第013回国会 本会議 第28号
昭和二十七年四月四日(金曜日)
   午前十時四十三分開議
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 議事日程 第二十七号
  昭和二十七年四月四日
   午前十時開議
 第一 補助貨幣損傷等取締法臨時特例案(小野義夫君外七名発議)(委員長報告)
 第二 国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第四 夏時刻法を廃止する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
 第五 十勝沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案(衆議院提出)(委員長報告)
 第六 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第七 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く文部省関係諸命令の措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第八 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第九 商品取引所法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一〇 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く経済安定本部関係諸命令の措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一一 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一二 統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一三 在外公館の名称及び位置を定める法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一四 戰犯者の釈放等に関する請願(七件)(委員長報告)
 第一五 九州大学生体解剖戰犯者の釈放に関する請願(委員長報告)
 第一六 戰犯者の特赦減刑等に関する請願(二件)(委員長報告)
 第一七 軍事裁判被告の釈放に関する請願(委員長報告)
 第一八 戰犯者の仮出所に関する請願(委員長報告)
 第一九 戰犯者の減刑釈放に関する請願(委員長報告)
 第二〇 小浜線小浜市遠敷地区内に新駅設置の請願(委員長報告)
 第二一 中央線中野駅拡張工事促進に関する請願(委員長報告)
 第二二 長崎線の複線施設に関する請願(委員長報告)
 第二三 長崎駅構内施設拡充に関する請願(委員長報告)
 第二四 長岡駅正面、東口間地下道貫通に関する請願(委員長報告)
 第二五 岩手県南鍛冶町東北本線踏切をガードに切替の請願(委員長報告)
 第二六 津田、長尾両駅間に簡易駅設置の請願(委員長報告)
 第二七 尻内、八木両駅間にガソリンカー運行開始の請願(委員長報告)
 第二八 小浜線に新車両および二等車配置等の請願(委員長報告)
 第二九 長崎線に特別急行列車運行の請願(委員長報告)
 第三〇 長崎線における雲仙号の平坦線運行の請願(委員長報告)
 第三一 長崎線に寢台車、食堂車増結の請願(委員長報告)
 第三二 鮮魚輸送用レソ車増設に関する請願(委員長報告)
 第三三 水郡線に列車増発の請願(委員長報告)
 第三四 東北本線大繩堀踏切の警手配置存続に関する請願(委員長報告)
 第三五 列車内に行先、駅名標示の請願(委員長報告)
 第三六 北九州地区国鉄主要路線にデーゼル電動列車運転開始等の請願(委員長報告)
 第三七 東海道線特急列車の神戸始発延長に関する請願(委員長報告)
 第三八 国営自動車近城線の延長運輸開始に関する請願(委員長報告)
 第三九 山形村、小国間国営バス運輸開始に関する請願(委員長報告)
 第四〇 一戸、久慈両駅間国営バス運輸開始に関する請願(委員長報告)
 第四一 岩手県九戸郡東部および西部両地区国営バス運輸開始に関する請願(委員長報告)
 第四二 岩手県大川目村、夏井駅間の国営バス運輸延長に関する請願(委員長報告)
 第四三 失業対策事業に関する請願(委員長報告)
 第四四 看護婦の労働基準確保に関する請願(委員長報告)
 第四五 秋田県に労災病院兼けい肺療養所設置の請願(委員長報告)
 第四六 日雇労働者の救済に関する請願(委員長報告)
 第四七 戰犯者の減刑釈放に関する陳情(二件)(委員長報告)
 第四八 戰犯者の減刑に関する陳情(委員長報告)
 第四九 戰犯者の釈放等に関する陳情(委員長報告)
 第五〇 九州大学生体解剖戰犯者の釈放に関する陳情(委員長報告)
 第五一 失業対策事業資材費国庫補助増額に関する陳情(委員長報告)
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○副議長(三木治朗君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
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○副議長(三木治朗君) これより本日の会議を開きます。
   〔赤松常子君発言の許可を求む〕
○副議長(三木治朗君) 赤松常子君。
○赤松常子君 私はこの際、紡績操短対策に関する緊急質問の動議を提出いたします。
○安井謙君 本員は赤松常子君の動議に賛成をいたします。
○副議長(三木治朗君) 赤松君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。赤松常子君。
   〔赤松常子君登壇、拍手〕、
○赤松常子君 私は、去る二月末日、通産省が綿紡績に対して四割という大幅な操業短縮を勧告いたしましたことに関しまして、通産大臣、労働大臣及び大蔵大臣に対しまして、左の数点について緊急質問をいたしたいと存じます。どうぞ誠意を以て率直にお答え頂きたいのでございます。
 この勧告は、綿紡績の需要供給を調整して、価格の安定を図り、延いては企業経営並びに従業員の生活の安定を目的としておりますものと理解いたしまして、あながちこの措置に対しまして反対をするものではございません。併しながら、いわゆる糸へん景気で、紡績の代表的十社の昨年上半期の総利益は百五十億円にも上り、資本金の一倍半に当る莫大な利潤を改めておりながら、一旦操短となりますや、常日頃低賃金に喘いでいるおおむね二十歳にも足りない幼い婦人労働者に、不当にもその犠牲を転嫁せんとしている資本家的態度には、絶対に承服しがたいのでございます。戰前におきましても、紡績連合会の歴史は、作り過ぎては操短を繰返した歴史でございますが、それはいずれも自主的に行われたものでございました。ところが今日こうした大幅の操短を而も公式的に政府が勧告したのは、今度が初めてでございます。操短勧告が独占禁止法に触れるとか触れないとか申します議論は、今日暫らく措くことといたします。併しながら従来自由党内閣の経済政策は、統制を撤廃し、すべてを自由放任に任せ、弱肉強食の放慢政策の建前をとつて参りました。然るに綿紡績業に対して突如として今日四割操短という統制を政府の勧告によつて行うことになりましたが、これは明らかに自由党内閣が唱えて来た統制撤廃の建前をみずから崩したところに、私は重大な意義を認めるものでございます。(拍手)政府は今後企業に対して国家的見地から統制の必要を感じて来たものと解釈してよろしうございましようか。そこで私は通産大臣に質問いたしたいのでございます。
 先ず第一点といたしまして、四割の操短となりますと、綿紡績の今日の実情から見て約二割の剰員を生じておりまして、婦人労働者二万人が三月末からすでに続々と一時帰省や輪番帰省の方法によつて農村や漁村へ帰らせられておりますが、賃金の六〇%支給とは言いながら、これは従業員にとりまして誠に重大な生活問題でございます。かような事態が予想されることがわかつていながら、通産大臣は、操短勧告に当り、かかる深刻な影響を直接こうむります従業員の結成している労働組合に対して、事前に何らかの連絡をとり、その意見を聞いた上で勧告を行なつたものでありましようか。このいきさつについて詳しく御説明を願いたいのでございます。
 次に第二点といたしまして、労働省の任務の一つとして、いつも時の経済並びに財政政策の悪影響が労働者に犠牲を負わせ又は労働者に負担をかける場合、つまり通産省や大蔵省の誤まれる政策のしわが労働者に押しつけられる場合に、その跡始末をいたしておるのでございますが、ここで通産大臣は、今回の操短によつて労働者に如何なる影響が及ぶかという問題について、この勧告をする以前に労働大臣に対し連絡協議をし、そのしわが労働者に寄せられる程度をできるだけ緩和する方法をとられたか否かを質したいのでございます。
 更に第三点といたしまして、経済安定本部の自立経済審議会の報告書による繊維生産計画表の中の綿紡設備の内容を見ますと、年度末据付錘数は、昭和二十六年度五百万錘、二十七年度五百五十万錘、二十八年度六百二十万錘となつておりまして、これが日本の自立経済のための一応の目安であつたと存じます。然るに二十八年度末六百二十万錘に達する計画であるのに、今日すでにアウトサイダーをも入れると七百万錘に及んでいて、明らかに超過しておりますが、今日繊維機械業者も全然生産をやめておりませんので、まだこれ以上に増加の一途を迫るものと考えられるのでございますが、現在繊維機械の生産能力は月間二十五万乃至三十万錘もあり、その生産を続けるとするならば、この間の調整を如何にせられるか。この点に関しまして、機械生産に従事いたしております労働者にも大きな不安を與えておりますので、通産大臣の御意見をお伺いいたしたいと存じます。
 次に労働大臣にお聞きいたしますが、第一点といたしまして、労働大臣は四割という大幅な生産の減少が若しも綿紡績労働者のストライキによつて招来されたとしたならば、かかるストライキには決して手を拱いて傍観してはいられなかつたと思います。然るに通産省の一片の勧告によつて四割操短がやすやすと行われ、その結果、綿紡績労働者に重大な生活不安と人道問題を招いたのでございます。労働大臣は、ただ労働基準法や失業保險法さえ官僚的に遵守しておれば、それで職責を全うし得るものと考えておられるのでございましようか。(拍手)かかる重大な操短という措置に対して積極的に通産大臣に申入れて、従業員のこうむる犠牲を軽減する対策を講ずべきではなかつたかと存じます。かかる事情に鑑みまして、今後操短などの行われる場合には、あらかじめ労使の代表的な団体に対して連絡し、操短の真に止むを得ざる理由を納得せしめ、更には協力せしめようとする意思が政府に果しておありでございましようか。この点を明らかにされたいのでございます。更に英国においては、戰後、労働党内閣では、産業再建のために、労使、学識経験者を以てラーキング・パーテイを組織し、これに重要な役割を果させ、よい成果を収めておりますが、今日内外の諸情勢に鑑みまして、綿紡績に対して何らかの国家的措置を講じ、官民の民主的な協力機関を設ける必要が痛感されます現在、政府はかかる必要を感じておられるか。これに対しどういう構想を持つておられるかをお伺いいたしたいと存じます。
 第二点といたしまして、すでに四割の操短が行われまして以来、二万名以上に及ぶ婦人労働者が過剰となり、一応は会社側との協約によつて交代に帰省することになりました。併しこれは三月から五月までの暫定的措置でありまして、今後更に操短が強化され、又その期間が長引くようなことがございますれば、帰省する者の数も増加し、帰省している者の気持も一層不安となりましよう。更に本年度の卒業生の新規採用を取消す会社も続出いたしまして、その数も四万名以上に達しているのでありますが、不況下の農村にとつて幾分なりとも経済的支えとなる收入がなくなり、それのみか、更に過剰人口を抱えるという負担が増加することになります。それにつきまして、私が最近職場の現場を見、又農村の現地に参つて聞き得ました中でも、最も憂慮に堪えないのは、人身売買のブローカーに狙われている事実でございます。その悲しい一つの例といたしまして、昨年末来の福井県下の中小繊維業の倒産の結果、工場を閉め出された婦人労働者は、今更貧しい農村にも帰れず、止むなく至る所のカフエーや特飲街になだれ込んで、大きな社会問題を投げかけているのでございます。労働大臣は、この帰省いたしました婦人労働者の保護指導や、又採用を取消されました新規卒業者がどのくらいあるかを調査をし、その就職対策等を如何ように考えておられますか。お伺いいたしたいと存じます。
 次に第三点として、紡績十社に対する今回の操短がその下請工場の中小企業に及ぼす不安と影響は更に重大な波紋を描いておるのでございます。先日も私は愛媛県今治市附近の中小工場を視察いたしましましたが、すでに親工場からの発注も中止されていて、工場を挙げて不安と動揺におののいておりました。そうして次に迫り来る工場閉鎖や賃金の未拂などにおびえている実情でございました。これら深刻な問題に関連して、これは中小企業全般に亘ることでもございますが、新潟県においては、県の労働部において賃金遅拂応急対策要綱なるものを作つて、賃金遅拂の事業場に対する融資制度を実施しているように伺つておりますが、こういう制度を全国的に推し拡め、大蔵大臣とも連絡して、その融通資金の枠を拡大して行くような制度を労働大臣はお考えでいらつしやいましようか。お聞きいたしたいと存じます。
 更に労働基準法によつては、賃金不拂の場合には雇主を処罰することによつて間接的に支拂を促進させることになつておりますが、賃金によつて生活いたしております働く者にとつては、雇主を処罰いたすことももとよりでございますが、それのみでは問題の完全な解決にはなりませんので、それ以外に賃金債権を確保することが必要なのでございます。併し現状では賃金債権の仮差押えにも保証金を積立てなければなりませんが、すでに賃金不拂中の労働者に保証金を積ませることは何としても無理でございますから、このような場合に保証金を積まないでも仮差押えのできるような措置が労働者の生活確保のために絶対に必要であると考えられますが、労働大臣はこの問題についてどうお考えでございましようか。お聞きいたしたいと存じます。
 最後に大蔵大臣にお尋ねいたします。戰後繊維労働者は日本経済再建のために黙々として誠実に働き続けて参り、輸出産業の王座を占めて来ました事実は、何人にも明らかなことでございます。労働生産性の向上に一意努力いたしまして、一方、会社の收益も著しく増加いたしましたにもかかわらず、他方、生活費の高騰に喘ぎ、生活難打開のため全国繊維産業労働組合はたびたび賃上げの要求をいたしましたが、その都度大蔵省の政策である資本蓄積の美名に隠れて、その利潤を少しも賃金に廻さず、もつぱら機械設備に繰入れて野放しの生産に没頭した結果、遂に今日のような深刻な状態に陥りました。これを全国的に見ますと、実に厖大な生産設備は休止して死物と化し、各社の倉庫には山のように積まれた四十万梱の製品が「あくび」をしているのでありますが、これがいわゆる資本蓄積の成果とは何という皮肉な姿ではございませんか。(拍手)大蔵大臣は、口を開けば資本蓄積、資本蓄積と繰返されましたが、このような大失態を引起した責任を一体何と感じておられましようか。どういう処置をなさるおつもりでございましようか。はつきりお伺いいたしたいと存じます。(「処置なしだ」と呼ぶ者あり)
 以上で私の質問は終了いたしますが、特に直接実害をこうむりつつある紡績繊維労働者に対して、各大臣の明確なる御答弁を切に要求いたす次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣高橋龍太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(高橋龍太郎君) お答えいたします。
 この四割の紡績の操短という問題では非常に誤解があるのですが、その当時私どものほうで発表し、又業者に通知をいたしました。これは業者諸君のほうは十分理解されており、間違いないのですが、この四割の操短というのは錘数の四割を操短するという意味なのであります。で、四割操短いたしまして、私どもの狙つておるところは、一ヵ月の生産を十五万梱に抑えようというのが趣意なのであります。その当時、内外の需要を計算してみますというと、大体十五万梱くらいが適当であろうかというのであつたのであります。ところで十五万梱に抑えるのには実際にはどのくらいの操短になるかというと、戰後最大の生産が挙りましたのは、本年の一月の十七万七千梱であつたのであります。十七万七千梱を十五万梱に抑えるということは、実際には一割四分の操短になるのであります。そうして十五万梱というのは、昨年の十月、十一月頃にも十五万梱しか生産されていないのであります。そうして又、本年の原綿の予定は百七十万俵ということになつておるのであります。そうして、大体、百七十万俵のうち百二十万俵が米綿、五十万俵が雑綿、その五十万俵はまだ全部手当ができていない。百七十万俵の原綿を以てしますというと、一月のような十七万七千梱というような生産を挙げますというと、この十月、十一月頃には原綿はなくなつてしまうのです。極端に言えば、その頃になるというと十割の操短をしなくちやいけんような重大な事情になるのであります。そういうことを考えますというと、この労務者諸君にも非常に悪い影響がある。私は十五万梱の生産に抑える四割の操短を勧告いたしましたことは、極めて時宜に適した適当な措置だと、今なお確信いたしております。(「その通り」「なぜ中共貿易をやらないんだ」と呼ぶ者あり)なお、それについて、操短を勧告するときに、私が紡績業者の労組などに交渉をしたかという御質問でありますが、私はしておりません。(「そうだろう」と呼ぶ者あり)率直に申上げます。併し紡績業者は、その当時労組に対して細かな交渉をされて(「当り前じやないか」と呼ぶ者あり)取計らわれたのは事実であります。なお将来、或いは今日の操短では收まらないで、これ以上操短をするという場合には、十分にそういう点も考えて行きたいと存じます。
 次に御質問の中に、一昨年の六月に紡績の設備の制限が廃止されたのですが、その当時四百万錘に足らなかつたのです。今日六百七十万ぐらいに増錘された。これは併し、只今御質問の中に非常に誤解があると思うのですが、これは何も政府は、奨励はしていないのです。(「野放しにしておる」と呼ぶ者あり)のみならず私は、この二ヵ年足らずの問に七割の増錘は無謀であつて、甚だ遺憾に存ずると、機会あるごとにそういう私の意見は述べておる。政府が奨励したということは非常な誤解であるということを申上げておきます。そうして現在のような紡績界の不況を現実に見ることになりましたので、恐らく業者といえども、これ以上増錘をする計画は中止されたと確信しておりますが、紡績機械業者も紡績の状況が年々五割も増錘されるようなことは夢みてはいないのであります。業者は十分そういう事情は了承しておるのでありますから、適当な措置をとつておることを私は確信するのであります。
 そうして又、この統制云々について御質問がありましたが、現在におきましても外貨資金の割当或いは電力の割当等が行われて全面的に放任されておるというのではありません。併し世界の情勢の変化に応じまして、自由主義経済を基本といたしましても、その上に、一意国民経済に及ぼす悪影響を回避するためには必要な措置をとるつもりでおります。(「ヒヤヒヤ」と呼ぶ者あり)
 以上お答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣吉武惠市君登壇、拍手〕
○国務大臣(吉武惠市君) お答えをいたします。
 このたびの操短に対して、労働大臣は、ストライキを放任しないで、このほうは放任するかというお尋ねでございますが、決して私はこの操短は好ましいものであるとは思いませんけれども、企業が健全に保持されるということが、即ち労働者に対しての、これは失業をさせない結果になるのでございまするから、この操短は止むを得ないと思つております。併し私どもの見込といたしましては、そう長くこの状態が続くとは考えられません。従いましてその間におきましては、できるだけ休業手当を支給することについて、身分は繋がして行きたいと思つております。併しこれが長くなりますればそうも行きませんので、その際は失業保險その他において救済をしなければならぬことと思うのであります。
 なお帰郷しておる者について、放つておくと人身売買その他の心配がある、御尤もであります。併しながら今回の帰郷は、只今申しましたように、やはり休業手当を付けて帰しておるのでありまして、そう生活に困つてすぐ人身売買その他の心配があるとも考えられないのであります。
 なお賃金不拂につきましては、お話のごとく、基準法によつて処罰をしたからといつて決して救済されるものではございませんので、私どもとしては、処罰をするということよりも、これによつて行政措置によりできるだけ支拂わせるという方針を従来もとつておるのであります。その結果は非常に成績も挙つておるのであります。労働者の賃金不拂に対する債権の確保につきましては、御承知のように民法その他において先取特権その他の措置が講ぜられておる次第であります。(拍手)
   〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) お答え申上げます。
 今回の紡績業の操短のことから、資本蓄積の結果、或いは資本蓄積を唱えた政府として、非常に責任があるじやないか、こういう御質問でございまするが、この増錘の点につきましては高稿通産大臣がお答えの通りであります。政府は何も干渉いたしておりません。それどころか、政府資金の計画につきまして、紡績の増錘については一文の金も出しておりません。又、こういう情勢を見まして、昨年の秋から固定資産の融資につきましては四重点産業を主として、繊維産業に渡してはいかんという指令も出しておるのでございまして、資金の使用計画につきましては十分の措置をいたしておるのであります。ただ問題は、御承知の通り繊維品は世界的に過剰になつております。十四、五年前の状態と今を比べまして、繊維品は価格においても生産におきましても非常な増加を来たした結果、一時操短の結果になつておるのでありまして、これは世界的の状況で、イギリス等におきましても、かなりの操短をいたしております。ただ、私は、この国民経済を預かる者といたしまして、目先の事情によつて急激な操短はやるべきでない。今お話がありましたように、大体四十万梱を持ち、通常の状態から行けば十五万梱ぐらいがいわゆる滯貨と言い得るのであります。十五万梱というものは一ヵ月分の生産でございまするが、その一ヵ月分の生産が普通のランニング・ストック以上になつたからといつて、急激な操短には私池田としては余り賛成しない。ただ事情止むを得ない点があるけれども、国内のストックを多くし、日本の経済を強くする意味におきましては、これは滯貨金融というのじやなしに、生産を伸ばして行つてコストを下げる、こういう意味で、すぐ値段が下つたから操短々々ということよりほかに手がないというような考え方はとらぬ。操短自体に反対しませんが、行き過ぎた操短はよくないという考え方で指導いたしておるのであります。
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 なお、この機会に、本会議で御質問がありました点で、欠席のためお答えしていない点を申上げたいと思います。山田節男君の自衛力漸増をすれば国民生活水準が下つて行くではないか、こういう御質問でありまするが、私は国民生活水準の維持向上が政治の根本でありますから、これを下げてまで自衛力を漸増するという考え方はございません。日本経済の発展によつて国民生活水準を上げつつ自衛力の漸増をやろうといたしておるのであります。
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 又松浦清一君の、「かに」工船の出漁が中止になつたから、政府はこれの損害を賠償するべきじやないか――政府は関知いたしておりません。損害賠償はいたしません。
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 永井純一郎氏の、外資が若し入らないことになれば昭和二十七年度予算は施行困難ではないかという御質問でございまするが、予算をお調べになればわかるように、外資がこれだけ入つて来るからというので経費は見込んでおりません。一応、予算は外資が入らなくともこういうふうにしてできる、こういう恰好になつておるのであります。又外資がこれ以上に入つて来ればそれはベター、よりいいということだけでございます。(拍手)
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○副議長(三木治朗君) 日程第一、補助貨幣損傷等取締法臨時特例案(小野義夫君外七名発議)、日程第二、国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案、日程第三、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長平沼彌太郎君。
   〔平沼彌太郎君登壇、拍手〕
○平沼彌太郎君 只今上程されました補助貨幣損傷等取締法臨時特例案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 本案は小野義夫君外七名の発議による議員提出法案であります。御承知のごとく、一円以下の補助貨幣については、取引上実際に使用される割合も少く、而も非鉄金属類に混同して誤まつて熔解される場合がしばしば起りやすいので、今回その損傷取締につき、補助貨幣損傷等取締法の特例を設け、罰則の適用を当分の間排除しようとするものであります。本案は、質疑の後、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 次に国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案について御報告申上げます。
 本案の主な点を申上げますと、第一は、国家公務員共済組合の保健給付について、療養費の現金拂いは組合が必要と認めた場合に限りできることとし、医療機関の不当請求の防止のため、これらに対する検査の規定を設けようとするものであります。第二は、ほ育手当及び埋葬料の最低額をそれぞれ四百円及び六千円に増額すると共に、給付期間経過後の傷病手当金の支給を打切ることにしようとするものであります。このほか、組合員の組合に対する支拂金に関する規定等、所要の改正をしようとするものであります。
 本案は、質疑の後、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 次に国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案について御報告申上げます。
 国家公務員等の旅費定額は昭和二十五年四月に定められたものであり、その後の経済事情の変化と外交再開の場合を考慮して、内国旅費の基本定額を一五%乃至二〇%引上げ、割増額を含む定額で表示することとし、外国旅費の基本定額を各種の名目で支給されておりますものを整備し、割増については内国旅行の場合と権衡をとつて決定し、外国旅行の場合の鉄道賃、船賃、支度料等の支給條件等の規定の整備をしようとするものであります。
 本案は、質疑の後、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。
 先ず補助貨幣損傷等取締法臨時特例案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 次に、国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案、以上両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 日程第四、夏時刻法を廃止する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。労働委員長中村正雄君。
   〔中村正雄君登壇、拍手〕
○中村正雄君 只今議題となりました夏時刻法を廃止する法律案につきまして、委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 夏時刻法は、国民生活において、日光を十分に利用する習性を養い、以て国民保健の増進に寄與すること、及び電力石炭等の重要資源の節約に資すること等を目的にいたしまして、昭和二十三年以来実施されて参つたものでありますが、施行以来四ヵ年の実績を顧みますると、制定当時の目的を達成するよりも、むしろ労働者、農民及び家庭の主婦等の過労の原因となり、却つて能率を低下させる虞れがある等、国民生活の実情に副わない不便な点の多いことが明らかになつて参りましたので、この法律を廃止しようとするものであります。
 委員会におきましては、提案者の説明を求め、質疑討論を省略いたしまして、直ちに採決に入りましたところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます、
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 日程第五、十勝沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案(衆議院提出)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。
   〔木下辰雄君登壇、拍手〕
○木下辰雄君 只今上程されました十勝沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案につきまして、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず提案の理由を簡單に申上げます。去る三月四日、北海道及び東北地方を襲いました十勝沖地震は、その震源が北海道の襟裳岬東方七十キロの海底であつた関係もありまして、北海道としては曾つてない大地震でありました。又この地震により津浪を惹起いたしまして、北海道釧路地方及び東北地方沿岸の各地においては、波の高さ三メートルにも達する津浪が数度に亘つて来襲したのであります。なお、この津浪は、北海道におきましては流氷時に際会しておりましたので、この流氷を伴つて来襲しましたために、その威力を倍加し、被害は誠に大きかつたのであります。特に水産関係におきましては、漁船、漁具、養殖施設その他漁業施設がこうむつた損害は甚大なものがあつたのであります。而も雪融けと共に本格的なる漁期を控えて、出漁準備を整えておりましたその直前において、この災害をこうむつたのであります。かような次第でありますので、これが復旧対策につきましては真に緊急を要するものがあります。それで、先般制定されました昨年十月のルース台風による災害の復旧に対する法律と同様の措置をとりまして、漁民の受けた損害の復旧を容易にする必要があるというのが、この法案提出の理由であります。
 次に本法案の内容を御説明申上げます。第一点は、政府は、農林中央金庫等の融資機関が、十勝沖地震によつて漁業施設に損害を受けた漁業者若しくは水産業協同組合でその復旧のために融資を受けようとする者又はその者の加入する水産業協同組合に対してその漁業施設の復旧のために融資をするときは、その融資をすることによつて受けた損失を補償し且つ利子の補給をする旨の契約をその融資機関と結ぶことができることを規定しております。第二点は、この規定によつて政府が金融機関と契約を結ぶことができる融資の総額は六億円を限度といたし、且つその融資は昭和二十八年三月三十一日までになされたものに限るのであります。第三点は、この規定に基いて政府が行う損失補償の金額の限度は、融資機関ごとにその融資機関がなした融資総額の三割に相当する金額であります。又政府が補給する利子は、融資機関がなした融資額に対し年四分の割合で計算した金額とすることに規定してあります。なお先般のルース台風による特別措置法審議の結果に基きまして、このたびは政令で定める漁業共同利用施設に対する融資についても損失の補償及び利子補給ができるようにいたしまして、これが復旧の円滑化を図ることになつたのであります。その他の内容につきましてはルーズ台風による災害の場合と同様であります。
 委員会におきましては、先般本院より慰問並びに災害の現地調査のため派遣されました千田正委員から、北海道及び東北の災害地の実情につき詳細なる報告を聞きました後、提案者との間に被害の状況、融資の対象の範囲、予算関係等につき質疑応答を行いましたが、その詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。かくて質疑を打切り、討論に入りましたところ、千田委員より、「今般の十勝沖震災については、参議院において現地調査の結果、その被害は甚だしきものがあり、特に零細漁民のこうむつた甚大なる被害に対し、その復旧を助けるために、この法案が衆議院から提案されたことは誠に結構である。併し北海道及び東北地方の現地の要望は、本法案に規定されている融資額六億円より遥かに多いのであるが、漁民の要望の一端に応え、これによつて速かに漁民が立ち上ることができるという意味で賛成である。又一方、ルース台風及び今回の地震災害については單独立法が行われたが、それ以前のアイオン、カザリン等の台風による災害については、利率も高く、且つ短期融資であるため、漁民が苦しんでいるので、次の機会に低利且つ長期金融に切り替え、漁民を救済する措置を講ずべきである」との希望を附して、賛成意見の開陳がありました。他に発言もなく、採決の結果、本法案は全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 日程第六、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。法務委員長小野義夫君。
   〔小野義夫君登壇、拍手〕
○小野義夫君 只今上程のポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案について、委員会の審議の経過及び結果を御報告いたします。
 御承知の通り、昭和二十年九月我が国の降伏後における事態に即応して、連合国最高司令官の要求に係る事項を実施するため、政府が特に必要ある場合には、命令を以て所要の定めをなし、及び必要な罰則を設けることができる旨の緊急勅令が制定されております。これが昭和二十年勅令第五百四十二号でありまして、この勅令に基いて発せられたる委任命令、いわゆるポツダム命令はこの六年間に相当多数に上つており、現在なお百四十数件が効力を有しております。今般平和條約の調印に伴い、その発効を目前にして、この勅令第五百四十二号及びこれに基いて制定されたポツダム諸命令を処理する必要があるのであります。そこで、先ず勅令第五百四十二号は、占領の終止によつて当然その必要がなくなりますので、これを廃止するごとといたしまして、これに基いて制定されたポツダム命令につきましては、その内容の如何によつて、そのまま存続の必要があるものはこれを存置し、その必要がないものはこれを廃止するよう、各府各省別に取りまとめて別に法律で定めることといたしました。このいずれの措置をもとらないもの、即ち全面的改正を要するものは、平和條約の最初の効力発生の日から百八十日間を限つてなお法律としての効力を有するものとし、その間に單独法案として立法することにいたしました、というのが本法案の要旨でございます。
 本委員会におきましては慎重に審議をいたし、專ら伊藤委員及び羽仁委員より熱心なる質疑応答が行われました。その詳細は会議録に讓りまして、討論におきましては、伊藤委員より、「講和によつて我が国は真に独立するのであるから、日本国管理のためポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基いて発せられたる命令はこの際一切廃止すべきものであつて、これをたとえ暫定措置としても本法のような形式によつて残存せしめることは、国民に対して依然として占領政策の残存によつて規律されるかの感を抱かしめるもので、国民感情の上において好ましくない。よつて政府は、今後存続せしめる諸命令については、速かに国会の審議を求めることを希望する趣旨の條件を以て賛成する」旨の発言がありました。又羽仁委員より、「本法は第一に占領の継続を認めるようなものであり、第二に、占領下において国会がその内容審議の機会を與えられなかつた事項を占領軍最高司令官の意思に基いて成立した政令を、そのまま或いは改正して存置するものである。従つて第三に、政府は、いさぎよくポツダム政令は占領終結と同時に無効となることを認めて、別に必要なものについては新らしい立法によつて国会の自由な審議を求め、主権在民の原則を明らかにしないことは、誠に遺憾である。以上三点の理由に基いて反対する」旨の反対意見がありました。又左藤委員よりは伊藤委員の趣旨を了承した上賛成する旨の賛成意見があり、次いで江田委員よりは羽仁委員と大体同趣旨によつて反対する旨のそれぞれ発言がありました。かくて討論を終結し、採決の結果、本法案は多数を以て可決すべきものと決定いたしました。
 以上報告いたします。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 本案に対し討論の通告がございます。発言を許します。須藤五郎君。
   〔須藤五郎君登壇〕
○須藤五郎君 私は日本共産党を代表して只今議題となりました法案に対し反対をするものであります。そもそもポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件、即ち勅令五百四十二号は、封建的、中世紀的偏見を基礎にした旧憲法の醜き私生兒ともいうべき緊急勅令であり、その結果、買弁化した反動政府に対して広汎な委任立法を許し、ために甚だしく国民の権利を蹂躪したものであります。又新憲法第九十八條の精神からいたしましても明らかに違憲であり無効の勅令であります。この不法なる勅令五百四十二号に基き多数のポツダム政令なるものが生れ、ために国民の受けたる苦痛、取りわけ勤労階級のこうむつた犠牲は甚大なるものであります。例えば政令二百一号により公務員は争議権を奪われ、団体等規正令は、言論、結社等に対し重大なる抑圧を加え、出入国管理令は他民族に対し非道なる彈圧を加え、又政令三百二十五号により、幾多の新聞、機関紙、刊行物は発禁の処分を受け、且つ又幾万の愛国者は逮捕投獄されたのであります。更に又食糧確保臨時措置令は農民を今日の窮状に追い込み、警察予備隊令は国民の代表機関たる国会を無視し、外国の傭兵たる日本再軍備の基礎を作つたのであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)旧憲法の残骸たる勅令第五百四十二号の罪状は実に測り知れないものがあります。ポツダム宣言の精神は平和と独立と民主主義を我々に要求しておるにもかかわらず、その受諾に伴い発する命令に関する件、即ち本勅令が、およそその精神と反対の方向に運営されたということは、何たる皮肉でありましようか。全くポツダム宣言の鬼兒とでも言うべきものであります。かくのごとき勅令は占領制度が終ると同時に失効するものだと国民は理解しておるのでありますが、本法案は第一條において勅令五百四十二号を廃止すると明言しながら、第二條以下において巧みに正反対のことを規定しておるのであります。即ち第二條において、親法たる五百四十二号は廃されても、その子法たるポツダム諸政令は生き残つておることを前提とし、別に法律を以て廃止又は存続に関する措置をすることを規定しておるのであります。又その措置のなされない部分は百八十日間法律として有効だという規定になつております。これは全く国民をペテンにかけるものであり、その廃止存続の区別選択を政府の一方的なる判断に任せ、少数の買弁者を擁護し、国民大衆に対しては依然として抑圧と彈圧を続けようとするものであります。(「そんなことはないよ」と呼ぶ者あり)
 勅令五百四十二号並びにこれに基く多数のポツダム政令は、占領終結と同時に全面的に廃止すべきものであります。然る後、残す必要ありと認められる制度があるならば、従来のごとき超憲法的な押付け命令でなく、独立国日本の名に恥じざるよう、国民と国会に聞き、愼重なる審議を経て、自主的、民主的に立法するのが当然であります。然るに今日政府のやろうとしておることは、立憲的な方法によらずして、欺瞞的な方法により、百数十のポツダム政令の題目だけを並べ、十把一からげにして、これは存続、これは廃止と至極簡單に片付けております。これでは国民の批判と判断の余裕を與えず、国民がこの法案の重要性に気付く頃には、確固たる占領制度の実質的な継続と強化の態勢を整えておこうというのが本法案であります。我々日本共産党はかかるペテン師的法案には賛成することはできないのであります。
○副議長(三木治朗君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 日程第七、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く文部省関係諸命令の措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。文部委員長梅原眞隆君。
   〔梅原眞隆君登壇、拍手〕
○梅原眞隆君 只今議題となりましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く文部省関係諸命令の措置に関する法律案につきまして、文部委員会の審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本法案は、ポツダム命令のうち、文部省が主として処理すべきものにつきまして、その存続又は廃止の措置を講じようといたすものであります。委員会におきましては、これらの措置に対しまして格別に異議はなく、質疑終了、討論におきましては、矢嶋委員から、本案によれば、学校施設確保に関する政令は将来も存続すべきことになつているが、政府当局は参議院が去る三月十九日全会一致で可決した教育施設確保に関する決議の趣旨に則つてこの政令の運営に当るよう要望して、本案に賛成の意見を述べられ、結局本案は原案通り全会一致を以て可決されました。
 以上を以て御報告といたします。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 日程第八、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する法律案、日程第九、商品取引所法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員長竹中七郎君。
   〔竹中七郎君登壇、拍手〕
○竹中七郎君 只今議題となりましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する法律案について、通商産業委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 本法律案は、平和條約の発効に伴いまして、政府がポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基いて制定いたしました通商産業省関係の諸命令について検討を加えました結果、これが改正、存続、或いは廃止の措置を講じようとするものであります。
 その内容を御説明申上げますと、第一に、存続する命令の改正については、第一條乃至第三條において、連合国人又はドイツ人の工業所有権関係の三政令に関して、「連合国最高司令官の指示に従い」等の文字を削除しようとするものであります。第二に、将来存続すべき命令及び命令の規定については、第四條において、前三條の工業所有権関係の三政令及び第四條各号に掲げられてある七件の命令の規定の効力を平和條約発効後もそのまま存続させようとするものであります。この存続すべき七つの命令の規定のうち、重要産業団体令を廃止する等の勅令附則第三項及び第四項は、統制会の清算関係についての経過規定であり、その他、兵役法廃止等に関する件附則第三項並びに輸出振興のための外貨資金の優先使用に関する政令を廃止する政令附則第二項等々の六つの命令の規定は、全部罰則に関する経過規定であります。第三に、命令の廃止については第五條に十件列記してありますが、そのうち主なるものを挙げますと、連合国人の特許発明等の実施状況調査に関する勅令、重要物資在庫緊急調査令、財閥標章の使用の禁止等に関する政令等々であります。これらはいずれも当時の必要に応じてそれぞれ制定されたものでありますが、現在ではすでにその目的を達し、不必要となりましたから、この際廃止しようとするものであります。
 通商産業委員会におきましては、愼重に審議いたしました後、採決の結果、全会一致を以て本法案は政府原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。
 以上簡単に御報告いたします。
 次に、議題となりました商品取引所法の一部を改正する法律案につきまして、通商産業委員会におきまする審議の経過と結果を御報告申上げます。
 商品取引所法は、御承知の通り昭和二十五年八月から施行されていますが、その後の経過と最近の実情に鑑みまして、特に取引の安全と取引所の自治の拡充に関して若干の改正を加える必要が生じ、本改正法案の提出となつた次第であります。
 本改正の骨子は次の五点でありまして、第一点として、商品取引所は会員又は商品仲買人の定員制を設け得ること、第二点として、商品仲買人の登録には商品取引所の事前の承認を必要とすること、第三点として商品仲買人の外務員は、所属取引所の登録を受けたる者に限つて売買取引の委託の勧誘をなし得ること、第四点といたしましては、監督規定の整備を行なつていること、最後に第五点といたしまして、特別担保金の制度を設けて、商品市場におきまする会員相互間の取引に基く債務を共同で保証するということであります。以上が改正法案の骨子であります。
 次に、本委員会の審議におきまする質疑の主なるものといたしましては、「証拠金の代用証券のうちに、上場されぬ銀行株や地方株及び金融債券などは認められぬか」との問に対しまして、政府側よりは、「割引興業債券などは支障ないと思うが、今後できるだけ善処したい」という答弁がありました。又「特別担保金は免税にならぬか」との問いに対しまして、「積立金となつている間は、免税を考えている」との答弁などがありましたが、詳細は速記録に讓りたく存じます。
 討論に際しましては、境野議員より、証拠金の代用証券の範囲を拡大すること及び特別担保金の免税措置を講ずることを條件といたしまして賛成意見が述べられ、採決に入りましたところ、全会一致を以ちまして本改正法案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せらあれました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 日程第十、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く経済安定本部関係諸命令の措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 先ず委員長の御報告を求めます。経済安定委員長佐々木良作君。
   〔佐々木良作君登壇、拍手〕
○佐々木良作君 只今議題となりましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く経済安定本部関係諸命令の措置に関する法律案の経済安定委員会におきまする審議の経過と結果を御報告申上げます。
 経済安定本部関係のポツダム命令は次の四つであります。即ち物価統制令、地代家賃統制令、外国人の財産取得に関する政令、外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令、以上四つでありまして、この法案は、他の各省関係のポツダム命令と同じく、講和発効と共にこれらの命令に存続或いは改正の措置を講じようとするものでありまして、簡単にその内容を御説明いたしますと、物統令、地代家賃統制令は、内容を不変のまま当分法律としての効力を持たしめる。それから外国人の財産取得に関する政令及び外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令は、一部を改正しまして、法律として存続せしめるということであります。併しながら他省の関係のポツダム命令の措置法と違いまして、あとの外国人の財産権関係の二政令は、講和に伴う単なる形式的な改正ではなくて、平和條約第十二條の規定、これは條約発効後四年間、又はそれまでに通商航海條約が締結されますというと、その締結までは、條約批准国の国民に対し、日本における各種の権利について内国民待遇又は最惠国待遇を與える規定でありますが、この趣旨に基きまして、日本と正常な外交関係を回復した国は、條約批准国は勿論、中立国その他を含めまして、その国民に対しこの政令の適用を除外して、日本における財産権の取得について内国民待遇を與える措置をとることとなつております。従いまして本法案に関しましては六回に亘りまして熱心且つ綿密な審議を行いまして、この二政令所管の外資委員会のほかに、外務省、法務府等に対し、平和條約の公式的な解釈や、いわゆる相互主義の適用上の問題、更に微妙な問題を残しておりますところの朝鮮、中国、沖繩等の人々の国籍及びこれらの人々に内国民待遇を與えるかどうかというような問題について質疑を行なつたのであります。
 この結果明らかとなりました重要な二、三の点を簡單に拾つて御報告に附加えますというと、第一に、外国人の財産取得権につきましては、我が国と正常の外交関係を回復した国に対しては内国民待遇を與える方針だ。第二番目に、従いまして相互主義の原則を貫き得ないこともあるかも知れませんが、諸外国の日本人に與える待遇の調査ができるようになりますというと、それに応じて外国人土地法等を発動して相互主義となるように努力をするということ。第三審目に、この調査ができるまでは、平和條約に違反しないために、この外国人の財産取得に関する政令の適用を除外される外国人については差当り制限を加えないこととする等の点が明らかになつたわけであります。更に第四点といたしましては、又この措置をとるに当りまして最も厄介な問題は、中国本土に国籍を持つ人々を台湾人と同様に扱うかどうか、又南北朝鮮人を結果的に差別するような状態が出るかどうか、沖縄人はどうなるかというような点でありまして、これについては、在日中国人の国籍は日華交渉によつてその扱い方が決定されることとなつていること、それから沖縄人は日本国籍を保有するのであるから一応問題はないけれども、沖縄には日本の法律が施行されないために、これから起ることを予想される困難は、日本と沖縄に駐留するアメリカ軍との交渉によつて、沖縄において同様の法律が制定されることによつて解決をしたい、こういうことであります。更に又朝鮮人につきましては、平和條約の発効により朝鮮の独立が認められる結果、大韓民国政府の定めるところによりまして韓国籍を取得することとなるのでありますが、在日朝鮮人の中には積極的に韓国籍を取得する手続をとらない者が相当あるような噂もあり、予想されるのでありまして、出入国管理令及び外国人登録法におきましては便法を講じて、長く本邦に居住する善良な朝鮮人はこの手続をとらなくとも実質的に韓国籍を取得する者と差別をしないようにする方針である。この法案によつて問題となる財産取得については、現在進行中の日韓條約交渉とも若干関連をするが、同じく差別なく内国民待遇を與えるようにしたい気持であり、外国人の財産取得に関する政令による指定の手続を目下研究して善処したいというのでありました。
 以上が政府の見解でありまして、審議の間において明らかとなつた点でありますが、更に関連いたしまして通商航海條約の締結につきましても種々質疑応答があつたのでありますが、その結果、戰前、日本は世界主要国の殆んどすべてと通商航海條約を結んでおつたのでありますけれども、これらはいずれも古いものでありまして、戰後の新らしい国際情勢には適応しないので、その更改が予想されていること、それから目下日米通商航海條約の予備交渉が行われているが、引続き日本と関係深い国或いは日本に差別制限を與えている国等と早急に同條約を締結して行く方針であること、更に、その場合、日本が貿易、関税、海運その他の事業活動において、相手国と差別措置を受けることのないようにするという点が明らかになつたわけであります。
 一方、物価統制令、地代家賃統制令につきましては、両令の制定当時と情勢の著しく変つた点、又内容的に見まして実情に合わず、両勅令が守られていない規定を含んでおるということなどからいたしまして、この二勅令を存続せしめる必要があるかどうかということが論議されたのでありますが、政府の見解といたしましては、物価統制も地代家賃統制も共に漸次その範囲き縮小して来たので、いま暫らく暫定的にこの二勅令を存続すれば遠からず二勅令とも廃止できるので、今回はこのまま手を着けずに置きたいということでありました。なおこれに関連しまして、目下問題となつております地代家賃の値上げ問題等につきましても質疑応答を行いましたが、速記録に内容は讓りたいと思います。
 かくて討論におきましては須藤委員から反対の意見が述べられ、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 日程第十一、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案、日程第十二、統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員会理事山田佐一君。
   〔山田佐一君登壇、拍手〕
○山田佐一君 只今議題となりましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案について、内閣委員会における審議の経過並びに結果について御報告を申上げます。
 先ず本法律案の提案理由及び内容について概略御説明を申上げます。本法律案は二つの事柄を内容といたしております。第一点は、「地方団体ノ吏員等連合国最高司令官ノ命令ニ基キ退職シタルトキノ退隠料等ヲ受クルノ資格又ハ権利ノ喪失等ニ関スル件」と題する昭和二十一年勅令第八十一号を、平和條約の最初の発効の日以後廃止しようというのであります。元来この勅令第八十一号は、昭和二十年勅令第五百四十二号「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」に基いて、昭和二十一年勅令第六十八号を以て制定されましたところの「恩給法ノ特例ニ関スル件」の第七條及び第八條の規定に対応して制定せられたものであります。則ちこの第七條及び第八條と申しまするのは、「恩給ヲ受クル者又ハ受クベキ者連合国最高司令官ニ依リ抑留又ハ逮捕セラレタルトキハ其ノ間恩給ノ支給ハ之ヲ差止又ハ恩給ヲ受クルノ権利ハ之ヲ裁定セズ」という規定、及び「公務員若ハ公務員ニ準ズベキ者又ハ此等ノ者ノ遺族連合国最高司令官ニ依リ抑留又ハ逮捕セラレ有罪ノ判決確定シタルトキハ抑留又ハ逮捕ノ時ヨリ恩給ヲ受クルノ資格又ハ権利ヲ失フ 公務員又ハ公務員ニ準ズベキ者連合国最高司令官ノ命令ニ基キ退職シタルトキハ恩給ヲ受クルノ資格又ハ権利ヲ失フ」という規定をいうのであります。而して公務員等にして恩給法の適用を受くる者についてのかくのごとき規定に対応いたしまして、地方公共団体の吏員、管理者若しくは役員、或いは吏員、管理者若しくは役員であつた者、又はこれらの者の遺族の当該地方公共団体から受ける退隠料、退職給與金等についても、右と同様の取扱をいたさんとする趣旨の下に、昭和二十一年勅令第八十一号が昭和二十年勅令第五百四十二号「ポツダム宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」に基いて制定せられ、昭和二十年十一月二十四日か適用されることとなつたわけであります。併しながら、同勅令実施後、地方公共団体の吏員等で同令の適用の対象となつた者は殆んどなく、又「恩給法ノ特例ニ関スル件」の第七條、第八條の規定は、平和條約の効力発生の日から削除する趣旨の下に、別途法律案が提出されることとなつているので、同勅令も平和條約の最初の発効の日以後存続させる必要はないというのがこの勅令廃止の理由であります。
 第二点は、昭和二十年勅令第五百四十二号「ポツダム宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」に基きまして制定せられたところの「工場、事業場、研究機関等ノ事業報告書等ニ関スル件」と題する各関係省庁の共同命令、及び「科学技術者経歴調査書提出ニ関スル件」と題する各関係省庁の共同命令を、それぞれ平和條約の最初の発効の日以後廃止しようというのであります。前者即ち「工場、事業場、研究機関等ノ事業報告書等ニ関スル件」と題する各関係省庁の共同命令は、各研究機関等の規模、研究内容等について、各研究機関から定期的に報告書を主務大臣に提出せしめて、これを総司令部に提出したものであります。又、後者即ち「科学技術者経歴調査書提出ニ関スル件」と題する各関係省庁の共同命令は、科学技術者の経歴調査書を、この命令に規定する範囲において、昭和二十二年七月十日までに主務大臣に提出せしめ、これを総司令部に提出したものでありまして昭和二十二年における科学技術者登録とも考えられるものであります。而して、この二つの命令に基く報告書の総司令部への提出は、現在一応完了しておるのであります。政府においては、その提出資料によつて、全国研究機関通覧、研究題目集及び科学技術者名簿等を作製し、科学技術振興の基礎資料として活用しておるのであります。而してこれらの資料は極めて重要且つ必要なものと考えられるから、その整備の必要上、報告書の提出は今後も継続させるつもりであるけれども、そのためには別に法律によることを要しないと考えるので、以上の二つの共同命令は平和條約の発効と共に廃止することとしたいというのであります。以上がこの法律案提出の理由であります。
 内閣委員会は、予備審査と合せて二回委員会を開きまして、本法律案を愼重に審査いたしましたが、「地方団体ノ吏員等連合国最高司令官ノ命令二基キ退職シタルトキノ退隠料等ヲ受クルノ資格又ハ権利ノ喪失ニ関スル件」と題する昭和二十一年勅令第八十一号並びに「工場事業場、研究機関等ノ事業報告書等ニ関スル件」と題する各関係省庁の共同命令及び「科学技術者経歴調査書提出ニ関スル件」と題する各関係省庁の共同命令は、いずれも平和條約の発効後におきましては、これを存続させる必要がないことが明らかでありまするので、討論を省略し、採決をいたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと議決せられました。(拍手)
 次に只今議題となりました統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 本法律案は、現行の統計法及び教育委員会法に所要の改正を加えまして、国の指定統計調査事務の一部を教育委員会に委任することができることといたしておるのであります。これは、本年新たに文部省が指定統計として産業教育調査を実施するに当りまして、その調査の事務を教育委員会に委任せんとするものであり、この調査のためにすでに昭和二十七年度予算において千三百余万円が計上されているのであります。なお、この調査は、先に施行せられました産業教育振興法の運用を的確ならしめるということを目的とするものでありますが、調査の内容がかなり複雑であり、且つ戰門的に亘りまするので、実際調査を行いまする上に相当注意を要する点があり、従来の教育委員会における事務の実績に徴しまして、この調査の事務はこれを特に統計委員会に委任したいといことであります。なお本法案の附則において、「この法律は、公布の日から施行する。」としているのであります。
 内閣委員会におきましては、前後二回委員会を開きまして、愼重に審議をいたしました結果、討論を省略し、採決いたしましたところ、全会一致を以て本法律案はこれを可決すべきものと議決した次第であります。
 以上御報告申上げる次第であります。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。
 先ずポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 次に統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 日程第十三、在外公館の名称及び位置を定める法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。外務委員会理事徳川頼貞君。
   〔徳川頼貞君登壇、拍手〕
○徳川頼貞君 只今議題となりました在外公館の名称及び位置を定める法律案につき、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申上げます。
 御承知のように、平和條約の効力が発生いたしますと、我が国と関係国との間に正常な国交が開始されるのでありまして、そのために設置される在外公館の名称と位置を定めるのがこの法律案でございます。
 政府の説明によりますと、政府はこの法律中に、二十一の大使館、十八の公使館、十一の総領事館、六つの領事館、計五十六公館の設置を定めており、施行期日を平和條約発効の日といたしておりますが、これらのすべてが平和條約の発効と同時に直ちに設置されるものではなく、我が国との間に平和関係を回復した国について順次設置するものであります。例えば平和條約の最初の効力発生の日においては、その時に條約を批准している国に置かれる在外公館のみが、取りあえず設置され、その他の国については政令で随時効力を生じさせる仕組であるのであります。又在外公館の長は必ずしも各館に必ず一人ずつ置くものではなく、隣接国の長に兼任させる等の措置も講ずるとの趣意であります。
 外務委員会は四月三日、本案を審議いたしたのでありまするが、政府側と委員との間に熱心なる質疑応答が行われました。詳細は議事録に讓らせて頂きます。次いで討論を経て採決の結果、多数を以て原案の通り可決いたした次第でございます。
 以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
 これにて午後一時半まで休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時十九分開議
○副議長(三木治朗君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。法務委員長から、検察及び裁判の運営等に関する実情調査のため、大阪府及び兵庫県に伊藤修君、岡部常君を、兵庫県に左藤義詮君を、本月中七日間、外務委員長から、安全保障條約締結に伴う駐留地を実地調査のため、京都府、広島県及び長崎県に團伊能君、平林太一君、大隈信幸君を、本月五日から十五日までのうち七日間、厚生委員長から、国立病院の地方移管に関し病院の医療及び施設等の実情調査のため、山梨県、長野県及び新潟県に井上なつゑ君、藤森眞治君、松原一彦君を、滋賀県、京都府、奈良県及び和歌山県に中山壽彦君、大谷瑩潤君、山下義信君を、兵庫県、広島県及び山口県に谷口弥三郎君、梅津錦一君を、本月十五日から本月末日までのうち七日間の日程を以て、それぞれ派遣いたしたい旨の要求書が提出されております。各委員長の要求通りこれら十四名の議員を派遣することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。よつて各委員長要求の通り議員を派遣することに決しました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 参事に報告させます。
   〔参事朗読〕  本日委員長から在の報告書を提出した。
 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く連合国財産及びドイツ財産関係諸命令の措置に関する法律案修正議決報告書
 教職員の除去、就職禁止等に関する政令を廃止する法律案可決報告書
 公営住宅法第六條の規定に基き、承認を求めるの件議決報告書
 特殊土じよう地帶災害防除及び振興臨時措置法案可決報告書
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) この際、日程に追加して、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く連合国財産及びドイツ財産関係諸命令の措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長平沼彌太郎君。
   〔平沼彌太郎君登壇、拍手〕
○平沼彌太郎君 只今上程されましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く連合国財産及びドイツ財産関係諾命令の措置に関する法律案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本案は、日本国との平和條約第十五條及び第二十條の規定に基き、連合国財産及びドイツ財産関係のポツダム諸命令に所要の改正を加え、平和條約発効後もこれを法律として存続せしめようとするものであります。
 主なる内容を申上げますと、第一に、連合国財産の返還等に関する政令について、連合国の範囲、返還すべき財産の範囲、返還請求権の消滅等についてそれぞれ規定を整備いたそうとするものであります。第二に、連合国財産上の家屋等の讓渡等に関する政令について所要の改正をいたそうとするものであります。第三に、連合国財産である株式の回復に関する政令について、連合国及び連合国人の範囲、連合国人に代つてその政府が株式の回復の請求をできる旨の規定、返還請求権の消滅、返還請求権が放棄され又は消滅した株式の国庫への帰属、特定株式の定義を整備する等、それぞれ所要の改正をいたそうとするものであります。第四に、ドイツ財産管理令についてでありますが、従来、在日ドイツ財産の管理処分につきましては、連合国最高司令官が米英仏三国の受託者として日本政府に指示を與えていたのでありますが、平和條約発効後は、同條約第二十條の規定に基き、右の三国が日本政府に直接ドイツ財産の管理処分を委託することになりますので、これに伴い所要の改正をいたそうとするものであります。第五に、略奪品の没収及び報告に関する件を廃止いたしまして、これに伴う経過規定を設けようとするものであります。本案審議の詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。
 かくして質疑を終了し、討論に入りましたところ、大矢委員から次の修正意見が述べられました。
 その一は、連合国財産上の家屋等の讓渡等に関する政令第一條の二第二項において、連合国財産の返還等に関する政令第十二條の二第四項のみを準用していますが、これでは連合国政府の代理請求手続を準用するにとどまり、不十分でありますので、請求手続の原則である同令第十二條第七項の規定をも準用し、返還請求権者は、場合によりましては、その所属する国の政府を経由して、家屋等の譲渡又は除去を請求し、又場合によりましては直接請求できるようにしようとするものであります。
 その二は、ドイツ財産管理令第二十四條第二項中「要求」とあるのは、平和條約発効後は他の用例と同じく「請求」と改めようとするものであります。
 その三は、旧外貨債処理法による借換済み外貨債の証券の一部の有効化等に関する法律第七條第三項から第六項までのうち、「第一項に規定する銀行」とあるのを「借換代行者」に改めようとするものでありまして、銀行以外に外貨債証券の保管者及び質権者で外貨債証券の所有者に代つて借換えた者がありますので、これをも包含せしめようとするものでありまして、同條のこれらの規定は、借換代行者は、借換えられた本人に代つて借換価額相当額等を政府に納付すべき旨を定めてありますが、原案によりましては、その代つて借換えられた本人が不明確になりますので、この点を修正いたそうとするのであります。
 次いで大野委員から、戰時中日本国民が取得した連合国財産を返還する場合に、その財産の種類によつては不公平があるから、その是正を図るよう法的措置を講ぜられたい旨の希望を附し、油井委員から同様趣旨の希望を附してそれぞれ修正案及び修正部分を除く原案に賛成するとの意見が述べられ幸した。討論を終り、採決の結果、大矢委員の修正案は全会一致を以て可決せられ、次いで修正部分を除く原案について全会一致を以て可決せられ、本案を修正議決いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) この際、日程に追加して、教職員の除去、就職禁止等に関する政令を廃止する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文部委員長梅原眞隆君。
   〔梅原眞隆君登壇、拍手〕
○梅原眞隆君 只今議題となりました教職員の除去、就職禁止等に関する政令を廃止する法律案につきまして、文部委員会の審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 終戰以来、約百二十万に達する人々に対しまし七、いわゆる教職員の適格審査が実施されて参つた次第でありまするが、平和條約が発効する曉におきましては、公職資格審査の制度も廃止されます関係上、同じく占領政策に基いて実施されて来ましたこのポツダム政令による教職員の適格審査の制度も又これを終止せしめることとして、その法的措置を講じようといたすのが本法案の趣旨とするところであります。
 委員会におきましては、矢嶋委員、岩間委員及び相馬委員から、一、本法案によれば、教職員の除去、就職禁止等に関する政令の規定によつて恩給その他の利益を受ける権利又は資格を失つていた者は、この法律によつて、その施行の日からこれらの権利又は資格を回復することになつているが、その際はどのような給與ベースを基準とするのであるか。又その予算措置如何。二、極端な国家主義者等のように、従来教職から追放されていた者も今後は全くその制限がなくなるわけであるが、政府はこれらの者を自由に教職に就かせて行くつもりであるか、それとも何らか適当な制限措置をとることを考慮しているか。三、教職追放の未解除者の現在数及びそれらの者に対する今後の処置方針等の諸点につきまして質疑が行われましたが、その詳細及びこれに対する政府当局の御答弁は、会議録に讓りたいと存じます。
 かくて質疑を終了いたし、討論に入りましたところ、岩間委員から、「現在我が国の態勢が平和民主化の方向にあるとすれば、ポツダム政令の廃止措置を講じようとする本法案には賛成するものであるが、遺憾ながら現在はすべて逆コースであり、この法案によつて教職追放制度を廃止すれば、極端な国家主義者等を再び教壇に送り、精神総動員への途を開くことになる旨、及び文部大臣はこれらの場合任命権者の裁量によつて適当に処置し得ると答弁されるが、これは法的根拠がない以上、事実上そのような就職阻止は不可能であつて、実効なき旨」等を述べられて本案に反対意見の開陳があり、次いで高田委員から、「将来このように教職追放制度を廃止するならば、政府において教職に不適当な者を十分反省させ民主化するために適当な措置を併せてとるべきことを要望して本案に賛成」の意を述べられ、かくて討論を終結いたし、結局本案は多数決を以て原案通り可決いたしました。
 以上を以て御報告といたします。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) この際、日程に追加して、特殊土じよう地帶災害防除及び振興臨時措置法案、(衆議院提出)公営住宅法第六條の規定に基き、承認を求めるの件、(衆議院送付)以上を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長廣瀬與兵衞君。
   〔廣瀬與兵衞君登壇、拍手〕
○廣瀬與兵衞君 只今議題となりました公営住宅法第六條の規定に基き、承認を求めるの件について、建設委員会の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 本件は、公営住宅法第六條の規定に基き、昭和二十七年度から昭和二十九年度までの第一期公営住宅建設三ヵ年計画の大綱の承認を求めるものであります。本件公営住宅建設三ヵ年計画の内容は、別紙で御承知の通り、第一、三ヵ年における建設戸数は十八万戸とする。第二、その種別及び構造別は、第一種公営住宅を総戸数の七五%、第二種二五%とする。第一種は木造四〇%、各種耐火構造三五%とし、第二種は木造とする。第三、建設団地に対しては各種共同施設を必要に応じて建設するというものであります。本三ヵ年計画は、建設大臣が公営住宅法の規定に基き都道府県知事からそれぞれ公営住宅建設に関する資料を提出せしめると共に、国及び各地方公共団体の住宅需要と財政事情、住宅金融公庫による融資住宅の建設見込その他民間における住宅建設状況等との関連の下に、計画案の資料を整備して、住宅対策審議会の意見を聞き、更に諸般の情勢を検討した結果、建設三ヵ年計画として閣議決定を経たものであります。
 委員会における審議の詳細は速記録によつて御承知を願いますが、当局との間に熱心なる質疑応答が重ねられました次第であります。その主なる事項は、「予算の裏付のないこの三ヵ年計画とその実現の見込如何。本年度予算に計上されている戸数を以て果してこの計画は三ヵ年間に実現できるか」という点でありまして、これについては特に建設大臣の答弁が求められました。建設大臣は「本年度予算による建設は二万五千戸、残余は二ヵ年間に建設する計画である。併しながら、本年度分につきましても、既定予算だけにとどめるものにあらず、今後歳入の自然増收のごとき場合には予算の補正を要望して建設戸数の増加に努める。又これについては建設の年次計画を定める慣例によらず、計画の伸縮性を持たせたもので、今後継続費の設定も考慮して、でき得る限り計画の達成確保に努める」旨の答弁がありました。又本件に関連して、この種の数ヵ年計画を作成するとすれば、他の公共事業についても同様にその必要があるのではないかとの質問もありました。なお本件については、従来融資住宅の建設に置かれた重点を公営住宅に移すことによつて計画達成に努めたいとの当局の意図も示されたのであります。このほか、本計画における木造の比率、木造と耐火構造との單価比較、不燃化重視等についても質疑応答がありましたが、更に本計画については大蔵省当局の意見が徴されまして、同当局は、「計画の実施は今後の財政状況によることであるが、次年度以降については未だ具体的なものはなく、予算編成の際考慮したい。又この種の計画は尊重せらるべきであり、同様の各種計画間の調整は閣議で行われる」旨の答弁がありました。
 かくて討論に入りましたところ、田中委員から、本案に対しては原則的に賛成する、構造別については将来資材の変動を考えて考慮すること、又次年度以降はすべて耐火構造とすると共に、その坪当り二万五千円の單価が実現できるよう研究することとの希望を附して賛成の発言がありました。次いで採決の結果、全会一致原案通り承認すべきものと決定いたしました。
 次に特殊土じよう地帶災害防除及び振興臨時措置法案について、建設委員会の審議の経過及び結果を御報告いたします。
 本法案は、特殊土じよう地帶に対し適切な災害防除及び農地改良対策を樹立実施することによつて、特殊土じよう地帶の保全と農業生産力の向上を図ることを目的とするものであります。本委員会におきましては、提案者の説明を聽取するほか、建設省初め関係政府当局の意見も聞いて、熱心なる質疑応答が重ねられましたが、詳細は速記録によつて御承知を願います。
 法案の要旨は、特殊土じよう地帶対策審議会を設置して、災害防除及び農地改良に関する事業計画を定めると共に、その実施に関しては、国、地方公共団体その他のものがこれに当り、これについては国の特別の助成の途を講じておるのであります。
 審議された主なる事項の一は、特殊土じよう地帶の範囲についてであります。「シラス、ボラ、コラ、アカホや等、特殊な火山噴出物のほか、花嵐岩の風化土その他浸蝕しやすい土じようということであれば、それは中国地方その他全国的にも広く分布しており、北海道の広大な泥炭地帶のごときは如何」との質問に対して、提案者は、「本法案は、南九州のシラスなどの特殊地帶が最も緊急を要するので、主としてこれを対象とする趣旨であるが、他の地方に対しても順次これに及ぼし得る。この点は專ら対策審議会の意見によることとしたい。又特殊地帶としては、しばしば台風の来襲を受け、雨量が多いことを一つの條件としておる」旨の答弁でありました。
 その二は、「南九州地帶に対しては災害防除に関し如何なる方法が講じられておるか。」、その点については、「政府は先に調査費を計上して、その報告が提出されており、本年度予算にも農地改良を主とする四千万円が計上されておる。今後の対策については審議会の決定による」旨の答弁がありました。
 その三は、「本案と先に指定された特定地域との関係、又国土総合開発計画の実施に関し、同法の改正によつて本案の趣旨は達成できるのではないか」との質問についても、関係当局との間に多くの質疑応答がありました。更に、農林省が南九州において行なつておる事業の内容と、本案による施設について、農林当局の意見が質されました。又本案の災害防除の対策が実際においては砂防を主とする点について、本法案と砂防法との関係、又一般砂防事業との関連については、特に建設大臣の意見が質されました。
 その四は、法案の対象を南九州に限定することの適否についても多くの意見の交換がありましたが、特殊土じようは全国的に分布されておる関係から、対策審議会の構成について質疑があり、提案者は審議会委員の全国的構成について善方分を言明されました。
 かくて質疑を終了、討論を省略、採決の結果、全会一致原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 先ず特殊土じよう地帶災害防除及び振興臨時措置法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 次に、公営住宅法第六條の規定に基き、承認を求めの件を問題に供します。委員長報告の通り本件に承認を與えることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本件は承認を與えることに決しました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第十四より第十九までの請願及び日程第四十七より第五十までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員会理事宮城タマヨ君。
   〔宮城タマヨ君登壇、拍手〕
○宮城タマヨ君 只今議題となりました請願及び陳情に関しまして委員会における審査の経過並びに結果を御報告申上げます。
 請願第五十九号、第五百一号、第五百十一号、第五百四十二号、第六百十九号、第六百五十一号、第六百六十六号、第八百四十二号、第八百七十号、第八百八十三号、第千二十五号、第千三百十九号及び陳情第二十五号、第二十九号、第五十四号、第八十五号、第二百八号は、いずれも講和條約締結後、戰争犯罪人の釈放方につき善処せられたいとの趣旨のものでございます。これには又個人の減刑釈放について特筆されておるものも含まれているのでございますが、委員会におきましては、一般的な減刑釈放の趣旨といたしまして採択いたしたのでございます。併し委員会の審査報告書に附して提出いたしまする意見書案には、各個人に関する具体的事実については、政府において調査の上、善処されたい旨を明示しておくことにいたしました。次に請願書第五百三十八号は軍事裁判被告の釈放に関するものでございまして、紹介議員須藤五郎君の説明によりますと、本請願の趣旨は、講和條約締約後占領が終了した際、昭和二十五年十月政令第三百二十五号違反事件等によつて刑の執行を受けておる者又は取調中の者に対して同情ある格段の処置を講じてもらいたいというのでございます。以上の諸件につきまして、本委員会は、政府の所見を聞き、愼重に審査いたしました結果、いずれもこれを採択し、院議に付して内閣に送付すべきものと決定いたした次第でございます。
 以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) この際、日程第二十より第四十二までの請願を一括して議題とすることに御異議ございません。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員会理事岡田信次君。
   〔岡田信次君登壇、拍手〕
○岡田信次君 只今上程になりました日程第二十より第四十二までの請願につきまして、委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。委員会におきましては、個々の審議に先だちまして、民営バスと国営バスとの関係及び国営バスの運営について運輸大臣の所見を質しましたところ、運輸大臣より、民営たると国営たるとを問わず、既存バスがある同一路線に対し新規免許の許可申請があつた場合は、無用の競争を避くるため、既存業者に誠意がないときは別として、既存業者に不備の点があれば先ずそれを改善させ、民衆の利便に応ずるように指導監督して行くが、既存業者が如何に努力してもなお且つ一業者だけで運び切れないほど旅客の多いような場合には、新規免許の出願者にも許可するようにしておる。又国営バスに関する運輸省の基本的な考え方としては、国営バスは日本国有鉄道法に規定されておる通り、国有鉄道に関連するものに限られておるのであつて、要約すれば、国鉄線の代行或いは先行、短絡若しくは培養という見地から考えて行きたい。次に民営バスと国営バスが競合する路線については、道路運送法で、民営バスのみならず、国営バスにつきましても、運転系統であるとか、運転回数、或いは運賃とかいうものを、運輸大臣の認可事項として、この両者を平等に監督することになつておるので、決して不当な競争を生ずるようなことはいたさせない。率直に言つて国営バスの進出を認めて民営を圧迫するというような考え方は毛頭持つていないという趣旨の意見でございました。
 続いて各請願につきまして審議いたしました結果、日程第二十より第二十六までの請願は、新駅の設置或いは駅の拡充、地下道の新設、踏切の改善等でありまして、いずれも公共の福祉増進を促進するものと認め、日程第二十七より第三十七までの請願については、いずれもサービスの改善向上に関するもので、利用者の利便を増進する措置であると認め、又日程第三十八より第四十二までの国営バスの運輸開始或いは運輸延長に関する請願については、現地の事情を十分考慮し、願意を妥当と認め、以上請願二十三件は、いずれも議院の会議に付するを要し、内閣に送付するを要するものと、全会一致を以て決定いたした次第でございます。
 以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) この際、日程第四十三より第四十六までの請願及び日程第五十一の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。労働委員会理事安井謙君。
   〔安井謙君登壇、拍手〕
○安井謙君 只今議題となりました請願百十九号、失業対策事業に関する請願のほか、請願三件、陳情一件につきまして、委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 請願百十九号、失業対策事業に関する請願並びに請願九百九十七号及び陳情六百五十七号は、いずれも失業対策事業において資材費の国庫補助を増額し、賃金単価を引上げ、労働者の就労日数を増加し、更に失業対策事業を單なる失業救済事業から事業本位のものに質を転換させる等の措置によつて、失業対策事業の質量的向上を図るよう要請するものであります。次に、請願百八十八号、看護婦の労働基準法確保に関する請願は、労働基準法改正に際し、医療従業員を基準法外に置くことなく、現在の看護婦の労働過重を十分考慮の上、この上労働を強化されないよう、現行法の確保を要請するものであります。次に請願第三首五十六号、秋田県に労災病院兼珪肺療養所設置の請願は、東北地方には、災害労働者、珪肺患者のための專門施設がなく、遠隔地の病院を利用せざるを得ない実情で、極めて不便であるから、秋田県に労災病院兼珪肺療養所を設置するよう要請するものであります。
 以上請願四件、陳情一件は、いずれもその願意妥当なるものと認めて、これを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
 本日の議事日程はこれにて終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、紡績操短対策に関する緊急質問
 一、日程第一 補助貨幣損傷等取締法臨時特例案
 一、日程第二 国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案
 一、日程第三 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案
 一、日程第四 夏時刻法を廃止する法律案
 一、日程第五 十勝沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案
 一、日程第六 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案
 一、日程第七 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く文部省関係諸命令の措置に関する法律案
 一、日程第八 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する法律案
 一、日程第九 商品取引所法の一部を改正する法律案
 一、日程第十 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件にく経済安定本部関係諸命令の措置に関する法律案
 一、日程第十一 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案
 一、日程第十二 統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案
 一、日程第十三 在外公館の名称及び位置を定める法律案
 一、議員派遣の件
 一、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く連合国財産及びドイツ財産関係諸命令の措置に関する法律案
 一、教職員の除去、就職禁止等に関する政令を廃止する法律案
 一、特殊土じよう地帶災害防除及び振興臨時措置法案
 一、公営住宅法第六條の規定に基き、承認を求めるの件
 一、日程第十四乃至第十九の請願
 一、日程第四十七乃至第五十の陳情
 一、日程第二十乃至第四十二の請願
 一、日程第四十三乃至第四十六の請願
 一、日程第五十一の陳情