第013回国会 電気通信委員会 第36号
昭和二十七年六月十日(火曜日)
   午前十一時三十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     鈴木 恭一君
   理事
           山田 節男君
   委員
           大島 定吉君
           新谷寅三郎君
          小笠原二三男君
           稻垣平太郎君
           水橋 藤作君
  衆議院議員    井手 光治君
  政府委員
   電波監理委員会
   委員長     網島  毅君
   電波監理総局法
   規経済部長   野村 義男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○放送法の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)
○日本電信電話公社法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○日本電信電話公社法施行法案(内閣
 提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
○委員長(鈴木恭一君) 只今より委員会を開会いたします。
 放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑はございませんか。
○小笠原二三男君 討論に先立つて念のために二点だけ電波監理委員長に伺つておきたいと思います。一つは全く形式的なことでございますが、この改正案文である標準放送の標準を削除したということでNHKがテレビ放送が実施される段階においては受信料を取る途を開くということは、これはただ單に解釈、その法文から来る解釈として、そういう解釈を与えるだけにとどまるものかということを伺いたい。なぜそれを伺うかと申しますと、仮に放送法を改正した場合に、次にNHKにはテレビ放送を許さないという次第になつた場合に、又標準の文字を入れる改正が必要であるかどうか、こういう問題から念のために伺つておきたいのであります。
○政府委員(網島毅君) お答えいたします。今度の改正に際しまして提案されたかたがたの御意見を伺いますと、これは全く電波監理委員会の審査を容易ならしめるための改正であつて、これによつて直接電波監理委員会の行政措置といいますか、許可認可の問題についてそれを左右するような意図を持つておらないのだという御趣旨でありますので、そういう御趣旨でありまするんならば、私どもその御趣旨によつて、全く公正な立場で行政措置をやつて行きたいと考えます。従いまして将来電波監理委員会がNHKはテレビジョン放送をまだやるのが早い、これは別な観点から当分やらないほうがいいという結論を出しました場合に更にこの法律改正を元に戻すような措置が要るかどうかという御質問に対しましては、私はその措置は要らないと考えます。
○小笠原二三男君 続いて伺いますが、仮にNHKにテレビ放送を許可するということになりました場合には、本改正があつても、その他改正なり或いは附加した放送法の改正が当然国会に提出されると了解してよろしうございますか。
○政府委員(網島毅君) その点に関しましては、目下委員会でよりより協議中でございます。まだ結論は出ておりませんが、現在の私どもの考え方としては、他にも改正する部分が、改正するほうがいいと思われる部分があるように思われますので、当然日本放送協会のテレビジョン許可に当りましては、政府からも放送法の改正が出ろかも知れないということを御了承願いたいと思います。
○小笠原二三男君 よくわかりましたが、二番目の質問でございますが、昨日私質問しました場合に、委員長は重ねて二度今回の法を通すということは、何ら公正な我々の判定に示唆を与えるものではないというように了承されると、但しこの法が通過するということは国会の意思として、仮にHNKがテレビ放送をするという場合には、料金を徴収してやるのだという決定がなされたということになるという御答弁のように伺つたので、それでその答弁の趣旨は、いわゆる二百円なら二百円の今の申請を許可するに当つてそれを條件とし、その財政基礎の上に立つて許すというふうに、電波監理委員会は拘束されて判定を下さなければならないのか。そうではなくてこの法が通つて仮に料金をも取り得ることの途を開いておつても、電波監理委員会としてはNHKにさせるという決定に当つては、適正なる料金について自主的な判断を下す、又経営の規模等についても十分判断を下して、こうあるほうが望ましいということで各種の自由なる意見を以て国会の承認を、いわゆる收支予算なり事業計画等において求める自由が電波監理委員会として保持されるかどうか。この点お伺いいたします。
○政府委員(網島毅君) 昨日もお話申上げましたように、今度の改正によりまして少くとも国会におきましては日本放送協会がテレビジョン放送をやる場合には、これは聴視料で行くのだという方針を示されたものと私どもは解釈しております。従いまして申請の審査に当りましては、その方針に則つて審査するわけでありますが、仮にNHKから二百円或は三百円ということで申請が出て参りましても、私どもが審査いたしまして、それじや少し高すぎる、或いはそこまで取られなくても、テレビジョンの経営が成立つじやないか、或いは逆の場合もあるかも知れません。そういうような両方考えまして、或いは事前にNHKと打合せて申請書を書き直してもらう。申請書と申しますか、その収支予算書を書き直してもらうということもあるかも知れませんし、又電波監理委員会が独自の判断で、それに対する意見を附しまして、国会に対してこの料金は適当でない。こうすべきだという意見を附して国会に出すことがあるかも知れないというふうに了解して頂きたいと思います。
○小笠原二三男君 重ねてお伺いいたしますが、そうするとこの法案が通過の曉、仮にNHKにテレビをやらせるという場合には聴視料以外ではやられないというふうに範囲がもうすでに限定されてしまうという結果になりますか。
○政府委員(網島毅君) 私どもはそこまで窮屈には考えておりません。国会は原則として聴視料でやるべきであるという趣旨を示されたと思いますので、第一義的には私どもはその趣旨でやりますですが、どうしても聴視料のみによらずほかの方法も考えたほうがいい、これはまだ私ども考えておらないのでありますが、例えば仮に申上げますならば、政府の補助金というようなことも考えたほうがいいということでありまするならば、そういう意見を附してお出しする、或いは又それに必要なる法律改正を国会へ提出するということを考えても差支えないと考えております。
○小笠原二三男君 重ねて伺いますが、それならばこの法案を通す意図は、書類上不備なる点を完備するというそういう意図だけに限つて、審査の段階までの必要としてこの法を通すのであつて、その後に起つて来る経営上のあらゆる諸問題については、電波監理委員会の行政監督或いは国会における批判の自由は保持されるものである、それまでの段階の必要な手続としてだけこれが認められるものだということになりますならば、電波監理委員会は何ら精神的にも法律的にも判定に対して影響は受けない、自由に公正な判断が下せる、こういうふうに了解してよろしうございますか。
○政府委員(網島毅君) 只今までの提出者のかたがたのお話を伺いますと、電波監理委員会の行政措置に対してどうのこうのと言う意思は持つておらんということでございますので、私どもは只今の御発言の通り解釈しております
○小笠原二三男君 すつかりわかつたような気がしますが、念のために、そうしますと、料金問題等についても何らこれによつて拘束されない。自由に実際上の問題になつた場合には電波監理委員会独自の見解の表明ができる、こう考えてよろしうございますか。
○政府委員(網島毅君) 料金の額につきましては、これはこの法律できまるのではございませんで、別途御承認を得る収支予算その他で以てきまることになりますので、全くお話の通りに私ども考えております。ただ全くフリーにという御質問でございまするが、電波監理委員会がNHKの申請を審査いたしまして、これは受信料ではやらんのだ、全く別な方法でやるのだということまで進み得るかどうか、これは私自身疑問に思つております。国会としては一応受信料というものを考えるのだ、取らせるのだという意思を御決定された。若しもこの法律が通過いたしますれば、そういう御意思がはつきりしたことになりますので、それをすぐ政府におきましてひつくり返すような法律改正が提案できるかどうか、これは私自身も疑問に思つております。これは法律上は恐らくできないことはないことになると思いますが、併し実際問題としてはこれは相当むずかしいのじやたいかということを考えております。
○小笠原二三男君 そうなればちよつと私の疑問に思う点に触れて来るので、この法案を出しておる意図は放送協会が他の団体、民間団体と同じ立場で審査の申請をしておる、その審査の申請の條件が、書類が整わない点を補うだけだ、こういう意味で出されておるものなんです。そうしてその他何ら意図はないということでありますならば、許可、認可のことについては料金でやる、或いは料金もあるが、他を加味する、或いは料金で以てやらない、こういうようなことについては自由に電波監理委員会が決定して、その決定した曉において、その実現を図るための放送法の改正の場合に掌を返そうが、或いは附加しようが、あらゆる手続を以てそのテレビ放送が国民の利益のために成立つように電波監理委員会が自由裁量ができる、こういうことでないならば、これはやはり或る一面からは実施の後のことまでを規正して行くというようなことになるならば、これは相当私としては問題だと思う。そうではなくて、我々の意図はそこにないのだということが明瞭になるならば、あなたたちのほうではその点は自由な巾のある気持を以てこれを決せられるということができないものかどうか。又その曉において放送法の改正等でこの法をこの部分についても修正して行く可能性がないものかどうか、この点を伺つておきたい。私どもの意図はそこにあるのだ、国会の意図はそこにあるのだという意思が表明されたならば、それによつて電波監理委員会はできないものだろうか、自由に。そういうことを伺つておきたい。
○政府委員(網島毅君) 若し国会におきまして、今度の改正は一応その審査の材料として受信料というものを考えたのだ、併し政府において又ほかの観点から考えた場合に、若しも受信料でなしにほかの方法でやつたほうがよいと考える場合には、必ずしも受信料でやらなくてもよいという御趣旨がはつきりするならば、私どもはそういう考え方をいたしますが、併し少くともそういうことなしにこの放送法の改正が大多数を以て国会を通過いたしましたならば、やはり私どもは第一義的にこの経営の基礎は受信料で行くのだという方針が明示されたものと思いますので、私どもは受信料でやらないのだというこの政策は非常にとりにくいと思います。なぜかと申しまするならば、仮にそういうことを考えまして法律改正を提案いたしましても、私どもは実際的にはそういう法律改正は国会を通過しないだろうということを先ず考えなければいかんと思います。従いまして法律的にはそういうことを提案をすることはこれはできないというように窮屈には考えませんが、実際問題としては非常に困難な問題だと私どもは考えております。
○小笠原二三男君 これはちよつと御相談ですが、私は何もこれ以上紛糾させようという意味で申上げておるのでないのですが、やはり電波監理委員会が判定のための考えの中を規正せられるというような形になることは、昨日からの考え方から言つてこれは少々問題が残るのじやないかと思うのですが、再三申上げますが、私はこれ以上紛糾させようとは思わない。何か具体的な意見なり何かでこれの調整がつくような途が開けるような方法をとつて頂くことを私ぱ望みますが、御相談願います、
○委員長(鈴木恭一君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて。
○山田節男君 この今の小笠原委員に対する網島委員長の御答弁ですが、私は、これはもう先日来橋本議員並びに井手議員から非常に懇切な提案の趣旨の御説明を聞いて、又プリン十にしてある放送法一部改正法案の提案の理由を見ても、これはただ経営形態で民間放送か公共放送か、これは全然きまつていない。この放送法の改正提案理由書に書いてありますように、民間テレビジョンの放送会社の申請も出ておる。NHKも出しておる。ところが、NHKはこの放送法によつて、例の三十二條の一項によつて標準の、これはもう明らかにラジオの放送だけしか認めていない。そこで審査する場合に、民間放送の申請も、日本放送協会の申請も、同じコンディションで、ただ公共放送にするか民間放送にするかということは、これは別個のものであります。私はただ法律の條件を民間放送の申請と、公共企業体である日本放送協会の申請とを審査する上のコンディションを等しくしようという意味で、私は提案されたやに理解しておる。(「その通り」と呼ぶ者あり。)ところが、今の小笠原委員の質問に対する網島委員長の御返答は、これによつて経営団体にまで公共放送にしなくちやならんかのごとく、拘束を受けるような御返答だつたのですが、そういう見解は、これはもう網島委員長としてこの改正案に対するあなたの御意見は、そういうように解釈されておるので間違ないのかどうか、もう一遍一つ確認しておきたい。
○政府委員(網島毅君) 私は決してそういう意味で申上げておりません。経営形態と全然無関係であります、私が申上げましたのは、電波監理委員会がNHKにテレビジョンをやらせるという決定をする場合に、その経営の基礎は受信料で行くのだという方針を明示されたというふうに考えるということだけを申上げておるわけであります。日本放送協会にやらせるかやらせないかということは、これは電波監理委員会に任せるのだという、数次に亘る提案者の御説明でありますので、私どもはこの点よく理解しております。
○水橋藤作君 そういたしますと、これをあべこべに考えまして、この法案が通らなかつた場合は、聴視料によつてテレビジョンをやるということを認めない、国会が認めないのだというように決定することになるのじやたいかと思うのですが、この点如何ですか。
○政府委員(網島毅君) それは私どもはそういうふうに考えておりません。この改正がありません場合には、やはり電波監理委員会といたしまして、日本放送協会にテレビジョンをやらせるかやらせたいかという審査をするわけであります。若しやらせる場合においては、その経営の基礎をどこに置くかということにいたしまして、或る場合には受信料で行くという考え方もできるし、或いは受信料でやらずに、或いはほかの財源でやるのだ。言い換えますならば、政府の補助金、これは考えられるかどうかわかりませんが、そういうことも一応頭にはおき得るという幅を持つているものと解釈するのでありますが、この改正によりまして、少くとも第一義酌には受信料で行くのだということを頭において審査をするということになる。そこの違いだけであるということを申上げたいのであります。
○水橋藤作君 そういたしますと、先ほどからのお話のうちにいろいろありましたが、この受信機聴視料を取るということを国会が認めたときも、或いはこれを否決して認めなくとも、電波監理委員会はそれに拘束されないという原則にお立ちになつたというふうに我々解釈できるのですが、それでよろしうございますか。
○政府委員(網島毅君) 日本放送協会にテレビジョンをやらせるかやらせたいかという問題に対しましては、全く只今お話のように、電波監理委委員会は拘束を受けないというふうに了解して頂いていいと思います。
○山田節男君 もう一つ確認しておきたいのですがね、この法案が国会を通過した場合に、この法案の趣旨に合うように、一応日本放送協会と民間放送会社の申請は平等な條件で審査し得られるということになるわけですが、もう今日はテレビジヨンの標準方式もとにかく決定する段階に入つている。それから放送局の根本基準規則も、これも過日聴聞会が開かれて、これも決定するやに私は伺つている。そういうことになれば、経営形態の問題がこれは又忽ち当面の問題になつて来る。殊に衆議院からこういう法案を出したということも、もはやこの実現は時日の問題として段階に入つているという見通しで出されているのですが。法案の趣旨から言つても、これは経営形態を一体どうするのだ、これは何遍も申しましたが、これは日本の社会、文化或いは経済に極めて重要な問題です。この法案が通れば、忽ち審査を受理した申請者の審査を始める。始めるについては、今網島委員長は、若しNHKを許すことになれば、この法案が出てなくても、自分らのほうで今の聴視料を取つてやるか、或いは聴視料を取らないで国家の補助金を得てやるか、それによつて法律を改正すると、こうおつしやつてるのですが、この法案が通れば、なかなか重要な問題は、経営形態を今後どうするか、これはもう私は緊急の問題になつて来ると思う。電波監理委員会としては、この法案が通れば直ちに従来受理されている四つのテレビジョン放送に関する審査を始められるのかどうか。それから同時に、殊にそれに附随して来る経営形態という根本問題を、直ちにおきめになる意思があるのかどうか、これを一つ確めておきたい。
○政府委員(網島毅君) 只今お話のように、電波監理委員会といたしまして、今まで数次に亘りまして行いました聴聞その他の結果に基きまして、一両日中に六メガ、七メガサイクルの問題、或いはその他根本基準の問題、そういう問題につきまして決定を行いまして発表するつもりであります。それが発表されました曉におきましては、それに則りまして、従来の申請書で若干不備な点を補充して頂きまして、その補充が数日中に出ると思いまするが、それが出て参りまして、電波監理委員会は正式に申請の審査に入るわけであります。勿論この申請の審査と申しまするか、将来日本のテレビジョンのあり方という問題につきましては、従来委員会として寄り寄り協議し、又討議もしておるのでありまするが、何分にも今までは申請の手続その他もはつきりきまつておりませんし、今度初めてそれが完備されるわけでありまして、正式に審査に取りかかるという段階になるわけであります。その場合には、ただ單に個々の申請の審査ばかりじやなしに、日本のテレビジョンの経営形態と申しますか、あり方という問題につきましても、電波監理委員会としては並行的に十分慎重に審議を進めて行きたいと考えておる次第であります。
○稻垣平太郎君 私は非常にくどいようですが、さつき小笠原さんの御質問に対して網島委員長がお答えになつたこと、言い換えればこの改正案は、日本放送協会と民間の会社とを手続上同じレベルに置くのだ、こういうまあ我々は解釈をしておるわけなんだが、ところが、この法案というものは、先ず標準という字句をとつたために、料金徴収を第一義的に考えるのだ、こういう御答弁であつたと思うのですが、提案者に私は伺うのですが、提案者にもう一遍この点を確かめておきたいのですが、今網島委員長のお答えになつたと同じ意味合いで提案者はお考えになつておるかどうか、この点をちよつと伺いたい。
○衆議院議員(井手光治君) お答えいたします。先般来申上げまするように、日本放逸協会が今テレビジョンの申請を、免許申請を出しておるが、逆に考えますと、一体その財政的な基礎というものはどこに裏付けを求めているのか、ないではないか。こういう審査上の恐らく疑問が生じて来ると思う。これは議論でなしに第一義的に三十二條が明示しておりますところの財政的基礎ということは、これは免許なり或いは申請の審査なりで重要な要件で、これは政治常識的にも行政の取扱い上の面からも当然起きて来る疑問であるとこう考えます。そこで現在はその面から言うと一般のラジオ方式しか財政的基礎というものが裏付けておらないのです。それでテレビにおいてもやはり同じ立場において一つの財政的基礎を裏付けをしておいて、その基本的な條件を整えるという考えを私は一歩も出ておらない。そこでなおお尋ねのように、このことはひいては小笠原先生からもお話がありましたように、この財政的基礎の裏付けという面を一歩進めるというと、單純に聴視料を取り得るということだけ以て、その内容としておる條件を整えるのじやたいかという疑問が又生じて来ることも御尤だと思うのであります。併し私はその点はそうも、考えておらない、一応取り得る途は法律上開かれておるのであります。取り得る道は開かれて、例えば鉄道公社において運賃を取り得る途を開かれておる、専売公社においては同じように煙草の販売收入というものがある、電通公社において電話料金というのを取り得る途を考えておる。併しこれはその企業を開設いたしますためには、それのみではいけない。法律上途は開いておりますが、一般的に財政資金或いは企業形態の内容、資金計画、そういうものを一連に考慮いたしますというと、それだけでは足りない、途は開かれておるけれども足りないが、一般の国家財政からこれを注入する、一般財源の援助を求めるというような途も又開かれておる。そういうことで軍にこれをきめたからといつて、これだけが全体を支配する考え方であつてはならんと私どもは考えております。先ほどから経営形態のお話も出ておりますが、大体これはどうするか、先ずニユアンスの問題から入つて行かなければならん。日本の国民経済の実力の問題、或いは工業能力の問題、生産能力の問題、いろいろ経済社会各部門に立つて全般的な考慮の下に考えられなければならん。一歩を進めまして仮にNHKに免許が下りる段階になりましても、これは国会が、開かれている途の範囲においてきめるところの料金の徴収、資金計画、予算計画、事業計画等を国会独自の立場において、電波監理委員会の意見を聴取しながら決定することによつて、初めて生れて来ることでありますから、事態が全体を支配する考え方ということには私どもは考えておらないのであります。併しお尋ねのように取り得る途を開いて、そうして基礎的條件を整えるということははつきり申上げておきたい。その程度しか私は今のところは考えられないのであります、御了承願います。
○小笠原二三男君 率直な御答弁を頂いて大変結構だと思うのですが、そういう御答弁でありますと、先ず他に資金計画上附加すべき可能性もあるにはあるけれども、ただはつきりきまることはやはり聴視料を以て基礎的な財源に当てるということを今においてもう承認しておるという結果になると思う。この問題は具体的に手続上は経営形態がどうなるか、そういう問題の大体白紙の立場で、各党の自由な政策上の立場から論議さるべきものが、一部分の聴視料の件については、これはもうその聴視料の金額の大小はあつても、そういう申はあつても、論議の場合には動かない。こういう問題がこの法を今通すことによつて、我々の責任としてはね返つて来ることがそもそも問題なんです。私たちとしては、それでもう少し提案者のほうにおいてもこれ以上余りむずかしくこねくり廻したくたいので、そのときはそのときで一切のものが自由に国会において考えられるのだ。この問題は審査手続上の書類その他の整備に当てるにとどめるものなんだというふうにでもやつて頂けば、一番文句のないところで、受ける電波監理委員会があとはどう出ようとも、私は大変ずるい考えのようですが、電波監理委員会にお委せするよりしようがない。そうでなく今の提案者の意図であれば、今から事前にもう委任状を渡したというふうな形になることで、これはもう一度私たちは将来の基本的な経営の規模なり何なり、政策の問題として根本的に考えなければイエス、ノーの意思表示はこれについてできないわけです。
○衆議院議員(井手光治君) 只今申上げますように、法律上基礎的な條件として、審査の対象になるべき基礎的な條件として、この改正案が通りますれば基本的条件が整う。これはしばしば申上げますように、財政的基礎の裏付けが整つておらなければならんという法律のきめ方において整えられるわけです。一歩進みますというと、先般来、只今も御議論がありますように、そのこと自体は料金が取れるという基礎的な條件を整えて、審査の内容を整えたと同じような意味においてやはりこれは実現の段階において、これを取り得るという途が開かれたのじやないか、こういう私はお考えだろうと思う。私はそうも言い得ると思います。これはそうじやないと言つて否定したところで、法律は取り得る途だけは開いてあるということは言い得ると思う。取るか取らないかは先ほどから申し上げますようにいろいろな考え方もあると思います。国会独自の見解もありましようし、或いは電波監理委員会独自の考え方もありましようし、その免許を受けた財政的規模の考え方もありましよう。でありますから、それは大体どう変化するかわかりませんが一応法律がそうきめてあれば、免許の申請の内容として條件を整えたということは、ひいては実現の段階においても取り得る途だけは開かれておるのだということまでは、私は解釈して間違いないと思う。そのことがいいか悪いか、そのことが実質的にどういう影響力を持つかということまでは私は今日議論の段階ではないと思います。法律の取り得るという途だけは開いてやる、そのこと自体はひいては免許の申請を審査する基礎的條件だ、こういうふうに私どもは解釈しておる。これは当然そこまで解釈しても差支えないのじやないかと私は思つております。併しそれから先はどうするかということは私どもの任意の見解においてはでき得ないことだと思います。
○小笠原二三男君 やはり提案者の言う率直な意見は、法律解釈としては、何らの條件がない場合には正しいと思う。私はその正しい限りにおいては電波監理委員会もこの基礎的な要件については拘束されると思います。審査の場合に自由な発意を加えることはできないと思う。又加えるにしてもそれは或る制限の中で加えられるだけのことだと思う。こういうことであつては真摯な気持でこの法を成り立たせるために、各種勘案しておることがちよつと検討が。ピントが合わん点が出て来ると思う、この点はもう私きりとしては質問をしなくても事態は明快になつたと思います。何とか名案がありましたら。将来において大きく国会の審議が拘束され、或いは政党の立場が規正せられることのないような方途を以てこれを処理したいという念願は、今においても私立ち切ることはできません。
○山田節男君 最後に私お伺いしておきますが、衆議院で提案者がこの法案を出されたときには、すでに電波監理委員会というものが、御承知のように郵政省の設置法の一部改正によつて、電波監理委員会というものは、この法案が通過すれば、電波監理委員会という他位が変つて来る。この改正案によりますと、電波監理審議会というものになる。で郵政大臣の諮問機関、但しこういう電波行政の重要な事項に関しては電波監理審議会の決定によつて、その決定によつて郵政大臣はこれを決定するというような條文になつていると私は記憶しております、そうしますと従来の電波監理委員会、特殊な会議制の行政委員会が、今度は七月一日からは単なる郵政大臣の諮問機関に過ぎなくなつて来る。そうするとこの法案の改正というものの実際の適用部面がよほど変つて来るのじやないか。先ほど来小笠原委員の心配しておられる点もそこにあるのじやないか、根本的には……。ですから提案者としてはこの電波監理審議会というものが今度新らしく設置されて、それが処理する上においてこの法案の趣旨のごとく同じコンディションで公平に、党利党略によらないで公平に決定されるという御目信があつて、こういう法案をお出しになつたのか。或いはそういうことを全然予想しないで従来の電波監理委員会としてこれは公平にやり得るという自信を持つておやりになつているか。この点を明らかにしておいて頂きたい。
○衆議院議員(井手光治君) これはしばしば申上げますように、只今の御質問の範囲も、率直に改正案の法案の提案理由の説明にしてあります通り、只今の段階における審査の対象として基礎的條件を整えて来ることが電波監理委員会の審査申請の内容を各方面とも平等な立場において審査せしめ得るという考え方を出ておらないのであります。その点は重ねて申上げたいと思います。
○山田節男君 そうしますと衆議院でこれは結論が出ているかどうか知りませんが、少くとも提案者の大多数を占めていらつしやる自由党としては電波監理委員会というものはやはり郵政省の設置法の改正によつて電波監理審議会というものにしたほうがいいということは別個に考えているわけですか。そういう御意見かどうか、この点を確めておきたいと思います。
○衆議院議員(井手光治君) 電波監理委員会のきめ方につきましては、これは只今お話のような郵政大臣の諮問機関ということになつておりまして、現実の行政的な権限は郵政大臣に一任されているようでございます。ただ、郵政大臣が諸般の行政権を発動いたしまして、それに異議若しくは不服等の申立があつた場合には、電波監理審議会がこれを調査いたしまして、若し電波監理審議会の意思決定が郵政大臣の行政的な措置と違つているという場合は、これは電波監理審議会の考え方通りに修正せしめることができるというふうな立場にきめられているようでございます、そこで電波監理審議会自体がこういうものの行政的な権限を一緒に掌握しているという考え方には立つておらないように、まだ私研究不足の点があるかも知れませんが、そういうふうに私どもはあれを解釈しております。そこで問題は諮問機関でございますから、行政手続上の問題としまして、一応意見等を聞いて調節されることもあるでありましようから、電波監理審議会自体がこの決定権を持つているというふうには解釈しておりません。それはやはり郵政大臣の権限の範疇に入つてしまうこう思つております。
○山田節男君 ということは要するに時の郵政大臣が最後の決定権を持つて、現在の電波監理委員会ならば独立な地位においてやり得るが、電波監理審議会という郵政大臣の諮問機関になりますと、今のこの法が、御提案になつておる法の趣旨が、私はどつちかにこれはもう党利党略とは申しませんけれども、非常に大臣の主観的、そのときの政治的な勢力のバランスによつて決せられはしないか。そしてその結果が国民の経済なり或いは、社会、文化等の上において非常に偏見的な結果になりはしないかという不安を持つておる。現在の電波監理委員会であれば、ここに少くとも公平な立場に立つ、権威のある機関になるのですが、その点が私はこの法案、折角御好意を以て作られておる法案がもう半月すれば電波監理委員会が或いはなくなるかも知れないという現在において、この法を審査する上において多分に我々としては不安を持つておる。そういたしますと衆議院で御提案になつたときには勿論この郵政大臣の諮問機関たる電波監理審議会が将来できるかも知れたい、そのことをも予想してこの法案をお出しになつたとかように了解してよろしうございますか。
○衆議院議員(井手光治君) これは実はその電波監理審議会ございまして、そちらの権限に移るから万一の場合は、そこで行政的な措置、適当な方法がとれるだろうということは実は考えておらなかつたのであります。只今電波監理委員会がとにかく儼然として存在しておりまして、そこで只今申請も許されておりますし、審理の過程にもあるようでございますが、又メガの問題等も結論が出なければならないというような状況下にあります。私どもの考えといたしましては、できますれば折角電波監理委員会が最善の努力を以て恐らく審査の終了に至るのではないかという見方もありまして、それにつきましては現段階においては十分整え得る條件を国会としては整えておいたほうがいいのじやないか、こういう考え方に実は出ておるのであります。お話のように私ども心配の点はあるのでありますが、若しこれが万一の場合に電波監理委員会において審議未了になつたという場合においては、これは御承知のように、その措置について十分公正な措置がとり得るように、これは国会側としても一考を要するのではないか、こういう考え方は確かにあるのであります。
○山田節男君 電波監理委員長にちよつとお聞きいたしますが、巷間いろいろな流説としてこの法案が通れば……、通らなくても電波監理委員会としたならばもう余命幾ばくもない、二十日しかない。これは食い逃げ的にぱぱあときめてしまうのではないかという不安が多分にあるわけですね。電波監理委員長としてはそういう港間の流説はこれは單なる杞憂に過ぎないと、かように解してよろしうございますか。
○政府委員(網島毅君) 全くその通りお考えたさつて間違いかいと私は考えております。先にも申上げましたように。電波監理委員はテレビジョンの問題につきましては委員会がなくなるからといつて、特に審議を早めたり、遅くしたりというような作為的なことははやらないつもりでございます。自分たちのできる最大限度の義務を果して行きたいと思つております。
○委員長(鈴木恭一君) ちよつと速記をとめて下さい。
   午後零時十九分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時三十六分速記開始
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。別に御質疑はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 質疑は終了したものと認めます。
○稻垣平太郎君 私は本件のこれまでのいろいろな審議の状況に鑑みましてて、又質疑応答の面から考えまして、当委員会が次のことを申合せまして確認しておくことを提案しておきたいと思うのであります。それは、私読上げます。
  放送法の一部を改正する法律案についての電気通信委員会申合せ。
 一、本改正はテレビジョン放送の免許の決定の方針に示唆を与えるものでないこと。
 二、従つて日本放送協会のテレビジヨン放逸実施のための収支予算、事業計画及び資金計画の審査はテレビジヨン放邊実施に関する行政方針の決定をまつてこれを行うものとすること。
 三、右の行政方針の決定に際し、行政府が現行法の解釈のほか、新たなる構想によることを防げるものでたいこと。
 これらの申合せをいたしたいと思うのでありますが、委員長は各委員にお諮りを願いますと同時に、この点についての提案者並びに電波監理委員長の意見をも聞かして頂きたい。
○委員長(鈴木恭一君) 只今の稻垣委員の提案を当委員会の申合せとすることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稻垣平太郎君 もう一遍それをお読み上げを願つて、それに対し提案者並びに電波監理委員会の御意見をはつきりいたしておきたいと思います。
○委員長(鈴木恭一君) 只今私から稻垣委員の御提案、私どもの申合せを読み上げます。
  一、本改正はテレビジヨン放送の免許の決定の方針に示唆を与えるものでないこと。
 二、従つて日本放送協会のテレビジヨン放送実施のための収支予算、事業計画、及び資金計画の審査はテレビジョン放送実施に関する行政方針の決定をまつてこれを行うものとすること。
 三、右の行政方針の決定に際し、行政府が現行法の解釈のほか新たなる構想によることを妨げるものでないこと。
 これにつきまして提案者の御意見をお伺いいたします。
○衆議院議員(井手光治君) お申し合せ事項、十分に尊重いたします。了承いたしました、
○政府委員(網島毅君) 只今の申合せの御趣旨は今日までの質疑その他によつて私どもにも大体了解されておりましたが、只今非常にはつきりさして頂きましたので、私ども非常に有難くお礼申上げたいと思います。私どもはこの方針に基きまして本改正案国会通過の曉におきましては、私ども行政措置に対しまして、万遺漏ないように最善の努力をしたいと思います。
○委員長(鈴木恭一君) これより本法律案の討論を行います。
 別に、討論もなければ、これより採決に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認めます。
 衆議院提出の放送法の一部を改正する法律案を問題といたします。本法律案に賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木恭一君) 全会一致と認めます。本法律案は全会一致を以て原案通り可決せられました。
 本法律案に賛成のかたの署名を願います。
   多数意見者署名
    山田 節男  大島 定吉
    新谷寅三郎 小笠原二三男
    稻垣平太郎  水橋 藤作
○委員長(鈴木恭一君) なお、本法律案に関する本会議における委員長報告は、慣例により委員長に御一任を願います。
 午前の委員会はこれを以て終了いたします。午後一時半から開きます。
   午後雰時四十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時十四分開会
○委員長(鈴木恭一君) 午前に引続きまして委員会を再開いたします。
 日本電信電話公社法案、日本電信電話公社施行法案を議題といたします。本法案は先に衆議院において修正をみて参議院に回付されたのでございますが、この際衆議院の修正に対して、説明に議員のかたが参られておりますので御説明願いたいと思います。
○衆議院議員(井手光治君) 日本電信電話公社法案、日本電信電話公社法施行法案につきまして修正の理由を御説明申上げます。日本電信電話公社法案に対する衆議院の修正は十八項目に亘つておりますが、その多くは公社の財務及び会計に関し、原案においては郵政、大蔵両大臣が監督権限を持つことになつておるのを改めまして、郵政大臣の権限に一元化し、必要な事項については、郵政大臣が大蔵大臣と協議してこれを行うこととした修正であります。
 政府の公社に対する財務会計監督の基幹をなすものは、申すまでもなく予算監督でありますが、由来日本電信電話の予算は主として建設資金の一部を財政資金に仰ぐ面においてのみ国家財政と関連を有するに過ぎないのにかかわらず、大蔵大臣が公社予算に対して国の予算におけると同様全面的な調整の権限を持つことは妥当を欠くばかりでたく、公社が予算に関し郵政、大蔵両大臣の二重監督を受けることは、その企業活動を制約して、公社に自主性と機動性とを与えようとする本法律案本来の目的とも背馳する結果を来たす虞れがあります。よつて原案第四十一條第二項及び第三項に修正を加えまして、公社予算に対する政府の監督権限を、事業監督に関する主務大臣たる郵政大臣に統一し、財政資金との関連面は、郵政、大蔵両大臣の協議に待つこととして、これに伴なつて第四項中「国の予算とともに」の字句を削除すると共に、予算の作成及び提出の手続に関する第六項を削除いたしておるのであります。
 以上の修正に関連をいたしまして、第五十九條を修正して決算書類の修正に関しても郵政大直の所掌に改めますと共に、報告書の形式及び内容は省令で定めることとし、第六十條第二項中「国の歳入歳出の決算とともに」の字句を削りまして、第七十四條公社予算の実施に関し大蔵大臣が報告を聴取し、監査を行うことができる旨の規定を削除いたしました。第七十五條の郵政大臣と大蔵大臣との協議事項を整備いたしまして、予算の流用、繰越及び財務諸表の承認並びに会計規定の基本事項の認可については大蔵大臣との協議を要したいことといたしたのであります。又第五十四條第三項予算の繰越の通知、第五十六條収入、支出等の報告、第七十一條第四項会計規程の通知は、いずれも郵政大臣及び会計検査院に対してなすのみを以て足りることに改め、これらの修正によりまして公社の財務会計全般を通じて政府監督権限の一元化を図つたのであります。
 その他のにおきましては、公社の経営委員会の重要性に鑑みまして第十一條第一項を修正して委員の数を増加いたしましたこと、これに伴つて第十七條第一項の必要出席委員の数を増加したこと、理事の濫設を防止いたしまするために、第十九條を修正して理事の数の最高限の制限を設けたこと、及び第二十五條を修正いたしまして役員の営利事業兼職を絶対に禁止したこと、国庫納付金の性格を明らかにいたしまするために第六十一條第一項の修正を行いました。その他はおおむね條文の字句の整備をいたしたに過ぎないのであります。
 次に、電信電話公社法施行法案に対する修正は、二項目ありますが、第一除第三項につきましては前申述べました公社法案の経営委員会の委員を増加した修正に伴つて必要丘修正を行いましたほか、経営委員会委員の任期終了期を国会開会の時期となるように調節したのであります。文第四十三條の修正は、地方税法の一部を改正する法律案との調整上必要とする修正にとどまつております。以上の通りでありますからよろしく一つ御審議をお願いしたいと存じます。
○委員長(鈴木恭一君) 有難うございました。次は次回に譲り幸して、本日の審議はこの程度にしたいと思いますが如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十一分散会