第013回国会 大蔵委員会 第10号
昭和二十七年二月七日(木曜日)
   午後一時四十六分開会
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  委員の異動
二月四日委員山本米治君辞任につき、
その補欠として溝淵春次君を議長にお
いて指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     平沼彌太郎君
   理事
           大矢半次郎君
           伊藤 保平君
           菊川 孝夫君
   委員
           黒田 英雄君
           西川甚五郎君
           小宮山常吉君
           小林 政夫君
           下條 恭兵君
           波多野 鼎君
           油井賢太郎君
           森 八三一君
           木村禧八郎君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 池田 勇人君
  政府委員
   大蔵政務次官  西村 直己君
   大蔵大臣官房文
   書課長     村上  一君
   大蔵省主計局法
   規課長     佐藤 一郎君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       木村常次郎君
   常任委員会專門
   員       小田 正義君
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  本日の会議に付した事件
○財政法、会計法等の財政関係法律の
 一部を改正する等の法律案(内閣提
 出、衆議院送付)(第十二回国会継
 続)
○ポツダム宣言の受諾に伴い発する命
 令に関する件に基く大蔵省関係諸命
 令の措置に関する法律案(内閣送
 付)
○国民金融公庫法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○開拓者資金融通特別会計において貸
 付金の財源に充てるための一般会計
 からする繰入金に関する法律案(内
 閣送付)
○小委員会設置の件
○小委員の選任の件
○小委員長の指名の件
○派遣議員の報告
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○委員長(平沼彌太郎君) それでは大蔵委員会を開会いたします。
 財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する等の法律案について、大蔵大臣に対する質疑をお願いいたします。
○木村禧八郎君 菊川君がこの前質疑をしまして、まだ続いて系統的に質疑されるようでありますが、その前に、これまで一応大蔵大臣に質疑した点でまだどうしても納得できない点がありますので、くどいようでありますが、重ねて大蔵大臣の意見を聞いておきたいのであります。それは結局、問題は憲法八十六條の問題なんでありますが、いろいろ私その後検討してみたのでありますが、八十六條は、大蔵大臣が解釈しているように、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、」云々という場合の予算は、どうしても歳出入予算と解さなければ辻棲が合わないと思うのです。それで、予算総則、歳出入予算、国庫債務負担行為、こういうもの、更に又継続費までも一応含めて解釈すべきであるというのが、大蔵大臣の御意見であつたようでありますが、若しそう解釈するとほかのいろいろな点で非常に不合理な点が出て来ると思うのです。それで一応八十五條に基いて政府は継続費も認められているのだと、こういうまあ解釈にしているようでありますが、併し八十五條は御承知のように、あの規定の根本は、前の財政緊急処分、ああいうようなことをやつてはいけないというような規定であつて、それが継続費までも含めて予算としてこれを計上していいという、その根拠にはならないと思うのです。そこで予算として継続費を認めて行くことではない。八十六條はやはり歳出入予算のことを規定しているのであつて、それはやはり毎会計年度国会に出さなければならない。毎会計年度は会計法で一カ年ときめてある。こういうふうに解釈すべきじやないかと思うのです。そうでないとどうしても私は辻棲が合わない。ですから八十六條から見た限り、どうしても私は憲法に違反しておる。予算として継続費を組むことはですよ。この点もう一度はつきりした御答弁を願いたい。
○国務大臣(池田勇人君) 予算とは何ぞやということになりますが、これは財政法十六條で、ちよつと読んで見ますが、財政法第三章、第二節、予算の作成、第十六條「予算は、予算総則、歳入歳出予算及び国庫債務負担行為とする。」と、財政法十六條にはつきり書いてある。そこで予算というものは、この前波多野委員から債務負担行為を含むかという質問のときに申上げた通りであります。私は八十五條は予算の実体であり、八十六條がその手続をきめておる、こう解釈しております。
○木村禧八郎君 そこでその八十六條が「毎会計年度」ということを謳つておりまして、そうしてその「予算を作成し、」云々、これは歳出及び歳入両方を意味しておることは勿論であります。それで歳出歳入について予算を作成して国会の承認を得なければならない、こういうことになつておるので、財政法でいうその国庫債務負担行為、それから予算総則等よりも、むしろ歳出入予算というところに重点があると思う。ですから国庫債務負担行為というのはすぐに歳出を伴わない場合が非常に多いのであります。ですから国庫債務負担行為はやつていいのでありますが、それが歳出を伴う場合には必ずこれは予算として毎会計年度作成して、国会の承認を得なければならないということに私は解釈しなければならないと思うのです。そこのところは非常にあいまいに解釈しておりますが、それはどうしても歳出入予算と解釈すべきじやないのですか、八十六條の予算という場合には。
○国務大臣(池田勇人君) 只今お答え申上げた通りでございまして、八十五條並びに八十六條を受けて立つておる財政法におきましては、予算というものに債務負担行為も含めて言つておるのであります。
○木村禧八郎君 そうしますと、継続費というものは含めていない。憲法においては、継続費というものは八十六條において否定はしておるのではない、予算として作成することを認められていない。ですから別途予算以外の法律案によつてやるのが本当であつて、八十六條では継続費を否定したのではありません。ありませんが、予算として作成することを禁じておると思うのです。
○国務大臣(池田勇人君) 予算として作成することを認めておると思います。それで、あなたは継続費というものは毎会計年度でないから、していないのじやないかと言われますが、それならば同じ予算の中にある国庫債務負担行為も予算である、そうしてこれは三年間という期限を置いてある。又同じ予算の中でも二年分もある、こういうところから考えて見れば、憲法八十六條の毎会計年度は原則を言つておるのであつて、例外的にそういうことをきめ得ることを予定しておるのじやないか。そういうことをやつても差支えない、それは債務負担行為でも繰越明許でもやつておるじやないか、こういうことなんであります。
○木村禧八郎君 そこが違うのです。国庫債務負担行為は、これは継続費的のものを認めておるように大蔵大臣は解釈されておるようですが、債務負担行為は成るほど継続的に認めておる、併しこれは支出する場合には、あれは支出を認めておるのではない。国庫債務負担行為は国庫の支出を認めておるのじやない。ですから支出の場合は予算を作成して国会の承認を得なければならないはずです。そうなつておると思う。国庫債務負担行為と歳出予算と違うところはそこにあると思うのです。ですから国庫債務負担行為が長期的に認められるから、それを以て継続費的のものと認めておるというふうに解釈するのは、これは国庫債務負担行為と歳出との区別を解さないものと思う。国庫債務負担行為は支出をする責任を認めておると、大蔵大臣は考えておられるのですか。
○政府委員(佐藤一郎君) ちよつと私から補足して申上げますが、木村さんの疑問とされております点ですが、予算と申しておりますが、普通いわゆる歳入出予算でもいわゆる常識的な意味の予算という概念は、支出と債務負担を両方含めておるのです。予算という言葉自体、先ず支出の原因となる行為がなければいかん、その場合に先ず契約をする、そうして支出をする。勿論契約の権能を別に定めておる場合もございますけれども、歳入出予算に組んでこれが認められますと、契約をし、且つそれに基く支払いをするという両方面が、やはり予算という言葉の中にあるわけです。それでそれをやはり区別をいたしまして、普通の場合ですと両方入つておりますけれども、或る場合には債務だけ負担する、先にやる場合があるというので、国庫債務負担行為というものが特別に取立てられておるだけでございます。でありますから、財政法で予算とこう言いますときに、国庫債務負担行為が入るということはそういう意味からも考えられるわけでございます。そういうふうに考えて参りますと、只今の点は解決するのじやないかと思います。
○木村禧八郎君 そうしましたら、わざわざ今度は継続費というものを謳わなくてもいいのじやないですか。
○政府委員(佐藤一郎君) これは又別の問題になろうかと思うのでありますが、先ほど木村さん自身おつしやいましたように、国庫債務負担行為は債務の負担だけをするのでありまして、その支出については改めて国会において歳入歳出予算において改めて議決を経なければならん、継続費の場合にはその契約だけでなく、支出の権能も最初から併せて認められるという意味において違うわけであります。
○木村禧八郎君 これまで継続費というものが出て来なかつたのは、結局継続費というものが認められておらなかつたからと解していいわけですね。
○政府委員(佐藤一郎君) その点は大臣からもたびたび御答弁がありましたように、憲法上許されないからその制度を置いてなかつたというのではございません。経済が安定いたして参りまして、継続費の制度を置いても適当であるという段階に至つたと認められるので、今回継続費を設けることになつたのでありまして、従来といえども若しその必要を認めた場合には当然これは規定し得る。これは憲法を制定いたしました当初から政府の方針でございます。
○木村禧八郎君 憲法で認めておるとすれば、わざわざ規定しなくてもできるのですか。財政法で規定しなくてもできますか。
○政府委員(佐藤一郎君) これは憲法という法律の精神は私が申上げるまでもございませんが、極めて根本的なことを規定しておるのでございまして、その下にいわゆる憲法附属法令と称するものがございまして、財政については財政法、会計法というものが憲法の内容を補いまして、初めて憲法の内容が実際生きて来るということになつておるわけであります。事柄によつては憲法だけでいいものもありましようが、こういう問題につきましては勿論下の法律が伴つて初めて生きるものと、こう考えております。
○木村禧八郎君 私は政府はごまかしておると思うのです。一番初め私この参議院に当選して参りましたときに予算委員になりまして、そのときにまあ櫻内さんが予算委員長で、当時政府に呼ばれまして、ウイリヤムスさんのところに呼ばれて、そうして恐らくリゾーさんとか言つておりました、ドクター・リゾーという人だと思います。その名前ははつきり記憶しませんが、そのとき我々予算についてレクチユアをされたのです。してもらつたのです。これまで日本の財政というものが如何に非民主的であつて欠陷があつたか。そこで軍事的な支出が各所に行われた、財政緊急処分というようなものがあつたから、これからは諸君は財政法ができたので、財政の民主化に努力しなければならん、我々はこういうレクチユアを受けたのです。その根本精神からこの憲法に八十五條或いは八十六條……、八十五條は財政緊急処分を禁じた規定だと思うのです。一切の予算は国会の承認を得なければならんというように言つて、あれは継続費を認めていいという規定じやない。あの重点は財政緊急処分をしちやいけない、そういうことをあすこではつきり表わしている。八十六條では予算の年次制を確立しておる。継続費予算みたいなものを認めてはいけない、こういう根本の精神から八十五條、八十六條はできていると思うのです。それを最近又便宜のために解釈を二、三にして、それで都合のいいような解釈に持つて行こうとしている。ですから、私はこれまでいろいろ質疑をして参りましたけれども、いつか政府は本当のことを言うに違いない、こう思つてやつて来たのですけれども、今までの答弁を聞いていると、余りにごまかし主義です。根本の財政法の精神というものを、これを理解しておらない。或いは理解しているかも知れませんが、故意にこれを曲解していると思うのです。これじや日本の財政の民主化というものは守れませんよ。八十六條は継続費を予算として認めないことは明らかであります。だから今まで政府は、継続費としての予算を編成できなかつた。そうして、今度継続費が必要になつて、総司令部に折衝した。ところが最初は総司令部も難色を示したじやありませんか。いろいろ折衝の結果、今度はこういうふうにOKをもらつたと私は聞いております。そういうことを隠している。本当からいえば総司令部がこれに
○Kを與えたのがおかしい。最初我々に財政民主化の講義をして置きながら……、これを守らなければいけないということを我々に講義した。それを我々守つているのです。守つているから、八十六條は決して継続費を認めているものではない、若し継続費というものが必要であるならば、イギリス、フランスのように、單行法によつて、そうして財源を別にして、はつきりとしてやるべきである、予算の年次制というものは貫くべきである。こう思うのですが、それが本当じやないですか。最初の八十五條、八十六條を作つたときには、継続費というものは、これは認めてはいけない、予算として……。そういう精神じやなかつたですか。ところが今まで必要がなかつた、継続費の必要がなかつたからやらなかつたのだ、最近継続費の必要が生じたからこういうものをやるんだ、これだけでは余り私は三百代言的な、どうも自由党内閣は再軍備についても三百代言的なことを言つておりますけれども、財政法についても同じようにそういうことを言つておる。これは私は重大な問題だと思うのです。ただ、必要がなかつたからこれまで出さなかつた、そんなものじやないと思う。その経過を私は伺いたい。最初は総司令部はこれに難色を示しておつたでしよう。そこのところを、実際に必要がなかつたから出さなかつた、必要が出て来たから出した、それでいいと思うのですか、私は正しい答弁じやないと思います。この点についてもう一度お伺いしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 憲法制定、或いは財政法の制定の当時の司令部等のいきさつは存じませんが、今お話の通り、前の緊急財政処分というものは、これはよくないからというので新憲法は排除している。ところが予算は八十五條によりまして国会の承認を得なければならん、こういうことを謳つているのでありますが、こういうことは緊急財政処分を意味しておるのであつて、継続費までこの憲法は行かないのだ、憲法上認められないのだ、こういうことを向うさんが言つたかどうかは存じません。而して今回の財政法の改正につきましての立法は、その折衝を私はいたしておりませんので、折衝いたしました事務局からお聞き願います。
○政府委員(佐藤一郎君) 今木村さんがごまかしだとおつしやいましたが、私は財政法、法文を作る立場から率直に申上げますが、決してそういう気持でやつたのではございません。ちよつと速記をとめて頂きます。
○委員長(平沼彌太郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。
○木村禧八郎君 私は憲法が継続費を否定していると言つているのではない。どうも大蔵大臣はそこのところを誤解しておるのではないかと思います。前に私は憲法は継続費を否定しておるのではないと申した。ただ継続費を予算として組むことはこれは禁じておる、やはり予算は年次制を貫くべきであると思う。こういうことを規定しているのだと思う。ですからイギリスでもフランスでも継続費的な歳出はしているわけです。けれども、それを予算として認めてはいない。継続費を予算として認めていない。單行法で別途これをやつておる。だから今後継続費というものを必要とすれば、そういうように、イギリスやフランスでやつておるような形でやつて行くべきじやないですか。憲法の精神から言えば。憲法を拡張解釈して、それでやつて行こうというのは、私はそこに少し無理があるじやないかと思う。その点なんです。私は継続費自体をこれを否定するというのは、これは情勢上安当じやないと思う。やはり継続費というものはだんだんむしろこれからますます多く必要になつて来ると思う、長期建設すれば。それを予算として、予算制度として認めるということに問題がある。予算制度として認めなくても、継続費を支出する方法はあるわけです。予算の年次制というものを置きつつ、これを認めることはできるのであります。そこを私は問題にしておる。ですから、どうしても八十六條の予算の年次制というものは飽くまでも貫くべきものであつて、そうして、それはそれとして貫きつつ、継続費というものをどういう形で、予算の年次制を概算して、即ち一時の意思を以て長期の意思を縛る、或いは又国会の審議権を制約する、こういうような弊害を除く意味で、年次制は年次制として貫きながら、ほかに調整の方法をどうしたらいいかということが問題で、それはやはり私は八十六條は継続費を予算として禁じておる。そこで別の法律でこれを作つて、それに別途財源というものを與えてやるべきだと私はこう解釈しておるのです。それが本当じやないのですか。大蔵大臣どうですか。
○国務大臣(池田勇人君) 大分近寄つて参つたようであります。木村さんは憲法上継続費を否定しておるものではない、認めておる。又実際上継続費というものはあつたほうがいい。然らば憲法違反というのはどこかというと、八十六條、年次制だと。それで八十五條では認めておるが八十六條では認めていない、こういうお考えだと思います。実は実体は八十五條で認めておる、それで形式的な手続をこれでとつておる、この年次制というものは、繰越だとか或いは債務負担行為で例外的に外れる場合も今まで認めておる。こういうことからすれば、継続費も予算でございますから、予算として八十五條も八十六條も認めておるのではないか、認めていいじやないか、こう思います。併しながら法律を設けてやると申しましても、アメリカとかイギリスとは違いまして、予算の一体性を日本の憲法は強く……法律と予算というものとは別個に取扱つております。これはもう日本の憲法のゆるがすべからざる原則であります。而して八十五條で継続費を認めておる、六條のほうで年次制といつておるから、例外もあるのだということになれば、予算の一体性からいつて継続費を予算として組むことは違憲ではないし、実質上便利だ。そこで継続費を八十六條で認めておる。而して今度そうなつて来ると、あとの問題は継続費の次年度分がどうなるか、こういうことに移つて来るのではないかと思います。
○木村禧八郎君 これはもう議論になつて果てしもありませんから、もう一つ別の質問をいたしたいのですが、昨日予算委員会で会計年度、この継続費の会計年度ですね、それから決算について伺つたのですが、これは毎々々決算する、会計検査も従来通りやる、こういうお話だつたのですが、そうしますと、継続費予算というものは五年なら五年、これが会計年度になるのですね。五カ年というのが会計年度になるのですか、そうじやなかつたら私はおかしいと思う。これに対して毎会計年度決算するというのは、これはどういう意味であるか。例えば臨軍費会計を例にとつては悪いけれども、あれは決算は最後になる。今度の継続費というのは、毎年々々決算するということになると、今までのいわゆる継続費というものは或いは臨軍費的なものと非常に違うようなんですが、やはりそうしたら普通の予算と違わないのじやないですか、毎年決算をすると……。そうして又、大蔵大臣の前のお話では、これは毎年国会の議決を経るということになるならば、わざわざ継続費というものを設けるのもおかしいような気がするのですが、どこに普通の予算と継続費との区別が出て来るのか。年次割についても国会が議決し得る、修正し得る、それから決算についても毎年やる、会計検査も従来通りやる。そうなると継続費と普通の予算と、年次制の予算とどこが違うか、そこのところを一つ。
○政府委員(佐藤一郎君) 毎会計年度、毎年この決算をいたしますと共に、総体が終りましたときはその総体としての決算の報告もする、これは継続費の一極の二重性でございますが、これはあたかも継続費について当初一体として議決を経ながら、而もその年割額を、同時に毎会計年度の歳入出予算に年割額だけを一緒に入れておく、いわばそういう意味において予算の編成自体が二重になつておるわけであると思います。従つて決算が二重の形になつて参りますのは、これは継続費の扱い方の問題でありますが、止むを得ないことと、こう思つております。それから継続費と一般の予算との違いということは、これはもう御説明をするまでもなく、五年ならば五年の契約の権能、それから支出の権能というものを、当初にあらかじめ国会によつて予算の形式で以て議決を経ておる。こういうことに意味があるわけであつて、これはまあ結局一年のものか五年のものかという違いだろうと思います。
○木村禧八郎君 そうしますと、五カ年なら五カ年歳入をまあ縛ることになるわけですね。普通の年次予算は歳入を一年縛る、そういう歳入を五カ年縛るということが問題じやないのですか。歳入というものを縛る、歳出のほうははつきりわかりますが、その点、歳入との関係はどうですか。
○政府委員(佐藤一郎君) これは当初に議決は経ておりませんが、国庫債務負担行為においてもすでにそういう問題は孕んでおるわけであります。即ち将来において何らかの意味において国の財政上の負担になるものを残しておるわけであります。継続費といえどもやはりそれのやや明確になつたものであるというに過ぎないのでありまして、勿論将来にどの程度の財政負担を残すかということは、財政計画等と睨み合せて政府並びに国会が予算の審議の際に適当に考慮されるものだと思います。
○小林政夫君 前回の委員会で、政府提出の歳出総予算の枠内において継続費の二年度以降の年割額を増額していいかどうかということについて、大蔵大臣は、私見としては自分はやつていいと思う、やれると思うが、政府の統一した見解じやないということでありました。その点について政府として意見がまとまつたならばお話を願いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) まだ閣議にはかけておりませんが、大蔵大臣としては増額して差支えないと思います。ついでに申上げますが、予算提出権が御承知の通り政府にあるのでございまするから、私は新たなものを設けて予算をそこへ廻すということはよくない。既設の工事のうちの増減は差支えないと思います。増減といつても増加ばかりになつて、総体の予算が殖えるという場合にはどうなるかというと、私はこれは程度問題でございますが、差支えないと解釈いたしたいと思います。沿革的に申しますると、予算についてのイギリスの例なんかを播いて見ますと、金銭予算というものは国王のみが出す、国王並びにその政府が出す。こういう一つの会計法的なものじやなしに、やり来たりでずつと予算は政府に提出権がある。日本においても欽定憲法時代には相当そういう思潮がはやりまして、予算の総額を殖やすということはできぬという解釈が圧倒的だつた。併し新憲法になりまして、国会が国家の最高機関でございますから、提出権に違反せざる限りにおいて総額の増減は止むを得ないのじやないか。併しそれが形式的に行くと、かなり無理やりに多くなるということは、これは政治問題として私は避くべきじやないか。理論的に私は或る程度増額することは憲法違反じやない、こう考えております。
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと申上げますが、大蔵大臣は二時半でしたか、衆議院の予算委員会に出られる関係がありますので、そのおつもりで御質問を願います。
○菊川孝夫君 私もこの間大蔵大臣から、継続費の国会の修正の問題について伺いましたが、どうも継続費というものの解釈は、いろいろ本を読んで見ても、聞いて見ても、国会に修正権が絶対ないということもどうかと思いますが、併しえらく軽く修正権がある、どうでも直すのだというような答弁に受取れたと思うのであります。成るほどこの法案を国会で説明される場合に、国会においてそう言うのは通りがいいかも知れませんが、一事不再理ということもございますし、一旦通つて、年次割もきまつちまつたやつを修正するという場合には、よほど情勢、事情の変化のあつた場合ということが、これが前提でなければならんと思うのでありまして、例えばちよつとした政府の政策の変更だとか、そういつたもので私は変更すべきじやない、従いまして時の国会の勢力分野の変更等によつて変更すべきじやなくて、例えば大きな天災があつたとか、平価の切下げをやるというような経済事情、情勢の変化というような場合においては私はいいと思うのだが、国会の勢力分野が変つたからすぐ継続費に手を加えるということは、私はあり得べきじやないと考えるが、えらい、大蔵大臣がそのときどきによつて簡單に直してもいいという発言であつたと思う。そうすると継続費の意味がなくなるので、継続費設定の要望を各方面に聞きましても、やはりそれが国会を通つておれば、それによつてすべての計画を進めるのだ、而もそのために国費の経済的な使用ができるのだというようなことを言つているのです。ところが、前のようなことでは予算が通過してしまわないことには、どういうように削除されるかわからんということじや、私は継続費の意義がない、こういうように思うのですが、あのときの答弁がちよつと継続費という常識から考えても、大蔵大臣の説明は、私たちはむしろ余りにも簡單な御説明のように思うのですが、この点、もう一遍お伺いしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 菊川さんは軽く変えられるのだというように感ぜられたようでございますが、決してそうじやない。私は理論的に申上げて、考え方は変えられないものじやありません、こういうことなんであります。ただ実際問題としては、お話の通りでございます。一応国会で議決なすつたものはできるだけ尊重して行かなければなりません、政治的にもそうやらなければいかんと思う。従つてよほどのことがない限りにおいては、私は変えないということが原則だ。理論的に、変えられないか、変えることができないかという御質問ならば、私はそれは変えることができる、昔の憲法時代でも、継続費の減額ということはたびたびあつたわけであります。そこで軽々しくすぐ変えられるのだというものじやありません。予算として、継続費として、国会の議決があつたものでございますから、これは飽くまで尊重しなければならん。飽くまで尊重するということは、絶対不動のものかと言われるならば、これはそう解すべきものじやない、こう言つているのであります。
○菊川孝夫君 次に継続費の用途でありますが、今の政府の提案しておる法案を見ますると、「国は、工事、製造その他の事業」ということになりますから、国がやる事業は何でも継続費を設ける、こういうように解釈できるわけでありますが、例えば事業につきましては、直接事業と間接事業とあると思います。というのは補助金なんかを出すのは、広い意味において事業だと思うのであります、私は事業と解釈する。民間にやらして助成金を出す、これはもろうほうの側から見れば、やはり長い間に亘つて、五カ年計画で大きな事業をやる、助成金をもろうという場合に、計画通りにやつておつて助成金を途中で打切られると大変だ、これは地方の自治体に対する場合も同じことだと思うのであります。「工事、製造その他の事業」と、こういうふうになつておりますが、大体今の出ておるのはわかつておりますが、このくらいな限度のやつを、ああいう表現にしたものであるか。それとも今後そういつたいろいろの国のやる事業については、すべてこれを必要によつては使う、こういう目的でああいう字句を使つたかどうか、これを一つお伺いしたい。
○政府委員(佐藤一郎君) 勿論何らの制限を付しておりません。従つてやろうと思えば、政府が提案しようと思えばできます。又国会がこれを議決されようと思えばできるわけであります。こういう場合がございます、公共事業におきましては、御承知のように、直轄工事のみならず、いわゆる補助事業というものもございます。主な幹線は国が直接やりまして、その次に連つておる支線は地方公共団体がこれをやるという場合には、一つの事業が直轄工事であると共に補助事業を伴うわけであります。そういうような、これは現在別に直接例があるわけじやございません。ただ考えられるということでありますが、そういう場合に、国の直轄工事の継続費と合せて、地方公共団体の継続的事業について継続費を出すということは考えられないと思いますが、私どもは、国の予算というものは将来ますますその内容が複雑多岐になつて参りますからして、結局それについて無理な制限を付加するということは、却つて予算の編成の見地から見て適当でない。これは個々の予算の審議の問題として国会において十分具体的に御審議を願う、必要でない継続費は落して頂く、削減して頂く、こういう気持でおるわけであります。
○菊川孝夫君 これは成るほど国会においてすべて……まあ何でも国会において国会においてと言われるのでありますが、実際問題として編成……、今の国会対政府のこの予算、特に予算についての勢力関係と申しますか、まだまだ日本の国会は、それはアメリカの国会のような工合に行つておらん。実際問題として政府の編成した予算案というものは、随分まあ強引にこれはどうしても通るというのが長い間の……、それは特別な内閣が、その予算案が通らんために瓦解したような例もありますが、こんな小さい問題にそんなことはあり得ないと思う。従つてこれを広くやつて置くと、どうしてもこれは将来において濫用の慮れがだんだんと出て来ると、私はこういうふうに思う。又過去においてもそれがあつたのでありまして、例がないことはないのであります。そういう意味におきまして「製造」というようなことにも言つておるわけであります。国が何か製造するという製造のごときは、極端な例を申しますと、それはまあ原子爆弾という意味じやなしに、原子力によつて第二の産業革命が起るというようなことが言われるのだから、原子力の研究所なんかこしらえるということも、これはまあ考えられましよう。原子爆弾をこしらえなくても、原子力をもつとほかの産業方面に応用するために研究するというようなことになつて来て、必要だということを言われれば理窟には合うということになつて来ます。差当つては想像もされないのでありますが、差当つて継続費で「製造」というのは、どういうことを言つておられるのか、この点について一つ。
○政府委員(佐藤一郎君) 現在は別に直接今度の予算にも出ておりませんし、具体的に考えておりません。これは菊川さん、木村さんから再軍備と関連があるのじやないかと言つて頻りに責められたわけでありますが、あえて再軍備と言わなくても監視船を製造するということもあるかも知れませんし、これはまあ何かの理由によりまして製造の必要な事態が起つたときに処し得るようにということでありまして、これは結局予算の審議の問題というふうに私たちは考えております。
○菊川孝夫君 まあ監視船を継続事業でやるということは、これは本当の詭弁でありまして、大和、陸奥の場合であつたら継続事業ですが、監視船を五年もかかつてやるというようなことは今の日本の造船技術から言うとちよつと考えられないので、製造という文字は、私は不要な文字だと考えるのであります。これは意見でありまして、質問ではありませんが、次に大蔵大臣からこの点だけは是非お伺いしたいのですが、公務員の汚職事件と認証制度の簡素化についてお尋ねしたいと思うのであります。最近のこの公務員の汚職事件は、これは国会でも問題になりますし、新聞でもやかましく言われておりまして、重大な一つの社会問題で、遂には納税意欲の問題にまで私は発展して来るだろうと思うのであります。そうしてこれが防止対策は何と言つてもこれは刻下の急務であると思うのでありますが、認証制度は、これは見方によりますると、勿論間違いを正す、悪い人の間違いを正すのだと、まあこういうふうに解釈ができますが、一方におきましては不正がある、その不正を防止するための一つのチエツク・システムだと、こういうふうに考えられなければならんと思うのであります。こういうふうに今直らにこれが対策を講じなければならん必要のある時期に、このチエツク・システムを廃止するということは、むしろ私は時代逆行ではないか、こういうふうに考えるわけであります。而も大分この認証制度については慣れて来た面があると思うのです。終戦以来二、三年の、あの混乱時代のような何でもいいからやつちまえという時代ではなく、だんだん落ちついて来たときにこれを廃止してしまう。落ちついたときこそだんだんと私はこれはむしろ強化する。こういうときであるし、強化しなきやならんと思うのですが、これはどうしても時代逆行のような、こういう際にこれを廃止するということは、如何にも、どうも余り好ましいことではないと思うのですが、若しそれで廃止した場合におきましてはほかに政府でも強硬にこれが処置を講じるのだというようなことを言つておられますが、一体どういう対処のほかの処置を考えておられるのか、これを廃止したことによつてむしろ殖える、件数においても殖えるというような危惧がないかどうか、この点について一つお伺いしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 官吏の汚職事件がそのあとを絶たず、或いは最近においては少し多くなつておるじやないかというようなことは誠に遺憾なことで、何とかしてこれは絶滅さすようにしなきやいかんと思います。つきましては認証制度を置いたほうがそういうことが防止しやすいのじやないか、こういう御質問でございまするが、今の考え方としてはそういうふうな考え方があるのですが、実際問題として有害無益とは申しませんが、必ずしもそれによつてチエツクできるという程度の認証制度じやないのでございまして、私はこの際そういうことをやめて別の方面からまあ綱紀粛正の旗印を掲げまして、職員の教育に努める、或いは制度を認証でなしにほかの方法で一つ制度の改革をやる、又監察制度等を置きまして、そういう別の方面から汚職防止のほうの手を講ずるのが適当ではないか。認証制度は今までの経験から申しますると余り効果がない、手数ばつかりかかつて余り効果がないという結論に到達いたしたのであります。不正支出等の取締につきましては今愼重に検討いたしておりまするが、先ず役人の頭の切替え、或いは監察制度の拡充、こういう方向に行くべきではないかと考えております。
○菊川孝夫君 それから最後に、財政法の改正案の三十四條の二に「その他大蔵大臣の指定する経費」ということが謳つてあるのですが、これは一体どういうものを指定されるつもりであるかどうか、これを一つ構想はおありになるだろうと思いますから、ただ單に「大蔵大臣の指定する」と言つて、どんどん指定を殖やして行くということも、他官庁との振合いもあろうから、大蔵大臣が随時どしどし殖やして行くということは考えられることでもないので、この指定する経費というものは一体どういうことを構想に画いて出しておられるのか、これを伺いたい。
○政府委員(佐藤一郎君) 一番適当と考えておりますのは公共事業費でございます。それから警察予備隊の経費というようなものも今大体考えております。
○菊川孝夫君 公共事業費はもうこれは大蔵大臣が指定しないでもそれに載つておるのではないのですか。警察予備隊の経費は全部大蔵大臣の指定する経費にする、それから今度の保安費ですか、安全保障費ですか、こういうものは一体どう考えておられますか。今度新たな項目としての平和回復費、ああいうものはどういうふうに考えておりますか。
○政府委員(佐藤一郎君) これは内容がだんだん具体化して参りますに伴つて、私のほうではその内容に応じてどうするかということを、この四月の実行までによく内容を検討いたしまして、ほかにも必要なものがあれば加えたいと、こう考えております。
○菊川孝夫君 それじや警察予備隊の経費を考えておられるならば、警察予備隊の経費だけを特に大蔵大臣の指定する経費とせられるのは、どういう理由でそういうふうにせられるのか。
○政府委員(佐藤一郎君) 非常に巨額のものを一つの事項として編成しておるようなものにつきましては、例えば実行上特に監督する必要があるという感じを持つものを入れて行きたいと、こういうふうに考えております。
○小林政夫君 前回菊川委員から質問があつた継続費の年限の問題ですが、一応これはやはり国会で審議するのだから、別に年限をきめてもいわゆるナンセンスだというような意味の、大臣から答弁がありましたが、財政法の第十五條の第三項にいわゆる国庫債務負担行為については一応三年という年限をきめてある。勿論国会の審議によつてそれを必要のある場合は延すというふうに……、国庫債務負担行為については一応三年という年限をきめられておる。これと継続費の振合いというふうな意味において、審議によつて余り長いものを政府が提案すれば削つてもいいということになりますが、一応目安として五年或いは七年と期限をきめておいて、この書き方と同じように国会で必要と認めた場合は、五年ときめてあつたものを、七年或いは十年とする場合もあるということはいいと思いますが、一応そこに年限の基準を置いておく必要があるのではないかというふうに考えるのですが、大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(池田勇人君) この前お話申上げましたように、継続費を審議なされるときに、その年限を御審議なさるのでございますから、私は窮屈にしないでもいいのではないかという気がいたしております。殊に先般来申上げておりますように、或る程度の修正増減はできないというわけではないのでございます。予算審議のときに年割額それから又継続の長さをおきめ下さるのが適当だと考えております。
○木村禧八郎君 只今小林委員が質問いたしましたのに対して、大蔵大臣は国会で増減できるのだから、そう窮屈な制限を設けないでもいいという御答弁ですが、これは余り無責任な答弁でないか、それなら普通の予算と何ら変りないのではないですか。継続費というものをそんなふうに簡單に考えておられますか、簡單にそういうふうにできるなら、何も継続費として組む必要がないと思うのですが……。
○国務大臣(池田勇人君) それは前に菊川委員にお答えしたように簡單に変えられるという意味のものではございません。私はこの年限をきめましても、実体を予算できめるのですから法律で縛る必要はないのではないかと思つております。
○木村禧八郎君 大蔵大臣はどうも何でもこの継続費制度を合理化しようということばかりなんですが、もう少し外国の例や何か御覧になつて、余り無責任な答弁をされないようにしてもらいたいのです。アメリカあたりを見ましても、例えば軍事予算などについても、継続費については二カ年を超えてはならん、こういうことを書いてあります。併しこれがその後契約によつて二カ年は支出の場合に延長できるようになつておりますが、各国の例を見ても年限については相当制限的に皆やつておるのです。どうも日本よりも民主化されておる国において、この継続費については、これを認めていない国も、予算として認められておる国も、非常にこれを厳重にしておるのです。今度出されるような、こんな漠然たる継続費の規定をしておる国はありません。私はこんなものを日本の国会で通してはおかしいと思います。範囲についても制限がない。金額についても制限がない。年数についてもはつきりした制限がない。こんな漠然とした継続費を認めておる国がどこにありましようか。その御答弁も、みんな国会で何でもできるから差支えないじやないか、これは無責任極まると思います。今のような大蔵大臣の御答弁であつたら、財政法の問題として継続費を審議する必要は何もありはしない。余りに人を食つた答弁だと思います。もう少しまじめに具体的に……、各国の例もあり、これまでの日本で継続費予算の制度が非常に弊害を及ぼしたのですから、そういうものについて大蔵大臣は深く反省するところがあつて、これを更に制限的に明確に規定する必要について、もつと責任ある答弁をする必要があると思う。小林君に対する今の御答弁なんか無責任極まるものであります。国会でどうにもできるのだから制限しないでよろしいというのは……。
 私はもう一つ、それと同じような質問でありますが、金額について、大蔵省から我々に配付して下すつた資料によりますと、陸海軍費以外の継続費というものは、これは予算は非常に少いのです。過去において例えば昭和十七年は、臨軍費を除いてしまうと、その他の省の継続費は一・六%、昭和十八年も一・六%、十九年が一・二%、こういうふうに少いのです。過去において多い場合でも一三・七%というのがありますが、一割に達したことは余りないようです。従つて大体過去の実績から見ましても、総予算に対する大体の金額における継続費のパーセンテージというものをきめてもいいのじやないか、又きめておくことが必要じやないかと私は考えるのですが、この点はどうですか。過去のこういう実績を見まして大体妥当な線を出しまして、そういう制限的な規定をするのが私はいいと思うのですが、大蔵大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(池田勇人君) 無責任だといつて叱られるのですが、私は率直に答えておるのでございます。結論だけでやつて行くのは無責任だとおつしやいますが、私はこういう考えの下にというのでお答えをしておるはずでございます。今のパーセンテージの問題でございますが、これはお話の通りに昭和二十七年度の分などでも殆んど一%にもならんような極く少額であります。それではこれは一%ときめるか、〇・五一%ときめるか、こういう問題はあるかと思いますが、これも又叱られるかわかりませんが、このこと自体を一つ御審議願うのが本当じやないかと思います。自由党の自由主義でやつていると、こう言われるかわかりませんが、とにかく何年にいたしましても、この金額の予算上に占める割合等も、これを御審議なさるときに一つ頭において御審議頂ければいいのじやないか、こういう気持を持つておるのであります。
○政府委員(佐藤一郎君) 今の木村さんの御質問に対してちよつと私補足して申上げますが、それぞれ各国によつて予算の制度とかいろいろなものが根本的に違つているわけなんです。それで今制限がないというお言葉でございましたが、米国などには今度は全然無制限の経費を計上しておるものも一面ございます。それから継続費の効果として絶対に手を触れてはいかんというような制度を設けている国もございます。それから例えば繰越等につきましても、米国の例によりますと、二年間は勝手にというとおかしいのですが、延ばしてどの経費にでも使える。それぞれ年限が場合々々によつて違つているわけです。それでこの問題だけを形式的にお取上げになると、そういう感じをお持ちになりますけれども、非常に複雑な各種の制度が集まつてできておるわけでございまして、御承知のように日本におきましては予算と法律と異なる議決形式をはつきりと憲法によつて認めておるわけでございます。これは我が国の憲法の特色でございまして、従いまして予算の内容というものは、できるだけ憲法のこの予算の議決形式を認めた精神に照らして、余り不必要な制限は加えない。予算の審議権というものの内容に無闇に影響を及ぼすような制限を加えたくないという考え方が従来からございますし、旧憲法の継続費とは勿論その根本精神を異にした運用をしなければならないと思いますが、旧憲法においてもああいう一応無制限な形式をとつておつたのは、やはりそういう我が国の特別な予算というものに対したところの憲法上の意味から出て来ておるのだろうと思います。でございますからして、私たちとしましてもこの点は一応考えたのでございますが、仮にこういう形をとつて出したわけでございます。
○菊川孝夫君 もう一つこの継続費で年割について伺いたいのですが、例えばこの年割の場合に、政府の提案が五年計画で、五カ年の年割に対して総金額においては、国会はいじらないけれども、その年割を初年度のものはこれはもう予算に載つておるから止むを得んとして、次年度以降のものは又次年度の予算の際にもう一遍盛上げるのですから、これは影響しない。従つてこれを延ばしたり縮めたりということについて、五年計画で政府は出しておるのを、十年に延ばすとか或いは三年に縮める。併し初年度のものは金額はいじらないで、次年度以降で金額な操作する。こういうものは簡單にやつてもいいのか、これは政府の財政計画に大きな影響を及ぼすと思いますが、小さい金頭であつたら大きな影響も及ぼさんが、これは自由に前の年割額を、一旦議決したものを修正するのとは、ちよつと性格が違うと思うのですが、これについてどう考えておられるか。
○国務大臣(池田勇人君) それも可能と思います。何でもかでもできるということをいわれるかも知れませんが……。五年間というのを七年間になさることもできますし、三年間になさることもできると思います。
○菊川孝夫君 これは政府の同意なしに国会が勝手にやればいいわけですか。
○国務大臣(池田勇人君) 予算には載つておりません。
○菊川孝夫君 載つておらんから、それは政府は義務を負うべきことになる。
○木村禧八郎君 簡單ですから……、濫用の問題ですね、大蔵大臣もやはりこの制度が濫用されてはいけないということについては同感だと思うのです。それで濫用を防止するということについて、こんなに漠然と規定した場合、我々一番濫用ということを恐れるわけです。基本としては我々はこれは憲法違反と思つていますが、若し百歩を讓つてこれを許す場合、今度は濫用が問題になる。濫用ということについては、こんなに漠然と規定をした場合、政府はこれをさせないように、政府の側としては、国会は国会として十分監督しなければなりませんけれども、どういう考えを持つておられるか。
○国務大臣(池田勇人君) 濫用は何分いかんのでございまして、極力これは避けなければいけません。私といたしましても、あなたのおつしやる毎会計年度という原則を認めておる。ただ場合によつて例外もあり得ることでございますから、例外のほうをどんどんやつて行くというわけには行かんと思つております。政府といたしましては継続費のみならず一般の経費の使い方でも、それはもう嚴に愼まなければならん問題だと考えておるのであります。決して濫用すべきものじやございません。例外的のものであるということは私もよく承知しております。
○木村禧八郎君 只今大蔵大臣がそういうつもりだというのですね、いけないという……、それだから我々は心配だからこれをもつと明確に制限的に規定したほうがいい、具体的に……。そうすりや安心が行くわけです。ただ濫用は何でもいけないという、これはもう雨が降つたら天気が悪いと同じで、(笑声)そんなその……もう少しこれを具体的に規定しては悪いのですか、政府のほうでもつと明確に、例えば数年というのを五年とか五年以内とか、何とかこう規定されることがどうして都合が悪いのでしようか。
○国務大臣(池田勇人君) 私は根本的に、この国会がとにかく最高機関だと、こういう考え方を持つている。そこで年限の問題にしても、割合にしても財政法でそんな細かいことをきめなくても、個々の問題で、個々に御審議なさればそれでいいのじやないか、こういうことなんです。あなたがたがここでおやりになるのだから、あなたがたが御勝手にそれを制限しようとか何とかいう主張は、国会は最高機関であると、こういうことでおやり下さらないと、昔のようなお考えになるのじやないかと思います。
○委員長(平沼彌太郎君) これで大分質疑も長くやりましたのですが、大体盡きたと見て、この辺で質疑を打切ることにして差支えございませんか。
○木村禧八郎君 大蔵大臣に対する質疑はあれですけれども、佐藤さんに対する質問はまだありますから、質疑を打切るということにはして頂きたくないのです。
○油井賢太郎君 極めて簡單に……。会計法関係で各庁へ政府の支払或いは歳入の徴収を委任している制度がありますね、それを各省各庁がばらばらにやつているので、地方の出納官が非常に迷惑をこうむるという声もあるのですが、大蔵省一本くらいにまとめてやるという方法はとれないものでしようか、この点をどうぞ……。
○政府委員(佐藤一郎君) ちよつと御質問の内容が少しわかりかねる点もございますが、只今おつしやいましたのは、いわゆる支出官という制度がございまして、この支出官が本省にもございますし、各出先官庁にもございます。それから又府県の知事に支出を委任する、こういう場合もございます。それでこれにつきましては、おつしやいますように、アメリカのような場合におきましては、大蔵省が全部支出官を持つております。即ち各省は契約だけをする権能が與えられております。その契約に基きまして支出をいたしますときには、大蔵省の系統の支出官の事務所が全国にございまして、これに連絡しまして小切手を振出すという仕組になつておるのでございます。日本の場合におきましては、予算の編成につきましては、大蔵大臣が代行の責任を持つておるわけでございますが、その実施につきましては各省大臣が権限を與えられておる、そういう根本の建前がございますので、只今のところは今おつしやいましたように、これを大蔵省一本にまとめるということは、まあ根本的な改正になりますので、私のほうじや内々研究はいたしておりますけれども、まだすぐこれを取上げるという段階には行つておりません。
○油井賢太郎君 私の言うのは、あなたの今の御説明の中の都道府県というような地方自治団体ですね、これに対する……。
○委員長(平沼彌太郎君) ちよつと油井委員に申上げますが、財政法、会計法以外の質問はちよつと待つて下さい。
○油井賢太郎君 いや、これは会計法についてです。成るべく速かにやるということが地方自治体としては非常に便利だと思うのです。
○政府委員(佐藤一郎君) おつしやいますように、私のほうも会計制度について調査研究いたしております。
○波多野鼎君 実は今日の新聞を見ておつて一つお伺いしておかなければならんと思つたのは、例の匿名供出の免税の問題なんです。新聞によるといろいろのことを伝えておる、或る新聞には廣川農林大臣の談話として、大蔵大臣の了承を得てあるんだという記事が出ておるかと思えば、他の新聞には誰だつたかの談話として、大蔵大臣はそれはまあよろしくやるんだというような話が出ておつた。こういうような記事をいろいろ読みますと、あの匿名供出の免税の問題なんですが、これは税法に関係があるので、我々非常に関心を持つのでありますが、あの農林大臣と大蔵大臣との話合いの本体は一体どうなつておるんですか、その点一つお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 私は、今日新聞を見て意外に感じました。私は、とにかくこの際相当供出が行われる見込みだから、あれ以上何か考えてくれ。よろしかろう、おれも考えよう。こういつて廣川君とは話合いをしたのであります。廣川君も昨日は何か国税庁長官のところへみずから行つたようでございます、申出に……。それから今日も衆議院の予算委員会で午前中答えておきましたが、この超過供出というものの報奨金とか何とか、いろいろなものは予算にはない、実際は集荷委託費として或る程度出そうというようなことになつておるんです。それで超過供出とか何とかいう農家の所得というものは、供出したからどう課税する、供出しないから課税しないという、こういう問題ではないのでありまして、どこの田からどれだけ米が取れた、自分のところで食べる分を節約して出す、こういう場合に、その超過して出した分にすぐ課税するんだといつたら二重課税になると思います。自分の食べる米も一応収穫として課税しておるんですから、実態をよく見極めないと、一概に匿名供出とか、超過供出で課税するとかしないとかいう問題じやないと思うんです。十石なら十石収穫があるところで、必要経費はどれだけ要つたか、又自分が四石保有して六石供出する。自分の四石のうちの一石は一つほかのもので代替して、六石のほうへ一石ほど加えて出そう。こういう場合においてこの一石に特別課税をしたら二重課税になる。こういう供出の実態を調べて私は課税上無理がないように、国策に応じて増産をし、供出をたくさんして下すつた人々については、行政上の手心として適当な方法を講ずるのが適当ではないかと考えております。これは御承知の通り、昔でも誠実に申告を出した場合におきましては、多分二割程度の差がある場合には申告を是認するというような考慮をいたしておつたのでございます。今その額は少し少くなつているようでございますが……、それから又報奨金とか、いろいろなものにつきましても、今まで経費の見方その他によりまして適当な措置をとつておるのであります。だから私は供出の状況を見まして、とにかくできるだけ減免の措置を講じたい。手心で行けないという場合におきましては、立法をしなければならんかもわかりませんが、たくさん供出して下さつたかたに税法上の便宜的取扱をするということは、廣川農林大臣と意見が一致いたしておるのであります。どういうふうな方法でやるかということにつきましては、事務当局で検討いたしておるのであります。そういうことでございまして、超過供出だから課税するとかしないとか、こういうことよりも農家所得の実態をどう見て行くかということにあると考えておるのであります。
○波多野鼎君 そうしますと、農林省でいわゆる供出を多く確保するために免税の措置を講ずるということを農林大臣、次官あたりが地方を廻つて触れ廻つておるわけなんでありますが、こういうことはまだ政府としては決定しておらんことだというふうに理解していいんでありますか。
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど申上げましたように、趣旨としては私は同意しておるのであります。どういうやり方によるかということは供出の実態がまだわかりません。で収穫がこれだけあつた、その収穫の分を供出分を引くかどうかという問題、そういう具体的な問題は話しておりませんが、たくさん供出をして下さつたかたに対しましては、行政上の取扱で、それがたくさん出たのだからというので上積にしてそれをとろう、こういう考えは私は適当でないと思います。
○波多野鼎君 それは少しあなたの理解が間違がつておるんです。そうじやなくて、超過供出、匿名供出の制度なるものを設け、匿名供出というものにつきましては免税をするということなんです。上積をとるということでなくて免税するということを触れ廻つておるわけであります。そういう免税の措置を講ずるという方針は政府においてはまたきまつていないかどうかということなんです。
○国務大臣(池田勇人君) 免税ということは、元がわからないのでございます。例えばその人が所得税のかからん程度のものであれば免税のしようがないのです。所得税のかかる程度のものになつた場合において、その匿名供出なるものが自分の食べるものを出したんだということになればこれはもうかけようがない。課税するのが間違つておる。だから具体的に個々の案件でないと言えません。ただそれじや前提として所得税のかかる者が匿名供出をした場合においてどうするか、自分の食べるものをお出しになつたときには課税をすべきものじやない、自分の食べないものを、自分の自家保有米としてやつたんだ。併しそのときに十石できたものを八石は課税をした、その二石が出て行つたというときには八石として課税することはどうかという問題になるんです。そこでこれは実際は十石できたが八石だというときに、八石として計算したときにその人の申告が適正ならば或る程度目をつぶろう、こういうことなんです。それだから実態を見なければわからないので、それが元の課税というものがきまらないのですから、免税するとか何とかいうことはなかなか起りにくいのです。実態において考える、これは来年度納める税金になるのでございます。だから様子を見まして立法的措置をとらなければならないようなことであればそれをとります。又手心で行けるということならば手心で行く、ただ気持はそういうふうにたくさん出して下さる人に対しましては、できるだけ課税の軽減措置をとろう、こういうことであります。
○波多野鼎君 それでは政府の方針として今きまつておることは、多くの供出者には何らか政府のほうからも報いる途を講じたいという気持があるという程度のことなんでありますね。
○国務大臣(池田勇人君) その通りであります。
○委員長(平沼彌太郎君) それでは大蔵大臣に対する質疑はこれで打切つて差支えありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) それでは政府委員が残つておりますから質問を御続行願います。
○木村禧八郎君 ちよつと佐藤さんに伺いたいんですが、繰越明許のことなんですが、これは従来から認められておつた。ところが十四條の三に明記するわけです。はつきりと謳うわけです。その理由ですね、どうして謳わなければならないのか。それから恐らくこれは提案理由に書いてあつたかと思うんですが、今までの明許繰越と今度少し範囲が拡がつて違つておるというところもあるんじやないかと思いますが、その点今度ここにこの十四條の三としてはつきりこういうふうに織込まなければならなかつた理由です、これを伺いたいと思います。
○政府委員(佐藤一郎君) 最初の問題は繰越明許を認めます場合に、従来のことでありますと、個々の頃日の所にこの経費は繰越明許ができるんだというふうに説明的に書いておつた、併しそれよりも一括しまして、予算の執行上こういう経費があるときにまとめて出しますほうがわかりいいかと思いまして、これは考え方でございます。技術的な見地からそうやりました。これは昔の予算においてとつておつた制度でございますので、それが便宜であろうということで復活しただけでございます。
 それからこの拡めました点は、御承知のように繰越明許は従来一番最初に当初予算を議決願いますときに同時にとるわけであります。ところが実際上予算の執行につきまして、各省としてはなかなかこの会計年度の制限というものがあるために執行が非常に困難を感ずることもあるわけであります。北海道のような非常に工事のシーズンの短いような所、それぞれの理由で以てできるだけ一つ繰越というものを楽にして欲しいという要望は各省から非常に強いのであります。大蔵省としましては、一思いにアメリカのように大蔵省の承認もなしに今年認めた予算は来年、再来年まで使えるというような制度はどうかというような考えも一部にはあるくらいですが、併しそれでは行き過ぎであるというので従来の制限はずつと続けるという態度で来てはおります。ただ年度の途中でやはり多少の……繰越の明許はもらえなかつたけれども、併しどうも十一月、十二月とこう押し詰つて参ると、とても三月の会計年度の終りまでにはでき上りそうもないというようなことが途中でわかりました場合には、言わば繰越明許だけの追加を、一つ当初は行わなかつたけれども、追加をして頂くという途を開くということが、これは国会の議決に基くことでもありますし、又執行官庁の便宜にもなることでありますからして、弊害もないというので、即ち繰越明許の追加という制度を作つたわけであります。
○木村禧八郎君 この「性質上」というのはどういうんですか。「歳出予算の経費のうち、その性質上文は予算成立後の事由に基き」という場合の「性質上」というのはどういうんですか。
○政府委員(佐藤一郎君) 読んでお感じになつた通りでいいたろうと思うのでありますが、どうしても繰越しをするような場合が予想されるようなそれは経費である、こういう意味であります。
○木村禧八郎君 今度二十七年度予算に、こういうふうに今まで一々繰越明許を書いてやつたんですが、今度繰越明許の対象になる予算がやはりあると思いますが、それは相当従来より拡張されておる、こう見ていいんですか、今度の予算の中に具体的に金額……。
○政府委員(佐藤一郎君) 例の分担金でありますとか、そういう関係の経費が大幅に入つておりますからして、総額においては従来よりも非常に殖えている、こう考えております。
○木村禧八郎君 実はそういうものを殖やすためにこういう拡張の解釈をしたんではないですか、それと違うんですか、僕たちは逆に解釈している。
○政府委員(佐藤一郎君) そうではございません。それは今申上げましたように、それは最初の、当初の今の予算にお出しして明許を取るのでありますから、この改正がなくても従来の制度でもやれるわけです。
○木村禧八郎君 それから二十六年度予算で本年度に繰越すやつが、中和回復費百億、あれは繰越明許とはつきり明許されておつたんですか。
○政府委員(佐藤一郎君) 入つております。
○木村禧八郎君 二十六年度のときにそうなつていますね。
○政府委員(佐藤一郎君) 二十六年度に入つております。
○菊川孝夫君 今度は会計法をちよつとお聞きしますが、これは簡單なんですが、会計法の第四條に各省各庁の長は事務を委任することができる、こういうことになつておるんですが、一体各省の長とそれからその職員との関係ということを考えましたときに、この委任というのはよその省の職員に委任するという表現ならわかるんですが、自分の所の職員に対して委任というのはこれはおかしいのではないか。これは單に担任せしめることができる、こういうふうに表現すべきではないか。表現の問題だと思うのですが、これはちよつとおかしいと思う。これが第一点。
 それからこれと同じような文字の使い方としまして盛んに……今度会計法の改正までは官吏という言葉を使つておつたやつを、この際公務員法ができてから官吏がなくなつて公務員、職員ということになつて、みんなこの名前をこの際に変えるんですが、この変える際に官という字は大体が使うのはおかしいと思う、この支出担当官だとか、こういう官を残しているんですが、これはやはり官吏のあつたときの官だと思いますが、字の使い方で細かいことを言うようですが、この際やはりすつきりさして担当職員なら支出担当職員と、こういうふうにすべきであつて、依然として官という字を変えないというその理由を一つお伺いしたいと思いますが、その二つを……。
○政府委員(佐藤一郎君) 委任制度につきましては、おつしやいますようにいろいろの考え方が立つと思います。ただ我が会計法の根本的な考え方は、実は大蔵省の経費でございますれば大蔵大臣が大体支出官になるべきものであると、自分が小切手にはんこを押すべきであるという建前をとつておるんでございます。併しながら実際問題として、大臣みずからはんこを押すわけには参りません。そこで大臣がみずからやる仕事を代つて委任する、こういうまあ考え方をとつておるわけでありますが、これは勿論考え方の差でございまして、そういう考え方を改めて、もう今どき誰も大臣が直接やるようなことはないんだから、最初から担当という言葉に改めるということも一つの考えでございます。昔でございますと鉄道特別会計では、たしか鉄道大臣だけが支出官になつておつたというような異例の場合もあつたわけです。それでまあこれはただ非常に会計法のみならず、各種の法令にこれを前提とした規定がございますので、検討はいたしておるのでありますが、これを改正するとなりますと、手数としては大変なので、十分準備して、そうしてやりたい、こういうふうに考えておるんです。今私たちとしてもこれは議論しております。
 それから文字の点でございますが、これも同様でございますが、官という、字は印象としても余りよくないという考えもございますが、これ又到る所に出ておるのでございまして、できるだけ会計法、財政法を少しずつではございますが、文字その他についても機会あるごとに少しずつは改めて行くつもりでございます。今おつしやつた点も十分近い将来考えたいと思つております。
○菊川孝夫君 私が申上げるのは、戦前法制局長官というのがあつて、法制局が頑張つておる時には、てにをは一字についても呼びつげられて我々やつつけられて、あの当時とにかく日本の法律というものは文章の書き方が整理されておつた。戰後の法律たるや、てにをはの使い方やなんかでたらめであり、ましてや官というのがなくなつても官という字を今日まで置いておくというのは徐々にやはり改めるべきである、法律の権威上から言つて……。従つてこの際にはもう官というような、徴収官とか何とかいうことは国民に與える印象も考えまして、私は用語は、こんな用語みたいなものはどうでもいいのだという考え方は、自然いわゆる濫用の面に陷る。濫用から不正事件というふうに発展して行くのである。従つてその根本になる会計法の改正の際は十分やるべきである。この際こそはいい機会じやないか、この機会を逸しておるところに我々としては極めて不満であるということだけを申上げて、速かにこの機会に統一して、昔のようにもう落着いて来たのであるから、昔の法制局健在当時よく僕ら使走りで、本当に使走りでおつたのだが、もういぢめられたものですが、今から考えて見ると確かに権威があつたと思うのです。今日の法律の権威をその当時から比べますと……。何も私はその当時の字句を使えというのじやありませんが、今のこういう文章の使い方、平仮名で表わすのであつたならば、やはり模範となるような文章でなければならん。こういう意味からいつてちよつと不満足だと思うのです。これは意見として申上げておきます。
 次に会計法の十三條の三で「予算執行の適正を期するため必要があると認めるときは、当該各省各庁所属の職員に、その所掌に係る支出負担行為の全部又は一部について認証を行わしめることができる。」という一つの條項を設けてあるのですが、これはどこかの省からこういうものを設けたいという要求があつてこれを設けておるものか、まあこういうこともあるだろうという、漠然として必要も起るかも知れないからやつておられるのか、こんなことなら今までの認証制度そのものについては、もう無用の長物だという意見を相当あなたがたの御答弁でお聞きしたわけです。従つて必要を認めてこれをやろうつたつてこれはどうも私は單なる形式か言い逃れのために設けるということになるだろうと思います。それよりもほかの方法を考えるほうがいいだろう。一切これを廃止してしまつたほうがいいと思いますが、どこかからこれを残しておいてくれという要望があつたのですか。
○政府委員(佐藤一郎君) 電通省、それから特別調達庁のような所は、そういうものはやはり設けておいて欲しいという希望が相当強いのであります。
○菊川孝夫君 わかりました。
○油井賢太郎君 二、三点伺いたいのですが、今度のこの改正で以て認証済みの事業だけは繰越が許されることになると思うのですけれども、事故の繰越ということはどういうことになるのですか。例えば初めから認証されていないもの、いわゆるいろいろの天候の関係とか何かで以て事業が遅れたといつた場合の事故繰越、それに対しては何か今度の改正で適当な方法が考慮されることになつておるのですか。
○政府委員(佐藤一郎君) これは認証と申されましたのは明許の意味だと思つてお答いたしますが、財政法の四十二條に従来から事故繰越の制度はございまして、只今油井さんのおつしやいましたような場合は、大蔵大臣の承認を得て繰越すことが認められております。
○油井賢太郎君 もう一点お伺いしたいのは、公共事業等のような場合は、これはいろいろ内容は多岐に亘ると思いますが、一括して公共事業なら公共事業全部継続費として認められるかどうか。その点どういうふうな方法を以てされるつもりですか。
○政府委員(佐藤一郎君) これは勿論公共事業費総体について考えるというようなことはいたしません。個々の事項につきまして進めて行く、こういう考え方であります。
○木村禧八郎君 ちよつと予備費について伺いたいのですが、この予備費というものは憲法に規定してありますが、予測しがたい支出に充てるために予備費を設けることができるとこういうことになつておるのですが、この予備費の性格はどういうのでしようか。予備費としてきめたときに、これは支出を承認したのではないと、こういうふうに解釈してよろしいのですか。或る一定の金額を予備費として国会が承認したときに、その金額というものを予備費として承認したので、これを使てよいと、こういう承認を與えたのではないと、こういう解釈があるのですが、それでいいのですか。
○政府委員(佐藤一郎君) 御承知のように予備費は、これを出しますときには必らず閣議決定をいたしまして、そうして出しておるわけでありますが、政府が真に止むを得ない場合に、普通の予算から出すことができないと、而も非常に緊急であつて国会の議決を経るいとまがないというような場合には、当然これが支出し得るというために認められておる経費であります。
○木村禧八郎君 その予測しがたいというか、予見しがたいという場合ですね、今度の安全保障諸費とかなんとかいうのは、あれはまだ行政協定というものがはつきりして来なければわからないわけなんでしよう、そういうものに一応充てておると、ですからああいう費用はやはり予備費的なものとみなすことができるのではないですか。
○政府委員(佐藤一郎君) これはまあ予算の編成を実際問題としてどうするかという問題になろうかと思うのでありますが、まあ私もその内容については詳しくは存じませんけれども、併し大体この程度の金額が防衛分担金として出るだろう、その個々の内容は例えば行政協定等によつて非常に具体的に取極になるにしても、大体の目的というものがわかつておるという場合には、まあ政府といたしましては、それを予備費に突込むというのは不親切である、むしろ大体こういうようなものに充てるということをより明らかにすることが適当だろうというふうに私は考えております。これはまあ考え方だろうと思います。見返資金等におきまして、従来経済安定費というものがございますが、これなんかも向うの最高司令官の承認が一々必要であるというような事態もあつて、非常に細かく分けることができないというので、相当広範囲な内容のものを一本にしておるという例もあるわけであります。
○小林政夫君 これはもう今度の改正案とは関係ないのでありますが、ついでに会計法の関係でお尋ねいたしますが、第四十六條の大蔵大臣の予算執行監督ですね、これと会計検査院の検査とはどういうふうな違いがあるわけでございますか。
○政府委員(佐藤一郎君) 会計検査院の検査は、行政府と独立した立場にあるところの行政官庁が行政府の予算の使い方について検査し得るような制度を憲法上認められておるわけであります。併しながら、それ以前に政府自体が自分の経費の使い方について、いわば自粛と申しますか、自己検査をするという制度は、勿論政府としても望ましいわけでありまして、大蔵大臣がこれをやると、こういう規定でございます。
○小林政夫君 まあ建前はそうだということはわかつておりますが、実際的な運用の面におきまして、どういうふうにやつておられますか。
○政府委員(佐藤一郎君) この四十六條の監査は確かに非常にむずかしいのです。大蔵省としてもどういうふうな運営の仕方をして行くか、相当各省から文句を受けておるということもございますし、それで私たちやはり大蔵大臣の見地から一番必要なことは、余り細かいこと、いわゆる法規違反を摘発するというようなところよりも、むしろ大蔵大臣が予算の編成の責任者であるということから、来年度の予算を組む際にこういう馬鹿らしい予算は組まんほうがよいと、実際或る地方に厖大な公共事業費を認めたけれども、その執行を見ると少しも熱意もないし、又具体的に調査して見て、それはもう将来この方面に余り出す必要はないというようなこともございましようし、むしろ将来の予算編成というものの参考資料になるというものを集めれば、会計検査院のいわゆる法規違反を摘発するという見地も又違つた意味が出て来るのじやないかという意味で現在運営の方針を検討しております。
○菊川孝夫君 今の四十六條の検査についてですが、あれは実は共済組合なんかの検査は非常に精密におやりになつておるようでありますが、これはどこへ参りましても、まあ私国鉄関係でよく行きますが、年に四回くらい見えて、共済組合の経営の食堂から給付の点についても細かくやつて、非常に監査は多過ぎるというくらいやつておる。ところが大事な今あなたの言われたような公共事業費だとか、契約だとか、そういう面については逃しておる。従つて雑魚は捕えるけれども、いわゆる大魚は逸しておるというような監査方法をおやりになつておる。この共済組合の監査もやはりこの四十六條に基いておやりになつておるのですか、これは又別の共済組合法に基いてやつておるのか、この点について伺いたい。
○政府委員(佐藤一郎君) それはこの四十六條に基いた監査ではございません。共済組合法自体として監査の規定が別にございます。そのために会計法のこの規定とちよつとやり方が違つておるわけであります。なお共済組合につきましては、現在相当濫療と申しますか、濫費と申しますか、そういうことがございまして、そういう見地から共済組合の担当官庁は相当厳しくやつておられると思います。
○小林政夫君 次に附則にある会計制度調査会ですね、これは現在もあるのでしようが、どういうことを具体的にやつておられますか。
○政府委員(佐藤一郎君) これは現在民間のかたもおられまして、今私のほうで根本的な制度、例えば先ほどちよつと話が出ました国庫制度の問題でありますとか、或いは現在非常に問題になつております随意契約と一般競争入札制度、この制度の契約のやり方とか、或いは金銭の会計については非常にやかましく言つておるが、物品の会計のほうは少し疎かになつておると、これをどうするかというような問題がたくさんございます。ただ会計制度の問題は、一ぺんきめましたら或る程度相当長期間に亘つて基本的な制度になる関係もありますので、やはり私たちが個人的に考えてすぐ立案するというようなことはできるだけ避けて、一般の意見を聞いてやつて行きたいと、こういうので今申上げましたような意見も徴しております。
○小林政夫君 企業会計ですね、国の事業、例えばアルコール事業とか、或いは公社の事業とか、電通の事業……、大体予算等の参考書類を見ると、国鉄なんかはかなり整備されておるようですが、アルコール事業なんというものは依然として大幅帳的な経理でやつて、一つの事業体の経理としては甚だしく不適当であるのですね。そういう点について、この会計制度調査会等においてどうやつたらよいかというような諮問というか、審議をされておりますか。
○政府委員(佐藤一郎君) 申し残しましたが、その点についても只今検討しております。これはまあ企業会計は個個のそれぞれ具体的に非常に又違つて参つております。それで私のほうとしましては、公社或いは公社以外の我々の政府機関と呼ばれております公庫、従来の公団、それから各種の特別会計、この特別会計にも電気通信事業、郵政事業のような非常に内容の多くて事業的なもの、或いは名前は何でありますが、ただ政府的な性質を持つたものとかいろいろあるわけであります。それでそれらを一貫したものを作るほうが適当かどうか、個々別々なものにやるというほうがいいか、そういう点、それから今おつしやいましたいわゆる帳簿につきましてももう少し近代化する必要がある。ただこれにつきましては非常にむずかしい点は、御承知のように一般会計と繰入れ等の関係もございまして、純粋につまり契約中心のものに切替えて行くということが、国会のいわゆる予算の枠という具体的な金銭の収入支出の枠であるところの予算の制度というものとどう結び付けたらいいかというような点で、非常にむずかしい点もございます。現在そういうような点を検討しております。
○木村禧八郎君 簡單に一つお伺いしたい。さつきの予備費の問題ですが、どうもまだわからんところがありますのでちよつともう一度伺いたいのですが、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、」こういうことになつておるのですが、例えば警察予備隊費五百四十億と計上してありますね、ところがこの五百四十億より更に幾ら殖えるかわからないのですね。而もその予備として安全保障諸費というものが作つてある。そういう限りにおいては警察予備隊費に対して予備費的なもの、こういうふうに解釈できないですか。五百四十億より幾ら殖えるかわからないのです、それから防衛分担金も行政協定如何によつて幾ら殖えるかわからないのですね、予見しがたいのです。そういうものに充てるために安全保障諸費というものがある、そうしたらこの「予見し難い予算の不足」という解釈から言うと、その安全保障諸費というのは予備費的なものになるのじやないですか。
○政府委員(佐藤一郎君) ちよつと私もその内容は私として御説明まだできかねるわけなんですが、予算審議の際一つお願いしたいと思います。
○木村禧八郎君 はあそうですが。
○小林政夫君 さつきの会計制度調査会の創設以来どういうことをやつたかという何か報告書というか、事業報告、そういつたものはないのですか。
○政府委員(佐藤一郎君) ちよつと今すぐ手許にございますかどうかあれですが、まとめることはできますからして、お入用でしたら私のほうで作つて差上げます。
○木村禧八郎君 ちよつともう一つ、予備費としての法規的な解釈ですね。もう一点だけはつきりしておきたいのですが、これは予備費というものは普通の歳出と違う。普通の歳出でははつきり目的がきまつておる、決算のときに……。従つてこの予備費というものは計上しておいて支出する場合、これは国会があらかじめこういうものを支出してよろしいときめない以上はこれは支出できない、こういうふうに見ていいですか。
○政府委員(佐藤一郎君) 国会があらかじめ議決をするということができないので、総体としての予備費というものを認められているわけです。
○木村禧八郎君 予備費というのはただ金額としてこれを認めているだけじやないですか、金額として……。
○政府委員(佐藤一郎君) 木村さんのおつしやつていることは私ちよつとよくわからない点もございますが、金額としてという意味でございますが、勿論それは政府が必要の場合にはそこから支出して、他の項目にそれを移して支出できる。又予期しないことが起りましたならば、そのために支出することができる、こういう性質のものであります。
○菊川孝夫君 先ほどお尋ねしました十三條の三の電通と特調から希望があるということ、私もちよつとあなたの御説明中に言を挾んだんですが、電通では申訳がないと新聞に出ておるが、特調も従来から一番問題になつておる、従つてそういうほかの所も海上保安庁とかございます。さてその電通のごとき事故を起したので申訳がないから一つ何とかやつて行こうというところにこの認証制度の意義があるだろうと思う。特に電通のごときは今もう局長以下がずるずるといもずる式に挙つて、これではいかんからせめて認証制度を残してもらいたいというところから認証制度を新たにここで答弁されたように、まあ不要でむしろ空文に過ぎなかつたものを、せめてこれを活用してでも国民にこの申訳ない不始末を一つ今後起さんようにして行きたいというふうに電通は反省して、懺悔してこの要請をしたのじやないかとこう思うのですが、そのいきさつがわからんのですが、なぜ電通省は希望したのか、私の考えで行くと、今のこの新聞記事から言うと、電通だけはその記事は当らないのだというふうに考えるのですが、そうするともう一ぺんそれだけをこの認証についてもう少し考え直さなければならん、そういうふうにも考えます。
○政府委員(佐藤一郎君) それは認証制度の是非につきましては、菊川さんからたびたびお話がありましたように両方の考え方があろうと思います。ただ一つにはこういう制度は運営にかかつて来ると思うのであります。それから官庁の組織でございますが、一番左の端に例えば外務省、或いは法務府というようないわば人件費とか極めて些細な事務費というようなものでなつておる官庁から、それから一番右のほうで同じ一般会計でありましても農林省でありますとか、運輸省でありますとか、非常に事業の内容が複雑で事業費も厖大なもの、同じ官庁にもそういうふうにあるわけであります。それで私どもとしましては、現在の会計制度は各省の大臣にその予算の執行の責任を負わせて、これは勿論内閣制度の立前から言つても当然だろうと思うのであります。でまあどういうふうにしたならば一番事故を防ぐことができるかということにつきましては、これは各省大臣がその責任を背負わされておりますからして、各省大臣の認識によつてやるべきである。それで認証制度につきましては大部分の官庁が徒らに手続を煩項にしておるだけであつて、比較的効果が挙がらない。或いは仮に外務省を例にとつてこの認証制度をやつた場合を考えましても、一々支出官のほかに認証官を置くというふうにすれば人員的にも或る程度のスタツフが要るわけであります。非常に田舎の小さい出先官庁から中央の官庁までいろいろあるわけです。それらについて人間の関係、或いは手続のただ形式的に流れやすいというような点があれば別に置く必要はない。併し従来の経験等によつて比較的手続の煩埴という弊害を感じないで、むしろ効果において挙つておるという認識を持つておる省においてこれをやることを大蔵省はとめる必要はちつともない。むしろ菊川さんがおつしやつておるような立場で言えば、各省できるだけそういう点で以て事故の起こらないように、こういう希望を持つている立場にあるわけでありますから、勿論私たちは認証制度のその一面のいい点を見逃がしてはおらないつもりであります。ただ従来の例に徹しますと、徒らに手続が煩項でいわば盲判になり勝ちである、これはまあ本当にそういう情実にこだわらず、形式に流れないで運営できるという実際上の情勢が来れば、これは又一つの考え方だと思つております。今は非常にそれが各省の例を見ましても形式的に流れている。それからこれは責任の所在という点から見ますと、このチエツク・システムというものは必ずしも適当でない、認証官が本当の最終の責任を背負うのか、認証をしたところの契約担当官が責任を背負うのか、そこいらの辺がなかなかむずかしいのであります。逆に言えば認証の判さえとつてしまえば自分はどういう契約をやつてもいわば責任は逃がれるというようなまあいわば安易な気持になることもあるわけであります。そこで私のほうで予算の執行職員等の責任に関する法律というものを二十四年ですか、二十五年ですかにお出ししました。これは従来はなかつた制度でございますが、結局その法律によりまして会計管理の責任というものを追及する手段をはつきりさせたわけでございます。そうなるとこれに関連して参りまして、むしろそういう点を確立して行く、そのほか他にも従来は小切手の管理についての明確を欠いておりましたが、小切手の紛失、その他不正な事故がしばしば出ましたからそういう点についての規定を整備いたしました。或いは又進駐軍関係、或いは公共事業費の支払等について不正な事故を防止するために銀行にこれを取扱わせる制度を開かせる等の制度をいろいろと整備して行く。それでこの形式的なチエツク・システムに頼るということをやめて行く、こういうふうに考えているのですが、各省大臣が認めた場合には置いてもよいということにしたわけであります。
○菊川孝夫君 なるほど今のあなたの御説明だと、大臣が責任を持つ。併しこれではよくわからないのですが、実際今の責任というのはただ單なる言葉の上の話だけでありまして、電通でああいうふうに事故が起きておりましても、佐藤郵政大臣が、あの電通大臣にしろ政務次官にしろ、この国会へ来て申訳がありませんと言うだけの問題でありまして、何ら責任というのは一体どういうことであるか、責任とは如何ということになつて来ますと、やはり使われてしまつたら結局国の損害になつている。そうして網にかかつたものだけが免職か、或いは徴役しているだけでありまして、今まで何ら大臣が直接責任を負うということは殆んどありません。ここで国会で以後気を付けます、これだけで終つている。そこで何らかの方法で事故の防止ということは一番大事なことだ、これは私は何回も繰返して言つておる。而もたまたまここで認証制度について、先ず外務省とか法務府等のこれはむしろ逆に特に必要のない面についてはこれを廃止することができるというふうにしてやらすようにしたほうが私はいいと思うのですが、電通のこの申入ということから見てどうも見逃すことのできない問題だと思うのですが、どうですか。
○政府委員(佐藤一郎君) これはお前の所はどうも信用ができないから電通省は残す、お前の所は信用ができるからいいというわけにも参らんと思うのであります。それでただ私たちも最近経験しましたが、終戦前には事故がなくて、例えば小切手なんかの事故も割合になくて、終戦後になつてなぜ事故が多いか、こういう事故のやはり全体の問題があるわけであります。それでおかしな話ではありますが、事故が起つて行くたびにこちらの勉強にもなりまして、それに対する制度も考えて行くという実情であります。事故が起りましたところはそれだけに又余計神経質になるという点もあろうと思います。そこらは成る程度政府の実行に任して、問題はその責任の追及につきまして、今菊川さんが形式的に流れているというお話でございましたが、それは会計検査院がございますし、国会の決算委員会等におきまして十分究明されるのでありますからして、だんだんとこの責任を確立して行くという方向に一つ持つて行く運用の問題だとこう考えております。
○小林政夫君 議事進行についてですから……ほかのかたで何か御質問があれば……。
○大屋晋三君 そこで附則の第一項に、この法律は昭和二十七年一月一日から施行するとありますが、今日になつてはこれを修正する必要があるのではなかろうかと思いますが如何ですか。
○政府委員(佐藤一郎君) 勿論修正をいたす必要があると思つております。
○小林政夫君 昨日予算委員会で財政法会計法の改正法律案の審議をやつたのですが、先般委員長から御報告があつたようにそれを我々了承したのですが、予算委員長からの申入を当委員会としては承認になるのか、向うの審議のため暫く結論は待つてくれというような申入があつたのですが、その点はどういうふうにお運びになるおつもりであるか。
○委員長(平沼彌太郎君) 予算委員会からは二、三日というお話があつたのであります。もう経過しておりますから当然進めてよいと思います。ちよつと速記をとめて下さい
   〔速記中止〕
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて。
○西川甚五郎君 もはや質問も盡きたと思いますから、質打切りの動議を提出いたしたいと思います。
○委員長(平沼彌太郎君) 質疑打切りの動議が出ましたが、差支えありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) 異議ないものと認めます。速記をとめて下さい。
   午後三時四十九分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時三分速記開始
○委員長(平沼彌太郎君) では速記を始めて下さい。
 ちよつとお諮りしますが、各会派で御意見を取りまとめる御都合もあると思いますので、それをまとめて頂いて、明日午後委員会を開くことに決定してよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) ではそういうことに決定いたします。
  ―――――――――――――
○委員長(平沼彌太郎君) それではポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く大蔵省関係諸命令の措置に関する法律案(予備審査)、国民金融公庫法の一法を改正する法律案(予備審査)、開拓者資金特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案(予備審査)、右三案について提案の理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(西村直己君) 只今議題となりましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く大蔵省関係諸命令の措置に関する法律案ほか二法案につきまして、その提案の理由を御説明いたします。
 平和條約の効力発生に伴いまして、政府は、いわゆるポツダム命令につきまして、別に存廃の措置のなされない限り平和條約の効力発生後も六ケ月間を限り法律と同様の効力を持たせるため、別途法律案を提出いたしておりますが、これと共に、今後も存続させる必要のあるものは、法律としての効力を持たせることとする一方、この際整理すべきものについては、所要の改廃の措置を講ずることとしておるのであります。この法律案はその一環といたしまして、大蔵省関係のポツダム命令について所要の措置を行おうとするものであります。
 大蔵省主管のポツダム命令のうち措置を要すると思われますものは四十五件でありますが、この法律案は四十五件そのうち十三件をそのまま存続させ、又六件を改正して存続させると共に二十二件を廃止することとし、これがため所要の措置を講じようとするものであります。なおこの外「連合国財産の返還等に関する政令」外四政令につきましては、別途改正して存続させるための法律案を提出いたす予定でありますので、これを加えますと、結局そのまま存続させるもの十三件、改正して存続させるもの十件、廃止するもの二十二件と相成るのであります。
 次に、この法律案の内容の概要を申上げます。先ず、「閉鎖機関令」等閉鎖機関関係の四命令につきましては、閉鎖機関の特殊整理の現況に鑑みまして、閉鎖機関の指定前にした行為を閉鎖機関整理委員会が取り消し得る制度は、もはや不要でありますので、これを廃止いたしますと共に、このほか平和條約の効力発生に伴つて、強権的な規定その他不要な規定を整理し、併せて閉鎖機関整理委員会の解散に関する規定を整備することといたしております。
 第二に、「旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令」につきましても、占領終結に伴い必要な規定の整理を行うことといたしております。
 第三に、「国外居住外国人等に対する債務の弁済のためにする供託の特例に関する政令」につきましては、国外居住の外国人に対する債務の弁済のためにする供託の特例は、在外会社の債務を除き、平和條約の効力発生後に生ずる債務に関してはこれを認めないこととする等規定の整備を行うのほか駐日使節団を通じて行う供託物の還付請求に関する規定その他不要となる規定を削除することといたしております。
 第四に、以上の六件のほか、「特別調達資金設置令」等十三件につきましては、今後とも存置する必要がありますので、平和條約発効後も法律としての効力を持たせることといたしております。このうち、「明治三十九年法律第二十四号官国幣社等経費に関する法律廃止等の件」等八件は、いずれも他の法令の廃止又は一部改正を内容とするものでありまして、罰則その他の経過規定につき、なお当分の間存続させておく必要があるのであります。
 第五に、廃止しようとする命令でありますが、このうち大部分のものは、「日本カタン糸株式会社の再設立に関する政令」のように、元来一回限りの又は極めて極限された事柄を対象としているもので、その目的の達成、関係事務の結了等によつてすでに実質的意義を失つておりますので、この際、明確に廃止の措置を講じようとするものであり、「会社の証券保有制限等に関する勅令」ほか一件の経済民主化を目的としたものにつきましては、おおむねその所期の目的を達成したものと認められますので、同様廃止の措置を講ずることといたしたのであります。又、「臨時軍事費特別会計の終結に関する件」につきましては、若干関係事務の終了していない点もありますが、この際これを廃止いたし、所要の経過規定を設けて今後の処理を行うことといたしております。
 次に国民金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
 国民金融公庫は昭和二十四年の六月発足して以来、国民大衆の資金需要に応ずるため、五回に及び増資を行い、昨年十二月末までに、普通貸付約百二十一億円の貸付を行なつて、一般の金融機関から融資を受けることが困難な国民大衆の生活の再建と経済の復興とに寄與して参つたのであります。昭和二十七年度におきましても、公庫に対する資金需要は依然相当の額に上ることが予想され、この種資金の円滑な疏通を図ることは極めて緊要であると存ぜられますので、明年度予算におきまして、公庫に対する出資金として三十億円を計上いたしたのでありまして、これに伴い公庫の現在の資本金七十億円を百億円に変更するためこの法律案を提出いたした次第であります。なお明年度におきましては、この増資額三十億円の外に資金運用部からの借入金二十億円、及び従来の貸付金の回収金を加えて、少くとも約百十六億円の新規の貸付資金が確保されることとなつているのであります。
 次に開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
 開拓者資金融通法による農地の開拓者に対する資金の貸付に関する歳入歳出につきましては、開拓者資金融通特別会計を設けてこれを経理いたしておりますが、同特別会計法におきましては、この開拓者に対する貸付金の財源は、同会計の負担において発行する公債又は借入金によつて調達することとなつております。併しながら、このような公債又は借入金によりますことは、健全財政の見地から妥当ではないものと考えられますので、昭和二十四年度以降におきましては、引き続き一般会計からの繰入金を以てその財源に充てて参つたのであります。
 昭和二十七年度におきましては、十五億三千百二十一万円の開拓者資金の貸付を予定いたしておりますので、これに相当する金額を一般会計からこの会計に繰り入れまして、貸付金の財源に充てることといたすため、この法律案を提出いたした次第でありまして、この金額は明年度予算に計上されているのであります。
 なお、この繰入金は、将来、貸付金がこの会計へ償還されました際に、その繰入額に相当する金額に達するまで、予算の定めるところにより、この会計から一般会計へ繰り戻すことといたしております。
 以上が、この三つの法律案の提出の理由であります。何とぞ御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
○委員長(平沼彌太郎君) この三案につきましては、時間の都合上本日は提案理由の説明を聴取するだけにいたしておきます。
  ―――――――――――――
○委員長(平沼彌太郎君) 次に請願及び陳情に関する小委員の設置についてお諮りいたします。
 本委員会におきましては、従来毎国会請願、陳情の審査を便ならしめるため小委員を設けて審査いたして参りましたが、本国会におきましてもこの小委員を設けて審査の迅速を期したいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。よつて請願及び陳情に関する小委員を設置することに決定いたしました。
 次にこの小委員の数並びに小委員の選定及び小委員長の選任方法についてでありますが、いずれも従前の例によりまして、小委員の数は六名とし、委員長において小委員及び小委員長を指名することに御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。それでは小委員の名前を申上げます。岡崎君、小林君、菊川君、大野君、菊田君、森君の六名のかたにお願いいたします。それから小委員長に菊川君を御指名申上げます。
  ―――――――――――――
○委員長(平沼彌太郎君) 次に先般院議を以て金融、租税等の審査のため中国地方並びに四国地方に派遣せられました議員のかたがたの報告を聴取いたすことといたします。
○小林政夫君 大分大蔵委員会忙しいですから、文書によつて報告して結果を速記録に載せてもらうことにしたらどうです。
○委員長(平沼彌太郎君) それでよろしうございますか。ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて下さい。只今の点につきましては、文書で提出して頂いて速記録に載せるということにいたして差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) ではさよう決定いたします。
○木村禧八郎君 提案があるのですが。それはちよつと皆さんにお諮りしたいのですが、昨日の読売新聞に出ておつたのですが、慈善団体に利益金を寄附するという名目で、外国から免税で物を輸入しまして、それで利益を挙げて、その利益を慈善団体に寄附しないで、これを私してしまつている事件ですね、特に硫黄島に行つた和智大佐が関係している白蓮社という社ですね。あそこでそういう問題を起しているのです。それで何もそれだけを対象にするのじやないのですが、慈善団体に寄附すると称して物を無税で輸入して、これで私腹を肥やしているという例が相当あるのじやないかと思うのです。バナナとかそれから中古衣類とか、相当あるらしいのです。この問題について一応大蔵省から意見を聞くと同時に、大蔵委員会で調査ですか、まあ具体的には今一番問題になつているのは白蓮社の問題です。殊に和智師が関係している問題があるのですが、ああいうところを喚問してやはりこの問題を大蔵委員会で取上げたらどうか、こういうふうに私は思うのですが、どうでございましようか。
○委員長(平沼彌太郎君) 如何でしようか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平沼彌太郎君) それでは理事会で一つ研究さして頂きます。
○木村禧八郎君 一つ理事会でお諮り頂きましてお願いいたします。
○委員長(平沼彌太郎君) あとで御報告申上げます。
 それでは本日の大蔵委員会はこれを以て閉会いたします。
   午後四時十九分散会