第013回国会 本会議 第3号

昭和二十六年十二月十五日(土曜日)
   午前十時五十六分開議
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 議事日程 第三号
  昭和二十六年十二月十五日
   午前十時開議
 第一 財閥同族支配力排除法を廃止する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二 新聞出版用紙の割当に関する法律を廃止する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
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○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
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○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。
 この際、日程に追加して、中小企業に対する年末金融対策に関する決議案(菊川孝夫君他十三名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。本決議案につきましては、菊川孝夫君他十三名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。菊川孝夫君。
   〔菊川孝夫君登壇、拍手〕
○菊川孝夫君 発議者を代表いたしまして、只今議題となりました中小企業に対する年末金融対策に関する決議案の提案理由を御説明申上げます。
 先ず案文を朗読いたします。
   中小企業に対する年末金融対策に関する決議
  最近中小企業は金融こうそくのため経営難に陷るものが多いが、この傾向は特に年末を控えて甚しくなつている。
  この実情にかんがみ、政府はとりあえずすみやかに中小企業に対する適切な年末金融措置を講ずべきである。
  右決議する。
 以上の通り案文は極めて簡潔でありまするけれども、問題は極めて重要であることは、すでに各位の十分御承知のところであろうと思います。我が国の中小企業の問題は、一つには社会問題或いは人口問題として重要性を無視するわけには行かないのでありまするが、経済問題としての役割を過小評価することは誤まりであると思うのであります。それは第一に輸出産業として重要な位置を占めていることでありまして、この点については戦争前から指摘されておりましたところでありまして、当時輸出額の六割以上は中小企業の製品であると言われておりました。戦後におきましても五割余を占めていると推定されています。この点に関しましては勿論有力な反対意見もありまするけれども、一見大企業の製品のごとく考えられるものでありましても、中小企業は関連産業として、外注であるとか、下請、部分品購入等の関係におきまして、その一部又は全部の生産を中小企業が担当している場合が極めて多いのであります。
 第二に、国民生活に密接な関係を持つ工業製品の生産及び一般の生活必需品の配給は、多く中小企業の担当するところであります。国民の衣食住は殆んど中小企業に依存していると言つても過言でないのであります。経済の再建は先ず輸出貿易によらなければならないことは、ドツジ氏から指摘を受けるまでもなく我が国の宿命であり、国民生活の安定は我が国の緊急課題であります。従つて中小企業は健全に発達してこの宿命を背負い、課題に応えることを念願することは、今更申上げるまでもないところであります。
 さて現在の中小企業問題は金融問題に集中されていると言つても決して言い過ぎではないと思うのであります。勿論中小企業の金融問題は今に始まつたことではなく、中小企業の最大の弱点は金融にあることは、資本主義社会、自由主義経済の下においては宿命的なものであります。一般に企業の資金需要を賄う方法として、自己資金の調達によるものと、本来的な意味での金融によるものと、政府の経済政策又は社会政策の必要に基く政府の産業対策資金に依存するものとありますが、いずれの場合も中小企業は大企業に比べて不利であり困難であります。そこでどうしても第三の政府の処置が要請されることになります。ところが政府の財政金融政策は、中小企業に対して、池田大蔵大臣の放言を引例するまでもなく、第三の処置についても申訳的であり、極めて冷淡であるため、最近経済変動の激動に揉まれて、これに抗し切れず、倒産する中小企業は続出の傾向を生じて来たのであります。特に年末を控えてますます甚だしくなつています。それは一般に運転資金の需要が増加して日銀券発行高も、昨年十二月末三千七百九十億であつたものが本年十月末四千百三十八億となり、年末には五千億を超えるのであります。かくてインフレの様相を帯び、貨幣価値の下落による追加資金の必要が運転資金の需要増加として現われて来ましたが、一方において売行不振と金詰りとによつて運転資金の需要が増加して来ています。売行の不振は当然滞貨の増大となり、又売掛金の回収困難も生じて来て中小企業にとつて大きな千重圧となつているのであります。而もこの傾向は小規模のものほど深刻で、中小企業としては滞貨或いは売掛金を引当として金融を受けなければならない羽目に追い込まれて来ているのであります。ところがその金融はなかなか困難なために溺るる者は藁をもつかむというところから、闇金融が横行し、不渡手形の続出となつて混乱の様相を呈して参つているのであります。十二月に入りましてから手形交換所の不渡手形は一日六百件を突破する状況であり、遂に東京駅の待合室や八重洲口に不渡手形の闇市場が立ちまして、毎日千人からこれらの不渡手形のブローカーが集まつておると伝えられておるのであります。一方におきましては、政府の自由放任、弱肉強食的な金融政策は、ビル建築であるとか待合、高級料理店の建築というような、不生産的な方面に貴重な資金を消費する結果と相成りまして、これは対外的にまで問題を提供するということになつたので、銀行法の改正にまで発展しようといたしましたけれども、この大蔵省と市中銀行の鞘当ても結局は大蔵省の勧奨に基くところの自主的融資規制ということで「けり」を付けようとしているのが今の段階であります。なお又日銀の貸出高を見ますると、十月末二千三百億の巨額に達しまして、年末には更に増加することは必至でありますし、全国の銀行勘定におきましても、預金が一兆三千三百億に対しまして貸出が一兆四千百六十億という状態であります。従つて、この言われるところのオーバー・ローンにいたしましても、利用しておるところの中小企業のほうへ廻つておる資金というのは、従来の比率から推定いたしましても約三〇%にも満たないのではないか、而も生産を背負うところの部分に比べますと、そのウエートは極めて少いと言われなければならないと思うのであります。従つて私は、この際、銀行法の改正を断行してでも、必要な部門に資金を廻す評価的な金融の必要を痛感するものでありますけれども、それによつて生じまするところの摩擦であるとか混乱等も、これは考慮しなければならないと存じます。これを年末にやるということは相当愼重を要しますので、この際、取りあえず、特に資金運用部資金、国庫余裕金の預託、日銀別枠制度による貸出額の増加、或いは見返資金の協調融資等の緊急措置を講じまして金融逼塞に伴うところの中小企業の経営難を打開いたしまして、その健全なる発達を助長育成ぜんとするのが本決議案を拠出いたしました趣旨であります。
 特に印し添えたいことは、この中小企業の危機的様相は、一般に申しまして、ここ数カ月間に亘るところの中だるみ景気の総決算が年末というところの特殊の時期に深刻化したものでありまして、又一面には電力不足も大きく響いていることは見逃せないのであります。従つて、底の浅い日本の経済の中でも特に抵抗力の弱い中小企業に、この際重点的にカンフル注射を施しまして、輸出貿易と国民生活安定のため背負つておりまする中小企業の任務を果させるために、各位の御賛成をお願いする次第であります。特に小小企業は、今後中国貿易、東南アジア貿易において果す役割は、これは過小評価するどころか、むしろこれを十分に活用されなければならないと思うのであります。而もこの決議案を単なる決議とするのではなくて我々は更に皆さんの御賛同を得まして、本院の総意を以ちまして、引続きまして大蔵委員会を開いて政府当局に対して更に具体的に本院の総意に応えるかという点についても、あらゆる角度から質問をいたしまして、差迫りました中小企業に対する年末金融の問題に当院として最善の努力をいたしたいと存ずる次第でございます。政府におきましても、この本院の総意を体しまして、可決されましたる暁には、迅速に、適切にして有効なる処置を講ぜられんことを強く要求いたしまして、提案理由の説明といたします。(拍手)
○議長(佐藤尚武君) 本決議案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。山本米治君。
   〔山本米治君登壇、拍手〕
○山本米治君 只今上程されました決議案に対し、私は参議院自由党を代表して賛成いたします。
 今更申上げるまでもなく、我が国の中小企業は農業と相並んで国民経済構造の中核をなすものでありまして、従つて、中小企業をどうするかという問題は、いわば日本経済をどうするかという問題にも等しいのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)一体何が中小企業であるかということ自体に関しても議論はございますが、例えば工業において従業員五人以上二百人以下のものを中小企業ということにいたしますると、その工場数は全国の九割八分以上、従業員数及び生産額はいずれも六割内外を占めておるのであります。これらの中小企業が、只今提案者も述べられましたように、或いは輸出品の生産者として、或いは生活必需物資の生産者として、或いは又大企業の下請業者として働いておるのでありまして、我が国産業におけるその地位は頗る重要なのであります。然るに我が国の中小企業は一般に資力が薄弱であります。而も経営が合理的でないために、経済界に何らかの変動がある場合には必ず真つ先にその弱体性を、暴露する、こういうふうになつておるのであります。
 例えば第一次大戦後の景気反動期において然り。或いは又昭和二年の金融恐慌、或いは昭和五、六年の世界的経済恐慌において然り。又満洲事変の日本経済の根本的再編成期におきまして、更に近くは終戰後のインフレ収束期におきましても、これは我々の経験したところであります。一体我が国になぜかくも多数の小小企業が存在するかということを考えてみますと、それは結局国内資源が貧弱であり、一方、人口が多い。而も我が国の産業が先進資本主義国に比較いたしまして著しく立ち遅れておる。こういうような自然的乃至は歴史的傑作に基くものでありまして、これはいわば我が国に與えたられた経済的宿命とも申すべきものであります。勿論中小企業は中小企業なりに、その独特の存立分野もありまするし、例えば雑貨工業におきますごとく、業種によりましては却つて中小企業が便利乃至有利であるというようなものもあるのでありますけれども、一般的に申しますと、何と言つても資力が小さく、能率が悪い。それから経営が不合理且つ又不健全でありまして、社会的経済的弱者となつておるのであります。こういうものが日本産業の中核をなしておるのでありますから、問題は頗る複雑であり且つ困難なのであります。
 近来、次第に深刻化して参りましたところの中小企業の危機の問題は、(「大蔵大臣はどこに行つたのか」と呼ぶ者あり)しばしば金融のみの面から取上げられる傾向があるのでありますが、私はこれに対しては強い異見を有しておるものであります。成るほど事業の経営には金融が一番問題である。経済情勢の変化に伴う対策にいたしましても、又企業が危機に陷つた場合の突破対策にいたしましても、常に資金を必要とすることは事実であります。この点において、大企業が、或いは合理化資金なり或いは又滞貨資金なりというようなものの融通の受けやすいのに反しまして、中小企業にとりましては、金融機関の窓口は頗る狭き門となつておるのであります。近頃では大企業の金融も決して楽ではないのでありますけれども、比較的の意味におきまして中小企業のそれは一層困難であります。故に金融価からする中小企業の窮迫ということを否定するつもりは毫もありませんけれども、ただこの問題を深く掘り下げて考えてみますと、その核心は実は金融以前のところにあるのを発見するのであります。即ち表面に現われる形は金融難であり、金融逼迫ということでありましても、その内側を覗いてみますと、そこには、資本力が弱いとか、或いは設備や技術の劣悪であるとか、或いは又経営の不合理等々がありまして、それがために金が借りられないのでありまして、金融の逼迫ということは事の原因ではなくて結果なのである。こういう場合が非常に多いのであります。従つて金融だけで中小企業問題のすべてが解決できるというような見解は極めて浅薄皮相の考え方であると言わなければならないのであります。
 それはそれといたしまして、今日中小企業が資金の不足に悩んでいるということは現実の問題でありまして、これに対しまして金融の面からも何らかの対策を講じなければならないということは申すまでもありません。すでに述べましたように中小企業の金融問題は、主としてそれが近代企業としての要件を具備していないということが主点でありましようけれども、中には、立派に金融を受ける能力がありながら、企業の柄が小さいために面倒がられたり見逃されたりしているものもないのではないのであります。又一時僅かの資金を注ぎ込めば、そのあとは立派に将来立ち行けるという見通しが相当確実なものでも、それが得られないために落伍してしまうという場合も多々あるのであります。かかる場合に温かい金融的援助の手を差し伸べるということは、単なる救済ではなくて、健全なる中小企業の育成という趣旨から絶対に必要であると私は考えるのであります。政府はかねて中小企業の金融問題につきましては相当の配慮を行なつておるのでありまして、例えば商工中金や国民金融公庫の資金の充実を相次いで断行し、又一般会計の余裕金を以てする指定預金も、市中大銀行からの分は先般これを引揚げましたるにかかわらず、主として中小企業を対象とする金融機関の分はこれを存置し、その金額は四十五億円に達しております。又日本銀行の長銀、勧銀、商工中金及び北海道拓銀等に対するいわゆる別枠融資も四十三億円に及んでおります。又先年設けられました市中銀行の中小融資特別店舗の貸出は九月末七十三億円を算しております。見返資金からの中小企業に対するところの設備融資はその開始以来三十億円に及んでおりますが、手続の困難その他いろいろの関係でまだ二十七億円を余していることは、この金詰りの際誠に残念なことであります。ともかく政府は、中小企業の金融に対しまして極力手を益してはおりますけれども、なお且つ、この頃の金詰りは相当厳しいのでありまして、過般来一部商社の倒産もありますし、特に年末を控えて、ここのところ中小企業は金詰り、その金繰りに狂奔している次第であります。そこで、例の問題の闇金融が跋扈したり、その他好ましからざる現象も生じて参る懸念がありますので、政府はこの際中小企業の金融のために更に一段の努力を拂い、彼らの無事越年に対して万遺憾なきを期するよう強く要望いたすのであります。こういう意味合いにおきまして、私は本決議案に対して全幅的に賛意を表するものでございます。(拍手)
○議長(佐藤尚武君) 小林政夫君。
   〔小林政夫君登壇、拍手〕
○小林政夫君 私は緑風会を代表いたしまして本決議案に賛成の意を表するものであります。
 提案理由の説明並びに只今の山本君の賛成討論の内容によつて、特に附加えるべき論点もございませんが、問題の重要性に鑑みて特に討論に立つたわけであります。最近の実情を具体的に明細に解明することは、問題の性質上不測の悪影響を業界に及ぼすことを恐れまして、私は簡単に、中小企業に対する金融の問題も一般金融に繋がる問題として、年末金融全体についての二、三の問題点のみ十指摘するにとどめたいと思います。引続いて開かれます大蔵委員会において十分具体的に政府当局と質疑応答を交わしたいと思つております。
 先ず第一に、従来とられている金融政策において、物価並びに生産の実態に合つた通貨量というものが必ずしも考えられておらない。通貨の量の面のみからの規則ということが考えられている。具体的には今年末の通貨発行量は五千百億円で抑える。物価の状態、生産の実態がどうあろうとも、五千百億を一応きめられた線としてすべてをその枠内に押込もうとする傾向がある。こういうふうになつて参りますと、いわゆる一般的な金融の引締めという結果は、必ずしも国民経済的に考えなければならない産業に金が廻らなくて、弱体企業であるところの中小企業その他採算のよろしくない企業が不当に圧迫を受けるわけであります。この点について十分な注意が拂われなければならないと思います。最近の倒産その他のいわゆる恐慌現象は、中小企業並びに商社の段階にとどまつているに過ぎませんが、万々一、これがメーカーの段階にまで飛び火するようなことがあれば、相当由々しき問題が起るということは、十分戒慎しなければならん問題であると思います。
 第三点は、この中小企業の金融難という問題も、結局は大企業の金融の「しわ」が中小企業に寄せられている。多くの中小企業を協力工場として抱えた大企業は、その金詰りの「しわ」を中小企業に寄せて、労働賃金にも等しい加工賃を六カ月、七カ月引張つてなかなか拂わないというのが実情であります。五月から八月末にかけての景気の中だるみ、それに加えて電力不足による操業度の低下、このための中小企業の採算不振、いわゆる収益の減少、そのために、必ずしも金融機関からの融資額には変りはないとしても、資金ぐりの面においては収益の減少によつて企業は自己資金が予定通り入らない、従つてやりかけておつた設備の増設は既定方針通りやろう、その金の不足分を中小企業に持つて行くというような面がかなりあるのであります。又最近は繊維を初めとして諸物交が値下りをしている。いわゆる金融相場が現われている。こうなつて来るとますます物は売れない。滞貨を生じて来る。従つて換金できない。結局売上げの面からも企業の手許資金が不足して来る。ますますその「しわ」は中小企業に寄つて来るというような現状でございますので、中小企業直接の金融対策もさることながら、かかる実情を考慮して、大企業等に対する金融措置についても、而もその企業への金融がただ漠然たる金融でなくして、必ず中小企業に流れるように、工賃等において六カ月も七カ月も支拂が遅延するというような事態の起らないような、十分な措置を講じての融資を考えて頂きたい。
 その次は、最近、只今も申しましたように、いわゆる金融相場で諸物価が下落をいたしております。これは極端に言えば投売の状態、ただに国内問題でとどまつておればまだまだでありますが、併しこれは直ちに輸出市場に響く問題であります。換金のためには海外へ投売をする。海外の市況を混乱させ、日本品に対する不信々呼び起し、その果ては結局日本商品の海外輸出が阻害されるという結果に相成るのであります。春高ということが言われております。春高相場ということが言われている。年末年初は一応物は安い。併し春には高く売れるようになるであろう。こういうような安易な気持ちで、一応この年末年初の物価下落現象を楽観的に考えるということは、只今の国際情勢等から考えて相当考慮を要すべき問題であると思います。朝鮮事変の推移、又米国を初めとする西欧諸国における軍拡のテンポの緩慢化等から考えれば、私は春高相場を期待することは相当無理であると考えるのであります。従つて年末から年初にかけての日本商品の海外における値下り、又その足許につけ込み海外商社からは相当安く買い叩きに向つて来る。そこで一旦定めた日本商品の値段というものを回復することは、今のような私の見通しから行くならば相当長期に亘つて困難である。従つて輸出振興とは言いながら、いわゆる飢餓輸出、出血輸出を強要される事態に陥るのではないか。ここに大きな問題があると思います。
 以上問題点を簡単に指摘いたしまして、勿論政府においてもそういつた事情については十分認識されていることと思いますが、一層の認識を深められて適切な手を打たれることを要望いたしまして、本決議案に賛成いたします。(拍手)
○議長(佐藤尚武君) 島清君。
   〔島清君登壇、拍手〕
○島清君 私は全中小企業者の意を体し、全日本社会党を代表いたしまして只今の提案に相成つておりまする決議案に対しまして賛意を表するものでございます。
 私は十一月二十六日、臨時国会の本会議におきまして緊急質問をなしたのでございまするが、その内容は中小企業に対する年末金融の問題でございました。私の質問の要点も、只今提案者が指摘されました点も、ほぼ相似ているのでございますが、これに対しまして政府が御答弁に相成りましたことも大変不満足でございましたが、併しながらその後政府は年末金融対策らしいものをやつておられない。そのやつておられないところに今度の決議案の上程と相成つたと私は信じておりまするし、更に又、大蔵委員会の諸君が中心になりまして決議案の発議を提案されたことにつきまして私は問題の重要性があると思うのであります。而も又、これは、なすべくして、なされなければならない問題を政府が怠つておつたという意味をも含まれておると、私は信じておるのであります。自由党を代表されまして賛成討論にお立ちになりました山本君は、自由党の参議院のみを代表すると局限をされて発言をされたのでございまするが、併しながら私は、山本君が如何に自由党の参議院だけを代表すると言うて発言を局限をされましても、自由党の参議院においてすらこの問題を緊急に取上げなければならない問題であるし、更にその見通しについて確信をお持ちになり、それをおやりにならないことは、政府、その主管大臣でございまするところの池田大蔵大臣がおやりにならないのだということの意思表示であろうかと、私は存ずるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)特に山本君は、工場数のパーセンテージにおきましてはほぼ正確に九八%ということを御指摘になりましたし、更に生産量におきましても六〇%を占めておるということを言われたのでございまするが、併し殊更に輸出の額におきましてはお触れにならなかつたと思うのであります。輸出額におきましても、等しく六〇%を占めておるのでございまして、日本の再建というものが貿易にありといたしまするならば、中小企業の問題というものは日本再建の面からいたしまして頗る重大な問題でございまするし、又中小企業と言うからして、これは小さいから何も問題にする必要はないのではないかというような感を與えがちでございまするが、併しながら日本の再建というものが貿易再建にあるといたしまするならば、又六〇%の貿易量を中小企業者の手によつて生産されておるといたしまするならば、私は、ここに政府におきまして、日本再建の、又日本の産業構成につきまして再検討する重要な問題をも含んでおるのではないかと、かように考える次第でございます。と申上げまするのは、只今本国会におきまして中小企業の企業合理化促進法案というものが出ておるのでございまするが、この企業合理化促進法案の中に重要産業という問題があるのであります。政府の考え方は、これは議員提出法案にはなつておりまするけれども、政府の、質問に対する答弁を聞いてみますると、依然として重要産業というものは、鉄鋼であり、その他、資本主義、軍国主義的に考えられておりましたような事業のみが重要産業であるという見解をとつておられるような印象を受けるのであります。併しながら、戦争を一放棄しておりまするところの日本憲法を遵奉し、更に民主主義日本を建設しようといたしまするならば、鉄鋼業よりも……これは勿論重要産業ではございまするけれども、日本再建の基本的な基盤を担つておりますところの貿易という問題は、これは重要産業の中に入らなければならない。この重要産業の中に入らなければならないと思われまするところの貿易、これの六〇%になつておりまするところの中小企業の問題に対しまして緊急質問をやりましても、お座なりの答弁をなし、更に今度の決議案というものは、政府に対しまするところの不信をも意味しておりまするところの決議案の意味内容を持つております。これに対しまして私は、ドツジ・ラインを拳々服膺されますることも、これは占領国家におきまして止むを得ないことかも知れませんが、併しながら中小企業の持つておりまするところのこの使命の重大さに鑑み、更に本院におきまして私に緊急質問をお許し下さいましたところのこの壇上から御答弁に相成りました池田大蔵大臣は、更に只今の決議案を突き付けられたような恰好に相成つております。こういう問題を睨み合されまするならば、非常に遅きに失します。もはや十二月も半ばを過ぎております。年末金融対策といたしましては非常に遅きには過ぎておりまするけれども、併し決議案の提案者の説明にもございましたように、迅速に適切に、最も効果的な対策緊急におとりにならなければならない責任が私は政府にあると思うのであります。私は去る臨時国会の二十六日の本会議におきまして、積極的な年末金融対策を講ずる一面において、消極的にも、中小企業者の諸君は税金旋風におののいておるのであるからして、この年末を越させるために、消極的な方法ではあろうけれども、徴税の問題に対して手加減を加え、緩和をする意思がないかどうかということをも、併せて質問をいたしたのでございまするが、大蔵大臣は、皆様がたお聞きの通り、税金というものは納期によつて納めなければならんというように、その消極的な対策をも否定をされたのであります。只今私たちが巷間聞くところによりますると、日本再建に何ら役に立つてないところの料理屋、飲食店、こういつたような業者の諸君は、税金を手加減を加えてもらうために相当額の寄附金を要請されておる。従いまして、そういう面におきましてはかなり税金の緩和も図られておるのでございまするが、日本再建に最も貢献をしておりまするところの中小企業者の諸君は、こういう手段方法がとられてないのでございまするからして、年末に参りますると、例年のごとくにして税金のために苦しめられておるのであります。勿論提案者の提案理由の中には税金のことは含まれておりませんので、私がこの問題に触れることは或いは余分であるかも知りませんが、私の緊急質問をなし、更に併せて自由党までもが賛成討論にお立ちになつたというこの決議案の重大さの趣旨に鑑みまして、どうか政府におかれましては、心を据えて院議を尊重するという意味におきまして、恐らく本決議案は採択になりましようから、それに対して早急に、提案者がおつしやつておられたように、迅速に手を打たるべきであるということを強硬に申入れをいたしまして、更にこの決議案に賛成の意を表する次第でございます。(拍手)
○議長(佐藤尚武君) 境野清雄君。
   〔境野清雄君登壇、拍手〕
○境野清雄君 私は国民民主党を代表いたしまして、只今上程せられまし決議案に対しまして賛意を表するものであります。
 本年の春以来の景気の中だるみは、中小企業に対しまして甚大な打撃を與えたのでありまして、現に十一月現在におきまして、中小商社方面には続々と倒産或いは整理の段階に入つたというようなものが相当あるのであります。これに加えまするのに、銀行の貸出抑制というようなものと相待ちまして、中小企業の倒産は、今後相当大きく増大するのじやないかというようなことを懸念されておるのであります。
 政府はこれらの中小企業問題に関しまして、いわゆるこの中小企業の危機の慢性化に備えるために、去る大月以来、相互銀行法、或いは信用金庫法、又国庫預託金の百五十億の再配分、百万円以下の小口貸出に対しまするところの臨時金利調整法の適用除外、或いは日銀中小企業別枠資金の再度の増額というようなものによりまして、中小企業の金融対策を緩和して参つたのであります。引続きまして前国会におきまして、商工中金法又信用保険制度の改正というようなものを図られたのでありますが、商工中金の改正に関しましては、皆様すでに御承知の通り僅かに預貯金の範囲を拡大したにとどまつておる。又信用保険制度におきましても、貸付額の引上げと保証協会への再保険制というような二つの点だけを取上げておるのでありまして、一般中小企業者側の要望しておりました商工中金の政府出資の増額というような問題、並びに商工債券の消化促進のための政府資金の貸付による引受増加というような点は全く除外せられておるのであります。信用保険制度におきましても、これ又中小企業者自体が強く要望しておりましたところの保険限度の引上げ、保険支拂期間の短縮並びに保険料負担の借入人への転嫁というような重大な大きな問題はすべて取上げられておらないのでありまして、いわゆる私どもが考えまするなら、制度にのみ重点を置きまして資金源は全く放任されておるというような、実質のない改正でありまして、お座なりの中小企業金融対策に終始したということは、私ども甚だ遺憾に存じておるのであります。
 前の国会におきまして、只今社会党の島君からお話のありました通り、島君が年末の金融対策に対し質問をしたのであります。そのときに大蔵大臣は、中小企業といわず全体的な観点から対策を講ずる、こういうことを言明しておるのであります。併せて商工中金に対しましては特別の資金を考えたいと答弁しておるのでありますが、今日まで未だに何ら見るべき対策を講じておらないということは、無責任も甚だしいというふうに私は断ぜざるを得ないのであります。若し大蔵大臣の申しましたこの全体的の対策というようなものが、最近繊維商社、特に大手筋に対して行われておりますところの横浜における銀行団の救済融資、各地の銀行筋の挺子入れ、又最近特に積極的になつて参りました日銀の融資斡旋というようなものを意味するといたしますならば、これこそ又しても現政府の従来からの大資本偏重主義の現われでありまして、大手筋の危機は去つたといたしましても、そのしわ寄せが一層中小企業の金融難に拍車をかける、言い換えるなら金融難を激化せしめるということは、私は断言して憚らないところであるのであります。
 勿論、中小企業の金融難を一挙に解決するということは非常に困難なことであります。現在のように、資金の需要が非常に多い半面、預金は捗々しくないというような状態でありまして、金融機関の手許が苦しくなつておるということは、先刻自由党の山本君からお話のあつた通りと思うのであります。それに加えますのに、インフレ抑制の建前から金融引締めを強化いたしまして、日銀券発行高の膨脹を抑えようとする結果から、必要な資金もぎりぎりの最後にならなければ貸出しをしないというような傾向が強くなつておるのでありまして、それが金融難、特に中小企業の金融難を不必要に激化させるというような結果に相成つておるのであります。私は、どうせ貸します資金なら、ぎりぎりになつてから貸出すよりも、早目に貸出したほうが、資金の効率というような面から行きましても、よほど有効ではないかというようなふうに考えるのであります。それは年末金融には一定の期日があるのでありまして、期日前に貸すというようなことは、資金が浪費せられ、或いはインフレを助長するというような見方もあるのでありますが、これは回収さえ確実にしておきますならば、そういうことは防げないことはないのでありまして、通貨発行高の膨脹にのみとらわれまして、そうしてぎりぎりにならねば貸さないということは、決して当を得た策ではないと考えられるのであります。
 要するに年末金融に対しまするところの対策といたしましては、資金源の点から見ましても、又中小企業の性格からいいましても、年末金融に最も簡単に適用できまするところの日銀の中小企業別枠の拡大、或いは国庫余裕金の預託等、国家資金を思い切つて注ぎ込む以外に解決の途はないと考えられますので、大蔵大臣は、この面に対しましては積極的な熱意を示され、そういうことによりまして中小企業に対する適切なる年末金融処置を講ずべきことを強く要求いたしまして、私の本決議案に対する賛成論を終了いたす次第であります。(拍手)
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。
 只今の決議に対し大蔵大臣から発言を求められました。池田大蔵大臣。
   〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) 中小企業の年末金融に対しまして只今御決議があつたのでありますが、私は、この決議があるまでもなく、つとに中小企業金融に意を注ぎ、殊に今年は特殊の事情がございますので、あらゆる努力を傾注して参つたのでありまするが、御決議の趣旨に副いまして、今後とも今までに増して努力いたしたいと考えております。(笑声、拍手、「具体策にどうだ」と呼ぶ者あり)
     ―――――・―――――
○議長(佐藤尚武君) この際、日程第一、財閥同族支配力排除法を廃止する法律案日程第二、新聞出版用紙の割当に関する法律を廃止する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。
   〔河井彌八君登壇、拍手〕
○河井彌八君 先ず財閥同族支配力排除法を廃止する法律案につきまして御報告を申上げます。
 この法律の内容を簡單に申上げますと、財閥同族支配力排除法は、財閥の人的連鎖を断ち切つて、財閥を人の面から徹底的に解体させる目的を以ちまして、昭和二十三年一月七日を以て公布施行せられた法律であります。この法律に基く財閥関係役員に該当しないことの承認の申請その他これに関連いたしました各種の申請に対する承認は、この法律によつて内閣総理大臣の所管の権限事項とせられ、そうして、その審査事務は、内閣総理大臣の所管の下に、昭和二十三年十二月十五日までは財閥関係役員審査委員会及び同荷審査委員会において執行せられたのであります。又その翌日即ち昭和二十三年十二月十六日からは内閣総理大臣官房財閥役員審査課において行なつて来ておるのであります。
 我が国経済民主化の一大眼目でありましたところの財閥の解体、これは持株会社整理委員会によりまして励行せられまして、本年の上半期に至りまして、資本の面からも、又、人の両からも、完全にその目的を達成いたしたものと認められるに至つたものでありまして、六月二十一日附の総司令部覚書によつて、二十一年七月二十三日附の曾つて出した総司令部の覚書が廃止せられましたので、政府は七月十一日に政令を以て持株会社整理委員会を廃止いたしたので、この措置によりまして財閥指定者の経済活動に課せられておつたところの制限が全面的に解除せられたのであります。然るにこの法律がまだ残つております関係から、財閥指定者は只今申したように経済活動を完全に行うことができるようになつたにもかかわらず、この法律の適用範囲内に属しておるところの財閥同籍者又は財閥関係役員、このほうは、さような自由な立場にまだ立つことができないという不均衡を生じて来ておるのでありますから、この法律を廃止するということにいたしたのであります。つまりこの法律は、財閥解体という所期の目的を達成しておりますので、この際この法律を廃止いたしますと共に、その罰則の適用については、この法律廃止前になした行為については、なお、その効力を存続させるという規定を残しておきまして、そうして、すべてそれに関係するところの職制即ち総理府設置法の一部に改正を加えまして、それを明年一月一日から施行しようということになるのであります。これが本案の大要であります。
 内閣委員会は予備審査と共に二回委員会を開会いたしました。次にその審査の結果明らかになつたことを簡単に申上げます。
 第一点は資本の面からするところの瞬間の解体は持株会社整理委員会がこれに当つて来たのでありますが、その任務は本年七月を以て終了いたしたのであります。即ち各財閥本社の子会社、孫会社とも、いずれも持株処分済みであつて、曾つての本社を中心としたところの財閥の支配組織というものは全く崩壊してしまつたのであります。又旧財閥の資産実力といたしても、これを三井の例にとつてみましても、三井の十一家は終戰後財産税法によつて全資産の約九〇%を失い、残余資産は全然収益のないところの不動産及び動産でありまして、三井本社株解散分配金も一家平均一千万円に過ぎない状態となりまして、現在総資産の実質価値は戦前資産の二千分の一というくらいにまで低落しているのであります。かようなことは他の財閥各家におきましてもほぼ同様でありまして、財閥の背景となつていた物的基礎はこの点から見ても完全に無力になつておりまして、それ故に、先般持株会社整理委員会令の廃止によつて財閥指定者に対する経済活動の拘束が解かれましても、少しも心配がないというようになつて来たのであります。従いまして、若し今後財閥再現の虞れがあるとしたならばどうかと言えば、これは独禁法の規定によつて十分防止できるということであります。
 第二点は、財閥同族支配力排除法において財閥となつておるものは、十大財閥を指しておるのでありまして、即ち、三井、三菱、住友、安田、日産、大倉、古河、浅野、富士、野村であります。而して、財閥直系会社、財閥準直系会社、財閥傍系会社、即ちいわゆる財閥会社の数は二百三十二社、従属会社、関係会社の数は千五百四十二社、財閥同籍者として指定せられた者の数は二百五十二人、財閥会社の関係役員の現存者の数は三千二百三十七人であるということであります。そしてこの三千二百二十七人のうちで、排除法によつて財閥関係役員に該当しない承認を受けた者を差引いた潜在該当者二千四百九十六人というものが、この法律の廃止によつて全部人的活動の制限が解除せられることとなるのであります。
 第二点は、前に説明しましたように、旧財閥会社の財閥同籍者及び関係役員は、この法律の廃止によつて人的活動の制限が解かれることになりますが、この法律以外におきましても、なお、ポツダム勅令、政令等で、これらの者に就職制限その他の人的活動の制限が加えられておるものがあるのであります。例えば三井物産、三菱商事等の旧財閥会社につきましては、就職制限がなお残つておることになるのでありまするから、これらの制限をこの際一挙に撤廃することが国策上から適当ではないかという問題もあつたようでありまするが、財閥再現という懸念に対する内外への影響を愼重に考慮いたしましてこれは決定すべき問題であるのでありまするから、政府におきましてもこれらの問題を慎重に研究中であるということであります。要するに、現在の我が国の経済界の実情からいたしまして、財閥再現の虞れはないのでありまするから、先に持株会社整理委員会を廃止し、今この財閥同族支配力排除法を廃止する結果、旧財閥指定者、財閥同籍者、財閥関係役員の資本的活動も人的活動も、原則的にはこれで以て自由となることになるのであります。
 第四点といたしましては、この法律に規定してありまする各種の承認の申請に関する審査の事務は、内閣総理大臣官房財閥役員審査課で行なつております。それで十三名の職員がいるのでありましたが、そのうち、現在では残務整理に入つておりまして、四名が残つておるということであります。
 内閣委員会はこの法律案を審査いたしました結果、只今申上げましたような諸点を期らかにいたしましたのでありまするが、昨日の委員会におきまして、本案については討論を省略いたしまして、過半数を以て可決すべきものと議決いたした次第であります。
 次に新聞出版用紙の割当に関する法律を廃止する法律案について御報告申上げます。
 本案提出の理由といたしまして政府の説明したところを申上げますと、新聞出版用紙の割当制度は昭和二十年十月二十六日附の連合国最高司令官から日本政府宛覚書に基いて国内的措置がとられることとなりまして、臨時物資需給調整法、この法律に基いて指定生産資材割当規則によつて統制の基本が定められまして、その具体的な割当の基準、方法等については、新聞出版用紙の割当に関する法律に規定いたしまして実施いたしまして、それでこれを実施する機関及び諮問機関として総理府設置法において新聞出版用紙割当局及び新聞出版用紙割当審議会が設置せられてあるのであります。政府は最近、この国内事情、経済の回復に伴いまして、用紙の生産事情が逐次好転いたしまして、需給関係が著しく改善されて参りました実情に鑑みまして、本年の五月一日から新聞出版用紙の割当統制の撤廃を実施いたしまして、用紙の面における新聞出版活動に関する制限を除去いたしました。そうして言論出版を、本来の自由な姿に復帰せしめたのであります。従いまして、かような事情によりまして、新聞出版用紙の割当に関する法律はもはや不必要になつてしまつたのでありまするから、この際これを廃止すると共に、これに伴つて総理府設置法の一部を改正いたしまして、新聞出版用紙割当の実施機関であるところの新聞出版用紙割当局及びその諮問機関であるところの新聞出版用紙割当審議会を廃止するのがこの法律の提出の理由であります。
 委員会において本案の審議に当りまして質疑応答を重ねまして、予備審査と共に二回開き、そうして全会一致を以て可決すべきものと議決したのであります。
 そこで委員会において質疑応答の結果明らかになつた諸点を数項申上げます。
 その一つは、五月一日に用紙統制撤廃をいたしたのであるが、その後の用紙の需要供給の状況如何という問題、これにつきましては、需給はすべて順調に行われており、新聞の発行は四頁になり、夕刊も発行せられるようになりました。記事の内容も又大いに向上して参つた。ただ新聞料金が値上りになつたけれども、これは不自然な値上げをなすことは抑制せられておる。それから生産が順調に増加いたしまして、需要に対しても大体差支えない見込である。たが最近の電力不足の事情においてこれはどうなるかというても、この方面には大いなる影響はないという説明であります。又新聞用紙の消費量はどのくらいになつているかということで、これは本年の四月末の現在において、月の割当といたしまして二千八百万ボンド、それから割当外のものが五、六百万ボンドあり、計三千五、六百万ポンド程度だろうということであります。これは終戦直後の統制を始めた時代と比べますると、その時分には千六百万ポンドという数が明らかになつたのであります。
 次に、用紙撤廃をいたしましたが、それが地方新聞紙にどういう影響を及ぼすかという問題であります。地方新聞紙本来の記事を主とする立場に立帰りましたので、却つて地方新聞は悪い影響を受けない。読者の増加する状態にあるのだ。但し地方新聞が最近一、二廃刊したことはありまするけれども、これは統制撤廃の結果ではないのだということであります。
 第三には、新聞出版用紙割当局の廃止によつて定員をどういうふうに整理するかということであります。定員法の改正によりまして二千五名の全体を整理することになつております。その中で三十名は転職或いは配置転換が確定いたしまして、五人が残務整理に当つているという実情であります。この五人も明年の三月末日までには転職せしめる見込であるということであります。
 かようなことが明らかになりまして委員会におきましては、委員会における本案に対する審議は一応盡されたのでありまするけれども、併し委員会といたしましては、更に重要な根本問題といたしまして、用紙資源の枯渇、即ち内地森林資源の急激な減少に対して深い関心を持つて、各種の事実について林野庁当局、通商醜業省当局の出席を千求めまして、カニエ委員、竹下委員、三浦委員等専門的な立場から、熱心に質疑応答を重ねたのであります。これに対しまして明らかになりましたことは、木材使用の節約方法を研究すること、闊葉樹パルプ、或いは森林木材以外のもの、例えば藁であるとか葦であるとかいうような、そういうものの繊維を混用する方法であるとか、或いは奥地林の開発に関するいろいろな方策であるとか、更に又パルプの輸入計画であるとか、進んでは森林法及び造林臨時措置法の励行によつて植林を徹底的に進めることというような点に触れたのであります。併しながら、何といたしましても国土の荒廃が今日のごとく甚だしくなつて参り、災害増加のその巨大なる実情に鑑みまして委員一同はまだそのような施策を以ては安心するわけには至らない状況でありまして、そこで、この問題は、單に農林省、通商産業省等、政府の一部の間の問題としてでなしに、国家全体の力を集結して或いは立法の手段により、或いはその他のあらゆる方法を講じて解決すべきものであるという結論に達したのであります。
 討論に入りまして、三浦委員から本案には賛成であるという発言をせられまして、更に進んで、今日の山林荒廃の甚だしい現状と、その恐るべき結果が災害として出て来ることを述べられまして、併しそれでもなお木材の需要量というものはその成長量に倍加する実情にあるということであつて、この趨勢は容易に抑止することができないのであるから、国土の保全は勿論、森林資源の培養という非常な決意を以て必要な施策を実現すべきであるという強い意見が開陳せられたのであります。これに対しましては委員諸君は全員これに賛同したのであります。よつて私は委員会の決議といたしましてそのことを本案に附加えまして報告を、申上げる次第であります。而してこの法律案は全会一致を以て可決すべきものと議決せられたのであります。(拍手)
○議長(佐藤尚武君) 財閥同族支配力排除法を廃止する法律案に対し討論の通告がございます。発言を許します。岩間正男君。
   〔岩間正男君登壇、拍手〕
○岩間正男君 先ほど中小企業に対する金融の決議案が通りましてその直後にこの財閥の独占支配力をもつと強化するような、このような法案が同時に上程されておるところに、日本の国会の現実の姿があるということをつくづく感ずるものであります。(「大変な矛盾だ」と呼ぶ者あり)中小企業の金融逼迫が何から起つておるか、この点につきましては、余り先ほどの討論では深く触れられなかつたと思う。併し言うまでもなく、これは最近の、殊に戦争協力によるところの日米経済協力、これに基くところの独占支配の産業並びに金融政策、こういうものがはつきり中小企業の倒壊現象を起しているのであります。従いまして先ほど中小企業の決議案に賛成されて、これの実現のために挺身するところの諸君でありましたならば、同時に、このような財閥の復活強化、こういうものを企らんでいるところの法案には、これは全面的に反対せざるを得ないものであると私は考えるのであります。こういう点に立ちまして、私は日本共産党を代表しまして、本法案には絶対に反対するものであります。
 第一に、日本国民を今日の悲惨な植民地的状態に陷れましたところのあの太平洋戰争、その真に隠れた立案者は、組織者は、言うまでもなく三井、三菱、住友、安田等を初めとするところの十大財閥であつたことは、すでに世界周知のことであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり、笑声)一九四八年二月一日に、マツカーサー元帥は、アメリカ上院議員マクマホン氏宛の書簡の中で、経済力の集中が戰争の暴力を組立てる中核を成したばかりでなく、その指導者たちが軍閥と協力して、戦争と征服の方向に国民の意思を形成したと述べ、又直接間接の支配力を極く少数の日本人家族に與えていた伝統的な経済力のピラミツド組織を解体することこそが第一に必要な措置であると指摘しまして、財閥の同族支配力排除の必要性を強調しているのであります。財閥同族支配力排除法はまさにこのような観点から立案され、実施され、財閥関係役員は職業軍人及び極端な軍国主義者と共に追放されるに至つたのであります。財閥首脳部こそは第一級の戦争犯罪人であり、その罪を世界の平和愛好人民並びに日本国民の前に負うべきものであつたのであります。併しながら、これらの戰争製造人たちは巧みに生き永らえることができたのであります。そして今日それが残つておるその原因は何であるかと言うならば、一つは言うまでもなく財閥の組織機構にあるのであります。もう一つの原因は、それは政府のこの法案を実施するに当つてのサボにあつたのであります。即ち日本の財閥はもともと著しく封建的構造とその性格を持つておりまして、典型的な、主人、番頭、手代、丁稚等の関係で貫かれていたのであります。従つて財閥の支配者たちが表面追放されたにしましても、その番頭、手代どもがこれに代つて犬馬の労をとつて、主家を安泰に置くために最善の努力を傾けて来たのであります。これはどの財閥にも殆んど共通のことでありまして、何びとも否定できない事実であります。従つてこの機構と組織を粉砕しない限り財閥解体は無意味であつたのであります。然るに本法律が実施されましてすでに四年を過ぎました今日において、財閥の手先どもによりますところの策謀や温存政策のための周到な措置及び抜け道、サボタージユが、陰に陽に財閥の代弁者や政府の協力によつて企てられまして、その解体が殆んど名目的、形式的にとどまつてくることは、今更言うまでもないことであります。政府は本法案の提出理由を説明しまして、我が国経済の民主化の一大眼目でありました財閥の解体は、今年上半期に至りまして資本の面からしても、人の面からしても、完全にその目的を達成したものと認められるに至りましたので云々と述べているのでありますが、これは世界と日本国民を欺くも甚だしいと言わなければならないと思うのであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)このことは單に私がここで指摘するばかりでなく、すでに世界の良識ある人々が夙に論及しているところであります。例えば最近日本で広く読まれておりますところのシカゴ・サンの特派記者マーク・ゲイン氏のニツポン日記、これを読みますと、完膚なきまでにその正体が抉り出されているのであります。即ちニツポン日記によりますと、財閥温存の事実はすでに日本占領政策と共にその由来するところが非常に遠く、その内部機構の中にいろいろな形で当初からその芽が胚胎している。而もこれと巧みに結び付いた日本の財閥の利益代表者たちが、陰に陽に策謀した姿が至るところに描かれているのであります。如何にこれらの財閥関係が狡智にたけ、術策を弄したかということは、この卓抜した記者が鋭くこれを描写しているのであります。そうして、これは、今、日本の各地に行われている、こういう蔽うことのできない事態の中におきまして、この法案が実は財閥の再建の野望を達成せんとしているのであります。同族支配力をここで緩和してもよろしいというようなことをやるならば、これはまさに日本の現実というものを、こういうものから行われておる輿論とは遊離したところの仕事をすることになると思うのであります。
 これは一九四五年から四六年にかけての日本の実情であつたのでありますが、更にその後の情勢の変化は、一層、財閥の温存よりは、むしろその復活を、名目よりは実質的な再建を目指して拍車をかけていることは、事実がこれを物語つているのであります。私はこの事実を先ず指摘したい。即ち今日、日本の産業は、極く少数の大資本家によつて支配されております。例えばこれを金融資本の面から見ますと、その主力は言うまでもなく帝国銀行、千代田銀行、大阪銀行、富士銀行等の十一社でありますが、これは旧三井、三菱、住友、安田等の諸銀行が單にその名称を変えたに過ぎないのであります。看板を変えただけであります。これらの財閥諸銀行は、現在日本の全貸出の五五%を占めており、貸出先の会社へはお目付役として当然重役を派遣し、日本の産業をまさに支配し、更にこれに対して君臨していることは、戦時中と何ら変りない有様であります。又日本の産業は、現在政府が何と強弁しようとも旧財閥によつて抑えられていることは、まぎれもない事実であります。例えば紡績業はその全生産局の九二%、スフ、人絹業はそれぞれ一〇〇%、九九%が、いずれも三井、安田、日曹等の旧財閥の支配下にあるのであります。又製紙、石炭、石油等は、旧財閥等の会社がそれぞれ全生産高の七〇%、四一%、一〇%を占めている有様であります。更に、日本産業の骨格をなし、戦争経済の支柱であるところの鉄鋼業、造船業、自動車業等、いわゆる基幹産業におきましては、これ又三菱、住友、三井等の旧財閥会社がそれぞれ一〇〇%、八八%、八四形を独占しているのであります。このことは、ソーダ、硫安、セメント業等におきましても、又決して例外ではないのであります。
 このように伝統的な経済力のピラミツド組織によりまして、戦争と暴力を組立てる中核をなした旧財閥は、解体されるどころか、今日では完全に復活され、日米経済協力の推進力として強力に日本経済を支配しておるのがその実情であります。而もその態勢は、講和條約、安保條約の締結によつて一層強化され、その必要性が今日では外国の支配者どもによつて謳歌されつつあるのがその実情であります。(「嘘だ」と呼ぶ者あり)ダレス氏を初めアメリカの要人たちがしばしば来朝されまして日本の再軍備が今や必至の段階に追い込まれておる現状におきましては尚更のことであります。このようにしまして――支配者どもは、今や墓場からまるで亡骸を掘り出すようなことまでしまして、日本の旧組織、旧機構の一切を挙げてその戰争目的に奉仕させんとしているのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)このために政府は、口に自由主義を唱えながら、又民主主義を唱えながら、一方、戰争に反対する平和運動の彈圧、労働者、農民、市民、学生等を圧迫し続け、団体等規正法、労働三法の改悪、ゼネスト禁止法の制定、集会デモの大幅制限等を企らみまして、ますますフアツシヨ体制を強化しておるのであります。又金融面におきまして、中小企業、民族資本の面におきますところのこの最近の悲惨な状態につきましては、先ほど私が申述べましたように、この演壇で現にあのような決議案が通らなければならない事実が何よりもこれを物語つておるのであります。
 で、こういうようなときに当りまして、この財閥の独占支配力を回復、ますます回復するどころか、これを強化しようとするような、このような一連の態勢、殊に日本のフアシズムの抬頭と関連しまして、例えば旧軍人或いは政治家の大量追放解除と全く揆を一にしたところのこれらの精神によつて、この法案が(「時間々々」と呼ぶ者あり)貫かれておることは言うまでもないことであります。
 日本共産党はこれらの法案に対しまして、飽くまで日本の平和を守り、民族の独立を達成せんがために、これら日本を再び戰争に駆り立てるその準備おさおさ怠りなしとして進められておりますところの、殊に経済体制においてそれを強化せんとするところの、このような法案に対しまして、これは断固として反対するものであります。(拍手)
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。
 先ず、財閥同族支配力排除法を廃止する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
○議長(佐藤尚武君) 次に新聞出版用紙の割当に関する法律を廃止する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)
 議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
   午後零時二十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時二十九分開議
○副議長(三木治朗君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
   〔松浦清一君発言の許可を求む〕
○副議長(三木治朗君) 松浦清一君。
○松浦清一君 私はこの際、第七次後期造船計画金融に関する緊急質問をすることの動議を提出いたします。
○相馬助治君 只今の松浦清一君の動議に賛成いたします。
○副議長(三木治朗君) 松浦君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。
   〔松浦清一君登壇、拍手〕
○松浦清一君 私は日本社会党を代表いたしまして、政府の第七次後期造船に関する金融措置についてここに緊急質問を行い、政府の明快なる御答弁を得たいと存じます。
 造船融資に関する問題につきましては、前の国会以来しばしば問題となりまして、これに対しまする政府の御答弁は、金融の操作ができないので、造船の必要は認めるが、今のところこれ以上どうにもできないと、要約いたしますると、このような御答弁であつたのであります。併しながら我が国の置かれておりまする立場から考えて見まして、又我が国経済の早期自立達成という観点から考えて見ましても、その根幹をなす海運のあり方についてはいま一度政府はとつくりとお考えを願いたいのであります。現下の世界情勢はますます船腹の不足が顯著でございまして、世界の各国は緊迫せる微妙な国際情勢を反映いたしまして海運の拡充強化に狂奔をいたしておるのが実情でございます。欧州の各国におきましては、いずれも三年乃至五年分の浩船契約がすでに成立をいたしておるという状況でございます。このような国際情勢の中に、四面環海而も挾隘な国土に八千万の国民がその生活苦にひしめき合つている我が国の実相を見るときに、逼迫せる我が国経済の窮状の打開の方途こそ、先ず貿易物資の輸送の確保、国際收入の改善、特にドル收入の確保等については、最も手近な船腹の増強にあることを率直に認めなければならんと思います。我が国の現状から当面船腹の増強こそ喫緊の要ありとするゆえんも実にここにあるのであります。
 船腹の増強と言いましても、能率の低い老朽船の買船、傭船等によつては、競争激甚な外国貿易に堪えられないことは論ずるまでもございません。国際競争の激しい今日の世界海運に伍するためには、又外国定期航路拡張の必要から申しましても、実質的な船腹の増強、即ち新船の建造こそ極めて重要なのでございます。過ぐる第十回国会におきまして外航船腹緊急増強に関する決議案が上程せられ、満場一致で承認をされるところとなり、政府もこれを率直に認められまして、我が国海運の拡充強化を約束をせられたのであります。ところが今日の船腹の増強施策はどうでありましよう。政府は船腹の増強を図るために、昭和二十六年度第二次着工分として、当初二十万総トンの新造を計画したにもかかわらず、その後財政資金の捻出難という理由を以ちまして、閣議決定としてこれを十五万総トンに減らし、更に今日では金融の行詰りを主たる理由として十一万八千トンでこれを抑えようといたしておるのであります。このことは、政府の世界情勢並びに我が国経済自立に対する認識の欠除、無定見な海運政策を明らかに証明しておるところであります。併しながら、政府は一応本年度内に、即ち一月乃至三月までの間になお約五万総トンの追加建造をするよう努力すると閣議において申合せをしておられます。今後はこれをどのような方法を以て実現される御方針でございますか。大蔵大臣からその明快な御答弁を伺いたいのであります。
 次に金融操作の点についてでございますが、この点につきましても、先国会の予算委員会の席上におきまして私は吉田総理に対し質問をいたしましたが、総理は、造船については政府も当局者も金融その他について苦慮しており、又現に苦慮しつつある。金融上の措置が付かなければ或る点で満足をせざるを得ない。あとは国民の協力といいますか、融資その他の方法を以て便宜な方法を考える以外に方法はないと思いますという御答弁をしておられます。併しながら政府に御熱意さえあれば、右の方法が講ぜられないことはないはずであります。その第一は見返資金の増加ということも考えられます。又万一それが困難であります場合は、差当り市中金融機関の全面的協力の下に船主の自己調達資金等によつて取りあえず計画通り建造に着手し、爾後開発銀行で肩替りし、これに対し政府が財政措置を講じて行く、これが最も妥当な方法であろうかと考えるのであります。このような方法に対し政府は至急積極的な方途を講ずべきであると思うのでありますが、この点、大蔵大臣は如何にお考えでありますか。これが質問の第二点であります。
 質問の第三点は、現状必然的に起つて来ると予想される社会不安の除去についてであります。若し政府の船腹増強に対する努力が足らずして、閣議で決定いたしました十五万総トンの新船建造計画が不可能になるといたしますと、すでに船台は赤錆び、その経営は破綻に瀕しておりまする藤永田造船、日本鋼管鶴見工場、石川島重工業、函館ドックの四つの造艦所は、来春早々閉鎖の止むなき状態に立ち至るでありましよう。又そこに働いておる一万二千の造船労働者の失業は必至であります。これに関連する八万と予想される労働者は失業するのであります。差迫る年末に当つて、年末手当ももらえず、越年の生活におののいておる造船労働者の諸君や、二十万トン建造の曉を待望いたしまして乗船の機会をひたすら待機しておる一万数千名の失業船員は、なお続く失業の不況に泣くのであります。我が国経済自立の基幹となるものは重要産業の開発であり外国貿易の振興であることは申上げるまでもございません。貿易を振興して、この貨物を日本船で輸送し、外貨、特にドル資金を増大して国際、收支の調整を図ることが、我が国経済安定の基礎條件であります。四面環海の国日本の自立は先ず船腹の増強によつて達成されるのであります。貿易外收入によるドル資金の獲得に全力が傾倒せられ、国際收支の均衡を正常たらしめる基幹をなすものは実に海運産業の増強であります。政府はこの点に思いをいたされまして、全産業に優先して船腹増強のために積極的な施策を講ずべきであると思うのであります。
 この点に関し、政府殊に大蔵大臣の積極的な施策を要望し、これに対する御所信のほどをお伺いをいたしまして、私の質問を終ります。(拍手)
   〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) お答え申上げます。
 来年の一―三月に五万総トンの新造船を確保する方法如何、見通し如何というお話でございまするが、只今の金融情勢から申上げますと、一―三月の間にこういう方法で五万総トンを建造するという計画は立ちません。従いまして先般の閣議におきましても、三十五億円の新規の見返資金、そうして改造に当てておりました一億二千万円を加えまして、十二万トン程度の建造計画にいたしたのであります。こういう関係から申しまして、来年一―三月の分は、今後金融市場或いは経済状況を見まして、できるだけ努力しようということにきめておるのでございまして、具体的の問題は私にもまだきまつていないのであります。
 次に、見返資金を出してはどうか、出すことが困難ならば市中銀行から出して、そうして開発銀行が肩替りしてはどうか、こういうお話でございますが、開発銀行の肩替りという問題は、市中銀行が短期金融であるべきものが相当額を長期資金として出しておる。これは金融の適正化から言つてよくないから、開発銀行が肩替りした場合におきましては、その肩替り資金は日銀に返すか或いは短期資金として使おうという建前の下に肩替りの問題が起つたのであります。然るところ、市中銀行が長期資金をやつて、それを開発銀行が又肩替りするというのでは、肩替りの意味がなくなつてしまいます。こういうことは金融制度上よくないのであります。私は開発銀行が浩船資金の新たなる市中銀行から出たものを肩替りするという方針はとりません。そうやつて来ると、個々の浩船会社で船台があいて閉鎖する悲運になるのではないか、こういう御質問でございまするが、私は個々の会社につきまして適当な方策をとるように検討を続けております。なお、艦船問題について政府は積極的施策をとるべしというお話でございます。従来も積極的施策をとりまして、昭和二十四年以来見返資金のほうから大体四百三十億円を今まで計画いたしておるのであります。百二十万トン造つておるのであります。日本の国力から申しまして、年に四十万トンの新治船をするということはなかなか困難でございます。三十万トンでも精一杯。今は見返資金があるからよろしうございますが、お話の通りに四十万トン来年計画すると申しますると、少くとも六百四十億円の金が要るのであります。勿論浩船は必要であります。外貨の獲得は必要でありまするが、今の産業状態を見ますると、電力不足であらゆる産業が困つている。私は先ず水力に使つて、そうしてできるだけ残りを造船に持つて行く。こういうことにいたしましても、来年度の見返資金は、若し今計画しているように、国債の五百億円を償還するならば三百億円しかない、片一方では水力のほうで数百億円を要求しておられるのであります。四十万トンの六百四十億円というのはなかなか出にくいのであります。これは産業というものは金があつてのことでございます。そこで、私はできるだけ国民の皆様がたに貯蓄をしてもらい、政府は不要不急のものを極力避けて、そうして産業資金に当てて行こうといたしているのであります。こういう状態でございまするから、今までは大体年に四七万トンの建造をして参りました。これは見返資金があつたお蔭でございます。これがなくなつてしまいますると、よほどの努力が必要でございますので、今、水力の開発、造船ということにつきまして苦慮いたしている状況でございます。御趣旨はわかりまするが、できる計画しか立てられないと思います。(拍手)
   〔国務大臣山崎猛君登壇、拍手〕
○国務大臣(山崎猛君) お答えいたします。
 大体松浦君のお尋ねの要点は、造船に要する金融措置の運営についてのお尋ねがその重点であつたように承わつたのであります。金融措置の状況につきましては、主管大臣たる大蔵大臣より詳細に只今お答え申上げた通りであります。大体これらの大蔵大臣のお答え申上げたことは、政府として十分に論議を盡し、その結論に到達した結果をお答え申上げたのでありまして、運輸大臣といたしましては大蔵大臣の御答弁申上げたことを以て同様の答弁といたしたいのであります。(拍手)
   〔国務大臣周東英雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(周東英雄君) お答えいたしますが、浩船の必要だということについては全く御趣旨は同様であります。先ほど大蔵大臣から答えましたように、それがために資金について非常に苦慮いたしておりまするので、只今直ちに一―三月についてどのくらいという計画の立たぬことは申上げた通りであります。併し重要性に鑑みまして、今後の財政金融状態を見てできるだけの努力をいたしたい、かように考えている次第であります。(拍手)
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 参事に報告させます。
   〔参事朗読〕
本日議員から委員会審査省略要求書を附して左の議案を提出した。
 参議院規則の一部を改正する規則案
 (川村松助君外二十四名発議)本日委員長から左の報告書を提出した。
 国家公務員法等の一部を改正する法律案修正議決報告書
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) この際、日程に追加して、参議院規則の一部を改正する規則案、(川村松助君外二十四名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。本案につきましては川村松助君ほか二十四名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者の要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本案の審議に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。川村松助君。
   〔川村松助君登壇、拍手〕
○川村松助君 只今議題となりました参議院規則の一部を改正する規則案につきまして、発議者を代表いたしまして提案の趣旨を御説明申上げます。
 本改正案の要点は次の二点でございます。第一点は、諸般の情勢に鑑みまして外務委員会の委員の数を増員する必要があると認められますので、その数を十五名といたし、これに応じて他の委員会の定員に調整を加えようとするものであります。第二点は現在公益事業委員会、土地調整委員会及び首都建設委員会の所管に属する事項は、これらがいずれも総理府の外局でありますので、内閣委員会の所管となつているわけでございますが、その所管事務の内容よりいたしまして、この際それぞれ通商産業委員会及び建設委員会の所管とすることが適当と認められまするので、その趣旨の改正を行おうとするものであります。
 本案につきましては、私ども議院運営委員の間におきまして事前に十分な協議を遂げ、発議に至りましたものでありますので、何とぞ愼重御審議の上可決せられるように希望いたす次第であります。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) この際、日程に追加して、国家公務員法等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。人事委員会理事杉山昌作君。
○杉山昌作君 只今議題となりました国家公務員法等の一部を改正する法律案の人事委員会におきまする審査の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本案は衆議院議院運営委員長石田博英君の発議による同院の提出案でございまするが、その要旨は、国会の職員は、去る二十三年十二月の国家公務員法の第一次改正法律附則第十一條の規定によりまして、本年十二月三十一日までは一般職に属する職員とされておりまするが、この期限満了後も引続き一般職として置くか、又はこの際特別職に切替えるか、いずれかに決定しなければならないのでありまするが、国会の職員が一般職として人事院の管理の制約を受けますることは、国会の独立性と自主性に鑑みて不合理であるので、これを明年一月一日以降特別職に復帰せしむることとし、これに伴う若干の規定を設けようとするものでございます。
 本法律案は衆議院におきましては委員会の審査を省略いたしまして、去る十三日に本会議に上程可決せられ、同日参議院に送付せられたのでありまして、昨十四日、本委員会に付託になつたものでありまするが、本委員会におきましては直ちに会議を開きまして、提案の理由の説明を聽取し、更に又衆参両院の事務当局者及び参議院の職員の代表者の意見をも聽取いたしまして、愼重に検討を加えて参つたのでございます。而して討論に入りましたところ、千葉委員は、国会職員を特別職に切替えるということについては勿論何らの異論はないけれども、切替後の職員の身分その他を規律するところの国会職員法は昭和二十二年の四月の制定にかかり、二十三年十二月以降は眠つていた規定でありまして、それをそのまま復活してこれが適用をするということになりますると、今日の状態と照らし合せまして種々の無理、矛盾、不適当な点がありますので、この際、速かに国会職員法の改正を準備し、その準備が整つたときに一般職から特別職への切替を行うほうが穏当であるという理由からして、只今お手許に配付されておりまするような修正案を提案されたのでございます。木下委員がこれに賛成をせられましたのに対しまして、宮田委員は、この際、取りあえず一般職から特別職への切替を行うこととし、国会職員法はその後引続き改正すれば事足るとの立場から、千葉君の修正案に反対をし、原案に賛成をせられたのであります。
 かくて討論を終結いたしまして採決をいたしましたところ、多数を以て千葉委員提出の通り修正議決することに決定をいたした次第でございます。
 右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(三木治朗君) 討論の通告がございます。発言を許します。千葉信君。
   〔千葉信君登壇、拍手〕
○千葉信君 私は国家公務員法等の一部を改正する法律案に関し、只今委員長の報告にもありました通り、修正議決せられました修正案に対し、労農党を代表して賛成の意見を表明するものであります。
 先ず衆議院送付の原案について若干の検討を試みまするならば、その趣旨とするところは、委員長の報告にもありました通り、国家公務員法附則第十一條の規定に従い、国会職員の身分を従来の一般職より特別職に切替えることをその目的とするものでありまして、我々はその趣旨に対しては何ら反対の意見を差挟むものではございません。(「原案賛成」と呼ぶ者あり)むしろその目的とするところは極めて妥当なものであろうと賛意を表するものでございます。ただ併し我々が何としても目、逃すことのできない問題は、この切替規定によつて生ずる国会職員の身分関係、服務関係の問題についてでございます。即ちこの切替規定によりまして、国会職員が特別職に編入されまして、国会公務員法の一切の規定の適用を除外されることになつた場合に、国会職員の身分、服務等の規定すべき法律の準備は何一つとられておらないのであります。而もただそれだけではなく、切替規定に伴うべき関係法律の準備の不足の結果、我々立法府の責任としては何としても見逃すことのできない重大な結果を招来する虞れのあることを指摘せざるを得ないのであります。即ち、この切替規定によりまして、国会職員が特別職に編入される結果として、旧官吏制度の遺物として眠つておりました国会職員法という古色蒼然たる法律が、埃りを拂つて取出されて適用される虞れが生ずることでございます。御承知のごとくこの国会職員法なるものは、現行の改正国家公務員法の制定以前、昭和二十三年当時適用されていた古い法律であり、二、三の例を挙げますならば、休職者の給與は給與月額の三分の一ということになつておりまするし、前国会に政府より提案され、強引に通過しましたあの一般職職員に対する給與規程さえも下廻るものでありまして、その給與規程たるや、(「簡單々々」と呼ぶ者あり)驚くなかれ(「しつかりやれ」と呼ぶ者あり)三千七百九十一円ベース当時の俸給表がそのまま掲げられているのであります。又身分保障について何の保護規定もないばかりか、本属長が事務の都合により必要があると認めた場合においては休職を命じ、休職期間が一年となれば、そのまま首を切ることができるという、恐るべき法律でございます。ただ、その代り団結権並びに団体交渉権、場合によつては将来争議権さえも復活できる点は、これは誠に結構なものであり、(「結構でないよ」と呼ぶ者あり)この点だけは双手を挙げて賛成するものでありまするが、半面、本属長の次心意により、服務規定については悪用される虞れなしとしない(「なしなし」と呼ぶ者あり)疑問を残すものであります。(「簡單々々」と呼ぶ者あり)如何に暫定的措置であるとは言え、如何に単なる切替規定に過ぎないとは言え、国会職員、裁判所の職員を全部国家公務員法の適用から除外して特別職にすることは、ただ單に国会職員法の附則第十一條の規定があるから止むを得ず間に合せるということではなく、広く国家公務員制度の観点からしても、新たなる公務員制度の理念を打ち立てる試金石として、その取扱は広く注目されなければたらないし、かかる時代錯誤も甚だしい(「ノーノー」と呼ぶ者あり)法律を以て当面を間に合せるやり方は、少くとも国の最高機関たる立法府として一片の良心あらば断じて見逃すことのできない(「何を言うか」と呼ぶ者あり)問題であります。
 繰返して申しまするが、我々は国会職員が特別職に編入されることの趣旨に対しては毫も反対いたすものではありません。ただ、その際には、立法府に勤務する職員にふさわしい民主的なる服務の制度、合理的なる勤務態様、安心して働くに足る給與規程が完全に整つたときに、初めてこの特別職への切替えが行わるべきものであり、(「心配ない」と呼ぶ者あり)そのときにこそ我我双手を挙げて賛成を表するにやぶさかではないことを確信するものであります。この趣旨に従つて、原案のごとき姑息な暫定措置をとることによる民主的な公務員制度に逆行する結果を避け、むしろ現在のまま一般職の身分を来年三月三十一日まで延長して、この間に(「不合理々々々」と呼ぶ者あり)新らしい公務員制度の理念に基いて国会職員が安んじて働き得る関係法規の整備を待つて、初めて特別職に切替えることこそが、国家公務員法の本来の趣旨を尊重するゆえんであり、且つは民主的な公務員制度の確立に寄與するゆえんであることを確信し、本修正案に賛成するものであります。
 なお、最後に一言加えておきたいことは、この措置も飽くまでも暫定的な措置であり、本格的な立案に当つては、国会職員が安んじて働ける完全な身分保障制度を作ること、第二には、情実、派閥による人事の行われぬよう公正な任用の基準を設けること、(「心配ない」と呼ぶ者あり)黙つて聞き給え。一般職の職員よりも(「簡單に簡單」と呼ぶ者あり)不利な待遇、制限を受けないこと、(「もうよろしい」と呼ぶ者あり)特に給與については(「頑張れ」と呼ぶ者あり)最低生活を保障し、諸物価、生計費等の変動に印して遅滯なく改訂せられることを傑作として法律で定めると共に、職員組合の団結権、団体交渉権、協約締結権を認めること等を基本條件とし、現行国会職員法の規定等にとらわれることなく、(「くどいくどい」と呼ぶ者あり)民主的公務員制度確立の範を垂れるべきものであることを附加えて(「くどい」と呼ぶ者あり)私の賛成討論を終る次第であります。(拍手)
○副議長(三木治朗君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。委員長の報告は修正議決報告でございます。
 先ず委員会修正案全部を問題に供します。本修正案の表決は記名投票を以て行います。本修正案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○副議長(三木治朗君) 投票漏れはございませんか……投票漏れないと認めます。これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開銀を命じます。
   〔議場開銀〕
   〔参事投票を計算〕
○副議長(三木治朗君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数百十五票。
 白色票(即ち本修正案を可とするもの)六十票。(拍手)
 青色票(即ち本修正案を否とするもの)五十五票。
 よつて本案は委員会修正通り議決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
   〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名  六十名
   杉山 昌作君  小林 政夫君
   河井 彌八君  加賀  操君
   紅露 みつ君  木内キヤウ君
   竹中 七郎君  有馬 英二君
   永井純一郎君  片岡 文重君
   門田 定藏君  中田 吉雄君
   上條 愛一君  堂森 芳夫君
   松永 義雄君  原  虎一君
   加藤シヅエ君  赤松 常子君
   山田 節男君  三橋八次郎君
   若木 勝藏君  岩崎正三郎君
   田中  一君  村尾 重雄君
   島   清君  小松 正雄君
   小酒井義男君  栗山 良夫君
   大野 幸一君  松浦 清一君
   相馬 助治君  森崎  隆君
   山下 義信君  伊藤  修君
   吉川末次郎君  須藤 五郎君
   岩間 正男君  兼岩 傳一君
   千葉  信君  堀  眞琴君
   水橋 藤作君  東   隆君
   森 八三一君  江田 三郎君
   三橋 貞治君  小林 孝平君
   千田  正君  三浦 辰雄君
   石川 清一君  松浦 定義君
   荒木正三郎君  内村 清七君
   松原 一彦君  河崎 ナツ君
   高田なほ子君  木下 源吾君
   矢嶋 三義君 小笠原二三男君
   菊川 孝夫君  金子 洋文君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名  五十五名
   堀越 儀郎君  徳川 宗敬君
   竹下 豐次君  高橋 道男君
   高木 正夫君  田村 文吉君
   岡本 愛祐君  岡部  常君
   玉柳  實君  青山 正一君
   長島 銀藏君  木村 守江君
   秋山俊一郎君  高橋進太郎君
   宮田 重文君  草葉 隆圓君
   石川 榮一君  大谷 瑩潤君
   深水 六郎君  加納 金助君
   大矢半次郎君  城  義臣君
   岡崎 真一君  黒田 英雄君
   中川 幸平君  一松 政二君
   中山 壽彦君  中川 以良君
   赤木 正雄君  廣瀬與兵衞君
  大野木秀次郎君  加藤 武徳君
   松平 勇雄君  古池 信三君
   杉原 荒太君  白波瀬米吉君
   山縣 勝見君  安井  謙君
   山本 米治君  愛知 揆一君
   瀧井治三郎君  石村 幸作君
   田方  進君  平林 太一君
   溝淵 春次君 池田宇右衞門君
   川村 松助君  山田 佐一君
   西山 龜七君  堀  末治君
   泉山 三六君  平岡 市三君
   小林 英三君  館  哲二君
  池田七郎兵衞君
     ―――――・―――――
○副議長(三木治朗君) 議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
   午後五時十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時九分開議
○議長(佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
   〔金子洋文君発言の許可を求む〕
○議長(佐藤尚武君) 金子洋文君。
○金子洋文君 私はこの際再軍備反対平和憲法擁護に関する緊急質問の動議を提出いたします。
○小笠原二三男君 私は只今の金子君の動議に賛成いたします。
○議長(佐藤尚武君) 金子君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。金子洋文君。
   〔金子洋文君登壇、拍手〕
○金子洋文君 私は日本社会党を代表しまして、再軍備に反対し、平和憲法を擁護するために、吉田大臣がいらつしやいませんから、政府に対して、質問をいたしたいと存じます。
 日米安全保障條約はその前文において、日本は武装が解除されているので、講和後固有の自衛権を行使する有効な手段を持つていない、ところが世界の現状は無責任な軍国主義が駆逐されていない、そこで日本の希望によつてそういう軍国主義を阻止するために、日本国内及びその附近にアメリカの軍隊を置いてやるというふうに謳つているのであります。即ち講和後日本は真空状態になるのだから、ソ連や中共の直接及び間接侵略を受ける危險がある。そこで日本及びアジアの安定のためにアメリカの軍隊を置いてやるという恩恵的な條文となつているのであります。(「そうじやない」と呼ぶ者あり)ダレス特使が来朝して、日本の真空を問題にした当時においては、朝鮮動乱から受けた衝撃が高潮に達した頃合いでありましたので、一般国民が日本の真空に対して憂慮し、同感したのは無理もないことと思いますが、一年有余を経て冷静に物事を批判できるようになつた今日では、日本の真空に対する憂慮なるものが余りに神経的であつたことや、国民を神経戦に誘い込もうと意図した或る人々の企らみであつたことに、国民一般はようやく気付いて参つたのであります。勿論私は講和後の日本の真空状態が何ら危險がないと言うのではございません。併し朝鮮動乱に狼狽して、明日にもソ連や中共が海を越えて日本を侵略するように妄想したことは、一極の神経戰にかかつたものであり、平和憲法を否定して日本の再軍備を企らむ人々の神経戰に乗ぜられたものと言わねばなりません。(「ノーノー」「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)なぜかなれば、ソ連や中共が日本を侵略するということは第三次世界大戰を意味するものでありまして、容易になし得るものではございません。若し仮にそういう事態が起つたとしましても、(「困る、国民が」と呼ぶ者あり)日本経済の許す範囲の軍隊などというものは、戰車に対する竹槍のようなものでありまして、却つて禍いを大きくするものと言わねばなりません。(「少し共産党じみているな」と呼ぶ者あり、笑声)ソ連の直接侵略は、ヒトラーと共同してそれぞれ利益を分配したポーランドに見るだけでソ連衛星国の革命には自国の軍隊を使わないで、他の方法を以て支援しているのであつて、それらの衛星国には経済の許す最大の軍備があつたことを忘れてはなりません。中国の革命もその通りでありまして、中共の勝利を助けるためにアメリカが絶大な援助をした結果となつているのであります。従いまして、日本の真空を誇大に宣伝する人々の意図は、これらの事実に眼を掩うて再軍備を強要する最も悪質的なものと言わねばなりません。(「そうだそうだ」「ノーノー」「不見識なことを言うな」と呼ぶ者あり)率直に申しますならば、日米安全保障協定の主たる目的は、講和後の日本の真空もさることながら、條約前文の後半に謳つているように、朝鮮動乱をできるだけ早く有利に解決するために、講和後も━━━━━━━月末国内及びその附近に━━━━━━━━━ことにあるのでありまして、日本の真空などは附随的なものと申さねばなりません。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そのことは古田総則と取り交わしたアチソン長官の書簡に見ても明らかでありまして、日本の真空などには一言も触れておりません。ひたすら朝鮮の動乱を案じて、国際連合の行動に従事する軍隊を日本国内及びその附近に置いて、支持することを日本国が許し、且つ容易にすること、又日本の施設及び役務の使用に伴う費用が現在通りに、又は日本国と当該国際連合との間で別に合意される通りに負担されることを望んでいるのであります。(「何だかわからないよ」と呼ぶ者あり)このアチソン長官の書簡に見る考え方が、日米安全保障協定が結ばれるに至つた現実的な根本的な狙いであると思います。従つて日本の希望によつてアメリカが軍隊を置いてやるという恩恵的な條文は、客観的な現実━━━━━━━━━━━━━━━━━なものと申して過言でないと思います。(「その通り」「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)
 この協定には前文の後段の文章が示すように再軍備の玉手箱が隠されております。然るに吉田総理は両條約審理の特別委員会の席上、私の質問に対して、「再軍備の王手箱は隠されておりません」と答えているのであります。(「その通り」「全くだ」と呼ぶ者あり)これは吉田総理の苦しい詭弁であることは言うまでもありませんが、(「ノーノー」「それは本当だよ」「虚偽だよ」と呼ぶ者あり)再軍備が隠されていると否とにかかわらず、吉田総理が経済上の理由からしばしば繰返しているように、みずからの手によつて再軍備しないであろうことは仮に承認してもよろしいと思います。併し政府の係諸君に言いますが、吉田内閣はもはや長いことはございません。(「その通り」「余計なことを言うな」「余計な心配をするなよ」と呼ぶ者あり)桐一葉、二葉も、三葉も落ちて、すでに天下の秋は去つて、勤労大衆は冬の寒空に生活の不安におびえておるのに、恐らく吉田総理は左うちわで今日も大磯の波音を聞いているでありましよう。併し時代はそういう段階ではございません。(「余計なことを言うな」「その通り」と呼ぶ者あり)もはや国民の総意が吉田内閣を去つたことは、(「何だ、緊急質問か」と呼ぶ者あり)総理の郷里であり、自由党の金城湯池である高知の知事選挙において自由党が敗れ去つた一事が、よくそのことを物語つていると思うのであります。(拍手、「緊急質問」「つまらんことを言うな」と呼ぶ者あり)すでに政府も御承知のように、我が日本社会党を除いた野党連合は、虎視眈々として次期政権を狙つて(「行かないよ」と呼ぶ者あり)おりますし、(「行かない行かない」と呼ぶ者あり)片山哲氏は逸早く国会解散と野党連立政権担当の意のあることを表明しました。(「そんなこと言わないよ」と呼ぶ者あり)慌てた一部の人々は右派的聡明さを以て取消しましたが、いずれにせよ、(「緊急質問」と呼ぶ者あり)吉田内閣の命脈は旦夕に迫つていることはもはや疑う余地はございません。(「嘘言え」と呼ぶ者あり)
 そこで私政府にお尋ねしたいことは、(「何を聞こうとするのだ」「これからですよ」と呼ぶ者あり)よし吉田内閣の手で再軍備なされなかつたとしても、再軍備を欲する政党や首班によつて次期政権が担当された場合、再軍備は必至であると言わればなりません。従つてかかる條約を結んだ吉田総理の責任は重大であると思います。(「そんなことじやない」と呼ぶ者あり)仮に芦田均氏のごとき恥を知らない、似て非なる平利憲法礼讃者が次期政権を担当した場合、(「その通り」と呼ぶ者あり)この條約を楯にとつて再軍備を行うのは必至と思うが、政府はそれをどう考えておられるか、これが質問の第一点。(「民主党によく聞けよ」と呼ぶ者あり)第二点は、そういう場合この條約を結んだ首相においても重大な責任があると思うが、その責任を明らかにして頂きたい。(「そんな仮定の責任はとれん」と呼ぶ者あり)第三は、アチソン長官の書簡にもあるように、講和後アメリカ解除が駐留して日本の施設を使用することになつているが、日本の軍事施設を使用しても、首相が委員会において答えたように、軍事基地を與えることにならないのかどうか、同時にそのことは平和憲法に背反すると思うが、総理の見解はどうであるか、総理がいないから政府の見解はどうであるか。(「誰もいないよ」「不まじめも甚だしい」と呼ぶ者あり)
 サンフランシスコ講和会議に出席して感じたことは、トルーマン大統預の演説を聞いてもそうでありましたが、(「無政府状態だよ」と呼ぶ者あり)アメリカにおいては日本の再軍備は既定の事案となつております。中には日本に平和憲法を進めておいて、今更、再軍備を強要するのはアメリカの正義を誤まり、背信を世界に示すにひとしいと反対する人もありますが、そういう人々も日本の再軍備は既定の事実と見ておるのであります。こういうアメリカの考え方を作り上げたのはダレス特使の演説や声明であつたことは言うまでもありませんが、ワシントンやロスアンゼルスにおけるダレス特使の演説を要約すると、
 一、日本が講和後の軍事的真空を避けるため、日本みずからの選択によつて駐兵を希望するのであつて、強制されたものでないこと。
 二、安全保障は双務酌、相助的でなければならない。日本のみが只來りすることは許されない。
 三、従つて駐兵協定は日本が再軍備するまでの暫定的取極であること。
 四、この取極は日本に対して事実上の保護を與えるが、日本自身の寄與が明らかになるまで法律的保障を與えない。
 この演説内容からいたしまして、アメリカ人が日本の再軍備を既定の事実と考えるのは当然と思います。両條約審議の委員会において、私はこのことを申上げて、総理はダレス特使のこの演説をどうお考えになつているかを質問したのでありますが、総理のお答えは、「ダレス特使の演説の内容については自分は直接新聞発表を読んでいないが、ほかからいろいろ聞いている。ダレス特使が再軍備は師既定の事実のように言つたとしても、私との間に再軍備について話したことはございません。」かように答えておるのであります。お答えのように、ダレス特使と総理との間に再軍備についてお話がなかつたかも知れないが、日本の運命を決する講和について話合つたことは間違いない事実であります。その特使がアメリカに帰つてしました演説の内容について、御自分が新聞発表を読まないで、ほかからいろいろ聞いただけでは、一国の外務大臣として職責を果たすものとは言えないと思います。(「今日もおらない」と呼ぶ者あり)同時にこのことはダレス特使に対しても甚だ非礼であつて、若しダレス特使の演説内容が総理との話合いと相違している場合には、それに対して適当の処置をとることは当然であつて、呆然として見送る態度は、外務大臣として無責任も甚だしいと言わざるを得ないと思います。(拍手、「ノーノー」と呼ぶ者あり)今回三たび来朝されたダレス特使は、日本へ再軍備を勧める考えはないと記者団との会見で申しているが、アメリカにおいては日本の再軍備が既定の事実となつていることは絶対に間違いございません。そのことはアメリカを訪問したオーストラリアの外務大臣が、帰国に際して声明した言葉によつても明らかでございます。即ち十二月十二日夕刊紙の伝えるところによると、ケーシー・オーストラリア外相は記者団に対して次のように答えているのであります。(「それがどうした」と呼ぶ者あり)ワシントンでの会見の結果、米政府当局の保障によつて日本の再軍備に対するオーストラリアの恐怖の念は非常に薄くなつたと、かように申しておるのであります。(「結構じやないか」と呼ぶ者あり)言葉を換えて言うと、オーストラリアにとつて恐怖の念が非常に薄くなつたところの再軍備が行われることが明らかにされておるのであります。この條約には再軍備の玉手箱は隠されておりませんと、私に答えた総理の答弁を、先に苦しい詭弁であると申したのもこの故でありまして、(「それは詭弁だ」と呼ぶ者あり)それは日米安全保障條約に再軍備が秘められておることは世界が確認しておるところの既定の事実であることを強く申しておきたいと思います。(「その通り」「明々白々」「確認しても日本はやらんよ」と呼ぶ者あり)私は、吉田総理が軍備が嫌いであることをよく承知しております。日本の軍隊の例を引いて、軍備がしばしば国を誤まるものであり、有害無益であることを委員会で縷縷述べたときの首相の誠実を疑うものではありません。(「それでよろしい」と呼ぶ者あり)ところが総理の頑強な軍備反対が、ダレス特使と会うたびことに次第に軟化し始めたことは否むことはできません。(「その通りその通り」「心配ない」と呼ぶ者あり)そうして最後に総理は、日本の経済事情が許さないから再軍備はできないというところまで追い込まれざるを得なかつたのであります。この敗北的な言明は誠に重大であります。何故重大かと申しますと、この言明を裏返すと、経済の事情が許すなら独立国家として再軍備するのはよろしいということになるのでありまして、日本の平和憲法を蹂躪する言明となるからであります。(「そんなことない」と呼ぶ者あり)
 そこで私は再軍備に反対し、平和憲法を飽くまで擁護する立場において、次の三点について政府に答弁を求めたいと存じます。政府は平和憲法を擁護するためにも、飽くまで再軍備に反対するのかどうか、これが第一点。第二点は、ダレス特使の演説内容をみずから目を通さないことは、ダレス特使に対して非礼であり、外務大臣として怠慢であると思うが、(「やめたらどうだ」と呼ぶ者あり)政府のお考えを聞かしてもらいたい。(「答弁無用」と呼ぶ者あり)(第三点は、警察予備隊は時期を見計らつて軍隊に切換えられると国民一般は相愛の念を持つています。(「そんなことない」と呼ぶ者あり)果して然るかどうか、政府の所見を伺いたい。
 日本は敗戰によつて重大な打撃を受けました、が、占領政策の民主的措置によつて、貴重な革命的收穫を得たことは諸君も御承知の通りであります。然るに吉田内閣の反動政は、これらの民主的制度を官僚的狡智を以て次々と扼殺するのみならず、敗戰後のただ一つの輝かしい国宝とも言うべき平和憲法さえ踏みにじつて戰争の不安をかき立てる方向へ進んでおります。而も失政に次ぐ悪政の連続で(「ノーノー」と呼ぶ者あり)第十一回臨時国会だけでも、米麦統制撤廃において無能を暴露し、(「余計なことを言うな」と呼ぶものあり)行政整理において無残に敗退を喫し、天野国民実践要領は空中分解して天下の物笑いとなつたのであります。(「その通りその通り」「十一回国会ではない」と呼ぶ者あり)そのいずれの一つをとつても、吉田内閣は当然引責辞職すべきであるにもかかわらず、(「責任を重んじろ」と呼ぶ者あり)末世的表情を示しながら、政権にかじりついて恥じるところがございません。(「何の質問だ」と呼ぶ者あり)
 今や吉田内閣に対する不信の声は澎湃として天下に満ち溢れていることは、高知の知事選挙のみならず、(笑声)中小企業者や、農民の怨嗟の声にも、果敢な労働者諸君の冬季攻勢にも顕著に示されているのであります。(「そうそう」と呼ぶ者あり)私は勤労大衆の名において吉田内閣の退陣を強く要請して質問を終りたいと存じます。(拍手)、「その通り」「誰が答弁するのか」「落第々々」「愛嬌がある」「誰だね」「答弁の必要なし」「あるあると呼ぶ者あり)
   〔金子洋文君「誰です答弁するのは、下手な答弁すると再質問しますよ」と述ぶ〕
   〔国務大臣益谷秀次君登壇、拍手〕
○国務大臣(益谷秀次君) 金子さんの御質問にお答えいたします。多くは御議論のようでありましたから、御質問の要旨をかいつまんで御答弁申上げたいと思います。
 第一の御質問、又第二の御質問は、これは関連いたしておると存じます。即ち現内閣がやめた後に、他の内閣が代つて再軍備をやつた場合にどうかという御質問でございますが、これは別の内閣のことに現内閣の関知するところでないと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)それから(「それは無責任だ」「それは違うよ、内閣が代つたら違うよ」「できるように條約がなつているからどうかと聞いているんだ、駄目だよ」「再質問だね」「これはやらにやいかん」と呼ぶ者あり)
 次は再軍備に関する御質問でありますから、この点について(「黙つて聞け」と呼ぶ者あり)お答え申上げます。再軍備については、政府といたしましては、吉田総理からもしばしば繰返してお答え申上げておる通りであるから御承知のことと信じております。再軍備をいたす考えはありません。(「その通り」「間違いないか」と呼ぶ者あり)更に進んでダレス氏の関係のことについてお尋ねがあつたようでありますが、再軍備に関する日本側の見解は、ダレス氏におかれても十分承知いたしておられるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)
 第三は、(「終り」「第二の質問に答えていませんよ」「待て待て」と呼ぶ者あり)第二と第一は関連事項と見まして、一括してお答えしたつもりであります。(「その通り」「名答弁」と呼ぶ者あり)それから警察予備隊を将来これを変更して軍隊にする考えがないかということであります。これは警察予備隊は御承知の通り治安確保のために必要と存じまして、この警察予備隊の装備訓練の強化を図つております。併しながらこれをいわゆる軍隊に変えるというような考えは毛頭ございません。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)
 大体簡單でありますが、お答えといたします。(拍手、「再質問々々々」「議事進行」と呼ぶ者あり)
     ―――――・―――――
   〔中田吉雄君発言の許可を求む〕
○議長(佐藤尚武君) 中田吉雄君。
○中田吉雄君 私はこの際二つの中国政権と我が国の外交政策に関する緊急質問の動議を提出いたします。(「反対」と呼ぶ者あり)
○小笠原二三男君 私は只今の中田君の動議に賛成いたします。
○議長(佐藤尚武君) 中田君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。中田古雄君。
   〔「簡單々々」と呼ぶ者あり〕
   〔中田吉雄君登壇、拍手〕
○中田吉雄君 私は(「しつかりやれ」と呼ぶ者あり)日本社会党を代表いたしまして、(「社会党は二つあるよ」と呼ぶ者あり)二つの(笑声)中国政権と(「右ですか左ですか」と呼ぶ者あり、笑声)我が国の外交政策に関しまして(「つまらんことを言うな」と呼ぶ者あり)吉田内閣に質問をいたしたいと存じます。
 今回の平和條約は、国際情勢の複雑さに影響されまして極めて多くの重要な問題を将来の解決に委ねています。特に中国政権のうちどちらを選ぶかという問題と、再軍備の問題をどうするかということは、我が国百年の運命に関する重大な問題であります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)私はかかる観点から、先ず第一にアメリカのアジア政策と我が国の外交政策とをどのように調整するか、これに関しまして吉田内閣の所見を承わりたいと存じます。先ず私は(「わからんね」と呼ぶ者あり)過去五十カ年間、二十世紀前事にとりましたところのアメリカの外交政策を反省いたしつつ、その中から幾多の教訓を導き出しながら質問職を展開いたしたいと存じます。御存じのようにアメリカ一の太平洋政策は、太平洋をアメリカの湖といたしまして、これを支配し、そうしてアメリカの安全を保障するというのが、一貫して変りのないところの伝統的な外交政策であります。先ずその第一番は、例えばロシアが凍らない港を求めまして東漸いたしました際には、我が国を支持いたしまして、そうして我が国の力によつてソヴイエトの東漸を防ぐ、このためにセオドル・ルースヴェルトは日露職印の調停をいたしまして、我が国を支援いたしましたことは御案内の通りであります。ところが日露戦争を契機にいたしまして、我が国が強国として登場いたしますや否や、アメリカの対日政策は一変いたしまして、如何にして日本を抑制するかということがアメリカの政策となつたわけであります。先ずその第一番目は、一八九九年にとられましたところの(「御質問願います」と呼ぶ者あり)ジヨン・ヘイの門戸開放の宣言であります。更に一九二一年のワシントン軍縮会議、更に一九二二年における中国に関するところの九カ国條約、一九三〇年のロンドン軍縮会議、(「何をやつておるのだ一体」と呼ぶ者あり、笑声)一九三二年の満洲国不承認と、(「時間潰し」と呼ぶ者あり)こういうふうに一貫いたしまして、(「感想はよろしい、もう」と呼ぶ者あり)そして最後にです、ルーズ・ヴエルトがとりました政策は、(「それが緊急質問か」と呼ぶ者あり)ABCDラインの包囲の鉄環をほめまして、我が国を運命的な悲劇に導いたことは、自由党の諸君も熟知の通りであります。(「もう少してきぱき質問して下さい」「できないわ、それは」「あなたがたにはわからないよ」と呼ぶ者あり)即ちベルリが来航いたしましてから八十年間、(「それは知つてるよ」と呼ぶ者あり)アメリカの全般の政策は我が国を支持いたし、そして最後には我が国を抑制するというのがアメリカの政策であるわけであります。(「大丈夫だ、もう日本は生れ変つたから」と呼ぶ者あり)そこでです。(「生れ変らにやわかりやしない」と呼ぶ者あり)私は特にビアード博士の言を紹介いたしたいと思います。(「もうたくさん」「紹介はもうたくさんだよ」と呼ぶ者あり)即ちビアード博士は、です。(「何をやつているのだ」と呼ぶ者あり)当時近衞総理はあらゆる努力を拂いまして、太平洋戰争を防止しようとしてルーズヴエルトに親書を送つた。(「そんなこと本当かい」と呼ぶ者あり)併しながらルーズヴエルトはこれを拒否いたしまして、(「やめよ」「何だ」と呼ぶ者あり)ABCDラインの包囲の鉄環をはめましてです、(「わかつたよ」と呼ぶ者あり)そして━━━━━━━━━━。(「何をやつているのだ」と呼ぶ者あり)即ち━━━━━━━━━━━━━━━━━であると言つて近衛総理を非常に高く買つているわけであります。(「余計なことを言うな」と呼ぶ者あり)それはともあれ、私は日本抑制の手段としてとられましたところのABCDラインの一環を担つたところの蒋介石の運命について皆さんに知つて頂きたいかち長々と申上げた次第であります。(「講演会じやない」「講演会じや」と呼ぶ者あり)そこでです、この点こそが非常に重大な点であります。蒋介石政権の崩壊というものは、実にです、その多くはアメリカの誤まつたアジア政策に基因するわけであります。(「ノーノー」「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)そのために中国は共産化したわけであります。
 今回の対日講和は、我が国をして大国となつたところの中ソ両国に対しまして、曾つての━━━━━━の使命を果させようというのが実に今回の講和條約の基本的な内容であるわけであります。(「いいじやないか、あなたの喜べる」と呼ぶ者あり)日本の事態は実に絶望的と言わなくてはなりません。私は昨日(「あなたの思う壷じやないか、それが」と呼ぶ者あり)十四日丸の内のユニオン・クラブにおいてなされましたところのダレス特使の演説を熟読玩味いたしまして、アメリカのアジア政策について、自己の犯しましたみじめな失敗につきましては、いささかの反省も加えられていないことを知りまして、誠に暗然としたものであります(拍手、「その通り」と呼ぶ者あり)我が日本社会党といたしまして、(「どつちの社会党だ」と呼ぶ者あり)増田幹事長のごとく、これに全く同感であるということは、八千万同胞の運命を賭けて賛意を表することができないのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)我々といたしましては、このように述べましたところは、透徹いたしました歴史的な反省の上に立ちますことが、現在を、理解いたしますところの最も有力な手がかりになるわけであります。(「簡單簡單」と呼ぶ者あり)そうしてこのことは未来に対しまして誤まりのない展望を與えるものであります。吉田内閣はこのような難局に処しまして、日本外交の犯しました歴史的な教訓を反省して、一方には中ソ両国を控え、他方には性急に━━━━━━━━━━━━━━━━━アジア政策を如何にして調整されるか。これに対する(「講演会じやないよ。質問々々」と呼ぶ者あり)吉田外交の真髄を承わらんとするものであります。(「まだわからないのか」と呼ぶ者あり)
 第二に、先にバークレー副大統領、ラスク国務次官補、更に又ダレス特使を迎えております。これは来春アメリカ議会に両條約が上程いたされます準備のためであるやに承わつています。そして中国における両政権のうち、日本をしてどちらを選ばしめるか、(「まだやつておる」と呼ぶ者あり)それを調整することが主要な目的であるということでございますが、吉田・ダレス会談におきまして、中国政権の問題に対してどのような交渉がなされ、そしてその経緯と結果を承わりたいと存ずるものであります。(「質問済み」と呼ぶ者あり)特にワシントン電報によりますと、ダレスは吉田内閣から蒋介石政権を選ぶという確約を得ていると伝えていますが、果して真実であるかどうか。申すまでもなく一国が独立国であるかどうかということは、外交自主権の有無に待つところが多いわけであります。あたかも日本政府が自主的に蒋介石政権を━━━━━━━━━━━━━━━━蒋介石政権を選ぶといたしますならば、(「言語道断」と呼ぶ者あり)我が国はアメリカの従属国であり、日本国民の権威は甚だしく損われるものと言わなくてはなりません。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)更に我々は、アメリカの上院におきまして九十八名のうち五十八名の人が日本をして蒋介石政権を選ばしむべきであるという決議をいたしまして、トルーマン大統領を強制しています点は、この條約が寛大と和解の條約であると言いながら、全く国民を欺くこと、これより甚だしいものはないと断定せざるを得ないわけであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)憲法改正の正攻法をとることをいたさずして警察予備隊を事実上の軍隊にしてしまう。(「答弁済みだ」と呼ぶ者あり)それと同様に、既成事実を作り上げまして、蒋介石政権を認めようとすることは八千万同胞を欺くものと言わなくてはなりませんが、吉田内閣のこれに対しまするはつきりした答弁を承わりたいと存じます。(「共産党に入れ」「議長、時間」と呼ぶ者あり)
 更に重要な問題は(「まだある」と呼ぶ者あり)この両條約の性格であります。(「條約は承認が済んだ」と呼ぶ者あり)申すまでもなく、この條約は、━━━━━━━━━といたしまして、日本を戰鬪配置につかせまして、アメリカは日本を基地として台湾と朝鮮をその両翼にし、━━━━━━━━━━━とするところの、いわゆるケナンによるところのコンテインメント・ポリシイに源を発するものであります。併し皆さん、アメリカのこの政策がアジアの将来にとつて正しいでございましようか。(「別の道」と呼ぶ者あり)断じて否であります。イギリスは一八四二年阿片戰争以来、香港を基地にいたしまして(「演説会でやれ」と呼ぶ者あり)━━━━を試みましたが、六十年で失敗いたしました。(「中田さん、演説会でやりなさい」「質問をしろ」と呼ぶ者あり)我が国は一九一八年に対支二十一カ條を提げまして、同じように侵略を試みましたが、三十年間であえなく最期を遂げました。今回のアメリカのアジアに対する指向は、曾つてはイギリスが、(「気の毒で聞いておれん」と呼ぶ者あり)そうして我が国が失敗いたしましたところの同じ道を踏もうとするものでございます。(「そうだ」「共産党拍手」「脱線」と呼ぶ者あり、拍手)━━━━のコースは、香港を通じましての━━━━台湾と朝鮮を通じての日本のそれであつたわけでありますが、アメリカは日本を基地とし、台湾の蒋政権と南朝鮮の李承晩政権を支持いたしまして同じような(「時間々々」と呼ぶ者あり)我が国がとつたと同じコースをとつているわけであります。(「聞いちやいられません」と呼ぶ者あり)日本がです、若し━━━━━━━━━━━━まして、台湾政権を事実上の中国政権と認め、警察予備隊を増強いたしまして、アメリカ軍隊と交代いたしまして、朝鮮戰線に出動いたすといたしますなら、第三次世界大戰の戰略体制は完成したと言わなくてはなりません。(「講演会じやない」「質問をしなさい」「時間だよ」と呼ぶ者あり)こういうことを考えますとです。我が国が、日本社会党が、(「時間々々」と呼ぶ者あり)強く申立を保ちまして、このまま放つて置きましたら、必ず失敗することはきまつているアメリカを、(「余計なお節介だ」と呼ぶ者あり)我が国を通じまして、アジアに適応させるというのが日本社会党に課せられた重大な使命と言わなくてはなりません。(「党員を集めてやれ」と呼ぶ者あり)それはです、印度を通じましてイギリスがアジアに適応しておると同じ立場であります。私はこういう観点からいたしまして、再軍備と中国政権の承認に関しましては、断々乎としてアメリカの如何なる要求に対しましても言質を與うべきさではない。(「あなたには頼まない」と呼ぶ者あり)実際には講和條約の発効後に愼重に決定すべきであると存じますが、吉田内閣はこれに対してどういうお考えをお持ちでありましようか。(「時間々々」「やつと質問になつた」と呼ぶ者あり)
 第三に、新聞紙の伝えるところによりますると、吉田総理は、国民政府との関係を調整いたしますため、政界の孤児である犬養健氏を特派使節といたしまして、これを台湾に派遣せんと、こういう計画を立てましてダレス顧問に打診しているということでありますが、果してそうでありましようか。中国は今重大な内戰の過程であります。偉大な革命の過程であります。その際に我が国が一方の陣営に対しまして使節を派遣いたしまして台湾政権と特別な関係を結びますことは、一種の重大な内政干渉と言わなくてはなりません。未だ戦争状態が終了いたしません日本といたしましては、拭いがたい過失と言わなくてはなりませんが、この点についての御所見も承わりたいと存じます。若し日本が一地方政権でありまするところの蒋介石政権と特別な関係に入りますならば、それは中国の維新に際しまして、我が国が曾つて袁世凱や張作森政権を支持いたしまして、(「つまらん質問だな」呼ぶ者あり)中国政権の統一を阻害したと同じ歴史的な誤謬であります。特に犬養健氏は一九四〇年、影佐特務機関の一員といたしまして、汗兆銘工作に関係いたし、この道で失敗いたしました前科者であります。(「あなたは当時左派じやなかつた」と呼ぶ者あり)中国では一度民衆から見放されました政権が、再び四億五千の民衆に支持された歴史的な例しはございません。そういう点からいたしまして蒋介石政権も中国四千年の歴史の例外をなし得ないと思いますが、この点ではよほど慎重に構えることが必要であろうと存じます。(「三度目だよその論拠」と呼ぶ者あり)
 次に、以上の諸質問にもかかわりませず、吉田内閣の動向からいたしますならば、━━━━━━━に堪えかねまして結局台湾政権を事実上の政権として認めまして(「時間だ」と呼ぶ者あり)これと講和を結ぶのではないかと憂慮されるわけでありますが、その際に中共政権を承認している国は、ソ連を初めといたしまして、その衛星国であるところのブルガリア、ルーマニア、ポーランド、ハンガリー、チエツコ、ユーゴー、北鮮、外蒙、東独、アルバニア及びヴイエトナムの十二カ国と、更に自由諸国であるところのビルマ、インド、パキスタン、イギリス、セイロン、ノールウエー、デンマーク、イスラエル、アフガニスタン、フィンランド、スウェーデン、スイス、オランダ及びインドネシアのデモクラシー諸国の十四万国が承認いたしまして、合計二十六カ国の多きが認めているわけであります。(「次にです」と呼ぶ者あり)この点はです、決して曾祢君なんかが言われるように、(「内輪喧嘩はやめろよ」と呼ぶ者あり)共産主義世界への郷愁としてでは断じてないわけであります。これらの諸国との関係はどういうふうに調整させるか。更にです、中共と日本との関係は現実に立ちまして判断すべきであつて、徒らに反共的な感情に左右されることなく、外交は冷靜な計算の上に立つて樹立されるべきだと思いますが、(「時間超過」と呼ぶ者あり)中共が共産主義を放棄いたさない限り国交調整は絶対やらないわけであるかどうか、その点も承わりたいと存じます。
 最後に自由党の諸君に特にお訴えいたします。(「是非聞け」「余計なことを言うんじやない」「学校はよろしい」と呼ぶ者あり)四国におきまして、私の大学の同級生である川村君が圧倒的な勝利をいたしました。これは決して小さいことではないと思います。(「議長時間」「緊急質問じやない」と呼ぶ者あり)吉田内閣に対する重大な批判であります。そうして吉田内閣に対する批判は、アメリカの政策を丸受けするところの自由党に対する強力な批判であることを考えて頂きたいと思います。(「時間」と呼ぶ者あり)特に憲政史上曾つてない最大多数を占めておられるところの自由党が十分考えて頂きませんと、(「時間々々」「靜かに聞け」と呼ぶ者あり)我が国は殆んど東條内閣のときと同じような過失を踏む虞れがあるからであります。(「議長、時間」「議長どうした」「まだ八時にならん」と呼ぶ者あり)皆さん、先般フイリピンにおきまして、上院の選挙が行われました。
○議長(佐藤尚武君) 中田君に注意いたします。時間が来ております。
○中田吉雄君(続) その際におきまして、アメリカ一辺倒の立場をとりましたリベラル◇パーテイは、上院選挙において一名も当選しなかつたわけであります。そうして民族の立場を強く打出すところのナショナリスタ党が圧倒的な勝利を得ましたことは、(「やめろ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)我が日本の自由党の将来を強くサゼツシヨンするものと言わなくてはなりません。(「なまを言うな」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
 このような反省に立ちつつ日本民族の立場から嚴粛な答弁を吉田内閣に求めたいと思うわけであります。(「つまらんことを言うな」と呼ぶ者あり、拍手)
   〔国務大臣益谷秀次君登壇、拍手〕
○国務大臣(益谷秀次君) 中田さんにお答え申上げます。(「黙つて聞くような答弁をしろ」「黙つて聞け」「くだらん質問をして何だ」と呼ぶ者あり)アジア諸国との善隣友好、経済提携の精神を以て進んで西欧とアジアのかけ橋の役目を果したいと思うのであります。ただ中ソ両国との平常関係は、将来これらの国との平和條約が締結された後のことであります。これは第一の御質問並びに最後の御質問に関連をいたしておりますから、総括的に申上げます。
 第二は、最近アメリカの要人が来るが、どういうことだというような御趣旨でありましたが、主として(「答弁は要らない」と呼ぶ者あり)日本の国情視察のための旋行であります。吉田◇ダレス会談については今ここに申上げる時期ではございません。
 その次は(「名答弁」「もうたくさんだ」「落第」と呼ぶ者あり)アメリカが蒋政権の承認を日本に強制しておる、圧迫いたしておるとかいう御質問でありましたが、アメリカが蒋政権の承認を日本に強制いたしておることはございません。これはしばしばこれまで申上げた通りであります。飽くまでも日本の自発的意思を尊重する建前になつておるのであります。(「いつでもそう言つている」と呼ぶ者あり)従つて講和に関する中国選択の問題に関する所見は、これまでしばしば申上げておるのでありますから、さように御了承願います。政府は将来の客観的情勢の推移を待つ心算であります。(「嘘をつけ」「客観的情勢とは何なんだ」「それを聞いているんだ」と呼ぶ者あり)
 その他は多くは御意見でありますから、これで全部の御質問にお答えできたと思つております。
○議長(佐藤尚武君) 周東国務大臣。
   〔「答弁の必要なし」「答弁々々」「必要なし」「答弁しろ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
○国務大臣(周東英雄君) 別に。
○議長(佐藤尚武君) 周東国務大臣の答弁はありません。
     ─────・─────
○議長(佐藤尚武君) この際、お諮りいたします。本日松永義雄君から両院法規委員を辞任いたしたいとの申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて許可することに決しました。
     ─────・─────
○議長(佐藤尚武君) つきましては、この際、日程に追加して、両院法規委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。
○木村守江君 私は両院法規委員の選挙は、正規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
○安井謙君 木村君の動議に賛成いたします。
○議長(佐藤尚武君) 木村君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて議長は、両院法規委員に門田定藏君を指名いたします。(拍手)
     ―――――・―――――
○議長(佐藤尚武君) この際、お諮りいたします。本日人事委員長吉田法晴君から常任委員長を辞任いたしたいとの申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて許可することに決しました。
     ―――――・―――――
○議長(佐藤尚武君) つきましては、この際日程に追加して、常任委員長の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。
○木村守江君 私は只今の常任委員長の選挙は、成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
○安井謙君 木村君の動議に賛成いたします。
○議長(佐藤尚武君) 木村君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて議長はカニエ邦彦君を人事委員長に指名いたします。(拍手)
     ―――――・―――――
○議長(佐藤尚武君) この際、お諮りして決定いたしたいことがございます。先ず参事に報告いたさせます。
   〔参事朗読〕
 法務委員長から検察及び裁判の運営等に関する実地調査のため島根県、鳥取県に伊藤修君、羽仁五郎君を本月二十日より明年一月二十日までのうち、八日間。岐阜県、京都府、奈良県に、宮城タマヨ君、岡部常君を本月二十日より明年一月二十日までのうち、六日間。
 外務委員長から領土復帰問題並びに賠償問題等の実情実地調査のため山口県、鹿児島県に徳川頼貞君、團伊能君を明年一月二十日までのうち十日間。賠償問題並びに密入国問題等の実情実地調査のため新潟県、福島県に有馬英二君、金子洋文君を明年一月二十日までのうち九日間。
 人事委員長から勤務地手当、寒冷地手当の実情を調査すると共に、さきに施行された給與敗正法に関連する各般の実地調査をするため島根県、鳥取県、山口県に加藤武徳君、千葉信君を、和歌山県、三重県に森崎隆君、宮田重文君を本月十八日より明年一月二十日までのうち七日間。
 大蔵委員長から財政金融並びに会計制度等の実情を実地調査するため兵庫県、広島県、山口県、島根県、鳥取県に大矢半次郎君、菊川孝夫君、木内四郎君を、香川県、徳島県、高知県、愛媛県に山本米治君、伊藤保平君、大野幸一君を明年一月中十日間。
 文部委員長から産業教育、学校給食、六三制、老朽校舎、運輸省より移管後の高等商船学校等に関し実情を実地調査のため福井県、岐阜県に高田なほ子君、荒木正三郎君を、明年一月八日より二十三日までのうち六日間。
 静岡県、広島県、兵庫県に矢嶋三義君、高橋道男君を、明年一月八日より二十三日までのうち八日間。徳島県、高知県に岩間正男君、高良とみ君、木村守江君を明年一月八日より二十三日までのうち八日間。
 厚生委気長から社会福祉、社会保險、医療の実情及び国立公園の管理の状況等厚生施策を実地調査するため福島県、宮城県、茨城県に井上なつゑ君、藤原道子、松原一彦君を靜岡県、愛知県、三重県に山下義信君、中山壽彦君を、愛知県、三重県に長島銀藏君を明年一月十日より三十一日までのうち七日間。徳島県、香川県、愛媛県に梅津銘一君、藤森眞治君を明年一月十日より三十一日までのうち八日間。
 農林委員長から農林関係災害復旧実施状況、昭和二十六年産米供出状況、米麦統制実施状況、でん粉工業状況、農業経営及び農業協同結合の実態等実地調査のため福岡県、宮崎県に片柳眞吉君、山崎恒君、松浦定義君を、鹿児島県、大分県に、西山龜七君、二橋八次郎君、飯島連次郎君を、香川県、徳島県に池田宇右衞門君、羽生三七君、鈴木強平君を明年一月十日より十七日まで八日間。
 水産委員長から真珠養殖事業の実情調査するため、三重県に千田正君、松浦清一君、秋山俊一郎君、玉柳實君、兼岩傳一君を本月十九日から明年一月二十日までのうち四日間。
 通商産業委員長から産金対策の確立のための実地調査のため、靜岡県に、古池信三君、結城安次君、島清君、竹中七郎君を本月二十日から明年一月二十日までのうち三日間。
 運輸委員長から関西における海陸一般運輸事情調査並びに観光施設の実地調査のため、大阪府、京都府、愛知県に内村清次君、小酒井義男君、岡田信次君を本月十五日から明年一月二十日までのうち七日間。
 郵政委員長から郵便法改正後の郵便及び為替の利用状況、行政機関職員定員法改正後の郵政職員の勤務條件並びに特定局制度運営状況等を実地調査するため、石川県、富山県、福井県に岩崎正三郎君、和田博雄君を京都府、大阪府、奈良県に大島定吉君、柏木庫治君を、岡山県、広島県に城義臣君、中川幸平君を明年一月十日から三十までのうち六日間。
 電気通信委員長から電気通信事業運営状況及び電波行政に関する実地調査のため、大阪府、兵庫県、京都府に鈴木恭一君、黒川武雄君を明年一月十日から三十一日までのうち五日間。福岡県、熊本県、鹿児島県、宮崎県、大分県に尾崎行輝君、新谷寅三郎君、山田節男君を明年一月十日から三十一日までのうち九日間。
 労働委員長から労働関係法規改廃問題並びに労働行政の実情に関する調査のため、秋田県、山形県、新潟県、長野県に村尾重雄君、堀眞琴君を、長崎県、福岡県、大分県に岩男仁藏君、堀木鎌三君を明年一月十日から三十一日までのうち八日間。京都府、兵庫県に重盛壽治君、椿繁夫君を明年一月十日から三十一日までのうち七日間。
 建設委員長から河川総合開発計画特定地域の実態と北海道開発法に伴う運用並びに建設諸事業の調査のため、北海道に石川榮一君、田中一君、徳川宗敬君を、山口県、広島県、島根県に深水六郎君、三輪貞治君、小川久義君を明年一戸十日から三十一日までのうち十日間。
 経済安定委員長から国土総合開発指定域の実地調査のため、京都府、滋賀県に佐々木良作君、館哲二君、須藤五郎君を本月十七日から明年一月二十日までの五日間。熊木県、大分県、宮崎県、鹿児島県に山田佐一君、三木治朗君を本月十七日から明年一月三十日までのうち十日間。
 決算委員長から大蔵省所管旧軍用財産処分に関する昭和二十四年度批難事項、その他の調査のため、京都府、大阪府、兵庫県に仁田竹一君、常岡一郎君、石川清一君を、特別調達庁所管昭和二十四年度批難事項その他の調査のため、神奈川県、大阪府、兵庫県、奈良県に小林孝平君、カニエ邦彦君、菊田七平君を明年一月十四日から二十日まで七日間の日程を以て夫々派遣いたしたい旨の要求書が提出されました。
○議長(佐藤尚武君) 只今朗読いたしました各委員長の要求の通り、これら八十八名の議員を派遣することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて各委員長要式氷の通り議員を派遣することに決しました。
     ―――――・―――――
○議長(佐藤尚武君) 次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後八時十五分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、中小企業に対する年末金融対策に関する決議業
 一、日程第一 財閥同族支配力排除法を廃止する法律案
 一、日程第二 新聞出版用紙の割当に関する法律を廃止する法律案
 一、第七次後期造船計画金融に関する緊急質問
 一、参議院規則の一部を改正する規則案
 一、国家公務員法等の一部を改正する法律案
 一、再軍備反対平和憲法擁護に関する緊急質問
 一、二つの中国政策と我が国外交政策に関する緊急質問
 一、両院法規委員辞任の件
 一、両院法規委員の選挙
 一、常任委員長辞任の件
 一、常任委員長の選挙
 一、実地調査のため議員派遣の件