第013回国会 決算委員会 第22号
昭和二十七年五月十二日(月曜日)
   午後二時三十一分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     岩男 仁藏君
   理事
           高橋進太郎君
           溝淵 春次君
           棚橋 小虎君
   委員
           大矢半次郎君
           古池 信三君
           郡  祐一君
           瀧井治三郎君
           西山 龜七君
           常岡 一郎君
           溝口 三郎君
           カニエ邦彦君
           田中  一君
           菊田 七平君
           紅露 みつ君
  政府委員
   文部大臣官房会
   計課長     小林 行雄君
   文部省管理局長 近藤 直人君
   厚生大臣官房会
   計課長     太宰 博邦君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       森 莊三郎君
   常任委員会專門
   員       波江野 繁君
  説明員
   文部事務次官  日高第四郎君
   厚生事務次官  宮崎 太一君
   会計検査院検査
   第四局長    大澤  實君
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  本日の会議に付した事件
○昭和二十四年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第十二回国会継
 続)
○昭和二十四年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第十二回国会継
 続)
○昭和二十四年度政府関係機関収入支
 出決算(内閣提出)(第十二回国会
 継続)
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○委員長(岩男仁藏君) 只今より決算委員会を開会いたします。
 昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算ほか二件を議題に供します。本日は文部省及び厚生省所管について御質疑を願いたいと思います。先ず文部省所管に属する事項、即ち批難事項第四百五十二号から第四百六十五号までを一括して問題に供します。先ず専門員の説明を願います。
○専門員(森莊三郎君) 四百五十二号は、病院収入の徴収に当り処置当を得ないものというもので、各大学の附属病院の収納未済の金額が大きいということが出ているのでございまするが、これにつきましては別紙に記しました通り、国立大学附属病院の診療収入の取扱方改善に関する件、という改善意見を検査院から文部省に出されたことが検査報告の第二百四十一ページに記されてあります。その後の模様を聞いてみますると、もう只今ではその取扱方が改善されたという話でありまするが、これにつきまして政府から出ておりまする説明書の第六十一ページを見ますると、いろいろ詳しい事情が詳細に記されておりますが、要するに収納未済の多いのは保険組合などの支払いが遅いためにこんな結果になつたのであるということが記されております。この問題は実は厚生省のほうの国立病院についても事情は同じことなのでありまするし、それから又保険組合などの監督などにつきましても厚生省の所管に属することでありまするので、何とか文部省と厚生省との間によく連絡をおつけになつて方法を講じられたならば、将来の問題としていい解決が見つかるのではなかろうかと思われまするので、ちよつとそのことを御注意までにそこに認めておいたわけでございます、
 次に四百五十三号から四百六十三号までは、小学校や中学校などの各府県や市町村における建築の補助金を、年度内に完成することという條件付で交付すべきこととなつておるのでありまするが、検査院から実地を調査されますると、工事の契約も締結がされていないようなもの或いは工事にまだ着手していないというようなものに実際補助金が全額交付されておるというような事例がここにたくさん列記されておるわけであります。これと同様な事項が二十二年度の検査報告にも、二十三年度にも、なおまだ審議には入つておりませんが二十五年度の検査報告にも上つておるのであります。つきましてはなんとかこれを本省において今一段しつかりおやりにならなければならないのではないかという問題があるのでありますが、本省ではこの事務の取扱を各府県に委託されておるようであります。各町村からの報告を県でおまとめになつてそれを又文部省へお廻しになるということのようでありますが、その間に県の監督が悪いのか、或いは又本省においてただもう書類を御覧になるだけで実地を余りよくお調べにならないのかなんかその辺に少し手続上いま一段の注意を加えていたらばと思う点があるのでございまするが、事実その書類が間違いのない書類なのか、少し極端な言葉を使つて申しますならばうその書類もありはしないか。そんな場合に取扱いの公務員に対して一応の注意を与えるということは勿論当然でございましようが、毎年々々こんな同じことを繰返しておるというような場合に、單に注意というようなことぐらいでいいのかどうかということも考えられます。
 なおそれにつきまして文部省から各府県へどんな工合に御連絡になつておるか、一つの参考資料をこちらが求めたのでございまするが、これはほんの一つの例でありますけれども、別紙に認めましたような通牒が出ております。まあ日附を見ますると本省の通牒の日附は十二月の二十二日附である。そうしてその内容には報告関係書類を二十三日までに出せということで、これではどこの役所へも届きもしないような日附で出せというような工合に実は形さえも整つていないというようなわけでありますが、どういう御事情でこうなつておるのか、何だか少し余り事務の扱い方がゆるやかに、のんびりしていやしないかというような疑問もありますので、ちよつと御参考に別紙を御覧に供したわけであります。
 それから最後に四百六十四号と四百六十五号はよくほかの役所にもありがちなことでありますが、職員が使い込みをしたりなんかして国に損害を与えたもの、こういう事件なのでございます。それだけでございます。
○委員長(岩男仁藏君) 次に会計検査院及び文部省当局において特に説明を要する事項がございましたならば御説明を願います。
○説明員(大澤實君) 只今専門員のほうから御説明がありましたので特に付け加えて言いますならば、もう少しはつきり申上げておきたい点は四百五十二号の点でありますが、これは収納に至つていないという簡單な言葉で結んでありますが、言わんとするところの徴収決定の手続もとつていない、つまり決算上国の収入として表示されていないという点が、決算の整理としてまずいのではなかろうかという点で掲げてある次第であります。
 なおそれにつきまして只今専門員のほうから御説明がありました通りに、検査院の意見表示の結果、二十六年の十月以降はいわゆる事前調定といいますか徴収決定の手続をとるということに是正された次第であります。一言。
○政府委員(小林行雄君) 四百五十二号につきましては、専門員のかた並びに会計検査院のほうから御説明のありました通りでございまして、だだ二十六年の十月からは事前調定をいたすことになりましたので今後はこういう問題は少くなると考えております。四百五十二の御批難の中にあります二億三千三百万円につきましてもその後鋭意徴収に努力をいたしておりまして、二十六年の三月三十一日までにはこのうち二億一千四百万円が収入済となつておりますので、二十六年三月三十一日現在での未収は大体一千九百万円程度ということになつておりましてその後も徴収を続けておる次第でございます。
 それから四百五十三番から六十三番までの御批難でございますが、この件につきましては二十六年度よりこれらの経費につきましての年度繰越が正規に認められるようになりましたのて、今後はこういう題は少くなるものと考えております。
 なお専門員のかたから御指摘のございました点でございますが、四百五十三番から六十三番までの件に関しまして実地を見ていない、今一段の注意をすることが肝要であろうということでございました。これはこの六三制の補助金の関係は御承知のごとく非常に件数が多い関係上、補助金を交付する対象を漏れなく見て廻つて調査をするということがなかなかできないために一応書面で審査をするということにいたしておつたのであります。書面上は一応完成というようなことになつておりましたのでそれに対して補助金を交付いたしました次第でございますが、今後はこういう誤りもなくなると存じます。
 なお二十四年十二月二十二日付の管理局長よりの通知が参考書類として配付せられておりますが、この件につきましてはこれより以前に本件につきまして本省で関係府県の係員を招集いたしまして事前に十分の事務の打合せをいたしましたので、その結果を一応書面を以て確実に流すということでこの通知を出したわけでございますので、府県の職員といたしましてはこれを十分了解しておつた次第でございます。大体文部省として申上げることは以上の通りであります。
○委員長(岩男仁藏君) 御質疑のあるかたは御発言を願います。
○カニエ邦彦君 会計検査院に伺うのですが、二十四年度の決算検査報告に文部省事項として挙げられておるものは他のものから見れば極く僅かである、実際この通りであればまあまあほかから見て非常に結構でないかという感じがするのですが、これはどのくらいのいわゆる人員でどのくらいの検査を一体やつた結果こういうことになつたのか。と申しますのは、非常に検査人員が不足しておつて、全国の各府県の学校関係の経理いわゆる文部省所管の経理を十二分に監査をしていないのではなかろうか。従つて抜き検査をやつた結果非常に上つて来た批難が少いのではなかろうかというような点が一応想像できるので、検査院としては果して文部省所管が二十四年度は徹底した検査をやつたのかどうか、やつたとすれば如何なる方法でどのようにやつたかということについて一応御説明を願いたいと思います。
○説明員(大澤實君) 只今カニエ議員のほうから御質問がありました点でございますが、検査院の文部省関係を検査しております。職員は現在三十名、ちよつと端数が多少違うかも知れませんが三十名程度で検査いたしております。そうしてそれが書面は勿論全般的に検査院へ提出を求めまして書面上の検査は全部に亘つて行なつておるわけでありますが、実地に出ます場合には今度は旅費の制約とか或いは誰が出かけて行つても片が付くという問題ではありませんので勢い派出される職員の数に制限されまして、二十四年度の検査に関しましては大体県は四十数都道府県のうち十七程度実地に六三制の関係の施設を検査いたしました。これも勿論全県下全部の建物についてこれを一々実地に当るということは又不可能な点もありますので、一応は県につきまして説明を聴取いたしましてから主だつた所を実地を見る、こういうような方法をとつております。その結果御指摘のようにこの出ておりますのは拔き検査の結果でありまして、その点を文書の上でも会計実地検査の結果判明したものだけでもこれだけあるというように記述してあるのでありますが、そのほかに勿論あろうかと思いまするがはつきりいたさない次第であります。こうしたわけでありまして検査が十分徹底していないのではないかという御意見は御尤もだと思いまして、会計検査院といたしましてはできるだけ人員を充実しなお検査も充実して行きたいというので、絶えずこの線に沿うて検査官の意向などもそれでありますのでその線に沿うて努力はして来ておる次第であります。
○カニエ邦彦君 大体只今の説明で検査院が文部省所管の経理を、学校といわず、或いは大学附属病院の経理といわず、ことごとく全部に亘つてはやつていない、極めてその中の幾分かを抜打的な検査によつて上つたものがこの批難である。こういうようにお答えになつたのですが、これは必ずしも文部省に限らず、現在の検査院の人員、機構を以てして必ずしも一般会計、特別会計全部に亘つて徹頭徹尾行なわれるというようなことはないでしようが、併しながらやはり国費を使用し或いは国費になるところの収入等でありますから、でき得る限りこれはもう二十六年度をおやりでしようが二十六年度、二十七年度も厳重にやつて頂きたいと検査院のほうに特に要望しておきます。
 それから文部当局ですが、文部省の歳入歳出についてはいろいろ世上うわさされたこともあり、特に何か給食の「だいず」で事件を起しておつたというようなことが新聞にも報道されておつたのですが、その事件に関しましては文部当局としてはその後経過はどうなつているかということを一応幸い文部次官も見えておりますから次官から御説明を願いたい、かように思つております。
○説明員(日高第四郎君) 只今の文部省所管の会計のことにつきまして面白くないうわさ等も出ましだことにつきましては誠に遺憾に存じておりまして、昨年の夏以来いわゆる給食問題につきまして給食課の課長補佐の向井というものが、これは司令部の特殊関係の人との話合いとか申しますが、そういうことで少し深入りいたしまして業者から若干の収賄をした疑いがございまして検挙されました。それはすぐに休職に付しましてその後起訴されましたので懲戒の免官をいたしてございます。そのほかにそれとの関係で一人課長が疑いをかけられておりましてそれについてもいろいろ取調は受けたのでありますが、事情がまだ判明いたしませんのですが本人もそれとは別の理由を申立てているのでありますが、一身上の都合で退きたいと申しますのでそれはやめさせてございます。
 実は給食関係の予算につきましては文部省の本来の予算でございませんので、アメリカのガリオア資金で物資を日本の学校の生徒にやるという建前になつております。で、アメリカから直接に学校に渡すわけに参りませんので、その当時の管理局長が一般の学生生徒の代理者のような形でそれを受取つて処理をしておりましたが、その辺に官庁の金銭の取扱、或いは物資の取扱いに準ずべきものではございますがその中に入れることが形式的にむずかしいというような点がございまして、そういうところに若干のすぎがあると思うのでございます。これは誠に遺憾でございますので今後はそういう機会もございませんし又そういうこともないように取計らいたいと思つております。
○カニエ邦彦君 その点はただ給食のみならず特に文部省がほかの省と違つて教育の中心をつかさどつておる役所だけにその内部からいろいろなそういつた破廉恥な問題が世間に出て参りますると、非常に僅かなことが相当大きく国民の耳や眼に反映するので、十二分に文部省の経理については今後とも注意をされるように要望をいたしておきます。
 それから四百五十二の病院の収入でありますが、これは今検査院からも指摘されたように、国の債権としてこれが絶えず決算期なら或いは検査の報告なりに上つていないというようなことを聞いたんですが、学校といえどもやはり病院のように収入を伴う場所においては絶えずやはり民間業者の経理のように収入支出のバランスは明確にされなければならないことは言うまでもないことで、そういうことが恐らく私は文部省の指導としてその経理方式というものが最も病院経営というものにふさわしいこの方式が一貫して授けてないのではなかろうかというように思われるのですが、その点はどういう工合に御指導になつておるかということ。それからこの病院等ではかなり私はこれはその収入もある、その代りにいろいろな支出もあると思うのです。これを支出は一般物品の購入並びに薬品その他の物品の購入というものがあると、その物品の経理の状況はどういう工合に文部省としては各病院の指示をしておるか。この物品の経理は金の収入支出と同じように非常に大切なことであつて、買つた品物はどれだけいつ現在では使われたと、そうしてどれだけ現在倉庫或いは薬品棚に残つておるか、その物品の棚下しというようなことはたとえ年に一度でも二度でも行われてそれが文部省に対するこの収支報告と同時になされておるかどうか。こういうことはなかなかその多岐に且つて非常に細かい種類のものでありますから非常に困難であると言えば困難かもわかりませんが、併し或る一つの型にはめてそれを指導し指示しておけば、そこにその日その日或いは一カ月ごとにでも書入れて行くことになりますから、従つてそれの最終の集計をいつでも個々の病院でこれができるということ、従つてその病院から文部省の所管の局なり課なりへ報告されれば、それをそこで集計しておれば現在日本のいわゆる大学附属病院の経理の状態というものはいつも一目にしてわかるのではなかろうか。と同時に収入支出或いは物品の消耗に関してでもこれが明確になるのみならず、非常に消費の節約が行われ、そうして未収入の確保が徹底的に行われるという結果に勢いなつて来るので、そういうような措置がとられておるかどうか、とられていなければ今後は一応よく検討をしてこれをやらんければならんと思うのですが、そういうことに対してどういう指示をしておるか。或いは指示をしておらなければ今後はどうするという考えを持つておるか、こういうことについて一つお答えを願いたいと思います。
○説明員(日高第四郎君) 初めに一般の方針について申上げたいと思います。不正行為が指摘されつつありますので、昨年の八月の八日付を以て各国立大学長、所轄の研究機関の長、文化財保護委員長並びに本省の会計課長宛に文部次官名を以て注意を促しておるのでございます。ちよつと短うございますから読んでみますが「これ等不正事件発生の原因を調査するに、これに関与した者が会計職員として適当でなかつたことに基因することはもちろんでありますが、会計内部の組織、監督等の欠陷に基くもの、または予算使用の範囲を逸脱するよう費原因が他動的に作られているもの等が少くなく、これらの点に十分留意すれば、これを未然に防止できたものと思考されるものが多いのであります。今後会計職員の選考については、特に意を用うるとともに、内部組織の面においても不正の介在する余地のないような措置を講じ、さらに定期又は随時に内部監査を実施し、未収入金等については納入の済否に意を用い、常時報告を徴し、債務者に対する督促を巌にする等の方法を講じ、いやしくも文教の府に不祥事の発生することのないよう一層の御留意を願いたく、命により通知します。」これは特に天野文部大臣がこういう不正事件が文教の府に発生することを憂えて注意をするように命ぜられましたので、私からそういう趣意でいたしてございます。只今の経理の方式の指示等につきましては技術的のことでございますので会計課長からお答え申上げたいと思います。
○政府委員(小林行雄君) 病院収入につきまして債権を確定するような手続がとつてなかつたということに関連しましてでありますが、大体すべての収入が事前にこれを調定するということが収入の原則になつておりますが、病院の従来この社会保険の関係につきましてはいろいろの審査手続その他の規定がございましたために、収入を一度調定いたしましてもそれがあとで動くというようなことがございました関係上、並びに従来のやり方というようなこともありまして今までは事前調定ということが行われておらなかつたのでありますが、昨年からこれが行われるようになりましたので、一般の収入と同じようにすべて事前調定になつたわけでございます。
 次にこの病院の収入支出のバランスの関係でございます。これは現在の病院の歳出予算というものは収入予算に見合つてこれが大体組まれております。従いまして大体収入と支出は病院におきましても一定の比率を持つてはおりますが、大体合つているというような状況になつております。
 なお、国立大学の病院につきましては普通の一般の診療機関と違いまして研究の面もございますのでこの点特殊な点がございます。
 なお病院経営上その一つの経理方式をはつきりさしたほうがいいじやないかというような御意見のように承わつたのでありますが、それは確かに御指摘の通りでありまして、現在までいろいろの収入、支出の面につきまして数字の上での報告はとつておりまするけれども、物品関係或いは薬品関係等につきましては常時報告をとるというようなことはいたしておらなかつたわけでございますので、今後は御指摘のありました通り十分研究いたしましてそのようなことにできるだけいたして参りたいというふうに考えております。
○カニエ邦彦君 四百五十二号の批難について今、会計課長が答えられたような事情である、従つてこれの措置については止むを得ないじやないかというような御意見のように伺われたんですが、会計検査院が検査されて今の会計課長のあの説明で一応了承できるのか、或いは了承しにくいなれば一体その事情が違うのであれば違うように一応御説明を願いたいと思います。その点はどうですか。
○説明員(大澤實君) 只今の会計課長の御説明は結局こういうことであろうと思います。この病院などが診療代金を取る場合にはこれは個人から直接取るのもありますが、その大きなものは社会保険診療支払基金という基金があります、そのほうへ請求しましてそのほうから金を受取る。ところがその基金へ請求しますると基金のほうはこれは法律上の権限に基きまして査定ができるのでありますから、請求した金額が必ずしもすぐ支払われるとはさまつていない。だから請求のときに徴収決定しておくとあとになつてそれを訂正しなければならないようなことになるから、結局基金の査定を待つて払込んで来たときに事後に徴収決定をする、こういうふうな手続が従来とられて来ておつた。こういうことを御説明になつたと思うのでありますが、その査定があるという点は確かでありまして、会計検査院といたしましてなここに二つの方法を考えたわけであります。一つは請求しますると同時に一応納入告知書を発行いたしまして徴収決定側に上げる。そうして基金が査定に来ましてその査定が終りまするとともに、納得の行く査定でありますればそのときに徴収の誤謬を訂正いたしまして改めて納入告知書を振出して納めさせる、これが一つの方法であります。もう一つの方法は最初に基金へ請求する場合にはまだいわゆる事前の調査段階であると見まして、そのときには徴収決定をいたしませんことにして、基金が査定をしまして幾らになつたという報告を受けてそれに基いて納入告知書を発行して、基金のほうから日本銀行なり収入官吏へ振込ませる。こういう二つのどちらかの方法をとればよろしい。どちらにしても事前にいわゆる基金が払込んで納めるまで、決算面に上つて来ないというような手続をとるのが妥当じやないか。こういうことでありまして、むしろ第一の方法が妥当であろうと私どもは考えております。第一の方法と言いますのは、結局一応納入告知書を発行して、基金の査定がありましたならば誤謬を訂正する。まあ基金の査定ということは、本来ならば実際にこれは点数制によつてやつておるのでありまして、計算の誤りがなく又こちらの請求が妥当であれば査定ということはあり得ないわけでありますから、それで殆んどが処理できる、こういうように考えておる次第であります。でありますから結局検査院といたしましては飽くまでも事前に徴収決定をして債権を明示すべきだという線で進んだわけであります。その結果が先ほどから御説明がありましたように、昨年の十月からは検査院の要望した面に改正されたということになるわけであります。なお附加えまして先ほどカニエ委員のほうから物品関係のお話が出ましたのですが、会計検査院といたしましても現金の収支の面と同様にこの物品の受払ということが極めて重要であることを絶えず考えておりまして、大学などの病院へ検査に参りましたときは必ず購入した薬品が薬品の出納簿に登録されているかということと、その出納簿の受払の残が現品と符合しているかということを絶えずチェックしているわけであります。勿論先ほどから申しましたように限られた人数で限られた期間に実地検査をいたしますので全部についてとは申上げかねますが、抜き検査的には絶えず確認して参つているわけであります。
○カニエ邦彦君 それでこの件で二十五年の三月末現在において約二塁二千三百余万円の収支未納である、これは現在においてはどういう状況になつておるのか。現在でもなお且つこれは収入未納になつているのか。現在はこれは入つてそうして新たに又収入未納がどれだけあるということになつておるのか、それを文部省側から一応御説明願いたい。
○政府委員(小林行雄君) 二十四年度の歳入につきましてその後調査いたしました結果、二十七年一月一日現在のこれは数字でございますが、この一億三千三百万が千九百万円ほどまだ未徴収になつておる状況でございます。なお二十五年度につきましてもこれは現在数字をはつきり持つておりませんが約二億程度の収納未済があることになつております。
○カニエ邦彦君 そうすると批難事項に挙つている収納未済は一千五百余万円くらいに減少しておる、その他は収納になつた、新たに又二億ほどの未徴収分ができると、こういうことのようですが、その二億ほどの未徴収分というのはどういうことでできるのですか。これはそれだけのものができなければやはりやつて行けないということなのか、その原因ですね、未徴収分がどれだけ残つているかということです。
○政府委員(小林行雄君) 新たな二億程度の徴収未納金でございますが、これはやはりこの支払基金或いは組合等社会保険の制度の中心をなしますそういう財源の関係が十分にならないと、なかなか速急には解決ができない問題だというふうに考えておるのであります。遅延いたしております部分につきましては督促によつてだんだん入つて参りますが、財源不足の関係もあつてそれがなかなか収納に至らないという面があるわけであります。
○カニエ邦彦君 会計検査院のほうは只今の文部当局の御意見に対して一応今まで検査して来られた関係からして止むを得ないということのお考えになるかどうか、その点の意見を一つ。
○説明員(大澤實君) 只今会計課長のほうからお話がありました約一億というのは二十五年度における収納には至つていない数字と、こう考えておりますが、二十五年度はまだ会計検査院の意見のいわゆる事前徴収決定の制度をしいていませんでしたので、この二十四年度に掲げたと同じような事態で二億数千万円が徴収決定に至つてなかつた、こういうことになります。二十六年度は現在これから検査を始めますが、昨年の十月からの事前徴収決定の制度に変りましたから恐らくこの決算面においてはそれが債権としては少くとも出て来るのではないかと考えております。なおこれはこれからの検査で調べて行くつもりでおります。
 なお二億数千万円が入つていないということは先ほど会計課長のほうからお話がありました支払基金のほうの財源繰ということも確かに一つの原因になつていると思います。でありますからそうしたものの多少の収納遅延が出て来るのも止むを得なかろう、こういうようには考えております。
○カニエ邦彦君 そうすると会計課長に伺うのですが、二十五年度はこういうことで今二億というものは何したが、二十六年度現在はこういうようないわゆる批難というのは出て来ない、制度の改革に伴つて出て来ない、こういうことに了承していいわけですか。
○政府委員(小林行雄君) 二十六年度末ということになりますればこれも収納未済の金額というものは非常に減つて来るだろうと思います。
○カニエ邦彦君 大体これで私は四百五十二号という点においてはそうであれば改善をされて来るのじやなかろうかと思われるので、次に四百五十三から四百六十三の批難事項でありますが、これは先ほど政府の答弁によりますと、まあ政府当局も一々末端の六三制の非常に多かつた年であり従つてこれが全部に亘つて実地検査も目が行き届かなんだ。併しながら現地のほうへ書面のいわゆる検査なり或いは質問を発して、そうしてその書面の回答では全部完了したということであつたということで、一応それを信用して了承しておつたということのようにお聞きしたのですが、仮にそうだとすれば、非常に私は事がやはり先ほど文部次官も言われたように、教育の府である末端の学校が本省に対して事実でないことを報告しておる、こういうことになると思うのです。うそをついておる。そのうそを本省としては全くこれは本当なりと信じておつた、こういうことになるのじやなかろうかというように聞き取れるのです、今言われたようなことから考えると。もうできてもいないものを一応これは進行してでき上つていますという報告書が来た。だからそうだと思つた。ところが実際は会計検査院が実地に当つて調べてみたらそうでなかつたということでここへ批難が上つて来た、こういう形ではなかろうかと思うのです。そういうようなことだと仮にすれば、これはやはりいろいろ建築の問題でありますから恐らくそれはものをものさしで計つたり、或いはまずで計るようなことには行かないかもわかりませんが、併しそうであればそうであるような実際に即した報告をされ、そうしたいわゆる会計経理の措置というものが行われねばならないと思うのですが、その点については一体どういうことになるのか。
○政府委員(小林行雄君) 先ほど私の申上げようが悪かつたかとも思いますが、これらの補助金につきましては大体年内完成の予定計画書というものが出ます。この予定計画書その他の書類を信用いたしまして補助金を交付した。実際補助金を交付するときには予定計画書の通り進行しておるかどうかということを逐一検査をいたしまして交付すればいいのでありますが、補助金交付の対象が非常に多かつたために全部を調査するには至らなかつたということでございます。この経費は従来安定本部所管の公共事業費でございまして、この公共事業費関係につきましては年度の繰越というものが認められておらなかつたわけでありますが、これも二十六年度から文部省予算計上の文教施設整備費となりましたと同時に年度の繰越が認められましたので、こういうようなことは今後は起らないだろうというふうに考えておるわけであります。なお実際にここに御批難に上つておりますような件につきましても、その後調査いたしました結果その後半年の間にすべての工事が竣工いたしておるのでございます。検査の当時にできておらなかつたのは大変遺憾でございますが、その後半年の十一月までの間に全部が完成したというような次第でございます。
○カニエ邦彦君 そうすると会計検査院のこの批難はその会計経理を狙つておる、こういうことにつきるのじやなかろうかと思うのですが、いや、結局繰越を認めるか認めないかという問題だから結論はやはりそういうことになるんじやないですかね。会計検査院のほうではどうなんですか、その点は。
○説明員(大澤實君) 会計検査院で、すでにこれで三年目になつているわけでありますが同じような事態が検査報告によつておるのでありますが、会計検査院といたしましては終始一貫こうした年度末までにできる予定で予算を組んで予算の示達があつたものが、やむを得ない事情によつてそれか反対給付たる建築工事ができなかつたというような場合は補助金を繰越すべきではなかろうか、こういう趣旨で一貫して来たわけです。これに関しましては公共事業費は繰越しを認めないというわけじやないのですが、公共事業費は成るべく緊急のものだからその年度に使つてしまえ、使つてしまえといいますかそれだけの仕事をしてしまえというのがまあ経済安定本部のほうの一つの最高方針であります。それが誤り伝えられたと言つては語弊があるかも知れませんが、繰越は絶対にできないのだというようなふうに末端のほうに流れた結果がこうしたことになつたのではなかろうか。飽くまでも当時においても繰越手続はあつたのであります。でありますから、当然繰越であるべきであるという結論になるわけであります。
○カニエ邦彦君 結局そういうことになれば、こういうようないわゆる一定計画というものを立てて行われたものには違いないが非常に他のものとは違つて計画がややもすれば変更になりやすい可能性があるものですね、こういうものは。そういうものに対してピタツと国がますに計つたようなことでものさしを当てがつてさしておいてそれができなんだからといつて何するということは、これはまあ一応会計検査院の立場としては私はもう当然なことだということはわかるのですが、実際問題としてはやはりここにこれができなければできないように他に取るべき方法を示してやらせようということが適当かと思うのですが、今の大澤局長の話でも成るほどその繰越措置というものができ得るということになつているという御答弁ですが、而も文部省としてはやはりこういうものは明確にそのでき得る措置によつてやられたらこういう間違いも起きなんだかと、こう思うのですが、この点はいずれにも何というか現実に少し遠いようなものがあるのじやなかろうかと思うのですが、文部省ではどうなんですか。そういうことについてやはり繰越の措置をとることが非常に困難であつた、或いはそういうことはできなんだという事情にあつたかどうか。
○政府委員(小林行雄君) この公共事業費関係につきましてはその点につきましても当時の安定本部といろいろ相談をいたしたのでありますが、安定本部のほうといたしましては繰越というようなことをやらなければならないようなところへは出すなというふうな御意向のように承つておつたのであります。そういうようなことになりますと六三制で建物を建てなければならんというようなところへは如何に必要があつても補助金を出すことができんというようなケースも出て来る可能性がありましたので、勿論御指摘のように年度繰越ができればこれはそれに越したことはなかつたのでありますが、その必要性と、それからまあ私どものほうといたしましては繰越措置というものができないのだというふうに考えました二つの点から御批難の御指摘を受けるというようなことになつたわけでございます。今後はこういうようなことは只今申上げましたように繰越制度が認められることになりましたので起らないと思つております。
○委員長(岩男仁藏君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(岩男仁藏君) 速記を付けて下さい。
○カニエ邦彦君 そこでまあ本件に関しては私はやはりその当初に安本なら安本が規定したそういう窮屈なものさしを渡したというところにも勿論これは問題があると思うのです。併しながら一旦そういうものさしが授けられた限りにおいては、私は少くとも文部当局としてはやりにくくてもやはりそれに当てはめるということにならなければ国の会計秩序というものが保てなくなると思うのです。この点においてはやはり会計検査院が指摘していることがまあ大体適当ではなかろうかという意味で、今後十二分に留意をしてもらいたいとかように思つております。
 それからこれはまあ一例を申上げるのですが、先ほど文部次官も言われましたが、国宝等の維持管理いわゆるこの委員会の担当されている補修、或いはその他の修理に対してどうも予算を交付する、或いは配分するというまでは非常にやかましく言われるのですね。ところが実際これを取つて実行するとそれが非常に無駄になつているのじやなかろうかと、或いは十二分な監督が末端において行届いていないのではなかろうかという感じがするのです。それでそういうことは私何で感じているかというと、殊に京都や何かその点が多いのですね。ここ丁度半年も前でしたか、京都に建念寺という寺があつてその寺の南の門は国宝になつている。平清盛が六波羅に館を持つた当時の門があそこにあつてそれでその門が非常に荒れて修理をするということになつた。ところかその修理をするためにいろいろ門の周囲に竹矢来をし、そして又門の上のほうからは陽がささんようにいろいろな天蓋をしておつた。ところが最近見るとそれが一カ月ごとにその組んでちやんとしてある竹矢来がいつの間にかぼちぼちと盗まれたり壊されたりしてなくなつて、そして現在では殆んどそれが半分ほどはもうなくなつちやつているんですね。そうするとそういうようないわゆる現実からして、末端のほうでは折角国費を投じてなされているところのものがさようなことであつてはならんと思うのです。而もこの門の前には松原警察署といつて市内の警察署があつてですよ、警察署と相対峙してるんですよ、裏門ではあるけれども。ところがその竹矢来が全部折角作つたものが半分からもう壊しちやつているというような感じを受けた。こういうような現実からして恐らく私は全部が全部とは思いませんが、折角国民の血と汗で出したお金で作られたものが、こういうことであつてはならんと思うので、そういう点も重ねて一つ留意して成るべく国費の使途については十分の文部省といえども一つ御留意を願いたいと、こういうふうに考えておりますから特に要望いたしておきます。以上私の質問を終ります。
○委員長(岩男仁藏君) 他に御質疑ございませんか。別に御発言もなければ文部省所管の事項の質疑は終了したものと認めます。
○委員長(岩男仁藏君) 次に厚生省所管の事項第四百六十六号から第四百七十八号までを一括して議題といたします。先ず専門員に説明を願います。
○専門員(森莊三郎君) 厚生省の関係につきましては四百六十六号から四百七十八号まででございますが、大抵のことは会計検査院の検査報告書に記されておりまする通り、読んだばかりでことがわかることと存じますが、特に気がつきました点は四百六十七号「診療収入の徴収に当り処置当を得ないもの」として記されてあります。これにつきましても検査院から厚生省へ当てまして「国立病院又は国立療養所の診療費の取扱方の改善に関する件」という意見書が出されておりましてそのことが検査報告書の二百四十一ページに記されております。これにつきましてもその後聞くところによりますれば現在では取扱方が改善されているという話であります。丁度これと同じような問題が只今御審議の文部省関係の大学附属病院についてあるわけでございまするが、この大学附属病院では保険組合などの支払の遅延が問題になつているようであります。厚生省関係の国立病院においても同じ事件があることと思いまするがこれがどんなふうになつておりますか。厚生省では早くなおつたが、文部省のほうでは少し遅かつたのかどうか、それらについて一応の話を伺つてはどうかと思うのであります。
 それから四百六十八号のほうは、「補助金の交付に当り処置当を得ないもの」ということでありますが、これは内容は多少違うかも知れませんが同じような性質の事件が毎年の検査報告書に見えておりまして、二十三年度の検査報告にも数件上つております。なお二十五年度の検査報告にも若干上つておるのでございますが、この補助金の交付についてもう少ししつかりした措置を本省においておとりになる必要があるのではないか。なお又不都合なことがあつた場合に一応の注意を与えることは勿論でありまするが、その行政処分が單に注意というような軽いことで過ぎておつて毎年々々同じようなことが繰返されているということであつては甚だ面白くないのではないか。要するに関係の役人にこの本省の精神を徹底させ又本省自身においても十分にしつかりした処置をおとりになることが必要ではあるまいかと、ただそれらの点について若干私のほうで気がついたのでございます。それ以外はもう特に申上げることはございません。
○委員長(岩男仁藏君) 次に会計検査院及び厚生省当局において特に説明を要する事項がございまするならば、御説明願います。
○説明員(大澤實君) 只今專門員から御説明のありました四百六十七号に関連いたしまして、多少敷衍して申上げたいと思つております。
 この厚生省関係の国立病院の徴収処置は事前徴収の制度が二十四年度初頭から布かれておりまして、これは文部省のほうの関係とは違つておりまして事前徴収制度は布かれておつたわけであります。そこで会計検査院がこの検査報告の二百四十一頁にただ一行診療費の取扱方の改善に関する件として意見を表示いたしましたのは、先ほどお話申上げました支払基金から病院へ払込む場合にこれを市中銀行の口座へ払込む、そうして市中銀行の口座から収入官吏が引出していわゆる国へ歳入納付する、こういう一つの市中銀行を経過させるという制度をとつておりましたので、それは妥当ではない、やはり直接日本銀行なり収入官吏なりへ振込ます方法を講ずべきだ、こういう趣旨の改善意見を表示したのでありまして、むしろこの検査報告で言えば四百六十六号のほうで大日向莊が出ておりますが、こうした取扱が比較的多く行われておつたというのでこれをやめるようにという意見を二十五年の六月に表示したわけであります。その結果厚生省の関係ではその年の八月かと思いましたが、その後は直接日本銀行へ払込むというような制度に変えられた次第でありまして、この文部省の事前徴収のほうの意見表示とは多少違うのであります。
 なおこの然らば収入未済の点はどうかということでありますが、これはやはり厚生省関係の病院におきましても支払基金事務所のほうからの支払が遅れるとかその他によりまして収入未済は相当額あります。二十四年度の決算にも収入未済額として出ております数字が料金収入で三億五千万円あります。では会計検査院としては文部省のほうの二億数千万円の収入に至つてないものを検査報告に掲げて、なぜこちらは掲げないかと申しますと、先ほど文部省のときに申上げましたのですが、文部省のほうは徴収決定をしていないという点を重点において検査報告に掲げたような次第でありますが、厚生省のほうは徴収決定をして債権として表示されておる、それが遅延しておる点は先ほど申しました基金事務所の財源繰りその他で多少はやむを得なかろうというので、このほうは収入未済のそれだけを取上げては検査報告に掲げてありませんので、ただこの取扱いとして四百六十六号のように市中銀行を通ずる取扱。それから四百六十七号はまあ文部省のほうと同じように徴収決定をしていなかつたという問題が掲げられた次第であります。一応敷衍しておきます。
○政府委員(太宰博邦君) 先に事務次官が参るはずでありましたが次官会議に出ておりまして終りますればこちらへ参りますのでお断り申上げておきます。
 このたび昭和二十四年度の決算につきまして私どもの努力至らんためにいろいろ指摘を受けまして誠に遺憾に存ずる次第であります。只今お話がございました件につきましては私ども検査院の指摘の通りでございまして甚だ申訳ないと思つておるのでございます。ただ何分にも厚生省の施設が非常に多うございます。特に病院、診療所は全国に三百近くございます。その病院、療養所も戰争後医療団とか或いは軍病院というものから厚生省に引継げという命令で参つたというような事情もございまして、又必ずしもそれが完全にいわゆる厚生省の前からあつた療養所、病院と同じように経理のやり方、事務の運び方がよく固まつて来ていないというような事態もございます。さような際にたまたま係員の不慣れ或いは前のやり方をそのままそれでよろしいと思つて踏襲しておつたというために起した事故などもございます。そういう点につきましては逐次指導教育しておりまするので最近におきましては大体まあまあ固まつて来たように感じておる次第でございます。
 四百六十六号の大日向莊は群馬県にあるのでございますが、社会保険診療徴収支払基金から支払を受けたものを日銀に納めないで市中銀行に普通預金として預け入れておつた。即ちこれは医療団から厚生省に移管になつた病院でございますので医療団当時にそういう収入はそこの市中銀行に、これは富士銀行の高崎支店でございますが、従来からの取引銀行に医療団当時は納めておつた。それを国立に移管になりました後におきましてもそれでよろしいのであるという誤解の下に相変らず前の取引銀行である富士銀行に納めておつた。それが発見されましたのですぐその後は日銀に直接納めさせるように改めさしたことは勿論でございますが、まあ幸いにいたしましてこの間何の不正があつたということじやございません、ただそういう不慣れな従来のやり方をそのまま国立移管後もそれでいいのだというような考え方で間違いを起したというような事態もあるのでございます。
 四百六十七号の関係はこれもやはり軍病院などから移つたものも中にはございます。これは従来先ほど文部省の関係でも出たように存じますが、いわゆる支払基金などで金額が査定を受けまして動きますので、そのことを考えて金が支払われてから調定をする。これはその後検査院からもお示しを受けまして昭和二十三年度からすべて事前調定と申しますか、私どものやり方は支払基金で以て調べて頂いてこれは確かであるというところに固まりましたときにこちらが納入告知書を出すというこういう式に改めたのでございます。その改めました前後に会計主任をやつておりましたのが軍病院でございますから軍人でございました。これがパージにかかりました。そうして次の文官の会計上の引継ぎをしてありますが、その際に引継ぎが不十分でありましたために引継ぎ前のものにつきましてその調べて納入告知書を出さねばならないのにうつかりしておつたという点がございます。それからその後におきましても生活保護法などによりますと大体これは市町村から医療券というものを提出してもらいましてそれを病院に提出すればそれが無料になる。こういう建前になつておるのでありまするが患者はそういうものを持たないでやつて来る場合が往々にしてございます、私は生活保護者である、生活医療保護については目下自分の町村に申請しておるというのであります。嚴格に申しまするとそれではあなたのほうで町村で明白にこの生活保護法の認当者であるということの証明を受けられてから後その取扱をいたしましようと言うのが純粋なる会計官吏の立場でございまするけれども、併し人情といたしまして本人がやつて来ますれば一応それを調べますけれども大体間違いないと思われますれば一応入れておきまして、それから町村に手続を促進するわけであります。たまたま町村のほうでそれを調べてみました結果、これは生活保護法の該当者でないというような場合もございます。その場合には自己負担になるわけでありますが、それがもうすでにそうなりますると、本人は納める力がないという羽目になつてしまう、或いは町村でそれの該当がはつきりしましても、医療券の発行が遅れますと、その前の分まで遡つてやつてくれないということになるというようなことも重りまして、徴収決定漏れの分ができたといつようなことで、誠に遺憾な次第でございます。これはここにございまするように、早速徴収決定をいたしまして、これの納入を促進しておるような状況でございます。
 それから四百六十八号の補助金の交付に当つて処置当を得なかつたもの、この事案そのものは愛媛県の宇和町と隣接いたしております中川、岩城でございますか、二村の国民健康保険の診療所を設けるという事案でございますが、これは最初は極めて順当に手続が進んでおりました。それからこの二十四年の六月にはもう敷地を決定してこれを買収して、まさに工事を運ぼうという段階までになつておりましたところが、たまたま地元の宇和町の一部の住民の間に、そういうところに病院を作つてもらつては困るというので、病院建設延期同盟、まあ反対でございますが、そういうような運動が表面化して、町の議会、理事者側におきまして町民との間になかなか話がまとまりません。それが隣りの二村にまでも影響、波及いたしまして、一時工事の施工を中断せざるを得なくなつたのでありますが、その後この実施につきましては関係当局の勧告もありまして、漸く事態が好転して、まとまりましたのがその年の年度末で三月末でございました。そこで先ほども文部省関係で出ましたごとく、純粋なる会計法の立場から申しますれば、もうその年度にはできない、できる見込が遅くてないのでございまするから、予算の繰越をいたしてやりますればそれは合法的なんでございますが、たまたまその当時の下のほうの役人どもの考え方といたしまして、予算の繰越というものは非常にむずかしいそうだ、下手するとこれで打切られてしまいやせぬかというような考え方がございまして、なかなかこういうむずかしい問題が漸くここで関係者一同手を打つてうまくまとまつていたこの機会であるから、これを又変な手続をさせられることによつて期間が延びて、そのために又その間にごたごたでも再燃しては困るから、このままやつてしまおうというようなことから、その工事を続けてやつた次第でございます。従いましてそこに繰越をやりまする手続を怠つたということによりまして検査院の批難を受けたのであります。かような事案が出ましたことそれ自体は、私どもとしては申訳ないと思つております。併しながらこの事案は、先ほどもいろいろ御意見承わりましたごとく、実は毎年若干ずつこういう問題が起きまして、叱られることはもういたし方ないのでございますが、何とかこれを一つ地方の第一線の者の苦衷を一つ考えて合理化して頂きたいという気持は持つております。先般幸い国会のほうでその点に対しまして立法して頂きましたので、今年度以降につきましてはこういう問題でお叱りを受け、又御迷惑をかけることがなくなつたことは感謝しております。一言申上げておきます。
○カニエ邦彦君 そうすると四百六十六のこの案件は、これは二十三年度にも同様な案件があつたと思うのです。にもかかわらず二十三年で批難されておつて、又それが一年後二十四年度にも又批難をされておるということでは、二十三年度の批難のときにすでにこれが是正していなければならないにもかかわらず、又この批難を受けて来ておるということは、一体どういう理由に基くものであるかという点を政府側にお尋ねをいたします。
 それから検査院側に、この事案を検査したときに、市中銀行の普通預金として預入れをしておつた、この預入れの預金通帳の内容を見られたかどうか、見られたとすればその間の動き方はどうであつたか。と申上げるのは、幸い政府側からはこれに対しては結果としては不正事実は起らなんだと、こういうことを報告されておつたのですが、往々にして職員の不正というものはこういうような点から起きて来るわけなんです。これは非常に何というか、不正を行おうと意識していない者にまるで誘い水をかけるようなことになり得る可能性が十二分にあり得る、従つて検査院のほうではそれを調べたときに、果して結果としてはそうであるけれども、その間中途において他に流用しておつた動きがあつたかどうか、預け放しになつておつたのかどうか、この点を……。
○説明員(大澤實君) 只今の点は銀行預金通帳を見まして、それが払出しになつておりますと、それが今度はいわゆる収入関係で国の正規の受入れになつておるかどうか、その点をチェックいたしまして、その結果は通帳から払出した金は日本銀行に払出しておるというので、その間に流用した形跡は、預金通帳の面とその収入の面とをチエツクいたしましたらなかつたと、当時の検査に出張した者の報告を聞いております。なおその間に多少利子も徴収しました。それも収入に入れておるということであります。
○カニエ邦彦君 厚生省のほうではこれはたしか二十三年度にも同様なものの批難を受けておつたと思いますが、私の記憶が或いは間違つておるかも知れないが、受けておつたとすれば、二十三年度のときに各末端に徹底せしめていなければならんと思いますが、どういうことになつておりますか。
○政府委員(太宰博邦君) 私もここに二十三年度の書類は持合せはございませんが、私の記憶では、この二十四年度になつて初めてだと存じております。それからなお今大澤局長からお話がありましたように、預け放しというので、一回も出しておりません。
○カニエ邦彦君 二十三年度の検査報告書がありませんので、その点私もはつきりとしたことはわからないのですけれども、検査院のほうではどうなんですか、そういうことは二十三年度にはございませんか。
○説明員(大澤實君) なかつたと思います。
○カニエ邦彦君 それでは四百六十七号でありますが、この件に対しては現在の徴収未済の分は一体どれだけあるのか。
○政府委員(太宰博邦君) 現在と申しますか、大体二十七年の三月末現在におきまして百四十九万四千四百九十一円というものが収納未済になつてございます。
○カニエ邦彦君 そういたしますと、その金はまあ未だに収納未済になつておるのだから、従つて収納の見通しについてはどういうことになるのであるかということ、これはまあそのうちにはこれはどうしても取れないという、いわゆる不能な部分、いわゆる焦げつきになつてしまう部分があるとすれば、一体どのくらいあるか。
○政府委員(太宰博邦君) この件数を当つてみますが、非常にこれは私ども苦労しておる点は、当時からこれは大分たつておるものでございます。而もその間に係員が交替いたしたりしまして、書類なども散逸しておる。それでまあこちらでは、たしかあなたのところで収納未済になつておるからと言いましても、片方のほうでは、いや、確かに払つたはずだ、然らば領収書がございますか、今頃まで領収書取つて置くようなそんな生ぬるいことあるかというようなこともございましてなかなか一件々々が終了いたして行かないという点もございます。それから又保険などにつきましては、先ほどもちよつとお話しました、保險の財政の関係でぽつりぽつりということもございます。まあそれから個人の分につきましては、個人が今どこに行つたかわからないというような、非常にそんなことで、処置が遅れて申訳ないのでございまするけれども、少し年月をかけて、まあちくりやつて行くというような作戰をとつて来ておるわけでございます。今まで約半分入りまして、残り半分が残つておるわけでございます。このうち残りの点につきましても、或る程度のものは今後努力を怠らずにやつて行きまするので、なお入るとは思つております。まあ見通し、どの程度行けば焦げついて入らないかどうかということは、ちよつと今の段階では申上げかねる。なお努力しておるということを申上げるだけでございます。
○カニエ邦彦君 そうすると努力されても、結果においてやはりこれは取れないものが、徴収不能に陷る部分がないとは、今の説明から推しても考えらわない。その場合ただ徒らに年々ここに数字の上だけ載せておかれるということもどうかと思われるのですが、それに対しては厚生省はどういう工合な措置をとられるか、やはり年々焦げついたものを数字の上だけで……そうしていつまでも国の債権として、数字だけを残して行つて、それを自分が又次の者に送り、又次の者が送るということをいつまでやるつもりなんだ。或いは又これを思い切つて、やはり清算して、はつきりざすという考えがあるのかどうか、その点について……。
○政府委員(太宰博邦君) これはその事案の内容によるのでございまして、債務者があります限りは、それから又それが支払能力を持つております限りは、私どもといたしまして徴収の努力を続けなければならない。まあ債務者がどこへ行つたか、なかなかわからないというような事案につきましては、これは或る段階が来ますれば、検査院のほうと相談いたしまして、検査院の指示を受けて処置しなければならんと思います。まあ私どもの努力をする余地がまだあると存じまするので、努力する余地のありまする限りは、この方面を更に督励いたして参る、その結果を全部、努力の過程も全部検査院に報告いたしましてそして検査院の指示を待つと、こういうことになるのではないかと考えております。
○カニエ邦彦君 この報告書で見ますると随分古い、二十三年度以前の分というようなものが実はあるのですが、こういうものが未だに残つて来ておるということは、実際常識で判断しておかしいのじやないかということに思われるのと、それからこういうような徴収ができ得ない状態にしたという責任の問題ですが、これについては一体その責任者はどういうことになつておるのか、この点を伺いたいのであります。
○政府委員(太宰博邦君) これは先ほどちよつと申上げましたように、二十三年度以前のものが多いのでございます。御指摘の通りでございます。これは大体その以降の分は先ほど申しましたように、事前調定に切換えたのでございます。その以前のものが事後調定と申しまして、金を持つて来てから告知書を出すというような状態で、従いましてこちらといたしましては、その間のものはよほど注意していなければ、うつかりそれが忘れられる。而も告知書も発行しておりませんものですから、日数がたつに従つていよいよこれがあいまいになるという懸念があるわけでございます。先ほど申しましたように、前の会計主任が軍人でございます。まあ一例、久里浜のあれを申上げますると、その者がパージになつてしまつた、そのあとに文官の者が行つた。まあそういうようなので、引継ぎが完全に行われていなかつたというようなことがやはり大きな原因の一つをなしておりました。まあその間事務の不馴れというものがあつたことと思いますが、いろいろこういう面につきましては当時も嚴重なる注意を与えておつた次第であります。
○カニエ邦彦君 検査院は厚生省が言つているように、できるだけこれは取る、そして相手方の存在する限りはやると、これはまあ尤もなことだと思うのです。ところが実際問題としては取れんものが、焦げつきが、不能であるという分がやはりできて来ると思うのですがね。これはやはり恐らく私は年年引続いて批難事項に取れぬ分だけが残つて来るという形になりはせんかと思うのですがね。そういうようなことをやつておるということもどうかと思うのだが、そういう処理について検査院としての見解はどういう工合なのか一つ聞かして下さい。
○説明員(大澤實君) 特に病院のことなどにそれが多いと思うのでありますが、一般的に国の債権に対しまして、検査院といたしましては先ほど会計課長からもお話がありましたように、取れるだけ取るように努力するという線は勿論崩してはいないわけでありますが、ただいつまでも取れんものを債権に放置しておくということは、却つて好ましくない結果が来るのではないかと思いますが、それで結局どう処理するかということになりますれば、当人がはつきりしておつて取り得る資産があれば、これは強制執行して取るべきである。なお資産がなくて当人がはつきりしておりますれば、ちよつと法律の名称は忘れましたですが、これをいわゆる貸付金債権に転換し得る途が開かれる。そして大蔵省のほうでそのあと据置きの債権にしまして、いわば出世証文的になりますが、資力回復のときに払うというような貸付的に整理する方法も認められており、それでやる。当人が行方不明であればこれは止むを得ないから、時効期間を待つて、時効によつて債権の消滅をして、不納欠損に立てる、まあとにかくそうした一定の手続を履んで不納欠損に立てなければならない段階になりますれば、これは貸倒れとしてこうした不納欠損こ立てることを促進する必要もあろう、こう考えております。なお極めて少額の債権で、督促の郵便料にも及ばないというものも中にはあり得るのではなかろうか、これをどうするかということを実は非常に考えておるのでありますが、現在の法律体系ではそれも放棄してよろしいということになつていないので、何とかこれは特別な立法でも講じて頂いて、いわゆる一種の少額債権放棄の法制でも講じて頂いたら或いはいいのではなかろうかと思われるのも中にはある次第であります。大体検査院としてはそう考えております。
○カニエ邦彦君 厚生省では今検査院が言われた趣旨に則つて早急に、こういうものを年々我々の委員会に出して来ないように、最善の方法をとつて処理して頂く、こういうことを強く要望いたしておきます。
 それから四百六十八号に関しては、これは保険診療施設というものは、現在ではまあ完全に建つて経営しておるということなのか、現在は一体どういうことになつておるか。
○政府委員(太宰博邦君) これは先ほど申上げましたような事態で遅延したのでございます。これが年度末になつて話が漸くつきまして、以後は順調に進行いたしまして、十月三十日に竣工済みになつております。
○カニエ邦彦君 検査院から四百六十九号の説明を一つ伺いたい。
○説明員(大澤實君) これは埼玉病院と世田谷病院と大蔵病院との三病院におきまして、工事の内容はちよつと省略しますが、ここに書いてありますような工事を受請わせるに当りまして、一つ予定価格を定めまして、なおそれから一〇%なり一五%を引いたものを一つのリミツトといたしまして、若しも入札がそのリミツト以下であれば、これは最低入札でも採用はしないということを一つの制限を定めまして入札いたしました。そして最低を排除いたしまして、二番札なり、或いはひどいのは五番札になつておりますが、五番札に入つたのと契約した、こういう事例であります。まあ会計法規の精神から、入札という精神から言いましても、とにかく指名競争であつて、資力、信用確実な人を指名して入札に付する以上は、その最低の価格の落札者を以て契約を締結するのが当然ではなかろうか、これで最低の一つのリミツトを設けるのは妥当ではない、こういう趣旨を掲げておるわけであります。
○カニエ邦彦君 これは最低制限価格を定めて入札をさした、こういうところにまあ問題があるのですが、安くやるという人があるにかかわらず、安くやつてはいけない、高いやつにささねばならないという理論的根拠はどういうところにあるか、政府から一応御説明を願います。
○政府委員(太宰博邦君) 当時の実情を申上げますと、これは予備金支出が、補正予算かどつちかで緊急を要する工事でございまして、年度末までにやります。それで請負業者の選定に当りましても非常に急いでおりまして、十分に請負業者の信用ができるかどうか、それから年度内に完成させる能力があるかどうかというようなことを審査する余裕がございません。時間的にございません。一応書面審理の上で大体差支えないだろうという程度の審査をしたのであります。それから当時の社会情勢からいたしまして、中には金詰りその他で以て工事を請負つておりながら、それを完全にやらない、手を抜いたりするというようなことも考えられる情勢であつた由でありまして、そこでその関係の者が極めて常識的と申しますか、大体見積価格はこれぐらいである、その場合にこれより或る線を下つたというのが丁度二割、二〇%見積価格が下つたところに線を引きまして、それから以下に入札する者は、到底それがまじめにやれるはずはない、必ずやそういう者は粗悪な工事をしてしまつて、国に却つて損害を及ぼすような結果になりはしないかということを考えまして、そこで二割というところに線を引いて、その二割を割つたものはもう駄目、二割までのところで一番安い者に落札さしたということをやつたのでございます。勿論御指摘の通り現在の会計法規上からいたしますれば、その業者の選定に十分力を注いで、そうして信用の置ける業者だけを選んだならば、その業者で一番安い者に落すのがこれは当然であります。たまたま係員が不慣れのためにそういう会計法規のことをうつかり忘れまして、その一つの非常識的と申しますか、或いは却つてそんな間違つた措置に出たのでありますが、その間に私どもといたしましては何か不正な点でもありはしないかということを実は懸念したのでございますが、幸いにして只今までのところ調べたところではそのことはなしに、ただこういうような間違いがあるというだけで終つたのはせめてものあれだと存ずるのでございます。そういうような次第でありまして、これは会計法規に関する係の不注意のために起きました次第でございます。
○カニエ邦彦君 今の政府のいわゆる説明によると、工事を急いだから、或いは又粗漏なものになつてはいけないということであるということが理由のように言われておりますが、恐らくこの工事はそういう辺鄙なところにあつたものではなかろう、埼玉にいたしましてもほか二カ所にいたしましても、そういう特殊な僻地にこれを建て、特殊な事情のない限りにおいてはやはり相当信用ある全国の請負業者の中から選んで競争入札をさすということが、これはただその衝に当つた者が会計法規を知つておるとか知つていないとかいうことでなく、常識的に、ちよつと常識のある者が考えれば当然わかることでなければならん。ましてや急ごうがどうしようが、或る一定の規格を出して、その規格に対して安くやるという人は、これは必ずしも粗雑なことをやるということではなくして、いろいろその人の人情というものがあり得るのです。例えば金融の面において、或いは相当人員を抱えておつて、その人員が手待ちになつておる、従つてその手待ちを埋めるためにはどうしてもやはり安い仕事でもやらしたほうが、休ましておいて賃金を払つておるよりも有利であるという場合、或いは又資材の手持ちがある場合、丁度この仕事をやるのに、この手持ちの資材をこのまま置いておけば風邪を引く、或いは腐る、併しこの資材を今活用すれば、新たに買わなくても行けるから安くやれる。こういつた業者には業者としてのいろいろな事情があるのでありますから、従つて問題はその業者が信用するに足りるかどうかということさえ見究めれば、かようないわゆる懸念というものは恐らく私はなくなるのではないか。従つて仮にこの場合、私は現実にこれを調査をしておりません。併しながら或いはこれを厳密に調査をしたならば、私が今申上げましたような事情に、一番札、或いは当然安い札を入れた人がそういう事情にあつたとしたならば、一体どうするか。私は恐らく建築業者という者、あながち建築業者でなくとも商売人という者は、そういうような点においてやり繰りをやり、そうしてなお損をしつつも儲けて行くというのが、商売の常道である限りにおいては、かようないわゆる理由は理由には当然ならないのではないか。恐らくその当時のこれをやつた人が会計法を知らなんだとか、或いは又それらの手続について全然わからなんだといたしましても、まあ恐らくは普通の常識を持つ者であれば、さようなことはこれは当然わかり切つた話であります。だから私はこれを仔細に調査すれば、恐らくもつとこの報告書以外の事実が現われて来ないとは断言も、保証もできないのではないか。幸いにしてこれで表面に現われたような不正事実というものが出て来なんだから非常に結構であつたという会計課長の今の御説明であつたが、これはまあ勿論こういうことにおいて、表面に不正な事実が現われて来たというならば、最もこれは困る次第でありますが、さような意味においてこれは問題にならない。そういつた意味を加味して、検査院がこれを調査をしたときの状態は、一体こういうような今政府が言つたようなことが十二分に納得が行くのかどうか、これについて大澤局長から一応御説明を承わりたい。
○説明員(大澤實君) ここへ出ております三件と同じような件が、法務府の検査報告に挙つておりまして、この委員会に昨年でしたか、田中議員がいらつしやつて、土建業者と常識的ではないかという点で相当御議論があつた点であります。どうも建築を請負わせる場合には、最低制限を引くという、そのほうが安心だというのが、設計をする係官の頭にも相当入つておる。又土建業者のほうから見ても、そうした不確実な者が入札に参加して業界を荒らされては困るから、最低制限価格を引いてもらいたいという要望が相当あるということは確かでありまして、本件に関しましても、恐らく初めの発端は、そうした設計契約に当るほうが不安であるから引こうという気持が先に立つて行われたのだろうと思います。そうして具体的に三件の内容に関しましては、少くとも会計検査院がいろいろ調べました範囲内におきましては、特にこれに絡んで何か裏面に不正なことが行われたということは、調べた限りにおきましては出て来ておりません。なおこうした点は先ほどからお話もありましたように、現在の会計法規上は当然許さるべきものではないと思つておりますが、これを法制化してやろうというような気持も一部にはあるというような次第でありまして、その点から考えても、これに関して不正事項がなかつた、発見できなかつたというのが事実ではなかろうかと感じておる次第であります。
○委員長(岩男仁藏君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(岩男仁藏君) 速記を始めて。
○カニエ邦彦君 そこでこの件については一応私はおかしいと思つております。併しながらなお一層私ども、さればと言つて検査院なり或いは政府を御信用申上げて、特にこれに対して小委員会でも作つて、又二重煙突のように調査をするというような考えも持つておりません。併しながらいずれにしても今後こういうようなやはりやり方というものは十二分に厚生省としては考えて、再びこういうことのないように最善の注意をしてもらいたい、かように思つております。
 次に四百七十から四百七十七までの事案についてですが、これについて会計検査院より概略の御説明を願います。
○説明員(大澤實君) ここに八件掲げてありますが、このうち最初の二件は、これは例の地方世話課、世話所と言いますか、そうした復員者その他未復員者の給与等を扱つておりますところに発生した不正事件でありまして、いわゆる架空の人間を仕立てまして、そしてそれの給与台帳を作りまして、そして窓口の人間からそれを引き出して着服した、こういう事件でありましす。
 次の四百七十二号は厚狭社会保険出張所で、入つて来ました保険料を着服した、こういう件。それから次の四百七十三号から四百六十八号までは、亡れは病院、療養所等で診療費とかまあ入院料であります。そうしたものを着服した、こういう事件であります。
 最後の国立小倉病院の四百七十七号は、これは支払に伴いまして架空の要員を仕立てまして、要員料を騙取しておつた、こういう事案であります。
○カニエ邦彦君 これに対する政府の御答弁を願います。
○政府委員(太宰博邦君) 最初の事案は、旭川の世話所におきまして、留守宅渡しと称しまして未復員者の留守宅に俸給を渡します。その原簿に先ほど御説明がございました架空の人物或いはすでに帰りました者をもう一遍帰らないようにしてつけて着服している。こういう事案でございます。続いてその次の分も前渡金を横領した、そしてそれを遊興に使つておつた。それから社会保険出張所のものは、収入官吏と地方事務官と二人でございますが、保険料を着服してやはりこれも遊興費に充てた事案であります。それから次の四百七十三号、これは生活保護とか社会保険の療養費、それを現金でもらいました分を、それを国に入れないで横領してこれも遊興費に使つております。それから次の大府旺の事案は、これは収入官吏が、やはり同様に療養費或いは窓口で受取りました現金を遊興費に使つたりなどいたしておりますというような事案であります。
 それから四百七十五号は、収入係の雇が町村に督促に行つて金をもらう、その金を着服してこれも遊興費に使つている次第であります。下関病院の関係は、これは一係で以て入院患者の世話をする係の者が、入院の患者からもらつた診療費をそれを取次ぎする係でございますが、それを自分が着服して、又これも遊興費に使つております。それから小倉病院の事案は、給与係の雇が架空の人物或いはすでに退職した者を使つて俸給を支出さして、それを着服して遊興費に使つた。いずれも事案は生活に困つてどうこうということじやございませんで、公金を着服して遊興費に使つているというような悪質なものでありまして、この者たちはいずれもそれぞれ起訴せられ、大体大抵の者はもう刑に服しております。それから国の損失につきましては、大体その者の家族その他と話合いまして、資力がありまする者は弁済をさせる、なお払えません者につきましては長期貸しにするとか、或いは本人が出て来てから本人と話合いで弁済を少しずつ納めさせるというような手続をとつております。
 ここでお詫びを申上げておきたい点は、かような国の施設が厚生省関係でも三百以上の施設がございまして、その中にはかような不始末をしでかす者もまま出るのでありまして、私どもといたしましては、出ましたこと自体について勿論お詫びしなければならないと同時に、その事案を考えて見ますると、必ずしも特定の箇所において特定の人間の不始末ということで、あと絶対に起らんというわけには参らん、下手をすると同じような事例がほかの施設においても起る慮れもある、そういうことを起したのでは更に申訳ないのでございまして、かような事案が出ました際には、その事案を徹底的にこちらで分析いたしまして、果して平素の監督上どつかに間違いが、或いは手抜かりがなかつたかどうか、そういう場合に事犯を防止するにはこちらとしてどういう点に注意しなければならんかということを研究、検討いたしまして、結論が出ますれば、それを又全国の施設に或いは文書で流し、或いは会議等の際にそれを伝達してやるというような手を打ちまして、あらゆる施設が、ほかの一カ所で起きました事犯が自分のところでも或いは起きるかも知れない、それにはこうしたらいいということをみんなが呑み込んで、かような不始末の起ることを防止せしめるような手を打つております。又検査院のほうで監査に常時廻つておられますけれども、この三百以上に上ります、全国の施設に検査院が廻るわけに行かんことは勿論であります。検査院に常時廻つてもらうということは、私どもが見ましても、非常にその施設の職員の規律を締めるに私は結構なことでありまするが、これが事実問題として行われないといたしますれば、私どものほうでも検査院にばかり任せないで、私どものほうでも自己監査と申しますか、自分の省内で以てやはり監査班を組織して、そういうことをやはり調べて、禍を未然に防止する、或いは会計の者の指導をやるというようなことに及ばずながら努力しているような次第であります。従つてそうして努力を重ねてはおりまするけれども、思うように効果が現われて来ません。ままこういう不始末をしでかす者につきましては、誠に申訳ないと思つている次第であります。
○カニエ邦彦君 一応これは申訳がないというお話ですが、これらの事案は我々が聞いただけでもぞつとする。国民が、末端の人たちがこういう事実を知つたら、一体どういう考えを持つか、こういう点については十二分に事故の発生の出んようにやつてもらうのは、勿論これは当然であります。併しながらこの事案の報告書を見てみますると、多くは相当な日月の間継続してやはり行われ、若しくはそういうことが長い間わからなんだという形になつて来た。ひどいのになれば、四百七十七の小倉病院のごときは、二十三年の五月から二十五年の五月までというのですからね、この間わからなんだ、三年間わからなんだ、これでですよ、今あなたが言われるように、いわゆる厚生省内部において自己監査というようなことをやつておられるから、一体自己監査がどこに行届いておるか、何でこういうことをやつておるにかかわらず、
 一年も二年もそれがわからんかつたか、そういうことでは実際私は国の監督者として、最高責任者が一体何をしておるのか、どういう考えを持つておるのかということですが、これについて幸い厚生次官も見えておるようですから、一応政府のいわゆる厚生省の責任者としてどういうお考えを持つておられるか、でこれが私の言うのは、実際そういう不正行為をやつておつたが、それが二月や三月の間わからなんだというなら、これは末端まで目が行届いておらんし、厚生省としても責任者としても御無理もないんです、数の多いことですからということは肯けるのですが、ところがものの一年も、多くは二年に亘つてぬけねけとそういうことをやつており、そういう不正をやりつつ、而も恐らくこれ休んでいないと思うのです。恐らく悠々と弁当を下げて出て来ておる、それが発見されない、それは一体監督が怠慢なのか制度が悪かつたのか、一体どこが悪くてこういうことになつたのか、それに対するところの考え方、或いはそういうことに対してどういう工合に責任を考えているか、この点について一応御答弁を願いたい。
○説明員(宮崎太一君) 私事務次官会議で出席いたしておりまして、遅れまして誠に相済みませんでしたが、只今のカニエさんの御意見でございますが、全く御尤もでございまして、私ども会計事務につきましては極めて厳重な態度を以て臨んでやつておつたのですが、然るにこういう事案が出ましたことは誠に相済まんのでありまして、未復員者なぞという未だ帰らざる人に対する給与なり、或いは帰つて療養している人たちの給与なんかがそういうところへ廻された、或いは病院、療養所等の入院料が横に流されたというようなことは、極めて誠に情ない不始末でございまして、この点は全くお詫び申上げるよりほかにないのでございますが、先ほど会計課長から申上げましたように、私は会計の事務につきましては極めて厳重にやるように話をしておりまして、事案等が起りますると、それを一々会計で調べてもらいまして、その例を挙げて省内の局長会議に今の話をしましたし、又地方にも、或いはブロック会議或いは全体の会議、或いは実地検査の会計検査等においてこれを示して監査しておるようにいたしておるのであります。然るに今仰せになつたように、二年間に亘つてそういう行動をとつておつたということにつきましては、全く目が届かなかつたというよりほかないのでありまして、どうも私のところへ参りまして、或いは病院長、療養所長、或いは世話課長の話をいたしますのは、出てしまつたことで誠にお詫びのしようがございませんが、ただ本人その者は極めて表面的に申しまするとまじめであつて、而も実直で、実に精勤であつてよくやつておりますものですから、私のほうは信用しておりました。ところがはしなくもそういう事故が起つて参りますと、全く自分らが十分目が届かなかつたということがわかるのでありますけれども、実に外面上はまじめな本当にこれは模範的な官吏だと思つておつたのがそういうことをしたというような事例が多いのでございますが、そういう点につきまして狡猾な手段を弄しておつたのを見破れなかつたということであつたと思うのでありまして、そういう点はよほど私は監査のほうも熟練を要することであつて、而も十分ものの表裏のわかつたもの、或いは眼光紙背に徹するような監査をしなければならない、こういうふうに思つておりまして、私就任以来その点はやかましく言つてやらしておるのでありますが、今後も仰せの通り厳重にこれを続行いたしまして、間違いのものの少いようにいたしたいと思つておりますが、過去の事件につきましては全くお詫びの申しようがないのでありますが、今後は大いにこの点に戒心いたしたいと思います。
○カニエ邦彦君 今次官からまあ表面見たところ非常に実直であつて、そうしてまあそういうことは恐らくやる者でないというように思つておつたので、つい安心をしておつたというようなお説でございますが、およそ悪事を働くという者が、顏や態度において如何にも悪党であるとか、或いは又泥坊する者が俺は泥坊だというような態度を人に示したり見せたりすることは決して私はないと思う。恐らくやこれは悪いことをする者ほどやはりその点は警戒もし、そして周到な注意をやはりやつておると思うのです。だからそれは外から見てわかるとかわからんとかいうことでなくして、もつと科学的に、会計経理のいわゆる方式というか、そういうものが的確に科学的に厚生省から病院なら病院に指示されておつたら、私は恐らくやろうとしてもやれないのじやないか。実際はこういうことがやはりやれて、而も一年半も二年もわからずにおるというようでは、一体その組織機構或いは会計制度の中に十二分に隠される余地がやはりあればこそこういうことになるのではなかろうか、こう思うので、そこでこれは検査院とも御相談を願い、御研究を願わなければならないかもわかりませんが、厚生省としてもとにかくこういう政府機関であつて而も病院のような一つの企業体のようなところには、特に金銭の収支に関しても又物品の支払に関しても、又物品の在庫の状態に関してもやはり明瞭にでき得るような、厚生省としてのいわゆる会計経理の方式を御研究になつて、そうしてそれを末端にまで徹底せしめ、そうしてかかる不正は行おうとしても行い得ないというような仕組にやはりあることが一番必要であるかと思います。従つて申上げておきたいことは、これらの事案の原因をもつと末端の者をして研究検査せしめて、そうしてその上に立つて今申上げたような適切ないわゆる改善の方法を直ちに実行してもらうということ、なおそういうことについて一つの成案を見、又その成案に対する実行の方針を各末端の病院、療養所等に指示されたなれば、その方法なり改善の要望なりを当委員会に厚生省から一応御提出を願う、書面で以てそれを御提出願うということをお願いしておきまして、又その御提出になつたものを委員会としては一応専門員等に検討してもらいまして、今後こういうことが二度も三度も起きないというように一つしたい、かように思つておりますから、一応この際意見を述べて一つ御要求をいたしておきます。
 次に四百七十八号についてでありますが、検査院から一応御説明を願います。
○説明員(大澤實君) これは国立予防衛生研究所で生物学的な製剤を業者が製造しましたものを検定いたしているのでありますが、その検定規則というのが昭和二十四年の厚生省令で出ております。それには検定料は出願を受理するときに納めさせるということになつておりますが、実際見ますと検定料を納めさせないのに検定を行なつたために収納未済となつているものが、ここに掲げておりますように二千八百万円からあつた、こういう次第でありまして、折角厚生省令で定めた規則が行なわれてないのは遺憾である。と同時にそれが収納未済になつているのは遺憾である、こういう趣旨であります。なおこれは収納未済の大半と申しますか、最近におきましては、この報告に書いてありますのは二十五年九月末で千九百万円と存じておりますが、その後逐次収納されまして、たしか二百二十万円かがまだ収納未済であつたと記憶しております。
○カニエ邦彦君 政府のほうにお尋ねするのですが、かように検定手数料というものが多額に収納未済になつたという原因ですが、恐らく私はこの手数料というのは、一件については相当安いものじやないかと思うのですが、一体一件についてどのくらいになつているのか存じませんが、どういうことになつてこんなに多額な千何百万円というような収納未済を起したのですか、その理由を一つ……。
○政府委員(太宰博邦君) お答え申上げますが、先ほど大澤局長の御説明もありましたように、国立予防衛生研究所でワクチン類の検定を行う、そういう場合において規則に基いて手数料を取つております。この事案はたまたま昭和二十三年の十一月に京都府及び島根県においてジフテリアのワクチンに基いて事故が発生いたしました。当時の司令部から指示がございまして、一切の予防接種液を移動すること及び使用することを一時禁止する、と同時にそういうワクチン類を製造しております製造所の査察を行つて、施設とか設備の改善をする、或いは製造技術の向上を図ると同時に、一方におきまして前からありまする製剤をもう一遍検査をする、そういう一連の措置をとつたのであります。そういうために約八カ月ほどの期間に亘りましてワクチンの製造業者は製造を中止いたしました。で二十四年の四月になりまして、査察の結果、大体基準に合格いたしました十社だけが製造の再開を許されて、それから製品の製造を始めたのであります。かように長期間に亘りまして製造が中止されましたために、その後の製品を検定に出します際にも業者が経済的に非常に困りまして、逼迫いたしまして、検定手数料を最初に納めることができないというような事態が生じた。一面におきまして全国の需要は伝染病その他の流行を控えまして非常に要望が強いのでありまして、一々やかましいことを言つておつては困るから、早くいいワクチンを検定して出してもらいたいという要望が非常に強くなつて参りました。そのために止むを得ず事前に検定料を納めさせることができませんままにあとから納めるということを認めてその検定をやつて、ワクチンを早く出したようなわけであります。そのためにその後に検定料を納めさせるろうにいろいろ努力をしておるのでありまするが、そこにありまするように二十五年の九月末で千九百三十六万円のものが収納未済になつております。これは検査院の指摘を受けますまでもなく、我々も努力をしております。なお指摘を受けましてから更に努力をいたして、極力収納させるように、先ほどお話がありましたように、今年三月末では約二百二十八万円ほどに漕ぎつけて参りました。その残りました件数につきましても、和解の申立をいたしまして和解が成立いたしまして、逐次入つて来るというような段階まで漕ぎつけた次第であります。
○カニエ邦彦君 この件の発生の原因はそういう非常事態において事情がにわかに変つたために、勢い会計法違反とは知りながらもそういうことになつたんであるという御答弁で、一応我々としてはその点理由としては伺われるのでありますが、それよりこの検定の手数料というようなものをこういつたいわゆる医療関係に対して取るということそれ自体が政策としては一体どうなのか、一応こういうようなものを取るということが厚生省の見解では正しいというのかどうかという点ですが、その点はどうなんですか、廃止するというような御意思はあるのですか、手数料を取らないという……取るというような性質のものであるかどうかということですね。
○説明員(宮崎太一君) これはこういうワクチン製剤の検定につきましては非常にむずかしい検定を要しまするのでありまして、私はやはりむやみなものが検定を受けに参りましても困りますし、いろいろな関係で昔からこれは検定料を取つております。それで私どもとしては検定料を取らないという考えを今まで持つておらないのでありますが、こういう仕事につきましてはどうもやはり検定料を取つて、そうして嚴重に検定したほうがいいのじやないか、こういう考えを今まで持つております。
○カニエ邦彦君 検定をやるということを言つておるのではなくして、こういう医療関係のものに対して検定はやるが、それは無料でやつたらどうか、そういう意思があるのかどうか、やはりこれはどうしても取るということになるのかどうか。それからこの検定をしなくても、何かのいわゆる法的措置でそういうインチキな物が仮りに出された場合に、発見された場合に、これを法的措置によつて巌重に取締ると、そういう物が出ないというようにするというような方法にしてはどうかと、こういうようなことを伺つておるのでございます。そういうことがあれば、一々こういうようなものが事案に載つて来るという必要もないし、これは一体どうなんですか。
○説明員(宮崎太一君) これはこういうワクチンというのは非常に大事なものでございまして、直ぐ人体に注射をするものでございますので、本当は一一品物全部について検定をして、而も或る期間を超えたらもう一遍調べるというようなことをしなければならないのでありますから、それですからでき上りました物を必ず持つて来させて、そうして全部ということはできませんが、或る規格をきめまして、抜取り検査をしたりいたしましてやつておりますので、インチキな物が世の中に出てしまつてはあとの祭になるわけでございますので、あらかじめ検定をしてやらなければならないことは、これは私は当然だと思つておりますが、ただ検定をやるについても、無料検定をしてもいいのじやないかという点につきましては、これはまだ私どもそういうことは考えておらなかつたのでありますが、よくこの点は検討してみたいと思います。
○カニエ邦彦君 本件に関しては大多数のものが収納済みになつていると、なお何百万円というものが収納未済に現在でもなつているということでありますから、従つて厚生省においてはこれらのものを、いわゆる残額については直ちにでき得る限り国庫に収納されるように最善の努力を盡されることを強く要望いたします。これで私の質問を打切りたいと思います。
○委員長(岩男仁藏君) ほかに御発言はございませんか……、別に御発言もなければ厚生省所管に関する事項の質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩男仁藏君) 御異議ないものと認めます。よつて批難事項第四百五十二号から第四百七十八号までの質疑は終了いたしました。
 本日はこの程度で散会いたします。
   午後五時二分散会