第013回国会 電気通信委員会 第22号
昭和二十七年五月二十二日(木曜日)
   午前十時四十三分開会
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  委員の異動
五月二十一日委員黒川武雄君辞任につ
き、その補欠として寺尾豊君を議長に
おいて指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     鈴木 恭一君
   理事
           尾崎 行輝君
           山田 節男君
   委員
           大島 定吉君
           寺尾  豊君
           新谷寅三郎君
          小笠原二三男君
           稻垣平太郎君
           水橋 藤作君
  国務大臣
   郵 政 大 臣
   電気通信大臣  佐藤 榮作君
  政府委員
   電波監理委員会
   副委員長    岡咲 恕一君
   電波監理長官  長谷 愼一君
   電波監理総局法
   規経済部長   野村 義男君
   電気通信大臣官
   房人事部長   山岸 重孝君
   電気通信省電気
   通信監     山下知二郎君
   電気通信省経理
   局長      横田 信夫君
   電気通信省業務
   局長      田邊  正君
   電気通信省施設
   局長      中尾 徹夫君
   電気通信省国際
   通信部長    花岡  薫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 榮一君
  説明員
   電気通信事務次
   長       靱   勉君
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  本日の会議に付した事件
○日本電信電話公社法施行法案(内閣
 送付)
○電波法の一部を改正する法律案(内
 閣送付)
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○委員長(鈴木恭一君) 只今より委員会を開会いたします。
 議事に入ります前に昨日の委員長及び理事打合会の結果を御報告いたします。昨日の委員長及び理事打合会におきまして、二十七日の公聽会の公述人といたしまして学術経験者七名、かねてお話いたしておりましたが、一橋大学教授の古川榮一君、日本銀行政策委員会委員岸喜二雄君、元満洲電信電話株式会社副総裁進藤誠一君、日本新聞協会編集部長江尻進君、日綿実業株式会社代表取締役石橋鎭雄君、全国電気通信従業員組合中央執行委員長久保等君、国鉄労働組合企画統制部長横山利秋君を御依頼することにしまして、一般公募といたしましては八名ございました。反対が一名で、あとは大体賛成のようでございます。日本通信建設株式会社常務取締役で、元華北電信電話株式会社の理事をしておられました渡邊音二郎君と、反対を表明されておりまする東北大学電気工学科実験実習指導員の太田康君を決定いたしました。公述人の一人当りの発言時間は二十分以内といたしまして二十七日に全部終りたいつもりでおります。なお昨日の打合会におきまして、当委員会に付託されております法律案、その他についての審査の日程表を一応作成して見ましたが、この件につきましては本日の議事が終りましてから各委員から御意見を承りたいと存じております。
 ではこれより本日の議事に入ります。先ず本日は日本電信電話公社法施行法案(予備審査)及び電波法の一部を改正する法律案(予備審査)につきまして政府から法律案の逐條説明をお願いいたしたいと思います。先ず日本電信電話公社法施行法案について御説明をお願いいたします。
○説明員(靱勉君) 施行法案につきまして逐條御説明を申上げます。大臣からの御説明におきまして大体の大綱は御説明いたしてあるのでございますが、結局公社法施行に伴いまして整理すべき関係法律が非常に多いのでございます。なお実施上の処置等につきまして規定いたしておるのでございますが、先ず第一條は公社の経営委員会の委員の任命の問題でございますが、施行前に法律公布後におきまして経営委員の指名ができる規定でございます。国会開会中に公社におきましては、七月一日から法律が施行になつておりますが、それ以前に国会の同意を意まして、内閣で任命することができるという規定でございます。なお又委員の任期は四年ということになつておりますが、全部が同時に交替することを避けるために、三名おられますので、二年、三年、四年というふうに、当初は任期を規定するという規定でございます。第二條の職員の引継でございますが、これは電気通信大臣が特に指名する者を除きまして、引続き公社の職員となるということを明定いたしておるのでありまして、これには、従いまして特に指定する者というのは大体におきまして監督機関に残る職員について考えておる次第でありますが、その他の職員につきましては、引続き公社の職員となる。なお恩給法、その他或いは退職手当に関する臨時措置の法律等が準用又は適用に相成ります関係もありますし、退職手当を支給しないということになつております。なお勤務の期間というものは継続して計算されるという規定でございます。第三條は権利義務の承継でございまして、公社法施行の際、現に国が有しておる権利義務は、第二條に規定する業務に関しまして、別に定めております、いわゆるそれは大体他の法文等に規定してあるのでありますが、例えば公債、借入金、或いは一般会計の繰入金等は一般会計に帰属するという規定が特に規定されておるものもございますし、又次の條項におきまして訴訟の受継というものもございますが、その他そういうものを除くのほか公社が当然これを承継するという規定でございます。第四條におきまして訴訟を受継ぐわけでございますが、臨時訴訟も行政訴訟につきましてもこれは公社がそのまま受継ぐという規定でございます。第五條の不動産に関する登記の特例でございますが、公社が政府から承継するところの不動産の数も非常に多いし、今後公社が取得するものと予定される動産も非常に多数に上りますので、他の国鉄、専売等の例にならいまして「政令で特例を設けることができる。」簡略な手続によりまして登記の手続をいたすように規定しておる次第であります。第六條から十八條までに関する主として財務会計に関係のある條文につきましては、横田政府委員から後ほど御説明を申上げることにいたしたいと存じます。
 そこで第十九條へ飛ぶわけでありますが、今回公社法乃至会社法を制定するに当りまして、現在の電気通信の基本法律というものは電信法その他の法律がまだ改正されないで残つておる次第であります。勿論電気通信省といたしましてはこれらの根本的改正をすでに進めておりまして現在法制局の審議にかかつておる次第でございますので、なおできますれば本国会において御審議をお願いいたしたいという予定にいたしておりますが、公社法、会社法の実施に当りましてそれらとの関連或いは時間的に場合によつて間に合わないというような点も考慮いたしまして、一応現行の法律を、止むを得ない條項だけを改正するというようなことによりまして、この両法案を設定いたしております。そこで十九條の電信線電話線建設條例の改正でございますが、これにつきましては電気通信省を電信電話公社に読替える必要のものもありますし、又公社としまして若干制限して行かなければならんというような問題もありまして、ここに改正をいたしております。そこで主なものとしましては、従来電気通信省としましては電信線電話線建設條例の第三條によりまして、これらの線路の建設又は公衆通信に障害がある他人のガス支管、水道、電燈線等を権利者に命じて移転させ又は障害になる植物、竹木等を切つたり移したりすることができるようになつておりますが、これらはそのまま公社にそういう特権を付与するのを改めまして、公社には單に植物、竹木の伐除、移植のみを認めた、こういうことになつております。なお電気通信省が許可するというような規定になつておりますものは当然公社に読替える場合に、これを公社が承認というような必要な最小限度の改正をいたしておる次第であります。二十條の登録税法、二十一條の印紙税法の改正は、これは他の公社の例にならいまして非課税の規定をいたしておる次第であります。二十二條の電信法の改正は只今申しました建設條例に関連することでございますが、現在この電信法が電気通信の基本法になつております。そこで第一條、これは政府が「管掌ス」というのを「管理ス」というのに改めまして、次に「公衆通信ノ用二供スル電信及電話ニ関スル業務ハ日本電信電話公社ヲシテ之ヲ行ハシム」という條文を新たに設けまして、その他は特に必要な読替え或いは若干の修正をいたして規定いたしておるわけでございます。従いましてこの改正されました電信法によりまして公社の業務、電気通信の業務が行われる、こういう形に相成るわけであります。
 次に二十三條、二十四條、二十五條等はやはり国鉄、専売等の例にならいまして、或いは非課税の規定にするというような形をとつております。尤も二十五條は別に国の機関でなくなりますので、これらの地方機関の規定を設ける必要がないので、削除いたしております。それから会計検査院法の改正は当然公社に対して会計検査院が会計検査をするということに伴う必要な読替えと申しますか、そういうような形になつております。
 それから郵便貯金法、郵便法、郵便為替法の改正、或いは電信電話料金法の改正等は、或いは郵便貯金等におきまして総額に制限あるものは国と同じように制限の除外例を認める、或いは又読替えによりまして在来と同じように国の機関と同様なことに規定する必要を認めまして、読替えをいたしたような次第であります。それから電信電話料金法の改正につきましても、これは大体読替えの規定でございます。それから訓練法の問題は、これは電気通信省でなくなりますので、これを削除するという形になつておるのであります。それから特別会計法或いは国家公務員法については、これはやはり読替えでございます。三十三條の国家公務員のための国設宿舎に関する法律の改正は、これは公社になつた場合に必要ないのでありまして、これを削除する、こういう規定でございます。その他非常に細かいいろいろな規定が三十四條、三十五條、三十六條等がございます。それから三十七條、これらは特に御説明申上げるまでもないかと存じます。三十八條も同様でございます。それから三十九條は在来の国の機関と同様な公共性を公社になつても持つておりますので、ポスターを掲示する等その他に対する制限の規定でございます。それから電波法の改正は国でなければ公衆通信のための無線局を開設できないという規定に対しまして、これを公社に読替える、こういう形のものでございます。それから四十一條は先ほどちよつと触れました退職手当の臨時措置に関する法律の改正、それから四十二條、四十三條、四十四條以下大体非常に細かい規定でございます。四十七條、四十八條等、特に御説明申上げませんが、四十九條は土地收用法の改正でございまして、日本電信電話公社が公衆通信の用に供する施設をする場合におきます土地等の使用ができるものでございます。それから五十條、五十一條いずれも大体公社によりまするところの、先ほど申しましたように読替えその他の例でございまして、又これにつきましては特に御説明いたさないでもよろしかろうと存じます。なおお手許に新旧対照表と申しますか、改正の対照表を御覧に入れておりますので、その内容は明らかなことと存じます。
○政府委員(横田信夫君) 日本電信電話公社法施行法中の財務会計に関する経過措置の條文について御説明申上げます。財務会計に関する候文は、第六條から第十八條までが大体財務会計に関するものと称してよかろうと思います。この六條に書いておりますのは、日本電信電話公社法の中に資本金は資産から負債を引いたものと、こう書いてありますが、その負債というものはどういうものであるかということを規定いたしたものでございます。この負債は「電気通信事業特別会計の借入資本の額から四億四百七十七万九千円を控除した残額並びにその時における電気通信事業特別会計の減価償却引当金及び物品価格調整引当金に相当する額」これを資産から引くと、こういうことになるわけでございますが、この借入資本の額から四億幾らというものを引くと申しますのは、実は現在の特別会計におきまして、これは昭和二十二年度か或いは二十三年度かちよつと忘れましたが、当時通信料金の、これは鉄道運賃も同様でありますが、料金の値上げを国家経済政策上一応見送ることにいたしたい、その代り政府からその赤字を繰入れるということになりまして、その代りその繰入金は無利子、無期限であるということで、繰入金が当時通信事業特別会計にたしか六十八億あつたわけでありますが、そのうちの三十四億が電信通信特別会計の繰入金として残つておるわけであります。その繰入金の中から四億なにがしというものを差引いたものをやはり借金として残して行く、この四億なにがしと申しますのは、実は特別会計から一般会計に貸しているというような、実質上貸しておるような金があるものでありますから、それを差引いたのでありますが、その貸しておる金と申しますのは、一部は対外通信の料金におきまして外国為替委員会のほうから頂くべき金があるわけであります。それと警察通信の料金を未收のまま、どうしても一般会計で払えなくてそのまま残つておるものがある、これを差引きまして、それを借金とその等価において棒引にいたした、こういうことでございます。そのほか減価償却引当金と物品価格調整引当金、これは引当金勘定でありますので、この資産から引く場合に、これは当然引くのだというので、これを引くことにいたした、こういうことでございます。
 次に「財産の引継」の條文が第七條でありますが、これは公社が成立すると共に資産並びに負債を引継ぐ、こういうことを規定いたしたわけであります。公債、借入金、繰入金というものについては次のほうに詳細が書いてありますが、要するに積極財産、消極財産を引継ぐ、こういうことでございます。
 第八條に書いてありますのは、「公債及び借入金等の処理」であります。第七條で資産も負債も引継ぐことになつておるわけでありますが、公債、借入金については、実は政府の公債、借入金は大蔵省で一団経理する。いわゆる償還期限の問題、利子の問題、借り替えの問題というようなところにおきまして、これは大蔵財務当局において一団経理するということが必要でありますので、これは公債、借入金をそのまま公社に引継ぐことにいたしますことは不便がありますが、一応公債借入金といたしましては一般会計にそのまま残しておきまして、それと同額の金を今度は公社が一般会計から借りる。利子は公社から一般会計に支払う、政府に支払う。こういうことにいたしまして、実質上はそれだけの債務を公社が引継ぐ。併し公債、借入金としてはそのまま政府に残しまして、政府は一団経理して行くことができるようにいたして行こう、こういう規定が第八條の規定であります。
 次に一般会計からの繰入金の処理、これは第九條に規定いたしておりますが、これは先ほど申上げましたように、当時の料金値上を政府の政策上抑えまして、その代り一般会計から特別会計に繰入れましたその繰入金をどうするかということを、ここに改めて詳細に規定いたしたわけでありまして、先ほど申上げたと同じことであります。即ちその繰入金も一応一般会計にそのまま残すけれども、繰入金は一般会計に対して公社がこれを無利子、無期限という形においてやはり借りて行く、併し無期限と申しながら、これはやはり将来予算の定めるところによつて償還する。現在でも特別会計と一般会計との間におきましては、これを予算の定めるところによつて償還することになつております。同様な條件におきましてこれを公社が引継いで行こう、こういうことであります。但しその金額において一般会計に対する債権になつておる四億四百万円は、これを等価において棒引をいたす、こういうことにいたしておるわけであります。次に財産の交換であります。第十條の財産の交換と申しますのは、電気通信事業特別会計ができました当時、この財産につきまして特別会計に属しておるものが一部機構の変更によりまして、一般行政官庁に貸されたものが相当あるわけであります。例えば電気試験所というものが電気通信の研究所とそれから一般の電力、強電の研究所とあるわけでありまして、強電の研究所は一般の行政官庁に移りまして、そのままその特別会計の財産を使つておる。そういう意味で相当あるわけであります。逆に特別会計のほうにおきまして、旧軍事施設を相当借用して使つておるものがあるわけであります。その両方の国有財産を、本法施行のとき両方使用いたしておるものを等価において交換して行く、等価以外に残つたものは貸借関係がその後も起きるわけでありますが一応綺麗にする意味におきまして、財産を等価において交換して行こう、こういうことが規定いたされておるわけであります。
 土地建物等の無償貸付が十一條に規定されておりますが、これは電気通信事業特別会計と郵政事業特別会計が分離いたしますときに、従来一本でありました関係上、例えば現場におきます郵便局というものを、理論的に言いますと分割すべきであるという問題が起つたわけでありますが、これは財産管理上も問題でありますので、郵便局一切挙げて郵政特別会計に所有を移して、その代りにその同じ庁舎については無償で使用して行くという関係が成立いたしておつたわけであります。これはそのままの関係を持続いたして行こう、逆にそのほか電気通信事業特別会計の所属になつた財産につきましても、これは同じく無償の原則でやつて来ておるわけであります。この電気通信事業特別会計に属しておる財産につきましては、これが公社に移りまして後も、これは同じ原則になるわけであります。これは公社のほうから無償貸付するということは法律上の規定の根拠なくしてできることであります。国の財産のほうの、郵政のほうからの無償貸付の根拠規定だけを置いておけばいいわけでありまして、それがここに置かれておるわけであります。
 次に十二條、十三條、十四條、十五條、十六條までが二十七年度内における予算、決算に関する経過措置の規定であります。この二十七年度におきまして、本法が若し成立いたしますとするならば、七月一日から公社ができるということになるわけでありますが、これが年度途中であります。従いまして、この二十七年度の通信事業特別会計について、いわゆる通信事業の経営についての必要な予算につきましては、すでに御承認を得ておるわけであります。で、その後御討議願いまして、御承認願いましたこの予算を、実質上公社が引継いでやつて行けるようにということの経過規定であります。勿論公社というものになりますならば、これは公企業体でありましてこれは、国とは別の企業体で、国の政府機関予算でなくして、政府関係機関予算であります。従いまして、直接憲法上のいわゆる予算ではなくなるわけでありますが、実質的におきましては、この国会の御承認を得ました予算を継続してやつて行くということが妥当だろうということに相成りますので、実質的には引継いで行くということを規定いたしておるわけであります。同時に又本年度の、二十七年度の予算並びに決算のやり方につきましては、年度途中でありますので、この従来の特別会計法、財政法、会計法、これの準用を受けてやつて行くことが本年度中は妥当であろうというので、本年度内におきましては、この特別会計法、財政法、会計法の規定を準用いたして、この規定の例によつて執行して行くということを定めたわけであります。即ちこの第十二條の第一項に書いてありますのは、この二十七年度間に関する限り、公社法の本文に書いてあるあの企業体としての特別原則を予算の手続内容については適用しない。で、その予算の内容としましては、二十七年度分の通信事業特別会計の予算のうち、六月三十日までに執行されなかつた、これは六月三十日までは政府の特別会計において執行いたしまするわけでありますから、その執行されなかつた部分に準ずる二十七年度の予算を作成して内閣に提出し、その承認を経なければならんということを規定いたしたわけであります。この二十七年六月三十日までのものの決算は約二カ月かかりますが、これを明らかにいたしましてその後の問題はこれを引継いで行くと、その間必要ならば暫定的に内閣の承認を得てやつて行くということも必要であろうかと考えられるわけであります。十三條はこの二十七年度内の、先ほど申しましたように二十七年度内につきましてはその執行上、特別会計法、財政法、会計法の規定に準拠してやつて行くということを規定いたしたものであります。
 第十四條は、かくのごとくして、一応実質上承継いたして行きますが、なお二十七年度内において修正、追加予算の必要がある場合は、この追加予算を提出してやつて行つてよろしい。この場合は、やはり特別会計法、会計法、財政法の規定に準拠して手続をやつて行く、ただ、手続において変つて参りますのは、主務大臣としての郵政大臣を経由する、こういうことだけが変つて来るのでありまして、その点を明らかにいたしたわけであります。十五條におきましては、今の修正予算についての規定でありますが、これは十四條の追加予算と同様の趣旨であります。十六條は二十七年度の歳入歳出決定計算書を作成して、郵政大臣を経てということを明らかにいたしたわけであります。十七條は、電気通信事業特別会計の残務の処理、二十六年度の決算は、なお国会においても手続が全部済んでおりません。それも実質上公社に移しましてからも、公社においてその事務の処理をいたして行くほうが妥当だろうというので、公社に移しましても、特別会計の残務を公社が引受けてやつて行こう、二十七年度も同様であります。
 それから次に十八條は、資産の価額の改定の問題であります。これは即ち再評価の問題であります。通信事業特別会計におきましての固定資産の再評価はまだできておりませんが、これをできるだけ早くやつて行くということは今後において必要なことだろうと考えます。併し何分に厖大な設備でありますし、全国に亘るものでありますので、二十九年度末までにやつて行こうということを明らかにいたしたわけであります。内容の概要につきまして残務会計に関する経過規定の概要を御説明申上げました。
○委員長(鈴木恭一君) 次に電波法の一部を改正する法律案につきまして御説明を求めます。
○政府委員(岡咲恕一君) 電波法の一部を改正する法律案の大要につきまして逐條御説明申上げたいと存じます。先ず初めに、国際民間航空條約関係の改正につきまして御説明を申上げます。該当條文は第六條、第十三條、第二十七條、第三十六條の二、第二十七條、第三十九條、第四十條、第五十二條、第七十條の二、第七十條の六、第八十三條、第百五條、第百六條及び第百十二條でございます。
 先ず第六條の規定について御説明申上げます。航空機局の免許申請書に添付する事項書に電波局の免許申請の場合に準じまして、一般の記載事項のほか、その航空機の所有者、定置場、登録記号等を、航空機局の免許の審査上必要な事項も併せて記載させようとする改正でございます。
 次に第十三條でございまするが、航空法第六十條によりまして、無線設備の施設を強制される航空機局の免許の有効期間は、船舶安全法第四條の規定によりまして、無線電信の備付を強制される船舶局の場合と同様に、無期限といたしまして、設備が強制されるという点で均衡を図ろうとする改正でございます。
 次に第二十七條でございます。外国におきまして取得した航空機を日本へ廻航する場合等におきまして、その航空機局について、船舶局の場合と同様に、簡易な手続による免許の特例を定めようとする改正でございます。次に第三十六條の二でございますが、航空法第六十條の規定によりまして無線設備の設置を強制される航空機に備付けられる無線機には、電波監理委員会規則で定める性能を有するものとするとする改正でございます。航空機における無線設備は、船舶の場合より遥かに航空機の運航と切離せないものであり、その上非常に複雑な技術規定を必要といたしまするが故に電波監理委員会規則に委任しようとするものでございます。
 次に第三十七條でございます。航空機に備付ける無線設備のうち、特定のものは、その型式について電波監理委員会の行う型式検定に合格したものでなければ施設してはならないものとする改正であります。航空庁の行う滞空証明、通商産業省の行う型式承認と電波法における型式検定とは同一物に対する異なつた行政機能による監理でありまして、三者の話合によりまして重複や矛盾を来ざないよう配慮いたす考えであります。
 次に三十九條でございます。航空機が航行中であるために無線従事者の欠員を補充することができないときは、船舶の場合と同様に無線従事者の免許を受けたものでなくても無線設備の操作が行えるようにする改正でございます。次に第四十條でございます。無線従事者の資格と従事範囲とに関しまして次のような改正を行おうとするものでございます。即ち第一級無線通信士及び第二級無線通信士は航空機の無線設備の操作もできるものとし、航空級無線通信士の資格を新たに設け聽守員級無線通信士の資格を廃止し、右のほか無線従事者の従事範囲につきまして実状に応ずるように若干の改正を行うものでございます。
 次に第五十條でございます。国際航空の用に供する航空機の無線局には航空機通信長の制度を設けることにいたしまして、その資格要件として通信長となる前航空機の無線通信士として一定期間乗務した経歴を有する者であるものとするように改正するものであります。次に第五十二條でございますが、遭難通信、緊急通信、安全通信の定義は船舶に関して定められておりまするが、航空機に関する場合も含めるものとするように改正するものでございます。
 次に第七十條の二でございます。海岸局は航空機局から自局の運用に妨害を受けたときにも船舶局の場合と同様妨害している航空機局に対してその妨害を除去するために必要な措置を求めることができるものとする改正でございます。航空機局は海上移動業務用の周波数を使用して、海岸局又は船舶局と交信できることになつておりますので、海岸局の通信に妨害を及ぼす場合があるからでございます。次に第七十條の三から第七十條の六までの規定でございますが、これは航空局及び航空機局の運用手続につきまして海岸局及び船舶局の場合に準じまして所要の事項を規定する改正でございます。航空局の航空機局に対する通信指揮権の規定、航空局及び航空機局の運用義務の規定、航空局及び航空機局の聽守義務の規定、航空機局の通信連絡の規定その他海岸局及び船舶局の運用規定等を準用する規定であります。
 次に第八十三條でございます。電波監理委員会規則を制定するに際しまして聽聞を行わなければならない事項に航空無線に関する重要なものをこれに追加規定するものでございます。
 次に第百五條、第百六條及び第百十二條でございまするが、これは罰則に関するものでございまして航空無線関係のものを追加規定するものでございます。次に海上人命安全條約改正について御廟明申上げます。該当條文は第十三條、第三十三條乃至第三十六條、第六十三條、第六十五條、第九十九條の十一及び附則でございます。第十三條は、船舶局の免許の有効期間が無期限であるものは船舶安全法第四條の船舶及び漁船の操業区域の制限に関する政令第五條の漁船の船舶無線電信局に限られておりまするが、その範囲を拡げまして船舶無線電話局にも及ぼすこととし、上記の政令はすでに廃止されておりますので、これを削除しようとするものでございます。次に第三十三條でございまするが、これは義務船舶局であつて、船舶無線電信局であるものの通信量と航海船橋との間に、直通であつて、且つ同時に送受話できる連絡設備を設けなければならないものとする改正でございます。義務船舶局であつて船舶無線電話局であるものの連絡設備は一般の船舶局同様のもので十分でございます。次に第三十四條でございまするが、これは義務船舶局の無線電信は、受信に際し外部の機械的雑音その他の雑音による妨害を受けない場所でありまして、できる限り安全を確保することができるような高い場所に設けられなければならないものとする改正でございます。無線電信の機能を発揮するためには受信妨害のないことが大切であり、船体の安全を脅さない限り成るべく高い場所に設置されることが望ましいからでございます。三百トン未満の漁船にこれを要求することはその構造上無理がありますので、これを緩和することになつております。なお義務船舶局の無線電話であつて船舶安全法第四條第二項の規定により無線電信に代えたものは船舶の上部に設けなければならないものとしたのでございます。次に第三十四條の二でございまするが、義務船舶局の無線電信の主送信設備は五百キロ・サイクルの周波数において晝間二百八十キロ・メートル以上の有効通達距離を持つものでなければならないものとする改正でございます。但し三百トン未満の漁船につきましては通達距離の特例を定めることができるものといたしております。規定の仕方としては、空中線、電波及び受信設備等とともにすべて電波監理委員会規則で定めることといたしたのでございます。
 次に第三十五條でございます。三百トン未満の漁船の船舶無線電信局を除く義務船舶局の無線電信には電波監理委員会規則で定める條件に適合する補助装置を備えなければならないものとする改正でございます。
 次に第三十五條の二でございますが、義務船舶局の無線電話の送信設備は二千百八十二キロ・サイクルの周波数において晝間二百八十キロ・メートル以上の有効通達距離を持つものでなければならないものとする改正でございます。規定の仕方としましては、その他の條件とともに電波監理委員会規則で定めることといたしております。
 次に第三十六條でございますが、船舶安全法第二條の規定により船舶に備える発動機附救命艇に装置しなければならない無線電信の送信設備は、五百キロ・サイクルの周波数において晝間五十キロ・メートル以上の有効通達距離を持たなければならないものとする改正でございます。その他の條件につきましては、電波監理委員会規則で規定することといたしております。
 次に第六十三條でございますが、総トン数千六百トン未満五百トン以上の貨物船であつて国際航海に従事するものの船舶無線通信局のうち、交通通信業務を取扱わないものを第三種局甲とし、第三種局甲と義務船舶局であつて船舶安全法第四條第二項の規定により無線電話を以て無線電信に代えたものは、その船舶の航行中は一日四時間運用義務あるものとし、この時間の時間割は電波監理委員会規則でもつて定めることといたしております。
 次に第六十五條でございます。五百キロ・サイクルの周波数の指定を受けている第一種局及び第二種局は常時、五百キロ・サイクルの周波数の指定を受けている海岸局及び船舶無線電信局は、その運用義務時間中、五百キロ・サイクルの周波数で聽守しなければならないものとし、この聽守は第二種局甲は一日十六時間、第二種局乙にあつては一日八時間以外の時間は型式検定に合格した警急自動受信機によつて行うことができるものとする改正でございます。又運用義務時間中の第一沈黙時聞を除くほか、現に通信を行なつている場合は、聽守を中絶してもよいが、その場合は警急自動受信機を備えているときは、それを動作させておかなければならないものとするものでございます。
 次に第九十九條の十一でございますが、電波監理委員会規則を制定するに際し、聽聞を行わなければならない事項に、海上人金安全條約関係の改正で追加されるものを加える改正でございます。次に附則の1でございまするが、これはこの改正法律の施行期日は、公布の日から施行されるものと、海上へ命安全條約関係の改正規定のように、昭和二十七年十一月十九日から施行されるものとに分けまして、これを附則に規定いたしております。附則の2は、今回の改正で削除されました聽守員級無線通信士につきまして、その免許の有効期間内は、なお従事できるものといたしたのでございます。
 次に国際民間航空條約及び海上人命安全條約関係以外で改正するものについて申上げます。
 これは第五條でございます。無線局の免許の欠格事由につきまして現行の電波法又は放送法に違反して処罰を受け、又は無線局の免許の取消を受けた者は、絶対に欠格であるように規定されておりまするが、これを改めまして、相対的な欠格事由といたすものでございます。その理由は、複数の無線局の免許を持つ者が免許の申請をする場合、又は後にこの條項に該当するに至つた場合には、全部の免許が取消されることになることを防止しようとする改正でございます。次に第百三條の二でございます。平和條約の発効に伴い、我が国は独立の主権国として国際社合本に複帰することになりまするので、外国の船舶又は航空機に開設した無線局を、日本の無線局並みに取扱うように改正するものでございます。簡單でございまするが、以上を以て要項の説明を終りたいと存じます。
○委員長(鈴木恭一君) 以上で本委員会に付託されました法律案に対する逐條説明は終つたのでありまするが、この際総括質問をいたしましようか、如何でございましようか。
○小笠原二三男君 その前に私大変浅学非才を暴露するようなものでございますが、今の電波法の一部改正に関する法律案の説明を聞いても何もわからない、どこを何を説明したのか全然わからない、私も気を付けてこの法案を見ておりましたが、次は何條、次は何條というのが、全然わからんのですが、何か新旧対照表だり何だりで内容を読んで、内容に触れて説明してもらわないと、ただ理由だけを列挙されて、原稿を読んで、そつちはそつちで説明され、こつちはこつちで探して歩いて廻わるということでは一向に頭に入らんのですが、私はどうも皆さんはもうすつかりわかつたかも知れませんが、私はわからんのですが、何とかわかるように説明して頂ける方法はないのですかね、委員長はもう御了解になつておりますか。
○委員長(鈴木恭一君) お答えいたします。一応ですね、この法案の逐條説明はされてはありますが、要するに今度の航空法……海上人命救護法ですか、安全條約に伴つて改定しなければならんものと、特別に改正される一、二の点、これが骨子になつてこの法案が改正されるものと了解はできるのでありますが、恐らく小笠原委員といたしましては、従来電波法のことについ―ては御知識がないと一応失礼ですが考えられる。
○小笠原二三男君 いやその通り。
○委員長(鈴木恭一君) そこでこれは資料ということになるかも知れませんが、各條と申しますか、この改正法の逐條に対してその根本となるべき法律との関係を説明の書類にして御提出願つたら如何でございましようか。
○小笠原二三男君 これでさつき一生懸命本文を見て追つ駈けて歩いたのですが、わからんのです。私だけわからんわからんと一言つてもつまらんことですから、只今のこの電波法の部分についてだけは 一回聞いただけではわかりませんので、この速記録ができたら対照して見せて頂くだけの余裕を与えて頂きたいと思います。
○委員長(鈴木恭一君) 別にお手許に差上げた審査予定でも、電波法は一番しまいのほうに持つて行つておるのでありまして、恐らくそれまでには速記録も出て来ると思います。小笠原君の申されましたこと了承いたしました。
○新谷寅三郎君 資料の要求ですが、岡咲副委員長の御説明の中に、例えばこの適用範囲なんかを省令にしたり、それから電波監理委員会の規則に譲つたりという問題が相当あつたのですが、その適用範囲とか、そういつたものは数字が入りますから細かい問題だというようにお考えになるかも知れませんが、これは変ると非常に困る、これは重大な問題になつて来るわけであります。従つてこの問題の審議をするに当つて、今御説明に現われたような事柄、或いはそれに触れてなくても、ここに郵政省令できめる、或いは規則できめるというような規定に関連して、この政令以下に任せられる事柄の内容の大綱を書類にして出して頂きます。
○政府委員(岡咲恕一君) 只今新谷委員から御要求のありました書類は、早速整備いたしまして御参考にお届け申上げたいと思います。
○委員長(鈴木恭一君) なお小笠原委員から言われました点について何か御意見ございませんか。
○政府委員(岡咲恕一君) 新旧対象は資料に作りましてお届け申しておるはずでございますが、今度の改正は大体條約の線に沿いまして法律を改正するものでございまして、或いは御希望によりましては條約の趣旨、それを御説明申上げれば今度の改正の内容は比較的簡單に御了解頂けるのではないかと思います。適当な機会に法経部長からその点で御説明申上げたいと考えております。
○委員長(鈴木恭一君) 小笠原委員如何いたしましようか。
○小笠原二三男君 私は結構です。趣旨は議員は専門家じやないのですから、だから常識的にも我々にもわかるように説明されるのが親切なので、わからせなければ法案については私は審査をすることを放棄する以外にないということを、その点を申上げておるのでして、専門的な委員会だとは私考えませんから、是非私を通して国民一般にもわかるような説明が欲しい。それだけなんです。
○委員長(鈴木恭一君) それでは簡單に要領を御報告願います。
○政府委員(野村義男君) 先ほど副委員長から申上げました電波法の改正は、提案理由の際に申上げておりますように、海上人命安全條約に加入するための改正と、航空條約に加入をする或いはそれを施行するための改正と、もう一つは電波法制定以来の実績に鑑みましてどうしても改正をしたほうがいい、こういうような三つの観点から規定をしておるわけでございます。それにつきまして、今副委員長から申上げたのは、その事項別に申上げたので、條文が飛び飛びであつてフオローするのに多少御困難を感ずる、こういうふうにも思われますので、先ほどの例に倣いまして逐條に簡單に申上げて見たいと思います。
 逐條のなかで問題は見出のところはとにかくとしまして、三の「航空法第百二十七條但書の許可を受けて本邦内の各地間の航空の用に供される航空機の無線局」、こういう字が入つておりますが、現在この日本国内で外国の無線局というものは使えない建前になつております。ところで航空法第百二十七條では外国航空機が或る程度日本国内で航空庁の許可を受ければ使える場合があるということを書いておりますが、そういう場合には、外国の航空機も国内を飛んでもいい。丁度船舶安全法で外国船舶が沿岸航海をする場合においては外国船であつても船舶は航航行の用に供してもよければ、その上に乗つておる無線局を使つてもいい、こういうことになつておりますので、それを改正するわけであります。その次の三のところで、「左の各号の一に該当する者には、無線局の免許を与えないことができる。」第五條の改正でございますが、これは現在ではここの一、二に書いてありますような犯罪を犯した者とか、取消処分を受けた者とかいう者はすべて免許を受ける資格がない、こういうことになつているのでありますが、これはややその実績に見まするというと行き過ぎでありまして、例えば一つの会社で二十なり三十なりの無線局を持つておる、その中の一つのものがたまたまこの違反事項を犯したために、法律の上では全面的にその者が免許を取消さなければならない、こういうことになるのでは、やや行政の行き過ぎのように考えられまするので、そういう場合には情状その他を見て「免許を与えないことができる。」、こういうふうに改正しようとするものであります。それから第六條の第三項というのは、これは現在この船舶無線電信局、船舶無線電話局とありますが、そのほかにレーダーとか、その他航行援助用の局もありますので、船舶無線電信局、船舶無線電話局という定義だけでは掴み方が困るので、広く船舶局、こういうものに変えるつもりであります。第六條は、これは航空機関係の規定でありまして、航空機について無線局の免許を受ける場合において何と何を申請書に書かなければならないか、これは航空法と体裁を合せまして、そういうような改正をするつもりでございます。その次の第十三條第二項というのは、現在漁業につきまして、占領下時代にマツカーサー・ラインというものがありまして、このマツカーサー・ラインを越えた場合においては、正午時通報といつて無線通信を以て漁船が水産庁その他に船舶の位置を通報しなければならない、こういう政令が出ておつたのでありまするが、これは先頃の関連法令におきましてその政令を廃止しましたので、その政令の文句を消すということでございます。もう一つはそれにつきまして航空機の無線局というものが出て参りますので、航空機の無線局をその中に入れる。これはいずれも船舶局の免許の有効期間の、或いは航空局の免許の有効期間のことでございますが、元来船舶局なり或いは無線局の免許というのは一定の期間を以て、つまり五年、三年というような期間を以て許しているのでありますが、このような法律或いは従来の政令のようなもので無線局の設備を強制しているものについて免許の有効期間をつけるのはどうかというようなことで、免許の有効期間を外しておるわけでありますが、そういうものをこの際外すということで、実際的な変りは航空機の無線局の有効期間を定めない、こういうことにいたす改正でございます。
 それからその次の第二十七條というのは、船舶その他を外国で取得した場合におきまして、日本へ回航する場合においては、電波監理委員会から直接に免許するわけに行きませんので、簡易な形で免許をするということになつておりますが、航空機についても同じようなことが言えるので、回航中は簡易な形で免許をして、目的地に来てから正当な免許をする、こういうようなやり方になるのでありますが、そういうことについて航空機を加える、こういうことであります。
 それから第三十三條は船舶安全法に基きまして船内の無線電信局が船のブリツジその他の間において適当な通信連絡の機関を持たなければならぬ。船長の命令を伝える、或いは航行の安全に対する資料を伝えるために命令系統がなければならぬ。これは現在でもあるのでありますが、今度安全條約によりまして、それは音声その他を同時に受け、且つ送るような設備、英語のほうでツー・エー・システムと申しておりますが、このツー・エー・システムを持たなければならぬ。こういうことになりましたので、この改正を加えるわけであります。それからその次の三十三條の二というのは、これは安全條約関係でありまして、船舶の無線電信の位置は外部的な雑音を受けないような所に置いてもらいたい。できるだけ安全な位置に置いて壊れないように、或いは損傷を受けたりして、必要な場合に使えないことがあつては困るので、そういうような位置をどこに置くかということをきめたものであります。安全條約に基いた改正でございます。それからその次の第二項は、或るトン数、千六百トン以下五百トン以上の貨物船は無線電信に代えて無線電話を附けていいということになつておるのでありますが、その位置は成るべく高い所に置いてもらいたい、こういうことであります。
 それからその次は三十四條でございますが、これは船舶の主送信の有効通達距離というものをきめてありますのですが、このような有効通達距離その他は非常に技術的なことでもありますので、殊に先ほど新谷委員等も御発言があつたのでありますが、安全條約の中ではつきり数もきめられておるし、技術的なものが多いということの関係で、一応その有効通達距離という文句だけを出して、内容は郵政省令に譲ろうという考え方でございます。これは一つには航空機の関係で、航空機の関係は船のごとく單純ではないので、航路によつて、飛行機によつていろいろ通達距離その他各種のきめ方をしなければならん非常に技術的なものになりますので、航空機についてもこういうような規定を省令できめよう、こういうような立て方に変えたわけであります。その均衡上の関係からも三十四條でおきめになつておりますことを委任命令に移そう、こういうことでございます。その次の三十五條につきましても同様でございまして、これは補助設備でございますが、補助設備についても海上安全條約等に詳しい規定をしておるのでございまして、これについても今申上げました技術的な條件が非常に多いのと、他との権衡上考えて、三十五條の設備についても設備の内容は委任命令できめる、こういうふうに改正をする、こういうつもりのものであります。同様に三十五條の二も先ほど申上げました或るトン数の船については無線電信に代えて無線電話をつけていいと、こういうことになつておりますが、それについても有効通達距離を省令に譲ろう、こういうつもりであります。同じくその次の三十六條も、船舶安全法によりまし、船は発動機附の救命艇を持つておらなければならん、こういうことになつておるのでありますが、その救命艇の中に更に有効な無線設備を持つていなければならんということを書いたのであります。その無線設備をどのような條件のものをつけるかということを委員会規則或いは郵政省令できめよう、こういうつもりであります。三十六條の二は先ほど申上げました航空機、法律の規定に従つて義務として無線電信局をつけなければならん、それの有効通達距離はやはり委員会規則できめる、こういうことを書いておるわけであります。その次の三十七條は、船舶に新たに備え付けなければならない救命艇の携帯無線電信、航空機に施設する無線設備の機器とかいうものについては、保安上の見地から、その他通信の法律上の見地から一般のものを付けられても困るわけであります。この運用につきましては、あらかじめ電波監理委員会の検定を受ける、こういうことに変えるわけであります。
 その次三十九條以下暫らくは無線通信の従事者のことでありますが、三十九條の中で無線局の設備を運用するためには、一定の資格を持つた従事者でなければならん。けれども何か航海の途中で適当な従事者の得られない突発事情が起つた場合においては、資格のない者を使うこともこれ又止むを得ないということになつておりまするのを、今は船舶だけがそうなつておるのでありますが、航空機を入れるについてそういうことに改める、こういうことであります。それから四十條以下の航空従事者の無線通信士の規定は非常に細かいのでありまして、概略だけ申上げますが、第一級通信士はこれもはつきりこの航空の通信が、或いは設備の操作ができるということを入れますのと、その他航空用の無線局の運用ができるということを書いたわけであります。それからその中で主とした改正は、新しく航空無線通信士というこれは特殊なカテゴリイでありまして、従来の第三級の無線通信士と、電話或いは船舶、漁船等を主としたものでは十分ではないので、新たに航空無線通信士というものを設けることといたしました。それから現在聽守義務というのがありまして、船舶で專ら海上安全の見地から或る特定の時間ウオツチをする場合において、一級、二級、三級というような十分な資格を持つた者でなく、そういう遭難信号等だけをウオツチするための者を主として他の乗組員がやつておるのでありますが、そのウオツチヤー、聽守員という制度がありましたが、今度の安全條約の結果そういうものがなくなりましたのでこれを削る。併しこれは今有効期間の免状を持つておりますので、免状期間だけはそういうふうな作業をしてもよろしい、こういうことに改めるわけであります。以上申上げましたのは、四十條の表、四十條というところは全部その関係であります。
 それから五十條はこれは船舶その他で通信局或いは無線電信局の長として仕事に従事されることを書いておるのでありますが、今度航空機の関係を書きますので、航空機の長として乗り込むための資格を書いてあるわけでありますが、その中で一定の時間をそこに書いてありますのは、五十時間以上の通信実務を持つた者でなければならぬ、五十時間というのは大体日米間の航空往復時間を標準としたのでありますが、そういう滞空経験を持つておらなければならぬというようなことに変えるわけであります。五十二條の改正は、無線局の目的外の使用禁止ということを書いておるのでありますが、無線局は免許状に従つて運用しなければならぬが、或る特定の場合即ち遭難通信とか緊急通信、安全通信とかいうような特殊な通信については、その場合においては免許状の範囲を超えて運用することも止むを得ないということになつておりますが、それについて、航空機についても同様なことが言えるので、航空機を入れる、こういうことでございます。その次は六十三條でありますが、今度海上安全條約の結果、千六百未満五百トン以上の旅客船が無線局を付けなければならないことになつておりますので、そういうものについても一定の時間を運用しなければならない、こういうふうにするために六十三條の下に第三種局甲というものを加えたわけでございます。それらの六十三條の二項で、或いは十六時間が八時間、第三種局については四時間、こういうような時間を運用する。時間割は如何なる時間にやるか、合計は四時間であるが、如何なる時間を取るかということは、委員会規則或いは郵政省令できめる、こういうようなことにしておりますのでございます。
 その次は六十五條でございますが、これは現在は遭難通信その他のために第一種局で緊急通信、遭難通信がよく行われる所は五百キロ・サイクルで常時聞いてやらなければならぬ。第二種は或る一定の時間聞かなければならぬことになつておりますが、今度安全條約の改正によりまして、第一種、第二種に当るような局は常時五百キロ・サイクルで聞いておらなければならぬ、こういうことになりましたので、それに基いた改正を加えるわけであります。ただ新たに従来三千トン以下の旅客船或いは五千五百トン未満の貨物船については常時ウオツチの義務がなかつたのでありますが、今度は新たにこれも安全條約の結果常時ウオツチを課される、こういうことになりますので、それにつきまして現在では或る程度ウオツチヤーその他等で行えるようになつておるのでありますが、今度も或る程度は警急自動受信機を使つてウオツチをしてもよいというふうに改正をしようというような点が狙いであります。それから次の第六十三條は三項、四項というふうに、及び第六十五條二、三、四、六項というように各種書いてございますが、今申上げましたような新らしい義務を生じた船舶のカテコリーに応じて五百キロ・サイクルの聽守時間を殖やし或いはその時間割を定め、場合によつては警急自動受信機をどうこうするということを主として書いてあるのでございます。
 第三節、第七十條の航空機局の運用というのは、先ほど申上げました電波法の中にはなかつた。航空局というのは地上にあつて飛行機と通信をする局、航空機局というのは航空機の中にある無線局でありますが、そういうものの通信関係を規定した大体船舶と同じような概念から第三節を書いてございます。これは先ほど副委員長から申上げたことで十分だと存じております。それから第七十條の六は、先ほど申上げました航空機につきましては船舶関係の規定を準用する、第七十條の六項が主として航空局の関係でございます。「第七十五條中「第五條」を「第五條第一項及び第二項」に改める。」と書いてございますが、これは先ほど申上げました第五條の失格事由、即ち免許になり得ない欠格事由、免許になり得ないものの範囲を絶対的なものから相対的なものに直しましたので、その関係で第五條第一項、第二項の場合については取消さなければならない、こういうふうに変えて第三項の場合には任意なものであるということを明らかにしたわけであります。第七十六條の第二項は今申上げました任意的な絶対的から相対的に変つたことに関する免許の取消に関する改正でございます。第七十六條に一項を加えてございますが、先ほど申上げました第五條第三項の関係で免許を受けたものが持つている局の他の無線局の免許も取消すことができるというような地位を書いたものであります。八十三條第一項というのは、八十三條は聽聞の規定でありますが、電波監理委員会がいろいろな規則を作るためには聽聞を経なければならないということになつておりますので、今度新らしく航空機に対していろいろ規則を作るということになつておりますので、それについて聽聞を経なければならん、こういうことになつているわけであります。その次の九十九條の十一というのは、これは現在電波法にはないのでありますが、これは船舶関係の規則を作るための聽聞関係の規定でございます。これは行政機構の改正の結果、郵政省設置法ですか、これの一部改正の法律の中で電波法を改正しまして、電波法の聽聞に関する規定を改正して、聽聞の機関の形を審議会等に変えるわけでございますが、それは七月一日から九十九條という形に直る電波法の中に一章長い章が入りまして、九十九條の十一というのができまして、その中に電波法関係の規則で聽聞を経なければならない規則が列挙してございます。これはこの法律ができると七月一日には九十九條の十一というものになりますので、こういう規定が必要なのであります。ということは、この船舶関係のやつは本年の十一月十九日、即ち海上事務安全保障條約というものが現在政府側で国会の御承認を経て閣議の手続を進めておりますが、その効力が発生するのが本年の十一月十九日である。で、この電波法改正の中にも船舶に関する、規定の部分は本年の十一月十九日に発効をする、従つてその発効したときにおいては電波法の八十三條というものはなくなつているので、九十九條の十一というふうに変形しておりますから、九十九條の十一に直すというような形にしております。これに反して前條の八十三條の航空機関係は、これは平和條約の関係その他で月下他の委員会で航空法を御審議中でございますが、これは公布の日から施行するということになつております。従つて八十三條その他航空機関係の規定は公布の日から施行する、こういうふうになつておりますので、それに平仄を合せて八十三條は即日公布、船舶関係の九十九條の聽聞関係の規定は十一月十九日発効、こういうふうな点から非常にわかりにくいような形になつておるわけであります。その次の百三條の二というのは、外国船舶或いは航空機に開設した外国の無線局の地位を書いたものでありまして、電波法制定当時においては外国船舶の地位をどうするのかということは当時の無線電信法第五條に書いてあつたのでありますが、当時外国船その他に法権が及ばない関係があつて、全然この外国船舶の日本領海内における地位というものを書いてございません。それを今度平和回復と共に、そういう主権国になつて日本領海内におけるところの船舶或いは航空機に日本の法権が及ぶようになつたので、百三條によりまして外国船舶の地位を書いた、こういうことでございます。あとはこの百五條、百六條、百十三條、その他は罰則でありまして遭難通信を、虚偽の遭難通信を発したらどうなるか、これは航空機の関係を加えて航空機について同様なことが言えるわけでありまして、それを加えたというわけでございます。これは電波法制定当時におきましては、日本は飛行機を飛ばすことができない、その関係で航空機に関する規定一切電波法に入つていないのを、今度改めて各章に航空機というものを入れることになりました。その結果罰則についてもいろいろ改正をしなければならん。主として航空機関係の罰則を改正するわけであります。附則の一は、先ほど申上げました航空機関係は即日施行、その他の部分については海上事務安全保障條約の発効の日から、即ち十一月十九日から施行する、そういうことになつております。第二項につきましては、先ほど申上げました聽守オペレイターの過渡的な措置を書いたものであります。大体以上であります。
○委員長(鈴木恭君) 大臣がお見えになりましたので、公社法並びに会社法につきまして、総括的な御質問がございましたならば、この際お願いいたします。
○小笠原二三男君 この電波法の関係ですが、即ち郵政省設置法の一部改正に関係する関係法案の整理ですか、関係法律の整理案が出ておりますが、それは面接この電波法の運用そのものと重大な関連がありますが、先ほど説明いたされました電波監理委員会の副委員長ですか、或いはその事務当局者ですか、このかたがたは郵政省設置のほうへ入つて行く、例えば聽聞会というような問題が電波監理審議会ということで、郵政省内の諮問機関としてそのまま残る、こういう状態を予想しながら電波法の一部改正の趣旨説明をいろいろなさつておるので、それで私資格上お伺いしたいのですが、電波監理委員会の今御説明なさつたかたがたは、この電波監理委員会が解消されて、郵政省に入つて行くということについてはどういう御意見を持つているのですか。この際聞いておかなければ、政府委員は国務大臣を補佐する機関ですから、そういう資格上私は今後審査して行く場合に疑義が起る。電波監理委員会はどうお考えになつているか、郵政省のほうに行くことに反対である、独立機関を持つていなくちやならんと考えられるかたが、こういうものの政府委員となつていろいろ趣旨説明をして法の通過を図るということはおかしい、その点からお伺いしたい。
○政府委員(岡咲恕一君) 只今小笠原委員から私どもの立場につきましてのお尋ねがございましたので、一応お答え申上げたいと思います。この電波法の一部を改正する法律案につきましては、私ども電波監理の責任官庁でございますが故に、一応改正の法律案を検討いたしまして、閣議の御決定を経て国会に提出いたしておる関係上、私どもは政府委員として説明に当つておるわけであります。先ほどこの法律の條項の中で、先ず技術的な事項につきましては、その純立法的な権限を委員会に委任する意味におきまして、電波監理委員会規則を以てこれを定めるというふうな規定が数カ條ございましたが、電波監理委員会は政府の御決定によりまして、六月末日を以て廃止せられ、電波監理行政は挙げて郵政省に移管されるということになりますると、電波監理委員会規則として定められるであろう事項が、将来は郵政大臣の省令によつて定められるということになるわけでございます。私どもの事務部局のほうは、郵政省設置法の附則によりまして、郵政省の職員になるということになろうかと考えますが、電波監理委員会を構成いたしております私ども委員は、電波監理委員会設置法の廃止によりまして、当然廃官になつて、職を近くわけでございます。従いまして、郵政省設置法そのものから申しますると、これは郵政大臣或いはそのほかの関係部局が、この設置法の立案に関与なさるのは当然でございましてその意味におきまして、私どもも我々の主管事務の一部が郵政省の中に統合されるという関係になりますので、その関係につきましては、郵政大臣に御連絡を申上げまして、私どもの意見を申上げ、或いは郵政大臣のお尋ねにお答えし、或いはこれをお助けしたという形になりますが、私どもは将来六月三十日を以て退官いたしまして、将来設置されるであろう郵政省の電波監理審議会とは何らの関係はございませんので、郵政省におきまして新らしい機構ができ上りました後の関係につきましてまで、私ども責任を持つて事務を処理するという立場で申上げておるわけではございません。現在電波監理行政に当つておるものの責任といたしまして盡さなければならない問題について大臣に御協力申上げておる、こういう関係でございます。私が本日政府委員としてこの席に参上いたしまして御説明申上げておりまするのは、電波法の一部を改正する法律案でございまして、電波監理委員会の所掌事項につきまして、政府委員として御説明申上げておる、かように御了解願いたいと思います。
○小笠原二三男君 そうしますと、この電波法の一部改正は、何ら機構改革等を予想しないで、電波監理委員会が今日の状態で持続するということで、そのままの状態で考えて出したものですか。
○政府委員(岡咲恕一君) 小笠原委員のお尋ねの通りであります。
○小笠原二三男君 それならば、従来ならば電波監理委員会規則を以て定めるとなりそうなところを、なぜ郵政省令を以てするというふうにどんどん削除になつた部分を直したのですか。
○政府委員(岡咲恕一君) お尋ねの点でございますが、それは全部法案を御覧になるとわかりまするように、電波監理委員会規則というふうになつておるわけでございます。整理の法律案のほうにおきまして、これを郵政大臣、郵政省令というふうに改めたわけでございます。
○小笠原二三男君 只今事務当事者のかたの説明ですと、第三十四條から削除になつておる部分は郵政省令という御説明があつた。
○国務大臣(佐藤榮作君) 小笠原さんの御意見、只今のような機構改革の法案を審議中の際に、それと並行しておりまするために、現状から見ますと、いろいろの疑念が生ずるのではないかと思いますが、只今岡咲君が申上げておりますように、現在の権限と申しますものは、どこまでも電波監理委員会が持つておるわけでありまして、郵政大臣としての所掌はないわけでございます。併し一面に郵政省設置法を御審議頂いております政府といたしましては、是非ともこの行政機構の改革は実施いたしたい、かように考えておるのでありますので、この郵政省設置法案自身が成立いたしますると、当然この法律におきましても、在来電波監理委員長というところ、或いは電波監理委員会という点が郵政大臣と実は変つて参るわけでございます。それらのことを予測いたしまして、法案としての一貫的な関連的整備をするという気持で先ほどからお話を申上げておるものだと思います。そこで基本的になりますものは、郵政省設置法の法案が如何なる御審議を賜わりますか、そのほうが決定をいたして参りますれば、この法律もそれに関連する條項の整理が必要になつて参るだろうと思います。ただ今の審議の過程におきまして、その通過を予定したと申すと、それは非常に言い過ぎでありますし、只今折角御審議を頂いておるものでありますから、そこで電波監理委員会といたしましては、その意味を考えて、そのいずれにつきましても十分の説明ができるようにということでいろいろ御審議を頂いておるのだと思います。もともと法案といたしましては、郵政省設置法として必要な箇所だけを関係法令の整理をするようにいたしますれば、それで済むわけでございます。恐らくその点は立入つた今審議を頂いておる各種法案についての関連性のある点についての説明をされたのではないか、かように解釈をいたしておる次第であります。只今の状況の下におきましては、郵政大臣自身といたしましては、この電波監理行政自身を担当しておるものではないのでございます。
○小笠原二三男君 先ほど電波監理委員会のほうでは電波法の一部改正は監理委員会として起案し、そうして閣議の御承認を得て、そうして当然の責任者として内閣の提案するものに対して協力して行くのだと、こういう御説明があつた。そうしてこの現行法の中の電波監理委員会の規則というものを、郵政省令と読み替えるということはどこにもなくて、それはそのまま残つておるのです。然るにかかわらず今度改正しようという法案の三十四條、三十五條の二、三十六條はですね、削除になつた部分は委任命令ですかは、郵政省令によつて定めなければならないとある。これはあなたがたの当然の考え方から言えば、電波監理委員会規則を以て定めるとして、そうしてあと設置法ができた場合に、なぜ一貫したこの整理のほうで全部直して行くということをしないで、直接この部分だけがこうなつたのか。これは電波監理委員会規則というものではできないので、現行法上郵政省令でやらなくちやならんというならば、その理由を明示して頂かないと、どうもあなたたちの政府委員としての資格について私は疑義が起る。
○政府委員(岡咲恕一君) 小笠原さんのお尋ねが非常にはつきりいたしましたのでありますが、今お尋ねになりました條項につきましては、附則にございまするように、條約の発効の時期と申しまするか、昭和二十七年十一月十九日から施行するということに附則で定められておるわけでございます。今郵政大臣から御説明ございましたように、政府は郵政省の設置法を提案いたしまして、電波監理委員会を廃止し、電波監理行政は郵政大臣の所管とするということになつておりますので、只今御指摘になりました各條文は、昭和二十七年十一月十九日から施行されるということになりますと、その時期におきましては、若し政府の提案いたしました郵政省設置法が成立施行されまするならば、その施行の予定は七月一日でございまするが、すでに電波監理委員会というものに廃止されておりまして、郵政大臣の所管になつているわけでございますから、そこの部分は施行の関係上郵政省令、かようになつておるわけでございます。
○小笠原二三男君 どういうところでその郵政省に電波監理委員会が行くということがきまつたのですか。国会の審議も経ないで、そんなばかなことがありますか。予想されるものによつて法案を出して、それを前提にして、通過もしていない法案によつて我々に審査せいとは何ですか。
○政府委員(岡咲恕一君) 一応法規の一貫性と申しまするか、統一された体系ということを考えますると、勿論国会の御審議、御可決によりまして法律は成立いたすわけでございますが、一応法案を作りまして、その法案が可決されるならば、かくかくなるであろうということを想定いたしまして、その法案に適応するように他の関係法案を整理するということは、私はこれは立案の責任者としては当然ではないかと考えるわけでございます。従いまして若し国会におかれまして、政府の提案を或いは修正せられる、或いは否決せられるならば、当然私どもの予想いたしておりまするこの仮定的な規定も当然その際に改正になる。かようにしなければならないであろうと考えているわけでございます。
○小笠原二三男君 それは逆じやないですか。あなたの今の答弁なら、それは政府委員としては満点です。併し電波監理委員会の委員の一人としては、そういう発言はあり得べきはずはない。而も單行法で設置法がきまれば、それに関連して法案が全部整理されるように提案になつて出ておるのです。然らばあなたがそういう想定の下に立つたということであるならば、あなた自身の出す電波法の一部改正の中で、現行法にある電波監理委員会規則を以て云々というところを全部郵政省令というふうになぜ出して来なかつたか。その部分は出さないで、今回のものばかりを郵政省令とし、現行法通りのものは一応整理の法案のほうに委ねておく、こういふ不統一なことが、あなたが統一的な法案の一貫性ということを言いますけれども、不統一なことがなぜ行われるか。而も国会の審議権に待つてものがきまるのに、それを待たずして、予想の下に、想定の下にこういう改正原案を出すということは国会の審議権を何と考えているか。こういう法案は嚴密に言うたならば我々国会の立場において審査できない。なぜ電波監理委員会規則として現行法がある建前で、現行の機関がある建前で出して来て、そして一切を関係整理の法案のほうに委ねなかつたのか、その点において私はあなたは政府委員としてそうなるであろうということに協力した立場は立つたのである。国務大臣を補佐したことですから、政府委員の定義に当嵌るけれども、電波監理委員会として総理府の外局として、又やかましい資格任用の規定を持つ独立機関である電波監理委員会の委員としては、私はそういうやり方は解せない。だからさつき聞いたのですが、あなたは或いは電波監理委員会の起案者である。電波監理委員会が郵政省の中に吸収、解消せられるということに賛成であるのかどうかということを聞いたのは、ここにあるのです。簡單でようございますから、賛成か反対か意思を表明して頂きたい。
○政府委員(岡咲恕一君) 小笠原委員、ちよつと誤解をなすつていらつしやる点があるのではないかと思いますので、一応御説明申上げますが、先ほど御指摘になりました今年の十一月何日でございましたか、から施行されます分につきましては、十一月当時は政府の決定によりますると、電波監理委員会は廃止されて郵政省になつているという関係から、その当時施行されまする規定につきましては、郵政省令というふうに改正法律案に規定いたしておりまするが、そのほかにつきましては、小笠原委員御指摘のように、全部電波監理委員会において委員会規則というふうにいたしているわけでございます。言換えれば、この電波法の一部改正法律案は、公布の日から施行されますので、恐らく六月中に公布されるであろうという私どもは予想を持つておりまするので、電波監理委員会規則というふうにすべてなつているわけでございます。ただ電波監理委員会が廃止された後、この廃止は政府が決定いたしましたし、政府は最終的には閣議において決定されまして、国会に提出されました関係上、政府の行政機構改革の線ともマツチしなけばなりません関係上、そこの分につきましては、私どもやはり独立はいたしておりましても政府の一機関であります以上、その政府の政策に適応するようにこの法案を起案いたしまするのが当然と考えまして、その部分につきましては、郵政省令と限らないわけでございまして、ほかの部分については、すべて電波監理委員会規則と現行法通りしているわけでございます。それから私どもが電波監理委員会の廃止について如何ような考え方をしているかというお尋ねでございまするが、私どもといたしましては、過去の電波行政の実績から考え、又将来を考えまして、電波監理の行政は行政委員会の制度によることが適当である、かように考えている次第でございます。従いまして内閣から機構改革について意見を求められました際は、只今申上げましたように、電波監理委員会は存置すべきであるという意見を内閣のほうにはお答え申上げておいたわけでございます。ところが内閣におきましてはいろいろ御検討の結果、行政機構の改革の一環として委員会を廃止することは必要である、かようにお考えになりまして、さように御決定をなさつたわけでございまして、この御決定に対して私どもは如何ともしがたいわけでございまして、一応その線に沿つて関係法令の研究整理をいたしているわけでございます。
○小笠原二三男君 そういたしますと、電波監理委員会という一つの機関としてはそういう態度がきまつておられる、そして政府委員となられた場合には郵政省令とすることが妥当であるという主張と説明をなされる、ここは矛盾はございませんか。あなた個人として、委員として、あれは多分会議制なんでしようが、機関の決定しておるもので、代表して政府委員として出られるあなたとして矛盾はないですか。
○政府委員(岡咲恕一君) 電波法の一部を改正する法律案は、私ども委員の間において検討いたしまして、委員会においてこれを可決決定いたしたわけでございまして、私はこの法案を可決決定いたしますることと、電波監理委員会の委員として職責を全うする間に豪も矛盾はないと考えております。
○小笠原二三男君 郵政省令になるということは、これは閣議の決定に基く内閣の政策決定だ、だからそれには従わなければならん、そして従つた立場で政府委員であると、そのことと電波監理委員会の委員としての主張とは何ら矛盾しないということは私にはわからないのです。
○政府委員(岡咲恕一君) 郵政省令に従うというわけではございませんでこの法律を……。
○小笠原二三男君 いやいや、郵政省令に従うことではない、そういうものを主張する立場に立つ……。
○政府委員(岡咲恕一君) 法律案を起案いたしまする際に、七月一日以降電波監理委員会が廃止されるというのが一応郵政省設置法の建前でございます。そういたしますると、その設置法の法律案と矛盾するような電波法の一部を改正する法律案は、これは内閣としては御決定になるわけには参らないと思います。従いまして私どもといたしましては、やはり内閣の御決定に副うように電波法の一部を改正する法律案を検討して起案することが、これはもう委員会としては当然であると考えております。従いまして十一月以降施行される部分につきまして、本来ならば電波監理委員会規則を以て定めるというその部分につきましては、郵政省令を以て定めるというふうに規定いたすことは私はいささかも矛盾はないように考えるわけでございます。
○小笠原二三男君 然らば、ちよつと同僚委員には時間をとつて申訳ないですが、電波監理委員会が受持つておる聽聞会等という審判的な仕事ですね。これが全部郵政省へ入つて諮問的な審議会になる、こういうことも予想せられておるのですか。このことは電波法の中に入つて来るわけなんです、電波法の中に……。そうしたらその電波法の中に入つて来ることも單行法として国務大臣が提案しないで、今回電波法の中にそれを入れてあなた説明なさいとなつて説明しますか、賛成しますか、そこなんです問題は……。そういう点が矛盾しないかというのです。
○政府委員(岡咲恕一君) 先ほど申しましたように、私ども委員会といたしましては電波監理行政は現行のような委員会でやつて行くことが正しいであろう、かように考えておるわけでございますが、内閣におかれましては、委員会は廃止して郵政省の中にこれを入れるというふうな御決定になつたわけでございます。さような内閣の御決定に対して私どもはたとえ独立委員会といたしましても別の行動をとるわけには参りませんので、さような御決定になつた以上は、少くとも電波監理行政の本質を成るべく全うし得るような機構を考えて頂くことが適当であると考えまして、郵政大臣の下に電波監理審議会という諮問機関をおいて行うということを私ども一応お願いいたしたものでございます。そうしてその諮問機関が一般的に大臣の諮問機関といたしましていろいろ決議をする、その決議を大臣が尊重ぜられて行政処分をせられる。ところが郵政大臣の行政処分に対して異議の申立があつた場合、成るへく諮問機関を一審的なものにしたほうが適当である、現在の電波監理委員会でもさようになつておりますから、そのこともお願い申上げまして、幸い内閣の御了承を得て、その審議会が実質上一審的の機能を持つた諮問機関になつたわけであります。さような郵政省の設置法ができたわけですが、それは私どもも過去の経験によりまして、内閣に御協力するという意味においていろいろ意見を申上げたわけでありまして、郵政省の設置法につきましては郵政大臣が責任を以て御説明にも当られますと思います。私どもはその間におきましては、別に郵政大臣の補佐機関として政府委員になつておるわけではございませんで、その点について説明の責任があるかというお尋ねがありますと、場合によりましては、過去の経験により私どもが補足的な意見を申上げて御参考にするということもあり得るかと思いますが、その行政機構の改革自体につきましては、これは内閣で御決定になつたわけでございまして、私ども電波監理委員会の委員が責任を以てその説明をするというようなことは私はどうかと考えておる次第であります。
○小笠原二三男君 先ほどあなたは電波法は電波監理委員会の所管であるから各種起案をして提案した。ところが内閣のほうは設置法に伴つて関係法令の整理をしなければならん。こういうことになつて一旦單行法で別に電波法の一部を改正して、そこに挿入しておる部分が電波監理審議会の條項なんです。それをこの法案の中に仮に内閣において一本建の法案改正で出そうということで、電波監理委員会の出されたものの中に政府の決定になつた挿入事項を入れて、一本で電波法の一部改正という形で出して来た場合には、あなたの立場は我々国会から言えば、電波監理委員会の意見はどうかということで参考人というような立場でこの機構改革の問題については意見を徴されるかも知れません。そういう立場だと思う。その立場のかたがそういう形で法案が提出された場合には、私はこの部分は説明の責任は持ちません、協力できません、これは大臣のほうで御説明願います。私のほうは技術的の法改正の部分だけ担当します。こういうことになるのですか。
○政府委員(岡咲恕一君) 電波監理委員会の所掌業務が郵政省設置法によりまして郵政省の権限の中に入るということになりますので、今小笠原委員のお話のように、私ども委員はこの関係につきまして純粋的な第三者的な立場に立ち得るものであるかどうかということにつきましては、私個人は多少疑問を持つておるわけであります。少くとも所管の業務は郵政省の中に入るわけです。その所管の業務の意見と申しますか、省の運営について私は非常に不満を持つものがあつたら必ず最後まで反対をし、或いは反対の措置をとるのが誠実な行き方と思います。私どもは一応過去におきましては電波監理委員会の存置ということについて強く主張いたしましたけれども、内閣においてこれを御決定になりました以上、これはもう政府の御方針として、政府機関である私どもがそれに協力することはこれは当然だと思いまするから、多少デリケートなことになるかと思いまするが、私は部分的にこの説明をいたすということも政府委員としてあり得るであろうと、かように考えております。
○小笠原二三男君 どうも聞いてわかる部分もあるし、わからん部分も私にあるわけですが、私だけで時間をとつては申訳ないので、この程度にしますが、どうしても私は電波監理委員会の委員であるかたが政府委員としてそういう機構改革を想定せられ、肯定せられた結果になるような説明を頂くようなことでは、これは政府委員として不適格ではないかと考えるものであります。この点は私たちももつと研究して見なくちやならん問題があるのですが、この程度にして保留さして頂いて、又次回にこの点は御質問いたしたいと考えます。少くともこの電波法に関しては総括質問という点においては、ちよつと間を置いて頂きたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私にこれは別にお尋ねがあつたわけではないのでございますが、この機会に私のほうの考え方も一応申上げて見たいと思うのでございます。小笠原委員の御意見至極御尤もな点があるようにも聞けるのでありますが、私国会の審議をなさいまする皆様がたといたしましては、時に法案を並行して御審議を頂く場合もあり得るのじやないか、ただ單に一つの法案が通過することを前提としてとか、或いは予想してとか、こういうばかりでなくて、やはり並行して御審議を頂く場合も多々あるように伺いますので、先ほど来の電波監理委員会からの御説明の点では、それらの点が少し不明確であつて、いろいろ誤解を受けておるのじやないかと、かように考えますので、この点も私個人の意見として特に発言を許して頂きたいと思つて立上つたような次第であります。なお電波監理委員会は御指摘がありましたように、過去におきまして確かに委員会の存置について相当強い主張をいたしておつたことを政府当局として、又国務大臣の一人として十分承知いたしておりまするが、政府におきましては、各種の事情等を勘案いたしまして、委員会制度に大幅な改正を加える決意をいたし、同時に又現在おります電波監理委員会の諸君も、その処置につきましては、只今お話がございましたが、全然これに賛意を表したものではないだろうと思いますが、今日なおその委員としてその職責を遂行しておられる状態から考えますれば、一応の御了解を頂き、そうして只今お話がありましたように、政府機関に対しましても協力するという決意の下に現在の事務を処理しておられるように伺うのでありますので、この点私の見るところを御参考までに御披露申上げておきます。
○小笠原二三男君 大臣の意図せられておるところは十分わかりますが、そう言われるとちよつと大臣にお伺いしたいことがある。それは大臣先ほどお立ちになつた場合には、並行していろいろの関係の法案が出ておる、それでこの法案の選考の関係ですが、前後の関係については大臣の御意見では、郵政省設置法の一部改正に関する法律案が通過した曉において、あの監理法案がはつきりした形で出て来るだろうというふうな意味合いのお話があつた。ところが私たちの考えはそれと逆なんです。私たちのほうのこの関係は公社法案なり、会社法案なり、このほうが結論を得られない限りは設置法のほうは上らない、上げてもらつては困るのだ、こういう建前でこのほうを審査しようとして来ておるわけです。私だちの建前と大臣の建前と違うようなんですが、別のほうで拍車をかけられると、こつちの委員会は困つてしまうので、この際その点はつきり一つお伺いしたい。と申しますことは、私たちもとことんまで行きまして今審査予定を立てておるのですが、どういうふうに行つて、結論のところではどういうふうな順序で上つて行けばいいのか、どうもはつきりした考えが浮ばんのです。そういう点もあるから、さつきからいろいろ引張り出そうと思つてお聞きしておるわけで、この際大臣は明確に政府側のお考えを聞かせて置いて頂きたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 政府側の考え方とか、政府側の建前とか、こういうわけのものでないので、ただ政府側の希望する点を申上げて見たいと思います。御承知のように関係法令が多数出ておりまするし、而もその法案はいずれも重要な又重大な法案であります。従いまして、これの御審議を頂いております皆様がたにおかれましても、いろいろ御苦心が存することだろうと思います。その点についての小笠原委員の御苦心のお話は、只今のお話で成る程度私どもも想像が付くのでありますが、私ども政府当局といたしましては、法案を提出いたしましたその気持から申しまして、御審議を頂いております法案は全部一つこの国会で成立を見ますように是非とも皆様がたの御審議を賜わりたいと、かように念願をいたしておるだけであります。いろいろ委員会の御都合等もおありになることだと思いますので、いずれの法案を先に願いたいとか、こういうわけのものではないのであります。先ほど来申上げておりますように、並行的且つ総合的に御審査を賜わると同時に、提案いたしました法案が本国会中に成立を見るように、これを念願して止まない次第でございます。
○水橋藤作君 私お伺いしたいことは、今小笠原君が最後に申しましたことに関連するのですが、一昨日でしたか、昨日でしたかの理事会で予定を組まれたそうですが、この四日までに三法案が上る予定を、お組みになつておられますが、先ほどから小笠原君が質問しておる問題もこれに関連すると思うのですが、電信法に電波法、郵政省設置法、それにこの電波の問題が絡んで来て一気に四つの法案の説明を聞き、さてどれからやるかといつて一緒にやるというような態度、而も四日の本会議で上程議決するというような組み方が非常にこんがらかつて、どつちからやつていいんだか見当が付かんというような恰好になるのじやないかと思いますが、仮に電信電話公社法が通らなかつた場合は、或いは国際電信電話の会社法も難航するんじやないか、それで政府がただ一気にこれはもう衆議院が通つたから、こつちも通るんだという建前に立つて法案の立案なり、或いは今の電波法の一部分の改正の説明をなされるが故にいろいろ矛盾が生じて来るんじやないか、こういうふうに大きく見て考えられるので、もう少しこの法案の提案の整理をして頂きたい、こういうふうに思います。公社法なら公社法をはつきり上げて、上るか上らないかそれを調べて、それから国際のほうを然らばどうするか、それに伴つて出る郵政省の設置法も関連するというような工合に持つて行かなければ、私は法案審議の上に非常に途中で支障を来たす、殊更時間を費すようなことになりやせんか、こう思うのですが、昨日理事会の決定されるまでにそういつたような話がなくて、一括してこれを三つ一緒に、四つですか、郵政を入れると五つ一緒に審議するという話合いで決定されたのですか、どうですか。
○委員長(鈴木恭一君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて……。水橋委員の審査予定表につきましては後刻お打合せをすることにいたしまして、本日の質疑はこの程度にとどめてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認めます。本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十六分散会