御意見を承わりたいと存じます。それでは関西電力株式会社太田垣社長の御意見を求めたいと思います。
○参考人(太田垣士郎君) 関西電力の太田垣でございます、よろしくお願いいたします。御挨拶を申上げます。
 本委員会におかせられましては常々お仕事の上からとはいえ、非常な関心をこの問題に寄せられまして、適時適切なる問題をお取上げ下さり、その解決に御努力願いましたことは、我々といたしまして誠に感謝申上げる次第であります。なお本日は私どもお呼び寄せ下さいまして、この電力危機に対して話を聞いて頂くという機会を与えて下さつたことに対しましては厚くお礼を申上げます。
 御存じのように今日の電力危機は殆んど国民経経をゆすぶるような大きな問題になつて参りまして、私ども経営者といたしましては、企業者といたしましては勿論でありますが、如何にそれが公益性に重大性を持つとか、或いは基礎産業としての重要性を持つとかいうことについて非常に深く反省もし、且つ痛感しておりまして、勿論私どもはこの問題の解決につきまして全社を挙げて努力しておるわけでありますが、御存じのように問題が頗る深刻になつて参りまして、政治問題化し或いは社会問題化するというところまで来ておりますので、今後これが解決に当りましては是非各方面の御協力をお願いし、特に国会における各位の御援助を将来お願いしなければならん問題が非常に多いと存じますので、この席でお礼かたがたなおこの点についてもお願い申上げる次第でございます。
 それでは以下聴取事項につきまして私から大綱を大体申述べさして頂きまして、なお詳細につきましては、ここに経理或いは石炭というようなものを実際に取扱つて来ておりました中村副社長、それから電力融通或は電源開発というような問題に直接タツチしております一本松常務が列席しておりますので、後刻委員長の御指示によりまして御説明の形式をとりますか、御質問にお答えする形式をとりますか、お話を申上げたいと存じます。
 第一項目の危機に対する対策でございますが、一応経過を御説明申上げまして具体的な対策をお話し申上げたいと存じます。御存じのごとく今度の危機は特に関西におきましては異常なる需用の増加、なお且つ数年来に見ないような渇水と石炭の入手難というようなものが相錯綜しまして今日の危機を招いたのでありますが、元来私どもが五月一日再編成によりまして出発いたしますときには、一応全国の電力の供給状態を公益委員会なんかの指示もありまして、大体九カ年平均の水を基準といたしまして、これをカバーする石炭を算定いたしまして、これが全国に約六百三十万トンということが査定されまして、その基準によつて私どもも出発したわけなんでありますが、これは関西におきましては丁度これが約百六十三万トンということになるのであります。そこでその百六十三万トンが大体上期と下期とに分れまして、上期豊水期は約五十万トンを予定されたわけであります。そうして下期には残りの百十三万トンを焚くと、この予定で進んだのでありまして、私どもはその予定によりまして先ず上期の計画といたしまして、私どもは七十万トンの石炭をキヤツチして、そうして一応九月の末の、いわゆる下期に入るときに二十万トン以上の貯炭を持つて入りたい、こういう予定を立てまして、金融方面にもこの了解を得まして、そうしてその資金も調達いたしまして、石炭入手にかかつたのであります。幸いにいたしまして五月、六月は一応平水でありまして、而も七月はむしろ昨年より豊水であつたということで却つて順調に参りまして、七月の末には約九万七千トン、約十万トンの貯炭ができたのであります。ところが御存じのように七月二十日から五十日に亘る大渇水というものに見舞われまして、八月予定しておりました約七万トンの消費が八月一ぱいで殆んど十七万トンの消費をせなければならないというところまで追い込まれまして、その後刻々と水は減る一方であるのであります。従いまして九月の初旬には約一万数千トンの貯炭しか持たないというようなところまで追い込まれまして、そうして九月六日に御承知のような一つの制限が出たというのが現状でございまして、ここで各方面からもいろいろの御援助を願いまして、九月は九月契約のものを上旬に入炭するというような無理なお願いをいたしまして、これを食い繋いで来たわけであります。その後十月に入りましても相も変らず渇水が続き、十月の平均は大体八十七万キロワツトでございますが、それがルース台風前日には三十八万キロまで落ちて、約四三%というところにまで落ちたというようなひどい状態にまで追い込まれたわけであります。その後ルース台風以後やや渇水の状態は緩和されましたが、併しながらまだ今日になりましても昨日までの自流が四十五万キロというようなところまで落ちておる、四十五万キロというのはこれは冬期の一月の渇水の最低線をも下廻つておるというような状態に追い込まれておるわけであります。そこで私どもはこの危機に対してどういうような具体策を今までやつて参りましたかと申上げますと、先ず第一に考えられますことは、何とかして自流を殖やして行こうということについて我々は努力しなければならんというので、実は五月一日に自発から引継ぎました継続工事がございまして、それは木曾川水系の滝越に二万七千キロの発電所がございます。それから庄川水系の成出という大体これが三万五千キロの発電所がございます。それから京都府下の新庄という発電所がございます。これが七千キロ、総計七万キロに近い発電所を継続工事として引継いだのであります。これは予定工事といたしましては成出と滝越が来年の二月末、それから新庄が三月末という予定でありましたのを、突貫工事をやらせまして、そうして一日も早くこれを出すという方向に向けまして、漸くそれぞれ今完成の域に達しまして、滝越、成出はもうすでに通水をいたしております。従いましてこの十一月の末、遅くも十二月の初めには電力が出る、新庄は一応一月の半ばに電力が出るというところまで漕ぎつけた次第であります。それともう一つは北陸から電力を融通します幹線の工事がありまして、これが大体新北幹線と呼んで二十六万ボルトの送電線、これを突貫工事をいたしまして完成をいたしまして、これがやはり十二月中にできる。これで約一万キロくらいのロスが軽減される。又渇水期には今度は五千キロのロスが消えて行くというように、積極的な面で自流を殖やすということを今日までやつて参りましたのが一つと、それからもう一つは、これは何と申しましてもこの渇水を乗切るためには或る程度石炭のカバーをしなければならないのは明瞭なる事実でありますから、石炭の獲得に狂奔いたしまして、これは通産省なり安本なり公益委員会なりの御援助も得まして、目下非常に石炭で苦労して獲得に従事しております。併しこれもなかなか裏の事情がこういうふうでありますと、私どもの思うように獲得する ことが非常に至難なんであります。そこで私どもは何とか我々どもがこれほど努力しても入らないとすれば、他に転換の方法も考えなければならんというので、今年の九月中旬から関西の持つております火力を一つ或る程度油に切替えようという計画を立てまして、飾磨、尼カ崎東、尼カ崎第一、第二、木津川と、この五発電所の設備を急速にかかつたのであります。而もこれは御当局の了解を得ましてこの工事の完成は、現在尼カ崎東飾磨、こういうものはすでに完成いたしまして油を焚いておるのでありますが、尼一、尼二の発電所は十二月の中旬に完成することになりまして、これが完成いたしますと約六万トン、十二月の中頃から三月の中頃までに六万トン油を焚く設備になりますので、御当局にお願いしてそれだけの油を確保する目当がつきました。これは石炭に換算いたしますと約十二万トンというものがセーブされることになります。この方面に先ず石炭の助けを持つて行く。それから第二にはどうしても今日内地で思うように石炭が入つて来なければ、何とかして外国炭を一つ入れたいという希望を持ちまして、これも御当局に再三足を運びましで御尽力を得ました結果、現在では約六万トンぐらいのインド炭が入手し得るというところまで漕ぎつけましたのであります。なおこのほかに目下交渉中のものは、アメリカ炭を何とかして入れようという考えを持つて、目下これの交渉中でございます。
 以上述べましたように第一が電源の開発による自流の増加、第二が石炭獲得の充実、そのほかに油を焚き外国炭を入れるということをいたしまして、更に第三といたしましては、水力発電所の利用効率を上げるということに努力いたしたのであります。これは御存じのように修理とか補修のために或る程度の発電所を休ませなければならないのでありますが、こういう非常時でありますので、これを非常に早く修理をし、補修をし、一%でも多くこの効率を上げたいということに努力いたしまして、大体公益委員会の予定では八七%という効率を上期には九二%に上げたということでございまして、下期にもこの程度のものはどうしても上げて、そうして少しでも多くの電気を出すということに努力しなければならんと考えております。もう一つはいわゆる消費節約ということと、合理化ということによつてこれを救おうという具体案でございまして、これは何と申しましても、今日これだけの危機を招いております以上、不急不要の電力はできるだけセーブいたしまして、これを有効な方面に廻すというのが、これが本来の我々の使命であろうと存じまして、あらゆる面におきまして電力の不急、不要のものを節約して頂くよう、電気協会であるとか或いは各官庁であるとかの御助力を得ましてこれが実現に努力しつつあります。それから合理化の方面におきましても、先ず自分自身によりやらなければならないことでありますから、今まで高く世間の風評に上つておりました従業員の電力の使用というようなことにつきましても、九月一ぱいに一応モーターを全部取付けまして、そしてこれが検針を非常に厳重にやつて行く、なお且つ関西の特殊事情でございました電鉄従業員に対する半額割引というようなものも、これも私、参りましてから皆さんとお話を申上げて、そして八月半ば頃からこれも全部打切つて普通の需用家と同じような形式にとつて行く、こういうふうなことに努力している次第であります。
 次はいわゆる新需用の抑制なのでありますが、これは電力会社としては誠に不見識なことでありますが、こういう事態に立至つた以上どうしても電力を野放しにしておくということは不可能でございますので、七月から一応進駐軍であるとか、或いは公共事業であるとか或いは新らしい家屋の電燈であるとかというものを除きましては、一応この際新需用のほうはお断わりしておるというような方法をとつておるわけであります。大体以上述べましたことが第一の今後の電力危機に対する具体的方策に対するお答えとしてお聞き取り願いたいと存じます。
 次の問題の電力の相互融通の問題でございますが、これは大体この五月一日に発足いたしますと同時に昨年度二十五年度の実績と、そして公益委員会の需用想定、それから供給力というものを見合いまして、そして一応の融通の契約を作つたのでございますが、先ず関西電力といたしましては中部、東京、北陸、中国等に約七億キロワツト・アワーのものを融通しております。そしてこれは大体関西電力の八十五億キロワツト・アワーに比較しますと、約九%強ということになつておりますが、幸いにして五月、六月、七月は最前申上げましたように豊水期でありましたがために、この融通契約も実にスムースに行きまして規則通りいつたのでありますが、七月、八月とだんだん渇水が深刻になつて参りますと同時に、この線が維持できなくなりまして、昨今十月に入りましては一応公益委員会の強力なる線によつてむしろ関西電力にも頂いておるというようなことになつております。この問題につきましてはとにかく日本の電力の八〇%を占める水力というものを国家全体として有効に使うという面からいたしますれば、なお且つ現在九つに分れておる電力会社がこの自分の持つておる範囲に供給するに十分なる電力を持つていない現状では、これはどうしても国家的に見てもある程度の融通はその域に達するまでは、やつて行かなければならないものと信じております。
 ただ問題は、本年五月一日に出発いたしました当時に契約したような弾力性のないものでは困るのだということが只今我々には痛切にわかりまして、つまり渇水期の比率によつて融通に弾力性を持たす、或いは又各地区間の降雨量によつて、即ち各地区間の渇水状態によつて一つの融通に弾力性を持たすということでなければいけないとこう考えまして、下期の融通契約は一応上期の融通契約を基本といたしますにいたしましても、どうしてもここに弾力性を持たせなければならないと考えまして、目下事務当局でこの弾力性を如何にいたして行くかという点について検討して契約を進行しつつあります。なお今日のような異常な渇水になりますと、これは到底弾力性というような契約面では収拾がつかないと思いますので、こういうふうな本当に何十年来の渇水による危機というような場合には、或いは又それは公益委員会の命令とか何とかによつて、自主的なものでなくて、この危機を乗切るための融通も必要ではなかろうか、こう考えております。
 次に火力燃料の入手状況及び見通しでございますが、これは大体私は簡単に申上げますが、一昨日まで九州に約半月ほど出張いたしておりました中村社長も来ておりますので、あとから詳しく説明申上げたいと存じますが、大要は只今御説明を申上げました通り最初の出発点は下期百十三万トンというような計画で来たのでありますが、今日の状態でありますと、すでに上期で予定の二十万トン以上も食い込んでいる、こういう始末でありまするが故に、どうしても下期はこの百十三万トンでは凌ぎ得ない。と申しますのは七月の豊水期に野放しにやつておりました当時、大体我々のところで千八百八十万キロワツト・アワーほどの電力を出しておりますが、これを下期に出すといたしますと、どうしても下期の平均自流を九年間の平均の七十万キロワツトといたしましても、日に七千トンの石炭を焚くのでなければ、七月の千八百八十万キロワツト・アワーの線を維持することができないのでありますから、最低我々はこの維持はどうしてもやらなければならない。そうするとこれが下期になりますと上期より需用が非常に殖えて参りますから、或いはこの線にしておいても野放しにしておけば或いは一割くらいは節電しなければならないのだと考えておりますが、少くともこの線を我々は維持したい、それには只今申上げました通りに、日に七千トン平均下期には約百二十八万トンの石炭を確保せなければならない、こういう状態でありまして、その線によつて我々は現在努力しておるわけでありますが、現在の状況でありますと、契約は約二十二万トンまでくらいは見通しがついておるのであります。併しながらこの二十二万トンということは、実際に契約量は二十二万トンでありましても、入る石炭量が今までの経験によりますと、或いは六五%とか七〇%とかいう成績が出ておりますので、これは何とかしてせめて八〇%とか八五%までは獲得しなければならないというので必死に各業者におすがり申しまして各個々に当つて努力しておりますが、どうしてもやはり、成績をよく見ても八〇%くらいではなかろうかといたしますと、どうしてもこれが二十万トン見当しか確保できないのじやなかろうかとこう考えております。従いましてこれがカバーいたしまするのには、最前申上げました水力を七万キロ殖やすということ、或いはロスを一万キロなくするということ、それから油によつて約十二万トンの石炭を浮かすということ、或いは外国炭を六万トン取るということを以て先ずこれをカバーする一つの目安とせなければならない。併しながらこれだけではまだまだ足らないのでありまして、何とかしてこれ以上に内国炭も外国炭も我々は手に入れるように努力せなければならないのではなかろうかと存じております。で数字的に申しますと、今申上げましたものが一応確実に入るといたしますれば、百二十八万トンの線は維持できるのでありますが、ただ併し、電力の問題は非常に消費がむずかしいのでございまして、どうしても手許に十五万トンなり二十万トンの貯炭を持つておりませんと、操作ができないというのが、これが実情でございまして、例えばお正月休みに船が一週間休みになるというようなときには、お正月には一万トンずつ焚くといたしまして、一週間休まれればもうすでに七万トンそこで穴があくというような状態になりますので、なお冬期になれば海が荒れるというようなものを計算に入れますと、どうしてもやはり十万トンから二十万トン見当の貯炭を持つていなければならないと考えますので、この貯炭を如何にしてするかということに目下我々は最大努力を集中しておるわけでございます。なお詳細に亘りましては、御質問によりまして中村君から御説明さして頂きまして、第三の燃料入手の状況はこの辺で打切りたいと思います。
 第四の電源開発の現状と年次計画並びにこれに関する各種の方策でございますが、これは当社といたしましては一応五カ年計画というものを立てておるのでございまして、これは本年の四月三十日に大体公益事業委員会に各社から持寄つたものでございまして、目下これが総合委員会の手によりまして、更に練り直されておるのでありますが、これによりますと、大体関西電力といたしましては、年々九%の需用増というものを見込みまして、五カ年間に四六%の需用増になるという計算を立てまして、これによつて五カ年後には、一応需要供給のバランスをなし得るという計画を立てておるのでありますが、このまま電力の開発をせずに参りますと、三十年後には約電力は三割足らなくなつて来るというような重大時期に達しますので、何としてもこれは我々は熱意を持つてやらなければならん問題と考えております。そこでそのキロワツトはどのくらいのものを出す計画かと申しますと、ざつと水力にいたしまして百三十四万キロワツト、火力にいたしまして十五万五千キロワツト、約両方で百四十九万キロワツトのものを出す計画で目下進んでおるのであります。この計画のみによりましても、約金額にいたしまして一千二百億以上の資金を要するわけでございます。そこでそれでは現状はどうかと申しますと、本年度は最前御説明申上げましたような継続工事の滝越と、それから成出と新庄の三つの発電所を完成いたしますので、これが七万キロ、大体本年度中にでき上る予定になつております。更に私どもは木曾川に丸山という地点がございまして、これが約十二万五千キロ出るわけでありますが、これは私ども就任早々どうしても一日も早くやらなければならないという考え方から、準備工事にかかりまして、この九月には一応入札もいたしまして、そうして現在もうどんどん本工事にかかつておる。これが約三カ年という計画でありましたが、更にこれを二カ年半、できればそれ以上に短縮して完成をさせたいと、こういう考えで、これは今目下工事をどんどん進めております。そのほかに北陸に椿原と、これは三万八千キロワツト・アワーであります。それから更に打保と、これが三万二千キロワツト、これを早急にかかるべく準備をいたしまして、もうすでに建設事務に着手しております。これが今我々が即刻かかりつつあるものでございまして、これが約二十万キロワツトあるのでございまして、これは大体最初の予定ではあとの二つの発電所は三十六カ月の予定でございましたが、これを十カ月短縮しまして二十六カ月で竣功させようと、こういう計画を持つております。それから更にこれに附属します最前申上げました三十六万ボルトの新北幹線、これに附随いたします牧方の変電所、その他送電線、変電所なんかを総合いたしますと、どうしてもこの五カ年間に約二千億の金が関西電力だけでも、これだけのものを開発しようと思うと要るわけでございまして、二千億と申しますと約年に四百億円ずつの資金を調達しなければならないと、こういう立場に立つておるのでございます。で私どもはこれは経営者といたしましては、非常に確実な道を歩いて経営し、発電すべきが常識でありますが、今日この場合にはなかなか金を作つて発電所の工事にかかるということでありますれば、三年かかる工事が五年かかり、六年かかるということになりますので、経営者といたしましては頗る乱暴なことであるとは思いますが、どうしてもこれは我々の熱意を以てやらなければならないという決心で実は丸山の工事にいたしましても椿原、打保の工事にいたしましてもかかつておりまして、丸山工事一つにいたしましても送電線を入れれば約数十億の金を注ぎ込まなければならない。それでは現在それが全部目当てがついておるかと言えば、なかなかそういうわけには参りませんので、幸い見返資金の線に本年度は入れて頂きましたが、それにしましても、自己資金を半数以上はどうしても自分らの手で作らなければならないというので、これには目下いろいろな方策を講じておりますが、なかなかこれは至難でありまして、むしろ冒険に近い私は経営法だと思つておりますが、それをしなければならないというのが今日の電力事情だと私は確信してかかつたわけでありまして、今後或いは資金に非常に行詰るというようなことがあると思いますが、その節には是非こういう場合でございますので、皆様の御助力を得まして、是非ともこの事業を私は完成させたいという熱意に燃えておるわけでございます。
 次に最後の電気事業経営上の諸問題でございますが、これも詳しい経理状態に至りましては、中村副社長が担当して何しておりますから詳しくお話を申上げると思いますが、大体本年度の関西電力の長期資金といたしましては、電源開発資金といたしまして、約八十四億円、それから発送、配電設備、改良費用として約四十億、計百二十七億の資金を長期資金として要するわけでありますが、これが約半数は、例えば最前申上げました継続工事の見返資金とか或いは丸山の見返資金とかいうもので一応目当はついておりますが、あとの六十四億というものはこれはどうしても自己資金としてやつて行かなければならない。それで只今社債の枠を拡げて、そうして社債の面においてこれを獲得するということと各市中銀行に歩きまして、そうしてこれが融資を頼んでおりまして、これが完成に努力しておるわけであります。短期資金といたしましても御存じのように、大体百十三万トンの石炭計画が百二十八万トンに上りましただけでも、而も若しこれが過去の石炭の状況により千円なり千二、三百円石炭が上るといたしましても、これのみでも関西電力は約二十三億乃至四億の出費がこの下半期に要るということになりまして、これが金融についても、これが赤字の解消についても経営者といたしましては非常に悩んでおる次第でありますが、併しながら現在は我々はとにかく何と言つても一企業体ではあるが、やはりこれは公益を優先すべきだ、従つて何とかしてこの際この危機を会社の採算は或る程度度外視しても、切抜けなければならないという考えの下に、こういうふうな石炭の買付による二十数億というような赤字も我々は忍ばなければならない、先ず会社を先にするか、産業を先にするかということでありまして、これは先ず産業を先にしてそうしてこれに御迷惑をかけないだけの何を我々としては努力すべきだ、然るのちにその結果会社がこうなるということになれば、私どもははつきりとそれを申上げて、そうして会社の立つようにして頂くというのが本筋でなかろうかと思いますので、現在の我々の心境といたしましてはそういう心境によつて進んでおりまするが故に、将来この金融に対しましても、或いはこの赤字に対しましても本当のことを申上げて、或いは料金の面で考慮して頂くとか、或いは補助金の面で考慮して頂くとかいうような時代も来ることと存じますが、なお私ども自身といたしましても会社の経営は永遠のものでありまして、一期二期がこれによつて会社の存在が徹底的に破壊されるとも思つておりませんので、この点もよく考慮に入れまして、そうして将来の経営をやつて行きたいとこう思つておる次第であります。
 甚だ簡単ではございますが大体御指示になりました綱目によりまして私の説明を終らして頂きたいと存じます。なお詳細は担当重役も来ておりますから、御質疑に応じたいと思います。
○委員長(栗山良夫君) ちよつとお諮りいたしますが、昨日の例に倣いまして一応四十分程度で各社の御説明を伺いまして、それからあとに本日は最高首脳者のかたがたのほかに担当の重役のかたがたが大勢おいでになつておりますから、細かく御質問に答えて頂けると思いますので、さような工合に取運びだいと思いますが、御異議がございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(栗山良夫君) それでは引続きまして中国電力株式会社の社長島田兵蔵君にお願いいたします。
○参考人(島田兵蔵君) 私中国電力の島田でございます。よろしくお願いします。本日こちらにお招きを頂きまして現在の電力事情又将来につきまするいろいろの諸問題をお話をさして頂く機会を頂きましたことを私ども厚くお礼を申上げます。
 いろいろこの度の渇水につきましては一般の需用家のかたがたにも大変御迷惑をおかけいたしまして、この点私ども誠に申訳がないと考えておるわけであります。
 この対策につきましては、特殊な渇水は別でありますが、現在の電力事情から考えましているく将来に対する計画も立てて、成るべく早くそれを実行に移したい、こういうふうに考えておるわけであります。
 これから中国の事情或いは将来の計画につきましてお話を申上げたいと思います。御通知によりまして実は四十分ぐらいというお言葉でありましたので、余り数字的に書きますと却つて煩雑でありますので大体図表にして参つておりますので順予といたしまして中国地方の電力事情というのを先ず御覧を頂きまして、この中国地方のこの度の渇水或いは現在の事情がどうなつているかということをお話申上げまして御質問の筋に移りたいと考えております。
 中国地方の電力事情(説明資料)とありまする図表を一つ御覧を願いたいと思います。第一表は、電力の減少いたしました状況を八月以降九月の中旬までの時日におきまするカーブでありまするが、中国地区といたしましては、七月は先ほど関西の太田垣社長からお話がありましたようにやはり豊水でありまして、別に制限等いたしませんで供給を続けて参つたのでありますが、八月に入りましてから水が枯れ出しましてこの図表にございますように八月の中旬には一四%ほど供給力が足りなくなつて、下旬には五%、九月の上旬には一二%、九月の中旬が大体一八・五%、九月の下旬が二六%、十月上旬が三一%、それから十月中旬とありまして、そこに大体二四%ぐらいのところがあるのでありまするが、十月の十四日にルース台風が参りまして、十日平均でありまするというとそういう程度に下るわけであります。この図表でおわかりになりますように一応八月の中旬まで雨がありませんで、中旬から下旬にかけまして少し雨があつたのでありますが、八月下旬以後は十月の十四日の台風が参りますまでは殆んど雨がなかつたような状態であります。
 次に第二表に参りますが、こういうような供給力の不足に対しまして当社といたしまして打ちました手は、八月の五日から自社の事業用電力の使用自粛、これは常にこういうような気持で従業員にはやらせておるのでありますが、特に一般の消費を節約し、又制限をするような段階でありますので、特に自粛をいたさせたわけであります。それが五日から現在まで続いておるのであります。それから啓蒙宣伝によります昼間の消灯、使用禁止需用、一家一灯と申しますような成るべく一つ電灯で御辛抱願いたいというような啓蒙もやつたのであります。これは九月に入りまして九月の二十日からやつたわけであります。それから深夜電圧の低下、深夜は大体にどの御家庭におきましてもたくさんつけてはおいでにならないのでありまするが、その使用目的がただ或る程度の明りを保つというふうな関係もありますので、こういうふうな逼迫しました時期にこういうこともやつたのでございます。その次が単相送電、ホタル送電とも申しますのですが、そういうことも実は深夜或いは初夜或いは早朝等に分けまして九月の特に悪かつた時代は行なつたのであります。その次が停電日の設定、それからリレー式の停電深夜停電、それから大口乙の制限、これは告示によるもの、それから自主的のもの、これは自主的と書いてありますのは、告示によります制限ではまだ電力が不足いたしますので、特に需用家にお願いいたしまして、更に御協力を願つた時でございます。それから自家用発電の動員、これは東洋紡の岩国の火力、鐘紡の防府の火力、帝人の岩国の工場、帝人の三原、協和醗酵、東洋ソーダ、宇部セメント、こういうふうな七会社に御協力を願いまして、自家用の動員をいたしたわけであります。動員の対象となりました会社の認可出力、可能発電力、動員可能の平均電力というのは、その表にありますように認可出力は五万八千キロへ七箇所の会社でありまして、この可能発電力は三万五千三百四十、動員可能の平均電力は一万三千百キロ、こういうふうな状態であつたのであります。八月分といたしましては、三百二十五万一千百八十八キロワツト・アワーの電力を頂きます。九月分では大体三百万キロワツト・アワーほどの電力を御援助願つたわけであります。十月は月末としてまだ統計がとれておりませんので、十月分はこの表に載せることができませんでした。
 それからその次に第三の表でありますが、自然流量、川の水はどういうふうに動いたのか、これは十日平均で出したのでありますが、点線の分が昭和二十四年度であります。それから二十五年度の分はつうちよんといつたやはり斜線であります。それから実線が昭和二十六年度で、この実線を御覧頂きますとわかるのでありますが、七月は非常に水が出ておりまして、大体七月の中旬で設備の三十二万キロほど水力があるのでありますが、大体一ぱい出ました、それから雨がありませんで、ずつと減りまして、八月の上旬の終りには十万キロ程度に減つて参りました。それからずつと雨がありません。これは十日平均と申しまするか、極くひどいときには五万キロを割りまして、四万七、八千くらいの日があつたのであります。それから十月の十四日にルース台風が参りまして、このカーブで御覧になりますとわかりますように二十万キロほどに中旬の平均がなつている。こういうふうなわけであります。
 第四表を御覧頂きます。第四表は貯水がどういうふうに変つたかというのを昭和二十四年、五年、六年のものを書いて見たんでありまするが、極く薄く見えます点線が昭和二十四年度であります。で下に高暮貯水路が落成いたしましたのが昭和二十四年の十二月二十日、貯水量が千七百九十三万キロワツト・アワー、こうなつておるのであります。昭和二十四年のカーブを見ますると、大体に九月の上旬におきまして相当減つております。それから十一月、十二月が可なり減りまして、二千万キロワツト程度に下つております。ところが昭和二十五年は増加でありまして、この十月、十一月、十二月は非常に水が多かつた。本年度を見ますというと七月の中旬これは今貯水が一ぱいであつたのでありまするが、その後雨がありませんで、ずつとそれを使いまして九月の二十日前後には四百十二万トン、即ち一割以下に貯水が落ちてしまつたのであります。それから十月の十四日あの台風によりまして非常に少いところのものが四千九十六万、大体に全貯水量の八割程度に戻つたというのが現在の貯水の状況でございます。
 その次の五の発受電の実績、これは昭和二十三年から二十六年までとつておるのでありまするが、大体に私の地区といたしましては常に普通の状態でありますと、大体火力は常に入つておるのであります。この表で御覧を願えるとわかるのでありますが、昭和二十三年度におきましても二月それから二十四年度におきまして一月から三月まで二十五年度におきましても十二月から三月までは零から下へこの地帯間融通が行なつておるのでありまするが、これは他所の地区へ送つているものでございます。さようにいたしまして、この図表のトータルを御覧願いますと一番上の線でございますが、昭和二十四年の八月乃至九月を境といたしまして、大体の負荷が非常に殖えて参りましてこれは朝鮮の問題以後の傾向でありますが、非常に殖えて参つておるのであります、それは昭和二十六年の七月以降、即ち八月以降になりますというと、御承知のようにこの度の渇水がありましたので水力のカーブも極端に下りまして、これを火力を以て補つて来たとこういうふうな実情であります。昭和二十五年におきまして十一月から翌年の三月までは火力を相当焚いておりまするが、これは他社への送電のために焚いたものでございます。
 それから第六表を御覧を頂きます。これは電力用炭受入れ消費及び貯炭の実績を昭和二十五年度から六年度について図に示したものでありまするが、貯炭を御覧頂きますと非常によくわかるのでございまするが、この昭和二十五年の四月には貯炭が十一万三千六百四十六トンあつたのでありまするが、このカーブの終いの二十六年の九月の末には一万六千百七十トンに減つておるのであります。それで日発と分れまして、この度新らしく中国電力ができました当時の貯炭はこの図で御覧になるとわかるのでありますが、五万トンあつたのであります。ところが八月以降の渇水に石炭をたくさん焚きましたために、貯炭がこのように減つたわけでございます。それでは貯炭はどうなつただろう、石炭が入つてないのじやないか、こういうふうにお考えになると思うのでありますが、入炭のほうも可なり入つておりまして、この昭和二十五年度のカーブと六年について御覧を頂きますというとわかるのでありまするが、七月以降の渇水以来当地区としては比較的用意が浅うございまして、水力は枯れ勝でありますので、どうしても石炭に依存しなければなりませんので、非常な努力をいたしまして石炭を獲得いたしましたわけであります。八月、九月はかなり入つておるのであります。昨年あたりの例を見ましても今年のほうがはるかに石炭の入りました量も多いわけであります。消費の面、点線の部分を御覧を願いますと先ほど申上げました昨年の十一月から本年の二月まではかなり石炭を焚いております。焚いておりますが、このときには水力も相当ありましてそうしてなお石炭を焚いて外へ電力を送つた結果であります。併し本年の八月以降におきまする貯炭を使いましたのは、大体によそへ送つたのではなくて自分のところの消費を補充する、そういう意味でできるだけの石炭を焚いたのでありまするけれども、やはり渇水のため、そういたしましても大きな制限をして一般のかたがた非常に御迷惑をおかけした結果になつたのでありますが、それで二十六年度のその次の七の図表を御覧頂きますと、本年の石炭の使用及び消費及び今日までの実績と将来の計画がそこに図示してあるのでありますが、先ほど関西の太田垣社長からもお話がありましたのでありますが、本年の電力用炭は六百三十万トン、それから当社分が八十二万七千百トンとこうなつております。同時に大体今年の石炭が六百三十万トンで足りるのか足りないのかという議論がありまして、六百三十万トンという石炭は殆んどとにかく獲得することができないだろうという意見もあります。又司令部あたりでは七百五十万トンないと今年は足りないだろうという御意見もあつたのであります。当社の計画といたしましては上期に三十五万八千五百トンというふうな計画であつたのでありますが、実績は四十四万六千三百五十七トン得たのであります。それでこれは大体に八万三千トンほどの超過というものがあります。この調子で行きますというと、これを月割に大体五カ年平均の電力で何月にはいくら要るかというふうな予想を立てまして、その累計を書いておるのでありますが、当社といたしましては宇部炭田がありまして、宇部炭が多いのであります。九州炭はそこにございますように三六%、宇部炭が六四%こういうふうな程度に入つておるのでありますが、本年は大体に八十二万七千トンという予想が百万トンを越すのだというふうに今では考えております。恐らくこういうことは実現してもらいますことは好みませんけれども、現在の水或いは現在の負荷の状況から申しますとどうしても百万トンを越すように私ども考えて、この石炭を入手いたすよう努力をいたしておるのであります。
 それから八の図表を御覧願いたいと思います。八の図表の第三水曜日と書いてありますほうの図表は、七月十八日の第三水曜でありまして、大体にその月のロード・カーブをとります場合には、大体第三水曜をとつておるのが例であります。これで御覧を願いますというと、太い線が総需用、その日にかかります需用の状態であります。零時から二十四時まであるのでありますが、深夜が大体に二十五万キロくらい、これは七月でありまして、実は荷の少いときでありますが、多いときこれから冬にかけますと四十二万乃至多い日は四十五万くらいかかるのであります。これはこの細い線はそれは水力でありまして、これは下のほうを御覧願いますとゼロのところからマイナス五というところがあるのでありますが、そのゼロから下の大部分は水力を自分のところの負荷で消費しきれない、要するに余りますとよその地区に出ております。それから点線の分は自分のところの水力だけで足りませんので、火力を焚いて補つておる。これは本年の七月十八日の需給の状態でございます。それから十月の十日とありますこれは第二水曜日とありまするが、大体は第三水曜日をとるのが普通でありまするけれども、制限をいたしておりました第二水曜をとつたわけであります。第三水曜になりまするというと、ルース台風が参りまして流量が殖えまして自流が一ぱいになりましたために、この第二水曜日をとつて比較したわけであります。これを見ますると水力は非常に下のようになつておりまして、この先ほど申しましたように五万キロを割つている日があるのでございます。それで昼の九時から十二時まで、これは余計出ておりますのは、それから十八時以後の夜間のピークに対しまするものは、調整して水を出しておるわけであります。でこの図と第三水曜日即ち七月十八日の図面それから十月の十日の図面を重ねまして大きな線と大きな線との間が制限をしておる電力とすべてお考え下さればかなり強いての制限をしなければ持たないということがこれではつきりおわかりになることと存じます。
 それから最後のあと二枚残つております。ついでにお話し申上げておきますが、これは中国電力の電源拡充計画、あとで御説明申上げまするが、大体に二十六年度、七、八、九、三十、三十一年とこういうような順をおいて既設の水力、これは平均水量を六年間の平均水量をとつて作つたものでありますが、現在制限をいたしませんと大体に昭和二十六年度で二十七億キロワツト・アワーくらい要るのであります。それから昭和二十七年が三十億キロワツト・アワー少し出る。二十八年になりますと大体に三十三億キロワツト・アワーくらいになりまして、それが順次殖えまして三十一年には四十一億五千万キロワツト・アワーくらいになる予定であります。それでとれは先ほど関西の太田垣社長からお話がありましたように、需用の増を可なり厳密に調べまして、大きな工場はその工場の計画等も十分考慮し、又建設規模に対しまする電力量等も考えまして、可なり慎重にやつたものであります。既設の水力、既設の火力、新設水力、受電、融通等を重ね合せましても、現在のところ可なり足らないのであります。年を逐つてこの昭和二十八年頃までは足らなくなるのでありますが、今かかつておりまするもの、これからかかろうとしておりまする水力の発電所、或いは火力は、でき上ります。即ち五カ年計画が大体完成します三十一年には、大体需給がバランスするとこういうふうな予想で五カ年計画を立てたわけであります。
 それから十頁を御覧頂きますというと、拡充計画の五カ年計画は三十一年の終りにできますから、三十二年から発電所としては使えるわけであります。それを累積した表であります。三十二年には百二十五万六千九十一キロワツト、水火を併せましてこういうふうにしたい計画であるのであります。
 大体以上申上げましたことが今度の渇水に対しまする中国電力の状態、それにつきまする会社のとりました措置等でありますが、委員会のほうから御質問がありました点につきまして「参議院電力問題に関する特別委員会への説明資料」というのを御覧願いますと、今後の電力危機に対しまする電源方策といたしましてはいずれにいたしましても発電力が絶対に足らないのでありまするから、どうしても電源の拡充をやらなければならない、即ち発電所の開発をやらなければいけないことは申すまでもないのでありまして、この次に御説明を別に申上げたいと思います。
 それから「建設工事中の発電所の工期短縮並びに計画地点の早期着工」等につきましては、現在当地区といたしましては新湯村の発電所というのがありまするが、これは来月の四日に水を通しまして来月の十五日には運転に入りたいと考えております。その次に森原という発電所があります。これは来年の七月完成予定でありまするが、これも二ヵ月くらい工期を繰上げまして成るべく早く、この危機に一日も早くこれを利用したい、こう考えておるわけであります。その水力発電所につきましては、実はこの新湯村の発電所と申しますのは、非常に土工の進行中、即ち掘鑿中に水が出まして、非常に困難を極めたのでありますが、大体完成予定日になります本月末に完成させたい、こう思つておりましたのでありますが、少し遅れまして十五日には完成の見込みであります。これは八千五百十キロです。森原のほうは六千三百キロでありまして、これは二ヵ月間ほど工期を短縮いたしたい、こう考えております。それから明塚の地点があります。これは二万五千キロでありますが、これはもう請負もきまりまして近々工事に着手いたす予定であります。工期は二ヵ年間でありまするが、これも成るべく早く完成させまして二十八年の暮の重負荷期には運転ができるようにしたいと努力するつもりであります。長門峡地点、これは山口県でありますが、これもすべての準備が終つておりまして、できるだけ早く工事にかかりたい、こういうふうに考えております。なお明年度着工の予定であります。それからこれは岡山県でありますが、湯原地点の五万三百、これも大体二十七年度の計画だつたのでありますが、少しでも早く工事にかかりこの完成をみたい、こう考えまして本年度からかかることに大体私どもは方針をきめておるのであります。この地点を急ぎます理由は、現在中国電力の貯水容量は五千二百万ほどでありますが、この湯原の発電所は四千五百万ばかりの貯水がキロワツト・アワーにいたしましてできますので、これができまするというと貯水量が約倍になる、こういう考えでこれを急ぐわけでございます。これらの各地点はいずれも工事の機械化を図りまして数カ月の工期を縮めたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 火力発電所につきましては山口県の低質炭、これを使いまして小野田発電所の現在の三万キロ二台のところを更にもう一台を増設したい、こういう考えを持つておりまして、着々諸準備を整えております。又既設の、これは岡山県にあるのでありますが、三幅の発電所、これはボイラーを一躍据えますと二万五千キロ出力が殖えます。ピークにおいて二万五千キロ殖えますことは今の時代におきましては非常に必要でありますので、資金の見通しがつきますればこれも着手をしたい、こう考えておるのであります。
 (三)は「重油燃料使用計画」、これは先ほど関西さんでもお話があつたのでありますが、非常に最近石炭事情が悪いのでありまして、特に炭質も下つておりまして、非常にこの発電所を運転をいたしますものは困りますので、できるだけ一つほかのものも焚ける、そうして石炭の使用を減らそう、こういう考えから混焼装置をつけるということを具体的に考えておるのであります。これはいろいろもう機械も或る程度注文いたしまして、そういうふうなことを進めております。なお坂の発電所、これにも同様な装置をつける、こういうふうな計画を進めておるわけであります。
 四番目の「火力用燃料の買付手配」、現在特に問題になつておりまする燃料の買付のことにつきましては、この項のあとの分にございますので、その点で申上げたいと思います。
 なお次に(五)の「自家用火力発電動員」、これは先ほど需用のところでお話し申上げたのでありまするが、当地区といたしましては、大体先ほど申上げました七カ所のほかには、大体あるのは幾分小さいのがあるのでありまするけれども、動員できるような状態になつておらないのであります。先ほど申上げました七カ所で可能出力は三万五千三百四十キロであります。そのうち動員可能の電力は一万三千キロでございます。本年におきましてこの一万三千キロの動員を願いまして非常に私どもは助かつたわけでありまして、将来におきましてもできるだけその自家用をお願いいたしまして、動員をお願いする考えでおるのであります。
 その次は「既設発電所の出力回復計画」、これは水路の漏水とか、或いはランナーの摩滅、こういう問題をよく調査いたしまして、これを水路の漏水はとめる、又ランナーの摩滅いたしましたものはこれを早期に取り替えまして、なるべく一キロでも多くこの発電量を増すという計画を立てておるのであります。本年におきましては二百六十万キロワツト・アワー程度のものを増加し得ると考えておるのであります。
 その次は、損失電力の軽減対策でありまするが、これは非常に問題になつておる項目でありまして、私どもこれにつきましても非常に関心を以ていろいろ研究をいたしておるわけであります。送配電線の電力損失というものは、戦前に比しまして需用構成が変りまして、こういう関係がかなり多く響いておるのでありまして、それに需用の増加、又設備の劣化等のためにも相当この電力損失は増しておる状態であります。中国電力といたしましては、二十六年度にキロワツト・アワーにいたしまして四千九百万キロワツト程度のロスが減りますように電力の軽減工事を現在施行中であります。二十五年度の損失実績は擅用を含めまして三一・二二%、これを三十年度におきましては二六・八%程度に下げたい、こういうふうな計画を立てまして着々ごの問題も実行に移しておるのであります。このロスの問題は、日本のロスと称しますのは、発電所のステーシヨン・サービス、或いは擅用等が入つておりますので、ちよつと見ますとかなり多く見えるのでありますが、これを減らしますことは擅用を減らすということも一つの手段にもなるのでありまして、又ステーシヨン・サービスというものを別に考えるという考え方もないのではないのでありまして、ただこの数字が大きいから非常に外国の状態よりも悪いんだということであるのでありまするが、そういう点を細かく分析いたしますれば、それほど極端に大きいことは実は私ども考えておらないのであります。大体電力損失は当社といたしましてはそういうふうに考えておるのであります。
 それから二の電力相互融通に関しまする意見を申上げますると、地帯間相互融通の上期におきまする実績を申上げますると、中国の異常渇水でありましたために九州から頂きました受電は、契約受電量が八百八十万キロワツト・アワーでありましたものを千三百三十万キロワツト・アワー頂いておるのであります。それから送電契約の電力量は三千二百三十万キロワツト・アワーであつたのでありますが、それは三千二百五十万キロワツト・アワーを送つておるのであります。又関西からの受電の契約は八千八百四十万キロワツト・アワーに対しまして九千二百八十万キロワツト・アワー、送電は五百万キロワツト・アワーに対しまして三百八十万キロワツト・アワー、上期の実績はこういうような状態であります。
 本年下期におきましては、平水を仮定しまして、なお且つ火力発電が完全稼動されたと仮定いたしましても、全国的には数%の電力不足が予想されるのでありますが、上期の実績から見まして出水状態がこれよりも一層悪くなるであろう、というようなことが考えられるのであります。この間に処しまして会社間におきまする電力融通は現在では非常に困難となるものと想像されるのであります。これに対しまして各会社間におきましては、融通電力量をどうするかという問題について非常に真剣に考えておりまして、上期までは考えておりませんでした出水率にスライドせしめる、こういうことを一応考えまして融通操作の円滑を期せんとする契約が現在話を進めておる状態であります。なお電力制限実施の場合に各社間の制限率を成るべく均等化する、即ち甲の会社が制限をしないのであるが、隣の会社が極端に制限をする、こういうようなことは成るべく避けたい、こういうようなことも考えまして、隣接地域の電力事情を極端に悪くしないというような処置も考えておるわけであります。
 なお(二)の非常事態におまきする給電連絡会議の組織及び運用の強化、こういう問題につきましても非常に実は各社間でこの問題につきまして心配をいたしておりまして、円滑を図るための組織或いは運用の強化策、又給電連絡会議につきましては各社の給電部の部長であるとか、又はその代務者を出しまして、下期を通じまして大体に東京におることにする、そういうような方針でおるのであります。なおその責任も会社の重役さんにその責任を負つてもらう、こういうふうな考えを以ちまして定時或いは不定時に随時に参集をいたしまして給電連絡会議を指導するというような方針を立てておるわけであります。
 なお、給電連絡会議の附属機関でありまする中央給電連絡所の人員は現在四十一名であるのでありますが、これも十名増しまして、その設備等も整備する、こういう計画を目下立てまして話を進めているのであります。
 その次に三の火力用燃料の入手状況及び見通しについて申上げます。
 上期におきましては需用電力量の増加と、八月以降の旱魃によりまする異常渇水のために水力発電力の減退が非常に甚しかつたために、石炭の入手には非常な困難を感じましたが、できるだけこの獲得に努力を払つたのであります。先ほど申上げましたように、上期におきましては計画は三十五万八千五百トンであつたのでありまするが、それが約二五%も上廻りまして、四十四万六千五百トンとなつたわけであります。入手しました量は四十一万二千二百トンでありまして、この差が、即ち当社の貯炭が五万トンでありましたものが一万六千数百トンに減つたわけであります。この所要石炭の買付に当りましては、石炭の即ち産出量が不足しているという問題、或いは石炭の価格の値上り等につきまして、非常にこの石炭の買入資金の調達には私どもは困難をいたしたわけであります。
 次に今後の見通しにつきまして申上げますと、今期の貯炭は今までにないように少いのでありまして、需用の増加又は冬期の渇水等を十分考えまして、火力発電所を高度に運転する、こういうような考えで石炭計画を立てたのであります。その買付手配には万全を尽しまして、遺憾のないように努力を続けているのであります。
 最近の買付の手配につきましての、状況を申上げますと、宇部炭につきましては十月から十二月までの分、これは大体買付契約を終りまして、従来通りの即ち上期通りでありますとしまするというと、大体に一〇〇%入るのではないか。このトン数は十九万トンであります。又九州炭につきましては、数量の契約は大体に済んだのでありますが、まだ炭価の契約はできません。目下交渉中であります。従来からの状態より見まして、その見通しは大体八〇%程度九州炭も入るのではないかと私は考えております。特に中国電力といたしましては、日発から引継ぎました当時の実績によりまして、九州炭については炭坑との直接取引量が非常に少かつたのでありまして、殊に大手筋との取引量は毎月六千トン程度でありまして、全消費量の一五%くらいにしか当つておらなかつたのであります。中国電力となりましてからは、できるだけ大手筋の炭を余計入れたい、こう考えているのであります。幸いに資源庁の斡旋によりまして大手筋の石炭を電力方面へ増量の計画が着々進められておるということを承わつておりますが、その増量の各社別の割当につきましては石炭の消費量に応じまして分配されるものと私ども考えておるのでありますが、分配の如何によりましては入炭量に大きく響くのではないかと、こういう心配を私どもはいたしておるわけであります。
 次に中国電力といたしましては、今期上期におきまして最大の努力を石炭買付に払つたのであります。石炭の消費量が予定数量よりも先ほど申上げましたように非常に多く使つております。下期と同様の努力を払わなければならないと考えておるのでありますが、これに対しまする金融の問題、これは当事者といたしまして非常に苦しんでいるのでありまして、これが事態が非常に悪い場合には、即ち石炭の買付が困難であるために電力の不足というふうな問題にからまつて来るのではないか、こういう問題を非常に心配いたしておるわけであります。
 それから電源開発の現状と今後の年次計画につきましては別表につきまして御説明申上げます。
 五の電気事業経営上の諸問題につきまして申上げます。電気事業者は前の値上のときに積極的な開発であるとか、或いは設備であるとか、設備の改善、サービスの改善、こういう問題等も考えまして料金の適正化という問題から七〇%の値上、これを当局へ申請したのでありますが、結果は三割六分二厘の値上を認められまして、本年の八月十三日から実施されておるのであります。かような状態であるのでありますが、次のような原因によりまして収支の均衡を得るということは極めて困難な状態であるのであります。それを申上げますと、即ち異常渇水或いは需用の増加、石炭費の増加値上り、そういうふうな問題、又火力の動員所要資材の値上り、こういうような問題が非常に大きく、この我々の経営を脅かしておる状態であります。なおこの度中国地区におきましてはルース台風が参りまして、これの非常な被害を受けまして、突発的なものでありまするが、こういうものの修繕費に非常に出費が多いのであります。かような状態でありましてただ単に勿論やらなければならないのでありますが、社内の合理化ということだけでは解決はできないのでありまして、これは解決の策といたしましては、どうしても料金の適正化ということを考えなければならないとこういうふうに考えておる次第であります。なお二番目といたしまして電源の開発とか設備の改善、それに要しまする所要資金、並びに当面の電力危機突破に必要な石炭買付資金等は非常に巨額に上るのでありまして、その調達は当社が当面しております深刻な問題なのでありまして、これは先ほど来繧々申述べておるところであります。こういう問題につきましてこれの解決策といたしましては、即ち収支の是正のための料金の適正化は勿論お考えを願わなければならないと思います。次のような事項を必要と考えておるのであります。
 即ち見返資金であるとか、或いは国家の融資措置が強力に行われなければなかなか将来の電気事業というものは経営が困難である。で又資金の調達を一般金融に求めまする場合におきましても、これを優先的に融資を願いたい。又渇水とか或いは特別な台風のごとき被害等のあつた場合がございます。即ち偶発的の経費に対しても特に何かの融資の方法が講ぜられたい、こういうふうに考える次第であります。
 大体以上を以て五項につきまして申述べましたが、残りました五カ年計画を申述べたいと思います。この中国地区電力拡充五カ年計画改訂案抜萃というのを御覧願いたいと思います。
 この第1表は電力需用予想表でありまするが、昭和二十四、五年は実績であります。昭和二十六年はこれは予想とありまするが、実績の出ておるところまでは実績は入つておると思つております、どこかに書いてあると思いますが……、それから二十七年、八年、九年、三十年、三十一年、こうありまするが、電灯及び電力の需用状況を書きまして、それから下に発電端の換算電力量とロスがその下に書いてあります。大体に先ほど申上げましたロスも年を逐うて少くするよう努力いたしておる次第であります。かような構想の下になおその次の二頁のところに2の表に需給平衡表というのがございます。これが総需用それからそれに既設新設とありまして他社受電、委託発電、合計とあります。それが(B)マイナス(A)というのを(C)といたしまして地帯間の融通、それから過不足というのがあります。そこの過不足というのを見て頂きますというと、昭和二十五年は大体に過不足は零でありまして、他社からの受電或いは委託発電をやつて頂きますれば、この制限等なしに済んだというわけであります。昭和二十六年はキロワツト・アワーにいたしまして一億七千七百万キロワツトほど足らないのであります。昭和二十七年におきまするというと、五億七千三百五十万キロワツト・アワー、昭和二十八年におきまして五億四千七百八十万キロワツト・アワー、昭和二十九年には三億二千七百二十万キロワツト・アワー、こういうふうな五カ年計画をやつて行きましても、今発電所の工事にかかりましても、来年度即ち二十七年、二十八年、二十九年度には相当に即ち電力は不足するものと考えられるのであります。
 それから三頁に設備の計画というのがありまして、こういうふうな考え方の下に次のすべての五カ年計画を立てたというわけであります。水力発電設備新増設工事というのがあります。(a)の1というのがございますが、御覧を願いますと継続工事で新湯村、森原それから新規のところで明塚、長門峡、向道、湯原こういうふうに新設工事の計画がございます。で年度別の所要工事費というと、なおそこに横に線の太いところと割方横に線の細いのがありまするが、太いところは大体発電所の大きなところでありまして、こういう工事は会社といたしましても非常に急がなければならない、この需給状況から見ますというと急がなければならないものと、こう考えております。その線の上にこの明塚の例を見ますというと、二十六年の十月に始めて、そうして二十八年の十一月に終ると、こういう計画であります。昭和二十六年度におきまする所要資金が七億四千八百万円、これは二十七年、二十八年と書いてありますが、それは所要資金をその年度に書込んだのであります。
 それから(a)の2でありますが、これは水力発電所の設備強化ということでありまして新設でないものでありまして出力の回復、そういうふうなことをやります問題であります。或いは水路のセクシヨンを大きくする、或いは発電機だけを、水力発電機だけを換える、そういうふうなものであります。その次は、損失電力の軽減工事その他基礎の小口工事というのがございます。これも各年次別にその支出を考えておるわけであります。それから(b)の1というのに火力発電設備新増設工事というのがありますが、小野田の三号機五号罐、六号罐の増設工事というのを一番早くやる考え方でおります。即ち昭和二十六年度からかかりまして、二十八年の八月に完成させたいこう考えております。なお先ほど申上げましたように、三幅の即ち六号罐七号罐の増設によりまして二万五千キロを多くする。この問題も本年度にかかりたい、こう考えております。一番下の小口工事でございますが、これは現在あります発電所の七千キロワツトを松江の発電所に移設する工事であります。これも最近工事にかかる予定をいたしておるのであります。
 それからその(b)の2の火力発電所設備の強化。これは坂或いは松江という所の附属機械の改良工事でありまして、それによりまして出力を増加させようというのであります。その他というところの小口工事というところに小野田、宇部、三幅、坂というのがございますが、それもいろいろやはり小さな問題がありまして、それを改造することによりまして少しでも出力を増加させよう、こういうふうな考え方のものであります。
 それから(C)の1というところに送電設備工事が書いてございますですが、これは発電所の完成に伴いまして送電容量の少い所は送電線の電圧を上げるとか、或いは新らしく送電線を作るという工事をここに挙げたわけであります。これもここにございますように、年次別にやりまして、そうして書き上げましてそこに所要資金も大体に書入れてあるのであります。
 それから二枚ほど飛びまして(C)の2の変電設備の工事というのがございます。これはやはり先ほど申上げましたように、発電所の新設、或いは送電線ができますと、地方の事情によりましてやはり変電所の設備を変えて行かなければならないというものもございます。又新らしく変電所を作らなければいけない地点もありますので、そういう所におきまする変電所の設備の工事及びその期間、工費等を拾つたものでございます。
○委員長(栗山良夫君) 予定の時間が大分超過いたしましたので……。
○参考人(島田兵蔵君) それではこれを以ちまして私は終ることにいたします。
○委員長(栗山良夫君) それでは引続いて四国電力株式会社にお願いいたします。四国電力株式会社理事菊地宏君。
○参考人(菊池宏君) 四国電力の菊地でございます。
 本日は折角お招き頂きました機会に社長が参るはずでございましたけれども、誠によんどころない事情のために欠席いたしまして誠に申訳ございませんが、私代りまして御報告や、お願いや、御挨拶を申上げさして頂きます。
 お尋ねを受けております順序に従いまして要点を申上げます。
 第一の電力危機に対する問題でございますが、幸いにして四国地区はこの夏以来は本州中央部を中心といたしました電力危機に比較いたしますと恵まれた状態を続けまして、いわゆる異常の需給調整をしなくつて今日に至つておりますので、いわゆる法的な需給調整規則の発動をお願いせずに至つておる状態でございますので、或いは非常に楽な状態で経過したのではないかという御想像を抱いておる方もあるかと思いますが、必ずしもそういう状態が継続したわけではございません。勿論御承知のように四国はあの小さい島国で山が浅く且つ険しいために、いわゆる鉄砲水でございます。従つて一時の水はありましても、渇れましたときの渇水は相当に厳しい。従いまして今年の夏以来の需給状態も相当怪しげなところまで追詰められつつも、幸いにして慈雨に恵まれましたために、只今申しておりますような状態が続いたのでありますが、最も甚しい場合には水力は平水の五割を割つた時もございますし、あらゆる手を打ちまして今日まで凌いで来ておるのが現状でございます。従いまして今後の電力危機は当然に予想しなければなりませんのでよその電力会社同様、これが対策には非常な苦慮を続けておるのが実状でございます。
 只今まで業者の代表が申されました通り、何と申しましても現在の危機の原因が需用の膨脹であり、電源の不足であるということでありますので、これの適当な解決が具体的方策としては殆んど絶対でございます。私どものほうも同様でございますので、特に需用面の対策と電源拡充面の対策について種々考えておるのは御想像頂けるかと存じます。只今まであらゆる手を打つて来たと申しましたが、それは以下の項目にございます燃料関係、そのほかにも触れますので、その節にも申上げるわけでございますが、この項目における方策として先ず考えておりますことは、どういたしましても当面の問題としましては水力の減退を火力で補う。そうして供給力を飽くまでも確保したいということが勿論我々としても最も重大に考えておるところでございます。これは四国が石炭が全然地内にございませず、専ら九州からその送炭を仰いでおります関係上、今後殊に冬に向いまして海上輸送が相当危険であるということが想像できますので、これの確保に対しては特に深甚の注意を払つております。なお今後もこれは払いたいと存じますので、この問題は更にあとで御質問の際にもう少し申上げたいと存じております。供給力の増・強につきましては火力の増強は勿論でありますが、消極的な増強としましてのロスの軽減、或いは擅用の撲滅というような点につきましてはおよそ想像のできる限りの努力を払つておりますし、今後も具体的に注意を払うつもりでおります。各需用家の使用合理化という面が相当実際問題として取上げてやはり効果が多いということを現場では特にこの夏以来の実情から痛感いたしておりますので、この面には一層の努力を傾けるつもりでございます。需用関係のほうにつきましては、やはり全国的な傾向ではありますが、四国での需用の増加も相当著しいものがございます。最近の殖え方は、約前年の同月に比べまして、二割五分乃至三割の需用増加でございます。而も昨年以来供給力としての発電所の増加いたしましたのは、四国地内では僅か三千七百キロの一水力発電所のみであります。而も渇水時には非常に利用価値の少い水力、流れ込み式の小さい発電所のみであります。非常に今後の問題が心配されますので、新規需用の調整ということに非常に苦慮いたしております。日本の産業の適当なバランスをとれる線がどこにあるのであるかということを関係方面と折衝を続けながら、この新規需用の処理に対して、この春新会社が発足いたしました直後、我々のほうの会社といたしましては、最高方針としてのこの対策に苦心をいたしております。特に役員会の議題にまで上せまして、これについていろいろ協議をいたしまして、専ら最高責任者のところで新規需用の供給をすべきか否かということの問題を決定することで、新規需用の態度をとることにいたしておる状態であります。この新規需用の処理に対する問題は、特に需用家としましては、その需用者の経営上の問題から最も重大なことでありますので、とかく需給両者間のトラブルを巻き起しかねませんので、種々困難な場合に遭遇いたしますけれども、遺憾ながら現在の電力事情の実情から見まして、そういう態度をとつて参つて来ておる状態であります。今後の危機に対する具体的な方策として、更にこの面を取上げることになつております。この石炭が焚き続けられまして火力による供給力の維持、確保を図るということを、供給力の増強上十分に継続したいということにしながら、特に四国の場合従来の火力の実情が専ら補給火力としてしか設計されておらず、計画されておりませんために、今後の火力の補給がどこまで続けられるかということに対して、実は少からん心配をいたしております状態で、何とかしてこの夏分にその火力の補修をやりたいというのが実情であつたのでありますけれども、それができないために、これから先の危機突破として火力の需用に果して重荷がかけられ得るかどうかということに対して、非常に心配はいたしております。ただ併し現在年度計画として予想しております量以上を、現在といたしましては予想いたしまして、この乗切りを只今考えておる状態であります。主な第一の項目に対する方策として、以上申述べます。細目につきましては下期需給対策要領といたしまして、パンフレツトに書いております点で御了承を受けたいと存じます。
 なお、パンフレツトには現在出ております需給調整規則或いは今後改正される見込みであります需給調整規則、それによりまして需給調整を法的にやりますまでの段階といたしまして、例えばこの夏以来私のほうがやり、或いはよその地区でもやられておりましたことでありますけれども、その際の需給調整の具体的な方法というものも、一応計画を作つておるわけであります。需給調整規則の発動は、やはり異常な渇水の場合に発動をお願いして、できれば需給両者間の話合いのものによる需給制限で、何とかして切抜けて行きたい。その場合の具体的な調整方法はプリントに書いてありますような内容のもので話合いをして行きたいと考えております。
 第二番目の電力の相互融通に関しましては、私のほうは地帯的に本州中央部と現在としては電力的には繋つておりませんので、勿論石炭の全国的操作面におきましては一様に御迷惑をかけたり、いろいろ助け合つて頂いたりはしておりますけれども、直接に繋つておりませんために、一応いわゆる意見はないのではございませんけれども、この際御遠慮申したいと思います。
 それから火力用燃料の入手状況とその見通しにつきましては、今後の電力危機の方策として十分考えなければならないわけでありますが、実は私のほうの従来の入手状況は決して十分ではなかつたのでありますけれども、他地区に比べますれば、かなりの量が確保され続けて今日に至つております。大体貯炭を二万七、八千トン程度、三万トン足らず程度を続けまして今日に至つております。このことは実は相当の無理を続けまして、冒頭申しましたこの夏以来の、危機とは申しませんが、相当の需給の不均衡を来しました際に、切抜け対策といたしまして、無理なと思われるほどの入手を続けました結果でございます。勿論これもやつと今日までできております一番大きな理由は、資金面の操作でございます。私のほうの会社は御承知のように全国でも収支面では最もまずい、収支上非常に苦しい会社でございます。従いまして、収支面の石炭購入資金としては殆んど余力はございません。料金原価で認められております石炭費も、新らしい現在の石炭の値段には遥かに及びませず、収支上浮びます石炭資金としては勿論なかつたわけでございますが、年度初め新会社早々石炭購入資金といたしまして市中銀行から特に二億円の融資を受けました。これは説明これ努めまして無理な市中融資を受けたわけでございましたが、その後幸いにして石炭手当の便宜を図ることになりまして、大体二億円と申しますのは、五千円前後を予想しまして四万トン程度の貯炭を目標としたのでありましたが、遺憾ながら実情はトン当り約六千円前後でありましたので、而も前渡し金として相当の金額をお渡しするというのが普通の石炭業者との間の実情でありましたために、予定通りの貯炭はできておりませんけれども、その融資を利用いたしまして大体三万トン前後の貯炭が継続されて、凌いで来たというのが実情でございます。このために一時殆んど貯炭がゼロになりまして、六月頃でありました、ゼロになりまして、殆んどすべての火力が火が落ちるというところまで行きましたときに、だんだんと又貯炭が殖えて現在のような状態になつておるわけでございますが、下期の対策といたしましてはやはり冒頭申しましたように、冬の海の危険を考えまして、現在では足りませず約三万或いは三万五千トンということは最低量目標として貯炭に努めたいとかかつておりますが、現在といたしましては必ずしもこれが満たされそうな見込ではない。遺憾ながらそういう状態でございます。併し大体業者との折衝の結果は、各月の契約、毎月の入炭契約が三万二千八百トン、まあ大体三万三千トン程度の入炭契約はできております。できました。併し遺憾ながら契約はできましても入炭率はとても一〇〇%は望み得べくもありませんので、先ず最高の場合八〇%と見まして大体二万五、六千トン程度のものが確保できるということを見通しをつけながら、只今現実の入炭促進或いは今後の増炭契約を折衝中の実情でございます。ただ関西地区或いは本州中央部の異常渇水、又石炭対策の異常な手が打たれつつありますために、若干四国地区への影響を恐れておりますので、離れ島としての融通連絡のないこの冬を切り抜けるためには、是非ともこの三万トン前後の毎月の入炭に対しては飽くまでも確保しなければならないということを考えております点を御了承願いたいのであります。
 なおこの石炭に関しては私実際の処理をいたしましたことなどから考えましても、飽くまでも資金の面が先決のように考えます。只今料金に織込まれておりますものでは到底足りないのが全国の実情でもありますし、これの融資につきましては特別の御配慮を進めて頂いておると承わつております。格別の御配慮をお願いしたいのであります。
 次の電源開発の現状と今後の計画並びにこれに関するいろいろな方策につきましては、簡単な電源開発計画についてという。パンフレツトをお届けしておりますので概要御覧頂きたいと存じますが、冒頭申上げましたように四国の電源はやつと今年の六月に三千七百キロの水力ができまして、いわゆる継続工事は完了いたしましてからは、新規工事として期待されますものは今年度はその他ありませんし、来年度も望めないのであります。遺憾ながら空白時代ができまして、只今最も促進をせがんでおりますのは徳島県所在の松尾川発電所という発電所であります。これは私のほうの。パンフレツトの六頁と七頁の間に四国地区の簡単な一覧を添えておりますが、吉野川の中流にあります地点でございます。吉野川の支流の支流でございますが、非常に建設費が安くてでき上る地点でございまして、丁度この十月から具体的に試掘をいたしております。これはピーク用の発電所として期待いたしておりまして、四国の石炭の不足を補うために是非とも早急に完了したいということで努力いたしておりますが、どう努力いたしましても、来年度はできませず、再来年の八月に第一期工事を完了いたしまして大体通水を見ることになつております。ダムの完了その他は更に数カ月延びますけれども再来年の夏並びに冬の予想される需給のアンバランスに対しましては相当の役割を果すものと信じまして専ら努力いたしております。この松尾川の発電所は約三十億円の所要資金でございますが、六万キロに対しまする三十億円でございまして、現在は誠に異例な安価な発電所ということになつております。ただこの発電所がやつと再来年の夏過ぎにできるというわけでありますので、是非何がしかの繋ぎをという考えから、目下西条市、これは新居浜のちよつと西にある市でございますが、そこに現在三万二千キロの火力発電所がございます。それで大体六万キロの準備で整えております火力発電所でありますが、それへボイラーの一罐増設、八千キロを実施することによりまして、来年の夏八千キロだけの火力の設備の拡充ができるということで、本来望ましい水力に並行いたしまして、この八千キロの火力発電所を増設計画いたしております。更に今具体的に考えておりますのは、只今の水力、或いは火力では到底需給のアンバランスは救えませんから、高知県の東南のほうに奈半利川という川がございます。高知県の東南、いわゆる室戸岬の近くでございますが、これは全国でも最も降雨量の多い地点でありまして、年間平均四千ミリと言われております。最高七千ミリ、最小二千ミリの実績でありまして、平均四千ミリと言われまして、全国でも一、二の多雨地点であります。この奈半利川へ十二万五千キロの発電所を目下設計中であります。これは二十七年早々に準備にかかりまして、二十七年四月に入れば具体的な着工ということで、諸般の準備をいたしております。この奈半利川は相当の資金を必要といたしますので、大体十二万五千キロに対しまして、百十五億円が予想されております。相当の資金が必要でございますので、これの見通しにつきましては非常な不安もございますし、我々の努力のみでは追つつけない点が多分にあるかと思います。けれどもあらゆる努力を傾倒して、これの開発を是非ともやりたいということで、只今申しておりますように、具体化を進めております。
 もう一つ四国地区の開発の具体的になりつつあるものといたしましては、高知県の大体中から西のほうにあります四万十川の上流の須崎発電所であります。これは元来この四万十川とか四国の吉野川と申しますのは、いわゆる国土開発計画として、単に電源開発のみではなくて、洪水対策或いは灌漑対策というような面から、国策として取上げられつつある地点でありますが、今話題に上つておりますところと抵触しない地点の須崎というところを選びまして、ここで十六万キロの水力開発を只今計画中であります。これはどういたしましても昭和三十年度が完成ということに考えられますが、いろいろこれらの問題につきましては、四国地内でのみ開発するのが大局的に有利であるか、或いは合理的であるか。現在石炭事情で非常な問題を孕んでいる中国或いは九州方面とも御相談を相当必要とするとも考えられておりますので、これらにつきましては、この最終の発電につきましては、更にそういう方面とも御連絡の上で具体化が図られねばならない、図りたいということを、只今四国電力としては考えているところであります。このうちの最初の松尾川の発電所六万キロと、西条火力の八千キロ、これにつきましては現実に着工いたしておりますから、そうして又資金的にも具体的な御助力を得ることになつておりますから、四国の需給の緩和に必ずはつきりと役立つものと確信いたしております。
 次の最後の電気事業の諸問題、これは先ず大体電気事業者としての御意見は、各社或いはほぼ一致するのかもわかりませんが、我々といたしましては現在の最大の関心事は、どういたしましても需用家から喜んで盛立ててもらう企業となることであると考えます。そのために安心して使える量と質の電気を供給することが少なくとも必要である。我々の態度なり今後の進め方も、少くともそこに目安を置くべきであると存じております。なかなかこれらに対しましては、現実とその目安との一致が困難なのでありますけれども、飽くまでもこの方向に経営上の中心を向けたいと考えているわけでありますが、これらのためには消極的な方策或いは合理的な電力使用とか、ロス軽減などは勿論卒先して実際の効力あらしめねばならんのでありますけれども、結局落ち着くところは電源開発というところに落ち着いてしまいます。そうして又それは結局資金の問題に現在としては落ち着いてしまうのであります。ところが現在この資金の面は非常に苦しい。利潤のないところには金融はない、これは当然であろうと思いますけれども、この電気事業が公益事業であり、生産の基であるというものでありますために、何とかして赤字か赤字に近いものでありながら金融が続くというだけで、もう新規開発の資金については暗沮たるものでありまして、遺憾ながら自弁は非常に困難な状態なのであります。これらにつきましては勿論電気料金で専ら開発資金を回収するということは許され得べくもありませんけれども、少くとも償却による資金がこれらの開発資金或いは再生産資金を救うものである、救うものでありたいということは、我々経営上常に考えておる問題であります。前回の料金問題の際に非常な話題の種を醸しましたけれども、この料金上、開発資金として或いは再生産設備資金として考えられるものにつきましては、今後国会のほうにおかれましては格別の御好意ある御配慮を是非ともお願いしたいのであります。
 なお、これは経営上の諸問題におきまして、四国のみの問題でありますので特に一言折角この話題を申述べるようにということでございますので申上げますが、四国のみの特有の問題といたしましては、住友共同電力への電力供給の問題がございます。これは電力危機或いは需給調整と密接な関係がございます。いわゆる電気事業経営ということと、電力需給或いは今後予想される電力危機ということとは非常な関連もありますために、特に申上げて御関心を得たいのでありますが、現在旧住友関係の工場を対象といたしまする住友共同電力に対しましては、旧住友系の水力の全発電量を遥かに超える量、キロワツト・アワーを四国電力からは供給いたしておりまして、その量は四国の総需要量の三分の一を超えておるのであります。今後の見通しといたしまして、重要物資の生産として更に住友関係の工場への増加供給の要望が聞かれますが、これをあえて行う場合には、四国の住友以外の一般産業並びに四国の一般産業は人絹、人繊、紡績等の繊維工業或いは紙、一部の鉄鋼業というようなものが中心でございますが、そういう一般産業や全需用家は非常な圧迫を受けることになります。これらに関しては是非とも我々としては調和を図りたい、調和を図りつつ円滑な経営なり需給を期待したいと考えております。結局においてはどうしてもこの問題は四国内の完全な電力の一社化、一元化ということが必要であるということが我々としては常に考えられておるところでありまして、機会あるごとにこの点は申述べておりますけれども、今日この際改めて四国の電気事業経営上の問題点のうち、特に御報告し、且つお願い申上げる次第であります。
 取りあえず簡単ではございますが、御説明と御報告を申上げます。
○委員長(栗山良夫君) 最後に九州電力株式会社の実情を御説明願います。佐藤篤二郎君。
○参考人(佐藤篤二郎君) 只今御指名にあずかりました九州電力の佐藤でございます。九州のほうの事情をこの委員会で説明する機会を得ましたことを厚く御礼を申上げると共に、又日頃考えておることを申上げて皆さんの御参考にもと存じまして、只今から御説明を申上げたいと思います。
 委員会から御質問になられた項目について御説明いたします前に、一応九州が他の電力会社と違う点について御認識を頂いて、そのあとで御説明申上げたほうがよりいいんじやないかというふうに考えます。従つてお手許に差上げた資料のうち、九州電力の現況というのの第七頁の、九州の電気事業における特異性ということにつきまして極く簡単に申上げて見たいと思います。
 九州は電源面から見ましても、需要面から見ましても、他の地区と違つた特異性がありますので、先ず第一に電源の特異性について申上げます。というのはその一つは九州は火力の依存度が非常に高く、全国的に見て水主火従というのでありますが、九州は逆に火主水従である。即ちそこに書いてありますように、九州の火力は五三・五%、水力が四六・五%となつておりますが、全国は九州を除いた場合において、火力が僅かに三〇%足らず、水力が七〇%というふうになつておるのであります。
 更にこの水力の資源が非常に貧弱でありますので、変動の中が大きく、不安であるということが一つの特徴であります。全国を一〇〇といたしましたときに、その常時出力を見ますと、既設が七・六%、未開発が五・五%で、合計が六・一になつております。それに対して九州の河川は非常に貧弱で、降雨があつた直後は水力発電は急激に上昇します。又減退も非常に多いということが一つの特徴であり、又本州では雪が冬に降りまして、夏の雪融けのときの豊水がありますが、九州は雪が降りませんので五、六月に渇水、五月が渇水と申しますか、そういう現象があるのであります。
 それから第三番目に貯水池の容量が非常に乏しいのであります。九州では二十五年度の需用の総量に対して約二日分しかの貯水量がありません。併し全国的に見ました場合、十一日分である。いわゆる全国的の十分の一の貯水量しかないというのが又一つの特徴であります。
 その次に、このサイクルが二つのサイクル系統がある。六十と五十とが両方あるという特徴があるのであります。
 そこで今度は需用のほうの特異性はどうかと申しますと、電灯需用は九州は一六・四%で、電力が八三%というふうに非常に電力のほうが多い。全国的に見ますと、これが電灯が二一%で、電力が七八%というようなことになつております。即ち九州においてはその産業面、いわゆる動力面に非常に大きな電気が使われておるという特徴があります。
 而も又その次に申上げますが、この基礎産業の方面にどう使われておるかと申しますと、鉱業、金属工業、化学工業等の生産材用の電力を五百キロワツト以上について申上げますと、九州は全需用量の五九%というものがそれに使われておる。然るに全国で見る場合には三七・三%にしかなつておらない。殊に又石炭用電力が非常に多いのでありまして、いわゆる全需用量の四〇%が石炭用の電力に使われておるというふうになる。そういつた特異性があるという下において、委員会から御指定になりました問題について御説明申上げたいと思います。
 「九州電力の事業の現況と予想」というのを御覧頂きたいと思います。(イ)といたしまして御質問のありました「今後の電力危機に対する具体的方策」はどうかという問題でありますが、それにつきまして第一といたしまして、先ず「下期の需給見通し」を申上げて見たいと思います。上期の需給の実績は水力が一九%豊水であつたのと、一方その豊水よりも以上に需用が殖えておりますので、火力においても七%、石炭にしまして十三万トンばかり余計焚いております。即ち公益委員会の計画を一三%上廻りまして、二十六億九千四百六十万キロワツト・アワーを供給して、先ず先ず上期においては一般のの需用家に御迷惑をかけんで済みましたが、九月中旬から渇水になりまして、緊急制限を頻発いたしました。そして下旬には法的じやありませんけれども、かなり強い自主的制限を需用家のほうにお願いいたしまして、そうして危機を切り抜けて参りましたが、下期になりますというと、需給の均衡が非常に保持し得なくなつて参つたのであります。十月四日から法的制限に入ることになりました。その後ルース台風の襲来によつて降雨に恵まれましたが、一方風水害も相当なものがありまして、水力発電所で発電不可能になりましたのが二方八千キロくらいございましたし、その他の損害を総合いたしますと約四億円にも上るものと思われまするが、一方この電力の不足は幾分は緩和できましたが、やはり法的制限を解除するまでには只今のところ至つておりません。
 渇水期を前にいたしまして急激に減水することを先ほど申しました九州の特異性として考えましたときに、下期の供給力を平水年、いわゆる九カ年の平均といたしました場合に、火力のほうは石炭が量或いは質とも所要通り、我々が希望する通り入手できたといたしましても、火力発電所をフルに運転しても、なお一%くらいの不足が出るのじやないかというふうに想定しております。勿論来年の三月には築上火力が三万五千キロ完成する予定もそれに入れております。で九州においてこの需用から見まして、下期においては火力発電を設備限度一ぱいに運転いたしましても、水力が三割くらい豊水でなければ需給にバランスがとれないというふうに考えております。従つて平水でありますというと、十、十一、十二月においては九万キロ乃至十二、三万キロの不足電力となりますし、一、二、三月になりましてもなお三方キロ乃至七万キロくらいの不足となるのではないかという想定をいたしております。
 そこでその(2)といたしましてこれに対する具体的方策はどうするかと申しますと、只今のところ私たちといたしましては、先ず第一は、石炭の対策、只今のところ百二十五万トン、炭質の平均カロリーを五千六百八十六カロリーというふうに想定しまして、その確保に努力しなければならんと思いますが、九州の石炭対策は相当重大な問題でありますので、これはあとに特に燃料対策として申上げて見たいと思います。
 それから電源増強対策といたしましては、ほかの各会社がおやりになつたように水力発電所の漏水防止とか、或いは渓流取入れとか火力の能率向上ということを勿論やつております。
 又電力の合理化対策といたしましては、損失軽減とか、能率向上とか、或いは使用の合理化とか、無駄排除、調整機を取付けるとかそういうことについてもほかと同じように一生懸命やつております。
 大体以上の措置によりまして電力の危機をとにかくこの冬は切抜けたいというふうに考えておりますが、先ほど申しました通り七月の実績を基準として考えました場合に、三月は一〇%不足となりまして、又そのほかの月では二〇%から四〇%の不足が来はせんかというふうに考えております。非常に我々としては心配しておる次第であります。
 そこでこれに対しましてはどうすればいいかと申しますと、いわゆる自主的の計画制限と、法的の制限によるほかはないじやないかというふうに考えております。その各月の数量につきましては第一表の昭和二十六年下期供給力予想表というのに詳細載つておりますから御覧を願います。
 その次の「電力の相互融通に関する意見」はどうかというお尋ねでありますが、九州は他社との相互融通については非常に簡単でありまして、中国電力とのみやつておる次第であります。
 第一としまして本年上期までの相互融通の状況を申上げますと、終戦直後に昭和二十年十二月に関門の間の幹線、これは十一万ボルトでございますが、これができましたので、その幹線を使いまして九州と中国さんとの間に電力の授受をやることになつておりますが、その量は九州の全体の発受電量の五%以内でありまして、先ほど申しました通り全体の電力量から申しますとそう大したことはないのであります。五月から九月末までの実績を申しますと、先ほど中国電力さんからもお話があつたようですが、契約量の三千二百万キロワツト・アワーに対しまして九州のほうは殆んど一〇二%ばかり受電しております。又中国のほうに送電いたしました分は八百八十万キロワツト・アワーが契約量でありますが、それに対しまして一五一%送つたような次第であります。今後の電力相互融通についてはどう考えるかと申しますと、いずれにしてもお互いの隣合いの電力会社において甚だしく制限に違いがあつたり、或いは渇水に対してどうするかというような問題については、只今それぞれの機関において協議中でありまするので、いずれ決定することと存じております。第二表に九州と中国間との相互融通の実績を載せて置きましたから御覧願いたいと思います。それで九州としまして相当重要に考えております火力用の燃料の入手状況及び見通しということについて多少詳しくお話申上げて見たいと思います。
 第一番としまして、第一四半期の状況について申しますと、この期の用炭につきましては、再編成になつた直後でございますので、各社とも申合せによりまして日発にその手当をお願いするということにいたしまして、日発の買炭契約を私たちは引継いでやつた次第であります。今年の五月中旬から雨が非常に少くなりまして、六月に入り空梅雨の模様を呈して参りましたために、石炭消費量がぐんぐんと増したのであります。これに応ずるために大手業者のかたがたに繰上増炭を極力お頼みいたしました一方、中小炭鉱及び商社に対しましても納炭を督促いたしまして、用炭確保に努力しましたが、この間一部非常に悪い炭を納めるために非常に炭質の低下の甚だしくなつたということは甚だ遺憾に思つておる次第であります。新会社発足後五、六の両月の消費量は、公益委員会の計画量に対しまして十一万トン上廻つて消費いたした次第であります。それから第二四半期に入りまして、これからは新会社において買炭契約を行うこととなりましたので、最初の会社の買炭の方針を決定いたしました。九月末の貯炭を十二万トンというふうに想定しまして、六月末までの貯炭の約三万トンとの差九万トンを第二四半半期において予定消費量よりも余計に入手するという方針を立てたのであります。なお買付量のうちには、三池炭は直結した港と港第二というふうに考えておりますので、それを除いた総量に対しまして、九州の産炭の量などから申しまして、大手に対しては四〇%、それから六〇%を中小炭鉱の産炭に依存したいという考えをここで立てました。それから粗悪炭はどうしても排除しなくちやならんというところから、炭質を向上させるためにいわゆるカロリーのアラウアンスというものを、これをやめようじやないかということで、その中止を強行しようというこの三つの方針を立ててやりました。本期はこの夏涸れ期においてトン当り七百乃至八百円炭価値上げという非常に奇現象と申しますか、石炭の値上りがありまして、非常に乱調子であつたように私たちは思うのでございますが、幸い地元に炭鉱を持つており、緊急手当の際にも各炭鉱に増炭計画をお願いして、そうして無理であるといういろいろ炭鉱のかたがたの御意見もありましたが、七月中旬になつてようよう先ほど申しました十二万トンの貯炭ということが非常にむずかしいということで、貯炭については断念せざるを得なくなりましたが、ただその期間の消費量を確保したいということに目標を変えまして、只今のところではそういつたことでやつておりますが、この第二四半期においてもやはり公益委員会で設定されました計画量よりも、なお二万八千トン余計入つております。合計いたしまして十三万八千トンだけ余計焚いておる次第であります。このように当社といたしましては発足後常に公益委員会の計画量を上廻つた石炭の消費をしておる次第であります。
 それから次に大手業者のかたがたからの買炭増量については、一躍して私たちの考えている四〇%ということに行くのは、これは非常に困難な事情があるようでありますが、極力私たちとしましては、ほかの先ほど申しました非常に悪いカロリーのものを納める商社というものが出て来ないためにも、是非これはお願いしたいと思つております。それでこの粗悪炭を排除するために数量的に減少したことが非常に支障になりましたけれども、私たちとしてはこれは断然やるべきだという考えから七―九月の間に折角入りて来たんですが、非常に炭質が悪いので五百四十五両、総量にして八千三百六十三トンも返しております。併し半面において先ほど申しました大手筋、並びにこの中小炭鉱のかたがたの御協力によりましてカロリーが非常に上昇して参りまして、六月の平均カロリーは五千三百十三カロリーであつたものが、八月には五千六百四十カロリーというふうになつて参りまして、先ほども申しました五千六百八十六カロリーに大体近いものを得たことは非常に私たち喜んでおる次第でありますし、又今後ともそういつた努力を続けて行くつもりをいたしております。
 第四四半期の状況について申上げますと、下期のこの火力発電の計画をいろいろ考えますと、当初基本の要請量を月割十九万四千六百トンというふうに考えた次第であります。その後港第二発電所の増設、これは非常に突貫工事をやりまして、十一月末のはずを約一カ月半繰上げて竣工いたしましたのですが、それに対して月割十九万八千八百トンと変更いたしました。これに対して引受の不足量を見込みまして、月に二十一万七千百トンというものを各業者のかたがたにお願いすることにいたしまして、そういう取運びをいたしました。併しながら一方業者の要請量といたしましては、先ほど申した通り、大手筋に四十、ほかに六十ということで更に二十一万七千百トンを振り分けてお願いしておる次第でありますから、これはそこの表にも載つておりますから、御覧頂けば結構だと思います。ところが十月二十日の現在の月割引受量は十五万三千九百五十トンで、私たちが考えているのに対しまして、なお七七・四%だけしかできておりません。これについての今後の見通しはどうかと申しますると、そこに第三四半期の月割の引受量の十五万三千九百五十トンを各月どう入るかと申しますと、約十月には十四万七千トン、十二月には十五万六千トン、十二月にも十五万六千トンというふうにいたしておりますが、九月後に大手筋から繰上げて増炭を受けた分の四千百トンを十月分から引いておりますので、十月分は多少減つたような恰好になつております。それに対しまして、今持つておるのと九、十、十一、十二月のこの四カ月に石炭が入つて来たのと、この消費等を差引きまして、結局月末貯炭におきましては、十二月においては足らんという結論が出ております。そこでこれを更にどういうふうにこの足らんのをやつて行くかということについて、今我々がやつており又考えていることを申上げますと、以上の見通しによつて現在の引受量に対して一〇〇%確保したとしても、なお十二月には三万四千四百三十トン足らないという状態でありますので、先ず第一に大手関係としまして、幸い今日も御出席のことでございますが、三井の三池炭の月割五万八千七百トンに対しまして、月一万二千七百トンだけまだ欲しいのでございますが、これは三井の本社さん、或いは現地というところに私たちいろいろ交渉中でありますが、大体として港の発電所用炭については、三井鉱山さんとしては十分御考慮下さるものというふうに考えておる次第であります。そこで三井外の大手関係の引受不足量は月約二万三千六百五十トンとなつておりますが、現在政府が考えられておる関西電力向け用炭の確保というものとからみ合いまして、九州のほうでもこの中小炭鉱に対して何トンか石炭を確保したいということで、その点今極力やつております。多少そこに数字は書いてありますが、時間の関係上省略させて頂きます。
 そこでその次の電源開発の現状とそれから今後の年次計画並びにこれに関する各種方策という点についてお答え申上げたいと思います。電源開発の現況でございますが、九州で現在工事中のもの及び二十六年度中に着工予定の主なる発電所をその次の第七表に載せてございます。このうち甲佐発電所でございますが、三千九百キロ、これは予定よりも二ヵ月早く竣工いたしまして、八月から運転に入つております。その次の上椎葉発電所でございますが、これは今着々準備工事中でありまして、恐らくこの冬には仮締切して本工事に入る段取に行くだろうと存じております。津江発電所新設工事ですが、これも二十六年の十月の予定を七月に繰上げまして、もうすでに運転に入つております。その次に火力の港第二発電所増設工事でございますが、これは五万キロの分でございますが、来年の三月までの予定でありましたものを、十月の十五日からフルに運転できるようになつております。築上の発電所は来年の五月ということになつておりますが、これは二月乃至三月に竣工させたいと思いまして今極力やつています。
 それからその次に新規工事といたしまして、今回見返資金に大体計上して頂けた分をそこに載せておりますが、水力は夜明の発電所、これは日田の近くでございますが、夜明の発電所が八千六百キロ、それから綾第二、これは宮崎県にございますが、一万四千、この綾系は第一第二その他を全部やりますと、六万乃至八万くらいは出るのじやないかというふうに見ておりますが、先ず第二発電所から着手したいということで考えております。
 そのほかに火力の増設としまして、相浦の発電所に五万キロ、築上の発電所に五万キロの増設を考えております。その次に苅田新設工事というのは、今回見返資金にこれは入つておりませんので、多少遅れるものと思つております。そこで先ほど申しました分を、二十六年度に電源増強される分が六万五百キロということになつております。二十七年には三千五万キロ増強される、二十八年度には十二万二千六百キロ増強されるという予定になつております。それ以下の五カ年計画につきましては、あとの第八表に詳細載せておりますので、御覧を願いたいと思つております。
 そこで九州といたしましては、この五カ年計画の中にも載せてはおりますが、玖磨川の開発、これは非常に大きな問題でありまして、二十万乃至二十五万くらいの開発があるのではあるまいか。これはかの只見川とか或いは熊野川、こういうようなものと同様なお考えによつて取上げられるべきものではないかというふうに考えております。
 なお九州におきましては、地熱発電所を研究いたしております。これはイタリアのラ・ルデレロというところで現に二十万かもつと余計出ておるはずでありますし、マーシャル・プラン等でもなおそれを大きくして行こうというような計画があるように聞き及びますので、九州は由布その他火山が多いところでありますから、今これを研究しておりますが、工業技術庁のほうでもやはりこの研究をやつておられて、私たちと手をとつてやつて行きたいと、それで早く国家の補助金をもらいたいというふうに私たちは考えて、何回か申請しておりますが、今度の議会に或いは出るのではないかと思いますから、その節はどうぞよろしくお願い申上げておきます。
 それからもう一つ大きく考えた電源開発については、先ほど四国さんから申された四国の四万十川、ああいつたところを開発して四万十第二に送電線を造り、それを北九州に持つて行く、そうすると北九州から四国の電源地帯までの距離は大体の観念としまして大阪から黒部までよりも近いか遠いか、まあ大体そんなところにあると思われます。従つてこの計画は決してとんでもないところに電力を取りに行くというふうにはならんだろうと思います。それで先ほど苅田に我々は新苅田発電所を六万キロを第一期として、将来二十五万キロくらいまで行きたいと、これは最新のアメリカの火力発電所を持つて来たいという考えを持つておりますが、そういつたものと今の四万十川との水火力を調整することになれば、先ほど四国さんが石炭を九州から四国まで持つて来て、冬の天候の悪いときを心配するというようなことがなくなるのではないか。従つてこの点も十分御考慮に入つて下すつて、この大きな問題もやはり国家的に考えて頂くべき問題ではないかというふうに考えております。電源開発については概略その程度でございます。
 最後に電気事業経営上の諸問題でどういう問題があるかというお尋ねのことでありますが、この電気事業経営上の一般的の問題と申しますか、そういつた点から申しますれば、日本の電気事業は公益事業として、或いは又基礎産業としての立場からのみでなくて、水力資源を最も有力な資源とする日本の状態から言うて、解決すべき問題がたくさんあるのではないかというふうに私は考えるのであります。いわゆる水力資源開発とそれの資金調達の問題、或いは火力発電の増強と石炭の問題、更に又進んで電気事業経営の健全化と適正な料金の問題、或いは産業の立地条件から電気をどういうふうに使つて行く、産業がどこにあるべきかとか、或いは地域差がどうかというような問題もあるのではないか。それから資本、経営、労働というものの調整の問題、最後に電気技術の向上と、研究機関をもつと拡充しなくてはならないというようないろいろな問題がありまして、只今申上げただけでも五指に余るものがあるのでありますが、これらの問題は適当な国策の下に経済界、或いは政府或いは学界というようなものの皆さんの御協力を得てやられることで、我々電気事業者のみの努力ではできない問題だと存じますので、この点については申上げませんが、大体今私たちの当面困つている問題をここで申上げたいと思う次第であります。御存じの通り二十五年度は全国的に非常に豊水でありましたので、電力需給の均衡が保たれておりましたが、二十六年度においては異常渇水のために需給のアンバランスになつて来まして、産業界は電力制限による生産減退ということになつて来ましたのですが、私たち電気事業の経営上から考えても非常に重要な問題があるのであります。で、異常渇水対策といたしましては地帯間の電力融通と、それから自家用火力の動員ということの強化が考えられると思うのであります。
 次にもう一つ石炭の問題でありますが、九州のように火力を半分も使つておるところでは、石炭の値段というものが非常に大きく響いて来るのであります。従つて石炭の、九州におきまして今度の料金には三千七百円織込まれておりましたが、仮に千円高くなりましたといたしますと、それのみでも百二十万トン焚くといたしまして十二億円の不足を来たすのであります。そのほかに設備一ぱい焚きますと、更に十万トンということになりますと、これがやはり四億乃至五億ということで一七、八億の石炭だけの不足が出るのであります。従つてその資料の末尾のほうに「二十六年度下期の需要対策について」として私から松本公益事業委員会の委員長に差出して置きましたのですが、根本的にこれは対策を講じて頂かねばならぬ問題ではないかと思います。それから、もう申すまでもありませんが、電力需要の増加に対しては電源増強の対策を講じなくてはならぬと思います。九州においては一〇%乃至一六%の需要増がありますが、今のスピードで開発いたしましてもそれに追いつくことはほど遠いことでありまして、むしろ幅がだんだん余計出て来るのじやないかというふうに考えておりますので、電源開発については異常な措置をとつて頂かねばならぬのではないかというふうに考えております。
 それからその次に申上げたいことは電気料金の適正化ということを申上げたいと思うのですが、先ほどもほかの会社からもすでに申されたことでありますが、やはり適正な料金に上げて頂かねば今の状態ではどうしても経営ができないということを申上げますと共に、九州のようなところでは石炭クローズが必要なんじやないかというふうに考えております。今折角我々のところで研究いたしておりますが、適正な料金であつて、而もそれが九州のごとき持殊なところにおいては石炭クローズを必要とするのじやないかということを強く考えておる次第であります。甚だ雑駁な説明で不行届きの多いところもございましようが、詳細に亘つては御質問なり何なりによりまして専門のものが両三名来ておりますからお答え申上げたいと思います。
○委員長(栗山良夫君) 委員諸君の質問に入ります前に、関西電力株式会社から先ほどの太田垣社長の説明に対しまして補足説明をいたしたいというので発言を求められておりますから、それを先ずお聞きいたしたいと思います。
○参考人(中村鼎君) 関西電力の中村でございます。先ほど社長からお話申上げました石炭の問題につきまして補足さして頂きます。先ほども社長からお話申上げましたように、本年の上半期におきましては大体二十万トンの貯炭を残しまして下半期十月に移るような計画であつたのでありますが、上半期におきまして計画より二十万トン余計の石炭を焚きましたので、僅か一万トンばかりの貯炭を以て十月に入つたのであります。大体十月以降下半期の計画といたしましては、十月に大体日量三千五百トン、月にいたしますと十一万一千トンでございます。それから十一月には大体日量五千五百トン、月にいたしまして十六万四千トン、十二月には日量七千四百トン、一カ月二十三万トン、これを以ちまして、大体第三四半期には五十万五千トンの炭を焚くという計画にいたしております。ところが、そういたしましてそれに対しまして石炭の確保は大体十、十一、十二、三カ月に二十五万五千トンずつ、毎月入炭確保いたしまして、合計第三四半期には七十六万五千トンの炭を確保いたしまして、そうして十二月末には二十四、五万トンの貯炭をおいて、来年の最渇水期に備えるという計画なのでございます。ところが実際におきましては、十月におきましてこの十一万一千トンを焚く予定が、すでに現在では十月もあと一日ばかりを残すことになつたのでありますが、大体今のところ十三万四千トン、計画よりは二万三千トンばかり余計焚くような実際の現状に相成つております。そして将来の石炭購入計画といたしまして、大体今のところ十月は十九万トンばかり入炭ができる予定になつております。十九万トンの入炭を十月一カ月で実際には、十月も一日を残すばかりでありますが、大体十九万トンは入炭できることに相成つております。そうしまして月末貯炭が大体六万五、六千というようなところの計画でございます。次に十一月につきましては、業者のかたにいろいろ御無理申上げて、又資源庁、通産局御当局のいろいろの御尽力によりまして、只今のところ大体十一月分につきまして、入炭の見込の大体ついておりますのは十八万六千トンばかりございまして、これはこの中には勿論重油の代燃を少しばかり始めましたので、その分が三千トン含まれておるわけであります。そういうものを含めまして十月は大体十八万六千トン、これだけのものにつきましては、まだまだ業者のかたに相当御無理を申上げ、先ほども九州の社長さんからお話がございましたように、契約はあり、入炭はありましても、カロリーの低い粗悪炭であるがために、それが使えないというようなことから、引取れない乏いうようなものもございますので、そういう点も十分いい炭を中小業者からも頂戴しようというような計画の下に、大体十一月は先ほど申上げた数字に相成るのであります。
 それから十二月につきましては、十二月はインド炭が大体三隻分二方一千トンだけ入るような今のところ計画になつております。この三隻だけは大体船のほうもフツクされまして、大体はこれは可能であろうと考えておるわけであります。その分が二万一千トン、それから重油の代燃が十二月には七千トンばかり使いますので、これを石炭に換算しまして一万四千トン、こういうものを加えまして二十二万トン大体できるというような見積りでおるのであります。勿論くどいようでありますが、これだけの確保をいたしますには、いろいろ業者のかたには相当な御無理なり、御協力をお願いしなきやならないことには相成つておるわけでございます。そういたしましてもなお且つ先ほど申上げましたように、十一月につきましては多少計画から見ますと残るのであります。それでありますが、十二月は大体二十三万トン使う計画でありますので、二十二万トンではまだ不足ができるというようなことで、大体年末推定いたしますと、貯炭が年末にはやはり六万五、六千台、七万トン足らずの貯炭に相成つておるわけでございます。これは関西特有の事情でございますが、海がしけますと、何分九州から現在のところ大部分は三百トンなり、五百トンなりの機帆船で運んでおります関係上、冬分海がしけますというと、石炭が参らないのであります。それがために十一月までには、この間二十万トンの貯炭を必要とするわけでございます。発送電がやつておられました当時におきましても、大体関西地域には三十万トン程度の貯炭が大体あつたわけなんであります。下の第四四半期の計画を申上げますと、大体第四四半期は一月に日量九千三百トン、一カ月二十九万トン、二月には日量一万トン、月額二十八万七千トン、三月には日量六千五百トン、月額二十万一千トン、これだけを焚く予定に相成つております。以上のような焚く予定は第三四半期、第四四半期通じまして、これだけ焚きましてもなお一割程度の制限は止むを得ないと、こういう数字でございます。なお一月に二十九万トンを焚くということ、それから二月に二十八万七千トンを焚くということに相成つておるのでありますが、一月、二月は御承知のように海がしける時期でございまして、なかなかこの二十九万トン程度の入炭を確保することは、海上の都合によりまして不可能なのであります。どういたしましても一月、二月の実際入炭量はあらかじめ十一月、十二月の中旬までにはこれを確保しまして、貯炭として一月、二月に振り込まなければならない情勢にあるわけなのであります。その観点から見まして、今の計画ではインド炭を入れましてなお七万トン足らずの年末貯炭ということに相成つておりますので、石炭事情はここに非常に苦しい情勢に相成つておるわけでございます。一月、二月の渇水期、そして海のしけで船の着き難いのに、なお一月にはお正月がございまして、この間は船のほうも大分運搬量が減るわけでございますので、そういうことの関係といたしまして、どうしても年末には最低二十万トンの貯炭をいたさねばならないというような情勢でございます。現在の情勢から見まして、今後一層業者のかたがた、その他いろいろと御協力をお願いしなければならんような状態に相成つておるわけなのでございます。
 なお附加しまして、現在の関西電力の石炭の使用量が大体年二百万トンに上つておりまして、九州電力さんと大体上下する多量の需用でございますが、これに対しまして地域内に炭鉱が一つもない地域でございます。関西には炭鉱が一つも地域内にはございません。又北海道炭が中部、名古屋までは参るのでありますが、関西には非常に汽船の都合、或いは汽船の積合せの都合等によりまして、参る量が極く少ないのでございます。なお先ほど申上げました海上のしけ等の関係もございまして、石炭入手の上には非常に困難な立場にあるわけなのでございます。さような事態から、よほど平素から十分な貯炭を置いて置かなければ、いざというときの間に合わないような結果を来たす次第でございます。その辺をどうか十分に御了解をお願いいたしたいのでございます。又現在の中小炭鉱から相当量頂戴するということをいたしておるわけなのでございますが、中小炭鉱の契約を確保いたしまして十分に入炭を進めますのには、なかなか骨が折れるのでございまして、いろいろとほうぼうから購入が殺到いたしておりますので、できるだけ電気、電力事業のほうにそれを結び付けるというような関係から、中小炭鉱の増産の御融資に対しまして関西電力が補償をいたしまして、その補償によつてその増産の炭を結び付ける。紐付にするというような方法もいろいろと資源庁のお骨折によつて進んでおるのでございますが、こういう点も合せまして、将来の石炭の確保ということに一層皆さんがたの御協力によりまして進めて参りたい、かような計画でおるわけでございます。甚だ何でございますが、大体石炭並びに火力の発電所の現在の焚ける量というものにつきまして御説明を申上げた次第であります。どうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(栗山良夫君) それではこれから質問に入りますが、質問されるかたは、質問の相手のかたを明確に指名をして頂きまして、御質問を願いたいと存じます。
○山川良一君 私は質問じやないのですけれども、今の石炭のことでいろいろ苦労なさつておりますから、一言お話申上げたいと思うのです。それは私公益委員の諸君に来てもらいましたときに、かくせねば炭鉱は入らんということを申上げているけれども、どうも徹底してないようですから、要点だけ申上げておきたいと思います。もう一週間になりますか、日本経済新聞が私が話したことを私の名前で出しております。これを御覧頂きたい。それからこれも一週間くらいになりますか、時事新報が消費者である富士製鉄の社長、それから東京瓦斯の安西常務、それから資源庁長官、それと私と四人で話した記事があります。それをお読み下さいますというと、少しポイントはおわかりになると思いますから、これを御覧頂きたい。で、今石炭がどうして電気のほうに入らないかと申しますと、繰返し私申しておるのでありまするけれども、石炭の供給計画に乗らない石炭を獲得されようとしておるところに非常に困難性がある。一口に言いますと私どもはどうも常識的にいうと現在石炭は持つていないのであります。持つていないというと随分変なことを言うようでありますけれども、皆消費者に渡すことに話が済んでおるのであります。ですから今の電力の異常渇水による石炭を供給しますのには、増産かそのほかの約束済の石炭を切るよりほかにないのであります。増産は皆さん御承知のようにそう簡単には行かない。ですからほかの消費者のかたと話をつけて、そうしてお渡ししなければいけない。ところがこれは団体法その他のことがありまして、そう突込んではやれないのであります。先ほど申しました時事新報の記事を御覧になりますとわかりますが、富士製鉄の社長の永野君も、瓦斯会社の安西君も、自分たちはできるだけの協力はするという、それは自分たちの石炭も必要があれば渡す、こういうことを言つている。その席上でも……。ですが、そういう諸君にしてみますというと、自分たちは石炭を入手するために血の出るような苦労をしておるのだから、そう簡単には行かない。例えば瓦斯会社の場合、安西常務が言つたことをそのまま申しますと、自分は東京の供給区域におけるガスを二十四時間どうして絶やさないようにするかということを目標に一生懸命苦心しておるのだ。ですから、そうして苦心した石炭を割くということは非常に重大問題だというようなことを言つています。それでも何も割くのにやぶさかではない。こういうことを言つておりますが、私が申します消費者のほうから分けて頂くということも、皆様方の心からのお話と、それから又役所が中間に入つたほうがいいと思います。団体法がありますので……。私は可能であると思うのであります。で、公益委員長代理の松永さんは、どうも大手筋が協力しないから出荷命令でなければいけないということを前々の委員会でしたか言つていましたけれども、それはそう簡単には行きません。それは資源庁長官なんかもはつきり言つています。もう一つ問題は、大手が余計石炭を出しておるから余計供給すべきだというような話がありますけれども、大手が出しておりますのは大体七割を出しておりますが、そのうちに鉄とか、ガスとか、どうしても大手の石炭でなければできないものがあります。それを差引きますと燃料に使う石炭は大体実績から言いますと、大手と中小は半々ぐらいになつて参る。これも時事の記事に載つておりますから、御覧下さればはつきりします。ですから余計出しているから余計来るだろう、又当然だといつても実際の炭の質から申しますとそうはなつていない。さつき九州の佐藤さんから、大手から四割といつておられますので、非常に遠慮深く言つておられると思つて成るほどと思つておりますけれども、なお我々は、供給するほうで非常に誠意を以てやつておるということは、これは先ほど佐藤さんからのお話のように、私のほうの三池における港の発電所の五万キロワツトばかりの石炭の供給を頼まれておるのであります。これは予定よりも早くできて誠に結構でありましたけれども、私どもはそう早く石炭が要ると思わんところに飛び込んで来たので、ほかの消費を切るのに苦心しておるのですけれども、考え方としては何とかしてやりたいと思つておるのであります。それは私だけではありませんで、石炭協会は電力用炭の供給については本当に真剣に考えております。ですから大手のほうで余計出すということも、何とかして出そうという考えは持つております。ですから早く必要量を、いつにしても早く見通しを言つて頂いて、そうして現在から申しますともう十二月のやつがみんな約束済みでございますから、約束済みのほかのをどう切るかということが問題でありますから、その点はただ資源庁に言つて要請するというくらいのことでは到底動かない石炭になつております。それを獲得されるのには、我々がお渡しするのには、石炭業者は話さえつけばお渡しする覚悟でおります。ですけれども、すでに十二月分は約束済みで非常にむずかしい。それを打開されるには、ただ資源庁へ要請するような恰好ではいけないと思うのであります。なお一月以降の分については、これからいろいろ話がきまつて来るわけでありますが、その場合にも一応お考えおきを願いたいのは、又一月以降には正式に契約しますけれども、大体従来の取引関係は少くも維持する建前で行きますので、そうすればどうしても電力用炭が非常に殖えていますから、それをお渡しするのにはどうしても今までのほかの消費者の契約をやはり削減しなければ駄目だと思うのであります。多少の増産はいたしますけれども、増産分では追つ付きません。ですから一月以降の分も成るべく早く各電力会社で話をまとめられて、少くもこれだけの数量は是非確保したいということを早く、石炭協会がありますが、そこへ申込んで頂きたい。私は公共委員の人にたびたびいいますけれども、私はまだ聞いておりません。この席で幾ら欲しいというお話はありましたけれども、具体的の話は、まだありません。ですからまだ具体的の話をされないようでは、一応こういうものを私は頂いておりますけれども、もつと真剣な話というとおかしいが、石炭業者に対する話は少くとも会社の幹部にはまだ徹底しておらんと私は思います。ですから早く申込まれて、一月以降にどこの石炭を切つて電力に上げるべきかということを早く御相談しなければ間に合わんと思つております。ですからただ役所に相談するということではなしに、まあ率直に申して公益委員のかたの出荷命令で行こうということではなかなか入りませんので、一つそのおつもりで早く手当をされるのには、本当に瓦斯会社の安西常務の言つたようなことを御覧下さいまして、そうして一つ入手に努力して頂きたい。我々も電力を不足さして決していいと思つておりませんから、できるだけ御協力申上げます。いろいろ申上げたいこともありますけれども、貴重な質問時間に食い込んでもあれでございますから、これで終ります。
○須藤五郎君 太田垣社長にちよつとお尋ねしたいと思います。関西電力の危機が非常に深刻であつて、この間ハンストをやつたような状態であつたわけですが、ずつと今各電力会社の社長のお話を聞いておると、各社とも公益委員会の供給予定よりは殆んど皆上廻つた量を買つていらつしやるようです。そういう状態でありながら九月、十月に入りましてから非常な電力危機が来たというその原因は、六月、七月頃に豊水であつたにもかかわらずなお供給計画というものを無視して過度に電力を出した。即ち関西におきましては、ある石炭を予定よりはたくさん焚いてしまつたということが、結局電力が渇水期に非常な障害を来たしたというようなことを世間では言つておるわけなんです。私はそうも一概に言えないと思つておりますが、世間ではそういうふうに言つておる。若しもそれが事実となると、要するに供給予定よりもたくさん電力を出した。無理をして出したということには、やはり特需関係の要求を皆さんが無制限に容れた結果そういうことが起つて、そうしてその結果が今度は下期になつて、八月、九月、十月頃に中小企業に非常に迷惑をかけてしまつたということになると、やはりこれは中小企業に対して会社の責任というものが一応考えられるのではないだろうか、そういうふうに私は考えるのです。この間の偽わらざる事情を私はお聞きしておきたいと思います。それでないとどうも皆さんのお話を聞いておつて、なぜ今度のようなことが起つたか、これは供給のほうの計画だけしておいて、需要のほうを何ら抑えることなしに無制限に需要に応じたというために、そういう結果が出たんではないだろうかと思いますが、今度もそういう方法をなさるならば、又今度のようなこういう問題が今後も繰返されるのではないかと心配したのであります。それでそういう点を一つ伺つておきたいこと。それから先月か先先月の文芸春秋かに我々の先輩小林一三さんがいろいろな放言をしているように思うのです。外資をどんどん入れて、開発をどんどんやつたらいいではないか、利子が払えん、そんな心配はないじやないか、電力設備は外国に持つて行かれるとかそんな心配はない、発電所のような大きなものを持つて帰ることはできないから、そんなことをくよくよせず、どんどん開発したらよいじやないかというような放言をしていらつしやるように思うのですが、そういう考え方で果して外資というものが入つて来るかどうか、私たち今日の状態から恐らく外資が入つて来ることは困難だと思うのです。外資が入つて来ないならば開発はどういう状態でやつて行けるか、国内手持資金で開発がやつて行けるかどうか、それにはやはり金利の問題も起つて来ると思うのです。今電力会社は約一割の配当ということでやつていらつしやいますが、よその会社では殆んど金利が一割というところはない。皆一割五分ぐらいにはなつているように思うのですが、その一割の金利で果して皆さんの欲する資本が集まるものかどうか、これに対する見通しを伺つておきたいと思います。
 それから料金の問題ですが、新らしく開発をして行くというと、どうしても料金は今日の二倍乃至三倍にならなければ、それはやつて行けないという御意見が多いのですが、それなればこれは国民生活に非常に大きな影響を来たしまして、民間事業も成り立つて行かない面が起つて来ますし、あらゆる面に非常に大きな障害が来ると思うのですが、その障害を来たさないような方法で、それほど高くコストのつく電源開発というものがやつて行けるか、これは先ほどから聞いておりますと、電力会社のかたは皆さん非常に国士的な気持で、要するに犠牲を忍んでもやつて行くという御意見ですが、そういうものでいわゆる商業営利会社である電力会社が実際にやつて行つて、株主を満足させて行くことができるのか、又そういうことを実際いつまでもやつて行けるか、こういう点も伺いたいと思います。それですからどのような方法をとつたら実際に合理的な会社の経営というものがやつて行けるのか、そういう乱暴な算盤に合わないような開発をして、そうして安い電気を売つて会社の経営がやつて行けるのか、朝、北陸のかたの意見を聞いて見ますと実に悲壮なもので、会社が倒れるまでやるんだというような御意見でしたが、そういう悲壮な考えで会社を経営して行つて、それで皆さんは責任が果せるかどうか、その点も伺つておきたいと思います。
 それから融通の問題ですが、これは九分割されるときに、松永公益委員長代理が大見栄を切つて融通は必ずうまく行くという御意見だつたですが、これに対しまして私たちは非常に危惧の念を持つて、融通がうまく行かないということが電気を分割する反対根拠になつたと思うのですが、果して今日こういろ問題が起ると、融通がうまく行つていないのです。非常にちぐはぐな状態が全国的に現われて、関西、東北などひどい目に会つているわけですが、今後もそういうことを考えに入れまして、果して今日のような九分割の状態で、この融通面がうまく行くかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
 それから最後に朝、北陸のかたがおつしやつたのですが、関西との電力の融通の面におきまして、いわゆる豊水期には北陸でたくさん電力を使つて、渇水期には関西に電気をたくさん送つて、関西を助けたいというような御意見でありました。こういうことが果して関西と北陸との間で話合いが付くものか、又或る委員の質問によりまして、北陸と関西とが合併したらどうだ、そのほうがうまく行くのではないだろうかというような御意見が出ましたですが、私たちも合併してうまく行くならばそれに越したことはないと思うんです。そういう関西と北陸とに限つたことではないと思うんですが、会社の合併などということに対しまして、皆さんはもう今日すでに考えていらつしやるかどうか。又そういうことをすればうまくこの電気が行くものかどうか、こういう八つの点に関しまして、一つ太田垣社長にお答え願いたいと思うんです。
○参考人(太田垣士郎君) 大分たくさん御質問を受けましたが、最初におつしやいました五、六月頃に関西電力が特に石炭を無計画に焚いて、そうしてこの危機を招いたのじやなかろうかという御意見なんでありますが、これは同じ渇水ではありましても、場所的に渇水は非常に違つて参りまして、関西電力は特に八月以降の渇水が強かつたということも一つの大きな原因でありますが、当時需用の増加というものも、関西電力はそれじやどの辺であるかと言えば、大体八月までの需用の増加は一三%ぐらいなもので、これは全国の平均からいたしますれば大体平均並みになつております。従つてこれを特に関西電力だけで規正して、二割か三割規正するということは当時の状態としては我々にできなかつた、これが一つの大きな原因であります。なお当時、これは生産部面の問題もありましようが、貿易関係或いは特需関係というような問題から我々は或る程度の規正は必要じやなかろうかと思つておりましたが、どうしてもこれは今生産を落すようなことがあつてはならないというような要望もありましたために、我々は実は涙をのんで石炭を焚きつつあつたというのが実情なんであります。従いまして中小企業に御迷惑をかけたというお話なんでありますが、これは中小に限らず大企業にも同じことが言えるのでありまして、ただその間の石炭の焚き方がそれでは乱暴過ぎるとおつしやるのでありますが、これほどの異常な渇水期には、あれだけの石炭をこの五、六月にセーヴしておりましても、殆んど問題にならないというのが私は現実の姿だろうと、こう考えております。
 第二の問題の外資の件並びに何か文芸春秋に小林一三さんが言つておられたという件でありますが、これは私はこれを読んでおりますが、これは一応小林さんの個人の意見であり、個人のイデオロギーでありまして、これを率直に我々が取入れてやるということは、これは我々としても決して万全の策と思つておりません。なお且つ、ああいう方面で外資が入るか入らないかというような御質問でありましたが、恐らく私は入らないと思います。従つて外資を入れるということについては、やはり又個別の会社が入れるということになれば、会社が非常に堅実でなければならんと思います。なお且つ、会社の堅実性は保たないが、而もどうしても強力に外資が必要だとあれば、これは政府の保証が必要だと思います。なお且つアメリカの投資家がそれでもまだ不安を抱けば、ここにアメリカの政府が更に保証しなければならないという問題も起きて参ります。そこでそれじや、そういうふうにむずかしい問題で外資がどうしても要る場合に、お前がたはどうするかとおつしやつて頂いておるのですが、私どもは必ずしも外資でなくてもこの電力の開発はやり得ると思つております。と申しますのは、機械を作りますにしたつて、セメントを作りますにしたつて、労務を提供するにしましても、皆日本のもので今できるのでありますから、従つてただ外資を導入するということは、その外資によつてインフレを或る程度コントロールするとか何とかいう面になれば、これは一応政府のお考えであつて、我々の考えではないのであります。あながち外資がなければ電力の開発はできないという立論は、私は成り立たないと考えます。なおその考え方によれば、何千億というような、一応余つた金も政府のほうにあるはずだと思いますから、いういうものを我々は借入れてやれば、あながち外資のみに依存するということがなくても私は済むのじやないかと、こう考えております。これは私個人の意見でございますから、そのつもりでお聞き取り願います。
 それから料金の問題でありますが、これは料金を二倍なり三倍なりにして、そうして非常に大きな社会問題を起すようなことになるが、そういうような考え方はどうかと、こういうお話だと思いまするが、電気料金そのものが……一応私は電気が今日の姿になつたのは、なぜそういうふうな結果になつたのだろうかということは、まあ極端に言いますれば、少しひどい言い方かも知れませんが、私どもは今日の生産拡充というものは、一応今までの基礎産業である電気というものを犠牲にして、そうして生産拡充ができたのじやなかろうか。これは一例をとつてみましても、今日電気の料金が戦前のどのくらいになつておるかと申しますと、先だつて三割六分の値上げをされましても、戦前の約百倍近くにしかなつていないのであります。ところが今日の物価を見ますれば、恐らく非常な大きな懸隔のある問題であります。従つて電気の安いがために今日まで開発されておつたのが……たとえて申しますれば、戦前には一応年に三十万キロとか或いは三十五万キロの電気が開発されておつたのが、戦後四年間に僅か十四万キロというものしか開発されていない。戦後普通の状態にあれば百二、三十万キロも開発されなければならないものが、その一%にも過ぎないものしか開発されのいないということ、なお且つ今日あちらこちらでロスが非常に多いという考え方もありますが、そういう点なんかもまだ本当に修理ができていない、これは要するに先ず最初我々が生産を拡充して、そうしてこの危機を打開せなければならないということで、電力そのものが私は非常に大きな犠牲になつておつたと、こう考えます。と言つてもそれではべらぼうな三倍も四倍もの取立てもやつていいかと申しますれば、決して私はそういう考えを持つておりませんが、一応会社の採算の立ち得る範囲のものは私はやるべきだと思います。と申しますのは、それじやこのまま基礎産業を放つておいて、今の生産が上り得るかどうかと言えば、決して私は上らんと思います。従つて無理のない程度の値上げは私は当然と考えております。
 それから融通の問題でありますが、これも今おつしやられたようにその当時委員長がどう申上げたか私はよく知りませんが、これも一応あの融通契約というものは、七月までは平水であつて、非常にスムースに行つて、おつたというのが実情でありまして、ただこれが数十年来に見ないような渇水があつたがために、その融通が乱れて来たと、従つてこういう特別なものを持つて来て、融通契約がこれは悪いのだと断定するのには、私はまだ早いのじやなかろうかと、こう考えております。それで最前も申上げましたように、もう少し融通に弾力性を持たして、そうして水の出方によつて、且つ各地域の融通を考えるというような方法を以てすれば、まだ私は融通が決して不合理なものにしかでき上らないとは考えておりません。恐らくでき上ると考えております。
 それから関西、北陸の電気融通の件でありますが、これは一応北陸さんのほうは特殊電力の地域で、ございまして、これは関西のほうは一応常時電力を基本とする地域なのでありまして、この間電力の特殊性というものの差異というものが非常にあるのでありまして、これは考え方によつて余ほど議論の存在するところでありますが、北陸さんからも私のほうのこういう考え方はどうであろうという御相談もあつたと思いますので、今私のほうといたしましては、おさおさ研究に余念のないところであります。まだ結論は出ておりませんが、そういうこともあり得ると考えております。
○小川久義君 丁度今関西と北陸の問題が出たのですが、御承知の通り、再分割、電力の分割をしない先からこれが一つの問題になつておつた点でありまして、御承知の通りに、北陸は水力のみに依存しておる、それからあれを分けた基礎が昭和二十三年に置かれたことに問題があると思う。それから火力がないために、火力の普通発電量が増加しておりますが、その恩恵に浴しておらん。従つて極度に足らなくなつておると、こう思う。ところが関西と北陸は現在においても親戚のようになつておる。もらつたり、やつたり、やつたり取つたり……こういう状態にあることはすでに御承知の通りであります。ところが、一昨日の工業新聞を見ますと今社長さんが言われたようなことになつておらん。先ず見出しから「北陸の申出関電蹴る」という、こういう記事になつておる。(笑声)そのお互いの言い分も書いてありますが、こういうことでなく、すでに今日においても親戚のようにやつたり取つたりの形でありますので、もつと国家的に考え、又お互いの立場から話合いをし、研究を続けてもらつて最善の方法を見出してもらうように努力を願いたい。これは関西と北陸が争つておりますれば、手を叩くほうも出て来ると思う。喜ぶところが必ず出て来るはずだと思う。そういうことのないように、これは新聞に書いてあるのは私は事実とは信ぜられませんが、この席で社長さんの御意見を伺つておきたいと思います。
○参考人(太田垣士郎君) 今、例の帰属問題について何でありますが、これは誠に申上げにくいととではありますが、北陸さんもうしろにやはりたくさんの需用家を控えられておりますことでありますから、立場上やはり主張なさらなければならない問題もございます。関西電力といたしましても、やはり関西の二百何本万の需用家をうしろに控えておるのでありますから、それで率直に北陸さんの御要求を受入れるというわけにも参りません。これは要するに、そういうことはよく話合いで所有権の移転とか何とかいうことでなしに、いろいろな面でお話のできるものと私も考えております。なお北陸さんとの親戚付合いは、申上げるまでもなく目下一番密接にすべてのことを私のほうからも御相談し、向うからも御相談に見え、実に円満にやつておることを表明しておきます。
○小川久義君 今日、公益事業委員会から届けました資料を見ましても、出水率からしても五十二と五十二、関西も五十二、北陸も五十二。今のお答えでも北陸にも需用者がいる、関西にも需用者がいることはよくわかりますが、北陸では需用者のかたがたの御意見もまとめた上のお願いであり、申入れだと思います。それから関西におかれましても悪くなるならこれは切られることも必要でありますが、より以上によくなるとすれば需用者のかたがたも御賛成なさると思うのです。そういう見地からより一層お互いに研究を続けて、最善の方法を見出して善処してもらいたい。それをお願いしたいと思うのです。
○参考人(太田垣士郎君) よく御趣旨はわかりました。その御趣旨に対しましてよく研究してやりたいと思います。
○小野義夫君 私のお尋ねするところは、先はど須藤君から大部分御質問があつたようでありますが、この電力会社の経営に関して申上げたいのですが、料金が非常に不適当であるという言葉でありますが、本委員会におきましても料金値上の際にはいろいろ深刻な検討をして七割アツプを結局三割六分見当で辛抱して頂いたのであります。そこでこの九月期の決算というものを私は一応拝見したいと思うのでありますが、これは恐らく渇水の影響は頗る少くて、普通ならば九月決算は予想外にいい成績が出るべきものと私は期待しているのであります。又この十月以降来年の三月に至るところの決算は、今の状態でありますというと非常に悪いものであろうということも予想している。併し、その悪い程度が果してどういう悪い程度になるかということが一つ考えられるところなんであります。従いまして上期下期を平均して如何なる結果が出て来るかというのが、我々国民全体が刮目してその決算書を拝見したいという兵とを考えている点であります。そこで現在の料金が非常に適正を欠いているという観点にいろいろ疑問があると思うのです。そこでその適正を欠いている原因を追及する前に、この前私どもがここで検討しました第一の再評価の問題で、現在の料金面においてどういうふうに、あれが間違つておつたかということを、あのときの我々の評価とそれからあなたがたの評価との間の差も明瞭になつているのでありますから、この問題もそれ以上に問題はないと思うのです。次に償却或いは人件費の問題、ただ一つ我々が意想外に考えられるところは石炭の消費を当時我々はむしろ過少に押えたということは、委員会全体が認めておることであろうと思うのです。併しこれは火力発電の料金を償うことができなかつたという事実をはつきりして頂かなければ、この石炭を如何に余計使つたかという点のみを以て、直ちにそれは料金が不正確であるということには相成らんと思います。併し一方において、水力は非常に渇水であつたというけれども、六月、七月ぐらい、まだ八月までもかなりうまく行つて、本当に困つたのは九月ぐらいが困つておるのではないか。上期においては非常に重大なる結果を発生したとは全体的に見まして思えない。この点も非常にあの当時査定したのが如何に……単にこの委員会が言つたのでなく、国民全体が、各地の輿論や公聴会すべてに、そのときの資料は現在しておるのでありまして、いろいろな観点から批判を加えたのでありますが、この批判が今日当らんのであるという点について、あなたがたは詳細なる一つ指摘をして頂かないと、我々は次の段階に進むことが非常に困難であるということをこの席において申上げておきたいと思います。そこで不適正であると言われる原因について、我々も先ほどから同僚議員が申します通り、今日十億円以上の企業費を投じて、而して現在の料金でそれが賄い得る、それで会社の健全経営が成立つというふうには考えていないのです。でありますから、我々の考えておるところは今はいわゆる増強、いろいろな保全をしまして、そうして簡単な、僅かな金でできるところの増強設備、すでにもはや着工して今年、来年にでき上るような修繕は、これは企業費も実際において安い。であるから企業の打開という立論を以てすぐ料金の問題に来ることはできないと思う。然らば本当に我々が料金にこたえるであろうと考える今後開発するところのものが、我々の料金面において考えなければならん一つの大きな問題である。而してこの問題は若し非常な低利、そういうものがあるかないかは知らんが、年三分とか五分とかいうような金を御利用になるということもその又一つの方法であると思います。或いはただの金があると仮定すればそれを御利用になるということであれば、この企業費は圧迫は受けないのであると思う。であるから電力会社の経営が悪いからということで、その結論をすぐ料金に結び付けるということは甚だ早急であろうと思う。従いまして如何に安く資金を調達するか、ただの金若しくはこれに等しいような、而して殆んど償却は今かまわないというような金が、あるかないかはわかりませんけれども、皆さんが国家のために真にこの途をとるほかなしという結論をお立てになるならば、それは必然的に出て来るべき筋合のものではないかと思うのでありまして、如何にして料金を安くするかということは、これはもう前提であります。むしろあなたがたが言つている料金が不適当であるという議論のほうがむしろ間違つております。料金を如何に下げるかということが前提になつて、下げる方途としての資金はどうするか。これはどうするかということが、私は考えられるのではないかと、こうまあ考えておるのであります。そこで我々はいよいよ行詰つてからいろいろな論議をしても、国民はこれにくつ付いて来ないのです。又、我々は次の決算まで、少くも九月の決算を拝見し、それから来年三月までの決算を拝見したいとまで考えておる。ところが電力会社の御事情は、今急に起つておるところの論議の、つまり石炭の赤字というようなものは、これは金融面の問題でありますれども、これを一時に損益計算に出すなどということは、これは頗る不当であろうと思う。であるから三十年に一回のようなものはよろしく三十年に償却したらいい。併しその間の金融問題というものは、これは誰が責任に立つかは知れませんけれども、国民全体の責任として我々は解決しなければならんと考えておる。それからこの新設、増設の、殊に手入れをすればいいというこの僅かの、金を見ましても、一億円とか……。各社が一億二億ぐらいでできる仕事がやはり三年も五年も、毎年々々こういうふうにやつておられるのが少し了解に苦しむのでありまして、ああいうものは今年一杯にできなければ来年上期にやつてしまうというふうに、迅速果敢なる増強施設をやられればどうでありましようか。これは何かの事情があつてそういうふうに果敢にやれないのではないかと思うのでありますが、以上の質問に対しまして九州電力の佐藤さんから一つ御回答をお願いしたいと思います。
○参考人(佐藤篤二郎君) 料金の適正化というものについての一々の詳細な問題ということのお話がございましたが、先ほども説明の中に申しましたように、九州といたしましては石炭の値上りというのが非常に大きく響いております。従つてその点につきまして先ほどの資料の末尾のほうに付けておきましたのが一つの私たちの見方なのであります。と申しますのは大体上期におきまして料金に織込まれておる石炭の総量が六十四万三千四百トンになつております。それが先ほど申しましたように、実際に焚きましたのが七十八万二千九百六十三トンでございまして差引十三万九千四百六十三トン余計焚いております。ところがこの石炭の値段につきましては我々は料金の際に年通じまして四千百円の石炭、トン当りの値段を出しておりましたのですが、料金の査定の際に三千七百円に減額されたのであります。ところが上期におきましては我々が実際に買いました値段がトン当り三千八百二十円、従つて一トン当りとして百二十円の超過になる。それとこの石炭を余計に焚いていたという点において非常なバランスが、……今おつしやるように上期のほうでは非常に余るだろうという御想定とはおよそ違つた結果になるということになつております。恐らく全部のバランスをとりましても一億五千乃至二億の赤字だろうというふうに想定いたしております。又下期に対しましては百十六万四千三百トン焚こうと思つております。そのほかに先ほど申しましたように設備が着々増強されまして、先ほどおつしやられたように今早く増強するべきものはやるべきじやないかとおつしやられた、そういつたことを一生懸命やつておりますので、火力が百十六万四千三百トンの予定にしておりますが、もう十万トンくらいは余計焚くだろうというふうに想定いたしております。ところが現在買つておる炭は四千五、六百円から四千七百円くらいになります。仮に三千七百円で料金の織込まれておる炭価に比較しまして千円仮に高くなつたといたしますと、それが百十六万四千トン焚きますから十一億六千四百三十万円の石炭の値上りというものが出て来るわけです。そのほかに十万トン焚くといたしますと仮にそれが四千七百円だといたしますと四億七千万円というものがそれだけ殖えるわけです。そういたしますと合計いたしまして十六、七億から十八億くらいの石炭値上りのいわゆる料金織込みとの差額が出て来るのであります。併しその間に十万トン余計焚きますればそれの収入は当然あるわけでございます。それは見ておりませんで、ただ石炭の値上りと石炭を余計焚いた分として十八億七千万円くらい増すだろうということで公益委員のほうに申出ております。従つてこれについては根本的な御対策を公益委員のほうでもお考え願いたいということを申上げておりますが、こういつた料金の差額と申しますか、石炭の値段の想定とそれから量の想定において大変違つて来るということになりますと、下期においては相当な赤字、仮に収入がありましたとしても十億内外の赤字があるのじやないかというふうに思つております。勿論これは平水年の水力があるものとの想定の下にやつております。ところが九州においては先ほどお配りになつておる資料を御覧になつてもおわかりのように、十月においては他の地区と比較しまして豊水と申しますか、台風が参りましたので出水率が非常によろしうございます。併し一方この需用の増加もございますので、その点を見合せて効果的に下期はどうなるかということについては更に十二、一、二、三という時の出水状況によつて変つて来るものというふうに考えておりますが、平水でありますると、先ほど申したようないわゆる料金織込みと実際の石炭代の支出においての差額がそういうふうに大きなものになつて参ります。ほかの償却費、或いは人件費、或いは修繕費というようなものについては一応料金の問題の時に査定されまして、九州においては再評価が七〇%の定額法の償却を織込んでおりまするし、又修繕費にいたしましても相当切下げてはありますが、そういつたものが大体として料金に織込まれたものとして行つた場合において石炭面において先ほど申上げたような差額が出て来るということになつておるわけです。大体大きな問題はそういうところにあると思います。
○小野義夫君 然らば端的にこれは佐藤さんも年がら年中自分の会社の儲け工合というものは殆んど皆御承知のことと思うのです。つきましては例えば九月度の決算において会社はどれだけの損益が出るか。我々はつまり百億という説もあれば百五十億なんという説もあつて、殆んどその真相を捕捉することができない、実は。御列席のかたがたに、つまり九月は幾ら、三月末はどれくらい損得になるというような、この中のいろいろの規定の通りに償却をするとか、或いは何とかいうのはこれは一応の理論でありまして、成るほど松永さんに言わせると赤は赤、やるべきものはやるんだというようないろいろなことを言われますけれども、営業会社といたしましては、結局あれやこれや突込んで結局どん詰りがプラスになるか赤になるかということは皆我我が知りたいところなんです。若し各社のどなたもわかつておればお一人のかたがおつしやつてもいいわけですが、俺の所は上期はこうなんだ、下期はこうなんだということをお示し願うということは非常に国民もそれによつて考えるところなかるべからずということと思うので、一つ忌憚なく御発言を願いたいと思います。
○参考人(佐藤篤二郎君) 先ほど申しました通り、上期においては九月の締切りがまだはつきりしておりませんが、一億五千万円乃至二億円の赤字ではないかと思います。九月の締切りが完了しました場合に、或いはもつと減るかも知れません。併し只今のところそういうふうになつております。それから下期につきましては、先ほど申上げました通り平水年と仮定いたしまして炭を先ほど申した通りの焚き方をいたしますと、石炭代において十八億というものが支出になりますが、勿論料金も入つて参りますので、十億内外ではないかという想定をいたしております。併し十月度における豊水ということにおいて平水よりもずつと増しておりまするから、多少そこは違つて参ります。併し平水年においてのことを将来については申しませんとつかみどころがございませんので、我々は平水年から申上げて下期は十億内外の赤字になるのではないかというふうに九州電力は想定しております。ほかの電力会社のことに対しましては私はわかりませんから、ほかのかたから願いたいと思います。
○委員長(栗山良夫君) 中国電力の島田さんにお願いします。
○参考人(島田兵蔵君) 只今お話のございました上期と下期の決算はどうなるのかというお話でございますが、私の所は御承知のように非常に渇水がひどうございまして、やはり長い間制限をやつたのでありますが、先ほどお話がありましたが、私のほうもまだ九月度の決算がストライキなどありましてまとまつておりません。大体月の二十日頃にはわかるのでありますが、私それをまだ見て来ておりませんが、私の予想としては大体三億近くの赤字になるのではないかと、こう上期は考えております。それから下期におきましては、これは私のほうの石炭の消費量を下期において大体五十八億、約六十億円焚くというような仮定で今石炭の手配はしておるのでありますが、それだけ焚きますというと、大体十億近くの赤字になつて来る。こういうふうに考えております。
○委員長(栗山良夫君) 中村さん、お願いします。
○参考人(中村鼎君) 大体関西におきましてはすでに五月に相当の渇水がございまして、先ほどもお話申上げましたように、予定より十九万トンばかりも石炭を使つておりますが、収入のほうも増加いたしまして、差引きまだ十分な何は、生産はできておりませんが、まあ九州さんの上期と大体同じみたいな二億円内外の赤字と考えております。下期につきましては水の状態によりましていろいろ違うのでありますが、これは先ほどの社長の説明にもございましたように大体百二十八万トンの石炭を焚きますので、千円の値上りがあるといたしまして十二億八千万円でございます。それになお計画よりは、料金当時の計画よりは十三万トンばかり余計焚いておりますので、これでやはり七億円ほどの赤字が出ますので、大体石炭だけにいたしますと二十億円ほどの赤字が出るわけであります。なおこれは渇水の状況によりまして営業収入がどうなるかということは将来の問題でございますが、石炭代だけでは大体その程度の赤字であるということに御承知おき願います。
○委員長(栗山良夫君) 四国は如何ですか。
○参考人(菊池宏君) 四国の九月の締切はまだ正確なところわかりませんが、只今のところ一億三千万円の赤字という見通しでございます。ただ先般のルース台風の補修費が設備上のおよその被害はわかりましたが、修繕の被害が見通しが立つておりませんので、その分がこれに加わるはずでありますが、この分は実際は下期の経費としては出るだろうと思われます。下期の分は理由は先ほど九州の社長からお話になりましたような石炭関係が大部分でありますが、只今のところ三億円乃至三億三千万円は下期の予想よりも終始不足という見通しを持つておるのであります。
○古池信三君 大部時間も過ぎましたから極く簡単に二、三お尋ねをいたします。
 先ほど関西電力社長さんから水力工事の促進、それから外国炭の輸入又重油の代燃装置、こういうようなことについているく御努力になつておるということを伺つたのであります。勿論これは責任者として当然のことであるといえばいえますものの、非常な御苦労であると考えます。大いに御検討願いたいと思うのでありますが、そこで関西としては何としても水力は木曾川、或いは庄川その他河川の地点を開発されても到底これでは間に合わないので、やはり将来も火力に相当な重点がおかれるものと思うのであります。そこで私の承知する限りでは、関西におきまする火力は非常に優秀なものは戦争の際に大きな被害を受け、被害を受けなかつたものは相当古い老朽な設備が多いのであります。そこで最近まで日発時代から戦災を受けた火力の復旧については非常な努力がなされていると伺つているのでありますが、要するに問題はこの設備の問題とこれに食わせる石炭の問題と両方から考えなければならん。石炭の問題については先ほど縷々お話がありましたし、又隣席におられた山川さんその他からも御発言があつたのでありますが、これはどうしても将来長い問題でありまするから、この際石炭の確保については余ほど画期的な、根本的なやはり対策をお立てになる必要があるのではないか、計画をするにしてもその相手かたを選んで、特に信頼度の高い人、それに大阪まで持つて来る輸送の関係、こういうような点については毎年のことでありまするから、万遺漏のないような手を打つて頂かなければならんと思うのであります。設備の点から言えば、只今申しましたように復旧というものは完全に満足すべき状態までできたのかどうか、まだ相当設備を完全ならしむるために或いは壊れたものを直し、又能率の低いものを能率の高いものに取替えるというような途が相当残つているのかどうかという問題と、石炭の消費率の問題ですが、これは今まで随分研究もされておりまするから、これ以上能率を高めるということは非常に困難かとも存じますけれども、併しながら研究次第によつてはもつと能率を高める方法もあるのじやないかと思うのでありまするが、そういう点について真剣に取組んで御研究になつておるかどうかということについて、ちよつと先ず関西電力のほうからお尋ねいたしたいと思います。
○参考人(太田垣士郎君) なお私の足りないところは係りの人に補足させたいと思います。火力の状況につきまして御説御尤もと思います。なお非常に多い火力の中でも老朽になつておる面が非常に多うございますので、その点について私ども非常に心配して、おりまして、これはもう次々に復旧して行かなければならんと、こう考えてその手を打つております。それからなお石炭の入手について根本的の何がなければいけないという御説で、これも私ども経営者としては誠に同感な御質問であります。実は日発当時からの関係で、大分関西はアロケーシヨンの関係からも大手に依存することが非常に少かつたのであります。その点今極力お願いいたしまして、大体今までが二割と八割というようなことになつておりましたが、最近もう大体これが四割と六割というところまで向上して参りましたし、なおそれ以上に我々は向上させまして、そうして不安のない一つの態勢をとりたい、こう考えておるわけであります。消費率の問題につきましては一つ一本松常務から述べさせて頂きます。
○参考人(一本松たまき君) 火力の設備につきましての御注意は大変有難い御注意でありまして、現在百八万キロございますけれども、これは実際出ますのは七十万キロぐらいしか出ません。その理由は老朽をしておりますことと、まあ多少石炭の質も悪く、ボイラーが老朽しておりますことが大きな原因でございます。それにつきましてボイラーの増設をやります、これはまあ非常な大きな火力のつまりリハビリテイシヨンと言いますか、何と言いますか、火力の改善計画になるのであります。それに具体的な例といたしまして尼崎の第一及び第二にボイラー増設をやりましてどちらも六万三千キロずつ増加いたします。それから飾磨が二万七千キロ合計十五万キロの火力をこの五カ年計画の中に入れております。それでこの新らしい設備を使いますと恐らく石炭も〇・七キログラムぐらいでできると思いますので、この設備に要る四十億の金が要りますけれども、数年にしてこれを回収し得ると、これはまあ火力の技術の進歩というようなことから非常に高い温度、高い圧力のものを使いましてなし得る仕事でありまして、御指摘の通り非常に有意義な、大事な仕事であると思つておりますので、それを是非やるつもりでおります。それで又一方三十年ぐらいたつております古い発電所もございますので、そういうものを廃止して参りませんと人件費も余計かかりますし、仮にそういうものを運転しましてももう一キログラム以上かかるのでありますから、石炭消費率の面から見て当然これは廃止をしなくちやならんと、そういうふうに考えまして御指摘の線に向いまして火力の改善計画を進めております。
○古池信三君 次に中国電力、四国電力のかたにお尋ねをしたいのですが、理想としては各社独立採算でありまするからその会社の区域内の電源を以て十分に区域内の供給に当てられて結構でありまするけれども、今年のようなことがありますと、どうしても電力の融通ということが必要になつて来ると思うのであります。そこで中国の山と、四国の山とは余ほど趣きが違つておりまするし、雨の降り方も年々違つておるのでありまするが、かような場合のことを考えられて中国と四国との間の融通電力の連絡送電線を建設されるというようなお考えがあるかどうか、これはもう再編後は皆さんの工夫創意によつてかような設備はどんどんでき得るわけだと思うのでありまするが、これについてどういうお考えを持つておられるか、ちよつと承わりたい。
○参考人(島田兵蔵君) 今のお尋ねに対しまして私どもの考えておりますことを申上げますが、御承知のように中国は火力地帯として現在まで伸びて来ておるのでありますが、日本の電気事業の発達の道程を考えますと、大体に戦前までは九州におきます電力料金、東京におきます電力料金との間には、大した開きはなかつたのでありまして、石炭で焚きまして、電力を起しましても、又水力発電所を建設して、これによりまして電気を起しましても、大した開きはなかつたのであります。例を申上げますと、山口県が県営当時に一キロワツト・アワー五厘というようなときがあつたのでありまして、石炭で焚いたから必ずしも高いというようなときでなかつた時分に、今日の設備ができたわけでありまして、九州も同じく殆んど石炭でやつて来た。ところが最近非常に石炭が上りまして、先ほど御質問がありましたように石炭でそこの会社の収支がうんと狂つてしまう、こういうふうな事態になつて来ておるのであります。ところが中国の水力地点はどうかというふうに考えますというと、大きなところではまだ十万キロくらいなところが地点としてはありますし、江川の筋がまだ余り開発されておりませんので、先ほど申上げました五万キロというのは、岡山県にあるのですが、五万キロ乃至六万キロくらいの地点は、まだ相当あるのであります。併しこれを開発いたしましても、先ほども申上げましたように、昭和三十一年頃からは需給はバランスはとれますが、その将来の伸びというものに対しては、少しも余裕がなくなる。火力を併用して行つて、なお且つ足りない、そういうふうな点を考えますというと、四国に四万十川筋或いは吉野川筋という非常にいい地点があるそうであります。こういうものがあればいいが、過去におきまして瀬戸内海横断という会社があつたのであります。あそこの間は鉄道で繋ぎ得るところでありますので、これは私ども非常に将来面白いことでもあるし、又先ほど九州の佐藤社長からもお話がありましたように四国で水力を起して九州で火力を焚く、そうして需給のバランスをとるということも、これは恐らく将来必須のことではないかと思つております。私どもとしてもそういうことを何といいますか希望して、将来非常に明るい感じがするのでありますが、そういうことが実現することを希望しておるわけであります。○古池信三君 只今の御希望だとおつしやつたのですが、これは計画に載つておるのでございましようか。
○参考人(島田兵蔵君) まだ私のほうの計画の中には入つておりませんのでございます。実は一遍四国へ参りまして四万十川の筋ああいうところを一遍見て来たいと、こういうふうに実は考えておる程度でございます。
○古池信三君 今のお話は、これは非常にいいことであるとすれば、やはり早く着手されて、早く完成するようにお進めになつたらどうかと思います。それからもう一つ今度は中国と九州の社長さんにお尋ねするのですが、現在九州中国の連絡送電線によつて大体平均電力として三万キロくらいは融通できると思うのでありますが、これは更にこの容量を増大するようなお考えがあるのかどうか、この資料を見ましても、現在は九州のほうからむしろ中国のほうを応援とておられるようでありますけれども、場合によつたら又九州が中国から応援を受けるということも考えられる問題でありまして、これを強化するような問題はどうお考えになつておりますか。
○参考人(菊池宏君) 古池先生からお話ございました中国、四国の連絡の問題で、ちよつと島田社長の言を補足させて頂きます。私のほうといたしまして、先ほどちよつと各事業計画の際に申上げましたわけでございますが、奈半利川、須崎合せまして二十八、九万キロの開発完成の暁には、この電力を四国地内に設けられます開発事業に消化すべきか、中国、九州の火力に代る電力として利用すべきか、懸案ではありますけれども、後者のほうに相当の必要性を感じておりますので、一部佐藤社長も言われましたように、中国、四国を繋ぎまして、その電源を、水力電源を中国、九州で利用して頂くということを具体的に計画いたしております。五カ年計画といたしましての私のほうの案のうちには、中国、四国の連絡送電線を考えておるわけであります。図上設計は勿論済んでおりますし、現地の設計も殆んど全部完了であります。現在の設備資金といたしまして約十五億円は必要でありますが、これは四国の今治から島伝いに、全部架空線で中国の呉の少し東側のほうへ渡します。只今のところ十五万ボルトでやるということになつておりますし、この問題は先も一言申上げましたが、四国の電源を主体としないいわゆる総合開発計画に載つておりますところの、或いは載る見込であります吉野川開発が実現する、或いは四万十川、これは私のほうで計画しております須崎の分と区別しているのでありますけれども、具体的な地点は異なつておりますが、それらが完成いたしますと、吉野川系で約六十万キロが予定されております。四万十川で約十五万キロ乃至二十万キロが、私のほうで予定しております以上のものが計画されておりますから、当然に改めて話題に上る問題でもありますし、今はつきりいつ着工というところまでは行つておりませんけれども、設計も殆んど全部完了でありますから、問題は資金の見通しの如何と、中国、・九州との具体的な話合いの如何によつて、早急に実現できるものであり、実現すべきものであると思つております。
○参考人(佐藤篤二郎君) 只今四国の問題が出ましたが、この点につきましては中国の社長さん、四国の菊地さんから話が出た通り、又不肖私が説明したときの気持では、関門海峡の送電線の強化は当然やるべきものだと思つております。問題は四国のほうとの電圧の問題、それから私たちの計画としましても、上椎葉の開発と綾川の開発との送電線の関係というようなものが関連して来ると思つております。従つてこれを今九州のほうでは十五万四千と思つておりますが、四国のほうも十五万四千で中国のほうに渡るとすると、同じ電圧で一貫できるんではないかと思つております。従つて関門海峡においても今の送電線十一万を十五万四千に上げるとか、或いは別途にもう一回線作るかということは緊急に研究すべきものだと思つております。只今の御注意もありますので、十分研究いたしたいと思います。
○古池信三君 只今四国の電力会社からこの瀬戸内海横断の送電線は五カ年計画に入れてもう具体化しておる、こういうお話であつたのでありまして非常に結構なことだと思うんでありますが、ところが相手方たる中国の社長さんは結構なことだけれども具体化しておらん、今考えておるところだということでは少し話が合わないのであります。四国がそれほど熱を入れておやりになつているなら当然中国としてはその話に応じて具体化されて行かなくちやならんと思うのでありますが、どういう関係になつておりましようか、もう一度一つお尋ねしたい。
○参考人(島田兵蔵君) 四国さんのほうの計画に入つておるということは、実は私初めて聞いたわけでありまして、その開発の話は聞いておりますのですが、この五カ年計画に入つているということは私初めて聞いたようなわけであります。具体的にどうということはまだ会社間では、一応私の留守に来られたそうでありますが、お会いしてお話する機会がなかつたんでありまして、まだそういう点まで実は話が両社間で行つておらないのであります。そういうことだけを申上げておきます。
○古池信三君 ここでどうも初めてわかつたと言われても、甚だ私も不審に思うのでありますが、もう少しお願いをいたしたいのは、お隣り同志の会社のことでありますから常に密接な御連絡をとつて頂きたいということを希望申上げます。それから九州の社長さんにもう一点だけお尋ねいたしたいのでありますが、これはときどき私九州のほうの関係のかたからも陳情を受けるのでありますが、例の離島の電気の供給の問題です。これはただ九州の問題ばかりでなく、四国その他の地区にしてもあるのですが、最も多いのは九州です。そこで会社の採算という点から言えば離島の電気の供給というようなことは最も採算の合わんもので、全くこれは犠牲的なことだと思いますので、好まれんかも知れませんけれども、併し一つの公共事業として九州一円をその区域に持つておられまする以上は、需用の稠密なる利益の多い地方に対すると同様な考えを持つて、離島にも臨んで頂かなくちやいかんのじやないかと、かように私は考えるのですが、将来この離島の電気供給についても相当熱心に一つ拡充をおやりになるお気持ちがあるかどうか、一つお尋ねしたいと思います。
○参考人(佐藤篤二郎君) 只今離島の問題が出ましたが、この問題につきましては、昨年の初め頃からGHQのエアースさんが九州に参りまして詳しく各離島を調査いたしました。その際にいろいろアドヴアイスもありまして調査もいたしたのでありますが、一応離島は別な料金にしたらどうかというような意見をそのときに出ました。併しながら九州としましては離島の電気料金をやはり同じにしておくべきじやないかということで、今回の申請につきましても別な料金を設定いたしませんでした。併し今日料金が値上げになつた分に対しては、いわゆる内燃機の油が余計要ることがありますから、今までも無論赤字なんでございますが、その赤はやはりそのままにしておきまして、今度の料金の値上げになつた分は全部やはり離島のほうに注ぎ込んで行こうじやないかという方針の下に点燈時間を長くいたしております。なお離島からいろいろ要求もございますから、そういうものにつきましては、その都度只今のところ話合いをしまして時間の延長或いは点燈の送電線、配電線の延長などをやつておりますけれども、まだまだ恐らく離島の皆さんに御満足の行くところまでは行つていないだろうと思います。只今の御注意もございますし、十分その点について心をいたしまして離島の電燈については十分にサービスして行きたいというふうに考えております。
○佐々木良作君 時間が遅くなりましたから質問を省略いたしまして希望を二、三申上げておきたいと思います。第一点は需用の問題でありますが、今度の、現在の電力危機の問題のうちで、石炭問題、渇水問題というのが非常に大きく取上げられてはおりますけれども、何よりも根本の問題が需用の問題だと思います。従いまして私の各社に対する希望は、現在のところこの需用をはつきりと見ることが殆んどできていないのでありますから、而も御承知のように現在におきます需用は殆んど世界的な動きと関連をしながら需用が非常に動いておるわけでありますから、どうか各社におきまして需要をはつきりと見定めるという仕事をもつと十分に一つやつて頂きたいということを先ずお願いしておきます。
 それから第二番目は従業員の問題の保護、安全に関してでありますが、電気の合理化費用の問題だとかその他と関連しながら従業員の問題がいろいろと最近擡頭しつつあります。そううちで私は、先ほどお話がありましたように電気事業の性格が一つの犠牲産業的な性格を持つておることをはつきりと私自身認めているわけでありますが、資本の犠牲化は可能でありましても、人間の犠牲化はこれは不可能のことと存じます。特にこのような状態が来れば来るほど、従業員が、例えば石炭問題を扱う、或いは火力を扱う、或いは給電を扱う、或いは検針を扱う、集金を扱う者、一つ一つがだんだん身に危険を、いろんな意味での身に危険を加えつつあるような状態をよく御承知だと思います。従いまして今の電力危機切抜策といたしましても、従業員に対する保護、安全の問題をもつと十分にお考えを願いたい。それから第三点は、これは先ほどから皆さんから論ぜられておりますところの電気事業の根本的の問題であります。この電気事業の根本的の問題の中に電気事業の性格の問題をどうかはつきりとお考えを願いたい。特に電気事業が公益性及び基礎産業性のほかに戦時中、以後といいますか、或いは最近と言つていいか知れませんが、犠牲的なる性格を非常に強く、好むと好まざるとにかかわらず現在の日本の経済機構上、産業機構上犠牲的性格をはつきり帯びて来ておる。それであるにもかかわらず、電気事業は一応株式会社という形態をとつておる。この犠牲産業性と企業性の矛盾が到るところに出て来ておる。これが普通の事業をやつておられるところから見ますと、これは非常に割切つて考えられるところに現在の電力問題が推進しにくい点があると思います。その中心点は料金の問題、融通問題、建設問題、この三点をとつて見ましてもこれは明らかであります。料金問題の際にも或る場合には数割値上げすれば云々できる。或る場合には数倍値上げしなければできない。数倍の場合には完全な、完全資本を建てられることを目途としておられる。従つてその場合には従来の設備を再評価して、つまり新らしい設備も料金のうちに織込んで作つて上げることが前提になつて、その場合には数倍の料金になつて来る。この数倍の料金が現在の日本経済機構の中で堪え得られないことは皆さん御承知の通り、そういう論拠とそれから普通の今の経営維持費を賄うという点に考えられるところの料金問題とは、本来この電気事業の性格から見ると根本的な相違がある。それが仕分けせずに論ぜられるものですから問題が非常に混迷化しておる。融通問題におきましても、融通は本来今の危険或いは渇水期における特別の状態ということではなくて、実際に一般需用家から要請されておる需用はですね、足らざるを憂えるよりも均しからざるを憂えることから融通の問題が出て来ておるのでありまして、でき得れば全国均一的な制限率にされたいということを……、問題は出発しておるのであります。それであるのにもかかわらず、会社という企業性から見るならば、自分のお得意先を切つて、義理も何もない隣の電気を送らなければならんという義理がないわけであります。この二つの矛盾がはつきりと出ている。この融通の問題にしましても、それから先ほど申しました建設の問題にしましても、企業性を強調されながらも国家資本の投入が何としても必要だということが当然にいわれておる。その辺のこの企業性と犠牲産業性の矛盾を電気事業の経営者とされましてははつきりと考えられまして、同時にこの問題が需用家のかたがたにはつきりと反映できるようにされなければ、事業の安全も将来性も私は非常に薄くなつて来ていると思います。御承知のようにこの再編成以後電力の形態問題は再び又擡頭して来ております。公益事業委員会自身の問題にも出て来ております。そのことは、同時に現在の形態、電力の形態自身にも楔が入ろうとして来ております。従いまして、私は実際に事業にタツチしておられるかたがたから電気事業の性格をはつきりとつかんで、そういう問題に対する一つの考え方、或いは一般の連中はよく、考えられる要素を提供される義務があると思います。従いまして第三の問題でありますところの今の電気事業の性格と、それから株式会社性、つまり産業性と企業性という問題につきまして、特に料金、融通、建設の問題について事あるごとに実態を一般に知らしめられるよう努力されたいということをお願いいたしまして質問に代えます。
○委員長(栗山良夫君) 長時間に亘りまして、昨月以来九電力会社の責任者のかたがたの御来臨を願いまして、電力事情の調査をいたしたわけであります。勿論結論を出し得べきでもありませんし、問題点も多数ありまして、今後の研究に待つべきものが多いのでありますが、一応昨日、今日の委員会において問題になりました点を二、三確認をいたしまして、今後の調査研究の目安にいたしておきたいと存じます。委員からは質問或いは希望意見の形式を以ちまして殆んど余すところなく述べられましたので、そういうものを一応集約いたしておきたいと思います。
 第一は、今冬下期の電力の需給見込でありますが、お話の通りに北海道の地区を別といたしまして、比較的好況を伝えられておりまする四国、九州におきましても、今日の電力事情を維持いたしますためには、少からざる努力を払われていることが明らかになりました。このことは、結局先ほど関西におきまして、関西の需用の増加の状態は全国の平均値程度であるということを申されましたが、私どもの得ている数字におきましては、関西の需用の伸びは相当大きくあるように承知をいたしているのであります。而も全国的にさような傾向があるということは、電力の需給バランスをとる上におきまして、最も基礎となる需用の増加の状態が計画線を外れているというところに困難の基礎があると思うのであります。私どもが今日まで政府筋、公益事業委員会等との間において意見の交換をしつつ調査をいたして参りました事情と、昨日今日お聞きいたしました事情との間には、相当大きな食い違いがあることを発見いたしております。端的に申上げまするならば、電気事業者の述べられました今冬の電力需給のバランスの見通しは、公益事業委員会、或いは政府筋から述べられておりまするものよりは楽観的に過ぎると申上げて過言でないと思うのであります。従いまして、そういうところが基礎になつておりまするから、なかなか今後の問題を処理いたしまする上におきましても重要な点を残しておるわけでありまして、この点は一層御研究を願いたいと思うのであります。私ども更に研究を進めて参りたいと考えます。
 それから第二の点は、電力の相互融通の問題でありまするが、これは異常渇水下における相互融通というものは、新らしい観点に立つて、水力量、火力発電量等と調整しながら瞬間的に行わなければならんということが明らかにされたと思うのであります。この点は私どもも更に研究を続けて参りたいと考えます。異常渇水下におきましては全国均一制限率の適用のところまでも行政力の発動によつて断行しなければならないという事態も起きるのではなかろうかと思うのであります。この点に対する電気事業者の心構えも必要かと存ずるのであります。特に北陸、関西相互間における電力融通の問題に対しましては、電源帰属の問題と合せまして問題になつておりまするので、業者の間におきましては、公益の立場から十分な御研究を願いたいと思うのであります。
 次に火力用燃料の確保の問題でありますが、これは先ほど山川委員が石炭関係の専門家として意見を述べられておりまするように、国内における石炭の需給バランスが完全に底をついておるところに問題点があると思うわけであります。従いまして、余ほどの努力をされない限りは今冬の、冬に対しまして予定用炭の確保も困難であろうということが考えられるのでありまするから、この点は当委員会におきましても、及ばずながら御協力を申上げたいと存ずるのでありまするが、特に関西の電力用炭の確保、中国の確保、九州の確保につきましては格段の御努力をせられる必要があるかと存ずるのでありまして、勿論輸入炭、重油或いは他産業からの融通等のことも言及せられましたが、こういうものも当然合せ行うべきものであると考えるのであります。
 それからその次には電源の開発の問題でありますが、昨日、今日の各電気事業者の御発言の中で、私どもが期待をいたしました点は、今日公益事業委員会或いは安定本部、或いは建設省、或いは自由党の政調会等で逐次発表されておりまする電源開発案との調整の関係が明らかにせられなかつた点は、将来に問題を残しておると思うのであります。開発担当者の問題、開発の方法の問題、更に開発に要する資金の調達の問題等につきましては電気事業者として、当面の電源開発の責任を持つておられるかたがたの、更に一層具体的な整想が明らかにせられなければならんのではないかと思うのであります。この点につきましては、当委員会は成るべく近い機会に、只今電源開発の具体案を発表されておられますところの、すでに申上げました責任者の列席を求めまして、つぶさにその計画の内容を調査研究いたしたいと考えておる次第であります。
 それから更に運転資金の問題でありますが、これも電源開発用の資金と、今度の渇水による減収に対する資金、或いは過日の電気料金値上が電気事業者の希望せられた額に達しないためのいろいろな御不満的なもの等々がからみ合いまして、どうもはつきりしない点があるわけであります。で、私どもといたしましては、電源開発用の資金は一応別途にいたしましても、当面の経常的な経営による運転資金の確保については、これはあらゆる措置を勿論講じなければならないと思うのでありまして、渇水による収入減、或いは石炭の単価の値上り、石炭の消費量の増加等に基く運転資金の増額、或いは電気料金の再検討等々の問題があるのでありましようが、先ほど佐々木君が指摘せられました点等も十二分に加味せられましてそして、特に中国電力からはこれらにつきましてあらゆる点を挙げての指摘がありましたが、そういう点を考えられて、緊急にその打開策を講ずる必要があるのではないかと考えるのであります。特に昨日も話題になりましたが、今次の異常渇水に対する赤字に対しましては、法的拘束力を持つ渇水準備金制度が設けられておるわけでありまするから、結局マイナスの渇水準備金制度として、そうして一応国庫等からの借入れを行いまして、特別会計的な制度によつて、これを長年次に亘つてなし崩しをいたすというような手もないではないかと思うのであります。こういうような点は、今一段と業者のほうにおいて研究をせられて、そして善処せられるべきものではないとか考えるのであります。
 それから、その次の問題といたしましては、これは特殊な問題でありまするが、東北電力におけるところの補給用電源といたしまして、火力電源によるか、或いは又ダム式の貯水池によりまして、これを切り抜けるかという問題は、まだ明らかにせられなかつたのであります。この点は、東北電力の安定のために、更に研究を続けなければならん問題であると考えるのであります。又、四国と中国、九州方面との電力のプール計画に対しましては、すでにこの委員会でも漸次計画が明らかになつたわけでありますが、積極的に中国、四国、九州の、将来の水力を主とした電力安定のために、具体的な構想の樹立が必要ではなかろうかと存ずるのであります。
 以上のような点が、昨日、今日の委員会を通じまして、問題点として取上げられました主なるものではなかろうかと存ずるのであります。
 最後に佐々木君が指摘せられました、電気事業の事業政策の問題は、これは根本的な問題でありまして、当委員会におきましても更に研究に続けなければならんと思うのでありまして、私的独占事業として再編成後営利会社としての発足をいたしました会社が、今や公益事業という犠牲産業的な足枷になりまして、右すれば左からの憂え、左すれば右からの憂えによつて動き得ない状況にあることは御否定をなさらないと思うのであります。従つて、この間の調整を如何にするかということは、電気事業の発展を企図する者としてはどうしても解決しなければならん点に必ず来るものであると考えざるを得ないのであります。この点は、将来、最も大きく電気事業を発展させるか、或いは、縮小させるかの基本になる問題でありまするので、当委員会といたしましても更に研究を続行いたさなければならんと考えるわけであります。
 以上のような点を一応問題点として、昨日、今日の委員会の集約といたしたいと思うわけであります。これで以て委員会を閉会いたしたいと思いまするが、最後に、昨日、今日、非常に電力危機の打開のために日夜尽瘁せられておる九電力会社の首脳者のかたがたに、わざわざ当委員会へ御列席を求めまして、お仕事のお邪魔をいたしました点につきましては、私ども深くお詑びをいたしまするが、同時に、今申上げましたような点が明らかになりまして、今後の電力事情の一歩でも好転のために、当委員会が活動をいたしまする資料を提供せられ、その貢献に対しましては深く感謝を申上げる次第であります。今まで、私どもは公益事業委員会を通じまして、或いはその他の政府各省の責任者を通じまして電力事業の研究をいたして参つたのでありますが、最初私どもが予期いたしましたことと、電気事業者の皆様方から直接お聞きいたしましたこととの間に、相当いろいろな点におきまして隔たりのあることも承知をいたしたのであります。その点におきましては今次の催しは極めて益するところが多かつたと考えておるのであります。電力危機の問題は、今冬の見通しは私どもは極めて憂慮いたしておりまして、一歩を誤りますれば、産業の折角軌道に乗つて回復しかけましたところを頭打ちをさせまして、混乱に導く虞れなしとしないのであります。そればかりでなくして、更に社会問題としての問題の発展性をも考慮しなければならない事態にあるのでありますから、皆様方の積極的な、而も御熱意のある御努力によりまして、さような悲しむべき事態の発生をいたさないように是非とも御努力をお願い申上げたいと存ずるのであります。非常に長時間に亘りまして熱心に我々の仕事に御協力を頂きましたことにつきまして、委員会を代表いたしまして厚く御礼申上げます。
 委員の皆様方にお諮りいたしますが、次回の委員会は来週の六日若しくは七日に、六日は火曜日であります、七日は木曜日でありますが、その両日のいずれかにいたしたいと思いますが、如何でありましようか。
   〔「委員長一任」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(栗山良夫君) さよう決定をいたします。
 本日の委員会はこれを以て散会いたします。
   午後六時四十六分散会